JP5830944B2 - 車両用運転支援装置及び車両用運転支援方法 - Google Patents
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Description
本発明は、上記のような点に着目したもので、ドライバの覚醒を促す情報の出力時における車両の運転支援制御をより適切に行うことを目的としている。
(構成)
まず、運転支援装置の構成について説明する。
図1は本発明の実施形態に係る運転支援装置の概要構成図である。
運転支援装置100は、更に、ブレーキアクチュエータ207と、ステアリングアクチュエータ208と、アクセルペダルアクチュエータ214と、CCDカメラ209及び210と、アクセルセンサ301と、ステアリングセンサ302と、ブレーキセンサ303と、駆動ユニット401と、警報器212と、オーディオ機器215と、を備える。
CCDカメラ209は、左のドアミラーに設けられ、CCDカメラ210は、右のドアミラーに設けられる。CCDカメラ209及び210は、夫々、ドアミラー位置から撮影レンズを路面に標示された通行区分線が画角に含まれる方向に向けて設置される。このようにして設置されたCCDカメラ209及び210は、路面に標示された車道中央線、車線境界線、車道外側線などの通行区分線を撮影し、撮影した画像データをECU101に送信する。
レーザスキャナ204は、自車両の左前端部に設けられ、レーザスキャナ205は、自車両の右前端部に設けられる。レーザスキャナ204及び205は、夫々、走査面が道路と略水平になるように設置され、先行車両の走行状態を検出し、検出結果をECU101に送信する。
車間距離維持支援設定スイッチ216は、ドライバが手動操作により車間距離維持支援モードを設定指示するためのスイッチである。車間距離維持支援モードは、自車両と先行車両との車間時間を予め設定した目標車間時間に維持するようにアクセルペダルアクチュエータ214やブレーキアクチュエータ207等を制御する制御モードである。
オーディオ機器215は、アンプ及びスピーカを含んで構成され、ECU101からの指令に応じて音声メッセージや楽曲等のサウンドを出力する。
ECU(Electronic Control Unit)101は、マイクロコンピュータを主要構成部品として有するユニットである。ECU101は、通常走行時、ドライバの指令(アクセルセンサ301、シフトセンサ(不図示)、ブレーキセンサ303からの入力値)に応じて駆動ユニット401へとトルク指令値を送信する。
また、本実施形態では、ECU101は、車線維持支援設定スイッチ213がONのときに車線維持支援モードを設定し、OFFのときに車線逸脱警報モードを設定する。ここで、車線逸脱警報モードは、自車両が走行車線を逸脱しそうになった時に警報器212に警報音を発生させる制御モードである。ECU101は、車間距離維持支援設定スイッチ216がONのときに車間距離維持支援モードを設定し、OFFのときに接近警報モードを設定する。ここで、接近警報モードは、自車両が先行車両に接近して追突の可能性が生じた時に警報器212に警報音を発生させる制御モードである。
また、ECU101は、車線逸脱警報モードの設定に応じて、自車位置が通行区分線を越える可能性があると判定したときに警報器212に対して警報を発生させる指令を出力する。ECU101は、この運転支援制御において、CCDカメラ209及び210から送信された通行区分線の撮影情報を元に演算された車線幅方向の自車位置を利用する。
GPS(Global Positioning System)201は、自車の緯度、経度等を検出し、ECU101へと送信する。
車輪速センサ206は、自車速V1を検出し、その結果をECU101へと送信する。
アクセルセンサ301は、ドライバが操作するアクセル開度情報を検出し、これをECU101へと送信する。
ステアリングセンサ302は、ドライバが操作するステアリング舵角を検出し、これをECU101へと送信する。
ブレーキセンサ303は、ドライバが操作するブレーキペダルの開度情報を検出し、これをECU101へと送信する。
ブレーキアクチュエータ207は、アンチスキッド制御(ABS)、トラクション制御(TCS)、スタビリティ制御(VDC:Vehicle Dynamics Control)等に用いられる制動流体圧制御回路を利用したものである。ブレーキアクチュエータ207は、、ドライバのブレーキ操作に係らず各ホイールシリンダの液圧を増圧・保持・減圧できるように構成されている。
アクセルペダルアクチュエータ214は、ECU101からの指令に応じたペダル反力をアクセルペダルに付与するアクチュエータである。
図3は、運転支援装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、運転支援装置100の運転支援機能構成部110は、覚醒度算出部121と、覚醒促進情報出力部123と、モード設定部125と、運転支援制御部127と、警報発生制御部129と、を備える。
更に、運転支援制御部127は、車線維持支援制御部131と、車間距離維持支援制御部133と、を備え、警報発生制御部129は、車線逸脱警報制御部141と、接近警報制御部143と、を備える。
なお、ドライバの覚醒度の算出方法はどのような方法でも良く、操舵角信号やアクセル・ブレーキの操作信号等の車両操作信号に基づいて算出しても構わない。また、覚醒度算出用画像データと車両操作信号とを併用して算出しても構わない。
また、覚醒促進情報出力部123は、覚醒促進情報の出力開始からの経過時間を測定し、該測定した経過時間の情報を、モード設定部125に出力(通知)する。
具体的に、モード設定部125は、経過時間が予め設定した時間を経過した場合は、ドライバの覚醒度の変化に応じて、制御モードを、運転支援設定スイッチのON/OFFに応じたモードか、又は運転支援設定スイッチのON/OFFに係わらず、警報モードに設定する。本実施形態おいて、モード設定部125は、ドライバの覚醒度の状態が予め設定した警戒条件(後述)に合致したと判定すると、警報モードに設定する。
車線維持支援制御部131は、モード設定部125で車線維持支援モードが設定されたことに応じて、CCDカメラ209及び210から送信された通行区分線の撮影情報に基づき車線幅方向の自車位置を演算する。車線維持支援制御部131は、演算した自車位置を利用して、車線幅方向の自車位置が設定した目標位置(走行車線の中央位置)を維持するようにステアリングアクチュエータ208を制御する。
次に、運転支援機能構成部110で行われる運転支援処理の処理手順について説明する。
図4は、運転支援処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
電源がON(イグニッションON)され、CPU101において専用のプログラムが実行されると、図4に示すように、まずステップS100に移行する。
ステップS100では、以降の処理の実行に使用するタイマーやカウンタ、フラグを初期設定する初期化の処理を実行して、ステップS102に移行する。
本実施形態において、覚醒度算出部121は、算出されたドライバの覚醒度を複数段階に分類する。例えば、第1段階:眠くない、第2段階:少し眠い、第3段階:眠い、第4段階:かなり眠い(居眠り状態を含む)に分類する。以後この覚醒度の段階に応じて制御モードの選択を行う。
ステップS104では、覚醒促進情報出力部123において、ステップS102で算出された覚醒度の段階に基づき覚醒促進情報の設定を行い、ステップS106に移行する。
ステップS106では、モード設定部125において、覚醒促進情報の出力開始からの経過時間と、ドライバの覚醒度の段階と、運転支援モード設定スイッチの状態とに基づき、運転支援モード又は警報モードの設定処理を実行して、ステップS108に移行する。
具体的に、覚醒促進情報出力部123は、覚醒促進情報として、ディスプレイ203に画像を出力するための制御信号を出力したり、オーディオ機器215を介して音声を出力するための制御信号を出力したりする。このとき、タイマー又はカウンタによって、覚醒促進情報の出力開始からの経過時間(以下、出力経過時間と称す)の計測を開始する。そして、この出力経過時間を示す情報をモード設定部125に出力する。また、覚醒促進情報出力部123は、制御信号の出力に応じて、覚醒促進情報の出力判定フラグをONに設定する。また、モード設定部125は、設定されたモードに応じて、各種アクチュエータへの制御信号や、警報器212等への制御信号の出力を行う。
次に、覚醒促進情報出力部123で行われる覚醒促進情報の設定処理の処理手順について説明する。
図5は、ステップS104において、覚醒促進情報出力部123によって行われる覚醒促進情報の設定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
ステップS104において、覚醒促進情報の設定処理が実行されると、図5に示すように、まず、ステップS200に移行する。
ステップS200では、覚醒促進情報出力部123において、覚醒促進情報を出力したか否かを判定し、出力したと判定した場合(Yes)は、ステップS202に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS208に移行する。
ステップS202に移行した場合は、覚醒促進情報出力部123において、覚醒促進情報の出力後に予め設定した時間が経過したか否かを判定し、予め設定した時間が経過したと判定した場合(Yes)は、ステップS204に移行し、そうでない場合(No)は、一連の処理を終了し、元の処理に復帰する。
一方、ステップS200において出力していないと判定し、ステップS208に移行した場合は、覚醒促進情報出力部123において、覚醒度算出部121から取得した覚醒度の段階が、第2段階か否かを判定する。そして、第2段階であると判定した場合(Yes)は、覚醒促進条件に合致したと判定して、ステップS210に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS212に移行する。
一方、ステップS212に移行した場合は、覚醒促進情報出力部123において、覚醒度の段階が第3段階か否かを判定し、第3段階であると判定した場合(Yes)は、覚醒促進条件に合致したと判定して、ステップS214に移行する。一方、そうでないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了し、元の処理に復帰する。
本実施形態において、覚醒促進情報AとBとは、Bの方がAよりもドライバの覚醒を促すような内容となっている。例えば、覚醒促進情報Aは、警告文の画像表示と音声メッセージの出力(注意喚起)とを行う内容とする。一方、覚醒促進情報Bは、ドライバに対して応答入力(選択操作、音声入力等)を要求する画像表示と音声メッセージの出力とを行う内容とする。
次に、モード設定部125で行われるモード設定処理の処理手順について説明する。
図6は、ステップS106において、モード設定部125によって行われるモード設定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
ステップS106に移行して、モード設定部125においてモード設定処理が実行されると、図6に示すように、まず、ステップS300に移行する。
ステップS300では、モード設定部125において、覚醒促進情報が出力されたか否かを判定し、出力されたと判定した場合(Yes)は、ステップS302に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS330に移行する。
ステップS302に移行した場合は、モード設定部125において、覚醒促進情報出力部123からの出力経過時間の情報に基づき、覚醒促進情報の出力経過時間が予め設定した時間を経過したか否かを判定する。そして、経過したと判定した場合(Yes)は、ステップS304に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS318に移行する。
ステップS308に移行した場合は、モード設定部125において、実行するモードを、車線維持支援モードから車線逸脱警報モードに変更して、ステップS312に移行する。
ステップS312では、モード設定部125において、車間距離維持支援設定スイッチ216がON状態か否かを判定し、ON状態であると判定した場合(Yes)は、ステップS314に移行し、OFF状態であると判定した場合(No)は、ステップS316に移行する。
一方、ステップS316に移行した場合は、モード設定部125において、実行するモードとして接近警報モードを維持して、一連の処理を終了し、元の処理に復帰する。
また、ステップS302において、予め設定した時間が経過していないと判定して、ステップS318に移行した場合は、モード設定部125において、車線維持支援設定スイッチ213がON状態か否かを判定する。そして、ON状態であると判定した場合(Yes)は、ステップS320に移行し、OFF状態であると判定した場合(No)は、ステップS322に移行する。
一方、ステップS322に移行した場合は、モード設定部125において、実行するモードを、車線逸脱警報モードから車線維持支援モードに変更して、ステップS324に移行する。
ステップS324では、モード設定部125において、車間距離維持支援設定スイッチ216がON状態か否かを判定し、ON状態であると判定した場合(Yes)は、ステップS326に移行し、OFF状態であると判定した場合(No)は、ステップS328に移行する。
一方、ステップS328に移行した場合は、モード設定部125において、実行するモードを、接近警報モードから車間距離維持支援モードに変更して、一連の処理を終了し、元の処理に復帰する。
また、ステップS300で覚醒促進情報が新規に出力されていないと判定するか、又はステップS304で覚醒度が改善したと判定して、ステップS330に移行した場合は、車線維持支援設定スイッチ213がON状態か否かを判定する。そして、ON状態であると判定した場合(Yes)は、ステップS332に移行し、OFF状態であると判定した場合(No)は、ステップS334に移行する。
一方、ステップS334に移行した場合は、モード設定部125において、実行するモードとして、車線逸脱警報モードを設定して、ステップS336に移行する。
ステップS336では、モード設定部125において、車間距離維持支援設定スイッチ216がON状態か否かを判定し、ON状態であると判定した場合(Yes)は、ステップS338に移行し、OFF状態であると判定した場合(No)は、ステップS340に移行する。
一方、ステップS340に移行した場合は、モード設定部125において、実行するモードとして、接近警報モードを設定して、一連の処理を終了し、元の処理に復帰する。
つまり、上記S330〜S340の処理によって、覚醒度が元々第1段階である場合と、覚醒促進情報の出力によって第1段階に改善した場合において、運転支援設定スイッチのON/OFF状態に応じた正規のモード設定、又は正規のモードへの復帰設定を行う。
次に、本実施形態の運転支援装置100の動作を説明する。
図7は、覚醒促進情報Bの画面出力の一例を示す図である。
イグニッションスイッチがONされ、電源がONされると、CPU101において専用のプログラムが実行される。これにより、初期化処理が実行され、タイマーやカウンタの初期化に加えて、プログラムで用いる各種変数等が初期化される(S100)。初期化処理後は、ドライバカメラ211、CCDカメラ209及び210、レーザスキャナ204及び205、各種センサ等が作動して、これらによって取得される各種情報がECU101に入力される。
例えば、複数フレームの覚醒度算出用画像データから、瞬きの振幅、持続時間及び速度などのパラメータを抽出し、抽出したパラメータに基づいて、予め眼電図(EOG)で測定した瞬き波形データとの比較を行って、該当する波形種類を特定する。眼電図では、覚醒状態から居眠り状態に至るまでの波形データをいくつかの測定点で測定しておく。
このようにして、覚醒度の算出処理が完了すると、次に、覚醒促進情報の設定処理へと移行する(ステップS104)。
覚醒促進情報出力部123は、覚醒度算出部121からの覚醒度の段階を示す情報を取得すると、現在は起動したばかりであり、まだ覚醒促進情報を出力していない状態であるため(S200のNo)、取得した覚醒度の段階に基づき、覚醒促進情報の設定を行う。
一方、ドライバの覚醒度が第1段階であると判定した場合は、ドライバが覚醒状態であるため、覚醒促進情報の出力が不要であると判定する(S208のNo,S212のNo)。
ここでは、一例として覚醒度が第3段階であると判定されたとする(S212のYes)。
このようにして、覚醒促進情報の設定処理が完了すると、次に、モード設定処理へと移行する(ステップS106)。
モード設定部125は、覚醒促進情報が出力されていない状態であるため(S300のNo)、次に、車線維持支援設定スイッチ213がON状態か否かを判定する(S330)。ここでは、OFF状態であるとして(S330のNo)、モード設定部125は、車線逸脱警報モードを設定する(S334)。
このようにして、モード設定処理が完了すると、次に、出力処理へと移行する(S108)。
これにより、ディスプレイ203には、図7に例示するような、複数種類のタスクの中から、ドライバに実行するタスクを選択させるタスクメニュー画面が表示される。この画面表示に合わせて、オーディオ機器215のスピーカからは、例えば、メニューの選択を促す音声メッセージ等が出力される。
このようにして、出力処理が完了すると、再び覚醒度算出処理へと移行する(S102)。
覚醒度算出部121は、ドライバカメラ211からの覚醒度算出用画像データに基づき覚醒度を算出すると共に覚醒度の段階を確定し、確定した覚醒度の段階を示す情報を、覚醒促進情報出力部123及びモード設定部125にそれぞれ出力する。ここでは、覚醒度が第3段階に確定したとする。
次に、モード設定処理へと移行する(S106)。モード設定部125は、覚醒促進情報が出力されている状態であるので(S300のYes)、覚醒促進情報を出力してから、予め設定した時間が経過したか否かを判定する(S302)。ここでは、経過していないと判定したとする(S302のNo)。
なお、モード設定部125は、車線維持支援設定スイッチ213がON状態であり、車線維持支援モードが設定されている場合は(S318のYes)、車線維持支援モードの設定をそのまま維持する(S320)。
つまり、覚醒促進情報を出力してから予め設定した時間が経過していない期間は、運転支援設定スイッチのON/OFF状態に関係なく、車線維持支援モード及び車間距離維持支援モードを設定する。
一方、車間距離維持支援制御部133は、車間距離維持支援モードが設定されているので、引き続き、上記した自車両と先行車両との車間時間を目標車間時間以上に維持する運転支援を行う。
このように、覚醒促進情報を出力してから予め設定した時間が経過していない期間は、ドライバがディスプレイ203に表示されたタスクメニューからいずれかのタスクを操作ユニット(リモコン等)の操作やマイクを介した音声入力等によって選択している最中である可能性が高い。そのため、自車両の走行を安定させるべく走行車線の逸脱や先行車両との急接近などを回避するための運転支援を行う。
ここでは、ドライバの覚醒度は改善しているので(S304のYes)、モード設定部125は、次に、車線維持支援設定スイッチ213がON状態か否かを判定する(S330)。ここでは、OFF状態であるので(S330のNo)、モード設定部125は、車線逸脱警報モードを設定する(S334)。このとき、覚醒促進情報の出力に応じて車線維持支援モードが優先的に設定されているので、車線維持支援モードを車線逸脱警報モードへと変更することになる。
これにより、覚醒促進情報の出力前に当初設定されていた運転支援設定スイッチの状態に応じたモードで自車両の運転支援制御が行われる。
この場合は、覚醒促進情報の設定処理において、覚醒促進情報出力部123は、覚醒度が改善していないと判定して(S204のNo)、モード設定処理へと移行する。そして、モード設定部125においても、覚醒度が改善していないと判定する(S304のNo)。
この判定により、モード設定部125は、車線維持支援設定スイッチ213がON状態か否かを判定する(S306)。現在OFF状態であるので(S306のNo)、モード設定部125は、車線逸脱警報モードの設定をそのまま維持する(S310)。
なお、モード設定部125は、車線維持支援設定スイッチ213がON状態であり、車線維持支援モードが設定されている場合は、車線維持支援モードを車線逸脱警報モードへと変更する。
同様に、モード設定部125は、車間距離維持支援設定スイッチ216がOFF状態であり接近警報モードが設定されている場合は、接近警報モードの設定をそのまま維持する。
これにより、車線逸脱警報制御部141は、車線逸脱警報モードが設定されているので、上記同様に、車幅方向の自車位置の演算処理及び逸脱可能性の有無を判定する処理を繰り返し行う。そして、車線逸脱警報制御部141は、逸脱可能性が有ると判定した場合に警報器212に警報音を発生するように制御信号を出力する。
ここで、上記説明において、覚醒度算出部121は、覚醒度算出手段を構成する。覚醒促進情報出力部123は、覚醒促進情報促進手段を構成する。モード設定部125は、モード設定手段を構成する。運転支援制御部127は、運転支援手段を構成する。警報発生制御部129は、警報発生手段を構成する。覚醒度の段階について、第1段階は第1段階に、第2段階及び第3段階は第2段階に、第4段階は第3段階にそれぞれ該当する。
本実施形態は、次のような効果を奏する。
(1)覚醒度算出部121は、ドライバの覚醒度を算出する。覚醒促進情報出力部123は、覚醒度算出部121で算出したドライバの覚醒度が、予め設定した覚醒促進条件に合致したと判定すると、ドライバの覚醒を促す情報である覚醒促進情報を出力する。モード設定部125は、覚醒促進情報出力部123が、覚醒促進情報を出力したと判定すると、ドライバの運転操作を支援する運転支援モードに設定し、覚醒促進情報を出力したと判定後に、ドライバの覚醒度の状態が予め設定した警戒条件に合致したと判定すると、ドライバに対して警報を発生する警報モードに設定する。運転支援制御部127は、運転支援モードの設定に応じて、車両の走行状態を予め設定した走行状態に維持するように車両の運転を制御する。警報発生制御部129は、警報モードの設定に応じて、車両の走行状態が予め設定した警報発生条件に合致したと判定するとドライバに対して警報を発生する。
覚醒促進情報の出力期間において、車線維持及び車間時間維持の少なくとも一方の運転支援を行うようにしたので、該期間における車線維持による走行安定性及び車間時間(車間距離)維持による走行安定性の少なくとも一方を確保することが可能となる。
例えば、軽い眠気から重度の眠気へと移行する途中の覚醒状態のときに、ドライバに対して、操作ユニットを介した操作入力やマイクを介した音声入力等の応答入力を要求する情報を出力するようにした。これによって、単に覚醒促進用の画面を表示したり、覚醒促進用の音声を出力したりするよりもドライバの覚醒を強く促すことが可能となる。
また、このような応答入力を行っている最中において、運転支援を行うことができるので、応答入力時の車両の走行安定性を確保することが可能となる。
また、ドライバが第2段階の覚醒状態時において、運転支援モードを設定するようにしたので、ドライバがある程度の運転操作を行える状態時に運転支援が行われるようになる。これにより、的確なタイミングでの運転支援を行うことが可能となる。
覚醒促進情報を出力してから予め設定した時間が経過するまでは運転支援モードを優先して設定し、予め設定した時間を経過後に、覚醒度が第1覚醒度以上に改善しているときに、当初設定されていたモードに復帰するようにした。これによって、ドライバが手動操作によってモード設定をやり直すといった煩わしさを低減することが可能となる。
覚醒促進情報を出力してから予め設定した時間が経過するまでは運転支援モードを優先して設定し、予め設定した時間を経過後に覚醒度が第2覚醒度以下に低下しているときに、警報モードを優先して設定するようにした。これによって、覚醒促進情報の出力では覚醒度を改善できない状態のときに、運転支援制御といったシステム依存の走行制御を行わずに、車線逸脱の可能性や先行車両との追突の可能性が生じたときに警報を発生することができる。これによって、眠気が比較的強い状態のときに、システム依存度を減らしつつ、リスク回避効果及び覚醒効果の高い措置を行うことが可能となる。
人の眼の瞬きの状態に基づき覚醒度を算出するようにしたので、精度の高い覚醒度の算出を行うことが可能となる。
(8)覚醒度算出部121は、ドライバの運転操作によって発生する信号である車両操作信号に基づき覚醒度を算出する。
ドライバの運転操作によって発生する車両操作信号に基づき覚醒度を算出するようにしたので、精度の高い覚醒度の算出が行えると共に、ドライバの運転状態に応じた適切な運転支援モードを設定することが可能となる。
(1)上記実施形態において、運転支援制御として、車線維持支援制御及び車間距離維持支援制御の2種類の支援制御を行う構成を説明したが、この構成に限らない。例えば、いずれか一方の支援制御を行う構成、車速制限制御、定速走行制御等の別の支援制御を行う構成、別の支援制御との組み合わせなど他の構成としてもよい。
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良、均等物等は本発明に含まれるものである。
101 ECU
110 運転支援機能構成部
121 覚醒度算出部
123 覚醒促進情報出力部
125 モード設定部
127 運転支援制御部
129 警報発生制御部
131 車線維持支援制御部
133 車間距離維持支援制御部
141 車線逸脱警報制御部
143 接近警報制御部
202 メモリ
203 ディスプレイ
204,205 レーザスキャナ
206 車輪速センサ
207 ブレーキアクチュエータ
208 ステアリングアクチュエータ
209,210 CCDカメラ
211 ドライバカメラ
212 警報器
213 車線維持支援設定スイッチ
214 アクセルペダルアクチュエータ
215 オーディオ機器
216 車間距離維持支援設定スイッチ
301 アクセルセンサ
302 ステアリングセンサ
303 ブレーキセンサ
401 駆動ユニット
Claims (9)
- ドライバの覚醒度を算出する覚醒度算出手段と、
前記覚醒度算出手段で算出したドライバの覚醒度が、予め設定した覚醒促進条件に合致したと判定すると、前記ドライバの覚醒を促す情報である覚醒促進情報を前記ドライバへ出力する覚醒促進情報出力手段と、
前記覚醒促進情報出力手段が、前記覚醒促進情報を出力したと判定すると、前記ドライバの運転操作を支援する運転支援モードを設定し、前記覚醒促進情報を出力したと判定後に、前記ドライバの覚醒度の状態が予め設定した警戒条件に合致したと判定すると、前記ドライバに対して警報音を発生する警報モードに設定するモード設定手段と、
前記運転支援モードの設定に応じて、車両の走行状態を予め設定した走行状態に維持するように前記車両の運転を制御する運転支援手段と、
前記警報モードの設定に応じて、前記車両の走行状態が予め設定した警報発生条件に合致したと判定すると前記ドライバに対して警報音を発生する警報発生手段と、を備えることを特徴とする車両用運転支援装置。 - 前記運転支援手段は、前記車両の走行車線内での位置を目標位置で維持するように前記車両の運転を制御する機能と、前記車両の先行車両との車間時間を目標車間時間で維持するように前記車両の運転を制御する機能とのうち少なくとも一方の機能を有する手段であることを特徴とする請求項1に記載の車両用運転支援装置。
- 前記覚醒促進情報出力手段は、前記ドライバの覚醒度が前記覚醒促進条件に合致したと判定すると、前記覚醒促進情報として前記ドライバに対して応答入力を要求する情報を出力することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用運転支援装置。
- 前記覚醒促進情報出力手段は、前記覚醒度の強さに応じて前記ドライバの覚醒状態を、覚醒している状態を示す第1段階と、重度の眠気を感じている状態又は居眠りをしている状態を示す第3段階と、前記第1段階と前記第3段階の中間の眠気を感じている状態を示す第2段階との少なくとも3つの段階に分類し、前記ドライバの覚醒度が、前記第2段階に属すると判定すると、前記覚醒促進条件に合致したと判定することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の車両用運転支援装置。
- 前記モード設定手段は、前記覚醒促進情報を出力したと判定してから予め設定した時間が経過するまでの期間は前記運転支援モードを設定し、前記設定した時間を経過後は、前記ドライバの覚醒度が予め設定した第1覚醒度以上に増加していると判定すると、前記覚醒促進情報の出力前に設定していたモードを設定することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の車両用運転支援装置。
- 前記モード設定手段は、前記覚醒促進情報を出力したと判定してから予め設定した時間が経過後において、前記ドライバの覚醒度が予め設定した第2覚醒度以下に低下していると判定すると、前記警報条件に合致したと判定することを特徴とする請求項5に記載の車両用運転支援装置。
- 前記覚醒度算出手段は、前記ドライバの少なくとも眼部分を含む撮影画像に基づき前記ドライバの眼の開閉状態を検出し、検出した前記開閉状態に基づき前記覚醒度を算出することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の車両用運転支援装置。
- 前記覚醒度算出手段は、前記ドライバの運転操作によって発生する信号である車両操作信号に基づき前記覚醒度を算出することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の車両用運転支援装置。
- ドライバの運転操作を支援する運転支援モードの設定に応じて、車両の走行状態を予め設定した走行状態に維持するように前記車両の運転を制御する機能と、前記ドライバに対して警報を発生する警報モードの設定に応じて、前記車両の走行状態が予め設定した警報発生条件に合致したと判定すると前記ドライバに対して警報音を発生する機能とを有する車両の運転を支援するための車両用運転支援方法であって、
ドライバの覚醒度を算出する覚醒度算出ステップと、
前記覚醒度算出ステップで算出したドライバの覚醒度が予め設定した覚醒促進条件に合致したと判定すると、前記ドライバの覚醒を促す情報である覚醒促進情報を前記ドライバへ出力する覚醒促進情報出力ステップと、
前記覚醒促進情報を出力したと判定すると、前記運転支援モードを設定し、前記覚醒促進情報を出力したと判定後に、前記ドライバの覚醒度の状態が予め設定した警戒条件に合致したと判定すると、前記警報モードに設定するモード設定ステップと、を含むことを特徴とする車両用運転支援方法。
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