JP5830665B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、誘導加熱調理器に関するものであり、特に、加熱調理時において鍋などの加熱容器からのふきこぼれを検知するふきこぼれ検知機能を有する誘導加熱調理器に関するものである。
従来の誘導加熱調理器において、ふきこぼれ検知は、例えば、日本の特開2008−159494号公報(特許文献1)に記載されているように、加熱コイルの外周に複数の電極を設け、これらの電極の静電容量の変化に基づいて行われていた。
図5は特許文献1に記載されている従来の誘導加熱調理器の構成を示す図である。図6は特許文献1に記載されているふきこぼれ検知を行うための電極における静電容量の変化を示すグラフである。
図5に示すように、従来の誘導加熱調理器は、加熱容器(図示せず)を誘導加熱するため、交流電源101から低周波電力を入力して高周波電力を加熱コイル104に供給する駆動回路102を備えている。また、小さい円板状の複数の電極103が加熱コイル104の外周に同心円状に分散配置されている。分散配置された各電極103は、静電容量測定回路106に接続されている。静電容量測定回路106により、各電極103と静電容量測定回路106との間の静電容量が検出されている。この静電容量を以下、単に、「各電極103の静電容量」という。各電極103の静電容量は各電極103の周囲の誘電体(例えば、天板など)及び導電体(例えば、金属製の加熱容器、加熱コイル104など)の配置に依存する。このように構成された、従来の誘導加熱調理器において、加熱コイル104の上に天板(トッププレート)を介して載置された鍋などの加熱容器の周縁部分から液体がふきこぼれたとき、いずれかの電極103の上または近傍にふきこぼれた液体が存在することになる。このように、ふきこぼれた液体が存在するといずれかの電極103の静電容量が増加する。このような静電容量の増加を検知することにより、ふきこぼれを検知しようとするものである。いずれかの電極103の上または近傍にふきこぼれが発生すると、電極103と加熱容器または加熱コイル104との間には水分が介在することになり、加熱コイル104と電極103の静電容量は急激に増加する。したがって、上記のように電極103の静電容量を検知することによりふきこぼれを検知することは可能である。
従来の誘導加熱調理器においては、電極103の静電容量が急増したことを検出したとき(図6参照)、制御回路105はふきこぼれと判断して、駆動回路102の動作を停止するか、若しくは加熱コイル104に流す高周波電流を低減している。
特開2008−159494号公報
上記のように、加熱コイル104の外周に分散配置された電極103を用いて、その静電容量を検知することによりふきこぼれを検知することは可能であるが、電極103の静電容量変化はふきこぼれだけで生じる現象でないところに問題がある。例えば、電極103の近傍の天板上に濡れ雑巾などの水分を含んだ物を使用者が置いた場合においても、電極103が検知する静電容量は大幅に変化する。また、使用者が加熱容器の位置をずらした場合においても、電極103で検知する静電容量は変化する。このような、ふきこぼれでない状況においても、従来の誘導加熱調理器においては、ふきこぼれと判断して、駆動回路102の動作を停止し、若しくは加熱コイル104の電流を低減してしまい、使用者にとっては使い勝手の悪い調理器となっていた。
誘導加熱調理器においては、表面が滑らかで凹凸のない天板が調理面として設けられており、ふきこぼれなどにより生じた汚れを容易に拭き取ることができるよう構成されている。しかし、ふきこぼれが発生してもそのまま放置すると、ふきこぼれが大量に発生した場合には天板上面あるいは誘導加熱調理器周囲が短時間でひどく汚れてしまうという問題がある。また、ふきこぼれが少量の場合であっても、長時間ふきこぼれが継続すると同様に汚れがひどくなるという問題がある。したがって、ふきこぼれが発生した場合には、使用者に直ぐに報知すること、あるいは加熱動作を停止若しくは低減することは重要である。しかしながら、ふきこぼれでは無い場合にふきこぼれと検知して、加熱動作を停止若しくは低減することは、使用者の意図しない調理の中断となってしまい、そのような誤検出の頻度が高い場合には、使い勝手が悪く、大きな問題となる。
本発明は、加熱時に生じる加熱容器におけるふきこぼれの誤検出を低減することができるとともに、ふきこぼれの発生を精度良く検出することができる使い勝手の良い誘導加熱調理器を提供することを目的とする。
本発明に係る第1の観点の誘導加熱調理器は、加熱容器を載置する天板と、
前記天板の下方に設けられ、前記加熱容器を誘導加熱する加熱コイルと、
前記加熱コイルに高周波電流を供給するインバータと、
前記加熱コイルの周囲近傍で前記天板裏面に設けられた電極と、
前記電極に高周波信号を供給して前記電極の静電容量を検知する静電容量検知部と、
負荷移動検知期間内における前記加熱容器と前記加熱コイル間の磁気結合の大きさの変動幅を検知する負荷移動検知部と、
ふきこぼれが起きる前に、前記静電容量検知部が検知する静電容量に対応する基準値を記憶する記憶部と、
前記加熱出力が設定された第1設定値になるように制御する制御部と、を備え、
前記ふきこぼれ検知部は、前記静電容量検知部において検知された静電容量における前記基準値に対する変化量が出力低減閾値以上でかつ前記磁気結合の大きさの変動幅が所定値未満である場合、前記加熱出力を前記第1設定値より小さい予め設定された第2設定値に低減するかまたは加熱を停止するふきこぼれ抑制動作を行なうと共に、前記負荷移動検知期間は、前記変化量が前記出力低減閾値に達した時点を含むよう構成されている。このように構成された本発明に係る第1の観点の誘導加熱調理器は、加熱時に生じる加熱容器におけるふきこぼれの誤検出を大幅に低減することができるとともに、ふきこぼれの発生を確実に検出することができる。
本発明に係る第2の観点の誘導加熱調理器において、前記の第1の観点における前記負荷移動検知部は、前記インバータの入出力を検知する加熱入出力検知部を含み、前記加熱入出力検知部の検知する前記加熱出力の変化幅を検知することにより前記磁気結合の変動幅を検知するよう構成してもよい。
本発明に係る第3の観点の誘導加熱調理器において、前記の第1の観点における前記負荷移動検知部は、前記インバータを構成するスイッチング素子のオン時間をモニターするオン時間検知部を含み、前記オン時間検知部の検知する前記オン時間の変化幅を検知することにより前記磁気結合の変動幅を検知するよう構成してもよい。
本発明に係る第4の観点の誘導加熱調理器において、前記の第1の観点における前記ふきこぼれ検知部は、前記変化量が前記出力低減閾値以上となると所定の期間設定される第2ふきこぼれ検知期間に移行し、前記負荷移動検知部が検知した前記磁気結合の大きさの変動幅が所定値未満であることを検知すると、前記第2ふきこぼれ検知期間終了後前記ふきこぼれ抑制動作を行うよう構成してもよい。
本発明に係る第5の観点の誘導加熱調理器において、前記の第1又は第2の観点における前記負荷移動検知部は、前記加熱コイルへ供給される高周波電流を測定する加熱コイル電流検知部で構成してもよい。
本発明に係る第6の観点の誘導加熱調理器において、前記の第1又は第2の観点における前記負荷移動検知部は、前記インバータの入力電流を測定する入力電流検知部で構成してもよい。
本発明に係る第7の観点の誘導加熱調理器において、前記の第1の観点における前記ふきこぼれ検知部は、基準値更新モードと基準値更新停止モードとを備え、前記基準値更新モードに移行すると、前記静電容量検知部が検知した静電容量を前記記憶部に前記基準値として記憶すると共に、基準値検知期間内において前記静電容量検知部が検知した静電容量の前記基準値に対する変化量が、前記出力低減閾値より小さい基準値更新停止閾値未満の場合、当該基準値検知期間内に前記静電容量検知部が検知した静電容量を前記基準値として、前記基準値検知期間経過する毎に更新して前記記憶部に記憶させ、前記基準値検知期間内において前記静電容量検知部が検知した静電容量の基準値に対する変化量が前記基準値更新停止閾値以上である場合、前記記憶部に対する前記基準値の更新を停止させる前記基準値更新停止モードに移行するよう構成してもよい。
本発明に係る第8の観点の誘導加熱調理器において、前記の第7の観点における前記ふきこぼれ検知部は、基準値検知期間内において前記電極の静電容量を複数回検知し、前記静電容量検知部が検知した複数の静電容量の前記基準値に対する変化量が前記基準値更新停止閾値未満の場合、当該基準値検知期間内において検知された複数の静電容量の平均値を新たな前記基準値として前記基準値を更新するよう構成してもよい。
本発明に係る第9の観点の誘導加熱調理器において、前記の第7の観点における前記ふきこぼれ検知部は、前記基準値更新モードに移行すると、前記基準値検知期間内において前記電極の静電容量を複数回検知し、検知された複数の静電容量の前記基準値に対する変化量が前記基準値更新停止閾値以上である場合、前記基準値更新モードに移行するまで、前記記憶部に対する前記基準値の更新を停止させるよう構成してもよい。
本発明に係る第10の観点の誘導加熱調理器において、前記の第7の観点における前記ふきこぼれ検知部は、前記変化量が前記出力低減閾値以上となってから、ふきこぼれと判定しない場合は、前記基準値更新停止モード終了後、第2待機モードに移行し、第2待機期間待機した後に、前記基準値更新モードに移行するよう構成してもよい。
本発明に係る第11の観点の誘導加熱調理器において、前記の第7の観点における前記ふきこぼれ検知部は、加熱開始後、待機モードに移行し待機期間後に、前記基準値更新モードに移行するよう構成してもよい。
本発明に係る第12の観点の誘導加熱調理器において、前記の第1乃至第11の観点における前記ふきこぼれ検知部は、前記変化量が前記基準値更新停止閾値以上となってから前記静電容量検知部が検知した静電容量における最大値を記憶し、前記最大値から所定値以上減少すると、ふきこぼれ検知と判定しないよう構成してもよい。
本発明によれば、加熱時に生じる加熱容器におけるふきこぼれの誤検出を低減することができるとともに、ふきこぼれの発生を精度良く検出することができる使い勝手の良い誘導加熱調理器を提供することができる。
本発明に係る実施の形態1の誘導加熱調理器の構成を示すブロック図 実施の形態1の誘導加熱調理器における静電容量検知部の構成を示すブロック図 実施の形態1の誘導加熱調理器における天板に形成された各種電極などを示す平面図 (a)実施の形態1の誘導加熱調理器において検出された静電容量検知信号を示す図、及び(b)インバータから出力された加熱出力の一例を示す図 負荷移動検知期間における入力電流、加熱コイル電流またはスイッチング素子のオン時間の一例を示す図 実施の形態1の誘導加熱調理器における操作部及び表示部のメニュー表示部の状態を示す図であり、ふきこぼれ検知動作の設定手順を示す図 実施の形態1の誘導加熱調理器における操作部及び表示部のメニュー表示部の状態を示す図であり、ふきこぼれ検知動作の設定手順を示す図 実施の形態1の誘導加熱調理器における操作部及び表示部のメニュー表示部の状態を示す図であり、ふきこぼれ検知動作の設定手順を示す図 実施の形態1の誘導加熱調理器における操作部及び表示部のメニュー表示部の状態を示す図であり、ふきこぼれ検知動作の設定手順を示す図 実施の形態1の誘導加熱調理器における操作部及び表示部のメニュー表示部の状態を示す図であり、ふきこぼれ検知動作の設定手順を示す図 従来の誘導加熱調理器の構成を示すブロック図 従来の誘導加熱調理器におけるふきこぼれ検知における静電容量の変化を示すグラフ
以下、本発明の誘導加熱調理器に係る具体的な実施の形態について添付の図面を参照して説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に記載した具体的な構成に限定されるものではなく、実施の形態において説明する技術的思想と同様の技術的思想及び当技術分野における技術常識に基づいて構成されるものを含むものである。
(実施の形態1)
図1Aは、本発明に係る実施の形態1の誘導加熱調理器の構成を示すブロック図である。図1Bは、実施の形態1の誘導加熱調理器における静電容量検知部の構成を示す回路図である。図1Aにおいて、実施の形態1の誘導加熱調理器は、加熱容器(例えば、鉄製の鍋など)1が載置される天板(トッププレート)2と、天板2の下方に設けられ、高周波電流が供給されると高周波磁界を発生して対向して配置された加熱容器1の底面を誘導加熱する加熱コイル3と、IGBTなど1つ以上のスイッチング素子4aを含み加熱コイル3に高周波電流を供給するインバータ4と、交流電源6を整流してインバータ4に直流電流を供給する整流器5と、加熱コイル3に流れる加熱コイル電流をモニターするカレントトランス7aaと、インバータ4の加熱出力に対応する加熱コイル電流(高周波電流)を検知し負荷移動検知部として機能する加熱コイル電流検知部7aと、インバータ4の入力電流をモニターするカレントトランス7bbと、カレントトランス7bbの出力信号を入力してインバータ4の加熱出力に対応する入力電流(低周波電流)を検知し負荷移動検知部として機能する入力電流検知部7bと、スイッチング素子4aのオン時間をモニターするオン時間検知部7cと、加熱コイル電流検知部7aから出力される加熱コイル電流検知信号及び入力電流検知部7bから出力される入力電流検知信号に基づきインバータ4の加熱出力を可変するように駆動制御する制御部8と、天板2の裏面(図1Aにおいて、加熱容器1が載置されている面を表面として、その反対側の面)に導電性の良い材料で帯状にパターン印刷された複数の電極9と、各電極9の静電容量を検知する静電容量検知部10と、静電容量検知部10において検知された静電容量の大きさ、所定の期間毎に検知した加熱コイル電流検知部7aで検知された加熱コイル電流の大きさ及び所定の期間毎に入力電流検知部7bにおいて検知された入力電流の大きさを記憶する記憶部12と、静電容量検知信号及び加熱出力検知信号(加熱コイル電流検知信号または入力電流検知信号を含む)などに基づいて加熱容器1のふきこぼれ状態を検知するふきこぼれ検知部11と、を有して構成されている。なお「電極の静電容量を検知する」とは、「電極と所定の電位(例えば、静電容量検知部10のコモン電位または、アース電位など)と電極間の静電容量の大きさの大小を検知する」ことをいう。また、実施の形態1の誘導加熱調理器においては、加熱容器1におけるふきこぼれ状態を検知するための構成及び機能を主として説明するものであり、その他の状態を検知するための機能及び構成、例えば加熱容器1におけるずらし、浮かし、焦げ付き、及びナイフやフォークなどの小物負荷が天板2に載せられた場合の検知、などのふきこぼれ状態以外の状態検知機能などについての説明は省略しており、図1Aのブロック図においても、ふきこぼれ状態を検知する構成を説明するために必要な構成以外は省略している。
図2は、実施の形態1の誘導加熱調理器における天板2の裏面に導電性塗料をパターン印刷して、高温で焼成することにより形成された各種電極などを示す天板2の平面図である。図2に示す天板2は、耐熱性のガラス、例えば結晶化ガラスで形成されている。天板2の表面には、被加熱物である加熱容器(例えば、鍋など)1が載置されるべき加熱位置を使用者が認識できるように表示する2つのサークルパターン2a,2bが描かれており、例えば最大出力が3kWの加熱コイル3の外周に対応する位置を示している。なお、実施の形態1においては2つの加熱コイル3を有する構成について説明するが、加熱コイル3の数は2個に限定されるものではなく、1個、3個、4個などいくつ加熱コイル3を用いても良く、その加熱コイル3の数に応じて少なくとも1個の加熱コイル3に対してサークルパターン及び電極が形成される。
図2に示すように、実施の形態1の誘導加熱調理器における天板2においては、使用者が当該誘導加熱調理器の動作を設定するための操作スイッチとなる複数の操作電極16が天板2の裏面に吹きこぼれを検知する電極と同様に印刷されている。操作電極16が設けられている位置は、天板2におけるサークルパターン2a,2bより使用者側に近い領域である。以下の説明において、天板2における使用者側を手前側と称し、その反対を奥側と称する。また、図2に示す図面上の位置おいて、天板2の左側及び右側と称して天板2における位置を特定する。
サークルパターン2a,2bの外側近傍、すなわち加熱コイル3の周囲近傍には、サークルパターン2a,2bから所定の間隔を有して複数の帯状の電極9(ふきこぼれ検知電極9a〜9g)からなる電極群A、及び電極群Bが形成されている。これらの電極群A、及び電極群Bがふきこぼれ状態などを検知するための状態検知電極となる。
図2に示す天板2における左側のサークルパターン2aの外側近傍において、左側の奥側には円環形状のサークルパターン2aに沿った円弧状部分を有する左後電極9a、左側の手前側にはサークルパターン2aに沿った円弧状部分を有する左前電極9b、及び中央側にはサークルパターン2aに沿った円弧状部分を有する左中央電極9cが形成されている。これらの左後電極9a、左前電極9b及び左中央電極9cから構成される電極群Aにより、左側のサークルパターン2aが取り囲まれるよう構成されている。すなわち、電極群Aは、サークルパターン2aより半径が大きく、サークルパターン2aと同心円上またはその近傍の位置に配列されている。また、左後電極9a、左前電極9b及び左中央電極9cの各電極の一方の端部には円弧状部分より幅の広い接続部19a,19b,19cがそれぞれ形成されている。これらの接続部19a,19b,19cには、静電容量検知部10(図1参照)に固定された、後述する接続端子10aの一端が接触することにより、静電容量検知部10と電極9a,9b,9cとを電気的に接続している。これらの接続部19a,19b,19cが天板2に設けられているため、静電容量検知部10が設けられた本体に天板2を取り付けたとき、接続端子10aと接続部19a,19b,19cの相互の位置関係に多少のずれがあったとしても、接続端子10aと接続部19a,19b,19cを電気的に確実に接続することが可能となる。
同様に、右側のサークルパターン2bの外側近傍部分においても、右側の奥側には円環形状のサークルパターン2bに沿った円弧状部分を有する右後電極9d、右側の手前側にはサークルパターン2bに沿った円弧状部分を有する右前電極9e、及び中央側にはサークルパターン2bに沿った円弧状部分を有する右中央電極9fが形成されている。これらの右後電極9d、右前電極9e及び右中央電極9fから構成される電極群Bにより、右側のサークルパターン2bが取り囲まれるよう構成されている。すなわち、電極群Bは、サークルパターン2bより半径が大きく、サークルパターン2bと同心円上またはその近傍の位置に配列されている。また、右後電極9d、右前電極9e及び右中央電極9fの各電極の一方の端部には円弧状部分より幅の広い接続部19d,19e,19fがそれぞれ形成されている。これらの接続部19d,19e,19fを天板2に設けることにより、接続部19a,19b,19cと同様、静電容量検知部10が設けられた本体に天板2を取り付けたとき、接続端子10aと接続部19d,19e,19fの相互の位置関係に多少のずれがあったとしても、接続端子10aと接続部19d,19e,19fを電気的に確実に接続することが可能となる。
天板2の中央には保護電極9gが設けられており、左中央電極9cと右中央電極9fとの間であり、左後電極9aから接続部19aに導出する配線パターン9aaと、右後電極9dから接続部19dに導出する配線パターン9ddの間の領域に設けられている。また、保護電極9gは、天板2の中央部分の手前側において、操作電極16の並びと平行な領域に導出して配設されている。保護電極9gにおいても、その端部に接続部19gが形成されており、他の電極と同様に、静電容量検知部10の接続端子10aの一端と接触して、静電容量検知部10と電気的に接続するための接続手段としての機能を有している。
また、実施の形態1の誘導加熱調理器には、加熱容器1の温度を検出するための温度検知部17、及び使用者が当該誘導加熱調理器の加熱条件などを設定するための操作部18が設けられている。温度検知部17からの加熱容器1の温度信号及び操作部18からの設定信号は制御部8に入力されて、スイッチング素子4aを有するインバータ4を駆動制御するよう構成されている。さらに、実施の形態1の誘導加熱調理器には、表示部20が設けられており、使用者が設定した加熱条件、当該誘導加熱調理器の動作状態などが表示されるよう構成されている。
図1Bは、実施の形態1の誘導加熱調理器における静電容量検知部10の構成を示す回路図である。図1Aに示すように、静電容量検知部10は、一端が電極9に接触する接続端子10aと、各電極9に高周波信号(例えば、350kHz)を供給する高周波信号発生部13と、接続端子10aの他端と高周波信号発生部13との間に接続されたコンデンサ10bと、接続端子10aとコンデンサ10bの端子との接続点に接続され、高周波信号発生部13からコンデンサ10を介して各電極9に供給される高周波電流を整流する整流部14と、整流部14において整流された直流電圧を検知する電圧検知部15と、を有して構成されている。接続端子10aは接触部が金メッキされたリン青銅などの導電性の良い金属製の弾性体で形成されている。前述の各電極9(9a〜9g)における各接続部(19a〜19g)は、静電容量検知部10の高周波信号発生部13からの高周波信号が供給されるとともに、各電極9(9a〜9g)の静電容量を検出するために整流部14に電気的に接続されている。
上記のように構成された実施の形態1の誘導加熱調理器において、加熱容器1である鍋などがサークルパターン2a,2bで示された位置に載置されて、使用者が操作部18において加熱条件などを設定して、誘導加熱動作が開始される。制御部8は、加熱出力が操作部18または自動制御モードで制御部8により自動的に設定された第1設定値P1(例えば、3kW)になるようにインバータ4を駆動し制御する。誘導加熱動作が開始された加熱初期段階においては、ふきこぼれが無い状態であり、電極9と加熱容器1との間、電極9と加熱コイル3との間、及び電極9と天板2の周囲に設けられ接地された金属フレーム(図示せず)には、主として電気絶縁物である天板2及び空気が存在している。その後、誘導加熱動作が継続することにより、加熱された加熱容器1内の内容物が沸騰状態となり、ふきこぼれが発生可能な状態となる。そして、ふきこぼれが発生すると、電極9の周りに電解質を含んだ液体が電極9の周りに存在することになる。例えば、鍋底に触れた液体が電極9の直上部またはその近傍に連続して広がると、電極9と鍋底との容量結合が大きくなる。この結果、鍋底と対向する加熱コイル3と電極9との間の静電容量が大きくなるので、電極9と加熱コイル3との容量結合が、ふきこぼれが発生しない場合に比べて大きくなる。この結果、電極9における静電容量は増加する。ふきこぼれ状態が続けば、静電容量の増加状態は、ふきこぼれの量やふきこぼれの状態に応じて変化する。
上記のように、誘導加熱動作において、加熱容器1の内容物の温度が沸騰温度に到達してもふきこぼれが開始するまでは、ふきこぼれ状態を検知する必要はないが、加熱開始後一定時間が経過して、内容物が沸騰状態を継続した場合には、ふきこぼれが発生する可能性があるため、常にふきこぼれ状態を検知する必要がある。このため、実施の形態1の誘導加熱調理器においては、内容物が加熱開始からふきこぼれ動作が開始するまでの一定時間として5秒間を設定して、この5秒間はふきこぼれ検知動作による加熱動作の停止または加熱出力の抑制動作を行わないよう構成されている。
実施の形態1の誘導加熱調理器においては、ふきこぼれ状態の検知を、静電容量検知部10からの静電容量検知信号(Vd)、及び加熱コイル電流検知部7aから出力される加熱コイル電流検知信号と入力電流検知部7bから出力される入力電流検知信号などに基づいてふきこぼれ検知部11において行っている。
図3Aは実施の形態1の誘導加熱調理器において検出された静電容量検知信号(Vd)((図3Aの(a))と、インバータ4から出力された加熱出力(P)(図3Aの(b))の一例を示している。図3Aの(a)は、静電容量検知部10からふきこぼれ検知部11に入力される静電容量検知信号(Vd)の一例を示す波形図であり、図3Aの(a)において、縦軸が静電容量検知信号(Vd)を示し、横軸に経過時間を示す。図3Aの(b)は、図3Aの(a)に示す静電容量検知信号(Vd)とインバータ4からの加熱出力(P)の関係を示している。
図1Bに示すように、電極9は、静電容量検知部10のコモン電位との間でコンデンサ10cを形成する。コンデンサ10cの静電容量は、電極9の周囲の導電体の配置に依存して変わる。以下、コンデンサ10cの静電容量を「電極9の静電容量」という。図1Bにおいて、高周波信号発生器13の電圧Vaは、コンデンサ10bとコンデンサ10cにより分割されて、整流器14により整流され、さらにコンデンサ10dにより平滑されて直流電圧(Vd’)となる。この直流電圧(Vd’)は電圧検知部15に入力される。電圧検知部15は、直流電圧(Vd’)をAC−DC変換し、静電容量検知信号(Vd)として、ふきこぼれ検知部11に出力する。このように、静電容量検知部10は、電極9の静電容量を検知し、その大きさに対応した静電容量検知信号(Vd)を出力する。図3Aの(a)においては、点Aで示す時点において加熱容器1からのふきこぼれが発生していずれかの電極9の静電容量が増加したことにより、静電容量検知信号(Vd)が減少している場合を示している。
[ふきこぼれ検知動作]
以下、図3Aの(a)に示す状態におけるふきこぼれ検知動作について説明する。
まず、加熱容器1に対する加熱開始の誘導加熱動作の初期段階(図3Aの(a)においては図示無し)においては、加熱容器1の内容物のふきこぼれはなく、静電容量検知部10の電圧検知部15により検知された静電容量検知信号(Vd)のふきこぼれによる変化はない。前述のように、実施の形態1の誘導加熱調理器においては、誘導加熱動作の開始から一定の待機期間(例えば、5秒間)は待機モードとなりふきこぼれ検知動作による加熱動作の停止または加熱出力の抑制動作を行わないよう構成されている。すなわち、待機時間が経過後において、ふきこぼれが起こっていると判断したときのみ、ふきこぼれ検知部11の検知結果に応じた加熱動作の停止または加熱出力の抑制動作を行う。
誘導加熱動作開始から一定の待機期間(例えば、5秒間)が経過して、ふきこぼれ検知動作が開始されると、各電極9から入力される高周波電圧は整流部14で整流されて電圧検知部15に入力される。電圧検知部15において検出された直流電圧はデジタル化されて静電容量検知信号(Vd)として出力される。静電容量検知信号(Vd)は、ふきこぼれが発生しない場合でも変化する場合がある。このため、点Aで示す時点まで、実施の形態1の誘導加熱調理器の誘導加熱動作においては、電圧検知部15は一定時間(例えば、商用電源の1周期=16.7msecまたは20msec)経過する毎に、ふきこぼれ検知部11に各電極9の静電容量に対応する静電容量検知信号(Vd)を出力している。
ふきこばれ検知部11においては、静電容量検知信号(Vd)を、所定時間毎に(例えば、商用電源のゼロ点を2回検知するごとに=商用電源1周期ごとに)そのまま入力してもよいし、静電容量検知信号(Vd)にノイズが重畳しやすい場合には、所定回数(例えば、5回または6回)入力する毎に(例えば、約0.1sec毎に)平均した値を静電容量検知信号(Vd)として入力してもよい。そして、静電容量検知信号(Vd)の基準値検知期間(T0)(例えば、1秒間)における平均値を算出して、その算出された平均値を、基準値(V0)として記憶部12に記憶する。上記のように算出された基準値(V0)は、ふきこぼれが起きる前に静電容量検知部10が検知する静電容量に対応する。この基準値(V0)に対する静電容量検知信号(Vd)の変動量(ΔV)に基づいてふきこぼれ検知部11において演算処理されふきこぼれ状態の有無が判断される。
[静電容量検知信号(Vd)の変化量(ΔV)が第1変化量(ΔV1)未満の場合]
ふきこぼれ検知部11においては、ふきこぼれ検知動作の最初に検知された基準値検知期間(T0)における静電容量検知信号(Vd)の平均値が基準値(V0)として記憶部12に登録される。なお、最初の基準値(V0)に関しては、予め設定した値を用いてもよい。そして、基準値(V0)が登録された時から再度基準値検知期間(T0)経過するまで、検知された静電容量検知信号(Vd)は、登録された基準値(V0)と比較され、その変化量(ΔV)が検出される。検出された変化量(ΔV)が、予め設定された第1変化量(基準値更新停止閾値:ΔV1)未満であれば、基準値検知期間(T0)の静電容量検知信号(Vd)の平均値が求められ、新たな基準値(V0)として記憶部12に更新登録される。このように、基準値検知期間(T0)経過する間に、基準値(V0)に対する静電容量検知信号(Vd)の変化量(ΔV)が、すべて第1変化量(ΔV1)未満であれば、その間の静電容量検知信号(Vd)の平均値が前回までに更新された基準値(V0)に代えて、基準値(V0)として更新登録される。
したがって、静電容量検知信号(Vd)の基準値検知期間(T0)における変化量(ΔV)が、第1変化量(ΔV1)未満であれば、その間の静電容量基準信号(Vd)の平均値が新たな基準値(V0)として記憶部12に更新登録され、この基準値(V0)と最新の静電容量検知信号(Vd)とが比較される。このように、静電容量検知信号(Vd)の変化量が基準値検知期間(T0)内に予めきめられた小さな変動範囲内で変化している期間においては、最新の基準値(V0)が記憶部12に順次更新されて記憶されている。ふきこぼれ検知動作においては、上記の基準値更新処理が順次行われていくが、もし、変化量(ΔV)が基準値(V0)以上となったとき、後述するように基準値更新処理は停止される。実施の形態1の誘導加熱調理器において、基準値(V0)として更新登録するか否かの閾値となる第1変化量(ΔV1)、即ち基準値更新停止閾値は、例えば、「3digit」としている。ここで、「1digit」とはデジタル表示の最小単位で、実施の形態1では、電圧検知部15を構成するマイクロコンピュータの電源電圧が5Vであるので、5V/8bit=約19.5mVを示している。
上記のように、ふきこぼれ状態が発生していない通常の誘導加熱動作、すなわち、電極9の静電容量が急激に変化しない状態においては、最新の静電容量検知信号(Vd)と更新登録された基準値(V0)とが比較され、その変化量は第1変化量(ΔV1:例えば、3digit)以下であるため、基準値検知期間(T0)経過する毎にその間に検出された静電容量検知信号(Vd)の平均値が基準値(V0)として更新登録され記憶部12に記録される。このように、実施の形態1の誘導加熱調理器において、通常の誘導加熱動作においては、検出された静電容量検知信号(Vd)が基準値検知期間(T0)毎に平均され最新の基準値(V0)として更新される。
[静電容量検知信号(Vd)の変化量(ΔV)が第1変化量(ΔV1)以上の場合]
次に、ふきこぼれ検知部11において、静電容量検知信号(Vd)が基準値(V0)と比較して第1変化量(基準値更新停止閾値:ΔV1)以上に変化している場合の動作について説明する。
図3Aの(a)のグラフにおいて、静電容量検知信号(Vd)の基準値(V0)に対する変化量(ΔV)が点Bで示す第1変化量(ΔV1)を越えた時点において、実施の形態1の誘導加熱調理器は、基準値更新停止モードに入り、前述の基準値更新処理を禁止する基準値更新停止処理を実行する。すなわち、検出された静電容量検知信号(Vd)が基準値(V0)に比して第1変化量(ΔV1)以上大きいため、前回までに更新登録された基準値(V0)が更新されることなく登録され続ける。図3Aの(a)においては、点Aにおける基準値(V0)が基準値として固定される。このため、静電容量検知信号(Vd)は、基準値(V0)として登録されていた最新の基準値検知期間(T0)における静電容量検知信号(Vd)の平均値と比較されて、変化量(ΔV)が算出される。このように、基準値更新停止モードにおいては基準値(V0)が固定されて、その固定された基準値(V0)に対する静電容量検知信号(Vd)の変化量(ΔV)が算出される。本実施の形態1においては基準値更新停止期間を例えば約3秒とする。
なお、静電容量検知信号(Vd)の基準値(V0)に対する変化量が第1変化量(ΔV1)以上となって基準値更新停止期間(ふきこぼれ判定期間ともいう)に移行した場合においても、次に検出された静電容量検知信号(Vd)が基準値(V0)に比べて、第1変化量(ΔV1)未満に戻った場合には、基準値更新停止モードが解除されて、そのとき以後に検出された静電容量検知信号(Vd)の平均値が基準値(V0)として新たに登録される。したがって、静電容量検知信号(Vd)の変化量が第1変化量(ΔV1)以上となった場合には、基準値更新停止状態となるが、基準値検知期間(T0)(例えば、1秒間)の間に新たに検出された静電容量検知信号(Vd)の変化量(ΔV)が第1変化量(ΔV1)以下であれば、ふきこぼれ検知部11は、通常の誘導加熱動作と判断して、基準値更新モードとなり基準値更新処理が実行される。
[静電容量検知信号(Vd)の変化量(ΔV)が第2変化量(ΔV2)以上の場合]
実施の形態1の誘導加熱調理器においては、前述の基準値更新停止モード(ふきこぼれ判定期間)において、静電容量検知部20が検知した電極9の静電容量に対応する静電容量検知信号(Vd)における基準値(V0)に対する変化量(ΔV)が、第1変化量(ΔV1)以上になると、第1ふきこぼれ検知期間(T1)に入る。変化量(ΔV)が、さらに第2変化量(出力低減閾値:ΔV2)以上となった場合(図3Aの(a)の点Cで示す時点)には、第1ふきこぼれ検知期間(T1)は終了し、第2ふきこぼれ検知期間(T2)に入る。実施の形態1の誘導加熱調理器において、第2ふきこぼれ検知期間(T2)に移行するか否かの閾値となる第2変化量(ΔV2)である出力低減閾値は、例えば、「14digit」としている。ここで、「1digit」とはデジタル表示の最小単位を示している。静電容量検知信号(Vd)の変化量(ΔV)が第2変化量(出力低減閾値:ΔV2)以上の時から第2ふきこぼれ検知期間経過後に第3ふきこぼれ検知期間(T3)に入るよう設定されている。この第3ふきこぼれ検知期間(T3)は、実施の形態1の誘導加熱調理器においては1秒間に設定されている。
第1の実施形態の誘導加熱調理器においては、第1ふきこぼれ検知期間(T1)及び第2ふきこぼれ検知期間(T2)において、インバータ4の加熱出力が、操作部18により設定された、あるいは自動調理モードで自動的に設定された第1設定値(P1:例えば3kW)とされており、第3ふきこぼれ検知期間(T3)に移行すると第1設定値(P1)より小さな第2設定値(P2:例えば0.3kW)に低減(ワットダウン)される。
第2のふきこぼれ検知期間(T2)においては、インバータ4に供給される加熱コイル電流(高周波電流)及び入力電流の変動状態がふきこぼれ検出に用いられている。静電容量検知部10からの静電容量検知信号(Vd)が変動する場合としては、ふきこぼれの発生の他に、例えば加熱容器1を使用者がずらして調理する場合が考えられる。このように、負荷である加熱容器1が天板2上を移動した場合には、加熱コイル3に対する加熱容器1の配置が変更されるため、加熱コイル3と負荷との間の磁気結合の大きさが変化する。インバータ4におけるスイッチング素子4aのオン時間が同一である場合には、加熱容器1と加熱コイル3の距離が小さくなればなるほど、磁気結合は大きくなり、加熱コイル電流及び入力電流の大きさは小さくなる。また、磁気結合の変化により、入力電力が変動するため、フィードバック制御が実行されると、インバータ4のスイッチング素子4aのオン時間が変更され、加熱コイル電流及び入力電流の大きさも安定するまで変動することになる。この結果、インバータ4から加熱コイル3に供給される高周波電流及び入力電流が変動することになる。一方、ふきこぼれの発生の場合には、加熱コイル3に対する加熱容器1の位置は変わらないため、上記磁気結合の変動がなく、インバータ4から加熱コイル3に供給される高周波電流及び入力電流が変動することはない。したがって、インバータ4の入力電流を入力電流検知部7bで検知し、インバータ4から加熱コイル3に供給される高周波電流を加熱コイル電流検知部7aで検知するとともに、検知した入力電流及び高周波電流を記憶部12に記憶することにより、入力電流及び高周波電流の変動の推移を検出し、加熱容器1と加熱コイル3間の磁気結合の大きさの変化を検出することが可能となる。実施の形態1の誘導加熱調理器においては、ふきこぼれ検知部11に入力電流検知部7b及び加熱コイル電流検知部7aから入出力電流信号として入力電流検知信号及び高周波電流検知信号が所定期間毎(例えば、商用電源1周期=約16.7ミリ秒毎)に入力されており、第1所定期間(T4)(例えば、2秒間)前の時点から現在に至るまでのデータが更新されながら、順次記憶部12に記憶されている。
図3Bは、負荷移動検知期間(T4)における検知動作を説明するためのグラフであり、縦軸が入力電流(Iin)、加熱コイル電流(IL)又はスイッチング素子のオン時間(Ton)の大きさを示しており、横軸は経過時間を示す。ふきこぼれ検知部11は、負荷移動検知期間(T4)において、図3Bに示すように、例えば、加熱コイル電流検知部(負荷移動検知部)7aが検知した加熱コイル電流(IL)の変動幅(ΔIL)を測定する。例えば、加熱コイル電流(IL)の変動幅(ΔIL)は、負荷移動検知期間(T4)に測定した加熱コイル電流の最大値(MAX)及び最小値(MIN)を求め、両者の差を演算することで求められる。負荷移動検知期間(T4)は、静電容量検知部10が検知した静電容量における、ふきこぼれが起きる前に静電容量検知部10が検知する静電容量に対応する基準値(V0)に対する変化量(ΔV)が、出力低減閾値(第2変化量:ΔV2)に達した時点を含むように設定される。すなわち、負荷移動検知期間(T4)は、図3Aの(a)の点Cで示す、静電容量検知信号(Vd)の基準値(V0)に対する変化量(ΔV2)が第2変化量(ΔV2)となった時点を負荷移動検知期間(T4)内に含む。これにより、変化量(ΔV)が出力低減閾値(ΔV2)以上となった時点の以前、以後、あるいは前後にわたって、加熱コイル電流の変動幅(ΔIL)を測定することができる。
ふきこぼれ検知部11は、図3Aの(a)の点Dで示す第2ふきこぼれ検知期間(T2)の終了時点で変動幅(ΔIL)が所定値(例えば、15digit)未満である場合、静電容量検知信号(Vd)の変化量(ΔV)がふきこぼれに起因して起こった可能性が高いと判断して、第3ふきこぼれ期間(T3)に移行し、変動幅(ΔIL)が所定値(例えば、15digit)以上である場合には、ふきこぼれに起因するものでないとして、基準値更新停止モードから、基準値更新モードに移行する。
負荷移動検知部は、加熱コイル電流検知部7a若しくは入力電流検知部7bに代え、又はそれらと共に、スイッチング素子4aのオン時間(Ton:導通期間)をモニターするオン時間検知部7cを含む。オン時間検知部7cは、インバータ4を構成する1つ以上のスイッチング素子4aのオン時間(導通期間:Ton)の変化幅を検知することにより、加熱コイル3と加熱容器1との磁気結合の大きさの変動幅(ΔTon)を検知するものである。制御部8は、スイッチング素子4aをオン・オフ制御することにより加熱コイル3を駆動し、スイッチング素子4aのオン時間を変更することによりインバータ4の加熱出力を変更する(例えば、オン時間を長くすることにより、加熱出力を大きくする)ように制御する。スイッチング素子4aのオン時間(スイッチング素子4aが複数ある場合には全てのスイッチング素子のオン時間)が同一で、例えば、磁気結合が小さくなるとインバータ4の加熱出力は小さくなる。この場合、設定された出力に戻す制御を行うため、制御部8は、フィードバック制御によりオン時間(Ton)が大きくなるように変更する。負荷移動検知部としてのオン時間検知部7cは、スイッチング素子4aのオン時間(導通期間)をモニターして、磁気結合の変化に対応して生じるスイッチング素子4aのオン時間(Ton)の変化を検知する。このようにオン時間検知部7cでオン時間(Ton)の変動を検知することより、前述の加熱コイル電流検知部7aにおける加熱コイル電流(IL)の変動幅(ΔIL)を測定してふきこぼれか否かを識別する場合と同様に、スイッチング素子4aのオン時間(Ton)の負荷移動検知期間(T4)における変化を検知して、磁気結合の変動幅(ΔTon)を測定し、静電容量検知信号(Vd)の変化量(ΔV)がふきこぼれによるものか否かを識別することができる。
ふきこぼれ検知部11は、第2ふきこぼれ検知期間(T2)において、静電容量検知信号(Vd)で検知された静電容量変化率(例えば、8digit/秒)が所定値未満であると、加熱容器1に使用者が触れたか、加熱容器1がずらされたと判定して基準値更新停止モードを解除して、基準値更新モードに移行する。一方、静電容量検知信号(Vd)で検知された静電容量変化率が所定値以上であれば、ふきこぼれの可能性があると判定する。
第2ふきこぼれ検知期間(T2)が終了するまでに、ふきこぼれ検知部11は、静電容量検知信号(Vd)で検知される静電容量変化率と、磁気結合の大きさの変動幅に基づき、ふきこぼれが起きたことを検知する。磁気結合の大きさの変動幅は、上記の加熱コイル電流、入力電流、スイッチング素子のオン時間(導通期間)のパラメータに本発明は限定されるものではなく、インバータ4に発生する電圧又は電流で磁気結合の変化に対応して変動するパラメータを測定し、各パラメータの変動幅を演算することにより検知することができる。
ふきこぼれ検知部11は、第3ふきこぼれ検知期間(T3)に移行後、ふきこぼれ判定を確定するため加熱出力を第2設定値(P2)に低下させて待機する。第3ふきこぼれ検知期間(T3)中に、静電容量検知信号(Vd)がふきこぼれでは生じない変化をしたことを検知した場合には、ふきこぼれ判定を確定することなく加熱出力を第1設定値(P1)に戻し、基準値更新停止処理を終了してもよい。これにより、不必要に調理を中断させることを防止することができる。
静電容量検知信号(Vd)においてふきこぼれでは生じない変化として、例えば、静電容量検知信号(Vd)が、基準値更新停止モードで検知された最大値(Vd(min))に対して所定値(例えば、15digit)以上跳ね上がった場合としてもよい。
ふきこぼれ検知部11は、ふきこぼれが起きたとする判定を確定すると、加熱を停止するとともに表示部20にふきこぼれが生じたことを表示するか又は音声にて報知する。この状態で、再度加熱動作を行うには、まず、加熱停止キーを押すことが必要となる。
なお、検知された静電容量検知信号(Vd)の変化量(ΔV)が第1変化量(ΔV1)以上となったときから始まる、基準値更新停止モードにおいて、少なくとも1つのふきこぼれ電極(9a乃至9g)からの検知信号における静電容量の推移である静電容量変化率が所定値(例えば、145digit/秒)以上となったときに、瞬時に誘導加熱動作の停止を行うか、若しくは加熱出力を大幅に低減した、第2設定値(P2)より更に低い第3設定値(P3:例えば、0.1kW)に低減するよう構成してもよい。この場合において、3つの電極9(左後電極9a,左前電極9b,左中央電極9c、若しくは右後電極9d,右前電極9e,右中央電極9f)における残りの他の2つ電極の変化量(ΔV)がともに基準値(V0)に対して、所定値(例えば、10digit)以上となっている場合には、加熱容器1に手が触れられた可能性があると判定して、基準値更新停止モードから第2待機モードに移行する。ふきこぼれ検知部11は、第2待機モードに移行すると、第2待機期間(例えば、2秒間)においては基準値更新モード及び基準値更新停止モードにおいて実行されるようなふきこぼれ検知動作が禁止される。第2待機モードが終了すると、基準値更新モードに移行する。なお、基準値更新停止モードから第2待機モードに移行する前に、変化量(ΔV)が安定するまで待機する第3待機モードに移行するように構成しても良い。この第3待機モードにおいては、基準値更新停止モードにおいて記憶された基準値(V0)に対する変化量(ΔV)が、所定値(例えば、50digit)以上であると、第3待機期間(例えば、2秒間)待機し、所定値未満となるまでその動作を繰り返し、所定値未満となったとき待機モードに移行する。
第2ふきこぼれ検知期間のみでなく、基準値更新停止モード(ふきこぼれ判定期間)において検出された最小の静電容量検知信号(Vd(min))と、検出された静電容量検知信号(Vd)が比較されて、所定値(例えば、15digit)を越える跳ね上がりが検出された場合にはふきこぼれ状態ではないと判断して、第2待機モードに移行した後に基準値更新処理動作に復帰すると良い。これは、ふきこぼれ状態では静電容量信号が急激に跳ね上がらないためである。
なお、上記の基準値更新停止モードにおいて、各加熱コイル3における加熱容器1に対して静電容量を検出する3つの電極9(左後電極9a,左前電極9b,左中央電極9c、若しくは右後電極9d,右前電極9e,右中央電極9f)からの各静電容量検知信号の関連性は、ふきこぼれ検出の判定材料として用いられる。例えば、3つの電極9の静電容量が大きく異なる推移(時間変化)を示していれば、小さなふきこぼれの可能性がある。一方、3つの電極9の静電容量が同様の推移を示していれば、大きなふきこぼれが発生したか、又は加熱容器1に手を触れたなどの可能性があるため、このように各静電容量が同様に推移する場合には、その後の推移状態により大きなふきこぼれか否かを判定しても良い。そのときの判定においては、判定基準となる閾値を高い値に設定して、その閾値を越えたとき、大きなふきこぼれと判定することにより、より精度の高い判定が可能となる。
なお、3つの電極9の静電容量が同様に推移するとは、例えば、3つの電極9において、それぞれが第2ふきこぼれ検知期間の開始時点(図3AのCの時点)がすべて所定期間内に含まれていること(例えば、いずれか一つの電極が第2ふきこぼれ検知期間に移行してから0.5秒の期間内に、他の全ての電極が第2ふきこぼれ検知期間に移行すること)を示すものであり、このような状態のとき、3つの電極9の静電容量が同様の推移を示していると判定する。
上記のように、実施の形態1の誘導加熱調理器は、第2ふきこぼれ判定期間(T2)において、ふきこぼれの可能性があると判定した場合には、第2ふきこぼれ検知期間(T2)終了とともに、第3ふきこぼれ検知期間(T3)に移行して加熱出力が低減(第2設定値:P2に設定変更)され、第3ふきこぼれ検知期間T3が終了してふきこぼれ発生したとの判定が確定したとき誘導加熱動作が停止されている。この状態が、図3Aの(a)及び(b)に示されている。図3Aの(a)及び(b)に示すように、静電容量検知信号(Vd)において基準値(V0)からの変化量(ΔV)が第1変化量(基準値更新停止閾値:ΔV1)以上となったときに、基準値更新モードが終了して、基準値更新停止モードに入る。基準値更新停止モードにおいては、基準値更新停止モードに入る直前において検出された静電容量検知信号(図3Aの(a)における点Aの静電容量電圧)が基準値(V0)として用いられる。この基準値更新停止期間において、検出された静電容量検知信号(Vd)が第2変化量(出力低減閾値:ΔV2)以上大きくなったとき、第2ふきこぼれ検知期間に移行し、予め設定された期間である第2ふきこぼれ検知期間(T2)が終了すると、第3ふきこぼれ検知期間に移行する。第3ふきこぼれ検知期間(T3)に移行すると、インバータ4の加熱出力は低減(第2設定値:P2、例えば、0.3kW)される。その後、予め設定された期間である第3ふきこぼれ検知期間(T3)が終了すると、ふきこぼれ判定が確定し、加熱出力は停止される。
また、第2ふきこぼれ検知期間(T2)及び第3ふきこぼれ検知期間(T3)において、静電容量検知信号(Vd)の単位時間あたりの変化率が所定値(例えば、145digit/秒)以上となったとき、さらなる加熱出力の低減(第3設定値P3:例えば、0.1kWに変更)または加熱停止が実行されて、ふきこぼれ判定が確定する。
なお、実施の形態1の誘導加熱調理器の誘導加熱動作中において、使用者が操作部18において出力変更(火力変更)を行った場合には、前述のふきこぼれ検知動作はリセットされて、新たなふきこぼれ検知動作が開始される。ただし、新たに設定された誘導加熱動作の初期段階において、ふきこぼれ検知動作により加熱を停止するかまたは第3の加熱出力に低減するという加熱出力抑制動作を行わない第2待機時間は加熱開始時の待機時間に比べ短く設定されている(例えば、3秒)。なお、この初期段階においてふきこぼれ検知動作を行わない待機時間の長さは、その状況(出力、温度など)に応じて適宜設定される。
実施の形態1の誘導加熱調理器のふきこぼれ検知部11は、電圧検知部15が一定期間(例えば、商用電源周期)毎に出力する静電容量信号(Vd)を基準値(V0)と比較するよう構成した例について説明したが、所定検知期間(例えば、約0.1秒間)内において電極9の静電容量を複数回(例えば5または6回)検知して、検知された複数の静電容量の平均値を算出して、静電容量信号(Vd)として採用し、その静電容量の平均値を基準値(V0)と比較するよう構成してもよい。後者のように構成することにより、ノイズなどが静電容量信号(Vd)に重畳する場合に、ふきこぼれ状態の検知精度を高めることが可能となる。
また、実施の形態1の誘導加熱調理器においては、ふきこぼれ検知部11が、基準値検知期間(T0)(例えば、1秒間)内において、複数回検知された複数の静電容量のいずれかにおける基準値(V0)に対する変化量が基準値更新停止閾値(3digit)以上となったとき、記憶部12に対する基準値(V0)の更新を停止させるとともに、そのときの検知期間がリセットされて、新たに基準値検知期間の計測が開始され、記憶部12に対して基準値更新処理を実行させるよう構成してもよい。
実施の形態1の誘導加熱調理器は、各加熱コイル3の周囲近傍に設けられた複数の電極9(9a〜9g)におけるいずれか1つの電極により検出された静電容量が、基準値(V0)に対して基準値更新停止閾値未満の変化量の場合には基準値更新処理を実行し、基準値更新停止閾値以上の変化量の場合には基準値更新停止処理を実行している。さらに、実施の形態1の誘導加熱調理器は、検出された静電容量が出力低減閾値(例えば、14digit)以上の変化量を有する場合にはインバータ4の加熱出力を低減(第2設定値:P2)し、さらにふきこぼれ検知期間における高周波電流検知信号の変動値が所定変動値以下となった場合には、当該誘導加熱調理器を停止するか、若しくはインバータ4の加熱出力をさらに低減(第3設定値:P3)するよう構成されている。
[メニュー表示]
図4Aから図4Eは、実施の形態1の誘導加熱調理器における操作部18及び表示部20のメニュー表示部の状態を示しており、ふきこぼれ検知動作を設定する手順を示している。
図4Aは、実施の形態1の誘導加熱調理器が誘導加熱動作前である、使用者が加熱条件を設定するときの操作部18及び表示部20におけるメニュー表示部の表示状態図である。図4Aに示すように、メニュー表示部には「メニュー」の操作スイッチのみが表示されている。使用者が「メニュー」マークを選択(押圧)すると、図4Bに示すように、「メニュー」の他に、「加熱」、「鍋マーク」、「揚げ物」、「焼き物」、「やかんマーク」、「こげつき」及び「切/スタート」のマークが表示される。このとき、「加熱」のマークのみが点滅表示される。
図4Bに示す状態において、「切/スタート」マークを選択(押圧)すると、誘導加熱動作が開始されるとともに、こげつき検知動作が開始される。こげつき検知動作とは、加熱容器1の内容物のこげつきを検知するものであり、温度検知部17において急激な温度上昇などの情報に基づいて検知される。この誘導加熱動作のときには、こげつき検知動作のみが作動して、ふきこぼれ検知動作は開始されていない。
図4Bに示す状態において、「メニュー」マークを選択(押圧)すると、図4Cに示すようにメニュー表示部が表示される。図4Cに示すように、図4Bに示すメニュー表示部から、あらたに「ふきこぼれ」のマークが表示されるとともに、「加熱」及び「鍋マーク」が点滅表示される。すなわち、この状態において使用者が「切/スタート」マークを選択(押圧)することにより、誘導加熱動作が開始されるとともに、こげつき検知動作及びふきこぼれ検知動作が開始されることを示している。図4Dは誘導加熱動作中のメニュー表示部の表示状態を示している。図4Dに示すように、誘導加熱動作中は「加熱」、「鍋マーク」、「メニュー」及び「切/スタート」が表示されており、誘導加熱動作中において使用者はいつでもメニュー変更、若しくは誘導加熱動作を停止することが可能である。
上記のように、ふきこぼれ検知動作が設定された誘導加熱動作中において、前述のふきこぼれ検知動作の結果、ふきこぼれ判定が確定してふきこぼれ発生を検知すると、図4Eに示すように、メニュー表示部には「ふきこぼれ」が点滅表示される。なお、実施の形態1の誘導加熱調理器においては、ふきこぼれを検知するとメニュー表示部に「ふきこぼれ」が点滅表示される構成であるが、「ふきこぼれ」が点滅表示されるとともにふきこぼれ状態であることを音声にて報知する構成としてもよい。
なお、実施の形態1の誘導加熱調理器におけるメニュー表示部では、「メニュー」のマークを押圧して選択するたびに、「加熱」の次に、「揚げ物」、「焼き物」、「やかんマーク」、そして「加熱」が順次点滅して、被加熱物の選択を行うよう構成されている。なお、「やかんマーク」は湯沸かし動作を示している。
また、実施の形態1の誘導加熱調理器における操作部18には、加熱ヒータの選択、温度設定(火力調整)、タイマー設定などの誘導加熱調理器において必要とされる操作スイッチ(左右の移動を示す矢印マーク、増減(+,−)を示すマークなど)が設けられている。
上記のように、本発明の誘導加熱調理器は、実施の形態において具体的に例示したように、加熱コイルの周囲近傍で天板裏面に設けられた複数の円弧状の電極からの信号及びインバータが出力する高周波電流などに基づいて、電極に生じた静電容量の変化量及び高周波電流の変動状態などを精度高く検出して、誘導加熱動作時に生じる加熱容器におけるふきこぼれの誤検出を大幅に低減するとともに、ふきこぼれの発生を確実に検出することができ、信頼性及び安全性の高い誘導加熱調理器となる。
誘導加熱動作時に生じる加熱容器におけるふきこぼれの誤検出を大幅に低減することができる信頼性の高い誘導加熱調理器を市場に提供することができる。
2 天板
3 加熱コイル
4 インバータ
5 整流器
6 交流電源
7a 加熱コイル電流検知部(負荷移動検知部)
7b 入力電流検知部(負荷移動検知部)
7c オン時間検知部(負荷移動検知部)
8 制御部
9 電極
9a〜9f 電極
10 静電容量検知部
11 ふきこぼれ検知部
12 記憶部
13 高周波信号発生器
14 整流部
15 電圧検知部
18 操作部
20 表示部

Claims (12)

  1. 加熱容器を載置する天板と、
    前記天板の下方に設けられ、前記加熱容器を誘導加熱する加熱コイルと、
    前記加熱コイルに高周波電流を供給するインバータと、
    前記加熱コイルの周囲近傍で前記天板裏面に設けられた電極と、
    前記電極に高周波信号を供給して前記電極の静電容量を検知する静電容量検知部と、
    負荷移動検知期間内における前記加熱容器と前記加熱コイル間の磁気結合の大きさの変動幅を検知する負荷移動検知部と、
    ふきこぼれが起きる前に、前記静電容量検知部が検知する静電容量に対応する基準値を記憶する記憶部と、
    前記加熱出力が設定された第1設定値になるように制御する制御部と、を備え、
    前記ふきこぼれ検知部は、前記静電容量検知部において検知された静電容量における前記基準値に対する変化量が出力低減閾値以上でかつ前記磁気結合の大きさの変動幅が所定値未満である場合、前記加熱出力を前記第1設定値より小さい予め設定された第2設定値に低減するかまたは加熱を停止するふきこぼれ抑制動作を行なうと共に、前記負荷移動検知期間は、前記変化量が前記出力低減閾値に達した時点を含むよう構成された誘導加熱調理器。
  2. 前記負荷移動検知部は、前記インバータの入出力を検知する加熱入出力検知部を含み、前記加熱入出力検知部の検知する前記加熱出力の変化幅を検知することにより前記磁気結合の変動幅を検知するよう構成された請求項1に記載の誘導加熱調理器。
  3. 前記負荷移動検知部は、前記インバータを構成するスイッチング素子のオン時間をモニターするオン時間検知部を含み、前記オン時間検知部の検知する前記オン時間の変化幅を検知することにより前記磁気結合の変動幅を検知するよう構成された請求項1に記載の誘導加熱調理器。
  4. 前記ふきこぼれ検知部は、前記変化量が前記出力低減閾値以上となると所定の期間設定される第2ふきこぼれ検知期間に移行し、前記負荷移動検知部が検知した前記磁気結合の大きさの変動幅が所定値未満であることを検知すると、前記第2ふきこぼれ検知期間終了後前記ふきこぼれ抑制動作を行うよう構成された請求項1に記載の誘導加熱調理器。
  5. 前記負荷移動検知部は、前記加熱コイルへ供給される高周波電流を測定する加熱コイル電流検知部である請求項1又は2に記載の誘導加熱調理器。
  6. 前記負荷移動検知部は、前記インバータの入力電流を測定する入力電流検知部である請求項1又は2に記載の誘導加熱調理器。
  7. 前記ふきこぼれ検知部は、基準値更新モードと基準値更新停止モードとを備え、前記基準値更新モードに移行すると、前記静電容量検知部が検知した静電容量を前記記憶部に前記基準値として記憶すると共に、基準値検知期間内において前記静電容量検知部が検知した静電容量の前記基準値に対する変化量が、前記出力低減閾値より小さい基準値更新停止閾値未満の場合、当該基準値検知期間内に前記静電容量検知部が検知した静電容量を前記基準値として、前記基準値検知期間経過する毎に更新して前記記憶部に記憶させ、前記基準値検知期間内において前記静電容量検知部が検知した静電容量の基準値に対する変化量が前記基準値更新停止閾値以上である場合、前記記憶部に対する前記基準値の更新を停止させる前記基準値更新停止モードに移行するよう構成された請求項1に記載の誘導加熱調理器。
  8. 前記ふきこぼれ検知部は、基準値検知期間内において前記電極の静電容量を複数回検知し、前記静電容量検知部が検知した複数の静電容量の前記基準値に対する変化量が前記基準値更新停止閾値未満の場合、当該基準値検知期間内において検知された複数の静電容量の平均値を新たな前記基準値として前記基準値を更新するよう構成された請求項7に記載の誘導加熱調理器。
  9. 前記ふきこぼれ検知部は、前記基準値更新モードに移行すると、前記基準値検知期間内において前記電極の静電容量を複数回検知し、検知された複数の静電容量の前記基準値に対する変化量が前記基準値更新停止閾値以上である場合、前記基準値更新モードに移行するまで、前記記憶部に対する前記基準値の更新を停止させるよう構成された請求項7に記載の誘導加熱調理器。
  10. 前記ふきこぼれ検知部は、前記変化量が前記出力低減閾値以上となってから、ふきこぼれと判定しない場合は、前記基準値更新停止モード終了後、第2待機モードに移行し、第2待機期間待機した後に、前記基準値更新モードに移行するよう構成された請求項7に記載の誘導加熱調理器。
  11. 前記ふきこぼれ検知部は、加熱開始後、待機モードに移行し待機期間後に、前記基準値更新モードに移行するよう構成された請求項7に記載の誘導加熱調理器。
  12. 前記ふきこぼれ検知部は、前記変化量が前記基準値更新停止閾値以上となってから前記静電容量検知部が検知した静電容量における最大値を記憶し、前記最大値から所定値以上減少すると、ふきこぼれ検知と判定しないよう構成された請求項1乃至11のいずれか一項に記載の誘導加熱調理器。
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