次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。まず図1を参照して、基板に電子部品を実装して実装基板を製造する電子部品実装システム1について説明する。図1において電子部品実装システム1は、印刷装置M1、検査・実装装置M2、電子部品実装装置M3、M4、検査・実装装置M5、基板受渡し装置M6およびリフロー装置M7の各装置を、基板搬送方向(X方向)に連結して成る電子部品実装ラインを主体としている。電子部品実装ラインを構成する各装置は、通信ネットワーク2によって接続され、管理コンピュータの機能を有するホスト装置3によって制御される。これにより、上位システムからの制御指令の伝達や各装置間の信号授受が行われる。
印刷装置M1は、上流側の基板供給装置(図示省略)から供給される基板4を受け取り(矢印a)、この基板4の部品接続用の電極4a(図10参照)上に部品接合用の半田ペーストSをスクリーン印刷する。スクリーン印刷後の基板4は、下流側の検査・実装装置M2に搬入される(矢印b)。検査・実装装置M2、電子部品実装装置M3、M4、検査・実装装置M5は、いずれも基板4を基板搬送方向に搬送する基板搬送機構16(図3参照)の両側に、検査機構や部品実装機構などの作業動作機構を配置した構成となっている。
基板搬送機構16はコンベア機能を備えた1対の搬送レールより成り、一方側の搬送レールはY方向に移動自在(矢印d)となっている。これにより、搬送レール間の搬送幅を対象とする基板4に応じて調整することができるとともに、後述する第1の較正用治具31(図4参照)を検査・実装装置M2、M5内に搬入することが可能となっている。
検査・実装装置M2は、印刷検査装置M2A、電子部品実装装置M2Bを備えており、印刷検査装置M2Aは印刷後の基板4における半田印刷状態を検査する。この半田印刷検査においては、基板4に形成された半田部位の位置計測も併せて行われ、下流側の電子部品実装装置による部品搭載動作時の位置補正用の半田位置データとして下流側の各電子部品実装装置にフィードフォワードされる。
電子部品実装装置M2Bは、半田印刷検査後の基板4に対して電子部品39(図10参照)を実装する。電子部品実装装置M3、M4は、それぞれ独立して作業動作が可能な2つの電子部品実装装置M3A、M3Bおよび電子部品実装装置M4A、M4Bを備えており、これらの各電子部品実装装置によって基板4に順次電子部品39を実装する。
検査・実装装置M5は、実装検査装置M5A、電子部品実装装置M5Bを備えており、電子部品実装装置M5Bは基板4に電子部品39を実装し、実装検査装置M5Aは上流側の各電子部品実装装置による部品実装作業が終了した後の基板4を対象として部品実装状態を光学的に検査する。検査後の基板4は、基板受渡し装置M6を介してリフロー装置M7に搬入され(矢印c)、ここで加熱することにより半田が溶融固化し、電子部品39が基板4に半田接合される。
次に図2を参照して、印刷装置M1の構造を説明する。図2において、基台5の上面には、基板位置決め部12が配設されている。基板位置決め部12はX、Y、Z、θ方向の駆動機構を備えた移動テーブルであり、基板位置決め部12には2つの搬送レールを備えた基板搬送機構6が配設されている。基板位置決め部12を駆動することにより、基板搬送機構6によって搬入された基板4は基板下受け部13によって下受けされ、スクリーンマスク11に対して水平面内で位置決めされた状態の基板4はスクリーンマスク11の下面に当接する。
スクリーンマスク11の上方にはX軸アーム8に保持されたスキージヘッド9をY軸テーブル7によってY方向に往復動させる構成のスキージング機構が配設されている。スキージヘッド9は昇降可能な1対のスキージ10を備えており、ペースト状の半田が供給されたスクリーンマスク11上でスキージ10を摺動させるスキージング動作により、基板4の印刷パターンに応じてスクリーンマスク11に形成されたパターン孔を介して基板4に半田を印刷する。上述のスキージング機構および基板位置決め部12は、基板4に半田を印刷するスクリーン印刷機構42(図7参照)を構成する。
次に図3を参照して、検査・実装装置M2、M5の構造を説明する。なお電子部品実装装置M3、M4の各電子部品実装装置M3A、M3B、M4A、M4Bは、図3に示す電子部品実装装置M2B,M5Bと同一構成であるので、ここでは説明を省略する。図3において、基台15の中央部には、2つの搬送レールを備えた基板搬送機構16がX方向に配設されている。基板搬送機構16は上流側装置から搬入された基板4を下流側に搬送し、当該装置における作業位置に位置決めして保持する。そしてそれぞれの基板搬送機構16に位置決め保持された基板4に対して、印刷検査装置M2A、電子部品実装装置M2Bおよび実装検査装置M5A、電子部品実装装置M5Bによって所定の作業動作が実行される。
電子部品実装装置M2B、M5Bには部品供給部17が配設されており、部品供給部17には複数のテープフィーダ18が並列して装着された台車29が配置されている。テープフィーダ18は、台車29にセットされたテープ供給リール30から電子部品を保持したキャリアテープを引き出してピッチ送りすることにより、以下に説明する部品搭載部によるピックアップ位置に電子部品を供給する。
基台15のX方向における一方側の端部には、リニアモータによる直動機構を備えたY軸移動テーブル19がY方向に配設されている。Y軸移動テーブル19には、同様にリニアモータによる直動機構を備えたX軸移動テーブル20A、20Bが、X方向に延出してY方向に移動自在に装着されている。X軸移動テーブル20A、20Bは、それぞれ印刷検査装置M2A、電子部品実装装置M2Bおよび実装検査装置M5A、電子部品実装装置M5Bに対応している。
X軸移動テーブル20Bには、複数の単位搭載ヘッド26を備えた搭載ヘッド25がX方向に移動自在に装着されており、さらにX軸移動テーブル20Bの下面側には、搭載ヘッド25と一体的に移動する基板撮像部27が配設されている。またX軸移動テーブル20Aには、3次元センサ22を備えた検査ヘッド21がX方向に移動自在に装着されている。外観検査装置M2A、M5Aには検査処理ユニット24を内蔵した台車23が装着されている。さらに、一方側の基板搬送機構16において3次元センサ22の移動範囲内には、第2の較正用治具32が固定配置されている。第2の較正用治具32は、後述するように、生産過程において連続的に装置稼働を継続実行する際の経時変動に起因する誤差を適宜補正するために設けられている。
電子部品実装装置M2B,M5Bの動作を説明する。Y軸移動テーブル19、X軸移動テーブル20Bを駆動することにより、搭載ヘッド25はX方向、Y方向に水平移動し、これにより、単位搭載ヘッド26の下端部に装着された吸着ノズル26aによって部品供給部17のテープフィーダ18から電子部品を取り出し、基板搬送機構16によって位置決め保持された基板4に電子部品を搭載する。したがって、Y軸移動テーブル19、X軸移動テーブル20Bおよび搭載ヘッド25は、部品供給部17から搭載ヘッド25によって電子部品を取り出して、基板搬送機構16によって位置決め保持された基板4の実装位置に移送搭載する部品実装機構54(図7参照)を構成する。基板撮像部27を搭載ヘッド25と一体的に移動させることにより、基板撮像部27は基板4の上方に移動し基板4を撮像する。そして撮像によって取得した画像を認識処理することにより、基板4に設けられた認識マークや部品実装位置が認識される。
部品供給部17と基板搬送機構16との間の搭載ヘッド25の移動経路には、部品撮像部28が配設されている。吸着ノズル26aによって電子部品を保持した搭載ヘッド25が、部品撮像部28の上方をX方向へ移動することにより、搭載ヘッド25に保持された状態の電子部品を部品撮像部28によって撮像する。そして撮像によって取得した画像を認識処理することにより、電子部品の正規位置からの位置ずれを示す位置情報が取得される。部品実装機構54による基板4への部品搭載動作においては、この位置情報に基づいて搭載位置の位置補正が行われる。
印刷検査装置M2A,実装検査装置M5Aの動作を説明する。Y軸移動テーブル19、X軸移動テーブル20Aを駆動することにより、検査ヘッド21はX方向、Y方向に水平移動する。これにより、前工程装置にて作業が行われ基板搬送機構16に位置決め保持された基板4を3次元撮像手段である3次元センサ22によって撮像し、基板4の3次元画像を取得する。外観検査においてはこの3次元画像の画像情報から検査項目に対応して抽出される複数の計測値に基づいて所定の検査判定処理が行われる。
3次元センサ22は、LEDなどの光源部から照射されて撮像対象物の検査対象位置から反射された反射光をPSD(位置検出素子)によって受光する構成となっている。そして光源部から照射される撮像光を撮像対象物の撮像範囲内で走査させることにより、撮像範囲内における各撮像対象位置からの反射光を受光し、これにより検査のための3次元認識画像が取得される。そしてこの3次元認識画像の画像情報から、検査判定処理のための複数の計測値、すなわち反射光が3次元センサ22に入射した光量を表す輝度情報、検査対象位置の水平方向および高さ方向の位置を示す3次元位置情報が取得される。
Y軸移動テーブル19、X軸移動テーブル20Aおよび検査ヘッド21は、前工程で作業が行われた後の基板4を所定の検査のために撮像する検査機構45(図7参照)を構成する。そして検査ヘッド21によって取得された3次元認識画像を検査処理ユニット24に内蔵された検査処理部46(図7参照)によって処理することにより、所定の目的に応じた検査が行われる。すなわち印刷検査装置M2Aでは、前工程装置の印刷装置M1にて半田が印刷された基板4における半田印刷状態が検査される。したがって印刷検査装置M2Aは、半田印刷部によって半田が印刷された基板4における半田印刷状態を検査する印刷検査部となっている。また実装検査装置M5Aは、電子部品実装装置M2B〜M5Bにて電子部品が実装された基板4における部品実装状態を検査する実装検査部となっている。
したがって、上記構成の電子部品実装システム1において、印刷検査装置M2A、実装検査装置M5Aは、基板4に電子部品を実装して実装基板を製造する電子部品実装ラインに配置され、基板4を3次元撮像手段である3次元センサ22によって撮像して取得した画像情報に基づいて検査対象物の外観検査を行う外観検査装置となっている。なおここでは検査機構45の構成として、基板搬送機構に位置決め固定された基板4に対して検査ヘッド21を移動させる構成例を示しているが、固定配置された検査ヘッド21に対して基板4を相対移動させる構成を用いてもよい。
次に図4、図5、図6を参照して、上述構成の印刷検査装置M2A、実装検査装置M5A(外観検査装置)において外観検査の検査項目に対応して画像情報から抽出される複数の計測値を較正するために用いられる較正用治具について説明する。前述のように、印刷検査装置M2A、実装検査装置M5Aにおいては、検査対象である基板4を3次元センサ22で撮像することにより取得された3次元画像情報から、検査項目に対応した計測値(ここでは輝度値および3次元位置計測値)が抽出される。このとき、抽出された計測値をそのまま検査処理の対象とすることはできず、生データとしての計測値を検査項目に応じた検査判定用の計測値に変換する必要がある。このため、外観検査装置の稼働開始に先立ってこのような計測値の変換に用いるための較正用データを作成する較正処理が、較正用治具を3次元センサ22によって撮像することにより実行される。
本実施の形態においてはこのような較正用治具として、装置立ち上げ時や保守点検時など、予め設定された較正処理実行タイミングに際して用いられる基準治具として準備された第1の較正用治具31に加え、生産時の装置稼働中の経時変動を補正するために装置中に固定的に配設された第2の較正用治具32を併用するようにしている。
まず図4を参照して、第1の較正用治具31の構成を説明する。図4(a)に示すように、第1の較正用治具31は、矩形状の治具ホルダ31aに異なる形状の4つの個別較正ブロック(輝度較正ブロック33、水平位置較正ブロック34,高さ位置較正ブロック35,模擬部品ブロック36)を直列に着脱自在に保持させた構成となっている。これらの個別較正ブロックは、複数の計測値をそれぞれ個別に較正するために専用に設けられたものである。
図4(b)に示すように、治具ホルダ31aの上面には矩形状の嵌合凹部31bがX方向に連続して形成されている。輝度較正ブロック33、水平位置較正ブロック34,高さ位置較正ブロック35,模擬部品ブロック36を嵌合凹部31bに嵌合させて、締結ねじ部材31cを締結孔33a、34a、35a、36a(図5参照)を挿通させて治具ホルダ31aに締結することにより、これらの個別較正ブロックは、治具ホルダ31aに着脱自在に保持される。
較正処理の実行に際しては、第1の較正用治具31は検査・実装装置M2、検査・実装装置M5に基板搬送機構16によって自動的に搬入される。すなわち、基板搬送機構16の搬送幅調節機能によって2つの搬送ガイド間の間隔を治具ホルダ31aの幅寸法に合致させた状態で、図4(c)に示すように、第1の較正用治具31を検査・実装装置M2、検査・実装装置M5において基板搬送機構16によって搬送することにより、第1の較正用治具31は所定の較正作業位置に保持される。すなわち第1の較正用治具31は、複数の個別較正ブロックを着脱自在に保持し、検査・実装装置M2、検査・実装装置M5の基板搬送機構16によって搬送可能な治具ホルダ31aを備えた構成となっている。
次にこれら個別較正ブロックの構造および機能について、図5を参照して説明する。輝度較正ブロック33、水平位置較正ブロック34,高さ位置較正ブロック35,模擬部品ブロック36は、いずれも略正方形の平面形状を有する板状部材であり、それぞれの対角位置には治具ホルダ31aに締結するための締結孔33a、34a、35a、36aが設けられている。輝度較正ブロック33、水平位置較正ブロック34,高さ位置較正ブロック35,模擬部品ブロック36は、それぞれ3次元認識画像から抽出される計測値を較正するのに適した形状・構造となっている。
まず図5(a)に示す輝度較正ブロック33(輝度較正部)は、輝度情報としての反射光の光量の計測値を較正するための較正用ブロックである。この目的のため、輝度較正ブロック33の基準反射面33bは、面粗度の調整や表面処理の選択などによって光反射特性が較正目的に合致した所定の特性となるように設定されている。図5(b)に示す水平位置較正ブロック34(水平位置較正部)は、3次元位置認識における水平方向の位置情報を較正するための較正用ブロックである。この目的のため、水平位置較正ブロック34の上面34bには、等間隔且つ平行な2つ微細直線溝より成る2組の平行マーク34x、34yが、井桁状に形成されている。水平位置較正ブロック34において、平行マーク34x、34yは、それぞれX方向、Y方向に固定された基準線となっており、平行マーク34x、34yの交点Pは固定された基準点となっている。
また図5(c)に示す高さ位置較正ブロック35(高さ位置較正部)は、3次元位置認識における高さ方向の位置情報を較正するための較正用ブロックである。この目的のため、高さ位置較正ブロック35の上面35bには、それぞれの高さ位置が既知で段差Δhの複数段の高さ基準面35cが、所定の位置精度で形成されている。さらに図5(d)に示す模擬部品ブロック36は、輝度情報と3次元位置情報とを組み合わせた検査判定処理を模擬的に実行して正常な判定結果が得られるか否かを判断するための模擬部品ブロックである。ここでは、上面36bに模擬部品部としての凸部36e、溝部36fが格子状に設けられた模擬部品プレート36dを保持枠36cによって交換自在に装着した構成となっており、検査対象の電子部品の形状・サイズに応じて、模擬部品プレート36dの上面に形成される模擬部品部を適宜選択することが可能となっている。
次に図6を参照して、第2の較正用治具32の構成および機能について説明する。図6(a)に示すように、検査・実装装置M2、M5の一方側の基板搬送機構16の上面において3次元センサ22による撮像が可能な部位には、第2の較正用治具32が配置されている(図3参照)。図6(b)に示すように第2の較正用治具32は、基板搬送機構16に固定されたベース部32a上に、輝度較正部材38を上下位置可動に配設し、さらに上面38bに水平位置較正板37を装着した構成となっている。輝度較正部材38は、調整ねじ38a、高さ調整機構38cによってベース部32aに対して高さ位置Hの微調整が可能となっている。
ここで上面38bは、第1の較正用治具31における輝度較正ブロック33の基準反射面33bと同様に、光反射特性が較正目的に合致した所定の特性となるように設定されている。そして上面38bの高さ位置Hを微調整することにより、上面38bを高さ位置の較正のための基準高さに合わせることが可能となっている。したがって、3次元センサ22によって輝度較正部材38を撮像することにより、輝度情報および高さ位置情報の較正を行うことができる。また水平位置較正板37の上面には、Y方向の線分より成る複数の位置基準線37aがX方向に所定間隔dで形成されている。
3次元センサ22によって水平位置較正板37を撮像して位置基準線37aの位置を検出することにより、X方向の水平位置情報を較正することができる。すなわち上述構成の輝度較正部材38は、少なくとも第1の較正用治具31における輝度較正ブロック33(輝度較正部)、高さ位置較正ブロック35(高さ位置較正部)の機能を併せ備えた形態となっている。
次に図7を参照して、電子部品実装システム1の制御系の構成を説明する。図7において、ホスト装置3は通信ネットワーク2を介して印刷装置M1、外観検査装置(印刷検査装置M2A、実装検査装置M5A)、電子部品実装装置M2B、M5Bおよび電子部品実装装置M3、M4、基板受渡し装置M6と接続されている。印刷装置M1、外観検査装置(印刷検査装置M2A、実装検査装置M5A)、電子部品実装装置M2B、M5Bおよび電子部品実装装置M3、M4、基板受渡し装置M6は、それぞれ通信部40、43、52,55および制御部41,44,53,56を備えており、それぞれの通信部を介してホスト装置3および各装置相互で信号の授受が可能となっている。
印刷装置M1はスクリーン印刷機構42を備えており、制御部41がスクリーン印刷機構42を制御することにより、基板4を対象としたスクリーン印刷作業が実行される。外観検査装置(印刷検査装置M2A、実装検査装置M5A)は検査機構45、検査処理部46、較正処理実行部47、較正実行制御部48、データ記憶部49、計測値変換処理部50、表示部51を備えており、制御部44が検査機構45、検査処理部46を制御することにより、以下の検査処理が実行される。
すなわち印刷検査装置M2Aにおいては、印刷装置M1によってスクリーン印刷が行われた基板4を対象として半田印刷状態の検査が行われ、良否判定を含む検査結果は不良位置を示す不良位置データとともに出力される。また実装検査装置M5Aにおいては、電子部品実装装置M2B、M3、M4、M5Bによって部品実装が行われた基板4を対象として部品実装状態の検査が行われ、良否判定を含む検査結果は不良位置を示す不良位置データとともに出力される。この検査においては、データ記憶部49に記憶された検査用データ49aが参照される。検査用データ49aには、検査対象の基板4における正規の印刷位置、実装位置を示すワークデータや、検出された位置ずれ状態の良否を判定するための検査判定データ(しきい値データ)など、検査を実行するために必要なデータが含まれる。
検査処理部46は、検査機構45の3次元センサ22が基板4を撮像することによって取得された3次元画像情報から抽出された輝度情報、3次元位置情報などの計測値に基づいて、外観検査の検査項目について所定の検査判定処理を実行する。例えば、基板4において電極4aに印刷された半田の印刷量や印刷位置ずれ、基板4に実装された電子部品39の有無や位置ずれなどが検査の対象となり良否判定がなされる。
較正処理実行部47は、3次元センサ22により第1の較正用治具31または第2の較正用治具32を撮像し、撮像により取得した画像情報から抽出された較正用の計測値に基づいて較正用データ49bを作成してデータ記憶部49に記憶させる較正処理を実行する。本実施の形態においては、較正用データ49bは、輝度情報、水平位置情報、高さ位置情報のそれぞれについて作成され、数値データを変換するデータテーブルまたは数値変換計算式の形式でデータ記憶部49に記憶される。
この較正用データ49bを作成するためのデータ処理について、図8を参照して説明する。前述のように、検査対象を3次元センサ22で撮像して取得された3次元画像情報抽出された計測値はそのまま検査処理に用いることはできず、検査項目に応じた判定用の計測値に変換する必要がある。図8に示す3種類の直線グラフは、横軸に示す計測値(入力)を縦軸に示す判定用の計測値(出力)に対応させる変換用の較正用データテーブルである。
まず図8(a)は、装置組み立て完了後または定期保守終了後など予め定められた基準較正作業実行時における較正処理結果として得られる(入力−出力)相関線L1を示している。すなわち第1の較正用治具31を検査・実装装置M2、検査・実装装置M5に搬入し、3次元センサ22によって各個別較正ブロックを順次撮像した画像情報から、生データとして計測値I1が抽出され較正処理実行部47に入力される。そして較正処理では、同様の検査処理において検査判定に際して適正と判断される判定用数値(計測値O1)が、入力値(計測値I1)に対応する出力値として決定され、この対応関係を所定の数値範囲において満足する直線が、目的とする(入力−出力)相関線L1として取得される。そしてこれ以降実行される検査処理においては、入力された計測値を(入力−出力)相関線L1を用いて変換した判定用数値(計測値O1)を用いて検査判定処理が行われる。
図8(b)は、電子部品実装システムが継続稼働する過程において、外観検査装置の検査機構45の作動に経時変動が生じた状態における入力と出力との相関関係の変動を示している。検査機構45を構成する可動部の熱変位や照明状態の変化などの影響によって、3次元センサ22における反射光の受光状態が変動することにより、検査対象部位の状態自体には変化はなくても検査処理部46に入力される計測値に変動が生じる場合がある。すなわち本来は計測値I1が入力されるべき状態であるにも拘わらず、経時変動によってI1と異なる計測値I2が入力される。そしてこの入力値を図8(a)にて求められた(入力−出力)相関線L1を用いて出力値に変換すると、本来は判定用数値(計測値O1)が出力されるべきところであっても、計測値I2に対応する計測値O2が出力され、本来の適正な検査判定結果が得られない誤判定を生じる。
そして図8(c)は、このような経時変動による誤判定を防止するために実行される較正用データテーブルの補正処理を示している。ここでは計測値I2が入力された場合でも本来出力されるべき計測値O1に変換されるよう、相関線を補正する。すなわち図8(a)にて設定された(入力−出力)相関線L1を、判定用数値(計測値O1)が入力値(計測値I2)に対応するように平行移動させた補正相関線L2に補正する。そしてこれ以降実行される検査処理においては、入力された計測値を補正相関線L2を用いて変換した判定用数値を用いて検査判定処理が行われる。
較正実行制御部48は、較正処理実行部47による較正処理の実行タイミングを含む実行態様を、予め設定されデータ記憶部49に記憶された較正実行パターン49cに基づいて制御する。すなわち較正実行パターン49cには、較正処理実行部47が較正処理を実行するタイミングや、較正処理に際して用いられる較正用治具の選択、さらには較正処理に付随して表示部51の表示画面に表示すべき内容などが予め規定されている。
例えば較正実行パターン49cとして本実施の形態では、外観検査装置の起動に際し表示部51に表示される生産開始画面の表示に先立って、較正処理を実行する旨を報知する始業前点検画面を表示させる始業前点検パターン、外観検査装置の停止に際し表示される生産終了画面の表示に先立って、較正処理を実行する旨を報知する終業後点検画面を表示させる終業前点検パターンが記憶されている。
さらに本実施の形態では、基準治具として準備された第1の較正用治具31を撮像して取得した画像情報から抽出された計測値に基づき、検査処理において計測値の較正に使用される較正用データテーブルを作成する初期較正処理と、経時変動を補正するために配設された経時補正用の第2の較正用治具を撮像して取得した画像情報から抽出された計測値に基づき、較正用データテーブルを補正するための経時較正処理とを、それぞれ予め設定された所定のタイミングにて併用して実行させる併用較正パターンが記憶されている。
計測値変換処理部50は、検査対象を撮像して取得した画像情報から抽出された検査用の計測値を、較正用データ49bとして記憶された較正用データテーブルによって変換して、判定用の計測値として出力する処理を行う。表示部51は、液晶パネルなどの表示パネルを備えており、作業者への報知および作業者による操作のための表示画面を表示する。本実施の形態では、生産開始・生産終了に際して較正処理の実行を促す表示画面が含まれる。
電子部品実装装置M2B、M3、M4、M5Bは、部品実装機構54を備えており、制御部53が部品実装機構54を制御することにより、半田印刷後の基板4に電子部品を実装する部品実装作業が実行される。基板受け渡し装置M6は基板搬送機構57を備えており、制御部56が基板搬送機構57を制御することにより、部品実装後の基板4をリフロー装置M7に搬送する基板搬送作業が実行される。
この電子部品実装システムにおける外観検査装置(印刷検査装置M2A、実装検査装置M5A)は上記のように構成されており、以下この外観検査装置によって実行される外観検査方法および外観検査に伴って実行される較正方法について説明する。まず図9、図10を参照して、外観検査の検査項目に対応して3次元センサ22によって撮像して取得された画像情報から抽出される複数の計測値を較正する外観検査における較正方法について説明する。
図9において、まず個別較正ブロックを治具ホルダ31aに保持させた第1の較正用治具31を準備する(治具準備工程)(ST1)。すなわち、複数の計測値をそれぞれ個別に較正するために設けられた輝度較正ブロック33、水平位置較正ブロック34、高さ位置較正ブロック35、模擬部品ブロック36を、図4(a)に示す治具ホルダ31aに保持させて第1の較正用治具31を構成する。次に、図10(a)に示すように、準備された第1の較正用治具31を基板搬送機構16によって搬送して外観検査装置に搬入する(治具搬入工程)(ST2)。次いで、図10(b)に示すように、第1の較正用治具31を3次元センサ22によって撮像して較正用の画像情報を取得する(撮像工程)(ST3)。
そしてこの後、画像情報から抽出された計測値に基づいて較正用データを作成し(ST4)、作成された較正用データを所定のデータ様式のデータテーブルとして記憶させる(較正用データ記憶工程)(ST5)。これにより、図8(a)に示す較正用データテーブルがデータ記憶部49に記憶される。次いで、電子部品実装ラインによる生産が開始される(ST6)。
すなわち、図10(c)に示すように、印刷装置M1においては、スクリーンマスク11上でスキージ10を摺動させることにより、基板4に形成された電極4aに半田ペーストSが印刷される。また電子部品実装装置M2B、M3,M4、M5Bにおいては、電極4aに半田ペーストSが印刷された基板4に対して単位搭載ヘッド26によって電子部品39が実装される。そして生産工程中の基板4を対象として基板毎に検査処理が実行される(ST7)。
すなわち、図10(d)に示すように、印刷検査装置M2Aにおいては、電極4aに半田ペーストSが印刷された状態の基板4を3次元センサ22によって撮像する。実装検査装置M5Aにおいては、電極4a上に電子部品39が実装された状態の基板4を3次元センサ22によって撮像する。そしてこれらの撮像によって取得された画像情報から抽出された計測値に基づいて、所定の検査判定処理が各基板毎に反復実行される。
このように、外観検査の検査項目に対応して画像情報から抽出される複数の計測値を較正するために用いられる較正用治具として、複数の計測値をそれぞれ個別に較正するために設けられた複数の個別較正ブロックを、外観検査装置の基板搬送機構16によって搬送可能な治具ホルダ31aに着脱自在に保持させる構成の第1の較正用治具31を用いることにより、3次元画像情報を用いて複数の検査項目を対象とする場合など、検査項目毎に準備された複数種類の較正部材を必要とする場合にあっても、各項目毎に較正部材をその都度取り替える必要がない。これにより、較正作業に要する手間と時間を低減させるとともに、較正用治具の管理、使い分けが容易となり、誤用を有効に防止することが可能となっている。したがって、較正作業の作業負荷および生産現場における管理負荷を低減させて生産性を向上させることができる。
上述の外観検査においては、3次元センサ22によって取得された画像情報から抽出された計測値に基づいて外観検査の検査項目について所定の検査判定処理を検査処理部46によって実行する(検査処理工程)。そして検査判定処理に用いられる計測値を正しく較正するため、3次元センサ22により第1の較正用治具31もしくは第2の較正用治具32を撮像し、撮像により取得した画像情報から抽出された較正用の計測値に基づいて較正用データ49bを作成してデータ記憶部49に記憶させる較正処理を較正処理実行部47によって実行する(較正処理実行工程)。そして本実施の形態においては、以下に説明するように、較正処理実行部47による較正処理の実行タイミングを含む実行態様を、予め設定され、データ記憶部49に記憶された較正実行パターン49cに基づいて、較正実行制御部48によって制御する(較正処理実行制御工程)。
較正実行パターン49cとしては、前述の始業前点検パターン、終業前点検パターン、併用較正パターンが記憶されており、以下これらの較正実行パターンにしたがって実行される較正処理の具体例について説明する。まず図11、図12を参照して、始業前点検パターン、終業後点検パターンにしたがって実行される外観検査方法における始業・就業前較正処理について説明する。
図11において、外観検査装置起動後、生産開始画面の表示に先立って始業前点検画面を表示する(ST11)。すなわち、電子部品実装ラインの各装置を起動させて生産を開始する際には、各装置には生産開始画面が所定の表示形式で表示される。本実施の形態においては、外観検査装置の起動に際し表示部51の表示画面51aに表示される生産開始画面の表示に先立って、図12(a)に示すように、表示画面51aに始業前点検画面60を表示させる。始業前点検画面60の表示枠61には、「生産開始に先立って較正処理を実行」する旨が表示される。
そしてこの報知を承けて、作業者は所定の始業前較正処理を実行し(ST12)、較正結果について異常の有無を確認する(ST13)。ここで較正結果において異常有りと認められた場合には異常がある旨報知し(ST14A)、異常なしと認められたならば、通常の生産開始画面を表示する(ST14B)。これにより、基板4を対象とした生産工程が開始される。
すなわち生産工程において基板4を3次元センサ22によって撮像して検査用の画像情報を取得し(ST15)、取得された画像情報から抽出された計測値に基づいて所定の検査判定処理を実行する(ST16)。この生産工程を反復する過程では、所定の生産数が完了したか否かが判断され(ST17)、生産数完了ならば生産終了の準備に移行する。ここで本実施の形態では、生産終了に際し、表示部51の表示画面51aに表示される生産終了画面の表示に先立って、図12(b)に示すように、表示画面51aに終業前点検画面62を表示させる(ST18)。終業前点検画面62の表示枠63には、「生産終了に先立って較正処理を実行」する旨が表示される。そしてこの報知を承けて、作業者は所定の終業前較正処理を実行し(ST19)、その後に通常の生産終了画面が表示される。
このように、生産開始画面の表示に先立って較正処理を実行する旨を報知する始業前点検画面を表示させ、さらに外観検査装置の停止に際し生産終了画面の表示に先立って較正処理を実行する旨を報知する始業前点検画面を表示させることにより、作業者の記憶違いなどの人為的ミスに起因する較正処理の実行忘れを確実に防止することができる。これにより、外観検査装置の検査精度を確保して検査品質を保証することができる。
次に、図13,図14を参照して、外観検査方法における初期較正処理および経時較正処理について説明する。ここでは、較正実行パターン49cとして記憶された併用較正パターン、すなわち第1の較正用治具31を用いる初期較正処理と、第2の較正用治具32を用いる経時較正処理とを、それぞれ予め設定された所定のタイミングにて併用して実行させる較正パターンにしたがって較正処理が実行される。
電子部品実装ラインが起動すると、外観検査装置には生産開始画面が表示される(ST21)。次いで、第1の較正用治具31を外観検査装置に搬入し(ST22)、図14(a)に示すように、3次元センサ22によって第1の較正用治具31を撮像して較正用の画像情報を取得する(ST23)。次に、取得した画像情報から抽出された計測値に基づき、計測値の較正に使用される較正用データテーブルを作成する(初期較正処理)(ST24)。すなわち、図8(a)のグラフの(入力−出力)相関線L1で示されるデータテーブルが作成され、データ記憶部49に較正用データ49bとして記憶される(ST25)。
この後、基板4を対象とした生産工程が開始される。生産工程においては図14(b)に示すように、電極4aに半田ペーストSが印刷された半田印刷後の基板4もしくは電極4aに電子部品39が実装された部品実装後の基板4を3次元センサ22によって撮像して検査用の画像情報を取得する(ST26)。そして取得された画像情報から抽出された計測値に基づいて、所定の検査判定処理を実行する(ST27)。
この生産工程を反復する過程においては、所定のインターバルにて、検査ヘッド21を第2の較正用治具32の上方に移動させ、図14(c)に示すように、第2の較正用治具32を3次元センサ22によって撮像して画像情報を取得する(ST28)。ここでは輝度較正部材38の上面38bを撮像することにより、輝度情報および高さ位置情報が取得され、水平位置較正板37を撮像することにより、X方向の水平位置情報が取得される(図6参照)。
そして取得した画像情報から抽出された計測値に基づき、較正用データテーブルを補正する(経時較正処理)(ST29)。すなわち、図8(c)に示すように、(入力−出力)相関線L1を経時変動分だけ平行移動させた補正相関線L2が作成される。なお経時較正処理を実行する所定のインターバルとしては、継続稼働時間もしくは生産された基板の枚数などを適宜用いることができる。またこの撮像動作は、検査ヘッド21が基板4を対象とした作業動作を行わないアイドル時間を利用して実行される。
このように、第1の較正用治具31を用いる初期較正処理と、第2の較正用治具32を用いる経時較正処理とを、それぞれ予め設定された所定のタイミングにて併用して実行させる較正パターンを用いることにより、検査精度に影響を及ぼす種々の因子を対象として有効な較正処理を行うことができる。すなわち撮像光学系である3次元センサ22を構成する機構部品の精度誤差や組み立て誤差などに対しては、初期較正処理によって有効に対処することができる。また基板と3次元センサ22との相対位置誤差など、設備設置環境の温度変化など経時的に変動する誤差要因については、経時較正処理を適切なインターバルにて反復実行することにより、外観検査装置の検査精度の経時変動的なばらつきを簡便な方法で防止することができる。
次に、検査対象物が同一基板種であり、これらの検査対象物を複数の外観検査装置によって検査対象とする場合における外観検査方法について、図15を参照して説明する。ここでは、較正処理に使用される較正用治具として複数の外観検査装置について共通のものを用いることにより、複数の外観検査装置によって実行される検査処理工程において共通の検査判定データを用いることを可能としている。
まず、複数の外観検査装置に共通で用いられる単一の第1の較正用治具31を各外観検査装置に順次搬入し(ST31)、搬入された外観検査装置毎に第1の較正用治具31を3次元センサ22によって撮像して画像情報を取得する(ST32)。次いで、取得した画像情報から抽出された較正用の計測値に基づき、計測値の較正に使用される較正用データを作成して記憶させる較正処理を、較正処理実行部47によって実行する(較正処理実行工程)(ST33)。そして作成された較正用データは当該外観検査装置に固有の較正用データテーブルとしてデータ記憶部49に記憶される(較正用データ記憶工程)(ST34)。
この後、基板4を対象とした生産工程が開始される。生産工程においては電極4aに半田ペーストSが印刷された半田印刷後の基板4もしくは電極4aに電子部品39が実装された部品実装後の基板4を3次元センサ22によって撮像して検査用の画像情報を取得する(ST35)。そして画像情報から抽出された検査用の計測値を、計測値変換処理部50の機能により較正用データテーブルによって変換して、判定用の計測値として出力する(計測値変換処理工程)。そして検査処理工程においては、出力された判定用の計測値を、データ記憶部49に検査用データ49aとして記憶された検査判定データと比較して、検査処理を実行する。ここで用いられる検査判定データは、複数の外観検査装置について共通で用いられるデータであり、複数の外観検査装置がそれぞれ固有の装置間誤差を有している場合にあっても、常に同一のデータを用いることができる。
検査精度に影響を及ぼす因子には、装置稼働開始からの使用経過時間によって経時変化する性質のものが多く含まれており、同一用途に用いられる同一仕様の外観検査装置であっても、仕様経過時間が異なれば検査のための計測精度に装置間誤差が生じる場合がある。このような装置間誤差による検査精度の劣化を防ぐためには、従来技術においては各装置状態に応じた異なる検査しきい値などの検査判定データを個別に設定して複数種類準備する必要があった。
これに対し、本実施の形態に示す外観検査方法においては、単一の第1の較正用治具31を用いて各外観検査装置によって較正処理を行い、各装置固有の較正用データを作成して記憶させることにより、複数の外観検査装置について共通の検査判定用データを使用することを可能にして、生産現場におけるデータ管理負荷を減少させることができる。
なお上記実施の形態では、共通の基台に設けられた基板搬送機構の両側に印刷検査部としての印刷検査装置M2A、部品実装部としての電子部品実装装置M2Bをそれぞれ設けた検査・実装装置M2、また実装検査部としての実装検査装置M5A、部品実装部としての電子部品実装装置M5Bをそれぞれ設けた検査・実装装置M5を含んで電子部品実装システム1を構成した例を示したが、本発明はこのような構成には限定されない。例えば、印刷装置M1の下流側に印刷検査装置M2A、電子部品実装装置M2B、M5B、実装検査装置M5Aの機能を有する単体装置を直列に連結する構成であっても本発明の適用対象となる。
また本実施の形態では、外観検査のための画像情報を取得する撮像手段として、位置検出素子によって3次元画像情報を取得する3次元センサを用いた例を示しているが、本発明の適用対象は3次元センサに限定されるものではない。すなわち、外観検査を目的とする画像認識処理において、輝度情報や位置情報などの画像情報を較正する較正処理を必要とする構成の外観検査装置であれば、2次元のエリアカメラなどを用いて外観検査を行う場合にあっても、本発明を適用することができる。