JP5830445B2 - 蒸気弁 - Google Patents

蒸気弁 Download PDF

Info

Publication number
JP5830445B2
JP5830445B2 JP2012156033A JP2012156033A JP5830445B2 JP 5830445 B2 JP5830445 B2 JP 5830445B2 JP 2012156033 A JP2012156033 A JP 2012156033A JP 2012156033 A JP2012156033 A JP 2012156033A JP 5830445 B2 JP5830445 B2 JP 5830445B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
shaft
seal
packing
steam
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012156033A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014020200A (ja
Inventor
広大 井上
広大 井上
杉田 克紀
克紀 杉田
藤原 優
優 藤原
裕樹 田邉
裕樹 田邉
哲 高野
哲 高野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Pillar Packing Co Ltd
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Nippon Pillar Packing Co Ltd
Fuji Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Pillar Packing Co Ltd, Fuji Electric Co Ltd filed Critical Nippon Pillar Packing Co Ltd
Priority to JP2012156033A priority Critical patent/JP5830445B2/ja
Publication of JP2014020200A publication Critical patent/JP2014020200A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5830445B2 publication Critical patent/JP5830445B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Sealing Devices (AREA)
  • Control Of Turbines (AREA)

Description

本発明は、発電と工場用蒸気供給機能を備えた蒸気タービンの流入部などの、高温蒸気の配管途中に装備される蒸気弁に関するものである。
この種の蒸気弁は、例えば、特許文献1において開示されるように、蒸気タービンの主蒸気流入部に装備されたものが知られている。即ち、前記特許文献1の図2になどに示されるように、蒸気弁〔蒸気加減弁〕(10)は、弁体(10a)、ディフューザと一体な弁座(10b)、弁棒(10c)、弁体駆動用の油圧シリンダ(10d)との組立体で、弁ケーシング〔弁箱〕(12)に形成した球殻構造の弁箱部分に組み込まれている。
蒸気弁は、高温の蒸気での配管途中に設置されるため、弁軸と弁箱との間をシールする軸封機構には高温の蒸気に対する配慮が必要である。その軸封機構として、従来では、特許文献2や特許文献3において開示される手段が知られている。即ち、従来の軸封機構は、金属材とマイカとを積層してなるシールリング(リング状シール)と、膨張黒鉛でなるグランドパッキンとのそれぞれを単数又は複数組合わせて配列するとともに、パッキン押えで押付ける構造のものであった。
しかしながら、前記従来技術による構成の軸封機構では、時間の経過と共にグランドパッキンにおける膨張黒鉛の酸化による重量減少が生じることが分ってきた。その原因としては、大気側から酸素(空気)が侵入することによるものであると考えられ、前記重量減少により体積減少となり、延いては許容できない漏洩を招くおそれがあるため、何らかの対策が必要になってきた。
特開2010−048216号公報 特開平04−347068号公報 特開2012−041886号公報
本発明の目的は、金属材及びマイカとでなるシールリングと膨張黒鉛製グランドパッキンとの組み合わせでなる軸封機構を備える蒸気弁において、良好なシール性を維持しながらも、酸化によるグランドパッキンの重量減少に起因する漏洩増大が抑制又は防止され、弁としての長寿命化や信頼性の向上が図れるようにする点にある。
請求項1に係る発明は、弁箱1に装備される弁座2と、前記弁座2との間を通る蒸気量を調節可能な弁体3と、前記弁体3を前記弁座2に対して遠近移動させるために前記弁体3に一体化される弁軸4と、前記弁軸4と前記弁箱1との間をシールする軸封機構Sとを有する蒸気弁において、
前記軸封機構Sは、パッキン押え12と、金属材17とマイカシート16との積層体でなるシールリングrの4個と、膨張黒鉛製のグランドパッキン13の1個と、前記シールリングrの2個と、前記グランドパッキン13の1個と、前記シールリングrの2個とが、この順で大気側から流体側に向かって並ぶ状態で前記弁軸4と前記弁箱1とで形成される筒状のシール用空間部11に装填される構成を有していることを特徴とするものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の蒸気弁において、前記シールリングrは、前記弁軸4の軸心Qに対する径方向で切断した場合の断面形状が、前記軸心Q方向に突出するV字形となる状態に形成されていることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、複数のシールリングと複数のグランドパッキンとを備える軸封機構による優れたシール性を備えるとともに、大気側に配列した4個のシールリングにより、大気側からの酸素のシール用空間部への侵入を極力なくしてグランドパッキンの酸化による重量減少を激減させることが可能になる。
その結果、軸封機構においては、良好なシール性を維持しながらも、酸化によるグランドパッキンの重量減少に起因する漏洩増大が抑制又は防止され、従って、長寿命化や信頼性の向上が図れる蒸気弁を提供することができる。
請求項2の発明によれば、シールリングの断面形状をV字状としてあるので、内径はシール用空間部の内径よりも大きめに、かつ、外径はシール用空間部の外径よりも小さめにできて、軸封機構としての組付け時には組付け易いとももに、組付後には平たくなって径方向に拡がり変形し、より確実なシール性を発揮できる利点が追加される。
蒸気弁の概略構造を示す全体図(実施例1) 図1の蒸気弁における軸封機構部位を示す要部の断面図 軸封機構のシール要素群における配列構造を示す要部の断面図 (a)第1シールリングの構造を示す拡大断面、(b)は第2シールリングの構造を示す拡大断面 各種構造のシール要素群と重量減少及び漏れとの関係を示す図表 軸封機構の重量減少(膨張黒鉛)に関する第1試験装置を示す模式図 軸封機構の漏れに関する第2試験装置を示す模式図
以下に、本発明による蒸気弁の実施の形態を、蒸気タービンに用いられる蒸気加減弁として図面を参照しながら説明する。
〔実施形態1〕
蒸気加減弁Vは、図1に示すように、弁箱1、弁箱1に装備される弁座2、弁座2との間を通る蒸気量を調節可能な弁体3、弁体3を弁座2に対して遠近移動させるために弁体3に一体化される弁軸4、弁軸4と弁箱1との間をシールする軸封機構S、及び、弁軸4を駆動移動操作するためのアクチュエータ5などを有して構成されている。
弁箱1は、蒸気を流入する流入路6が形成されている弁ケーシング1Aと、先端側に弁座2を有して筒状部1bが弁ケーシング1Aに嵌装される状態で弁ケーシング1Aに固定される支持箱部1Bと、軸封機構Sが設けられる状態で支持箱部1Bに内嵌装備される軸封箱部1Cとを有して構成されている。
弁ケーシング1Aの流出側となる部分には、タービンロータ(図示省略)を形成する内ケーシング7と外ケーシング8とが連結されている。
また、支持箱部1Bの筒状部1bには、流入路6から来る蒸気を先端側の流出路10に流動可能とするための流路孔9が複数箇所に形成されている。
図1は、弁体3の先端に形成される円盤状の弁蓋部3aが弁座2に当接して密着して、流入路6と流出路10とが分断(遮断)された閉弁状態を示している。この閉弁状態からアクチュエータ5を駆動して弁軸4を介して弁体3をアクチュエータ5側に離反移動させることにより、弁蓋部3aが弁座2から離れた開弁状態や、流入路6から流路孔9及び弁蓋部3aと弁座2との間を通って流出路10へ流れる蒸気の量を加減調節可能な状態に移行させることができる。
次に、軸封機構Sについて説明する。軸封機構Sは、図2,図3に示すように、弁軸4の小径軸部4aと軸封箱部1Cとの間をシールするものであり、軸封箱部1Cと弁軸4とで形成されるシール用空間部11に設けられている。
具体的には、軸封機構Sは、弁軸4の軸心Q方向におけるアクチュエータ5側(図2の紙面上側)から弁体3側に向けて、パッキン押え12、シールリングrの4個、単一のグランドパッキン13、シールリングrの2個、単一のグランドパッキン13、シールリングrの2個をこの順に並べてシール用空間部11に装填することで構成されている。
シール用空間部11は、軸封箱部1Cの内周面1c及び環状端面1dと、弁軸4の小径軸部4aとで形成される略無蓋筒状の空間部である。
グランドパッキン13は、図2,3に示すように、膨張黒鉛テープを巻回して金型成形した成形パッキンであり、径方向で切った断面の形状は矩形を呈している。このグランドパッキン13は次のような工程を経て作製される。
まず、密度1.0g/cm 、厚さ0.38mm、幅16mm、長さ1900mmに切断された膨張黒鉛テープを所定の長さに切断する。膨張黒鉛の厚さに限定はないが、0.25mm〜0.50mmが好適である。
次に、所定の長さに切断された膨張黒鉛テープを巻回して金型に投入し、所定の成形面圧で成形し、内径38.1mm、外径47.9mmの帯環状で断面が正方形となる見掛け密度1.5g/cmの成形体、即ち膨張黒鉛製のグランドパッキンが形成される。
シールリングrは、図3,4に示すように、その径方向で切断した場合の断面形状が、軸心Q方向に突出するV字形となる状態に形成されるとともに、第1シールリング14と第2シールリング15との2種類がある。
第1シールリング14は、図4(a)に示すように、V字形の折れ曲がりにおける谷側に位置する環状のマイカシート16と、山側に位置する環状のステンレス箔などの金属材17とが接着剤を用いて積層一体化されて成る構造のシールリングrである。
第2シールリング15は、図4(b)に示すように、V字形の折れ曲がりにおける谷側に位置する環状のステンレス箔などの金属材17と、山側に位置するマイカシート16とが接着剤を用いて積層一体化されて成る構造のシールリングrである。
マイカシート16はシート状のマイカから打ち抜かれて形成された環帯状体であリ、その厚さは、0.2mm〜1.0mmの範囲に設定される。ステンレス箔17の厚さは、0.03mm〜0.1mmの範囲に設定される。マイカシート16もステンレス箔17も断面がV字形状に形成され、接着剤は熱硬化性の接着剤が望ましいが、熱可塑性の接着剤や粘着剤でも良い。
軸封機構Sを組付けるには、図3に示すように、シール用空間部11に、2個の第1シールリング14、1個のグランドパッキン13、1個の第2シールリング15及び1個の第1シールリング14、1個のグランドパッキン13、4個の第2シールリング15をこの順で入れ込み(落とし込み配置し)、それからパッキン押え12の押圧筒部12Aを入れ込む。
それから、パッキン押え12のフランジ部12aに通されている植込みボルト18にナット19を螺着して締め込み、それによって軸心Q方向で弁体3側に螺進するパッキン押え12でシール要素群g(この場合は、8個のシールリングrと2個のグランドパッキン13とでなる)を軸心Q方向に圧縮することにより、軸封機構Sをシール用空間部11に装填しての組付が行われる。
なお、組付前の自由状態においては、図3に示すように、各シールリングr及び各グランドパッキン13それぞれの内径は小径軸部4aの径よりも僅かに大きく、かつ、それぞれの外径は内周面1cの径よりも僅かに小さい寸法に形成されている。従って、各シールリングr及び各グランドパッキン13は、シール用空間部11への装填が軽く行える好都合なものとなっている。
パッキン押え12による所定の圧力が作用した組付状態では、図2の吹き出し図のように、断面V字形の各シールリングrが軸心Q方向に圧縮されて径方向に拡がり変形した平らなリングとなり、小径軸部4aの外周面及び内周面1cに圧接されるとともに、各グランドパッキン13も軸心方向の圧縮によって径方向に拡がり変形し、小径軸部4aの外周面及び内周面1cに圧接される。これにより、弁軸4と軸封箱部1Cとの間が良好にシールされる。
次に、軸封機構Sに用るシール要素群gを、シールリングrとグランドパッキン13の組み合わせの配列や個数を変えたものとして複数種類用意し、そして試験装置にてテストした。次に、その試験方法や試験結果について説明する。
軸封機構Sの試験装置としては、グランドパッキン13における膨張黒鉛の重量減少に関する第1試験装置A(図6参照)と、漏れに関する第2試検装置B(図7参照)とを用いた。そして、それら各試験装置A,Bによる試験結果を図5に示す。
まず、第1試験装置Aは、図6に示すように、軸心Xを持つ円形状で行き止まり状の軸封穴32が形成されたパッキンボックス31と、その軸封穴32に嵌入されるテスト軸33と、パッキンボックス31とテスト軸33とで形成される筒状のテスト用空間部34に嵌合する押圧部35aを備えたテスト用パッキン押え35、締付用のボルト・ナット40などから構成されている。テスト軸33の末端にはフランジ部33Aが形成され、その外径を軸封穴32の内周面32aの径より僅かに小さく設定することで周状流路38が形成されている。
テスト方法は次のとおりである。まず、テスト用空間部34に装填されているシール要素群g、即ち、シールリングrとグランドパッキン13との組み合わせを、ボルト・ナット40を操作して締付けてテスト用パッキン押え35で軸心X方向に圧縮し、所定のシール機能が発揮される状態に組付ける。図6は、実施例1の構造によるシール要素群gを描いてある。
上記の組付状態のパッキンボックス31(図6に示す状態)を、温度700℃の電気炉(図示省略)内に10時間維持させてから取り出し、室温にて除冷する。そして、十分冷えてから、分解してシールリングrとグランドパッキン13とを取り出し、それぞれの重量を測定し、テスト前の値との差(重量変化)を求めた。
その結果、シールリングrの重量変化は無視できるほど小さいものであったが、グランドパッキン13の重量変化(重量減少)は、比較例や実施例においては無視できない程度の違いが見られた。第1試験装置Aによる比較例1〜4及び実施例1におけるグランドパッキン13の重量減少を、図5の図表に示す。
大気側からシール要素群gに酸素(空気)が侵入して膨張黒鉛製のグランドパッキン13に及ぶと、膨張黒鉛が酸化してグランドパッキン13の重量減少が生じる。この重量減少は、パッキン押えによる応力(シール機能を出すためのパッキン押え12,35による押圧力により、シール要素群gに作用する応力)が緩和されてしまい、シール性が低下して漏洩を引き起こすおそれがある。
次に、第2試験装置Bは、図7に示すように、パッキン箱41と、ガスボンベPと、圧調弁44と、圧力計36と、漏洩測定器45などを備えて構成されている。パッキン箱41には軸心Xを持つ円形状の軸封孔42が形成され、その軸封穴42に嵌入されるテスト軸43、パッキン箱41とテスト軸43とで形成される筒状のテスト用空間部34に嵌合す押圧部35aを備えたテスト用パッキン押え35、ボルト・ナット40などが装備されている。
テスト軸43の末端にはフランジ部43Aが形成され、このフランジ部43Aには、軸心Xを有して軸端に開口し、かつ、フランジ外周面43aにも開口する内部流路37が形成されている。また、フランジ部43Aの外径は軸封孔42の内周面42aの径より僅かに小さく設定され、漏れ用の周状流路38が形成されている。
パッキン箱41には、ガスボンベPの吐出側流路39と内部流路37とを連通させるための貫通孔41aが形成されており、圧調弁44及び圧力計36は吐出側流路39に接続されている。
一方、テスト用空間部34における押圧部35aとシール要素群gとの間には、内周溝路46a、外周溝路46b、及びこれら両者の連通路46cが形成されているランタンリング46が嵌装される。パッキン箱41には、外周溝路46bに連通する取出路41bが形成されており、その取出路41bに漏洩測定器45が連通接続されている。なお、押圧部35aには、テスト軸43用の内Oリング47と、パッキン箱41用の外Oリング48とが装備されている。
さて、テスト方法は次のとおりである。まず、テスト用空間部34に装填されているシール要素群gを、ランタンリング46を介した状態で、ボルト・ナット40を操作して締付けてテスト用パッキン押え35で軸心X方向に圧縮し、所定のシール機能が発揮される状態に組付ける。
それからガスボンベPを作動させ、試験用流体(ガス)を所定の圧状態で、吐出側流路39及び内部流路37を通して周状流路38に供給する状態を維持させ、ランタンリング46に到達する漏れ流体が漏洩測定器45にて計測される。ガスボンベPで供給される試験用流体は窒素ガスを用い、圧力0.1MPa、常温の条件とした。
この試験では、グローブ弁のグランド部を模した圧力容器である前述のパッキン箱41に、比較例1〜4、及び実施例1それぞれのシール要素群gを挿入して組付状態とすること可能である。図7では、実施例1の構造によるシール要素群gが描かれている。
図5の図表に、各シール要素群gを用いた場合における第2試験装置Bによる試験結果、即ち、漏洩量を、単位:cc/分として示してある。
〔比較例1〕
比較例1による軸封機構は、図5に示すように、大気側から第2シールリング15(r)、グランドパッキン13、第2シールリング15(r)の順で並べた構造のシール要素群gを持つ。グランドパッキン13は正方形などの矩形の断面形状を備えている。大気側及び流体側の各第2シールリング15は、組付状態におけるグランドパッキン13の周辺隙間への食み出しを防止する役割も有している。
この比較例1による軸封機構の第1及び第2試験装置A,Bによる試験結果(図5参照)では、グランドパッキン13の重量減少が26%もあり、とても実用に耐えるものではなかった。また、漏れ量(cc/分)も許容できないほど大きな値であった。なお、図5における「膨張黒鉛成形パッキンとは、グランドパッキン13のことである。
〔比較例2〕
比較例2による軸封機構は、図5に示すように、大気側から第2シールリング15(r)、グランドパッキン13、2個の第2シールリング15(r)、グランドパッキン13、第2シールリング15(r)の順で並べた構造のシール要素群gを持つ。つまり、比較例1のシール要素群gの2組を並べた構成である。
比較例2による軸封機構の第1及び第2試験装置A,Bによる試験結果(図5参照)では、グランドパッキン13の重量減少が16%であり、比較例1に比べると大幅に改善されているが、実用上では依然として難しい。また、漏れ量(cc/分)は比較例1に比べて激減したので、グランドパッキン13は2個以上必要であると予測できる。
〔比較例3〕
比較例3による軸封機構は、図5に示すように、大気側から2個の第2シールリング15(r)、グランドパッキン13、第1シールリング14(r)、第2シールリング15(r)、グランドパッキン13、2個の第1シールリング14(r)の順で並べた構造のシール要素群gを持つ。
比較例3のシール要素群gとの変更点は、次の(1),(2)のとおりである。
(1)大気側に第2シールリング15を追加して2個並べることにより、大気側からの酸素の侵入可能性をより減少させる手段である。
(2)一対のグランドパッキン13,13間のシールリングr2個の組み合わせを、2個の第2シールリング15から第1シールリング14と第2シールリング15に変更した。これは、シールリングrにおけるステンレス箔17がグランドパッキン13に接触しないようにするためのである。
これは、ステンレス箔17がグランドパッキン13に接触する場合に比べて、酸化による重量減少が少なくなるのではないか、という予測からである。
比較例3による軸封機構の第1及び第2試験装置A,Bによる試験結果(図5参照)は、グランドパッキン13の重量減少が11%であって比較例2の場合よりも少なくなっている。つまり、大気側のシールリングrの数を増やすことで、シール要素群gへの酸素の侵入をより少なくすることができている。しかしながら、重量減少の絶対値としては依然として大きいように思える。
〔比較例4〕
比較例4による軸封機構は、図5に示すように、大気側から3個の第2シールリング15(r)、グランドパッキン13、第1シールリング14(r)、第2シールリング15(r)、グランドパッキン13、2個の第1シールリング14(r)の順で並べた構造のシール要素群gを持つ。つまり、比較例3のものと比べて、大気側の第2シールリング15の個数を2個から3個の増やしたのみであり、それ以外は同じ構造である。
比較例4による軸封機構の第1及び第2試験装置A,Bによる試験結果(図5参照)は、グランドパッキン13の重量減少が7.5%であって重量減少が比較例3のものよりも少なくできたことである。大気側のシールリングrの数をさらに増やすことにより、シール要素群gへの酸素の侵入をより一層少なくすることができている。しかしながら、重量減少の絶対値は実用に耐える域に到達するには苦しい値であり、さらなる改善が必要である。
〔実施例1〕
実施例1による軸封機構は、図2,3、及び図5に示すとともに前述したように、4個の第2シールリング15(r)、グランドパッキン13、第1シールリング14(r)、第2シールリング15(r)、グランドパッキン13、2個の第1シールリング14(r)の順で並べた構造のシール要素群gを持つ。つまり、大気側からの酸素侵入をさらに減少させるべく、比較例4のものと比べて、大気側の第2シールリング15の個数を3個から4個に増やしたものであり、それ以外は比較例4のものと同じ構造である。
実施例1による軸封機構Sの第1及び第2試験装置A,Bによる試験結果(図5参照)は、グランドパッキン13の重量減少が比較例4のものよりもさらに少なくなり、2.5%という低レベルにまで到達することができている。これは、大気側の第2シールリング15の数を2個から3個に増やした比較例4の場合の減少率〔(11−7.5)÷11=31.8%〕に比べて、大になっている〔(7.5−2.5)÷7.5=66.7%〕ことから、シールリング数が3から4に変わる場合に臨界点があるように身受けられる。
因みに、大気側の第2シールリング15の数を1個から2に増やした比較例3場合の減少率は、(16−11)÷16=31.3%である。このことから、実用に耐える軸封機構Sとするには、大気側のシールリングrは4個以上設けることが必要と考えられる。
また、図5より、漏洩量は0.03cc/分という実用上で問題ないレベルにまで低減されていることが理解できる。
以上説明したように、本発明によれば、複数のシールリングrと複数のグランドパッキン13とでなるシール要素群gによる優れたシール性を備えるとともに、大気側に配列した4個のシールリングrにより、大気側からの酸素のシール用空間部11への侵入を極力なくしてグランドパッキン13の酸化による重量減少が激減する。その結果、軸封機構Sに長期に亘って漏れが増大せず、全体としての長超寿化が図れるという優れた蒸気弁Vを提供することができる。
また、シールリングrの断面形状をV字形状とする場合には、内径はシール用空間部11の内径よりも大きめに、かつ、外径はシール用空間部11の外径よりも小さめにできて、軸封機構Sとしての組付け時には組付け易いとももに、組付後には平たくなって径方向に拡がり変形し、より確実なシール力を発揮できるようになる利点がある。
1 弁箱
2 弁座
3 弁体
4 弁軸
11 シール用空間部
12 パッキン押え
13 グランドパッキン
16 マイカシート
17 金属材
Q 軸心
S 軸封機構
r シールリング

Claims (2)

  1. 弁箱に装備される弁座と、前記弁座との間を通る蒸気量を調節可能な弁体と、前記弁体を前記弁座に対して遠近移動させるために前記弁体に一体化される弁軸と、前記弁軸と前記弁箱との間をシールする軸封機構とを有する蒸気弁であって、
    前記軸封機構は、パッキン押えと、金属材とマイカシートとの積層体でなるシールリングの4個と、膨張黒鉛製のグランドパッキンの1個と、前記シールリングの2個と、前記グランドパッキンの1個と、前記シールリングの2個とが、この順で大気側から流体側に向かって並ぶ状態で前記弁軸と前記弁箱とで形成される筒状のシール用空間部に装填される構成を有している蒸気弁。
  2. 前記シールリングは、前記弁軸の軸心に対する径方向で切断した場合の断面形状が、前記軸心方向に突出するV字形となる状態に形成されている請求項1に記載の蒸気弁。
JP2012156033A 2012-07-12 2012-07-12 蒸気弁 Active JP5830445B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012156033A JP5830445B2 (ja) 2012-07-12 2012-07-12 蒸気弁

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012156033A JP5830445B2 (ja) 2012-07-12 2012-07-12 蒸気弁

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014020200A JP2014020200A (ja) 2014-02-03
JP5830445B2 true JP5830445B2 (ja) 2015-12-09

Family

ID=50195406

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012156033A Active JP5830445B2 (ja) 2012-07-12 2012-07-12 蒸気弁

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5830445B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014020200A (ja) 2014-02-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11028927B2 (en) Wide differential pressure range air riding carbon seal
JP3229890B2 (ja) パッキング装置
CN107939455B (zh) 燃气轮机及其密封组件
CN202484349U (zh) 阀盖组件以及流体阀
US9303655B2 (en) Seal for a high-pressure turbomachine
EP3002487B1 (en) Sealing system
JP2015528896A (ja) 原子炉冷却材ポンプセットの軸封止システムのための受動停止封止装置
WO1995030851A1 (en) Gland packing
JP5830445B2 (ja) 蒸気弁
EP2977653B1 (en) Leakage prevention seal, and pump for nuclear reactor cooling material
US20170346359A1 (en) Air pressure adjuster for rotary electric machine
US20150221400A1 (en) Shaft sealing structure and reactor coolant pump
JP2014190388A (ja) グランドパッキン
JP2015004402A (ja) 減衰機構付き軸受装置
JP2014190389A (ja) 蒸気弁
US10731762B2 (en) Temperature activated elastomeric sealing device
JP2018123953A (ja) シャットダウンシール
JP6514147B2 (ja) 流量調節弁
JP5847899B1 (ja) 高圧ガス用シール
CN112923061B (zh) 一种多端面自调控启用的汽轮机轴端密封装置
CN215720948U (zh) 一种用于液体火箭发动机的球阀
CN112984146B (zh) 一种用于液体火箭发动机的球阀装置
CN215720842U (zh) -196℃低温离心泵用径向双端面机械密封装置
CN220227821U (zh) 一种旋转轴密封装置
CN218468243U (zh) 一种碳环密封结构

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150116

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150930

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151006

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151026

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5830445

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250