JP5829702B2 - 鞘管構造 - Google Patents

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Description

本発明は、堤防を構成する堤体と当該堤体内に立設される橋脚との間に遊間を形成すべく鞘管を設けた鞘管構造に関するものである。
河川に橋を架設する際は通常、堤防を構成する堤体内に設けないことが基本方針とされている。これは堤防と橋脚とでは平常時の交通振動や地震時の振動性状が異なること等により、堤防を構成する堤体と橋脚との間に隙間ができやすく、漏水や土砂の流失を招来し易いためである。
但し、河川の幅や堤防の規模によっては例外的に堤体に橋脚が設けられることがある。その場合、橋脚の周囲に遊間を形成するための鞘管を設けた、所謂鞘管構造を適用することが行われる。橋脚の周囲に特許文献1に記載した構成の如く遊間を設けると、堤体と橋脚との間の振動性状の相違を遊間が吸収するため、振動による互いの干渉や橋脚周囲の土砂の流出を抑制することができるからである。
しかしながら、橋脚に鞘管構造を適用した場合であっても、施工後は通常、鞘管は上端部分が地表に露出する程度まで土砂で覆われた状態とするため、平常時の交通振動や地震時の振動により、遊間に土砂が流入してしまい、流入した土砂を介して橋脚と鞘管が互いに干渉してしまうという不具合が起こり得る。そこで従来では遊間の上端にシール材を設ける事により遊間への土砂の流入を抑止する措置が採られているが、振動によって時間の経過とともにシール材と鞘管又は橋脚との間に隙間が形成されてしまう。そのため、遊間の上端にシール材を設けたとしても施工後一定期間が経過すると前記隙間からやはり土砂が流入してしまうということが起こっているのが現状である。
特開2001−172914号公報
本発明は、上述したような現状に着目したものであり、長期間に亘って安定して遊間を維持することができる鞘管構造を提供することを目的としている。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
すなわち本発明に係る鞘管構造は、堤防を構成する堤体内に立設されるコンクリート製である橋脚と、前記橋脚の周囲に平面視所定寸法をなす空間である遊間を介して平面視環状に設けることにより前記橋脚から離間して設けられ上端部分が地表に露出する程度まで土砂で覆われた状態であるコンクリート製品である鞘管と、前記遊間の上縁において前記鞘管と前記橋脚との間を前記鞘管の上面に略面一となるよう配された伸び能力が100%〜250%でありコンクリート同士を接着したときの引張強度が0.2N/mm2以上の高弾性接着剤により密閉した土砂流入防止部とを具備するものである
このようなものであれば、伸び能力が100%〜250%である高弾性接着剤により密閉した土砂流入防止部により、橋脚及びの鞘管の振動によって遊間の寸法の変位が起こっても高弾性接着剤が適宜伸縮することによって遊間の上端が密閉された状態を安定して維持することができる。その結果本発明によれば、長期間に亘って安定して遊間を維持することで堤防及び橋脚の強度を長期間に亘り担保することができる鞘管構造を実現することが可能となる。
また、施工時に高弾性接着剤が垂れ下がってしまうことなく所要の形状に土砂流入防止部を仕上げやすいものとするためには、高弾性接着剤の密度が0.7〜1.2g/cm3であることが好ましい。
そして、土砂流入防止部が、高弾性接着剤と、この高弾性接着剤を下方から支持する弾性変形可能なバックアップ材とを有しているものであれば、橋脚及び鞘管との振動をより抑制することができる。
特にバックアップ材が、高弾性接着剤が接着し得ない非極性物質からなるものとすれば、バックアップ材による振動の抑制に加え、高弾性接着剤がバックアップ材に拘束されずに高弾性接着剤自体が有する伸び能力を十分に発揮させることができる。
また、鞘管側の振動の吸収を促すことにより土砂流入防止部で起こる振動を有効に緩和するための構成として本発明は、鞘管と堤体を構成するフーチング基礎との間に、鞘管に一体的に下方に突出させて設けられたアンカーバーと、フーチング基礎に設けられた高弾性接着剤からなりアンカーバーの側方及び下方を被覆する高弾性アンカー部と、フーチング基礎と鞘管との間に介在する緩衝用弾性材層とを有したフーチング接合部を具備していることを特徴とする
振動を好適に吸収し得るフーチング接合部の具体的な構成として、フーチング基礎の上面に設けられたモルタル層及びこのモルタル層の上面側に配置された緩衝用弾性材層を有している態様を挙げることができる。
鞘管が上下方向に連結される複数の鞘管ブロックからなるものである場合、さらに鞘管に加わる振動を有効に緩和するための構成として、上側の鞘管ブロックに一体的に下方に突出させて設けられたアンカーバー及び下側の鞘管ブロックに設けられた高弾性接着剤からなりアンカーバーを被覆する高弾性アンカー部を有した上下方向接合部を具備している態様を挙げることができる。斯かる場合、上下方向接合部が、下側の鞘管ブロック及び上側の鞘管ブロックとの間に介在する緩衝用弾性材層を有しているものとすることが望ましい。
そして遊間に土砂や水が侵入することを抑制するための他の方策として、上下方向接合部が、下側の鞘管ブロック及び上側の鞘管ブロックとの間におけるに遊間に面しない緩衝用弾性材層の外面側に形成される目地部に充填された高弾性接着剤からなる目地充填部を有している態様を挙げることができる。この場合、目地充填部と緩衝用弾性材層との間に高弾性接着剤が接着し得ない非極性物質からなるバックアップ材を介在させておけば、高弾性接着剤自体の伸び能力が発揮されることにより鞘管ブロック間の水密性を有効に担保し得る。
そして本発明に用いる高弾性接着剤としては、エポキシ樹脂と変性シリコーン樹脂との二液性の接着剤を適用することが施工性の面でも望ましい。加えて高弾性接着剤が、コンクリート同士を接着したときの引張強度が0.2N/mm2以上の接着剤であれば、地震時の振動の際にも鞘管に加わる振動を吸収し且つ高弾性接着剤を使用した箇所の水密性を有効に担保し得る。
本発明によれば、長期間に亘って安定して遊間を維持することで堤防及び橋脚の強度を長期間に亘り担保することができる鞘管構造を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る外観図。 同実施形態に係る構成説明図。 同実施形態に係る鞘管ブロックの平断面図。 同実施形態に係る要部の縦断面図。 同実施形態に係るフーチング接合部の構成説明図。 同上下方向接合部の構成説明図。 同流入防止部の構成説明図。 同実施形態に係る作用説明図。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
本実施形態に係る鞘管構造Xは、例えば河川に橋を架設する際、地形や建設事情等の理由で堤防を構成する堤体T内に橋脚Bを設ける場合に適用されるものである。
斯かる鞘管構造Xは、図1〜図4に示すように、堤防を構成する堤体T内に立設されるコンクリート製である橋脚Bと、橋脚Bの周囲に平面視所定寸法をなす空間である遊間Sを介して平面視環状に設けられたコンクリート製品である鞘管1とを有している。そして堤体Tと橋脚Bとの間の振動性状の相違を遊間Sに吸収させ、漏水や土砂の流失を招来しないようにするためのものである。
ここで、本実施形態に係る鞘管構造Xは、遊間Sの上縁において鞘管1と橋脚Bとの間を伸び能力が100%〜250%である高弾性接着剤3aにより密閉した土砂流入防止部3を具備することを特徴とするものである。また本実施形態に係る鞘管構造Xは、コンクリート同士の接合箇所に適宜高弾性接着剤3aと同じか同種類の接着剤を用いることにより、振動性状が異なる堤体Tと橋脚Bとの間の振動の伝達を抑制している。
以下、鞘管構造Xについて具体的に説明する。
本実施形態に係る鞘管構造Xは、河川に架設される複数の橋脚Bのうち、堤防を構成する堤体T内に設けられたフーチング基礎F上に立設されている橋脚Bに対して適用される。橋脚Bはコンクリートを主体とし、内部に適宜鉄筋等が設けられている構造を有しているが、当該橋脚Bの具体的な構造は既存の種々の構造を適用し得るため、本実施形態では具体的な説明を省略する。
そして本実施形態では、フーチング基礎F上には橋脚Bの他、フーチング接合部2を介して鞘管1が立設される。斯かる鞘管1が立設された状態で、橋脚Bの周縁と鞘管1の内面との間が例えば10〜20cm離間し、この離間した部分が土砂や水が侵入しない遊間Sとなる。
フーチング接合部2は、図4及び図5に示すように、鞘管1と堤体Tを構成するフーチング基礎Fとの間に、鞘管1に一体的に下方に突出させて設けられた棒状の金属からなるアンカーバー2cと、フーチング基礎Fに設けられたアンカーバー2cを被覆する高弾性アンカー部たる高弾性接着剤2aと、この高弾性接着剤2aを注入するためのフーチング基礎Fに埋設された例えば円筒状の容器であるアンカーキャップ2dと、フーチング基礎F上に敷設された敷モルタル2gと、この敷モルタル2gと鞘管1との間に介在する緩衝用弾性材層たる緩衝用ゴム2eとを有している。
高弾性接着剤2aは、本実施形態では伸び能力が100%〜250%であり、密度は0.7〜1.2g/cm3である。この高弾性接着剤2aは、例えば、エポキシ樹脂からなる主剤と、変性シリコーンからなる硬化剤とを主体とした注入工法用のもの、或いはコーキング工法用のものを用いることができる。また、この高弾性接着剤2aには、前記主剤及び硬化剤に加え、上記の密度を得るために、適宜超軽量の粉体等を添加している。またこの高弾性接着剤2aは、施工する季節や環境によって変化する温度条件に応じて、注入工法用のものは温度が高い順から夏用、一般用、冬用及び寒冷地用という4タイプのものから、コーキング工法用のものは一般用、冬用及び寒冷地用という3タイプのものから最も適したものを選択し得る。さらに、硬化剤に触媒を適宜添加して反応速度をコントロールすることにより、外気温に適した適切な可使時間が得られるとともに、施工完了時間を外気温に適した適切な範囲に収めることができる。そして本実施形態では、何れの高弾性接着剤2aを用いた場合であっても、コンクリート同士を接着したときの引張強度が0.2N/mm2以上となるようにしている。
当該高弾性接着剤2aのうち、注入工法用のものとコーキング工法用のものでは伸び能力に差がないものの、コーキング工法用のものの方が密度は若干低く、且つ粘度が高いという特性を有する。このフーチング接合部2に用いる高弾性接着剤2aは、施工時におけるアンカーキャップ2dへの注入作業の効率を鑑みると、注入工法用のものがより適していると考えられる。
鞘管1は、図1〜図8に示すように、鞘管1が上下方向に連結される複数の鞘管ブロックからなるものである。具体的には、鞘管1は、各鞘管ブロックであるC字ブロック10a及び直線ブロック10bを互いに水平方向接合部12により接合し、且つ、上下方向接合部11によって上下に重層されるC字ブロック10a同士並びに直線ブロック10b同士を接合している。
水平方向接合部12は、水平方向に並ぶ各鞘管ブロックであるC字ブロック10a及び直線ブロック10bを図示しない緩衝用ゴムを介在させた状態で、例えば連結金具及びボルトを用いた接続、機械式継ぎ手を用いた接続、及び、PC鋼棒を用いた接続といった既存の種々の接合方法を適用し得る。それ故に本実施形態ではこれら水平方向接合部12の具体的な構造や接合方法並びに図示を省略している。
上下方向接合部11は、図4及び図6に示すように、上側の鞘管ブロックたるC字ブロック10a又は直線ブロック10bに一体的に下方に突出させて設けられたアンカーバー11cと、下側のC字ブロック10a又は直線ブロック10bに設けられたアンカーバー11cを被覆する高弾性アンカー部たる高弾性接着剤11aと、この高弾性接着剤11aを収容するために下側のC字ブロック10a又は直線ブロック10bに埋設されたアンカーキャップ11dと、上下の鞘管ブロックたるC字ブロック10a又は直線ブロック10b間に介在する緩衝用弾性材層たる緩衝用ゴム11eと、遊間Sに面しない緩衝用ゴム11eの外面側に形成される目地部に充填された高弾性接着剤からなる目地充填部11fと、この目地充填部11fと緩衝用ゴム11eとの間に高弾性接着剤からなる目地充填部11fが接着し得ない非極性物質からなるバックアップ材11bとを具備している。
当該上下方向接合部11におけるアンカーキャップ11d内に配置された高弾性接着剤は上記フーチング接合部2に用いられたもの同様、アンカーキャップ11dへの注入作業の効率を鑑みると注入工法用のものを用いることが望ましい。一方、目地充填部11fに用いられる高弾性接着剤は、充填時の垂れをより抑制するためにコーキング工法用のものを用いることが望ましいと考えられる。
しかして本実施形態では上述したとおり、遊間Sの上縁において鞘管1と橋脚Bとの間を伸び能力が100%〜250%である高弾性接着剤3aにより密閉した土砂流入防止部3を具備することを特徴とする。この土砂流入防止部3は、図4、図7及び図8に示すように、鞘管1の上面に略面一となるよう配された高弾性接着剤3aを主体としている。そして当該土砂流入防止部3はこの高弾性接着剤3aの他、高弾性接着剤3aを下方から支持する弾性変形可能なバックアップ材3bと、高弾性接着剤の上面から鞘管1の上面の一部に亘って塗布される表面保護剤3hとを有している。そして本実施形態ではバックアップ材3bを高弾性接着剤3aが接着し得ない、例えばポリエチレンやポリプロピレンといった非極性物質からなるものとしている。この土砂流入防止部3に用いられる高弾性接着剤3aは、施工時は橋脚Bと鞘管1との間に隙間無く敷き詰められたバックアップ材3bの上面へ、液面が鞘管1の上面に対し略面一となるまで流し込めば良いが、この施工時での下方への垂れをより抑制するためにコーキング工法用のものを用いることが望ましいと考えられる。また表面保護剤3hは、高弾性接着剤3aを日射による紫外線や風雨から保護し得る適宜の塗料等を用いる事ができる。
そして本実施形態では、図8(a)に示す通常の状態から橋脚B及び堤体Tの間の振動特性の相違や地震時等により遊間Sの上縁における鞘管1及び橋脚Bの離間寸法が変化し、例えば同図(b)に示すように離間寸法が一時的に大きくなったとしても、高弾性接着剤3aは伸び能力が100%〜250%という値を示しているので、鞘管1及び橋脚Bに接着した接着面3a1の接着を維持しながら遊間Sの上縁が密閉された状態を維持することができる。特に本実施形態では、バックアップ材として、高弾性接着剤が接着し得ない非極性物質としているため、同図(b)に示すように、高弾性接着剤は鞘管1及び橋脚Bに接着した接着面3a1の接着を維持しながらバックアップ材に面した接着面3a2がバックアップ材3bに対し適宜離間することにより、当該バックアップ材3bに干渉されず、伸び能力がいかんなく発揮される。
以上のような構成とすることにより、本実施形態に係る鞘管構造Xでは、橋脚B及び鞘管1の振動によって遊間Sの寸法の変位が起こっても高弾性接着剤が適宜伸縮することによって遊間Sの上端が密閉された状態を安定して維持される。その結果、長期間に亘って安定して遊間Sを維持することで堤防及び橋脚Bの強度を長期間に亘り担保することができる鞘管構造Xを実現している。
また、施工時に高弾性接着剤が垂れ下がってしまうことなく所要の形状に土砂流入防止部3を仕上げやすいものとしつつ所要の接着力を担保するために本実施形態では、土砂流入防止部3に用いている高弾性接着剤3aのみならず、他の箇所に用いられている各高弾性接着剤2a、11a、11fは、その密度が0.7〜1.2g/cm3であるものを専ら用いている。
そして本実施形態では、土砂流入防止部3における高弾性接着剤3aを下方からバックアップ材3bが支持するようにしているので、簡便な施工及びバックアップ材3b自体の弾性によるさらなる振動吸収能力の向上を両立させている。
特に本実施形態では、バックアップ材3bが、高弾性接着剤3aが接着し得ないポリエチレンやポリプロピレンといった非極性物質からなるものとし、バックアップ材3bによる振動の抑制に加え、高弾性接着剤3aが接着面3a2により接着せずにバックアップ材3bに接しているのみの状態が実現されている。その結果高弾性接着剤3aはバックアップ材に拘束されずに高弾性接着剤3a自体が有する伸び能力を十分に発揮できるようになっている。
また、鞘管1側の振動の吸収を促すことにより土砂流入防止部3で起こる振動を有効に緩和するための構成として本実施形態では、フーチング接合部2を設けている。これにより、振動はアンカーバー2c及びアンカーキャップ2d内の高弾性接着剤2aの相対動作により有効に抑制されるので、土砂流入防止部3で起こる振動抑制のみならず鞘管1自体の耐震性をも向上せしめている。さらにこのフーチング接合部2の具体的な構成として、フーチング基礎Fの上面に設けられたモルタル層たる敷モルタル2g及び緩衝用弾性材層たる緩衝用ゴム2eを配することで、振動を吸収する性能をより向上せしめている。
さらに本実施形態では、鞘管1が上下方向に連結される複数の鞘管ブロックたるC字ブロック10a及び直線ブロック10bからなるものとし、高弾性アンカー部たる高弾性接着剤11aでアンカーバーを被覆する構成をなす上下方向接合部11を設けることで、振動はアンカーバー11c及びアンカーキャップ11d内の高弾性接着剤11aの相対動作により有効に抑制されるので、鞘管1自体も振動を有効に吸収し得る。加えて上下のC字ブロック10a及び直線ブロック10b間に緩衝用弾性材層たる緩衝用ゴム11eを介在させ、斯かる振動を吸収する性能をより向上させている。
加えて本実施形態では上下のC字ブロック10a及び直線ブロック10b間に形成される目地部に高弾性接着剤を充填した目地充填部11fを設ける事により、鞘管1自体の水密性並びに密閉性能をさらに向上せしめ、遊間Sへの土砂や水の侵入を有効に回避せしめている。そして目地充填部11fと緩衝用ゴム11eとの間に非極性物質からなるバックアップ材11bを介在させることにより目地充填部11fは上下のコンクリート表面のみに接着したいわゆる二面接着状態が実現され高弾性接着剤自体の伸び能力が発揮され、鞘管1自体の水密性をより有効に担保せしめている。
以上、本発明の実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
例えば、上記実施形態では高弾性接着剤が有する振動を吸収する性能を有効に利用した上下方向接合部のみによって上下方向の鞘管ブロックを接続する態様を開示したが、勿論、上記水平方向接続部に準じた既存の接合方法を代わりに、或いは一部に適用したものであってもよい。また鞘管の平面視形状は上記実施形態のものに限られず、適用する橋脚の形状によって適宜の形状となり得ることはいうまでもない。またアンカーバーやアンカーキャップの具体的な寸法を始めとした詳細な態様は上記実施形態のものに限定されることはなく、既存のものを含め、種々の態様のものを適用することができる。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
以下、本発明の実施例について説明する。なお当該実施例は本発明を何ら限定するものではない。
そして本発明に用いる高弾性接着剤としては上記の実施形態でも記したとおり、エポキシ樹脂と変性シリコーン樹脂との二液性の接着剤を適用し、容易な施工及び優れた伸び能力を両立させている。
また本発明に用いる高弾性接着剤は何れも、コンクリート同士を接着したときの引張強度が0.2N/mm2以上の接着剤としているので、地震時の振動の際にも鞘管に加わる振動を吸収し且つ高弾性接着剤を使用した箇所の水密性を有効に担保し得る。
以下に本発明の一実施例として、上記実施形態に使用し得る高弾性接着剤の性状及び物性について述べる。
高弾性接着剤は、混合時の粘度が大きく異なる注入工法用のものとコーキング工法用のものが、適用される箇所や環境に応じて適宜使い分けられる。また施工時の温度条件に応じて、注入工法用の高弾性接着剤は冬用、一般用、夏用及び寒冷地用のものから、コーキング工法用のものでは冬用、一般用及び寒冷地用のものから最適なものを適用することによりー5℃から40℃の環境に至るまで、すなわち施工箇所のみならず季節や地域に拘わらず、容易且つ確実な施工が実現される。
本実施例では、注入工法用並びにコーキング工法用の計7種類の高弾性接着剤に対し、それぞれ性状と物性を示すとともに、引張付着強さ試験の結果をそれぞれ示す。また本実施例における粘度の測定はJIS K 6833「接着剤の一般試験方法 6.3 粘度」に準じた方法によって測定した。混合物の比重についてはJIS K 7112に準じた方法によって測定した。
注入工法用の高弾性接着剤(冬用)の性状と物性を表1及び表2にそれぞれ示す。
注入工法用の高弾性接着剤(一般用)の性状と物性を表3及び表4にそれぞれ示す。
注入工法用の高弾性接着剤(夏用)の性状と物性を表5及び表6にそれぞれ示す。
注入工法用の高弾性接着剤(寒冷地用)の性状と物性を表7及び表8にそれぞれ示す。
上記した何れの接着剤も粘度が1000〜12000mPa・Sである点、可使時間が15〜330分である点、試験者の指触より硬化が観察されるまでの指触硬化時間が1時間〜44時間である点、密度が0.8〜1.2g/cm3である点が確認された。
上述した各注入工法用の高弾性接着剤に対し行った引張付着強さ試験の結果をそれぞれ表9及び表10に示す。
以上より、コンクリート面と接着した状態における注入工法用の4タイプの高弾性接着剤(夏用、一般用、冬用、寒冷地用)の最大の伸び量は、低温下(0℃)においても常温下(20℃)と同等又はそれ以上であり、レベル2地震動を想定した継手部の許容軸方向変位量すなわち伸び能力が100%以上となることが確認された。さらに、何れの接着剤においても試験時の付着強度である引張強度が0.2N/mm2以上である点、伸び能力が250%以上となっている点も併せて確認された。
続いて、コーキング工法用の高弾性接着剤(一般用)の性状と物性を表11及び表12にそれぞれ示す。
コーキング工法用の高弾性接着剤(冬用)の性状と物性を表13及び表14にそれぞれ示す。
コーキング工法用の高弾性接着剤(寒冷地用)の性状と物性を表15及び表16にそれぞれ示す。
上記した何れの接着剤も粘度が100000〜530000mPa・Sである点、可使時間が30〜270分である点、試験者の指触より硬化が観察されるまでの指触硬化時間が4時間〜60時間である点、密度が0.7〜1.1g/cm3である点が確認された。
上述した各コーキング工法用の高弾性接着剤に対し行った引張付着強さ試験の結果をそれぞれ表17及び表18に示す。
以上より、コンクリート面と接着した状態におけるコーキング工法用の3タイプの高弾性接着剤(一般用、冬用、寒冷地用)の最大の伸び量は、低温下(0℃)においても常温下(20℃)と同等又はそれ以上であり、レベル2地震動を想定した継手部の許容軸方向変位量すなわち伸び能力が100%以上となることが確認された。
本発明は堤防を構成する堤体及び当該堤体内に立設される橋脚との間に遊間を形成すべく鞘管を設けた鞘管構造として利用することができる。
X…鞘管構造
1…鞘管
10a…鞘管ブロック(C字ブロック)
10b…鞘管ブロック(直線ブロック)
11…上下方向接合部
11a…高弾性アンカー部(高弾性接着剤)
11c…アンカーバー
2…フーチング接合部
2a…高弾性アンカー部(高弾性接着剤)
2c…アンカーバー
3…土砂流入防止部
3a…高弾性接着剤
3b…バックアップ材
F…フーチング基礎
B…橋脚
S…遊間
T…堤体

Claims (5)

  1. 堤防を構成する堤体内に立設されるコンクリート製である橋脚と、
    前記橋脚の周囲に平面視所定寸法をなす空間である遊間を介して平面視環状に設けることにより前記橋脚から離間して設けられ上端部分が地表に露出する程度まで土砂で覆われた状態であるコンクリート製品である鞘管と、
    前記遊間の上縁において前記鞘管と前記橋脚との間を前記鞘管の上面に略面一となるよう配された伸び能力が100%〜250%でありコンクリート同士を接着したときの引張強度が0.2N/mm2以上の高弾性接着剤により密閉した土砂流入防止部とを具備する鞘管構造であって、
    前記鞘管と前記堤体を構成するフーチング基礎との間に、前記鞘管に一体的に下方に突出させて設けられたアンカーバーと、前記フーチング基礎に設けられた前記高弾性接着剤からなり前記アンカーバーの側方及び下方を被覆する高弾性アンカー部と、前記フーチング基礎と前記鞘管との間に介在する緩衝用弾性材層とを有したフーチング接合部を具備していることを特徴とする鞘管構造。
  2. 前記高弾性接着剤の密度が0.7〜1.2g/cm3である請求項1記載の鞘管構造。
  3. 前記土砂流入防止部が、前記高弾性接着剤と、この高弾性接着剤を下方から支持する弾性変形可能なバックアップ材とを有している請求項1又は2記載の鞘管構造。
  4. 前記バックアップ材が、前記高弾性接着剤が接着し得ない非極性物質からなる請求項3記載の鞘管構造。
  5. 前記鞘管が上下方向に連結される複数の鞘管ブロックからなるものであり、
    上側の前記鞘管ブロックに一体的に下方に突出させて設けられたアンカーバー及び下側の前記鞘管ブロックに設けられた前記高弾性接着剤からなり前記アンカーバーを被覆する高弾性アンカー部を有した上下方向接合部を具備している請求項1、2、3又は4記載の鞘管構造。
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