以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<1.第1の実施の形態>
<1.1.蓄電システムおよび蓄電装置の構成>
蓄電システム1は、停電時においても対象装置に電力を供給できるように、または電力供給源がない屋外でも対象装置を使用できるようにする装置群である。図1に示すように、蓄電システム1は、主として、電源10と、蓄電装置20と、変換装置30と、負荷40と、を有している。また、電源10、蓄電装置20、変換装置30、および負荷40は、それぞれ対応する接地線12、52、32、42を介して基準電位点と電気的に接続(すなわち、接地)されている。
電源10は、蓄電装置20および負荷40に電力を供給する。図1に示すように、蓄電装置20は出力線11を介して、負荷40は出力線13を介して、それぞれ電源10と電気的に接続されている。
ここで、電源10としては、
(1)電力会社から供給された交流電力、または、
(2)発電装置(例えば、電磁誘導に基づいて機械的エネルギーを電気的エネルギーに変換する発電機)により発生させられた交流電流、
を直流電力に変換する装置であっても良い。また、電源10としては、直流電力を発生させる発電装置(例えば、光電効果に基づいて光エネルギーを電気的エネルギーに変換する太陽光発電装置)であっても良い。
蓄電装置20は、電源10から供給される電力に従って電気を蓄えるとともに、蓄電された電気を変換装置30側に放出する装置である。図1に示すように、蓄電装置20は、主として、蓄電ユニット50と、制御ユニット90と、を備えている。
蓄電ユニット50は、静電誘導により電荷(電気的エネルギー)を蓄えるユニットである。図1に示すように、蓄電ユニット50は、出力線51を介して変換装置30と電気的に接続されている。なお、蓄電ユニット50の詳細な構成については、後述する。
制御ユニット90は、信号線99を介して、蓄電ユニット50と電気的に接続されており、蓄電ユニット50による充電処理および放電処理を制御する。図1に示すように、制御ユニット90は、主として、CPU91と、メモリ92と、電圧制御部94と、を有している。
CPU91は、メモリ92に格納されているプログラム92aにしたがって、データの演算処理等を所定のタイミングで実行する。電圧制御部94は、充電時および放電時における蓄電ユニット50の出力電圧を制御する。
変換装置30は、負荷40の仕様に応じて、
(1)蓄電装置20から供給される直流電力の出力電圧を降圧または昇圧させる処理、
(2)蓄電装置20から供給される直流電力を、所望の電圧値の交流電力に変換する処理、
等を実行させる。なお、負荷40の仕様によっては、蓄電装置20の出力線51は、変換装置30に接続されず、負荷40に直接接続されても良い。この場合、蓄電システム1には、変換装置30が設けられなくても良い。
負荷40は、蓄電装置20から電力供給を受ける対象装置である。例えば、蓄電装置20がバックアップ電源として用いられる場合、負荷40は、電源10の停電時に蓄電装置20から電力供給を受ける。また、負荷40が携帯端末(例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、およびノートパソコン等)または車両(例えば、電気自動車、電動二輪車、および電動自転車等)であり、蓄電装置20の蓄電ユニット50が携帯端末または車両に設けられた電池ユニットである場合、負荷40は、電源10からの電力供給が遮断されたときに、蓄電装置20から電力供給を受ける。
<1.2.蓄電ユニットの構成>
図2は、蓄電ユニット50の構成の一例を示す回路図である。図2に示すように、蓄電ユニット50は、主として、複数のセル集合S111〜S113(複数の第1セル集合)と、調整用セルC0と、複数のスイッチと、を備えている。
複数(本実施の形態では、3つ)のセル集合S111〜S113のそれぞれは、図2に示すように、複数の蓄電用セルを有している。すなわち、セル集合S111は2つの蓄電用セルC11、C12を、セル集合S112は2つの蓄電用セルC21、22を、セル集合S113は2つの蓄電用セルC31、32を、それぞれ有している。ここで、各蓄電用セルC11、C12、C21、C22、C31、C32および調整用セルC0としては、静電誘導により電荷を蓄えるもの(例えば電気二重層キャパシタ)が用いられても良い。
図2に示すように、セル集合S111に含まれる蓄電用セルC12のマイナス側端子T14と、セル集合S112に含まれる蓄電用セルC21のプラス側端子T21と、は配線により接続されている。また、セル集合S112に含まれる蓄電用セルC22のマイナス側端子T24と、セル集合S113に含まれる蓄電用セルC31のプラス側端子T31と、は配線により接続されている。このように、複数のセル集合S111〜S113のうち隣接する2つ(例えば、セル集合S111、S112)は、電気的に接続されている。
また、図2に示すように、セル集合S111に含まれる蓄電用セルC11のプラス側端子T11は、プラス側出力端子55および充放電切替スイッチ57を介して、電源10の出力線11または出力線51と接続されている。さらに、セル集合S113に含まれる蓄電用セルC32のマイナス側端子T34は、マイナス側出力端子56および接地線52を介して基準電位点と接続されている。このように、プラス側およびマイナス側出力端子55、56の間の電圧が、蓄電ユニット50の出力電圧となる。
また、図2に示すように、セル集合S111において、蓄電用セルC11のプラス側端子T11は、スイッチSw62を介して蓄電用セルC12のプラス側端子T13と接続されている。また、蓄電用セルC11のマイナス側端子T12は、スイッチSw61を介して蓄電用セルC12のプラス側端子T13と、スイッチSw63を介して蓄電用セルC12のマイナス側端子T14と、それぞれ接続されている。
また、セル集合S112において、蓄電用セルC21のプラス側端子T21は、スイッチSw72を介して蓄電用セルC22のプラス側端子T23と接続されている。また、蓄電用セルC21のマイナス側端子T22は、スイッチSw71を介して蓄電用セルC22のプラス側端子T23と、スイッチSw73を介して蓄電用セルC22のマイナス側端子T24と、それぞれ接続されている。
さらに、セル集合S113において、蓄電用セルC31のプラス側端子T31は、スイッチSw82を介して蓄電用セルC32のプラス側端子T33と接続されている。また、蓄電用セルC31のマイナス側端子T32は、スイッチSw81を介して蓄電用セルC32のプラス側端子T33と、スイッチSw83を介して蓄電用セルC32のマイナス側端子T34と、それぞれ接続されている。
そして、セル集合S111において、スイッチSw61がオン状態にされるとともに、スイッチSw62、Sw63がオフ状態にされると、蓄電用セルC11、C12が直列に接続される。一方、スイッチSw61がオフ状態にされるとともに、スイッチSw62、Sw63がオン状態にされると、蓄電用セルC11、C12が並列に接続される。
また、セル集合S112において、スイッチSw71がオン状態にされるとともに、スイッチSw72、Sw73がオフ状態にされると、蓄電用セルC21、C22が直列に接続される。一方、スイッチSw71がオフ状態にされるとともに、スイッチSw72、Sw73がオン状態にされると、蓄電用セルC21、C22が並列に接続される。
さらに、セル集合S113において、スイッチSw81がオン状態にされるとともに、スイッチSw82、Sw83がオフ状態にされると、蓄電用セルC31、C32が直列に接続される。一方、スイッチSw81がオフ状態にされるとともに、スイッチSw82、Sw83がオン状態にされると、蓄電用セルC31、C32が並列に接続される。
すなわち、スイッチSw61〜Sw63はセル集合S111における2つの蓄電用セルC11、C12を、スイッチSw71〜Sw73はセル集合S112における2つの蓄電用セルC21、C22を、スイッチSw81〜Sw83はセル集合S113における2つの蓄電用セルC31、C32を、直列または並列に接続する。
このように、本実施の形態において、スイッチSw61〜Sw63、スイッチSw71〜Sw73、およびスイッチSw81〜Sw83は、複数のセル集合S111〜S113のそれぞれにおける複数の蓄電用セルC11、C12、蓄電用セルC21、C22、および蓄電用セルC31、C32を、直列または並列に接続するように切り替える第1切替部として用いられる。
ここで、本実施の形態において、2つの蓄電用セルを「直列」に接続するということは、2つの蓄電用セルのうちの一方のプラス側端子と、他方のマイナス側端子と、を接続することを言うものとする。
また、本実施の形態において、2つの蓄電用セルを「並列」に接続するということは、2つの蓄電用セルのプラス側端子同士およびマイナス側端子同士をそれぞれ接続することを言うものとする。
調整用セルC0は、複数のセル集合S111〜S113に含まれる各蓄電用セルC11、C12、C21、C22、C31、C32と接続可能とされたセルである。各蓄電用セルC11、C12、C21、C22、C31、C32および調整用セルC0のそれぞれは、同程度の静電容量を有している。
また、図2に示すように、蓄電用セルC11のプラス側端子T11、蓄電用セルC12のプラス側端子T13、蓄電用セルC21のプラス側端子T21、蓄電用セルC22のプラス側端子T23、蓄電用セルC31のプラス側端子T31、および蓄電用セルC32のプラス側端子T33は、それぞれスイッチSw11、Sw13、Sw21、Sw23、Sw31、Sw33を介して調整用セルC0のプラス側端子T01と接続されている。
さらに、蓄電用セルC11のマイナス側端子T12、蓄電用セルC12のマイナス側端子T14、蓄電用セルC21のマイナス側端子T22、蓄電用セルC22のマイナス側端子T24、蓄電用セルC31のマイナス側端子T32、および蓄電用セルC32のマイナス側端子T34は、それぞれスイッチSw12、Sw14、Sw22、Sw24、Sw32、Sw34を介して調整用セルC0のマイナス側端子T02と接続されている。
そして、制御ユニット90の電圧制御部94(図1参照)がスイッチSw11、Sw12、Sw21、Sw22、Sw31、Sw32のオンおよびオフ状態を切り替えることによって、各蓄電用セルC11、C12、C21、C22、C31、C32は、排他的に調整用セルC0と並列に接続される。
例えば、スイッチSw11、Sw12がオン状態にされつつ、スイッチSw21、Sw22、Sw31、Sw32がオフ状態にされることによって、蓄電用セルC11のみが調整用セルC0と接続される。
このように、本実施の形態において、スイッチSw11〜Sw14、Sw21〜Sw24、Sw31〜Sw34は、セル集合S111〜S113に含まれる各蓄電用セルC11、C12、C21、C22、C31、C32のうちの一のセルと、調整用セルC0と、が並列に接続されるように切り替える第2切替部として用いられる。
<1.3.蓄電ユニットの充電手順>
図3は、本実施の形態における蓄電ユニット50の充電手順を説明するためのフローチャートである。図4から図6のそれぞれは、蓄電ユニット50の構成の一例を示す回路図である。ここでは、図2から図6を参照しつつ、蓄電ユニット50に対する充電処理を説明する。
ここで、ステップST101が実行される前の段階(すなわち、充放電切替スイッチ57がオフ状態にされ、蓄電ユニット50に対する充電処理および放電処理のいずれもが実行されていない場合)において、制御ユニット90の電圧制御部94(図1参照)は、第2切替部によって、複数のセル集合S111〜S113に含まれる各蓄電用セルC11、C12、C21、C22、C31、C32のうちの一のセルと、調整用セルC0と、を並列接続させている。
例えば、図2に示すように、スイッチSw11、Sw12がオン状態にされ、スイッチSw13、Sw14、Sw21〜Sw24、Sw31〜Sw34がオフ状態にされることによって、蓄電用セルC11のみが調整用セルC0と並列に接続されても良い。
また、ステップST101が実行される前の段階において、スイッチSw61、Sw71、Sw81がオン状態にされ、スイッチSw62、Sw63、Sw72、Sw73、Sw82、Sw83がオフ状態にされることによって、蓄電ユニット50に含まれる各蓄電用セルC11、C12、C21、C22、C31、C32は、この順番に、直列に接続されている(図2参照)。
さらに、ステップST101が実行されることに先立って、セル集合S111が注目セル集合に設定されている。
本充電手順では、まず、第2切替部による切り替えが一定間隔で実行される。これにより、各蓄電用セルC11、C12、C21、C22、C31、C32と、調整用セルC0と、を順次接続する処理が、開始させられる(ST101)。
次に、充放電切替スイッチ57が充電側に切り替えられ、プラス側出力端子55が充放電切替スイッチ57を介して電源10の出力線11と接続される(ST102)。これにより、蓄電用セルC11、C12、C21、C22、C31、C32が直列に接続された状態で、蓄電ユニット50に対する充電処理が開始される。
このように、少なくとも、蓄電ユニット50が充電中の場合、電圧制御部94は、第2切替部によって、各セル集合S111〜S113に含まれる各蓄電用セルC11、C12、C21、C22、C31、C32を、排他的に調整用セルC0と順次接続させる。ここで、蓄電ユニット50が充電中の場合、第2切替部による切り替え間隔としては、好ましくは、0.01〜10.0(ms)(さらに好ましくは、0.10〜1.00(ms))である。
続いて、ステップST103において、蓄電ユニット50の出力電圧(プラス側およびマイナス側出力端子55、56の間の電圧)が監視される。そして、蓄電ユニット50の出力電圧が第1設定電圧以上となると(ST103)、セル集合S111(注目セル集合)に含まれる蓄電用セルC11、C12の接続が直列から並列に切り替えられる(ST105)。
すなわち、図4に示すように、スイッチSw61がオン状態からオフ状態に切り替えられるとともに、スイッチSw62、Sw63がオフ状態からオン状態に切り替えられる。これにより、蓄電ユニット50の出力電圧が、第1設定電圧より小さくなる。そして、注目セル集合が、セル集合S111からセル集合S112に変更され(ST106)、ステップST103に戻ることにより、引き続き充電処理が実行される。
セル集合S111の蓄電用セルC11、C12の接続が並列に切り替えられた後において、蓄電ユニット50の出力電圧が第1設定電圧以上となると(ST103)、セル集合S112(注目セル集合)に含まれる蓄電用セルC21、C22の接続が直列から並列に切り替えられる(ST105)。
すなわち、図5に示すように、スイッチSw71がオン状態からオフ状態に切り替えられるとともに、スイッチSw72、Sw73がオフ状態からオン状態に切り替えられる。これにより、蓄電ユニット50の出力電圧が、再度、第1設定電圧より小さくなる。そして、注目セル集合が、セル集合S112からセル集合S113に変更され(ST106)、ステップST103に戻ることにより、引き続き充電処理が実行される。
セル集合S112の蓄電用セルC21、C22の接続が並列に切り替えられた後において、蓄電ユニット50の出力電圧が第1設定電圧以上となると(ST103)、セル集合S113(注目セル集合)に含まれる蓄電用セルC31、C32の接続が直列から並列に切り替えられる(ST105)。
すなわち、図6に示すように、スイッチSw81がオン状態からオフ状態に切り替えられるとともに、スイッチSw82、Sw83がオフ状態からオン状態に切り替えられる。これにより、蓄電ユニット50の出力電圧が、再度、第1設定電圧より小さくなる。そして、注目セル集合が、セル集合S112からセル集合S113に変更され(ST106)、ステップST103に戻ることにより、引き続き充電処理が実行される。
ここで、セル集合S113の蓄電用セルC31、C32の接続が並列に切り替えられた後において、蓄電用セルC11、C12、蓄電用セルC21、C22、および蓄電用セルC31、C32のそれぞれは、図6に示すように、並列に接続されている。したがって、蓄電ユニット50の出力電圧がさらに第1設定電圧以上となった場合(ST103)には、ステップST104からステップST107に進む。
そして、充放電切替スイッチ57がオフ状態にされるとともに(ST107)、各蓄電用セルC11、C12、C21、C22、C31、C32と、調整用セルC0と、を順次接続する処理が停止させられる(ST108)ことによって、蓄電ユニット50の充電処理が終了する。
このように、本充電手順において、制御ユニット90の電圧制御部94は、蓄電ユニット50の両出力端子55、56間の出力電圧に従って、第1切替部による直列または並列の切り替えを実行させる。
すなわち、蓄電ユニット50の充電中に蓄電ユニット50の出力電圧が第1設定電圧以上となる場合、電圧制御部94は、複数のセル集合S111〜S113のうちの一の集合に含まれる蓄電用セルの接続を、直列から並列に切り替えさせる。
<1.4.蓄電ユニットの放電手順>
図7は、本実施の形態における蓄電ユニット50の放電手順を説明するためのフローチャートである。図8から図11のそれぞれは、蓄電ユニット50の構成の一例を示す回路図である。
ここで、ステップST201が実行される前の段階(すなわち、充放電切替スイッチ57がオフ状態にされ、蓄電ユニット50に対する充電処理および放電処理のいずれもが実行されていない場合)において、制御ユニット90の電圧制御部94(図1参照)は、第2切替部によって、複数のセル集合S111〜S113に含まれる各蓄電用セルC11、C12、C21、C22、C31、C32のうちの一のセルと、調整用セルC0と、を並列接続させている。
例えば、図8に示すように、スイッチSw11、Sw12がオン状態にされ、スイッチSw13、Sw14、Sw21〜Sw24、Sw31〜Sw34がオフ状態にされることによって、蓄電用セルC11のみが調整用セルC0と並列に接続されても良い。
また、ステップST201が実行される前の段階において、スイッチSw61、Sw71、Sw81がオフ状態にされ、Sw62、Sw63、Sw72、Sw73、Sw82、Sw83がオフ状態にされることによって、複数のセル集合S111〜S113における蓄電用セルC11、C12、蓄電用セルC21、C22、および蓄電用セルC31、C32のそれぞれは、並列に接続されている(図8参照)。
さらに、ステップST201が実行されることに先立って、セル集合S111が注目セル集合に設定されている。
本放電手順では、まず、第2切替部による切り替えが一定間隔で実行される。これにより、各蓄電用セルC11、C12、C21、C22、C31、C32と、調整用セルC0と、を順次接続する処理が、開始させられる(ST201)。
次に、充放電切替スイッチ57が放電側に切り替えられ、プラス側出力端子55が充放電切替スイッチ57を介して出力線51と接続される(ST202)。これにより、蓄電用セルC11、C12、蓄電用セルC21、C22、および蓄電用セルC31、C32のそれぞれが並列に接続された状態で、蓄電ユニット50に対する放電処理が開始される。
このように、少なくとも、蓄電ユニット50が放電中の場合、電圧制御部94は、第2切替部によって、各セル集合S111〜S113に含まれる各蓄電用セルC11、C12、C21、C22、C31、C32を、排他的に調整用セルC0と順次接続させる。ここで、蓄電ユニット50が放電中の場合、第2切替部による切り替え間隔としては、好ましくは、0.01〜10.0(ms)(さらに好ましくは、0.10〜1.00(ms))である。
続いて、ステップST203において、蓄電ユニット50の出力電圧が監視される。そして、蓄電ユニット50の出力電圧が第2設定電圧以下となると(ST203)、セル集合S111(注目セル集合)に含まれる蓄電用セルC11、C12の接続が並列から直列に切り替えられる(ST205)。
すなわち、図9に示すように、スイッチSw61がオフ状態からオン状態に切り替えられるとともに、スイッチSw62、Sw63がオン状態からオフ状態に切り替えられる。これにより、蓄電ユニット50の出力電圧が、第2設定電圧より大きくなる。そして、注目セル集合が、セル集合S111からセル集合S112に変更され(ST206)、ステップST203に戻ることにより、引き続き放電処理が実行される。
セル集合S111の蓄電用セルC11、C12の接続が直列に切り替えられた後において、蓄電ユニット50の出力電圧が第2設定電圧以下となると(ST203)、セル集合S112(注目セル集合)に含まれる蓄電用セルC21、C22の接続が並列から直列に切り替えられる(ST205)。
すなわち、図10に示すように、スイッチSw71がオフ状態からオン状態に切り替えられるとともに、スイッチSw72、Sw73がオン状態からオフ状態に切り替えられる。これにより、蓄電ユニット50の出力電圧が、再度、第2設定電圧より大きくなる。そして、注目セル集合が、セル集合S112からセル集合S113に変更され(ST206)、ステップST203に戻ることにより、引き続き放電処理が実行される。
セル集合S112の蓄電用セルC21、C22の接続が直列に切り替えられた後において、蓄電ユニット50の出力電圧が第2設定電圧以下となると(ST203)、セル集合S113(注目セル集合)に含まれる蓄電用セルC31、C32の接続が並列から直列に切り替えられる(ST205)。
すなわち、図11に示すように、スイッチSw81がオフ状態からオン状態に切り替えられるとともに、スイッチSw82、Sw83がオン状態からオフ状態に切り替えられる。これにより、蓄電ユニット50の出力電圧が、再度、第2設定電圧より大きくなる。そして、注目セル集合が、セル集合S112からセル集合S113に変更され(ST206)、ステップST203に戻ることにより、引き続き放電処理が実行される。
ここで、セル集合S113の蓄電用セルC31、C32の接続が並列に切り替えられた後において、蓄電用セルC11、C12、C21、C22、C31、C32は、図11に示すように、直列に接続されている。したがって、蓄電ユニット50の出力電圧がさらに第2設定電圧以下となった場合(ST203)には、ステップST204からステップST207に進む。
そして、充放電切替スイッチ57がオフ状態にされるとともに(ST207)、各蓄電用セルC11、C12、C21、C22、C31、C32と、調整用セルC0と、を順次接続する処理が停止させられる(ST208)ことによって、蓄電ユニット50の放電処理が終了する。
このように、本放電手順において、制御ユニット90の電圧制御部94は、蓄電ユニット50の両出力端子55、56間の出力電圧に従って、第1切替部による直列または並列の切り替えを実行させる。
すなわち、蓄電ユニット50の放電中に蓄電ユニット50の出力電圧が第2設定電圧以下となる場合、電圧制御部94は、複数のセル集合S111〜S113のうちの一の集合に含まれる2つ蓄電用セルの接続を、並列から直列に切り替えさせる。
<1.5.第1の実施の形態の蓄電ユニットおよび蓄電装置の利点>
以上のように、第1の実施の形態の蓄電ユニット50の充電中および放電中において、複数のセル集合S111〜S113に含まれる各蓄電用セルC11、C12、C21、C22、C31、C32は、排他的に順次、調整用セルC0と並列接続される。これにより、複数のセル集合S111〜S113に含まれる各蓄電用セルC11、C12、C21、C22、C31、C32と調整用セルC0との電圧は、充電中および放電中の全期間にわたって、ばらつくことなく略同一とされる。
そのため、第1切替部により各蓄電用セルC11、C12、C21、C22、C31、C32の接続を切り替える場合において、各蓄電用セルC11、C12、C21、C22、C31、C32の電圧のばらつきに起因して定格電流値を超える突入電流が回路素子に流れることを防止でき、その結果、この回路素子が破損することを防止できる。
また、複数のセル集合S111〜S113に含まれる各蓄電用セルC11、C12、C21、C22、C31、C32と調整用セルC0との電圧が略同一となると、突入電流の影響を抑制するための抵抗素子を別途設けることが不要となる。そのため、各蓄電用セルC11、C12、C21、C22、C31、C32に蓄えられたエネルギーを効率良く利用できる。
また、複数のセル集合S111〜S113に含まれる各蓄電用セルC11、C12、C21、C22、C31、C32と調整用セルC0との電圧が略同一となると、他の蓄電用セルより高電圧で使用されることに起因して特定の蓄電用セルが短寿命化することを抑制できる。そのため、蓄電ユニット50の長寿命化を図ることができる。
また、複数のセル集合S111〜S113に含まれる各蓄電用セルC11、C12、C21、C22、C31、C32と調整用セルC0との電圧が略同一となると、個々の蓄電用セルの電圧を監視することが不要となる。そのため、蓄電ユニット50に設けられた両出力端子55、56間の出力電圧を監視するだけで、第1切替部による直列または並列の切り替えを適切に実行できる。
さらに、蓄電ユニット50に対する充電処理および放電処理のいずれもが実行されていない場合、複数のセル集合S111〜S113に含まれる各蓄電用セルC11、C12、C21、C22、C31、C32のうちの一のセルと、調整用セルC0と、は並列接続されている。
これにより、調整用セルC0の電圧は、蓄電ユニット50に対する充電処理および放電処理のいずれもが実行されていない期間においても、複数のセル集合S111〜S113に含まれる各蓄電用セルC11、C12、C21、C22、C31、C32のうちの一のセルの電圧と、略同一とされる。
そのため、蓄電ユニット50に対する充電処理または放電処理が開始され、第2切替部により各蓄電用セルC11、C12、C21、C22、C31、C32と調整用セルC0とが順次接続される場合であっても、各蓄電用セルC11、C12、C21、C22、C31、C32と調整用セルC0との電圧のばらつきに起因して回路素子が破損することを抑制できる。
<2.第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第1および第2の実施の形態の蓄電ユニット50、150は、各セル集合に含まれる蓄電用セルの個数が相違する点を除いては、同様な構成を有する。そこで、以下では、この相違点を中心に説明する。
なお、蓄電ユニット50、150で同様な構成要素には、同一符号が付されており、この同一符号が付された構成要素は、第1の実施の形態で説明済みである。そのため、本実施の形態では説明を省略する。
<2.1.蓄電ユニットの構成>
図12から図15のそれぞれは、蓄電ユニット150の構成の一例を示す回路図である。図12から図15に示すように、蓄電ユニット50は、主として、複数のセル集合(第1セル集合)と、調整用セルC100と、複数のスイッチと、を備えている。
ここで、複数のセル集合のうち隣接する2つは、第1の実施の形態と同様に、電気的に接続されている。また、図12から図15に示すように、プラス側出力端子155は、充放電切替スイッチ57を介して電源10の出力線11または出力線51と接続されており、マイナス側出力端子156は、接地線52を介して基準電位点と接続されている。すなわち、プラス側およびマイナス側出力端子155、156の間の電圧が、蓄電ユニット150の出力電圧となる。
なお、図12から図15では、紙面の都合上、複数のセル集合のうちのセル集合S121のみを図示している。
複数のセル集合のそれぞれは、第1の実施の形態と同様に、複数の蓄電用セルを有している。例えば、セル集合S121は3つの蓄電用セルC111〜C113を有している。ここで、各蓄電用セルC111〜C113および調整用セルC100としては、第1の実施の形態と同様に、静電誘導により電荷を蓄えるもの(例えば電気二重層キャパシタ)が用いられても良い。
図12に示すように、セル集合S121において、蓄電用セルC111のプラス側端子T111は、スイッチSw166を介して蓄電用セルC112のプラス側端子T113と、スイッチSw164、Sw165を介して蓄電用セルC113のプラス側端子T115と、それぞれ接続されている。
また、蓄電用セルC111のマイナス側端子T112は、スイッチSw160を介して蓄電用セルC112のプラス側端子T113と、スイッチSw168、Sw162を介して蓄電用セルC112のマイナス側端子T114と、スイッチSw168、Sw169を介して蓄電用セルC113のマイナス側端子T116と、それぞれ接続されている。
また、蓄電用セルC112のプラス側端子T113は、スイッチSw161、Sw165を介して蓄電用セルC113のプラス側端子T115と接続されている。
さらに、蓄電用セルC112のマイナス側端子T114は、スイッチSw163を介して蓄電用セルC113のプラス側端子T115と、スイッチSw167を介して蓄電用セルC113のマイナス側端子T116と、それぞれ接続されている。
そして、図12に示すように、セル集合S121において、スイッチSw160、Sw163がオン状態にされるとともに、スイッチSw161、Sw162、Sw164〜Sw169がオフ状態にされると、蓄電用セルC111〜C113は直列に接続される。
また、図13に示すように、セル集合S121において、スイッチSw168、Sw162、Sw166、Sw163がオン状態にされるとともに、スイッチSw160、Sw164、Sw165、Sw167、Sw169がオフ状態にされると、蓄電用セルC111、C112は並列に接続されるとともに、蓄電用セルC113は蓄電用セルC111、C112のそれぞれと直列に接続される。
また、図14に示すように、セル集合S121において、スイッチSw160、Sw161、Sw165、Sw167がオン状態にされるとともに、スイッチSw162〜Sw164、Sw166、Sw168、Sw169がオフ状態にされると、蓄電用セルC112、C113は並列に接続されるとともに、蓄電用セルC111は蓄電用セルC112、C113のそれぞれと直列に接続される。
さらに、図15に示すように、セル集合S121において、スイッチSw164〜Sw169がオン状態にされるとともに、スイッチSw160〜Sw163がオフ状態にされると、蓄電用セルC111〜C113はすべて並列に接続される。
このように、本実施の形態において、スイッチSw160〜Sw169は、セル集合S121における複数の蓄電用セルC111〜C113を、直列、および/または、並列に接続するように切り替える第1切替部として用いられる。
調整用セルC100は、第1の実施の形態と同様に、複数のセル集合に含まれる各蓄電用セルと接続可能とされたセルであり、各蓄電用セルC111〜C113および調整用セルC100のそれぞれは、同程度の静電容量を有している。
また、図12から図15に示すように、蓄電用セルC111のプラス側端子T111、蓄電用セルC112のプラス側端子T113、および蓄電用セルC113のプラス側端子T115は、それぞれスイッチSw111、Sw113、Sw115を介して調整用セルC100のプラス側端子T101と接続されている。さらに、蓄電用セルC111のマイナス側端子T112、蓄電用セルC112のマイナス側端子T114、および蓄電用セルC113のマイナス側端子T116は、それぞれスイッチSw112、Sw114、Sw116を介して調整用セルC100のマイナス側端子T102と接続されている。
そして、制御ユニット90の電圧制御部94(図1参照)がスイッチSw111〜Sw116のオンおよびオフ状態を切り替えることによって、各蓄電用セルC111〜C113は、排他的に調整用セルC100と並列に接続される。
例えば、スイッチSw111、Sw112がオン状態にされつつ、スイッチSw113〜Sw116がオフ状態にされることによって、蓄電用セルC111のみが調整用セルC100と接続される。
このように、本実施の形態において、スイッチSw111〜Sw116は、セル集合S121に含まれる各蓄電用セルC111〜C113のうちの一のセルと、調整用セルC100と、が並列に接続されるように切り替える第2切替部として用いられる。
<2.2.蓄電ユニットの充電手順>
図16は、本実施の形態における蓄電ユニット150の充電手順を説明するためのフローチャートである。ここでは、図12から図16を参照しつつ、蓄電ユニット150に対する充電処理の手順を説明する。なお、本充電手順の説明では、図12から図15の都合上、主として、セル集合S121に関することを説明するが、他のセル集合についても本説明が同様に当てはまる。
ここで、ステップST301が実行される前の段階(すなわち、充放電切替スイッチ57がオフ状態にされ、蓄電ユニット150に対する充電処理および放電処理のいずれもが実行されていない場合)において、制御ユニット90の電圧制御部94(図1参照)は、第2切替部によって、複数のセル集合に含まれる各蓄電用セルのうちの一のセルと、調整用セルC100と、を並列接続させている。
例えば、図12に示すように、スイッチSw111、Sw112がオン状態にされ、スイッチSw113〜Sw116がオフ状態にされることによって、蓄電用セルC111のみが調整用セルC100と並列に接続されても良い。
また、ステップST301が実行される前の段階において、複数のセル集合に含まれる各蓄電用セルは、直列に接続されている。例えば、セル集合S121において、スイッチSw160、Sw163がオン状態にされるとともに、スイッチSw161、Sw162、Sw164〜Sw169がオフ状態にされることによって、蓄電用セルC111〜C113は、直列に接続されている(図12参照)。
さらに、ステップST301が実行されることに先立って、セル集合S121が注目セル集合に設定されている。
本充電手順では、第1の実施の形態と同様に、まず、第2切替部による切り替えが一定間隔で実行される。これにより、各蓄電用セルC111〜C113と、調整用セルC100と、を順次接続する処理が、開始させられる(ST301)。
次に、充放電切替スイッチ57が充電側に切り替えられ、プラス側出力端子155が充放電切替スイッチ57を介して電源10の出力線11と接続される(ST302)。これにより、セル集合S121において、蓄電用セルC111〜C113が直列に接続された状態で、蓄電ユニット150に対する充電処理が開始される。
このように、少なくとも、蓄電ユニット150が充電中の場合、電圧制御部94は、第2切替部によって、各セル集合に含まれる各蓄電用セルを、排他的に調整用セルC100と順次接続させる。ここで、蓄電ユニット150が充電中の場合、第2切替部による切り替え間隔としては、好ましくは、0.01〜10.0(ms)(さらに好ましくは、0.10〜1.00(ms))である。
続いて、ステップST303において、蓄電ユニット150の出力電圧(プラス側およびマイナス側出力端子155、156の間の電圧)が監視される。そして、蓄電ユニット150の出力電圧が第1設定電圧以上となると(ST303)、セル集合S121(注目セル集合)に含まれる2つの蓄電用セルC111、C112の接続が直列から並列に切り替えられる(ST305)。
すなわち、図13に示すように、スイッチSw160がオン状態からオフ状態に切り替えられるとともに、スイッチSw166、Sw168がオフ状態からオン状態に切り替えられる。これにより、隣接する2つの蓄電用セルC111、C112の接続が直列から並列に切り替えられ、蓄電ユニット150の出力電圧が、第1設定電圧より小さくなる。そして、ステップST303に戻ることにより、引き続き充電処理が実行される。
セル集合S121の蓄電用セルC111、C112の接続が並列に切り替えられた後において、蓄電ユニット150の出力電圧が第1設定電圧以上となると(ST303)、セル集合S112(注目セル集合)に含まれる2つの蓄電用セルC112、C113の接続、および2つの蓄電用セルC111、C113の接続が、それぞれ直列から並列に切り替えられる(ST305)。
すなわち、図15に示すように、スイッチSw162、Sw163がオン状態からオフ状態に切り替えられるとともに、スイッチSw164、SW165、Sw167、Sw169がオフ状態からオン状態に切り替えられる。これにより、少なくとも隣接する2つの蓄電用セルC112、C113の接続が直列から並列に切り替えられ、蓄電ユニット150の出力電圧が、再度、第1設定電圧より小さくなる。そして、ステップST303に戻ることにより、引き続き充電処理が実行される。
ここで、セル集合S121の蓄電用セルC112、C113の接続が並列に切り替えられた後において、セル集合S121における蓄電用セルC111〜C113は、図15に示すように、すべて並列に接続されている。したがって、蓄電ユニット150の出力電圧がさらに第1設定電圧以上となった場合(ST303)には、ステップST304からステップST306に進む。
ステップST306において、すべてのセル集合(図12から図15では、セル集合S121以外のセル集合について図示省略)に対してステップST303〜ST305が実行されていない(例えば、セル集合S121についてのみステップST303〜S305が終了している)と判断される場合、注目セル集合を変更し(ST307)、ステップST303に戻り、引き続き充電処理が実行される。
一方、ステップST306において、すべてのセル集合に対してステップST303〜ST305が実行されていると判断される場合、ステップST308に進む。そして、充放電切替スイッチ57がオフ状態にされるとともに(ST308)、各蓄電用セルと、調整用セルC100と、を順次接続する処理が停止させられる(ST309)ことによって、蓄電ユニット150の充電処理が終了する。
このように、本充電手順において、制御ユニット90の電圧制御部94は、蓄電ユニット150の両出力端子155、156間の出力電圧に従って、第1切替部による直列または並列の切り替えを実行させる。
すなわち、蓄電ユニット150の充電中に蓄電ユニット150の出力電圧が第1設定電圧以上となる場合、電圧制御部94は、複数のセル集合のうちの一の集合に含まれる少なくとも2つ(3つ以上であっても良い)の蓄電用セルの接続を、直列から並列に切り替えさせる。
<2.3.蓄電ユニットの放電手順>
図17は、本実施の形態における蓄電ユニット150の放電手順を説明するためのフローチャートである。図18から図20のそれぞれは、蓄電ユニット150の構成の一例を示す回路図である。
なお、図18から図20では、紙面の都合上、複数のセル集合のうちのセル集合S121のみを図示している。また、本放電手順の説明では、主として、セル集合S121に関することを説明するが、他のセル集合についても本説明が同様に当てはまる。
ここで、ステップST401が実行される前の段階(すなわち、充放電切替スイッチ57がオフ状態にされ、蓄電ユニット150に対する充電処理および放電処理のいずれもが実行されていない場合)において、制御ユニット90の電圧制御部94(図1参照)は、第2切替部によって、複数のセル集合に含まれる各蓄電用セルのうちの一のセルと、調整用セルC100と、を並列接続させている。
例えば、図18に示すように、スイッチSw111、Sw112がオン状態にされ、スイッチSw113〜Sw116がオフ状態にされることによって、蓄電用セルC111のみが調整用セルC100と並列に接続されても良い。
また、ステップST401が実行される前の段階において、複数のセル集合のそれぞれにおける各蓄電用セルは、並列に接続されている。例えば、セル集合S121において、スイッチSw164〜Sw169がオン状態にされるとともに、スイッチSw160〜Sw163がオフ状態にされることによって、蓄電用セルC111、C112、C113はすべて並列に接続されている(図18参照)。
さらに、ステップST401が実行されることに先立って、セル集合S121が注目セル集合に設定されている。
本放電手順では、第1の実施の形態と同様に、まず、第2切替部による切り替えが一定間隔で実行される。これにより、各蓄電用セルC111〜C113と、調整用セルC100と、を順次接続する処理が、開始させられる(ST401)。
次に、充放電切替スイッチ57が放電側に切り替えられ、プラス側出力端子155が充放電切替スイッチ57を介して出力線51と接続される(ST402)。これにより、セル集合S121において、蓄電用セルC111〜C113がすべて並列に接続された状態で、蓄電ユニット150に対する放電処理が開始される。
このように、少なくとも、蓄電ユニット150が放電中の場合、電圧制御部94は、第2切替部によって、各セル集合に含まれる各蓄電用セルを、排他的に調整用セルC100と順次接続させる。ここで、蓄電ユニット150が放電中の場合、第2切替部による切り替え間隔としては、好ましくは、0.01〜10.0(ms)(さらに好ましくは、0.10〜1.00(ms))である。
続いて、ステップST403において、蓄電ユニット150の出力電圧(プラス側およびマイナス側出力端子155、156の間の電圧)が監視される。そして、蓄電ユニット150の出力電圧が第2設定電圧以下となると(ST403)、セル集合S121(注目セル集合)に含まれる2つの蓄電用セルC111、C113の接続が、および2つの蓄電用セルC112、C113の接続が、それぞれ並列から直列に切り替えられる(ST405)。
すなわち、図19に示すように、スイッチSw164、Sw165、Sw167、Sw169がオン状態からオフ状態に切り替えられるとともに、スイッチSw162、Sw163がオフ状態からオン状態に切り替えられる。これにより、少なくとも隣接する2つの蓄電用セルC112、C113の接続が並列から直列に切り替えられ、蓄電ユニット150の出力電圧が、第2設定電圧より大きくなる。そして、ステップST403に戻ることにより、引き続き放電処理が実行される。
セル集合S121の蓄電用セルC112、C113の接続が直列に切り替えられた後において、蓄電ユニット150の出力電圧が第2設定電圧以下となると(ST403)、セル集合S112(注目セル集合)に含まれる蓄電用セルC111、C112の接続が並列から直列に切り替えられる(ST405)。
すなわち、図20に示すように、スイッチSw162、Sw166、Sw168がオン状態からオフ状態に切り替えられるとともに、スイッチSw160がオフ状態からオン状態に切り替えられる。これにより、隣接する2つの蓄電用セルC111、C112の接続が並列から直列に切り替えられ、蓄電ユニット150の出力電圧が、再度、第2設定電圧より大きくなる。そして、ステップST403に戻ることにより、引き続き放電処理が実行される。
ここで、セル集合S121の蓄電用セルC112、C113の接続が直列に切り替えられた後において、セル集合S121における蓄電用セルC111〜C113は、図15に示すように、この順番に、直列に接続されている。したがって、蓄電ユニット150の出力電圧がさらに第2設定電圧以下となった場合(ST403)には、ステップST404からステップST406に進む。
ステップST406において、すべてのセル集合(図18から図20では、セル集合S121以外のセル集合について図示省略)に対してステップST403〜ST405が実行されていない(例えば、セル集合S121についてのみステップST403〜S305が終了している)と判断される場合、注目セル集合を変更し(ST407)、ステップST403に戻り、引き続き放電処理が実行される。
一方、ステップST406において、すべてのセル集合に対してステップST403〜ST405が実行されていると判断される場合、ステップST408に進む。そして、充放電切替スイッチ57がオフ状態にされるとともに(ST408)、各蓄電用セルと、調整用セルC100と、を順次接続する処理が停止させられる(ST409)ことによって、蓄電ユニット150の放電処理が終了する。
このように、本放電手順において、制御ユニット90の電圧制御部94は、蓄電ユニット150の両出力端子155、156間の出力電圧に従って、第1切替部による直列または並列の切り替えを実行させる。
すなわち、蓄電ユニット50の放電中に蓄電ユニット50の出力電圧が第2設定電圧以下となる場合、電圧制御部94は、複数のセル集合のうちの一の集合に含まれる少なくとも2つ(3つ以上であっても良い)の蓄電用セルの接続を、並列から直列に切り替えさせる。
<2.4.第2の実施の形態の蓄電ユニットおよび蓄電装置の利点>
以上のように、第2の実施の形態の蓄電ユニット150の充電中および放電中において、複数のセル集合に含まれる各蓄電用セル(蓄電用セルC111〜C113が含まれる)は、排他的に順次、調整用セルC100と並列接続される。
これにより、複数のセル集合に含まれる各蓄電用セルと調整用セルC100との電圧は、第1の実施の形態の場合と同様に、充電中および放電中の全期間にわたって、ばらつくことなく略同一とされる。
また、蓄電ユニット150に対する充電処理および放電処理のいずれもが実行されていない場合、複数のセル集合に含まれる各蓄電用セルのうちの一のセルと、調整用セルC100と、は並列接続されている。
これにより、調整用セルC100の電圧は、蓄電ユニット150に対する充電処理および放電処理のいずれもが実行されていない期間においても、複数のセル集合に含まれる各蓄電用セルのうちの一のセルの電圧と、略同一とされる。
そのため、蓄電ユニット150に対する充電処理または放電処理が開始され、第2切替部により各蓄電用セルと調整用セルC100とが順次接続される場合であっても、第1の実施の形態の場合と同様に、各蓄電用セルと調整用セルC100との電圧のばらつきに起因して回路素子が破損することを抑制できる。
<3.第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。第1および第3の実施の形態の蓄電ユニット50、250は、セル集合S111、S211に含まれる蓄電用セルの個数が相違する点を除いては、同様な構成を有する。そこで、以下では、この相違点を中心に説明する。
なお、蓄電ユニット50、250で同様な構成要素には、同一符号が付されており、この同一符号が付された構成要素は、第1の実施の形態で説明済みである。そのため、本実施の形態では説明を省略する。
<3.1.蓄電ユニットの構成>
図21は、本実施の形態における蓄電ユニットの構成の一例を示す回路図である。図21に示すように、蓄電ユニット250は、主としてセル集合S211(第2セル集合)およびセル集合S112、S113(第1セル集合)と、複数のスイッチと、を備えている。
セル集合S211(第2セル集合)は、単一の蓄電用セルC211を有している。ここで、各蓄電用セルC211、C21、C22、C31、C32および調整用セルC0としては、静電誘導により電荷を蓄えるもの(例えば電気二重層キャパシタ)が用いられても良い。
また、蓄電用セルC211のプラス側端子T211は、スイッチSw211を介して調整用セルC0のプラス側端子T01と接続されている。さらに、蓄電用セルC211のマイナス側端子T212は、スイッチSw212を介して調整用セルC0のマイナス側端子T02と接続されている。
すなわち、調整用セルC0は、セル集合S112、S113(第1セル集合)に含まれる各蓄電用セルC21、C22、C31、C32、およびセル集合S211(第2セル集合)に含まれる蓄電用セルC211と接続可能とされている。
また、本実施の形態において、スイッチSw211〜Sw212、Sw21〜Sw24、Sw31〜Sw34は、セル集合S211、S112、S113に含まれる各蓄電用セルC211、C21、C22、C31、C32のうちの一のセルと、調整用セルC0と、が並列に接続されるように切り替える第2切替部として用いられる。
さらに、制御ユニット90の電圧制御部94(図1参照)は、第2切替部(スイッチSw211、Sw212、Sw21〜Sw24、Sw31〜Sw34)によって、セル集合S112、S113(複数の第1セル集合)およびセル集合S211(第2セル集合)に含まれる各蓄電用セルC211、C21、C22、C31、C32のうちの一のセルと、調整用セルC0と、を並列接続させる。
図21に示すように、蓄電用セルC211のマイナス側端子T212は、蓄電用セルC21のプラス側端子T21と接続されている。すなわち、隣接する2つのセル集合S211、S112は、電気的に接続されている。
そして、蓄電ユニット250に対する充電処理および放電処理は、それぞれ図3および図7に示す手順に従って実行される。たたし、蓄電ユニット250のセル集合S211は、複数の蓄電用セルを有していないため、セル集合S211(第2セル集合)については、「注目セル集合を変更する」工程(充電処理の場合にはステップST106が、放電処理の場合にはST206が、それぞれ対応)から除外される。
<3.2.第3の実施の形態の蓄電ユニットおよび蓄電装置の利点>
以上のように、第3の実施の形態の蓄電ユニット250の充電中および放電中において、セル集合S211、およびセル集合S112、S113に含まれる各蓄電用セルC211、C21、C22、C31、C32は、排他的に順次、調整用セルC0と並列接続される。
これにより、セル集合S211、およびセル集合S112、S113に含まれる各蓄電用セルC211、C21、C22、C31、C32と調整用セルC0との電圧は、第1の実施の形態の場合と同様に、充電中および放電中の全期間にわたって、ばらつくことなく略同一とされる。
また、蓄電ユニット250に対する充電処理および放電処理のいずれもが実行されていない場合、セル集合S112、S113、S211に含まれる各蓄電用セルC211、C21、C22、C31、C32のうちの一のセルと、調整用セルC0と、は並列接続されている。
これにより、調整用セルC0の電圧は、蓄電ユニット250に対する充電処理および放電処理のいずれもが実行されていない期間においても、セル集合S112、S113、S211に含まれる各蓄電用セルC211、C21、C22、C31、C32のうちの一のセルの電圧と、略同一とされる。
そのため、蓄電ユニット250に対する充電処理または放電処理が開始され、第2切替部により各蓄電用セルと調整用セルC0とが順次接続される場合であっても、第1の実施の形態の場合と同様に、各蓄電用セルC211、C21、C22、C31、C32と調整用セルC0との電圧のばらつきに起因して回路素子が破損することを抑制できる。
<4.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
(1)第1から第3の実施の形態の充電処理および放電処理において、各蓄電用セルと調整用セルとを順次接続する処理が開始された後に、充放電切替スイッチ57の切替処理が実行されるものとして説明したが、これに限定されるものでない。充放電切替スイッチ57の切替処理が実行された後に、各蓄電用セルと調整用セルとを順次接続する処理が開始されても良い。
(2)また、第1から第3の実施において、充電処理および放電処理のいずれもが実行されていない場合には、電圧制御部94は、複数のセル集合(第1セル集合だけでなく第2セル集合をも含む)に含まれる各蓄電用セルのうちの一のセルと、調整用セルC0と、を並列接続させているものとして説明したが、これに限定されるものでない。
例えば、充電処理および放電処理のいずれもが実行されていない場合において、(a)複数のセル集合に含まれる各蓄電用セルのうちの2つのセルと、調整用セルC0と、が並列に接続されても良いし、(b)複数のセル集合に含まれるすべての蓄電用セルと、調整用セルC0と、が並列に接続されても良い。
すなわち、電圧制御部94は、第2切替部によって、複数のセル集合(第1セル集合だけでなく第2セル集合をも含む)に含まれる各蓄電用セルのうちの少なくとも1つのセルと、調整用セルと、を並列接続させるように構成されている。
ここで、充電処理および放電処理のいずれもが実行されていない場合において、複数のセル集合に含まれるすべての蓄電用セルと、調整用セルC0と、が並列に接続されている場合、さらに次のような有利な効果が生ずる。すなわち、充電処理および放電処理のいずれもが実行されていない期間においても、各蓄電用セルおよび調整用セルの電圧は、ばらつくことなく略同一とされる。
(3)また、第1の実施の形態ではセル集合S111〜S113(第1セル集合)の個数は3つであるものとして、第3の実施の形態ではセル集合S112、S113(第1セル集合)の個数は2つであるものとして、それぞれ説明したが、これに限定されるものでなく、1つであっても良いし、4つ以上であっても良い。
(4)また、第3の実施の形態の蓄電ユニット250において、単一の蓄電用セルC211を有するセル集合S211(第2セル集合)の個数は1つであるものとして説明したが、これに限定されるものでない。蓄電ユニット250において、単一の蓄電用セルC211を有するセル集合S211の個数は、2以上であっても良い。
(5)また、第1の実施の形態の各セル集合S111〜S113には2つの蓄電用セルが、第2の実施の形態のセル集合S121には3つの蓄電用セルが、第3の実施の形態の各セル集合S211、S112、S113には1つまたは2つの蓄電用セルが、それぞれ含まれるものとして説明したが、これに限定されるものでない。各セル集合S111〜S113、S121(第1セル集合)のそれぞれにおける蓄電用セルの個数は、4つ以上であっても良い。
(6)また、第2の実施の形態の蓄電ユニット150に対する充電処理において、注目セル集合がセル集合S121であり、注目セル集合に含まれる各蓄電用セルが直列に接続されている状態でステップST305(図16参照)が実行される場合、セル集合S121に含まれる2つの蓄電用セルC111、C112の接続が直列から並列に切り替えられるものとして説明したが(図13参照)、これに限定されるものでない。図14に示すように、セル集合S121に含まれる2つの蓄電用セルC112、C113の接続が直列から並列に切り替えられても良い。
(7)さらに、第2の実施の形態の蓄電ユニット150に対する放電処理において、注目セル集合がセル集合S121であり、注目セル集合に含まれる各蓄電用セルがすべて並列に接続されている状態でステップST405(図17参照)が実行される場合、セル集合S121に含まれる2つの蓄電用セルC111、C113の接続が、および2つの蓄電用セルC112、C113の並列から直列に切り替えられるものとして説明したが(図19参照)、これに限定されるものでない。
図22は、第2の実施の形態における蓄電ユニット150の構成の他の一例を示す回路図である。図22に示すように、セル集合S121に含まれる2つの蓄電用セルC111、C112の接続が、および2つの蓄電用セルC111、C113の接続が、それぞれ並列から直列に切り替えられても良い。