JP5828441B2 - 同期電動機のための回転子位相推定装置 - Google Patents
同期電動機のための回転子位相推定装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5828441B2 JP5828441B2 JP2011222332A JP2011222332A JP5828441B2 JP 5828441 B2 JP5828441 B2 JP 5828441B2 JP 2011222332 A JP2011222332 A JP 2011222332A JP 2011222332 A JP2011222332 A JP 2011222332A JP 5828441 B2 JP5828441 B2 JP 5828441B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- stator
- rotor
- observer
- magnetic flux
- stable
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Control Of Ac Motors In General (AREA)
Description
(a) 2種の2×2行列オブザーバゲインの全要素を、単一の設計パラメータkを用いて、電動機パラメータに比例するように定める。
(b) 行列オブザーバゲインの対角要素は固定子巻線抵抗に比例させ、逆対角要素は回転子速度に比例させる。
しかし、残念ながら、楊のオブザーバゲイン設計法は直感的発想に基づくものであり、これに基づく状態オブザーバは、特許文献(1)〜(4)、非特許文献(2)で指摘されているように、定格速度近傍で不安定化することが知られている。
(a) 回転子磁束対応ゲインGm(2×2行列)の全要素を速度向上に応じ減少させる。回転子磁束対応ゲインの速度対応の変化は、楊のゲインとは正反対である。
(b) 回転子磁束対応ゲインGmの対角要素gm1の極性は、回転の極性に支配され、正回転の場合には正、負回転の場合は負となる。
(c) 回転子磁束対応ゲインGmの逆対角要素gm2の極性は、正回転・負回転の如何を問わず、常に正である。
山本のゲイン設計法も、楊の設計法と同様に、直感的発想に基づく部分が多く、本設計法に基づく状態オブザーバは安定収束しないことが(特に、高速回転時、逆回転時には不安定化することが)、特許文献(3)、非特許文献(2)等で解明・指摘されている。
(a) 2種のオブザーバゲインGi、Gm(2×2行列)の各要素の決定には、全駆動領域にわたり、ある周波数特性を平均化することを目的としたリカッチ方程式を求解する必要がある。全駆動領域にわたる本求解の演算負荷は膨大である。このため、求解作業は、状態オブザーバの遂行に先立って、別途完了しておく必要がある。リカッチ方程式の求解により得られた各要素は、テーブル(特許文献(2)では、ゲインテーブルと呼称)に保存する必要がある。
(b) 本オブザーバゲインによる場合には、原理的には、全駆動領域で状態変数推定値の安定収束が保証される。
(c) しかしながら、オブザーバゲインを得るための設計パラメータは単一であり、自由度の高いオブザーバゲインを得ることは不可能である。
(a) 2種のオブザーバゲインGi、Gm(2×2行列)の各要素の選定に関し、高い設計自由度を有する。しかも、全速度領域での安定性を確保した状態変数の推定が可能である。さらには、オブザーバゲインのテーブル化も必要としない。
(b) ただし、オブザーバゲインGiの対角要素を、実質的に常時ゼロに選定するものであり、この点で設計自由度が制限されている。このため、状態オブザーバの4個の固有値(状態オブザーバの極)を自由に指定できない。
(a) オブザーバゲインの設計原理は、固定子電流の高速収束と回転子磁束の低速収束を前提に、成立するものであり、設計パラメータはこの原理に従って選定されねばならない。
(b) 前提が成立する範囲において、状態オブザーバの固有値(極)を、固定子巻線抵抗、固定子インダクタンス、速度によらず、概ね一定にできる。また、一応の安定性が確保される。
(c) 電動機の高速回転時には、固定子電流のみならず、回転子磁束の高速収束が必要とされるが、これには対応できない。
(a) 状態オブザーバためのオブザーバゲインは、状態オブザーバの安定性を確保するものでなくてはならない。このためのゲイン設計は、従来の設計法(金原、新中、黒田の設計法)で、一応可能である。
(b) 従来のゲイン設計法は、総じて、状態オブザーバの安定性の確保に主眼がある。状態オブザーバは、ある種のフィルタリング処理を遂行しているとして捕らえることができるが、推定性能に重要な影響を与えるフィルタ特性(通過帯域の中心周波数、通過帯域の幅)に関しては、ほとんど注意が払われていない。
以上の説明に利用した、駆動用固定子電圧相当値の正相分v1から回転子磁束推定値の正相分に至る1入力1出力伝達関数Fob(s)(20)式は、推定すべき状態変数の組合わせとして、固定子反作用磁束と回転子磁束とを利用した。推定すべき状態変数の組合わせとして、固定子鎖交磁束と回転子磁束とを利用する場合にも、同様手順に従い、高い類似性をもつ理論展開が可能であり、請求項2の発明による(11)式を得ることができる。
2 電力変換器
3 電流検出器
4a 3相2相変換器
4b 2相3相変換器
5a ベクトル回転器
5b ベクトル回転器
6 電流制御器
7 位相速度推定器
7a 位相推定器
7b 速度推定器
7c 位相偏差推定器
7d 位相同期器
8 余弦正弦信号発生器
Claims (3)
- 回転子に永久磁石を有する同期電動機のための駆動制御装置に使用され、
かつ、αβ固定座標系上の駆動用固定子電圧の相当値と駆動用固定子電流の相当値を入力信号とし、またはdq同期座標系への位相差のない収斂をめざしたγδ準同期座標系上の駆動用固定子電圧の相当値と駆動用固定子電流の相当値を入力信号とし、
固定子鎖交磁束と回転子磁束、固定子反作用磁束と回転子磁束、固定子電流と回転子磁束の3種組合せのいずれか1つの組合せを状態変数に選定し、
固定子電流相当値と同推定値との偏差にオブザーバゲインを乗じて得た信号をフィードバックして状態変数を推定するようにした状態オブザーバを少なくとも構成して回転子位相推定値を生成する手段を備える回転子位相推定装置であって、
駆動用固定子電圧相当値の正相分(または逆相分)から状態変数推定値の1つである回転子磁束推定値の正相分(または逆相分)に至る1入力1出力伝達関数が、予め定めた分母2次、分子0次の1入力1出力安定2次の1次係数、0次係数の少なくとも1つを複素数とする複素フィルタに概ね等しくなるように、安定2次複素フィルタを構成する係数を直接的に利用してオブザーバゲインを設定するようにしたことを特徴とする回転子位相推定装置。 - 複素数の変数sと実数の係数aiから構成される2次安定多項式A(s)を次式とし、
A(s)=s2+a1s+a0;ai>0
安定2次複素フィルタの実数係数の1つをg1とし、安定2次複素フィルタのフィルタゲインをgとし、回転子の電気速度相当値をω2nとし、虚数単位をjとして、安定2次複素フィルタを次式のように構成し、
固定子インダクタンス相当値をLiとし、固定子巻線抵抗相当値をR1とし、2×2単位行列をIとし、2×2交代行列Jを次式とし、
更には、状態オブザーバで推定すべき状態変数を固定子鎖交磁束と回転子磁束、固定子反作用磁束と回転子磁束のいずれかの組合せとし、固定子鎖交磁束あるいは固定子反作用磁束に対応したオブザーバゲインをGiで表現し、回転子磁束に対応したオブザーバゲインをGmで表現するとき、オブザーバゲインGi、Gmを、安定2次複素フィルタを構成する実数係数ai、g1を直接的に利用した次式に従い設定することを特徴とする請求項1記載の回転子位相推定装置。
- 複素数の変数sと実数の係数aiから構成される2次安定多項式A(s)を次式とし、
A(s)=s2+a1s+a0;ai>0
安定2次複素フィルタの実数係数の1つをg1とし、安定2次複素フィルタのフィルタゲインをgとし、回転子の電気速度相当値をω2nとし、虚数単位をjとして、安定2次複素フィルタを次式のように構成し、
固定子インダクタンス相当値をLiとし、固定子巻線抵抗相当値をR1とし、2×2単位行列をIとし、2×2交代行列Jを次式とし、
更には、状態オブザーバで推定すべき状態変数を固定子電流と回転子磁束の組合せとし、固定子電流に対応したオブザーバゲインをGi’で表現し、回転子磁束に対応したオブザーバゲインをGmで表現するとき、オブザーバゲインGi’、Gmを、安定2次複素フィルタを構成する実数係数ai、g1を直接的に利用した次式に従い設定することを特徴とする請求項1記載の回転子位相推定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011222332A JP5828441B2 (ja) | 2011-09-19 | 2011-09-19 | 同期電動機のための回転子位相推定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011222332A JP5828441B2 (ja) | 2011-09-19 | 2011-09-19 | 同期電動機のための回転子位相推定装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013066352A JP2013066352A (ja) | 2013-04-11 |
JP5828441B2 true JP5828441B2 (ja) | 2015-12-09 |
Family
ID=48189330
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011222332A Active JP5828441B2 (ja) | 2011-09-19 | 2011-09-19 | 同期電動機のための回転子位相推定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5828441B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106934174B (zh) * | 2017-03-27 | 2020-06-05 | 上海海事大学 | 一种电力推进船舶实验平台的建模及稳定性分析方法 |
WO2019159629A1 (ja) * | 2018-02-13 | 2019-08-22 | 日本電産株式会社 | モータ制御回路、モータシステムおよび脱調検出方法 |
CN111917353B (zh) * | 2020-08-11 | 2022-05-17 | 南京凌鸥创芯电子有限公司 | 基于复矢量滤波器的无刷直流电机相位估算方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3551911B2 (ja) * | 2000-10-20 | 2004-08-11 | ダイキン工業株式会社 | ブラシレスdcモータ制御方法およびその装置 |
JP4032845B2 (ja) * | 2002-06-26 | 2008-01-16 | 株式会社明電舎 | 同期電動機の制御装置 |
JP5169014B2 (ja) * | 2007-04-09 | 2013-03-27 | 日本電産株式会社 | 交流電動機のための位相推定法 |
JP5272482B2 (ja) * | 2008-03-07 | 2013-08-28 | 日本電産株式会社 | 同期電動機のための回転子位相推定装置 |
-
2011
- 2011-09-19 JP JP2011222332A patent/JP5828441B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013066352A (ja) | 2013-04-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6667407B2 (ja) | 制御装置 | |
Chan et al. | Sensorless permanent-magnet synchronous motor drive using a reduced-order rotor flux observer | |
JP4989075B2 (ja) | 電動機駆動制御装置及び電動機駆動システム | |
KR101339653B1 (ko) | 동기기의 위치 센서리스 제어 장치 | |
JP6015486B2 (ja) | 同期電動機の可変速制御装置 | |
WO2011129423A1 (ja) | 交流電動機の回転子位相速度推定装置 | |
CN112204869B (zh) | 电力转换装置 | |
JP4670405B2 (ja) | 同期電動機のベクトル制御方法 | |
JP4587110B2 (ja) | 同期電動機駆動制御のための回転子位相推定方法 | |
Kim et al. | Model predictive current control with online parameter estimation for synchronous reluctance machine controlled by high-frequency signal injection position-sensorless | |
JP4899509B2 (ja) | 交流電動機の回転子位相推定装置 | |
JP5828441B2 (ja) | 同期電動機のための回転子位相推定装置 | |
US20230188066A1 (en) | Predictive deadbeat control of motor phase currents with model mismatch compensation and adjustable control dynamics | |
JP5692572B2 (ja) | 同期電動機の駆動制御装置 | |
JP3818237B2 (ja) | 同期電動機の制御装置 | |
Wang et al. | Comparative study of low-pass filter and phase-locked loop type speed filters for sensorless control of AC drives | |
JP4924115B2 (ja) | 永久磁石同期電動機の駆動制御装置 | |
JP6417881B2 (ja) | 誘導モータの制御装置 | |
JP5744151B2 (ja) | 電動機の駆動装置および電動機の駆動方法 | |
JP5169014B2 (ja) | 交流電動機のための位相推定法 | |
JP3814826B2 (ja) | 同期電動機のベクトル制御方法 | |
JP5272482B2 (ja) | 同期電動機のための回転子位相推定装置 | |
JP5991577B2 (ja) | 永久磁石同期電動機の駆動制御方法 | |
JP6241807B2 (ja) | 交流電動機の駆動制御装置 | |
JP7190098B2 (ja) | 同期リラクタンス電動機用の位相推定装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140719 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150527 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150616 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150729 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20151006 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20151010 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5828441 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |