JP5828336B2 - 鉄空気組電池及びその使用方法 - Google Patents

鉄空気組電池及びその使用方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5828336B2
JP5828336B2 JP2013239281A JP2013239281A JP5828336B2 JP 5828336 B2 JP5828336 B2 JP 5828336B2 JP 2013239281 A JP2013239281 A JP 2013239281A JP 2013239281 A JP2013239281 A JP 2013239281A JP 5828336 B2 JP5828336 B2 JP 5828336B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
iron
negative electrode
air
unit cell
active material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013239281A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015099707A (ja
Inventor
学 今野
学 今野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2013239281A priority Critical patent/JP5828336B2/ja
Priority to US14/546,395 priority patent/US20150140455A1/en
Publication of JP2015099707A publication Critical patent/JP2015099707A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5828336B2 publication Critical patent/JP5828336B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M12/00Hybrid cells; Manufacture thereof
    • H01M12/08Hybrid cells; Manufacture thereof composed of a half-cell of a fuel-cell type and a half-cell of the secondary-cell type
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

本発明は、安定した電位を供給できる鉄空気組電池及びその使用方法に関する。
空気電池の負極には、種々の金属活物質が用いられることが知られている。特許文献1には、空気を正極活物質とし、特定物質を負極活物質とする電池システムにおいて、マグネシウム薄膜と、当該マグネシウム薄膜に各端部が接続されている一対のリールと、前記各リール間における薄膜の経路近傍に位置する電極と、を備える電池システムが開示されている。
特開2012−015013号公報
特許文献1には、マグネシウム薄膜の他に、鉄薄膜を用いた空気電池に関する示唆もある。しかし、本発明者が検討した結果、鉄を負極に用いた空気単電池は、単独で用いた場合、電位が安定しないという問題点があることが明らかとなった。
本発明は、鉄空気単電池を単独で使用した場合に一定の電位を保持することができないという上記実状を鑑みて成し遂げられたものであり、安定した電位を供給できる鉄空気組電池及びその使用方法を提供することを目的とする。
本発明の鉄空気組電池の使用方法は、第1の正極、鉄(Fe)が主成分である第1の負極活物質を含む第1の負極、並びに、当該第1の正極及び当該第1の負極の間に介在する第1の電解質層を少なくとも備え、さらに起電力が0.7V以上1V以下である第1の鉄空気単電池と、第2の正極、鉄化合物Aが主成分である第2の負極活物質を含む第2の負極、並びに、当該第2の正極及び当該第2の負極の間に介在する第2の電解質層を少なくとも備え、さらに起電力が0.4V以上0.7V未満であり、かつ前記第1の鉄空気単電池と直列に接続される第2の鉄空気単電池と、を備える鉄空気組電池の使用方法であって、前記第1の負極において、鉄(Fe)が鉄化合物Aへと変換される結果、前記第1の鉄空気単電池の起電力が0.7V未満となったときに、前記第2の負極を、鉄(Fe)が主成分である第3の負極活物質を含む第3の負極と交換するか、又は、前記第2の鉄空気単電池を、第3の正極、前記第3の負極、並びに、当該第3の正極及び当該第3の負極の間に介在する第3の電解質層を少なくとも備え、さらに起電力が0.7V以上1V以下である第3の鉄空気単電池と交換することを特徴とする。
本発明の鉄空気組電池は、第1の正極、鉄(Fe)が主成分である第1の負極活物質を含む第1の負極、並びに、当該第1の正極及び当該第1の負極の間に介在する第1の電解質層を少なくとも備え、さらに起電力が0.7V以上1V以下である第1の鉄空気単電池と、第2の正極、鉄化合物Aが主成分である第2の負極活物質を含む第2の負極、並びに、当該第2の正極及び当該第2の負極の間に介在する第2の電解質層を少なくとも備え、さらに起電力が0.4V以上0.7V未満であり、かつ前記第1の鉄空気単電池と直列に接続される第2の鉄空気単電池とを備えることを特徴とする。
本発明の組電池及び使用方法において、前記第1の鉄空気単電池は、前記第1の負極活物質として鉄を主成分とする第1の薄膜と、前記第1の薄膜の両端が延長された先の各端部が接続されている一対の第1及び第2のリール部と、前記第1の薄膜及び前記一対の第1及び第2のリール部を収納する第1の電池ケースと、前記第1の薄膜の少なくとも一部の経路近傍に位置する前記第1の電解質層と、前記第1の電解質層を介して前記第1の薄膜と対向する前記第1の正極と、を備え、かつ、前記第2の鉄空気単電池は、前記第2の負極活物質として前記鉄化合物Aを主成分とする第2の薄膜と、前記第2の薄膜の両端が延長された先の各端部が接続されている一対の第3及び第4のリール部と、前記第2の薄膜及び前記一対の第3及び第4のリール部を収納する第2の電池ケースと、前記第2の薄膜の少なくとも一部の経路近傍に位置する前記第2の電解質層と、前記第2の電解質層を介して前記第2の薄膜と対向する前記第2の正極と、を備えることが好ましい。
本発明の組電池及び使用方法における前記第1の負極活物質は、当該第1の負極活物質全体の質量を100質量%としたとき、鉄を50質量%以上含むことが好ましい。
本発明の組電池及び使用方法における前記第2の負極活物質は、当該第2の負極活物質全体の質量を100質量%としたとき、前記鉄化合物Aを50質量%以上含むことが好ましい。
本発明によれば、起電力が互いに異なる少なくとも2種類の鉄空気単電池を直列に接続し、第1の鉄空気単電池の起電力が低下した際に、起電力のより低い第2の鉄空気単電池又はその負極を、起電力のより高い第3の鉄空気単電池又は第3の負極に交換することにより、鉄空気組電池全体の電位を常に一定にすることができ、従来の鉄空気電池では困難であった安定した電位の供給を達成することができる。
本発明に係る鉄空気組電池の第1の実施形態の断面模式図である。 上記第1の実施形態を構成する第2の鉄空気電池において、第2の正極及び第2の電解質層を除去する途中の断面模式図である。 本発明に係る鉄空気組電池の第1の実施形態を備える車の側面模式図及び上面模式図である。 本発明に係る鉄空気組電池の第2の実施形態の斜視模式図である。 上記第2の実施形態を構成する第2の鉄空気単電池において、第2の正極を除去したときの斜視模式図である。 本発明に係る鉄空気組電池の第3の実施形態の斜視模式図である。 上記第3の実施形態を構成する第2の鉄空気単電池において、正極を除去したときの斜視模式図である。 本発明に係る鉄空気組電池の第4の実施形態の斜視模式図である。 上記第4の実施形態を構成する第2の鉄空気単電池において、正極を除去したときの斜視模式図である。 本発明に係る鉄空気組電池の使用方法の第1の実施形態を示したフローチャートである。 本発明に係る鉄空気組電池の使用方法の第2の実施形態を示したフローチャートである。 鉄空気単電池における時間経過による起電力の遷移を示すグラフである。
本明細書においては、説明の便宜のため、初めに鉄空気組電池について説明し、その後、当該鉄空気組電池の使用方法について説明する。
1.鉄空気組電池
本発明の鉄空気組電池は、第1の正極、鉄(Fe)が主成分である第1の負極活物質を含む第1の負極、並びに、当該第1の正極及び当該第1の負極の間に介在する第1の電解質層を少なくとも備え、さらに起電力が0.7V以上1V以下である第1の鉄空気単電池と、第2の正極、鉄化合物Aが主成分である第2の負極活物質を含む第2の負極、並びに、当該第2の正極及び当該第2の負極の間に介在する第2の電解質層を少なくとも備え、さらに起電力が0.4V以上0.7V未満であり、かつ前記第1の鉄空気単電池と直列に接続される第2の鉄空気単電池とを備えることを特徴とする。
本発明における第1及び第2の鉄空気単電池は、負極活物質及び電池の起電力が互いに異なる単電池である。すなわち、第1の鉄空気単電池においては、負極活物質として鉄(Fe)を主成分とし、かつ電池の起電力は0.7V以上1V以下である。また、第2の鉄空気単電池においては、負極活物質として鉄化合物Aを主成分とし、かつ電池の起電力は0.4V以上0.7V未満である。
図12は、鉄空気単電池における時間経過による起電力の遷移を示すグラフである。図12は、縦軸に電池の起電力(V)を、横軸に時間(h)を、それぞれとったグラフである。
図12から分かる通り、鉄空気単電池は、起電力が0.7V以上1V以下に維持される使用時間と、起電力が0.4V以上0.6V以下となる使用時間とがある。起電力が0.7V以上1V以下に維持される使用時間においては、鉄空気単電池の負極において、主に下記式(1a)〜(1b)に示す電極反応のうち少なくともいずれか1つの反応が進行すると考えられる。
Fe+2OH→Fe(OH)+2e 式(1a)
4Fe(OH)+O→4FeO(OH)+2HO 式(1b)
また、起電力が0.4V以上0.6V以下となる使用時間においては、鉄空気単電池の負極において、主に下記式(2a)〜(2b)に示す電極反応のうち少なくともいずれか1つの反応が進行すると考えられる。
Fe(OH)+OH→FeO(OH)+HO+e 式(2a)
3Fe(OH)+2OH→Fe+4HO+2e 式(2b)
このように鉄空気単電池は、使用時間によって2つの異なる起電力を有する。本発明においては、0.7V以上1V以下の起電力を有する第1の鉄空気単電池と、0.4V以上0.6V以下の起電力を有する第2の鉄空気単電池とを直列に接続することにより、常に一定の電圧を確保できることとした。ただし、図12に示す通り、使用時間の経過により第1の鉄空気単電池の起電力は0.7V未満となる。その場合の使用方法の詳細については後述する。
なお、上記式(1a)〜(1b)及び式(2a)〜(2b)の電極反応式は、第1又は第2の鉄空気単電池の負極における電極反応の一例を示したものである。したがって、第1又は第2の鉄空気単電池は、上記式(1a)〜(1b)及び式(2a)〜(2b)の電極反応式が進行するものに限定されることはない。
また、本発明における第1及び第2の鉄空気単電池は、負極活物質及び電池の起電力が異なる他は、同じ構成であってもよいし、異なる構成であってもよい。
製鉄の技術、特に酸化された鉄を金属鉄に戻す技術は、従来から数多く知られている。本発明の鉄空気組電池の使用後に負極(酸化された鉄)を取り出し、金属鉄を再生させる技術には事欠かない。したがって、鉄空気電池は、使用済みの負極を再生できるという観点から、他の金属空気電池を用いた場合よりもコストが安いという利点がある。
また、鉄空気電池における負極の酸化反応は、少なくとも二電子反応であるのに対し、従来からよく知られた金属空気電池、特に、リチウム空気電池やナトリウム空気電池において、負極の酸化反応は一電子反応である。したがって、鉄空気電池は、これら従来の金属空気電池よりも負極の酸化反応に関与する電子数が多いため、電池の容量が大きい。
以下、本発明における第1の鉄空気単電池について、詳細に説明する。
第1の鉄空気単電池は、第1の正極、第1の負極、及び第1の電解質層を少なくとも備える。
本発明に使用される第1の正極は、好ましくは正極層を備え、通常、正極集電体、及び当該正極集電体に接続された正極リードをさらに備える。
本発明に使用される正極層は、少なくとも導電性材料を含有する。さらに、必要に応じて、触媒及び結着剤の少なくとも一方を含有していても良い。
本発明に使用される導電性材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば炭素材料、ペロブスカイト型導電性材料、多孔質導電性ポリマー及び金属多孔体等を挙げることができる。特に、炭素材料は、多孔質構造を有するものであっても良く、多孔質構造を有しないものであっても良いが、本発明においては、多孔質構造を有するものであることが好ましい。比表面積が大きく、多くの反応場を提供することができるからである。多孔質構造を有する炭素材料としては、具体的にはメソポーラスカーボン等を挙げることができる。一方、多孔質構造を有しない炭素材料としては、具体的にはグラファイト、アセチレンブラック、カーボンブラック、カーボンナノチューブ及びカーボンファイバー等を挙げることができる。正極層における導電性材料の含有量としては、例えば、正極層全体の質量を100質量%としたとき、10〜99質量%、中でも50〜95質量%であることが好ましい。導電性材料の含有量が少なすぎると、反応場が減少し、電池容量の低下が生じる可能性があり、導電性材料の含有量が多すぎると、相対的に触媒の含有量が減り、充分な触媒機能を発揮できない可能性があるからである。
本発明に使用される正極用の触媒としては、例えば、酸素活性触媒が挙げられる。酸素活性触媒の例としては、例えば、ニッケル、パラジウム及び白金等の白金族;コバルト、マンガン又は鉄等の遷移金属を含むペロブスカイト型酸化物;ルテニウム、イリジウム又はパラジウム等の貴金属酸化物を含む無機化合物;ポルフィリン骨格又はフタロシアニン骨格を有する金属配位有機化合物;酸化マンガン等が挙げられる。正極層における触媒の含有割合としては、特に限定されるものではないが、例えば、正極層全体の質量を100質量%としたとき、0〜90質量%、中でも1〜90質量%であることが好ましい。
電極反応がよりスムーズに行われるという観点から、上述した導電性材料に触媒が担持されていてもよい。
上記正極層は、少なくとも導電性材料を含有していれば良いが、さらに、導電性材料を固定化する結着剤を含有することが好ましい。結着剤としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)や、スチレン・ブタジエンゴム(SBRゴム)等のゴム系樹脂等を挙げることができる。正極層における結着剤の含有割合としては、特に限定されるものではないが、例えば、正極層全体の質量を100質量%としたとき、1〜40質量%、中でも1〜10質量%であることが好ましい。
正極層の作製方法としては、例えば、上記導電性材料を含む正極層の原料等を、混合して圧延する方法や、当該原料に溶媒を加えてスラリーを調製し、後述する正極集電体に塗布する方法等が挙げられるが、必ずしもこれらの方法に限定されない。スラリーの正極集電体への塗布方法としては、例えば、スプレー法、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、グラビア印刷法、ダイコート法等の公知の方法が挙げられる。
上記正極層の厚さは、空気電池の用途等により異なるものであるが、例えば2〜500μm、中でも30〜300μmであることが好ましい。
本発明に使用される正極集電体は、正極層の集電を行うものである。正極集電体の材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばステンレス、ニッケル、アルミニウム、鉄、チタン、カーボン等を挙げることができる。正極集電体の形状としては、例えば箔状、板状、及びメッシュ(グリッド)状等を挙げることができる。中でも、本発明においては、集電効率に優れるという観点から、正極集電体の形状がメッシュ状であることが好ましい。この場合、通常、正極層の内部にメッシュ状の正極集電体が配置される。さらに、本発明に係る空気電池は、メッシュ状の正極集電体により集電された電荷を集電する別の正極集電体(例えば箔状の集電体)を備えていても良い。また、本発明においては、後述する電池ケースが正極集電体の機能を兼ね備えていても良い。
正極集電体の厚さは、例えば10〜1,000μm、中でも20〜400μmであることが好ましい。
本発明に使用される第1の負極は、好ましくは第1の負極活物質を含有する第1の負極活物質層を備え、通常、第1の負極集電体、及び当該第1の負極集電体に接続された負極リードをさらに備える。
本発明に使用される第1の負極は、鉄(Fe)を主成分とする第1の負極活物質を含有する。ここで、「鉄(Fe)を主成分とする」とは、負極活物質中に含まれる成分のうち鉄が最も多く含まれることを意味する。
第1の負極活物質は、当該第1の負極活物質全体の質量を100質量%としたとき、鉄を50質量%以上含むことが好ましい。このように、鉄を多く含むことにより、第1の鉄空気単電池の負極において上記式(1a)により示される負極反応が進行する結果、第1の鉄空気単電池の起電力が0.7V以上1V以下となる。
第1の負極活物質全体の質量を100質量%としたとき、第1の負極活物質が、鉄を70質量%以上含むことがより好ましく、鉄を90質量%以上含むことがさらに好ましく、第1の負極活物質が鉄からなることが特に好ましい。
上記負極活物質層は、負極活物質のみを含有するものであっても良く、負極活物質の他に、導電性材料及び結着剤の少なくとも一方を含有するものであっても良い。例えば、負極活物質が箔状である場合は、負極活物質のみを含有する負極活物質層とすることができる。一方、負極活物質が粉末状である場合は、負極活物質及び結着剤を含有する負極活物質層とすることができる。なお、結着剤の種類及び含有比については上述した通りである。
負極活物質層が含有する導電性材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば炭素材料、ペロブスカイト型導電性材料、多孔質導電性ポリマー及び金属多孔体等を挙げることができる。炭素材料は、多孔質構造を有するものであっても良く、多孔質構造を有しないものであっても良い。多孔質構造を有する炭素材料としては、具体的にはメソポーラスカーボン等を挙げることができる。一方、多孔質構造を有しない炭素材料としては、具体的にはグラファイト、アセチレンブラック、カーボンナノチューブ及びカーボンファイバー等を挙げることができる。
本発明に使用される第1の負極集電体の材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば銅、ステンレス、ニッケル、カーボン等を挙げることができる。第1の負極集電体は、これらの内、SUS及びNiを用いることが好ましい。上記第1の負極集電体の形状としては、例えば箔状、板状及びメッシュ(グリッド)状等を挙げることができる。本発明においては、後述する電池ケースが第1の負極集電体の機能を兼ね備えていても良い。
本発明に使用される第1の電解質層は、正極層及び負極活物質層の間に保持され、正極層及び負極活物質層との間で金属イオンを交換する働きを有する。
第1の電解質層には、電解液、ゲル電解質、及び固体電解質等を用いることができる。これらは、1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
電解液としては、アルカリ電解液を用いることができる。
アルカリ電解液としては、例えば、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液等が使用できる。
本発明に使用されるゲル電解質は、通常、上記アルカリ電解液にポリマーを添加してゲル化したものである。ゲル電解質は、例えば、上記アルカリ電解液に、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリロニトリル(PAN)又はポリメチルメタクリレート(PMMA)等のポリマーを添加し、ゲル化することにより得られる。
固体電解質としては、例えば、硫化物系固体電解質、酸化物系固体電解質、及びポリマー電解質等を用いることができる。
本発明の空気電池は、正極及び負極の間に、セパレータを備えていてもよい。上記セパレータとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン製の多孔膜;及びポリプロピレン等の樹脂製不織布、ガラス繊維不織布等の不織布;セルロース系セパレータ等を挙げることができる。
セパレータに使用できるこれらの材料は、上述したアルカリ電解液を含浸させることにより、アルカリ電解液の支持材として使用することもできる。
第1の鉄空気単電池は、通常、第1の正極、第1の負極、及び第1の電解質層等を収納する第1の電池ケースを備えることが好ましい。第1の電池ケースの形状としては、具体的にはコイン型、平板型、円筒型、ラミネート型等を挙げることができる。電池ケースは、大気開放型の電池ケースであっても良く、密閉型の電池ケースであっても良い。大気開放型の電池ケースは、少なくとも正極層が十分に大気と接触可能な構造を有する電池ケースである。一方、電池ケースが密閉型電池ケースである場合は、密閉型電池ケースに、気体(空気)の導入管及び排気管が設けられることが好ましい。この場合、導入・排気する気体は、酸素濃度が高いことが好ましく、乾燥空気や純酸素であることがより好ましい。また、放電時には酸素濃度を高くし、充電時には酸素濃度を低くすることが好ましい。
電池ケース内には、電池ケースの構造に応じて、酸素透過膜や、撥水膜を設けてもよい。
以下、本発明における第2の鉄空気単電池について、詳細に説明する。
第2の鉄空気単電池は、第2の正極、第2の負極、及び第2の電解質層を少なくとも備える。これらのうち、第2の正極及び第2の電解質層については、上述した第1の正極又は第1の電解質層と同様である。また、第2の鉄空気単電池は、第1の鉄空気単電池と同様に、好適には第2のセパレータ及び/又は第2の電池ケースを備える。
本発明に使用される第2の負極は、好ましくは第2の負極活物質を含有する第2の負極活物質層を備え、通常、第2の負極集電体、及び当該第2の負極集電体に接続された負極リードをさらに備える。
本発明に使用される第2の負極は、鉄化合物Aを主成分とする第2の負極活物質を含有する。ここで、「鉄化合物Aを主成分とする」とは、第2の負極活物質中に含まれる成分のうち鉄化合物Aが最も多く含まれることを意味する。
本発明における鉄化合物Aとは、鉄が酸化してなる化合物であり、かつ、当該鉄化合物Aを負極活物質として使用した空気電池の起電力が0.4V以上0.7V未満となるものであれば、特に限定されない。鉄化合物Aは、1種類の鉄化合物のみからなるものであってもよいし、2種類以上の鉄化合物の組み合わせからなるものであってもよい。鉄化合物Aとしては、例えば、Fe(OH)のみや、又は、FeO、Fe、Fe、FeOOH、及びFe(OH)からなる群より選ばれる少なくとも1つの鉄化合物とFe(OH)との組み合わせ等が挙げられる。
第2の負極活物質は、当該第2の負極活物質全体の質量を100質量%としたとき、鉄化合物Aを50質量%以上含むことが好ましい。このように、鉄化合物Aを多く含むことにより、第2の鉄空気単電池の負極において上記式(2a)〜(2b)により示される負極反応が進行する結果、第2の鉄空気単電池の起電力が0.4V以上0.7V未満となる。
第2の負極活物質全体の質量を100質量%としたとき、第2の負極活物質が、鉄化合物Aを70質量%以上含むことがより好ましく、鉄化合物Aを90質量%以上含むことがさらに好ましく、第2の負極活物質が鉄化合物Aからなることが特に好ましい。
上記負極活物質層は、負極活物質のみを含有するものであっても良く、負極活物質の他に、導電性材料及び結着剤の少なくとも一方を含有するものであっても良い。例えば、負極活物質が箔状である場合は、負極活物質のみを含有する負極活物質層とすることができる。一方、負極活物質が粉末状である場合は、負極活物質及び結着剤を含有する負極活物質層とすることができる。なお、導電性材料及び結着剤の種類及び含有比については上述した通りである。
本発明に使用される第2の負極集電体は、上述した第1の負極集電体と同様の材料を使用することができる。
本発明に係る鉄空気組電池の本第1の実施形態において、第1の鉄空気単電池は、(1)第1の負極活物質として鉄を主成分とする第1の薄膜と、(2)当該第1の薄膜の両端が延長された先の各端部が接続されている一対の第1及び第2のリール部と、(3)前記第1の薄膜及び一対の第1及び第2のリールを収納する第1の電池ケースと、(4)前記第1の薄膜の少なくとも一部の経路近傍に位置する第1の電解質層と、(5)第1の電解質層を介して前記第1の薄膜と対向する第1の正極と、を備える。また、本第1の実施形態において、第2の鉄空気単電池は、(1)第2の負極活物質として前記鉄化合物Aを主成分とする第2の薄膜と、(2)当該第2の薄膜の両端が延長された先の各端部が接続されている一対の第3及び第4のリール部と、(3)前記第2の薄膜及び前記一対のリールを収納する第2の電池ケースと、(4)前記第2の薄膜の少なくとも一部の経路近傍に位置する第2の電解質層と、(5)第2の電解質層を介して前記第2の薄膜と対向する第2の正極と、を備える。
図1は、本発明に係る鉄空気組電池の第1の実施形態の断面模式図である。図1中の回路の一部を破線で示しているのは、図示の便宜のためである。
鉄空気組電池の第1の実施形態100は、第1の鉄空気単電池(図1中の上部の電池)、及び第2の鉄空気単電池(図1中の下部の電池)を直列に接続してなる。これら2つの鉄空気単電池は、いずれもカートリッジ式の単電池である。
第1の鉄空気単電池は、第1の正極1、テープ状の鉄含有薄膜2、負極集電体3、及び第1の電解質層4を備える。テープ状の鉄含有薄膜2の内の一部(太線部、2a)は、負極集電体3と第1の電解質層4との間に挟持されている。すなわち、図1の上から、負極集電体3、負極活物質薄膜の一部2a、第1の電解質層4、及び第1の正極1の順に積層している。この負極活物質薄膜の一部2aが、本発明における第1の負極活物質として機能する。また、負極活物質薄膜の一部2a及び負極集電体3が、本発明における第1の負極として機能する。
テープ状の鉄含有薄膜2の他の部分については、ガイド部5a〜5dにより適宜カートリッジ内部を張り巡らし、余った部分を第1のリール部6a及び第2のリール部6bにより巻き取る構成とした。
第1の鉄空気単電池は、上記各電池部材を収納する第1の電池ケース7をさらに備える。第1の電池ケース7は、後述するように、第1の正極及び第1の電解質層を出し入れ可能とする電池ケース孔を有していてもよい。
テープ状の鉄含有薄膜2は鉄(Fe)を主成分とするため、第1の鉄空気単電池の負極においては上記式(1)により示される負極反応が進行する結果、第1の鉄空気単電池の起電力が0.7V以上1V以下となる。
第2の鉄空気単電池は、第2の正極11、テープ状の鉄化合物A含有薄膜12、負極集電体13、及び第2の電解質層14を備える。テープ状の鉄化合物A含有薄膜12の内の一部(太線部、12a)は、負極集電体13と第2の電解質層14との間に挟持されている。すなわち、図1の上から、負極集電体13、負極活物質薄膜の一部12a、第2の電解質層14、及び第2の正極11の順に積層している。この負極活物質薄膜の一部12aが、本発明における第2の負極活物質として機能する。また、負極活物質薄膜の一部12a及び負極集電体13が、本発明における第2の負極として機能する。
ガイド部15a〜15d並びに第3のリール部16a及び第4のリール部16bについては、上記ガイド部5a〜5d並びに第1のリール部6a及び第2のリール部6bと同様である。
第2の鉄空気単電池の起電力は0.4V以上0.7V未満となる。その理由については、鉄化合物Aの詳細と共に後述する。
第2の鉄空気単電池は、上記各電池部材を収納する第2の電池ケース17をさらに備える。第2の電池ケース17は、後述するように、第2の正極及び第2の電解質層を出し入れ可能とする電池ケース孔を有していてもよい。
第1の鉄空気単電池の第1の正極1、及び第2の鉄空気単電池の第2の負極集電体13は、互いに導線21により接続されている。また、第1の鉄空気単電池の第1の負極集電体3からは、導線22が延び、その先端に負極側端子22aを有する。また、第2の鉄空気単電池の第2の正極11からは、導線23が延び、その先端に正極側端子23aを有する。このように、第1及び第2の鉄空気単電池は直列に接続されているため、正極側端子23a−負極側端子22a間の電位は、これら鉄空気単電池の起電力の和となる。
図2は、上記第1の実施形態を構成する第2の鉄空気電池において、第2の正極及び第2の電解質層を除去する途中の断面模式図である。図2においては、図1に示したような導線等の回路は省略されている。
図1とは異なり、図2において、金属薄膜18は、第3のリール部16aから第4のリール部16bに巻き取られている。このことは、第2の鉄空気単電池が使用済みとなったことを意味する。使用済みとなった第2の鉄空気単電池においては、鉄化合物A含有薄膜が酸化された結果、使用済みの金属薄膜18へと変換されている。図2は、このような使用済みの金属薄膜を、カートリッジごと廃棄する途中の状態を示している。
第2の電池ケース17には、開閉可能な電池ケース孔17aが設けられており、当該電池ケース孔17aから第2の正極11及び第2の電解質層14が除去される。
図3は、鉄空気組電池の第1の実施形態を備える車の側面模式図及び上面模式図である。枠線31は車体(ボデー)の外形を模式的に示している。また、破線32は、車体(ボデー)においてタイヤが占める位置を模式的に示している。これら枠線31及び破線32は、車において鉄空気組電池が占める位置の単なる目印であり、厳密なものではない。また図3においては、車は向かって左方向を向いているものとする。
図3の車の後部には、鉄空気単電池を設置するための基盤が3つ設置されている。ここで基盤とは、負極を含むカートリッジを抜き差し可能なものであり、電解質層が正極の上に積層された積層体を含むものである。図3に示すように、3つのうち1つの基盤には、鉄空気単電池33が設置されている。また、基盤34aからは、使用済みの負極カートリッジ34bが外される途中である。さらに、基盤35aには、新品の負極カートリッジ35bが設置されようとしている。
このように、車などに常設されている基盤(正極及び電解質層を含む)に、負極カートリッジを適宜抜き差しすることにより、使用済みの負極を新品の負極へと簡便に取り換えることができる。
図4は、本発明に係る鉄空気組電池の第2の実施形態の斜視模式図である。図4〜図9においては電池ケースが無色透明な部材として描かれているが、これは電池内部の様子を詳細に示すためであり、必ずしもこのような電池ケースのみに限定されるものではない。
鉄空気組電池の第2の実施形態200は、第1の鉄空気単電池(図4中の上部の電池)、及び第2の鉄空気単電池(図4中の下部の電池)を直列に接続してなる。これら2つの鉄空気単電池は、いずれもカートリッジ式の単電池である。
第1の鉄空気単電池は、第1の正極(図示せず)、第1の負極42、第1の電解質層(図示せず)、及び第1の電池ケース47を備える。第1の負極42は、上端部から下端部近傍まで、その中央に円柱形状の穴を有する略円筒形状を有する。また、第1の電解質層は、第1の負極42の略円筒の内側に配置されている。また、第1の正極は、第1の負極42の内部に位置する。第1の正極端子41aは、第1の正極に接続されている。第1の電池ケース47は、第1の正極端子41a以外の他の電池部材を格納している。
第2の鉄空気単電池は、第2の正極(図示せず)、第2の負極52、第2の電解質層(図示せず)、及び第2の電池ケース57を備える。これら部材の形状については上記第1の鉄空気単電池と同様である。第2の正極の端部に接続された第2の正極端子(図示せず)は、図4中の上方向を向いているものとする。
第2の実施形態200においては、第1の電池ケース47の底面(すなわち第1の正極端子41aの反対側に位置する面)、及び第2の電池ケース57の底面(すなわち第2の正極端子の反対側に位置する面)はいずれも負極端子(負極集電体)を兼ねている。したがって、図4に示すように、第1の電池ケース47の底面と第2の正極端子を接触させることにより、これらの電池を直列に接続することができる。
図5は、上記第2の実施形態を構成する第2の鉄空気単電池において、第2の正極を除去したときの斜視模式図である。
図5から分かる通り、第2の正極51は直線形状を有し、第2の正極端子51aをその一端に備える。また、第2の正極51が抜き去られた後の穴52aからは、第2の負極52の内側に配置された第2の電解質層54が覗いている。このように、第2の負極52、第2の電解質層54、及び第2の電池ケース57は、第2の正極51から取り外し可能なカートリッジとなっている。
使用済みとなった第2の負極52は、第2の電解質層54及び第2の電池ケース57ごと組電池から除き、新しいカートリッジの穴に第2の正極51を嵌めることにより、再び放電が可能となる。
図6は、本発明に係る鉄空気組電池の第3の実施形態の斜視模式図である。
鉄空気組電池の第3の実施形態300は、第1の鉄空気単電池(図6中の紙面向かって手前の電池)、及び第2の鉄空気単電池(図6中の紙面向かって奥の電池)を直列に接続してなる。これら2つの鉄空気単電池は、いずれもカートリッジ式の単電池である。
第1の鉄空気単電池は、第1の正極61、第1の負極62、第1の電解質層(図示せず)、及び第1の電池ケース67を備える。第1の正極61はシート状である。第1の負極62もシート状であり、紙面に対しその裏側の面に第1の電解質層が配置されている。また、第1の正極61の上部には第1の正極端子61aが、第1の負極62の上部には第1の負極端子62aが、それぞれ配置されている。第1の電池ケース67は、第1の正極端子61a及び第1の負極端子62a以外の他の電池部材を格納している。
第2の鉄空気単電池は、第2の正極71、第2の負極72、第2の電解質層(図示せず)、及び第2の電池ケース77を備える。これら部材の形状については上記第1の鉄空気単電池と同様である。
第1の鉄空気単電池の第1の正極端子61a、及び第2の鉄空気単電池の第2の負極端子72aは、互いに導線69により接続されている。
図7は、上記第3の実施形態を構成する第2の鉄空気単電池において、第2の正極を除去したときの斜視模式図である。
図7から分かる通り、第2の正極71は、第2の電池ケース孔77aから抜き去ることができる。このように、第2の負極72、第2の電解質層(図示せず)、及び第2の電池ケース77は、第2の正極71から取り外し可能なカートリッジとなっている。
使用済みとなった第2の負極72は、第2の電解質層及び第2の電池ケース77ごと組電池から除き、新しいカートリッジの電池ケース孔に第2の正極71を嵌めることにより、再び放電が可能となる。
図8は、本発明に係る鉄空気組電池の第4の実施形態の斜視模式図である。
鉄空気組電池の第4の実施形態400は、第1の鉄空気単電池(図8中の上部の電池)、及び第2の鉄空気単電池(図8中の下部の電池)を直列に接続してなる。これら2つの鉄空気単電池は、いずれもカートリッジ式の単電池である。
第1の鉄空気単電池は、第1の正極81、第1の負極82、第1の電解質層(図示せず)、及び第1の電池ケース87を備える。第1の正極81は円盤状である。第1の負極82も円盤状であり、その上面に第1の電解質層が配置されている。第1の電池ケース87はこれら電池部材を格納している。
第2の鉄空気単電池は、第2の正極91、第2の負極92、第2の電解質層(図示せず)、及び第2の電池ケース97を備える。これら部材の形状については上記第1の鉄空気単電池と同様である。
第4の実施形態400においては、第1の電池ケース87の上面及び下面、第2の電池ケース97の上面及び下面はいずれも電極の端子(集電体)を兼ねている。したがって、図8に示すように、第1及び第2の鉄空気単電池を重ね合わせることにより、これらの電池を直列に接続することができる。
図9は、上記第4の実施形態を構成する第2の鉄空気単電池において、第2の正極を除去したときの斜視模式図である。
図9から分かる通り、第2の電池ケースの蓋97aを開けることにより、第2の正極91を第2の電池ケース97から除くことができる。また、第2の正極91を除くことにより、第2の負極92の上面に第2の電解質層94が配置されていることが分かる。このように、第2の負極92、第2の電解質層94、及び第2の電池ケース97は、第2の正極91から取り外し可能なカートリッジとなっている。
使用済みとなった第2の負極92は、第2の電解質層94及び第2の電池ケース97ごと組電池から除き、新しいカートリッジに第2の正極91を入れ、上記蓋97aを閉めることにより、再び放電が可能となる。
なお、本発明の鉄空気組電池は、必ずしも上記第1〜第4の実施形態のみに限定されるものではない。また、上記第1〜第4の実施形態のような、負極を含むカートリッジのみを交換する態様以外にも、第2の鉄空気単電池を全て新しい鉄空気単電池(第3の鉄空気単電池)に交換する態様も採用できる。
2.鉄空気組電池の使用方法
本発明の鉄空気組電池の使用方法は、第1の正極、鉄(Fe)が主成分である第1の負極活物質を含む第1の負極、並びに、当該第1の正極及び当該第1の負極の間に介在する第1の電解質層を少なくとも備え、さらに起電力が0.7V以上1V以下である第1の鉄空気単電池と、第2の正極、鉄化合物Aが主成分である第2の負極活物質を含む第2の負極、並びに、当該第2の正極及び当該第2の負極の間に介在する第2の電解質層を少なくとも備え、さらに起電力が0.4V以上0.7V未満であり、かつ前記第1の鉄空気単電池と直列に接続される第2の鉄空気単電池と、を備える鉄空気組電池の使用方法であって、前記第1の負極において、鉄(Fe)が鉄化合物Aへと変換される結果、前記第1の鉄空気単電池の起電力が0.7V未満となったときに、前記第2の負極を、鉄(Fe)が主成分である第3の負極活物質を含む第3の負極と交換するか、又は、前記第2の鉄空気単電池を、第3の正極、前記第3の負極、並びに、当該第3の正極及び当該第3の負極の間に介在する第3の電解質層を少なくとも備え、さらに起電力が0.7V以上1V以下である第3の鉄空気単電池と交換することを特徴とする。
上記特許文献1の発明においては、主にマグネシウム空気電池について説明されている。しかし、マグネシウム空気電池における作動電圧は1つである。これに対し、鉄空気電池においては、上記図12について説明した通り、作動電圧は2つ(0.7V以上1V以下、及び0.4V以上0.6V以下)である。このように、作動電圧を2つ有する鉄空気電池について、特許文献1の構成を採用したとしても、電池の使用中に電位が変動し、動作が不安定となるおそれがある。従来の鉄空気電池においては、電位が変動した場合に備えて、変圧器を予め備えることにより、回路全体の電圧を一定に保つ必要があった。
本発明者は、高電位(0.7V以上1V以下)から放電を開始する第1の鉄空気単電池と、低電位(0.4V以上0.7V未満)から放電を開始する第2の鉄空気単電池とを組み合わせて使用し、かつ、第1の鉄空気単電池の起電力が0.4V以上0.7V未満となったときに、(1)第2の負極を第3の負極に交換するか、又は(2)第2の鉄空気単電池を第3の鉄空気単電池に交換するかすることにより、変圧器などの余分な設備を用いることなく、2つの作動電圧を有する鉄空気電池を備える組電池を電位変動なく効率よく使用できることを見出し、本発明を完成させた。
(1)第2の負極を第3の負極に交換するタイミングとして、本発明においては、第1の負極において、鉄(Fe)が鉄化合物Aへと変換される結果、第1の鉄空気単電池の起電力が0.7V未満となったとき(以下、交換期と称する場合がある)としている。ここで、第3の負極とは、第1の鉄化合物を主成分とする負極のことである。第3の負極の詳細は、上記第1の負極と同様である。
図12に示すように、放電当初0.6V近傍の起電力を有する鉄空気電池が、起電力0Vとなるまでの時間よりも、放電当初0.8V近傍の起電力を有する鉄空気電池が、起電力0.6V未満となるまでの時間の方が短い。したがって、第1の鉄空気単電池の起電力が0.7V未満となったとき、第2の鉄空気単電池は未だ放電を終えていない。
交換期において、第2の負極を新しい第3の負極に交換することにより、第2の空気単電池を高電位(0.7V以上1V以下)から放電を開始する電池として、かつ、第1の空気単電池を低電位(0.4V以上0.7V未満)から放電を開始する電池として、それぞれ使用することができる。これら2つの鉄空気単電池は直列に接続されているため、組電池全体における交換前後の電位は変動しない。
第1の鉄空気単電池の起電力が0.7V未満となることは、例えば、電圧計等により第1の鉄空気単電池の電位をモニタリングすることにより分かる。
本発明においては、(2)第2の鉄空気単電池を第3の鉄空気単電池に交換するタイミングも、上記交換期としている。その理由は上述した通りである。ここで、第3の鉄空気単電池とは、第3の正極、第3の負極、及び第3の電解質層を少なくとも備え、さらに起電力が0.7V以上1V以下である電池のことである。第3の鉄空気単電池、第3の正極、及び第3の電解質層の詳細は、上記第1の鉄空気単電池、第1の正極、又は第1の電解質層と同様である。
交換期において、第1の鉄空気単電池を新しい第3の鉄空気単電池に交換することにより、第3の鉄空気単電池を高電位(0.7V以上1V以下)から放電を開始する電池として、かつ、第1の空気単電池を低電位(0.4V以上0.7V未満)から放電を開始する電池として、それぞれ使用することができる。これら2つの鉄空気単電池は直列に接続されているため、組電池全体における交換前後の電位は変動しない。
以上より、負極のみを交換する態様、及び鉄空気単電池一式を交換する態様のいずれを採用しても、組電池全体における交換前後の電位は変動しないため、常に安定した電位を供給する本発明の効果を享受できる。
(1)第2の負極を第3の負極に交換する態様の例をフローチャートにまとめたのが図10であり、(2)第2の鉄空気単電池を第3の鉄空気単電池に交換する態様の例をフローチャートにまとめたのが図11である。
図10は、本発明に係る鉄空気組電池の使用方法の第1の実施形態を示したフローチャートである。以下、第2の負極を第3の負極と交換する場合について、図10のフローに従い説明する。なお、図10のフローは、図1〜図9に示した上記第1〜第4の実施形態のいずれについても適用できる。
まず、第1及び第2の鉄空気単電池を直列に接続して、放電を開始する(S1)。次に、第1の鉄空気単電池の電位Vを、電圧計等の電圧測定手段により測定する(S2)。続いて、測定した電圧Vが0.7(V)以上であるか否かを判定する(S3)。ここで、電圧Vが0.7(V)以上である場合には、所定時間経過後、再度第1の鉄空気単電池の電位Vを測定する(S2)。一方、電圧Vが0.7(V)未満である場合には、交換期を迎えたものと判定できるため、第2の負極を第3の負極と交換し、交換作業を完了する(S4)。ここで、これまで使用した第1の鉄空気単電池を新たに第2の鉄空気単電池とみなし、かつ、負極を交換した第2の鉄空気単電池を新たに第1の鉄空気単電池とみなすことにより、再度S1からフローを開始することができる。
図11は、本発明に係る鉄空気組電池の使用方法の第2の実施形態を示したフローチャートである。S11〜S13は、上記第1の実施形態のS1〜S3と同様である。
S13において、電圧Vが0.7(V)以上である場合には、所定時間経過後、再度第1の鉄空気単電池の電位Vを測定する(S12)。一方、電圧Vが0.7(V)未満である場合には、交換期を迎えたものと判定できるため、第2の鉄空気単電池を第3の鉄空気単電池と交換し、交換作業を完了する(S14)。ここで、これまで使用した第1の鉄空気単電池を新たに第2の鉄空気単電池とみなし、かつ、第3の鉄空気単電池を新たに第1の鉄空気単電池とみなすことにより、再度S11からフローを開始することができる。
最後に、本発明の鉄空気組電池の2つの応用について説明する。
第1に、鉄空気単電池を3つ使用する場合について説明する。3つの鉄空気単電池とは、(1)正極A、鉄(Fe)が主成分である負極活物質Aを含む負極A、並びに、当該正極A及び当該負極Aの間に介在する電解質層Aを少なくとも備え、さらに起電力が0.8V以上1V以下である鉄空気単電池A、(2)正極B、鉄(Fe)が主成分である負極活物質Bを含む負極B、並びに、当該正極B及び当該負極Bの間に介在する電解質層Bを少なくとも備え、さらに起電力が0.7V以上0.8V未満である鉄空気単電池B、並びに、(3)正極C、鉄化合物Aが主成分である負極活物質Cを含む負極C、並びに、当該正極C及び当該負極Cの間に介在する電解質層Cを少なくとも備え、さらに起電力が0.4V以上0.7V未満である鉄空気単電池Cである。これら3つの鉄空気単電池は、直列に接続して使用される。なお、これらのうち、鉄空気単電池A及びBについては、起電力以外は上記第1の鉄空気単電池と同様である。また、鉄空気単電池Cは、上記第2の鉄空気単電池と同様である。
この態様においては、高電位(0.8V以上1V以下)から放電を開始する鉄空気単電池Aと、中電位(0.7V以上0.8V未満)から放電を開始する鉄空気単電池Bと、低電位(0.4V以上0.7V未満)から放電を開始する鉄空気単電池Cとを組み合わせて使用し、かつ、鉄空気単電池Bの起電力が0.7V未満となったときに、鉄空気単電池Cの負極Cを負極D(鉄空気単電池Aの負極Dと同性能の負極)に替えるか、又は鉄空気単電池Cを鉄空気単電池D(鉄空気単電池Aと同性能の電池)に替えるかすることにより、本発明と同様に、安定した電位の供給が可能となる。このように、3つの電池のうち1つを交換に供することにより、2つの電池のうち1つを交換に供する上記態様よりも、組電池全体の電位変動がより小さくなるという利点がある。
第2に、組電池から除かれた使用済みの鉄空気単電池(又は負極若しくはそのカートリッジ)の用途について説明する。
組電池から外した後も、使用済みの鉄空気単電池は0.2〜0.4V程度の起電力を有しており、単体でも電池として使用できる。その用途としては、レンジエクステンダーや、低電圧動作可能な電子機器への電力供給等である。特に、本発明に係る鉄空気組電池を車載用とした場合には、使用済みの鉄空気単電池を車外部に取り出して、事故時や災害時に非常電源として用いることもできる。
また、組電池から除かれた使用済みの負極及びそのカートリッジについても、正極と適宜組み合わせることにより、上記低電圧動作の用途に供することができる。
以下に、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、この実施例のみに限定されるものではない。
1.鉄空気組電池の製造
[実施例1]
第1及び第2の鉄空気単電池としては、いずれも、図1に示したようなカートリッジ型の鉄空気単電池を採用した。これら第1及び第2の鉄空気単電池においては、テープ状の負極のうち一部を、負極集電体(SUS304箔(株式会社ニラコ製))及び電解質層の間に挟持することにより、電池反応を進行させた。テープ状の負極の他の部分については、ガイド部により適宜カートリッジ内部を張り巡らし、余った部分を第1のリール部及び第2のリール部により巻き取る構成とした。第1のリール部及び第2のリール部を適宜同一方向に回転させることにより、テープ状の負極のほぼ全体が電池反応に関与するようにした。
第1の鉄空気単電池に使用する負極活物質として、鉄箔(株式会社ニラコ製)をテープ状に加工したものを用いた。また、第2の鉄空気単電池に使用する負極活物質として、水酸化鉄(II)(Fe(OH))箔をテープ状に加工したものを用いた。
負極活物質以外の下記電池構成については、第1及び第2の鉄空気単電池にいずれも共通のものとした。
負極集電体として、SUS304箔(株式会社ニラコ製)を用いた。
導電性材料としてケッチェンブラック(KetjenBlack International製、ECP600JD)を、結着剤としてPTFE(ダイキン工業株式会社製)を、それぞれ用意した。これらの材料を、ケッチェンブラック:PTFE=90質量%:10質量%の含有比となるように混合し、ロールプレスにより圧延し、乾燥させて、正極層を作製した。
正極集電体として、SUS304製100メッシュ(株式会社ニラコ製)を用意した。
セパレータとしてセルロース系セパレータを用いた。当該セルロース系セパレータに水酸化カリウム水溶液を浸漬させたものを、電解質層とした。
実施例1の鉄空気電池内には、純酸素(大陽日酸株式会社製、純度:99.9%)を導入した。
第1及び第2の鉄空気単電池においては、単電池ごとの電圧を逐一測定し、各リール部の回転速度を調節した。
すなわち、第1の鉄空気単電池においては、当該単電池の起電力が0.7Vに低下するまで鉄箔の一部を正極に接触させ、当該単電池の起電力が0.7Vとなった時点で鉄箔の他の部分が正極に接触するように、第1及び第2のリール部を回転させた。
一方、第2の鉄空気単電池においては、当該単電池の起電力が0.4Vに低下するまで水酸化鉄(II)箔の一部を正極に接触させ、当該単電池の起電力が0.4Vとなった時点で水酸化鉄(II)箔の他の部分が正極に接触するように、第3及び第4のリール部を回転させた。
第1の鉄空気単電池の鉄箔が、第1のリール部から第2のリール部へ巻き取られた後、第2の鉄空気単電池を他の新しい鉄空気単電池(第3の鉄空気単電池)に交換し、引き続き放電を続けた。
1 第1の正極
2 テープ状の鉄含有薄膜
2a テープ状の鉄含有薄膜2の内の一部(第1の負極活物質)
3 負極集電体
4 第1の電解質層
5a,5b,5c,5d ガイド部
6a 第1のリール部
6b 第2のリール部
7 第1の電池ケース
11 第2の正極
12 テープ状の鉄化合物A含有薄膜
12a テープ状の鉄化合物A含有薄膜12の内の一部(第2の負極活物質)
13 負極集電体
14 第2の電解質層
15a,15b,15c,15d ガイド部
16a 第3のリール部
16b 第4のリール部
17 第2の電池ケース
17a 電池ケース孔
18 使用済みの金属薄膜
21,22,23 導線
22a 負極側端子
23a 正極側端子
31 車体(ボデー)の外形を示す枠線
32 車体(ボデー)においてタイヤが占める位置を示す破線
33 鉄空気単電池
34a,35a 基盤
34b 使用済みの負極カートリッジ
35b 新品の負極カートリッジ
41a 第1の正極端子
42 第1の負極
47 第1の電池ケース
51 第2の正極
51a 第2の正極端子
52 第2の負極
52a 穴
54 第2の電解質層
57 第2の電池ケース
61 第1の正極
61a 第1の正極端子
62 第1の負極
62a 第1の負極端子
67 第1の電池ケース
69 導線
71 第2の正極
71a 第2の正極端子
72 第2の負極
72a 第2の負極端子
77 第2の電池ケース
77a 電池ケース孔
81 第1の正極
82 第1の負極
87 第1の電池ケース
91 第2の正極
92 第2の負極
94 第2の電解質層
97 第2の電池ケース
97a 第2の電池ケース蓋
100 鉄空気組電池の第1の実施形態100
200 鉄空気組電池の第2の実施形態200
300 鉄空気組電池の第3の実施形態300
400 鉄空気組電池の第4の実施形態400

Claims (8)

  1. 第1の正極、鉄(Fe)が主成分である第1の負極活物質を含む第1の負極、並びに、当該第1の正極及び当該第1の負極の間に介在する第1の電解質層を少なくとも備え、さらに起電力が0.7V以上1V以下である第1の鉄空気単電池と、
    第2の正極、鉄化合物Aが主成分である第2の負極活物質を含む第2の負極、並びに、当該第2の正極及び当該第2の負極の間に介在する第2の電解質層を少なくとも備え、さらに起電力が0.4V以上0.7V未満であり、かつ前記第1の鉄空気単電池と直列に接続される第2の鉄空気単電池と、を備える鉄空気組電池の使用方法であって、
    前記第1の負極において、鉄(Fe)が鉄化合物Aへと変換される結果、前記第1の鉄空気単電池の起電力が0.7V未満となったときに、
    前記第2の負極を、鉄(Fe)が主成分である第3の負極活物質を含む第3の負極と交換するか、又は、
    前記第2の鉄空気単電池を、第3の正極、前記第3の負極、並びに、当該第3の正極及び当該第3の負極の間に介在する第3の電解質層を少なくとも備え、さらに起電力が0.7V以上1V以下である第3の鉄空気単電池と交換することを特徴とする、鉄空気組電池の使用方法。
  2. 前記第1の鉄空気単電池は、
    前記第1の負極活物質として鉄を主成分とする第1の薄膜と、
    前記第1の薄膜の両端が延長された先の各端部が接続されている一対の第1及び第2のリール部と、
    前記第1の薄膜及び前記一対の第1及び第2のリール部を収納する第1の電池ケースと、
    前記第1の薄膜の少なくとも一部の経路近傍に位置する前記第1の電解質層と、
    前記第1の電解質層を介して前記第1の薄膜と対向する前記第1の正極と、
    を備え、かつ、
    前記第2の鉄空気単電池は、
    前記第2の負極活物質として前記鉄化合物Aを主成分とする第2の薄膜と、
    前記第2の薄膜の両端が延長された先の各端部が接続されている一対の第3及び第4のリール部と、
    前記第2の薄膜及び前記一対の第3及び第4のリール部を収納する第2の電池ケースと、
    前記第2の薄膜の少なくとも一部の経路近傍に位置する前記第2の電解質層と、
    前記第2の電解質層を介して前記第2の薄膜と対向する前記第2の正極と、
    を備える、請求項1に記載の鉄空気組電池の使用方法。
  3. 前記第1の負極活物質は、当該第1の負極活物質全体の質量を100質量%としたとき、鉄を50質量%以上含む、請求項1又は2に記載の鉄空気組電池の使用方法。
  4. 前記第2の負極活物質は、当該第2の負極活物質全体の質量を100質量%としたとき、前記鉄化合物Aを50質量%以上含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の鉄空気組電池の使用方法。
  5. 第1の正極、鉄(Fe)が主成分である第1の負極活物質を含む第1の負極、並びに、当該第1の正極及び当該第1の負極の間に介在する第1の電解質層を少なくとも備え、さらに起電力が0.7V以上1V以下である第1の鉄空気単電池と、
    第2の正極、鉄化合物Aが主成分である第2の負極活物質を含む第2の負極、並びに、当該第2の正極及び当該第2の負極の間に介在する第2の電解質層を少なくとも備え、さらに起電力が0.4V以上0.7V未満であり、かつ前記第1の鉄空気単電池と直列に接続される第2の鉄空気単電池と、
    を備えることを特徴とする、鉄空気組電池。
  6. 前記第1の鉄空気単電池は、
    前記第1の負極活物質として鉄を主成分とする第1の薄膜と、
    前記第1の薄膜の両端が延長された先の各端部が接続されている一対の第1及び第2のリール部と、
    前記第1の薄膜及び前記一対の第1及び第2のリール部を収納する第1の電池ケースと、
    前記第1の薄膜の少なくとも一部の経路近傍に位置する前記第1の電解質層と、
    前記第1の電解質層を介して前記第1の薄膜と対向する前記第1の正極と、
    を備え、かつ、
    前記第2の鉄空気単電池は、
    前記第2の負極活物質として前記鉄化合物Aを主成分とする第2の薄膜と、
    前記第2の薄膜の両端が延長された先の各端部が接続されている一対の第3及び第4のリール部と、
    前記第2の薄膜及び前記一対の第3及び第4のリール部を収納する第2の電池ケースと、
    前記第2の薄膜の少なくとも一部の経路近傍に位置する前記第2の電解質層と、
    前記第2の電解質層を介して前記第2の薄膜と対向する前記第2の正極と、
    を備える、請求項5に記載の鉄空気組電池。
  7. 前記第1の負極活物質は、当該第1の負極活物質全体の質量を100質量%としたとき、鉄を50質量%以上含む、請求項5又は6に記載の鉄空気組電池。
  8. 前記第2の負極活物質は、当該第2の負極活物質全体の質量を100質量%としたとき、前記鉄化合物Aを50質量%以上含む、請求項5乃至7のいずれか一項に記載の鉄空気組電池。
JP2013239281A 2013-11-19 2013-11-19 鉄空気組電池及びその使用方法 Expired - Fee Related JP5828336B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013239281A JP5828336B2 (ja) 2013-11-19 2013-11-19 鉄空気組電池及びその使用方法
US14/546,395 US20150140455A1 (en) 2013-11-19 2014-11-18 Iron-air assembled cell and method for using the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013239281A JP5828336B2 (ja) 2013-11-19 2013-11-19 鉄空気組電池及びその使用方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015099707A JP2015099707A (ja) 2015-05-28
JP5828336B2 true JP5828336B2 (ja) 2015-12-02

Family

ID=53173629

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013239281A Expired - Fee Related JP5828336B2 (ja) 2013-11-19 2013-11-19 鉄空気組電池及びその使用方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20150140455A1 (ja)
JP (1) JP5828336B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11784341B2 (en) * 2015-12-08 2023-10-10 The Chinese University Of Hong Kong High-energy density and low-cost flow electrochemical devices with moving rechargeable anode and cathode belts
CA3031513A1 (en) 2016-07-22 2018-01-25 Nantenergy, Inc. Moisture and carbon dioxide management system in electrochemical cells
US20200006828A1 (en) * 2018-06-29 2020-01-02 Form Energy Inc., Metal air electrochemical cell architecture
CN115836426A (zh) * 2020-05-07 2023-03-21 福恩能源公司 电池组回收
CN112133990B (zh) * 2020-09-27 2021-11-23 北华航天工业学院 一种基于Fe(Ⅱ)/Fe(Ⅲ)化学氧化及电化学还原的金属空气电池
CN112909384A (zh) * 2021-01-29 2021-06-04 辽宁大学 一种氧化铜光电极及其新型太阳能铁空气电池
CN114824588A (zh) * 2022-04-29 2022-07-29 辽宁大学 一种基于凝胶态可充放电光辅助的铁空气电池及其制备方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6296960B1 (en) * 1997-10-06 2001-10-02 Reveo, Inc. System and method for producing electrical power using metal-air fuel cell battery technology
JP5396506B2 (ja) * 2012-04-23 2014-01-22 シャープ株式会社 金属空気電池およびエネルギーシステム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015099707A (ja) 2015-05-28
US20150140455A1 (en) 2015-05-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5828336B2 (ja) 鉄空気組電池及びその使用方法
US5306579A (en) Bifunctional metal-air electrode
JP5104942B2 (ja) 空気二次電池
RU2236067C2 (ru) Каталитический воздушный катод для металловоздушных аккумуляторов
JP5192613B2 (ja) マグネシウム金属空気電池
JP6070671B2 (ja) 空気電池
JP5644873B2 (ja) 空気二次電池
JP4788560B2 (ja) 蓄電デバイス
EP2820708A1 (en) Separatorless storage battery
Zhang et al. An overview of non-noble metal electrocatalysts and their associated air cathodes for Mg-air batteries
JP2012508438A (ja) 充電式空気亜鉛電池
WO2018143287A1 (ja) 金属空気電池
US9812747B2 (en) Gas-shield-electrode and composite bifunctional air-electrode using the same for use in metal-air batteries
JP5880224B2 (ja) 空気電池および電子機器
US20150162620A1 (en) Air battery and air electrode thereof
JP2014053271A (ja) 空気電池の空気極用炭素材料の製造方法、空気電池の空気極用炭素材料、及び当該炭素材料を含む空気電池
JP5408375B1 (ja) 空気電池用電極及び該空気電池用電極を用いた空気電池モジュール
WO2015004983A1 (ja) 空気電池
WO2013054418A1 (ja) 空気電池、当該空気電池を備える移動体、及び空気電池の使用方法
US20220199971A1 (en) Membrane-free zn/mno2 flow battery for large-scale energy storage
WO2020240948A1 (ja) 空気電池及びその使用方法
Figueredo Rodriguez Design, construction and characterisation of an iron air battery for automotive propulsion
EP1846979B1 (en) Hydrogen-air secondary cell
JP2014049216A (ja) 金属空気電池モジュール
JP2021082383A (ja) 亜鉛電池用負極

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150914

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150924

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151007

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees