JP5827929B2 - 機器収納体および電子機器 - Google Patents

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本発明は、電子機器を収納する筐体を具備した機器収納体に関し、特に、筐体の開口を塞ぐ蓋の開閉構造を備えた機器収納体、および、その機器収納体を用いた電子機器に関する。なお、好適な電子機器としては、プログラマブル表示器や産業用コンピュータのような、表示部にタッチパネルが設けられたものがあげられる。
従来、工場内のデバイスを制御するためのHMI(Human Machine Interface)として、プログラマブル表示器が広く使用されている。プログラマブル表示器は、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)とのインターフェースを備えている。プログラマブル表示器は、インターフェース備えることにより、PLCに接続されたデバイスの稼働状況を表示したり、デバイスへの制御指示を与えるための入力操作を、タッチパネルを介して受け付けたりする機能を実現可能な操作型表示器である。
さらに近年では、筐体のフロント部分に、USB端子等を備えるプログラマブル表示器も使用されている。これにより、端子が筐体の裏側に設けられている場合に比べ、手軽にプログラマブル表示器を他のコンピュータやメモリ装置に接続することが可能となる。
ところで、プログラマブル表示器は劣悪な環境で使用されることが多い。そのため、劣悪な環境で使用されるプログラマブル表示器には水分や油分の侵入の対策が必要となる。工業用制御装置のNEMA規格(UL508)では、プログラマブル表示器のフロント部分に設けられる端子を蓋(フロントメンテナンスカバー)で保護することにより防水性・耐油性を持たせ、さらに、ネジを用いて、当該蓋をフロント部分に固定できるようにすることが定められている。
端子等を保護する、上記の規格に沿った蓋の構造の例として特許文献1が挙げられる。
図10は特許文献1に記載されている従来の蓋の構造である。図10の(a)は従来のプログラマブル表示器100の外観を示している。図10の(b)は蓋が空いた状態における従来の開閉構造の平面図を示している。図10の(c)は蓋が閉じた状態における従来開閉構造の平面図を示している。
プログラマブル表示器100は、表示画面111および筐体102を備えている。図10の(b)に示すように、筐体102の前面には、開口が形成されており、開口の内部にUSB端子103が設けられている。USB端子103を保護するために、プログラマブル表示器100は、開口を塞ぐ蓋105と蓋105を閉状態に保持する保持機構とを備えた、開閉構造101を備えている。
図10の(b)は蓋105が開いた状態における従来の開閉構造101の平面図を示している。開口121にUSB端子103が設けられており、USB端子103を保護する為に蓋105が取り付けられている。蓋105の一端は、ヒンジ151によって開口121の下方に回動可能に連結されている。開口121のヒンジ151が取り付けられていない側には、前記閉状態に保持する保持機構として、所定方向にスライド可能なスライド部材106と、スライド部材106を固定可能なネジ107とが設けられる。
図10の(c)は蓋105が閉じた状態における従来の開閉構造101の平面図を示している。蓋105は、上面に沿ってスライド可能なスライド部材152を有し、上記記載の、所定方向にスライド可能なスライド部材106と、スライド部材106を固定可能なネジ107とが設けられる。蓋105の開いた状態ではスライド部材152およびスライド部材106は収容位置にある。蓋105を閉じた状態で、スライド部材152、106が収容位置にあると、ロックがかかっておらず、蓋105だけが閉じている状態である。そこから、スライド部材152をスライドすることにより、スライド部材152がスライド部材106の係止め部に係止めされ、簡易ロック状態となる。また、スライド部材152がスライド部材106の係止め部に係止めされた状態で、ネジ107を緩め、スライド部材106をスライド部材152ごと固定ロック位置に移動させたのち、再びネジを締めることで、固定ロック状態となる。
特開2011−124465号公報(2011年 6月23日公開)
上述のような従来技術では、簡易ロック状態を設けることにより、蓋の開閉作業をする度にドライバを用いてネジを緩めたり閉めたりする作業を不要とするものであった。
しかしながら、このような簡易ロック状態を設けた場合でも、蓋の開閉作業を行う際には両手を使用する必要がある。ネジを緩めたり閉めたりする作業と比較すれば、操作者による蓋の開閉作業の操作性は向上しているものの、未だ改善の余地は残されるものであった。
また、上述したような劣悪な環境で使用される場合、簡易ロック、さらには固定ロックを外しても、周囲に付着したゴミ、油によって蓋が開き難いという問題があった。この場合、操作者にとって、上述の蓋の開閉作業は益々手間のかかる作業となってしまう。
さらに、上述の従来技術では、蓋に取り付けられている防水・防油用のゴムは、蓋を閉める際に圧縮され、その圧縮に起因する反発力を生成する。そして、簡易ロック状態が解除されたとき、その反発力により、蓋が人手によらず開く構造であった。しかし、ゴムの経年劣化により上述の反発力が低下し、反発力だけでは蓋が開かないといった問題があった。さらに、経年劣化によりゴム自体が癒着し、蓋が開き難くなるという問題もあった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は蓋を開ける作業を容易化することができる機器収納体および電子機器を提供することにある。
本発明に係る機器収納体は、上記の課題を解決するために、
開口が形成された筐体と、
上記筐体の開口を開閉する蓋と、
上記蓋の一端側に設けられ、上記筐体に対して上記蓋を回動可能に連結する連結部と、
上記開口の閉状態における上記蓋の他端側の筐体の部分に設けられ、上記蓋の上記他端側から遠ざかる方向にスライド可能なスライドロック部とを備え、
上記蓋の上記他端側の端部の面である第1の接触面は、上記開口の開状態から閉状態へ変化する過程、および、上記閉状態から上記開状態へ変化する際の上記蓋を跳ね上げる過程のいずれにおいても、上記スライドロック部と接するものであり、
上記スライドロック部の、上記開口の閉状態における上記蓋の上記他端側の端部の面である第2の接触面は、上記開口の開状態から閉状態へ変化する過程、および、上記閉状態から上記開状態へ変化する際の上記蓋を跳ね上げる過程のいずれにおいても、上記蓋と接するものであり、
上記スライドロック部には、上記スライドロック部が上記蓋の他端側から遠ざかる方向にスライドしたときに縮むバネ部材が設けられており、
上記開口の開状態から閉状態へ変化する過程においては、
上記蓋が、上記筐体側に押されることにより上記連結部を中心として回動して、上記第1の接触面が上記第2の接触面と接触しつつ上記筐体側に近づくことにより上記蓋の上記他端側の端部が上記筐体側に近づき、かつ、上記第2の接触面が上記第1の接触面と接触しつつ上記蓋の上記他端側から遠ざかることにより上記スライドロック部が当該他端側から遠ざかり、
上記開口の閉状態から開状態へ変化する過程においては、
縮んだ上記バネ部材の弾性力により上記スライドロック部が上記蓋の上記他端側に押されることにより、上記第1の接触面が上記第2の接触面と接触しつつ上記筐体側から遠ざかることにより上記蓋が上記連結部を中心として回動して、上記蓋の上記他端側の端部が上記筐体側から遠ざかり、かつ、上記第2の接触面が上記第1の接触面と接触しつつ上記蓋の上記他端側に近づくことにより上記スライドロック部が当該他端側に近づくことを特徴とする。
上記の構成によれば、蓋が連結部によって筐体に連結され、連結部を中心軸として、回動可能となっていることにより、蓋を開閉することができる。蓋が開状態において、蓋を閉める方向に押すことで、バネ部材の伸縮を利用し、スライドロック部の端部を蓋の端部の上部に位置させることによって蓋を簡易的に固定することができる。よって、片手かつワンタッチで簡単に蓋を簡易ロックすることができる。
また、蓋の簡易ロック状態において、スライドロック部を上記蓋の上記連結部とは反対側へスライドさせ、スライドロック部の端部を蓋の端部の上部に位置するところから外す。上記スライドロック部をスライドさせることによって得たバネ部材の弾性力を、蓋の端部の形状およびスライドロック部の端部の形状を利用して、蓋を跳ね上げる方向に伝えることにより、片手のみで容易に蓋の簡易ロックをアンロックすることができる。また、周囲に付着したゴミ、油、防水用のゴムの劣化による癒着による蓋の開け難さも、バネ部材の反動力を利用し、蓋を跳ね上げる力を加えることによって改善される。
また、本発明に係る電子機器は、筐体に開口が設けられている電子機器であって、前記開口を塞ぐ蓋の開閉構造として、上記の開閉構造を備えることを特徴としている。したがって、開口内部の端子等を確実に保護することができ、かつ、使い勝手のよい電子機器を提供できる。
さらに、本発明に係る機器収納体では、上記開口の開状態から閉状態へ変化する過程において、上記第1の接触面と上記第2の接触面との接触が外れた際に、上記バネ部材の弾性力により上記スライドロック部の上記端部が上記蓋の上記他端側にスライドし、上記蓋の上記他端側の端部が上記スライドロック部の上記端部から見て上記筐体側に位置させて、上記スライドロック部の上記端部が上記蓋の上記他端側の端部に接触しつつ上記筐体側に押さえることが好ましい。
上記構成によれば、スライドロック部の端部を蓋の端部の上部に位置させることによって、蓋を簡易ロック状態にすることができ、またそれに伴い、蓋に付属するUSB端子の開口を覆うゴム部材を圧縮した状態に保つことができる。
さらに、本発明に係る機器収納体では、上記機器収納体内に設置されたUSB端子の開口を覆うゴム部材を有し、上記スライドロック部が上記蓋の上記他端側から遠ざかる方向にスライドされた場合において、上記スライドロック部の上記端部が上記蓋の上記他端側の端部から離れた際に、上記ゴム部材の反発力により上記蓋が上記筐体側から遠ざかることが好ましい。
上記構成によって、ゴム部材の反発力のみで上記蓋を簡単に指でつまめる程度まで開けることができる。もしくは、すくなくとも、上記第1の接触面と上記第2の接触面を接触させることができ、バネの弾性力を利用して上記蓋を簡単に指でつまめる程度まで開けることができる。
さらに、本発明に係る機器収納体では、
上記スライドロック部は、操作者が上記スライドロック部を上記蓋の上記他端側から遠ざかる方向にスライドさせる場合において操作者の指が配置される指配置面を有し、
上記指配置面には、複数の凸形状からなる波型形状が設けられており、当該波型形状は操作者の指の形状に沿った曲面を有することが好ましい。
上記構成によれば、スライドロック部を指でスライドさせる際に滑りにくく、自然に指が沿うようになるために、より無理なくスライドロック部をスライドさせることができる。
さらに、本発明に係る機器収納体では、
上記複数の凸形状の各々は、上記蓋の上記他端側から遠ざかるにつれて高くなることが好ましい。
上記構成によれば、スライドロック部をスライドさせる際に自然な形で力を加えることができ、より無理なくスライドロック部をスライドさせることができる。
さらに、本発明に係る機器収納体では、
上記筐体の開口の底面には、溝および傾斜面により形成された排水ルートが設けられていることが好ましい。
上記機器収納体において、開口から水分や油分が開閉構造内部に侵入してくる危険性がある。今までの開閉構造には、開口から水分や油分が開閉構造内部に侵入した際に、侵入した水分や油分が外部へ排出されるルートがなく、開閉構造内部に侵入した水分や油分は開閉構造内部に溜まっていた。蓋が閉まっている際は、USB端子の開口はゴム部材で覆われており、溜まった水分や油分をUSB端子へ流れ込むのを防ぐことができるが、蓋を開けると、溜まっていた水分や油分がUSB端子内へ流れ込む恐れがあった。
上記構成を用い、開閉構造内部へ侵入した水分や油分を排出するルートを確保することで、内部に水分や油分が溜まるのを防ぐことができ、よって蓋を開けた際の、溜まっていた水分や油分がUSB端子内へ流れ込む問題点を改善できる。
本発明によれば、蓋を開ける作業を容易化することができる機器収納体および電子機器を提供することができる。
(a)は、蓋が閉じた状態(簡易ロック状態)における開閉構造の平面図、(b)は、当該開閉構造の閉状態になる直前の状態の(a)のA−A部分断面図、(c)は、当該開閉構造の閉状態の(a)のA−A部分断面図である。 本発明の実施形態に係るプログラマブル表示器の正面図である。 (a)は、蓋が開いた状態における開閉構造の平面図、(b)は、当該開閉構造の(a)のB−B部分断面図である。 (a)は、蓋の固定ロック状態における開閉構造の平面図、(b)は、当該開閉構造の(a)のC−C部分断面図である。 (a)は、蓋の簡易ロック状態を外す動作を示す図、(b)は、スライドロック部が蓋を跳ね上げる動作を示す図である。 (a)は、蓋が閉じた状態(簡易ロック状態)における開閉構造の平面図、(b)は、当該開閉構造の(a)のD−D部分断面図、(c)は、当該開閉構造の(a)のE−E部分断面図である。 (a)は、蓋が閉じた状態(簡易ロック状態)における開閉構造の平面図、(b)は、当該開閉構造の(a)のF−F部分断面図(スライドロック部の形状の変形例)を示す図である。 開閉構造内の排水のルートおよびその形状を示す図である。 (a)は、蓋が閉じた状態(簡易ロック状態)における開閉構造の平面図、(b)は、当該開閉構造の(a)のG−G部分断面図(排水が通る箇所)を示す図である。 (a)は、従来のプログラマブル表示器の正面図、(b)は、蓋が開いた状態における従来の開閉構造の平面図、(c)は、蓋が閉じた状態における従来の開閉構造の平面図である。
以下図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号が付してある。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なるものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
本発明の実施の一形態について図1から図9を参照して説明する。
図2は、本実施形態に係る機器収納体を用いたプログラマブル表示器10の正面図である。プログラマブル表示器10は、表示画面11および筐体2を備えており、筐体2の前面に、蓋(ハッチ)54の開閉構造1が設けられている。開閉構造1では、片手かつワンタッチで蓋54を開閉可能な簡易ロック構造と簡易ロック状態をアンロックする構造を備える。
なお、本発明の電子機器は、上記のプログラマブル表示器10に限定されず、産業用コンピュータといった、表示部にタッチパネルが設けられた装置であれば適用可能である。
(開閉構造の詳細)
続いて、図1、図3から図5を参照して開閉構造1の詳細を説明する。図3は、蓋54が開いた状態を示している。また、図1、図4は、蓋54が閉じた状態を示している。より具体的には、図1は、簡易的にロック(簡易ロック)された状態を示しており、図4は、ネジ止めによってロック(固定ロック)された状態を示している。図5は、蓋54の簡易ロックを外す動作を示している。便宜上、図1の(a)、図3の(a)、図4の(a)、図5の(a)、図6の(a)、図7の(a)の各図は、左方向が図2の上方向、上方向が図2の右方向、右方向が図2の下方向、下方向が図2の左方向となるように描かれている。また、図1の(b)および(c)、図3の(b)、図4の(b)、図5の(b)、図6の(b)、図7の(b)の各図は、左方向が図2の上方向、上方向が筐体2の外部方向、右方向が図2の下方向、下方向が筐体2の内部方向となるように描かれている。
(開放状態)
次に、開閉構造の開放状態について、図3を参照して具体的に説明する。
図3の(a)は、蓋54が開いた状態における開閉構造1の平面図であり、図3の(b)は、当該開閉構造1の(a)のB−B部分断面図である。図3の(a)に示すように、筐体2には長方形状の開口21が形成されている。操作者は、この開口21を通して、筐体2の内部に配置されたUSB端子3に、プログラマブル表示器10の周辺機器等を接続することができる。開口21の一端(下端)には、開口21を塞ぐための長方形状の蓋54が取り付けられている。なお、図3の(b)に示すように、USB端子3は、筐体2の内部に設けられるプリント回路基板(PCB)4に設置されている。USB端子3に接続された上述の周辺機器等は、USB端子3を介して、プリント回路基板4に接続される。
図3の(b)に示すように、蓋54は、ヒンジ(連結部)51と、ゴム部材53とを有している。ヒンジ51は、蓋54の一端側に形成されており、筐体2の開口21の一端側に設けられている。ヒンジ51により、蓋54は、ヒンジ51を中心軸として回動し、開口21におけるスライドロック部52およびスライド部材6が位置する部分以外を開閉するものである。スライドロック部52およびスライド部材6については後述する。また、ゴム部材53は、蓋54の内側に、蓋54が閉じた状態でUSB端子3を覆う位置に取り付けられている。
一方、筐体2における開口21の他端(上端)部には、上側から順に、スライド部材6およびスライドロック部52が蓋54の長手方向に沿って、嵌められている。スライドロック部52は、左方が開口した略凹字状(図3基準)をなし、蓋54の長手方向に沿ってスライド可能である。スライドロック部52の表面形状は、波型形状を有する。なお、スライドロック部52の表面形状の特徴については後述する。
また、スライドロック部52にはバネ部材55が備えられている。バネ部材55は、例えば、弾性体であるバネを用いることができる。もちろん、バネ部材55は、バネに限られるものではなく、弾性体であれば構わない。
スライドロック部52に力が加わらない状態(図3の状態)では、バネ部材55に力が加わらず、バネ部材55は伸びた状態となる。一方、スライドロック部52をヒンジ51から遠ざけるようにスライドさせるべく、操作者が指でスライドロック部52に力を加えた場合、スライドロック部52の移動により、バネ部材55が縮むことになる。操作者がスライドロック部52から指を離すと、縮んだバネ部材55が元に戻ろうとする弾性力により、スライドロック部52は元の状態(図3の状態)に戻されることになる。すなわち、このスライドロック部52の戻りは人手によることなく行われ、操作者による蓋54の開閉作業を容易化させるものである。
また、蓋54のヒンジ51と反対の他端側にある端部54aは、蓋54が開状態から閉状態へ変化する過程、および、蓋54が閉状態から開状態へ変化する際のスライドロック部52が蓋54を跳ね上げる過程のいずれにおいても、スライドロック部52の端部52aと接する。端部54aは、蓋54が閉状態において、開口21の底面に対向する面54a−1と、スライドロック部52の端部52aと接する面(第1の接触面)54a−2とを有する。面54a-2は蓋54が閉じた状態で、開口21の底面に対し、傾斜しており、面54a−1と面54a−2とがなす角度は90°よりも大きく、180°よりも小さい。
具体的には、面54a−1と面54a−2とは、お互いの1辺を共有し、当該一辺(ここでは、「共有辺」と呼ぶ)において連続する2つの面である。蓋54が閉じた状態においては、面54a−1は、開口21の底面に対向しつつ、当該底面に略平行となる。
面54a−1と面54a−2とが上記共有辺を挟んでなす角度は、上述したとおり、90°よりも大きく、180°よりも小さい。したがって、蓋54が閉じた状態においては、面54a−2は、開口21の底面に略平行とはならず、当該底面に対して傾斜する。この「傾斜」とは、具体的には、面54a−2上の各位置は、上記共有辺から、面54a−2の、上記共有辺に対向する一辺側に向かって離れるにつれて、開口21の底面からの距離が大きくなることを意味する。
なお、上述の「略平行」とは、実質的に平行状態であることを意味するものであり、完全な平行状態に限られるものではない。以下、この「略平行」の意味は上述のものである。
一方、スライドロック部52は、右端(図3基準)に上述の端部52aを持つ。端部52aは、蓋54が開状態から閉状態へ変化する過程、および、蓋54が閉状態から開状態へ変化する際のスライドロック部52が蓋54を跳ね上げる過程のいずれにおいても、蓋54の面54a−2に略平行となる面(第2の接触面)52a−1を有する。具体的には、面52a−1と面52a−3とは、お互いの1辺を共有し、当該一辺(ここでは、「共有辺」と呼ぶ)において連続する2つの面である。面52a−3は、開口21の底面に対向しつつ、当該底面に略平行となる。面52a−1は蓋54の面54a−2に略平行となる面である。したがって、面52a−1は、開口21の底面に略平行とはならず、当該底面に対して傾斜する。この「傾斜」とは、具体的には、面52a−1上の各位置は、上記共有辺から、面52a−1の、上記共有辺に対向する一辺側に向かって離れるにつれて、開口21の底面からの距離が大きくなることを意味する。
面54a−1と面54a−2とが上記共有辺を挟んでなす角度は、上述したとおり、90°よりも大きく、180°よりも小さい。よって、面52a−1と面52a−3とのなす角は0°よりも大きく、90°よりも小さくなる。例えば、面54a−1と面54a−2とがなす角を135°とすれば、面52a−1と面52a−3とがなす角は45°となる。面52a−1は、上記2つの過程において、蓋54の面54a−2と接触する。
このようなスライドロック部52の端部52aおよび蓋54の端部54aが有する各形状の効果については後述する。
次いでスライド部材6について説明する。スライドロック部52に隣接する筐体2の左方(図3基準)の領域には、スライド部材6と、このスライド部材6を筐体2に固定可能なネジ(固定用ネジ)7とが設けられている。スライド部材6は右方(図3基準)に突出した略凸字状をなし、この突部が、スライドロック部52の開口に挿入されてスライド部材6とスライドロック部52とは互いにかみ合うように隣接している。スライド部材6およびネジ7は、蓋54を閉状態に保持する保持機構としての機能を備えている。
スライド部材6の中央部には、ネジ7の軸を通す左右(図3基準)に長い長穴が開けられている。ネジ7が締められると、ネジ7の座面がスライド部材6を押圧し、その押圧により、スライド部材6が筐体2に固定される。また、ネジ7が緩んだ状態では、操作者は、自身の指をスライド部材6の上面に押し当て、力を加えることにより、スライド部材6を所定方向(図3の(b)の右方向)にスライドさせることができる。
また、蓋54の開閉構造を構成する上述の各構成部材は、開口21内に設置されている。開口21は、表示画面11と同じ平面上における筐体2の開口である。開口21内には、USB端子3ための開口以外、筐体2の内部へ通じる開口はない。開口21の底面は、筐体2の内部と外部とを隔てている。
(簡易ロック状態)
次に、開閉構造1の簡易ロック状態について、図1を参照して具体的に説明する。
図1の(a)は、蓋54が閉じた状態(簡易ロック状態)における開閉構造1の平面図であり、図1の(b)は、当該開閉構造1の閉状態になる直前の状態の(a)のA−A部分断面図、図1の(c)は、当該開閉構造1の閉状態の(a)のA−A部分断面図である。
図1の(c)に示すように、蓋54が開口21を塞いでゴム部材53がUSB端子3の前方を覆うことにより、USB端子3が保護・防水がされる。
スライド部材6が図1の(a)の状態で固定されている場合、スライドロック部52は、図1の(a)の位置からスライドロック部52の左方開口縁部(図1基準)が、スライド部材6に当たるまでスライド可能である。
図3の蓋54が開いている状態から、蓋54を閉じた際に蓋54の外面となる面が操作者の指により押されると、図1の(b)に示す状態になる。すると、蓋54とスライドロック部52は、蓋54の端部54aとスライドロック部52の端部52aとで接する。
具体的には、蓋54の端部54aの面54a−2とスライドロック部52の端部52aの面52a−1とが接することになる。その状態で、さらに蓋54に矢印Aの方向の力が加わると、蓋54は矢印Aの方向に押し下げられ、それに伴って、蓋54の端部54aもスライドロック部52の端部52aを押しながら下がる。このとき、蓋54の端部54aの面54a−2とスライドロック部52の端部52aの面52a−1とは接しながら、互いに左右方向における反対の方向に向かって押し合う。(左右についてはいずれも図3基準)上述したように、蓋54の端部54aの面54a−1と面54a−2とは90°以上の角度をなしている。このため、端部54aの押し下げにより、端部54aの面54a−1とスライドロック部52の端部52aの面52a−1との間における上述した力の作用を介して、スライドロック部52の端部52a(すなわち、スライドロック部52)は、図面左方向に移動することになる。
より具体的には、蓋54が矢印Aの方向に押し下げられると、蓋54はヒンジ51を支点として回動動作を開始する。この回動動作の進行に伴い、蓋54の端部54aはスライドロック部52の端部52aに徐々に近づき、やがて、お互いに接触する。すなわち、蓋54の端部54aの面54a−2がスライドロック部52の端部52aの面52a−1と接触する。
面54a−2と面52a−1とが接触し、さらに、蓋54の上述の回動動作が続くと、面54a−2に垂直な力、すなわち、面52a−1に垂直な力で、面54a−2は面52a−1を押すことになる。ここで、面52a−1に垂直な力は、開口21の底面に垂直な図面下方向への力と、開口21の底面に平行な図面左方向の力との2つの力(分力)に分けられる。開口21の底面に平行な図面左方向の力への分力により、スライドロック部52は図面左方向へ移動する。
このようにして、スライドロック部52の端部52aは蓋54の端部54aに押され、その結果、スライドロック部52は図1の(b)の矢印Bの方向へスライドする。それに伴い、バネ部材55に図1の(b)の左方向の力が加わり、その力によりバネ部材55は縮む。
さらに、蓋54を図1の(b)の矢印Aの方向に押し続けると、蓋54の端部54aがスライドロック部52の端部52aの下側に入り込み、端部52aが端部54aを押さえた状態となる。具体的には、蓋54を上記矢印Aの方向に押し続けると、蓋54とスライドロック部52は、面54a−2の上端側の端点54a−3と、面52a−1の下端側の端点52a−2とで接する。さらに蓋54を矢印Aの方向に押し続けると、蓋54は押される力によりスライドロック部52より下側に移動し、蓋54とスライドロック部52とで接する箇所がなくなる。端部52aと端部54aが離れると、端部54aの面54a−2と端部52aの面52a−1との接触により、端部52aを押していた力がなくなる。その結果、バネ部材55を押す力がなくなり、縮んでいたバネ部材55は元の伸びた状態に戻る。よって、スライドロック部52も元の位置(図3の(b)の位置)に戻る。これによって、端部52aは端部54aの上部に位置することになり、端部52aが端部54aを押さえた状態となる。よって蓋54はスライドロック部52により簡易的にロックされる。
ここで、蓋54が簡易ロックされている間、端部54aは端部52aに抑えられているので、蓋54のゴム部材53は抑えられた状態となり、よって、ゴム部材53が圧縮されてUSB端子3に押しつけられた状態となり、USB端子3の端子部分を水分や油から保護できる。
このように蓋54はバネ部材55の伸縮を利用し、蓋54を指で押すだけという片手での簡単な動作で蓋54の簡易ロック、さらに同時に防水機能を維持できる状態とすることが可能となる。
(簡易ロックのアンロック)
次に、蓋54の簡易ロック状態をアンロックする場合について、図5を参照して具体的に説明する。
図5の(a)は、蓋54の簡易ロックを外す動作を示す図であり、図5の(b)は、スライドロック部52が蓋54を跳ね上げる動作を示す図である。
簡易ロックとは、工業用制御装置のNEMA規格を満たす開閉構造を実現するネジでの固定ではなく、ネジの開閉を必要としない簡易的なロック状態を示す。
蓋54の簡易ロック状態をアンロック(解除)する場合、操作者は、蓋54の長手方向に沿って、スライドロック部52を指で左方(図3基準)にスライドさせる。上記により、蓋54の端部54aの上部に位置していたスライドロック部52の端部52aは図5の(a)の左方向にスライドし、図5の(a)に示すように、端部54aの上部が解放される。このとき、スライドロック部52のスライドにより、バネ部材55に力が加わり、バネ部材55が縮むのは言うまでも無い。
ここで、蓋54が簡易ロック状態の間、端部54aは端部52aに抑えられており、同時に、ゴム部材53も蓋54に抑えられた状態となっている。つまり、蓋54が簡易ロック状態の間、ゴム部材53が圧縮された状態にある。このような状態の下で、端部54aを押さえる力がなくなる(スライドロック部52をスライドさせることにより、端部52aが端部54aの上部から外れる)と、ゴム部材53を押さえる力もなくなり、ゴム部材53は圧縮状態から解放される。その解放時における、圧縮状態から元の状態に戻ろうとする力(反発力)により、蓋54は、ヒンジ51を中心にして、簡易ロック状態より少し上に跳ね上がる。
ゴム部材53の反発力による蓋54跳ね上がり方について、2通り考えられる。一つは、蓋54を指で簡単につまめる位置まで蓋54が跳ね上がる場合である。この場合は、ゴム部材53の反発力のみで蓋54が開いた状態である。
もう一つは、蓋54を指で簡単につまめる位置まで蓋54が跳ね上がらない場合、具体的には、図5の(b)の位置までしか跳ね上がらない場合である。この場合は、ゴム部材53の反発力だけでは蓋54を開けることができず、従来技術であれば、蓋54を開けるためには、その状態からなんらかの道具を用いて蓋54を開けるしか方法がなかった。
しかし、本発明の構造においては、図5の(b)の状態で操作者が指を離すと、図5の(b)に示すように、端部54aと端部52aが接する状態となるようにゴム部材53の厚みや弾性力が定められている。すなわち、端部54aの面54a−2と端部52aの面52a−1とが再び接することになる。
その結果、バネ部材55の、元の状態に戻ろうとする弾性力で、端部52aの面52a−1が端部54aの面54a−2を押すことになる。ここで、端部52aと端部54aの形状により、端部52aからの端部54aを押す力は、端部54aを押し上げる力となり、蓋54はヒンジ51を中心として跳ね上がる。
具体的には、バネ部材55の弾性力は、開口21の底面と水平な力で図面右側へ、面52a−1から面54a−2へ伝わる。ここで、右方向への開口21の底面と水平な力は、面54a−2に対し垂直な図面右上向きの力と、面54a−2に沿った図面右下向きの力とに分力される。よって、面54a−2に対し垂直な図面右上向きの力の作用により、面54a−2は図面右上向きに押される。その結果、蓋54の端部54aは図面上向きに押され、蓋54がヒンジ51を中心として図面の上方へ回動し、跳ね上がる。
よって、簡易ロック状態をアンロックする場合であって、ゴム部材53の反発力のみで蓋54が指で簡単につまめる程度まで開かない場合でも、スライドロック部52を指でスライドさせ、指を離すという片手での簡単な動作で、簡易ロック状態をアンロックすることが可能となる。
(固定ロック状態)
次に、開閉構造1の固定ロック状態について、図1、図4を参照して具体的に説明する。
図4の(a)は、固定ロック状態における開閉構造1の平面図を示す。図4の(b)は、当該開閉構造1の(a)のC−C部分断面図を示す。
図1の(c)は、固定ロックしていない、簡易ロック状態を表す。このスライド部材6の位置を第1の位置とする。簡易ロック状態から、固定ロック状態にするためには、操作者は、図1の(c)の状態で、ネジ7を緩め、自身の指をスライド部材6の上面に押し当てて図中右方向に力を加えればよい。この場合、スライド部材6は、図4の(b)に示す、固定ロック位置にスライドする。この位置を第2の位置とする。
ここで、上記に記した通り、スライドロック部52とスライド部材6において、スライドロック部52は略凹字の形状、スライド部材6は略凸字の形状をもち、互いにかみ合わさるように隣接している。スライド部材6が固定されていない場合、スライド部材6は、図1の(a)の位置からスライドロック部52までをスライド可能である。より具体的に図1の(c)を用いて説明する。スライド部材6は、図1の(c)の位置(第1の位置)から、スライドロック部52の端部52aとは反対側の端部52bと、スライド部材6の右端(図1基準)にある端部6aとが接触するまでの位置(第2の位置)をスライド可能である。スライド部材6を第2の位置で固定すると、スライドロック部52の端部52bがスライド部材6の端部6aによって固定されるので、スライドロック部52が固定され、蓋54が固定される。さらに、ネジ7を締めることにより、スライドロック部52が固定ロックされ、蓋54が固定ロックされる。
また、蓋54の固定ロックをアンロックする場合は、操作者は、図4の(b)の状態からネジ7を緩め、自身の指をスライド部材6の上面に押し当てて図中左方向に力を加え、スライド部材6を第2の位置から第1の位置にスライドさせればよい。
上記構成により、固定ロック、および、固定ロック状態のアンロックを行う場合、ドライバを用いてネジ7を緩めたり締めたりする作業は必要となるが、工業用制御装置のNEMA規格を満たす開閉構造1を実現することができる。
(スライドロック部の形状について)
スライドロック部52の形状の特徴について図6を参照して具体的に説明する。
図6の(a)は、蓋54が閉じた状態(簡易ロック状態)における開閉構造1の平面図を示す。図6の(b)は、当該開閉構造1の(a)のD−D部分断面図を示す。図6の(c)は、当該開閉構造1の(a)のE−E部分断面図を示す。
上述したように、スライドロック部52は、操作者の指から加わる力によって、左方(図6基準)にスライドし、バネ部材55により右方へスライドする。そのため、スライドロック部52は、下記に述べる特徴を有する。
操作者は、スライドロック部52をスライドさせる際、自身の指がしっかりとスライドロック部52の表面に固定され、確実にスライドロック部52をスライドさせることができることが好ましい。このため、スライドロック部52の表面(指配置面)には、スライドロック部52をスライドさせる方向に対し、操作者の指が滑り難いように、図6の(b)に示す波型形状とされている。この波型形状は、複数の凸形状からなる。
また、操作者は、スライドロック部52を図6の(b)の左方向にスライドさせる際、自身の指を上述の波型形状上に置き、図6の(b)の左方向に力を入れる。そこで、図6の(b)の左方向に力を入れる際に、操作者が、より自然に力をかけることができるように、上述の波型形状の各凸形状は矢印の方向に沿って徐々に高くなるような形状であることが好ましい。ここで、スライドロック部52は指を離すとバネ部材55により、図6の(b)図面右方向へ戻されるので、スライドロック部の形状は図6の(b)図面左側へスライドさせるのに適した形状であればよい。
さらに、図6の(c)に示すように、上述の波型形状には操作者の指の形に沿った曲面57が設けられていることが好ましい。
以上により、スライドロック部52のスライドをよりスムーズに行えるようにすることで、より簡単で無理のない動作での簡易ロック、および、簡易ロック状態のアンロックを行うことが可能となる。
また、スライドロック部52の形状の変形例について図7を参照して説明する。
図7の(a)は、蓋54が閉じた状態(簡易ロック状態)における開閉構造1の平面図を示す。図7の(b)は、当該開閉構造1の(a)のF−F部分断面図を示す。
スライドロック部52の表面(指配置面)は、図7の(b)の左方向に力を入れる際に、操作者がより自然に力をかけることができるように、矢印の方向に沿って徐々に高くなるような形状であってもよい。さらに、説明書を用いなくても操作部や操作方向が分かるように、ピクトグラムを描くこと(シール等を貼り付けることもある)が好ましい。例えば図7の(a)に示すように、スライドロック部52のスライド方向に三角矢印を描くことによって、スライド操作を促すことができる。
(排水ルート、形状について)
ところで、スライド部材6やスライドロック部52を可動とするため、スライド部材6およびスライドロック部52と開口21縁との間に隙間をあけて配置する必要があり、このため、スライド部材6やスライドロック部52と、開口21との隙間から開口21内部へ水分や油分が流れ込んでしまうことがあるが、以下に述べる排水ルートにより流れ込んだ水等は排出される。
本発明の排水ルート、形状について図8、図9を参照して説明する。
図8に、開閉構造1内のルートおよびその形状を示す。
図9の(a)は、蓋54が閉じた状態(簡易ロック状態)における開閉構造1の平面図、(b)は、当該開閉構造1の(a)のG−G部分断面図を示す。
図8は、図面上側が、図2の上側となる。また、図9の(a)では、図面左側が、図2の上側となる。
図8に示すように、まず開口21のネジ穴7aが位置する箇所では、開閉構造1に侵入した水分や油分(排水)を、スライド部材6の両側を通して下方に流し、ネジ穴7a下方において一か所に集めることにより、流量を確保し、下方への流れを作る。続いて、開口21のスライドロック部52が位置する箇所では、当該箇所から開閉構造1に侵入した排水と、開口21のネジ穴7aが位置する箇所から流れてきた排水を、スライドロック部52の両側を通して下方に流し、スライドロック部52の下方において一か所に集め、さらに下方へ流す。ここで、図9の(a)および(b)において、上記開口21のネジ穴7aが位置する箇所の排水が通る箇所について具体的に説明する。
図9の(b)は、スライド部材6の断面図を示す。図9の(b)で示されているように、ネジ7と筐体2との間にスライド部材6が位置する。さらにスライド部材6はネジ7に固定されており、スライド部材6と筐体2との間に隙間6cが設けられている。この隙間6cを通り、排水が下方へ流れる。つまり、隙間6cが排水ルートとなる。なお、図示はないが、開口21におけるスライドロック部52の断面も隙間6cと同様の隙間が設けられており、当該隙間を通って排水が下方へ流れる。
続いて、開口21のUSB端子3が位置する中央部では、排水が防水のためのゴム部材53を避けて流れることができるように、排水ルートとしてUSB端子3の両側に溝が形成されている。当該箇所から開閉構造1に侵入した排水と、開口21のスライドロック部52が位置する箇所から流れてきた排水を、USB端子3の両側に流れを分担させ、そのままヒンジ51が設置されている下部へ導き、下端で流れを再び一か所にまとめた後に排出させる。この排出のため、例えば、図4の(b)に示すように、開口21の下縁には、傾斜面2aが形成されている。この傾斜面2aとヒンジ51の下端(図4の(b)における右端)との間には、図示は省略したが隙間が開けられており、当該隙間から水等が排出される。また、機器収納体の蓋54内側の構造には、排水が通過するルートに向かって傾斜がつけられており、それぞれのルートに排水を導く。
すなわち、本実施形態の機器収納体は、溝および傾斜形状により形成され排水ルートを備えた構造により、蓋54内側に水分や油分が侵入した場合でも蓋54内側に水分や油分が溜まることなく、下部より排出される。
以上述べたように、流れ込んだ水等は、蓋54の状態に関わらずに開口21の下部から排出されるので、特に、蓋を開いた際にUSB端子3内へ水等が流れ込む恐れがあった問題点を改善することができる。
本実施形態では、本発明に係る開閉構造をプログラマブル表示器に適用する例について説明したが、本発明に係る開閉構造は、産業用コンピュータ(IPC)や、その他のあらゆる電子機器に適用可能である。
また、本実施形態では、蓋54の保護対象、すなわち収納される機器がUSB端子である例について説明したが、保護対象は、これに限定されず、他の規格の端子や、メモリカード等のスロット、スイッチ等の各種機器であってもよい。
また、蓋54の端部54aおよびスライドロック部52の端部52aの各形状は、蓋54を開状態から閉状態にする過程では、蓋54を押し込む方向に力を伝えることができ、逆に、蓋54を閉状態から開状態にする際に蓋54を跳ね上げる過程では、蓋54を跳ね上げる方向に力を伝えることができる形状であればよい。
さらに、面54a−2や面52a−1の角度も上記実施形態には限られない。両面54a−2、52a−1の角度は、蓋54を閉める過程で両面54a−2、52a−1が互いに接触した際に、スライドロック部52を左方(図5基準)に動かす力が生じる角度であればよい。両面54a−2、52a−1は面接触することが好ましいが、必ずしも面接触する必要はない。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明に係る開閉構造は、あらゆる電子機器に適用可能である。
1 開閉構造
2 筐体
2a 傾斜面
3 USB端子
4 プリント回路基板
6 スライド部材
6a 端部
6c 隙間
7 ネジ
7a ネジ穴
10 プログラマブル表示器
11 表示画面
21 開口
51 ヒンジ
52 スライドロック部
52a 端部
52a−1 面(第2の接触面)
52a−2 端点
52a−3 面(開口21底面に対向する面)
52b 端部
53 ゴム部材
54 蓋
54a 端部
54a−1 面(開口21底面に対向する面)
54a−2 面(第1の接触面)
54a−3 端点
55 バネ部材
57 指の形に沿った曲面

Claims (7)

  1. 開口が形成された筐体と、
    上記筐体の開口を開閉する蓋と、
    上記蓋の一端側に設けられ、上記筐体に対して上記蓋を回動可能に連結する連結部と、
    上記開口の閉状態における上記蓋の他端側の筐体の部分に設けられ、上記蓋の上記他端側から遠ざかる方向にスライド可能なスライドロック部と
    を備え、
    上記蓋の上記他端側の端部の面である第1の接触面は、上記開口の開状態から閉状態へ変化する過程、および、上記閉状態から上記開状態へ変化する際の上記蓋を跳ね上げる過程のいずれにおいても、上記スライドロック部と接するものであり、
    上記スライドロック部の、上記開口の閉状態における上記蓋の上記他端側の端部の面である第2の接触面は、上記開口の開状態から閉状態へ変化する過程、および、上記閉状態から上記開状態へ変化する際の上記蓋を跳ね上げる過程のいずれにおいても、上記蓋と接するものであり、
    上記スライドロック部には、上記スライドロック部が上記蓋の他端側から遠ざかる方向にスライドしたときに縮むバネ部材が設けられており、
    上記開口の開状態から閉状態へ変化する過程においては、
    上記蓋が、上記筐体側に押されることにより上記連結部を中心として回動して、上記第1の接触面が上記第2の接触面と接触しつつ上記筐体側に近づくことにより上記蓋の上記他端側の端部が上記筐体側に近づき、かつ、上記第2の接触面が上記第1の接触面と接触しつつ上記蓋の上記他端側から遠ざかることにより上記スライドロック部が当該他端側から遠ざかり、
    上記開口の閉状態から開状態へ変化する過程においては、
    縮んだ上記バネ部材の弾性力により上記スライドロック部が上記蓋の上記他端側に押されることにより、上記第1の接触面が上記第2の接触面と接触しつつ上記筐体側から遠ざかることにより、上記バネ部材の弾性力が上記蓋を上記筐体から遠ざける方向に伝わることにより、上記蓋が上記連結部を中心として回動して、上記蓋の上記他端側の端部が上記筐体側から遠ざかり、かつ、上記第2の接触面が上記第1の接触面と接触しつつ上記蓋の上記他端側に近づくことにより上記スライドロック部が当該他端側に近づくことを特徴とする機器収納体。
  2. 上記開口の開状態から閉状態へ変化する過程において、
    上記第1の接触面と上記第2の接触面との接触が外れた際に、上記バネ部材の弾性力により上記スライドロック部の上記端部が上記蓋の上記他端側にスライドし、上記蓋の上記他端側の端部が上記スライドロック部の上記端部から見て上記筐体側に位置させて、上記スライドロック部の上記端部が上記蓋の上記他端側の端部に接触しつつ上記筐体側に押さえることを特徴とする請求項1に記載の機器収納体。
  3. 開口が形成された筐体と、
    上記筐体の開口を開閉する蓋と、
    上記蓋の一端側に設けられ、上記筐体に対して上記蓋を回動可能に連結する連結部と、
    上記開口の閉状態における上記蓋の他端側の筐体の部分に設けられ、上記蓋の上記他端側から遠ざかる方向にスライド可能なスライドロック部と
    を備え、
    上記蓋の上記他端側の端部の面である第1の接触面は、上記開口の開状態から閉状態へ変化する過程、および、上記閉状態から上記開状態へ変化する際の上記蓋を跳ね上げる過程のいずれにおいても、上記スライドロック部と接するものであり、
    上記スライドロック部の、上記開口の閉状態における上記蓋の上記他端側の端部の面である第2の接触面は、上記開口の開状態から閉状態へ変化する過程、および、上記閉状態から上記開状態へ変化する際の上記蓋を跳ね上げる過程のいずれにおいても、上記蓋と接するものであり、
    上記スライドロック部には、上記スライドロック部が上記蓋の他端側から遠ざかる方向にスライドしたときに縮むバネ部材が設けられており、
    上記開口の開状態から閉状態へ変化する過程においては、
    上記蓋が、上記筐体側に押されることにより上記連結部を中心として回動して、上記第1の接触面が上記第2の接触面と接触しつつ上記筐体側に近づくことにより上記蓋の上記他端側の端部が上記筐体側に近づき、かつ、上記第2の接触面が上記第1の接触面と接触しつつ上記蓋の上記他端側から遠ざかることにより上記スライドロック部が当該他端側から遠ざかり、
    上記開口の閉状態から開状態へ変化する過程においては、
    縮んだ上記バネ部材の弾性力により上記スライドロック部が上記蓋の上記他端側に押されることにより、上記第1の接触面が上記第2の接触面と接触しつつ上記筐体側から遠ざかることにより上記蓋が上記連結部を中心として回動して、上記蓋の上記他端側の端部が上記筐体側から遠ざかり、かつ、上記第2の接触面が上記第1の接触面と接触しつつ上記蓋の上記他端側に近づくことにより上記スライドロック部が当該他端側に近づき、
    上記開口の開状態から閉状態へ変化する過程において、
    上記第1の接触面と上記第2の接触面との接触が外れた際に、上記バネ部材の弾性力により上記スライドロック部の上記端部が上記蓋の上記他端側にスライドし、上記蓋の上記他端側の端部が上記スライドロック部の上記端部から見て上記筐体側に位置させて、上記スライドロック部の上記端部が上記蓋の上記他端側の端部に接触しつつ上記筐体側に押さえる機器収納体であって、
    上記機器収納体内に設置されたUSB端子の開口を覆うゴム部材を有し、
    上記スライドロック部が上記蓋の上記他端側から遠ざかる方向にスライドされた場合において、
    上記スライドロック部の上記端部が上記蓋の上記他端側の端部から離れた際に、上記ゴム部材の反発力により上記蓋が上記筐体側から遠ざかることを特徴とする機器収納体。
  4. 上記スライドロック部は、操作者が上記スライドロック部を上記蓋の上記他端側から遠ざかる方向にスライドさせる場合において操作者の指が配置される指配置面を有し、
    上記指配置面には、複数の凸形状からなる波型形状が設けられており、当該波型形状は操作者の指の形状に沿った曲面を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の機器収納体。
  5. 上記複数の凸形状の各々は、上記蓋の上記他端側から遠ざかるにつれて高くなることを特徴とする請求項4に記載の機器収納体。
  6. 上記筐体の開口の底面には、溝および傾斜面により形成された排水ルートが設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の機器収納体。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の機器収納体を備えることを特徴とする電子機器。
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