JP5827890B2 - 光変調装置、照明装置 - Google Patents

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本発明は、光による照明範囲を可変に制御するための技術に関する。
特開2011−81985号公報(特許文献1)には、液晶セルを用いて入射光線の両方の偏光成分を偏光させることにより、光照射方向を変えることができる光照射装置が開示されている。この先行例の光照射装置は、所定方向に長いプリズムが形成されたプリズム層と、プリズム層上に形成された配向膜と、配向膜との界面で長軸方向がプリズム長さ方向に配向する液晶分子を有する液晶層とを含む第1の光偏向液晶セルと、所定方向に長いプリズムが形成されたプリズム層と、プリズム層上に形成された配向膜と、配向膜との界面で長軸方向がプリズム長さ方向に直交する方向に配向する液晶分子を有する液晶層とを含み、第1の光偏向液晶セルと積層された第2の光偏向液晶セルと、各光偏向液晶セルに電圧を印加する電圧印加装置と、各光偏向液晶セルに光線を入射させる入射光学系とを有している。
ところで、上記した先行例の光照射装置は、光の投影像をそのままの大きさで移動させることはできるものの、投影像の大きさを自在に変えることはできなかった。
特開2011−81985号公報
本発明に係る具体的態様は、光の投影像の大きさを自在に変えることが可能な光照射技術を提供することを目的の1つとする。
本発明に係る一態様の照明装置は、光源と、この光源の前面に配置された光変調装置を備えており、当該光変調装置は、光学素子と、当該光学素子を駆動する光学素子駆動部を備える。上記の光学素子は、(a)相互に対向配置される第1基板及び第2基板と、(b)第1基板上に設けられた第1電極と、(c)第1基板上に設けられた複数のプリズムを有するプリズムアレイと、(d)第1電極及びプリズムアレイの上側に設けられた第1配向膜と、(e)第2基板上に設けられた第2電極と、(f)第2電極の上側に設けられた第2配向膜と、(g)第1基板と第2基板の間に設けられた液晶層を有する。上記の光学素子駆動部は、電圧の絶対値が液晶層の閾値電圧よりも高い第1の値である第1の期間と、電圧の絶対値が液晶層の閾値電圧よりも低い第2の値である第2の期間を1.2kHz以上の周波数で交互に繰り返す駆動信号を光学素子へ供給する。
この照明装置の光変調装置によれば、液晶層への電圧印加によってプリズムアレイと液晶層の界面における屈折率を変化させ、その作用によって入射光の投影像の位置を移動させることができる。その際、上記した駆動信号を液晶層へ与えることにより入射光の投影像の位置を所定範囲内で高速に移動させることが可能となるので、人間の目には1つの幅広な投影像として視認させることが可能である。すなわち、光源と組み合わせて照明装置を構成し、一般照明や車両用前照灯などの用途で用いた場合には、人間によって視認される実質的な光の照射範囲を広げることが可能となり、液晶層へ与える電圧値に応じて光の投影像の実質的な大きさを自在に変えることが可能となる。
本発明に係る他の態様の照明装置は、光源と、この光源の前面に配置された光変調装置を備えており、当該光変調装置は、第1及び第2の光学素子と、当該第1及び第2の光学素子をそれぞれ駆動する光学素子駆動部を備える。上記した第1及び第2の光学素子の各々は、(a)相互に対向配置される第1基板及び第2基板と、(b)第1基板上に設けられた第1電極と、(c)第1基板上に設けられた複数のプリズムを有するプリズムアレイと、(d)第1電極及び前記プリズムアレイの上側に設けられた第1配向膜と、(e)第2基板上に設けられた第2電極と、(f)第2電極の上側に設けられた第2配向膜と、(g)第1基板と第2基板の間に設けられた液晶層を有し、(h)各々の液晶層の液晶分子の配向方向を互いに略直交させて配置される。上記した光学素子駆動部は、電圧の絶対値が液晶層の閾値電圧よりも高い第1の値である第1の期間と、電圧の絶対値が液晶層の閾値電圧よりも低い第2の値である第2の期間を1.2kHz以上の周波数で交互に繰り返す駆動信号を第1及び第2の光学素子のそれぞれへ供給する。
この照明装置の光変調装置によっても、上記と同様の作用により、光源と組み合わせて照明装置を構成し、一般照明や車両用前照灯などの用途で用いた場合には、人間によって視認される実質的な光の照射範囲を広げることが可能となり、液晶層へ与える電圧値に応じて光の投影像の実質的な大きさを自在に変えることが可能となる。特にこの光変調装置では、光の投影像の実質的な大きさを変えられる範囲がより広くなる。
また、上記した各態様の照明装置によれば、光の投影像の大きさを自在に変えることが可能となる。このような照明装置は、一般的な照明器具として用いる場合のほか、例えば車両用前照灯としての用途にも適している。すなわち、車両の低速走行時には光の投影像を相対的に大きく制御することにより車両に近い範囲をより広く照明することができ、車両の高速走行時には光の投影像を相対的に小さく制御することにより車両から遠い範囲をより明るく照明することができる。
上記した第1の期間における電圧は、例えば、第1の期間が到来する毎に正電圧又は負電圧に交互に切り替わることが好ましい。
また、第1の期間における電圧は、例えば、第1の期間内において正電圧と負電圧に交互に切り替わることも好ましい。
これらによれば、液晶層に対して直流成分が加わることを抑え、液晶材料の寿命が短くなることを回避することができる。
一実施形態の照明装置の構成を示すブロック図である。 光学素子の構造を示す模式的な断面図である。 プリズムアレイの模式的な斜視図である。 光学素子における配向処理の方向とプリズムアレイの長手方向の関係を説明するための図である。 光学素子駆動部により光学素子へ供給される駆動信号の一例を示す波形図である。 照射装置によって照射される光の状態を説明するための図である。 他の実施形態の照明装置の構成を示すブロック図である。 光学素子における配向処理の方向とプリズムアレイの長手方向の関係を説明するための図である。 光学素子の他の構造例を示す模式的な断面図である。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、一実施形態の照明装置の構成を示すブロック図である。図1に示す照明装置は、光源1、光学素子2、光学素子駆動部3を含んで構成されている。光源1は、例えばLED(発光素子)を備えており、可視光の波長範囲の光を出射する。光学素子2は、外観上ほぼ透明な薄板状の素子であり、光源1の光出射部の前面に配置される。光学素子駆動部3は、光学素子2に対して駆動信号を供給する。なお、本実施形態では光学素子2および光学素子駆動部3が「光変調装置」に相当する。
図2は、光学素子の構造を示す模式的な断面図である。なお、図2においては便宜上、一部構成を除いてハッチング記載を省略する(後述する図面においても同様)。図2に示す本実施形態の光学素子2は、第1基板21、第1電極22、プリズムアレイ23、第1配向膜24、第2基板25、第2電極26、第2配向膜27、液晶層28を含んで構成される。
第1基板21および第2基板25は、相互に対向配置されており、それぞれ例えばガラス基板、プラスチック基板等の透明基板である。第1基板21と第2基板25との相互間には、例えば多数のスペーサー(粒状体)が分散して配置されており(図示せず)、それらのスペーサーによって第1基板21と第2基板25との相互間隔が保たれる。
第1電極22は、第1基板21の一面側に設けられている。同様に、第2電極26は、第2基板25の一面側に設けられている。第1電極22および第2電極26、それぞれ、例えばインジウム錫酸化物(ITO)などの透明導電膜を用いて構成される。例えば本実施形態では、第1電極22、第2電極26ともに、基板一面に形成されている。なお、第1電極22、第2電極26は、適宜パターニングされていてもよい。
プリズムアレイ23は、複数の微少な傾斜状の突起形状(プリズム)を一方向に配列して構成されている。図3は、プリズムアレイの模式的な斜視図である。図3に示すように各プリズムの断面形状は直角三角形(例えば頂角75°、底角が15°と90°)である。また、各プリズムの配置ピッチPは例えば8μm程度、高さtは例えば2μm程度である。図3に示すように、プリズムアレイ23は、上面から見るとスリット形状に形成されている。このプリズムアレイ23は、例えば耐熱性および密着性に優れた樹脂材料を成形することにより得られる。プリズムアレイ23の成形方法の詳細については後述する。
第1配向膜24は、第1基板21の一面側に、第1電極22およびプリズムアレイ23を覆うようにして設けられている。また、第2配向膜27は、第2基板25の一面側に、第2電極26を覆うようにして設けられている。本実施形態においては、第1配向膜24および第2配向膜27として、液晶層28の液晶分子の初期状態(電圧無印加時)における配向状態を水平配向状態に規制するもの(水平配向膜)が用いられている。これらの第1配向膜24、第2配向膜27に対しては、所定の表面処理(ラビング処理、光配向処理等)が施されている。
液晶層28は、第1基板21の一面と第2基板25の一面の相互間に設けられている。本実施形態においては、誘電率異方性Δεが正(Δε>0)のネマティック液晶材料を用いて液晶層28が構成されている。液晶層28に図示された太線は、液晶層28内の液晶分子を模式的に示したものである。電圧無印加時における液晶分子は、第1基板21および第2基板25の各基板面に対して所定のプレティルト角を有してほぼ水平に配向する。
本実施形態の光学素子2は一般的な液晶素子とは異なり偏光板が不要であるため原理的に高透過率である。具体的には、光学素子自体の透過率として90%以上が見込まれ、光学素子2の表面に反射防止コート(ARコート)を施した場合には95%以上の透過率が見込まれる。
ここで、光学素子2の基本的な動作について詳述する。光学素子2の第1電極22および第2電極26を介して液晶層28に電圧を印加すると、液晶層28の液晶分子の配列が変化し、それにより液晶層28の屈折率値が変化する、このため、複数の微少な傾斜状の突起形状であるプリズムアレイ23と液晶層28との界面を透過する光の屈折角が変化する(スネルの法則)。屈折角の大きさは、プリズムアレイ23の形状や液晶層28の屈折率異方性の値等により一概にいえないが、諸条件を調整することにより現状で18°程度までの屈折角を実現し得ることが確認できている。この屈折角は、光学素子2へ印加される電圧に応じて変化させることができる。
図4は、光学素子における配向処理の方向とプリズムアレイの長手方向の関係を説明するための図である。図示のように、光学素子2の第1基板21では、第1配向膜24へ施された配向処理の方向a2とプリズムアレイ23の各プリズムの長手方向(延在方向)a1のなす角度は略45°に設定されている。また、光学素子2の第2基板25は、第2配向膜27へ施された配向処理の方向a3が上記した第1基板21の配向処理の方向a1との間でアンチパラレルの関係になるように配置されている。
図5は、光学素子駆動部により光学素子へ供給される駆動信号の一例を示す波形図である。図5(A)に示す駆動信号は、一定期間T1には正の方形波、次の一定期間T2には0V、次の一定期間T1には負の方形波、次の一定期間T2には0Vという4つの期間を1周期Tとし、これを繰り返すものである。この場合、駆動信号の周波数は1/Tで表される。また、図5(B)に示すような駆動信号を用いることもできる。具体的には、図5(B)に示す駆動信号は、一定期間T1において電圧値が正負に切り替わる方形波、次の一定期間T2には0Vという2つの期間を1周期Tとし、これを繰り返すものである。この場合、駆動信号の周波数は1/Tで表される。いずれの駆動信号においても特徴的なのは、電圧の絶対値が液晶材料の閾値より高い値である期間と、電圧が0Vである期間とが交互に繰り返し表れることである。一般にこれらのような波形はバースト波と呼ばれる場合もある。ここで、液晶層に直流成分が加わると液晶材料の寿命が短くなるため、ここでの正の方形波と負の方形波の電圧値の絶対値は等しくなるようにし、これらの電圧を印加している時間も正・負ともに一定となるようにしている。印加する電圧の絶対値は、液晶材料やプリズムアレイのベース膜厚等によって多少異なるが、例えば30〜40V程度である。なお、一定期間T2における電圧値は0Vに限らず、液晶材料の閾値以下の電圧であればよい。
図6は、照射装置によって照射される光の状態を説明するための図である。図5に示した駆動信号を比較的に低周波数(数Hz〜30Hz)程度で光学素子2へ印加した場合には、図6(A)に示すように光の投影像50は周波数に応じた速さで一定範囲内を往復するようにして移動する。これに対して、駆動信号の周波数を徐々に上げていくと光の投影像50の移動する速度が徐々に高速化し、例えば1.2kHz程度の周波数にすると人間の目では投影像50の移動する速度に追いつかなくなる(フリッカーがなくなる)。そして、最終的には図6(B)に示すように2つの投影像50が人間の目には1つの幅広な投影像51として視認されるようになる。すなわち、一般照明や車両用前照灯などの用途で用いた場合に、人間によって視認される実質的な光の照射範囲を広げることができる。なお、投影像50が移動する角度は例えば4〜5°程度である。
次に、照明装置の他の実施形態について説明する。上記した図1に示した構成例の照明装置では1つの光学素子を用いていたが、2つの光学素子を用いて照明装置を構成することも好ましい。
図7は、他の実施形態の照明装置の照明装置の構成を示すブロック図である。図7に示す照明装置は、光源1、2つの光学素子2、2’、光学素子駆動部3を含んで構成されている。2つの光学素子2、2’は、例えば互いに重ね合わされており、光源1の前面に配置されている。各光学素子2、2’の詳細構成については上記した実施形態と同様である(図2参照)。光学素子駆動部3は、各光学素子2、2’に対して駆動信号を供給する。ここでの駆動信号は上記した通りである(図5参照)。なお、本実施形態では2つの光学素子2および光学素子駆動部3が「光変調装置」に相当する。
図8は、光学素子における配向処理の方向とプリズムアレイの長手方向の関係を説明するための図である。図示のように、光源1に近い側に配置された光学素子2の第1基板21は、第1配向膜24へ施された配向処理の方向a2とプリズムアレイ23の各プリズムの長手方向(延在方向)a1のなす角度は略45°に設定されている。また、光学素子2の第2基板25は、第2配向膜27へ施された配向処理の方向a3が上記した第1基板21の配向処理の方向a2との間でアンチパラレルの関係になるように配置されている。これに対して、光源1から遠い側に配置された光学素子2’の第1基板21と第2基板25は、第1配向膜24へ施された配向処理の方向a2’と第2配向膜27へ施された配向処理の方向a3’が互いにアンチパラレルの関係になり、かつこれらの配向処理の方向a2’、a3’が光学素子2の配向処理の方向a2、a3と互いに略直交する関係となるように配置されている。また、光学素子2’の配向処理の方向a2’、a3’は、プリズムアレイ23の各プリズムの長手方向(延在方向)a1’のなす角度が略45°に設定されている。なお、光学素子2のプリズムアレイ23と光学素子2’のプリズムアレイ23は、それぞれのプリズムの長手方向が同じ方向へ揃い、かつ各プリズムの向きも同じとなるように配置されている。
このように配置した2つの光学素子2、2’を用いて光変調を行うことにより、光源1から出射した光の外縁形状を保ったままで照射範囲(大きさ)を可変に制御することができる。すなわち、一般に、液晶分子は細長い分子形状を有しており、ある方向(液晶分子の長軸方向)の偏光は曲げることができるが、ある方向の偏光はそのまま透過する。結果的に、曲げられた光は直線偏光状態を有している。したがって、1つの光学素子では光の成分の半分(ある方向の偏光)のみしか制御していないことになる。これに対して、上記のように配置した2つの光学素子2、2’を用いることで、1つめの光学素子2を透過した光のうち液晶分子によって曲げられていない光の偏光方向を2つめの光学素子2’で曲げることができる。したがって、光の全成分を制御可能となる。
なお、一方の光学素子2の配向方向a2、a3をプリズムアレイ23の各プリズムの長手方向a2と略平行にし、他方の光学素子2’の配向方向a2’、a3’とプリズムアレイ23の各プリズムの長手方向a1’と略直交にしてもよいし、これら以外の配置としてもよい。ただし、配向方向a2と配向方向a2’とは互いに略直交とされている必要がある。
次に、光学素子2(または光学素子2’)の製造方法の一例について詳述する。
まず、第1基板21および第2基板25として用いるためのガラス基板を用意する。これらのガラス基板としては、予めITO(インジウム錫酸化物)などの透明導電材料からなる導電膜を有するものがより好ましい。例えば、厚さが1500ÅのITO膜を有し、板厚が0.7mm、ガラス材質が無アルカリガラスである一対のガラス基板を用意する。第1基板21、第2基板25のそれぞれについて、ITO膜を適宜パターニングすることにより、第1電極22、第2電極26を形成する。
次に、第1基板21の第1電極22上にプリズムアレイ23を形成する。ここでは、断面が三角形状であり、そのピッチPが8μm、高さtが約2μm、頂角75°、底角が15°と90°であり、上面から見るとスリット形状を有する金型を用いてプリズムアレイ23を形成する。具体的には、第1基板21上に所定量の光硬化性樹脂を滴下し、その上に金型を置き、かつ第1基板21の裏面側を厚手の石英基板等で補強した状態でプレスを行う。プレス後にある程度の時間(例えば1分間以上)だけ放置し、光硬化性樹脂材料を十分に広げた後、第1基板21側から光を照射することで光硬化性樹脂材料を硬化させる。光の照射量は光硬化性樹脂材料が硬化するのに十分な値を適宜に設定する。ここで、一般にプリズム用材料は耐熱性が低く、プリズムアレイ23上に第1配向膜24を形成する際の熱処理(例えば180℃以上)により特性が劣化してしまう場合が多い。これに対して、本実施形態では、熱処理前後での透過率特性の低下がほとんど生じない光硬化性(例えば紫外線硬化性)のアクリル系樹脂材料を用いる。光硬化性樹脂材料の屈折率は例えば1.51程度である。以上により第1基板21上に透明樹脂膜からなるプリズムアレイ23が形成される。
次に、プリズムアレイ23が形成された第1基板21を洗浄機により洗浄する。洗浄は、例えば、アルカリ洗剤を用いたブラシ洗浄、純水洗浄、エアーブロー、紫外線(UV)照射、赤外線(IR)乾燥の順に行うことができるがこれに限定されない。高圧スプレー洗浄やプラズマ洗浄などを行ってもよい。
次いで、プリズムアレイ23が形成された第1基板21に第1配向膜24を形成する。同様に、第2基板25に第2配向膜27を形成する。ここでは例えばポリイミドを配向膜として用いる。フレキソ印刷法、インクジェット法、スピンコート法、スリットコート法、スリット法とスピンコート法の組み合わせ等の適宜の方法で配向膜材料を第1基板21上、第2基板25上にそれぞれ適当な膜厚(例えば800Å程度)で塗布し、熱処理(例えば180℃で1.5時間の焼成)を行う。そして、熱処理によって得られた第1配向膜24、第2配向膜27のそれぞれに対して配向処理を行う。この配向処理は、第1基板21と第2基板25とを重ね合わせたときに各基板上の液晶分子の配向方向がアンチパラレル配向になるように行う。また、配向処理は、第1配向膜24への配向処理の方向がプリズムアレイ23の各プリズムの延在方向に対して45°となるようにする。
ここでは配向処理として、例えばラビング処理を行うが、光配向処理等の配向処理であってもよいし、複数種の配向処理を組み合わせてもよい。ここでは一例として、第1基板21と第2基板25のいずれにもラビング処理を行う場合と、第1基板21に対しては光配向処理を行い、第2基板25にはラビング処理を行う場合とを考える。ラビング処理については、適宜ラビング条件を設定して行われる。光配向処理については、例えば紫外線を偏光した光を第1基板21に対して法線方向から30°程度傾いた方向から照射することができる。このときの紫外線は、第1基板21に対しては垂直方向から照射しているが、プリズムアレイ23の各プリズムの斜面部分に対しては相対的に45°傾いた方向から照射しているに等しいことになる。露光に用いる偏光フィルタの波長は例えば310nmである。ここでの光配向方向はラビング方向と平行に液晶分子が並ぶように設定する。
次に、一方の基板(例えば第1基板21)上に、ギャップコントロール剤を適量(例えば2〜5wt%)含んだメインシール剤を形成する。メインシール剤の形成は、例えばスクリーン印刷やディスペンサーによる。また、ギャップコントロール剤の径は、プリズムアレイ23のベース層とプリズムの高さを含め、液晶層28の厚さが2〜4μm程度と比較的に薄くなるように材料を選ぶことができる。本実施形態では、ギャップコントロール剤としてその径が10.5μmのプラスチックボールを用いる。また、他方の基板(例えば第2基板25)上にはギャップコントロール剤を散布する。例えば本実施形態では、3.0μmもしくは3.5μmのプラスチックボールを乾式のギャップ散布機によって散布する。
次に、第1基板21と第2基板25とを重ね合わせ、プレス機などで圧力を一定に加えた状態で熱処理することにより、メインシール剤を硬化させる。ここでは、例えば150℃で3時間の熱処理を行う。その後、第1基板21と第2基板25の間隙に液晶材料を充填することにより液晶層28を形成する。液晶材料の充填は、例えば真空注入法によって行う。本実施形態では、誘電率異方性△εが正であり比較的に粘度の低い液晶材料を用いる。液晶材料の屈折率異方性については、光を曲げる角度に関係するため目的にあったものとする。液晶材料の注入後、その注入口にエンドシール剤を塗布し封止する。そして、封止後に適宜熱処理(例えば120℃で1時間)を行うことにより、液晶層28の液晶分子の配向状態を整える。以上のようにして本実施形態の光学素子2(または光学素子2’)が得られる。
なお、光学素子2(または光学素子2’)の応答時間については諸条件に依存し一概には言えないが、上記した一例の条件により、ギャップコントロール剤を3μmとした光学素子2およびギャップコントロール剤を3.5μmとした光学素子2のそれぞれについて応答速度を測定したところ、以下の結果が得られた。具体的には、光学素子2へ35Vの電圧を印加したときの立ち上がり時の応答時間が1.6〜1.7ミリ秒、立ち下がり時の応答時間が2.8〜4.2ミリ秒(いずれも室温)であり、非常に速いことが分かった。また、高い電圧を印加した後に光の角度(進行方向)の変化量が全体変化量の10%から90%となるまでの時間trと、電圧オフとした後に光の角度の変化量が全体変化量の90%から10%となるまでの時間tfは、それぞれtrが0.8〜0.9ミリ秒、tfが1.7〜2.9ミリ秒であり、実質的な変化時間は非常に速いことが分かる。なお、配向処理の手法との相関については、光配向処理を用いたほうが若干、応答時間が短くなる傾向が見られるが著しい差ではない。
以上のような各実施形態によれば、液晶層への電圧印加の有無によってプリズムアレイと液晶層の界面における屈折率を変化させ、その作用によって入射光の投影像の位置を移動させることができる。その際、上記した駆動信号を液晶層へ与えることにより入射光の投影像の位置を所定範囲内で高速に移動させることが可能となるので、人間の目には1つの幅広な投影像として視認させることが可能である。すなわち、光源と組み合わせて一般照明や車両用前照灯などの用途で用いた場合には、人間によって視認される実質的な光の照射範囲を広げることが可能となり、液晶層へ与える電圧値に応じて光の投影像の実質的な大きさを自在に変えることが可能となる。
なお、本発明は上述した各実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々に変形して実施をすることが可能である。
図9は、光学素子の他の構造例を示す模式的な断面図である。図9に示す光学素子2aは、第1基板21、第1電極22a、プリズムアレイ23a、第1配向膜24a、第2基板25、第2電極26、第2配向膜27、液晶層28を含んで構成される。上述した図2に示した光学素子2では第1電極22の上側にプリズムアレイ23が配置されていたが、図9に示す例の光学素子2aはプリズムアレイ23a上に第1電極22aが配置されている点が構造上の相違である。上記したような高い耐熱性を有する樹脂材料を用いて形成されたプリズムアレイ23a上であれば、本例のようにプリズムアレイ23aの上側にITO等の透明導電材料からなる第1電極22aを設けることもできる。なお、図示を省略するがプリズムアレイ23aと第1電極22aとの間に両者の密着性をより向上させるための酸化珪素(SiO)膜が設けられていることも好ましい。図9に例示する光学素子2aにおいては、第1基板21上の第1電極22aと液晶層28との間にプリズムアレイ23aが存在することなく、第1電極22aから直接的に液晶層28へ電圧を印加できることから、光学素子2aを駆動するための電圧をより低下させることが可能になる。
なお、上記した各実施形態における光学素子の液晶層は水平配向に規制されていたが、90°捩れ配向等の配向モードとしてもよい。また、液晶層にカイラル剤を添加することなどにより液晶分子の配列方向を変えてもよい。また、液晶層を形成する際の手法は真空注入にのみ限定されず、ODF法を用いてもよい。
また、プリズムアレイの断面形状は、上記した三角形状にのみ限定されない。断面形状は、例えば正弦波(サインカーブ)状でもよい。また、プリズムアレイの上面形状は、上記したストライプ状にのみ限定されない。上面形状は、例えば格子状、同心円状、楕円状、フレネルレンズ状、ドット状などでもよい。さらに、プリズムアレイの各プリズムの長手方向と配向処理の方向とを45°にしていたが、角度はこれに限定されず適宜設定できる。
1:光源
2、2a:光学素子
3:光学素子駆動部
21:第1基板
22、22a:第1電極
23、23a:プリズムアレイ
24、24a:第1配向膜
25:第2基板
26:第2電極
22:第2配向膜
28:液晶層

Claims (4)

  1. 光源と、
    前記光源の前面に配置された光変調装置と、
    を備え、
    前記光変調装置は、光学素子と、当該光学素子を駆動する光学素子駆動部と、を備え、
    前記光学素子は、
    相互に対向配置される第1基板及び第2基板と、
    前記第1基板上に設けられた第1電極と、
    前記第1基板上に設けられた複数のプリズムを有するプリズムアレイと、
    前記第1電極及び前記プリズムアレイの上側に設けられた第1配向膜と、
    前記第2基板上に設けられた第2電極と、
    前記第2電極の上側に設けられた第2配向膜と、
    前記第1基板と前記第2基板の間に設けられた液晶層を有し、
    前記光学素子駆動部は、電圧の絶対値が前記液晶層の閾値電圧よりも高い第1の値である第1の期間と、電圧の絶対値が前記液晶層の閾値電圧よりも低い第2の値である第2の期間を1.2kHz以上の周波数で交互に繰り返す駆動信号を前記光学素子へ供給する、
    照明装置
  2. 光源と、
    前記光源の前面に配置された光変調装置と、
    を備え、
    前記光変調装置は、第1及び第2の光学素子と、当該第1及び第2の光学素子をそれぞれ駆動する光学素子駆動部と、を備え、
    前記第1及び第2の光学素子の各々は、
    相互に対向配置される第1基板及び第2基板と、
    前記第1基板上に設けられた第1電極と、
    前記第1基板上に設けられた複数のプリズムを有するプリズムアレイと、
    前記第1電極及び前記プリズムアレイの上側に設けられた第1配向膜と、
    前記第2基板上に設けられた第2電極と、
    前記第2電極の上側に設けられた第2配向膜と、
    前記第1基板と前記第2基板の間に設けられた液晶層を有し、
    前記第1及び第2の光学素子は、各々の前記液晶層の液晶分子の配向方向を互いに略直交させて配置されており、
    前記光学素子駆動部は、電圧の絶対値が前記液晶層の閾値電圧よりも高い第1の値である第1の期間と、電圧の絶対値が前記液晶層の閾値電圧よりも低い第2の値である第2の期間を1.2kHz以上の周波数で交互に繰り返す駆動信号を前記第1及び第2の光学素子のそれぞれへ供給する、
    照明装置
  3. 前記第1の期間における前記電圧は、当該第1の期間が到来する毎に正電圧又は負電圧に交互に切り替わる、請求項1又は2に記載の照明装置
  4. 前記第1の期間における前記電圧は、当該第1の期間内において正電圧と負電圧に交互に切り替わる、請求項1又は2に記載の照明装置
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