JP5827562B2 - 板状部材加工用粘着シート - Google Patents

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Description

本発明は、半導体ウエハ等の板状部材加工用粘着シートに関し、さらに詳しくは、表面に回路が形成された半導体ウエハの裏面加工時に、ウエハ表面を保護するための表面保護シートに関する。また本発明は、該粘着シートを使用した半導体ウエハの加工方法に関する。
半導体ウエハは、回路形成工程の終了後に、厚みを薄く、均一にするために、裏面研削が行われる。裏面研削時には、表面に形成された回路を保護するために、バックグラインド(BG)シートとも呼ばれるウエハ加工用粘着シートを回路面に貼付している。
近年、電子機器筐体内部の回路の高密度化にともない、半導体チップと基板の接合に用いられる、はんだ等からなる直径数百μm程度の球状バンプを回路面に搭載した半導体チップの実装技術のさらなる改良が求められている。通常バンプは予め半導体ウエハに高密度に接合されている。このようなバンプ付ウエハの裏面を研削すると、バンプが存在する部分とバンプが存在しない部分との高低差に起因する圧力差がウエハ裏面に直接影響し、ウエハ裏面にディンプルとよばれる窪みやクラックが生じ、最終的に半導体ウエハを破損させてしまう。また、バンプの根元周りに粘着剤層がウエハと接触していない領域が広く発生し、BGシートの浮きや剥がれ、研削水の浸入の原因となることがあった。
そこで、粘着剤層を厚くするのではなく、表面保護シートの基材フィルムと粘着剤層との間に、バンプを吸収、緩和するための中間層を設けることが提案されている。(特許文献および)。
このような構成においては、回路面に直接接触しない中間層には、粘着物残渣の低減の要求がないため、十分な柔軟性を付与することができ、中間層は高い突起の吸収性を発揮することができる。一方、中間層に十分な柔軟性を付与しているため、回路面に直接接触する粘着剤層については、残渣を低減するための十分な凝集性を付与することができる。かかる粘着剤層は柔軟性に劣るが、中間層の柔軟性を損なうことがないよう厚さを調整することで、BGシート全体として、突起の吸収性と粘着物残渣の低減を両立することができる。
しかしながら、このような構成において、粘着剤層のほかに別途、材質や製造方法が異なる中間層を設けることは、工程数の増加に繋がり、また製造コストの増加の原因となる。
一方、中間層を設けずに、粘着剤層のみの単層又は積層体から突起の吸収を目的とする層を構成すれば、かかる問題は解消できる。
しかしながら、突起の吸収に必要な柔軟性を発現させるためには、粘着剤層の凝集性を低く設計する必要がある。かかる場合には、粘着シートの剥離時に、粘着剤層の破壊により被着体表面に残渣が発生しやすくなる。一方、粘着剤層の破壊を防止するために粘着剤層の凝集性を維持した場合には、凹凸吸収性が低下する傾向がある。
したがって、粘着剤層のみから突起の吸収のための層を構成した粘着シートにおいて、粘着剤残渣の発生抑制と突起の吸収性という、相反する特性を両立させることはきわめて困難であった。
特許第4054113号 特許第4413551号
本発明は、製造工程を煩雑化することなく、ウエハの貼付面にバンプ等の突起を有する場合であっても、粘着剤層が突起を吸収でき、かつ粘着剤層の残渣の発生の抑制が可能な再剥離型BGシートとして好ましく用いられる板状部材加工用粘着シートを提供することを目的としている。
かかる課題を解決すべく、粘着剤に凹凸吸収性を目的とした柔軟性の付与と、凝集性の確保を両立させることについて鋭意検討した結果、本発明者らは、環状分子が一定範囲で運動しうるポリロタキサンに着目した。ポリロタキサンは、環状分子中を棒状分子が貫通した構造を有し、環状分子が棒状分子に沿った範囲で運動が可能である。つまり、ポリロタキサン構造を粘着剤の架橋構造中に存在させることで、架橋構造を維持してゲル分率を低下することなく、粘着剤に柔軟性を付与できる可能性がある。このような着想に基づいて本発明者らは、環状分子が拘束されつつも運動可能なポリロタキサン構造を粘着剤の架橋構造中に取り込むことで上記の課題を解決する粘着シートを得た。
すなわち、上記課題を解決する本発明の要旨は以下のとおりである。
(1) 基材と、その片面に形成された粘着剤層とを有する板状部材加工用粘着シートであって、
前記粘着剤層の厚さが、100〜300μmであり、
前記粘着剤層は、以下の粘着性高分子(A)およびポリロタキサン(B)が、架橋剤(C)を介して結合した架橋構造を形成してなり、
前記粘着性高分子(A)とポリロタキサン(B)が同一の反応性官能基を有し、前記粘着性高分子(A)が有する反応性官能基の数を1としたときの、
前記ポリロタキサン(B)が有する反応性官能基の数の相対比αと、
前記架橋剤(C)が有する架橋性基の数の相対比βが、
1+α−β≦0.8の関係を満たす板状部材加工用粘着シート。
(A)反応性官能基を有する粘着性高分子
(B)少なくとも2つの環状分子の開口部に直鎖分子が貫通してなるポリロタキサン
(2) 前記粘着剤層のゲル分率が40%以上である前記(1)に記載の板状部材加工用粘着シート。
(3) 前記粘着剤層が、2層以上の部分的な粘着剤層を積層してなる前記(1)または(2)に記載の板状部材加工用粘着シート。
(4) 前記反応性官能基が水酸基であり、前記架橋剤(C)がイソシアナート系架橋剤である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の板状部材加工用粘着シート。
(5) 板状部材の裏面の研削に用いる前記(1)〜(4)のいずれかに記載の板状部材加工用粘着シート。
(6) 前記板状部材が、表面に高さ50μm以上の突起の設けられた板状部材である前記(5)に記載の板状部材加工用粘着シート。
(7) 前記(1)〜(4)のいずれかに記載の板状部材加工用粘着シートの粘着剤層を、片面側に突起を設けた板状部材の突起面に貼付する工程、および、
前記板状部材加工用粘着シートが貼付されていない板状部材の片面を研削する工程を有する、薄化された板状部材の製造方法。
(8) 前記突起の高さが50μm以上である前記(7)に記載の薄化された板状部材の製造方法。
本発明の板状部材加工用粘着シートの粘着剤層は、粘着性高分子が架橋構造を形成し、架橋構造の少なくとも一部にポリロタキサン構造が介在している。つまり、ポリロタキサンの構造を介して粘着性高分子同士が間接的に結合している。このため、粘着剤層自体は、高い凝集性を有し、粘着シートの剥離後も被着体には残渣物が残らない。また、ポリロタキサン構造中の環状分子は、拘束されつつも直鎖状分子に沿って運動性を有しているために、粘着剤の架橋構造中に取り込むことで粘着剤が変形しやすく、バンプに代表されるウエハ上の突起に対して優れた吸収性を示し、しかも特別の材料および工程により中間層を形成する必要がない。
粘着剤層の架橋構造の模式図を示す。
以下、本発明を、以下に示す実施形態に基づき、図面を参照してさらに詳しく説明する。
本発明に係る板状部材加工用粘着シートは、基材と、その上に形成された粘着剤層とを有し、該粘着剤層が、粘着性高分子がポリロタキサン構造を介して架橋した粘着剤を含むことを特徴としている。
(基材)
本発明の粘着シートに用いられる基材としては、特に限定はされないが例えばポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体フィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、フッ素樹脂フィルム、低密度ポリエチレン(LDPE)フィルム、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム、およびその水添加物または変性物等からなるフィルムが用いられる。またこれらの架橋フィルムも用いられる。上記の基材は1種単独でもよいし、さらにこれらを2種類以上組み合わせた複合フィルムであってもよい。
基材の厚さは特に制限ないが、通常は10〜1000μm、好ましくは30〜500μm、さらに好ましくは50〜300μmである。粘着剤層が設けられる基材表面には、粘着剤層との密着性を向上するために、コロナ処理を施したり、プライマー層を設けてもよい。
(粘着剤層)
粘着剤層は、粘着性高分子がポリロタキサン構造を介して架橋した架橋構造を含む。つまり、粘着性高分子同士が架橋する構造中の少なくとも一部に、ポリロタキサンが介在し、ポリロタキサンの環状分子を介して、粘着性高分子同士が架橋する構造を形成する。ポリロタキサンと粘着性高分子は、互いの反応性官能基同士で直接結合して架橋構造を形成していてもよく、架橋剤を介して粘着性高分子とポリロタキサンの反応性官能基同士が結合して架橋構造を形成してもよい。以下、粘着剤層を単に粘着剤ということがある。
以下、粘着性高分子とポリロタキサンとが架橋剤を介して結合して架橋構造を形成している態様を主に例にとり説明する。図1には、粘着性高分子(A)とポリロタキサン(B)とが架橋剤(C)を介して結合して架橋構造を形成している状態の模式図を示した。図1では、反応性官能基Rを有する少なくとも2つの環状分子Tの開口部に直鎖状分子Lが貫通し、その直鎖状分子Lの両末端にブロック基BLを有してなるポリロタキサン(B)と、反応性官能基Rを有する粘着性高分子(A)とが、反応性官能基Rおよび反応性官能基Rと反応し得る架橋性基Rを有する架橋剤(C)を介して結合し架橋構造を形成している状態を示したが、粘着性高分子(A)とポリロタキサン(B)とが直接結合して架橋構造を形成してもよい。
(粘着性高分子)
粘着性高分子は、粘着剤に用いられる公知のアクリル系高分子、ゴム系高分子、シリコーン系高分子、ウレタン系高分子等を用いることができる。これらのうちでも、側鎖に反応性官能基を導入しやすいアクリル系高分子が好ましい。架橋構造を形成するため、粘着性高分子は、分子内に反応性官能基を有する。粘着性高分子の反応性官能基は架橋剤と反応して結合し、又は直接にポリロタキサンの環状分子と反応して結合しうるものであれば特に限定されないが、熱反応性のものが好ましく、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、ビニル基、アクリロイル基等が挙げられる。これらの反応性官能基は、粘着性高分子中に2種以上混在していてもよい。これらの反応性官能基の中でも、粘着剤層を酸性側にもアルカリ側にも偏らせず、耐腐食性に優れ、さらに、架橋の安定性が高いことから、水酸基が特に好ましい。したがって、図1における粘着性高分子の反応性官能基Rは水酸基であることが好ましい。
粘着性高分子は、分子内に前記反応性官能基を2つ以上有する粘着性高分子(A)が好ましい。このような粘着性高分子は、高分子調製時の単量体として、前記反応性官能基を有する単量体を使用するか、あるいは高分子調製後に、変性などの手段で反応性官能基を導入して得ることができる。
粘着性高分子としては、反応性官能基を有するアクリル系高分子が特に好ましく用いられる。アクリル系高分子を構成する主モノマーとしてはアルキル基の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステルまたは(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルが用いられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルまたは(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルとしては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2エチルヘキシル、メタクリル酸2エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、ジメチルアクリルアミド等が挙げられる。
前述の主モノマーと共重合可能な反応性官能基含有モノマーを共重合させることで、得られるアクリル系高分子中に反応性官能基が導入される。水酸基含有モノマーとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート等が挙げられる。また、カルボキシル基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等が挙げられる。エポキシ基含有モノマーとしては、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレートなどが挙げられる。さらに、上記の他にも、カルボキシル基、アミノ基、イソシアネート基などを有する重合性モノマーを用いて反応性官能基を導入してもよい。水酸基含有モノマーを用い、架橋剤としてイソシアネート系架橋剤を用いる場合には、カルボキシル基や、アミノ基を有する重合性モノマーを用いることで、水酸基とイソシアネート系架橋剤の反応を促進する効果がある。また、重合反応を行った後、たとえばビニル基、アクリロイル基等を有する化合物をポリマーの側鎖に導入してもよい。
粘着性高分子は、上記のような(メタ)アクリル酸エステルと反応性官能基含有モノマーとを常法で共重合することにより得られるが、これらモノマーの他にも少量(例えば10質量%以下、好ましくは5質量%以下)の割合で、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、スチレン等が共重合されてもよい。
このような粘着性高分子における反応性官能基Rを含有するモノマーに由来する構成単位の含有量は、好ましくは0.1〜20質量%、さらに好ましくは0.5〜15質量%、特に好ましくは、2〜10質量%である。ここで、構成単位の含有量は、粘着性高分子の重合時に用いる単量体成分の重量全体における当該構成単位の単量体の重量の割合(パーセント)で算出される(以下同じ)。
粘着性高分子(A)の重量平均分子量は、GPC(Gel Permeation Chromatography)換算値で、100,000〜3,000,000であることが好ましく、500,000〜2,000,000であることがより好ましく、500,000〜1,500,000であることが特に好ましい。重量平均分子量が100,000未満では、粘着剤層の応力緩和性及び耐久性が十分でなくなるおそれがある。一方、重量平均分子量が3,000,000を超えると、後述するポリロタキサンとの相溶性が悪くなり、粘着剤層の全光線透過率等の光学的特性が低下したり、応力緩和性が十分に確保できなくなるおそれがある。
また、粘着性高分子(A)のガラス転移温度(Tg)は、30℃以下であることが好ましく、10℃以下であることがより好ましく、−10℃以下であることが特に好ましい。ガラス転移温度(Tg)が高い場合、粘着剤層の粘着力が低下し、被着体から剥がれたり、被着体の加工に用いる水が粘着剤層と被着体の界面に浸入したりする等のおそれがある。また、粘着性高分子(A)のガラス転移温度(Tg)は、−60℃以上であることが好ましく、−50℃以上であることがより好ましい。粘着性高分子(A)のガラス転移温度(Tg)が−60℃以上であることにより、粘着剤層が適度な凝集性を有することとなり、粘着力が過度に上昇することを防止し、また被着体表面への残渣発生がより抑制される。
粘着性高分子(A)のガラス転移温度(Tg)を上述のような範囲に調整するために、粘着性高分子(A)は単量体として、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリロニトリル、スチレン等の単独重合体または共重合体のガラス転移温度が−25℃以上の単量体を含有することが好ましい。単独重合体または共重合体のガラス転移温度が−25℃以上の単量体に由来する構成単位の含有量は、好ましくは1〜50質量%、さらに好ましくは3〜40質量%である。
上記粘着剤における粘着性高分子の配合量は、通常、粘着剤中の固形分中、70〜99.5質量%、好ましくは75〜99質量%の配合量となる。
(ポリロタキサン)
ポリロタキサンは、少なくとも2つの環状分子の開口部に直鎖状分子が貫通し且つ、前記直鎖状分子の両末端にブロック基を有してなる複合的な分子であり、本発明における粘着剤では、上記粘着性高分子が、ポリロタキサンの環状分子に結合している。ポリロタキサンを介しての結合形態に特に限定はないが、ポリロタキサンの環状分子を介しての結合であると、結合部位が拘束されつつも運動可能であり、粘着剤に適度な柔軟性が付与される。したがって、本発明で使用するポリロタキサンは、環状分子上に反応性官能基を有するポリロタキサン(B)であることが好ましい。
上記ポリロタキサン(B)は、従来公知の方法(例えば特開2005−154675に記載の方法)によって得ることができる。
図1に示すように、ポリロタキサンの直鎖状分子Lは、環状分子Tに包接され、共有結合等の化学結合でなく機械的な結合で一体化することができる分子または物質であって、直鎖状のものであれば、特に限定されない。なお、本明細書において、「直鎖状分子」の「直鎖」は、実質的に「直鎖」であることを意味する。すなわち、直鎖状分子L上で環状分子Tが移動可能であれば、直鎖状分子Lは分岐鎖を有していてもよい。
ポリロタキサンの直鎖状分子Lとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリテトラヒドロフラン、ポリアクリル酸エステル、ポリジメチルシロキサン、ポリエチレン、ポリプロピレン等が好ましく、これらの直鎖状分子Lは、粘着剤組成物中で2種以上混在していてもよい。
ポリロタキサンの直鎖状分子Lの数平均分子量は、3,000〜300,000であることが好ましく、特に10,000〜200,000であることが好ましく、さらには20,000〜100,000であることが好ましい。数平均分子量が3,000未満であると、環状分子Tの直鎖状分子L上での移動量が小さくなり、粘着剤層の応力緩和性が十分に得られないおそれがある。また、数平均分子量が300,000を超えると、ポリロタキサンの溶媒への溶解性や粘着性高分子との相溶性が悪くなるおそれがある。
ポリロタキサンの環状分子Tは、上記直鎖状分子Lを包接可能で、上記直鎖状分子L上で移動可能であれば、特に限定されない。なお、本明細書において、「環状分子」の「環状」は、実質的に「環状」であることを意味する。すなわち、直鎖状分子L上で移動可能であれば、環状分子Tは完全には閉環でなくてもよく、例えば螺旋構造であってもよい。
ポリロタキサンの環状分子Tとしては、環状ポリエーテル、環状ポリエステル、環状ポリエーテルアミン、環状ポリアミン等の環状ポリマー、あるいは、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン等のシクロデキストリンが好ましく挙げられる。上記環状ポリマーの具体例としては、クラウンエーテルまたはその誘導体、カリックスアレーンまたはその誘導体、シクロファンまたはその誘導体、クリプタンドまたはその誘導体等が挙げられる。
ポリロタキサンの環状分子Tが有する反応性官能基Rは、前記粘着性高分子の反応性官能基Rと同様に、例えば、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、ビニル基、アクリロイル基等が挙げられ、酸性側にもアルカリ側にも偏らず、反応により着色等が生じにくく、さらに結合の安定性に優れることから、特に水酸基が好ましい。これら反応性官能基Rは、ポリロタキサン中で2種以上混在していてもよい。
ポリロタキサンにおける反応性官能基Rの含有量は、好ましくはポリロタキサンの固形分中1g当たり1.0×10−4〜1.0×10−2mol、さらに好ましくは1g当たり5.0×10−4〜5.0×10−3molである。
環状分子Tとしては、上記のなかでも、比較的入手が容易であり、かつ、ブロック基BLの種類を多数選択できるため、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン等のシクロデキストリンが好ましく、さらにα−シクロデキストリンが好ましい。これらの環状分子Tは、ポリロタキサン中で2種以上混在していてもよい。
環状分子Tとしてシクロデキストリンを使用する場合、該シクロデキストリンは、ポリロタキサンの溶解性を向上させることのできる置換基が導入されたものであってもよい。置換基は、たとえばエステル結合等を介してシクロデキストリンの水酸基に結合することによりシクロデキストリンに導入される官能基である。好ましい置換基としては、例えば、アセチル基、アルキル基、トリチル基、トシル基、トリメチルシラン基、フェニル基等の他、ポリエステル鎖、オキシエチレン鎖、アルキル鎖、アクリル酸エステル鎖等が挙げられる。置換基の数平均分子量は、100〜10,000が好ましく、特に400〜2,000が好ましい。
上記置換基のシクロデキストリンの水酸基への導入率(置換度)は、10〜90%であることが好ましく、特に30〜70%であることが好ましい。導入率が10%未満では、ポリロタキサンの溶媒への溶解性の向上が十分でなく、導入率が90%を超えると、ポリロタキサンの反応性官能基Rの含有率が低くなり、ポリロタキサンが上記粘着性重合体(A)または架橋剤(C)と十分に反応できなくなるおそれがある。また、後述するように置換基に反応性官能基を有する場合であっても、導入率が90%を超えると立体障害の関係から導入量の制御が困難となるおそれがある。
なお、反応性官能基Rは環状分子Tに直接に結合していなくてもよい。すなわち、アセチル基等の上記置換基を介して上記反応性官能基Rが存在していてもよい。このような態様をとることにより、環状分子Tからの距離を調節して環状分子Tとの立体障害を回避した上で反応性官能基Rを有する嵩高い置換基を導入したり、環状分子Tとの立体障害を回避した上で反応性官能基を起点としてたとえば開環重合等の重合を行い、重合により得られたアルキル鎖、エーテル鎖、エステル鎖、またはこれらのオリゴマー鎖を置換基とし、かつ、該置換基に反応性官能基Rを1つ以上有する置換基を導入することもできる。
以上を具体的に説明すると、例えば、シクロデキストリンそのものに存在する水酸基は反応性官能基Rであるし、該水酸基にヒドロキシプロピル基を付加した場合には、ヒドロキシプロピル基の水酸基も反応性官能基Rに含まれる。さらには、該ヒドロキシプロピル基の水酸基を介してε−カプロラクトンの開環重合を行った場合、該開環重合により得られたポリエステル鎖の反対側末端には水酸基が形成される。この場合、該水酸基も反応性官能基Rに含まれる。
なお、ポリロタキサンの相溶性と反応性を両立する観点から、アルキル鎖、エーテル鎖、エステル鎖、またはこれらのオリゴマー鎖を置換基とし、かつ、該置換基に反応性官能基を1つ以上有する態様の置換基が環状分子Tに導入されていることが特に好ましい。該置換基の導入率は、上記置換基の導入率で述べたとおりである。
環状分子Tとしてシクロデキストリンを使用する場合、水酸基の環状分子Tにおける残存率は、4〜90%であることが好ましく、特に20〜70%であることが好ましい。水酸基の残存率は、置換基の導入により減じた後のシクロデキストリンの水酸基の数を、シクロデキストリンが元来有していた水酸基の数で除した割合をパーセントで表したものである。水酸基の残存率が4%未満では、ポリロタキサン(B)が上記粘着性高分子または架橋剤と十分に反応できなくなるおそれがある。一方、残存率が90%を超えると、同一の環状分子Tにおいて多数の架橋が生じるため環状分子T自体が架橋点となり、運動性を
著しく拘束され、十分な柔軟性が確保できなくなるおそれがある。
ポリロタキサンのブロック基BLは、環状分子Tが直鎖状分子Lにより串刺し状になった形態を保持し得る基であれば、特に限定されない。このような基としては、嵩高い基、イオン性基等が挙げられる。
具体的には、ポリロタキサンのブロック基BLは、ジニトロフェニル基類、シクロデキストリン類、アダマンタン基類、トリチル基類、フルオレセイン類、ピレン類、アントラセン類等、あるいは、数平均分子量1,000〜1,000,000の高分子の主鎖または側鎖等が好ましく、これらのブロック基BLは、ポリロタキサン中で2種以上混在していてもよい。上記の数平均分子量1,000〜1,000,000の高分子としては、例えば、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリジメチルシロキサン、ポリアクリル酸エステル等が挙げられる。
上記粘着剤におけるポリロタキサンの配合量は、通常、粘着剤中の固形分中、0.5〜50質量%、好ましくは1〜40質量%、より好ましくは2〜35質量%の配合量となる。
環状分子Tが直鎖状分子Lにより串刺し状に包接される際に環状分子Tが最大限に包接される量を100%とした場合、環状分子Tは好ましくは0.1〜60%、より好ましくは1〜50%、特に好ましくは5〜40%の量で直鎖状分子Lに串刺し状に包接される。
なお、環状分子Tの最大包接量は、直鎖状分子の長さと環状分子の厚さとにより、決定することができる。例えば、直鎖状分子がポリエチレングリコールであり、環状分子がα−シクロデキストリン分子の場合、最大包接量は、実験的に求められている(Macromolecules 1993, 26, 5698−5703 参照)。
(架橋構造)
上述したように、本発明の粘着剤層は、粘着性高分子がポリロタキサン構造を介して架橋した架橋構造を含む。つまり、図1を参照しながら詳述すると、粘着性高分子A同士が架橋する構造中の少なくとも一部に、ポリロタキサンBの環状分子Tを介して、粘着性高分子A同士が架橋する構造を形成する。このような構造では、環状分子Tが拘束されつつも直鎖状分子Lに沿って運動性を有しているために、図1に示される同一のポリロタキサン中の異なる環状分子Tに結合した粘着性高分子A同士の間隔は、伸張および短縮する。その結果、架橋構造全体としては柔軟性を有し、変形に追従しやすいという特性が発現すると考えられる(以下、架橋間隔可変性と言うことがある。)。ポリロタキサンと粘着性高分子Aは、直接結合して架橋構造を形成していてもよく、架橋剤を介して粘着性高分子AとポリロタキサンBとが結合して架橋構造を形成してもよい。
なお、環状分子Tは、直鎖状分子Lに結合を介して拘束されているわけではなく、図1に示される粘着性高分子A同士は結合していない。したがって、これらの粘着性高分子Aは架橋されているのではなく、擬架橋状態をとっており、このような擬架橋構造が存在すると、環状分子Tが拘束されつつも直鎖状分子Lに沿って運動性を有し、架橋間隔可変性が発現する。一方で、二つの粘着性高分子Aが同一の環状分子Tと結合している場合には、粘着性高分子A同士は結合しているので、真の架橋構造が形成される。また、粘着剤が架橋剤を含有する場合には二つの粘着性高分子Aが架橋剤を介して結合し、真の架橋構造が形成される。粘着剤中では、このような擬架橋構造と真の架橋構造が混在していてもよい。また、粘着剤が粘着性高分子A同士を連結しうる架橋剤を含有せず、かつすべての環状分子が1つ以下の結合で粘着性高分子Aと連結している場合には、擬架橋構造のみが存在し、真の架橋構造は存在しないはずであるが、本発明ではこのような擬架橋構造のみの構造も含め、架橋構造という。
ポリロタキサンと粘着性高分子とが直接反応し、架橋構造を形成する場合には、ポリロタキサンの反応性官能基Rと、粘着性高分子の反応性官能基Rとは、互いに反応しうる基である。たとえば、一方の反応性官能基を水酸基やカルボキシル基とし、他方の反応性官能基をイソシアネート基とすることで、ポリロタキサンと粘着性高分子とが直接反応し、粘着性高分子がポリロタキサンを介して結合した架橋構造が形成される。
また、ポリロタキサンと粘着性高分子とは、後述する架橋剤(C)を介して結合し、架橋構造を形成してもよい。
このように、ポリロタキサンを介して粘着性高分子間に架橋構造を形成すると、ポリロタキサンが三次元網目構造体に取り込まれて存在するため、粘着剤を剥離したときに被着体に残渣物が残りにくく、かつ三次元網目構造体中に分子鎖が貫通した環状分子の構造が上述した架橋間隔可変性を示すために高伸長率を有し突起の吸収性が高いという本発明の効果が得られる。
本発明の粘着剤は、粘着性高分子(A)の反応性官能基と、ポリロタキサン(B)の反応性官能基を直接に結合させて得ることもできる。この場合、粘着剤の架橋度合(ゲル分率)を制御しようとすると、ポリロタキサンの配合量を変えるか、あるいは反応性官能基量が異なる2種以上のポリロタキサンを用いることになる。しかし、ポリロタキサン(B)の配合量を変更した場合、ポリロタキサン1分子に対し反応する粘着性高分子量も変化する。つまり、ポリロタキサンの配合量を変えると、ポリロタキサンの架橋間隔可変性(粘着剤の柔軟性)が影響を受ける。したがって、粘着剤の架橋度合(ゲル分率)を調整しようとすると、粘着剤の柔軟性が変化することになり、両者を独立に制御することが困難である。また、一分子中に有する反応性官能基の数が異なる2種以上のポリロタキサン(B)を用い、粘着剤の架橋構造に取り込まれるポリロタキサン量を制御することも可能であるが、複数種のポリロタキサンを準備することは手間がかかる。
したがって、架橋剤(C)を添加することにより、架橋の度合いを調整することが好ましい。架橋剤(C)は、粘着性高分子同士を直接架橋するか、ポリロタキサンを介して架橋するため、架橋度合は架橋剤の使用量によりほぼ一義的に決まる。つまり、架橋度合は架橋剤(C)の配合量により独立して制御できる。一方、粘着剤の柔軟性は、ポリロタキサンの架橋間隔可変性により発現すると考えられ、主にポリロタキサンの配合量により制御できる。したがって、架橋剤とポリロタキサンの配合量により、粘着剤の架橋度合と柔軟性をそれぞれ独立して制御できる可能性がある。したがって、本発明では、粘着性高分子(A)とポリロタキサン(B)とは架橋剤(C)を介して結合していることが好ましい。
この場合、粘着性高分子(A)とポリロタキサン(B)とが直接反応しないように、粘着性高分子(A)の反応性官能基Rとポリロタキサン(B)の反応性官能基Rは同一であることが好ましく、ともに水酸基であることがさらに好ましい。これにより、架橋剤はRとRの両方と反応し得る官能基を選択することなく単一の反応性官能基を分子内に2個以上有していれば足りることとなる。また、環状分子Tとして、ポリロタキサン形成に適しているシクロデキストリンを用いれば、反応性官能基Rを水酸基とすることが容易である。さらに、RとRがともに水酸基であれば、水酸基との反応性の高いイソシアナート系架橋剤を用いた場合に、ポリロタキサン(B)の環状分子と粘着性高分子の間に結合を生じさせることが容易となる。
(架橋剤)
架橋剤(C)として、ポリロタキサンが有する反応性官能基Rおよび粘着性高分子が有する反応性官能基Rと反応可能な架橋性基Rを有する二官能以上の化合物を用いることができる。また、架橋剤(C)が、架橋性基Rとして、反応性官能基Rとのみ反応し得る官能基を有し、かつ、少なくとも反応性官能基Rと反応し得る架橋性基Rを有する構成としてもよいし、その逆でもよい。
以下では、反応性官能基Rおよび反応性官能基Rと反応し得る架橋性基Rを有する架橋剤(C)を例にとり説明する。なお、上述のとおり、粘着性高分子(A)の反応性官能基Rとポリロタキサン(B)の反応性官能基Rが同一であれば、Rとして、RとRの異なる二種の官能基と反応し得る官能基を選択する必要がない。
架橋剤(C)が有する架橋性基Rは、例えば、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、ビニル基、アクリロイル基等が挙げられ、イソシアナート基、エポキシ基が好ましく、特にイソシアナート基が好ましい。これらの架橋性基Rは、架橋剤(C)中で2種以上混在していてもよい。
ポリロタキサン(B)の反応性官能基Rが水酸基、粘着性高分子(B)の反応性官能基Rが水酸基、架橋剤(C)の架橋性基Rがイソシアナート基であると、反応が容易で制御可能な速度で進行するため、反応性官能基Rと反応性官能基Rとの反応性のバランスをとりやすい。また、それらの架橋性基を有する化合物は、汎用性が高く、材料の種類が豊富で入手も容易でありコストも低く抑えることができる。
架橋剤(C)としては、例えば、キシリレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、それらのアダクト体(例えばトリメチロールプロパンアダクト体)等のイソシアナート系化合物、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、それらのアダクト体等のエポキシ系化合物、N,N−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、それらのアダクト体等のアジリジン系化合物等が挙げられ、中でもイソシアナート系化合物が好ましい。
上記粘着剤における架橋剤(C)の粘着剤層中における配合量は、後述する「1+α−β」で表される架橋後に残存している反応性官能基の量の程度を示す値を目安に決定されるが、通常、粘着剤中の固形分中、1〜30質量%、好ましくは2〜25質量%、より好ましくは3〜20質量%の配合量となる。
(配合)
本発明の粘着剤層においては、粘着性高分子(A)が有する反応性官能基と、ポリロタキサン(B)が有する反応性官能基が同一であり、粘着性高分子(A)が有する反応性官能基の数を1としたときの、ポリロタキサン(B)が有する反応性官能基(X)の数の相対比αと、架橋剤(C)が有する架橋性基の数の相対比βについて、1+α−β≦0.8の関係が満たされる。ここで、各成分が有する反応性官能基または架橋性基の数は、その成分の1質量部当たりの反応性官能基または架橋性基の数に、粘着剤層の形成に際し配合したその成分の質量部数を乗じて得る。粘着性高分子(A)の反応性官能基、ポリロタキサン(B)の反応性官能基、および架橋剤(C)の架橋性基がこのような関係を持つことで、反応性官能基に対して架橋性基の数が不足することがない。このため、ポリロタキサン(B)の大部分が三次元網目構造に取り込まれ、取り込まれずに残留したポリロタキサン(B)に起因した残渣物がシートの剥離後に被着体表面に発生することを抑制でき、パーティクルと呼ばれる被着体表面に発生する微小な残渣も抑制される傾向がある。また、1+α−βは、好ましくは−2以上であり、さらに好ましくは−1.5以上である。1+α−βが小さすぎることは反応性官能基(X)に対して架橋性基が過剰に存在することを意味し、未反応の架橋剤(C)が粘着剤層中に残存し、被着体を汚染したり、残存している架橋剤が粘着剤層の形成後に経時の特性変化の原因となったりする懸念がある。
(その他の成分)
粘着剤は、上記成分(A)および(B)、ならびに必要に応じ(C)からなる架橋構造を含むが、成分(A)〜(C)のみでは塗工が困難な場合が多いため、希釈して粘着剤溶液として塗布、乾燥して粘着剤を形成することが好ましい。この際に用いる溶剤としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、塩化メチレン、塩化エチレンなどのハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノールなどのアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、イソホロン、シクロヘキサノンなどのケトン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル、エチルセロソルブなどのセロソルブ系溶剤などが用いられる。
このようにして調製された粘着剤溶液の濃度・粘度は、塗工可能な範囲であればよく、特に制限されず、状況に応じて適宜選定することができる。さらに、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤、帯電防止剤、拡散剤等、粘着付与剤、顔料、染料、フィラー、エネルギー線硬化性樹脂、光重合開始剤の各種添加剤を添加して粘着剤溶液とすることができる。これらの他の成分は、粘着剤層を形成する全固形分に対し、10質量%以下の割合で含まれていても良い。なお、粘着剤溶液を得るに際して、溶剤等の添加は必要条件ではなく、粘着剤組成物が塗工可能な粘度等であれば、溶剤を添加しなくてもよい。この場合、粘着剤がそのまま粘着剤溶液と同様に取り扱われる。
(粘着剤層の物性)
粘着剤層のゲル分率は40%以上であることが好ましく、50〜99.9%であることがさらに好ましい。これにより、シート剥離後の被着体表面への残渣物の発生が効率的に抑制される。粘着剤層のゲル分率は、上記架橋剤の配合量を多くすると、増大する傾向にある。
粘着剤層は、エネルギー線硬化性樹脂を含有しないことが好ましい。このような構成をとることで、エネルギー線硬化性を有しない。したがって、ウエハに所定の加工を行った後、エネルギー線硬化工程を経ずに剥離する工程に適用され、エネルギー線硬化工程を省略できるので効率的である。なお、本発明の作用効果が妨げられない限り、粘着剤層にエネルギー線硬化性樹脂を配合してもよい。
(板状部材加工用粘着シート)
粘着剤層の厚みは100〜300μmであり、100〜250μmであることが好ましい。粘着剤層は、上記の粘着剤および所望に添加される添加剤からなる単層の粘着剤層であっても、2層以上の積層構造であってもよい。粘着剤層を塗布乾燥により形成する場合、本発明の粘着剤層の厚みが大きいため、乾燥を長時間行わなければならず効率的でないことがある。このため、個別に形成した厚みの小さい部分的な粘着剤層を2層以上積層させることにより全体の粘着剤層を形成させることが好ましい。この場合、部分的な粘着剤層はそれぞれが上述した粘着剤層の特徴を備える。このような部分的な粘着剤層の厚みは、通常10〜150μmであり、25〜100μmであることが、極端に多くの部分的な粘着剤層を必要とせず、かつ乾燥効率の点から好ましい。
粘着剤層の厚さが薄くなると、粘着性が低下する恐れがあり、突起の吸収性が十分に発揮されない。粘着剤層の厚さが大きすぎる場合には、ロール巻き取り等の工程上の問題が生じるおそれがある。さらに、粘着剤層の厚さは突起の高さよりも厚いことが好ましく、これにより基材の剛性に影響されずに本発明の粘着シートの突起の吸収性がより発揮されることとなる。また、基材と粘着剤層との間には、粘着剤層とは異なる柔軟な樹脂層が形成されていてもよい。
基材の上述した粘着剤層が設けられた面とは逆の面に、他の粘着剤層が設けられていてもよい。このような他の粘着剤層は、たとえば被着体の加工時に被着体および粘着シートを平坦な支持板に接着するために設けられる。他の粘着剤層の組成は、上述した粘着剤層と同種の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
また、粘着シートの使用前に粘着剤層を保護するために、剥離シートが積層されていてもよい。剥離シートは、特に限定されるものではなく、剥離性の表面を有する種々のシートが用いられる。このような剥離シートとしては、具体的には、ポリエチレンシート、ポリプロピレンシート、ポリブテンシート、ポリブタジエンシート、ポリメチルペンテンシート、ポリ塩化ビニルシート、塩化ビニル共重合体シート、ポリエチレンテレフタレートシート、ポリブチレンテレフタレートシート、ポリウレタンシート、エチレン酢ビシート、アイオノマー樹脂シート、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体シート、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体シート、ポリスチレンシート、ポリカーボネートシート、フッ素樹脂シート、低密度ポリエチレン(LDPE)シート、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)シート、およびその水添加物または変性物等からなるシートなどが用いられる。またこれらの架橋シートも用いられる。上記の基材は1種単独でもよいし、さらにこれらを2種類以上組み合わせた複合シートであってもよい。
剥離シートとしては、上記したようなシートの一方の表面に剥離処理を施したシートが好ましい。剥離処理に用いられる剥離剤としては、特に限定はないが、シリコーン系、フッ素系、アルキッド系、不飽和ポリエステル系、ポリオレフィン系、ワックス系等が用いられる。特にシリコーン系の剥離剤が低剥離力を実現しやすいので好ましい。剥離シートに用いるシートがポリオレフィンシートのようにそれ自身の表面張力が低く、粘着剤層に対し低剥離力を示すものであれば、剥離処理を行わなくてもよい。
剥離処理の方法としては、剥離剤をそのまま無溶剤で、または溶剤希釈やエマルション化して、グラビアコーター、メイヤーバーコーター、エアナイフコーター、ロールコーター等により該シートに塗布し、加熱または紫外線あるいは電子線の照射により硬化させて剥離層を形成する。
上記の剥離シートの厚さは、好ましくは12μm以上であり、さらに好ましくは15〜1000μm、特に好ましくは50〜200μmである。
(板状部材加工用粘着シートの製造)
本発明の板状部材加工用粘着シートは、基材上に、粘着剤層を形成する粘着剤を公知の塗工装置により適宜の厚さに塗布、乾燥し、80〜150℃程度の温度で加熱することにより各成分の反応性官能基および架橋性基を架橋することで製造できる。塗工装置としては、ロールコーター、ナイフコーター、ロールナイフコーター、ファウンテンダイコーター、スロットダイコーター、リバースコーターなどが挙げられる。粘着剤層上には、粘着剤面を保護するために剥離シートを貼り合わせることが好ましい。また粘着剤層を剥離シート上に設け、さらに基材に転写することで製造してもよい。
本発明の粘着シートは、下記に示すように半導体ウエハの加工に用いることが出来る。
(ウエハ裏面研削方法)
ウエハの裏面研削においては、表面に回路が形成された半導体ウエハの回路面に板状部材加工用粘着シートを貼付して回路面を保護しつつウエハの裏面を研削し、所定厚みのウエハとする。
半導体ウエハはシリコンウエハであってもよく、またガリウム・砒素などの化合物半導体ウエハであってもよい。ウエハ表面へのバンプの形成は、メッキや半田により形成することができる。バンプの高さは、通常50μm以上であることが好ましく、より好ましくは50〜500μm程度であり、このようなバンプの形成された半導体ウエハに本発明の粘着シートを適用した場合に、その突起の吸収性が発揮され好ましい。このようなウエハの研削前の厚みは特に限定はされないが、通常は500〜1000μm程度である。
裏面研削は粘着シートが貼付されたままグラインダーおよびウエハ固定のための吸着テーブル等を用いた公知の手法により行われる。粘着シートは、適度な破断伸度と貯蔵弾性率を有するため、ウエハ裏面研削時にウエハに強い剪断力が負荷されても、ウエハの振動、位置ズレが防止でき、ウエハ裏面を平坦、かつ極薄にまで研削することができる。
裏面研削工程の後、研削によって生成した破砕層を除去する処理が行われてもよい。裏面研削後の半導体ウエハの厚みは、特に限定はされないが、好ましくは10〜300μm、特に好ましくは25〜200μm程度である。また、半導体ウエハの路面には導通用のバンプが形成されていてもよい。本発明の粘着シートは、バンプ等の凹凸差を吸収、緩和する効果が高く、バンプを有するウエハに特に好ましく用いられる。
裏面研削工程後、回路面から粘着シートを剥離する。本発明の粘着シートによれば、粘着剤層が、ウエハの裏面研削時にはウエハを確実に保持し、また切削水の回路面への浸入を防止できる。また、粘着シートの剥離時にウエハ表面に残着する粘着剤残渣も低減される。
(ウエハダイシング方法)
本発明の粘着シートはダイシングシートとして使用することもできる。
ダイシングシートとして使用する際は、ウエハの表面に本発明の粘着シートを貼付して、ウエハを切断する場合に好適である。ダイシングシートの貼付は、マウンターと呼ばれる装置により行われるのが一般的だが特に限定はされない。
半導体ウエハの切断手段は特に限定はされない。一例としてウエハの切断時にはダイシングシートの周辺部をリングフレームにより固定した後、ダイサーなどの回転丸刃を用いるなどの公知の手法によりウエハのチップ化を行う方法などが挙げられる。またレーザー光を用いたダイシング法であってもよい。
(先ダイシング法による板状部材の個片化方法)
さらにまた、本発明の粘着シートは、特に先ダイシング法によるウエハのチップ化において好ましく用いられ、具体的には、
回路が表面に形成された半導体ウエハ表面からそのウエハ厚さよりも浅い切込み深さの溝を形成し、
該回路形成面に、上記粘着シートを表面保護シートとして貼付し、
その後上記半導体ウエハの裏面研削をすることでウエハの厚みを薄くするとともに、最終的には個々のチップへの分割を行ない、
チップをピックアップする工程を含む半導体チップの製造方法に好ましく用いられる。より具体的には、以下のような工程からなる半導体チップの製造方法に用いられる。
第1工程:複数の回路を区画するウエハの切断位置に沿って所定の深さの溝をウエハ表面から削成する。
第2工程:前記ウエハの表面全体を覆う状態に本発明の粘着シートを貼付する。
第3工程:前記溝の底部を除去し、所定の厚さになるまでウエハの裏面を研削して個々のチップに分割する。研削時には、研削屑や研削熱を除去するために研削面に水(研削水)を供給しつつ研削を行う。この際、本発明の粘着シートを用いることで、チップと粘着剤層との間に高い密着性が得られるため、回路面への研削水の滲入がなく、チップの汚染を防止できる。また、先ダイシング法においては、溝の形成された面に表面保護シートを貼付するため溝のエッジ部(溝の非形成部における溝との境界)に粘着剤残渣が発生しやすいが、本発明の粘着剤は凝集性が高いため、エッジ部の粘着剤残渣が発生しにくい。
その後、所定の方法でチップのピックアップを行う。また、チップのピックアップに先立ち、ウエハ形状に整列した状態のチップを、他の粘着シートに転写し、その後、チップのピックアップを行ってもよい。
本発明の粘着シートを、このような先ダイシング法による半導体装置の製造工程に用いる場合は、裏面研削によりチップ化する際のチップクラックの防止や、分割されたチップのカーフ幅の縮み防止のため、基材は、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルムのように比較的剛性の大きなフィルムを用いることが望ましい。
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例における各種物性の評価は以下のように行った。
(ゲル分率測定)
剥離フィルム(SP−PET381031、リンテック株式会社製)上に、実施例および比較例の粘着剤を塗工し、乾燥を行い剥離フィルム(SP−PET381031、リンテック株式会社製)と貼り合わせを行い、剥離フィルムに挟持された基材を有しない粘着剤単層シートを作製した。粘着剤単層シートを23℃、湿度50%の雰囲気化で1週間放置した後、その粘着剤単層シートから約0.1g相当の粘着剤単層シートを切り出し、折り畳んでテトロン(商品名)製のメッシュ(#400)に包み、酢酸エチルを溶剤としたソックスレー抽出装置(東京硝子器械社製、脂肪抽出器)による還流で粘着剤の非ゲル分を抽出し、初期の質量との比よりゲル分率を算出した。
(被着体面突起の吸収性)
高さ130μm、直径155μmの球状バンプが、253μmのピッチ(バンプの中心間距離)で格子状に形成されたシリコンウエハ上から、テープラミネーターRAD−3510(リンテック(株)社製)にて室温で粘着シートを貼付し、23℃、60%相対湿度下に24時間静置した。その後、一格子の対角に該当するバンプの間隔(各バンプの表面上の点のうち、最も接近している点の間隔が210μm)において、粘着剤層がシリコンウエハから離れずに接触している長さ(粘着剤層接触幅)をデジタル顕微鏡で測定した。接触幅が長いほど、粘着剤がバンプを吸収していることを意味する。
(パーティクル測定)
粘着シートをシリコンウエハミラー面上に、5kgのローラーを1往復させて荷重をかけ、ラミネートし、23℃、60%相対湿度下に1時間静置した後、シート片を剥離速度12m/min、剥離角度180°で剥離し、ウエハ表面検査装置S6600(日立エンジニアリング社製)により測定を行い、ウエハ上の0.27μm以上の残渣物の個数を測定した。
(実施例1)
アクリル系粘着剤(ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレートに由来する構成単位の含有量が、それぞれ93.5質量%、5質量%、1.5質量%である共重合体、重量平均分子量100万、ガラス転移温度−48.8℃)100質量部と硬化剤イソシアナート化合物(綜研化学株式会社製、TD−75)1.51質量部とシクロデキストリンを環状分子として有するポリロタキサン(セルム スーパーポリマーA1000、アドバンスト・ソフト・マテリアルズ株式会社製)0.84質量部を混合した粘着剤を、剥離材(SP−PET381031、リンテック株式会社製)の上に乾燥後の厚さが40μmとなるように塗布し、100℃で1分間乾燥させ、剥離材上に粘着剤層を形成させた。この粘着剤層を5枚張り合わせて合計厚さ200μmの粘着剤層を形成した。この粘着剤層の露出面を、厚さ110μmの低密度ポリエチレンフィルムフィルムに貼り合わせて粘着シートを作製した。
アクリル系粘着剤の水酸基の数を1としたときのポリロタキサンの水酸基の数の比α、アクリル系粘着剤の水酸基の数を1としたときのイソシアナート化合物のイソシアナート基の数の比βとした場合の1+α−βを表に示す。
(実施例2)
実施例1と同じアクリル系粘着剤100質量部と硬化剤イソシアナート化合物(綜研化学株式会社製、TD−75)1.51質量部とポリロタキサン0.51質量部を混合した粘着剤を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。アクリル系粘着剤の水酸基の数を1としたときのポリロタキサンの水酸基の数の比α、アクリル系粘着剤の水酸基の数を1としたときのイソシアナート化合物のイソシアナート基の数の比βとした場合の1+α−βを表に示す。
(実施例3)
実施例1と同じアクリル系粘着剤100質量部と硬化剤イソシアナート化合物(綜研化学株式会社製、TD−75)1.51質量部とポリロタキサン0.25質量部を混合した粘着剤を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。アクリル系粘着剤の水酸基の数を1としたときのポリロタキサンの水酸基の数の比α、アクリル系粘着剤の水酸基の数を1としたときのイソシアナート化合物のイソシアナート基の数の比βとした場合の1+α−βを表に示す。
(実施例4)
実施例1と同じアクリル系粘着剤100質量部と硬化剤イソシアナート化合物(綜研化学株式会社製、TD−75)3.0質量部とポリロタキサン1.68質量部を混合した粘着剤を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。アクリル系粘着剤の水酸基の数を1としたときのポリロタキサンの水酸基の数の比α、アクリル系粘着剤の水酸基の数を1としたときのイソシアナート化合物のイソシアナート基の数の比βとした場合の1+α−βを表に示す。
(比較例1)
実施例1と同じアクリル系粘着剤100質量部と硬化剤イソシアナート化合物(綜研化学株式会社製、TD−75)1.51質量部とポリロタキサン1.68質量部を混合した粘着剤を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。アクリル系粘着剤の水酸基の数を1としたときのポリロタキサンの水酸基の数の比α、アクリル系粘着剤の水酸基の数を1としたときのイソシアナート化合物のイソシアナート基の数の比βとした場合の1+α−βを表に示す。
(比較例2)
実施例1と同じアクリル系粘着剤100質量部と硬化剤イソシアナート化合物(綜研化学株式会社製、TD−75)0.50質量部とを混合した粘着剤を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(比較例3)
実施例1と同じアクリル系粘着剤100質量部と硬化剤イソシアナート化合物(綜研化学株式会社製、TD−75)1.51質量部とを混合した粘着剤を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
Figure 0005827562

Claims (8)

  1. 基材と、その片面に形成された粘着剤層とを有する板状部材加工用粘着シートであって、
    前記粘着剤層の厚さが、100〜300μmであり、
    前記粘着剤層は、以下の粘着性高分子(A)およびポリロタキサン(B)が、架橋剤(C)を介して結合した架橋構造を形成してなり、
    前記粘着性高分子(A)とポリロタキサン(B)が同一の反応性官能基を有し、前記粘着性高分子(A)が有する反応性官能基の数を1としたときの、
    前記ポリロタキサン(B)が有する反応性官能基の数の相対比αと、
    前記架橋剤(C)が有する架橋性基の数の相対比βが、
    1+α−β≦0.8の関係を満たす板状部材加工用粘着シート。
    (A)反応性官能基を有する粘着性高分子
    (B)少なくとも2つの環状分子の開口部に直鎖分子が貫通してなるポリロタキサン
  2. 前記粘着剤層のゲル分率が40%以上である請求項1に記載の板状部材加工用粘着シート。
  3. 前記粘着剤層が、2層以上の部分的な粘着剤層を積層してなる請求項1または2に記載の板状部材加工用粘着シート。
  4. 前記反応性官能基が水酸基であり、前記架橋剤(C)がイソシアナート系架橋剤である請求項1〜3のいずれかに記載の板状部材加工用粘着シート。
  5. 板状部材の裏面の研削に用いる請求項1〜4のいずれかに記載の板状部材加工用粘着シート。
  6. 前記板状部材が、表面に高さ50μm以上の突起の設けられた板状部材である請求項5に記載の板状部材加工用粘着シート。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の板状部材加工用粘着シートの粘着剤層を、片面側に突起を設けた板状部材の突起面に貼付する工程、および、
    前記板状部材加工用粘着シートが貼付されていない板状部材の片面を研削する工程を有する、薄化された板状部材の製造方法。
  8. 前記突起の高さが50μm以上である請求項7に記載の薄化された板状部材の製造方法。
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