JP5826525B2 - 放射線監視システムおよび監視領域内での放射線源検出方法 - Google Patents

放射線監視システムおよび監視領域内での放射線源検出方法 Download PDF

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Description

[0001]本願の開示は、放射線監視ポータル及びステーションの分野に関する。より詳細には、本願の開示は、車両、積荷又は人が、放射線ポータル又はステーションを通過する間に断続的に停止する可能性のある場所で放射線を監視するための放射線ポータル及びステーションに関する。
[0002]放射線検出ポータル及びステーションは、例えば、危険なことのある放射線を放出する装置及び材料の移動を検出し防止するために、国境検問所において車両を監視するため、海港において船積みを監視するため、並びに、空港において人、手荷物及び積荷を監視するために使用される。これらの放射線検出ポータルは、典型的にはガンマ線及び中性子線を検出し識別するために、放射線検出器の種々の組合せを使用する。
これらの測定結果に伴う特定の問題は、多くの場合、放射線が測定される車両又は他の物体が、連続的にポータルを通過するのではなく、交通又は他の理由からポータル内で停止するときに発生する。そのような断続的な動きは、放射線測定値の正確な解釈に悪影響を与える可能性がある。それゆえ、車両、積荷若しくは人が通過する放射線監視ポータルからの放射線測定値を解釈するための、又は、車両、積荷若しくは人が、ポータル若しくはステーションを通過する間に断続的に停止する可能性のある場所で放射線を監視するための、改良されたシステム及び方法が必要である。
[0003]本願の開示は、監視領域内で放射線測定値を作成するための放射線検出器を有する放射線監視システムを提供する。監視領域における対象物の存在を検出するために占有センサが提供され、監視領域における対象物の動きを検出するために動きセンサが提供される。典型的な一実施形態では、放射線測定値収集システムを提供し、この放射線測定システムは、対象物の存在が検出され、且つ、対象物の動きが検出されたときに、放射線測定値を、収集される放射線測定値として収集するための第1のプログラム論理素子を有する。典型的な一実施形態では、上記収集される放射線測定値が閾値を超えた場合に警報信号をアクティブにするために、警報システムが提供される。
[0004]また、断続的な放射線源に対してある領域を監視するための方法を提供する。典型的には、監視領域における放射線測定値として放射線を検出するステップと、監視領域における対象物の存在を検出するステップと、監視領域における対象物の動きを検出するステップとが含まれる。また、方法の一実施形態は、典型的には、対象物の存在が検出され、且つ、対象物の動きが検出されるときに、放射線測定値を、収集される放射線測定値として収集するステップと、この収集される放射線測定値が閾値を超えた場合に警報信号をアクティブにするステップとを提供する。
[0005]種々の利点が、詳細な説明を図面と併せて参照することによって明らかとなる。幾つかの図面を通して、要素は、細部をより分かりやすく示すために、縮尺通りではなく、同じ参照番号は同じ要素を示す。
[0006]放射線監視ポータルの、幾分概略的な上面図である。 [0007]図1の放射線監視ポータルの一部の、幾分概略的な側面斜視図である。 [0008]占有及び動きの論理ゲート状態並びにこれら2つのゲート状態のAND論理状態を表す、注釈付き論理図である。 [0009]電子カメラを装備した放射線監視ポータルの、幾分概略的な上面図である。
[0010]好ましい実施形態及び他の実施形態についての以下の詳細な説明では、本願の明細書の一部を形成する添付の図面が参照され、その中で、放射線監視システム及び監視領域内の放射線源を検出する方法の特定の実施形態の実施が、例示によって示されている。他の実施形態が使用されてよく、他の実施形態において、その構造的変更がなされてよく、プロセスが変化してよいことを理解されたい。
[0011]放射線検出ポータルは、危険なことのある放射線を放出する装置及び材料の移動を検出し、防止するために、税関検査官及び他の当局によって、国境、空港及び海港における使用の増加が見られている。「ポータル(portal)」は、典型的には車両又は人を検査するための放射線監視システムを意味するために使用される用語である。「スクリーニングステーション(screening station)」は、典型的には製造物、郵便物、小包、積荷及び手荷物を検査するための放射線監視システムを意味するために使用される用語である。用語「対象物(entity)」は、車両、小包、人、積荷等、放射線監視を受ける任意の物を意味するために、本願の明細書で使用される。これらの放射線監視システムは、監視領域内のガンマ線及び中性子線を検出し識別するために、種々の種類及び組合せの放射線検出器を使用することができる。ポータル用途の場合では、監視領域は、典型的には車両交通又は人の通行の、1つ又は複数の通路に沿った区域である。他の用途では、監視領域は、対象物が検査のために通過する区域であってよい。対人監視ステーションの場合は、監視領域は、多くの場合、人が歩いて通るアーチ路である。
[0012]放射線が監視されている対象物が放射線測定システムを連続的に通過せず、交通渋滞又は他の理由によって監視領域内で停止すると、幾つかの特定の問題が、多くの既存の放射線測定システムにおいて発生する可能性がある。典型的に発生する第1の問題は、対象物が停止している間に放射線測定データを採取すると長時間放射線カウントを蓄積する結果となるために、測定感度が劣化することであり、そのような測定値は、本質的に、単なる通常の背景放射線となる可能性がある。例えば、危険点(threat point)の放射線源が車両の後部に置かれていると仮定する。仮に、8.045km/時(5マイル/時)で動いている21.34m(70フィート)の牽引トレーラが、停止することなくポータルに入り、出るならば、ポータル占有時間の合計は約9.55秒である。そのような状況では、車両の各部は、同じ長さの時間の間に測定され、放射線測定値の取得は均一である。しかし、放射線源を含有する車両が、牽引車やコンテナの前部がポータル内にあり、放射線源がポータルの外にある場所で、停止すると仮定する。車両が非常に長い時間(例えば、10ないし30分に至るまで)停止するという非常に悪い場合の状況では、実質的に背景放射線だけを表す放射線測定値が収集される。次いで、車両の後部がポータルを通って移動するときに、放射線源が、背景放射線測定値が収集された間の占有時間の合計に比べて非常に短い時間の間、測定される。結果として、信号対雑音比は著しく劣化する。ポータルを通過中に停止することの結果として生じる第2の問題は、対象物内部の放射線源の場所の識別に関して発生する。対象物内部の放射線源の存在を検出することに加えて、対象物内部のそのような源の位置を検出することは、極めて望ましい。上述の状況において、車両の輪郭(profile)は、その対象物がポータル内で停止している間の長い滞留時間によってゆがめられるために、源の位置に関する情報が、劣化させられる。
[0013]これらの問題のうちの幾つかを克服し、放射線監視システムの性能を高めるため、種々のアルゴリズムが、ポータル内に対象物が存在するか否か、及び、ポータル内の対象物の動き(又は動きがないこと)に基づいて、放射線背景をより適切に明らかにするために使用されてよい。例えば、ポータルは、ポータル内の物体の存在を検出するために、磁気近接センサ、赤外ビーム、レーザ又は能動マイクロ波センサ等、市販のデバイスを使用して実施されうる「占有センサ」の組合せを使用することができる。動き感知は、動きが検出されることを確実にするために精巧さを増したセンサの同様の組合せを使用することができ、又は、動きを検出するために特別に設計された動きセンサを使用することができる。動きセンサは、受動赤外センサ、動き感知ソフトウェアアルゴリズム内蔵カメラ又は類似のデバイスであってよい。
[0014]対象物の存在(即ち、「占有」)及び対象物の動きがいかにして感知されるかにかかわらず、本願の明細書で説明される種々の実施形態は、占有と動きとの間の時間相関を使用して、占有と動きとの論理ANDを生成する。次いで、AND演算された値は、占有と動きが共に真であるのでなければ放射線測定データの収集をゲート遮断するために使用される。オン/オフ(真/偽)に相当する論理状態信号は、典型的にはプログラム論理素子によって生成される。実際には、複数の「プログラム論理素子」が、単一の電子処理装置内に物理的に存在することができる。
[0015]典型的な実施形態では、占有と動きとの両方が偽であれば、背景放射線データが更新されてよい。何れか一方(両方ではない)が真であれば、放射線測定データは典型的には無視され、背景測定値及び警報閾値調整がラッチされる(値が保持される)。占有と動きとの両方が真であれば、放射線測定データが、占有時間窓の中で、放射線収集測定システムによって収集(且つ、典型的には積分)される。この処理は、監視領域を通る対象物の連続的で途切れることのない通行によって収集されるであろう放射線測定値をエミュレートする、放射線測定値の収集を提供する。
[0016]一実施形態を図1に示す。図1は、この場合はポータル14によって監視されている、監視領域10の上面図を表す。ポータル14は、放射線監視システムの一例である。車両又は物体が、ポータル中央線18に沿って移動方向22にポータル14を通って移動する。ポータル14を今退場した車両26の後部が描かれている。占有センサ30及び動きセンサ34が、時間相関された方式で論理出力をもたらす。ポータル14は、ポータル左側の放射線検出器パネル38と、ポータル右側の放射線検出器パネル42とを使用する。幾つかの実施形態では、1つだけの検出器パネルが使用されてよい。各放射線検出器パネル(38及び42)は、監視領域10内で放射線測定値を取得するために、少なくとも1つの放射線検出器50を使用する。また、ポータル14は、放射線検出器50によって取得された放射線測定値を処理し、占有センサ30及び動きセンサ34からの論理信号を処理するためのプログラム論理素子を使用する、放射線測定値収集システム54を含む。
[0017]図2は、占有センサ30の例示的な位置を示す、図1の実施形態の一部の斜視図を表す。図1の実施形態では、占有センサ30は、赤外センサ、超音波センサ又はレーザセンサ等、遮断ビームタイプである。他の実施形態では、圧力センサ等の技術が占有センサ30として使用されてよい。図2に示す占有センサ30は、検出器パネルに隣接して配置されるが、他の実施形態では、占有センサ30は、検出器パネルから遠位に配置されてよい。典型的には、種々の異なる種類の車両が検出されることを確実にするために、複数の占有センサ30が使用される。しかし、幾つかの実施形態では、単一の占有センサが使用されてよい。図1の実施形態では、複数の占有感知ビーム46は、互いに直角に真っ直ぐに向かい合って整列されているが、代替実施形態では、ビームは直角でない角度で整列されてよく、交叉してよい。幾つかの場合では、複数のセンサ対が、ポータル14の中で、対象物の入口速度と出口速度とを求めるための速度センサとして使用されてよい。幾つかの実施形態では、単一の動きセンサが使用されてよい。幾つかの実施形態では、本願の明細書で以下により詳細に説明するように、電子カメラが、動きセンサとして使用するために適合されうる。
[0018]図3は、占有センサ及び動きセンサ(例えば、図1及び図2の動きセンサ34)からのオン/オフ(真/偽)論理情報及び論理AND結合(logical AND combination)を示す。時間的事象(time event)A〜Jが示される。時間間隔A〜B、C〜D、E〜F及びI〜J等、どのセンサもオンでないとき、システムは背景放射線の読みを更新してよい。背景放射線は、典型的には放射線監視ステーションの中及び周囲に自然に発生する放射線源から発生する。放射線監視システムは、典型的には、警報信号を発生させるための閾値として確立された、「正常な」背景レベルを超える放射線レベルの証拠を探索している。背景レベルは時間とともに変化し、機器の信号利得はドリフトする可能性があり、それゆえ、放射線測定値収集システム54を使用して、背景放射線測定値を周期的に更新することが賢明である。放射線測定値収集システム54は、典型的には、背景放射線のみが存在するであろう様々な時刻に放射線測定値の一部を背景放射線測定値として収集するために、プログラム論理素子を使用する。次いで、ポータル14は、警報閾値を調整するために新しい背景放射線測定値を使用する。警報閾値を調整する処理は、典型的には、例えば、累積放射線カウント、放射線カウント率、エネルギーで重み付けされた放射線カウント効果又は類似の測定値に基づくアルゴリズムを使用する。
[0019]対象物が監視領域10に存在するときに、その対象物はポータルが検出することが予測される放射線源を保持している、という可能性が存在する。そのような環境において、対象物がポータル14を通過すると、放射線検出器50は、(予想されるように)背景放射線と、放射線源によって放出された放射線との両方を検出し、測定された放射線の量は、(予想されるように)警報閾値を超えるであろう。この条件を検出するステップの処理は、以下のように進行する。占有センサ30が監視領域内に物体を検出すると、占有センサ30は、放射線測定値収集システム54に論理信号を供給する。典型的には占有センサシステムがオンである限り、最近の背景放射線事象を捨て、背景放射線検出システムと警報閾値調整システムとの両方をラッチ(更新停止)するために、上記論理信号は放射線測定値収集システム54によって最初に使用されうる。最近の背景事象は、それらが、近づくか又は遠ざかる車両の影響によって正確でない可能性があるために、典型的には捨てられる。結果として、時間スケールに応じて、図3に示す間隔C〜Dの間に採取された放射線測定値は、不正確なことのある「最近の背景事象」として、そっくりそのまま捨てられてよい。ひとたび放射線測定値収集システム54が最近の背景事象を捨てるものと評価すると、プログラム論理素子は、放射線測定値の一部を「収集される放射線測定値」として収集することを始動させる。これらの「収集される放射線測定値」は、(常に存在する)背景放射線に加えて、(仮に存在するならば)ポータル14を通過している対象物によって保持される源によって放出される放射線を含む。これらの収集される放射線測定値が閾値を超えるならば、警報信号が発生される。
[0020]図3は、種々の実施形態の上記及び他の特徴を示す。例えば、動きセンサ34がトリガされ、且つ、占有センサ30からの占有信号が存在しない(間隔D〜E等)ならば、システムは、背景測定値及び閾値調整をラッチ(更新停止)するか、又は、占有信号が存在しないときに存在するそのような動き信号を無視するかの何れかに構成されてよい。間隔F〜G及びH〜I等において、占有及び動きセンサの両方が物体の存在及び動きを(それぞれ)検出するとき、AND演算された信号は時間相関された論理信号を生成し、この時間相関された論理信号は、対象物がポータル14内に存在し、且つ、移動していることを示している。その論理状態では、これらの占有条件及び動き条件が共に真である限り、放射線測定値は収集され且つ測定され(且つ、典型的には積分され)る。
[0021]間隔G〜H等、動きセンサ34がオフ(例えば、偽)で、且つ、占有センサ30がオン(例えば、真)であるときは、物体又は車両が監視領域内で停止していることは明らかである。そのような間隔の間は、放射線測定値は無視される。放射線測定値を選択的に収集し且つ選択的に無視するためのこの論理パターンは、車両が監視領域10を通って移動する間に1回又は複数回停止するか否かにかかわらず、監視領域を通る車両の仮想的連続通行を表す測定値の収集を結果としてもたらす。放射線測定値は、車両がポータル14内に停止する時間の長さの影響を受けなくなる。最終的なデータは、システムを通って停止することなく連続的に移動する物体のデータと実質的に同等になる。放射線の感度と源の位置情報との両方が保存される。
[0022]種々の遮断ビームセンサが、放射線監視システム内の車両、人又は物体の占有及び動きを検出するために使用されうるが、一方で、市販されたこれらの目的に適合されうる高耐久化された電子カメラが存在する。これらのカメラは、処理能力がカメラに内蔵され、且つ、それらがTCP/IPイーサネットデバイスとしてアクセスされうることにおいて、高度化されている。高度化の程度は、多くの場合、画像の区域をユーザによって定めることができ、多くの場合、動きを検出するため及び映像内の変化を検出するために、アルゴリズムがカメラのソフトウェアに含まれるほどである。これらの動き/変化アルゴリズムは、ポータル14等の放射線検出ポータルの動き及び占有の一方又は双方を検出するために使用されうる。更に、多くの放射線監視用途は、放射線事象が検出され、放射線事象のデータベースがその事象の間に記憶されなければならないときに、車両のナンバープレート又はシリアルナンバーを示すように映像をキャプチャすることを必要とする。その結果、原則的には、単一の電子カメラが、占有を検出し、動きを検出し、且つ、必要な画像をキャプチャするために使用されうる。しかし、そのようなカメラの用途は、カメラがポータル14の中央を通る直線の視野を有することを典型的には必要とする。このことは、多くの場合、ポータルの通路を塞ぎ交通の流れを混乱させるという形でカメラが設置されえないので、問題を生じる。
[0023]この問題を回避する1つの方法は、ポータル14の出口の視野を得るような位置にカメラを装着することである。典型的には、カメラは、ポータル14を通過する車両又は人又は物品に関する識別情報を収集するために、何れかの向きに装着される。そのようなカメラは、占有センサ及び動き検出器として使用するために適合されうる。そのような実施形態では、カメラは、占有センサと動きセンサとが単一のセンサに一体化される場合の一例である。
[0024]動き検出器として使用するために、オンボードソフトウェアを含むカメラは、画像の視野内のある区域(典型的には、矩形領域)を定めるようにプログラムされうる。ソフトウェアは、定められた区域内の画素の時間的変化を検出するアルゴリズムを含む。典型的には、アルゴリズムは、1つの記憶された動きの基準画像の画素と、後続の1つの新しい画像内又は後続の幾つかの新しい画像内の画素とのマトリックス相関を実行する。ユーザが定めた閾値を変化が超えるならば、カメラは動きが発生したことを示す信号を発生する。典型的には、動きの基準画像は、ある一定の時間間隔で(一般に数秒毎に)周期的に更新され、それにより、ひとたび物体が移動を止めると、新しい動きの基準画像が結果的に定められ、後続の新しい画像はこの新しい動きの基準画像と一致するようになり、動きが停止したことが示される。
[0025]幾つかの方法が、占有を示すためにカメラと共に使用されてよく、これら幾つかの方法は、典型的には、動きを示すために使用される定められた矩形を使用するか又は異なる定められた区域を使用するかの何れかを用いる。第1の方法は、動き検出アルゴリズムの出力を使用することである。ひとたび第1の動きが検出されると、ポータルは第2の動きが検出されるまで占有されるものとみなされる。これは単純な方法であり、この方法は、典型的には、ポータルが最初は占有されていないものと仮定するが、これは真ではない可能性がある。また、この第1の方法は、物体は第1の動きが検出された後ポータル内で停止すると仮定し、それによって、物体がポータルを離れたことを第2の動き検出事象が示すようにするが、これもやはり真でない可能性がある。即ち、物体は全く停止しなくてよく、又は、第1の動きの後で停止/出発してよく、そのことが占有の決定を混乱させる。しかし、この第1の方法は、幾つかの用途において十分でありうる。
[0026]占有を示すための第2の方法は、占有基準画像を定め、次いで、画素毎の相関を使用してこの占有基準画像を後続の新しい画像と比較することである。占有基準画像は、なんらかの一定の時間間隔(典型的には数秒程度)で更新される。新しい1つの画像(又は幾つかの画像)が占有基準画像と相関しなくなるとすぐに、占有基準画像がラッチされる(一定に保持される)。即ち、占有基準は、一時的に、一定の時間間隔で更新されることがなくなる。その点からスタートし、占有基準画像が新しい画像と(なんらかの相関閾値を超えることによって)相関しない時間の間継続して、ポータルは占有されているものとみなされる。この処理は、後続の画像は、占有の前に採取され保持された占有基準画像と相関しそうにないので、物体の動きに順応する(即ち、この処理は、動きが生じている間及び物体がポータル内で動かなくなるときの両方に、ポータルが占有されていることを伝える)。新しい画像が再びラッチされた基準画像と相関すると、占有表示(occupancy indication)が終了してポータルがもはや占有されていないことを示し、基準画像が再びなんらかの一定の時間間隔でゆっくりと更新される。この方法に対する1つの欠点は、ポータルが非常に長時間占有されることになった場合に、照明(lighting)が天気の変化又は周囲光の日内周期によって画像の中で変化し、物体がポータルを出たときに、ラッチされた基準画像が新しい画像と相関できなくなる可能性があることである。このことは占有が終了したことを検出することを困難にするであろう。種々の増強が、カメラ式占有システムに伴うこの可能性ある問題を克服するために使用されうる。例えば、仮にカメラが示す占有がなんらかの最大予測期間を超えるならば、カメラによる占有表示を補助的な方法を使用して調整することが有用でありうる。また、長い占有の持続が予測される場合には、相関に対する閾値を調節することも有用でありうる。また、典型的には、予測される占有時間より十分長いなんらかのタイムアウト時間の後に、占有基準画像を強制的に更新させることも有用でありうる。
[0027]図4は、占有センサ及び動きセンサが、単一のセンサであるカメラ58において一体化される一実施形態を示す。カメラ58は、車両識別映像がキャプチャされうる第1の視野66を撮像するためのレンズを含む第1の光学システム62を有する。プリズム又はミラーがレンズに隣接して配置されてよい。プリズム又はミラーは、第1の視野66とは異なる第2の視野74を撮像するための第2の光学システム70を表す。典型的には、第1の視野66は監視領域10の中又は隣の領域を包含し、放射線監視ステーション(例えば、ポータル14)を通過し終えるか若しくは通過し始めるか、又は、通過中の対象物の画像(例えば、車両26の後部)を取得することができる。典型的には、第2の視野74は、対象物がポータル14内を移動する、監視領域10の一部を包含する。好ましくは、第1の光学システム62及び第2の光学システム70は、第1の光学システム62(例えば、カメラレンズ)の小さな隅(又は他の小さな部分)だけが第2の光学システム70(例えば、プリズム又はミラー)でふさがれるように構成される。カメラ58は、電子画像を生成するための画像センサ78を含む。好ましくは、画像センサ78の小さな部分だけが第2の視野74を見る一方で、画像センサ78の大部分は第1の視野を見る。好ましい一実施形態では、第2の光学システム70は、カメラレンズ又はハウジング窓の前に添付されたプリズムを備える。プリズムは、標準直角三角形90度銀メッキプリズムであってよく、又は、他のプリズム面角(120度等)を有してよい。一般に、ポータル14の任意の所望の第2の視野を実際に得るように、そのようなプリズムを方向づけることが可能である。カメラ58内の動き/変化の検出ソフトウェアは、第2の視野74を見る画像センサ78の区域を、変化又は動きのために定め監視することを可能にする。更に、ソフトウェアは、そのような変化又は動きが画像センサ78のその特定の区域内で検出されたときに、電子メッセージが放射線測定値収集システム54に送られるようにする。
[0028]そのようなカメラ58のこの適合が、車両識別情報を依然として提供しながら、占有及び動きの一方または双方の検出を提供する。幾つかの実施形態では、多重プリズムを使用して、1つのカメラ(例えば58)が2つ以上の通路の交通を監視することを可能にすることができる。プリズムを介してポータル14内で多重区域を定め監視して、車両の輪郭を提供すること及びある区分の車両又は積荷を監視から除くことの一方又は双方をすることができる。また、多重区域は複数の画像区域を提供するために使用することができ、これら複数の画像区域は、様々な区分の車両又は積荷で使用するために、様々な占有アルゴリズム及び検出アルゴリズムの一方または双方を使用することができる。
[0029]要約すると、本願の明細書で開示される実施形態は、ポータルを通過する車両、積荷又は人によるポータルの動き及び占有を検出するために放射線検出ポータル内で使用されうる単純なセンサのアレイを提供する。これらのセンサは動きを検出するために使用されてよく、この情報は、ポータルを通って連続的に移動する車両又は物体と実質的に等価な測定値を提供するために、占有データとAND演算されうる。幾つかの実施形態では、電子カメラは占有感知及び動き感知を提供するように適合されてよい。
[0030] これまでの実施形態の説明は、例示及び解説を目的として提供されてきた。これまでの実施形態の説明は、包括的であること、又は、実施形態を開示されたものと寸分違わぬ形態に限定することを意図するものではない。改変又は変形が上述の教示に照らして可能であることは明らかである。実施形態は、原理及び実際的な用途の最良の例示を提供し、それにより、企図された特別な使用に適するような種々の改変と共に、説明した通りの種々の実施形態を当業者が使用できるようにすることを目指して選択され説明されている。そのような改変形態及び変形形態は全て、それらが適正に、合法に且つ公正に資格を認められた範囲に従って解釈されるならば、添付の特許請求の範囲の中にある。
10 監視領域
14 ポータル
18 ポータル中央線
22 移動方向
26 車両
30 占有センサ
34 動きセンサ
38 放射線検出器パネル
42 放射線検出器パネル
46 占有感知ビーム
50 放射線検出器
54 放射線測定値収集システム
58 カメラ
62 第1の光学システム
66 第1の視野
70 第2の光学システム
74 第2の視野
78 画像センサ

Claims (11)

  1. 視領域内で放射線測定値を作成するための放射線検出器と、
    センサであって、
    前記監視領域内で対象物の存在を検出するための占有センサ及び前記監視領域内で前記対象物の動きを検出するための動きセンサか、又は、
    前記占有センサ及び前記動きセンサが一体化された単一のセンサ
    であるセンサと、
    射線測定値収集システムであって、該システムは、
    記対象物の前記存在が検出され、且つ、記対象物の前記動きが検出されたときに、前記放射線測定値の第1の部分を、収集される放射線測定値として収集し、
    前記対象物の前記存在と、前記対象物の前記動きとのうちの少なくとも一方が検出されないときに、前記放射線測定値を無視する
    ための第1のプログラム論理素子を備えた、前記放射線測定値収集システムと、
    記収集される放射線測定値が警報閾値を超えた場合に警報信号をアクティブにするための警報システムと
    を備え放射線監視システム。
  2. 前記放射線測定値収集システムは、前記対象物の前記存在が検出されないときに、前記放射線測定値の第2の部分を背景放射線測定値として収集するための第2のプログラム論理素子を備えた、請求項1に記載の放射線監視システム。
  3. 前記放射線測定値収集システムは、(i)前記対象物の前記存在が検出されず、且つ、(ii)前記対象物の前記動きが検出されないときに、前記放射線測定値の第2の部分を背景放射線測定値として収集するための第2のプログラム論理素子を備えた、請求項1に記載の放射線監視システム。
  4. 前記放射線測定値収集システムは、前記対象物の前記存在が検出されないときに、前記放射線測定値を背景放射線測定値として収集し、前記警報閾値を調整するための第2のプログラム論理素子を備えた、請求項1に記載の放射線監視システム。
  5. 前記放射線測定値収集システムは、(i)前記対象物の前記存在が検出されず、且つ、(ii)前記対象物の前記動きが検出されないときに、前記放射線測定値を背景放射線測定値として収集し、前記警報閾値を調整するための第2のプログラム論理素子を備えた、請求項1に記載の放射線監視システム。
  6. 前記動きセンサはビデオカメラを備え、前記ビデオカメラは、
    1の視野を撮像するための第1の光学システムと、
    記第1の視野と異なる第2の視野を撮像するための第2の光学システムと、
    記第2の視野の中で物体の動きを検出するための画像処理ソフトウェアと
    を備えた、請求項1に記載の放射線監視システム。
  7. 監視領域内で放射線源を検出するための方法であって、
    (a)前記監視領域内で放射線測定値を検出するステップと、
    (b)前記監視領域内で対象物の存在を検出するステップと、
    (c)前記監視領域内で前記対象物の動きを検出するステップと、
    (d)記対象物の前記存在が検出され、且つ、記対象物の前記動きが検出されたときに、前記放射線測定値の第1の部分を、収集される放射線測定値として収集し、
    前記対象物の前記存在と、前記対象物の前記動きとのうちの少なくとも一方が検出されないときに、前記放射線測定値を無視する
    ステップと、
    (e)前記収集される放射線測定値が閾値を超えた場合に警報信号をアクティブにするステップと
    を含方法。
  8. (f)前記対象物の前記存在が検出されないときに、前記放射線測定値の第2の部分を背景放射線測定値として収集するステップを更に含む、請求項に記載の方法。
  9. (f)(i)前記対象物の前記存在が検出されず、且つ、(ii)前記対象物の前記動きが検出されないときに、前記放射線測定値の第2の部分を背景放射線測定値として収集するステップを更に含む、請求項に記載の方法。
  10. (f)前記対象物の前記存在が検出されないときに、前記放射線測定値を背景放射線測定値として収集し、前記閾値を調整するステップを更に含む、請求項に記載の方法。
  11. (f)(i)前記対象物の前記存在が検出されず、且つ、(ii)前記対象物の前記動きが検出されないときに、前記放射線測定値を背景放射線測定値として収集し、前記閾値を調整するステップを更に含む、請求項に記載の方法。
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