実施の形態1.
以下、本発明の第1の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機およびスロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、遊技媒体を用いて遊技者が所定の遊技を行なうことが可能である遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。図5は、可動部材としてのトロッコの動作を示す説明図である。図6は、可動部材としての梁の動作を示す説明図である。
まず、図1〜図6を用いて遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の構成について説明する。図1は、図2のガラス扉枠2を取外した状態のパチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図2はガラス扉枠2の前面を示す正面図である。図3は打球供給皿(上皿)3を拡大した平面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠11とで構成される。遊技枠11は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠2aと、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。前面枠2aの前面側の上部には、図2に示すような額縁状に形成されたガラス扉枠2が開閉可能に設けられている。図2に示すガラス扉枠2は、後述する遊技盤6の遊技領域7をほぼ透視し得る開口部としての円形透視窓が開設され、該円形透視窓の裏面から複層ガラス板が装着されるようになっている。図1においては、図2のようなガラス扉枠2が取外された状態のパチンコ遊技機1が示されている。
前面枠2aの前面側の下部には、ガラス扉枠2の下部に位置する態様で、打球供給皿(上皿)3が設けられている。図1において、打球供給皿3の上部に図2に示すガラス扉枠2が開閉可能に取付けられ、ガラス扉枠2が閉じられた状態で遊技が行なわれる。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5とが設けられている。
前面枠2aの背面には、遊技枠11の一部を構成するプラ枠(図示せず)がある。プラ枠は、機構板を含み、機構板に電源回路(図示せず)およびスピーカ27等の部品が取付けられている。また、遊技枠11のプラ枠には、遊技枠11と遊技盤6との間の配線を中継する中継基板(図示せず)が設けられている。また、遊技枠11においては、前面枠2aの裏面側に形成される遊技盤収納枠部に収容固定される態様で、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
パチンコ遊技機1の側方には、遊技者所有の記録媒体としてのプリペイドカードを受付け、そのプリペイドカードの記録情報により特定される遊技者所有の残額(残高ともいう)の使用に基づいて貸球としての遊技球を遊技者に貸出(貸与)すための処理を行なうカード処理装置であるプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図1では図示を省略し、図12に示す)。そして、パチンコ遊技機1においては、打球供給皿3に貯留された遊技媒体である遊技球を弾発発射し、その遊技球を遊技盤6に形成された遊技領域7に打込んで、以下に説明するような所定の遊技が行なわれる。そして、遊技において遊技領域7に設けられた入賞領域へ遊技球が受入れられて入賞が生じれば、払出条件が成立し、その払出条件が成立したことに基づいて景品として、景品遊技媒体である賞球(遊技球)が払出される。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄を変動表示する複数の変動表示部を含む演出表示装置(画像表示装置)9が設けられている。演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの変動表示部(図柄表示エリア)がある。演出表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の変動表示を行なう。飾り図柄の変動表示を行なう演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。このような演出表示装置9は、以下に示すような所定の演出を行なう演出表示装置としてパチンコ遊技機1に設けられている。
演出表示装置9の下方には、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄を変動表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8が設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8は、例えば00〜99の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。なお、特別図柄表示器8は、2桁の数字を表示するものに限らず、0〜9等他の桁数の数字を変動表示するように構成されていてもよい。また、演出表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄であって各々が識別可能な複数種類の識別情報としての飾り図柄の変動表示を行なう。
特別図柄表示器8の右側には、始動入賞口13,14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの表示器からなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。有効始動入賞がある毎に、1つの表示器の表示色を変化させる。そして、特別図柄表示器8の変動表示が開始される毎に、1つの表示器の表示色をもとに戻す。なお、演出表示装置9の表示領域内に、保留記憶数を表示する4つの表示領域からなる特別図柄保留記憶表示領域を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、保留記憶数の上限値を4とするが、上限値をより大きい値にしてもよい。さらに、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、左右一対の可動片の動作に基づいて遊技球が入賞可能な第2始動入賞口(第2始動口)14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16を励磁状態にすることによって可動片が開動作されることにより開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15は、ソレノイド16を消磁状態にすることによって可動片が閉状態にされることにより閉状態とされる。可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。このような第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには、可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球が第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
演出表示装置9の右側には、遊技演出に用いられる可動部材としてのトロッコ151が設けられている。トロッコ151は、遊技演出において、演出制御手段の制御に従って、図5に示すように、演出表示装置9の右側から左側方向に飛び出すような演出を行なうことができる。
また、演出表示装置9の上部および右側には、遊技演出に用いられる可動部材としての梁152が設けられている。梁152は、遊技演出において、演出制御手段の制御に従って、図6に示すように、演出表示装置9の上部および右側から崩れ落ちるような演出を行なうことができる。
さらに、演出表示装置9の下部には、特別図柄表示器8に特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開状態とされる特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開口したときに遊技球が入賞可能となる入賞領域としての大入賞口を開閉する開閉板20aを有し、遊技者にとって有利な開放状態(開状態)と、遊技者にとって不利な閉状態とのいずれかに制御される。特定遊技状態(大当り遊技状態)においては、ソレノイド21によって特別可変入賞球装置20が開放状態に制御されることによって大入賞口が閉状態から開放状態になる。大入賞口に入賞した入賞球はカウントスイッチ23で検出される。
また、図3に示すように、打球供給皿3を構成する部材においては、遊技者により操作可能な操作手段としての操作部81が設けられている。操作部81は、遊技者が、遊技者から見て前後左右というような予め定められた複数の方向(4方向)のうちから選択した方向へ押圧操作をすることが可能な押しボタンスイッチ(ジョグボタン)よりなる平面視円形の押圧操作部811と、押圧操作部811の周囲で回転可能に設けられ回転操作をすることが可能なダイヤル(ジョグダイヤル)よりなる回転操作部812との複数の操作部を含む。押圧操作部811は、さらに、前後左右の4方向以外に、遊技者から見て下方向にも押圧操作可能であり、押圧操作部811において遊技者がパチンコ遊技機1に向かって前後左右4方向のうち1つの方向を選択的に押圧する方向選択操作と、方向選択操作以外に押圧操作部811全体を下方へ押圧する決定操作とを遊技者が行なうことが可能である。
押圧操作部811において、前方向を選択する操作を行なうときに操作される部分(遊技者が押圧操作部811に向かって向こう側の部分)が、前方向部と呼ばれる。押圧操作部811において、後方向を選択する操作を行なうときに操作される部分(遊技者が押圧操作部811に向かって手前側の部分)が、後方向部と呼ばれる。押圧操作部811において、左方向を選択する操作を行なうときに操作される部分(遊技者が押圧操作部811に向かって左側の部分)が、左方向部と呼ばれる。押圧操作部811において、右方向を選択する操作を行なうときに操作される部分(遊技者が押圧操作部811に向かって右側の部分)が、右方向部と呼ばれる。
また、回転操作部812は、左周りに回転する左回転操作と、右周りに回転させる右回転操作とを遊技者が任意に行なうことが可能である。
また、打球供給皿3を構成する部材においては、操作部811の他に、前述のカードユニットを介して遊技球を借り受ける際に操作する球貸スイッチ91、および、プリペイドカードの返却を受けるときに操作する返却スイッチ92等の操作手段が設けられている。
また、図3には、球貸スイッチ91の断面図も示されている。図3に示すように、球貸スイッチ91は、打球供給皿3の操作部81が設けられている面と同一面上に配置されている。また、図3中の断面図に示すように、球貸スイッチ91は、遊技者によって押圧されていない状態において、打球供給皿3の操作部81が設けられている面よりも凹んだ位置に配置されている。そのような構成によって、操作部81の操作を行っているときに、誤って球貸スイッチ91を押圧してしまう事態を防止することができる。また、返却スイッチ92も、球貸スイッチ91と同様に、打球供給皿3の操作部81が設けられている面よりも凹んだ位置に配置されている。そのような構成によって、操作部81の操作を行っているときに、誤って返却スイッチ92を押圧してしまう事態を防止することができる。
図4は、操作部81の操作中における遊技者の手と球貸スイッチ91および返却スイッチ92との位置関係を示す説明図である。図4(a)は、操作部81の回転操作部812を左手を用いて操作している状態を示す。また、図4(b),(c)は、回転操作部812を右手を用いて操作している状態を示す。例えば、図4(c)に示すように、右手を用いて回転操作部812を操作しているときに、遊技者の無意識のうちに右手の位置が球貸スイッチ91や返却スイッチ92の位置と重なる状態となる場合がある。この場合に、球貸スイッチ91や返却スイッチ92が、打球供給皿3の操作部81が設けられている面よりも出っぱった状態となるように配置されていると、右手が球貸スイッチ91や返却スイッチ92に触れてしまう可能性があり、誤って球貸スイッチ91や返却スイッチ92を押下してしまうおそれがある。この実施の形態では、打球供給皿3の操作部81が設けられている面よりも凹んだ位置となるように、球貸スイッチ91や返却スイッチ92を配置しているので、操作部81の操作中に手が触れて、誤って球貸スイッチ91や返却スイッチ92を押圧してしまう事態を防止している。
図1を参照して、ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、例えば、変動表示の終了時に右側のランプが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開放状態になる。普通図柄表示器10の下部には、ゲート32に入った入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への入賞がある毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、複数の入賞口(普通入賞口)29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。各入賞口29,30,33,39は、遊技球を受入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口13,14や大入賞口も、遊技球を受入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。また、それぞれの入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球を1つのスイッチで検出するようにしてもよい。
遊技領域7の中央部には、演出表示装置9を囲むように飾り部材154が取付けられており、飾り部材154の上部には、遊技中に点灯表示または点滅表示される装飾ランプ(センター飾り用ランプ)が設けられている。なお、この実施の形態では、センター飾り用ランプとして6個のLED125a〜125fが設けられている。また、飾り部材154には、演出表示装置9を囲むように、遊技中に点灯表示または点滅表示される装飾ランプ(ステージランプ)が設けられている。なお、この実施の形態では、ステージランプとして6個のLED126a〜126fが設けられている。
また、遊技領域7の下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。
図2を参照して、遊技領域7の外周には、天枠ランプ、左枠ランプおよび右枠ランプが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ、左枠ランプ、右枠ランプおよび装飾用LEDは、パチンコ遊技機1に設けられている装飾発光体の一例である。この実施の形態では、天枠ランプとして12個のLED281a〜281lが設けられている。また、左枠ランプとして6個のLED282a〜282fが設けられている。また、右枠ランプとして6個のLED283a〜283fが設けられている。また、構造物の周囲の装飾LEDとして、可変入賞球装置15に1個のLED127a(図1参照)が、特別可変入賞球装置20周辺に2個のLED127b,127c(図1参照)が設けられている。また、操作部81の押圧操作部811に8個の単色LED(図10等に示す第1押圧操作部ランプ82a〜第8押圧操作部ランプ82h)と1個のマルチカラーLED(図10等に示す操作部中央ランプ82A)が設けられ、操作部81の回転操作部812に4個の単色LED(図10等に示す第1回転操作部ランプ82i〜第4回転操作部ランプ82l)が設けられている。
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、または遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の変動表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が変動表示(変動)を始めるとともに、演出表示装置9において飾り図柄が変動表示(変動)を始める。図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示、および演出表示装置9における飾り図柄の変動表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄(特定表示結果としての大当り表示結果)であると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、大入賞口が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するまで開放する。
遊技球がゲート32に入賞すると、普通図柄表示器10において普通図柄が変動表示される状態になる。また、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開放状態になる。さらに、確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、時短状態(特別図柄の変動表示時間が短縮される遊技状態)において、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とが高められるようにしてもよい。
上記のように、この実施の形態のパチンコ遊技機1には、発光体としてのランプやLEDが各所に設けられている。
次に、図7〜図11を参照して、操作部81について詳細に説明する。図7は、操作部81の構成を説明するための図である。図8は、操作部81の押圧操作部811と表示部材811Aとの態様を説明するための図である。図9は、押圧操作部811が発光した状態の態様を説明するための図である。図10は、操作部81における各種検出器およびランプと操作部81の構造物との関係を説明するための図である。図7においては、(a)に操作部81の分解斜視図が示され、(b)に操作部81に含まれるカバープレート815の裏面図が示され、(c)にカバープレート815の側面図(ただし、裏面の突起部8150の構成を明確化するために固定部815aについては図示を省略している)が示される。図8においては、(a)に押圧操作部811の態様が示され、(b)に操作部81内部の表示部材811Aの態様が示されている。図9においては、(a)に操作部中央ランプ(マルチカラーLED)82Aが赤色に点滅した場合の発光状態が示され、(b)に操作部中央ランプ82Aが青色に点灯した場合の発光状態が示されている。図10においては、(a)に各種検出器および各種ランプの配置状態を示す操作部81の平面図が示され、(b)に操作部81の側面図が示され、(c)に(a)のA−A断面図が示される。図11は、操作部81の各種状態を示すための縦断面図である。
図7を参照して、操作部81は、押圧部材811a、表示部材811A、回転部材812a、ボタンハウジング813、ボタンバネ814、カバープレート815、ダイヤルベース816、ボタンベース817、および、操作部基板818を含む。なお、押圧操作部811は、主として、押圧部材811aや、表示部材811A、ボタンハウジング813、ボタンバネ814、ボタンベース817、操作部基板818などの部品によって構成される。また、回転操作部812は、主として、回転部材812aや、カバープレート815、ダイヤルベース816などの部品によって構成される。
押圧部材811aは、樹脂製で半透明の円形ボタン状の部材である。表示部材811Aは、樹脂製で半透明の部材で、押圧部材811aの内周サイズより僅かに小さいサイズの円形で肉厚が一定のシート状に形成されている。
表示部材811Aは、アクリル材等の樹脂製部材で形成されるプレートの下面に異なる色で複数種類の文字列が印刷されている。図8(b)に示すように、表示部材811Aは、アクリル材等の樹脂製部材の下面に3種類の塗料811b〜811dが印刷されている。この実施の形態では、表示部材811Aは、図8(b)に示すように、操作部中央ランプ82Aが赤色に発光したときに表示する赤色の文字列(例えば、「押せ!!」などの文字列)が印刷されているとともに、操作部中央ランプ82Aが青色に発光したときに表示する青色の文字列(例えば、「回せ!!」などの文字列)が印刷されている。赤色の文字列は、マルチカラーLEDである操作部中央ランプ82Aが赤色に発光したときの波長に合わせた塗料として、赤色光を透光して青色光を遮光する赤色塗料811bによって主に印刷されている。また、青色の文字列は、操作部中央ランプ82Aが青色に発光したときの波長に合わせた塗料として、青色光を透光して赤色光を遮光する青色塗料811cによって主に印刷されている。また、赤色の文字列も青色の文字列も印刷されていない余白部は、光(少なくとも赤色光および青色光)を透光させない遮光色塗料としての黒色塗料811dによって印刷されている。
なお、図8(b)に示す例では、表示部材811Aにおいて、赤色の文字列と青色の文字列とが重複部分をもたないように印刷されている場合を示しているが、赤色の文字列と青色の文字列との一部が重なるように印刷されていてもよい。この場合、赤色の文字列と青色の文字列とが重複する部分については、赤色光と青色光との混合色であって赤色光と青色光とを透光する混合色塗料としての紫色塗料によって印刷されていてもよい。また、この実施の形態では、表示部材811Aに赤色の文字列と青色の文字列とが印刷される場合を示しているが、文字列に限らず、例えば、表示部材811Aに図形や図柄などが印刷されていてもよい。
ボタンハウジング813は、上部に押圧部材811aが嵌込まれ、押圧操作部811の操作に応じて前後左右方向および上下方向に動作する部材であり、下部に、押圧操作部811が前後左右方向および下方向のうちのどの方向に操作されたかを検出するために必要となる4つの突起部813aが設けられている。また、ボタンハウジング813の外周部には、押圧操作部811において遊技者が操作すべき前後左右の4つの方向(前方向部、後方向部、右方向部、左方向部)を発光させるために操作部81において下方から上方へ光を導く4つの光導部813bが形成されている。ボタンハウジング813の下面側には、コイルバネよりなるボタンバネ814の一方端部が取付けられている。
ボタンベース817は、押圧部材811a、ボタンハウジング813、回転部材812a、ボタンバネ814、カバープレート815、および、ダイヤルベース816が上部に付けられ、操作部基板818が下部に取付けられる樹脂製の部材である。ボタンベース817においては、ボタンハウジング813を内部空間に受入れることが可能な形状の筒状壁部817aが上部に形成されている。そして、ボタンベース817においては、操作部81を打球供給皿3に設けられた取付部に取付けるための複数の爪部817bが形成されている。
図7の(a)に示すように、カバープレート815は、環状に形成された金属製の部材であり、内周側にボタンハウジング813が挿通される。図7の(b)、(c)に示すように、カバープレート815の環状部の下面側には、クリック感(カチッ、カチッという音をさせて所定回転量ごとに回転動作が区切られていることを体感させる操作感覚)を生じさせるための複数(2つ)の突起8151が形成された突起部8150が設けられている。突起部8150は、板バネ状の部材の中間部においてその部材の一部を曲げ加工して突出させた突起8151を有し、板バネ状の部材の弾性力により突起8151の位置が揺動(この例では上下動)可能な形状で構成されている。また、図7の(a)に示すように、カバープレート815の四方には、カバープレート815をダイヤルベース816の上部に固定するための4つの固定部815aが設けられている。
ダイヤルベース816は、回転操作部812の操作に応じて回転する環状の樹脂製の部材であり、回転部材812aが嵌込まれる筒状壁部816cが上部に形成されている。ダイヤルベース816の内周側には、ボタンハウジング813が挿通される。また、ダイヤルベース816の外周には、前述のカバープレート815の突起8151との関係でクリック感を生じさせるための複数の凹凸部が連続的に形成されたクリック感部816bが周設されている。また、ダイヤルベース816の下面側には、回転操作部812の回転を検出するための回転検出用壁部816aが所定間隔で環状(同心円状)に配置された態様で設けられている。
このようなダイヤルベース816は、ボタンベース817の筒状壁部817aの外周面に摺接し、その外周面に沿って回転可能となるように、ボタンベース817の筒状壁部817aを内部に挿通する態様でボタンベース817に嵌め入れられる。そして、カバープレート815は、ダイヤルベース816の筒状壁部816cを上側から押さえた状態で、固定部815aをボタンベース817に設けられた固定部817c(図10(b)参照)に固定する態様でボタンベース817に取付けられる。このような状態では、ダイヤルベース816の筒状壁部816cの一部が、カバープレート815の内周側から上方へ突出する。その突出した筒状壁部816cに回転部材812aが取付けられることにより、回転操作部812の回転動作にダイヤルベース816が連動する。カバープレート815下面側の突起部8150の突起8151は、突起部8150の弾性力により、ダイヤルベース816に連続的に形成された凹凸部へ向けて付勢される。このような場合において、ダイヤルベース816に連続的に形成された凹凸部にカバープレート815下面側の突起部8150の突起8151が出入りすることにより、回転操作部812を例えば15度のような所定角度(所定回転量)ずつ回転操作するごとにクリック感を生じさせることができる。
例えば、ダイヤルベース816に連続的に形成された凹凸部の凹部は、カバープレート815の下面側の突起が当接したときに、その突起を下方へ滑らせて凸部における底部に入るように誘導することが可能な斜面を形成する形状で構成されている。したがって、回転操作部812が回転操作されることに応じて、ある凹部から次の凸部の頂点へ突起8151が移動し、その突起8151が凸部の頂点を超えて次の凹部に入ると、その後特に操作力を加えなくても、その突起8151は突起部8150の部材の弾性力により付勢されて、斜面を下方へ滑べって次の凸部における底部に入る。したがって、回転操作部812の回転操作時には、ある凹部から次の凹部へ1クリック分操作するときにおいて、それら凹部間の凸部の頂点を突起8151が通過すると、逆方向へ回転操作しない限りその突起8151が次の凹部の底部へ誘導されるので、そのような凸部の頂点を突起8151が通過したタイミングで、1クリック分の操作が行なわれたと判別することが可能である。回転操作部812の回転操作に応じてこのような動作が行なわれることにより、所定の回転量ごとにクリック感が生じることとなる。
また、押圧部材811aおよびボタンバネ814が取付けられたボタンハウジング813については、ボタンバネ814の他端部がボタンベース817における筒状壁部817a内部の底面に設けられたボタンバネ取付部817c(図10(b)参照)に取付けられる。図11(a)または図11(c)に示すように、押圧操作部811が押圧操作された後、ボタンバネ814の伸縮力に基づいて、図11(b)に示すように、押圧操作された後の押圧部材811aが元の位置まで戻される。
ボタンベース817の下面部には、操作部基板818がビス止めにより取付けられる。図10(a)のように、操作部基板818は、円板型に形成され、各種の電気部品が搭載される基板である。操作部基板818の上面側には、第1押圧検出器81a、第2押圧検出器81b、第3押圧検出器81c、第4押圧検出器81d、第1回転検出器81e、第2回転検出器81f、第1押圧操作部ランプ82a、第2押圧操作部ランプ82b、第3押圧操作部ランプ82c、第4押圧操作部ランプ82d、第5押圧操作部ランプ82e、第6押圧操作部ランプ82f、第7押圧操作部ランプ82g、第8押圧操作部ランプ82h、および操作部中央ランプ82Aが設けられている。また、回転操作部812の内部には、図10(a)に示すように、第1回転操作部ランプ82i、第2回転操作部ランプ82j、第3回転操作部ランプ82k、および第4回転操作部ランプ82lも設けられている。
第1押圧検出器81a、第2押圧検出器81b、第3押圧検出器81c、および、第4押圧検出器81dは、前述したような押圧操作部811による4方向の方向選択操作と決定操作とを検出するために設けられた検出器であり、操作部基板818の中心部を中心とした同心円上に所定間隔で配置されている。各押圧操作器は、発光部と受光部とを備えたフォトセンサよりなり、図11(a)または図11(c)に示すように、前述のボタンハウジング813の突起部813aが内部空間に入ったときに光が遮断されることに基づいて、押圧操作部811が操作されたことを検出する。より具体的に、ボタンハウジング813の4つの突起部813aと、第1押圧検出器81a、第2押圧検出器81b、第3押圧検出器81c、および、第4押圧検出器81dのそれぞれとの関係は次の通りである。
図11(a)に示すように、押圧操作部811の左方向部が押圧操作されたときには、突起部813aのうち、押圧操作部811の左方向部の直下に存在する突起部が第2押圧検出器81bの内部に入ることに基づいて、左方向部が押圧操作されたことが検出される。また、押圧操作部811の右方向部が押圧操作されたときには、突起部813aのうち、押圧操作部811の右方向部の直下に存在する突起部が第4押圧検出器81dの内部に入ることに基づいて、右方向部が押圧操作されたことが検出される。また、押圧操作部811の前方向部が押圧操作されたときには、突起部813aのうち、押圧操作部811の前方向部の直下に存在する突起部が第1押圧検出器81aの内部に入ることに基づいて、前方向部が押圧操作されたことが検出される。また、押圧操作部811の後方向の部分が押圧操作されたときには、突起部813aのうち、押圧操作部811の後方向部の直下に存在する突起部が第3押圧検出器81cの内部に入ることに基づいて、後方向の部分が押圧操作されたことが検出される。
また、図11(c)に示すように、押圧操作部811の中央部が正常に押圧操作されたときには、通常的に、第1押圧検出器81a、第2押圧検出器81b、第3押圧検出器81c、および、第4押圧検出器81dのうちの少なくとも2つの内部に突起部813aが入る。これにより、第1押圧検出器81a、第2押圧検出器81b、第3押圧検出器81c、および、第4押圧検出器81dのうちの少なくとも2つに突起部813aが入ることに基づいて、押圧操作部811の中央部が押圧操作されたことが検出される。
また、第1回転検出器81eおよび第2回転検出器81fは、回転操作部812による左回転操作と右回転操作とを検出するために設けられた検出器である。図10(a)に示すように、各回転検出器は、発光部と受光部とを備えたフォトセンサよりなり、前述のダイヤルベース816が回転したときに回転検出用壁部816aが発光部と受光部の間を通過できるような位置に設けられる。第1回転検出器81eと、第2回転検出器81fとの位置関係は、例えば第1回転検出器81eがある回転検出用壁部816aを検出しているときに第2回転検出器81fが他の回転検出用壁部816aを検出していない状態となるように、所定距離だけ離隔して配置されている。
各回転検出器は、ダイヤルベース816の回転検出用壁部816aが発光部と受光部との間に入ったときに発光部から受光部への光が遮断される。回転検出用壁部816aは、前述のように所定間隔で配置されているので、各回転検出器から出力される検出信号は、ダイヤルベース816が回転しているときに、回転検出用壁部816aを検出していない状態であるオン状態と、回転検出用壁部816aを検出している状態となるオフ状態とを繰返すパルス信号となる。演出制御用マイクロコンピュータ100では、後述するように、第1回転検出器81eの検出信号の状態と第2回転検出器81fの検出信号の状態との関係に基づいて、回転操作部812による回転操作が検出される。
操作部基板818の中央部には、マルチカラーLEDである操作部中央ランプ82Aが設けられている。操作部中央ランプ82Aは、押圧操作部811による前述の決定操作を行なうとき、または回転操作部812による回転操作を行うときに、表示部材811Aに印刷された文字列を発光させるためのLEDである。操作部中央ランプ82Aからの光が、ボタンベース817の内部空間およびボタンハウジング813の内部空間を通り、操作部基板818の中央部に達することにより(図10(c)参照)、表示部材811Aに印刷された文字列が発光することとなり、押圧操作部811において発光状態の文字列を視認することが可能となる。
この実施の形態では、操作部中央ランプ82Aが発光していない状態では、図8(a)に示すように、押圧操作部811において文字列を視認することはできない。例えば、操作部中央ランプ82Aが赤色に発光すると、操作部中央ランプ82Aからの赤色光によって、表示部材811Aに赤色塗料811Bで印刷された文字列(例えば、「押せ!!」などの文字列)が点滅状態(点灯でもよい)となり、図9(a)に示すように、押圧操作部811において赤色の文字列(例えば、「押せ!!」などの文字列)を視認可能な状態となる。また、「押せ!!」などの文字列が表示されることによって、遊技者は、押圧操作部811上の表示を確認することによって、押圧操作部811の押圧操作が指示されたことを認識することができる。また、例えば、操作部中央ランプ82Aが青色に発光すると、操作部中央ランプ82Aからの青色光によって、表示部材811Aに青色塗料811Cで印刷された文字列(例えば、「回せ!!」などの文字列)が点灯状態(点滅でもよい)となり、図9(b)に示すように、押圧操作部811において青色の文字列(例えば、「押せ!!」などの文字列)を視認可能な状態となる。また、「回せ!!」などの文字列が表示されることによって、遊技者は、押圧操作部811上の表示を確認することによって、回転操作部812の回転操作が指示されたことを認識することができる。
なお、この実施の形態では、操作部中央ランプ82Aとして、1個のマルチカラーLEDを配置する場合を示しているが、操作部81の中央部に、赤色の単色LEDと青色の単色LEDとをそれぞれ配置するようにしてもよい。そして、押圧操作部811の操作を促す場合には、赤色の単色LEDを点滅(点灯でもよい)させることによって、押圧操作部811上に「押せ!!」などの文字列を表示するようにし、回転操作部812の操作を促す場合には、青色の単色LEDを点灯(点滅でもよい)させることによって、押圧操作部811上に「回せ!!」などの文字列を表示するようにしてもよい。
第1押圧操作部ランプ82a〜第8押圧操作部ランプ82hは、操作部基板818において、操作部基板818の中央部から、第1押圧検出器81a〜第4押圧検出器81dが配置された位置よりも外側の位置に、操作部基板818の中心部を中心とした同心円上に所定間隔で配置されている。第1押圧操作部ランプ82aは、第1押圧検出器81aの近傍に設けられている。第2押圧操作部ランプ82bは、第2押圧検出器81bの近傍に設けられている。第3押圧操作部ランプ82cは、第3押圧検出器81cの近傍に設けられている。第4押圧操作部ランプ82dは、第4押圧検出器81dの近傍に設けられている。第5押圧操作部ランプ82eは、第1操作部ランプ82aと、第2操作部ランプ82bとの間に設けられている。第6押圧操作部ランプ82fは、第2操作部ランプ82bと、第3操作部ランプ82cとの間に設けられている。第7押圧操作部ランプ82gは、第3操作部ランプ82cと、第4操作部ランプ82dとの間に設けられている。第8押圧操作部ランプ82hは、第4操作部ランプ82dと、第1操作部ランプ82aとの間に設けられている。
第1押圧操作部ランプ82aは、押圧操作部811のうち、前方向の方向選択操作を行なうときに操作すべき位置である押圧操作部811の前方向部を発光させるためのLEDよりなる。第1押圧操作部ランプ82aからの光が、ボタンベース817の内部空間およびボタンハウジング813における前方向部発光のための光を導く光導部813bを通り、操作部基板818の前方向部に達することにより、押圧操作部811の前方向部が発光することとなる。
第2押圧操作部ランプ82bは、押圧操作部811のうち、左方向の方向選択操作を行なうときに操作すべき位置である押圧操作部811の左方向部を発光させるためのLEDよりなる。第2押圧操作部ランプ82bからの発光が、ボタンベース817の内部空間およびボタンハウジング813における左方向部発光のための光を導く光導部813bを通り、操作部基板818の左方向部に達することにより、押圧操作部811の左方向部が発光することとなる。
第3押圧操作部ランプ82cは、押圧操作部811のうち、後方向の方向選択操作を行なうときに操作すべき位置である押圧操作部811の後方向部を発光させるためのLEDよりなる。第3押圧操作部ランプ82cからの光が、ボタンベース817の内部空間およびボタンハウジング813における後方向部発光のための光を導く光導部813bを通り、操作部基板818の後方向部に達することにより、押圧操作部811の後方向部が発光することとなる。
第4押圧操作部ランプ82dは、押圧操作部811のうち、右方向の方向選択操作を行なうときに操作すべき位置である押圧操作部811の右方向部を発光させるためのLEDよりなる。第4押圧操作部ランプ82dからの光が、ボタンベース817の内部空間およびボタンハウジング813における右方向部発光のための光を導く光導部813bを通り、操作部基板818の右方向部に達することにより、押圧操作部811の右方向部が発光することとなる。
図12は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図12には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行なうCPU56、I/Oポート部57、およびパラレルデータをシリアルデータに変換して出力するシリアル出力回路を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数を発生する乱数回路が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する特別図柄表示器8、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が搭載するシリアル出力回路78は、シフトレジスタ等によって構成され、CPU56が出力する演出制御コマンドをシリアルデータに変換して、中継基板77を介して演出制御基板80に送信する。また、シリアル出力回路78は、CPU56が出力する制御信号をシリアルデータに変換して、中継基板77を介して特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に出力する。なお、特別図柄表示器8、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10および普通図柄保留記憶表示器41には、シリアルデータをパラレルデータに変換するシリアル−パラレル変換ICがそれぞれ設けられ、中継基板77からの制御信号をパラレルデータに変換して、特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に供給される。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドをシリアルデータ方式として受信し、飾り図柄を
変動表示する演出表示装置9の表示制御を行なう。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100が、遊技盤6に設けられているセンター飾り用ランプ125a〜125fおよびステージランプ126a〜126fの表示制御を行なうとともに、枠側に設けられている天枠ランプ281a〜281l、左枠ランプ282a〜282f、右枠ランプ283a〜283f、第1押圧操作部ランプ82a〜第8押圧操作部ランプ82h、操作部中央ランプ82Aおよび第1回転操作部ランプ82i〜第4回転操作部ランプ82lの表示制御を行ない、スピーカ27からの音出力の制御を行なう。
また、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ100には、演出制御手段が出力する各ランプ125a〜125f,126a〜126f,281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82A,82a〜82lを表示制御するための制御信号をパラレルデータからシリアルデータに変換するシリアル出力回路353が搭載されている。また、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ100には、入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して演出制御手段に出力するシリアル入力回路354が搭載されている。したがって、演出制御手段は、シリアル出力回路353を介して制御信号をシリアルデータ方式として出力することによって、各ランプ125a〜125f,126a〜126f,281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82A,82a〜82lの表示制御を行なう。
また、遊技盤側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された盤側IC基板601が設けられている。盤側IC基板601は、中継基板606を介して演出制御基板80と接続される。また、遊技枠11側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された各枠側IC基板602,603,604,605が設けられている。各枠側IC基板602,603,604,605は、中継基板606,607を介して演出制御基板80と接続される。
なお、図12に示すように、演出制御基板80、中継基板606および中継基板607は、バス型に1系統の配線ルートで接続される。
図13は、中継基板77および演出制御基板80の回路構成例を示すブロック図である。なお、図13に示す例では、演出制御に関して演出制御基板80のみを設ける場合を示すが、ランプドライバ基板および音声出力基板を設けてもよい。この場合、ランプドライバ基板および音声出力基板には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、RAM(図示せず)、シリアル出力回路353、シリアル入力回路354、クロック信号出力部356および入力取込信号出力部357を含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、シリアル入力回路102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。この場合、シリアル入力回路102は、シリアルデータ方式として受信した演出制御コマンドをパラレルデータに変換し出力する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行なわせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なうVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109
は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータを予め格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読出す。そして、VDP109は、読出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図13には、ダイオードが例示されている。
さらに、演出制御用CPU101は、シリアル出力回路353を介してランプを駆動する信号を出力する。シリアル出力回路は、入力したランプのLEDを駆動する信号(パラレルデータ)をシリアルデータに変換して中継基板606に出力する。また、演出制御用CPU101は、音声合成用IC173に対して音番号データを出力する。
また、クロック信号出力部356は、クロック信号を中継基板606に出力する。クロック信号出力部356からのクロック信号は、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615,622,623や入力IC620に供給される。また、クロック信号出力部356からのクロック信号は、中継基板606を介して盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619や入力IC621に供給される。したがって、この実施の形態では、各シリアル−パラレル変換IC611〜619,622,623および各入力IC620,621に共通のクロック信号が供給されることになる。
また、入力取込信号出力部357は、演出制御用CPU101の指示に従って、中継基板606,607を介して、盤側IC基板601または枠側IC基板602〜605に入力取込信号(ラッチ信号)を出力する。枠側IC基板605に搭載された入力IC620は、演出制御用マイクロコンピュータ100からの入力取込信号を入力すると、第1押圧検出器81a〜第4押圧検出器81d、第1回転検出器81eおよび第2回転検出器81fの検出信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板606,607を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に出力する。また、盤側IC基板601に搭載された入力IC621は、演出制御用マイクロコンピュータ100からの入力取込信号を入力すると、各位置センサ151b,152bの検出信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板606を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に出力する。
音声合成用IC173は、音番号データを入力すると、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路175に出力する。増幅回路175は、音声合成用IC173の出力レベルを、ボリューム176で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM174には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
図14は、演出制御基板80、中継基板606,607、盤側IC基板601、枠側IC基板602,603,604,605の構成例を示すブロック図である。演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ100は、制御信号としてのシリアルデータとともに、クロック信号を中継基板607に出力する。また、入力IC620,621に入力信号をラッチさせるための入力取込信号を中継基板606に出力する。
中継基板606は、演出制御用マイクロコンピュータ100から入力したシリアルデータおよびクロック信号を、盤側IC基板601に搭載された各シリアル−パラレル変換IC616〜619に供給する。そして、各シリアル−パラレル変換IC616〜619は、入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して、遊技盤6に設けられた各ランプのLED125a〜125f,126a〜126f,127a〜127cや、各可動部材のモータ151a,152aに供給する。
また、中継基板607は、バス型に1系統の配線ルートで中継基板606と接続されており、各シリアル−パラレル変換IC616〜619に接続されるシリアルデータ線300およびクロック信号線301は、盤側IC基板601上でバス形式に接続されている。なお、バス型に接続とは、1つの配線ルートに複数のシリアル−パラレル変換ICまたは中継基板が接続されていることである。
また、盤側IC基板601に搭載された各シリアル−パラレル変換IC616〜619にはそれぞれ固有のIDがある。この実施の形態では、図14に示すように、IC616のIDは06であり、IC617のIDは07であり、IC618のIDは08であり、IC619のIDは09である。
また、盤側IC基板601には、遊技盤6上に設けられた各可動部材の位置センサの検出信号を入力する入力IC621が搭載されている。この実施の形態では、盤側IC基板601に搭載された入力IC621と演出制御用マイクロコンピュータ100とは、中継基板606を介して入力信号線302、クロック信号線301および入力取込信号線303が接続されており、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定のタイミングで、入力取込信号を中継基板606を介して入力IC621に出力する。すると、入力IC621は、入力取込信号(ラッチ信号)に基づいて各位置センサの検出信号をラッチし、中継基板606を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に出力する。この場合、入力IC621は、各位置センサからパラレルに入力した検出信号をシリアルデータに変換して出力する。なお、この実施の形態では、図14に示すように、入力IC621の固有のIDは11である。
中継基板607に入力されたシリアルデータおよびクロック信号は、図14に示すように、各枠側IC基板602〜605に搭載された各シリアル−パラレル変換IC611〜615,622,623に供給される。そして、各シリアル−パラレル変換IC611〜615,622,623は、入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して、遊技枠11に設けられた各ランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82A,82a〜82lに供給する。
また、各シリアル−パラレル変換IC611〜614に接続されるシリアルデータ線およびクロック信号線は、各枠側IC基板602〜604上でバス形式に接続されている。この実施の形態では、図14に示すように、まず、枠側IC基板604のシリアル−パラレル変換IC614に入力され、シリアル−パラレル変換IC614から枠側IC基板602のシリアル−パラレル変換IC611およびシリアル−パラレル変換IC612の順に入力され、さらにシリアル−パラレル変換IC612から枠側IC基板603のシリアル−パラレル変換IC613に入力される。また、各シリアル−パラレル変換IC615,622,623に接続されるシリアルデータ線およびクロック信号線は、枠側IC基板605上でバス形式に接続されている。この実施の形態では、図14に示すように、まず、枠側IC基板605のシリアル−パラレル変換IC615に入力され、シリアル−パラレル変換IC615からシリアル−パラレル変換IC622およびシリアル−パラレル変換IC623の順に入力される。
また、各枠側IC基板602〜605に搭載された各シリアル−パラレル変換IC611〜615,622,623にはそれぞれ固有のIDがある。この実施の形態では、図14に示すように、IC611のIDは01であり、IC612のIDは02であり、IC613のIDは03であり、IC614のIDは04であり、IC615のIDは05であり、IC622のIDは12であり、IC623のIDは13である。
また、枠側IC基板605には、遊技枠11に設けられた操作部811における第1押圧検出器81a〜第4押圧検出器81d、第1回転検出器81e、および、第2回転検出器81fのそれぞれの検出信号を入力する入力IC620が搭載されている。この実施の形態では、枠側IC基板605に搭載された入力IC620と演出制御用マイクロコンピュータ100とは、中継基板606,607を介して入力信号線、クロック信号線および入力取込信号線が接続されており、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定のタイミングで、入力取込信号を中継基板606,607を介して入力IC620に出力する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入力IC621に入力取込信号を出力するタイミングとは異なるタイミングで、入力取込信号を入力IC620に出力する。すると、入力IC620は、入力取込信号(ラッチ信号)に基づいて第1押圧検出器81a〜第4押圧検出器81d、第1回転検出器81e、および、第2回転検出器81fのそれぞれからの検出信号をラッチし、中継基板606,607を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に出力する。この場合、入力IC620は、第1押圧検出器81a〜第4押圧検出器81d、第1回転検出器81e、および、第2回転検出器81fのそれぞれからパラレルに入力した検出信号をシリアルデータに変換して出力する。なお、この実施の形態では、図14に示すように、入力IC620の固有のIDは10である。
盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619と各枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615,622,623とは、1系統の配線を介して接続されている。1系統の配線を介して接続とは、具体的には、各中継基板606,607がバス型に接続されているとともに、各シリアル−パラレル変換IC611〜619,622,623がバス型またはデイジーチェーン型に接続されていることである。なお、この実施の形態では、図14に示すように、各シリアル−パラレル変換IC611〜619,622,623はバス型に接続されている。このように、この実施の形態では、盤側IC基板601に搭載された各シリアル−パラレル変換IC616〜619と、各枠側IC基板602〜605に搭載された各シリアル−パラレルIC611〜615,622,623とが、中継基板606,607を介してコネクタを用いて1系統の配線を介して接続されている。そのため、コネクタの着脱を行なうだけで遊技枠11と遊技盤6との配線作業を行なうことができ、遊技枠11と遊技盤6との着脱作業をさらに容易に行なえるようにすることができる。
また、この実施の形態によれば、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619、枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615,622,623および入力IC620,621に、演出制御用マイクロコンピュータ100から共通のクロック信号を入力する。そのため、シリアル−パラレル変換IC611〜619,622,623へのクロック信号の配線と入力IC620,621へのクロック信号の配線とを共通化することができ、演出制御手段と盤側IC601基板との間の通信、および演出制御手段と枠側IC基板602〜605との間の通信を、それぞれ1チャネルを用いて実現することができ、配線数を低減することができる。また、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619、枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615,622,623、および入力IC620,621とを容易に同期させることができ、クロック信号用の配線数も低減することができる。
この実施の形態では、各シリアル−パラレル変換IC611〜619,622,623には、予めアドレスが付与されており、演出制御用マイクロコンピュータ100は、シリアルデータに変換した制御信号を出力する際に、シリアルデータにアドレスを付加して出力する。各シリアル−パラレル変換IC611〜619,622,623は、シリアルデータを入力すると、入力したシリアルデータに付加されているアドレスが自分のアドレスに合致するか否かを確認し、合致していればパラレルデータに変換して各ランプのLEDに供給する(すなわち、出力する)。アドレスが合致していなければ各ランプのLEDへの供給は行なわない。
なお、図14に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、盤側IC基板601および枠側IC基板602〜605と双方向通信を行なう(具体的には、シリアルデータを各シリアル−パラレル変換IC611〜619,622,623に送信し、入力信号を入力IC620,621から入力する)ものであるので、データ入力端子とデータ出力端子とを備えており、1チャネルでデータ入力とデータ出力とを行なうことができる。この実施の形態では、図14に示すように、1つのチャネルのデータ入力端子とデータ出力端子とを、それぞれ異なる出力対象機器(本例では、シリアル−パラレル変換IC611〜619,622,623)と入力対象機器(本例では、入力IC620,621)とに接続している。そのように構成することによって、本来、出力対象機器と入力対象機器とが別の機器である場合にはそれぞれ別のチャネルを用いて通信を行なうべきところを、1つのチャネルのみを用いて双方向通信を可能としており、演出制御用マイクロコンピュータ100と盤側IC基板601および枠側IC基板602〜605との間のチャネル数を低減している。
この実施の形態において、チャネルとは、データ線(出力データ線)、クロック信号線、入力信号線(入力データ線)、および入力取込信号線(入力データの読出要求の信号線)用の端子をセットにしたものである。なお、1つのチャネルにアース線や電源専用の端子を含んでもよい。また、この実施の形態では、1チャネルを用いてデータ入力とデータ出力の両方を行なう場合を示すが、データ線(出力データ線)およびクロック信号線用の端子のみをセットにした出力専用のチャネルを用いてもよい。また、入力信号線(入力データ線)および入力取込信号線(入力データの読出要求の信号線)用の端子のみをセットにした入力専用のチャネルを用いてもよい。
図15および図16は、各シリアル−パラレル変換IC611〜619,622,623に付与されるアドレスの例を示す説明図である。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、予めRAMに設けられた所定のアドレス記憶領域に、図15および図16に示す各シリアル−パラレル変換IC611〜619,622,623のアドレスを記憶している。
この実施の形態では、図15および図16に示すように、各枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615,622,623において、IC611にはアドレス01が付与され、IC612にはアドレス02が付与され、IC613にはアドレス03が付与され、IC614にはアドレス04が付与され、IC615にはアドレス05が付与され、IC622にはアドレス12が付与され、IC623にはアドレス13が付与されている。また、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619において、IC616にはアドレス06が付与され、IC617にはアドレス07が付与され、IC618にはアドレス08が付与され、IC619にはアドレス09が付与されている。
なお、各シリアル−パラレル変換IC611〜619,622,623には、アドレスとしてICの固有のIDと同じものを付与してもよく、ICの固有のIDとは異なる数字や文字、記号を含むアドレスを付与してもよい。
また、図15および図16に示すように、アドレスが01であるシリアル−パラレル変換IC611は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技枠11の天枠ランプのLED(本例では天枠ランプ281a〜281lのうちのLED6個(281a〜281f))に供給する。また、アドレスが02であるシリアル−パラレル変換IC612は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技枠11の天枠ランプのLED(本例では天枠ランプ281a〜281lの他のLED6個(281g〜281l))に供給する。また、アドレスが03であるシリアル−パラレル変換IC613は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技枠11の右枠ランプのLED(本例ではLED6個(283a〜283f))に供給する。また、アドレスが04であるシリアル−パラレル変換IC614は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技枠11の左枠ランプのLED(本例ではLED6個(282a〜282f))に供給する。
また、アドレスが05であるシリアル−パラレル変換IC615は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、下皿ランプ(図示せず。本例ではLED4個)に供給する。また、アドレスが12であるシリアル−パラレル変換IC622は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、操作部81の押圧操作部811に設けられた第1押圧操作部ランプ82a〜第8押圧操作部ランプ82h(本例ではLED8個)に供給する。また、アドレスが13であるシリアル−パラレル変換IC623は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、操作部81の押圧操作部811に設けられた操作部中央ランプ82Aの赤色発光用の入力端子および青色発光用の入力端子と、操作部81の回転操作部812に設けられた第1回転操作部ランプ82i〜第4回転操作部ランプ82l(本例ではLED4個)とに供給する。
また、アドレスが06であるシリアル−パラレル変換IC616は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技盤6に設けられた各可動部材(本例では、梁およびトロッコの形状を模した役物)を駆動するためのモータ(本例ではモータ2個(151a,152a)のそれぞれ正方向と逆方向)に供給する。また、アドレスが07であるシリアル−パラレル変換IC617は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技盤6中央に設けられた装飾用構造物(センター飾り)の各ランプ(本例ではLED6個(125a〜125f))に供給する。また、アドレスが08であるシリアル−パラレル変換IC618は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、演出表示装置9の周囲に設けられた各ステージランプ(本例ではLED6個(126a〜126f))に供給する。また、アドレスが09であるシリアル−パラレル変換IC619は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、可動部材(本例では可変入賞球装置15)周辺に設けられたランプのLED(本例ではLED3個(127a〜127c))に供給する。
また、この実施の形態では、各入力IC620,621にも、予めアドレスが付与されている。図17は、各入力IC620,621に付与されるアドレスの例を示す説明図である。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、予めRAMに設けられた所定のアドレス記憶領域に、各入力IC620,621のアドレスを記憶している。この実施の形態では、図17に示すように、枠側IC基板605に搭載された入力IC620にはアドレス10が付与され、盤側IC基板601に搭載された入力IC621にはアドレス11が付与されている。
なお、各入力IC620,621に、アドレスとしては、ICの固有のIDと同じものを付与してもよく、ICの固有のIDとは異なる数字や文字、記号を含むアドレスを付与してもよい。
また、図17に示すように、アドレスが10である入力IC620は、遊技枠11に設けられた第1押圧検出器81a〜第4押圧検出器81dの検出信号をパラレルで入力し、シリアルデータに変換して出力する。また、アドレスが11である入力IC621は、遊技盤6の各可動部材に設けられた位置センサ151b,152b(本例では2)の検出信号をパラレルで入力し、シリアルデータに変換して出力する。
図18は、各シリアル−パラレル変換IC611〜619,622,623の構成を示すブロック図である。図18に示すように、シリアル−パラレル変換IC611〜619,622は、データラッチ部651、シフトレジスタ652、ヘッダ/アドレス検出部653、データバッファ655およびシンクドライバ656を含む。
データラッチ部651は、例えばラッチ回路によって構成され、シリアルデータが入力されると、クロック信号のパルスの立ち上がりのタイミングで入力データを1ビット毎にラッチし、シフトレジスタ652に出力する。シフトレジスタ652は、データラッチ部651から1ビットずつ入力されたデータを順に格納する。また、シフトレジスタ652は、クロック信号のパルスの立ち上がりのタイミングで、格納データを1ビットずつシフトする。そのように繰り返し格納データを1ビットずつシフトしていくことによって、最終的にシフトレジスタ652にシリアルデータとして(すなわち、シリアル方式で)入力したデータが格納されることになる。
図19は、演出制御用マイクロコンピュータ100から出力されるシリアルデータのフォーマットの例を示す説明図である。図19(A)は、遊技盤6や遊技枠11に設けられた各ランプのLEDを個別に点灯または消灯させるためのランプ点灯データとして出力されるシリアルデータのデータフォーマットである。また、図19(B)は、遊技盤6や遊技枠11に設けられた各ランプのLEDをリセットして全て消灯させるためのリセットコマンドとして出力されるシリアルデータのフォーマットである。
図19(A)に示すように、ランプ点灯データは、28ビットで構成され、9ビットのヘッダデータ、マークビット(M)、8ビットのアドレス、8ビットのデータおよびエンドビット(E)を含む。
ヘッダデータは、データの先頭を表すものであり、本例では1FF(h)である。マークビット(M)は、データの区切りを表すビット(本例では論理値0)であり、ヘッダデータとアドレスとの間、およびアドレスとデータとの間にそれぞれ挿入される。アドレスは、データ出力先のシリアル−パラレル変換ICのアドレスである。なお、アドレスとして、各シリアル−パラレル変換IC611〜619,622の固有の通し番号であるIDを用いてもよい。
データ(8ビット)は、各ランプのLEDの点灯状態を制御するためのものであり、例えば、点灯対象のランプのLEDに対応するビットとして論理値1を含み、非点灯対象のランプのLEDに対応するビットとして論理値0を含む。エンドビット(E)は、データの終了を示すものであり、本例では論理値0である。
図19(B)に示すように、リセットコマンドは、19ビットで構成され、9ビットのヘッダデータ、マークビット(M)、8ビットのリセットデータおよびエンドビット(E)を含む。
ヘッダデータは、データの先頭を表すものであり、本例では1FF(h)である。マークビット(M)は、データの区切りを表すビット(本例では論理値0)であり、ヘッダデータとリセットデータとの間に挿入される。リセットデータは、各ランプのLEDの点灯状態をリセットして全て消灯させるためのものであり、例えば、全て論路値1を含むデータである。エンドビット(E)は、データの終了を示すものであり、本例では論理値0である。
この実施の形態では、図19(A)に示すランプ点灯データまたは図19(B)に示すリセットコマンドが入力され、クロック信号のパルスの立ち上がりのタイミングで、ビット単位で繰り返しシフトされてシフトレジスタ652に格納されることになる。
ヘッダ/アドレス検出部653は、シフトレジスタ652の格納データからヘッダおよびアドレスを検出する。まず、ヘッダ/アドレス検出部653は、シフトレジスタ652からのデータを常時検出し、検出したデータの内容がヘッダデータに相当する1FF(h)と一致するか否かを確認する。ヘッダデータ(1FF(h))と一致すれば、そのヘッダデータと一致した箇所をデータの先頭と判断し、シフトレジスタ652に1セットのランプ点灯データまたはリセットコマンドが格納されたと判断する。次いで、ヘッダ/アドレス検出部653は、シフトレジスタ652からアドレスに相当する先頭から11ビット目〜18ビット目のデータを検出し、そのシリアル−パラレル変換ICに予め付与されたアドレスと一致するか否かを確認する。盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜605には、例えば、それぞれ搭載するシリアル−パラレル変換ICのアドレスを格納したアドレス格納レジスタ654が設けられており、ヘッダ/アドレス検出部653は、シフトレジスタ652から検出したアドレスが、予めアドレス格納レジスタ654に格納するアドレスと一致するか否かを確認すればよい。アドレスが一致すれば、ヘッダ/アドレス検出653は、そのシリアル−パラレル変換ICを宛先とするデータを入力したと判定し、入力取込信号(ラッチ信号)をデータバッファ655に出力する。アドレスが一致しなければ、ヘッダ/アドレス検出653は、入力取込信号をデータバッファ655に出力しない。すなわち、この場合、そのシリアル−パラレル変換ICを宛先とするデータではないので、シフトレジスタ652に格納したデータをデータバッファ655に出力することなく、そのまま破棄することになる。
なお、図18では、盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜605に予めアドレス格納レジスタ654が設けられている場合を示しているが、アドレス格納レジスタ654に代えて、シリアル−パラレル変換ICに設けられているアドレス端子(8端子(8ビットのアドレスの各ビットにそれぞれ対応する))を介して、外部のハードウェア回路(例えば、演出制御基板80が搭載する回路)からアドレスを入力するようにしてもよい。そして、外部のハードウェア回路側から、各アドレス端子の入力をHighレベル(以下、Hレベルと呼ぶ)またはLowレベル(以下、Lレベルと呼ぶ)に制御することによって、シリアル−パラレル変換ICにアドレスを入力してもよい。この場合、例えば、外部のハードウェア回路は、アドレスのいずれかのビットに対応する端子に電圧をかけることによってその端子に対する入力をHレベルとし、またはグランドにスイッチングすることによってその端子に対する入力をLレベルとするように制御する。
データバッファ655は、例えば、ラッチレジスタによって構成され、ヘッダ/アドレス検出部653から入力取込信号を入力すると、シフトレジスタ652からデータ部分に相当する先頭から20ビット目〜27ビット目のデータを取り込んでラッチする。そして、データバッファ655は、取り込んだデータをパラレルデータ(Q0〜Q7)として各ランプのLEDに供給(すなわち、出力)することになる。
なお、シフトレジスタ652が格納したデータがリセットコマンドであった場合には、先頭から11ビット目〜18ビット目が全て論理値1のデータを格納することになる。この場合、データバッファ655は全ての論理値が1であるデータを取り込んだ場合にはリセットコマンドを入力したと判断し、全てのランプのLEDがリセットされ消灯されるこ
とになる。
シンクドライバ656は、所定の論理反転設定信号に基づいて、データバッファ655が出力するパラレルデータの論理値を反転して出力したり、そのまま出力したりする。例えば、所定の論理反転設定信号がHighである場合には、データバッファ655が出力するパラレルデータのビット値が1である(すなわち、ランプ点灯データの対応するビット値が1)ときにオンとなり、各ランプのLEDにオン信号を出力する。この実施の形態では、予め論理反転設定信号の設定値が盤側IC基板601や各枠側IC基板602〜605に設けられたレジスタ等に設定されており、予め設定された設定値に従って各ランプのLEDにオン信号が出力され、各ランプのLEDが点灯するものとする。
図20は、シリアル−パラレル変換ICへのシリアルデータおよびクロック信号の入力タイミングと、パラレルデータの出力タイミングとの例を示すタイミング図である。なお、図20では、シリアルデータ方式としてランプ点灯データを入力する場合を説明する。図20に示すように、シリアルデータは、ヘッダデータ、マークビット、アドレス、マークビット、データ、エンドビットの順に、シリアル−パラレル変換ICのシフトレジスタ652に1ビット単位で入力される。そして、この一連のデータを1セットとする。1セットのシリアルデータ(本例ではランプ点灯データ)が全て入力され終わるまで、ヘッダ/アドレス検出部653ではヘッダデータが検出されないので、データバッファ655の出力は変化しない。そのため、シリアル−パラレル変換ICからは、前回受信したシリアルデータに基づく点灯パターンがそのままパラレルデータ方式として出力されている。
1セットのシリアルデータが全て入力され終わると、シフトレジスタ652の格納データからデータ部分がデータバッファ655にラッチされ、新たに受信したシリアルデータに基づく点灯パターンがパラレルデータ方式として出力される。なお、この実施の形態では、図20に示すように、シリアル−パラレル変換ICが出力するパラレルデータのうち、Q0,Q4は、シリアルデータ入力完了後の次のクロック信号のパルスの立ち上がりのタイミングで、直ちに新たな点灯パターンのデータに切り替わる。また、Q1,Q5は、Q0,Q4より1クロック分遅れて新たな点灯パターンのデータに切り替わる。また、Q2,Q6は、Q0,Q4より2クロック分遅れて新たな点灯パターンのデータに切り替わる。さらに、Q3,Q7は、Q0,Q4より3クロック分遅れて新たな点灯パターンのデータに切り替わる。
図21は、各入力IC620,621の構成を示すブロック図である。図21に示すように、この実施の形態では、各入力IC620,621は、複数(本例では8個)のDフリップフロップ661〜668によって構成される。この実施の形態では、第1押圧検出器81a〜第4押圧検出器81dおよび第1回転検出器81e〜第2回転検出器81fからの検出信号、または、各位置センサ151b,152bからの検出信号が各入力IC620,621にパラレルに入力され、検出信号ごとにいずれかのDフリップフロップ661〜668に入力される。また、各Dフリップフロップ661〜668にはクロック信号が入力され、各Dフリップフロップ661〜668は、クロックの立ち上がりで順次シフト動作を行なう。そして、パラレルに入力した検出信号をシリアルデータに変換して出力することになる。
各Dフリップフロップ661〜668には、演出制御用マイクロコンピュータ100から所定のタイミングで入力取込信号(ラッチ信号)が入力される。入力取込信号が入力されると、第1押圧検出器81a〜第4押圧検出器81dおよび第1回転検出器81e,第2回転検出器81f、または、各位置センサ151b,152bから検出信号が、各Dフリップフロップ661〜668にラッチされる。そして、ラッチされた検出信号は、クロックの立ち上がりで順次シフトされ、シリアルデータ方式として出力される。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100において、回転操作部812の回転方向および回転量(回転角度)を第1回転検出器81eおよび第2回転検出器81fの検出信号に基づいて検出する処理について説明する。
図22は、回転操作部812の回転操作時における第1回転検出器81eおよび第2回転検出器81fのそれぞれの検出信号を示すタイミングチャートである。図22においては、(a)に回転操作部812の右回転時におけるタイミングチャートが示されており、(b)に回転操作部812の左回転時におけるタイミングチャートが示されている。図中において「L」はLレベルを示し、「H」はHレベルを示している。また、図中において点線で示すタイミングは、第1回転検出器81eおよび第2回転検出器81fのそれぞれの検出信号において、前述のクリック位置となったタイミングを示している。
(a)に示すように、右回転時には、第1回転検出器81eの信号レベルおよび第2回転検出器81fの信号レベルは、「L,L」→「H,L」→「H,H」→「L,H」→「L,L」(「第1回転検出器81eの信号レベル,第2回転検出器81fの信号レベル」)というように、4回信号パターンが変化する。また、(b)に示すように、左回転時には、第1回転検出器81eの信号レベルおよび第2回転検出器81fの信号レベルは、「L,H」→「H,H」→「H,L」→「L,L」→「L,H」(「第1回転検出器81eの信号レベル,第2回転検出器81fの信号レベル」)というように、4回信号パターンが変化する。このように、右回転時と、左回転時とでは、第1回転検出器81eの信号レベルおよび第2回転検出器81fの信号レベルの変化のパターンが異なる。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、これらの検出信号がどのようなパターンで変化するかを判断する処理を行なうことにより、回転操作部812が左右のどちらの方向に回転操作されたかを判定する。
また、(a)に示すように、右回転時には、回転操作部812の回転操作にしたがってクリック位置が変化するときに、カバープレート815における突起部8150の突起8151がダイヤルベース816に連続的に形成された凹凸部において各クリック位置間の中間点にある各凸部の頂点を通過するときに、「H,H」→「L,H」という第1の変化パターンと、「L,L」→「H,L」という第2の変化パターンとの2種類の変化パターンのいずれかが生じる。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、右回転時にはこれら2種類の変化パターンが生じたときに、1クリック位置分だけ右方向に回転操作されたと判定する処理を行なう。このような判定を行なう理由は、前述のように、凹部間の凸部の頂点を突起8151が通過すると、逆方向へ回転操作しない限りその突起8151が次の凹部の底部へ誘導されるので、凹部間の凸部の頂点を突起8151が通過した時点で、1クリック分操作の回転操作が行なわれたものと判断することができるからである。ここで、クリック位置は、例えば、24箇所設けられており、1クリック位置分の回転操作は、回転中心回りの回転角度として15度分だけ回転操作したことになる。
一方、(b)に示すように、左回転時には、回転操作部812の回転操作にしたがってクリック位置が変化するときに、カバープレート815の突起8151がダイヤルベース816に連続的に形成された凹凸部において各クリック位置間の中間点にある各凸部の頂点を通過するときに、「H,H」→「L,H」という第1の変化パターンと、「L,L」→「H,L」という第2の変化パターンとのいずれかが生じる。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、左回転時にはこれら2種類の変化パターンが生じたときに、1クリック位置分だけ左方向に回転操作されたと判定する処理を行なう。このような判定を行なう理由は、右回転時の判定理由と同様の理由である。
なお、カバープレート815の突起8151がダイヤルベース816における各凹部の底部に入ったときの信号レベルの変化に基づいて、1クリック位置分だけ回転操作(左右の回転操作で同様)されたと判定するようにしてもよい。例えば、図22(a)の右回転時には、「H,L」→「L,L」という第1の変化パターンと、「H,L」→「H,H」という第2の変化パターンとの2種類の変化パターンのいずれかが生じるので、このような信号レベルの変化があったときに、1クリック位置分だけ右方向に回転操作されたと判定する。また、図22(b)の左回転時には、「L,L」→「L,H」という第1の変化パターンと、「H,H」→「H,L」という第2の変化パターンとの2種類の変化パターンのいずれかが生じるので、このような信号レベルの変化があったときに、1クリック位置分だけ左方向に回転操作されたと判定する。
図23は、演出制御用マイクロコンピュータ100が第1回転検出器81eおよび第2回転検出器81fのそれぞれの検出信号に基づいて回転方向および回転量を判定するために用いられる回転判定テーブルを表形式で示す図である。回転判定テーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶されており、回転方向および回転量を判定するために読出されて用いられる。
演出制御用マイクロコンピュータ100では、所定周期で第1回転検出器81eおよび第2回転検出器81fのそれぞれの検出信号のレベルを確認し、その確認をしたときにおいて、確認後に、今回確認した検出信号のレベルを示す今回判定データを前回判定データとしてRAMに記憶する。そして、新たに検出信号のレベルを確認するごとに、前回判定データを更新していく処理が行なわれる。このように前回判定データを記憶しておくと、前回判定データと今回判定データとの関係に基づいて、前述したような回転方向の判定および回転量の判定を行なうことができる。例えば、図23に示すように、前回判定データが「H,H」で今回判定データが「L,H」という変化パターンであるときには、回転方向が右回転で回転量が15度であると判定される。同様に、前回判定データが「L,L」で今回判定データが「H,L」という変化パターンであるときには、回転方向が右回転で回転量が15度であると判定される。また、前回判定データが「H,L」で今回判定データが「L,L」という変化パターンであるときには、回転方向が左回転で回転量が15度であると判定される。同様に、前回判定データが「L,H」で今回判定データが「H,H」という変化パターンであるときには、回転方向が左回転で回転量が15度であると判定される。
その他、前回判定データが「H,L」で今回判定データが「L,L」という変化パターン、前回判定データが「H,L」で今回判定データが「H,H」という変化パターン、前回判定データが「L,L」で今回判定データが「L,H」という変化パターン、および、前回判定データが「H,H」で今回判定データが「H,L」という変化パターンのそれぞれについては、前述したように、カバープレート815の突起8151がダイヤルベース816における各凹部の底部に入ったときの信号レベルの変化であるので、この実施の形態では、前述のような理由により、1クリック位置分だけの回転量、すなわち、回転量が15度であると判定しない。
次に、操作部81の操作が要求される時期と、操作部81の操作に応じて演出表示装置において行なわれる表示動作とについて説明する。図24は、演出モードが選択可能なときに演出表示装置9に表示される画像を示す表示画面図である。
このパチンコ遊技機1においては、演出表示装置9において行なわれる演出のうち、飾り図柄の背景画像を表示する演出モードを、予め定められた複数の演出モードから選択可能である。演出モードは、例えば、演出モードA(例えば山の演出モード)、演出モードB(例えば夜空の演出モード)、および、演出モードC(例えば海の演出モード)という3種類の演出モードが設けられている。パチンコ遊技機1の起動後(電源投入後)の初期状態において、演出モードは、例えば演出モードAのような3種類の演出モードのうち予め定められた1つの演出モードに選択されており、その後、以下に示すように、操作部81の操作に応じて、遊技者が希望する演出モードに選択する(選択を変更する)ことが可能となる。
図24において、(a)では、左,中,右の飾り図柄901,902,903が停止表示されており、その背景画像として演出モードAの背景画像が表示されている状態が示されている。そして、演出表示装置9において飾り図柄の変動表示が行なわれていないときにおいて、押圧操作部811により方向選択操作および決定操作のうちのいずれかの操作が行なわれたという条件が成立すると、(b)のように、演出モードの選択を受付ける旨を示す画像である演出モード選択受付画像が表示される。演出モード選択受付画像においては、演出モードの選択にあたり、どのように操作部81を操作するかを説明する操作案内表示が行なわれる。例えば、(b)では、回転操作部812を回転操作して演出モードの項目を選択し、押圧操作部811の中央部を押圧操作して演出モードを決定する旨を説明する表示が行なわれている。また、演出モード選択受付画像においては、飾り図柄901,902,903が表示画面における右下の領域で縮小表示されている。
演出モード選択受付画像が所定期間表示された後、(c)のように、選択可能な演出モードA〜演出モードCの3つの演出モードを示す画像が表示される。また、この場合、操作案内表示が演出表示装置9に表示されるとともに、操作部81において、操作部中央ランプ82Aが青色に発光することによって押圧操作部811上に「回せ!!」などの文字列が点灯表示され、遊技者に対して回転操作部812の操作を促す表示がなされる。このような画像表示や操作部表示がされているときに、回転操作部812を回転操作すると、その回転操作に応じて選択する演出モードの項目を変更することができる。例えば、(c)のように選択可能な演出モードはそれぞれの演出モードに対応するアイコン画像904〜906で表示され、現在選択されている演出モードに対応するアイコン画像((c)の場合は904、(d)の場合は905)が、特定の色(以下、選択色という)で表示されることにより、選択されていない演出モードに対応するアイコン画像との関係で識別可能となるように表示される。これにより、選択されている演出モードが特定される。このように、選択されている演出モードを特定する画像を演出モード選択画像という。このように回転操作部812が回転操作されると、(d)のように、その回転操作に応じて、選択色となるアイコン画像が順次変化し、選択する演出モードの項目を変更することができる。(c)の表示が行なわれる初期の段階では、現在選択されているアイコン画像が選択色とされ、その後、回転操作に応じて、選択色とされるアイコン画像が変更される。
なお、図24に示す例では、回転操作部812からの回転操作に応じて、各演出モードA〜Cを示すアイコン画像の選択色が順次変化する場合を示したが、演出モード選択画像の表示態様は図24に示したものに限られない。例えば、現在選択されている演出モードに対応するアイコン画像を常に一番上(図24(c)で示す演出モードAに対応するアイコン画像の位置)に表示するようにし、回転操作部812からの回転操作に応じて、各演出モードA〜Cを示すアイコン画像内に描かれている絵柄を回転移動させるようにしてもよい。例えば、図24(c)に示す演出モードAに対応するアイコン画像が選択され一番上に表示されている状態から、回転操作部812からの回転操作によって演出モードBを選択する状態に移行した場合、図24(d)において、一番上に表示されているアイコン画像内の絵柄を演出モードBを示す月と星の絵柄に変更表示して演出モードBが選択されている表示をするとともに、左下に表示されているアイコン画像内の絵柄を演出モードCを示す海の絵柄に変更表示し、右下に表示されているアイコン画像内の絵柄を演出モードAを示す山の絵柄に変更表示してもよい。
回転操作部812により左回転の回転操作が行なわれるときは、演出モードA→演出モードB→演出モードC→演出モードA・・・の順で回転操作にしたがって演出モードを選択する表示が行なわれる。また、右回転の回転操作が行なわれるときは、演出モードA→演出モードC→演出モードB→演出モードA・・・の順で回転操作にしたがって演出モードを選択する表示が行なわれる。また、回転操作部812による回転操作が行われると、操作部81において、操作部中央ランプ82Aが赤色に発光することによって押圧操作部811上に「押せ!!」などの文字列が点滅表示され、遊技者に対して押圧操作部811の操作を促す表示がなされる。
そして、押圧操作部811の中央部を押圧操作すると、その押圧操作に応じて、選択されている演出モードが、これから選択する演出モードとして決定され、(d)のように、選択されている演出モードが決定された旨を示すメッセージを表示する演出モード決定画像が表示される。その後、(e)のように、決定された演出モードに対応する、背景画像が表示される。また、演出モードが決定される前の段階で変動表示を開始する条件が成立したときには、演出モードが変更されずに、演出モード受付画像が表示される前に選択されていた演出モードが継続される。なお、演出モードが決定される前の段階で変動表示を開始する条件が成立したときには、そのときに演出モード選択画像で選択されている演出モードを新たな演出モードとして選択することを決定するようにしてもよい。
このような演出モードの選択が可能となる条件は、演出表示装置9において飾り図柄の変動表示が行なわれていないときにおいて、押圧操作部811により方向選択操作および決定操作のうちのいずれかの操作が行なわれたときに成立する。したがって、遊技者は、自らが好む時期に演出モードを変更する可能となることにより、演出モードを変更して気分を変えて遊技を継続することができるようになる。
このように、遊技者は、操作部81の操作に基づいて、複数種類の演出モードのうちから好みに応じて任意に演出モードを選択することが可能となるので、演出表示の自由度が増し、遊技の興趣を向上させることができる。
図25および図26のそれぞれは、チャンスリーチと呼ばれる特定種類のリーチとすることが決定されたときに、演出表示装置9に表示される画像を示す表示画面図である。図25には、リーチFの変動パターンでの変動表示が行なわれることによりリーチ表示態様においてスーパーリーチの演出表示が行なわれるときの画像が示され、図26にはリーチEの変動パターンでの変動表示が行なわれることによりリーチ表示態様においてスーパーリーチの演出表示が行なわれないときの画像が示されている。
このパチンコ遊技機1においては、演出表示装置9においてリーチ表示態様の演出表示(以下、リーチ演出表示という)が行なわれるときに、操作部81の操作に応じて演出表示が変化する動作表示が行なわれる。
図25および図26の(a)に示すように、中飾り図柄902が変動中において左飾り図柄901と右飾り図柄903とが同じ図柄で停止すると、リーチ状態となり、リーチ演出表示が行なわれる。前述のリーチEおよびリーチFのそれぞれにおいては、リーチ演出表示として、図25および図26の(b)のように、回転操作部812の回転操作を要求するリーチ時回転操作要求画像が表示される。リーチ時回転操作要求画像では、回転操作部812の回転操作に応じて所定の状況を示す画像が表示されればスーパーリーチとなる旨(「回転リングを操作してシュートしてください!シュートが決まればスーパーリーチ!」)を示すことにより、どのように操作部81を操作するかを説明する操作案内表示が行なわれる。また、この場合、操作部81において、操作部中央ランプ82Aが青色に発光することによって押圧操作部811上に「回せ!!」などの文字列が点灯表示され、遊技者に対して回転操作部812の操作を促す表示がなされる。
そして操作案内表示が所定期間行なわれた後、図25および図26の(c),(d)に示すようなエアホッケーのミニゲームを行なう画像が表示される。その画像が表示されているときに、回転操作部812を回転操作すると、その操作に応じて、図25および図26の(d)に示すように、パック907を打つ打撃道具としてのマレット908が動作する表示(例えば、回転操作部812の回転操作に応じてマレット908が所定の円周上で動作する表示)が行なわれ、その操作にしたがって、予め定められた時間(例えば15秒)内で遊技者側(マレット908のみが表示されている側)とパチンコ遊技機1側(キャラクタ909が表示されている側)とでエアホッケーゲームで対戦する形式のミニゲームが行なわれる。
ミニゲームにおいては、(c),(d)に示すように、ゲームの進行に応じて、対戦する両者の得点が表示される(図25の(c)および図26の(c),(d)においては遊技者側が0点でパチンコ遊技機1側が5点、図25の(d)においては遊技者側が1点でパチンコ遊技機1側が5点)とともに、ゲームの残り時間も表示される(図25の(c)および図26の(c)においては7秒、図25の(d)においては3秒、図26の(d)においては0秒)。このようなミニゲームにおいては、所定時間が経過するまでに遊技者側が得点をしたとき(例えば、図25の(d)のような1得点をしたとき)には、図25の(e)に示すようにスーパーリーチとなった旨が表示された後、(f)に示すように、押圧操作部811の押圧操作を要求するスーパーリーチ時押圧操作要求画像が表示される。リーチFでの変動パターンのときは、このようなミニゲームの状況およびスーパーリーチに関する表示が行なわれるように演出表示内容が予め定められており、図25の(e)のようなスーパーリーチの表示態様となったときに、スーパーリーチの演出表示をする条件が成立する。
一方、このようなミニゲームにおいては、所定時間が経過するまでに遊技者側が得点をしなかったとき(例えば、図26の(d)のようなとき)、または、所定時間が経過するまでにパチンコ遊技機1側が得点をしたとき(図示省略)に、図26の(e)に示すようにノーマルリーチとなった旨が表示された後、それ以降、ノーマルリーチとして与えられる演出表示が行なわれる。リーチEでの変動パターンのときは、このようなミニゲーム状況およびノーマルリーチに関する表示が行なわれるように、演出表示内容が予め定められている。
図25の(f)に示すようなスーパーリーチ時押圧操作要求画像では、押圧操作部811を押圧操作して所定の状況を示す画像を表示する旨(「ボタンを連打してパワーをためてください!」)を示すことにより、どのように操作部81の押圧操作部811を操作するかを説明する操作案内表示が行なわれる。また、この場合、操作部81において、操作部中央ランプ82Aが赤色に発光することによって押圧操作部811上に「押せ!!」などの文字列が点滅表示され、遊技者に対して押圧操作部811の操作を促す表示がなされる。
なお、スーパーリーチ時押圧操作要求画像を表示する場合に、回転操作部812を回転操作して所定の状況を示す画像を表示する旨(「ジョグダイヤルを回してパワーをためて下さい!」)を示すことにより、どのように操作部81の回転操作部812を操作するかを説明する操作案内表示を行うようにしてもよい。また、この場合、操作部81において、操作部中央ランプ82Aが青色に発光することによって押圧操作部811上に「回せ!!」などの文字列が点灯表示され、遊技者に対して回転操作部812の操作を促す表示がなされるようにしてもよい。
そして操作案内表示が所定期間行なわれた後、図25の(g)に示すように、押圧操作部811の押圧操作回数の増加に応じて、棒グラフ形式で表示されるパワーの値が増加する表示であるチャンス表示が行なわれる。その後、予め定められた期間が経過すると、図25の(h),(i)に示すように、貯まっているパワーに応じて、中飾り図柄の停止図柄を決める演出表示が行なわれる。そして、大当りとすることが決定されているときには、図25の(j)のように大当り表示結果が表示され、一方、はずれとすることが決定されているときには、はずれ表示結果が表示される。図25の(h),(i)に示すような、貯まっているパワーに応じて表示される中飾り図柄の停止図柄を決める演出表示の画像は、貯まっているパワーが多い程、大当り表示結果となることを連想させるような画像にすることが望ましい。
このように、遊技者は、操作部81の操作に基づいて、リーチ表示態様のような演出表示の進行に関与することが可能となるので、遊技の演出態様が多様化し、遊技の興趣を向上させることができる。
図27は、キャラクタ選択リーチと呼ばれる所定種類のリーチとすることが決定されたときに、演出表示装置9に表示される画像を示す表示画面図である。
(a)に示すように、リーチ状態となった後、リーチ演出表示として、(b)のように、所定時間(例えば10秒)内にキャラクタを選択するために押圧操作部811の方向選択操作を要求するリーチ時方向選択操作要求画像が表示される。リーチ時方向選択操作要求画像では、キャラクタの選択にあたり、どのように操作部81を操作するかを説明する操作案内表示が行なわれる。例えば、(b)では、所定時間内に押圧操作部811により方向選択操作をしてキャラクタの項目を選択する旨を説明する表示が行なわれている。また、リーチ時方向選択操作要求画像においては、飾り図柄901,902,903が表示画面における右上の領域で縮小表示されている。また、キャラクタを選択可能な時間の残り時間が表示画面における右下の領域で表示される。
リーチ時方向選択操作要求画像においては、選択可能なキャラクタA〜キャラクタDの4つのキャラクタを示す画像が表示される。また、この場合、操作部81において、第1押圧操作部ランプ81a〜第4押圧操作部ランプ81dを発光させ、遊技者に対して押圧操作部811による選択操作を促す表示がなされる。このような画像表示や操作部表示がされているときに、押圧操作部811により方向選択操作をすると、その方向選択操作に応じて、選択するキャラクタの項目を変更することができる。例えば、(b)のように選択可能なキャラクタはそれぞれのキャラクタに対応するアイコン画像910〜913で表示され、現在選択されているキャラクタに対応するアイコン画像((b)の場合は910、(c)の場合は913)が、特定の色(以下、選択色という)で表示されることにより、選択されていない演出モードに対応するアイコン画像との関係で識別可能となるように表示される。これにより、選択されているキャラクタが特定される。このように、選択されているキャラクタを特定する画像をキャラクタ選択画像という。
なお、図27(b)に示すリーチ時方向選択操作要求画像を表示しているときに、例えば、押圧操作部811において「選べ!!」などの文字列を点滅または点灯させるようにしてもよい。この場合、例えば、押圧操作部811の表示部材811Aに赤色塗料および青色塗料とは異なる色の塗料(例えば、緑色塗料)で「選べ!!」などの文字列が印刷されていてもよい。そして、例えば、マルチカラーLEDである操作部中央ランプ82Aを緑色で点滅または点灯させる(緑色の単色LEDを点滅または点灯させてもよい)ことによって、押圧操作部811において「選べ!!」などの文字列を点滅または点灯させてもよい。
押圧操作部811により方向選択操作がされると、(c)のように、その方向選択操作に応じて、選択色となるアイコン画像が順次変化し、選択するキャラクタの項目を変更することができる。そして、所定の時間が経過すると、その経過時に選択されているキャラクタが、これから選択するキャラクタとして決定され、(c)のように、選択されているキャラクタが決定された旨を示すメッセージを表示するキャラクタ選択決定画像が表示される。その後、(d)のように、決定されたキャラクタCがリーチ演出表示において表示される。
このように、遊技者は、操作部81の操作に基づいて、複数種類のキャラクタのうちから好みに応じて任意にキャラクタを選択することが可能となるので、演出表示の自由度が増し、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。図28は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化等)を行なった後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15,S44,S45を含む。)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行なわれたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行なう(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行なう。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行なう。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびステップS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグ等)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分等である。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行なう(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値または予め決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびステップS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグ等制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行なう。
さらに、CPU56は、異常報知禁止フラグをセットするとともに(ステップS44)、禁止期間タイマに禁止期間値に相当する値を設定する(ステップS45)。禁止期間値は、後述する異常入賞の報知を禁止する期間を示す値である。また、異常報知禁止フラグは、異常入賞の報知が禁止されていることを示すフラグであり、禁止期間タイマがタイムアウトするまでセット状態に維持される。よって、演出表示装置9において初期化報知が開始されてから所定期間は、異常入賞の報知の開始が禁止される。
また、CPU56は、乱数回路を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路にランダムRの値を更新させるための設定を行なう。また、乱数回路設定処理では、CPU56は、乱数回路の状態を確認する乱数回路確認処理も実行する。乱数回路確認処理では、CPU56は、乱数回路が出力する乱数確認信号を所定時間監視する。乱数確認信号は、乱数回路が内蔵するクロック信号発生回路が内部クロック信号を正常に出力している場合にはオン状態であり、そうでなければ(例えば、内部クロック信号のレベルが低下した場合には)オフ状態になる。CPU56は、所定時間継続して乱数確認信号のオフ状態を検出した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560が内蔵する乱数回路に異常が発生したと判定し、主基板31の乱数回路エラーを報知することを指定する乱数回路エラー指定コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する。所定時間継続して乱数確認信号のオフ状態を検出しなければ、CPU56は、乱数回路が正常に動作していると判定して、そのままステップS15に移行する。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取り得る値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図29に示すステップS20〜S36のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS34,S35で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、CPU56は、正規の時期以外の時期において大入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合に異常入賞の報知を行なわせるための処理を行なう(ステップS23:異常入賞報知処理)。
次に、遊技制御に用いられる大当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:ステップS24)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS25,S26)。
図30は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:特別図柄のはずれ図柄(停止図柄)を決定する(はずれ図柄決定用)
(2)ランダム2:大当りを発生させるときの特別図柄の停止図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(3)ランダム3:特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
(4)ランダム4:普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5:ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
図29に示された遊技制御処理におけるステップS24では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(2)の大当り図柄決定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行なう。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(5)の乱数以外の乱数も用いるようにしてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(乱数回路)が生成する乱数であるが、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560によってプログラムに基づいて生成されるソフトウェア乱数を用いてもよい。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(ステップS27)。特別図柄プロセス処理では、特別図柄表示器8および大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:ステップS29)。なお、この実施の形態では、ステップS29において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御コマンドを構成するMODEデータまたはEXTデータ(送信先のシリアル−パラレル変換IC611〜619,622,623のアドレスが付加されたMODEデータまたはEXTデータ)に、ヘッダデータやマークビット、エンドビットを付加して送信制御を行なう。そして、演出制御コマンドは、シリアル出力回路78によってシリアルデータに変換され、中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(ステップS30)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。また、賞球処理では賞球エラーが発生したか否かの判定処理も行なわれる。例えば、賞球個数の設定値と実際の払出数とに食い違いが生じた場合に、CPU56は、賞球エラーが発生したと判定し、演出制御基板80が搭載する演出制御用マイクロコンピュータ100に、賞球エラーの発生を報知することを指定する賞球エラー報知指定コマンドを送信する制御を行なう。
また、CPU56は、満タンスイッチや球切れスイッチ、ドア開放センサ155の検出信号に基づくエラー検出処理を実行する(ステップS32)。具体的には、満タンスイッチの検出信号に応じて、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100に、満タンエラーが発生したことを報知することを指定する満タンエラー報知指定コマンドを送信する。また、球切れスイッチの検出信号に応じて、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100に、球切れエラーが発生したことを報知することを指定する球切れエラー報知指定コマンドを送信する。ドア開放センサ155の検出信号に応じて、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100に、ドア開放エラーが発生したことを報知することを指定するドア開放エラー報知指定コマンドを送信する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS33:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(ステップS34)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(ステップS35)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS36)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S35(ステップS30を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図31は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブル(図31(A)参照)と、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブル(図31(B)参照)とがある。図31(A),(B)の左欄に記載されている数値が大当り判定値である。CPU56は、ランダムRの値がいずれかの大当り判定値と一致すると、大当りとすることに決定する。CPU56は、所定の時期に、乱数回路のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図30に示す大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(確変大当りまたは通常大当り)とすることに決定する。
確変大当りとは、大当り遊技後の遊技状態を、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態に移行させるような大当りである。通常大当りとは、大当り遊技後の遊技状態を確変状態ではない状態に移行させるような大当りである。なお、確変大当りおよび通常大当りの場合には、ラウンド数は、小当りおよび突然確変大当りの場合よりも多く、例えば15ラウンドである。
小当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が2回まで許容される大当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態が確変状態に移行することはない。突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が2回まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、ラウンド数が同じである。
なお、突然確変大当りの大当り遊技では、ラウンド数は、通常大当りおよび確変大当りの場合よりも少なく、かつ、各ラウンドの大入賞口開放許容時間(例えば、通常大当りおよび確変大当りの場合の29秒に対して、0.5秒)は通常大当りおよび確変大当りの場合よりも短いが、ラウンド数のみを少なくしたり、大入賞口開放許容時間のみを短くするようにしてもよい。
図32は、この実施の形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。後述するように、この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。
図32において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「変動時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の変動表示期間)を示す。
「通常変動」は、リーチ態様を伴わない変動パターンである。「通常変動・短縮」は、リーチ態様を伴わない変動パターンであり、かつ、変動時間が「通常変動」よりも短い変動パターンである。「ノーマルリーチ」は、リーチ態様を伴うが表示結果(停止図柄)が大当り図柄にならない変動パターンである。「リーチA」は、「ノーマルリーチ」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。リーチ態様が異なるとは、リーチ変動時間(リーチ演出が行なわれる期間)で演出表示装置9において異なった態様の変動態様(速度や回転方向等)やキャラクタ画像等が現れたり、演出表示装置9における背景図柄が異なることをいう。例えば、「ノーマルリーチ」では単に1種類の変動態様によってリーチ態様が実現されるのに対して、「リーチA」では、変動速度や変動方向が異なる複数の変動態様を含むリーチ態様が実現される。また、「リーチA・短縮」は、「リーチA」に類似したリーチ態様を持つ変動パターンであるが、リーチ変動時間は、「リーチA」に比べて短い。「リーチA・延長」は、「リーチA」に類似したリーチ態様を持つ変動パターンであるが、リーチ変動時間は、「リーチA」に比べて長い。
「リーチB」は、「ノーマルリーチ」および「リーチA」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。また、「リーチB・短縮」は、「リーチB」に類似したリーチ態様を持つ変動パターンであるが、リーチ変動時間は、「リーチB」に比べて短い。「リーチB・延長」は、「リーチB」に類似したリーチ態様を持つ変動パターンであるが、リーチ変動時間は、「リーチB」に比べて長い。「リーチC」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」および「リーチB」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。「リーチC・短縮」は、「リーチC」に類似したリーチ態様を持つ変動パターンであるが、リーチ変動時間は、「リーチC」に比べて短い。
また、「スーパーリーチA」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」、「リーチB」および「リーチC」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンであり、例えば動画像によるリーチ態様を持つ変動パターンである。「スーパーリーチB」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」、「リーチB」、「リーチC」および「スーパーリーチA」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンであり、例えば動画像によるリーチ態様を持つ変動パターンである。「リーチA・突確」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」、「リーチB」、「リーチC」、「スーパーリーチA」および「スーパーリーチB」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。なお、「リーチA・突確」のリーチ態様は、「リーチA」に類似するリーチ態様である。
また、「リーチD」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」、「リーチB」、「リーチC」、「スーパーリーチA」、「スーパーリーチB」および「リーチA・突確」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンであり、前述したようなキャラクタ選択リーチによるリーチ態様を持つ変動パターンである。また、「リーチE」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」、「リーチB」、「リーチC」、「スーパーリーチA」、「スーパーリーチB」、「リーチA・突確」および「リーチD」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンであり、前述したようなチャンスリーチのうちのスーパーリーチとならないときのリーチ態様を持つ変動パターンである。また、「リーチF」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」、「リーチB」、「リーチC」、「スーパーリーチA」、「スーパーリーチB」、「リーチA・突確」、「リーチD」および「リーチE」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンであり、前述したようなチャンスリーチのうちのスーパーリーチとなるときのリーチ態様を持つ変動パターンである。
この実施の形態では、通常大当りの場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、「リーチA・短縮」、「リーチA」、「リーチB・短縮」、「リーチB」、「リーチC・短縮」、「リーチC」、「スーパーリーチA」、「スーパーリーチB」、「リーチD」または「リーチE」を選択する。また、確変大当りの場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、「リーチA・延長」、「リーチB・延長」、「リーチC・短縮」、「リーチC」、「スーパーリーチA」、「スーパーリーチB」または「リーチE」を選択する。突然確変大当りの場合には、「リーチA・突確」を選択する。
また、図32に示すように、通常大当りの場合にのみ選択される変動パターンと、確変大当りの場合にのみ選択される変動パターンと、通常大当りのときにも確変大当りのときにも選択され得る変動パターンとがある。
また、時短状態では、「通常変動・短縮」、「リーチA・短縮」、「リーチB・短縮」、および「リーチC・短縮」の変動パターンが選択される。非時短状態では、それ以外の変動パターンが選択される。ただし、「リーチA・突確」の変動パターンは、時短状態でも非時短状態でも使用される。
なお、この実施の形態では、大当りが発生し、大当り遊技が終了すると、その後、100回の特別図柄の変動(変動表示)の実行が完了するまで、遊技状態は時短状態になる。また、変動表示が終了すると大当り遊技が開始されるときの特別図柄の変動表示を開始するときに、確変状態にすることに決定された場合には、大当り遊技が終了すると遊技状態が確変状態に移行される。なお、そのときの遊技状態が確変状態であれば、確変状態が継続することになる。
確変状態に移行されたら、その後、100回の特別図柄の変動(変動表示)の実行が完了するまでは、確変状態かつ時短状態である。また、大当り遊技が終了した後の非確変状態において、100回の特別図柄の変動(変動表示)の実行が完了すると遊技状態は通常状態(確変状態でなく、かつ、時短状態でない遊技状態)に移行する。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対する制御コマンドの送出方式について説明する。この実施の形態では、演出制御コマンドは、シリアル出力回路78によってパラレルデータからシリアルデータに変換され、主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図33は、シリアルデータ方式として送信される演出制御コマンドのフォーマットの例を示す説明図である。図33に示すように、演出制御コマンドを送信する際、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的にはCPU56)は、まず、MODEデータ(アドレスが付加されたMODEデータ)にヘッダデータやマークビット、エンドビットを付加して送信制御を行なう。すると、シリアル出力回路78は、ヘッダデータやアドレス、マークビット、エンドビットが付加されたMODEデータをシリアルデータに変換して、中継基板77を介して演出制御基板80に送信する。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、EXTデータ(アドレスが付加されたEXTデータ)にヘッダデータやマークビット、エンドビットを付加して送信制御を行なう。すると、シリアル出力回路78
は、ヘッダデータやアドレス、マークビット、エンドビットが付加されたEXTデータをシリアルデータに変換して、中継基板77を介して演出制御基板80に送信する。
図34は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図34に示す例において、コマンド8001(H)〜8012(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8001(H)〜8012(H)のいずれかを受信すると、演出表示装置9において飾り図柄の変動表示を開始するように制御する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動表示と飾り図柄の変動表示とは同期(変動表示開始時期および変動表示終了時期が同じ。)しているので、飾り図柄の変動パターン(変動時間)を決定することは、特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定することも意味する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、および大当り遊技の種類を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて飾り図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果特定コマンドという。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。なお、導出表示とは、図柄を最終的に停止表示させることである。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。また、コマンド9F55(H)は、メイン処理における乱数回路確認処理において乱数回路の異常発生を検出した場合に、主基板31の乱数回路エラーを報知することを指定する演出制御コマンド(乱数回路エラー指定コマンド)である。
コマンドA001〜A004(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定〜大当り開始指定4指定コマンドがある。コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、非確変大当り(通常大当り)であったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。
コマンドD001(H)は、異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(異常入賞報知指定コマンド)である。
コマンドFF02(H)は、下皿(余剰球受皿4)が満タン状態になった場合(すなわち、満タンスイッチがオン状態になった場合)に、満タンエラーが発生したことを報知することを指定する演出制御コマンド(満タンエラー報知指定コマンド)である。また、コマンドFF01(H)は、下皿の満タン状態が解除された場合(すなわち、満タンスイッチがオフ状態になった場合)に、満タンエラーの報知を解除することを指定する演出制御コマンド(満タンエラー解除指定コマンド)である。
コマンドFF04(H)は、遊技枠11が開放状態になった場合(すなわち、ドア開放センサ155の検出信号を検出した場合)に、ドア開放エラーが発生したことを報知することを指定する演出制御コマンド(ドア開放エラー報知指定コマンド)である。また、コマンドFF03(H)は、遊技枠11の開放状態が解除された場合に、ドア開放エラーの報知を解除することを指定する演出制御コマンド(ドア開放エラー解除指定コマンド)である。
コマンドFF06(H)は、球切れ状態になった場合(すなわち、球切れスイッチがオン状態になった場合)に、球切れエラーが発生したことを報知することを指定する演出制御コマンド(球切れエラー報知指定コマンド)である。また、コマンドFF05(H)は、球切れ状態が解除された場合に、球切れエラーの報知を解除することを指定する演出制御コマンド(球切れエラー解除指定コマンド)である。
コマンドFF08(H)は、賞球エラーが発生した場合に、賞球エラーが発生したことを報知することを指定する演出制御コマンド(賞球エラー報知指定コマンド)である。また、コマンドFF07(H)は、賞球エラーが解除された場合に、賞球エラーの報知を解除することを指定する演出制御コマンド(賞球エラー解除指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図34に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
図35は、演出制御コマンドの送信タイミングの一例を示す説明図である。図35に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動開始時に、変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンドを送信する。そして、変動表示時間が経過すると、図柄確定指定コマンドを送信する。
なお、変動パターンコマンドを送信する前に、遊技状態(例えば、通常状態/時短状態/確変状態)に応じた演出表示装置9における背景画像を指定する背景指定コマンドを送信するようにしてもよい。また、表示結果特定コマンドに続いて保留記憶数を示す演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
図36および図37は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS27)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8および大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行なう。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、保留記憶数(始動入賞記憶数)を確認する。保留記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。保留記憶数が0でない場合には、大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に対応した値(この例では1)に更新する。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。特別図柄の変動表示後の停止図柄を決定する。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(変動表示時間:変動表示を開始してから表示結果が導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果特定コマンドを送信する制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマを時間経過に応じて減算更新していき、その変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。特別図柄表示器8における変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、大当りフラグがセットされ、かつ、小当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。確変大当りフラグまたは突然確変大当フラグがセットされている場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、確変大当りフラグおよび突然確変大当フラグがセットされていない場合には大当り終了1指定コマンドを送信する等、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。また、確変大当りフラグまたは突然確変大当フラグがセットされている場合は、セットされているフラグ(確変大当りフラグまたは突然確変大当フラグ)をリセットし、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる処理を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。小当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。大当り終了1指定コマンドを送信する等、小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図38は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、保留記憶数が上限値である4になっているか否か確認する(ステップS211)。保留記憶数が4になっている場合には、処理を終了する。
保留記憶数が4になっていない場合には、保留記憶数を示す保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS212)。また、CPU56は、ソフトウェア乱数(大当り図柄決定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)およびランダムR(大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS213)。ステップS213では、CPU56は、ソフトウェア乱数としてランダム1〜3(図30参照)の値を抽出し、乱数回路のカウント値を読出すことによってランダムRを抽出する。また、保留記憶バッファにおいて、保存領域は、保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、大当り図柄決定用乱数等を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
図39および図40は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。保留記憶数が0であれば処理を終了する。
保留記憶数が0でなければ、CPU56は、RAM55の保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS52)。そして、保留記憶数の値を1減らし(保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS53)。すなわち、RAM55の保留記憶数バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読出し(ステップS61)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS62)。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図31参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当り(通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当り)または小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。
なお、CPU56は、遊技状態が確変状態であるときには、図31(B)に示すような大当り判定値が設定されているテーブルにおける大当り判定値を使用し、遊技状態が通常状態(非確変状態)であるときには、図31(A)に示すような大当り判定値が設定されているテーブルにおける大当り判定値を使用する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS63)、ステップS81に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器8における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
大当りとしないことに決定した場合には、CPU56は、乱数バッファ領域からはずれ図柄決定用乱数を読出し(ステップS64)、はずれ図柄決定用乱数に基づいて停止図柄を決定する(ステップS65)。この場合には、はずれ図柄(例えば、偶数図柄のいずれか)を決定する。
さらに、時短状態であることを示す時短フラグがセットされている場合には(ステップS66)、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS67)。そして、時短回数カウンタの値が0になった場合には、変動表示が終了したとき
に遊技状態を非時短状態に移行させるために時短終了フラグをセットする(ステップS68,S69)。そして、ステップS90に移行する。
ステップS81では、CPU56は、大当りフラグをセットする。そして、乱数バッファ領域から大当り図柄決定用乱数を読出し(ステップS82)、大当り図柄決定用乱数に基づいて停止図柄としての大当り図柄(例えば、奇数図柄のいずれか)を決定する(ステップS83)。なお、ここでは、確変大当りと通常大当りとを区別せずに停止図柄を決定する。
次いで、CPU56は、確変大当りとすることに決定されている場合には、確変大当りフラグをセットする(ステップS84,S85)。また、突然確変大当りとすることに決定されている場合には、突然確変大当りフラグをセットする(ステップS86,S87)。また、小当りとすることに決定されている場合には、小当りフラグをセットする(ステップS88,S89)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS90)。なお、確変大当りフラグまたは突然確変大当りフラグがセットされた場合には、大当り遊技が終了したときに遊技状態が確変状態に移行される。
なお、この実施の形態では、大当り判定用乱数に基づいて、大当りとするか否かと大当りの種類とを決定するようにしているが(図31参照)、大当り判定用乱数に基づいて大当りとするか否かを決定し、大当りとすることに決定された場合に大当り図柄決定用乱数に基づいて所定の大当り図柄(予め決められている確変大当り図柄や突然確変大当り図柄)が決定されたときに確変状態に制御するようにしてもよい。
図41は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、乱数バッファ領域から変動パターン決定用乱数を読出す(ステップS100)。そして、変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターンを決定する(ステップS101)。
ここで、遊技状態が非時短状態であって、はずれとすることに決定されている場合には、「通常変動」、「ノーマルリーチ」、「リーチD」または「リーチE」を選択する(図32参照)。遊技状態が非時短状態であって、大当りとすることに決定されている場合には、「リーチA」、「リーチA・延長」、「リーチB」、「リーチB・延長」、「リーチC」、「スーパーリーチA」、「スーパーリーチB」、「リーチA・突確」、「リーチD」、「リーチE」または「リーチF」を選択する(図32参照)。大当りのうち確変大当りとすることに決定されている場合に、「リーチA・延長」、「リーチB・延長」、「リーチC」、「スーパーリーチA」、「スーパーリーチB」または「リーチF」を選択する。また、突然確変大当りとすることに決定されている場合に、「リーチA・突確」を選択する。大当りのうち通常大当り(小当りとすることに決定されている場合を含む。)とすることに決定されている場合(小当りとすることに決定されている場合を含む。)には、「リーチA」、「リーチB」、「リーチC」、「スーパーリーチA」、「リーチD」、「リーチE」または「リーチF」を選択する。
遊技状態が時短状態であって、はずれとすることに決定されている場合には、「通常変動・短縮」を選択する(図32参照)。遊技状態が時短状態であって、大当りとすることに決定されている場合には、「リーチA・短縮」、「リーチB・短縮」、「リーチC・短縮」または「リーチA・突確」を選択する(図32参照)。大当りのうち確変大当りとすることに決定されている場合に、「リーチC・短縮」を選択する。突然確変大当りとすることに決定されている場合に、「リーチA・突確」を選択する。大当りのうち通常大当りとすることに決定されている場合(小当りとすることに決定されている場合を含む。)には、「リーチA・短縮」、「リーチB・短縮」または「リーチC・短縮」を選択する。
以上のような選択を容易にするために、遊技状態(時短状態か否か)と大当りとするか否かの決定結果(はずれ、および大当りの種類のそれぞれ)とに応じた変動パターンテーブルを用いる。変動パターンテーブルは、ROM54に記憶されるが、遊技状態と大当りとするか否かの決定結果とに応じて用意される。それぞれの変動パターンテーブルには、選択され得る変動パターンを示すデータと、それに対応する数値とが設定される。そして、CPU56は、遊技状態と大当りとするか否かの決定結果とに応じて、変動パターンテーブルを選択し、選択した変動パターンテーブルにおいて、変動パターン決定用乱数の値と一致する数値に対応する変動パターンを選択する。よって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、既に決定されている大当りとするか否か、および確変大当りとするか否かに応じて、変動パターンを選択することになる。
そして、CPU56は、ステップS101で選択した変動パターンに応じた変動パターンコマンド(図32参照)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(ステップS103)。具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において演出制御コマンドを送信する。
また、特別図柄の変動を開始する(ステップS104)。例えば、ステップS34の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間(図32参照)に応じた値を設定する(ステップS105)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS106)。
図42は、表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果特定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類(小当りを含む。)に応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図34参照)を送信する制御を行なう。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグ(小当りに決定されている場合にもセットされている。)がセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行なう(ステップS111)。大当りフラグがセットされている場合、確変大当りフラグがセットされているときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行なう(ステップS112,S113)。突然確変大当りフラグがセットされているときには、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行なう(ステップS114,S115)。小当りフラグがセットされているときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行なう(ステップS116,S117)。確変大当りフラグ、突然確変大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていないときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行なう(ステップS118)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS119)。
図43は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS34の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、特別図柄表示器8に停止図柄を導出表示する制御を行なう(ステップS131)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行なう(ステップS132)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、ステップS146に移行する(ステップS133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、大当り開始指定コマンドを送信する制御を行なう(ステップS135)。具体的には、確変大当りフラグがセットされている場合には大当り開始3指定コマンドを送信し、突然確変大当りフラグがセットされている場合には大当り開始4指定コマンドを送信し、小当りフラグがセットされている場合には大当り開始2指定コマンドを送信し、そうでない場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS136)。そして、小当りフラグがセットされている場合には、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS137,S138)。小当りフラグがセットされていない場合には、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS139)。なお、小当りフラグがセットされていない場合とは、通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りに決定されている場合である。
ステップS146では、CPU56は、時短終了フラグがセットされているか否か確認する。時短終了フラグがセットされていない場合には、ステップS149に移行する。時短終了フラグがセットされている場合には、時短終了フラグをリセットし(ステップS147)、遊技状態が時短状態であることを示す時短フラグをリセットする(ステップS148)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS149)。
なお、時短終了フラグは、特別図柄通常処理におけるステップS69でセットされている。また、時短フラグがリセットされることによって、遊技状態は非時短状態に移行する。この段階で遊技状態が確変状態であれば、遊技状態は、非時短状態の確変状態になる。また、非確変状態であれば、通常状態(確変状態でなく、かつ、時短状態でない状態)に移行する。
大入賞口開放前処理では、CPU56は、大当り表示時間タイマが設定されている場合には、大当り表示時間タイマがタイムアウトしたら、大入賞口を開放する制御を行なうとともに、大入賞口開放時間タイマに開放時間(例えば、通常大当りおよび確変大当りの場合には29秒。突然確変大当りの場合には0.5秒)に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS306)に対応した値に更新する。なお、大当り表示時間タイマが設定されている場合とは、第1ラウンドの開始前の場合である。インターバルタイマ(ラウンド間のインターバル時間を決めるためのタイマ)が設定されている場合には、インターバルタイマがタイムアウトしたら、大入賞口を開放する制御を行なうとともに、大入賞口開放時間タイマに開放時間(例えば、通常大当りおよび確変大当りの場合には29秒。突然確変大当りの場合には0.5秒)に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS306)に対応した値に更新する。
大入賞口開放中処理では、CPU56は、大入賞口開放時間タイマがタイムアウトするか、または大入賞口への入賞球数が所定数(例えば10個)に達したら、最終ラウンドが終了していない場合には、大入賞口を閉鎖する制御を行なうとともに、インターバルタイマにインターバル時間に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了した場合には、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS307)に対応した値に更新する。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。
図44は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(ステップS701)。
そして、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を実行する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、操作部81における押圧操作部811および回転操作部812のそれぞれの操作を検出するための操作検出処理を実行する(操作検出処理:ステップS704a)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。また、所定の乱数(例えば、停止図柄を決定するための乱数)を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。また、演出表示装置9等の演出装置を用いて報知を行なう報知制御プロセス処理を実行する(ステップS707)。さらに、コマンド解析処理や演出制御プロセス処理、報知制御プロセス処理でセットされたデータをシリアル出力回路353に出力したり、各入力IC620,621から受信したデータをシリアル入力回路354から読み込むシリアル入出力処理を実行する(ステップS708)。そして、操作部81における押圧操作部811および回転操作部812の故障を検出する操作部故障判定処理を実行する(ステップS709)。その後、ステップS702に移行する。
図45は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号に基づく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドを順次読出し(2バイト、すなわち1コマンドずつ読出し)、読出した演出制御コマンドがどのコマンド(図34参照)であるのか解析する。
図46〜図48は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読出す(ステップS612)。なお、読出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果特定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、その表示結果特定コマンドを、RAMに形成されている表示結果特定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。そして、表示結果特定コマンド受信フラグをセットする(ステップS619)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1〜4指定コマンドのいずれかであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行なう(ステップS632A)。初期画面には、予め決められている演出図柄の初期表示が含まれる。また、初期報知フラグをセットし(ステップS632B)、RAMクリアフラグをセットする(ステップS632C)。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、予め決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行なう(ステップS634)とともに、初期報知フラグをセットする(ステップS635)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了1指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。受信した演出制御コマンドが大当り終了2指定コマンドであれば(ステップS643)、演出制御用CPU101は、大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS644)。
受信した演出制御コマンドが異常入賞報知指定コマンドであれば(ステップS645)、演出制御用CPU101は、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS646)。
受信した演出制御コマンドが乱数回路エラー指定コマンドであれば(ステップS647)、演出制御用CPU101は、乱数回路エラーフラグをセットする(ステップS648)。
受信した演出制御コマンドが満タンエラー解除指定コマンドであれば(ステップS649)、演出制御用CPU101は、後述するステップS652でセットされた満タンエラー報知フラグをリセットするとともに、エラー報知解除フラグをセットする(ステップS650)。
受信した演出制御コマンドが満タンエラー報知指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、満タンエラー報知フラグをセットする(ステップS652)。
受信した演出制御コマンドがドア開放エラー解除指定コマンドであれば(ステップS653)、演出制御用CPU101は、後述するステップS656でセットされたドア開放エラー報知フラグをリセットするとともに、エラー報知解除フラグをセットする(ステップS654)。
受信した演出制御コマンドがドア開放エラー報知指定コマンドであれば(ステップS655)、演出制御用CPU101は、ドア開放エラー報知フラグをセットする(ステップS656)。
受信した演出制御コマンドが球切れエラー解除指定コマンドであれば(ステップS657)、演出制御用CPU101は、後述するステップS660でセットされた球切れエラー報知フラグをリセットするとともに、エラー報知解除フラグをセットする(ステップS658)。
受信した演出制御コマンドが球切れエラー報知指定コマンドであれば(ステップS659)、演出制御用CPU101は、球切れエラー報知フラグをセットする(ステップS660)。
受信した演出制御コマンドが賞球エラー解除指定コマンドであれば(ステップS661)、演出制御用CPU101は、後述するステップS664でセットされた賞球エラー報知フラグをリセットするとともに、エラー報知解除フラグをセットする(ステップS662)。
受信した演出制御コマンドが賞球エラー報知指定コマンドであれば(ステップS663)、演出制御用CPU101は、賞球エラー報知フラグをセットする(ステップS664)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS665)。そして、ステップS611に移行する。
図49は、操作検出処理(ステップS704a)を示すフローチャートである。操作検出処理において、演出制御用CPU101は、以下のような処理を行なう。まず、第1押圧検出器81a、第2押圧検出器81b、第3押圧検出器81cおよび第4押圧検出器81dから入力される検出信号に基づいて、これらの押圧検出器のうち、いずれか1つの押圧検出器が操作を検出した状態となっているか否かを判断する(ステップS671)。具体的には、RAMの所定の格納領域に格納された第1押圧検出器81a、第2押圧検出器81b、第3押圧検出器81cおよび第4押圧検出器81dのそれぞれの検出データを読出し、その検出データに基づいて、いずれか1つの押圧検出器が操作を検出した状態となっているか否かを判断する。いずれか1つの押圧検出器が操作を検出した状態となっていると判断したときは、操作を検出した押圧検出器に対応する操作方向を特定する方向選択操作検出フラグをセットし(ステップS672)、後述するステップS675に進む。
方向選択操作検出フラグは、押圧操作部811の前方向部が操作されことにより前方向選択操作が検出されたことを示す前方向選択操作検出フラグと、押圧操作部811の後方向部が操作されことにより後方向選択操作が検出されたことを示す後方向選択操作検出フラグと、押圧操作部811の左方向部が操作されことにより左方向選択操作が検出されたことを示す左方向選択操作検出フラグと、押圧操作部811の右方向部が操作されことにより右方向選択操作が検出されたことを示す右方向選択操作検出フラグとを含み、操作を検出した押圧検出器に対応して選択される。例えば、第1押圧検出器81aが操作を検出したときには、前方向選択操作検出フラグがセットされる。第2押圧検出器81bが操作を検出したときには、左方向選択操作検出フラグがセットされる。第3押圧検出器81cが操作を検出したときには、後方向選択操作検出フラグがセットされる。第4押圧検出器81dが操作を検出したときには、右方向選択操作検出フラグがセットされる。
ステップS671においていずれか1つの押圧検出器が操作を検出した状態となっていないと判断したときは、第1押圧検出器81a、第2押圧検出器81b、第3押圧検出器81cおよび第4押圧検出器81dから入力される検出信号に基づいて、これらの押圧検出器のうち、いずれか複数の押圧検出器が操作を検出した状態となっているか否かを判断する(ステップS673)。具体的には、RAMの所定の格納領域に格納された第1押圧検出器81a、第2押圧検出器81b、第3押圧検出器81cおよび第4押圧検出器81dのそれぞれの検出データを読出し、その検出データに基づいて、いずれか複数の押圧検出器が操作を検出した状態となっているか否かを判断する。いずれか複数の押圧検出器が操作を検出した状態となっていると判断したときは、押圧操作部811全体を下方へ押圧する決定操作が行なわれたものと判断できるので、決定操作が検出されたことを示す決定操作検出フラグをセットし、後述するステップS675に進む。一方、いずれか複数の押圧検出器が操作を検出した状態となっていないと判断したときは、いずれの押圧検出器も操作を検出した状態となっていないので、そのまま後述するステップS675に進む。
ステップS675では、回転操作部812の回転操作に関する判定を行なう回転操作判定処理を実行し、処理を終了する。回転操作判定処理の処理内容については、図50を用いて後述する。
図50は、回転操作判定処理(ステップS675)を示すフローチャートである。回転操作判定処理において、演出制御用CPU101は、以下のような処理を行なう。まず、RAMの所定の格納領域に格納された第1回転検出器81eおよび第2回転検出器81fのそれぞれの検出データを今回の判定データ(以下、今回判定データという)として読出す(ステップS711)。さらに、前回の判定データ(以下、前回判定データという)として用いられ、RAMの予め定められた前回判定データ格納領域に格納された前回判定データを読出す(ステップS712)。
次に、読出した前回判定データと今回判定データとを比較し、これらのデータが異なるか否かを判断する(ステップS713)。具体的には、前回判定データと今回判定データとで第1回転検出器81eおよび第2回転検出器81fの検出信号のレベルのうち少なくとも一方の検出信号のレベルが異なるときに、これらのデータが異なると判断する。前回判定データと今回判定データとが異ならないと判断したときには、後述するステップS718に進む。一方、前回判定データと今回判定データとが異なると判断したときには、図23に示した回転判定テーブルを参照し、前回判定データと今回判定データとに基づいて、前回判定データと今回判定データとの判定データの組合せと、回転方向と回転量との関係から、回転操作部812の回転方向と回転量とを判定(決定)する。例えば、前回判定データが「H,H」で今回判定データが「L,H」であるときのように、右回転操作によりカバープレート815の突起8151がダイヤルベース816における凸部の頂点を通過したときの信号レベルの変化があったときには、前述した理由により、回転方向が右回転であり、回転量が15度分回転したと判定する。
次に、1クリック分の回転量(15度の回転量)に該当する回転が検出されたか否かを判断する(ステップS715)。1クリック分の回転量に該当する回転が検出されていないと判断したとき、すなわち、図23の回転判定テーブルにおいて該当する判定データの組合せが設定されていないときは(例えば、前回判定データが「H,L」で今回判定データが「H,H」であるときのように、カバープレート815の突起8151がダイヤルベース816における各凹部の底部に入ったときの信号レベルの変化があったときには、前述した理由により、回転はしているが1クリック分の回転は検出されていないので、回転方向および回転量を判定しない)、後述するステップS718に進む。一方、1クリック分の回転量に該当する回転が検出されていると判断したときに、すなわち、図23の回転判定テーブルにおいて該当する判定データの組合せが設定されているときは、ステップS714により判定した回転方向のデータおよび回転量のデータをRAMにおいて予め定められた領域に設けられた回転検出データ記憶領域に記憶させる(ステップS716)。そして、回転操作が検出されたことを示す回転操作検出フラグをセットし、ステップS718に進む。
ステップS718では、今回判定データを前回判定データとして記憶することにより、前回判定データを更新記憶し、処理を終了する。
図51は、図44に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。また、変動パターンコマンドを所定期間に亘り受信していないときに、図24に示すような演出モードの選択に関する表示を演出表示装置9において行ない、演出モードの選択を可能とする処理を行なう。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことに基づいて、飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS805):大当り遊技中の制御を行なう。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(ステップS806):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図52は、図51に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていなければ、図24に示すような画像を表示して演出モードの選択を可能とするための演出モード選択処理を実行し(ステップS814)、処理を終了する。演出モード選択処理については、図53を用いて後述する。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新し(ステップS813)、処理を終了する。
図53は、図52に示された変動パターンコマンド受信待ち処理における演出モード選択処理(ステップS814)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、以下のような処理を行なう。まず、演出モード選択受付中フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS721)。演出モード選択受付中フラグは、演出モードの選択操作を受付中であることを示すフラグであり、図24の(b)に示す演出モード選択受付画像が表示されたときにセットされ、図24の(d)に示す演出モード決定画像が表示されたときにリセットされる。
前述のような演出モード選択受付中フラグがセットされていると判断したときには、後述するステップS728に進む。一方、演出モード選択受付中フラグがセットされていないと判断したときは、いずれかの方向選択操作検出フラグ、または、決定操作検出フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS723)。これらの検出フラグのうちどの検出フラグもセットされていないと判断したときは、処理を終了する。これにより、押圧操作部811により方向選択操作および決定操作のうちのどの操作も行なわれなかったときには、図24の(b)に示すような演出モード選択受付画像が表示されない。一方、これらの検出フラグのうちいずれかの検出フラグがセットされていると判断したときは、セットされている検出フラグをリセットし(ステップS724)、ステップS725に進む。
ステップS725では、図24の(b)に示すような演出モード選択受付画像の表示を開始する(ステップS725)。そして、演出モード選択受付画像が所定期間表示された後、前述したように、(c)のように選択可能な演出モードA〜演出モードCの3つの演出モードを示す画像が表示される。さらに、操作部中央ランプ82Aを青色に発光することによって押圧操作部811上に「回せ!!」などの文字列を点灯表示(点滅表示でもよい)することにより回転操作部812を回転操作することを案内する回転操作案内発光動作をさせるためにシリアル設定処理を実行する(ステップS726)。そして、演出モード選択受付中フラグをセットし、処理を終了する。これにより、次回の演出モード選択処理においては、ステップS721からステップS728に進むこととなる。このように、押圧操作部811により方向選択操作および決定操作のうちのいずれかの操作が行なわれたときには、図24の(b)に示すような演出モード選択受付画像が表示され、演出モードを選択することが可能となる。なお、押圧操作部811の操作に限らず、回転操作部812の回転操作が行なわれたときにも、図24の(b)に示すような演出モード選択受付画像が表示され、演出モードを選択することが可能となるようにしてもよい。
演出モード受付フラグがセットされていると判断してステップS721からステップS728に進んだ場合は、前述した回転操作検出フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS728)。回転操作検出フラグがセットされていないと判断したときは、後述するステップS732に進む。一方、回転操作検出フラグがセットされていると判断したときは、回転操作にしたがって演出を選択する(ステップS729)。例えば、このような回転操作は、図24の(c)のように選択可能な演出モードA〜演出モードCの3つの演出モードを示す画像が表示されたことに応じて行なわれる。具体的に、ステップS729では、1クリック分の回転量ごとに、選択する演出モードを切替える。例えば、初期状態においては、演出モードAが選択されており、左回転の回転操作が行なわれるときは、演出モードA→演出モードB→演出モードC→演出モードA・・・の順で回転操作にしたがって演出モードを選択する。また、右回転の回転操作が行なわれるときは、演出モードA→演出モードC→演出モードB→演出モードA・・・の順で回転操作にしたがって演出モードを選択する。そして、ステップS729により選択した演出モードを特定する演出モード選択画像を図24の(c),(d)に示すように表示させる(ステップS730)。
なお、ここでは、1クリック分の回転量ごとに、選択する演出モードを切替える例を示した。しかし、これに限らず、同一回転方向への複数クリック分の回転量ごとに、選択する演出モードを切替える制御を行なうようにしてもよい。図24のように選択する演出モードが3つのときには、例えば、8クリック分の回転量(120度)ごとに、選択する演出モードを切替える制御を行なうようにしてもよい。
次に、回転操作検出フラグをリセットし(ステップS731)、操作部中央ランプ82Aを赤色に発光することによって押圧操作部811上に「押せ!!」などの文字列を点滅表示(点灯表示でもよい)することにより押圧操作部811を押圧操作することを案内する押圧操作案内発光動作をさせるためにシリアル設定処理を実行する(ステップS731A)。そして、ステップS732に進む。
ステップS732では、前述した決定操作検出フラグがセットされているか否かを判断する。決定操作検出フラグがセットされていないと判断したときは、処理を終了する。一方、決定操作検出フラグがセットされていると判断したときは、決定操作にしたがって演出を決定する(ステップS733)。例えば、このような決定操作は、図24の(c)のように選択可能な演出モードA〜演出モードCの3つの演出モードを示す画像が表示されたことに応じて行なわれる。具体的に、ステップS733では、その時点で選択されている演出モードを、実行する演出モードとして決定し、その決定した演出モードをRAMの所定領域に設けられた決定演出モード記憶領域に記憶(更新記憶)する処理が行なわれる。そしてステップS733により決定した演出モードを特定する演出モード決定画像を図24の(d)に示すように表示させる(ステップS734)。次に、演出モード選択受付中フラグをリセットする(ステップS735)とともに、決定操作検出フラグをリセットし(ステップS736)する。そして、ステップS733で選択決定した演出モードでの画像表示を図24の(e)に示すように開始させ(ステップS737)、処理を終了する。
なお、演出モード選択処理によりステップS730で回転操作に応じて演出モード選択画像が表示された後、決定操作が行なわれる前の段階で、図52のステップS811により変動パターンコマンドを受信したと判断(変動パターンコマンドフラグがセットされていると判断)されたときには、図52のステップS812,S813に示すように、飾り図柄変動開始処理にプロセスが移行するので、演出表示装置9で表示される画像は、飾り図柄を変動表示する画像に切替えられる。このような場合は、演出モードの選択の変更は有効とはならず、演出モード受付画像が表示される前に選択されていた演出モードが継続される。
図54は、図51に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを示すデータを読出す(ステップS816)。
次いで、表示結果特定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS817)。表示結果特定コマンド受信フラグがセットされていなければ、ステップS830に移行する。表示結果特定コマンド受信フラグがセットされている場合には、表示結果特定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果特定コマンド)に応じて飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS818)。
図55は、演出表示装置9における飾り図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図55に示す例では、受信した表示結果特定コマンドが通常大当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として左中右図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った飾り図柄の組合せを決定する。受信した表示結果特定コマンドが確変大当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果4指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として左中右図柄が奇数図柄(確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った飾り図柄の組合せを決定する。受信した表示結果特定コマンドが小当りまたは突然確変大当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果3指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄としての左中右の飾り図柄として「135」(小当りまたは突然確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)の組合せを決定する。そして、はずれの場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の飾り図柄の組合せを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右が揃った飾り図柄の組合せを決定する。なお、演出表示装置9に導出表示される左中右の飾り図柄の組合せが飾り図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、飾り図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、飾り図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する飾り図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、飾り図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。また、確変大当りを想起させるような停止図柄を確変大当り図柄といい、通常大当りを想起させるような停止図柄を通常大当り図柄という。突然確変大当りを想起させるような停止図柄を突然確変大当り図柄といい、小当りを想起させるような停止図柄を小当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
また、演出制御用CPU101は、表示結果特定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS819)。次いで、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS833)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS834)。
図56は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。なお、この実施の形態では、図56に示す通常の遊技演出に用いられるプロセステーブルとは別に、各種エラー報知を行なう際に用いられるエラー報知用のプロセステーブル(エラー用報知プロセステーブル)が用意されている。エラー報知用プロセステーブルの詳細については後述する。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の変動表示の変動表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で飾り図柄を表示させる制御を行なう。
図56に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
次いで、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知を行っていることを示す異常報知中フラグやその他のエラーフラグ(RAMクリアフラグ、乱数回路エラーフラグ、満タンエラー報知フラグ、ドア開放エラー報知フラグ、球切れエラー報知フラグ、賞球エラー報知フラグ)がセットされていないことを条件に、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての可変表示装置9、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS835A,S835B)。例えば、可変表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声合成用IC173に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
また、演出制御用CPU101は、ランプ制御実行データ1に従って、演出用部品としての各種ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS835C)。例えば、演出制御用CPU101は、遊技状態が通常状態である場合には、センター装飾用ランプのLED125a〜125fおよびステージランプのLED126a〜126fのみを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。また、遊技状態が確変状態である場合には、センター装飾用ランプのLED125a〜125fおよびステージランプのLED126a〜126fを点灯させるとともに、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS835Cでセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601や各枠側IC基板602〜604に出力される。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる飾り図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
異常報知中フラグまたはその他エラーフラグがセットされている場合には、音番号データ1およびランプ制御実行データ1を除くプロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS835A,S835D)。つまり、異常報知中フラグまたはその他エラーフラグがセットされている場合には、飾り図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた音演出およびランプによる表示演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知や各種エラー報知(RAMクリア報知、乱数回路エラー報知、満タンエラー報知、ドア開放エラー報知、球切れエラー報知、賞球エラー報知)に応じた音出力およびランプによる表示演出が継続される。
また、ステップS835Dの処理を行うときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データ1にもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。つまり、可変表示装置9におけるそのときの表示(異常入賞の報知や満タンエラーの報知、乱数回路エラーの報知がなされている。)と、飾り図柄の可変表示の表示演出の画像とが、同時に可変表示装置9において表示されるように制御する。すなわち、異常報知中フラグやその他エラーフラグがセットされている場合には、飾り図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知や各種エラー報知に応じた報知も継続される。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS836)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS837)。
ステップS830では、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドを受信したか否か確認する。この実施の形態では、図23に示すように、「リーチC・短縮」、「リーチC」および「スーパーリーチA」の変動パターンコマンドが、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドである。よって、演出制御用CPU101は、それらの変動パターンコマンドを示すデータが変動パターンコマンド格納領域に格納されていた場合に、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドを受信したと判定する。演出制御用CPU101は、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドを受信したと判定した場合には、停止図柄を通常大当り図柄に決定する(ステップS832)。また、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンドを受信したと判定した場合には、停止図柄を、受信した変動パターンに応じた飾り図柄の組合せに決定する(ステップS831)。なお、この実施の形態では、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンドは、はずれ時に使用されるか、大当りの種類に応じて使用される(図32参照)。よって、演出制御用CPU101は、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンドを受信した場合には、受信した変動パターンコマンドにもとづいて、はずれに決定されているのか大当り(小当りを含む。)に決定されているのか特定でき、かつ、大当りとすることに決定されている場合には、大当りの種類を特定できる。
このように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドを受信した場合に、表示結果特定コマンドを受信できなかったときには、飾り図柄の表示結果(停止図柄)を通常大当り図柄に決定するように構成されているので、表示結果特定コマンドを受信できなくても特定遊技状態が発生するか否かを遊技者に認識させることができる。また、変動パターンコマンドに飾り図柄の表示結果を特定可能な情報を含めることによって、変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンド以外のコマンドを用いることなく、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示結果特定コマンドを受信できなくても飾り図柄の表示結果を決定できるので、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信するコマンドの種類は増えず、その結果、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担は増大しない。
図57は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、操作部故障判定用カウントタイマを「1」だけ加算更新する(ステップS840)。操作部故障判定用カウントタイマは、操作部81が故障しているか否かを判定するためのデータとして、飾り図柄の変動表示時間を累積カウントするタイマである。飾り図柄の変動表示中は、遊技者がパチンコ遊技機1で遊技を行っているときであり、操作部81が特に使用される期間である。後述する操作部故障判定処理(図63)では、この期間(操作部故障判定用カウントタイマ値)に基づいて故障判定を行なうので、正確な故障判定をすることができる。
次に、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS841)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS842)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS843)、プロセスデータの切替を行なう。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS844)。
また、異常報知中フラグやその他のエラーフラグ(RAMクリアフラグ、乱数回路エラーフラグ、満タンエラー報知フラグ、ドア開放エラー報知フラグ、球切れエラー報知フラグ、賞球エラー報知フラグ)がセットされていないことを条件に、その次に設定されている表示制御実行データおよび音番号データに基づいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS845A,S845B)。
ステップS845Bにおいて、演出制御用CPU101は、例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声合成用IC173に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
また、演出制御用CPU101は、ランプ制御実行データに従って、演出用部品としての各種ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS845C)。例えば、演出制御用CPU101は、遊技状態が通常状態である場合には、センター装飾用ランプのLED125a〜125fおよびステージランプのLED126a〜126fのみを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。また、遊技状態が確変状態である場合には、センター装飾用ランプのLED125a〜125fおよびステージランプのLED126a〜126fを点灯させるとともに、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(打球供給皿3に設けられたランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS845Cでセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601や各枠側IC基板602〜604に出力される。
次に、リーチ状態であるか否かを判断する(ステップS845D)。リーチ状態であると判断したときには、図25〜図27に示すようなリーチ時における操作部81の操作に応じた演出を行なう操作時演出処理(ステップS845E)を実行した後、後述するステップS846に進む。操作時演出処理については、図58を用いて後述する。一方、リーチ状態ではないと判断したときには、後述するステップS846に進む。
ステップS845Aで異常報知中フラグまたはその他エラーフラグがセットされている場合には、プロセスデータi(iは2〜nのいずれか)の内容(ただし、音番号データiおよびランプ制御実行データiを除く。)に従って演出装置の制御を実行する(ステップS845A,S845F)。よって、異常報知中フラグまたはその他エラーフラグがセットされている場合には、飾り図柄の変動表示に応じた音演出およびランプによる表示演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知や各種エラー報知(RAMクリア報知、乱数回路エラー報知、満タンエラー報知、ドア開放エラー報知、球切れエラー報知、賞球エラー報知、操作部故障報知)に応じた音出力およびランプによる表示演出が継続される。
また、ステップS845Fの処理が行なわれるときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データiに基づく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行なうための指令もVDP109に出力する。よって、異常報知中フラグやその他エラーフラグがセットされている場合には、飾り図柄の変動表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知や各種エラー報知に応じた報知も継続される。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS846)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS848)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS847)、ステップS848に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、飾り図柄の変動を終了させることができる。
図58および図59は、飾り図柄変動中処理における操作時演出処理(ステップS845E)を示すフローチャートである。操作時演出処理において、演出制御用CPU101は、以下のような処理を行なう。
まず、実行中のプロセスデータに基づいて、現在のリーチ状態が回転操作を要求する種類のリーチ時(例えば、前述のリーチD、リーチE、または、リーチFの表示時)であるか否かを判断する(ステップS751)。回転操作を要求する種類のリーチ時ではないと判断したときは、後述するステップS764に進む。一方、回転操作を要求する種類のリーチ時であると判断したときは、実行中のプロセスデータおよびプロセスタイマの値に基づいて、回転操作部812の回転操作を要求する回転操作要求期間であるか否かを判断する(ステップS752)。ここで、回転操作要求期間とは、回転操作部812の回転操作を受付ける期間であり、例えば、図25および図26の(c),(d)のようなミニゲームが実行される期間である。
回転操作要求期間ではないと判断したときは、後述するステップS757に進む。一方、回転操作要求期間であると判断したときは、前述の回転操作検出フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS753)。回転操作検出フラグがセットされていないと判断したときは、回転操作部の操作を案内するLED、すなわち、操作部中央ランプ82Aを青色に発光することによって押圧操作部811上に「回せ!!」などの文字列を点灯表示(点滅表示でもよい)することにより回転操作部812を回転操作することを案内する回転操作案内発光動作をさせるためにシリアル設定処理を実行し(ステップS754)、ステップS757に進む。なお、回転操作要求期間が終了するまでの間、「回せ!!」などの文字列の表示を継続して行うようにしてもよい。この場合、例えば、ステップS754の処理をステップS752の直後に実行するようにし、回転操作要求期間である間は、押圧操作部811において「回せ!!」などの文字列を継続して点灯表示(点滅でもよい)させてもよい。
一方、回転操作検出フラグがセットされていると判断したときは、回転操作にしたがって演出表示装置9を制御する(ステップS755)。具体的に、ステップS755では、図25および図26の(c),(d)に示すようなエアホッケーのミニゲームの画像において、1クリックの回転量ごとにマレット908を所定動作量だけ動作させる表示を行なうとともに、そのマレット908の動作に応じてパック907が打ち返される等、ミニゲームを進行させる表示が行なわれる。次に、回転操作検出フラグをリセット(ステップS756)し、ステップS757に進む。
なお、ここでは、1クリック分の回転量ごとに、マレット908を所定動作量だけ動作させる表示をする例を示した。しかし、これに限らず、同一回転方向への複数クリック分の回転量ごとに、マレット908を所定動作量だけ動作させる表示をする制御を行なうようにしてもよい。
ステップS757では、実行中のプロセスデータに基づいて、現在のリーチ状態がスーパーリーチの演出表示時であるか否かを判断する。具体的に、ステップS757においては、図25の(e)〜(i)に示すようなスーパーリーチであることを特定する演出の実行時であるか否かを判断する。スーパーリーチであることを特定する演出の実行時ではないと判断したときは、処理を終了する。図26に示すようなスーパーリーチであることを特定する演出が実行されないリーチEのときには、操作部81において決定操作を行なっても、操作に応じた表示は行なわれない。一方、スーパーリーチであることを特定する演出の実行時であると判断したときは、実行中のプロセスデータに基づいて、図25の(f),(g)に示すような押圧操作部811の押圧操作を要求する期間であるか否かを判断する(ステップS758)。
押圧操作を要求する期間ではないと判断したときは、処理を終了する。一方、押圧操作を要求する期間であると判断したときは、前述した決定操作検出フラグ、または、いずれかの方向選択操作検出フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS759)。
このようなフラグがセットされていないと判断したときは、決定操作部の操作を案内するLED、すなわち、操作部中央ランプ82Aを赤色に発光することによって押圧操作部811上に「押せ!!」などの文字列を点滅表示(点灯表示でもよい)することにより押圧操作部811を押圧操作することを案内する押圧操作案内発光動作をさせるためにシリアル設定処理を実行し(ステップS760)、処理を終了する。なお、決定操作要求期間が終了するまでの間、「押せ!!」などの文字列の表示を継続して行うようにしてもよい。この場合、例えば、ステップS760の処理をステップS758の直後に実行するようにし、決定操作要求期間である間は、押圧操作部811において「押せ!!」などの文字列を継続して点滅表示(点灯でもよい)させてもよい。
一方、このようなフラグがセットされていると判断したときは、決定操作または方向選択操作にしたがって演出表示装置9を制御する(ステップS761)。具体的に、ステップS761では、図25の(g)に示すようなチャンス表示において、押圧操作部811の決定操作または方向選択操作による押圧操作回数の増加に応じて、棒グラフ形式で表示されるパワーの値が増加する表示を行なう。なお、図25の(h),(i)に示すような貯まっているパワーに応じて表示される中飾り図柄の停止図柄を決める演出表示の画像は、操作部81の操作が演出に関与しないので、プロセスデータに応じて行なわれる。そして、押圧操作部811の決定操作または方向選択操作が行なわれたことに応じて、決定操作に対応するLED(例えば、第1押圧操作部ランプ82a〜第4押圧操作部ランプ82d)を発光させるためにシリアル設定処理を実行する(ステップS762)。次に、セットされた操作検出フラグをリセット(ステップS763)し、処理を終了する。
また、前述のステップS751により回転操作を要求する種類のリーチ時ではないと判断したときは、実行中のプロセスデータに基づいて、図27の(b),(c)に示すような押圧操作部811の方向選択操作を要求する期間であるか否かを判断する(ステップS764)。方向選択操作を要求する期間ではないと判断したときは、後述するステップS771に進む。一方、方向選択操作を要求する期間であると判断したときは、前述したいずれかの方向選択操作検出フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS765)。
いずれかの方向選択操作検出フラグがセットされていないと判断したときは、方向選択操作部の操作を案内するLED、すなわち、第1押圧操作部ランプ82a〜第4押圧操作部ランプ82dの4つのランプを点滅(点灯でもよい)させることにより押圧操作部811の前方向部、後方向部、左方向部、および右方向部の4つの部分のいずれかを操作する方向選択操作をすることを案内する操作案内発光動作をさせるためにシリアル設定処理を実行するシリアル設定処理を実行し(ステップS766)、後述するステップS771に進む。一方、いずれかの方向選択操作検出フラグがセットされていると判断したときは、方向選択操作にしたがってキャラクタを選択する(ステップS767)。具体的に、ステップS767では、1回の方向選択があるごとに、キャラクタを選択する。例えば、初期状態においては、キャラクタAが選択されており、押圧操作部811の前方向部が操作されたときはキャラクタAを選択し、押圧操作部811の左方向部が操作されたときはキャラクBを選択し、押圧操作部811の後方向部が操作されたときはキャラクCを選択し、押圧操作部811の右方向部が操作されたときはキャラクDを選択することにより、方向選択操作にしたがってキャラクタを選択する。
なお、前述のステップS766においては、選択するキャラクタが4つであり、押圧操作部811の前方向部、後方向部、左方向部、および右方向部の4つの部分のいずれかを操作する方向選択操作をする必要があるため、第1押圧操作部ランプ82a〜第4押圧操作部ランプ82dの4つのランプを点滅させる操作案内発光動作を行なう例を示した。しかし、これに限らず、例えば選択するキャラクタを示す画像が左右に2つ並んで表示される場合には、押圧操作部811の左方向部および右方向部のうちのいずれかを操作する方向選択操作をする必要があるため、左方向部および右方向部のそれぞれに対応する2つの押圧操作部ランプのみを点滅させる操作案内発光動作を行なうようにすればよい。すなわち、操作案内発光動作は、表示画面で表示される画像との関係で、操作する必要がある部分に対応するランプのみを点滅(点灯でもよい)させるようにすればよい。
そして、ステップS767により選択したキャラクタを特定するキャラクタ選択画像を図27の(b),(c)に示すように表示させる(ステップS768)。そして、押圧操作部811の方向選択操作が行なわれたことに応じて、第1押圧操作部ランプ82a〜第4押圧操作部ランプ82dの4つのランプのうち、方向選択操作に対応するLED、すなわち、操作された方向に対応するランプを点灯させるためにシリアル設定処理を実行する(ステップS769)。次に、セットされている方向選択操作検出フラグをリセットし(ステップS770)、ステップS771に進む。
ステップS771では、実行中のプロセスデータに基づいて、方向選択操作の終了時となったか否か、すなわち、方向選択操作が受付けられる所定の時間が経過したか否かを判断する。方向選択操作の終了時でないと判断したときは、処理が終了する。一方、方向選択操作の終了時であると判断したときは、その時点で選択されているキャラクタを、選択決定するキャラクタとして決定し(ステップS772)、その選択決定したキャラクタをRAMの所定領域に設けられた決定キャラクタ記憶領域に記憶する処理が行なわれる。そしてステップS772により決定したキャラクタにしたがって、演出表示装置9を制御し(ステップS773)、リターンする。具体的にステップS773では、ステップS772で決定したキャラクタの画像を図27の(d)に示すように表示させる処理を開始させる。
図60は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS851)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS852)、決定されている停止図柄を導出表示する制御を行なう(ステップS853)。そして、演出制御用CPU101は、大当りとすることに決定されているか否か確認する(ステップS854)。大当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果特定コマンド格納領域に格納されている表示結果特定コマンドによって確認される。なお、この実施の形態では、決定されている停止図柄によって、大当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。
大当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS855)。
大当りとしないことに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、時短状態フラグがセットされているか否か確認する(ステップS856)。時短状態フラグは、遊技状態が時短状態である場合にセットされている(後述するステップS886参照)。時短状態フラグがセットされている場合には、時短変動回数カウンタの値を+1する(ステップS857)。
そして、演出制御用CPU101は、時短変動回数カウンタの値が100になっているか否か確認する(ステップS858)。時短変動回数カウンタの値が100になっている場合には、時短状態フラグをリセットする(ステップS859)。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS860)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信したことを条件に、飾り図柄の変動(変動表示)を終了させる(ステップS851,S853参照)。しかし、受信した変動パターンコマンドに基づく変動時間タイマがタイムアウトしたら、図柄確定指定コマンドを受信しなくても、飾り図柄の変動を終了させるように制御してもよい。その場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動表示の終了を指定する図柄確定指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
図61は、演出制御プロセス処理における大当り終了処理(ステップS806)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマが設定されているか否か確認する(ステップS880)。大当り終了演出タイマが設定されている場合には、ステップS885に移行する。大当り終了演出タイマが設定されていない場合には、大当り終了指定コマンドを受信したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1指定コマンド受信フラグまたは大当り終了2指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否か確認する(ステップS881)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS882)、大当り終了演出タイマに大当り終了表示時間に相当する値を設定して(ステップS883)、演出表示装置9に、大当り終了画面(大当り遊技の終了を報知する画面)を表示する制御を行なう(ステップS884)。具体的には、VDP109に、大当り終了画面を表示させるための指示を与える。
なお、この実施の形態では、大当りの種類が異なっても、同じ大当り終了画面が演出表示装置9に表示される。例えば、大当り終了表示と小当り終了表示とは同じである。しかし、大当り終了表示(小当り終了表示を含む。)を、大当りの種類に応じて分けるようにしてもよい。
ステップS885では、大当り終了演出タイマの値を1減算する。そして、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了演出時間が経過したか否か確認する(ステップS886)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、時短状態フラグをセットし(ステップS887)、時短回数カウンタに0を設定する(ステップS888)。また、大当り終了1指定コマンドを受信している場合には、確変状態フラグをリセットする(ステップS889,S891)。大当り終了1指定コマンドを受信していない場合(大当り終了2指定コマンドを受信している場合)には、確変状態フラグをセットする(ステップS889,S890)。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS892)。
確変状態フラグおよび時短状態フラグは、例えば、演出制御用CPU101が、確変状態および時短状態を、演出表示装置9における背景や装飾発光体(ランプ・LED)によって報知する場合に使用される。
次に、ステップS707の報知制御プロセス処理について説明する。まず、報知制御プロセス処理において実行される各種エラー報知の態様について説明する。図62は、報知制御プロセス処理において実行される各種エラー報知の態様の例を示す説明図である。図62に示すように、RAMクリア報知は、遊技機の電源投入から所定期間(例えば31秒間)実行される。演出制御用CPU101は、RAMクリア報知を行なう場合、遊技枠11側の全ランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点灯させるとともに、スピーカ27に所定のエラー音(例えばビープ音)を出力させる制御を行なう。
また、ドア開放エラー報知は、遊技枠11が開放されている間(例えば、ドア開放センサ155の検出信号が入力されている間)実行される。演出制御用CPU101は、ドア開放エラー報知を行なう場合、遊技枠11側の全ランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点滅させる制御を行なう。また、スピーカ27に「扉が開いています」という音声とともに所定のエラー音(例えばビープ音)を出力させる制御を行なう。
また、球切れエラー報知は、球切れ発生から球切れ状態が解除されるまで(例えば、球切れスイッチの検出信号が入力されている間)実行される。演出制御用CPU101は、球切れエラー報知を行なう場合、遊技枠11側の天枠ランプのLED281a〜281lを点滅させる制御を行なう。また、満タンエラー報知は、下皿の満タン状態の発生から満タン状態が解除されるまで(例えば、満タンスイッチの検出信号が入力されている間)実行される。演出制御用CPU101は、満タンエラー報知を行なう場合、遊技枠11側の下皿ランプ(図示せず。本例では余剰球受皿4に設けられたLED4個)を点滅させるとともに、「下皿が満タンです」という音声を出力させる制御を行なう。また、演出表示装置9に「下皿が満タンです」と表示させる制御を行なう。この場合、演出表示装置9において遊技演出による表示(例えば、飾り図柄の変動表示)が行なわれている場合には、演出表示装置9に「下皿が満タンです」という文字列を重畳表示させる。
また、賞球エラー報知は、賞球異常発生から賞球異常状態が解除されるまで実行される。演出制御用CPU101は、賞球エラー報知を行なう場合、遊技枠11側の天枠ランプのLED281a〜281lを点滅させる制御を行なう。また、乱数回路エラー報知は、遊技機の電源投入の際に乱数回路エラーを検出してから電源がオフされるまで実行される。演出制御用CPU101は、乱数回路エラー報知を行なう場合、遊技枠11側の全ランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点灯させるとともに、所定のエラー音(例えばビープ音)を出力させる制御を行なう。また、演出表示装置9に「エラー」と表示させる制御を行なう。この場合、演出表示装置9において遊技演出による表示(例えば、飾り図柄の変動表示)が行なわれている場合には、演出表示装置9に「エラー」という文字列を重畳表示させる。
また、異常入賞エラー報知は、異常入賞の発生から所定期間(例えば30秒間)実行される。演出制御用CPU101は、異常入賞報知を行なう場合、遊技枠11側の全ランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点滅させるとともに、所定のエラー音(例えばビープ音)を出力させる制御を行なう。
また、操作部故障報知は、操作部81が故障していると判定されている間中(故障中)、または、所定定期間中報知される。演出制御用CPU101は、操作部故障報知を行なう場合、遊技枠11側の天枠ランプのLED281a〜281lを点灯させる制御を行なうとともに、所定のエラー音(例えばビープ音)を出力させる制御を行なう。
次に、ステップS709の操作部故障判定処理について説明する。図63は、図44に示されたメイン処理における操作部故障判定処理(ステップS709)を示すフローチャートである。操作部故障判定処理では、演出制御用CPU101は、まず、故障判定用操作検出フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS781)。故障判定用操作検出フラグは、押圧操作部811の操作が検出されたことに基づいてセットされるフラグである(シリアル入出力処理におけるステップS976、図79参照)。セットされていれば(ステップS781のY)、演出制御用CPU101は、故障判定用操作検出フラグをリセットして(ステップS782)、操作部故障判定用カウントタイマをリセットする(ステップS783)。その後、処理を終える。また、故障判定用操作検出フラグがセットされていなければ(ステップS781のN)、演出制御用CPU101は、操作部故障判定用カウントタイマ値が所定値(例えば30日)以上であるか否かを確認する(ステップS784)。操作部故障判定用カウントタイマ値が30日以上であれば(ステップS784のY)、演出制御用CPU101は、操作部故障フラグをセットする(ステップS785)。そして、その後処理を終える。
なお、この実施の形態では、操作部81において押圧操作部811を操作部81の故障判定対象とした例を示した。しかし、これに限らず、回転操作部812を操作部81の故障判定対象として、操作部故障判定処理を行ない、故障と判定されたときに、前述のような操作部の故障に関する報知を行なうようにしてもよい。また、押圧操作部811および回転操作部812の両方を操作部81の故障判定対象として、操作部故障判定処理を行ない、故障と判定されたときに、前述のような操作部の故障に関する報知を行なうようにしてもよい。
図64は、図44に示されたメイン処理における報知制御プロセス処理(ステップS707)を示すフローチャートである。報知制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、報知制御プロセスフラグの値に応じてステップS1900,S1901のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。
報知開始処理(ステップS1900)は、コマンド解析処理でセットされる各エラーフラグ(初期報知フラグ、乱数回路エラーフラグ、異常入賞報知指定コマンド受信フラグ、RAMクリアフラグ、満タンエラー報知フラグ、賞球エラー報知フラグ、球切れエラー報知フラグ)に基づいて、エラーの報知を開始する処理である。エラーの報知を開始すると、報知制御プロセスフラグの値を報知中処理(ステップS1901)に対応した値に変更する。
報知中処理(ステップS1901)は、各エラーフラグ(初期報知フラグ、乱数回路エラーフラグ、異常報知中フラグ、RAMクリアフラグ、満タンエラー報知フラグ、賞球エラー報知フラグ、球切れエラー報知フラグ)に基づいて、エラーの報知を継続する処理である。また、エラーの報知期間(初期報知期間、RAMクリア報知期間)を経過したこと、またはコマンド解析処理でセットされるエラー報知解除フラグに基づいて、エラーの報知を終了する。エラーの報知を終了すると、報知制御プロセスフラグの値を報知開始処理(ステップS1901)に対応した値に変更する。
図65〜図67は、図64に示された報知制御プロセス処理における報知開始処理(ステップS1900)を示すフローチャートである。報知開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、初期報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1911)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、期間タイマ1に、初期報知期間値に相当する値を設定する(ステップS1912)。初期報知期間は、初期化指定コマンドの受信に応じて初期化報知を行なっている期間である。演出制御用CPU101は、初期報知期間が経過すると、初期化報知を終了させる。なお、初期報知期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560がステップS45の処理で設定する禁止期間と同じである。よって、初期化報知が行なわれているときに、異常報知指定コマンドを受信することはない。
次いで、演出制御用CPU101は、初期報知フラグをリセットするとともに、初期報知を行なっていることを示す初期報知中フラグをセットする(ステップS1912A)。そして、ステップS1950に移行する。
初期報知フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、ドア開放エラー報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1913)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、ドア開放エラーに応じたエラー用プロセスデータを選択する(ステップS1914)。この実施の形態では、各種エラー報知を行なう際にスピーカ27および各ランプ281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82A,82a〜82lを制御するためのエラー用のプロセスデータ(エラー用プロセスデータ)が予め用意されている。なお、エラー用プロセスデータの詳細については後述する。
次いで、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1915)とともに、エラー用プロセスデータ1の内容に従ってスピーカ27を制御する(ステップS1916)。例えば、演出制御用CPU101は、「扉が開いています」等の音声とともに所定のエラー音(例えばビープ音)を出力するようにスピーカ27を制御する。
次いで、演出制御用CPU101は、各ランプ281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82A,82a〜82lを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理(図77参照)を実行する(ステップS1917)。例えば、演出制御用CPU101は、遊技枠11に設けられた全てのランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1917でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602〜604に出力される。
次いで、演出制御用CPU101は、ドア開放エラー報知フラグをリセットするとともに、ドア開放エラー報知を行なっていることを示すドア開放エラー報知中フラグをセットする(ステップS1917A)。そして、ステップS1950に移行する。
ドア開放エラー報知フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、乱数回路エラーフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1918)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、乱数回路エラーであることを示す乱数回路エラー表示画面を演出表示装置9に表示する制御を行なう(ステップS1919)。次いで、演出制御用CPU101は、乱数回路エラーに応じたエラー用プロセスデータを選択する(ステップS1920)。次いで、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1921)とともに、エラー用プロセスデータ1の内容に従ってスピーカ27を制御する(ステップS1922)。例えば、演出制御用CPU101は、所定のエラー音(例えばビープ音)を出力するようにスピーカ27を制御する。
次いで、演出制御用CPU101は、各ランプ281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82A,82a〜82lを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理を実行する(ステップS1923)。例えば、演出制御用CPU101は、遊技枠11に設けられた全てのランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1923でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602〜604に出力される。
次いで、演出制御用CPU101は、乱数回路エラーフラグをリセットするとともに、乱数回路エラー報知を行なっていることを示す乱数回路エラー報知中フラグをセットする(ステップS1923A)。そして、ステップS1950に移行する。
ドア開放エラー報知フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1924)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、異常入賞報知に応じたエラー用プロセスデータを選択する(ステップS1925)。次いで、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1926)とともに、エラー用プロセスデータ1の内容に従ってスピーカ27を制御する(ステップS1927)。例えば、演出制御用CPU101は、所定のエラー音(例えばビープ音)を出力するようにスピーカ27を制御する。
次いで、演出制御用CPU101は、各ランプ281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82A,82a〜82lを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理を実行する(ステップS1928)。例えば、演出制御用CPU101は、遊技枠11に設けられた全てのランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1928でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602〜604に出力される。
よって、以後、異常入賞の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)およびランプの表示(異常報知の点滅)が行なわれる。そして、演出制御用CPU101は、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをリセットするとともに、異常報知を行なっていることを示す異常報知中フラグをセットする(ステップS1929)。そして、ステップS1950に移行する。
異常入賞報知指定コマンド受信フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、RAMクリアフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1930)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、RAMクリア報知に応じたエラー用プロセスデータを選択する(ステップS1931)。RAMクリア報知とは、初期化処理が実行されRAMがクリアされたことを報知する処理である。
次いで、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1932)とともに、エラー用プロセスデータ1の内容に従ってスピーカ27を制御する(ステップS1933)。例えば、演出制御用CPU101は、所定のエラー音(例えばビープ音)を出力するようにスピーカ27を制御する。次いで、演出制御用CPU101は、各ランプ281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82A,82a〜82lを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理を実行する(ステップS1934)。例えば、演出制御用CPU101は、遊技枠11に設けられた全てのランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1934でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602〜604に出力される。そして、ステップS1950に移行する。
次いで、演出制御用CPU101は、期間タイマ2に、RAMクリア報知期間値に相当する値を設定する(ステップS1935)。RAMクリア報知期間は、RAMクリア報知の報知を行なっている期間である。演出制御用CPU101は、RAMクリア報知期間が経過すると、RAMクリア報知を終了させる。なお、初期報知期間とRAMクリア報知期間とは同じ期間であってもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、RAMクリアフラグをリセットするとともに、RAMクリア報知を行なっていることを示すRAMクリア報知中フラグをセットする(ステップS1935A)。そして、ステップS1950に移行する。
RAMクリアフラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、満タンエラー報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1936)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、満タンエラーであることを示す満タンエラー表示画面を演出表示装置9に表示する制御を行なう(ステップS1937)。次いで、演出制御用CPU101は、満タンエラーに応じたエラー用プロセスデータを選択する(ステップS1938)。次いで、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1939)とともに、エラー用プロセスデータ1の内容に従ってスピーカ27を制御する(ステップS1940)。例えば、演出制御用CPU101は、「下皿が満タンです」等の音声を出力するようにスピーカ27を制御する。
次いで、演出制御用CPU101は、各ランプ281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82A,82a〜82lを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理を実行する(ステップS1941)。例えば、演出制御用CPU101は、遊技枠11に設けられた皿ランプのLED82a〜82dを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1941でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して枠側IC基板605に出力される。
次いで、演出制御用CPU101は、満タンエラー報知フラグをリセットするとともに、満タンエラー報知を行なっていることを示す満タンエラー報知中フラグをセットする(ステップS1941A)。そして、ステップS1950に移行する。
満タンエラー報知フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、賞球エラー報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1942)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、賞球エラーに応じたエラー用プロセスデータを選択する(ステップS1943)とともに、エラー用プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1944)。
次いで、演出制御用CPU101は、各ランプ281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82A,82a〜82lを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理を実行する(ステップS1945)。例えば、演出制御用CPU101は、遊技枠11に設けられた天枠ランプのLED281a〜281lを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1945でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602に出力される。
次いで、演出制御用CPU101は、賞球エラー報知フラグをリセットするとともに、賞球エラー報知を行なっていることを示す賞球エラー報知中フラグをセットする(ステップS1945A)。そして、ステップS1950に移行する。
なお、この実施の形態では、賞球エラーを報知する場合にランプを用いた報知処理のみを行ないスピーカ27を用いた音による報知処理を行なわない場合を説明するが、ランプに加えてスピーカ27を用いた報知を行なうようにしてもよい。
賞球エラー報知フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、球切れエラー報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1946)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、球切れエラーに応じたエラー用プロセスデータを選択する(ステップS1947)とともに、エラー用プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1948)。
次いで、演出制御用CPU101は、各ランプ281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82A,82a〜82lを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理を実行する(ステップS1949)。例えば、演出制御用CPU101は、遊技枠11に設けられた天枠ランプのLED281a〜281lを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1949でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602に出力される。
次いで、演出制御用CPU101は、球切れエラー報知フラグをリセットするとともに、球切れエラー報知を行なっていることを示す球切れエラー報知中フラグをセットする(ステップS1949A)。そして、ステップS1950に移行する。
なお、この実施の形態では、球切れエラーを報知する場合にランプを用いた報知処理のみを行ないスピーカ27を用いた音による報知処理を行なわない場合を説明するが、ランプに加えてスピーカ27を用いた報知を行なうようにしてもよい。
球切れエラー報知フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、操作部故障フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1951)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、操作部故障に応じたエラー用プロセスデータを選択する(ステップS1952)とともに、エラー用プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1953)。
次いで、演出制御用CPU101は、各ランプ281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82A,82a〜82lを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理を実行し(ステップS1954)。例えば、演出制御用CPU101は、遊技枠11に設けられた天枠ランプのLED281a〜281lを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1954でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602に出力される。ステップS1954の後、ステップS1950に移行する。
ステップS1950では、演出制御用CPU101は、報知制御プロセスフラグの値を報知中処理(ステップS1901)に対応した値に変更し、処理を終了する。
図68〜図71は、図64に示された報知制御プロセス処理における報知中処理(ステップS1901)を示すフローチャートである。報知中処理において、演出制御用CPU101は、まず、初期報知中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1960)。初期報知中フラグがセットされていない場合には、ステップS1965に移行する。初期報知中フラグがセットされている場合には、ステップS1912で設定された期間タイマ1の値を−1する(ステップS1961)。そして、期間タイマ1の値が0になったら、すなわち初期報知期間が経過したら、初期報知中フラグをリセットする(ステップS1962,S1963)。なお、期間タイマ1の値が0でなければ、そのまま処理を終了する。
さらに、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において初期画面または停電復旧画面を消去させるための指令をVDP109に出力する(ステップS1964)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9から初期画面または停電復旧画面を消去する。そして、ステップS2010に移行する。
初期報知中フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、ドア開放エラー報知中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1965)。セットされていなければ、ステップS1971に移行する。セットされていれば、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマを−1する(ステップS1966)とともに、エラー用プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS1967)、エラー報知用プロセスデータの切替を行なう。すなわち、エラー用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をエラー用プロセスタイマに設定する(ステップS1968)。
図72は、エラー報知用プロセステーブルの構成例を示す説明図である。エラー報知用プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行して各種エラー報知を行なう際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、エラー報知用プロセステーブルに設定されているデータに従ってスピーカ27および各ランプの制御を行なってエラー報知を行なう。エラー報知用プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、エラー用ランプ制御実行データおよびエラー用音番号データの組合せが複数集まったデータで構成されている。プロセスタイマ設定値には、その音出力状態およびランプの表示状態での継続時間が設定されている。演出制御用CPU101は、エラー報知用プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけランプ表示制御実行データに設定されている態様で各ランプの点灯、非点灯状態を制御するとともに、スピーカ27を用いた音出力を制御する。
図72に示すエラー報知用プロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、エラー報知用プロセステーブルは、エラー種類(RAMクリア報知、乱数回路エラー、満タンエラー、ドア開放エラー、球切れエラー、賞球エラー)に応じて用意されている。また、この実施の形態では、エラー用プロセスタイマがタイムアウトする毎に、パターンAの点灯とパターンBの点灯とを切替えて、点灯または点滅するように制御される。
次いで、演出制御用CPU101は、エラー用音番号データに基づいてスピーカ27を制御する(ステップS1969)。ステップS1969において、演出制御用CPU101は、対応するエラー報知に応じた音出力を示す音データを音声合成用IC173に出力する。音声合成用IC173は、入力された音データに対応したデータを音声データROM174から読出し、読出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。例えば、演出制御用CPU101は、スピーカ27に「扉が開いています」との音声と所定のエラー音(例えばビープ音)とを出力させる。
また、演出制御用CPU101は、エラー用ランプ制御実行データに従って、対応するエラー報知に応じた各ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS1970)。例えば、ステップS1970において、演出制御用CPU101は、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1970でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜604に出力される。
ドア開放エラー報知中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、乱数回路エラー報知中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1971)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマを−1する(ステップS1972)とともに、エラー用プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS1973)、エラー報知用プロセスデータの切替を行なう。すなわち、エラー用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をエラー用プロセスタイマに設定する(ステップS1974)。
次いで、演出制御用CPU101は、エラー用音番号データに基づいてスピーカ27を制御する(ステップS1975)。ステップS1975において、演出制御用CPU101は、対応するエラー報知に応じた音出力を示す音データを音声合成用IC173に出力する。音声合成用IC173は、入力された音データに対応したデータを音声データROM174から読出し、読出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。例えば、演出制御用CPU101は、スピーカ27に所定のエラー音(例えばビープ音)を出力させる。
また、演出制御用CPU101は、エラー用ランプ制御実行データに従って、対応するエラー報知に応じた各ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS1976)。例えば、ステップS1976において、演出制御用CPU101は、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1976でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜604に出力される。
乱数回路エラー報知中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、異常報知中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1977)。セットされていなければ、ステップS1984に移行する。セットされていれば、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS1978)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に異常報知画面を重畳表示する(図57(C)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマを−1する(ステップS1979)とともに、エラー用プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS1980)、エラー報知用プロセスデータの切替を行なう。すなわち、エラー用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をエラー用プロセスタイマに設定する(ステップS1981)。
次いで、演出制御用CPU101は、エラー用音番号データに基づいてスピーカ27を制御する(ステップS1982)。ステップS1982において、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声合成用IC173に出力する。音声合成用IC173は、入力された音データに対応したデータを音声データROM174から読出し、読出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。例えば、演出制御用CPU101は、スピーカ27に所定のエラー音(例えばビープ音)を出力させる。
また、演出制御用CPU101は、エラー用ランプ制御実行データに従って、異常入賞の報知に応じた各ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS1983)。ステップS1983において、演出制御用CPU101は、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1983でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜604に出力される。
異常報知中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、RAMクリア報知中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1984)。RAMクリア報知中フラグがセットされていない場合には、ステップS1993に移行する。RAMクリア報知中フラグがセットされている場合には、プロセスタイマを−1する(ステップS1985)とともに、ステップS1935で設定された期間タイマ2の値を−1する(ステップS1986)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS1987)、エラー報知用プロセスデータの切替を行なう。すなわち、エラー用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS1988)。
次いで、演出制御用CPU101は、エラー用音番号データに基づいてスピーカ27を制御する(ステップS1989)。ステップS1989において、演出制御用CPU101は、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声合成用IC173に対して制御信号(音番号データ)を出力する。例えば、演出制御用CPU101は、スピーカ27に所定のエラー音(例えばビープ音)を出力させる。
また、演出制御用CPU101は、エラー用ランプ制御実行データに従って、演出用部品としての各種ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS1990)。ステップS1990において、演出制御用CPU101は、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1990でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602〜604に出力される。
次いで、演出制御用CPU101は、期間タイマ2の値が0になったか否かを確認する(ステップS1991)。そして、期間タイマ2の値が0になったら、すなわち、RAMクリア報知期間が経過したら、RAMクリア報知中フラグをリセットし(ステップS1992)、ステップS2010に移行する。なお、期間タイマ2の値がタイムアウトしていなければ、そのまま処理を終了する。
RAMクリア報知中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、満タンエラー報知中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1993)。セットされていなければ、ステップS1999に移行する。セットされていれば、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマを−1する(ステップS1994)とともに、エラー用プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS1995)、エラー報知用プロセスデータの切替を行なう。すなわち、エラー用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をエラー用プロセスタイマに設定する(ステップS1996)。
次いで、演出制御用CPU101は、エラー用音番号データに基づいてスピーカ27を制御する(ステップS1997)。ステップS1997において、演出制御用CPU101は、対応するエラー報知に応じた音出力を示す音データを音声合成用IC173に出力する。音声合成用IC173は、入力された音データに対応したデータを音声データROM174から読出し、読出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。例えば、演出制御用CPU101は、スピーカ27に「下皿が満タンです」との音声を出力させる。
また、演出制御用CPU101は、エラー用ランプ制御実行データに従って、対応するエラー報知に応じた各ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS1998)。例えば、ステップS1998において、演出制御用CPU101は、皿ランプ(図示せず。本例ではLED4個)を点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1998でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜604に出力される。
満タンエラー報知中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、賞球エラー報知中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1999)。セットされていなければ、ステップS2005に移行する。セットされていれば、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマを−1する(ステップS2000)とともに、エラー用プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS2001)、エラー報知用プロセスデータの切替を行なう。すなわち、エラー用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をエラー用プロセスタイマに設定する(ステップS2002)。
また、演出制御用CPU101は、エラー用ランプ制御実行データに従って、対応するエラー報知に応じた各ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS2003)。例えば、ステップS2003において、演出制御用CPU101は、遊技枠11側に設けられた天枠ランプのLED281a〜281lを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS2003でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜604に出力される。
賞球エラー報知中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、球切れエラー報知中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS2004)。セットされていなければ、後述するステップS2008aに移行する。セットされていれば、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマを−1する(ステップS2005)とともに、エラー用プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS2006)、エラー報知用プロセスデータの切替を行なう。すなわち、エラー用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をエラー用プロセスタイマに設定する(ステップS2007)。
また、演出制御用CPU101は、エラー用ランプ制御実行データに従って、対応するエラー報知に応じた各ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS2008)。例えば、ステップS2008において、演出制御用CPU101は、遊技枠11側に設けられた天枠ランプのLED281a〜281lを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS2008でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜604に出力される。
ステップS2004で球切れ報知中フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、前述の操作部故障フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS2008a)。セットされていなければ、ステップS2009に移行する。セットされていれば、演出制御用CPU101は、エラー用プロセスタイマを−1する(ステップS2008b)とともに、エラー用プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS2008c)、エラー報知用プロセスデータの切替を行なう。すなわち、エラー用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をエラー用プロセスタイマに設定する(ステップS2008d)。
次いで、演出制御用CPU101は、エラー用音番号データに基づいてスピーカ27を制御する(ステップS2008e)。ステップS2008eにおいて、演出制御用CPU101は、対応するエラー報知に応じた音出力を示す音データを音声合成用IC173に出力する。音声合成用IC173は、入力された音データに対応したデータを音声データROM174から読出し、読出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。例えば、演出制御用CPU101は、所定のエラー音(例えばビープ音)を出力させる。
また、演出制御用CPU101は、エラー用ランプ制御実行データに従って、対応するエラー報知に応じた各ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS2008f)。例えば、ステップS2008fにおいて、演出制御用CPU101は、遊技枠11側に設けられた天枠ランプのLED281a〜281lを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS2008fでセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜604に出力される。
なお、この実施の形態では、図70に示すように、球切れエラーまたは賞球エラーを報知する場合には、スピーカ27からの音出力を行なわないが、球切れエラーや賞球エラーを報知する場合にも、スピーカ27を用いた音出力制御を行なうようにしてもよい。
ステップS2009では、演出制御用CPU101は、エラー報知解除フラグがセットされているか否かを確認する。セットされていれば、ステップS2010に移行する。セットされていなければ、そのまま処理を終了する。ステップS2010では、演出制御用CPU101は、報知制御プロセスフラグの値を報知開始処理(ステップS1900)に対応した値に変更し、処理を終了する。
以上のような処理が実行されることによって、各種エラーの報知が実行される。また、初期報知、ドア開放エラー報知、乱数回路エラー報知、異常入賞報知、RAMクリア報知、満タンエラー報知、賞球エラー報知および球切れエラー報知、操作部故障の順に優先してエラーの報知が実行される。
なお、演出制御用CPU101は、ステップS1960,S1965,S1971,S1977,S1984,S1993,S1999,S2004,S2008aでYと判定した後に、初期報知フラグ、ドア開放エラー報知フラグ、乱数回路エラーフラグ、異常入賞報知指定コマンド受信フラグ、RAMクリアフラグ、満タンエラー報知フラグ、賞球エラー報知フラグ、球切れエラー報知フラグ、操作部故障フラグのいずれか1つまたは複数がセットされているか否かを判定するようにしてもよい。そして、セットされている場合には、報知制御プロセスフラグの値を報知開始処理(ステップS1900)に対応した値に変更し、報知開始処理からやりなおすようにしてもよい。
次に、エラー用ランプ制御実行データに従って所定のデータ格納領域にセットされるランプ制御信号について説明する。図73は、報知制御プロセス処理においてシリアルデータ方式として出力されるランプ制御信号の例を示す説明図である。図73に示すように、この実施の形態では、エラー種類ごとに2パターン(パターンAとパターンB)のエラー用ランプ制御実行データが用いられる。この実施の形態では、パターンAとパターンBのエラー用ランプ制御実行データを切替えて用いることにより、ランプの点滅表示が制御される。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図73に示すランプ制御信号を、エラー用ランプ制御実行データに対応付けて、予めROMに設けられた所定のランプ制御信号格納領域に記憶している。そして、演出制御用CPU101は、エラー用ランプ制御実行データに基づいて、所定のランプ制御信号格納領域からランプ制御信号を抽出し、シリアル出力回路353に出力する。
また、各ランプ制御信号は、図73に示すように、出力先のシリアル−パラレル変換IC611〜615のアドレスが付加された状態で所定のランプ制御信号格納領域に記憶されている。例えば、天枠ランプのうちの一部のLED281a〜281fに制御信号を供給するシリアル−パラレル変換IC611のアドレスは「01」であるので、ランプを制御するための8桁のデータ本体にアドレス「0001」が付加された状態で格納されている。また、天枠ランプのうちの他の一部のLED281g〜281lに制御信号を供給するシリアル−パラレル変換IC612のアドレスは「02」であるので、ランプを制御するための8桁のデータ本体にアドレス「0010」が付加された状態で格納されている。また、右枠ランプのLED283a〜283fに制御信号を供給するシリアル−パラレル変換IC613のアドレスは「03」であるので、ランプを制御するための8桁のデータ本体にアドレス「0011」が付加された状態で格納されている。また、左枠ランプのLED282a〜282fに制御信号を供給するシリアル−パラレル変換IC614のアドレスは「04」であるので、ランプを制御するための8桁のデータ本体にアドレス「0100」が付加された状態で格納されている。
RAMクリア報知する場合には、図73に示すように、アドレスが「01」から「04」までの各シリアル−パラレル変換IC611〜614に、制御データ本体が「00111111」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、各ランプのLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fが点灯される。また、RAMクリア報知する場合、エラー用ランプ制御実行データがパターンAである場合とパターンBである場合とで同じ内容のランプ制御信号が出力されるので、エラー報知の実行中、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fが継続して点灯される状態となる。
なお、シリアル−パラレル変換IC611に出力されるランプ制御信号において、1ビット目はLED281aへの入力信号、2ビット目はLED281bへの入力信号、3ビット目はLED281cへの入力信号、4ビット目はLED281dへの入力信号、5ビット目はLED281eへの入力信号、6ビット目はLED281fへの入力信号に対応している。また、シリアル−パラレル変換IC612に出力されるランプ制御信号において、1ビット目はLED281gへの入力信号、2ビット目はLED281hへの入力信号、3ビット目はLED281iへの入力信号、4ビット目はLED281jへの入力信号、5ビット目はLED281kへの入力信号、6ビット目はLED281lへの入力信号に対応している。また、シリアル−パラレル変換IC613に出力されるランプ制御信号において、1ビット目はLED283aへの入力信号、2ビット目はLED283bへの入力信号、3ビット目はLED283cへの入力信号、4ビット目はLED283dへの入力信号、5ビット目はLED283eへの入力信号、6ビット目はLED283fへの入力信号に対応している。また、シリアル−パラレル変換IC614に出力されるランプ制御信号において、1ビット目はLED282aへの入力信号、2ビット目はLED282bへの入力信号、3ビット目はLED282cへの入力信号、4ビット目はLED282dへの入力信号、5ビット目はLED282eへの入力信号、6ビット目はLED282fへの入力信号に対応している。
ドア開放エラーを報知する場合には、図73に示すように、まず、パターンAのエラー用ランプ制御実行データに基づいて、アドレスが「01」から「04」までの各シリアル−パラレル変換IC611〜614に、制御データ本体が「00111111」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、各ランプのLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fが点灯される。また、プロセスデータ切替時に、パターンBのエラー用ランプ制御実行データに基づいて、アドレスが「01」から「04」までの各シリアル−パラレル変換IC611〜614に、制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、各ランプのLEDに対応するビットの論理値が全て0であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた全てのランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fが消灯される。そのような制御が繰り返し行なわれることによって、ドア開放エラーを報知する場合、遊技枠11側に設けられた全てのランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを所定時間間隔で点滅させるような制御が行なわれる。
球切れエラーを報知する場合には、図73に示すように、まず、パターンAのエラー用ランプ制御実行データに基づいて、アドレスが「01」、「02」の各シリアル−パラレル変換IC611,612に、制御データ本体が「00111111」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、天枠ランプのLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた天枠ランプのLED281a〜281lが点灯される。また、プロセスデータ切替時に、パターンBのエラー用ランプ制御実行データに基づいて、アドレスが「01」、「02」の各シリアル−パラレル変換IC611,612に、制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、天枠ランプのLEDに対応するビットの論理値が全て0であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた天枠ランプのLED281a〜281lが消灯される。そのような制御が繰り返し行なわれることによって、球切れエラーを報知する場合、遊技枠11側に設けられた天枠ランプのLED281a〜281lのみを所定時間間隔で点滅させるような制御が行なわれる。
満タンエラーを報知する場合には、図73に示すように、まず、パターンAのエラー用ランプ制御実行データに基づいて、アドレスが「05」のシリアル−パラレル変換IC615に、制御データ本体が「00001111」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、皿ランプ(図示せず。本例ではLED4個)に対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、皿ランプが点灯される。また、プロセスデータ切替時に、パターンBのエラー用ランプ制御実行データに基づいて、アドレスが「05」のシリアル−パラレル変換IC615に、制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、皿ランプに対応するビットの論理値が全て0であるランプ制御信号が出力され、皿ランプが消灯される。そのような制御が繰り返し行なわれることによって、満タンエラーを報知する場合、皿ランプのみを所定時間間隔で点滅させるような制御が行なわれる。
賞球エラーを報知する場合には、図73に示すように、まず、パターンAのエラー用ランプ制御実行データに基づいて、アドレスが「01」のシリアル−パラレル変換IC611に制御データ本体が「00111111」であるランプ制御信号が送信され、アドレスが「02」のシリアル−パラレル変換IC612に制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、天枠ランプの一部のLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた天枠ランプの一部のLED281a〜281fのみが点灯される。また、プロセスデータ切替時に、パターンBのエラー用ランプ制御実行データに基づいて、アドレスが「01」のシリアル−パラレル変換IC611に制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信され、アドレスが「02」のシリアル−パラレル変換IC612に制御データ本体が「00111111」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、天枠ランプの他の一部のLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた天枠ランプの他の一部のLED281g〜281lのみが点灯される。そのような制御が繰り返し行なわれることによって、賞球エラーを報知する場合、遊技枠11側に設けられた天枠ランプのLED281a〜281fとLED281g〜281lが交互に所定時間間隔で点滅させるような制御が行なわれる。
上記のような制御が繰り返し行なわれることによって、賞球エラーを報知する場合、遊技枠11側に設けられた各ランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fが互い違いに交互に所定時間間隔で点滅させるような制御が行なわれる。
乱数回路エラーを報知する場合には、図73に示すように、アドレスが「01」から「04」までの各シリアル−パラレル変換IC611〜614に、制御データ本体が「00111111」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、各ランプのLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fが点灯される。また、乱数回路エラーを報知する場合、エラー用ランプ制御実行データがパターンAである場合とパターンBである場合とで同じ内容のランプ制御信号が出力されるので、エラー報知の実行中、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fが継続して点灯される状態となる。
異常入賞エラーを報知する場合には、図73に示すように、まず、パターンAのエラー用ランプ制御実行データに基づいて、アドレスが「01」から「04」までのシリアル−パラレル変換IC611〜614に制御データ本体が「00101010」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、遊技枠11側に設けられたランプの一部のLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた各ランプの一部のLED281b,d,f,h,j,l,282b,d,f,283b,d,fのみが点灯される。なお、前述したように、シリアル−パラレル変換IC611に出力される制御信号において、2ビット目の1がLED281bへの入力信号、4ビット目の1がLED281dへの入力信号、6ビット目の1がLED281fへの入力信号に対応している。また、シリアル−パラレル変換IC612に出力される制御信号において、2ビット目の1がLED281hへの入力信号、4ビット目の1がLED281jへの入力信号、6ビット目の1がLED281lへの入力信号に対応している。また、シリアル−パラレル変換IC613に出力される制御信号において、2ビット目の1がLED283bへの入力信号、4ビット目の1がLED283dへの入力信号、6ビット目の1がLED283fへの入力信号に対応している。また、シリアル−パラレル変換IC614に出力される制御信号において、2ビット目の1がLED282bへの入力信号、4ビット目の1がLED282dへの入力信号、6ビット目の1がLED282fへの入力信号に対応している。
また、プロセスデータ切替時に、パターンBのエラー用ランプ制御実行データに基づいて、アドレスが「01」から「04」までのシリアル−パラレル変換IC611〜614に制御データ本体が「00010101」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、遊技枠11側に設けられた各天枠ランプの他の一部のLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた各ランプの他の一部のLED281a,c,e,g,i,k,282a,c,e,283a,c,eのみが点灯される。なお、前述したように、シリアル−パラレル変換IC611に出力される制御信号において、1ビット目の1がLED281aへの入力信号、3ビット目の1がLED281cへの入力信号、5ビット目の1がLED281eへの入力信号に対応している。また、シリアル−パラレル変換IC612に出力される制御信号において、1ビット目の1がLED281gへの入力信号、3ビット目の1がLED281iへの入力信号、5ビット目の1がLED281kへの入力信号に対応している。また、シリアル−パラレル変換IC613に出力される制御信号において、1ビット目の1がLED283aへの入力信号、3ビット目の1がLED283cへの入力信号、5ビット目の1がLED283eへの入力信号に対応している。また、シリアル−パラレル変換IC614に出力される制御信号において、1ビット目の1がLED282aへの入力信号、3ビット目の1がLED282cへの入力信号、5ビット目の1がLED282eへの入力信号に対応している。
操作部故障を報知する場合には、図73に示すように、アドレスが「01」、「02」の各シリアル−パラレル変換IC611,612に、制御データ本体が「00111111」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、天枠ランプのLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた天枠ランプのLED281a〜281lが点灯される。また、操作部故障を報知する場合、エラー用ランプ制御実行データがパターンAである場合とパターンBである場合とで同じ内容のランプ制御信号が出力されるので、操作部故障報知の実行中、遊技枠11側に設けられた全ての天枠ランプのLED281a〜281lが継続して点灯される状態となる。
なお、図73に示す例では、エラー報知を行なう際に、表示制御対象となっていないランプのシリアル−パラレル変換IC611〜615にもランプ制御信号が供給される。例えば、RAMクリア報知する場合には、皿ランプの点灯または点滅制御を行なう必要はないが、図73に示す例では、アドレスが「05」であるシリアル−パラレル変換IC615に対しても、対応するビットの論理値が全て0であるランプ制御信号が出力される。そのようにすることによって、エラー報知の際の制御対象ではないLEDを確実に消灯させた状態にすることができる。
なお、エラー報知を行なう際に、表示制御対象となっていないランプのシリアル−パラレル変換IC611〜615にはランプ制御信号を出力(送信)しないようにしてもよい。図74は、報知制御プロセス処理においてシリアルデータ方式として出力されるランプ制御信号の他の例を示す説明図である。
RAMクリア報知やドア開放エラー報知、乱数エラー報知、異常入賞エラー報知を行なう場合には、皿ランプは表示制御対象となっていないので、図74に示すように、アドレスが「05」であるシリアル−パラレル変換IC615にはランプ制御信号を出力しないようにする。また、球切れエラー報知や賞球エラー報知を行なう場合には、皿ランプに加えて左枠ランプおよび右枠ランプも表示制御対象となっていないので、図74に示すように、アドレスが「03」〜「05」であるシリアル−パラレル変換IC613〜615にはランプ制御信号を出力しないようにする。また、満タンエラー報知を行なう場合には、皿ランプのみが表示制御対象となっているので、図74に示すように、アドレスが「01」〜「04」であるシリアル−パラレル変換IC611〜614にはランプ制御信号を出力しないようにする。そのようにすることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100から各枠側IC基板602〜605に出力するランプ制御信号を低減することができる。
なお、図73および図74に示す例では、遊技枠11側に設けられたランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82dのみを用いて各種エラー報知を行なう場合を説明したが、これらに加えて遊技盤6側に設けられたセンター飾り用ランプやステージランプのLED125a〜125f,126a〜126fを用いて各種エラー報知を行なうようにしてもよい。また、操作部81に設けられた各ランプ(第1押圧操作部ランプ82a〜第8押圧操作部ランプ82hや、操作部中央ランプ82A、第1回転操作部ランプ82i〜第4回転操作部ランプ82lを用いて各種エラー報知を行なうようにしてもよい。
次に、遊技演出においてであるトロッコ151、梁152を動作させるときに出力されるモータ制御信号について説明する。図75は、遊技演出においてシリアルデータ方式として出力されるモータ制御信号の例を示す説明図である。図75に示すモータ制御信号は、例えば、図57に示す飾り図柄変動中処理において、可動部材であるトロッコ151、梁152を用いた予告演出を含む変動表示が実行される際に、ステップS845Cのシリアル設定処理において所定のデータ格納領域にセットされる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図75に示すモータ制御信号を、例えば、表示制御実行データに対応付けて、予めROMに設けられた所定のモータ制御信号格納領域に記憶している。そして、演出制御用CPU101は、表示制御実行データに基づいて、所定のモータ制御信号格納領域からモータ制御信号を抽出し、シリアル出力回路353に出力する。
また、各モータ制御信号は、図75に示すように、出力先のシリアル−パラレル変換IC616のアドレスが付加された状態で所定のランプ制御信号格納領域に記憶されている。この実施の形態では、各モータ151a,152aに制御信号を供給するシリアル−パラレル変換IC616のアドレスは「06」であるので、モータを制御するための8桁のデータ本体にアドレス「0110」が付加された状態で格納されている。
可動部材としてトロッコ151を正方向に動作させる場合には、アドレスが「06」であるシリアル−パラレル変換IC616に、制御データ本体が「00000001」であるモータ制御信号が送信される。すなわち、トロッコ151を駆動するためのモータ151aの正方向動作に対応するビット(制御データの1ビット目)の論理値が1であるモータ制御信号が出力され、モータ151aが駆動することによってトロッコ151が動作される。また、トロッコ151の動作を停止させる場合には、アドレスが「06」であるシリアル−パラレル変換IC616に、制御データ本体が「00000000」であるモータ制御信号が送信される。すなわち、モータ151aの正方向動作に対応するビット(制御データの1ビット目)の論理値が0であるモータ制御信号が出力され、モータ151aの駆動が停止されることによってトロッコ151の動作が停止される。なお、この実施の形態では、トロッコ151を正方向に動作させた場合、位置センサ151bでトロッコ151が検出されるとともに、所定時間(例えば1秒)モータ151aの駆動時間を経過したことを条件として、モータ151aの駆動が停止される。
可動部材としてトロッコ151を逆方向に動作させる場合には、アドレスが「06」であるシリアル−パラレル変換IC616に、制御データ本体が「00000010」であるモータ制御信号が送信される。すなわち、トロッコ151を駆動するためのモータ151aの逆方向動作に対応するビット(制御データの2ビット目)の論理値が1であるモータ制御信号が出力され、モータ151aが駆動することによってトロッコ151が動作される。また、トロッコ151の動作を停止させる場合には、アドレスが「06」であるシリアル−パラレル変換IC616に、制御データ本体が「00000000」であるモータ制御信号が送信される。すなわち、モータ151aの逆方向動作に対応するビット(制御データの2ビット目)の論理値が0であるモータ制御信号が出力され、モータ151aの駆動が停止されることによってトロッコ151の動作が停止される。なお、この実施の形態では、トロッコ151を逆方向に動作させた場合、位置センサ151bでトロッコ151が検出されなくなるとともに、所定時間(例えば1秒)モータ151aの駆動時間を経過したことを条件として、モータ151aの駆動が停止される。
可動部材として梁152を正方向に動作させる場合には、アドレスが「06」であるシリアル−パラレル変換IC616に、制御データ本体が「00000100」であるモータ制御信号が送信される。すなわち、梁152を駆動するためのモータ152aの正方向動作に対応するビット(制御データの3ビット目)の論理値が1であるモータ制御信号が出力され、モータ152aが駆動することによって梁152が動作される。また、梁152の動作を停止させる場合には、アドレスが「06」であるシリアル−パラレル変換IC616に、制御データ本体が「00000000」であるモータ制御信号が送信される。すなわち、モータ152aの正方向動作に対応するビット(制御データの3ビット目)の論理値が0であるモータ制御信号が出力され、モータ152aの駆動が停止されることによって梁152の動作が停止される。なお、この実施の形態では、梁152を正方向に動作させた場合、位置センサ152bで梁152が検出されるとともに、所定時間(例えば1秒)モータ152aの駆動時間を経過したことを条件として、モータ152aの駆動が停止される。
可動部材として梁152を逆方向に動作させる場合には、アドレスが「06」であるシリアル−パラレル変換IC616に、制御データ本体が「00001000」であるモータ制御信号が送信される。すなわち、梁152を駆動するためのモータ152aの逆方向動作に対応するビット(制御データの4ビット目)の論理値が1であるモータ制御信号が出力され、モータ152aが駆動することによって梁152が動作される。また、梁152の動作を停止させる場合には、アドレスが「06」であるシリアル−パラレル変換IC616に、制御データ本体が「00000000」であるモータ制御信号が送信される。すなわち、モータ152aの逆方向動作に対応するビット(制御データの4ビット目)の論理値が0であるモータ制御信号が出力され、モータ152aの駆動が停止されることによって梁152の動作が停止される。なお、この実施の形態では、梁152を逆方向に動作させた場合、位置センサ152bで梁152が検出されなくなるとともに、所定時間(例えば1秒)モータ152aの駆動時間を経過したことを条件として、モータ152aの駆動が停止される。
また、この実施の形態では、演出モード選択処理におけるステップS726,S731A、操作時演出処理におけるステップS754,S760,S766において、シリアル−パラレル変換IC622やシリアル−パラレル変換IC623に操作指示用のランプ制御信号がシリアルデータ形式で出力されることによって、操作部81におけるランプ表示が行われる。
図76(A)は、操作指示用プロセステーブルの構成例を示す説明図である。操作指示用プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が操作部81のランプ表示の制御を実行して各種操作指示表示を行なう際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、操作指示用プロセステーブルに設定されているデータに従って操作部81の各ランプの制御を行なって各種操作指示表示を行なう。操作指示用プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と操作指示用ランプ制御実行データとの組合せが複数集まったデータで構成されている。プロセスタイマ設定値には、そのランプの表示状態での継続時間が設定されている。演出制御用CPU101は、操作指示用プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけランプ表示制御実行データに設定されている態様で各ランプの点灯、非点灯状態を制御する。
図76(A)に示す操作指示用プロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、操作指示用プロセステーブルは、操作指示種類(決定操作指示、回転操作指示、選択操作指示)に応じて用意されている。また、この実施の形態では、操作指示用プロセスタイマがタイムアウトする毎に、パターンAの点灯とパターンBの点灯とを切替えて、点灯または点滅するように制御される。
図76(B)は、演出モード選択処理や操作時演出処理においてシリアルデータ形式として出力されるランプ制御信号の例を示す説明図である。図76(B)に示すように、この実施の形態では、操作指示種類ごとに2パターン(パターンAとパターンB)の操作指示用ランプ制御実行データが用いられる。この実施の形態では、パターンAとパターンBの操作指示用ランプ制御実行データを切替えて用いることにより、ランプの点滅表示が制御される。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図76(B)に示すランプ制御信号を、操作指示用ランプ制御実行データに対応付けて、予めROMに設けられた所定のランプ制御信号格納領域に記憶している。そして、演出制御用CPU101は、操作指示用ランプ制御実行データに基づいて、所定のランプ制御信号格納領域からランプ制御信号を抽出し、シリアル出力回路353に出力する。
また、各ランプ制御信号は、図76(B)に示すように、出力先のシリアル−パラレル変換IC622,623のアドレスが付加された状態で所定のランプ制御信号格納領域に記憶されている。例えば、第1押圧操作部ランプ82a〜第8押圧操作部ランプ82hに制御信号を供給するシリアル−パラレル変換IC622のアドレスは「12」であるので、ランプを制御するための8桁のデータ本体にアドレス「00010010」が付加された状態で格納されている。また、第1回転操作部ランプ82i〜第4回転操作部ランプ82l、および操作部中央ランプ82Aに制御信号を供給するシリアル−パラレル変換IC623のアドレスは「13」であるので、ランプを制御するための8桁のデータ本体にアドレス「00010011」が付加された状態で格納されている。
決定操作指示表示を行う場合には(ステップS731A,S760参照)、まず、パターンAの操作指示用ランプ制御実行データに基づいて、アドレスが「13」であるシリアル−パラレル変換IC623に、制御データ本体が「00000001」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、マルチカラーLEDである操作部中央ランプ82Aの赤色発光用の入力端子に対応するビットの論理値が1であるランプ制御信号が出力され、操作部81の押圧操作部811において赤色で「押せ!!」などの文字列が点灯される。また、プロセスデータ切替時に、パターンBの操作指示用ランプ制御実行データに基づいて、アドレスが「13」であるシリアル−パラレル変換IC623に、制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、各ランプのLEDに対応するビットの論理値が全て0であるランプ制御信号が出力され、操作部中央ランプ82Aが消灯される。そのような制御が繰り返し行われることによって、決定操作指示表示を行う場合、操作部81の押圧操作部811において赤色で「押せ!!」などの文字列を所定時間間隔で点滅させるような制御が行われる。
回転操作指示表示を行う場合には(ステップS726,S754参照)、まず、アドレスが「13」であるシリアル−パラレル変換IC623に、制御データ本体が「00000010」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、マルチカラーLEDである操作部中央ランプ82Aの青色発光用の入力端子に対応するビットの論理値が1であるランプ制御信号が出力され、操作部81の押圧操作部811において青色で「回せ!!」などの文字列が点灯される。また、回転操作指示表示を行う場合、操作指示用ランプ制御実行データがパターンAである場合とパターンBである場合とで同じ内容のランプ制御信号が出力されるので、操作部81の押圧操作部811において青色で「回せ!!」などの文字列が継続して点灯される状態となる。
選択操作指示表示を行う場合には(ステップS766参照)、まず、パターンAの操作指示用ランプ制御実行データに基づいて、アドレスが「12」であるシリアル−パラレル変換IC622に、制御データ本体が「00001111」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、第1押圧操作部ランプ82a〜第4押圧操作部ランプ82dに対応するビットの論理値が1であるランプ制御信号が出力され、操作部81の押圧操作部811において第1押圧操作部ランプ82a〜第4押圧操作部ランプ82dが点灯される。また、プロセスデータ切替時に、パターンBの操作指示用ランプ制御実行データに基づいて、アドレスが「12」であるシリアル−パラレル変換IC622に、制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、各ランプのLEDに対応するビットの論理値が全て0であるランプ制御信号が出力され、第1押圧操作部ランプ82a〜第4押圧操作部ランプ82dが消灯される。そのような制御が繰り返し行われることによって、選択操作指示表示を行う場合、操作部81の押圧操作部811において第1押圧操作部ランプ82a〜第4押圧操作部ランプ82dを所定時間間隔で点滅させるような制御が行われる。
次に、シリアル設定処理について説明する。図77は、シリアル設定処理の一例を示すフローチャートである。シリアル設定処理は、例えば、演出制御プロセス処理において飾り図柄の変動表示を行なうとき(ステップS835C,845C参照)や、各種エラー報知を行なうとき(ステップS1970,S1976,S1983,S1990,S1998,S2003,S2008,S2008d)に実行される。
シリアル設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、ROMからランプ制御実行データ(変動パターンに伴うランプの点灯パターンのデータや、モータ制御用データ(ステップS835Cのみ)等)を読出す(ステップS950)。この場合、演出制御用CPU101は、例えば、飾り図柄の変動表示の実行中にシリアル設定処理を行なう場合には、図56に示したプロセステーブルのランプ制御実行データを読出すことになる。また、報知制御プロセス処理においてシリアル設定処理を行なう場合には、図72に示したエラー報知用プロセステーブルのエラー用ランプ制御実行データを読出すことになる。また、演出モード選択処理や操作時演出処理において操作指示表示を行うときにシリアル設定処理を行う場合には、図76(A)に示した操作指示用プロセステーブルの操作指示用ランプ制御実行データを読み出すことになる。
次いで、演出制御用CPU101は、読出したランプ制御実行データに基づいて、各ランプの表示状態に変更があるか否かを確認する(ステップS951)。各ランプの表示状態に変更があれば、演出制御用CPU101は、表示制御対象のランプのシリアル−パラレル変換ICのアドレスが付加されたランプ制御信号を、所定のランプ制御信号格納領域から抽出する(ステップS952)。次いで、抽出したランプ制御信号に、図19に示すヘッダデータ(1FFh)やマークビット、エンドビットを付加して、RAMに設けられた所定のデータ格納領域に設定する(ステップS953)。そして、ランプ制御信号出力要求フラグをセットする(ステップS954)。
例えば、報知制御プロセス処理におけるステップS907,S922,S929でシリアル設定処理が実行された場合には、ステップS952で図73に示すいずれかのアドレス付きのランプ制御信号が読出され、ステップS953でデータ格納領域に設定されることになる。
次いで、演出制御用CPU101は、ROMから表示制御実行データを読出す(ステップS955)。この場合、演出制御用CPU101は、例えば、飾り図柄の変動表示の実行中にシリアル設定処理を行なう場合には、図56に示したプロセステーブルの表示制御実行データを読出すことになる。一方、報知制御プロセス処理においてシリアル設定処理を行なう場合には、図72に示したエラー報知用プロセステーブルには表示制御実行データは含まれないので、次のステップS956でそのままNと判定されることになる。また、演出モード選択処理や操作時演出処理においてシリアル設定処理を行う場合には、図76(A)に示した操作指示用プロセステーブルには表示制御実行データは含まれないので、次のステップS956でそのままNと判定されることになる。
次いで、演出制御用CPU101は、読出した表示制御実行データに基づいて、いずれかの可動部材151,152の可動が遊技演出に含まれるか否かを確認する(ステップS956)。可動部材151,152の可動がある場合には、演出制御用CPU101は、可動対象の可動部材151,152のシリアル−パラレル変換ICのアドレス(本例では「06」)が付加されたモータ制御信号を、所定のモータ制御信号格納領域から抽出する(ステップS957)。次いで、抽出したモータ制御信号に、図19に示すヘッダデータ(1FFh)やマークビット、エンドビットを付加して、RAMに設けられた所定のデータ格納領域に設定する(ステップS958)。そして、モータ制御信号出力要求フラグをセットする(ステップS959)。
例えば、飾り図柄の変動表示に予告演出等が含まれ、いずれかの可動部材151,152が可動される場合には、ステップS835C,S845Cでシリアル設定処理が実行されるときに、ステップS952で図75に示すいずれかのアドレス付きのモータ制御信号が読出され、ステップS953でデータ格納領域に設定されることになる。
図78は、出力対象のランプ制御信号やモータ制御信号が設定されるデータ格納領域の一構成例を示す説明図である。この例では、ランプ制御信号またはモータ制御信号を格納するデータ格納領域が9個用意されており、盤側IC基板601や各枠側IC基板602〜605に出力される順に、ランプ制御信号やモータ制御信号がステップS953で順次格納される。
図79は、シリアル入出力処理(ステップS708)の具体例を示すフローチャートである。シリアル入出力処理において、演出制御用CPU101は、まず、ランプ制御信号出力要求フラグまたはモータ制御信号出力要求フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS970)。セットされていれば、それらのランプ制御信号出力要求フラグまたはモータ制御信号出力要求フラグをリセットし(ステップS971)、データ格納領域に格納されているランプ制御信号やモータ制御信号をシリアル出力回路353に出力する(ステップS972)。この場合、演出制御用CPU101は、複数のランプ制御信号がデータ格納領域にセットされている場合には、ステップS972において各ランプ制御信号を順に読出し、シリアル出力回路353に出力する。そして、出力されたランプ制御信号やモータ制御信号は、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換され、中継基板606,607を介して、盤側IC基板601や各枠側IC基板602〜605にシリアルデータ方式として出力されることになる。
次いで、演出制御用CPU101は、入力取込信号出力部357に、盤側IC基板601に対して中継基板606,607を介して入力取込信号(ラッチ信号)を出力させる(ステップS973)。盤側IC基板601に搭載された入力IC621は、入力取込信号が入力されたことに基づいて、各位置センサ151b,152bの検出信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板606,607を介して演出制御基板80に出力することになる。そして、演出制御用CPU101は、シリアル入力回路354から入力データを読み込んでRAMの所定の格納領域に格納する(ステップS974)。なお、ステップS974では、演出制御用CPU101は、シリアル入力回路354が入力IC621から入力データを受信する時間分遅延させてからシリアル入力回路354から入力データを読み込むように制御する。
次いで、演出制御用CPU101は、入力取込信号出力部357に、枠側IC基板605に対して中継基板607を介して入力取込信号(ラッチ信号)を出力させる(ステップS975)。盤側IC基板605に搭載された入力IC620は、入力取込信号が入力されたことに基づいて、第1押圧検出器81a〜第4押圧検出器81d、第1回転検出器81eおよび第2回転検出器81fの検出信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板607を介して演出制御基板80に出力することになる。そして、演出制御用CPU101は、シリアル入力回路354から入力データを読み込んでRAMの所定の格納領域に格納する(ステップS976)。また、ステップS976においては、操作部81における押圧操作部811の操作(押圧操作)を検出したときに、演出制御用CPU101は、前述の故障判定用操作検出フラグをセットする。なお、ステップS976では、演出制御用CPU101は、シリアル入力回路354が入力IC620から入力データを受信する時間分遅延させてからシリアル入力回路354から入力データを読み込むように制御する。
図80は、演出表示装置9における表示演出、スピーカ27による音演出および各ランプによる表示演出の状況の例を示す説明図である。図80(A)には、演出表示装置9において飾り図柄の変動表示が行なわれているときの例が示されている。
図80(B)には、演出表示装置9において初期化報知が行なわれている場合の例が示されている。図80(B)に示すように、初期化指定コマンドを受信して演出表示装置9において初期化報知が行なわれる場合には、初期化指定コマンドを受信してから所定期間(例えば31秒間)、遊技枠11に設けられた全てのランプ(皿ランプを除く)のLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを点灯させるとともに、スピーカ27から所定のエラー音を出力させ、RAMクリアが行なわれたことを報知する。
図80(C)には、演出表示装置9において異常報知が行なわれ、スピーカ27によって異常報知音の出力がなされ、各ランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fによって異常報知表示(例えば点滅表示)がなされている場合の例が示されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知指定コマンドを受信すると、演出表示装置9に異常報知画面を表示する制御を行なうとともに、スピーカ27から異常報知音を出力させ、各ランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fに異常報知表示させる制御を行なう。また、変動パターンコマンドの受信に応じて飾り図柄の変動表示が開始されても、演出表示装置9における異常報知画面の表示、スピーカ27からの異常報知音の出力、および各ランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fの異常報知表示を継続させる。また、飾り図柄の変動表示が終了しても、演出表示装置9における異常報知画面の表示、スピーカ27からの異常報知音の出力、および各ランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fの異常報知表示を継続させる。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は異常報知画面を消去する制御、異常報知音の出力を停止する制御、および異常報知表示を停止する制御を実行しないので、演出表示装置9における異常報知画面の表示、スピーカ27からの異常報知音の出力、および各ランプのLED281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fの異常報知表示は、遊技機に対する電力供給が停止するまで継続する。ただし、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知画面の表示、異常報知音の出力および異常報知表示が開始されてから所定時間が経過すると、異常報知画面の表示、異常報知音の出力および異常報知表示を停止するように制御してもよい。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間(初期化報知が実行されている期間)、異常入賞の検出を行なわず、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知指定コマンドが送信されることはない。しかし、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値が所定値(この実施の形態では5)未満のときには常時異常入賞の検出を行なうようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間の間に異常入賞報知指定コマンドを受信した場合には、異常入賞の報知を行なわないようにしてもよい。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技状態でないときに1個の遊技球が大入賞口に入賞したことを検出すると、異常入賞報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信したが、大当り遊技状態でないときに大入賞口に所定個(複数)の遊技球が入賞したことを検出すると、異常入賞報知指定コマンドを送信するように制御してもよい。さらに、大当り遊技状態でないときに、所定の時間内に、所定個(複数)の遊技球が入賞したことを検出すると、異常入賞報知指定コマンドを送信するように制御してもよい。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知指定コマンドを受信すると、上述したように、異常報知画面の表示、異常報知音の出力および異常報知表示を行なう。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、遊技者により押圧操作可能な押圧操作部811と、遊技者により回転操作可能な回転操作部812とを備える。そのため、複数の操作手段を備えることによって、より遊技性の向上を図ることができる。また、所定の遊技条件が成立すると、操作部中央ランプ82Aからの光によって押圧操作部811または回転操作部812のいずれかを操作すべき旨を視認可能に表示する表示部材811Aを備える。そのため、いずれの操作手段を用いるのかを遊技者に対して報知することができる。したがって、操作手段を複数設けた場合であっても、遊技者がいずれの操作手段を操作すべきかを容易に認識できるようにすることができ、操作手段による操作が介在する遊技機を円滑に進めることができる。
また、この実施の形態によれば、回転操作部812が押圧操作部811の周囲を囲うような形状に配置されていることによって、押圧操作部811と回転操作部812とが一体構成されている。そのため、必要以上に場所をとらずに複数の操作手段を設置することができる。
また、この実施の形態によれば、表示部材811Aが、押圧操作部811の内部に設けられている。そのため、押圧操作部811の表示を確認しさえすれば、遊技者がいずれの操作手段を操作すべきかを容易に認識できるようにすることができる。
また、この実施の形態によれば、操作部中央ランプ(マルチカラーLED)82Aを赤色で発光させることによって、押圧操作部811を操作すべき旨の「押せ!!」などの文字列を表示部材811Aに視認可能に表示させる。また、操作部中央ランプ82Aを青色で発光させることによって、回転操作部812を操作すべき旨の「回せ!!」などの文字列を表示部材811Aに視認可能に表示させる。そのため、いずれの操作手段を操作すべきかを文字列で認識することができ、遊技者がいずれの操作手段を操作すべきかを容易に認識できるようにすることができる。
また、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドに基づいて各ランプのLED125a〜125f,126a〜126f,281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを制御するための制御信号をシリアル信号方式で出力する。また、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619,622,623と、枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615とが、1系統の配線を介して接続されるとともに、予め相互に異なるアドレス情報が割り当てられ、自己のアドレス情報が付加された制御信号のみをパラレル信号方式に変換して出力する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技盤6に設けられたシリアル−パラレル変換IC616〜619,622,623を制御するための制御信号を出力するときには、シリアル−パラレル変換IC616〜619を特定可能なアドレス情報を付加した制御信号をシリアル信号方式で出力する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技枠11に設けられたシリアル−パラレル変換IC611〜615を制御するための制御信号を出力するときには、シリアル−パラレル変換IC611〜615を特定可能なアドレス情報を付加した制御信号をシリアル信号方式で出力する。そのため、遊技盤6と遊技枠11との間の配線数を低減することができる。従って、遊技枠11と遊技盤6とが着脱自在に構成された遊技機において、遊技枠11と遊技盤6との着脱作業を容易に行なえるようにすることができる。
また、この実施の形態によれば、中継基板606,607によって、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619,622,623と、各枠側IC基板602〜604に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615との接続が中継される。また、中継基板607によって、各枠側IC基板602〜604に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615と演出制御用マイクロコンピュータ100との接続が中継される。そのため、中継基板606,607への接続作業や取り外し作業を行なうだけで遊技枠11と遊技盤6との脱着作業を容易に行なうことができる。
また、この実施の形態によれば、遊技枠11側に2つのシリアル−パラレル変換611,612を搭載した集合基板としての枠側IC基板602が設けられている。また、遊技盤6側に4つのシリアル−パラレル変換IC616〜619,622,623を搭載した集合基板としての盤側IC基板601が設けられている。そのため、シリアル−パラレル変換ICを搭載する基板を集約することができ、遊技機における部品点数を低減することができる。
また、この実施の形態によれば、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619,622,623と、枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615とが、コネクタを用いて1系統の配線を介して接続されている。そのため、コネクタの着脱を行なうだけで遊技枠11と遊技盤6との配線作業を行なうことができ、遊技枠11と遊技盤6との着脱作業をさらに容易に行なえるようにすることができる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御コマンドを、シリアル出力回路78を用いて、シリアル信号方式で演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。そのため、遊技制御用マイクロコンピュータ560と演出制御用マイクロコンピュータ100との間の配線数も低減することができる。
また、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619,622,623、枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615、および入力IC620,621に共通に用いるクロック信号を出力する。そのため、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619,622,623、枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615、および入力IC620,621とを容易に同期させることができ、クロック信号用の配線数も低減することができる。
また、この実施の形態において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、シリアル−パラレル変換IC611〜619,622のデバイスIDをアドレスとして予めRAMの所定のアドレス記憶領域に記憶するようにしてもよい。そのように構成すれば、シリアル−パラレル変換IC611〜619,622,623に固有のID情報をアドレス情報として利用して各ランプ125a〜125f,126a〜126f,281a〜281l,282a〜282f,283a〜283f,82a〜82iを制御することができる。
また、この実施の形態では、初期化報知が異常報知に対して優先されるので、初期化報知が認識しにくくなるような事態が生ずることが防止される。すなわち、目立つように初期化報知が行なわれる。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたとき以外でも、プログラムを先頭番地(例えば、0000番地)から実行開始させるユーザリセットが発生したときには、初期化指定コマンドを送信する。ユーザリセットが発生する原因として、例えば、ウォッチドッグタイマを使用するように構成されている場合において、プログラムの円滑な進行を妨げるような不正行為によってウォッチドッグタイマがタイムアウトしたような場合がある。そのような不正行為は、特に、大当り図柄決定用乱数に基づいて所定の大当り図柄(予め決められている確変大当り図柄や突然確変大当り図柄)が決定されたときに確変状態に制御するように構成されている場合に生じやすい。つまり、遊技制御用マイクロコンピュータ560を初期化して大当り図柄決定用乱数を生成するためのカウンタを初期化させ、そのカウンタのカウント値を把握しやすくするような不正行為を受けやすい。この実施の形態のように、初期化報知を目立つようにすることによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化されたことを遊技機の外部から容易に把握できるので、不正行為がなされた可能性があることが容易に認識される。
なお、この実施の形態では、演出制御基板80、盤側IC基板601、各枠側IC基板602〜605および各中継基板606,607の接続形態として、演出制御基板80、中継基板606および中継基板607がバス型に1系統の配線ルートで接続され、盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜604に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜619,622,623がバス型に1系統の配線ルートで接続される場合を説明したが、盤側IC基板601に搭載された各シリアル−パラレル変換IC616〜619,622,623を直列接続(以下、デイジーチェーン型の接続ともいう)したり、各枠側IC基板602〜605に搭載された各シリアル−パラレル変換IC611〜615を直列接続(デイジーチェーン型の接続)することによって、配線数を低減してもよい。
また、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ100は、制御信号としてのシリアルデータとともに、クロック信号を中継基板607に出力し、中継基板607が、演出制御用マイクロコンピュータ100から入力したシリアルデータおよびクロック信号を、さらに中継基板606を介して盤側IC基板601に供給するようにしてもよい。
また、遊技枠11や遊技盤6に設けるランプのLEDとして、諧調制御を行なうLED(例えば、マルチカラーLED)を用いるようにし、明るさを制御できるようにしてもよい。LEDの諧調制御を行なう場合に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、輝度に応じたパルス数の情報(例えば、論理値0または1)を含む制御信号を、シリアル出力回路353を用いてシリアルデータ方式として出力する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、パルス数に限らず、輝度に応じたパルス幅の情報を含む制御信号を、シリアル出力回路353を用いてシリアルデータ方式として出力するようにしてもよい。このような諧調制御を行なうランプのLEDを用いて明るさを制御する場合、輝度を調整するランプのLEDに制御信号を出力するシリアル−パラレル変換ICと、輝度を調整しないランプのLEDに制御信号を出力するシリアル−パラレル変換ICとを異ならせるようにしてもよい。
また、遊技盤6側に搭載された各ランプのLED125a〜125f,126a〜126fで諧調制御を行なうようにしてもよい。この場合、盤側IC基板601にも、輝度を調整しないランプのLEDに制御信号を出力するシリアル−パラレル変換ICと、輝度を調整するランプのLEDに制御信号を出力するシリアル−パラレル変換ICとが、別々に搭載されることになる。
このように輝度を調整する場合に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ランプのLEDの発光状態を制御する制御信号として、ランプのLEDを発光させるときの輝度に応じて、パルス数を変化させた信号を出力する。これにより、ランプのLEDの輝度を調整する諧調制御を行なえるようにすることができる。なお、パルス数を変化させた信号を出力することによって諧調制御を行なう場合に限らず、パルス量を変化させた信号を出力するものであれば、他の方法を用いて諧調制御を行なうようにしてもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、パルス幅を変化させた信号を出力することによって、ランプのLEDの諧調制御を行なうようにしてもよい。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定期間が経過すると初期化報知を終了させたが(ステップS901〜S905参照)、他のタイミングで初期化報知を終了させるようにしてもよい。例えば、初期化報知が開始されてから最初に飾り図柄の変動表示が開始されるときに初期化報知を終了させたり、飾り図柄の変動表示が開始される前に異常入賞報知指定コマンドを受信したときに初期化報知を終了させたりしてもよい。また、客待ちデモ指定コマンドを受信したり、初期化報知が開始されてから客待ちデモ指定コマンド以外の最初の演出制御コマンドを受信したときに初期化報知を終了させてもよい。つまり、遊技店員等が、初期化報知を認識することができるのに十分な期間だけ、初期化報知が継続されることが好ましい。
また、この実施の形態では、演出制御手段は、変動パターンコマンドを受信したが表示結果特定コマンドを受信できなかった場合に、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用され得る変動パターンコマンドを受信したと判定した場合には、停止図柄を通常大当り図柄に決定し、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用され得る変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンドを受信したと判定したときには、停止図柄を、受信した変動パターンに応じた飾り図柄の組合せに決定するので、ノイズ等によって表示結果特定コマンドを受信できなくても、大当りが発生することを演出表示装置9によって報知できる。さらに、変動パターンコマンドを受信した直後に、表示結果特定コマンド以外の演出制御コマンドを受信したと判定したときに、受信した変動パターンコマンドに基づく上記の制御を行なうようにしてもよい。つまり、演出制御手段は、正規コマンドを受信できなかったと判定したり(例えば、表示結果特定コマンドを受信できない。)、非正規コマンドを受信したと判定した(例えば、変動パターンコマンドに続いて表示結果特定コマンド以外の演出制御コマンドを受信した。)場合に、受信された正規コマンドに基づいて演出制御(例えば、飾り図柄の停止図柄を決定する。)を実行することが好ましい。そのように構成すれば、正規コマンドの非受信や非正規コマンドの受信によって遊技者に不利益が与えられることが防止される。
また、他の演出制御コマンドについても、同様の制御を行なうようにしてもよい。例えば、特定遊技状態の開始を特定可能な大当り開始指定コマンドを受信した場合に、既に受信している表示結果特定コマンドと整合しない場合(例えば、通常大当りを示す表示結果2指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているときに、確変大当りを示す大当り開始3指定コマンドを受信したような場合)に、大当り開始指定コマンドに基づく演出制御(例えば、確変大当りであることを演出装置で報知)を実行したり、特定遊技状態の終了を特定可能な大当り終了指定コマンドを受信した場合に、既に受信している大当り開始指定コマンドと整合しない場合(例えば、通常大当りを示す大当り開始1指定コマンドを受信した後、確変大当りを示す大当り終了指定2コマンドを受信した場合)に、大当り終了指定コマンドに基づく演出制御(例えば、演出表示装置9の背景を確変状態に対応した背景にする)を実行する。そのように構成されている場合には、演出制御手段の制御が、遊技制御手段の制御とできるだけ食い違わないようにすることができる。
また、この実施の形態において、図25の(e)〜(i)に示すようなスーパーリーチであることを特定する演出の実行時における押圧操作部811の押圧操作を要求する期間において、押圧操作部811の押圧操作が行なわれたときに、第1押圧検出器81a〜第4押圧検出器81dのうちいずれか複数の押圧検出器により押圧操作が検出されたときに限り、操作にしたがって図25の(g)に示す表示が行なわれるように演出表示装置9を制御するようにしてもよい。
図81は、操作時演出処理の他の例を示すフローチャートである。図81の操作時演出処理が図58の操作時演出処理と異なるのは、ステップS759,S760〜S762の代わりに、ステップS759a,S761a〜S763aが設けられたことである。
ステップS758により押圧操作を要求する期間であると判断したときは、前述した決定操作検出フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS759a)。決定操作検出フラグがセットされていると判断したときは、決定操作にしたがって演出表示装置9を制御する(ステップS761a)。具体的に、ステップS761では、図25の(g)に示すようなチャンス表示において、押圧操作部811の決定操作による押圧操作回数の増加に応じて、棒グラフ形式で表示されるパワーの値が増加する表示を行なう。そして、押圧操作部811の決定操作が行なわれたことに応じて、決定操作に対応するLED(例えば、第1押圧操作部ランプ82a〜第4押圧操作部ランプ82d)を発光させるためにシリアル設定処理を実行する(ステップS762a)。そして、決定操作検出フラグをリセット(ステップS763a)し、処理を終了する。
このような操作時演出処理により、押圧操作部811の押圧操作を要求する期間において、押圧操作部811の押圧操作が行なわれたときに、第1押圧検出器81a〜第4押圧検出器81dのうちいずれか複数の押圧検出器により押圧操作が検出されたときに限り、押圧操作が有効と判断される。
また、この実施の形態では、決定操作を指示表示する場合に押圧操作部811において赤色で「押せ!!」などの文字列を表示させ、回転操作を指示表示する場合に押圧操作部811において青色で「回せ!!」などの文字列を表示させる場合を示したが、操作部81における操作指示表示の態様は、この実施の形態で示した態様に限られない。例えば、図82(a)に示すように、決定操作を指示表示する場合には、押圧操作部811を点滅(点灯でもよい)させるようにし、回転操作を指示表示する場合には、図82(b),(c)に示すように、押圧操作部811の外周部のランプを回転表示させるようにしてもよい。この場合、図82(d)に示すように、操作部81は、押圧操作部811内の外周部に、単色LEDである第1押圧操作部ランプ82a〜第8押圧操作部ランプ82hを備える。また、押圧操作部811内の中央部に、単色LEDである操作部中央ランプ82Aを備える。この場合に、決定操作を指示表示する場合には、操作部中央ランプ82Aを発光させることにより、図82(a)に示すように、押圧操作部811を点滅(点灯でもよい)させるように制御する。また、回転操作を指示表示する場合には、例えば、第1押圧操作部ランプ82a、第8押圧操作部ランプ82h、第4押圧操作部ランプ82d、第7押圧操作部ランプ82g、第3押圧操作部ランプ82c、第6押圧操作部ランプ82f、第2押圧操作部ランプ82b、第5押圧操作部ランプ82eの順にランプを点灯させることによって、図82(b),(c)に示すように、押圧操作部811の外周部のランプを時計方向に回転表示させるように制御する。なお、押圧操作部811の外周部のランプを反時計方向に回転表示させるように制御してもよい。
図83は、演出モード選択処理や操作時演出処理においてシリアルデータ形式として出力されるランプ制御信号の他の例を示す説明図である。図83に示す例では、決定操作指示表示を行う場合には(ステップS731A,S760参照)、まず、パターンAの操作指示用ランプ制御実行データに基づいて、アドレスが「13」であるシリアル−パラレル変換IC623に、制御データ本体が「00000001」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、単色LEDである操作部中央ランプ82Aに対応するビットの論理値が1であるランプ制御信号が出力され、操作部81の押圧操作部811が点灯される。また、プロセスデータ切替時に、パターンBの操作指示用ランプ制御実行データに基づいて、アドレスが「13」であるシリアル−パラレル変換IC623に、制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、各ランプのLEDに対応するビットの論理値が全て0であるランプ制御信号が出力され、操作部中央ランプ82Aが消灯される。そのような制御が繰り返し行われることによって、決定操作指示表示を行う場合、図82(a)に示すように、操作部81の押圧操作部811を所定時間間隔で点滅させるような制御が行われる。
回転操作指示表示を行う場合には(ステップS726,S754参照)、図83に示すパターン1からパターン8までの操作指示用ランプ制御実行データに従って、第1押圧操作部ランプ82a、第8押圧操作部ランプ82h、第4押圧操作部ランプ82d、第7押圧操作部ランプ82g、第3押圧操作部ランプ82c、第6押圧操作部ランプ82f、第2押圧操作部ランプ82b、第5押圧操作部ランプ82eの順に対応するビットの論理値が1であるランプ制御信号が出力され、図82(b),(c)に示すように、押圧操作部811の外周部のランプが時計方向に回転表示される。
なお、選択操作指示表示を行う場合(ステップS766参照)のランプ制御信号およびランプ制御信号の出力態様については、図76(B)で説明した制御内容と同様である。
また、この実施の形態では、決定操作指示用と回転操作指示用にそれぞれ異なる塗料で文字列が印刷された表示部材811Aを備える場合を示したが、操作部81の押圧操作部811は、決定操作指示用と回転操作指示用とでそれぞれ別々に表示部材を備えていてもよい。図84(c)は、操作部81の他の構造例を示す断面図である。図84(c)に示すように、操作部81は、決定操作表示用の表示部材811Bと、回転操作指示用の表示部材811Cとを備える。表示部材811B,Cは、それぞれ樹脂製で半透明の部材で、押圧操作部811の内周サイズより僅かに小さいサイズの円形で肉厚が一定のシート状に形成されている。また、表示部材811Bは、アクリル材等の樹脂製部材で形成されるプレートの上面に「押せ!!」などの文字列が彫り込まれている。また、表示部材811Cは、アクリル材等の樹脂製部材で形成されるプレートの上面に「回せ!!」などの文字列が彫り込まれている。なお、文字列に限らず、例えば、表示部材811B,811Cに図形や図柄などが彫り込まれていてもよい。
また、図84(c)に示すように、表示部材811Bの側方には、赤色(無色でもよい)の単色LED82Bが設けられている。また、表示部材811Bの側方には、青色(無色でもよい)の単色LED82Cが設けられている。図84に示す例では、決定操作の指示表示を行う場合には、赤色の単色LED82Bを点滅(点灯でもよい)させることによって、図84(a)に示すように、操作部81の押圧操作部811において赤色で「押せ!!」などの文字列を表示するように制御される。また、回転操作の指示表示を行う場合には、青色の単色LED82Cを点灯(点滅でもよい)させることによって、図84(b)に示すように、操作部81の押圧操作部811において青色で「回せ!!」などの文字列を表示するように制御される。
図85は、各シリアル−パラレル変換IC611〜615,622,623に付与されるアドレスの他の例を示す説明図である。図85に示す例では、アドレスが13であるシリアル−パラレル変換IC623は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、操作部81の押圧操作部811に設けられた赤色LED82Bと、操作部81の押圧操作部811に設けられた青色LED82Cと、操作部81の回転操作部812に設けられた第1回転操作部ランプ82i〜第4回転操作部ランプ82l(本例ではLED4個)とに供給する。シリアル−パラレル変換IC623から赤色LED82Bに信号が供給されることによって、図84(a)に示すように、操作部81の押圧操作部811において赤色で「押せ!!」などの文字列を表示するように制御される。シリアル−パラレル変換IC623から青色LED82Cに信号が供給されることによって、図84(b)に示すように、操作部81の押圧操作部811において青色で「回せ!!」などの文字列を表示するように制御される。
また、例えば、図86(a)に示すように、決定操作を指示表示する場合には、押圧操作部811を点滅(点灯でもよい)させるようにし、回転操作を指示表示する場合には、図86(b)に示すように、回転操作部812を点灯(点滅でもよい)させるようにしてもよい。なお、この場合、操作部中央ランプ82Aは、マルチカラーLEDである必要はなく、単色LEDでよい。
なお、図86(b)に示す例では、回転操作部812を点灯(点滅でもよい)させる場合を示しているが、一般に、回転操作部812は、メッキ処理などが施されることによって不透明部材として構成される場合があり、この場合、回転操作部812を点灯または点滅させることはできない。そのため、回転操作部812の外側に半透明な樹脂製の部材で形成された回転操作部812用の発光部をさらに設けるようにしてもよい。そして、回転操作部812の外側に設けられた回転操作部812用の発光部内に第1回転操作部ランプ82i〜第4回転操作部ランプ82lを配置するようにし、第1回転操作部ランプ82i〜第4回転操作部ランプ82lを発光させることによって、回転操作部812の外側の周囲を点灯(点滅でもよい)させることによって、遊技者に対して回転操作部812の操作を促すようにしてもよい。
図87は、各シリアル−パラレル変換IC611〜615,622,623に付与されるアドレスのさらに他の例を示す説明図である。図87に示す例では、アドレスが13であるシリアル−パラレル変換IC623は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、単色LEDである操作部中央ランプ82Aと、操作部81の回転操作部812に設けられた第1回転操作部ランプ82i〜第4回転操作部ランプ82l(本例ではLED4個)とに供給する。シリアル−パラレル変換IC623から操作部中央ランプ82Aに信号が供給されることによって、図86(a)に示すように、押圧操作部811を点滅(点灯でもよい)表示するように制御される。シリアル−パラレル変換IC623から第1回転操作部ランプ82i〜第4回転操作部ランプ82lに信号が供給されることによって、図86(b)に示すように、回転操作部812を点灯(点滅でもよい)表示するように制御される。
図88は、演出モード選択処理や操作時演出処理においてシリアルデータ形式として出力されるランプ制御信号のさらに他の例を示す説明図である。図88に示す例では、決定操作指示表示を行う場合には(ステップS731A,S760参照)、まず、パターンAの操作指示用ランプ制御実行データに基づいて、アドレスが「13」であるシリアル−パラレル変換IC623に、制御データ本体が「00000001」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、単色LEDである操作部中央ランプ82Aに対応するビットの論理値が1であるランプ制御信号が出力され、操作部81の押圧操作部811が点灯される。また、プロセスデータ切替時に、パターンBの操作指示用ランプ制御実行データに基づいて、アドレスが「13」であるシリアル−パラレル変換IC623に、制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、各ランプのLEDに対応するビットの論理値が全て0であるランプ制御信号が出力され、操作部中央ランプ82Aが消灯される。そのような制御が繰り返し行われることによって、決定操作指示表示を行う場合、図86(a)に示すように、操作部81の押圧操作部811を所定時間間隔で点滅させるような制御が行われる。
回転操作指示表示を行う場合には(ステップS726,S754参照)、まず、アドレスが「13」であるシリアル−パラレル変換IC623に、制御データ本体が「00111100」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、第1回転操作部ランプ82i〜第4回転操作部ランプ82lに対応するビットの論理値が1であるランプ制御信号が出力され、操作部81の回転操作部812が点灯される。また、回転操作指示表示を行う場合、操作指示用ランプ制御実行データがパターンAである場合とパターンBである場合とで同じ内容のランプ制御信号が出力されるので、図86(b)に示すように、操作部81の回転操作部812が継続して点灯される状態となる。
なお、選択操作指示表示を行う場合(ステップS766参照)のランプ制御信号およびランプ制御信号の出力態様については、図76(B)で説明した制御内容と同様である。
なお、この実施の形態では、以下の(1)〜(8)に示すような遊技機の特徴的構成が示されている。
(1)遊技媒体を用いて遊技者が所定の遊技を行なうことが可能である遊技機であって、遊技者により押圧操作可能な第1の操作手段(例えば、第1の実施の形態における押圧操作部811)と、遊技者により回転操作可能な第2の操作手段(例えば、第1の実施の形態における回転操作部812)と、複数種類の発光態様で発光する光源部(例えば、第1の実施の形態におけるマルチカラーLEDである操作部中央ランプ82A)と、所定の遊技条件が成立すると、光源部からの光によって第1の操作手段または第2の操作手段のいずれかを操作すべき旨を視認可能に表示する表示部材(例えば、第1の実施の形態における表示部材811A)とを備えたことを特徴とする遊技機。
そのような構成によれば、遊技者により押圧操作可能な第1の操作手段と、遊技者により回転操作可能な第2の操作手段とを備えるように構成されているので、複数の操作手段を備えることによって、より遊技性の向上を図ることができる。また、所定の遊技条件が成立すると、光源部からの光によって第1の操作手段または第2の操作手段のいずれかを操作すべき旨を視認可能に表示する表示部材を備えるように構成されているので、いずれの操作手段を用いるのかを遊技者に対して報知することができる。したがって、操作手段を複数設けた場合であっても、遊技者がいずれの操作手段を操作すべきかを容易に認識できるようにすることができ、操作手段による操作が介在する遊技機を円滑に進めることができる。
(2)遊技機は、第2の操作手段が第1の操作手段の周囲を囲うような形状に配置されていることによって、第1の操作手段と第2の操作手段とが一体構成されている(例えば、第1の実施の形態において、図10などに示すように、ジョグダイヤルである回転操作部812は、押しボタンスイッチである押圧操作部811を囲うような形状に配置されている)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、第2の操作手段が第1の操作手段の周囲を囲うような形状に配置されていることによって、第1の操作手段と第2の操作手段とが一体構成されているので、必要以上に場所をとらずに複数の操作手段を設置することができる。
(3)表示部材は、第1の操作手段の内部に設けられている(例えば、第1の実施の形態において、図7に示すように、表示部材811Aは、押圧操作部811の内部に配置されている)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、表示部材が、第1の操作手段の内部に設けられているように構成されているので、第1の操作手段を確認しさえすれば、遊技者がいずれの操作手段を操作すべきかを容易に認識できるようにすることができる。
(4)表示部材は、光源部からの光によって第1の操作手段を操作すべき旨の文字または文字列を視認可能に表示する表示部(例えば、第1の実施の形態において、表示部材811Aは、図8(b)に示すように、赤色光によって赤色に発光する赤色塗料811bで印刷された「押せ!!」などの文字列表示を含む)、および光源部からの光によって第2の操作手段を操作すべき旨の文字または文字列を視認可能に表示する表示部(例えば、第1の実施の形態において、表示部材811Aは、図8(b)に示すように、青色光によって青色に発光する青色塗料811cで印刷された「回せ!!」などの文字列表示を含む)を含み、光源部を所定の第1の発光態様で発光(例えば、赤色に発光)させることによって、第1の操作手段を操作すべき旨の文字または文字列を表示部材に視認可能に表示させる第1操作表示制御手段(例えば、第1の実施の形態において、演出制御用マイクロコンピュータ110におけるステップS731A,S760を実行する部分)と、光源部を第1の発光態様とは異なる第2の発光態様で発光(例えば、青色に発光)させることによって、第2の操作手段を操作すべき旨の文字または文字列を表示部材に視認可能に表示させる第2操作表示制御手段(例えば、第1の実施の形態において、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS726,S754を実行する部分)とを備えるように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、光源部を所定の第1の発光態様で発光させることによって、第1の操作手段を操作すべき旨の文字または文字列を表示部材に視認可能に表示させる第1操作表示制御手段と、光源部を第1の発光態様とは異なる第2の発光態様で発光させることによって、第2の操作手段を操作すべき旨の文字または文字列を表示部材に視認可能に表示させる第2操作表示制御手段とを備えるように構成されているので、いずれの操作手段を操作すべきかを文字または文字列で認識することができ、遊技者がいずれの操作手段を操作すべきかを容易に認識できるようにすることができる。
(5)遊技機は、所定の演出を行なう演出表示装置(例えば、第1の実施の形態における演出表示装置9)と、演出表示装置の制御を行なう演出制御手段(例えば、第1の実施の形態における演出制御用マイクロコンピュータ100)とを備え、第1の操作手段は、予め定められた複数の方向(例えば、前後左右の4方向)へ遊技者が押圧操作可能な押圧操作部材(例えば、第1の実施の形態における押圧部材811a)と、予め定められた複数の方向のそれぞれに対応して設けられ、対応する方向への押圧操作部材による押圧操作を検出する複数の押圧操作検出手段(例えば、第1の実施の形態における第1押圧検出器81a、第2押圧検出器81b、第3押圧検出器81c、第4押圧検出器81d)と、複数の押圧操作検出手段のうち1つの押圧操作検出手段により押圧操作が検出されたときに、当該押圧操作検出手段が検出した押圧操作の方向を特定可能な第1の押圧検出信号(例えば、第1の実施の形態における1つの押圧検出器から出力される検出信号)を演出制御手段に出力する第1押圧検出信号出力手段(例えば、第1の実施の形態における第1押圧検出器81a、第2押圧検出器81b、第3押圧検出器81c、第4押圧検出器81dのうちいずれか1つの検出器、および入力IC620)と、複数の押圧操作検出手段のうち少なくとも2つの押圧操作検出手段により押圧操作が検出されたときに、第1の押圧検出信号とは異なる第2の押圧検出信号(例えば、第1の実施の形態における少なくとも2つの押圧検出器から出力される検出信号)を演出制御手段に出力する第2押圧検出信号出力手段(例えば、第1の実施の形態における第1押圧検出器81a、第2押圧検出器81b、第3押圧検出器81c、第4押圧検出器81dのうち少なくともいずれか2つの検出器、および入力IC620)とを含み、演出制御手段は、入力された第1の押圧検出信号に基づいて、当該第1の押圧検出信号により特定される押圧操作の操作方向に対応した表示動作をする第1の表示(例えば、第1の実施の形態における図27の(b),(c)のキャラクタ選択画像の表示)を演出表示装置において行なう表示制御をする第1表示制御手段(例えば、第1の実施の形態において、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS671,S672,S765,S768を実行する部分)と、入力された第2の押圧検出信号に基づいて、第1の表示とは異なる表示動作をする第2の表示(例えば、第1の実施の形態における図24の(d)の演出モード決定画像の表示)を演出表示装置において行なう表示制御をする第2表示制御手段(例えば、第1の実施の形態において、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS673,S674,S732,S734を実行する部分)とを含むように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、予め定められた複数の方向へ押圧操作可能な押圧操作部材が操作部材として設けられ、1つの押圧操作検出手段により押圧操作が検出されたときに、押圧操作の操作方向に対応した表示動作をする第1の表示が行なわれ、少なくとも2つの押圧操作検出手段により押圧操作が検出されたときに、第1の表示とは異なる表示動作をする第2の表示が行なわれる。そのようにすることにより、1つの操作部材を異なる操作態様で操作することにもとづいて、異なる表示動作を行なうことができるので、操作部材を多機能化することができる。また、このような多機能化により、操作手段における操作部材数の増加を防ぐことができるので、操作手段の設置領域を省スペース化することができる。さらに、このような多機能化により、操作手段の操作に応じて行なわれる表示動作が多様化するので、遊技としての面白みを向上させることができる。
(6)遊技機は、所定の演出を行なう演出表示装置(例えば、第1の実施の形態における演出表示装置9)と、演出表示装置の制御を行なう演出制御手段(例えば、第1の実施の形態における演出制御用マイクロコンピュータ100)とを備え、第1の操作手段は、予め定められた複数の方向(例えば、前後左右の4方向)へ遊技者が押圧操作可能な押圧操作部材(例えば、第1の実施の形態における押圧部材811a)と、予め定められた複数の方向のそれぞれに対応して設けられ、対応する方向への押圧操作部材による押圧操作を検出する複数の押圧操作検出手段(例えば、第1の実施の形態における第1押圧検出器81a、第2押圧検出器81b、第3押圧検出器81c、第4押圧検出器81d)と、複数の押圧操作検出手段のうち1つの押圧操作検出手段により押圧操作が検出されたときに、当該押圧操作検出手段が検出した押圧操作の方向を特定可能な押圧操作検出信号(例えば、第1の実施の形態における1つの押圧検出器から出力される検出信号)を演出制御手段に出力する押圧操作検出信号出力手段(例えば、第1の実施の形態における第1押圧検出器81a、第2押圧検出器81b、第3押圧検出器81c、第4押圧検出器81dのうちいずれか1つの検出器、および入力IC620)とを含み、演出制御手段は、入力された押圧操作検出信号に基づいて、当該押圧操作検出信号により特定される押圧操作の操作方向に対応した表示動作をする第1の表示(例えば、第1の実施の形態における図27の(b),(c)のキャラクタ選択画像の表示)を演出表示装置において行なう表示制御をする第1表示制御手段(例えば、第1の実施の形態において、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS671,S672,S765,S768を実行する部分)と、所定の遊技条件(例えば、第1の実施の形態におけるスーパーリーチの演出表示をする条件)が成立したときにおいて、入力された押圧操作検出信号に基づいて、当該押圧操作検出信号により特定される押圧操作の操作方向にかかわらず、第1の表示とは異なる表示動作をする第3の表示(例えば、第1の実施の形態における図25の(g)のパワーを貯める表示)を演出表示装置において行なう表示制御をする第3表示制御手段(例えば、第1の実施の形態において、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS671〜S674,S759,S761を実行する部分)とを含むように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、予め定められた複数の方向へ押圧操作可能な押圧操作部材が操作部材として設けられ、1つの押圧操作検出手段により押圧操作が検出されたときに、押圧操作の操作方向に対応した表示動作をする第1の表示が行なわれ、所定の遊技条件が成立したときにおいて、押圧操作が検出されたときに、当該押圧操作検出信号により特定される押圧操作の操作方向にかかわらず、第1の表示とは異なる表示動作をする第3の表示が行なわれる。そのようにすることによって、1つの操作部材を操作することにもとづいて、異なる表示動作を行なうことができるので、操作部材を多機能化することができる。また、このような多機能化により、操作手段における操作部材数の増加を防ぐことができるので、操作手段の設置領域を省スペース化することができる。また、このような多機能化により、操作手段の操作に応じて行なわれる表示動作が多様化するので、遊技としての面白みを向上させることができる。さらに、所定の遊技条件が成立したときにおいては、押圧操作の操作方向にかかわらず、押圧操作が検出されたときに第2の表示が行なわれるので、操作手段の操作性を向上させることができる。
(7)遊技機は、遊技媒体の貸出要求操作をするための遊技媒体貸出操作手段(例えば、第1の実施の形態における球貸スイッチ91)を備え、第1の操作手段と第2の操作手段とは、遊技機の各部位のうち、遊技媒体貸出操作手段が設けられている部位の面と略同一面上に配置され(例えば、第1の実施の形態において、図3,図4に示すように、押圧操作部811および回転操作部812を含む操作部81は、打球供給皿3の操作部81が設けられている面に配置されている)、遊技媒体貸出操作手段は、遊技者によって操作されていない状態において、遊技機の部位の面より凹んだ位置に配置されている(例えば、第1の実施の形態において、図3中の断面図に示すように、打球供給皿3の操作部81が設けられている面よりも凹んだ位置となるように、球貸スイッチ91が配置されている)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、遊技媒体貸出操作手段が、遊技者によって操作されていない状態において、遊技機の部位の面より凹んだ位置に配置されているように構成されているので、第1の操作手段または第2の操作手段の操作を行っているときに、誤って遊技媒体貸出操作手段による貸出操作を行ってしまう事態を防止することができる。
(8)遊技機は、所定の演出を行なう演出表示装置(例えば、第1の実施の形態における演出表示装置9)と、演出表示装置の制御を行なう演出制御手段(例えば、第1の実施の形態における演出制御用マイクロコンピュータ100)とを備え、第1の操作手段は、予め定められた複数の方向(例えば、前後左右の4方向)へ遊技者が押圧操作可能な押圧操作部材(例えば、第1の実施の形態における押圧部材811a)と、押圧操作部材による押圧操作を検出する押圧検出手段(例えば、第1の実施の形態における第1押圧検出器81a、第2押圧検出器81b、第3押圧検出器81c、第4押圧検出器81d)と、押圧検出手段が検出した押圧操作の方向を特定可能な押圧検出信号を演出制御手段に出力する押圧検出信号出力手段(例えば、第1の実施の形態における第1押圧検出器81a、第2押圧検出器81b、第3押圧検出器81c、第4押圧検出器81d、および入力IC620)とを含み、押圧検出信号出力手段は、押圧検出信号をシリアル信号方式で出力する(例えば、第1の実施の形態において、入力IC620は、第1押圧検出器81a〜第4押圧検出器81dの検出信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板606,607を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に出力する)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、押圧検出信号出力手段が、押圧検出信号をシリアル信号方式で出力するように構成されているので、第1の操作手段と演出制御手段との間の配線を簡素化することができる。
実施の形態2.
以下、本発明の第2の実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図89はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。なお、以下の実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行うが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、遊技に応じてあらかじめ決められた個数の遊技媒体が景品として払い出されるスロット機などの他の遊技機に適用することもできる。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2Bを有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2Bの下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、レール82の内側の略円形の遊技領域7が形成されている。
遊技者は、遊技球を遊技領域7に向けて発射するために打球操作ハンドル5の操作を行うことによって遊技を行う。発射の操作に応じて、打球発射装置(図示せず)が遊技球を発射する。打球発射装置が発射した遊技球は、打球レールを介して遊技領域7に進入する。
遊技盤6を構成する板状体は、透明性を有する透明合成樹脂板(例えば、アクリル板)で形成されている。遊技領域7には、透明遊技領域71と不透明領域72とがある。不透明領域72では、例えば、透明合成樹脂板の表面または裏面に、装飾が施されたフィルムが(不透明部材)貼られたり、透明合成樹脂板自体に装飾が描かれたりしている。また、透明性を有する透明合成樹脂板の裏面に不透明の装飾部材を取り付けることによって不透明領域72を形成してもよい。不透明領域72には、上不透明領域72A、側部不透明領域72Bおよび下不透明領域72Cがある。
遊技盤6の背面側には、それぞれが演出用の飾り図柄を可変表示する複数の可変表示部を含む画像表示装置(可変表示装置)9が設けられているが、遊技領域7の中央付近では、画像表示装置9の画面が視認可能である。画像表示装置9では、例えば、装飾用(演出用)の図柄としての「左」、「中」、「右」の3つ飾り図柄が可変表示され、また、演出表示が行われる。画像表示装置9は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の可変表示期間中に飾り図柄の可変表示を行う。飾り図柄の可変表示を行う画像表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータと描画プロセッサとによって制御される。
透明遊技領域71において、下部にゲート(通過ゲート)32Aが設けられている。ゲート32Aを通過した遊技球は、ゲートスイッチ32aで検出される。また、透明遊技領域71において、左側部に飾り部材73が取り付けられている。この例では、飾り部材73は、星形の不透明枠である。画像表示装置9の表示画面において、飾り部材73の内部(枠の内側)に対応する部分では、特殊な演出表示が行われる。よって、遊技者には、飾り部材73の内部で特殊な演出表示が行われているように視認される。また、透明遊技領域71の中央部には、画像表示装置9の表示画面における識別情報の可変表示および可変表示に伴う表示演出等が行われる部分を囲うように飾り部材82が設置されている。
なお、ゲートスイッチ32aおよび飾り部材73は不透明部材であり、透明遊技領域71において、ゲートスイッチ32aが設けられている部分および飾り部材73が設けられている部分(枠状の部分)では、遊技者は、画像表示装置9の表示画面を視認できない。ただし、飾り部材73は透明部材で形成されていてもよい。さらに、遊技盤6を構成する透明な板状体と一体形成されていてもよい。
また、透明遊技領域71と下不透明領域72Cとの双方にまたがって、ゲート32Bが設けられている。ゲート32Bを通過した遊技球は、ゲートスイッチ32b(図示せず)で検出される。
下不透明領域72Cには、第1始動入賞口13が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。第1始動入賞口13の下部には、第2始動入賞口14を形成する可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされ、開状態になると、第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能になる。閉状態では入賞不能である。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態とされる特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を有し、開閉板が開放状態に制御されることによって大入賞口(可変入賞球装置)が開放状態になる。特別可変入賞球装置20に入賞した入賞球はカウントスイッチ23で検出される。
また、下不透明領域72Cには、複数の入賞口(普通入賞口)29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。各入賞口29,30,33,39は、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口13,14や大入賞口も、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。
上不透明領域72Aには、識別情報としての特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1特別図柄表示装置)8aおよび第2特別図柄表示器(第2特別図柄表示装置)8bが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、例えば0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。画像表示装置9は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。なお、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、停止図柄が確変図柄であるのか非確変図柄であるのかを把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。以下、第1特別図柄表示器8aにおいて可変表示される識別情報を第1特別図柄といい、第2特別図柄表示器8bにおいて可変表示される識別情報を第2特別図柄ということがある。また、第1特別図柄と第2特別図柄とを、特別図柄と総称することがある。なお、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、一部が異なっていてもよい。一例として、第1特別図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタとを含み、第2特別図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタであって第1特別図柄のキャラクタとは異なるものとを含むようにしてもよい。
また、上不透明領域72Aには、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、第1保留記憶数を入賞順に4個まで表示する。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、第1始動入賞口13に始動入賞があるごとに、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、第1特別図柄保留記憶表示器18aは、第1特別図柄表示器8aで可変表示が開始されるごとに、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。具体的には、第1特別図柄保留記憶表示器18aは、第1特別図柄表示器8aで可変表示が開始されるごとに、点灯状態をシフトする。
また、上不透明領域72Aには、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、第2保留記憶数を入賞順に4個まで表示する。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、第2始動入賞口14に始動入賞があるごとに、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、第2特別図柄保留記憶表示器18bは、第2特別図柄表示器8bで可変表示が開始されるごとに、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。具体的には、第2特別図柄保留記憶表示器18bは、第2特別図柄表示器8bで可変表示が開始されるごとに、点灯状態をシフトする。
なお、この例では、第1始動入賞口13,14への入賞による始動記憶数に上限数(4個まで)が設けられているが、上限数を4個以上にしてもよい。
また、上不透明領域72Aには、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。ゲート32Aまたはゲート32Bに遊技球が入賞しゲートスイッチ32aまたはゲートスイッチ32bで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に右側のランプが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。また、ゲート32A,32Bに入った入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への入賞がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
側部不透明領域72Bには、遊技球が入賞領域に入賞したことにもとづいて払い出される景品としての賞球球の払い出し中に払出数を表示する賞球表示器51、および大当り遊技中のラウンド数を表示するラウンド数表示器75が設けられている。
遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。カードユニットには、例えば、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ、カードユニットがいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器、カードユニット内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口、およびカード挿入口の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニットを解放するためのカードユニット錠が設けられている。
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄が可変表示(変動)を始めるとともに、画像表示装置9において飾り図柄が可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1始動入賞記憶数を1増やす。また、遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄が可変表示(変動)を始めるとともに、画像表示装置9において飾り図柄が可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2始動入賞記憶数を1増やす。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける特別図柄の可変表示、および画像表示装置9における飾り図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄(特定表示結果)であると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、特別可変入賞球装置20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するまで開放する。
遊技球がゲート32Aまたはゲート32Bに入賞すると、普通図柄表示器10において普通図柄が可変表示される状態になる。また、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。さらに、確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
また、図1に示すように、打球供給皿3には、遊技者により操作可能な操作手段としての操作部81が設けられている。また、操作部81は、押圧操作をすることが可能な押圧操作部811と、回転操作をすることが可能な回転操作部812との複数の操作部を含む。なお、この実施の形態では、操作部81の構成および操作部81(具体的には、押圧操作部811や回転操作部812)からの操作信号の検出方法については、第1の実施の形態で示した構成と同様であるため、詳細な説明を省略する。
図90は、遊技機の機構部分の構造を示す分解斜視図である。図91は、遊技機の縦断面を示す断面図である。遊技盤6は、外枠2内の遊技枠2Aに取り付けられ、遊技枠2Aにおける背面側には取付板90に取り付けられたLCDの画像表示装置9が設置される。遊技枠2Aと画像表示装置9との間には空間76が存在するが、空間76内において、上不透明領域72Aの裏面(上不透明領域72Aに対応する位置)に可動部材78が設置される。可動部材78は可動部材78に一体化している根本部分の取付部78Bにより遊技盤6に取り付けられるとともにモータ78Aの軸に取り付けられ、モータ78Aの軸を中心にして回転されることによって、可動部材78は動く。なお、図90には、遊技枠2Aを止める止め金具2Cも示されている。
画像表示装置9の背面には、遊技制御基板を含む主ユニット31Aと、演出制御基板を含む演出ユニット80Aとが取り付けられる。なお、図90および図91において、直方体状の可動部材取付部Aは、上不透明領域72Aの裏面と遊技領域外の裏面との双方にまたがって取り付けられ、可動部材78に一体化している取付部78Bを取り付ける部材である。また、可動部材取付部Aは、上不透明領域72Aに設けられている電気部品群を覆うように形成されている。上不透明領域72Aに設けられている電気部品群における電気部品(ユニット)として、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄始動記憶表示器41のそれぞれを含む電気部品がある。直方体状のカバー部Bは、側部不透明領域72Bの裏面と遊技領域外の裏面との双方にまたがって取り付けられ、側部不透明領域72Bに設けられている電気部品群を覆うように形成されている。側部不透明領域72Bに設けられている電気部品群における電気部品として、賞球表示器51およびラウンド数表示器75のそれぞれを含む電気部品がある。直方体状のカバー部Cは、下不透明領域72Cの裏面と遊技領域外の裏面との双方にまたがって取り付けられ、下不透明領域72Cに設けられている電気部品群を覆うように形成されている。下不透明領域72Cに設けられている電気部品群における電気部品として、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、可変入賞球装置15、特別可変入賞球装置20および入賞口(普通入賞口)29,30,33,39のそれぞれを含む電気部品(入賞口については検出スイッチを含む。)がある。なお、側部不透明領域72Bや下不透明領域72Cを設けなくてもよい。
また、上不透明領域72Aには、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bを含む電気部品、普通図柄表示器10を含む電気部品、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bを含む電気部品、普通図柄始動記憶表示器41を含む電気部品が設置されているが、賞球表示器51を含む電気部品、ラウンド数表示器75を含む電気部品、または第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、可変入賞球装置15、特別可変入賞球装置20、入賞口29,30,33,39のいずれかを含む電気部品を設置してもよい。さらに、少なくともいずれかの電気部品が設置されていればよい。
また、可動部材取付部Aは、上不透明領域72Aの裏面と遊技領域外の裏面との双方にまたがって取り付けられているが、いずれか一方の裏面に取り付けられるようにしてもよい。また、必ずしも、上不透明領域72Aに設けられている電気部品群を覆うように形成されていなくてもよい。
また、上不透明領域72Aに可動部材78が取り付けられているが、さらに、側部不透明領域72Bや下不透明領域72Cに可動部材に一体化している取付部を取り付ける可動部材取付部を設けて可動部材を取り付けてもよい。さらに、可動部材取付部をカバー部B,Cに取り付けるようにしてもよい。
配線A1は、上不透明領域72Aに設けられている電気部品群と主ユニット31Aとを接続する配線を示す。配線B1は、側部不透明領域72Bに設けられている電気部品群と主ユニット31Aとを接続する配線を示す。配線C1は、下不透明領域72Cに設けられている電気部品群と主ユニット31Aとを接続する配線を示す。配線D1は、モータ78Aと演出ユニット80Aとを接続する配線を示す。配線E1は、画像表示装置9と演出ユニット80Aとを接続する配線を示す。
配線A1,B1,C1,D1は、遊技盤6の裏面側において、画像表示装置9の下側を通過し、画像表示装置9が取り付けられる取付板90における下側部に設けられている穴である共通配線通過部79を通過する。配線E1は、取付板90の画像表示装置9の裏面に対応する箇所の一部に設けられた例えば矩形の配線通過部79Bを通過する。なお、ゲートスイッチ32aに接続される配線F1は、配線A1、配線B1、配線C1または配線D1と同様に、遊技盤6の裏面側において、画像表示装置9の下側を通過し、画像表示装置9が取り付けられる取付板90における下側に設けられている穴である共通配線通過部79を通過し、主ユニット31Aに接続される。
また、上不透明領域72Aと側部不透明領域72Bと下不透明領域72Cとのいずれか、または複数の裏面に、LED等の装飾部材を設置してもよい。例えば、上不透明領域72Aの裏面に装飾部材を設置した場合には、装飾部材に接続される配線は、配線D1と同様に、遊技盤6の裏面側において、画像表示装置9の下側を通過し、画像表示装置9が取り付けられる取付板90における下側に設けられている穴である共通配線通過部79を通過し、演出ユニット80Aに接続される。なお、可変入賞球装置15や特別可変入賞球装置20等に入賞した遊技球や、アウト口26に入った遊技球は、空間部76に設けられた球通路(図示せず)を通過して遊技機外に排出される。
画像表示装置9は、遊技機内において、前後方向(遊技機前面と遊技機背面とを結ぶ方向)に移動可能であるように構成されていることが好ましい。例えば、画像表示装置9と取付板90との間に支柱を介在させ、支柱の高さを変えることによって、画像表示装置9を前後方向に移動可能に構成できる。そのような構成によれば、画像表示装置9を含む表示ユニットを他の機種でも用いる場合に、空間76の幅が異なるときでも容易に対応できる。なお、上不透明領域72Aや側部不透明領域72Bの裏側に配置される電気部品の厚みは異なるような場合に、空間76の幅の異なりが生ずる。
図92は、遊技領域における透明遊技領域71や可動部材78を説明するための正面図である。図92において、左上から右下に向かう斜線が施された部分は、不透明領域(上不透明領域72A、側部不透明領域72B、下不透明領域72C)を示し、斜線が施されていない部分は、透明遊技領域71を示す。なお、遊技盤6の表面において遊技領域7でない領域を、「遊技領域外」6Bという。また、遊技領域7は透明遊技領域71および不透明領域で形成されている。透明遊技領域71および不透明領域は、画像表示装置9の表示画面9A(破線の四角形内)の領域すなわち表示領域と重複するが、表示領域には、遊技領域外6Bと重複する部分もある。
図92には、可動部材78がモータ78Aで駆動されて、透明遊技領域71にまで移動した場合と、遊技者に全く視認されない位置に収納された場合とが示されている。可動部材78は、モータ78Aによって、遊技者に全く視認されない位置(図92に示す例では、遊技領域外6Bおよび上不透明領域72A)に収納されることが可能である。この実施の形態は、遊技者によって操作部81の回転操作部812が回転操作されたことにもとづいて、モータ78Aが駆動され、可動部材78が遊技者に全く視認されない位置から透明遊技領域71に移動する。図92では、可動部材78が遊技領域外6Bと側部不透明領域72Bとに亘って(遊技領域外6Bと上不透明領域72Aとに重複して)収納されている例が示されているが、可動部材78は、遊技領域外6Bのみに重複するように収納されてもよいし、いずれかの不透明領域(上不透明領域72A、側部不透明領域72Bまたは下不透明領域72C)のみに重複するように収納されてもよい。実際には、可動部材78は、遊技領域外6Bまたは透明領域の裏面の空間76において収納されるのであるが、以下、「遊技領域外6B(または透明領域)に収納される」というように表現することがある。なお、図92において、遊技盤6の外側に4つの取付金具部(画像表示装置9を取付板90に取り付けるための金具部:図90参照)も示されている。
図93は、画像表示装置9における表示演出と所定の定位置で停止された可動部材78とが共動して1つの演出が実現される例を示す説明図である。図93において、「龍」形状のものが可動部材78であり、「龍」形状のものが吐き出すように表現されている炎状のものは、画像表示装置9の表示画面9Aに表示される画像9cである。また、図93に示すように、表示画面9Aにおける飾り部材73の内部に相当する部分では、他の部分とは異なる趣向の画像73aが表示される。
なお、可動部材78の一部(例えば、「龍」形状のものの目の部分)を透明にしてもよい。その場合には、画像表示装置9の表示画面において、可動部材78における透明な部分に対応する部分では、特殊な演出表示(例えば、光る目のような画像を表示)が行われる。よって、遊技者には、透明な部分で特殊な演出表示が行われているように視認される。
図94は、他の種類の可動部材78を説明するための正面図である。図94には、可動部材78がモータ78Aで駆動されて、透明遊技領域71にまで移動した場合と、遊技者に全く視認されない位置に収納された場合とが示されている。また、図94に示す例においても、遊技者によって操作部81の回転操作部812が回転操作されたことにもとづいて、モータ78Aが駆動され、可動部材78が遊技者に全く視認されない位置から透明遊技領域71に移動する。図94に示す例では、可動部材78は支持部材78aの一端に接続され、支持部材78aの他端は、モータ78Aの軸に接続されている。支持部材78aは、透明材料(例えば、透明アクリル板)で形成されている。よって、透明遊技領域71と重複する部分は透明である。また、図93に示す例では、可動部材78が透明遊技領域71と重複するような位置にまで動いたときに可動部材78の一部は不透明領域に存在する。しかし、図94に示す例では、可動部材78の全ての部分が、透明遊技領域71と重複する。
図95は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図95には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、ゲートスイッチ32a,32b、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する画像表示装置9の表示制御を行う。
図96は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図96に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103aを介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、描画プロセッサ(VDP:ビデオディスプレイプロセッサ)109に画像表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して画像表示装置9の表示制御を行う描画プロセッサ109が演出制御基板80に搭載されている。描画プロセッサ109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、描画プロセッサ109は、描画領域内の画像データを画像表示装置9に出力する。なお、以下、描画領域に画像データを書き込むことを、「描画する」という。また、描画領域内の画像データに対応した画像が画像表示装置9に表示される。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令を描画プロセッサ109に出力する。CGROMは、画像表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。描画プロセッサ109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、描画プロセッサ109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図96には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図95に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して第1押圧操作部ランプ82a〜第8押圧操作部ランプ82h、操作部中央ランプ82A、第1回転操作部ランプ82i〜第4回転操作部ランプ82lなどの操作部81に設けられている各ランプに供給する。
また、LEDドライバ353は、賞球表示器51およびラウンド数表示器75を駆動する。払出制御用マイクロコンピュータが球払出装置97を駆動して賞球払出を行っているときに、払出制御用マイクロコンピュータは、1個の遊技球を賞球として払い出す毎に、または所定数の賞球払出を完了する毎に賞球払出コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払出制御用マイクロコンピュータから賞球払出コマンドを受信すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、賞球払出コマンドと同じ情報を含む演出制御コマンドを送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、その演出制御コマンドに応じて、賞球表示器51に賞球払出数を表示する制御を行う。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り遊技中に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信するラウンド数を示す演出制御コマンドに応じて、ラウンド数表示器75にラウンド数を表示する制御を行う。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
また、演出制御用CPU101は、入力ポート103bを介して操作部81からの検出信号を入力する。具体的には、演出制御用CPU101は、入力ポート103bを介して、第1の実施の形態で示したような操作部81の押圧操作部811に設けられている第1押圧検出器81a〜第4押圧検出器81dからの検出信号を入力する。また、操作部81の回転操作部812に設けられている第1回転検出器81e、第2回転検出器81fからの検出信号を入力する。
図97は、描画プロセッサ109の回路構成を示すブロック図である。図97には、演出制御用CPU101およびCGROM83も示されている。
画像表示装置6の表示制御を実行する際に、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに応じた指令をCPUインタフェース(CPUI/F)92を介して描画プロセッサ109に与える。指令がCGROM83から画像データを読み出す指令であった場合には、描画プロセッサ109の描画回路91は、CGバスインタフェース(CGバスI/F)93に、CGROM83から必要なデータを読み出す指示を与える。デコーダ95は、データ圧縮されているフレーム画像データ(動画を構成する各フレームの画像データ)を伸張(復号)して、伸張後のフレーム画像データを描画素材データメモリ96Aに書き込む。また、描画プロセッサ109における描画回路91は、入力したデータに従って画像表示装置9に表示するための画像データを生成し、画像データをフレームバッファ96Bの描画領域に書き込む。そして、表示回路98は、描画領域内の画像データにもとづくR(赤),G(緑),B(青)の画像信号および同期信号を画像表示装置9に出力する。画像表示装置9は、例えば、多数の画素(ピクセル)を駆動するドットマトリクス方式による画面表示を行う。
描画プロセッサ109において、描画素材データメモリ(以下、VRAMRSという。)96Aには、CGROM83から読み出された描画素材データが格納される。描画素材データとして、MPEG2(Moving Picture Experts Group phase 2)方式等で符号化(データ圧縮)された動画像データが復号(伸張)されて得られた動画像データを構成する静止画データや、スプライト画像データ(動画像ではない画像(本来の静止画)の画像データ)が格納される。フレームバッファ(以下、VRAMFBという。)96Bには、表示画面に相当するデータ格納領域である描画領域を確保することが可能である。なお、描画プロセッサ109は、VRAM(ビデオRAM)を内蔵し、VRAMRS96AおよびVRAMFB96Bは、VRAMに形成される。また、以下、描画プロセッサ109が処理を実行するときに、VRAMRS96AとVRAMFB96Bのいずれを使用してもよい場合には、「VRAM」を使用するといった表現を行うことがある。
また、動画像再生するときには、描画プロセッサ109は、CGROM83から動画像データを構成するフレーム画像データ(データ圧縮されている)を読み出す。そして、デコーダ95が、データ圧縮されているフレーム画像データを伸張して、伸張後のフレーム画像データをVRAMRS96Aに書き込む。なお、以下、VRAMRS96AまたはVRAMFB96Bに画像データに書き込むことを、画像データを展開するということがある。
描画プロセッサ109の内部には、CGバスとVRAMバスとが設けられている。CGROM83とCGバスとの間に、CGバスインタフェース(CGバスI/F)93が設置されている。CGバスにはCPUI/F92も接続され、演出制御用CPU101は、CPUI/F92を介して、CGバスに接続されている部分をアクセスすることができる。具体的には、演出制御用CPU101は、CGバスに接続されている描画制御レジスタ95をアクセスすることができる。
次に、遊技機の動作について説明する。図98は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜ステップS15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS8)。ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(第1特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、遊技状態復旧処理を行う(ステップS43)。遊技状態復旧処理では、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧コマンドを送信する制御を行う。そして、ステップS15に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、総賞球数格納バッファ、第1特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信するために、初期化コマンド送信要求フラグをセットする(ステップS13)。初期化コマンドとして、画像表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている画像表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り決定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(大当り決定用乱数発生カウンタ等の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図99に示すステップS20〜S35のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a,32b、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS33,S34で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
図100は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:始動入賞口への遊技球の入賞にもとづく特別図柄の可変表示に対応して、大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2:特別図柄のはずれ図柄(停止図柄)を決定する(はずれ図柄決定用)
(3)ランダム3:大当りを発生させるときの特別図柄の停止図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(4)ランダム4:特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム5:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム6:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(7)ランダム7:ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
図99に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り判定用乱数、(3)の大当り図柄決定用乱数、および(5)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(7)の乱数以外の乱数も用いるようにしてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数は遊技制御用マイクロコンピュータ560によってプログラムにもとづいて生成されるソフトウェア乱数であるが、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアまたは遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェアが生成する乱数を用いてもよい。
さらに、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26A)。第1特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aおよび大入賞口を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、CPU56は、第2第1特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26B)。第2第1特別図柄プロセス処理では、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための第2第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第2第1特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、CPU56は、保留記憶処理を行う(ステップS28)。保留記憶処理では、CPU56は、第1保留記憶数および第2保留記憶数をそれぞれ管理するとともに、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を算出し管理する処理を実行する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS29)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS32:出力処理)。
また、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、第1特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(左側点灯および右側点灯)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、左側点灯を示す1と右側点灯を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(ステップS35)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S34(ステップS30を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図101は、大当り判定値の一例を示す説明図である。CPU56は、所定の時期に、大当り判定用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図101に示す大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(確変大当りまたは通常大当り)とすることに決定する。なお、図101(B)では、数値の記載は省略され、数値の個数が示されている。CPU56は、通常状態では、大当り判定用乱数値と図101(A)に記載されている大当り判定値とを比較する。確変状態では、大当り判定用乱数値と図101(B)に記載されている個数分設定されている大当り判定値とを比較する。図101(A)に記載されている数値は、通常時大当り判定値としてROM54に設定され、図101(B)に記載されている個数分の数値は確変時大当り判定値としてROM54に設定されている。なお、確変大当りとは、大当り遊技後の遊技状態を、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態に移行させるような大当りである。通常大当りとは、大当り遊技後の遊技状態を確変状態ではない状態に移行させるような大当りである。
なお、確変状態では、普通図柄の停止図柄が当り図柄に決定される確率を高くしたり、可変入賞球装置15の開放時間を長くしたり、開放回数を多くしたりするようにしてもよい。
図102は、画像表示装置9の表示画面における「左」、「中」、「右」の各可変表示部において可変表示される複数種類の飾り図柄の一例を示す説明図である。この実施の形態では、画像表示装置9の表示画面に設けられた「左」、「中」、「右」の各可変表示部において、「1」〜「9」の数字を示す図柄が、例えば四角形や円形、略菱形、星型六角形などといった所定の図形と組み合わされて可変表示される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。各可変表示部において表示される飾り図柄の配列には、演出状態(演出モード)が演出モード#1〜#3のいずれであるかにかかわらず同一の表示態様で表示される共通図柄と、演出モード#1〜#3に応じて異なる表示態様で表示される選択図柄が含まれている。
例えば、「1」〜「6」、「8」および「9」の数字を示す図柄は、演出モード#1〜#3のいずれであるかに関わらず、四角形の図形と組み合わせられる。「7」の数字を示す図柄は、演出モード#1であるときには円形の図形と組み合わせられ、演出モード#2であるときには略菱形の図形と組み合わせられ、演出モード#3であるときには星型六角形の図形と組み合わせられる。図柄番号が「1」〜「6」、「8」および「9」に対応した飾り図柄は共通図柄であり、図柄番号が「7」に対応した飾り図柄は選択図柄である。
なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態であるときに演出モードは演出モード#1に制御され、遊技状態が時短状態であるときに演出モードは演出モード#2に制御され、遊技状態が確変状態であるときに演出モードは演出モード#3に制御される。しかし、そのような演出モードの分け方は一例であって、例えば、遊技者が遊技機に設けられている押下ボタン等の操作手段によって演出モードを選択可能であるようにしたり、時刻に応じて演出モードを切り替えるように構成したりしてもよい。
また、図89では、四角形、円形、略菱形および星型六角形の図形を伴わない状態で、飾り図柄が示されていた。
また、この実施の形態では、画像表示装置9の表示画面には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数と、可変入賞球装置15が遊技球を受け入れやすくなった状態で形成される第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、図柄保留記憶表示部という。)がある。なお、この実施の形態では、可変入賞球装置15が遊技球を受け入れやすくなった状態は、可変入賞球装置15が開放状態になったときである。このように、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を、可変表示装置9において表示することによって、遊技者に、第1保留記憶数と第2保留記憶数のそれぞれを把握しづらくする。この実施の形態では、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bは、それぞれ、図柄保留記憶表示部よりも小型のランプやLEDのような4つの表示器で構成されているが、第1保留記憶数と第2保留記憶数とをより把握しづらくするために、他の態様の表示器を用いてもよい。一例として、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bをそれぞれ1個の表示器で構成し、保留記憶数に応じて表示色を異ならせたり、表示濃度を異ならせるようにする。
この実施の形態では、表示可能な合算保留記憶数すなわち合算保留記憶数の上限値は8である。図柄保留記憶表示部は、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示領域の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bの可変表示が開始される毎に、点灯する表示領域の数を1減らす。または、図柄保留記憶表示部における8つの表示領域のうち、あらかじめ有効始動入賞として決められている色で表示される領域の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bの可変表示が開始される毎に、あらかじめ有効始動入賞として決められている色で表示される領域の数を1減らす。
なお、この実施の形態では、図柄保留記憶表示部を画像表示装置9の表示領域の一部に設ける場合を説明したが、画像表示装置9とは別の場所に設けてもよい。例えば、画像表示装置9とは別に設けられた液晶表示装置の表示領域に図柄保留記憶表示部を設けてもよい。また、例えば、図柄保留記憶表示部を小型のランプやLEDのような8つの表示器で構成してもよい。また、この実施の形態では、有効始動入賞や可変表示の開始に応じて図柄保留記憶表示部の表示領域の点灯数を増減する場合を示すが、図柄保留記憶表示部は、合算保留記憶数を示す数字を表示するものであってもよい。
また、この実施の形態では、第1保留記憶数の上限値を4にし、第2保留記憶数の上限値を4にする。従って、第1保留記憶数が4である場合に第1始動入賞口13に遊技球が入賞したときには、その入賞は第1始動条件を成立させない無効始動入賞になる。第1保留記憶数が4未満である場合に第1始動入賞口13に遊技球が入賞したときには、その入賞は第1始動条件を成立させる有効始動入賞(第1有効始動入賞)になる。同様に、第2保留記憶数が4である場合に第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときには、その入賞は第2始動条件を成立させない無効始動入賞になる。第2保留記憶数が4未満である場合に第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときには、その入賞は第2始動条件を成立させる有効始動入賞(第2有効始動入賞)になる。なお、この例では、第1保留記憶数の上限値を4にし、第2保留記憶数の上限値を4にし、合算保留記憶数の上限値を8にするが、それらの値は一例である。また、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
図103は、図柄保留記憶表示部の表示の仕方を説明するための説明図である。図103(A)に示すように、画像表示装置9に設けられた図柄保留記憶表示部18cには、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計として8つの合計数まで表示可能である。そして、第1始動条件が成立したときに、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、図柄保留記憶表示部18cに表示される保留記憶数(合計数)が1増やされる。また、第2始動条件が成立したときに、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、図柄保留記憶表示部18cに表示される保留記憶数(合計数)が1増やされる(図103(B)参照)。
図104は、この実施の形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。図104において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「変動時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。
図104に示す例では、第1特別図柄および飾り図柄についての第1変動パターン#1〜#10の10種類と、第2特別図柄および飾り図柄についての第2変動パターン#1〜#10の10種類とが用いられる。なお、第1変動パターン#1〜#10のそれぞれは、第2変動パターン#1〜#10のそれぞれと同じであるが、演出制御コマンドとして別になっているので、図104において別個に示されている。以下、例えば変動パターン#n(n=1〜10)というときには、第1変動パターン#nと第2変動パターン#nの双方を意味する。
「通常変動」は、リーチ態様を伴わない変動パターンである。「ノーマルリーチ」は、リーチ態様を伴うが表示結果(停止図柄)が大当り図柄にならない変動パターンである。「リーチA」は、「ノーマルリーチ」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。リーチ態様が異なるとは、リーチ変動時間(リーチ演出が行われる期間)において異なった態様の変動態様(速度や回転方向等)やキャラクタ等が現れることをいう。例えば、「ノーマルリーチ」では単に1種類の変動態様によってリーチ態様が実現されるのに対して、「リーチA」では、変動速度や変動方向が異なる複数の変動態様を含むリーチ態様が実現される。
「リーチB」は、「ノーマルリーチ」および「リーチA」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。そして、「リーチC」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」および「リーチB」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。
「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」、「リーチB」および「リーチC」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。「スーパーリーチ」には「スーパーリーチA」と「スーパーリーチB」とがあるが、「スーパーリーチB」は、画像表示装置9の表示演出と可動部材78による演出とが共動して実現される演出を伴う変動パターンである。以下、「スーパーリーチA」と「スーパーリーチB」とを「スーパーリーチ」と総称することがある。
なお、「リーチA」、「リーチB」および「リーチC」では、大当りになる場合と大当りにならない場合とがある。また、「スーパーリーチ」でも、大当りになる場合と大当りにならない場合とがあるが、「スーパーリーチ」による可変表示が実行されると、極めて高い割合で、停止図柄は大当り図柄になる。なお、「スーパーリーチ」では、常に、大当りになるようにしてもよい。
「通常変動・短縮」は、リーチ態様を伴わない変動パターンであるが、「通常変動」に比べて変動時間(可変表示時間)は短い。「リーチA・短縮」は、「リーチA」に類似したリーチ態様を持つ変動パターンであるが、リーチ変動時間は、「リーチA」に比べて短い。「リーチB・短縮」は、「リーチB」に類似したリーチ態様を持つ変動パターンであるが、リーチ変動時間は、「リーチB」に比べて短い。
図105(A)〜(D)は、変動パターンテーブルの一例を示す説明図である。CPU56は、所定の時期に、変動パターン決定用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を抽出して抽出値を変動パターン決定用乱数とするのであるが、変動パターン決定用乱数が図105に示す個数分設定されている判定値に一致すると、判定値に対応する変動パターンを、使用する変動パターンに決定する。従って、変動パターンテーブルとは、変動パターン決定用乱数と比較される判定値が、変動パターンに対応させて設定されているテーブルである。変動パターンテーブルは、ROM54に設定されている。
図105(A)は、遊技状態が通常状態であって、はずれとすることに決定されている場合に使用される変動パターンテーブル(はずれ変動パターンテーブル)である。図105(B)は、遊技状態が通常状態であって、大当りとすることに決定されている場合に使用される変動パターンテーブル(大当り変動パターンテーブル)である。図105(C)は、遊技状態が確変状態または時短状態であって、はずれとすることに決定されている場合に使用される変動パターンテーブル(時短時はずれ変動パターンテーブル)である。図105(D)は、遊技状態が確変状態または時短状態であって、大当りとすることに決定されている場合に使用される変動パターンテーブル(時短時大当り変動パターンテーブル)である。
なお、確変状態および時短状態では、特別図柄の変動時間は、通常状態に比べて短縮されていることになる。また、確変状態および時短状態において、普通図柄の変動時間を短縮したりしてもよい。
図106は、保留記憶処理を示すフローチャートである。CPU56は、保留記憶処理において、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したか否か(第1始動口スイッチ13aで検出されたか否か)確認し(ステップS2751)、第1始動入賞口13に遊技球が入賞していたら、第1保留記憶数を記憶する第1保留記憶数カウンタの値が上限値である4に達しているか否かを確認する(ステップS2752)。第1保留記憶数カウンタの値が上限値に達していなければ、第1保留記憶数カウンタの値を+1する(ステップS2753)。
また、ソフトウェア乱数(大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として第1保留記憶数カウンタの値に対応する第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS2754)。第1保留記憶バッファにおいて、保存領域は、第1保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。なお、ステップS2754では、ランダム1〜4(図100参照)の値が抽出され、保存領域に保存される。さらに、第1有効始動入賞コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS2755)。そして、ステップS2756に移行する。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、具体的には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において演出制御コマンドを送信する。
ステップS2756では、第1特別図柄保留記憶表示器18aの表示状態を、第1保留記憶数カウンタの変更後の値に応じた状態にする。すなわち、第1特別図柄保留記憶表示器18aに表示されている第1保留記憶数を変更後の値に応じた数にする。
そして、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数カウンタすなわち合算保留記憶数をカウントする合算保留記憶数カウンタの値を+1し(ステップS2757)し、ステップS2758に移行する。
合算保留記憶数カウンタの値を+1すると、CPU56は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したか否か(第2始動口スイッチ14aで検出されたか否か)確認する(ステップS2758)。なお、ステップS2751で第1始動入賞口13に遊技球が入賞していなかった場合、またはステップS2752で第1保留記憶数カウンタの値が上限値である4に達していた場合にも、ステップS2758に移行し、CPU56は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したか否かを確認する。第2始動入賞口14に遊技球が入賞していたら、第2保留記憶数を記憶する第2保留記憶数カウンタの値が上限値である4に達しているか否かを確認する(ステップS2759)。第2保留記憶数カウンタの値が上限値に達していなければ、第2保留記憶数カウンタの値を+1する(ステップS2760)。
また、ソフトウェア乱数(大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として第2保留記憶数カウンタの値に対応する第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS2761)。第2保留記憶バッファにおいて、保存領域は、第2保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。なお、ステップS2761では、ランダム1〜4(図100参照)の値が抽出され、保存領域に保存される。さらに、第2有効始動入賞コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS2762)。そして、ステップS2763に移行する。
ステップS2763では、第2特別図柄保留記憶表示器18bの表示状態を、第2保留記憶数カウンタの変更後の値に応じた状態にする。すなわち、第2特別図柄保留記憶表示器18bに表示されている第2保留記憶数を変更後の値に応じた数にする。
そして、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数カウンタすなわち合算保留記憶数をカウントする合算保留記憶数カウンタの値を+1する(ステップS2764)。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図107は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図107に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号D0〜D7の8本の信号線で主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
図108に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機になる信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図108に示された極性と逆極性であってもよい。
図109は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図109に示す例において、コマンド8001(H)〜800A(H)は、第1特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(第1変動パターンコマンド)である。また、コマンド8011(H)〜801A(H)は、第2特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(第2変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8001(H)〜800A(H)、8011(H)〜801A(H)のいずれかを受信すると、画像表示装置9において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。なお、この実施の形態では、特別図柄の可変表示と飾り図柄の可変表示とは同期(可変表示開始時期および可変表示終了時期が同じ。)しているので、飾り図柄の変動パターン(変動時間)を決定することは、特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定することも意味する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、および大当り遊技後の遊技状態を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて飾り図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果特定コマンドという。
コマンド8F00(H)は、特別図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。なお、導出表示とは、図柄を最終的に停止表示させることである。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、電源投入指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA000(H)は、第1ファンファーレ画面を表示すること、すなわち第1特別図柄の変動表示の表示結果が大当り図柄となったことにもとづいて大当り遊技(第1大当り遊技ともいう)の開始を指定する演出制御コマンド(第1大当り開始指定コマンド:第1ファンファーレ指定コマンド)である。コマンドA001(H)は、第1大当り終了画面を表示すること、すなわち第1大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第1大当り終了指定コマンド:第1エンディング指定コマンド)である。コマンドA002(H)は、第2ファンファーレ画面を表示すること、すなわち第2特別図柄の変動表示の表示結果が大当り図柄となったことにもとづいて大当り遊技(第2大当り遊技ともいう)の開始を指定する演出制御コマンド(第2大当り開始指定コマンド:第2ファンファーレ指定コマンド)である。コマンドA003(H)は、第2大当り終了画面を表示すること、すなわち第2大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第2大当り終了指定コマンド:第2エンディング指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が4に達していない状態で第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを示す演出制御コマンド(第1有効始動入賞指定コマンド)である。コマンドC001(H)は、第2保留記憶数が4に達していない状態で第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを示す演出制御コマンド(第2有効始動入賞指定コマンド)である。なお、第1有効始動入賞指定コマンドとして第1保留記憶数を示すコマンドを送信し、第2有効始動入賞指定コマンドとして第2保留記憶数を示すコマンドを送信してもよいが、この実施の形態では、第1有効始動入賞指定コマンドおよび第2有効始動入賞指定コマンドは、始動入賞があったことを示すコマンドである。また、第1有効始動入賞指定コマンドと第2有効始動入賞指定コマンドとを別々に設けるのでなく、共通の有効始動入賞指定コマンドを用いるようにしてもよい。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図109に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
なお、大入賞口開放中指定コマンドは、ラウンド数を指定するラウンド数指定コマンドの役割も果たす。また、図109に示された演出制御コマンドに加えて、賞球払出数を特定可能な演出制御コマンド等も使用される。
また、この実施の形態では、第1の実施の形態で示した図35と同様に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動開始時に、変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンドを送信する。そして、可変表示時間が経過すると、図柄確定指定コマンドを送信する。
なお、変動パターンコマンドを送信する前に、遊技状態(例えば、通常状態/時短状態/確変状態)に応じた画像表示装置9における背景画像を指定する背景指定コマンドを送信するようにしてもよい。その場合には、図109に示す表示結果特定コマンドのうち、はずれ指定の表示結果特定コマンド(表示結果1指定コマンド、表示結果2指定コマンド、表示結果3指定コマンド)を1つのコマンドにまとめることができる。
図110は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する第1特別図柄プロセス処理(ステップS26A)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第1特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bの2つの表示器によって第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行される。そして、この実施の形態では、2つの表示器において特別図柄の変動表示を同時に実行しないような制御が行われるとともに、2つの表示器において大当り図柄が導出表示されたことにもとづく大当りが同時に発生しないような制御が行われる。
第1特別図柄プロセス処理において、CPU56は、まず、第2大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS311)。第2大当りフラグがセットされていれば、CPU56は、そのまま処理を終了する。第2大当りフラグは、第2特別図柄の変動表示の表示結果にもとづいて大当りとすることが決定されたこと、および第2特別図柄の変動表示の表示結果にもとづいて大当り遊技状態に移行されていることを示すフラグである。第2大当りフラグは、第2第1特別図柄停止図柄設定処理で大当りとすることが決定されたときにセットされ、第2第1大当り終了処理でリセットされる。
また、第2大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、第2変動中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS312)。第2変動中フラグがセットされていれば、CPU56は、そのまま処理を終了する。第2変動中フラグは、第2特別図柄の変動表示中であることを示すフラグである。第2変動中フラグは、第2特別図柄の変動表示を実行する場合に第2第1特別図柄通常処理でセットされ、第2特別図柄の変動表示を停止するときに第2はずれ図柄停止処理または第2大当り図柄停止処理でリセットされる。
第2変動中フラグもセットされていなければ、CPU56は、ステップS300〜S309のうちのいずれかの処理を行う。ステップS300〜S309の処理は、以下のような処理である。
第1特別図柄通常処理(ステップS300):第1特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、第1保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。第1保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は第1保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、第1保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第2保留記憶数カウンタのカウント値が第1保留記憶数カウンタのカウント値より多いか否かを確認し、多くなければ、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。
第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):第1特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。第1特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
第1変動パターン設定処理(ステップS302):第1特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果が導出表示(停止表示)するまでの時間)を第1特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した第1特別図柄の変動時間を計測する第1変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
第1表示結果特定コマンド送信処理(ステップS303):第1特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果特定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
第1特別図柄変動中処理(ステップS304):第1特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS302でセットされる第1変動時間タイマがタイムアウトすなわち第1変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。
第1特別図柄停止処理(ステップS305):第1特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aにおける可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、第1大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。第1大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると画像表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
第1大当り表示処理(ステップS306):第1特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。第1大当り表示時間タイマによって所定期間を計測し、所定期間が経過すると、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
第1大入賞口開放前処理(ステップS307):第1特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。第1大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開状態にする。また、タイマによって第1大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。なお、第1大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第1大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
第1大入賞口開放中処理(ステップS308):第1特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に移行するように更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。
第1大当り終了処理(ステップS309):第1特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図111は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。第1特別図柄通常処理が実行される状態は、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示がなされていない状態であって、かつ、第2大当り遊技中でもない場合で、さらに、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合である。なお、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示がなされていない状態であって、かつ、第1大当り遊技中でもない場合である。
第1特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。なお、例えば、第1保留記憶バッファにおける保存領域に乱数等のデータが格納されているか否かを確認する等、第1保留記憶数の有無が確認できれば、他の方法を用いてもよい。第1保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が第1保留記憶数より多いか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタのカウント値が第1保留記憶数カウンタのカウント値より多いか否かを確認する。
ステップS52で第2保留記憶数が第1保留記憶数より多い(すなわち、第1保留記憶数と第2保留記憶数とがともに0でなく、且つ第2保留記憶数の方が多い)ということは、第1始動条件と第2始動条件とがともに同時に成立していることを意味する。この場合、CPU56は、第2保留記憶数が第1保留記憶数より多い場合には、ステップS53以降の処理を実行しないようにし、第1特別図柄の変動表示を開始しないようにする。そのようにすることによって、第2保留記憶数が第1保留記憶数より多い場合には、第1特別図柄の変動表示に優先して、第2特別図柄の変動表示が実行されるように制御される。また、第1保留記憶数が第2保留記憶数より多い場合、または第1保留記憶数と第2保留記憶数とが同数である場合には、ステップS53に移行し、第1特別図柄の変動表示が実行されるように制御される。
ステップS52で第2保留記憶数が第1保留記憶数より多くない場合には、CPU56は、RAM55の第1保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS53)、第1保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54)。すなわち、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。そして、CPU56は、第1特別図柄の変動中であることを示す第1変動中フラグをセットし(ステップS55)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS56)。
図112は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。第1特別図柄停止図柄設定処理において、CPU56は、乱数バッファ領域からランダム1(大当り判定用乱数)を読み出し(ステップS61)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS62)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図101参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。なお、CPU56は、遊技状態が確変状態であるときには、図101(B)に示すような個数分の大当り判定値が設定されているテーブルにおける大当り判定値を使用し、遊技状態が通常状態(時短状態を含む。)であるときには、図101(A)に示すような大当り判定値が設定されているテーブルにおける大当り判定値を使用する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS63)、ステップS81に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aにおける停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
大当りとしないことに決定した場合には、CPU56は、乱数バッファ領域からはずれ図柄決定用乱数を読み出し(ステップS64)、はずれ図柄決定用乱数にもとづいて停止図柄を決定する(ステップS65)。この場合には、はずれ図柄(例えば、偶数図柄のいずれか)を決定する。そして、ステップS90に移行する。
ステップS81では、CPU56は、第1大当りフラグをセットする。そして、乱数バッファ領域から大当り図柄決定用乱数を読み出し(ステップS82)、大当り図柄決定用乱数にもとづいて停止図柄として大当り図柄(例えば、奇数図柄のいずれかの揃い)決定する(ステップS83)。なお、ここでは、確変大当りと通常大当りとを区別せずに停止図柄を決定するが、区別して停止図柄を決定するようにしてもよい。例えば、確変大当りと決定されている場合には停止図柄を「77」に決定し、通常大当りと決定されている場合には停止図柄を「77」以外の奇数図柄のいずれかの揃いに決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、確変大当りとすることに決定されている場合には、確変大当りフラグをセットする(ステップS84,S85)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS86)。なお、確変大当りフラグがセットされた場合には、大当り遊技が終了したときに遊技状態が確変状態に移行される。
ステップS90では、CPU56は、確変フラグがセットされているか否か確認する。セットされていない場合には、ステップS95に移行する。セットされている場合には、確変回数カウンタの値を−1する(ステップS91)。確変回数カウンタの値が0になった場合には確変終了フラグをセットして(ステップS92,S93)、ステップS86に移行する。確変回数カウンタの値が0になっていない場合には、そのままステップS86に移行する。なお、確変終了フラグがセットされた場合には、特別図柄の可変表示が終了したときに遊技状態が確変状態から時短状態に移行される。
ステップS95では、CPU56は、時短フラグがセットされているか否か確認する。セットされていない場合には、ステップS86に移行する。セットされている場合には、時短回数カウンタの値を−1する(ステップS96)。時短回数カウンタの値が0になった場合には時短終了フラグをセットして(ステップS97,S98)、ステップS86に移行する。時短回数カウンタの値が0になっていない場合には、そのままステップS86に移行する。なお、時短終了フラグがセットされた場合には、特別図柄の可変表示が終了したときに遊技状態が時短状態から通常状態に移行される。
なお、この実施の形態では、大当り判定用乱数にもとづいて、大当りとするか否かと確変状態に制御するか否かとを決定するようにしているが(図101参照)、大当り判定用乱数にもとづいて、大当りとするか否かを決定し、大当り図柄決定用乱数にもとづいて所定の大当り図柄(あらかじめ決められている確変大当り図柄)が決定されたときに確変状態に制御するように決定されるようにしてもよい。
図113は、第1特別図柄プロセス処理における第1変動パターン設定処理(ステップS302)を示すフローチャートである。第1変動パターン設定処理において、CPU56は、乱数バッファ領域から変動パターン決定用乱数を読み出す(ステップS101)。
次いで、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値が所定値(例えば4)以上であるか否かを確認する(ステップS102A)。合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上であれば、CPU56は、変動パターン決定用乱数にもとづいて、短縮変動の変動パターン(図104に示す第1変動パターン#1,#4,#6)のみを含む変動パターンテーブルから変動パターンを選択する(ステップS102B)。なお、ステップS102Aで、合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上である場合、CPU56は、例えば、リーチ判定用乱数を用いて、リーチとするか否かを決定するようにしてもよい。この場合、CPU56は、リーチとすると決定すると、リーチを伴う変動パターンを選択するようにしてもよい。そして、CPU56は、リーチとしないことに決定した場合に、短縮変動の変動パターンを選択するようにしてもよい。
合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上でなければ、CPU56は、変動パターン決定用乱数にもとづいて、通常の変動パターンテーブル(図105参照)から変動パターンを選択する(ステップS102C)。ここで、遊技状態が通常状態であって、はずれとすることに決定されている場合には、はずれ変動パターンテーブル(図105(A)参照)から変動パターンを選択する。遊技状態が通常状態であって、大当りとすることに決定されている場合には、大当り変動パターンテーブル(図105(B)参照)から変動パターンを選択する。遊技状態が確変状態または時短状態であって、はずれとすることに決定されている場合には、時短時はずれ変動パターンテーブル(図105(C)参照)から変動パターンを選択する。遊技状態が確変状態または時短状態であって、大当りとすることに決定されている場合には、時短時大当り変動パターンテーブル(図105(D)参照)から変動パターンを選択する。
次いで、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1減算するとともに、合算保留記憶数カウンタの値を1減算し(ステップS102D)、ステップS102Eに移行する。ステップS102Eでは、第1特別図柄保留記憶表示器18aの表示状態を、第1保留記憶数カウンタの変更後の値に応じた状態にする。すなわち、第1特別図柄保留記憶表示器18aに表示されている第1保留記憶数を変更後の値に応じた数にする。
そして、CPU56は、ステップS102で選択した変動パターンに応じた第1変動パターンコマンド(図109参照)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS103)。また、第1特別図柄の変動を開始する(ステップS104)。例えば、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている第1変動時間タイマに、変動時間に応じた値を設定する(ステップS105)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1表示結果特定コマンド送信処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS106)。
図114は、第1表示結果特定コマンド送信処理(ステップS303)を示すフローチャートである。第1表示結果特定コマンド送信処理において、CPU56は、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図109参照)を送信する制御を行う(ステップS107)。ここで、確変大当りにすることに決定されている場合には、表示結果5指定コマンドを送信し、通常大当りにすることに決定されている場合には、表示結果4指定コマンドを送信する。また、ステップS93の処理で確変終了フラグがセットされた場合には、表示結果2指定コマンドを送信し、ステップS98の処理で時短終了フラグがセットされた場合には、表示結果3指定コマンドを送信する。そうでない場合には、表示結果1指定コマンドを送信する。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄変動中処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS108)。
図115は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動中処理(ステップS305)を示すフローチャートである。第1特別図柄変動中処理において、CPU56は、第1変動時間タイマを1減算し(ステップS121)、第1変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS122)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS123)。第1変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図116は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止処理(ステップS305)を示すフローチャートである。第1特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして第1特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aに停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS132)。そして、第1大当りフラグがセットされていない場合には、ステップS141に移行する(ステップS133)。
第1大当りフラグがセットされている場合には、第1大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。また、第1大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを例えば画像表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定し(ステップS136)、第1変動中フラグをリセットする(ステップS136A)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大当り表示処理(ステップS307)に対応した値に更新する(ステップS137)。なお、第1大当り表示処理では、CPU56は、第1大当り表示時間タイマがタイムアウトしたら、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理(ステップS307)に対応した値に更新する。
ステップS141では、CPU56は、確変終了フラグがセットされているか否か確認する。確変終了フラグがセットされていない場合には、ステップS146に移行する。確変終了フラグがセットされている場合には、確変終了フラグをリセットし(ステップS142)、確変フラグをリセットして確変状態を終了させる(ステップS143)。また、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態にし(ステップS144)。時短状態における変動可能回数を示す時短回数カウンタに50をセットする(ステップS145)。そして、ステップS148Aに移行する。
ステップS146では、CPU56は、時短終了フラグがセットされているか否か確認する。時短終了フラグがセットされていない場合には、ステップS149に移行する。時短終了フラグがセットされている場合には、時短終了フラグをリセットし(ステップS147)、時短フラグをリセットして時短状態を終了させる(ステップS148)。時短フラグがリセットされることによって、遊技状態は通常状態に移行する。
次いで、CPU56は、第1変動中フラグをリセットし(ステップS148A)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS149)。
図117は、第1特別図柄プロセス処理における第1大当り終了処理(ステップS309)の処理を示すフローチャートである。第1大当り終了処理において、CPU56は、第1大当りフラグをリセットし(ステップS151)、第1大当り終了指定コマンド送信する制御を行う(ステップS152)。
そして、確変大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS153)。確変大当りフラグがセットされている場合は、確変大当りフラグをリセットし(ステップS154)。確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS155)。なお、そのときの遊技状態が確変状態である場合には、既に確変フラグはセットされている。また、そのときの遊技状態が時短状態であった場合には時短フラグをリセットする(ステップS156)。そして、確変状態における変動可能回数を示す確変回数カウンタに100を設定し(ステップS157)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS158)。
確変大当りフラグがセットされていない場合には、確変フラグがセットされているか否か確認する(ステップS161)。確変フラグがセットされている場合には、確変フラグをリセットし(ステップS162)、時短フラグをセットして(ステップS163)、遊技状態を確変状態から時短状態に移行させる。また、時短回数カウンタに50を設定し(ステップS164)、ステップS158に移行する。
確変フラグがセットされていない場合には、そのときの遊技状態が時短状態であった場合には時短フラグをリセットして遊技状態を時短状態から通常状態に移行させ(ステップS165)、ステップS158に移行する。
図118は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する第2特別図柄プロセス処理(ステップS26B)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第2特別図柄プロセス処理では第2特別図柄表示器8bおよび特別可変入賞球装置を制御するための処理が実行される。
第2特別図柄プロセス処理において、CPU56は、まず、第1大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS311B)。第1大当りフラグがセットされていれば、CPU56は、そのまま処理を終了する。第1大当りフラグは、第1特別図柄の変動表示の表示結果にもとづいて大当りとすることが決定されたこと、および第1特別図柄の変動表示の表示結果にもとづいて大当り遊技状態に移行されていることを示すフラグである。第1大当りフラグは、第1特別図柄停止図柄設定処理で大当りとすることが決定されたときにセットされ、第1大当り終了処理でリセットされる。
また、第1大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、第1変動中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS312B)。第1変動中フラグがセットされていれば、CPU56は、そのまま処理を終了する。第1変動中フラグは、第1特別図柄の変動表示中であることを示すフラグである。第1変動中フラグは、第1特別図柄の変動表示を実行する場合に第1特別図柄通常処理でセットされ、第1特別図柄の変動表示を停止するときに第1はずれ図柄停止処理または第1大当り図柄停止処理でリセットされる。
第1変動中フラグもセットされていなければ、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数とが同数であるか否かを確認する(ステップS313B)。具体的には、第1保留記憶数カウンタのカウント値と第2保留記憶数カウンタのカウント値とが等しいか否かを確認する。第1保留記憶数と第2保留記憶数とが同数であれば、CPU56は、そのまま処理を終了する。この場合、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数とが同数である場合には、ステップS300B〜S309Bの処理を実行しないようにし、第2特別図柄の変動表示を開始しないようにする。そのようにすることによって、第1保留記憶数と第2保留記憶数とが同数である場合には、第2特別図柄の変動表示に優先して、第1特別図柄の変動表示が実行されるように制御される。すなわち、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数とが同数である場合には、第1特別図柄の変動表示を優先して行うようにあらかじめ設定されている。
なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数とが同数である場合に、第2特別図柄の変動表示を優先して行うようにあらかじめ設定してもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、図110に示す第1特別図柄プロセス処理(ステップS26A)において、ステップS312で第2変動中フラグがセットされていなければ、第1保留記憶数と第2保留記憶数とが同数であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、第1保留記憶数と第2保留記憶数とが同数であればそのまま処理を終了し、同数でなければステップS300〜S309のいずれかの処理を実行するようにしてもよい。すなわち、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数とが同数である場合には、ステップS300〜S309の処理を実行しないようにし、第1特別図柄の変動表示を開始しないようにする。また、この場合、CPU56は、図118に示す第2特別図柄プロセス処理において、ステップS312Bで第1変動フラグがセットされていない場合にステップS313Bの処理を行わない。
第1保留記憶数と第2保留記憶数とが同数でなければ、CPU56は、ステップS300B〜S309Bのうちのいずれかの処理を行う。
第2特別図柄通常処理(ステップS300B):第2特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、第2保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。第2保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は第2保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、第2保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1保留記憶数カウンタのカウント値が第2保留記憶数カウンタのカウント値より多いか否かを確認し、多くなければ、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS301Bに応じた値(この例では1)に更新する。
なお、ステップS301B〜S309Bのプログラムは、第1特別図柄プロセス処理(ステップS26A)におけるステップS301〜S309のプログラムと同様に構成される。すなわち、第1特別図柄プロセス処理におけるステップS301〜S309の処理の説明において、「第1」を「第2」と読み替え、「第2」を「第1」と読み替えれば、ステップS301B〜S309Bの処理が説明されることになる。
図119は、第2特別図柄プロセス処理における第2特別図柄通常処理を示すフローチャートである。第2特別図柄通常処理が実行される状態は、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示がなされていない状態であって、かつ、第1大当り遊技中でもない場合で、さらに、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2特別図柄通常処理を示す値となっている場合である。なお、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2特別図柄通常処理を示す値となっている場合とは、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示がなされていない状態であって、かつ、第2大当り遊技中でもない場合である。
第2特別図柄通常処理において、CPU56は、第2保留記憶数の値を確認する(ステップS51B)。具体的には、第2保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第1保留記憶数が第2保留記憶数より多いか否かを確認する(ステップS52B)。具体的には、第1保留記憶数カウンタのカウント値が第2保留記憶数カウンタのカウント値より多いか否かを確認する。
ステップS52Bで第1保留記憶数が第2保留記憶数より多い(すなわち、第1保留記憶数と第2保留記憶数とがともに0でなく、且つ第1保留記憶数の方が多い)ということは、第1始動条件と第2始動条件とがともに同時に成立していることを意味する。この場合、CPU56は、第1保留記憶数が第2保留記憶数より多い場合には、ステップS53B以降の処理を実行しないようにし、第2特別図柄の変動表示を開始しないようにする。そのようにすることによって、第1保留記憶数が第2保留記憶数より多い場合には、第2特別図柄の変動表示に優先して、第1特別図柄の変動表示が実行されるように制御される。また、第2保留記憶数が第1保留記憶数より多い場合には、ステップS53Bに移行し、第2特別図柄の変動表示が実行されるように制御される。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数とが同数である場合には、第2特別図柄プロセス処理におけるステップS300B〜S309Bに移行しないように制御されるので、第2特別図柄の変動表示に優先して、第1特別図柄の変動表示が実行されることになる。
ステップS52Bで第1保留記憶数が第2保留記憶数より多くない場合には、CPU56は、RAM55の第2保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS53B)、第2保留記憶数の値を1減らし(第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54B)。すなわち、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第2保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第2保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。そして、CPU56は、第2特別図柄の変動中であることを示す第2変動中フラグをセットし(ステップS55B)、第2特別図柄プロセスフラグの値を第2特別図柄停止図柄設定処理に対応した値に更新する(ステップS56B)。
次に、飾り図柄の変動の一例を説明する。図120および図121は、スーパーリーチAによるリーチ演出が実行されるときの画像表示装置9の表示状態を示す説明図である。図120(A)〜図121(P)に示す矩形は、画像表示装置9における表示画面9Aを示す。可変表示の開始タイミングになると、図120(A)に示すような前回の可変表示結果を示す左中右図柄が回転を開始し、図120(B)に示すように、左中右図柄が高速回転される状態になる。所定期間高速回転が行われ、左図柄が数図柄分低速回転された後、左図柄の仮停止タイミングになると、図120(C)に示すように左図柄が仮停止状態になる。仮停止状態とは、停止図柄が確定(最終的に停止)する前の段階で停止している状態である。仮停止状態では、例えば図柄が上下あるいは左右に揺れている揺れ変動をしている。
次いで、右図柄が数図柄分低速回転された後、右図柄の仮停止タイミングになると、図120(D)に示すように、右図柄も仮停止状態になる。この例では、左右図柄がともに「7」で仮停止したリーチ表示になっている。このことを、リーチ成立という。図120(D)に示すようなリーチ表示状態となった後、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される。
スーパーリーチAによるリーチ演出では、まず、中速回転による演出が実行される。具体的には、図120(E)に示すように、リーチ状態となったことを報知するための「リーチ」という表示がなされた後、中図柄が数図柄分低速回転されてから、中図柄の仮停止タイミングになると、図120(F)に示すように、中図柄が仮停止状態になる。中図柄が仮停止状態となったときに、中速回転による演出が終了する。
中速回転による演出が終了すると、高速回転による演出が実行される。具体的には、図120(G)に示すように、高速回転によるリーチ演出を実行することを報知するための「高速リーチ」という表示がなされた後、中図柄の高速回転が所定期間行われ、中図柄の仮停止タイミングになると、図120(H)に示すように、中図柄が仮停止状態になる。中図柄が仮停止状態となったときに、高速回転による演出が終了する。
高速回転による演出が終了すると、動画像演出が実行される。動画像演出において、図121(I)に示すように、高速回転による演出よりもさらに発展した演出を実行することを報知するための「スペシャルリーチ」という表示がなされるとともに、仮停止中の左右図柄が縮小されて画面下方に移動され、さらに中図柄が高速回転を開始する。次いで、動画像データにもとづく動画像表示が開始され、図121(J)に示すように、キャラクタ画像が徐々に表れてくる表示制御がなされる。図121(K)に示すように、キャラクタ画像が完全に表示された後、中図柄の仮停止タイミングになると、中図柄が仮停止状態になる。中図柄の仮停止状態において、図121(L)に示すように、キャラクタ画像がハンマーを振り下ろすような動画像が表示される。この例では、仮停止中の中図柄が位置する場所とハンマーを振り下ろす場所とが一致するように、キャラクタ画像を動画表示するための動画像データが作成されている。よって、画像表示装置9の表示画面において、キャラクタ画像がハンマーを振り下ろして仮停止中の中図柄を叩いたような演出表示が実現される。
次いで、仮停止中の中図柄が画面外に消失し、図121(M)に示すように、消失した図柄の次に表示される中図柄(この例では「7」)が画面上方から降りてくる表示がなされる。図121(N)に示すように、画面上方から降りてきた中図柄が仮停止状態になったときに、動画像データにもとづいてキャラクタ画像が右手を挙げたポーズをとるような動作を行う動画像が表示される。そして、図121(O)に示すように、キャラクタ画像が徐々に消失していくような表示がなされる。キャラクタが完全に消失すると、動画像データにもとづく動画像演出が終了するとともに、図121(P)に示すように左中右図柄が最終的に停止表示される。左中右図柄が停止表示されたときに動画像演出が終了し、スーパーリーチA演出が完了したことになる。
スーパーリーチB演出では、高速回転による演出よりもさらに発展した演出を実行することを報知するための図121(I)に示すような「スペシャルリーチ」という表示がなされた後、図122(J),(K)に示すように、可動部材78が、非透明領域または遊技領域外から透明遊技領域71に進出してくる。そして、可動部材78の透明遊技領域71との重複部分が最大になる位置に到達すると、図122(L)に示すように、画像表示装置9において、あたかも可動部材78から吐き出ているかのように、炎の画像が表示される。その画像は、変動している中図柄の近傍に表示される。なお、図122(J)〜(P)に示す矩形は、画像表示装置9における表示画面9Aを示す。
そして、図122(M)に示すように、炎によって中図柄の変動が停止したかのような演出が実行され、可動部材78が透明遊技領域71から退出するように移動されると(図示せず)、図122(P)に示すように左中右図柄が最終的に停止表示される。
なお、この実施の形態では、スーパーリーチA演出およびスーパーリーチB演出は、中速回転による演出、高速回転による演出、動画像による演出が順に実行される演出である。よって、他のリーチ演出(ノーマルリーチやリーチA等)の演出内容を発展させた態様になっている。そのようにした場合には、動画像表示の出現によって遊技者に大当りへの大きな期待を持たせることができるようになり、遊技の興趣を向上させることができる。
図123は、この実施の形態において、通常状態で使用されるリーチ演出の演出態様の例を示す説明図である。図123に示すように、通常状態で使用されるリーチ演出として、ノーマルリーチ、リーチA、リーチB、リーチC、スーパーリーチAおよびスーパーリーチBの6種類のリーチ演出がある。ノーマルリーチは、特別図柄の表示状態がリーチ態様(左右図柄が同じ図柄で揃った状態)になった後、リーチ態様を維持したまま最後に停止する特別図柄(中図柄)を中速で回転(変動)させる演出である。すなわち、ノーマルリーチは、遊技者の大当りへの期待を高めるような特殊な演出ではない通常のリーチ演出である。リーチAおよびリーチBは、ノーマルリーチの発展形であり、リーチ態様を維持したまま最後に停止する特別図柄(中図柄)を中速で回転させ、所定期間が経過したときに、特別図柄を高速回転または逆回転させる演出である。リーチBは、いわゆる戻り演出(図柄の停止位置を過ぎたあとに逆回転して図柄が停止位置に戻ってくるような表示による演出)を含む演出である。
リーチC、スーパーリーチAおよびスーパーリーチBは、リーチAの発展形であり、リーチ態様を維持したまま最後に停止する特別図柄(中図柄)を中速で回転させ、特別図柄を高速回転させた後、コマ送りまたは動画像演出が実行される演出である。
この実施の形態では、ノーマルリーチ、リーチA、リーチB、リーチC、スーパーリーチ(スーパーリーチAおよびスーパーリーチB)の順で、リーチ演出の出現に対する大当り発生確率が高くなっていくように構成される。具体的には、例えば、スーパーリーチが出現したときには、大当りとなる確率が他のリーチ演出の出現時と比較して高くなるように構成されている(図105参照)。なお、図120〜図122では、四角形、円形、略菱形および星型六角形の図形(図102参照)を伴わない状態で、飾り図柄が示されている。
次に、描画プロセッサ109におけるデータ転送方法および演出制御用CPU101から描画プロセッサ109に出力される指令(コマンド)を説明する。
図124は、画像データの転送を説明するための説明図である。CGROM83に格納されている画像データは、VRAMRS96Aに転送されることが可能である。また、CGROM83に格納されている画像データは、VRAMRS96Aにおける転送領域を経由してVRAFB96Bに転送されることが可能である。また、VRAMRS96Aの固定領域に格納されている画像データは、VRAFB96Bに転送されることが可能である。さらに、VRAFB96Bに格納されている画像データは、VRAMRS96Aに転送されることが可能である。なお、描画プロセッサ109は、例えば、電力供給開始時に、演出制御用CPU101からの指令に応じて、画像データに対応した演出画像による演出の実行頻度が相対的に高い画像データをCGROM83からVRAMRS96Aの固定領域に転送する。また、描画プロセッサ109は、CGROM83から読み出した画像データをVRAMFB96Bに書き込むときには、一旦画像データをVRAMRS96Aに書き込み、画像データをVRAMRS96Aから読み出して、VRAMFB96Bに書き込むことになる。
図125は、演出制御用CPU101から描画プロセッサ109に出力される指令のうち、データ転送に関する指令を示す説明図である。CGROM転送指令は、CGROM83からVRAMRS96Aに画像データを転送させる場合に出力される指令である。VRAMFB転送指令は、VRAMRS96AからVRAMFB96Bに画像データを転送させる場合に出力される指令である。VRAMRS間転送指令は、VRAMRS96Aに格納されている画像データを、VRAMRS96Aにおける他の領域に画像データを転送させる場合に出力される指令である。
描画エフェクト指令は、VRAMRS96AからVRAMFB96Bに画像データを転送させるときの描画効果を指定する指令である。VRAMFBコピー指令は、VRAMFB96BからVRAMRS96Aに画像データを転送させる場合に出力される指令である。自動転送指令は、CGROM83に格納されている画像データを、VRAMRS96Aを経由してVRAFB96Bに転送させる場合に出力される指令である。
なお、この実施の形態では、CGROM83のアドレス指定を除き、データ転送の際の転送元アドレス(読出アドレス)および転送先アドレス(書込アドレス)は、領域のX座標およびY座標で指令されるが、メモリ(ROMまたはRAM)において画像データが格納されているアドレスそのもので指定することもできる。さらに、あらかじめ作成されているインデックス(領域のアドレス等が設定される)を利用して読出アドレスおよび書込アドレスを指定することもできる。
描画プロセッサ109の描画回路91は、CGROM転送指令を入力すると、CGバスインタフェース93に、CGROM83の読出開始アドレスから画像データを読み出してVRAMRS96Aの書込アドレスに画像データを転送させる。VRAMFB転送指令を入力すると、VRAMRS96Aの読出アドレスから画像データを読み出してVRAMFB96Bの書込アドレスに書き込む。VRAM間転送指令を入力すると、VRAMRS96Aの読出アドレスから画像データを読み出してVRAMRS96Aの書込アドレスに書き込む。描画エフェクト指令を入力すると、VRAMFB転送指令を入力したときに、描画エフェクト指令に含まれるパラメータに従って画像合成を行う。
また、描画回路91は、VRAMFBコピー指令を入力すると、VRAMFB96Bの読出アドレスから画像データを読み出してVRAMRS96Aの書込アドレスに書き込む。自動転送指令を入力すると、CGバスインタフェース93にCGROM83の読出開始アドレスから画像データを読み出してVRAMRS96Aの所定領域に画像データを転送させ、さらに所定領域から画像データを読み出してVRAMFB96Bの書込アドレスに書き込む。
図126は、演出制御用CPU101から描画プロセッサ109に出力される指令のうち、データ圧縮された動画像データを伸張することに関する指令を示す説明図である。シングルストリーム開始アドレスは、1つの動画像の動画像データを伸張する場合にその画像のCGROM83における格納アドレスを指定する指令である。シングルストリーム領域展開指令は、1つの動画像の動画像データの伸張後の画像データのVRAMRS96Aにおける格納アドレスを指定する指令である。マルチストリーム開始アドレスは、複数(例えば2つ)の動画像の動画像データを伸張する場合にそれらの画像のCGROM83における格納アドレスを指定する指令である。マルチストリーム領域展開指令は、複数の動画像の動画像データの伸張後の画像データのVRAMRS96Aにおける格納アドレスを指定する指令である。
デコード実行指令は、動画像の動画像データを伸張することを指定する指令である。デコーダ95は、デコード実行指令を入力すると、シングルストリーム開始アドレスおよびシングルストリーム領域展開指令に従って、また、マルチストリーム開始アドレスおよびマルチストリーム領域展開指令のパラメータを用いて、CGROM83に格納されている動画像データを復号してVRAMRS96Aに格納する処理を行う。
図127は、描画プロセッサ109における描画回路91とCGROM83との間のCGバスにおけるデータバスを示す説明図である。なお、図127では、CGバスI/F93(図97参照)は記載省略されている。図127に示すように、データバスは、物理的には64ビット存在するが、64ビット全てがデータバスとして使用される64ビットモードと、下位32ビットがデータバスとして使用される32ビットモードとに切替可能である。
この実施の形態では、動画像データが記憶されているROM83Cから画像データを読み出す場合には、32ビットモードに設定され、静止画像(スプライト画像)データが記憶されているROM83A,83Bから画像データを読み出す場合には、64ビットモードに設定される。よって、スプライト画像の画像データは、64ビット単位でCGROM83から読み出され、動画像データは、32ビット単位でCGROM83から読み出される。なお、図127では作図の都合上ROM83CにがROM83Aからデータバスが延びているように記載されているが、実際には、描画制御部91とROM83Aとの間のデータバスが分岐してROM83Cに配線されている。
図128は、CGROM83に記憶されている飾り図柄の画像データを説明するための説明図である。図128(A)に示すように、「7」の飾り図柄および図形の画像データは、CGROM83における選択画像データ領域に記憶されている。円形の図形と組み合わせられた「7」の数字を示す飾り図柄は、演出モード#1で使用される。また、略菱形の図形と組み合わせられた「7」の数字を示す飾り図柄は、演出モード#2で使用される。そして、星型六角形の図形と組み合わせられた「7」の数字を示す飾り図柄は、演出モード#3で使用される。なお、選択画像データ領域に記憶されている画像データに対応する飾り図柄が選択識別情報である。
また、それ以外の飾り図柄の画像データは、図128(B)に示すように、CGROM83における共通画像データ領域に記憶されている。共通画像データ領域に記憶されている各画像データは、遊技機への電力供給が開始され演出制御用マイクロコンピュータ100が起動したときに、CGROM83からVRAMRS96Aの固定領域に転送される(図131におけるステップS702参照)。選択画像データ領域に記憶されている各画像データは、演出モードの切替が行われるときに、CGROM83からVRAMRS96Aの固定領域に転送される。なお、共通画像データ領域に記憶されている画像データに対応する飾り図柄が共通識別情報である。また、図128(B)において、ダミーデータとは、画像データではないことを示すデータであり、例えばオール0のデータである。
なお、この実施の形態では、共通画像データ領域に記憶されている飾り図柄の画像データを、事前転送データとしてVRAMRS96Aの固定領域に事前転送する場合を例示するが、VRAMRS96Aの固定領域に事前転送される画像データは、飾り図柄の画像データに限定されない。例えば、背景図柄を構成する動画像の画像データ(動画像データ)であってもよい。
図129は、CGROM83に記憶される画像データのうち動画像データのデータ構成を示す説明図である。動画像データは、最初のアドレスにファイルヘッダが設定され、続いて、各フレームのフレームヘッダと圧縮データとが順次設定された構成である。ストリームには、フレーム1〜N(フレーム画像1〜n)のフレームヘッダと圧縮データとが画像1から順に設定される。なお、動画像データは、例えばMPEG2(Moving Picture Experts Group phase 2)符号化方式によって符号化されている。符号化によって、符号化前の画像データのデータ量は減少しているので、符号化されている画像データを圧縮データという。
なお、図129において、「スーパーリーチAの(J)の画像」とは、図121(J)に示された画像の画像データを意味する。「スーパーリーチAの(O)の画像」とは、図121(O)に示された画像の画像データを意味する。また、図129には、1つの動画像データ(スーパーリーチAの動画像データ)が例示されているが、CGROM83には、さらに多くの動画像データが記憶されている。
また、圧縮データは、CGROM83において、32ビットを1ワードとするROMに格納される。そして、描画プロセッサ109がCGROM83から圧縮データを読み出すときに、CGバスのバス幅が32ビットに設定される。従って、描画プロセッサ109は、CGROM83から32ビット単位で圧縮データを読み出す。
次に、図130の説明図を参照してデコーダ95によるデータ圧縮された動画像データ(圧縮データ)の復号の仕方について説明する。図130(A)に示すフレーム番号は、図129に示す動画像データにおけるフレームの通し番号である(フレーム1〜N)。そして、動画像データにおいてフレーム1〜Nの圧縮データは、図130(B)に示すような順で、MPEG2符号化方式で規定されているIピクチャ、BピクチャまたはPピクチャで構成されている。例えば、フレーム1はIピクチャであり、フレーム2,3,5,6はBピクチャであり、フレーム4,7はPピクチャである。I,B,Pに付されている添え字は、それぞれのピクチャタイプでの通し番号である。
上述したように、動画像データとしてフレーム1〜N(フレーム画像1〜n)がフレーム1(画像1)から順に格納されている(図129参照)。例えば、ストリームにおけるフレーム1(画像1)はIピクチャであり、フレーム2,3,5,6(画像2,3,5,6)はBピクチャであり、フレーム4,7(画像4,7)はPピクチャである。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図131は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、33ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。次に、初期データ転送処理を行う(ステップS702)。初期データ転送処理は、描画プロセッサ109に、VRAMRS96Aに固定領域(固定的な画像データを格納する領域)を設定させるとともに、VRAMRS96Aの固定領域に、CGROM83に記憶されている飾り図柄の画像データ(図102参照)を転送させるための処理である。初期データ転送処理では、VRAMRS96Aに固定領域を設定させるために、固定領域設定指令を描画プロセッサ109に出力する。また、図128(B)に示すようなCGROM83における共通画像データ領域に記憶されている画像データを、VRAMRS96Aの固定領域に転送させるために、CGROM転送指令(図125参照)を描画プロセッサ109に出力する。描画プロセッサ109は、固定領域設定指令の入力に応じてVRAMRS96Aに固定領域(図124参照)を設定する。また、CGROM転送指令のパラメータである読出開始アドレスからCGROM83の画像データを読み出し、書込アドレスに従って、画像データを表示用データとしてVRAMRS96Aの固定領域に書き込む。
次いで、演出モード#1データ転送制御処理を行う(ステップS703)。演出モード#1データ転送制御処理は、選択画像データ領域に記憶されている円形の図形と組み合わせられた「7」の数字を示す飾り図柄の画像データ(図128(A)の上段参照)をVRAMRS96Aの固定領域(具体的には、図128(B)に示すダミーデータが転送された領域)に転送させるための処理である。
描画プロセッサ109は、飾り図柄の変動中では、飾り図柄の画像データを、VRAMRS96Aの固定領域からVRAMFB96Bの描画領域に転送する。飾り図柄の画像データを、描画プロセッサ109の外部のCGROM83から読み出さず、描画プロセッサ109の内部のデータ転送(VRAMRS96Aの固定領域から描画領域へのデータ転送)で飾り図柄の可変表示を実行できるので、描画プロセッサ109の制御負担が軽くなるとともに、実質的なデータ転送速度が速くなる。なお、描画プロセッサ109は、例えば、VRAMRS96Aの固定領域から読み出した飾り図柄の画像データを、時間経過とともに、描画領域において位置をずらして書き込むことによって、飾り図柄の変動を実現する。
このように、描画プロセッサ109は、VRAMRS96Aにおける固定領域に画像データが記憶されているときには固定領域から画像データを読み出して表示用データとしてVRAMFB96Bにおける描画領域に書き込むが、固定領域に画像データ(例えば、演出用のキャラクタの画像データ)が記憶されていないときにはCGROM83から画像データを読み出してVRAMRS96Aにおける転送領域に転送し、転送領域から画像データを読み出して表示用データとしてVRAMFB96Bにおける描画領域に書き込む。
また、描画領域において位置をずらして書き込む制御を、演出制御用CPU101の指令に応じて実行するのであるが、演出制御用CPU101は、後述するプロセステーブルに設定されている表示制御データに従って描画プロセッサ109に指令を出力する。すなわち、プロセステーブルには、描画領域において飾り図柄の画像データを描画する位置を特定可能なデータを含む表示制御データが設定されている。
その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS704)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS705)、演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を実行する(コマンド解析処理:ステップS706)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS707)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して画像表示装置9の表示制御を実行する。また、図柄保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS707A)。また、所定の乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS708)。その後、ステップS704に移行する。
なお、タイマ割込の発生周期は、1/33秒であるとする。また、画像表示装置9の画面変更周波数(フレーム周波数)が30Hzであり、描画プロセッサ109の表示回路98は、1/33秒周期で画像表示装置9の表示画面の更新を行うとする。表示画面の更新とは、VRAMFB93Bにおける描画領域の画像データにもとづく画像信号を画像表示装置9に出力して、そのときに描画領域に設定されている画像データにもとづく画像を画像表示装置9に表示させることである。タイマ割込の発生周期は、1/33秒以外の値(例えば、2ms)でもよいが、その場合には、演出制御処理において、例えば描画プロセッサ109からのVブランク割込(画像表示装置9に供給される垂直同期信号の周期と同周期で描画プロセッサ109が発生する割込)の発生に同期して、描画に関わる処理を実行する。
図132は、保留記憶表示制御処理(ステップS707A)を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、保留記憶表示制御処理において、第1有効始動入賞指定コマンドまたは第2有効始動入賞指定コマンドを受信したか否か確認し(ステップS1851)、第1有効始動入賞指定コマンドまたは第2有効始動入賞指定コマンドを受信していたら、合算保留記憶数を示す合算保留記憶表示カウンタすなわち合算保留記憶数をカウントする合算保留記憶表示カウンタの値を+1する(ステップS1852)。そして、ステップS1853に移行する。なお、ステップS1851で第1有効始動入賞指定コマンドと第2有効始動入賞指定コマンドの両方を受信していた場合には、演出制御用CPU101は、ステップS1852で合算保留記憶表示カウンタの値を+2するようにしてもよい。
ステップS1853では、図柄保留記憶表示部18cの表示状態を、合算保留記憶表示カウンタの変更後の値に応じた状態にする。すなわち、図柄保留記憶表示部18cに表示されている合計数(合算保留記憶数)を変更後の値に応じた数にする。
図133は、図131に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS707)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S808のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から第1変動パターンコマンドまたは第2変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる第1変動パターンコマンド受信フラグまたは第2変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否を確認する。第1変動パターンコマンドまたは第2変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を予告選択処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
予告選択処理(ステップS801):演出表示装置9において、大当りの発生を遊技者に予告報知するための予告演出(大当りになることを飾り図柄の表示結果が導出される前に遊技者に知らせるための表示演出。ただし、大当りにならない場合に実行されることもある)を行う予告演出処理を実行するか否か決定し、予告演出処理を実行することに決定した場合には、予告種類を決定する。そして、予告演出処理を実行することに決定した場合には、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS803)に対応した値に変更する。予告演出処理を実行することに決定しなかった場合には、演出制御プロセスフラグの値を可動部材予告選択処理(ステップS802)に対応した値に変更する。
可動部材予告選択処理(ステップS802):演出表示装置9および可動部材78を用いて、大当りの発生を遊技者に予告報知するための予告演出(可動部材78を可動させることによって、大当りになることを飾り図柄の表示結果が導出される前に遊技者に知らせるための表示演出。遊技者による回転操作部812の回転操作に応じて、可動部材78を稼動させる。ただし、大当りにならない場合に実行されることもある)を行う可動部材予告演出処理を実行するか否か決定する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS803)に対応した値に変更する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS803):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS804)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動中処理(ステップS804):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS805):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS806)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS806):変動時間の終了後、画像表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS807):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、画像表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS808)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(ステップS808):画像表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図134は、図133に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、第1変動パターンコマンド受信フラグまたは第2変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否を確認する(ステップS811)。第1変動パターンコマンド受信フラグまたは第2変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、そのセットされているのが第1変動パターンコマンド受信フラグであるか否かを確認する(ステップS811A)。第1変動パターンコマンド受信フラグであれば、第1変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて飾り図柄の変動を行っていることを示す第1変動フラグをセットする(ステップS811B)。
次いで、演出制御用CPU101は、第1変動パターンコマンド受信フラグまたは第2変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。なお、第1変動パターンコマンド受信フラグおよび第2変動パターンコマンド受信フラグは、第1変動パターンコマンドまたは第2変動パターンコマンドを受信したときにコマンド解析処理においてセットされる。また、コマンド解析処理において、受信した変動パターンコマンド、または受信した変動パターンコマンドを示すデータが、RAMの変動パターンコマンド格納領域に保存される。
次いで、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示カウンタを1減算し(ステップS812A)、ステップS812Bに移行する。ステップS812Bでは、図柄保留記憶表示部18cの表示状態を、合算保留記憶表示カウンタの変更後の値に応じた状態にする。すなわち、図柄保留記憶表示部18cに表示されている合計数(合算保留記憶数)を変更後の値に応じた数にする。そして、演出制御プロセスフラグの値を予告選択処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図135は、図133に示された演出制御プロセス処理における予告選択処理を示すフローチャートである。予告選択処理において、演出制御用CPU101は、受信している変動パターンコマンド(コマンド解析処理において、RAMにおける変動パターンコマンド格納領域に格納されている)が示す変動パターンが「リーチ」を含む変動パターン(図104参照)のいずれかであるか否か確認する(ステップS821)。「リーチ」を含む変動パターンでなければ、ステップS826に移行する。「リーチ」を含む変動パターンであれば、予告決定用乱数を抽出し、抽出した乱数値にもとづいて、予告演出をするか否かと、予告演出をすることに決定した場合の予告演出の種類を決定する(ステップS822)。なお、予告演出をするか否か決定するときに、受信している表示結果特定コマンドも参照する。
また、予告演出をすることに決定した場合に、大当り時予告演出をすることに決定したときには大当り時予告フラグをセットし、はずれ時予告演出をすることに決定したときにははずれ時予告フラグをセットする(ステップS823,S824)。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS803)に対応した値に更新する(ステップS825)。
ステップS821で「リーチ」を含む変動パターンでなかった場合、またはステップS823で予告演出を行なわないことに決定した場合には、演出制御プロセスフラグの値を可動部材予告選択処理(ステップS802)に対応した値に更新する(ステップS826)。
なお、この実施の形態では、予告演出を行わないことに決定した場合にのみ、可動部材予告演出選択処理に移行して可動部材予告演出を実行するか否かを決定する場合を示すが、予告演出をすることに決定した場合にも、可動部材予告演出選択処理に移行して可動部材予告演出を実行するか否かを決定するようにしてもよい。そして、予告演出をすることに決定するとともに可動部材予告演出もすることに決定した場合には、大当り時予告演出またははずれ時予告演出を実行するとともに、可動部材予告演出も実行するようにしてもよい。
図136は、予告演出をするか否かと、予告演出をすることに決定した場合の予告演出の種類を決定する処理の一例を示す説明図である。図136(A)には、受信している表示結果特定コマンド(コマンド解析処理で、RAMの表示結果特定コマンド格納領域に格納されている)が当りを示しているコマンド(表示結果4指定コマンドまたは表示結果5指定コマンド。図109参照)である場合の例が示されている。図136(B)には、受信している表示結果特定コマンドがはずれを示しているコマンド(表示結果1〜3指定コマンド。図109参照)である場合の例が示されている。
演出制御用CPU101は、ステップS822の処理において、抽出した乱数値が図136に示されている予告判定値と一致すると、一致した予告判定値に従って予告演出をする/しないを決定する。そして、当りを示している表示結果特定コマンドを受信し、予告演出することに決定した場合には、大当り時予告演出を実行することに決定する。また、はずれを示している表示結果特定コマンドを受信し、予告演出することに決定した場合には、はずれ時予告演出を実行することに決定する。
図137は、図133に示された演出制御プロセス処理における可動部材予告選択処理を示すフローチャートである。可動部材予告選択処理において、演出制御用CPU101は、まず、第1変動フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1820)。第1変動フラグがセットされていれば(すなわち、第1特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示を行なう場合)、受信している表示結果コマンド(コマンド解析処理において、RAMにおける表示結果コマンド格納領域に格納されている)が示す表示結果が大当りであるか否かを確認する(ステップS1821)。大当りであれば、可動部材予告演出を実行するか否かを決定するための判定テーブルとして、第1大当り時判定テーブルを選択する(ステップS1822)。
この実施の形態では、可動部材予告演出において、操作部81の回転操作部812の回転を促す表示を行なうか否かを決定するための回転操作決定用テーブルと、可動部材78を可動させるか否かを決定するための可動決定用テーブルとの2種類の決定用テーブルを用いて、可動部材予告演出を実行するか否か、および可動部材予告演出の態様を決定する。また、この実施の形態では、回転操作決定用テーブルおよび可動決定用テーブルは、第1特別図柄と第2の特別図柄のとのいずれの変動表示に同期して飾り図柄の変動表示を行なう場合であるかや、大当りであるか否か、リーチ演出を実行するか否かに応じて複数種類用意されている。ステップS1822では、第1特別図柄に対応した大当り時の回転操作決定用テーブルおよび可動決定用テーブルとして、第1大当り時判定テーブルを選択する。
ステップS1821で大当りでなければ(すなわち、はずれであれば)、演出制御用CPU101は、受信している変動パターンコマンド(コマンド解析処理において、RAMにおける変動パターンコマンド格納領域に格納されている)が示す変動パターンが「リーチ」を含む変動パターン(図104参照)のいずれかであるか否か確認する(ステップS1823)。「リーチ」を含む変動パターンであれば、第1特別図柄に対応したハズレ時(リーチあり)の回転操作決定用テーブルおよび可動決定用テーブルとして、第1リーチ時判定テーブルを選択する(ステップS1824)。「リーチ」を含む変動パターンでなければ、第1特別図柄に対応したハズレ時(リーチなし)の回転操作決定用テーブルおよび可動決定用テーブルとして、第1非リーチ時判定テーブルを選択する(ステップS1825)。
ステップS1820で第1変動フラグがセットされていれば(すなわち、第2特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示を行なう場合)、受信している表示結果コマンド(コマンド解析処理において、RAMにおける表示結果コマンド格納領域に格納されている)が示す表示結果が大当りであるか否かを確認する(ステップS1826)。大当りであれば、第2特別図柄に対応した大当り時の回転操作決定用テーブルおよび可動決定用テーブルとして、第2大当り時判定テーブルを選択する(ステップS1827)。
ステップS1826で大当りでなければ(すなわち、はずれであれば)、演出制御用CPU101は、受信している変動パターンコマンド(コマンド解析処理において、RAMにおける変動パターンコマンド格納領域に格納されている)が示す変動パターンが「リーチ」を含む変動パターン(図104参照)のいずれかであるか否か確認する(ステップS1828)。「リーチ」を含む変動パターンであれば、第2特別図柄に対応したハズレ時(リーチあり)の回転操作決定用テーブルおよび可動決定用テーブルとして、第2リーチ時判定テーブルを選択する(ステップS1829)。「リーチ」を含む変動パターンでなければ、第2特別図柄に対応したハズレ時(リーチなし)の回転操作決定用テーブルおよび可動決定用テーブルとして、第2非リーチ時判定テーブルを選択する(ステップS1830)。
次いで、演出制御用CPU101は、予告決定用乱数を抽出し、抽出した乱数値および選択した回転操作決定用テーブルにもとづいて、予告演出をするか否か(具体的には、回転操作部812の回転操作を促す表示を行なうか否か)を決定する(ステップS1831)。予告演出をしないことに決定した場合には(ステップS1832のN)、そのままステップS1837に移行する。
また、予告演出をすることに決定した場合には(ステップS1832のY)、演出制御用CPU101は、可動部材予告フラグをセットする(ステップS1833)。次いで、演出制御用CPU101は、可動決定用乱数を抽出し、抽出した乱数値および選択した可動決定用テーブルにもとづいて、可動部材予告演出において可動部材78を可動させるか否かを決定する(ステップS1834)。可動部材78を可動させないことに決定した場合には(ステップS1835のN)、そのままステップS1837に移行する。可動部材78を可動させることに決定した場合には(ステップS1835のY)、可動実行フラグをセットする(ステップS1836)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS803)に対応した値に更新する(ステップS1837)。
図138は、回転操作決定用テーブルの例を示す説明図である。図138に示すように、この実施の形態では、第1特別図柄と第2の特別図柄のとのいずれの変動表示に同期して飾り図柄の変動表示を行なう場合であるか、大当りであるか否か、はずれである場合にはリーチ演出を実行するか否かに応じて、6種類の回転操作決定用テーブルが用意されており、各回転操作決定用テーブルにはそれぞれ判定値が割り当てられている。
この実施の形態では、図138(A)に示すように、第1特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示を行なう場合であって大当りである場合には、50パーセントの割合で可動部材予告演出を実行する(具体的には、回転操作部812の回転操作を促す表示を行なう)と決定する。また、図138(B)に示すように、第1特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示を行なう場合であってハズレ(リーチあり)である場合には、10パーセントの割合で可動部材予告演出を実行すると決定する。また、図138(C)に示すように、第1特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示を行なう場合であってハズレ(リーチなし)である場合には、5パーセントの割合で可動部材予告演出を実行すると決定する。
また、図138(D)に示すように、第2特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示を行なう場合であって大当りである場合には、60パーセントの割合で可動部材予告演出を実行すると決定する。また、図138(E)に示すように、第2特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示を行なう場合であってハズレ(リーチあり)である場合には、5パーセントの割合で可動部材予告演出を実行すると決定する。また、図138(F)に示すように、第2特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示を行なう場合であってハズレ(リーチなし)である場合には、2パーセントの割合で可動部材予告演出を実行すると決定する。
図139は、可動決定用テーブルの例を示す説明図である。図139に示すように、この実施の形態では、第1特別図柄と第2の特別図柄のとのいずれの変動表示に同期して飾り図柄の変動表示を行なう場合であるか、大当りであるか否か、はずれである場合にはリーチ演出を実行するか否かに応じて、6種類の可動決定用テーブルが用意されており、各可動決定用テーブルにはそれぞれ判定値が割り当てられている。
この実施の形態では、図139(A)に示すように、第1特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示を行なう場合であって大当りである場合には、可動部材予告演出に移行した後に、回転操作部812からの操作があったことを条件に80パーセントの割合で(第1特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示を行なう場合であって大当りである場合全体の40パーセントの割合で)可動部材78を可動すると決定する。また、図139(B)に示すように、第1特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示を行なう場合であってハズレ(リーチあり)である場合には、可動部材予告演出に移行した後に、回転操作部812からの操作があったことを条件に20パーセントの割合で(第1特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示を行なう場合であってハズレ(リーチあり)である場合全体の2パーセントの割合で)可動部材78を可動すると決定する。また、図139(C)に示すように、第1特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示を行なう場合であってハズレ(リーチなし)である場合には、可動部材予告演出に移行した後に、回転操作部812からの操作の有無にかかわらず可動部材78を可動させないと決定する。
また、図139(D)に示すように、第2特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示を行なう場合であって大当りである場合には、可動部材予告演出に移行した後に、回転操作部812からの操作があったことを条件に80パーセントの割合で(第2特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示を行なう場合であって大当りである場合全体の48パーセントの割合で)可動部材78を可動すると決定する。また、図139(E)に示すように、第2特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示を行なう場合であってハズレ(リーチあり)である場合には、可動部材予告演出に移行した後に、回転操作部812からの操作があったことを条件に5パーセントの割合で(第2特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示を行なう場合であってハズレ(リーチあり)である場合全体の1パーセントの割合で)可動部材78を可動すると決定する。また、図139(F)に示すように、第2特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示を行なう場合であってハズレ(リーチなし)である場合には、可動部材予告演出に移行した後に、回転操作部812からの操作の有無にかかわらず可動部材78を可動させないと決定する。
図138に示す回転操作決定用テーブルおよび図139に示す可動決定用テーブルに示す割合で、回転操作部812の操作を促す表示を行うか否か、および可動部材78を可動させるか否かを決定するので、可動部材予告演出が実行される割合が高くなるに従って、および可動部材78が実際に可動される割合が高くなるに従って、大当りとなる確率が高くなるようにすることができる。そのため、可動部材予告演出が実行される(回転操作部812の操作を促す表示が行われる)ことによって、遊技者に対して大当りへの期待度を向上させることができる。また、可動部材78が実際に可動されることによって、遊技者に対して大当りへの期待度をさらに向上させることができる。したがって、遊技者に対して遊技への興趣を向上させることができる。
図138に示す回転操作決定用テーブルおよび図139に示す可動決定用テーブルに示す割合で、回転操作部812の操作を促す表示を行うか否か、および可動部材78を可動させるか否かを決定するので、第2特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示を行う場合に、第1特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示を行う場合に比較して高い割合で、回転操作部812の操作を促す表示うと決定したり、実際に可動部材78を可動させると決定する。そのため、第2特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示を行う場合には、遊技者に対して大当りへの期待度をより向上させることができ、遊技者に対して遊技への興趣を向上させることができる。
図140は、図133に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンド、または受信した変動パターンコマンドを示すデータを読み出す(ステップS840)。
次いで、RAMの表示結果特定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果特定コマンド)に応じて飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS841)。演出制御用CPU101は、決定した飾り図柄の表示結果を示すデータを飾り図柄表示結果格納領域に格納する。
なお、演出制御用CPU101は、ステップS841において、所定の乱数を抽出し、抽出した乱数にもとづいて停止図柄を決定する。このとき、はずれを示す表示結果特定コマンド(表示結果1〜3指定コマンド)が受信されている場合には、はずれを想起させるような停止図柄の組み合わせ(例えば、左中右図柄が不一致、または左右図柄と中図柄とが不一致)を決定する。また、当りを示す表示結果特定コマンド(表示結果4指定コマンドまたは表示結果5指定コマンド)が受信されている場合には、大当りを想起させるような停止図柄の組み合わせ(例えば、左中右図柄が一致)を決定する。なお、確変大当りを示す表示結果特定コマンド(表示結果5指定コマンド)が受信されている場合には、確変大当りを想起させるような停止図柄の組み合わせ(例えば、「7」「7」「7」)を決定するようにしてもよい。また、大当りを想起させるような飾り図柄の停止図柄の組み合わせを大当り図柄といい、はずれを想起させるような飾り図柄の停止図柄の組み合わせをはずれ図柄ということがある。
そして、演出制御用CPU101は、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS842)。そして、選択したプロセスデータにおける演出実行データ1に対応したプロセスタイマをスタートさせる(ステップS843)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、可動部材制御データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての画像表示装置9、演出用部品としての可動部材78、演出用部品としての各種ランプやLEDの発光体および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(ステップS844)。例えば、画像表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、描画プロセッサ109に指令を出力する。また、可動部材78を動作させるためにモータ78Aを駆動する。また、画像表示装置9の表示演出や可動部材78の動きに同期して各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27から画像表示装置9の表示演出や可動部材78の動きに同期した音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる飾り図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS845)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS804)に対応した値にする(ステップS846)。
図141は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているデータに従って画像表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、可動部材制御データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、画像表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。可動部材制御データには、可動部材78の動作に関わるデータが設定されている。具体的には、モータ78Aの回転方向、回転速度、回転時間等のデータが設定されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。
可動部材78を用いない演出に対応するプロセステーブルには、可動部材制御データとして可動部材78を用いないことを示す特定データ(例えば、00)が設定される。なお、可動部材78を用いる演出に対応するプロセステーブルは、スーパーリーチBの変動パターンに対応するプロセステーブルである。
図141に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。さらに、予告演出を実行する場合に予告演出態様(予告種類)の違いに応じて異なるプロセステーブルが用意されている。
図142は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS804)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS851)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS852)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS853)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS854)。また、その次に設定されている表示制御実行データにもとづいて画像表示装置9に対する制御状態を変更する(ステップS855A)。
さらに、演出制御用CPU101は、その次に設定されているランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいてランプやLED等の発光体およびスピーカ27に対する制御状態を変更する(ステップS855B)。
次いで、演出制御用CPU101は、大当り時予告フラグまたははずれ時予告フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS855C)。いずれかのフラグがセットされていれば、予告演出処理を行う(ステップS855D)。セットされていなければ、可動部材予告フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS855E)。セットされていれば、可動部材予告演出を行う(ステップS855F)。セットされていなければ、ステップS856に移行する。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS856)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS805)に応じた値に更新する(ステップS858)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS857)、ステップS858に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、飾り図柄の変動を終了させることができる。
図143は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(ステップS805)を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、飾り図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(左中右の停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS861)。具体的には、VRAMRS96Aの固定領域における停止図柄の画像データが格納されているアドレス等を指定するとともに、停止図柄の画像データをVRAMFB96Bに転送する指令を描画プロセッサ109に出力する。描画プロセッサ109は、指令に応じて停止図柄の画像データをVRAMFBの描画領域に転送する。そして、演出制御用CPU101は、大当りとすることに決定されているか否か確認する(ステップS862)。大当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果特定コマンド格納領域に格納されている表示結果特定コマンドによって確認される。
大当りとすることに決定されている場合には、アドレスポインタに0をセットして(ステップS863)、固定領域データ転送制御処理を実行する(ステップS864)。なお、固定領域データ転送制御処理は、VRAMRS96Aの固定領域にCGROM83の共通画像データ領域に記憶されている画像データ(図128(B)参照)を転送するための処理であり、ステップS702の初期データ転送処理において実行される処理と同様の処理である。この段階で固定領域データ転送制御処理を実行することは必須のことではないが、例えば大当りとすることに決定されている場合に固定領域データ転送制御処理を実行することによって、何らかの理由(例えば、ノイズなど)に起因してVRAMRS96Aの固定領域においてデータ化けしてしまったような場合に、VRAMRS96Aの固定領域内の画像データを正しいデータに戻すことができる。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS806)に応じた値に更新する(ステップS865)。
大当りとしないことに決定されている場合には、表示結果2指定コマンド(はずれ指定・時短指定)を受信していたときには、確変状態フラグをリセットし、時短状態フラグをセットする(ステップS871,S872,S873)。そして、演出モード#2データ転送制御処理を行う(ステップS874)。すなわち、遊技モードが時短状態に確定したので、演出モード#2データ転送制御処理を実行する。この実施の形態では、時短状態では、「7」の飾り図柄として、図128(A)の中段に示された図柄が用いられる。演出モード#2データ転送制御処理は、選択画像データ領域に記憶されている略菱形の図形と組み合わせられた「7」の数字を示す飾り図柄の画像データ(図128(A)の中段参照)をVRAMRS96Aの固定領域に転送するための処理である。
また、表示結果3指定コマンド(はずれ指定・低確率指定)を受信していたときには、時短状態フラグをリセットする(ステップS875,S876)。そして、演出モード#1データ転送制御処理を行う(ステップS877)。すなわち、遊技モードが低確率状態(通常状態)に確定したので、演出モード#1データ転送制御処理を実行する。この実施の形態では、通常状態では、「7」の飾り図柄として、図128(A)の上段に示された図柄が用いられる。演出モード#1データ転送制御処理は、選択画像データ領域に記憶されている円形の図形と組み合わせられた「7」の数字を示す飾り図柄の画像データ(図128(A)の上段参照)をVRAMRS96Aの固定領域に転送するための処理である。
その後、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS878)。
図144は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS806)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド(第1大当り開始指定コマンドまたは第2大当り開始指定コマンド)を受信したことを示すファンファーレフラグ(コマンド解析処理において、大当り開始指定コマンドを受信したときにセットされる。)がセットされているか否か確認する(ステップS891)。ファンファーレフラグがセットされていた場合には、ファンファーレフラグをリセットし(ステップS892)、大当り遊技中演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS893)。そして、選択したプロセスデータにおけるプロセスデータ1に対応したプロセスタイマをスタートさせる(ステップS894)。また、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置の制御を実行する(ステップS895)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS807)に応じた値に更新する(ステップS896)。
図145は、演出制御プロセス処理における大当り終了処理(ステップS808)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド(第1大当り終了指定コマンドまたは第2大当り終了指定コマンド)を受信したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグ(コマンド解析処理において、大当り終了指定コマンドを受信したときにセットされる。)がセットされているか否か確認する(ステップS881)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS882)、画像表示装置9に、大当り終了画面を表示する制御を行う(ステップS888)。具体的には、CGROM83における大当り終了画面の画像データが格納されているアドレス等を指定するとともに、大当り終了画面の画像データを描画領域に転送する指令を描画プロセッサ109に出力する。描画プロセッサ109は、指令に応じて大当り終了画面の画像データをCGROM83から読み出し、読み出した画像データをVRAMFB96Bの描画領域に転送する。
そして、表示結果5指定コマンド(確変大当り指定)を受信していたときには、確変状態フラグをセットし、時短状態であった場合には、すなわち時短状態フラグがセットされていた場合には、時短状態フラグをリセットする(ステップS884,S885,S886)。そして、演出モード#3データ転送制御処理を行う(ステップS887)。すなわち、遊技モードが確変状態に確定したので、演出モード#3データ転送制御処理を実行する。この実施の形態では、確変状態では、「7」の飾り図柄として、図128(A)の下段に示された図柄が用いられる。演出モード#3データ転送制御処理は、選択画像データ領域に記憶されている星型六角形の図形と組み合わせられた「7」の数字を示す飾り図柄の画像データ(図128(A)の下段参照)をVRAMFB96Bに転送するための処理である。
その後、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS888)。
図146は、演出モード#1データ転送制御処理(ステップS703)を示すフローチャートである。演出モード#1データ転送制御処理において、演出制御用CPU101は、CGROM転送指令を描画プロセッサ109に出力する(ステップS601)。読出アドレスは、CGROM83における選択画像データ領域に記憶されている円形の図形と組み合わせられた「7」の数字を示す飾り図柄の画像データ(図128(A)の上段参照)が格納されているアドレスであり、書込アドレスは、VRAMRS96Aの固定領域のアドレスである。なお、演出モード#2データ転送制御処理(図133参照)および演出モード#3データ転送制御処理(図145参照)は、読出アドレスは異なるものの、演出モード#1データ転送制御処理と同様に実行される。また、初期データ転送処理(ステップS702)も、読出アドレスおよび書込アドレスは異なるものの、演出モード#1データ転送制御処理と同様に実行される。なお、描画プロセッサ109における描画回路91は、CGROM転送指令に応じて飾り図柄の画像データをCGROM83からVRAMRS96Aにおける固定領域に転送する。
次に、演出装置を用いて実行される予告演出について説明する。図147は、予告演出で用いられる動画像A,Bの合成動画像を構成する画像データを説明するための説明図である。図147(A)には、動画像として、宇宙船が移動するものが例示されている。図147(B)には、動画像として、衛星が移動するものが例示されている。
この実施の形態における描画プロセッサ109は、1/60秒で画像を再生する(画像データにもとづく画像を表示すること)能力を有している。すなわち、デコーダ95は、1/60秒毎に、データ圧縮されているフレーム画像データを伸張することができる。実際には1/30秒で画像再生する場合、すなわち実際の表示におけるフレーム周期が1/30秒である場合を考えると、1フレーム周期において、2つのフレーム画像データを伸張することができる。よって、2つの動画像を合成して再生するときに、図148(A)に示すように、(1/60)×2秒の期間において、動画像Aを構成するフレーム画像についてのフレーム画像データと、動画像Bを構成するフレーム画像についてのフレーム画像データとを交互に伸張し、図148(B)に示すように、伸張した2つのフレーム画像データについて1/30秒に1回ずつ合成のための演算を実行することによって、図148(C)に示すように、1/30秒毎に合成動画像を再生することができる。すなわち、デコーダ95は、動画像Aの動画像データと動画像Bの動画像データとを、1フレーム周期内で交互に復号して(同時に動画像Aの動画像データと動画像Bの動画像データとを復号しない。)表示用データを作成し、作成した表示用データをそれぞれVRAMFB96Bの描画領域に書き込むことによって合成する。つまり、描画プロセッサ109は、所定の周期(例えば、フレーム周期の1/2)毎に複数の動画像データから一の動画像データを順に選択し、周期において選択された動画像データから表示用データを作成することによって、処理負担を軽くしている。なお、動画像データの再生周期はフレーム周期の1/2倍になっている。
図148(A)〜(C)には、動画像Aの動画像データと動画像Bの動画像データとを合成する場合が示されているが、図148(D),(E)に示すように、動画像Aの動画像データと動画像Bの動画像データとを合成せずに、描画領域に書き込むようにしてもよい。この場合には、動画像Aの動画像データと動画像Bの動画像データとは、描画領域の異なる領域に書き込まれる。すなわち、画像表示装置9の表示画面におけるある部分には動画像Aが表示され、他の部分に動画像Bが表示される。この場合にも、デコーダ95は、動画像Aの動画像データと動画像Bの動画像データとを、1フレーム周期内で交互に復号して(同時に動画像Aの動画像データと動画像Bの動画像データとを復号しない。)表示用データを作成し、作成した表示用データをそれぞれVRAMFB96Bの描画領域に書き込む。すなわち、デコーダ95は、フレーム周期(この例では、1/30秒)の1/2である同一の再生周期の第1周期と第2周期とのうち第1周期が経過する毎にCGROM83から読み出した動画像Aの動画像データを復号して作成した表示用データをVRAMFB96Bの描画領域に記憶させ、第1周期に続く再生周期にて経過する第2周期が経過する毎にCGROM83から読み出した動画像Bの動画像データを復号して作成した表示用データをVRAMFB96Bの描画領域に記憶させる。なお、フレーム周期(画像表示装置9の画面更新周期すなわち描画領域からの表示用データ読出周期)が1/60秒である場合には、動画像Aの動画像データと動画像Bの動画像データとは、それぞれ、フレーム周期の2倍の周期(1/30秒)で復号されることになる。
図149は、画像表示装置9において実行される予告演出の例を示す説明図である。図149には、大当りにならない場合に実行される例が示されている。図149に示す例では、画像表示装置9の表示画面の一部が予告演出領域9bとして用いられる。図149(A)〜(D)に示すように、描画プロセッサ109は、図147に示す動画像A,Bを復号した後それらを合成し(図148参照)、かつ、回転させて、予告演出領域9bに表示する制御を行う。なお、回転角度は、フレーム毎に徐々に異なっていく。
図150は、画像表示装置9において実行される予告演出の他の例を示す説明図である。図150には、大当りになる場合に実行される例が示されている。図150(A)〜(D)に示すように、描画プロセッサ109は、図147に示す動画像A,Bを復号した後それらを合成し(図148参照)、かつ、回転させて、予告演出領域9bに表示する制御を行う。なお、回転角度は、フレーム毎に徐々に異なっていく。また、図150(A)〜(D)に示す例における回転方向は、図149(A)〜(D)に示す例における回転方向とは逆である。
図151は、ステップS855Dの予告演出処理(図142参照)を示すフローチャートである。予告演出処理において、演出制御用CPU101は、予告演出中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS612)。予告演出中フラグがセットされていない場合には、予告演出開始タイミングになったか否か確認する(ステップS613)。予告演出開始タイミングとは、あらかじめ決められている可変表示の開始時から所定時間が経過した時点であり、プロセスデータにその時点を示すデータを設定しておくことによって、演出制御用CPU101は、予告演出開始タイミングになったか否か判定できる。
予告演出開始タイミングになった場合には、予告演出中フラグをセットする(ステップS614)。そして、演出制御用CPU101は、マルチストリーム開始アドレス指令(図126参照)を描画プロセッサ109に出力する(ステップS615)。マルチストリーム開始アドレス指令で指定されるCGROM83のアドレスは、図147に例示された動画像A,Bの動画像データが格納されているアドレスである。さらに、マルチストリーム展開領域アドレス指令(図126参照)を描画プロセッサ109に出力する(ステップS616)。そして、マルチストリームの伸張を指示するデコード実行指令(図126参照)を描画プロセッサ109に出力する(ステップS617)。
なお、デコーダ95は、デコード実行指令に応じて、1/60秒毎に、データ圧縮されているフレーム画像データを伸張する。その際に、1/60秒毎に、動画像Aデータにおける1フレームのフレーム画像データと、動画像Bデータにおける1フレームのフレーム画像データとを交互に伸張する。よって、一方の動画像データについての伸張処理が完了するまで、他方の動画像データについての伸張処理を開始しない。
ステップS612において、予告演出中フラグがセットされていることを確認したら、演出制御用CPU101は、動画像Aに対応する展開領域(VRAMRS96Aにおける領域)に展開(復号)された1フレームの画像データ(動画像Aを構成する画像データ)をVRAMFB96Bに出力させるために、まず、描画プロセッサ109にCGROM転送指令(図125参照)を出力してVRAMRS96Aに展開させ、さらに、VRAMFB転送指令(図125参照)を出力するのであるが、VRAMFB96Bの書込アドレスとして、所定の領域(予告演出画像を展開するための領域)を指定する(ステップS621)。なお、描画プロセッサ109は、CGROM83から動画像の画像データを読み出すときにはCGバスのバス幅の設定を64ビットから32ビットに変動する。具体的には、CGバスの上位32ビットを無効にする。
また、動画像Bを構成する画像データのα値を指定するための描画エフェクト指令を描画プロセッサ109に出力する(ステップS622)。さらに、動画像Bの1フレームの画像データをVRAMFB96Bに出力させるために、描画プロセッサ109にCGROM転送指令およびVRAMFB転送指令を出力するのであるが、VRAMFB96Bの書込アドレスとして、所定の領域(予告演出画像を展開するための領域)を指定する(ステップS623)。
また、描画プロセッサ109は、動画像Bに対応する展開領域に展開された画像データをVRAMFB96Bの描画領域に出力するときに、既にVRAMFB96Bの描画領域に展開されている画像データ(この例では、動画像Aを構成する画像データ)と、各画素について演算を行う。つまり、合成処理(重ね合わせ処理)を行う。合成処理の際に、例えば、2つの画像データについて、α値を乗算したR,G,B値それぞれの加算処理を行う。また、描画エフェクト指令には、画像(この例では、予告演出に用いられる画像)の回転角度を指令するパラメータも含まれている。
なお、α値は、透明度を示す値であり、例えば、0〜1.0のいずれか対応する値が設定される。0は、完全透明を示し、1.0は完全不透明を示す。完全透明とは、一の画像データ(α値が0)と他の画像データとの合成演算が行われるときに、一の画像データのR,G,B値が演算に使用されない(例えば、0と見なされる)ことを示し、完全不透明とは、一の画像データ(α値が1.0)と他の画像データとの合成演算が行われるときに、一の画像データのR,G,B値がそのまま使用されることを示す。また、0と1.0との間の値は、一の画像データ(α値が0と1.0との間)と他の画像データとの合成演算が行われるときに、一の画像データのR,G,B値に所定の係数が乗算されることを示す。
図152は、ステップS855Fの可動部材予告演出処理(図142参照)を示すフローチャートである。可動部材予告演出処理において、演出制御用CPU101は、まず、予告演出開始タイミングになったか否か確認する(ステップS1611)。予告演出開始タイミングとは、あらかじめ決められている可変表示の開始時から所定時間が経過した時点であり、プロセスデータにその時点を示すデータを設定しておくことによって、演出制御用CPU101は、予告演出開始タイミングになったか否か判定できる。
予告演出開始タイミングになった場合には、演出制御用CPU101は、操作部中央ランプ82Aを青色に発光することによって押圧操作部811上に「回せ!!」などの文字列を点灯表示(点滅表示でもよい)することにより回転操作部812を回転操作することを案内する回転操作案内発光動作をさせるための処理を実行する(ステップS1612)。なお、この場合、演出制御用CPU101は、操作部81の押圧操作部811上で回転操作を促す旨の表示を行うとともに、演出表示装置9において、例えば、「ジョクダイヤルを回せ!!」などの文字列を含む表示画面を表示させることによって、遊技者に対して回転操作部812の回転操作を促す。
次いで、演出制御用CPU101は、可動実行フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1613)。セットされていなければ、そのまま処理を終了する。すなわち、この場合、回転操作部812の回転操作を促す表示を行うと決定された場合であるものの、可動部材78の可動演出は行わないと決定されている場合であるので、ステップS1614以降の可動部材78を稼動させる処理を行うことなく、そのまま処理を終了する。
可動実行フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、操作部81の回転操作部812からの回転操作を検出したか否かを確認する(ステップS1614)。回転操作部812からの回転操作が検出されれば、第1変動フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS1615)、セットされていれば1クリック分の回転操作を検出したか否かを確認する(ステップS1616)。1クリック分の回転操作に満たなければ、そのまま処理を終了する。1クリック分の回転操作を検出できれば、その次に設定されている可動部材制御実行データにもとづいてモータ78Aを駆動することによって可動部材78の位置を変更する(ステップS1618)。すなわち、可動部材78を動かす。なお、演出制御用CPU101は、可動部材78を動かした後、所定時間が経過すると、モータ78Aを逆方向に駆動することによって可動部材78を初期位置に戻す。
第1変動フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、2クリック分の回転操作を検出したか否かを確認する(ステップS1617)。2クリック分の回転操作に満たなければ、そのまま処理を終了する。2クリック分の回転操作を検出できれば、その次に設定されている可動部材制御実行データにもとづいてモータ78Aを駆動することによって可動部材78の位置を変更する(ステップS1618)。すなわち、可動部材78を動かす。なお、演出制御用CPU101は、可動部材78を動かした後、所定時間が経過すると、モータ78Aを逆方向に駆動することによって可動部材78を初期位置に戻す。
なお、この実施の形態では、スーパーリーチBの変動パターンによる演出が行われているときには、可動部材78を用いないことを示す特定データではないデータ(すなわち、可動部材78を制御させるためのデータであってモータ78Aの回転速度や回転方向を示すデータ)が設定されている可動部材制御データを含むプロセステーブルが用いられている。よって、スーパーリーチBの変動パターンによる演出制御を行っているときには、演出制御用CPU101は、プロセスデータ中の可動部材制御データに従ってモータ78Aの制御を行うことによって、図122に例示されたような可動部材78が透明遊技領域71に徐々に進出するような制御を行うことができる。
また、この実施の形態では、スーパーリーチBの変動パターンによる演出が行われているときには、表示制御実行データには、飾り部材73の内部(枠の内側)に対応する部分では、特殊な演出表示を行うことを示すデータを含む。図93に示された例のように表示制御する場合には、飾り部材73の内部において星状の画像73aを表示することを示すデータを含む。その場合、ステップS855Aでは、演出制御用CPU101は、星状の画像73aを表示することを示すデータに従って、CGROM83から星状の画像73aに対応した画像データを読み出して、VRAMFB96Bの描画領域における所定位置(飾り部材73の内部に対応する位置)に書き込むような指令(具体的には、図125に示されたCGROM転送指令)を描画プロセッサ109に出力する。描画プロセッサ109は、指令に応じて、CGROM83から星状の画像73aに対応した画像データを読み出して、VRAMFB96Bの描画領域における所定位置(飾り部材73の内部に対応する位置)に書き込む。よって、遊技者には、飾り部材73の内部で特殊な演出表示が行われているように視認される。
以上のように、ステップS1614〜S1618の処理が実行されることによって、可動部材78を用いた演出を実行することが決定されている場合には、飾り図柄の変動中に可動部材78を用いた演出が実行される。また、第1変動フラグがセットされているか否か(すなわち、第1特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示を行っている場合であるか、第2特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示を行っている場合であるか)に応じて、異なる回転操作量を検出したことを条件として、可動部材78を可動させる演出を実行する。具体的には、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示を行っている場合には、1クリック分の回転操作量を検出したことを条件として、可動部材78を可動させる演出を実行する。また、第2特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示を行っている場合には、2クリック分の回転操作量を検出したことを条件として、可動部材78を可動させる演出を実行する。
図153は、CGROM83に記憶されている背景用画像データの一例を示す説明図である。図153(A)には、160(横)×120(縦)ドットの画像データが例示され、図153(B)には、320(横)×240(縦)ドットの画像データが例示されている。なお、図153(A)に示されている画像データの画像と、図153(B)に示されている画像データの画像とは解像度は異なる。
図154は、画像表示装置9の表示画面9aに表示される背景画像を示す説明図である。図154には、画素総数が640(横)×480(縦)ドットの表示画面9aに表示される背景画像が例示されている。図153(A)に例示された画像データにもとづく画像を画像表示装置9に表示させる場合には、図154の上段に示すように、描画プロセッサ109は、縦横それぞれ4倍に拡大して表示させる。また、図153(B)に例示された画像データにもとづく画像を画像表示装置9に表示させる場合には、図154の下段に示すように、描画プロセッサ109は、縦横それぞれ2倍に拡大して表示させる。
図155および図156は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への遊技球の入賞にもとづいて、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bで特別図柄の変動表示が実行されるタイミングを示すタイミング図である。図155は、第1保留記憶数と第2保留記憶数とが同数でない場合(本例では、第1保留記憶数が第2保留記憶数より多い場合)に特別図柄の変動表示が実行される場合を示す。また、図156は、第1保留記憶数と第2保留記憶数とが同数である場合に特別図柄の変動表示が実行される場合を示す。
まず、第1保留記憶数と第2保留記憶数とが同数でない場合に特別図柄の変動表示が実行される場合を説明する。前提として、まだ、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれにも遊技球が入賞しておらず、第1保留記憶数カウンタおよび第2記憶数カウンタのカウント値はいずれも0であるとする。
図155に示すように、第1始動入賞口13に遊技球が入賞すると(図155に示す始動入賞A)、上限値に達していないことを条件に(ステップS2752)、第1保留記憶数カウンタの値が1加算され(ステップS2753)、第1特別図柄保留記憶表示器18aの表示が更新される(ステップS2756)。この場合、第1保留記憶数カウンタの値が1となり、例えば、第1特別図柄保留記憶表示器18aを構成する小型のランプまたはLEDが1つ点灯する。
また、CPU56は、第1特別図柄通常処理において、第1保留記憶数カウンタのカウント値が0でない(カウント値が1である)と判定するとともに(ステップS51)、第2保留記憶数が第1保留記憶数より多くないと判定する(ステップS52)。この場合、CPU56は、第1変動中フラグをセットして(ステップS55)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示を行う。なお、第1特別図柄の変動表示を行う際に、第1変動パターン設定処理において、第1保留記憶数カウンタの値は1減算され(ステップS102D)、第1特別図柄保留記憶表示器18aの表示が更新される(ステップS102E)。この場合、第1特別図柄の変動表示を行う際に、第1保留記憶数カウンタの値が0に戻り、例えば、第1特別図柄保留記憶表示器18aを構成する小型のランプまたはLEDが全て消灯する。
次に、第1特別図柄の変動中に、第2始動入賞口14に遊技球が入賞すると(図155に示す始動入賞B)、上限値に達していないことを条件に(ステップS2759)、第2保留記憶数カウンタの値が1加算され(ステップS2760)、第2特別図柄保留記憶表示器18bの表示が更新される(ステップS2763)。この場合、第2保留記憶数カウンタの値が1となり、例えば、第2特別図柄保留記憶表示器18bを構成する小型のランプまたはLEDが1つ点灯する。続いて第1特別図柄の変動が終わらないうちに第1始動入賞口13に再び遊技球が入賞すると(図155に示す始動入賞C)、上限値に達していないことを条件に(ステップS2752)、第1保留記憶数カウンタの値が1加算され(ステップS2753)、第1特別図柄保留記憶表示器18aの表示が更新される(ステップS2756)。この場合、第1保留記憶数カウンタの値が1となり、例えば、第1特別図柄保留記憶表示器18aを構成する小型のランプまたはLEDが1つ点灯する。さらに、第1特別図柄の変動が終わらないうちに第1始動入賞口13に遊技球が2つ続けて入賞すると(図155に示す始動入賞D,E)、上記と同様の処理が行われ、第1保留記憶数カウンタの値が3となり、例えば、第1特別図柄保留記憶表示器18aを構成する小型のランプまたはLEDが3つ点灯する。
第1特別図柄の変動表示が終了すると、CPU56は、第1特別図柄通常処理において、第1保留記憶数カウンタのカウント値が0でない(カウント値が3である)と判定するとともに(ステップS51)、第2保留記憶数「1」が第1保留記憶数「3」より多くないと判定する(ステップS52)。そのため、CPU56は、ステップS53に移行し、第1特別図柄の変動表示を開始することになる。
一方、CPU56は、第2特別図柄通常処理において、第2保留記憶数カウンタのカウント値が0でない(カウント値が1である)と判定するとともに(ステップS51B)、第1保留記憶数「3」が第2保留記憶数「1」より多いと判定する(ステップS52B)。そのため、CPU56は、ステップS53Bに移行しないように制御する。すなわち、CPU56は、第2特別図柄の変動表示を開始しないようにし、第1特別図柄の変動表示を優先して実行する。
以上のように、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数とが同数でない場合には、多い方の保留記憶数に対応する特別図柄の変動表示を優先して実行する。図155に示す例では、第1保留記憶数が第2保留記憶数より多いことにもとづいて、第1特別図柄の変動表示が優先して実行される。なお、図155に示す例では、第1保留記憶数が第2保留記憶数より多い場合を例に説明したが、第2保留記憶数が第1保留記憶数より多い場合も同様の処理が実行され、第2保留記憶数が第1保留記憶数より多いことにもとづいて、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。
次に、第1保留記憶数と第2保留記憶数とが同数である場合に特別図柄の変動表示が実行される場合を説明する。前提として、まだ、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれにも遊技球が入賞しておらず、第1保留記憶数カウンタおよび第2記憶数カウンタのカウント値はいずれも0であるとする。
図156に示すように、第2始動入賞口14に遊技球が入賞すると(図156に示す始動入賞A)、上限値に達していないことを条件に(ステップS2759)、第2保留記憶数カウンタの値が1加算され(ステップS2760)、第2特別図柄保留記憶表示器18bの表示が更新される(ステップS2763)。この場合、第2保留記憶数カウンタの値が1となり、例えば、第2特別図柄保留記憶表示器18bを構成する小型のランプまたはLEDが1つ点灯する。
また、CPU56は、第2特別図柄通常処理において、第2保留記憶数カウンタのカウント値が0でない(カウント値が1である)と判定するとともに(ステップS51B)、第1保留記憶数が第2保留記憶数より多くないと判定する(ステップS52B)。この場合、CPU56は、第2変動中フラグをセットして(S55B)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示を行う。なお、第2特別図柄の変動表示を行う際に、第2変動パターン設定処理において、第2保留記憶数カウンタの値は1減算され(ステップS102Dと同様の処理)、第2特別図柄保留記憶表示器18bの表示が更新される(ステップS102Eと同様の処理)。この場合、第2特別図柄の変動表示を行う際に、第2保留記憶数カウンタの値が0に戻り、例えば、第2特別図柄保留記憶表示器18bを構成する小型のランプまたはLEDが全て消灯する。
次に、第2特別図柄の変動中に、第2始動入賞口14に再び遊技球が入賞すると(図156に示す始動入賞B)、上限値に達していないことを条件に(ステップS2759)、第2保留記憶数カウンタの値が1加算され(ステップS2760)、第2特別図柄保留記憶表示器18bの表示が更新される(ステップS2763)。この場合、第2保留記憶数カウンタの値が1となり、例えば、第2特別図柄保留記憶表示器18bを構成する小型のランプまたはLEDが1つ点灯する。続いて第2特別図柄の変動が終わらないうちに第1始動入賞口13に遊技球が入賞すると(図156に示す始動入賞C)、上限値に達していないことを条件に(ステップS2752)、第1保留記憶数カウンタの値が1加算され(ステップS2753)、第1特別図柄保留記憶表示器18aの表示が更新される(ステップS2756)。この場合、第1保留記憶数カウンタの値が1となり、例えば、第1特別図柄保留記憶表示器18aを構成する小型のランプまたはLEDが1つ点灯する。
第2特別図柄の変動表示が終了すると、CPU56は、第1特別図柄通常処理において、第1保留記憶数カウンタのカウント値が0でない(カウント値が1である)と判定するとともに(ステップS51)、第1保留記憶数カウンタのカウント値が0でない(カウント値が1である)と判定する(ステップS51B)。また、CPU56は、第2保留記憶数「1」が第1保留記憶数「1」より多くないと判定する(ステップS52)。そのため、CPU56は、ステップS53に移行し、第1特別図柄の変動表示を開始することになる。
一方、CPU56は、第2特別図柄プロセス処理において、第1保留記憶数「1」と第2保留記憶数「1」とが同数であると判定する(ステップS313B)。そのため、CPU56は、ステップS300B〜S309Bに移行しないように制御する。すなわち、CPU56は、第2特別図柄の変動表示を開始しないようにし、第1特別図柄の変動表示を優先して実行する。
以上のように、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数とが同数である場合には、あらかじめ定めた第1保留記憶数に対応する第1特別図柄の変動表示が優先して実行される。なお、図156に示す例では、第1特別図柄の変動表示を優先して実行する場合を例に説明したが、第1保留記憶数と第2保留記憶数とが同数である場合に、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。
図157は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS803)の変形例を示すフローチャートである。この例では、演出制御用CPU101は、確変大当り指定コマンドを受信している場合には、図153(B)に例示された画像データ(画像Bの画像データ)を選択する(ステップS831,S832)。また、確変大当り指定コマンドを受信していない場合には、図153(A)に例示された画像データ(画像Aの画像データ)を選択する(ステップS831,S833)。
そして、演出制御用CPU101は、CGROM転送指令(図125参照)を描画プロセッサ109に出力して、ステップS832またはステップS833で選択した画像データをVRAMRS96Aの所定の領域(図124に示す転送領域)に出力させる(ステップS834)。具体的には、CGROM転送指令(図125参照)を出力する。さらに、VRAMRS96Aの所定の領域の画像データを、VRAMFB96Bの描画領域に出力させるために、VRAMFB転送指令(図125参照)を描画プロセッサ109に出力する(ステップS835)。ここで、VRAMFB転送指令のパラメータで、読出アドレスとして、VRAMRS96Aにおける画像データが展開されているアドレスを指定するのであるが、書込アドレスとして、VRAMFB96Bにおける背景表示領域全体を指定する。すなわち、書込開始アドレスとして背景表示領域の最初のアドレスを指定し、書込終了アドレスとして背景表示領域の最後のアドレスを指定する。
この例では、背景表示領域は、640(横)×480(縦)ドットの領域である。よって、描画プロセッサ109における描画回路91は、画像Aの画像データについてVRAMFB転送指令を入力したときには、画像Aの画像データを4倍に拡大してVRAMFB96Bに書き込む。具体的には、例えば、画像Aの画像データにおける各ドットを(4×4)ドットの四角形領域のそれぞれのデータとして使用する。また、画像Bの画像データについてVRAMFB転送指令を入力したときには、画像Bの画像データを2倍に拡大してVRAMFB96Bに書き込む。具体的には、例えば、画像Bの画像データにおける各ドットを(2×2)ドットの四角形領域のそれぞれのデータとして使用する。よって、この例では、演出制御用CPU101は、VRAMFB転送指令のパラメータ(具体的には書込アドレス)を設定することによって、拡大率を設定したことになる。なお、描画エフェクト指令のパラメータによって拡大率を設定するようにしてもよい。
また、この例では、飾り図柄の変動を開始するときに背景画像を切り替える場合を例にしたが、背景画像を切り替えるタイミングは、他の時点であってもよい。
また、この例では、背景画像について、画像Aの画像データを4倍にし、画像Bの画像データを2倍にする場合を例にしたが、画像データを拡大する制御は、背景画像を制御する場合に限られない。例えば、背景画像の一部について画像データを拡大する制御を行ってもよい。また、飾り図柄について画像データを拡大する制御を行ってもよい。その場合に、画像A,Bのそれぞれの画像データを、4倍または2倍に限らず、任意の倍率で拡大するようにしてもよい。そのように制御することによって、CGROM83に多種類の画像データを記憶せずとも、多数種類の画像を画像表示装置9に表示させることができる。すなわち、CGROM83の記憶容量を増大させることなく、演出の種類を豊富にすることができる。
さらに、この例では、静止画を例にしたが、解像度(画素数)が異なり、かつ、画素数が画像表示装置9の表示画面9aの画素総数よりも少ない複数種類の動画像データをCGROM83に格納するようにしてもよい。そのように構成することによって、CGROM83の記憶容量を増大させることなく、演出の種類をさらに豊富にすることができる。
また、例えば、頻繁に使用される画像データ(例えば、飾り図柄の画像データ)については、画像表示装置9の表示画面9aの画素総数よりも少ない範囲で、相対的に高い解像度の画像データをCGROM83に格納するようにし、まれに使用される画像データ(例えば、予告演出等の特殊な演出において用いられるキャラクタ画像の画像データ)については、相対的に低い解像度の画像データをCGROM83に格納するようにしてもよい。そのように構成した場合には、頻繁に使用される画像データを高精細にしつつ、画像表示装置9の表示による演出の種類を豊富にするためのCGROM83の記憶容量の増大を抑制することができる。
なお、この実施の形態では、上不透明領域72Aの裏面(上不透明領域72Aに対応する位置)に可動部材78が設置されたが、下透明領域72Cの裏面(下不透明領域72Cに対応する位置)に可動部材78を設置してもよい。図158は、下不透明領域72Cに対応する位置に可動部材78が設置された遊技機の機構部分の構造を示す分解斜視図である。図159は、下不透明領域72Cに対応する位置に可動部材78が設置された場合の遊技機の縦断面を示す断面図である。遊技盤6は、遊技枠2Aに取り付けられ、遊技枠2Aにおける背面側には取付板90に取り付けられたLCDの画像表示装置9が設置される。遊技枠2Aと画像表示装置9との間の空間76内において、下不透明領域72Cの裏面(下不透明領域72Cに対応する位置)に可動部材78が設置される。可動部材78に一体化している根本部分の取付部78B(モータ78Aの駆動力を可動部材78に伝達する伝達部)がモータ78Aの軸に取り付けられ、モータ78Aの軸を中心にして回転されることによって、可動部材78は動く。
画像表示装置9の背面には、遊技制御基板を含む主ユニット31Aと、演出制御基板を含む演出ユニット80Aとが取り付けられる。なお、図158および図159において、直方体状のカバー部Aは、上不透明領域72Aの裏面と遊技領域外の裏面との双方にまたがって取り付けられ、上不透明領域72Aに設けられている電気部品群を覆うように形成されている。上不透明領域72Aに設けられている電気部品群における電気部品(ユニット)として、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄始動記憶表示器41のそれぞれを含む電気部品がある。直方体状のカバー部Bは、側部不透明領域72Bの裏面と遊技領域外の裏面との双方にまたがって取り付けられ、側部不透明領域72Bに設けられている電気部品群を覆うように形成されている。側部不透明領域72Bに設けられている電気部品群における電気部品として、賞球表示器51およびラウンド数表示器75のそれぞれを含む電気部品がある。直方体状の可動部材取付部Cは、下不透明領域72Cの裏面と遊技領域外の裏面との双方にまたがって取り付けられ、可動部材78に一体化している取付部78Bを取り付ける部材である。また、可動部材取付部Cは、下不透明領域72Cに設けられている電気部品群を覆うように形成されている。下不透明領域72Cに設けられている電気部品群における電気部品として、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、可変入賞球装置15、特別可変入賞球装置20および入賞口(普通入賞口)29,30,33,39のそれぞれを含む電気部品(入賞口については検出スイッチを含む。)がある。なお、上不透明領域72Aや側部不透明領域72Bを設けなくてもよい。
また、下不透明領域72Cには、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、可変入賞球装置15、特別可変入賞球装置20、入賞口29,30,33,39を含む電気部品が設けられているが、賞球表示器51を含む電気部品およびラウンド数表示器75を含む電気部品や、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bを含む電気部品、普通図柄表示器10を含む電気部品、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bを含む電気部品および普通図柄始動記憶表示器41のいずれかを含む電気部品を設置してもよい。さらに、少なくともいずれかの電気部品が設置されていればよい。
また、可動部材取付部Cは、下不透明領域72Cの裏面と遊技領域外の裏面との双方にまたがって取り付けられているが、いずれか一方の裏面に取り付けられるようにしてもよい。また、必ずしも、下不透明領域72Cに設けられている電気部品群を覆うように形成されていなくてもよい。
また、下不透明領域72Cに可動部材78が取り付けられているが、さらに、上不透明領域72Aや側部不透明領域72Bに可動部材に一体化している取付部を取り付ける可動部材取付部を設けて可動部材を取り付けてもよい。さらに、可動部材取付部をカバー部A,Bに取り付けるようにしてもよい。
配線A1は、上不透明領域72Aに設けられている電気部品群と主ユニット31Aとを接続する配線を示す。配線B1は、側部不透明領域72Bに設けられている電気部品群と主ユニット31Aとを接続する配線を示す。配線C1は、下不透明領域72Cに設けられている電気部品群と主ユニット31Aとを接続する配線を示す。配線D1は、モータ78Aと演出ユニット80Aとを接続する配線を示す。配線E1は、画像表示装置9と演出ユニット80Aとを接続する配線を示す。
配線A1,B1,C1,D1は、遊技盤6の裏面側において、画像表示装置9の下側を通過し、画像表示装置9が取り付けられる取付板90における下側部に設けられている穴である共通配線通過部79を通過する。配線E1は、取付板90の画像表示装置9の裏面に対応する箇所の一部に設けられた配線通過部79Bを通過する。なお、ゲートスイッチ32aに接続される配線F1は、配線A1、配線B1、配線C1または配線D1と同様に、遊技盤6の裏面側において、画像表示装置9の下側を通過し、画像表示装置9が取り付けられる取付板90における下側に設けられている穴である共通配線通過部79を通過し、主ユニット31Aに接続される。
図160は、下不透明領域72Cに対応する位置に可動部材78が設置された場合の遊技領域における透明遊技領域71や可動部材78を説明するための正面図である。図160において、左上から右下に向かう斜線が施された部分は、不透明領域(上不透明領域72A、側部不透明領域72B、下不透明領域72C)を示し、斜線が施されていない部分は、透明遊技領域71を示す。遊技領域7は透明遊技領域71および不透明領域で形成されている。透明遊技領域71および不透明領域は、画像表示装置9の表示画面9A(破線の四角形内)の領域(表示領域)と重複するが、表示領域には、遊技領域外6Bと重複する部分もある。
図160には、可動部材78がモータ78Aで駆動されて、透明遊技領域71にまで移動した場合と、遊技者に全く視認されない位置に収納された場合とが示されている。可動部材78は、モータ78Aによって、遊技者に全く視認されない位置(図160に示す例では、下不透明領域72C)に収納されることが可能である。図160において、遊技者によって操作部81の回転操作部812が回転操作されたことにもとづいて、モータ78Aが駆動され、可動部材78が遊技者に全く視認されない位置から透明遊技領域71に移動する。なお、図160において、遊技盤6の外側に4つの取付金具部(画像表示装置9を取付板90に取り付けるための金具部:図158参照)も示されている。
図161は、下不透明領域72Cに対応する位置に可動部材78が設置された場合の画像表示装置9における表示演出と所定の定位置で停止された可動部材78とが共動して1つの演出が実現される例を示す説明図である。図161において、「龍」形状のものが可動部材78であり、「龍」形状のものが吐き出すように表現されている炎状のものは、画像表示装置9の表示画面9Aに表示される画像9cである。また、図161に示すように、表示画面9Aにおける飾り部材73の内部に相当する部分では、他の部分とは異なる趣向の画像73aが表示される。
この実施の形態では、例えば、スーパーリーチB演出では、高速回転による演出よりもさらに発展した演出を実行することを報知するための図121(I)に示すような「スペシャルリーチ」という表示がなされた後、可動部材78が、非透明領域または遊技領域外から透明遊技領域71に進出してくる(図122(J),(K)に例示した演出が、可動部材78が右横から透明遊技領域71に進出してくる演出に変更される。)。そして、可動部材78の透明遊技領域71との重複部分が最大になる位置に到達すると、画像表示装置9において、あたかも可動部材78から吐き出ているかのように、炎の画像が表示される。その画像は、変動している中図柄の近傍に表示される(図122(L)に例示した演出が、可動部材78が右横から透明遊技領域71に進出している演出に変更される。)。
図162は、下不透明領域72Cに対応する位置に可動部材78が設置された場合の他の種類の可動部材78を説明するための正面図である。図162には、可動部材78がモータ78Aで駆動されて、透明遊技領域71にまで移動した場合と、遊技者に全く視認されない位置に収納された場合とが示されている。また、図162に示す例においても、遊技者によって操作部81の回転操作部812が回転操作されたことにもとづいて、モータ78Aが駆動され、可動部材78が遊技者に全く視認されない位置から透明遊技領域71に移動する。図162に示す例では、可動部材78は支持部材78aの一端において支持され、支持部材78aの他端は、モータ78Aの軸に接続されている。支持部材78aは、透明材料(例えば、透明アクリル板)で形成されている。また、図161に示す例では、可動部材78が透明遊技領域71と重複するような位置にまで動いたときに可動部材78の一部は不透明領域に存在する。しかし、図162に示す例では、可動部材78の全ての部分が、透明遊技領域71と重複する。
図158〜図162に示す例では、可動部材78の取付位置が第1の実施の形態の場合とは異なるが、主基板31や演出制御基板80をはじめとする各基板の構成は、図90〜図94に示す場合と同じである。また、モータ78Aの回転方向や回転量は図90〜図94に示す場合とは異なるが、遊技制御用マイクロコンピュータ560や演出制御用マイクロコンピュータ100の制御の内容も、図90〜図94に示す場合と同じである。
また、この実施の形態および図158〜図162に示す変形例では、上不透明領域72Aの裏面(上不透明領域72Aに対応する位置)や下透明領域72Cの裏面(下不透明領域72Cに対応する位置)に可動部材78が設置されたが、横透明領域72Bの裏面(側部不透明領域72Bに対応する位置)に可動部材78を設置してもよい。図163は、側部不透明領域72Bに対応する位置に可動部材78が設置された遊技機の機構部分の構造を示す分解斜視図である。図164は、側部不透明領域72Bに対応する位置に可動部材78が設置された場合の遊技機の縦断面を示す断面図である。遊技盤6は、遊技枠2Aに取り付けられ、遊技枠2Aにおける背面側には取付板90に取り付けられたLCDの画像表示装置9が設置される。遊技枠2Aと画像表示装置9との間の空間76内において、側部不透明領域72Bの裏面(側部不透明領域72Bに対応する位置)に可動部材78が設置される。可動部材78の一部がモータ78Aの軸に取り付けられ、モータ78Aの軸を中心にして回転されることによって、可動部材78は動く。
画像表示装置9の背面には、遊技制御基板を含む主ユニット31Aと、演出制御基板を含む演出ユニット80Aとが取り付けられる。なお、図163および図164において、直方体状のカバー部Aは、上不透明領域72Aの裏面と遊技領域外の裏面との双方にまたがって取り付けられ、上不透明領域72Aに設けられている電気部品群を覆うように形成されている。上不透明領域72Aに設けられている電気部品群における電気部品(ユニット)として、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄始動記憶表示器41のそれぞれを含む電気部品がある。直方体状の可動部材取付部Bは、側部不透明領域72Bの裏面と遊技領域外の裏面との双方にまたがって取り付けられ、可動部材78に一体化している取付部78Bを取り付ける部材である。また、可動部材取付部Bは、側部不透明領域72Bに設けられている電気部品群を覆うように形成されている。側部不透明領域72Bに設けられている電気部品群における電気部品として、賞球表示器51およびラウンド数表示器75のそれぞれを含む電気部品がある。直方体状のカバー部Cは、下不透明領域72Cの裏面と遊技領域外の裏面との双方にまたがって取り付けられ、下不透明領域72Cに設けられている電気部品群を覆うように形成されている。下不透明領域72Cに設けられている電気部品群における電気部品として、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、可変入賞球装置15、特別可変入賞球装置20および入賞口(普通入賞口)29,30,33,39のそれぞれを含む電気部品(入賞口については検出スイッチを含む。)がある。なお、上不透明領域72Aや下不透明領域72Cを設けなくてもよい。
また、側部不透明領域72Bには、賞球表示器51を含む電気部品およびラウンド数表示器75を含む電気部品が設けられているが、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bを含む電気部品、普通図柄表示器10を含む電気部品、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bを含む電気部品および普通図柄始動記憶表示器41や、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、可変入賞球装置15、特別可変入賞球装置20、入賞口29,30,33,39のいずれかを含む電気部品を設置してもよい。さらに、少なくともいずれかの電気部品が設置されていればよい。
また、可動部材取付部Bは、側部不透明領域72Bの裏面と遊技領域外の裏面との双方にまたがって取り付けられているが、いずれか一方の裏面に取り付けられるようにしてもよい。また、必ずしも、側部不透明領域72Bに設けられている電気部品群を覆うように形成されていなくてもよい。
また、側部不透明領域72Bに可動部材78が取り付けられているが、さらに、上不透明領域72Aや下不透明領域72Cに可動部材に一体化している取付部を取り付ける可動部材取付部を設けて可動部材を取り付けてもよい。さらに、可動部材取付部をカバー部A,Cに取り付けるようにしてもよい。
配線A1は、上不透明領域72Aに設けられている電気部品群と主ユニット31Aとを接続する配線を示す。配線B1は、側部不透明領域72Bに設けられている電気部品群と主ユニット31Aとを接続する配線を示す。配線C1は、下不透明領域72Cに設けられている電気部品群と主ユニット31Aとを接続する配線を示す。配線D1は、モータ78Aと演出ユニット80Aとを接続する配線を示す。配線E1は、画像表示装置9と演出ユニット80Aとを接続する配線を示す。
配線A1,B1,C1,D1は、遊技盤6の裏面側において、画像表示装置9の下側を通過し、画像表示装置9が取り付けられる取付板90における下側部に設けられている穴である共通配線通過部79を通過する。配線E1は、取付板90の画像表示装置9の裏面に対応する箇所の一部に設けられた配線通過部79Bを通過する。なお、ゲートスイッチ32aに接続される配線F1は、配線A1、配線B1、配線C1または配線D1と同様に、遊技盤6の裏面側において、画像表示装置9の下側を通過し、画像表示装置9が取り付けられる取付板90における下側に設けられている穴である共通配線通過部79を通過し、主ユニット31Aに接続される。
図165は、側部不透明領域72Bに対応する位置に可動部材78が設置された場合の遊技領域における透明遊技領域71や可動部材78を説明するための正面図である。図165において、左上から右下に向かう斜線が施された部分は、不透明領域(上不透明領域72A、側部不透明領域72B、下不透明領域72C)を示し、斜線が施されていない部分は、透明遊技領域71を示す。遊技領域7は透明遊技領域71および不透明領域で形成されている。透明遊技領域71および不透明領域は、画像表示装置9の表示画面9A(破線の四角形内)の領域(表示領域)と重複するが、表示領域には、遊技領域外6Bと重複する部分もある。
図165には、可動部材78がモータ78Aで駆動されて、透明遊技領域71にまで移動した場合と、遊技者に全く視認されない位置に収納された場合とが示されている。可動部材78は、モータ78Aによって、遊技者に全く視認されない位置(図165に示す例では、遊技領域外6Bおよび側部不透明領域72B)に収納されることが可能である。図160において、遊技者によって操作部81の回転操作部812が回転操作されたことにもとづいて、モータ78Aが駆動され、可動部材78が遊技者に全く視認されない位置から透明遊技領域71に移動する。なお、図165において、遊技盤6の外側に4つの取付金具部(画像表示装置9を取付板90に取り付けるための金具部:図163参照)も示されている。
図166は、側部不透明領域72Bに対応する位置に可動部材78が設置された場合の画像表示装置9における表示演出と所定の定位置で停止された可動部材78とが共動して1つの演出が実現される例を示す説明図である。図166において、「龍」形状のものが可動部材78であり、「龍」形状のものが吐き出すように表現されている炎状のものは、画像表示装置9の表示画面9Aに表示される画像9cである。また、図166に示すように、表示画面9Aにおける飾り部材73の内部に相当する部分では、他の部分とは異なる趣向の画像73aが表示される。
この実施の形態では、例えば、スーパーリーチB演出では、高速回転による演出よりもさらに発展した演出を実行することを報知するための図121(I)に示すような「スペシャルリーチ」という表示がなされた後、可動部材78が、非透明領域または遊技領域外から透明遊技領域71に進出してくる(図122(J),(K)に例示した演出が、可動部材78が下から透明遊技領域71に進出してくる演出に変更される。)。そして、可動部材78の透明遊技領域71との重複部分が最大になる位置に到達すると、画像表示装置9において、あたかも可動部材78から吐き出ているかのように、炎の画像が表示される。その画像は、変動している中図柄の近傍に表示される(図122(L)に例示した演出が、可動部材78が下から透明遊技領域71に進出している演出に変更される。)。
図167は、側部不透明領域72Bに対応する位置に可動部材78が設置された場合の他の種類の可動部材78を説明するための正面図である。図167には、可動部材78がモータ78Aで駆動されて、透明遊技領域71にまで移動した場合と、遊技者に全く視認されない位置に収納された場合とが示されている。また、図167に示す例においても、遊技者によって操作部81の回転操作部812が回転操作されたことにもとづいて、モータ78Aが駆動され、可動部材78が遊技者に全く視認されない位置から透明遊技領域71に移動する。図167に示す例では、可動部材78は支持部材78aの一端において支持され、支持部材78aの他端は、モータ78Aの軸に接続されている。支持部材78aは、透明材料(例えば、透明アクリル板)で形成されている。また、図166に示す例では、可動部材78が透明遊技領域71と重複するような位置にまで動いたときに可動部材78の一部は不透明領域に存在する。しかし、図167に示す例では、可動部材78の全ての部分が、透明遊技領域71と重複する。
図163〜図167に示す例では、可動部材78の取付位置が第1の実施の形態や第2の実施の形態の場合とは異なるが、主基板31や演出制御基板80をはじめとする各基板の構成は、この実施の形態や図158〜図162に示す変形例の場合と同じである。また、モータ78Aの回転方向はこの実施の形態の場合とは異なり、回転量はこの実施の形態や図158〜図162に示す変形例の場合とは異なるが、遊技制御用マイクロコンピュータ560や演出制御用マイクロコンピュータ100の制御の内容も、この実施の形態や図158〜図162に示す変形例の場合と同じである。
以上に説明したように、この実施の形態では、可動部材78を、不透明遊技領域に対応する領域または遊技領域外に対応する領域(非表示対応領域)と表示領域に対応する表示対応領域(具体的には、透明領域71)との間で移動させることが可能であり、遊技状態に応じて、可動部材78と表示対応領域との重複割合(平面図で見た場合の可動部材78の全面積のうち表示対応領域と重複する面積の全面積に対する割合)を変更可能に可動部材78を移動させるので、遊技者に画像表示装置9の表示画面9Aを阻害物なく視認させることができ、画像表示装置9による表示演出の効果を低下させないようにすることができる上に、可動部材78による演出効果を高めることができる。
また、この実施の形態では、可動部材78を用いた演出として特別図柄および飾り図柄の変動中に実行されるリーチ演出(具体的には、スーパーリーチB演出)を例にしたが、可動部材78を用いた演出は、リーチ演出に限られない。予告演出や大当り遊技中に実行される演出やその他の演出において、可動部材78を用いた演出を行うようにしてもよい。さらに、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可動部材78が透明遊技領域71に徐々に進出するような演出を例にしたが、可動部材78を用いた演出は、そのような演出に限られない。例えば、リーチ演出等の特定の演出が行われていないときに可動部材78が透明遊技領域71に存在するように位置させ、特定の演出が開始されると、可動部材78を非透明領域72または遊技領域外に退避させ、その後に、画像表示9の表示画面によって表示演出によって特定の演出を行うようにせいぎょしてもよい。また、可動部材78を徐々に透明遊技領域71から退出させたり、可動部材78を透明遊技領域71と非透明領域72または遊技領域外との間で繰り返し移動させるように制御してもよい。
また、この実施の形態では、描画プロセッサ109における描画回路91とCGROM83との間のCGバスにおけるデータバスは、物理的には64ビット存在するが、64ビット全てがデータバスとして使用される64ビットモードと、下位32ビットがデータバスとして使用される32ビットモードとに切替可能である。以下、そのように切替可能な場合の作用効果を説明する。
図168(A)には、2つのROM83A,83Bが設けられている場合が示されているが、ROMを増設する場合、図168(B)示すように32ビットのデータ入出力可能な2つのROM83C,83Dを設けたり、64ビットのデータ入出力可能なROMを設ける必要がある。なお、図168(B)では作図の都合上ROM83C,83DにROM83A,83Bからデータバスが延びているように記載されているが、実際には、描画制御部91とROM83A,83Bとの間のデータバスが分岐してROM83C,83Dに配線されている。図168(B)に示すようにバス幅が64ビットである場合に、描画制御部91は、64ビットずつデータを入力する。その場合、ROMを増設するときに1つのROM83Cを設けると、描画制御部91は、入力した64ビットのデータのうち上位32ビットをマスク(強制的に0に設定)したり、2つの64ビットデータのそれぞれの下位32ビットのデータから64ビットデータを作成するといった処理を行う必要がある。
この実施の形態ではでは、CGバスのモードを、64ビット全てがデータバスとして使用される64ビットモードと、下位32ビットがデータバスとして使用される32ビットモードとに切替可能である。よって、図168(C)に示すように、動画像データが記憶されているROM83Cから画像データを読み出す場合には、32ビットモードに設定し、静止画像データが記憶されているROM83A,83Bから画像データを読み出す場合には、64ビットモードに設定すれば、増設するROM83Cを1つにすることができる。なお、図168(C)では作図の都合上ROM83CにROM83Aからデータバスが延びているように記載されているが、実際には、描画制御部91とROM83Aとの間のデータバスが分岐してROM83Cに配線されている。図168(C)に示すように構成された場合に、バス幅が32ビットであるときに、すなわち、下位32ビットがデータバスとして使用される32ビットモードに設定されているときに、描画制御部91は、32ビットずつデータを入力することができる。よって、1つのROM83Cを設けるだけで、描画制御部91は、そのまま32ビットのデータを扱うことができる。
また、ROM増設を行わない場合であって、図168(C)に示すように、3つのROM83A,83B,83CでCGROM83を形成できる場合に、本発明を適用しないときには、図168(B)に示すように、4つのROM83A,83B,83C,83DでCGROM83を形成する必要がある。すなわち、使用するROMの個数が増えてしまう。
動画像データは圧縮された状態でROM83Cに格納されている。従って、ROM83A,83Bに格納されているスプライト画像に比べてデータ量が圧縮されている。すると、描画プロセッサ109による復号処理に比べて、CGROM83からのデータ転送処理の処理量は少ない。よって、CGROM83から動画像データ(圧縮データ)を読み出すときのバス幅を狭くしてデータ転送速度を低下させても、描画プロセッサ109の全体としての処理性能はさほど低下しないといえる。
なお、この実施の形態では、以下の(1)〜(10)に示すような遊技機の特徴的構成が示されている。
(1)第2の実施の形態による遊技機は、遊技者が遊技球を遊技領域に発射することにより所定の遊技を行うことが可能な遊技機であって、遊技者により回転操作可能な回転操作手段(例えば、第2の実施の形態における操作部81の回転操作部812)と、透明性を有し、前面側に遊技領域が形成された透明遊技盤(例えば、第2の実施の形態における透明板による遊技盤6)と、透明遊技盤の背面側に配設され、透明遊技盤を介して遊技者が視認可能な表示領域を有する画像表示装置(例えば、第2の実施の形態における画像表示装置9)と、透明遊技盤と画像表示装置との間に形成される領域(例えば、空間76)内で移動可能な可動部材(例えば、第2の実施の形態における可動部材78)と、回転操作手段による回転操作にもとづいて、可動部材を可動する可動部材制御手段(例えば、第2の実施の形態において、演出制御用マイクロコンピュータ100によるステップS1614〜S1618を実行する部分)を備えたことを特徴とする。そのような構成によれば、回転操作手段による回転操作にもとづいて可動部材を可動することができるので、可動部材を用いた演出を行う場合の遊技性の向上を図ることができる。
(2)遊技領域は、透明性を有する透明遊技領域(例えば、第2の実施の形態における透明遊技領域71)と、透明遊技盤における透明遊技領域の上部に不透明部材(例えば、装飾が施されたフィルム)が付設されることにより形成される不透明遊技領域(例えば、第2の実施の形態における上不透明領域72A)とを含み、可動部材制御手段は、可動部材を、不透明遊技領域に対応する領域または遊技領域外に対応する領域である非表示対応領域(例えば、空間76における不透明遊技領域の裏面の部分、または遊技領域外の裏面の部分)と透明遊技領域に対応する透明対応領域(例えば、空間76における透明遊技領域の裏面の部分)との間で移動させることが可能であり、遊技状態に応じて該透明対応領域との重複割合を変更可能に移動させる(例えば、第2の実施の形態における演出制御用マイクロコンピュータ100。特に、スーパーリーチBの変動パターンで飾り図柄変動中処理(図142参照)を実行する部分)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、遊技者に画像表示装置の画面を阻害物なく視認させることができ、画像表示装置による表示演出の効果を低下させないようにすることができる。また、可動部材による演出効果を高めることができる。
(3)遊技領域は、透明性を有する透明遊技領域(例えば、第2の実施の形態における透明遊技領域71)と、透明遊技盤における透明遊技領域の下部に不透明部材(例えば、装飾が施されたフィルム)が付設されることにより形成される不透明遊技領域(例えば、第2の実施の形態における下不透明領域72C)とを含み、可動部材制御手段は、可動部材を、不透明遊技領域に対応する領域または遊技領域外に対応する領域である非表示対応領域(例えば、空間76における不透明遊技領域の裏面の部分、または遊技領域外の裏面の部分)と透明遊技領域に対応する透明対応領域(例えば、空間76における透明遊技領域の裏面の部分)との間で移動させることが可能であり、遊技状態に応じて該透明対応領域との重複割合を変更可能に移動させる(例えば、第2の実施の形態における演出制御用マイクロコンピュータ100。特に、スーパーリーチBの変動パターンで飾り図柄変動中処理(図142参照)を実行する部分)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、遊技者に画像表示装置の画面を阻害物なく視認させることができ、画像表示装置による表示演出の効果を低下させないようにすることができる。また、可動部材による演出効果を高めることができる。
(4)遊技領域は、透明性を有する透明遊技領域(例えば、第2の実施の形態における透明遊技領域71)と、透明遊技盤における透明遊技領域の側部に不透明部材(例えば、装飾が施されたフィルム)が付設されることにより形成される不透明遊技領域(例えば、第2の実施の形態における側部不透明領域72B)とを含み、可動部材制御手段は、可動部材を、不透明遊技領域に対応する領域または遊技領域外に対応する領域である非表示対応領域(例えば、空間76における不透明遊技領域の裏面の部分、または遊技領域外の裏面の部分)と透明遊技領域に対応する透明対応領域(例えば、空間76における透明遊技領域の裏面の部分)との間で移動させることが可能であり、遊技状態に応じて該透明対応領域との重複割合を変更可能に移動させる(例えば、第2の実施の形態における演出制御用マイクロコンピュータ100。特に、スーパーリーチBの変動パターンで飾り図柄変動中処理(図142参照)を実行する部分)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、遊技者に画像表示装置の画面を阻害物なく視認させることができ、画像表示装置による表示演出の効果を低下させないようにすることができる。また、可動部材による演出効果を高めることができる。
(5)第2の実施の形態による遊技機の他の態様は、遊技領域に設けられた第1入賞部(例えば、第2の実施の形態における第1始動入賞口13)と、遊技領域に設けられた第2入賞部(例えば、第2の実施の形態における第2始動入賞口14)と、第1入賞部に遊技媒体(例えば、遊技球)が入賞したことにもとづいて可変表示の第1の開始条件が成立(例えば、第2の実施の形態における第1特別図柄もしくは第2特別図柄の最終停止後、または第1大当り遊技もしくは第2大当り遊技終了後であって、第1保留記憶数が0でないとともに第1保留記憶数が第2保留記憶数よりも多いこと)したときに第1識別情報(例えば、第2の実施の形態における第1特別図柄)の可変表示を開始し、表示結果を導出表示する第1の可変表示部(例えば、第2の実施の形態における第1特別図柄表示器8a)と、第2入賞部に遊技媒体が入賞したことにもとづいて可変表示の第2の開始条件が成立(例えば、第2の実施の形態における第2特別図柄もしくは第1特別図柄の最終停止後、または第2大当り遊技もしくは第1大当り遊技終了後であって、第2保留記憶数が0でないとともに第2保留記憶数が第1保留記憶数よりも多いこと)したときに第2識別情報(例えば、第2の実施の形態における第2特別図柄)の可変表示を開始し、表示結果を導出表示する第2の可変表示部(例えば、第2の実施の形態における第2特別図柄表示器8b)とを備え、第1の可変表示部と第2の可変表示部のいずれかに特定表示結果が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に移行させる遊技機であって、遊技者により回転操作可能な回転操作手段(例えば、第2の実施の形態における操作部81の回転操作部812)と、回転操作手段による回転操作にもとづいて、所定の遊技演出を実行する遊技演出実行手段(例えば、第2の実施の形態において、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS1614〜S1618を実行する部分)とを備えたことを特徴とする。そのような構成によれば、回転操作手段による回転操作にもとづいて、所定の遊技演出を実行することができるので、回転操作手段を用いた遊技性の向上を図ることができる。
(6)遊技機は、所定の上限値(例えば4)までの第1の開始条件が成立していない第1入賞部への遊技媒体の入賞数を特定可能な第1保留記憶データ(例えば、第2の実施の形態における第1保留記憶数カウンタのカウント値)を記憶する第1保留記憶手段(例えば、第2の実施の形態における第1保留記憶数カウンタによって実現される)と、所定の上限値(例えば4)までの第2の開始条件が成立していない第2入賞部への遊技媒体の入賞数を特定可能な第2保留記憶データ(例えば、第2の実施の形態における第2保留記憶数カウンタのカウント値)を記憶する第2保留記憶手段(例えば、第2の実施の形態における第2保留記憶数カウンタによって実現される)と、第2の可変表示部で第2識別情報の可変表示が実行されていないことを条件に第1の可変表示部で第1識別情報の可変表示を実行し、第1の可変表示部で第1識別情報の可変表示が実行されていないことを条件に第2の可変表示部で第2識別情報の可変表示を実行する可変表示実行手段(例えば、第2の実施の形態において、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56においてステップS104〜S106、ステップS121〜S123、ステップS131を実行する部分、第2変動パターン設定処理でステップS104〜S106と同様の処理と、第2特別図柄変動中処理でステップS121〜S123と同様の処理と、第2特別図柄停止処理でステップS131と同様の処理とを実行する部分)とを備え、可変表示実行手段は、第1の可変表示部に表示結果を導出表示したときまたは第2可変表示部に表示結果を導出表示したときに、第1保留記憶データで特定される入賞数が第2保留記憶データで特定される入賞数より多いときには、第1の開始条件が成立したとして第1の可変表示部における第1識別情報の可変表示を第2の可変表示部における第2識別情報の可変表示に優先して実行し(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS52でNと判定したことにもとづいてステップS53以降の処理を実行し、ステップS52BでYと判定したことにもとづいてステップS53B以降の処理を実行しないように制御する)、第2保留記憶データで特定される入賞数が第1保留記憶データで特定される入賞数より多いときには、第2の開始条件が成立したとして第2の可変表示部における第2識別情報の可変表示を第1の可変表示部における第1識別情報の可変表示に優先して実行する(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS52BでNと判定したことにもとづいてステップS53B以降の処理を実行し、ステップS52でYと判定したことにもとづいてステップS53以降の処理を実行しないように制御する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、第1保留記憶データで特定される入賞数と第2保留記憶データで特定される入賞数のうち多い方の入賞数に対応する可変表示部における識別情報の可変表示を優先して実行することができる。入賞数が多い方の入賞部への入賞にもとづく変動を優先的に開始できるので、入賞部への無効始動入賞の発生を低減することができる。
(7)可変表示実行手段は、第1の可変表示部に表示結果を導出表示したときまたは第2可変表示部に表示結果を導出表示したときに、第1保留記憶データで特定される入賞数と第2保留記憶データで特定される入賞数とが同数であるときには、第1の可変表示部における第1識別情報の可変表示と第2の可変表示部における第2識別情報の可変表示とのうち、あらかじめ定めた可変表示部における識別情報の可変表示を、他方の可変表示部における識別情報の可変表示に優先して実行する(例えば、第2の実施の形態において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS313BでYと判定したことにもとづいてステップS300B〜ステップS309Bに移行しないように制御することによって、ステップS300〜ステップS309の処理を優先して実行する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、第1保留記憶データで特定される入賞数と第2保留記憶データで特定される入賞数とが同数であることにより、第1識別情報の可変表示と第2識別情報の可変表示とのどちらを先に実行しても遊技者への有利さの度合いが変わらない場合における遊技制御を簡易化することができる。
(8)遊技機は、第1保留記憶手段が記憶する第1保留記憶データにより特定される入賞数と第2保留記憶手段が記憶する第2保留記憶データにより特定される入賞数との合計である合計入賞数(例えば、第2の実施の形態における合算保留記憶数)が所定数(例えば4)以上であるか否かを判定する保留記憶合計数判定手段(例えば、第2の実施の形態において、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS102Aの処理を実行する部分)と、保留記憶合計数判定手段の判定結果にもとづいて、第1の可変表示部における第1識別情報の可変表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの可変表示時間、および第2の可変表示部における第2識別情報の可変表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの可変表示時間を短縮する可変表示時間短縮手段(例えば、第2の実施の形態において、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS102AでYと判定したときにステップS102Bを実行する部分)とを備えるように構成されていてもよい。そのような構成によれば、識別情報の可変表示時間を短縮することによって、可変表示部における識別情報の可変表示が開始されやすくすることができ、遊技媒体の入賞部への無効始動入賞の発生を低減することができる。
(9)遊技演出実行手段は、第1の可変表示部における第1識別情報の可変表示が実行されるときには、所定の回転量の回転操作が回転操作手段から行われたことにもとづいて、所定の遊技演出を実行し(例えば、第2の実施の形態において、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS1615でYと判定したときにステップS1616でYと判定したことにもとづいてステップS1618を実行する部分)、第2の可変表示部における第2識別情報の可変表示が実行されるときには、第1の可変表示部における第1識別情報の可変表示が実行されるときとは異なる回転量の回転操作が回転操作手段から行われたことにもとづいて、所定の遊技演出を実行する(例えば、第2の実施の形態において、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS1615でNと判定したときにステップS1617でYと判定したことにもとづいてステップS1618を実行する部分)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、第1の可変表示部における第1識別情報の可変表示が実行されるときと、第2の可変表示部における第2識別情報の可変表示が実行されるときとで、回転操作部の回転操作量を異ならせることができるので、より回転操作手段を用いた遊技性の向上を図ることができる。
(10)遊技機は、回転操作手段からの回転操作を伴う遊技演出と、回転操作手段からの回転操作を伴わない遊技演出とのいずれかの遊技演出を選択する遊技演出選択手段(例えば、第2の実施の形態において、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS1834〜S1836を実行する部分)を備え、遊技演出実行手段は、遊技演出選択手段によって選択された遊技演出を実行し(例えば、第2の実施の形態において、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS1613でYと判定したときにステップS1614〜S1618を実行する部分)、遊技演出選択手段は、第1の可変表示部における第1識別情報の可変表示が実行されているときと、第2可変表示部における第2識別情報の可変表示が実行されているときとで、異なる選択割合で、回転操作手段からの回転操作を伴う遊技演出を選択する(例えば、第2の実施の形態において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1834で、図139に示すように、第1特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示を行う場合と、第2特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示を行う場合とで、異なる可動決定用テーブルを用いることによって、異なる割合で可動部材78を可動すると決定する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、第1の可変表示部における第1識別情報の可変表示が実行されるときと、第2の可変表示部における第2識別情報の可変表示が実行されるときとで、回転操作手段からの回転操作を伴う遊技演出の選択割合を異ならせることができるので、より回転操作手段を用いた遊技性の向上を図ることができる。
実施の形態3.
以下、本発明の第3の実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図169は、パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
図169に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と、打球発射装置が遊技球を発射する速さ(すなわち、遊技球を弾くばねの強さ)を調整する打球操作ハンドル(操作ノブ)5とが設けられている。
遊技者は、操作ノブ5を回転させることにより、打球発射装置から発射される遊技球の勢いを調整することができる。具体的には、操作ノブ5を右に回転させていくことにより、打球発射装置から発射される遊技球の速さが徐々に増していき、所定の速さを越えると、発射された遊技球は打球レールを通って上方より遊技領域7の左側領域に入る。さらに操作ノブ5を右に回転させていくと、発射された遊技球は上方より遊技領域7の右側領域に入る。よって、操作ノブ5を右に回転させた状態で回転量を変化させることで、打球発射装置から発射される遊技球の勢いを調整することができ、遊技球を打ち込む領域を調整することができる。
ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には誘導レールで区画された遊技領域7が形成されている。
遊技領域7のほぼ中央には、可変入賞球装置20が配置されている。可変入賞球装置20の下方には、第1始動入賞口11と、第2始動入賞口12と、第3始動入賞口13を形成する可変入賞球装置15とが設けられている。第1始動入賞口11に入った入賞球は第1始動口スイッチ11aによって検出され、第2始動入賞口12に入った入賞球は第2始動口スイッチ12aによって検出され、それぞれ、遊技盤6の背面に導かれる。また、可変入賞球装置15が開状態になることによって入賞可能になる第3始動入賞口13に入った入賞球は第3始動口スイッチ13aによって検出され、遊技盤6の背面に導かれる。可変入賞球装置15は、ソレノイド15aによって開状態にされる。以下、第1始動入賞口11と、第2始動入賞口12と、第3始動入賞口13とを、「始動入賞口」と総称したり、始動入賞口11,12,13と表すことがある。また、第1始動口スイッチ11aと、第2始動口スイッチ12aと、第3始動口スイッチ13aとを、「始動口スイッチ」と総称したり、始動口スイッチ11a,12a,13aと表すことがある。
遊技球が始動入賞口に入賞し始動口スイッチによって検出された場合には、可変入賞球装置20が1回または2回開閉制御される。開閉制御によって、左側の開放扉76Aが初期位置から左方向に移動し、右側の開放扉76Bが初期位置から右方向に移動することによって、可変入賞球装置20は開放状態になり、開放扉76A,76Bが初期位置に戻ることによって可変入賞球装置20は閉鎖状態になる。このように始動口スイッチの入賞検出に応じて可変入賞球装置20が開放動作を行う状態を始動動作状態という。以下、可変入賞球装置20を、大入賞口または役物ということがある。また、遊技盤6には種々の役物が設けられているが、以下、役物という場合には、可変入賞球装置20を意味する。
また、可変入賞球装置20は、大当り遊技の開始条件(例えば、始動動作状態において遊技球が特定領域に入賞したこと。)が成立すると、所定回数すなわち所定ラウンド数、開閉制御される。その状態を大当り遊技状態(特定遊技状態)という。大当り遊技状態では、高い割合で入賞が生じ、多数の遊技球が遊技者に払い出される。なお、始動動作状態を除き、可変入賞球装置20が開閉制御される状態(大当り遊技状態)を第1大当り遊技状態ということがある。また、第1大当り遊技状態における複数のラウンドのうちに、開閉板16が開状態にされることによって開放状態になる大入賞口が開閉制御されるラウンドが含まれる場合がある。
可変入賞球装置20の内部における背面側には、演出表示を行うLCDなどによる演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9は、識別情報としての飾り図柄を可変表示(変動表示)する。この実施の形態では、演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。
可変入賞球装置20の右方には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8が設けられている。特別図柄表示器8は、例えば、7セグメント表示器によって構成される。
特別図柄表示器8の上方には、始動入賞口に遊技球が入った有効入賞球数すなわち始動記憶数を表示する4つのLEDから成る特別図柄始動記憶表示器18が設けられている。特別図柄始動記憶表示器18は、始動記憶数を入賞順に4個まで表示する。特別図柄始動記憶表示器18は、始動入賞口11,12,13に有効始動入賞がある毎に、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、特別図柄表示器8で可変表示が開始される毎に、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。この例では、特別図柄始動記憶表示器18は、特別図柄表示器8で可変表示が開始される毎に、点灯状態をシフトする。なお、後述するように、演出表示装置9でも始動記憶数が表示されるので、特別図柄始動記憶表示器18を設けなくてもよい。
可変入賞球装置20の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。遊技領域7に設けられているゲート32を遊技球が通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10において普通図柄(この例では、7セグメントLEDでの数字表示)の可変表示が開始される。この実施の形態では、当りの場合には可変表示の終了時に「7」が停止表示され、はずれの場合には「7」以外が停止表示される。当りの場合には、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。なお、普通図柄の当り確率は、例えば12/13である。普通図柄表示器10の上方には、ゲート32を通過した通過球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32の通過がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板16が開状態にされる大入賞口が設けられている。開閉板16は、大入賞口を開閉する手段である。大入賞口に入った入賞球はカウントスイッチ23で検出される。なお、大入賞口の内部には特定入賞領域(V入賞領域)が形成され、V入賞領域を通過した遊技球は、V入賞スイッチ22で検出される。遊技球がV入賞領域を通過することを条件に、大当り遊技状態における次のラウンドが開始される(最終ラウンドの場合を除く。)。また、この実施の形態では、V入賞領域を通過した遊技球も、カウントスイッチ23で検出される。以下、可変入賞球装置20による大入賞口を第2大入賞口といい、開閉板16による大入賞口を第1大入賞口ということがある。第1大入賞口と第2大入賞口とを「大入賞口」と総称することがある。
また、開閉板16の右方には入賞口(普通入賞口)38が設けられ、開閉板16の左方には入賞口(普通入賞口)39が設けられている。遊技球の入賞口38,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ38a,39aによって検出される。入賞口38,39は、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口も、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成し、大入賞口(第1大入賞口および第2大入賞口)の内部にも入賞領域が設けられている。入賞領域に遊技球が入賞すると、所定個の遊技球が景品(賞球)として遊技者に払い出される。
遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプが設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を回収するアウト口26がある。
また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(可変入賞球装置20等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニットが、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を落下する。打球が始動入賞口に入り始動口スイッチで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が可変表示を始めるとともに、演出表示装置9において飾り図柄が可変表示を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、特別図柄表示器8での特別図柄の可変表示の保留記憶である始動入賞記憶数が上限数でない場合には、始動入賞記憶数を1増やす。すなわち、特別図柄始動記憶表示器18における点灯するLEDを1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄(「0」〜「9」)の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄が大当り図柄(特定表示結果:具体的には、例えば「3」、「7」)であると、大当り遊技状態のうちの第1大当り遊技状態(始動動作状態を経ずに開始される大当り遊技状態)に移行する。また、それ以外の図柄(小当り図柄)である場合には、始動動作状態に移行する。始動動作状態において、可変入賞球装置20の内部に設けられている特別領域に遊技球が入賞すると、第2大当り遊技状態(始動動作状態を経た後に開始される大当り遊技状態)に移行する。
また、図1に示すように、打球供給皿3には、遊技者により操作可能な操作手段としての操作部81が設けられている。また、操作部81は、押圧操作をすることが可能な押圧操作部811と、回転操作をすることが可能な回転操作部812との複数の操作部を含む。なお、この実施の形態では、操作部81の構成および操作部81(具体的には、押圧操作部811や回転操作部812)からの操作信号の検出方法については、第1の実施の形態で示した構成と同様であるため、詳細な説明を省略する。
次に、可変入賞球装置20について、図170〜図178を参照して説明する。図170および図171は、遊技盤6に設けられている可変入賞球装置20を正面からみた正面図である。図172は、図170および図171に示されている開放扉76A,76Bの裏面側に設けられている遊技球の通過口71,72,73を有する構造物を示す斜視図である。図173は、通過口71から特定領域を形成する特定入賞口66に至る経路を示す斜視図である。図174は、通過口73から特定領域を形成する特定入賞口に至る経路を示す斜視図である。図175(A)、図176(A)および図177は、可変入賞球装置20の下部を上側から見た上面図であり、図175(B)および図176(B)は、可変入賞球装置20の下部を正面側から見た正面図である。図177には、特定入賞口66の直上に設けられている回転体(円盤)86も示されている。図178は、回転体86を上側から見た上面図である。なお、図171、図173〜図177において、矢印は遊技球の進路を示す。
可変入賞装置(役物)20は、開閉モータ75の駆動によって開放扉76A,76Bが開放状態になると、遊技球が進入可能な状態になる。役物20に進入した遊技球は、通過口71,72,73のいずれかを通過して、役物20における下部側に流下する。通過口71を通過した遊技球は、第1役物入賞スイッチ71aで検出され、通過口72を通過した遊技球は、第2役物入賞スイッチ72aで検出され、通過口73を通過した遊技球は、第3役物入賞スイッチ73aで検出される。また、通過口71を通過した遊技球は、誘導樋71Aを通過して役物20内の左方に導かれる。通過口72,73を通過した遊技球は、誘導樋73Aを通過して役物20内の右方に導かれる。なお、図170には、開放扉76A,76Bが閉鎖して遊技球が役物20に進入不能である状態が示され、図171には、開放扉76A,76Bが開放した状態が示されている。また、第1役物入賞スイッチ71aと、第2役物入賞スイッチ72aと、第3役物入賞スイッチ73aとを、「役物入賞スイッチ」と総称することがある。
開放扉76A,76B(図172において図示せず)は、図172に示す構造物の手前側に設けられている。遊技球は、図172に示す構造物における3つの通路(手前側から奥側に向かう経路)のいずれかを通って通過口71,72,73のいずれかに至る。開放扉76A,76Bが閉鎖している状態(完全閉鎖状態)では、遊技球は、3つの通過口71,72,73のいずれにも進入不能である。開放扉76A,76Bが開放状態になると、3つの通過口71,72,73のいずれかに進入できる状態になるが、開放扉76A,76Bが最も開いている状態(完全開放状態)では3つの通過口71,72,73のいずれにも進入可能であるが、開放扉76A,76Bが完全開放状態から完全閉鎖状態に移行する期間では、開放面積が狭くなるにつれて、左右の通過口71,73に比べて、中央の通過口72を通過しやすくなる。また、完全閉鎖状態から完全開放状態に移行する期間では、中央の通過口72に遊技球が進入しやすい状態から、3つの通過口71,72,73のいずれにも進入可能な状態に徐々に移行する。
つまり、開放扉76A,76Bが完全閉鎖状態から開放状態への移行を開始した直後、および完全閉鎖状態に戻る直前では、相対的に、遊技球が中央の通過口72を通過する割合が高くなる。なお、開放扉76A,76Bが開放するということは役物20が開放状態になるということであり、開放扉76A,76Bが閉鎖するということは役物20が閉鎖状態になるということである。また、開放扉76Aと開放扉76Bとは、対称状態で移動する。対称状態で移動するとは、中心(中央の通過口72の中心軸)から開放扉76Aの端部(中央の通過口72寄りの端部)までの距離と、中心から開放扉76Bの端部(中央の通過口72寄りの端部)までの距離とが常に同じであることを意味する。
役物20の左右両側には、可動部材77,78が設けられている。可動部材77において動く部分は可動部77Aであり、可動部材78において動く部分は可動部78Aである。可動部77Aは可動部駆動ソレノイド77Bによって動かされ、可動部78Aは可動部駆動ソレノイド78Bによって動かされる。可動部77Aおよび可動部78Aは、それぞれ、上下方向に動く。役物20における最下部に設けられている特定領域を形成する特定入賞口66に入賞した遊技球は、特定領域スイッチ66aで検出される。なお、遊技球が特定入賞口66に入賞し特定領域スイッチ66aで検出されたことをV入賞ともいう。
通過口71を通過し誘導樋71A(図173において図示せず)によって導かれた遊技球は、図173(A)に示すように、特定入賞口66に至る通路71Bを通って、特定領域に到達することが可能である。通路71Bは、中途から、上方が開放している開放部(樋状通路)になり、開放部の始まり部分に、通路71Bに繋がり特定領域に到達不能な通路であるはずれ通路71Cが設けられている。図173(B)に示すように、可動部77Aは、動作時(下位置にあるとき)に通路71Bの開放部の始まり部分において通路71Bの下流への遊技球の通過を阻止し、遊技球をはずれ通路71Cに導く。図173(A)に示すように、可動部77Aが上位置にあるときには、遊技球は、可動部77Aに阻止されず、可動部77Aが設けられている位置から通路71Bの下流側に流下する。
通過口72,73を通過し誘導樋73A(図174において図示せず)によって導かれた遊技球は、図174(A)に示すように、特定入賞口66に至る通路73Bを通って、特定領域に到達することが可能である。通路73Bは、中途から、上方が開放している開放部(樋状通路)になっている。通路73Bの開放部は湾曲し、開放部の始まり部分における湾曲の内側には壁が存在しない。図174(B)に示すように、可動部77Aは、動作時(下位置にあるとき)に通路73Bの開放部の始まり部分において通路73Bの下流への遊技球の通過を阻止し、遊技球を、内壁が存在しない部分から、特定領域に到達不能な通路であるはずれ通路73Cに導く。図174(A)に示すように、可動部78Aが上位置にあるときには、遊技球は、可動部78Aに阻止されず、遠心力によって湾曲の外側の壁に沿うように通路73Bを流れるので、可動部78Aが設けられている位置から通路73Bの下流側に流下する。
通路73Bは、途中穴74に至る。回転体86は、途中穴74の下部に設けられている。途中穴74を通過した遊技球は、回転体86の側に流下する。
図175(A)に示すように、途中穴74を通過した遊技球は、通路74Bを通って特定領域の側に流下する。通路74Bは、回転体86の上部において、通過口71からの経路である通路71Bと合流する。
なお、この実施の形態では、通過口72を通った遊技球と通過口73を通った遊技球とは誘導樋73Aで合流するが、通過口72を通った遊技球と、通過口73を通った遊技球とを合流させず、通過口72から途中穴74に直接到達するような球通路を設けてもよい。
図175(B)に示すように、特定入賞口66に入賞し特定領域スイッチ66aで検出された遊技球は、さらに役物排出スイッチ85aで検出される。なお、特定入賞口66に入賞しなかった遊技球も、役物排出スイッチ85aで検出される。つまり、この実施の形態では、役物20に進入した全ての遊技球は、役物排出スイッチ85aで検出される。なお、特定入賞口66に入賞した遊技球は役物排出スイッチ85aで検出されず、特定入賞口66に入賞しなかった遊技球のみが役物排出スイッチ85aで検出されるように、球経路を構成してもよい。その場合には、特定領域スイッチ66aで検出された遊技球の数と役物排出スイッチ85aで検出された遊技球の数との和が、役物20から排出された遊技球の数になる。
図176(A)に示すように、はずれ通路71C,73Cを通った遊技球は、特定入賞口66の直上の近傍に形成されているはずれ口67,68から、特定入賞口66を通らない経路に誘導される。
また、図178に示すように、回転体86の表面には複数の凹部86Cが形成され、回転体86の一部には、切り欠き部86Aが設けられている。図178に示す例では、7個の凹部86Cが設けられている。途中穴74から通路74Bに入った遊技球および通路71Bを通過した遊技球は回転体86に至るが、回転体86の切り欠き部86Aのみから、特定入賞口66に入賞可能である。回転体86における枠領域(ドーナツ部)の表面に形成されている凹部86Cに入った遊技球は、回転体86によって移動され、はずれ口69から、特定入賞口66を通らない経路に誘導される。なお、凹部86Cは底面を有していない連通穴である。よって、凹部86Cに入った遊技球は下部に落下可能であるが、遊技球が入った凹部86Cがはずれ口69の位置に来るまでの間、回転体86の裏面の構造物によって落下は阻止されている。また、凹部86Cの外縁部の壁部によって、凹部86Cから特定入賞口66に向かって落下することも阻止されている。なお、1つの凹部86Cとそれに隣接する凹部86Cとの間(以下、「接続部」ともいう。)は連通穴ではないので、そこから遊技球が下部に落下することはない。
図177に破線矢印で示すように、回転体86は、回転体駆動モータ87(図178参照)の駆動によって回転(この例では、反時計回りに回転)する。回転体86の回転中に、切り欠き部86Aが特定入賞口66の直上に位置したときに回転体86に到達した遊技球は、直ちに特定入賞口66に入賞可能である。また、回転体86におけるドーナツ部の内側の領域(内部領域)は、平面状に形成された領域である。よって、回転体86に到達した遊技球は、内部領域で転動した後に、切り欠き部86Aまたは凹部86Cに入ることもある。
また、図178に示すように、回転体86の近傍には、位置検出のためのセンサが設けられている。センサは、例えば、回転体86を挟むように設置されている発光ダイオード等の発光素子とフォトダイオードやフォトトランジスタ等の受光素子とからなり、回転体86には穴部87cが設けられている。穴部87cは、回転体86の内部領域における所定位置に形成されている。具体的には、回転体86が回転して、穴部を含む領域がセンサ設置位置に対応する位置にくると発光素子からの光を受光素子側に通過させるような位置に形成されている。なお、受光素子を、以下、位置センサ87aという。
途中穴74を通過し通路74Bを通って回転体86に到達した遊技球は、切り欠き部86Aが特定入賞口66の直上に位置しているときには、ほぼ必ず切り欠き部86Aから落下して特定入賞口66に入賞する。しかし、通路71Bから遊技球が回転体86に到達した場合には、切り欠き部86Aが特定入賞口66の直上に位置しているときでも、切り欠き部86Aから落下せず、切り欠き部86Aを渡ってしまうことがある。途中穴74から回転体86へのルートである通路74Bは回転体86の表面に対して急傾斜し、かつ、回転体86に対して上部から流下するように形成されているのに対して、通路71Bは、回転体86に流入する直前において、回転体86の表面に対して横方向から流入するように形成されているからである。
よって、この実施の形態では、遊技球が中央の通過口72または右の通過口73を通過した場合には、遊技球が左の通過口71を通過した場合に比べて、高い確率でV入賞が生ずる。つまり、通過口72および通過口73からの右ルートは、通過口71からの左ルートに対して、遊技球を特定入賞口66に誘導しやすくなっている。また、通過口72から途中穴74に直接到達するような球通路を設けた場合には、遊技球が中央の通過口72を通過したときには、可動部77A,78Aによって阻止されることがないので、左右の通過口71,73を通過した場合に比べて、特定入賞口66に到達しやすい。
なお、この実施の形態では、第2大当り遊技状態において、遊技球が役物入賞スイッチで検出された場合に入賞が生じたとする。すなわち、3つの役物入賞スイッチ71a,72a,73aが設けられている領域が入賞領域に相当する。しかし、可変入賞球装置20の内部において役物入賞スイッチとは別に遊技球を検出するスイッチを設け、遊技球がそのスイッチで検出された場合に入賞が生じたとしてもよい。
図179は、この実施の形態の遊技機の遊技の進み方の一例を示す説明図である。図179に示すように、始動入賞口に遊技球が入賞していずれかの始動口スイッチ11a,12a,13aの検出信号がオン状態になると、すなわち始動入賞が生ずると、遊技の進行を制御する遊技制御手段によって抽選が実行される。この実施の形態では、抽選の結果は、大当りまたは小当りであって、はずれはない。そして、特別図柄および飾り図柄の変動(可変表示)が開始される。特別図柄および飾り図柄の変動が終了すると、大当りに決定されている場合には、遊技状態が大当り遊技状態(第1大当り遊技状態)に移行される。大当り遊技状態では、開閉板16による大入賞口(第1大入賞口)が16回(16ラウンド、1ラウンドの開放許容時間は29秒)開閉制御される。このように、なお、この実施の形態では、大当り遊技状態におけるラウンド数は16で一定あるが、ラウンド数(例えば、2ラウンド、7ラウンド、16ラウンドのいずれか)を抽選等によって決定するようにしてもよい。
小当りに決定されている場合には、遊技制御手段は、役物20を開放状態に制御して始動動作を開始させる。始動動作状態において、役物20は、0.9秒間開放状態になる。開放状態になる回数(開放回数)は、1回または2回である。始動動作状態において、遊技球が役物20に入賞し、さらに、遊技球が特定入賞口66に入賞して特定領域スイッチ66aで検出されるとV入賞が発生する。V入賞が発生すると、遊技状態が大当り遊技状態(第2大当り遊技状態)に移行される。V入賞が発生しなかった場合には、第2大当り遊技状態に移行しない。すなわち、はずれになる。
なお、この実施の形態では、第2大当り遊技状態では、全てのラウンドにおいて第1大入賞口が開閉制御される状態と、第1大入賞口が開閉制御されるラウンドと第2大入賞口が開閉制御されるラウンドとが混在する状態とがある。このように、次ラウンドの継続権が発生しやすい第1大入賞口によるラウンドと、次ラウンドの継続権が発生しにくい第2大入賞口によるラウンドとがあるので、遊技のバリエーションが増やされている。ただし、開閉板16による第1大入賞口と可変入賞球装置20による第2大入賞口との双方を備えることなく第2大入賞口のみを備えた遊技機でも、特別図柄の表示結果に応じて大当り遊技状態における大入賞口の開放回数を異ならせる本発明を適用することができる。
図180は、特別図柄および飾り図柄の変動と小当り遊技の開始とを説明するための説明図である。図180に示すように、「始動入賞」が生ずると、特別図柄表示器8において特別図柄の変動が行われ、それに同期して演出表示装置9において表示演出が行われる。変動時間が経過すると、特別図柄の停止図柄が導出表示され、停止図柄が大当り図柄でない場合には、役物20が開放(羽根開放)し小当り遊技が開始される。なお、以下に説明するように、特別図柄の変動に同期して演出表示装置9において飾り図柄の変動が行われるが、図180では、飾り図柄の変動は記載省略されている。
図181は、特別図柄および飾り図柄の変動と小当り遊技の開始および大当り遊技の開始とを説明するための説明図である。図181に示すように、「始動入賞」が生ずると、特別図柄表示器8において特別図柄の変動が行われ、それに同期して演出表示装置9において表示演出が行われる。なお、図181に示す例は、後述する変動パターン#7A〜#7Cが用いられる場合の例である。変動時間が経過すると、特別図柄の停止図柄が導出表示され、停止図柄が大当り図柄でない場合には、役物20が開放(羽根開放)し小当り遊技が開始される。停止図柄が大当り図柄(「3」または「7」)である場合には、大当り表示(「大当り」または「確変大当たり」)が行われ、大当たり遊技が開始される。その場合、小当り遊技8始動動作状態の遊技)は、実行されない。このように、この実施の形態では、特別図柄の停止図柄が特定の図柄になったときに発生する大当たり遊技状態(第1大当たり遊技状態)と、小当り遊技においてV入賞が生ずると発生する大当たり遊技状態(第2大当たり遊技状態)とがあるので、遊技者は、複数種類の大当たり遊技を享受することができる。なお、変動パターン#7A〜#7Cが用いられる場合には、変動時間が長いので、結果として小当りになる場合でも、遊技者に、変動時間が終了するまで、始動動作状態を経ない大当たりの発生を期待させることができる。このことは、変動パターン#8A〜#8C,#9A〜#9Cが用いられる場合も同様である。また、以下に説明するように、特別図柄の変動に同期して演出表示装置9において飾り図柄の変動が行われるが、図181では、飾り図柄の変動は記載省略されている。
図182は、演出表示装置9における変動後演出(特別図柄の変動終了と小当り遊技の開始までに実行される演出)等の画像表示例を示す説明図である。図182(A)は、小当り(役物1回開放)の表示演出の一例を示す説明図であり、図182(B)は、小当り(役物2回開放)の表示演出の一例を示す説明図である。また、図182(C)は、小当り(V入賞時3ラウンド又は7ラウンド)の表示演出の一例を示す説明図であり、図182(D)は、小当り(V入賞時11ラウンド)の表示演出の一例を示す説明図である。この実施の形態では、特別図柄の表示結果が小当りと決定された後から開放扉76A,76Bが開放するまでの所定の操作期間内に、操作部81の回転操作部812からの回転操作が行われたことにもとづいて、図182(A)〜(D)に示す表示画面が表示される。なお、操作部81の回転操作部812からの回転操作が行われなかった場合には、図181に示す変動パターン7Bで用いられる表示例に示すように、例えば、主人公のキャラクタが敵のキャラクタにバトルで負けて大当りにならかなったような態様の演出が継続して行われる。また、図182(E)は、小当り遊技においてV入賞が発生した場合の表示演出の一例を示す説明図である。図182(E)に例示する表示演出は、例えば小当り遊技中に実行される。なお、図182(A)〜(D)に例示する表示演出も、小当り遊技中に実行されるようにしてもよい。
なお、図182(A)〜(D)には静止画像が例示されているが、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出表示装置9に、変動後演出期間において、図182(A)〜(D)のそれぞれに例示されている画像の内容が変化していく画像(例えば、花びらが徐々に落下したり移動したりするような画像)を順次表示させるように制御する。また、演出表示装置9に変動後演出の表示がなされることに同期して、発光体やスピーカ27でも変動後演出を行わせる。
図183は、特別図柄の停止図柄と当りの種類との関係を示す説明図である。図183に示すように、特別図柄の停止図柄には大当り図柄(この例では、「3」または「7」)と小当り図柄(この例では、「3」および「7」以外)とがある。また、図183に示すように、この実施の形態では、大当り図柄が「3」であるか「7」であるかによって、通常大当りまたは確変大当りのいずれかに決定される。また、図183に示すように、この実施の形態では、小当り図柄によって、小当り1〜小当り8の8種類の小当りがある。図183に示すように、小当り図柄と第2大当り遊技状態におけるラウンド数とは対応している。また、小当り図柄と始動動作状態における役物20の開放回数は対応している。よって、小当り遊技においてV入賞が生ずる前の段階で遊技者の有利不利(開放回数)に関わる表示がなされ、特定入賞口66に遊技球が入賞するか否かに遊技者の興味を引きつけることができる。なお、この実施の形態では、ラウンド数は小当り図柄の種類で決まるが、小当り図柄の種類の種類に加えて、通過口71,72,73のいずれを遊技球が通過したかによって、決定されるラウンド数の範囲や種類、ラウンドの振り分け割合を異ならせるようにしてもよい。
また、役物20は、始動動作状態および大当り遊技状態においてのみ開放状態に制御される。従って、それらの状態以外の遊技状態では、遊技球は役物に入賞しない。よって、それらの状態以外の遊技状態で役物の内部において入賞が検出されたということは、その入賞は正規の入賞でない(異常入賞である)ことになる。そこで、この実施の形態では、異常入賞が生じた場合には、その旨の報知を行うとともに、その入賞にもとづく賞球払出を行わないようにする。よって、役物20を備えた遊技機において、不正行為を発見しやすくなっている。また、不正行為に基づく賞球払出を防止することが可能になる。
次に、遊技機における制御手段等の構成および動作を説明する。
図184は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図184には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数を発生する乱数回路503が内蔵されている。乱数回路503は、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されるのではなく、主基板31において、遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部に設けられていてもよい。
RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12a、第3始動口スイッチ13a、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a、第3役物入賞スイッチ73a、特定領域スイッチ66a、役物排出スイッチ85a、入賞口スイッチ38a,39a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、および位置センサ87aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するためのソレノイド15a、開閉板16を開閉するためのソレノイド21、開閉扉76A,76Bを開閉させる開閉モータ75、可動部77Aを動作させる可動部駆動ソレノイド77B、可動部78Aを動作させる可動部駆動ソレノイド78Bを遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板177を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の表示制御、ランプの点灯制御およびスピーカ27の制御を行う。
図185は、中継基板177、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図185に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板177を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103aを介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、演出表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板177から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板177への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
さらに、中継基板177には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路177Aが搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図185には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板177から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板177からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図184に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ(図示せず)に供給する。また、ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して第1押圧操作部ランプ82a〜第8押圧操作部ランプ82h、操作部中央ランプ82A、第1回転操作部ランプ82i〜第4回転操作部ランプ82lなどの操作部81に設けられている各ランプに供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用CPU101とランプドライバ基板35および音声出力基板70との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄、背景図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
また、演出制御用CPU101は、入力ポート103bを介して操作部81からの検出信号を入力する。具体的には、演出制御用CPU101は、入力ポート103bを介して、第1の実施の形態で示したような操作部81の押圧操作部811に設けられている第1押圧検出器81a〜第4押圧検出器81dからの検出信号を入力する。また、操作部81の回転操作部812に設けられている第1回転検出器81e、第2回転検出器81fからの検出信号を入力する。
次に、遊技機の動作について説明する。図186は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する処理も実行する。CPU56は、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。乱数回路503は、所定のクロック信号を用いて乱数を発生させる。一例として、乱数回路503は、CPU56から数値が読み出されるときに、0〜598の数値のいずれかの数値をCPU56に出力するように設定される。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15。S44,S45を含む。)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS15に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS10〜S12の処理によって、例えば、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値(例えば0)が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
さらに、CPU56は、異常報知禁止フラグをセットするとともに(ステップS44)、禁止期間タイマに禁止期間値に相当する値を設定する(ステップS45)。禁止期間値は、後述する異常入賞の報知を禁止する期間を示す値である。また、異常報知禁止フラグは、異常入賞の報知が禁止されていることを示すフラグであり、禁止期間タイマがタイムアウトするまでセット状態に維持される。よって、演出表示装置9において初期化報知が開始されてから所定期間は、異常入賞の報知の開始が禁止される。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、普通図柄の停止図柄を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄の表示結果を当り図柄とするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう。)において、普通図柄当り判定用乱数を発生するためのカウンタのカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図187に示すステップS20〜S35のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12a、第3始動口スイッチ13a、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a、第3役物入賞スイッチ73a、特定領域スイッチ66a、役物排出スイッチ85a、入賞口スイッチ38a,39a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、および位置センサ87aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS33,S34で設定された出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、CPU56は、正規の時期以外の時期において大入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合等に異常入賞の報知を行わせるための処理を行う(ステップS23:異常入賞報知処理)。具体的には、異常入賞報知処理において、第1大入賞口への異常入賞を検出すると、後述する第1異常入賞報知指定コマンド(図192参照)を送信する制御を行う。また、第2大入賞口への異常入賞を検出すると、後述する第2異常入賞報知指定コマンド(図192参照)を送信する制御を行う。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS24)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS25,S26)。
図188は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム2:特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
(2)ランダム3:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(3)ランダム4:ランダム3の初期値を決定する(ランダム3初期値決定用)
(4)ランダム5:普通図柄の停止図柄を決定する(普通図柄決定用)
なお、大当りにするのか小当りにするのかを決定するための大当り判定用乱数として、乱数回路503が生成する乱数が用いられる。以下、大当り判定用乱数を、ランダム1またはランダムRということがある。また、(1)〜(4)の乱数をソフトウェア乱数ということがある。
図187に示された遊技制御処理におけるステップS24では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(2)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、普通図柄当り判定用乱数が判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(4)の乱数以外のソフトウェア乱数も用いてもよい。
また、この実施の形態では、ハードウェア乱数であるランダム1(ランダムR)によって大当りまたは小当りを発生させるか否か決定することによって、特別図柄の停止図柄も決定されることになる。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて特別図柄表示器8、大入賞口(役物20および開閉板16による大入賞口)を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態および可変入賞球装置15の制御状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、CPU56は、演出表示装置9の表示制御に関する演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS29)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12a、第3始動口スイッチ13a、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a、第3役物入賞スイッチ73a、入賞口スイッチ38a,39a、およびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12a、第3始動口スイッチ13a、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72a、第3役物入賞スイッチ73a、入賞口スイッチ38a,39a、およびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートのRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS32:出力処理)。また、CPU56は、出力処理において、モータ22,24を駆動するための信号出力処理も行う。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、特別図柄の変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(ステップS35)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S34(ステップS30を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図189は、特別図柄の停止図柄と判定値との関係の一例を示す説明図である。ただし、図189には、具体的な判定値ではなく、判定値の個数が示されている。この実施の形態では、大当り判定用乱数(ランダムR)が取り得る数値の範囲は、0〜598であるとする。判定値の総数は、大当り判定用乱数が取り得る数である599個ある。また、599個の判定値は、それぞれが異なる数値である。CPU56は、所定の時期に、乱数回路503からカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数値とするのであるが、大当り判定用乱数値に一致する判定値に対応する大当りまたは小当りとすることに決定する。なお、小当り遊技(始動動作状態に相当。)においてV入賞が生ずると第2大当り遊技が開始されるので、大当りまたは小当りとすることに決定するということは、実質的に、第1大当りとするか第2大当りとするのかを決定するということでもある。
なお、大当りには、通常大当りと確変大当りとがある。いずれの場合も、特別図柄の変動が終了したら、始動動作状態を経ず、直接、16ラウンドの大当り遊技状態(第1大当り遊技状態)に移行するが、確変大当りの場合には、大当り遊技終了後に遊技状態が確変状態に移行する(図183参照)。
図189に示すように、この実施の形態では、複数種類の小当り(小当り1〜小当り8)がある。小当りには、始動動作状態において役物20を1回開放する小当りと、始動動作状態において役物20を2回開放する小当りとがある(図183および図189参照)。小当り種類と特別図柄の停止図柄とは対応している(図183および図189参照)。また、小当り遊技においてV入賞が生じたことを条件に開始される第2大当り遊技にも複数の種類がある。すなわち、ラウンド数が異なる第2大当り遊技がある。
また、図189に示すように、この実施の形態では、遊技状態が確変状態であるときには、通常状態(非確変状態)に比べて、大当りに対応する判定値の数が多い。すなわち、大当りになる確率が高められている。また、確変状態では、役物20が2回開放する小当りになる確率が高められている。この例では、確変状態では、役物20が2回開放する小当りに対応する判定値の数は、(停止図柄1に対応する80個+停止図柄4に対応する30個+停止図柄6に対応する125個+停止図柄8に対応する37個+停止図柄9に対応する90個)=362個であり、通常状態では、役物20が2回開放する小当りに対応する判定値の数は、(停止図柄1に対応する80個+停止図柄4に対応する125個+停止図柄6に対応する30個+停止図柄8に対応する67個+停止図柄9に対応する42個)=344個である。さらに、確変状態では、ラウンド数が多い第2大当り遊技が選択される確率が高められている。また、確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間が高められる。さらに、可変入賞球装置15の開放回数として、多い開放回数が選択される確率が高められる。つまり、V入賞したことを条件に大当り遊技が開始される小当りについて、大当り遊技における開放回数が多いものに対応した判定値の数が多い。このように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、判定値の数を異ならせることによって、確変状態での大当り遊技状態における可変入賞球装置(例えば、役物20)の開放回数の選択割合を、通常状態(非確変状態)での大当り遊技状態における可変入賞球装置の開放回数の選択割合と変えることができる。なお、確変状態では、ラウンド数が多い第2大当り遊技が選択される確率を、通常状態における確率よりも低くするようにしてもよい。
図190は、変動パターンと判定値との関係の一例を示す説明図である。ただし、図190には、具体的な判定値ではなく、判定値の個数が示されている。判定値の総数は、変動パターン決定用乱数が取り得る数である150個ある。また、150個の判定値は、それぞれが異なる数値である。CPU56は、所定の時期に、変動パターン決定用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を抽出して抽出値を変動パターン決定用乱数とするのであるが、変動パターン決定用乱数値に一致する判定値に対応する変動パターンを使用することに決定する。すなわち、変動パターン決定用乱数にもとづいて変動時間を選択する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、決定した特別図柄の停止図柄の種類に応じて、変動パターンを決定する。
図191は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS27)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8および大入賞口を制御するための処理が実行される。
CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている始動入賞口に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ(第1始動口スイッチ11a、第2始動口スイッチ12aまたは第3始動口スイッチ13a)がオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS321)、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS322)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数(始動入賞記憶数)を確認する。保留記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。保留記憶数が0でない場合には、大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値(この例では1)に更新する。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果が導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測するための変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄変動中処理(ステップS302)に対応した値(この例では2)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄停止処理(ステップS303)に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。特別図柄表示器8における可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を大入賞口開放前処理(ステップS307)に対応した値(この例では7)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を役物開放前処理(ステップS304)に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
役物開放前処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動動作を行わせるための処理を実行して、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を、役物開放中処理(ステップS305)に応じた値(この例では5)に更新する。
役物開放中処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。特定領域スイッチ66aがオンしたか否か確認するとともに、役物開放時間が経過したか否か確認する。特定領域スイッチ66aがオンした場合には、V入賞フラグをセットする。役物開放時間が経過した場合には、役物を閉鎖状態にする。そして、役物開放回数カウンタの値を−1し、役物開放回数カウンタの値が0でなければ、再び始動動作を行わせるために役物を開放状態にする。役物開放回数カウンタの値が0であれば、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を役物閉鎖後処理(ステップS306)に対応した値(この例では6)に更新する。
役物閉鎖後処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。V入賞フラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を大入賞口開放前処理(ステップS307)に対応した値(この例では7)に更新する。V入賞フラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値(この例では0)に更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。第2大入賞口(すなわち役物20)または第1大入賞口(開閉板16による大入賞口)を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を、大入賞口開放中処理(ステップS308)に応じた値(この例では8)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立した場合には、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を、大入賞口閉鎖後処理(ステップS309)に応じた値(この例では9)に更新する。
大入賞口閉鎖後処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口から全ての遊技球が排出されたことを確認する処理等を行う。全ての遊技球が排出され、かつ、まだ残りラウンドがあって大当り遊技の継続条件(V入賞があったこと)が成立している場合には、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を大入賞口開放前処理(ステップS307)に対応した値(この例では7)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合、または大当り遊技の継続条件が成立しなかった場合には、内部状態を大当り終了処理(ステップS310)に対応した値(この例では10)に更新する。
大当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を特別図柄通常処理(ステップS300)に応じた値(この例では0)に更新する。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対する制御コマンドの送出方式について説明する。この実施の形態では、第2の実施の形態で示した図107と同様に、演出制御コマンドは、演出制御信号CD0〜CD7の8本の信号線で主基板31から中継基板177を介して演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
また、第2の実施の形態で示した図108と同様に、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機となる信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は、第2の実施の形態の図108に示された極性と逆極性であってもよい。
図192は、演出制御用マイクロコンピュータ100に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図192に示す例において、コマンド8001(H)〜800F(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターン#1〜#6,#7A〜#9Cに対応)。コマンド8001(H)〜8006(H)は、変動パターン#1〜#6に対応し、コマンド8007(H)〜800F(H)は、変動パターン#7A,#7B,#7C,#8A,#8B,#8C,#9A,#9B,#9Cに対応する。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8001(H)〜800F(H)のいずれかを受信すると、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8CXX(H)(XX=0〜9)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を特定可能な演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、XXとして設定されるデータは、特別図柄の停止図柄を示すデータである。
コマンド8DXX(H)(XX=0〜8)は、小当りの種類を指定する演出制御コマンド(小当り種類指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、XXとして設定されるデータは、小当り1〜小当り8のいずれの小当りであるかを示すデータである。すなわち、コマンド8D01(H)は小当り1を指定する演出制御コマンドであり、コマンド8D02(H)は小当り2を指定する演出制御コマンドであり、コマンド8D03(H)は小当り3を指定する演出制御コマンドであり、コマンド8D04(H)は小当り4を指定する演出制御コマンドであり、コマンド8D05(H)は小当り5を指定する演出制御コマンドであり、コマンド8D06(H)は小当り6を指定する演出制御コマンドであり、コマンド8D07(H)は小当り7を指定する演出制御コマンドであり、コマンド8D08(H)は小当り8を指定する演出制御コマンドである。
コマンド8F00(H)は、特別図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。なお、導出表示とは、図柄を最終的に停止表示させることである。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001(H)は、大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。コマンドA002(H)は、小当り遊技(始動動作状態)の開始を指定する演出制御コマンド(小当り開始指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、小当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り終了指定コマンド)である。ただし、小当り終了指定コマンドは、小当り遊技(始動動作状態)においてV入賞しなかった場合に送信される。V入賞した場合には、大当り開始指定コマンドが送信される。
コマンドB001(H)は、遊技状態が確変状態になったことを示す演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態から通常状態(非確変状態)に戻ったことを示す演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。
コマンドD001(H)は、第1大入賞口(下アタッカー)への異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(第1異常入賞指定コマンド)である。コマンドD002(H)は、役物(可変入賞球装置)20への異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(第2異常入賞指定コマンド)である。コマンドD004(H)は、第3始動入賞口(普通電動役物)15への異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(始動入賞異常指定コマンド)である。
コマンドE001(H)は、始動入賞が生じたことを示す演出制御コマンド(始動入賞指定コマンド)である。なお、始動入賞が生じたことを示す演出制御コマンドを、保留記憶数そのものを示す演出制御コマンドにしてもよい。
コマンドE1XX(H)は、時短状態における特別図柄の変動可能回数(残り回数)を示す演出制御コマンド(時短回数指定コマンド)である。なお、時短状態における特別図柄の変動に関わる演出制御コマンドとして、時短状態における特別図柄の変動の実行済み回数(演出制御コマンド送信時に実行される変動も含める。)を示す演出制御コマンドにしてもよい。この実施の形態では、時短状態とは、普通図柄の変動時間が短縮される遊技状態である。なお、遊技状態が確変状態であるときにも、普通図柄の変動時間が短縮される。
コマンドE401(H)は、役物20への入賞が生じたことを示す演出制御コマンド(役物入賞指定コマンド)である。コマンドE402(H)は、特定入賞口66への入賞が生じたことを示す演出制御コマンド(V入賞指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図192に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更するとともに、ランプ等の発光体の表示状態を変更し、音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
図193は、ステップS322の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、保留記憶数が上限値である4になっているか否か確認する(ステップS41)。保留記憶数が4になっている場合には、処理を終了する。
保留記憶数が4になっていない場合には、保留記憶数を示す保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS42)。また、CPU56は、乱数を生成するためのカウンタからカウント値を読み出してソフトウェア乱数を抽出するとともに、乱数回路503のカウント値を読み出してランダムR(乱数回路503が生成する大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS43)。ステップ43では、CPU56は、ソフトウェア乱数としてランダム2(図188参照)の値(変動パターン用乱数を生成するためのカウンタの値)を抽出する。また、保留記憶バッファにおいて、保存領域は、保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、変動パターン用乱数を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
また、特別図柄保留記憶表示器18の表示を、保留記憶数カウンタの値を示す表示に変更する(ステップS44)。さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100に、始動入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS45)。具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において演出制御コマンドを送信する(他の演出制御コマンドについても同様)。
図194および図195は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理が実行される状態は、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合である。なお、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示がなされていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態である。
特別図柄通常処理において、CPU56は、保留記憶数を確認する(ステップS51)。具体的には、保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。保留記憶数が0であれば処理を終了する。
保留記憶数が0でなければ、RAM55の保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS52)、保留記憶数の値を1減らし(保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS53)。すなわち、RAM55の保留記憶数バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数(ランダムR)を読み出し(ステップS61)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS62)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている判定値(図189参照)と大当り判定用乱数とを比較し、大当りとするか小当りとするかを決定する処理を実行するプログラムである。なお、大当りとするか小当りとするかを決定するということは、第1大当り遊技状態または始動動作状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器8における停止図柄(表示結果)を決定するということでもある。
通常大当りとすることに決定したときには(ステップS63)、CPU56は、大当りフラグをセットする(ステップS71)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS69)。また、確変大当りとすることに決定したときには(ステップS72)、CPU56は、大当りフラグおよび確変大当りフラグをセットする(ステップS73,S74)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS69)。
大当りとすることに決定しなかった場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされている場合には、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1するとともに(ステップS64,S65)、演出制御用マイクロコンピュータ100に時短回数指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS66)。そして、時短回数カウンタの値が0になった場合には、可変表示が終了したときに遊技状態を非時短状態に移行させるために時短終了フラグをセットする(ステップS67,S68)。そして、ステップS69に移行する。
なお、この実施の形態では、大当りとしないことに決定した場合には、小当りとすることに決定される(図189参照)。すなわち、CPU56は、大当りとするか否かの抽選において、はずれに決定することはない。
図196は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、乱数バッファ領域から変動パターン決定用乱数を読み出す(ステップS90)。そして、変動パターン決定用乱数にもとづいて変動パターンテーブルから変動パターンを選択する(ステップS91)。変動パターンテーブルとは、図190に示されたような、変動パターンと対応させて判定値が設定されているROM54の領域である。
さらに、CPU56は、ステップS91で選択した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS92)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に表示結果指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS93)。
また、特別図柄の変動を開始する(ステップS94)。例えば、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、ステップS91の処理で選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS95)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS96)。
図197は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS121)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS122)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS123)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図198は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、特別図柄の停止図柄を既に導出表示しているか否か確認する(ステップS130)。停止図柄を既に導出表示している場合には、演出時間タイマがタイムアウトしていれば(値が0になっていれば)、特別図柄プロセスフラグの値を役物開放前処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS146,S145)。演出時間タイマがタイムアウトしていない場合には、演出時間タイマの値を−1する(ステップS147)。なお、特別図柄の停止図柄を既に導出表示しているか否かは、例えば、ステップS131の処理の実行時にフラグをセットし、ステップS130の処理でそのフラグがセットされているか否かによって確認される。
特別図柄の停止図柄を導出表示していない場合は、CPU56は、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、特別図柄表示器8に停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。また、図柄確定指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS132)。
大当りフラグがセットされている場合(特別図柄表示器8には特定表示結果としての3または7が導出表示されている。)には、CPU56は、大当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS133,S134)。また、開放回数カウンタに大当り遊技における大入賞口開放可能回数である開放回数(ラウンド数)をセットし(ステップS135)、ラウンド開始前タイマにラウンド開始前時間(新たなラウンドが開始されることを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS136)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開始前処理(ステップS307)に対応した値に更新する(ステップS137)。なお、開放回数カウンタに設定されるラウンド数は、第1大当りのラウンド数である16ラウンド(16R)に相当する16である。
大当りフラグがセットされていない場合(ステップS133のN。すなわち、小当りであった場合)には、CPU56は、特別図柄の停止図柄に対応する種類の小当りを指定する小当り種類指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS140A)。また、CPU56は、小当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS140B)。また、RAM55に形成されている演出時間タイマに演出時間(この実施の形態では、3秒または6秒)を設定する(ステップS141)。演出時間とは、演出制御用マイクロコンピュータ100が変動停止後の演出を実行している期間に相当する時間である。また、時短終了フラグがセットされている場合には、時短終了フラグをリセットするとともに、時短フラグをリセットする(ステップS142,S143,S144)。
図199は、役物開放前処理(ステップS304)を示すフローチャートである。役物開放前処理において、CPU56は、始動動作における可変入賞球装置20(役物)の開放回数を示す役物開放回数カウンタに1または2を設定し(ステップS411)、役物の開放時間を示す役物開放時間タイマに開放時間(例えば0.9秒)に相当する値を設定する(ステップS412)。なお、役物開放回数カウンタに設定される値は、ステップS62の処理で決定された特別図柄の停止図柄に対応する値(図189参照)である。そして、役物20を開放状態にする(ステップS413)。具体的には、開閉扉76A,76Bを駆動する開閉モータ75の駆動を開始して、役物(可変入賞球装置)20を開放状態にさせる。また、役物20の内部に進入した遊技球を計数する役物内遊技球個数カウンタをクリア(0に初期化)し(ステップS414)、特別図柄プロセスフラグの値を、役物開放中処理(ステップS305)に応じた値に更新する(ステップS415)。
図200は、役物開放中処理(ステップS305)を示すフローチャートである。役物開放中処理において、CPU56は、役物開放時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS420)。タイムアウトしていれば、役物開放回数カウンタの値が0になっているか否か(始動動作状態における最終回の開放が既に終了しているか否か)確認する(ステップS420A)。役物開放回数カウンタの値が0になっている場合には、ステップS434に移行する。役物開放回数カウンタの値が0になっていない場合には、役物開放回数カウンタの値を−1する(ステップS420B)。そして、役物開放回数カウンタの値が0になったか否か確認する(ステップS420C)。そして、役物開放回数カウンタの値が0になったか否か確認する(ステップS420C)。役物開放回数カウンタの値が0になった場合、すなわち、始動動作の終了条件が成立した場合には、ステップS434に移行する。役物開放回数カウンタの値が0になっていない場合には、CPU56は、役物を再度開放するための制御を行う。すなわち、役物開放時間タイマに開放時間(例えば0.9秒)に相当する値を設定する(ステップS420D)。さらに、役物20を開放状態に制御する(ステップS420E)。
ステップS434では、役物内遊技球個数カウンタの値が0になっているか否か確認する。役物内遊技球個数カウンタの値が0になっていない場合には、ステップS424に移行する。役物内遊技球個数カウンタの値が0になった場合には、特別図柄プロセスフラグの値を、役物閉鎖後処理(ステップS306)に応じた値に更新する(ステップS435)。
以上のように、CPU56は、最終回の開放についての役物開放時間(0.9秒)が経過した後、役物内遊技球個数カウンタの値が0になったときに、すなわち全ての遊技球が役物20から排出されたときに、特別図柄プロセスフラグの値を役物閉鎖後処理に応じた値に更新する(ステップSS420,S420A,S420C,S434,S435)。つまり、役物開放中処理において、全ての遊技球が役物20から排出されたことを条件に、遊技状態(この場合には、特別図柄プロセスフラグの値)を変化させる。なお、役物閉鎖後処理において、V入賞が生じなかったことを条件に特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に応じた値に更新する(図203におけるステップS454,S468参照)。
役物開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、役物開放時間タイマの値を−1する(ステップS421)。そして、CPU56は、役物開放時間タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS422)。タイムアウトしていれば、役物20を閉鎖状態に制御する(ステップS432)。具体的には、開閉扉76A,76Bを閉鎖する方向に開閉モータ75を回転させる。また、回転体86を初期位置で停止させるとともに、可動部材77,78における可動部77A,78Aを初期位置(遊技球を阻止しない位置)で停止させる(ステップS433)。
なお、回転体86の初期位置は、位置センサ87aが検出信号を出力したときの回転体86の位置である。つまり、回転体86に設けられている穴部87cがセンサ設置位置に対応する位置にきたときの回転体86の位置である。従って、CPU56は、実際には、ステップS431において、位置センサ87aが検出信号を出力したときに、回転体駆動モータ87の駆動を停止する。また、可動部駆動ソレノイド77B,78Bの駆動を停止することによって、可動部77A,78Aを初期位置に戻す。
役物開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、回転体・可動部制御を実行する(ステップS423)。また、第1役物入賞スイッチ71a、第2役物入賞スイッチ72aまたは第3役物入賞スイッチ73aがオンしたら、すなわち役物に入賞した遊技球を検出したら(ステップS424)、役物内遊技球個数カウンタの値を+1するとともに(ステップS425)、演出制御用マイクロコンピュータ100に役物入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS426)。また、役物排出スイッチ85aがオンしたら、すなわち役物から排出された遊技球を検出したら(ステップS427)、役物内遊技球個数カウンタの値を−1する(ステップS428)。
遊技球が特定入賞口66に進入したことを示す特定領域スイッチ66aがオンしたら(ステップS429)、V入賞フラグをセットするとともに(ステップS430)、演出制御用マイクロコンピュータ100にV入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS431)。
図201は、回転体・可動部制御を示すフローチャートである。回転体・可動部制御において、CPUは、回転体86および可動部77A,78Aが動作中(回転体・可動部動作中)であるか否か確認する(ステップS435)。動作中でなければ、役物20が開放したか否か確認する(ステップS436)。オンしたら、回転体86の駆動を開始する(ステップS437)。すなわち、回転体駆動モータ87を回転させる。また、可動部77A,78Aの駆動を開始する(ステップS438)。すなわち、可動部駆動ソレノイド77B,78Bの駆動を開始する。なお、ステップS437,S438の処理を実行すると、CPU56は、回転体・可動部動作中であることを示す内部フラグをセットする。また、役物20が開放したか否かは、例えば、ステップS413の処理の実行時にフラグをセットし、ステップS436の処理でそのフラグがセットされているか否かによって確認される。
図202は、役物20の1回の開放における回転体86および可動部77A,78Aの動作例を示すタイミング図である。図202に示すように、回転体86は、0.9秒+αの時間だけ定速回転する。αは、役物20の開放開始時点より0.9秒が経過したときから、役物20に進入した全ての遊技球が排出されるときまでの期間である。
また、この実施の形態では、いずれの種類の小当りとなったことにもとづいて役物20が開放状態に制御されたかに応じて、役物20の開放扉76A,76Bの開放と可動部77A,78Aの動作との相対的なタイミングが異なる。
この実施の形態では、小当り1、小当り3、小当り5または小当り7となったことにもとづいて役物20が開放状態に制御された場合には、図202(A)に示すように、可動部77Aを動作させる可動部駆動ソレノイド77Bは、回転体・可動部動作中になったときから0.4秒が経過するまで駆動されて遊技球の通過を阻止する位置に設定される。次いで、0.2秒間だけ駆動が停止されて遊技球の通過を許容する位置に設定される。その後、再び、遊技球の通過を阻止する位置に設定される。また、可動部78Aは、回転体・可動部動作中になったときから0.1秒が経過するまで駆動されて遊技球の通過を阻止する位置に設定される。次いで、0.7秒間だけ駆動が停止されて遊技球の通過を許容する位置に設定される。その後、再び、遊技球の通過を阻止する位置に設定される。
また、小当り2、小当り4、小当り6または小当り8となったことにもとづいて役物20が開放状態に制御された場合には、図202(B)に示すように、可動部77Aを動作させる可動部駆動ソレノイド77Bは、回転体・可動部動作中になったときから0.1秒が経過するまで駆動されて遊技球の通過を阻止する位置に設定される。次いで、0.7秒間だけ駆動が停止されて遊技球の通過を許容する位置に設定される。その後、再び、遊技球の通過を阻止する位置に設定される。また、可動部78Aは、回転体・可動部動作中になったときから0.4秒が経過するまで駆動されて遊技球の通過を阻止する位置に設定される。次いで、0.2秒間だけ駆動が停止されて遊技球の通過を許容する位置に設定される。その後、再び、遊技球の通過を阻止する位置に設定される。
従って、CPU56は、回転体・可動部動作中である場合には、小当り1、小当り3、小当り5または小当り7のときには、回転体・可動部動作中になったときから0.4秒が経過すると、0.2秒間だけ可動部駆動ソレノイド77Bの駆動を停止させ、回転体・可動部動作中になったときから0.1秒が経過すると、0.7秒間だけ可動部駆動ソレノイド78Bの駆動を停止させる。また、小当り2、小当り4、小当り6または小当り8のときには、回転体・可動部動作中になったときから0.1秒が経過すると、0.7秒間だけ可動部駆動ソレノイド77Bの駆動を停止させ、回転体・可動部動作中になったときから0.4秒が経過すると、0.2秒間だけ可動部駆動ソレノイド78Bの駆動を停止させる(ステップS439)。
なお、具体的には、CPU56は、回転体・可動部動作中である場合には、小当り1、小当り3、小当り5または小当り7のときには、回転体・可動部動作中になったときに、値を減算していく第1タイマに0.4秒に相当する値をセットし、値を減算していく第2タイマに0.1秒に相当する値をセットする。そして、第1タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド77Bの駆動を停止するとともに第1タイマに0.2秒に相当する値をセットし、第2タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド78Bの駆動を停止するとともに第2タイマに0.7秒に相当する値をセットする。その後、第1タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド77Bの駆動を再開させ、第2タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド78Bの駆動を再開させる。
また、小当り2、小当り4、小当り6または小当り8のときには、回転体・可動部動作中になったときに、値を減算していく第1タイマに0.1秒に相当する値をセットし、値を減算していく第2タイマに0.4秒に相当する値をセットする。そして、第1タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド77Bの駆動を停止するとともに第1タイマに0.7秒に相当する値をセットし、第2タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド78Bの駆動を停止するとともに第2タイマに0.2秒に相当する値をセットする。その後、第1タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド77Bの駆動を再開させ、第2タイマがタイムアウトしたら可動部駆動ソレノイド78Bの駆動を再開させる。
図203は、役物閉鎖後処理(ステップS307)を示すフローチャートである。役物閉鎖後処理において、CPU56は、V入賞フラグがセットされているか否か確認する(ステップS454)。V入賞フラグがセットされている場合には、V入賞フラグをリセットし(ステップS455)、開放回数カウンタに第2大当り遊技における大入賞口開放可能回数である開放回数(ラウンド数)をセットする(ステップS456)。なお、開放回数カウンタに設定されるラウンド数は、ステップS62の処理で決定された特別図柄の停止図柄に対応するラウンド数(図189参照)である。
さらに、ラウンド開始前タイマにラウンド開始前時間(新たなラウンドが開始されることを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS457)。また、大当りフラグをセットする(ステップS458)。
そして、CPU56は、大当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い(ステップS459)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS307)に対応した値に更新する(ステップS460)。
ステップS454の処理でV入賞フラグがセットされていないことを確認した場合には、CPU56は、小当り終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い(ステップS461)、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(ステップS300)に応じた値に更新する(ステップS462)。
図204は、大当り遊技(第1大当り遊技および第2大当り遊技)における各ラウンドの前に実行される大入賞口開放前処理(ステップS308)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口開放時表示コマンドを送信していなければ大入賞口開放時表示コマンドを送信する制御を行う(ステップS470,S471)。また、ラウンド開始前タイマの値を−1する(ステップS472)。ラウンド開始前タイマがタイムアウト(ラウンド開始前タイマの値が0)したら(ステップS473)、入賞個数カウンタを初期化する(ステップS474)。すなわち、入賞個数カウンタの値を0にする。
そして、開放時間タイマに開放時間(例えば、29秒)に相当する値を設定する(ステップS475)。さらに、大入賞口(役物)を開放状態に制御する。具体的には、第1大入賞口(開閉板16による大入賞口)を開放するラウンドでは、ソレノイド21を駆動して開閉板16を開状態にする(ステップS476,S477)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放中処理(ステップS309)に応じた値に更新する(ステップS478)。また、第2大入賞口(役物20)を開放するラウンドでは、開閉モータ75を駆動して開放扉76A,76Bを開放状態にする(ステップS476,S479)。また、役物20に入賞した遊技球を計数する役物内遊技球個数カウンタをクリア(0に初期化)し(ステップS480)、ステップS478に移行する。
図205は、第2大当り遊技状態における第1大入賞口を開放するラウンドを示す説明図である。CPU56は、図205に示すように、既に決定されている特別図柄の停止図柄の対応して、第2大当り遊技状態における第1大入賞口を開放するラウンドを決定する。なお、第1大当りにすることに決定されている場合(この例では、特別図柄の停止図柄が「3」または「7」に決定されている場合)には、全てのラウンドにおいて第1大入賞口が開放される。また、特別図柄の停止図柄が「8」または「9」である場合には、図205に示すように、小当り遊技が終了した後に実行される第2大当り遊技において、全てのラウンドにおいて第1大入賞口が開放される。
図206および図207は、大入賞口開放中処理(ステップS309)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、第1大入賞口の開放中であるか否か確認する(ステップS480)。第1大入賞口を開放していたときには、ステップS481Bに移行する。
第1大入賞口を開放していないとき(第2大入賞口を開放していたとき)には、開放時間タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS481A)。開放時間タイマがタイムアウトしていたら、ステップS497に移行する。開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、入賞個数カウンタの値が10になったか否か確認する(ステップS482A)。入賞個数カウンタの値が10になった場合には、ステップS497に移行する。入賞個数カウンタの値が10になっていない場合には、開放時間タイマの値を−1する(ステップS483A)。開放時間タイマの値が0になっていたら、すなわち、開放時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS484)、役物20を閉鎖状態に制御する(ステップS495)。具体的には、開閉扉76A,76Bを閉鎖する方向に開閉モータ75を回転させる。また、回転体86を初期位置で停止させるとともに、可動部材77,78における可動部77A,78Aを初期位置(遊技球を阻止しない位置)で停止させる(ステップS496)。
開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、CPU56は、回転体・可動部制御を実行する(ステップS485)。回転体・可動部制御は、図201に示された処理と同様である。ただし、ここでは、第2大入賞口を閉鎖して役物20から遊技球が排出されるまで、回転体86の定速回転を継続させる。また、可動部77A,78Aについては、第2大入賞口を閉鎖するまで、0.9秒ごとに、ステップS439の処理(図201参照)を繰り返す。
また、役物入賞スイッチがオンしたら、すなわち大入賞口(役物20)に入賞した遊技球を検出したら(ステップS486)、役物内遊技球個数カウンタの値を+1し(ステップS487)、入賞個数カウンタの値を+1するとともに(ステップS488)、演出制御用マイクロコンピュータ100に役物入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS489)。また、役物排出スイッチ85aがオンしたら、すなわち大入賞口から排出された遊技球を検出したら(ステップS490)、役物内遊技球個数カウンタの値を−1する(ステップS491)。また、遊技球が特定入賞口66に入賞したことを示す特定領域スイッチ66aがオンしたら(ステップS492A)、V入賞フラグをセットするとともに(ステップS493A)、演出制御用マイクロコンピュータ100にV入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS494)。
ステップS497では、CPU56は、役物内遊技球個数カウンタの値が0になっているか否か確認する。役物内遊技球個数カウンタの値が0になっていない場合には、ステップS486に移行する。役物内遊技球個数カウンタの値が0になっている場合には、ステップS499に移行する。
ステップS481Bでは、CPU56は、開放時間タイマがタイムアウトしたか否か確認する。開放時間タイマがタイムアウトしていたら、ステップS498に移行する。開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、入賞個数カウンタの値が10になったか否か確認する(ステップS482B)。入賞個数カウンタの値が10になった場合には、ステップS498に移行する。入賞個数カウンタの値が10になっていない場合には、開放時間タイマの値を−1する(ステップS483B)。また、V入賞スイッチ22がオンしたらV入賞フラグをセットする(ステップS492B,S493B)。また、カウントスイッチ23がオンしたら、すなわち第1大入賞口に入賞した遊技球を検出したら、入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS486B,S488B)。
ステップS498では、CPU56は、ラウンドを終了させるための処理を行う。具体的には、ソレノイド21の駆動を停止して開閉板16を閉状態にする。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100に大入賞口開放後表示コマンドを送信する制御を行い(ステップS499)、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口閉鎖後処理(ステップS309)に応じた値に更新する(ステップS500)。
図208は、大入賞口閉鎖後処理(ステップS309)を示すフローチャートである。大入賞口閉鎖後処理において、CPU56は、開放回数カウンタの値を−1する(ステップS513)。開放回数カウンタの値が0になっていない場合には、ステップS515に移行する(ステップS514)。開放回数カウンタの値が0になっている場合、すなわち、大当り遊技における全てのラウンドが終了している場合には、時短フラグをセットするとともに、時短回数カウンタに所定値(この例では20)をセットする(ステップS519,S520)。また、大当りフラグをリセットし(ステップS521)、特別図柄プロセスフラグの値を、大当り終了処理(ステップS310)に応じた値に更新する(ステップS522)。
この実施の形態では、大当り遊技が終了すると、時短状態(普通図柄の変動時間が短縮される状態)になるが、その状態は、時短回数カウンタにセットされた値が示す回数の特別図柄の変動が終了するまで継続する。なお、この実施の形態では、大当り遊技が終了すると常に時短状態に移行されるが、例えば、第1大当り遊技が終了したときにのみ、時短状態に移行するようにしてもよい。
ステップS515では、CPU56は、V入賞フラグがセットされているか否か確認し、V入賞フラグがセットされていない場合には、大当り遊技を終了させるためにステップS519に移行する。V入賞フラグがセットされている場合には、V入賞フラグをリセットし(ステップS516)、ラウンド開始前タイマにラウンド開始前時間(新たなラウンドが開始されることを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定して(ステップS517)、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放前処理(ステップS307)に応じた値に更新する(ステップS518)。
なお、この実施の形態では、V入賞フラグがセットされていることを条件に、すなわち特定入賞口66(入賞領域の一つ)に遊技球が入賞した(V入賞した)こと、および第1大入賞口内の特別領域(V入賞スイッチ22によって遊技球が検出される領域)に遊技球が入賞した(V入賞した)ことを条件に、次ラウンドに移行することになるが、V入賞したことを条件にしなくてもよい。その場合、常に最終ラウンドまで進むようにしてもよいし、あらかじめ決められたラウンドまではV入賞したか否かにかかわらず進むようにしてもよい。
図209は、大当り終了処理(ステップS310)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS531)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS534に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS532)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS533)、処理を終了する。
ステップS534では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS535)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(ステップS300)に応じた値に更新する(ステップS536)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。
図210は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
そして、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を実行する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。また、所定の乱数(例えば、停止図柄を決定するための乱数)を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。
さらに、演出表示装置9等の演出装置を用いて報知を行う報知制御処理を実行する(ステップS707)。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560から第1異常入賞報知指定コマンド(図192参照)を受信した場合には、第1大入賞口への異常入賞を報知する制御を行う。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560から第2異常入賞報知指定コマンド(図192参照)を受信した場合には、第2大入賞口への異常入賞を報知する制御を行う。その後、ステップS702に移行する。
また、この実施の形態では、第1の実施の形態で示した図45と同様に、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファとして、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図192参照)であるのか解析する。
図211および図212は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、その表示結果指定コマンドを、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。そして、表示結果指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS619)。
受信した演出制御コマンドが小当り種類指定コマンドであれば(ステップS620A)、演出制御用CPU101は、その小当り種類指定コマンドを、RAMに形成されている小当り種類指定コマンド格納領域に格納する(ステップS620B)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンドあれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。受信した演出制御コマンドが小当り開始指定コマンドあれば(ステップS625)、演出制御用CPU101は、小当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。
受信した演出制御コマンドが始動入賞指定コマンドあれば(ステップS627)、演出表示装置9の表示画面における保留記憶数表示領域に表示される保留記憶数を1増やすように、演出表示装置9の表示状態を変更する制御を行う(ステップS628)。また、受信した演出制御コマンドが時短回数指定コマンドあれば(ステップS629)、演出表示装置9の表示画面における時短回数表示領域に表示される時短回数を変更する制御を行う(ステップS630)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS632A)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。また、初期報知フラグをセットし(ステップS632B)、期間タイマに、初期報知期間値に相当する値を設定する(ステップS632C)。初期報知期間は、初期化指定コマンドの受信に応じて初期化報知を行っている期間である。演出制御用CPU101は、初期報知期間が経過すると、初期化報知を終了させる。なお、初期報知期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560がステップS45の処理で設定する禁止期間と同じである。よって、初期化報知が行われているときに、異常報知指定コマンド(第1異常報知指定コマンドまたは第2異常報知指定コマンド)を受信することはない。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行う(ステップS634)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。受信した演出制御コマンドが小当り終了指定コマンドであれば(ステップS643)、演出制御用CPU101は、小当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS644)。受信した演出制御コマンドが役物入賞指定コマンドであれば(ステップS649)、役物入賞指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS650)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS653)。そして、ステップS611に移行する。
図213は、演出表示装置9の表示画面の例を示す説明図である。図213に示す例では、表示画面には、飾り図柄表示領域9a、演出領域9b、保留記憶数表示領域9cおよび時短回数表示領域9dがある。なお、飾り図柄表示領域9aは固定的な領域でもよいが、例えば飾り図柄の変動とともに飾り図柄表示領域9aの位置や大きさを変化させるようにしてもよい。また、演出領域9bは、例えば飾り図柄の変動中にキャラクタ画像などが表示される領域であるが、他の領域(例えば、飾り図柄表示領域9a)と重複するようにしてもよい。また、保留記憶数表示領域9cには、例えば、保留記憶数に応じた数の表示がなされ、時短回数表示領域9dには、例えば、時短状態における特別図柄および飾り図柄の変動可能回数(残り回数)が数値で表示される。
図214は、図210に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S808のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、大当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に更新する。大当りとすることに決定されていない場合には、演出制御プロセスフラグの値を変動終了後演出処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
変動終了後演出処理(ステップS805):飾り図柄の変動終了後に、小当りの種類等を報知するための演出を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り遊技中処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
小当り遊技中処理(ステップS806):小当り遊技中の制御を行う。例えば、演出表示装置9において、小当り遊技に対応した表示演出を行う。そして、小当り終了指定コマンドを受信した場合には、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。そうでない場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS807):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、大当り終了指定コマンドを受信した場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS808)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(ステップS808):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
また、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、第1の実施の形態で示した図56と同様のプロセステーブルに設定されているデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様(所定時間毎の態様)を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、変動後演出等を構成する各演出態様(所定時間毎の演出態様)を示すデータ等が記載されている場合もある。プロセスタイマ設定値には、その変動態様または演出態様での演出が行われる時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動態様で飾り図柄を表示させたり、表示演出を行う制御を実行する。
また、プロセステーブルはROMに記憶されているが、変動時間に応じた変動パターン毎に、また、変動後演出の種類毎にプロセステーブルが用意されている。
図215は、図214に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図216は、図214に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを示すデータを読み出す(ステップS840)。また、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS841)。ステップS841では、受信した表示結果指定コマンドが大当り図柄を示している場合(この例では、表示結果指定コマンドの2バイト目が「3」または「7」)には、左中右が揃った飾り図柄の組合せ(大当り図柄)を停止図柄として決定する。受信した表示結果指定コマンドが小当り図柄を示している場合(この例では、表示結果指定コマンドの2バイト目が「3」および「7」以外)には、「345」の飾り図柄の組合せ(小当り図柄)を停止図柄として決定する。
なお、演出制御用CPU101は、大当り図柄を決定するときに、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、飾り図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、飾り図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する飾り図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。そして、表示結果指定コマンド受信フラグをリセットしておく(ステップS842)。
さらに、演出制御用CPU101は、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS843)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS844)。
そして、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知を行っていることを示す異常報知中フラグがセットされていないことを条件に、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ(発光体)および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS845A,S845B)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。なお、異常報知中フラグは、報知制御処理(ステップS707)において、異常報知中であることにもとづいてセットされる。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる飾り図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
異常報知中フラグがセットされている場合には、音番号データ1を除くプロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS845A,S845C)。つまり、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。
また、ステップS845Cの処理を行うときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データ1にもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。つまり、演出表示装置9におけるそのときの表示(異常入賞の報知がなされている。)と、飾り図柄の可変表示の表示演出の画像とが、同時に演出表示装置9において表示されるように制御する。すなわち、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた報知も継続される。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS846)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS847)。
図217は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS851)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS852)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS853)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS854)。また、異常報知中フラグがセットされていないことを条件に、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS855A,S855B)。
異常報知中フラグがセットされている場合には、プロセスデータi(iは2〜nのいずれか)の内容(ただし、音番号データiを除く。)に従って演出装置の制御を実行する(ステップS855A,S855C)。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の可変表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。
また、ステップS855Cの処理が行われるときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データiにもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた報知も継続される。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS856)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS858)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS857)、ステップS858に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、飾り図柄の変動を終了させることができる。
図218は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS861)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS862)、決定されている停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS863)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560から大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には(ステップS864)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に大当り表示(大当り遊技が開始されることを報知する表示)をさせる(ステップS865)そして、大当り表示または小当り表示の表示時間を決定するための大当り表示時間タイマを設定し(ステップS866)、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS867)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信したことを条件に、飾り図柄の変動(可変表示)を終了させる(ステップS861,S863参照)。しかし、受信した変動パターンコマンドにもとづく変動時間タイマがタイムアウトしたら、図柄確定指定コマンドを受信しなくても、飾り図柄の変動を終了させるように制御してもよい。その場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示の終了を指定する図柄確定指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、変動終了後演出時間タイマに演出時間(この実施の形態では、3秒または6秒)に相当する値を設定する(ステップS870)。次いで、演出制御用CPU101は、小当り種類報知決定用乱数を抽出し、抽出した乱数値にもとづいて、変動終了後演出において役物開放回数を報知する表示画面を表示するか、V入賞時のラウンド数を報知する表示画面を表示するかを決定する(ステップS870A)。この場合、例えば、演出制御用CPU101は、50パーセントの割合で役物開放回数を報知する表示画面を表示すると決定し、50パーセントの割合でV入賞時のラウンド数を報知する表示画面を表示すると決定する。
役物開放回数を報知する表示画面を表示すると決定した場合には、役物1回開放の小当りであるか否かを確認する(ステップS871A)。具体的には、演出制御用CPU101は、コマンド解析処理でRAMに形成されている小当り種類指定コマンド格納領域に格納した(ステップS620B参照)小当り種類指定コマンドに示される小当りの種類に応じて、役物1回開放の小当りであるか否かを確認する。役物20を1回開放する小当りである場合には、小当り(役物1回開放)を報知するための変動後演出に応じたプロセステーブルを選択し(ステップS872A)、ステップS874に移行する。また、役物20を1回開放する小当りでない場合(すなわち、役物20を2回開放する小当りである場合)には、小当り(役物2回開放)を報知するための変動後演出に応じたプロセステーブルを選択し(ステップS873A)、ステップS874に移行する。
V入賞時のラウンド数を報知する表示画面を表示すると決定した場合には、V入賞時のラウンド数が3ラウンドまたは7ラウンドの小当りであるか否かを確認する(ステップS871B)。具体的には、演出制御用CPU101は、コマンド解析処理でRAMに形成されている小当り種類指定コマンド格納領域に格納した(ステップS620B参照)小当り種類指定コマンドに示される小当りの種類に応じて、V入賞時のラウンド数が3ラウンドまたは7ラウンドの小当りであるか否かを確認する。V入賞時のラウンド数が3ラウンドまたは7ラウンドの小当りである場合には、小当り(3ラウンドまたは7ラウンド)を報知するための変動後演出に応じたプロセステーブルを選択し(ステップS872B)、ステップS874に移行する。また、V入賞時のラウンド数が3ラウンドまたは7ラウンドの小当りでない場合(すなわち、V入賞時のラウンド数が11ラウンドの小当りである場合)には、小当り(11ラウンド)を報知するための変動後演出に応じたプロセステーブルを選択し(ステップS873B)、ステップS874に移行する。
ステップS874では、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる。
次いで、演出制御用CPU101は、飾り図柄の変動表示における最終画像を継続表示させる(ステップS875)。具体的には、演出制御用CPU101は、図181に示す変動パターン7Bで用いられる表示例に示すように、例えば、主人公のキャラクタが敵のキャラクタにバトルで負けて大当りにならかなったような態様の表示画面を継続して表示する。なお、この実施の形態では、変動終了後演出処理の実行中に、遊技者によって回転操作部812からの回転操作が行われたことにもとづいて、図181に示すような主人公のキャラクタが敵のキャラクタにバトルで負けて大当りにならかなったような態様の表示画面から、図182(A)〜(D)に示すように小当りの種類を報知するような表示画面が表示される。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動終了後演出処理(ステップS805)に対応した値に更新する(ステップS876)。
大当り表示処理(ステップS804)では、演出制御用CPU101は、大当り表示処理において大当り表示時間タイマがタイムアウトするのを待ち、大当り表示時間タイマがタイムアウトしたら、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS807)に対応する値に更新する。
図219は、演出制御プロセス処理における変動終了後演出処理(ステップS805)を示すフローチャートである。変動終了後演出処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS891)、変動終了後演出時間タイマの値を1減算する(ステップS892)。次いで、演出制御用CPU101は、操作部中央ランプ82Aを青色に発光することによって押圧操作部811上に「回せ!!」などの文字列を点灯表示(点滅表示でもよい)することにより回転操作部812を回転操作することを案内する回転操作案内発光動作をさせるための処理を実行する(ステップS892A)。なお、この場合、演出制御用CPU101は、操作部81の押圧操作部811上で回転操作を促す旨の表示を行うとともに、演出表示装置9において、例えば、「ジョクダイヤルを回せ!!」などの文字列を含む表示画面を表示させることによって、遊技者に対して回転操作部812の回転操作を促す。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS893)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS894)。次いで、演出制御用CPU101は、回転操作部812からの回転操作が行われたことを示す回転操作検出フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS895A)。セットされていれば、ステップS895Fに移行する。セットされていなれれば、演出制御用CPU101は、操作部81の回転操作部812からの回転操作を検出したか否かを確認する(ステップS895B)。回転操作部812からの回転操作が検出されれば、回転操作検出フラグをセットし、ステップS895Dに移行する。
次いで、演出制御用CPU101は、異常報知中フラグがセットされていないことを条件に、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS895A,S895B)。この場合、演出制御用CPU101は、ステップS872A,S873A,S872B,S873Bで選択したプロセステーブルに応じて、図182(A)〜(D)に示すいずれかの表示態様で、小当りの種類(役物1回開放であるか2回開放であるかや、V入賞時のラウンド数が3ラウンドまたは7ランドであるか、11ラウンドであるか)を表示する。
異常報知中フラグがセットされている場合には、音番号データ1を除くプロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS895A,S895C)。つまり、異常報知中フラグがセットされている場合には、変動終了後演出の表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。
ステップS895Bで回転操作部812からの回転操作を検出できなければ、演出制御用CPU101は、飾り図柄の変動表示における最終画像を継続表示させる(ステップS896。具体的には、演出制御用CPU101は、図181に示す変動パターン7Bで用いられる表示例に示すように、例えば、主人公のキャラクタが敵のキャラクタにバトルで負けて大当りにならかなったような態様の表示画面を継続して表示する。
次いで、演出制御用CPU101は、変動終了後演出時間タイマがタイムアウトしたら(値が0になったら)、大当り開始指定コマンドを受信している場合には、演出制御プロセスフラグの値を小当り遊技中処理(ステップS807)に対応する値に更新する(ステップS897,S898)。
以上のように、ステップS895A〜S895Fの処理が実行されることによって、回転操作部812からの回転操作が検出されたことを条件として、役物開放回数を報知すると決定されたときには、役物1回開放である場合には図182(A)に示す表示画面が表示され、役物2回開放である場合には図182(B)に示す表示画面が表示される。また、V入賞時のラウンド数を報知すると決定されたときには、3ラウンドまたは7ラウンドである場合には図182(C)に示す表示画面が表示され、11ラウンドである場合には図182(D)に示す表示画面が表示される。回転操作部812を回転操作することによって小当りの種類を認識できるので、遊技者に対して遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、役物1回開放のときには必ず図182(A)に示す表示画面を表示するようにし、役物2回開放のときには必ず図182(B)に示す表示画面を表示する場合を示したが、役物1回開放のときであっても役物2回開放のときであっても図182(A),(B)に示す表示画面の両方が表示されうるようにし、役物1回開放のときと役物2回開放のときとで、図182(A),(B)に示す表示画面が表示される割合が異なるようにしてもよい。例えば、演出制御用CPU101は、役物1回開放の小当りである場合には(ステップS871AのY参照)、所定の表示画面決定用の判定テーブルと乱数とを用いて、図182(A)および図182(B)に示す表示画面を表示するためのプロセステーブルを7対3の割合で選択するようにしてもよい。また、役物1回開放の小当りである場合には(ステップS871AのN参照)、所定の表示画面決定用の判定テーブルと乱数とを用いて、図182(A)および図182(B)に示す表示画面を表示するためのプロセステーブルを3対7の割合で選択するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、V入賞時3ラウンドまたは7ラウンドのときには必ず図182(C)に示す表示画面を表示するようにし、V入賞時11ラウンドのときには必ず図182(D)に示す表示画面を表示する場合を示したが、V入賞時3ラウンドまたは7ラウンドのときであってもV入賞時11ラウンドのときであっても図182(C),(D)に示す表示画面の両方が表示されうるようにし、V入賞時3ラウンドまたは7ラウンドのときとV入賞時11ラウンドのときとで、図182(C),(D)に示す表示画面が表示される割合が異なるようにしてもよい。例えば、演出制御用CPU101は、V入賞時3ラウンドまたは7ラウンドの小当りである場合には(ステップS871BのY参照)、所定の表示画面決定用の判定テーブルと乱数とを用いて、図182(C)および図182(D)に示す表示画面を表示するためのプロセステーブルを7対3の割合で選択するようにしてもよい。また、V入賞時11ラウンドの小当りである場合には(ステップS871BのN参照)、所定の表示画面決定用の判定テーブルと乱数とを用いて、図182(C)および図182(D)に示す表示画面を表示するためのプロセステーブルを3対7の割合で選択するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、変動終了後処理において役物開放回数を報知する表示画面とV入賞時ラウンド数を報知する表示画面とのいずれかを選択して表示する場合を示したが、両方の表示画面を表示するようにしてもよい。この場合、例えば、演出制御用CPU101は、図219に示す変動終了後演出処理において、演出表示装置9の表示画面を縦または横に2分割し、図182(A)または図182(B)のいずれかの表示画面と、図182(C)または図182(D)のいずれかの表示画面とを同時に表示してもよい。また、例えば、演出制御用CPU101は、図182(A)または図182(B)のいずれかの表示画面と、図182(C)または図182(D)のいずれかの表示画面とを重畳して演出表示装置9に表示してもよい。
また、例えば、演出制御用CPU101は、回転操作部812から一度回転操作が行われたことにもとづいて、まず図182(A)または図182(B)のいずれかの表示画面を表示した後に、続けて図182(C)または図182(D)のいずれかの表示画面を表示するようにしてもよいし、まず図182(C)または図182(D)のいずれかの表示画面を表示した後に、続けて図182(A)または図182(B)のいずれかの表示画面を表示するようにしてもよい。また、例えば、演出制御用CPU101は、回転操作部812から一度回転操作が行われたことにもとづいて、まず図182(A)または図182(B)のいずれかの表示画面を表示した後に、さらにもう一度回転操作部812から一度回転操作が行われたことにもとづいて、図182(C)または図182(D)のいずれかの表示画面を表示してもよい。また、逆に、演出制御用CPU101は、回転操作部812から一度回転操作が行われたことにもとづいて、まず図182(C)または図182(D)のいずれかの表示画面を表示した後に、さらにもう一度回転操作部812から一度回転操作が行われたことにもとづいて、図182(A)または図182(B)のいずれかの表示画面を表示してもよい。
また、例えば、演出制御用CPU101は、図182(A)〜(D)に示す表示画面に重畳して、役物開放回数やV入賞時のラウンド数などの小当りの種類を示す文字列を表示するようにしてもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、変動終了後演出処理において、演出表示装置9における表示の背景色を変更するようにしてもよい。一例として、変動パターン#1,#4(3ラウンドに対応)の変動パターンコマンドを受信している場合には背景色を青色にし、変動パターン#2,#5(7ラウンドに対応)の変動パターンコマンドを受信している場合には背景色を黄色にし、変動パターン#3,#6(11ラウンドに対応)の変動パターンコマンドを受信している場合には背景色を赤色にする。そのような制御によって、遊技者に、大当たり遊技状態におけるラウンド数を報知することができる。また、この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作部81の押圧操作部811において「回せ!!」などの文字列を点灯(点滅でもよい)させて、回転操作部812の回転操作を促す表示を行い、回転操作部812からの回転操作が行われたことにもとづいて背景色を青色や黄色、赤色に変更してもよい。
小当り遊技中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から小当り終了指定コマンドを受信したことを示す小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされた場合には、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS8008)に対応する値に更新する。遊技制御用マイクロコンピュータ560から大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS808)に対応する値に更新する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、小当り遊技においてV入賞が生じなかったときには小当り終了指定コマンドを送信し、V入賞が生じたときには大当り開始指定コマンドを送信する(図203参照)。
大当り終了処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当りの終了を報知するための表示を演出表示装置9に表示させた後、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応する値に更新する。
以上に説明したように、この実施の形態では、初期化報知が異常報知(異常入賞の報知等)に対して優先されるので、初期化報知が認識しにくくなるような事態が生ずることが防止される。すなわち、目立つように初期化報知が行われる。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定期間が経過すると初期化報知を終了させたが(ステップS901〜S905参照)、他のタイミングで初期化報知を終了させるようにしてもよい。例えば、初期化報知が開始されてから最初に飾り図柄の可変表示が開始されるときに初期化報知を終了させたり、飾り図柄の可変表示が開始される前に異常入賞報知指定コマンドを受信したときに初期化報知を終了させたりしてもよい。また、客待ちデモ指定コマンドを受信したり、初期化報知が開始されてから客待ちデモ指定コマンド以外の最初の演出制御コマンドを受信したときに初期化報知を終了させてもよい。つまり、遊技店員等が、初期化報知を認識するできるのに十分な期間だけ、初期化報知が継続されることが好ましい。
次に、この実施の形態の変形例について説明する。図220は、遊技機における特別図柄の停止図柄と当りの種類との関係の他の例を示す説明図である。また、図221は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が使用する各乱数の他の例を示す説明図である。図221に示す例では、図188で示した乱数に対して、(6)のランダム6:小当り種類決定用乱数が追加されている。図222は、特別図柄の停止図柄と判定値との関係(図222(A))、および小当り種類(具体的には、小当り遊技状態すなわち始動動作状態における役物20の開放回数)と判定値との関係(図222(B))の他の例を示す説明図である。ただし、図189の場合と同様に、図222には、具体的な判定値ではなく、判定値の個数が示されている。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り判定の処理(図195のステップS62参照)において、大当り(第1大当り)とするか、小当り遊技終了後に実行される第2大当り遊技において何ラウンドまで許容されるかを決定し、さらに、第1大当りとしない場合には、小当り遊技の種類(具体的には、小当り遊技状態すなわち始動動作状態における役物20の開放回数)を、小当り種類決定用乱数を用いた抽選によって決定する。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、小当り種類決定用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を抽出して抽出値を小当り種類決定用乱数値とするのであるが、小当り種類決定用乱数値に一致する判定値に対応する開放回数(図222(B)参照)を決定する。
なお、図220〜図222に示す例では、大当り(第1大当り)として、通常大当りおよび確変大当りの他に、突然確変大当りがある。突然確変大当りとは、大入賞口の開放回数および開放時間が通常大当りおよび確変大当りの場合に比べて短く(例えば、0.5秒の開放が2回)、また、大当り遊技後の遊技状態が高確率状態(確変状態)に制御される。よって、遊技者は、あたかも、突然に遊技状態が高確率状態になったかのように感ずる。その他の処理は、図183や図188、図189に示した場合と同様である。
なお、この実施の形態では、以下の(1)〜(4)に示すような遊技機の特徴的構成が示されている。
(1)第3の実施の形態による遊技機は、遊技球を用いて所定の遊技を行うことが可能であり、あらかじめ定められている可変表示の実行条件(例えば、第3の実施の形態における遊技球が第1始動入賞口11、第2始動入賞口12または第3始動入賞口13に入賞したこと)が成立した後、可変表示の開始条件(例えば、特別図柄の可変表示が実行されていない状態であって、かつ、大当り遊技が実行されていないこと)の成立にもとづいて識別情報の可変表示を開始し、表示結果を導出表示する可変表示装置(例えば、第3の実施の形態における特別図柄表示器8や演出表示装置9)と、遊技球が入賞可能な開放状態と遊技球が入賞不可能な閉鎖状態のいずれかの状態に制御可能な可変入賞球装置(例えば、第3の実施の形態における可変入賞球装置(役物)20)とを備え、可変入賞球装置内に設けられた入賞領域のうち特別領域(例えば、第3の実施の形態における特定入賞口66)に遊技球が入賞したときに、可変入賞球装置を所定回開放状態に制御する特定遊技状態(例えば、第3の実施の形態における第2大当り遊技状態)に移行させる遊技機であって、遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、第3の実施の形態におけるCPU56を含む遊技制御用マイクロコンピュータ560)を備え、遊技制御手段は、可変表示装置の表示結果を決定する表示結果決定手段(例えば、第3の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560においてステップS62の処理を実行する部分。図189も参照)と、可変表示装置に開放表示結果(例えば、小当り図柄)が導出表示されたときに、可変入賞球装置が1回または複数回(例えば、2回)開放状態となる始動動作状態に制御する始動動作制御手段(例えば、第3の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560においてステップS411,S413の処理を実行する部分)と、遊技者により回転操作可能な回転操作手段(例えば、第3の実施の形態における操作部81の回転操作部812)とを備えたことを特徴とする。そのような構成によれば、回転操作手段を用いて遊技性の向上を図ることができる。
(2)遊技機は、表示結果決定手段により決定される開放表示結果は複数種類(例えば、第3の実施の形態における小当り1〜小当り8に対応する特別図柄の停止図柄0〜2,4〜6,8,9。図183および図189参照)あり、回転操作手段による回転操作が行われたことを条件として、可変表示装置にいずれの種類の開放表示結果が表示されたことにもとづき可変入賞球装置が始動動作状態に制御されているかを報知する開放表示結果種類報知手段(例えば、第3の実施の形態における演出制御用マイクロコンピュータ100においてステップS895AまたはS895BでYと判定したことを条件としてステップS895E,S895Fを実行する部分)を備えるように構成されていてもよい。そのような構成によれば、回転操作手段による回転操作にもとづいて遊技者が開放表示結果の種類を認識することができ、より遊技性の向上を図ることができる。
(3)遊技機は、可変入賞球装置に特定領域(例えば、第3の実施の形態における特定入賞口66)が設けられ、特定領域に遊技球が入賞したときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、第3の実施の形態における第2大当り遊技状態)に移行する遊技機であって、可変入賞球装置内に進入した遊技球を、特定領域に導かれやすい有利経路または特定領域に導かれにくい不利経路のいずれかの経路に振り分ける可動部材(例えば、第3の実施の形態における可動部材77,78)を備え、可変表示装置にいずれの種類の開放表示結果が表示されたことにもとづき可変入賞球装置が始動動作状態に制御されているかに応じて、可変入賞球装置の開放タイミングに対する可動部材の可動タイミングを異ならせる(例えば、第3の実施の形態において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS439を実行するときに、小当り1、小当り3、小当り5または小当り7となったことにもとづいて役物20が開放状態に制御された場合には、図202(A)に示すように、可動部77Aを0.4秒動作させ0.2秒間だけ駆動を停止した後に再び可動部77Aを動作させ、可動部78Aを0.1秒動作させ0.7秒間だけ駆動を停止した後に再び可動部78Aを動作させ、小当り2、小当り4、小当り6または小当り8となったことにもとづいて役物20が開放状態に制御された場合には、図202(B)に示すように、可動部77Aを0.1秒動作させ0.7秒間だけ駆動を停止した後に再び可動部77Aを動作させ、可動部78Aを0.4秒動作させ0.2秒間だけ駆動を停止した後に再び可動部78Aを動作させるように制御する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、開放表示結果の種類に応じて可動部材の可動タイミングが異なるので、より遊技性の向上を図ることができる。
(4)遊技機は、特定領域に遊技球が入賞したことにもとづいて遊技状態を特定遊技状態に移行する遊技状態制御手段(例えば、第3の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560)を備え、遊技状態制御手段は、可変表示装置にいずれの種類の開放表示結果が表示されたことにもとづき可変入賞球装置が始動動作状態に制御されているときに特定領域に遊技球が入賞したかに応じて、異なる態様で特定遊技状態に移行させる(例えば、第3の実施の形態において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、図183および図189に示すように、特別図柄の停止図柄に応じて、ラウンド数が異なる第2大当り遊技状態に移行する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、開放表示結果の種類に応じて特定遊技状態の態様を異ならせることができるので、より遊技性の向上を図ることができる。