以下の実施形態では、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)の無線ネットワークデバイス(たとえば、アクセスポイント(AP))が、一つ以上のその他のデバイス(たとえば、クライアントステーション)に、一つ以上の直交周波数分割多重(OFDM)シンボルストリームを送信する。OFDMシンボルは、複数の可能なチャネル帯域幅のうち一つを使用して送信される。一つの実施形態では、無線ネットワークデバイスの物理層(PHY)処理ユニットは、可能なチャネル帯域幅のうち一つにおけるOFDMシンボルのトーンマッピングをそれぞれが実行する複数の送信フローユニットを有する。いくつかの実施形態および/またはシナリオでは、これらの送信フローユニットのうち二つ以上は、さらに、複合チャネルで送信されるOFDMシンボルの一部のトーンマッピングを実行する。たとえば、それぞれ40および80MHzのOFDMシンボルのトーンマッピングを実行する第1および第2の送信フローユニットは、一つの実施形態では、一緒に120MHzの複合チャネルOFDMシンボルのトーンマッピングを実行することができる。多様な実施形態では、用いられる送信フローユニットにより実行されるトーンマッピングにより、成分チャネルに比べて、複合チャネルのOFDMシンボルの外端ガードトーン数が増加する。たとえば、一つの実施形態では、40および80MHzの送信フローユニットによって生成される120MHzのOFDMシンボルは、40もしくは80MHzのOFDMシンボルに比べて、上端および/または下端のガードトーンをより多く含む。以下の実施形態では、複合チャネルOFDMシンボルのガードトーン数は、データトーンおよび/またはパイロットトーン数を減らすことなく、増える。
図1は、一つの実施形態に係るWLAN10の例を示すブロック図である。AP14は、ネットワークインターフェース16に結合されたホストプロセッサ15を有する。ネットワークインターフェース16は、媒体アクセス制御(MAC)処理ユニット18およびPHY処理ユニット20を含む。PHY処理ユニット20は、複数の送受信機21を含み、これらの送受信機は、複数のアンテナ24に結合されている。図1では3つの送受信機21および3つのアンテナ24を示すが、AP14は、他の実施形態では、他の数(たとえば、1、2、4、5等)の送受信機21およびアンテナ24を含むことができる。一つの実施形態では、MAC処理ユニット18およびPHY処理ユニット20は、第1通信プロトコルに準拠して動作するよう構成されている。第1通信プロトコルは、本明細書では、ベリーハイスループット(VHT)プロトコルとも呼ばれる。別の実施形態では、MAC処理ユニット18およびPHY処理ユニット20は、少なくとも第2通信プロトコル(たとえば、IEEE802.11n規格、IEEE802.11g規格、IEEE802.11a規格等)に準拠して動作するようにも構成されている。
WLAN10は、複数のクライアントステーション25を備える。図1では4つのクライアントステーション25が示されるが、多様なシナリオおよび実施形態では、WLAN10は、他の数(たとえば、1、2、3、5、6等)のクライアントステーション25を備えることができる。クライアントステーション25のうち少なくとも一つ(たとえば、クライアントステーション25−1)は、少なくとも第1通信プロトコルに準拠して動作するよう構成されている。
クライアントステーション25−1は、ネットワークインターフェース27に結合されたホストプロセッサ26を有する。ネットワークインターフェース27は、MAC処理ユニット28およびPHY処理ユニット29を含む。PHY処理ユニット29は、複数の送受信機30を含み、これらの送受信機30は複数のアンテナ34に結合されている。図1では3つの送受信機30および3つのアンテナ34を示すが、他の実施形態では、クライアントステーション25−1は、他の数(たとえば、1、2、4、5等)の送受信機30およびアンテナ34を含むことができる。
一つの実施形態では、クライアントステーション25−2、25−3、および25−4のうち一つまたは全ては、クライアントステーション25−1と同一もしくは類似の構造を有する。これらの実施形態では、クライアントステーション25−1と同一もしくは類似の構造を有するクライアントステーション25は、同一数または異なる数の送受信機およびアンテナを含む。たとえば、クライアントステーション25−2は、一つの実施形態では、2つの送受信機および2つのアンテナだけを含む。
多様な実施形態では、AP14のPHY処理ユニット20は、第1通信プロトコルに準拠したデータユニットを生成する。送受信機21は、アンテナ24を介して、生成されたデータユニットを送信する。同じく、送受信機21は、アンテナ24を介してデータユニットを受信する。一つの実施形態では、AP14のPHY処理ユニット20は、第1通信プロトコルに準拠した受信データユニットを処理する。
多様な実施形態では、クライアントデバイス25−1のPHY処理ユニット29は、第1通信プロトコルに準拠したデータユニットを生成する。送受信機30は、アンテナ34を介して、生成されたデータユニットを送信する。同じく、送受信機30は、アンテナ34を介して、データユニットを受信する。一つの実施形態では、クライアントデバイス25−1のPHY処理ユニット29は、第1通信プロトコルに準拠した受信データユニットを処理する。
図2は、一つの実施形態に係るVHTプロトコルに準拠して120MHz複合チャネルOFDMシンボルを生成することができるPHY処理ユニット100の例を示すブロック図である。図1を参照すると、一つの実施形態では、AP14およびクライアントステーション25−1は、それぞれ、PHY処理ユニット100等のPHY処理ユニットを含む。
PHY処理ユニット100は、一つの実施形態では、1または0が長く続くシーケンスの発生を減らすべく情報ビットストリームを全体的にスクランブル(周波数変換)するスクランブラ(周波数変換器)104を含む。別の実施形態では、スクランブラ104は、符号化解析器(encoder parser)106の後に配置される複数の並列スクランブラ(不図示)に置き換えられる。この実施形態では、各並列スクランブラは、複数の順方向誤り訂正(FEC)符号化器108のうち対応する一つに出力が結合されている。複数の並列スクランブラは、逆多重化されたストリームに対して同時に動作する。さらに別の実施形態では、スクランブラ104は、複数の並列スクランブラと、複数の並列スクランブラに向けて情報ビットストリームを逆多重化するデマルチプレクサとを含み、複数の並列スクランブラは、逆多重化されたストリームに対して同時に動作する。いくつかのシナリオでは、これらの実施形態は、より広い帯域幅、ひいては、より高い動作クロック周波数に対応するには有用である。
符号化解析器106は、スクランブラ104に結合されている。符号化解析器106は、情報ビットストリームを、一つ以上のFEC符号化器108に対応する一つ以上の符号化器入力ストリームに逆多重化する。複数の並列スクランブラを含む別の実施形態では、符号化解析器106は、情報ビットストリームを、複数の並列スクランブラに対応する複数のストリームに逆多重化する。
多様な実施形態および/またはシナリオでは、多様な数の符号化器108が並列に動作する。たとえば、一つの実施形態では、PHY処理ユニット100は、4個の符号化器108を含み、特定の変調・符号化スキーム(MCS)、帯域幅、および空間ストリーム数によって、1個、2個、3個、または4個の符号化器が同時に動作する。別の実施形態では、PHY処理ユニット100は、5個の符号化器108を含み、1個、2個、3個、4個、または5個の符号化器が同時に動作する。別の実施形態では、PHY処理ユニット100は、最大で10個の符号化器108を含み、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個の符号化器が同時に動作する。一つの実施形態では、同時に動作する符号化器の数は、データレートの倍数毎に、たとえば、600Mbps毎に漸増する。一つの実施形態では、たとえば、600Mbpsまでのデータレートでは1個の符号化器を使用し、600Mbpsと1200Mbpsとの間のデータレートでは2個の符号化器を使用する、等である。
各符号化器108は、対応する入力ストリームを符号化して、対応する符号化ストリームを生成する。一つの実施形態では、各FEC符号化器108は、バイナリ畳み込み埠頭(BCC)符号化器を含む。別の実施形態では、各FEC符号化器108は、BCC符号化器と、その後ろにパンクチャリングブロックとを含む。別の実施形態では、各FEC符号化器108は、低密度パリティチェック(LDPC)符号化器を含む。さらに別の実施形態では、各FEC符号化器108は、さらに、BCC符号化器と、その後ろにパンクチャリングブロックとを含む。一つの実施形態では、各FEC符号化器108は、1)パンクチャリング無しのBCC符号化、2)パンクチャリング有りのBCC符号化、および3)LDPC符号化、のいずれかを実行するよう構成されている。
ストリーム解析器110は、一つ以上の符号化ストリームを、一つ以上の空間ストリームに解析する。たとえば、図2に示す実施形態では、ストリーム解析器110は、N個の符号化ストリームを2個の空間ストリームに解析する。いくつかの実施形態では、ストリーム解析器110からの各空間ストリームは、周波数解析器114の一つに入力される。たとえば、図2に示す実施形態では、第1空間ストリームは周波数解析器114−1に入力され、第2空間ストリームは周波数解析器114−2に入力される。他の実施形態および/またはシナリオでは、ストリーム解析器110は、設けられず、または、複数のストリームを生成するべく使用されない。さらに別の実施形態では、ストリーム解析器110は、N個の符号化ストリームを、3個以上の空間ストリームに解析する。
一つ以上の周波数解析器114がストリーム解析器110に結合されている。いくつかの実施形態では、ストリーム解析器110により出力される各空間ストリ−ムは、周波数解析器114の互いに違う一方に入力される。たとえば、ストリーム解析器110が3個以上の空間ストリームを出力するいくつかの実施形態では、PHY処理ユニット100は、3個以上の対応する周波数解析器114を含む。多様なシナリオでは、各周波数解析器114は、対応する空間ストリームのビットを、送信フローユニット124および126(たとえば、ハードウェアユニット)の一つ以上に割り当てる。
一つの実施形態では、送信フローユニット124は、各周波数解析器114の一つの出力に結合され、空間ストリーム毎に一つの経路を含む。たとえば、図2に示す実施形態では、送信フローユニット124は、ストリーム解析器110の第1および第2の空間ストリーム出力に対応する第1および第2の経路を含む。いくつかの実施形態では、ストリーム解析器110は、3個以上の空間ストリームを出力し、送信フローユニット124は、3個以上の対応する経路を含み、各経路は、周波数解析器114のうち互いに違う一つを介してストリーム解析器110に結合される。
送信フローユニット124の各経路は、インターリーバ130、変調器134、およびトーンマッピングユニット136を含む。いくつかの実施形態では、送信フローユニット124の経路のうち一つ、いくつか、または全ては、これらのユニットの全てを含まない。たとえば、いくつかの実施形態では、送信フローユニット124の一つ以上の経路がインターリーバ130を含まない(たとえば、インターリーブは、実行されるとすれば、ストリーム解析器110の前、または周波数解析器114の前で、実行される)。
送信フローユニット124内では、インターリーバ130が周波数解析器114の出力に結合される。より具体的には、送信フローユニット124の第1経路のインターリーバ130−1は、周波数解析器114−1の第1出力に結合され、送信フローユニット124の第2経路のインターリーバ130−2は、周波数解析器114−2の第1出力に結合される。各インターリーバ130は、ノイズビットが隣り合って長いシーケンスとなったものが受信機の復号器に入らないように、ビットをインターリーブ(つまり、ビットの順序を変更)する。
変調器134は、インターリーバ130に結合される。各変調器134は、インターリーブされたビットシーケンスをコンステレーション点にマッピングする。より具体的には、各変調器134は、長さlog2(C)毎にビットシーケンスをCコンステレーション点の一つに変換する。多様な実施形態および/またはシナリオでは、変調器134は、使用されているMCSによって、異なる数のコンステレーション点を扱う。一つの実施形態では、各変調器134は、C=2、4、16、64、256、および1024を扱う直交振幅変調(QAM)変調器である。他の実施形態では、各変調器134は、集合{2、4、16、64、256、1024}のうち少なくとも2つの値を異なる組み合わせで含むC個の同等の部分集合に対応する複数の異なる変調スキームを扱う。
トーンマッピングユニット136は、変調器134に結合される。各トーンマッピングユニット136は、前段の変調器134からのコンステレーション点を、トーンマップにしたがって、OFDMシンボルの特定のデータトーンに割り当てる。一つの実施形態では、トーンマッピングユニット134は、トーンマップにしたがって、任意のパイロットトーン、直流(DC)トーン、および/または、ガードトーンを挿入する。別の実施形態では、パイロットトーン、DCトーン、および/または、ガードトーンは、たとえば、空間マッピングの後等の、後の時点で挿入される。OFDMシンボルに含まれるトーンの全数は、一つの実施形態では、チャネル帯域幅によって決定される。たとえば、一つの実施形態では、40MHzチャネルのOFDMシンボルは128個のトーンを含み、80MHzのOFDMシンボルは256個のトーンを含む。
図2に示す実施形態では、各トーンマッピングユニット136は、40MHzチャネルOFDMシンボルに一セットのOFDMトーンを生成する。他の実施形態では、各トーンマッピングユニット136は、異なる複数のチャネル帯域幅(たとえば、20MHz、80MHz等)に一セットのOFDMトーンを生成する。トーンマッピングユニット136によって生成された一セットのOFDMトーンについては、多様な実施形態およびシナリオにしたがって、以下に図3、図4、および図9を参照してより詳細に記載される。
周期的シフトダイバーシチ(CSD)ユニット140は、送信フローユニット124のトーンマッピングユニット136のうち1個を除いて全てに結合される(2個以上の空間ストリームがある場合)。たとえば、図2に示す実施形態では、第2の周波数解析済み空間ストリーム(周波数解析器114−2からの)だけが送信フローユニット124のCSDユニットを通過する。各CSDユニット140は、意図しないビーム形成を防止するべく、周期的シフトを挿入する。
空間マッピングユニット144は、送信フローユニット124の各経路の出力に結合される。空間マッピングユニット144は、トーンマッピングユニット136に生成された(CSDユニット140によって周期的シフトされている場合もある)トーンマップ済みコンステレーション点を送信チェーンにマッピングする。多様な実施形態では、空間マッピングは、1)各空間ストリームのコンステレーション点を送信チェーンに直接的にマッピングする直接マッピング(つまり、1対1マッピング)、2)全空間ストリームのコンステレーション点のベクトルを行列の乗算を介して拡大して送信チェーンへの入力を生成する空間拡大、および、3)全空間ストリームのコンステレーション点の各ベクトルを操縦ベクトルの行列で乗算して送信チェーンへの入力を生成するビーム形成、のうち一つ以上を含む。
いくつかの実施形態では、送信フローユニット126は、送信フローユニット124と同一であるか、もしくは、類似している。たとえば、図2に示す実施形態では、送信フローユニット126は、送信フローユニット124の第1および第2の経路と類似した第1および第2の経路(ストリーム解析器110の第1および第2の空間ストリームにそれぞれ対応する)を含む。さらに、図2に示す実施形態では、送信フローユニット126は、送信フローユニット124の各経路のインターリーバ130、変調器134、およびトーンマッピングユニット136と類似したインターリーバ、変調器、およびトーンマッピングユニットを各経路に含み、一つの実施形態では、第2の経路に、CSDユニット140に類似したCSDユニットを含む。さらに、図2に示す実施形態では、送信フローユニット126は、空間マッピングユニット144に類似した空間マッピングユニットを含む。
一つの実施形態では、送信フローユニット126のトーンマッピングユニットは、送信フローユニット124のトーンマッピングユニット136に類似しており、送信フローユニット126によって生成されるOFDMシンボルのトーン数は、送信フローユニット124においてと同じく、チャネル帯域幅によって決定される。しかし、いくつかの実施形態では、送信フローユニット126のトーンマッピングユニットは、送信フローユニット124のトーンマッピングユニットとは異なるチャネル帯域幅に対応するトーンマッピングを実行する。たとえば、図2に示す実施形態では、送信フローユニット126の各トーンマッピングユニットは、80MHzチャネルに一セットのOFDMトーンを生成する。他の実施形態では、送信フローユニット126のトーンマッピングユニットは、別のチャネル帯域幅(たとえば、20MHz、40MHz等)に各セットのOFDMトーンを生成する。
図2では、40MHzの送信フローユニット124および80MHzの送信フローユニット126を持つ実施形態を示すが、その他の実施形態は、さらなる送信フローユニットを含む。さらに、その他の実施形態は、同一のチャネル帯域幅に対応する複数の送信フローユニットを含む。たとえば、異なる多様な実施形態では、PHY処理ユニット100は、2個の40MHz送信フローユニット、3個の40MHz送信フローユニット、もしくは2個の40MHz送信フローユニットおよび1個の80MHz送信フローユニット等を含む。
いくつかの実施形態では、送信フローユニット124および126のそれぞれが、図2に示すのとは異なる数のストリームを扱うよう構成される。
いくつかの実施形態(たとえば、図2に示す実施形態)では、スクランブラ104、符号化解析器106、およびFEC符号化器108は、一緒に、全送信フロー(たとえば、40MHzおよび80MHzの送信フローユニット124および126)のデータを符号化し、それにより、複合チャネル(たとえば、120MHz)の全体にわたって、符号化ダイバーシチを提供する。他の実施形態では、スクランブリング、符号化解析、および/またはFEC符号化は、周波数解析器114の後に実行される。
シフタ148が送信フローユニット124および126の空間マッピングユニットの出力に結合される。一つの実施形態では、シフタ148は、送信フローユニット124および/または送信フローユニット126により生成されたOFDMトーンの周波数を所定のトーン数、上下にシフトさせる。いくつかの実施形態では、PHY処理ユニット100は、シフタ148を含まない。シフタ148の動作は、多様な実施形態および/またはシナリオにしたがって、以下により詳細に記載する。
離散逆フーリエ変換(IDFT)ユニット150がシフタ148に結合されており、シフタ148によって(または、PHY処理ユニット100にシフタがない場合は、送信フローユニット124および126によって)出力された周波数領域データを時間領域信号に変換する。一つの実施形態では、IDFTユニット150は、高速逆フーリエ変換(IFFT)動作を実行する。IDFTユニット150が実行するIDFTの大きさは、一つの実施形態では、チャネル帯域幅によって決定される。たとえば、一つの実施形態では、40MHzのOFDM信号は、大きさが128のIDFTを用いて生成され、80MHzのOFDM信号は、大きさが256のIDFTを用いて生成され、160MHzのOFDM信号は、大きさが512のIDFTを用いて生成される。当業者には、送信されるOFDMシンボルは、IDFT動作の前は、OFDM信号を周波数領域において表現したものとして存在することは理解されよう。たとえば、各送信フローユニット124および126によって生成される各セットのOFDMトーンは、OFDMトーンを周波数領域で表したものであることは理解されよう。
いくつかの実施形態では、PHY処理ユニット100は、複数のIDFTユニットを含む。たとえば、一つの実施形態では、第1のIDFTユニットは、第1の空間ストリームに対してIDFT動作を実行し、第2のIDFTユニットは、第2の空間ストリームに対してIDFT動作を実行する。別の例として、一つの実施形態では、第1のIDFTユニットは、第1の送信フローユニット(たとえば、送信フローユニット124)の出力に対してIDFT動作を実行し、第2のIDFTユニットは、第2の送信フローユニット(たとえば、送信フローユニット126)の出力に対してIDFT動作を実行する。
いくつかの実施形態では、IDFTユニット150の出力は、各OFDMシンボルに、OFDMシンボルを循環的に延長したものであるガードインターバル(GI)部をプリペンドするユニット(不図示)に結合される。さらに、いくつかの実施形態では、このユニットもしくは追加的なユニットは、各OFDMシンボルの端部を滑らかにして、スペクトル減衰を増大させる。デジタル−アナログ変換(DAC)ユニット160がIDFTユニット150に(または、GI部をプリペンドするべく介在するユニット等に)結合されており、一つの実施形態では、アナログベースバンドOFDM信号を無線送受信機の送信機部に出力する。無線送受信機は、一つ以上のアンテナを介して送信するべく、OFDM信号を無線周波数に上方変換し、増幅する。
動作時、いくつかの実施形態およびシナリオでは、PHY処理ユニット100を有する無線ネットワークデバイスは、信号送信フローに対応するチャネル帯域幅でOFDM信号を送信する。たとえば、送信フローユニット124および126を持つPHY処理ユニット100を有する無線ネットワークデバイスは、一つの実施形態では、40または80MHzチャネルでOFDM信号を送信することができる。単一の送信フローに対応するチャネルでOFDM信号を送信する場合、一つの実施形態では、各周波数解析器114は、対応する空間ストリームの全ビットをその送信フローユニットに割り当てる。たとえば、一つの実施形態では、各周波数解析器114は、40MHz送信モードで送信する場合、対応する空間ストリームの全ビットを送信フローユニット124に割り当て、80MHz送信モードで送信する場合、対応する空間ストリームの全ビットを送信フローユニット126に割り当てる。
OFDM信号を単一の送信フローユニット(たとえば、40MHz)に対応するチャネルを介して送信する場合、一つの実施形態では、適用されうる送信フローユニットは、特定のプロトコル(たとえば、VHTプロトコル)にしたがって、データトーン、パイロットトーン、ガードトーン、およびDCトーンを含めてOFDMトーンを配置する。たとえば、プロトコルでは、所定数のガードトーンをOFDMシンボルの各端部に含めるよう規定されている。
図3Aは、PHY処理ユニットの単一の送信フローユニットを使用して生成されるOFDMシンボル200の例を示す図である。図2を参照すると、たとえば、シンボル200は、一つの実施形態では、PHY処理ユニット100の40MHz送信フローユニット124を使用して生成される。シンボル200は、データおよびパイロットトーン230、DCトーン234、およびガードトーン238を含む。DCトーン234は、一つの実施形態では、チャネルの中心に挿入されて、キャリア漏洩およびDC流出(DC issue)を回避するための空値トーンである。ガードトーン238は、一つの実施形態では、チャネルの端部に挿入されて、その他の周波数チャネルもしくは帯域との干渉を回避するための空値トーンである。いくつかのシナリオでは、ガードトーン238は、規定のスペクトルマスク要件を満たすために必要とされる。
上記したように、OFDMシンボルに含まれるトーン数は、一つの実施形態では、チャネル帯域幅によって決定される。OFDMシンボル例200が40MHz送信フローユニット124によって生成される一つの実施形態では、たとえば、シンボル200は、−64〜+63と示される128個のトーンを含む。一つの実施形態では、シンボル200は、チャネルの下方に57個のデータおよびパイロットトーン(トーン230−1)を含み、チャネルの上方に57個のデータよびパイロットトーン(トーン230−2)を含み、チャネルの中心に3個のDCトーン234(つまり、インデックス−1、0、および+1に対応する)を含み、チャネルの下端に6個のガードトーン(トーン238−1)を含み、チャネルの上端に5個のガードトーン(トーン238−2)を含む。
図3Bは、PHY処理ユニットの単一の送信フローユニットを使用して生成される別の例のOFDMシンボル220を示す図である。図2を参照すると、たとえば、一つの実施形態では、シンボル220は、PHY処理ユニット100の80MHz送信フローユニット126を使用して生成される。シンボル200と同じく、シンボル220は、データおよびパイロットトーン240、DCトーン244、およびガードトーン248を含む。シンボルの例220を80MHz送信フローユニット126で生成する一つの実施形態では、シンボル220は、−128〜+127と示される256個のトーンを含む。一つの実施形態では、トーンシンボル220は、チャネルの下方に121個のデータおよびパイロットトーン(トーン240−1)を含み、チャネルの上方に121個のデータおよびパイロットトーン(トーン240−2)を含み、チャネルの中心に3個のDCトーン244(つまり、インデックス−1、0、および+1に対応する)を含み、チャネルの下端に6個のガードトーン(トーン248−1)を含み、チャネルの上端に5個のガードトーン(トーン248−2)を含む。
他の実施形態では、単一の送信フローユニットは、図3Aおよび3Bの例のシンボル200および220とは異なるOFDMシンボルを生成するよう構成される。たとえば、単一の送信フローユニットは、多様な実施形態において、データおよびパイロットトーンの数を増減させ(たとえば、より広いチャネル帯域幅に対応させて)、DCトーンの数を増減させ、上端および/または下端のDCトーンの数を増減させたOFDMシンボルを生成する。
開示される多様な実施形態では、無線ネットワークデバイスは、複数の送信フローユニットを使用して、複合チャネル帯域幅を有するOFDMシンボルを生成することもできる。図2を参照すると、たとえば、40MHz送信フローユニット124および80MHz送信フローユニット126を持つPHY処理ユニット100を有する無線ネットワークデバイスは、さらに、一つの実施形態では、複合120MHzチャネルのOFDMシンボルを生成することができる。
複合チャネルOFDMシンボルを生成する場合、使用される各送信フローは、OFDMシンボルのトーンのうち一部だけを生成する。たとえば、120MHz複合チャネルOFDMシンボルを生成する場合、一つの実施形態では、40MHz送信フローユニットは、120MHzチャネルのうち40MHz部のOFDMトーンを生成し、80MHz送信フローユニットは、120MHzチャネルのうち80MHz部のOFDMトーンを生成する。別の例として、一つの実施形態では、120MHz複合チャネルOFDMシンボルを生成する場合、3個の40MHz送信フローユニットのそれぞれが、120MHzチャネルのうち40MHz部のOFDMトーンを生成する。
使用される送信フローユニットによって生成されたOFDMトーンは、多様な実施形態において、多様な方法で組み合わせて複合チャネルOFDMシンボルを形成することができる。一つの実施形態では、使用される送信フローユニットが非複合チャネルモード(たとえば、図3Aおよび3Bのトーン200および220)で生成するトーンを、IDFT動作の前に、単に連結する。たとえば、図3Aおよび3Bの例のトーン200および220を参照すると、連結することで、トーン200および220が連結される順序とは無関係に、複合帯域の下端に6個のガードトーンを含み、上端に5個のガードトーンを含む複合チャネルOFDMシンボルが生成される。
いくつかのシナリオでは、複合チャネルがより広い帯域幅を持つことで、(たとえば、規制での要件により)干渉が回避されるべき周波数範囲の近傍でOFDM信号伝送が発生する可能性がある。例として、現在、中国におけるIEEE802.11規格の通信に計画されている周波数帯域は、5725−5850MHz(つまり、125MHz帯域幅)であり、この範囲外の信号には、最大電力制限が課される。理想的には、120MHz複合チャネルの中心を5787.5MHzに置き、帯域の上端および下端の両方において、中国の帯域と120MHz送信との間に2.5MHzのギャップを維持する。しかし、所定のIEEE802.11デバイス(たとえば、米国でのIEEE802.11動作用に設計されたデバイス)は、良くても、5785MHzまたは5790MHzの中心(搬送)周波数しか提供できず、中国における125MHz帯域の下限もしくは上限と、120MHz複合チャネルの対応する端部との間に、それぞれ周波数緩衝帯が設けられない。たとえば、120MHzチャネルの中心を中国の125MHz帯域内に完璧に置いたとしても(つまり、帯域の各境界と120MHzチャネルの各端部との間に2.5MHzのギャップが設けられたとしても)、スペクトルマスク要件に適合するのは困難となりうる。したがって、このようなシナリオの場合は、規定もしくはその他の要件に適合するには、複合チャネル送信の下端および/または上端により多くのガードトーンを含めることが必要となる。
したがって、いくつかの実施形態では、使用される一つ以上の送信フローユニットは、複合チャネルOFDMシンボルの下端および/または上端に配置するべきさらなるガードトーンを挿入する。これに応じてデータスループットが低下したり、周波数オフセット誤差が増大したりするのを回避するべく、多様な実施形態で記載するように、複合チャネルOFDMシンボルにおけるデータもしくはパイロットトーンの数を減らさずに、追加的なガードトーンを挿入する。
図4A−4Dは、PHY処理ユニットの複数の送信フローユニットを使用して生成される複合チャネルOFDMシンボルの例を示す図である。図2を参照すると、たとえば、一つの実施形態では、PHY処理ユニット100の40MHz送信フローユニット124および80MHz送信フローユニット126の両方を使用して複合チャネルOFDMシンボルを生成する。一つの実施形態では、図4A−4Dの各複合チャネルOFDMシンボルは、図3Aおよび3BのOFDMシンボルをそれぞれ生成するよう構成された40および80MHxの送信フローユニットを使用して生成される。
図4Aを参照すると、複合チャネルOFDMシンボルの例300は、40MHz送信フローユニットによって生成されたOFDMトーンの40MHzセクションと、80MHz送信フローユニットによって生成されたOFDMトーンの80MHzセクションとを含む。40MHzセクションは、一つの実施形態では、セクションの下方の側波帯に57個のデータおよびパイロットトーン306−1を含み、セクションの上方の側波帯に57個のデータおよびパイロットトーン306−2を含む。80MHzセクションは、一つの実施形態では、セクションの下方の側波帯に121個のデータおよびパイロットトーン308−1を含み、セクションの上方の側波帯に121個のデータおよびパイロットトーン308−2を含む。一つの実施形態では、40MHzセクションの中心(もしくは略中心)には3個の空値トーン310が配置され、80MHzセクションの中止(もしくは略中心)には、3個の空値トーン312が配置されている。
単一の送信フローユニットだけを使用して40または80MHzチャネル(たとえば、それぞれ、図3Aおよび3BのOFDMシンボル)を送信する場合、空値トーン310または312は、それぞれのチャネルのDCトーンとして機能する。しかし、120MHz複合チャネルで送信する場合は、空値310もしくは312は、実施形態によって、DCトーンとして機能することもしないこともある。実施形態の第1範囲では、各空間ストリームに別々に2個のフロントエンドブロックを持つデュアル無線送受信機アーキテクチャを使用して、120MHzのOFDMシンボル300を送信する。たとえば、これらの実施形態のいくつかでは、第1の無線送受信機が120MHzチャネルの40MHzセクションを送信し、第2の無線送受信機が120MHzチャネルの80MHzセクションを送信する。図2を参照すると、一つの実施形態では、たとえば、別々のIDFTユニット150、別々のDACユニット160、および、別々のアナログ・RFユニットによって、40および80MHzセクションのOFDM信号を生成する。これらの実施形態では、空値トーン310および312は、一般的に、それぞれ40および80MHzセクションの搬送周波数に配置が合い、したがって、複合チャネルのDCトーンとしてやはり機能する。実施形態の第2範囲では、各空間ストリームに単一の無線送受信機アーキテクチャを使用して120MHzチャネルOFDMシンボルを送信する。空値トーン310および312は、120MHzチャネルの中心の搬送周波数に配置が合わないので、空値トーン310および312は、これらの実施形態では、複合チャネルのDCトーンとして機能しない。しかし、これらの実施形態のいくつかでは、空値トーン310および312を保存することで、トーンマッピングを40および80MHzのチャネルOFDMシンボルに用いられるトーンマッピングからあまり変更する必要がなくなる。
一つの実施形態では、少なくとも6個の空値トーン314を40MHzセクションの下端に含め、少なくとも5個の空値トーン316を80MHzセクションの上端に含め、3個の空値トーン318を40MHzセクションと80MHzセクションとの間の境界に含める。空値トーン318は、単一の送信フローユニットを使用して40もしくは80MHzチャネルで送信する場合、それぞれ、上端もしくは下端のガードトーンとして機能するトーンに対応する。複合チャネルOFDMシンボル300を生成するべく、これらの40MHzの上端および80MHzの下端のガードトーンを重ね合わせ、いくつかの実施形態では、数を減らす。たとえば、一つの実施形態では、40MHz送信フローユニット(図3A)を使用して40MHzチャネルで送信する場合、5個の空値トーンが上端ガードトーンとして機能し、80MHz送信フローユニット(図3B)を使用して80MHzチャネルで送信する場合、6個の空値トーンが80MHzの下端のガードトーンとして機能する。これらの40および80MHzのチャネルOFDMシンボルを単に連結して複合チャネルOFDMシンボルを形成した場合(つまり、40および80MHzの送信フローユニットのトーンマッピングを変更しない場合)、11個の空値トーンが40MHzセクションと80MHzセクションとの間の境界に存在することになる。しかし、この例の複合チャネルOFDMシンボル300では、境界における空値トーンは実質的に重ね合わされ、3個の空値トーン318に数を減らされている。
その結果の空値トーン318は、多様な実施形態において、複合チャネルOFDMシンボル300のDCトーンとして機能する場合もしない場合もある。実施形態の第1範囲では、複合チャネルOFDMシンボル300に対応する時間領域のOFDM信号を、120MHzチャネルに対応する大きさのIDFTを用いて生成する(たとえば、40MHzセクションには128ポイントのIDFTであり、80MHzセクションには256ポイントのIDFTである)。これらの実施形態では、OFDM信号の搬送周波数は、80MHzセクション内の120MHz帯域の中心にある。したがって、これらの実施形態では、空値トーン318は、複合チャネルOFDMシンボル300のDCトーンとして機能しない。これらの実施形態のいくつかでは、80MHz送信フローのトーンマッピングは、120MHz帯域の中心のトーンが未使用のパイロットトーンに変更されるように、複合チャネル送信用に変化する。実施形態の第2範囲では、複合チャネルOFDMシンボル300に対応する時間領域OFDM信号を、160MHzチャネルに対応する大きさのIDFTを用いて生成する(たとえば、シンボル300のトーンセットの全体に512ポイントのIDFT)。40MHzセクションおよび80MHzセクションの周囲に適切にゼロトーンを配置することにより、40MHzセクションと80MHzセクションとの間の境界が160MHz信号の中心に配置される。したがって、この実施形態では、空値トーン318はDCトーンとして機能する。
複合チャネルOFDMシンボル300の40MHzセクションと80MHzセクションとの間の境界における空値トーンの数を上記のように減らすことにより、いくつかの実施形態では、トーンの全体数もしくは複合チャネルの帯域幅を増やしたり、データおよびパイロットトーンの数を減らしたりすることなく、シンボル300の上端および/または下端のガードトーンの数を増やすことができる(40および80MHzの送信フローでそれぞれ40および80MHzチャネルのOFDMシンボルを生成する場合において、これらの端部に生成されるガードトーンの数よりも増やすことができる)。たとえば、一つの実施形態では、下端のガードトーン314の数は6個から14個に増える。別の例として、一つの実施形態では、上端のガードトーン316の数は5個から13個に増える。さらに別の例として、一つの実施形態では、下端のガードトーン314の数は6個から10個に増え、上端のガードトーン316の数は5個から9個に増える。他の実施形態では、下端のガードトーン314の数は6個より多く、および/または、上端のガードトーン316の数は5個より多い。
40MHz送信フローユニットを使用してOFDMシンボル300の低周波数セクションを生成し、80MHz送信フローユニットを使用してOFDMシンボル300の高周波数セクションを生成する場合、シンボル300のガードトーン314の数および/またはガードトーン316の数は、以下の式の一つ以上を満たす。
(式1)
NLSBGT_120+NUSBGT_120>NLSBGT_40+NUSBGT_80
(式2)
NLSBGT_120+NUSBGT_120=NLSBGT_40+NUSBGT_80+(NUSBGT_40+NLSBGT_80−NNT_120)
(式3)
NLSBGT_120>NLSBGT_40
(式4)
NLSBGT_120=NLSBGT_40+(NUSBGT_40+NLSBGT_80−NNT_120)
(式5)
NUSBGT_120>NUSBGT_80
(式6)
NUSBGT_120=NUSBGT_80+(NUSBGT_40+NLSBGT_80−NNT_120)
(式7)
NLSBGT_120>max(NLSBGT_40,NLSBGT_80)
(式8)
NUSBGT_120>max(NUSBGT_40,NUSBGT_80)
ここで、NLSBGT_120は、120MHzのOFDMシンボル300の下端におけるガードトーンの数である。
NUSBGT_120は、120MHzのOFDMシンボル300の上端におけるガードトーンの数である。
NLSBGT_40は、40MHz送信モードにおいて40MHz送信フローユニットによって生成される40MHzのOFDMシンボルの下端におけるガードトーンの数(たとえば、図3Aのシンボル200のガードトーン238−1の数)である。
NUSBGT_40は、40MHz送信モードにおいて40MHz送信フローユニットによって生成される40MHzのOFDMシンボルの上端におけるガードトーンの数(たとえば、図3Aのシンボル200のガードトーン238−2の数)である。
NLSBGT_80は、80MHz送信モードにおいて80MHz送信フローユニットによって生成される80MHzのOFDMシンボルの下端におけるガードトーンの数(たとえば、図3Bのシンボル220のガードトーン248−1の数)である。
NUSBGT_80は、80MHz送信モードにおいて80MHz送信フローユニットによって生成される80MHzのOFDMシンボルの上端におけるガードトーンの数(たとえば、図3Bのシンボル220のガードトーン248−2の数)である。
NNT_120は、120MHzのOFDMシンボル300の40MHzセクションと80MHzセクションとの間の境界における空値トーン318の数である。
いくつかの実施形態では、上記の式1〜8にしたがうガードトーン数は、120MHzチャネル内のガードトーン数だけを表す。たとえば、160MHzチャネルに対応するIDFT(たとえば、512ポイントのIDFT)を用いて上記のように120MHzのOFDM信号を生成しうるが、120MHzチャネルの範囲外の未使用のトーンをゼロに設定することで、これらの追加的なゼロ/空値トーンを、式1〜8の目的においては、「ガードトーン」と見なさないこととする。
複合チャネルOFDMシンボルの例300は、3個の空値トーン318を40MHzセクションと80MHzセクションとの間の境界に含むが、その他の実施形態は、境界に空値トーンをより多く、または、より少なく含む。いくつかの実施形態では、境界における空値トーンの数は1〜11である。いくつかの実施形態では、境界における空値トーンの数は1〜10である。いくつかの実施形態では、第1のチャネル帯域幅に対応する第1の送信フローユニットを使用して複合チャネルOFDMシンボルの低周波数トーンを生成し、第2のチャネル帯域幅に対応する第2の送信フローユニットを使用して複合チャネルOFDMシンボルの高周波数トーンを生成する場合、境界における空値トーンの数は、i)第1のチャネル帯域幅で送信されるOFDMシンボルを生成する場合に第1の送信フローユニットによって生成される上端のガードトーンの数、および、ii)第2のチャネル帯域幅で送信されるOFDMシンボルを生成する場合に第2の送信フローユニットによって生成される下端のガードトーンの数、の合計より小さい任意の数である。
いくつかの実施形態では、複合チャネルOFDMシンボル300の成分チャネルセクションが別の順序で配置される。たとえば、一つの実施形態では、80MHz送信フローユニットは、シンボル300の低周波数セクションのトーンを生成し、40MHz送信フローユニットは、シンボル300の高周波数セクションのトーンを生成する。さらに、いくつかの実施形態では、3個以上の送信フローユニットを使用して複合チャネルOFDMシンボル300を生成する。たとえば、一つの実施形態では、それぞれが40MHzチャネル帯域幅に対応する3個の送信フローユニットを使用して、120MHzのOFDMシンボル300を形成する。さらに、いくつかの実施形態では、シンボル300の複合チャネル帯域幅は、120MHzより狭い、または、広い。たとえば、一つの実施形態では、複合チャネル帯域幅は60MHzである(たとえば、20および40MHzの送信フローユニットを使用する)。別の例として、一つの実施形態では、複合チャネル帯域幅は160MHzである(たとえば、2個の80MHz送信フローユニットを使用する)。複合チャネルおよび複合チャネルの形成法の例が、米国特許出願第13/034,409号(2011年2月24日出願)および米国特許出願第13/246,351号(2011年9月27日出願)に記載されており、これら両方の全体を本明細書に参照として組み込む。式1〜8のいくつかをこれらの異なる多様な実施形態にしたがって変更してよい。たとえば、複合チャネルOFDMシンボル300の80MHzセクションがシンボル300の上方周波数部分でなく下方部分を占める実施形態では、式3および5を、NLSBGT_120>NLSBGT_80およびNUSBGT_120>NUSBGT_40にそれぞれ変更してよい。
次に図4Bを参照すると、いくつかの実施形態では、複合チャネルOFDMシンボルの例320は、シンボル320が40および80MHzの送信フローユニットのDCトーンにそれぞれ対応する空値トーン310および312を含まず、また、(いくつかの実施形態では)追加的な下端および/または上端のガードトーンを含むことを除いて、シンボル300と同一もしくは類似している(そして、同一もしくは類似の方法で生成される)。
一つの実施形態では、複合チャネルOFDMシンボル320の40MHzセクションは、114個のデータおよびパイロットトーン326(つまり、57個の下方側波帯トーンおよび57個の上方側波帯トーン)を含み、80MHzセクションは、242個のデータおよびパイロットトーン328(つまり、121個の下方側波帯トーンおよび121個の上方側波帯トーン)を含む。一つの実施形態では、少なくとも6個の空値トーン334が40MHzセクションの下端に含められ、少なくとも5個の空値トーン336が80MHzセクションの上端に含められ、3個の空値トーン338が40MHzセクションと80MHzセクションとの間の境界に含められる。複合チャネルOFDMシンボル300について上記したように、いくつかの実施形態では、境界における空値トーン数を減らすことで、トーンの全体数および複合チャネル帯域幅を増やしたり、データおよびパイロットトーンの数を減らしたりすることなく、複合チャネルOFDMシンボル320の上端および/または下端のガードトーン数を増やすことができる。したがって、いくつかの実施形態では、下端のガードトーン334の数および/または上端のガードトーン336の数は、上記の式1〜8の一つ以上を満たすが、ここで、定義NLSBGT_120およびNUSBGT_120はそれぞれOFDMシンボル300ではなくOFDMシンボル320を指し、定義NNT_120は空値トーン318ではなく空値トーン338を指すことは例外である。
さらに、40MHzセクションおよび80MHzセクションの中心から空値トーンを削除(たとえば、図4Aのシンボル300においてトーン310および312を削除)することにより、やはりトーンの全体数もしくは複合チャネル帯域幅を増やしたり、データおよびパイロットトーンの数を減らしたりすることなく、複合チャネルOFDMシンボル320の上端および/または下端のガードトーン数を(図4Aのシンボル300と比べて)さらに増やすことができる。例として、多様な実施形態において、下端のガードトーン334の数をさらに6個増やし、または、上端のガードトーン336の数をさらに6個増やし、または、下端のガードトーン334の数および上端のガードトーン336の数をそれぞれさらに3個ずつ増やす。一つの実施形態では、下端のガードトーン334および上端のガードトーン336の全数を6個増やす。
40MHz送信フローユニットを使用してOFDMシンボル320の低周波数セクションを生成し、80MHz送信フローユニットを使用してOFDMシンボル320の高周波数セクションを生成するいくつかの実施形態では、シンボル330のガードトーン334の数および/またはガードトーン336の数は、以下の式のうち一つ以上を満たす。
(式9)
NLSBGT_120+NUSBGT_120>NLSBGT_40+NUSBGT_80+(NDC_40+NDC_80)
(式10)
NLSBGT_120+NUSBGT_120=NLSBGT_40+NUSBGT_80+(NUSBGT_40+NLSBGT_80−NNT_120)+(NDC_40+NDC_80)
(式11)
NLSBGT_120>NLSBGT_40+(NDC_40+NDC_80)
(式12)
NLSBGT_120=NLSBGT_40+(NUSBGT_40+NLSBGT_80−NNT_120)+(NDC_40+NDC_80)
(式13)
NUSBGT_120>NUSBGT_80+(NDC_40+NDC_80)
(式14)
NUSBGT_120=NUSBGT_80+(NUSBGT_40+NLSBGT_80−NNT_120)+(NDC_40+NDC_80)
(式15)
NLSBGT_120>max(NLSBGT_40,NLSBGT_80)+(NDC_40+NDC_80)
(式16)
NLSBGT_120>max(NUSBGT_40,NUSBGT_80)+(NDC_40+NDC_80)
ここで、NLSBGT_40、NUSBGT_40、NLSBGT_80、およびNUSBGT_80は、式1〜8について上に定義した通りである。
NLSBGT_120は、120MHzのOFDMシンボル320の下端におけるガードトーンの数である。
NUSBGT_120は、120MHzのOFDMシンボル320の上端におけるガードトーンの数である。
NNT_120は、120MHzのOFDMシンボル320の40MHzセクションと80MHzセクションとの間の境界における空値トーン338の数である。
NDC_40は、40MHz送信モードにおいて40MHz送信フローユニットによって生成される40MHzのOFDMシンボルの中心における空値トーンの数(たとえば、図3Aのシンボル200のDCトーン234の数)である。
NDC_80は、80MHz送信モードにおいて80MHz送信フローユニットによって生成される80MHzのOFDMシンボルの中心における空値トーンの数(たとえば、図3Bのシンボル220のDCトーン244の数)である。
いくつかの実施形態では、複合チャネルOFDMシンボル320に対応する時間領域OFDM信号を、160MHzチャネルに対応する大きさのIDFTを用いて生成する(たとえば、シンボル320のトーンセットの全体に対して512ポイントのIDFTを用いる)。40MHzセクションおよび80MHzセクションの周囲に適切にゼロトーンを配置することで、40MHzセクションと80MHzセクションとの間の境界が160MHz信号の中心に配置される。したがって、この実施形態では、空値トーン338は、DCトーンとして機能する。
いくつかの実施形態では、上記の式9〜16にしたがうガードトーンの数は、120MHzチャネル内のガードトーン数だけを表す。たとえば、160MHzチャネルに対応するIDFT(たとえば、512ポイントのIDFT)を用いて上記のように120MHzのOFDM信号を生成しうるが、120MHzチャネルの範囲外の未使用トーンをゼロに設定することで、これらの追加的なゼロ/空値トーンを、式9〜16の目的においては、「ガードトーン」と見なさないこととする。
図4AのOFDMシンボル300に関連して上記したように、多様な実施形態において、複合チャネルOFDMシンボル320は3個よりも多い又は少ない空値トーン338を含み、シンボル320の成分チャネル/セクションは別の順序で配置され、3個以上の送信フローユニットを使用してシンボル320を生成し、および/または、シンボル320の複合チャネル帯域幅は120MHzよりも狭い又は広い。式1〜16のいくつかを変更して、これらの代替的な実施形態を記述するようにしてよい。たとえば、複合チャネルOFDMシンボル320の80MHzセクションがシンボル320の上方周波数部分でなく下方部分を占める実施形態では、式3および5をNLSBGT_120>NLSBGT_80およびNUSBGT_120>NUSBGT_40にそれぞれ変更してよい。
図4Cおよび4Dの複合チャネルOFDMシンボル例では、40MHzセクションと80MHzセクションとの間の境界から全ての空値トーンを除去し、120MHz複合チャネルの中心に空値トーンを挿入してDCトーンとして機能させている。まず図4Cを参照すると、複合チャネルOFDMシンボルの例340は、40MHz送信フローユニットによって生成された40MHzセクションのOFDMトーンと、80z送信フローユニットによって生成された80MHzセクションのOFDMトーンとを含む。一つの実施形態では、40MHzセクションは114個のデータおよびパイロットトーン342を含む。一つの実施形態では、80MHzセクションは、120MHzチャネルの中心周波数より低い下方側波帯に64個のデータおよびパイロットトーン344を含み、上方側波帯に178個のデータおよびパイロットトーン346を含む。
一つの実施形態では、少なくとも6個の空値トーン354が40MHzセクションの下端に含められ、少なくとも5個の空値トーン356が80MHzセクションの上端に含められ、3個の空値トーン358が120MHzチャネルの中心に含められる。いくつかの実施形態では、複合チャネルOFDMシンボル340に対応する時間領域OFDM信号を、120MHzチャネルに対応する大きさのIDFTを用いて生成する(たとえば、40MHzセクションには128ポイントのIDFTであり、80MHzセクションには256ポイントのIDFTである)。いくつかの実施形態では、OFDM信号の搬送周波数は、80MHzセクション内における120MHz帯域の中心に位置する。したがって、これらの実施形態では、空値トーン358は、複合チャネルOFDMシンボル340のDCトーンとして機能する。
40MHzおよび80MHzの各成分チャネルのDCトーンに対応する空値トーンを除去し、その一方でOFDMシンボル340のDCトーンとして機能する3個の空値トーン358を含めることで、上端および/または下端のガードトーンとして、さらなるトーンが利用可能になる。したがって、いくつかの実施形態では、OFDMシンボル340は、上端および/または下端にさらなるガードトーンを含む。多様な実施形態において、上記の式1〜16の一つ以上がOFDMシンボル340についても満たされるが、NLSBGT_120が120MHzのOFDMシンボル340の下端のけるガードトーンの数であり、NUSBGT_120が120MHzのOFDMシンボル340の上端におけるガードトーンの数であり、NNT_120が120MHzのOFDMシンボル340の中心における空値トーン358の数であることが例外である。
複合チャネルOFDMシンボル340は120MHzチャネルの中心に3個の空値トーン358を含むが、その他の実施形態はチャネルの中心に空値トーンをより多く又は少なく含む。いくつかの実施形態では、複合チャネルの中心における空値トーンの数は1〜11である。いくつかの実施形態では、複合チャネルの中心における空値トーンの数は1〜10である。いくつかの実施形態では、第1チャネルに対応する第1送信フローユニットを使用して複合チャネルOFDMシンボル340の第1セットのトーンを生成し、第2チャネルに対応する第2送信フローユニットを使用して複合チャネルOFDMシンボル340の第2セットのトーンを生成する場合、複合チャネルの中心における空値トーンの数は、(A)i)第1チャネルで送信されるOFDMシンボルを生成する場合に第1送信フローユニットによって生成される上端ガードトーンの数、および、ii)第2チャネルで送信されるOFDMシンボルを生成する場合に第2送信フローユニットによって生成される下端ガードトーンの数、の合計、並びに、(B)i)第1チャネルで送信されるOFDMシンボルを生成する場合に第1送信フローユニットによって生成される下端ガードトーンの数、および、ii)第2チャネルで送信されるOFDMシンボルを生成する場合に第2送信フローユニットによって生成される上端ガードトーンの数、の合計、のうち少ない方より少ない任意の数である。
図4AのOFDMシンボル300に関連して上記したように、多様な実施形態において、OFDMシンボル340の成分チャネル/セクションを別の異なる順序で配置し、3個以上の送信フローユニットを使用してシンボル340を生成し、および/または、シンボル340の複合チャネル帯域幅は120MHzより狭い又は広い。式1〜16のいくつかをこれらの多様な実施形態にしたがって変更してよい。たとえば、複合チャネルOFDMシンボル340の80MHzセクションがシンボル340の上方周波数部分でなく下方部分を占める実施形態では、式3および5をNLSBGT_120>NLSBGT_80およびNUSBGT_120>NUSBGT_40にそれぞれ変更してよい。
図4Dを参照すると、いくつかの実施形態において、複合チャネルOFDMシンボルの例360は、シンボル360ではそれぞれ40MHzおよび80MHzの送信フローユニットによって生成された40MHzセクションおよび80MHzセクションのブロックをインターリーブして周波数ダイバーシチを増大させている点を除いて、シンボル340と同一または類似している(そして、同一または類似の方法で生成されている)。複合チャネルOFDMシンボル360は、40MHz送信フローユニットによって生成された40HzセクションのOFDMトーンと、80MHz送信フローユニットによって生成された80MHzセクションのOFDMトーンとを含む。一つの実施形態では、低周波側から高周波側に向けて、OFDMシンボルの例360は、40MHz送信フローユニットによって生成された40MHzセクションの下方側波帯からの57個のデータおよびパイロットトーン362を含み、80MHz送信フローユニットによって生成された80MHzセクションの下方側波帯からの121個のデータおよびパイロットトーン364を含み、40MHzセクションの上方側波帯からの57個のデータおよびパイロットトーン366を含み、80MHzセクションの上方側波帯からの121個のデータおよびパイロットトーン368を含む。
OFDMシンボル360のトーンを、多様な実施形態において、図4Dに示す方法とは別の方法でインターリーブしてよい。いくつかの実施形態では、40MHzセクションおよび80MHzセクションの上方および下方の側波帯部は、別の順序で配置される。たとえば、多様な実施形態において、可能な順序(小さい(低い)インデックス(周波数)から大きい(高い)インデックス(周波数)に向けての)としては、{80MHz LSB、40MHz LSB、DCトーン、80MHz USB、40MHz USB}、{80MHz LSB、40MHz LSB、DCトーン、40MHz USB、80MHz USB}、{40MHz LSB、80MHz LSB、DCトーン、80MHz USB、40MHz USB}、および{40MHz LSB、80MHz LSB、DCトーン、40MHz USB、80MHz USB}がある。いくつかの実施形態では、インターリーブされたブロックは、大きさが異なる(つまり、トーン数に差がある)。いくつかの実施形態では、40MHzセクションおよび80MHzセクションのそれぞれについて3個以上のトーンブロックをインターリーブする。
一つの実施形態では、少なくとも6個の空値トーン374が120MHzチャネルの下端に含められ、少なくとも5個の空値トーン376が120MHzチャネルの上端に含められ、3個の空値トーン378が120MHzチャネルの中心に含められる。OFDMシンボル360のDCトーンとして機能する空値トーン378を3個だけ含めることで、上端および/または下端のガードトーンとしてさらなるトーンが利用可能になる。
多様な実施形態において、上記の式1〜16の一つ以上がOFDMシンボル360に当てはまるが、NLSBGT_120が120MHzのOFDMシンボル360の下端におけるガードトーンの数であり、NUSBGT_120が120MHzのOFDMシンボル360の状態におけるガードトーンの数であり、NNT_120が120MHzのOFDMシンボル360の中心における空値トーン378の数であることが例外である。
図4CのOFDMシンボル340に関連して上記したように、複合チャネルOFDMシンボル360においては、含む空値トーン378の数が3個から増減し、シンボル360の成分チャネル/セクションが別の順序で配置され、3個以上の送信フローユニットを使用してシンボル360が生成され、および/または、シンボル360の複合チャネル帯域幅が120MHzより狭い又は広い。多様な実施形態にしたがって式1〜16のいくつかを変更してよい。たとえば、たとえば、複合チャネルOFDMシンボル360の80MHzセクションがシンボル360の上方周波数部分でなく下方部分を占める実施形態では、式3および5をNLSBGT_120>NLSBGT_80およびNUSBGT_120>NUSBGT_40にそれぞれ変更してよい。
いくつかの実施形態では、図4A−4Dの例の複合チャネルOFDMシンボル300、320、340、および360は、複合チャネルの上方セクションおよび/または下方セクションのパイロットトーンの数を(たとえば、複合チャネルより狭い成分チャネルOFDMシンボルを生成する場合に、使用される送信フローユニットによって挿入されるパイロットトーンの全数と比べて)少なくすることにより、複合チャネルの上端および/または下端により多くのガードトーンを含む。たとえば、40MHzのOFDMシンボルおよび80MHzのOFDMシンボルにおけるパイロットトーンの全数が14個である(たとえば、40MHzシンボルが6個のパイロットトーンを含み、80MHzシンボルが8個のパイロットトーンを含む)場合、120MHzのOFDMシンボルが含むパイロットトーンは、多様な実施形態において、12個だけ、10個だけ等である。いくつかの実施形態では、パイロットトーン数の減少分だけ各式の左辺を増大させる変更を行うことで、式1〜16(定義を上記のように変更している)の一つ以上が当てはまる。
図4A−4Dの例の複合チャネルOFDMシンボルに含まれるガードトーン数を増やすために用いる技術をその他の実施形態にも拡張してよい。たとえば、3個の40MHz送信フローユニットを使用して120MHzのOFDMシンボルを生成するいくつかの実施形態では、120MHzシンボルの各40MHzセクション間の境界は重なり合い、40MHz送信フローユニットによって通常生成される空値トーンの数が減少する(たとえば、送信フローユニットが通常11個の空値トーンを境界に設ける場合、0〜11または0〜10の間の数に減少する)。
図5は、一つの実施形態に係るガードトーン数を増加させた複合チャネルOFDMシンボルを生成する方法例400を示すフロー図である。図1を参照すると、一つの実施形態では、AP14のPHY処理ユニット20が方法400を実行する。追加的に、または、代替的に、クライアントステーション25−1のPHY処理ユニット29が方法400を実行する。一つの実施形態では、方法400は、図2のPHY処理ユニット100の同一または類似のPHY処理ユニットによって実行される。
ブロック420で、第1送信フローユニットを使用して第1セットのOFDMトーンを生成する。一つの実施形態では、第1送信フローユニットは、図2のPHY処理ユニット100の特定チャネル帯域幅の、たとえば、40MHzの送信フローユニット124に対応する。いくつかの実施形態では、生成された第1セットのOFDMトーンは、たとえば、図4A、4B、4C、または4DのOFDMシンボルの40MHzセクションに含まれるトーンと同一または類似している。
ブロック440で、第2送信フローユニットを使用して第2セットのOFDMトーンを生成する。一つの実施形態では、第2送信フローユニットは図2のPHY処理ユニット100の別の特定チャネル帯域幅の、たとえば、80MHzの送信フローユニット126に対応する。いくつかの実施形態では、第2送信フローユニットに対応するチャネル帯域幅は、第1送信フローユニットに対応するチャネル帯域幅と同一である。いくつかの実施形態では、生成された第2セットのOFDMトーンは、たとえば、図4A、4B、4C、または4DのOFDMシンボルの80MHzセクションに含まれるトーンと同一または類似している。
ブロック460で、第1および第2セットのOFDMトーンを含む複合チャネルOFDMシンボルを生成する。いくつかの実施形態では、複合チャネルは、第1および第2の送信フローユニットに対応するチャネル帯域幅の合計(たとえば、40MHzおよび80MHzの送信フローユニットを使用する場合は、120MHz)に等しい、もしくは略等しい帯域幅を有する。いくつかの実施形態では、複合チャネルOFDMシンボルは、たとえば、図4A、4B、4C、または4DのOFDMシンボルと同一もしくは類似している。
一つの実施形態では、ブロック460で生成された複合チャネルOFDMシンボルは、複合シンボルがそれより狭い成分チャネルに対応するOFDMシンボルに含まれるトーンを単に連結しただけのものである場合にその複合シンボルに含まれるであろう下端および/または上端のガードトーン数に比べて、下端および/または上端のガードトーン数が増加している。多様な実施形態において、複合チャネルOFDMシンボルは、図4A−4Dに関連して上記した方法のいずれか一つによって生成される(たとえば、成分チャネルセクション間の境界における空値トーンの数を減らす、各成分チャネルセクションの中心における空値トーンを除去する等)。いくつかの実施形態では、生成されたOFDMシンボルの下端および/または上端のガードトーン数は、上記の式1〜16の一つ以上を満たす。
いくつかの実施形態では、方法400の段階は、同時にまたは別の順序で実行してよい。たとえば、一つの実施形態では、ブロック420での第1セットのOFDMトーンの生成は、ブロック440での第2セットのOFDMトーンの生成と少なくとも部分的に同時に実行される。さらに、いくつかの実施形態では、方法400は、さらなる段階を備える。たとえば、一つの実施形態では、第3送信フローユニットを使用して第3セットのOFDMトーンを生成し、生成される複合チャネルOFDMシンボルは、第3セットのOFDMトーンをさらに含む。いくつかの実施形態では、第3送信フローユニットは、たとえば、40MHz、80MHz、またはその他の帯域幅等のさらに別の特定のチャネル帯域幅に対応する。いくつかの実施形態では、第3送信フローユニットに対応するチャネル帯域幅は、第1および第2の送信フローユニットのそれぞれに対応するチャネル帯域幅と同一である。いくつかの実施形態では、生成された第3セットのOFDMトーンは、たとえば、図4A、4B、4C、または4DのOFDMシンボルの40MHzまたは80MHzのセクションに対応するトーンと同一または類似している。
上記のように下端および/または上端のガードトーン数を増やす潜在的な必要性に加えて、複合チャネルで送信する場合、他の多様な設計上の問題が発生しうる。このような設計上の問題のいくつか、およびこれらの問題に対処する実施形態を、40MHzおよび80MHzの送信フローユニットを使用して120MHz複合チャネルを生成する実施形態/シナリオ例を参照して以下に記載する。
図2に戻ると、スクランブラ104、符号化解析器106、符号化器108、およびストリーム解析器110は、一つの実施形態では、使用される送信フローユニット124および126に対応する40MHzチャネルおよび80MHzチャネルの場合でと同様に120MHzチャネルの場合に動作する。さらに、ストリーム解析器110は、以下に記載する点を除いて、120MHzチャネルの場合と、40MHzおよび80MHzのチャネルの場合と、の両方において同様に動作する。
120MHzチャネルに関して、NCBPSが1シンボル当たりの符号化ビット数であり、NESが符号化器の数であり、SがNSS個のストリームに割り当てられるビット数NSS×sであり、sがS個のビットを含むブロックのうち各ストリームに割り当てられるビットの数である場合、許容されたMCSについて、NCBPS/NES/Sが整数でない例がある。
(1)256QAM、R=3/4、NSS=5、NES=5
(2)256QAM、R=3/4、NSS=7、NES=7
(3)256QAM、R=3/4、NSS=8、NES=8
(4)256QAM、R=5/6、NSS=7、NES=8
ここで、Rは符号化レートであり、NSSは空間ストリーム数である。
上記の(1)、(2)、および(3)の場合、NCBPS/NESはsの倍数である。これらの場合、一つの実施形態では、1回毎にS=NSS×s個のビットを各BCC符号化器から取得し、全BCC符号化器間でローテーションしながら、s個ずつビットをNSS個のストリームに割り当てる。これを、各符号化器において整数であるS個のビットを含む最後のブロック(階数(NCBPS/NES/S))になるまで継続する。各OFDMシンボルのこの時点において、各BCCにM×s(M<NSS)個のビットが残っている場合、現在のOFDMシンボルにおける最後のM×s個のビットを第1の符号化器から取得し、最初のM個の空間ストリームに割り当てる(各ストリームにsビット)。現在のOFDMシンボルにおける最後のM×s個のビットを第2の符号化器から取得し、(M+1)番目の空間ストリームから起算してM個の空間ストリーム間で分配し、以下同様にする。NSS番目の空間ストリームに達すると、処理は第1の空間ストリームに戻り、現在のOFDMシンボルに全ビットが分配されるまで繰り返される。
上記の(4)の場合、NCBPS/NESはsの倍数ではない。この場合、一つの実施形態では、(4)のMCSが許容されない。別の実施形態では、(4)のMCSに対して、ストリーム解析器の特別な規則が規定される。各符号化器で整数であるS個のビットを含む最後のブロック(階数(NCBPS/NES/S))になるまで、同じストリーム解析を適用する。その時点で、各BCC符号化器において、各OFDMシンボルに14ビットが残っている(s=4であることにも注意されたい)。第一の実施形態では、第1のBCC符号化器出力からの残り14ビットが、1ビットまたは2ビットずつのラウンドロビンで7個のストリームに割り当てられる。次に、第2のBCC符号化器出力からの残り14ビットが同様に割り当てられる。全8個の符号化器の全ビットが割り当てられるまで同じことが繰り返される。第二の実施形態では、全8個のBCC符号化器に残る112(14×8)ビットを連結する(第1のBCC符号化器の14ビット、第2のBCC符号化器の14ビット等)。初めから数えてS=28(=7×4)個のビットを112ビットのシーケンスから取得して、sビットずつ7個のストリームに割り当てる。次に、次のS個のビットを連続してこのシーケンスから取得して同様に割り当て、112個の残りのビットの全てが7個のストリームに割り当てられるまで繰り返す。
図2を再び参照して、各周波数解析器114は、一つの実施形態では、120MHzチャネルモードのとき、各OFDMシンボルにおいて、各空間ストリームにつき40MHz送信フローユニット124にNCBPS_40/NSSビットが割り当てられ、各空間ストリームにつき80MHz送信フローユニット126にNCBPS_80/NSSビットが割り当てられるように、ビットを解析する。ここでNCBPS_40は、40MHz送信フローユニットについてシンボル当たりの符号化ビット数であり、NCBPS_80は、80MHz送信フローユニットについてシンボル当たりの符号化ビット数であり、NSSは、空間ストリーム数である。
いくつかの実施形態では、各120MHzのOFDMシンボルについて、ストリーム解析器110の出力でNCBPSS個のビットをグループ化する。ここで、NCBPSSは、空間ストリーム当たりの符号化ビット数である。第一の実施形態では、NCBPSS個のビットを、40MHzセグメントが埋め尽くされるまで、2ビットずつ80MHzセクションに、1ビットずつ40MHzセクションに、ラウンドロビンで(たとえば、最初の2ビットを80MHzセグメントに、次に3番目のビットを40MHzセグメントに、等)割り当てる。次に、残りの26×M個のビットを80MHzセグメントに割り当てる。ここで、Mは、各コンステレーション点によって表される符号化ビット数である(たとえば、16QAMではM=4である)。いくつかの実施形態では、80MHzセグメントは40MHzセグメントよりトーンを3倍以上の数含み、したがって、各ストリームにつき、各OFDMシンボルにビットを3倍以上の数含む。
第二の実施形態では、NCBPSSビットを、40MHzセグメントが埋め尽くされるまで、2sビットずつ80MHzセグメントに、sビットずつ40MHzセグメントに、ラウンドロビンで(たとえば、最初の2s個のビットを80MHzセグメントに、次に次のs個のビットを40MHzセグメントに、等)割り当てる。次に、残りの26×Mビットを80MHzセグメントに割り当てる。ここで、Mは、各コンステレーション点によって表される符号化ビット数である。いくつかの実施形態では、80MHzセグメントは、各OFDMシンボルにつき、各ストリームに40MHzセグメントの3倍以上の数のビットを含み、40MHzセグメントは常に各OFDMシンボルにつき各ストリームに整数であるs個の符号化ビットを含むことに再び注意されたい。
第三の実施形態では、NCBPSS個のビットを、40MHzセグメントにおいて割り当てられないビットがs×NES個未満となるまで、2s×NESビットずつ80MHzセグメントに、s×NESビットずつ40MHzセグメントに、ラウンドロビンで(たとえば、最初の2s×NES個のビットを80MHzセグメントに、次に次のs×NES個のビットを40MHzセグメントに、等)割り当てる。この時点で割り当てられていないビットが40MHzセグメントにある場合、40MHzセグメントが埋め尽くされるまで、残るビットを2sビットずつ80MHzセグメントに、sビットずつ40MHzセグメントにラウンドロビンで割り当てる。この時点で割り当てられていないビットが40MHzセグメントになければ、次に残りの26×Mビットを80MHzセグメントに割り当てる。ここで、Mは、各コンステレーション点によって表される符号化ビット数である。
再び図2に戻ると、CSDユニット(たとえば、CSDユニット140)は、いくつかの実施形態では、複合チャネルモードで送信する場合、違う動作を行う。通常、周波数領域CSD値(つまり、位相シフト)は、搬送周波数に対して相対的である。たとえば、一つの実施形態では、インデックスがkであるIDFTトーンにおける位相シフトは、θk(iSTS)=−2πkΔFTCH,VHT(iSTS)である。ここで、ΔFは、現在のトーンの実際の周波数と搬送周波数との差であり、iSTSは、時空間ストリームのインデックスであり、TCH,VHT(iSTS)は、当該ストリームの周期的シフトである。したがって、一つの実施形態では、120MHz送信フローユニット(たとえば、40MHzおよび80MHzの送信フローユニット)は、CSD位相シフト決定するべく、「搬送周波数」として機能するトーンを規定しなければならない。たとえば、一つの実施形態では、40MHzセクションと80MHzセクションとの間の境界におけるトーンを、CSD位相シフトを決定するべく、「搬送周波数」にあると見なす。別の例として、一つの実施形態では、CSD位相シフトを決定するべく、120MHzチャネルの中心におけるトーンを「搬送周波数」にあると見なす。
いくつかの実施形態では、120MHz複合チャネルを使用して送信する場合、許容可能なMCSについて一つ以上の除外規則が適用される。一つの実施形態では、NDBPSをシンボル当たりのデータビット数とすると、あるBCC符号化器を想定した場合、(符号化器当たりの)NCBPSおよびNDBPSが整数である(つまり、NCBPS/NESおよびNDBPS/NESが両方とも整数である)場合にだけ、MCSは許容される。一つの実施形態では、120MHzチャネルに共同的な符号化を使用し、以下の条件を満たさなければならない。
mod(NCBPS/NES,DR)=0
ここで、符号化レートは、R=NR/DRである(つまり、R=1/2である場合、DR=2であり、R=2/3である場合、DR=3であり、R=3/4である場合、DR=4であり、R=5/6である場合、DR=6である)。
一つの実施形態では、120MHzチャネルにLDPC符号化を使用する場合、同じ許可および除外されたMCSを使用する。120MHzの場合、この除外規則に基づいて以下のMCSを除外する。
{16QAM、3/4、NSS=7}、{64QAM、2/3、NSS=7}、{64QAM、3/4、NSS=5}、{64QAM、3/4、NSS=6}、{64QAM、3/4、NSS=7}、{64QAM、5/6、NSS=4}、{64QAM、5/6、NSS=5}、{64QAM、5/6、NSS=6}、{64QAM、5/6、NSS=8}、{256QAM、5/6、NSS=4}、{256QAM、5/6、NSS=6}、および{256QAM、5/6、NSS=8}。
許容されるMCSおよび除外規則の例については、米国特許出願第13/231,670号(2011年9月13日出願)により詳細に記載されており、その内容の全体を本明細書に参照として組み込むものとする。
BCC符号化の代わりにLDPC符号化を使用するいくつかの実施形態では、符号化解析器106および符号化器108を一つのLDPC符号化器に置き換える。さらに、これらの実施形態のいくつかでは、各送信フローユニットの各経路に(たとえば、QAM変調器134−1とトーンマッピングユニット136−1との間に)LDPCトーンマッパを設けて、LDPC専用のトーンマッピングを提供する。
いくつかの実施形態では、第1通信プロトコル(たとえば、VHTプロトコル)に準拠する複合チャネルOFDMシンボルのデータユニットは、第1通信プロトコルに対応する部分と、第2通信プロトコルに対応する「レガシー」部分とを含むプリアンブルを有する。図6は、一つの実施形態において、図1のAP14がクライアントステーション25−1に送信するデータユニットの例500を示す図である。一つの実施形態においては、クライアントステーション25−1も、図6のフォーマットのデータユニットをAP14に送信する。データユニット500は、レガシーショートトレーニングフィールド(L−STF)502、レガシーロングトレーニングフィールド(L−LTF)504、レガシー信号フィールド(L−SIG)506、第1ベリーハイスループット信号フィールド(VHT−SIGA)508、ベリーハイスループットショーとトレーニングフィールド(VHT−STF)512、N個のベリーハイスループットロングトレーニングフィールド(VHT−LTF)514(Nは、整数)、および第2ベリーハイスループット信号フィールド(VHT−SIGB)518を含む。データユニット500は、ベリーハイスループットデータ部(VHT−DATA)522も含む。データ部522は、サービスビットおよび情報ビット(不図示)を含む。
例示的な実施形態では、複合チャネルで送信されるデータユニットのプリアンブルは、二重のサブバンドを含むレガシー部と、使用されている送信フローユニットに対応するセクションから構成される非レガシー部とを含む。図7は、図6のデータユニット500等のデータユニットのレガシー部および非レガシー部を持つプリアンブルの例540を示す周波数領域図である。図7に示す実施形態では、6個の二重の20MHzレガシー部542の後に、80MHz VHT部544および40MHz VHT部546が続く。一つの実施形態では、VHT部のトーンマッピングは、80MHzセクション544と40MHzセクション546との境界に搬送周波数552が来るように実行される(たとえば、図4Aまたは4Bの例のOFDMシンボル300または320のように、境界に3個のDCトーンを挿入する)。別の実施形態では、VHT部のトーンマッピングは、80MHzセクションおよび40MHzセクションにより形成される120MHz複合チャネルの中心に搬送周波数550が来るように実行される(たとえば、図4Cまたは4Dの例のOFDMシンボル340または360のように、中心に3個のDCトーンを挿入する)。これらの2つの実施形態の両方において、搬送周波数は、20MHzレガシー部542のうち2つの間の境界と位置が合う(たとえば、搬送周波数550は542−3と542−4との間であり、搬送周波数552は542−4と542−5との間である)。複合チャネルのセクション(たとえば、40MHzおよび80MHz)のガードトーンおよび/またはDCトーンを除去および/または重ね合わせるいくつかの実施形態では、レガシー部542を合わせると、VHT部544および546よりも広い帯域幅を占める。
いくつかの実施形態では、複合チャネルプリアンブルのレガシー部および非レガシー部の一方または両方は、回転係数を適用して、送信されるOFDM信号のピーク対平均電力比(PAPR)を減少させる。図7の例の実施形態では、サブバンド位相シフト(回転係数)γ1〜γ6を6個の20MHzレガシー部542−1〜542−6にそれぞれ適用する。一つの実施形態では、位相シフトγ1〜γ6をプリアンブルの非レガシー部の6個の20MHzセクション(たとえば、80MHz VHT部544内の4個の20MHzサブバンドおよび40MHz VHT部546内の2個の20MHzサブバンド)にも適用する。
いくつかの実施形態では、特定のサブバンド(たとえば、特定の20MHzサブバンド)内に(トーン順序化/インターリーブ後に)配置される全副搬送波に特定の位相シフト係数γiを適用(つまり、乗算)するべきである。ここで、iはサブバンドのインデックスである。γ係数を任意に組み合わせてよい。たとえば、図7のようにi=1〜6である場合、多様な実施形態において、γ=[1 −1 −1 −1 1 j]、γ=[1 j 1 −1 −1 −1]等である。
複合チャネル(たとえば、120MHzチャネル)の周波数位置が成分チャネル(たとえば、40MHzまたは80MHzチャネル)の周波数位置に合っていない特定のシナリオでは、さらなる設計上の問題が生じうる。たとえば、図8のチャネル化図560を参照すると、中国におけるIEEE802.11通信で5725〜5850MHzでの使用を現在検討されている120MHzチャネル562は、米国におけるIEEE802.11通信で使用されている20、40、および80MHzチャネル564、566、および568と位置が合っていない(つまり、これらを連結したものと周波数が同一の外延を持っていない)。120MHzチャネル562と中国における帯域幅の制限としての125MHzとの帯域幅ギャップに付随する潜在的な問題に加えて、中国における120MHzチャネルと米国における20、40、および80MHzチャネルとを位置合わせするには、20、40、または80MHz送信モードから中国の120MHz送信モードに(または、その逆に)変更するときに、搬送周波数を変更する必要がある。搬送周波数を物理的に変更する(つまり、搬送周波数を生成する局部発振器(LO)の周波数を変更する)と、比較的大きい望ましくない遅延が導入されてしまう可能性がある。
第一の例示的な実施形態では、OFDMシンボルのDCトーン(たとえば、図4A−4Dのシンボルのトーン318、338、358、および378)を80MHzチャネル568の中心の周波数570にマッピングすることにより、搬送/LO周波数の切り替えを回避する。第二の例示的な実施形態では、OFDMシンボルのDCトーンを40MHzチャネル566−2の中心の周波数572にマッピングすることにより、搬送/LO周波数の物理的切り替えを回避する。
第一の例示的な実施形態(つまり、80MHzの中心周波数を使用する)では、図8の周波数570にDCトーンをマッピングすることにより、DCトーンの周囲におけるトーンマッピングが不均等になり、図9Aの例の複合チャネルOFDMシンボル600に示すトーンマッピングのようになる。いくつかの実施形態では、OFDMシンボル600は図4Dのシンボル360に類似しているが、しかし、120MHzチャネルの中心にDCトーンを含まない。シンボル360と同様に、OFDMシンボル600は、40MHz送信フローユニットによって生成された40MHzセクションのOFDMトーンと、80MHz送信フローユニットによって生成された80MHzセクションのOFDMトーンとを含む。一つの実施形態では、OFDMシンボルの例600は、低周波数側から高周波数側に向けて、40MHz送信フローユニットによって生成された40MHzセクションにおける狭いほうの下方側波帯の16個のデータおよびパイロットトーン602と、80MHz送信フローユニットによって生成された80MHzセクションの下半分の側波帯の121個のデータおよびパイロットトーン604と、80MHzセクションの上半分の側波帯の121個のデータおよびパイロットトーン606と、40MHzセクションの広いほうの上方側波帯の98個のデータおよびパイロットトーン608とを含む。この第一の実施形態では、DCトーンが80MHzチャネルの中心周波数と位置が合う限り、どのようなトーンマッピングも可能である。たとえば、(低周波数(小さいインデックス)から高周波数(大きいインデックス)に向けての)可能な順序としては、多様な実施形態において、{80MHz LSB(半分)、40MHz LSB(狭い)、DCトーン、80MHz USB(半分)、40MHz USB(広い)}、{80MHz LSB(半分)、40MHz LSB(狭い)、DCトーン、40MHz USB(広い)、80MHz USB(半分)}、および{40MHz LSB(狭い)、80MHz LSB(半分)、DCトーン、40MHz LSB(広い)、80MHz LSB(半分)}が挙げられる。いくつかの実施形態では、40MHzセクションおよび80MHzセクションのそれぞれにおいて、3個以上のトーンブロックをインターリーブする。一つの実施形態では、120MHz OFDMシンボルの80MHzの各側波帯および/または40MHzの各側波帯におけるパイロットトーンの位置は、対応する送信フローユニットが80MHzおよび/または40MHzのOFDMシンボルをそれぞれ生成する場合と変わらない。別の実施形態では、120MHzパイロットの位置を、120MHzチャネルの全体で均等もしくは略均等に分布するよう再配置する。
OFDMシンボルの例600は、さらに、13個の下端ガードトーン610、12個の上端ガードトーン612、および搬送周波数と位置が合った3個のDCトーン614を含む。その他の実施形態では、含まれるガードトーン610および612の数が増減し、含まれるDCトーン614の数が増減する。120MHzチャネルの中心からの搬送周波数のオフセットを可能にするべく、一つの実施形態では、より大きいチャネル帯域幅に対応する大きさのIDFT(たとえば、160MHzチャネルに対応する512ポイントのIDFT)を用い、使用されないトーンにはゼロを挿入する。
第二の例示的な実施形態(つまり、40MHzの中心周波数を使用する)では、図8の周波数572にDCトーンをマッピングすると、同じくDCトーンの周囲におけるトーンマッピングが不均等になり、図9Bの例の複合チャネルOFDMシンボル620に示すトーンマッピングのようになる。いくつかの実施形態では、OFDMシンボル620は図4Dのシンボル360に類似しているが、しかし、120MHzチャネルの中心にDCトーンを含んでいない。シンボル360のように、OFDMシンボル620は、40MHz送信フローユニットによって生成された40MHzセクションのOFDMトーンと、80MHz送信フローユニットによって生成された80MHzセクションのOFDMトーンとを含む。OFDMシンボルの例620は、低周波数側から高周波数側に向けて、80MHz送信フローユニットによって生成された80MHzセクションの広いほうの下方側波帯の142個のデータおよびパイロットトーン622と、40MHz送信フローユニットによって生成された40MHzセクションの下方半分の側波帯の57個のデータおよびパイロットトーン624と、40MHzセクションの上方半分の側波帯の57個のデータおよびパイロットトーン626と、80MHzセクションの狭いほうの上方側波帯の100個のデータおよびパイロットトーン628とを含む。この第二の実施形態では、DCトーンが40MHzチャネルの中心周波数に位置合わせされる限り、どのようなトーンマッピングも可能である。たとえば、(低周波数(小さいインデックス)から高周波数(大きいインデックス)に向けての)可能な順序としては、多様な実施形態において、{80MHz LSB(広い)、40MHz LSB(半分)、DCトーン、80MHz USB(狭い)、40MHz USB(半分)}、{40MHz LSB(半分)、80MHz LSB(広い)、DCトーン、80MHz USB(狭い)、40MHz USB(半分)}、および{40MHz LSB(半分)、80MHz LSB(広い)、DCトーン、40MHz LSB(半分)、80MHz LSB(狭い)}が挙げられる。いくつかの実施形態では、40MHzセクションおよび80MHzセクションのそれぞれにおいて3個以上のトーンブロックをインターリーブする。一つの実施形態では、120MHz OFDMシンボルの80MHzの各側波帯および/または40MHzの各側波帯におけるパイロットトーンの位置は、対応する送信フローユニットが80MHzおよび/または40MHzのOFDMシンボルをそれぞれ生成する場合と変わらない。別の実施形態では、120MHzパイロットの位置を、120MHzチャネルの全体で均等もしくは略均等に分布するよう再配置する。
OFDMシンボルの例620は、さらに、13個の下端ガードトーン630、12個の上端ガードトーン632、および搬送周波数と位置が合った3個のDCトーン634を含む。その他の実施形態では、含まれるガードトーン630および632の数が増減し、含まれるDCトーン634の数が増減する。120MHzチャネルの中心からの搬送周波数のオフセットを可能にするべく、一つの実施形態では、より大きいチャネル帯域幅に対応する大きさのIDFT(たとえば、160MHzチャネルに対応する512ポイントのIDFT)を用い、使用されないトーンにはゼロを挿入する。
いくつかの実施形態では、OFDMシンボル600またはOFDMシンボル620を搬送するデータユニットのプリアンブルは、搬送周波数(DCトーン614またはDCトーン634にある)がプリアンブルのレガシー部の有用なデータもしくはパイロットトーンに来てしまう事態を回避するべく、図7のプリアンブル540とは異なる構成を持つようにする。図8のチャネル化を参照すると、一つの実施形態では、たとえば、4個もしくは5個の20MHzチャネル564をプリアンブルの二重レガシー部に使用する。
このような配置を図10の例のプリアンブル640に示す。このプリアンブル例640は、一つの実施形態では、データユニット、たとえば、図6のデータユニット500のプリアンブルである。プリアンブル例640は、5個の二重の20MHzレガシー部642と、その後に120MHz VHT部644とを含む。(上記したように)120MHzチャネルの搬送周波数が80MHzの中心周波数と位置が合ういくつかの実施形態では、VHT部のトーンマッピングは、搬送周波数650が20MHzレガシー部セクション642−2と642−3との間に来る。したがって、プリアンブルの二重20MHzレガシー部のオフセットによって、レガシー部の20MHzセクションのいずれにも搬送周波数が来ないようになる。(同じく上記したように)120MHzチャネルの搬送周波数が40MHzの中心周波数と位置が合ういくつかの実施形態では、VHT部のトーンマッピングは、搬送周波数652が20MHzレガシー部セクション642−3と642−4との間に来る。したがって、この場合も、プリアンブルの二重20MHzレガシー部のオフセットによって、レガシー部の20MHzセクションのいずれにも搬送周波数が来ないようになる。
図7の例のプリアンブル540でのように、一つの実施形態では、複合チャネルプリアンブル640のレガシー部および非レガシー部の一方または両方は、回転係数を適用して、送信されるOFDM信号の送信されるOFDM信号のピーク対平均電力比(PAPR)を減少させる。図10の例のプリアンブル640では、サブバンド位相シフト(回転係数)γ1〜γ5を5個の20MHzレガシー部642−1〜642−5にそれぞれ適用する。一つの実施形態では、位相シフトγ1〜γ5をさらに非レガシープリアンブル部の最初の5個の20MHzサブバンドにも適用し、第6の位相シフトγ6を第6の20MHzサブバンドに適用する。一つの実施形態では、適切な電力スカラーを用いることで、送信されるデータユニットにおいて、帯域幅が狭いレガシー部と帯域幅が広い非レガシー部とに同じ電力を維持する。
プリアンブル640のレガシー部に使用される5個の20MHzチャネルを、いくつかの実施形態では、アクセス制御チャネルとしても使用する。これらの実施形態では、主チャネルは、5個の20MHzチャネルのうちいずれとすることもできる。周波数がオフセットされた20MHzチャネルをプリアンブルの一部として使用し、さらにアクセス制御チャネルとしても使用することについては、米国特許出願第13/246,351号(2011年9月27日出願)により詳細に記載されている。
複合チャネルが成分チャネルと位置が合っておらず、複合チャネルより広いチャネルに対応する大きさのIDFTを使用するいくつかの実施形態および/またはシナリオでは、生成されたOFDMトーンをシフタを使用してシフトし、複合チャネルが所望の帯域に含まれるようにする。たとえば、図8を参照すると、40MHzチャネル566−2の中心周波数と等しい搬送周波数を使用すると想定すると、複合チャネル562は、LO/搬送周波数を物理的に切り替えることなくチャネル562を中国の125MHz帯域に収めるべく、7.5MHz(たとえば、312.5kHzトーンスペーシングで24個のトーン)シフトダウンした120MHzチャネルを表す。この目的を達成するべく、例として図2を参照すると、一つの実施形態では、シフタ148は、40MHzおよび80MHz送信フローユニット124および126によって生成されたOFDMトーンを、IDFTユニット150が512ポイントのIDFTを実行する前に、24トーン、シフトダウンする。一つの実施形態では、以下のように、OFDMトーンを、24トーン、シフトダウンする。
Y(k)=X40(k)、 k<0、
Y(k)=X80(k)、 k>0、
Y(k)=Y(k+24)、 k<(512−24)、
Y(k)=0、 k>(512−24)
ここで、kはトーンのインデックスであり、Y(k)はシフタの出力であり、X40(k)は40MHz送信フローユニットの出力であり、X80(k)は80MHz送信フローユニットの出力である。いくつかの実施形態では、X40(k)および/またはX80(k)をさらにシフトして、上記のように40MHzセクションと80MHzセクションとの間の境界における空値トーンを重ね合わせてその数を減らす。搬送周波数として使用されるLO周波数を複合チャネルへの/からの変更時に物理的に切り替えるいくつかの実施形態では、シフタを設けず、もしくは、使用しない。
上記したように、いくつかの実施形態では、3個の40MHz送信フローユニットを使用して120MHz複合チャネルOFDMシンボルを形成する。これらの実施形態のいくつかでは、搬送周波数は、120MHz OFDMシンボルの中間の40MHzトーンセクションの中心と位置が合うので、シフタを設けず、もしくは、使用しない。これらの実施形態のその他では、搬送波は、中間の40MHzセクションの中心と位置が合わない。たとえば、図8を参照すると、いくつかの実施形態では、(たとえば、120MHzチャネルに/から変更するときに、LO/搬送波の切り替えを省くべく)40MHzチャネル566−2の中心を複合チャネルの搬送周波数として使用する。これら後者の実施形態のいくつかでは、シフタが、使用されている3個の送信フローユニットから出力されるOFDMトーンを必要に応じて(たとえば、上記の例でのように、24トーン、ダウン)シフトし、複合チャネルを所望の帯域内に収める。
上記の多様なブロック、動作、および技術の少なくともいくつかを、ハードウェア、ファームウェア命令および/またはソフトウェア命令を実行するプロセッサ、または、これらの任意の組み合わせによって実施してよい。ソフトウェア命令またはファームウェア命令を実行するプロセッサを使用して実施した場合、ソフトウェア命令またはファームウェア命令は、磁気ディスク、光ディスク、もしくはその他の有形の記憶媒体等のコンピュータ可読メモリ、RAM、ROM、もしくはフラッシュメモリ、プロセッサ、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、テープドライブ等に記憶してよい。同じく、ソフトウェア命令またはファームウェア命令は、ユーザまたはシステムに、任意の周知もしくは所望の配布方法、たとえば、コンピュータ可読ディスクもしくはその他の可搬型有形コンピュータ記憶化ニズム上で、または通信媒体を介して、配布してよい。通信媒体は、通常、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、もしくはその他のデータを、搬送波等の変調データ信号またはその他の可搬型メカニズムとして具現化する。「変調データ信号」という用語は、情報を符号化するべく、その特質の一つ以上を設定もしくは変更した信号を意味する。限定ではなく例示として、通信媒体は、有線ネットワークもしくは直接配線接続等の有線媒体、および音声、無線周波数、赤外線、もしくはその他の無線媒体等の無線媒体を含む。したがって、ソフトウェア命令またはファームウェア命令は、ユーザまたはシステムに、電話線、DSLライン、ケーブルテレビライン、光ファイバーライン、無線通信チャネル、インターネット等(これらを、可搬型記憶媒体を介してこのようなソフトウェアを提供するという点において同一もしくは交換可能と見なす)の通信チャネルを介して配布してよい。ソフトウェア命令またはファームウェア命令は、プロセッサによって実行されるとプロセッサに多様な動作を実行させる、その他のコンピュータ可読記憶媒体のメモリに記憶された機械可読命令を含んでよい。
ハードウェアで実施する場合、ハードウェアは、個別部品、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラム可能論理回路(PLD)等の一つ以上を含んでよい。
本発明の限定ではなく例示として意図された特定の例を参照して本発明を記載したが、本発明の範囲から逸脱することなく、開示した実施形態に変更、追加、および/または削除を行ってよい。