JP5821527B2 - ロール偏芯除去方法及びロール偏芯除去制御装置 - Google Patents
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Description
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、非圧延時においてロール偏芯を解析するとともに、圧延時におけるロール偏芯の解析をも加味してロール偏芯を除去することのできるロール偏芯除去方法およびロール偏芯除去制御装置を提供することを目的としている。
図1に示すように、この圧延装置10は、一対の上下バックアップロールB1,B2と、この上下バックアップロール対B1,B2の間に設けられた一対の上下ワークロールW1,W2とを備え、これら上下ワークロール対W1,W2の間で被圧延材(鋼板)を圧延可能となっている。上下ワークロール対W1,W2の近傍には、板厚計T8が設けられており、この板厚計18によって、被圧延材の板厚実績値が測定可能になっている。
また、図1に示すように、油圧圧下制御装置1は、上下バックアップロールB1,B2の偏芯解析を行う解析演算部14と、この解析演算部14に電気的に接続される制御部(PLC)15と、前記圧下シリンダ12(サーボ弁13)の制御量を演算するシリンダ位置制御演算部16と、前記制御部15における操作パネルとしての機能と、解析結果を表示する表示部としての機能とを兼ねる操作部17とを備えている。
本実施形態に係るロール偏芯解析処理は、まず、非圧延時に、図2のステップS11にて制御値Aを設定し、圧延開始からの所定期間は、この制御値Aに基づいてロール偏芯量を制御する。制御値Aの設定については、非圧延時に上下ワークロールW1,W2を一定の力で接触させてキスロール状態とし、この状態にて荷重変動をフーリエ級数展開することでロール偏芯解析(以下、オフラインロール偏芯解析とも称す)を実行している。
本実施形態に係る油圧圧下制御装置1では、制御値Aの設定を行なうにあたり、図3に示すように、3回の解析を行なっている。
はじめに、解析演算部14は、上下バックアップロールB1,B2の一回転区問にフーリエ解析を行い、この解析結果に基づき上下バックアップロールB1,B2の偏芯補正を行う。
そして、解析演算部14から送られた1回転目の解析結果に基づき、シリンダ位置制御演算部16がサーボ弁13の開度を調整して圧下シリンダ12を動作させることでロール偏芯に起因する荷重変動を除去する制御を行う。続いて、上下バックアップロールB1,B2における二回転区間にフーリエ解析を行う。このとき、上下バックアップロールB1,B2は、1回転目のフーリエ解析に基づく偏芯除去補正が行われた状態となっている。
これにより、下式(1)〜(3)を求める。
続いて、上記式(2)、(3)で示されるan、bnを用い、パルスジェネレータPG1,PG2のマーカーパルスタイミング毎に学習計算を行い、下式(4)、(5)を求める(工程F2)。
上記解析演算部14は、圧延時においては、上記圧延装置10のパルスジェネレータPG1,PG2によって測定されるバックアップロール対B1,B2の回転速度、ロードセル11により測定される圧延荷重およびロールギャップから求まる設定板厚と、板厚計18で測定される被圧延材の板厚実績値とに基づいて、バックアップロール対B1,B2の一回転区間毎の設定板厚と実績板厚との誤差を随時にフーリエ解析する(オンラインロール偏芯解析工程)。なお、このオンラインロール偏芯解析工程は、上述したバックアップロール対B1,B2の一回転区間毎の荷重変動をフーリエ解析する点に替えて、バックアップロール対B1,B2の一回転区問毎の設定板厚と実績板厚との誤差を随時にフーリエ解析する点以外は、上記詳述した非圧延時におけるオフラインロール偏芯解析工程同様であるため、解析ステップの詳細については説明を省略する。
図2に示したように、上記構成の油圧圧下制御装置1において、解析演算部14は、オフラインロール偏芯解析工程を実行するために、まず、非圧延時において、ワークロール対を接触させてキスロール状態にし、所定の荷重をかけて圧延機を運転し、荷重変動をフーリエ級数展開してロール偏芯除去制御値A(上述したオフラインロール偏芯解析工程での解析結果)を設定する。そして、圧延開始から所定の期間までは、この制御値Aに基づいてロール偏芯除去制御を実行する(図2のステップS11からステップS13が対応)。
圧延開始後、解析演算部14は、一本目の鋼板には上記制御値Aにてロール偏芯除去制御を実行し、N本目の鋼板には制御値A×B^(N1−1)にてロール偏芯除去制御を実行する(図6参照)。
以上説明したように、この油圧圧下制御装置1およびロール偏芯除去制御方法によれば、非圧延時においてロール偏芯を解析するとともに、圧延時におけるロール偏芯の解析をも加味してロール偏芯を除去することができる。
例えば、上記実施形態では、オフラインロール偏芯解析においては、特許文献1に示される方法と同様の方法を採用した例で説明したが、これに限定されず、非圧延時に、ワークロール対を接触させたキスロール状態で圧延機を運転し、バックアップロール対を所定回転数だけ回転させてバックアップロール対の一回転区間毎の荷重変動をフーリエ解析するものであれば、種々の形態とすることができる。また、オンラインロール偏芯解析工程において同様である。
10 圧延装置
11 ロードセル
12 圧下シリンダ
13 サーボ弁
14 解析演算部
15 制御部
16 シリンダ位置制御演算部
17 操作部
18 板厚計
B1,B2 上下バックアップロール対
W1,W2 上下ワークロール対
PG1,PG2 パルスジェネレータ
Claims (4)
- 一対のバックアップロールの間に設けられたワークロール対の間で鋼板を圧延する圧延機において前記バックアップロール対のロール偏芯を除去する方法であって、
非圧延時に、前記ワークロール対を接触させたキスロール状態で前記圧延機を運転し、前記バックアップロール対を所定回転数だけ回転させて前記バックアップロール対の一回転区間毎の荷重変動をフーリエ解析するオフラインロール偏芯解析工程と、圧延時に、前記圧延機で測定される前記バックアップロール対の回転速度、圧延荷重およびロールギャップから求まる設定板厚と、板厚計で測定される鋼板の板厚実績値とに基づいて、前記バックアップロール対の一回転区間毎の設定板厚と実績板厚との誤差を随時にフーリエ解析するオンラインロール偏芯解析工程とを含み、
前記圧延機が圧延を開始した直後から所定の期間は、前記オフラインロール偏芯解析工程での解析結果を用いて偏芯除去制御を行い、前記所定の期間を超えたときには、前記オフラインロール偏芯解析工程での解析結果に替えて前記オンラインロール偏芯解析工程での随時の解析結果を用いて偏芯除去制御を行うことを特徴とするロール偏芯除去方法。 - 前記所定の期間は、前記オフライン偏芯解析工程でのフーリエ解析の結果にゲインを掛けて圧延経過とともにロール偏芯除去制御値を減衰させていき、これにより減衰したロール偏芯除去制御値が、前記オンラインロール偏芯解析工程での随時の解析結果を下回るまでの期間であることを特徴とする請求項1に記載のロール偏芯除去方法。
- 前記オンライン偏芯解析工程での随時の解析結果を用いておこなわれる偏芯除去制御において、当該オンライン偏芯解析工程での随時のフーリエ解析の結果が所定値未満であった場合に、ロール偏芯除去制御値を零とすることを特徴とする請求項1または2に記載のロール偏芯除去方法。
- 一対のバックアップロールの間に設けられたワークロール対の間で鋼板を圧延する圧延機において前記バックアップロール対のロール偏芯を除去するロール偏芯除去制御装置であって、
非圧延時に、前記ワークロール対を接触させたキスロール状態で前記圧延機を運転し、前記バックアップロール対を所定回転数だけ回転させて前記バックアップロール対の一回転区間毎の荷重変動をフーリエ解析するオフラインロール偏芯解析手段と、圧延時に、前記圧延機で測定される前記バックアップロール対の回転速度、圧延荷重およびロールギャップから求まる設定板厚と、板厚計で測定される鋼板の板厚実績値とに基づいて、前記バックアップロール対の一回転区間毎の設定板厚と実績板厚との誤差を随時にフーリエ解析するオンラインロール偏芯解析手段とを有し、
前記圧延機が圧延を開始した直後から所定の期間は、前記オフラインロール偏芯解析手段での解析結果を用いて偏芯除去制御を行い、前記所定の期間を超えたときには、前記オフラインロール偏芯解析手段での解析結果に替えて前記オンラインロール偏芯解析手段での随時の解析結果を用いて偏芯除去制御を行うことを特徴とするロール偏芯除去制御装置。
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