JP5821249B2 - コンデンサ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数のコンデンサ本体が収納ケースに一体的に収納されるコンデンサ装置に関する。
従来、複数の電気二重層キャパシタを厚さ方向へ重なるように配列するとともに、キャパシタを配列方向の両側から挟むように熱良導板が配置され、これら熱良導板の端面に放熱板を設け、キャパシタから発生する熱を放熱している蓄電装置がある(例えば、特許文献1参照)。
また、複数個の電気二重層キャパシタを収納した筐体に絶縁樹脂を充填し、この絶縁樹脂によりキャパシタを固定するとともに、筐体を構成する側板に放熱効果を高めるための複数の放熱フィンを設けたキャパシタモジュールがある(例えば、特許文献2参照)。
特許第4072476号公報(第5,6頁、第1図) 特開2010−87268号公報(第5頁、第5図)
しかしながら、特許文献1に記載の蓄電装置(コンデンサ装置)にあっては、全てのキャパシタ(コンデンサ本体)の間に熱良導板を配置するため、熱良導板の部品点数が増えるとともに、熱良導板と放熱板とが別部材として組み合わされて製造されるため、その組立作業が煩雑となる。また、蓄電装置の重量が増加してしまうばかりか、その外観形状が大きくなってしまうととともに、放熱性も悪くなるという問題がある。
また、特許文献2に記載のキャパシタモジュール(コンデンサ装置)にあっては、複数個のキャパシタ(コンデンサ本体)を互いに固定する手段が絶縁樹脂となっており、複数個のキャパシタの互いの固定強度が弱いという問題がある。さらに、製造時には、複数個のキャパシタの外面と筐体の内面とで形成される複雑な形状をなす内空間に、絶縁樹脂を流し込まなければならず、その絶縁樹脂の配置に斑ができてしまう虞があり、斑のある絶縁樹脂は、キャパシタと筐体との間の熱伝導の効率を低下させてしまうという問題がある。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、スリム化及び軽量化を図ることができ、かつ強度と放熱性を向上させることができるコンデンサ装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明のコンデンサ装置は、
複数のコンデンサ本体が収納ケースに一体的に収納されるコンデンサ装置であって、
前記コンデンサ本体の外観形状に適合する形状をなして該コンデンサ本体を収納できる複数の収納部が、その長手が互いに同一方向を向いて一体的に形成された前記収納ケースが設けられ、該収納ケースの外面には、略平板状をなす平板部が形成されており、前記各収納部の端部の開口部から前記コンデンサ本体が挿入されて、該コンデンサ本体の全周が該収納部に覆われた状態となるとともに、
少なくとも2つの収納ケースが、その各平板部が略板形状をなす冷却手段の一方の面と他方の面に接触して配置されたことを特徴としている。
この特徴によれば、コンデンサ本体の全周が収納部に覆われた状態で、複数のコンデンサ本体が一体的に連設され、複数のコンデンサ本体の互いの固定強度を向上させつつ、コンデンサ本体の寸法に合わせて収納ケースのスリム化及び軽量化を図ることができる。さらに、コンデンサ本体の発熱は、収納部から平板部まで伝導されるとともに、略平板状をなす外周面とすることにより別途冷却手段を設置した場合に、冷却手段との熱交換を効率よく行えるようになっており、コンデンサ装置の放熱性を向上させることができ、また、略平板状をなす外周面により他の部材やコンデンサ装置を隣接する際の配置性が向上する。更に少なくとも2つの収納ケースを厚み方向に並べてコンパクトな配置形態にでき、かつ各収納ケースの収納部に配置されるコンデンサ本体の発熱が効率よく冷却手段に伝導され、コンデンサ装置の放熱性を向上させることができる。なお、各収納部に各コンデンサ本体を挿入することで、コンデンサ本体同士の接触を防止して配置できるようになり、コンデンサ装置の組立作業を容易に実施することができる。
本発明のコンデンサ装置は、
前記複数の収納部が直線状に配置され、前記平板部が前記複数の収納部の配置方向に沿って形成されることを特徴としている。
この特徴によれば、収納部の内面から平板部までの距離が短くなり、各収納部に挿入されたコンデンサ本体の発熱が平板部まで伝導し易くなり、コンデンサ装置の放熱性を向上させることができる。
本発明のコンデンサ装置は、
前記複数の収納部が直線状に配置され、前記平板部が前記複数の収納部の配置方向のうち一方側の面に沿って形成されるとともに、他方側の面は、コンデンサ本体の外周形状に沿って均一な肉厚を有する肉厚部が形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、外周形状に沿って均一な肉厚を有する肉厚部によって、放熱効果が高まる。
本発明のコンデンサ装置は、
前記肉厚部には、コンデンサ本体の長手に沿って放熱用の凹凸部が形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、放熱用の凹凸部によって肉厚部の放熱面積が拡大するため、放熱性が向上し、かつコンデンサ本体の長手方向の略全体に渡って放熱性を向上させることができる。
本発明のコンデンサ装置は、
前記冷却手段には、前記収納ケースが連結される連結部が設けられ、前記複数の収納ケースが前記冷却手段を介して互いに連結されることを特徴としている。
この特徴によれば、少なくとも2つの収納ケースを、その厚み方向に並べて連結してもよいし、その長手方向に並べて連結してもよく、様々な配置形態を実現でき、かつ複数の収納ケースを連結させる連結手段と冷却手段とを兼用させることができる。
本発明のコンデンサ装置は、
前記冷却手段には、冷却用流体が流通される流通路が形成されることを特徴としている。
この特徴によれば、流通路内を流れる冷却用流体により冷却手段の冷却効率を向上させることができる。
本発明のコンデンサ装置は、
前記収納部は、前記コンデンサ本体の外周面に沿って均一な肉厚を有する肉厚部により形成されるとともに、前記肉厚部と前記平板部との間に、空洞部が形成されることを特徴としている。
この特徴によれば、空洞部を形成した分だけ収納ケースの重量を軽減できるとともに、空洞部に空気が出入りすることにより空洞部を介して収納ケースの放熱を行うことができる。
本発明のコンデンサ装置は、
前記収納部の内周面と前記コンデンサ本体の外周面との間に隙間部が形成され、該隙間部には、樹脂材が充填されることを特徴としている。
この特徴によれば、コンデンサ本体の外周面が樹脂材を介して収納部の内周面と接着され、コンデンサ本体が収納部内で強固に保持されるとともに、樹脂材によって収納ケースへの伝熱性が高められ放熱性が向上する。なお、各収納部に各コンデンサ本体を挿入することで、コンデンサ本体の外面と収納部の内面とで形成される隙間部が一定寸法の隙間をなす簡素な形状となり、充填される樹脂材が隙間部に均一に流れ込み、樹脂材を介した熱伝導が効率よく行われるようになる。
実施例1におけるコンデンサ装置を示す斜視図である。 コンデンサ装置を示す分解斜視図である。 収納モジュールを上方側から見た状態を示す斜視図である。 収納モジュールを下方側から見た状態を示す斜視図である。 冷却板を示す斜視図である。 コンデンサ装置を示す横断平面図である。 コンデンサ装置を示す縦断側面図である。 実施例2におけるコンデンサ装置を示す分解斜視図である。 収納モジュールを上方側から見た状態を示す斜視図である。 収納モジュールを下方側から見た状態を示す斜視図である。 コンデンサ装置を示す横断平面図である。
本発明に係るコンデンサ装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
実施例1に係るコンデンサ装置につき、図1から図7を参照して説明する。図1の符号1は、本発明の適用されたコンデンサ装置である。このコンデンサ装置1は、4台の収納モジュール2と、これら収納モジュール2を冷却する1枚の冷却板3(冷却手段)と、を有している。また、本実施例では、1枚の冷却板3を介して4台の収納モジュール2が互いに連結されている。なお、このコンデンサ装置1は、主に車両等の機器に搭載されて使用されるようになっている。
図2に示すように、1台の収納モジュール2は、6本(複数)のコンデンサ本体4と、これらコンデンサ本体4を一体的に収納する収納ケース5と、この収納ケース5に収納される各コンデンサ本体4を互いに電気的に接続する回路等を設けた回路ケース6と、で構成される。
なお、本実施例では、コンデンサ本体4に電気二重層コンデンサを用いている。このコンデンサ本体4は、略円筒形状をなしており、コンデンサ本体4の上端部には、陽極及び陰極の端子部7が設けられている。また、収納ケース5には、各コンデンサ本体4を収納する6つ(複数)の収納部8が形成されている。
また、収納ケース5は、アルミニウム等の金属材料を金型に沿って押出成形することにより形成されている。収納ケース5が押出成形により形成されることで、収納ケース5を容易に量産化することができ、低コストでコンデンサ装置1を製造できる。さらに、各収納部8の内面形状は、コンデンサ本体4の外観形状及び寸法に合わせて略円筒形状をなしている。
また、図5に示すように、冷却板3は、略板体形状をなしている。この冷却板3の長手寸法は、収納モジュール2の長手寸法の約2倍以上の長さを有している。さらに、冷却板3の一方の面には、2台の収納モジュール2が取り付けられ、1枚の冷却板3によって4台の収納モジュール2を一体的に連結することができる。
図6に示すように、収納ケース5の各収納部8は、その長手が互いに同一方向を向いて一体的に連接されるとともに、平面視において直線状に配置されている。そして、収納ケース5の形状は、略板体形状をなしている。また、2つの収納ケース5が互いに向かい合うように冷却板3の両面に配置される。そして、収納ケース5における冷却板3に接触する部位(内方側)が、略平板状をなす内側平板部9として形成されるとともに、収納ケース5における外方側の部位が、略平板状をなす外側平板部10に形成されている。なお、これらの平板部9,10は、複数の収納部8の配置方向に沿って形成され、大きな面積を有している。
また、収納ケース5の内側平板部9の左右両端部は、収納ケース5の延設方向に沿って延びており、この内側平板部9の両端部には、ボルト等の螺合部材11が挿通される挿通孔12が形成されている。さらに、冷却板3にも螺合部材11が挿通される挿通孔13(連結部)が形成されている(図2参照)。また、内側平板部9の左右両端部に補強用の連結板14が配置される。
なお、冷却板3の両面にそれぞれ配置された収納ケース5の各内側平板部9は、冷却板3の一方の面と他方の面にそれぞれ接触する。そして、冷却板3の両面に配置された収納ケース5は、収納ケース5及び冷却板3の各挿通孔12,13に挿通された螺合部材11により互いに連結される。このように2台の収納ケース5は、冷却板3を挟み込んだ状態で、冷却板3を介して互いに連結されるようになっている。
図7に示すように、冷却板3の内部には、冷却板3の長手方向に沿って貫通されて、冷却水(冷却用流体)が流通される水冷用流通路15が形成されている。また、冷却板3の内部には、空気(冷却用流体)が流通されて空冷式の放熱器として機能する空冷用流通路16も形成されている。さらに、冷却板3の上下端縁には、冷却板3の長手方向に沿って延びる溝条17が形成されており、冷却板3が外気に触れる面積を大きくして放熱性を高めている(図5参照)。
さらに、回路ケース6内には、各コンデンサ本体4の端子部7を互いに電気的に接続するバランス回路等を設けた回路基板18(回路部)などが収納されている。また、各収納モジュール2の回路基板18は、回路ケース6同士を繋ぐ連結バスバー19により電気的に接続されている(図1参照)。さらに、回路基板18は、回路ケース6の側部に設けられた外部接続端子20に電気的に接続されている。そして、4台の収納モジュール2は、電気的に一体化された1つのコンデンサ装置1として使用できるようになっている。
図6に示すように、収納ケース5の各収納部8は、コンデンサ本体4の外周面に沿って均一な肉厚を有する肉厚部21により形成される。さらに、収納ケース5には、肉厚部21と内側及び外側の平板部9,10との間に、空洞部22が形成される。なお、空洞部22は、収納ケース5の上端部から下端部まで貫通されている(図2及び図4参照)。さらになお、この空洞部22は、収納ケース5の押出成形時に、収納部8とともに形成される。そして、外方側の空洞部22内には、収納ケース5と回路ケース6とを接続する螺合部材23(図3参照)が螺着される被螺着部24が形成されている。
図2に示すように、各コンデンサ本体4は、各収納部8の上端部の開口部から挿入されて、コンデンサ本体4の側面の全周が収納部8に覆われた状態で保持されるようになっている。また、収納部8の内径は、コンデンサ本体4の外径よりも若干大きい寸法に形成されており、収納部8に収納されたコンデンサ本体4の外周面と収納部8の内周面との間には、所定寸法Sの隙間部25が形成される(図7参照)。本実施例では、隙間部25の寸法Sを伝熱性や後述する樹脂材26の充填効率を考慮して略0.5〜3.0mmとしている。
図2及び図4に示すように、収納部8の下端部の開口部は、キャップ27が嵌合されることで閉塞される。このキャップ27は、略円盤状をなし、その全周にコンデンサ本体4の上下端部を保持する保持片28(保持部)が形成されている。なお、同様の保持片29(保持部)が回路ケース6の底面側にも形成されている(図7参照)。
また、回路ケース6やキャップ27は、収納部8を閉塞して防湿する機能も備えている。なお、特に図示しないが、回路ケース6には、コンデンサ本体4の上側端面に設けられた圧力開放機構に対応する位置に別途孔部を設け、圧力開放機構が作動した際に、この孔部を通じてコンデンサ本体4の圧力を開放することもできる。
なお、前述の保持片28,29の厚みは、前述した隙間部25の寸法Sと同一寸法になっている(図7参照)。キャップ27は、この保持片28をコンデンサ本体4の下端部に嵌合させた状態となり、保持片28によりコンデンサ本体4がぐらつかずに済み、隙間部25の寸法Sがコンデンサ本体4の外周面に沿って均一に形成される。さらに、特に図示しないが、保持片28には、収納部8の内周面と接する外周の一部に凹凸面または波状面を形成することで、収納部8への嵌合力が高まり、収納ケース5及びキャップ27の収納部8への閉塞状態を向上させることもできる。
図6及び図7に示すように、隙間部25には、伝熱性を有するウレタン樹脂等の合成樹脂である樹脂材26が充填される。樹脂材6としてはエポキシ樹脂やシリコーン樹脂も使用できる。このようにすることで、コンデンサ本体4の外周面が樹脂材26を介して収納部8の内周面と接着され、コンデンサ本体4が収納部8内で強固に保持されるとともに樹脂材26を通じて収納ケースへの伝熱性が向上し、放熱性が高まる。なお、コンデンサ本体4の外周面と収納部8の内周面との隙間部25全体に樹脂材26が充填されることが好ましい。
この樹脂材26を充填する充填方法としては、先ずコンデンサ本体4を収納部8に挿入して、キャップ27で収納部8の下方側の開口部を閉塞するとともに、キャップ27の保持片28でコンデンサ本体4を保持して隙間部25を形成した状態で、収納部8の上方側の開口部から隙間部25に溶融された樹脂材26を流し込む方法がある。なお、樹脂材26は、隙間部25の全部位Lに充填されるようにしてもよいし、隙間部25の半分ほどの部位Hに充填されるようにしてもよく、樹脂材26の使用量は適宜変更できる。
また、他の充填方法としては、先ずキャップ27で収納部8の下方側の開口部を閉塞した状態で、溶融された所定量の樹脂材26を収納部8に流し込み、その後、収納部8にコンデンサ本体4を挿入する方法がある。溶融された樹脂材26は、コンデンサ本体4の挿入により隙間部25に沿って這い上がるようになり、隙間部25の全部位Lに充填される。隙間部25の全部位Lへの充填が足りない場合は、収納部8の上方側の開口部から隙間部25に溶融された樹脂材26をさらに流し込み隙間部25の全部位Lに充填することもできる。
また、キャップ27で収納部8の下方側の開口部を閉塞し、収納部8にコンデンサ本体4を挿入し、さらに収納部8の上方側の開口部を、別途注入孔を設けた回路ケース6で閉塞した状態で、溶融された所定量の樹脂材26を、この回路ケース6の注入孔を通じて収納部8に流し込む方法もある。この場合は、樹脂材26がコンデンサ本体4の上面側を覆うことになり、防湿効果や収納ケース5への固定性が向上する。なお、ここでコンデンサ本体4として、上側端面に圧力開放機構を設けた場合には、この圧力開放機構が充填された樹脂材26によって覆われないように隔離壁等の充填防止手段を圧力開放機構の周囲に設けるとよい。
このように、キャップ27により硬化前の樹脂材26の流出を防止できるとともに、保持片28が隙間部25の寸法Sを均一に維持して樹脂材26がコンデンサ本体4の周囲に均一に充填されるようになり、コンデンサ本体4と収納部8との間の接続強度及び伝熱性に斑が生じないようにできる。
以上、本実施例におけるコンデンサ装置1にあっては、コンデンサ本体4の全周が収納部に覆われた状態で、複数のコンデンサ本体4が一体的に連設され、複数のコンデンサ本体4の互いの固定強度を向上させつつ、コンデンサ本体4の寸法に合わせて収納ケース5のスリム化及び軽量化を図ることができる。さらに、コンデンサ本体4の発熱は、収納部8から内側平板部9まで伝導されるとともに、内側平板部9が略平板状をなす外周面とすることにより冷却板3(冷却手段)を設置した場合に、冷却板3との熱交換を効率よく行えるようになっており、コンデンサ装置1の放熱性を向上させることができ、また、略平板状をなす外周面により他の部材やコンデンサ装置1を隣接する際の配置性が向上する。なお、各収納部8に各コンデンサ本体4を挿入することで、コンデンサ本体4同士の接触を防止して配置できるようになり、コンデンサ装置1の組立作業を容易に実施することができる。
また、複数の収納部8が直線状に配置され、内側平板部9が複数の収納部8の配置方向に沿って形成されることで、収納部8の内面から内側平板部9までの距離が短くなり、各収納部8に挿入されたコンデンサ本体4の発熱が内側平板部9まで伝導し易くなり、コンデンサ装置1の放熱性を向上させることができる。
また、少なくとも2つの収納ケース5の各内側平板部9が冷却板3の一方の面と他方の面に接触することで、少なくとも2つの収納ケース5を厚み方向に並べてコンパクトな配置形態にでき、かつ各収納ケース5の収納部8に配置されるコンデンサ本体4の発熱が効率よく冷却板3に伝導され、コンデンサ装置1の放熱性を向上させることができる。
また、冷却板3には、収納ケース5が連結される挿通孔13(連結部)が設けられ、複数の収納ケース5が冷却板3を介して互いに連結されることで、少なくとも2つの収納ケース5を、その厚み方向に並べて連結してもよいし、その長手方向に並べて連結してもよく、様々な配置形態を実現でき、かつ複数の収納ケース5を連結させる連結手段と冷却手段とを兼用させることができる。
また、冷却板3には、冷却水(冷却用流体)及び空気(冷却用流体)が流通される流通路15,16が形成されることで、流通路15,16内を流れる冷却用流体により冷却板3の冷却効率を向上させることができる。
また、収納部8は、コンデンサ本体4の外周面に沿って均一な肉厚を有する肉厚部21により形成されるとともに、肉厚部21と内側平板部9との間に、空洞部22が形成されることで、空洞部22を形成した分だけ収納ケース5の重量を軽減できるとともに、空洞部22に空気が出入りすることにより空洞部22を介して収納ケース5の放熱を行うことができる。
また、収納部8の内周面とコンデンサ本体4の外周面との間に隙間部25が形成され、この隙間部25には、樹脂材26が充填されることで、コンデンサ本体4の外周面が樹脂材26を介して収納部8の内周面と接着され、コンデンサ本体4が収納部8内で強固に保持されるとともに、樹脂材26によって収納ケース5への伝熱性が高められ放熱性が向上する。なお、各収納部8に各コンデンサ本体4を挿入することで、コンデンサ本体4の外面と収納部8の内面とで形成される隙間部25が一定寸法の隙間をなす簡素な形状となり、充填される樹脂材26が隙間部25に均一に流れ込み、樹脂材26を介した熱伝導が効率よく行われるようになる。
次に、実施例2に係るコンデンサ装置につき、図8から図11を参照して説明する。尚、前記実施例に示される構成部分と同一構成部分に付いては同一符号を付して重複する説明を省略する。
図8に示すように、実施例2における収納ケース30は、冷却板3に接触する部位(内方側)が、略平板状をなす内側平板部9として形成されるとともに、収納ケース5における外方側の部位及び側方の部位が、コンデンサ本体4の外周面に沿って均一な肉厚を有する肉厚部31として形成されている。この外周面(外周形状)に沿って均一な肉厚を有する肉厚部31によって、コンデンサ本体4の放熱効果が高まるようになっている。
そして、肉厚部31は、コンデンサ本体4の外周面に沿って連続的に湾曲された形状をなしており、この肉厚部31における収納部8同士の間には、外方に膨出される膨出凸部32が形成されている。そして、この複数の膨出凸部32うち、所定の膨出凸部32には、収納ケース30の上端部から下端部まで貫通される空洞部33が形成されている。なお、同様の空洞部34が内側平板部9側にも形成されている。そして、外方側の空洞部33を利用して、収納ケース30と回路ケース6とを接続する螺合部材23が螺着されるようになっている(図9参照)。
また、図8及び図10に示すように、肉厚部31には、コンデンサ本体4の長手に沿って放熱用の凹凸部35が形成されている。なお、実施例2では、1つの収納部8に対して3条の凸部とその間の2条の凹部とで凹凸部35が形成されている。このように、放熱用の凹凸部35によって肉厚部31の放熱面積が拡大するため、放熱性が向上し、かつコンデンサ本体4の長手方向の略全体に渡って放熱性を向上させることができる。
図11に示すように、収納ケース30の各収納部8は、その長手が互いに同一方向を向いて一体的に連接されるとともに、平面視において直線状に配置されている。そして、収納ケース30の形状は、略板体形状をなしている。そして、各コンデンサ本体4は、各収納部8の上端部の開口部から挿入されて、コンデンサ本体4の側面の全周が収納部8に覆われた状態で保持されるようになっている。
実施例2における収納ケース30にも、実施例1の収納ケース5と同様に、収納部8に収納されたコンデンサ本体4の外周面と収納部8の内周面との間には、隙間部が形成される。そして、この隙間部には、伝熱性を有するウレタン樹脂(またはエポキシ樹脂、シリコーン樹脂)等の合成樹脂である樹脂材が充填される。そして、この収納ケース30を用いた収納モジュール2は、実施例1と同様に、冷却板3を介して互いに固定されて一体化された1つのコンデンサ装置として使用できるようになっている。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、コンデンサとして電気2重層コンデンサを例示しているが、本発明が適用されるコンデンサはこれに限らず、電解コンデンサや電気化学キャパシタなどの各種コンデンサまたはキャパシタに適用できる。
また、前記実施例では、円筒形状のコンデンサ本体4を例示しているが、本発明はこれに限らず、角型形状等の非円筒形のコンデンサにも適用することができる。角型形状のコンデンサであれば、その角型形状に適合させ、収納ケースの収納部を角筒形状にすれば、収納ケースの外周の各収納部の少なくとも外面側は、コンデンサ本体の外周面に沿って均一な肉厚となる。
また、前記実施例では、収納ケース5を押出成形にて形成しているが、本発明はこれに限らず、アルミニウム等の金属材料を融点よりも高い温度で熱して液体にした後、金型に流し込み、冷やして収納ケース5を形成する鋳造成形を利用することもできる。
なお、前記実施例では、6つの収納部8が形成されているが、これら収納部8の個数や配置形態は特に限定されるものではない。例えば、8つの収納部8を形成してもよく、また直線状に配置された収納部8を2列組み合わせて1体のコンデンサ装置としてもよい。
1 コンデンサ装置
3 冷却板(冷却手段)
4 コンデンサ本体
5 収納ケース
8 収納部
9 内側平板部
10 外側平板部
13 挿通孔(連結部)
15 水冷用流通路
16 空冷用流通路
21 肉厚部
22 空洞部
25 隙間部
26 樹脂材
30 収納ケース
31 肉厚部
35 凹凸部

Claims (8)

  1. 複数のコンデンサ本体が収納ケースに一体的に収納されるコンデンサ装置であって、
    前記コンデンサ本体の外観形状に適合する形状をなして該コンデンサ本体を収納できる複数の収納部が、その長手が互いに同一方向を向いて一体的に形成された前記収納ケースが設けられ、該収納ケースの外面には、略平板状をなす平板部が形成されており、前記各収納部の端部の開口部から前記コンデンサ本体が挿入されて、該コンデンサ本体の全周が該収納部に覆われた状態となるとともに、
    少なくとも2つの収納ケースが、その各平板部が略板形状をなす冷却手段の一方の面と他方の面に接触して配置されたことを特徴とするコンデンサ装置。
  2. 前記複数の収納部が直線状に配置され、前記平板部が前記複数の収納部の配置方向に沿って形成されることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ装置。
  3. 前記複数の収納部が直線状に配置され、前記平板部が前記複数の収納部の配置方向のうち一方側の面に沿って形成されるとともに、他方側の面は、コンデンサ本体の外周形状に沿って均一な肉厚を有する肉厚部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のコンデンサ装置。
  4. 前記肉厚部には、コンデンサ本体の長手に沿って放熱用の凹凸部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載のコンデンサ装置。
  5. 前記冷却手段には、前記収納ケースが連結される連結部が設けられ、前記複数の収納ケースが前記冷却手段を介して互いに連結されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のコンデンサ装置。
  6. 前記冷却手段には、冷却用流体が流通される流通路が形成されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のコンデンサ装置。
  7. 前記収納部は、前記コンデンサ本体の外周面に沿って均一な肉厚を有する肉厚部により形成されるとともに、前記肉厚部と前記平板部との間に、空洞部が形成されることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載のコンデンサ装置。
  8. 前記収納部の内周面と前記コンデンサ本体の外周面との間に隙間部が形成され、該隙間部には、樹脂材が充填されることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載のコンデンサ装置。
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