JP5821027B2 - インパクト工具 - Google Patents

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Description

本発明は、クラッチ機構部を備えたインパクト工具に関する。
トルククラッチ用のクラッチ機構と打撃動作用のインパクト機構とを備えるインパクト工具において、クラッチ機構はトルククラッチ用の設定トルクの値を切換可能となっており、該切換用に空間を必要とする。そして、インパクト機構は打撃動作時に入力側(駆動源側)にハンマを後退させる空間を必要とする。
そのため、従来のものでは、クラッチ機構の設定トルク切換用の空間と、インパクト機構のハンマの後退用の空間(後退範囲)とを区画して、クラッチ機構をハンマに干渉しない位置に設けて、クラッチ機構とインパクト機構の干渉(衝突)を回避している。例えば、特許文献1に記載のインパクト工具では、ハンマの後退範囲より後方に設定トルク切換用の空間の前端が位置するようクラッチ機構を配置して、クラッチ機構とインパクト機構の干渉を回避している。また、特許文献2に記載のインパクト工具では、駆動軸の径方向において、打撃機構(インパクト機構)を内周側に配置し、クラッチ機構を打撃機構より外周側に配置して、クラッチ機構と打撃機構の干渉を回避している。
特開2010−172982号公報 特開2005−288682号公報
前述の通り、従来のインパクト工具は、インパクト機構とクラッチ機構とが互いに干渉しないよう空間を分けて(動作範囲を区画して)配置している。そのため、特許文献1等の構成では、駆動軸を基準とした軸方向におけるインパクト工具の寸法(全長)を小さく抑え難く、特許文献2等の構成では、径方向におけるインパクト工具の寸法(全長)を小さく抑え難いものである。
すなわち、クラッチ機構を備えた従来のインパクト工具において、駆動軸を基準として径方向や軸方向におけるインパクト工具の全長のうち、一方の寸法増加を抑えると、他方の全長を小さく抑えることが困難になり易いという問題がある。
本発明では、クラッチ機構を備えたインパクト工具において、駆動軸の径方向及び軸方向の両方向におけるインパクト工具の寸法増加を抑えることを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明のインパクト工具は、ハンマ及びアンビルを備えたインパクト機構部の打撃動作を用いてモータの回転動力を出力軸に伝達するインパクトモードと、前記インパクト機構部を機能させずに前記モータの回転動力を前記出力軸に伝達するドリルドライバーモードとを有すると共に、前記ドリルドライバーモード時にトルクが設定トルクに達した際に前記回転動力の伝達を遮断するクラッチ機構部を備えるインパクト工具であって、前記打撃動作時に前記ハンマが前記アンビルから離れる向きを後方とし、前記アンビルに近づく向きを前方とし、前記ハンマの移動する前後方向を基準に、前記ハンマの後方に配置されている前記クラッチ機構部が前記設定トルクを切り換える切換部を備え、該切換部が前後方向に移動自在の移動部材を備えると共に、該移動部材の前後方向における移動範囲の一部が前記ハンマの打撃動作時の後退範囲に重複し、前記移動部材が前記後退範囲内に位置した際に、前記回転動力を制限して前記後退範囲を前記移動範囲との重複範囲外に狭める制御部を更に備えることを特徴とする。
このインパクト工具として、前記移動部材が前記設定トルクの調整に伴い前後方向に移動する部材であることが好ましい。
このインパクト工具として、前記ドリルドライバーモードにおいて、前記制御部が前記回転動力を制限しないことが好ましい。
このインパクト工具として、前記移動部材の位置を検出する一つの位置検出部を更に備え、前記位置検出部は、前記移動部材が前記後退範囲内に位置するか否かを検出するものであることが好ましい。
このインパクト工具として、前記後退範囲内に前記移動部材が位置した際に、前記制御部が前記移動部材の位置に応じて前記回転動力の制限量を変更することが好ましい。
このインパクト工具として、前記ハンマの前記移動部材への衝突時に前記衝突に伴う前記クラッチ機構部への衝撃を軽減する緩衝部材を備えることが好ましい。
このインパクト工具として、前記クラッチ機構部のクラッチばねが前記緩衝部材を兼ねることが好ましい。
本発明は、クラッチ機構部を備えたインパクト工具において、駆動軸の径方向及び軸方向の両方向におけるインパクト工具の寸法増加を抑えることができるという効果を奏する。
本発明の実施形態1のインパクト工具の第1位置におけるドリルドライバーモードの一部破断の側面図である。 同上のA−A断面図である。 同上のインパクトモードの一部破断の側面図であり、(a)が第1位置の状態であり、(b)が第3位置の状態である。 同上の位置検出を用いた出力制限を説明するブロック図である。
本発明を、添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
図1には、本発明のインパクト工具の実施形態の一例を示している。本実施形態のインパクト工具1は、駆動源であるモータ13と、モータ13の回転動力を外部に出力する出力軸16と、モータ13と出力軸16の間に配置されモータ13の回転駆動を出力軸16に伝達する駆動伝達部とを備える。モータ13及び駆動伝達部は胴体ハウジング11内に収容され、胴体ハウジング11からは把持部ハウジングが延設され、インパクト工具1の本体ハウジングは、胴体ハウジング11と把持部ハウジングとで構成される。そして、把持部ハウジングには、モータ13動作用の操作スイッチとなるトリガスイッチ12が引き込み自在に設けられている。
駆動伝達部は、モータ13の回転動力を減速して伝達する減速機構部2と、出力軸16に回転動力を伝達する駆動軸15と、減速機構部2から駆動軸15に回転動力を伝達する接続軸33とを備える。そして、駆動軸15にはハンマ51による打撃動作を介して出力軸16に回転動力を伝達するインパクト機構部5(詳細は後述する)が設けられる。そのため、インパクト工具1は、上記打撃動作を介して駆動軸15から出力軸16に回転動力を伝達するインパクトモードと、打撃動作を行わせずに出力軸16に回転動力を伝達するドリルドライバーモードとの二つの動作モードを有する。また、駆動軸15とインパクト機構部5と出力軸16は、胴体ハウジング11に取り付けられた駆動部カバー18で外周側が覆われ、出力軸16は先端工具を取り付けるチャック部17が駆動部カバー18から突出している。そして、駆動部カバー18は、胴体ハウジング11に設けられた固定リング11aによって、胴体ハウジング11に対して回転自在に取り付けられると共に、胴体ハウジング11からの抜け止めがなされている。以下、駆動軸15の径方向を単に径方向とし、駆動軸15の軸方向を、前後方向Vと記載し、前後方向Vにおいて駆動伝達部のモータ13側を後方Bとし、出力軸16側を前方Fとし、方向の基準とする。
減速機構部2は、ギアケース20内に二段の遊星歯車組を収容したものであり、以下においてモータ13に近い側から順に1段目の遊星歯車組、2段目の遊星歯車組として説明を行う。
1段目の遊星歯車組は、モータ13からの回転動力によって軸中心に回転駆動される太陽ギア21と、太陽ギア21と噛み合う複数の遊星ギア22と、各遊星ギア22に噛み合うリングギア23とを備える。遊星ギア22は太陽ギア21を囲むように位置し、リングギア23はこれら複数の遊星ギア22を囲むように位置し、リングギア23がギアケース20に固定されるため、1段目の遊星歯車組は常にモータ13からの回転を減速する減速段として機能する。
そして、1段目の遊星歯車組は、これら複数の遊星ギア22と回動自在に連結されるキャリア24と、遊星ギア22とキャリア24を連結させる前後方向Vにおいて長尺のキャリアピン25と、キャリア24の前方Fに配置された駆動キャリア34とを更に備える。駆動キャリア34はキャリアピン25を介してキャリア24に連結されている。そして、駆動キャリア34は前後方向Vにおいてキャリアピン25に沿って前後にスライド自在で配置され、駆動キャリア34は後方位置と前方位置の二つの位置に切換自在となっている。そして、駆動キャリア34は上記いずれの位置にあっても常にキャリアピン25から回転動力が伝達される。
また、駆動キャリア34は前方F側に2段目の遊星歯車組の太陽ギア26と連結部36(詳細は後述する)が一体で設けられており、太陽ギア26は駆動キャリア34の回転動力によって駆動キャリア34と略同心で軸中心に回転駆動される。なお、駆動キャリア34と太陽ギア26と連結部36は各々別部材で構成したものであってもよい。
該2段目の遊星歯車組は、上記太陽ギア26と、太陽ギア26と噛み合う複数の遊星ギア27と、各遊星ギア27に噛み合うリングギア28とを備える。遊星ギア27は太陽ギア26を囲むように位置し、リングギア28はこれら複数の遊星ギア27を囲むように位置し、遊星ギア27及びリングギア28は保持板31及び保持ピン32によって後方B側へのずれが抑制されている。そして、2段目の遊星歯車組は、上記複数の遊星ギア27と回転自在に連結されるキャリア29と、遊星ギア27とキャリア29とを連結させるキャリアピン30とを更に備える。
キャリア29は前方F側に接続軸33が一体で設けられており、2段目の遊星歯車組はキャリア29を介して接続軸33に回転動力を伝達する。なお、キャリア29と接続軸33はキャリア29から接続軸33に回転動力を伝達可能であれば、キャリア29と接続軸33とを各々別部材で構成してもよい。
また、キャリア29及び接続軸33は内周側に挿入孔が形成されており、挿入孔の後端側の縁の内周側に歯部35を有すると共に、挿入孔に連結部36が挿入されている。歯部35は駆動キャリア34が後方位置の際に、連結部36に設けられた歯部37に噛み合い、駆動キャリア34から連結部36を介して接続軸33に回転動力が伝達され、2段目の遊星歯車組は非減速状態となる。
そして、駆動キャリア34が前方位置の際には歯部37,35の噛み合いが解かれ、太陽ギア26が遊星ギア27に噛み合い、連結部36を介さずに2段目の遊星歯車組を介して回転動力が伝達され、2段目の遊星歯車組が減速状態となる。このように、減速機構部は出力軸16(接続軸33)へ伝達する回転動力を2速に変速可能となっている。
また、接続軸33の前端は駆動軸15に接続されており、駆動軸15は、内周側に貫通孔を有した円筒状となっており、該貫通孔には切換ピン38(詳細は後述する)が回転自在に挿通されている。そして、駆動軸15の外周にはインパクト機構部5のハンマ51が配置されている。
インパクト機構部5は、前後方向Vにスライド自在の上記ハンマ51と、出力軸16に連結されたアンビル52と、ハンマ51をアンビル52側(前方F側)に付勢する付勢ばね53と、ハンマ51のスライドをリードするカム機構部54とを備える。
ハンマ51はカム機構部54を介して駆動軸15と共に回転し、アンビル52に接触することでアンビル52に回転動力を伝達する。そして、ハンマ51はアンビル52との接触時の負荷が付勢ばね53の付勢に抗すると、カム機構部54のリードに従って後退する。該後退時に、ハンマ51は前後方向Vにおいてアンビル52を乗り越えると、回転しながら付勢ばね53の付勢力によりカム機構部54のリードに従い前進する。
該動作によって、ハンマ51はアンビル52に回転方向の打撃衝撃を加えて衝突し、アンビル52を介して出力軸16に回転動力を伝達する。更に、ハンマ51は打撃時の衝突力を得るために後端の外周に後方Bに突出したスカート部55を有する。以下の説明において、ハンマ51の打撃動作時の後退量はインパクト工具1を用いた作業の対象部材の構成や、ハンマ51の重量や構成部材、付勢ばね53の付勢力等の様々な要因によって変化するが、設計により想定された最大の後退量Hを基準とする。そして、該後退量Hとなるハンマ51の最大後退範囲をハンマ51の後退範囲と定める。
また、切換ピン38は前後方向Vにおいて長尺の円柱形状で、後端が連結部36に取り付けられ、前端に回転自在の連結片39を備え、切換ピン38は連結片39を伴って駆動キャリア34のスライド移動に従いスライド自在となっている。連結片39は駆動キャリア34が前方位置の際に駆動軸15とアンビル52とを相対回転不能に連結し、駆動軸15からアンビル52に直接回転動力を伝達可能とし、インパクト機構部5の打撃動作を無効化する。そして、連結片39の連結は駆動キャリア34が後方位置に移動することで解かれ、該連結の解除に伴いインパクト機構部5は打撃動作を介して回転動力の伝達が可能となる。
すなわち、インパクト工具1は連結片39による連結時にドリルドライバーモードとなり、該連結の解除時にインパクトモードとなる。そして、該動作モードを切り換える連結片39及び切換ピン38のスライド移動は、駆動キャリア34のスライド移動に伴って行われる。
また、リングギア28の前方F側にはクラッチ機構部4が配設されている。クラッチ機構部4は、リングギア28に設けられたクラッチ山41と、クラッチ山41の周方向の間に配置されたボール42と、スライド自在で回転不能のクラッチ板43と、クラッチ板43を介してボール42を後方Bに付勢するクラッチばね44とを備える。クラッチ機構部4はリングギア28にかかる負荷側のトルクがクラッチばね44の付勢力を越えると、クラッチ山41がボール42を前方F側に押し返してリングギア28を空転させて、駆動軸15への回転動力の伝達を遮断する。そして、クラッチ機構部4は、駆動キャリア34が後方位置に位置する際に、クラッチ機構部4の機能(トルククラッチ)が無効になり、前方位置に位置する際には、トルククラッチが有効になる(クラッチ機構部4が機能する)。
更に、クラッチ機構部4はクラッチばね44の付勢力を変化させて設定トルクを切り換える切換部6を更に備える。切換部6は、クラッチばね44の前端が当接された環状の調整板63と、調整板63の前後方向Vにおける位置を変更する円筒状の調整ねじ61とで主体が構成される。
調整ねじ61は、ギアケース20から延設されたネジ部の外周側に、回転自在で且つ該回転に伴い前後方向Vにスライド移動自在で配設されており、円筒の前端に径外方向に突出したフランジ62を有する。フランジ62は後面に調整板63の前面が当接されており、クラッチばね44の付勢力による調整板63の前方Fへの抜け止めを行うと共に、調整板63を前後方向Vにおいてスライド移動させる。
調整板63は外周に径外方向に突出した突起64を有し、突起64は周方向に略等間隔で複数配置される。そして、各突起64は駆動部カバー18の内周側に突起64と同数形成された前後方向Vに長尺のガイド溝65内に各々配置され、調整ねじ61による調整板63のスライド移動は突起64を介してガイド溝65にガイドされる。
以下、切換部6による設定トルクの切換動作を説明する。調整ねじ61を後方Bへスライド移動させることで、クラッチばね44の付勢力に抗して、フランジ62が調整板63を後方Bに押し動かす。このとき、クラッチばね44は前後方向Vに圧縮されるため、付勢力が増大して設定トルク(負荷側のトルクの上限値)が大きくなる。また、調整ねじ61を前方Fへのスライド移動させることで、調整板63の前後方向Vにおける位置規制が解かれ、クラッチばね44の付勢力によって調整板63が前方Fに押し動かされ、フランジ62に当接される。このとき、クラッチばね44は前後方向Vに伸長するため、付勢力が減少して設定トルクが小さくなる。
すなわち、クラッチ機構部4は調整板63が最も前方Fの位置(最前方位置)でクラッチばね44が最も伸びて、設定トルクが最小となり、後方Bに向かう程クラッチばね44が縮み(圧縮され)、設定トルクが大きくなる。そして、調整板63は調整ねじ61による前後方向V移動時に前後方向Vにおいて所定の間隔で並ぶ5つの位置のいずれかに位置する構成となっており、クラッチ機構部4は5段階に切換可能となっている。以下の説明において、調整板63の位置を前方Fから順に、第1位置(最前方位置)、第2位置、第3位置、第4位置、第5位置とする。
更に、調整ねじ61は円筒の後端に複数の突起66を有し、クラッチ板43は内周側に径内方向に突出した凸部67を周方向に隣り合って複数有する。突起66は第5位置において後端が凸部67の前面近傍に位置して、クラッチ板43の前方F側への移動を規制し、クラッチ機構部4のクラッチを無効化する。すなわち、クラッチ機構部4は、第1位置、第2位置、第3位置、第4位置においてクラッチが働き(有効に機能し)、第5位置においてクラッチが無効化される。
また、クラッチ機構部4は前方F側に調整板63の前後方向Vにおける移動用の空間(移動範囲)を有し、インパクト機構部5は後方B側にハンマ51後退用の空間(後退範囲)を有する。そして、クラッチ機構部4は、ハンマ51がアンビル52に当接した位置を基準に、第1位置ではハンマ51の後端から調整板63までの距離がハンマ51の後退量Hより小さい寸法L1(L1<H)となっている。更に、ハンマ51の後端から調整板63までの距離は、調整板63を後方Bに移動させる程大きくなり、図3(b)に示すように、第3位置では、後退量Hと略同じ或いは若干大きい寸法L3(L3≧H)となっている。
このように、クラッチ機構部4は調整板63の移動範囲の前端が後退範囲内に位置しており、前後方向Vにおける動作範囲(移動範囲)がインパクト機構部5の前後方向Vにおける動作範囲と前後方向V(軸方向)と径方向の両方向において一部重複している。そして、調整板63は、前後にスライド移動し第1位置や第2位置においてハンマ51の後退範囲内に位置する移動部材9となっている。
また、インパクト工具1は操作部材として、動作モード切換用に外部操作される切換ハンドル71(第1操作部材)と、設定トルク切換用に外部操作されるクラッチハンドル75(第2操作部材)とを備える。
切換ハンドル71は胴体ハウジング11に形成された前後方向Vに長尺の操作孔72内に配置されると共に、前後方向Vにスライド移動自在となっている。そして、切換ハンドル71は外部操作によってスライド移動することで、切換ばね73を介して駆動キャリア34を前後に移動させて、駆動キャリア34の位置を前方位置と後方位置とに切り換え、動作モードの切換を行う。切換ばね73はギアケース20の外周に配置されたU字状で、U字の両端部が径内方向に屈曲され、該両端部は切換孔74を介して駆動キャリア34に接続されている。そのため、切換ばね73は切換ハンドル71の前後方向Vの移動に応じて切換ハンドル71と同じ方向に駆動キャリア34をスライド移動させる。
クラッチハンドル75は、胴体ハウジング11の前方F側に設けた駆動部カバー18を主体とし、胴体ハウジング11に対して周方向に回転自在となっている。そして、クラッチハンドル75は周方向に回転するよう外部操作されることで、調整板63の位置を切り換える調整ねじ61がスライド移動する。更に、クラッチハンドル75は上記回転に伴い第1位置から第5位置までの5段階に調整板63の位置を切換可能となっている。
このように、調整板63の移動範囲の一部をハンマ51の後退範囲に重複させた(L1<H)ことで、第1位置における距離L1を後退量H以上(L1≧H)としたものに比べて、インパクト工具1の前後方向V(軸方向)における全長を小さく抑え易くなる。
ところで、調整板63の移動範囲の一部をハンマ51の後退範囲に重複させたことで、後退範囲内に調整板63が位置した状態でインパクトモードに切り換えると、打撃動作時に後退したハンマ51が調整板63に衝突する(干渉する)恐れがある。そこで、インパクト工具1は、図4に示すように、調整板63の位置を検出する位置検出部81と、位置検出部81の検出結果に応じて回転動力(モータ13の出力)を制限してハンマ51の後退量を調整する制御部14とを更に備えることで、干渉を抑制している。
位置検出部81は、調整板63の位置の指標となる磁石82と、磁石82の磁束を検出するホール素子84(センサ)と、調整板63の移動に磁石82の位置を対応させるカム機構とで主体が構成される。以下、位置検出部81の構成の詳細を説明する。
カム機構は、図2に示すように、クラッチハンドル75の外周面に形成された周方向に長尺のカム溝86と、固定リング11aの内面に形成された前後に長尺のガイド溝87と、磁石82をカム溝86に移動自在で保持するボール83とで主体が構成される。カム溝86は軸方向に傾斜して設けられ、クラッチハンドル75の外部操作時に、磁石82はカム機構によって前後方向Vにスライド移動し、磁石82の位置は設定トルクの指標(調整板63の位置の指標)となる。
また、図1に示すように、切換ハンドル71は前端から前後方向Vに長い棒状の支持部材85が前方Fに突出して設けられている。そして、支持部材85は先端(前端)が径内方向に屈曲しており、該屈曲部位には磁石82の位置を検出するホール素子84が後方B側を向いて取り付けられている。また、支持部材85は、図2に示すように、ガイド溝87より外周側で固定リング11aに設けられたスライド溝88内に配置されており、切換ハンドル71のスライドに伴う支持部材85のスライド移動が、磁石82の移動に干渉し難い構成となっている。
ホール素子84は切換ハンドル71のスライドに伴って、ドリルドライバーモード時に位置するハンドル前方位置と、インパクトモード時に位置するハンドル後方位置とに位置が切り換わる。そして、ハンドル前方位置では、図1に示すように、アンビル52接触状態のハンマ51におけるスカート部55後端の外周側に位置して、第1位置でも磁石82の磁束を略検出できない程度にホール素子84が磁石82から離れて位置する。また、ハンドル後方位置では、図3に示すように、ホール素子84が第1位置の前方F側の近傍に位置し、設定トルク(調整板63)が第1,2位置(図3(a)では第1位置)の場合において、ホール素子84は磁石82の磁束を検出する。そして、ハンドル後方位置において、設定トルクが第3,4,5位置(図3(b)では第3位置)の場合では、磁石82の磁束を略検出できない程度に磁石82がホール素子84から離れて位置し、ホール素子84は磁束を略検出しない。
制御部14はホール素子84及びモータ13と電気的に接続されており、ホール素子84からは検出結果が入力され、モータ13に対しては回転動力(モータ13の出力)を変更する制御を行う。また、制御部14は、モータ13の回転動力とハンマ51の最大後退量Hとの相関に関する情報と、該情報に基づき調整板63の位置(ホール素子84で検出した磁束)に応じた出力の制限量のテーブル情報とを記憶している。そして、制御部14はホール素子84(位置検出部81)の検出結果に応じて、該テーブル情報に基づきモータ13の回転動力を制限して、トリガスイッチ12の引込量に応じた回転動力より小さい出力値(回転動力)でモータ13を駆動させる。
詳しくは、インパクトモードにおいて、制御部14は、調整板63が第1位置の場合、ハンマ51の最大後退量がL1未満となるようモータ13を出力制限する。そして、第2位置の場合では、ハンマ51の最大後退量が第2位置までの距離(L2)未満となるようモータ13を出力制限する。そして、L1<L2となっているため、第1位置の場合における制限された出力は第2位置における制限された出力に比べて小さい値となっている。また、第3位置の場合等でホール素子84が磁束を検出しない際には、制御部14はモータ13の出力を制限しない(出力制限をかけない)。
このように、インパクトモード時にホール素子84が磁束を検出すると、制御部14は位置検出部81での検出結果に対応した調整板63までの距離(図1中のL1等)未満にハンマ51の後退量を抑えるようモータ13の出力を制限する。そして、ハンマ51の後退範囲内に調整板63が位置した状態でのインパクトモードにおいて、モータ13の出力を制限したことで、後退範囲が移動範囲との重複範囲外(移動範囲と重複しない範囲)に狭められ、ハンマ51は調整板63に衝突し難くなる。そのため、クラッチ機構部4の空間(移動部材9の移動範囲)の一部をインパクト機構部5の空間(ハンマ51の後退範囲)に重複させたインパクト工具1において、ハンマ51と移動部材9の衝突に伴う破損等の発生を生じ難くすることができる。
すなわち、本インパクト工具1は、クラッチ機構部4を備えた構成において、インパクト機構部5とクラッチ機構部4の並ぶ方向における全長増加を抑え易くすると共に、インパクト機構部5とクラッチ機構部4との干渉を回避し易くすることができる。そして、衝突を生じ難くして上記並ぶ方向における全長増加を抑えたことで、駆動軸15の径方向及び前後方向V(軸方向)における全長増加を抑えたインパクト工具1を提供し易くなる。そのため、インパクト工具1として、例えば、従来と略同じ打撃力のインパクト機構部5を備えて小型化したものや、従来のものに比べて大きい打撃力のインパクト機構部5を備えて従来と略同じ全長のもの等を提供することができる。更に、位置検出部81で調整板63との相対的な距離を検出したことで、一つの位置検出部81で調整板63が後退範囲内に位置するか否かを検出することができる。そのため、後退範囲内と範囲外とに各々位置検出部やセンサを設けたもの等に比べて、部品点数を削減し易くすることができる。
また、突発的な負荷増加等でハンマ51の挙動がおかしくなった(ハンマ51の後退量が想定以上になった)場合に、ハンマ51と調整板63との衝突に伴う衝撃を、クラッチばね44で吸収することができるものとなっている。このように、クラッチばね44が緩衝部材となるため、上記衝撃によるクラッチ機構部4や減速機構部2等の損傷や破壊を生じ難くすることができる。そして、クラッチばね44が緩衝部材を兼ねたことで、緩衝部材となる弾性体の追加等に伴う、全長や重量の増加や、製造効率の低下等を生じ難くすることができる。
なお、調整板63と調整ねじ61は所謂アジャストネジ等と呼ばれる一体で形成されたものであってもよく、このものでは、アジャストネジ等の調整板63と調整ねじ61とを一体で形成した部材が移動部材9となる。
また、前述の調整板63の前後方向Vにおける位置に応じて出力制限する構成に限らず、クラッチハンドル75や調整板63、調整ねじ61の周方向における位置(回転位置)に応じて出力制限する構成であってもよい。そして、位置検出部81は磁気(磁束)を用いたものに限らず、発光部と受光部とを用いたフォトインタラプタ(光学センサ)や、リミットスイッチ等のメカスイッチ等であってもよい。殊に、位置検出部81はインパクト工具1ならではの作業時の振動や衝撃等で検出誤差を生じ難い構成のものが好ましい。
また、前述の通り、ハンマ51の後退量はインパクト工具1で作業する際の相手部材の状態等で変化する。そのため、調整板63が後退範囲内に位置する状態でのインパクトモードにおいて、制御部14がハンマ51等の挙動に応じて出力制限を行う時期を判断する(演算する)ものであってもよい。このものとして、例えば、後退時のハンマ51の後端から調整板63までの距離が一定量以下になった段階で出力制限をかけ、一定量に達する前は出力制限をかけないもの等となる。また、打撃動作を検出する衝撃検出手段を配置し、衝突回数が所定回数を超えた段階で出力制限をかけ、所定回数までは出力制限をかけないもの等であってもよい。また、ハンマ51の後退量とモータ13の電流値の間には、ある程度の相関を有するため、電流量が所定の設定値以上になった場合に出力制限をかけ、設定値以上になる前まで出力制限をかけないもの等であってもよい。
また、クラッチ機構部4のトルククラッチは5段階に限らず、4段階以下や6段階以上のものや、無段階切換のもの等であってもよい。そして、クラッチ機構部4の機能を無効にしたドリルドライバーモードを備えないもの等であってもよい。また、ハンマ51の後退範囲外となる調整板63の位置は、第1位置以外であれば、第3位置に限らない。
1 インパクト工具
13 モータ
15 駆動軸
16 出力軸
2 減速機構部
4 クラッチ機構部
44 クラッチばね
5 インパクト機構部
51 ハンマ
52 アンビル
53 付勢ばね
6 切換部
61 調整ねじ
63 調整板
71 切換ハンドル
75 クラッチハンドル
81 位置検出部
9 移動部材
V 前後方向
B 後方
F 前方

Claims (7)

  1. ハンマ及びアンビルを備えたインパクト機構部の打撃動作を用いてモータの回転動力を出力軸に伝達するインパクトモードと、前記インパクト機構部を機能させずに前記モータの回転動力を前記出力軸に伝達するドリルドライバーモードとを有すると共に、
    前記ドリルドライバーモード時にトルクが設定トルクに達した際に前記回転動力の伝達を遮断するクラッチ機構部を備えるインパクト工具であって、
    前記打撃動作時に前記ハンマが前記アンビルから離れる向きを後方とし、前記アンビルに近づく向きを前方とし、前記ハンマの移動する前後方向を基準に、
    前記ハンマの後方に配置されている前記クラッチ機構部が前記設定トルクを切り換える切換部を備え、
    該切換部が前後方向に移動自在の移動部材を備えると共に、該移動部材の前後方向における移動範囲の一部が前記ハンマの打撃動作時の後退範囲に重複し、
    前記移動部材が前記後退範囲内に位置した際に、前記回転動力を制限して前記後退範囲を前記移動範囲との重複範囲外に狭める制御部を更に備えることを特徴とするインパクト工具。
  2. 前記移動部材が前記設定トルクの調整に伴い前後方向に移動する部材であることを特徴とする請求項1に記載のインパクト工具。
  3. 前記ドリルドライバーモードにおいて、前記制御部が前記回転動力を制限しないことを特徴とする請求項1又は2に記載のインパクト工具。
  4. 前記移動部材の位置を検出する一つの位置検出部を更に備え、
    前記位置検出部は、前記移動部材が前記後退範囲内に位置するか否かを検出するものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインパクト工具。
  5. 前記後退範囲内に前記移動部材が位置した際に、前記制御部が前記移動部材の位置に応じて前記回転動力の制限量を変更することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のインパクト工具。
  6. 前記ハンマの前記移動部材への衝突時に前記衝突に伴う前記クラッチ機構部への衝撃を軽減する緩衝部材を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のインパクト工具。
  7. 前記クラッチ機構部のクラッチばねが前記緩衝部材を兼ねることを特徴とする請求項6に記載のインパクト工具。
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