以下、本発明に係る配電システムを戸建て住宅に適用した実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。但し、本発明に係る配電システムが適用可能な建物は戸建て住宅に限定されず、集合住宅の各住戸又は事務所などの各種の建物にも適用可能である。
以下の各実施形態で、直流配電部に設けられた直流−交流変換部への交流入力と、同直流配電部の負荷回路部に設けられた交流−直流変換部への交流入力との間を接続する接続点を「交流接続部」と記載する。
以下の各実施形態で、直流配電部に配線された直流電力の給電路に沿って設けられ、直流電力源から直流分電盤への直流入力と、直流配電部に設けられた直流−交流変換部への直流入力との間を接続する直流電力の給電路(配電線路)を「直流接続部」と記載する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る配電システムの構成を示すブロック図である。本実施形態の配電システムは、商用電源の交流電力源11からの交流電力、又は、例えば太陽電池、燃料電池及び蓄電池などの直流電力源300からの直流電力を交流負荷又は直流負荷にそれぞれ配電するハイブリッド配電システムである。
本実施形態の配電システムは、図1に示すように、商用電源(交流電力系統)である交流電力源11と、交流配電部100と、直流配電部200と、直流電力源300とを含む構成である。
(交流配電部)
交流電力源11は、柱上変圧器12を介して、交流配電部100に電気的に接続されている。図1において、柱上変圧器12は、一次側と二次側とが絶縁された絶縁式のトランスを用いて構成されている。柱上変圧器12の二次側においては、中性線がB種接地された単相三線の交流給電路(交流回路)が形成され、柱上変圧器12の二次側は交流配電部100に接続されている。
交流配電部100は、交流給電路を接続する交流分電盤101と、この交流分電盤101から各交流分岐回路部(分岐Br)133を介して各交流負荷(AC負荷)に接続されている各負荷配線135とを含む構成である。
交流分電盤101は、第1の漏電検出部131、連系ブレーカ132、及び予め設けられた複数の交流分岐回路部(分岐Br)133を含む構成である。図1の交流配電部100において、交流分岐回路部133は例えば5つ設けられているとする。
第1の漏電検出部131は、図1に示す上流側、即ち図1の配電システムにおいて直流電力源300側ではなく交流電力源11側の交流給電路に流れている漏洩電流を検出する漏電ブレーカ(3P3E ELB(AC))を用いて構成されている。第1の漏電検出部131は、交流配電部100における交流給電路に予め定められた検出閾値以上の漏洩電流が流れていると検出した場合に、漏電検出信号を連系ブレーカ132に出力する。また、第1の漏電検出部131は、内部にタイマを有し、交流配電部100における交流給電路に予め定められた検出閾値以上の漏洩電流が所定時間以上流れていると検出した場合に、漏電検出信号を連系ブレーカ132に出力しても良い。
第1の漏電検出部131は、零相変流器(ZCT:Zero-phase Current Transformer)を含む構成である。第1の漏電検出部131は、例えば零相変流器から出力される1周期又は1.5周期の交流漏洩電流の波形を基に、第1の漏電検出部131の所定の検出閾値を超えた漏洩電流の区間が所定回数に応じた時間閾値を超えた場合、交流給電路における漏電を検出する。
連系ブレーカ132は、第1の漏電検出部131に直列に接続され、第1の漏電検出部131から出力された漏電検出信号を基に、交流給電路(交流回路)を遮断する。
交流分岐回路部133は、例えば図1の交流分電盤101においては200Vの交流電圧を基にした交流電力を、交流分岐回路部133に接続されている交流負荷(AC負荷)に供給する。
交流分電盤101の内部には、例えば住宅用分電盤と同様に、扉付のボックス内に主幹ブレーカ(不図示)及び複数の分岐ブレーカ133などが収納されている。主幹ブレーカの1次側には交流電力源11としての商用電源が接続され、主幹ブレーカの2次側には交流給電路の導電バー(不図示)が複数接続され、これらの各導電バーに各分岐ブレーカ133が電気的に接続されている。更に、交流分電盤101のボックス内には、直流−交流変換部240の出力線が引き込まれて電気的に接続され、交流分電盤101のボックス内において直流−交流変換部240の出力線が交流電力源11からの交流給電路に電気的に接続されている。また、分岐ブレーカ133の2次側には、宅内の各交流負荷(AC負荷)に交流電力が供給される。
図1の配電システムにおいて、交流配電部100の交流給電路は、交流分電盤101から直流配電部200に引き込まれて電気的に接続されている。太陽電池ユニット330、燃料電池ユニット340及び蓄電池ユニット350からの直流給電路(直流電力の供給配線)は、直流配電部200に引き込まれて電気的に接続され、直流配電部200を介して、直流負荷(図示せず)に直流電力が供給される。
(直流配電部)
直流配電部200は、複数に接続された直流給電路を内部に有する直流分電盤201を含む構成である。直流配電部200は、交流配電部100と直流電力源300とにそれぞれ接続されている。直流配電部200は、直流配電部200に引き込まれた交流給電路と直流配電部200内に配線された直流給電路とが接続された非絶縁式の直流−交流変換部240、第2の漏電検出部250、中点接地部260及び接地切換部262を含む構成である。
直流−交流変換部240は、一方(直流電力源300側、下流側)が中点接地部260に接続され、他方(交流配電部100側、上流側)が交流接続部290(端子P0及び端子P1)を介して交流配電部100の交流給電路に接続されている。直流−交流変換部240は、複数の解列器として例えば2つの解列器241、及び、交流配電部100側の交流給電路と直流配電部200側の直流給電路とが電気的に接続された非絶縁式のDC−ACインバータをそれぞれ内部に有する。直流−交流変換部240は、直流電力から交流電力への変換を行う。
直流−交流変換部240は、太陽電池ユニット330又は燃料電池ユニット340からの直流出力を昇圧する昇圧チョッパ回路(不図示)を有する。直流−交流変換部240は、この昇圧チョッパ回路で昇圧された直流出力を交流電力源11の位相に同期した正弦波の交流電力に変換するDC/ACコンバータ(不図示)を有する。また、直流−交流変換部240は、不図示のDC/ACコンバータを制御することで交流電力の出力レベルを調整するコンバータ制御回路(不図示)及び解列器241などの系統連系保護装置などを有している。
第2の漏電検出部250は、一方(直流電力源300側、下流側)が直流接続部280を構成する直流給電路210に接続され、他方(交流配電部100側、上流側)が中点接地部260に接続されている。第2の漏電検出部250は、中点接地部260に含まれる接地(図2参照)を基準電位として、直流給電路に流れている直流漏洩電流を検出する。
第2の漏電検出部250は、零相変流器と、零相変流器の出力を積分する積分回路と、積分回路の出力が第2の漏電検出部250の所定の検出閾値を超えた場合に漏電と判定する判定回路とを含む構成である。第2の漏電検出部250は、零相変流器の出力(実効値)を積分し、この積分値が第2の漏電検出部250における漏電検出のための検出閾値を超えた場合に、直流給電路における漏電を検出する。
第2の漏電検出部250の漏電検出の検出閾値は、第1の漏電検出部131の漏電検出の検出閾値と同じ又はその検出閾値よりも低く設定されている。各漏電検出部の漏電検出においては、検出閾値に加え、各漏電検出部がタイマを有する場合にそれぞれ検出された漏洩電流の検出閾値を超えた時間の閾値を更に含んでも良い。従って、この場合には、第1及び第2の漏電検出部の各漏電検出においては、第1の漏電検出部131の検出閾値は第2の漏電検出部250の検出閾値以上であり、第1の漏電検出部131の時間閾値は第2の漏電検出部250の時間閾値より長いとする。各漏電検出部の漏電検出の検出閾値及び時間閾値は、以下の各実施形態においても同様である。
第2の漏電検出部250は、第1の漏電検出部131の漏電検出と同時に、又は第1の漏電検出部131よりも早く漏電検出する。即ち、第2の漏電検出部250は、第1の漏電検出部131から連系ブレーカ132への漏電検出信号の出力と同時に又は同漏電検出信号の出力よりも早くに、直流給電路を遮断するための漏電検出信号を直流−交流変換部240に出力する。
直流−交流変換部240は、第2の漏電検出部250が直流給電路における漏電を検出した場合に、第2の漏電検出部250から出力された漏電検出信号を基に解列器241を制御して直流給電路を遮断する。なお、第2の漏電検出部250は、直流給電路の遮断器を内蔵し、同直流給電路における漏電を検出した場合に直流給電路を直接遮断しても良い。また、図1に図示していないが、直流配電部200が直流給電路の遮断器を別途設け、この遮断器は、第2の漏電検出部250から出力された漏電検出信号を基に直流給電路を遮断しても良い。また、第2の漏電検出部250は、第2の漏電検出部250から直流電力源側300側(下流側)の直流給電路における漏電を検出した場合に、漏電検出信号を連系ブレーカ132に出力する。これにより、第2の漏電検出部250は、この漏電検出信号に基づいて、連系ブレーカ132と第2の漏電検出部250とが接続されている直流給電路を連系ブレーカ132に遮断させても良い。
中点接地部260は、一方(直流電力源300側、下流側)が第2の漏電検出部250を介して直流接続部280に接続され、他方(交流配電100側、上流側)が直流−交流変換部240に接続されている。中点接地部260は、直流配電部200に配線された直流給電路の両端間の中点電位点に接地部を有する構成である。
接地切換部262は、直流配電部200に設けられた中点接地部260の中点電位点の接地を切り換えると共に、所定の条件が満たされる場合には、中点接地部260の中点電位点の電位が接地の基準電位と等しいか否かを判定する。接地切換部262は、中点接地部260の中点電位点の電位が接地の基準電位と等しくないと判定した場合に、中点接地部260の中点電位点の電位が接地の基準電位と等しくない旨を報知する。また、接地切換部262は、中点接地部260の中点電位点の電位が接地の基準電位と等しいと判定した場合に、中点接地部260の中点電位点の電位が接地の基準電位と等しい旨を報知しても良い。接地切換部262の動作の詳細は、図2、図4及び図5を参照して後述する。
図2は、第1の実施形態に係る配電システムの直流配電部200内に設けられる中点接地部260及び接地切換部262の要部拡大説明図である。中点接地部260は、図2に示すように、直列接続された抵抗値の等しい2つの抵抗R1,R2の接続部(中点接続部)M1が並列接続されたスイッチ261a及び半導体スイッチ261bを介して接地されるように構成されている。
スイッチ261aは、一方が接続部(中点接続部)M1に接続され、他方が接続部M2に接続され、接地切換部262の制御部263からの切換信号に応じて接続部M1−M2間の導通を切り換える。同様に、半導体スイッチ261bは、一方が接続部(中点接続部)M1に接続され、他方が接続部M2に接続され、接地切換部262の制御部263からの切換信号に応じて接続部M1−M2間の導通を切り換える。また、スイッチ261aと半導体スイッチ261bとは、接続部M1−M2間において並列接続されている。
抵抗R1は、一方が接続部(中点接続部)M1に接続され、他方が直流配電部200に配線された直流給電路に接続されている。同様に、抵抗R2は、一方が接続部(中点接続部)M1に接続され、他方が直流配電部200に配線された反対側極性の直流給電路に接続されている。なお、図2において、第2の漏電検出部250は、直流接続部280に接続されている。従って、本実施形態の配電システムは、停電時に直流−交流変換部240において交流配電部100と直流配電部200とが絶縁した場合でも、直流給電路の両端間における中点接地を基準電位として、直流配電部200における漏電の有無を検出できる。
接地切換部262は、図2に示すように、切換制御部263、接点電位計測部264、PV(PV:Photovoltaic)監視部265及び報知部266を含む構成である。切換制御部263は、所定の条件が満たされる場合には、接続部M1−M2間を導通に切り換えるための切換信号を、スイッチ261a及び半導体スイッチ261bに出力する。また、切換制御部263は、所定の条件が満たされる場合には、接続部M1−M2間を導通するための切換信号を、スイッチ261a又は半導体スイッチ261bに出力しても良い。所定の条件とは、例えば、停電時又は切換制御部263がPV監視部265から出力された発電終了通知信号を取得した時である。なお、PV監視部265から発電終了通知信号が切換制御部263に出力される時間帯は、例えば夜間(例:19時から6時まで)である。
例えば停電が発生した場合には、解列器241の切断に応じて交流配電部100と直流配電部200とは絶縁状態となる。切換制御部263は、直流−交流変換部240の解列器241の両端間の各補助接点の状態を常に監視し、各補助接点間が非導通になったときには停電時として、即ち解列器241の切断に応じて次の措置を行う。
具体的には、切換制御部263は、解列器241の両端間の各補助接点の電位差の監視結果を基に解列器241の切断を判定する。更に、切換制御部263は、解列器241の切断に応じて、中点接地部260の接続部M1−M2間を導通するための切換信号をスイッチ261a又は(及び)半導体スイッチ261bに出力する。これにより、切換制御部263は、停電時に交流配電部100と直流配電部200とが絶縁状態になった場合でも、直流配電部200内において直流給電路の両端間において中点接地を確実にとることができ、直流配電部200内における漏電検出を可能とする。
更に、切換制御部263は、所定の条件が満たされる場合には、接続部M1−M2間を導通するための切換信号を、スイッチ261a又は(及び)半導体スイッチ261bに出力する。接点電位計測部264は、接続部M1及び接続部M2の各電位を計測し、計測された各電位を切換制御部263に出力する。このように、切換制御部263は、所定の条件が満たされる場合には、接点電位計測部264から出力された接続部M1及び接続部M2の各電位を基に、中点接地部260が接地切換部260からの切換信号に応じて中点接地するか否かを定期的に判定する。切換制御部263は、中点接地部260が接地切換部260からの切換信号に応じて中点接地しないと判定した場合、中点接地部260が接地切換部260からの切換信号に応じて中点接地しない旨を、報知部266を介して配電システムの管理者などに報知させる。報知の方法は、例えば画面にポップアップ表示しても良いし、ランプ若しくは音声出力又はこれらの組合せを用いても良い。
また、切換制御部263は、所定の条件が満たされず例えば昼間等の時間帯には、接続部M1−M2間を非導通に切り換えるための切換信号を、スイッチ261a及び半導体スイッチ261bに出力する。従って、上述した所定の条件が満たされないような昼間などの時間帯においては、本実施形態の配電システムは、交流配電部100における中性線接地を用いて漏電検出を行う。反対に、上述した所定の条件が満たされるような停電時又はPV監視部265から出力された発電終了通知信号の取得時(例:夜間)などにおいては、本実施形態の配電システムは、直流配電部200の中点接地部260の中性線接地を用いて漏電検出を行う。
PV監視部265は、太陽電池パネル331の発電電力量を常に監視し、夜間などの時間帯においてこの発電電力量が所定の閾値未満になると、太陽電池パネル331の発電が終了した旨の発電終了通知信号を切換制御部263に出力する。この閾値はPV監視部265の動作において予め設定されているとする。報知部266は、LCD(Liquid Crystal Display)などの液晶表示装置などを用いて構成され、切換制御部263の指示に基づき、文字、数字、画像などによって直流分電盤201の動作状態などの各種情報を示す表示を行う。また、報知部266は、切換制御部263からの表示指示に応じて、中点接地部260が接地切換部262からの切換信号に応じて中点接地しない旨を表示する。
直流配電部200は、第2の漏電検出部250より交流配電部100側(上流側)の交流接続部290(端子P0及び端子P1)において並列に接続された負荷回路部220を更に含む構成である。
負荷回路部220は、交流配電部100の交流分電盤101とも並列に接続されている。負荷回路部220は、交流−直流変換部としての絶縁式のAC/DCコンバータ214と、絶縁式の第4のDC/DCコンバータ224と、絶縁式の第5のDC/DCコンバータ234とを含む構成である。
直流−交流変換部240とAC/DCコンバータ214とは、交流配電部100側の交流接続部290(端子P0及び端子P1)において電気的に接続されている。直流−交流変換部240の直流側(下流側)、AC/DCコンバータ214の直流側(下流側)、第4のDC/DCコンバータ224及び第5のDC/DCコンバータ234の一方が直流配電部200の直流給電路210において電気的にそれぞれ接続されている。直流給電路210は、直流分電盤201の内部において接続バーなどを用いて構成される。
また、各実施形態の配電システムは、AC/DCコンバータ214を含まない様に構成しても良い。この場合、蓄電池ユニット350又は負荷回路部220に接続される直流負荷には、交流配電部100から供給された交流電力が直流−交流変換部240において変換された直流電力が供給される。又は、蓄電池ユニット350又は負荷回路部220に接続される直流負荷には、太陽電池ユニット330若しくは燃料電池ユニット340からの直流電力が供給される。
直流給電路210に出力された直流電力は、第3の分岐回路部245と、第3のDC/DCコンバータ352を介して蓄電池ユニット350とに供給される。直流給電路210に出力された直流電力は、更に、第4のDC/DCコンバータ224を介して複数の第1の分岐回路部225と、第5のDC/DCコンバータ234を介して第2の分岐回路部235とに供給される。
第1の分岐回路部225は、第4のDC/DCコンバータ224で例えば48Vに降圧された直流電力を直流負荷(図示せず)に供給する。第2の分岐回路部235は、第5のDC/DCコンバータ234で例えば96Vに降圧された直流電力を直流負荷(図示せず)に供給する。第3の分岐回路部245は、直流給電路210からの直流電力を直流負荷に直接供給する。なお、AC/DCコンバータ214、第4及び第5のDC/DCコンバータ224及び234は、それぞれヒューズ213、223及び233を内部に有している。
直流分電盤201の各々の入力端には、太陽電池ユニット330、燃料電池ユニット340、蓄電池ユニット350、及び交流分電盤101が接続されている。直流分電盤201の各々の出力端には、直流負荷用である第1から第3の各分岐回路部225,235,245が接続されている。
直流分電盤201は、入出力用コンバータとして、直流−交流変換部240、第1のDC/DCコンバータ333、第2のDC/DCコンバータ342、AC/DCコンバータ214、第4のDC/DCコンバータ224及び第5のDC/DCコンバータ234を有する。直流分電盤201には、図示しない制御部及び表示部を含む情報処理装置が接続されても良い。
図1に図示しない情報処理装置は、マイクロコンピュータなどの制御部を有し、直流配電部200における直流分電盤201の各部の動作制御を司る。制御部は、直流−交流変換部240、DC/DCコンバータ333,342,352,224,234、AC/DCコンバータ214の各コンバータの動作のON/OFF制御、並びに出力電圧制御を行い、表示部(不図示)の表示制御を行う。また、これらの制御部及び表示部は、図2、図4又は図5に示した切換制御部263及び報知部266を用いて構成されても良い。
表示部は、LCD(Liquid Crystal Display)などの液晶表示装置などにより構成され、制御部の指示に基づき、文字、数字、画像などによって直流分電盤201の動作状態などの各種情報を示す表示を行う。また、図1の配電システムには、操作部(不図示)が接続され、この操作部を介して、運転、異常の状況、各計測項目、異常履歴の表示、時計の設定などを行うことができる。また、異常履歴には、異常が発生する直前の太陽電池電圧、蓄電池電圧、交流電圧、出力電力及び異常発生時刻を同時に保存することができる。また、操作部としては、直流分電盤101に取り付けたものだけでなく、遠隔操作部(リモコンや家庭内のパソコン)を用い、通信用端子を介して上述設定を行っても良い。
太陽電池ユニット330の出力路は、直流給電路210を介して、直流−交流変換部240に接続され、直流分電盤201の第1から第3の各分岐回路部225,235,245を介して図示しない直流負荷に接続されている。
直流−交流変換部240は、太陽電池ユニット330から出力される直流電力を商用電源である交流電力源11の位相に同期した交流電力に変換して出力するとともに、変換された交流電力を商用電源に逆潮流する。また、直流−交流変換部240は、交流電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータを内部に有し、交流給電路を介して交流配電路100から出力された交流電力を直流電力に変換して直流配電部200に配線された直流給電路に出力する。
直流−直流交換部としての第1のDC/DCコンバータ333は、太陽電池パネル331から出力される直流電力を、予め第1のDC/DCコンバータ333に設定された所望の電圧レベルに変換して出力する。
第2のDC/DCコンバータ342は、燃料電池セル341から出力される直流電力を、予め第2のDC/DCコンバータ342に設定された所望の電圧レベルに変換して出力する。
第3のDC/DCコンバータ352は、蓄電池本体351から出力される直流電力を、予め第3のDC/DCコンバータ352に設定された所望の電圧レベルに変換して出力する。第3のDC/DCコンバータ352は、直流配電部200からの直流電力を、蓄電池本体351に対して供給して充電を行う。
AC/DCコンバータ214は、交流分電盤101から供給される交流電力を、予めAD/DCコンバータ214に設定された所望の電圧レベルの直流電力に変換して出力する。
太陽電池用の第1のDC/DCコンバータ333、燃料電池用の第2のDC/DCコンバータ342及び蓄電池用の第3のDC/DCコンバータ352は、それぞれ、例えばスイッチングレギュレータなどにより構成されている。これらの各コンバータは、太陽電池パネル331、燃料電池セル341及び蓄電池351からの各出力電圧を検出し、検出された出力電圧がそれぞれ予め設定された目標電圧と一致するように出力電圧を制御(フィードバック制御)する定電圧制御方式を用いている。
AC/DCコンバータ214は、例えばスイッチングレギュレータ及びインバータなどにより構成される。AC/DCコンバータ214は、交流電圧を直流電圧に整流し、フィードバック制御により出力電圧の定電圧制御を行い、交流配電部100より出力される交流電力から予めAC/DCコンバータ214に設定された所望の電圧レベルの直流電力に変換する。
太陽電池用の第1のDC/DCコンバータ333、燃料電池用の第2のDC/DCコンバータ342、蓄電池用の第3のコンバータ352、AC/DCコンバータ214の各出力端は、直流給電路210において並列接続されている。これらの各コンバータの出力端は電流ヒューズを介して直流給電路210と接続され、直流給電路210には必要に応じて更に外付けの保護回路(図示せず)が設けられる。それぞれ所望の電圧レベルに変換された直流電力のうち、いずれか或いは複数の直流電力が直流負荷用の分岐回路部225,235,245を介して、直流負荷に供給される。
また、直流−交流変換部240は、一般的な太陽光発電電力の逆潮流機能のほか、夜間の蓄電池充電機能、昼間の蓄電池放電機能(逆潮流防止)を備え、太陽光発電電力と夜間電力との双方を有効に利用することができる。
なお、現時点では、蓄電池からの放電された直流電力は商用電源(交流電力)への逆潮流が認められていないため,交流負荷の使用状況に合わせて放電電力を変化させる必要がある。例えば、商用電源の受電点に取り付けられた受電電力検出ユニットにより商用電源から流れる電力を検出し、蓄電池からの逆潮流が発生しないように逆潮流防止制御を行う。
(直流電力源)
直流配電部200は、直流電力源300を構成する太陽電池ユニット330と、燃料電池ユニット340と、蓄電池ユニット350とに電気的に接続されている。
太陽電池ユニット330は、太陽光を受光して光電変換することによって発電し、この発電に基づいた直流電力を出力し、直流発電設備の一例としての太陽光発電装置を構成している。太陽電池ユニット330は、例えば350Vの直流電圧及び5.5kWの直流電力を出力可能な太陽電池パネル331と、接続函332とを含む構成である。太陽電池ユニット330の太陽電池パネル331は、接続函332を介して、非絶縁式の太陽電池用コンバータである第1のDC/DCコンバータ333と接続されている。なお、太陽電池パネル331からの出力が予め設定された出力値より低い場合には、太陽電池パネル331と接続函332との間に昇圧コンバータ(不図示)が設けられても良い。
燃料電池ユニット340は、例えば130Vの直流電圧及び1kWの直流電力を出力可能な燃料電池セル341を含む構成である。燃料電池ユニット340の燃料電池セル341は、絶縁式の燃料電池用コンバータである第2のDC/DCコンバータ342と接続される。
蓄電池ユニット350は、直流電力の充電及び充電した直流電力の放電(出力)が可能な二次電池により構成される。蓄電池ユニット350は、例えば120Vの直流電圧及び6kWの直流電力を出力可能な蓄電池本体351を含む構成である。蓄電池ユニット350の蓄電池本体351は、非絶縁式の蓄電池用コンバータである第3のDC/DCコンバータ352と接続される。なお、第3のDC/DCコンバータ352は、蓄電池本体351の充電及び放電のために用いられる。更に、蓄電池ユニット350は、直流分電盤201に装着されているが、直流分電盤201の外部に増設し、付加電源として用いることも可能である。
直流電力源300からの出力は、直流給電路210を介して、直流−交流変換部240に入力される。直流−交流変換部240は、直流電力源300からの直流電力を交流電力に変換して交流配電部100に配電しても良い(逆潮流)。
以上により、本実施形態の配電システムは、絶縁式の直流−交流変換部240の直流電力源300側(下流側)に、直流給電路における直流漏洩電流を検出する第2の漏電検出部250を有している。また、本実施形態の配電システムは、直流−交流変換部240に接続され、直流給電路の両端間の中点電位点が接地された中点接地部260を更に有する。第2の漏電検出部250は、中点接地部260に接続され、中点接地部260の接地部を基準電位として、直流給電路において流れている直流漏洩電流を検出する。
接地切換部262は、上述した所定の条件が満たされる場合には、接続部M1−M2間を導通に切り換えるための切換信号をスイッチ261a及び半導体スイッチ261bに出力する。従って、接地切換部262は、停電時に交流配電部100と直流配電部200とが絶縁状態になった場合又は夜間などの時間帯において、直流配電部200内において直流給電路の両端間において中点接地を確実にとることができる。従って、本実施形態の配電システムは、直流配電部200に配線された直流給電路の両端間が中点接地され、停電時に交流配電部100と直流配電部200とが絶縁した場合でも、中点接地部260を基準電位として直流配電部200の漏電を検出できる。
また、接地切換部262は、停電時に交流配電部100と直流配電部200とが絶縁状態になった場合又は夜間などの時間帯において、直流配電部200内において直流給電路の両端間において中点接地を確実にとれるかどうかを定期的に確認することができる。
従って、本実施形態の配電システムは、直流配電部200に配線された直流給電路の両端間が中点接地され、停電時に交流配電部100と直流配電部200とが絶縁した場合でも、中点接地部260を基準電位として直流配電部200の漏電を検出できる。本実施形態の配電システムは、停電又は漏電などの異常発生時に確実に配電システムの動作を停止することができ、安全性の高い配電システムを提供することができる。
また、非絶縁式の直流−交流変換部240と第2の漏電検出部250と中点接地部260と接地切換部262とを用いて、交流配電部100に設けられた第1の漏電検出部131よりも容易且つ同時若しくは早くに漏電検出を行うことが可能である。これにより、本実施形態の配電システムによれば、直流電力源からの直流電力と交流電力源からの交流電力とを用いて、交流配電部100に接続された交流負荷、及び直流配電部200に接続された直流負荷に対して安全に電力供給することができる。更に、本実施形態の配電システムは、従来の配電システムを大きく変更することなく、配電の安全管理機能を実現することができる。
また、第2の漏電検出部250における漏電検出の検出閾値は、交流配電部100に設けた第1の漏電検出部131における漏電検出の検出閾値よりも低く設定される。更に、第2の漏電検出部250は、より小さな漏電条件、即ち、第2の漏電検出部250における漏洩電流の検出閾値を第1の漏電検出部131における漏洩電流の検出閾値と同じ又はより小さく設定する。これにより、第2の漏電検出部250は、第1の漏電検出部131よりも早く漏電検出を判断することができる。
つまり、所定の閾値以上の漏洩電流が直流給電路に発生した場合、交流配電部100の連系ブレーカ132と同じ又はより早くに直流配電部200の第2の漏電検出部250において漏電検出がなされる。
また、本実施形態では、第2の漏電検出部250による漏電検出は、第1の漏電検出部131と同時又はより早くなされる。しかし、第1の漏電検出部131と第2の漏電検出部250とは検出閾値(及び時間閾値)に差を持たせず、柱上変圧器12と第1の漏電検出部131との間に、遅延回路を直列に接続しても良い。これにより、交流配電部100の中点接地(中性線接地)がグランドから外れる前、即ち中性線が欠相する前に、直流配電部200の第2の漏電検出部250が直流給電路において漏電検出を行うこともできる。このように検出閾値(及び時間閾値)の設定によらずに、遅延回路の存在により異常発生時に配電システムを確実に停止することもできる。
また、上述した本実施形態の配電システムの構成によれば、直流電力供給に必要な要素を直流分電盤として同一容器内に収容することができ、設置及びメンテナンスが容易な配電システムの構築が可能となる。なお、本実施形態では、直流配電部200の各要素を直流分電盤201として、同一容器内に収納したが、必要に応じて別途配置してもよいことはいうまでもない。
本実施形態の配電システムにおいて、直流−交流変換部240は絶縁式である。一方、AC−DCコンバータ214、第1,第2,第3,第4及び第5の各DC/DCコンバータ333,342,352,224及び234については、非絶縁式/絶縁式のいずれについても適用可能である。なお、AC−DCコンバータ214、第1,第2,第3,第4及び第5の各DC/DCコンバータ333,342,352,224及び234が非絶縁式/絶縁式のいずれについても適用可能であることは、以下の各実施形態においても同様である。非絶縁式の場合は各コンバータの構成を小型化可能であり、絶縁式の場合はそれぞれ各コンバータにおいて電力の変換を安全に行えるという効果がある。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について、図3を参照して説明する。図3は、第2の実施形態に係る配電システムの構成を示すブロック図である。
本実施形態の配電システムでは、図3のブロック図に示すように、中点接地部260Aは、直流給電路210の両端間に設けられている。中点接地部260Aは、一方が直流給電路210の終端部に接続され、他方(負荷回路部220側、紙面下側)が第2の漏電検出部250に接続されている。中点接地部260Aは、図14に示すように、抵抗R1及び抵抗R2の直列接続の接続点M1が並列接続されたスイッチ261a及び半導体スイッチ261bを介して接地された構成である。抵抗R1は、一端が直流給電路210上の端子P3に接続され、他端が接続部(接続点)M1に接続されている。抵抗R2は、一端が直流給電路210上の端子P2に接続され、他端が接続部(接続点)M1に接続されている。
本実施形態の配電システムにおいては、第1の実施形態と同様に、中点接地部260Aは、接地切換部262により中点電位点の接地が切り換えられる。また、本実施形態において、接地切換部262の構成及び動作は第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
本実施形態の配電システムにおける他部については、図1に示した第1の実施形態の配電システムと同様であるため、ここでは説明を省略するが同一部位には同一符号を付した。
第2の実施形態の配電システムによれば、第2の漏電検出部250は、直流給電路210の両端間に設けられた中点接地部260Aに含まれる接地を基準電位として、直流給電路210における直流漏洩電流を検出することができる。従って、第2の実施形態の配電システムの第2漏電検出部250は、直流給電路210に接続される広範囲の各コンバータの絶縁劣化を高精度に検出することができる。なお、本実施形態においても、直流配電部200の各要素を直流分電盤201として同一容器内に収納したが、必要に応じて別途配置してもよいことはいうまでもない。
また、本発明に係る配電システムの各実施形態において、中点接地部260,260Aは、図4又は図5の中点接地部260B,260Cとして構成することも可能である。図4及び図5は、直流配電部200内に設けられる中点接地部260B,260Cの他の要部拡大説明図及び接地切換部262の内部構成を示すブロック図である。図4及び図5の接地切換部262の構成及び動作は図2の接地切換部262の構成と同様であるため、重複する内容の説明は省略する。なお、図4及び図5の接地切換部262の接点電位計測部264の動作においては、図2の接地切換部262の接点電位計測部264の動作における「接続部M1−M2」間を、「接続部M3−M2」間に読み替えるとする。
図4において、中点接地部260Bは、一方(直流電力源300側、下流側)が第2の漏電検出部250を介して直流接続部280に接続され、他方(交流配電100側、上流側)が直流−交流変換部240に接続されている。中点接地部260Bは、直流配電部200における直流給電路の両端間の中点電位点に接地部を有する構成である。
具体的に、中点接地部260Bは、2つの入力端子W1及びW2を有する絶縁型のコンバータ270aと2つの入力端子W3及びW4を有する絶縁型のコンバータ270bとの各出力線の一方の接続点(中点接続部)M3が接地されるように構成されている。ここで、各コンバータ270a,270bの各入力端子W1及びW2,W3及びW4には、直流電力源300からの直流電力が供給されている。各コンバータ270a,270bの各入力端子W1及びW2,W3及びW4に直流電力源300からの直流電力が供給されるため、停電時においても安定的に直流配電部200において直流電力の直流負荷への供給が可能となる。
コンバータ270aの出力線の他方はプラス(+)極性を有する直流給電路上の出力端子W5に接続され、コンバータ270bの他方の出力線はマイナス(−)極性を有する直流給電路上の出力端子W6に接続されている。
図4の中点接地部260Bでは、図2の中点接続部260と異なり抵抗が用いられていないため、中点接地部260Bにおいて発熱損失が発生せず、更に絶縁型のコンバータ270a,270bが用いられているため、基準電位を確実にとることができる。従って、各実施形態の配電システムは、図4の中点接地部260Bを用いることにより、直流配電部200における直流漏洩電流に基づく漏電を安全に検出することができる。
なお、上述した第2の実施形態における中点接地部260Aが抵抗R1及びR2を用いて構成されている場合には、図2に示すように構成されず、図14に示すように構成される。図14は、第2の実施形態の配電システムにおける直流配電部200内に設けられる中点接地部260Aの他の要部拡大説明図である。
中点接地部260Aは、図14に示すように、一方が直流給電路210の終端部に接続され、他方(負荷回路部220側、紙面下側)が第2の漏電検出部250に接続されている。
なお、第2の実施形態における中点接地部260Aが抵抗R1及びR2ではなくコンバータ270a及び270bを用いて構成されている場合には、図4又は図5に示すように構成されず、図15又は図16の中点接地部260B,260Cのように構成される。図15及び図16は、第2の実施形態の配電システムにおける直流配電部200内に設けられる中点接地部260B,260Cの他の要部拡大説明図である。
中点接地部260B,260Cは、図15又は図16に示すように、一方が直流給電路210の終端部に接続され、他方(直流給電路210の終端部の反対側)が第2の漏電検出部250に接続されている。
図5において、中点接地部260Cは、直流電力源300側から配線された中性線NLが、コンバータ270aとコンバータ270bとの各出力線の接続点(中点接続部)M3に接続された構成としている。中点接地部260Cの他の各部の構成は図4の中点接地部260Bと同様であるため、同様な内容の説明は省略する。
図5の中点接地部260Cでは、図4の中点接地部260Bと同様に、図2の中点接続部260と異なり抵抗が用いられていないため、中点接地部260Bにおいて発熱損失が発生しない。更に、図5の中点接地部260Cでは、図4の中点接地部260Bと同様に、絶縁型のコンバータ270a,270bが用いられているため、基準電位を確実にとることができる。従って、各実施形態の配電システムは、図4の中点接地部260Bを用いることにより、直流配電部200における直流漏洩電流に基づく漏電を安全に検出することができる。更に、図5の中点接地部260Cでは中性線が中点接続部M2に接続されているため、各実施形態の配電システムは、図4の中点接地部260Bを用いる場合に比べて、2つの直流電力の出力を構成することができる。
なお、上述した各種の中点接地部260,260A,260B,260Cの通過電流(出力電流)は、心室細動電流以下又は離脱限界電流以下であることが好ましい。これにより、漏電電流の人体に対する影響を軽減することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について、図6を参照して説明する。図6は、第3の実施形態に係る配電システムの構成を示すブロック図である。
第3の実施形態の配電システムは、上述した第1の実施形態の配電システムの変形例として、図6のブロック図に示すように、更に第2の漏電検出部250Aを直流給電路210に沿って直列に接続されるように設けたものである。また、本実施形態において、接地切換部262の構成及び動作は第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。本実施形態の配電システムにおける他部については、図1に示した第1の実施形態の配電システムと同様であるため、ここでは説明を省略するが同一部位には同一符号を付した。
第3の実施形態の配電システムは、第2の漏電検出部250Aを有することにより、直流給電路210の広範囲において直流給電路210に流れている漏洩電流を検出することができる。この場合、第2の漏電検出部250Aは、図6の直流給電路210に直列に接続されている遮断器(不図示)に対して直流給電路(直流回路)の遮断を実行させることができる。なお、本実施形態においても、直流配電部200の各要素を直流分電盤201として、同一容器内に収納したが、必要に応じて別途配置してもよいことはいうまでもない。また、第1のDC/DCコンバータ333、及び第3のDC/DCコンバータ352については、非絶縁式を用いた方が、太陽電池パネル331、蓄電池351までの配線の漏電保護が可能となる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について、図7を参照して説明する。図7は、第4の実施形態に係る配電システムの構成を示すブロック図である。
第4の実施形態の配電システムは、第1の実施形態の配電システムの変形例として、図7のブロック図に示すように、直流給電路210の負荷回路部220への分配線に相当する領域の直流給電路210に沿って、第2の漏電検出部250Bを更に設けた。また、本実施形態において、接地切換部262の構成及び動作は第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。本実施形態の配電システムにおける他部については、図1に示した第1の実施形態の配電システムと同様であるため、ここでは説明を省略するが同一部位には同一符号を付した。
第4の実施形態の配電システムによれば、上述した第1の実施形態の配電システムの効果に加え、直流配電部200の負荷回路部220側か又は負荷回路部220側以外のどちらにおいて漏電検出したかを詳細に識別することができる。なお、本実施形態においても、直流配電部200の各要素を直流分電盤201として、同一容器内に収納したが、必要に応じて別途配置してもよいことはいうまでもない。また、第1のDC/DCコンバータ333、及び第3のDC/DCコンバータ352については、非絶縁式を用いた方が、太陽電池パネル331、蓄電池351までの配線の漏電保護が可能となる。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について、図8及び図9を参照して説明する。図8及び図9は、第5の実施形態に係る配電システムの構成を示すブロック図である。
第5の実施形態の配電システムは、上述した第3及び第4の各実施形態の配電システムの変形例として、図8及び図9の各ブロック図に示すように、第2の漏電検出部250Cを、負荷回路部220に配線されている直流給電路210に沿って設けたものである。また、本実施形態において、接地切換部262の構成及び動作は第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。本実施形態の配電システムにおける他部については、図4に示した第4の実施形態の配電システムと同様であるため、ここでは説明を省略するが同一部位には同一符号を付した。
第5の実施形態の配電システムによれば、上述した第3及び第4の各実施形態の配電システムの効果に加え、直流配電部200の負荷回路部220の直流給電路210において発生した漏電を検出することができる。なお、本実施形態においても、直流配電部200の各要素を直流分電盤201として、同一容器内に収納したが、必要に応じて別途配置してもよいことはいうまでもない。
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態について、図10及び図11を参照して説明する。図10及び図11は、第6の実施形態に係る配電システムの構成を示すブロック図である。
第8の実施形態の配電システムは、上述した第5の実施形態の配電システムの変形例として、図10及び図11のブロック図に示すように、第2の漏電検出部250Dを、直流給電路210と蓄電池ユニット350との間の接続部に設けたものである。また、本実施形態において、接地切換部262の構成及び動作は第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。本実施形態の配電システムにおける他部については、図8及び図9に示した第5の実施形態の配電システムと同様であるため、ここでは説明を省略するが同一部位には同一符号を付した。
第6の実施形態の配電システムによれば、上述した第5の実施形態の配電システムの効果に加え、第3のDC/DCコンバータ352が非絶縁であれば蓄電池用の第3のDC/DCコンバータ352から直流給電路210までにおける漏電を検出することができる。なお、本実施形態においても、直流配電部200の各要素を直流分電盤201として、同一容器内に収納したが、必要に応じて別途配置してもよいことはいうまでもない。また、第1のDC/DCコンバータ333、及び第3のDC/DCコンバータ352については、非絶縁式を用いた方が、太陽電池パネル331、蓄電池351までの配線の漏電保護が可能となる。
(第7の実施形態)
次に、本発明の第7の実施形態について、図12及び図13を参照して説明する。図12及び図13は、第7の実施形態に係る配電システムの構成を示すブロック図である。
第7の実施形態の配電システムは、上述した第6の実施形態の配電システムの変形例として、図12及び図13のブロック図に示すように、第2の漏電検出部250Eを、直流給電路210と第3の分岐回路部245との間に更に設けたものである。なお、第2の漏電検出部250Eは、直流分電盤201に設けられる主幹ブレーカを構成する。また、本実施形態において、接地切換部262の構成及び動作は第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。本実施形態の配電システムにおける他部については、図10及び図11に示した第6の実施形態の配電システムと同様であるため、ここでは説明を省略するが同一部位には同一符号を付した。
本実施形態の配電システムによれば、第6の実施形態の配電システムの効果に加え、直流給電路210と第2の漏電検出部250Eとの間において漏洩電流を検出した場合に、不図示の遮断器を用いて直流給電路210(直流回路)を遮断できる。これにより、本実施形態の配電システムは、漏電箇所を限定することができるため、配電システム全体のシステムダウンを防止でき、配電システムの安全性を図ることができる。なお、本実施形態においても、直流配電部200の各要素を直流分電盤201として、同一容器内に収納したが、必要に応じて別途配置してもよいことはいうまでもない。
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属すると了解される。
なお、上述の各実施形態において、直流配電部200に設けられた各第2の漏電検出部(250,250A,250B,250C,250D,250E)は交流配電部100に設けられた第1の漏電検出部131よりも早く漏電検出が可能である。
更に、直流配電部200に設けられた各第2の漏電検出部は、例えば図12において、第2の漏電検出部250E,250D,250C,250A,250の順番に漏電をより早く検出することができる。即ち、第2の漏電検出部250E,250D,250C,250A,250は、第2の漏電検出部250E,250D,250C,250A,250の順番に漏電検出が可能に予め漏電検出の検出閾値(及び時間閾値)が設定されているとする。これにより、直流配電部200に設けられた各第2の漏電検出部は、直流負荷側に向かって設けられた第2の漏電検出部ほど漏電をより早く検出できる。
同様に、直流配電部200に設けられた各第2の漏電検出部は、例えば図13において、第2の漏電検出部250E,250D,250C,250B,250の順番に漏電をより早く検出することができる。即ち、第2の漏電検出部250E,250D,250C,250B,250は、第2の漏電検出部250E,250D,250C,250B,250の順番に漏電検出が可能に予め漏電検出の検出閾値(及び時間閾値)が設定されているとする。
なお、第2の漏電検出部250Aと第2の漏電検出部250Bとでは、後者の第2の漏電検出部250Bの方が前者の第2の漏電検出部250Aよりも早く漏電検出できる様に各漏電検出における検出閾値(及び時間閾値)が設定されているとする。