JP5820318B2 - パイプ支持システム - Google Patents

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Description

本発明は、免震継手およびエキスパンション継手の中間支持に用いられるパイプ支持システムに関する。
近年、免震構造の建物が急速に普及している。免震構造の建物は、地下のピット内に設けられた免震構造により、地震時の強い揺れを吸収して、その揺れが伝わりにくい構造になっている。
このような免震構造の建物に配管されるパイプには、免震構造の建物側に固定される部位(建物側固定位置)と、地震時に揺れる地面側に固定される部位(地面側固定位置)とが存在する。地震時には、揺れにくい建物側固定位置と揺れる地面側固定位置との間で変位が生じる。
また、建物と、別の建物との間に配管を渡す場合、それぞれの建物が地震動で別々の挙動を示すため、発生する揺れを吸収し、破損しない構造または形態の配管としなければならない。このような、建物のエキスパンションジョイント部の配管についても、地震時には、一方の建物側固定位置ともう一方の建物側固定位置との間で変位が生じる。
このため、両固定位置の間に可とう性を有する免震継手あるいはエキスパンション継手等(以下、これらを総称して「免震パイプ」という。)を設ける必要がある。
免震パイプを設置する部位には、設計者から、対応すべき水平変位量ならびに上下変位量が示される。施工者は、これら要求変位量を満足するような可とう性を有する管材を適切に配置した現場加工品またはパッケージ化された商品を免震パイプとして選定し、対応している。
上述のように免震パイプは可とう性を有することから、これらを平面的に配設すると、固定パイプ等に固定された両端部に対して中央部が垂れ下がってしまう。この「垂れ下がり」を回避するための技術(例えば、特許文献1)が開発されている。
特開平11−132365号公報
特許文献1に開示された技術は、図8に示すように、免震パイプ1の中央部1aを上方からワイヤー2等で吊る技術である。しかし、この技術には、上方から垂設されるワイヤー2等の位置と、免震パイプ1の配設位置との位置合わせが難しいという問題がある。しかし、地震動において免震パイプの変形に追随し、自由に水平移動や上下移動をさせるためには、天井からのワイヤー2や全ねじボルトによる一本吊では不十分である。
また、例えば、ワイヤー2にダンパーを取り付ける場合、施工時は免震パイプ1内に水が入っていない状態でダンパーを調整する。このため、実際に使用を開始して免震パイプ1内に水の重量が加わった時の位置に合わせて吊るのが困難である。また、経年により、ダンパーが伸びてしまい、免震パイプ1が垂れ下がるおそれがある。
次に、図9に示す技術は、平面的に自由移動できる免震配管移動コントローラ3で免震パイプ1の中央部を支持する技術である。この技術では、移動コントローラ3の下に、広くて平滑なステージ架台4の設置が必要となり、加えて、上下方向の揺れに対応できないという問題がある。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みて開発されたものである。それゆえに本発明の主たる課題は、位置合わせが容易で、かつ、広くて平滑なステージ架台の設置を必要とせず、免震構造における狭い地下ピット内、および建物のエキスパンションジョイント部でも使用することのできる免震パイプ支持システムを提供することにある。
(1)
この発明のある局面に従うと、免震構造である第1の建物と、第2の建物または地面との間に渡って設けられる免震パイプ支持システムが提供される。この免震パイプ支持システムは、第1の位置と、第2の位置と、第1および第2の位置の間の第3の位置と、を有する免震パイプと、第4の位置と、第5の位置と、第4および第5の位置の間の第6の位置と、を有する支持部材とを備え、免震パイプは、第1の位置にて第1の建物に支持され、第2の位置にて第2の建物または地面に支持され、支持部材は、第4の位置にて第1の建物に支持され、第5の位置にて第2の建物または地面に支持され、第6の位置にて免震パイプの第3の位置を支持し、免震パイプの第1の位置から第3の位置までの長さと第2の位置から第3の位置までの長さの割合が、支持部材のうちの第4の位置から第6の位置までの長さと第5の位置から第6の位置までの長さの割合に等しいことを特徴としている。
この免震パイプ支持システムにおいて、免震パイプは、その第3の位置で支持部材(の第6の位置)に支持されている。免震パイプの第1の位置および支持部材の第4の位置は、免震構造である第1の建物に支持されており、逆に、免震パイプの第2の位置および支持部材の第5の位置は、地震時に第1の建物と異なる挙動を示す第2の建物および地面のいずれかに支持されている。
地震時に、第1の位置および第2の位置が、相対的に、上下方向の変位を生じたとき、第3の位置(支持部材による支持点)にも上下方向の変位が発生する。この免震パイプ支持システムでは、「免震パイプの第1の位置から第3の位置までの長さと、第2の位置から第3の位置までの長さとの割合」、および「支持部材の第4の位置から第6の位置までの長さと、第5の位置から第6の位置までの長さとの割合」が互いに等しく設定されている。このように設定することにより、地震時に上下方向に揺れる免震パイプの第3の位置(支持部材による支持点)の動きに合わせて、支持部材の第6の位置(免震パイプを支持する点)も上下方向に同じ振幅および同じ周期で揺れることになる。このため、地震時における上下方向の振動が加わっても、免震パイプと支持部材とは、常に同じ位置(免震パイプの第3の位置、および支持部材の第6の位置)で接することになる。
なお、ある位置から別の位置までの「長さ」とは、ある位置から別の位置までの最短の長さ、すなわち、「距離」を意味している。ただし、免震パイプあるいは支持部材の形状が、第3の位置あるいは第6の位置を中心として点対称であれば、免震パイプあるいは支持部材自体の「長さ」も含まれる。このことは、本明細書を通じて同じである。
この免震パイプ支持システムによれば、第1の建物と、第2の建物および地面のいずれかとの間に支持部材を架け渡すだけで免震パイプを支持するので、位置合わせが容易で、かつ、広い配置スペースを必要としないことから、免震構造における狭い地下ピット内でも使用することができる。
加えて、上述のように、上下方向の揺れが生じても、免震パイプと支持部材との接点が変わらないので、免震パイプが自重および内部の水の重さによって垂れるのを防げるとともに、免震パイプの表面に擦れ傷が生じるのを避けることができる。
(2)
免震パイプの第1の位置から第3の位置までの長さと第2の位置から第3の位置までの長さを等しく、かつ、支持部材の第4の位置から第6の位置までの長さと第5の位置から第6の位置までの長さを等しくするのが好適である。
(3)
支持部材が、第6の位置にて免震パイプの第3の位置の下面を支持するようにしてもよい。
なお、この支持部においては、変位によって生じるねじれを許容する工夫をすることにより、これら両者を締結してもよく、その場合は第6の位置にて免震パイプの第3の位置の上面を締結支持するようにしてもよい。
(4)
支持部材に対して摺動可能な筒状部材をさらに設けるとともに、支持部材が、筒状部材を介して免震パイプの第3の位置の下面を支持するように設定するのが好適である。
地震時に横方向の揺れが生じた場合、免震パイプと支持部材とが互いに接する位置は、当該横方向の揺れに応じて変わってしまう。接する位置が変わると、免震パイプと支持部材とが互いに擦れ合い、免震パイプの表面にキズが生じるおそれがある。
そこで、支持部材に対して摺動可能な筒状部材をさらに設けることにより、上述のように横方向の揺れが生じた場合、免震パイプおよび筒状部材が一体となって支持部材の外表面上を摺動する。これにより、免震パイプが支持部材と直接擦れ合って免震パイプの表面にキズが生じるのを回避できる。
(5)
支持部材の第6の位置から下方へ吊り部材を垂設し、この吊り部材を介して、支持部材が免震パイプの第3の位置を支持するようにしてもよい。
(6)
第1および第2の位置の間に少なくとも2つの屈曲部を有する免震パイプを使用し、これら2つの屈曲部の間を第3の位置としてもよい。
この発明によれば、上述のように、位置合わせが容易で、かつ、広い配置スペースを必要としないことから免震構造における狭い地下ピット内でも使用することができ、さらに、上下方向の揺れが生じても、免震パイプと支持部材との接点が変わらないので、免震パイプの表面に擦れ傷が生じるのを避けることができる免震パイプ支持システムを提供することができる。
第1実施例に係る免震パイプ支持システムを示す図である。 第1実施例に係る免震パイプ支持システムの変形例を示す図である。 第1実施例に係る免震パイプ支持システムの他の変形例を示す図である。 第1実施例に係る免震パイプ支持システムの他の変形例を示す図である。 第1実施例に係る免震パイプ支持システムの他の変形例を示す図である。 第1実施例に係る免震パイプ支持システムの他の変形例を示す図である。 第2実施例に係る免震パイプ支持システムを示す図である。 従来技術を示す図である。 従来技術を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。また、第1実施例において説明した内容が第2実施例でも同様の場合、第2実施例における説明を省略し、第1実施例にて説明した内容を援用する。
(第1実施例)
第1実施例に係る免震パイプ支持システム10は、図1に示すように、免震構造である第1の建物Xと、免震構造でない地面Zとの間に渡って設けられる。この免震パイプ支持システム10は、免震パイプ12と、支持部材14とで構成されている。
免震パイプ12は、第1の建物Xと地面Zとの間における振動の違いを吸収するために平面的に配設された、可とう性を有する免震継手である。なお、「平面的」とは、免震パイプ12全体が水平面上に配設される場合に限られず、全体が斜めに配設される場合、および免震パイプ12の一部分が同一平面上にないような場合も含まれる概念である。この免震パイプ12は、可とう性材料で形成された本体部16と、この本体部16の両端にそれぞれ設けられた固定具締結部18とで構成されている。
また、免震パイプ12は、第1の位置20と、第2の位置22と、第3の位置24とを有している。第1の位置20は、第1の建物Xに支持される位置、すなわち、図中左側の固定具締結部18にある。第2の位置22は、地面Zに支持される位置、すなわち、もう一方(図中右側)の固定具締結部18にある。また、第3の位置24は、免震パイプ12が支持部材14に当接する(載置される)位置である。
本体部16の材質については、上述のように、第1の建物Xと地面Zとの間における振動の違いを吸収することができるような、ある程度の硬さと柔軟性とを備えていれば、特に限定されるものではない。例えば、ポリエチレン管(エスロハイパー[登録商標]AW)、合成ゴム管、ステンレスフレキ管、ブレードホース管、ステンレスメッシュ管が考えられる。
固定具締結部18は、第1の建物Xおよび地面Zに支持される部分であることから、金属等の本体部16よりも可とう性が低い、金属等の材料で形成されても良く、その一例として、一方の端部にフランジ18a、他方の端部に本体部16と接続するカプラ18bが形成されている。なお、解析結果や実証実験により、材質変更等が不要とされた場合は、固定具締結部18に異種管材を用いず、免震パイプ12を一体的に形成し、その結果として18aや18bが省略されても良い。
なお、本実施例において、本体部16は、それぞれ90°折り曲げられた2カ所の屈曲部を有しており、第3の位置24で支持部材14に当接するようになっている。免震パイプ12の形状はこれに限られるものではなく、図2および図3に示すように、それぞれ90°折り曲げられた4カ所の屈曲部を設けて、略S字状に形成してもよい。なお、図2は、略S字状に形成された免震パイプ12を平面的に配設した場合を示している。また、図3は、同免震パイプ12を縦方向に配設した場合を示しており、この場合、免震パイプ12と支持部材14とは、第3の位置24と第6の位置36とでのみ接触するので、後述するように、免震パイプ12の表面に擦れ傷が生じるのを避けることができる。
第1の位置20および第2の位置22には(図1を参照)、免震パイプ12の固定具締結部18を第1の建物Xおよび地面Zに対してそれぞれ支持・固定する固定器具26が取り付けられている。
固定器具26は、免震パイプ12の固定具締結部18に取付固定する固定部28と、この固定部28と第1の建物Xあるいは地面Zとを連結する連結部30とを備えている。本実施例の場合、固定部28には、Uボルトが使用されている。また、固定部28と第1の建物Xとを連結する連結部30には、この第1の建物Xから垂設された形鋼が使用されている(全ねじボルト等を使用してもよい。)。また、固定部28と地面Zとを連結する連結部30には、地面Zから立設された架台等が使用されている。固定器具26の態様は、これに限定されるものではなく、架台状のものを第1の建物Xから垂設して連結部30とし、上下左右の揺れに対して、免震パイプ12の固定具締結部18を強固に固定してもよい。また、固定部28を省略し、連結部30を直接的に免震パイプ12に接続して、一点支持にしてもよい。
支持部材14は、可とう性を有する免震パイプ12の本体部16が自重で垂れ下がるのを防止するための、円柱状の中実部材である。支持部材14は、第4の位置32と、第5の位置34と、第6の位置36とを有している。第4の位置32は、第1の建物Xに支持される位置、すなわち、支持部材14の一方の端部にある。第5の位置34は、地面Zに支持される位置、すなわち、支持部材14の他方の端部にある。さらに、第6の位置36は、免震パイプ12と当接する位置にある。したがって、第3の位置24と第6の位置36とは、平面視において同じ位置にある。
支持部材14の材質は、特に限定されるものではないが、後述するように、地震時の横方向の揺れに起因して、免震パイプ12が支持部材14の表面上を摺動するおそれがあることから、免震パイプ12の表面が傷つくのを回避するために、免震パイプ12の材質と硬度が同等以下の材質(例えば免震パイプと同じ材質[=エスロハイパー[登録商標]AW]または軟質樹脂材)を用いるのが好適である。
また、支持部材14の外形状も円柱状には限られず、円筒状(中空)であってもよいし、角柱材であってもよい。ただし、上述のように免震パイプ12の表面の損傷を回避するため、外表面の断面形状は円弧状であることか好適である。
第4の位置32および第5の位置34には、支持部材14の両端部を第1の建物Xおよび地面Zに対してそれぞれ支持・固定する固定器具26が取り付けられている。この固定器具26は、免震パイプ12の固定に使用されるものと同じである。ただし、免震パイプ12の支持は固定支持なので、固定器具26および固定具締結部18は緊結されているが、支持部材14における第4の位置32および第5の位置34の、両者または少なくとも一端は自由支持として、自在に摺動できるようになっている。この点を除けば、免震パイプ12の固定使用されるものと同じく、固定器具26の態様は特に限定されるものではない。
次に、免震パイプ12における第1の位置20、第2の位置22、および第3の位置24と、支持部材14における第4の位置32、第5の位置34、および第6の位置36との関係について説明する。
本実施例では、免震パイプ12の第1の位置20から第3の位置24までの長さと、第2の位置22から第3の位置24までの長さとの割合(a:b)が、支持部材14の第4の位置32から第6の位置36までの長さと、第5の位置34から第6の位置36までの長さの割合に等しくなるように設定されている。
なお、免震パイプ12の第1の位置20から第3の位置24までの長さと、第2の位置22から第3の位置24までの長さを等しく、かつ、支持部材14の第4の位置32から第6の位置36までの長さと、第5の位置34から第6の位置36までの長さを等しくしてもよい。すなわち、上記割合が1:1(a=1、b=1)となるようにしてもよい。
免震パイプ12の第1の位置20および支持部材14の第4の位置32は、免震構造である第1の建物Xに支持されており、逆に、免震パイプ12の第2の位置22および支持部材14の第5の位置34は、免震構造ではない地面Zに支持されている。このため、地震時には、免震パイプ12の第2の位置22および支持部材14の第5の位置34における揺れに比べて、免震パイプ12の第1の位置20および支持部材14の第4の位置32における揺れは小さくなる。
地震により上下方向に振動が生じたとき、第1の建物X側を基準とすれば免震パイプ12は第2の位置22を起点として上下に揺れることになる。この免震パイプ支持システム10では、上述のように、免震パイプ12の第1の位置20から第3の位置24までの長さと、第2の位置22から第3の位置24までの長さとの割合、および支持部材14の第4の位置32から第6の位置36までの長さと、第5の位置34から第6の位置36までの長さとの割合が互いに等しく設定されている。このように設定することにより、第2の位置22を起点として揺れる免震パイプ12の第3の位置24(支持部材14が免震パイプ12を支持する点)の動きに合わせて、支持部材14の第6の位置36(免震パイプ12を支持する点)も上下方向に同じ振幅で揺れることになる。このため、地震時における上下方向の振動が加わっても、免震パイプ12と支持部材14とは、常に同じ位置(免震パイプ12の第3の位置24、および支持部材14の第6の位置36)で接することになる。なお、免震パイプ12は変形することで地震の水平変位および上下変位に追随するが、支持部材14にはそのような可とう性はない。そのため支持部材14の両端支持部は、両端または少なくとも一端を自由支持にすることが必要となる。
この免震パイプ支持システム10によれば、第1の建物Xと、地面Zとの間に支持部材14を架け渡すだけで免震パイプ12を支持するので、位置合わせが容易であり、かつ、広い配置スペースを必要としないことから免震構造における狭い地下ピット内でも使用することができる。
加えて、上述のように、上下方向の揺れが生じても、免震パイプ12と支持部材14とが接する点の位置が変わらないので、免震パイプ12の表面に擦れ傷が生じるのを避けることができる。もっとも、免震パイプ12は支持部材14の上に載せているだけなので、水平変位で第1の建物Xと地面Zとの間の離隔距離が開く場合、接点のずれが全くないわけではない。ただし、支持部材14は軟質で、角の丸い形態としているため、この状態でも免震パイプ12に深い擦傷は生じないと考えられる。
しかしながら、擦れをさらに低減するために、接点(すなわち第3の位置24および第6の位置36)を締結しても良い。その場合は、両者の間に生じる水平方向や円周方向のねじれを許容する締結方法を選択することが必要となる。また、締結する場合は、支持部材14を免震パイプ12の上方に配置するようにしてもよい。
なお、図4に示すように、支持部材14の側面から一対の枝部39を外方へ延設してもよい。一対の枝部39は、第3の位置24とは異なる位置で、免震パイプ12の本体部16を支持する位置に形成されている。枝部39は、支持部材14に対して溶接されていてもよいし、支持部材14に設けた貫通孔に枝部39を差し込み、ボルト等の固定具で固定してもよい。
このような枝部39を設けることにより、より確実に本体部16の垂れ下がりを防止することができる。支持部材14を第6の位置36(中央部)で分割された2本の部材で構成し、ねじれを許容できる継手等でこれら2本の部材を接合してもよい。
また、図5に示すように、支持部材14の外径寸法よりも若干大きい内径を有する筒状部材38を、支持部材14に対して回転・摺動可能に取り付け、筒状部材38を介して免震パイプ12の第3の位置24の下面を支持するように設定してもよい。この筒状部材38は、支持部材14における第6の位置36を中心として取り付けられる。
地震時に横方向の揺れが生じた場合、免震パイプ12と支持部材14とが互いに接する位置は、当該横方向の揺れに応じて変わってしまう。接する位置が変わると、免震パイプ12と支持部材14とが互いに擦れ合い、免震パイプ12の表面にキズが生じるおそれがある。
上述した筒状部材38を設けることにより、横方向の揺れが生じた場合であっても、免震パイプ12および筒状部材38が一体となって支持部材14の外表面上を回転・摺動する。これにより、免震パイプ12が支持部材14と直接擦れ合って免震パイプ12の表面にキズが生じるのを回避できる。
なお、筒状部材38は、支持部材14に対して少なくとも摺動可能でさえあれば、免震パイプ12の表面のキズを回避する効果を奏することができる。もちろん、上述のように、筒状部材38を支持部材14に対して回転・摺動可能に取り付けるのが、キズ回避により効果的である点で好適である。この場合においても、さらに擦れを低減するために、接点(すなわち第3の位置24および第6の位置36)を締結しても良い。その場合は、両者の間に生じる水平方向や円周方向のねじれを許容する締結方法を選択することが必要となる。
図5に示す実施例においても、支持部材14における、免震パイプ12と接触する位置(第6の位置36に対応する部分と、一対の枝部39との合計3カ所)に、上述したような筒状部材38を取り付けてもよい。
さらに、図6に示すように、支持部材14の第4の位置32および第5の位置34、すなわち、固定器具26によるそれぞれの固定位置において、支持部材14の外径寸法よりも若干大きい内径を有する筒状のスライド管40を支持部材14に対して回転・摺動可能に取り付けても良い。
このようなスライド管40を取り付けることにより、連結部30(吊金具)を緩めて止めた自由支持と比べて、地震動による急激な変動を受けた場合でも、支持部材14の両端支持がこじれて破損するおそれを低減することができる。これにより、免震パイプ12の表面にキズが生じるのを回避できる。この場合においても、さらに擦れを低減するために、接点(すなわち第3の位置24および第6の位置36)を締結しても良い。その場合は、両者の間に生じる水平方向や円周方向のねじれを許容する締結方法を選択することが必要となる。
なお、スライド管40が支持部材14に対して少なくとも摺動可能でさえあればよいことは、筒状部材38における説明と同様である。
また、スライド管40によれば、地震等により、第1の建物Xおよび地面Zに取り付けられた、支持部材14における第4の位置32と第5の位置34との間隔が伸縮した場合でも、支持部材14が固定器具26に対してスライドすることから、これら支持部材14および固定器具26に不所望な応力がかかって撓んだり、破損してしまうといったおそれがなくなる。
さらに、スライド管40を用いる場合、支持部材14が誤ってスライド管40から抜け落ちないようにするため、支持部材14の両端に抜け止め用のキャップ(図示せず)を取り付けてもよい。抜け止め用のキャップの外径は、スライド管40の内径よりも大きく形成される。
また、本実施例では、支持部材14が免震パイプ12を下方から支持するようになっている。しかしこれとは逆に、支持部材14を免震パイプ12の上方に配設し、さらに、第6の位置36から吊り部材(図示せず)を垂設してその下端を免震パイプ12の第3の位置24に接続することにより、吊り部材を介して免震パイプ12を支持してもよい。
(第2実施例)
第2実施例に係る免震パイプ支持システム10は、図7に示すように、免震構造である第1の建物Xと、免震構造でない、あるいは免震構造であっても第1の建物とは振動の状態が異なる(一体ではなく地震等で異なる振動をする)第2の建物Yとの間に渡って設けられるエキスパンション継手である点で、第1実施例と異なっている。
この場合、免震パイプ12の両端部および支持部材14の両端部に固定された固定器具26は、すべて、建物から垂設されるタイプになる。
また、第1実施例の変形例として説明した、筒状部材38を使用する例、およびスライド管40を使用する例は、第2実施例にも当然に適用可能である。
本発明の好ましい一実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
10…免震パイプ支持システム、12…免震パイプ、14…支持部材、16…本体部、18…固定具締結部、20…第1の位置、22…第2の位置、24…第3の位置、26…固定器具、28…固定部、30…連結部、32…第4の位置、34…第5の位置、36…第6の位置、38…筒状部材、39…枝部、40…スライド管、X…第1の建物、Y…第2の建物、Z…地面

Claims (6)

  1. 免震構造である第1の建物と、第2の建物または地面と、の間に渡って設けられる免震パイプ支持システムであって、
    第1の位置と、第2の位置と、前記第1および第2の位置の間の第3の位置と、を有する免震パイプと、
    第4の位置と、第5の位置と、前記第4および第5の位置の間の第6の位置と、を有する支持部材とを備え、
    前記免震パイプは、前記第1の位置にて前記第1の建物に支持され、前記第2の位置にて前記第2の建物または地面に支持され、
    前記支持部材は、前記第4の位置にて前記第1の建物に支持され、前記第5の位置にて前記第2の建物または地面に支持され、前記第6の位置にて前記免震パイプの前記第3の位置を支持し、
    前記免震パイプの前記第1の位置から前記第3の位置までの長さと前記第2の位置から前記第3の位置までの長さとの割合が、前記支持部材の前記第4の位置から前記第6の位置までの長さと前記第5の位置から前記第6の位置までの長さとの割合に等しい、免震パイプ支持システム。
  2. 前記免震パイプの前記第1の位置から前記第3の位置までの長さと前記第2の位置から前記第3の位置までの長さが等しく、
    前記支持部材の前記第4の位置から前記第6の位置までの長さと前記第5の位置から前記第6の位置までの長さが等しい、請求項1に記載の免震パイプ支持システム。
  3. 前記支持部材は、前記第6の位置にて前記免震パイプの前記第3の位置の下面を支持する、請求項1または2に記載の免震パイプ支持システム。
  4. 前記支持部材に対して摺動可能な筒状部材をさらに備え、
    前記支持部材は、前記筒状部材を介して、前記免震パイプの前記第3の位置の下面を支持する、請求項1から3のいずれか1項に記載の免震パイプ支持システム。
  5. 前記支持部材の前記第6の位置から下方へ配設される吊り部材をさらに備え、
    前記支持部材は、前記吊り部材を介して、前記免震パイプの前記第3の位置を支持する、請求項1から4のいずれか1項に記載の免震パイプ支持システム。
  6. 前記免震パイプは、前記第1および第2の位置の間に少なくとも2つの屈曲部を有し、
    前記第3の位置は、前記2つの屈曲部の間に位置する、請求項1から5のいずれか1項に記載の免震パイプ支持システム。
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