JP5819227B2 - 電磁流量計の励磁回路 - Google Patents
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Description
この電磁流量計50は、検出器50Aと変換器50Bとから構成されている。
検出器50Aには、主な構成として、測定管51、電極52、および励磁コイル53が設けられている。
測定管51は、全体としてステンレスなどの非磁性金属の筒体からなり、その内側に測定対象となる流体が流れる流路51Fを構成する。
励磁コイル53は、測定管51の外側に対向して配置された一対のコイルからなり、変換器50Bから供給された励磁電流Iexに応じて、流路51Fを流れる流体の流れ方向に対して直交する方向に磁界Bを発生させる機能を有している。
通信I/F部55は、信号線Wを介してコントローラなどの上位装置(図示せず)と接続し、上位装置から信号線Wを介して供給された電力から動作電源を生成して各機能部へ供給する機能と、信号処理部56で得られた流体の流量値をデータ通信により信号線Wを介して上位装置へ通知する機能とを有している。
励磁回路57は、信号処理部56からの励磁信号に基づいて、励磁極性を切替制御するための矩形波からなる交流励磁電流を生成して、励磁コイル53へ供給する機能を有している。
図9は、従来の励磁回路を示す回路である。
この励磁回路60は、切替回路61、定電流回路62、ダイオードD60、ダイオードブリッジDB、および容量素子Cから構成されている。
ダイオードD60は、電源電位VPと電流入力端子Tinとの間に直列接続されて、容量素子Cに充電された充電電圧VCが電源電位VP側へ逆流するのを防止する機能を有している。
励磁信号SA,SBは、互いに相補的な位相関係を有する励磁周波数のパルス信号からなり、このうち、SAはSW61およびSW64を制御し、SBはSW62およびSW63を制御する。
したがって、時刻T60に示すように、SAが立ち上がるとともにSBが立ち下がった場合、SW61,SW64がオンして、SW62,SW63がオフする。これにより、VPからD60およびTinを介して入力される入力電流の経路として、SW61→端子L2→励磁コイルL→端子L1→SW64→Tout→定電流回路62という経路が形成され、励磁電流Iexの極性の切り替えが行われる。
すなわち、前述の図10に示すように、時刻T60において、SAが立ち上がるとともにSBが立ち下がった場合、励磁電流Iexの極性が切り替えられて、励磁コイルLの自己インダクタンスにより、励磁コイルLの両端L1−L2間に逆起電圧が発生し、ダイオードブリッジDBを介して、この逆起電圧が容量素子Cに充電される。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる電磁流量計の励磁回路10について説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる励磁回路の構成を示す回路図である。
一般に、導電性を有する流体の流量を測定する電磁流量計では、測定管内を流れる流体の流れ方向に対して磁界発生方向が垂直となるよう配置された励磁コイルへ、極性が交互に切り替われる励磁電流を供給し、励磁コイルからの発生磁界と直交して測定管内に配置された一対の電極間に生じる起電力を検出し、この電極間に生じる起電力を増幅した後、サンプリングして信号処理することにより、測定管内を流れる流体の流量を測定している。なお、電磁流量計の全体的な構成については、前述した図8と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
定電流回路12は、前述の図9に示したように、例えば、トランジスタQ、オペアンプOP、および抵抗素子Rからなるエミッタフォロワ回路からなり、切替回路11の電流出力端子Toutと接地電位GNDとの間に接続されて、VRからダイオードD1を介して切替回路11に定電流で入力電流を供給する、一般的な定電流回路である。
D1は、逆起電圧がVP側へ逆流して吸収されるのを防止する機能を有している。なお、D1については、ショットキーダイオードで構成すれば、D1における順方向での電圧降下を削減することができる。
したがって、CからLに対して、逆起電圧よりさらに高い電圧を供給することができ、結果として、励磁電流の立ち上がり(立ち下がり)をより速くすることができる。
次に、図1および図2を参照して、本実施の形態にかかる励磁回路10の動作について説明する。図2は、第1の実施の形態にかかる励磁回路の動作を示す信号波形図である。
例えば、時刻T0において、励磁電流Iexを、それまでのL1→L2方向からL2→L1方向へ切替制御しているため、端子L1−L2間に発生した逆起電圧により、L2の電圧がL1より高くなる。これにより、端子L1−L2間の端子間電圧VLとして負電圧が発生する。
したがって、Tinおよび切替回路11を経由してL1,L2へ供給されるVCが、時刻T1において、端子間電圧VLがVPだけ昇圧されるため、励磁電流Iexの立ち下がりをより速くすることができる。
例えば、時刻T3において、励磁電流Iexを、それまでのL2→L1方向からL1→L2方向へ切替制御しているため、端子L1−L2間に発生した逆起電圧により、L1の電圧がL2より高くなる。これにより、端子L1−L2間の端子間電圧VLとして正電圧が発生する。
したがって、Tinおよび切替回路11を経由してL1,L2へ供給されるVCが、時刻T4において、端子間電圧VLがVPだけ昇圧されるため、励磁電流Iexの立ち上がりをより速くすることができる。
このように、本実施の形態は、充放電回路13に昇圧回路BSTを設け、容量素子Cの他端を接地電位GNDから電源電位VPに切替接続することにより、CからLへ放電する充電電圧VCを昇圧するようにしたものである。
これにより、CからLに対して、逆起電圧よりさらに高い電圧を供給することができ、結果として、励磁電流Iexの立ち上がり(立ち下がり)をより速くすることができる。
より具体的には、昇圧回路BSTのコンパレータCMPで、定電流回路12のうち、一端がGNDに接続されて、入力電流Iinが流れる抵抗素子R1の他端の端子電圧VJと、GNDとを比較し、VJがGNDと等しくなった時点を、切替タイミングとして検出するようにしたものである。
上記BSTによれば、充電電圧VCのピーク値をVP分だけさらに昇圧した電圧を得るようにしたので、Iexの変化開始時期において、VCとVPとから得られる最も高い電圧を、Lに供給することができる。したがって、極めて効果的に励磁電流Iexの立ち上がり(立ち下がり)を速くすることができる。
次に、図3を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる励磁回路10について説明する。図3は、第2の実施の形態にかかる励磁回路の構成を示す回路図であり、前述の図1と同じまたは同等部分には、同一符号を付してある。
具体的には、昇圧回路BSTは、前述したSW11およびCMPに加えて、一端がVPに接続された抵抗素子R11と、一端がSW11の一方の切替端子に接続されて、他端がGNDに接続された予備容量素子CHと、一端がR11の他端に接続され、他端がCHとCS11との接続ノードに接続されたスイッチ回路SW12とを有している。
次に、図3および図4を参照して、本実施の形態にかかる励磁回路10の動作について説明する。図4は、第2の実施の形態にかかる励磁回路の動作を示す信号波形図である。
この後、VCがピーク値まで上昇した時刻T1において、CMPからのSJがハイレベル(VP電位)となるため、SJによりSW12がオフ状態となり、CHがVPから切り離されて、CHへのICHが停止する。
したがって、Tinおよび切替回路11を経由してL1,L2へ供給されるVCが、時刻T1において、端子間電圧VLがVPだけ昇圧されるため、励磁電流Iexの立ち下がりをより速くすることができる。
この後、VCがピーク値まで上昇した時刻T4において、CMPからのSJがハイレベル(VP電位)となるため、SJによりSW12がオフ状態となり、CHがVPから切り離されて、CHへのICHが停止する。
したがって、Tinおよび切替回路11を経由してL1,L2へ供給されるVCが、時刻T4において、端子間電圧VLがVPだけ昇圧されるため、励磁電流Iexの立ち上がりをより速くすることができる。
このように、本実施の形態では、昇圧回路BSTで、抵抗素子R11を介して電源電位VPを一時的に充電する予備容量素子CHを有し、容量素子Cの他端を接地電位GNDから予備容量素子CHに切替接続することにより、容量素子Cから放電する充電電圧VCを昇圧するようにしたので、VPからCHへ流れる予備充電電流ICHをR11で調整することができる。
したがって、1対の信号線を介して上位装置からの電源供給を受ける2線式電磁流量計や、搭載した電池で動作する電池式電磁流量計のように、VPから十分な電流を供給できないような動作環境であっても、VCをVP分だけ昇圧することができ、第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
次に、図5を参照して、本発明の第3の実施の形態にかかる励磁回路10について説明する。図5は、第3の実施の形態にかかる励磁回路の構成を示す回路図であり、前述の図1および図2と同じまたは同等部分には、同一符号を付してある。
スイッチ回路SW32は、容量素子Cから励磁コイルLの端子L1に対する放電電流の供給を、SBに応じてSW1とは逆位相でオン/オフ制御するスイッチ回路である。
また、本実施の形態にかかる励磁回路10におけるこの他の構成については、図1および図2と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
これにより、TYおよびTXには、Q21,Q22がオフして、SW1,SW2とL1,L2との間が遮断されるため、Lからの逆起電圧により、L1,L2の電圧がVRより高くなってもVR側に逆流して吸収されてしまうことが防止される。一方、TYおよびTX以外の期間には、Q21,Q22がオンして、SW1,SW2とL1,L2との間が接続されるため、Tinからの入力電流がL1,L2へ供給される。
次に、図5および図6を参照して、本実施の形態にかかる励磁回路10の動作について説明する。図6は、第3の実施の形態にかかる励磁回路の動作を示す信号波形図である。
なお、充放電回路13Aの動作については、第2の実施の形態と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
したがって、時刻T2以降は、VRからTinに供給された入力電流Iinが、SW1およびQ21を介してL2へ供給されることになる。
したがって、時刻T3以降は、VRからTinに供給された入力電流Iinが、SW2およびQ22を介してL1へ供給されることになる。
このように、本実施の形態は、切替回路11のSW1,SW2と励磁コイルLの端子L1,L2との間に、Q21,Q22からなる遮断回路14を設け、検出遮断信号SYが示す、容量素子Cの充電電圧VCが定電圧電位VRより高い検出遮断期間TYと、強制遮断信号SXが示す、SA,SBの切替タイミングから一定時間長を持つ強制遮断期間TXの両方において、Q21,Q22をオフ状態とすることにより、SW1,SW2とL1,L2との間を遮断し、これら以外の期間においてSW1,SW2とL1,L2との間を接続するようにしたものである。
同じく、励磁コイルLで発生した高い逆起電圧は、SW3,SW4の接点端子にも印加されるが、これら接点端子は、一般的には、MOSFET(Nチャネル)のドレイン端子となるため、高耐圧仕様ではなくても、MOSFETが損傷を受けることはない。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
図7は、充放電回路の他の構成例を示す回路図である。この充放電回路13Bでは、容量素子CとSW11との間に検出抵抗素子RJを直列接続し、その両端の電圧VJ1,VJ2をCMPで比較することにより、VCがピーク値となる時点を切替タイミングとして検出している。なお、RJについては、励磁コイルLからの逆起電圧によるCへの充放電電流が流れる経路であればよい。
Claims (5)
- 測定管の外側に配置された励磁コイルに対して、励磁回路から励磁電流を供給することにより、当該測定管内を流れる流体を励磁し、当該測定管に配置された一対の電極から、前記励磁により当該流体に発生した前記励磁コイルからの磁界と直交する起電力を検出し、この起電力に基づき当該流体の流量値を測定する電磁流量計で用いられる前記励磁回路であって、
励磁周波数を持つパルス信号からなる励磁信号に基づいて、前記電源電位から電流入力端子を介して電流出力端子へ流れる入力電流を、前記励磁コイルの一端または他端へ前記励磁電流として切り替えて供給する切替回路と、
前記励磁コイルから発生する逆起電圧を整流して一時的に充電し、得られた充電電圧を前記電流入力端子へ放電する充放電回路とを備え、
前記充放電回路は、
一端が前記電流入力端子に接続された前記容量素子と、
前記励磁コイルの両端に発生した前記逆起電圧を整流して容量素子へ充電するダイオードブリッジと、
前記容量素子の他端を接地電位から前記電源電位に切替接続することにより、前記容量素子から放電する前記充電電圧を昇圧する昇圧回路とを有する
ことを特徴とする励磁回路。 - 請求項1に記載の励磁回路において、
前記昇圧回路は、前記充電電圧がピーク値となる時点を切替タイミングとして検出し、当該切替タイミングに前記容量素子の他端を前記接地電位から前記電源電位に切替接続することを特徴とする励磁回路。 - 請求項2に記載の励磁回路において、
前記電流出力端子と前記接地電位との間に設けられて、前記電源電位から前記電流入力端子へ入力される前記入力電流を一定電流値に調整する定電流回路をさらに備え、
前記昇圧回路は、前記定電流回路のうち、一端が前記接地電位に接続されて、前記入力電流が流れる抵抗素子の他端の端子電圧と、前記接地電位とを比較し、前記端子電圧が前記接地電位と等しくなった時点を、前記切替タイミングとして検出する
ことを特徴とする励磁回路。 - 請求項1〜請求項3のうちのいずれか1つに記載の励磁回路において、
前記昇圧回路は、抵抗素子を介して前記電源電位を一時的に充電する予備容量素子を有し、前記容量素子の他端を接地電位から前記予備容量素子に切替接続することにより、前記容量素子から放電する前記充電電圧を昇圧することを特徴とする励磁回路。 - 請求項1〜請求項4のうちのいずれか1つに記載の励磁回路において、
前記充電電圧が前記電源電位より高い期間を検出遮断期間として検出して検出遮断信号として出力する検出回路と、
前記検出回路からの前記検出遮断信号と、前記励磁電流の切替タイミングから一定時間長を持つ強制遮断期間を示す強制遮断信号とに基づいて、前記切替回路内に設けた第1および第2のMOSFETをオン/オフ制御することにより、前記検出遮断期間と前記強制遮断期間において、前記定電圧電位と前記励磁コイルの一端および他端との間を遮断し、前記検出遮断期間および前記強制遮断期間以外の期間において、前記定電圧電位と前記励磁コイルの一端および他端との間を接続する遮断回路とをさらに備え、
前記切替回路は、
一方の接点端子が前記電流入力端子に接続されて、前記励磁信号に応じてオン/オフ動作する第1のスイッチ回路と、
一方の接点端子が前記電流入力端子に接続されて、前記第1のスイッチ回路とは逆位相でオン/オフ動作する第2のスイッチ回路と、
一方の接点端子が前記励磁コイルの一端に接続され、他方の接点端子が前記電流出力端子に接続されて、前記第1のスイッチ回路とは逆位相でオン/オフ動作する第3のスイッチ回路と、
一方の接点端子が前記励磁コイルの前記他端に接続され、他方の接点端子が前記電流出力端子に接続されて、前記第1のスイッチ回路と同位相でオン/オフ動作する第4のスイッチ回路とを有し、
前記遮断回路は、
ソース端子が前記第1のスイッチ回路の他方の接点端子に接続され、ドレイン端子が前記第3のスイッチ回路の前記一方の接点端子に接続された、NチャネルMOSFETからなる前記第1のMOSFETと、
ソース端子が前記第2のスイッチ回路の他方の接点端子に接続され、ドレイン端子が前記第4のスイッチ回路の前記一方の接点端子に接続された、NチャネルMOSFETからなる前記第2のMOSFETとを有する
ことを特徴とする励磁回路。
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