JP5816702B2 - 喫煙物品、フィルター - Google Patents

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Description

本発明は、フィルター部を備える喫煙物品およびフィルターに関する。
例えば、煙草用フィルタチップにおいて、円柱形をなしたフィルタチップの吸口側端部を斜めにカットしたものが開示されている。この煙草用フィルタチップでは、喫煙時に煙が傾斜面に対して直角に流出し、喫味が向上するとされる(例えば、特許文献1参照)。
特開昭59−102386号公報
しかしながら、上記従来の煙草用フィルタチップでは、製造工程の最後にフィルタチップの吸口側端部を斜めにカットする工程が必要となるため、別途に特別な加工用の装置が必要になることや製造上効率が悪くなる問題を生じていた。
本発明の一つの形態に係る喫煙物品は、煙草部と、吸口を有するフィルター部と、前記煙草部と前記フィルター部とを覆う筒状の覆い部と、前記吸口の近傍で前記覆い部に設けられる複数の開孔部と、を備える。
本発明の他の形態に係る喫煙物品は、煙草部と、吸口を有するフィルター部と、前記煙草部と前記フィルター部とを覆う筒状の覆い部と、前記吸口の近傍で前記覆い部に設けられる露出部と、を備える。
本発明の一つの形態に係るフィルターは、喫煙物品の一方の端部に取り付けられる筒部と、吸口を有するとともに、前記筒部の内側に設けられるフィルター部と、前記吸口の近傍で前記筒部に設けられる複数の開孔部と、を備える。
本発明の一つの形態に係る喫煙物品は、煙草部と、吸口を有するフィルター部と、前記煙草部と前記フィルター部とを覆う筒状の覆い部と、前記吸口の近傍で前記覆い部に設けられるとともに、前記フィルター部の軸線に対して所定の角度をなして設けられた複数の開孔部と、を備える。
本発明の一つの形態に係るフィルターは、喫煙物品の一方の端部に取り付けられる筒部と、吸口を有するとともに、前記筒部の内側に設けられるフィルター部と、前記吸口の近傍で前記筒部に設けられるとともに、前記フィルター部の軸線に対して所定の角度をなして設けられた複数の開孔部と、を備える。
本発明の一つの形態に係る喫煙物品は、煙草部と、吸口を有するフィルター部と、前記煙草部と前記フィルター部とを覆う筒状の覆い部と、前記吸口の近傍で前記覆い部に設けられる複数の開孔部と、前記吸口の近傍から外れた位置で、前記覆い部に設けられる空気取入部と、前記フィルター部に設けられるとともに、前記煙草部からの煙と前記空気取入部からの空気とを混合する混合部と、を備える。
第1の実施形態の喫煙物品の一例であるシガレットを示した側面図。 図1に示すシガレットを一部切断するとともに一部分解して示した斜視図。 図1に示すシガレットの煙拡散効果について評価を行う測定装置を示した模式図。 第1の実施形態の比較例101、実施例101〜123の評価結果を示した表。 図4に示す表に基づいて作製したグラフ。 図4に示す表の比較例101の煙の拡散状態を示した模式図。 図4に示す表の実施例101の煙の拡散状態を示した模式図。 図4に示す表の実施例117の煙の拡散状態を示した模式図。 X軸にベンチレーション有りのシガレットの代表的実施例のFの値をとり、Y軸にベンチレーション無しのシガレットの代表的実施例のFの値をとったグラフ 第1の実施形態の喫煙物品の一例であるシガレットの第1の変形例を示した断面図。 第1の実施形態の喫煙物品の一例であるシガレットの第2の変形例を示した断面図。 第2の実施形態の喫煙物品の一例であるシガレットを示した側面図。 第3の実施形態の喫煙物品の一例であるシガレットを示した側面図。 第4の実施形態の喫煙物品の一例である喫煙具を一部切断して示した側面図。 喫煙物品に取り付けて使用されるフィルターの実施形態においてフィルターを一部切断して示した側面図。 第5の実施形態の喫煙物品の一例であるシガレットを一部切断して示した側面図。 図16に示すシガレットを一部切断するとともに一部分解して示した斜視図。 図16に示すシガレットの比較例201、実施例201〜213を示した表。 図18に示す表の比較例201の煙の拡散状態を示した模式図。 図18に示す表の比較例201の煙の画像解析結果を示したグラフ。 図18に示す表の実施例201の煙の拡散状態を示した模式図。 図18に示す表の実施例201の煙の画像解析結果を示したグラフ。 図18に示す表の実施例202の煙の拡散状態を示した模式図。 図18に示す表の実施例202の煙の画像解析結果を示したグラフ。 図18に示す表の実施例203の煙の拡散状態を示した模式図。 図18に示す表の実施例203の煙の画像解析結果を示したグラフ。 図18に示す表の実施例204の煙の拡散状態を示した模式図。 図18に示す表の実施例204の煙の画像解析結果を示したグラフ。 図18に示す表の実施例205の煙の拡散状態を示した模式図。 図18に示す表の実施例205の煙の画像解析結果を示したグラフ。 図18に示す表の実施例206の煙の拡散状態を示した模式図。 図18に示す表の実施例206の煙の画像解析結果を示したグラフ。 図18に示す表の実施例207の煙の拡散状態を示した模式図。 図18に示す表の実施例207の煙の画像解析結果を示したグラフ。 図18に示す表の実施例208の煙の拡散状態を示した模式図。 図18に示す表の実施例209の煙の拡散状態を示した模式図。 図18に示す表の実施例210の煙の拡散状態を示した模式図。 図18に示す表の実施例211の煙の拡散状態を示した模式図。 図18に示す表の実施例212の煙の拡散状態を示した模式図。 図18に示す表の実施例213の煙の拡散状態を示した模式図。 図18に示す実施例201から207の喫味評価結果を示したグラフ。 図41に示すグラフの詳細な数値を示した表。 第6の実施形態の喫煙物品の一例である喫煙具を一部切断して示した側面図。 喫煙物品に取り付けて使用されるフィルターの実施形態においてフィルターを一部切断して示した側面図。 第7の実施形態の実施例301〜309、第8の実施形態の実施例310〜314、および比較例301〜305の喫煙物品の一例であるシガレットを示した表。 第7の実施形態の実施例315、317、319、321、338、339、第8の実施形態の実施例336、および比較例306、308の喫煙物品の一例であるシガレットを示した表。 第7の実施形態の実施例301のシガレットの一部を示した断面図。 第7の実施形態の実施例301のシガレットの一部を示した斜視図。 第7の実施形態の実施例305のシガレットの一部を示した断面図。 第7の実施形態の実施例306のシガレットの一部を示した断面図。 第8の実施形態の実施例310のシガレットの一部を示した断面図。 第8の実施形態の実施例312のシガレットの一部を示した断面図。 第8の実施形態の実施例313のシガレットの一部を示した断面図。 第8の実施形態の実施例314のシガレットの一部を示した断面図。 比較例301のシガレットの一部を示した断面図。 比較例302のシガレットの一部を示した断面図。 第1の測定装置を概略的に示した模式図。 第2の測定装置を概略的に示した模式図。 ベンチレーションが4列のシガレットのベンチレーション幅を示した図。 ベンチレーションが1列のシガレットのベンチレーション幅を示した図。 各実施例の混合部の長さとベンチレーション率との関係を示したグラフ。 各実施例の抵抗付与部とベンチレーション率との関係を示したグラフ。 各実施例のベンチレーション率とRとの関係を示したグラフ。 ベンチレーションが4列の場合に、各実施例の軸線方向における混合部の長さとRとの関係を示したグラフ。 ベンチレーションが1列の場合に、各実施例の軸線方向における混合部の長さとRとの関係を示したグラフ。 各実施例のLとRとの関係を示したグラフ。 図66のLが0mmから2mm付近の位置を拡大して示したグラフ。 各実施例のベンチレーション率とRとの関係を示したグラフ。 各実施例のベンチレーション率とRとの関係を示したグラフ。 各実施例のLとRとの関係をベンチレーション率ごとに示したグラフ。
(喫煙物品の第1の実施形態)
以下、図1、図2を参照して、喫煙物品の一例であるシガレットの第1の実施形態について説明する。なお、喫煙物品の中には、シガレット、葉巻、シガリロ、電子デバイス加熱または熱源などによりたばこの香味を吸引する喫煙具、および非加熱型でたばこの香味を吸引する喫煙具(商品:ゼロスタイルミント)などが含まれる。
同図に示すように、シガレット11は、刻み葉(煙草)の周囲を巻紙で包んで円柱形にした煙草部12と、フィルター本体13およびフィルター本体13の周囲を覆う巻取紙14を含む円柱形のフィルター部15と、煙草部12とフィルター部15とに跨って設けられるチップペーパー16と、巻取紙14およびチップペーパー16を貫通するように設けられる開孔部17と、を備えている。本実施形態において、チップペーパー16は、煙草部12とフィルター部15とを覆う筒状の覆い部の一例である。また、シガレット11は、フィルター部15の中間位置において例えば等間隔でリング状に設けられるベンチレーション18(ベンチレーション孔)を備えていても良い。
チップペーパー16は、煙草部12とフィルター部15と連結している。チップペーパー16は、一方の端部に吸込み口21を有しており、一方の端部とは反対側の他方の端部で煙草部12と重なっている。ベンチレーション18は、例えば、チップペーパー16を貫通するように設けられた孔、或いはチップペーパー16および巻取紙14を貫通してフィルター部15にまで至る孔であり、外部からフィルター部15内に空気を供給して、主としてフィルター部15内を流れる煙を薄める役割を果たす。
複数の開孔部17は、例えば4列のリング状に配置されている。開口部17の列数は、4列に限られず、例えば1列から6列等の任意の列数でもよい。各列には例えば円形の開孔部17が例えば等間隔で配置されている。開孔部17の形状は、円形に限られず、例えば多角形等の他の形状でもよい。複数の開孔部17は、シガレット11(フィルター部15)の軸方向Aにおいて、フィルター部15の吸口22(吸込み口21)から例えば8mmの位置よりも吸口22(吸込み口21)に寄った位置(吸口22(吸込み口21)から8mm未満の範囲内)に設けられている。また、複数の開孔部17は、シガレット11(フィルター部15)の軸方向Aにおいて、フィルター部15の吸口22(吸込み口21)から例えば好ましくは4mmの位置よりも吸口22(吸込み口21)に寄った位置(吸口22(吸込み口21)から4mm未満の範囲内)、或いは例えばより好ましくは2mmの位置よりも吸口22(吸込み口21)に寄った位置(吸口22(吸込み口21)から2mm未満の範囲内)に設けられている。開孔部17は、チップペーパー16を貫通するように設けられる第1部分17Aと、フィルター部15(巻取紙14およびフィルター本体13)に設けられる第2部分17Bと、を含む。
フィルター部15の直径は、例えば5mmから9mmであり、例えば8mmである。また、フィルター部15の円周の長さは、例えば、16mmから28mmであり、例えば25mmである。
フィルター部15は、その吸口22にある端面22Aとは反対側の端部で煙草部12に隣接して設けられている。フィルター本体13は、第1部分17Aと連続するように設けられる開孔部17の第2部分17Bを有している。各第2部分17Bは、第1部分17Aから中心に向けて延びて所定の深さで止まるように形成される。各開孔部17の第1部分17Aの深さと各第2部分17B深さとを加算した値は、例えば0.11mmから2.61mmの範囲内である。また、開孔部17の第1部分17Aと第2部分17Bとは一体的に形成されており、例えば、レーザ加工によって一括して形成される。開孔部17の第1部分17Aの深さと第2部分17Bの深さとを合算した深さ(欠損深さ)は、具体的には、後述する比較例101、実施例101〜123の条件で作製した。なお、フィルター本体13には第2部分17Bを設けないで、チップペーパー16および巻取紙14のみに開孔部17(第1部分17Aおよび第2部分17Bの一部)を設けるようにしてもよい。
開孔部17の第1部分17Aおよび第2部分17Bの作製方法は、レーザ加工によるものに限られず、例えば、針状の歯型(ポンチ)によりプレス開孔する機械的な方法や、コロナ放電による電気的な方法であってもよい。
開孔部17の角度は、任意に設定してもよい。すなわち、本実施形態では、フィルター部15の断面の接線方向に対して90°の角度で各開孔部17を形成しているが、各開孔部17の角度は任意の角度で形成できる。例えば図10は、軸方向Aと直交する平面でフィルター部15を切断した断面図であり、本実施形態の第1の変形例を示している。同図に示すように、例えば、軸方向Aと直交する平面内で接線方向に対して1°以上で179°以下であればどのような角度で開孔部17を形成してもよい(図10では、60°の場合の例を示している。なお、ここでは、接線方向に対する角度が90°よりも小さいとき、開孔部17は、図10において時計回り方向に渦を巻くように煙を流出する方向に延びているものとする。また、接線方向に対する角度が90°よりも大きいとき、開孔部17は、図10において反時計回り方向に渦を巻くように煙を流出する方向に延びているものとする。)。また、図11は、軸方向Aに沿った平面でフィルター部15を切断した断面図であり、本実施形態の第2の変形例を示している。同図に示すように、例えば、軸方向Aに沿った平面内で接線方向に対して1°以上で179°以下であればどのような角度で開孔部17を形成してもよい(図11では、60°の場合の例を示している。なお、ここでは、接線方向に対する角度が90°よりも小さいとき、開孔部17は、吸口22に近づくにつれて軸線Aから遠ざかる方向に延びているものとする。また、接線方向に対する角度が90°よりも大きいとき、開孔部17は、吸口22に近づくにつれて軸線Aに近づく方向に延びているものとする。)。さらに、第1の変形例と第2の変形例とを組み合わせて、軸方向Aと直交する平面内で接線方向に対して所定の角度をなす(1°以上で179°以下の角度、一例として60°)とともに、軸方向Aに沿った平面内で接線方向に対して所定の角度をなす(1°以上で179°以下の角度、一例として60°)ように開孔部17を形成してもよい。
フィルター本体13は、様々な種類の充填材によって形成できる。本実施形態において、フィルター本体13は、例えば、アセテートなどのセルロース系半合成繊維の充填材で構成されるが、充填材としてはこれに限定されない。充填材は、例えば、綿、麻、マニラ麻、ヤシ、イグサなどの植物繊維、羊毛、カシミヤなどの動物繊維、レーヨンなどのセルロース系再生繊維、ジアセテート、トリアセテートなどのセルロース系半合成繊維、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成繊維あるいはそれらを組合せたものを使用することができる。フィルター部15の構成要素は、上記のアセテートフィルターの他、チャコールを含んだチャコールフィルターやチャコール以外の粒状物が入ったフィルターでもよい。またチャコール以外の粒状物の一例として、アセテート顆粒、サイクロデキストリンなどの粉末、マイクロカプセルなどがある。また、フィルター部15は、2つ以上のセグメントで構成されてもよい。
また、フィルター部15のフィルター本体13に使用する可塑剤の種類は問わない。例えば、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチル・トリエチル、クエン酸アセチル・トリブチル、酒石酸ジブチル、エチルフタリル・エチルグリコレート、メチルフタリル・エチルグリコレート、トリアセチン、りん酸トリエチル、りん酸トリフェニル、トリプロピオニンあるいはそれらを組合せたものを使用することができる。場合により可塑剤を使用しなくても良い。
また、フィルター本体13には、メンソールフレーバなどを含んでもよい。フレーバの加香方法は特に問わないが、例えばフレーバを吸着させたひも状の物質をフィルター本体13内に配置する、あるいはフィルター部15の充填物にフレーバを含ませる、あるいはカプセルなどのフレーバを固定化した材料をフィルター部15に配置する方法でもよい。フィルター部15のフィルター本体13に使用する巻取紙14の種類および材質は問わない。一般的な製品に使用される通気性を有した巻取紙でも良いし、通気性を有しないものでも良い。巻取紙の材質には、一般的には植物性の繊維で作製された紙が用いられるが、ポリマー系(ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロンなど)の化学繊維を用いたシートまたはポリマー系のシートが用いられてもよいし、アルミ箔のような金属箔が用いられてもよい。
フィルター本体13には、特許第4262247号の図15にあるようなノンラップフィルターを用いても良い。ノンラップフィルターはフィルタ材と、このフィルタ材を円筒状に成形する外皮層とを有し、この外皮層はフィルタ材の熱成形により得られる。したがって、ノンラップフィルターを用いた場合には巻取紙は必要ない。
チップペーパー16の材質は問わない。チップペーパー16には一般的には植物性の繊維で作製された紙が用いられるが、ポリマー系(ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロンなど)の化学繊維を用いたシートまたはポリマー系のシートを使用してもよいし、アルミ箔のような金属箔を用いてもよい。
続いて、本実施形態のシガレット11の製造工程について説明する。まず、一般的な方法によって煙草部12(巻き)と2本分の長さのフィルター部15とを製造する。そして、2本の煙草部12の間に2本分の長さのフィルター部15を挿入する。さらに、2本分の長さを有するチップペーパー16によってこれらを一括して巻き上げることで煙草部12とフィルター部15とを連結したロッド状のものを形成する。そして、連結されたロッド状のものを所定速度で走行させながら、COレーザ等のレーザー発振器から出力された連続出力ビームを回転チョッパー等を使って、該ロッドの外周方向からパルス状に分配して照射する。このパルス状のレーザ光によって、チップペーパー16に対してベンチレーション18を形成する。これと同時に、このパルス状のレーザ光によってチップペーパー16および巻取紙14に開孔部17の第1部分17Aを形成すると同時に、フィルター本体13に対して所定の深さの第2部分17Bを形成する。そして、2本分の長さのフィルター部15の中央の位置でカッターによってフィルター部15およびチップペーパー16を切断して、1本のシガレット11が製造される。
なお、開孔部17の製造方法としては、上記に限定されない。例えば、COレーザを使用してベンチレーション孔18を設けた後に開孔部17を設けてもよいし、これとは逆にCOレーザで開孔部17を設けた後にベンチレーション孔18を設けてもよい。また、予めベンチレーション孔18が設けられたチップペーパー16を用いて、シガレット11を製造する時にCOレーザで開孔部17を作製してもよい。さらに、予め開孔部17が設けられたチップペーパー16を用いて、シガレット11を製造する時にCOレーザでベンチレーション孔18を作製してもよい(この場合、開孔部17はチップペーパー16のみに開孔されている。)さらに別の方法として、通常のシガレットを製造したあとにCOレーザにて開孔部17を設けてもよい。
(測定装置)
図3を参照して、上記構成のシガレット11の煙(空気流)拡散効果について評価を行う測定装置24について説明する。測定装置24は、空気流路分離用治具25と、第1の膜流量計26と、第2の膜流量計27と、第1の膜流量計26に隣接した第1のバルブ31と、第2の膜流量計27に隣接した第2のバルブ32と、空気流路分離用治具25内から空気を吸引するポンプ33(吸引ポンプ)と、ポンプ33からの排気が排出される排気部34と、を備えている。ポンプ33の上流側の位置には、ポンプ33の脈動を防止するためのバッファが設けられている。また、ポンプ33の吸引流量はマスフローコントローラーにより、1050ml/minの流量で制御されている。
第1の膜流量計26および第2の膜流量計27は、それぞれ第1の部分35および第2の部分36に排出された煙(実際には空気)の流量を測定することができる。第1のバルブ31および第2のバルブ32は、シガレット11が空気流路分離用治具25に装着されない状態でポンプ33による吸引を行ったときに、第1の部分35を通る空気の流量と第2の部分36を通る空気の流量が50%ずつ、具体的には525ml/minずつとなるように流量を調節している。
空気流路分離用治具25は、フィルター部15の端面22Aから流出される煙(空気)が排出されるようにシガレット11から遠い位置に設けられる第1の部分35(セル)と、フィルター部15の第2部分17Bおよび開孔部17から流出される煙が排出されるようにシガレット11寄りに設けられる第2の部分36(セル)と、第1の部分35と第2の部分36との間の位置に設けられる第1のシール37と、シガレット11のチップペーパー16に当接するように設けられる第2のシール38と、を有している。第1の部分35および第2の部分36から延びる管は、下流側で合流されてポンプ33に接続される。
第1の部分35および第2の部分36は、それぞれ中空の円盤状をなしており、内部の容積は同じである。第1の部分35の内側には、シガレット11のチップペーパー16の吸込み口21に取り付けられた円筒形の延長筒部41が配置されている。延長筒部41は、例えば片面に接着層を有したテープで構成され、チップペーパー16の吸込み口21に対して開孔部17を塞がないように筒状に貼り付けて形成される。延長筒部41は、フィルター部15の端面22Aから排出された煙(空気)を第1の部分35の内側に案内する。
第1および第2のシール37、38は、それぞれリング状に形成されている。第1のシール37は、その内側に延長筒部41が挿入された状態において、第1の部分35の内部空間と第2の部分36の内部空間との間を気密に仕切ることができる。第2のシール38は、その内側にシガレット11が挿入された状態において、第2の部分36の内部空間と外部との間を気密に仕切ることができる。
(実施例)
図4に示す比較例101および実施例101〜123の条件で、喫煙物品の一例であるシガレット11を製造した。このとき、フィルター部15の欠損率は以下の数式で決定した。まず、欠損率の測定に先立って、煙草部12とフィルター部15を切離す。そして、巻取紙14やチップペーパー16で巻かれている状態のフィルター部15を30体積%濃度のエタノール水溶液に含浸させ、フィルター本体13からチップペーパー16のみを分離させる。分離したチップペーパー16をプレパラートの上へ延ばして貼り付け乾燥させる。光学顕微鏡にて開孔部17を拡大し、開孔部17の面積を面積測定ソフトを用いて測定する。チップペーパー16の吸込み口21付近の全欠損面積は、1つの開孔部17の面積に、全開孔部17の数を乗じた値を用いた。このとき、1つの開孔部17の面積は、任意に30個の開孔部17の面積を測定し、その算術平均を用いた。また、この全欠損面積を、吸込み口21から8mmまでのチップペーパー16で巻かれた状態のフィルター部15の面積で除した値を欠損率とした。
Figure 0005816702
欠損深さは、フィルター本体13に色素で着色を施して、第2部分17Bの深さを測定して決定した。具体的には、欠損深さは、開孔部17をフィルター部15の軸方向Aに対して垂直に輪切りにして、その断面に均一に着色をすると、開孔部17の欠損部が着色されない状態で現れてくる。その深さを測定する。このとき、光学顕微鏡または拡大鏡によって第2部分17Bを拡大して深さを測定した。この欠損深さの値は、任意に10個の第2部分17Bの深さを測定し、その算術平均をとることで決定した。また、チップペーパー16および巻取紙14のみに開孔部17が設けられ、フィルター本体13には第2部分17Bが設けられない場合には、チップペーパー16および巻取紙14の厚さを欠損深さとした。図4の表で示された欠損深さのうち、0.11mmのものは開孔部17がチップペーパー16および巻取紙14を貫通しておらず、開孔部17はチップペーパー16および巻取紙14の厚さの範囲内で止まっている。図4の表で示された欠損深さのうち、0.14mm以上のものは、開孔部17(第1部分17A)がチップペーパー16を貫通し、巻取紙14およびフィルター本体13にも所定深さの第2部分17Bが形成された状態となる。
上記した測定装置によって、シガレット11を通る煙(空気)の全流量(フィルター部15の端面22Aを通る流量Q+開孔部17を通る流量Q)のうち、開孔部17を通る煙(空気)の流量Qが占める割合Fを測定した。Fを算出する数式は下記である。その結果を図4に示す。図4によれば、欠損深さが0.14mm以上になると、欠損率によらず開孔部17を通過する空気割合Fが急激に増加することが理解される。
Figure 0005816702
図5に、図4に示した各実施例をプロットしたグラフを示す。図5では、欠損深さが同じ実施例には同じマークを付している。いずれの欠損深さにおいても、欠損率が大きくなるに従って、開孔部17を通過する空気割合Fが概ね増加することが分かる。また、実施例101〜123の空気割合Fは、2.8%以上で、68.9%以下の値となる。
比較例101および実施例101〜123について、主流煙(空気)の拡散状態を観察した。図6から図8に、比較例101および代表的な実施例である実施例101、実施例117の主流煙の拡散状態を示す。アクリル製の透明な容器42にフィルター部15から流出する主流煙を通過させ、その様子をデジタルビデオカメラで撮影し、吸煙開始から0.1秒毎に画像として切り出した。図6から図8は、その画像の1つを模式的に示している。喫煙条件は、吸煙容量:55ml/2秒、シガレット11を先端から20mm自然燃焼させた時に吸煙を開始した。
図6に示す比較例101は通常のシガレット11の主流煙(空気)の様子であり、破線で示されるようにフィルター部15の端面22Aから水平方向に主流煙が流出する。図7に破線で示されるように実施例101のシガレット11では大半の煙は比較例101と同様に水平方向に主流煙が流出しているが、フィルター部15の外周部(開孔部17)から垂直に流出する煙(空気流)が確認された。さらに図8に破線で示されるように実施例117では比較例101、実施例101に見られたような水平方向への煙の流出の他に、多量の煙(空気)がフィルター部15の外周部(開孔部17)から流出していることが確認された。
さらに、比較例101、実施例101〜123について複数人で喫味評価を行ったところ、実施例101〜123のシガレット11は、比較例101に比して、喫味がより向上すると評価された。
同様に実施例101〜123のシガレット11および特開昭59−102386号公報に記載の形状のシガレットについて、フィルター部15の毛羽立ち試験を行った。各実施例のシガレット11および特開昭59−102386号公報に記載の形状のシガレットを、例えば一般的な喫煙試験に用いる自動喫煙器のシガレットホルダーに7回抜き差しして、フィルター部15の吸口22付近を光学顕微鏡で観察した。特開昭59−102386号公報に記載された形状のシガレットでは、吸込み口21付近でフィルター部15が毛羽立っていることが観察された。それに対して、各実施例のシガレット11には、毛羽立ちが見られないことが観察された。
なお、フィルター部15にベンチレーション18が設けられるか否かによって、開孔部17を通る空気割合Fが変化するかどうかについても評価した。実施例102、実施例107、実施例108、実施例111、実施例112、実施例116、実施例117、実施例119、実施例120と同条件の欠損率、欠損深さのシガレット11で、ベンチレーション18を塞いだものを用いた。それぞれのサンプルの開孔部17を通過した空気割合Fを測定した結果を図9に示す。横軸はベンチレーション18がある時の開孔部17を通過する空気割合Fを示し、縦軸はベンチレーション18がない時の開孔部17を通過する空気通過割合Fを示す。図9より、どの欠損条件においてもプロットは略y=xの直線上にある。以上から、ベンチレーション18の有無によって開孔部17を通過した空気割合Fは変化しないことが確認された。なおベンチレーション18は、シガレット11を低タール化する手段として主要なものであるが、この検討結果によれば、どのタールレンジにおいても、本発明が適用可能であることが理解される。
第1の実施形態および実施例101〜123によれば、喫煙物品(シガレット11)は、煙草部12と、吸口22を有するフィルター部15と、煙草部12とフィルター部15とを覆う筒状の覆い部と、吸口22の近傍で覆い部に設けられる複数の開孔部17と、を備える。
この構成によれば、吸口22の近傍に開孔部17が設けられているため、フィルター部15の端面22Aだけでなく、開孔部17からも煙を流出させることができる。これによって、喫煙時に口腔内に煙が広がり易くなり、喫味をより向上できる。また、上記構成によれば、製造時に特別なフィルタ切断工程を必要とすることがなく、一般的なたばこ巻上機によって開孔部17のあるシガレット11を製造することができ、製造工程を簡略化できるとともにコスト増大を防止できる。さらに、上記構成のシガレット11は、通常のシガレットと同様にフィルター本体13がチップペーパー16や巻取紙14などで部分的に覆われているため、喫煙時にフィルター繊維に毛羽立ち等の品質低下を生ずることを防止できる。
喫煙物品(シガレット11)は、前記覆い部を貫いてフィルター部15にまで至る。この構成によれば、開孔部17からの煙の流出を更に促進させることができる。これによって、喫煙時の煙の広がりを向上して喫味をより一層向上できる。
複数の第2部分17Bは、フィルター部15の軸方向Aにおいて吸口22から8mmの位置よりも吸口22に寄って設けられる。この構成によれば、喫煙時に口腔内に位置される箇所に開孔部17を設けることができる。
また、フィルター部15の端面22Aおよび開孔部17から流出する煙の全流量に対する、開孔部17から流出する煙の流量Fは、2.8%以上で、68.9%以下である。この構成(条件)によれば、喫煙時に喫煙者が口腔内における煙の広がり感を実感することができる。
(喫煙物品の第2の実施形態)
続いて図12、図13を参照して、喫煙物品の一例であるシガレット11の第2の実施形態および第3の実施形態について説明する。主として第1の実施形態と異なる部分について説明し、第1の実施形態と共通する部分については説明を省略する。
図12に示すように、シガレットの第2の実施形態では、シガレット11の吸込み口21(吸口22)付近において、チップペーパー16が所定幅でリング状に除去されて、1つの露出部51を形成している。露出部51は、巻取紙14を外部に露出する。露出部51は、フィルター部15の軸方向Aにおいて吸込み口21(吸口22)から8mmの位置よりも吸込み口21(吸口22)に寄って設けられる。しかしながら、露出部51は、吸口22(吸込み口21)から好ましくは4mmの位置よりも吸口22(吸込み口21)に寄った位置、或いはより好ましくは2mmの位置よりも吸口22(吸込み口21)に寄った位置でもよい。この実施形態によっても、第1の実施形態およびその実施例101〜123と同様に、口腔内における煙の拡散効果がある程度期待でき、喫味をより向上できる。
(喫煙物品の第3の実施形態)
主として第1の実施形態と異なる部分について説明し、第1の実施形態と共通する部分については説明を省略する。
図13に示すように、喫煙物品の一例であるシガレットの第3の実施形態では、シガレット11の吸込み口21(吸口22)付近において、チップペーパー16が三角形に除去されて、複数の露出部51を形成している。複数の露出部51は、フィルター部15の軸方向Aにおいて吸込み口21(吸口22)から8mmの位置よりも吸込み口21(吸口22)に寄って設けられる。しかしながら、複数の露出部51は、吸口22(吸込み口21)から好ましくは4mmの位置よりも吸口22(吸込み口21)に寄った位置、或いはより好ましくは2mmの位置よりも吸口22(吸込み口21)に寄った位置でもよい。複数の露出部51は、巻取紙14を外部に露出する。この実施形態によっても、第1の実施形態およびその実施例101〜123と同様に、口腔内における煙の拡散効果がある程度期待でき、喫味をより向上できる。
第3の実施形態において、露出部51の形状は三角形に限られない。露出部51は、例えば、円形や楕円形などの円状の形状、四角形、ひし形、平行四辺形、台形、十字型などの多角形の形状またはそれらの形状を組み合わせた形状でもよい。または、露出部51は、それらの形状が吸込み口21まで延びているものでもよく、さらに、それら露出部51の幾何学的な形状は、どのような角度で設けられてもよい。
(喫煙物品の第4の実施形態)
続いて図14を参照して、喫煙物品の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態の喫煙物品は、非加熱型でたばこの香味を吸引する喫煙具53に適用される。ここでは、主として第1の実施形態と異なる部分について説明し、第1の実施形態と共通する部分については共通の符号を付して説明を省略する。図14では、喫煙具53の上半分を軸Aを通る平面で切断して示している。
図14に示すように、喫煙具53は、刻み葉(煙草)で構成される煙草部12と、煙草部12に隣接する円柱形の第1のフィルター部15Aおよび第2のフィルター部15Bと、煙草部12、第1のフィルター部15A、および第2のフィルター部15Bを覆う筒状で樹脂製の覆い部52と、覆い部52を貫通するように設けられる開孔部17と、を備えている。第1のフィルター部15Aは、吸口22を有している。覆い部52は、一方の端部に吸込み口21を有する。
開孔部17は、覆い部52の吸口22の近傍に設けられており、第1のフィルター部15Aの軸方向Aにおいて吸口22(吸込み口21)から8mmの位置よりも吸口22(吸込み口21)に寄って設けられる。しかしながら、開孔部17は、吸口22(吸込み口21)から好ましくは4mmの位置よりも吸口22(吸込み口21)に寄った位置、或いはより好ましくは2mmの位置よりも吸口22(吸込み口21)に寄った位置でもよい。複数の開孔部17は、例えば4列のリング状に配置されている。開孔部17は、覆い部52を貫通するように設けられる第1部分17Aと、第1のフィルター部15Aの途中で止まるように設けられる第2部分17Bと、を含む。
この実施形態によっても、第1の実施形態およびその実施例101〜123と同様に、口腔内における煙(フィルター部から出るたばこの香味を含む空気)の拡散効果が期待でき、喫味をより向上できる。
(フィルターの実施形態)
図15を参照して、喫煙物品に取り付けて使用されるフィルターの実施形態について説明する。このフィルター81は、喫煙物品自体とは異なるものの、適用される開孔部17の構造が上記喫煙物品の実施形態と同様である。このため、主として第1の実施形態の喫煙物品の構造と異なる部分について説明し、第1の実施形態と共通する部分については共通の符号を付している。図15では、フィルター81の上半分を軸Aを通る平面で切断して示している。
フィルター81は、喫煙物品、例えば上記したような一般的なシガレット11に対して着脱可能に構成されている。フィルター81は、喫煙物品(シガレット11)の一方の端部に取り付けられる樹脂製の筒部82と、吸口22を有するとともに、筒部82の内側に設けられる円柱形のフィルター部15と、吸口22の近傍で筒部82に設けられる複数の開孔部17と、を備えている。
開孔部17は、フィルター部15の軸方向Aにおいて吸口22(吸込み口21)から8mmの位置よりも吸口22(吸込み口21)に寄って設けられる。しかしながら、開孔部17は、吸口22(吸込み口21)から好ましくは4mmの位置よりも吸口22(吸込み口21)に寄った位置、或いはより好ましくは2mmの位置よりも吸口22(吸込み口21)に寄った位置でもよい。複数の開孔部17は、例えば4列のリング状に配置されている。開孔部17は、筒部82を貫通するように設けられる第1部分17Aと、フィルター部15の途中で止まるように設けられる第2部分17Bと、を含む。
この実施形態によっても、第1の実施形態およびその実施例101〜123と同様に、口腔内における煙或いはフィルター部から出るたばこの香味を含む空気の拡散効果が期待でき、喫味をより向上できる。
また、喫煙物品(シガレット11)およびフィルター81は上記実施形態および各実施例に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。例えば、実施形態および実施例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよいし、異なる実施形態および実施例に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
(喫煙物品の第5の実施形態)
以下、図16、図17を参照して、喫煙物品の一例であるシガレットの第5の実施形態について説明する。主として第1の実施形態と異なる部分について説明し、第1の実施形態と共通する部分については説明を省略する。なお、喫煙物品の中には、シガレット、葉巻、手巻きたばこ、シガリロ、電子デバイス加熱または熱源などによりたばこの香味を吸引する喫煙具、および非加熱型でたばこの香味を吸引する喫煙具(商品:ゼロスタイルミント)などが含まれる。図16では、シガレット11の上半分を軸線Aを通る平面で切断して示している。
図16、図17に示すように、シガレット11は、刻み葉(煙草)の周囲を巻紙で包んで円柱形にした煙草部12と、フィルター本体13およびフィルター本体13の周囲を覆う巻取紙14を含む円柱形のフィルター部15と、煙草部12とフィルター部15とに跨って設けられるチップペーパー16と、巻取紙14およびチップペーパー16を貫通するように設けられる開孔部17と、を備えている。本実施形態において、チップペーパー16は、煙草部12とフィルター部15とを覆う筒状の覆い部の一例である。また、シガレット11は、フィルター部15の中間位置において例えば等間隔でリング状に設けられるベンチレーション18(ベンチレーション孔)を備えていても良い。
チップペーパー16は、煙草部12とフィルター部15と連結している。チップペーパー16は、一方の端部に吸込み口21を有しており、一方の端部とは反対側の他方の端部で煙草部12と重なっている。ベンチレーション18は、例えば、チップペーパー16を貫通するように設けられた孔、或いはチップペーパー16および巻取紙14を貫通してフィルター部15にまで至る孔であり、外部からフィルター部15内に空気を供給して、主としてフィルター部15内を流れる煙を薄める役割を果たす。
複数の開孔部17は、例えば1列のリング状(或いは放射状)に配置されているが、複数列のリング状に配置されていてもよい。各列には例えば円形の開孔部17が例えば等間隔で複数個配置されている。複数の開孔部17は、フィルター部15の吸口22の近傍に設けられている。より具体的には、複数の開孔部17は、シガレット11(フィルター部15)の軸線A方向において、フィルター部15の吸口22(吸込み口21)から例えば8mmの位置よりも吸口22(吸込み口21)に寄った位置(吸口22(吸込み口21)から8mm未満の範囲内)に設けられている。しかしながら、複数の開孔部17は、吸口22(吸込み口21)から好ましくは4mmの位置よりも吸口22(吸込み口21)に寄った位置、或いはより好ましくは2mmの位置よりも吸口22(吸込み口21)に寄った位置でもよい。開孔部17は、チップペーパー16を貫通するように設けられる第1部分17Aと、フィルター部15(巻取紙14およびフィルター本体13)に設けられる第2部分17Bと、を含む。
フィルター部15の直径は、例えば5mmから9mmであり、例えば8mmである。また、フィルター部15の円周の長さは、例えば、16mmから28mmであり、例えば25mmである。
フィルター部15は、その吸口22にある端面22Aとは反対側の端部で煙草部12に隣接して設けられている。フィルター本体13は、第1部分17Aと連続するように設けられる開孔部17の第2部分17Bを有している。各第2部分17Bは、第1部分17Aから中心に向けて延びて所定の深さで止まるように形成される。また、開孔部17の第1部分17Aと第2部分17Bとは一体的に形成されており、例えば、レーザ加工によって一括して形成される。開孔部17の第1部分17Aの深さと第2部分17Bの深さとを合算した深さ(欠損深さ)は、具体的には、後述する比較例201、実施例201〜213の条件で作製した。なお、フィルター本体13には第2部分17Bを設けないで、チップペーパー16および巻取紙14のみに開孔部17(第1部分17Aおよび第2部分17Bの一部)を設けるようにしてもよい。
開孔部17は、フィルター部15の中心を通る軸線Aとの間で角度θをなすように設けられている。開孔部17が設けられる角度は、後述の各実施例のように設定される。例えば、開孔部17がフィルター部15の軸線Aとの間でなす角度θは、例えば、1°以上で、179°以下で設定することができるが、開孔部17の角度はこれに限定されるものではない。開孔部17がフィルター部15の軸線Aとの間になす角度θは、1°以上で、90°未満で設定してもよい。この場合、開孔部17は、フィルター部15の軸線Aに対して、斜めに設けられると言い換えることができる。なお、ここでは、角度θが90°よりも小さいとき、開孔部17は、吸口22に近づくにつれて軸線Aから遠ざかる方向に延びているものとする。また、角度θが90°よりも大きいとき、開孔部17は、吸口22に近づくにつれて軸線Aに近づく方向に延びているものとする。
開孔部17の第1部分17Aおよび第2部分17Bの作製方法は、レーザ加工によるものに限られず、例えば、針状の歯型(ポンチ)によりプレス開孔する機械的な方法や、コロナ放電による電気的な方法であってもよい。本実施形態では、開孔部17は、円形をなしているが、開孔部17の形状は問わない。開孔部17は、例えば、円形や楕円形などの円状の形状、三角形、四角形、ひし形、平行四辺形、台形、十字型などの多角形の形状またはそれらの形状を組み合わせた形状、または、それらの形状が吸口22まで延びているものでもよい。さらに、開孔部17の上記形状は、任意の向きであってもよく、もしくは、隣接する開孔部17同士で角度(向き)を変化させて複数の開孔部17を組み合わせて配置してもよい。
続いて、本実施形態のシガレット11の製造工程について説明する。まず、一般的な方法によって煙草部12(巻き)と2本分の長さのフィルター部15とを製造する。そして、2本の煙草部12の間に2本分の長さのフィルター部15を挿入する。さらに、2本分の長さを有するチップペーパー16によってこれらを一括して巻き上げることで煙草部12とフィルター部15とを連結したロッド状のものを形成する。そして、連結されたロッド状のものを所定速度で走行させながら、COレーザ等のレーザ発振器から出力された連続出力ビームを回転チョッパー等を使って、該ロッドの外周方向からパルス状に分配して照射する。このパルス状のレーザ光によって、チップペーパー16に対してベンチレーション18を形成する。これと同時に、このパルス状のレーザ光によってチップペーパー16および巻取紙14に開孔部17の第1部分17Aを形成すると同時に、フィルター本体13に対して所定の深さの第2部分17Bを形成する。そして、2本分の長さのフィルター部15の中央の位置でカッターによってフィルター部15およびチップペーパー16を切断して、1本のシガレット11が製造される。
なお、開孔部17の製造方法としては、上記に限定されない。例えば、COレーザを使用してベンチレーション孔18を設けた後に開孔部17を設けてもよいし、これとは逆にCOレーザで開孔部17を設けた後にベンチレーション孔18を設けてもよい。また、予めベンチレーション孔18が設けられたチップペーパー16を用いて、シガレット11を製造する時にCOレーザで開孔部17を作製してもよい。さらに、予め開孔部17が設けられたチップペーパー16を用いて、シガレット11を製造する時にCOレーザでベンチレーション孔18を作製してもよい(この場合、開孔部17はチップペーパー16のみに開孔されている。)さらに別の方法として、通常のシガレットを製造したあとにCOレーザにて開孔部17を設けてもよい。いずれの場合でも開孔部17を形成するために照射されるレーザは、軸線Aに対して角度θをなすように照射される。
(煙の観察および煙の画像解析)
図18に示す比較例201および実施例201〜213の条件で、喫煙物品の一例であるシガレット11を製造した。シガレット11の吸口22外周部には、軸線Aに対して角度θでレーザを照射して、フィルター部15の外周部に軸線Aに対して角度θをなした開孔部17を作製した(実施例201〜207)。また、照射するレーザの強度を変更することで、開孔角度は一定(例えば、45°)で異なる深さをもつシガレット11を作製した(実施例208〜213)。作製したシガレット11の開孔面積、開孔深さ、開孔角度を図18の表に示す。図18の表において、開孔角度は、レーザ加工機において設定した照射角度の設定値を示している。なお、各実施例に共通する条件として、開孔部17は、1本のシガレット11に37個設けられ、吸口から約1.5mmの位置に1列に並んで設けられる。
作成された開孔部17の開孔深さおよび開孔角度は以下のように測定した。まず、フィルター部15の吸口22(吸口端面)からカミソリを入れ、(薪を割るように)フィルター部15を二つに分離し、光学顕微鏡または拡大鏡にてその欠損部を拡大し、開孔部17の深さを測定する。開孔深さは任意に10個の開孔部17を測定し、その算術平均を開孔深さとした。レーザの照射角度を任意に設定することで、その角度でフィルター部15に開孔を施すことができた。また、レーザの照射角度を変更すると、90°に近付くにつれて、開孔面積は小さく、開孔深さは深くなる傾向にあることが分かった。これは、レーザを斜めに照射することで、フィルター部15への照射面積が増え、開孔面積が増加し、その分開孔深さが減少したものと考えられる。しかしながら、照射面積とレーザの強度を調節することで、開孔面積および深さを独立で操作できる。
開孔部17の開孔面積は以下のように測定した。たばこのフィルター部15の外周部に開孔部17を作製した後、巻部(煙草部12)とフィルター部15を切り離す。巻取紙14やチップペーパー16で巻かれている状態のフィルター部15を30体積%濃度のエタノール水溶液に含浸させてフィルター本体13からチップペーパー16のみを分離させる。分離したチップペーパー16をプレパラートの上へ延ばして貼り付け乾燥させる。光学顕微鏡にて開孔部17を拡大し、開孔部17の面積は面積測定ソフトを用いて測定した。開孔部17の面積(開孔面積)は、任意に30個の開孔部17を測定し、その算術平均を用いた。
比較例201および実施例201〜213について、主流煙(空気)の拡散状態を観察した。図19から図30に、比較例201および実施例201〜213の煙の拡散状態を示す。アクリル製の透明な容器42にフィルター部15から流出する煙を通過させ、その様子をデジタルビデオカメラで撮影し、吸煙開始から0.1秒毎に画像として切り出した。図19、21、23、25、27、29、31、33、35〜40は、その画像の1つを模式的に示している。喫煙条件は、吸煙容量:55ml/2秒であり、シガレット11を先端から20mm自然燃焼させた時に吸煙を開始した。図20、22、24、26、28、30、32、34は、実施例201〜207の画像を画像解析した結果を示している。
各実施例における画像解析方法について説明する。画像解析には、市販の画像解析ソフトを用いた。本実施形態の画像解析では、例えば、吸煙開始から0.4秒後の画像をモノクロ処理し、次に煙を流出させていない画像(コントロール画像)の画像をモノクロ処理する。その後、吸煙開始から0.4秒後の画像からコントロール画像をバックグラウンドとして減算し、吸煙開始から0.4秒後の煙のモノクロ画像のみを取り出す。例えば、吸口22(吸口端面)から1mm離間した位置で、フィルター部15の軸線Aに垂直方向の各位置での明度を測定した。明度とは白色から黒色までを数値化した値であり、例えば、白色は255、黒色は0、灰色は濃さによりその間の値をとる。煙の濃いところは数値が高く、煙のないところでは0となる。横軸にフィルター部15の軸線Aに垂直な方向の位置を取り、縦軸に明度を取ってグラフを作製する。
なお、フィルター部15の軸線Aに垂直方向の位置は、対応する画像のフィルター部15の上端を1、フィルター部15の下端を−1として規格化しており、明度は対応する画像毎に最も明度が高い数値をそれぞれ1として規格化してある。上記した方法は、画像解析方法の一例であり、他の画像解析方法を採用することもできる。
図19に示す比較例201は、通常のシガレット11の主流煙71(空気)の様子であり、破線で示されるようにフィルター部15の端面22Aから水平方向に煙(主流煙71)が流出する。このとき、図20の画像解析結果では、比較例201では、主流煙71はフィルター部15の上端と下端との間、つまり横軸の−1よりも大きく、+1よりも小さい範囲内にある。このため、比較例201では、煙は拡散していないことが理解される。
実施例201のシガレット11では、図21に破線で示されるように、大半の煙(主流煙71)は比較例201と同様に水平方向に煙が流出しているが、フィルター部15の外周部(開孔部17)から軸線Aに対して斜めに流出する煙(拡散煙72)が確認された。図22に示す実施例201の画像解析結果では、横軸の−1以下と、+1以上の部分にも、若干量の煙が確認された。
実施例202の煙の拡散程度を示す画像の模式図を図23に示す。図23に破線で示されるように、実施例202では比較例201、実施例201に見られたような水平方向への煙(主流煙71)の流出の他に、開孔部17から軸線Aに対して斜めで、主流煙71の流れ方向の下流側に流出する多量の拡散煙72(空気)が確認された。なお、図23から明らかなように、主流煙71の流出よりも先に、開孔部17から斜めに流出する拡散煙72が先行して拡散する。この現象は、開孔部17のある部分の流路抵抗が、主流煙71が通る部分(フィルター部15の吸口22付近)の流路抵抗よりも小さいことに起因して起こると考えられる。
図24に示す実施例202の画像解析結果では、横軸の+1よりも大きい部分と、−1よりも小さい部分と、に一定量の煙が検出された。図24の解析結果によれば、煙は、シガレット11の直径の約2倍に拡散していることが分かる。
実施例203の煙の拡散程度を示す画像の模式図を図25に示す。図25では、水平方向への煙(主流煙71)とともに、開孔部17から軸線Aに対して斜めで、主流煙71の流れ方向の下流側に流出する多量の拡散煙72が観察された。この開孔部17から流出する拡散煙72の量は、実施例202よりも増加した。開孔部17から流出する拡散煙72と軸線Aとがなす角度は、実施例202よりも大きくなった。さらに、実施例202と同様に、実施例203においても、主流煙71の流出よりも先に、拡散煙72が先行して拡散する。
図26に示す実施例203の画像解析結果では、横軸の+1よりも大きい部分と、−1よりも小さい部分と、に拡散した煙が多量に検出された。図26の解析結果によれば、シガレット11の直径の約2倍から約4倍の範囲に煙が拡散していることが検出された。
実施例204の煙の拡散程度を示す画像の模式図を図27に示す。図27では、水平方向への煙(主流煙71)とともに、開孔部17から軸線Aに対して斜めで、主流煙71の流れ方向の下流側に流出する多量の拡散煙72が観察された。この開孔部17から流出する拡散煙72と軸線Aとがなす角度は、実施例203よりも大きくなった。さらに、実施例202、203と同様に、実施例204においても、主流煙71の流出よりも先に、拡散煙72が先行して拡散する。
図28に示す実施例204の画像解析結果では、横軸の+1よりも大きい部分と、−1よりも小さい部分と、に拡散した煙が検出された。図28の解析結果によれば、シガレット11の直径の約3倍の範囲に煙が拡散していることが検出された。
実施例205の煙の拡散程度を示す画像の模式図を図29に示す。図29では、水平方向への煙(主流煙71)とともに、開孔部17から軸線Aに対して斜めで、主流煙71の流れ方向の下流側に流出する多量の拡散煙72が観察された。この開孔部17から流出する拡散煙72と軸線Aとがなす角度は、実施例204よりもさらに大きくなった。実施例202〜204と同様に、実施例205においても、主流煙71の流出よりも先に、拡散煙72が先行して拡散する。
図30に示す実施例205の画像解析結果では、横軸の+1よりも大きい部分と、−1よりも小さい部分と、に拡散した煙が検出された。図30の解析結果では、シガレット11の直径の約2.5倍から約3.5倍の範囲に多量の煙が拡散していることが検出された。
実施例206の煙の拡散程度を示す画像の模式図を図31に示す。図31では、水平方向への煙(主流煙71)とともに、開孔部17から軸線Aに対して略直交する方向に流出する多量の拡散煙72が観察された。実施例202〜205と同様に、実施例206においても、主流煙71の流出よりも先に、開孔部17から流出する拡散煙72が先行して拡散する。
図32に示す実施例206の画像解析結果では、横軸の+1よりも大きい部分と、−1よりも小さい部分と、に拡散した煙が検出された。図32の解析結果では、シガレット11の直径の約2倍から約4倍の範囲に多量の煙が拡散していることが検出された。
実施例207の煙の拡散程度を示す画像の模式図を図33に示す。図33では、水平方向への煙(主流煙71)とともに、開孔部17から軸線Aに対して斜めで、主流煙71の流れ方向の上流側に(吸口22から煙草部12に向かう方向に)流出する多量の拡散煙72が観察された。実施例202〜206と同様に、実施例207においても、主流煙71の流出よりも先に、開孔部17から斜めに流出する拡散煙72が先行して拡散する。
図34に示す実施例207の画像解析結果では、横軸の+1よりも大きい部分と、−1よりも小さい部分と、に拡散した煙が検出された。図34の解析結果では、シガレット11の直径の約2倍から約3倍の範囲に多量の煙が拡散していることが検出された。以上のように、実施例201〜207の煙の観察および煙の画像解析によれば、開孔部17がフィルター部15の軸線Aとの間でなす角度θは、20°以上で110°以下であれば、口腔内における煙の拡散が概ね良好になるといえる。
実施例208〜213では、開孔部17がフィルター部15の軸線Aとの間になす角度θは、45°に設定されており、各実施例の間で開孔部17の深さ(開孔深さ)が異なっている。
実施例208の煙の拡散程度を示す画像の模式図を図35に示す。実施例208では、チップペーパー16のみに開孔部17が設けられており、開孔部の深さは0.04mmである。図35に破線で示されるように、実施例208では、フィルター部15の端面22Aから水平方向に煙(主流煙71)が流出する。また、開孔部17からわずかに流出する拡散煙72が確認される。
実施例209の煙の拡散程度を示す画像の模式図を図36に示す。実施例209では、チップペーパー16および巻取紙14に開孔部17が設けられており、開孔部17の深さは0.11mmである。図36に破線で示されるように、実施例209では、大半の煙(主流煙71)が水平方向に流出しているが、開孔部17から軸線Aに対して斜めで、主流煙71の流れ方向の下流側に流出する拡散煙72(空気流)が確認された。しかしながら、開孔部17から流出する拡散煙72は、希望の角度θ(45°)よりも小さい角度で拡散している。
実施例210の煙の拡散程度を示す画像の模式図を図37に示す。実施例210では、開孔部17の深さは0.82mmである。図37に破線で示されるように、実施例210では、大半の煙(主流煙71)が水平方向に流出しているが、開孔部17から軸線Aに対して斜めで、主流煙71の流れ方向の下流側に流出する多量の拡散煙72(空気流)が確認された。
実施例211の煙の拡散程度を示す画像の模式図を図38に示す。実施例211では、開孔部17の深さは1.11mmである。図38に破線で示されるように、実施例211では、水平方向に流出する主流煙71に加えて、開孔部17から軸線Aに対して斜めで、主流煙71の流れ方向の下流側に流出する多量の拡散煙72(空気流)が確認された。開孔部17から流出する拡散煙72は、軸線Aに対してほぼ希望の角度θ(45°)をなして拡散している。
実施例212の煙の拡散程度を示す画像の模式図を図39に示す。実施例212では、開孔部17の深さは1.71mmである。図39に破線で示されるように、実施例212では、水平方向に流出する主流煙71に加えて、開孔部17から軸線Aに対して斜めで、主流煙71の流れ方向の下流側に流出する多量の拡散煙72(空気流)が確認された。拡散煙72は、軸線Aに対してほぼ希望の角度θ(45°)以上の角度をなして拡散している。
実施例213の煙の拡散程度を示す画像の模式図を図40に示す。実施例213では、開孔部17の深さは1.76mmである。図40に破線で示されるように、実施例213では、実施例212とほぼ同様の煙の拡散が確認された。実施例213においても、開孔部17から流出する拡散煙72は、軸線Aに対してほぼ希望の角度θ(45°)以上の角度をなして拡散する。以上の煙の観察結果から、開孔部17の深さは、0.82mm以上であれば十分に煙を拡散することができ、より好ましくは、開孔部17の深さを1.11mm以上として、軸線Aに対して希望の角度(例えば、45°)以上の角度で煙を拡散させるのがよい。開孔部17の深さの上限としては、開孔部17の底がフィルター部15の中心に至るような深さである。
(喫味評価)
開孔部17を施していないシガレット11を対照品として、吸口22付近に開孔部17を設けたシガレット11の感覚強度を評価する相対比較を行った。この評価に使用するシガレット11は、図18に示す実施例201〜207のシガレット11であり、その煙草部12および、フィルター部15には、予め「ミント様の風味」が付けてある。例えば、2本のシガレット11を喫煙後、評価用紙の「ミント様の風味」の強度について、対照品と比較して、非常に弱い、かなり弱い、やや弱い、変わらない、やや強い、かなり強い、非常に強い、の7段階で評価を行った。評価用紙には、これらの文言が記載されるとともに、これらの文言に隣接してスケールが記載されている。各被験者は、スケール上の任意の位置にチェックを入れることで、「ミント様の風味」の強度を評価した。被験者は19人である。
まず第1番目の処理として、被験者のチェック結果を数値化した。具体的には、スケールの端からの距離を測定して上記強度を数値化した。第2番目の処理として、これらの数値を被験者ごとに基準化(標準化)した。第3番目の処理として、被験者ごとに基準化した数値について分散分析を行った。これらによって、図41に示す評価結果が得られた。図41の評価結果では、数値が+の場合には「ミント様の風味」をより強く感じることを意味し、数値が−の場合には「ミント様の風味」をより弱く感じることを意味する。
この喫味評価結果から、軸線Aに対して開孔部17がなす角度は、30°以上で、且つ90°以下、さらに好ましくは、45°以上で、70°以下であることが好適であることが理解される。
第5の実施形態および実施例201〜213によれば、喫煙物品(シガレット11)は、煙草部12と、吸口22を有するフィルター部15と、煙草部12とフィルター部15とを覆う筒状の覆い部と、吸口22の近傍で覆い部に設けられるとともに、フィルター部15の軸線Aに対して所定の角度をなして設けられた複数の開孔部17と、を備える。
この構成によれば、吸口22の近傍に開孔部17が設けられているため、フィルター部15の端面22Aだけでなく、開孔部17からも煙を流出させることができる。これによって、喫煙時に口腔内に煙が広がり易くなり、喫味をより向上できる。また、上記構成によれば、製造時に特別なフィルタ切断工程を必要とすることがなく、一般的なたばこ巻上機によって開孔部17のあるシガレット11を製造することができ、製造工程を簡略化できるとともにコスト増大を防止できる。さらに、上記構成のシガレット11は、通常のシガレットと同様にフィルター本体13がチップペーパー16や巻取紙14などで部分的に覆われているため、喫煙時にフィルター繊維に毛羽立ち等の品質低下を生ずることを防止できる。
開孔部17と軸線Aとがなす角度は、20°以上で110°以下である。この構成によれば、口腔内において十分に煙を拡散させることができる。これによって、喫味をより向上できる。なお、当該角度の範囲内で開孔部17を設けることで、口腔内で煙が十分に拡散されることは、実施例201から207についての煙の観察および画像解析結果によって裏付けられる。
さらに、開孔部17と軸線Aとがなす角度は、30°以上で90°以下であることがより好ましい。さらに好ましくは、45°以上70°以下であることが好ましい。この構成によれば、口腔内においてより一層、好適に煙を拡散させることができる。当該範囲で、口腔内で煙が十分に拡散されることは、実施例201から207についての煙の観察および画像解析結果、並びに実施例201から207についての喫味評価結果によって裏付けられる。
開孔部17は、覆い部を貫いてフィルター部15にまで至る。この構成によれば、開孔部17からの煙の流出を更に促進させることができる。これによって、喫煙時の煙の広がりを向上して喫味をより一層向上できる。
開孔部17の深さは、0.82mm以上である。この構成によれば、口腔内においてより一層、煙を拡散させることができる。当該範囲で、口腔内で煙が十分に拡散されることは、実施例208から213についての煙の観察によって裏付けられる。
(喫煙物品の第6の実施形態)
続いて図43を参照して、喫煙物品の第6の実施形態について説明する。第6の実施形態の喫煙物品は、非加熱型でたばこの香味を吸引する喫煙具53に適用される。ここでは、主として第5の実施形態と異なる部分について説明し、第5の実施形態と共通する部分については共通の符号を付して説明を省略する。図43では、喫煙具53の上半分を軸線Aを通る平面で切断して示している。
図43に示すように、喫煙具53は、刻み葉(煙草)で構成される煙草部12と、煙草部12に隣接する円柱形の第1のフィルター部15Aおよび第2のフィルター部15Bと、煙草部12、第1のフィルター部15A、および第2のフィルター部15Bを覆う筒状で樹脂製の覆い部52と、覆い部52を貫通するように設けられる開孔部17と、を備えている。第1のフィルター部15Aは、吸口22を有している。覆い部52は、一方の端部に吸込み口21を有する。
開孔部17は、覆い部52の吸口22の近傍に設けられており、第1のフィルター部15Aの軸方向Aにおいて吸口22(吸込み口21)から8mmの位置よりも吸口22(吸込み口21)に寄って設けられる。複数の開孔部17は、例えば1列のリング状(或いは放射状)に配置されているが、複数列のリング状に配置されていてもよい。開孔部17は、覆い部52を貫通するように設けられる第1部分17Aと、第1のフィルター部15Aの途中で止まるように設けられる第2部分17Bと、を含む。開孔部17は、フィルター部15の中心を通る軸線Aとの間で角度θをなすように設けられている。開孔部17が設けられる角度は、第5の実施形態と同様である。
図43から明らかなように、第6の実施形態の喫煙具53の基本的な構造は、図16に示す第5の実施形態のシガレット11と同様である。このため、第6の実施形態の喫煙具53について、第5の実施形態の実施例201から213と同条件の実施例で煙の観察および画像解析を行うとともに、実施例201から207と同条件の実施例で喫味評価を行うと、第5の実施形態と同様の結果が得られる。なお、本実施形態の喫煙具53の煙(主流煙、空気流)は無色であるため、煙の観察および画像解析には有色の煙を利用した。
この実施形態によっても、第5の実施形態およびその実施例201〜223と同様に、口腔内における煙(フィルター部から出るたばこの香味を含む空気)の拡散効果が期待でき、喫味をより向上できる。
(フィルターの実施形態)
図44を参照して、喫煙物品に取り付けて使用されるフィルターの実施形態について説明する。このフィルター81は、喫煙物品自体とは異なるものの、適用される開孔部17の構造が上記喫煙物品の実施形態と同様である。このため、主として第5の実施形態の喫煙物品の構造と異なる部分について説明し、第5の実施形態と共通する部分については共通の符号を付している。図44では、フィルター81の上半分を軸線Aを通る平面で切断して示している。
フィルター81は、喫煙物品、例えば上記したような一般的なシガレット11(開孔部17が設けられていないシガレット)に対して着脱可能に構成されている。フィルター81は、喫煙物品(シガレット11)の一方の端部に取り付けられる樹脂製の筒部82と、吸口22を有するとともに筒部82の内側に設けられる円柱形のフィルター部15と、吸口22の近傍で筒部82に設けられる複数の開孔部17と、を備えている。
複数の開孔部17は、フィルター部15の吸口22の近傍に設けられている。より具体的には、開孔部17は、フィルター部15の軸方向Aにおいて吸口22(吸込み口21)から8mmの位置よりも吸口22(吸込み口21)に寄って設けられる。しかしながら、複数の開孔部17は、吸口22(吸込み口21)から好ましくは4mmの位置よりも吸口22(吸込み口21)に寄った位置、或いはより好ましくは2mmの位置よりも吸口22(吸込み口21)に寄った位置でもよい。複数の開孔部17は、例えば1列のリング状(或いは放射状)に配置されているが、複数列のリング状に配置されていてもよい。開孔部17は、筒部82を貫通するように設けられる第1部分17Aと、フィルター部15の途中で止まるように設けられる第2部分17Bと、を含む。開孔部17は、フィルター部15の中心を通る軸線Aとの間で角度θをなすように設けられている。開孔部17が設けられる角度は、第5の実施形態と同様である。
図44から明らかなように、実施形態のフィルター81の基本的な構造は、図16に示す第5の実施形態のシガレット11のフィルター周りの構造(フィルター部15、チップペーパー16等を含む構造)と同様である。このため、実施形態のフィルター81についても、第5の実施形態の実施例201から213と同条件の実施例で煙の観察および画像解析を行うとともに、実施例201から207と同条件の実施例で喫味評価を行うと、第5の実施形態と同様の結果が得られる。なお、これらの観察・解析・評価では、フィルター81に一般的なシガレット11を装着する。喫煙条件は、第5の実施形態と同様である。
すなわち、本実施形態によっても、第5の実施形態およびその実施例201〜213と同様に、口腔内における煙或いはフィルター部15から出るたばこの香味を含む空気の拡散効果が期待でき、喫味をより向上できる。
また、喫煙物品(シガレット11、喫煙具53)およびフィルター81は上記実施形態および各実施例に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。例えば、実施形態および実施例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよいし、異なる実施形態および実施例に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
喫煙物品の一例であるシガレットの実施形態について説明する。なお、喫煙物品の中には、シガレット、葉巻、手巻きたばこ、シガリロ、電子デバイス加熱または熱源などによりたばこの香味を吸引する喫煙具、および非加熱型でたばこの香味を吸引する喫煙具(商品:ゼロスタイルミント)などが含まれる。
(喫煙物品の第7実施形態)
以下、図45から図50を参照して、喫煙物品の第7の実施形態について説明する。図47、図49、図50では、シガレット11の上半分を軸線Aを通る平面で切断するとともにフィルター部15側を拡大して示している。主として第1の実施形態と異なる部分について説明し、第1の実施形態と共通する部分については説明を省略する。
図47、図48に示すように、喫煙物品の一例であるシガレット11は、刻み葉(煙草)の周囲を巻紙で包んで円柱形にした煙草部12と、フィルター本体13およびフィルター本体13の周囲を覆う巻取紙14を含む円柱形のフィルター部15と、煙草部12とフィルター部15とに跨って設けられるチップペーパー16と、巻取紙14およびチップペーパー16を貫通するように設けられる開孔部17と、吸口22の近傍から外れた位置で、前記チップペーパー16に設けられる空気取入部19と、フィルター部15内に設けられた混合部20と、を備えている。また、空気取入部19が設けられる「吸口22の近傍から外れた位置」とは、フィルター部15の軸線A方向における中間部近傍に対応する位置およびフィルター部15の煙草部12側に対応する位置の少なくとも一方の位置とも言うことができる。
チップペーパー16は、煙草部12とフィルター部15と連結している。チップペーパー16は、一方の端部に吸込み口21を有しており、一方の端部とは反対側の他方の端部で煙草部12と重なっている。本実施形態において、チップペーパー16は、煙草部12とフィルター部15とを覆う筒状の覆い部の一例である。
フィルター部15は、その吸口22にある端面22Aとは反対側の端部で煙草部12に隣接して設けられている。フィルター部15の直径は、例えば5mmから9mmであり、例えば8mmである。また、フィルター部15の円周の長さは、例えば、16mmから28mmであり、例えば25mmである。
空気取入部19は、チップペーパー16を貫通した複数のベンチレーション18(ベンチレーション孔、孔)を含んでいる。空気取入部19は、例えば1列または複数列(1または複数のリング状)で、例えば等間隔に並んで配置されており、各列(各リング)には複数のベンチレーション18が含まれている。
複数のベンチレーション(ベンチレーション孔、孔)18は、チップペーパー16の軸線A方向における所定長さ(幅)の範囲内に設けられている。この所定長さは、各実施例のベンチレーション18の列数によって異なっている。図59に示すように、ベンチレーション18の列数(リング数)が4である場合には、当該所定長さ(幅)は、例えば、約2.3mmである。図60に示すように、ベンチレーション18の列数(リング数)が1である場合には、当該所定長さ(幅)は、ベンチレーション18の孔の直径よりも大きくなっており、例えば、約0.5mmである(ベンチレーション18の列数が1であるときに、当該所定長さ内でベンチレーション18の位置がばらついているのは、製造上の理由による。)。
ベンチレーション18は、例えば、チップペーパー16を貫通するように設けられた孔、或いはチップペーパー16および巻取紙14を貫通してフィルター部15にまで至る孔である。ベンチレーション18は、外部からフィルター部15内に空気を供給して、主としてフィルター部15内を流れる煙(主流煙)を薄める役割を果たす。ベンチレーション18の形状は丸や四角など、様々な形状をとりうる。
混合部20は、本実施形態では、フィルター部15内に設けられた空洞として形成されている。すなわち、この部分には、フィルター本体13(プラグ)が存在せず、チップペーパー16および巻取紙14のみが存在している。混合部20は、煙草部12からの煙とベンチレーション18から流入した空気とを混ぜ合わせることができる。
複数の開孔部17は、例えば1列のリング状(或いは放射状)に配置されているが、複数列のリング状に配置されていてもよい。各列には例えば円形の開孔部17が例えば等間隔で複数個配置されている。複数の開孔部17は、フィルター部15の吸口22の近傍に設けられている。より具体的には、複数の開孔部17は、シガレット11(フィルター部15)の軸線A方向において、フィルター部15の吸口22(吸込み口21)から例えば8mmの位置よりも吸口22(吸込み口21)に寄った位置(吸口22(吸込み口21)から8mm未満の範囲内)に設けられている。しかしながら、複数の開孔部17は、吸口22(吸込み口21)から好ましくは4mmの位置よりも吸口22(吸込み口21)に寄った位置、或いはより好ましくは2mmの位置よりも吸口22(吸込み口21)に寄った位置でもよい。
なお、本実施形態では、上記の一例として、複数の開孔部17は、1列のリング状に37個設けられている。開孔部17は、チップペーパー16を貫通するように設けられる第1部分17Aと、フィルター部15(巻取紙14およびフィルター本体13)に設けられる第2部分17Bと、を含む。
開孔部17の作製方法は、レーザ加工によるものに限られず、例えば、針状の歯型(ポンチ)によりプレス開孔する機械的な方法や、コロナ放電による電気的な方法であってもよい。本実施形態では、開孔部17は、円形をなしているが、開孔部17の形状は問わない。開孔部17は、例えば、円形や楕円形などの円状の形状、三角形、四角形、ひし形、平行四辺形、台形、十字型などの多角形の形状またはそれらの形状を組み合わせた形状、または、それらの形状が吸口22まで延びているものでもよい。さらに、開孔部17の上記形状は、任意の向きであってもよく、もしくは、隣接する開孔部17同士で角度(向き)を変化させて複数の開孔部17を組み合わせて配置してもよい。
続いて、本実施形態のシガレット11の製造工程について説明する。まず、一般的な方法によって煙草部12(巻き)と2本分の長さのフィルター部15とを製造する。そして、2本の煙草部12の間に2本分の長さのフィルター部15を挿入する。さらに、2本分の長さを有するチップペーパー16によってこれらを一括して巻き上げることで煙草部12とフィルター部15とを連結したロッド状のものを形成する。そして、連結されたロッド状のものを所定速度で走行させながら、COレーザ等のレーザ発振器から出力された連続出力ビームを回転チョッパー等を使って、該ロッドの外周方向からパルス状に分配して照射する。このパルス状のレーザ光によって、チップペーパー16に対してベンチレーション18を形成する。これと同時に、このパルス状のレーザ光によってチップペーパー16および巻取紙14に開孔部17の第1部分17Aを形成すると同時に、フィルター本体13に対して所定の深さの第2部分17Bを形成する。そして、2本分の長さのフィルター部15の中央の位置でカッターによってフィルター部15およびチップペーパー16を切断して、1本のシガレット11が製造される。
なお、開孔部17の製造方法としては、上記に限定されない。例えば、COレーザを使用してベンチレーション18を設けた後に開孔部17を設けてもよいし、これとは逆にCOレーザで開孔部17を設けた後にベンチレーション18を設けてもよい。また、予めベンチレーション18が設けられたチップペーパー16を用いて、シガレット11を製造する時にCOレーザで開孔部17を作製してもよい。さらに、予め開孔部17が設けられたチップペーパー16を用いて、シガレット11を製造する時にCOレーザでベンチレーション18を作製してもよい(この場合、開孔部17はチップペーパー16のみに開孔されている。)さらに別の方法として、通常のシガレットを製造したあとにCOレーザにて開孔部17を設けてもよい。さらに、予めポンチ等で複数列のベンチレーション18を作成しておいたチップペーパー16を利用してもよい(図49参照)
開孔部17の深さは以下のように測定した。フィルター部15の吸口22にある開孔部17の真上から目視でカミソリを入れ、開孔部17の最も深い部分を境にフィルターを切り離す。切り口断面のトウに蛍光ペンで着色を施すと、開孔している部分の周囲が着色される。したがって、着色していない部分が開孔部17となる。光学顕微鏡または拡大鏡にて開孔部17を拡大し、深さを測定する。開孔部17の深さは任意に10個の開孔部17を測定し、その算術平均を用いた。開孔部17の深さは、1.8mm〜2.1mmの範囲内であった。
開孔部17の開孔面積は以下のように測定した。開孔部17を作製した後、煙草部12とフィルター部15とを切離す。巻取紙14やチップペーパー16で巻かれている状態のフィルター部15を30体積%濃度のエタノール水溶液に含浸させてフィルター部15からチップペーパー16のみを分離させる。分離したチップペーパー16をプレパラートの上へ延ばして貼り付け乾燥させる。光学顕微鏡にて開孔部を拡大し、開孔部の面積は同機器の面積測定ソフトを用いて測定する。1個の開孔部17の面積は、任意に10個の開孔部17を測定し、その算術平均を用いた。開孔部17の面積は、0.08から0.11mmであった。
(喫煙物品の実施例301から実施例309、実施例315、317、319、321、338、339、)
図47、図48に実施例301のシガレット11を示す。実施例301のシガレット11は、図45に示す表の条件で作成された。ベンチレーション18の列数は、4であり、ベンチレーション18の直下に混合部20が設けられている。すなわち実施例301では、混合部20は、軸線A方向において空気取入部19(ベンチレーション18)と重なる位置に設けられる。
実施例302〜304については、実施例301のシガレット11と概ね同じ構造を有しているため、個別の図示を省略している。実施例302〜304のシガレット11は、図45に示す表の条件で作成された。ベンチレーション18の列数は、4であり、ベンチレーション18の直下に混合部20が設けられている。混合部20の軸線A方向における長さは、実施例301<実施例302<実施例303<実施例304となっている。実施例302〜304では、混合部20は、軸線A方向において空気取入部19(ベンチレーション18)と重なる位置に設けられる。
図49に実施例305のシガレット11を示す。実施例305のシガレット11は、図45に示す表の条件で作成された。ベンチレーション18の列数は、4である。混合部20は、ベンチレーション18(空気取入部19)の後段、すなわちベンチレーション18よりも下流側(吸口22側)に設けられている。また、混合部20の位置は、ベンチレーション18と吸口22との間の位置と言い換えることができる。
実施例319、321については、実施例305のシガレット11と概ね同じ構造を有しているため、個別の図示を省略している。実施例319、321のシガレット11は、図46に示す表の条件で作成された。ベンチレーション18の列数は、1又は4であり、混合部20は、ベンチレーション18(空気取入部19)の後段、すなわちベンチレーション18よりも下流側(吸口22側)に設けられている。混合部20の軸線A方向における長さは、実施例319<実施例305<実施例321となっている。なお、混合部20をベンチレーション18よりも下流側に設ける条件では、混合部20の軸線A方向における長さは、2mm以上で、20mm以下の範囲で適宜に設定することができる。
図50に実施例306のシガレット11を示す。実施例306のシガレット11は、図45に示す表の条件で作成された。ベンチレーション18の列数は、1であり、ベンチレーション18の直下に混合部20が設けられている。すなわち実施例306では、混合部20は、軸線A方向において空気取入部19(ベンチレーション18)と重なる位置に設けられる。
実施例307〜309については、実施例306のシガレット11と概ね同じ構造を有しているため、個別の図示を省略している。実施例307〜309のシガレット11は、図45に示す表の条件で作成された。ベンチレーション18の列数は、1であり、ベンチレーション18の直下に混合部20が設けられている。混合部20の軸線A方向における長さは、実施例306<実施例307<実施例308<実施例309となっている。実施例307〜309では、混合部20は、軸線A方向において空気取入部19(ベンチレーション18)と重なる位置に設けられる。
実施例315、338、317、339については、実施例307〜309のシガレット11と概ね同じ構造を有しているため、個別の図示を省略している。実施例315、338、317、339のシガレット11は、図46に示す表の条件で作成された。ベンチレーション18の列数は、1又は2であり、ベンチレーション18の直下に混合部20が設けられている。実施例315、317のベンチレーション率は、例えば50%以下であり、実施例338、339のベンチレーション率は、例えば20%以下である。実施例315、338、317、339では、混合部20は、軸線A方向において空気取入部19(ベンチレーション18)と重なる位置に設けられる。
(喫煙物品の第8実施形態)
続いて、図51から図54を参照して、喫煙物品の第8の実施形態について説明する。主として第7の実施形態と異なる部分について説明し、第7の実施形態と共通する部分については説明を省略する。
図51に示すように、喫煙物品の一例であるシガレット11は、刻み葉(煙草)の周囲を巻紙で包んで円柱形にした煙草部12と、フィルター本体13およびフィルター本体13の周囲を覆う巻取紙14を含む円柱形のフィルター部15と、煙草部12とフィルター部15とに跨って設けられるチップペーパー16と、巻取紙14およびチップペーパー16を貫通するように設けられる開孔部17と、吸口22の近傍から外れた位置で、チップペーパー16に設けられる空気取入部19と、フィルター部15の例えば中心付近に設けられ、通気抵抗を付与する抵抗付与部61と、を備えている。本実施形態において、フィルター部15の中心とは、例えば、軸線A方向と交差する方向(いわゆる半径方向)における中心をいう。本実施形態において、チップペーパー16は、煙草部12とフィルター部15とを覆う筒状の覆い部の一例である。
チップペーパー16は、煙草部12とフィルター部15と連結している。チップペーパー16は、一方の端部に吸込み口21を有しており、一方の端部とは反対側の他方の端部で煙草部12と重なっている。
空気取入部19は、チップペーパー16を貫通した複数のベンチレーション18(ベンチレーション孔、孔)を含んでいる。空気取入部は、例えば1列または複数列(1または複数のリング状)で、例えば等間隔に並んで配置されており、各列(各リング)には複数のベンチレーション18が含まれている。
フィルター部15は、その吸口22にある端面22Aとは反対側の端部で煙草部12に隣接して設けられている。フィルター部15の直径は、例えば8mmである。本実施形態において、フィルター部15のうち、抵抗付与部61の周囲(外側)に位置する部分は、煙草部12からの煙と、空気取入部19(ベンチレーション18)からの空気とを混合するための混合部20となっている。この混合部20の構成は、フィルター部15の他の部分の構成と同様の通常フィルターである。
複数のベンチレーション18は、チップペーパー16の軸方向における所定長さ(幅)の範囲内に設けられている。この所定長さは、各実施例のベンチレーション18の列数によって異なっている。本実施形態では、ベンチレーション18の列数(リング数)が1であり、図60に示すように、当該所定長さ(幅)は、例えば、0.5mmである。
図51に示すように、ベンチレーション18は、例えば、チップペーパー16を貫通するように設けられた孔、或いはチップペーパー16および巻取紙14を貫通してフィルター部15にまで至る孔である。
複数の開孔部17は、例えば1列のリング状(或いは放射状)に配置されているが、複数列のリング状に配置されていてもよい。各列には例えば円形の開孔部17が例えば等間隔で複数個配置されている。複数の開孔部17は、フィルター部15の吸口22の近傍に設けられている。より具体的には、複数の開孔部17は、シガレット11(フィルター部15)の軸線A方向において、フィルター部15の吸口22(吸込み口21)から例えば8mmの位置よりも吸口22(吸込み口21)に寄った位置(吸口22(吸込み口21)から8mm未満の範囲内)に設けられている。しかしながら、複数の開孔部17は、吸口22(吸込み口21)から好ましくは4mmの位置よりも吸口22(吸込み口21)に寄った位置、或いはより好ましくは2mmの位置よりも吸口22(吸込み口21)に寄った位置でもよい。なお、本実施形態では、上記の一例として、複数の開孔部17は、1列のリング状に37個設けられている。
抵抗付与部61は、例えば、フィルター部15の内部に通された、例えば綿製の紐で構成されている。なお、抵抗付与部61としては、綿製の紐に限られず、例えば、アセテート(セルロース系半合成繊維)などの充填材を高密度化或いは圧縮して、流路抵抗を通常のフィルター部15よりも高くしたものでもよい(実施例336参照)。すなわち、抵抗付与部61としての材質は問わない。フィルター部15の直径が8mmであるのに対して、抵抗付与部61の直径は、後述のように実施例310から314、実施例336のように1mmから5mmの範囲で設定した。抵抗付与部61は、煙および空気を透過しにくくするため、煙草部12からの煙および空気取入部19からの空気は、主として抵抗付与部61の周囲にある混合部20を流れる。
(喫煙物品の実施例310から実施例314、実施例336)
図51に実施例310のシガレット11を示す。実施例310のシガレット11は、図45に示す表の条件で作成された。ベンチレーション18の列数は、1である。フィルター部15の中心には、抵抗付与部61としての紐が設けられている。紐の直径は、1mmである。抵抗付与部61としての紐は、軸線A方向において空気取入部19(ベンチレーション18)と重複する位置から、吸口22にまで亘るように設けられている。抵抗付与部61の周囲(外側)に混合部20が設けられる。抵抗付与部61の通気抵抗は、混合部20の通気抵抗よりも数倍から数十倍高い。なお、図45中のFTFの表記は、FTFフィルターのことであり、コア部に紐を配置したフィルターのことである。
実施例311については、実施例310のシガレット11と概ね同じ構造を有しているため、図示を省略している。実施例311のシガレット11は、図45に示す表の条件で作成された。ベンチレーション18の列数は、1である。紐の直径は、3.1mmである。抵抗付与部61としての紐は、軸線A方向において空気取入部19(ベンチレーション18)と重複する位置から、吸口22にまで亘っている。抵抗付与部61の周囲(外側)に混合部20が設けられる。抵抗付与部61の通気抵抗は、混合部20の通気抵抗よりも数倍から数十倍高い。
図52に実施例312のシガレットを示す。実施例312のシガレット11は、図45に示す表の条件で作成された。ベンチレーション18の列数は、1である。紐の直径は、5mmである。抵抗付与部61としての紐は、軸線A方向において空気取入部19(ベンチレーション18)と重複する位置から、吸口22にまで亘っている。抵抗付与部61の周囲(外側)に混合部20が設けられる。抵抗付与部61の通気抵抗は、混合部20の通気抵抗よりも数倍から数十倍高い。開孔部17の底は、抵抗付与部61である紐にまで到達している。
実施例336については、実施例312のシガレット11と概ね同じ構造を有しているため、個別の図示を省略している。実施例336のシガレット11は、図46に示す表の条件で作成された。ベンチレーション18の列数は、1である。抵抗付与部61としてのコア部(抵抗部)は、フィルター部15の周囲の部分(混合部20)よりも高密度の充填材(アセテート等)で構成されている。抵抗付与部61における充填材の繊維の本数は、混合部20における充填材の繊維の本数よりも大きく、抵抗付与部61における充填材の繊維の太さは、混合部20における充填材の繊維の太さよりも大きい。このため、抵抗付与部61の通気抵抗は、混合部20の通気抵抗よりも数倍から数十倍高い。抵抗付与部61の直径は、4mmである。抵抗付与部61は、軸線A方向において空気取入部19(ベンチレーション18)と重複する位置から、吸口22にまで亘っている。
図53に実施例313のシガレットを示す。実施例313のシガレット11は、図45に示す表の条件で作成された。ベンチレーション18の列数は、1である。紐の直径は、3.1mmである。抵抗付与部61としての紐は、軸線A方向において空気取入部19(ベンチレーション18)と重複する位置から、吸口22よりも上流側の位置(ベンチレーション18と吸口22との略中間の位置)にまで亘っている。抵抗付与部61の周囲(外側)に混合部20が設けられる。
図54に実施例314のシガレット11を示す。実施例314のシガレット11は、図45に示す表の条件で作成された。ベンチレーション18の列数は、1である。紐の直径は、3.1mmである。抵抗付与部61としての紐は、吸口22よりも上流側の位置(ベンチレーション18と吸口22との略中間の位置)から、吸口22まで亘っている。抵抗付与部61の周囲(外側)に混合部20が設けられる。
(喫煙物品の比較例301から比較例305、比較例306、308)
発明者らは、第8の実施形態の実施例301〜309、および第9の実施形態の実施例310〜314とは独立に、図45、図46の表の条件で比較例のシガレット11を用意した。
図55に比較例301のシガレット11を示す。ベンチレーション18の列数は、4である。
図56に比較例302のシガレット11を示す。ベンチレーション18の列数は、1である。
比較例303〜305、比較例306、308については、比較例301、302と類似する構成をとるために図示を省略した。比較例303のシガレット11では、ベンチレーション18の列数は、2である。比較例304のシガレット11では、ベンチレーション18の列数は、1である。比較例305のシガレット11では、ベンチレーション18が設けられていない。
(空気割合の測定装置:第1の測定装置)
図57を参照して、開孔部17を通る空気と、フィルター部15の吸口22を通る空気の割合を測定する第1の測定装置24について説明する。第1の測定装置24は、空気流路分離用治具25と、第1の膜流量計26と、第2の膜流量計27と、第1の膜流量計26に隣接した第1のバルブ31と、第2の膜流量計27に隣接した第2のバルブ32と、空気流路分離用治具25内から空気を吸引するポンプ33(吸引ポンプ)と、ポンプ33からの排気が排出される排気部34と、を備えている。ポンプ33の上流側の位置には、ポンプ33の脈動を防止するためのバッファが設けられている。また、ポンプ33の吸引流量はマスフローコントローラーにより、1050ml/minの流量で制御されている。
空気流路分離用治具25は、フィルター部15の端面22Aから流出される煙(空気)が排出されるようにシガレット11から遠い位置に設けられる第1の部分35(セル)と、フィルター部15の第2部分17Bおよび開孔部17から流出される煙が排出されるようにシガレット11寄りに設けられる第2の部分36(セル)と、第1の部分35と第2の部分36との間の位置に設けられる第1のシール37と、シガレット11のチップペーパー16に当接するように設けられる第2のシール38と、を有している。第1の部分35および第2の部分36から延びる管は、下流側で合流されてポンプ33に接続される。
第1の測定装置24は始め、測定用シガレットが挿入されていない状態で、第1の膜流量計26および第2の膜流量計27の値がそれぞれ525ml/minとなるように調整されている。実施例301〜314および比較例301〜305のシガレット11を挿入し、フィルター部15の端面22Aを通過する流量と開孔部17を通過する流量を、第1の膜流量計26および第2の膜流量計27により測定する。なお、実施例301〜314および比較例301〜305のシガレット11には、吸込み口21に例えば片面に接着層を有したテープを筒状に貼って作成した延長筒部41が設けられる。延長筒部41は、フィルター部15の端面22Aを通過する空気を第1の部分35に案内するようにしている。
それぞれの測定値から以下の式(1)で定義される開孔部17を通過した空気流量の割合Fairを算出する。ここで、Qair1は、フィルター吸口22の端面22Aを通過する空気流量であり、Qair2は、開孔部17を通過する空気流量である。なお、測定値は10本のシガレット11の算術平均を用いた。Fairの測定結果を図45、図46の表に示す。
Figure 0005816702
(粗タール量の測定装置:第2の測定装置)
図58を参照して、開孔部17から流出した粗タール量の割合を測定する第2の測定装置62について説明する。第2の測定装置62は、煙流路分離用治具63と、リニア型喫煙器64と、を備える。煙流路分離用治具63は、シガレット11から遠い位置に設けられる第1のセル65と、開孔部17から流出される煙が排出されるようにシガレット11寄りに設けられる第2のセル66と、第1のセル65と第2のセル66との間の位置に設けられる第3のシール67と、シガレット11のチップペーパー16に当接するように設けられる第4のシール68と、を有している。
各セルは、リニア喫煙器上の別々の吸煙ポートにそれぞれ接続されている。2つのセルに対する総吸引流量は35.0mL/2.0秒で設定されており、第2のセル66に接続された吸煙ポートの吸引容量は、開孔部17を通過する空気流量割合Fairと等しくなるように設定されている。
各実施例および各比較例のシガレット11を挿入し、フィルター部15の端面22Aから流出する粗タールと開孔部17から流出する粗タールとを、各セルに接続されているケンブリッジパットにて回収し、それぞれを電子天秤にて測定する。なお、シガレット11には、上記と同様の延長筒部41が設けられる。
回収された粗タールの量は、喫煙試験後のケンブリッジパットおよびそれを保持するケンブリッジホルダーの総重量から、喫煙試験前のケンブリッジパットおよびケンブリッジホルダーの総重量を減算して算出する。また、それぞれの測定値から式(2)で定義される開孔部17から流出する粗タール量の割合Fsmokeを算出する。ここで、Qsmoke1は、フィルター部15の吸口22の端面22Aから流出する粗タール重量であり、Qsmoke2は、開孔部17から流出する粗タール重量である。また、開孔部17から流出する煙の濃さの指標として式(3)で定義されるRを用いた。FsmokeおよびRの測定結果を図45、図46の表中に示す。Rが0.5〜1付近の数字である場合には、おおむね通常程度の濃さの煙が開孔部17から流出していると考えられる。
Figure 0005816702
Figure 0005816702
(試験結果の検討)
まず、図63を参照し、比較例301〜305に関し、ベンチレーション率(Vf%)とRとの関係について検討する。比較例305では、ベンチレーション率(吸口22における煙草部12からの煙の流量と空気取入部19(ベンチレーション18)から流入する空気の流量とを加算した全流量に対する、空気取入部19から流入する空気の流量の割合)は0%で、Fsmokeが62.6%、Rが1.08となった。比較例304では、ベンチレーション率が26.2%であり、Fsmokeが36.8%、Rが0.701となる。比較例304では、開孔部17からの粗タール流出が抑制され、煙が若干薄くなっていることがわかる。さらに比較例303では、ベンチレーション率が52.3%であり、Fsmokeが22.8%、Rが0.39となる。比較例303では、ベンチレーション18がない場合と比較し、開孔部17から流出する煙の濃さRは1/2以下となることがわかる。ベンチレーション率を高くした比較例301、302では、Rの値はさらに減少する(図63参照)。
次に、フィルター部15内に空洞である混合部20を設ける実施例(第7の実施形態、実施例301〜305)で、ベンチレーション率が低下するか否かを検討した。検討結果を図61に示す。図61から明らかなように、実施例301〜305のように混合部20を設けた場合でも、ベンチレーション率が影響されることはなかった。実施例301〜305では、いずれもベンチレーション率が50%以上である。
同様に、フィルター部15内に抵抗付与部61(紐)を設けた実施例(第8の実施形態、実施例310〜314)で、ベンチレーション率が低下するか否かを検討した。検討結果を図62に示す。図62から明らかなように、実施例310〜314のように抵抗付与部61を設けた場合でも、ベンチレーション率が影響されることはなかった。実施例310〜314では、いずれもベンチレーション率が50%以上である。
さらに、フィルター部15内に空洞である混合部20を設ける実施例で、ベンチレーションが4列である場合に(実施例301〜305)、軸線A方向における混合部20の長さとRとの関係を検討した。検討結果を図64に示す。この結果から、混合部20の長さが増加するに従い開孔部17からの流出する煙の濃さRが増大することがわかる。混合部20の長さが3.0mmから4.0mmに増加すると、煙の濃さRは急激に増加し、4.0mm以上でほぼ横ばいとなることが理解される。
一方で、実施例305のように、混合部20の位置がベンチレーション18と吸口22の間にある場合には、軸線A方向における混合部20の長さが8.0mmであるにもかかわらず煙の濃さRは0.381となる。このため、混合部20がベンチレーション18と重なる場合(実施例301〜304)と比べて、開孔部17から流出される煙の濃さRが低いことがわかる。
同様に、フィルター部15内に空洞である混合部20を設ける場合で、ベンチレーションが1列である場合に(実施例306〜309)、軸線A方向における混合部20の長さとRとの関係を検討した。検討結果を図65に示す。この結果から、混合部20の長さが増加するに従い開孔部17からの流出する煙の濃さRが増大することがわかる。混合部20の長さが2.0mmから3.0mmに増加すると、煙の濃さRは急激に増加し、3.0mm以上でほぼ横ばいとなることが理解される。
さらに、上記のベンチレーション18が4列の場合と、ベンチレーション18が1列の場合と、の両方の結果を集計した、ベンチレーション18の列数によらない一般化した検討を行った。ここでは、以下に定義されるLの値とRとの関係を検討した。
L=(混合部20(空洞)の長さ)−(ベンチレーション18の幅(Vf幅))
ここで、混合部20(空洞)の長さは、軸線A方向における長さである。ベンチレーション18の幅とは、上記した軸線A方向における複数のベンチレーション18が設けられる所定長さである。
検討結果を図66、図67、図70に示す。図67は、図66のLが0mmから2mm付近の位置を拡大して示したものである。図66、図67によれば、Lが0mmから1mmの間において煙の濃さRは急激に増加する。そしてLが1.5mm以上でほぼ横ばいとなる。このことは、(1)ベンチレーション18から空気が流入した直後には空気と煙とが十分に混合されておらず、ベンチレーション18の幅の他に混合区間が必要となること、(2)この混合区間として1mm程度の長さ(好ましくはRが0.5以上、さらに好ましくはRが0.8以上、図67参照)が必要で、ベンチレーション18の列数には依存しないこと、を示している。
図70では、ベンチレーション率ごとに、Lと煙の濃さRとの関係を示している。破線の近似曲線は、ベンチレーション率(Vf)が80%に対応し、一点鎖線の近似曲線は、ベンチレーション率(Vf)が概ね50%に対応し、2点鎖線はベンチレーション率(Vf)が概ね20%に対応する。図70によれば、ベンチレーション率に依存せず、Lが0mmから1mmの間において煙の濃さRは急激に増加することが分かる。そしてLが1.5mm以上でRがほぼ横ばいとなることが示される。
最後に、フィルター部15内に抵抗付与部61を設ける実施例について検討した。まず、抵抗付与部61(紐)を設けた位置とRとの関係について検討した。検討結果を図68に示す。抵抗付与部61をベンチレーション18と重複する位置から吸口22まで亘らせた実施例311が最もRの値が高く(R=0.397)、続いて、抵抗付与部61を吸口22よりも上流側の位置(ベンチレーション18と吸口22との略中間の位置)から、吸口22まで亘らせた実施例314のRの値が続き(R=0.321)、抵抗付与部61をベンチレーション18と重複する位置から、吸口22よりも上流側の位置(ベンチレーション18と吸口22との略中間の位置)にまで亘らせた実施例313のRの値がさらに続いている(R=0.270)。
実施例311、313、314では、抵抗付与部61を設けない場合(すなわち、図68に示す比較例301〜305の値で作成された近似直線上の値)よりも高いRの値を有しており、抵抗付与部61の設置によりR値が改善されたことが理解される。
続いて、抵抗付与部61の直径とRとの関係について検討した。検討結果を図69に示す。以下に述べる実施例310、311、312では、抵抗付与部61としての紐は、軸線A方向において空気取入部19(ベンチレーション18)と重複する位置から、吸口22にまで亘っている。抵抗付与部61(紐)の直径が1.0mmである実施例310では、Rは0.145となり、当該Rの値は、比較例301〜305の値で作成された近似直線の付近に位置される。一方、抵抗付与部61(紐)の直径を3.1mmまで増加した実施例311では、煙の濃さRは0.397となり、抵抗付与部61によりR値は上昇したことがわかる。さらに抵抗付与部61(紐)の直径を5.0mmまで増加させると(実施例312)、Rは0.862となり、顕著に増加することがわかる。抵抗付与部61の直径が4.0mmである場合(実施例336)でも、Rは0.757となり、R値が十分に改善される。
なお、実施例312では、開孔部17の底は、抵抗付与部61である紐内に設けられている。実施例312のRの顕著な増加は、開孔部17が混合部20を貫通することで軸線A方向の煙および空気の流れが抑制された点も影響しているものと考えられる。
以上の検討結果から、抵抗付与部61の直径は、4mm以上であることが好ましい。言い換えると、フィルター部15の直径(8mm)に対する抵抗付与部61の直径の割合としては、50%以上が好ましい。さらに、言い換えると、開孔部17の底部は、抵抗付与部61にまで至ることが好ましい。
以上の検討結果より、喫煙物品は、以下の構成を採用することが好ましい。
喫煙物品は、煙草部12と、吸口22を有するフィルター部15と、煙草部12とフィルター部15とを覆う筒状の覆い部と、吸口22の近傍で覆い部に設けられる複数の開孔部17と、吸口22の近傍から外れた位置で、覆い部に設けられる空気取入部19と、フィルター部15に設けられるとともに、煙草部12からの煙と空気取入部19からの空気とを混合する混合部20と、を備える。
この構成によれば、混合部20を設けることによって、空気取入部19から流入する空気と、煙草部12からの煙とをよく混合できる。これによって、例えば、口腔内で効率的に煙を拡散させる目的で作成した開孔部17から流出する煙の濃度が極端に薄くなってしまうことを防止できる。これによって、口腔内において所望の煙拡散効果が得ることができる。
混合部20は、フィルター部15内に設けられる空洞である。この構成によれば、混合部20の構成を簡単かつ安価に実現することができる。また、一般的なたばこ巻上機を用いて連続製造が可能であり、工業的にも有利なものである。このため、既存のたばこ製造設備に大幅な変更を加えることなく、開孔部17から流出する煙の濃度の低下を有効に防止できる。
混合部20は、軸線A方向において空気取入部19と重なる位置に設けられる。この構成によれば、煙草部12からの煙と空気取入部19から流入される空気とを効率よく混合することができる。これによって、開孔部17から流出する煙の濃度が低くなることを防止できる。
空気取入部19は、覆い部を貫通した複数の孔を含み、複数の孔は、覆い部の軸線A方向における所定長さの範囲内に設けられ、軸線A方向における混合部20の長さから前記所定長さを減算した値は、1.0mm以上である。上記した検討結果から、煙と空気が出会ってから、混ざり合うまでには、ある程度の距離が必要であることが理解される。この構成によれば、混合部20において、煙草部12からの煙と空気取入部19の孔からの空気とが十分に混ざり合う距離を確保することができる(Rがおおむね0.8程度)。これによって、開孔部17から流出する煙の濃度の低下を有効に防止できる。なお、軸線A方向における混合部20の長さから前記所定長さを減算した値は、実質的にフィルター部15の全長よりも小さい値となる。
軸線A方向における混合部20の長さから所定長さを減算した値は、1.5mm以上である。この構成によれば、混合部20において、煙草部12からの煙と空気取入部19の孔からの空気とが十分に混ざり合う距離を確保することができる(Rがおおむね0.9以上)。これによって、開孔部17から流出する煙の濃度の低下を有効に防止できる。
混合部20は、空気取入部19よりも吸口22側に設けられる。この構成によれば、混合部20の設置位置の自由度を向上できる。また、フィルター部15の軸線A方向における混合部20の長さは、2mm以上で、20mm以下である。この構成によれば、混合部20を設けない喫煙物品(例えば、比較例306)に比してR値の若干の改善が見られた。このため、R値を改善するために、上記の範囲内で、空気取入部19よりも吸口22側に混合部20を設けることは有用である。
喫煙物品は、フィルター部15の中心付近に通気抵抗を付与する抵抗付与部61を備え、混合部20は、フィルター部15の抵抗付与部61よりも外側に位置する。この構成によれば、抵抗付与部61によって煙草部12からの煙がフィルター部15の中心に偏ってしまうことを防止できる。これによって、抵抗付与部61の周囲にある混合部20において煙草部12からの煙と空気取入部19の孔からの空気とを効率的に混合させることができる。
抵抗付与部61は、軸線A方向において空気取入部19と重複する位置から、吸口22にまで亘る。この構成によれば、空気取入部19と重複する位置から吸口22に至るまで、どの部分においても煙草部12からの煙がフィルター部15の中心に偏ってしまうことがなく、開孔部17から流出する煙の濃度の低下してしまうことを防止できる。
抵抗付与部61の直径は、フィルター部15の直径の50%以上である。この構成によれば、混合部20において煙草部12からの煙と空気取入部19の孔からの空気とを効率よく混ぜ合わせることができる(Rがおおむね0.75以上)。これによって、開孔部17から流出する煙の濃度の低下してしまうことを防止できる。
吸口22における煙草部12からの煙の流量と空気取入部19から流入する空気の流量とを加算した全流量に対する、空気取入部19から流入する空気の流量の割合は、50%以上である。この構成によれば、いわゆる高Vf(高ベンチレーション)製品において、開孔部17から流出する煙の濃度が薄くなってしまうことを防止できる。なお、ベンチレーション18は、シガレット11を低タール化する手段として主要なものであり、多数の低タール商品に採用されている。
喫煙物品は上記実施形態および各実施例に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。例えば、第7の実施形態において、空洞で構成される混合部20の内部に、チャコールや、種々のカプセル(例えば、メンソールやミント香料などを収納したカプセル)などの粒子状の物質を配置してもよい。また、実施形態および実施例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよいし、異なる実施形態および実施例に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
煙草部と、
吸口を有するフィルター部と、
前記煙草部と前記フィルター部とを覆う筒状の覆い部と、
前記吸口の近傍で前記覆い部に設けられる複数の開孔部と、
を備える喫煙物品。
[2]
前記開孔部は、前記覆い部を貫いて前記フィルター部にまで至る[1]に記載の喫煙物品。
[3]
前記複数の開孔部は、前記フィルター部の軸方向において前記吸口から8mmの位置よりも前記吸口に寄って設けられる[2]に記載の喫煙物品。
[4]
前記複数の開孔部は、前記フィルター部の軸線に対して所定の角度をなして設けられた[3]に記載の喫煙物品。
[5]
前記開孔部と前記軸線とがなす角度は、20°以上で110°以下である[4]に記載の喫煙物品。
[6]
前記開孔部と前記軸線とがなす角度は、30°以上で90°以下である[5]に記載の喫煙物品。
[7]
前記開孔部と前記軸線とがなす角度は、45°以上で70°以下である[6]に記載の喫煙物品。
[8]
前記開孔部の深さは、0.82mm以上である[5]から[7]のいずれか1項に記載の喫煙物品。
[9]
前記吸口の近傍から外れた位置で、前記覆い部に設けられる空気取入部と、
前記フィルター部に設けられるとともに、前記煙草部からの煙と前記空気取入部からの空気とを混合する混合部と、
を備える[3]に記載の喫煙物品。
[10]
前記混合部は、前記フィルター部内に設けられる空洞である[9]に記載の喫煙物品。
[11]
前記混合部は、前記フィルター部の軸線方向において前記空気取入部と重なる位置に設けられる[10]に記載の喫煙物品。
[12]
前記空気取入部は、前記覆い部を貫通した複数の孔を含み、前記複数の孔は、前記覆い部の前記軸線方向における所定長さの範囲内に設けられ、
前記軸線方向における前記混合部の長さから前記所定長さを減算した値は、1.0mm以上である[11]に記載の喫煙物品。
[13]
前記軸線方向における前記混合部の長さから前記所定長さを減算した値は、1.5mm以上である[12]に記載の喫煙物品。
[14]
前記混合部は、前記空気取入部よりも吸口側に設けられる[10]に記載の喫煙物品。
[15]
前記フィルター部の軸線方向における前記混合部の長さは、2mm以上で、20mm以下である[14]に記載の喫煙物品。
[16]
前記フィルター部の中心付近に通気抵抗を付与する抵抗付与部を備え、
前記混合部は、前記フィルター部の前記抵抗付与部の外側に位置する[9]に記載の喫煙物品。
[17]
前記抵抗付与部は、前記軸線方向において前記空気取入部と重複する位置から、前記吸口にまで亘る[16]に記載の喫煙物品。
[18]
前記抵抗付与部の直径は、前記フィルター部の直径の50%以上である[16]に記載の喫煙物品。
[19]
前記開孔部の底部は、前記抵抗付与部内まで達する[16]に記載の喫煙物品。
[20]
前記フィルター部の端面および前記開孔部から流出する空気流の全流量に対する、前記開孔部から流出する空気流の流量比は、2.8%以上で、68.9%以下である[3]に記載の喫煙物品。
[21]
前記覆い部は、チップペーパーである[1]に記載の喫煙物品。
[22]
前記覆い部は、樹脂材料で形成される[1]に記載の喫煙物品。
[23]
煙草部と、
吸口を有するフィルター部と、
前記煙草部と前記フィルター部とを覆う筒状の覆い部と、
前記吸口の近傍で前記覆い部に設けられる露出部と、
を備える喫煙物品。
[24]
喫煙物品の一方の端部に取り付けられる筒部と、
吸口を有するとともに、前記筒部の内側に設けられるフィルター部と、
前記吸口の近傍で前記筒部に設けられる複数の開孔部と、
を備えるフィルター。
[25]
前記複数の開孔部は、前記フィルター部の軸線に対して所定の角度をなして設けられた[24]に記載のフィルター。
11…シガレット、12…煙草部、13…フィルター本体、14…巻取紙、15…フィルター部、16…チップペーパー、17…開孔部、18…ベンチレーション、19…空気取入部、20…混合部、22…吸口、22A…端面、51…露出部、52…覆い部、53…喫煙具、61…抵抗付与部、81…フィルター、82…筒部。

Claims (17)

  1. 煙草部と、
    吸口を有するフィルター部と、
    前記煙草部と前記フィルター部とを覆う筒状の覆い部と、
    前記吸口の近傍で前記覆い部を貫いて前記フィルター部にまで至り、前記フィルター部の軸方向において前記吸口から8mmの位置よりも前記吸口に寄って設けられる露出部および複数の開孔部のいずれかと、
    を備え
    前記フィルター部の端面と、前記露出部および複数の前記開孔部のいずれかと、から流出する空気流の全流量に対する、前記露出部および複数の前記開孔部のいずれかから流出する空気流の流量比は、2.8%以上で、68.9%以下である喫煙物品。
  2. 煙草部と、
    吸口を有するフィルター部と、
    前記煙草部と前記フィルター部とを覆う筒状の覆い部と、
    前記吸口の近傍で前記覆い部に設けられ、前記フィルター部の軸線に対して所定の角度をなした複数の開孔部と、
    を備える喫煙物品。
  3. 前記開孔部と前記軸線とがなす角度は、20°以上で110°以下である請求項に記載の喫煙物品。
  4. 前記開孔部と前記軸線とがなす角度は、30°以上で90°以下である請求項に記載の喫煙物品。
  5. 前記開孔部と前記軸線とがなす角度は、45°以上で70°以下である請求項に記載の喫煙物品。
  6. 前記開孔部の深さは、0.82mm以上である請求項から請求項のいずれか1項に記載の喫煙物品。
  7. 煙草部と、
    吸口を有するフィルター部と、
    前記煙草部と前記フィルター部とを覆う筒状の覆い部と、
    前記吸口の近傍で前記覆い部を貫いて前記フィルター部にまで至り、前記フィルター部の軸方向において前記吸口から8mmの位置よりも前記吸口に寄って設けられる露出部および複数の開孔部のいずれかと、
    前記吸口の近傍から外れた位置で、前記覆い部に設けられる空気取入部と、
    前記フィルター部の軸線方向において前記空気取入部と重なる位置で前記フィルター部に空洞状に設けられるとともに、前記煙草部からの煙と前記空気取入部からの空気とを混合する混合部と、
    を備え
    前記空気取入部は、前記覆い部を貫通した複数の孔を含み、前記複数の孔は、前記覆い部の前記軸線方向における所定長さの範囲内に設けられ、
    前記軸線方向における前記混合部の長さから前記所定長さを減算した値は、1.0mm以上である喫煙物品。
  8. 前記軸線方向における前記混合部の長さから前記所定長さを減算した値は、1.5mm以上である請求項に記載の喫煙物品。
  9. 煙草部と、
    吸口を有するフィルター部と、
    前記煙草部と前記フィルター部とを覆う筒状の覆い部と、
    前記吸口の近傍で前記覆い部を貫いて前記フィルター部にまで至り、前記フィルター部の軸方向において前記吸口から8mmの位置よりも前記吸口に寄って設けられる露出部および複数の開孔部のいずれかと、
    前記吸口の近傍から外れた位置で、前記覆い部に設けられる空気取入部と、
    前記フィルター部の軸線方向において、前記空気取入部よりも吸口側で前記フィルター部に空洞状に設けられるとともに、前記煙草部からの煙と前記空気取入部からの空気とを混合する混合部と、
    を備え、
    前記フィルター部の軸線方向における前記混合部の長さは、2mm以上で、20mm以下である喫煙物品。
  10. 煙草部と、
    吸口を有するフィルター部と、
    前記煙草部と前記フィルター部とを覆う筒状の覆い部と、
    前記吸口の近傍で前記覆い部を貫いて前記フィルター部にまで至り、前記フィルター部の軸線方向において前記吸口から8mmの位置よりも前記吸口に寄って設けられる露出部および複数の開孔部のいずれかと、
    前記吸口の近傍から外れた位置で、前記覆い部に設けられる空気取入部と、
    前記フィルター部に設けられるとともに、前記煙草部からの煙と前記空気取入部からの空気とを混合する混合部と、
    前記フィルター部の中心付近に通気抵抗を付与する抵抗付与部と、
    を備え、
    前記混合部は、前記フィルター部の前記抵抗付与部の外側に位置する喫煙物品。
  11. 前記抵抗付与部は、前記軸線方向において前記空気取入部と重複する位置から、前記吸口にまで亘る請求項10に記載の喫煙物品。
  12. 前記抵抗付与部の直径は、前記フィルター部の直径の50%以上である請求項10に記載の喫煙物品。
  13. 前記開孔部の底部は、前記抵抗付与部内まで達する請求項10に記載の喫煙物品。
  14. 前記覆い部は、チップペーパーである請求項1に記載の喫煙物品。
  15. 前記覆い部は、樹脂材料で形成される請求項1に記載の喫煙物品。
  16. 喫煙物品の一方の端部に取り付けられる筒部と、
    吸口を有するとともに、前記筒部の内側に設けられるフィルター部と、
    前記吸口の近傍で前記筒部を貫いて前記フィルター部にまで至り、前記フィルター部の軸方向において前記吸口から8mmの位置よりも前記吸口に寄って設けられる露出部および複数の開孔部のいずれかと、
    を備え
    前記フィルター部の端面と、前記露出部および複数の前記開孔部のいずれかと、から流出する空気流の全流量に対する、前記露出部および複数の前記開孔部のいずれかから流出する空気流の流量比は、2.8%以上で、68.9%以下であるフィルター。
  17. 喫煙物品の一方の端部に取り付けられる筒部と、
    吸口を有するとともに、前記筒部の内側に設けられるフィルター部と、
    前記吸口の近傍で前記筒部に設けられるとともに前記フィルター部の軸線に対して所定の角度をなした複数の開孔部と、
    を備えるフィルター。
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