JP5816252B2 - 前平衡弾道電荷キャリア屈折を利用するシステムと方法 - Google Patents

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Description

本発明の分野は、概してエネルギー変換システムに関し、さらに詳細には前平衡弾道電荷キャリア屈折(pre−equilibrium ballistic charge carrier refraction)を利用する方法とシステムに関する。
弾道電荷キャリア運動を直接電気に変換するために固体接合を使用することが、近年いくつかの新規な方法と手法において実証されてきた。図1−Aの断面図に示すように、いずれの場合も、電荷キャリア(たいていの場合は電子)は、導電表面10A上またはその近傍で、導電性触媒、光起電力材料、または温度勾配と組み合わせた熱を用いるかあるいは用いない化学反応などの励起手段12Aにより励起される。いずれの場合も、電荷キャリアは、導体10Aから半導体または誘電体11A内に弾道的に移動する。導体10Aは非常に薄いので、電子は、エネルギーを失うことなくあるいは別の電子または原子と衝突することなく効果的に弾道的に導体10Aを貫通して進む。その結果、正端子17Aと負端子16A間に電圧14Aが生じる。図1−Aでは、誘電体接合15Aは電子の弾道運動を妨げる傾向のある電位障壁(図1−Bに11Bとして示す)を形成するように特別に選択された半導体接合部である。図1−Bには、装置に沿った距離の関数として、装置内の電位を示す。図2−Aに示すように、導体表面22Aにおける電子21Aは、電位障壁の最高部より大きいエネルギーを有する。これらの電子21Aは電位障壁を横切り、そして半導体伝導帯25Aに落ち着く前にエネルギーを失い熱24Aとなる。この結果、導体−誘電体接合を隔てて電荷が分離される。電位障壁に逆らって進む電子は、弾道電子運動エネルギーの一部を電気位置エネルギー27Aに変換する。弾道電子運動エネルギーの残りは熱24Aとなる。生成された電圧27Aは、一方の側28Aの導体のフェルミ準位と他方の側26Aの誘電性導体電極のフェルミ準位間の差である。電荷が分離するとき電圧V(ボルト)が生成される。
従来技術では、化学エネルギーが、薄い導体面上に吸着したとき、約0.5eVの電位障壁より大きいエネルギーを有する電子は、図1−A、1−B、2−Aにより表されたものと同様にセンサーにおいて検知された。しかしながらエネルギー分布は指数関数的に減少し約0.1eVを下回り、その効果をエネルギー変換と生成のためには利用不可能にした。さらに、これらのセンサーにおいては、金属導体10Aの有効電子質量(1m_e程度)は半導体11A(通常はシリコン)内の有効電子質量(1/3m_e程度)よりはるかに大きい。この結果、生成された電子の大部分は半導体/金属界面15Aで反射され、したがって収集されない。電子有効質量の役割の妥当性または有用性についてはまだ開示されていないかあるいは広まっていない。この方式はまた、熱雑音を低減するためにダイオードの極低温冷却を必要とした。この方式の効率は非常に低いので、電流は短絡モードにおいてのみ測定可能である。このシステムは化学センサーとしてのみ使用可能であるが有用な発電機ではない。
従来システムでは、導電性触媒表面上またはその近傍の会合反応は、高振動励起分子を励起し初期化した。振動励起分子のエネルギーは導体内の電子に移動される。電子エネルギーは明らかに1.2ボルト障壁11Bを上回る。広いバンドギャップの酸化物半導体TiOが用いられたとき、水の沸点を十分に超える温度(473K以下)で有用な短絡電流が観察される。有用な開放順電圧は室温でほぼ零の温度勾配の条件下で観察された。順電圧は、同様な酸化物半導体を用いる光起電力システムにおいて観測されたものと同程度であった。
予測可能な高い出力電圧と出力電流をもたらす製作方法を用いること、TiO以外の材料を選択することができること、このような変換器を高い温度で動作させること、そして温度勾配を用いたこのタイプの装置において電気を発生することは非常に有利であろう。
固体熱イオン学の分野は、電荷キャリアを励起するために温度勾配を用い、そして半導体接合部を横切る電位障壁を設けるために半導体バンドギャップ工学を用いる。このような装置では、電荷キャリアは誘電体11Aを貫通して弾道的に移動しなければならない。材料10A内では電荷キャリア弾道移動は必要ではない。また、電荷キャリアは材料10Aから誘電体11Aに向かって全方向に進むものと認識される。弾道輸送中のキャリア有効質量のステップ増加の効果は、変換効率を高めかつ作製コストを低減するためにはまだ利用されていない。
すべての公知の関連変換器の概念には、用いられる接合材料の未規定の、したがって制御できない相対的電荷キャリア有効質量に直接関係する非効率性という問題があった。エネルギー変換効率を高めるためにキャリア有効質量を調整または制御するいかなる方法または知識についても、その権利を主張するまたは公言する分野はどこにもない。
前平衡弾道電荷キャリア屈折を利用する方法とシステムが開示される。一実施態様によると、装置は1つまたは複数の固体発電機を含む。固体発電機は、化学的励起固体発電機と熱電変換型固体発電機とを含む群からの1つまたは複数を含む。第1の電荷キャリア有効質量を有する第1の材料は固体発電機の固体接合において用いられる。第1の電荷キャリア有効質量より大きい第2の電荷キャリア有効質量を有する第2の材料は固体接合を形成する。第2の有効質量を第1の有効質量で割った電荷キャリア有効質量比は2以上である。
実施態様および要素の組み合わせの様々な新規な詳細を含む上記および他の好ましい特徴は、以下に、添付図面を参照しさらに詳細に説明され、そして特許請求の範囲において指摘される。本明細書に記載の特定の方法とシステムは、単に例示であって、限定として示されるのではないということが理解されるであろう。当業者により理解されるように、本明細書に記載の原理と特徴は、本明細書の教示の範囲から逸脱することなく多種多様の実施態様において利用され得る。
本明細書の一部として含まれる添付図面は、現在好ましい実施形態を例示し、上記概要と共に、下記の好ましい実施形態の詳細な説明は、本教示の原理を説明および教示するのに役立つ。
従来技術の固体発電機を例示する。 従来技術の電位対距離のグラフを例示し、固体接合における電位障壁の影響を示す。 ショットキー障壁を有する例示的な固体発電機における電位対距離のグラフを例示する。 pn接合電位障壁を有する例示的な固体発電機における電位対距離のグラフを例示する。 導体−誘電体−導体ナノキャパシタ電位障壁を有する例示的な固体発電機における電位対距離のグラフを例示する。 従来技術の電位対距離のグラフを例示し、エネルギー変換プロセスにおける熱の影響を示す。 電子が熱へのエネルギー損を経験する例示的な固体発電機における電位対距離のグラフを例示する。 熱が電子を再励起し、再励起された電子が漏出して接合を横切って戻る固体発電機における電位対距離のグラフを例示する。 ヒートシンクを有する例示的な固体発電機における電位対距離のグラフを例示する。 前平衡弾道荷電荷キャリアが低電荷キャリア有効質量領域から高電荷キャリア有効質量領域内に移動する領域における電位対距離の例示的な図を示す。 屈折されて集中した進行角で接合を横切る単一の前平衡弾道電荷キャリアの例示的な図を示す。 屈折されて集中した進行角で接合を横切る複数の前平衡弾道電荷キャリアの例示的な図を示す。 接合に向かって反射された複数の電荷キャリアの例示的な図を示す。 前平衡弾道屈折と熱遮断を含むダイオード前平衡エネルギー変換器を用いた例示的な固体発電機を例示する。 本発明の一実施形態による、例示的な固体直列型化学的励起前平衡発電機を例示する。 弾道屈折を含む前平衡エネルギー変換器を用いた例示的な電気的および熱的積層型温度勾配変換器を例示する。 前平衡弾道屈折変換器が取り付けられた柱状構造の例示的な断面を示す。 弾道屈折変換器アセンブリが貼り付けられた、波型部、溝部、細孔、穴などの複数の形状を含む一般化柱状構造の例示的な断面を示す。 最も冷たい部分(構造体内部)から前平衡弾道屈折変換器アセンブリが貼り付けられた最も熱い部分(構造体外部)への反応物および冷却材の流れを示す例示的な断面を示す。 支持基板上に弾道屈折変換器アセンブリと共に形成された不活性スペーサーを示す例示的な断面を示す。 支持基板上のスペーサーと弾道屈折変換器アセンブリの例示的な断面図の詳細を例示する。 弾道屈折変換器アセンブリを含む基板の積み重ねと、積層された素子間の空間内の反応物、冷却材、排出物の流れとを示す例示的な断面を示す。 支持構造体の表面全体に電気的に直列に接続された前平衡弾道屈折変換器アセンブリを示す例示的な断面を示す。 支持構造体の中とそして構造体上の弾道屈折変換器アセンブリの周囲とを流れる反応物と冷却材を含む基板を示す例示的な断面を示す。 エネルギー変換器上で主にトンネリングにより電気的に接続され、かつ物理的に分離されたクラスタの例示的な断面を示す。 熱伝導率の問題に対処するのに有用な材料の低電荷キャリア有効質量領域内への例示的追加を示す。 第1の材料内に最小の障壁を有するかあるいは障壁を有さない、かつ増大する電荷キャリア有効質量を有する例示的な装置を示す。 第1の材料内に最小の障壁を有するかあるいは障壁を有さない、かつ最低電荷キャリア有効質量を有する中間材料を含む例示的な装置を示す。 第1の材料内に障壁を有し、かつ増大する電荷キャリア有効質量を有する例示的な装置を示す。 両方向の電荷輸送に逆らう電位障壁と中間材料内の最小電荷キャリア有効質量とを有する例示的な装置を示す。 ナノスケールで(nanoscopically)熱的に絶縁され、支持構造体上の弾道屈折変換器アセンブリの活性面の近傍に存在する、柱上の触媒反応加速器の例示的な断面を示す。 ロール形状に巻かれる弾道屈折変換器とスペーサーを含む例示的な表面を示す(反応物と冷却材はこのロールを通って流れることができる)。
前平衡弾道電荷キャリア屈折を利用する方法、装置、そしてシステムが開示される。一実施形態によると、本方法は1つまたは複数の固体発電機を製作する工程を含む。固体発電機は、化学的励起固体発電機と熱電変換型固体発電機とを含む群から選択される1つまたは複数を含む。固体発電機は、第1材料中の電荷キャリアの前平衡エネルギー分布を励起する。第1材料は、第1の電荷キャリア有効質量を有しており、第2材料と共に固体接合を形成する。第2材料は、第1の電荷キャリア有効質量より大きい第2の電荷キャリア有効質量を有する。第2の有効質量を第1の有効質量で割った電荷キャリア有効質量比は2以上である。
以下の説明では、説明のために、特定の用語が、本明細書で開示される様々な発明概念を完全に理解するために記載される。しかしながら、本明細書に開示される様々な発明概念を実施するためには、これらの具体的な詳細は必要ではないことは当業者に明らかであろう。本方法、装置、そしてシステムは、電気を発生する固体装置において用いられる接合のエネルギー変換効率を向上させる。エネルギー源は、接合の片側で、電荷キャリア(例えば電子)の不均衡な前平衡エネルギー分布を生ずる。実質過剰な電荷キャリアが弾道的に進み接合の片側から他の側に横切る際に電位障壁を乗り越えると、運動に伴う電荷キャリア運動エネルギーの一部は直接電気位置エネルギーに変換される。電荷分離が生じ、これらの領域はキャパシタを形成する。トンネリングがないと、電位障壁の法線に近い速度成分のみが障壁を乗り越えることに寄与する。
その結果、エネルギーの前平衡分布の一部が、有用な帯電キャパシタの形態へ変換される。実施形態の重要な要素であるこのプロセスの効率は、接合を越えてキャリア有効質量の急激な増加を伴う材料を設けることにより電荷キャリアの方向が屈折されて電荷キャリアが電位に対して実質的に法線方向に進むと、高められる。高電荷キャリア有効質量領域から低電荷キャリア有効質量領域へ弾道的に後方に進むキャリアは、比較的小さな臨界角より大きい任意の角度で接合に接近する場合、全内部反射されると考えられる。後方への流れは分離された電荷を抜き取る傾向がある。
高電荷キャリア有効質量領域の温度と比較して低い電荷キャリア有効質量を有する材料内に、より高い有効電荷キャリア温度を生じさせる励起方法は、非等温電荷キャリア分布を定義し、そして電荷キャリアの過渡的前平衡分布を含む。励起方法としては、化学反応を利用すること、光起電力方法を使用すること、伝播性及び/又はエバネッセント電磁放射を利用すること、電気的クーロン結合を利用すること、熱流およびその関連する温度勾配を利用すること、太陽光発電手段を用いること、地熱、摩擦、核熱源などの熱源を使用すること、核励起を利用すること、インサイツイオン化放射を利用すること、放射性廃棄物放射を利用すること、火炎ヒーターと触媒反応ヒーターを使用すること、エネルギー化学反応を利用する圧電励起および初期化型高振動励起反応生成物を使用すること、が挙げられる。
一実施形態によると、本システムは電荷キャリア有効質量素子を追加することによりエネルギー変換効率を向上させる。この素子は、低電荷キャリア有効質量領域から高電荷キャリア有効質量領域への弾道電荷輸送に固有のナノスケール弾道キャリア屈折効果を有する。
電荷キャリア有効質量の比(m_e_high/m_e_low)は、弾道電荷キャリアが電位障壁に向かって屈折される程度を確定する。この弾道屈折は、電位障壁に向かうおよびそれに直接当接する電荷キャリア速度成分を最大にし、障壁に対し横方向の他の電荷キャリア速度成分を最小にする。他の成分を最小にすることによりエネルギー損を最小にする。弾道輸送は、低電荷キャリア有効質量領域が電荷キャリア運動に対しトランスペアレントであるために十分に薄いときに保証される。低電荷キャリア有効質量領域はキャパシタのナノ層電極を形成する。低電荷キャリア有効質量領域と高電荷キャリア有効質量領域との接合は、電気位置エネルギーを分離電荷として蓄えるキャパシタを形成する。より高いキャリア有効質量を有する材料はキャパシタの誘電体である。
別の実施形態によると、接合を横切る熱輸送は最小化される。弾道屈折と接合電位障壁は、熱伝達電荷キャリアを接合から反射する。低電荷キャリア有効質量領域においては、障壁電位未満のエネルギーを有するキャリアは、このキャリアが来た場所から、より熱い領域内へ反射される。高電荷キャリア有効質量側では、比較的小さな臨界角(表面の法線に対し)より大きい角度で接合に接近するキャリアは反射されるので、低電荷キャリア有効質量側へ後進することができない。
追加の実施形態は、ナノスケール温度勾配変換器を熱的に並列及び/又は直列に接続し、かつそれらを電気的に並列及び/又は直列に接続する。接続された変換器は、さらに並列及び/又は直列に接続される。熱的接続は電気的接続とは物理的に区別することができる。エネルギー源と熱源としては、独特な空間的に不均一な温度プロフィルを有するもの、時間的に散発的かつ非定常的なエネルギーバーストを有するものが挙げられる。様々な領域が不均一な熱流量を呈してもよい。
一実施形態によると、二次エネルギー変換プロセスは、一次エネルギー変換プロセスからの廃熱などのより高い温度と周囲環境のより冷たいヒートシンクとの間で固体熱電子/熱電気ヒートエンジンを動作させることにより電気的仕事量を抽出するために用いられる。効率は、前平衡弾道電荷キャリア(例えば電子)屈折(pre−equilibrium ballistic charge carrier refraction:PEBCCR)を利用することにより高められる。PEBCCRを利用するヒートエンジン装置構成部品はナノスケール温度勾配変換器(nanoscopic thermal gradient converters:NTGC)である。ナノスケール温度勾配変換器を熱的かつ電気的に直列に積層することで、ヒートエンジンを実現するための効率的なやり方が提供される。
一実施形態によると、システムは互いに重ねられた連続的な変換器ユニットを有する。各変換器ユニットは(a)導体電極と、(b)低電荷キャリア有効質量領域(ナノ層電極またはナノ電極とも称する)と、(c)高電荷キャリア有効質量領域(誘電体とも称する)と、(d)導体電極とを有する。このナノ電極キャパシタシステムの好ましい一実施形態は、比較的長いキャリア平均自由行程を有する金属(Cu、Ag、Au、Alなど)などの導体で素子(b)を形成し、n型TiOを作製するために酸化Ti金属を用いて材料(c)を形成し、そして未酸化Tiで材料(a)と(d)を形成する。別の実施形態は、導体電極(a)とナノ層電極(b)間に高濃度にドープされたn型Si層を含む。別の実施形態は、n型SiまたはSiGe合金などの高濃度にドープされた半導体を用いて素子(b)を形成する。この接合の電気的障壁は約0.1eVのバンドオフセットにより形成される。これは最大電力密度で動作させるのに好適である。別の実施形態は、高電荷キャリア有効質量領域(c)と導体電極(d)間に高濃度にドープされたn型Si層を含む。
一実施形態によると、より低い電荷キャリア有効質量領域の厚さは、キャリアが効果的に主に弾道的に進む程度に薄く形成される。より低い電荷キャリア有効質量領域は、ナノスケールの寸法全体にわたる電気伝導率と比べてより低い熱伝導率を有する1つまたは複数の材料で形成される。好都合に向上された高いZT熱電性能指数(ZTの値は約0.05より高い)を有する材料は少なくとも好ましいと一般的に考えられる。他の材料と、最低の電荷キャリア有効質量の材料とを含む領域は、一般的に「低電荷キャリア有効質量領域」と呼ばれる。
本方法およびシステムは、接合の両側に電位が印加されると冷却器または冷凍機として用いることができる。PEBCCRを追加することにより冷却効率と冷却速度の両方を増加させる。本方法およびシステムは反応速度を変えるために用いられてもよい。
一実施形態は、弾道キャリア屈折により可能になる性能を高めるために、熱輸送、冷却、そして電力密度を調整して単位容積(volumetric)当たりの活性面積を増加させる三次元構築物と方法とを用いる。
一実施形態によると、前平衡弾道電荷キャリア屈折を利用することにより固体発電機におけるエネルギー変換効率を高める。この実施形態は、低電荷キャリア有効質量領域から高電荷キャリア有効質量領域への弾道電荷キャリア輸送を含む。約2を超える、高電荷キャリア有効質量と低電荷キャリア有効質量との比は、望ましい性能向上をもたらす。約2を超える絶対的に高い有効キャリア質量は通常、許容可能な性能向上をもたらすであろう。接合領域の材料は、低電荷キャリア有効質量側から高電荷キャリア有効質量側まで進む電荷キャリアが乗り越えられる電位が形成されるように選択される。接合を横切る電荷キャリアのいかなる前平衡有効温度勾配もエネルギー変換を可能にする。
PEBCCRを利用するいくつかの構成としては、化学反応、表面化学反応、高振動励起分子との相互作用、温度勾配、伝播性及び/又はエバネッセント放射などの電磁結合のすべての形態、核放射によるインサイツ励起、または他の方法の生成物により励起される装置が挙げられる。
前平衡弾道電荷キャリア屈折プロセス(Pre−Equilibrium Ballistic Charge Carrier Refraction Process:PEBCCRP)
本教示の一実施形態は、図3−Aから3−Dに概して示されるように、材料接合における電荷キャリア(電子またはホール)有効質量のステップ増加と、電荷キャリアの接合内への移動を遅らせる傾向を有する接合の電位障壁との組み合わせを利用する。電荷キャリア有効質量のステップ増加は、弾道移動の方向を屈折させて表面接合の法線に向かわせる。したがって法線に対し横方向の速度成分は減少される。固体内では、これらの効果は、輸送が弾道的でありかつ寸法が電荷キャリア平均自由行程未満(通常は約1〜50nm、好適には>約1nm)であるナノスケール領域で生じる。1nmを超える厚さが許容される。4nmを超える厚さが望ましい。これは前平衡弾道電荷キャリア屈折プロセス(PEBCCRP)と称する。温度勾配を電位に変換する、PEBCCRPに基づく装置または装置構成部品は、ナノスケール温度勾配変換器(nanoscopic thermal gradient converter:NTGC)と称する。
例えば、図3−Bのように、低電子有効質量領域から高電子有効質量領域へ横切る電子は、より高い電子有効質量領域の法線に向かってその方向を変える。これは、低屈折率領域(空気)から高屈折率領域(水またはガラス)に進む際の光に関するSnellの法則の効果と等価であり、支配方程式は同じである。
一実施形態は弾道キャリア屈折を実現する。電子は一般的には材料内の全方向に移動する。図3−Cに示されるように、任意の接近方向から界面に弾道的に接近する低電子有効質量材料内の電子はすべて、制限された角度の範囲でほぼ完全に前方へ進み、より高い電子有効質量領域内へ入ることになる。図3−Dに示されるように、より低い電子有効質量領域内へ逆方向に弾道移動する高電子有効質量材料内の電子は反射され、したがって臨界角内に制限された角度で接近しない限り、電子は後方へ移動することができない。
再帰型前平衡弾道電荷キャリア屈折(Recursive Pre−Equilibrium Ballistic Charge Carrier Refraction:R−PEBCCR)
一実施形態は、PEBCCRPユニット及び/又はナノスケール温度勾配変換器(NTGC)ユニットを再帰的に接続する方法を提供する。これらユニットでは、再帰型システムの一端が最も熱く、再帰型システムの他端は最も冷たくそしてヒートシンクに取り付けられる。PEBCCRPユニット及び/又はナノスケール温度勾配変換器(NTGC)ユニットを接続することにより、再帰型システムにおけるPECCRPユニットのより高温側の熱流を電位に変換することが可能となる。
化学的励起前平衡発電機の電荷キャリア有効質量不連続性
化学的励起前平衡発電機のエネルギー変換効率を高めるために、本教示の一実施形態は、より低い電荷キャリア有効質量領域と誘電性で電位障壁がより高い電荷キャリア有効質量領域との接合の材料を選択する際にキャリア有効質量不連続性原理(carrier effective mass discontinuity principle)を利用する。導体材料は、その電荷キャリア有効質量が誘電体材料(その電荷キャリア有効質量は材料選択枝が許す程度に高い)と比較してできるだけ低くなるように選択される。
熱整流手段
一実施形態は、熱的分離の形態と熱整流類似物とを提供する。たいていの導体における熱伝導率はほぼすべて、フォノンまたは格子振動ではなく電子(電荷キャリア)流と関係する。弾道電荷キャリア屈折は、電荷キャリアが低電荷キャリア有効質量側材料から接近して電気エネルギー(としたがって熱と)を直接高電荷キャリア有効質量側材料内に輸送することを可能にする。高電荷キャリア有効質量側材料内の全内部反射は、後方への電気エネルギー流を著しく低減し、したがってまた後方への熱エネルギー流を最小にする。熱力学第2法則と一致して、これは、両眼用プリズムの全内部反射と断熱に使用される特別な反射コーティングの全内部反射と似ている。
ヒートシンクとエネルギー損
一実施形態は、弾道電荷キャリア運動の一部を電気位置エネルギーに変換する。電荷が電位障壁を乗り越えた後に分離されると、弾道電荷キャリア運動から電位へのエネルギー変換が生じる。電位障壁は、多くのやり方、例えば図1−Cのショットキー障壁、図1−Dのpn接合、図1−Eの導体−誘電体−導体ナノキャパシタのうちの任意の1つで形成されてよい。
順バイアスダイオードは、このエネルギー変換用ナノ層電極キャパシタを実現するための最も単純な方法の1つを提供する。図1−Cには、その正端子(導体)がナノ層電極でありその接合容量がキャパシタを形成する順バイアスショットキーダイオードを示す。図1−Dには順バイアスpn接合ダイオードを示す。ナノ層電極はキャパシタの片側を形成し、p型半導体はキャパシタの誘電体を形成し、n型半導体はキャパシタの他の導体を形成する。図1−Eには導体−誘電体−導体キャパシタを示す。ここで、ナノ層電極はキャパシタの片側を形成し、絶縁体はキャパシタの誘電体を形成する。これらの装置はすべて、エネルギー変換用ナノ層電極キャパシタとして総じて説明することができる。
これらのすべてのエネルギー変換器ナノ層電極キャパシタでは、順バイアス方向にキャパシタを横切る伝導性を最小にすることによりエネルギー変換効率を増加させる。対照的に、良いダイオードは順バイアス方向の伝導性を最大にする。
ダイオードの1つの伝導特性は「理想係数(ideality factor)」、「n」と称する特性により特徴付けられる。1.0の理想係数は理論的に最適化されたダイオードを表し、1より大きい値は余り理想的ではない。1に近い最小のnがダイオードにとって最も良い。1.5以上の理想係数は一般に順方向伝導性を小さくし、ダイオードにとって「良い」とは通常見なされない。良いキャパシタはダイオードの全く逆の特性を必要とし、順バイアス方向の伝導性をこのように最小にすることが必要である。
エネルギー変換器ナノ層電極キャパシタとして用いられる順バイアスダイオードの伝導性を最小にする1つの方法は、ダイオードの理想係数を調整して大きくし、順電流を最小にすることである。順電流の最小化は、1より大きい理想係数nを有するダイオードを好適に使用することにより達成される。計算の示すところによると、1.2程度の低い理想係数を有するダイオードは反応温度を50℃上昇させることができ、その結果一桁早い反応速度をもたらし得る。2より大きい理想係数を有するダイオーズは、反応温度で150℃を超える温度上昇を可能にする。
比較的高い生成−再結合(R−G)電流を有するようにダイオードを調整すると、n=2に近い理想係数が生じる傾向がある。金属相互拡散とダングリングボンドにより大きな状態密度を有するダイオードを形成することは、理想係数を増加させる一方法である。高い欠陥密度を有するダイオードを形成すると、n>2のダイオードが得られる。重要なPoole−Frenkelトンネリング輸送とトラップ支援型(trap−assisted)トンネリング輸送の両方を含むダイオードはnを増加させる。良いダイオードは良いキャパシタでなくその逆も正しい。目的はエネルギー変換に関し最高の「フィルファクタ(fill factor)」を実現することであることを強調しておく。
ショットキーダイオードの熱電子モデルは、ダイオード順電流の乗率として「実効リチャードソン定数」を用いる。実効リチャードソン定数を最小にすることもまたダイオード順方向伝導性を最小にするための一方法である。本発明の方法は、理想係数を最大にするための方法と、比較的小さな実効リチャードソン定数(例えば約10amp/cm・K未満)を有することが知られた半導体を選択することとを含む。例えば、TiO2は0.05amp/cm・K未満のリチャードソン定数を有する。ダイオード接合において弾道屈折を利用することは、実効リチャードソン定数を低減するための有効な一方法であろう。
固体接合を調整するために、バンドギャップ工学、縮小ドーピング、ドーピング勾配、そして組成勾配は接合の電荷分離特性を最適化するのに有効である。電位障壁は、接合を狭めて形作ることにより、接合を貫通するトンネリングと共振トンネリングを増強するように調整されてよい。この接合の成形(shaping)は、量子井戸超格子構造を用いることにより周期的または略周期的な電位障壁を形成することを含む。障壁は、傾斜接合電位を意図的に調整することにより、キャリア拡散を電荷分離の方向に増強するように調整されてもよい。
実施形態は、様々な方法(例えば3D構造)で廃熱を除去する。実施形態は、電力密度を最大にするために平面装置を積層して接続する。
前平衡弾道屈折エネルギー変換器(Pre−Equilibrium Ballistic Refraction Energy Converter)
図4を参照すると、一実施形態は、第1のエネルギー源として化学的励起前平衡ホットキャリアを用い、そしてヒートシンクと結合された前平衡弾道電荷キャリア屈折プロセスを利用することによりエネルギーを変換する。別の実施形態は、化学的励起変換工程の廃熱を電位に変換するために1つまたは複数の積層型ナノスケール温度勾配変換器を追加する。
図4を参照すると、触媒を含む表面401により部分的に境界が付けられた領域内の化学反応物は、表面近傍において反応することができる。あるいは化学反応物は、表面401の上またはその近くでまたはその近傍で反応中間体と接触、反応中間体を吸着、解離、再結合、または形成することができる。反応は通常は高振動励起中間物質と高振動励起生成物を形成する。高振動励起生成物は、その振動エネルギーの大部分を直接、遭遇した第1の導体中の電子に移すことが最近示された。
一実施形態は、図4と図5において概念的に示される前平衡弾道屈折エネルギー変換器505〜508を励起するために、導体の真上またはその近くで高振動励起生成物を初期化する。一実施形態では、触媒導体505は装置の一部であり、触媒導体の真上またはその近くで会合反応を促進する。その結果、高振動分子は導体505の真上またはその近くで初期化される。一会合反応当たり約1個の電子が、様々な導体−誘電体接合における0.5〜1.2eVの障壁を乗り越えるのに十分なエネルギーでもって励起される。振動の収縮位相中の導体内の弾道輸送電子のエネルギー分布は、より高いエネルギーを中心としてピークに達する。吸着反応は、分子会合反応と似ており、同様なエネルギーの移動を生じるが、指数関数的に減少する分布を有する。前駆体を仲介した吸着に伴う電荷移動は、ペルオキソおよびスーパーオキソ吸着質などの帯電中間物質を伴う。帯電中間物質は表面上で短い残留時間を有し、またある場合には電子を励起し活発な電子を放射する。高振動励起気体種は振動運動エネルギーを移動して表面導体505内の電子を励起する。
この装置の誘電体電位障壁材料403は、導体と比較して大きい電荷キャリア有効質量を有するように選択される(半導体TiOなど)。TiOは、2より大きい電荷キャリア有効質量を有することが知られた少なくともいくつかの半導体の1つである。TiOの電荷キャリア有効質量は5〜200m_eの範囲内であり、おそらく約25m_eの値であることが様々な条件下で測定された。したがって、ナノ電極導体402内の励起されたキャリアはほぼすべて、導体402と最も高い電荷キャリア有効質量材料(例えばTiO誘電体半導体403)で形成されたショットキー障壁にほぼ垂直な方向を有するように屈折される。電位は負極406と正極407間で観測される。導体材料と電極材料の両方は、少なくとも金属などの導体、導電酸化膜、高濃度にドープされたシリコンなどの縮退的かつ高濃度にドープされた半導体、高いZT性能指数を有する半導体材料を含む群から選択される材料を含む。反応により、そしてショットキー接合エネルギー変換器により発生された熱は、より冷たいヒートシンク405内へ排除される。
この装置内の反応物はシステムに供給されたとき一般的には熱くないので、より低温のヒートシンクは反応物400自体を含んでもよい。
一実施形態は、1キャリア有効質量より高いキャリア有効質量を有するTiO以外の誘電体または半導体403を用いることを含む。誘電体または半導体403の例としては、限定するものではないがルチルTiO、アナターゼTiO、多孔性アナターゼTiO、SrTiO、BaTiO3、Sr_x−Ba_y−TiO_z、LiNiO、LaSrVO、PTCDAなどの特定の有機半導体、または3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物二無水物が挙げられる。添字x、y、zは慣習に従い濃度を表す。SrTiOの1つの利点は、その上のショットキー障壁がピンから外されてもよく、TiOと比較して比較的大きな障壁をもたらすということである。
一実施形態は、誘電体403に直接ヒートシンク405を設けることを含む。このようなヒートシンクとしては、限定するものではないが熱パイプ、液循環による毛細管システム、そして限定するものではないが反応物自体、熱導電性材料、対流法を用いることを含む蒸発冷却、ナノスケール温度勾配変換器が挙げられる。
ナノスケール温度勾配変換器(Nanoscopic Thermal Gradient Converter:NTGC)
一実施形態は、前平衡弾道電荷キャリア屈折プロセスに基づく装置、すなわちナノスケール温度勾配変換器である。図5に示される一実施形態では、素子501〜503は表面型ナノスケール温度勾配変換器(Surface Nanoscopic Thermal Gradient Converter:SNTGC)であり、図7の素子703は容積型ナノスケール温度勾配変換器(Volumetric Nanoscopic Thermal Gradient Converter:VNTGC)である。材料間に逆電圧を与える接合は、導体−誘電体、誘電体−誘電体、または誘電体−導体−誘電体接合のうちの少なくとも1つを含んでよい。絶縁体と半金属は本明細書では誘電体と金属のサブセットと考えられる。図5の素子501〜503は、ナノスケール温度勾配変換器における導体−半導体接合の概略レイアウト例を示す。
用語「半導体接合」は、半導体接合と、金属及び/又は半導体、大きなバンドギャップを有する絶縁体材料と低濃度にドープされた非晶質物質、半金属、絶縁体、非晶質物質、そして多結晶材料で形成された量子井戸を含む接合と、を含む。用語「金属」は、高濃度にドープされた半導体、金属、半金属、そして導電体を含む。前平衡電荷キャリア弾道屈折エネルギー変換プロセスに関係のあるすべての場合において、従うべき原則は、「接合は、接近する弾道電荷キャリアに対する遅延かつ乗り越え可能な電位及び/又はトンネリング電位と、キャリア有効質量の増加との両方を提供する」ということである。
図5を参照すると、一実施形態は、ナノスケール温度勾配変換器501〜503を化学的励起前平衡発電機505〜508に追加する。より熱い化学的励起前平衡発電機505〜508(一次エネルギー変換系)により排除された熱500は、ナノスケール温度勾配変換器501〜503(二次エネルギー変換系)の入力側501において電子を励起する。他の一般的な一次エネルギー変換系を含む構成では、ナノスケール温度勾配変換器は熱的かつ電気的に直列に接続される。この「直列」と称す相互接続は、信頼性を保証するために用いられる直−並列構成を排除するものではない。例えば、化学的励起発電機の負極508は、ナノスケール温度勾配変換器の低電荷キャリア有効質量領域501の正極に電気的かつ熱的に接続される。温度勾配変換器の負極503と高キャリア有効質量材料502は、より冷たいヒートシンク510に熱的に接続される。電力は正極506と負極503から取られるが、この例では装置は直列となっているので正極501と負極503からも取られる。出力電圧は上記両正負ペアのいずれかから取られてもよいことに留意されたい。また、このような複数の出力は非常に有利であることも留意されたい。
この構成により、化学的励起発電機はナノスケール温度勾配変換器なしの場合より高い触媒温度で動作できるようになり、また反応速度の増加としたがってより高い電力密度を可能にする。この温度増加はまた、広範囲の反応物の利用と、いくつかの反応物の発火温度での動作とを可能にする。
再帰型ナノスケール温度勾配変換器
図6を参照すると、一実施形態は、それぞれが隣と電気的および熱的に直列に接続されたナノスケール温度勾配変換器を再帰的に繰り返す。第一段目601は、多くの公知の方法のうちの任意の方法により励起される発電機であってよい。
このとき、再帰反復型ナノスケール温度勾配変換器602は、第一段目601のより高い温度の廃熱とより低い温度環境のヒートシンクとから電気を発生する。推定によると、再帰反復型ナノスケール温度勾配変換器はその熱源温度とヒートシンク温度間のカルノー限界効率の約80%を達成することができる。
出力電圧は任意の正負極ペアから取られてよいことに再度留意されたい。
弾道屈折エネルギー変換器
一般化された一実施形態は表面型弾道屈折エネルギー変換器である。別の実施形態は容積型弾道屈折エネルギー変換器である。他の形態と他の組み合わせが用いられてもよい。
用語「容積型」は、活性面と反応物および冷却材流路とが三次元構造体上にまたはそれを用いて形成される構成を指す。
表面型弾道屈折エネルギー変換器(Surface Ballistic Refraction Energy Converter:SBREC)
一実施形態は、ヒートシンクに取り付けられた一連の第2のナノスケール温度勾配変換器に取り付けられた一次エネルギー変換器を用いる。図6はこのような典型的な表面型弾道屈折エネルギー変換器を示す。多数の第2のナノスケール温度勾配変換器602が直列に接続される。直列の第2のナノスケール温度勾配変換器602の一端はヒートシンク603に取り付けられる。直列の第2のナノスケール温度勾配変換器602の他端は、前平衡弾道電荷キャリア屈折プロセスに基づいた一次エネルギー変換器601に接続される。一次エネルギー変換器は、化学反応、温度勾配、光起電力、または他の手段により励起されてよい。構成部品602の数は0〜所望数であってよい。構成部品602の主要な機能は、前段に接続されたエネルギー変換構成部品からの廃熱エネルギーの一部を電位に変換することである。
一実施形態は、電子が導電表面上またはその近傍の化学反応により励起される接合材料間の電荷キャリア質量のステップ増加を有する一次変換器601と、電気的および熱的に直列に接続されヒートシンクに取り付けられた0〜所望数のナノスケール温度勾配変換器602とを含む。
一実施形態は、電子が導電表面上またはその近傍の化学反応により励起される接合材料間の電荷キャリア質量のステップ増加を有しない一次変換器601と、電気的および熱的に直列に接続されヒートシンクに取り付けられた1〜所望数のナノスケール温度勾配変換器602とを含む。
一実施形態は、接合材料間の電荷キャリア質量のステップ増加を有するまたは有しない光起電力エネルギー源を用いる一次変換器601と、電気的および熱的に直列に接続されヒートシンクに取り付けられた1〜所望数のナノスケール温度勾配変換器602とを含む。
一実施形態は、一次変換器601と、電荷キャリア弾道輸送が第2の材料内ではなく第1の材料内で生じる熱電子エネルギー変換器と、電気的および熱的に直列に接続されヒートシンクに取り付けられた0〜所望数のナノスケール温度勾配変換器602とを含む。
一実施形態は、一次変換器601と、第1の材料電荷キャリア質量より大きい第2の材料有効電荷キャリア質量を有する熱電子エネルギー変換器と、電気的および熱的に直列に接続されヒートシンクに取り付けられた0〜所望数のナノスケール温度勾配変換器602とを含む。
一実施形態は、一次変換器601と、第1の材料電荷キャリア質量より大きい第2の材料有効電荷キャリア質量を有しかつ電荷キャリア弾道輸送が第2の材料内ではなく第1の材料内で生じる熱電子エネルギー変換器と、電気的および熱的に直列に接続されヒートシンクに取り付けられた0〜所望数のナノスケール温度勾配変換器602とを含む。
一実施形態は、一連のナノスケール温度勾配変換器602(これらの1つまたは複数は、一般的に低キャリア有効質量領域と称する領域用の誘電体−伝導体−誘電体接合を含んでよい)に取り付けられ、電気的および熱的に直列に接続され、そしてヒートシンクに取り付けられる一次変換器601を含む。ナノスケール温度勾配変換器の数は0〜所望数であってよい。
容積型弾道屈折エネルギー変換器(Volumetric Ballistic Refraction Energy Converter:VBREC)
一実施形態は、柱状の構造の上に容積型弾道屈折エネルギー変換器を含む。柱の望ましい特徴は、単位長当たりの面積が大きいことであり、これは、柱の比較的高い単位容積当たり面積に起因する高い容積電力密度をもたらす。このような大きな面積の柱の断面は、深い波型部、穴、ピットを含んでよく、それらはすべて不規則なものであってよい。柱の断面は、その上に形成される変換器により課される制約条件により主として制限されるが、一般的な制約条件はない。例えば、断面は、少なくともワイヤー状、円形、棒状、正方形、矩形、不規則形状、しわの寄った形状、スポンジ状、円錐台、先細の円錐、翼または他の空気力学的形状の断面を含む群のうちの任意の組み合わせであってよい。
図7を参照すると、柱701自体は、1つまたは複数の材料で形成されたストランド、ファイバ、ストリップなどのような、それぞれの材料がその強度、熱伝導率、電気伝導率または他の望ましい特性に対して選択された任意の材料であってよい。
柱は、まず、装置の背後電極を形成するために少なくとも導体702で部分的に覆われるであろう。次に、必要な数だけの第2のナノスケール温度勾配変換器703が、柱の上でかつ最終一次エネルギー変換器704(接合材料間の電荷キャリア質量のステップ増加を有するかまたは有しない)の下に形成される。一次エネルギー変換器704は、化学的に、光起電力的に、温度勾配により、または他の手段により励起されてよい。外側の領域705はソース励起領域である。ユニット703の数は0〜必要数である。正極接続部706は最終的な変換器704と電気的に接触している。絶縁体707は、導体702と電気的に接触する正極接続部706を負極接続部708から分離する。ヒートシンクは、柱領域705を取り囲む反応物とガスにより、及び/又はヒートシンクに物理的に接続され得る基板709により設けられてよい。
一実施形態は、電子が導電表面上またはその近傍の化学反応により励起される一次変換器704と、電気的および熱的に直列に接続されヒートシンクに取り付けられた0〜所望数のナノスケール温度勾配変換器とを含む。
一実施形態は、一次変換器704と、電気的および熱的に直列に接続されヒートシンクに取り付けられた0〜所望数のナノスケール温度勾配変換器を含む光起電力エネルギー変換器と、を含む。
一実施形態は、一次変換器704と、電気的および熱的に直列に接続されヒートシンクに取り付けられた0〜所望数のナノスケール温度勾配変換器を含む熱電子エネルギー変換器と、を含む。
一実施形態は、最小電荷キャリア有効質量領域を形成する材料として、長い平均自由行程の金属だけでなく長い平均自由行程の半導体も含む。電位障壁を形成するためにバンドギャップアラインメントを利用することができる。
一実施形態は、一次変換器704と、電気的および熱的に直列に接続されヒートシンクに取り付けられた一連の同様なナノスケール温度勾配変換器に取り付けられた誘電体−伝導体−誘電体接合を用いる固体温度勾配エネルギー変換器とを含む。ナノスケール温度勾配変換器の数は0〜所望数であってよい。
一般的には、弾道屈折エネルギー変換器は、反応物の流れ、空気流、冷却を引き起こすために用いられる装置(ファン羽根など)を含む様々な種類の対象物に取り付けられてよい。弾道屈折エネルギー変換器は、対象物の輪郭に従ってシートの形態をとることができる。例えば、変換器は空気流システム上に「被せられ」てもよい。あるいは変換器は別個に作られ、システム上に「貼られ」てもよい。あるいは変換器はシステムに一体化されてもよい。
ファン羽根上に弾道屈折エネルギー変換器を直接配置することで、ファンが冷却、熱移動、熱除去を行う際の効率を最大にする。
図8により示唆されるように、断面プロフィル802を有する、柱に貼り付けられた弾道屈折エネルギー変換器801は、弾道屈折エネルギー変換器を作製するための要件に合致する任意の形状であってよい。大きなエネルギー集積面積が望ましい。大きなエネルギー集積面積は、長く薄い形状802、くさび803、みぞ804、不規則な多角形状側面805、深く狭いみぞまたは細孔806、柱を完全に貫通する細孔807、対称形状808、803、ほぼ対称な形状809、そして緩やかな対称形状810を含むプロフィルを形成することを含む多くの方法で実現することができる。
細孔は、積層内への深い穴804の形態、あるいは完全に積層を貫通する穴807としての形態をとることができる。
ワイヤー形状
一実施形態は、ワイヤー802などの長く薄い装置に似た変換器形状を形成する。変換器ワイヤーは、前もって形成して表面に突き刺すかあるいはそうでなければ規則的または不規則的なパターンで表面に取り付けてよい。
流路の形状
一実施形態は、弾道屈折エネルギー変換器用のヒートシンクを設ける。冷却用ヒートシンクは、対流、相転移または蒸発冷却、熱パイプを含む、多くの方法で実現することができる。反応物または反応物成分が用いられてよい。例えば、図9は、変換器を支持する構造体と変換器アセンブリの内部とに関係する溝、ダクト、またはパイプを用いる実施形態を例示する。これら溝部、ダクト、またはパイプを通って、冷却材、反応物、添加剤、またはこれら材料の任意の組み合わせ材料は流れることができる。各ケースはそれぞれの利点を有する。材料901は、より冷たい側902から細孔または穴903を通ってより熱い領域904へ流れる。冷たい側902と熱い側904の両方は反応物または添加剤を含むことができ、熱い側は排気と空気流の両方に関係する。
冷たい側902の反応物901の蒸発と、より冷たい材料901の流れとにより冷却を引き起こす。反応物901は濃縮され、そして積層の熱い表面905の近くで燃料リッチとなると考えられる。
暖かい反応面905に接触すると気体になる液体反応物または蒸発性冷却材901を使用することで、化学的に励起されるホットエレクトロンプロセスに望ましい気体種が供給される。
一実施形態は、空気力学的表面上に変換器を直接形成する。これは、電気の直接的生成と、タービンを駆動するための流体質量として液化ガス変換により生成された気体を用いることあるいは他の有用な仕事量の機械的抽出と軸体エネルギーの生成と、の両方を可能にする。
一実施形態は、発電機内の低温のヒートシンクのために液体空気と他の液体ガス901を用いる。液体空気および同様な不活性液ガスは領域902に放熱作用をもたらし、そして排気領域904内の外気は熱源を供給することができる。これにより装置はこの温度差を直接用いて電気を発生することができる。同時に液体/気相転移はまた、タービンなどの機械エネルギー変換器を動作させることができる。
一実施形態は、空気流をもたらすために自然対流を利用する。冷却空気容積は通常は反応空気容積よりはるかに大きくなり得るということに留意されたい。
図9に基づく一実施形態はまた、扁平管などの汎用の管形状の断面を表すと考えられる。汎用の管は、1つまたは複数の面上で弾道屈折エネルギー変換器によって覆われる。本明細書で「管」は、任意の相対壁厚(不均一な壁を含む)を有する任意の部分的中空形状を有するものを指す。例えば、管は、2枚のシートのように見えるような平らなものであってよい。2枚のシートは、気体または流体の流れを可能にする2枚のシート間の密閉空間と、その端部で密閉された容積とを含む。図9の概念は表面型装置および容積型装置(SBRECとVBREC)に利用可能であろうということに留意されたい。
積層形状
図10を参照すると、積層可能な基本ユニットは、電気的伝導層、熱的伝導層、構造支柱層の1つまたは複数を含む構造体上に配置される。
実施形態は、単一の変換器アセンブリの表面により与えられる単なる面積ではなく、発電機の容積を生成するために、2つ以上の弾道屈折エネルギー変換器(表面型屈折エネルギー変換器(SBREC)または容積型屈折エネルギー変換器(VBREC))アセンブリを一緒に接続し積層する。積層は電気的に直列または並列に接続されてよい。
図10において断面で示される積層可能な基本ユニットの一実施形態は、重要な素子すなわち、正に励起された側1004を上にし負側を下にして電気的に接続される弾道屈折エネルギー変換器アセンブリ1001(一次エネルギー変換器のみ、あるいは一次エネルギー変換器と二次エネルギー変換器を含む)を含む。弾道屈折エネルギー変換器は、正極接続部1002と負極接続部1003とで支持されるとともにそれに接続される。構造体1003は、電気的伝導素子、電気的伝導素子、強度構造体素子のうちの1つまたは複数を含むことができる。積層することは、積層可能な基本ユニットを互いに上下に配置することと、励起と熱源のために変換器1001の活性面の上方に空間を残すこととを含む。同様なことは、任意の加工可能な構成または配置で実現される。
図10に示される実施形態は、変換器の正極1002をその上方で負極1003に接続する。この断面を図11に示す。図11の基本的な構造は、三次元の基本積層構造体のマトリックスを形成するために、垂直及び/又は水平方向に再帰的に積層されてよいことに留意されたい。
図10−bには、本実施形態では明確にするために故意に省略されていた電気的および熱的な接続部と界面に関係する詳細を示す。
図10−bを参照すると、活性面は容易に損傷される通常はナノメートル厚の構造であるため、例えば正極1002は図示のように変換器1001の活性面上に直接配置されないであろう。実際上、当業者は、電極を変換器に接続するために多くの公知の方法の1つを用いるであろう。一実施形態は構造体1003上に直接形成された絶縁体1005上に正極1002を配置する。次に、正極1002を弾道屈折変換器アセンブリの正側端と活性面1004に電気的に接続するために、電気的ブリッジ1006が形成される。構造要素1003は、実際上、変換器の負側に接続された導電体を含み、また変換器への熱的接続部を含むであろう。単純な実施形態は、電気的および熱的伝導性を有するように構造体1003(例えば5ミクロン厚のアルミまたは銅箔)を形成する。
一実施形態は、図10に示される積層可能な基本ユニットを互いに上下に積層することにより、発電機エネルギー変換器の容積を形成する。反応物と冷却材1100は積層間の空間1101内に流れ込み、排気はこの空間を通って流出する。
一実施形態は、正極を同一平面内の隣接する変換器の負極に接続することにより、積層の面に沿って変換器を直列に接続する。これはいくつかの方法で実現することができるが、その1つを図12に示す。電気接続1202は、第1の変換器1201の正極側と活性面に対して行われ、絶縁体1204により絶縁された相互接続導体1203に接続される。相互接続配線1203は第2の変換器の負側1205と電気的に接触する。絶縁スペーサー1200は図では変換器の背後に概念的に示される。
一実施形態は、図13にスケッチされるように、積層可能な基本ユニットの本体を通して冷却材及び/又は反応物1300を供給する。例えば、弾道屈折エネルギー変換器1301とスペーサー1302は構造体と基板1303上に形成され、基板1303の内部1304を反応物及び/又は冷却材1300が流れる。図18を参照すると、この実施形態の装置は、ロール状に巻き上げることが可能であり、そしてスペーサー1302で形成されたロール間の空間1305は反応物が流れ込めるようになっており、排気は空間1305から流出することができる。スペーサーと電気配線は明確化のために図13では示される。詳細な接続部はまた、図12と図10−Bで説明されたようなものでよい。
これらの実施形態のそれぞれにおいて、変換器は上述の柱状の構造を含む多くの形態を取ることができ、そしてほぼ任意の形状の多くの表面上に取り付けられてよい。
トンネリング用クラスタ触媒
一実施形態は、弾道屈折エネルギー変換器の活性面上の励起の実効温度勾配を増加させるために、物理的に切り離され電気的にトンネリング接続されたナノスケールのクラスタを用いる。図14は、活性面1402を有する変換器1401の典型的寸法Dと典型的セパレーションSを有する導体触媒構造体1400を概略的に示す。寸法Dは、クラスタ1400内のホットキャリアの平均自由行程未満となるように形成され、またキャリア輸送時間がクラスタ1400の最高格子振動の周期より短くなるように選択されるので、寸法Dはキャリア温度と格子温度とを分離する。この寸法は、Cu、Ag、Au、Pd、Pdなどの材料では通常は4〜50nm程度の範囲である。クラスタセパレーションDは、電荷キャリア電子のクラスタ1400間のトンネリングを可能にするのに十分に小さくなるように選択される。この寸法は通常は1〜20nmの範囲である。クラスタへの電気接続部は導電体コンタクト1403と1404で形成される。理想的な場合、切り離されたクラスタは低電気伝導率かつ低熱伝導率の材料上に形成される。このとき、このクラスタ配置は変換器1401とのショットキー障壁を形成することができ、したがってクラスタは弾道屈折エネルギー変換器の一体部分となることができる。
一実施形態は、セラミック基板(変換器材料など)と接触する増強されたクラスタの触媒活性を利用する。一実施形態は、反応速度を増加させしたがって電力出力を増加させるために、増強されたクラスタの電子温度を利用する。一実施形態は、電極1403〜1404にわたり電位を印加する。これは基板温度(約300K)をはるかに超える温度(約2000K〜5000K)までクラスタを加熱するということが示された。したがって変換器のダイオードの温度を増加させずに反応電力を著しく増加させることができる。
結合層と変換層
一実施形態は、最低電荷キャリア有効質量材料の量子井戸超格子を用いる。変換効率を最大にするために、超格子は、低キャリア有効質量領域から高キャリア有効質量領域までの障壁の高さよりわずかに大きいエネルギーを有するキャリアをろ過するように調整される。
一実施形態は、表面全体にわたる抵抗損を最小にするために、密集したバスバーを活性面上に形成する。化学的に不活性なバスバーが、バスバー間のトンネリング用クラスタ触媒などの活物質により、互いに100nm程離れて形成される。
一実施形態は、障壁提供材料に関しては、非常に薄い半導体を用いる。最小厚は通常は5nm程度である。他の厚さも考えられるが、好ましい半導体厚は20〜100nmの範囲である。
熱伝導率の管理
図15を参照すると、一実施形態は、熱の移動を制御および制限して電荷キャリア運動エネルギーの移動を促進する素子を含めるために、より低い電荷キャリア有効質量領域1500〜1501を調整する。これらの素子は、低熱伝導率材料、長いキャリア平均自由行程材料、熱ダイオード素子、量子閉じ込め素子、傾斜キャリア有効質量素子のうちの1つまたは複数を含む。その原理は、電荷キャリアが障壁領域の方へ弾道的に進むときに、複数の増加するキャリア有効質量領域を電荷キャリアに与えることである。図15はこのような2つの領域1500、1501を示す。
図15を参照すると、一実施形態は、より高い電荷キャリア有効質量を有するとともに約1eVにおいて異常に長い電子平均自由行程を有することが知られた導体(C)1501と接触する約0.3m_eの電荷キャリア有効質量を有するシリコンなどのように実用的に低い電荷キャリア有効質量を有する半導体(S)1500を用いる。このような導体1501の例としては、Au(約20〜100nm)、Ag(約20nm)、Cu(60nm程の高い値と報告されている)、そしてAl(約20nm)が挙げられる。このとき、弾道電荷キャリア屈折効果は半導体1500と導体1501間に存在する。このとき、半導体1500は、そのより熱い電荷キャリアを狭い範囲の方向でもって導体C1501内に注入することができる。導体C1501は、電荷キャリア平均自由行程の約2倍未満の厚さを有するように選択される。導体C1501を貫通して進む電荷キャリアはほとんどすべて、半導体S障壁1502(例えば、導体C1501の電荷キャリア有効質量より大きい約25m_eの電荷キャリア有効質量を有するTiO)の方へ既に向けられている。
1.1m_e未満の電子有効質量を有する材料と比較的長い電子平均自由行程を有する材料は、半導体1500または最低電荷キャリア有効質量材料1500のいずれかに用いられてよい。これらの材料としては限定するものではないが、空気、アルミニウム、導電カーボンナノチューブ、導体、銅、縮退的にドープされた材料、気体材料、金、金属、モリブデン、ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、銀、タンタル、真空が挙げられる。約0.05より大きいZT性能指数を有し、かつ熱電気アプリケーションに一般的に好ましい材料もまた、最低電荷キャリア有効質量材料1500に用いることができる。これらの材料としては限定するものではないが、アンチモン化アルミニウム(AlSb)、砒化アルミニウム(AlAs)、窒化アルミニウムガリウム(AIGa1−xN)、ビスマスセレニド(BiSe)、テルル化ビスマス(BiTe)、窒化ホウ素(BN)、砒化ガリウムアルミニウム(GaAl1−xAs))、砒化アンチモン化ガリウムアルミニウム(GaAl1−xSb1−y)、アンチモン化ガリウム(GaSb)、砒化燐化ガリウム(GaAs1−y)、砒化ガリウム、アンチモン化ガリウムインジウム(GaInl−xSb)、燐化ガリウムインジウム(Galn1−xP)、窒化ガリウム(GaN)、燐化ガリウム(GaP)、ゲルマニウム(Ge)、砒化インジウムアルミニウム(InAl1−xAs)、アンチモン化インジウム(InSb)、砒化インジウム(InAs)、砒化燐化インジウム(InAsl−y)、砒化インジウムガリウムアルミニウム(InGaAl1−x−yAs)、砒化インジウムガリウム(InGal−xAs)、砒化アンチモン化インジウムガリウム(InGa1−xAsSB1−y)、砒化燐化インジウムガリウム(InGa1−xAs1−y)、窒化インジウムガリウム(InGal−xN)、燐化インジウム、テルル化鉛、テルル化鉛錫(PbSn1−xTe)、セレン化水銀カドミウム(HgCd1−xSe)、テルル化水銀カドミウム(HgCdl−xTe)、シリコンゲルマニウム、シリコン、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)が挙げられる。ここで、添字x、y、z、l−x、1−yは、3価または4価材料におけるそれぞれの原子種の相対量を表し、0〜1の範囲である。
障壁提供層1502は、2を超えるキャリア有効質量を有するものとして知られた半導体を含む材料で作られてよい。これらの材料としては限定するものではないが、ルチルTiO、アナターゼTiO、多孔性アナターゼTiO、SrTiO、BaTiO、Sr_x−Ba_y−TiO_z、LiNiO、LaSrVO、有機半導体PTCDA(3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物)が挙げられる。少なくとも好適合なZT性能指数を有し、そして熱電気アプリケーションに一般的に好ましい以下の材料と半導体もまた、その電荷キャリア有効質量が接合に選択された材料の2倍を超える場合は用いることができる。これら材料としては、限定するものではないが、アンチモン化アルミニウム、砒化アルミニウムガリウム、酸化アルミニウム、セレン化ビスマス、テルル化ビスマス、窒化ホウ素、砒化アンチモン化ガリウムアルミニウム、砒化燐化インジウムアルミニウム、窒化インジウムガリウムアルミニウム、砒化アンチモン化インジウムガリウム、砒化燐化インジウムガリウム、テルル化鉛ユーロピウム、テルル化鉛、空気、テルル化鉛錫、セレン化水銀カドミウム、テルル化水銀カドミウム、シリコンゲルマニウム、酸化シリコン、セレン化亜鉛、テルル化亜鉛が挙げられる。
導体は、弾道輸送の時間尺度では、むしろ熱エネルギー輸送に逆らう絶縁体のようになり、これら熱電気および熱電子エネルギー変換器における電荷キャリアエネルギー輸送に対しては非常に良い一方向性導体となる。このナノスケール寸法内では、導体は、導体を横切る有用な温度勾配を維持することができる。ナノスケールサンドイッチ構造1500−1501−1502の熱的分離により発電プロセスの効率を向上させる。
より低い電荷キャリア有効質量材料1500(0.02m_e程の低い値を有する)と最も高い電荷キャリア有効質量材料(TiOなどのように200m_e程の高い値を有する)1502間に低電荷キャリア有効質量材料(導体1501)を追加することで、固体エネルギー変換器に使用可能な材料の範囲を拡大する。
一実施形態は、物理的に絶縁され、かつ電子トンネリングにより電気的に接続された触媒塊505を含む。塊505は、電位障壁(誘電体)材料507の表面上の導体506の少なくとも一部、そしていくつかの構成ではその全部を置換する。
別の実施形態は、化学的励起前平衡エネルギー変換器において、反応速度を増加するための導電性触媒クラスタ、シート、ナノワイヤ、ナノドット、ナノチューブ、量子ドット、層、そして構築物505の寸法に関するこのようなナノスケール的制約条件を採用する。
電荷キャリア熱結合の調整
一実施形態によると、熱源またはより熱い電子源とより冷たい領域とに接触する材料間のエネルギー移動は、主に弾道電荷キャリア輸送によるように制御される。図16−A〜16−Dを参照して、3つの材料または領域を用いた装置の断面を示す。一般的な重要な原則として、第1と第2の領域1601と1602は、熱を遮断するとともに最小のエネルギー損でもって励起弾道キャリアを伝達するように設計される。理想的な条件は、領域1601から領域1602そして領域1603までの、熱ではなく弾道電子(電荷キャリア)のみによるエネルギーの輸送である。一般的な重要な原則として、第3の領域1603は、活発な弾道電荷キャリアのみを電位障壁に逆らって越させるようにするとともに弾道キャリアの方向を屈折して弾道キャリアが電位中に直接輸送されるように設計される。第3の領域1603が導体領域1602の少なくとも2倍高いキャリア有効質量を有すると、屈折は増強され、そして前者のキャリア有効質量が後者のものより少なくとも2倍分だけ高いと、屈折は圧倒的に増強される。第1と第2の領域1601、1602は、好適なZT熱電性能指数により一般的には特徴付けられる。第2の領域1602は、多数の弾道電子を伝達する傾向が増強されたことにより一般的には特徴付けられる。この特徴は、一般的には「比較的長い平均自由行程を有すること」を指す。
第1の材料1601は、第2の材料1602より高いか、あるいはそれ以下の電荷キャリア有効質量を有してよい。さらに、第1の材料1601は、第2の材料1602から第1の材料1601内に逆方向に進むキャリアに電位障壁を与えてもよいし、与えなくてもよい。これらの2つの選択肢は、結果としてそれぞれが利点を有す4つのケースを生じる。その選択は、材料可用性、製造性、コスト、安定性、その他の要素に依存する。
第1の材料内に最小の障壁を有するかあるいは障壁を有さず、かつ左側から右側へ増大する電荷キャリア有効質量障壁1601、1602、1603を有する第1のケース(図16−A)を含む一実施形態は、最大電荷キャリア有効質量1603を有する障壁材料内への活発な電子のエネルギーの最速かつ最短の経路移動を実現する。一般的な半導体のほとんど任意のものを第1の材料として用いることができる。これは、正確に1つにはこれら半導体の電荷キャリア有効質量はすべて低い(1m_e未満)という理由で、事実上これら半導体のすべては商業的に価値があるからである。これは、すべての公知の好適なZT材料を非常に効果的に用いることができることを意味する。最小の障壁は、バンドギャップエンジニアリングまたは縮退的ドーピングにより実現することができる。
第1の材料1601内に最小の障壁を有するかあるいは障壁を有さない第2のケース(図16−B)を含む一実施形態では、中間材料1602は最低電荷キャリア有効質量を有するので、中間材料1602は、材料1601、1603からの電荷キャリアの侵入を可能にするよりむしろ中間材料1602内の電荷キャリアが中間材料1602からより容易に抜け出すことを可能にする。例えば、材料1603の障壁を乗り越えるためには余りに低いエネルギーを有する電子は、反射されて中間材料1602内に戻されるだけでなく、再加熱と再処理のためにより暖かい材料1601へ速やかに輸送される。中間内側領域1602は、外側領域1601、1603に対し電子的に、したがって弾道輸送の場合には熱的に絶縁される。これは電子から格子へのエネルギー移動を最小にする傾向があり、ひいては熱伝導損を最小にする。折り返し(back−to−back)弾道屈折は2つの恒温浴槽(heat bath)領域1601、1603を分離させる傾向がある。
第1の材料1601内に障壁を有し、かつ増大する電荷キャリア有効質量を有する第3のケース(図16−C)を含む一実施形態は、第1の材料1601の最も熱い電荷キャリアのみの最速輸送を実現する。
第4のケース(図16−D)を含む一実施形態は、より熱い材料1601内およびより冷たい材料1603内へ戻る電荷キャリア輸送に逆らう電気的障壁を設け、中間材料1602において最小電荷キャリア有効質量を有する。この構成は2つの恒温浴槽間でキャリアエネルギーをほぼ可逆的に伝達する(これは重要な特性である)。そしてこの構成は、弾道輸送のためそして好適に、格子フォノンまたは他のエネルギー移動による輸送より速く電荷キャリアエネルギーを輸送する。弾道輸送は中間領域1602においてのみ必要であり、周囲領域1601、1603においては必要ないことに留意されたい。電荷キャリアは負であっても正であってもよく、そして障壁は輸送を遅らせるように設計される。これら領域の材料例は、例えば中間領域に対してはTiO、外側領域(バンドギャップアライメントにより障壁を設ける)に対してはシリコンあってよい。中間領域1602の材料は、Cu、Au、Ag、Al、高いZTを有する材料などの長い平均自由行程を有する金属を少なくとも含む群から選択されてよい。
一実施形態は、導体の両側で同じ障壁領域用材料を用いる。
熱励起型弾道屈折エネルギー変換器を冷凍機として用いる一実施形態は、1つまたは複数の積層された変換器を利用し、そして端子の両端に、発電機として使用される同じ装置から得られる負電位ではなく、正電位を印加する。ヒートシンクはこのとき熱源より熱いかもしれないが、ホットエレクトロンは冷却領域から効率的に取り除かれるので冷却が起こる。弾道屈折を利用すると、このような冷却方法および装置の効率を、キャリアが低電荷キャリア有効質量材料と高電荷キャリア有効質量材料との界面の電位中に集中的に導かれない装置の効率を超えて向上させることができる。
実施形態は、集積回路を冷却するために直接集積回路上に1つまたは複数の冷却用弾道屈折エネルギー変換器を形成する。同様な実施形態は、冷却用弾道屈折エネルギー変換器を例えば化学反応表面上に直接形成して反応経路と反応を制御する。
燃料、酸化剤、自触媒、刺激剤
実施形態は、酸化剤、自触媒反応加速剤、減速材、そして単元推進薬を含む貯蔵可能な反応物を用いる。標準圧力および標準温度における液体過酸化水素Hなどの液相は、その気化熱が冷却材として用いられ、そして液体が好都合に貯蔵可能であるので、便利である。H、モノメチルヒドラジン(MMH)などの単元推進薬は同様に便利であり、変換器の活性面を励起する。自己触媒加速剤はHなどの単元推進薬を含む。
一実施形態は、反応速度を増加し、かつ熱い対象物を変換器の熱い領域へ集中させるために、弾道屈折変換器アセンブリの活性面の近傍で断熱触媒を用いる。
図17には、極めて反応性に富む触媒1701が変換器の活性面1703の近傍の断熱柱状構造体1702上に配置された実施形態を示す。触媒の近傍で生成された気相反応生成物は変換器を励起する。生成物は、少なくとも高振動励起分子、反応性分子、熱ガスのうちの1つまたは複数を含んでよい。
実施形態は、極めて活発な種の励起を最大にするように選択された活発な反応物を用いる。この反応物は、高振動励起分子(highly vibrationally excited molecule:HVEM)、放射性原子、前駆体仲介解離吸着中に形成されるペルオキソおよびスーパーオキソ種などの帯電吸着質中間物質、Langmuir−HinshelwoodとEley−Ridealタイプの両方の会合反応に関与する吸着質、そして基、遊離基、触媒性または自触媒性と考えられる種などの反応中間体のうちの1つまたは複数を含む。
実施形態は、導体の真上またはその近傍で生じる励起手段を設ける。用語「近傍」は、本明細書では特定の活発な励起の数平均自由行程未満の距離を指す。実施形態は、弾道屈折エネルギー変換器の低電荷キャリア有効質量材料を励起するためにこれらの励起手段を用いる。
この種の反応物を用いる化学反応は、金属、導体、触媒、半導体、セラミック上またはその中で10,000Kを超える反応実効温度と実効キャリア温度を有する前平衡励起を生じる。ここで、キャリアは、半導体と絶縁体の伝導帯及び/又は価電子帯の励起子とキャリアを含む。
一実施形態は、これらの励起手段を励起するために反応と反応物を用いる。反応、反応物、添加剤は、少なくとも単元推進薬、酸化剤を含む高エネルギー燃料、自然発火性混合物、添加剤、自触媒種を生成するのに知られた反応物の組み合わせ、反応を加速または制御するように選択された反応物、そしてそれらの組み合わせを含む。反応物及び/又は添加剤は限定するものではないが以下の反応物を含む。
表I
アンモニアより貯蔵性の高い活発な燃料
アミン置換アンモニア
ジメチルアミン(CHNH
トリメチルアミン(CH
モノエチルアミン(C)NH
ジエチルアミン(CNH

容易に貯蔵可能な他の種
メタノール、CHOH
エタノール、EtOHCHCHOH
ギ酸、HCOOH
ディーゼル燃料
ガソリン
アルコール類
固体燃料を含むスラリー

亜酸化炭素、C、CO=C=CO、
ホルムアルデヒドHCHO、
パラホルムアルデヒド、=より良い(HCHO)、ホルムアルデヒド気体へ昇華可能(可能性として同時にセル冷却材)

貯蔵可能性が低い燃料
一酸化炭素
水素
アンモニアNH

窒素を含む活発な燃料
ニトロメタン、CHNO
メタノールで稀釈したニトロメタン=模型飛行機「グロープラグ」機関燃料

広い燃料/空気比を有する高エネルギー燃料
エポキシエタン、=オキシランまたはエチレンオキシドCH−CH
1,3−エポキシ−プロパン=オキセタン、トリメチレンオキシド=1,3−メチレンオキシドCH−(CH)−CH
エポキシプロパンCH(CH)−CH
アセチレン、C
ジアセチレン=1,3−ブタジイン
1,3−ブタジエンCH=CH−CH=CH

古典的な高エネルギー燃料
ジエチルエーテルまたは外科用エーテル
アセトン=ジメチルケトン

古典的な揮発性の燃料
シクロプロパン
シクロブタン
メタン、プロパン、ブタン、ペンタン等の炭化水素

他の貯蔵可能な燃料
蟻酸メチルHCOO−C
ホルムアミドHCO−NH
N,N,−ジメチルホルムアミドHCO−N−(CH
エチレンジアミンHN−CH−CH−NH
エチレングリコール
1,4−ジオキサン=エチレングリコールの2分子環状エーテル
アセトアルデヒドのパラアルデヒド(CHCHO)サイクリック三量体

強力な酸化剤
テトラニトロメタン、C(NO 自然に分解しない。気相内でセルの反応面全体にわたり2つの別個の蒸気を単に通過させる。
過酸化水素H

低開始エネルギー混合物
酸素を含むシクロプロパン=外科用麻酔薬、マイクロジュール・イニシエータ

自然発火性剤
UDMH=非対称ジメチルヒドラジン=1,1−ジメチルヒドラジン(CHNNH
UDMHは自然発火性(通常はNを伴う)であり、非常に強力な発癌物質である。
MMHモノメチルヒドラジン(CH)HNNH
任意の酸化剤(例えばN)を含む自然発火性物質

侵食性の有毒な活発な単元推進薬
ヒドラジン=HNNH触媒により容易に分解される(通常はPtまたはPdまたは酸化モリブデン)。
ヒドラジン水和物
弾道電荷キャリア屈折のための方法とシステムが開示された。本方法とシステムは具体的な例とサブシステムに関して説明されたが、本方法とシステムはこれらの特別な例またはサブシステムに限定されず、他の実施形態へも拡張されることは当業者に明らかであろう。

Claims (20)

  1. 少なくとも1つの化学的励起固体発電機を含む1つまたは複数の固体発電機を有する装置であって、
    前記1つまたは複数の固体発電機は、第1材料層と第2材料層を備えた固体接合を有しており、これにより、1つの固体発電機が形成されており、
    前記第1材料層は、ナノスケールのクラスタを含み、前記第2材料層と十分な接触を確保しながら前記第2材料層を覆っており、
    前記第2材料層は、多孔質であり、
    前記1つまたは複数の固体発電機は、化学的励起反応物の相互作用を利用して前記第1材料前記第2材料の間の電荷キャリアを励起する、装置。
  2. 前記少なくとも1つの化学的励起固体発電機は、前記第1材料と前記第2材料の間の前記電荷キャリアの輸送を遅らせる電位障壁を含む、請求項1に記載の装置。
  3. 前記第2材料層の少なくとも1つの材料は、結晶性、多結晶性又は多孔質TiO、SrTiO、BaTiO、Sr_x−Ba_y−TiO_z、炭化ホウ素、LiNiO、およびLaSrVO、ならびにPTCDAまたは3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物の特定の有機半導体からなる群から選ばれる、請求項1に記載の装置。
  4. ヒートシンクが前記第2材料に直接接合している、請求項1に記載の装置。
  5. 電気的直列、電気的並列、又は、直列と並列の組合せで接続される1つまたは複数の固体発電機を有する、請求項1に記載の装置。
  6. 熱的直列、熱的並列、又は、直列と並列の組合せで接続される1つまたは複数の固体発電機を有する、請求項1に記載の装置。
  7. トンネル寸法よりも大きな寸法の1つまたは複数の固体発電機の活性表面上のバスバーを備える、請求項1に記載の装置。
  8. 前記第2材料に接続されており、1つまたは複数の固体発電機から熱を取り除いており、室温より高いヒートシンク温度を有するヒートシンクを備える、請求項1に記載の装置。
  9. 前記ナノスケールのクラスタは、不連続で多孔状に前記第2材料を被覆する、請求項1に記載の装置。
  10. 前記第1材料層は、複数のナノスケールのクラスタを有する、請求項1に記載の装置。
  11. 前記ナノスケールのクラスタは、触媒を有する、請求項1に記載の装置。
  12. 化学的励起固体発電機であって、
    第1材料層と第2材料層を備えた固体接合を有しており、これにより、1つの固体発電機を形成しており、
    前記第1材料層は、ナノスケールのクラスタを含み、前記第2材料層と十分な接触を確保しながら前記第2材料層を覆っており、
    前記第2材料層は、多孔質であり、
    化学的励起反応物の相互作用を利用して第1材料と第2材料の間の電荷キャリアを励起する、化学的励起固体発電機。
  13. 前記固体接合は、導電体−誘電体接合を有する、請求項12に記載の化学的励起固体発電機。
  14. 前記固体接合は、誘電体−誘電体接合を有する、請求項12に記載の化学的励起固体発電機。
  15. 前記固体接合は、誘電体−導電体−誘電体接合を有する、請求項12に記載の化学的励起固体発電機。
  16. 前記固体接合は、ショットキー接合を有する、請求項12に記載の化学的励起固体発電機。
  17. 前記固体接合は、pn接合を有する、請求項12に記載の化学的励起固体発電機。
  18. 前記ナノスケールのクラスタは、不連続で多孔状に前記第2材料を被覆する、請求項12に記載の化学的励起固体発電機。
  19. 前記第1材料層は、複数のナノスケールのクラスタを有する、請求項12に記載の化学的励起固体発電機。
  20. 前記ナノスケールのクラスタは、触媒を有する、請求項12に記載の化学的励起固体発電機。
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