JP5815005B2 - 分割パンチ - Google Patents
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Description
本発明は、主パンチと副パンチが互いに分割されている分割パンチに関する。
例えば、乗員の腰の前に配置される自動二輪車の燃料タンクは、燃料タンクの容積を稼ぐために上部を車幅方向に広げ、ニーグリップ性を高めるために下部を車幅方向に狭めることで、Ω状の断面形状を呈するものが主流となっている。燃料タンクは、ブランク材をダイに載せ、パンチをダイへ進入させることで、Ω状に成形し、底板を溶接することで製造される。
断面がΩ状の成形体は、成形は可能であるが、いわゆるアンダーカットにより成形後にパンチから外すことができない。対策として、パンチを分割構造にして、縮径することで、成形体をパンチから外すことができるようにすることが知られている(例えば、特許文献1(図5)参照。)。
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図8は従来の分割パンチの断面図であり、分割パンチ100は、中央の主パンチ101と、両側の副パンチ102、102とからなる。成形後に、主パンチ101を下げる。すると、副パンチ102、102を中央に寄せることができる。結果、分割パンチ100から、成形体103を上へ外すことができる(脱型工程)。
図8は従来の分割パンチの断面図であり、分割パンチ100は、中央の主パンチ101と、両側の副パンチ102、102とからなる。成形後に、主パンチ101を下げる。すると、副パンチ102、102を中央に寄せることができる。結果、分割パンチ100から、成形体103を上へ外すことができる(脱型工程)。
ところで、脱型工程前の成形工程では、分割パンチ100に、成形反力が作用する。この成形反力を受けると分割パンチ100は、撓む(具体的には縮む。)
この変形は、主パンチ100と副パンチ102、102に個別に発生する。
この変形は、主パンチ100と副パンチ102、102に個別に発生する。
副パンチ102、102は、アンダーカット形状を達成するために、局部的にくびれている。結果、主パンチ101に比較して撓み(縮み)易くなる。
結果、主パンチ101と副パンチ102、102との間に、図9(b)に示すような段差dができる。
結果、主パンチ101と副パンチ102、102との間に、図9(b)に示すような段差dができる。
また、段差dの発生は、次に述べる要因でも発生する。
成形反力は、プレス圧力と受圧面積の積で求めることができる。分割パンチ100に加わるプレス圧力(単位面積当たりの力)は、主パンチ101と副パンチ102、102で同一と考えることができる。
成形反力は、プレス圧力と受圧面積の積で求めることができる。分割パンチ100に加わるプレス圧力(単位面積当たりの力)は、主パンチ101と副パンチ102、102で同一と考えることができる。
図9(a)に示すように、主パンチ101の受圧面積に比較して、副パンチ102の受圧面積は大きくなる。すると、主パンチ101に作用する圧縮力P1より、副パンチ102、102に作用する圧縮力P2、P2が大きくなる。
主パンチ101の高さ寸法h1は圧縮されことで小さくなる。一方、副パンチ102、102の高さ寸法h2は大きな力で圧縮されるために、大きく圧縮される。
結果、図9(b)に示すように、主パンチ101と、副パンチ102、102との間に、段差dが生じる。この段差dは図面では強調して示したが、正しくは僅かである。しかし、僅かな段差であっても成形体に、デフォーム(例えば、凹凸やすじ模様など)を発生させる。デフォームを消す修正工程が別途必要となり、生産性に影響する。
結果、図9(b)に示すように、主パンチ101と、副パンチ102、102との間に、段差dが生じる。この段差dは図面では強調して示したが、正しくは僅かである。しかし、僅かな段差であっても成形体に、デフォーム(例えば、凹凸やすじ模様など)を発生させる。デフォームを消す修正工程が別途必要となり、生産性に影響する。
生産性向上の観点から、工程数の増加を抑制することが望まれる。
したがって、主パンチと副パンチからなる分割パンチにおいて、段差を発生させないような技術が求められる。
したがって、主パンチと副パンチからなる分割パンチにおいて、段差を発生させないような技術が求められる。
本発明は、主パンチと副パンチの間に段差を発生させないような分割パンチを提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、主パンチと、ワークのプレス成形時にアンダーカット形状するためにアンダーカット形成用凹部を有し前記主パンチに合わせ使用する副パンチとからなり、合わせ面を境にして前記主パンチと前記副パンチが互いに分割されている分割パンチであって、
前記合わせ面にて、前記主パンチに、前記副パンチへ突出する受け部を設け、前記副パンチに、前記受け部に載る被受け部を設け、成形反力を受けると、前記被受け部が前記受け部で支承されるようにし、
前記受け部の受け面と前記合わせ面とのなす角度は、鋭角に設定されていることを特徴とする。
前記合わせ面にて、前記主パンチに、前記副パンチへ突出する受け部を設け、前記副パンチに、前記受け部に載る被受け部を設け、成形反力を受けると、前記被受け部が前記受け部で支承されるようにし、
前記受け部の受け面と前記合わせ面とのなす角度は、鋭角に設定されていることを特徴とする。
請求項2に係る発明では、合わせ面にて、主パンチに、プレス方向に延びるキーを設け、このキーの一端に受け部を設け、副パンチに、キーに嵌るキー溝を設け、このキー溝の一端に被受け部を設けたことを特徴とする。
請求項3に係る発明では、キー溝の幅は、アンダーカット形成用凹部の長さに対応して設定し、キーの幅は、キー溝の幅に対応して設定されることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、主パンチに受け部を設け、副パンチに受け部に載る被受け部を設け、成形反力を受けると被受け部が受け部で支承されるようにした。
主パンチと副パンチとが一体化し一つの剛体となるため、主パンチと副パンチとの間に段差が発生しないか発生したとしても軽微となる。よって、デフォームが発生する心配はなく、形状が良好な成形体が得られる。
主パンチと副パンチとが一体化し一つの剛体となるため、主パンチと副パンチとの間に段差が発生しないか発生したとしても軽微となる。よって、デフォームが発生する心配はなく、形状が良好な成形体が得られる。
加えて、受け部の受け面と合わせ面とのなす角度は、鋭角に設定されているため、成形反力を受けると副パンチが主パンチへ付勢される。主パンチと副パンチの間に隙間が発生する心配が無く、主パンチと副パンチが一体化し、形状が良好な成形体が得られる。
請求項2に係る発明では、主パンチにキーを設け、副パンチに、キーに嵌るキー溝を設けた。
キー嵌合により、主パンチに対して副パンチが横ずれすることを防止することができ、主パンチと副パンチとを一体化することができる。
キー嵌合により、主パンチに対して副パンチが横ずれすることを防止することができ、主パンチと副パンチとを一体化することができる。
請求項3に係る発明では、キー溝の幅は、アンダーカット形成用凹部の長さに対応して設定し、キーの幅は、キー溝の幅に対応して設定した。
アンダーカット形成用凹部を設けた部位は他の部位より撓みやすく、ずれ易いい。本発明ではアンダーカット形成用凹部を設けた部位に対応してキー溝を設けた。キー溝をキーに嵌合することにより、ずれを防止することができる。
アンダーカット形成用凹部を設けた部位は他の部位より撓みやすく、ずれ易いい。本発明ではアンダーカット形成用凹部を設けた部位に対応してキー溝を設けた。キー溝をキーに嵌合することにより、ずれを防止することができる。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1に示すように、プレス装置10は、ボルスター11と、このボルスター11に載っているダイ12と、このダイ12に組み込まれているリ・ストライクパンチ13、13と、これらのリ・ストライク13、13を水平に往復させる第1シリンダ14、14と、ダイ12の上方に配置される昇降フレーム15と、この昇降フレーム15の中央に下向きに第2シリンダ16を介して取付けら下へ延びる主パンチ17と、この主パンチ17の側方に配置され且つ昇降フレーム15から下に延びるブラケット18に水平移動可能に支持される副パンチ19、19と、これらの副パンチ19、9を水平に移動するためにブラケット18に取付けられた第3シリンダ21、21と、副パンチ19の側方にて昇降フレーム15から下に延びる第4シリンダ22、22と、これらの第4シリンダ22、22の下端(ピストンロッドの下端)に固定されるブランクホルダ23、23とからなる。
リ・ストライク13、13は後退限位置にある。この状態で、ダイ12の凹部25へ液体27が満たされる。ダイ12にブランク材26を載せる。次に、昇降フレーム15を下げる。
図2にて、ブランクホルダ23、23でブランク材26の両端が押さえられる。次に、主パンチ17及び副パンチ19、19が、凹部25へ進入して、ブランク材26は、U断面となるように絞られる(絞り工程)。
次に、第1シリンダ14、14を伸動させ、リ・ストライクパンチ13、13を前進させる。結果、ブランク材26にアンダーカット形状が形成できる。
次に、第1シリンダ14、14を伸動させ、リ・ストライクパンチ13、13を前進させる。結果、ブランク材26にアンダーカット形状が形成できる。
次に、図3にて、第1シリンダ14、14を縮動させて、リ・ストライク13、13は後退させる。並行して、第2シリンダ16を縮動させ、主パンチ17を上昇する。この主パンチ17の移動により、副パンチ19、19の横移動が可能となる。第3シリンダ21、21を伸動させ、副パンチ19、19を互いに中心に寄せる。これで、成形体28からパンチ17、19、19を外すことができる。昇降フレーム15を上昇することで、パンチ17、19、19及びブランクホルダ23、23を上げる。
図4に示すように、分割パンチ30は、主パンチ17と、ワークのプレス成形時にアンダーカット形状するためにアンダーカット形成用凹部31、31を有し主パンチ17に合わせ使用する副パンチ19、19とからなり、合わせ面32を境にして主パンチ17と副パンチ19、19が互いに分割されているパンチである。
なお、図4では便宜上、分割パンチ30の向きを、図1に対して天地逆にした。以下同様。
なお、図4では便宜上、分割パンチ30の向きを、図1に対して天地逆にした。以下同様。
そして、合わせ面32にて、主パンチ17に、副パンチ19へ突出する受け部33を設け、副パンチ19に、受け部33に載る被受け部34を設け、成形反力を受けると、被受け部34が受け部33で支承されるようにした。
加えて、受け部33の受け面(図5、符号33a)と合わせ面32とのなす角度αは、鋭角に設定した。なお、鈍角は90°未満の角度を意味する。
加えて、受け部33の受け面(図5、符号33a)と合わせ面32とのなす角度αは、鋭角に設定した。なお、鈍角は90°未満の角度を意味する。
また、受け部33と被受け部34は、アンダーカット形成用凹部31、31よりパンチ先端側に設けることが望まれる。
図5に示すように、主パンチ17において、パンチ先端から受け部33までの高さをH1とすると、圧縮力P1によりH1は縮む。また、副パンチ19において、パンチ先端から被受け部34までの高さをH2とすると、圧縮力P2によりH2は縮む。しかし、受け部33で被受け部34が支承されているため、主パンチ17と副パンチ19とが一体化し一つの剛体となる。結果、高さH1の縮み代と高さH2の縮み代に差が発生しないか発生してもごく僅かである。よって、パンチ先端において、主パンチ17と副パンチ19との間に段差が発生しないか発生したとしても軽微である。
図5に示すように、主パンチ17において、パンチ先端から受け部33までの高さをH1とすると、圧縮力P1によりH1は縮む。また、副パンチ19において、パンチ先端から被受け部34までの高さをH2とすると、圧縮力P2によりH2は縮む。しかし、受け部33で被受け部34が支承されているため、主パンチ17と副パンチ19とが一体化し一つの剛体となる。結果、高さH1の縮み代と高さH2の縮み代に差が発生しないか発生してもごく僅かである。よって、パンチ先端において、主パンチ17と副パンチ19との間に段差が発生しないか発生したとしても軽微である。
加えて、受け面33aと合わせ面32とのなす角度αが、鋭角に設定されているため、成形反力を受けると副パンチ19が主パンチ17へ付勢され、主パンチ17と副パンチ19の間に隙間が発生する心配が無くなる。
図6(a)は、図4の6a矢視図であり、主パンチ17の側面には、プレス方向に伸びるキー36が形成されている。
また、図6(b)は、図4の6b矢視図であり、副パンチ19の内側面には、プレス方向に伸びるキー溝37が形成されている。
また、図6(b)は、図4の6b矢視図であり、副パンチ19の内側面には、プレス方向に伸びるキー溝37が形成されている。
キー36にキー溝37を嵌めることにより、主パンチ17に対して、副パンチ19は図面上下(プレス方向)には移動可能であるものの図面左右(プレス方向と直交する方向)には移動不能である。したがって、主パンチ17から副パンチ19が不都合に横ずれする心配は無くなる。
なお、キー36とキー溝37との間に、はめあい公差と呼ばれる微小な隙間が不可避的に存在する。この微小な隙間の分だけ主パンチ17に対して副パンチ19がずれる可能性はある。
そこで、本例では、キー36の先端を山型(V字状)にした。対応してキー溝37の先端を谷型(V字状)にした。
図面下向きに成形反力が加わると、山の頂点38に谷の底39が合致する。結果、主パンチ17に対して副パンチ19がずれる心配が更になくなる。
そこで、本例では、キー36の先端を山型(V字状)にした。対応してキー溝37の先端を谷型(V字状)にした。
図面下向きに成形反力が加わると、山の頂点38に谷の底39が合致する。結果、主パンチ17に対して副パンチ19がずれる心配が更になくなる。
次に、キー36及びキー溝37の幅を検討する。
キー溝37の幅Wは任意に設定することは差し支えない。
しかし、図7に示すように、キー溝37の幅Wは、アンダーカット形成用凹部31の長さに対応して設定することが推奨される。必然的に、キー36の幅wは、キー溝37の幅Wに対応して設定される。
キー溝37の幅Wは任意に設定することは差し支えない。
しかし、図7に示すように、キー溝37の幅Wは、アンダーカット形成用凹部31の長さに対応して設定することが推奨される。必然的に、キー36の幅wは、キー溝37の幅Wに対応して設定される。
アンダーカット形成用凹部31を設けた部位は他の部位より撓みやすく、ずれ易い。本発明ではアンダーカット形成用凹部31を設けた部位に対応してキー溝37を設けた。キー溝37をキー36に嵌合することにより、ずれを防止することができる。
尚、実施例では、分割パンチは1個の主パンチと2個の副パンチで構成したが、1個の主パンチと1個の副パンチで構成してもよく、1個の主パンチと3個以上の副パンチで構成することも可能となり、副パンチの数は任意である。
また、本発明の分割パンチが対象とする成形体は、Ω字形断面を含む燃料タンクが好適であるが、アンダーカット形状を含む成形体であれば、成形体の種類は問わない。
また、本発明の分割パンチが対象とする成形体は、Ω字形断面を含む燃料タンクが好適であるが、アンダーカット形状を含む成形体であれば、成形体の種類は問わない。
本発明の分割パンチは、Ω字形断面を含む燃料タンクの成形に好適である。
10…プレス装置、17…主パンチ、19…副パンチ、30…分割パンチ、31…アンダーカット形成用凹部、32…合わせ面、33…受け部、33a…受け部の受け面、34…被受け部、36…キー、37…キー溝、W…キー溝の幅。
Claims (3)
- 主パンチと、ワークのプレス成形時にアンダーカット形状するためにアンダーカット形成用凹部を有し前記主パンチに合わせ使用する副パンチとからなり、合わせ面を境にして前記主パンチと前記副パンチが互いに分割されている分割パンチであって、
前記合わせ面にて、前記主パンチに、前記副パンチへ突出する受け部を設け、前記副パンチに、前記受け部に載る被受け部を設け、成形反力を受けると、前記被受け部が前記受け部で支承されるようにし、
前記受け部の受け面と前記合わせ面とのなす角度は、鋭角に設定されていることを特徴とする分割パンチ。 - 前記合わせ面にて、前記主パンチに、プレス方向に延びるキーを設け、このキーの一端に前記受け部を設け、前記副パンチに、前記キーに嵌るキー溝を設け、このキー溝の一端に前記被受け部を設けたことを特徴とする請求項1記載の分割パンチ。
- 前記キー溝の幅は、前記アンダーカット形成用凹部の長さに対応して設定し、前記キーの幅は、前記キー溝の幅に対応して設定されることを特徴とする請求項2記載の分割パンチ。
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JP2013231344A JP5815005B2 (ja) | 2013-11-07 | 2013-11-07 | 分割パンチ |
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JP7403794B2 (ja) | 2019-11-07 | 2023-12-25 | 太陽工業株式会社 | 複動プレス金型 |
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2013
- 2013-11-07 JP JP2013231344A patent/JP5815005B2/ja active Active
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