以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。
[パチンコ遊技機1の概略構成例]
まず、図1〜図3を参照しつつ、パチンコ遊技機1の概略構成について説明する。ここで、図1は、パチンコ遊技機1の概略正面図である。図2は、第2大入賞口19の構成例について説明するための概略図である。図3は、パチンコ遊技機1の一部を示す概略平面図である。図1に例示されるように、パチンコ遊技機1は、入賞や判定に関する役物等が設けられた遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材3とを備えている。枠部材3は、遊技盤2と所定の間隔を隔てて平行配置された透明なガラス板を支持しており、このガラス板と遊技盤2とによって、遊技球が流下可能な遊技領域10が形成されている。
遊技者がハンドル20を握ってレバー21を時計方向に回転させると、上皿28に溜められた遊技球が発射装置(不図示)へと案内され、ハンドル20の回転角度に応じた打球力で遊技領域10へと発射される。この遊技領域10には、不図示の遊技クギや風車等が設けられており、発射された遊技球は、遊技領域10における上部位置へと案内され、遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら遊技盤2に沿って落下する。なお、遊技球の発射は、遊技者が停止ボタン22を操作することによって一時的に停止される。
上皿28は、発射装置へ供給される遊技球及び賞球を溜めるものである。この上皿28の下方には、賞球を溜める下皿29が設けられている。この下皿29と近接配置された取り出しボタン23を遊技者が操作すると、下皿29の下面の一部が開口されて、下皿29に溜まった遊技球が下皿29の下方に配置された不図示の箱に落下する。
遊技者がハンドル20を小さい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「左打ち」を行うと、遊技球が相対的に弱い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、矢印31に例示されるように遊技領域10における左側領域を流下する。一方、遊技者がハンドル20を大きい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「右打ち」を行うと、遊技球が相対的に強い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、矢印32に例示されるように遊技領域10における右側領域を流下する。
左打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、第1始動口11、第2始動口12、2つの普通入賞口14、及び電動チューリップ17が設けられている。また、右打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、上記第2始動口12、第1大入賞口13、2つの普通入賞口14、ゲート16、上記電動チューリップ17、及び第2大入賞口19が設けられている。
遊技領域10に打ち出された遊技球は、遊技盤2に沿って流下する過程で、第1始動口11、第2始動口12、第1大入賞口13、普通入賞口14、及び第2大入賞口19のいずれかに入球して入賞する。これにより、入賞した箇所に応じた所定数の賞球が上皿28又は下皿29に払い出される。なお、入賞しなかった遊技球は、排出口18を介して遊技領域10から排出される。
第1始動領域としての第1始動口11は、常時開放されている始動口であり、第2始動領域としての第2始動口12は、普通電動役物としての電動チューリップ17が作動しているときだけ開放される始動口である。パチンコ遊技機1では、遊技球が第1始動口11を通過して入賞した場合、又は遊技球が第2始動口12を通過して入賞した場合、遊技者にとって有利な大当たり遊技(特別遊技)を実行するか否かが判定され、その判定結果が後述する表示器4に表示される。
なお、以下の説明では、第1始動口11への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第1特別図柄判定」と呼び、第2始動口12への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第2特別図柄判定」と呼び、これらの判定を総称して「特別図柄判定」と呼ぶものとする。
第1大入賞口13は、特別図柄判定の結果に応じて開放される。この第1大入賞口13の開口部には、第1大入賞口13を開閉するプレートが設けられている。第1大入賞口13は、通常はこのプレートによって閉塞されている。これに対して、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す所定の大当たり図柄が表示器4に停止表示された場合、上記プレートを作動させて第1大入賞口13を開放する大当たり遊技が実行される。大当たり遊技中は、所定条件(本実施形態では、第1大入賞口13への9個の遊技球の入賞、又は第1大入賞口13が開放されてから29.5秒の経過)を満たすまで第1大入賞口13が開放状態に維持されてから閉塞されるラウンド遊技が所定回数実行される。このため、遊技者は、大当たり遊技中に右打ちを行うことで、大当たり遊技が行われていないときに比べてより多くの賞球を得ることができる。
第2大入賞口19は、特別図柄判定の結果に応じて開放される。この第2大入賞口19の開放部には、図1及び図2に例示されるように、第2大入賞口19を開閉する第1羽根部材191が設けられている。後に詳述するが、大当たり遊技中は、上述した第1大入賞口13を開放する4回目のラウンド遊技に続いて、所定条件(本実施形態では、第2大入賞口19が開放されてから0.1秒の経過、又は第2大入賞口19への9個の遊技球の入賞或いは第2大入賞口19が開放されてから29.5秒の経過)を満たすまで第2大入賞口19が開放状態に維持されてから閉塞されるラウンド遊技が所定回数(本実施形態では1回)実行される。
この第2大入賞口19の内部には、図2に例示されるように、第2大入賞口19に入賞した遊技球を検知する第2大入賞口スイッチ116と、この第2大入賞口スイッチ116を通過した遊技球を特別入賞領域としてのV領域195、又はハズレ領域196へと案内する第2羽根部材192と、V領域195への遊技球の進入を検知するV入賞口スイッチ117とが設けられている。
大当たり遊技が行われていないときには、第2大入賞口19が第1羽根部材191によって閉塞されると共に、V領域195が第2羽根部材192によって閉塞されている(図2(A)参照)。これに対して、大当たり遊技が開始されて第1大入賞口13を開放する4回目のラウンド遊技が終了すると、まず、第1羽根部材191が回動して第2大入賞口19が開放される(図2(B)参照)。図2(B)に示される状態では、V領域195が第2羽根部材192によって閉塞されている。このため、第2大入賞口19内に進入した遊技球は、第2羽根部材192によってハズレ領域196へと案内される。
これに対して、第2大入賞口19の開放開始から所定時間(本実施形態では3秒)が経過すると、第2羽根部材192が設定時間(本実施形態では10秒)だけV領域195を開放した開姿勢(図2(C)参照)を維持した後にV領域195を閉塞する閉姿勢(図2(B)参照)に戻る。このため、第2大入賞口19が第1羽根部材191によって開放されると共にV領域195が第2羽根部材192によって開放されている間に、遊技球のV領域195への進入(以下「V入賞」ともいう。)が可能となる。
このように、本実施形態では、V領域195は、第1羽根部材191及び第2羽根部材192の両方が同時期に動作することによって、遊技球が通過し難い通過困難状態から通過し易い通過容易状態へと一時的に変化する。
図2に例示されるように、V領域195に進入する遊技球は、V入賞口スイッチ117によって検知される。このV入賞口スイッチ117を通過した遊技球は、必ずV領域195を通過する。このため、V入賞口スイッチ117は、V領域195に対する遊技球の通過を検知する検知手段として機能することになる。また、このV入賞口スイッチ117は、確変スイッチとして機能も併せ持つ。このため、第2大入賞口19に入賞した遊技球がこのV入賞口スイッチ117によって検知されると、大当たり遊技が終了した後に、大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い低確率状態からその確率が相対的に高い高確率状態へと移行する。また、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、この高確率状態への移行に伴い、第2始動口12が開放され易くなるいわゆる電チューサポート機能が付与される。後に詳述するが、本実施形態では、電チューサポート機能が付与される高確率状態は、最長で、第2特別図柄判定(又は第1特別図柄判定)が115回実行されるまで継続する。
なお、後に詳述するが、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、V領域195への遊技球の進入が困難な動作態様で第1羽根部材191及び第2羽根部材192を動作させる「通常大当たり」と、逆にV領域195への遊技球の進入が容易な動作態様で第1羽根部材191及び第2羽根部材192を動作させる「確変大当たり」との2種類の大当たりが用意されている。基本的には、後者の大当たりに当選した場合にのみ、上述した高確率状態への移行が可能となる。
電動チューリップ17は、第2始動口12に近接配置されており、一対の羽根部材を有している。この電動チューリップ17は、一対の羽根部材が第2始動口12を閉塞する閉姿勢(図1参照)と、第2始動口12を開放する開姿勢(不図示)とに姿勢変化可能に構成されている。
第2始動口12は、図1に例示されるように、通常は電動チューリップ17によって閉塞されている。これに対して、遊技球がゲート16を通過すると、賞球の払い出しは行われないものの、第2始動口12を開放するか否かが判定される。ここで、第2始動口12を開放すると判定された場合、電動チューリップ17の一対の羽根部材が規定時間開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作が規定回数行われる。このように、第2始動口12は、電動チューリップ17が作動していないときには遊技球が通過し難い状態であるのに対して、電動チューリップ17が作動することによって遊技球が通過し易い状態となる。なお、以下の説明では、ゲート16に対する遊技球の通過を条件として実行される判定を「普通図柄判定」と呼ぶものとする。
普通入賞口14は、第1始動口11と同様に常時開放されており、遊技球の入賞によって所定個数の賞球が払い出される入賞口である。なお、第1始動口11等とは異なり、普通入賞口14に遊技球が入賞しても判定が行われることはない。
[パチンコ遊技機1の演出手段の構成例]
図1に例示されるように、遊技盤2又は枠部材3には、各種の演出を行う演出手段として、液晶表示装置5、スピーカ24、可動役物7、盤ランプ25、センターランプ30、及び回転演出装置38,39が設けられている。また、枠部材3には、図1には示されていない枠ランプ37(図16参照)が内蔵されている。
液晶表示装置5は、演出画像を表示する画像表示装置であり、液晶表示装置5の表示画面は、遊技者によって視認され易い位置に設けられている。この表示画面には、例えば、特別図柄判定の判定結果を報知する装飾図柄、予告演出などを行うキャラクタやアイテム、特別図柄判定が保留されている数だけ表示される保留表示画像等の各種表示オブジェクトを含む演出画像が表示される。なお、画像表示装置は、有機EL表示装置等の他の画像表示装置によって構成されてもよい。
スピーカ24は、液晶表示装置5で行われる表示演出と同期するように、或いは非同期に楽曲や音声、効果音等を出力して音による演出を行う。
可動役物7は、遊技盤2に対して可動に構成されており、可動役物7自体の動きと光との両方或いは一方によって各種の演出を行う。
盤ランプ25及び枠ランプ37は、点灯又は点滅のパターンの変更、発光色の変更等の光による各種の演出を行う。センターランプ30は、例えばカラーLEDを有して構成されており、発光色や発光パターンの変更等によって、各種の演出を行う。回転演出装置38,39は、内蔵された発光素子と発光素子の周辺を回転する回転体とによって各種の演出を行う。
[パチンコ遊技機1の操作手段の構成例]
図3に例示されるように、枠部材3には、遊技者が操作する操作手段として、演出ボタン26及び十字キー27が設けられている。演出ボタン26は、遊技者が押下することによって操作情報を入力するための押ボタンである。十字キー27は、遊技者が選択操作を行うためのいわゆる十字キーである。パチンコ遊技機1では、演出ボタン26又は十字キー27の操作に応じた演出が行われる場合がある。
[表示器4の構成例]
図4は、図1における表示器4の拡大図である。表示器4は、主に特別図柄判定や普通図柄判定に関する情報を表示するものであり、図4に例示されるように、第1特別図柄表示器41、第1特別図柄保留表示器42、第2特別図柄表示器43、第2特別図柄保留表示器44、普通図柄表示器45、普通図柄保留表示器46、及び、ラウンド表示器47などを有して構成されている。
第1特別図柄表示器41は、第1特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第1特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって第1特別図柄判定の判定結果を報知する。第2特別図柄表示器43は、第2特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第2特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって第2特別図柄判定の判定結果を報知する。第1特別図柄表示器41及び第2特別図柄表示器43には、判定図柄として、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す大当たり図柄、又は、特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを示すハズレ図柄が停止表示される。
第1特別図柄保留表示器42は、第1特別図柄判定の保留数を表示する。第2特別図柄保留表示器44は、第2特別図柄判定の保留数を表示する。
普通図柄表示器45は、普通図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから普通図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって普通図柄判定の判定結果を報知する。普通図柄保留表示器46は、普通図柄判定の保留数を表示する。ラウンド表示器47は、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に大当たり図柄が停止表示されると、大当たり遊技中の大入賞口13の開放パターンを表示する。
なお、以下の説明では、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器43に表示される図柄を「特別図柄」と呼び、普通図柄表示器45に表示される図柄を「普通図柄」と呼ぶものとする。
[各種乱数を用いた判定方法と各種大当たりの説明]
次に、図5を参照しつつ、各種乱数を用いた判定方法について説明する。ここで、図5は、大当たり判定処理に使用される各種乱数を例示した説明図である。なお、図5では、説明の便宜上、各種乱数の取り得る範囲を実際よりもかなり狭くして説明を行っている。
図5(A)に例示される大当たり乱数は、大当たり遊技を実行するか否かを決定するための判定に使用される乱数であり、大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い低確率状態と、大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に高い高確率状態とのそれぞれについて、個別に設定されている。
本実施形態では、低確率状態に関して、「0」のみの1個の当選値が予め設定されており、低確率状態で遊技が制御されているときに、遊技球が第1始動口11(又は第2始動口12)に入賞したタイミングで取得された大当たり乱数がこの当選値と一致した場合に、大当たり遊技を実行する(大当たりである)と判定される。
また、高確率状態に関して、「0」〜「2」の3個の当選値が予め設定されており、高確率状態で遊技が制御されているときに、遊技球が第2始動口12(又は第1始動口11)に入賞したタイミングで取得された大当たり乱数がこれらの当選値のいずれかと一致した場合に、大当たり遊技を実行すると判定される。
ここで、大当たり乱数の取り得る範囲は、低確率状態と高確率状態とのいずれの場合も「0」〜「239」である。このため、低確率状態での大当たり当選確率は1/240であり、高確率状態での大当たり当選確率は3/240(=1/80)である。このため、本実施形態では、高確率状態のときには、低確率状態のときに比べて3倍大当たりとなり易い。
大当たり乱数に基づいて大当たりである(大当たり遊技を実行する)と判定された場合、始動口入賞時にその大当たり乱数と一緒に取得された図柄乱数が、大当たりの種類毎に予め設定された図柄乱数の乱数値のうちのどの乱数値と一致するかに基づいて、大当たりの種類を決定する処理が行われる。
図5(B)に例示されるように、本実施形態では、第1始動口入賞による大当たりの種類として、4R通常当たり、5R確変当たり、16R確変当たりの3種類が用意されている。ここで、4R通常当たりは、所定条件を満たすまで第1大入賞口13を長開放する4回の長開放ラウンド遊技を含む大当たり遊技が行われると共に、大当たり遊技が終了した後に、時短遊技状態で遊技が制御されることになる大当たりである。
5R確変当たりは、所定条件を満たすまで第1大入賞口13を長開放する4回の長開放ラウンド遊技と、所定条件を満たすまで第2大入賞口19を長開放する1回の長開放ラウンド遊技とを含む大当たり遊技が行われると共に、第2大入賞口19に係る長開放ラウンド遊技中に遊技球がV領域195を通過したことを条件として、大当たり遊技が終了した後に、確変遊技状態で遊技が制御されることになる大当たりである。
16R確変当たりは、所定条件を満たすまで第1大入賞口13を長開放する4回の長開放ラウンド遊技と、所定条件を満たすまで第2大入賞口19を長開放する1回の長開放ラウンド遊技と、所定条件を満たすまで第1大入賞口13を長開放する11回の長開放ラウンド遊技とを含む大当たり遊技が行われると共に、第2大入賞口19に係る長開放ラウンド遊技中に遊技球がV領域195を通過したことを条件として、大当たり遊技が終了した後に、確変遊技状態で遊技が制御されることになる大当たりである。
ここで、パチンコ遊技機1における遊技状態について説明する。本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、「通常遊技状態」、「確変遊技状態」、及び「時短遊技状態」の3つの遊技状態のいずれかで遊技が制御される(図8参照)。
「通常遊技状態」は、上述した低確率状態で特別図柄判定(大当たり判定)が行われると共に、いわゆる電チューサポート機能が付与されない通常の遊技状態である。すなわち、通常遊技状態では、特別図柄判定によって大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い確率(本実施形態では1/240:図5(A)参照)に設定される。また、普通図柄判定によって第2始動口12を開放すると判定される確率が相対的に低い確率(例えば1/12)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に長い時間(例えば25秒)に設定され、且つ第2始動口12を開放すると判定された場合の第2始動口12の開放時間が相対的に短い時間(例えば0.1秒×1回)に設定される。
「確変遊技状態」は、上述した高確率状態で特別図柄判定が行われると共に、電チューサポート機能が付与される遊技状態である。すなわち、確変遊技状態では、特別図柄判定によって大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に高い確率(本実施形態では1/80:図5(A)参照)に設定される。また、普通図柄判定によって第2始動口12を開放すると判定される確率が相対的に高い確率(例えば12/12)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に短い時間(例えば2秒)に設定され、且つ第2始動口12を開放すると判定された場合の第2始動口12の開放時間が相対的に長い時間(例えば1.6秒×3回)に設定される。
なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、遊技状態を確変遊技状態に移行させる大当たり(本実施形態では、5R確変当たり又は16R確変当たり)に当選して大当たり遊技が終了してから特別図柄判定が115回行われるまで確変遊技状態で遊技が制御される。そして、この115回の特別図柄判定が行われるまでに大当たりとならなかった場合は、115回目の特別図柄判定が行われた後に、遊技状態が確変遊技状態から通常遊技状態に戻される。
「時短遊技状態」は、上述した低確率状態で特別図柄判定が行われると共に、電チューサポート機能が付与される遊技状態である。すなわち、時短遊技状態では、特別図柄判定によって大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い確率(本実施形態では1/240)に設定される。また、普通図柄判定によって第2始動口12を開放すると判定される確率が相対的に高い確率(例えば12/12)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に短い時間(例えば2秒)に設定され、且つ第2始動口12を開放すると判定された場合の第2始動口12の開放時間が相対的に長い時間(例えば1.6秒×3回)に設定される。
なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、遊技状態を時短遊技状態に移行させる大当たり(本実施形態では4R通常当たり)に当選して大当たり遊技が終了してから特別図柄判定が100回行われるまで時短遊技状態で遊技が制御される。そして、この100回の特別図柄判定が行われるまでに大当たりとならなかった場合は、100回目の特別図柄判定が行われた後に、遊技状態が時短遊技状態から通常遊技状態に戻される。
図5(B)に例示されるように、第1始動口11に遊技球が入賞した際に取得される図柄乱数の取り得る範囲は、本実施形態では「0」〜「99」である。これに対して、4R通常当たりに関して「0」〜「49」の50個の乱数値が割り当てられているので、50/100の割合で4R通常当たりとなる。また、5R確変当たりに関して「50」〜「89」の40個の乱数値が割り当てられているので、40/100の割合で5R確変当たりとなる。また、16R確変当たりに関して「90」〜「99」の10個の乱数値が割り当てられているので、10/100の割合で16R確変当たりとなる。
図6(A)は、第1始動口11に係る大当たりの内訳を示した説明図である。第1始動口入賞に係る各種大当たりに対して図5(B)に基づいて上述したように乱数値が予め設定されているので、遊技球が第1始動口11に入賞して大当たりとなった場合には、大当たり遊技が終了した後に、基本的には、50%の割合で確変遊技状態に移行することになり、残りの50%については、時短遊技状態に移行することになる。
一方、図5(C)に例示されるように、第2始動口入賞による大当たりの種類としては、上述した5R確変当たり及び16R確変当たりの2種類が用意されている。第2始動口12に遊技球が入賞した際に取得される図柄乱数の取り得る範囲も、「0」〜「99」である。これに対して、5R確変当たりに関して「0」〜「39」の40個の乱数値が割り当てられているので、40/100の割合で5R確変当たりとなる。また、16R確変当たりに関して「40」〜「99」の60個の乱数値が割り当てられているので、60/100の割合で16R確変当たりとなる。
図6(B)は、第2始動口12に係る大当たりの内訳を示した説明図である。第2始動口入賞に係る各種大当たりに対して図5(C)に基づいて上述したように乱数値が予め設定されているので、遊技球が第2始動口12に入賞して大当たりとなった場合には、大当たり遊技が終了した後に、100%の割合で確変遊技状態に移行することになる。このため、遊技者は、確変遊技状態で遊技が制御されているときに、大当たり遊技が終了してから115回転以内に大当たりを引き当てることで、有利な状態を継続させることができる。
また、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、第1特別図柄判定よりも第2特別図柄判定の方が優先消化される。つまり、第1特別図柄判定と第2特別図柄判定とが両方保留されている場合においては、第2特別図柄判定が先に行われ、保留されていた第2特別図柄判定が全て行われた後で第1特別図柄判定が行われる。
[大当たり遊技の説明]
次に、図7を参照しつつ、大当たり遊技中の第1大入賞口13、第2大入賞口19、及びV領域195のそれぞれの状態変化について説明する。ここで、図7は、大当たり遊技について説明するためのタイムチャートである。
図7(A)には、4R通常当たりとなって大当たり遊技が行われる場合の大当たり遊技中の第1大入賞口13、第2大入賞口19、及びV領域195の状態変化が例示されている。4R通常当たりとなった場合、図7(A)に例示されるように、まず、所定条件が成立するまで第1大入賞口13を開放状態に維持した後に閉塞状態に戻す長開放ラウンド遊技が4回繰り返される。第1大入賞口13を開放するラウンド遊技に関する所定条件は、大当たりの種類に関わらず、第1大入賞口13への9個の遊技球の入賞、又は第1大入賞口13の開放開始から29.5秒の経過である。
第1大入賞口13に係る4ラウンド目の長開放ラウンド遊技が終了すると、第1羽根部材191を動作させて第2大入賞口19を0.1秒間だけ開放する短開放ラウンド遊技が行われる(図7(A)参照)。そして、この第2大入賞口19の開放開始から3秒が経過すると、第2羽根部材192を動作させてV領域195を10秒間開放する開放動作が行われる。
このように、4R通常当たりとなって大当たり遊技が行われる場合には、第2大入賞口19が0.1秒間という極めて短い時間しか開放されないため、第2大入賞口19に遊技球が入賞する可能性は極めて低い。また、第2大入賞口19の開放開始から3秒が経過するまではV領域195が開放されないため、仮に第2大入賞口19の開放時に第2大入賞口19内に遊技球が進入したとしても、その遊技球がV領域195に進入することはない。このように、4R通常当たりに係る大当たり遊技は、V領域195に対する遊技球の通過が容易である通過容易状態への移行を伴わない大当たり遊技である。
図7(B)には、5R確変当たりとなって大当たり遊技が行われる場合の大当たり遊技中の第1大入賞口13、第2大入賞口19、及びV領域195の状態変化が例示されている。5R確変当たりとなった場合、図7(B)に例示されるように、まず、4R通常当たりの場合と同様に、所定条件が成立するまで第1大入賞口13を開放状態に維持した後に閉塞状態に戻す長開放ラウンド遊技が4回繰り返される。
第1大入賞口13に係る4回目の長開放ラウンド遊技が終了すると、第2大入賞口19に9個の遊技球が入賞するか、又は第2大入賞口19の開放開始から29.5秒が経過するまで第1羽根部材191を動作させて第2大入賞口19を開放する長開放ラウンド遊技が行われる。そして、この第2大入賞口19の開放開始から3秒が経過すると、第2羽根部材192を動作させてV領域195を10秒間開放する開放動作が行われる。
このように、5R確変当たりとなって大当たり遊技が行われる場合には、第2大入賞口19及びV領域195がいずれも長開放される上に、それぞれの開放期間が時間的に重なる(図7(B)参照)。このため、遊技者は、普通に右打ちさえ行っていれば、5ラウンド目の長開放ラウンド遊技中に遊技球を容易にV入賞させることができる。そして、遊技球がV領域195を通過すると、大当たり遊技が終了した後に、確変遊技状態に移行することになる。このように、5R確変当たりに係る大当たり遊技は、V領域195の通過容易状態への移行を伴う大当たり遊技である。
図7(C)には、16R確変当たりとなって大当たり遊技が行われる場合の大当たり遊技中の第1大入賞口13、第2大入賞口19、及びV領域195の状態変化が例示されている。16R確変当たりとなった場合、図7(C)に例示されるように、5R確変当たりの場合と同様に、所定条件が成立するまで第1大入賞口13を開放状態に維持した後に閉塞状態に戻す4回の長開放ラウンド遊技と、所定条件が成立するまで第2大入賞口19を開放状態に維持した後に閉塞状態に戻す1回の長開放ラウンド遊技とが行われる。そして、第2大入賞口19に係る長開放ラウンド遊技が終了すると、所定条件が成立するまで第1大入賞口13を開放状態に維持した後に閉塞状態に戻す11回の長開放ラウンド遊技が行われる。
この16確変当たりとなって大当たり遊技が行われる場合についても、第2大入賞口19に係る5ラウンド目の長開放ラウンド遊技に伴ってV領域195が長開放されるので、遊技球がV領域195を通過したことを条件として、大当たり遊技が終了した後に、確変遊技状態に移行する。
このように、4R通常当たりの場合には大当たり遊技終了後に時短遊技状態に移行し、5R確変当たり又は16R確変当たりの場合には大当たり遊技終了後に確変遊技状態に移行する。なお、5R確変当たり又は16R確変当たりとなって大当たり遊技中に第2大入賞口19が長開放された場合であっても、遊技球が少なくとも1つはV領域195を通過していなければ、確変状態には移行しない。このように、第2大入賞口19及びV領域195の開放中に遊技球が1つもV入賞しなかった場合には、4R通常当たりに対する大当たり遊技終了後と同様に、時短遊技状態に移行することになる。
[遊技の流れについて]
次に、図8を参照しつつ、パチンコ遊技機1における遊技の流れについて説明する。ここで、図8は、パチンコ遊技機1における遊技の流れについて説明するための説明図である。
上述したように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、通常遊技状態、確変遊技状態、又は時短遊技状態のいずれかの遊技状態で遊技が制御される。遊技盤2の盤面構成上、遊技領域10の左側領域に打ち出された遊技球が第1始動口11に入賞可能であるのに対して、遊技領域10の右側領域に打ち出された遊技球が第1始動口11に入賞することはない。また、通常遊技状態のときには第2始動口12が開放状態になり難く、且つ開放状態になったとしても第2始動口12に遊技球が入賞するのは稀である。このため、通常遊技状態のときに右打ちを行うメリットはない。このように、通常遊技状態は、遊技球を遊技領域10の左側領域に打ち出した方が右側領域に打ち出すよりも大当たりを引き当て易い左側有利状態である。このため、遊技者は、例えば液晶表示装置5に表示されるメッセージやスピーカ24から出力される音声ガイダンスに従って左打ちを行うことになる。
通常遊技状態のときに遊技者が左打ちを行って遊技領域10の左側領域に打ち出された遊技球が第1始動口11に入賞すると、第1特別図柄判定が行われ、第1特別図柄表示器41に特別図柄が変動表示された後にその第1特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄が停止表示される。ここで、第1特別図柄判定によって大当たり遊技を実行しないと判定された場合には、ハズレ図柄が停止表示される。一方、大当たり遊技を実行すると判定された場合には、図5(B)に基づいて上述した4R通常当たりを示す大当たり図柄、5R確変当たりを示す大当たり図柄、又は16R確変当たりを示す大当たり図柄が第1特別図柄表示器41に停止表示された後に、それぞれの大当たりに応じた大当たり遊技が行われる。
4R通常当たりを示す大当たり図柄が停止表示されると(図8(A)参照)、図7(A)に基づいて上述した大当たり遊技が行われる。この大当たり遊技中には、基本的に遊技球がV領域195を通過することはないため、大当たり遊技が終了すると、時短遊技状態に移行する(図8(B)参照)。
一方、5R確変当たりを示す大当たり図柄、又は16R確変当たりを示す大当たり図柄が停止表示されると(図8(C)参照)、図7(B)に基づいて上述した大当たり遊技、又は図7(C)に基づいて上述した大当たり遊技が行われる。これらの大当たり遊技中には、第2大入賞口19及びV領域195が同時期に長開放されるため、第2大入賞口19に係る長開放ラウンド遊技中に遊技球がV入賞していれば、大当たり遊技が終了した後に、確変遊技状態に移行する(図8(D)参照)。一方、第2大入賞口19に係る長開放ラウンド遊技中に遊技球がV入賞しなかった場合には、確変遊技状態ではなく時短遊技状態に移行する(図8(E)参照)。
遊技状態が確変遊技状態に移行すると、高確率状態で特別図柄判定が行われると共に、ゲート16に遊技球を通過させることで通常遊技状態のときに比べて第2始動口12が開放状態になり易くなる。このように、確変遊技状態は、遊技球を遊技領域10の右側領域に打ち出した方が左側領域に打ち出すよりも大当たりを引き当て易い右側有利状態である。このため、遊技者は、液晶表示装置5に表示されるメッセージやスピーカ24から出力される音声ガイダンスに従って右打ちを行うことになる。
確変遊技状態のときに遊技者が右打ちを行って遊技領域10の右側領域に打ち出された遊技球がゲート16を通過すると、普通図柄判定が行われる。上述したように、確変遊技状態における普通図柄判定では、12/12の割合で第2始動口12を開放すると判定され、その上、第2始動口12の開放時間が相対的に長い(本実施形態では1.6秒×3回)。このため、遊技領域10の右側領域に打ち出された遊技球が第2始動口12に容易に入賞して、高確率状態で第2特別図柄判定が行われる。このため、確変遊技状態においては、通常遊技状態のときに比べて、大当たりを容易に引き当てることができる。
右打ちされた遊技球が第2始動口12に入賞すると、第2特別図柄判定が行われ、第2特別図柄表示器43に特別図柄が変動表示された後にその第2特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄が停止表示される。ここで、第2特別図柄判定によって大当たり遊技を実行しないと判定された場合には、ハズレ図柄が停止表示される。一方、大当たり遊技を実行すると判定された場合には、図5(C)に基づいて上述した5R確変当たりを示す大当たり図柄、又は16R確変当たりを示す大当たり図柄が第2特別図柄表示器43に停止表示された後に、それぞれの大当たりに応じた大当たり遊技が行われる。
確変遊技状態で遊技が制御されているときには、上述したように電チューサポート機能が付与されて、第2始動口12に対する遊技球の入賞が容易になる。これに対して、第2始動口12に係る大当たりが図6(B)に基づいて上述したように設定されているため、確変遊技状態における大当たりは、基本的には、全て確変当たりとなる。このため、大当たり遊技中には、第2大入賞口19及びV領域195が同時期に長開放される。よって、第2大入賞口19に係る長開放ラウンド遊技中に遊技球がV入賞していれば、大当たり遊技が終了した後に、再び確変遊技状態に移行することになる(図8(F)及び(D)参照)。一方、第2大入賞口19に係る長開放ラウンド遊技中に遊技球がV入賞しなかった場合には、上述したように、確変遊技状態ではなく時短遊技状態に移行する(図8(E)参照)。
また、確変遊技状態に移行してから115回の第2特別図柄判定(又は第1特別図柄判定)が行われても大当たりとならなかった場合には、115回目の特別図柄判定に係る判定図柄が停止表示された後に、遊技状態が確変遊技状態から通常遊技状態に戻されることになる(図8(G)参照)。
一方、通常当たりに対する大当たり遊技が行われた場合、又は確変当たりに対する大当たり遊技中に遊技球がV入賞しなかった場合、いずれの場合も大当たり遊技が終了した後に時短遊技状態に移行する。この時短遊技状態では、特別図柄判定が低確率状態で行われるものの、確変遊技状態のときと同様に電チューサポート機能が付与されるため、第2始動口12への遊技球の入賞が容易である。すなわち、右側有利状態である。このため、遊技者が右打ちを行って遊技球を第2始動口12に入賞させることにより、時短遊技状態における大当たりも、確変遊技状態における大当たりと同様に、全て確変当たりとなる。
時短遊技状態で遊技が制御されているときに大当たりとなった場合、5R確変当たりを示す大当たり図柄、又は16R確変当たりを示す大当たり図柄が第2特別図柄表示器43に停止表示された後、それぞれの大当たりに応じた大当たり遊技が行われる(図8(H)参照)。そして、上述したように、第2大入賞口19に係る長開放ラウンド遊技中における遊技球のV入賞の有無に応じて、大当たり遊技終了後に、確変遊技状態又は時短遊技状態で遊技が制御される(図8(D)及び(E)参照)。
一方、時短遊技状態に移行してから100回の第2特別図柄判定(又は第1特別図柄判定)が行われても大当たりとならなかった場合、100回目の特別図柄判定に係る判定図柄が停止表示された後に、遊技状態が時短遊技状態から通常遊技状態に戻されることになる(図8(I)参照)。
[本実施形態において実行される演出の概要]
以上のように、本実施形態においては、通常遊技状態においては、遊技者は左打ちを行うため、遊技球は第2始動口12よりも第1始動口11に入賞し易いので、第2特別図柄判定よりも第1特別図柄判定が行われ易く、この第1特別図柄判定では、大当たりのうちの50%は通常大当たりである(図6(A)参照)。一方、大当たり遊技後の時短遊技状態又は確変遊技状態においては、(遊技球が第2始動口12に入賞し易く、第2特別図柄判定が優先消化されるので)第1特別図柄判定よりも第2特別図柄判定が行われ易く、この第2特別図柄判定では、大当たりは全て確変大当たりとなる(図6(B)参照)。以上より、本実施形態においては、確変遊技状態へと一旦移行すると、大当たりを引き当て易い状態となり、その上、第2特別図柄判定の大当たりは全て確変当たりであるため、遊技者が大当たりを引き続けることで確変遊技状態がループすることになる。また、仮に第1始動口11への入賞による大当たりが通常大当たりとなる場合でも、その後の時短遊技状態では、大当たり確率は1/240と低いものの、この期間の大当たりは基本的には全て確変当たりとなる(また、電チューサポート機能も付与される)。このため、通常大当たりを引き当てたとしても、確変遊技状態に移行する確率はそれなりに高いと言える。したがって、本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、一旦大当たりとなれば確変遊技状態へと移行して連チャンが継続する可能性が高い、いわゆる高継続タイプの遊技機である。
したがって、本実施形態においては、通常遊技状態において大当たりと判定された場合には、遊技者は、ある程度の回数の連チャンを期待すると考えられる。しかし、実際には、最初の大当たりが通常大当たりであって、大当たり遊技後の時短遊技状態において大当たりと判定されなかった場合(単発の場合)も当然あり得るし、連チャン回数が少ない段階で、確変遊技状態において大当たりと判定されずに通常遊技状態に戻ってしまう場合も当然あり得る。これらの場合、ある程度の回数の連チャンを期待した遊技者にとっては期待を裏切られることとなるので、連チャンが終わった時点(時短遊技状態又は確変遊技状態から通常遊技状態へと戻った時点)で遊技者は遊技を継続する意欲を失い、遊技を終了してしまうおそれがある。また、期待を裏切られたことによって遊技者はこのパチンコ遊技機1での遊技をつまらないと感じ、次回からはこのパチンコ遊技機1では遊技を行わなくなるおそれがある。このように、連チャンする可能性が高いにも拘わらず連チャンしなかった場合、そのことが原因でパチンコ遊技機1の稼働率が低下する可能性がある。
そこで、本実施形態においては、連チャン回数が少なかった場合(単発の場合を含む)には、特定の演出に関して演出上の特典を遊技者に付与することによって、遊技者が遊技を継続する動機付けを与える構成を採用する。すなわち、連チャン回数が少なかった場合に、通常では出現し難い(或いは、通常では出現しない)特定演出について、出現し易くするように設定を変更するという、演出特典を付与する。また、本実施形態においては、特定演出の種類が異なる3つの演出特典を用意し、3つの演出特典のいずれかを遊技者に選択させ、選択された演出特典に関する特定演出が出現し易くなるように制御する構成を採用する。具体的には、1つ目の演出特典は、大当たり遊技中に再生される特別動画(いわゆるスペシャルエンディングなどと呼ばれる動画)の発生条件を緩和するというものである。2つ目の演出特典は、非常に低い確率で行われるプレミア演出の発生条件を緩和するというものである。3つ目の演出特典は、通常は移行しない特別演出モードで演出を制御するというものである。以下、本実施形態における、演出上の特典を遊技者に付与する方法について説明する。
(利益付与期間)
図9は、利益付与期間の一例を示す図である。なお、図9以降の図面においては、通常遊技状態を「通常状態」、時短遊技状態を「時短状態」、確変遊技状態を「確変状態」と略記することがある。図9に示すように、本実施形態においては、通常遊技状態において大当たり遊技が開始された時点T1から、次に(時点T1の後で最初に)時短遊技状態又は確変遊技状態から通常遊技状態へと戻った時点T2までの期間を「利益付与期間」と呼ぶ。つまり、利益付与期間は、大当たり遊技が単発である場合にはその大当たり遊技が開始してから連チャンしないことが確定する時点(時点T2)までの期間であり、大当たり遊技が連チャンする場合には、連チャンが開始してからその連チャンが終了することが確定する時点(時点T2)までの期間である。なお、大当たり遊技中は遊技状態が通常遊技状態に設定されるが、上記の利益付与期間の定義における「通常遊技状態」には、大当たり遊技中の通常遊技状態は含まれないものとする。つまり、利益付与期間の終了時点T2は、時短遊技状態又は確変遊技状態から、大当たり遊技中ではない時の通常遊技状態へ戻る時点である。利益付与期間は、「大当たり遊技が行われる期間と通常遊技状態よりも有利な遊技状態(時短遊技状態又は確変遊技状態)の期間とが連続する期間」と言うことができる。或いは、利益付与期間は、「通常遊技状態から、通常遊技状態よりも有利な遊技状態(時短遊技状態又は確変遊技状態)に移行して、又は、当該有利な遊技状態に移行することなく、(再び)通常遊技状態となるまでの期間」ということができる。
本実施形態においては、パチンコ遊技機1は、利益付与期間において大当たり遊技が所定回数(本実施形態では3回)よりも少ないか否かを判定する。そして、利益付与期間における大当たり遊技の回数が所定回数よりも少ないと判定した場合、上述の演出特典を付与する。すなわち、通常では発生条件が厳しい演出の発生条件を緩和したり、通常は行われない特定の演出を実行したりするといった、演出に関する設定の変更を行う。つまり、本実施形態においては、利益付与期間における大当たり遊技の回数(連チャン回数)が所定回数よりも少ない場合、遊技者の期待が満足されない(可能性がある)と判断し、遊技を継続することに対する遊技者の意欲が低下するのを抑制するようにしている。
以下、本実施形態において演出上の特典が付与される処理の概要について説明する。図10は、利益付与期間およびその終了後における遊技状態を示す図である。図10においては、利益付与期間における大当たり遊技の回数(連チャン回数)が、上記所定回数よりも少ない場合を想定する。この場合、図10に示されるように、利益付与期間が終了した直後において、すなわち、時短遊技状態又は確変遊技状態から大当たり遊技を介さずに通常遊技状態へ戻って最初に行われる図柄変動中において、特典選択画面(特典選択ウィンドウ)が液晶表示装置5に表示される。なお、利益付与期間における大当たり遊技の回数が上記所定回数以上である場合には、特典選択画面51は表示されず、演出特典が付与されることはない。この場合、遊技者は利益付与期間における遊技内容にある程度満足している可能性が高いので、演出特典を付与する意味は薄く、このような場合にまで演出特典を付与すると、かえって演出特典の価値を下げてしまうからである。
ここで、本実施形態においては、3種類の演出特典が用意され、どの演出特典を付与するか(どの演出に関する設定を変更するか)を遊技者によって選択させる構成とする。上記特典選択画面は、3種類の演出特典のうちいずれかを選択させる、すなわち、3種類の演出特典に対応する各特定演出のうちで、設定を変更する特定演出(設定変更前に比べて出現し易くする特定演出)を遊技者に選択させるための画像である。
図11は、特典選択画面が表示されるときの液晶表示装置5の画面の一例を示す図である。図11に示すように、液晶表示装置5には特典選択画面51が表示され、特典選択画面51は、選択操作を遊技者に促すメッセージ(図11では「演出の設定を変更可能です。十字キーで選んで下さい。」というメッセージ)と、設定を変更可能な3種類の演出を表す画像51a〜51cとを含む。本実施形態では、上記3種類の演出を表す画像として、大当たり遊技中に再生される特別動画(図11では、「スペシャル動画」と記載している)の演出を表す画像51aと、特別図柄の変動表示中に行われるプレミア演出を表す画像51bと、通常遊技状態における特別モードの演出を表す画像51cとが特典選択画面51に含まれる。特典選択画面51が液晶表示装置5に表示された場合、遊技者は、特典選択画面51に対して操作を行うことによって、設定を変更する演出の種類を選択・決定する。
具体的には、特典選択画面51においては、十字キー27の上又は下のキーに対する操作に応じて、各画像51a〜51cのうちで選択状態となる画像が切り替えられる。本実施形態においては、図11に示す画像51aのように、選択状態となっている画像は、強調表示(ハイライト表示)される。また、演出ボタン26に対する操作に応じて、その時点で選択状態となっていた画像に対応する演出が、設定を変更する演出として決定される。なお、特典選択画面51は、表示開始から予め定められた最長表示時間が経過すると、その時点で選択状態となっていた画像に対応する演出が、設定を変更する演出として(自動的に)決定される。以上のようにして、特典選択画面51を用いて、設定を変更する演出が選択される。なお、各演出が選択された場合における演出の変更内容については後述する。
特典選択画面51は、利益付与期間の終了直後に表示されるので、利益付与期間の終了時点で第1特別図柄判定又は第2特別図柄判定の保留があった場合には、利益付与期間が終了した後の特別図柄の変動表示中において特典選択画面51が表示されることになる。図11においては、特別図柄の変動表示中において特典選択画面51が表示される場合における液晶表示装置5の画面例を示している。この場合、図11に示すように、特典選択画面51とともに、特別図柄判定の判定結果を報知する装飾図柄52が液晶表示装置5に表示される。すなわち、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器43において特別図柄の変動表示が行われ、これに伴い、液晶表示装置5に3列表示された装飾図柄52が上から下にスクロールするように、装飾図柄52の変動表示が行われる。なお、図11では、装飾図柄52の変動表示中であることを表す意図で、装飾図柄52の枠のみを示している。
なお、本実施形態においては、特典選択画面51は、利益付与期間が終了した後で行われる複数回の(特別図柄の)変動表示に跨がって表示され得る。つまり、利益付与期間が終了してから最初に行われる特別図柄の変動表示時間が上記最長表示時間よりも短い場合には、特典選択画面51は、複数回の(特別図柄の)変動表示に跨がって表示されることがある。ただし、他の実施形態においては、利益付与期間が終了してから最初に行われる特別図柄の変動表示時間を上記最長表示時間よりも長くなるように設定することで、当該最初に行われる特別図柄が停止表示される前に特典選択画面51が消去されるようにしてもよい。
また、本実施形態においては、特典選択画面51の表示中においては、装飾図柄52は(特典選択画面51が表示されない場合に比べて)小さく表示され、図柄の停止時も小さく表示される。ただし、他の実施形態においては、図柄の停止時においては、わかりやすいように、特典選択画面51に重ねて、特典選択画面51より手前に大きく装飾図柄52が停止表示されてもよい。また、他の実施形態においては、利益付与期間の終了後における最初の特別図柄の変動における変動時間よりも短くなるように特典選択画面51の上記最長表示時間が設定されてもよい。
また、図11に示すように、本実施形態においては、特典選択画面51及び装飾図柄52が見やすいように、特典選択画面51の外側に(特典選択画面51に重ならないように)装飾図柄52が表示される。ただし、他の実施形態においては、液晶表示装置5の画面全体に特典選択画面51を表示し、特典選択画面51に重ねて装飾図柄52を表示するようにしてもよい。
また、本実施形態においては、大当たり遊技中でない期間において、第1特別図柄判定又は第2特別図柄判定の保留がある場合には、保留アイコンが表示される。したがって、利益付与期間の終了時点においても第1特別図柄判定又は第2特別図柄判定の保留がある場合には、保留アイコンが表示される。図11に示すように、液晶表示装置5の表示画面には、第1保留アイコン表示領域54a及び第2保留アイコン表示領域54bが設けられている。第1保留アイコン表示領域54aは、第1特別図柄判定が保留されていることを報知する特1保留アイコン55aを表示する領域である。この第1保留アイコン表示領域54aには、第1特別図柄保留表示器42が示す第1特別図柄判定の保留数と同数(図11では4個)の特1保留アイコン55aが表示される。第2保留アイコン表示領域54bは、第2特別図柄判定が保留されていることを報知する特2保留アイコン55bを表示する領域である。この第2保留アイコン表示領域54bには、第2特別図柄保留表示器44が示す第2特別図柄判定の保留数と同数(図11では2個)の特2保留アイコン55bが表示される。
また、液晶表示装置5の画面には、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器43において特別図柄が変動表示されていることを示唆する変動示唆画像56を表示する表示領域として、当該領域53が設けられている。
パチンコ遊技機1では、保留されている第1特別図柄判定の権利が消化されて図柄の変動表示が開始されるに際して、第1保留アイコン表示領域54aに表示されている特1保留アイコン55aの中で最初に表示された特1保留アイコン55a(当該領域53に最も近い保留アイコン)が第1保留アイコン表示領域54aから当該領域53に移動される。そして、第1保留アイコン表示領域54aに他の特1保留アイコン55aが表示されている場合には、他の特1保留アイコン55aは、第1保留アイコン表示領域54a内において、当該領域53側に表示位置がシフトされる。なお、このようなシフト処理は、当該領域54の右側に設けられている第2保留アイコン表示領域54bに表示されている特2保留アイコン55bについても同様に行われる。
なお、上述のように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、第1特別図柄判定と第2特別図柄判定とが両方保留されている場合、第1特別図柄判定よりも第2特別図柄判定の方が優先消化される。このため、第1保留アイコン表示領域54aに表示されている特1保留アイコン55aに対するシフト処理よりも第2保留アイコン表示領域54bに表示されている特2保留アイコン55bに対するシフト処理が優先して行われる。すなわち、第1保留アイコン表示領域54aに表示されている特1保留アイコン55aに対するシフト処理は、第2保留アイコン表示領域54bに表示されている特2保留アイコン55bがなくなってから行われる。
(大当たり遊技中の特別動画の演出に関する設定変更)
次に、上記特典選択画面51において、設定を変更する特定演出として、大当たり遊技中の特別動画の演出(を表す画像51a)が選択された場合における設定変更処理について説明する。ここで、特別動画は、いわゆるスペシャルエンディングと呼ばれる動画であり、通常は多くの回数(本実施形態では11回)連チャンしなければ見ることができない動画である。図12は、大当たり遊技中の特別動画の演出について設定が変更される場合における、利益付与期間およびその終了後における遊技状態を示す図である。特典選択画面51において大当たり遊技中の特別動画の演出が選択された場合には、特別動画が再生されやすくなるように設定が変更される。すなわち、図12に示すように、特典選択画面51が表示された後で次に大当たりと判定されてから移行した利益付与期間において、大当たり遊技中に再生される特別動画の発生条件が緩和されるように設定が変更され、特別動画の演出が行われやすくなる。以下、図13を用いて詳細を説明する。
図13は、通常設定前及び設定変更後における大当たり遊技中において選択可能な動画の例を示す図である。ここで、本実施形態においては、16R確変当たりの大当たり遊技中に再生される動画を遊技者が選択できるものとする。すなわち、16R確変当たりの大当たり遊技においては、大当たり遊技の開始時において、選択可能な動画を表す動画選択画面が液晶表示装置5に表示され、選択可能な動画のうちから遊技者が1つの動画を選択し、選択された動画がその大当たり遊技中において再生される。なお、4R通常当たり又は5R確変当たりの大当たり遊技中においては、長開放ラウンド遊技の総数が短く、遊技者が選択した動画を再生するための十分な時間を確保することが難しいため、予め定められた動画が再生される。
図13(A)に示すように、通常設定時(設定変更前の状態。すなわち、特典選択画面51において特別動画が選択される前の状態)においては、1回の利益付与期間において大当たり遊技の回数が1回増える毎に、選択可能な動画が1つ増える。つまり、n回目(1≦n≦10)の大当たり遊技においては、第n動画が新たに選択可能となる結果、第1動画から第n動画が選択可能となる。なお、本実施形態においては、選択可能な動画は、大当たりの種類(4R通常当たり、5R確変当たり、又は16R確変当たり)によらず、大当たり遊技1回につき1つ増加する。また、特別動画は、11個目に選択可能になるものとする。そのため、通常設定時においては、11連チャンした場合(1回の利益付与期間における大当たり遊技が11回に達した場合)に、特別動画が選択可能となる。なお、12回目以降の大当たり遊技においては、それまでに選択可能となった全ての動画(第1動画〜第10動画、特別動画)が選択可能となる。また、12回目以降の大当たり遊技では、選択可能な動画の数は増加しないものとする。
これに対して、設定変更時(設定変更後の状態。すなわち、特典選択画面51において特別動画が選択された後の状態)においては、図13(B)に示すように、1回の利益付与期間において大当たり遊技の回数が1回増える毎に、選択可能な動画が2つ増えるように設定が変更される。つまり、n回目の大当たり遊技においては、第(2n−1)動画と第(2n)動画とが新たに選択可能となる結果、第1動画から第(2n)動画が選択可能となる。そのため、設定変更時においては、6連チャンした場合(1回の利益付与期間における大当たり遊技が6回に達した場合)に特別動画が選択可能となる。このように、特典選択画面51において特別動画の演出が選択された場合には、通常設定時においては11連チャンしなければ見ることができない特別動画が、設定変更時においては6連チャンすれば見ることができるようになり、特別動画の発生条件(選択可能となる条件)が緩和されている。したがって、上記の場合には、少ない連チャン回数で利益付与期間が終了してしまった遊技者を、「次に大当たりとなるまでは遊技を続けよう」という気持ちにさせることができ、遊技を継続する意欲を遊技者に効果的に抱かせることができる。
また、本実施形態において、大当たり遊技中の特別動画の演出に関する設定変更は、設定変更が行われた後で最初の利益付与期間の終了時まで行われる。つまり、本実施形態においては、特別動画の演出に関する設定が変更された後の次の利益付与期間において特別動画が実際に再生されたか否かにかかわらず、特別動画の演出に関する設定は、当該利益付与期間の終了時に元に戻される。これによって、特別動画の演出が出現し易い設定変更状態が解除され、大当たり遊技中の特別動画の演出に関する設定は通常設定に戻る。
また、大当たり遊技中に再生される特別動画の発生条件は任意であり、発生条件を緩和する方法も任意である。例えば、他の実施形態においては、通常設定時においては、1回の大当たり遊技につき1つの動画を予め定められた順序で再生し(つまり、n回目の大当たり遊技において第n動画を再生し)、設定変更時においては、1回の大当たり遊技につき2つの動画を通常設定時と同じ順序で再生する(n回目の大当たり遊技において第(2n−1)動画と第(2n)動画とを再生する)ようにしてもよい。これによれば、特別動画が例えば10番目に再生されるとすれば、通常遊技状態では10連チャン目の大当たり遊技中に特別動画が再生され、設定変更時においては5連チャン目の大当たり遊技中に特別動画が再生されるので、本実施形態と同様、特別動画の発生条件を緩和することができる。なお、上記の場合、設定変更時において1つの動画を再生する時間が通常設定時の半分になるため、設定変更時においては、通常設定時の倍速で動画を再生してもよいし、通常設定時の半分の長さに予め編集された動画を再生してもよい。また、他の実施形態においては、設定変更時においては、再生順が予め定められた複数の動画のうちのいくつかを飛ばすことによって、特別動画が少ない連チャン回数で再生されるようにしてもよい。
(プレミア演出に関する設定変更)
次に、上記特典選択画面51において、プレミア演出(を表す画像51b)が選択された場合における設定変更処理について説明する。ここで、プレミア演出は、(少なくとも通常設定時には)演出が実行される割合が非常に低い演出であり、本実施形態においては、大当たりと判定されてから開始された特別図柄の変動に伴って行われる変動演出中に実行され得る(換言すれば、ハズレとなる場合の変動演出中には実行されない)ものとする。プレミア演出の内容は任意であるが、例えば、特別なキャラクタが登場する演出や、特別な音声が出力される演出である。
図14は、プレミア演出について設定が変更される場合における、利益付与期間およびその終了後における遊技状態を示す図である。特典選択画面51においてプレミア演出が選択された場合には、プレミア演出が実行されやすくなるように設定が変更される。すなわち、図14に示すように、特典選択画面51が表示された後の通常遊技状態において、大当たりと判定されて開始された特別図柄判定の変動期間において、プレミア演出の発生条件(実行条件)が緩和されるように設定が変更され、プレミア演出が出現し易くなる。
具体的には、通常設定時においては、大当たりと判定された場合の変動期間においてプレミア演出は、1/10000の割合で実行されるように設定される。これに対して、設定変更時においては、大当たりと判定された場合の変動期間においてプレミア演出は、1/100の割合で実行されるように設定が変更される。なお、詳細は図32に示す変動演出設定処理の説明で後述するが、設定変更は、変動演出中に実行する予告演出(プレミア演出を含む)を決定するためのテーブルを、通常設定時と設定変更時とで切り替えることによって行われる。つまり、通常設定時においては、プレミア演出が相対的に選出されにくい(1/10000の割合で選出される)通常モード用予告演出テーブルを用いて予告演出の決定を行い、設定変更時においては、プレミア演出が相対的に選出されやすい(1/100の割合で選出される)プレミア設定変更用予告演出テーブルを用いて予告演出の決定を行う。
また、本実施形態において、プレミア演出に関する設定変更は、設定変更が行われてから所定回数(例えば100回)の特別図柄判定が終了するか、又は、特別図柄判定において大当たりと判定されるまで行われる。すなわち、設定変更が行われた後の特別図柄判定においては、大当たりと判定される場合には上記のプレミア設定変更用予告演出テーブルを用いて予告演出の内容が決定される。そして、大当たりと判定された後、又は、設定変更が行われてから上記所定回数の特別図柄判定が終了した後は、プレミア演出が出現し易い設定変更状態が解除されて通常の設定に戻り、上記の通常モード用予告演出テーブルを用いて予告演出が決定される。
以上のように、特典選択画面51においてプレミア演出が選択された場合には、(大当たりとならない場合には)上記所定回数(100回)の特別図柄判定が行われるまでは、プレミア演出が出現し易くなる。これによれば、少ない連チャン回数で利益付与期間が終了してしまった遊技者を、「プレミア演出を見ることができるかもしれないので特別図柄判定があと100回行われるまでは遊技を続けよう」という気持ちにさせることができ、遊技を継続する意欲を遊技者に効果的に抱かせることができる。
(特別モードの演出に関する設定変更)
次に、上記特典選択画面51において、特別モードの演出(を表す画像51c)が選択された場合における設定変更処理について説明する。ここで、パチンコ遊技機1においては、複数の演出モードが用意されており、特別モードは、これら複数の演出モードの1つである。特別モードは、特典選択画面51において選択された場合に(のみ)移行する演出モードであり、本実施形態においては、通常遊技状態において実行される演出の演出モードである。以下では、通常遊技状態における演出モードのうち、特別モードと他の演出モードとを区別すべく、特別モード以外の他の演出モードを「通常モード」と呼ぶ。
図15は、特別モードの演出について設定が変更される場合における、利益付与期間およびその終了後における遊技状態を示す図である。図15に示すように、特典選択画面51において特別モードの演出が選択された場合には、それまでの通常モードの演出に代えて、特典選択画面51が消去された後で特別モードの演出が開始される。
特別モードにおいては、液晶表示装置5に表示される背景画面、BGM、装飾図柄等による変動演出、予告演出等の演出について、通常設定時(通常モード)とは異なる内容で演出が行われる。具体的には、本実施形態における特別モードにおいては、通常時とは異なる背景画像が再生されるように設定が変更される。また、特別モードにおいては、変動演出の内容(変動演出パターン)を決定するためのテーブル、及び、予告演出の内容を決定するためのテーブルについて、通常設定時とは異なるテーブルがそれぞれ用いられるように設定が変更される。
図15に示すように、特別モードは、特別モードが開始されてから所定回数(例えば100回)の特別図柄判定が終了するか、又は、大当たりと判定されて大当たり遊技が開始されるまで行われる。すなわち、設定変更が行われてから上記所定回数の特別図柄判定が行われる期間においては、大当たり遊技が開始されない限り、特別モード用の背景画像が用いられるとともに、特別モード用のテーブルを用いて変動演出及び予告演出の内容が決定される。そして、上記所定回数の特別図柄判定の終了後においては、特別モードの演出が行われる設定変更が解除され、通常モードの演出が行われる。すなわち、通常モード用の背景画像が用いられるとともに、通常モード用のテーブルを用いて装飾図柄の変動演出及び予告演出の内容が決定される。また、図15では示されていないが、上記所定回数の特別図柄判定が行われる期間中に大当たりと判定されて大当たり遊技が開始される場合には、特別モードの演出が行われる設定変更が解除される。
上記のように、特典選択画面51において特別モードの演出が選択された場合には、(大当たり遊技が行われない限り)上記所定回数(100回)の特別図柄判定が行われるまでは、特別モードで演出が行われる。これによれば、少ない連チャン回数で利益付与期間が終了してしまった遊技者を、「特別モードの間は遊技を続けよう」という気持ちにさせることができ、遊技を継続する意欲を遊技者に効果的に抱かせることができる。
以上のように、本実施形態においては、利益付与期間において遊技者の期待に添った結果とならないために遊技者が遊技を継続する意欲を失うと想定される場合(連チャン回数が少ない場合)には、利益付与期間の終了後に演出上の特典を付与する。これによって、利益付与期間において遊技者の期待に添った結果とならない場合でも、遊技を継続する動機付けを遊技者に与え、遊技を継続する意欲を遊技者に持たせることができる。
以下、図9〜図15に基づいて上述した演出を実現するためのパチンコ遊技機1の内部構成やパチンコ遊技機1で行われる処理の一例について、詳細に説明する。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
遊技盤2の裏面側には、上皿28又は下皿29へと送り出される遊技球を溜めておく球タンクの他に、パチンコ遊技機1の動作を制御する制御装置が設けられている。図16に例示されるように、パチンコ遊技機1の制御装置は、各種判定やコマンドの送信といった遊技の進行を制御する遊技制御基板100、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて演出を統括的に制御する演出制御基板130、画像や音による演出を制御する画像音響制御基板140、各種のランプや可動体による演出を制御するランプ制御基板150等から構成されている。なお、制御装置の構成はこれに限定されるものではなく、例えば演出制御基板130、画像音響制御基板140、及びランプ制御基板150が1つの基板で構成されていてもよい。
[遊技制御基板100の構成例]
遊技制御基板100は、メインCPU101、メインROM102、及びメインRAM103を備えている。メインCPU101は、メインROM102に記憶されたプログラム等に基づいて、判定や払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。メインRAM103は、メインCPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
遊技制御基板100には、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、電動チューリップ制御部113、ゲートスイッチ114、第1大入賞口スイッチ115、第2大入賞口スイッチ116、V入賞口スイッチ117、第1大入賞口制御部118、第2大入賞口制御部119、V入賞口制御部120、普通入賞口スイッチ121、及び表示器4を構成する各表示器41〜47が接続されている。
第1始動口スイッチ111は、第1始動口11に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。第2始動口スイッチ112は、第2始動口12に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。電動チューリップ制御部113は、遊技制御基板100からの制御信号に応じて、電動チューリップ17の一対の羽根部材に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、第2始動口12を開閉する。ゲートスイッチ114は、遊技球がゲート16を通過したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。
第1大入賞口スイッチ115は、第1大入賞口13に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。第2大入賞口スイッチ116は、第2大入賞口19に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。V入賞口スイッチ117は、V領域195に進入する遊技球を検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。
第1大入賞口制御部118は、遊技制御基板100からの制御信号に基づいて、第1大入賞口13を閉塞するプレートに駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、第1大入賞口13を開閉する。第2大入賞口制御部119は、遊技制御基板100からの制御信号に基づいて、第2大入賞口19を閉塞する第1羽根部材191(図2参照)に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、第2大入賞口19を開閉する。V入賞口制御部120は、遊技制御基板100からの制御信号に基づいて、V領域195を開閉する第2羽根部材192(図2参照)に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、V領域195を開閉する。普通入賞口スイッチ121は、遊技球が普通入賞口14に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。
遊技制御基板100のメインCPU101は、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、第1大入賞口スイッチ115、第2大入賞口スイッチ116、又は普通入賞口スイッチ121からの検知信号が入力されると、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球の払い出しを払出制御基板(不図示)に指示し、払出制御基板からの情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。詳細な説明は省略するが、払出制御基板は、球タンクから遊技球を送り出す駆動モータを制御することによって、上皿28又は下皿29に遊技球を供給する。
メインCPU101は、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第1特別図柄判定を実行する。また、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第2特別図柄判定を実行する。そして、大当たりであると判定した場合には、第1大入賞口制御部118及び第2大入賞口制御部119を介して第1大入賞口13及び第2大入賞口19を開閉して大当たり遊技を実行する。また、第2大入賞口19に係るラウンド遊技に伴って、V入賞口制御部120を介してV領域195を開閉する。そして、V入賞口スイッチ117からの検知信号が入力された場合には、大当たり遊技終了後の遊技状態を確変遊技状態に設定し、V入賞口スイッチ117からの検知信号が入力されなかった場合には、大当たり遊技終了後の遊技状態を時短遊技状態に設定する。
また、メインCPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、取得した乱数を用いて普通図柄判定を実行する。そして、第2始動口12を開放すると判定した場合、電動チューリップ制御部113を介して電動チューリップ17を作動させることにより、第2始動口12を一時的に開放する。
また、メインCPU101は、表示器4を構成する各表示器41〜47に図4に基づいて上述した処理を実行させる。
[演出制御基板130の構成例]
演出制御基板130は、サブCPU131、サブROM132、サブRAM133、及びRTC(リアルタイムクロック)134を備えている。サブCPU131は、サブROM132に記憶されたプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。サブRAM133は、サブCPU131が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。RTC134は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。
サブCPU131は、遊技制御基板100から送信される特別図柄判定や普通図柄判定、大当たり遊技等に関する遊技情報に基づいて演出内容を設定する。その際、演出ボタン26又は十字キー27からの操作情報の入力を受け付けて、その操作情報に応じた演出内容を設定する場合もある。サブCPU131は、設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信する。
[画像音響制御基板140の構成例]
画像音響制御基板140は、図には示されていないが、統括CPU、制御用ROM、制御用RAM、VDP(Video Display Processor)、音響DSP(Digital
Signal Processor)等を有して構成されている。統括CPUは、制御用ROMに記憶されたプログラムに基づいて、演出制御基板130において演出内容が設定された演出を表現する画像や音を制御する際の演算処理を行う。制御用RAMは、統括CPUが上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
統括CPUは、演出制御基板130からのコマンド及び制御用ROMに記憶されているプログラムに基づいて制御信号を生成してVDP及び音響DSPに出力することにより、VDP及び音響DSPの動作を制御する。
図には示されていないが、VDPは、演出画像の生成に必要な素材データを記憶する画像用ROM、演出画像の描画処理を実行する描画エンジン、及び描画エンジンによって描画された演出画像を液晶表示装置5に出力する出力回路を有している。描画エンジンは、統括CPUからの制御信号に基づいて、画像用ROMに記憶されている素材データを用いて、フレームバッファに演出画像を描画する。出力回路は、このフレームバッファに描画された演出画像を所定のタイミングで液晶表示装置5に出力する。
図には示されていないが、音響DSPには、楽曲や音声、効果音等に関する各種音響データを記憶する音響用ROMと、音響DSPによるデータ処理等の作業領域として使用されるSDRAMが接続されている。音響DSPは、統括CPUからの制御信号に対応する音響データを音響用ROMからSDRAMに読み出してデータ処理を実行し、データ処理後の音響データをスピーカ24へ出力する。
[ランプ制御基板150の構成例]
ランプ制御基板150は、図には示されていないが、ランプCPU、ランプROM、及びランプRAMを備えている。ランプCPUは、ランプROMに記憶されたプログラムに基づいて、可動役物7、盤ランプ25、枠ランプ37、及び回転演出装置38,39の動作を制御する際の演算処理を行う。ランプRAMは、ランプCPUが上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
ランプROMには、発光パターンデータ及び動作パターンデータが記憶されている。ここで、発光パターンデータは、可動役物7が備える発光素子、盤ランプ25、枠ランプ37、回転演出装置38,39が備える発光素子のそれぞれの発光パターンを示すデータである。動作パターンデータは、可動役物7や回転演出装置38,39が備える可動体等のそれぞれの動作パターンを示すデータである。
ランプCPUは、ランプROMに記憶された発光パターンデータの中から、演出制御基板130から受信したコマンドに対応する発光パターンデータをランプRAMに読み出して、可動役物7が備える発光素子、盤ランプ25、枠ランプ37、回転演出装置38,39が備える発光素子の発光を制御する。また、ランプCPUは、ランプROMに記憶された動作パターンデータの中から、演出制御基板130から受信したコマンドに対応する動作パターンデータをランプRAMに読み出して、可動役物7や回転演出装置38,39が備える可動体等を動作させるモータの駆動を制御する。
[遊技制御基板100によるタイマ割込み処理]
次に、図17を参照しつつ、遊技制御基板100において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図17は、遊技制御基板100において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。遊技制御基板100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図17に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図17以降のフローチャートに基づいて説明する遊技制御基板100の処理は、メインROM102に記憶されているプログラムに基づいてメインCPU101が発行する命令に従って行われる。
まず、メインCPU101は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数の各種乱数を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS1)。
ここで、大当たり乱数は、大当たり又はハズレを決定するための乱数である。図柄乱数は、大当たりであると判定された場合に、大当たりの種類を決定するための乱数である。リーチ乱数は、ハズレであると判定された場合に、リーチ有りの演出を行うか或いはリーチ無しの演出を行うかを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄が変動表示される際の変動パターンを決定するための乱数である。普通図柄乱数は、第2始動口12を開放するか否かを決定するための乱数である。大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数は、このステップS1の処理が行われる毎に「1」加算される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタとしてはループカウンタが使用されており、各乱数は、予め設定された最大値に達した後は「0」に戻る。
ステップS1の処理に続いて、メインCPU101は、各スイッチからの検知信号が入力された場合に、スイッチ処理を実行する(ステップS2)。このスイッチ処理については、図18〜図20に基づいて後に詳述する。
ステップS2の処理に続いて、メインCPU101は、特別図柄判定を実行し、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器43に特別図柄を変動表示させてから特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示させる処理等を含む特別図柄処理を実行する(ステップS3)。この特別図柄処理については、図21に基づいて後に詳述する。
ステップS3の処理に続いて、メインCPU101は、普通図柄判定を実行し、普通図柄表示器45に普通図柄を変動表示させてから普通図柄判定の結果を示す普通図柄を停止表示させる処理等を含む普通図柄処理を実行する(ステップS4)。
ステップS4の処理に続いて、メインCPU101は、普通図柄判定を行った結果、第2始動口12を開放すると判定した場合に、電動チューリップ制御部113を介して電動チューリップ17を作動させる電動チューリップ処理を実行する(ステップS5)。
ステップS5の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS3の処理で大当たりであると判定した場合に、第1大入賞口制御部118、第2大入賞口制御部119、及びV入賞口制御部120を制御して第1大入賞口13、第2大入賞口19、及びV領域195を開放する大入賞口開放制御処理を実行する(ステップS6)。この大入賞口開放制御処理については、図25〜図27に基づいて後に詳述する。
ステップS6の処理に続いて、メインCPU101は、遊技球の入賞に応じた賞球の払い出しを制御する賞球処理を実行する(ステップS7)。
ステップS7の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS7以前の処理ステップにおいてメインRAM103にセット(格納)された各種コマンドや演出内容を決定するために必要な情報を演出制御基板130に送信する送信処理を実行する(ステップS8)。
[遊技制御基板100によるスイッチ処理]
図18は、図17のステップS2におけるスイッチ処理の詳細フローチャートである。ステップS1の処理に続いて、メインCPU101は、図18に例示されるように、第1始動口スイッチ111からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される各種乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)について、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力された時点の値を取得する処理等を含む第1始動口スイッチ処理を実行する(ステップS21)。この第1始動口スイッチ処理については、図19に基づいて後に詳述する。
次に、メインCPU101は、第2始動口スイッチ112からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される各種乱数について、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力された時点の値を取得する処理等を含む第2始動口スイッチ処理を実行する(ステップS22)。この第2始動口スイッチ処理については、図20に基づいて後に詳述する。
そして、メインCPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される普通図柄乱数について、ゲートスイッチ114からの検知信号が入力された時点の値を取得するゲートスイッチ処理を実行する(ステップS23)。
[遊技制御基板100による第1始動口スイッチ処理]
図19は、図18のステップS21における第1始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。図19に例示されるように、メインCPU101は、ステップS1の乱数更新処理に続いて、第1始動口スイッチ111からの検知信号(具体的には第1始動口スイッチ111が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第1始動口スイッチ111が「ON」になったか否かを判定する(ステップS210)。ここで、第1始動口スイッチ111が「ON」になったと判定した場合(ステップS210:YES)、メインRAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が、メインROM102に記憶されている第1特別図柄判定の最大保留数Umax1(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS211)。
メインCPU101は、保留数U1が最大保留数Umax1未満であると判定した場合(ステップS211:YES)、保留数U1の値を「1」加算した値に更新し(ステップS212)、第1特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得して、これらの乱数を対応付けてメインRAM103に格納する(ステップS213〜ステップS216)。
[遊技制御基板100による第2始動口スイッチ処理]
図20は、図19のステップS22における第2始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。図20に例示されるように、メインCPU101は、ステップS21の第1始動口スイッチ処理に続いて、第2始動口スイッチ112からの検知信号(具体的には第2始動口スイッチ112が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第2始動口スイッチ112が「ON」になったか否かを判定する(ステップS220)。
メインCPU101は、第2始動口スイッチ112が「ON」になったと判定した場合(ステップS220:YES)、メインRAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が、メインROM102に記憶されている第2特別図柄判定の最大保留数Umax2(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS221)。
メインCPU101は、保留数U2が最大保留数Umax2未満であると判定した場合(ステップS221:YES)、保留数U2の値を「1」加算した値に更新し(ステップS222)、第2特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得して、これらの乱数を対応付けてメインRAM103に格納する(ステップS223〜ステップS226)。
[遊技制御基板100による特別図柄処理]
次に、図21を参照しつつ、遊技制御基板100によって実行される特別図柄処理の詳細について説明する。ここで、図21は、図17のステップS3における特別図柄処理の詳細フローチャートである。図21に例示されるように、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている大当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、大当たり遊技中であるか否かを判定する(ステップS301)。この大当たり遊技フラグは、大当たり遊技の実行中であるか否かを示すフラグであり、大当たり遊技の開始時に「ON」に設定され、大当たり遊技の終了時に「OFF」に設定される。ここで、大当たり遊技中であると判定された場合(ステップS301:YES)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、大当たり遊技中ではないと判定した場合(ステップS301:NO)、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(ステップS302)。ここで、特別図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS302:NO)、メインRAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS303)。ここで、保留数U2が「1」以上であると判定した場合(ステップS303:YES)、保留数U2を「1」減算した値に更新する(ステップS304)。
メインCPU101は、保留数U2が「1」以上ではないと判定した場合(ステップS303:NO)、メインRAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS305)。ここで、保留数U1が「1」以上ではないと判定された場合(ステップS305:NO)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。逆に、保留数U1が「1」以上であると判定した場合(ステップS305:YES)、メインCPU101は、保留数U1を「1」減算した値に更新する(ステップS306)。
ステップS304の処理又はステップS306の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103の保留記憶領域に対するシフト処理を実行する(ステップS308)。メインRAM103には、特別図柄判定が実際に実行されるときにその特別図柄判定に使用される取得情報が記憶される判定用記憶領域と、保留されている特別図柄判定に関する取得情報を記憶する保留記憶領域とが設けられている。メインCPU101は、ステップS304の処理に続いてシフト処理を実行する場合には、第2特別図柄判定用の保留記憶領域に記憶されている最古の取得情報を判定用記憶領域にシフトさせると共に、残りの取得情報を判定用記憶領域側にシフトさせる。また、ステップS306の処理に続いてシフト処理を実行する場合には、第1特別図柄判定用の保留記憶領域に記憶されている最古の取得情報を判定用記憶領域にシフトさせると共に、残りの取得情報を判定用記憶領域側にシフトさせる。
ステップS308の処理に続いて、メインCPU101は、判定用記憶領域に記憶されている乱数に基づいて、大当たり判定処理を実行する(ステップS309)。この大当たり判定処理が実行されることによって、大当たりか否かが判定されると共に、大当たりであると判定された場合には大当たりの種類が決定される。そして、これらの処理の結果を示す判定図柄の設定情報がメインRAM103にセットされる。この大当たり判定処理については、図22に基づいて後に詳述する。
ステップS309の処理に続いて、メインCPU101は、特別図柄の変動パターンを選択する変動パターン選択処理を実行する(ステップS310)。この変動パターン選択処理については、図23に基づいて後に詳述する。
ステップS310の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS309の処理で設定した図柄の設定情報、この図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す情報、ステップS310の処理で設定した変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態に関する情報等を含む変動開始コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS311)。この変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の開始を指示するコマンドであって、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
ステップS311の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS311の処理でセットした変動開始コマンドに含まれている変動パターンの設定情報に基づいて、特別図柄の変動表示を開始する(ステップS312)。その際、判定用記憶領域に第1特別図柄判定に係る取得情報(乱数)が記憶された状態でステップS308〜ステップS311の処理が行われた場合には第1特別図柄表示器41において特別図柄の変動表示が開始され、第2特別図柄判定に係る取得情報(乱数)が記憶された状態でステップS308〜ステップS311の処理が行われた場合には第2特別図柄表示器43において特別図柄の変動表示が開始される。
ステップS312の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS312における変動表示を開始してからの経過時間である変動時間の計測を開始する(ステップS313)。
メインCPU101は、ステップS313の処理を実行した場合、又は特別図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS302:YES)、ステップS313における変動時間の計測開始から、ステップS310の処理によって選択された変動パターンに対応する変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS315)。ここで、変動時間が経過していないと判定された場合(ステップS315:NO)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、変動時間が経過したと判定した場合(ステップS315:YES)、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器43に特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄が停止表示されることを通知する図柄確定コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS316)。この図柄確定コマンドは、ステップS8における送信処理によって演出制御基板130に送信される。これにより、液晶表示装置5に変動表示されていた装飾図柄を特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示させる処理等が行われることになる。
ステップS316の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS312の処理で開始した特別図柄の変動表示を終了させる(ステップS317)。具体的には、ステップS309の処理で設定した判定図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)を、特別図柄を変動表示していた特別図柄表示器に停止表示させる。なお、この判定図柄の停止表示は、少なくとも所定の図柄確定時間(例えば1秒)が経過するまで継続される。
このように、メインCPU101は、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器43に特別図柄を変動表示させてから大当たり判定処理の判定結果を示す判定図柄を第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器43に停止表示させる。
ステップS317の処理に続いて、メインCPU101は、上記ステップS313の処理で計測を開始した変動時間をリセットし(ステップS318)、大当たりである場合に大当たり遊技を開始させる処理等を含む停止中処理を実行する(ステップS319)。この停止中処理については、図24に基づいて後に詳述する。
[遊技制御基板100による大当たり判定処理]
図22は、図21のステップS309における大当たり判定処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、判定用記憶領域に記憶された大当たり乱数に基づいて大当たり判定を実行する(ステップS3091)。具体的には、判定用記憶領域に記憶されている大当たり乱数が、予め設定された当選値と一致するか否かに基づいて、大当たりであるか否かを判定する。
ここでの当選値は、高確率時用大当たり乱数テーブル又は低確率時用大当たり乱数テーブル(図5(A)参照)に規定されている大当たりの当選値である。高確率状態(確変遊技状態)のときに大当たり判定が実行される場合には高確率時用大当たり乱数テーブルに格納されている当選値(図5(A)に示される例では「0」〜「2」)が使用され、低確率状態(通常遊技状態又は時短遊技状態)のときに大当たり判定が実行される場合には低確率時用大当たり乱数テーブルに格納されている当選値(図5に示される例では「0」)が使用される。
このように、メインCPU101は、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞したことを契機として取得された大当たり乱数等の取得情報が判定用記憶領域に記憶されるといった始動条件が成立すると、その大当たり乱数に基づいて、遊技者にとって有利な大当たり遊技を実行するか否かを判定する。
ステップS3091の処理に続いて、メインCPU101は、大当たり判定の判定結果が大当たりであるか否かを判断する(ステップS3092)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3092:YES)、メインROM102に記憶されている大当たり時の図柄決定テーブルを参照して大当たりの種類を決定する(ステップS3093)。
具体的には、ステップS3091の大当たり判定に使用された大当たり乱数と一緒に判定用記憶領域に記憶されている図柄乱数が第1特別図柄判定に係るものである場合には、その図柄乱数が、第1始動口入賞用の図柄決定テーブル(図5(B)参照)に規定されているどの乱数値と一致するかに基づいて、大当たりの種類を決定する。一方、第2特別図柄判定に係るものである場合には、その図柄乱数が、第2始動口入賞用の図柄決定テーブル(図5(C)参照)に規定されているどの乱数値と一致するかに基づいて、大当たりの種類を決定する。
このように、メインCPU101は、大当たりの種類を決定することによって、大当たり遊技として、V領域195の通過容易状態への移行を伴わない大当たり遊技(図7(A)参照)、又はV領域195の通過容易状態への移行を伴う大当たり遊技(図7(B)及び(C)参照)を選択する。
そして、メインCPU101は、決定した大当たりの種類に応じた大当たり図柄の設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3094)。これにより、上記ステップS317の処理の際にここでセットされた大当たり図柄が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器43に判定図柄として停止表示されて、その図柄に応じた大当たり遊技が行われることになる。
一方、メインCPU101は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3092:NO)、ハズレ図柄の設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3095)。これにより、上記ステップS317の処理の際にここでセットされたハズレ図柄が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器43に判定図柄として停止表示される。この場合、大当たり遊技は行われない。
[遊技制御基板100による変動パターン選択処理]
図23は、図21のステップS310における変動パターン選択処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、図21のステップS309における大当たり判定処理を実行した後、ステップS3091の判定結果が大当たりであるか否かを判断する(ステップS3101)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3101:YES)、大当たり用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3102)。
一方、メインCPU101は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3101:NO)、判定用記憶領域に記憶されているリーチ乱数がメインROM102に記憶されているリーチ乱数の当選値と一致するか否かに基づいて、遊技者に対して大当たりを期待させるリーチ演出を行うか否かを判定する(ステップS3103)。ここで、リーチ演出を行うと判定した場合(ステップS3103:YES)、リーチ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3104)。逆に、リーチ演出を行わないと判定した場合(ステップS3103:NO)、ハズレ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3105)。
続いて、メインCPU101は、ステップS3102の処理、ステップS3104の処理、又はステップS3105の処理によってメインRAM103にセットされた変動パターンテーブルを参照して変動パターン乱数判定処理を実行する(ステップS3106)。具体的には、大当たり用変動パターンテーブル又はリーチ用変動パターンテーブルがメインRAM103にセットされた場合、判定用記憶領域に記憶されている変動パターン乱数に対応する変動パターンを、セットされている変動パターンテーブルから読み出すことによって変動パターンを選択する。
また、ハズレ用変動パターンテーブルがメインRAM103にセットされた場合、ステップS308のシフト処理が行われる直前に各種情報が記憶されていた保留記憶領域の数に基づいて特別図柄判定の保留数を特定し、特定した保留数と現在の時短の有無とに対応する変動パターンをハズレ用変動パターンテーブルから読み出すことによって変動パターンを選択する。
このようにして特別図柄の変動パターンが選択されることによって、特別図柄の変動時間が必然的に決定されることになる。なお、特典選択画面51を表示する際の特別図柄の変動(すなわち、時短遊技状態又は確変遊技状態が終了した後の通常遊技状態における最初の特別図柄変動)においては、特典選択画面51の最長表示時間よりも長くなるように変動時間が設定されてもよい。これによれば、特別図柄の変動に伴って変動表示される装飾図柄52も特典選択画面51が消去された後で停止表示されるので、装飾図柄52の停止表示が特典選択画面51によって邪魔されることなく、見やすくなる。
メインCPU101は、変動パターンを選択すると、選択した変動パターンの設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3107)。この変動パターンの設定情報は、上述したステップS309の大当たり判定処理によってメインRAM103にセットされた図柄の設定情報と共に変動開始コマンドに含まれて演出制御基板130に送信される。
[遊技制御基板100による停止中処理]
図24は、図21のステップS319における停止中処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、上記ステップS318の処理によって変動時間をリセットした後、図25に例示されるように、ステップS3092の処理と同様に、大当たりであるか否かを判断する(ステップS3191)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3191:YES)、メインRAM103に記憶されている大当たり遊技フラグを「ON」に設定する(ステップS3192)。
次に、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている時短遊技フラグ及び確変遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3193)。ここで、時短遊技フラグは、電チューサポート機能が付与される時短状態であるか否かを示すフラグであり、確変遊技フラグは、特別図柄判定において大当たりであると判定される確率が相対的に高い高確率状態であるか否かを示すフラグである。
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、時短遊技フラグ及び確変遊技フラグの設定により遊技状態が制御される。すなわち、遊技状態を確変遊技状態に制御する場合には確変遊技フラグ及び時短遊技フラグの両方が「ON」に設定され、遊技状態を時短遊技状態に制御する場合には確変遊技フラグが「OFF」に設定されると共に時短遊技フラグが「ON」に設定され、遊技状態を通常遊技状態に制御する場合には確変遊技フラグ及び時短遊技フラグの両方が「OFF」に設定される。
ステップS3193の処理に続いて、メインCPU101は、大当たり遊技が開始されることを通知するためのオープニングコマンドをメインRAM103にセットする(ステップS3194)。このオープニングコマンドは、大当たりの種類、大当たり遊技中の第1大入賞口13と第2大入賞口19とV領域195との開放パターン等を含むものであり、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
一方、メインCPU101は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3191:NO)、時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS3196)。ここで、時短遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS3196:YES)、メインRAM103に記憶されている時短遊技残余回数Jを「1」減算した値に更新する(ステップS3197)。この時短遊技残余回数Jは、時短状態で特別図柄判定が実行される残り回数を示すものである。
ステップS3197の処理に続いて、メインCPU101は、時短遊技残余回数Jが「0」であるか否かを判定する(ステップS3198)。ここで、時短遊技残余回数Jが「0」であると判定した場合(ステップS3198:YES)、時短遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3199)。これにより、電チューサポート機能が付与されなくなる。
メインCPU101は、ステップS3199の処理を実行した場合、時短遊技フラグが「ON」ではないと判定した場合(ステップS3196:NO)、又は時短遊技残余回数Jが「0」ではないと判定した場合(ステップS3198:NO)、確変遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS3201)。
メインCPU101は、確変遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS3201:YES)、メインRAM103に記憶されている高確率遊技残余回数Kを「1」減算した値に更新する(ステップS3202)。この高確率遊技残余回数Kは、高確率状態で特別図柄判定が実行される残り回数を示すものである。
ステップS3202の処理に続いて、メインCPU101は、高確率遊技残余回数Kが「0」であるか否かを判定する(ステップS3203)。ここで、高確率遊技残余回数Kが「0」であると判定した場合(ステップS3203:YES)、確変遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3204)。これにより、特別図柄判定が低確率状態で行われるようになる。
このステップS3204の処理が行われた場合、確変遊技フラグが「ON」ではないと判定された場合(ステップS3201:NO)、高確率遊技残余回数Kが「0」ではないと判定された場合(ステップS3203:NO)、又はステップS3194の処理が行われた場合、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
[遊技制御基板100による大入賞口開放制御処理]
以下、図25〜図27を参照しつつ、遊技制御基板100によって実行される大入賞口開放制御処理について説明する。ここで、図25〜図27は、図17のステップS6における大入賞口開放制御処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、ステップS5の電動チューリップ処理に続いて、図25に例示されるように、大当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS601)。ここで、大当たり遊技フラグが「ON」に設定されていないと判定された場合(ステップS601:NO)、ステップS7の賞球処理に処理が進められる。
メインCPU101は、大当たり遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS601:YES)、例えばステップS3194(図24参照)の処理によって大当たり遊技に係るオープニングコマンドをセットしてからの経過時間が所定のオープニング時間に達したか否かに基づいて、大当たり遊技におけるオープニング中であるか否かを判定する(ステップS602)。
メインCPU101は、オープニング中ではないと判定した場合(ステップS602:NO)、大当たり遊技におけるエンディング中であるか否かを判定する(ステップS603)。具体的には、大当たり遊技における最終ラウンドのラウンド遊技が終了してからの経過時間が所定のエンディング時間に達したか否かに基づいて、エンディング中であるか否かを判定する。ここで、エンディング中であると判定された場合(ステップS603:YES)、後述するステップS643(図27参照)に処理が進められる。
メインCPU101は、大当たり遊技におけるエンディング中ではないと判定した場合(ステップS603:NO)、例えば前回のラウンド遊技が終了してから所定のインターバル時間が経過したか否かに基づいて、インターバル中(ラウンドと次のラウンドとの間)であるか否かを判定する(ステップS604)。ここで、インターバル中であると判定した場合(ステップS604:YES)、前回のラウンド遊技終了時に第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)が閉塞してから、後述するステップS608の処理で設定されたインターバル時間が経過したか否かを判定する(ステップS605)。ここで、インターバル時間が経過したと判定された場合(ステップS605:YES)、次のラウンド遊技を開始するタイミングになっているため、後述するステップS609に処理が進められる。逆に、インターバル時間が経過していないと判定された場合(ステップS605:NO)、ステップS7の賞球処理に処理が進められる。
メインCPU101は、オープニング中であると判定した場合(ステップS602:YES)、オープニング時間が経過したか否かを判定する(ステップS606)。ここで、オープニング時間が経過したと判定した場合(ステップS606:YES)、大当たり遊技のラウンド数Rmax、第1大入賞口13のプレート、第1羽根部材191、及び第2羽根部材192の動作パターン等を設定して、その設定情報をメインRAM103に格納する(ステップS608)。このステップS608の処理が実行されることによって、ラウンドと次のラウンドとの間のインターバル時間、最終ラウンド終了後のエンディング時間等の大当たり遊技に関する各種時間も併せて設定される。
メインCPU101は、ステップS608の処理を実行した場合、又はインターバル時間が経過したと判定した場合(ステップS605:YES)、メインRAM103に記憶されている第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)への遊技球の入賞数Yをリセットする(ステップS609)。このステップS609において、第1大入賞口13を開放するラウンド遊技の開始に際しては第1大入賞口13への遊技球の入賞数Yが「0」にリセットされ、第2大入賞口19を開放するラウンド遊技の開始に際しては第2大入賞口19への遊技球の入賞数Yが「0」にリセットされる。
ステップS609の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている大当たり遊技中のラウンド数Rを「1」加算した値に更新する(ステップS610)。このラウンド数Rは、大当たり遊技開始前は「0」に設定されており、ステップS610の処理が行われる毎に「1」加算される。
ステップS610の処理に続いて、メインCPU101は、ラウンド数Rが「5」であるか否かを判定する(ステップS611)。すなわち、第2大入賞口19に係るラウンド遊技を開始するか否かを判定する。ここで、ラウンド数Rが「5」ではないと判定した場合(ステップS611:NO)、第1大入賞口制御部118による第1大入賞口13の開放制御を開始する(ステップS612)。逆に、ラウンド数Rが「5」であると判定した場合(ステップS611:YES)、第2大入賞口制御部119による第2大入賞口19の開放制御(長開放制御又は短開放制御)を開始する(ステップS613)。
メインCPU101は、ステップS612の処理を実行した場合、又はステップS613の処理を実行した場合、いずれかの開放制御が開始されてからの経過時間である開放時間の計測を開始する(ステップS614)。具体的には、ステップS612の処理に続いてこのステップS614の処理を実行する場合は第1大入賞口13の開放制御の開始からの経過時間の計測を開始し、ステップS613の処理に続いてこのステップS614の処理を実行する場合は第2大入賞口19の開放制御の開始からの経過時間の計測を開始する。
メインCPU101は、ステップS611の処理に続いてステップS612の処理を実行したか否かに基づいて、第1大入賞口13の開放制御が開始されるか否かを判定する(ステップS615)。ここで、第1大入賞口13の開放制御が開始されると判定した場合(ステップS615:YES)、第1大入賞口13を長開放する長開放ラウンド遊技が開始されることを演出制御基板130に通知する通常ラウンド開始コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS616)。
一方、メインCPU101は、第1大入賞口13の開放制御が開始されないと判定した場合(ステップS615:NO)、すなわちステップS613の処理によって第2大入賞口19の開放制御が開始される場合、第2大入賞口19が長開放されるか否かを判断する(ステップS617)。具体的には、ステップS608の処理によって設定した第1羽根部材191の動作パターンが、長開放パターンであるか短開放パターンであるかに基づいて、第2大入賞口19が長開放されるか否かを判断する。なお、今回の大当たり遊技が通常大当たりによるものである場合には第1羽根部材191の動作パターンが短開放パターンに設定され、確変大当たりによるものである場合には第1羽根部材191の動作パターンが長開放パターンに設定される。
メインCPU101は、第2大入賞口19が長開放されると判断した場合(ステップS617:YES)、第2大入賞口19に係る長開放ラウンド遊技が開始されること(すなわち、V領域195が通過容易状態に移行すること)を演出制御基板130に通知する長開放ラウンド開始コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS618)。逆に、第2大入賞口19が長開放されないと判断した場合(ステップS617:NO)、すなわち第2大入賞口19が短開放される場合、第2大入賞口19に係る短開放ラウンド遊技が開始されること(すなわち、V領域195が通過容易状態に移行しないこと)を演出制御基板130に通知する短開放ラウンド開始コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS619)。
このようにしてメインRAM103にセットされた通常ラウンド開始コマンド、長開放ラウンド開始コマンド、又は短開放ラウンド開始コマンドは、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。このため、演出制御基板130のサブCPU131は、ラウンド遊技の開始時に遊技制御基板100から受信するコマンドがこれら3種類のコマンドのいずれであるかに基づいて、今回のラウンド遊技が、第1大入賞口13を長開放する長開放ラウンド遊技であるのか、第2大入賞口19を長開放する長開放ラウンド遊技であるのか、又は第2大入賞口19を短開放する短開放ラウンド遊技であるのかを容易に判別することができる。
メインCPU101は、ステップS616の処理を実行した場合、ステップS618の処理を実行した場合、又はステップS619の処理を実行した場合、図26に例示されるように、ステップS611の処理と同様に、ラウンド数Rが「5」であるか否かを判定する(ステップS621)。
メインCPU101は、ラウンド数Rが「5」であると判定した場合(ステップS621:YES)、V領域195の開放制御に関する以下の処理を実行する。すなわち、メインCPU101は、上述したステップS613の処理による第2大入賞口19の開放開始からの経過時間が、予め設定された設定時間(本実施形態では3秒:図7参照)と一致するか否かを判定する(ステップS622)。ここで、経過時間が設定時間と一致しないと判定された場合(ステップS622:NO)、後述するステップS624に処理が進められる。
メインCPU101は、経過時間が設定時間と一致すると判定した場合(ステップS622:YES)、V入賞口制御部120によるV領域195の開放制御を開始する(ステップS623)。具体的には、第2羽根部材192をハズレ領域196側に回動させる(図2(C)、図7(B)、及び図7(C)参照)。
メインCPU101は、ステップS623の処理を実行した場合、又は第2大入賞口19の開放開始からの経過時間が設定時間と一致しないと判定した場合(ステップS622:NO)、V入賞口スイッチ117(図2参照)が「ON」になったか否かを判定する(ステップS624)。ここで、V入賞口スイッチ117が「ON」になったと判定した場合(ステップS624:YES)、メインRAM103に記憶されているV入賞フラグを「ON」に設定する(ステップS625)。このV入賞フラグは、遊技球がV領域195を通過したか否か(V入賞したか否か)を示すフラグであり、通常は「OFF」に設定されているものの、V入賞口スイッチ117によって遊技球が検知されると「ON」に設定される。
メインCPU101は、このステップS625の処理に続いて、遊技球がV領域195を通過したことを演出制御基板130に通知するV入賞通知コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS626)。
メインCPU101は、ステップS626の処理を実行した場合、又はV入賞口スイッチ117が「ON」ではないと判定した場合(ステップS624:NO)、V領域195の閉塞タイミングであるか否かを判定する(ステップS627)。具体的には、上述したステップS623の開放制御の開始からの経過時間が所定時間(本実施形態では10秒:図7参照)と一致するか否かを判定する。ここで、閉塞タイミングではないと判定された場合(ステップS627:NO)、後述するステップS629に処理が進められる。
メインCPU101は、閉塞タイミングであると判定した場合(ステップS627:YES)、ステップS623の処理で開始したV入賞口制御部120によるV領域195の開放制御を終了する(ステップS628)。これにより、第2羽根部材192によってV領域195の入口であるV入賞口が閉塞される。
メインCPU101は、ステップS628の処理を実行した場合、V領域195の閉塞タイミングではないと判定した場合(ステップS627:NO)、又はラウンド数Rが「5」ではないと判定した場合(ステップS621:NO)、大入賞口スイッチからの検知信号の入力の有無に基づいて、大入賞口スイッチが「ON」になったか否かを判定する(ステップS629)。具体的には、第1大入賞口13に係るラウンド遊技中である場合には第1大入賞口スイッチ115からの検知信号の入力の有無に基づいて第1大入賞口スイッチ115が「ON」になったか否かを判定し、第2大入賞口19に係るラウンド遊技中である場合には第2大入賞口スイッチ116からの検知信号の入力の有無に基づいて第2大入賞口スイッチ116が「ON」になったか否かを判定する。
メインCPU101は、大入賞口スイッチが「ON」になったと判定した場合(ステップS629:YES)、遊技球の入賞数Yを「1」加算した値に更新する(ステップS630)。具体的には、第1大入賞口スイッチ115が「ON」になったと判定した場合には第1大入賞口13への遊技球の入賞数Yを「1」加算した値に更新し、第2大入賞口スイッチ116が「ON」になったと判定した場合には第2大入賞口19への遊技球の入賞数Yを「1」加算した値に更新する。
メインCPU101は、ステップS630の処理を実行した場合、又は大入賞口スイッチが「ON」ではないと判定した場合(ステップS629:NO)、図27に例示されるように、大入賞口の開放開始からの経過時間が規定開放時間と一致するか否かを判定する(ステップS632)。具体的には、第1大入賞口13を長開放する長開放ラウンド遊技中である場合には、第1大入賞口13の開放開始からの経過時間が29.5秒と一致するか否かを判定する。また、第2大入賞口19を長開放する長開放ラウンド遊技中である場合には、第2大入賞口19の開放開始からの経過時間が29.5秒と一致するか否かを判定する。また、第2大入賞口19を短開放する短開放ラウンド遊技中である場合には、第2大入賞口19の開放開始からの経過時間が0.1秒と一致するか否かを判定する。
メインCPU101は、第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)の開放開始からの経過時間が規定開放時間と一致しないと判定した場合(ステップS632:NO)、メインRAM103に記憶されている今回のラウンド遊技における遊技球の入賞数Yが、メインROM102に記憶されている第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)の閉塞タイミングを規定する遊技球数Ymax(例えば「9」)と一致するか否かを判定する(ステップS633)。ここで、入賞数Yが遊技球数Ymaxと一致しないと判定された場合(ステップS633:NO)、ステップS7の賞球処理に処理が進められる。
なお、第2大入賞口19の短開放ラウンド遊技においては、第2大入賞口19への遊技球の入賞数Yとは無関係に、第2大入賞口19の開放開始から0.1が経過すると第2大入賞口19が閉塞される。このため、この短開放ラウンド遊技中においては、ステップS633の処理が省略され、ステップS632の判定結果のみに基づいて、ステップS7の賞球処理、又は後述するステップS634に処理が進められる。
メインCPU101は、入賞数Yが遊技球数Ymaxと一致すると判定した場合(ステップS633:YES)、又は大入賞口の開放開始からの経過時間が規定開放時間と一致すると判定した場合(ステップS632:YES)、大入賞口の開放制御を終了する(ステップS634)。具体的には、第1大入賞口13の開放制御中である場合には第1大入賞口制御部118による第1大入賞口13の開放制御を終了させ、第2大入賞口19の開放制御中である場合には第2大入賞口制御部119に第2大入賞口19の開放制御を終了させる。
ステップS634の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている大当たり遊技の現在のラウンド数Rが、上記ステップS608の処理によって設定されたラウンド数Rmax(本実施形態では「5」又は「16」)と一致するか否かを判定する(ステップS635)。ここで、ラウンド数Rがラウンド数Rmaxと一致しないと判定した場合(ステップS635:NO)、次のラウンド遊技の開始タイミングを制御するために、第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)が閉塞されてからの経過時間であるインターバル時間の計測を開始する(ステップS636)。このステップS636の処理によって計測が開始されたインターバル時間は、上記ステップS604の処理やステップS605の処理に使用される。
一方、メインCPU101は、ラウンド数Rがラウンド数Rmaxと一致すると判定した場合(ステップS635:YES)、エンディング時間の計測を開始し(ステップS637)、メインRAM103に記憶されているラウンド数Rをリセットする(ステップS638)。そして、メインRAM103に記憶されているV入賞フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS639)。
メインCPU101は、V入賞フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS639:NO)、すなわちV入賞フラグが「OFF」に設定されている場合、今回の大当たり遊技が終了した後に時短遊技状態で遊技が制御されることになるため、演出制御基板130にその旨を通知する時短移行通知エンディングコマンドをメインRAM103にセットする(ステップS640)。
一方、メインCPU101は、V入賞フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS639:YES)、今回の大当たり遊技が終了した後に確変遊技状態で遊技が制御されることになるため、演出制御基板130にその旨を通知する確変移行通知エンディングコマンドをメインRAM103にセットする(ステップS641)。
メインCPU101は、ステップS640の処理を実行した場合、ステップS641の処理を実行した場合、又はエンディング中であると判定した場合(ステップS603:YES)、設定エンディング時間が経過したか否かを判定する(ステップS643)。具体的には、上記ステップS637の処理によって計測を開始したエンディング時間が、上記ステップS608の処理によって設定された設定エンディング時間と一致するか否かを判定する。ここで、エンディング時間が設定エンディング時間と一致しないと判定された場合(ステップS643:NO)、ステップS7の賞球処理に処理が進められる。
メインCPU101は、設定エンディング時間が経過したと判定した場合(ステップS643:YES)、大当たり遊技終了後のパチンコ遊技機1の遊技状態を設定する遊技状態設定処理を実行する(ステップS644)。そして、大当たり遊技を終了させるために、大当たり遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS645)。
[遊技制御基板100による遊技状態設定処理]
図28は、図27のステップS644における遊技状態設定処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、設定エンディング時間が経過したと判定した場合(ステップS643:YES)、メインRAM103に記憶されているV入賞フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS6441)。
メインCPU101は、V入賞フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS6441:YES)、メインRAM103に記憶されている確変遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS6442)、同じくメインRAM103に記憶されている高確率遊技残余回数Kを「115」に設定する(ステップS6443)。そして、メインRAM103に記憶されている時短遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS6444)、同じくメインRAM103に記憶されている時短遊技残余回数Jを高確率遊技残余回数Kと同じ「115」に設定する(ステップS6445)。
このステップS6442〜ステップS6445の処理が行われることにより、大当たり遊技が終了してから途中で大当たりが発生しなければ115回の特別図柄判定が行われるまで確変遊技状態で遊技が制御されることになる。
メインCPU101は、ステップS6445の処理を実行した場合、メインRAM103に記憶されているV入賞フラグを「OFF」に設定する(ステップS6446)。
一方、メインCPU101は、V入賞フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS6441:NO)、メインRAM103に記憶されている時短遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS6447)、同じくメインRAM103に記憶されている時短遊技残余回数Jを「100」に設定する(ステップS6448)。
このステップS6447及びステップS6448の処理が行われることにより、大当たり遊技が終了してから途中で大当たりが発生しなければ100回の特別図柄判定が行われるまで時短遊技状態で遊技が制御されることになる。
[演出制御基板130によるタイマ割込み処理]
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、演出制御基板130のサブCPU131は、後述するタイマ割込み処理を行う周期であるCTC周期を設定する。そして、サブCPU131は、演出内容を決定するために用いられる演出乱数等を更新する乱数更新処理をCTC周期よりも短い所定周期で繰り返す。すなわち、サブCPU131は、パチンコ遊技機1が起動している間、所定周期で乱数更新処理を繰り返しつつ、CTC周期でタイマ割込み処理を繰り返す。
以下、図29を参照しつつ、演出制御基板130において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図29は、演出制御基板130において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。サブCPU131は、遊技制御基板100で行われるタイマ割込み処理と同様に、図29に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図29以降のフローチャートに基づいて説明する演出制御基板130で行われる処理は、サブROM132に記憶されているプログラムに基づいてサブCPU131が発行する命令に従って行われる。
サブCPU131は、まず、遊技制御基板100からのコマンドに応じた処理を行うコマンド受信処理を実行する(ステップS10)。このコマンド受信処理については、図30〜図33に基づいて後に詳述する。
ステップS10の処理に続いて、サブCPU131は、演出ボタン26又は十字キー27からの操作情報の入力の有無に基づいて、演出ボタン26又は十字キー27が操作されたか否かを判定する(ステップS11)。ここで、演出ボタン26又は十字キー27が操作されたと判定した場合(ステップS11:YES)、その旨を通知するための操作コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS12)。この操作コマンドが画像音響制御基板140及びランプ制御基板150へ送信されることによって、演出ボタン26又は十字キー27の操作に応じた演出上の効果を実現するための処理が行われる。
サブCPU131は、演出ボタン26及び十字キー27がいずれも操作されていないと判定した場合(ステップS11:NO)、又はステップS12の処理を実行した場合、送信処理を実行する(ステップS13)。具体的には、ステップS10やステップS12の処理によってサブRAM133にセットされたコマンドを画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信する。このコマンド送信処理が行われることによって、画像表示や音声出力等による演出の実行が画像音響制御基板140に対して指示され、各種ランプの点灯や可動体の動作による演出の実行等がランプ制御基板150に対して指示される。
ステップS13の処理に続いて、サブCPU131は、データ転送処理を実行する(ステップS14)。具体的には、画像音響制御に関するデータが画像音響制御基板140から送信されるので、そのデータをランプ制御基板150に転送する。これにより、液晶表示装置5及びスピーカ24によって行われている演出と同期するように、可動役物7や盤ランプ25等の演出媒体による演出がランプ制御基板150によって制御される。
[演出制御基板130によるコマンド受信処理]
図30及び図31は、図29のステップS10におけるコマンド受信処理の詳細フローチャートである。図30に例示されるように、サブCPU131は、まず、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の実行中であるか否かを判定する(ステップS101)。具体的には、例えば、遊技制御基板100から送信された変動開始コマンドに含まれている特別図柄の変動パターンを示す情報に基づいて特別図柄の変動時間を特定し、その変動開始コマンドを受信してからその変動時間が経過したか否かに基づいて、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の実行中であるか否かを判定する。
サブCPU131は、変動演出の実行中ではないと判定した場合(ステップS101:NO)、ステップS311の処理(図21参照)に応じて遊技制御基板100から送信された変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS102)。ここで、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS102:YES)、その変動開始コマンドを解析する(ステップS103)。
この変動開始コマンドには、上述したように、大当たり判定処理の判定結果を示す図柄の設定情報、この図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す入賞始動口情報、特別図柄の変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等が含まれている。したがって、変動開始コマンドを解析することによって、特別図柄判定の種類と結果を特定することができる。すなわち、大当たりであるか或いはハズレであるか、大当たりである場合にはその大当たりの種類が何であるかを特定することができる。また、変動パターンの設定情報に基づいて変動パターンがハズレ用の変動パターンであるか否かを特定することにより、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらを行う必要があるのかを判断することができる。また、同じく変動パターンの設定情報に基づいて、特別図柄の変動時間を特定することができる。また、遊技状態を示す情報に基づいて、パチンコ遊技機1の現在の遊技状態を特定することができる。
変動開始コマンドを解析すると、サブCPU131は、その解析結果に基づいて、変動演出の内容や、変動演出中に行われる予告演出(上述したプレミア演出を含む)の内容を設定する変動演出設定処理を実行する(ステップS104)。変動演出設定処理が実行されることによって、装飾図柄の変動態様、リーチ演出の有無、予告演出の実行の有無、予告演出を実行する場合にはその種類等、変動中に行われる各演出の態様が決定される。なお、この変動演出設定処理については、図32に基づいて後に詳述する。
ステップS104の処理に続いて、サブCPU131は、ステップS104の処理で設定した変動演出の開始を指示する変動演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS105)。この変動演出開始コマンドは、ステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これにより、演出制御基板130において演出内容が決定された変動演出が、画像音響制御基板140及びランプ制御基板150によって実現されることになる。このステップS105の処理に応じた変動演出は、特別図柄の変動表示が開始されてから特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄が停止表示されるまで行われる。
ステップS105の処理に続いて、サブCPU131は、上述した特典選択画面51(図11参照)を液晶表示装置5に表示させるための特典選択画面表示処理を実行する(ステップS106)。詳細は後述するが、特典選択画面表示処理においては、利益付与期間(図10参照)が終了した直後における特別図柄判定の変動開始時である場合に特典選択画面51が表示され、それ以外の場合には特典選択画面51は表示されない。この特典選択画面表示処理については、図34に基づいて後に詳述する。
ステップS106の処理に続いて、サブCPU131は、特典選択画面51において設定を変更する特定演出が選択されてからの特別図柄判定の回数(変動回数)をカウントする変動回数カウント処理を実行する(ステップS107)。詳細は後述するが、変動回数カウント処理においては、特典選択画面51においてプレミア演出又は特別モードの演出が選択された場合に、変動回数をカウントする処理が実行される。この変動回数カウント処理については、図35に基づいて後に詳述する。
一方、変動演出の実行中であると判定した場合(ステップS101:YES)、サブCPU131は、ステップS316の処理(図21参照)に応じて遊技制御基板100から送信された図柄確定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS108)。
図柄確定コマンドを受信したと判定した場合(ステップS108:YES)、サブCPU131は、図柄確定時処理を実行する(ステップS109)。詳細は後述するが、図柄確定時処理においては、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の終了を指示する変動演出終了コマンドをサブRAM133にセットする処理や、特典として設定が変更された演出(プレミア演出又は特別モード)について設定変更を必要に応じて元に戻す処理が実行される。この図柄確定時処理については、図36に基づいて後に詳述する。なお、図柄確定コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS108:NO)、又は、上記ステップS109を実行した場合、サブCPU131はコマンド受信処理を終了し、上述のステップS11に処理が進められる。
一方、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS102:NO)、又は、上記ステップS107の処理を実行した場合、サブCPU131は、特典選択画面51の表示中であるか否かを判定する(ステップS110)。
特典選択画面51の表示中であると判定した場合(ステップS110:YES)、サブCPU131は、十字キー27からの操作情報の入力の有無に基づいて、選択切替操作が行われたか否かを判定する(ステップS111)。選択切替操作は、特典選択画面51に含まれる、特典として付与される演出を表す画像51a〜51c(図11参照)のうちで、選択状態となっている(強調表示されている)画像を切り替える操作であり、本実施形態においては十字キー27の上又は下のキーの押下によって行われる。
選択切替操作が行われたと判定した場合(ステップS111:YES)、サブCPU131は、特典選択画面51において強調表示される画像を切り替えることを指示する強調表示切替コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS112)。この強調表示切替コマンドは、ステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これにより、特典選択画面51において強調表示される画像が変更される。また、このとき、サブCPU131は、選択状態となる(強調表示される)画像に対応する演出の識別情報をサブRAM133に記憶しておく。
選択切替操作が行われていないと判定した場合(ステップS111:NO)、又は、ステップS112の処理を実行した場合、サブCPU131は、演出ボタン26からの操作情報の入力の有無に基づいて、選択決定操作が行われたか否かを判定する(ステップS113)。選択決定操作は、特典選択画面51において選択状態となっている画像を選択すると決定する操作であり、本実施形態においては演出ボタン26の押下によって行われる。
選択決定操作が行われていないと判定した場合(ステップS113:NO)、サブCPU131は、特典選択画面51の表示開始から所定の最長表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS114)。すなわち、サブCPU131は、特典選択画面51の表示を開始した時に経過時間の計測を開始し、ステップS114においては、計測している経過時間が予め定められた最長表示時間(例えば10秒)に達したか否かを判定する。
選択決定操作が行われたと判定した場合(ステップS113:YES)、又は、特典選択画面51の表示開始から所定の最長表示時間が経過したと判定した場合(ステップS114:YES)、サブCPU131は、特典選択画面51の表示終了を指示する特典選択画面終了コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS115)。この特典選択画面終了コマンドは、ステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これにより、液晶表示装置5に表示されている特典選択画面51が消去されることになる。
ステップS115の処理に続いて、サブCPU131は、選択決定操作が行われた時点、或いは経過時間が最長表示時間に達した時点で選択状態であった画像に対応する演出に関する設定変更フラグを「ON」に設定する(S116)。なお、本実施形態においては、大当たり遊技中の特別動画の演出に関する設定変更フラグを第1設定変更フラグとし、プレミア演出に関する設定変更フラグを第2設定変更フラグとし、特別モードの演出に関する設定変更フラグを第3設定変更フラグとする。ステップS116の処理では、ステップS115の処理時点でサブRAM133に記憶されている識別情報に基づいて、選択決定操作が行われた時点で選択状態であった画像が特定され、サブRAM133に記憶されている上記第1〜第3設定変更フラグのうち、特定された画像に対応する演出に関するいずれか1つの設定変更フラグが「ON」に設定される。具体的には、大当たり遊技中の特別動画の演出が特定(選択)された場合には、第1設定変更フラグが「ON」に設定され、プレミア演出が特定(選択)された場合には、第2設定変更フラグが「ON」に設定され、特別モードの演出が特定(選択)された場合には、第3設定変更フラグが「ON」に設定される。なお、設定変更フラグは、それに関する演出の設定が変更される場合に「ON」を示し、その設定変更を解除する場合に「OFF」を示すように設定される。
特典選択画面51が表示中でないと判定した場合(ステップS110:NO)、特典選択画面51の表示開始から所定の最長表示時間が経過していないと判定した場合(ステップS114:NO)、又は、上記ステップS115の処理を実行した場合、サブCPU131は、図31に示すように、ステップS117の処理を実行する。すなわち、サブCPU131は、ステップS3194(図24参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された大当たり遊技に係るオープニングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS117)。
オープニングコマンドを受信したと判定した場合(ステップS117:YES)、サブCPU131は、利益付与期間における大当たりの回数(つまり、連チャン回数)を示す連チャン回数カウンタCaを1だけ加算する(ステップS118)。具体的には、サブCPU131は、サブRAM133に記憶されている連チャン回数カウンタCaの値を、1だけ加算した値に更新する。
ステップS118の処理に続いて、サブCPU131は、受信したオープニングコマンドに含まれている情報に基づいて大当たりの種類を判別し、大当たりの種類を示す情報などを含むオープニング演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS119)。このオープニング演出開始コマンドは、ステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これにより、画像音響制御基板140によって、大当たりの種類を報知したり遊技者に右打ちを促したりするための所定のオープニング演出が開始される。
ステップS119の処理に続いて、サブCPU131は、第1設定変更フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS120)。第1設定変更フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS120:NO)、サブCPU131は、大当たり遊技中に再生される動画として選択可能な動画を1つ増加する(ステップS121)。ここで、本実施形態においては、選択可能な動画の数(選択可能動画数)を示す値がサブRAM133に記憶されている。ステップS121において、サブCPU131は、上記選択可能動画数の値を1だけ加算した値に更新する。
一方、第1設定変更フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS120:YES)、サブCPU131は、大当たり遊技中に再生される動画として選択可能な動画を、通常設定時(上記ステップS121の処理が実行される場合)よりも多く(本実施形態においては2つ)増加する(ステップS122)。具体的には、サブCPU131は、サブRAM133に記憶されている選択可能動画数の値を、2だけ加算した値に更新する。
オープニングコマンドを受信していないと判定した場合(ステップS117:NO)、又は、上記ステップS121の処理若しくはステップS122の処理を実行した場合、サブCPU131は、ステップS616,S618,又はS619(図25参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信されたラウンド開始コマンド(具体的には、通常ラウンド開始コマンド)を受信したか否かを判定する(ステップS123)。
ラウンド開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS123:YES)、サブCPU131は、今回のラウンド遊技が1ラウンド目であるか否かを判定する(ステップS124)。具体的には、ステップS123の処理で受信したと判定したラウンド開始コマンドが、遊技制御基板100から受信した1個目のラウンド開始コマンドであるか否かに基づいて、今回のラウンド遊技が1ラウンド目であるか否かを判定する。今回のラウンド遊技が1ラウンド目であると判定した場合(ステップS124:YES)、サブCPU131は、上述したステップS119で判別した大当たりの種類に基づいて、今回の大当たりが16R確変当たりであるか否かを判定する(ステップS125)。
今回の大当たりが16R確変当たりであると判定した場合(ステップS125:YES)、サブCPU131は、今回の大当たり遊技で選択可能な動画を特定する(ステップS126)。本実施形態においては、大当たり遊技中に再生される動画(上述の特別動画を含む)の識別情報が、動画を選択可能とする順に並べられたテーブルがサブRAM133に記憶されている。上記ステップS126において、サブCPU131は、上記テーブルにおいて、先頭の動画から、上記ステップS121又はステップS122の処理でサブRAM133に設定された選択可能動画数までの動画を、選択可能な動画として特定する。
ステップS126の処理に続いて、サブCPU131は、ステップS126で特定した動画のうちから1つの動画を遊技者に選択させるための動画選択画面を表示させるための動画選択画面表示コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS127)。動画選択画面表示コマンドには、ステップS126で特定した動画の識別情報が含まれており、ステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これにより、画像音響制御基板140によって液晶表示装置5に動画選択画面が表示される。
一方、今回の大当たりが16R確変当たりでない(すなわち、4R通常当たり又は5R確変当たりである)と判定した場合(ステップS125:NO)、サブCPU131は、4R通常当たり又は5R確変当たりの時に再生する専用の動画を再生するための専用動画再生開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS128)。専用動画再生開始コマンドは、ステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信され、これによって、画像音響制御基板140によって上記専用の動画の再生が行われる。このように、4R通常当たり又は5R確変当たりの大当たり遊技中においては、上記動画選択画面は表示されず、予め定められた専用動画が再生される。
今回のラウンド遊技が1ラウンド目でないと判定した場合(ステップS124:NO)、又は、上記ステップS127若しくはステップS128の処理を実行した場合、サブCPU131は、上記ステップS124と同様の方法で、今回のラウンド遊技が2ラウンド目であるか否かを判定する(ステップS129)。今回のラウンド遊技が2ラウンド目であると判定した場合(ステップS129:YES)、サブCPU131は、上記ステップS125と同様に、今回の大当たりが16R確変当たりであるか否かを判定する(ステップS130)。
今回の大当たりが16R確変当たりであると判定した場合(ステップS130:YES)、サブCPU131は、動画選択画面において現時点で選択状態である動画を特定し、特定した動画を再生するための動画再生開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS131)。なお、現時点で選択状態となっている動画の識別情報は、後述するステップS134の処理で更新されて現時点でサブRAM133に記憶されている識別情報を参照することで特定することができる。動画再生開始コマンドは、ステップS134で記憶された動画の識別情報を含み、ステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これに応じて、画像音響制御基板140は、それまで表示されていた動画選択画面を消去して、遊技者によって選択された動画の再生を開始する。このように、本実施形態においては、大当たり遊技の1ラウンド目で動画選択画面が表示され、2ラウンド目の開始時点で選択状態であった動画が2ラウンド目以降において再生される。
なお、図示していないが、ラウンド開始コマンドが受信された場合には、次の処理が実行される。すなわち、サブCPU131は、ラウンド開始コマンドを受信する毎に、液晶表示装置5に表示されているラウンド数の表示を更新するコマンドを画像音響制御基板140及びランプ制御基板150へ送信する。また、サブCPU131は、上記ステップS119の処理において判別した大当たりの種類が確変大当たりである場合(図7(B)又は(C)の場合)には、4ラウンド目(4個目)のラウンド開始コマンドを受信したことに応じて、V領域195が通過容易状態となることを示唆する演出を演出手段に行わせる。すなわち、「チャンスアタッカー(第2大入賞口19)を狙え」といったメッセージを液晶表示装置5に表示させるコマンドを画像音響制御基板140及びランプ制御基板150へ送信する。このとき、次の(5ラウンド目の)長開放ラウンド遊技において遊技球がV領域195を通過した場合、大当たり遊技の終了後に確変遊技状態へと移行することになる。
また、サブCPU131は、上記ステップS119の処理において判別した大当たりの種類が通常大当たりである場合(図7(A)の場合)には、4ラウンド目(4個目)のラウンド開始コマンドを受信したことに応じて、V領域195が通過困難状態となることを示唆する演出を演出手段に行わせる。すなわち、「残念」といったメッセージを液晶表示装置5に表示させるコマンドを画像音響制御基板140及びランプ制御基板150へ送信する。このとき、次の短開放ラウンド遊技においては遊技球がV領域195を通過せず、大当たり遊技の終了後に時短遊技状態へと移行することになる。
ラウンド開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS123:NO)、今回のラウンド遊技が2ラウンド目でないと判定した場合(ステップS129:NO)、今回の大当たりが16R確変当たりでないと判定した場合(ステップS130:NO)、又は、上記ステップS131の処理を実行した場合、サブCPU131は、ステップS127の処理に応じた動画選択画面の表示中であるか否かを判定する(ステップS132)。
動画選択画面の表示中であると判定した場合(ステップS132:YES)、サブCPU131は、十字キー27からの操作情報の入力の有無に基づいて、選択切替操作が行われたか否かを判定する(ステップS133)。選択切替操作は、動画選択画面に含まれる、選択可能な動画を表す画像(例えば、動画のタイトルを示す画像)のうちで、選択状態となっている画像を切り替える操作であり、本実施形態においては十字キー27の押下によって行われる。なお、選択状態となっている画像は、上記特典選択画面51において選択状態となっている画像と同様に、強調表示(ハイライト表示)される。
選択切替操作が行われたと判定した場合(ステップS133:YES)、サブCPU131は、動画選択画面において選択状態となっている画像を切り替えることを指示する選択切替コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS134)。この選択切替コマンドは、ステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これにより、動画選択画面において選択状態となっている画像が変更される。また、このとき、サブCPU131は、選択状態となっている画像に対応する動画の識別情報をサブRAM133に記憶しておく。
上記のように、本実施形態においては、大当たりが16R確変当たりである場合には、大当たり遊技の開始時に動画選択画面が表示され(ステップS127)、遊技者によって選択された動画が大当たり遊技中に再生される(ステップS133)。ここで、第1設定変更フラグが「OFF」に設定されている場合、つまり、大当たり遊技中の特別動画の演出に関する設定が通常設定である場合(ステップS120:NO)、大当たり遊技の回数が1回増える毎に、選択可能な動画が1つ増える(ステップS121)。これに対して、第1設定変更フラグが「ON」に設定されている場合、つまり、設定が変更されて特典選択画面51(図11参照)において大当たり遊技中の特別動画の演出が選択された場合(ステップS120:YES)、大当たり遊技の回数が1回増える毎に、選択可能な動画が2つ増える(ステップS122)。その結果、通常設定である場合には11連チャン目で選択可能となる特別動画が、設定変更時においては6連チャン目で選択可能となる(図13参照)。このように、本実施形態においては、特典選択画面51において大当たり遊技中の特別動画の演出が選択された場合には、大当たり遊技中の特別動画の発生条件が緩和される。
動画選択画面の表示中でないと判定した場合(ステップS132:NO)、選択切替操作が行われていないと判定した場合(ステップS133:NO)、又は、上記ステップS134の処理を実行した場合、サブCPU131は、ステップS640又はステップS641(図27参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信されたエンディングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS135)。
エンディングコマンドを受信したと判定した場合(ステップS135:YES)、サブCPU131は、エンディング演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS136)。エンディング演出開始コマンドは、大当たり遊技におけるエンディング演出を行う旨の指示を画像音響制御基板140に行うためのものである。なお、確変移行通知エンディングコマンドを受信した場合には、サブCPU131は、大当たり遊技終了後に確変遊技状態に移行することを示唆する内容のエンディング演出を行うためのエンディング演出開始コマンドを送信する。一方、時短移行通知エンディングコマンドを受信した場合には、サブCPU131は、大当たり遊技終了後に時短遊技状態に移行することを示唆する内容のエンディング演出を行うためのエンディング演出開始コマンドを送信する。エンディング演出開始コマンドは、ステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信され、これによってエンディング演出が開始される。
エンディングコマンドを受信していないと判定した場合(ステップS135:NO)、又は、上記ステップS136の処理を実行した場合、サブCPU131は、コマンド受信処理を終了し、上述のステップS11へ処理が進められる。
[演出制御基板130による変動演出設定処理]
図32は、図30のステップS104における変動演出設定処理の詳細フローチャートである。図32に例示されるように、ステップS103の処理に続いて、サブCPU131は、第3設定変更フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS1041)。詳細は後述するが、第3設定変更フラグが「ON」に設定されている場合に、特別モードの演出が行われ、第3設定変更フラグが「OFF」に設定されている場合には、特別モードの演出が行われず、通常モードの演出が行われる。つまり、ステップS1041の判定処理は、特別モードで演出を行う設定となっているか否かを判定するための処理である。
第3設定変更フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS1041:NO)、サブCPU131は、特別図柄の変動表示に伴って行われる、装飾図柄の変動表示を含む変動演出の演出内容を、通常モード用の(特別モードの場合以外に用いる)変動演出テーブルを用いて設定する(ステップS1042)。
図33は、サブROM132に記憶される、変動演出の演出内容を設定するために用いられる各種変動演出テーブルの一例を示す図である。図33に示すように、サブROM132には、変動演出の内容を設定するための変動演出テーブルとして、通常モード用変動演出テーブル1321と、特別モード用変動演出テーブル1322とが記憶されている。各変動演出テーブル1321及び1322はそれぞれ、大当たり演出テーブル、ハズレリーチ有り演出テーブル、及びハズレリーチ無し演出テーブルの少なくとも3つの演出テーブルを含んでいる。大当たり演出テーブルは、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」の場合に使用されるテーブルであり、ハズレリーチ有り演出テーブルは、特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であってリーチ有りの場合に使用されるテーブルであり、ハズレリーチ有り演出テーブルは、特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であってリーチ無しの場合に使用されるテーブルである。なお、特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」の場合においてリーチ有りか否かは、変動開始コマンドに含まれている変動時間の情報に基づいて判断することができる。
さらに、図示しないが、これらの演出テーブルの各々には、遊技制御基板100において決定される変動パターン(変動時間)に対応するテーブルが複数設けられている。例えば、大当たり演出テーブルには、60秒用、80秒用、120秒用、及び160秒用のテーブルが設けられている。
上記ステップS1042においては、サブCPU131は、通常モード用変動演出テーブル1321に含まれる複数のテーブルの中から、変動開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、1のテーブルを選択する。例えば、「大当たり」を示す情報と、変動時間が60秒である大当たり用の変動パターンを示す情報とが設定情報に含まれている場合、サブCPU131は、60秒用の大当たり演出テーブルを選択する。また、「ハズレ」を示す情報と、遊技状態が時短遊技状態であることを示す情報と、変動時間が10秒であるハズレ用の変動パターンを示す情報とが設定情報に含まれている場合、サブCPU131は、10秒用のハズレリーチ無し演出テーブルを選択する。
各演出テーブルにおいては、演出乱数と演出内容(演出パターン)とが対応付けられている。サブCPU131は、上述した乱数更新処理が行われる毎に更新される演出乱数について、変動開始コマンドを受信した時点の値を取得しておき、選択した演出テーブルに格納されている多数の演出内容の中から、予め取得した演出乱数に対応する演出内容を読み出すことによって、1つの演出内容を決定する。
上記のような変動演出の内容を決定する処理が実行されることによって、装飾図柄の変動態様や、停止表示させる装飾図柄や、変動時に出力する演出音(BGM)といった変動演出に関する演出内容が決定される。なお、ステップS1042(後述のステップS1043についても同様)の処理において、今回の特別図柄の変動表示に伴ってリーチ有り演出を行う場合には、リーチ成立までの変動演出内容(例えば、装飾図柄の変動態様等)、リーチ成立時に有効ライン上において左列及び右列に擬似停止表示させるリーチ図柄、及び、リーチ成立後の変動演出内容が決定される。
一方、第3設定変更フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS1041:YES)、サブCPU131は、特別モード用変動演出テーブル1322を用いて変動演出の演出内容を設定する(ステップS1043)。ステップS1043の処理において、変動演出の内容を設定する方法は上記ステップS1042の処理と同様であるが、ステップS1043の処理においては、通常モード用変動演出テーブル1321に代えて、特別モード用変動演出テーブル1322を用いて変動演出の内容が設定される。なお、通常モード用変動演出テーブル1321と特別モード用変動演出テーブル1322とは、少なくとも一部の演出内容が異なっていればよく、一部に同じ演出内容が含まれていてもよい。なお、特別モードで演出が行われるのは通常遊技状態であり、大当たり判定の多くはハズレとなる。そのため、大当たり判定がハズレとなる場合に用いられるハズレリーチ有り演出テーブル及びハズレリーチ無し演出テーブルについては、通常モード用変動演出テーブル1321と特別モード用変動演出テーブル1322とで内容を異なるものにするとよい(ここで説明した変動演出テーブルだけでなく、後述する予告演出テーブルについても同様である)。
以上のように、本実施形態においては、第3設定変更フラグが「OFF」に設定されている場合(ステップS1041:NO)と、第3設定変更フラグが「ON」に設定されている場合(ステップS1041:YES)とで異なるテーブルを用いて、変動演出の演出内容が決定される。なお、詳細は後述するが、本実施形態においては、特別モード時には、背景画像や予告演出についても通常時とは設定が変更され、通常時とは異なる内容で演出が行われる。
上記ステップS1042又はS1043の処理を実行した場合、サブCPU131は、変動開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、今回の大当たり判定の判定結果が大当たりであるか否かを判定する(ステップS1044)。大当たりであると判定した場合(ステップS1044:YES)、サブCPU131は、第2設定変更フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS1045)。なお、上述のように、第2設定変更フラグは、プレミア演出に関する設定を示すフラグである。ステップS1045の処理は、プレミア演出に関する設定が変更されているか否か(すなわち、プレミア演出の出現率が通常よりも高い状態であるか否か)を判定するための処理である。
大当たり判定の判定結果が大当たりでない(すなわち、ハズレである)と判定した場合(ステップS1044:NO)、又は、第2設定変更フラグが「OFF」に設定されていると判定した場合(ステップS1045:NO)、サブCPU131は、第3設定変更フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS1046)。
第3設定変更フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS1046:NO)、サブCPU131は、変動演出中に行われる予告演出の演出内容を、通常設定用の予告演出テーブルを用いて設定する(ステップS1047)。
図33に示すように、サブROM132には、予告演出を設定するための変動演出テーブルとして、通常モード用予告演出テーブル1323と、特別モード用予告演出テーブル1324と、プレミア設定変更用予告演出テーブル1325とが記憶されている。各予告演出テーブル1323及び1324はそれぞれ、上記変動演出テーブル1321及び1322と同様、大当たり演出テーブル、ハズレリーチ有り演出テーブル、及びハズレリーチ無し演出テーブルの少なくとも3つの演出テーブルを含んでいる。また、大当たり判定の判定結果がハズレとなる場合にはプレミア演出が実行されないため、プレミア設定変更用予告演出テーブル1325には大当たり演出テーブルのみが含まれる。また、各演出テーブルにおいては、演出乱数の値と予告演出の内容(予告演出の種類やその内容)とが対応付けられている。
上記ステップS1047において、サブCPU131は、通常モード用予告演出テーブル1323に含まれる3つの演出テーブルのうちから、遊技制御基板100から受信した変動開始コマンドに含まれている各種設定情報に基づいて、いずれかの演出テーブルを選択する。例えば、「ハズレ」を示す情報と、変動時間が10秒であるハズレ用の変動パターンを示す情報とが設定情報に含まれている場合には、ハズレリーチ無し演出テーブルが選択される。サブCPU131は、選択した演出テーブルの中から、変動開始コマンドを受信した時点で取得した演出乱数に対応する演出内容を読み出すことによって、予告演出の演出内容を決定する。これによって、ステップS1042又はステップS1043の処理で設定された変動演出中に行う予告演出の種類(例えば、上述のプレミア演出や、セリフ予告演出や、ステップアップ予告演出等)や、その詳細内容(例えば、セリフ予告演出におけるセリフの内容や、ステップアップ予告演出におけるステップ数等)が決定される。
一方、第3設定変更フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS1046:YES)、サブCPU131は、変動演出中に行われる予告演出の演出内容を、特別モード用予告演出テーブル1324を用いて設定する(ステップS1048)。ステップS1048の処理において予告演出の演出内容を設定する方法は上記ステップS1047の処理と同様であるが、ステップS1048の処理においては、通常モード用予告演出テーブル1323に代えて特別モード用予告演出テーブル1324を用いて予告演出の演出内容が設定される。なお、通常モード用予告演出テーブル1323と特別モード用予告演出テーブル1324とでは、少なくとも一部について演出内容が異なっていればよい。例えば、各予告演出テーブル1323及び1324にキャラクタが登場する予告演出(例えばセリフ予告演出)が含まれている場合、登場するキャラクタが各テーブルで異なるように設定される。
また、第2設定変更フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS1045:YES)、サブCPU131は、変動演出中に行われる予告演出の演出内容を、プレミア設定変更用予告演出テーブル1325を用いて設定する(ステップS1049)。
ステップS1049の処理において予告演出の演出内容を設定する方法は上記ステップS1047の処理と同様であるが、通常モード用予告演出テーブル1323に代えてプレミア設定変更用予告演出テーブル1325を用いて予告演出の演出内容が設定される。また、プレミア設定変更用予告演出テーブル1325には(大当たりとなる場合にしか使用されないので)大当たり演出テーブルのみが含まれるので、上記3種類の演出テーブルから大当たり演出テーブルを選択する処理は実行されない。
ここで、プレミア設定変更用予告演出テーブル1325における大当たり演出テーブルは、プレミア演出が選択される割合が、通常モード用予告演出テーブル1323における大当たり演出テーブルでの割合よりも高くなるように構成されている。具体的には、本実施形態においては、通常モード用予告演出テーブル1323における大当たり演出テーブルが、プレミア演出が1/10000の割合で出現するように構成されているのに対して、プレミア設定変更用予告演出テーブル1325における大当たり演出テーブルが、プレミア演出が1/100の割合で出現するように構成されている。したがって、ステップS1049の処理では、予告演出としてプレミア演出が選択される確率がステップS1047の処理よりも高くなっている。
なお、特別モード用予告演出テーブル1324における大当たり演出テーブルは、プレミア演出が選択される割合が、通常モード用予告演出テーブル1323における大当たり演出テーブルでの割合と同じであるとする。なお、他の実施形態においては、両者の割合は同じである必要はなく、特別モード用予告演出テーブル1324におけるプレミア演出の割合が、通常モード用予告演出テーブル1323におけるプレミア演出の割合よりも高く設定されていてもよい。
以上のように、本実施形態においては、特典選択画面51(図11参照)においてプレミア演出が選択された場合には第2設定変更フラグが「ON」となる(ステップS116)。そして、変動演出設定処理においては、第2設定変更フラグが「ON」である場合(ステップS1045:NO)には、プレミア演出が選択される割合が低いテーブルを用いて予告演出の設定処理が実行され(ステップS1047又はステップS1048)、第2設定変更フラグが「OFF」である場合(ステップS1045:YES)には、プレミア演出が選択される割合が高いテーブルを用いて予告演出の設定処理が実行される(ステップS1049)。このように、本実施形態においては、特典選択画面51においてプレミア演出が選択された場合には、特別図柄の変動に伴う変動演出中においてプレミア演出が出現し易くなる。
なお、上記ステップS1047、ステップS1048、又はステップS1049の処理を実行した場合、サブCPU131は変動演出設定処理を終了し、上述のステップS105へ処理が進められる。
[演出制御基板130による特典選択画面表示処理]
図34は、図30のステップS106における特典選択画面表示処理の詳細フローチャートである。図34に例示されるように、ステップS105の処理に続いて、サブCPU131は、遊技制御基板100から受信した変動開始コマンドに基づいて、(現時点が)利益付与期間が終了した時点か否かを判定する(ステップS1061)。ここで、変動開始コマンドには、上述したように、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等が含まれている。サブCPU131は、この情報に基づいて、遊技状態が時短遊技状態又は確変遊技状態から通常遊技状態へと直接変化したか否かを判定することによって、利益付与期間の終了時点か否かを判定する。具体的には、前回の変動開始時における遊技状態が時短遊技状態又は確変遊技状態であって、今回の変動開始時における遊技状態が通常遊技状態である場合、利益付与期間の終了時点であると判定し、それ以外の場合は利益付与期間の終了時点ではないと判定する。
利益付与期間が終了した時点であると判定した場合(ステップS1061:YES)、サブCPU131は、上記ステップS118の処理によってサブRAM133に記憶されている連チャン回数カウンタCaの値が3未満であるか否かを判定する(ステップS1062)。ステップS1062の処理は、1回の利益付与期間において行われた大当たり遊技の回数が3未満であるか否かを判定する処理であり、換言すれば、利益付与期間において付与された遊技利益(大当たり遊技の回数)が所定以上であったか否かを判定する処理である。
連チャン回数カウンタCaの値が3未満であると判定した場合(ステップS1062:YES)、サブCPU131は、特典選択画面51(図11参照)を表示させるための特典選択画面表示コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS1063)。特典選択画面表示コマンドは、ステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これによって、画像音響制御基板140によって液晶表示装置5に特典選択画面51が表示される。なお、特典選択画面51が表示される間、画像音響制御基板140は、特典選択画面51と重ならない位置に装飾図柄52を表示するようにする(図11参照)。すなわち、特典選択画面51が表示される間、装飾図柄52は、画面の左上の位置に(特典選択画面51が表示されない場合に比べて)小さく表示され、図柄の停止時も小さく表示される。
以上のように、本実施形態においては、大当たりとなった場合における連チャン回数が3未満であった場合(ステップS1062:YES)、図11に例示される特典選択画面51が表示される(ステップS1063)。これに応じて、上述したように、特典選択画面51に含まれる画像51a〜51cに対する各演出のいずれかを遊技者が選択することによって、選択した演出の設定が変更される(ステップS116)ことになる。
また、上記のように、本実施形態においては、利益付与期間における遊技利益(例えば賞球数)が所定の基準よりも多いか少ないかを判定する判定処理として、利益付与期間における大当たり遊技の回数(連チャン回数カウンタCa)を用いた判定処理(ステップS1062)を行った。ここで、他の実施形態においては、上記遊技利益に関する判定処理として、1回の利益付与期間において払い出された賞球数が所定の基準よりも多いか少ないかを判定するようにしてもよい。具体的には、メインCPU101は、図17のステップS7の賞球処理で払い出された遊技球数(賞球数)を示す情報を、ステップS8の送信処理が行われる毎に演出制御基板130へ送信する。サブCPU131は、受信した上記情報が示す賞球数を積算することによって、1回の利益付与期間における総賞球数を算出し、上記ステップS1062において、総賞球数が所定値よりも少ないか否かを判定するようにしてもよい。このように、賞球数の情報に基づいて上記判別処理を行うことによって、遊技利益をより正確に算出することができ、判定をより正確に行うことができる。
また、他の実施形態においては、1回の利益付与期間における大当たり遊技のラウンド数や、1回の利益付与期間における大当たり遊技の種類(大当たりの種類)に基づいて上記判定処理が行われてもよい(後述する“[変形例]”参照)。
連チャン回数カウンタCaの値が3未満でない(すなわち、3以上である)と判定した場合(ステップS1062:NO)、又は、上記ステップS1063の処理を実行した場合、サブCPU131は、サブRAM133に記憶されている連チャン回数カウンタCaの値をリセット(すなわち“0”)にする(ステップS1064)。したがって、連チャン回数が3以上である場合には、特典選択画面51は表示されず、演出上の特典が遊技者に付与されない。
ステップS1064の処理に続いて、サブCPU131は、第1〜第3設定変更フラグのうちいずれかが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS1065)。そして、いずれかの設定変更フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS1065:YES)、サブCPU131は、「ON」に設定されている設定変更フラグを「OFF」に変更する(ステップS1066)。すなわち、サブRAM133に記憶されている上記設定変更フラグを「OFF」に変更する。
このように、本実施形態においては、特定演出の設定変更は、設定が変更された後の最初の利益付与期間が終了した時点で(少なくとも)元に戻される。つまり、特定演出の設定変更は、設定が変更された後で大当たりと判定された場合には少なくとも、元に戻される。したがって、プレミア演出又は特別モードの演出に関して設定が変更されている場合には、設定が変更されてから100回の特別図柄判定が終了していなくても、大当たりとなったことによって設定が元に戻されることになる。このとき、遊技者は、プレミア演出を見ることができなかったり、特別モードの演出を少ししか見ることができなかったりする場合もあるが、大当たりとなったことによって遊技者は満足感を得ることができるので、設定を元に戻しても問題はないと考えられる。大当たり遊技の終了後において設定が変更されたままであるとすれば、満足感を得た遊技者に対して演出特典を無駄に付与してしまうことになるが、本実施形態においては、このように無駄に演出特典が付与されてしまい、演出特典の価値が低下することを防止することができる。
なお、利益付与期間が終了した時点でないと判定した場合(ステップS1061:NO)、各設定変更フラグが「OFF」に設定されていると判定した場合(ステップS1065:NO)、又は、上記ステップS1066の処理を実行した場合、サブCPU131は特典選択画面表示処理を終了し、上述のステップS107に処理が進められる。
[演出制御基板130による変動回数カウント処理]
図35は、図30のステップS107における変動回数カウント処理の詳細フローチャートである。図35に例示されるように、ステップS106の処理に続いて、サブCPU131は、第2設定変更フラグ又は第3設定変更フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS1071)。第2又は第3設定変更フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS1071:YES)、サブCPU131は、第2設定変更フラグ又は第3設定変更フラグに対応する演出の設定が変更されてからの特別図柄判定に係る変動回数を示す変動回数カウンタCbを1だけ加算する(ステップS1072)。具体的には、サブCPU131は、サブRAM133に記憶されている変動回数カウンタCbの値を、1だけ加算した値に更新する。
ステップS1072の処理に続いて、サブCPU131は、第3設定変更フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS1073)。第3設定変更フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS1073:YES)、サブCPU131は、サブRAM132に記憶されている変動回数カウンタCbの値が1であるか否かを判定する(ステップS1074)。変動回数カウンタCbの値が1であると判定した場合(ステップS1074:YES)、サブCPU131は、特別モードにおける演出を画像音響制御基板140に開始させるための特別モード開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS1075)。つまり、第2設定変更フラグ又は第3設定変更フラグが「ON」に設定された後で最初に変動開始コマンドが受信された時点で、特別モード開始コマンドがセットされる。この特別モード開始コマンドは、ステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これにより、画像音響制御基板140は、特別モード用の背景画像を表示する処理を開始する。
上記のように、本実施形態においては、特典選択画面51(図11参照)において特別モードの演出が選択された場合には第3設定変更フラグが「ON」となる(ステップS116)。このとき、背景画像が特別モード用のものに変更され(ステップS1075)、また、変動演出及び予告演出として特別モード用の演出が行われる(ステップS1043,ステップS1048)。このように、本実施形態においては、特典選択画面51において特別モードの演出が選択された場合には、通常設定時とは異なる特別モードで演出が行われる。
なお、ステップS1071で第2及び第3設定変更フラグのいずれもが「OFF」に設定されていると判定した場合(ステップS1071:NO)、ステップS1073で第3設定変更フラグが「OOFF」に設定されていると判定した場合(ステップS1073:YES)、変動回数カウンタCbの値が1でないと判定した場合(ステップS1074:NO)、又は、上記ステップS1075の処理を実行した場合、サブCPU131は変動回数カウント処理を終了し、上述のステップS110へ処理が進められる。
[演出制御基板130による図柄確定時処理]
図36は、図30のステップS109における図柄確定時処理の詳細フローチャートである。図36に例示されるように、図柄確定時処理において、サブCPU131はまず、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の終了を指示する変動演出終了コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS1090)。この変動演出終了コマンドは、ステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これにより、ステップS105の処理に応じて開始された変動演出が終了することになる。
ステップS1091の処理に続いて、サブCPU131は、第3設定変更フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS1091)。第3設定変更フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS1091:YES)、サブCPU131は、サブRAM133に記憶されている上記変動回数カウンタCbの値が100であるか否かを判定する(ステップS1092)。ステップS1092の処理は、特典選択画面51によって演出が選択されたことによって選択された演出の設定が変更されてからの変動回数が100回に達したか否かを判定するための処理である。
変動回数カウンタCbの値が100であると判定した場合(ステップS1092:YES)、サブCPU131は、特別モード終了コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS1093)。この特別モード終了コマンドは、ステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これに応じて、画像音響制御基板140は、特別モードの演出を終了することを報知する。
ステップS1093の処理に続いて、サブCPU131は、サブRAM133に記憶されている第3設定変更フラグを「OFF」に変更する(ステップS1094)。これによって、その後に実行される変動演出設定処理(図32参照)においては、特別モード用のテーブルを用いて変動演出及び予告演出を設定する処理(ステップS1043及びS1048)に代えて、通常時用のテーブルを用いて変動演出及び予告演出を設定する処理(ステップS1042及びS1047)が実行されることになる。
一方、第3設定変更フラグが「OFF」に設定されていると判定した場合(ステップS1091:NO)、サブCPU131は、第2設定変更フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS1095)。第2設定変更フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS1095:YES)、サブCPU131は、上記ステップS1092と同様、サブRAM133に記憶されている変動回数カウンタCbの値が100であるか否かを判定する(ステップS1096)。
変動回数カウンタCbの値が100であると判定した場合(ステップS1096:YES)、サブCPU131は、サブRAM133に記憶されている第2設定変更フラグを「OFF」に変更する(ステップS1097)。これによって、その後に実行される変動演出設定処理(図32参照)においては、設定変更用のテーブルを用いて予告演出を設定する処理(ステップS1049)に代えて、通常モード用のテーブルを用いて予告演出を設定する処理(ステップS1042)が実行されることになる。
上記ステップS1094又はステップS1097の処理を実行した場合、サブCPU131は、サブRAM133に記憶されている変動回数カウンタCbの値をリセット(すなわち“0”)にする(ステップS1095)。
また、第2設定変更フラグが「OFF」に設定されていると判定した場合(ステップS1095:NO)、変動回数カウンタCbの値が100でないと判定した場合(ステップS1092又はステップS1096:NO)、又は、上記ステップS1098の処理を実行した場合、サブCPU131は図柄確定時処理を終了し、上述のステップS11に処理が進められる。
[本実施形態の作用効果]
上記実施形態においては、パチンコ遊技機1は、下記の手段を備える。
・始動条件が成立すると、有利な特別遊技(大当たり遊技)を実行するか否かを判定する特別遊技判定手段(ステップS3091)
・特別遊技判定手段によって特別遊技を実行すると判定された場合に、当該特別遊技を実行する特別遊技実行手段(S6)
・演出手段(液晶表示装置5等)に演出を実行させる演出制御手段(演出制御基板130)
・所定期間(利益付与期間)に行われた1回又は複数回の特別遊技による遊技利益が、所定の基準よりも少ない第1の利益であるか、当該所定の基準よりも多い第2の利益であるかを判別する(大当たり遊技の回数(連チャン回数)が2回以下か3回以上かを判別する)遊技利益判別手段(ステップS1062)
ここで、上記演出制御手段は、遊技利益判別手段によって第1の利益であると判別された場合、第2の利益であると判別された場合よりも、演出手段による特定演出(上記特別動画の演出、プレミア演出、及び、特別モードの演出)を出現し易くする。すなわち、大当たり遊技中に再生される特別動画の発生条件を緩和したり(ステップS122)、プレミア演出の出現確率を向上したり(ステップS1049)、特別モードの演出を行ったりする(ステップS1043,ステップS1048,及びステップS1074)。これによれば、利益付与期間における遊技利益が少なかった結果、期待したような遊技利益が得られなかった遊技者に対して、上記のような演出上の特典が付与される。したがって、上記実施形態によれば、遊技者が期待する結果とならない場合でも、遊技を継続することに対する遊技者の意欲が低下するのを抑制することができる。
また、上記実施形態においては、パチンコ遊技機1は、所定期間(利益付与期間)に行われた大当たり遊技の回数(連チャン回数)と所定回数(上記実施形態では3回)の大小関係を判別することによって、遊技利益が上記第1の利益であるか上記第2の利益であるかを判別する(ステップS1062)。ここで、連チャン回数は、遊技者の満足度合いを反映する指標と言える。したがって、上記実施形態においては、連チャン回数に基づいて判定を行うことによって、遊技者が満足しているか否か(逆に言えば、遊技者が期待を裏切られたと感じているか否か)を容易に判断することができる。
また、上記実施形態においては、演出制御基板130は、所定の演出実行条件(特別動画の演出を行う条件。具体的には、連チャン回数が所定回数に達したこと。)が満たされたことに応じて特別動画の再生を演出手段に実行させる。また、演出制御基板130は、第1の利益であると判別された場合、第2の利益であると判別された場合よりも、上記演出実行条件を緩和する(特別動画の発生条件を緩和する)(ステップS122)。これによれば、遊技利益が少なかった場合には、特別動画が発生し易くなるという演出上の特典が遊技者に付与されることになるので、遊技を継続することに対する遊技者の意欲が低下するのを抑制することができる。
また、上記実施形態においては、演出制御基板130は、第1の利益であると判別された場合、演出手段による特定演出(上記プレミア演出又は特別モードの演出)の出現率を第1出現率に制御する一方で、第2の利益であると判別された場合、上記特定演出の出現率を第1出現率よりも低い第2出現率に制御する。これによれば、遊技利益が少なかった場合には、プレミア演出が出現し易くなったり、特別モードが出現したりするという演出上の特典が遊技者に付与されることになるので、遊技を継続することに対する遊技者の意欲が低下するのを抑制することができる。
また、上記実施形態においては、パチンコ遊技機1は、第1の利益であると判別された場合、上記特定演出が出現し易くなることを報知する(特典選択画面51を表示する)。これによれば、演出上の特典が付与されることを遊技者に報知することができるので、特典が付与されることに遊技者が気づかずに遊技を止めてしまうことを防止することができる。
また、上記実施形態においては、上記特定演出が出現し易い状態を元に戻すための解除条件を設定する。すなわち、特別動画の演出に関しては、設定変更が行われた後の最初の利益付与期間が終了したことが解除条件となり、プレミア演出及び特別モードの演出に関しては、設定変更が行われた後で所定回数(本実施形態においては100回)の特別図柄判定が終了したことが解除条件となる。上記実施形態においては、パチンコ遊技機1は、解除条件が満たされたか否かを判定し(ステップS1065,ステップS1092,ステップS1096)、解除条件が満たされたと判定した場合に、特定演出の出現のし易さを元に戻す。
上記によれば、演出上の特典が付与され続けることを防止することができる。ここで、遊技者が遊技を辞めた後も特典が付与された状態(特定演出に関する設定が変更された状態)が維持されると、他の遊技者がその状態で遊技を行ってしまうおそれがある。この場合、上記他の遊技者は、「大当たりとなったが連チャン回数が少なかった」といった事情が無いにも関わらず、特典に関する演出を見ることができてしまう。このように理由無く特典の恩恵を受けることができてしまうと、特典の価値が低くなってしまい、ひいては、特典による「遊技を継続する意欲を遊技者に持たせる」という効果が減少してしまう。これに関して、本実施形態においては、解除条件が満たされた場合に特典の付与が停止されるので、他の遊技者が特典の恩恵を受けてしまう可能性を低減することができ、ひいては、特典による効果が減少することを抑えることができる。
また、上記実施形態においては、パチンコ遊技機1は、複数種類の特定演出の中からいずれか1つの特定演出の選択を受け付け(ステップS111〜S115)、遊技者によって選択された特定演出を出現し易くする(ステップS116)。このように、演出上の特典として付与される特典を複数の候補の中から遊技者が選択することができるようにすることによって、遊技を継続する動機付けを遊技者により与えやすくなる。また、一度特典を授与した遊技者に対しても、まだ授与していない他の特典があるので、遊技を継続する動機付けを与えることができる。
[変形例]
(特典を付与するか否かの判定に関する変形例)
上記実施形態においては、特典を付与するか否かの判定、すなわち、利益付与期間における遊技利益が所定の基準より少ないか否かの判定を、利益付与期間における連チャン回数に基づいて行った。ここで、他の実施形態においては、上記判定は、利益付与期間における遊技利益を判別することができる任意の方法であってよい。例えば、他の実施形態においては、上記判定は、利益付与期間におけるラウンド遊技の回数に基づいて行われてもよい。すなわち、パチンコ遊技機1は、利益付与期間に行われた(1回以上の)大当たり遊技において実行されたラウンド遊技の回数と所定回数との大小関係を判別することによって、上記の判定を行ってもよい。なお、上記の判定のためにカウントするラウンド遊技の回数には、賞球がほとんどない短開放ラウンド遊技の回数は含めず、長開放ラウンド遊技の回数のみをカウントすることが好ましい。
また、上記判定は、利益付与期間における大当たり遊技の種類(大当たりの種類)に基づいて行われてもよい。例えば、パチンコ遊技機1は、利益付与期間において所定の種類の大当たり(例えば16R確変当たり)の大当たり遊技が行われたか否かによって、上記の判定を行ってもよい。
また、上述したように、上記の判定は、利益付与期間における賞球数に基づいて行われてもよい。すなわち、パチンコ遊技機1は、利益付与期間に行われた(1回以上の)大当たり遊技において払い出された賞球数と所定数との大小関係を判別することによって、上記の判定を行ってもよい。
(通常設定に戻すタイミングに関する変形例)
上記実施形態においては、パチンコ遊技機1は、特定演出について設定を変更した場合、所定の解除条件が満たされたことに応じて設定を元に(通常設定に)戻した。すなわち、特別動画の演出については、「設定変更が行われた後の最初の利益付与期間が終了したこと」を解除条件とした。また、プレミア演出及び特別モードの演出に関しては、「大当たりと判定されたこと(設定変更が行われた後の最初の利益付与期間が終了したこと、とも言える)」、又は、「設定変更が行われた後で所定回数の特別図柄判定が終了したこと」を解除条件とした。ここで、設定を元に戻すための解除条件は上記実施形態における条件に限らない。他の実施形態においては、設定変更が行われた特定の演出が実際に行われたことを解除条件としてもよい。例えば、上記特別動画について設定変更が行われた場合、特別動画の再生が行われたことを条件として設定を元に戻すようにしてもよい。また、他の実施形態においては、設定が変更されてから所定時間が経過したこと(例えば、設定が変更されてから30分が経過したこと)を解除条件としてもよい。
また、他の実施形態においては、特別図柄判定の権利が保留されておらず且つ特別図柄の変動表示が行われなくなってから所定時間が経過するとパチンコ遊技機1が客待ち状態となる場合、客待ち状態が一定時間継続したことを解除条件としてもよい。また、パチンコ遊技機1は、ハンドル20が操作されているか否かを検知し、ハンドル20が操作されていない状態が一定時間継続したことを解除条件としてもよい。このように、パチンコ遊技機1は、遊技者が存在するか否かを判別し、遊技者が存在しないと判別した場合に設定を元に戻すようにしてもよい。
(設定が変更される特定演出に関する変形例)
上記実施形態においては、特典として付与されるために設定が変更される特定演出として、大当たり遊技中に再生される特別動画、プレミア演出、及び特別モードを例として説明したが、特定演出の内容は任意である。また、上記実施形態においては、上記3種類の特定演出のうちから設定を変更する演出を遊技者が選択するようにしたが、他の実施形態においては、特定演出は1種類であってもよい。また、他の実施形態においては、複数種類の特定演出のうちから2種類以上が選択され、選択された特定演出について設定が変更されてもよい。例えば、上記の実施形態においては、第1〜第3設定変更フラグのうち、2つ以上の設定変更フラグが同時に「ON」に設定されてもよい。
また、他の実施形態においては、複数種類の特定演出のうちから設定を変更する演出を、遊技者による選択以外の方法によって(パチンコ遊技機1が自動的に)選択するようにしてもよい。例えば、利益付与期間における遊技利益に基づいて、複数種類の特定演出のうちから設定を変更する演出が選択されてもよい。具体的には、利益付与期間における連チャン回数が2回以下であった場合には第1の演出が選択され、連チャン回数が3回以上且つ4回以下であった場合には第2の演出が選択され、連チャン回数が5回以上であった場合には特典が付与されないようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、設定を変更する演出を選択する操作は、利益付与期間が終了したタイミングで受け付けられた。ここで、パチンコ遊技機1が上記操作を受け付けるタイミングは任意であり、他の実施形態においては、例えば、客待ち状態において特典選択画面を表示可能な構成とし、特典が付与される場合にいずれの演出の設定を変更するかを遊技者に予め設定させるようにしてもよい。
(パチンコ遊技機1のスペックに関する変形例)
上記実施形態においては、パチンコ遊技機1がいわゆる高継続タイプである場合を例として説明したが、このようなタイプに限らず、特別図柄判定における大当たりの内訳等、パチンコ遊技機1のスペックは任意である。高継続タイプでない場合であっても、大当たりとなれば遊技者はある程度の期待をする一方、期待に添うだけの遊技利益が得られず、遊技者は遊技を継続する意欲を失うことは十分考えられ、このような場合でも本発明を適用することによって、遊技を継続することに対する遊技者の意欲が低下するのを抑制することができる。
また、上記実施形態において説明したパチンコ遊技機1の構成や各部材の動作態様は単なる一例に過ぎず、他の構成や動作態様であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。これは、本実施形態で例示された画面図などについても同様である。