JP5814918B2 - 新規ペプチダーゼ基質 - Google Patents
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Description
本発明の化合物は基質として使用される場合に組織酵素学における使用に適しており、それは加水分解の産物が酵素活性を発現する細胞に主として局在化されたままであるためであり、組織内でこの活性を発現する細胞又はオルガネラを特異的に同定することが可能である。
それらの低い毒性のために、本発明の化合物は、pH指示薬として、または細胞培養のペプチダーゼ活性を監視するために、それぞれ非常に適している。
本出願において、「呈色」なる用語は、可視スペクトルにおける光の吸収である呈色、又はある波長での吸収(λex)とより高い波長での放出である蛍光(λem、λem>λex)をカバーするために使用される。
本発明の化合物は、塩を形成してもよく、すなわち塩化物、臭化物、ヨウ化物またはトリフルオロ酢酸塩のような塩の形態でもよい。
「ペプチダーゼ」なる用語は、加水分解によって、ペプチドのアシル残基と一級アミンとの間で形成されるアミド基を切断することができる酵素を意味することを目的とする。
「アミノペプチダーゼ」なる用語は、加水分解によって、アミノ酸のアシルと一級アミンとの間で形成されるアミド基を切断することができる酵素を意味することを目的とする。
本出願において、「ペプチダーゼ」なる用語は、適切には、上に定義のペプチダーゼとアミノペプチダーゼを意味することができる。
「ペプチド」なる用語は、1から10アミノ酸、好ましくは1から4アミノ酸を含むペプチド鎖を意味することを目的とする。ペプチドはジアラニンまたはトリアラニンであることが望ましい。「アミノ酸」なる用語は、当業者に知られている任意の天然または非天然アミノ酸を意味することを目的とする。本発明のある実施形態によれば、アミノ酸はβ−アラニンまたはL−アラニンまたはD−アラニン、またはグリシン、ピログルタミル等である。
上記ペプチドは、そのN末端終端に遮断剤を含んでもよい。本発明に係る遮断剤は、アミンを保護することができる当業者に知られている任意の遮断剤を含む。例えば、t−ブトキシカルボニル(N−tBOC)、9−フルオレニルオキシカルボニル、サクシニルのような可溶化剤、または非代謝性アミノ酸、すなわち、ピペコリン酸のような非天然アミノ酸またはD−フェニルアラニンようなD型のアミノ酸を挙げることができる。遮断剤は、本発明の化合物に体系的に存在しない。
「アリール基」なる用語は、芳香環、例えばC6−C10芳香環、特にフェニル、ベンジル、1−ナフチルまたは2−ナフチルに由来する官能基(または置換基)を意味することを目的とする。
「カルボキシル基」なる用語は、第1の酸素原子に二重結合により、及び第2の酸素原子(それ自体が負に荷電しているか、又は水素原子に結合している)に単結合により結合された炭素原子から成る官能基を意味することを目的とする。分子のpKa及び培地のpHに応じて、カルボキシル基はイオン化型、すなわち第2の酸素原子に結合するHを有さないで負に帯電していてもよい。
「反応培地」なる用語は、微生物、細胞又はオルガネラの代謝の発現および/または増殖のために必要な全ての成分を含んで成る培地を意味することを目的とする。この反応培地は、フローサイトメトリ、組織酵素学、細胞培養などにおいて、又は微生物を検出及び/又は同定するための培地として使用することができる。
反応培地は、一つ以上の成分、例えばアミノ酸、ペプトン、糖質、ヌクレオチド、ミネラル、抗生物質、界面活性剤、バッファー、リン酸塩、アンモニウム塩、ナトリウム塩又は金属塩を組合せて含むことができる。培地は、着色剤を更に含んでもよい。例えば、着色剤として、エバンスブルー、ニュートラルレッド、ヒツジの血液、ウマの血液、乳白剤(例えば酸化チタン)、ニトロアニリン、マラカイトグリーン、ブリリアントグリーンなどを挙げることができる。
反応培地は、検出(revealing)及び/又は同定培地、すなわち検出培地又は培養且つ検出培地であってもよい。前者の場合、微生物の培養は接種される前に実施され、後者の場合は検出及び/又は同定培地は更に培養培地も構成する。
グラム陰性菌について、以下の属のバクテリアを挙げることができる:シュードモナス属、エシェリヒア属、サルモネラ属、赤痢菌属、エンテロバクター属、クレブシェラ属、セラシア属、プロテウス属、カンピロバクター属、ヘモフィルス属、モルガネラ属、ビブリオ属、エルシニア属、アシネトバクター属、ブランハメラ属、ナイセリア属、バークホルデリア属、シトロバクター属、ハフニア属、エドバルシエラ属、エーロモナス属、モラクセラ属、パスツレラ属、プロビデンシア属、アクチノバチルス属、アルカリゲネス属、ボルデテラ属、セデセア属、エルウィニア属、パントエア属、ラルストニア属、ステノトロホモナス属、キサントモナス属及びレジオネラ属。
グラム陽性菌について、以下の属のバクテリアを挙げることができる:アエロコッカス属、エンテロコッカス属、ストレプトコッカス属、スタフィロコッカス属、桿菌属、乳酸桿菌属、リステリア属、クロストリジウム属、ガルドネレラ属、コクリア属、ラクトコッカス属、ロイコノストック属、ミクロコッカス属、ファルカミア属(Falkamia)、ゲメラ属、ペジオコックス属、マイコバクテリア属及びコリネバクテリウム属。
酵母について、以下の属の酵母を挙げることができる:カンジダ属、クリプトコックス属、サッカロミセス属及びトリコスポロン属。
好ましくは、微生物は、大腸菌、セラチア・マルセスセンス、ネズミチフス菌、プロビデンシア・レットゲリ、エルシニア・エンテロコリチカ、緑濃菌、枯草菌、黄色ブドウ球菌、化膿レンサ球菌及びエンテロコッカス・フェカーリスから選択される。
[式中、
・Y1は、ペプチド、H又はアルキルである;
・W1、W2、W3及びW4は、独立にH、Br、Cl、F、I、アルキル、アルコキシ、チオメチル、ペルフルオロアルキル、ニトロ、シアノ、カルボキシル(それらのエステルまたはアミドを含む)またはそれらの任意の組合せである;
・n=0、1又は2;
・UはN又はN+Rであり、VはCZ6NまたはN+Rであり、あるいはVはN又はN+Rであり、UはCZ6である;
・RはH、アルキル、アラルキル、アリール、アルカノイル又はアルキルスルホニルである;
・Z1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6は、独立にH、Br、Cl、F、I、アルキル、アリール、アルコキシ、ペルフルオロアルキル、ニトロ、シアノ、カルボキシル、スルホニル(カルボキシルまたはスルホニル・エステルまたはアミドを含む)である。]
及びその塩類の使用に関する。
前記式(I)の化合物がpHの変化だけを検出するために使われる場合、Y1はH又はアルキルである。
前記式(I)の化合物がペプチダーゼ活性の検出のために使われる場合、Y1はペプチドである。好ましくは、U又はVはNである。
前記式(I)の化合物がペプチダーゼ活性及びpHの変化の検出のために使われる場合、Y1はペプチドである。好ましくは、U又はVはNである。
本発明の好ましい一実施形態によれば、Y1はペプチドであり、好ましくはアラニン、アスパラギン、グルタミン、チロシン及びトリアラニルから選択される。
本発明の好ましい一実施形態によれは、n=1である。
本発明の好ましい一実施形態によれば、W1、W2、W3及びW4は独立にHである。
本発明の好ましい一実施形態によれば、UはCHであり、VはNまたはN+Rであり、好ましくはN+CH3である。
本発明の好ましい一実施形態によれば、VはCHであり、UはNまたはN+Rであり、好ましくはN+CH3である。
本発明の好ましい一実施形態によれば、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6は、独立にHである。
本発明の好ましい一実施態様によれば、L−アラニル−4−(4’−アミドフェニル)−2−メチルキノリン、L−アラニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−ベンジルキノリニウムTFA、L−グルタミル−4−(4’−アミドスチリル)−N−ベンジルキノリニウムTFA、β−アラニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−ベンジルキノリニウムTFA、L−アラニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウムTFA、D−アラニン−N−メチル−4−(4′−アミノスチリル)キノリニウム(ジクロリド)、L−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム、Z−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム、L−アラニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム(ジクロリド)、L−アラニル−L−アラニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム(ジクロリド)、L−アラニル−L−アラニル−L−アラニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム(ジクロリド)、γ−アミノブチリル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム ジ−Cl、L−アスパラギニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム−ビス−TFA、α−アスパルチル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム ジクロリド、β−アスパルチル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム ジクロリド、グリシル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム(ジクロリド)、L−γ−グルタミル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム(ジクロリド)、グリシル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム クロリド、L−ロイシル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム ジヒドロクロリド、L−メチオニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム ジ−Cl、ピログルタミル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム ヨージド、サルコシニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム ジクロリド、L−トリプトファニル−4−(4−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム ジヒドロクロリド、L−チロシル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム ジヒドロクロリド、β−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム TFA、L−プロリル−2−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム(HBr)、Z−アルギニル−2−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム、L−ピログルタミル−2−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム、L−アラニル−4−(4’−アミドスチリル)キノリン TFA、β−アラニル−4−(4’−アミドスチリル)キノリン、L−グルタミル−4−(4’−アミドスチリル)キノリン TFA、グリシル−4−(4’−アミドスチリル)キノリン TFA、ピログルタミル−4−(4’−アミドスチリル)キノリン, L−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)キノリン、β−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)キノリン、グリシル−2−(4’−アミドスチリル)キノリン TFA及びL−アラニル−2−(2’−ピリジル)−4−(4’−アミドスチリル)キノリンである。
本発明の好ましい一実施態様によれば、前記化合物はβ−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)キノリン(β−Ala−ASQ)、L−チロシル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム ジヒドロクロリド(Tyr−ASQM+)、L−アスパラギニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム−ビス−TFA(Asn−ASQM+)、L−γ−グルタミル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム(ジクロリド)(λ−Glu−ASQM+)、及びL−アラニル−L−アラニル−L−アラニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム(ジクロリド)(Tri−Ala−ASQM+)である。
a)以下の式(I)の化合物及びその塩類を含む検出および/または同定培地を提供すること:
[式中、
・Y1はペプチド、H又はアルキルである;
・W1、W2、W3及びW4は、独立にH、Br、Cl、F、I、アルキル、アルコキシ、チオメチル、ペルフルオロアルキル、ニトロ、シアノ、カルボキシル(それらのエステルまたはアミドを含む)またはそれらの任意の組合せである;
・n=0、1又は2;
・UはN又はN+Rであり、VはCZ6NまたはN+Rであり、あるいはVはN又はN+Rであり、UはCZ6である;
・RはH、アルキル、アラルキル、アリール、アルカノイルまたはアルキルスルホニルである;
・Z1、Z2、Z3、Z4及びZ5は、独立にH、Br、Cl、F、I、アルキル、アリール、アルコキシ、ペルフルオロアルキル、ニトロ、シアノ、カルボキシル、スルホニル(カルボキシルまたはスルホニル・エステルまたはアミドを含む)である。]
b)培地に試験される生物試料を接種すること、
c)インキュベーションに置くこと、及び
d)少なくとも一つのペプチダーゼ活性の存在またはpHの変化を明らかにすること。
前記方法が微生物のペプチダーゼ活性を検出する方法である場合、Y1はペプチドである。好ましくは、U又はVはNである。
前記方法が微生物のペプチダーゼ活性及びpHの変化の検出のための方法である場合、Y1はペプチドである。好ましくは、U又はVはNである。
本発明の好ましい一実施形態によれば、Y1はペプチドであり、好ましくはアラニン、アスパラギン、グルタミン及びチロシンから選択される。
本発明の好ましい一実施形態によれば、n=1である。
本発明の好ましい一実施形態によれば、W1、W2、W3及びW4は独立にHである。
本発明の好ましい一実施形態によれば、UはCHであり、VはNまたはN+Rであり、好ましくはN+CH3である。
本発明の好ましい一実施形態によれば、VはCHであり、UはNまたはN+Rであり、好ましくはN+CH3である。
本発明の好ましい一実施形態によれば、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6は、独立にHである。
本発明の好ましい一実施態様によれば、L−アラニル−4−(4’−アミドフェニル)−2−メチルキノリン、L−アラニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−ベンジルキノリニウムTFA、L−グルタミル−4−(4’−アミドスチリル)−N−ベンジルキノリニウムTFA、β−アラニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−ベンジルキノリニウムTFA、L−アラニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウムTFA、D−アラニン−N−メチル−4−(4′−アミノスチリル)キノリニウム(ジクロリド)、L−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム、Z−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム、L−アラニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム(ジクロリド)、L−アラニル−L−アラニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム(ジクロリド)、L−アラニル−L−アラニル−L−アラニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム(ジクロリド)、γ−アミノブチリル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム ジ−Cl、L−アスパラギニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム−ビス−TFA、α−アスパルチル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム ジクロリド、β−アスパルチル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム ジクロリド、グリシル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム(ジクロリド)、L−γ−グルタミル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム(ジクロリド)、グリシル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム クロリド、L−ロイシル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム ジヒドロクロリド、L−メチオニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム ジ−Cl、ピログルタミル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム ヨージド、サルコシニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム ジクロリド、L−トリプトファニル−4−(4−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム ジヒドロクロリド、L−チロシル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム ジヒドロクロリド、β−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウムTFA、L−プロリル−2−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム(HBr)、Z−アルギニル−2−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム、L−pyroグルタミル−2−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム、L−アラニル−4−(4’−アミドスチリル)キノリンTFA、β−アラニル−4−(4’−アミドスチリル)キノリン、L−グルタミル−4−(4’−アミドスチリル)キノリンTFA、グリシル−4−(4’−アミドスチリル)キノリン TFA、ピログルタミル−4−(4’−アミドスチリル)キノリン, L−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)キノリン、β−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)キノリン、グリシル−2−(4’−アミドスチリル)キノリンTFA及びL−アラニル−2−(2’−ピリジル)−4−(4’−アミドスチリル)キノリンである。
本発明の好ましい一実施態様によれば、前記化合物はβ−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)キノリン(β−Ala−ASQ)、L−チロシル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム ジヒドロクロリド(Tyr−ASQM+)、L−アスパラギニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム−ビス−TFA(Asn−ASQM+)、L−γ−グルタミル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム(ジクロリド)(λ−Glu−ASQM+)、及びL−アラニル−L−アラニル−L−アラニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム(ジクロリド)(Tri−Ala−ASQM+)である。
a)ペプチダーゼ活性及び/又はpHの変化を検出するための酵素基質として、以下の式(I)の化合物及びその塩類を含む検出および/または同定培地を提供すること:
[式中、
・Y1はペプチド、H又はアルキルである;
・W1、W2、W3及びW4は、独立にH、Br、Cl、F、I、アルキル、アルコキシ、チオメチル、ペルフルオロアルキル、ニトロ、シアノ、カルボキシル(それらのエステルまたはアミドを含む)またはそれらの任意の組合せである;
・n=0、1又は2;
・UはN又はN+Rであり、VはCZ6NまたはN+Rであり、あるいはVはN又はN+Rであり、UはCZ6である;
・Rは、H、アルキル、アラルキル、アリール、アルカノイルまたはアルキルスルホニルである;
・Z1、Z2、Z3、Z4及びZ5は、独立にH、Br、Cl、F、I、アルキル、アリール、アルコキシ、ペルフルオロアルキル、ニトロ、シアノ、カルボキシル、スルホニル(カルボキシルまたはスルホニル・エステルまたはアミドを含む)である。]
b)培地に試験される生物試料を接種すること、
c)インキュベーションに置くこと、及び
d)少なくとも一つのペプチダーゼ活性の存在またはpHの変化を明らかにすること。
前記培地がpHの変化だけを検出する培地である場合、Y1はHまたはアルキルである。
前記培地がペプチダーゼ活性を検出する培地である場合、Y1はペプチドである。好ましくは、U又はVはNである。
前記培地がペプチダーゼ活性及びpHの変化の検出のための培地である場合、Y1はペプチドである。好ましくは、U又はVはNである。
本発明の好ましい一実施形態によれば、n=1である。
本発明の好ましい一実施形態によれば、W1、W2、W3及びW4は独立にHである。
本発明の好ましい一実施形態によれば、UはCHであり、VはNまたはN+Rであり、好ましくはN+CH3である。
本発明の好ましい一実施形態によれば、VはCHであり、UはNまたはN+Rであり、好ましくはN+CH3である。
本発明の好ましい一実施形態によれば、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6は、独立にHである。
[式中、
・Y1はペプチド、Hまたはアルキルである;
・W1、W2、W3及びW4は、独立にH、Br、Cl、F、I、アルキル、アルコキシ、チオメチル、ペルフルオロアルキル、ニトロ、シアノ、カルボキシル(それらのエステルまたはアミドを含む)またはそれらの任意の組合せ;
・n=0、1または2;
・UはNまたはN+Rであり、VはCZ6NまたはN+Rであり、あるいはVはNまたはN+Rであり、UはCZ6である;
・Rは、H、アルキル、アラルキル、アリール、アルカノイルまたはアルキルスルホニルである;
・Z1、Z2、Z3、Z4及びZ5は、独立にH、Br、Cl、F、I、アルキル、アリール、アルコキシ、ペルフルオロアルキル、ニトロ、シアノ、カルボキシル、スルホニル(カルボキシルまたはスルホニル・エステルまたはアミドを含む)である。]
及びその塩類を含む培地に関する。
前記培地がpHの変異のみを検出するための培地である場合、Y1はHまたはアルキルである。
前記培地がペプチダーゼ活性、場合によりpHの変異を検出するための培地である場合、Y1はペプチドである。好ましくは、UまたはVはNである。
本発明の好ましい一実施形態によって、n=1である。
本発明の好ましい一実施形態によれば、W1、W2、W3及びW4は独立にHである。
本発明の好ましい一実施形態によれば、UはCHであり、VはNまたはN+R、好ましくはN+CH3である。
本発明の好ましい一実施形態によれば、VはCHであり、UはNまたはN+R、好ましくはN+CH3である。
本発明の好ましい一実施形態によれば、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6は、独立にHである。
好ましくは、前記反応培地は、微生物の検出及び/又は同定のための培地であって、前記培地は酵素基質又は上記のpH指示薬として使用される少なくとも一つの分子を含む。
好ましくは、前記化合物、酵素基質またはpH指示薬は、1から1000mg/l、好ましくは10から500mg/lの濃度である。
本発明のある特定の実施形態によれば、本発明の上記検出及び/又は同定のための培地は、本発明に係る分子によって検出されるペプチダーゼ活性とは異なる酵素活性に特異的である少なくとも一つの他の酵素基質を含む。
本発明の別の特定の実施態様によれば、本発明の前記検出および/または同定のための培地は、更にpHの変異によって示されたもの以外の酵素活性に特異的な少なくとも一つの基質を含む。他の基質の酵素の代謝は、検出可能な信号を生み出し、それは酵素基質として又はpH指示薬として使用される本発明の化合物によって生み出される信号とは異なっており(例えば異なる色又は蛍光の生成物)、それは一つ以上の微生物の検出および/または同定および/または定量の視覚化を可能にするためである。他の特異的な基質として、従来微生物の検出に使用されている任意の他の基質を使用してもよい。他の特異的な酵素基質の濃度は、通常は0.01から1g/lである。当業者は、使用する基質に従って上記の濃度を容易に決定することができる。例えば、ペプチダーゼ、オシダーゼ、エステラーゼまたはレダクターゼ酵素基質と本発明の化合物を組合わせることが可能である。
特に、ペプチドがβ−アラニンである本発明の基質を、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−グルコシドまたはアリザリン−β−ガラクドシドのようなオシダーゼ基質と組合わせることが可能である。更に、ペプチドがL−アラニンである本発明の基質を、5−ブロモ−6−クロロ−3−インドキシル・オクタノエートまたは5−ブロモ−3−インドキシル・フォスフェートのようなエステラーゼ基質と組合わせることが可能である。
以下に、実施例を、例として与える。
4−(4’−アミノスチリル)キノリンは、Bahner et al.(C.T.Bahner, C. Cook, J. Dale, J. Fain, F. Hannan, P. Smith and J.Wilson,Journal of Organic Chemistry, 1958,23,1060-1062)の方法に従って調製された。
t−BOC−β−アラニンによる4−(4’−アミノスチリル)キノリンのアミノアシル化は例として与えられ、他のアミノアシル化は別の保護アミノ酸と同一方法で実施された。
まず第一に、水分の存在により正しい反応が妨げされるかもしれないので、使用する全てのガラス製品が完全に乾燥していることを確実にするように注意が必要である。0.50g(0.00266モル)のt−Boc−L−アラニンを10mlの無水テトラヒドロフラン(THF)に溶解し、密封されていることを確かにするために、丸底フラスコの首にCaCl2トラップを付けた。混合物は磁気で撹拌され、反応培地の温度はNaCl塩類を混ぜ合わせた冷凍アイスの溶液バットを使用して−15℃まで下げた。この温度に達したとき、撹拌は更に5分間実施された。次に0.34g(0.0033モル)のN−メチルモルホリンを加え、温度が次の工程に進む前に−15℃に下げ戻ることに大いに注意を払った。0.36g(0.00266モル)のクロロブチル・ホルマートは次に最大の注意と共に加えられ、加えられる各々の滴下による沈殿により反応培地は濁った。数分後に、0.49g(0.002モル)の4−(4’−アミノスチリル)キノリンを極少量の無水THFに溶解し、反応培地に加えた。2時間後に氷浴を取り除き、反応培地を一晩撹拌したままにした。溶液をろ過し、丸底フラスコは普通のTHFでリンスし、ろ液は保持した。わずかな沈澱があり、そのため次の工程が実施された。さもないと、溶液を綺麗な丸底フラスコに入れて、適切な量の溶媒を蒸散させる必要がある。溶液は、氷と水と更には炭酸ナトリウム(Na2CO3)を含む400mlのビーカーに、パスツールピペットを使用して移された。全体は、透明溶液は得られるまで、二時間撹拌されたままにした。溶液は小ブフナー漏斗でろ過され、次に沈殿物は再結晶させるためにエタノールに溶解された。0.76gのt−BOC−β−アラニン−4−(4’−アミノスチリル)キノリン、黄色の固体、は収率90%で得られた。m.p.160−162℃。HRMS(EI)C25H25N3O3、分子イオンの理論値418.2125(M+H)+、実測値:418.2123. 1H-NMR: (DMSO) δ 1.34 (9H, s, C(CH3)3), 3.19 (2H, q, J=5.94 Hz, >CH2), 3.38 (2H, m, >CH2), 6.88 (1H, t, J=5.69 Hz, NH), 7.50 (1H, d, J=16.08 Hz, =CH), 7.61 (1H, m, Ph-H), 7.64 (2H, d, J=8.66 Hz, C6'-H and C2'-H), 7.73 (1H, m, Ph-H), 7.74 (2H, d, J=8.91 Hz, C5'-H and C3'-H), 7.79 (1H, d, J=4.70 Hz, C3-H), 7.96 (1H, d, J=6.33 Hz, =CH), 7.99 (1H, d, J=8.16 Hz, C5-H), 8.48 (1H, d, J=8.41 Hz, C8-H), 8.82 (1H, d, J=4.70 Hz, C2-H), 10.09 (1H, s, NH). IR: υmax cm-1 3380 (CO), 3307 (CONH), 1693 (CONH), 1673 (CONH), 1365 (C(CH3)3), 754 (CH2).
t−BOC−β−アラニン−4−(4’−アミノスチリル)キノリンは、CaCl2トラップを取り付けた丸底フラスコ中の酢酸エチルの極少量に溶解された。次に酢酸エチルのHCl飽和溶液を加えた。混合物は一晩撹拌させて、次に溶媒を蒸散させた。二塩素化β−アラニン−4−(4’−アミノスチリル)キノリン、茶色の固体、は収率77%で得られた。m.p.176−178℃、HRMS(EI)C20H19N3O。分子イオンの理論値318.1601(M+H)+。実測値:318.1601。1H-NMR: (DMSO) δ 2.50 (2H, t, J=6.19 Hz, >CH2), 3.15 (2H, m, >CH2), 7.27 (1H, d, J=2.72 Hz, Ph-H), 7.30 (1H, d, J=16.08 Hz, =CH), 7.57 (2H, d, J=8.41 Hz, Ph-H), 7.63 (1H, d, J=16.08 Hz, -CH), 7.64 (2H, d, J=8.91 Hz, Ph-H), 7.74 (2H, m, Ph-H), 8.12 (1H, d, J=8.66 Hz, Ph-H), 8.23 (1H, d, J=7.42 Hz, C8-H), 8.88 (1H, d, J=4.45 Hz, C2-H), 10.43 (1H, s, NH). IR: υmax cm-1 2852 (NH salt), 1674 (C=O), 1584 (NH), 1379 (NH).
10mlのアセトニトリル中の2.21ng(0.0155モル)のヨウ化メチルと0.42g(0.001モル)のt−Boc−β−アラニル−4−(4’−アミノスチリル)キノリンとの混合物を一晩撹拌した。混合物はろ過され、0.38gのオレンジ色固体のヨウ化t−Boc−β−アラニル−N−メチル−4−(4’−アミノスチリル)キノリニウムが収率70%で得られた。180−182℃。HRMS(EI)C26H29N3O3。分子イオンの理論値432.2282(M+H)+。実測値:432.2280. 1H-NMR: (DMSO) δ 1.39 (9H, s, -C(CH3)3), 3.24 (2H, quartet, J= 6.19 Hz, >CH2), 3.37 (2H, m, >CH2), 4.54 (3H, s, -CH3), 6.95 (1H, t, J=6.19 Hz, NH), 7.75 (2H, d, J=8.66 Hz, C6'-H and C2'-H), 7.96 (2H, d, J=8.66 Hz, C5'-H and C3'-H), 8.05 (1H, t, J=7.42 Hz, C7-H), 8.08 (1H, d, J=16.08 Hz, =CH), 8.24 (1H, d, J=16.08 Hz, =CH), 8.27 (1H, t, J=6.93 Hz, C6-H), 8.44 (1H, d, J=8.91 Hz, C5-H), 8.48 (1H, d, J=6.68 Hz, C3-H), 9.05 (1H, d, J=8.66 Hz, C8-H), 9.32 (1H, d, J=6.68 Hz, C2-H), 10.26 (1H, s, NH). IR: υmax cm-1 3368 (NH), 3276 (NH), 1674 (CO), 1617 (CO), 1592 (CONH), 1571 (CONH), 1365 (CCH3)3), 1395 (CH3).
二塩素化L−アラニン−N−メチル−4−(4’−アミノスチリル)キノリニウム、赤色の固体、m.p.244−246℃。HRMS(EI)C21H23N3O。分子イオンの理論値332.1757(M−2HCl+H)+。実測値:332.1756。1H-NMR: (DMSO) δ 1.51 (3H, d, J=6.93 Hz, -CH3), 4.19 (1H, q, J=6.93 Hz, ala-H), 4.55 (3H, s, -CH3), 7.86 (2H, d, J=8.66 Hz, C6'-H and C2'-H), 8.01 (2H, d, J=8.66 Hz, C5'-H and C3'-H), 8.05 (1H, m, Ph-H), 8.28 (1H, m, Ph-H), 8.16 (1H, d, J=16.08 Hz, =CH), 8.29 (1H, d, J=16.08 Hz, =CH), 8.44 (1H, d, J=8.91 Hz, C5-H), 8.51 (1H, d, J=6.68 Hz, C3-H), 9.06 (1H, d, J=8.41 Hz, C8-H), 9.40 (1H, d, J=6.68 Hz, C2-H), 11.49 (1H, s, NH). IR: υmax cm-1 1693 (C=O), 1597 (NH), 1533 (NH), 1324 (NH), 1369 (CH3).
二塩素化L−γ−グルタミル−N−メチル−4−(4’−アミノスチリル)キノリニウム。
1H-NMR: (DMSO) δ 2.05 (2H, m, >CH2), 2.55 (2H, m, >CH2), 3.87 (1H, m, >CH-), 4.49 (3H, s, N-CH3), 7.70 (2H, d, J=7 Hz, Ar-H), 7.90 (2H, d, J=7 Hz, Ar-H), 7.90-8.50 (6H, m, Ar-H, -CH=), 8.60 (1H, broad s, >NH), 8.97 (1H, d, J=8 Hz, Ar-H), 9.29 (1H, d, J=5 Hz, Ar-H).
二塩素化L−チロシル−N−メチル−4−(4’−アミノスチリル)キノリニウム。
1H-NMR: (DMSO) δ 3.10 (2H, m, >CH2), 4.30 (1H, m, >CH-), 4.52 (3H, s, N-CH3), 6.70 (2H, d, J=7 Hz, Ar-H), 7.12 (2H, d, J=7 Hz, Ar-H), 7.79 (2H, d, J=7 Hz, Ar-H), 7.98 (2H, d, J=7Hz, Ar-H), 8.00-8.60 (6H, m, Ar-H and -CH=), 9.04 (1H, d, J=7 Hz, Ar-H), 9.38 (1H, d, J=5 Hz, Ar-H), 9.46 (1H, broad s, >OH).
二塩素化L−アラニン−N−メチル−4−(4’−アミノスチリル)キノリニウム及びD−アラニン−N−メチル−4−(4’−アミノスチリル)キノリニウム。
1H-NMR: (DMSO) δ 1.51 (3H, d, J=6.93 Hz, -CH3), 4.19 (1H, q, J=6.93 Hz, ala-H), 4.55 (3H, s, -CH3), 7.86 (2H, d, J=8.66 Hz, C6'-H and C2'-H), 8.01 (2H, d, J=8.66 Hz, C5'-H and C3'-H), 8.05 (1H, m, Ph-H), 8.28 (1H, m, Ph-H), 8.16 (1H, d, J=16.08 Hz, =CH), 8.29 (1H, d, J=16.08 Hz, =CH), 8.44 (1H, d, J=8.91 Hz, C5-H), 8.51 (1H, d, J=6.68 Hz, C3-H), 9.06 (1H, d, J=8.41 Hz, C8-H), 9.40 (1H, d, J=6.68 Hz, C2-H), 11.49 (1H, s, NH).
a)ペプチダーゼ基質
化合物β−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)キノリン(β−Ala−ASQ)、L−チロシル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム二塩化水素化物(Tyr−ASQM+)、L−アスパラギニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム−ビス−TFA(Asn−ASQM+)、L−γ−グルタミル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム(ジクロリド)(g−Glu−ASQM+)、及びL−アラニル−L−アラニル−L−アラニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム)(ジクロリド)(Tri−Ala−ASQM+)は、実施例1に説明したように合成された。
b)培地の調製
各基質の40mgは、4mlのジメチルスルホキシド(Asn−ASQM+の場合は80mg)に溶解し、先にオートクレーブしたコロンビア培地の400mlに加えた。
6つの培地は、直径90mmのシャーレに、シャーレごとに20mlの割合で分配された。
c)接種とインキュベーション
コレクションに由来し、様々な種類の細菌に属する微生物の17の菌株は約10000コロニー形成単位のスポットに接種される。
0.5McFarland、1/20に希釈された大腸菌NCTC10418及びエルシニア・エンテロコリチカNCTC11176菌株の懸濁液の等分の混合物の10μlは、クワドラント線条接種によって培地上に接種した。
培地は、37℃で24時間インキュベートされ、次に、酸の付加の有無にかかわらず、365nmのUVランプ下で、形成されたコロニーは視覚的に調べられる。
d)結果の読みとり
得られた結果は、以下の表1に示される。
12つの菌株(大腸菌及びエルシニア・エンテロコリチカ)の混合物を播種したシャーレ上に2種類のコロニーが発生した:大腸菌の菌株のオレンジ色のコロニーとエルシニア・エンテロコリチカの菌株の無色のコロニー。
e)結論
本発明の培地上で、コロニーの呈色又は蛍光によって、微生物のペプチダーゼ活性を検出することは可能である。本発明の特定の基質について、この実施例ではβ−Ala−ASQの場合のように、コロニーの呈色は酸性の条件下で現れる。この実施例の他の基質については、酸性化工程は必要ではない。
最も一般的には、本発明の基質は、任意の種類の微生物、グラム陰性菌、グラム陽性菌、酵母などの増殖を可能にするが、この実施例のβ−Ala−ASQの場合のように、いくつかは特定のグループに関して有毒である。本発明のペプチダーゼ基質のさまざまな構造的な変異によって、微生物のさまざまなグループを区別することは可能である。さらに、色が反応培地中に拡散しないので、ペプチダーゼ活性を発現しないものからペプチダーゼ活性を発現している細胞またはコロニーを区別して、前記細胞またはコロニーをカウントすることが可能である。
a)ペプチダーゼ基質
ヨウ化ピログルタミル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキナルジニウム化合物は、実施例1に説明したように合成された。
b)培地の調製
50g/lのヨウ化ピログルタミル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキナルジニウムを含む原液は、DMSOタイプの溶媒中で調製されて、前もってオートクレーブされて溶解した状態に保たれたコロンビア培地に75mg/lの割合に付加された。均質化後、この培地は、120mm2のシャーレに分配された。さらに生育調節(コロンビア)として提供され、Cと記載された培地を注入した。
c)接種及びインキュベーション
微生物の22の菌株は、テストスポットに接種された:0.5McFarlandの細菌の懸濁液を使用して、1μlを置いた(15×104CFU/スポット)。培地は、37℃で48時間インキュベートされ、次に形成されたスポットは視覚的に調べられた。
d)結果の読みとり
得られた結果は、以下の表に与える。
a)ペプチダーゼ基質
L−アラニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム(ジクロリド)、L−アラニル−L−アラニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム(ジクロリド)及びL−アラニル−L−アラニル−L−アラニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム(ジクロリド)化合物は、実施例1に説明したとおりに合成した。
b)培地の調製
3つの基質の各々の50g/lの原液は、DMSOタイプの溶媒中で調製されて、前もってオートクレーブされて溶解した状態に保たれたコロンビア培地に75mg/lの割合に付加された。均質化後、この培地は、120mm2のシャーレに分配された。
さらに生育調節(コロンビア)として提供され、Cと記載された培地を注入した。
c)接種とインキュベーション
微生物の22の菌株は、テストスポットに接種された:0.5McFarlandの細菌の懸濁液を使用して、1μlを置いた(15×104CFU/スポット)。
培地は、37℃で48時間インキュベートされ、次に形成されたスポットは視覚的に調べられた。
d)結果
得られた結果は、以下に表に記録される。
e)結論
3つの基質L−アラニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム(ジクロリド)、L−アラニル−L−アラニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム(ジクロリド)及びL−アラニル−L−アラニル−L−アラニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム(ジクロリド)はペプチダーゼ活性を検出することを可能にする。アミノ酸の数は検出特異性を調整することを可能にする。
a)ペプチダーゼ基質
L−アラニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム(ジクロリド)及びL−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム(ジクロリド)化合物は、実施例1に説明したとおりに合成した。
b)培地の調製
2つの基質の各々の50g/lの原液は、DMSOタイプの溶媒中で調製されて、前もってオートクレーブされて溶解した状態に保たれたコロンビア培地に75mg/lの割合に付加された。均質化後、培地は直径55mmのシャーレに分配された。さらに生育調節(コロンビア)として働き、Cと記載された培地を注入した。
c)接種とインキュベーション
微生物の22の菌株は、0.5McFarlandの細菌の懸濁液を使用して、3クワドランド線条接種法に従って、10μl白金耳(calibrated loop)で接種された。培地は、37℃で48時間インキュベートされて、次に形成されたスポットは視覚的に調べられた。
d)結果
得られた結果は、以下に表に記録される。
e)結論
L−アラニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム(ジクロリド)及びL−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム(ジクロリド)化合物は、アラニンアミノペプチダーゼ活性を検出することを可能にする。
a)pH指示薬
4−(4’−アミノスチリル)キノリン化合物は、実施例1に説明したように合成された。
b)培地の調製
50g/lの4−(4’−アミノスチリル)キノリンの原液を含む原液は、DMSOタイプの溶媒中で調製されて、前もってオートクレーブされて溶解した状態に保たれた変形chromID coli(登録商標)培地に50mg/lの割合に付加された。均質化後、この培地は、120mm2のシャーレに分配された。さらに生育調節(変形chromID coli(登録商標))として働き、Cと記載された培地を注入した。
*変形chromID coli(登録商標)培地の組成(g/l):
ペプトン:5.5
イースト抽出物:8
塩化ナトリウム:5
胆汁酸塩:0.7
グルコース:10
寒天:12.5
c)接種とインキュベーション
微生物の44の菌株(詳細は下記の表)は、テストスポットに接種された:0.5McFarlandの細菌の懸濁液を使用して、1μlを置いた(15×104CFU/スポット)。
培地は、37℃で24時間インキュベートされて、次に形成されたスポットは視覚的に調べられた。
d)結果の読取り
得られた結果は、以下に表に記録される。
e)結論
4−(4’−アミノスチリル)キノリンはあらゆる特定の毒性を呈しない。
その使用は、24時間のインキュベーション後に少しだけ拡散する明るいオレンジ色の出現により酸性化を明らかにすることができる。
試験される条件における4−(4’−アミノスチリル)キノリンの使用は、グルコースを発酵させることができる菌株を検出することを可能にする。
a)pH指示薬
4−(4’−アミノスチリル)キノリン化合物は、実施例1にて説明したように、合成された。
b)培地の調製
50g/lの4−(4’−アミノスチリル)キノリンを含有する原液及び40g/lのBlue−b−D−GUR(すなわち5−ブロモ−3−インドキシル−b−D−グルクロン酸)を含む原液は、DMSOタイプの溶媒中で調製されて、前もってオートクレーブされて溶解した状態に保たれた変形chromID coli(登録商標)培地にそれぞれ50mg/l及び200mg/lの割合に付加された。均質化後、この培地は、120mm2のシャーレに分配された。さらに生育調節(変形chromID coli(登録商標))として働き、Cと記載された培地を注入した。
*変形chromID coli(登録商標)培地の組成(g/l):
ペプトン:5.5
イースト抽出物:8
塩化ナトリウム:5
胆汁酸塩:0.7
グルコース:10
活性化因子:0.2
寒天:12.5
c)接種及びインキュベーション
微生物の43の菌株(詳細は下記の表)は、テストスポットに接種された:0.5McFarlandの細菌の懸濁液を使用して、1μlを置いた(15×104CFU/スポット)。培地は、37℃で48時間インキュベートされて、次に形成されたスポットは視覚的に調べられた。
d)結果の読取り
得られた結果は、以下に表に記録される。
e)結論
Blue−b−GURと組合わせた4−(4’−アミノスチリル)キノリンは、腸内細菌(4−(4’−アミノスチリル)キノリニウムのオレンジ呈色によって明らかにされるグルコースの酸性化)とβ−グルコシダーゼ陽性の大腸菌菌株(更にはシゲラ属−ゲノムの観点から、大腸菌の系統に属するシゲラ属)を、(Blue−b−GURの加水分解に続く)青色とオレンジ色の混合の茶色の呈色により同時に検出することを可能にする。
Claims (13)
- ペプチダーゼ活性及び/又はpHの変化の検出のための酵素基質としての以下の式(I)の化合物:
[式中、
・Y1はペプチド、H又はアルキルである;
・W1、W2、W3及びW4は、独立にH、Br、Cl、F、I、アルキル、アルコキシ、チオメチル、ペルフルオロアルキル、ニトロ、シアノ、カルボキシル(それらのエステルまたはアミドを含む)またはそれらの任意の組合せである;
・n=0、1又は2;
・UはN又はN+Rであり且つVはCZ6NまたはN+Rであるか、あるいはVはN又はN+Rであり且つUはCZ6である;
・RはH、アルキル、アラルキル、アリール、アルカノイルまたはアルキルスルホニルである;
・Z1、Z2、Z3、Z4 、Z5 及びZ 6 は、独立にH、Br、Cl、F、I、アルキル、アリール、アルコキシ、ペルフルオロアルキル、ニトロ、シアノ、カルボキシルまたはスルホニルのエステルまたはアミドを含む、カルボキシル、スルホニルである。]
及びその塩類の使用。 - Y1がペプチドである、請求項1に記載の式Iの化合物の使用。
- Y 1 がアラニン、アスパラギン、グルタミン及びチロシンから選択される、請求項1に記載の式Iの化合物の使用。
- n=1である、請求項1から3の何れか一項に記載の式Iの化合物の使用。
- W1、W2、W3及びW4が独立にHである、請求項1から4の何れか一項に記載の式Iの化合物の使用。
- UがCHであり、VがNまたはN+Rである、請求項1から5の何れか一項に記載の式Iの化合物の使用。
- UがCHであり、VがN + CH 3 である、請求項1から5の何れか一項に記載の式Iの化合物の使用。
- VがCHであり、UがNまたはN+Rである、請求項1から5の何れか一項に記載の式Iの化合物の使用。
- VがCHであり、UがN + CH 3 である、請求項1から5の何れか一項に記載の式Iの化合物の使用。
- Z1、Z2、Z3及びZ4が独立にHである、請求項1から9の何れか一項に記載の式Iの化合物の使用。
- 化合物がL−アラニル−4−(4’−アミドフェニル)−2−メチルキノリン、L−アラニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−ベンジルキノリニウムTFA、L−グルタミル−4−(4’−アミドスチリル)−N−ベンジルキノリニウムTFA、β−アラニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−ベンジルキノリニウムTFA、L−アラニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウムTFA、D−アラニン−N−メチル−4−(4′−アミノスチリル)キノリニウム(ジクロリド)、L−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム、Z−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム、L−アラニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム(ジクロリド)、L−アラニル−L−アラニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム(ジクロリド)、L−アラニル−L−アラニル−L−アラニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム(ジクロリド)、γ−アミノブチリル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム ジ−Cl、L−アスパラギニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム−ビス−TFA、α−アスパルチル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム ジクロリド、β−アスパルチル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム ジクロリド、グリシル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム(ジクロリド)、L−γ−グルタミル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム(ジクロリド)、グリシル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム クロリド、L−ロイシル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム ジヒドロクロリド、L−メチオニル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム ジ−Cl、ピログルタミル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム ヨージド、L−トリプトファニル−4−(4−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム ジヒドロクロリド、L−チロシル−4−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム ジヒドロクロリド、β−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム TFA、L−プロリル−2−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム(HBr)、Z−アルギニル−2−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム、L−ピログルタミル−2−(4’−アミドスチリル)−N−メチルキノリニウム、L−アラニル−4−(4’−アミドスチリル)キノリン TFA、β−アラニル−4−(4’−アミドスチリル)キノリン、L−グルタミル−4−(4’−アミドスチリル)キノリンTFA、グリシル−4−(4’−アミドスチリル)キノリン TFA、ピログルタミル−4−(4’−アミドスチリル)キノリン,L−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)キノリン、β−アラニル−2−(4’−アミドスチリル)キノリン、グリシル−2−(4’−アミドスチリル)キノリンTFA及びL−アラニル−2−(2’−ピリジル)−4−(4’−アミドスチリル)キノリンから選択される、請求項1に記載の式Iの化合物の使用。
- 微生物のペプチダーゼ活性及び/又はpHの変化の検出のための方法であって、
a)以下の式(I)の化合物:
[式中、
・Y1はペプチド、H又はアルキルである;
・W1、W2、W3及びW4は、独立にH、Br、Cl、F、I、アルキル、アルコキシ、チオメチル、ペルフルオロアルキル、ニトロ、シアノ、カルボキシル(それらのエステルまたはアミドを含む)またはそれらの任意の組合せである;
・n=0、1又は2;
・UはN又はN+Rであり且つVはCZ6NまたはN+Rであるか、あるいはVはN又はN+Rであり且つUはCZ6である;
・Rは、H、アルキル、アラルキル、アリール、アルカノイルまたはアルキルスルホニルである;
・Z1、Z2、Z3、Z4 、Z5 及びZ 6 は、独立にH、Br、Cl、F、I、アルキル、アリール、アルコキシ、ペルフルオロアルキル、ニトロ、シアノ、カルボキシルまたはスルホニルのエステルまたはアミドを含む、カルボキシル、スルホニルである。]
及びその塩類を含む検出及び/又は同定のための培地を提供し、
b)培地に試験される生物試料を接種し、
c)インキュベートに置き、及び
d)少なくとも一つのペプチダーゼ活性又はpHの変異の存在を明らかにする工程を含むことを特徴とする方法。 - ペプチダーゼ活性及び/又はpHの変化を検出するための以下の式(I)の化合物:
[式中、
・Y1はペプチド、H又はアルキルである;
・W1、W2、W3及びW4は、独立にH、Br、Cl、F、I、アルキル、アルコキシ、チオメチル、ペルフルオロアルキル、ニトロ、シアノ、カルボキシル(それらのエステルまたはアミドを含む)またはそれらの任意の組合せである;
・n=0、1又は2;
・UはN又はN+Rであり且つVはCZ6NまたはN+Rであるか、あるいはVはN又はN+Rであり且つUはCZ6である;
・Rは、H、アルキル、アラルキル、アリール、アルカノイルまたはアルキルスルホニルである;
・Z1、Z2、Z3、Z4 、Z5 及びZ 6 は、独立にH、Br、Cl、F、I、アルキル、アリール、アルコキシ、ペルフルオロアルキル、ニトロ、シアノ、カルボキシルまたはスルホニルのエステルまたはアミドを含む、カルボキシル、スルホニルである。]
及びその塩類を含む微生物を検出及び/又は同定するための培地。
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