JP5814839B2 - 雑音発生装置、雑音生成パラメータの設定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インパルス性雑音の統計的性質を模擬した疑似雑音を発生させる雑音発生装置に関する。
近年、自動車は、多種多様な電子機器を搭載しており、これら車載電子機器から発生する雑音が車載無線通信機に干渉する、いわゆる自家中毒問題が発生しやすい状況にある。特に、モータ等のパワーエレクトロニクス機器から発生するエネルギーの高いインパルス性雑音は、無線通信機の干渉源となりやすい。
このような状況において、車載無線通信機を開発/評価する時には、他の車載電子機器から発生する雑音の統計的性質を模擬した雑音発生器が必要となる。
インパルス性雑音の統計的性質を模擬する方法として、模擬の対象となる雑音(以下「指定雑音」という)の状態を、背景雑音が出現している状態(以下「背景雑音状態」という)、及びインパルス雑音が出現している状態(以下「インパルス雑音状態」という)で表現し、背景雑音状態とインパルス雑音状態との間の状態遷移が1重マルコフ過程に従うものとして、各状態の定常確率と各状態間の遷移確率とから、インパルスの発生確率とインパルス幅の統計的な性質とをモデル化したものが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
また、インパルス性雑音の性質を表す統計パラメータには、振幅確率分布(APD:Amplitude Probability Distribution)、交差確率分布(CRD:Crossing Rate Distribution)、パルス幅分布(PDD:Pulse Duration Distribution )、パルス間隔分布(PSD:Pulse Spacing Distribution)などがあり、これらを同時に指定可能な雑音発生装置も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
梅原,田野,守倉「隠れマルコフ性雑音通信路における多値変調信号の繰り返し復号の一考察」信学技報、CS2008−59
特開2001−68936号公報
しかし、非特許文献1に記載されたモデルでは、振幅確率分布(APD)を模擬することができないという問題や、指定雑音から定常確率や遷移確率をいかにして導出するかが明らかにされていないという問題があった。
また、無線通信機において重要な評価項目の一つであるビット誤り率(BER)やパケットエラー率(PER)は、状態遷移を規定するパラメータによって大きく変動するため、これを正しく決定する必要がある。しかし、交差確率分布(CRD)に従って状態遷移を行うように構成された特許文献1に記載の装置では、モータのような比較的長い周期でパルスが発生する雑音の場合、換言すれば、状態遷移を規定するパラメータの一つであるチャネルメモリγの値が大きい場合には、BERやPER特性を的確に模擬することが困難であるという問題があった。即ち、チャネルメモリγが大きくなるほど、チャネルメモリγの変化に対する交差確率分布の変化が小さくなるため、チャネルメモリγの値が大きい領域では、BERやPERの誤差が大きくなってしまうのである。
本発明は、上記問題点を解決するために、インパルス性雑音の統計的性質を的確に模擬した疑似雑音を発生させる雑音発生装置、及びその雑音発生装置の動作を決定する雑音生成パラメータの設定方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の雑音発生装置は、予め指定された指定雑音の振幅確率分布を表現するように各々の特性を表す分散が設定されると共に、各々が発生させるガウス雑音の出現確率が割り当てられたN+1(Nは1以上の整数)個のガウス雑音発生器からなる雑音発生器群を備えている。
この雑音発生器群のうち、背景雑音に相当するガウス雑音を発生させる1個のガウス雑音発生器を背景雑音発生部、インパルス雑音に相当するガウス雑音を発生させるN個のガウス雑音発生器をインパルス雑音発生部とする。また、指定雑音の状態を、背景雑音が出現している状態である背景雑音状態、及びインパルス雑音が出現している状態であるインパルス雑音状態で表現し、背景雑音状態とインパルス雑音状態との間の状態遷移を1重マルコフ過程で表現するものとする。
そして、インパルス雑音選択手段は、インパルス雑音発生部を構成するガウス雑音発生器のいずれかを、ガウス雑音発生器の各々に割り当てられた出現確率の割合で選択し、選択されたガウス雑音発生器が発生させるガウス雑音を、インパルス雑音発生部の出力とする。更に、状態選択手段が、背景雑音状態にある場合は、背景雑音発生部の出力を選択し、インパルス雑音状態にある場合は、インパルス雑音発生部の出力を選択することで、指定雑音の振幅確率分布に従う疑似雑音を発生させる。
但し、状態選択手段は、背景雑音発生部に属するガウス雑音発生器に割り当てられた出現確率を背景雑音状態の定常確率、インパルス雑音発生部に属するN個のガウス雑音発生器のそれぞれに割り当てられた出現確率の合計値をインパルス雑音状態の定常確率、インパルス雑音の平均周期の逆数を背景雑音状態からインパルス雑音状態への遷移確率、インパルス雑音の平均持続時間の逆数をインパルス雑音状態から背景雑音状態への遷移確率として状態遷移を行うようにされている。
このように構成された本発明の雑音発生装置では、遷移確率や定常確率を適宜設定することによってインパルス雑音の周期(発生間隔)や持続時間を反映した疑似雑音を発生させることができるだけでなく、雑音発生器群を構成するガウス雑音発生器が発生させるガウス雑音の分散、及びガウス雑音の出現確率を適宜設定することによって、任意の振幅確率分布に従った疑似雑音を発生させることができる。しかも両者の特性を独立に制御することができるため、振幅確率分布を保ったままインパルス雑音の周期や持続時間を変えることができる。
次に、請求項2に記載の雑音生成パラメータの設定方法では、予め指定された指定雑音の振幅確率分布を目標分布として、N+1個のガウス雑音発生器G0〜GNからなる雑音発生器群が目標分布に従う疑似雑音を発生するように、各ガウス雑音発生器Gk(k=0,1,…,N)が発生させるガウス雑音Zkの分布を規定する分散σk、及びガウス雑音Zkの出現確率Pkを設定する。
そのためには、まず、背景雑音の実測結果に従ってガウス雑音Z0の分散σ0を設定する(第1の手順)。
次に、ガウス雑音Z0の出現確率P0を1と仮定し、第1の手順で設定した分散σ0を用いて、ガウス雑音Z0の振幅確率分布APD0を求め、その振幅確率分布APD0が目標分布とは異なった特性となる境界点での振幅確率をガウス雑音Z1の仮出現確率SP1として、ガウス雑音Z0の出現確率P0を、P0=1−SP1によって算出する(第2の手順)。
次に、目標分布に基づき、振幅確率が境界点での値より大きくなる比較レベルの領域を領域B0、及び境界点での比較レベルから予め設定された下限の振幅確率となる比較レベルまでの領域をN個に分割した領域B1〜BNをとし、ガウス雑音発生器Gk(kは1〜Nのいずれか)が発生させるガウス雑音Zkの出現確率をSPkと仮定して、ガウス雑音Z0〜Zkを合成した雑音の振幅確率分布APDkと目標分布との領域B0〜Bkでの誤差を最小にする、ガウス雑音Zkの分散σkを算出する(第3の手順)。
次に、目標分布における領域Bkと領域Bk+1との境界での振幅確率をガウス雑音Zk+1の仮出現確率SPk+1として、ガウス雑音Zkの出現確率Pkを、次式によって算出する(第4の手順)。
k=SPk−SPk+1 (k≠Nの場合)
=SPk (k=Nの場合)
なお、第3及び第4の手順は、N個のガウス雑音発生器G1〜GNについて、N=1から順番に実行する。
このような本発明の雑音生成パラメータの設定方法によれば、背景雑音の電力(ガウス雑音Z0の分散σ0)と、目標分布(指定雑音の振幅確率分布)とを与えることによって、N+1個のガウス雑音発生器G0〜GNに、目標分布に従った疑似雑音を発生させるために必要な全ての雑音生成パラメータを求めることができる。
次に、請求項3に記載の雑音生成パラメータの設定方法は、背景雑音状態からインパルス雑音状態への遷移確率を設定の対象とする。
但し、指定雑音の状態を、背景雑音が出現している状態である背景雑音状態、及びインパルス雑音が出現している状態であるインパルス雑音状態で表現し、背景雑音状態とインパルス雑音状態との間の状態遷移が1重マルコフ過程に従い、背景雑音状態の定常確率をQb、インパルス雑音状態の定常確率をQiで表現するものとする。
本発明の雑音生成パラメータの設定方法では、まず、目標分布から、振幅確率がQi/Qbとなる比較レベルを基準レベルとして抽出する(第5の手順)。
次に、時間幅を示す区間サイズとその区間サイズを有する区間において第5の手順で抽出された基準レベル以上のインパルス雑音が発生する確率を表す区間付き振幅確率APintとの関係を示す線グラフを比較用グラフとして、この比較用グラフから求めた傾きを、背景雑音状態からインパルス雑音状態への遷移確率qbiの初期値として設定する(第6の手順)。
最後に、第6の手順で求めた遷移確率qbiを適用して発生させた疑似雑音から求めた比較用グラフと、第6の手順で使用した比較用グラフとの誤差を求め、該誤差が最小となるように、遷移確率qbiを微調整する(第7の手順)。
このような本発明の雑音生成パラメータの設定方法によれば、インパルスの平均周期、ひいては状態遷移を規定する全てのパラメータを、目標分布から得られる情報と、第1〜第5の手順での算出結果に従ってガウス雑音発生器G0〜GNが発生させる疑似雑音についての情報から割り出すことができる。
なお、1重マルコフ過程における状態遷移(図2(a)参照)の関係式は、周知のように(1)〜(7)式で表される。但し、Tsはインパルスの平均周期、Twはインパルスの平均持続時間、qibはインパルス雑音状態から背景雑音状態への遷移確率、γはチャネルメモリである。
つまり、qbi(=1/Ts),qib(=1/Tw),γは全て連動しているため、これらのうち、いずれか一つでも確定すれば、全ての値が確定する。そこで本発明では、遷移確率qbi(=1/Ts)を求めている。
また、区間付き振幅確率APintは、具体的には以下のようにして算出される値である。
図15(a)に示すように、時間軸を区切る区間(以下「区切り区間」という)の区間幅をTaとすると、ある区切り区間にインパルスが出現する確率は、(8)式で算出され、この式を(1)(2)(4)(5)式を用いて変形すると、(9)式が得られる。
但し、Ta/Tsは、インパルスの開始点が区切り区間内にある確率であり(図15(b)参照)、Tw/Tsは、インパルスの開始点が区切り区間の先頭からTw以内にある確率である(図15(c)参照)。
通常の振幅確率分布APDは、区切り区間の区間幅が無限小である時の区間付き振幅確率APintの分布に相当するため、比較用グラフのy軸の切片の値、即ち、(9)式の右辺第2項(Qi/Qb)の値は、目標分布から求めることができる。
また、(9)式が示す直線グラフの傾き1/Tsは、(1)式からわかるように、遷移確率qbiに等しいため、直線グラフの傾きを求めることで遷移確率qbiを求めることができる。
但し、(9)式によって表される直線は、y切片近傍での区間付き振幅確率APintの近似式であるため、直線グラフの傾きから求めた遷移確率を微調整することによって、実測値との誤差が最小となるようにしているのである。
次に、請求項4に記載の雑音生成パラメータの設定方法は、背景雑音状態からインパルス雑音状態への遷移確率、インパルス雑音状態から背景雑音状態への遷移確率、背景雑音状態から背景雑音状態への遷移確率、及びインパルス雑音状態からインパルス雑音状態への遷移確率を設定の対象とする。
本発明の雑音生成パラメータの設定方法では、まず、第2の手順で求めた振幅確率分布APD0である背景雑音の振幅確率分布から、背景雑音をインパルス雑音であると誤検出する確率が予め設定された許容値以下となる比較レベルを基準レベルとして設定する(第8の手順)。
そして、指定雑音の実測結果に基づき、時間幅を示す区間サイズと、その区間サイズを有した区間内で第8の手順で設定された基準レベル以上のインパルス雑音が発生する確率を表す区間付き振幅確率との関係を示す実測特性を求める(第9の手順)。
次に、指定雑音の状態を、背景雑音が出現している状態である背景雑音状態、及びインパルス雑音が出現している状態であるインパルス雑音状態で表現し、背景雑音状態とインパルス雑音状態との間の状態遷移が1重マルコフ過程に従うものとして、背景雑音状態の定常確率、インパルス雑音状態の定常確率、1重マルコフ過程の状態遷移確率を示すチャネルメモリによって規定された理論式を用いて区間サイズと区間付き振幅確率との関係を示す理論特性を求めることにより、理論特性と実測特性との誤差を、最小にするチャネルメモリを求める(第10の手順)。
最後に、第10の手順で求められたチャネルメモリ、及び背景雑音状態の定常確率、インパルス雑音状態の定常確率を用いて、背景雑音状態からインパルス雑音状態への遷移確率、インパルス雑音状態から背景雑音状態への遷移確率、背景雑音状態から背景雑音状態への遷移確率、及びインパルス雑音状態からインパルス雑音状態への遷移確率を求める(第11の手順)。
このような本発明の雑音生成パラメータの設定方法によれば、請求項3の場合とは異なり、疑似雑音を実際に発生させることなく、理論式から理論特性(請求項3における比較用グラフに相当)を求めているため、雑音生成パラメータの設定に要する処理量を大幅に削減することができる。
なお、第8の手順では、請求項5に記載のように、区間内でインパルス雑音が発生する確率を表す区間付き振幅確率が1となる区間サイズの逆数を振幅確率として、背景雑音の振幅確率分布から求めた該振幅確率に対応する比較レベルを許容値としてもよい。
また、第10の手順で使用する理論式は、具体的には、請求項6に記載のように、背景雑音状態の定常確率をQb、インパルス雑音状態の定常確率をQi、チャネルメモリをγ、区間サイズをTa、区間付き振幅確率APint(Ta)として、次式で表されるものを用いることができる。
なお、区間付き振幅確率APint(Ta)の理論式は、ポアソン過程における事象の生起確立を利用して、以下で説明するようにして導出されたものである。
まず、時間区間τの中でk個のポイント(点)が生起する確率p(k,τ)は、単位時間当たりのポイントの平均生起率をν[個/秒]とすると、(11)式で表される。
但し、図21に示すように、時間区間τをn個の微小区間Δτ(=τ/n,n>>1)に分割するものとして、この微小区間Δτで高々1個のポイントが生起する確率をpとすると、微小区間Δτで生起するポイントの平均個数は、(12)式で表され、この平均個数pを用いて、平均生起率νは(13)式で表される。
時間区間τにおいてk個のポイントが生起する確率は、n個の微小区間Δτのうちk個の微小区間Δτにポイントが生起する確率である。各微小区間Δτに高々1個のポイントが生起する確率は互いに独立であるため、この確率は(14)式の左辺で表され、更に、(11)(13)式の関係を用いて変形すると、(14)式の右辺の式が得られる。
ここで、(14)式の右辺について、Δτ→0(即ち、n→∞)の極限を取る式を整理すると(15)式が得られ、これを、(16)式に示す関係を用いて変形すると(10)式が得られる。
そして、区間付き振幅確率APint(Ta)は、図15(c)に示したように、時間区間Ta+Tw内にインパルスが一つ以上発生する確率であるため、τ=Ta+Twとして、生起確率p(k,τ)を用いると(17)式にて表され、これを変形すると(18)式が得られる。また、vはインパルス発生周期であることから(19)式で表される。
そして、(18)式を、(1)〜(4)、(19)式の関係を用いて変形すると、上述の(10)式、即ち理論式が得られる。
雑音発生装置の全体構成を示すブロック図である。 雑音モデルを説明するための説明図であり、(a)が状態遷移図、(b)が雑音の状態とガウス雑音発生器が発生させるガウス雑音との関係を示すグラフである。 APDパラメータ設定処理の内容を示すフローチャートである。 σk探索処理の内容を示すフローチャートである。 APDパラメータ設定処理で使用する境界点、下限値、仮出現確率、領域と、振幅確率分布との関係を示す説明図である。 状態遷移パラメータ設定処理の内容を示すフローチャートである。 指定雑音の波形(実データ)を例示するグラフである。 (a)がAPDパラメータ設定処理の結果及び実データから求めた振幅確率分布を示すグラフ、(b)がAPDパラメータ設定処理の結果を例示する表である。 交差確率分布を示すグラフである。 (a)がパケットエラー率を示すグラフ、(b)がその算出に用いたシミュレーションモデルの緒言を示す表である。 区間付き振幅確率と区間幅との関係を示す比較グラフである。 状態遷移パラメータ設定処理の作用を示す説明図である。 状態遷移パラメータ設定処理により得られた遷移確率を用いて雑音発生装置に発生させた疑似雑音に基づくパケットエラー率及び実データに基づくパケットエラーを示すグラフである。 雑音発生装置が発生させた疑似雑音の波形を例示するグラフである。 区間付き振幅確率を理解するための説明図である。 第2実施形態における状態遷移パラメータ設定処理の内容を示すフローチャートである。 指定雑音,疑似雑音,疑似背景雑音の振幅確率分布を示すと共に、疑似背景雑音の振幅確率分布と基準レベルとの関係を示す説明図。 実測特性と理論特性との間の二乗誤差と、チャネルメモリとの関係を示すグラフである。 実測特性、及び実測特性との二乗誤差が最小となる理論特性を示すグラフである。 理論特性、及び疑似雑音に基づく実測特性を示すグラフである。 ポアソン過程における事象の生起確立を求めるためのモデルを示す説明図である。 仮実測特性を例示するグラフである。
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[第1実施形態]
<雑音モデル>
まず、本実施形態の雑音発生装置1の動作を理解する上で必要な、雑音発生のメカニズムを、図2(a)に示す雑音モデルを用いて説明する。なお、雑音発生装置1による模擬の対象となる雑音を指定雑音、指定雑音の振幅確率分布を目標分布と呼ぶ。
指定雑音は、背景雑音が出現している状態である背景雑音状態(状態b)とインパルス雑音が出現している状態であるインパルス雑音状態(状態i)とで表現され、背景雑音状態とインパルス雑音状態との間の状態遷移は1重マルコフ過程に従うものとする。
また、背景雑音状態の定常確率をQb、インパルス雑音状態の定常確率をQi、背景雑音状態からインパルス雑音状態への遷移確率をqbi、インパルス雑音状態から背景雑音状態への遷移確率をqib、背景雑音状態から同状態への遷移確率をqbb、インパルス雑音状態から同状態への遷移確率をqiiで表す。
<装置構成>
図1は、指定雑音の統計的性質を模擬した疑似雑音を発生させる雑音発生装置1の全体構成を示すブロック図である。
図1に示すように、雑音発生装置1は、ガウス分布に従った疑似雑音であるガウス雑音を発生させるN+1(Nは1以上の整数)個のガウス雑音発生器G0〜GNからなる雑音発生器群10を備えている。これら雑音発生器群10を構成するガウス雑音発生器G0〜GNのうち、1個のガウス雑音発生器G0は、背景雑音を模擬したガウス雑音Z0(疑似背景雑音Nbともいう)を発生させる背景雑音発生部11を構成し、残りのN個のガウス雑音発生器G1〜GNは、それぞれが電力の異なるインパルス雑音を模擬したガウス雑音Z1〜ZNを発生させるインパルス雑音発生部12を構成する。
なお、個々のガウス雑音発生器Gk(k=0,1,2,…,N)は、電力(振幅)の分散値を指定(平均値は0に固定)することができるように構成された周知のものである。また、図2(b)に示すように、ガウス雑音発生器Gkが生成するガウス雑音Zkの分布の分散をσk、分散σkで表現される雑音(要するにガウス雑音Zk)の指定雑音中での出現確率をPkで表すものとする。
また、雑音発生装置1は、インパルス雑音発生部12を構成する雑音発生器G1〜GNが発生させたガウス雑音Z1〜ZNのいずれかを、インパルス雑音選択信号S1に従って選択し、疑似インパルス雑音Niとして出力するセレクタ20と、背景雑音発生部11を構成するガウス雑音発生器G0が発生させた疑似背景雑音Nb又はセレクタ20が出力する疑似インパルス雑音Niのいずれかを、状態選択信号S2に従って選択して当該装置1の出力(疑似雑音)Noutとするセレクタ30と、インパルス雑音選択信号S1及び状態選択信号S2を生成する切替制御部40と、目標分布が入力されると、ガウス雑音発生器Gkが発生させるガウス雑音の性質を規定するパラメータ(分散σk)や、インパルス雑音選択信号S1や状態選択信号S2の生成に使用するパラメータ(遷移確率qbi,qib、出現確率Pk/Qi)を生成するパラメータ生成部50とを備えている。以下、パラメータ生成部50が生成するパラメータを総称して雑音生成パラメータともいう。
<切替制御部>
切替制御部40は、インパルス雑音選択信号S1を生成するインパルス雑音制御部41と、状態選択信号S2を生成する状態制御部42とからなる。
このうち、インパルス雑音制御部41は、0〜1の値を有する一様な乱数Pgを発生させる乱数発生器411と、乱数発生器411が発生させた乱数Pg及びパラメータ生成部50にて生成された雑音生成パラメータP1/Qi〜PN/Qiに従ってインパルス雑音選択信号S1を生成する比較器412とを備えている。
比較器412は、具体的には、乱数Pgに従って(20)又は(21)式を満たすPK(Kは1,2,…,Nのいずれか)を求め、その時の値Kに従って、ガウス雑音発生器GKにより生成されたガウス雑音ZKを指定するインパルス雑音選択信号S1を生成する。
つまり、セレクタ20によってガウス雑音ZKが選択される確率が、PK/Qiとなるように設定されている。
一方、状態制御部42は、0〜1の値を有する一様な乱数Psを発生させる乱数発生器421と、乱数発生器421が発生させた乱数Ps及びパラメータ生成部50にて生成された雑音生成パラメータqbi,qibに従って状態選択信号S2を生成する比較器422とを備えている。
なお、セレクタ30は、S2=0の時にセレクタ30にて疑似背景雑音Nbを選択し、S2=1の時に疑似インパルス雑音Niを選択する。つまり、図2(a)に示した雑音モデルとの対応では、S2=0の時が背景雑音状態に相当し、S2=1の時がインパルス雑音状態に相当する。
そして、比較器422は、具体的には、S2=0の時には(22)式を満たす時に、状態選択信号S2を0から1に変化させ、S2=1の時には(23)式を満たす時に、状態選択信号S2を1から0に変化させる。
つまり、疑似背景雑音Nbが出力Noutとなる背景雑音状態から、疑似インパルス雑音Niが出力Noutとなるインパルス雑音状態へ遷移する確率がqbiとなり、逆にインパルス雑音状態から背景雑音状態へ遷移する確率がqibとなるように設定されている。
<パラメータ生成部>
パラメータ生成部50は、周知のマイクロコンピュータにより構成され、雑音生成パラメータのうち、ガウス雑音Z0〜ZNが目標分布に従った統計的性質を持つようにするために必要なパラメータ(分散σ0〜σN及び正規化出現確率P0/Qi〜PN/Qi)を求めるAPDパラメータ設定処理、及び、雑音モデルの状態遷移に関するパラメータ(遷移確率qbi)を求める状態遷移パラメータ設定処理を実行する。
<<APDパラメータ設定処理>>
ここで、APDパラメータ設定処理の内容を、図3に示すフローチャートに沿って説明する。
本処理では、まず、外部より、目標分布(指定雑音の振幅確率分布)と、背景雑音の実測結果から背景雑音がガウス分布に従うものとして求めた分散σ0とを取得し(S110)、その取得した目標分布及び分散σ0に従って、仮出現確率SP1を決定する(S120)。
具体的には、まず、ガウス雑音Z0の出現確率P0を1と仮定し、S110で取得した分散σ0を用いて(24)式からガウス雑音Z0の振幅確率分布APD0(x)を求める。次に、該振幅確率分布APD0(x)が、目標分布とは異なった(振幅確率の差が予め設定された閾値を越える)特性となる点を境界点として抽出し、その境界点での振幅確率を仮出現確率SP1とする(図5参照)。以下では、目標分布における境界点での振幅確率が境界点での値より大きくなる比較レベルの領域を領域B0、境界点での比較レベルから予め設定された下限の振幅確率となる比較レベルまでの領域をN個に分割したものを領域B1〜BNと呼ぶ。
仮出現確率SP1が決定されると、その仮出現確率SP1を用いて、ガウス雑音Z0の出現確率P0を(25)式により算出する(S130)。
次に、ガウス雑音発生器Gkを識別するパラメータkを1に初期化して(S140)、既に算出されている分散σk-1、仮出現確率SPkを用いて、分散σkを探索するσk探索処理を実行する(S150)。
ここで、σk探索処理の詳細を、図4に示すフローチャートに沿って説明する。
本処理では、まず、直前に求められたガウス雑音Zk-1の分散σk-1を、ガウス雑音Zkの分散σkの初期値として設定する(S310)。
先に求めた仮出現確率SPkを出現確率Pkと仮定し、既に算出されている分散σ0〜σk-1,出現確率P0〜Pk-1を用い、(14)式に従って、振幅確率分布APDk(x)を算出し(S320)、更に、このS320で求めた振幅確率分布APDk(x)と目標分布との領域B0〜Bkでの二乗誤差E1を算出する(S330)。
分散σkを、予め設定された微小値Δσ(例えば、0.0001)だけ増加させて(S340)、先のS320〜S330と同様に、振幅確率分布APDk(x)を算出し(S350)、S350で求めた振幅確率分布APDk(x)と目標分布との領域B0〜Bkでの二乗誤差E2を算出する(S360)。
誤差E1が誤差E2より小さいか否かを判断し(S370)、誤差E1が誤差E2以上であれば誤差E2で誤差E1を更新して(S380)、S340に戻り、誤差E2を算出し、誤差E1,E2を比較する処理を繰り返す。
誤差E1が誤差E2より小さければ、現在設定されている分散σkから微小値Δσを減少させることで、σkを、二乗誤差E1が算出された時の値に戻して(S390)、本処理を終了する。
このようなσk探索処理により、目標分布との二乗誤差を最小にするガウス雑音Zkの分散σkが得られることになる。
図3に戻り、σk探索処理が終了すると、パラメータkがインパルス雑音発生部12を構成するガウス雑音発生器の数Nより小さいか否かを判断する(S160)。
kがNより小さければ、二乗誤差を最小にする分散σkを用いて、σk探索処理で算出された振幅確率分布APDk(x)から、領域Bkと領域Bk+1との境界での振幅確率をガウス雑音Zk+1の仮出現確率SPk+1として抽出し(S170)、ガウス雑音Zkの出現確率Pkを、(26)式によって算出する(S190)。
その後、パラメータkをインクリメント(k←k+1)して(S190)、S150に戻る。
先のS160にて、kがN以上であると判断された場合は、ガウス雑音Zkの出現確率Pkを、(27)式によって算出する(S200)。
そして、最後に、上述の処理によって求められた出現確率P0〜PNを用い、(28)及び(29)式に従って、背景雑音状態の定常確率Qb及びインパルス雑音状態の定常確率Qiを算出し、更に、インパルス性雑音に関する出現確率P1〜PNを、インパルス雑音状態の定常確率Qiで正規化した正規化出現確率P1/Qi〜PN/Qiを求めて(S210)、本処理を終了する。
これにより、ガウス雑音発生器G0〜GNが発生させるガウス雑音Z0〜ZNの性質を決める分散σ0〜σN、及び各ガウス雑音Z0〜ZNの出現確率P0〜PNが自動的に全て算出されることになり(図2(b)参照)、目標分布(APD)を模擬した疑似雑音Noutを発生させることが可能となる。
<<状態遷移パラメータ設定処理>>
ところで、指定雑音のパケットエラー率(PER)特性(図10参照)は、適切な遷移確率qbi、qibを与えないとうまく模擬できない。従って、状態遷移パラメータについては、別途設定する必要がある。
以下では、この状態遷移パラメータ設定処理を、図6に示すフローチャートに沿って説明する。
本処理では、まず、先のS210で求めた定常確率Qb,Qiを用いて、目標分布から振幅確率がQi/Qbとなる比較レベルを基準レベルとして抽出する(S410)。
次に、区切り区間とその区間内で基準レベル以上のインパルス雑音が発生する確率を表す区間付き振幅確率APintとの関係を示す線グラフ(図11中の点線参照)を比較用グラフとして求め(S420)、この比較用グラフを、y切片がQi/Qbである直線で近似し、その近似直線(図11中の実線参照)の傾きを求める(S430)。なお、この近似曲線は、(9)式で表されるため、その傾きは1/Tsを表し、ひいては遷移確率qbiを((1)式参照)を表している。
次に、S430で求めた近似曲線の傾きを、遷移確率qbiの初期値とし、この遷移確率qbiを適用して発生させた疑似雑音Noutに基づいて比較用グラフを求め、更に、S340で求めた比較用グラフとの誤差(例えば、最小二乗誤差)を求める。この操作を、遷移確率qbiを上記初期値から増減させて繰り返すことで得られた結果から、誤差を最小にする遷移確率qbiを求めて(S440)、本処理を終了する。なお、図12(a)は、遷移確率qbiが初期値である時の比較用グラフを表し、図12(b)は、誤差が最小となるように遷移確率qbiを微調整した後の比較用グラフを表す。
<効果>
以上説明したように、雑音発生装置1では、APDパラメータ設定処理によって得られた分散σ0〜σN、及び出現確率P0〜PNを用いることによって、指定雑音のAPD特性を模擬した疑似雑音Noutを発生させることができるだけでなく、遷移パラメータ設定処理によって得られた遷移確率qbi,qibを用いることによって、指定雑音のPER特性を模擬した疑似雑音Noutを発生させることができる。
<実験>
ここで、図7は、(a)がエアコンのブロアモータ近傍にアンテナを設置し、中心周波数720MHz、受信帯域10MHzで雑音のIQデータをリアルタイムに30秒収集した結果の一部を示すグラフであり、(b)が9.2〜9.3msの範囲を拡大して示したグラフである。つまり、雑音発生装置1の模擬対象となる指定雑音の波形を示すグラフである。
図8は、(a)はAPDを示すグラフであり、点線が実データに基づくAPDであり、実線が点線で示したグラフを目標分布として、APDデータ設定処理の結果から求めたAPDである。また、(b)は、APDデータ設定処理の結果の具体値を示す表であり、ここではN=4として求めた。図8(a)からは、APDパラメータ設定処理によって、実際のAPDに則した雑音モデルが生成されていることがわかる。
図9は、CRD特性のグラフ、図10(a)がPER特性のグラフであり、いずれも実線が実データに基づくグラフであり、その他の線種が、チャネルメモリγが、1,10,50,100となるように遷移確率qbi,qibを変化させて求めたグラフである。なお、PER特性は、IEEE802.11pのベースバンド規格に準拠したOFDM復調器のシミュレーションモデルに、図7に示した雑音(以下「実データ」という)を印加することで求められ、図10(b)の表は、そのシミュレーションモデルの緒言である。
図9及び図10(a)に示すように、CRD特性は、γ=50程度になるとそれ以上大きくしてもあまり変化しないが、PER特性はγに応じて大きく変化している。つまり、CRD特性に基づいて状態遷移に関するパラメータを決定した場合、γが大きい場合には、通信性能を正しく評価する雑音モデルを生成することができないことがわかる。
図11は、比較グラフであり、点線が実データから求めたグラフ、実線が図8(b)に示すデータに状態遷移パラメータ設定処理を適用することで得られる近似直線であり、この近似曲線は、y=0.0002x+0.007で表される。
これは、Qi/Qb=0.007/0.993≒0.007であること、及び図8(a)のグラフにおいて振幅確率が0.007となる比較レベルが−94dBmであることから求めることができる。そして、この0.0002(γ=35に相当)を遷移確率qbiの初期値として、状態遷移パラメータ設定処理によってγを調整したところγ=50でフィットすることがわかった。なお、図12において、(a)のグラフがγ=35の場合を示し、(b)のグラフがγ=50の場合を示す。
図13において、点線で示すグラフは、実データから求めたPER特性であり、実線で示すグラフは、γ=50に設定した場合のPER特性のシミュレーション結果である。更に、図14は、(a)はγ=50となるように遷移確率qbi,qibを設定して、雑音発生装置1を動作させた時に得られる疑似雑音Noutの波形を示すグラフであり、(b)は、12.1〜12.3msの範囲を拡大して示したグラフである。
これらの結果から、雑音発生装置1が発生させる疑似雑音Noutが、元の雑音の統計的性質を表現できていることがわかる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。
なお、本実施形態では、状態遷移パラメータ設定処理の内容が、第1実施形態とは異なっているだけであるため、以下では、この相違点を図16に示すフローチャートに沿って説明する。
<<状態遷移パラメータ設定処理>>
本処理では、まず、目標分布(指定雑音の振幅確率分布)に従って、先のS120の処理で抽出される境界点に対応する比較レベルを基準レベルとして抽出し、その基準レベルを用いて、区間サイズと区間付き振幅確率との関係を示す仮実測特性(図22参照)を求め(S510)、その仮実測特性に基づき、区間付き振幅確率が1となる区間サイズを抽出する(S520)。なお、図22を用いた場合、区間付き振幅確率が1となる区間サイズとして、例えば、100000[サンプル]が設定される。但し、区間サイズはこれに限るものではなく、もっと大きな値に設定してもよい。
次に、S520でも抽出した区間サイズの逆数を振幅確率として、先のS120で求めた疑似背景雑音の振幅確率分布APD0(図17の細かい点線参照)から、該振幅確率に対応する比較レベルを基準レベルとして抽出する(S530)。つまり、この抽出した基準レベルを、背景雑音であるかインパルス雑音であるかを識別する閾値として使用した場合、背景雑音をインパルス雑音として誤検出してしまう確率は、上記振幅確率(区間サイズの逆数)以下となる。
次に、S530で抽出した基準レベルを用い、実際の雑音をサンプリングした実雑音データに基づいて、区間サイズTaと区間付き振幅確率APint(Ta)との関係を示す実測特性(図19の実線参照)を求める(S540)。
次に、区間付き振幅確率APint(Ta)を求める理論式((10)式参照)のパラメータであるチャネルメモリγを1に初期化する(S550)。これに続けて、γが予め設定された最大値(例えば100)以下であるか否かを判断する(S560)。
チャネルメモリγが最大値以下であれば、このチャネルメモリγ及び先のS210で求めた定常確率Qb,Qiを代入した理論式を用いて、区間サイズTaと区間付き振幅確率APint(Ta)の関係を示す理論特性を求め(S570)、更に、その求めた理論特性と先のS540で求めた実測特性との二乗誤差Eを算出し(S580)、現在設定されているパラメータ(チャネルメモリ)γの値とS580で求めた二乗誤差Eとを対応付けた誤差情報をメモリに記憶して(S590)、S560に戻る。
先のS570でγが最大値以下ではないと判断された場合は、メモリに記憶されている誤差情報から、二乗誤差Eが最小となるγを抽出し(S600)、その抽出したγ、及び先のS210で求めた定常確率Qb,Qiに基づき、(3)(4)(5)(6)式に示す関係を用いて遷移確率qbi,qib,qbb,qii算出して(S610)、本処理を終了する。
なお、S580にて算出される二乗誤差Eは、図18に示すように、極小値を持ち、この極小値に対応するチャネルメモリγ(ここではγ=50)が、S600にて抽出されることになる。そして、図19に示すように、S540にて求められた実測特性(図中実線参照)と、S600にて抽出されたγを用いて求められた理論特性(図中点線参照、但し、γ=50,Qb=0.953、Qi=0.047)とは、よく一致したものとなる。また、図20は、図19に示した理論特性と、APDパラメータ設定処理及び状態遷移パラメータ設定処理によって生成された雑音生成パラメータを適用することで雑音発生装置1から発生させた疑似雑音に基づいて求めた区間付き振幅確率の特性であり、雑音発生装置1が発生させる疑似雑音は理論特性と一致すること、即ち、指定雑音の振幅確率を模擬したものとなっていることがわかる。
<効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、雑音生成パラメータの一つであるチャネルメモリγの設定に使用する区間付き振幅確率の特性を、雑音発生装置1が発生させた疑似雑音を用いて求める第1実施形態の場合とは異なり、理論式から求めているため、第1実施形態の場合と比較して、雑音生成パラメータの生成に要する処理量を大幅に削減することができる。
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において様々な態様にて実施することが可能である。
例えば、上記実施形態では、APDデータ設定処理の中で使用される領域B0〜BNを均等な間隔に設定したが、これらの間隔は不均等であってもよい。
上記実施形態では、雑音発生装置1にパラメータ生成部50が設けられているが、パラメータ生成部50は省略されていてもよい。この場合、パラメータ生成部50にて実行される処理を外部のコンピュータ等で実行することによって得られる雑音生成パラメータを、雑音発生装置1に設定するように構成すればよい。
1…雑音発生装置 10…雑音発生器群 11…背景雑音発生部 12…インパルス雑音発生部 20,30…セレクタ 40…切替制御部 41…インパルス雑音制御部 42…状態制御部 50…パラメータ生成部 411,421…乱数発生器 412,422…比較器 G0〜GN…ガウス雑音発生器

Claims (6)

  1. 予め指定された指定雑音の振幅確率分布を表現するように各々の特性を表す分散が設定されると共に、各々が発生させるガウス雑音の出現確率が割り当てられたN+1(Nは1以上の整数)個のガウス雑音発生器からなる雑音発生器群(10)と、
    前記雑音発生器群のうち、背景雑音に相当するガウス雑音を発生させる1個のガウス雑音発生器を背景雑音発生部(11)、インパルス雑音に相当するガウス雑音を発生させるN個のガウス雑音発生器をインパルス雑音発生部(12)として、前記インパルス雑音発生部を構成するガウス雑音発生器のいずれかを、各々に割り当てられた出現確率の割合で選択し、選択されたガウス雑音発生器が発生させるガウス雑音を、前記インパルス雑音発生部の出力とするインパルス雑音選択手段(20,41)と、
    前記指定雑音を、前記背景雑音が出現している状態である背景雑音状態、及び前記インパルス雑音が出現している状態であるインパルス雑音状態で表現し、前記背景雑音状態と前記インパルス雑音状態との間の状態遷移を1重マルコフ過程で表現するものとして、前記背景雑音状態にある場合は、前記背景雑音発生部の出力を選択し、前記インパルス雑音状態にある場合は、前記インパルス雑音発生部の出力を選択する状態選択手段(30,42)と、
    を備え、
    前記状態選択手段は、前記背景雑音発生部に属するガウス雑音発生器に割り当てられた出現確率を前記背景雑音状態の定常確率、前記インパルス雑音発生部に属するN個のガウス雑音発生器のそれぞれに割り当てられた出現確率の合計値を前記インパルス雑音状態の定常確率、前記インパルス雑音の平均周期の逆数を前記背景雑音状態から前記インパルス雑音状態への遷移確率、前記インパルス雑音の平均持続時間の逆数を前記インパルス雑音状態から前記背景雑音状態への遷移確率として前記状態遷移を行うことを特徴とする雑音発生装置。
  2. 予め指定された指定雑音の振幅確率分布を目標分布として、N+1個のガウス雑音発生器G0〜GNからなる雑音発生器群が、前記目標分布に従う疑似雑音を発生するように、各ガウス雑音発生器Gk(k=0,1,…,N)が発生させるガウス雑音Zkの分布を規定する分散σk、及び前記ガウス雑音Zkの出現確率Pkを設定する雑音生成パラメータの設定
    方法であって、
    景雑音の実測結果に従ってガウス雑音Z0の分散σ0を設定する第1の手順(S110)と、
    前記ガウス雑音Z0の出現確率P0を1と仮定し、前記第1の手順で設定した分散σ0を用いて、ガウス雑音Z0の振幅確率分布APD0を求め、該振幅確率分布APD0が前記目標分布とは異なった特性となる境界点での振幅確率をガウス雑音Z1の仮出現確率SP1として、ガウス雑音Z0の出現確率P0を、P0=1−SP1によって算出する第2の手順(S120〜S130)と、
    前記目標分布に基づき、振幅確率が前記境界点での値より大きくなる比較レベルの領域を領域B0、及び前記境界点での比較レベルから予め設定された下限の振幅確率となる比較レベルまでの領域をN個に分割したものを領域B1〜BNとし、ガウス雑音発生器Gk(k=1,2,…,N)が発生させるガウス雑音Zkの出現確率をSPkと仮定して、ガウス雑音Z0〜Zkを合成した雑音の振幅確率分布APDkと前記目標分布との領域B0〜Bkでの誤差を最小にする、ガウス雑音Zkの分散σkを算出する第3の手順(S150)と、
    前記目標分布について、領域Bkと領域Bk+1との境界での振幅確率をガウス雑音Zk+1の仮出現確率SPk+1として、ガウス雑音Zkの出現確率Pkを、次式によって算出する第4の手順(S150〜S200)と、
    k=SPk −SPk+1 (k≠Nの場合)
    =SPk (k=Nの場合)
    からなり、第3及び第4の手順をN個のガウス雑音発生器G1〜GNについてN=1から順番に実行することを特徴とする雑音生成パラメータの設定方法。
  3. 前記指定雑音の状態を、背景雑音が出現している状態である背景雑音状態、及びインパルス雑音が出現している状態であるインパルス雑音状態で表現し、前記背景雑音状態と前記インパルス雑音状態との間の状態遷移が1重マルコフ過程に従い、前記背景雑音状態の定常確率をQb、前記インパルス雑音状態の定常確率をQiで表現するものとして、前記目標分布から、振幅確率がQi/Qbとなる比較レベルを基準レベルとして抽出する第5の手順(S410)と、
    時間幅を示す区間サイズとその区間サイズを有した区間内で前記第5の手順で抽出された基準レベル以上のインパルス雑音が発生する確率を表す区間付き振幅確率APintとの関係を示す線グラフを比較用グラフとして、該比較用グラフから求めた傾きを、前記背景雑音状態から前記インパルス雑音状態への遷移確率qbiの初期値として設定する第6の手順と、
    前記第6の手順で求めた遷移確率qbiを適用して発生させた疑似雑音から求めた前記比較用グラフと、前記第6の手順で使用した比較用グラフとの誤差を求め、該誤差が最小となるように、前記遷移確率qbiを微調整する第7の手順(S440)と、
    を有することを特徴とする請求項2に記載の雑音生成パラメータの設定方法。
  4. 前記第2の手順で求めた振幅確率分布APD0である前記背景雑音の振幅確率分布から、前記背景雑音を前記インパルス雑音であると誤検出する確率が予め設定された許容値以下となる基準レベルを設定する第8の手順(S510〜S530)と、
    前記指定雑音の実測結果に基づき、時間幅を示す区間サイズと、その区間サイズを有した区間内で前記第8の手順で抽出された基準レベル以上のインパルス雑音が発生する確率を表す区間付き振幅確率との関係を示す実測特性を求める第9の手順(S540)と、
    前記指定雑音の状態を、背景雑音が出現している状態である背景雑音状態、及びインパルス雑音が出現している状態であるインパルス雑音状態で表現し、前記背景雑音状態と前記インパルス雑音状態との間の状態遷移が1重マルコフ過程に従うものとして、前記背景雑音状態の定常確率、前記インパルス雑音状態の定常確率、前記1重マルコフ過程の状態遷移確率を示すチャネルメモリによって規定された理論式を用いて前記区間サイズと前記区間付き振幅確率との関係を示す理論特性を求めることにより、前記理論特性と前記実測特性との誤差を、最小にするチャネルメモリを求める第10の手順(S550〜S600)と、
    前記第10の手順で求められたチャネルメモリ、及び前記背景雑音状態の定常確率、前記インパルス雑音状態の定常確率を用いて、前記背景雑音状態から前記インパルス雑音状態への遷移確率、前記インパルス雑音状態から前記背景雑音状態への遷移確率、背景雑音状態から背景雑音状態への遷移確率、及びインパルス雑音状態からインパルス雑音状態への遷移確率を求める第11の手順(S610)と、
    を有することを特徴とする請求項2に記載の雑音生成パラメータの設定方法。
  5. 前記第8の手順では、前記区間内で前記インパルス雑音が発生する確率を表す区間付き振幅確率が1となる前記区間サイズの逆数を振幅確率として、前記背景雑音の振幅確率分布から求めた該振幅確率に対応する比較レベルを前記許容値とすることを特徴とする請求項4に記載の雑音生成パラメータの設定方法。
  6. 前記第10の手順で使用する理論式は、前記背景雑音状態の定常確率をQb、前記インパルス雑音状態の定常確率をQi、前記チャネルメモリをγ、前記区間サイズをTa、前記区間付き振幅確率をAPint(Ta)として、次式で表されることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の雑音生成パラメータの設定方法。
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