JP5813238B2 - 樹枝状デンプン系デキストリン接着剤 - Google Patents

樹枝状デンプン系デキストリン接着剤 Download PDF

Info

Publication number
JP5813238B2
JP5813238B2 JP2014533291A JP2014533291A JP5813238B2 JP 5813238 B2 JP5813238 B2 JP 5813238B2 JP 2014533291 A JP2014533291 A JP 2014533291A JP 2014533291 A JP2014533291 A JP 2014533291A JP 5813238 B2 JP5813238 B2 JP 5813238B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive
additive
dendron
starch
modified starch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014533291A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014528023A (ja
Inventor
レオン ブリジウス,グレン
レオン ブリジウス,グレン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Empire Technology Development LLC
Original Assignee
Empire Technology Development LLC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Empire Technology Development LLC filed Critical Empire Technology Development LLC
Publication of JP2014528023A publication Critical patent/JP2014528023A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5813238B2 publication Critical patent/JP5813238B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08BPOLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
    • C08B31/00Preparation of derivatives of starch
    • C08B31/08Ethers
    • C08B31/12Ethers having alkyl or cycloalkyl radicals substituted by heteroatoms, e.g. hydroxyalkyl or carboxyalkyl starch
    • C08B31/125Ethers having alkyl or cycloalkyl radicals substituted by heteroatoms, e.g. hydroxyalkyl or carboxyalkyl starch having a substituent containing at least one nitrogen atom, e.g. cationic starch
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H19/00Compounds containing a hetero ring sharing one ring hetero atom with a saccharide radical; Nucleosides; Mononucleotides; Anhydro-derivatives thereof
    • C07H19/02Compounds containing a hetero ring sharing one ring hetero atom with a saccharide radical; Nucleosides; Mononucleotides; Anhydro-derivatives thereof sharing nitrogen
    • C07H19/04Heterocyclic radicals containing only nitrogen atoms as ring hetero atom
    • C07H19/056Triazole or tetrazole radicals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H7/00Compounds containing non-saccharide radicals linked to saccharide radicals by a carbon-to-carbon bond
    • C07H7/04Carbocyclic radicals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/04Oxygen-containing compounds
    • C08K5/15Heterocyclic compounds having oxygen in the ring
    • C08K5/151Heterocyclic compounds having oxygen in the ring having one oxygen atom in the ring
    • C08K5/1545Six-membered rings
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J103/00Adhesives based on starch, amylose or amylopectin or on their derivatives or degradation products
    • C09J103/04Starch derivatives
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J11/00Features of adhesives not provided for in group C09J9/00, e.g. additives
    • C09J11/08Macromolecular additives
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J201/00Adhesives based on unspecified macromolecular compounds
    • C09J201/005Dendritic macromolecules

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Description

現代社会は、接着剤の安定供給に極めて依存している。接着剤は、書籍、組立建築資材、衣料および家庭用品を始めとする多くの非食品消費者製品に使用される。このような広く行きわたった流通および使用に伴って、消費者がこうした接着剤配合物に曝されることによる健康への影響が検討される必要がある。現在入手可能な多くの接着剤製品には、石油系出発材料が使用され、有機溶媒が必要となる。こうした接着剤が硬化する際に、有機溶媒は、潜在的に有害性または刺激性の揮発性有機化合物(VOC)の形で放出される。VOCは、ヒトおよび動物の健康に有害となる場合があり、屋内空気屋外給水汚染の重大な原因である。
水系(水溶性)接着剤は、水が本質的に非毒性であり、非引火性であり、取り扱うにも安全であるため、石油系接着剤に代わる魅力的な選択枝である。さらに、そのような接着剤の調製は、硬化してもVOCを発生させない自然な/再生可能な供給源から、ほとんど完全に導くことができる。そうした水系接着剤の一つの分類が、デキストリン系接着剤である。デキストリンは、植物デンプンを加水分解することで容易に製造される低分子量炭水化物である。加水分解は、デンプンを酸触媒の存在下で乾式焼焙することにより実現される。コーンスターチは、豊富で廉価であるため、最も一般に使用されるデンプンである。ジャガイモ、タピオカおよびサゴデンプンは、デキストリンに容易に変換することのできる他のデンプンである。より詳細には、デキストリンは、D−グルコースがα−(1,4)またはα−(1,6)いずれかのグリコシド結合によって連結したオリゴマーである。したがって、こうした接着剤は、水溶性であることを踏まえると、水を主体とした溶液として流通させることができる。デンプン系接着剤の大多数は、製紙および繊維産業において、バインダーおよびサイズ剤材料ならびにグルーおよびペーストとして使用される。
デキストリンは、白色デキストリン、黄色デキストリンおよびイギリスゴムの3分類に分けられる。これらの分類は、そのそれぞれの乾式焙焼時間、温度、および使用した触媒の量によって区別される。イギリスゴムは、通常、少量の酸触媒の存在下、150℃〜180℃の間の温度で10〜24時間乾式焼焙したものである。イギリスゴムは、最も高分子量のデキストリン断片であり、そのため、通常は最も強力な接着剤となる。ペンダントヒドロキシル基は、分子間および分子内水素結合からなる拡張されたネットワークを形成して、強い接着力をもたらす。しかし、水素結合した結晶質ドメインは分離および溶解しにくいため、広範囲にわたる水素結合ネットワークが、イギリスゴムデキストリンのそうした長めの断片の水への溶解度をより低くしてしまう。このような理由から、水溶媒担体中のデキストリン断片の最大固形物濃度はわずか約25%(w/v)となるため、デンプン系デキストリン接着剤の有用性は限定される。加えて、こうした種類の接着剤は、接着剤およびそれが組み込まれる製品の有効寿命を短縮しかねないカビおよび真菌を始めとするさまざまな微生物の定着を受けやすい。
一実施形態では、デンプン系接着剤添加剤が、デンドロンと、デンドロンに結合した糖単位と、デンドロンに結合した抗微生物剤とを含む。
別の実施形態では、改質デンプン系接着剤が、デンプン系接着剤と添加剤とを含み、添加剤が、デンドロンと、デンドロンに結合した糖単位と、デンドロンに結合した抗微生物剤とを含む。
さらに別の実施形態では、添加剤の合成方法が、デンドロンを準備すること、リンカー分子をデンドロンに結合すること、糖単位をリンカー分子に結合すること、および抗微生物剤をリンカー分子に結合することを含む。
一実施形態では、改質デンプン系接着剤の形成方法が、デンドロンと、デンドロンに結合した糖単位と、デンドロンに結合した抗微生物剤とを含む添加剤を、デンプン系接着剤に加えることを含む。
前述の概要は、例示的なものにすぎず、一切限定する意図はない。上述の例示的な態様、実施形態および特色に加えて、図面および以下の詳細な説明を参照することにより、別の態様、実施形態および特色も明らかとなる。
接着剤の溶解度を向上させるように結晶性水素結合ネットワークを崩壊させる能力を有するのみならず接着剤に抗微生物特性を付与する化学配合物があれば、こうした性質をもたない水系接着剤にとって、非常に望ましい添加剤となる。本明細書に記載の実施形態は、多種の用途のために接着剤溶解度を向上させることのできる、抗微生物特性を有する接着剤添加剤を提供する。
種々の実施形態は、デンプン系デキストリン接着剤添加剤ならびにその調製および使用の方法を対象とする。デンプン系デキストリン接着剤は、廉価で接着強度があるために魅力的ではあるが、水への溶解度が低いこと、およびカビの定着を受けやすいために、接着剤の耐用年数が短くなることが、広く一般に使用される妨げとなっている。こうした実施形態の添加剤は、共有結合によって互いに連結した1つまたは複数の機能性分子単位からなる。このような添加剤は、デンプン系デキストリン接着剤に少量加えたとき、たとえば、抗微生物特性および水への溶解度の向上といったさまざまな望ましい性質を、単一の添加剤成分で付与し得る。別の実施形態は、添加剤の合成方法および添加剤接着剤混合物、添加剤の使用方法、ならびに未硬化のデンプン系接着剤に添加剤が加えられて形成された改質接着剤の使用方法を含む。
粘性、固形分、安定性、タック、滑り、基材浸透、乾燥速度、柔軟性、耐水および耐微生物性などの性質ならびに価格は、使用する接着剤の種類によって決まるところが大きいが、ある特定の性質は、接着剤組成物に添加剤を供給することにより調節できる。たとえば、ホウ砂は、デンプン系接着剤に粘着付与剤および粘性安定剤として加えられる、一般に使用される添加剤であり、尿素は、可塑剤として働き、接着剤調製物の粘性を低下させる。
接着剤添加剤
このような実施形態の添加剤には、接着剤へ挿入され、それによって硬化した接着剤の一体部分になることにより、接着剤に性質を付与する組成物が含まれる。実施形態の添加剤の「機能性分子単位」としては、多機能性添加剤の一部として含められたとき、接着剤に1つまたは複数の望ましい性質を付与するモノマーまたはポリマー部分を挙げることができる。望ましい性質とは、接着剤の物理的性質が強化され、または新しい性質が加えられるような、接着剤にプラスの影響を与える性質であると定義される。たとえば、一部の実施形態では、添加剤は、接着剤の結晶性水素結合ネットワークを崩壊させることのできる充てん剤として働く機能性分子単位を含むことができ、他の実施形態では、機能性分子単位は、抗微生物剤として働くものでもよい。特定の実施形態では、添加剤は、添加剤の接着剤との一体化を可能にし得る少なくとも1つの糖単位をさらに含んでもよく、他の実施形態では、機能性分子単位および/または糖単位は、リンカー分子によって共有結合で連結されたものでよい。一部の実施形態では、本発明の1種または複数の添加剤を含有する接着剤によって、硬化した接着剤が、1種または複数の添加剤が不在の同じ接着剤の硬化サンプルより、曲げやすい、チッピング耐性のある、クラッキング耐性のある、または微生物の増殖に耐性のあるものになる。
一部の実施形態では、2つ以上の分子機能性単位を、分子リンカーによって互いに共有結合で連結することができ、他の実施形態では、2つ以上の分子機能性単位を、分子リンカーによって、互いおよび糖単位に連結することができる。このような実施形態における分子リンカーは、ハブとして働き、個々の分子機能性単位を接続する。したがって、種々の分子リンカーは、中心部分から広がる2つ以上の反応性部分を含むものでもよい。たとえば、一部の実施形態では、リンカーは、1、3、および5位にブロモメチル反応性部分を有する中心置換ベンゼン環を含む、1,3,5−トリス(ブロモメチル)ベンゼンでもよい。同様の分子リンカーとして、中心アリール基(たとえば、ベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、フルオランテン、フェナントレン、ペリレン、コロネン)、シクロアルキルおよびシクロアルケン(たとえば、シクロヘキサン、シクロペンタン シクロペンチルジエン、ならびに置換アリールおよびシクロアルキルおよびシクロアルケン(たとえば、ピリジン、ピリミジン、イミダゾール、ピペリジン、モルホリン、チオフェン、ジアゾール、ピロール、フラン)などを有する任意の化合物を挙げることができる。さらに他の実施形態では、リンカーは、アルキルまたはアルケン鎖に沿って炭素と結合する1つまたは複数の反応性基を有する線状または分枝状のアルキルまたはアルケンでもよい。たとえば、一部の実施形態では、分子リンカーは、トリグリセリドでもよい。
反応性部分は、中心部分上のどの位置に配置することもでき、特定の実施形態では、反応性部分は、間隔を離して、各反応性部分の反応性基が分子機能性単位と個々に反応するようにしてしてもよい。実施形態は、任意の特定の反応性部分に限定されず、一部の実施形態では、反応性部分は、たとえば、アルケン、アルキン、ハロゲン化物、エステル、エポキシド、アジリジン、カルボン酸、酸塩化物、カーボネート、アルデヒド、ヒドロキシル、アミン、オキシド、チオール、イミノ、イミド、シアノ、スルホン酸、スルホン酸エステル、スルフヒドリルなどの、少なくとも1つの反応性基を含むものでよい。一部の実施形態では、反応性基は、中心部分に直接連結していてもよく、他の実施形態では、反応性基は、たとえば、アルキル、アルケンまたはアルキンによって、中心部分から間隔を置いていてもよい。このようなスペーサーは、1〜約10個の炭素原子を含み、少なくとも1つの反応性基を含むものでよい。適切な反応性基の詳細な例として、メチルブロミド、エチルブロミド、酢酸、プロピオン酸、プロピン ブチン、ペンチン、メチルニトリル、エチルニトリル、プロピオニトリルなどが挙げられる。
一部の実施形態では、添加剤は、分子リンカーと共有結合によって結合した、立体的かさ高さを設けることのできる機能性分子単位を含むものでよい。そのような機能性分子単位は、接着剤分子構造内に見出される水素結合のネットワークを崩壊させることにより、接着剤の水への溶解度の向上をもたらし得る。理論に縛られることを望むものではないが、たとえばデキストリン接着剤の結晶性水素結合ネットワークを、水素結合を壊すことにより崩壊させると、接着剤の水への溶解度が向上し得る。また、立体的かさ高さを設ける分子機能性単位によって、きつく会合したデンプン鎖の中に非晶質充てんの区域が設けられて、超ハイソリッドデキストリン接着剤の水性担体へのより顕著な分布を可能にすることもできる。現在知られている接着剤水懸濁液は、未改質デキストリン系接着剤の溶解度が相対的に低いために、固形物約25%未満に限定される。水溶化性可塑剤として働き立体的かさ高さを設ける多機能性単位を少なくとも1つ有する多機能性添加剤を含む接着剤は、硬化前に、柔軟で水溶性が顕著になることもあり、こうした接着剤は、85%以上の固形物を含み得る。水溶化性可塑剤を加えることにより、添加剤は、水素結合結晶性ネットワークを崩壊させ、その結果、接着剤の溶解度が向上し、硬化した接着剤は、チッピングの傾向がより少なく、物理的変形への耐性がより強くなることが予想される。
詳細な実施形態では、立体的かさ高さを付与する分子機能性単位は、樹枝状ポリマーであってよい。「樹枝状ポリマー」または「デンドリマー」は、本明細書で使用するとき、多分枝状(hyperbranched)ポリマー、樹木状(arboresent)ポリマー、フラクタルポリマー、および星形(starburst)ポリマーを包含する。一般に、樹枝状ポリマーは、中心コアと、中心コアからあらゆる方向に伸び広がる複数の枝を有する内部構造と、数多くの末端基を有する外面とを有する。デンドリマーポリマーは、大きさ、形状トポロジー、柔軟性および表面基を厳密に制御して構築することができる。たとえば、分岐的合成として知られているものでは、樹枝状ポリマーは、開始剤コアを高収率の反復反応シーケンスにおいて反応させて、明確な表面基を伴ってコアから放射される均斉のとれた枝を構築することにより作製される。収束的合成として知られているものでは、周囲から内側に、焦点に向かって樹枝状のくさび形を構築し、次いで、いくつかの樹枝状のくさび形を、焦点において多官能化コアとつなぐ。樹状合成では、世代としても知られている同心層を形成することができ、各世代が、分子質量および枝の末端にある反応性基の数を2倍にする結果、最終世代デンドリマーが、一定範囲の条件で容易に可溶化する高純度の均質な単分散巨大分子になる。こうした性質により、デンドロンは、接着剤内での水素結合の形成を崩壊させまたは防止するように添加剤中に使用されたとき、かなりの立体的かさ高さまたは立体障害を発揮することが可能になる。
デンドリマーが各世代を伴って成長するにつれて、枝の密集による立体的な拘束により、ポリマー形状は、ヒトデ形分子から球形分子へと変化せざるを得なくなる。樹枝の成長、形状およびトポロジーは、コア、内部分枝構造および表面基によって制御される。デンドリマーは、一定の末端表面基面積を維持するようにして、相称的に拡張する。一般に、樹枝の成長は、表面反応性部位の立体的拘束によってさらなる化学修飾が妨げられるにつれて、自己制御式になる。
樹枝状表面は、表面化学事象に利用可能な3〜3072の末端基を有することがあり、末端基の数は、(立体的拘束を規定する)デンドリマー構造の種類およびデンドリマー世代に応じて決まる。アミノ末端を有するデンドリマーは、たとえば、Michaelアクセプター(たとえばCH=CHCOH)、α−ハロエステル、エポキシド、アジリジン、活性化型カルボン酸、酸塩化物、ハロゲン化ベンジル、カーボネートまたはアルデヒドと反応する。ヒドロキシル末端を有するデンドリマーは、たとえば、ハロスルホン酸エステル、活性化型カルボン酸、および酸塩化物と反応する。エステルおよび酸末端を有するデンドリマーは、たとえばアミンと反応し、ハロゲン化物を末端とするデンドリマーは、たとえば、アミン、アルコキシドおよびチオアルコキシドアニオンと反応する。他の反応性表面基としては、特に、カルボキシハロゲン化物、イミノ、イミド、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアリールアミノ、シアノ、スルホン酸エステル、ジチオピリジルおよびスルフヒドリルが挙げられる。異なるデンドロン上またはデンドロンの異なる遠位基上に異なる表面基が存在してもよい。デンドリマーは、溶液処理可能となり得る、すなわち、表面基は、デンドリマーを溶媒に溶解させ得るものである。反応性がより低いまたは反応性でない末端基も存在する。たとえば、大部分の試薬および条件に対しておおかた反応性でない、エーテルまたはアルキル末端基が使用される場合がある。一部の実施形態では、デンドロンの立体的な必要性だけが所望され、末端基の官能性が回避される。詳細な実施形態では、デンドリマーの反応性表面が全体としての分子の構築の妨げとなるときなど、合成によって、反応性末端基が存在することが可能にならない場合、アルカンやエーテルなどの非反応性末端基が望ましいことになる。
実施形態において有用な樹枝状ポリマーとしては、限定されるものではないが、対称および非対称の分岐デンドリマーまたはデンドロン、カスケード分子、アルボロールなどが挙げられる。特定の実施形態では、樹枝状ポリマーは、高密度星形ポリマー(dense star polymer)でよい。コアに結合しているデンドロンの1つまたは複数が共役でない場合がある(ただし、少なくとも1つのデンドロンが指定の共役デンドロンであることが前提である)ことは理解されよう。通常、そのようなデンドロンとしては、たとえば、ベンゼン環がメチレンオキシ連結によって接続している、エーテル型アリールデンドロンが挙げられる。2つ以上のデンドロンが存在するとき、デンドロンは、同世代または異世代の場合があることも理解されよう(世代レベルは、分岐点のセット数によって決まる)。必要な溶液処理特性を提供するために、少なくとも1つのデンドロンが、第2世代またはより先の世代のものであることが有利となり得る。
一部の実施形態では、t−ブチルおよびアルコキシ基をデンドリマー上の表面基として使用して、有機溶媒および水への溶解度を得ている。加えて、デンドロンおよび/または表面基の選択により、(有機または有機金属)デンドリマー、ポリマー化合物、または分子化合物とのブレンドの形成が可能となり得る。一部の実施形態では、デンドロンは、焦点と呼ばれる、化学的にアドレス指定可能な単一の基を含む場合があり、そこから、繰り返し枝分かれした低分子量の分子が共有結合により結合して、多分枝状のポリマー巨大分子を形成する。これらのような樹枝状分子は、さらに、構造が完璧であり、球形の三次元構造を形成する能力があることを特徴とする。詳細な実施形態では、デンドロンは、Frechet型デンドロンであってよい。理論に縛られることを望むものではないが、デンドロンが大きいほど、接着剤の結晶性ネットワークに発揮される立体的かさ高さは大きく、したがって、特定のデンドロンを含有する添加剤によって付与される水への溶解度の向上も顕著である。
特定の実施形態では、デンドロンは、ポリ(アルキルアリールエーテル)デンドリマー、第3世代Frechet型ポリ(アリールエーテル)デンドロン、第4世代Frechet型ポリ(アリールエーテル)デンドロン、または第5世代Frechet型ポリ(アリールエーテル)デンドロンであってよい。他の実施形態では、デンドロンは、アリールエーテルデンドリマー、またはPAMAMもしくは星形デンドリマーとしても知られるポリ(アミドアミン)デンドリマーであってよい。さらに他の実施形態では、単一の官能性末端基だけがブロック解除されて中心コア分子への接続が可能になっている、適切な立体的サイズおよびかさ高さを付与するデンドロンが選択される。
一部の実施形態では、添加剤は、接着剤に抗微生物特性を与える分子機能性単位を含むことができる。こうした実施形態では、添加剤を接着剤と組み合わせて接着剤を形成すると、接着剤は、カビ、真菌、細菌、およびこれらの組み合わせのうちの少なくとも1種の増殖に対する耐性が添加剤不在の同じ接着剤より強くなる。実施形態は、特定の種類の抗微生物剤に限定されない。たとえば、抗微生物剤は、抗菌、抗ウイルス、抗真菌、抗カビ活性など、およびこれらの組み合わせを実現するものであってよい。一部の実施形態では、抗微生物剤は、フェノールまたはポリフェノールであってよい。フェノールまたはポリフェノール単位は、硬化した接着剤中に添加剤が存在するとき、耐微生物性を示すが、これは、現用のデキストリン接着剤配合物にはない特色である。フェノールおよびポリフェノール単位の例としては、没食子酸、没食子酸のアルキルエステルを始めとする修飾された形の没食子酸、およびこれらの組み合わせが挙げられる。他の実施形態では、抗微生物剤は、O−アルキル第四級アンモニウム塩、たとえば、限定されるものではないが、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化メチルベンゼトニウム、塩化セタルコニウム、塩化セチルピリジニウム、セトリモニウム、セトリミド、塩化ドファニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、臭化ドミフェン、およびこれらの組み合わせであってよい。これらの実施形態において、O−アルキル第四級アンモニウム塩は、エチレン基(−CHCH−)の代わりにエチル基1つを有し、添加剤内で塩がリンカー分子につなぎ留められるようになっている。詳細な実施形態では、抗微生物剤は、式O−アルキル−NRX[式中、R〜Rはアルキル鎖であり、Xは塩化物イオンなどの対イオンである]の構造を有する第四級アンモニウム塩を含む。さらに他の実施形態では、抗微生物剤は、有機酸であってよい。さらに他の実施形態では、抗微生物剤は、4−ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシチロソールであってよい。一部の実施形態では、添加剤は、2種以上の特定の抗微生物剤を含むことができる。
一部の実施形態では、本発明の添加剤を加えると、カビ、真菌、細菌、およびこれらの組み合わせのうちの少なくとも1種の増殖に対する耐性が添加剤不在の同じ接着剤より強い改質接着剤が得られる。
「クリック」ケミストリー法に適合させるために、抗微生物剤は、分子リンカーにつなぎ留めるのを可能にするO−アルキル官能基を含有することが好ましい。さらに他の実施形態では、抗微生物剤は、分子リンカーにつなぎ留めるのを可能にするエーテルまたはエステル基を含んでいる。他の実施形態では、アルコール末端を有する抗微生物剤が、中心ベンゼン環につなぎ留めるのに申し分なく適しており、中心ベンゼンの周囲に存在し得る多種多様の反応性基にも接続することができる。得られる複合体またはリンカーおよび抗微生物剤は、安定性が高い。
別の実施形態では、添加剤は、添加剤の接着剤巨大分子構造への挿入を促進し得る1つまたは複数の糖単位を含んでもよい。本質的にどの糖分子でも、接着剤の巨大分子構造への挿入を促進することができるので、実施形態は、いずれかの特定の種類の糖に限定されない。たとえば、一部の実施形態では、糖単位は、六炭糖のモノマーまたはオリゴマーでよい。六炭糖の構造は、デンプン系接着剤オリゴマーの構造によく似ており、このような実施形態の添加剤に糖単位が存在することで、化学成分を接着剤に融合させ、接着剤に所望の性質を付与することが可能となり得る。六炭糖モノマーのより詳細な例として、D−グルコース、D−アロース、D−アルトロース、D−マンノース、D−グロース、D−イドース、D−ガラクトースおよびD−タロースが挙げられる。これらの六炭糖は、単一種の六炭糖を含む「純粋な」オリゴマーとしてオリゴマーの形態にしてもよいし、または、六炭糖は、D−グルコース、D−アロース、D−アルトロース、D−マンノース、D−グロース、D−イドース、D−ガラクトースおよびD−タロースを含めた六炭糖の混合物として提供してもよい。糖単位が六炭糖のオリゴマーである場合、六炭糖は、α−(1,4)またはα−(1,6)いずれかのグリコシド結合によって連結し合っている。
一実施形態では、添加剤は、糖単位と結合した接着剤に溶解度の向上および抗微生物特性を付与するいくつかの分子機能性単位からなる。この実施形態では、分子機能性単位と糖単位は、リンカー分子を介して共有結合により連結されて、添加剤を形成する。
一実施形態では、添加剤は、3つの機能性単位:糖単位、フェノールまたはポリフェノール側鎖、およびFrechet型ポリ(アリールエーテル)デンドロンを含む分子である。各部は、共有結合し合っており、デキストリン接着剤などのデンプン系接着剤を立体的および化学的に改質して接着剤のデンプン単位間の制御されていないレベルの結合を防ぐ添加剤を形成する。このようにして、添加剤は、最終硬化接着剤において一体化し割り込んだ単位になる。添加剤によって、改質された硬化接着剤に、もろさの低減、可撓性および柔軟性の向上、抗微生物特性、ならびに改質していない接着剤硬化サンプルにない他の望ましい性質など、新たな性質または性質の変更がもたらされる。添加剤は、体積量に対して比較的少量で、デンプン系デキストリン接着剤原液に加えることができる。
別の実施形態では、添加剤は、デンドロンと、デンドロンに結合した糖単位と、デンドロンに結合した抗微生物剤とを含む分子である。
調製方法
一部の実施形態は、上述の添加剤の調製方法を対象とする。こうした添加剤は、完成した添加剤が、デンプン系接着剤に所望の性質を付与する、共有結合によって連結した分子機能性基を有する単一化合物を含むように、1つまたは複数の分子機能性単位、および場合によっては糖単位を、リンカー分子に共有結合によって連結させる、いずれかの方法によって合成することができる。たとえば、一部の実施形態では、上述のものなどの添加剤を、一連の連続する光延カップリング反応によって合成することができる。このような実施形態では、第1のステップにおいて、1,3,5−トリス(ブロモメチル)ベンゼンなどのリンカー分子を、光延反応によって、アルコール末端を有するデンドロンまたはプロパルギルアルコールのいずれかに、共有結合で結合させて、最初の中間体を得ることができる。次いで、2のステップにおいて、抗微生物剤を最初の中間体に結合させると、添加剤に抗微生物活性を与えることができる。一部の実施形態では、3のステップにおいて、六炭糖単位をリンカー分子に結合させて、接着剤巨大分子構造への添加剤の挿入を円滑にすることができる。当然のことながら、結合反応の順序は、どのように組んでもよい。たとえば、1のステップにおいて抗微生物剤をリンカーに結合させることができ、2のステップにおいて樹枝状ポリマーをリンカーに結合させることができる。
他の実施形態では、添加剤は、デンドロン、抗微生物剤、および一部の実施形態では糖単位のリンカー分子への接続に「クリック」ケミストリーを使用して、合成することができる。この種類の方法による添加剤の合成プロセスは、簡単であり、収率が高くなる。たとえば、1,3,5−トリス(ブロモメチル)ベンゼンリンカー2を改変して、リンカー上の1箇所の位置において臭素をアジド基およびアルキン基で置き換えることができる。
詳細な例を以下に示す。多機能性添加剤を調製するための「クリック」ケミストリー法における第1のステップを示す最初のパネルに例示するとおり、水素化ナトリウムなどの強塩基の存在下、デンドロン1を1,3,5−トリス(ブロモメチル)ベンゼン(2)と反応させると、デンドロン−リンカー中間体3を形成することができる。
Figure 0005813238
次のパネルに例示する第2のステップにおいて、ピロガロール−4−カルボン酸塩5の誘導体などの抗微生物剤は、2ステップのプロセスによってリンカー−デンドロン中間体3と結合させることができる。最初に、リンカー−デンドロン中間体3を、反応の溶媒として働くテトラヒドロフラン(THF)を用いながら、プロパルギルアルコールおよび塩基と反応させて、1つまたは複数の反応性基においてアルキンを有する第2のリンカー−デンドロン中間体4を形成する。次いで、この第2の中間体4を、ジメチルホルムアミド(DMF)などの有機溶媒の存在下、60〜90℃の温度範囲で抗微生物剤5と反応させて、分子リンカーを介してデンドロンにつなぎ留められた抗微生物剤を有する添加剤6を作製する。
Figure 0005813238
一部の実施形態では、添加剤6に糖基を付加することができる。パネル3に例示するとおり、添加的な抗微生物剤およびデンドロンを含有する添加剤を、銅(II)触媒などの触媒およびアスコルビン酸と、有機溶媒または水の存在下で六炭糖7と合わせて、糖を添加剤に結合させた後、水素化反応にかけると、完成した添加剤8を形成することができる。
一実施形態では、本発明の添加剤は、デンドロンを準備することと、リンカー分子をデンドロンに結合することと、糖単位をリンカー分子に結合することと、抗微生物剤をリンカー分子に結合することとを含む方法によって合成する。リンカー分子をデンドロンに結合するステップは、デンドロンを水素化ナトリウムおよび1,3,5ブロモメチルベンゼンと反応させて、第1の中間体を形成し、続いて、第1の中間体をプロパルギルアルコール、塩基およびテトラヒドロフランと反応させて、第2の中間体を形成するステップを含む。引き続いて、第2の中間体を約60℃〜約90℃の温度で有機溶媒および抗微生物剤と反応させて、第3の中間体を形成する。今度は第3の中間体を、少なくとも1種の触媒および少なくとも1種の有機溶媒の存在下で糖部分と反応させた後、水素化すると、完成した添加剤が得られる。次いで、完成した添加剤を接着剤と合わせ、改質接着剤を形成することができる。
接着剤の調製方法
デンプン系デキストリン接着剤は、製紙および包装業界の主要な構成要素である。こうした接着剤は、容易に入手可能であり、費用がかからず、水系溶液の形で適用しやすい。生産コストが低いこと、多孔質の表面に対する堅固な接着および油不溶性を実現すること、ならびに容易に入手可能で非毒性で生分解性であることを始めとして、こうした接着剤は、他の種類の接着剤に優る数多くの利点を有する。一般的なデンプン接着剤の製造は通常、デンプンを水中で加熱することから始まり、これにより、内部の水素結合によってまとまっているデンプン粒が勢いよく開放される。これがペーストをなし、接着剤として使用される。普通、デンプン固形分が15%を上回ると、この火を通したペーストは、冷却時に不溶性のゴム状の塊となるが、しかし、提案している添加剤を用いると、はるかに高い使用濃度が可能である。現在、デキストリン系接着剤の実用性は、最大固形物濃度が約25%w/vであることによって限定されているので、より高い固形物濃度は望ましい。高い固形物濃度は、接着剤の強度と関連付けられる。デキストリン系接着剤は、それ自体で、接着剤への強度付与の主な担い手である分子間および分子内水素結合の拡張されたネットワークを形成する。接着剤中の固形物濃度が高いほど、接着剤の接着力は強いと考えられている。したがって、たとえば、所与の体積の水中で1〜25%w/v、25〜50%w/v、50〜75%w/v、および75〜100%w/vの範囲の最大固形物濃度を実現することが望ましい。一部の実施形態では、最大固形物濃度は、99%w/v、98%w/v、97%w/v、96%w/v、95%w/v、90%w/v、80%w/v、70%w/v、60%w/v、50%w/v、40%w/v、30%w/v、および25%w/vを上回る。一部の実施形態では、添加剤は、水溶媒担体中の接着剤に、25%w/v、30%w/v、40%w/v、50%w/v、60%w/v、70%w/v、80%w/v、90%w/v、95%w/v、96%w/v、97%w/v、98%w/v、および99%w/vより高い水溶媒担体中の改質デンプン系接着剤固形物濃度を付与する。
詳細には、デキストリン接着剤は、コーンスターチを酸の存在下で加熱することにより一般に調製される。上で言及したとおり、イギリスゴムは、24時間約170℃に焼焙したものであるが、水への溶解度が低いことが欠点である。イギリスゴムについて、最大有効固形分は、約25%である。一部の実施形態では、上述のものなどの多機能性添加剤を粉末状のデキストリン接着剤に加える場合があるが、デキストリンは、それでも液(水)相になる。デンプン系デキストリン接着剤は、水分の喪失によって硬化する。溶媒が蒸発する際、それにより接着剤は「硬化」し、添加剤は、その糖部分によって定位置に保持された内部可塑剤として働き得る。デンドロンによって、水素結合の不溶性結晶性ネットワークを崩壊させるのに十分な立体的かさ高さが付与され、抗微生物剤によって、接着剤の寿命の間、微生物の形成が抑制される。
一実施形態では、本明細書に記載の添加剤によって、「超ハイソリッド」デキストリン−水接着剤の調製が可能になり、それにより、輸送体積/輸送コストが縮小されることに加え、蒸発させる必要のある水がより少ないので、必要となる硬化時間も短縮される。得られる接着剤は、その強力な接着特性を保持し、柔軟性があり、微生物の定着に耐性がある。
一実施形態では、粉末状水溶性接着剤に添加剤を加えてから、水を加える。添加剤の存在によって、特定の量の水に溶解し得る粉末状接着剤の量が増加し、一方で接着剤の望ましい性質は保持され、硬化した接着剤に抗微生物特性が備わる。
別の実施形態では、粉末状水溶性接着剤に、接着剤が硬化前には液相になるように水を加えた後、添加剤を加える。添加剤の存在によって、特定の量の水に溶解し得る粉末状接着剤の量が増加し、一方で接着剤の望ましい性質は保持され、硬化した接着剤に抗微生物特性が備わる。
別の実施形態では、添加剤を水に加えてから、粉末状水溶性接着剤を加える。得られる添加剤と接着剤の混合物は、硬化前には液相になる。添加剤の存在によって、特定の量の水に溶解し得る粉末状接着剤の量が増加し、一方で接着剤の望ましい性質は保持され、硬化した接着剤に抗微生物特性が備わる。
種々の調製方法は、添加剤、接着剤および水の混合物の加熱をさらに含むことができる。特定の実施形態では、加熱ステップは、添加剤と接着剤の完全な混合を確実にする必要があるときに適用する。加熱ステップは、一般にいかなる温度で実施してもよい。例となる温度および範囲として、20℃〜50℃、50℃〜75℃、および20℃〜75℃を挙げることができる。一部の実施形態では、温度範囲は、水の沸点より低くなり、また存在する有機溶媒の分解が生じる温度より低くなる。加熱ステップは、一般にいかなる時間の長さで実施してもよい。例となる時間および範囲として、0〜1時間、1〜2時間、2〜4時間、4〜6時間、および1〜6時間を挙げることができる。加熱ステップは、接着剤と添加剤の完全な混合が実現されるまで実施することができる。種々の方法は、加熱ステップの後に、混合物の冷却をさらに含むことができる。さらに他の実施形態では、加熱および冷却ステップに、添加剤と接着剤の混合物の物理的混合が伴う。追加の実施形態では、加熱または冷却ステップなしで、添加剤と接着剤の混合物の物理的混合を実施する。
さらに別の実施形態では、接着剤に添加剤が加わることで、特定の接着剤水混合物の固形分が、添加剤なしで実現可能な量を上回る量に増加する。たとえば、イギリスゴムについて、最大有効固形分は、添加剤不在では約25%であるが、添加剤の存在下では増加することになり、その結果、水に溶解し得る粉末状接着剤の正味量が増加する。最大有効固形分の具体例は、添加剤の存在下では50〜75%になると予想される。一部の実施形態では、所望の固形分は、接着剤の目的用途に応じて決まる。当業者であれば、使用必要量に見合う、接着剤−添加剤混合物の最適な固形分を決定することができる。一般に、固形分が多いほど、接着剤−添加剤混合物はより濃厚で、より粘稠になり、硬化した接着剤はより強力になる。
一部の実施形態では、添加剤をデンプン系接着剤と組み合わせて改質デンプン系接着剤を形成すると、得られる改質デンプン系接着剤は、水への溶解度が、添加剤不在の同じデンプン系接着剤の約101%〜約200%である。
接着剤の使用方法
別の実施形態は、接着剤と添加剤組成物とを含む接着剤組成物を、ある材料を、別の材料にまたはその材料自体に接着するのに使用することを含み、硬化した接着剤は、真菌、カビおよび細菌による微生物定着に耐性がある。そのような材料の例としては、木材、紙、繊維、革、プラスチックまたはボール紙が挙げられる。
本方法は、少なくとも1つの材料を用意することと、接着剤組成物を材料に適用することと、材料を接着させることとを含むことができる。本方法は、接着剤組成物を硬化させることをさらに含むことができる。一実施形態では、本方法は、第1の材料の第1の部分を同じ第1の材料の第2の部分に接着させることを含む。代替実施形態では、本方法は、第1の材料を第2の材料に接着させることを含む。一部の実施形態では、本方法は、接着剤組成物を、第1の材料の第1の部分および第1の材料の第2の部分に適用してから、第1の部分と第2の部分を接着させることを含むことができる。一部の実施形態では、本方法は、接着剤組成物を第1の材料と第2の材料の両方に適用してから、第1の材料を第2の材料に接着させることを含むことができる。
真菌、カビおよび細菌による微生物定着などの有害な作用に対する耐性は、添加剤組成物を含まない同様の接着剤組成物から調製した同じ硬化接着剤を基準として測定することができる。耐性パーセントは、一般に、いかなる耐性パーセントでもよい。耐性パーセントの例としては、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、およびこれらの値のいずれか2つの間の範囲が挙げられる。理想的な一実施形態では、耐性パーセントは100%である、すなわち、硬化した接着剤は、有害な要素に対して完全に耐性がある。
(実施例1)
「クリック」ケミストリーによるデンプン系デキストリン接着剤添加剤の合成
多機能性添加剤は、多段カップリング反応を使用して調製することができる。第1のステップにおいて、第1、第2、第3または第4世代ポリベンジルエーテルデンドロン(0.48mmol)を、10mLのジエチルエーテルに溶解させた後、1,3,5−トリス(ブロモメチル)ベンゼン(0.41g、2.9mmol)を加えることができる。この混合物に、無希釈の水素化カルシウム(19.71mg)を加え、混合物を室温で24時間撹拌することができる。次いで、ロータリーエバポレーターを使用して溶媒を除去することができ、残存する化合物を水に溶解させクロロホルムで洗浄することにより洗浄して、残った1,3,5−トリス(ブロモメチル)ベンゼンを除去することができる。
第2のカップリングステップでは、第1のステップで生成した化合物をテトラヒドロフラン(THF、10mL)およびプロパルギルアルコール(0.0005mol)に溶解させた後、水素化ナトリウム(50%水溶液10mL)を加えることができる。この溶液は、室温で24時間撹拌することができる。得られる化合物は、ロータリーエバポレーターで溶媒を蒸発させることにより単離することができる。次いで、ジメチルホルムアミド(DMF、10mL)に化合物を溶解させることができ、この溶液に没食子酸ナトリウム塩(10.0mmol)を加えることができる。次いで、混合物を60℃〜90℃に加熱し、24時間撹拌することができる。得られる化合物は、1,3,5−トリス(ブロモメチル)ベンゼンリンカーによって没食子酸につなぎ留められたポリベンジルエーテルデンドリマーを含む。この化合物は、添加剤として使用することができる。
第3のカップリングステップでは、糖部分も添加剤に付加することができる。これは、第2のカップリングステップから得た添加剤を水に溶解させ、D−グルコース(10.0mmol)、硫酸銅(CuSO、0.16mM)、tertブタノール(t−BuOH、8mM)、およびアスコルビン酸(5.0mM)を加えることにより実現できる。得られる溶液は、40℃に加熱し、12時間撹拌することができる。反応後、反応混合物にラネーニッケル触媒(2〜6g、孔径50μ、表面積90m/g、水中50%、ニッケル含有量75.1%)を加えて反応スラリーを形成し、スラリーを45℃に加熱し、多孔ガラス球管を使用して1.86リットル/分の流量でスラリー全体に水素ガスを供給して、スラリーを反応の間かなり撹拌された状態に保つことにより、生成物を水素化することができる。得られる、1,3,5メチルベンゼン1,3,5−トリス(ブロモメチル)ベンゼンリンカーによって没食子酸およびD−グルコースにつなぎ留められたポリベンジルエーテルデンドリマーを有する添加剤は、ロータリーエバポレーターで溶媒を蒸発させ、化合物を水に溶解させ、所望の純度に到達するまでクロロホルムで数回洗浄することによって、単離することができる。溶媒を除去し、添加剤は乾燥させ粉末として貯蔵することができる。
(実施例2)
アルキンリンカーを用いた「クリック」ケミストリーによるデンプン系デキストリン接着剤添加剤の合成
多機能性添加剤は、多段カップリング反応を使用して調製することができる。第1のステップにおいて、ブロモメチル基に結合させた第1、第2、第3または第4世代ポリベンジルエーテルデンドロンを1,3,5−トリメチルベンゼンと反応させて、アルキン−リンカー−デンドロン中間体(1)を形成する。この混合物に無希釈の水素化ナトリウムを加えることができ、混合物を室温で24時間撹拌することができる。次いで、ロータリーエバポレーターを使用して溶媒を除去することができ、残存する化合物を水に溶解させ、クロロホルムで洗浄することにより洗浄して、残った1,3,5−トリメチルベンゼンを除去することができる。
第2のステップでは、中間体1、没食子酸をトリメチルクロロシラン(TMSCI)、次いで塩化オキサリルで処理して調製した抗微生物剤2を、アルキン−リンカー−デンドロン中間体1に、2ステッププロセスによって結合させることができる。最初に、無希釈の水素化ナトリウムの存在下、反応の溶媒として働くテトラヒドロフラン(THF)を用い、リンカー−デンドロン中間体1を抗微生物剤2と反応させた後、希塩酸と反応させて、1つまたは複数の反応性基においてアルキンを有しかつアルキン−リンカー−デンドロン中間体につなぎ留められた抗微生物剤を有する、第2のリンカー−デンドロン中間体3を形成する。中間体3を、銅(II)、アスコルビン酸、tert−ブタノール、水の存在下で糖アジド部分と反応させた後、水素化すると、完成した添加剤4が得られる。
Figure 0005813238
(実施例3)
ハロゲン化物リンカーを用いた「クリック」ケミストリーによるデンプン系デキストリン接着剤添加剤の合成
多機能性添加剤は、多段カップリング反応を使用して調製することができる。第1のステップにおいて、1,3,5−トリヨードベンゼンを、3当量のトリメチルシリルアセチレン、5%塩化パラジウム(II)トリフェニルホスフィン、5%銅(II)カルボン酸塩、ピペリジンと、25℃で6時間反応させた後、メタノール中にて25℃で30分間炭酸カリウムと反応させて、1,3,5−トリメチルベンゼンを形成する。
第2のステップでは、ブロモメチル基を結合させた第1、第2、第3または第4世代ポリベンジルエーテルデンドロンを1,3,5−トリメチルベンゼンと反応させて、アルキン−リンカー−デンドロン中間体(2)を形成する。この混合物に無希釈の水素化ナトリウムを加えることができ、混合物を室温で24時間撹拌することができる。次いで、ロータリーエバポレーターを使用して溶媒を除去することができ、残存する化合物は、化合物を水に溶解させ、クロロホルムで洗浄することにより洗浄して、残りの1,3,5−トリメチルベンゼンを除去することができる。
第3のステップでは、中間体2、および没食子酸をトリメチルクロロシラン(TMSCI)、次いで塩化オキサリルで処理して調製した抗微生物剤3を、アルキン−リンカー−デンドロン中間体2に、2ステッププロセスによって結合させることができる。最初に、無希釈の水素化ナトリウムの存在下、反応の溶媒として働くテトラヒドロフラン(THF)を用い、リンカー−デンドロン中間体2を抗微生物剤3と反応させた後、希塩酸と反応させて、1つまたは複数の反応性基においてアルキンを有しかつアルキン−リンカー−デンドロン中間体につなぎ留められた抗微生物剤を有する、第2のリンカー−デンドロン中間体4を形成する。中間体4を、銅(II)、アスコルビン酸、tert−ブタノールおよび水の存在下で糖アジド部分と反応させた後、水素化すると、完成した添加剤5が得られる。
Figure 0005813238
(実施例4)
エステルリンカーを用いた「クリック」ケミストリーによるデンプン系デキストリン接着剤添加剤の合成
多機能性添加剤は、多段カップリング反応を使用して調製することができる。第1のステップにおいて、ヒドロキシル基に結合させた第1、第2、第3または第4世代ポリベンジルエーテルデンドロンをベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸トリメチルエステルと反応させて、エステル−リンカー−デンドロン中間体(1)を形成する。この混合物に無希釈の水素化ナトリウムを加えることができ、混合物を室温で24時間撹拌することができる。次いで、ロータリーエバポレーターを使用して溶媒を除去することができ、残存する化合物を水に溶解させ、クロロホルムで洗浄することにより洗浄して、残ったベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸トリメチルエステルを除去することができる。
第2のステップでは、中間体1および抗微生物剤2(3,4,5−トリヒドロキシ−安息香酸カリウム)を、エステル−リンカー−デンドロン中間体1に、2ステッププロセスによって結合させることができる。最初に、リンカー−デンドロン中間体1を、無希釈の水素化ナトリウム、および反応の溶媒として働くテトラヒドロフラン(THF)と反応させた後、ジメチルホルムアミド(DMF)中にて100℃で抗微生物剤2と反応させ、次に、無希釈の水素化ナトリウムの存在下、反応の溶媒として働くテトラヒドロフラン(THF)を用い、ペンタ−4−イン−1−オールと反応させて、1つまたは複数の反応性基においてアルキンを有しかつエステル−リンカー−デンドロン中間体につなぎ留められた抗微生物剤(2)を有する、第2のリンカー−デンドロン中間体3を形成する。次いで、中間体3を、銅(II)、アスコルビン酸、tert−ブタノールおよび水の存在下で糖アジド部分と反応させた後、水素化すると、完成した添加剤4が得られる。
Figure 0005813238
(実施例5)
酸塩化物リンカーを用いた「クリック」ケミストリーによるデンプン系デキストリン接着剤添加剤の合成
多機能性添加剤は、多段カップリング反応を使用して調製することができる。第1のステップにおいて、ヒドロキシル基に結合させた第1、第2、第3または第4世代ポリベンジルエーテルデンドロンを、ピリジンの存在下、25℃で塩化ベンゾイルと反応させて、酸塩化物−リンカー−デンドロン中間体を形成する。次いで、この中間体を、ピリジンの存在下、25℃で、一般式HO−(CH2)x−NR3X[ここで、Rは、1〜18個の炭素の可変長のアルキル基とすることができ、xは、2〜18の間のいずれかの数とすることができ、Xは、塩化物または臭化物アニオンなどのいずれかの一価アニオンとすることができる]の抗微生物剤(1)と反応させた後、ピリジンの存在下、25℃でプロパルギルアルコールと反応させて、中間体2を形成する。次いで、中間体2を、銅(II)、アスコルビン酸、tert−ブタノールおよび水の存在下で糖アジド部分と反応させた後、水素化すると、完成した添加剤3が得られる。
Figure 0005813238
(実施例6)
アルデヒドリンカーを用いた「クリック」ケミストリーによるデンプン系デキストリン接着剤添加剤の合成
多機能性添加剤は、多段カップリング反応を使用して調製することができる。第1のステップにおいて、エチル−ホスホン酸ジエチルエステル基を結合させた第1、第2、第3または第4世代ポリベンジルエーテルデンドロンは、デンドロンアルコールをメシル化した後、還流温度にてヨウ化ナトリウムおよびトリエチルホスファイトで処理することにより、3,5−ジメチル−ベンズアルデヒドと反応させて、アルデヒド−リンカー−デンドロン中間体(1)を形成する。
次いで、中間体1は、無希釈の水素化ナトリウムおよびテトラヒドロフランの存在下、一般式(EtO)2(O)P−(CH2)x−NR3X[ここで、Rは、1〜18個の炭素の可変長のアルキル基とすることができ、xは、2〜18の間のいずれかの数とすることができ、Xは、塩化物または臭化物アニオンなどのいずれかの一価アニオンとすることができる]の第四級アミンアルコール抗微生物剤(2)と、第四級アミンアルコールをメシル化した後、還流させながらヨウ化ナトリウムおよびトリエチルホスファイトで処理することにより、50℃で反応させる。この後、テトラヒドロフラン溶媒中にて、無希釈の水素化ナトリウムの存在下、50℃でヘキサ−5−イニル−ホスホン酸ジエチルエステル(3)と反応させて、ω末端を有する臭化物のリン酸トリエチルによるArbusov転位によって、中間体4を形成する。次いで、中間体4を、銅(II)、アスコルビン酸、tert−ブタノールおよび水の存在下で糖アジド部分と反応させた後、水素化すると、完成した添加剤5が得られる。
Figure 0005813238
(実施例7)
接着剤−添加剤混合物の調製
実施例1に記載のとおりに調製した添加剤粉末(0.5mg)を、乾燥した白色デキストリン(100g)に加えることができ、この混合物に水(1L)を加えて、接着剤混合物を作製することができる。
実施例1に記載のとおりに調製した添加剤粉末(500mg)を、水(1L)中に白色デキストリン(100g)を含むスラリーに加えて、接着剤混合物を作製することができる。
実施例1に記載のとおりに調製した添加剤粉末(500mg)を水(1L)に加えた後、白色デキストリン(100g)を含有する水(1L)を加えて、接着剤混合物を作製することができる。
実施例1に記載のとおりに調製した添加剤粉末(100mg)を、乾燥した白色デキストリン(1000g)に加えることができ、この混合物に水(1L)を加えて、接着剤混合物を作製することができる。
実施例1に記載のとおりに調製した添加剤粉末(100mg)を、水(1L)中に白色デキストリン(1000g)を含むスラリーに加えて、接着剤混合物を作製することができる。
実施例1に記載のとおりに調製した添加剤粉末(100mg)を水(1L)に加えた後、白色デキストリン(1000g)を含有する水(1L)を加えて、接着剤混合物を作製することができる。
一部の実施形態では、水、接着剤および添加剤の混合物を、冷水中で約30分間混合する。さらに他の実施形態では、水、接着剤および添加剤の混合物を混合し、20℃を越える温度に加熱し、引き続いて冷却した後に硬化させる。
(実施例8)
段ボール箱の製造における接着剤−添加剤混合物の使用
実施例2に記載のとおりに調製した接着剤は、段ボール箱作製の際に使用される段ボール素材の製造において使用することができる。段ボール素材は、細長い一枚のボール紙に、加熱した段ロールによって波形をつけることと、実施例2の接着剤を一方の側にある波の先端に塗布することと、滑らかなボール紙ライナーを波と接触させることと、ライナーと波型紙の接触を維持するのに十分な圧力をかけることにより接着層を形成させて、片面段ボールを作製することとからなる連続的な2ステップ作業において製造される。第2のステップでは、実施例2の接着剤を、露出したままである段ボール先端に塗布した後、露出した波形の先端を2枚目の滑らかなボール紙ライナーに接触させ、ライナーと波形の紙の接触を維持するのに十分な圧力をかけることにより接着剤接着層を形成させる。この2ステッププロセスの結果、段ボールの中芯に接着された2面の滑らかな外側ボール紙表面を含む堅いボール紙となる。このプロセスによって製造された両面段ボール素材は、第1、第2、第3および第4の側壁パネルを含み、第1と第3の側壁パネルが向かい合う関係にあり、第2と第4の側壁パネルが向かい合う関係にあり、側壁パネルが箱の内部空間を画定する、堅い段ボールを畳み込み、同じ堅い段ボールの別の部分に接着させることによる、箱の作製に使用することができる。実施例2の接着剤は、段ボール箱の部分を互いに接着させるのに利用することもできる。一部の実施形態では、接着層が形成され、接着剤が硬化してしまうまで、畳み込まれたボール紙素材の部分の接触が維持されるように十分な圧力をかけることにより、これを実現することができる。
一部の実施形態では、ボール紙素材は、ライナーと波形の紙を所定の位置に保つのに十分な圧力と共に熱を適用する追加のステップを加えて、上述のとおりに製造する。
得られる段ボール箱は、添加剤を含有する接着剤の追加の特色の利点を受ける。特色には、接着剤が存在する範囲上での強度および微生物定着に対する耐性がより大きいことが含まれる。
(実施例9)
繊維製品の製造における接着剤−添加剤混合物の使用
実施例2に記載のとおりに調製した接着剤は、繊維製品の製造において使用することができる。例として、服飾衣料、家庭用品、たとえば、カーペットおよびラグ、タオル、カーテンおよび敷布、家具および自動車用の掛布、ならびに工業用ベルトおよび消防ホースが挙げられる。繊維製品は、不織布の別個の切片を接着させる、または一片の布の一部を同じ切片の布の別の部分に接着させることにより製造することができる。不織布の例としては、スパンレース、スパンボンド、ならびにポリエステル、ポリプロピレンおよび/またはポリエチレンの混紡のほか、これらの組み合わせが挙げられる。実施例2に記載の接着剤を使用して、繊維の表面に接着剤を接触させた後、同じ切片の繊維または別個の切片の繊維のいずれかの第2の表面を接触させ、接着剤が硬化する間繊維の切片の接触を維持するのに十分な圧力をかけることにより、不織布の単一または別個の切片を接着することができる。この過程の結果、製品の目的用途による応力に持ちこたえるのに十分な強度のみならず、接着部位における微生物による定着に対する耐性を有する、つながった2片の布となる。
一部の実施形態では、繊維製品は、繊維の切片を所定の位置に保つのに十分な圧力と共に熱を適用する追加のステップを加えて、上述のとおりに製造することができる。
(実施例10)
接着剤−添加剤混合物の、添加剤なしの接着剤との比較
特定の接着剤−添加剤混合物の性質は、剥離、張力、圧縮およびせん断試験を含めたいくつかの標準試験方法によって、添加剤不在の接着剤の性質と比較することができる。これらの試験は、硬化した接着剤の強度、およびその使用の際に遭遇し得るさまざまな応力に持ちこたえるその能力を測定するものである。剥離試験では、接着された2つの基材、たとえば、2片の布または2枚のボール紙を離すのに必要となる力を、接着剤の基材からの分離を実現するのに必要な力、角度および時間に関して測定する。剥離試験では、特定の接着剤が弱って基材から離れる前に必要となる応力のレベルが示される。張力、圧縮およびせん断試験では、特定の接着剤によってもたらされる接着、および接着剤を基材から離すまたは接着し合った2つの基材を離すのに必要となる力の特性決定が可能になる。これらの試験によって、使用者は、添加剤入りとなしとでの接着剤の強度の差異を評価することが可能になる。
加えて、接着剤が液体段階にある間に、添加剤存在下の接着剤の特徴を分析する試験を実施することもできる。このような試験は、接着剤の粘性および溶解度を測定するものであってよい。接着剤添加剤が液相にある接着剤の粘性を増大させる能力は、接着剤サンプルが、ある容器から、その最初の容器より下に、接着剤が重力のもとで絶え間なく流れるように配置された別の容器に流れる速度を観察することにより、測定することができる。両方の接着剤が液相にある間、添加剤を含有する接着剤の粘性は、添加剤不在の同じ接着剤とそのまま比較することができる。液相にある接着剤の粘性の定量的な比較を実現するには、より精巧な測定装置が存在する。そうした装置として、特定の液相接着剤がニュートン流体の特徴をなす場合に使用することのできる、落下および振動ピストン式粘度計、StabingerおよびStormert回転式粘度計が挙げられる。液相にある接着剤が非ニュートン流体となる場合では、レオメーターおよびプラストメーターを始めとする計器を使用して、特定の接着剤の粘性を測定することができる。
細菌 酵母、および真菌による攻撃に対する接着剤調製物の耐性の向上は、無菌の接着剤を選択された微生物に曝し、接着剤が無菌に戻るのをモニターすることにより測定できる。加えて、接着剤をletheen寒天平板と接触させ、寒天平板上での微生物の増殖をモニターすることによって、表面上または特定の接着剤内にいる微生物の存在をモニターすることができる。これは、添加剤の使用を模擬することになる条件に曝し、次いで、接着剤を選択された微生物で明確に感染させるまたは接着剤をletheen寒天平板と接触させた後に行うことができる。これらの方法によって、添加剤使用および不使用の接着剤を、液相時と硬化後の両方において試験することが可能となる。
追加の試験を実施して、添加剤不在の同じ接着剤と比較した、添加剤含有接着剤の性能を測定することができる。このような試験は、硬化した接着剤を一定範囲の温度および圧力に曝して、接着剤を使用することになる条件を模倣することを含んでもよい。容易に測定することのできる別の特徴は、種々の量で太陽光に曝した後の添加剤含有接着剤の性能である。こうした条件は、硬化した接着剤を種々の量の紫外線にさまざまな継続期間で曝し、次いで上述の試験を実施することにより、実験室条件下で再現することができる。上述の試験でのように、添加剤が接着剤の特定の特色に与える潜在的な利点は、添加剤存在下の接着剤を添加剤不在の同じ接着剤と比較することにより、定量化することができる。
水系接着剤の溶解度は、添加剤の存在下で高めることのできる重要な特色である。接着剤粉末の水への溶解度を測定するために、光またはレーザの屈折を使用して、溶解していない接着剤の粒子の存在を測定することができる。指定の量の接着剤を正確に計った量の水に加えることができ、相対的な光またはレーザの屈折を、粉末状接着剤の溶解度に代わるものとして測定することができる。この方法により、特定の接着剤の溶解度の添加剤の存在下と非存在下での比較が可能になる。添加剤使用および不使用の正確に計った量の接着剤の溶解度を測定する代替法は、接着剤−水混合物に穏やかな遠心力をかけた後の接着剤の沈降を測定することである。より高いレベルの沈降は、より低いレベルの接着剤溶解度と相互関係にあることが予想される。
さらに、上述の試験は、特定の添加剤によって接着剤に付与される利点の定量的な尺度となり得るだけでなく、接着剤において所望の性質を付与または強化するのに必要となる、特定の添加剤の量の決定に使用することもできる。
この開示では、この文書の一端をなす添付の図面が参照される。図面において、文脈によりそうでないと規定されない限り、通常は、同様の記号によって、同様の構成要素が識別される。詳細な説明、図面、および請求項に記載の例示的な実施形態は、限定するためのものではない。本明細書で提示する主題の真意または範囲から逸脱することなく、他の実施形態を使用してもよいし、他の変更を行ってもよい。本明細書で一般に記載し、図で例示するような本開示の態様は、多種多様な異なる構成において、適合させ、置き換え、組み合わせ、分離し、設計することができ、そのすべてが本明細書において明示的に企図されることは容易に理解されよう。
本開示は、本出願に記載の特定の実施形態に関して限定されず、特定の実施形態は、種々の態様を例示するためのものである。当業者には明白となるように、その真意および範囲から逸脱することなく、多くの変更形態および変形形態を案出することができる。本明細書で挙げたものに加えて、本開示の範囲内にある機能的に同等な方法および装置についても、前述の記述から当業者に明白となろう。そのような変更形態および変形形態は、添付の請求項の範囲内に含まれるものとする。本開示は、添付の請求項の条件、ならびにそうした請求項に権利がある同等物の全範囲によってのみ限定されることになる。本開示は、特定の方法、試薬、化合物、組成物、または生物系に限定されず、これらが、当然のことながらさまざまでよいことは理解されたい。本明細書で使用する専門用語は、特定の実施形態について記述する目的のものにすぎず、限定するものでないことも理解されたい。
本明細書における実質的にすべての複数形および/または単数形の用語の使用に対して、当業者は、状況および/または用途に適切なように、複数形から単数形に、および/または単数形から複数形に変換することができる。さまざまな単数形/複数形の置き換えは、理解しやすいように、本明細書で明確に説明することができる。
通常、本明細書において、特に添付の特許請求の範囲(たとえば、添付の特許請求の範囲の本体部)において使用される用語は、全体を通じて「オープンな(open)」用語として意図されていることが、当業者には理解されよう(たとえば、用語「含む(including)」は、「含むがそれに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、用語「有する(having)」は、「少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、用語「含む(includes)」は、「含むがそれに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきである、など)。導入される請求項で具体的な数の記載が意図される場合、そのような意図は、当該請求項において明示的に記載されることになり、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが、当業者にはさらに理解されよう。たとえば、理解の一助として、添付の特許請求の範囲は、導入句「少なくとも1つの(at least one)」および「1つまたは複数の(one or more)」を使用して請求項の記載を導くことを含有する場合がある。しかし、そのような句の使用は、同一の請求項が、導入句「1つまたは複数の」または「少なくとも1つの」および「a」または「an」などの不定冠詞を含む場合であっても、不定冠詞「a」または「an」による請求項の記載の導入が、そのように導入される請求項の記載を含有する任意の特定の請求項を、単に1つのそのような記載を含有する実施形態に限定する、ということを示唆していると解釈されるべきではない(たとえば、「a」および/または「an」は、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を意味すると解釈されるべきである)。同じことが、請求項の記載を導入するのに使用される定冠詞の使用にも当てはまる。また、導入される請求項の記載で具体的な数が明示的に記載されている場合でも、そのような記載は、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることが、当業者には理解されよう(たとえば、他の修飾語なしでの「2つの記載(two recitations)」の単なる記載は、少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)。さらに、「A、BおよびC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(たとえば、「A、B、およびCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。「A、B、またはC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(たとえば、「A、B、またはCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。2つ以上の代替用語を提示する事実上いかなる離接する語および/または句も、明細書、特許請求の範囲、または図面のどこにあっても、当該用語の一方(one of the terms)、当該用語のいずれか(either of the terms)、または両方の用語(both terms)を含む可能性を企図すると理解されるべきであることが、当業者にはさらに理解されよう。たとえば、句「AまたはB」は、「A」または「B」あるいは「AおよびB」の可能性を含むことが理解されよう。
加えて、本開示の特色または態様がマーカッシュ群によって記載されている場合、当業者は、それによって、当該開示が、マーカッシュ群のいずれかの個々の構成員または構成員の亜群に関しても記載されていることを理解されよう。
当業者の理解が及ぶとおり、書面での説明の提示に関してなど、あらゆる目的で、本明細書で開示するすべての範囲は、その考えられるあるあらゆる部分的範囲および部分的範囲の組み合わせも包含する。列挙されたいずれの範囲も、同じ範囲が少なくとも二等分、三等分、四等分、五等分、十等分などにされることを十分に記載しており、可能にしていると容易に理解することができる。非限定的な例として、本明細書で論述する各範囲は、下部3分の1、中3分の1、および上部3分の1などに難なく分解することができる。これも当業者の理解が及ぶとおり、「まで(up to)」、「少なくとも(at least)」などのすべての言い回しは、記載された数を含み、上で論述したような部分的範囲に後から分解することのできる範囲を指す。最後に、当業者の理解が及ぶとおり、範囲は、個々の各数字を包含する。したがって、たとえば、1〜3個の置換基を有する基は、1、2、または3個の置換基を有する基を指す。同様に、1〜5個の置換基を有する基は、1、2、3、4、または5個の置換基を有する基を指すなどとなる。

Claims (20)

  1. デンドロンと、デンドロンに結合した糖単位と、デンドロンに結合した抗微生物剤とを含む、デンプン系接着剤添加剤であって、
    当該デンドロンがFrechet型ポリ(アリールエーテル)デンドロンであり、当該添加剤が式:
    Figure 0005813238

    を含む、デンプン系接着剤添加剤
  2. 添加剤をデンプン系接着剤と組み合わせて改質デンプン系接着剤を形成したとき、改質デンプン系接着剤の水への溶解度が、添加剤不在の同じデンプン系接着剤の約101%〜約200%である、請求項1に記載の添加剤。
  3. 添加剤をデンプン系接着剤と組み合わせて改質デンプン系接着剤を形成したとき、改質デンプン系接着剤は、カビ、真菌、細菌、およびこれらの組み合わせのうちの少なくとも1種の増殖に対する耐性が、添加剤不在のデンプン系接着剤のサンプルより強くなる、請求項1に記載の添加剤。
  4. 添加剤をデンプン系接着剤と組み合わせて改質デンプン系接着剤を形成し硬化させたとき際、改質デンプン系接着剤が、添加剤不在のデンプン系接着剤の硬化サンプルより、曲げやすい、チッピング耐性がある、クラッキング耐性がある、または微生物の増殖に耐性がある、請求項1に記載の添加剤。
  5. デンプン系接着剤と添加剤とを含み、添加剤が、デンドロンと、デンドロンに結合した糖単位と、デンドロンに結合した抗微生物剤とを含む、改質デンプン系接着剤であって、
    当該デンドロンがFrechet型ポリ(アリールエーテル)デンドロンであり、当該添加剤が式:
    Figure 0005813238

    を含む、改質デンプン系接着剤
  6. 添加剤をデンプン系接着剤と組み合わせて改質デンプン系接着剤を形成したとき、改質デンプン系接着剤の水への溶解度が、添加剤不在の同じデンプン系接着剤の約101%〜約200%である、請求項に記載の改質デンプン系接着剤。
  7. 添加剤をデンプン系接着剤と組み合わせて改質デンプン系接着剤を形成したとき、改質デンプン系接着剤は、カビ、真菌、細菌、およびこれらの組み合わせのうちの少なくとも1種の増殖に対する耐性が、添加剤不在の同じデンプン系接着剤のサンプルより強くなる、請求項に記載の改質デンプン系接着剤。
  8. 添加剤をデンプン系接着剤と組み合わせて改質デンプン系接着剤を形成し硬化させたとき、改質デンプン系接着剤が、デンプン系接着剤不在の同じデンプン系接着剤の硬化サンプルより、曲げやすい、チッピング耐性がある、クラッキング耐性がある、または微生物の増殖に耐性がある、請求項に記載の改質デンプン系接着剤。
  9. 水溶媒担体をさらに含み、水溶媒担体中の改質デンプン系接着剤の固形物濃度が25%w/vより高い、請求項に記載の改質デンプン系接着剤。
  10. デンドロンを準備すること、リンカー分子をデンドロンに結合すること、糖単位をリンカー分子に結合すること、および抗微生物剤をリンカー分子に結合することとを含む、添加剤の合成方法であって、
    当該デンドロンがFrechet型ポリ(アリールエーテル)デンドロンであり、当該添加剤が式:
    Figure 0005813238

    を含む、添加剤の合成方法
  11. リンカー分子をデンドロンに結合するステップが、デンドロンを水素化ナトリウムおよび1,3,5ブロモメチルベンゼンと反応させて、第1の中間体を形成することを含む、請求項10に記載の方法。
  12. 第1の中間体を、プロパルギルアルコール、塩基およびテトラヒドロフランと反応させて、第2の中間体を形成するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
  13. 第2の中間体を有機溶媒および抗微生物剤と反応させて、第3の中間体を形成するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
  14. 第2の中間体を有機溶媒および抗微生物剤と反応させるステップを、約60℃〜約90℃の温度で実施する、請求項13に記載の方法。
  15. 第3の中間体を、少なくとも1種の触媒および少なくとも1種の有機溶媒の存在下で糖部分と反応させた後、水素化して添加剤を得ることをさらに含む、請求項13に記載の方法。
  16. デンプン系接着剤に添加剤を加えることを含み、添加剤が、デンドロンと、デンドロンに結合した糖単位と、デンドロンに結合した抗微生物剤とを含む、改質デンプン系接着剤の形成方法であって、
    当該デンドロンがFrechet型ポリ(アリールエーテル)デンドロンであり、当該添加剤が式:
    Figure 0005813238

    を含む、改質デンプン系接着剤の形成方法
  17. 添加剤をデンプン系接着剤と組み合わせて改質デンプン系接着剤を形成したとき、改質デンプン系接着剤の水への溶解度が、添加剤不在の同じデンプン系接着剤の約101%〜約200%である、請求項16に記載の方法。
  18. 添加剤をデンプン系接着剤と組み合わせて改質デンプン系接着剤を形成したとき、改質デンプン系接着剤は、カビ、真菌、細菌、およびこれらの組み合わせのうちの少なくとも1種の増殖に対する耐性が、添加剤不在のデンプン系接着剤のサンプルより強くなる、請求項16に記載の方法。
  19. 添加剤をデンプン系接着剤と組み合わせて改質デンプン系接着剤を形成し硬化させたとき、改質デンプン系接着剤が、添加剤不在のデンプン系接着剤の硬化サンプルより、曲げやすい、チッピング耐性がある、クラッキング耐性がある、または微生物の増殖に耐性がある、請求項16に記載の方法。
  20. 水溶媒担体を加えることをさらに含み、水溶媒担体中の改質デンプン系接着剤の固形物濃度が25%w/vより高い、請求項16に記載の方法。
JP2014533291A 2011-11-09 2011-11-09 樹枝状デンプン系デキストリン接着剤 Expired - Fee Related JP5813238B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/US2011/059942 WO2013070204A1 (en) 2011-11-09 2011-11-09 Dendritic starch-based dextrin adhesives

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014528023A JP2014528023A (ja) 2014-10-23
JP5813238B2 true JP5813238B2 (ja) 2015-11-17

Family

ID=47721143

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014533291A Expired - Fee Related JP5813238B2 (ja) 2011-11-09 2011-11-09 樹枝状デンプン系デキストリン接着剤

Country Status (4)

Country Link
US (2) US8382889B1 (ja)
JP (1) JP5813238B2 (ja)
CN (1) CN103890121B (ja)
WO (1) WO2013070204A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013070204A1 (en) * 2011-11-09 2013-05-16 Empire Technology Development Llc Dendritic starch-based dextrin adhesives
US9057007B2 (en) * 2012-07-20 2015-06-16 Empire Technology Development Llc Starch-based adhesives
BR112016014439A2 (pt) 2013-12-23 2017-08-08 Massachusetts Inst Technology Métodos e composições degradáveis de modo controlado
CN107304339A (zh) * 2016-08-23 2017-10-31 如皋长江科技产业有限公司 一种建筑防水胶水
CN111272705A (zh) * 2020-03-23 2020-06-12 潍坊森瑞特生物科技有限公司 一种糊精溶解度的快速检测方法
CN113088217A (zh) * 2021-05-28 2021-07-09 绿壳(海南)生物环保科技集团有限公司 一种生物基防水粘合剂的制备方法

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2102937A (en) 1935-07-26 1937-12-21 Stein Hall Mfg Co Plyboard adhesive
US2051025A (en) 1936-06-17 1936-08-18 Stein Hall Mfg Co Method of making ply board
US2212557A (en) 1936-08-17 1940-08-27 Stein Hall Mfg Co Composition adapted for use as an adhesive
AU433489B2 (en) 1968-08-14 1973-03-08 Starch hydrolysis
WO1999064467A1 (en) 1998-06-10 1999-12-16 Coöperatieve Verkoop- En Productievereniging Van Aardappelmeel En Derivaten Avebe B.A. Phosphate esters of starch
US9487631B2 (en) * 2005-05-21 2016-11-08 University Of Durham Surface active polymeric systems
EP1733742A1 (en) 2005-06-17 2006-12-20 Universiteit Utrecht Holding B.V. Dendrimers multivalently substituted with active groups
WO2007011967A2 (en) 2005-07-18 2007-01-25 The Scripps Research Institute Method of using click chemistry to functionalize dendrimers
US8329155B2 (en) * 2006-03-10 2012-12-11 Montana State University Quaternary ammonium functionalized glycodendrimers, methods for the production and use thereof
WO2013070204A1 (en) * 2011-11-09 2013-05-16 Empire Technology Development Llc Dendritic starch-based dextrin adhesives

Also Published As

Publication number Publication date
CN103890121B (zh) 2016-11-16
US8629266B2 (en) 2014-01-14
JP2014528023A (ja) 2014-10-23
WO2013070204A1 (en) 2013-05-16
CN103890121A (zh) 2014-06-25
US8382889B1 (en) 2013-02-26
US20130116422A1 (en) 2013-05-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5813238B2 (ja) 樹枝状デンプン系デキストリン接着剤
ES2372623T3 (es) Composición curable.
KR101021937B1 (ko) 경화성 조성물
CN102002117B (zh) 一种树枝化壳聚糖衍生物及其制备方法
Li et al. Improving the performance of starch-based wood adhesive by using sodium dodecyl sulfate
TWI308167B (en) Curable composition and use thereof
AU7556301A (en) Mono(hydroxyalkyl) urea and polysaccharide crosslinking systems
Vineeth et al. Sustainable raw materials in hot melt adhesives: a review
TW200938605A (en) Thermosetting polysaccharides
AU2003232674B2 (en) Biodegradable composition having improved water resistance and process for producing same
Deng et al. Supramolecular network-based self-healing polymer materials
JP2021070768A (ja) 高分子複合材料、重合性単量体組成物及び高分子複合材料の製造方法
JP2012180424A (ja) キシラン誘導体前駆体、キシラン誘導体、キシラングラフトコポリマー、及びこれらの製造方法、並びに、ポリマー成形体
CN104419007B (zh) 生物质多糖/聚异丁烯接枝共聚物及其制备方法
US9057007B2 (en) Starch-based adhesives
US3519618A (en) Starch derivative
CA2797589A1 (en) Synthesis and application reactive antimicrobial copolymers for textile fibers
JP2007534783A (ja) 多糖類誘導体およびその製法および使用
TWI713498B (zh) 核-殼水性乳膠
JP7384361B2 (ja) ビニルアルコール-アミノ酸エステル共重合体
JP4344505B2 (ja) 澱粉誘導体の製造方法
JP2007051073A (ja) Dna塩およびそれを成膜してなる機能性高分子膜
CN101628971A (zh) 聚己内酯的合成方法
Han et al. Modification of Bleached Bamboo Fiber using Cationic Guar Gum for Fiberboard
CN110914342A (zh) 连接基化合物、其产生方法及其用途

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140326

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150123

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150127

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150331

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150908

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150915

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5813238

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees