JP5812561B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5812561B2
JP5812561B2 JP2009246015A JP2009246015A JP5812561B2 JP 5812561 B2 JP5812561 B2 JP 5812561B2 JP 2009246015 A JP2009246015 A JP 2009246015A JP 2009246015 A JP2009246015 A JP 2009246015A JP 5812561 B2 JP5812561 B2 JP 5812561B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
processing
antenna
plasma
magnetic shield
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009246015A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011096690A (ja
Inventor
山澤 陽平
陽平 山澤
輿水 地塩
地塩 輿水
山涌 純
山涌  純
一樹 傳寳
一樹 傳寳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Electron Ltd
Original Assignee
Tokyo Electron Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Electron Ltd filed Critical Tokyo Electron Ltd
Priority to JP2009246015A priority Critical patent/JP5812561B2/ja
Publication of JP2011096690A publication Critical patent/JP2011096690A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5812561B2 publication Critical patent/JP5812561B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Chemical Vapour Deposition (AREA)
  • Drying Of Semiconductors (AREA)
  • Plasma Technology (AREA)

Description

本発明は、被処理基板にプラズマ処理を施す技術に係り、特に誘導結合型のプラズマ処理装置に関する。
半導体デバイスやFPD(Flat Panel Display)の製造プロセスにおけるエッチング、堆積、酸化、スパッタリング等の処理では、処理ガスに比較的低温で良好な反応を行わせるためにプラズマがよく利用されている。従来より、この種のプラズマ処理には、MHz領域の高周波放電によるプラズマが多く用いられている。高周波放電によるプラズマは、より具体的(装置的)なプラズマ生成法として、容量結合型プラズマと誘導結合型プラズマとに大別される。
一般に、誘導結合型のプラズマ処理装置は、処理容器の壁部の少なくとも一部(たとえば天井)を誘電体の窓で構成し、その誘電体窓の外に設けたコイル状のRFアンテナに高周波電力を供給する。処理容器は減圧可能な真空チャンバとして構成されており、チャンバ内の中央部に被処理基板(たとえば半導体ウエハ、ガラス基板等)が配置され、誘電体窓と基板との間に設定される処理空間に処理ガスが導入される。RFアンテナに流れるRF電流によって、磁力線が誘電体窓を貫通してチャンバ内の処理空間を通過するようなRF磁界がRFアンテナの周りに発生し、このRF磁界の時間的な変化によって処理空間内で方位角方向に誘導電界が発生する。そして、この誘導電界によって方位角方向に加速された電子が処理ガスの分子や原子と電離衝突を起こし、ドーナツ状のプラズマが生成される。
チャンバ内に大きな処理空間が設けられることによって、上記ドーナツ状のプラズマは効率よく四方(特に半径方向)に拡散し、基板上ではプラズマの密度がかなり均される。しかしながら、通常のRFアンテナを用いるだけでは、基板上に得られるプラズマ密度の均一性は大抵のプラズマプロセスにおいて不十分である。誘導結合型のプラズマ処理装置においても、基板上のプラズマ密度の均一性を向上させることは、プラズマプロセスの均一性・再現性ひいては製造歩留まりを左右することから、最重要課題の一つとなっており、これまでにもこの関係の技術が幾つか提案されている。
従来の代表的なプラズマ密度均一化の技術は、RFアンテナを複数のセグメントに分割するものである。このRFアンテナ分割方式には、各々のアンテナ・セグメントに個別の高周波電力を供給する第1の方式(たとえば特許文献1)と、各々のアンテナ・セグメントのインピーダンスをコンデンサ等の付加回路で可変して1つの高周波電源より全部のアンテナ・セグメントにそれぞれ分配されるRF電力の分割比を制御する第2の方式(たとえば特許文献2)とがある。
また、単一のRFアンテナを使用し、このRFアンテナの近くに受動アンテナを配置する技法(特許文献3)も知られている。この受動アンテナは、高周波電源から高周波電力の供給を受けない独立したコイルとして構成され、RFアンテナ(誘導性アンテナ)の発生する磁界に対して、受動アンテナのループ内の磁界強度を減少させると同時に受動アンテナのループ外近傍の磁界強度を増加させるように振る舞う。それによって、チャンバ内のプラズマ発生領域中のRF電磁界の半径方向分布が変更されるようになっている。
米国特許第5401350号 米国特許第5907221号 特表2005−534150
しかしながら、上記のようなRFアンテナ分割方式のうち、上記第1の方式は、複数の高周波電源のみならず同数の整合器を必要とし、高周波給電部の煩雑化と著しいコスト高が大きなネックになっている。また、上記第2の方式は、各アンテナ・セグメントのインピーダンスには他のアンテナ・セグメントだけでなくプラズマのインピーダンスも影響するため、付加回路だけで分割比を任意に決めることができず、制御性に難があり、あまり用いられていない。
また、上記特許文献3に開示されるような受動アンテナを用いる従来方式は、受動アンテナの存在によってRFアンテナ(誘導性アンテナ)の発生する磁界に影響を与え、それによってチャンバ内のプラズマ発生領域中のRF電磁界の半径方向分布を変更できることを教示しているが、受動アンテナの作用に関する考察・検証が不十分であり、受動アンテナを用いてプラズマ密度分布を自在かつ高精度に制御するための具体的な装置構成をイメージできてない。
今日のプラズマプロセスは、基板の大面積化とデバイスの微細化に伴って、より低圧で高密度かつ大口径のプラズマを必要としており、基板上のプロセスの均一性は以前にも増して困難な課題になっている。
この点、誘導結合型のプラズマ処理装置は、RFアンテナに近接する誘電体窓の内側でプラズマをドーナツ状に生成し、このドーナツ状のプラズマを基板に向けて四方に拡散させるようにしているが、チャンバ内の圧力によってプラズマの拡散する形態が変化し、基板上のプラズマ密度分布が変わりやすい。さらには、RFアンテナに供給される高周波のパワーやチャンバ内に導入される処理ガスの流量等に応じてドーナツ状プラズマ内のプラズマ密度分布が変わることもある。したがって、プロセスレシピでプロセス条件が変更されても、基板上のプラズマプロセスの均一性を保てるように、RFアンテナ(誘導性アンテナ)の発生する磁界に補正をかけることができなければ、今日のプラズマ処理装置に要求される多様かつ高度なプロセス性能を適えることはできない。
本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたものであって、プラズマ生成用のRFアンテナや高周波給電系統に特別な細工を必要とせずに、簡易な磁気シールド部材を用いてプラズマ密度分布を自在かつ精細に制御することができる誘導結合形のプラズマ処理装置を提供する。
本発明の第1の観点におけるプラズマ処理装置は、天井に誘電体窓を有する真空排気可能な処理容器と、前記誘電体窓の上に配置されるコイル状のRFアンテナと、前記処理容器内で被処理基板を保持する基板保持部と、前記基板に所望のプラズマ処理を施すために、前記処理容器内に所望の処理ガスを供給する処理ガス供給部と、前記処理容器内で誘導結合により処理ガスのプラズマを生成するために、処理ガスの高周波放電に適した周波数の高周波電力を前記RFアンテナに供給する高周波給電部と、前記処理容器内の前記基板上のプラズマ密度分布を制御するために、開口端を下に向けて前記RFアンテナの上に配置され、前記RFアンテナの周りに発生するRF磁界の磁力線ループを前記開口端付近から径方向内側の領域または前記開口端付近から径方向外側の領域で縮小化ないし局所化する磁気シールド空洞導体とを有する。
上記第1の観点のプラズマ処理装置においては、上記のような構成により、特に開口端を下に向けて前記RFアンテナの上に配置され、RFアンテナの周りに発生するRF磁界の磁力線ループを開口端付近から径方向内側の領域または開口端付近から径方向外側の領域で縮小化ないし局所化する磁気シールド空洞導体を備える構成により、高周波給電部よりRFアンテナに高周波電力を供給したときに、RFアンテナを流れる高周波電流によってアンテナ導体の周りに発生するRF磁界の磁力線がRFアンテナの上で磁気シールド空洞導体を避けて通るような磁界分布がRFアンテナの周囲に形成されることにより、誘電体窓内側の処理容器内で電磁誘導により生成されるコアな(通常ドーナツ状の)プラズマ内のプラズマ密度分布に補正をかけることが可能である。
すなわち、磁気シールド空洞導体は、典型的には、RFアンテナに対して同軸に配置され、その開口端が径方向においてRFアンテナの内周と外周との間に位置するような開口径を有する。径方向において磁気シールド空洞導体の開口端がRFアンテナの内周エッジ部とミドル部との間の上方に位置しているときは、RFアンテナの周囲に分布する磁界を磁気シールド空洞導体の開口端付近から径方向内側にかけての領域で局所的に縮小化することにより、ドーナツ状プラズマ内のプラズマ密度を該領域の直下で局所的に低減させる効果が得られる。また、径方向において磁気シールド空洞導体の開口端がRFアンテナのミドル部と外周エッジ部との間の上方に位置しているときは、RFアンテナの周囲に分布する磁界を磁気シールド空洞導体の開口端付近から径方向外側にかけての領域で局所的に縮小化することにより、ドーナツ状プラズマ内のプラズマ密度を該領域の直下で局所的に低減させる効果が得られる。
こうして、ドーナツ状プラズマ内のプラズマ密度を任意に制御することにより、基板近傍のプラズマ密度分布を任意に制御することが可能であり、プラズマプロセスの均一性の向上も容易に達成できる。
本発明の第2の観点におけるプラズマ処理装置は、天井に誘電体窓を有する真空排気可能な処理容器と、前記誘電体窓の上に配置されるコイル状のRFアンテナと、前記処理容器内で被処理基板を保持する基板保持部と、前記基板に所望のプラズマ処理を施すために、前記処理容器内に所望の処理ガスを供給する処理ガス供給部と、前記処理容器内で誘導結合により処理ガスのプラズマを生成するために、処理ガスの高周波放電に適した周波数の高周波電力を前記RFアンテナに供給する高周波給電部と、前記処理容器内の前記基板上のプラズマ密度分布を制御するために、開口端を下に向けて前記RFアンテナの上に配置される磁気シールド空洞導体とを有し、前記磁気シールド空洞導体は、天井部が塞がった筒状またはドーム状の形体を有する。
本発明の第3の観点におけるプラズマ処理装置は、天井に誘電体窓を有する真空排気可能な処理容器と、前記誘電体窓の上に配置されるコイル状のRFアンテナと、前記処理容器内で被処理基板を保持する基板保持部と、前記基板に所望のプラズマ処理を施すために、前記処理容器内に所望の処理ガスを供給する処理ガス供給部と、前記処理容器内で誘導結合により処理ガスのプラズマを生成するために、処理ガスの高周波放電に適した周波数の高周波電力を前記RFアンテナに供給する高周波給電部と、前記処理容器内の前記基板上のプラズマ密度分布を制御するために、開口端を下に向けて前記RFアンテナの上に配置される磁気シールド空洞導体とを有し、前記磁気シールド空洞導体は、前記RFアンテナの上に設けられる大気圧空間のアンテナ室に収容され、前記アンテナ室の天井壁が前記磁気シールド空洞導体の天井部を構成する。
本発明の第4の観点におけるプラズマ処理装置は、天井に誘電体窓を有する真空排気可能な処理容器と、前記誘電体窓の上に配置されるコイル状のRFアンテナと、前記処理容器内で被処理基板を保持する基板保持部と、前記基板に所望のプラズマ処理を施すために、前記処理容器内に所望の処理ガスを供給する処理ガス供給部と、前記処理容器内で誘導結合により処理ガスのプラズマを生成するために、処理ガスの高周波放電に適した周波数の高周波電力を前記RFアンテナに供給する高周波給電部と、前記処理容器内の前記基板上のプラズマ密度分布を制御するために、開口端を下に向けて前記RFアンテナの上に配置される磁気シールド空洞導体とを有し、前記磁気シールド空洞導体は、その開口端が方位角方向に沿って前記RFアンテナと上下方向で一定の距離を隔てるように配置される。
本発明の第5の観点におけるプラズマ処理装置は、天井に誘電体窓を有する真空排気可能な処理容器と、前記誘電体窓の上に配置されるコイル状のRFアンテナと、前記処理容器内で被処理基板を保持する基板保持部と、前記基板に所望のプラズマ処理を施すために、前記処理容器内に所望の処理ガスを供給する処理ガス供給部と、前記処理容器内で誘導結合により処理ガスのプラズマを生成するために、処理ガスの高周波放電に適した周波数の高周波電力を前記RFアンテナに供給する高周波給電部と、前記処理容器内の前記基板上のプラズマ密度分布を制御するために、開口端を下に向けて前記RFアンテナの上に配置される磁気シールド空洞導体とを有し、前記磁気シールド空洞導体は、前記RFアンテナに対してその開口径を可変できる。
本発明の第6の観点におけるプラズマ処理装置は、天井に誘電体窓を有する真空排気可能な処理容器と、前記誘電体窓の上に配置されるコイル状のRFアンテナと、前記処理容器内で被処理基板を保持する基板保持部と、前記基板に所望のプラズマ処理を施すために、前記処理容器内に所望の処理ガスを供給する処理ガス供給部と、前記処理容器内で誘導結合により処理ガスのプラズマを生成するために、処理ガスの高周波放電に適した周波数の高周波電力を前記RFアンテナに供給する高周波給電部と、前記処理容器内の前記基板上のプラズマ密度分布を制御するために、開口端を下に向けて前記RFアンテナの上に配置される磁気シールド空洞導体とを有し、前記磁気シールド空洞導体に、前記処理ガス供給部からの処理ガスを前記処理容器内に供給するガス管を通すための貫通孔が設けられている。
本発明の第7の観点におけるプラズマ処理装置は、天井に誘電体窓を有する真空排気可能な処理容器と、前記誘電体窓の上に配置されるコイル状のRFアンテナと、前記処理容器内で被処理基板を保持する基板保持部と、前記基板に所望のプラズマ処理を施すために、前記処理容器内に所望の処理ガスを供給する処理ガス供給部と、前記処理容器内で誘導結合により処理ガスのプラズマを生成するために、処理ガスの高周波放電に適した周波数の高周波電力を前記RFアンテナに供給する高周波給電部と、前記処理容器内の前記基板上のプラズマ密度分布を制御するために、開口端を下に向けて前記RFアンテナの上に配置される磁気シールド空洞導体とを有し、前記磁気シールド空洞導体に、縦方向に延びるスリットが方位角方向に所望の間隔を空けて多数設けられている。
本発明の第8の観点におけるプラズマ処理装置は、天井に誘電体窓を有する真空排気可能な処理容器と、前記誘電体窓の上に配置されるコイル状のRFアンテナと、前記処理容器内で被処理基板を保持する基板保持部と、前記基板に所望のプラズマ処理を施すために、前記処理容器内に所望の処理ガスを供給する処理ガス供給部と、前記処理容器内で誘導結合により処理ガスのプラズマを生成するために、処理ガスの高周波放電に適した周波数の高周波電力を前記RFアンテナに供給する高周波給電部と、前記処理容器内の前記基板上のプラズマ密度分布を制御するために、開口端を下に向けて前記RFアンテナの上に配置される磁気シールド空洞導体とを有し、前記RFアンテナと前記磁気シールド空洞導体との離間距離を可変制御するアンテナ−磁気シールド間隔制御部を有する。
本発明の第9の観点におけるプラズマ処理装置は、天井に誘電体窓を有する真空排気可能な処理容器と、前記誘電体窓の上に配置されるコイル状のRFアンテナと、前記処理容器内で被処理基板を保持する基板保持部と、前記基板に所望のプラズマ処理を施すために、前記処理容器内に所望の処理ガスを供給する処理ガス供給部と、前記処理容器内で誘導結合により処理ガスのプラズマを生成するために、処理ガスの高周波放電に適した周波数の高周波電力を前記RFアンテナに供給する高周波給電部と、前記処理容器内の前記基板上のプラズマ密度分布を制御するために、開口端を下に向けて前記RFアンテナの上に配置される磁気シールド空洞導体とを有し、前記磁気シールド空洞導体を前記RFアンテナと同軸上の位置で回転運動させるための磁気シールド回転機構を有する。
本発明の第10の観点における誘導結合型のプラズマ処理装置は、天井に誘電体の窓を有する真空排気可能な処理容器と、前記誘電体窓の上に配置されるコイル状のRFアンテナと、前記処理容器内で被処理基板を保持する基板保持部と、前記基板に所望のプラズマ処理を施すために、前記処理容器内に所望の処理ガスを供給する処理ガス供給部と、前記処理容器内で誘導結合により処理ガスのプラズマを生成するために、処理ガスの高周波放電に適した周波数の高周波電力を前記RFアンテナに供給する高周波給電部と、前記処理容器内の前記基板上のプラズマ密度分布を制御するために、それぞれ異なる口径の開口端を下に向けて前記RFアンテナの上に配置され、前記RFアンテナの周りに発生するRF磁界の磁力線ループを前記開口端付近から径方向内側の領域または前記開口端付近から径方向外側の領域で縮小化ないし局所化する複数の磁気シールド空洞導体とを有する。
上記第10の観点のプラズマ処理装置においては、上記のような構成により、特にそれぞれ異なる口径の開口端をRFアンテナよりも高い位置で下に向け、RFアンテナの周囲に分布する磁界を開口端付近から径方向内側の領域または開口端付近から径方向外側の領域で局所的に縮小化する複数の磁気シールド空洞導体を備える構成により、磁気シールド空洞導体の磁気遮蔽効果を利用してドーナツ状プラズマ内のプラズマ密度を任意に制御する機能を更に向上させることができる。
本発明の第11の観点における誘導結合型のプラズマ処理装置は、天井に誘電体窓を有する真空排気可能な処理容器と、前記誘電体窓の上に配置されるコイル状のRFアンテナと、前記処理容器内で被処理基板を保持する基板保持部と、前記基板に所望のプラズマ処理を施すために、前記処理容器内に所望の処理ガスを供給する処理ガス供給部と、前記処理容器内で誘導結合により処理ガスのプラズマを生成するために、処理ガスの高周波放電に適した周波数の高周波電力を前記RFアンテナに供給する高周波給電部と、前記処理容器内の前記基板上のプラズマ密度分布を制御するために、それぞれ異なる口径の開口端を下に向けて前記RFアンテナの上に配置される複数の磁気シールド空洞導体とを有し、前記複数の磁気シールド空洞導体の各々が、天井部が塞がった筒状またはドーム状の形体を有する。
本発明の第12の観点における誘導結合型のプラズマ処理装置は、天井に誘電体窓を有する真空排気可能な処理容器と、前記誘電体窓の上に配置されるコイル状のRFアンテナと、前記処理容器内で被処理基板を保持する基板保持部と、前記基板に所望のプラズマ処理を施すために、前記処理容器内に所望の処理ガスを供給する処理ガス供給部と、前記処理容器内で誘導結合により処理ガスのプラズマを生成するために、処理ガスの高周波放電に適した周波数の高周波電力を前記RFアンテナに供給する高周波給電部と、前記処理容器内の前記基板上のプラズマ密度分布を制御するために、それぞれ異なる口径の開口端を下に向けて前記RFアンテナの上に配置される複数の磁気シールド空洞導体とを有し、前記複数の磁気シールド空洞導体は、前記RFアンテナの上に設けられる大気圧空間のアンテナ室に収容され、前記アンテナ室の天井壁が少なくとも1つの前記磁気シールド空洞導体の天井部を構成する。
本発明の第13の観点における誘導結合型のプラズマ処理装置は、天井に誘電体窓を有する真空排気可能な処理容器と、前記誘電体窓の上に配置されるコイル状のRFアンテナと、前記処理容器内で被処理基板を保持する基板保持部と、前記基板に所望のプラズマ処理を施すために、前記処理容器内に所望の処理ガスを供給する処理ガス供給部と、前記処理容器内で誘導結合により処理ガスのプラズマを生成するために、処理ガスの高周波放電に適した周波数の高周波電力を前記RFアンテナに供給する高周波給電部と、前記処理容器内の前記基板上のプラズマ密度分布を制御するために、それぞれ異なる口径の開口端を下に向けて前記RFアンテナの上に配置される複数の磁気シールド空洞導体とを有し、前記RFアンテナに対する前記複数の磁気シールド空洞導体の離間距離を各々独立に可変制御するアンテナ−磁気シールド間隔制御部を有する。
本発明の第14の観点における誘導結合型のプラズマ処理装置は、天井に誘電体窓を有する真空排気可能な処理容器と、前記誘電体窓の上に配置されるコイル状のRFアンテナと、前記処理容器内で被処理基板を保持する基板保持部と、前記基板に所望のプラズマ処理を施すために、前記処理容器内に所望の処理ガスを供給する処理ガス供給部と、前記処理容器内で誘導結合により処理ガスのプラズマを生成するために、処理ガスの高周波放電に適した周波数の高周波電力を前記RFアンテナに供給する高周波給電部と、前記処理容器内の前記基板上のプラズマ密度分布を制御するために、それぞれ異なる口径の開口端を下に向けて前記RFアンテナの上に配置される複数の磁気シールド空洞導体とを有し、前記複数の磁気シールド空洞導体の各々に、縦方向に延びるスリットが方位角方向に所望の間隔を空けて多数設けられている。
本発明の第15の観点における誘導結合型のプラズマ処理装置は、天井に誘電体窓を有する真空排気可能な処理容器と、前記誘電体窓の上に配置されるコイル状のRFアンテナと、前記処理容器内で被処理基板を保持する基板保持部と、前記基板に所望のプラズマ処理を施すために、前記処理容器内に所望の処理ガスを供給する処理ガス供給部と、前記処理容器内で誘導結合により処理ガスのプラズマを生成するために、処理ガスの高周波放電に適した周波数の高周波電力を前記RFアンテナに供給する高周波給電部と、前記処理容器内の前記基板上のプラズマ密度分布を制御するために、それぞれ異なる口径の開口端を下に向けて前記RFアンテナの上に配置される複数の磁気シールド空洞導体とを有し、各々の前記磁気シールド空洞導体は、その開口端が方位角方向に沿って前記RFアンテナと上下方向で一定の距離を隔てるように配置される。
本発明による誘導結合型のプラズマ処理装置によれば、上記のような構成および作用により、プラズマ生成用のRFアンテナや高周波給電系統に特別な細工を必要とせずに、簡易な磁気シールド空洞導体を用いてプラズマ密度分布を自在かつ精細に制御することができる。
本発明の第1の実施形態における誘導結合型プラズマエッチング装置の構成を示す縦断面図である。 磁気シールド空洞導体を備えない場合のRFアンテナ周りの磁界分布、径方向の磁束密度分布および電子密度分布の一例を模式的に示す図である。 磁気シールド空洞導体をRFアンテナの上に配置した場合の電磁界的な作用を模式的に示す図である。 磁気シールド空洞導体の代わりに平板状の導体をRFアンテナの上に配置した場合(参考例)の電磁界的な作用を模式的に示す図である。 第2の実施形態における誘導結合型プラズマエッチング装置の構成を示す縦断面図である。 第2の実施形態における要部の構成を示す斜視図である。 RFアンテナに対する磁気シールド空洞導体の高さ位置(離間距離)に依存して誘導結合プラズマ内の径方向の電流密度(プラズマ)密度分布が変化する特性を示す図である。 多層レジスト法の工程を段階的に示す図である。 磁気シールド空洞導体を備えない場合のRFアンテナ周りの磁界分布、径方向の磁束密度分布および電子密度分布の一例を模式的に示す図である。 磁気シールド空洞導体をRFアンテナの上に配置した場合の電磁界的な作用を模式的に示す図である。 多層レジスト法によるマルチステップのエッチングプロセスにおいて磁気シールド空洞導体の高さ位置を可変制御する方法を示す図である。 第3の実施形態における誘導結合型プラズマエッチング装置の構成を示す縦断面図である。 RFアンテナに対する磁気シールド空洞導体の開口径のサイズに依存して誘導結合プラズマ内の径方向の電流密度(プラズマ)密度分布が変化する特性を示す図である。 磁気シールド空洞導体の開口径を自動で切り替えできるようにした装置構成の要部を示す要部断面図である。 磁気シールド空洞導体の開口径を自動で切り替えできるようにした装置構成の要部を示す要部断面図である。 第4の実施形態における要部の構成を示す斜視図である。 存して誘導結合プラズマ内の径方向の電流密度(プラズマ)密度分布が変化する特性を示す図である。 磁気シールド空洞導体に設けられるスリットの幅を可変するための一実施例の構成を示す横断面図である。 磁気シールド空洞導体に設けられるスリットの幅を可変するための別の実施例の構成を示す横断面図である。 磁気シールド空洞導体に設けられるスリットの一変形例を示す斜視図である。 第5の実施形態における誘導結合型プラズマエッチング装置の構成を示す縦断面図である。 内側および外側の磁気シールド空洞導体の片方または双方を配置した場合に誘導結合プラズマ内の径方向の電流密度(プラズマ)密度分布が変化する特性を示す図である。 第6の実施形態において、内側および外側の磁気シールド空洞導体の双方にスリットを設ける一構成例を示す横断面図である。 内側スリットおよび外側スリットの片方または双方を開けた場合に誘導結合プラズマ内の径方向の電流密度(プラズマ)密度分布が変化する特性を示す図である。 内側および外側の磁気シールド空洞導体の双方にスリットを設ける別の構成例を示す横断面図である。 第7の実施形態における要部の構成を示す縦断面図である。 第7の実施形態において磁気シールド空洞導体に切り欠き部を形成する一構成例を示す斜視図である。 一実施例による磁気シールド空洞導体の構造を示す斜視図である。 図26Aの磁気シールド空洞導体の要部構成を示す部分断面図である。 別の実施例による磁気シールド空洞導体の構造を示す斜視図である。 図27Aの磁気シールド空洞導体の要部構成を示す部分断面図である。 一実施例による磁気シールド空洞導体の形体を示す縦断面図である。 スパイラルコイル状のRFアンテナの一例を示す斜視図である。 同心円コイル状のRFアンテナの一例を示す斜視図である。
以下、添付図を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
[第1の実施形態]
図1〜図3につき、本発明の第1の実施形態として、本発明における誘導結合型プラズマ処理装置の基本的な構成および作用を説明する。
図1に示す誘導結合型プラズマ処理装置は、平面コイル形のRFアンテナを用いる誘導結合型プラズマエッチング装置として構成されており、たとえばアルミニウムまたはステンレス鋼等の金属製の円筒型真空チャンバ(処理容器)10を有している。チャンバ10は、保安接地されている。
先ず、この誘導結合型プラズマエッチング装置においてプラズマ生成に直接関係しない各部の構成を説明する。
チャンバ10内の下部中央には、被処理基板としてたとえば半導体ウエハWを載置する円板状のサセプタ12が高周波電極を兼ねる基板保持台として水平に配置されている。このサセプタ12は、たとえばアルミニウムからなり、チャンバ10の底から垂直上方に延びる絶縁性の筒状支持部14に支持されている。
絶縁性筒状支持部14の外周に沿ってチャンバ10の底から垂直上方に延びる導電性の筒状支持部16とチャンバ10の内壁との間に環状の排気路18が形成され、この排気路18の上部または入口に環状のバッフル板20が取り付けられるとともに、底部に排気ポート22が設けられている。チャンバ10内のガスの流れをサセプタ12上の半導体ウエハWに対して軸対象に均一にするためには、排気ポート22を円周方向に等間隔で複数設ける構成が好ましい。各排気ポート22には排気管24を介して排気装置26が接続されている。排気装置26は、ターボ分子ポンプなどの真空ポンプを有しており、チャンバ10内のプラズマ処理空間を所望の真空度まで減圧することができる。チャンバ10の側壁の外には、半導体ウエハWの搬入出口27を開閉するゲートバルブ28が取り付けられている。
サセプタ12には、RFバイアス用の高周波電源30が整合器32および給電棒34を介して電気的に接続されている。この高周波電源30は、半導体ウエハWに引き込むイオンのエネルギーを制御するのに適した一定周波数(13.56MHz以下)の高周波RFLを可変のパワーで出力できるようになっている。整合器32は、高周波電源30側のインピーダンスと負荷(主にサセプタ、プラズマ、チャンバ)側のインピーダンスとの間で整合をとるためのリアクタンス可変の整合回路を収容している。その整合回路の中に自己バイアス生成用のブロッキングコンデンサが含まれている。
サセプタ12の上面には、半導体ウエハWを静電吸着力で保持するための静電チャック36が設けられ、静電チャック36の半径方向外側に半導体ウエハWの周囲を環状に囲むフォーカスリング38が設けられる。静電チャック36は導電膜からなる電極36aを一対の絶縁膜36b,36cの間に挟み込んだものであり、電極36aには高圧の直流電源40がスイッチ42および被覆線43を介して電気的に接続されている。直流電源40より印加される高圧の直流電圧により、静電力で半導体ウエハWを静電チャック36上に吸着保持することができる。
サセプタ12の内部には、たとえば円周方向に延びる環状の冷媒室44が設けられている。この冷媒室44には、チラーユニット(図示せず)より配管46,48を介して所定温度の冷媒たとえば冷却水が循環供給される。冷媒の温度によって静電チャック36上の半導体ウエハWの処理中の温度を制御できる。これと関連して、伝熱ガス供給部(図示せず)からの伝熱ガスたとえばHeガスが、ガス供給管50を介して静電チャック36の上面と半導体ウエハWの裏面との間に供給される。また、半導体ウエハWのローディング/アンローディングのためにサセプタ12を垂直方向に貫通して上下移動可能なリフトピンおよびその昇降機構(図示せず)等も設けられている。
次に、この誘導結合型プラズマエッチング装置においてプラズマ生成に関係する各部の構成を説明する。
チャンバ10の天井には、サセプタ12から比較的大きな距離間隔を隔てて、たとえば石英板からなる円形の誘電体窓52が気密に取り付けられている。この誘電体窓52の上には、通常はチャンバ10またはサセプタ12と同軸に、コイル状のRFアンテナ54が水平に配置されている。このRFアンテナ54は、好ましくは、たとえばスパイラルコイル(図29A)または各一周内で半径一定の同心円コイル(図29B)の形体を有しており、絶縁体からなるアンテナ固定部材(図示せず)によって誘電体窓52の上に固定されている。
RFアンテナ54の一端(中心端)には、プラズマ生成用の高周波電源56の出力端子が整合器58および給電導体(たとえば給電線)60を介して電気的に接続されている。RFアンテナ54の他端(外周端)は、アース線(帰線)55を介して電気的にグランド電位に接続されている。
高周波電源56は、高周波放電によるプラズマの生成に適した一定周波数(13.56MHz以上)の高周波RFHを可変のパワーで出力できるようになっている。整合器58は、高周波電源56側のインピーダンスと負荷(主にRFアンテナ、プラズマ、チャンバ)側のインピーダンスとの間で整合をとるためのリアクタンス可変の整合回路を収容している。
チャンバ10内の処理空間に処理ガスを供給するための処理ガス供給部は、誘電体窓52より幾らか低い位置でチャンバ10の側壁の中(または外)に設けられる環状のマニホールドまたはバッファ部62と、円周方向に等間隔でバッファ部62からプラズマ生成空間に臨む多数の側壁ガス吐出孔64と、処理ガス供給源66からバッファ部62まで延びるガス供給管68とを有している。処理ガス供給源66は、流量制御器および開閉弁(図示せず)を含んでいる。
この誘導結合型プラズマエッチング装置は、チャンバ10内の処理空間に生成される誘導結合プラズマの密度分布を径方向で可変制御するために、チャンバ10の天井裏に設けた大気空間のアンテナ室72内に、開口端を下に向けてRFアンテナ54の上に配置される、天井部が塞がった筒状またはドーム状の導体からなる磁気シールド空洞導体70を備えている。磁気シールド空洞導体70の詳細な構成および作用は後に説明する。
主制御部74は、たとえばマイクロコンピュータを含み、このプラズマエッチング装置内の各部たとえば排気装置26、高周波電源30,56、整合器32,58、静電チャック用のスイッチ42、処理ガス供給源66、チラーユニット(図示せず)、伝熱ガス供給部(図示せず)等の個々の動作および装置全体の動作(シーケンス)を制御する。
このプラズマエッチング装置において、エッチングを行なうには、先ずゲートバルブ28を開状態にして加工対象の半導体ウエハWをチャンバ10内に搬入して、静電チャック36の上に載置する。そして、ゲートバルブ28を閉めて、処理ガス供給源66よりガス供給管68、バッファ部62および側壁ガス吐出孔64を介してエッチングガス(一般に混合ガス)を所定の流量および流量比でチャンバ10内に導入し、排気装置26によりチャンバ10内の圧力を設定値にする。さらに、高周波電源56をオンにしてプラズマ生成用の高周波RFHを所定のRFパワーで出力させ、整合器58,給電導体60を介してRFアンテナ54に高周波RFHの電流を供給する。一方、高周波電源30をオンにしてイオン引き込み制御用の高周波RFLを所定のRFパワーで出力させ、この高周波RFLを整合器32および給電棒34を介してサセプタ12に印加する。また、伝熱ガス供給部より静電チャック36と半導体ウエハWとの間の接触界面に伝熱ガス(Heガス)を供給するとともに、スイッチ42をオンにして静電チャック36の静電吸着力により伝熱ガスを上記接触界面に閉じ込める。
側壁ガス吐出孔64より吐出されたエッチングガスは、誘電体窓52の下の処理空間に拡散する。RFアンテナ54を流れる高周波RFHの電流によって、磁力線が誘電体窓52を貫通してチャンバ内のプラズマ生成空間を通過するようなRF磁界がRFアンテナ54の周りに発生し、このRF磁界の時間的な変化によって処理空間の方位角方向にRF誘導電界が発生する。そして、この誘導電界によって方位角方向に加速された電子がエッチングガスの分子や原子と電離衝突を起こし、ドーナツ状のプラズマが生成される。このドーナツ状プラズマのラジカルやイオンは広い処理空間で四方に拡散し、ラジカルは等方的に降り注ぐようにして、イオンは直流バイアスに引っぱられるようにして、半導体ウエハWの上面(被処理面)に供給される。こうしてウエハWの被処理面にプラズマの活性種が化学反応と物理反応をもたらし、被加工膜が所望のパターンにエッチングされる。
この誘導結合型プラズマエッチング装置は、上記のようにRFアンテナ54に近接する誘電体窓52の下で誘導結合のプラズマをドーナツ状に生成し、このドーナツ状のプラズマを広い処理空間内で分散させて、サセプタ12近傍(つまり半導体ウエハW上)でプラズマの密度を平均化するようにしている。ここで、ドーナツ状プラズマのプラズマ密度は、誘導電界の強度に依存し、ひいてはRFアンテナ54に供給される高周波RFHのパワー(より正確にはRFアンテナ54を流れる電流)の大きさに依存する。すなわち、高周波RFHのパワーを高くするほど、ドーナツ状プラズマの密度が高くなり、プラズマの拡散を通じてサセプタ12近傍でのプラズマの密度は全体的に高くなる。一方で、ドーナツ状プラズマが四方(特に径方向)に拡散する形態は主にチャンバ10内の圧力に依存し、圧力を低くするほど、チャンバ10の中心部にプラズマが多く集まって、サセプタ12近傍のプラズマ密度分布が中心部で盛り上がる傾向がある。また、RFアンテナ54に供給される高周波RFHのパワーやチャンバ10内に導入される処理ガスの流量、ガスの種類等に応じてドーナツ状プラズマ内のプラズマ密度分布が変わることもある。
ここで「ドーナツ状のプラズマ」とは、チャンバ10の径方向内側(中心部)にプラズマが立たず径方向外側にのみプラズマが立つような厳密にリング状のプラズマに限定されず、むしろチャンバ10の径方向内側より径方向外側のプラズマの体積または密度が大きいことを意味する。また、処理ガスに用いるガスの種類やチャンバ10内の圧力の値等の条件によっては、ここで云う「ドーナツ状のプラズマ」にならない場合もある。
この誘導結合型プラズマエッチング装置では、サセプタ12近傍のプラズマ密度分布を径方向で均一化するために、RFアンテナ54の発生するRF磁界に対して所望の開口径を有する磁気シールド空洞導体70の磁気遮蔽効果により補正をかけるようにしている。
以下、この誘導結合型プラズマエッチング装置における主要な特徴部分である磁気シールド空洞導体70の構成および作用を説明する。
上述したように、誘電体窓52の上のアンテナ室72内に磁気シールド空洞導体70が配置される。この磁気シールド空洞導体70は、円筒部70aと天井部70bとを有する導体板(たとえば銅板)からなり、RFアンテナ54に対して同軸に配置され、通常はその開口端がRFアンテナ54の内周と外周との間に位置するような所望の開口径を有する。磁気シールド空洞導体70の天井部70bには、RF給電導体60を通すための貫通孔または開口部(図示せず)も形成されている。
なお、本発明において「同軸」とは、二次元方向で軸対称な広がりを有する複数の物体間でそれぞれの中心軸線が互いに重なっている位置関係を意味する。
アンテナ室72内で、磁気シールド空洞導体70は、その開口端とRFアンテナ54との離間距離が方位角方向のすべての位置で一定になるような水平姿勢で、たとえば吊下げ式の支持部材73により支持されている。アンテナ室72の壁部は、導体たとえばアルミニウムからなり、チャンバ10の上端に接続され、電気的に接地されている。磁気シールド空洞導体70は、電気的に接地されていてもよく、あるいは電気的にフローティング状態であってもよい。
図2につき、磁気シールド空洞導体70の基本的な作用を説明する。
RFアンテナ54の上に磁気シールド空洞導体70を配置しないときは、図2Aに示すように、RFアンテナ54を流れる高周波RFHの電流によってアンテナ導体の周りにはアンペール−マクスウェルの法則にしたがってループ状に分布するRF磁界Hが発生し、誘電体窓52の下には比較的内奥(下方)の領域でも処理空間を半径方向に横断する磁力線が形成される。
ここで、処理空間における磁束密度の半径方向(水平)成分Brは、チャンバ10の中心(O)と周辺部では高周波RFHの電流の大きさに関係なく常に零であり、その中間つまりRFアンテナ54の内径と外径のちょうど中間辺り(以下、「アンテナミドル部」と称する)で極大になり、高周波RFHの電流が大きいほどその極大値が高くなる。RF磁界Hによって生成される方位角方向の誘導電界の強度分布も、半径方向において磁束密度Brと同様のプロファイルになる。こうして、誘電体窓52の近くの処理空間でRFアンテナ54と同軸のドーナツ状プラズマが形成される。
そして、このドーナツ状プラズマが処理空間で四方(特に半径方向)に拡散する。上述したように、その拡散形態はチャンバ10内の圧力に依存するが、一例として図2Aに示すように、サセプタ12近傍の径方向で電子密度(プラズマ密度)が相対的にアンテナミドル部で盛り上がり中心部と周辺部で落ち込むようなプロファイルを示す場合がある。
このような場合に、図2Bに示すように、RFアンテナ54の上に磁気シールド空洞導体70を配置すると、図示のように、RFアンテナ54を流れる高周波RFHの電流によってアンテナ導体の周りに発生するRF磁界Hの分布が、磁気シールド空洞導体70の存在によって変化する。すなわち、RFアンテナ54の上で磁力線が磁気シールド空洞導体70を避けて通るような磁界分布になり、RFアンテナ54の周りで(誘電体窓52下のチャンバ内でも)RF磁界Hの磁力線ループが縮小化ないし局所化する。
図示の例では、磁気シールド空洞導体70の開口端が径方向においてRFアンテナ54のアンテナミドル部と周辺エッジ部との間に位置しているため、磁気シールド空洞導体70の開口端付近からその径方向外側の周辺部にかけての領域(磁気シールド外側領域)の直下で、RF磁界Hの磁力線ループが縮小化ないし局所化して、チャンバ10内の磁界強度が低下する。一方、磁気シールド空洞導体70の開口端付近よりも径方向内側の領域(磁気シールド内側領域)の直下では、RF磁界Hの磁力線ループが局所化するものの、チャンバ10内の磁界強度は殆ど低下しない。
このような磁気シールド空洞導体70の磁場遮蔽効果により、磁気シールド外側領域の直下で局所的に、誘電体窓52内側の処理空間における磁束密度の半径方向成分Brおよび方位角方向の誘導電界の強度が弱められる。結果として、サセプタ12近傍で電子密度(プラズマ密度)が径方向でほどよく均一化される。
参考例として、RFアンテナ54の上に、磁気シールド空洞導体70の代わりに、磁気シールド空洞導体70の開口径と同一の口径(直径)を有する導体板71を配置した場合を考える。この場合は、図3に示すように、導体板71で覆われる領域では、アンテナ導体の周りに発生するRF磁界Hが導体板71の面状磁気遮蔽効果によりどの位置でも一様に縮小化ないし局所化して磁界強度が低下する。このため、誘電体窓52内側の処理空間でRF磁界Hにより生成される方位角方向の誘導電界の強度分布も、導体板71によって覆われる領域の直下では一様に低下する。その結果、サセプタ12近傍の電子密度(プラズマ密度)は径方向の各位置で一様に低下するだけであり、均一化は達成できない。
次に、本発明の誘導結合型プラズマ処理装置においてより具体的または実用的な構造の磁気シールド空洞導体を備える実施形態について説明する。

[第2の実施形態]
図4〜図9につき、第2の実施形態における誘導結合型プラズマエッチング装置の構成を示す。図中、上述した第1の実施形態の装置(図1)と同様の構成または機能を有する部分には同一の符号を附している。
この誘導結合型プラズマエッチング装置では、サセプタ12近傍のプラズマ密度分布を径方向で均一化するうえで、RFアンテナ54の発生するRF磁界に対して磁気シールド空洞導体70の磁気遮蔽効果により補正をかけるとともに、アンテナ−磁気シールド間隔制御部76によりRFアンテナ54に対する磁気シールド空洞導体70の離間距離を可変制御できるようにしている。
図示の構成例において、磁気シールド空洞導体70の筒部70aは、天井部70bに一体的に形成または固着された固定の上部筒部70a1と、この上部筒部70a1に軸方向(上下方向)でスライド可能に係合または嵌合された可動の下部筒部70a2とに2分割されている。
アンテナ−磁気シールド間隔制御部76は、ボールネジ78を介して磁気シールド空洞導体70の下部筒部70a2の高さ位置を可変するステッピングモータ80と、このステッピングモータ80およびボールネジ78を通じて磁気シールド空洞導体70の下部筒部70a2の高さ位置を可変制御する磁気シールド高さ制御部82とを有している。
磁気シールド空洞導体70の下部筒部70a2は、より詳しくは、水平の昇降支持棒84を介してボールネジ78のナット部78bに結合されている。ボールネジ78の送りネジ78aは、鉛直方向に延びて、ステッピングモータ80の回転軸に直接または減速機構(図示せず)を介して結合されている。
ステッピングモータ80が作動して送りネジ78aを回転させると、ナット部78bが昇降移動し、磁気シールド空洞導体70の下部筒部70a2もナット部78bと一体に昇降移動する。磁気シールド高さ制御部82は、主制御部74より磁気シールド空洞導体70(より正確には下部筒部70a2の下端)の高さ位置(目標値または設定値)を指示する信号Shを受け取り、ステッピングモータ80の回転方向および回転量を制御して、下部筒部70a2の高さ位置、つまりRFアンテナ54との離間距離hを目標値に合わせる。
アンテナ−磁気シールド間隔制御部76の別の実施例として、図1に示すような一体型磁気シールド空洞導体70の全体を昇降移動させる構成も可能である。
ここで、この実施形態における昇降型磁気シールド空洞導体70およびアンテナ−磁気シールド間隔制御部76の作用を説明する。本発明者は、この実施形態の誘導結合型プラズマエッチング装置について次のような電磁界シミュレーションを実施した。
すなわち、RFアンテナ54に対する磁気シールド空洞導体70の相対的高さ位置(離間距離)hをパラメータとし、パラメータhの値を5mm、10m、20mm、無限大(磁気シールド空洞導体無し)の4通りに選んで、ドーナツ状プラズマ内部(上面から5mmの位置)の半径方向の電流密度分布(プラズマ密度分布に相当)を求めたところ、図6に示すようなプロファイルが得られた。
この電磁界シミュレーションでは、RFアンテナ54の外径(半径)を250mmに設定し、磁気シールド空洞導体70の空洞長、板厚および開口径(半径)をそれぞれ30mm、5mmおよび130mmに設定した。RFアンテナ54の下方のチャンバ内処理空間で誘導結合により生成されるドーナツ状のプラズマは、図5に示すような円盤形状の抵抗体86で模擬し、この抵抗体86の直径を500mm、抵抗率を100Ωcm、表皮厚さを10mmに設定した。プラズマ生成用高周波RFHの周波数は13.56MHzとした。
図6に示すように、磁気シールド空洞導体70の開口径(130mm)がRFアンテナ54のアンテナミドル部の径(125mm)に近似しているとき、あるいはそれよりも小さいときは、磁気シールド空洞導体70の開口端付近から径方向内側の中心部にかけての領域(磁気シールド内側領域)の直下で、RF磁界Hの磁力線ループ径が縮小化ないし局所化して、チャンバ10内の磁界強度が低下する。一方、磁気シールド空洞導体70の開口端付近よりも径方向外側の領域(磁気シールド外側領域)の直下では、RF磁界Hの磁力線ループが局所化するものの、チャンバ10内の磁界強度は殆ど低下しない。
この実施形態では、上記のように、アンテナ−磁気シールド間隔制御部76により、水平のRFアンテナ54に対して磁気シールド空洞導体70を平行(水平)に保ちつつ、RFアンテナ54に対する磁気シールド空洞導体70の相対的高さ位置または離間距離を一定の範囲内で任意かつ精細に可変できるように構成しているので、電磁界シミュレーションで検証した図6の特性を装置的に実現し、プラズマ密度分布制御の自由度および精度を大きく向上させることができる。
この実施形態における誘導結合型プラズマエッチング装置は、たとえば、基板表面の多層膜を複数のステップで連続的にエッチング加工するアプリケーションに好適に適用できる。以下、図7に示すような多層レジスト法に係る本発明の実施例について説明する。
図7において、加工対象の半導体ウエハWの主面には、本来の被加工膜(たとえばゲート用のSi膜)100の上に最下層(最終マスク)としてSiN層102が形成され、その上に中間層として有機膜(たとえばカーボン)104が形成され、その上にSi含有の反射防止膜(BARC)106を介して最上層のフォトレジスト108が形成される。SiN層102、有機膜104および反射防止膜106の成膜にはCVD(化学的真空蒸着法)あるいはスピンオンによる塗布膜が用いられ、フォトレジスト108のパターニングにはフォトリソグラフィが用いられる。
最初に、第1ステップのエッチングプロセスとして、図7の(A)に示すようにパターニングされたフォトレジスト108をマスクとしてSi含有反射防止膜106をエッチングする。この場合、エッチングガスにはCF4/O2の混合ガスが用いられ、チャンバ10内の圧力は比較的低く、たとえば10mTorrに設定される。
次に、第2ステップのエッチングプロセスとして、図7の(B)に示すようにフォトレジスト108および反射防止膜106をマスクとして有機膜104をエッチング加工する。この場合、エッチングガスにはO2の単ガスが用いられ、チャンバ10内の圧力は更に低く、たとえば5mTorrに設定される。
最後に、第3ステップのエッチングプロセスとして、図7の(C)、(D)に示すように、パターニングされた反射防止膜106および有機膜104をマスクとしてSiN膜102をエッチング加工する。この場合、エッチングガスにはCHF3/CF4/Ar/O2の混合ガスが用いられ、チャンバ10内の圧力は比較的高く、たとえば50mTorrに設定される。
上記のようなマルチステップのエッチングプロセスにおいては、ステップ毎にプロセス条件の全部または一部(特にチャンバ10内の圧力)が切り換わり、それによって処理空間内でドーナツ状プラズマの拡散する形態が変化する。ここで、磁気シールド空洞導体70を設けない場合は、第1および第2ステップのプロセス(圧力10mTorr以下)では図3Aのようにサセプタ12近傍の電子密度(プラズマ密度)が相対的に中心部で顕著に盛り上がるような急峻な山形のプロファイルが現れ、第3ステップのプロセス(圧力50mTorr)では中心部がわずかに盛り上がるような緩やかな山形のプロファイルが現れるものとする。
この実施形態によれば、たとえばプロセスレシピにおいて、通常のプロセス条件(高周波のパワー、圧力、ガス種、ガス流量等)に追加する仕方で、またはそれらと連関させる仕方で、磁気シールド空洞導体70の高さ位置をレシピ情報またはプロセスパラメータの1つとして設定する。そして、上記のようなマルチステップのエッチングプロセスを実行する際に、主制御部74が磁気シールド空洞導体70の高さ位置設定値を表すデータをメモリから読み出し、各ステップ毎に磁気シールド高さ制御部80を通じて磁気シールド空洞導体70の高さ位置を設定値(目標値)に合わせる。
したがって、上記のような多層レジスト法のエッチングプロセス(図7)においては、図9に示すように、第1ステップ(10mTorr)では比較的低い設定位置h1に、第2ステップ(5mTorr)では更に低い位置h2に、第3ステップ(50mTorr)では比較的高い位置h3に、磁気シールド空洞導体70の高さ位置をステップ毎に切り換える。
このように、一枚の半導体ウエハWに対する単一または一連のプラズマ処理を行う中で、プロセス条件の変更、切り換えまたは変化に応じて磁気シールド空洞導体70の高さ位置を可変調整することが可能である。このことにより、枚葉プラズマプロセスの全処理時間または全ステップを通じて、RFアンテナ54を流れる高周波RFHの電流によってアンテナ導体の周りに発生するRF磁界Hに対する磁気シールド空洞導体70の磁気遮蔽効果、つまり磁気シールド空洞導体70の開口端付近およびその径方向内側(もしくはその径方向外側)の領域の直下でドーナツ状プラズマ内のプラズマ密度を局所的に低減させる効果の度合い(強弱)を任意・精細・リニアに調節することが可能であり、これによって、サセプタ12近傍のプラズマ密度を径方向で均一に保つことも可能である。したがって、プラズマプロセスの均一性を向上させることができる。
なお、マルチステップ方式において、エッチングプロセスを行わない間は、図9に示すように、磁気シールド空洞導体70の高さ位置を実質的に磁気シールド空洞導体70が無い場合に等しい高さのホームポジションhPに戻しておいてよい。
この実施形態では、上述したように、RFアンテナ54に対する磁気シールド空洞導体70の離間距離または高さ位置を可変調整するためのアンテナ−磁気シールド間隔制御部76をボールネジ機構で構成した。しかし、ボールネジ機構の代わりに、たとえば回転体カムあるいはエンドカム等の立体カム機構を用いることも可能である。すなわち、詳細な構成は図示省略するが、アンテナ−磁気シールド間隔制御部76の別の実施例として、磁気シールド空洞導体70に回転体を有する立体カム機構を介して結合され、この立体カム機構の回転体を回転させて磁気シールド空洞導体70の高さ位置を可変するモータと、このモータの回転方向および回転量を制御して磁気シールド空洞導体70の高さ位置を制御するコイル高さ制御部とを有する構成も可能である。

[第3の実施形態]
次に、図10〜図13につき、本発明の第3の実施形態を説明する。
図10に、第3の実施形態における誘導結合型プラズマエッチング装置の構成を示す。図中、上述した第1または第2の実施形態の装置(図1、図4)と同様の構成または機能を有する部分には同一の符号を附している。
この第3の実施形態における固有の特徴は、磁気シールド空洞導体70の開口径を可変できるようにした構成にある。図10の装置構成例では、開口径の異なる複数(たとえば3種類)の磁気シールド空洞導体70(1),70(2),70(3)を用意し、その中のいずれか1つを選択して吊り下げ式の支持部材73に着脱可能に取り付けるようにしている。
本発明者は、この実施形態の誘導結合型プラズマエッチング装置について次のような電磁界シミュレーションを実施した。
すなわち、磁気シールド空洞導体70の開口径(半径)Rをパラメータとし、パラメータRの値を100mm、130m、170mm、200mmの4通りに選んで、ドーナツ状プラズマ内部(上面から5mmの位置)の半径方向の電流密度分布(プラズマ密度分布に相当)を求めたところ、図11に示すようなプロファイルが得られた。
この電磁界シミュレーションでは、RFアンテナ54の外径(半径)を250mmに設定し、磁気シールド空洞導体70の空洞長および板厚をそれぞれ30mm、5mmに設定した。RFアンテナ54と磁気シールド空洞導体70との離間距離hは5mmに設定した。また、RFアンテナ54の下方のチャンバ内処理空間で誘導結合により生成されるドーナツ状のプラズマは、図5に示したものと同様に円盤形状の抵抗体86で模擬し、この抵抗体86の直径を500mm、抵抗率を100Ωcm、表皮厚さを10mmに設定した。プラズマ生成用の高周波RFHの周波数は13.56MHzとした。
図11の(a),(b)に示すように、磁気シールド空洞導体70の開口径がRFアンテナ54のアンテナミドル部の径(125mm)よりも大きいとき(R=200mm,170mm)は、磁気シールド空洞導体70の開口端付近およびそれよりも径方向外側の周辺部にかけての領域(磁気シールド外側領域)の直下で、ドーナツ状プラズマ内のプラズマ密度が局所的に減少することがわかる。
一方で、図11の(c),(d)に示すように、磁気シールド空洞導体70の開口径がRFアンテナ54のアンテナミドル部の径(125mm)に近似しているとき(R=130mm)、あるいはそれよりも小さいとき(R=100mm)は、磁気シールド空洞導体70の開口端付近およびそれよりも径方向内側の中心部にかけての領域(磁気シールド内側領域)の直下で、ドーナツ状プラズマ内のプラズマ密度が局所的に減少することがわかる。
図10の装置構成例では磁気シールド空洞導体70の開口径を手動の着脱交換式で可変できるようにしているが、図12および図13に模式的に示すように自動切換式で可変する構成も可能である。
図12および図13の構成例は、開口径の異なる上記3種類の磁気シールド空洞導体70(1),70(2),70(3)を図4の磁気シールド空洞導体70と同様に分割昇降型に構成し、その中のいずれか1つ(または複数)を選択してRFアンテナ54の近くまで降ろすようにしている。なお、図12および図13に示すように、アンテナ室72の天板(天井壁)が磁気シールド空洞導体70の天井部を兼用する構成も可能である。図示の例ではアンテナ室72の天板(天井壁)が磁気シールド空洞導体70(1),70(2),70(3)の全部の天井部を兼用しているが、その中の一部だけ兼用する構成も可能である。
この実施形態では、上記のように、磁気シールド空洞導体70の開口径を可変できるようにしているので、電磁界シミュレーションで検証した図11の特性を装置的に実現し、プラズマ密度分布制御の自由度および精度を大きく向上させることができる。

[第4の実施形態]
次に、図14〜図18につき、本発明の第4の実施形態を説明する。
図14に、第4の実施形態における誘導結合型プラズマエッチング装置で用いる磁気シールド空洞導体70の構成を示す。
この第4の実施形態における固有の特徴は、磁気シールド空洞導体70の筒部70aに、縦方向に延びるスリット110を方位角方向に一定の間隔を空けて多数設ける構成にある。図14に示すように、スリット110は、典型的には、一定のスリット幅Sで磁気シールド空洞導体70の下端部から上端部までまっすぐ延びるように形成される。
本発明者は、この実施形態の誘導結合型プラズマエッチング装置について次のような電磁界シミュレーションを実施した。
すなわち、磁気シールド空洞導体70に設けられるスリット110の幅Sをパラメータとし、パラメータSの値を0mm(開口率0%)、2m、5mm、20mmの4通りに選んで、ドーナツ状プラズマ内部(上面から5mmの位置)の半径方向の電流密度分布(プラズマ密度分布に相当)を求めたところ、図15に示すようなプロファイルが得られた。
この電磁界シミュレーションでは、RFアンテナ54の外径(半径)を250mmに設定し、磁気シールド空洞導体70の空洞長、板厚および開口径(半径)をそれぞれ30mm、5mmおよび130mmに設定した。スリット110の数は方位角方向に20°間隔で18個とした。この場合、スリット幅20mmは開口率45%に相当する。ここで、開口率0%はスリット110が全く無いのと等価であり、開口率100%は磁気シールド空洞導体70が無いのと等価である。RFアンテナ54と磁気シールド空洞導体70との離間距離hは5mmに設定した。RFアンテナ54の下方のチャンバ内処理空間で誘導結合により生成されるドーナツ状のプラズマは、図14に示すような円盤形状の抵抗体86で模擬し、この抵抗体86の直径を500mm、抵抗率を100Ωcm、表皮厚さを10mmに設定した。プラズマ生成用の高周波RFHの周波数は13.56MHzとした。
図15に示すように、スリット110の幅Sを大きくするほど、磁気シールド空洞導体70の磁気遮蔽効果、つまり磁気シールド空洞導体70の開口端付近およびその径方向内側(もしくはその径方向外側)の領域の直下でドーナツ状プラズマ内のプラズマ密度を局所的に低減させる効果が弱まる。つまり、磁気シールド空洞導体70のスリット110の幅Sを可変することによって、磁気シールド空洞導体70の高さ位置を可変する場合(図6)と同様の効果が得られることがわかる。
図16に、磁気シールド空洞導体70のスリット110の幅Sを可変するための一実施例を示す。この実施例では、磁気シールド空洞導体70の径方向内側に、磁気シールド空洞導体70のスリット110と同数かつ同一サイズおよび同一間隔のスリット112を有する円筒体をシャッタまたは開口率調節部材114として方位角方向(周回方向)で可動つまり回転変位可能に取り付ける。この場合、磁気シールド空洞導体70のスリット110に開口率調節部材114のスリット112が重なっている部分[110,112]が実質的なスリット幅になる。
開口率調節部材114を周回方向で回転変位させることにより、実質スリット幅[110,112]を、図16の(a)に示すように全開とすることも、図16の(b)に示すように半開とすることも、図16の(c)に示すように全閉とすることもできる。
図17に、磁気シールド空洞導体70のスリット110の幅Sを可変するための別の実施例を示す。この実施例は、磁気シールド空洞導体70の筒部を方位角方向で多数(n個)の短冊状板体116(1),116(2),116(3),・・,116(n)に分割して、各々の短冊状板体116(1)〜116(n)を長手方向に延びる回転軸(図示せず)を中心として回転変位可能に構成する。これにより、磁気シールド空洞導体70のスリット110を、図17の(a)に示すように閉じることも、図17の(b)に示すように開けることもできる。
さらに、別の変形例として、図18に示すように、磁気シールド空洞導体70の筒部70aの下端部に限定して、任意の幅A、任意の高さ位置B、任意の全長Cを有する開口118を方位角方向に一定の間隔を空けて多数設ける構成も可能である。
この実施形態では、上記のように、方位角方向に一定の間隔を空けて磁気シールド空洞導体70に多数のスリット110を設け、スリット110を開閉可能とし、あるいはスリット110のスリット幅または開口率を可変できるようにしているので、電磁界シミュレーションで検証した図15の特性を装置的に実現し、誘電体窓52近傍の処理空間で生成されるドーナツ状プラズマ内のプラズマ密度分布を径方向で任意に制御し、ひいてはサセプタ12近傍のプラズマ密度分布を径方向で任意に制御することができる。

[第5の実施形態]
次に、図19〜図22につき、本発明の第5の実施形態を説明する。
図19に、第5の実施形態における誘導結合型プラズマエッチング装置で用いる磁気シールド空洞導体70の構成を示す。
この第5の実施形態では、磁気シールド空洞導体70が、開口径の異なる複数(たとえば2つ)の磁気シールド空洞導体70A,70Bからなる。上述した第3の実施形態(図12、図13)では開口径の異なる複数種類の磁気シールド空洞導体70(1),70(2),70(3)の中から通常はいずれか1つを選択して用いるのに対して、この第5の実施形態では内側の磁気シールド空洞導体70Aと外側の磁気シールド空洞導体70Bとを定常的に一緒(多重)に機能させる。
本発明者は、この実施形態の誘導結合型プラズマエッチング装置について次のような電磁界シミュレーションを実施した。
すなわち、磁気シールド空洞導体70として、内側の磁気シールド空洞導体70Aのみを設ける場合、外側の磁気シールド空洞導体70Bのみを設ける場合、および内側および外側の磁気シールド空洞導体70A,70Bの両方を設ける場合の3通りについてドーナツ状プラズマ内部(上面から5mmの位置)の半径方向の電流密度分布(プラズマ密度分布に相当)を求めたところ、図20に示すようなプロファイルが得られた。
この電磁界シミュレーションでは、RFアンテナ54の外径(半径)を250mmに設定し、内側磁気シールド空洞導体70Aの空洞長、板厚および開口径(半径)をそれぞれ30mm、5mmおよび100mmとし、外側磁気シールド空洞導体70Bの空洞長、板厚および開口径(半径)をそれぞれ30mm、5mmおよび170mmに設定した。RFアンテナ54と磁気シールド空洞導体70A,70Bとの離間距離hは5mmに設定した。RFアンテナ54の下方のチャンバ内処理空間で誘導結合により生成されるドーナツ状のプラズマは、図19に示すような円盤形状の抵抗体86で模擬し、この抵抗体86の直径を500mm、抵抗率を100Ωcm、表皮厚さを10mmに設定した。プラズマ生成用の高周波RFHの周波数は13.56MHzとした。
図20から、内側(開口半径100mm)の磁気シールド空洞導体70Aのみを設けた場合はドーナツ状プラズマ内の中心部からアンテナミドル部にかけてプラズマ密度が減少し、外側(開口半径170mm)の磁気シールド空洞導体70Bのみを設けた場合はドーナツ状プラズマ内のミドル部から周辺部にかけてプラズマ密度が減少し、内側および外側の磁気シールド空洞導体70A,70Bを併設した場合は両者の足し合わせでドーナツ状プラズマ内のプラズマ密度が中心部から周辺部にかけて減少することがわかる。
なお、図示省略するが、内側および外側の磁気シールド空洞導体70A,70Bの高さ位置を個別的に可変する機構を設けることも可能である。

[第6の実施形態]
本発明の第6の実施形態は、上記した第4および第5の実施形態を組み合わせるものであり、内側および外側の磁気シールド空洞導体70A,70Bにスリット110A,110Bをそれぞれ設ける構成を特徴とする。
好適な一実施例として、図21に示すように、内側および外側の磁気シールド空洞導体70A,70Bに開口率調節部材114A,114Bをそれぞれ取り付け、周回方向で開口率調節部材114A,114Bを回転変位させることにより、スリット110A,110Bの開閉を可能とし、あるいはスリット110A,110Bのスリット幅または開口率を可変することができる。図21では、内側のスリット110Aを全開状態、外側のスリット110Bを全閉状態にしている。
本発明者は、この実施形態の誘導結合型プラズマエッチング装置について次のような電磁界シミュレーションを実施した。
すなわち、内側磁気シールド空洞導体70Aのスリット110Aと外側磁気シールド空洞導体70Bのスリット110Bとを共に全開にした場合(a)、内側磁気シールド空洞導体70Aのスリット110Aを完全に閉じて外側磁気シールド空洞導体70Bのスリット110Bを全開にした場合(b)、内側磁気シールド空洞導体70Aのスリット110Aを全開にして外側磁気シールド空洞導体70Bのスリット110Bを完全に閉じた場合(c)について、ドーナツ状プラズマ内部(上面から5mmの位置)の半径方向の電流密度分布(プラズマ密度分布に相当)を求めたところ、図22に示すようなプロファイルが得られた。
この電磁界シミュレーションでは、RFアンテナ54の外径(半径)を250mmに設定し、内側および外側磁気シールド空洞導体70A,70Bの空洞長および板厚をそれぞれ30mmおよび5mmに設定した。スリット110A,110Bの数はいずれも方位角方向に20°間隔で18個とし、スリット110A,110Bの幅を角度換算でそれぞれ10°とした。この場合、スリット全開状態は開口率50%に相当する。ここで、開口率100%は、磁気シールド空洞導体70A,70Bが無いのと等価である。RFアンテナ54と磁気シールド空洞導体70との離間距離hは5mmに設定した。RFアンテナ54の下方のチャンバ内処理空間で誘導結合により生成されるドーナツ状のプラズマは、図19に示したものと同様に円盤形状の抵抗体86で模擬し、この抵抗体86の直径を500mm、抵抗率を100Ωcm、表皮厚さを10mmに設定した。プラズマ生成用の高周波RFHの周波数は13.56MHzとした。
図22の(b)に示すように、内側磁気シールド空洞導体70Aのスリット110Aを閉じて外側磁気シールド空洞導体70Bのスリット110Bを開けた場合は、ドーナツ状プラズマ内の中心部からミドル部の領域でプラズマ密度が顕著に減少する。
図22の(c)に示すように、内側磁気シールド空洞導体70Aのスリット110Aを開けて外側磁気シールド空洞導体70Bのスリット110Bを閉じた場合は、ドーナツ状プラズマ内のミドル部から周辺部の領域でプラズマ密度が顕著に減少する。
図22の(a)に示すように、内側磁気シールド空洞導体70Aのスリット110Aと外側磁気シールド空洞導体70Bのスリット110Bとを共に開けた場合は、ドーナツ状プラズマ内のミドル部を中心にほぼ全領域にわたってプラズマ密度が幾らか減少する。
図21の構成例では、内側磁気シールド空洞導体70Aの各スリット110Aと外側磁気シールド空洞導体70Bの各スリット110Bとを同位相(方位角方向で重なり合う位置)に配置している。一変形例として、図23に示すように、内側磁気シールド空洞導体70Aの各スリット110Aと外側磁気シールド空洞導体70Bの各スリット110Bとを逆位相(方位角方向で重なり合わない位置)に配置することも可能である。
このように、この実施形態においては、内側および外側の磁気シールド空洞導体70A,70Bにそれぞれ設けたスリット110A,110Bの開閉状態を切り替え、あるいはスリット110A,110Bのスリット幅または開口率を可変することで、誘電体窓52近傍の処理空間で生成されるドーナツ状プラズマ内のプラズマ密度分布を径方向で任意に制御し、ひいてはサセプタ12近傍のプラズマ密度分布を径方向で任意に制御することができる。

[第7の実施形態]
本発明の第7の実施形態は、磁気シールド空洞導体70をRFアンテナ54と同軸上の位置で回転運動させるための磁気シールド回転機構120を有する構成を特徴とする。
この磁気シールド回転機構120は、図24に示すように、磁気シールド空洞導体70の天井部をアンテナ室72の天板(天井壁)で構成し、筒部70aの上端に接続または一体形成したL形のフランジ部70cをアンテナ室72に取り付けた環状のガイドレール122に係合して、磁気シールド空洞導体70を回転可能に構成している。そして、磁気シールド空洞導体70の筒部70aの内壁にリング状の内歯車124を取り付け、モータ128の回転駆動軸に結合された歯車126を内歯車124に歯合させている。モータ128の回転駆動力により、歯車126,内歯車124を介して磁気シールド空洞導体70を一定の速度で回転運動させることができる。
この実施形態において、好ましくは、図25に示すように、磁気シールド空洞導体70の筒部70aに方位角方向で所望のサイズ(角度換算でたとえば10°〜60°)を有する切り欠き部130を設けてよい。磁気シールド空洞導体70にこのような切り欠き部130を設けた場合、磁気シールド空洞導体70が静止していれば、RFアンテナ54の周囲に形成されるRF磁界Hに対する磁気シールド空洞導体70の磁場遮蔽効果に方位角方向で偏りが発生し、ひいてはプラズマ密度分布に方位角方向で偏りが発生する。しかし、磁気シールド空洞導体70を回転運動させることで、方位角方向の偏りをキャンセルして平滑化することができる。
この実施形態によれば、切り欠き部130のサイズによって、磁気シールド空洞導体70の磁場遮蔽作用の強弱を調節することが可能であり、磁気シールド空洞導体70の高さ位置を可変するのと同様の効果を得ることができる。

[他の実施形態または変形例]
たとえば上記した第2の実施形態における誘導結合型プラズマ処理装置(図4)においては、磁気シールド空洞導体70の高さ位置を変えると、径方向において磁気シールド空洞導体70の内側と外側とで磁界強度の比(または差)が変わり、磁気シールド空洞導体70の高さ位置を低くするほど、つまりRFアンテナ54との離間距離を小さくするほど、磁界強度の比は大きくなる。
逆の観点から、図4に示すように、磁気シールド空洞導体70の内側と外側に磁界センサ130,132をそれぞれ配置し、これの磁界センサ130,132の出力信号(磁界強度計測値)Min,Moutを磁気シールド高さ制御部82にフィードバックしてもよい。たとえば、Min,Moutの比が規定値になるように、磁気シールド空洞導体70の高さ位置を調節することも可能である。
また、磁気シールド空洞導体70にスリット110を設け、モータ等のアクチエータを用いてスリットの幅または開口率を任意に可変制御できるように構成した場合は、磁界センサ130,132の出力信号(磁界強度計測値)Min,Moutを開口率制御部にフィードバックし、Min,Moutの比が規定値になるように開口率を制御することもできる。
図26Aおよび図26Bに、磁気シールド空洞導体70の構造に関する一実施例を示す。この磁気シールド空洞導体70は、断面コ字状の上部保持リング134Hおよび下部保持リング134Lを平行に対向させて、両保持リング134H,134Lの間に上下方向で伸縮可能な円筒状金属メッシュ136を設けたものである。かかる構成においては、上部保持リング134Hと下部保持リング134Lとの間隔を任意に変え、磁気シールド空洞導体70の空洞長を可変することができる。
また、図27Aおよび図27Bに示すように、一変形例として、円筒状金属メッシュを短冊状の導体板138で構成することも可能である。
図28に示すように、磁気シールド空洞導体70の形体に関する一実施例として、ドーム形状も可能である。
上述した実施形態における誘導結合型プラズマエッチング装置の構成は一例であり、プラズマ生成機構の各部はもちろん、プラズマ生成に直接関係しない各部の構成も種種の変形が可能である。
たとえば、RFアンテナおよび補正アンテナの基本形態として、平面形以外のタイプたとえばドーム形等も可能である。平面形またはドーム形において、磁気シールド空洞導体の開口径をRFアンテナの内径より小さくし、あるいはRFアンテナの外径より大きくする構成も可能である。
また、矩形の被処理基板に対するチャンバ構造、矩形のRFアンテナ構造、角筒形の磁気シールド空洞導体構造も可能である。
処理ガス供給部においてチャンバ10内に天井から処理ガスを導入する構成も可能であり、サセプタ12に直流バイアス制御用の高周波RFLを印加しない形態も可能である。一方で、複数のRFアンテナまたはアンテナ・セグメントを使用し、複数の高周波電源または高周波給電系統によりそれら複数RFアンテナ(またはアンテナ・セグメント)にプラズマ生成用の高周波電力をそれぞれ個別に供給する方式のプラズマ装置にも本発明は適用可能である。
なお、チャンバ10内に天井から処理ガスを導入する場合は、磁気シールド空洞導体70にガス管を通すための貫通孔または開口部が設けられる。
さらに、本発明による誘導結合型のプラズマ処理装置またはプラズマ処理方法は、プラズマエッチングの技術分野に限定されず、プラズマCVD、プラズマ酸化、プラズマ窒化、スパッタリングなどの他のプラズマプロセスにも適用可能である。また、本発明における被処理基板は半導体ウエハに限るものではなく、フラットパネルディスプレイ用の各種基板や、フォトマスク、CD基板、プリント基板等も可能である。

Claims (25)

  1. 天井に誘電体窓を有する真空排気可能な処理容器と、
    前記誘電体窓の上に配置されるコイル状のRFアンテナと、
    前記処理容器内で被処理基板を保持する基板保持部と、
    前記基板に所望のプラズマ処理を施すために、前記処理容器内に所望の処理ガスを供給する処理ガス供給部と、
    前記処理容器内で誘導結合により処理ガスのプラズマを生成するために、処理ガスの高周波放電に適した周波数の高周波電力を前記RFアンテナに供給する高周波給電部と、
    前記処理容器内の前記基板上のプラズマ密度分布を制御するために、開口端を下に向けて前記RFアンテナの上に配置され、前記RFアンテナの周りに発生するRF磁界の磁力線ループを前記開口端付近から径方向内側の領域または前記開口端付近から径方向外側の領域で縮小化ないし局所化する磁気シールド空洞導体と
    を有するプラズマ処理装置。
  2. 天井に誘電体窓を有する真空排気可能な処理容器と、
    前記誘電体窓の上に配置されるコイル状のRFアンテナと、
    前記処理容器内で被処理基板を保持する基板保持部と、
    前記基板に所望のプラズマ処理を施すために、前記処理容器内に所望の処理ガスを供給する処理ガス供給部と、
    前記処理容器内で誘導結合により処理ガスのプラズマを生成するために、処理ガスの高周波放電に適した周波数の高周波電力を前記RFアンテナに供給する高周波給電部と、
    前記処理容器内の前記基板上のプラズマ密度分布を制御するために、開口端を下に向けて前記RFアンテナの上に配置される磁気シールド空洞導体と
    を有し、
    前記磁気シールド空洞導体は、天井部が塞がった筒状またはドーム状の形体を有する、
    プラズマ処理装置。
  3. 天井に誘電体窓を有する真空排気可能な処理容器と、
    前記誘電体窓の上に配置されるコイル状のRFアンテナと、
    前記処理容器内で被処理基板を保持する基板保持部と、
    前記基板に所望のプラズマ処理を施すために、前記処理容器内に所望の処理ガスを供給する処理ガス供給部と、
    前記処理容器内で誘導結合により処理ガスのプラズマを生成するために、処理ガスの高周波放電に適した周波数の高周波電力を前記RFアンテナに供給する高周波給電部と、
    前記処理容器内の前記基板上のプラズマ密度分布を制御するために、開口端を下に向けて前記RFアンテナの上に配置される磁気シールド空洞導体と
    を有し、
    前記磁気シールド空洞導体は、前記RFアンテナの上に設けられる大気圧空間のアンテナ室に収容され、
    前記アンテナ室の天井壁が前記磁気シールド空洞導体の天井部を構成する、
    プラズマ処理装置。
  4. 天井に誘電体窓を有する真空排気可能な処理容器と、
    前記誘電体窓の上に配置されるコイル状のRFアンテナと、
    前記処理容器内で被処理基板を保持する基板保持部と、
    前記基板に所望のプラズマ処理を施すために、前記処理容器内に所望の処理ガスを供給する処理ガス供給部と、
    前記処理容器内で誘導結合により処理ガスのプラズマを生成するために、処理ガスの高周波放電に適した周波数の高周波電力を前記RFアンテナに供給する高周波給電部と、
    前記処理容器内の前記基板上のプラズマ密度分布を制御するために、開口端を下に向けて前記RFアンテナの上に配置される磁気シールド空洞導体と
    を有し、
    前記磁気シールド空洞導体は、その開口端が方位角方向に沿って前記RFアンテナと上下方向で一定の距離を隔てるように配置される、
    プラズマ処理装置。
  5. 前記磁気シールド空洞導体は、スパイラルコイルまたは各一周内で半径一定の同心円コイルの形体を有する単一の前記RFアンテナに対して同軸に配置され、その開口端が径方向において前記RFアンテナの内周と外周との間の上に位置する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  6. 天井に誘電体窓を有する真空排気可能な処理容器と、
    前記誘電体窓の上に配置されるコイル状のRFアンテナと、
    前記処理容器内で被処理基板を保持する基板保持部と、
    前記基板に所望のプラズマ処理を施すために、前記処理容器内に所望の処理ガスを供給する処理ガス供給部と、
    前記処理容器内で誘導結合により処理ガスのプラズマを生成するために、処理ガスの高周波放電に適した周波数の高周波電力を前記RFアンテナに供給する高周波給電部と、
    前記処理容器内の前記基板上のプラズマ密度分布を制御するために、開口端を下に向けて前記RFアンテナの上に配置される磁気シールド空洞導体と
    を有し、
    前記磁気シールド空洞導体は、前記RFアンテナに対してその開口径を可変できる、
    プラズマ処理装置。
  7. 前記磁気シールド空洞導体に、前記高周波給電部からの高周波電流を前記RFアンテナに流すRF給電導体を通すための貫通孔が設けられている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  8. 天井に誘電体窓を有する真空排気可能な処理容器と、
    前記誘電体窓の上に配置されるコイル状のRFアンテナと、
    前記処理容器内で被処理基板を保持する基板保持部と、
    前記基板に所望のプラズマ処理を施すために、前記処理容器内に所望の処理ガスを供給する処理ガス供給部と、
    前記処理容器内で誘導結合により処理ガスのプラズマを生成するために、処理ガスの高周波放電に適した周波数の高周波電力を前記RFアンテナに供給する高周波給電部と、
    前記処理容器内の前記基板上のプラズマ密度分布を制御するために、開口端を下に向けて前記RFアンテナの上に配置される磁気シールド空洞導体と
    を有し、
    前記磁気シールド空洞導体に、前記処理ガス供給部からの処理ガスを前記処理容器内に供給するガス管を通すための貫通孔が設けられている、
    プラズマ処理装置。
  9. 天井に誘電体窓を有する真空排気可能な処理容器と、
    前記誘電体窓の上に配置されるコイル状のRFアンテナと、
    前記処理容器内で被処理基板を保持する基板保持部と、
    前記基板に所望のプラズマ処理を施すために、前記処理容器内に所望の処理ガスを供給する処理ガス供給部と、
    前記処理容器内で誘導結合により処理ガスのプラズマを生成するために、処理ガスの高周波放電に適した周波数の高周波電力を前記RFアンテナに供給する高周波給電部と、
    前記処理容器内の前記基板上のプラズマ密度分布を制御するために、開口端を下に向けて前記RFアンテナの上に配置される磁気シールド空洞導体と
    を有し、
    前記磁気シールド空洞導体に、縦方向に延びるスリットが方位角方向に所望の間隔を空けて多数設けられている、
    プラズマ処理装置。
  10. 前記スリットを開閉するためのシャッタを有する、請求項9記載のプラズマ処理装置。
  11. 前記スリットの開口部分の幅を可変するための開口率調節部を有する、請求項9に記載のプラズマ処理装置。
  12. 前記磁気シールド空洞導体の内側および外側の磁界強度をそれぞれ測定するための第1および第2の磁界強度測定部を有し、前記第1および第2の磁界強度測定部でそれぞれ得られる第1および第2の磁界強度計測値を前記開口率調節部にフィードバックして、前記第1の磁界強度計測値と前記第2の磁界強度計測値との比が規定値になるように、前記スリットの開口部分の幅を制御する、請求項11に記載のプラズマ処理装置。
  13. 天井に誘電体窓を有する真空排気可能な処理容器と、
    前記誘電体窓の上に配置されるコイル状のRFアンテナと、
    前記処理容器内で被処理基板を保持する基板保持部と、
    前記基板に所望のプラズマ処理を施すために、前記処理容器内に所望の処理ガスを供給する処理ガス供給部と、
    前記処理容器内で誘導結合により処理ガスのプラズマを生成するために、処理ガスの高周波放電に適した周波数の高周波電力を前記RFアンテナに供給する高周波給電部と、
    前記処理容器内の前記基板上のプラズマ密度分布を制御するために、開口端を下に向けて前記RFアンテナの上に配置される磁気シールド空洞導体と
    を有し、
    前記RFアンテナと前記磁気シールド空洞導体との離間距離を可変制御するアンテナ−磁気シールド間隔制御部を有する、
    プラズマ処理装置。
  14. 前記磁気シールド空洞導体の内側および外側の磁界強度をそれぞれ測定するための第1および第2の磁界強度測定部を有し、前記第1および第2の磁界強度測定部でそれぞれ得られる第1および第2の磁界強度計測値を前記アンテナ−磁気シールド間隔制御部にフィードバックして、前記第1の磁界強度計測値と前記第2の磁界強度計測値との比が規定値になるように、前記RFアンテナと前記磁気シールド空洞導体との離間距離を制御する、請求項13に記載のプラズマ処理装置。
  15. 天井に誘電体窓を有する真空排気可能な処理容器と、
    前記誘電体窓の上に配置されるコイル状のRFアンテナと、
    前記処理容器内で被処理基板を保持する基板保持部と、
    前記基板に所望のプラズマ処理を施すために、前記処理容器内に所望の処理ガスを供給する処理ガス供給部と、
    前記処理容器内で誘導結合により処理ガスのプラズマを生成するために、処理ガスの高周波放電に適した周波数の高周波電力を前記RFアンテナに供給する高周波給電部と、
    前記処理容器内の前記基板上のプラズマ密度分布を制御するために、開口端を下に向けて前記RFアンテナの上に配置される磁気シールド空洞導体と
    を有し、
    前記磁気シールド空洞導体を前記RFアンテナと同軸上の位置で回転運動させるための磁気シールド回転機構を有する、
    プラズマ処理装置。
  16. 前記磁気シールド空洞導体が、静止状態で方位角方向のプラズマ密度分布に偏りを与える切り欠き部を有する、請求項15に記載のプラズマ処理装置。
  17. 天井に誘電体窓を有する真空排気可能な処理容器と、
    前記誘電体窓の上に配置されるコイル状のRFアンテナと、
    前記処理容器内で被処理基板を保持する基板保持部と、
    前記基板に所望のプラズマ処理を施すために、前記処理容器内に所望の処理ガスを供給する処理ガス供給部と、
    前記処理容器内で誘導結合により処理ガスのプラズマを生成するために、処理ガスの高周波放電に適した周波数の高周波電力を前記RFアンテナに供給する高周波給電部と、
    前記処理容器内の前記基板上のプラズマ密度分布を制御するために、それぞれ異なる口径の開口端を下に向けて前記RFアンテナの上に配置され、前記RFアンテナの周りに発生するRF磁界の磁力線ループを前記開口端付近から径方向内側の領域または前記開口端付近から径方向外側の領域で縮小化ないし局所化する複数の磁気シールド空洞導体と
    を有するプラズマ処理装置。
  18. 天井に誘電体窓を有する真空排気可能な処理容器と、
    前記誘電体窓の上に配置されるコイル状のRFアンテナと、
    前記処理容器内で被処理基板を保持する基板保持部と、
    前記基板に所望のプラズマ処理を施すために、前記処理容器内に所望の処理ガスを供給する処理ガス供給部と、
    前記処理容器内で誘導結合により処理ガスのプラズマを生成するために、処理ガスの高周波放電に適した周波数の高周波電力を前記RFアンテナに供給する高周波給電部と、
    前記処理容器内の前記基板上のプラズマ密度分布を制御するために、それぞれ異なる口径の開口端を下に向けて前記RFアンテナの上に配置される複数の磁気シールド空洞導体と
    を有し、
    前記複数の磁気シールド空洞導体の各々が、天井部が塞がった筒状またはドーム状の形体を有する、
    プラズマ処理装置。
  19. 天井に誘電体窓を有する真空排気可能な処理容器と、
    前記誘電体窓の上に配置されるコイル状のRFアンテナと、
    前記処理容器内で被処理基板を保持する基板保持部と、
    前記基板に所望のプラズマ処理を施すために、前記処理容器内に所望の処理ガスを供給する処理ガス供給部と、
    前記処理容器内で誘導結合により処理ガスのプラズマを生成するために、処理ガスの高周波放電に適した周波数の高周波電力を前記RFアンテナに供給する高周波給電部と、
    前記処理容器内の前記基板上のプラズマ密度分布を制御するために、それぞれ異なる口径の開口端を下に向けて前記RFアンテナの上に配置される複数の磁気シールド空洞導体と
    を有し、
    前記複数の磁気シールド空洞導体は、前記RFアンテナの上に設けられる大気圧空間のアンテナ室に収容され、
    前記アンテナ室の天井壁が少なくとも1つの前記磁気シールド空洞導体の天井部を構成する、
    プラズマ処理装置。
  20. 前記複数の磁気シールド空洞導体は、スパイラルコイルまたは各一周内で半径一定の同心円コイルの形体を有する単一の前記RFアンテナに対して同軸で、互いに同心状に配置され、それぞれの開口端が径方向において前記RFアンテナの内周と外周との間の上に位置する、請求項17〜19のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  21. 天井に誘電体窓を有する真空排気可能な処理容器と、
    前記誘電体窓の上に配置されるコイル状のRFアンテナと、
    前記処理容器内で被処理基板を保持する基板保持部と、
    前記基板に所望のプラズマ処理を施すために、前記処理容器内に所望の処理ガスを供給する処理ガス供給部と、
    前記処理容器内で誘導結合により処理ガスのプラズマを生成するために、処理ガスの高周波放電に適した周波数の高周波電力を前記RFアンテナに供給する高周波給電部と、
    前記処理容器内の前記基板上のプラズマ密度分布を制御するために、それぞれ異なる口径の開口端を下に向けて前記RFアンテナの上に配置される複数の磁気シールド空洞導体と
    を有し、
    前記RFアンテナに対する前記複数の磁気シールド空洞導体の離間距離を各々独立に可変制御するアンテナ−磁気シールド間隔制御部を有する、
    プラズマ処理装置。
  22. 天井に誘電体窓を有する真空排気可能な処理容器と、
    前記誘電体窓の上に配置されるコイル状のRFアンテナと、
    前記処理容器内で被処理基板を保持する基板保持部と、
    前記基板に所望のプラズマ処理を施すために、前記処理容器内に所望の処理ガスを供給する処理ガス供給部と、
    前記処理容器内で誘導結合により処理ガスのプラズマを生成するために、処理ガスの高周波放電に適した周波数の高周波電力を前記RFアンテナに供給する高周波給電部と、
    前記処理容器内の前記基板上のプラズマ密度分布を制御するために、それぞれ異なる口径の開口端を下に向けて前記RFアンテナの上に配置される複数の磁気シールド空洞導体と
    を有し、
    前記複数の磁気シールド空洞導体の各々に、縦方向に延びるスリットが方位角方向に所望の間隔を空けて多数設けられている、
    プラズマ処理装置。
  23. 前記スリットを開閉するためのシャッタを有する、請求項22に記載のプラズマ処理装置。
  24. 前記スリットの開口部分の幅を可変するための開口率調節部を有する、請求項22に記載のプラズマ処理装置。
  25. 天井に誘電体窓を有する真空排気可能な処理容器と、
    前記誘電体窓の上に配置されるコイル状のRFアンテナと、
    前記処理容器内で被処理基板を保持する基板保持部と、
    前記基板に所望のプラズマ処理を施すために、前記処理容器内に所望の処理ガスを供給する処理ガス供給部と、
    前記処理容器内で誘導結合により処理ガスのプラズマを生成するために、処理ガスの高周波放電に適した周波数の高周波電力を前記RFアンテナに供給する高周波給電部と、
    前記処理容器内の前記基板上のプラズマ密度分布を制御するために、それぞれ異なる口径の開口端を下に向けて前記RFアンテナの上に配置される複数の磁気シールド空洞導体と
    を有し、
    各々の前記磁気シールド空洞導体は、その開口端が方位角方向に沿って前記RFアンテナと上下方向で一定の距離を隔てるように配置される、
    プラズマ処理装置。
JP2009246015A 2009-10-27 2009-10-27 プラズマ処理装置 Active JP5812561B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009246015A JP5812561B2 (ja) 2009-10-27 2009-10-27 プラズマ処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009246015A JP5812561B2 (ja) 2009-10-27 2009-10-27 プラズマ処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011096690A JP2011096690A (ja) 2011-05-12
JP5812561B2 true JP5812561B2 (ja) 2015-11-17

Family

ID=44113329

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009246015A Active JP5812561B2 (ja) 2009-10-27 2009-10-27 プラズマ処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5812561B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5913829B2 (ja) * 2011-04-21 2016-04-27 株式会社日立ハイテクノロジーズ プラズマ処理装置
US10271416B2 (en) * 2011-10-28 2019-04-23 Applied Materials, Inc. High efficiency triple-coil inductively coupled plasma source with phase control
JP5894785B2 (ja) * 2011-12-19 2016-03-30 東京エレクトロン株式会社 誘導結合プラズマ用アンテナユニットおよび誘導結合プラズマ処理装置
KR20130072941A (ko) * 2011-12-22 2013-07-02 삼성전자주식회사 플라즈마 식각 장치
CN106653548B (zh) * 2015-10-28 2018-10-12 中微半导体设备(上海)有限公司 一种具有磁屏蔽功能的绝缘窗冷却装置
CN109036817B (zh) * 2017-06-08 2021-09-17 北京北方华创微电子装备有限公司 电感耦合线圈和工艺腔室

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5241245A (en) * 1992-05-06 1993-08-31 International Business Machines Corporation Optimized helical resonator for plasma processing
JP3043215B2 (ja) * 1994-02-22 2000-05-22 東京エレクトロン株式会社 プラズマ発生装置
JP3739137B2 (ja) * 1996-06-18 2006-01-25 日本電気株式会社 プラズマ発生装置及びこのプラズマ発生装置を使用した表面処理装置
JPH10302996A (ja) * 1997-04-23 1998-11-13 Matsushita Electric Ind Co Ltd プラズマ処理方法及び装置
JP2006073354A (ja) * 2004-09-02 2006-03-16 Matsushita Electric Ind Co Ltd プラズマ処理装置
JP5584412B2 (ja) * 2008-12-26 2014-09-03 株式会社メイコー プラズマ処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011096690A (ja) 2011-05-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20200357606A1 (en) Plasma processing apparatus and plasma processing method
JP5694721B2 (ja) プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法
KR101757921B1 (ko) 플라즈마 처리 장치 및 플라즈마 처리 방법
KR101757922B1 (ko) 플라즈마 처리 장치
CN104994676B (zh) 等离子体处理装置
US9218943B2 (en) Plasma processing apparatus and plasma processing method
JP5800547B2 (ja) プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法
JP5812561B2 (ja) プラズマ処理装置
JP5554047B2 (ja) プラズマ処理装置
JP2012186197A (ja) プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法
JP6097317B2 (ja) プラズマ処理方法
JP2015130350A (ja) プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121024

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130726

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130910

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140218

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140512

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20140519

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20140530

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150713

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150915

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5812561

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250