JP5811463B2 - 光学系、及び、この光学系を有する光学機器 - Google Patents

光学系、及び、この光学系を有する光学機器 Download PDF

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Description

本発明は、光学系、及び、この光学系を有する光学機器に関する。
従来、長焦点距離の撮影光学系に好適なレンズタイプとして、物体側から順に正の屈折力を有する第1レンズ群(前群)と、負の屈折力を有する第2レンズ群(後群)と、を有する光学系である、所謂望遠レンズが知られている。
一般的に焦点距離の長い望遠レンズでは、焦点距離が延びるにしたがって、諸収差のうち、特に軸上色収差及び倍率色収差等の色収差が悪化する傾向にある。これらの色収差を良好に補正する為に、蛍石等の異常部分分散を持った低分散材質を用いた正レンズと高分散材質を用いた負レンズを組み合わせて色消しを行った望遠レンズが種々提案されている。一方、光学系の色収差を補正する方法として、分散の異なる2つの材質の硝材(レンズ)を組み合わせる方法に対して、レンズ面あるいは光学系の一部に回折作用を有する回折格子を設けた回折光学素子を用いて、色収差を減じる方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
回折光学素子は、微小間隔(1mm)当たり数本程度の細い等間隔のスリット状もしくは溝状の格子構造を備えて作られた光学素子であり、光が入射されると、スリットや溝のピッチ(間隔)と光の波長とで定まる方向に回折光束を生じさせる性質を有している。このような回折光学素子は種々の光学系に用いられており、例えば、最近では、特定次数の回折光を一点に集めてレンズとして使用するものなどが知られている。
このような回折光学素子を用いることにより、色収差等の諸収差を良好に補正しつつ、テレ比の小さい(レンズ全長の短い)、高い光学性能を有した望遠型の光学系(望遠レンズ)を実現することができる。特に、軸上色収差においては、一般的な2波長で軸上色収差が補正されるアクロマート補正に対し、回折光学素子を用いることにより3波長で軸上色収差が補正されるアポクロマート補正が可能となる。
特開2009−271345号公報
しかしながら、このような回折光学素子を更に長い焦点距離の光学系に適用する場合や、回折光学素子を用いた光学系において、更にテレ比を小さく(レンズ全長を短く)しようとすると、使用波長域での軸上色収差がゼロとなる波長以外の波長での軸上色収差量が問題となってくる。特に、このような光学系にテレコンバータ(光学系の焦点距離を伸ばすためのコンバータ)を取り付けた場合、このテレコンバータにより収差量が拡大され、また、テレコンバータがアクロマート補正のレンズに特化されているため、より色収差が増大してしまうという課題があった。
図6(a)は、回折光学素子を用いていない、焦点距離が300mmの従来の光学系の軸上色収差の波長特性を示しており、この光学系は2波長で軸上色収差が補正されるアクロマート補正となっている。この従来の光学系に2倍のテレコンバータを付けた場合、その軸上色収差の波長特性は図6(b)のようになる。テレコンバータの軸上色収差を従来の光学系の軸上色収差と逆の特性とすることによって、図6(b)に示すように、このテレコンバータを取り付けても全体の軸上色収差が極端に悪化することがないよう構成されている。
一方、図7(a)に、回折光学素子を用いた焦点距離が300mmの光学系の軸上色収差の波長特性を示す。図7(a)に示す通り、この光学系は3波長で軸上色収差が補正されるアポクロマート補正となっている。図6(a)に示す従来の光学系によるアクロマート補正とは、長波長側の軸上色収差の符号が逆であることが特徴である。この回折光学素子を用いた光学系に上述の2倍のテレコンバータを取り付けた場合、その軸上色収差の波長特性は図7(b)のようになる。この図7(b)に示す通り、従来のアクロマート補正光学系と波長特性が異なるため、テレコンバータを取り付けることにより、極端に軸上色収差が悪化することがわかる。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、使用波長域全体における色収差を良好に補正しつつ、テレ比の小さい(レンズ全長の短い)、高い光学性能を有した光学系、及び、この光学系を有する光学機器を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る光学系は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群との実質的に2個のレンズ群からなり合焦時に、第2レンズ群の最も物体側のレンズが移動し、第1レンズ群は、回折光学素子と、次式の条件を満足する媒質の正レンズ及び負レンズをそれぞれ少なくとも1枚ずつと、を有し、
θg,F1−(0.644−0.00168×νd1) > 0.03
νd1 > 70
θg,F2−(0.644−0.00168×νd2) < −0.003
νd2 ≧ 39.6
但し、
θg,F1:第1レンズ群の正レンズの媒質の部分分散比
νd1:第1レンズ群の正レンズの媒質のd線に対するアッベ数
θg,F2:第1レンズ群の負レンズの媒質の部分分散比
νd2:第1レンズ群の負レンズの媒質のd線に対するアッベ数
前記第2レンズ群は、次式の条件を満足する媒質の正レンズ及び負レンズを有する色消しレンズ成分を有し、
−10 < νd3−νd4 < 10
但し、
νd3:前記色消しレンズ成分の前記正レンズの媒質のd線に対するアッベ数
νd4:前記色消しレンズ成分の前記負レンズの媒質のd線に対するアッベ数
次式の条件を満足することを特徴とする。
0.0037 ≦ f1/fdoe < 0.03
0.65 ≦ L/f < 0.80
f1:第1レンズ群の焦点距離
fdoe:回折光学素子の焦点距離
L:第1レンズ群の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離
f:無限遠合焦時の全系の焦点距離
ここで、レンズ成分とは、単レンズ又は接合レンズを示す。
本発明を以上のように構成すると、使用波長域全体における色収差を良好に補正しつつ、テレ比の小さい(レンズ全長の短い)、高い光学性能を有した光学系、及び、この光学系を有する光学機器を提供することができる。また、これにより、この光学系にテレコンバータを取り付けても、使用波長域全体における色収差を良好に補正することができる。
本実施形態に係る光学系のレンズ構成を示す断面図である。 上記光学系の無限遠合焦状態における諸収差図である。 上記光学系の軸上色収差の波長特性を示すグラフであって、(a)は光学系単独の状態を示し、(b)はコンバータを取り付けたときの状態を示す。 上記光学系が搭載された一眼レフカメラの断面図を示す。 上記光学系の製造方法を説明するためのフローチャートである。 従来の光学系の軸上色収差の波長特性を示すグラフであって、(a)は光学系単独の状態を示し、(b)はコンバータを取り付けたときの状態を示す。 回折光学素子を用いた従来の光学系の軸上色収差の波長特性を示すグラフであって、(a)は光学系単独の状態を示し、(b)はコンバータを取り付けたときの状態を示す。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態に係る光学系OSは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、を有して構成される。この光学系OSにおいて、第1レンズ群G1は、回折光学素子GDと、次の条件式(1)及び(2)を満足する媒質の正レンズL1p、及び、次の条件式(3)及び(4)を満足する媒質の負レンズL1nをそれぞれ少なくとも1枚ずつと、を有して構成される。
θg,F1−(0.644−0.00168×νd1) > 0.03 (1)
νd1 > 70 (2)
θg,F2−(0.644−0.00168×νd2) < −0.003 (3)
νd2 > 30 (4)
但し、
θg,F1:第1レンズ群G1の正レンズL1pの媒質の部分分散比
νd1:第1レンズ群G1の正レンズL1pの媒質のd線に対するアッベ数
θg,F2:第1レンズ群G1の負レンズL1nの媒質の部分分散比
νd2:第1レンズ群G1の負レンズL1nの媒質のd線に対するアッベ数
ここで、g線、d線、F線及びC線における屈折率をそれぞれNg、Nd、NF、NCとすると、d線に対するアッベ数νdは次式(a)で定義され、部分分散比θg,Fは次式(b)で定義される。
νd = (Nd−1)/(NF−NC) (a)
θg,F = (Ng−NF)/(NF−NC) (b)
そして、アッベ数νd及び部分分散比θg,Fから、異常分散性ΔPg,Fは、次式(c)のように定義される。
ΔPg,F = θg,F−(0.644−0.00168×νd) (c)
条件式(1)及び(2)は、第1レンズ群G1に、アッベ数が70より大きく、分散が小さく異常分散性が大きい正の値の正レンズL1pを少なくとも1枚有することを示している。また、条件式(3)及び(4)は、第1レンズ群G1に、アッベ数が30より大きく、比較的分散が大きく異常分散性が負の値の負レンズL1nを少なくとも1枚有することを示している。
本実施形態に係る光学系OSは、これらの条件式(1)〜(4)を満たすことにより、屈折系で発生する高次の軸上色収差を少なくすることが可能となり、回折光学素子GDとの組み合わせで、全系で使用波長域での軸上色収差変動を少なくすることが可能となる。
なお、本願の効果をより確実にするために、条件式(4)の下限値を33に設定することが望ましい。また、本願の効果をさらに確実にするために、条件式(4)の下限値を35に設定することが望ましい。
また、本実施形態に係る光学系OSは、次の条件式(5)を満足することが望ましい。
0.0001 < f1/fdoe < 0.03 (5)
但し、
f1:第1レンズ群G1の焦点距離
fdoe:回折光学素子GDの焦点距離
条件式(5)は、正の屈折力を有する第1レンズ群G1に、比較的焦点距離の長い回折光学素子GDを用いることを示している。この条件式(5)の上限値を超えると、光学系OS全体で高次の軸上色収差が残り、使用波長域での軸上色収差変動が大きくなる。なお、本願の効果をより確実にするために、条件式(5)の上限値を0.02に設定することが望ましい。また、本願の効果をさらに確実にするために、条件式(5)の上限値を0.01に設定することが望ましい。また、条件式(5)の下限値を超えると、回折光学素子GDを入れる効果(全長短縮)が得られない。
本実施形態における回折光学素子GDは、鋸歯状の回折格子溝が形成された面を持つ複数の回折素子要素を積み重ねてなるものであり、所望の広波長領域(例えば、可視光領域)のほぼ全域で高い回折効率が保たれる、すなわち波長特性が良好であるという特徴を有している。一般に、複層型の回折光学素子として、例えば、互いに異なる材料からなる2種類の回折素子要素から構成され、同一の回折格子溝で密着している、いわゆる密着複層型の回折光学素子が知られている。
なお、密着複層型の回折光学素子を配置する場合、2枚のガラスレンズの接合面に配置する構成があるが、2枚のガラスレンズの接合面に回折光学素子を配置すると、応力により回折光学素子の屈折率が変化し、回折効率の低下を招きやすいという問題がある。そのため、密着複層型の回折光学素子を配置する場合、レンズの片側の面上に回折光学素子を配置する方法が適している。また、回折光学素子GDは、光軸に対して回転対称形状であることが好ましい。
また、本実施形態に係る光学系OSにおいて、第2レンズ群G2は、正レンズL2p及び負レンズL2nを有する色消しレンズ成分LCを有し、この色消しレンズ成分LCが次の条件式(6)を満足することが望ましい。
−15 < νd3−νd4 < 15 (6)
但し、
νd3:色消しレンズ成分LCの正レンズL2pの媒質のd線に対するアッベ数
νd4:色消しレンズ成分LCの負レンズL2nの媒質のd線に対するアッベ数
条件式(6)は、第2レンズ群G2に、分散の差が所望の値以下の正レンズL2pと負レンズL2nの組み合わせの色消しレンズ成分LCを有することを示している。この条件式(6)は、本実施形態に係る光学系OSにおいて、高次の軸上色収差を残存させない条件である。この条件式(6)の範囲を超えると、全系で使用波長域での軸上色収差変動を少なくすることができなくなる。なお、本願の効果をより確実にするために、条件式(6)の上限値を10に設定することが望ましい。また、条件式(6)の下限値を−10に設定することが望ましい。
また、本実施形態に係る光学系OSは、次の条件式(7)を満足することが望ましい。
0.5 < L/f < 0.80 (7)
但し、
L:第1レンズ群G1の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離
f:無限遠合焦時の全系の焦点距離
条件式(7)は、光学系OSの全系での光学全長を焦点距離で割ったテレ比の条件である。この条件式(7)の上限を超えると、回折光学素子GDの焦点距離が長くなりすぎ、回折光学素子GDを入れる意味がなくなる。なお、本願の効果をより確実にするために、条件式(7)の上限値を0.75に設定することが望ましい。また、条件式(7)の下限値を超えると、この光学系OSの全系での発生収差が大きくなりすぎ、性能が悪化する。
図4に、上述の光学系OSを備える光学機器として、一眼レフカメラ1(以後、単にカメラと記す)の略断面図を示す。このカメラ1において、不図示の物体(被写体)からの光は、撮影レンズ2(光学系OS)で集光されて、クイックリターンミラー3を介して焦点板4に結像される。そして、焦点板4に結像された光は、ペンタプリズム5中で複数回反射されて接眼レンズ6へと導かれる。これにより、撮影者は、物体(被写体)像を接眼レンズ6を介して正立像として観察することができる。
また、撮影者によって不図示のレリーズボタンが押されると、クイックリターンミラー3が光路外へ退避し、撮影レンズ2で集光された不図示の物体(被写体)の光は撮像素子7上に被写体像を形成する。これにより、物体(被写体)からの光は、当該撮像素子7により撮像され、物体(被写体)画像として不図示のメモリに記録される。このようにして、撮影者は本カメラ1による物体(被写体)の撮影を行うことができる。なお、図4に記載のカメラ1は、光学系OSを着脱可能に保持するものでも良く、光学系OSと一体に成形されるものでも良い。また、カメラ1は、いわゆる一眼レフカメラでも良い。また、クイックリターンミラーを有しないカメラであっても、上記カメラと同様の効果を奏することができる。
なお、以下に記載の内容は、光学性能を損なわない範囲で適宜採用可能である。
本実施形態では、2群構成の光学系OSを示したが、以上の構成条件等は、3群構成等の他の群構成にも適用可能である。また、最も物体側にレンズまたはレンズ群を追加した構成や、最も像側にレンズまたはレンズ群を追加した構成でも構わない。また、レンズ群とは、変倍時や合焦時に変化する空気間隔で分離された、若しくは光軸と略直交成分を持つように移動するか否かで分離された少なくとも1枚のレンズを有する部分を示す。
また、単独または複数のレンズ群、または部分レンズ群を光軸方向に移動させて、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う合焦レンズ群としても良い。この場合、合焦レンズ群はオートフォーカスにも適用でき、オートフォーカス用の(超音波モーター等の)モーター駆動にも適している。特に、第2レンズ群G2の少なくとも一部を合焦レンズ群とするのが好ましい。
なお、多くの撮影レンズ(光学系)における合焦は撮影レンズ全体を移動させたり、若しくは撮影レンズの一部を移動させたりして行っているが、このうち撮影レンズが長焦点距離を有する望遠レンズの場合は撮影レンズが大型となり、又、高重量となるため、撮影レンズ全体を移動させてフォーカスを行うのが機構的に困難である。このため、望遠レンズでは一部のレンズ群を移動させてフォーカスを行っているものが多い。このうち撮影レンズの前方レンズ群以外の比較的小型でしかも軽量のレンズ系中の中央部分の一部のレンズ群を移動させて合焦を行うインナーフォーカス式を用いているものが種々と提案されている。
また、レンズ群または部分レンズ群を光軸と直交する方向の成分を持つように移動させ、または、光軸を含む面内方向に回転移動(揺動)させて、手ブレによって生じる像ブレを補正する防振レンズ群としてもよい。特に、第2レンズ群G2の少なくとも一部を防振レンズ群とするのが好ましい。
また、レンズ面は、本実施形態に示すように全てのレンズ面を球面に形成しても構わないし、平面または非球面で形成しても構わない。ここで、レンズ面が球面で構成されている場合、レンズ加工及び組立調整が容易になり、加工及び組立調整の誤差による光学性能の劣化を防げるので好ましい。また、像面がずれた場合でも描写性能の劣化が少ないので好ましい。なお、平面のレンズ面を含んでいても同様である。また、レンズ面が非球面の場合、非球面は、研削加工による非球面、ガラスを型で非球面形状に形成したガラスモールド非球面、ガラスの表面に樹脂を非球面形状に形成した複合型非球面のいずれの非球面でも構わない。また、レンズ面は回折面としても良く、レンズを屈折率分布型レンズ(GRINレンズ)或いはプラスチックレンズとしても良い。
また、開口絞りは第2レンズ群G2内又は近傍に配置されるのが好ましいが、開口絞りとしての部材を設けずに、レンズの枠でその役割を代用しても良い。
また、各レンズ面には、フレアやゴーストを軽減し高コントラストの高い光学性能を達成するために、広い波長域で高い透過率を有する反射防止膜を施しても良い。
なお、本願を分かり易く説明するために実施形態の構成要件を付して説明したが、本願がこれに限定されるものではないことは言うまでもない。
以下、本実施形態の光学系OSの製造方法の概略を、図5を参照して説明する。まず、各レンズを配置して第1レンズG1及び第2レンズ群G2をそれぞれ準備する(ステップS100)。具体的に、本実施形態では、例えば、図1に示すように、物体側から順に、両凸レンズL11、物体側に凸面を向け、像側の面に回折光学素子GDが形成された正メニスカスレンズL12、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13(正レンズL1p)と物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL14(負レンズL1n)とが接合された接合レンズ、及び、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL15(負レンズL1n)と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL16(正レンズL1p)とが接合された接合レンズを配置して第1レンズ群G1とし、両凸レンズL21と両凹レンズL22とを接合した接合レンズ、両凹レンズL23(負レンズL2n)と両凸レンズL24(正レンズL2p)とを接合した接合レンズ(色消しレンズ成分LC)、両凸レンズL25と両凹レンズL26とを接合した接合レンズ、両凹レンズL27、両凸レンズL28(正レンズL2p)と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL29(負レンズL2n)とを接合した接合レンズ(色消しレンズ成分LC)、及び、両凸レンズL210を配置して第2レンズ群G2とする。
そして、第1レンズ群G1を、前述の条件式(1)〜(4)を満足するように配置する(ステップS200)。
図1は、本願の光学系OSの実施例であって、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、を有して構成される。第1レンズ群G1は、物体側から順に、両凸レンズL11、物体側に凸面を向け、像側の面に回折光学素子GDが形成された正メニスカスレンズL12、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13(正レンズL1p)と物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL14(負レンズL1n)とが接合された接合レンズ、及び、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL15(負レンズL1n)と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL16(正レンズL1p)とが接合された接合レンズから構成される。また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凸レンズL21と両凹レンズL22とを接合した接合レンズ、両凹レンズL23(負レンズL2n)と両凸レンズL24(正レンズL2p)とを接合した接合レンズ(色消しレンズ成分LC)、両凸レンズL25と両凹レンズL26とを接合した接合レンズ、両凹レンズL27、両凸レンズL28(正レンズL2p)と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL29(負レンズL2n)とを接合した接合レンズ(色消しレンズ成分LC)、及び、両凸レンズL210から構成される。また、開口絞りSは、第2レンズ群G2の両凹レンズL22と両凹レンズL23との間に配置されている。
なお、回折光学素子GDは、2種類の紫外線硬化樹脂の接合面(図1における第5面であって、以下「回折光学面D」と呼ぶ)に格子高さおよそ20μmの1次の回折格子が形成された密着複層型の回折光学素子である。
また、本実施例に係る光学系OSでは、無限遠物点から近距離物点への合焦に際して、第2レンズ群G2の両凸レンズL21と両凹レンズL22との接合レンズが物体側から像側に向かって光軸上を移動する。
以下の表1に、本実施例に係る光学系OSの諸元の値を掲げる。この表1の全体諸元において、fは全系の焦点距離、f1は第1レンズ群G1の焦点距離、fdoeは回折光学素子GDの焦点距離、Lは全長、Yは像高をそれぞれ示している。ここで、全長Lは、無限遠合焦時の第1面から像面までの光軸上の距離を表している。さらに、レンズデータの第1欄mは、光線の進行する方向に沿った物体側からのレンズ面の順序(面番号)を、第2欄rは、各レンズ面の曲率半径を、第3欄dは、各光学面から次の光学面までの光軸上の間隔(面間隔)を、第4欄nd及び第5欄νdは、d線(λ=587.6nm)に対する屈折率及びアッベ数を、第6欄θg,Fは部分分散比を、第7欄ΔPg,Fは異常分散性を示している。なお、表1に示す面番号1〜29は、図1に示す番号1〜29に対応している。
また、本実施例において、回折光学面Dの位相形状ψは、次式(d)によって表される。
ψ(h,m) = (2π/(m×λ0))×(C2h2+C4h4) (d)
但し、
h:光軸に対する垂直方向の高さ
m:回折光の次数
λ0:設計波長
Ci:位相係数(i=2,4)
また、任意の波長λ、任意の回折次数mに対する式(d)で表される回折光学面Dの屈折力φDは、最も低次の位相係数C2を用いて、次式(e)のように表される。
φD(λ,m) = 2×C2×m×λ/λ0 (e)
以下の表1において、回折光学面Dに対してはその面番号の右側に*を示し、また、回折光学面データにこの回折光学面Dの位相係数の値を示す。なお、「E−n」は「×10-n」を示す。
また、表1の条件対応値には、上述の条件式(1)〜(7)の値を示す。
ここで、以下の全ての諸元値において掲載されている焦点距離f、曲率半径r、面間隔d、その他長さの単位は一般に「mm」が使われるが、光学系は、比例拡大または比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。なお、曲率半径0.000はレンズ面の場合は平面を示し、絞りの場合は開口を示す。また、空気の屈折率1.00000は省略してある。
(表1)
[全体諸元]
f=291.00
f1=86.27
fdoe=23249.00
L=190.20
Y=21.60

[レンズデータ]
m r d nd νd θg,F ΔPg,F
1 280.451 6.83 1.70000 48.1 0.5604 -0.0028 L11
2 -472.913 0.25
3 83.581 7.32 1.48749 70.3 0.5291 0.0032 L12
4 171.795 0.20 1.52780 33.4 GD
5* 171.795 0.20 1.55715 50.0
6 171.795 1.39
7 60.055 11.21 1.49782 82.6 0.5386 0.0333 L13
8 901.461 3.00 1.80440 39.6 0.5719 -0.0056 L14
9 138.578 15.96
10 60.248 1.01 1.90265 35.7 0.5805 -0.0035 L15
11 33.176 10.03 1.49782 82.6 0.5386 0.0333 L16
12 349.479 5.51
13 891.201 2.37 1.72825 28.4 0.6069 0.0106 L21
14 -124.708 1.51 1.61772 49.8 0.5596 -0.0007 L22
15 47.306 16.16
16 0.000 3.44 開口絞りS
17 -147.637 1.00 1.84666 23.8 0.6215 0.0175 L23
18 39.377 4.65 1.67270 32.2 0.5973 0.0074 L24
19 -53.086 1.86
20 46.164 3.93 1.71736 29.6 0.6036 0.0093 L25
21 -34.688 1.00 1.74400 44.8 0.5636 -0.0051 L26
22 28.231 2.13
23 -102.741 0.80 1.88300 40.7 0.5669 -0.0088 L27
24 82.735 3.50
25 70.456 5.63 1.62004 36.4 0.5878 0.0050 L28
26 -27.761 1.00 1.88300 40.7 0.5669 -0.0088 L29
27 -128.067 19.05
28 79.180 4.48 1.60342 38.0 0.5829 0.0028 L210
29 -606.879 54.80

[回折光学面データ]
第5面 C2=-2.15E-05 C4= 5.51E-10

[条件対応値]
(1)θg,F1−(0.644−0.00168×νd1)=ΔPg,F1= 0.0333, 0.0333
(2)νd1=82.6, 82.6
(3)θg,F2−(0.644−0.00168×νd2)=ΔPg,F2=-0.0056, -0.0035
(4)νd2=39.6, 35.7
(5)f1/fdoe=0.0037
(6)νd3−νd4= 8.4, -4.3
(7)L/f=0.65
なお、この表1に示す条件対応値のうち、条件式(1)及び(2)は正メニスカスレンズL13及び正メニスカスレンズL16の値を示し、条件式(3)及び(4)は負メニスカスレンズL14及び負メニスカスレンズL15の値を示し、条件式(6)は両凹レンズL23と両凸レンズL24との値及び両凸レンズL28と負メニスカスレンズL29との値を示している。このように、本実施形態に係る光学系OSは、上記条件式(1)〜(7)を全て満たしていることが分かる。
図2に、本実施例に係る光学系OSの無限遠合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差及びコマ収差の諸収差図を示す。各収差図において、FNOはFナンバーを、Yは像高を、dはd線(λ=587.6nm)、gはg線(λ=435.6nm)、FはF線(λ=486.1nm)、CはC線(λ=656.3nm)を、それぞれ示している。また、球面収差図では最大口径に対するFナンバーの値を示し、非点収差図及び歪曲収差図では像高の最大値を示し、コマ収差図では各像高の値を示す。また、非点収差図において実線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示している。各収差図から明らかなように、本実施例に係る光学系OSは、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
また、図3(a)に、本実施例に係る光学系OSの軸上色収差の波長特性を示す。この図3(a)に示す通り、本実施例に係る光学系OSは、良好に軸上色収差が補正されている。さらに、図3(b)に、この光学系OSに上述の2倍のテレコンバータを取り付けた場合の軸上色収差の波長特性を示す。このようなテレコンバータをつけた場合でも、良好に軸上色収差が補正されている。
OS 光学系 G1 第1レンズ群 GD 回折光学素子
L1p 正レンズ L1n 負レンズ G2 第2レンズ群
LC 色消しレンズ成分 L2p 正レンズ L2n 負レンズ
1 一眼レフカメラ(光学機器)

Claims (5)

  1. 物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群との実質的に2個のレンズ群からなり
    合焦時に、前記第2レンズ群の最も物体側のレンズが移動し、
    前記第1レンズ群は、回折光学素子と、次式の条件を満足する媒質の正レンズ及び負レンズをそれぞれ少なくとも1枚ずつと、を有し、
    θg,F1−(0.644−0.00168×νd1) > 0.03
    νd1 > 70
    θg,F2−(0.644−0.00168×νd2) < −0.003
    νd2 ≧ 39.6
    但し、
    θg,F1:前記第1レンズ群の前記正レンズの媒質の部分分散比
    νd1:前記第1レンズ群の前記正レンズの媒質のd線に対するアッベ数
    θg,F2:前記第1レンズ群の前記負レンズの媒質の部分分散比
    νd2:前記第1レンズ群の前記負レンズの媒質のd線に対するアッベ数
    前記第2レンズ群は、次式の条件を満足する媒質の正レンズ及び負レンズを有する色消しレンズ成分を有し、
    −10 < νd3−νd4 < 10
    但し、
    νd3:前記色消しレンズ成分の前記正レンズの媒質のd線に対するアッベ数
    νd4:前記色消しレンズ成分の前記負レンズの媒質のd線に対するアッベ数
    次式の条件を満足することを特徴とする光学系。
    0.0037 ≦ f1/fdoe < 0.03
    0.65 ≦ L/f < 0.80
    f1:前記第1レンズ群の焦点距離
    fdoe:前記回折光学素子の焦点距離
    L:前記第1レンズ群の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離
    f:無限遠合焦時の全系の焦点距離
    ここで、レンズ成分とは、単レンズ又は接合レンズを示す。
  2. 前記色消しレンズ成分を構成する前記正レンズ及び前記負レンズは、隣接して配置されていることを特徴とする請求項に記載の光学系。
  3. 前記色消しレンズ成分は、前記正レンズ及び前記負レンズが接合されていることを特徴とする請求項に記載の光学系。
  4. 前記回折光学素子は、光軸に対して回転対称形状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学系。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学系を有することを特徴する光学機器。
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