図1(正面側から見た斜視図)及び図2(背面側から見た斜視図)は、本発明に係るコネクタ装置の第1の例を示す。
図1及び図2には、本発明に係るコネクタ装置の第1の例を成すコネクタ装置10が示されている。以下においては、図1に示されるコネクタ装置10の正面に向かって上側, 下側、左側及び右側を、夫々、上,下,左及び右、あるいは、上方、下方、左方、右方とする。
図1及び図2に示されるコネクタ装置10は、合成樹脂等の絶縁材料によって形成されたハウジング11を備えており、ハウジング11は、第1の側端部を成す正面側端部11a及び第1の側端部に対向する第2の側端部を成す背面側端部11bと、一対の相互対向側端部を成す左側端部11c及び右側端部11dとを有している。そして、ハウジング11には、その正面側端部11aにおいて開口する板状部材差込み部12が、正面側端部11aからハウジング11の内部を背面側端部11bに向かって広がるものとされて設けられている。
このようなハウジング11は、例えば、図示されていない配線基板に、第1の端面部を成す下方端面部11e(後述される図8〜図11に示されている。)を対面させて配され、それにより、コネクタ装置10の全体が当該配線基板に取り付けられたものとされる。そして、ハウジング11の第2の端面部を成す上方端面部11fは、ハウジング11内に広がる板状部材差込み部12を挟んで下方端面部11eに対向している。このようなもとで、板状部材差込み部12を通じて、例えば、後述されるフレキシブル印刷配線基板が、配線板状部材を成すものとして、ハウジング11に差し込まれる。
ハウジング11には、各々が弾性導電材料で形成された複数のコンタクト13が、ハウジング11の長手方向(左右方向)に沿って配列配置されて設けられている。複数のコンタクト13の夫々は、後述される図7におけるX ーX 線断面を示す図10に示されるように、ハウジング11の内部に配される接触部13aと、ハウジング11の背面側端部11bからその外部に導出される接続部13bとを備えている。そして、接触部13aは、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれた配線板状部材を成すフレキシブル印刷配線基板における接続端子部に、ハウジング11の上方端面部11f側から当接して接触接続され、また、接続部13bは、ハウジング11が配された配線基板に設けられた信号端子部に、例えば、半田付けによって接続される。それにより、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板における複数の接続端子部が、複数のコンタクト13を介して、ハウジング11が配された配線基板に設けられた信号端子部に連結される。
また、コネクタ装置10は、ハウジング11の正面側端部11aにおける板状部材差込み部12が開口する部分及びその周囲部分,背面側端部11bの大部分及び下方端面部11eの一部分を除いた残りの部分の大部分を覆うシェル部材14を備えている。即ち、シェル部材14は、ハウジング11を部分的に覆っているのであり、ハウジング11の左側端部11c,右側端部11d及び上方端面部11fの各々の大部分は、シェル部材14によって覆われている。このシェル部材14は、弾性を有した金属板が加工成形されて構成されており、複数のコンタクト13についての特性インピーダンス調整に貢献するため、さらには、コネクタ装置10についての外部からの電磁波ノイズ対策のため、即ち、コネクタ装置10における外部からの電磁波ノイズに対するシールド効果を得るためのものとして、備えられている。
シェル部材14は、シェル部材14を単独で示す図3(背面側から見た斜視図)及び図4(背面側から見た部分断面を含んだ斜視図)に示されるように、ハウジング11の上方端面部11fに近接してその上方端面部11fの大部分を覆うことになる上方部分15,ハウジング11の下方端面部11eの一部分を覆うことになる下方部分16,ハウジング11の左側端部11cの大部分を覆うことになる左側面部分17、及び、ハウジング11の右側端部11dの大部分を覆うことになる右側面部分18を有しており、コネクタ装置10の背面側に配されることになる背面部分19は開口部を形成している。下方部分16,左側面部分17及び右側面部分18には、複数の基板接続部20及び21が夫々設けられている。これらの基板接続部20及び21の夫々は、ハウジング11が配された配線基板に設けられた接地端子部に、例えば、半田付けされて接続され、コネクタ装置10の配線基板への取り付けに使用される。
また、シェル部材14の上方部分15における、シェル部材14がハウジング11に装着されたもとで複数のコンタクト13の配列方向(ハウジング11の長手方向(左右方向))の両端部分となる左端部分及び右端部分の夫々には、板状部材差込み部12を通じてハウジング11に差し込まれた配線板状部材に対する係止状態と係止解除状態とを選択的にとることになるロック機構25が、シェル部材14と一体的に設けられたものとして備えられている。これら一対のロック機構25の夫々は、ハウジング11の下方端面部11eに向かう方向の押圧操作を受けることになる操作部26と、ハウジング11に差し込まれた配線板状部材を係止する係止状態をとることになる係止部27と、係止部27を操作部26に連結する連結部28とを有している。そして、連結部28には、ハウジング11の上方端面部11fに設けられた受け部30(後述される図9及び図11に示されている。)に当接することになる当接支点部28aが設けられている。
図1及び図2に示されるようにシェル部材14がハウジング11に装着されたもとで、各ロック機構25における操作部26は、シェル部材14の上方部分15におけるハウジング11の正面側端部11a側となる部分に配された、ハウジング11の下方端面部11eに向かう方向及びハウジング11の下方端面部11eから離隔する方向に移動可能とされた可動部を形成している。また、各ロック機構25における連結部28は、操作部26からハウジング11の背面側端部11bに向かって伸びる、弾性を有した腕状部を形成している。そして、連結部28に設けられる当接支点部28aは、腕状部を形成する連結部28における屈曲部として形成される。さらに、各ロック機構25における係止部27は、連結部28からハウジング11の下方端面部11eに向かって突出する突起部を形成しており、ハウジング11の上方端面部11f側から、ハウジング11に設けられた板状部材差込み部12に連通するスリット31(後述される図9及び図11に示されている。)を通じて、板状部材差込み部12内に突出している。
シェル部材14の上方部分15におけるハウジング11の正面側端部11a側の端縁部は、複数のコンタクト13の配列方向(ハウジング11の長手方向(左右方向))に伸びて、シェル部材14の上方部分15における左端部分及び右端部分に夫々設けられた一対のロック機構25の各々における操作部26を相互連結し、ハウジング11の下方端面部11eに向かう方向及びハウジング11の下方端面部11eから離隔する方向に移動可能とされた可動連結端縁部32を形成している。それにより、各ロック機構25における操作部26と可動連結端縁部32とが一体形成されたものとされて、複数のコンタクト13の配列方向に伸びる可動連結端縁部32がハウジング11の下方端面部11eに向かう方向に押圧されることにより、各ロック機構25における操作部26にハウジング11の下方端面部11eに向かう方向の押圧操作が加えられることになる。
このようなもとで、例えば、可動連結端縁部32がハウジング11の下方端面部11eに向かう方向に押圧されて、各ロック機構25における操作部26にハウジング11の下方端面部11eに向かう方向の押圧操作が加えられると、操作部26が、ハウジング11の下方端面部11eに向かって移動せしめられ、それに伴って、各ロック機構25における連結部28が、それに設けられた当接支点部28aをハウジング11に設けられた受け部30に当接させて弾性変形を生じ、各ロック機構25における係止部27を、ハウジング11の下方端面部11eから離隔する方向に移動させる。
その後、各ロック機構25における操作部26にハウジング11の下方端面部11eに向かう方向の押圧操作が加えられなくなると、各ロック機構25における連結部28が、それが具える弾性による復元変形を生じ、ハウジング11の下方端面部11eから離隔する方向に移動せしめられた係止部27を元の位置に戻す。それにより、操作部26,係止部27及び連結部28を含んだ各ロック機構25の全体及び可動連結端縁部32が、元の位置に戻ることになる。
図5は、コネクタ装置10におけるハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれる、配線板状部材を成すフレキシブル印刷配線基板の一例であるフレキシブル印刷配線基板40を示す。
図5に示されるフレキシブル印刷配線基板40における一対の相互対向面の一方には、その一端部に各々が短冊状に形成された複数の接続端子部41が配列配置されて設けられている。さらに、フレキシブル印刷配線基板40には、配列配置された複数の接続端子部41を挟んで相互対向する一対の側縁部の夫々に切欠き係合部43が形成されており、フレキシブル印刷配線基板40における一対の切欠き係合部43の夫々より先端側となる部分が端縁部44とされている。そして、フレキシブル印刷配線基板40においては、複数の接続端子部41が設けられた部分と一対の切欠き係合部43が形成された部分と一対の端縁部44とを残して、それら以外の部分がカバーフィルム45によって覆われている。
図6(斜視図), 図7(平面図)及び図8(部分断面を含んだ斜視図)は、図5に示されるフレキシブル印刷配線基板40が、コネクタ装置10におけるハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれた状態を示す。ハウジング11に差し込まれるフレキシブル印刷配線基板40は、配列配置された複数の接続端子部41が設けられた板面が上方に向けられたもの、即ち、シェル部材14の上方部分15側に向けられたものとされる。そして、コネクタ装置10においてフレキシブル印刷配線基板40のハウジング11への差込みが適正に行われるときには、フレキシブル印刷配線基板40における複数の接続端子部41が配列配置された部分の先端縁部が、ハウジング11の背面側端部11b と平行になるようにされる。
図6〜図8に示されるようにフレキシブル印刷配線基板40がハウジング11に差し込まれた状態がとられるにあたっては、コネクタ装置10がそのロック機構25における操作部26に押圧操作が加えられていない状態に置かれたもとで、そのコネクタ装置10に対して、フレキシブル印刷配線基板40が、複数の接続端子部41が配列配置された部分の先端縁部を先頭にして、板状部材差込み部12を通じて、ハウジング11内へと差し込まれる。その際、フレキシブル印刷配線基板40における、その側端部に形成された切欠き係合部43より先端側となる端縁部44が、コネクタ装置10のロック機構25における係止部27に当接して、係止部27を連結部28とともにハウジング11の下方端面部11eから離隔する方向へと移動させる。それにより、係止部27は、その先端部分をハウジング11に設けられた板状部材差込み部12内から退去させて、フレキシブル印刷配線基板40における端縁部44に当接させ、ハウジング11に対するフレキシブル印刷配線基板40の差込みを妨げない状態をとる。
続いて、フレキシブル印刷配線基板40が更にハウジング11内へと差し込まれ、ハウジング11内における予め設定された所定の位置に到達すると、フレキシブル印刷配線基板40のハウジング11に対する差込みが完了する。その際には、図8及び図7におけるIX−IX線断面を示す図9に示されるように、ロック機構25における係止部27の先端部分が、フレキシブル印刷配線基板40における端縁部44から外れて、フレキシブル印刷配線基板40における切欠き係合部43に係合する。
このとき、係止部27は、ロック機構25における連結部28が具える弾性によって、連結部28と共に復元移動を行い、その先端部分をフレキシブル印刷配線基板40における切欠き係合部43に係合させる。それにより、ロック機構25における係止部27及び連結部28が、ロック機構25における操作部26に押圧操作が加えられていないときの位置に戻る。
その結果、一対のロック機構25の夫々における係止部27が、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差込まれたフレキシブル印刷配線基板40に係合して、そのフレキシブル印刷配線基板40を係止し、それにより、フレキシブル印刷配線基板40のハウジング11からの不所望な抜脱が阻止される状態が得られる。
このようにして、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40が、一対のロック機構25の夫々における係止部27による係止状態におかれたもとにあっては、図7における X−X 線断面を示す図10に示されるように、ハウジング11に配列配置された複数のコンタクト13の夫々における接触部13aが、ハウジング11内において、複数の接続端子部41が設けられた板面が上方に向けられてハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40における複数の接続端子部41のうちの対応するものに、ハウジング11の上方端面部11f側から当接して接触接続される。それにより、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40における複数の接続端子部41が、複数のコンタクト13を介して、ハウジング11が配された配線基板に設けられた信号端子部に連結される。
その後、例えば、シェル部材14に形成された可動連結端縁部32がハウジング11の下方端面部11eに向かう方向に押圧されることにより、もしくは、各ロック機構25における操作部26が直接にハウジング11の下方端面部11eに向かう方向に押圧されることにより、各ロック機構25における操作部26にハウジング11の下方端面部11eに向かう方向の押圧操作が加えられると、操作部26がハウジング11の下方端面部11eに向かう方向に変位し、それに伴って、図11に示されるように、各ロック機構25における連結部28が、それに設けられた当接支点部28aをハウジング11に設けられた受け部30に当接させて弾性変形を生じ、各ロック機構25における係止部27を、ハウジング11の下方端面部11eから離隔する方向に移動させる。
それにより、係止部27の先端部分が、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40における切欠き係合部43に係合しなくなり、係止部27のフレキシブル印刷配線基板40に対する係止状態が解除される。このようにして、一対のロック機構25の夫々における係止部27のフレキシブル印刷配線基板40に対する係止状態が解除されると、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40をハウジング11から意図的に抜脱させることができる状態が得られる。
その後、各ロック機構25における操作部26にハウジング11の下方端面部11eに向かう方向の押圧操作が加えられなくなると、各ロック機構25における連結部28が、それが具える弾性による復元変形を生じ、ハウジング11の下方端面部11eから離隔する方向に移動せしめられた係止部27を元の位置に戻す。それにより、操作部26,係止部27及び連結部28を含んだ各ロック機構25の全体及び可動連結端縁部32が、元の位置に戻される。
図12(正面側から見た斜視図)及び図13(背面側から見た斜視図)は、本発明に係るコネクタ装置の第2の例を示す。
図12及び図13には、本発明に係るコネクタ装置の第2の例を成すコネクタ装置50が示されている。以下においては、図12に示されるコネクタ装置50の正面に向かって上側, 下側、左側及び右側を、夫々、上,下,左及び右、あるいは、上方、下方、左方、右方とする。
図12及び図13に示されるコネクタ装置50は、合成樹脂等の絶縁材料によって形成されたハウジング51を備えており、ハウジング51は、第1の側端部を成す正面側端部51a及び第1の側端部に対向する第2の側端部を成す背面側端部51bと、一対の相互対向側端部を成す左側端部51c及び右側端部51dとを有している。そして、ハウジング51には、その正面側端部51aにおいて開口する板状部材差込み部52が、正面側端部51aからハウジング51の内部を背面側端部51bに向かって広がるものとされて設けられている。
このようなハウジング51は、例えば、図示されていない配線基板に、第1の端面部を成す下方端面部51e(後述される図17に示されている。)を対面させて配され、それにより、コネクタ装置50の全体が当該配線基板に取り付けられたものとされる。そして、ハウジング51の第2の端面部を成す上方端面部51fは、ハウジング51内に広がる板状部材差込み部52を挟んで下方端面部51eに対向している。このようなもとで、板状部材差込み部52を通じて、例えば、後述されるフレキシブル印刷配線基板が配線板状部材を成すものとして、ハウジング51に差し込まれる。
ハウジング51には、各々が弾性導電材料で形成された複数のコンタクト53が、ハウジング51の長手方向(左右方向)に沿って配列配置されて設けられている。複数のコンタクト53の夫々は、ハウジング51の内部に配される接触部と、ハウジング51の背面側端部51bからその外部に導出される接続部53aとを備えている。そして、複数のコンタクト53の夫々の接触部は、ハウジング51に板状部材差込み部52を通じて差し込まれた配線板状部材を成すフレキシブル印刷配線基板における接続端子部に、ハウジング51の上方端面部51f側から当接して接触接続され、また、複数のコンタクト53の夫々の接続部53aは、ハウジング51が配された配線基板に設けられた信号端子部に、例えば、半田付けによって接続される。それにより、ハウジング51に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板における複数の接続端子部が、複数のコンタクト53を介して、ハウジング51が配された配線基板に設けられた信号端子部に連結される。
また、コネクタ装置50は、ハウジング51の正面側端部51aにおける板状部材差込み部52が開口する部分及びその周囲部分,背面側端部51bの大部分及び下方端面部51eの一部分を除いた残りの部分の大部分を覆うシェル部材54を備えている。即ち、シェル部材54は、ハウジング51を部分的に覆っているのであり、ハウジング51の左側端部51c,右側端部51d及び上方端面部51fの各々の大部分は、シェル部材54によって覆われている。このシェル部材54は、弾性を有した金属板が加工成形されて構成されており、複数のコンタクト53についての特性インピーダンス調整に貢献するため、さらには、コネクタ装置50についての外部からの電磁波ノイズ対策のため、即ち、コネクタ装置50における外部からの電磁波ノイズに対するシールド効果を得るためのものとして、備えられている。
シェル部材54は、シェル部材54を単独で示す図14(背面側から見た斜視図)及び図15(背面側から見た部分断面を含んだ斜視図)に示されるように、ハウジング51の上方端面部51fに近接してその上方端面部51fの大部分を覆うことになる上方部分55,ハウジング51の下方端面部51eの一部分を覆うことになる下方部分56,ハウジング51の左側端部51cの大部分を覆うことになる左側面部分57、及び、ハウジング51の右側端部51dの大部分を覆うことになる右側面部分58を有している。下方部分56,左側面部分57及び右側面部分58には、複数の基板接続部60及び61が夫々設けられている。これらの基板接続部60及び61の夫々は、ハウジング51が配された配線基板に設けられた接地端子部に、例えば、半田付けされて接続され、コネクタ装置50の配線基板への取り付けに使用される。
また、シェル部材54の上方部分55における、シェル部材54がハウジング51に装着されたもとで複数のコンタクト53の配列方向(ハウジング51の長手方向(左右方向))の両端部分となる左端部分及び右端部分の夫々には、板状部材差込み部52を通じてハウジング51に差し込まれた配線板状部材に対する係止状態と係止解除状態とを選択的にとることになるロック機構65が、シェル部材54と一体的に設けられたものとして備えられている。これら一対のロック機構65の夫々は、ハウジング51の下方端面部51eに向かう方向の押圧操作を受けることになる操作部66と、ハウジング51に差し込まれた配線板状部材を係止する係止状態をとることになる係止部67と、係止部67を操作部66に連結する連結部68とを有している。そして、連結部68には、ハウジング51の上方端面部51fに設けられた受け部70(後述される図17に示されている。)に当接することになる当接支点部68aが設けられている。
図12及び図13に示されるようにシェル部材54がハウジング51に装着されたもとで、各ロック機構65における操作部66は、シェル部材54の上方部分55におけるハウジング51の背面側端部51b側となる部分に配された、ハウジング51の下方端面部51eに向かう方向及びハウジング51の下方端面部51eから離隔する方向に移動可能とされた可動部を形成している。また、各ロック機構65における連結部68は、操作部66からハウジング51の正面側端部51aに向かって伸びる、弾性を有した腕状部を形成している。そして、連結部68に設けられる当接支点部68aは、腕状部を形成する連結部68における屈曲部として形成される。さらに、各ロック機構65における係止部67は、連結部68からハウジング51の下方端面部51eに向かって突出する突起部を形成しており、ハウジング51の上方端面部51f側から、ハウジング51に設けられた板状部材差込み部52に連通するスリット71(後述される図17に示されている。)を通じて、板状部材差込み部52内に突出している。
シェル部材54の上方部分55におけるハウジング51の背面側端部51b側の端縁部は、複数のコンタクト53の配列方向(ハウジング51の長手方向(左右方向))に伸びて、シェル部材54の上方部分55における左端部分及び右端部分に夫々設けられた一対のロック機構65の各々における操作部66を相互連結し、ハウジング51の下方端面部51eに向かう方向及びハウジング51の下方端面部51eから離隔する方向に移動可能とされた可動連結端縁部72を形成している。それにより、各ロック機構65における操作部66と可動連結端縁部72とが一体形成されたものとされて、複数のコンタクト53の配列方向に伸びる可動連結端縁部72がハウジング51の下方端面部51eに向かう方向に押圧されることにより、各ロック機構65における操作部66にハウジング51の下方端面部51eに向かう方向の押圧操作が加えられることになる。
このようなもとで、例えば、可動連結端縁部72がハウジング51の下方端面部51eに向かう方向に押圧されて、各ロック機構65における操作部66にハウジング51の下方端面部51eに向かう方向の押圧操作が加えられると、操作部66が、ハウジング51の下方端面部51eに向かって移動せしめられ、それに伴って、各ロック機構65における連結部68が、それに設けられた当接支点部68aをハウジング51に設けられた受け部70に当接させて弾性変形を生じ、各ロック機構65における係止部67を、ハウジング51の下方端面部51eから離隔する方向に移動させる。
その後、各ロック機構65における操作部66にハウジング51の下方端面部51eに向かう方向の押圧操作が加えられなくなると、各ロック機構65における連結部68が、それが具える弾性による復元変形を生じ、ハウジング51の下方端面部51eから離隔する方向に移動せしめられた係止部67を元の位置に戻す。それにより、操作部66,係止部67及び連結部68を含んだ各ロック機構65の全体及び可動連結端縁部72が、元の位置に戻ることになる。
上述のように構成されるコネクタ装置50にあっては、そのハウジング51に、例えば、前述された図5に示されるフレキシブル印刷配線基板40が、配線板状部材を成すものとして、板状部材差込み部52を通じて差し込まれる。
図16(平面図)及び図17(部分断面を含んだ斜視図)は、図5に示されるフレキシブル印刷配線基板40が、コネクタ装置50におけるハウジング51に板状部材差込み部52を通じて差し込まれた状態を示す。ハウジング51に差し込まれるフレキシブル印刷配線基板40は、配列配置された複数の接続端子部41が設けられた板面が上方に向けられたもの、即ち、シェル部材54の上方部分55側に向けられたものとされる。そして、コネクタ装置50においてフレキシブル印刷配線基板40のハウジング51への差込みが適正に行われるときには、フレキシブル印刷配線基板40における複数の接続端子部41が配列配置された部分の先端縁部が、ハウジング51の背面側端部51b と平行になるようにされる。
図16及び図17に示されるようにフレキシブル印刷配線基板40がハウジング51に差し込まれた状態がとられるにあたっては、コネクタ装置50がそのロック機構65における操作部66に押圧操作が加えられていない状態に置かれたもとで、そのコネクタ装置50に対して、フレキシブル印刷配線基板40が、複数の接続端子部41が配列配置された部分の先端縁部を先頭にして、板状部材差込み部52を通じて、ハウジング51内へと差し込まれる。その際、フレキシブル印刷配線基板40における、その側端部に形成された切欠き係合部43より先端側となる端縁部44が、コネクタ装置50のロック機構65における係止部67に当接して、係止部67を連結部68とともにハウジング51の下方端面部51eから離隔する方向へと移動させる。それにより、係止部67は、その先端部分をハウジング51に設けられた板状部材差込み部52内から退去させて、フレキシブル印刷配線基板40における端縁部44に当接させ、ハウジング51に対するフレキシブル印刷配線基板40の差込みを妨げない状態をとる。
続いて、フレキシブル印刷配線基板40が更にハウジング51内へと差し込まれ、ハウジング51内における予め設定された所定の位置に到達すると、フレキシブル印刷配線基板40のハウジング51に対する差込みが完了する。その際には、ロック機構65における係止部67の先端部分が、フレキシブル印刷配線基板40における端縁部44から外れて、フレキシブル印刷配線基板40における切欠き係合部43に係合する。
このとき、係止部67は、ロック機構65における連結部68が具える弾性によって、連結部68と共に復元移動を行い、その先端部分をフレキシブル印刷配線基板40における切欠き係合部43に係合させる。それにより、ロック機構65における係止部67及び連結部68が、ロック機構65における操作部66に押圧操作が加えられていないときの位置に戻る。
その結果、一対のロック機構65の夫々における係止部67が、ハウジング51に板状部材差込み部52を通じて差込まれたフレキシブル印刷配線基板40に係合して、そのフレキシブル印刷配線基板40を係止し、それにより、フレキシブル印刷配線基板40のハウジング51からの不所望な抜脱が阻止される状態が得られる。
このようにして、ハウジング51に板状部材差込み部52を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40が、一対のロック機構65の夫々における係止部67による係止状態におかれたもとにあっては、ハウジング51に配列配置された複数のコンタクト53の夫々における接触部が、ハウジング51内において、複数の接続端子部41が設けられた板面が上方に向けられてハウジング51に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40における複数の接続端子部41のうちの対応するものに、ハウジング51の上方端面部51f側から当接して接触接続される。それにより、ハウジング51に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40における複数の接続端子部41が、複数のコンタクト53を介して、ハウジング51が配された配線基板に設けられた信号端子部に連結される。
その後、例えば、シェル部材54に形成された可動連結端縁部72がハウジング51の下方端面部51eに向かう方向に押圧されることにより、もしくは、各ロック機構65における操作部66が直接にハウジング51の下方端面部51eに向かう方向に押圧されることにより、各ロック機構65における操作部66にハウジング51の下方端面部51eに向かう方向の押圧操作が加えられると、操作部66がハウジング51の下方端面部51eに向かう方向に変位し、それに伴って、各ロック機構65における連結部68が、それに設けられた当接支点部68aをハウジング51に設けられた受け部70に当接させて弾性変形を生じ、各ロック機構65における係止部67を、ハウジング51の下方端面部51eから離隔する方向に移動させる。
それにより、係止部67の先端部分が、ハウジング51に板状部材差込み部52を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40における切欠き係合部43に係合しなくなり、係止部67のフレキシブル印刷配線基板40に対する係止状態が解除される。このようにして、一対のロック機構65の夫々における係止部67のフレキシブル印刷配線基板40に対する係止状態が解除されると、ハウジング51に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40をハウジング51から意図的に抜脱させることができる状態が得られる。
その後、各ロック機構65における操作部66にハウジング51の下方端面部51eに向かう方向の押圧操作が加えられなくなると、各ロック機構65における連結部68が、それが具える弾性による復元変形を生じ、ハウジング51の下方端面部51eから離隔する方向に移動せしめられた係止部67を元の位置に戻す。それにより、操作部66,係止部67及び連結部68を含んだ各ロック機構65の全体及び可動連結端縁部72が、元の位置に戻される。
上述のような本発明に係るコネクタ装置の第1の例を成すコネクタ装置10または本発明に係るコネクタ装置の第2の例を成すコネクタ装置50によれば、配線板状部材を成すフレキシブル印刷配線基板40が、板状部材差込み部12または52を通じてハウジング11または51に差し込まれたとき、ハウジング11または51に配列配置された複数のコンタクト13または53の各々が備える複数の接触部が、ハウジング11または51に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40における複数の接続端子部41に夫々接触接続され、それとともに、シェル部材14または54に一体的に形成されたロック機構25または65における係止部27または67が、ハウジング11または51に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40に係合して、当該フレキシブル印刷配線基板40に対する係止状態をとる。その結果、比較的簡単な構成をもって、ハウジング11または51に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40を、係止部27または67により係止されてハウジング11または51からの不所望な抜脱が阻止される状態におくことができ、ハウジング11または51に配列配置された複数のコンタクト13または53が、ハウジング11または51に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40における複数の接続端子部41に夫々電気的に接続された状態を安定に維持することができる。
また、コネクタ装置10または50にあっては、ハウジング11または51に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40がロック機構25または65における係止部27または67により係止された状態におかれたもとで、ロック機構25または65における操作部26または66にハウジング11または51の下方端面部11eまたは51eに向かう方向の押圧操作が加えられると、それに応じて、ロック機構25または65における連結部28または68が、係止部27または67にフレキシブル印刷配線基板40に対する係止状態を解除させる。それにより、ハウジング11または51に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40を、係止部27または67による係止状態から解放して、ハウジング11または51から意図的に抜脱することができる状態におくことができる。斯かる際、連結部28または68は、それに設けられた当接支点部28aまたは68aをハウジング11または51の上方端面部11fまたは51fに設けられた受け部30または70に当接させて変位し、フレキシブル印刷配線基板40に対する係止状態をとっている係止部27または67を、ハウジング11または51の下方端面部11eまたは51eから離隔する方向に移動させる。
従って、コネクタ装置10または50によれば、係止部27または67のフレキシブル印刷配線基板40に対する係止状態を、係止部27または67をハウジング11または51の下方端面部11eまたは51eから離隔する方向に移動させることによって解除できることになり、ハウジング11または51内においてロック機構25または65における係止部27または67とハウジング11または51の下方端面部11eまたは51eとの間に係止部27または67の移動のためのスペースを設けることが不要とされる。その結果、ハウジング11または51の厚み寸法の低減を図ることができ、それをもってコネクタ装置10または50の低背化に貢献することができることになる。
そして、コネクタ装置10または50にあっては、係止部27または67のフレキシブル印刷配線基板40に対する係止状態を、係止部27または67をハウジング11または51の下方端面部11eまたは51eから離隔する方向に移動させることによって解除できるようにするため、シェル部材14または54に一体的に形成されたロック機構25または65を、操作部26または66と係止部27または67と連結部28または68とを有し、連結部28または68にハウジング11または51の上方端面部11fまたは51fに設けられた受け部30または70に当接する当接支点部28aまたは68aが設けられて構成されたものとしている。従って、コネクタ装置10または50によれば、構成部材数の増加をもたらさず、全体の構成の複雑化をまねくことがない構造をもって、複数のコンタクト13または53がハウジング11または51に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40における複数の接続端子部41に夫々接触接続されたもとで、当該フレキシブル印刷配線基板40に係合してそれを係止している係止部27または67を、ハウジング11または51の下方端面部11eまたは51eから離隔させるように移動させることによって、フレキシブル印刷配線基板40との係合から解放することができることになる。
さらに、コネクタ装置10または50にあっては、シェル部材14または54に一体的に設けられたロック機構25または65における操作部26または66が、シェル部材14または54におけるハウジング11または51の正面側部分11a側の部分または背面側部分51b側の部分に配された可動部を形成するものとされるので、操作部26または66に対するハウジング11または51の下方端面部11eまたは51eに向かう方向の押圧操作が極めて行い易いものとされる。
ロック機構25または65における係止部27または67は、ハウジング11または51の上方端面部11fまたは51f側からハウジング11または51に設けられた板状部材差込み部12または52に連通するスリット31または71を通じて、板状部材差込み部12または52内に突出するものとされるので、係止部27または67が板状部材差込み部12または52を通じてハウジング11または51に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40に係合する際における係止部27または67の適正な位置が、安定に維持されることになる。
さらに、一対のロック機構25または65の夫々における操作部26または66が、ハウジング11または51の正面側端部11aまたは背面側端部51bに沿って、ハウジング11または51の長手方向、即ち、複数のコンタクト13または53の配列方向に伸びるシェル部材14または54における可動連結端縁部30または70によって相互連結されているので、各ロック機構25または65における係止部27または67によるハウジング11または51に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板40に対する係止が、極めて安定に行われるとともに、ハウジング11または51の正面側端部11aまたは背面側端部51bに沿って伸びる可動連結端縁部30または70を、ハウジング11または51の下方端面部11eまたは51eに向かう方向に押圧することにより、各ロック機構25または65における操作部26または66にハウジング11または51の下方端面部11eまたは51eに向かう方向の押圧操作を加えることができるので、操作部26または66に対するハウジング11または51の下方端面部11eまたは51eに向かう方向の押圧操作が、極めて容易かつ確実に行うことができるものとされる。
なお、上述した実施例においては、コンタクト13または53におけるフレキシブル印刷配線基板40の接続端子部41と接触する接触部が、ハウジング11または51の上方端面部11fまたは51f側からハウジング11または51に設けられた板状部材差込み部12または52内に突出するように配置されているため、フレキシブル印刷配線基板40の接続端子部41を上方に向けて板状部材差込み部12または52へ挿入する構成としているが、コンタクト13または53におけるフレキシブル印刷配線基板40の接続端子部41と接触する接触部を、ハウジング11または51の下方端面部11eまたは51e側からハウジング11または51に設けられた板状部材差込み部12または52内に突出するように配置して、フレキシブル印刷配線基板40の接続端子部41を下方に向けて板状部材差込み部12または52へ挿入する構成としてもよい。