JP5810381B2 - 可視光硬化性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、可視光硬化性組成物に関し、より詳しくは、歯科治療に好適に用いられる可視光硬化性組成物に関するものである。
歯科治療の分野では、重合性単量体に光重合開始剤を配合した光硬化性組成物が多用されている。たとえば、修復すべき歯牙の窩洞に歯科用接着材を処理した後、光硬化性重合性組成物を充填して歯牙の形に成形した後に、専用の光照射器を用いて活性光を照射して重合硬化させ、歯の修復を行なうのに使用されている。また、歯科技工所において、光硬化性組成物を石膏模型上で修復すべき歯牙の形に築盛し、これを光照射により重合硬化させ、続いて歯科医院において、得られた硬化体を歯科用セメントにより歯質に接着させて、歯を修復する際にも使用されている。
このような歯科用光硬化性組成物において近年特に重要視されているのは、Minimal Interventionの概念、つまり極力歯の切削量を少なくすることで、天然歯の寿命をできるだけ長くするという考え方である。このような概念が一般化してきた背景には、歯科用接着材の歯牙への接着性が向上し、過剰の削除を伴わなくとも生存性が高くなったことが第一に挙げられる。このような背景の中で、歯科用光硬化性組成物(いわゆるコンポジットレジン)の臨床現場に置ける有用性はますます高まっている。
コンポジットレジンの使用範囲が広くなるに従って、術者ならびに患者の負担軽減や、術者によるテクニックセンシティビティ低減の観点から、操作の簡便化について更なる関心が払われるようになっている。例えば歯科用接着材において、歯面への処理ステップ数が単純化されたシステムが開発されているのは、その一例である。
コンポジットレジンにおいては、これまではその重合収縮の問題から、臼歯部に形成されるような大きい窩洞(3〜5mmの深さを有する)に対して一度の充填で修復することは、マージン着色や二次齲蝕等の予後の不良を招くため好ましくなかった。この問題を解決するためには、1〜2mm厚み程度の層を一度光照射によって重合し、その後その上層に更に積層を行っていくしかなかった。しかし、この方法は手間がかかるばかりでなく、層と層の間に予期しない気泡を噛み込む恐れがあった。
一方、この問題の解決のため、重合収縮(収縮率、および収縮応力)を低減したコンポジットレジンがいくつか提案されている(特許文献1〜4)。これらの方法によって重合収縮の問題が完全に解決された訳ではないものの、従来よりも深い窩洞に対して一度にコンポジットレジンを充填し光重合硬化することで、これまでのコンポジットレジンと比較して予後の不良のリスクは低減され、治療の簡便化の達成が期待された。
しかし、このような重合収縮低減の策を講じたとしても、大きな窩洞を修復するには未だ課題があった。すなわち、修復物の厚みが大きくなるほど、構成要素であるフィラーや顔料による光の拡散反射や散乱が大きくなるため、有効波長の光を底部まで到達させることが難しくなり、底部での重合不良が起こったり、重合度の不均一による応力集中のリスクを高めてしまったりという課題があった。また、この問題を解決するために、フィラーや顔料の含有量を極端に低減させることによってコンポジットレジンの光透過性を高めたとしても、フィラー含有率低減によって重合収縮がむしろ大きくなってしまったり、歯よりも透明性が不自然に高くなることによって審美性に劣るものになってしまったりするといった問題があった。
特表2009−540107号公報 特表2008−502697号公報 特表2004−527602号公報 特開2004−149587号公報
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、可視光硬化性組成物において、硬化深度が深く、重合収縮率も小さく、歯牙修復材料に用いた場合には、臼歯部に形成されるような大きい窩洞に対して一度に充填しても、その底部まで高度に硬化させることが可能な上記硬化性組成物を提供することである。
上記課題は、以下の本発明により達成される。すなわち、
本発明の可視光硬化性組成物は、(A)重合性単量体、(B)光重合開始剤、(C)燐光性化合物、(D)顔料、及び(E)フィラーを含む可視光硬化性組成物であって、
(B)上記光重合開始剤、(C)上記燐光性化合物がともに400nm以上に励起波長を有しており、(C)上記燐光性化合物の最大発光ピーク波長と、(B)上記光重合開始剤の400nm以上の領域に存在する最大励起波長との差が50nm以下であり、且つ(E)フィラーを、(A)重合性単量体100質量部に対して200〜600質量部含むことを特徴とする。
本発明の可視光硬化性組成物の一実施態様は、発光輝度が400mcd/m以上である(C)前記燐光性化合物を、前記可視光硬化性組成物100質量部に対して1質量部以上含むことが好ましい。
本発明の可視光硬化性組成物の他の実施態様は、発光輝度が1200mcd/m以下である(C)前記燐光性化合物を、前記可視光硬化性組成物100質量部に対して20質量部以下含むことが好ましい。
本発明の可視光硬化性組成物の他の実施態様は、(C)前記燐光性化合物が、希土類金属がドープされたアルミン酸塩であることが好ましい。
本発明の可視光硬化性組成物の他の実施態様は、窩洞深さが3mm以上である臼歯部修復用であることが好ましい。
本発明によれば、フィラー充填率が高く重合収縮低減効果に優れているだけでなく、可視光照射による光硬化特性に優れ、組成物の硬化が十分に進行できる可視光硬化性組成物を提供する。この可視光硬化性組成物は、硬化深度の向上が効率よく達成できるため、歯牙充填修復材に用いた場合には、深い窩洞においても一度に重合が完了でき、歯冠色に近い優れた審美性を有しており極めて有用である。
以下、本発明にかかる可視光硬化性組成物の好適な実施の形態を説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施の形態に何ら限定されるものではない。
(可視光硬化性組成物)
本発明の実施の形態にかかる可視光硬化性組成物は、(A)重合性単量体、(B)光重合開始剤、(C)燐光性化合物、(D)顔料、及び(E)フィラーを含む可視光硬化性組成物であって、(B)上記光重合開始剤、(C)上記燐光性化合物がともに400nm以上に励起波長を有しており、(C)上記燐光性化合物の最大発光ピーク波長と、(B)上記光重合開始剤の400nm以上の領域に存在する最大励起波長との差が50nm以下であり、且つ(E)フィラーを、(A)重合性単量体100質量部に対して200〜600質量部含むことを特徴とする。
本発明の実施の形態にかかる可視光硬化性組成物を使用するに際しては、可視光照射により、可視光硬化性組成物の硬化が充分に進行できると共に、硬化深度が効率良く向上できる。
次に、本発明の実施の形態にかかる可視光硬化性組成物に含まれる(A)重合性単量体、(B)光重合開始剤、(C)燐光性化合物、(D)顔料、及び(E)フィラーの詳細について説明する。
(A)重合性単量体
本発明の実施の形態にかかる可視光硬化性組成物は、(A)重合性単量体を含有している。重合性単量体としては、光重合開始剤によって重合できる単量体であれば、特に限定されず、例としては、エポキシ化合物、オキセタン化合物などのカチオン重合性単量体や、ラジカル重合性単量体などが挙げられる。重合収縮低減の観点からは、開環重合が可能なカチオン重合性単量体が好適に使用される。生体毒性の低さや重合活性の高さの観点からは、ラジカル重合性単量体が好適に用いられる。特にラジカル重合性単量体の中でも、重合性の良さなどから、(メタ)アクリレート系の単量体が好適に用いられる。
代表的なカチオン重合性単量体を例示すれば、ビニルエーテル化合物、エポキシ化合物、オキセタン化合物、環状エーテル化合物、双環状オルトエステル化合物、環状アセタール化合物、双環状アセタール化合物、環状カーボネート化合物が挙げられるが、特に入手が容易でかつ体積収縮が小さく、重合反応が速い点において、オキセタン化合物及び/又はエポキシ化合物が好適に使用される。
オキセタン化合物を具体的に例示すれば、トリメチレンオキサイド、3−メチル−3−オキセタニルメタノール、3−エチル−3−オキセタニルメタノール、3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタン、3,3−ジエチルオキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシルオキシ)オキセタン等の1つのオキセタン環を有すもの、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチルオキシ)ベンゼン、4,4′−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチルオキシ)ビフェニール、4,4′−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチルオキシメチル)ビフェニール、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)ジフェノエート、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等、あるいは下記に示す化合物
Figure 0005810381
等のオキセタン環を2つ以上有す化合物が挙げられる。
上記オキセタン化合物のなかでも、得られる硬化体の物性の点から、1分子中にオキセタン環を2つ以上有するものが、特に好適に使用される。
また、エポキシ化合物も、カチオン重合可能な化合物であれば特に限定されることはなく公知のものが使用できる。当該エポキシ化合物を具体的に例示すると、1,2−エポキシプロパン、1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシペンタン、2,3−エポキシペンタン、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシドデカン、1,2−エポキシテトラデカン、1,2−エポキシヘキサデカン、1,2−エポキシオクタデカン、ブタジエンモノオキサイド、2−メチル−2−ビニルオキシラン、1,2−エポキシ−5−ヘキセン、1,2−エポキシ−7−オクテン、1,2−エポキシ−9−デセン、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、グリシドール、2−メチルグリシドール、メチルグリジジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、グリシジルプロピルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、シクロオクテンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、シクロオクテンオキサイド、シクロドデカンエポキシド、エキソ−2,3−エポキシノルボルネン、4−ビニル−1−シクロヘキセン−1,2−エポキシド、リモネンオキサイド、スチレンオキサイド、(2,3−エポキシプロピル)ベンゼン、フェニルグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、グリシジル2−メチルフェニルエーテル、4−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、4−クロロフェニルグリシジルエーテル、グリシジル4−メトキシフェニルエーテル等のエポキシ官能基を一つ有するもの、また、1,3−ブタジエンジオキサイド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,3−プロパンジオールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,5−ペンタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンメタノールジグリシジルエーテル、ジグリシジルグルタレート、ジグリシジルアジペート、ジグリシジルピメレート、ジグリシジルスベレート、ジグリシジルアゼレート、ジグリシジルセバケート、2,2−ビス[4−グリシジルオキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−グリシジルオキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン、4−ビニル−1−シクロヘキセンジエポキシド、リモネンジエポキシド、1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシラート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)グルタレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)ピメレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)スベレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)ゼレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)セバケート、1,4−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルオキシメチル)ベンゼン、1,4−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルオキシメチル)ビフェニル、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)スルホン、メチルビス[2−(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)エチル]フェニルシラン、ジメチルビス[(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)メチル]シラン、メチル[(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)メチル][2−(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)エチル]シラン、1,4−フェニレンビス[ジメチル[2−(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)エチル]]シラン、1,2−エチレンビス[ジメチル[2−(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)エチル]]シラン、ジメチル[2−(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)エチル]シラン、1,3−ビス[2−(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)エチル]−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、2,5−ビシクロ[2.2.1]ヘプチレンビス[ジメチル[2−(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)エチル]]シラン、1,6−へキシレンビス[ジメチル[2−(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)エチル]]シラン等のエポキシ官能基を二つ有する化合物、或いはグリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサグリシジルエーテル、更に
Figure 0005810381
等のエポキシ官能基を三つ以上有するものが挙げられる。
上記エポキシ化合物のなかでも、得られる硬化体の物性の点から、1分子中にエポキシ官能基を2つ以上有するものが、特に好適に使用される。
また、オキセタン化合物及びエポキシ化合物以外のカチオン重合性単量体を具体的に示すと、環状エーテル化合物としては、テトラヒドロフラン、オキセパン等が、双環状オルトエステル化合物としては、ビシクロオルトエステル、スピロオルトエステル、スピロオルトカーボネート等が、環状アセタール化合物としては、1,3,5−トリオキサン、1,3−ジオキソラン、オキセパン、1,3−ジオキセパン、4−メチル−1,3−ジオキセパン、1,3,6−トリオキサシクロオクタン等が、双環状アセタール化合物としては、2,6−ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,7−ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン、6,8−ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン等が、環状カーボネート化合物としては、エチレンカーボネート、トリメチレンカーボネート等が挙げられる。
これらのカチオン重合性単量体は単独、または二種類以上を組み合わせて用いることができる。とりわけ、1分子平均a個のオキセタン官能基を有するオキセタン化合物のAモルと、1分子平均b個のエポキシ官能基を有するエポキシ化合物のBモルとを混合し、(a×A):(b×B)が90:10〜45:55の範囲になるように調製したものが、硬化速度が速く、水分による重合阻害を受け難い点で好適である。
ラジカル重合性単量体としては、重合性の良さなどから、(メタ)アクリレート系の単量体が好適に用いられる。当該(メタ)アクリレート系の重合性単量体を具体的に例示すると、次に示すものが挙げられる。
(A1)単官能ラジカル重合性単量体
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-ラウリル(メタ)アクリレート、n-ステアリル(メタ)アクリレート、テトラフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシートリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレートなど、酸性基を有する単官能重合性単量体として、(メタ)アクリル酸、N−(メタ)アクリロイルグリシン、N−(メタ)アクリロイルアスパラギン酸、N−(メタ)アクリロイル−5−アミノサリチル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンマレート、6−(メタ)アクリロイルオキシエチルナフタレン−1,2,6−トリカルボン酸、O−(メタ)アクリロイルチロシン、N−(メタ)アクリロイルチロシン、N−(メタ)アクリロイルフェニルアラニン、N−(メタ)アクリロイル−p−アミノ安息香酸、N−(メタ)アクリロイル−o−アミノ安息香酸、p−ビニル安息香酸、2−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、3−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、4−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、N−(メタ)アクリロイル−5−アミノサリチル酸、N−(メタ)アクリロイル−4−アミノサリチル酸等及びこれらの化合物のカルボキシル基を酸無水物基化した化合物、11−(メタ)アクリロイルオキシウンデカン−1,1−ジカルボン酸、10−(メタ)アクリロイルオキシデカン−1,1−ジカルボン酸、12−(メタ)アクリロイルオキシドデカン−1,1−ジカルボン酸、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキサン−1,1−ジカルボン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−3’−メタクリロイルオキシ−2’−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)プロピルサクシネート、4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)トリメリテートアンハイドライド、4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)トリメリテート、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリテート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルトリメリテート、4−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルトリメリテート、4−(メタ)アクリロイルオキシデシルトリメリテート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルトリメリテート、6−(メタ)アクリロイルオキシエチルナフタレン−1,2,6−トリカルボン酸無水物、6−(メタ)アクリロイルオキシエチルナフタレン−2,3,6−トリカルボン酸無水物、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルカルボニルプロピオノイル−1,8−ナフタル酸無水物、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルナフタレン−1,8−トリカルボン酸無水物、9−(メタ)アクリロイルオキシノナン−1,1−ジカルボン酸、13−(メタ)アクリロイルオキシトリデカン−1,1−ジカルボン酸、11−(メタ)アクリルアミドウンデカン−1,1−ジカルボン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンフォスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルハイドロジェンフォスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンフォスフェート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルジハイドロジェンフォスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ブロモエチルハイドロジェンフォスフェート、2−(メタ)アクリルアミドエチルジハイドロジェンフォスフェート、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、10−スルホデシル(メタ)アクリレート、3−(メタ)アクリロキシプロピル−3−ホスホノプロピオネート、3−(メタ)アクリロキシプロピルホスホノアセテート、4−(メタ)アクリロキシブチル−3−ホスホノプロピオネート、4−(メタ)アクリロキシブチルホスホノアセテート、5−(メタ)アクリロキシペンチル−3−ホスホノプロピオネート、5−(メタ)アクリロキシペンチルホスホノアセテート、6−(メタ)アクリロキシヘキシル−3−ホスホノプロピオネート、6−(メタ)アクリロキシヘキシルホスホノアセテート、10−(メタ)アクリロキシデシル−3−ホスホノプロピオネート、10−(メタ)アクリロキシデシルホスホノアセテート、2−(メタ)アクリロキシエチル−フェニルホスホネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホン酸、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルホスホン酸、N−(メタ)アクリロイル−ω−アミノプロピルホスホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル 2’−ブロモエチルハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル フェニルホスホネートなど、水酸基を有する単官能重合性単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、エリスリトールモノ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N、N−(ジヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミドなどを挙げることができる。
(A2)二官能ラジカル重合性単量体
2,2−ビス(メタクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス〔4−(3−メタクリロイルオキシ)−2−ヒドロキシプロポキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン)、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシテトラエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシペンタエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシジプロポキシフェニル)プロパン、2(4−メタクリロイルオキシジエトキシフェニル)−2(4−メタクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2(4−メタクリロイルオキシジエトキシフェニル)−2(4−メタクリロイルオキシジトリエトキシフェニル)プロパン、2(4−メタクリロイルオキシジプロポキシフェニル)−2−(4−メタクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシイソプロポキシフェニル)プロパン、およびこれらのメタクリレートに対応するアクリレート;2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のメタクリレート、あるいはこれらのメタクリレートに対応するアクリレートのような−OH基を有するビニルモノマーと、ジイソシアネートメチルベンゼン、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートのような芳香族基を有するジイソシアネート化合物との付加から得られるジアダクト等、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、およびこれらのメタクリレートに対応するアクリレート;2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のメタクリレートあるいはこれらのメタクリレートに対応するアクリレートのような−OH基を有するビニルモノマーと、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、イソフォロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)のようなジイソシアネート化合物との付加から得られるジアダクト、例えば1,6−ビス(メタクリルエチルオキシカルボニルアミノ)−2,2−4−トリメチルヘキサン;酸性基を含むものとして、無水アクリル酸、無水メタクリル酸、1,2−ビス(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エチル、ジ(2−メタクリロイルオキシプロピル)フォスフェート、ジ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ハイドロジェンホスフェート、ジ〔4−(メタ)アクリロイルオキシブチル〕ハイドロジェンホスフェート、ジ〔6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシル〕ハイドロジェンホスフェート、ジ〔8−(メタ)アクリロイルオキシオクチル〕ハイドロジェンホスフェート、ジ〔9−(メタ)アクリロイルオキシノニル〕ハイドロジェンホスフェート、ジ〔10−(メタ)アクリロイルオキシデシル〕ハイドロジェンホスフェート、1,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2−ジハイドロジェンホスフェートなどを挙げることができる。
(A3)三官能ラジカル重合性単量体
トリメチロールプロパーントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパーントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパーントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロキシエチルイソシアヌレート)などを挙げることができる。
(A4)四官能ラジカル重合性単量体
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ジトリメチロールプロパーンテトラ(メタ)アクリレートなどのテトラ(メタ)アクリレート化合物、ヘキサメチルジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジイソシアネートメチルシクロヘキサンのようなジイソシナネートの間に脂肪族を有するジイソシアネート化合物などを好適に用いることができる。
なお、上記の重合性単量体は、すべて単独で、もしくは組み合わせて使用することができる。
上記の重合性単量体の中でも、重合収縮低減の観点から、用いられている重合性単量体の平均分子量に対する重合性不飽和基の数が少ない程好ましく、下式(I)
式(I):重合性不飽和基の平均個数/重合性単量体の平均重量分子量
で示される値が4.7×10−3個未満、更には3.9×10−3個未満であることが好ましい。
更に、重合性単量体の内部に重合収縮応力を緩和する構造を有するものが好ましい。具体的には、特表2009−540107号公報やWO2007/146239号公報に開示されているような光開裂性を有する重合性単量体、あるいは特表2008−502697号公報に開示されているような重合性大環状オリゴマーが好適に使用される。このような重合性単量体を本発明の可視光重合性組成物に用いた場合、本発明の効果によって高い硬化性と硬化深度が達成され、結果として重合率の向上によって重合収縮が大きくなったとしても、その悪影響を最小限にすることができ、深い臼歯部の窩洞においても好適に適用することが可能となる。
(B)光重合開始剤
本発明の実施の形態にかかる可視光硬化性組成物には、前記の(A)重合性単量体を重合させるための光重合開始剤が配合される。当該光重合開始剤としては、400nm以上に励起波長域を有する公知のものであればなんら制限されず使用可能である。これは、400nm以上に励起波長域を有しないものでは、可視光による光重合開始が達成できないためである。なお、本実施の形態における光重合開始剤とは、いわゆる二元系、三元系、四元系などのような複数の化合物の混合系によって光重合開始反応を起こすものであってもよく、光増感色素などによって光励起されるものでもよい。また、本実施の形態において、光重合開始剤の最大励起波長とは、400nm以上の波長領域での最大値を指し、400nm未満に最大波長を有する光重合開始剤の場合、400nmを最大励起波長とする。光重合開始剤の励起波長は、紫外可視分光光度計を用いた対象化合物の分光スペクトルの測定より求める。本発明における当該装置の分解能は5nmである。
(B)光重合開始剤は使用する(A)重合性単量体の重合機構に応じて選定さる。カチオン重合性単量体には例えば光酸発生剤が、ラジカル重合性単量体には光ラジカル発生剤が使用される。
光酸発生剤系光重合開始剤は、光照射によって励起されることにより、光酸発生剤が分解され、その結果、酸を発生し、これが重合開始種となってカチオン重合を開始させる化合物である。このような光酸発生剤系重合開始剤としては、ヨードニウム塩系光重合開始剤、スルホニウム塩系光重合開始剤、ピリジニウム塩系光重合開始剤、トリハロメチル−S−トリアジン系光重合開始剤等が挙げられる。
光照射によって励起される化合物は、分解して酸を発生する光酸発生剤そのものであってもよいが、光酸発生剤は通常、近紫外〜可視域には吸収の無い化合物が多く、重合反応を励起するためには、特殊な光源が必要となる場合が多い。そのため、近紫外〜可視域に吸収をもち、光照射によって励起された結果、光酸発生剤の分解を引き起こす化合物を増感剤として組み合わせた光重合開始剤であることが好ましい。更に、光照射による光酸発生剤の分解の高効率化のために上記増感化合物以外の化合物を組み合わせて用いても良い。
これら光酸発生剤系重合開始剤のなかでも、重合活性が高いことから、ヨードニウム塩系光重合開始剤、スルホニウム塩系光重合開始剤が好ましく、ヨードニウム塩系光重合開始剤がより好ましい。このようなヨードニウム塩系光重合開始剤としては、例えば、特開2004−149587号公報や特開2004−196949号公報に開示されているような、増感化合物として、縮合多環式芳香族化合物を用いる光重合開始剤、特表平10−508067号公報に開示されているような、増感化合物としてα−ジカルボニル化合物を用いる光重合開始剤、特開2004−196775号公報に開示ざれているような、酸化型の光ラジカル発生剤と縮合多環式芳香族化合物の双方を併用する光重合開始剤などが挙げられる。さらに、特開平11−199681号公報、特開2000−7716号公報、特開2001−81290号公報、特開平11−322952号公報、特開平11−130945号公報、特表2001−520758号公報等に記載のヨードニウム塩系光重合開始剤を用いることができる。
本発明の光カチオン硬化性組成物に配合されるヨードニウム塩系光重合開始剤の成分であるヨードニウム塩としては、従来公知のものが何ら制限なく利用可能である。具体例を例示すれば、ジフェニルヨードニウム、ビス(p−クロロフェニル)ヨードニウム、ジトリルヨードニウム、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、p−イソプロピルフェニル−p−メチルフェニルヨードニウム、ビス(m−ニトロフェニル)ヨードニウム、p−tert−ブチルフェニルフェニルヨードニウム、p−メトキシフェニルフェニルヨードニウム、ビス(p−メトキシフェニル)ヨードニウム、p−オクチルオキシフェニルフェニルヨードニウム、p−フェノキシフェニルフェニルヨードニウム、ビス(p−ドデシルフェニル)ヨードニウム等のカチオンと、クロリド、ブロミド、p−トルエンスルホナート、トリフルオロメタンスルホナート、テトラフルオロボレート、テトラキスペンタフルオロフェニルボレート、テトラキスペンタフルオロフェニルガレート、ヘキサフルオロフォスフェート、ヘキサフルオロアルセナート、ヘキサフルオロアンチモネート等のアニオンからなるジアリールヨードニウム塩系化合物が挙げられる。
これらのなかでも、カチオン重合性単量体に対する溶解性の点から、p−トルエンスルホナート、トリフルオロメタンスルホナート、テトラフルオロボレート、テトラキスペンタフルオロフェニルボレート、テトラキスペンタフルオロフェニルガレート、ヘキサフルオロフォスフェート、ヘキサフルオロアルセナート、ヘキサフルオロアンチモネートをアニオンとして有する化合物が好適に使用でき、また、アニオンの求核性が低く、重合速度が速い点から、ヘキサフルオロアンチモネート、テトラキスペンタフルオロフェニルボレート、テトラキスペンタフルオロフェニルガレートをアニオンとして有する化合物が好適に使用できる。更に、アニオン由来する毒性がより低い事から、テトラキスペンタフルオロフェニルボレートが最も好適に利用できる。
また、本発明の光カチオン硬化性組成物に配合されるスルホニウム塩系光重合開始剤の成分であるスルホニウム塩化合物は、具体例としては、トリフェニルスルホニウム、p−トリルジフェニルスルホニウム、p−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム、ジフェニル−4−フェニルチオフェニルスルホニウム等のクロリド、ブロミド、p−トルエンスルホナート、トリフルオロメタンスルホナート、テトラフルオロボレート、テトラキスペンタフルオロフェニルボレート、テトラキスペンタフルオロフェニルガレート、ヘキサフルオロフォスフェート、ヘキサフルオロアルセナート、ヘキサフルオロアンチモネート塩が挙げられる。
これら光酸発生剤は必要に応じて、単独または2種以上混合して用いても何等差し支えない。これら光酸発生剤の使用量は、光照射により重合を開始しうる量であれば特に制限されることはないが、適度な重合の進行速度と得られる硬化体の各種物性(例えば、耐候性や硬度)を両立させるために、一般的には上述したカチオン重合性単量体100質量部に対し、0.001〜10質量部を用いればよく、好ましくは0.05〜5質量部を用いるとよい。
また、光酸発生剤と組み合わせて用いる光増感剤としては、例えばアクリジン系色素、ベンゾフラビン系色素、アントラセン、ペリレン等の縮合多環式芳香族化合物、フェノチアジン、ジアリールケトン化合物、α−ジケトン化合物又はクマリン化合物等が挙げられる。これらは単独で用いても、適宜2種又はそれ以上組み合わせて用いてもよい。
上記増感剤のなかでも、重合活性が良好な点で、縮合多環式芳香族化合物が好ましく、さらに、少なくとも1つの水素原子を有する飽和炭素原子が縮合多環式芳香族環と結合した構造を持つ縮合多環式芳香族化合物が好適である。
これら縮合多環式芳香族化合物のなかでも、可視光で重合を励起することが可能となるように、可視域に吸収を有する化合物であることが好ましく、可視域に極大吸収を有する化合物であることがより好ましい。また、これら縮合多環式芳香族化合物は必要に応じて複数の化合物を併用しても良い。
該縮合多環式芳香族化合物等の増感剤の添加量も、組み合わせる他の成分や重合性単量体の種類によって異なるが、通常は前期した光酸発生剤1モルに対し、増感剤の化合物が0.001〜20モルであり、0.005〜10モルであることが好ましい。
また、増感剤として、単独であるいは上記縮合多環式芳香族化合物に加えて、酸化型の光ラジカル発生剤を配合すると、より一層重合活性が向上し好ましい。酸化型の光ラジカル発生剤は、光照射による励起によって活性ラジカル種を発生させる機構が酸化剤的な作用による(自らは還元される)光ラジカル発生剤をいう。例えば、・光照射により励起してラジカルを発生する化合物であって、励起により水素供与体から水素を引き抜いてラジカルを生成する、所謂、水素引き抜き型タイプのもの、・励起により自己開裂を起こしてラジカルを発生し(自己開裂型ラジカル発生剤)、次いで該ラジカルが電子供与体から電子を引き抜くタイプのもの、・光照射により励起して電子供与体から直接電子を引き抜いてラジカルとなるもの等が挙げられる。
これら酸化型の光ラジカル発生剤は特に制限されず、公知の化合物を用いれば良いが、光照射を行った際の重合活性が他の化合物に比してより高い点で、水素引き抜き型の光ラジカル発生剤が好ましく、なかでも、ジアリールケトン化合物、α−ジケトン化合物又はケトクマリン化合物が特に好ましい。
ジアリールケトン化合物を具体的に例示すると4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、9−フルオレノン、3,4−ベンゾ―9−フルオレノン、2―ジメチルアミノ―9−フルオレノン、2−メトキシ―9―フルオレノン、2−クロロ―9−フルオレノン、2,7−ジクロロ―9―フルオレノン、2−ブロモ―9―フルオレノン、2,7−ジブロモ―9―フルオレノン、2−ニトロ−9−フルオレノン、2−アセトキ−9−フルオレノン、ベンズアントロン、アントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1−ジメチルアミノアントラキノン、2,3−ジメチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−クロロアントラキノン、1,5−ジクロロアントラキノン、1,2−ジメトキシアントラキノン、1,2−ジアセトキシ−アントラキノン、5,12−ナフタセンキノン、6、13−ペンタセンキノン、キサントン、チオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、9(10H)−アクリドン、9−メチル−9(10H)−アクリドン、ジベンゾスベレノン等を挙げることができる。
α−ジケトン化合物の具体例を例示すれば、カンファーキノン、ベンジル、ジアセチル、アセチルベンゾイル、2,3−ペンタジオン、2,3−オクタジオン、4,4’−ジメトキシベンジル、4,4’−オキシベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、アセナフテンキノン等が挙げられる。
またケトクマリン化合物としては、3−ベンゾイルクマリン、3−(4−メトキシベンゾイル)クマリン、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(4−メトキシベンゾイル)7−メトキシ−3−クマリン、3−アセチル−7−ジメチルアミノクマリン、3−ベンゾイル−7−ジメチルアミノクマリン、3,3’−クマリノケトン、3,3’−ビス(7−ジエチルアミノクマリノ)ケトン等を挙げることができる。
これら酸化型の光ラジカル発生剤は、単独または2種類以上を混合して用いて使用できる。また、添加量も組み合わせる他の成分や重合性単量体の種類によって異なるが、通常は前記した光酸発生剤1モルに対し、光ラジカル発生剤が0.001〜20モルであり、0.005〜10モルであることが好ましい。
更に、上記成分以外にも光酸発生剤の分解を促進させるために、p−ジメトキシベンゼン、1,2,4−トリメトキシベンゼン、フェニルアラニン、4−ジメチルアミノ安息香酸エステル等の電子供与性の化合物を含んでいても良い。
光ラジカル発生剤系の光重合開始剤としては、上記に述べた光ラジカル発生剤から、400nm以上に励起波長域を有するものを選択して用いることができ、具体的には、カンファーキノン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン等のα−ジケトン類;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のビスアシルホスフィンオキサイド類等;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン等のα-アミノアルキルフェノン類;、またはビス(η−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウムなどのチタノセン化合物等のチタノセン類などが挙げられる。これらの中でも、重合活性の良さ、生体への為害性の少なさなどの観点から、α−ジケトン類やビスアシルホスフィンオキサイド類が好ましく、カンファーキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドがより好ましい。因みに、カンファーキノンの最大励起波長は470nmであり、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドの最大励起波長は400nmである。
これら光ラジカル発生剤系の重合開始剤は、それぞれ単独で併用されるだけでなく、必要に応じて複数の種類を組み合わせて併用することもできる。光ラジカル発生剤系の光重合開始剤の添加量は、目的に応じて選択すれば良いが、重合性単量体100質量部に対して通常0.01〜30質量部の割合であり、より好ましくは0.1〜5質量部の割合で使用される。さらには、可視光重合硬化性組成物において重合開始剤自身による光透過阻害の影響を小さくし、硬化体の色味も濃くしない審美性の観点からは、重合性単量体100質量部に対して0.1〜1質量部の割合が最も好ましい。
また、上記光重合開始剤に加えて、還元性化合物を組み合わせて用いても良い。このような還元性化合物としては、芳香族第三級アミン化合物が好適に用いられる。このような芳香族第三級アミン化合物としては4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ラウリル、3−ジメチルアミノ安息香酸、3−ジメチルアミノ安息香酸エチル、ジメチルアミノ−p−トルイジン、ジエチルアミノ−p−トルイジン、p−トリルジエタノールアミン等である。なかでも好ましくは4−ジメチルアミノ安息香酸、及び4−ジメチルアミノ安息香酸エステル類である。これら還元性化合物の添加量も、組み合わせる他の成分や重合性単量体の種類によって異なるが、通常は前記した光重合開始剤1モルに対し、還元性化合物が0.001〜20モルであり、0.005〜10モルであることが好ましい。
(C)燐光性化合物
本発明の実施の形態にかかる可視光硬化性組成物には、燐光性化合物が配合される。燐光性化合物とは、特定波長の光によって励起され、異なる波長の光を発する化合物であり、励起された後、励起光を遮断しても発光が持続する性質を持つ化合物である。なお、燐光性化合物と同様に、特定波長の光によって励起され、異なる波長の光を発する化合物としては蛍光性化合物があるが、本発明において燐光性化合物に代えて蛍光性化合物を用いても本発明の効果は得られない。この原因は明らかではないが、蛍光性化合物が励起一重項から瞬時にエネルギーを放出するのに対し、燐光性化合物が比較的安定な励起三重項を経由して蓄えたエネルギーを放出するため、燐光性化合物や光重合開始剤あるいは光子が拡散する時間的余裕があるため、重合開始反応や生長反応が効率よく進みやすいためではないかと考えられる。
本発明の実施の形態において、燐光性化合物は、400nm以上に励起波長域を有し、かつその最大発光ピーク波長と併用する上述の光重合開始剤の最大励起波長との差が50nmを超えないように選択される。このような条件を満たす燐光性化合物と光重合開始剤とを組み合わせしながら使用することによって、燐光性化合物は、本来、光重合開始剤にとってさほど有効ではない波長の光を燐光として変換し、光重合開始剤の励起波長域にシフトする。このため、光重合開始剤は、シフトされた光の照射によってより多くのラジカル等の重合活性種を発生させることができる。その結果、より多く発生された重合活性種は、重合開始反応に寄与し、可視光硬化性組成物の重合効率を高めることができる。すなわち、可視光硬化性組成物の硬化が充分に進行できると共に、硬化深度が効率良く向上できる。
更に、本発明の可視光硬化性組成物は、燐光性化合物を配合することによって硬化に伴う重合収縮応力がいっそうに低減されるという、別の効果を有する。この原因は明らかではないが、本発明者らは以下のような機構によるものと推察している。
すなわち、通常、可視光硬化性組成物に光が照射された場合、光源に最も近く高い光強度によって最初に硬化される表層部は重合率が高く、一方で顔料やフィラー等による光吸収、散乱、反射によって減衰された光が到達する底部では重合度は低くなる。このように内部における重合度の不均一な分布が生じると、硬化体の内部に重合度が低い方から重合度が高い方に向かって重合収縮応力が発生する。一方、表層部では重合硬化が最も早く進行しているため、表面のペースト流動による収縮応力の緩和が起こりにくく、結果、底部に応力が集中し接着面剥離等の問題を生じる。これに対して、本発明の可視光硬化性組成物の場合、照射された光が燐光性化合物を励起し、発光した光が更に底部側の重合硬化性を促進すると考えられるため、内部における重合度の不均一性を生じにくい。よって、表層部と底部の重合度及び重合速度の違いが生じにくく、結果として重合収縮応力が、より小さくなると考えられる。
燐光性化合物の励起波長は、紫外可視分光光度計を用いた対象化合物の分光スペクトルの測定結果より求める。本発明における当該装置の分解能は5nmである。また、燐光性化合物の発光波長は、蛍光燐光分光光度計で測定できる。本発明における当該装置の分解能は5nmである。
本発明の実施の形態において、燐光性化合物の最大発光ピーク波長と併用する上述の光重合開始剤の最大励起波長ピークの差が50nmを超える場合、燐光性化合物から発した光が光重合開始剤によって吸収されにくくなるため、重合活性種を発生する効果が低くなる。燐光性化合物の最大発光ピーク波長と併用する上述の光重合開始剤の最大励起波長ピークの差が30nm以下であることがより好ましく、10nm以下であることが最も好ましい。
本発明の実施の形態にかかる可視光硬化性組成物に配合される燐光性化合物は、高い発光輝度を有すればするほど、光照射により可視光硬化性組成物の硬化性を高めることができるため好ましい。本明細書において、「発光輝度」とは、常用光源D65を用い200lxの照度で4分間照射した後、さらに1分間経過した後の残光輝度「mcd/m」を意味する。また、高い発光輝度を有する燐光性化合物を使用した場合、必要に応じて強い光(歯科用光照射器などを使用して)を照射することによって、天然歯との識別を明確にすることができ、本発明の可視光硬化性組成物の硬化体の口腔内での経過を診断したり、再修復のために撤去したいような場合に、その境界をより明確に判別することができたりするという、別の効果をも生み出すため好ましい。発光輝度は、400mcd/m以上とすることが好ましく、700mcd/m以上であることがより好ましい。
一方、発光輝度は、大きすぎると残光として残り、たとえば、可視光硬化性組成物の硬化体が屋外から暗所に急に移動した場合、残光によって外観が不自然に見えるおそれがある。よって、必要以上の発光輝度が審美性の低下につながる観点から、発光輝度は1200mcd/m未満であることが好ましく、900mcd/m未満であることがより好ましい。ただし、この問題は強い環境光の当たりにくい臼歯部においてはさほど問題にならないと考えられる。
また、可視光硬化性組成物の硬化性は、配合される燐光性化合物の量によって変化し、燐光性化合物の配合量が多いほど可視光硬化性組成物の硬化性を高めることができる。また、前述したように、必要に応じて天然歯との識別性を高めるためにも、燐光性化合物の配合量が高いほうが好ましい。しかし、燐光性化合物を多めに配合すると、可視光硬化性組成物の硬化体は、励起された燐光性化合物の残光に影響される。すなわち、前述したと同様、可視光硬化性組成物の硬化体が屋外から暗所に急に移動した場合、残光によって硬化体の外観が不自然に見え、審美性が低下するおそれがある。本発明の実施の形態において、燐光性化合物の配合量は、可視光硬化性組成物100質量部に対して、1質量部以上とするのが好ましく、3〜20質量部の範囲がより好ましく、5〜10質量部の範囲が最も好ましい。
また、燐光性化合物の発光スペクトルは、可視光硬化性組成物の硬化体の視認性に影響を与える。紫色〜青色の発光は、比較的視認性が低く色が目立たないため、光硬化性組成物の硬化体の外観に影響を与えにくい。一方、緑色〜赤色の発光は視認性が良好であるため識別性のためには好ましい。よって、使用する燐光性化合物の発光スペクトルは目的に応じて選択すればよいが、前者の目的にはピーク波長が440〜470nmの範囲から選択するのがより好ましく、後者の目的には460〜490nmの範囲から選択するのがより好ましい。
本発明の実施の形態において、発光性が高く、耐光性や化学的安定性に優れる理由から、燐光性化合物としては、アルミン酸塩化合物を好適に用いることができる。特に、ユーロピウム、ジスプロチウム、ネオジムなどの希土類金属をドープしたアルミン酸ストロンチウム塩、アルミン酸カルシウム塩を用いるのがより好ましい。具体的な例としては、たとえば、SrAl:Eu,Dy、SrAl1425:Eu,Dy、CaAl:Eu,Ndなどが挙げられる。なお、これらの燐光性化合物は、すべて単独で、もしくは組み合わせて使用することができる。また、可視光硬化性組成物の硬化体の審美性の観点から、白色に近い体色を有する燐光性化合物、たとえば、CaAl:Eu,Ndを用いることがより好ましい。
燐光性化合物の粒径は任意だが、平均粒径(D50)は、0.1μm〜30μmの範囲とすることが好ましく、0.5〜10μmの範囲とすることがより好ましく、1〜5μmの範囲とすることが最も好ましい。平均粒径を0.1μm以下とすると、平均粒径が小さすぎるため、燐光性化合物が光重合開始剤にとって有効な波長の光を吸収しにくく、このため、本発明の効果を得ることが難しくなる。一方、平均粒径を30μm以上とすると、平均粒径が大きすぎるため、可視光硬化性組成物に配合される燐光性化合物の不均一性や沈降のリスク、得られる硬化体の表面仕上げ不良などのおそれが生じる。また、本発明の可視光硬化性組成物の流動性を高くし、フィラー充填率を高め、重合収縮応力を低減するためには、平均粒径が1〜5μmであることが好ましい。
なお、本発明において、平均粒径(D50)は、試料粉体を適当な分散媒に分散させ、レーザー回折散乱法等の原理による粒度分布計を用いて測定された体積分率値を言う。
(D)顔料
本発明の実施の形態にかかる可視光硬化性組成物には、顔料が配合される。顔料は、可視光硬化性組成物の硬化体を所望の外観、たとえば自然な天然歯の色調やホワイトニング行った歯のような真白の色調などに見えるように調色するための成分である。従来、顔料を含む可視光硬化性組成物は、顔料によって光が反射、吸収されるため、可視光硬化性組成物の硬化性、特に硬化深度を得ることが難しい。本発明では、燐光性化合物を用いることによって、特に顔料を多く有するような可視光硬化性組成物に対しても非常に有効に作用することが確認できる。このため、顔料を自由に配合することができ、本発明の実施の形態にかかる可視光硬化性組成物は、調色性がよいものとなる。
本発明の実施の形態において、可視光硬化性組成物に含まれる顔料としては、可視光硬化性組成物の硬化体の調色に役があれば特に限定されず、具体的に、たとえば、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、硫化亜鉛、硫酸バリウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、カーボンブラック、酸化鉄、銅クロマイトブラック、酸化クロムグリーン、クロムグリーン、バイオレット、クロムイエロー、クロムグリーン、クロム酸鉛、モリブデン酸鉛、チタン酸カドミウム、ニッケルチタンイエロー、ウルトラマリーンブルー、コバルトブルー、ビスマスバナデート、カドミウムイエローまたはカドミウムレッドのような無機顔料;モノアゾ顔料、ジアゾ顔料、ジアゾ縮合顔料、ペリレン顔料、またはアントラキノン顔料のような有機顔料が挙げられる。このうち、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等の白色系顔料が主顔料として含有されるのが一般的である。なお、上記顔料は、単独の化合物としてまたは互いにもしくは更なる色形成化合物と組み合わせて使用することができる。
本発明の実施の形態において、顔料の配合量は、目的に応じて選択すればよいが、重合性単量体100質量部に対して、0.001〜25質量部、好適には1〜20質量部の範囲とするのが好ましい。
顔料の平均粒度は、通常、約1μm以下である。必要であれば、市販の顔料の寸法を微粉砕により減少させることができる。たとえば、可視光硬化性組成物の他の成分との混合を容易にするため、顔料を分散体の形態で配合物に加えることができる。顔料は、たとえば、反応性希釈剤のような低粘性液体に分散させたり、無機粒子のような粉体に分散させたりしたマスターバッチとして用いることができる。
(E)フィラー
本発明の実施の形態にかかる可視光硬化性組成物には、可視光硬化性組成物の硬化体における機械的強度の向上、重合収縮率の低減などの観点からフィラーが配合される。ここでフィラーとは、粒子の集合体からなる粉体のなかでも上記(C)燐光性化合物および(D)顔料を除外したものを指す。
該フィラーとしては、公知のフィラーが制限なく使用でき、無機フィラーおよび有機フィラーのいずれを用いても良いが、通常は機械的強度の向上効果が高いことから、無機フィラーが用いられる。フィラー(後述の有機無機複合フィラーは除く)の平均粒径は、一般には、0.01〜10μmから採択するのが好ましく、さらには、0.1〜1μmから採択するのがより好ましい。
こうした無機フィラーとしては、具体的には、非晶質シリカ、シリカージルコニア、シリカーチタニア、シリカーチタニア酸化バリウム、シリカーチタニアージルコニア、石英、アルミナ、ガラスなどの球形状粒子、棒状粒子、板状粒子、不定形状粒子等を挙げることができる。このうち、シリカとジルコニア、シリカとチタニア、またはシリカと酸化バリウムとを主な構成成分とする複合酸化物が、高いX線造影性を有するため好ましく使用される。また、充填材の形状は、略球形状であるのが、耐摩耗性、表面滑沢性に特に優れた可視光硬化性組成物の硬化体が得られることから、特に好適に用いられる。
上記無機充填材は、(A)重合性単量体とのなじみをよくし機械的強度や耐水性を向上させるために、シランカップリング剤に代表される表面処理剤で処理されていることが望ましい。表面処理の方法は公知の方法で行えばよく、シランカップリング剤としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシランなどが好適に用いられる。
表面処理剤は、使用する(A)重合性単量体が有する重合性基と共有結合可能な官能基を有しているものが好適に使用され、重合性単量体がエポキシ化合物やオキセタン化合物の場合は、グリシジル基やアミノ基を末端に有するシランカップリング剤が優位に使用でき、他方、重合性単量体が(メタ)アクリレート化合物の場合は、(メタ)アクリル基を末端に有するシランカップリング剤が優位に使用できる。可視光硬化性組成物ペーストの流動性を高め重合収縮応力を低減する効果がある事から、特に、長鎖スペーサー構造を有するシランカップリング剤が好ましく、具体的に例示すれば、10−メタクリロイロキシデシルトリメトキシシラン、11−メタクリロイロキシウンデシルメチルジメトキシシランなどが挙げられる。
上記シランカップリング剤は、重合性単量体に合わせて、適時選択すればよく、1種類あるいは2種類以上を合わせて用いることができる。
さらに、上記の無機充填材は、予め、重合性の有機マトリックスと混合し、硬化し、粉砕したものをフィラー(以下、有機無機複合フィラーとも呼ぶ)として用いることもできる。有機無機複合フィラーに用いられる重合性の有機マトリックスとしては特に制限されず、公知の重合性の有機マトリックスが用いられる。好適に用いられる重合性の有機マトリックスを例示すれば、本発明の重合性単量体と重合開始剤の混合物を挙げることができる。こうした有機無機複合フィラーの平均粒径は、1〜40μmから採択するのが好ましい。
本発明の実施の形態において、フィラーの配合量は、可視光硬化性組成物を、臼歯部に形成されるような大きい窩洞に良好に使用できる、重合収縮低減効果に優れたものにする観点から、重合性単量体100質量部に対して通常200〜600質量部の割合であり、より好ましくは250〜400質量部の割合である。フィラー配合量が200質量部を下回る場合、重合収縮が大きくなり深い窩洞への修復が困難になるだけでなく、機械的強度が十分でなくなる。また、フィラー配合量が600質量部を上回る場合、光硬化性組成物の十分な流動性を得ることが難しくなり、天然歯等の被着体との密着性を得ることが難しいほか、重合収縮応力が大きくなる恐れがある。
さらに、フィラー充填率を高め重合収縮を低減するために、粒度分布の狭い略球状フィラーを、2種類以上組み合わせて使用することが好ましい。ここで、粒度分布が狭いとはその変動係数が0.3以内にあるような単分散性に優れたものであることを意味する。また、組み合わせるフィラーの粒径としては、平均粒径が0.1〜1μmの範囲にあるものと平均粒径が0.05〜0.1μmの範囲にある組み合わせが好ましく、特に後者の平均粒径が前者の1/10〜3/10の範囲にある組み合わせが、細密充填の観点から好ましい。またその配合比については、大小粒子の比が80:20〜40:60の範囲にあることが、細密充填の観点から好ましい。
(S)その他
(S1)紫外線吸収剤、重合禁止剤など
本実施の形態にかかる可視光硬化性組成物には、必要に応じて紫外線に対する変色防止のため紫外線吸収剤を配合できる。また、保存安定性を向上させるために、重合禁止剤を配合することも好ましい。さらに、安定剤あるいは殺菌剤などを添加してもよい。
(光重合方法)
本発明の実施の形態にかかる可視光硬化性組成物を硬化させるための光照射器は、特に制限されない。照射光が光重合開始剤を励起しうる400nm以上の可視光域の波長の光を少なくとも含み、それ以外の波長の光・電磁波(たとえば、紫外線や赤外線)を含まない光照射器を用いることが好ましい。光照射器の光源の具体例としては、ハロゲンランプ、LEDランプ、キセノンランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、蛍光管などが挙げられる。そのうち、波長スペクトルの広いハロゲンランプや高圧水銀ランプを用いることがより好ましい。光照射器は、発生される光量が100〜5000mW/cm程度であるものが好ましく使用される。光量が5000mW/cm以下とすると、可視光硬化性組成物の硬化を行うとき、温度上昇による悪影響が生じない。一方、光量が100mW/cm以上とすると、硬化に十分な光を供給することができる。
(可視光硬化性組成物の使用方法)
本発明の可視光硬化性組成物は、可視光で硬化させることが求められる硬化性組成物の公知の用途に制限なく適用できる。硬化深度が深く、可視光照射による光硬化特性に優れる特性は歯科治療の分野で用いられる可視光硬化性組成物として好適である。具体的には、歯牙修復材料や歯科用接着剤等が挙げられ、特に好適には歯牙修復材料である。歯牙修復材料として用いる場合、硬化深度の深さから、窩洞内に充満させて一度の光硬化で硬化させる態様に適しているが、積層硬化方法において処理する場合に適用してもよい。積層硬化方法で実施する場合においても、各層の硬化性はより向上し、歯牙修復材料の機械的強度が高まる。また、各層の層厚を厚めにして積層数を少なくすることで、作業効率を向上させることも可能になり、特に、臼歯部の3mm以上、より好ましくは4〜5mmにわたる深い窩洞において有用である。
以下、各実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
まず、各実施例および各比較例で使用した重合性単量体とその略称、光重合開始剤とその略称、燐光性化合物とその略称、蛍光性化合物とその略称、顔料の組成、フィラーの組成、可視光硬化性組成物の調製方法、可視光硬化性組成物の硬化処理後の硬化深度評価方法、および可視光硬化性組成物の硬化体の環境光による発光性評価方法について、以下のように説明する。
(1)重合性単量体とその略称
M1:bisGMA/3G
2,2−ビス〔4−(3−メタクリロイルオキシ)−2−ヒドロキシプロポキシフェニル〕プロパン60質量部、トリエチレングリコールジメタクリレート40質量部
M2:D−2.6E/3G/UDMA
2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン70質量部、トリエチレングリコールジメタクリレート25質量部、1,6−ビス(メタクリルエチルオキシカルボニルアミノ)−2,2−4−トリメチルヘキサン5質量部。
(2)光重合開始剤とその略称
I1:CQ/DMBE
カンファーキノン1質量部(励起波長400〜500nm、最大励起波長470nm)、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル1質量部
I2:TPO
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(励起波長〜420nm、最大励起波長400nm)
(3)燐光性化合物とその略称
P1:BGL300
「SrAl1425:Eu,Dy、体色:薄黄緑色、D50=3μm、励起波長:200〜450nm、発光ピーク波長:490nm、発光輝度:800mcd/m
P2:GLL300
「SrAl24:Eu,Dy、体色:黄緑色、D50=3μm、励起波長:200〜450nm、発光ピーク波長:520nm、発光輝度:1100mcd/m
P3:B300
「CaAl24:Eu,Nd、体色:淡黄色、D50=10μm、励起波長:200〜450nm、発光ピーク波長:450nm、発光輝度:450mcd/m
P4:GSS
「ZnS:Cu、体色:黄緑色、D50=10μm、励起波長:200〜450nm、発光ピーク波長:530nm、発光輝度:300mcd/m
L1:Lumilux Blue
「2,5−ジヒドロキシテレフタル酸ジエチル、体色:黄白色、D50=9μm、励起波長:290〜430nm、発光ピーク波長:450nm、発光輝度:0mcd/m
(5)顔料の組成
酸化チタン、ピグメントイエロー95、ピグメントレッド166、ピグメントブルー60。
(6)フィラーの組成
F−1:平均粒径が400nmである球状シリカージルコニア70質量部、平均粒径が80nmである球状シリカーチタニア30質量部のγ−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン混合表面処理物
F−2:有機無機複合フィラー(平均粒径180nmである球状シリカ−ジルコニアのγ−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン表面処理物75質量部とM1を25質量部とアゾビスイソブチロニトリル0.5質量部を混合したのち100℃15分加熱重合したものを平均粒径20ミクロンとなるように粉砕したもの)50質量部とF−1を50質量部のフィラー混合物。
F−3:F−1の表面処理剤を11−メタクリロイロキシウンデシルトリメトキシシランにかえた混合表面処理物
(7)可視光硬化性組成物の調製方法
重合性単量体100質量部に光重合開始剤(I1は0.5質量部、I2は1質量部)と重合禁止剤としてのハイドロキノンモノメチルエーテル0.05質量部を添加して溶解させた。得られた混合物の100質量部に対し、フィラー240質量部を添加し、乳鉢で練和することでペーストを作製した。このペーストに顔料を適当量に添加し、エステライトフロークイック(トクヤマデンタル社製)A2色近似色に調色した。さらに、必要に応じて燐光性化合物または蛍光性化合物を添加し、よく分散させ、真空脱泡を行うことで均一なペーストを調整した。
(8)可視光硬化性組成物の硬化処理後の硬化深度評価方法
ペースト状の可視光硬化性組成物をΦ4mm×10mm厚のステンレス鋼(SUS)製の金型に流し込み、50μmのポリエステルフィルムで上から覆って、余剰ペーストを押出した。その後、光量500mW/cmのハロゲン型歯科用光照射器(Demetron LC、サイブロン社製)を用いて30秒間光照射を行い、ペーストを硬化させた。硬化体を取り出し、未重合ペーストをプラスチックスパチュラで除去した後、硬化した部分の厚みをマイクロメータで測定した。
(9)重合収縮応力
18.0×18.0×0.14mmのカバーガラス(JIS R3702適合品)の一方の面にトクソーセラミックスプライマー(トクヤマデンタル製)を一層塗布し乾燥後、このプライマー塗布面の中央に、可視光硬化性組成物ペースト0.10gを、高さが少なくとも1.2mmを超える半球状の塊状物として載置した。すぐさま、係る可視光硬化性組成物ペーストの塊状物を環囲(塊状物とは、内周壁が接触しない状態)して、高さ1.0mm内径20mmのステンレス鋼(SUS)製リングのスペーサーを設置し、可視光硬化性組成物ペーストの塊状物の半球状頂部にポリエステルフィルムを乗せて、リング上辺と水平になるように軽く圧接した。次いで、リング上方から、光量500mW/cmのハロゲン型歯科用光照射器(Demetron LC、サイブロン社製)を用いて30秒間光照射を行い、可視光硬化性組成物ペーストを硬化させた。可視光硬化性組成物ペーストを硬化後、その上面からポリエステルフィルムを剥がし、リングも外した後、カバーガラスをスライドガラス板上に乗せ、カバーガラスの一辺の端をメンディングテープで2.0mm分固定した。カバーガラスの反対側の一辺は、前記カバーガラスの面上に載値して硬化させた可視光硬化性組成物ペーストの塊状物の重合収縮の影響により反りが生じ、その程度に応じてスライドガラス板から浮いていた。その間隔(mm)を光学顕微鏡で読み取って重合収縮応力として評価した。
実施例1
重合性単量体としてM1を用い、光重合開始剤としてI1を用い、燐光性化合物P1を可視光硬化性組成物全体100質量部に対して4質量部用いる態様で、前記(7)可視光硬化性組成物の調製方法に従って調整し、均一なペーストを得た。これを、硬化深度評価および重合収縮評価用サンプルとした。
実施例2〜9
実施例1において、重合性単量体、光重合開始剤と燐光性化合物を表1に示した種類と配合量で用いる態様に変更する以外は、実施例1と同じような調整方法にて各種評価用サンプルを作製した。
比較例1
実施例2において、燐光性化合物は配合しない以外は、実施例1と同じような調整方法にて各種評価用サンプルを作製した。
比較例2、3
実施例1において、使用する重合性単量体、光重合開始剤、及び燐光性化合物をそれぞれ表1に示した種類と配合量で用いる態様に変更する以外は、実施例1と同じような調整方法にて各種評価用サンプルを作製した。
比較例4
実施例2において、燐光性化合物P3に代えて蛍光性化合物L1を配合する以外は、実施例1と同じような調整方法にて各種評価用サンプルを作製した。
比較例5,6
実施例1において、使用する重合性単量体、光重合開始剤、及び燐光性化合物をそれぞれ表1に示した種類と配合量で用いる態様に変更する以外は、実施例1と同じような調整方法にて各種評価用サンプルを作製した。
Figure 0005810381

Claims (7)

  1. (A)重合性単量体、(B)光重合開始剤、(C)燐光性化合物、(D)顔料、及び(E)フィラーを含む可視光硬化性組成物であって、
    (B)上記光重合開始剤、(C)上記燐光性化合物がともに400nm以上に励起波長を有しており、(C)上記燐光性化合物の最大発光ピーク波長と、(B)上記光重合開始剤の400nm以上の領域に存在する最大励起波長との差が50nm以下であり、且つ(E)フィラーを、(A)重合性単量体100質量部に対して200〜600質量部含むことを特徴とする可視光硬化性組成物。
  2. 請求項1記載の可視光硬化性組成物において、発光輝度が400mcd/m以上である(C)前記燐光性化合物を、前記可視光硬化性組成物100質量部に対して1質量部以上含むことを特徴とする可視光硬化性組成物。
  3. 請求項1または2記載の可視光硬化性組成物において、発光輝度が1200mcd/m以下である(C)前記燐光性化合物を、前記可視光硬化性組成物100質量部に対して20質量部以下含むことを特徴とする可視光硬化性組成物。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の可視光硬化性組成物において、(C)前記燐光性化合物が、希土類金属がドープされたアルミン酸塩であることを特徴とする可視光硬化性組成物。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の可視光硬化性組成物からなる歯牙修復材料。
  6. 臼歯部の修復用である、請求項5記載の歯牙修復材料。
  7. 深さが3mm以上の窩洞用である、請求項5または請求項6記載の歯牙修復材料。
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