JP5809703B2 - アルデヒド除去剤、アルデヒド除去装置、および、アルデヒド除去装置の運転方法 - Google Patents

アルデヒド除去剤、アルデヒド除去装置、および、アルデヒド除去装置の運転方法 Download PDF

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Description

本発明は、空気中に存在するホルムアルデヒドやアセトアルデヒド等の、アルデヒドの除去剤、アルデヒドの除去装置、および、アルデヒド除去装置の運転方法に関する。
アルデヒドは住環境において常在する物質である。例えば、アルデヒドは接着剤や防腐剤などに含まれ、これらを使用した建材や家具から恒常的に発生しているほか、喫煙や調理などの日常の活動においても微量ながら発生することが知られている。かかるアルデヒドの室内平均濃度は、例えば、2005年度では、ホルムアルデヒドが0.025ppm、アセトアルデヒドが0.017ppmであったと報告されている。
また、ホルマリンに浸漬等された被剖検体がある解剖実習室内や、ホルムアルデヒド燻蒸により消毒が行われる無菌室内では、一般に、気中のホルムアルデヒド濃度が高くなっている。特に、解剖実習は医学生の必須科目で、その期間は長きにわたるため、医学生は解剖中に被剖検体から発散される高濃度のホルムアルデヒドに長時間曝されることになる。
アルデヒドはシックハウス症候群の主な原因物質であり、また、発癌性が疑われているため、人がアルデヒドに曝されると健康を害するリスクが高まる。そこで、厚生労働省は、室内濃度指針値として、ホルムアルデヒドでは0.08ppm、アセトアルデヒドでは0.03ppmと規定している。また、環境省は、悪臭防止法施行令において、6種類のアルデヒドを特定悪臭物質として指定している。
したがって、前記の健康リスクを回避するためには、室内等の閉空間に存在するアルデヒドを前記指針値以下にまで除去できる手段が求められている。
これを受けて、空気中のアルデヒドの除去手段が、いくつか提案されている。
例えば、特許文献1には、アミノ酸を主成分とする、pH9以上のアルカリ性水溶液により構成されたホルムアルデヒド除去剤が提案されている。しかし、この除去剤は、ホルムアルデヒドの除去に優れるものの、長時間使用するとアルデヒド除去効果が低下する傾向がある。
また、特許文献2には、空気に含まれるホルムアルデヒドなどの有害な気体を、水に溶け込ませて捕集する1個又は複数個の空気浄化装置等を備えた解剖台が提案されている。しかし、水はアルデヒドの除去効果が低いため、十分な効果を発揮するには、装置自体を大型化するか、装置の設置台数を増やさなければならずコスト高である。
また、非特許文献1には、L−システインの水溶液を用いた空気中のアセトアルデヒドの除去方法が開示されている。しかしながら、システインのチオール基は、空気中の酸素などにより比較的容易に酸化されてジスルフィドを形成し、システインの2量体であるシスチンが生成すること、そして、該酸化反応により形成されたジスルフィドは、もはやアルデヒドと結合せずアルデヒドの除去に寄与しないことから、除去効果が経時的に低下するという課題があった。
特開2011−110079号公報 特開2007−244762号公報
山下 喬子、外1名、"化学反応を用いた室内空気からのアセトアルデヒド除去"、[online]、東京大学、[平成22年11月16日検索]、インターネット<URL:http://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/dspace/bitstream/2261/25650/1/K-01744-a.pdf >
そこで、本発明は、前記課題に鑑み、空気中のアルデヒドの除去効果が高く、その効果が長時間持続するアルデヒド除去剤、アルデヒド除去装置、および、アルデヒド除去装置の運転方法を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決する手段を鋭意検討した結果、アミノ酸、アルカリ性塩類、酸化防止剤およびキレート剤を含むアルデヒド除去剤は、空気中のアルデヒドの除去効果が高く、その効果が長時間持続することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[]を提供する。
[1]グリシン、および、グリシンの塩から選ばれる、少なくとも1種以上のアミノ酸を0.05〜50質量%、アルカリ性塩類を0.05〜50質量%、亜硫酸、および、亜硫酸の塩から選ばれる、少なくとも1種以上の酸化防止剤を〜70質量%、並びに、エチレンジアミン四酢酸、および、エチレンジアミン四酢酸の塩から選ばれる、少なくとも1種以上のキレート剤を0.01〜70質量%含む、アルデヒド除去剤。
[2]前記[1]に記載のアルデヒド除去剤を固形分換算で1〜60質量%、および、純水を40〜99質量%含む、アルデヒド除去液。
[3]アルデヒド除去部と除去液供給部から構成され、かつ、前記[]に記載のアルデヒド除去液を用いてアルデヒドを除去するアルデヒド除去装置であって、
前記アルデヒド除去部は、除塵フィルターと、アルデヒド除去セクションと、ブロアーと、ドレンアップポンプとを含み、
前記除去液供給部は、貯留タンクと、流路切り替え用バルブと、除去液輸送用ポンプと、純水補給装置とを含む、
アルデヒド除去装置。
[4]前記アルデヒド除去セクションがエアワッシャーを含む前記[]に記載のアルデヒド除去装置の運転方法であって、該エアワッシャーのエリアにアルデヒド除去液を供給する操作と、該供給を停止する操作とを繰り返す、アルデヒド除去装置の運転方法。
本発明のアルデヒド除去剤は、空気中のアルデヒドの除去効果が高く、その効果が長時間持続する。
また、本発明のアルデヒド除去装置は、アルデヒド除去剤の溶媒や補給水に純水を用いた場合、塩化物や炭酸塩が濃縮されにくいため、装置の腐食の発生、固形物の析出および固形物の装置への付着を抑制することができる。
さらに、本発明の運転方法は、少ないアルデヒド除去剤量で高い除去効果が得られるため経済的であり、また、浄化空気の温度や湿度の変動に対する抑制効果が高いため、快適な空気を住空間に供給することができる。
本発明のアルデヒド除去装置の一例を示す模式図である。 本発明のアルデヒド除去剤と、キレート剤を含まないアルデヒド除去剤の、ホルムアルデヒド除去率を示す図である。 アルデヒド除去液の溶媒および補給水に、純水を用いた場合と水道水を用いた場合の、アルデヒド除去液中の塩素イオン濃度の経時変化を示す図である。 本発明のアルデヒド除去装置と、特許文献1に記載の脱臭装置を用いた場合の、ホルムアルデヒド除去率の経時変化を示す図である。 本発明のアルデヒド除去装置を用いてアルデヒド除去液の間欠供給を行った場合の、装置出入口の空気の温度と湿度の経時変化を示す図である。 特許文献1に記載の脱臭装置を用いてアルデヒド除去液の連続供給を行った場合の、装置出入口の空気の温度と湿度の経時変化を示す図である。
1.アルデヒド除去剤
本発明のアルデヒド除去剤は、前記のとおり、(1)アミノ酸、(2)アルカリ性塩類、(3)酸化防止剤、および、(4)キレート剤を含むものである。なお、該除去剤は、アルデヒドの除去効果が喪失しない範囲で、前記(1)〜(4)の含有成分以外の物質を含んでもよい。
以下、該除去剤について含有成分ごとに説明する。
(1)アミノ酸
前記アミノ酸は、例えば、グリシン、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、セリン、トレオニン、バリン、および、これらの塩から選ばれる、少なくとも1種以上が挙げられ、また、これらのアミノ酸のD体、L体およびラセミ体のいずれも用いることができる。これらの中で、グリシンは安価で入手が容易なため好ましい。
前記除去剤中の前記アミノ酸の含有率は、0.05〜50質量%が好ましく、5〜45質量%がより好ましく、10〜40質量%がさらに好ましい。該値が0.05質量%未満では、アルデヒドの除去効果が低く、該値が50質量%を超えると該除去効果は飽和するとともにコスト高になる。
(2)アルカリ性塩類
前記アルカリ性塩類は、例えば、塩基性炭酸塩および塩基性リン酸塩から選ばれる、少なくとも1種以上が挙げられる。この内、塩基性炭酸塩として、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムおよび炭酸水素カリウム等の、水溶液がアルカリ性を示す炭酸塩が挙げられ、また、塩基性リン酸塩として、リン酸三ナトリウムおよびリン酸三カリウム等の、水溶液がアルカリ性を示すリン酸塩が挙げられる。
前記除去剤中の前記アルカリ性塩類の含有率は、0.05〜50質量%が好ましく、5〜45質量%がより好ましく、10〜42質量%がさらに好ましい。
(3)酸化防止剤
前記酸化防止剤は、例えば、アスコルビン酸、トコフェロール、亜硫酸、ブチルヒドロキシアニソール、エリソルビン酸、二酸化硫黄、クロロゲン酸、カテキン、および、これらの塩から選ばれる、少なくとも1種以上が挙げられる。
前記除去剤中の前記酸化防止剤の含有率は、0.01〜70質量%が好ましく、0.5〜50質量%がより好ましく、1〜40質量%がさらに好ましい。該値が0.01〜70質量%の範囲において、アミノ酸に対する酸化防止効果が高く、アルデヒドの除去効果が長時間持続する。
(4)キレート剤
前記キレート剤は、例えば、エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸、ビピリジン、フェナントロリン、ポルフィリン、クラウンエーテル、および、これらの塩から選ばれる、少なくとも1種以上を挙げることができる。
前記除去剤中の前記キレート剤の含有率は、0.01〜70質量%が好ましく、0.5〜50質量%がより好ましく、1〜40質量%がさらに好ましい。該値が0.01〜70質量%の範囲において、キレート効果が高く、アルデヒドの除去効果が長時間持続する。
(5)除去対象物
本発明において除去の対象となるアルデヒドは、空気中に存在するアルデヒドであって、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ノルマルブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ノルマルバレルアルデヒド、および、イソバレルアルデヒド等から選ばれる、少なくとも1種以上が挙げられる。これらの中でも、ホルムアルデヒドとアセトアルデヒドは、本発明の除去剤による除去効果が高く、ホルムアルデヒドは、特に、除去効果が高い。
(6)アルデヒド除去剤の使用態様
本発明のアルデヒド除去剤は、水溶液または懸濁液等の水性液の態様で使用することができる。また、該水性液の溶媒として、水のほかに、有機溶媒と水との混合溶媒が使用できる。
アルデヒド除去剤の水性液の中でも、特に、溶媒に純水を用いたアルデヒド除去液(以下「除去液」という。)は、後記する本発明のアルデヒド除去装置に用いた場合、アルデヒドの高い除去効果が長時間持続するほか、装置内での腐食の発生、固形物の析出および固形物の装置への付着を抑制するため好ましい。ここで純水として、例えば、RO水(逆浸透膜を通した水)、脱イオン水(イオン交換樹脂等を通した水)および蒸留水等が挙げられる。
アルデヒド除去剤の水性液の濃度は、固形分換算で1〜60質量%が好ましく、5〜50質量%がより好ましく、20〜40質量%がさらに好ましい。該濃度が1質量%未満ではアルデヒドの除去効果が低い傾向があり、60質量%を超えると含有成分が析出して除去効果は不安定になるおそれがある。
2.アルデヒド除去装置
本発明のアルデヒド除去装置は、前記のとおり、アルデヒド除去部と、除去液供給部から構成されるものである。以下、アルデヒド除去装置について、(1)アルデヒド除去部と(2)除去液供給部に分けて、図1に基づき説明する。
(1)アルデヒド除去部
アルデヒド除去部10は、アルデヒドを含む空気(以下「汚染空気」という。)の流路の上流側から順に、除塵フィルター11と、アルデヒド除去セクション12と、除塵フィルター13と、ブロアー14と、ドレンアップポンプ15とを含むものである。そして、
(i)除塵フィルター11は、アルデヒド除去セクションと除去液の汚れを防止するためのものである。
(ii)アルデヒド除去セクション12は、アルデヒドを除去するための除去部材を含むものである。該部材として、例えば、エアワッシャー等が挙げられる。該部材がエアワッシャーの場合、該エアワッシャーのメディアの表面に形成されたアルデヒド除去剤の液膜に、空気中のアルデヒドが接触し反応することによりアルデヒドが除去される。
(iii)除塵フィルター13は、除去液および結晶化して析出した除去剤の飛散を防止するためのものである。該フィルターは、例えば、NBS(比色法)除去率90%以上の性能を有するフィルターが好ましい。
(iv)ブロアー14は、汚染空気を、アルデヒド除去部10の入口から出口まで流動させるための装置である。
(v)ドレンアップポンプ15は、アルデヒド除去セクション12において除去されたアルデヒドを含む除去液を、後記の除去液供給部20内の貯留タンク21に送るための装置である。
以上のアルデヒド除去部の構成により、汚染空気は浄化され、清浄な空気が住空間に供給される。
(2)除去液供給部
次に、除去液供給部20について説明する。
除去液供給部20は、貯留タンク21と、流路切り替え用バルブ22および23と、除去液輸送用ポンプ24と、純水補給装置25とを含むものである。そして、
(i)貯留タンク21は、除去液を溜めるためのものである。なお、図1において、2個の貯留タンク21が示されているが、貯留タンク21は2個に限定されず、汚染空気の処理量等に応じて、3個以上を設置することができる。
(ii)流路切り替え用バルブ22は、アルデヒドの除去に供してアルデヒド除去効果が低下した除去液の供給を止めて、新たな除去液の供給に切り替えるためのものである。これにより、アルデヒド除去効果の高い除去液を、常時、アルデヒド除去セクション12に供給できるため、高いアルデヒド除去効果を長時間維持することができる。
(iii)流路切り替え用バルブ23は、循環使用している除去液中の除去剤の濃度を調整するために、純水補給装置25から貯留タンク21に純水を補給し、または、該補給を止めるためのものである。
(iv)除去液輸送用ポンプ24は、貯留タンク21内の除去液を、アルデヒド除去部10内のアルデヒド除去セクション12に送るための装置である。
(v)純水補給装置25は、純水を補給するためのものであり、該装置には、水道水から塩化物や炭酸塩等の塩類を除去して純水を製造する装置のほかに、純水を貯蔵する装置も含む。この純水は、アルデヒド除去セクション12において蒸発等して散逸した水分を、貯留タンク21内に補給するために用いる。純水を用いることにより、除去液中の塩化物や炭酸塩等の塩類の濃縮を防止できるため、装置内での腐食の発生、固形物の析出および固形物の装置への付着を抑制することができる。
また、図示されていないが、アルデヒドの除去により消費された除去剤分を、貯留タンク21内に補給するための除去剤補給装置を、貯留タンク21に連結して設置してもよい。
また、前記アルデヒド除去セクション12、ドレンアップポンプ15、貯留タンク21、流路切り替え用バルブ22、除去液輸送用ポンプ24、および、配管(図1中の矢印を付した実線等)などの、除去液と接触する部分の材質は、ステンレス鋼、ガルバリウム鋼、アルミニウム、樹脂、または、カチオン電着塗装した鉄等が好ましい。これらの材質であれば、アミノ酸と装置部材とのメイラード反応により生じる部材の腐食を防止することができる。
以上の除去液供給部の構成により、除去液中の塩化物や炭酸塩等の塩類が濃縮されにくいため、本発明のアルデヒド除去装置では、装置内での腐食の発生、固形物の析出および固形物の装置への付着が抑制される。特に、装置が前記非腐食性の材質で構成された場合は、腐食の発生を完全に防止することができる。
3.アルデヒド除去装置の運転方法
該運転方法は、前記のとおり、アルデヒド除去セクションにおける除去部材に、除去液を供給する操作と、該供給を停止する操作を繰り返すものである。
除去部材に除去液を連続供給する従来の運転方法に比べ、除去部材に除去液を間欠供給する本発明の運転方法は、少量の除去液を用いて効率よくアルデヒドを除去できるほか、浄化後の空気の温度や湿度の変動を抑制することができるため、快適な空気を住空間に供給できるという利点がある。
ここで、除去液の供給時間/供給停止時間の比(以下「間欠時間比」という。)は、好ましくは0.001〜1であり、より好ましくは0.01〜0.2である。該値が0.001未満では、アルデヒドの除去効果が十分でなく、該値が1を超えると、浄化空気の温度や湿度が変動するおそれがある。
前記の間欠時間比は、汚染空気中のアルデヒド濃度、アルデヒド除去装置への汚染空気の供給量(以下「処理風量」という。)、および、アルデヒド除去セクションにおける除去部材の面への供給速度(以下「面速度」という。)等に応じて適宜選択される。例えば、後記のように、0,1ppmの汚染空気の処理風量が3240m/hで、面速度が2.5m/sの場合、その間欠時間比は0.01程度が好ましい。
以下に、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
1.除去液の調製
表1に示す配合に従い、市販の各種試薬を用いて除去液を調製した。また、参考例は、脱イオン水のみを用いた。
なお、表1中の炭酸Naは炭酸ナトリウムを、亜硫酸Naは亜硫酸ナトリウムを、EDTAはエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムを表す。ちなみに、実施例1の除去剤の成分組成を質量%で表せば、グリシンが28質量%、炭酸Naが41質量%、亜硫酸Naが28質量%、EDTAが3質量%である。
Figure 0005809703
2.アルデヒド除去試験
(1)汚染空気の1パスで連続した通気による除去効果
該試験では、表1の実施例1と比較例1の除去液、除去処理前のホルムアルデヒド濃度が0.1ppmの汚染空気、および、アルデヒド除去セクションの除去部材にエアワッシャーを用いた図1のアルデヒド除去装置を使用した。そして、該汚染空気を、処理風量が3240m/h、および、エアワッシャーのエリアの面風速が2.5m/sの条件で、1パスで300時間連続して通気するとともに、各除去液を2リットル/分の供給速度で循環させて使用し、装置出口のホルムアルデヒドの濃度を経時的に測定して、その除去率を求めた。その結果を図2に示す。
なお、すべての除去試験において、アルデヒド濃度は、高速液体クロマトグラフ(型番:Agilent1100、アジレントテクノロジー社製)を用いて、DNPH−HPLC法により測定した。また、アルデヒド除去率は下記式により求めた。
アルデヒド除去率(%)=100×(除去処理前のアルデヒド濃度−装置出口のアルデヒド濃度)/除去処理前のアルデヒド濃度
図2に示すように、実施例1のホルムアルデヒドの除去率は、除去処理開始初期において96%と極めて高く、300時間経過した後も、そのままの高い状態を維持することができた。これに対し、キレート剤(EDTA)を含まない比較例1の除去率は、除去処理開始初期において85%と低く、300時間経過した後はさらに72%に低下した。したがって、本発明の除去剤に含まれるキレート剤は、除去効果を長時間維持する効果があり、また、本発明の除去剤は、ホルムアルデヒドに対し高い除去効果を奏することができる。
(2)汚染空気の1パスで1回の通気による除去効果
該試験では、表1の実施例1、比較例2および参考例の除去液と、前記(1)と同じ除去装置を使用した。そして、表2に示す装置入口の濃度のアセトアルデヒドを含む汚染空気を、処理風量が810m/h、および、エアワッシャーのエリアの面風速が1.5m/sの条件で、1パスで1回だけ通気するとともに、各除去液を1リットル/分の供給速度で循環させて使用し、装置出口のアセトアルデヒドの濃度を測定して、その除去率を求めた。その結果を表2に示す。
Figure 0005809703
表2に示すように、酸化防止剤とキレート剤を含まない比較例2のアセトアルデヒドの除去率は0%であるのに対し、実施例1の除去率は70%と、比較例2に比べて極めて高い。したがって、本発明の除去剤に含まれる酸化防止剤とキレート剤は、除去効果を格段に高める効果があり、また、本発明の除去剤は、除去がより難しいアセトアルデヒドに対しても高い除去効果を奏することができる。
(3)除去液中の塩化物イオン濃度の経時変化
(i)実施例1の除去液の溶媒と該除去液への補給水に脱イオン水を用いた場合と、(ii)比較例3の除去液の溶媒と該除去液への補給水に水道水を用いた場合の、除去液中の塩化物イオン濃度の経時変化を測定した。
具体的には、除去処理前のホルムアルデヒドの濃度が0.1ppmの汚染空気を、処理風量が3240m/h、および、エアワッシャーのエリアの面風速が2.5m/sの条件で、前記(1)と同じ除去装置に1パスで連続して通気するとともに、各除去液を2リットル/分の供給速度で循環させて使用し、(i)の場合は440時間および616時間通気した後の、また、(ii)の場合は100時間、200時間および334時間通気した後の、除去液中の塩化物イオン濃度を測定した。その結果を図3に示す。
図3に示すように、(ii)の場合では、334時間経過後の塩化物イオン濃度は約1300ppmであるのに対し、(i)の場合では、616時間と約2倍も長い時間が経過したにもかかわらず、該濃度は約50ppmと極めて低い。ちなみに、水道水の塩化物イオン濃度の基準値は200ppmであるから、(i)の場合の塩化物イオン濃度は、該基準値の1/4に過ぎない。したがって、除去液の溶媒や補給水に脱イオン水を用いた場合、塩化物イオンは濃縮されにくいため除去装置の腐食が抑制される。
(4)本発明の運転方法による空気の温度および湿度の経時変化
(a)前記(1)と同じ除去装置を用いて除去液を間欠供給した場合と、 (b)特許文献1に記載の脱臭装置を用いて除去液を連続供給した場合の、アルデヒド除去率と、装置の出入口における浄化空気の温度および湿度の経時変化を測定した。
具体的には、実施例1の除去液を用いて、除去処理前のホルムアルデヒドの濃度が0.1ppmの汚染空気を、処理風量が3240m/h、および、エアワッシャーのエリアの面風速が2.5m/sの条件で、1パスで連続して通気して、装置出入口の空気の温度と湿度を測定した。
ここで、除去液の供給パターンは、(a)の場合、最初15分間供給した後に8時間供給を止め(間欠時間比は0.03)、(b)の場合、8時間連続して供給した。いずれの供給速度も、2リットル/分であった。
除去率の経時変化を図4に、空気の温度および湿度の経時変化を図5aおよび図5bに示す。
図4に示すように、最初の1〜2時間におけるホルムアルデヒドの除去率は、前記(a)の間欠供給の場合は97%であるのに対し、前記(b)の連続供給の場合は95%と低い。
また、図5aに示すように、前記(a)の場合、通気開始後3〜4時間で、装置出口における浄化空気の温度は上昇し、湿度は低下して、いずれも装置入口の空気の温度や湿度とほぼ同じになったのに対し、図5bに示すように、前記(b)の場合、8時間経過した後も、装置の出入口における温度や湿度は同じにならなかった。
したがって、本発明の運転方法は、特許文献1の脱臭装置の運転方法と比べ、より少ない除去剤量で同等以上の除去効果を奏するため経済的であり、また、浄化空気の温度や湿度の変動に対する抑制効果が高いため、快適な空気を住空間に供給することができる。
10 アルデヒド除去部
11、13 除塵フィルター
12 アルデヒド除去セクション
14 ブロアー
15 ドレンアップポンプ
20 除去液供給部
21 貯留タンク
22,23 流路切り替え用バルブ
24 除去液輸送用ポンプ
25 純水補給装置

Claims (4)

  1. グリシン、および、グリシンの塩から選ばれる、少なくとも1種以上のアミノ酸を0.05〜50質量%、アルカリ性塩類を0.05〜50質量%、亜硫酸、および、亜硫酸の塩から選ばれる、少なくとも1種以上の酸化防止剤を〜70質量%、並びに、エチレンジアミン四酢酸、および、エチレンジアミン四酢酸の塩から選ばれる、少なくとも1種以上のキレート剤を0.01〜70質量%含む、アルデヒド除去剤。
  2. 前記請求項1に記載のアルデヒド除去剤を固形分換算で1〜60質量%、および、純水を40〜99質量%含む、アルデヒド除去液。
  3. アルデヒド除去部と除去液供給部から構成され、かつ、前記請求項に記載のアルデヒド除去液を用いてアルデヒドを除去するアルデヒド除去装置であって、
    前記アルデヒド除去部は、除塵フィルターと、アルデヒド除去セクションと、ブロアーと、ドレンアップポンプとを含み、
    前記除去液供給部は、貯留タンクと、流路切り替え用バルブと、除去液輸送用ポンプと、純水補給装置とを含む、
    アルデヒド除去装置。
  4. 前記アルデヒド除去セクションがエアワッシャーを含む請求項に記載のアルデヒド除去装置の運転方法であって、該エアワッシャーのエリアにアルデヒド除去剤を供給する操作と、該供給を停止する操作とを繰り返す、アルデヒド除去装置の運転方法。
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