<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づき説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
[構造の説明]
図1は、本実施形態にかかるストリップ包装体10を示す平面図である。図1を参照しつつ、本実施形態にかかるストリップ包装体10を説明する。本実施形態にかかるストリップ包装体10は、複数の小型服用物収容セル12と複数の大型服用物収容セル14と列間折曲部16とを備える。
小型服用物収容セル12と大型服用物収容セル14とはいずれも服用物100を収容するものである。図1から明らかなように、小型服用物収容セル12は第1列70を構成するように並んでいる。大型服用物収容セル14は第2列72を構成するように並んでいる。次に述べられる点を除き、小型服用物収容セル12の構造と大型服用物収容セル14の構造とは同様である。その点とは、図1に示されているように、小型服用物収容セル12の、第1列70の幅方向の長さが、大型服用物収容セル14の、第2列72の幅方向の長さに比べ、短いという点である。
本実施形態において「服用物」とはいずれかのヒトまたは動物が服用可能な固体をいう。いずれかのヒトまたは動物が服用可能な固体である限り、服用物100の大きさは特に限定されない。したがって服用物100は粉末であっても塊であってもよい。いずれかのヒトまたは動物が服用可能な固体である限り、服用物100はヒトまたは動物にとって毒物であってもそうでなくてもよい。例えば、服用物は菓子などの食品であってもよい。なお、図1に示されている服用物100は、周知の錠剤の形態をしている。
列間折曲部16は第1列70と第2列72との間に設けられる。上述されているように、小型服用物収容セル12の、第1列70の幅方向の長さは、大型服用物収容セル14の、第2列72の幅方向の長さに比べ、短い。したがって、本実施形態にかかるストリップ包装体10において列間折曲部16の位置はストリップ包装体10の中心から偏っている。本実施形態の場合、列間折曲部16にはミシン目が設けられている。これにより、本実施形態にかかるストリップ包装体10は列間折曲部16で折曲げることが可能である。また、第1列70と第2列72とを容易に切り離すことが可能である。
本実施形態の場合、第1列70において、2つの小型服用物収容セル12の境界部80にはミシン目が設けられている。第2列72においても、2つの大型服用物収容セル14の境界部82にはミシン目が設けられている。これにより、2つの小型服用物収容セル12を容易に切り離すことができる。2つの大型服用物収容セル14を容易に切り離すことができる。図2は、本実施形態にかかるストリップ包装体10が二つ折りになっている状況を示す平面図である。図2から明らかなように、本実施形態の場合、第1列70を構成する小型服用物収容セル12は、ストリップ包装体10を列間折曲部16で折曲げた場合に第2列72を構成する2つの大型服用物収容セル14の間にそれぞれ対向するよう並んでいる。第2列72を構成する大型服用物収容セル14は、ストリップ包装体10を列間折曲部16で折曲げた場合に第1列70を構成する2つの小型服用物収容セル12の間にそれぞれ対向するよう並んでいる。しかも、図1に示され、かつ、上述されたように、小型服用物収容セル12の、第1列70の幅方向の長さは、大型服用物収容セル14の、第2列72の幅方向の長さに比べ、短い。したがって、これられ幅方向の長さが同一の場合に比べ、ストリップ包装体10を列間折曲部16で折曲げた場合、小型服用物収容セル12が収容している服用物100と大型服用物収容セル14が収容している服用物100とは対向し難い。これらにより、服用物100が錠剤の形態をしていても、列間折曲部16で折曲げられているストリップ包装体10の厚さを抑えることができる。ストリップ包装体10の厚さが抑えられると、保管のために必要な空間が小さくなる。
図3は、本実施形態にかかる小型服用物収容セル12の斜視図である。図4は、本実施形態にかかる小型服用物収容セル12の収容部20から連動片22の先端部42が離れた状況を示す斜視図である。図4において小型服用物収容セル12の一部は切り欠かれている。図3及び図4を参照しつつ、本実施形態にかかる小型服用物収容セル12の構造を説明する。なお、上述されたように、小型服用物収容セル12の構造と大型服用物収容セル14の構造とは同様である。したがって、大型服用物収容セル14の構造の説明は省略される。
本実施形態にかかる小型服用物収容セル12は、連動片付シート60とカバーシート62とを互いに貼り合わせたものである。これらの素材は周知の柔らかい合成樹脂である。合成樹脂の例は、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、直鎖状低密度ポリエチレンその他の低密度ポリエチレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、及び、これらからなる一群より選ばれる少なくとも2種類の合成樹脂が積層されたものである。本実施形態にかかる小型服用物収容セル12は、収容部20と、連動片22とを備える。収容部20は、服用物100を収容する。連動片22は、連動片付シート60に設けられる。本実施形態の場合、連動片22は、連動片付シート60と一体になっている。
図4に示されるように、収容部20の一端には服用物100の出口30が設けられている。本実施形態の場合、出口30は、重なった連動片付シート60とカバーシート62とによって形成される。カバーシート62は、出口領域32と、端部領域34と、底部領域36とにおいて、連動片付シート60に貼り付けられている。出口領域32は、上述した出口30となる領域である。端部領域34は、収容部20の両横にあたる領域である。底部領域36は、収容部20の底にあたる領域である。カバーシート62が、出口領域32と、端部領域34と、底部領域36とにおいて連動片付シート60に貼り付けられていることにより、収容部20内部は密封される。出口領域32における連動片付シート60とカバーシート62との貼り付け強度は、端部領域34及び底部領域36における連動片付シート60とカバーシート62との貼り付け強度に比べ大幅に低い。本実施形態の場合、連動片付シート60とカバーシート62とは、出口領域32において、連動片付シート60とカバーシート62とを指でこすり合せることにより容易にはがれる。なお、図4から明らかなように、本実施形態の場合、出口領域32の形状は直線状である。
図4に示されるように、連動片22は、付根部40と先端部42とを有する。付根部40は連動片付シート60の出口領域32ひいては出口30の縁に連なるように設けられている。本実施形態の場合、付根部40全体が収容部20の表面から離れている。つまり、付根部40は収容部20の表面に接着も粘着もしていない。先端部42は付根部40に連なるように設けられている。これにより、連動片22は、連動片付シート60とカバーシート62との屈伸に伴い動くこととなる。本実施形態の場合、先端部42は付根部40より細い。先端部42は先端接着部50を有する。
上述したように、連動片付シート60とカバーシート62との素材は周知の柔らかい合成樹脂である。これにより、連動片付シート60とカバーシート62とは折曲げ可能である。流通時及び保管時において、小型服用物収容セル12は、折曲げ箇所52で折り曲げられている。本実施形態の場合、折曲げ箇所52は、出口領域32から見て服用物100の存在する側に配置される。この折曲げと出口領域32の貼り合わせとにより出口30は閉じることとなる。このとき、図3に示すように、連動片22の先端接着部50は収容部20の表面に接着されている。本実施形態の場合、先端部42のうち先端接着部50以外の部分は収容部20の表面に接着されていない。したがって、本実施形態の場合、連動片22のうち先端接着部50以外の部分は収容部20の表面に接着されていない。
[製造方法の説明]
以下、本実施形態にかかるストリップ包装体10の製造方法が説明される。上述されているように、本実施形態にかかるストリップ包装体10は複数の小型服用物収容セル12を備える。従って、本実施形態にかかるストリップ包装体10の製造方法は、小型服用物収容セル12と大型服用物収容セル14との製造方法でもある。
図5は、本実施形態にかかるストリップ包装体10の製造方法の工程を示す図である。図5に示されているように、本実施形態にかかるストリップ包装体10の製造方法は、収容接着工程S200と、ミシン目形成工程S202と、連動片形成工程S204と、折曲げ工程S206と、対向箇所どめ工程S208とを備える。以下、これらの工程の具体的内容が説明される。
収容接着工程S200において、連動片形成用シート110とカバー形成体112との間に服用物100が収容される。連動片形成用シート110は連動片付シート60の材料である。カバー形成体112はカバーシート62の材料である。したがって、連動片形成用シート110とカバー形成体112とは服用物収容セル12,14の材料である。連動片形成用シート110の素材とカバー形成体112の素材とは上述された柔らかい合成樹脂である。収容接着工程S200において、連動片形成用シート110とカバー形成体112との間のうち服用物100の周囲にあたる領域が服用物100の出口30を形成するように接着される。本実施形態にかかる収容接着工程S200は、服用物配列工程S220と、カバー工程S222と、周囲接着工程S224とを有している。
服用物配列工程S220において、図示されない台に載せられた連動片形成用シート110の表面に服用物100が配列される。本実施形態の場合、次に述べられるロボット120が服用物100を配列する。そのロボット120は、服用物100を保持するための吸着部130と、その吸着部を連動片形成用シート110の表面上の任意の位置に移動させるための移動部132とを備える。このようなロボット120は周知なので、ここではその詳細な説明は繰返されない。図6は、服用物配列工程S220において、ロボット120により服用物100が配列されている状況を示す概念図である。本実施形態の場合、服用物100が配列されることにより、服用物100の真っ直ぐな列が2本形成される。
カバー工程S222において、上述されたロボット120とは別の図示されない装置が、2枚のカバー形成体112で服用物100を覆う。すなわち、連動片形成用シート110の表面に配列された服用物100ごと連動片形成用シート110の一部がカバー形成体112で覆われる。ある物の上に別の物を載せるための装置は周知なので、ここではその装置の詳細な説明は繰返されない。本実施形態の場合、2枚のカバー形成体112はそれぞれ服用物100と連動片形成用シート110の一部とを覆う。本実施形態の場合、連動片形成用シート110の端のうちカバー形成体112で覆われなかった部分が連動片部分160となる。
上述されたように、カバー形成体112はカバーシート62の材料である。図7は、本実施形態にかかるカバー形成体112の構造を示す概念図である。本実施形態の場合、カバー形成体112は、基層140となるシートの表面に、接着層142が設けられたものである。基層140は、服用物100ごと連動片形成用シート110の一部を覆う。基層140の素材は、柔らかい合成樹脂である。合成樹脂の例は、低密度ポリエチレン、ナイロン、及び、ポリエチレンテレフタレートである。接着層142は、加熱されると融ける。接着層142は、一旦融け再度固化する際に、基層140と連動片形成用シート110とを接着する。本実施形態の場合、接着層142は、弱接着領域150と、強接着領域152とを有する。弱接着領域150の接着強度は、強接着領域152の接着強度より大幅に低い。基層140と連動片形成用シート110とのうち弱接着領域150によって接着された領域が出口領域32になる。基層140と連動片形成用シート110とのうち強接着領域152によって接着された領域が端部領域34と底部領域36とになる。カバー形成体112で服用物100ごと連動片形成用シート110の一部を覆うことにより、接着層142は、連動片形成用シート110に対向する。
周囲接着工程S224において、連動片形成用シート110とカバー形成体112との間のうち服用物100の周囲にあたる領域が接着される。本実施形態の場合、具体的には、上述された出口領域32と端部領域34と底部領域36とにあたる領域が接着される。本実施形態の場合、この工程において接着される領域は「周囲領域」と総称される。本実施形態にかかる周囲接着工程S224は、強接着工程S230と、弱接着工程S232とを有している。
強接着工程S230において、周囲領域のうち所定領域以外の領域が接着される。上述された「所定領域」とは、服用物100から見て連動片部分160のある方向にある。このことから明らかな通り、所定領域は周囲領域の一部である。所定領域は、服用物100が通過可能な幅を有する。所定領域は、上述された出口領域32にあたる領域である。すなわち、強接着工程S230において加熱されるのは、周囲領域のうち上述された端部領域34と底部領域36とにあたる領域である。強接着工程S230において周囲領域のうち所定領域以外の領域を接着するのは、次に述べられる図示されない装置である。その装置は、発熱部と押し当て部とを備える。その発熱部は、接着層142の強接着領域152を溶かすのに十分な熱を放出する。その発熱部のうち所定の面の形は、図4に示された端部領域34と底部領域36との形と同一である。押し当て部がその発熱部の所定の面をカバー形成体112の基層140のうち強接着領域152が設けられている箇所に押し当てる。これにより、その発熱部が発した熱がカバー形成体112の基層140を介して接着層142の強接着領域152に伝わる。強接着領域152に熱が伝わると、強接着領域152は融ける。強接着領域152が融けた後、押し当て部は発熱部をカバー形成体112から離す。発熱部がカバー形成体112から離れると、強接着領域152は再度固化する。その際、強接着領域152は基層140と連動片形成用シート110とを接着する。これにより端部領域34と底部領域36とにあたる箇所は接着される。なお、本実施形態の場合、強接着工程S230は、カバー工程S222に続いて実施される。強接着工程S230は、カバー工程S222が実施された場所で実施される。これにより、服用物100が覆われた後から連動片形成用シート110とカバー形成体112とが互いに固定されるまでの間に連動片形成用シート110とカバー形成体112とが互いにずれてしまう危険性を軽減できる。
弱接着工程S232において、周囲領域のうち上述された所定領域が加熱される。すなわち、周囲領域のうち出口領域32にあたる領域が加熱される。本実施形態の場合、その所定領域は、強接着工程S230において連動片形成用シート110とカバー形成体112との間を加熱したものと同様の図示されない装置によって加熱される。その装置の押し当て部が、その装置の発熱部の所定の面をカバー形成体112の基層140のうち弱接着領域150が設けられている箇所に押し当てる。これにより、その発熱部が発した熱がカバー形成体112の基層140を介して接着層142の弱接着領域150に伝わる。弱接着領域150に熱が伝わると、弱接着領域150は融ける。弱接着領域150が融けた後、押し当て部は発熱部をカバー形成体112から離す。発熱部がカバー形成体112から離れると、弱接着領域150は再度固化する。その際、弱接着領域150は基層140と連動片形成用シート110とを接着する。これにより出口領域32にあたる領域が接着される。その出口領域32にあたる領域は、強接着工程S230において接着された領域よりも破断強度が弱くなるように接着されることとなる。すなわち、周囲領域のうち所定領域が、強接着工程S230において接着された領域よりも破断強度が弱くなるように接着される。その結果、周囲領域が服用物100の出口30を形成するように接着されることとなる。所定領域は服用物100の出口30となる。周囲接着工程S224において、所定領域が、周囲領域の残る部分よりも破断強度が弱くなるように接着されることとなる。
ミシン目形成工程S202において、図示されない周知のミシン目形成装置が連動片形成用シート110とカバー形成体112とにミシン目を形成する。これにより、2つの小型服用物収容セル12の境界部80となる箇所にミシン目が形成される。2つの大型服用物収容セル14の境界部82となる箇所にミシン目が形成される。列間折曲部16となる箇所にもミシン目が形成される。図8は、ミシン目形成工程S202において、これらのミシン目が形成された状況を示す概念図である。
連動片形成工程S204において、図示されない周知の切断装置が次に述べられる箇所を切り抜く。その箇所は、連動片形成用シート110とカバー形成体112とのうち、2つの小型服用物収容セル12の境界部80となる箇所、及び、2つの大型服用物収容セル14の境界部82となる箇所である。その際、連動片形成用シート110の連動片部分160が切り欠かれる。これにより、連動片22の外形が形成される。図9は、連動片形成工程S204において、連動片22の外形が形成された後の連動片形成用シート110とカバー形成体112との平面図である。
折曲げ工程S206において、人の手と同様の構造を持つ周知のロボットが連動片形成用シート110とカバー形成体112とを折曲げる。その折曲げられる箇所は、上述された折曲げ箇所52に相当する箇所である。すなわち、この工程において折曲げられる箇所は、連動片形成用シート110にカバー形成体112が重なっている領域のうち、服用物100から見て連動片部分160のある方向にある所定の箇所である。これにより、連動片形成用シート110のうちカバー形成体112から見て連動片部分160とは反対側にある部分とカバー形成体112とが連動片部分160に対向する。連動片部分160のうち連動片22の先端部42にあたる箇所は、連動片形成用シート110のうち列間折曲部16の近傍領域に対向する。
対向箇所どめ工程S208において、連動片部分160のうち連動片22の先端部42にあたる箇所が次に述べられる箇所へ接着される。その箇所は、連動片部分160のうち連動片22の先端部42にあたる箇所が折曲げ工程S206において対向した箇所である。その接着は次に述べられる図示されないロボットによって実施される。そのロボットは、発熱体と、連動片押し付け部と、発熱体押し付け部とを備える。発熱体は、連動片部分160のうち連動片22の先端部42にあたる箇所を溶かすのに十分な熱を放出する。連動片押し付け部は、その箇所を折曲げ工程S206において対向した箇所へ押し付ける。発熱体押し付け部は、連動片部分160のうち連動片22の先端部42にあたる箇所へ発熱体を押し付ける。これにより、先端部42にあたる箇所のある部分が溶ける。その溶けた部分が連動片22の先端部42にあたる箇所と連動片形成用シート110とを接着する。これらの接着後、連動片形成用シート110とカバー形成体112とは所定の長さに切り分けられる。これにより、ストリップ包装体10が完成する。
[使用方法の説明]
以下、本実施形態にかかるストリップ包装体10及び小型服用物収容セル12の使用方法を説明する。なお、大型服用物収容セル14の使用方法は小型服用物収容セル12の使用方法と同様である。したがって、大型服用物収容セル14の使用方法の説明は省略される。保管時、ストリップ包装体10は、列間折曲部16で折曲げられた状態で保管されている。この間、第1列70を構成する小型服用物収容セル12は、第2列72を構成する2つの大型服用物収容セル14の間に対向するよう並んでいる。第2列72を構成する大型服用物収容セル14は、第1列70を構成する2つの小型服用物収容セル12の間に対向するよう並んでいる。服用物100を服用時、使用者は、ストリップ包装体10から小型服用物収容セル12のうち任意の1つを切り取る。切り取られた小型服用物収容セル12の形態は図3に示すような形態である。小型服用物収容セル12が切り取られると、使用者は、連動片22と収容部20との間に自らの親指を差し込む。親指が差込まれると、先端接着部50は収容部20の表面からはがれる。先端接着部50がはがれると、小型服用物収容セル12は、図3に示した状態から、図4に示した状態となる。その後、使用者は、親指と人差し指とで、収容部20の表面をこすりあわせる。これにより、連動片付シート60とカバーシート62とは、互いに逆方向へ力を受けることとなる。力を受けると、連動片付シート60とカバーシート62とがせん断力を受ける。すると上述したように、連動片付シート60とカバーシート62とは、出口領域32において、容易にはがれる。はがれると、出口30が開く。出口30が開くと、使用者は服用物100を取出しその服用物100を服用する。
[効果の説明]
以上のようにして、本実施形態にかかる小型服用物収容セル12及び大型服用物収容セル14は、連動片22と収容部20との間に親指を差し込み、連動片付シート60とカバーシート62とをこすり合せるという操作で開封することができる。連動片付シート60とカバーシート62とは出口領域32から見て服用物100の存在する側(収容部20の中央付近から見て出口領域32より手前側)にある折曲げ箇所52で折り曲げられている。この折曲げにより出口30が閉じているので、出口領域32における貼り付け強度はごく弱いものであってもよい。ごく弱いものであってもよいので、指先の力が弱い者及び片手しか使えない者でも本実施形態にかかる小型服用物収容セル12及び大型服用物収容セル14を容易に開封できる。
また、本実施形態にかかる小型服用物収容セル12及び大型服用物収容セル14は、出口領域32において、連動片付シート60とカバーシート62とが互いに貼り付けられている。貼り付けられているので、連動片22の先端部42が収容部20の表面に貼り付けられている間、重なったシート(連動片付シート60及びカバーシート62)が折曲げ箇所52で折り曲げられていることとあいまって、出口30をしっかりと塞ぐことができる。しかも出口領域32の形状が直線状である。すなわち、重なったシートのうち互いに貼り付けられている領域の形状が直線状である。出口領域32の形状が直線状なので、出口領域32のいずれかの部分が曲がっている場合に比べ、その領域のどこかに出口領域32を剥がす力が集中してかかる可能性は低くなる。出口30が閉じている上に出口領域32のどこかに力が集中してかかる可能性が低くなるので、可能性が低くならない場合に比べ、出口領域32における貼り付け強度を低くすることが可能となる。すなわち、重ねて折り曲げられているシートと互いに貼り付けられている領域とによって出口が閉じている上にその領域のどこかに力が集中してかかる可能性が低くなるので、そうならない場合に比べ、重なったシートの間の貼り付け強度を低くすることが可能となる。その結果、密封が可能な上に指先を器用に動かし難い者も容易に開封できる。
また、本実施形態にかかるストリップ包装体10は、列間折曲部16で折曲げることによって、ある列を構成する2つの小型服用物収容セル12の間に、他の列を構成する大型服用物収容セル14が対向することとなる。これにより、列間折曲部16で折曲げられているストリップ包装体10は、周知の包装フィルムによって服用物100を包装している場合に比べ、嵩張らなくなる。ストリップ包装体10が嵩張らなくなると、保管のために必要な空間が小さくなる。本実施形態にかかるストリップ包装体10において、上述した複数の列のいずれか70を構成する服用物収容セル12は、他の列72のいずれかを構成し隣接する2つの服用物収容セル14,14の間に対向するように並んでいる。後者である2つの服用物収容セル14,14の間に前者である服用物収容セル12が対向していると、次に述べる場合、前者の服用物収容セル12に収容される服用物100が後者である2つの服用物収容セル14,14に収容される服用物100の間に嵌まり込み得る。その場合とは、前者である服用物収容セル12が他の列72のいずれかに重なった場合である。前者の服用物収容セル12に収容される服用物100が後者である2つの服用物収容セル14,14に収容される服用物100の間に嵌まり込むと、そうでない場合に比べ、前者である服用物収容セル12が他の列72のいずれかに重なった状態のストリップ包装体10は嵩張らなくなる。ストリップ包装体10が嵩張らなくなると、保管のために必要な空間が小さくなる。
<第2実施形態>
[構造の説明]
図10は、本実施形態にかかるストリップ包装体310を示す平面図である。図10に基づいて、本実施形態にかかるストリップ包装体310が説明される。本実施形態にかかるストリップ包装体310は、複数の第1服用物収容セル312と複数の第2服用物収容セル314と連結部316とを備える。
第1服用物収容セル312および第2服用物収容セル314は服用物100を収容するものである。図10から明らかなように、第1服用物収容セル312および第2服用物収容セル314は列を構成するように交互に並んでいる。
本実施形態の場合、連結部316は、第1服用物収容セル312と第2服用物収容セル314との間に配置されている直線状の領域である。連結部316にはミシン目が設けられている。これにより、第1服用物収容セル312と第2服用物収容セル314とを容易に切り離すことができる。
図11は、本実施形態にかかる第1服用物収容セル312の斜視図である。図11において第1服用物収容セル312の一部は切り欠かれている。図11に基づいて、本実施形態にかかる第1服用物収容セル312の構造が説明される。
図11に示されるように、本実施形態にかかる第1服用物収容セル312は、連動片付シート360とカバーシート362とを互いに貼り合わせたものである。本実施形態にかかる第1服用物収容セル312は、収容部320と、連動片322と、ラベル部324とを備える。収容部320は服用物100を収容する。連動片322は収容部320の一端から張出す。ラベル部324は収容部320の他端から張出す。
図11に示されるように、カバーシート362は、端部領域334と底部領域336とにおいて、連動片付シート360に接着されている。これにより、収容部320が形成されている。端部領域334は、収容部320の両脇にあたる領域である。底部領域336は、収容部320の底にあたる領域である。本実施形態の場合、端部領域334の幅s(図11においては、服用物100から見た接着領域332の方向に直交する方向の端部領域334の長さのこと)と底部領域336の幅t(図11においては、服用物100から見た接着領域332の方向についての底部領域336の長さのこと)とはいずれも3.0mmである。ちなみに、端部領域334の幅と底部領域336の幅とは狭い方が好ましい。ただし、端部領域334の幅と底部領域336の幅とが2.0mm以上3.0mmであればより好ましい。汎用の機械でもそれらの幅を精度よく形成できるからである。カバーシート362が端部領域334と底部領域336とにおいて連動片付シート360に接着されていることにより、連動片付シート360とカバーシート362との間に服用物100が挟まれることとなる。
本実施形態においては、収容部320は、制限部342を有する。制限部342は、服用物100の収容部320内における可動範囲を制限する。本実施形態においては、制限部342は、連動片付シート360とカバーシート362とが互いに接着されることで実現される。
本実施形態の場合、ラベル部324には情報が表示される。その情報の例には、服用物100の種類がある。ラベル部324の隅には輪郭が曲線状である外縁部分376が設けられている。ラベル部324の隅に外縁部分376が設けられているのは、その隅が直角又は鋭角をなしている場合に比べ、第1服用物収容セル312を人が誤って飲み込んだ際にその人の内臓を傷つけ難いためである。なお、連動片332の隅部、あるいは連動片332が切り欠き部分を介して外縁接着部350(外縁接着部350は後述される)で接着された状態、すなわち出口330を閉じるように折り曲げられた状態における収容部320の折り曲げ箇所354の隅部においても、輪郭が曲線状である外縁部分を設けることが望ましい。
図11に示されるように、収容部320の一端には服用物100の出口330が設けられている。カバーシート362は、端部領域334及び底部領域336に加え、接着領域332において連動片付シート360に接着されている。本実施形態の場合、連動片付シート360のうち接着領域332から折曲げ箇所354までの領域が連動片付シート360の出口シート部である。カバーシート362のうち接着領域332から折曲げ箇所354までの領域がカバーシート362の出口シート部である。カバーシート362が、接着領域332と、端部領域334と、底部領域336とにおいて連動片付シート360に接着されていることにより、収容部320内部は密封される。
接着領域332における連動片付シート360とカバーシート362との接着強度は、端部領域334及び底部領域336における連動片付シート360とカバーシート362との接着強度に比べ大幅に低い。本実施形態の場合、連動片付シート360とカバーシート362とは、接着領域332において、連動片付シート360とカバーシート362とは、手のひらでこすり合わされることによって容易にはがれる。なお、図11から明らかなように、本実施形態の場合、接着領域332の形状は直線状である。
本実施形態の場合、連動片322は、連動片付シート360の一部によって形成されている。これにより、連動片322は、連動片付シート360とカバーシート362との屈伸に伴い動くこととなる。本実施形態の場合、連動片322は、外縁接着部350と、ツマミ部352とを有する。
流通時及び保管時において第1服用物収容セル312は折り曲げられている。折り曲げられる箇所は、図11に示される折曲げ箇所354である。本実施形態の場合、折曲げ箇所354は、接着領域332から見て服用物100ひいては底部領域336側に配置される。この折り曲げと接着領域332の貼り合わせとにより出口330は閉じることとなる。このとき、連動片322の外縁接着部350は、カバーシート362の切り欠き部分340を介して、連動片付シート360のうち収容部320を構成する部分に接着されている。切り欠き部分を設けることにより後述するシーラント層同士が対向することになり、確実に接着することができる。これにより、連動片322は、連動片付シート360とカバーシート362とを閉じるよう折り曲げられている状態を維持するようにそれらのシートの一部を拘束することとなる。
本実施の形態の場合、ツマミ部352は、連動片322の先端部分に配置される。ツマミ部352は、外縁接着部350が剥がされるとき、ヒトの指によってつままれることがある。
図12は、本実施形態にかかる連動片付シート360の断面図である。図12に基づいて、本実施形態にかかる連動片付シート360の構成が具体的に説明される。本実施形態にかかる連動片付シート360は、一次バリア層380と、シーラント層382と、接着層384と、二次バリア層386と、表面層388とを有する。一次バリア層380は収容部320の内部の酸素を吸収する層である。一次バリア層380は収容部320の外部からその内部への酸素と水蒸気との侵入を防ぐ層でもある。本実施形態の場合、一次バリア層380の素材はフッ素樹脂である。本実施形態の場合、一次バリア層380は収容部320の内周面に配置される。一次バリア層380が服用物100に接触する。すなわち、一次バリア層380が収容シート部の内層になる。シーラント層382は、収容部320の内部を気密状態にする層である。シーラント層382は、連動片付シート360とカバーシート362とが互いに接着する際に溶融する層でもある。本実施形態の場合、シーラント層382の素材はポリエチレンである。接着層384はシーラント層382と二次バリア層386とを接着する層である。本実施形態の場合、接着層384の素材もポリエチレンである。二次バリア層386は収容部320の外部からその内部への酸素と水蒸気との侵入を防ぐ層である。本実施形態の場合、二次バリア層386の素材はアルミナである。表面層388は二次バリア層386を保護する層である。本実施形態の場合、表面層388の素材はポリエチレンテレフタラートである。本実施形態の場合、表面層388が収容部320の外周面に配置される。すなわち、表面層388が収容シート部の外層になる。
本実施形態の場合、連動片付シート360の素材は以下の要件を満たす。第1の要件は、水蒸気透過度が1.0g/平方メートル・日以下であるという要件である。水蒸気透過度が0.5g/平方メートル・日以下であればより望ましい。第2の要件は酸素透過度が600ナノ立方メートル/平方メートル・日・atm(0.6cc/平方メートル・日・atm)以下であるという要件である。酸素透過度が300ナノ立方メートル/平方メートル・日・atm(0.3cc/平方メートル・日・atm)以下であればより望ましい。第3の要件は、収容部320の内側に対向する面の静摩擦係数が収容部320の外側に露出する面の静摩擦係数より小さいという要件である。収容部320の内側に対向する面の静摩擦係数は0.5以下であることが望ましい。それが0.2以下であればより望ましい。第4の要件は、ヤング率が200MPa以上1000MPa以下であるという要件である。ヤング率が400MPa以上600MPa以下であることがより望ましい。連動片付シート360の素材が第4の要件を満たすので、ヤング率が1000MPaを超える場合に比べ、第1服用物収容セル312又は第2服用物収容セル314が誤って人に飲み込まれた場合に収容部320がその人の内臓を傷つける可能性が低くなる。第5の要件は、連動片付シート360とカバーシート362とが互いに接着されたとき、接着された箇所の水蒸気透過度と接着された箇所の酸素透過度とが連動片付シート360の素材自体のものと同等以下であるという要件である。第6の要件は、互いに接着された連動片付シート360とカバーシート362とを人の手で容易にはがせるという要件である。
本実施形態の場合、カバーシート362の素材は連動片付シート360の素材と同一である。したがって、本実施形態におけるカバーシート362の素材の説明は省略される。
また、第2服用物収容セル314の構造は、次に述べられる2つの点を除いて、第1服用物収容セル312の構造と同一である。その第1点目は、服用物100が配置される位置から見た切り欠き部分340の位置が第1服用物収容セル312とは反対側である点である。第2点目は、服用物100が配置される位置から見た外縁接着部350の位置も第1服用物収容セル312とは反対側である点である。したがって、第2服用物収容セル314の構造の説明は省略される。
[製造システムの説明]
図13は、本実施形態にかかるストリップ包装体製造システム400の構成を示す概念図である。図13に基づいて、本実施形態にかかるストリップ包装体製造システム400の構成が説明される。
本実施形態にかかるストリップ包装体製造システム400は、第1材料シート引出装置410と、第1ガイドローラ412と、第2材料シート引出装置414と、第2ガイドローラ416と、切り欠き形成ローラ部418と、錠剤供給部420と、縦接着ローラ部422と、横接着ローラ部424と、ミシン目形成ローラ部426と、加熱装置428と、折り曲げガイド部430と、プレスローラ部432と、対向箇所接着ローラ部434と、裁断ローラ部436とを備える。
第1材料シート引出装置410は筒状に巻かれた連動片形成用シート510の一端を引き出す装置である。引き出された連動片形成用シート510は、第1ガイドローラ412を経由して、錠剤供給部420の下に進入する。錠剤供給部420の下に進入した連動片形成用シート510は自重により垂れ下がる。第2材料シート引出装置414は、筒状に巻かれたカバー形成体512の一端を引き出す装置である。引き出されたカバー形成体512は、第2ガイドローラ416を経由して、錠剤供給部420の下に進入する。錠剤供給部420の下に進入したカバー形成体512も自重により垂れ下がる。錠剤供給部420の下への進入に伴い、カバー形成体512は連動片形成用シート510に対向する。
切り欠き形成ローラ部418は、カバー形成体512に切り欠きを形成する。切り欠き形成ローラ部418は、受けローラと、押さえローラとを有する。受けローラは、カバー形成体512を支える。押さえローラは、カバー形成体512を受けローラに押さえつける。その際、押さえローラは、カバー形成体512のうちカバーシート362の切り欠き部分340にあたる領域に切り欠きを形成する。押さえローラは図示されない突起を有する。この突起が切り欠き部分340にあたる領域を押さえることで、その領域に切り欠きを形成することが可能となる。
錠剤供給部420は第1材料シート引出装置410によって引き出された連動片形成用シート510と第2材料シート引出装置414によって引き出されたカバー形成体512との間に錠剤を落とす。本実施形態の場合、この錠剤が本実施形態における服用物100である。錠剤が落とされた連動片形成用シート510とカバー形成体512とは、第1材料シート引出装置410と第2材料シート引出装置414とによるさらなる引き出しに伴い、縦接着ローラ部422内に進入する。
縦接着ローラ部422は、連動片形成用シート510とカバー形成体512とを接着する。縦接着ローラ部422は、受けローラと、第1押さえローラと、第2押さえローラと、第1ヒータと、第2ヒータと、冷却部とを有する。受けローラは、連動片形成用シート510とカバー形成体512とを支える。第1押さえローラは、連動片形成用シート510とカバー形成体512とを受けローラに押さえつける。その際、第1押さえローラは、連動片形成用シート510とカバー形成体512とに熱を伝える。熱が伝えられた連動片形成用シート510と熱が伝えられたカバー形成体512とは、溶融する。溶融によって、これらは互いに接着される。第1押さえローラは図示されない突起を有する。この突起が底部領域336にあたる領域を押さえることで、その領域に熱を伝えることが可能となる。第1ヒータは第1押さえローラに熱を供給する。第2押さえローラは、第1押さえローラと同時に、連動片形成用シート510とカバー形成体512とを受けローラに押さえつける。その際、第2押さえローラは、第1押さえローラと同様に、連動片形成用シート510とカバー形成体512とに熱を伝える。第2押さえローラは、第1押さえローラと同様に、図示されない突起を有する。この突起が接着領域332にあたる領域を押さえることで、その領域に熱を伝えることが可能となる。第2ヒータは第2押さえローラに熱を供給する。冷却部は、連動片形成用シート510とカバー形成体512との接着が完了すると直ちに第1押さえローラ及び第2押さえローラを冷却する。縦接着ローラ部422によってカバー形成体512が接着された連動片形成用シート510は、第1材料シート引出装置410と第2材料シート引出装置414とによるさらなる引き出しに伴い、ミシン目形成ローラ部426内に進入する。
横接着ローラ部424も、連動片形成用シート510とカバー形成体512とを接着する。横接着ローラ部424は、受けローラと、押さえローラと、ヒータと、冷却部とを有する。受けローラは、連動片形成用シート510とカバー形成体512とを支える。押さえローラは、連動片形成用シート510とカバー形成体512とを受けローラに押さえつける。その際、押さえローラは、連動片形成用シート510とカバー形成体512とに熱を伝える。熱が伝えられた連動片形成用シート510と熱が伝えられたカバー形成体512とは、溶融する。溶融によって、これらは互いに接着される。押さえローラは図示されない突起を有する。この突起が端部領域334にあたる領域を押さえることで、その領域に熱を伝えることが可能となる。ヒータは押さえローラに熱を供給する。冷却部は、連動片形成用シート510とカバー形成体512との接着が完了すると直ちに押さえローラを冷却する。横接着ローラ部424によって端部領域334にあたる領域が接着された連動片形成用シート510は、第1材料シート引出装置410と第2材料シート引出装置414とによるさらなる引き出しに伴い、ミシン目形成ローラ部426内に進入する。
ミシン目形成ローラ部426は、互いに接着された連動片形成用シート510とカバー形成体512とのうち連結部316にあたる領域にミシン目を形成する。ミシン目形成ローラ部426は、そのミシン目の端に切り欠きを形成する。ミシン目形成ローラ部426は、受けローラと、押さえローラとを有する。受けローラは、連動片形成用シート510とカバー形成体512とを支える。押さえローラは、連動片形成用シート510とカバー形成体512とを受けローラに押さえつける。その際、押さえローラは、連動片形成用シート510とカバー形成体512とにミシン目を形成する。押さえローラは図示されない突起を有する。この突起が連結部316にあたる領域を押さえることで、その領域に、ミシン目とその端の切り欠きとを形成できる。ミシン目が形成された連動片形成用シート510とカバー形成体512とは、第1材料シート引出装置410と第2材料シート引出装置414とによるさらなる引き出しに伴い、加熱装置428内に進入する。
加熱装置428は、連動片形成用シート510とカバー形成体512とのうち第1服用物収容セル312と第2服用物収容セル314との出口シート部にあたる領域を加熱する。本実施形態の場合、加熱装置428は一対の赤外線ヒータを有する。これらの赤外線ヒータが第1服用物収容セル312および第2服用物収容セル314の出口シート部にあたる領域に押し付けられる。これにより、その出口シート部にあたる領域が加熱される。加熱により、その出口シート部にあたる領域は柔らかくなる。柔らかくなるのでその出口シート部にあたる領域は折り曲げやすくなる。その出口シート部にあたる領域が加熱された連動片形成用シート510とカバー形成体512とは、第1材料シート引出装置410と第2材料シート引出装置414とによるさらなる引き出しに伴い、折り曲げガイド部430を通過する。
折り曲げガイド部430は、連動片形成用シート510とカバー形成体512とが服用物収容セル12の折曲げ箇所354にあたる箇所で折り曲げられるように連動片形成用シート510とカバー形成体512とを誘導する。このような誘導を実現するため、折り曲げガイド部430には、連動片形成用シート510とカバー形成体512とが折り曲げガイド部430を通過している間にこれらが接触する面が設けられている。連動片形成用シート510とカバー形成体512とがその面に接触した状態のまま折り曲げガイド部430を通過することで、連動片形成用シート510とカバー形成体512とが服用物収容セル12の折曲げ箇所354にあたる箇所で折り曲げられる。その箇所で折り曲げられた連動片形成用シート510とカバー形成体512とは、第1材料シート引出装置410と第2材料シート引出装置414とによるさらなる引き出しに伴い、プレスローラ部432内に進入する。
プレスローラ部432は第1服用物収容セル312および第2服用物収容セル314の折曲げ箇所354にあたる箇所に折り目を形成する。折り目が形成された連動片形成用シート510とカバー形成体512とは、対向箇所接着ローラ部434内に進入する。
対向箇所接着ローラ部434は、カバー形成体512のうちカバーシート362の切り欠き部分340にあたる箇所を介して、連動片形成用シート510のうち収容部320を構成する部分と連動片形成用シート510のうち外縁接着部350にあたる箇所とを接着させる。そこが接着された連動片形成用シート510とカバー形成体512とは、第1材料シート引出装置410と第2材料シート引出装置414とによるさらなる引き出しに伴い、裁断ローラ部436内に進入する。
裁断ローラ部436は、連動片形成用シート510とカバー形成体512とを所定の長さに裁断する。裁断ローラ部436の構成はミシン目形成ローラ部426と同様である。したがって、裁断ローラ部436の構成に関する説明は繰り返されない。裁断ローラ部436によって裁断された連動片形成用シート510とカバー形成体512とが本実施形態にかかるストリップ包装体310となる。
[製造方法の説明]
図14は、本実施形態にかかるストリップ包装体310の製造方法の工程を示す図である。本実施形態の場合、ストリップ包装体310は上述されたストリップ包装体製造システム400によって製造される。以下、図13と図14とに基づいて、本実施形態にかかるストリップ包装体310の製造方法が説明される。上述されているように、本実施形態にかかるストリップ包装体310は複数の第1服用物収容セル312と複数の第2服用物収容セル314とを備える。従って、本実施形態にかかるストリップ包装体310の製造方法は、第1服用物収容セル312と第2服用物収容セル314との製造方法でもある。
本実施形態にかかるストリップ包装体310の製造方法は、収容接着工程S600と、ミシン目形成工程S602と、軟化工程S604と、折曲げ工程S606と、対向箇所どめ工程S608とを備える。以下において、本実施形態にかかるストリップ包装体310の製造方法の各工程の具体的内容が説明される。
収容接着工程S600において、連動片形成用シート510とカバー形成体512との間に服用物100が収容される。連動片形成用シート510は連動片付シート360の材料である。カバー形成体512はカバーシート362の材料である。したがって、連動片形成用シート510とカバー形成体512とは第1服用物収容セル312および第2服用物収容セル314の材料である。収容接着工程S600において、連動片形成用シート510とカバー形成体512との間のうち服用物100の周囲にあたる領域が接着される。これにより、出口330が形成される。本実施形態にかかる収容接着工程S600は、切欠形成工程S620と、カバー工程S622と、供給前接着工程S624と、服用物供給工程S626と、供給後接着工程S628とを有している。
切欠形成工程S620において、第2材料シート引出装置414は、筒状に巻かれたカバー形成体512の一端を引き出す。切り欠き形成ローラ部418は、第2材料シート引出装置414によって引き出されたカバー形成体512に切り欠きを形成する。切り欠きが形成されたカバー形成体512は、第2ガイドローラ416を経由して、錠剤供給部420の下に進入する。
カバー工程S622において、第1材料シート引出装置410は、連動片形成用シート510の一端を引き出す。引き出された連動片形成用シート510は、第1ガイドローラ412を経由して、錠剤供給部420の下に進入する。錠剤供給部420の下に進入した連動片形成用シート510は、錠剤供給部420の下に進入したカバー形成体512に、少しずれた状態で対向する。その結果、本実施形態の場合、カバー形成体512は連動片形成用シート510の一部を覆う。連動片形成用シート510はカバー形成体512の一部を覆う。本実施形態では、連動片形成用シート510の端のうちカバー形成体512で覆われなかった部分を「材料端部」と称する。
供給前接着工程S624において、縦接着ローラ部422が、連動片形成用シート510とカバー形成体512との間のうち底部領域336にあたる領域と接着領域332にあたる領域とを接着する。これにより、縦接着ローラ部422の第1押さえローラと第2押さえローラとが伝えた熱がカバー形成体512の表面層388を介してシーラント層382に伝わる。シーラント層382に熱が伝わると、シーラント層382は溶ける。シーラント層382が溶けた後、第1押さえローラと第2押さえローラとがカバー形成体512から離される。第1押さえローラと第2押さえローラとがカバー形成体512から離れると、シーラント層382は再度固化する。その際、シーラント層382はカバー形成体512と連動片形成用シート510とを接着する。これにより底部領域336にあたる領域と接着領域332にあたる領域とは接着される。本実施形態の場合、縦接着ローラ部422の第1押さえローラの温度と第2押さえローラの温度とは異なる。これにより、底部領域336にあたる領域の接着強度と接着領域332にあたる領域の接着強度とが異なる。
服用物供給工程S626において、錠剤供給部420が、連動片形成用シート510とカバー形成体512との間に錠剤を落とす。これにより、底部領域336にあたる領域と接着領域332にあたる領域との間にその錠剤が嵌まる。
供給後接着工程S628において、横接着ローラ部424が、連動片形成用シート510とカバー形成体512との間のうち服用物100の周囲にあたる領域を接着する。本実施形態の場合、具体的には、上述された端部領域334にあたる領域が接着される。横接着ローラ部424の押さえローラは、連動片形成用シート510とカバー形成体512とに熱を伝える。その押さえローラが伝えた熱がカバー形成体512の表面層388を介してシーラント層382に伝わる。シーラント層382に熱が伝わると、シーラント層382は溶ける。シーラント層382が溶けた後、押さえローラがカバー形成体512から離される。押さえローラがカバー形成体512から離れると、シーラント層382は再度固化する。その際、シーラント層382はカバー形成体512と連動片形成用シート510とを接着する。これにより端部領域334にあたる領域は接着される。
ミシン目形成工程S602において、ミシン目形成ローラ部426が連動片形成用シート510とカバー形成体512とにミシン目および切り欠きを形成する。これにより、第1服用物収容セル312と第2服用物収容セル314との連結部316となる箇所にミシン目が形成される。そのミシン目の端に切り欠きが形成される。その切り欠きのいずれかが、ラベル部324の隅の外縁部分376となる。
軟化工程S604において、加熱装置428は、連動片付シート360とカバーシート362との出口シート部にあたる領域を加熱する。これにより、加熱装置428が伝えた熱がその領域に伝わる。その領域に熱が伝わると、その領域は柔らかくなる。
折曲げ工程S606において、折り曲げガイド部430は、連動片付シート360とカバーシート362とが折曲げ箇所354にあたる箇所で折り曲げられるように連動片付シート360とカバーシート362とを誘導する。プレスローラ部432はその折曲げ箇所354にあたる箇所に折り目を形成する。
対向箇所どめ工程S608において、対向箇所接着ローラ部434は、連動片形成用シート510のうち収容部320を構成する部分と連動片形成用シート510のうち外縁接着部350にあたる箇所とを接着させる。これらの箇所は、カバー形成体512のうちカバーシート362の切り欠き部分340にあたる箇所を介して接着される。これらの箇所の接着後、裁断ローラ部436は、連動片形成用シート510とカバー形成体512とを所定の長さに裁断する。これにより、ストリップ包装体310が完成する。
[使用方法の説明]
以下、本実施形態にかかるストリップ包装体310並びに第1服用物収容セル312および第2服用物収容セル314の使用方法を説明する。保管時、ストリップ包装体310は、連結部316のいずれかで折曲げられた状態で保管されている。服用物100を服用時、使用者は、ストリップ包装体310から第1服用物収容セル312および第2服用物収容セル314のうち任意の1つを切り取る。それが切り取られると、使用者は、連動片322と収容部320との間に自らの親指を差し込む。親指が差込まれると、外縁接着部350は接着されていた箇所からはがれる。外縁接着部350がはがれると、使用者は、手のひらなどで、収容部320の表面をこすりあわせる。これにより、連動片付シート360とカバーシート362とは、互いに逆方向へ力を受けることとなる。力を受けると、連動片付シート360とカバーシート362とがせん断力を受ける。すると上述したように、連動片付シート360とカバーシート362とは、接着領域332において、容易にはがれる。はがれると、出口330が開く。出口330が開くと、使用者は収容部320を介して服用物100の縁を押す。本実施形態にかかる服用物収容セル12において、収容部320の内側の静摩擦係数は収容部320の外側の静摩擦係数より小さい。したがって、服用物100はスムーズに出口330の方へ押される。その後も使用者は服用物100を押す。その結果、服用物100は出口330を経て収容部320から出る。使用者は収容部320から出た服用物100を服用する。
なお、使用者は、外縁接着部350をはがす際、ツマミ部352をつまんで引いてもよい。
[効果の説明]
本実施形態にかかる第1服用物収容セル312および第2服用物収容セル314において、収容部320の出口330は接着領域332と折曲げ箇所354とによって塞がれている。接着領域332に加え折曲げ箇所354によって出口330が塞がれているので、接着領域332のみによって出口330が塞がれている場合に比べ、接着領域332の接着強度を低くすることができる。接着領域332に加え折曲げ箇所354によって出口330が塞がれているので、出口シート部の対が折曲げ箇所354において折り曲げられておらず接着領域332のみによって出口330が塞がれている場合に比べ、第1服用物収容セル312および第2服用物収容セル314は小型化する。その結果、服用物100が取り出し易く、かつ、小型化が可能な、第1服用物収容セル312および第2服用物収容セル314を提供することができる。
本実施形態にかかる第1服用物収容セル312および第2服用物収容セル314において、一次バリア層380の静摩擦係数に比べて表面層388の静摩擦係数は大きい。これにより、使用者が手のひらなどで収容部320の表面をこすりあわせた際、一次バリア層380において生じる摩擦力よりも表面層388において生じる摩擦力のほうが大きくなる。その結果、使用者が収容部320の表面をこすりあわせた際、収容部320の中で服用物100はよく滑る。よく滑るので、使用者が手のひらなどで収容部320の表面をこすりあわせると服用物100を容易に押し出すことができる。
本実施形態にかかる第1服用物収容セル312および第2服用物収容セル314の一次バリア層380はフッ素樹脂製である。これにより、他の合成樹脂が素材となっている場合に比べ、服用物100との化学反応による劣化が生じにくい。
本実施形態における収容部320の隅には輪郭が曲線状である外縁部分376が設けられている。この輪郭が曲線状である外縁部分376は、鋭角をなす部分及び直角をなす部分に比べ、人の肉体を傷つけにくい。これにより、収容部320が外縁部分376を有していると、これを有していない場合に比べ、その収容部320が人の肉体を傷つける可能性は低くなる。特に、第1服用物収容セル312又は第2服用物収容セル314を人が誤って飲み込んだ際に、収容部320がその人の内臓を傷つける可能性が低くなる。なお、連動片332の隅部、あるいは連動片332が切り欠き部分を介して外縁接着部350(外縁接着部350は後述される)で接着された状態、すなわち出口330を閉じるように折り曲げられた状態における収容部320の折り曲げ箇所354の隅部においても、輪郭が曲線状である外縁部分を設けることが望ましい。これにより、その外縁部分が人の内臓を傷つける可能性が低くなる。
本実施形態にかかる第1服用物収容セル312および第2服用物収容セル314によれば、連動片322と収容部320との間に親指を差し込み、連動片付シート360とカバーシート362とをこすり合せるという操作で開封することができる。連動片付シート360とカバーシート362とは折曲げ箇所354で折り曲げられている。この折曲げにより出口330が閉じているので、接着領域332における貼り付け強度はごく弱いものであってもよい。ごく弱いものであってもよいので、指先の力が弱い者でも本実施形態にかかる服用物収容セル12を容易に開封できる。
また、本実施形態にかかる第1服用物収容セル312および第2服用物収容セル314は、接着領域332において、連動片付シート360とカバーシート362とが互いに貼り付けられている。しかも、重なったシート(連動片付シート360及びカバーシート362)が折曲げ箇所354で折り曲げられている。これにより、連動片322の外縁接着部350が収容部320に貼り付けられている間、出口330をしっかりと塞ぐことができる。しかも接着領域332の形状が直線状なので、接着領域332のいずれかの部分が曲がっている場合に比べ、その領域のどこかに接着領域332を剥がす力が集中してかかる可能性は低くなる。出口330が閉じている上に接着領域332のどこかに力が集中してかかる可能性が低くなるので、可能性が低くならない場合に比べ、接着領域332における貼り付け強度を低くすることが可能となる。
<変形例の説明>
上述したストリップ包装体10,310と小型服用物収容セル12と大型服用物収容セル14と第1服用物収容セル312と第2服用物収容セル314とは、本発明の技術的思想を具体化するために例示したものである。これは、本発明の技術的思想の範囲内において種々の変更を加え得るものである。
例えば、小型服用物収容セル12と大型服用物収容セル14と服用物収容セル18とにおいて、出口領域32の形状は直線状に限定されない。たとえば出口領域32のいずれかの箇所が屈曲していてもよい。出口領域32は貼り合わされていなくともよい。
また、連動片22の形状は上述したものに限定されない。たとえば先端部42は付根部40と同等以上の太さであってもよい。また、連動片22は周知のスプーンのうち物が載せられる部分のような形状であってもよい。
また、連動片付シート60とカバーシート62との素材は、周知の柔らかい合成樹脂のシート上に何らかの表面処理がなされたものであってもよい。その表面処理は複数の層からなっていてもよい。収容部の内周面にあたる箇所に凹凸が設けられてもよい。これにより、服用物100の出やすさを任意に設定することが可能になる。
また、ストリップ包装体10にはミシン目が形成されていなくてもよい。この場合、小型服用物収容セル12と大型服用物収容セル14とは、ハサミなどの任意の器具によって切り取られる。
また、ストリップ包装体10が備える服用物収容セルの列の数は特に限定されない。その列は1列であってもよいし、3列以上であってもよい。したがって、服用物配列工程S220において形成される服用物100の列の数も特に限定されない。
また、小型服用物収容セル12と大型服用物収容セル14とにおいて折り曲げられる箇所は、上述された折曲げ箇所52に限定されない。例えば、その箇所は、出口領域32内の箇所であってもよい。第1服用物収容セル312および第2服用物収容セル314においても同様である。
また、カバー形成体112の構造は上述されたものに限定されない。例えば、接着層は基層140の表面全体に設けられているものであってもよい。この場合、強接着工程S230における発熱部の押し当て時間と弱接着工程S232における発熱部の押し当て時間との差異により、出口領域32における貼り付け強度と端部領域34及び底部領域36における貼り付け強度との差を実現してもよい。
また、付根部40の一部が収容部20の表面に接着していてもよい。付根部40の一部が収容部20の表面に粘着していてもよい。つまり、付根部40は少なくとも一部が収容部20の表面から離れていればよい。また、先端接着部50の大きさは特に限定されない。すなわち、先端部42のうち収容部20の表面に接着されている領域の面積は特に限定されない。
また、収容部20に対する連動片22の先端部42のとめ方は、接着に限定されない。例えば、連動片22の先端部42は、収容部20の表面に粘着していてもよい。連動片22の先端部42は、ある物を他の物へ貼り付けるための周知の部材によって収容部20の表面にとめられていてもよい。連動片22の先端部42は、収容部20に予め設けられている切れ目に挿入されてもよい。収容部20に予め設けられている切れ目に連動片22の先端部42が挿入される場合、その切れ目の位置と大きさとは特に限定されない。ただし、その切れ目は端部領域34又は底部領域36に設けられていることが望ましい。これにより、収容部20のうち服用物100が収容される空間と収容部20の周囲の空間との連通を防止できるためである。
また、本発明にかかる服用物収容セルは、上述したものとは異なるシート拘束部を備えていてもよい。すなわち、上述したシートが出口30,330を閉じるよう折り曲げられている状態を維持するようにそれらのシートの一部を拘束するものの具体的な形態は、上述した連動片22,322に限定されない。なお、シート拘束部とは、出口30,330を構成している重なったシートの一部を拘束するものをいう。シート拘束部がそれらのシートと一体になっていてもいなくてもよい。シート拘束部の構成は特に限定されない。上述した連動片のみからなっていてもよいし、連動片とその他のものとを有していてもよい。シート拘束部は連動片とは異なるものからなっていてもよい。そのようなシートシート拘束部の具体例は、粘着テープがある。
また、本発明にかかる服用物収容セルは、上述したものとは異なる制限部を備えていてもよい。すなわち、服用物100の収容部320内における可動範囲を制限するものの具体的な形態は、上述したものに限定されない。
また、本発明にかかる服用物収容セルは、2枚のシートを接着することによって収容部が形成されるものに限定されない。例えば、収容部は、谷折された1枚のシートによって形成されてもよい。
図15は、上述した実施形態の変形例にかかるストリップ包装体90の平面図である。本変形例にかかるストリップ包装体90は、複数の服用物収容セル18と列間折曲部16とを備える。
服用物収容セル18はいずれも服用物100を収容するものである。服用物収容セル18の構造は、次に述べられる相違点を除き、上述した小型服用物収容セル12の構造と同様である。その相違点とは、連動片24の形状が異なること、及び、列間折曲部16全体をカバー形成体220が覆っていることである。図15から明らかなように、服用物収容セル18のうちいくつかは第1列74を構成するように並んでいる。他の服用物収容セル18は第2列76を構成するように並んでいる。列間折曲部16は第1列74と第2列76との間に設けられる。本変形例にかかるストリップ包装体90は列間折曲部16で折曲げることが可能である。
図15から明らかなように、本変形例の場合、第1列74を構成する服用物収容セル18は、ストリップ包装体90を列間折曲部16で折曲げた場合に第2列76を構成する服用物収容セル18に対向するよう並んでいる。第2列76を構成する服用物収容セル18は、ストリップ包装体90を列間折曲部16で折曲げた場合に第1列74を構成する服用物収容セル18に対向するよう並んでいる。
また、本発明にかかるストリップ包装体の製造方法において、各工程を実現する装置の具体的構成は上述されたものに限定されない。また、それらの各工程は、人によって実施されてもよい。
また、連動片形成工程S204は、カバー工程S222より前(例えば服用物配列工程S220の直前)に実施されてもよい。この場合、連動片形成用シート110のうち、2つの小型服用物収容セル12の境界部80となる箇所、及び、2つの大型服用物収容セル14の境界部82となる箇所が切り抜かれることが好ましい。この場合、カバー形成体112は切り抜かれないことが好ましい。この場合、折曲げ工程S206において折曲げられる箇所は、連動片形成用シート110のうちカバー形成体112の端になるべく近い箇所であることが望ましい。服用物配列工程S220の直前に連動片形成工程S204が実施されると、服用物100の配列に影響されず連動片22を形成することができる。連動片形成工程S204は、弱接着工程S232の後であって折曲げ工程S206の前に実施されてもよい。連動片形成工程S204は、実施されなくてもよい。
また、収容接着工程S200において、連動片形成用シート110とカバー形成体112との間に服用物100が収容され、かつ、周囲領域が服用物100の出口30を形成するように接着されるための具体的手順は上述したものに限定されない。例えば、周囲領域のうち端部領域34と底部領域36とにあたる領域が接着された後、連動片形成用シート110とカバー形成体112との間に服用物100が挿入されてもよい。
服用物配列工程S220においては、連動片形成用シート110の表面に服用物100が配列されればよく、そのための具体的ツールは特に限定されない。
また、強接着工程S230と弱接着工程S232とは同時に実施されてもよい。これらは順次実施されてもよい。すなわち、強接着工程S230と弱接着工程S232とは、周囲接着工程S224が有していることが望ましいものに過ぎない。また、強接着工程S230は、カバー工程S222に続いてカバー工程S222が実施された場所で実施されることが望ましいものに過ぎない。ミシン目形成工程S202は、弱接着工程S232の後に実施されてもよい。
また、本発明にかかる服用物収容セルは、1個ずつ製造されてもよい。この場合、例えば、服用物と、服用物収容セル1個分の大きさの連動片形成用シートと、服用物収容セル1個分の大きさのカバー形成体とを材料としてもよい。
また、本発明にかかる服用物収容セルにおいて、1つの収容部に入る服用物の数は1個に限らない。その数は複数であっても良い。例えば、1回に服用する複数の錠剤を1つの収容部に入れても良い。
また、本発明にかかる服用物収容セルにおいて、そのいずれかの箇所にX線不透過部を設けても良い。X線不透過部の形態は特に限定されない。例えばその形状はライン状であってもよい。X線不透過部は、バリウムを含んだ素材を接着する、あるいはそのような印刷することにより、形成できる。X線不透過部が設けられることにより、誤って飲み込まれても服用物収容セルの場所を容易に検出できる。