JP5805215B2 - 二重活性H1逆アゴニスト/5−HT2Aアンタゴニストとしての置換[(5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−イル)ピペラジン−1−イル]−2,2−ジメチルプロパン酸化合物 - Google Patents
二重活性H1逆アゴニスト/5−HT2Aアンタゴニストとしての置換[(5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−イル)ピペラジン−1−イル]−2,2−ジメチルプロパン酸化合物 Download PDFInfo
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Description
(式中、
R1は、クロロまたはメチルであり、
R2は、メチル、エチル、イソプロピル、クロロ、ブロモ、トリフルオロメチル、またはメチルチオであり、
R3は、水素またはメトキシである)
またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
1)R3が水素であり、
2)R3がメトキシであり、
3)R1がクロロであり、
4)R1がメチルであり、
5)R1がクロロであり、R3が水素であり、
6)R1がメチルであり、R3が水素であり、
7)R2がメチル、エチル、またはイソプロピルであり、
8)R2がメチルであり、
9)R2がクロロまたはブロモであり、
10)R2がクロロであり、
11)R2がトリフルオロメチルであり、
12)R2がメチルチオである。
13)R3が水素(好ましいクラス1)である好ましいクラス7〜12(R2についての好ましい選択である)のいずれか1つの好ましい化合物、
14)R1がクロロであり、R3が水素(好ましいクラス5)である好ましいクラス7〜12(R2についての好ましい選択である)のいずれか1つの好ましい化合物、
15)R3がメトキシ(好ましいクラス2)である好ましいクラス8の好ましい化合物。
「BSA」はウシ血清アルブミンを意味する。
「DCG IV」は(2S,2’R,3’R)−2−(2’,3’−ジカルボキシシクロプロピル)グリシンを意味する。
「DCM」はジクロロメタンを意味する。
「DMEM」はダルベッコ改変イーグル培地を意味する。
「DMSO」はジメチルスルホキシドを意味する。
「DPBS」はダルベッコリン酸緩衝生理食塩水を意味する。
「DSC」は示差走査熱量計を意味する。
「EtOAc」は酢酸エチルを意味する。
「GC」はガスクロマトグラフィーを意味する。
「HBSS」はハンクス緩衝塩溶液を意味する。
「HEPES」は4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸を意味する。
「HPLC」は高圧液体クロマトグラフィーを意味する。
「hr.」または「h」は時間を意味する。
「IBMX」は3−イソブチル−1−メチルキサンチンを意味する。
「IC50」は50%の最大阻害が達成される濃度を意味する。
「i.v.」は静脈または静脈内を意味する。
「i.p.」は腹腔内を意味する。
「LC−MS」はHPLC−質量分析を意味する。
「MeOH」はメタノールを意味する。
「mFST」はマウス強制水泳試験;抗鬱作用についての動物モデルを意味する。
「min.」または「m」は分を意味する。
「mp」は融点を意味する。
「MS」は質量分析を意味する。
「MS(ES+)」はエレクトロスプレーイオン化を使用する質量分析を意味する。
「MTBE」はメチルt−ブチルエーテルを意味する。
「NMR」は核磁気共鳴を意味する。
「p.o.」は経口または口からを意味する。
「SCX−2」はBiotage Isolute Flash SCX−2(登録商標)強陽イオン交換カラムを意味する。
「THF」はテトラヒドロフランを意味する。
本発明の化合物は、当該技術分野において周知で、理解されている一般的な方法によって以下の合成スキームに従って調製できる。これらのスキームの工程についての適切な反応条件は当該技術分野において周知であり、溶媒および共試薬の適切な置換は当業者の範囲内である。同様に、必要および所望される場合、合成中間体が種々の周知の技術により単離または精製でき、高い頻度で、ほとんどまたは全く精製せずに後の合成工程において種々の中間体を直接使用できることは当業者により理解されるだろう。さらに、当業者は、一部の状況において、部分が導入される順序は重要でないことを理解するだろう。本発明の化合物を生成するために必要とされる工程の特定の順序は、熟練した化学者により十分に理解されるように合成される特定の化合物、出発化合物、および置換部分の相対的傾向に依存する。他に示さない限り、全ての置換基は、以前に定義された通りであり、全ての試薬は当該技術分野において周知であり、理解される。
メチル2,2−ジメチル−3−オキソ−プロパノエートの合成
0℃にて、メチル3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパノエート(33g、250mmol)を、DCM(100mL)に懸濁したデス・マーチンペルヨージナン(106g、250mmol)に加え、室温にて18時間攪拌する。反応混合物をセライトベッドにより濾過し、濾過物を濃縮する。濃縮した濾過物をペンタン(2×200mL)で洗浄する。ペンタン層を分離し、真空中で濃縮して、メチル2,2−ジメチル−3−オキソ−プロパノエート(31.93g、定量的)を得る。1H NMR(d6−DMSO)δ9.59(s,1H),3.67(s,3H),1.26(s,6H)。
tert−ブチル4−(3−メトキシ−2,2−ジメチル−3−オキソプロピル)ピペラジン−1−カルボキシレートの合成
室温にて20分間、DCM(500mL)中のメチル2,2−ジメチル−3−オキソ−プロパノエート(30.88g、237.31mmole)およびtert−ブチルピペラジン−1−カルボキシレート(34.00g、182.55mmole)の溶液を攪拌する。0.5時間にわたって、酢酸(2当量);20.92mL、365.09mmole)、続いてナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(1.4当量;54.17g、255.56mmole)を加え、得られた混合物を室温にて一晩攪拌する。注意深く水(250mL)でクエンチし、DCM(300mL)と共に分離漏斗に混合物を移す。得られた有機層をブラインで洗浄する。MgSO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、tert−ブチル4−(3−メトキシ−2,2−ジメチル−3−オキソプロピル)ピペラジン−1−カルボキシレートを得る(58g、100%)。MS(m/z):301.2(M+1)。
メチル2,2−ジメチル−3−(ピペラジン−1−イル)プロパノエートジヒドロクロリドの合成
イソプロピルアルコール(150mL)中のtert−ブチル4−(3−メトキシ−2,2−ジメチル−3−オキソプロピル)ピペラジン−1−カルボキシレート(58.0g、193.08mmole)の溶液に、15分にわたって塩化水素の4Mのジオキサン溶液((4当量);193.08mL、772.31mmole)を加え、ガス発生および微細析出物を観察する。55℃にて3時間加熱して、白色の沈殿物を得る。10℃に冷やし、濾過により白色固体を回収し、さらなるイソプロピルアルコール(30mL)、次いでEtOAc(30mL)で洗浄する。45℃にて1時間、真空オーブン中で乾燥させて、メチル2,2−ジメチル−3−(ピペラジン−1−イル)プロパノエートジヒドロクロリド(31g、59%収率)を得る。MS(m/z):=201.1(M+1)。
メチル2,2−ジメチル−3−(ピペラジン−1−イル)プロパノエート塩酸塩の合成
水(250mL)にメチル2,2−ジメチル−3−(ピペラジン−1−イル)プロパノエートジヒドロクロリド(112.0g、409.95mmole)を溶解する。固体の炭酸水素ナトリウムを加えて、pH4の水層を得て、ジエチルエーテル(300mL)中の10%のDCMの溶液中で混合物を抽出して、 いくらかの暗い固体を除去すると、いくらか着色する。有機層を捨てる。2Mの水酸化ナトリウム水溶液を用いて水相をpH8に塩基性化し、次いで固体の塩化ナトリウムで飽和する。クロロホルム中の10%のイソプロパノール溶液中で抽出する。さらに2Mの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH8を維持する。クロロホルム中の10%のイソプロパノール溶液中で抽出を繰り返す。85%の予想される物質が回収されるまで抽出プロセスを継続する。ブラインでクロロホルム溶液中のイソプロパノールを洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、メチル2,2−ジメチル−3−(ピペラジン−1−イル)プロパノエート塩酸塩(82.1g、%収率)を得る。MS(m/z):201.1(M+1)。
メチル4−エテニル−1H−ピロール−2−カルボキシレートの合成
10分間窒素でパージすることによって、1,4−ジオキサン(20mL)および水(10mL)の混合物中のメチル4−ブロモ−1H−ピロール−2−カルボキシレート(2.0g、9.8mmole)、トリエテニルボロキシンピリジン(1.3当量;3.1g、12.7mmole)、および炭酸カリウム(3当量;4.1g、29.4mmole)の溶液を脱気する。トリス(ジベンジリデンアセトニル)ビス−パラジウム(Pd2(dba)3)(0.01当量;0.0925g、98.0μmole)および1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセン(dtbpf)(0.03当量;0.0853g、294.1μmole)を加え、95℃にて3時間加熱する。次いで室温まで冷やし、水(50mL)と1:1のヘキサン/ジエチルエーテル(100mL)の混合物との間で分ける。有機層を水(2×50mL)、次いでブラインで洗浄する。Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、麦わら色の油状物(1.5g)としてメチル4−エテニル−1H−ピロール−2−カルボキシレートを得る。さらに精製せずに使用する。1H−NMR(CDCl3),δ:8.90(1H,br.s),7.02(1H,m),6.95(1H,m),6.56(1H,q)5.48(1H,dd),5.05(1H,dd),3.86(3H,s)。
メチル4−エチル−1H−ピロール−2−カルボキシレートの合成
500mLのParrボトルに、エタノール(25mL)中の炭(0.2g)上の5%パラジウムの混合物を入れ、メチル4−エテニル−1H−ピロール−2−カルボキシレート(1.4g、9.3mmole)を加える。206.8kPaにて3時間、水素添加して、LC−MSにより完全な変換を得る。セライトで濾過し、蒸発させて、油状物を得る。イソ−ヘキサン/酢酸エチル(100:0〜75:25)と共にシリカゲルパッドを通過させて、淡黄色の油状物(1.12g)として標題化合物を得る。1H−NMR(CDCl3),δ:8.87(1H,br.s),6.73−6.78(2H,m),3.83(3H,s),2.50(2H,q,J=7.8Hz)および1.19(3H,t,J=7.3Hz)。
メチル4−(プロパ−1−エン−2−イル)−1H−ピロール−2−カルボキシレートの合成
メチル4−ヨード−1H−ピロール−2−カルボキシレート(1.5g、5.98mmole)、4,4,5,5−テトラメチル−2−(プロパ−1−エン−2−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン(3.01g、17.98mmole)1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセン(dtbpf)(0.3g、0.06mmole)、トリス(ジベンジリデンアセトニル)ビス−パラジウム(Pd2(dba)3)(0.3g、0.06mmole)、リン酸三カリウム(2.54g、11.95mmole)およびメタノール(12mL)を混合する。140℃にて30分間、マイクロ波中で密閉管中の混合物を加熱する。反応混合物を冷却し、濾過し、メタノールで洗浄焼結し、減圧下で濾過物を蒸発させ、イソヘキサン/ジクロロメタン(勾配溶離、100:0〜0:100)で溶出するシリカ上でクロマトグラフする。生成物を含有する画分を蒸発させて、メチル4−(プロパ−1−エン−2−イル)−1H−ピロール−2−カルボキシレート(0.679g、68.79%収率)を得る。MS(m/z):166.1(M+1)。
エチル3−メトキシ−4−メチル−1H−ピロール−2−カルボキシレートの合成
硫酸ジメチル(3mL、3.99g、31.63mmole)を、3−ヒドロキシ−4−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(3.5g、20.69mmole)および2Mの水酸化ナトリウム(75mL、1500mmoles)の混合物に加え、室温にて30分間、反応混合物を激しく攪拌する(水冷却浴を適用した)。生じた沈殿物を回収し、水で洗浄する。十分な硫酸ジメチル(3mL、3.99g、31.63mmole)を濾過物に加え、30分間攪拌する。生じた沈殿物を回収し、水で洗浄する。十分な硫酸ジメチル(3mL、3.99g、31.63mmole)を濾過物に加え、1時間攪拌する。単離した沈殿物を合わせ、50℃にて30分間、真空オーブン中で乾燥させて、エチル3−メトキシ−4−メチル−1H−ピロール−2−カルボキシレート(3.221g、84.98%収率)を得る。MS(m/z):184.09(M+1)。
エチル1−(5−クロロ−2−ニトロベンジル)−4−メチル−1H−ピロール−2−カルボキシレートの合成
DCM(200mL)中の2−(ブロモメチル)−4−クロロ−1−ニトロ−ベンゼン(25.02g、99.88mmole)の溶液を激しく攪拌し、これにDCM(200mL)中のエチル4−メチル−1H−ピロール−2−カルボキシレート(15g、97.92mmole)の溶液を加える。次いで30−水和テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキシド(0.508g)を加え、外部氷浴を使用して5℃で窒素下で攪拌混合物を冷却する。25%の水酸化ナトリウム(200mL)水溶液を15分にわたって滴下して加え、内部温度が10℃まで上昇することを観察する。攪拌し、室温まで加温する。室温にて3.5時間攪拌する。さらに50%の水酸化ナトリウム(20mL)を加え、さらに1時間室温にて攪拌する。攪拌を停止し、層を分離する。分離漏斗に移し、有機層を1Nの塩酸(200mL)で洗浄し、指示紙を使用してこの層のpHが酸性になるのを観察する。次に有機層を水(600mL)、次いでブライン(600mL)で洗浄し、最後にNa2SO4で乾燥させる。混合物を濾過し、40℃にて真空中で溶媒を除去して、橙色の油状物を得る。イソ−ヘキサン/酢酸エチル(10〜20%で溶出する勾配)と共にシリカゲルパッドを通過させることにより精製して、黄色の油状物(33g、定量的)としてエチル1−(5−クロロ−2−ニトロベンジル)−4−メチル−1H−ピロール−2−カルボキシレートを得る。MS(m/z):322.98(M+1)。
エチル1−(5−クロロ−2−ニトロベンジル)−4−メチル−1H−ピロール−2−カルボキシレートの合成
攪拌しながら窒素雰囲気下で、炭酸セシウム(96g、295mmole)を、DMF(240mL)中のエチル4−メチル−1H−ピロール−2−カルボキシレート(30g、196mmole)の溶液に加え、反応混合物を40℃〜45℃で1時間加熱する。反応混合物を室温まで冷却し、DMF(120mL)中の2−(ブロモメチル)−4−クロロ−1−ニトロ−ベンゼン(54g、216mmole)の溶液を滴下して加える。得られた懸濁液を1.5時間〜2.0時間攪拌し、固体を濾過し、濾過ケーキをDMF(45mL)でリンスする。固体を無菌の反応容器に移し、水(200mL)を加え、1時間〜2時間攪拌しながら、懸濁液を10℃〜15℃に冷却する。懸濁液を濾過し、水(75mL)でリンスし、固体を別の反応容器に移す。エタノール(125mL)を加え、5℃〜10℃にて1時間〜2時間、懸濁液を攪拌する。固体を濾過し、濾過ケーキをエタノール(20mL)でリンスし、減圧下で50℃未満にてオーブン中で固体を乾燥させて、エチル1−(5−クロロ−2−ニトロベンジル)−4−メチル−1H−ピロール−2−カルボキシレートを黄色の固体(54g、94.1%純度、73.3%収率)として得る。
エチルエチル4−ブロモ−1−(5−クロロ−2−ニトロベンジル)−1H−ピロール−2−カルボキシレートの合成
60%の鉱油を懸濁した水素化ナトリウム(1.2当量;1.1g、27.52mmole)を少量のイソ−ヘキサン(×2)で洗浄する。N,N−ジメチルアセトアミド(15mL)に懸濁し、氷浴中で冷却する。エチル4−ブロモ−1H−ピロール−2−カルボキシレート(5.0g、22.93mmole)を15分にわたって少しずつ加え、添加の間のガス発生を少なくする。室温にて15分間攪拌し、茶色の溶液を得る。2−(ブロモメチル)−4−クロロ−1−ニトロ−ベンゼン(1.15当量;6.61g、26.37mmole)を15分にわたって少しずつ加え、得られた紫色の溶液を室温にて2.5時間攪拌する。氷浴中で冷却し、水(10mL)でクエンチする。1Mの塩酸(100mL)とEtOAc(300mL)との間で分ける。有機層を水(2×100mL)、次いでブラインで洗浄する。Na2SO4で乾燥させ、活性炭で脱色する。セライトで濾過し、蒸発させて、エチルエチル4−ブロモ−1−(5−クロロ−2−ニトロベンジル)−1H−ピロール−2−カルボキシレートを橙色の油状物(9.1g、定量的)として得る。1H−NMR(CDCl3)δ8.12(1H,d),7.40(1H,dd),7.07(1H,d),6.92(1H,d),6.53(1H,d),5.87(2H,s),4.17(2H,q),1.25(3H,t)。
エチル1−(2−アミノ−5−クロロベンジル)−4−メチル−1H−ピロール−2−カルボキシレートの合成
5%の白金(S)/炭(2.5g)、およびエチル1−(5−クロロ−2−ニトロベンジル)−4−メチル−1H−ピロール−2−カルボキシレート(16.0g、49.57mmole)を500mLのParrボトルに入れる。エタノール(200mL)次いで臭化亜鉛(0.22当量;2.46g、10.91mmole)を加え、275.8kPaにて水素下に混合物を置き、室温にて一晩、水素添加し、部分的に水素化された中間体の形成をモニターする。Parrボトルを取り除き、水浴中で穏やかに加熱して、結晶化物質を溶解し、セライトで濾過する。同様の実施からの濾過物と合わせ、蒸発させて、エチル1−(2−アミノ−5−クロロベンジル)−4−メチル−1H−ピロール−2−カルボキシレートをオフホワイトの固体として得る。高真空下に置き、残留エタノールを除去して、物質(35g、定量的)を得る。MS(m/z):293.1(M+1)。
エチル1−(2−アミノ−5−クロロベンジル)−4−メチル−1H−ピロール−2−カルボキシレートの合成
窒素下で反応容器中に、THF(800mL)中のエチル1−(5−クロロ−2−ニトロベンジル)−4−メチル−1H−ピロール−2−カルボキシレート(100.0g、310mmole)の溶液を入れ、室温にて攪拌しながら臭化亜鉛(0.22当量;15.4g、68.4mmole)を加える。THF(25mL)中の5%の白金(S)/炭(13.3g)のスラリーを入れ、380kPaにて水素下に容器を置く。室温にて30時間〜40時間水素添加し、部分的に水素化した中間体の形成をモニターし、珪藻土で濾過する。THF(300mL)を用いてフィルターをリンスし、40℃以下で濾過物を濃縮して、約200mLの体積を得る。DCM(250mL)を加え、40℃以下で溶液を濃縮して、約200mLの体積を得、さらにDCM(600mL)を加える。このプロセスを必要に応じて繰り返して、望ましくないレベルのTHFを反応混合物から除去する。水(500mL)を入れ、層を分離し、有機層を水(300mL)、続いて25%の塩化ナトリウム水溶液(250mL)で洗浄する。40℃で溶液を濃縮し、約200mLの体積を得、ヘプタン(400mL)を加え、40℃以下で溶液を濃縮し、約200mLの体積を得る。ヘプタン(400mL)を加え、2〜3時間攪拌しながら、反応混合物を40〜45℃で加熱する。反応混合物を5〜10℃に冷却し、この温度で1〜2時間攪拌を継続する。得られた固体を濾過し、減圧下で50℃未満にてオーブン中で乾燥させて、エチル1−(2−アミノ−5−クロロベンジル)−4−メチル−1H−ピロール−2−カルボキシレート(81.4g、95.8%純度、85.9%収率)を黄色の固体として得る。
エチル1−(2−アミノ−5−クロロベンジル)−4−ブロモ−1H−ピロール−2−カルボキシレートの合成
70℃にて、酢酸(60.00mL)中のエチル4−ブロモ−1−(5−クロロ−2−ニトロベンジル)−1H−ピロール−2−カルボキシレート(9.1g、23.48mmole)の十分に攪拌した溶液に、0.5時間にわたって、鉄(5当量;6.56g、117.38mmole)を少しずつ加える。添加の途中で、発熱を観測し、油浴を取り除いて85℃の温度を維持する。発熱が消散するにつれて反応混合物はより厚くなり、鉄の残りを加えることができる。85℃にて0.5時間攪拌する。室温にて冷却し、水(200mL)上に注ぐ。クロロホルム(2×200mL)中で抽出する。有機層を合わせ、水(2×100mL)、次いで飽和NaHCO3水溶液で洗浄する。Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、橙色の油状物(7.7g、92%収率)として標題化合物を得る。MS(m/z):358.98(M+1)。
7−クロロ−2−メチル−5,10−ジヒドロ−11H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−オンの合成
ジメチルスルホキシド(120mL)中のエチル1−[(2−アミノ−5−クロロ−フェニル)メチル]−4−メチル−ピロール−2−カルボキシレート(35g、119.55mmole)の溶液に、10分にわたってカリウムt−ブトキシド(14.76g、131.5mmole)を加える。80℃(油浴温度)にて1時間加熱する。冷却し、次いで水(400mL)上に注ぐ。得られた茶色の粉末状の固体を濾過により回収し、水で十分に洗浄する。焼結により可能な限り乾燥させて吸引し、次いでディッシュに移し、五酸化リン上で一晩、55℃にて真空オーブン中で乾燥させて、7−クロロ−2−メチル−5,10−ジヒドロ−11H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−オン(22g、91%)を得る。MS(m/z):247.1(M+1)。
7−クロロ−2−メチル−5,10−ジヒドロ−11H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−オンの合成
ジメチルスルホキシド(60mL)中のエチル1−[(2−アミノ−5−クロロ−フェニル)メチル]−4−メチル−ピロール−2−カルボキシレート(20g、68.3mmole)の溶液に、DMSO(40mL)中のカリウムt−ブトキシド(8.4g、74.9mmole)を加え、反応混合物を75〜80℃で1〜2時間攪拌する。水(200mL)をゆっくりと加え、室温に冷却し、1〜2時間攪拌する。固体を濾過し、濾過ケーキを水(75mL)で洗浄し、固体を無菌の反応容器に移す。THF(100mL)を加え、固体が溶解するまで反応混合物を30〜35℃に加熱する。DCM(350mL)を加え、30〜35℃にて1〜2時間攪拌を継続する。1Nの塩酸(250mL)を加え、30〜35℃にて1〜2時間攪拌を継続する。層を分離し、有機層を1Nの塩酸(250mL)、続いて25%の塩化ナトリウム水溶液(50mL)で洗浄し、溶液を50℃以下で濃縮し、約25mLの体積を得る。エタノール(50mL)を加え、50℃以下で溶液を濃縮し、約25mLの体積を得、さらにエタノール(50mL)を加える。50℃以下で溶液を濃縮し、約25mLの体積を得、反応混合物を40〜50℃で加熱し、1〜2時間攪拌する。2〜3時間攪拌しながら反応混合物を5〜10℃に冷却し、得られた固体を濾過する。濾過ケーキをエタノール(25mL)でリンスし、減圧下で50℃未満にてオーブン中で乾燥させて、7−クロロ−2−メチル−5,10−ジヒドロ−11H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−オンをオフホワイトの固体(14.9g、99.9%純度、88.5%収率)として得る。
7−クロロ−2−(トリフルオロメチル)−5,10−ジヒドロ−11H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−オンの代替合成
50℃にて、5Mの塩酸(20mL、100mmol)中の二塩化スズ(3当量;3.02g、15.77mmol)を、エチル1−(5−クロロ−2−ニトロベンジル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−ピロール−2−カルボキシレート(1当量;1.98g、5.26mmole)およびエタノール(100mL)に加える。一晩、次いでさらに26時間加熱し、真空中で大部分のエタノールを取り除き、得られた溶液を水で希釈し、得られた沈殿物を濾過により回収し、水で十分に洗浄し、40℃にて真空中で乾燥させる。固体をシリカ上で吸収し、DCM/メタノール(5:95)で溶出するクロマトグラフにかけて、非環化アミノエステル(0.260g)および7−クロロ−2−(トリフルオロメチル)−5,10−ジヒドロ−11H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−オン(0.613g)を得る。5Mの塩酸(10mL、50mmol)の混合物中で80時間、非環化エステルを加熱する。真空中でエタノールを除去し、得られた沈殿した固体を濾過により回収し、水で洗浄して、7−クロロ−2−(トリフルオロメチル)−5,10−ジヒドロ−11H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−オン(0.17g)を得る。以前の7−クロロ−2−(トリフルオロメチル)−5,10−ジヒドロ−11H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−オンと合わせて、(0.794g、50%収率)を得る。MS(m/z):300.99(M+1)。
7,11−ジクロロ−2−メチル−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンの合成
70℃にて、メトキシベンゼン(250mL)中の7−クロロ−2−メチル−5,10−ジヒドロ−11H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−オン(40.6g、164.58mmole)の懸濁液に、N,N−ジメチルアニリン(2.8当量;58.59mL、460.8mmole)を一度に、続いて塩化ホスホリル(2.3当量(モル濃度);35.18mL、378.52mmole)を20分にわたって加え、添加により発熱を抑制する。得られた暗い溶液を90℃にて1.5時間加熱する。さらなる塩化ホスホリル(0.33当量;5.05mL、54.31mmole)を加え、混合物を90℃にてさらに1時間加熱して、完全な変換を得る。蒸発させてほぼ乾燥させ、残渣を水(500mL)と酢酸エチル(2×500mL)との間に分ける。有機層を合わせ、水(500mL)次いでブラインで洗浄する。Na2SO4で乾燥させ、濾過し、シリカ上で蒸発させる。イソ−ヘキサン/酢酸エチル(5〜25%の勾配溶離)と共にシリカゲルパッドを通過させる。生成物画分を合わせ、少量の溶媒まで蒸発させる。イソ−ヘキサン(150mL)を加え、得られた黄色の粉末を濾過により回収して、7,11−ジクロロ−2−メチル−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン(34.0g、78%収率)を得る。MS(m/z):265.1(M+1)。
N2雰囲気下で、塩化ホスホリル(124g、819mmol)を、7−クロロ−2−メチル−5,10−ジヒドロ−11H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−オン(100g、405mmol)、N,N−ジメチルアニリン(138g、1.14mol)およびアニソール(550mL)の混合物に加える。80〜85℃まで加熱し、4時間〜6時間攪拌する。75℃以下に温度を維持しながら、全体で1.5容量〜2.5容量まで濃縮する。15〜25℃まで冷却する。ジクロロメタン(600mL)を滴下して加え、1時間攪拌する。10℃〜35℃に温度を維持しながら、得られた混合物を水(600mL)に加える。1時間攪拌し、次いで層を分離する。水層をジクロロメタン(600mL)で抽出する。合わせた有機層を1.0NのHCl(600g)、続いて7%のNaHCO3(600g)で洗浄する。有機層を珪藻土(20g〜30g)およびシリカゲル(60g〜100g)で濾過する。45℃以下に温度を維持しながら、得られた濾過物を全体で1.5容量〜2.5容量まで濃縮する。ヘプタン(270g〜410g)を加え、45℃以下に温度を維持しながら、得られた濾過物を全体で1.5容量〜2.5容量まで濃縮する。ヘプタン(150g〜210g)を加え、5℃〜10℃に冷却し、2時間〜3時間攪拌する。濾過し、ヘプタンで濾過ケーキをリンスし、45℃以下にて真空下で乾燥させて、淡黄色の固体(90%〜95%収率)として標題化合物を得る。
メチル3−[4−(7−クロロ−2−メチル−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−イル)ピペラジン−1−イル]−2,2−ジメチルプロパンの合成
塩化ホスホリル(1.47mL、2.43g、15.85mmole)を、DCM(50mL)中の7−クロロ−2−メチル−5,10−ジヒドロ−11H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−オン(1.117g、4.53mmole)に加え、室温にて週末にわたって攪拌する。氷水を反応混合物に加え、次いでDCMを加え、水層を分離し、DCM層を水および炭酸水素ナトリウムで洗浄する。MgSO4でDCM溶液を乾燥させ、濾過し、真空中で溶媒を蒸発させて、7,11−ジクロロ−2−メチル−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン(1.167g)を得る。
アセトニトリル(300mL)中の7,11−ジクロロ−2−メチル−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン(34.0g、128.23mmole)の懸濁液に、メチル2,2−ジメチル−3−(ピペラジン−1−イル)−プロピオネート塩酸塩(2.1当量;63.75g、269.29mmole)および炭酸カリウム(4当量;70.89g、512.93mmole)を加える。混合物を環流にて一晩加熱する。蒸発乾固する。残渣を水(500mL)とEtOAc(2×500mL)との間に分ける。有機層を合わせ、水(500mL)次いでブラインで洗浄する。硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、茶色の油状物まで蒸発させる。イソ−ヘキサン(約150mL)および調製例50の種晶を加える。2時間にわたって結晶化し、次いでフラスコを冷蔵庫に移し、静置させる。得られた重い結晶固体を濾過により回収し、冷イソ−ヘキサンで洗浄する。真空オーブン中で40℃にて1時間乾燥させ、メチル3−[4−(7−クロロ−2−メチル−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−イル)ピペラジン−1−イル]−2,2−ジメチルプロパノエート(53.6g、97%収率)を得る。MS(m/z):429.18(M+1)。
7,11−ジクロロ−2−メチル−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン(10.0g、37.7mmol)、メチル2,2−ジメチル−3−(ピペラジン−1−イル)−プロピオネート二塩酸塩(19.4g、71.0mmol)、ジイソプロピルアミン(22.9g、226mmol)、およびアセトニトリル(80g)の混合物を、80℃〜85℃にて22時間〜26時間加熱する。水(80g)を滴下して加える。40分攪拌し、層を分離する。水層を酢酸エチル(60g〜80g)で抽出する。合わせた有機層を25%の塩化ナトリウム水溶液(2×40g)で洗浄する。50℃以下に温度を維持しながら、有機層を全体で1.5容量および3.5容量まで濃縮する。40℃〜50℃にてヘプタン(41g〜55g)を加え、2時間〜3時間攪拌する。温度を50℃以下に維持しながら、全体で1.5容量〜3.0容量まで濃縮する。0℃〜10℃に冷却し、2時間〜3時間攪拌する。濾過し、濾過ケーキをヘプタン(3.0g〜10.0g)で洗浄し、60℃以下にて真空下で乾燥させて、標題化合物(16.0g、94.7%w/w%アッセイ、94%収率)を淡黄色の固体として得る。
メチル3−[4−(2,7−ジクロロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−イル)ピペラジン−1−イル]−2,2−ジメチルプロパノエートの合成
塩化ホスホリル(5当量;4.36mL、7.19g、46.89mmole)を、クロロホルム(80mL)中の2,7−ジクロロ−5,10−ジヒドロ−11H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−オン(1当量;2.505g、9.38mmole)に加え、加熱し、50℃にて一晩攪拌する。反応溶液をデカントし、真空中で油状物まで蒸発させる。油状物をDCMに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄する。DCM溶液をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮乾固して、2,7,11−トリクロロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンをクリーム色の固体として得る。並行して、メタノールに溶解することによりメチル2,2−ジメチル−3−(ピペラジン−1−イル)プロパノエート塩酸塩(0.837g、3.54mmole)を脱塩し、メタノール溶液をSCX−2カラム(10g)に加え、メタノールで洗浄し、次いでメタノール溶液中の2.5Mのアンモニアで溶出し、メタノールアンモニア画分を蒸発させて、メチル2,2−ジメチル−3−(ピペラジン−1−イル)プロパノエート(0.665g)を油状物として得る。この油状物を2,7,11−トリクロロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン(0.505g、1.77mmole)、炭酸カリウム(0.733g、5.31mmole)およびアセトニトリル(20mL)と混合し、環流で一晩加熱する。反応混合物を室温まで冷却し、濾過し、焼結物をEtOAcで洗浄し、次いで真空中で濾過物を固体まで蒸発させる。メタノール/DCM(勾配溶離2:98〜8:92)で溶出するシリカ上でクロマトグラフにかける。生成物を含有する画分を蒸発させて、メチル3−[4−(2,7−ジクロロ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−イル)ピペラジン−1−イル]−2,2−ジメチルプロパノエート(0.69g)を得る。MS(m/z):449.13/451.07(M+1)。
メチル2,2−ジメチル−3−[4−(7−メチル−2−(メチルスルファニル)−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−イル)ピペラジン−1−イル]−プロパノエートの合成
メチル1−(5−メチル−2−ニトロベンジル)−4−(メチルスルファニル)−1H−ピロール−2−カルボキシレート(3.49mmole;1.12g)を酢酸(15mL)で処理し、次いで鉄の粉末(10.5mmole;585mg)で処理し、次いで80℃にて油浴中でゆっくり加熱する。数時間後、油浴温度を90℃まで増加させる。次いで反応物を60℃にて2日間置いておく。次いで濃縮乾固して、酢酸を除去し、次いでEtOAcで処理し、橙色が消えるまで、十分なEtOAcと共にシリカパッドで洗浄する。赤色の溶出液を乾燥するまで濃縮し、次いでメタノールで処理し、次いで再濃縮し、DCM(20mL)に溶解し、塩化ホスホリル(1.0mL)で処理する。反応物を50℃にて油浴中で一晩加熱する。次いで反応物を室温まで冷却し、氷で処理し、次いで水で2回、次いでNaHCO3(水溶液)で洗浄する。有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過し、タールまで濃縮する。それと同時に、メチル2,2−ジメチル−3−(ピペラジン−1−イル)−プロパノエート二塩酸塩(1.60g、5.86mmole)を水に溶解し、次いでSCX−2カートリッジ(2×10g)に負荷し、メタノールで洗浄し、次いでメタノール中のアンモニアで溶出する。塩基性を濃縮して、油状物まで乾燥させる。次いでこの油状物をアセトニトリル(50mL)に溶解し、タールおよび炭酸カリウム(1.0g)の混合物に加え、次いで環流で加熱する。2時間後、反応物を140℃で2時間、マイクロ波を照射する。次いで反応物を濾過し、アセトニトリルおよびアセトンで抽出する。母液を合わせ、シリカ上で乾燥するまで濃縮し、次いでフラッシュクロマトグラフィー(40g)(ヘキサン中の10〜50%EtOAc)により精製する。透明な生成物を含有する画分を取り、合わせ、濃縮して、メチル2,2−ジメチル−3−[4−(7−メチル−2−(メチルスルファニル)−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−イル)ピペラジン−1−イル]−プロパノエート(418mg;27%収率)を得る。MS(m/z):441.18(M+1)。
7−クロロ−2−(メチルスルファニル)−11−(ピペラジン−1−イル)−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピンの合成
塩化スルホリル(5当量;2.21mL、3.64g、23.76mmole)を、クロロホルム(20mL)中の7−クロロ−2−(メチルスルファニル)−5,10−ジヒドロ−11H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−オン(1.38g、4.75mmole)に加え、加熱し、45℃にて2時間攪拌する。反応物の温度を60℃まで上昇させ、さらに2時間攪拌する。真空中でクロロホルムを除去し、DCM(100mL)に残渣を溶解し、飽和重炭酸ナトリウム(100mL)で洗浄する。DCM層を相分離フリットで濾過し、真空中で溶媒を蒸発させて、粘性油状物を得る。アセトニトリル(10mL)に油状物を溶解し、炭酸セシウム(3当量;4.65g、14.26mmole)を加える。この混合物に、乾燥アセトニトリル(10mL)中のピペラジン(10当量;4.09g、47.52mmole)を加え、加熱し、減圧下で一晩、混合物を攪拌する。反応混合物を冷却し、飽和塩化アンモニウム溶液(100mL)を加え、EtOAc(2×50mL)中に抽出する。有機層を合わせ、水(3×100mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、真空中で溶媒を蒸発させて、7−クロロ−2−(メチルスルファニル)−11−(ピペラジン−1−イル)−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン(1.0g、60%)を得る。MS(m/z):347.13(M+1)。
メチル3−[4−(7−クロロ−2−(メチルスルファニル)−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−イル)ピペラジン−1−イル)ピペラジン−1−イル]−2,2−ジメチルプロパノエートの合成
DCM(5mL)中のメチル2,2−ジメチル−3−オキソ−プロパノエート(0.928g、7.13mmole)を、DCM(10mL)中の7−クロロ−2−(メチルスルファニル)−11−(ピペラジン−1−イル)−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン(1.0g、2.85mmole)に加え、窒素下で室温にて30分間、攪拌する。ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(3当量;1.89g、8.56mmole)を反応混合物に加え、窒素下で室温にて攪拌する。メタノールを加え、SCX−2カラムに適用し、メタノールで洗浄し、メタノール中の2Mのアンモニアで溶出する。メタノール溶液を蒸発させて、メチル3−[4−(7−クロロ−2−(メチルスルファニル)−5H−ピロロ[2,1−c]ピロロ[1,4]ベンゾジアゼピン−11−イル)ピペラジン−1−イル]−2,2−ジメチルプロパノエート(1.23g、84%収率)を得る。MS(m/z):461.12(M+1)。
メチル2,2−ジメチル−3−{4−[7−メチル−2−(プロパン−2−イル)−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−イル]ピペラジン−1−イル}プロパノエートの合成
メタノール(15mL)中でメチル3−[4−(2−ブロモ−7−メチル−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−イル)ピペラジン−1−イル]−2,2−ジメチルプロパノエート(1.00当量;600.00mg、1.27mmole)、4,4,5,5−テトラメチル−2−(プロパ−1−エン−2−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン(3.00当量;638.93mg、3.80mmole)を混合する。1.09wt%のトリス(ジベンジリデンアセトニル)ビス−パラジウム(Pd2(dba)3)、1.16wt%の1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセン(dtbpf)および97.75wt%のリン酸三カリウム(1.06g)の予め混合した混合物を加え、140℃にて25分間マイクロ波中で加熱する。反応混合物をセライトで濾過し、メタノールで25mL容積に希釈する。50℃にて10%のPd/C触媒カートリッジを使用してH−Cube(登録商標)フロー水素化機(hydrogenator)を介して1mL/分にて通過させることによってメタノール溶液を水素化する。真空中で溶媒を蒸発させて、メチル2,2−ジメチル−3−{4−[7−メチル−2−(プロパン−2−イル)−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−イル]ピペラジン−1−イル}プロパノエートを得る。MS(m/z):437.28(M+1)。
メチル3−[4−(2−エチル−7−メチル−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−イル)ピペラジン−1−イル]−2,2−ジメチルプロパノエートの合成
メタノール(15mL)中のメチル3−[4−(2−ブロモ−7−メチル−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−イル)ピペラジン−1−イル]−2,2−ジメチルプロパノエート(1.00当量;620.00mg、1.31mmole)、トリエテニルボロキシンピリジン(1.5当量;472.79mg、1.96mmole)を混合する。1.09wt%のトリス(ジベンジリデンアセトニル)ビス−パラジウム(Pd2(dba)3)、1.16wt%の1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセン(dtbpf)および97.75wt%のリン酸三カリウム(1.10g)の予め混合した混合物を混合し、25分間140℃にてマイクロ波中で加熱する。反応混合物をセライトで濾過し、メタノールで25mL容積に希釈する。50℃にて10%のPd/C触媒カートリッジを使用してH−Cube(登録商標)フロー水素化機を介して1mL/分にて通過させることによってメタノール溶液を水素化する。真空中で溶媒を蒸発させて、メチル3−[4−(2−エチル−7−メチル−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−イル)ピペラジン−1−イル]−2,2−ジメチルプロパノエートを得る。MS(m/z):423.18(M+1)。
3−[4−(7−クロロ−2−メチル−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−イル)ピペラジン−1−イル]−2,2−ジメチルプロパン酸の合成
イソプロピルアルコール(150mL)および水(150mL)の混合物中のメチル3−[4−(7−クロロ−2−メチル−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−イル)ピペラジン−1−イル]−2,2−ジメチルプロパノエート(28.0g、65.27mmole)の懸濁液に、水酸化ナトリウム(3当量;7.83g、195.82mmole)を加え、70℃にて4時間加熱して、透明な溶液を得る。70℃にてさらに1時間加熱し、次いでわずかに冷却する。さらなる5Mの塩酸を加えて、6.5から7のpHを得る。溶媒の体積を半分まで減少させ、次いで冷蔵庫で0.5時間、フラスコを冷蔵する。得られた白色固体を濾過により回収し、五酸化リン上で40℃にて真空オーブン中で一晩乾燥させて、3−[4−(7−クロロ−2−メチル−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−イル)ピペラジン−1−イル]−2,2−ジメチルプロパン酸(26.5g、98%収率)を得る。MS(m/z):415.3(M+1)。DSC融点=246.5℃(開始)。
3−[4−(7−クロロ−2−メチル−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−イル)ピペラジン−1−イル]−2,2−ジメチルプロパン酸二塩酸塩の合成
60℃にてイソプロピルアルコール(250mL)中の3−[4−(7−クロロ−2−メチル−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−イル)ピペラジン−1−イル]−2,2−ジメチルプロパン酸(24.25g、58.44mmole)の懸濁液に、10分にわたって、塩化水素の4Mのジオキサン溶液(2.4当量;35.07mL、140.26mmole)を加えて、透明な溶液を得る。わずかに冷却し、次いでオフホワイトの固体まで蒸発させる。少量のジエチルエーテルで粉砕し、粉末状のクローム色の固体を濾過により回収する。40℃にて一晩、真空オーブン中で乾燥させる。微粉に研磨して、60℃にて6時間、真空オーブン中で乾燥させる。1H NMRにより残留イソプロピルアルコールのレベルをモニターする。温エタノール(350mL)に溶解し、蒸発乾固する。エタノール(50mL)で粉砕し、再び蒸発乾固する。乾燥ジエチルエーテル(200mL)で粉砕し、得られた固体を濾過により回収する。50℃にて真空オーブン中で6時間乾燥させて、3−[4−(7−クロロ−2−メチル−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−イル)ピペラジン−1−イル)ピペラジン−1−イル]−2,2−ジメチルプロパン酸二塩酸塩(26.9g、94%収率)を得る。MS(m/z):415.2(M+1)。
3−[4−(2−クロロ−7−メチル−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−イル)ピペラジン−1−イル]−2,2−ジメチルプロパン酸二塩酸塩の合成
メチル2,2−ジメチル−3−(ピペラジン−1−イル)−プロパノエート二塩酸塩(1.49g、5.47mmole)を水に溶解し、SCX2カラム上で吸収する。カラムをメタノールで洗浄し、メチル2,2−ジメチル−3−ピペラジン−1−イル−プロパノエートをメタノール中の2Mのアンモニアで溶出する。真空中でメタノールを除去し、メチル2,2−ジメチル−3−(ピペラジン−1−イル)プロパノエートをアセトニトリル(12mL)に加える。2,11−ジクロロ−7−メチル−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン(0.85g、3.22mmole)および重炭酸ナトリウム(0.405g、4.83mmole)をアセトニトリル溶液に加える。140℃にて30分間、マイクロ波中で加熱し、攪拌する。室温まで冷却し、シリカ上で反応混合物を吸収し、クロマトグラフィー(EtOAc/イソヘキサン0:100%〜100:0%を用いる勾配溶離)により精製する。生成物を含有する画分を回収し、真空中で溶媒を蒸発させて、残渣をメタノール(10mL)に溶解し、水酸化リチウム(0.235g、9.65mmole)を加える。140℃にて12.5分間、マイクロ波中でメタノール溶液を加熱し、攪拌する。室温まで冷却し、酢酸で酸性化し、次いで減圧下で溶媒を蒸発させる。残渣を過剰な2MのHCl(水溶液)に溶解し、次いで蒸発乾固する。残渣を水に溶解し、マクロ多孔性ポリスチレン炭酸水素塩(PL−HCO3)樹脂上で固定する。樹脂を水で洗浄し、2MのHCl(水溶液)で樹脂から溶出する。溶液を蒸発乾固して、3−[4−(2−クロロ−7−メチル−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−イル)ピペラジン−1−イル]−2,2−ジメチルプロパン酸二塩酸塩(0.177g;11.28%収率)を得る。MS(m/z):415.18(M+1)。
ナトリウム3−[4−(7−クロロ−2−エチル−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−イル)ピペラジン−1−イル]−2,2−ジメチルプロパノエートの合成
3−[4−(7−クロロ−2−エチル−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−イル)ピペラジン−1−イル]−2,2−ジメチルプロパン酸二塩酸塩(201mg、400μmole)を水およびメタノール(5mL)に溶解し、次いでSCX−2カートリッジ(2g)上に負荷する。メタノールで洗浄し、次いでメタノール中のアンモニアで溶出する。塩基性溶液を濃縮乾固して、3−[4−(7−クロロ−2−エチル−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−イル)ピペラジン−1−イル]−2,2−ジメチルプロパン酸(160mg、373μmole)を得る。次いで2Nの水酸化ナトリウム(187μL、373μmole)および水(3mL)で処理して溶液にする。次いで凍結乾燥して、ナトリウム3−[4−(7−クロロ−2−エチル−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−イル)ピペラジン−1−イル]−2,2−ジメチルプロパノエート(164mg、98%収率)を得る。MS(m/z):429.18(M+1)。
3−[4−(7−クロロ−2−メチル−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−イル)ピペラジン−1−イル]−2,2−ジメチルプロパン酸ジ−メタンスルホネートの合成
3−[4−(7−クロロ−2−メチル−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−イル)ピペラジン−1−イル]−2,2−ジメチルプロパン酸(0.106g、0.255mmol)にアセトニトリル(5mL)を加えて、スラリーを形成する。メタンスルホン酸(0.050ml、0.075g、0.76mmol)を攪拌スラリー(1000rpm)に加え、白色固体が沈殿するまで、得られた溶液を60℃にて攪拌する。このスラリーを冷却し、濾過により固体を単離して、3−[4−(7−クロロ−2−メチル−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−イル)ピペラジン−1−イル]−2,2−ジメチルプロパン酸ジ−メタンスルホネート(0.15g)を得る。
インビトロ結合および活性アッセイ:
H1競合結合アッセイ
[3H]ピリラミン結合実験をSPA(シンチレーション近接アッセイ)96ウェルフォーマットにおいて実施する。このアッセイに使用した膜は、組換えH1受容体(ヒト)を安定に発現するHEK−293細胞から調製する。WGA PVT SPAビーズ(1mg/ウェル、Perkin Elmer(MA、USA)RPNQ0001)および3μgの膜の混合物を、3.5nMの[3H]−ピリルアミンおよび種々の濃度の試験化合物(10点濃度反応曲線)を含有するアッセイ緩衝液(67mMのTris;pH7.6)に添加することによりインキュベーションを開始する。10μMのトリプロリジンの存在下で非特異的結合を測定する。試料を室温(22℃)にて4時間インキュベートし、次いでMicrobeta Triluxで読み取る。
[3H]−ケタンセリン結合実験をSPA96ウェルフォーマットにおいて実施する。このアッセイに使用した膜は、組換え5−HT2A受容体(ヒト)を安定に発現するAV−12細胞から調製する。WGA YSi SPAビーズ(1mg/ウェル、Perkin Elmer(MA,USA),RPNQ0011)および2μgの膜の混合物を、3.1nMの[3H]−ケタンセリンおよび種々の濃度の試験化合物(10点濃度反応曲線)を含有するアッセイ緩衝液(67mMのTris、0.5mMのEDTA;pH7.6)に添加することによってインキュベーションを開始する。20μMの1−(1−ナフチル)ピペラジンの存在下で非特異的結合を測定する。試料を室温(22℃)にて4時間インキュベートし、次いでMicrobeta Triluxで読み取る。
[125I]−(±)DOI結合実験をSPA96ウェルフォーマットにおいて実施する。このアッセイに使用した膜は、組換え5−HT2C受容体(ヒト)を安定に発現するAV−12細胞から調製する。WGA PVT SPAビーズ(0.5mg/ウェル、Perkin Elmer(MA、USA)、RPNQ0001)および2.5μgの膜の混合物を、0.2nMの[[125I]−(±)DOIおよび種々の濃度の試験化合物(10点濃度反応曲線)を含有するアッセイ緩衝液(50mMのTris−HCl、10mMのMgCl2、0.5mMのEDTA、10μMのパーギリン、0.1%のアスコルビン酸、pH7.4)に添加することによってインキュベーションを開始する。20μMの1−(1−ナフチル)ピペラジンの存在下で非特異的結合を測定する。室温(22℃)にて4時間、試料をインキュベートし、次いでMicrobeta Triluxで読み取る。
放射性リガンド結合の50%阻害(IC50)を生じる競合相手の濃度を得るために4−パラメータロジスティック非線形方程式を使用して曲線を評価する。式Ki=IC50/(1+L/Kd)(式中、Lはこの実験に使用した放射線リガンドの濃度に等しく、Kdは、標準飽和分析法または相同競合実験から測定した受容体に対する放射線リガンドの平衡解離定数と等しい)に従って平衡解離定数(Ki)を算出する。nの値を示す、Kiについて報告した値は、幾何平均±標準誤差(SEM)として示し、nにより示される複製数の決定を有する。式GeoMean=10^(平均(logKi1+logKi2+...logKin)/sqrt n)により幾何平均を算出する。
96ウェルフォーマットFLIPR(登録商標)システム(Fluorometric Imaging Plate Reader(FLIPR(登録商標)、Molecular Devices))を使用してカルシウム流出をモニタリングすることによって天然GABAA受容体に対する化合物の活性を評価する。つまり、皮膚の胚の神経細胞をE18ラット胚から解離し、黒壁の透明底のポリ−D−リジンでコーティングした96ウェルFLIPR(登録商標)プレート中に最適密度で播種する。細胞にカルシウム感受性色素(Fluo4−AM、Molecular Devices)を負荷した後、低塩化物(グルコン酸塩と置き換えた塩化物)を含有する溶液中に細胞を漬ける。これらの条件下で、GABAA受容体の活性により、(化学勾配の方向において)塩化物イオンの流出が生じ、それにより、膜の脱分極およびその結果として電位依存性カルシウムチャネル(VGCC)の活性化が生じる。VGCCによるカルシウム流出を記録し、FLIPR(登録商標)システムを使用してオフラインで分析する。アッセイの薬理学的検証のために、濃度反応曲線(CRC)を、標準的なアゴニスト(GABA)および標準的なアンタゴニスト(ガバジン)について記録する。10μM(EC90GABA反応に等しい)において一定濃度のアゴニストGABAに対するCRC様式においていずれかの作用を決定する。
化合物の存在および非存在下でアゴニストGABAに対するピーク蛍光反応を比較することにより10点用量反応曲線を使用して化合物の拮抗作用を定量する。アッセイウィンドウを、その所定のEC90濃度においてGABAにより得た最大反応マイナスガバジンの完全な阻害濃度(50μM)により得た反応として定義する。アッセイウィンドウのパーセントとして拮抗作用を算出する。4パラメータロジスティック曲線フィッティングプログラム(Prism Graphpad(登録商標)3.01)を使用して相対的IC50値として全てのデータを算出する。全ての化合物についての拮抗効力を、各アッセイ試行において3つの複製を用いてガバジンと比較する。
本発明の代表的な化合物を、睡眠の量を増加させるか、または睡眠の中断を減少させるか、REM睡眠の阻害、覚醒運動障害、および/もしくは反跳不眠などの望ましくない効果のいずれも有さない、それらの能力についてラットにおいて試験する。試験動物を、脳電図(EEG)、筋電図(EMG)、および運動により連続してモニターして、累積的な非REM睡眠、累積的な全睡眠、平均睡眠不快時間、最も長い睡眠不快時間、反跳不眠、REM睡眠阻害および覚醒状態の間の自発運動を測定する。このような研究についての方法は当該技術分野において公知である(例えば、Edgar DM,Seidel WF.Modafinil induces wakefulness without intensifying motor activity or subsequent rebound hypersomnolence in the rat.J Pharmacology & Experimental Therapeutics 1997;283:757−769;van Gelder RN,Edgar DM,Dement WC.Real−time automated sleep scoring:validation of a microcomputer−based system for mice.Sleep 1991,14:48−55;およびGross BA,Walsh CM,Turakhia AA,Booth V,Mashour GA,Poe GR.Open−source logic−based automated sleep scoring software using electrophysiological recordings in rats.J Neurosci Methods.2009;184(1):10−8に記載されている方法を参照のこと)。研究は以下のように行う。
累積睡眠:処置後最初の6時間にわたる(分)(「全睡眠」はNREM睡眠+REM睡眠を示す)。
平均睡眠不快:処置後最初の6時間にわたる時間平均化した睡眠不快の平均をビヒクル対照に対してn倍増加として表す。
最も長い睡眠不快:処置後最初の6時間における最も長い睡眠不快をビヒクル対照に対してn倍増加として表す。
反跳不眠:処置後の期間、すなわち第7回、第8回および第9回の明期の最初の3時間の間のNREM+REM睡眠の累積分。
REM阻害:処置後、最初の12時間の間のREM睡眠の累積分。
自発運動(LMA)強度:処置前の最初の6時間にわたって平均化した、EEGにより定義した覚醒状態のLMAカウント毎分として表す。
[1] 以下の式の化合物
(式中、R 1 はクロロまたはメチルであり、
R 2 は、メチル、エチル、イソプロピル、クロロ、ブロモ、トリフルオロメチル、またはメチルチオであり、
R 3 は、水素またはメトキシである)
またはその薬学的に許容可能な塩。
[2] R 3 が水素である[1]に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
[3] R 1 がクロロである、[1]または[2]に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
[4] 3−[4−(7−クロロ−2−メチル−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−イル)ピペラジン−1−イル]−2,2−ジメチルプロパン酸である、[1]に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
[5] 3−[4−(7−クロロ−2−メチル−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−イル)ピペラジン−1−イル]−2,2−ジメチル−プロパン酸二塩酸塩である、[1]に記載の化合物。
[6] 少なくとも1種の薬学的に許容可能な担体、希釈剤、または賦形剤と組み合わせて、[1]〜[5]のいずれか一に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む、医薬組成物。
[7] 哺乳動物における不眠症を治療する方法であって、そのような治療を必要とする哺乳動物に有効量の[1]に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む、方法。
[8] 前記哺乳動物がヒトである、[7]に記載の方法。
[9] 前記不眠症が、睡眠開始もしくは睡眠維持またはその両方における困難性により特徴付けられる、[7]に記載の方法。
[10] 前記哺乳動物がヒトである、[9]に記載の方法。
[11] 治療に使用するための[1]〜[5]のいずれか一に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む、化合物。
[12] 不眠症の治療に使用するための[1]〜[5]のいずれか一に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
[13] 不眠症が睡眠開始もしくは睡眠維持またはその両方における困難性により特徴付けられる、不眠症の治療に使用するための[1]〜[5]のいずれか一に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
[14] ヒトにおける[12]または[13]に記載の使用のための化合物。
[15] 不眠症を治療するための医薬の製造における[1]〜[5]のいずれか一に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩の使用。
[16] 哺乳動物において、不眠症が睡眠開始もしくは睡眠維持またはその両方における困難性により特徴付けられる不眠症を治療するための医薬の製造における[1]〜[5]のいずれか一に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩の使用。
[17] 少なくとも1種の薬学的に許容可能な担体、賦形剤または希釈剤と、必要に応じて他の治療成分と共に、[1]〜[5]のいずれか一に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む、医薬組成物。
[18] 前記他の治療成分が選択的セロトニン再取り込み阻害剤を含む、[17]に記載の医薬組成物。
Claims (7)
- R3が水素である請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
- R1がクロロである、請求項1または請求項2に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
- 3−[4−(7−クロロ−2−メチル−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−イル)ピペラジン−1−イル]−2,2−ジメチルプロパン酸である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
- 3−[4−(7−クロロ−2−メチル−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11−イル)ピペラジン−1−イル]−2,2−ジメチル−プロパン酸二塩酸塩である、請求項1に記載の化合物。
- 少なくとも1種の薬学的に許容可能な担体、希釈剤、または賦形剤と組み合わせて、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む、医薬組成物。
- 少なくとも1種の薬学的に許容可能な担体、賦形剤または希釈剤と、選択的セロトニン再取り込み阻害剤と共に、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む、医薬組成物。
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