以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の全体構成を示す斜視図、図2はスロットマシン10の正面図、図3はスロットマシン10の側面図、図4は前面扉12を開いた状態のスロットマシン10の斜視図である。本スロットマシン10では、内側扉400を有する面替えユニット300をスロットマシン10の内部に備える構成となっている。図5は前面扉12と内側扉400とを開いた状態の正面図である。これら図1〜図5に基づいて、スロットマシン10の構成について詳しく説明する。なお、以下の説明において、特に指示しない限りはスロットマシン10の正面視を基準に上下左右等の方向を特定することとする。
<筐体11の外観構成>
スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、板状に形成された木製の天板11a、底板11b、背板11c、左側板11d及び右側板11eからなり(図4の筐体斜視図参照)、隣接する各板11a〜11eが接着等の固定手段によって固定されることにより、全体として前面側が開放された箱状に形成されている。なお、各板11a〜11eは木製のパネルによって構成される以外に、合成樹脂製パネル又は金属製パネルによって構成されてもよいし、合成樹脂材料又は金属材料によって一体の箱状に形成されてもよい。また、各板11a〜11eは、内外に貫通した開口部やリブ等による凹凸を有する構成であってもよい。以上のように構成された筐体11は、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
<前面扉12の説明>
筐体11の前面側には、前面開閉扉としての前面扉12が開閉可能に取り付けられている。前面扉12は、筐体11の前側開放部を全て塞ぐように設けられ、スロットマシン10の左縁部を軸線として手前側に開放されるようになっている。また、前面扉12の周縁部には、天板11a,底板11b,左側板11d及び右側板11eの各板における前端面に近接するように張り出した張出部15が設けられている。
前面扉12の上半部には、正面に向けて上下に上側視認窓21と下側視認窓22とが並設されている。これら視認窓21,22には、透明な板材よりなりかつ視認窓21,22とほぼ同形状をなす透明パネル23,24(図1参照)が設けられている。それら透明パネル23,24は、ビス等の締結具(図示略)により前面扉12の背面側に固定されている。本実施の形態おいては特に、透明パネル23,24が1枚板で構成されている。
これら透明パネル23,24を介して前面扉12の後方が視認可能である。換言すれば、前面扉12の後方に設けられる装飾絵柄や後述する液晶図柄等が視認窓21,22を通じて視認可能となっている。
前面扉12の前面側において、上縁部及び左右両縁部には、視認窓21,22を囲む囲い部25が透明パネル23,24よりも前方に張り出すように形成されている。また、その囲い部25の上部には、遊技状況に応じたランプ演出等を行うための中央ランプ部26が設けられている。
下側視認窓22の下方は、遊技者により操作される各種操作部材等を配備した操作部となっており、メダル投入装置30と、MAXベットスイッチ40及び1ベットスイッチ41と、スタートレバー45と、ストップスイッチ50〜52と、精算スイッチ55と、返却スイッチ60とが配備されている。以下、各構成部品を個々に説明する。
メダル投入装置30は、下側視認窓22の下方右側に設けられており、同メダル投入装置30の投入口より投資価値としてのメダルが1枚ずつ投入される。メダル投入装置30は投資価値を入力する入力手段を構成し、メダル投入装置30が遊技者によるメダルの直接投入という動作を伴う点に着目すれば、投資価値を直接入力する直接入力手段を構成するものといえる。
メダル投入装置30から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切換手段に送られる。すなわち、前面扉12の背面には、通路切換手段としてのセレクタ31が設けられており、メダル投入装置30から投入されたメダルは、セレクタ31によって貯留用通路32か排出用通路33のいずれかに導かれる(図4参照)。セレクタ31にはメダル通路切換ソレノイドが設けられており、そのメダル通路切換ソレノイドの非励磁時にはメダル通路が排出用通路33側とされ、励磁時には貯留用通路32側に切り換えられる。この場合、貯留用通路32に導かれたメダルは、後述するホッパ装置180へと導かれる。一方、排出用通路33に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口34からメダル受皿81へと導かれ、遊技者に返却される。
下側視認窓22の下方左側にはボタン状のMAXベットスイッチ40が設けられており、同MAXベットスイッチ40の押し操作によって、クレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入することができる。MAXベットスイッチ40の左方には同MAXベットスイッチ40よりも小さなボタン状の1ベットスイッチ41が設けられている。1ベットスイッチ41が押し操作されることで仮想メダルが一度に1枚投入される。各ベットスイッチ40,41は、前記メダル投入装置30とともに投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入装置30が遊技者によるメダルの直接投入という動作を伴うのに対し、各ベットスイッチ40,41は、クレジットに基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、投資価値を間接入力する間接入力手段を構成するものともいえる。
なお、MAXベットスイッチ40には、1遊技回につき投入できるメダル最大数(3枚)に達していないことを遊技者に知らせるために、図示しない発光部材としてのランプが内蔵されている。当該ランプは、MAXベットスイッチ40のスイッチ操作が有効である状況時において点灯されて当該スイッチ40の操作を促すが、クレジットされた仮想メダルが存在しない場合や既に3枚のメダル投入がなされている状況下では消灯される。ここで、上記点灯に代えて、点滅させてメダル投入の促しを遊技者に一層分かり易くしてもよい。
MAXベットスイッチ40の下側にはスタートレバー45が設けられている。このスタートレバー45は、後述するリール装置550の各リール(回転体)555〜557を回転始動させるための操作部材であり、各リール555〜557を回転開始、すなわち可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。
スタートレバー45の右側には、ボタン状の3つのストップスイッチ50〜52が左右に並設されている。各ストップスイッチ50〜52は、停止対象となるリール555〜557(左、中、右の三列のリール)に対応するよう設けられており、回転中の各リール555〜557を個別に停止させるために操作される停止操作手段を構成する。各ストップスイッチ50〜52は、各リール555〜557が定速回転となると停止させることが可能な状態となり、かかる状態中には図示しないランプが点灯表示されることによって停止操作が可能であることが報知され、回転が停止すると消灯されるようになっている。
スタートレバー45左側には、ボタン状の精算スイッチ55が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(例えばメダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルをクレジットメダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、クレジットメダルが貯留記憶されている状態で精算スイッチ55が押下操作されることで、クレジットメダルが現実のメダルとして払い出される。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ55は貯留記憶された遊技価値を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものともいえる。
なお、所定の最大値(例えばメダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルをクレジットメダルとして貯留記憶するように設定された「クレジットモード」と、余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを現実のメダルとして払い出すように設定された「ダイレクトモード」とを切換可能としたスロットマシンの場合には、前記精算スイッチ55に、モード切換のための切換スイッチとしての機能を付加しても良い。精算スイッチ(切換スイッチ)55は、1度押されるとオン状態になり、もう1度押されるとオフ状態になり、その後押下操作が行われるごとにオンオフが切り替わるように構成されている。そして、精算スイッチ55がオン状態のときにはクレジットモードとされ、精算スイッチ55がオフ状態のときにはダイレクトモードとされる。クレジットモードからダイレクトモードに切り換えられた際にクレジットメダルがある場合には、その分のクレジットメダルが現実のメダルとして払い出される。これにより、遊技者はクレジットモードとダイレクトモードとを切り換えることで自身の好みに応じた形式で遊技を実行することができる。かかる精算スイッチ55は投入価値及び遊技価値の取扱形式を切り換える切換操作手段を構成する。
メダル投入装置30の下側(ストップスイッチ52の右側)には、ボタン状の返却スイッチ60が設けられている。返却スイッチ60は、メダル投入装置30に投入されたメダルがセレクタ31内に詰まった際に押されるスイッチであり、このスイッチ60が押されることによりセレクタ31が機械的に連動して動作され、同セレクタ31内に詰まったメダルがメダル排出口34より返却されるようになっている。
返却スイッチ60の右側で前面扉12の右端側には、同前面扉12の背後に貫通するキー孔70が設けられており、そのキー孔70には扉背面側からキーシリンダ71が設けられている。このキーシリンダ71は、前面扉12を開放するために操作される施錠装置を構成するものである。但し、施錠装置の詳細は後述する。
ストップスイッチ50〜52の下方には、機種名や遊技に関わるキャラクタなどが表示された下部プレート80が装着され、更にその下方にはメダル受皿81が設けられている。メダル受皿81には、メダル排出口34を介してスロットマシン内部のホッパ装置180等からメダルが排出される。メダル排出口34の左右にはスピーカ部82,83が設けられており、メダル受皿81の左方(左側のスピーカ部82の前側)には、手前側下方に反転可能な灰皿84が設けられている。
遊技に際しては、中央ランプ部26やスピーカ部82,83により、その都度の遊技状況に応じたランプ演出や音声演出等が行われる。すなわち、中央ランプ部26による発光色や発光パターンを適宜変更したり、スピーカ部82,83による音声パターンを適宜変更したりすることで、役の成立等が遊技者に告知される。また、これら中央ランプ部26及びスピーカ部82,83を用いて、エラー告知等を行うことも可能である。
前面扉12の下部には、囲い部25に連続するような造形が施されており、メダル受皿81及び灰皿84の上方の左右両側は側壁部85となっている。側壁部85には切欠部86が設けられている。例えば、スロットマシン10の側方にメダル貸出装置が設置され、該メダル貸出装置からメダル供給ノズル等が延出される場合、切欠部86にメダル供給ノズルが配され、このノズルを介してメダル受皿81にメダルが貸出供給される。これにより、遊技に際しノズルが邪魔になったり、貸出メダルがこぼれ落ちたりする等の不都合が解消されている。
<筐体11の内部構造>
次に、スロットマシン10の内部構造について説明する。先ずは、筐体11の内部構造について図6及び図7を用いて説明する。図6は筐体11の内部構造を示す正面図、図7は同内部構造を示す斜視図である。
筐体11の左側板11dには、筐体11の開口内周縁に沿って長尺状の扉支持金具100がビス等の締結具(図示略)により固定されている。扉支持金具100の上下2カ所には、支軸101,102が設けられており、各支軸101,102は上方に延びる先細り形状の軸部を有する。この扉支持金具100によって、前面扉12が回動可能に支持されるようになっている。
すなわち、図4に示すように、前記前面扉12には、各支軸101,102に対応してそれら支軸101,102の軸部が挿入される挿入孔を備えた軸受け金具111,112が設けられている。そして、各支軸101,102の上方に軸受け金具111,112を配置させた上で前面扉12を降下させることにより、軸受け金具111,112の挿入孔に支軸101,102の軸部が挿入された状態とされる。これにより、前面扉12は、筐体11に対して両支軸101,102を結ぶ軸線を中心として回動可能に支持され、その回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるように構成されている。
筐体11の右側板11eには、筐体11の開口内周縁に沿って長尺状の鉤受け金具120がビス等の締結具(図示略)により固定されている。また、鉤受け金具120の上下2カ所には、前面扉12を閉鎖状態で保持するための鉤受け部121,122が設けられている。この鉤受け金具120によって、前面扉12が筐体11に閉止された状態で保持される。
再び図1及び図4を参照して、前面扉12の右端側、すなわち前面扉12の回動中心軸線側(回動基端側)と反対側(回動先端側)には、その裏面に施錠装置が設けられている。施錠装置は、上下方向に延び前面扉12に固定された図示しない基枠と、同基枠の上部から前面扉12の前方に延びるように設けられたキーシリンダ71と、基枠に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆(図示略)とを備えている。そして、施錠装置のうちキーシリンダ71だけが前面扉12の前方に突出した状態で設けられている。本実施の形態では、キーシリンダ71として、不正解錠防止機能の高いオムロック(商標名)が用いられている。前記連動杆は、キーシリンダ71に差し込んだ操作キーKを時計回りに操作することで下方へ移動される。連動杆には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具131,132が前記鉤受け部121,122に対応して設けられており、筐体11に対して前面扉12を閉鎖した際には、各鉤金具131,132が各鉤受け部121,122にそれぞれ係止されて施錠状態となる。なお、各鉤金具131,132には、施錠状態を維持する側へ付勢するコイルバネ等の付勢部材が設けられている。キーシリンダ71に対して操作キーKが時計回りに操作されると、連動杆が下方に移動し、前記付勢部材の付勢力に抗して各鉤金具131,132が移動されることにより同鉤金具131,132と鉤受け部121,122との係止状態が解除され、筐体11に対する前面扉12の施錠状態が解除される。
図6等に示すように、天板11aにおける内側の板面(下面)にはそれら両金具100,120を繋ぐ金属製の上側プレート140が固定具(詳しくはネジ)を用いて固定されており、底板11bにおける内側の板面(上面)についても同様に両金具100,120を繋ぐ金属製の下側プレート150が固定具(詳しくはネジ)により固定されている。各プレート140,150は、側板11d,11e側の両端部が前記金具100,120と重なるように折曲成形されており、それら重なり部分に挿通された固定具(詳しくはネジ)により各側板11d,11eに対して金具100,120と共に固定されている(共締めされている)。金具100,120及びプレート140,150は、上述の如く互いに連結されることにより、筐体11の開口縁に沿った環状をなす構成となっている。これにより、筐体11の補強がなされている。なお、上述した固定具はネジに限定されるものではない。固定具は少なくともプレート140,150や金具100,120を固定することができればよく、例えば係止部材等を用いることも可能である。
各プレート140,150の前端部は筐体11の開口縁部からスロットマシン10の前方に突出しており、前記金具100,120の前端部もまた開口縁部の全域でスロットマシン10の前方に突出している。すなわち、プレート140,150及び金具100,120は、前面扉12が閉じている場合に、筐体11の開口縁部と前面扉12の外周後端とが対向する部分の隙間を内側から塞ぐように構成されている。このように、各金具100,120及び各プレート140,150を配することで、上述した隙間から針金やフィルム等を侵入させることが困難となり、筐体11内部への不正なアクセスを抑制可能となっている。すなわち、プレート140,150及び金具100,120は筐体11の開口部の遮蔽材としての機能を有している。
図4〜図6に示すように、筐体11の内部において下側の左隅部(回動基端側)には電源ボックス170が設けられており、同電源ボックス170は筐体11の底板11b及び左側板11dに対して固定されている。電源ボックス170は、各種電気装置や制御装置等に電源を供給するための電源装置であり、起動スイッチである電源スイッチ171を備えている。
<ホッパ装置180に関する構成>
筐体11の内部において電源ボックス170の隣には、メダルを遊技者に付与する払出手段としてのホッパ装置180が設置されている。すなわち、電源ボックス170とホッパ装置180とは、スロットマシン10の正面視において横並びとなるように配置されている。ここで、ホッパ装置180及びそれに付随する構成について図8及び図9を用いて詳細に説明する。図8はホッパ装置180を筐体11から取り外した状態を示す斜視図、図9(a)はホッパ装置180の背面図、図9(b)はホッパ装置180の底面図である。
ホッパ装置180は、メダル貯留部としての貯留タンク181と、その貯留タンク181から流入したメダルを順次払い出す払出装置191とを備えており、払出装置191が上述した下側プレート150上に載った状態にて、当該下側プレート150により移動可能に支持されている。
貯留タンク181は、上方に開放されており、多数のメダルを貯留することができるように所定の深さを有している。また、貯留タンク181の底部182には、払出装置191の入口部分に連なる開口が形成されており、同底部182はその開口に向けて下り傾斜している。このため、貯留タンク181の底部182上に位置するメダルは、自重により払出装置191へと流入していくこととなる。
払出装置191は、当該払出装置191の外郭を形成するハウジング192を有している。ハウジング192の内部には、回転可能に支持された回転ディスク193とその回転ディスク193を駆動する駆動モータ194とが収容されている。回転ディスク193を駆動させることにより、ハウジング192に形成された払出口195から払出装置191の外部に所定数のメダルが排出される。払出口195は、前面扉12の排出用通路33に形成された受け口36に対して連通するように配置されており、同払出口195から排出されたメダルは、受け口36及び排出用通路33を介してメダル受け皿81へと払い出される。
ハウジング192内には、駆動モータ194を動作させることによりメダルの払出しを制御する払出制御基板196や払い出されたメダルを検出するメダル検出センサ197が収容されている。メダル検出センサ197を用いて、メダルの払い出し枚数が予め定められた枚数か否かを監視することにより、遊技者が不利益を被るといった不都合を好適に回避するとともに、メダルの不正な取得を困難なものとしている。これら払出制御基板196及びメダル検出センサ197は、ハウジング192の外部に露出して設けられたコネクタ198を介して後述する主制御装置610と電気的に接続されている。
これら払出制御基板196及びメダル検出センサ197は、ハウジング192の底部、詳しくは底板11b(詳しくは下側プレート150の上面)と対向する部分に形成された開口199を介して着脱可能となっている(図9(b)等参照)。開口199は、底板11b側を向いており、当該開口199に対応して形成された金属製のカバー部材210によって覆われることで、ハウジング192外部への払出制御基板196等の露出が回避されている。カバー部材210は、底板11b側から固定具211(詳しくはネジ)を装着することにより、ハウジング192に対して一体化されている。なお、カバー部材210の固定については、必ずしも固定具211を用いる必要はない。カバー部材210をハウジング192に対して固定できるものであればよく、例えば、カバー部材210及びハウジング192の一方に他方に対して引っ掛かる係止部を形成してもよいし、それら両者に引っ掛かる係止部材等を用いることも可能である。
貯留タンク181には、タンク側壁部にメダル排出孔183が形成されており、そのメダル排出孔183にはメダルを貯留タンク181外に導く誘導プレート184が取り付けられている。貯留タンク181に多数のメダルが貯まり、その高さが誘導プレート184の設けられた高さ以上になると、かかる余剰メダルが誘導プレート184の板面上を滑り落ち、メダル排出孔183を介して貯留タンク181外へと排出されるようになっている。
筐体11の内部においてホッパ装置180の隣には、具体的には右側板11eとホッパ装置180との間には、予備タンク220が設置されている。貯留タンク181に所定量以上のメダルが貯まると、かかる余剰メダルは、誘導プレート184により予備タンク220に導かれ、当該予備タンク220内に貯留されることとなる。
図5等に示すように、ホッパ装置180は、電源ボックス170及び予備タンク220によって挟まれた位置にそれら電源ボックス170等と近接するように配されている。このため、ホッパ装置180の両側に手を挿入しにくくなっており、ホッパ装置180を着脱する際に例えば同ホッパ装置180を持ち上げることが困難になると想定される。この点、本実施の形態においては、ホッパ装置180をスライド移動可能に支持する構成を採用することで作業性の向上を図っている。以下、図8〜図11に基づきホッパ装置180をスライド移動可能に支持する構成について説明する。図10は下側プレート150の平面概略図、図11(a)はホッパ装置180が装着された様子をスロットマシン10の前方から見た概略図、図11(b)はホッパ装置180が装着された様子をスロットマシン10の側方から見た概略図である。なお、図10においては、筐体11,電源ボックス170,予備タンク220及びホッパ装置180を二点鎖線で示し、図11(a),(b)においては、装着完了位置に到達した状態でのホッパ装置180等を二点鎖線で示している。
図8等に示すように、下側プレート150は、ホッパ装置180が載るベース部151を有している。ベース部151は、底板11bに対向する平板状をなしており、その下面が同底板11bの上面に当接した状態にて、底板11bに対して複数の固定具152(詳しくは4つのネジ)を取り付けることで固定されている。複数の固定具152のうち一部は、ホッパ装置180を装着した状態にて、払出装置191の背後に隠れるように配置されている。すなわち、一部の固定具152は、払出装置191と背板11cとに挟まれた領域に配置されている。これにより、固定具152の取り外しを困難なものとしている。本実施の形態においては特に、2つの固定具152を払出装置191の背後に配置している。これにより、仮に他の固定具152を全て取り除かれた場合であっても、ホッパ装置180が回転されることを抑制でき、実用上好ましい構成が実現されている。
図10及び図11(b)に示すように、払出装置191の背後に配置されている固定具152の上方には、貯留タンク181の一部が位置している。詳述すれば、貯留タンク181は、スロットマシン10の平面視において払出装置191よりも後方に張り出すように形成された張出部185を有しており、この張出部185が固定具152の取り外し軌道の延長線上に位置している。これにより、ホッパ装置180を装着している状態においては、固定具152の取り外しを困難なものとし、下側プレート150が不正に取り外されるといった不都合を生じにくくしている。
ベース部151には、ホッパ装置180の着脱方向を規定する一対のガイドレール153が折曲成形されている。それらガイドレール153は、前後方向に延びており、所定の間隔を隔てて左右に並設されている。より詳しくは、各ガイドレール153は、ベース部151から起立し互いに向き合う起立部154と、それら起立部154の先端部が内側に折り曲げられて形成された折曲部155とからなり、全体として前後に延びる溝状をなしている。
ホッパ装置180(詳しくはハウジング192の左側外壁部201及び右側外壁部202)の下端部には、それら各ガイドレール153に嵌まる突条部212がそれぞれ形成されている。突条部212は、ガイドレール153と同一の方向に延びており、その全長がガイドレール153の全長とほぼ同等となるように設定されている。つまり、ホッパ装置180が装着されている状態においては、ガイドレール153に対して突条部212のほぼ全域が嵌まる構成となっている。
これら突条部212が各ガイドレール153内に嵌まった状態にて、ホッパ装置180を押し引きすることにより、ホッパ装置180の着脱軌道のばらつきが抑えられることとなる。詳しくは、突条部212の厚さ寸法(上下方向の大きさ)は、折曲部155とベース部151との隙間寸法に対して同等となるように設定されている。そして、両突条部212の外端間の寸法は、起立部154の間隔寸法に対して同等となるように設定されている。このため、ガイドレール153に突条部212が挿入されることにより、左右方向及び上下方向へのホッパ装置180の位置ばらつきが抑えられることとなる。
各ガイドレール153よりも手前側(前方)には、それらガイドレール153と同様に起立部158及び折曲部159を有し各突条部212をガイドレール153に導く導入部160が設けられている。導入部160は、ガイドレール153における折曲部155とベース部151との間隔寸法よりも、当該導入部160における折曲部159とベース部151との間隔寸法の方が大きくなるように、且つその寸法差が突条部212の厚さ寸法よりも小さくなるように形成されている。これにより、導入部160に嵌まった突条部212をガイドレール153に導きやすくすることができる。また、突条部212がガイドレール153に乗り上げることにより、ホッパ装置180の装着が不完全になるといった不都合を生じにくくしすることができ、目視にて装着の不完全を確認することができる。
各導入部160よりも手前側には、左右一対の案内傾斜部161が設けられている。案内傾斜部161は、ベース部151から起立する板状をなしており、ガイドレール153側における間隔寸法が、両起立部154の間隔寸法とほぼ同等となり、且つ筐体11の開口側にて相互の間隔が広がるように形成されている。ホッパ装置180の装着時に、同ホッパ装置180が左右に位置ずれしたまま押し込まれた場合であっても、突条部212が案内傾斜部161に当接しそれら案内傾斜部161に沿って移動することとなる。これにより、両突条部212はガイドレール153の入口(詳しくは導入部160)に導かれることとなる。
このように導入部160及び案内傾斜部161を設けることで、ガイドレール153による案内精度を向上しつつ、組付け時の作業の容易化を図ることができ、実用上好ましい構成が実現されている。
ガイドレール153よりも奥側には、ハウジング192において背板11cと対向する部位(後側外壁部203)に形成された当接面213と当たることにより、ホッパ装置180の筐体11奥側への移動を規制するストッパ165がベース部151の一部を折り曲げて形成されている。ホッパ装置180の奥行き方向での位置を規定する点に着目すれば、ストッパ165及び後側外壁部203はホッパ装置180の装着完了位置を規定する位置決め手段を構成しているともいえる。
また、本実施の形態においては、ホッパ装置180が装着完了位置を含んだ所定範囲に配置されているか否かを監視するホッパ監視スイッチ230を備えることを特徴の1つとしている。以下、図8及び図11に基づきホッパ監視スイッチ230について詳細に説明する。
図10や図11(b)に示すように、ホッパ監視スイッチ230は、ベース部151において装着完了位置に配置されたホッパ装置180(詳しくは払出装置191)と上下に重なる領域(以下便宜上、搭載エリアE1と称する)に配置されている。より詳しくは、搭載エリアE1において背板11cに偏倚した位置に配されている。
ホッパ監視スイッチ230は、ホッパ装置180に当接することに基づいて回動するレバー部材231と、同レバー部材231を回動可能に保持するホルダ部材241とを有している。具体的には、レバー部材231はホルダ部材241に設けられた軸部242によって軸支されている。ホルダ部材241にはレバー部材231を収容する収容凹部243が形成されており、同レバー部材231は軸部242の中心軸線を中心として回動することにより収容凹部243からホルダ部材241の外部に突出する構成となっている。具体的には、レバー部材231の回動中心軸線は、ガイドレール153によって規定されたホッパ装置180の着脱方向に対して交差する方向、詳しくは直交する方向に延びており、レバー部材231は中心軸線よりも後側に同レバー部材231の先端部分が位置するようにして突出する構成となっている。
ホルダ部材241には、収容凹部243から突出する側に向けてレバー部材231を付勢する付勢部材(詳しくは捻りコイルバネ)が設けられており、レバー部材231はその捻りコイルバネによって常時付勢された状態となっている。収容凹部243には、レバー部材231が突出する側に回動した場合に、同レバー部材231に当接することにより当該レバー部材231の回動を規制する規制部244が形成されている。レバー部材231の回動量が所定値に達することにより、レバー部材231が規制部244に対して当接する構成となっている。すなわち、規制部244によってレバー部材231の最大突出位置(収容凹部243からの最大突出量)が規定されている。
筐体11の底板11bには、ホルダ部材241が嵌まる有底の凹部246が形成されている。ベース部151において凹部246に対応する部位には、ホルダ部材241を搭載する台座部166が形成されており、その台座部166の略中央には凹部246の内外に貫通する貫通孔167が設けられている。台座部166に対してホルダ部材241が取り付けられている状態においては、貫通孔167を介してホルダ部材241の開放部位及びレバー部材231がホッパ装置180側に突出する構成となっている。ホルダ部材241には凹部246側から台座部166に引っ掛かることにより、当該ホルダ部材241すなわちホッパ監視スイッチ230の取り外しを規制する引掛け部245が形成されている(図11(b)参照)。上述した貫通孔167がホルダ部材241自身によって塞がれることにより、凹部246の外側から引掛け部245へアクセスすることが困難なものとなっている。つまり、ホッパ監視スイッチ230を取り外すには、先ず下側プレート150を筐体11から取り外す必要がある。このように、ホッパ監視スイッチ230の取り外しに所定の手順を設定することにより、当該ホッパ監視スイッチ230の不正な取り外しを行いにくくしている。
ホッパ装置180(詳しくはハウジング192)には、同ホッパ装置180が装着完了位置に配置された状態にて、台座部166とその台座部166から突出しているホッパ監視スイッチ230の一部とを収容する収容空間HSが設けられている。
ここで、その収容空間HSに関する構成について詳細に説明する。ハウジング192の底部には、前記開口199を形成するとともに、カバー部材210を囲う周壁205が設けられている。周壁205はハウジング192の後側外壁部203の一部及び前側外壁部204の一部と、それら各外壁部201,202を繋ぐとともにホッパ装置180の装着方向に延びる右側隔壁部206及び左側隔壁部207とによって構成されている。周壁205は、ベース部151に対して直交するように形成されており、カバー部材210の着脱方向を規定している。そして、周壁205におけるベース部151側の縁部(すなわち開口199)のほぼ全域が同ベース部151に対して近接する構成となっている。つまり、ホッパ装置180がベース部151上に載った状態においてはカバー部材210の取り外しを行うことができず、ホッパ装置180を取り外すことによって同カバー部材210の取り外しが可能となる構成となるように構成されている。
前記カバー部材210は、周壁205によって囲まれた領域の奥側に、ベース部151に対して所定の間隔を隔てて対峙するように(詳しくは平行となるように)取り付けられている。これら周壁205及びカバー部材210により、ベース部151側に開放された収容空間HSが形成されている。なお、カバー部材210を固定する固定具についてもこの収容空間HS内に収容されている。
周壁205を構成している後側外壁部203には、台座部166及びホルダ部材241との干渉を回避するように挿入口208が形成されている。挿入口208は、底板11b及び背板11cの両板側に開放されており、ホッパ装置180が装着される際には、台座部166及びホルダ部材241が挿入口208を介して収容空間HS内に移動することとなる。
以上詳述したように、ホッパ監視スイッチ230をハウジング192及び下側プレート150によって囲うことにより、ホッパ監視スイッチ230が収容部214に収容された状態においては、同ホッパ監視スイッチ230へのアクセスが困難なものとなる。
既に説明したように、レバー部材231の回動中心軸線は、ガイドレール153によって規定されたホッパ装置180の着脱方向に対して交差する方向、詳しくは直交する方向に延びている。レバー部材231には、その回動中心軸線よりも後側となる位置にてホッパ装置180と当接する当接部232が形成されている。当接部232は、前記収容空間HSの入口(挿入口208)と当接する平面部233を有している。平面部233は、筐体11の開放されている側を向いているとともに、筐体11の手前側から奥側に上り傾斜するように形成されている。また、レバー部材231が最大突出位置に配置された状態においては、平面部233のベース部151からの高さ寸法が、挿入口208の上側縁部のベース部151からの高さ寸法よりも大きくなるように設定されている。
当接部232の回動先端側には平面部233に対して滑らかに連続する曲面部234が形成されており、レバー部材231が最大突出位置に配置された状態においては、曲面部234のベース部151からの高さ寸法は、カバー部材210のベース部151からの高さ寸法よりも大きくなるように設定されている。このため、ホッパ装置180の装着位置への移動に基づいてレバー部材231とホッパ装置180とが当り、レバー部材231の位置が変更されることとなる。このようにレバー部材231の位置が切り替えられ、最大突出位置から移動することにより、ホッパ装置180が装着されたことが検知されることとなる。言い換えれば、レバー部材231が最大突出位置から移動していることに基づいてホッパ装置180が装着されていることが検知され、その最大突出位置に移動することによってホッパ180の移動が検知される。なお、上述した挿入口208は、その上端縁がカバー部材210の下面と同一面上に位置するように形成されている。つまり、挿入口208の上端縁は、カバー部材210の下面に対して段差なく連続している。これにより、レバー部材231が収容部214から出る際のつかえが回避されている。
因みに、本実施の形態においては、レバー部材231の最大突出量は、ガイドレール153の折曲部159上にホッパ装置180(詳しくは突条部212)が載った状態では、当接部232とカバー部材210とが当接しないように設定されている。このため、ホッパ装置180が正常に装着されていない場合には、その事実をホッパ監視スイッチ230によって把握することができる。因みに、このような誤装着防止に関する構成は必須ではなく、ホッパ装置180がガイドレール153に乗り上げた状態であっても、ホッパ装置180の装着を検知可能な構成としてもよい。
ホッパ監視スイッチ230は、前記所定範囲外へのホッパ装置180の移動を24時間常に監視する機能を有しており、後述する副制御装置800と電気的に接続されている。装着完了位置にホッパ装置180を配置した状態ではレバー部材231が倒されてホッパ装置180の装着が検出され、装着完了位置からホッパ装置180が移動した状態ではレバー部材231が突出位置に戻ってホッパ装置180の移動(例えば取り外し)が検出されるようになっている。そして、ホッパ装置180が装着完了位置に無い場合には接続対象たる副制御装置800との間の信号経路が遮断状態となることで当該副制御装置800において検出信号を受け取ることが不可となり、ホッパ装置180が装着完了位置にある場合には接続対象たる副制御装置800との間の信号経路が導通状態となることで当該副制御装置800において検出信号を受け取ることが可能となる。
なお、ホッパ監視装置は、上記構成に限定されることはなく、周知のセンサを用いてもよい。また、ホッパ装置180が装着完了位置に無い場合にHIレベル信号又はLOWレベル信号の一方を出力し、装着完了位置にある場合に他方を出力する構成としてもよい。
ここで、図10を用いて、ホッパ装置180の装着作業及びそれに伴うホッパ監視スイッチ230の動作について説明する。ホッパ装置180を筐体11内に設置する際には、先ずホッパ装置180をベース部151上に載せる。ホッパ装置180をガイドレール153に向かって押し込むことにより、突条部212がガイドレール153に嵌まり、上方への浮き上がり及び左右への位置ばらつきが抑えられる。仮にホッパ装置180をガイドレール153に対してずれた状態で押し込んだ場合であっても、導入部160及び案内傾斜部161によって突条部212がガイドレール153に向けて案内されやすくなっている。
ホッパ装置180は、当該ホッパ装置180の押し込み操作に基づいてガイドレール153により規定されている装着方向へスライドすることとなる。ホッパ装置180が所定の位置まで到達すると、先ずカバー部材210を固定している固定具211がベース部151によって遮蔽された状態となる。更なる押し込み操作によって、最大突出位置にあるレバー部材231と挿入口208とが当接する。挿入口208の縁部によって当接部232が押されることにより、捻りコイルバネの付勢力に抗してレバー部材231が回動し、その突出量が減少することとなる。
ホッパ装置180が前記所定範囲に到達することに基づいて、ホッパ監視スイッチ230(詳しくはレバー部材231)が収容部214内に収容されるとともに、レバー部材231の曲面部234がカバー部材210の板面に当接することとなる。これにより、レバー部材231がON位置に配置されることとなり、ホッパ装置180が設置されたことを把握できる。ホッパ装置180が更に押し込まれるとホッパ装置180の当接面213と下側プレート150のストッパ165とが当接し、それ以上の押し込み操作が規制されることとなる。
ホッパ装置180を筐体11から取り外す場合には、前記所定範囲では、カバー部材210によってレバー部材231の回動が抑えられた状態で維持される。このため、ホッパ監視スイッチ230によって、ホッパ装置180は所定範囲に配置されていることが把握される。ホッパ装置180が更に引き出されると、レバー部材231がカバー部材210から離れ、捻りコイルバネの付勢力により最大突出位置に向けて回動する。これにより、レバー部材231がOFF位置に配置されることとなり、ホッパ装置180の取り外しがなされた可能性があることを把握できる。言い換えれば、レバー部材231が収容部214から離れることにより、ホッパ装置180の移動が検知されることとなる。このように、レバー部材231が最大突出位置に移動しホッパ装置180の移動が検知された時点では、突条部212はガイドレール153に嵌まった状態のまま維持されている。つまり、ホッパ監視スイッチ230によるホッパ装置180の移動検知を回避しつつ、カバー部材210や固定具211へアクセスすることは困難なものとなっている。
更にホッパ装置180を引き出すことにより、突条部212がガイドレール153から離間する。これにより、固定具152,211、カバー部材210及びホッパ監視スイッチ230へのアクセスが可能となる。
図8や図11(b)に示すように、筐体11の背板11cにおいてホッパ装置180と対峙している部位には、横長の通気孔247が複数形成されている。これらの通気孔247を介して、筐体11内の熱を帯びた空気を外部に排出することができる。なお、通気孔247は、背板11cの上部又は下部に形成されてもよいし、各側板11d,11e又は天板11aに形成されてもよい。
通気孔247の上方、詳しくは貯留タンク181よりも上方となる位置には角孔248が形成されている。この角孔248を介して、筐体11外部から筐体11内部に通じるメダル補給通路を設置することができるようになっており、メダル補給通路の設置により貯留タンク181へのメダルの自動補給が実現できるようになっている。なお、図5及び図6では、角孔248が着脱可能に設けられた蓋体249によって塞がれている状態を示しているが、前記自動補給を実施する場合にはこの蓋体249を取り外すとよい。
図6等に示すように前記ホッパ装置180の上方(筐体11内の高さ方向のほぼ中央位置)には、筐体11の内部空間を上下に二分する仕切り板ユニット250が設けられている。仕切り板ユニット250よりも下側の領域は上述の如く電源ボックス170やホッパ装置180等の設置領域となっており、仕切り板ユニット250よりも上側の領域は面替えユニット300の設置領域となっている。以下、図12に基づき仕切り板ユニット250について詳細に説明する。なお、図12は、仕切り板ユニット250の主要な構成を示す斜視図である。
仕切り板ユニット250は、金属製の板材からなる仕切り板251を有している。仕切り板251は、左側板11d,右側板11e及び背板11cの間に渡された平板部252と、その平板部252の左右両側の端部を上方に折り曲げて形成された左側折曲部253及び右側折曲部254と、同平板部252の後側の端部を上方に折り曲げて形成された後側折曲部255とによって構成されている。平板部252は、筐体11の底板11bに対して平行となるように形成されており、その上面は面替えユニット300を支持する支持部を構成している。このように、面替えユニット300を支持する機能に着目すれば「仕切り板251」を「支持部材251」と称してもよいし、「仕切り板ユニット250」を「支持ユニット250」と称することも可能である。
各折曲部253,254は、側板11d,11eと対向する板状をなしており、それら側板11d,11eに当接した状態にて同側板11d,11eに対してネジ等の固定具に
より固定されている。後側折曲部255についても同様に、背板11cと対向する板状をなしており、その板面が背板11cに対して当接した状態にて同背板11cに対してネジ等の固定具により固定されている。このように、仕切り板251を両側板11d,11e及び背板11cに固定することにより、筐体11の補強を図るととともに、面替えユニット300の支持機能を好適なものとしている。
面替えユニット300を筐体11に装着する際には、同面替えユニット300を平板部252に載せた状態にて筐体11の奥側へ押し込むことで作業を容易に行うことができ、面替えユニット300を筐体11から取り外す際には、同面替えユニット300を平板部252に沿って手前側に引き出すことにより作業を容易に行うことができる。
仕切り板ユニット250は、面替えユニット300の取り外しを不可とする位置(ロック位置)と、取り外しを許容する位置(ロック解除位置)とに切り替え可能なロック部材260を複数備えている。各ロック部材260は、平板部252によってスライド移動可能に保持されており、平板部252に形成されたスリット256を介して当該平板部252の上方及び下方に突出している。ロック部材260において平板部252よりも上方に突出している部分は、面替えユニット300に対して引っ掛かることにより同面替えユニット300の取り外しを不可とする引掛け部261を構成している。ロック部材260において平板部252よりも下方に突出している部分は、ロック部材260のスライド操作を行う指掛け操作部262を構成している。引掛け部261は、指掛け操作部262がロック位置に移動することに伴い面替えユニット300に対して引っ掛かる位置に移動し、指掛け操作部262がロック解除位置に移動することに伴い面替えユニット300に対しての引っ掛かりを回避する位置に移動することとなる。なお、ロック部材260の取り外しを不可とする位置に向けて付勢する付勢部材(例えばコイルバネ)を設け、面替えユニット300の押し込み操作に伴ってロック部材260がロック位置→ロック解除位置→ロック位置の順に移動する構成としてもよい。
仕切り板ユニット250(詳しくは各折曲部253,254)の上方には、各側板11d,11eの内外に貫通する長孔265が形成されている。それら長孔265は、筐体11内に設けられたキャップ266によっての筐体11の内側から覆われている。それらキャップ266は、仕切り板ユニット250にネジ等の固定具を用いて一体化されている。キャップ266を取り付けることで針金等の挿入による不正を防止している。
更には、各キャップ266は側板11d,11eに対しても固定されており、スロットマシン10を運ぶ際には、長孔265に通した指をキャップ266に引掛けることにより作業を容易に行うことが可能となっている。スロットマシン10における把持手段を構成する長孔265及びキャップ266を、仕切り板251(詳しくは平板部252)よりも上方に配置することにより、スロットマシン10を持ち上げた場合に例えば同スロットマシン10が傾倒することによりバランスを保ちにくくなるといった不都合を生じにくくしている。
<面替えユニット300の構成>
次に、筐体11の内部に装着される面替えユニット300について説明する。図13は面替えユニット300を斜め上方から見た斜視図、図14は面替えユニット300の背面構成を示す斜視図、図15は面替えユニット300の底面図、図16は面替えユニット300において内側扉400を開放した状態を示す斜視図、図17は面替えユニット300を主要構成部品ごとに分解して示す分解斜視図である。なお、以下の面替えユニット300の説明では、特に指定しない限り図13の状態を基準に図13の左下側を前側,図13の右上側を後側,図13の左上側を左側,図13の右下側を右側として上下左右等の方向を記述する。
面替えユニット300は主要な構成として、前面扉12側(スロットマシン10の前方)に開放された箱状の内側筐体310と、同内側筐体310の内部に配設されるリール装置550と、内側筐体310の開口の左縁部(前面扉12の回動中心軸線と同一側)を軸線として手前側に開放されるように取り付けられる内側扉400とを備えている。本実施の形態においては、面替えユニット300は、本スロットマシン10の遊技内容を決定する主要部品をほぼ全て備える構成となっており、仮に遊技ホール等において機種入替を行う場合には、この面替えユニット300を現機種のものから新たな機種のものに入れ替えることで機種入替を行うことができるようになっている。すなわち、面替えユニット300は機種入替時などにおける交換ユニットを構成している。以下、面替えユニット300の各構成部品を個々に詳しく説明する。
面替えユニット300の外殻をなす内側筐体310の構成について図13〜図17及び図18に基づいて説明する。図18は内側筐体310の構成を示す斜視図である。内側筐体310は、透明な合成樹脂材料(例えばABS樹脂)により一体成形されており、当該内側筐体310の内部に収容された各種構成をその外部から視認可能となっている。また、内側筐体310を透明とすることにより、面替えユニット300と筐体11との間に形成される隙間を、面替えユニット300を筐体11に装着したまま当該内側筐体310を通して視認することが可能となる。これにより、メンテナンス性の向上に貢献している。また、内側筐体310が透明であるため、不正基板等の隠蔽を困難なものとすることができる。なお、内側筐体310を有色不透明な合成樹脂材料により形成し、その内部を視認不可とすることも可能である。また、合成樹脂材料を用いて形成する以外に、木材又は金属材料によって形成することも可能である。
内側筐体310は、天板部310a,底板部310b,背板部310c,左側板部310d及び右側板部310eを有してなり、前面扉12と対向する側に開放された箱状をなしている。
内側筐体310における左側板部310dの前端縁(前面扉12の回動基端側)には内側扉400を回動可能に支持する扉支持金具315が取り付けられている。扉支持金具315は、左側板部310dの前端縁に沿って底板部310bから天板部310aまで延びる長尺状をなしており、その上下2ヶ所に離間して支軸316,317が設けられている。内側扉400には、それら支軸316,317が挿入される軸受け部403,404を備えた軸受け金具405が取り付けられている。各支軸316,317の上方に軸受け部403,404を配置させた後、内側扉400を降下させることにより、それら各軸受け部403,404に支軸316,317が挿入された状態とされる。これにより、内側扉400は、内側筐体310に対して両支軸316,317を結ぶ軸線を中心として回動可能に支持され、その回動によって内側筐体310を開放したり閉鎖したりすることができる構成となっている。
ここで、図16及び図17を用いて内側扉400の構成を簡単に説明する。内側扉400は、補助演出装置としての液晶表示装置410と、同液晶表示装置410の前面側を覆うように形成された透明な前面カバー413と、液晶表示装置410を制御する表示制御装置415と、それら各種構成410,413,415を搭載する合成樹脂製のベース枠420とを備えている。
ベース枠420は、正面から見て矩形枠状をなすように形成されており、その一側部には前述した軸受け金具405が固定されている。ベース枠420の上部には、遊技に関する各種情報(例えば配当表等)が付与された表示プレート部421が設けられており、その表示プレート部421の下方にはベース枠420の前側に液晶表示装置410が搭載されている。
液晶表示装置410は、液晶パネルと同液晶パネルを駆動する液晶ドライバとにより構成されており、ベース枠420と同様に正面から見て矩形状をなしている。そして、少なくともその幅寸法が内側筐体310の両側板部310d,310eの間隔寸法と同等となるように形成されており、内側筐体310の開口部位の大半を覆う構成となっている。液晶表示装置410の中央下部には、内側筐体310の内部、詳しくは後述するリール装置550の図柄を視認可能とする窓部411が形成されている(いわゆるドーナツ液晶)。また、ベース枠420にも液晶表示装置410の窓部411に対応した窓部422が設けられている。更に、液晶表示装置410の前側に配された前面カバー413は透明であることで液晶表示装置410、詳しくはその表示画面410aに表示される各種絵柄等の視認性及び窓部411,422を介した内側筐体310内部の視認性を担保しつつ、液晶表示装置410の保護が図られている。なお、前面カバー413に窓部411,422に対応した開口等を形成することによりリール装置550の視認性を担保することも可能である。
ベース枠420における窓部422よりも上側縁部及び下側縁部には、リール装置550の図柄を照らす照明部423,424が設けられており、同リール装置550の図柄の視認性向上に貢献している。
ベース枠420における回動先端側の端部には上下一対の鉤金具426,427が設けられており、内側筐体310の右側板部310eにはそれら鉤金具426,427に対応する鉤受け金具320が装着されている。鉤受け金具320は右側板部310eの前端縁に沿って延びる長尺状をなしており、各鉤金具426,427が引っ掛かる鉤受け部321,322を有している。それら鉤金具426,427と鉤受け部321,322とが引っ掛かることにより、内側扉400は内側筐体310に対して閉じた状態で保持されることとなる。
再び図18を参照して説明すれば、内側筐体310の開口縁には、上述した扉支持金具315及び鉤受け金具320に加え、それら扉支持金具315及び鉤受け金具320を繋ぐ補強プレート325,330が設けられている。詳しくは、天板部310aの前端縁には上側補強プレート325が配置され、底板部310bの前端縁には下側補強プレートが配置されている。そしてこれら各補強プレート325,330は、左右両側の端部が両金具315,320に連結された状態で装着されている。このように各補強プレート325,330と各金具315,320とを互いに連結し全体として枠状(詳しくは環状)をなす構成とすることで、内側扉400の支持剛性の向上及び内側筐体310の剛性の向上を実現している。
図18等に示すように、内側筐体310の天板部310aは、全体として略板状をなしており、前記上側補強プレート325の後側には持ち手部としての貫通長孔340が形成されている。貫通長孔340の周囲には、内外に貫通する複数の通気孔341が形成されており、面替えユニット300の内部に発生する熱を放出可能となっている。また、筐体11の天板11aと対向する部位には、貫通長孔340及び通気孔341との干渉を回避して複数の縦横リブ342が形成されている。これら縦横リブ342は、天板部310aの剛性を高める補強部としての機能と、面替えユニット300の天板部310aと筐体11の天板11aとの間に生じるスペースを細分化することで不正基板等の設置を抑制する不正抑制機能とを併せ有している。
また、同図18等に示すように、右側板部310eの下部には前記キャップ266に対応する位置にて内外に貫通する下側開口345が形成されている。この下側開口345によって、面替えユニット300を装着する際のキャップ266と面替えユニット300とのつかえが回避されている。下側開口345の下端縁には、右側板11e側に凸となる突条部346が形成されている。この突条部346は、キャップ266に対して下側から当接することにより、面替えユニット300の上方への移動を規制するように構成されている。下側開口345の上方には、略矩形状をなす上側開口347が形成されている。この上側開口347についての詳細は後述する。右側板部310eには、天板部310a同様に、両開口345,347を回避するようにして複数の縦横リブ348が形成されている。これら縦横リブ348は上述した縦横リブ342と同様の機能を有している。
左側板部310dについても、右側板部310eと同様に、下側開口,突条部,縦横リブが形成されているが、これら各種構成は右側板部310eの下側開口345,突条部346及び縦横リブ348と同様であるため、詳細な説明については省略する。
図14等に示すように、背板部310cには、リール装置550の外形に沿うように面替えユニット300の内側に窪む凹部350が形成されており、これにより、内側筐体310の内部においてリール装置550と背板部310cとの間、すなわちリール装置550の背後に生じるデットスペースを減縮し、同デッドスペースへの不正基板等の設置を困難なものとしている。
また、背板部310cにおいて仕切り板ユニット250の後側折曲部255に対向する部分には、同後側折曲部255に向かって突出する突起351が複数形成されている。突起351は上述した凹部350を挟んだ両側、及び凹部350の下側に所定の間隔を隔ててそれぞれ配置されている。それら各突起351は、中空の略筒状をなしており、その先端縁が後側折曲部255の板面に当接している。このように、突起351と後側折曲部255とが当接することにより、面替えユニット300の奥行き方向の位置決めがなされる。すなわち、各突部441と後側折曲部255とは、面替えユニット300の奥行き方向位置決め手段を構成している。また、各突起351は中空の筒状をなすように形成されており、後側折曲部255に当たることによって当該突起351の変形や欠け等が発生することを生じにくくしている。なお、突起251を積極的に弾性変形させることにより後側折曲部255と当った際の衝撃を吸収しやすくすることも可能である。かかる変更を行う場合、突起251を内側筐体310と別体で(内側筐体310よりも柔らかい材質を用いて)形成するとよい。
なお、背板部310cにおいては上述した凹部350を形成することによって、同背板部310cの剛性を向上し、反り等の発生を抑えている。すなわち、上記突部441の変位を抑え、背板部310の位置決め部としての機能を担保しやすくしている。
図15に示すように、内側筐体310における底板部310bには前端縁側に偏倚して貫通長孔355が形成されている。この貫通長孔355は、天板部310aの貫通長孔340と同様に、面替えユニット300の持ち手部を構成している。面替えユニット300を運ぶ場合には、上述した各貫通長孔340,355に指を通すことで、作業を容易に行うことが可能となっている。なお、図12等に示すように、上述した仕切り板251における平板部252の前端縁には、内側筐体310(面替えユニット300)を設置した状態にて、貫通長孔355を下方に露出させるように後退した後退部257が形成されており、内側筐体310を平板部252上を移動させる際に、貫通長孔355に指を通したまま押し込み操作をすることが可能となっている。これにより、面替えユニット300を持ち替える等することなく装着でき、作業の煩雑化が抑制されている。
底板部310bの下面には、前記各ロック部材260の引掛け部261がロック解除位置にある場合に、面替えユニット300の移動に伴って同引掛け部261が通過するロック部材用通路部356が形成されている。各ロック部材用通路部356は、底板部310bにおける左右両側の縁部に沿って延びているとともに、左右の両側板11d,11cのうち隣接する一方に対向する側と、背板11c側とに開放されている。そしてロック部材用通路部356の後側の端部、すなわちロック部材260の入口部分には後方に向けて通路幅が徐々に広がるようにして案内部357が形成されている。これにより、ロック部材260の位置がロック解除位置からずれている場合であっても、案内部357によってロック部材用通路部356に導かれやすくなっている。
また、両ロック部材用通路部356の前端には、当該ロック部材用通路部356に連なるとともに、引掛け部261がロック位置へ移動することに基づいて同引掛け部261が嵌まる嵌合溝358がそれぞれ形成されている。面替えユニット300を装着した後、ロック部材260がロック位置に移動されることにより、引掛け部261が嵌合溝358に嵌まり、面替えユニット300の取り外しが規制される。
底板部310bの下面において、前記貫通長孔355よりも後側には、詳しくは両側板部310d,310eの略中間となる位置には、面替えユニット300の装着完了位置への移動を案内する案内溝360が形成されている。換言すれば、面替えユニット300の装着方向(詳細には、案内溝360及び後述するレール部材270によって規定される装着方向)に延びる仮想直線上に貫通長孔355及び案内溝360が形成されている。更に言い換えれば、案内溝360は両嵌合溝358に挟まれた位置に配置されている。そして、前記仕切り板ユニット250には、この案内溝360に対応するレール部材270が設けられている。
以下、図19〜図21を用いて、案内溝360及びレール部材270について詳しく説明する。図19は、仕切り板ユニット250及び内側筐体310を示す斜視図、図20はレール部材270と案内溝360との関係を示す図15の部分拡大図、図21(a)はレール部材270の平面図、図21(b)はレール部材270の側面図である。
案内溝360は、前後方向に延びているとともに、面替えユニット300の内側(上方)に窪む凹状をなしている。より詳しくは、案内溝360は、所定の間隔を隔てて相対向するとともに前後方向に延びる一対の側壁361,362と、それら側壁361,362を繋ぐとともに仕切り板251の平板部252に対向する底部363とによって構成され、前記貫通長孔355側の端部は縦壁364によって塞がれており、縦壁364の反対側の端部は開口365を介して仕切り板251の後側折曲部255側(後方)に開放されている。
また、案内溝360は、後方開放部位(開口365)を含んだ後側領域REと、その後側領域REよりも前側に位置し同後側領域REに連なる連続領域MEと、連続領域MEよりも前側に位置し同連続領域MEに連なる前側領域FEとの連続する3つの異なる領域を有して
いる。より具体的に説明すれば、各側壁361,362は、前記開口365側にて相対向するように形成された後側対向壁部366,367と、それら後側対向壁部366,367に連続するとともに相対向して形成された連続対向壁部368,369と、それら連続対向壁部368,369に連続するとともに相対向して形成された前側対向壁部370,371とによって構成されている。そして、両後側対向壁部366,367によって挟まれた領域によって後側領域REが構成され、両連続対向壁部368,369によって挟まれた領域によって連続領域MEが構成され、両前側対向壁部370,371によって挟まれた領域によって前側領域FEが構成されている。
後側対向壁部366,367は、案内溝360の長手方向において相互の間隔が一定となるように形成されている。より具体的には、後側対向壁部366,367は、互いに平行となるように形成されているとともに、鉛直方向に起立する平面状をなしている。前側対向壁部370,371についても同様に、案内溝360の長手方向において相互の間隔が一定となるように形成されている。より具体的には、前側対向壁部370,371は、互いに平行となるように形成されているとともに、鉛直方向に起立する平面状をなしている。そして、後側領域REにおける溝幅BW(すなわち後側対向壁部366,367の間隔寸法BW)は、前側領域FEにおける溝幅FW(すなわち前側対向壁部370,371の間隔寸法FW)よりも大きく設定されている。連続領域MEを構成する連続対向壁部368,369においては、後方に向けてそれら連続対向壁部368,369の間隔が徐々に広がるように形成されている。
面替えユニット300(内側筐体310)が筐体11に装着されている状態においては、案内溝360の内部にレール部材270が嵌まっている。レール部材270は、案内溝360の長手方向と同一の方向に延びており、平板部252と対峙する側に形成された複数の脚部271が平板部252に形成された孔部(図示略)に引っ掛かることで固定されている。なお、レール部材270をネジ等の固定具によって固定することも可能である。また、レール部材270と仕切り板251とを別体で形成する必要は無く、両者を一体成形することも可能である。
レール部材270は、案内溝360に対向する外周面が同案内溝360の内周面と一部を除き相似となるように形成されている。そこで以下、案内溝360との関係を中心にレール部材270について詳しく説明する。
レール部材270は、後側対向壁部366,367と若干の隙間を隔てて対峙する後側縦壁部276,277を有している。各後側縦壁部276,277には、上述した隙間を埋める第1後側突起276a,277a及び第2後側突起276b,277bが所定の間隔を隔てて前後に並設されており、これら後側突起276a,277a,276b,277bの先端部分が後側対向壁部366,367に当接している。より詳しくは、左側に位置する後側縦壁部276の各突起276a,276bと、右側に位置する後側縦壁部277の各突起277a,277bとは、前後位置が同一となるように形成されている。つまり、レール部材270における左右両側に形成された第1後側突起276a,277aのピッチ寸法RP1及び第2後側突起276b,277bのピッチ寸法RP2は前記間隔寸法BWと同一となるように設定されている。
また、レール部材270には、後側縦壁部276,277に連なり、前記連続対向壁部368,369に対して所定の間隔を隔てて対峙する連続縦壁部278,279が形成されている。これにより、連続対向壁部368,369及び連続縦壁部278,279の接触が回避されている。
同様に、レール部材270には、連続縦壁部278,279よりも前側にてそれら連続縦壁部278,279に連なり、前側対向壁部370,371と若干の隙間を隔てて対峙する前側縦壁部280,281が形成されている。各前側縦壁部280,281には、上述した隙間を埋める第1前側突起280a,281a及び第2前側突起280b,281bが所定の間隔を隔てて前後に並設されており、これら前側突起280a,281a,280b,281bの先端部分が前側対向壁部370,371に当接している。つまり、左右両側に形成された第1前側突起280a,281aのピッチ寸法FP1及び第2前側突起280b,281bのピッチ寸法FP2は前記間隔寸法FWと同一となるように設定されている。
前側縦壁部280,281の第1前側突起280a,281a及び後側縦壁部276,277の第1後側突起276a,277aのレール方向における距離寸法L1は、前側対向壁部370,371の後端縁及び後側対向壁部366,367の前端縁の前記レール方向における距離寸法L2よりも若干大きくなるように設定されている。このため、面替えユニット300を装着する際には、先ず奥側での位置ばらつきが抑えられ、その後、手前側での位置ばらつきが抑えられることとなる。このように、位置ばらつきが抑えられるタイミングに若干のずれを設定することにより、面替えユニット300の押し込みに起因するつかえを生じにくくしている。なお、以上詳述した各突起276a,277a,276b,277b,280a,281a,280b,281bを省略し、後側対向壁部366,367及び後側縦壁部276,277と前側対向壁部370,371及び前側縦壁部280,281とが直に当接する構成としてもよい。
また、レール部材270には、案内溝360の底部363と若干の隙間を隔てて対峙する頂部285が形成されている。頂部285は、上述した左右の縦壁部276〜281を繋ぎ、それら縦壁部276〜281と共にレール部材270の外周部を構成している。頂部285は、前方に向けて下り傾斜するように形成されている。すなわち、平板部272からの高さ寸法が前端に向けて小さくなるように形成されている。底部363についても同様に、前方から後方に向けて深さ寸法が大きくなるように傾斜している。これにより、レール部材270が案内溝360に挿入される際の引っ掛かりが回避されやすくなっている。
面替えユニット300が装着完了位置に到達するまでの全区間には、面替えユニット300の位置ばらつきを許容する第1規制区間と、面替えユニット300の位置ばらつきを抑え、装着方向を一の方向に規定する第2規制区間とが設定されている。ここで、図22に基づき、これら各規制区間と面替えユニット300及び支持ユニット250の位置関係とを踏まえて、面替えユニット300を装着する際の作業について説明する。図22は仕切り板ユニット250と面替えユニット300との位置関係を示す概略図であり、面替えユニット300を装着する際には、図22(a)→図22(b)→図22(c)→図22(d)の順に仕切り板ユニット250及び面替えユニット300の位置関係が変化することとなる。
面替えユニット300を筐体11の外部にある状態から、面替えユニット300を装着するには、先ず面替えユニット300を仕切り板ユニット250の平板部252上に載せる。そして、面替えユニット300を筐体11の奥側に向けて押し込むことにより、図22(a)に示すようにレール部材270の前側縦壁部280,281が案内溝360の後側領域REに到達した状態となる。かかる状態においては、レール部材270と案内溝360との間に上下方向及び左右方向への移動スペースが確保されている。すなわち、面替えユニット300の装着軌道のばらつきが許容されている。このため、レール部材270と案内溝360とがつかえることにより、面替えユニット300の押し込み操作が妨げられるといった不都合を生じにくくなっている。
図22(a)に示す状態から、面替えユニット300を更に押し込むと、前側縦壁部280,281が案内溝360の連続領域MEに到達することとなる(図22(b)参照)。連続領域MEにおいては、レール部材270と連続対向壁部368,369とが当接することにより、それら連続対向壁部368,369の傾斜に沿って面替えユニット300が移動することにより、同面替えユニット300の装着軌道のばらつきが徐々に抑えられることとなる。このように、面替えユニット300の装着作業性を考慮して、同面替えユニット300の位置ばらつきを許容しやすくしている区間によって前記第1規制区間が構成されている。
そして、前側縦壁部280,281が案内溝360の前側領域FEに到達することに伴って、第1前側突起280a,281aと前側対向壁部370,371とが当接することとなる。これにより、面替えユニット300の筐体11手前における位置ばらつきの発生が回避されることとなる。更に面替えユニット300を押し込むことにより、図22(c)に示すように第1後側突起276a,277aと後側対向壁部366,367とが当接し、面替えユニット300の手前側での位置ばらつきが抑制されることとなる。これにより、面替えユニット300の装着軌道のずれが回避されることとなる。このように、面替えユニット300の装着方向が一の方向に規定するように、面替えユニット300の位置ばらつきを抑える区間によって第2規制区間が構成されている。
図22(c)に示す状態から、面替えユニット300が押し込まれると、面替えユニット300は装着完了位置に案内されることになり、その装着完了位置への到達と同期して、第2前側突起280b,281bが前側対向壁部370,371に当接するとともに、第2後側突起276b,277bが後側対向壁部366,367に当接する。これにより、レール部材270に形成された全ての突起276a,277a,276b,277b,280a,281a,280b,281bが側壁361,362に当接することとなり、面替えユニット300の左右方向への位置ずれが好適に回避されることとなる。
<固定手段450の説明>
本実施の形態に示すスロットマシン10においては、面替えユニット300を筐体11に装着完了位置に配置した後、同面替えユニット300を筐体11に対して固定する固定手段450を備えていることを特徴の1つとしている。以下、図23〜図25に基づき固定手段450について詳細に説明する。図23は固定手段450を主要構成部品ごとに分解して示す分解斜視図、図24(a)は図3のA−A線部分断面図、図24(b)は図5のB−B線部分断面図、図25(a)は固定手段450を上方から見た斜視図、図25(b)は固定手段450を上方から見た分解斜視図である。
図5に示すように、固定手段450は、面替えユニット300の天板部310aと筐体11の天板11aとに跨るようにして取り付けられている。また、固定手段450は、左右方向において左側のロック部材260よりも右側、且つ右側のロック部材260よりも左側となるように、すなわち両ロック部材260の間(詳しくは中間位置)に配置されている。
図23等に示すように、固定手段450は、面替えユニット300の天板部310a及び筐体11の天板11aに挿通される挿通部材460と、その挿通部材460の取り外しを規制する規制部材500とによって構成されている。
挿通部材460は、天板部310aの内面に対向する平板状のベース板部470と、ベース板部470から起立し天板部310a及び天板11aに挿通されている本体部480とを有している。本体部480は、面替えユニット300のスライド方向に所定の間隔を隔てて対向する第1対向壁部481,482と、前記スライド方向と直交する方向に所定の間隔を隔てて対向し両第1対向壁部481,482を繋ぐ第2対向壁部483,484とを有してなり、全体として上下に延びる筒状をなすように形成されている。
また、図13等に示すように、面替えユニット300の天板部310aにおいて貫通長孔340よりも前側には、挿通部材460の本体部480に対応する略矩形状のユニット側挿通孔343が形成されている。前記上側補強プレート325にも、その本体部480に対応する略矩形状のプレート側挿通孔326が形成されており、それらユニット側挿通孔343及びプレート側挿通孔326が連通した状態となっている。上側補強プレート325におけるプレート側挿通孔326の後端縁には、ユニット側挿通孔343側に折り曲げて折曲片327が形成されている。この折曲片327は、後側の第1対向壁部482と対峙しているとともに、上側補強プレート325と天板部310aとの境界を覆っている。挿通部材460を挿通させる場合に、この折曲片327に沿って同挿通部材460を押し込むことで、当該挿通部材460と上側補強プレート325とがつかえるといった不都合を生じにくくすることができる。
筐体11の天板11aには、本体部480が嵌まる有底の凹部138が形成されている(図24参照)。そして、天板11に装着された上側プレート140には、その凹部138に連通する筐体側挿通孔141,142が独立して形成されている。具体的には、上側プレート140には、凹部138の開放部位を左右に二分するように中央板部143が設けられている。すなわち、中央板部143を挟んだ左右両側に筐体側挿通孔141,142が形成されている。
挿通部材460においては、本体部480を構成する第1対向壁部481,482に上側プレート140の中央板部143との干渉を回避する切欠部486,487が形成されており、これら切欠部486,487が中央板部143の下側板面143aに対して下側から当接している。詳しくは、中央板部143の根元部分に当接している。また、挿通部材460には、第1対向壁部481,482を繋ぎ、中央板部143の左右両側の縁部に対して下側から当接する第3対向壁部488,489が形成されている。それら第3対向壁部488,489の間には空間が形成されており、その空間には中央板部143の中央部分を含んだ領域に下側から当接する中央押え部491が設けられている。中央押え部491は、第3対向壁部488,489における中央板部143と反対側の端部に一体成形された底板部492や複数のリブ493を介してそれら第3対向壁部488,489連結されている。底板部492は、ベース板部470と平行な板状をなしており、両第1対向壁部481,482に対しても連なっている。これにより、本体部480の剛性が向上されており、第1対向壁部481,482が互いに近づく側へ変形することを抑制している。
挿通部材460を挿入した場合には、前記切欠部486,487等と、中央板部143とが当接することにより、それ以上の押し込みが規制されることとなる。また、中央板部143は、その根元部分,縁部及び中央部分の複数箇所において、切欠部486,487等と当接することにより、中央板部143自身の下方への変位(例えば変形)を好適に抑制している。
挿通部材460のベース板部470には、少なくとも前記底板部310bを含んだ部分を露出させるように形成された開口471が形成されており、前記規制部材500には、この開口471に嵌まる嵌合ベース部501が設けられている。嵌合ベース部501は、挿通部材460の底板部492と対向する板状をなしており、開口471に嵌まった状態においては同嵌合ベース部501における底板部492と反対側の板面501aが、ベース板部470における天板11aと反対側の板面470aとともに同一仮想平面上に位置するように形成されている。つまり、嵌合ベース部501の開口471からの突出が抑えられている。
規制部材500には、挿通部材460の本体部480内に挿入され、前記中央板部143に引っ掛かる一対の係止部503,504が設けられている。それら係止部503,504は、中央板部143における両側の縁部に対応して配置されている。詳しくは、中央板部143を挟んだ左右両側に配置されている。挿通部材460には、開口471に連なり、各係止部503,504を中央板部143へ導く案内通路部494,495が形成されている。詳しくは、第3対向壁部488,489及び第2対向壁部483,484の間に配置され同第3対向壁部488,489に対峙するように形成された区画壁部496,497と、第3対向壁部488,489とに挟まれた領域によって案内通路部494,495が構成されている。区画壁部496,497についても、第3対向壁部488,489と同様に、第1対向壁部481,482に連なっている。これにより、区画壁部496,497自身の変形を抑えるとともに、挿通部材460の剛性向上に貢献している。
図24(a)等に示すように、規制部材500の両係止部503,504は、嵌合ベース部501から起立する略板状のアーム部506,507を有しており、それら両アーム部506,507の各板面は前記第3対向壁部488,489及び区画壁部496,497にそれぞれ対峙している。アーム部506,507は、所定の方向における撓み変形(弾性変形)が容易となるように形成されている。具体的には、その厚さ寸法(板厚寸法)がその幅寸法、つまり中央板部143の縁部に沿った長さ寸法よりも小さく設定されており、第3対向壁部488,489側及び区画壁部496,497側への撓み変形の容易化が図られている。なお、アーム部506,507において区画壁部496,497と対峙している側には、それらアーム部506,507の過度の変形を抑える補強リブ508,509が一体成形されている。
アーム部506,507は、中央板部143を越えて天板11aの凹部138内に延びており、それらの先端側には、同アーム部506,507の内面から第3対向壁部488,489側、すなわち中央板部143側に突出する係止爪部511,512が一体成形されている。係止爪部511,512は、中央板部143の上側板面143b側を向いた係止面513,514を有している。係止面513,514が上側板面143bに当接することにより、係止部503,504が中央板部143に対して引っ掛かり、上側プレート140(詳しくは中央板部143)が挿通部材460と規制部材500とによって挟まれた状態となっている。
また、係止部503,504には、規制部材500の装着完了位置への移動に伴って両係止部503,504を相互に離れる側へ撓ませる第1ガイド部503a,504aが形成されている。それら第1ガイド部503a,504aは、アーム部506,507と係止爪部511,512とに連続し、係止部503,504の先端側から根元側に向けて傾斜する面状をなしている。また、第3対向壁部488,489の根元側には、第1ガイド部503a,504aと当接することにより、各係止部503,504を案内通路部494,495に導く第2ガイド部488a,489aが形成されている。それら第2ガイド部488a,489aは、案内通路部494,495を入口部分に向けて広げるように傾斜する面状をなしている。なお、案内通路部494,495は、これら第1ガイド部503a,504a及び第2ガイド部488a,489aにより、アーム部506,507が撓み変形した場合であっても、各係止部503,504の通過を許容するように構成されている。
ここで、規制部材500の取り外しに関する構成について説明する。以下便宜上、一方の係止部503(左側の係止部)を「第1係止部503」、他方の係止部504(右側の係止部)を「第2係止部504」と称する。
規制部材500の嵌合ベース部501は、係止部503,504の並設方向(詳しくは左右方向)において二分され第1係止部503を有する第1ベース部521と、その第1ベース部521と離間し第2係止部504を有する第2ベース部522と、それら両ベース部521,522を連結する連結ベース部523とを有している。各ベース部521,522は前後に長い略長方形状をなしており、それらベース部521,522の長辺部521a,522a同士が対峙している。連結ベース部523は、長辺部521a,522aの中央部分同士を繋いでおり、両ベース部521,522に跨って延びる長尺状をなしている。連結ベース部523においては、長辺部521a,522aに沿った長さ寸法(幅寸法)が長辺部521a,522aの長さ寸法よりも小さくなるように、更には、その板厚寸法が両ベース部521,522の板厚寸法よりも小さくなるように形成されている。これにより、連結ベース部523の破壊(例えば切断)がベース部521,522の破壊と比較して容易化されている。また、連結ベース部523の板厚を小さくすることにより、挿通部材460の底板部492との間に所定の隙間が形成されている。
規制部材500においては、連結ベース部523に加えて、第1ベース部521及び第2ベース部522に橋渡しされた複数(本実施の形態においては2つ)の連結部526,527が設けられている。連結部526,527は、連結ベース部523を挟んだ両側にて両ベース部521,522を繋げている。詳しくは面替えユニット300の装着方向にて連結ベース部523よりも手前側及び奥側にそれぞれ配置されている。各連結部526,527は、第1ベース部521から第1係止部503に対して逆側(下側)に起立する第1起立部531,532と、第2ベース部522から第2係止部504に対して逆側に(下側)に起立する第2起立部533,534と、それら第1起立部531,532及び第2起立部533,534を繋ぐ長板部535,536とによって構成されている。長板部535,536は連結ベース部523と平行となるように形成されており、前記長辺部521a,522aに沿った長さ寸法(幅寸法)が長辺部521a,522aの長さ寸法よりも小さくなるように設定されている。これにより、長板部535,536の破壊(切断)が容易化されている。
なお、破壊対象(破壊容易部分)としての長板部535,536が連結ベース部523よりも下側にオフセットしている点に着目すれば、各連結部526,527を「オフセット部526,527」と称することも可能である。
特に、本実施の形態におていは、規制部材500をポリカーボネート樹脂によって形成し、挿通部材460をPOM(ポリオキシメチレン)によって形成している。つまり、挿通部材460を規制部材500よりも高強度の合成樹脂材料によって形成している。言い換えれば、規制部材500を挿通部材460よりも強度の低い合成樹脂材料によって形成することで、上述した連結ベース部523や連結部526,527の切断を容易なものとしている。
第1起立部531,532は、第1ベース部521の長辺部521aに沿って配列されている。第2起立部533,534についても同様に、第2ベース部522の長辺部522aに沿って配列されている。第1ベース部521において、第1起立部531,532の裏側には、長辺部521aに沿って傾斜面538が形成されている。傾斜面538は、第1係止部503の根元部分側から連結ベース部523側に向けて、挿通部材460の底板部492との隙間が徐々に大きくなるように形成されている。
同様に、第2ベース部522において、第2起立部533,534の裏側には、長辺部522aに沿って傾斜面539が形成されている。傾斜面539は、第2係止部504の根元部分側から連結ベース部523側に向けて、挿通部材460の底板部492との隙間が徐々に大きくなるように形成されている。
ここで、図26に基づき固定手段450の装着作業について説明する。図26(1)群は固定手段450の装着の様子を示す斜視図、図26(2)群は固定手段450の装着の様子を示す部分断面図である。なお、固定手段450の装着作業は図26(a)→図26(b)→図26(c)の順に行われる。
面替えユニット300を上述した手順で筐体11内に配置した後は、固定手段450を用いて面替えユニット300の取り外しを規制する。先ずは、挿通部材460と規制部材500とを組み合せて両者を一体化する。具体的には、図26(a)に示しように、挿通部材460と規制部材500とが個別に用意された状態にて、規制部材500の係止部503,504を挿通部材460の案内通路部494,495内に挿入する。規制部材500の第1ガイド部503a,504aと挿通部材460の第2ガイド部488a,489aとが当たることにより、アーム部506,507が撓み変形する。係止部503,504は、第3対向壁部488,489を通過することにより自身の弾性力によって元の状態に復帰し、係止爪部511,512の係止面513,514と第3対向壁部488,489の先端縁部とが所定の間隔(中央板部143の板厚程度)を隔てて対峙した状態となる(図26(b)参照)。
次に、一体化された固定手段450を、面替えユニット300のユニット側挿通孔343に挿通し、筐体11の凹部138に向けて押し込む。このような押し込み操作によって、係止部503,504の第1ガイド部503a,504aが中央板部143の下側板面143aに当り、アーム部506,507が撓み変形する。このようにアーム部506,507が撓み変形することにより、係止爪部511,512が中央板部143を越えて移動し、筐体11の凹部138に収容される。これに同期して、各係止部503,504が自身の弾性力によって元の状態に復帰し、係止面513,514は中央板部143に当接した状態となる。これにより、固定手段450の取り外しが規制され、面替えユニット300と筐体11との固定が完了する(図26(c)参照)。
なお、上記作業説明においては、固定手段450を取り付ける前に挿通部材460及び規制部材500を一体化したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、先ず挿通部材460を挿入した後、規制部材500を嵌め込むことも可能である。
このように面替えユニット300の固定がなされた状態においては、仮に面替えユニット300に対して取り外し方向に向けての負荷が加わったとしても、規制部材500には、その負荷が伝わりにくくなっている。具体的には、挿通部材460における後側の第1対向壁部482が上側補強プレート325の折曲片327に当り、前側の第1対向壁部481が上側プレート140の折曲部144,145に当たる。これにより、上述した負荷は分散されることとなる。かかる場合、挿通部材460の前方へのずれに伴って規制部材500も前方へ移動する。しかしながら、規制部材500においては、係止面513,514が、中央板部143の上側板面143b上をスライド(摺動)するのみで、規制部材500に負荷が加わることが回避されている。すなわち、規制部材500は、挿通部材460によって保護されている。
次に、図27及び図28に基づき固定手段450の取り外し作業について説明する。図27(1)群及び図28(1)群は取り外しの様子を示す斜視図、図27(2)群及び図28(2)群は取り外しの様子を示す部分断面図である。なお、固定手段450の取り外し作業は図27(a)→図27(b)→図27(c)→図28(d)→図28(e)の順に行われる。
図27(a)に示すように、固定手段450によって筐体11と面替えユニット300とが一体化されている状態においては、規制部材500の係止部503,504へのアクセスが挿通部材460等によって妨げられている。規制部材500のアーム部506,507は挿入方向への移動時には各ガイド部488a,489a,503a,504aによって撓み変形が生じる構成となっているが、離脱方向への移動時にはそのような撓み変形が発生しにくくなっている。
そこで先ず、図27(b)に示すように、規制部材500の連結ベース部523及び連結部526,527をニッパ等の工具を用いて切断する。詳しくは、連結ベース部523の両根元部分を切断し、長板部535,536の両根元部分を切断する。これにより、第1ベース部521と第2ベース部522との連結が解除される。
次に、図27(c)に示すように、各起立部531〜534を内側に向けて押すことにより、分断された規制部材500の各ピース500a,500bが回動することとなる。詳しくは、規制部材500の傾斜面538,539と挿通部材460の底板部492との距離を縮める側に各ベース部521,522が回動し、これに追従して係止部503,504も係止爪部511,512と中央板部143との掛かりが減少する側に回動することとなる。かかる場合、第3対向壁部488,489の第2ガイド部488a,489aによって係止部503,504(詳しくはアーム部506,507)の動作スペースが確保されていることで、円滑な動作が可能となっている。係止部503,504が回動すると、係止部503,504(アーム部506,507)の先端部分が区画壁部496,497に近づくこととなる。因みに、区画壁部496,497において第2対向壁部483,484と対峙している領域よりも先側の領域には根元側の領域よりも低位となる段差部496a,497aが形成されており、これら段差部496a,497aによって係止部503,504の動作スペースが拡張されている。これにより、係止部503,504の回動が区画壁部496,497によって妨げられるといった不都合が生じにくくなっている。
分断された規制部材500の各ピース500a,500bを回動が止まる位置まで傾倒させた後、起立部531〜534等を指で摘まんだまま引き抜くことにより、規制部材500の取り外しが完了する(図28(d)参照)。
規制部材500を取り外した後、挿通部材460を引き抜くことにより、図28(e)に示すように面替えユニット300の取り外しが可能な状態となる。
なお、上記作業説明においては、規制部材500を取り外した後、挿通部材460を取り外したが、これに限定されるものではない。例えば、図27(c)に示すように、分断された規制部材500の各ピース500a,500bを回動させた後、固定手段450(規制部材500及び挿通部材460)をまとめて取り外すことも可能である。
ここで、挿通部材460の底板部492と規制部材500の連結ベース部523との関係について補足説明する。底板部492において規制部材500の連結ベース部523に対向する部位には中央開口499が設けられている。中央開口499は、規制部材500の各ピース500a,500bが回動した際に連結ベース部523の切断された側の端部が通過する動作領域を形成している。より具体的に説明すれば、連結ベース部523が同連結ベース部523の根元部分から離れた位置で切断された場合、連結ベース部523の残り代が大きくなる。かかる場合、連結ベース部523における切断された側の端部が挿通部材460に当り、十分に回動させることが困難となり得る。
この点本実施の形態においては、中央開口499を形成することにより、連結ベース部523の残り代が大きい場合にはその切断された側の端部が中央開口499に入ることによって前記回動操作を担保することが可能となっている。これにより、連結ベース部523において切断可能な領域を広げることができ、切断作業の煩雑化を抑制することが可能となっている。
<リール装置550の構成>
再び図16及び図17を用いて、内側筐体310の内部に収容されている各種構成について説明する。
内側筐体310の底部にはリール装置550が設けられている。リール装置550は、内側筐体310内に形成された複数の取付部377,378に対してネジ等の固定具を用いて取り付けられている。
図17に示すように、リール装置550は、前方に開放された合成樹脂製のケース部材551と、そのケース部材551に収容される合成樹脂製のリールプレート552〜554(左リールプレート552、中リールプレート553、右リールプレート554)と、各リールプレート552〜554に取り付けられた左・中・右の3つのリール555〜557(左リール555,中リール556,右リール557)とを具備している。
ケース部材551において両側面の前側上隅部には、外側に向かって突出する支持固定部558が設けられ、同支持固定部558の前面の略中央には前後方向に貫通する取付孔559が形成されている。また、ケース部材551において両側面の前側下隅部には、外側に向かって突出する支持固定部560が設けられており、その前面の略中央には前後方向に貫通する取付孔561が形成されている。これら取付孔559,561はリール装置550を内側筐体310に取り付けるための取り付け手段を構成するものである。
各リール555〜557の構成については周知であるため、ここでは詳細な図示を省略し、その構成を簡単に説明する。各リール555〜557は、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材と、その外周に巻回された帯状のベルトとを備えている。ベルトの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている(例えば21図柄)。各リール555〜557の中央部には、駆動源としてのステッピングモータが設けられており、同ステッピングモータの駆動により各リール555〜557が個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動される。
リールプレート552〜554は鉛直に起立し前後に延びる板状をなしており、リールプレート552〜554の略中央には前述したステッピングモータが固定されている。リール555〜557は、リールプレート552〜554の右側に回動可能に支持されている。また、リールプレート552〜554の上下の端部がビス等の締結具によってケース部材551に固定された状態においては、各リール555〜557の一部がケース部材551の前面開放部から現出する。各リールプレート552〜554の前側部は、各リール555〜557のケース部材551からの現出部分に対応した形状で構成されている。
また、ケース部材551の前面開放部の右側縁部には、右リール557の現出部分を右側より塞ぐように形成された板状の遮蔽部材562がビス等の締結具によって固定されている。
リール装置550には、その他の構成として、各リール555〜557の回転位置を検出するためのリールインデックスセンサ(回転位置検出センサ)が設置されている。また、各リール555〜557の内周側には、蛍光ランプ等よりなるバックライト(後方発光手段)が設けられており、このバックライトにより、リール外周面に付された各図柄が後方より明るく照らされるようになっている。バックライトの発光によって、リール外周面に付された各図柄の視認性の向上や、遊技に際し補助的な演出の多様化を図ることができる。
本実施の形態においては、各リールプレート552〜554と遮蔽部材562とによって、ケース部材551の内部が外方より見えることを抑制することができる。すなわち、バックライトからの光がリール装置550外部へ漏れることを防止することができる構成となっている。
<主制御装置ユニット600の構成>
次に、内側筐体310の内部にリール装置550と共に収容される主制御装置610及びそれに付随する構成(主制御装置ユニット600)について図5,図16及び図29〜34を用いて説明する。図29は主制御装置ユニット600を表側から見た斜視図、図30は主制御装置ユニット600を主要構成部品ごとに分解して示す分解斜視図である。
図5等に示すように主制御装置610はリール装置550よりも上方に天板部310a側に偏倚して配置されており、台座ユニット710を介して内側筐体310の天板部310a及び背板部310cに固定されている。これら主制御装置610及び台座ユニット710によって主制御装置ユニット600が構成されている。
主制御装置610は、図33(主制御装置610の分解斜視図)に示すように、遊技に関する各種制御を行う長板状の主制御基板620とその主制御基板620の長手方向と同一方向(具体的には左右方向)に延びる略箱状の基板ボックス630とを備えており、同基板ボックス630の内部空間に主制御基板620が収容されてなる。
台座ユニット710は、主制御装置610(詳しくは基板ボックス630)を着脱可能に保持する保持部材740と、その保持部材740を回動可能に支持する台座部材720とを備えている。
図30等に示すように、台座部材720は、金属製の板材からなり、内側筐体310の外側からねじ込まれた複数の固定具721によって同内側筐体310に対して一体化されている。より具体的には、台座部材720には、内側筐体310の背板部310cに対して平行な平板部722が形成されている。平板部722は、主制御基板620の長手方向と同一の方向、詳しくは左右方向に延びる長板状をなしており、その上端縁(上側の長辺)には内側筐体310の天板部310aに対して平行となるように上側折曲部724が形成されている。台座部材720は、平板部722が背板部310cに当接し、且つ上側折曲部724が天板部310aに当接した状態で内側筐体310に対して固定されている。より詳細には、平板部722には背板部310cに形成された丸孔352に連通するネジ孔722aが形成されており、上側折曲部724には天板部310aに形成された丸孔344に連通するネジ孔724aが形成されている。これらネジ孔722a,724aに対して、内側筐体310の外側からネジ等の固定具721が螺着されることにより、内側筐体310と台座部材720とが一体化されている。
平板部722における外周縁のほぼ全域には、その外周縁に沿って周壁部723が形成されている。詳しくは、平板部722の下端縁には上記上側折曲部724と対向する下側折曲部725が形成され、平板部722の左側縁部には左側板部310dに対向する左側折曲部726が前記上側折曲部724と同一側に折り曲げて形成されており、平板部722の右側縁部には右側板部310eに対向する右側折曲部727が前記左側折曲部726と同一側に折り曲げて形成されている。これら各折曲部724〜727によって平板部722を囲む前記周壁部723が構成されている。つまり、台座部材720は、スロットマシン10の前方に開放された略箱状をなす構成となっている。
台座部材720において、周壁部723により囲われた空間には、前記保持部材740が配置されている(図29及び図30参照)。保持部材740は、透明な合成樹脂材料によって形成されており、自身を介して主制御装置610(例えば主制御基板620)等を視認可能となっている。図31(保持部材740の斜視図)に示すように、保持部材740は、台座部材720の平板部722と対向する対向板部741を有している。対向板部741の下端部には、当該対向板部741から平板部722と反対側に膨出する膨出部742が設けられている。膨出部742は、台座部材720の下側折曲部725に沿って形成されており、その左右両側部には、台座部材720に対する取付部743,744が設けられている。
ここで、保持部材740と台座部材720との取り付けに関する構成について簡単に説明する。台座部材720における左側折曲部726及び右側折曲部727には、前記保持部材740を支持する支持部728,729が一体成形されている。支持部728,729は、下側折曲部725側に偏倚した位置に配置されており、各折曲部726,727から台座部材720の平板部722に対して遠ざかる側に延出している。上述した保持部材740の取付部743,744は、各支持部728,729に対応して配置されているとともに、それら支持部728,729を同支持部728,729の板厚方向における両側から挟み込むように形成されている。
支持部728,729には、自身の板厚方向、より具体的には主制御基板620の長手方向(左右方向)に貫通する貫通孔731,732が形成されており、取付部743,744にはそれら貫通孔731,732に連なる連通孔745,746が形成されている。これら貫通孔731,732及び連通孔745,746に対して軸ピン748,749を挿通させることにより、保持部材740は台座部材720によって回動可能に支持された状態となっている。そして、軸ピン748,749の先端部が取付部743,744に対して固定されることにより、台座部材720と保持部材740とが一体化されている。
保持部材740の対向板部741における長手方向両側の縁部には、当該対向板部741から起立し、台座部材720の左右の折曲部726,727に対向する側壁部751,752が形成されている。各側壁部751,752の対向板部741からの起立量は、折曲部726,727の平板部722からの起立量と同等となるように設定されている。
左側の側壁部751(以下、左側壁部751という)には、左側折曲部726側に突出し、当該左側折曲部726の先端縁部に当接する突起753が形成されている。また、右側の側壁部752(以下、右側壁部752という)についても同様に、右側折曲部727側に突出し、当該右側折曲部727の先端縁部に当接する突起754が形成されている。これら、各突起753,754が各折曲部726,727の先端縁部に当接することにより、台座部材720に対する保持部材740の回動が規制されることとなる。
以上詳述した、両側壁部751,752及び膨出部742によって囲まれた領域に前記主制御装置610が配置されている。以下、主制御装置610の具体的な構成について図32及び図33に基づいて説明する。図32(a)は主制御装置610を正面側から見た斜視図であり、図32(b)は主制御装置610を背面側から見た斜視図である。また、図33は主制御装置610を主要構成部品ごとに分解して示す分解斜視図である。なお、以下の主制御装置610の説明では、特に指定しない限り図32(a)の状態を基準に右下側を前側,左上側を後側,左下側を左側,右上側を右側として上下左右等の方向を記述する。
主制御装置610を構成している主制御基板620は既に説明したように長板状をなしており、主たる制御を司るMPU621や、入出力ドライバ用ICチップやラッチ用ICチップ,コンデンサや抵抗などの各種素子,そして複数のコネクタ622〜624が搭載されている。また、主制御基板620には、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのリセットスイッチ625、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うための設定キー挿入部626などを備えている。本スロットマシン10では当否抽選における所定の役の当選確率が予め複数段階設定されており、遊技ホールの管理者等が設定キーを設定キー挿入部626へ挿入して当該設定キーをON側に向けて回動操作することにより、当該当選確率を上記複数段階のうち所定の段階に設定することが可能な状態となる。
主制御基板620においてMPU621などの各種素子やコネクタ622〜624等は全て同一の板面上に搭載されており、MPU621を除いて、逆側の板面にて半田付けされている。つまり、主制御基板620は、一方の板面が素子搭載面620aとなっており、他方の板面が半田面620bとなっている。主制御基板620は、半田面620bが保持部材740の対向板部741側を向くように配置されており、保持部材740が装着完了位置に配置されている状態においては、素子搭載面620aがスロットマシン10の前方を向く構成となっている。なお、半田面620bとは、素子搭載面620aに搭載される各種素子の半田付け部分が設けられた面であるが、当該半田面620bに対して回路パターンが形成されていてもよい。
基板ボックス630は、無色透明な合成樹脂材料(詳しくはポリカーボネート樹脂)によって形成されており、主制御基板620を収容する被包手段としての機能を有している。つまり、基板ボックス630によって主制御基板620を保護しつつ、同主制御基板620の視認性を担保している。基板ボックス630は、主制御基板620を素子搭載面620a側から覆う表側構成体631と、主制御基板620を半田面620b側、すなわち保持部材740の対向板部741側から覆う裏側構成体632とが組み合わされてなる。
表側構成体631は、素子搭載面620aと対向する表側対向壁部635を有しており、この表側対向壁部635に対して主制御基板620がネジ等の固定具628により固定されている。表側対向壁部635には、前記各コネクタ622〜624に1対1で対応するコネクタ用開口部636〜638が形成されており、これらコネクタ用開口部636〜638を介して各コネクタ622〜624が基板ボックス630の外部に突出した状態となっている。コネクタ622,623は、保持部材740の回動中心軸線CL側に偏倚して配置されており、主制御装置610の回動に伴って発生する配線の余裕代が大きくなることを抑制している。特に、コネクタ622においては、ピンの配列方向が回動中心軸線CLと同一方向となるように設定されており、上述した配線の短縮に貢献している。更に、図29及び図33に示すように、コネクタ622には、当該コネクタ622に対応するコネクタ(図示略)が接続されている状態にて、これら両コネクタの分離を規制するコネクタ規制部材629が設けられている。これにより、主制御装置610の回動に起因してコネクタの接続が解除されるといった不都合を生じにくくしている。また、コネクタ規制部材629はコネクタ622の取り外しに基づいて痕跡(例えば破壊痕跡)が残存するように構成されている。これにより、コネクタ622を取り外し、代わりに不正信号が入力されることを抑制するとともに、仮にそのような不正行為が行われた場合であっても、その発見を容易なものとすることができる。
また、表側構成体631の表側対向壁部635には、リセットスイッチ625及び設定キー挿入部626を基板ボックス630の外部に露出させるスイッチ用開口部639及び設定キー用開口部640と、それら各開口部639,640を開閉可能に覆う開口カバー片641,642が設けられている。開口カバー片641,642を開き、各開口部639,640を露出させることにより、それら開口部639,640を介してリセットスイッチ625及び設定キー挿入部626へのアクセスが可能となっている。なお、これらリセットスイッチ625及び設定キー挿入部626の配設対象は主制御装置610に限定されるものではない。例えばそれらリセットスイッチ625及び設定キー挿入部626を電源ボックス170等に設けることも可能である。
表側構成体631の表側対向壁部635における外周縁の全域には、主制御基板620側に起立し、同主制御基板620を囲む表側周壁部645が一体成形されている。表側周壁部645は、主制御基板620における長手方向両側に配置され同主制御基板620を挟んで対峙する一対の第1表側周壁部646,647と、主制御基板620における短手方向両側に配置され同主制御基板620を挟んで対峙する一対の第2表側周壁部648,649とを有しており、それら第1表側周壁部646,647及び第2表側周壁部648,649がコーナー部を介して連結されてなる。
第1表側周壁部646,647は、それら第1表側周壁部646,647の外面が、保持部材740の両側壁部751,752の内面と対峙するように形成されている。また、第2表側周壁部649は、その外面が保持部材740の膨出部742に対して対峙するように形成されている。つまり、表側構成体631は、保持部材740の両側壁部751,752及び膨出部742によって囲まれた領域に嵌まる構成となっている。
そして、表側構成体631における表側対向壁部635及び表側周壁部645によって区画される空間に、主制御基板620が収容されている。すなわち、表側構成体631は一方に(詳しくは保持部材740の対向板部741側に)開放された略箱状をなしており、その表側構成体631内に主制御基板620が収容された状態となっている。
上記のように主制御基板620が一体化された表側構成体631に対して裏側構成体632が組み合わされており、この裏側構成体632によって表側構成体631の開放部位が塞がれた状態となっている。
裏側構成体632は、主制御基板620の半田面620bと保持部材740の対向板部741との両者に対向する裏側対向壁部675を有している。裏側対向壁部675の外形(主制御基板620の長手方向における長さ寸法)は保持部材740の対向板部741の外形(主制御基板620の長手方向における長さ寸法)よりも若干小さく形成されており、同保持部材740の両側壁部751,752によって挟まれた領域に嵌まる構成となっている。裏側対向壁部675の外周縁の全域には、少なくとも主制御基板620側に起立し、表側周壁部645に対応する裏側周壁部685が一体成形されている。裏側周壁部685は、主制御基板620における長手方向両側に配置され同主制御基板620を挟んで対峙する一対の第1裏側周壁部686,687と、主制御基板620における短手方向両側に配置され同主制御基板620を挟んで対峙する一対の第2裏側周壁部688,689とを有しており、それら第1裏側周壁部686,687及び第2裏側周壁部688,689がコーナー部を介して連結されてなる。
第1裏側周壁部686,687においては、保持部材740の各側壁部751,752に対向するとともに、それら第1裏側周壁部686,687の先端縁が表側構成体631の第1表側周壁部646,647の先端縁に当接するように形成されており、第1表側周壁部646,647と共に基板ボックス630の外郭を構成している。一方、第2裏側周壁部688,689においては、それら第2裏側周壁部688,689の外面が裏側構成体632の第2表側周壁部648,649の内面に当接し、基板ボックス630の内部に収容されるように形成されている。換言すれば、これら第2裏側周壁部688,689は、第2表側周壁部648,649と共に、両構成体631,632の組み合わせ方向が、主制御基板620における板面の向きと同一となるように規定している。
ここで、表側構成体631と裏側構成体632との固定に関する構成について説明する。表側構成体631と裏側構成体632との固定手段として、(1)ネジ等の固定具,(2)封印シール,(3)カシメ構造が設けられている。そこで、これら各固定手段及びそれに関連する構成について個別に説明する。
先ず固定具及びその取り付けに関する構成について説明する。
表側構成体631の第1表側周壁部646,647と裏側構成体632の第1裏側周壁部686,687とには、ネジ等の固定具690によって連結される連結部653,654,693,694が設けられている。表側構成体631の連結部653,654(以下、表側連結部653,654と称する)は、第1表側周壁部646,647から突出し、当該第1表側周壁部646,647に沿って主制御基板620の短手方向に延びる突条をなすように形成されている。同様に、裏側構成体632の連結部693,694(以下、裏側連結部693,694と称する)は、第1裏側周壁部686,687から突出し、当該第1裏側周壁部686,687に沿って主制御基板620の短手方向に延びる突条をなすように形成されている。そして、これら表側構成体631の表側連結部653,654及び裏側構成体632の裏側連結部693,694が組み合わされることによって基板ボックス630の外殻に略直方体状の突条部703,704が形成されている。
また、表側連結部653,654の片側の端部は、両第2表側周壁部648,649のうち一方に連なり、表側連結部653,654の他方の端部においては、第1表側周壁部646,647と共に段差部655,656を形成している。同様に、裏側連結部693,694の片側の端部は、両第2表側周壁部648,649のうち表側連結部653,654が連なっている一方に対して連なっており、表側連結部653,654の他方の端部においては、表側連結部653,654に連なる段差部655,656が形成されている。つまり、前記突条部703,704における保持部材740の膨出部742側の端部(下端部)には、一連の段差部705,706が形成されている。これら各段差部655,656は、主制御基板620の短手方向を向く壁状をなしている。
表側連結部653,654には、固定具690を挿通する挿通孔657,658が形成されており、裏側連結部693,694には挿通孔657,658に連なるとともに前記固定具690がねじ込まれるネジ穴697,698が形成されている。表側構成体631側から固定具690を装着することにより、両構成体631,632が一体化されている。
また、表側連結部653,654には、固定具690の露出部分を覆うカバー体691,692が設けられているとともに、このカバー体691,692を収容される収容凹部659,660が形成されている。カバー体691,692には、収容凹部659,660に嵌まった状態にて、表側連結部653,654の外面と面一となる平面部691a,692aが形成されており、これら平面部691a,692aの少なくとも一部を含んだ表側連結部653,654の外面及び裏側連結部693,694の外面によって、前記封印シールS1の貼付領域SE1が構成されている。
次に、封印シールS1について説明する。
突条部703,704(詳しく貼付領域SE1)には、図32に示すように、表側連結部653,654及び裏側連結部693,694の境界を跨ぐようにして封印シールS1が貼り付けられている。封印シールS1は、貼り付けた後に剥がすと粘着剤層が連結部653,654,693,694側に残り、再貼付不可となるものである。同封印シールS1が剥がされた場合にはその形跡が残ることから、基板ボックス630から主制御基板620が取り外されたかどうかが確認できるものとなっている。かかる構成により、仮に基板ボックス630が不正に開封された場合などにおいては、封印シールS1を確認することによって不正行為の発見が可能となっている。
因みに、各突条部703,704には、貼り付けられた封印シールS1を外側から覆うようにシールカバーSC1が貼り付けられている。当該シールカバーSC1は透明性を有する合成樹脂により形成されており、当該シールカバーSC1を通じて封印シールS1が視認可能となっている。なお、シールカバーSC1を不具備としてもよい。また、封印シールS1として、所定のスキャナからの呼出波に応答して、固有のID情報を含む応答波を発信するICタグを有するものを用いてもよい。
カシメ構造は、図33等に示すように、表側構成体631に設けられた複数(本実施の形態においては2つ)の表側結合部661と、裏側構成体632に設けられそれら表側結合部に1対1で対応するように設けられた裏側結合部699とを備えている。表側結合部661は、表側構成体631の第2表側周壁部649(前記突条部703,704が連なっている側と反対の第2表側周壁部649)に対して一体形成されている。具体的には、表側結合部661は、第2表側周壁部649から起立した支持部662の先端に形成され、それら支持部662によって支えられた状態となっている。支持部662は、ニッパ等の工具によって切断することが容易となるよう薄板状をなしている。裏側結合部699は、裏側構成体632の第2裏側周壁部689(前記突条部703,704が連なっている側と反対の第2裏側周壁部689)に対して一体形成されている。具体的には、裏側結合部699は、第2裏側周壁部689から起立した支持部700の先端に形成され、それら支持部700によって支えられた状態となっている。
両構成体631,632における一対の結合部661,699には、同一軸線上において相互に連通するネジ穴が形成されている。具体的には、表側構成体631には、ネジを挿入する貫通孔663が形成されており、裏側構成体632には、ネジが螺着される有底のネジ穴701が形成されている。これら連通した貫通孔663及びネジ穴701に対して、表側結合部661側から破断ネジ702が装着されている。表側結合部661及び裏側結合部699の組み合わせは上記のとおり複数組設けられているが、それら組み合わせの1つに対して破断ネジ702による結合が行われている。ここで、破断ネジ702とは、ドライバなどの工具に先端を差込可能な頭部とネジ溝が形成された側との連結部分の強度が低く設定されたものであり、それ以上締めることができない位置において頭部に対して上記工具によりさらに所定の力を加えることにより、上記連結部分が切断され、頭部が分離されるものである。つまり、破断ネジ702は、螺着後において、上記工具を用いて緩める方向へ回転させることを不可とするものである。なお、図29及び図32においては、それら破断ネジ702の頭部が分離された状態を示している。因みに、破断ネジ702に代えて、周知のワンウェイネジ等を用いてもよい。また、ピンを用いて固定することも可能である。
上記のように表側結合部661及び裏側結合部699が結合されていることにより、両構成体631,632が分離不可な状態で相互に固定されている。そして、両結合部661,699を結合している破断ネジ702の頭部は分離されているため、当該破断ネジ702を緩めることができないようになっている。
また、両結合部661,699の結合による両構成体631,632の固定を解除すべく、両結合部661,699のうち少なくとも一方を破壊した場合には、その破壊痕跡が基板ボックス630の開放履歴として残存することとなる。これにより、基板ボックス630が不正に開放された場合には、その事実を発見することが可能となっている。
以上詳述したように一体化された主制御装置610の着脱の際に、当該主制御装置610の着脱方向を規定する規定手段760が設けられている。そこで、図30,図31及び図34を用いて、規定手段760について説明する。図34(a)は図29のC−C線部分断面図、図34(b)は図29のD−D線部分断面図である。
<規定手段760に関する構成>
保持部材740には、基板ボックス630の突条部703,704が嵌まるガイド溝761,762が形成されている。具体的には、各側壁部751,752の先端縁に、対向板部741と所定の間隔を隔てて対峙する板状部763,764が形成されており、これら対向板部741と各側壁部751,752と板状部763,764とによってガイド溝761,762が形成されている。対向板部741と板状部763,764との間隔寸法は、突条部703,704の厚さ寸法(主制御基板620の面方向における長さ寸法)に対して同等となるように設定されており、当該ガイド溝761,762内を突条部703,704が移動可能となっている。
ガイド溝761,762は、保持部材740の回動中心軸線CLの放射方向(すなわち回動中心軸線CLと直交する方向)に延びており、その回動先端側の端部が開放されている。すなわち、ガイド溝761,762における取付部743,744側と反対の端部が開放されており、基板ボックス630の突条部703,704を挿入する挿入口765,766が構成されている。つまり、挿入口765,766を介して基板ボックス630が差し込まれることにより、保持部材740と主制御装置610とが組み合せられる構成となっている。
基板ボックス630(各構成体631,632)における突条部703,704の根元部分には、主制御装置610がガイド溝761,762に沿ってスライド移動し所定の装着完了位置に到達した場合に、ガイド溝761,762の挿入口765,766に対して挿入方向手前側から当接するストッパ部707,708が形成されている。すなわち、基板ボックス630の奥行き位置を規定する位置決め手段としてストッパ部707,708が形成されている。
基板ボックス630を台座ユニット710に取り付ける際には、基板ボックス630の突条部703,704をガイド溝761,762に挿入し、それらガイド溝761,762に沿って基板ボックス630を押し込む。基板ボックス630の押し込み操作に基づいて、ストッパ部707,708と挿入口765,766とが当接することにより、基板ボックス630が装着完了位置に到達したことを作業者に対して示唆される構成となっている。
次に、再び図29及び図30を参照して保持部材740と、基板ボックス630との固定に関する構成について詳細に説明する。保持部材740と基板ボックス630との固定手段として、(1)ネジ等の固定具,(2)封印シール,(3)カシメ構造が設けられている。そこで、これら各固定手段及びそれに関連する構成について個別に説明する。なお、これら固定手段は、上述した両構成体631,632の固定手段と構成の一部が類似している。故に、これら類似点についての詳細な説明は省略する。
先ず固定具及びその取り付けに関する構成について説明する。
基板ボックス630と保持部材740とは、同基板ボックス630が装着完了位置に配置されている状態にてネジ等の固定具771によって固定されている。詳しくは、保持部材740の板状部763には、同板状部763の板厚方向に貫通する貫通孔767が形成されており、基板ボックス630の突条部703には貫通孔767に連通するネジ穴709が形成されている。保持部材740側から固定具771をねじ込むことに、基板ボックス630及び保持部材740が一体化されている。
保持部材740には、固定具771の頭部を収容する収容部768が貫通孔767に連なるようにして形成されている。つまり、固定具771が螺着された状態においては、当該固定具771の頭部が収容部768に収まることにより、板状部763の外面763aからの突出が抑えられることとなる。板状部763においてこの収容部768を含んだ領域が前記封印シールS2の貼付領域SE2の一部を構成している。
また、基板ボックス630(詳しくは表側構成体631の表側対向壁部635)には、板状部763の外面763aに対して連続する平面状の貼付部643が形成されている。貼付部643は板状部763と共に貼付領域SE2を構成しており、これら両者の境界を跨ぐようにして封印シールS2が貼り付けられている。封印シールS2については、上述した両構成体631,632の固定手段としての封印シールS1と同様の構成を有するため、詳細な説明は省略する。なお、封印シールS2を覆うシールカバーを設けるか否かは任意である。
カシメ構造は、図30等に示すように、表側構成体631に設けられた複数(本実施の形態においては4つ)のボックス側結合部667と、保持部材740に設けられそれらボックス側結合部667に対して1対1で設けられた台座側結合部772とを備えている。ボックス側結合部667は、表側構成体631における下側の第2表側周壁部649(前記突条部703,704が連なっている側と反対の第2表側周壁部649)に対して一体形成されている。具体的には、ボックス側結合部667は、第2表側周壁部649から起立した支持部668の先端に形成され、それら支持部668によって支えられた状態となっている。支持部668は、ニッパ等の工具によって切断することが可能となるよう薄板状をなしている。ボックス側結合部667には、台座側結合部772に連なる連通孔669と、係止部材775の操作部776が嵌合する嵌合部670とが形成されている。台座側結合部772は、保持部材740の膨出部742に一体形成されており、係止部材775の爪部777に引っ掛かる被係止部(図示略)を有している。
ボックス側結合部667に挿通された係止部材775が、台座側結合部772に引っ掛かることにより、基板ボックス630と保持部材740とが一体化される。このように、係止部材775が装着された状態においては、係止部材775の爪部777に対するアクセスが両結合部667,772によって遮られることとなり、係止部材775の取り外しがそれら両結合部667,772によって妨げられることとなる。つまり、一度係止部材775を装着した後は、その係止部材775の取り外しが不可となるように構成されている。
係止部材775による結合状態を解除するには、上述した支持部668を破壊(例えば切断)する必要がある。つまり、破壊等を伴うことで基板ボックス630と保持部材740との結合を解除することが可能となる。このため、基板ボックス630と保持部材740との分離後には破壊痕跡が履歴として残ることとなり、基板ボックス630の取り外し事実の確認が可能となっている。
特に、結合部667,772の組み合わせを複数有する構成としていることにより、複数回の基板ボックス630の取り外しを可能としている。更には、同基板ボックス630の取り外し回数を、結合部667,772の破壊痕跡に基づいて容易に把握し得る構成となっている。
台座ユニット710を介して、内側筐体310に取り付けられた主制御装置610は、主制御基板620の素子搭載面620aがスロットマシン10の前方を向くようにして配置されている(図5参照)。このため、内側扉400を開放することにより、主制御基板620の素子搭載面620aを視認することが可能となっており、同素子搭載面620aに対する不正等の確認が容易化されている。また、保持部材740は、軸ピン748,749の回動中心軸線CLを中心としてスロットマシン10の前方に回動可能となっている。ここで、図35に基づき主制御装置610および保持部材740と台座部材720との相対移動に関する構成ついて説明する。図35(a)は主制御装置610が台座部材720に対して閉じている状態を示す側面図、図35(b)は主制御装置610が台座部材720に対して開いている状態を示す側面図である。なお、図35に示す二点鎖線は、筐体11と後述する副制御装置800及び中継基板841のケース体842である。
図35(a)に示すように台座部材720に対して主制御装置610が閉じている状態から同主制御装置610が保持部材740と共に回動された場合には、同保持部材740の傾倒に伴って主制御装置610も前側に倒れることとなる。これら保持部材740及び制御装置610が所定の位置まで回動すると、詳しくはその回動量がおよそ90度に到達すると、保持部材740の側壁部751の前端縁が副制御装置800(詳しくは後述するストッパ部824a)と当接する。これにより、主制御装置610及び保持部材740の回動が規制されることとなる(図35(b)参照)。
このように、主制御装置610及び保持部材740の回動が副制御装置800によって規制された状態では、主制御基板620の半田面620bが上方を向くこととなる。これにより、半田面620b側に不正が行われていないかどうかの確認を主制御装置610の取り外しを行うことなく実施でき、作業性の担保が図られている。
また、台座部材720を背板部310cに固定する固定具が螺着された前記ネジ孔722aは、このように回動した状態における主制御装置610及び保持部材740の後方に配置されている。つまり、ネジ孔722aとそれらネジ孔722aに螺着された固定具とが主制御装置610及び保持部材740によって覆われた状態となっている。これにより、ネジ孔722aに螺着されている固定具に対して面替えユニット300の内側からアクセスすることが回避されている。このため、仮に面替えユニット300を筐体11から取り外すことなく台座部材720ごと主制御装置610を取り外すことは困難なものとなっている。
主制御装置610を保持部材740から取り外す場合には、図35(b)に示すように主制御装置610を回動させる。これにより、主制御装置610と台座部材720の上側折曲部724及び内側筐体310の天板部310aとの干渉が回避され、同主制御装置610の取り外しが可能となる。
なお、このように回動された主制御装置610の表側対向壁部635と後述する中継基板841のケース体842との間には所定の隙間が設けられており、主制御装置610の取り外し方向への移動が阻害されることはない。
<主制御装置監視スイッチ790の構成>
また、本実施の形態においては、主制御装置610が保持部材740の予め定められた設置箇所に配置されているか否かを検出する主制御装置監視スイッチ790を備えることを特徴の1つとしている。以下、図30〜図36に基づき主制御装置監視スイッチ790について詳細に説明する。図36は主制御装置610と主制御装置監視スイッチ790との関係を示す平面概略図である。なお、図36の二点鎖線は主制御装置610を示している。
図30や図34等に示すように、主制御装置監視スイッチ790は、保持部材740におけるガイド溝761の奥側に配置されている。具体的には、ガイド溝761の奥部には、主制御装置監視スイッチ790を収容するスイッチ収容部780が設けられている。スイッチ収容部780は、基板ボックス630の段差部705と対向する第1奥壁781と、同第1奥壁781に連なるとともに基板ボックス630の第1周壁部646,686に当接する第2奥壁782とを有してなり、左側の側壁部751の一部を保持部材740の内側に向けて凹ませることによって形成されている。
第1奥壁781には、主制御装置監視スイッチ790の一部をスイッチ収容部780から露出させる孔部783が形成されており、主制御装置監視スイッチ790は、この孔部783に嵌まった状態で固定されている。
主制御装置監視スイッチ790は、ガイド溝761に対して出没可能に設けられた出没ピン791と、この出没ピン791を移動可能に支持する本体部792とを有してなる。本体部792には、第1奥壁781に対してガイド溝761側から当たる突出部793が形成されている。この突出部793が第1奥壁781に対して当たることにより、スイッチ収容部780側への移動が規制され、主制御装置監視スイッチ790の位置決めがなされている。また本体部792には、スイッチ収容部780に対して引っ掛かることにより主制御装置監視スイッチ790の取り外しを規制する係止部(図示略)が形成されている。
ここで、主制御装置監視スイッチ790の取り付けに関する構成について説明する。スイッチ収容部780は、台座部材720の左側折曲部726側に開放された開口部794を有している。この開口部794は、図35(a)に示すように主制御装置610が所定の待機位置に配置されている状態においては左側折曲部726によって塞がれている一方、保持部材740が回動され主制御装置610が倒れている状態においては左側折曲部726との重なりが回避されるように構成されている。つまり、保持部材740と台座部材720とを組み合せる前の段階にて、主制御装置監視スイッチ790を開口部794を介して取り付けが行われる構成となっている。また、主制御装置610が面替えユニット300に対して取り付けられている場合には、同図35や図5等に示すように、主制御装置610の側方に副制御装置800が位置している。つまり、主制御装置610が回動した場合には、開口部794が台座部材720の左側折曲部726に代わって副制御装置800により覆われる構成となっている。このため、その開口部794を介して主制御装置監視スイッチ790へのアクセスがなされるといった不都合を好適に回避することが可能となっている。
本体部792においてスイッチ収容部780から露出している部分と反対側には、接続端子795が設けられており、この接続端子795に接続された図示せぬハーネスを介して主制御装置監視スイッチ790と後述する副制御装置800とが電気的に接続されている。
本体部792の内部には、出没ピン791の動作スペースが形成されており、この動作スペースには出没ピン791を突出する側に向けて付勢するコイルバネ等の付勢部材(図示略)が収容されている。
出没ピン791は、ガイド溝761によって規定されたガイド方向と同一方向に延びる長板状をなしており、その片側の端部は両構成体631,632の段差部705と対峙する平面状をなしている。出没ピン791のストローク量は、突条部703とガイド溝761とのガイド方向における重なり量よりも小さく、更には第2奥壁782と第1周壁部646,686との前記ガイド方向における重なり量よりも小さくなるように設定されている。
保持部材740における所定の設置箇所に主制御装置610が配置されている状態では、出没ピン791が本体部792内に押し込まれて主制御装置610の存在が検出され、保持部材740から主制御装置610が取り外し方向に移動した場合には出没ピン791が突出位置に戻って主制御装置610の移動が検出されるように構成されている。そして、主制御装置610が取り外された状態においては副制御装置800との間の信号経路が遮断状態となることで当該副制御装置800において主制御装置検出信号を受け取ることが不可となり、主制御装置610が設置状態の場合には副制御装置800との間の信号経路が導通状態となることで当該副制御装置800において主制御装置検出信号を受け取ることが可能となる。
次に、図37を用いて、主制御装置610を保持部材740に対して着脱する際の主制御装置監視スイッチ790の動作について説明する。図37は主制御装置ユニット600の左側部分を拡大して示す部分概略図であり、主制御装置610を装着する場合、主制御装置監視スイッチ790は図37(a)→図37(b)→図37(c)→図37(d)の順に動作する。
主制御装置610と保持部材740とを組み合せる際には、主制御装置610の突条部703が挿入口765からガイド溝761に挿入される。主制御装置610が所定の位置まで押し込まれると、主制御装置610の第1周壁部646,686が第2奥壁782に対して当接する。これにより、ガイド溝761,段差部705,第1奥壁781,第2奥壁782及び第1周壁部646,686によって出没ピン791を含んだ領域を区画する閉鎖空間CSが形成され、閉鎖空間CSの外部からの出没ピン791へのアクセスが妨げられることとなる(図37(b)参照)。
主制御装置610をガイド溝761に沿って更に押し込むことにより、閉鎖空間CSが徐々に減縮され、主制御装置610の段差部705と、出没ピン791の先端とが当接することとなる(図37(c)参照)。
このように出没ピン791と段差部705とが当接した状態においては、主制御装置610の移動に基づいて、段差部705によって出没ピン791が押される。出没ピン791が前記付勢部材の付勢力に抗して移動することにより、その突出量が減少することとなる。
主制御装置610が装着完了位置まで押し込まれると、主制御装置610のストッパ部707が挿入口765の縁部に当接することにより、同主制御装置610の移動が規制される(図37(d)参照)に。かかる状態においては、出没ピン791の突出量が最小(詳しくは0)となり、主制御装置監視スイッチ790によって主制御装置610が装着完了位置に配置されたことが検出される。
このように主制御装置610の装着が完了した状態にて、固定具771により主制御装置610と台座ユニット710とを固定する。そして、貼付領域SE2に封印シールS2を貼り付けることにより、固定具771が覆われるとともに、主制御装置610と台座ユニット710とが当該封印シールS2を介して連結される。更に、ボックス側結合部667と台座側結合部772との各組み合わせのうちいずれか1つに、係止部材775を装着することにより、主制御装置610と台座ユニット710とが一体化される。
このように主制御装置610の装着が完了した状態から同主制御装置610を取り外す場合、主制御装置監視スイッチ790は図37(c)→図37(b)→図37(a)の順に動作する。
主制御装置610と台座ユニット710とを分離する際には、先ず上述した封印シールS2及び固定具771を取り除く。そして係止部材775が装着されているボックス側結合部667の支持部668を切断することにより、ボックス側結合部667が係止部材775ごと台座ユニット710に残存することとなり、主制御装置610のスライド移動が許容された状態となる。
図37(c)に示すように出没ピン791の突出が最小となっている状態から主制御装置610を引っ張ることにより、段差部705が第1奥壁781から離れる側に移動する。これに伴って、出没ピン791は付勢部材の付勢力によって突出する側に移動することとなる。
主制御装置610が所定位置まで移動すると、出没ピン791の突出量が最大となり、段差部705と同出没ピン791とが離間することとなる。かかる状態においては、主制御装置610の第1周壁部646,686が第2奥壁782に対して当接したままとなることで、前記閉鎖空間CSが維持され、閉鎖空間CSの外部からの出没ピン791へのアクセスが妨げられることとなる。つまり、出没ピン791が突出する側に移動し最も突出した状態となっても、閉鎖空間CS内に隔離されたまま維持できる。これにより、出没ピン791の突出を不正具等によって抑えることで主制御装置監視スイッチ790による監視を掻い潜り、主制御装置610が不正に取り外されるといった不都合を生じにくくすることが可能となっている。
以上詳述した主制御装置監視手段としての主制御装置監視スイッチは、上記主制御装置監視スイッチ790に限定されることはなく、周知のセンサ(例えばフォトセンサや近接センサ等)を用いてもよく、また主制御装置610が取り外された場合にHIレベル信号又はLOWレベル信号の一方を出力し、設置状態の場合に他方を出力する構成としてもよい。
<副制御装置800の構成>
主制御装置610及びリール装置550の横方には、副制御装置800が設けられている。副制御装置800の構成について図18,図38及び図39を用いて詳細に説明する。図38(a)は副制御装置800の構成を示す斜視図、図38(b)は副制御装置800を側方から見た部分拡大図、図39は副制御装置800の構成を示す分解斜視図である。なお、図38(b)においては、内側筐体310に関する構成を二点鎖線で示す。
図39に示すように、副制御装置800は、副制御基板802と、監視制御基板803と、基板ボックス804と、を備えており、当該基板ボックス804内に副制御基板802及び監視制御基板803が収容されている。
副制御基板802には、中央ランプ部26、スピーカ部82,83及び液晶表示装置410において所定の報知や遊技状況に応じた演出を実行するための素子としてMPU805が搭載されている。また、副制御基板802には、MPU805以外にも、入出力ドライバ用ICチップ806が搭載されているとともに、コンデンサからなる電断中用電源部807が搭載されており、さらには複数のコネクタ808が搭載されている。なお、副制御基板802には、上記各部材の他にも、抵抗などの各種素子が搭載されているとともに、配線パターンが形成されている。
副制御基板802においてMPU805の各種素子及びコネクタ808は全て同一の板面上に搭載されており、逆側の板面にて半田付けされている。つまり、副制御基板802は、一方の板面が素子搭載面802aとなっており、他方の板面が半田面となっている。
監視制御基板803にはMPU811が搭載されている。MPU811は、当該MPU811自身に動作電力が供給されている状況において、所定の異常が発生しているか否かを監視するための素子である。かかる監視に際しては、ホッパ監視スイッチ230及び主制御装置監視スイッチ790などにおける検出結果が用いられる。監視の内容の詳細については後に説明する。また、監視制御基板803には、MPU811以外にも、入出力ドライバ用ICチップ812が搭載されているとともに、Li2次電池からなる電断中用電源部813が搭載されており、さらには単一の監視側コネクタ814が搭載されている。なお、監視制御基板803には、上記各部材の他にも、抵抗などの各種素子が搭載されているとともに、配線パターンが形成されている。
監視制御基板803においてMPU811の各種素子及びコネクタは、副制御基板802と同様に、全て同一の板面上に搭載されており、逆側の板面にて半田付けされている。つまり、監視制御基板803は、一方の板面が素子搭載面803aとなっており、他方の板面が半田面となっている。
なお、副制御基板802及び監視制御基板803において半田面とは、素子搭載面802a,803aに搭載される各種素子の半田付け部分が設けられた面であるが、当該半田面に対して回路パターンが形成されていてもよい。また、副制御基板802及び監視制御基板803は上記のように片面基板に限定されることはなく、両板面が素子搭載面となった両面基板としてもよい。
副制御基板802と監視制御基板803とは電気的に接続されている。但し、当該電気的な接続は、信号線を介するのではなく、副制御基板802に設けられた副側基板用接続部としての副側コネクタ808aと監視制御基板803に設けられた監視側基板用接続部としての監視側コネクタ814とが直接結合されていることにより行われている。
詳細には、副側コネクタ808aは副制御基板802の一辺に設けられているとともに、監視側コネクタ814は監視制御基板803の一辺に設けられている。そして、副側コネクタ808aにおいて上記一辺よりも外側に突出させて形成された突条端子部が、監視側コネクタ814において基板面と平行となる方向であって外側に向けて開放させて形成された溝部に差し込まれることで、両制御基板802,803の電気的な接続が行われている。
副側コネクタ808a及び監視側コネクタ814はそれぞれ設置対象の制御基板802,803における素子搭載面802a,803aに配置されており、両コネクタ808a,814が接続されている状態において、両制御基板802,803の一辺同士が相互に外側から接触しているとともに、各素子搭載面802a,803aが面一となっている。つまり、副制御基板802及び監視制御基板803は、両者が電気的に接続されている状態において、少なくともMPU805,811が搭載されている素子搭載面802a,803aの向きが同一方向となっている。
ここで、副制御基板802には上記副側コネクタ808a以外にも信号線を接続するための信号線用接続部としての信号線用コネクタ808bが複数設けられているが、監視制御基板803には上記監視側コネクタ814以外に外部機器との電気的な接続を行うためのコネクタは設けられていない。但し、上記のとおり監視制御基板803に搭載されたMPU811は、各種監視スイッチ230,790を含め副制御基板802以外の外部機器と電気的に接続されている必要がある。かかる外部機器は、副制御基板802に設けられた信号線用コネクタ808bに対して信号線を用いて接続されているとともに、当該副制御基板802に形成された回路パターン、上記副側コネクタ808a及び上記監視側コネクタ814を介して監視制御基板803と電気的に接続されている。
上記両制御基板802,803を収容する基板ボックス804は、複数のボックス構成体として、裏側構成体(ボックスベース)821と、表側構成体(ボックスカバー)822と、を備えている。これら裏側構成体821及び表側構成体822は、基板ボックス804内に収容された副制御基板802及び監視制御基板803を基板ボックス804外から視認可能なように透明性を有する材料により形成されている。具体的には、無色透明のポリカーボネート樹脂により形成されているが、これに限定されることはなく、アクリル樹脂等であってもよく、さらには有色透明であってもよい。
表側構成体822は、一方に開放された略直方体状をなしており、膨出側の表面部には膨出部823を有しているとともに当該膨出部823よりも開放側となった低位部824を有している。低位部824には、副制御基板802に設けられた複数の信号線用コネクタ808bに1対1で対応させて開口部825が複数形成されている。これら複数の開口部825から各信号線用コネクタ808bが表側構成体822の表面側に露出するようにして表側構成体822の裏面側にユニット化された副制御基板802及び監視制御基板803が配置され、その状態で表側構成体822に対して副制御基板802及び監視制御基板803がこれらの半田面側からネジ固定されている。当該ネジ固定は、固定及び固定解除を繰り返し行えるようになされているが、ワンウェイネジなどを用いることで固定解除に際して表側構成体822などの破壊を要する構成としてもよい。
ユニット化された副制御基板802及び監視制御基板803が固定された表側構成体822に対して裏側構成体821が組み合わされている。裏側構成体821は、正面視で方形状、具体的には長方形状をなす略板状に形成されており、平面状に形成された平面部826と、当該平面部826の周縁を囲むようにして形成された裏側周縁部827とが一体形成されてなる。裏側周縁部827には表側構成体822に向けて突出するように係止部828が一体形成されており、表側構成体822に裏側構成体821が組み合わされた状態では係止部828が表側構成体822に係止されて両構成体821,822の分離が規制されている。本実施の形態における表側構成体822の開口縁部には、裏側構成体821の裏側周縁部827を基板ボックス804の内外から挟み込むように表側周縁部829及び内側リブ(図示略)が形成されている。これら表側周縁部829及び内側リブと裏側周縁部827とが両構成体821,822の境界全域にて嵌合することにより、基板ボックス804内へのアクセスが好適に抑制されている。
両構成体821,822に対しては、上記係止部828以外にも固定手段が付与されており、当該固定手段によって両構成体821,822の分離に際していずれかの構成体に破壊が生じるように構成されている。具体的には、両構成体821,822が組み合わされた状態において表側構成体822の開放側の周縁部と裏側周縁部827との間に、基板ボックス804の全側面に亘って一連の重なり部が生じるように構成されているとともに、当該重なり部には周知の接着剤が塗布されている。
また、図38に示すように、基板ボックス804の四隅には、表側構成体822及び裏側構成体821を結合するようにして表側構成体822側から破断ネジ830が螺着されている。ここで、破断ネジ830とは、ドライバなどの工具に先端を差込可能な頭部とネジ溝が形成された側との連結部分の強度が低く設定されたものであり、それ以上締めることができない位置において頭部に対して上記工具によりさらに所定の力を加えることにより、上記連結部分が切断され、頭部が分離されるものである。つまり、破断ネジ830は、螺着後において、上記工具を用いて緩める方向へ回転させることを不可とするものである。なお、螺着後において表側構成体822及び裏側構成体821の結合を緩めることができないようにすることができるのであれば、破断ネジに代えて周知のワンウェイネジを用いてもよい。
ちなみに、両構成体821,822を固定する上での構成は上記のものに限定されることはなく、例えば周知のカシメ構造を用いてもよい。この場合、カシメ構造を実現する結合部を複数設け、一部の結合部を結合状態とすることで両構成体821,822の固定を行い、当該結合部又はその周辺の破壊を行うことで両構成体821,822の固定を解除した後は、他の結合部を結合状態とすることで両構成体821,822を再度固定することができる構成としてもよい。また、接着剤による固定、破壊を要さない状態での取り外しが不可となる固定具を用いた固定及びカシメ構造を用いた固定のいずれか1つ又は任意の組み合わせを適用してもよい。
また、上記固定の構成に代えて又は加えて、両構成体821,822の境界部分を跨ぐようにして分離痕跡用部材(又は分離痕跡用シール)としての封印シールを貼り付ける構成としてもよい。当該封印シールは、貼付後において基板ボックス804から剥がす際に粘着剤層が基板ボックス804に残り、当該粘着剤層に付与された模様などによって基板ボックス804に痕跡を残すものである。かかる封印シールを採用するという点に着目すれば、基板ボックス804に対しては少なくとも両構成体821,822の分離開放に際してその痕跡を残す手段が設けられていればよい。なお、封印シールとして、所定のスキャナからの呼出波に応答して、固有のID情報を含む応答波を発信するICタグを有するものを用いてもよい。
裏側構成体821及び表側構成体822が上記のように組み合わされた状態において相互に固定されていることにより、図38に示すように、所定の内部空間を有する略直方体形状の基板ボックス804が形成されており、当該基板ボックス804の内部空間内にユニット化された副制御基板802及び監視制御基板803が収容されている。この場合、副制御基板802及び監視制御基板803の素子搭載面802a,803aはその全体が表側構成体822と対向しており、副制御基板802及び監視制御基板803の半田面はその全体が裏側構成体821と対向している。
上記構成の副制御装置800は、図18に示すように、表側構成体822の表面が筐体11の内部側を向き、裏側構成体821の表面が筐体11の左側板11dを向くようにして搭載されている。この場合、前面扉12及び内側扉400を開放することにより、スロットマシン10の前方から表側構成体822が視認可能となり、さらに当該表側構成体822が上記のとおり無色透明に形成されていることにより、この状態で副制御基板802におけるMPU805を含めた素子搭載面802a及び監視制御基板803におけるMPU811を含めた素子搭載面803aが視認可能となる。
副制御装置800の基板ボックス804において面替えユニット300の内側、すなわち主制御装置610側を向いた表側構成体822には、保持部材740に当接することにより主制御装置610の回動を止めるストッパ部824aが設けられている。ストッパ部824aは、低位部824から面替えユニット300の内側に突出するように形成されており、主制御装置610が手前側に回動した場合に保持部材740の側壁部751の前端縁と当接するようにその突出量が設定されている。また、低位部824には、保持部材740の突起753との干渉を回避する逃げ部824bが形成されている。逃げ部824bは、主制御装置610の回動に伴って突起753が移動する軌道に沿って形成された凹状をなしている。
副制御装置800は、その取り外しに基づいて痕跡が残存するように取り付けられている。具体的には、内側筐体310の左側板部310dには、副制御装置800との固定手段を構成する筐体側結合部391が形成されている。副制御装置800の表側構成体822にはその筐体側結合部391に対応する制御装置側結合部831が形成されている。これら両結合部391,831に対して結合部材835が装着されることによって副制御装置800の取り外しが規制されている。
結合部材835は、筒状をなす胴体部836とその胴体部836に一体形成された操作部837とを有している。制御装置側結合部831には、胴体部836が挿通される挿通孔部832が形成されているとともに、その挿通孔部832の入口部分には結合部材835が装着された状態にて操作部837を収容する収容凹部833が形成されている。筐体側結合部391には、制御装置側結合部831の挿通孔部832に連通する連通穴392が形成されており、この連通穴392に結合部材835の胴体部836の一部が嵌まっている。結合部材835において、連通穴392に嵌まっている胴体部836には、当該胴体部836から突出する爪部838が形成されている。筐体側結合部391の連通穴392には、それら爪部838に引っ掛かる受け部393が形成されており、これら爪部838と受け部393とが引っ掛かることにより、結合部材835の取り外しが不可となる。かかる状態においては、結合部材835の操作部837が収容凹部833に収容され、当該操作部837を指等で摘まむといった行為が困難なものとなっている。
制御装置側結合部831は、表側構成体822に対して連結板部834を介して繋がっている。連結板部834はその破壊作業(例えば切断作業)が結合部391,831の破壊作業よりも容易となるように、薄板状に形成されている。副制御装置800を取り外す際には、この連結板部834を切断することにより、その破壊痕跡が残存する構成となっている。なお、副制御装置800と内側筐体310とを結合する上での構成は上記のものに限定されることはなく、例えば周知のカシメ構造を用いてもよい。
内側筐体310は既に説明したようにその全体が射出成形型によって一体成形されている。筐体側結合部391を内側筐体310の左側板部310dに対して一体成形する構成とした場合、上述した筐体側結合部391の受け部393を形成するには、移動型(いわゆるコマ)の抜き方向に依存して、受け部393が内側筐体310の外部に露出する部位が存在しやすくなる。つまり、受け部393の露出を回避することは型構造上困難なものとなっている。
この点、本実施の形態においては、図38(a),(b)等に示すように、裏側構成体821に筐体側結合部391の露出部分EPを覆う遮蔽部839が一体成形されている。副制御装置800を所定位置に配置した状態では、この遮蔽部839によって露出部分EPが覆われ、受け部393や爪部838等へのアクセスが抑制される。
副制御装置800は、前面扉12に設けられた中央ランプ部26、スピーカ部82,83及び液晶表示装置410と電気的に接続されている。これらの機器は、副制御基板802によって駆動制御される。
副制御装置800の側方で、前記リール装置550及び主制御装置610の間には、内側筐体310の内部領域を上下に二分する平板状の仕切り部840が形成されている。より詳しくは、仕切り部840は右側板部310eの上側開口347よりも下側に配置されている。この仕切り部840の上面には、主制御装置610及びリール装置550との電気的な接続を行うための中継基板841が搭載されている。
中継基板841は、同中継基板841に対応して設けられたケース体842によって覆われている。ケース体842は、ポリカーボネート樹脂等の透明な合成樹脂材料により成形されており、同ケース体842を通して、その内部に配された中継基板841が視認可能となっている。なお、図13〜図17では、中継基板841が確認しにくいため、図18の斜視図を参照されたい。
<コネクタ接続機構の説明>
ここで、図6,図7,図12及び図14に基づいて、面替えユニット300と筐体11とを電気的に接続するための接続機構について説明する。接続機構は、筐体11側に設けられた筐体コネクタ851,852と、面替えユニット300側に設けられた面替えコネクタ881,882とからなり、内側筐体310(面替えユニット300)を筐体11に装着した状態で筐体コネクタ851,852と面替えコネクタ881,882とが結合可能な構成となっている。以下、各構成部品を個々に詳しく説明する。
<筐体コネクタ851,852の説明>
はじめに、図6,図7及び図12に基づいて筐体コネクタ851,852の概略について説明する。筐体コネクタ851,852は、結合相手である面替えコネクタ881,882が挿入される被挿入口853,854がスロットマシン10の前方すなわち内側筐体310(面替えユニット300)の装着方向手前側を向くようにして、前記仕切り板ユニット250の後側折曲部255に取り付けられている。筐体コネクタ851,852はレール部材270を挟んだ左右両側に並設されており、仕切り板251の平板部252からの高さ位置が同等となるように配置されている。より詳しくは、各筐体コネクタ851,852は、コネクタピンの配列方向がそれら筐体コネクタ851,852の並設方向(左右方向)と同一となるように配置されている。
レール部材270の右側の筐体コネクタ852は主制御装置610に対して電気的に接続され、レール部材270の左側の筐体コネクタ851は副制御装置800に対して電気的に接続されている。それら筐体コネクタ851,852に面替えコネクタ881,882が差し込まれることで、筐体コネクタ851,852及び面替えコネクタ881,882間が電気的に接続された状態となる。筐体コネクタ851,852には中継基板855,856を介してハーネスH1,H2がそれぞれ接続されており、それら各ハーネスH1,H2は、背板11cに沿って筐体11の下部まで案内され、電源ボックス170やホッパ装置180等に接続されている。
左右の筐体コネクタ851,852においては、その構成及び仕切り板251に対しての取り付け構造が類似しているため、先ず左側の筐体コネクタ851の取り付け構造について図12を用いて詳細に説明する。
仕切り板251の後側折曲部255には、横長板状をなす副側中継基板855が後側折曲部255の前面側にネジ等の固定具によって固定されている。副側中継基板855において後側折曲部255と反対側の板面には、上述した筐体コネクタ851がネジ等の固定具によって一体化されている。後側折曲部255には、副側中継基板855に対応して基板用開口255aが形成されている。これにより、後側折曲部255と副側中継基板855の半田面との干渉が回避されている。仕切り板251の平板部252には、この副側中継基板855から延びるハーネスH1を仕切り板251よりも下側の領域に導くハーネス用開口252aが筐体コネクタ851に隣接して設けられている。
右側の筐体コネクタ852についても同様に、主側中継基板856を介して後側折曲部255に固定されており、後側折曲部255にはその主側中継基板856に対応する基板用開口255bが形成されている。また、右側の主側中継基板856においては、弾性変形可能に形成された緩衝材としてのシート材857を介して後側折曲部255に固定されている。これにより、筐体コネクタ852及び主側中継基板856の保護が図られている。なお、左側の副側中継基板855に同様のシート材をとりつけてもよい。
次に面替えコネクタ881,882ついて説明する。図14に示すように、面替えコネクタ881,882は、背板部310cに形成された収容凹部381,382の底部に、前記筐体コネクタ851,852に対応して設けられている。面替えコネクタ881,882は、筐体コネクタ851,852の被挿入口853,854に嵌まる挿入口853,854が内側筐体310(面替えユニット300)の装着方向先側を向いた状態で、収容凹部442に取り付けられている。収容凹部442には、これら面替えコネクタ881,882に対応して内外に貫通した孔部(図示略)が形成されており、これら孔部を介して、面替えコネクタ881及び副制御装置800と、面替えコネクタ882及び主制御装置610とが、図示せぬハーネスで接続されている。
筐体コネクタ851,852及び面替えコネクタ881,882の結合方向は、前記レール部材270及び前記案内溝360によって規定された面替えユニット300の装着方向と同一となるように構成されている。このため、内側筐体310(面替えユニット300)の筐体11への押し込み操作に伴って面替えコネクタ881,882と筐体コネクタ851,852とを結合することができる。同様に、内側筐体310の引き出し操作によって面替えコネクタ881,882と筐体コネクタ851,852とを分離することもできる。このため、面替えユニット300の交換作業においては、各コネクタ851,852,881,882を差し込んで結合したり、引き離して結合の解除をしたりする操作を作業者が別途行う必要がない。これにより、面替えユニット300の交換作業を効率的に行うことが可能となっている。
また、各面替えコネクタ881,882においては、ネジ等の固定具によって移動可能な状態で装着されている。詳しくは、面替えユニット300の装着方向に対して直交する方向に所定量(本実施の形態においては1.2mm程度)の移動を許容された状態で取り付けられている。つまり、筐体コネクタ851,852は結合状態においても上下及び左右等のいずれの方向にも移動可能に構成されている。例えば面替えユニット300の交換の際に着脱方向と異なる方向に力が加わっても、コネクタ851,852,881,882の接続箇所に力が集中することを防ぐことができる。これにより、コネクタ851,852,881,882の破損を回避することができる。
ここで、再び図22を用いて、面替えユニット300の装着作業に基づく筐体コネクタ851,852及び面替えコネクタ881,882の結合について説明する。
面替えユニット300を装着完了位置に移動させる全区間のうち、図22(a)及び図22(b)に示すように面替えユニット300の位置ばらつきが許容されている区間(すなわち前記第1規制区間)においては、筐体コネクタ851,852及び面替えコネクタ881,882は離間した状態のまま維持される。つまり、面替えユニット300の位置ばらつきの影響が筐体コネクタ851,852及び面替えコネクタ881,882に及ぶことを回避可能となっている。
図22(b)に示す状態から、面替えユニット300が筐体11の奥側に押し込まれると、面替えユニット300の位置ばらつきが抑えられ、面替えユニット300の装着方向と筐体コネクタ851,852及び面替えコネクタ881,882の結合方向とが一致することとなる。つまり前記第1規制区間から前記第2規制区間に移ることとなる。この第2規制区間においては、上述したようにレール部材270の突起280a,281aが案内溝360の前側対向壁部370,371に当接するとともに、同レール部材270の突起276a,277aが同案内溝360の後側対向壁部366,367に当接する。これにより、面替えユニット300の装着方向のばらつきが抑えられる。そして、図22(c)に示すように筐体コネクタ851,852と面替えコネクタ881,882とが互いに向き合った状態となる。
このように面替えユニット300の装着方向と各コネクタ851,852,881,882の結合方向とが一致した状態にて、面替えユニット300が更に押し込まれることにより、筐体コネクタ851,852と面替えコネクタ881,882とが結合することとなる(図22(d)参照)。
<外部集中端子板900の構成>
ここで、図6,図7及び図40〜図42に基づき外部集中端子板900及びその外部集中端子板900に関連する構成について詳細に説明する。図40は外部集中端子板900の装着状態を示す部分拡大斜視図、図41は外部集中端子板900及びホルダ部材920を分解して示す分解斜視図、図42は図40のE−E線部分断面図である。なお、図40においては、筐体11や面替えユニット300に付随する構成の一部(例えば主制御装置610)を便宜上省略して示す。
図6等に示すように外部集中端子板900は、前後方向に延びる略長方形状(略矩形状)をなしており、ホルダ部材920を介して右側板11eに取り付けられている。これら外部集中端子板900及びホルダ部材920は、内側筐体310の上側開口347に対応して配置されている。つまり、面替えユニット300を筐体11内に配置した状態においては、面替えユニット300の内側から見て、外部集中端子板900(特に後述する各コネクタ901,902)が露出する構成となっている。これにより、内側筐体310の上側開口347を介して外部集中端子板900にアクセス可能となっている。
ホルダ部材920は、右側板11eに平行なベース板部921を有している。このベース板部921がネジ等の固定具922によって右側板11eに固定されることにより、ホルダ部材920が筐体11に装着された状態となっている。
ベース板部921において筐体11の内側を向いた板面921aの周縁部には、外部集中端子板900を面替えユニット300側を向いた状態で支持する支持部923,924がそれぞれ複数形成されている。それら各支持部923,924は、板面921aから突出する突起状をなしており、上下に所定の間隔を隔てて配置されている。以下便宜上、上側の各支持部923を「上側支持部923」、下側の各支持部924を「下側支持部924」と称する。
ベース板部921において各支持部923,924よりも外側には、外部集中端子板900と当接することにより、当該外部集中端子板900の上下方向および前後方向への移動を規制する規制部925〜928が一体形成されている。より詳しくは、規制部925〜928は、ベース板部921の外周縁に沿って配置されているとともに、ベース板部921から起立する壁状をなしている。すなわち、これら規制部925〜928によって外部集中端子板900が囲われている。規制部925〜928のうち、外部集中端子板900よりも上側に配置された規制部925(上側規制部925)と、外部集中端子板900よりも下側に配置された規制部926(下側規制部926)とは、支持部923,924によって支持されている外部集中端子板900の表面とそれら各規制部925,926の先端縁が同一面上に位置するように形成されている。これにより、規制部925〜928においては、外部集中端子板900よりも内側への突出が回避されている。一方、規制部925〜928のうち、面替えユニット300の装着方向手前側(すなわち筐体11の開口側)に配置された規制部927(手前側規制部927)と、面替えユニット300の装着方向奥側(すなわち筐体11の奥側)に配置された規制部928(奥側規制部928)とは、支持部923,924によって支持されている外部集中端子板900の表面よりも若干突出するように形成されている。これにより、面替えユニット300を着脱する際に、面替えユニット300の装着軌道がばらついた場合であっても、面替えユニット300と外部集中端子板900とが引っ掛かるといった不都合を生じにくくしている。
また、規制部925,926には、下側支持部924に隣接して設けられ外部集中端子板900に引っ掛かる係止板部929,930が一体成形されており、規制部927,928には上側支持部923に隣接して設けられ外部集中端子板900に引っ掛かる係止爪部931,932とが設けられている。これら係止板部929,930及び係止爪部931,932によって外部集中端子板900が着脱可能に保持されている。
ベース板部921よりも上側には、ホール管理装置等から延びるハーネスH3に設けられたホール側コネクタC1を外部集中端子板900に導くコネクタ案内部935が一体成形されている。コネクタ案内部935は、面替えユニット300の装着方向と同一方向(前後方向)に延びる通路部936を有している。通路部936は、筐体11の背板11cに形成されたハーネス用貫通孔938に連なるとともに、その通路幅寸法及び通路高さ寸法が前記ホール側コネクタC1の幅寸法よりも大きく設定されている。これにより、通路部936内でのホール側コネクタC1のつかえを生じにくくしている。また、ハーネス用貫通孔938及び通路部936は外部集中端子板900よりも上位に位置している。このため、筐体11の外部から挿入され通路部936を通過したホール側コネクタC1は、自重により外部集中端子板900側に導かれやすくなっている。
通路部936における背板11c側の縁部には、同背板11c側に突出する突起940が一体成形されている。この突起940は、ハーネス用貫通孔938に対応して形成されており、突起940がハーネス用貫通孔938に嵌まり、同ハーネス用貫通孔938に対して開口内側から当接することによりホルダ部材920の位置決めがなされる。これにより、通路部936とハーネス用貫通孔938との相対位置がずれるといった不都合を生じにくくしている。
通路部936よりも手前側には、ホール側コネクタC1を筐体11の右側板11eから離間する側に導くガイドリブ941が複数形成されている。通路部936を介して、背板11c側から押し込まれたホール側コネクタC1は、ガイドリブ941に沿って移動することにより外部集中端子板900側に導かれることとなる。
外部集中端子板900における内側筐体310側を向いた板面900a上には、上下に離間して2つのコネクタ901,902が設けられている。より具体的には、外部集中端子板900における案内部935側(詳しくは外部集中端子板900の上端部側)には、ホール側コネクタC1に接続される第1コネクタ901が設けられている。第1コネクタ901は、結合相手であるホール側コネクタC1が挿入される被挿入口903が外部集中端子板900の板面900aに沿ってスロットマシン10の上方を向くように配置されている。すなわち、第1コネクタ901は、ホール側コネクタC1の取り付け方向が外部集中端子板900の板面900aに対して平行となるように配置されている。
また、第1コネクタ901は、外部集中端子板900の上端部(長辺)に沿って延びる横長状をなしている。同第1コネクタ901には、複数の接続端子が設けられており、これら接続端子は外部集中端子板900の上端部(長辺)に沿って、すなわち第1コネクタ901の長手方向に配列されている。このように接続端子を配列することにより、外部集中端子板900の短手方向における第1コネクタ901の小型化が図られている。
外部集中端子板900における前記中継基板856側(詳しくは外部集中端子板900の下端部側)には、中継基板856に連なるハーネスH4(詳しくはハーネスに装着された遊技機側コネクタC2)が接続される第2コネクタ902が設けられている。第2コネクタ902は、結合相手である遊技機側コネクタC2が挿入される被挿入口904が外部集中端子板900の板面900aの面方向を向くように配置されている。すなわち、第2コネクタ902は、遊技機側コネクタC2の取り付け方向が外部集中端子板900の板面900aに対して直交するように配置されている。
また、第2コネクタ902は、外部集中端子板900の下端部(長辺)に沿って延びる横長状をなしている。同第2コネクタ902には、複数の接続端子が設けられており、これら接続端子は外部集中端子板900の下端部(長辺)に沿って、すなわち第2コネクタ902の長手方向に配列されている。このように接続端子を配列することにより、外部集中端子板900の短手方向における第2コネクタ902の小型化が図られている。
下側規制部926には、第2コネクタ902と奥側規制部928との間に突出する突出部944が形成されている。突出部944は、当該突出部944と奥側規制部928との距離寸法が、手前側規制部927と第1コネクタ901との距離寸法と同等となるように配置されている。このため、外部集中端子板900を第1コネクタ901が下側、且つ第2コネクタ902が上側となるように組み付けを行った場合には、突出部944と第1コネクタ901とが当たり、外部集中端子板900の装着が阻止されることとなる。つまり、突出部944は、外部集中端子板900の誤組付け防止機能を有している。
また、ベース板部921の下側には、第2コネクタ902に連なるハーネスH4を保持するクランプ部945が形成されている。このクランプ部945によってハーネスH4を保持することにより、両コネクタ902,C2の結合部分にハーネスH4の自重負荷が加わることを回避している。クランプ部945は、外部集中端子板900と同様に、面替えユニット300の内側から上側開口347を介して露出する位置に配置されている。言い換えれば、クランプ部945は、上側開口347を通じてクランプ部945自身や、そのクランプ部945によって保持されているハーネスH4にアクセス可能な位置に配置されている。このため、クランプ部945によって遊技機側コネクタC2を接続する前の状態でハーネスH4を保持しておくことにより、面替えユニット300を装着した状態でのコネクタ902,C2の接続作業を容易に行うことが可能となっている。
本実施の形態においては特に、外部集中端子板900の取り付けに関して特徴的な構成を有している。以下、図42に基づき、この特徴的な構成について説明する。図42は図40のE−E線部分断面図である。
外部集中端子板900は、右側板11eに対して傾倒した状態で取り付けられている。具体的には、下側支持部924の起立量が上側支持部923の起立量よりも小さく設定されている。つまり、外部集中端子板900の下端部と右側板11eとの距離寸法は、外部集中端子板900の上端部と右側板11eとの距離寸法よりも小さく設定されている。これにより、外部集中端子板900の上側の長辺部(上端部)が同外部集中端子板900の下側の長辺部(下端部)よりも筐体11の内側に張り出した状態となっている。
また、外部集中端子板900の傾きは、第1コネクタ901の右側板11eからの突出量d1と、第2コネクタ902の右側板からの突出量d2とが同一となるように設定されている。これにより、右側板11eからの外部集中端子板900の最大突出量を抑えることが可能となっている。
内側筐体310の上側開口347は、その上端縁が第1コネクタ901に対するホール側コネクタC1の装着軌道の延長領域EE1よりも右側板11e側に偏倚するように形成されている。同様に、内側筐体310の上側開口347は、その下端縁が第2コネクタ902に対する遊技機側コネクタC2の装着軌道の延長領域EE2よりも下側となるように形成されている。言い換えれば、各延長領域EE1,EE2が上側開口347を通過するように、外部集中端子板900の傾きが規定されている。このように、上側開口347等と各延長領域EE1,EE2との干渉を回避することにより、内側筐体310の内部空間をコネクタ結合の作業スペースとして活用しやすくしている。
<外部集中端子板900の接続作業>
ここで、スロットマシン10を遊技ホールに導入した際の、外部集中端子板900に関連するコネクタ901,902,C1,C2の接続作業について説明する。
遊技ホールに導入されるスロットマシン10は、予め筐体11の内部に面替えユニット300が設置された状態となっている。スロットマシン10を島設備に設置した場合、先ず島設備に設けられているホール側コネクタC1を背板11cのハーネス用貫通孔938を通じて、筐体11の内部に挿入する。ハーネス用貫通孔938を通過したホール側コネクタC1は、通路部936を通過した後、自重で下方に下がりながらガイドリブ941によって外部集中端子板900に導かれる。
このようにホール側コネクタC1を筐体11内に挿入した後、前面扉12及び内側扉400を開放し、内側筐体310の内部を解放した状態とする。そして、右側板部310eの上側開口347を介して、上記ホール側コネクタC1にアクセスし、ホール側コネクタC1及び第1コネクタ901を結合する。更に、ホルダ部材920のクランプ部945によって保持されている遊技機側コネクタC2と第2コネクタ902とを結合する。これにより、外部集中端子板900に関するコネクタの接続作業が完了する。
<スロットマシン10の基本的な電気的構成>
次に、本スロットマシン10の基本的な電気的構成について、図43のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置610の主制御基板620には、スロットマシン10における主たる制御を実行する前記MPU621が搭載されている。MPU621には、当該MPU621により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM951と、そのROM951内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM952と、割込み回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。なお、MPU621のうち、論理演算を行うための機能と、ROM951の機能と、RAM952の機能とがそれぞれ別の素子として設けられた構成としてもよい。これは後述する他のMPUについても同様である。
MPU621には、電源ボックス170の内部に設けられた電源装置955が接続されている。電源装置955には、主制御装置610を始めとしてスロットマシン10の各機器に駆動電源を供給する電源部や、電源の遮断状態を監視する停電監視回路などが搭載されている。電源部からは直流5Vの電源(動作電力)が供給される。また、停電監視回路からの停電信号はMPU621のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)に入力されるように構成されており、NMI端子に停電信号が入力されることにより、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。なお、当該停電信号は電源ボックス170の電源スイッチ171がOFF操作された際も生成される。
かかる停電用の構成は主制御基板620に対しても設けられている。つまり、主制御基板620にはバックアップコンデンサなどからなる電断中用電源部956が搭載されている。電源装置955から主制御基板620に動作電力が供給されている間は当該電断中用電源部956が充電され、スロットマシン10の電源遮断中においては電断中用電源部956から放電された動作電力がRAM952に供給される。これにより、スロットマシン10の電源遮断中においても、電断中用電源部956からRAM952に動作電力が供給されている間は、当該RAM952においてデータが記憶保持される。なお、電断中用電源部956を電源装置955に搭載する構成としてもよい。
MPU621には、入出力ポートが設けられている。MPU621の入力側には、スタートレバー45の操作を検出するスタート検出センサ961、各ストップスイッチ50,51,52の操作を個別に検出するストップ検出センサ962a,962b,962c、メダル投入装置30から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ963、各クレジット投入スイッチ40,41の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ964a,964b、精算スイッチ55の操作を検出する精算検出センサ965、ホッパ装置180から払い出されるメダルを検出する前記メダル検出センサ197、リセットスイッチ625の操作を検出するリセット検出センサ967、設定キー挿入部626に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ968等の各種センサが接続されている。これらセンサやスイッチからの信号は、入出力ポートを通じてMPU621にて受け取られる。
MPU621の出力側には、各リール555,556,557を回転させるための各ステッピングモータ969a,969b,969c、セレクタ31のメダル通路切換ソレノイド970、ホッパ装置180の駆動モータ194、副制御装置800、ホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板900等が接続されている。入出力ポートを通じてMPU621から出力された信号は、信号の出力対象の機器にて受け取られる。
<主制御基板620のMPU621にて実行される処理>
次に、主制御基板620のMPU621により実行される各制御処理を図44〜図46のフローチャートを参照しながら説明する。かかるMPU621の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本スロットマシン10では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込み処理を説明し、その後メイン処理を説明する。
図44はタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理では、先ずステップS101にて、RAM952に停電フラグが格納されているか否かを判定する。当該停電フラグは、MPU621のNMI端子に電源装置955からの停電信号が入力されてNMI割込み処理が起動されることにより格納される。停電フラグが格納されている場合には、ステップS102にて停電時処理を実行する。停電時処理では、復電後において停電発生前の状態に復帰するための処理を実行する。
停電フラグが格納されていない場合には、ステップS103以降の各種処理を実行する。すなわち、ステップS103では、各リール555,556,557を回転させるために、それぞれの駆動モータであるステッピングモータ969a,969b,969cを駆動させるステッピングモータ制御処理を実行する。
ステップS104では、入出力ポートに接続された各種センサ等の状態を読み込むセンサ監視処理を実行する。当該センサ監視処理の一の処理として、投入メダル検出センサ963の検出結果に基づいてメダル投入装置30からメダルが投入されたか否かが判定され、メダルが投入されている場合にはベット数を1加算する処理又はクレジット数を1加算する処理のいずれかを実行する。また、当該センサ監視処理の一の処理として、メダル検出センサ197の検出結果に基づいてホッパ装置180からメダルが払い出されたか否かが判定され、メダルが払い出されている場合にはそれに対応した処理を実行する。
ステップS105では、所定の異常が発生しているか否かを監視する異常監視処理を実行する。当該異常監視処理では、ホッパ装置180における払出装置191の駆動状態及びメダル検出センサ197の検出結果に基づいて、ホッパ装置180の貯留タンク181にメダルが不足しているか否かを判定する。その結果、メダルが不足している場合には、RAM952にメダル不足フラグを格納する。当該メダル不足フラグは貯留タンク181にメダルが補充されて正常なメダルの払出動作が実行できる状態となるまで保持される。当該メダル不足フラグが格納されている状態では払出装置191における払出動作が禁止されるように駆動モータ194への駆動信号の出力を停止する。
また、メダルが不足している場合にはその旨の情報を含む主側報知開始コマンドをセットし、当該主側報知開始コマンドは後述するコマンド出力処理にて副制御装置800に送信される。副制御装置800における副制御基板802のMPU805では当該主側報知開始コマンドを受信することにより、中央ランプ部26,スピーカ部82,83及び液晶表示装置410を介してメダルが不足している旨の報知を実行する。また、メダル不足が解消された場合にはその旨の情報を含む主側報知解除コマンドをセットし、当該主側報知解除コマンドは後述するコマンド出力処理にて副制御装置800に送信される。副制御基板802のMPU805では当該主側報知解除コマンドを受信することにより、メダル不足について行われている報知を終了させる。
また、異常監視処理では、上記メダル不足の監視以外にも、投入メダル検出センサ963の検出結果に基づいて、当該投入メダル検出センサ963に対する不正の有無も監視しており、当該センサ963に対する不正を特定した場合には、その旨の情報を含む主側報知開始コマンドをセットする。当該主側報知開始コマンドは後述するコマンド出力処理にて副制御装置800に送信される。副制御装置800における副制御基板802のMPU805では当該主側報知開始コマンドを受信することにより、中央ランプ部26,スピーカ部82,83及び液晶表示装置410を介して投入メダル検出センサ963に対して不正が行われた旨の報知を実行する。また、投入メダル検出センサ963の異常に対する報知解除操作、例えば、リセットスイッチ625の操作などを検出した場合には、その旨の情報を含む主側報知解除コマンドをセットし、当該主側報知解除コマンドは後述するコマンド出力処理にて副制御装置800に送信される。副制御基板802のMPU805では当該主側報知解除コマンドを受信することにより、投入メダル検出センサ963の異常について行われている報知を終了させる。
続くステップS106では、メダルのベット数や、払い出し枚数をカウントした結果等を外部集中端子板900へ出力するカウンタ処理を行う。また、ステップS107では、それまでにセットされているコマンドを出力するためのコマンド出力処理を実行する。その後、本タイマ割込み処理を終了する。
図45は電源投入後に実行されるメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、停電からの復旧や電源スイッチ171のオン操作によって電源が投入された際に実行される。
先ずステップS201では、各種の初期化を実行するための初期化処理を実行する。続くステップS202では、設定キーが設定キー挿入部626に挿入されてON操作されているか否か、より詳しくは設定キー検出センサ968からON信号を受信しているか否かを判定する。設定キーのON操作がなされている場合にはステップS203に進み、強制的RAMクリア処理としてRAM952に記憶されたデータを全てクリアする。続くステップS204では当選確率設定処理を行う。
当選確率設定処理は、スロットマシン10において予め設定されている複数段階(例えば、6段階)の当選確率の中から一の当選確率を設定するための処理である。具体的には、リセットスイッチ625が操作される度に複数段階の設定値をMPU621のレジスタ内において順次更新していくとともに、その更新結果をクレジット表示部(図示略)に表示し、スタートレバー45が操作されるとともに設定キーがOFF操作された場合に、その際にレジスタに記憶されている設定値をRAM952に保存する処理を実行する。ステップS204にて当選確率設定処理を実行した後には、ステップS205にて遊技に関する主要な制御を行うための通常処理を実行する。
一方、ステップS202にて設定キーが挿入されていないと判定した場合には、ステップS206に進む。ステップS206では設定値が正常か否かを判定する。設定値が正常である場合には、ステップS207にて停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグが格納されている場合には、さらにステップS208にてRAM判定値が正常であるか否かを確認する。ステップS208においてRAM判定値が正常であると判定した場合にはステップS209において復電用処理を実行する。復電用処理では、停電発生前の状態に復帰するための処理を実行する。その後、電源遮断前の番地に戻る。
一方、ステップS206〜ステップS208のいずれかがNO、すなわち、設定値が異常である、電源遮断時にセットされる筈の停電フラグがセットされていない、又はRAM判定値が異常である場合には、RAM952のデータが破壊された可能性が高い。このような場合には、ステップS210〜ステップS212に示す動作禁止処理を行う。動作禁止処理として、先ずステップS210にて次回のタイマ割込み処理を禁止し、ステップS211では入出力ポート内の全ての出力ポートをクリアすることにより、入出力ポートに接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御する。その後、ステップS212にてエラー報知処理を実行する。当該エラー報知処理では、RAM異常コマンドを副制御装置800に送信し、副制御装置800では当該RAM異常コマンドを受信することにより、中央ランプ部26,スピーカ部82,83及び液晶表示装置410を介してRAM異常が発生している旨の報知を実行する。かかる動作禁止状態は、上述した当選確率設定処理が行われるまで維持される。
次に、遊技に関わる主要な制御を行うための通常処理について図46のフローチャートに基づき説明する。
ステップS301ではメダルがベットされているか否かを判定するとともに、ステップS302ではスタートレバー45が操作されたか否かを判定する。メダルがベットされている状況でスタートレバー45が操作されている場合には、ステップS303以降の1遊技回分の処理を実行する。
すなわち、ステップS303では抽選処理を実行する。抽選処理では、スタートレバー45が操作されたタイミングで乱数カウンタよりラッチした乱数値と主制御基板620のROM951に予め記憶されている抽選テーブルの情報とを照合することにより、所定の役に当選しているか否かを判定するとともに、所定の役に当選している場合にはその旨の情報をRAM952に記憶する。
続くステップS304ではリール制御処理を実行する。リール制御処理では、各リール555,556,557の回転を開始させるための回転開始処理を実行するとともに、ストップスイッチ50,51,52のいずれかが操作されて停止指令が発生した場合には、その停止指令に対応したリールの停止処理を実行する。この停止に際しては、ステップS303の抽選処理において所定の役に当選している場合にはその当選している役に対応した図柄が有効ライン上に極力停止するようにリールの回転停止位置が設定されるとともに、当選していない役の入賞が成立しないようにリールの回転停止位置が設定される。
続くステップS305ではメダル払出処理を実行する。メダル払出処理では、当選している払出対象役に対応した入賞が有効ライン上に成立しているか否かを判定し、入賞が成立している場合にはその入賞に対応した数のメダルが払い出されるように駆動モータ194を駆動させる処理を実行する。また、当該メダル払出処理では、再遊技入賞が成立しているか否かを判定し、再遊技入賞が成立している場合には今回の遊技回におけるベット数が次回の遊技回に継続されるようにするための処理を実行する。
続くステップS306ではボーナスゲーム処理を実行する。ボーナスゲーム処理では、当選している当たり役に対応した入賞が有効ライン上に成立しているか否かを判定し、入賞が成立している場合には遊技状態を通常遊技状態から当たり状態(特別遊技状態)に移行させるための処理を実行する。ちなみに、当たり状態とは、通常遊技状態よりも単位時間当たりのメダルの払出期待度が高くなる遊技状態のことである。また、ボーナスゲーム処理では、当たり状態の終了条件が成立しているか否かを判定し、終了条件が成立している場合には、遊技状態を通常遊技状態に復帰させる。本スロットマシン10では、上記終了条件は予め定められた終了基準数のメダルが払い出されることであるが、かかる終了条件は任意である。
以上のステップS303〜ステップS306の各処理を実行した後に、ステップS301に戻る。
<異常の監視及び監視結果の報知に関する電気的構成>
次に、本スロットマシン10における異常の監視及び監視結果の報知に関する電気的構成について、図47のブロック図に基づいて説明する。
副制御装置800に設けられた副制御基板802には、中央ランプ部26、スピーカ部82,83及び液晶表示装置410の制御を実行するMPU805が搭載されている。MPU805には、当該MPU805により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM981と、そのROM981内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM982と、割込み回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
MPU805には、電源装置955が接続されており、電源装置955の電源部から直流5Vの電源(動作電力)が供給される。当該動作電力は副制御基板802に形成された配線パターンにおいて少なくとも2経路に分流されており、一方の経路はMPU805のVCC端子に接続され、他方の経路はMPU805のVBB端子に接続されている。MPU805では、VCC端子を介して供給される動作電力により各種の制御プログラムを実行し、VBB端子を介して供給される動作電力によりRAM982におけるデータの記憶保持を行う。
この場合に、副制御基板802にはバックアップコンデンサなどからなる電断中用電源部807が搭載されており、当該電断中用電源部807はVBB端子に接続される経路に対して接続されている。電源装置955から副制御基板802に動作電力が供給されている間は電断中用電源部807が充電され、スロットマシン10の電源遮断中においては電断中用電源部807から放電された動作電力がRAM982に供給される。これにより、スロットマシン10の電源遮断中においても、電断中用電源部807からRAM982に動作電力が供給されている間は、当該RAM982においてデータが記憶保持される。
MPU805には、入出力ポートが設けられている。MPU805の出力側には、既に説明したように、中央ランプ部26、スピーカ部82,83及び液晶表示装置410が接続されている。MPU805の入力側には、主制御装置610が接続されている。主制御装置610からは演出用コマンドや報知用コマンドを受信し、その受信したコマンドの内容に応じて中央ランプ部26、スピーカ部82,83及び液晶表示装置410を駆動制御する。また、MPU805の出力側及び入力側には、監視制御基板803が接続されている。
監視制御基板803には、自身に動作電力が供給されている範囲内において所定の監視を24時間常に実行するMPU811が搭載されている。MPU811には、当該MPU811により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM991と、そのROM991内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM992と、割込み回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
また、MPU811には、日時計測手段としてのRTC(リアルタイムクロック)993が内蔵されている。RTC993は日付及び時刻を計測可能に構成されており、MPU811は当該RTC993から情報を取得することで、その時点での日付及び時刻を把握することができる。
MPU811には、電源装置955の電源部にて生成された直流5Vの電源(動作電力)が供給される。この場合に、監視制御基板803と電源装置955の電源部との電気的な接続は直接的に行われておらず、副制御基板802に供給された動作電力であって当該副制御基板802において分流された動作電力が監視制御基板803に供給され、この動作電力がMPU811のVCC端子及びVBB端子に供給される。このように副制御基板802を介して監視制御基板803に動作電力を供給することで、監視制御基板803において電源装置955と電気的に接続するためのコネクタが不要なものとなっている。
監視制御基板803にはLi2次電池からなる電断中用電源部813が搭載されており、当該電断中用電源部813はMPU811のVCC端子及びVBB端子に接続される経路に対して接続されている。副制御基板802を介して電源装置955から動作電力が供給されている間は電断中用電源部813が充電され、スロットマシン10の電源遮断中においては電断中用電源部813から放電された動作電力がMPU811に供給される。これにより、スロットマシン10の電源遮断中においても、電断中用電源部813からMPU811に動作電力が供給されている間は、当該MPU811において各種処理が実行される。なお、監視制御基板803の電断中用電源部813は、Li2次電池に限定されることはなくコンデンサなどを用いてもよい。
ここで、MPU811は直流5Vの電源(動作電力)だけでなく直流3Vの電源(動作電力)によっても動作可能な構成であるとともに、電断中用電源部813は直流3Vの電源をMPU811に供給するものである。このように、スロットマシン10の電源投入中よりも低い電圧の電源によってMPU811が動作可能な構成とすることで、スロットマシン10の電源遮断中にMPU811が動作する上で必要な電力の低電力化が図られる。
また、監視制御基板803には電源監視部994が搭載されている。電源監視部994は、電源装置955において生成された直流5Vの電源(動作電力)がMPU811に供給されている場合に、当該MPU811にその旨の信号を出力するための回路である。具体的には、電源監視部994は、MPU811のVCC端子及びVBB端子に接続される経路から分岐させて形成された配線パターン994aに対して抵抗994bが接続されてなり、電源装置955にて生成された動作電力がMPU811に供給されている状況においては電入中信号として、低電流の電気信号がMPU811に入力されることとなる。MPU811では、かかる電気信号を受け取ることで、スロットマシン10自身に動作電力が供給されていることを把握することができるとともに、当該電気信号の非入力状態から入力状態への立ち上がりを確認することでスロットマシン10自身への動作電力の供給が開始されたことを把握することができる。
MPU811には、入出力ポートが設けられている。MPU811の入力側には、上記電源監視部994が接続されている。また、MPU811の入力側には、これ以外にも、ホッパ監視スイッチ230、主制御装置監視スイッチ790及び副制御基板802のMPU805が接続されている。MPU811の出力側には、副制御基板802のMPU805が接続されている。なお、MPU805とMPU811との通信は、双方向通信ライン等を介して、例えば双方向シリアル通信等で行うことが好ましい。
ちなみに、各種監視スイッチ230,790とMPU811との間には、各種監視スイッチ230,790がON状態となった場合に閉回路となる信号経路が形成されているが、当該信号経路に対してはMPU811自身に動作電力が供給されている場合には常に監視結果確認用の信号が供給されている。よって、MPU811自身に動作電力が供給されている場合には、各種監視スイッチ230,790を用いた各種監視を常に行うことができる。
MPU811では、電源監視部994及び各種監視スイッチ230,790における検出結果に基づいて、自身に動作電力が供給されている状況において各種異常の発生の監視を常に行い、所定の期間において異常の発生を特定した場合には副制御基板802を通じて報知を行う。この場合、副制御基板802のMPU805では中央ランプ部26、スピーカ部82,83及び液晶表示装置410を通じて報知を行う。かかる監視及び報知の具体的な内容については、後に説明する。また、監視制御基板803のMPU811では、上記副制御基板802及び中央ランプ部26等を通じて報知を行っている状況において、設定スイッチ809が操作されたことに基づいて当該報知を行っている状況を解除する。かかる監視及び報知の具体的な内容については、後に説明する。
<電気的な接続に関する構成>
ここで、監視制御基板803のMPU811と各種監視スイッチ230,790との電気的な接続に関する構成について、以下に説明する。
監視制御基板803と各種監視スイッチ230,790との電気的な接続は直接的に行われておらず、当該電気的な接続は少なくとも副制御基板802が中継するようにして行われている。詳細には、MPU811と各種監視スイッチ230,790との間で信号の伝送を行うための信号線であって副制御装置800に接続される信号線は、副制御基板802に設けられた信号線用コネクタ808bに接続されている。また、副制御基板802には、信号線用コネクタ808bと副側コネクタ808aとを電気的に接続する配線パターンが、各種監視スイッチ230,790に対応させて形成されている。また、監視制御基板803には、副側コネクタ808aに接続される監視側コネクタ814とMPU811とを電気的に接続する配線パターンが、各種監視スイッチ230,790に対応させて形成されている。
上記のように信号経路を形成することで、監視制御基板803において各種監視スイッチ230,790と電気的に接続するためのコネクタが不要なものとなっている。また、既に説明したように、監視制御基板803において電源装置955と電気的に接続するためのコネクタが不要なものとなっている。つまり、本スロットマシン10では、副制御装置800において外部機器との間で信号を伝送するための信号線が接続される信号線用コネクタは監視制御基板803に設けられておらず、副制御基板802に集約されている。これにより、副制御装置800の信号線用コネクタ808bを見ただけでは、信号線が副制御基板802のMPU805又は監視制御基板803のMPU811のいずれに通じているかを判断できないようにすることができる。
また、基板ボックス804には信号線用コネクタ808bを外部に露出させるための開口部825が形成されるが、当該開口部825を通じて基板ボックス804内にリード線などを挿入して監視制御基板803や当該監視制御基板803のMPU811に対して不正を施そうとする行為が想定される。これに対して、信号線用コネクタ808bが副制御基板802に集約させて設けられているため、基板ボックス804内にリード線などが挿入されたとしても、当該リード線が監視制御基板803や当該監視制御基板803のMPU811に到達しづらくなる。
なお、上記のように信号線用コネクタ808bが副制御基板802に集約されることは必須の構成ではなく、監視制御基板803に集約されていてもよい。この場合、上記リード線に対する不正対策の効果は低減されるが、信号線が副制御基板802のMPU805又は監視制御基板803のMPU811のいずれに通じているかを判断できないようにすることはできる。また、上記リード線に対する不正対策の効果及び信号線の識別困難性の効果は生じ得ないが、信号線用コネクタが副制御基板802及び監視制御基板803のそれぞれに設けられた構成としてもよい。
次に、副制御装置800と所定のホッパ監視スイッチ230とを電気的に接続する信号線に関する構成について、以下に説明する。
各種監視スイッチ230,790のうちホッパ監視スイッチ230は、副制御装置800と直接的に接続されているのではなく、両者の信号経路は副側中継基板855により中継されている。また、信号経路が副側中継基板855によって中継される機器はホッパ監視スイッチ230だけではなく、中央ランプ部26及びスピーカ部82,83と副制御装置800との間の信号経路も副側中継基板855によって中継されている。
<副制御基板802のRAM982及び監視制御基板803のRAM992の構成>
次に、異常の監視及び監視結果の報知に関する副制御基板802のRAM982及び監視制御基板803のRAM992の構成について説明する。図48(a)は副制御基板802のRAM982(以下、副側RAM982ともいう)の構成を説明するための説明図、図48(b)は監視制御基板803のRAM992(以下、監視側RAM992ともいう)の構成を説明するための説明図である。なお、以下の説明では、理解を容易なものとするために、主制御基板620のMPU621を主側MPU621といい、副制御基板802のMPU805を副側MPU805といい、監視制御基板803のMPU811を監視側MPU811という。
副側RAM982は、主側MPU621にて所定の異常の発生が特定された場合にその異常の発生に対する報知を行う上で参照される情報を記憶するための主側報知情報記憶エリア985と、監視側MPU811にて所定の異常の発生が特定された場合にその異常の発生に対する報知を行う上で参照される情報を記憶するための監視側報知情報記憶エリア986と、を備えている。また、副側RAM982は、副側MPU805において所定の処理を実行する上でのタイミングを計るために用いられる計測用カウンタエリア987と、副側MPU805において所定の状態であることを特定するために用いられる各種フラグ格納エリア988と、を備えている。
監視側RAM992は、常時用監視履歴記憶エリア1001と、報知用監視履歴記憶エリア1002と、を備えている。監視側MPU811では、既に説明したとおり、電源監視部994及び各種監視スイッチ230,790の検出結果に基づいて各種異常の発生の監視を行う。この場合、監視対象の事象として、
(1)スロットマシン10自身の電源ON操作
(2)設置箇所からのホッパ装置180の移動
(3)設置箇所からの主制御装置610の移動
の3種類が設定されている。
また、監視結果の記憶の仕方は2種類設定されており、一方は監視側MPU811自身に動作電力が供給されている状況において上記(1)〜(3)の全事象の監視結果を記憶する常時用監視である。この監視結果の情報は、外部集中端子板900を介してホール管理装置等に出力され、遊技ホールの管理者等が随時確認することができる構成となっている。
他方は、遊技ホールの管理者などによって設定された報知用監視期間において、上記(1),(2)の事象の監視結果を記憶するとともに、監視側MPU811自身に動作電力が供給されている状況において上記(3)の事象の監視結果を記憶する報知用監視である。この場合、報知用監視期間は、24時間における任意の期間を指定可能であり、基本的にはスロットマシン10自身に動作電力が供給されていない期間、具体的にはスロットマシン10のメーカなどから遊技ホールへの搬送中の期間や、遊技ホールの閉店中であってスロットマシン10への動作電力の供給が停止される期間が指定される。報知用監視期間中に監視結果の情報が取得された場合には、スロットマシン10の電源が投入された場合に所定の報知が実行される。
ここで、上記(1)〜(3)の監視対象の事象のうち、スロットマシン10の電源遮断中に上記(1)電源ON操作の事象を監視することで、当選確率の設定変更が不正に行われたか否かを監視することができる。当該当選確率の設定変更を行うためには、既に説明したように、スロットマシン10が電源ON操作された場合に設定キーがON操作されている必要があるからである。また、電源遮断中に上記(2),(3)の事象を監視することで、それら監視対象となっている機器に対して不正が行われたか否かを監視することができる。
常時用監視履歴記憶エリア1001及び報知用監視履歴記憶エリア1002のうち、常時用監視履歴記憶エリア1001は常時用監視を行う上で用いられ、報知用監視履歴記憶エリア1002は報知用監視を行う上で用いられる。常時用監視履歴記憶エリア1001は、リングバッファとして構成されており、上記(1)〜(3)の事象のうち発生した事象の種類を記憶するための事象データ用エリアと、その事象が発生した日時を記憶するための日時データ用エリアと、を一組の単位エリアとして、当該単位エリアが複数組(具体的には、15組)設けられている。
また、報知用監視履歴記憶エリア1002は、リングバッファとして構成されており、事象データ用エリアと、日時データ用エリアと、その事象について報知解除条件が満たされているか否かの情報を記憶するための報知判定データ用エリアと、を一組の単位エリアとして、当該単位エリアが複数組(具体的には、15組)設けられている。
常時用監視履歴記憶エリア1001及び報知用監視履歴記憶エリア1002において上記単位エリアの数は、同一となっており、監視対象の事象の数よりも多く設定されている。そして、上記(1)〜(3)の事象が発生した日時順に(時系列で)記憶されていくとともに、単位エリアの数分を超える場合には最も古い事象が消去されていく。この場合、常時用監視履歴記憶エリア1001及び報知用監視履歴記憶エリア1002は上記のとおりリングバッファとして構成されており、次回のデータの書込み対象となる単位エリアを特定するための書込みポインタの位置によって最も新しいデータが記憶された単位エリア及び最も古いデータが記憶された単位エリアがいずれの単位エリアであるかが特定される。なお、上記単位エリアの数は、常時用監視履歴記憶エリア1001と報知用監視履歴記憶エリア1002とで同一である必要はなく、異なっていてもよい。
監視側RAM992は、常時用監視履歴記憶エリア1001及び報知用監視履歴記憶エリア1002の他に、監視側MPU811において所定の処理を実行する上でのタイミングを計るために用いられる計測用カウンタエリア1003と、液晶表示装置410の表示画面410aに表示される画像の表示データが設定される表示データ設定用エリア1004と、上記報知用監視を行う上での報知用監視期間の情報を記憶するための報知用監視期間記憶エリア1005と、監視側MPU811において所定の状態であることを特定するために用いられる各種フラグ格納エリア1006と、を備えている。
なお、上述した各監視履歴記憶エリア1001,1002は、上記(1)〜(3)の事象をまとめて記憶する構成としたが、これら(1)〜(3)の各事象に対応する記憶エリアを個別に設けてもよい。
<監視側MPU811に実行される処理>
次に、異常の監視及び監視結果の報知を行う上で副側MPU805及び監視側MPU811にて実行される処理について説明する。以下の説明では、説明の便宜上、先ず図49〜図53のフローチャートを参照して監視側MPU811にて実行される処理について説明し、その後に、図54〜図57のフローチャートを参照して副側MPU805にて実行される処理について説明する。
図49は、監視側MPU811にて実行される通常処理を示すフローチャートである。
通常処理は、定期的(具体的には、4msec)に起動される。通常処理では、ステップS401にて監視処理を実行し、ステップS402にて時間等設定用処理を実行し、ステップS403にて異常報知設定用処理を実行し、ステップS404にて異常報知解除用処理を実行し、その後、本通常処理を終了する。
以下、上記ステップS401〜ステップS404の各処理について具体的に説明する。
<監視側MPU811の監視処理>
先ず、監視処理について、図50のフローチャートを参照して説明する。ここで、監視処理とは、電源監視部994及び各種監視スイッチ230,790の検出結果に基づいて、上記(1)〜(3)の事象が発生しているか否かを特定し、いずれかの事象が発生している場合にはその情報を常時用監視履歴記憶エリア1001及び報知用監視履歴記憶エリア1002に記憶させる(書き込む又は格納する)ための処理である。
監視処理では、先ずステップS501にて入出力ポートの入力側を監視するタイミングとなっているか否かを判定する。このタイミングは、監視時間の経過毎に1回、すなわち監視周期毎に定期的に実行されるように設定されている。具体的には、0.5secに1回実行される構成となっており、当該タイミングは監視側RAM992の計測用カウンタエリア1003における監視用カウンタエリアを用いて前回監視を行ったタイミングからの経過時間、詳細にはステップS501にて否定判定をした回数を計測することにより行われる。本スロットマシン10では、通常処理は4msec周期で起動されるため、ステップS501では監視用カウンタエリアの値が「125」であるか否かを判定する。
なお、監視を行う周期は上記のものに限定されることはなく任意である。但し、異常の発生を漏れなく監視するという観点からは、N(0<N<1)secに1回監視を行う構成とすることが好ましい。また、かかる監視を行う周期を不規則に変更可能な不規則更新機能(不規則更新手段)を備えた構成としてもよい。この場合、監視を行う周期に合わせて不正行為を行おうとしてもそれが困難となる。また、不規則に設定され得る周期の一部として比較的長い周期が設定されていることにより、単位時間当たりの監視の実行回数を抑えることができ、それに伴って電断中用電源部813の消費電力が抑えられる。
監視タイミングでない場合にはステップS501にて否定判定をし、ステップS503にて監視用カウンタエリアを更新した後に、具体的には監視用カウンタエリアを1インクリメントした後に、本監視処理を終了する。一方、監視タイミングである場合にはステップS501にて肯定判定をし、ステップS502にて監視用カウンタエリアを初期化した後に、具体的には監視用カウンタエリアを「0」クリアした後に、ステップS504に進む。
ステップS504では、入出力ポートの入力側の情報を読み込むことで、電源監視部994及び各種監視スイッチ230,790の検出結果を特定する。具体的には、上記(1)の事象であるスロットマシン10自身の電源ON操作を監視するための電源監視部994の検出結果が入力されるポートにおける情報が、電源OFF情報である「0」の情報から電源ON情報である「1」の情報に切り換えられたか否かを判定する。また、上記(2)の事象である設置箇所からのホッパ装置180の移動を監視するためのホッパ監視スイッチ230の検出結果が入力されるポートにおける情報が、ホッパ設置情報である「0」の情報からホッパ取り外し情報である「1」の情報に切り換えられたか否かを判定する。また、上記(3)の事象である設置箇所からの主制御装置610の移動を監視するための主制御装置監視スイッチ790の検出結果が入力されるポートにおける情報が、主制御装置設置情報である「0」の情報から主制御装置取り外し情報である「1」の情報に切り換えられたか否かを判定する。
なお、ノイズの発生によりポートに「1」が格納された場合に異常の発生と特定しづらくするために、ステップS504では、「0」が格納されている状況から「1」が格納されている状況が複数回連続して確認された場合に、その事象の異常が発生していると特定するようにしてもよい。また、上記「0」及び「1」の関係が逆の関係に設定されていてもよい。
上記(1)〜(3)の事象がいずれも発生していない場合には、ステップS504にて否定判定をし、そのまま本監視処理を終了する。上記(1)〜(3)のいずれかの事象が発生している場合には、ステップS504にて肯定判定をし、ステップS505に進む。ステップS505では、今回発生していると特定した事象の内容を特定するための内容の特定処理を実行し、その特定した内容を監視側MPU811のレジスタに記憶する。
続くステップS506では、常時用監視履歴記憶エリア1001に、ステップS505にて特定した事象と同一の事象が記憶されているか否かを判定する。同一の事象が記憶されていない場合にはステップS508に進む。同一の事象が記憶されている場合には、ステップS507にて、書込み禁止期間中(記憶防止期間中)か否かを判定する。具体的には、常時用監視履歴記憶エリア1001に既に記憶されている同一の事象の発生日時を把握するとともに、現状の日時をRTC993から把握する。そして、前者に対する後者の経過期間が、監視制御基板803のROM991に予め記憶されている書込み禁止期間中に該当するか否かを判定する。なお、書込み禁止期間は1分として設定されているが、具体的な期間は任意である。
書込み禁止期間中である場合には、今回特定した事象を常時用監視履歴記憶エリア1001及び報知用監視履歴記憶エリア1002のいずれにも書き込むことなく、そのまま本監視処理を終了する。異常の監視を行う上では、上記(1)〜(3)の事象のうちいずれの事象が発生したかを遊技ホールの管理者等が特定できるようにすることが重要であり、それに比べて同一の事象について短期間に複数回行われたか否かは重要でない。この場合に、常時用監視履歴記憶エリア1001及び報知用監視履歴記憶エリア1002の記憶容量が制限されている状況において、上記のように書込み禁止期間を設定することで、前者の特定を後者の特定よりも優先することができ、監視を良好に行うことができる。
なお、書込み禁止期間を設ける代わりに、監視対象の事象が特定された監視スイッチについては、所定の無監視期間(記憶防止期間)が経過するまで監視側MPU811において入出力ポートの監視処理を実行しない構成としてもよい。つまり、記憶防止期間内に同一の監視対象の事象が複数回連続した場合には、それらを全て常時用監視履歴記憶エリア1001や報知用監視履歴記憶エリア1002に記憶するのではなく、複数回分を1回として集約して記憶する構成であれば、具体的な制御内容は任意である。また、上記のような重複書込みを許容するのであれば、書込み禁止期間や無監視期間といった記憶防止期間を設定しない構成としてもよい。
書込み禁止期間中でない場合には、ステップS507にて否定判定をし、ステップS508に進む。ステップS508では、常時用監視履歴の更新処理を実行する。具体的には、先ず書込みポインタの更新処理を実行する。これにより、常時用監視履歴記憶エリア1001における複数の単位エリアのうち、最も古い監視結果の情報が記憶されている単位エリアが情報の書込み対象となる。そして、その書込みポインタに対応した単位エリアにおける事象データ用エリアに対して今回特定した事象の情報を記憶するとともに、日時データ用エリアに対してRTC993から読み込んだ現状の日時の情報を記憶する。
ちなみに、同時に複数種類の事象が発生することが想定されるが、常時用監視履歴の更新処理では、それら複数種類の事象を順次記憶していく。かかる更新に際しては、上記(1)〜(3)のうち予め定められた優先順位に従って更新を実行していく。この場合、上記(3)の設置箇所からの主制御装置610の移動を最優先として、当該事象と他の事象とが同時に発生している場合には主制御装置610の移動が最も新しい事象として記憶される構成としてもよい。
続くステップS509では、現状の時点が報知用監視期間中か否かを判定する。具体的には、RTC993から現状の時刻を読み出し、この読み出した時刻が監視側RAM992の報知用監視期間記憶エリア1005に記憶されている報知用監視期間に含まれているか否かを判定する。報知用監視期間に含まれている場合には、ステップS510にて監視側RAM992の各種フラグ格納エリア1006に設けられた報知条件成立フラグ格納エリア(報知条件成立情報記憶手段)に報知条件成立フラグ(報知条件成立情報)を格納する。
ここで、本スロットマシン10では、報知用監視期間に上記(1)〜(3)のいずれかの事象が発生した場合には、既に説明したとおりスロットマシン10の電源が投入された場合に所定の報知が実行されることとなるが、当該所定の報知は報知条件成立フラグが格納(記憶)されている場合に実行される。換言すれば、報知条件成立フラグは監視側MPU811において所定の報知を実行すべき状態であることを特定するためのフラグである。
続くステップS511では、報知用監視履歴の更新処理を実行する。具体的には、先ず書込みポインタの更新処理を実行する。これにより、報知用監視履歴記憶エリア1002における複数のエリアのうち、最も古い監視結果の情報が記憶されているエリアが情報の書込み対象となる。そして、その書込みポインタに対応したエリアにおける事象データ用エリアに今回特定した事象の情報を記憶させるとともに、日時データ用エリアに対してRTC993から読み込んだ現状の日時の情報を記憶させる。また、報知判定データ用エリアに未解除情報としての「1」を記憶させる。その後、本監視処理を終了する。
一方、現状の時点が報知用監視期間に含まれていない場合には、ステップS512に進み、今回特定した事象が上記(3)の設置箇所からの主制御装置610の移動の事象であるか否かを判定する。当該事象でない場合には、そのまま本監視処理を終了する。当該事象である場合には、ステップS510にて報知条件成立フラグを格納するとともに、ステップS511にて報知用監視履歴の更新処理を実行した後に、本監視処理を終了する。
つまり、本スロットマシン10では、書込み禁止期間でない状況において主制御装置610の設置箇所からの移動を特定した場合には、報知用監視期間中であるか否かに関係なく、その情報が報知用監視履歴記憶エリア1002に記憶される。主制御装置610は抽選処理機能やメダルの払出処理機能といった遊技の主たる制御を司る機能を有しており、不正が行われた場合には遊技ホールに多大な不利益を与えるおそれがあるとともに、不正の対象ともなり易い。この場合に、主制御装置610の設置箇所からの移動については報知用監視期間であるか否かに関係なく報知用監視履歴記憶エリア1002に記憶して報知対象とすることで、主制御装置610に対する不正行為を重点的に監視することができる。また、全ての事象について報知用監視期間であるか否かに関係なく報知対象とするのではなく、主制御装置610に係る事象についてのみ上記のような報知対象とすることで、報知用監視履歴記憶エリア1002の限られた記憶容量において主制御装置610に係る事象が記憶されたものの、前面扉12の開放などが繰り返し行われることで、主制御装置610に係る事象について報知される前に当該事象が消去されてしまわないようにすることができる。なお、ホッパ装置180についても同様に、その設置箇所からの移動については報知用監視期間であるか否かに関係なく報知用監視履歴記憶エリア1002に記憶して報知対象とすることも可能である。
<監視側MPU811の時間等設定用処理>
次に、時間等設定用処理について、図51のフローチャートを参照して説明する。ここで、時間等設定用処理とは、RTC993の日時設定を行う必要がある状況においてその旨の報知を行うための処理、RTC993にて計測している日時を設定するための処理、報知用監視期間を設定するための処理を実行する処理である。
時間等設定用処理では、先ずステップS601にて、入出力ポートの入力側における電源監視部994から入力している情報に基づいて、スロットマシン10自身に動作電力が供給されているか否かを判定する。スロットマシン10自身に動作電力が供給されていない場合には、RTC993の日時の設定や報知用監視期間の設定を行うことができないため、そのまま本設定用処理を終了する。
スロットマシン10自身に動作電力が供給されている場合には、ステップS602にて、監視側RAM992のデータ消去が発生しているか否かを判定する。具体的には、監視側RAM992の各種フラグ格納エリア1006におけるデータ消去監視フラグ格納エリア(データ消去監視情報記憶手段)にデータ消去監視フラグ(データ消去監視情報)が格納されているか否かを判定する。
データ消去監視フラグは、スロットマシン10の出荷直後においては格納されていない。この場合、RTC993の日時が正確でない可能性が高い。また、データ消去監視フラグは、一旦格納されたとしても、スロットマシン10自身への動作電力の供給が停止された状態が長期に亘って継続し、監視制御基板803の電断中用電源部813における蓄電量が減ることで、監視側RAM992においてデータの記憶保持を行う上で必要な動作電力が電断中用電源部813から放電されなくなることに伴って消去される。そして、RTC993において日時の更新を行う上で必要な動作電力が電断中用電源部813から放電されなくなる状況では、監視側RAM992においてデータの記憶保持を行う上で必要な動作電力が供給されない状況となるように構成されている。したがって、データ消去フラグが消去された場合には、RTC993の日時が正確でない可能性が高い。一方、データ消去監視フラグは、RTC993の日時の設定が完了することにより、格納される。つまり、データ消去監視フラグは、RTC993の日時が正確でない可能性が高い状況であることを監視側MPU811において特定するためのフラグである。
データ消去監視フラグが格納されていない場合には、ステップS602にて肯定判定をし、ステップS603にて、RTC993の日時の設定を促す報知を開始させるための消去報知開始用コマンドを副側MPU805に送信する処理を実行する。これにより、RTC993の日時の設定を促す報知が液晶表示装置410の表示画面410aにて実行されるように副側MPU805にて所定の処理が実行される。ステップS603の処理を実行した後、又はデータ消去監視フラグが格納されておりステップS602にて否定判定をした場合には、ステップS604に進む。
ステップS604では、RTC993の日時の設定中であるか否かを判定する。RTC993の日時の設定中である場合には、後述するステップS608の日時の設定用処理を実行し、RTC993の日時の設定中でない場合には、ステップS605に進む。ステップS605では、報知用監視期間の設定中であるか否かを判定する。報知用監視期間の設定中である場合には、後述するステップS614の報知用監視期間の設定用処理を実行し、報知用監視期間の設定中でない場合には、ステップS606に進む。
ステップS606では、設定キー挿入部626に設定キーが挿入されて当該設定キーがON操作されているか否かを判定する。この場合、当該ON操作がされているか否かの情報は、主側MPU621から送信されており、副側MPU805にて経由されることで監視側MPU811にて受信しているが、これに限定されることはなく、主側MPU621から直接受信する構成としてもよく、また設定キー検出センサ968の検出結果が監視側MPU811に直接入力される構成としてもよい。
設定キー挿入部626に対して設定キーのON操作がなされていない場合には、RTC993の日時を設定するための処理や、報知用監視期間を設定するための処理を実行することなく、そのまま本設定用処理を終了する。つまり、本スロットマシン10では、RTC993の日時の設定や、報知用監視期間の設定に際しては、遊技ホールの管理者が有する所定のキーを用いてキー操作を行う必要がある構成となっている。これにより、許可なき者によってRTC993の日時の設定や報知用監視期間の設定が行われることが抑制されている。
設定キー挿入部626に対して設定キーのON操作がなされている場合には、ステップS607にて、副制御装置800の副制御基板802に設けられた設定スイッチ809(図47参照)から入力している情報に基づいて、RTC993の日時の設定操作がなされているか否かを判定する。RTC993の日時の設定操作がなされている場合には、ステップS608にて日時の設定用処理を実行する。なお、図38及び図39においては、設定スイッチ809を省略して示している。
日時の設定用処理では、前記設定スイッチから入力している情報に基づいて、前面扉12の各種スイッチ50〜52やスタートレバー45の操作による日時の変更操作が有効となり、それら各変更操作に対応した日時となるように、RTC993にて計測されている情報を更新する。なお、日時の設定を開始する旨の操作や、日時の変更操作に際しては、後述する表示変更処理にて、それぞれに対応した画像が液晶表示装置410の表示画面410aにて表示されるように表示制御装置415が制御される。因みに、日時の変更操作を行う操作部は、上記スイッチ50等に限定されるものではない。例えば、設定変更用のスイッチ等を別途設けてもよい。
日時の設定用処理を実行した後は、ステップS609にて、日時の設定が完了したか否かを判定する。具体的には、設定スイッチ809から入力している情報に基づいて、予め定められている設定完了操作がなされたか否かを判定する。日時の設定が完了していない場合には、そのまま本設定用処理を終了する。
日時の設定が完了している場合には、ステップS610にて、監視側RAM992にデータ消去監視フラグが格納されているか否かを判定する。データ消去監視フラグが格納されている場合には、そのまま本設定用処理を終了する。データ消去監視フラグが格納されていない場合には、ステップS611にて、データ消去監視フラグを格納するとともに、ステップS612にて、RTC993の日時の設定を促す報知を終了させるための消去報知終了用コマンドを副側MPU805に送信する処理を実行する。その後、本時間等設定用処理を終了する。
ここで、データ消去監視フラグが格納されていない状況においては、日時の設定が完了するまでデータ消去監視フラグが格納されないようにしたことにより、RTCの日時の設定操作が遊技ホールの管理者によってなされるまでは、基本的に当該操作を促す報知が行われるようにすることができる。
一方、設定キー挿入部626に対して設定キーのON操作がなされている場合であって日時の設定操作がなされていない場合には、ステップS613にて、前記設定スイッチ809から入力している情報に基づいて、報知用監視期間の設定操作がなされているか否かを判定する。報知用監視期間の設定操作がなされていない場合には、そのまま本設定用処理を終了する。報知用監視期間の設定操作がなされている場合には、ステップS614にて報知用監視期間の設定用処理を実行した後に、本設定用処理を終了する。
報知用監視期間の設定用処理では、設定スイッチ809から入力している情報に基づいて、報知用監視期間が同設定スイッチ809の操作に対応した期間となるように、監視側RAM992の報知用監視期間記憶エリア1005の情報を更新する。
<監視側MPU811の異常報知設定用処理>
次に、異常報知設定用処理について、図52のフローチャートを参照して説明する。ここで、異常報知設定用処理とは、異常報知の開始タイミングにおいて異常報知の実行条件が成立している場合に、異常報知を開始するための設定を行う処理である。
異常報知設定用処理では、先ずステップS701にて、副側MPU805から要求コマンドを受信しているか否かを判定する。要求コマンドは、スロットマシン10自身への動作電力の供給が開始されて副側MPU805の動作が開始されたことに基づいて、当該副側MPU805から送信されるコマンドである。なお、当該要求コマンドが送信されるための詳細な条件については後に説明する。要求コマンドを受信していない場合には、ステップS701にて否定判定をし、そのまま本設定用処理を終了する。要求コマンドを受信している場合には、ステップS701にて肯定判定をし、ステップS702に進む。
ステップS702では、監視側RAM992に報知条件成立フラグが格納されているか否かを判定する。報知条件成立フラグは、既に説明したとおり、報知用監視期間中に上記(1),(2)のいずれかの事象が発生した場合又は報知用監視期間中であるか否かに関係なく上記(3)の事象が発生した場合に格納されるフラグである。つまり、ステップS702では、報知対象となる事象が発生しているか否かを判定している。
報知条件成立フラグが格納されている場合には、ステップS703〜ステップS705の報知開始用処理を実行した後に、本設定用処理を終了する。具体的には、ステップS703にて、監視側RAM992の各種フラグ格納エリア1006における報知実行フラグ格納エリア(報知実行中情報記憶手段)に報知実行フラグ(報知実行情報)を格納する。当該報知実行フラグが格納されることにより、報知実行中であること又は報知を実行すべき状況であることを監視側MPU811において特定することが可能となる。
続くステップS704では、報知内容の特定処理を実行する。具体的には、報知用監視履歴記憶エリア1002の各単位エリアにおいて報知解除条件が満たされていないエリア、具体的には報知判定データとして未解除情報としての「1」が格納されているエリアを特定し、その特定したエリアの事象データから今回の監視対象の事象が上記(1)〜(3)の事象のいずれであるかを特定する。この場合、複数種の事象が報知対象となっている場合には、それらを個別に特定する。但し、ステップS704では、同一種の事象が報知用監視履歴記憶エリア1002に複数記憶されている場合には、それらを個別に特定することはなく、発生回数を考慮することなく当該事象が発生していることのみを特定する。
続くステップS705では、ステップS704にて特定した事象の情報を含む報知有りコマンドを副側MPU805に送信する処理を実行する。かかる報知有りコマンドは、監視制御基板803のROM991に予め記憶されており、当該報知有りコマンドは、報知対象として特定されるパターンの全てに1対1で対応させて設定されている。副側MPU805では報知有りコマンドを受信することにより、その報知有りコマンドから、監視対象の事象が発生していること及びその事象の種類を特定する。なお、監視対象の事象が発生している状況において要求コマンドの受信に対して報知有りコマンドが送信されることに着目すると、報知有りコマンドは、監視対象の事象が発生している状況における応答コマンドであると言える。
一方、報知条件成立フラグが格納されていない場合には、ステップS702にて否定判定をし、ステップS706に進む。ステップS706では、監視対象の事象が発生していないことを副側MPU805に把握させるための報知無しコマンドを送信する処理を実行する。その後、本設定用処理を終了する。副側MPU805では報知無しコマンドを受信することにより、その報知無しコマンドから、監視対象の事象が発生していないことを特定する。なお、監視対象の事象が発生していない状況において要求コマンドの受信に対して報知無しコマンドが送信されることに着目すると、報知無しコマンドは、監視対象の事象が発生していない状況における応答コマンドである。
<監視側MPU811の異常報知解除用処理>
次に、異常報知解除用処理について、図53のフローチャートを参照して説明する。ここで、異常報知解除用処理とは、異常報知が実行されている状況において異常報知の解除条件が成立している場合に、異常報知を解除する設定を行うための処理である。
異常報知解除用処理では、先ずステップS801にて報知制限中であるか否かを判定する。ここで、本スロットマシン10では、副側MPU805における処理に基づいて実行される報知の種類として、主側MPU621にて特定された異常に対する報知と、監視側MPU811にて特定された異常に対する報知と、監視側MPU811の通信異常に対する報知と、監視側MPU811のRTC993の日時の設定を促す報知と、が設定されている。
この場合に、これら各種報知のうち、何について報知がなされているかを遊技ホールの管理者等が把握できないといった不都合が発生しないようにするために、上記複数種の報知には予め優先順位が設定されており、報知タイミングが重複した場合には段階的に実行される。当該優先順位について詳細には、主側MPU621にて特定された異常に対する報知が最も優先順位が高く、監視側MPU811にて特定された異常に対する報知が次に優先順位が高く、監視側MPU811の通信異常に対する報知が次に優先順位が高く、監視側MPU811のRTC993の日時の設定を促す報知が最も優先順位が低くなるように設定されている。
上記のように優先順位が設定されている構成において、報知制限中とは、優先順位が最も高く設定されている主側MPU621にて特定された異常に対する報知が実行されている状況であることを意味する。かかる報知制限中か否かの判定は、監視側RAM992の各種フラグ格納エリア1006における報知制限フラグ格納エリア(報知制限情報記憶手段)に報知制限フラグ(報知制限情報)が格納(記憶)されているか否かを判定することにより行われる。
報知制限中でない場合には、ステップS801にて否定判定をし、ステップS802に進む。ステップS802では、副側MPU805から報知制限開始コマンドを受信しているか否かを判定する。報知制限開始コマンドは、副側MPU805にて上記優先順位が最も高い報知が開始される場合に当該副側MPU805から送信されるコマンドである。報知制限開始コマンドを受信している場合には、ステップS803にて報知制限フラグを格納した後に、本解除用処理を終了する。報知制限開始コマンドを受信していない場合には、ステップS806に進む。
一方、報知制限中である場合には、ステップS801に肯定判定をし、ステップS804に進む。ステップS804では、副側MPU805から報知制限終了コマンドを受信しているか否かを判定する。報知制限終了コマンドは、副側MPU805にて上記優先順位が最も高い報知が終了される場合に当該副側MPU805から送信されるコマンドである。報知制限終了コマンドを受信していない場合には、そのまま本解除用処理を終了する。報知制限終了コマンドを受信している場合には、ステップS805にて報知制限フラグを消去した後に、ステップS806に進む。
ステップS806では、監視側RAM992に報知実行フラグが格納されているか否かを判定する。報知実行フラグが格納されていない場合には、異常報知が実行されていない状況であるため、そのまま本解除用処理を終了する。報知実行フラグが格納されている場合には、ステップS807に進む。
ステップS807では、操作系信号の読み込み処理を実行する。具体的には、監視側MPU811の入出力ポートにおける入力側を監視し、前記設定スイッチの操作の有無の特定をする。続くステップS808では、ステップS807にて特定した結果が、解除操作に対応した結果であるか否かを判定する。具体的には、前記設定スイッチ809が長押し操作(例えば5sec)されているか否かを判定する。設定スイッチ809が長押し操作されていない場合には、ステップS808にて否定判定をし、そのまま本解除用処理を終了する。なお、解除操作を行うための操作部を別途設けてもよい。
前記設定スイッチ809が長押し操作されている場合には、ステップS809にて監視側RAM992から報知実行フラグを消去する。これにより、液晶表示装置410の表示画面410aでは、解除操作がなされたことを示す情報が画像として表示される。例えば、表示画面410aには、「カイジョサレマシタ」という文字の画像が表示される。
続くステップS810では、監視側報知解除コマンドを副側MPU805に送信する処理を実行する。副側MPU805では、当該監視側報知解除コマンドを受信することにより、報知用監視期間に監視側MPU811にて特定された異常に対する報知に対して解除操作が有効になされたことを把握し、当該報知を終了する。
続くステップS811では、解除許容状況であるか否かを判定する。具体的には、書込みポインタの情報を参照することで、報知用監視履歴記憶エリア1002の各単位エリアのうち、最新の監視対象の事象が記憶されている単位エリアを特定し、当該単位エリアの日時データ用エリアに記憶されている情報を最新の発生日時の情報として読み出す。また、この読み出した最新の発生日時の情報に対して、監視制御基板803のROM991に予め記憶されている再報知期間(例えば、3時間)の情報を加算するための加算処理を実行する。そして、RTC993から現状の日時の情報を読み出し、上記加算処理の結果の日時が現状の日時以前となっているか否かを判定する。その結果、上記加算処理の結果の日時が、現状の日時以前となっている場合(最新事象から3時間経過)には解除許容状況であると判定し、現状の日時以前となっていない場合には解除許容状況でないと判定する。
なお、解除許容状況であるか否かを判定するための具体的な処理内容は、上記のものに限定されることはなく、最新の情報に対応した単位エリアの日時データ用エリアに記憶されている日時から再報知期間が経過した後の日時が、上記把握したRTC993の現状の日時以前となっているかを、換言すれば、RTC993の現状の日時が、最新の情報に対応した単位エリアの日時データ用エリアに記憶されている日時から再報知期間が経過した後の日時となっているかを、判定することができるのであれば任意である。例えば、上記把握したRTC993の現状の日時の情報に対して、ROM991に記憶されている再報知期間の情報を減算するための減算処理を実行する。そして、最新の情報に対応した単位エリアの日時データ用エリアに記憶されている情報の日時が、上記減算処理の結果の日時以前となっているか否かを判定する比較処理を実行する構成としてもよい。
また、RTC993を用いるのではなく、監視側RAM992に時間計測用カウンタエリアを設け、当該時間計測用カウンタエリアにてカウントした値を用いて上記再報知期間を計測する構成としてもよい。また、このように時間計測用カウンタエリアを設ける場合、かかるカウンタエリアを報知用監視履歴記憶エリア1002の各単位エリアに1対1で対応させて設け、それら単位エリアに監視対象の事象の情報を記憶させる場合に対応するカウンタエリアに再報知期間に対応した値を記憶させるようにする。そして、各カウンタエリアは一定周期で減算されるようにし、カウンタエリアの値が「0」になった単位エリアについては解除許容状況となっていると判定する構成としてもよい。
ステップS811において解除許容状況となっていないと判定した場合には、そのまま本解除用処理を終了する。この場合、監視側RAM992から報知実行フラグが消去されるものの、報知条件成立フラグが消去されないため、スロットマシン10自身への動作電力の供給が次回開始された場合には、今回解除された異常報知に係る監視対象の事象に基づいて、再度、異常報知が開始される。
ステップS811において解除許容状況となっていると判定した場合には、ステップS812にて監視側RAM992の報知条件成立フラグを消去する。また、ステップS813にて報知判定データの更新処理を実行する。当該更新処理では、報知用監視履歴記憶エリア1002の各単位エリアにおいて報知解除条件が満たされていない単位エリア、具体的には報知判定データとして未解除情報としての「1」が格納されている単位エリアを特定する。そして、それら特定した単位エリアについて、上記未解除情報が消去されるように報知判定データ用エリアを「0」クリアする。その後、本解除用処理を終了する。これにより、今回の異常報知に係る監視対象の事象に基づいて報知条件が成立したものとされた状態が解除され、新たに監視対象の事象が発生しない限り、スロットマシン10自身への動作電力の供給が開始されたとしても、監視側MPU811の監視処理に基づく報知は開始されない。
つまり、本スロットマシン10では、既に説明したように、報知用監視期間中において監視側MPU811にて監視対象の事象が発生したことが特定された場合には、スロットマシン10自身への動作電力の供給が開始されたことを契機として異常報知が開始されることとなる(図52を参照し前述)。この場合に、当該異常報知は最新の監視対象の事象が発生した日時から再報知期間(例えば、3時間)が経過する前に異常報知の解除操作がなされたとしても、その時点で実行されている報知は一旦終了されることとなるが、スロットマシン10自身への動作電力の供給が開始された場合には再度、同一の事象を報知発生の要因として異常報知が開始される。すなわち、異常報知の実行条件が成立した場合には、最新の監視対象の事象が発生した日時から再報知期間が経過した後に解除操作が行われない限り、異常報知の実行条件が成立した状態が保持され、当該状態が保持されている状況においては異常報知の開始タイミングとなる度に異常報知が開始される。
ちなみに、上記のように報知制限中である場合にステップS806以降の処理を実行しないようにしたことにより、監視側MPU811にて特定された異常に対する報知の実行条件及び開始条件が成立しているものの上記主側MPU621にて特定された異常に対する報知が優先されている状況において、監視側MPU811にて特定された異常に対する報知の解除操作が実行されたとしても、それが無効化される。これにより、監視側MPU811にて特定された異常に対する報知の実行条件及び開始条件の成立を解除するためには、当該報知が実行されている状況において解除操作をする必要が生じ、報知用監視期間において監視側MPU811にて監視対象の事象が発生した場合には、その旨の報知を確実に実行することができる。
<副側MPU805にて実行される通常処理>
次に、図54〜図57のフローチャートを参照して副側MPU805にて実行される処理について説明する。
図54は、副側MPU805にて実行される通常処理を示すフローチャートである。
通常処理は、定期的(具体的には、4msec)に起動される。通常処理では、ステップS1001にて、演出用設定処理を実行する。演出用設定処理では、主側MPU621から演出用コマンドを受信している場合に、その演出用コマンドに対応した演出を、中央ランプ部26、スピーカ部82,83及び液晶表示装置410にて行うための処理を実行する。例えば、演出用コマンドに、中央ランプ部26における発光、スピーカ部82,83からの音の出力及び液晶表示装置410の表示画面410aにおける所定の画像の表示を、所定のタイミングで開始する旨の情報が含まれている場合には、その所定のタイミングで、中央ランプ部26、スピーカ部82,83及び液晶表示装置410のそれぞれに対して所定の駆動信号の出力を開始する。なお、後述する異常報知を実行する場合には、それら異常報知が優先される。続くステップS1002では、通常時の異常報知設定用処理を実行する。
<副側MPU805の通常時の異常報知設定用処理>
ここで、通常時の異常報知設定用処理について、図55のフローチャートを参照しながら説明する。
通常時の異常報知設定用処理では、先ずステップS1101にて、入出力ポートの入力側における主側MPU621から入力している情報に基づいて、主側報知開始コマンドを受信しているか否かを判定する。当該コマンドを受信していない場合には、そのまま本設定用処理を終了する。
当該コマンドを受信している場合には、ステップS1102にて異常内容の特定処理を実行する。異常内容の特定処理では、主側報知開始コマンドに含まれる異常内容の情報から、何についての報知を今回開始するかを特定する。かかる異常内容としては、例えば、ホッパ装置180のメダル不足や、投入メダル検出センサ963における検出異常が設定されている。ここで特定された情報は、副側RAM982の主側報知情報記憶エリア985に格納される(記憶される又は更新される)。
続くステップS1103では、副側RAM982の各種フラグ格納エリア988における監視側異常報知フラグ格納エリア(監視側異常報知情報記憶手段)に監視側異常報知フラグ(監視側異常報知情報)が格納されているか否かを判定する。監視側異常報知フラグは、監視側MPU811から受信するコマンドに基づいて、報知用監視期間中に監視対象の事象が発生したことが副側MPU805において特定された場合に格納され、当該異常報知に対して有効な解除操作がなされた場合に消去されるフラグである。
監視側異常報知フラグが格納されている場合には、ステップS1104にて、副側RAM982の各種フラグ格納エリア988における報知待機フラグ格納エリア(報知待機情報記憶手段)に報知待機フラグ(報知待機情報)を格納する。ここで、既に説明したとおり、副側MPU805における処理に基づいて実行される各種報知には予め優先順位が設定されており、監視側MPU811にて特定された異常に対する報知に比べ、主側MPU621にて特定された異常に対する報知は優先順位が高く設定されている。したがって、監視側異常報知フラグが格納されていて監視側MPU811にて特定された異常に対する報知の実行条件が成立している場合であっても、主側MPU621にて特定された異常に対する報知の実行条件が成立している場合には、監視側MPU811にて特定された異常に対する報知が実行前であるか実行中であるかに関係なく、主側MPU621にて特定された異常に対する報知が実行され、監視側MPU811にて特定された異常に対する報知の実行は待機される。この待機が行われている状況では報知待機フラグが格納され、当該待機が解除されることで報知待機フラグが消去される。
ステップS1104にて報知待機フラグを格納した後、又はステップS1103にて否定判定をした場合には、ステップS1105にて、主側異常報知を開始する。この開始に際しては、副側RAM982の主側報知情報記憶エリア985に記憶されている情報に基づいて報知内容を特定し、その特定した内容の報知が中央ランプ部26、スピーカ部82,83及び液晶表示装置410にて実行されるようにこれら各機器を制御する。なお、既に他の報知や演出が実行されている場合であっても、それを中断し、主側異常報知を開始する。
上述した報知内容としては、例えば監視対象の事象として、スロットマシン10自身の電源ON操作、主制御装置610の移動が特定された場合には、表示画面113には、「ケイホウ:デンゲン、キバン」という文字の画像が表示される。
なお、監視履歴の報知の内容は、上記のものに限定されることはなく、事象が発生したことを示す画像とともに、その事象の発生日時を示す画像が表示される構成としてもよい。また、報知解除条件が満たされていないエリアが複数ある場合には、各エリアに記憶されている監視対象の事象を示す画像と、その事象の発生日時を示す画像との組み合わせを、エリア毎に順次切り換え表示する構成としてもよい。
続くステップS1106では、副側RAM982の各種フラグ格納エリア988における主側異常報知フラグ格納エリア(主側異常報知情報記憶手段)に主側異常報知フラグ(主側異常報知情報)を格納する。当該主側異常報知フラグによって副側MPU805において主側異常報知中であるか否かを特定することができる。続くステップS1107では、主側異常報知中であることを監視側MPU811に認識させるための情報である報知制限開始コマンドを当該監視側MPU811に送信する。報知制限開始コマンドを受信することで監視側MPU811にて実行される処理内容は既に説明したとおりである。その後、本設定用処理を終了する。
通常処理(図54)の説明に戻り、ステップS1002にて通常時の異常報知設定用処理を実行した後は、ステップS1003にて、応答待機中又は報知待機中であるか否かを判定する。報知待機中であるか否かの判定は、副側RAM982に上記報知待機フラグが格納されているか否かを判定することにより行う。一方、応答待機中であるか否かの判定は、副側RAM982の各種フラグ格納エリア988における応答待機中フラグ格納エリア(応答待機中情報記憶手段)に応答待機中フラグ(応答待機中情報)が格納されているか否かを判定することにより行う。応答待機中フラグは、副側MPU805から監視側MPU811に要求コマンドを送信したのに対して、監視側MPU811からの応答のコマンドを待っている状況である場合に格納され、当該待っている状況が解除された場合に消去されるフラグである。
応答待機中又は報知待機中のいずれかである場合には、ステップS1005に進む。一方、応答待機中及び報知待機中のいずれでもない場合には、ステップS1004にて電源立ち上げ直後であるか否かを判定する。具体的には、副側RAM982の各種フラグ格納エリア988における立ち上げフラグ格納エリア(立ち上げ情報記憶手段)に立ち上げフラグ(立ち上げ情報)が格納されているか否かを判定する。立ち上げフラグは、副側MPU805への動作電力の供給が開始された場合に格納され、副側MPU805から監視側MPU811に要求コマンドを送信した場合に消去されるフラグである。電源立ち上げ直後である場合にはステップS1005に進み、電源立ち上げ直後でない場合にはステップS1005を実行することなくステップS1006に進む。ステップS1005では、立ち上げ時の異常報知設定用処理を実行する。
<副側MPU805の立ち上げ時の異常報知設定用処理>
ここで、立ち上げ時の異常報知設定用処理について、図56のフローチャートを参照しながら説明する。
立ち上げ時の異常報知設定用処理では、先ずステップS1201にて、副側RAM982に報知待機フラグが格納されているか否かを判定することで、報知待機中であるか否かを判定する。報知待機中でない場合には、ステップS1202にて、副側RAM982に応答待機フラグが格納されているか否かを判定することで、応答待機中であるか否かを判定する。応答待機中でない場合には、ステップS1203にて要求コマンドを監視側MPU811に送信するとともに、ステップS1204にて副側RAM982から立ち上げフラグを消去する。
ステップS1204の処理を実行した後、又は応答待機中でありステップS1202にて肯定判定をした場合には、ステップS1205に進む。ステップS1205では、上記要求コマンドの送信に対する監視側MPU811からの応答があったか否かを判定する。具体的には、入出力ポートの入力側における監視側MPU811から入力している情報に基づいて、報知有りコマンド又は報知無しコマンドのいずれかを受信しているか否かを判定する。
監視側MPU811からの応答がない場合には、ステップS1206にて、副側RAM982に応答待機フラグを格納し、ステップS1207にて、上記ステップS1203において要求コマンドを送信したタイミングから応答限度時間(具体的には、1sec)を経過したか否かを判定する。なお、応答限度時間が経過した否かの判定は、副側RAM982の計測用カウンタエリア987を用いて行われ、当該計測用カウンタエリア987は、応答待機フラグが格納されている状況において通常処理が新たに起動される度に1更新される。
応答限度時間を経過していない場合には、そのまま本設定用処理を終了する。応答限度時間を経過している場合には、ステップS1208にて、副側RAM982から応答待機フラグを消去するとともに、ステップS1209にて、副側RAM982の各種フラグ格納エリア988における通信異常報知フラグ格納エリア(通信異常報知情報記憶手段)に通信異常報知フラグ(通信異常報知情報)を格納する。当該通信異常報知フラグによって、副側MPU805において監視側MPU811との間での通信が正常に行えない状況であるか否かが特定される。
監視側MPU811からの応答があった場合には、ステップS1210にて副側RAM982から応答待機フラグを消去する。続くステップS1211では、監視側MPU811から受信した応答のコマンドが報知有りコマンドであるか否かを判定する。報知有りコマンドではなく、報知無しコマンドである場合には、報知用監視期間中に監視側MPU811にて異常が特定されなかったことを意味するため、そのまま本設定用処理を終了する。
報知有りコマンドである場合には、ステップS1212にて、異常内容の特定処理を実行する。異常内容の特定処理では、報知有りコマンドに含まれる異常内容の情報から、何についての報知を今回開始するかを特定する。かかる異常内容は、既に説明した監視対象の事象のいずれかであり、ここで特定された情報は、副側RAM982の監視側報知情報記憶エリア986に格納される(記憶される又は更新される)。また、ステップS1212では、副側RAM982の各種フラグ格納エリア988における監視側異常報知フラグ格納エリア(監視側異常報知情報記憶手段)に監視側異常報知フラグ(監視側異常報知情報)を格納する。当該監視側異常報知フラグによって、副側MPU805において監視側異常報知を実行すべきであるか否かが特定される。
続くステップS1213では、副側RAM982に主側異常報知フラグが格納されているか否かを判定することで、主側異常報知中であるか否かを判定する。主側異常報知中でない場合には、ステップS1214に進み、副側RAM982に報知待機フラグが格納されている場合には、それを消去する。続くステップS1215では、監視側異常報知を開始するための処理を実行する。この開始に際しては、副側RAM982の監視側報知情報記憶エリア986に記憶されている情報に基づいて報知内容を特定し、その特定した内容の報知が中央ランプ部26,スピーカ部82,83及び液晶表示装置410にて実行されるようにこれら各機器を制御する。なお、既に、主側異常報知以外の報知や演出が実行されている場合であっても、それを中断し、監視側異常報知を開始する。
主側異常報知中である場合には、監視側異常報知を開始することなく、ステップS1216に進む。ステップS1216では、副側RAM982に報知待機フラグが格納されていない場合には、当該報知待機フラグを格納する。その後、本設定用処理を終了する。
一方、ステップS1201にて、報知待機フラグが格納されていると判定した場合には、ステップS1213に進む。そして、上述したステップS1213〜ステップS1216の処理を実行した後に、本設定用処理を終了する。
通常処理(図54)の説明に戻り、ステップS1005にて立ち上げ時の異常報知設定用処理を実行した後、又はステップS1003及びステップS1004の両方にて否定判定をした場合には、ステップS1006に進む。ステップS1006では、主側異常報知中又は監視側異常報知中のいずれかであるか否かを判定する。主側異常報知中又は監視側異常報知中である場合には、ステップS1007の処理を実行することなくステップS1010に進む。
主側異常報知中及び監視側異常報知中のいずれでもない場合には、ステップS1007にて、通信異常報知設定用処理を実行する。通信異常報知設定用処理では、副側RAM982に通信異常報知フラグが格納されているか否かを判定し、通信異常報知フラグが格納されている場合には通信異常報知を開始するための処理を実行する。この場合、通信異常に対応した内容の報知が中央ランプ部26,スピーカ部82,83及び液晶表示装置410にて実行されるようにこれら各機器を制御する。なお、既に、主側異常報知及び監視側異常報知以外の報知や演出が実行されている場合であっても、それを中断し、通信異常報知を開始する。
ステップS1007の処理を実行した後は、ステップS1008にて、主側異常報知中、監視側異常報知中又は通信異常報知中のいずれかであるか否かを判定する。主側異常報知中、監視側異常報知中又は通信異常報知中である場合には、ステップの処理を実行することなく、ステップS1010に進む。
主側異常報知中、監視側異常報知中及び通信異常報知中のいずれでもない場合には、ステップS1009にて、消去報知設定用処理を実行する。消去報知設定用処理では、監視側MPU811から消去報知開始用コマンドを受信しているか否かを判定し、当該コマンドを受信している場合には、副側RAM982の各種フラグ格納エリア988における消去報知フラグ格納エリア(消去報知情報記憶手段)に消去報知フラグ(消去報知情報)を格納するとともに、当該消去報知フラグが格納されている場合には、RTC993の日時の設定を促す消去報知を開始するための処理を実行する。この場合、RTC993の日時の設定を促す内容の報知が中央ランプ部26,スピーカ部82,83及び液晶表示装置410にて実行されるようにこれら各機器を制御する。なお、既に演出が実行されている場合であっても、それを中断し、消去報知を開始する。
ステップS1009の処理を実行した後は、ステップS1010にて報知解除用処理を実行した後に、本通常処理を終了する。
<副側MPU805の報知解除用処理>
ここで、報知解除用処理について、図57のフローチャートを参照しながら説明する。
報知解除用処理では、先ずステップS1301にて、主側MPU621から主側報知解除コマンドを受信しているか否かを判定する。当該コマンドを受信している場合には、ステップS1302にて、主側異常報知の解除用処理を実行する。具体的には、副側RAM982に格納されている主側異常報知フラグを消去するとともに、実行されている主側異常報知を終了させる。続くステップS1303では、監視側MPU811に向けて、主側異常報知が解除されたことを示す報知制限終了コマンドを送信する。その後、本解除用処理を終了する。
主側報知解除コマンドを受信しておらずステップS1301にて否定判定をした場合には、ステップS1304にて、監視側MPU811から監視側報知解除コマンドを受信しているか否かを判定する。当該コマンドを受信している場合には、ステップS1305にて、監視側異常報知の解除用処理を実行する。具体的には、副側RAM982に格納されている監視側異常報知フラグを消去するとともに、実行されている監視側異常報知を終了させる。その後、本解除用処理を終了する。
監視側報知解除コマンドを受信しておらずステップS1304にて否定判定をした場合には、ステップS1306にて、主側MPU621から通信異常解除コマンドを受信しているか否かを判定する。当該通信異常解除コマンドは、通信異常の解除操作、具体的には、リセットスイッチ625の手動操作が行われたことに基づいて、主側MPU621から副側MPU805に向けて送信される。当該コマンドを受信している場合には、ステップS1307にて、通信異常報知の解除用処理を実行する。具体的には、副側RAM982に格納されている通信異常報知フラグを消去するとともに、通信異常報知が実行されている場合にはそれを終了させる。その後、本解除用処理を終了する。
通信異常解除コマンドを受信しておらずステップS1306にて否定判定をした場合には、ステップS1308にて、その他解除用処理を実行する。その他解除用処理では、監視側MPU811から消去報知終了用コマンドを受信しているか否かを判定し、当該コマンドを受信している場合には、副側RAM982に格納されている消去報知フラグを消去するとともに、消去報知が実行されている場合にはそれを終了させる。その後、本解除用処理を終了する。
<監視側MPU811にて特定された異常に対する報知の様子>
次に、報知用監視期間において監視側MPU811にて特定された異常に対する報知の様子について、その例を図58のタイムチャートを参照しながら説明する。
先ず、主側MPU621にて異常が特定されずに、さらに再報知期間(例えば、3時間)が経過する前に監視側異常報知の解除操作が行われる図58(a)の期間について説明する。
報知用監視期間(例えば、スロットマシン10の電源OFF中の夜間)において、t1のタイミングで監視対象の事象が発生することにより、監視側RAM992に報知条件成立フラグが格納される。その後、t2のタイミングで、上記監視対象の事象の発生に対する再報知期間が経過するとともに、t3のタイミングで、報知用監視期間が終了したとする。
その後、t4のタイミングで、電源が立ち上げられ、スロットマシン10自身への動作電力の供給が開始される。この場合、監視側RAM992に報知条件成立フラグが格納されているため、まず、副側MPU805による監視側異常報知として液晶表示装置410の表示画面410aにて異常報知が開始される。
その後、t5のタイミングで、監視側異常報知の解除操作として、前記設定スイッチ809が手動操作されることにより、副側MPU805による監視側異常報知が終了されるとともに、既に再報知期間が経過しているため、監視側RAM992から報知条件成立フラグが消去される。
次に、主側MPU621にて異常が特定されるとともに、再報知期間が経過する前に監視側異常報知の解除操作が行われない図58(b)の期間について説明する。
報知用監視期間において、t6のタイミングで監視対象の事象が発生することにより、監視側RAM992に報知条件成立フラグが格納され、その後、t7のタイミングで、上記監視対象の事象の発生に対する再報知期間が経過するとともに、t8のタイミングで、報知用監視期間が終了したとする。
その後、t9のタイミングで、電源が立ち上げられ、スロットマシン10自身への動作電力の供給が開始される。上記図58(a)の場合と異なり、今回は電源が立ち上げられた直後に主側MPU621にて異常の発生が特定されている。したがって、副側MPU805では主側異常報知が優先され、監視側異常報知の実行が待機される(保留される)。
その後、主側異常報知が実行されている状況であるt10のタイミングで、監視側異常報知の解除操作として、リセットスイッチ625が手動操作される。既に説明したとおり、主側異常報知が実行されていて監視側異常報知が待機されている状況では監視側異常報知の解除操作が行われても、それは無効化される。したがって、t10のタイミングでは、報知条件成立フラグが消去されることはなく、さらに副側MPU805による異常報知は継続される。
その後、t11のタイミングで、主側異常報知が終了されることで、副側MPU805では監視側異常報知を開始する。その後、t12のタイミングで、監視側異常報知の解除操作が行われることにより、副側MPU805による監視側異常報知が終了されるとともに、既に再報知期間が経過しているため、監視側RAM992から報知条件成立フラグが消去される。
次に、主側MPU621にて異常が特定されずれに、さらに再報知期間が経過する前に監視側異常報知の解除操作が行われる図58(c)の期間について説明する。
報知用監視期間において、t13のタイミングで監視対象の事象が発生することにより、監視側RAM992に報知条件成立フラグが格納される。その後、t14のタイミングで、電源が立ち上げられ、スロットマシン10自身への動作電力の供給が開始される。この場合、監視側RAM992に報知条件成立フラグが格納されているため、副側MPU805による監視側異常報知が開始される。
因みに、当該タイミングは報知用監視期間であり、さらに電源がON操作されることは監視対象の事象として設定されているため、当該事象の履歴は監視側RAM992の報知用監視履歴記憶エリア1002に格納される。そして、報知用監視期間にて発生した事象について、再報知が行なわれないようにするためには、最新事象(上記電源ON)から再報知期間が経過した後に解除操作を行う必要がある。
その後、t15のタイミングで、監視側異常報知の解除操作がされることにより、副側MPU805による監視側異常報知が終了される。但し、当該タイミングにおいては未だ再報知期間が経過していないため、監視側RAM992から報知条件成立フラグは消去されない。このように、再報知期間が経過していない状況で解除操作がされる場合としては、上記監視対象の事象を発生させた不正行為者が、当該事象に対する異常報知を遊技ホールの管理者に確認させないようにするために、予め解除操作を行おうとする場合が考えられる。
その後、t16のタイミングで、不正行為者によってスロットマシン10の電源が立ち下げられたとする。また、t17のタイミングで、上記監視対象の事象の発生に対する再報知期間が経過するとともに、t18のタイミングで、報知用監視期間が終了したとする。
その後、t19のタイミングで、遊技ホールの管理者によって正規に電源が立ち上げられ、スロットマシン10自身への動作電力の供給が開始される。この場合、監視側RAM992に報知条件成立フラグが格納されているため、副側MPU805による監視側異常報知が開始される。かかる異常報知は、少なくとも上記t13のタイミングで発生した監視対象の事象についてなされるものであるため、上記t13のタイミングで発生した監視対象の事象について、今回の報知は再報知に該当する。
その後、t20のタイミングで、監視側異常報知の解除操作がなされることにより、副側MPU805による監視側異常報知が終了されるとともに、監視側RAM992から報知条件成立フラグが消去される。
以上詳述した実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
スロットマシンにおいて機種毎に固有となる構成(例えばリール装置550や主制御装置610)を面替えユニット300としてまとめ、この面替えユニット300を入れ替えることにより、機種変更を行うことができる構成とした。これにより、例えば電源ボックス170やホッパ装置180等を機種間で流用することが可能となっている。つまり、機種変更の際の設計変更箇所を減らし、また交換部品の点数も減らすことができ、経済性の向上と資源の有効活用が図られている。
面替えユニット300を仕切り板251に載せた状態で筐体11の奥側に押し込むことにより、同面替えユニット300を装着する構成とした。これにより、面替えユニット300を抱えたまま筐体11の奥側に押し込む必要が無くなり、作業性の向上が図られている。また、面替えユニット300を装着する際の作業スペースを、筐体11と内側筐体310との間に設ける必要がなくなり、筐体11の内部空間を好適に利用可能となっている。本実施の形態においては特に、そのような作業スペースを排除することによって、面替えユニット300の大型化と、筐体11及び内側筐体310との隙間に形成される空間の削減が図られている。このように面替えユニット300を大型化することで、遊技演出等の迫力の向上や、不正の対象となりやすいデッドスペースの減縮に貢献している。
外部集中端子板900を、筐体11に形成されたハーネス用貫通孔938よりも下側に配置した。島設備側から筐体11内に挿入されたハーネスH3は自身の先端部に装着されたホール側コネクタC1の重み等によって垂れ下がることとなる。つまり、ホール側コネクタC1が外部集中端子板900側に移動することとなる。このように、ホール側コネクタC1が外部集中端子板900に近づくことにより、第1コネクタ901及びホール側コネクタC1の接続作業時に同ホール側コネクタC1を捕まえやすくすることができる。
ホール側コネクタC1に対応して設けられた第1コネクタ901は、被挿入口903がハーネス用貫通孔938側を向くように形成されている。詳しくは、第1コネクタ901は、その接続方向が外部集中端子板900の板面900aに対して平行となるように形成されている。このため、ホール側コネクタC1と第1コネクタ901とを接続した状態におけるハーネスH3の折れ曲がりを抑制することができ実用上好ましい構成を実現している。具体的にはハーネスH3が面替えユニット300側に膨らむ(撓む)ことを抑制している。仮に、第1コネクタ901が第2コネクタ902と同様に外部集中端子板900の板面に対して直角に起立するように形成されている場合には、その接続方向が面替えユニット300側から側板11e側に向くこととなる。このため、ハーネスH3は面替えユニット300側に膨らみやすくなる。これは、面替えユニット300を着脱する際に、同面替えユニット300とハーネスH3との引っ掛かりを発生させる要因となり得るため好ましくない。この点、本実施の形態においては、ハーネスH3の面替えユニット300側への撓みを抑制することができ、そのような引っ掛かりを生じにくくすることが可能となっている。
また、第1コネクタ901が第2コネクタ902よりもハーネス用貫通孔938側に偏倚して配置されているため、ハーネスH3の全長を比較的短くすることが可能となっている。このように、ハーネスH3において筐体11内に収容される部分の長さを短くすることにより、上述したような面替えユニット300とハーネスH3との引っ掛かり等を一層生じにくくすることができる。
なお、第2コネクタ902をその接続方向が外部集中端子板900の板面900aに対して直交する構成としたことにより、第2コネクタ902の被挿入口904の視認性及びアクセスのしやすさが担保されている。第2コネクタ902を第1コネクタ901同様、接続の対象となる副側中継基板855側に被挿入口904が向くように形成することも可能であるが、このような変更を行った場合には、外部集中端子板900を傾けることにより、被挿入口904に対するアクセスが極端に難しくなると想定される。故に、本実施の形態に示すように、第2コネクタ902をその接続方向が外部集中端子板900の板面900aに対して直交する構成とすることが好ましい。
スロットマシン10は、島設備に配置される際に左右に並設されるのが一般的である。かかる場合、筐体11の側板11d,11eへのアクセスは、両隣に配置されたスロットマシンによって妨げられやすくなると想定される。この点、本実施の形態においてはハーネス用貫通孔938を筐体11の背板11cに形成することにより、ハーネスH3の挿入作業を行いやすくしている。
外部集中端子板900を保持するホルダ部材920にハーネス用貫通孔938に連なる案内部935(詳しくは通路部936)を設けた。ハーネス用貫通孔938から筐体11内に挿入されたハーネスH3、すなわちホール側コネクタC1は、外部集中端子板900の上方に至るまでその自重落下が規制される。つまり、作業者はハーネスH3の自重落下の感触をハーネスH3を介して把握することが可能なっており、これにより、ハーネスH3が無駄に長く挿入されるといった不都合を生じにくくしている。
第1コネクタ901を、その接続方向が外部集中端子板900の板面900aと平行となるように形成した。より詳しくは、被挿入口903が第2コネクタ902と反対側を向くように形成し、第1コネクタ901が第2コネクタ902よりも側板11eから離れるように外部集中端子板900を傾けて配置した。つまり、第1コネクタ901の被挿入口903を筐体11の内側、すなわち面替えユニット300の内方に向けて傾いた状態となっている。このように、被挿入口903を面替えユニット300の内側に向けることによって、第1コネクタ901とホール側コネクタC1との接続作業を容易化している。
第2コネクタ902は、外部集中端子板900の板面900aに対して直角に起立しており、板面900aからの突出量は第1コネクタ901よりも大きくなっている。このように板面900aからの突出量が大きい第2コネクタ902側を基端側として、外部集中端子板900を傾けることにより、外部集中端子板900の側板11eからの突出量の増加を抑えつつ、第1コネクタ901を内側に向けることが可能となっている。これにより、第1コネクタ901とホール側コネクタC1との接続作業を容易化しつつ、面替えユニット300の容量確保を可能としている。詳しくは、面替えユニット300は上述の如く筐体11に対して着脱可能に設けられている。面替えユニット300は、外部集中端子板900との干渉を回避するように形成されている。つまり、面替えユニット300には自身の移動を担保するために、外部集中端子板900との間に所定の動作スペースが生じるように形成されている。このような動作スペースが大きくなると、筐体11と面替えユニット300との間にデッドスペースが生じやすくなる。デッドスペースは不正基板等の設置対象として狙われやすく、仮にそのような不正基板が設置された場合には、その発見が難しくなりやすい。故にこのようなデッドスペースが拡がることは防犯面から見て好ましくない。
この点、上述の如くコネクタ901,C1の接続作業を容易化しつつ、側板11eからの外部集中端子板900の突出量の増加を抑えることにより、防犯性の低下を好適に抑制することができる。例えば、外部集中端子板900を側板11eに対して平行となるようにオフセットして配置し、同外部集中端子板900の側板11eからのオフセット量を増加させることにより、第1コネクタ901とホール側コネクタC1との接続作業の容易化を図ることができる。但し、このような変更を行った場合には、側板11eからの外部集中端子板900の突出量が増加し、面替えユニット300と側板11eとの間に生じるデッドスペースが大きくなると想定される。故に、本実施の形態に示したように、外部集中端子板900を傾けて配置する構成とすることが好ましい。
面替えユニット300の上側開口347は、第1コネクタ901及びホール側コネクタC1の装着軌道の延長領域EE1との干渉を回避するように形成されている。このため、面替えユニット300を筐体11に装着した状態にて、第1コネクタ901及びホール側コネクタC1の接続作業を行うことが可能となっている。第1コネクタ901に対してホール側コネクタC1が接続された状態においては、筐体11の側板11eからの突出量がホール側コネクタC1によって増加することとなる。面替えユニット300を装着した後、コネクタ901,C1の接続作業を行うことができない構成であった場合には、面替えユニット300が、第1コネクタ901のみならずホール側コネクタC1及びハーネスH3との干渉を回避可能となるように、面替えユニット300の動作隙を設定する必要が生じる。これは、面替えユニット300の小型化を招来する要因となるため好ましくない。この点、上述したように面替えユニット300を装着した状態でのコネクタ901,C1の接続作業が可能であれば、面替えユニット300の動作隙を形成する際に、ホール側コネクタC1やハーネスH3の突出分を見込む必要がなくなる。これにより、面替えユニット300の大型化に貢献することができ、前記デッドスペースの減縮に貢献できる。なお、第2コネクタ902及び遊技機側コネクタC2についても同様の効果が期待できる。
この遊技機側コネクタC2及びハーネスH4については特に、第2コネクタ902に隣接して形成されたクランプ部945によって保持される構成とした。このクランプ部945は、面替えユニット300の上側開口347を介して露出する位置に配置されているため、面替えユニット300を装着した状態においても、遊技機側コネクタC2及びハーネスH4に対して容易にアクセスすることができ、コネクタ902,C2の接続作業が難しくなることを回避している。
また、外部集中端子板900を側板11に配置したことにより、防犯性の向上に貢献している。具体的には、上側開口347を介してデッドスペースへのアクセスが可能ではあるが、このデッドスペースの視認性が担保されやすくなっている。つまり、面替えユニット300に設けられたリール装置550,主制御装置610及び副制御装置800等によって遮蔽されにくくなっているため、仮に不正基板等が設置された場合であっても、それら不正基板等を容易に発見可能となっている。本実実施の形態においては特に、内側筐体310を透明な樹脂材料によって形成している。このため、面替えユニット300の側板部310eと筐体11の側板11eとの境界のみならず、内側筐体310の側板部310eを介しての視認性も担保されている。
外部集中端子板900の一端(上側の端部)が他端(下側の端部)よりも筐体11の内側となるように同外部集中端子板900を傾けて配置し、下側の端部に第2コネクタ902を配置した。これにより、外部集中端子板900を傾けることに起因する第2コネクタ902の突出量の増加を好適に抑えることが可能となっている。
外部集中端子板900を長方形状に形成し、その一方の長辺(上側の端部)が他方の長辺(下側の端部)よりも筐体11の内側となるように同外部集中端子板900を傾けて配置した。外部集中端子板900の各短辺を「一端」及び「他端」とした場合と比較して、外部集中端子板900の出っ張りを抑えつつ、同外部集中端子板900を傾けやすくすることができる。
第2コネクタ902の接続端子の配列方向を、外部集中端子板900の長辺と同一方向となるように構成した。これにより、第2コネクタ902における外部集中端子板900の短手方向の長さ寸法が大きくなることを抑制している。これにより、外部集中端子板900を傾けることに起因する第2コネクタ902の突出量の増加を好適に抑えることが可能となっている。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合せて適用してもよい。
(1)上記実施の形態では、「基板」としての外部集中端子板900を筐体11の右側板11eに配置したが、これに限定されるものではない。外部集中端子板900は、筐体11の内部に設けられていればよく、例えば左側板11dに配置されてもよいし、天板11aや背板11cに配置してもよい。但し、外部集中端子板900を天板11aに配置した場合には、熱による影響を受けやすくなると想定される。詳しくは、熱を帯びた空気がスロットマシン10内を上昇することにより、天板11a付近に集りやすくなると想定される。このような熱による影響を抑えるには、天板11a以外の部位に配置することが好ましい。また、外部集中端子板900を筐体11の背板11cに配置した場合には、外部集中端子板900にアクセスするための開口を内側筐体310の背板部310cに形成する必要が生じる。仮にこの開口を介して、筐体11の背板11cと内側筐体310の背板部310cとの間に不正基板等が設置された場合には、その発見がリール装置550等の各種構成によって妨げられやすくなると想定される。以上の理由から、望ましくは外部集中端子板900を筐体11の側板11d,11eに配置するとよい。
(2)上記実施の形態では、第1コネクタ901が第2コネクタ902よりも筐体11のハーネス用貫通孔938に対して近くなるように外部集中端子板900を配置したが、第2コネクタ902が第2コネクタ901よりも筐体11のハーネス用貫通孔938に近くなるように配置することも可能である。但し、このような変更を行った場合には、島設備から延びるハーネスH3において筐体11内に収容される部分が長くなりやすくなる。このように、筐体11内に収容される部分が長くなることは、ハーネスH3と面替えユニット300との引っ掛かり等を招来する要因となり得るため好ましくない。故に、望ましくは、第1コネクタ901が第2コネクタ902よりも筐体11のハーネス用貫通孔938に近くなるように、又はハーネス用貫通孔938と第1コネクタ901及び第2コネクタ902との距離が同等となるように外部集中端子板900を配置するとよい。
(3)上記実施の形態では、筐体11のハーネス用貫通孔938よりも下側に外部集中端子板900を配置したが、これに限定されるものではない。例えば、ハーネス用貫通孔938よりも上側に配置することも可能であるし、ハーネス用貫通孔938の側方に配置することも可能である。但し、筐体11の裏側(島設備側)から、ハーネスH3を挿入した場合には、ハーネスH3はホール側コネクタC1の重み等によって垂れ下がりやすくなると想定される。故に、望ましくは、ホール側コネクタC1が向かう先、すなわちハーネス用貫通孔938よりも下側に第1コネクタ901を配置する構成とすることが好ましい。これにより、ハーネスH3の曲がりを抑制しやすくできるとともに、コネクタの接続作業を容易なものとすることができる。
(4)上記実施の形態では、外部集中端子板900の上部が下部よりも筐体11の内側に偏倚するように同外部集中端子板900を傾けて配置したが、これに限定されるものではない。例えば図59(a)に示すように、第1コネクタ1051が第2コネクタ1052よりも手前側となるように、外部集中端子板1060を設ける場合には、外部集中端子板1060の前端部が後端部よりも筐体11の内側に偏倚するように同外部集中端子板1060を傾けて配置してもよい。すなわち、外部集中端子板1060において第1コネクタ1051が装着されている部分と右側板11eとの距離寸法X1が、第2コネクタ1052が装着されている部分と右側板11eとの距離寸法X2よりも大きくなるように外部集中端子板1060を傾けて配置するとよい。
なお、第1コネクタ1051の挿入口をスロットマシン10の手前側を向くよう配置することで、コネクタの接続作業の容易化を促進することができる。
(5)上記実施の形態では、面替えユニット300(詳しくは右側板部310e)の上側開口347が第1コネクタ901に対するホール側コネクタC1の装着軌道の延長領域EEとの干渉を回避するように形成したがこれを以下のように変更してもよい。すなわち、上側開口347は少なくとも自身を介してコネクタ同士の接続作業を行うことが可能であれば足り、少なくともホール側コネクタC1の装着軌道との干渉を回避するように形成されていればよい。
(6)上記実施の形態では、第1コネクタ901に対してホール側コネクタC1を接続し、第2コネクタ902に対して遊技機側コネクタC2を装着する構成としたが、これを入れ替えることも可能である。すなわち、第1コネクタ901に対して遊技機側コネクタC2を接続し、第2コネクタ902に対してホール側コネクタC1を装着する構成とすることも可能である。
(7)上記実施の形態では、主側中継基板856を介して主制御装置610及び副制御装置800と外部集中端子板900とを接続する構成としたが、これに限定されるものではない。主側中継基板856に代えて、副側中継基板855や中継基板841を介して主制御装置610及び副制御装置800と外部集中端子板900とを接続する構成としてもよいし、主制御装置610及び副制御装置800と外部集中端子板900とを直接接続する構成としてもよい。但し、上記実施の形態に示すように主制御装置610が移動可能な状態で保持されている構成においては、主制御装置610と外部集中端子板900とを直接繋ぐことにより、ハーネスに対して主制御装置610の移動を許容する余裕代を設定する必要が生じる。このような、余裕代の増加はハーネスの撓みを増加させる要因となり、同ハーネスに対する不正行為の容易化を招くおそれがあるため好ましくない。また、面替えユニット300から延びるハーネスを外部集中端子板900に接続する構成とした場合においては特に、接続を解除することなく面替えユニット300を移動させると、ハーネスに負荷が加わり断線等の不都合を生じやすくなると想定される。故に、望ましくは本実施の形態に示すように、筐体11に設けられた中継基板856と外部集中端子板900とを接続する構成とするとよい。
(8)上記実施の形態では、外部集中端子板900の板面900aと面替えユニット300の装着方向とが平行となるように外部集中端子板900を配置する構成としたが、これに限定されるものではない。外部集中端子板900の板面900aと面替えユニット300の装着方向とが交差するように外部集中端子板900を配置する構成としてもよい。
(9)上記実施の形態では、ハーネス用貫通孔938を筐体11の背板11cに形成したが、これを変更し、筐体11の天板11aや側板11d,11eに形成することも可能である。但し、島設備に設置されたスロットマシン10は、他のスロットマシンと並設されるのが一般的であり、このように島設備に配置された状態にてハーネスH3の挿通作業を行うことを考慮すれば、ハーネス用貫通孔は側板11d,11eに設けるよりも天板11aや背板11cに形成するほうが好ましいと考えられる。
(10)上記実施の形態では、面替えユニット300の面替えコネクタ881,882及び筐体11の筐体コネクタ851,852が面替えユニット300の押し込み操作に基づいて接続されることにより、主制御装置610及び副制御装置800と中継基板855,856とが接続される構成とした。これを変更し、面替えユニット300を装着した後、主制御装置610及び副制御装置800と中継基板とを別途接続する構成としてもよい。このように、面替えユニット300を装着した後接続作業を行う構成とする場合には、上記実施の形態に示した外部集中端子板900と同様の構成を中継基板に対して適用することにより実用上好ましい構成を実現できる。すなわち、中継基板に筐体用のコネクタと面替えユニット用のコネクタを配し、いずれか一方のコネクタの接続方向を基板と平行とするとともに、他方のコネクタの接続方向を基板の向き(板面の向き)と同一となるように構成する。そして、前者のコネクタが後者のコネクタよりも筐体11の内側に位置するように中継基板を傾けて配置することにより、作業性の向上と配置スペースの減縮とを両立することが可能となる。
(11)上記実施の形態では、外部集中端子板900を保持するホルダ部材920を有する構成としたが、ホルダ部材920に代えてスペーサ部材を有する構成とすることも可能である。以下、図59(b)に基づきその具体例について説明する。
外部集中端子板1100は、高さの異なる複数のスペーサ部材1101,1102を介して筐体11の側板11eに装着されている。詳しくは、ネジ1105,1106によって固定されている。スペーサ部材1101,1102は筒状をなしており、その内部空間によってネジ1105,1106の挿通孔部1101a,1102aが構成されている。外部集中端子板1100にはそれら挿通孔部1101a,1102aに連通する連通孔1108,1109が形成されており、側板11eにはスペーサ部材1101,1102の挿通孔部1101a,1102aに連通するネジ孔1111,1112が形成されている。上述したネジ1105,1106が連通孔1108,1109及び挿通孔部1101a,1102aに挿通された状態で、側板11eのネジ孔1111,1112に螺着されることにより、外部集中端子板1100が固定されている。
上述した各スペーサ部材1101,1102の高さ寸法を相違させることにより、側板11eに対して外部集中端子板1100を傾けて配置させる構成を容易に実現することができる。
(12)上記実施の形態では、面替えユニット300を搭載する場合にホール側コネクタC1及び遊技機側コネクタC2との干渉を回避するように、内側筐体310(詳しくは右側板部310e)を形成した。これにより、各コネクタC1,C2を外部集中端子板900に接続した状態においても、面替えユニット300の着脱を可能とした。これを以下のように変更してもよい。すなわち、図60(変形例を示す概略図)に示すように内側筐体310(詳しくは右側板部310e)を第1コネクタ901及び第2コネクタ902との干渉を回避するように形成し、ホール側コネクタC1及び遊技機側コネクタC2(詳しくはハーネスH3,H4)との干渉を許容する構成としてもよい。すなわち、面替えユニット300を装着した状態においてホール側コネクタC1及び遊技機側コネクタC2の接続作業を行う構成としてもよい。これにより、コネクタC1,C2を装着した状態では、面替えユニット300の着脱が不可となるものの、コネクタC1,C2との干渉を回避するための逃げ(凹み)が不要となり、面替えユニット300の大型化を促進できる。面替えユニット300の大型化により、リール装置550等の遊技性に関連する構成の設計自由度を高めることが可能となる。更には、筐体11と内側筐体310との間に生じるデッドスペースを減縮することができる。このようにデッドスペースを減縮することで、デッドスペースを利用した不正行為、例えば不正基板の設置等を好適によくせいすることができる。
(13)上記実施の形態では、外部集中端子板900の各長辺に第1コネクタ901及び第2コネクタ902を配置したが、これを変更し、外部集中端子板900の各短辺に第1コネクタ901及び第2コネクタ902を配置することも可能である。このような変更を行う場合には、併せて以下の変更を行うとよい。すなわち、外部集中端子板900の短手方向が上下方向と同一となるように配置し、同外部集中端子板900の下側の短辺よりも上側の短辺が筐体11の内側に位置するように同外部集中端子板900を傾けるとよい。
(14)上記実施の形態では、外部集中端子板900における「一端」としての下側の端部に第2コネクタ902を配置し、「他端」としての上側の端部に第1コネクタ901を配置したが、これに限定されるものではない。少なくとも、第1コネクタ901が第2コネクタ902に対して上側の端部寄りとなるように配置されていればよく。各コネクタ901,902をまとめて上側に端部に偏倚して配置することも可能であるし、下側の端部に偏倚して配置することも可能である。
(15)上記実施の形態では、外部集中端子板900を長方形状(矩形状)としたが、これを変更し、外部集中端子板900を正方形状とすることも可能である。
(16)上記実施の形態では、第1コネクタ901の接続端子を外部集中端子板900の長辺と同一方向に並設したが、接続端子を外部集中端子板900の短辺と同一方向に並設される構成とすることも可能である。同様に第2コネクタ902の接続端子を外部集中端子板900の長辺と同一方向に並設したが、接続端子を外部集中端子板900の短辺と同一方向に並設することも可能である。
(17)上記実施の形態では、ホルダ部材920にハーネスH4を保持するクランプ部945を一体成形したが、これを変更し、ホルダ部材920とは別体でクランプを設けてもよい。
(18)上記実施の形態では、クランプ部945によってハーネスH4が保持され、そのハーネスH4及び遊技機側コネクタC2が内側筐体310の上側開口347を介して面替えユニット300の内部に露出する構成とした。つまり、クランプ部945そのものではなく、そのクランプ部945によって保持された構成が上側開口347を介して露出する構成とした。これを変更し、クランプ部945及び同クランプ部945によって保持された構成の両者が内側筐体301の上側開口347を介して面替えユニット300の内部に露出する構成とすることも可能である。なお、クランプ部945を上側開口347を介して露出させる構成とすれば、同クランプ部945によって保持される構成、すなわちハーネスH4や遊技機側コネクタC2を露出させることは容易であると想定される。
(19)上記実施の形態では、リール装置550を筐状の内側筐体310に搭載する構成としたが、これを変更し、枠状の支持体にリール装置550を搭載する構成としてもよい。また、内側筐体310は合成樹脂製としたが、この材質を変更し、金属製としてもよい。なお以上の構成を組み合せて、金属製で枠状の支持体にリール装置550を搭載してもよいことは言うまでもない。
(20)上記実施の形態では、ホッパ装置180を装着した状態においてホッパ監視スイッチ230が筐体11の背板11c側に露出する構成としたが、これを変更し、ホッパ装置180を装着することにより、ホッパ監視スイッチ230が所定の空間内に隔離される構成としてもよい。すなわち、筐体11の背板11c側からのホッパ監視スイッチ230へのアクセスを許容する構成としたが、ホッパ装置180を装着することによりホッパ監視スイッチ230へのアクセスが不可となる構成としてもよい。
以下、図61及び図62に基づきその具体例について説明する。図61(a)はホッパ監視スイッチ230及びそれに関連する構成を示す斜視図、図61(b)は装着完了位置に配置されたホッパ装置を後方から見た斜視図、図62はホッパ装置とホッパ監視スイッチの関係を示す部分断面図である。なお、図61(a)においては便宜上ホッパ装置を取り外した状態を示しており、図61(b)においては筐体11の内部を視認可能となるように同筐体11を部分的に破断させた状態を示している。
図61(a)に示すように、ホッパ監視スイッチ230の周囲には、当該ホッパ監視スイッチ230を覆うスイッチカバー2050が設けられている。スイッチカバー2050は、ホッパ装置2060の装着方向手前側と下側プレート2080のベース部2081側とに開放された筐状をなしており、その下側の開放部位は同ベース部2081によって塞がれている。より詳細に説明すれば、スイッチカバー2050は、筐体11の左側板11dに対向する左側縦壁部2061と、左側縦壁部2061に対してホッパ監視スイッチ230を挟んで対向する右縦壁部2062と、背板11cに対向するとともにそれら両縦壁部2501,2052を繋ぐ背側縦壁部2063と、ホッパ監視スイッチ230の上方に位置するとともに各縦壁部2061,2062,2063を繋ぐ天壁部2054とからなる。そして、スイッチカバー2050は、それら各縦壁部2061,2062,2063の下端縁がベース部2081に形成されたスリット2082,2083を介して底板11bの上面に当接している。
ホッパ装置2060の払出装置2065(詳しくはハウジング2066)における後側外壁部2067には、上述したスイッチカバー2050を、具体的にはその前側開放部位を含んだ少なくとも一部を収容するカバー収容部2068が形成されている。カバー収容部2068は、ホッパ装置2060の装着方向手前側に窪む凹状をなしており、その底部にはスイッチカバー2050における各縦壁部2051,2052,2054の前端縁と当接するように形成された奥壁2069が形成されている。すなわち、奥壁2069によってスイッチカバー2050に設けられた前方開放部位が塞がれる構成となっている。そして、これらスイッチカバー2050,下側プレート2080,ホッパ装置2060によって、ホッパ監視スイッチ230を格納する閉空間CSが形成されている。
また、カバー収容部2068の奥壁2069には、後方に突出する突出片2070が一体成形されている。突出片2070はベース部2081に対向する平板状をなしており、上記閉空間CSに嵌まる構成となっている。より具体的には、突出片2070はレバー部材231の当接部232に対応して形成されており、当該突出片2070によってレバー部材231が上側から押えられる構成となっている。
更にカバー収容部2068は、スイッチカバー2050の天壁部2054に対向する天壁2071と、同じくスイッチカバー2050の両縦壁部2061,2062にそれぞれ対向する側壁2072,2073とを有している。これら天壁2071及び側壁2072,2073は、スイッチカバー2050の各壁部2051,2052,2054との重なり代R1,R2,R3は、レバー部材231の当接部232と突出片2070とが当接した状態で移動するホッパ装置2060のスライド量S1よりも大きくなるように形成されている。なお、各重なり代R1,R2,R3は、ホッパ装置2060の装着方向と直交する方向から見た場合の重なり代を示し、具体的には天壁部2054と天壁2071との上下方向における重なり代を「重なり代R1」、左縦壁部2061と左側壁2072との左右方向における重なり代を「重なり代R2」右縦壁部2062と右側壁2073との左右方向における重なり代を「重なり代R3」とするものである。
ここで図62(a),(b)に基づき、ホッパ装置2060の着脱作業に伴うホッパ監視スイッチ230及びスイッチカバー2050と、ホッパ装置2060との相対位置の変化について説明する。なお、図62(a)はホッパ装置2060が所定領域外に配置された状態を示し、図62(b)はホッパ装置180が装着完了位置に配置された状態を示している。
ホッパ装置2060をガイドレール153に沿って筐体11の奥側に押し込むと、先ず、スイッチカバー2050の前側開放部位がカバー収容部2068内に嵌まる。更に、ホッパ装置2060が押し込まれることによって、図62(a)に示すように、突出片2070の先端部とレバー部材231の当接部232とが当接した状態となる。
ホッパ装置2060が継続して押し込まれ、所定の装着完了位置に達すると、レバー部材231が突出の抑えられた位置に移動し、ホッパ装置2060が検知されることとなる。
一方、図62(b)に示すようにホッパ装置2060が装着された状態から、ホッパ装置2060を取り外す場合には、ホッパ装置2060の引き出し作業に伴って突出片2070によるレバー部材231の押さえが解除される。つまり突出片2070とレバー部材231とが離れることとなる。図62(a)に示すように、突出片2070とレバー部材231が最大に突出した位置に移動した状態であっても、スイッチカバー2050とカバー収容部2068との上記重なりは担保されることとなる。より詳しくは、少なくともホッパ監視スイッチ230によってホッパ装置2060の移動が検知されるまでは、同ホッパ監視スイッチ230へのアクセスがスイッチカバー2050及びカバー収容部2068によって遮られることとなる。
以上詳述した本変形例においては、ホッパ監視スイッチ230へのアクセス、特にホッパ装置2060の移動が検知される際のホッパ監視スイッチ230へのアクセスを困難なものとすることができる。これにより、ホッパ監視スイッチ230を不正に操作し、同ホッパ監視スイッチ230によるホッパ装置2060の移動検知を回避しつつ、ホッパ装置2060の取り外しが行われるといった不都合を生じにくくすることができる。
また、ホッパ監視スイッチ230をスイッチカバー2050によって覆う構成としたことで、当該ホッパ監視スイッチ230の後方への露出を回避している。ホッパ装置2060の後方(背板11c)に通気孔247を設けられており、仮に当該通気孔247を介して不正具等が挿入された場合であっても、ホッパ監視スイッチ230へのアクセスがスイッチカバー2050によって妨げられることとなる。これにより、ホッパ監視スイッチ230に対する不正を困難なものとしつつ、放熱性の向上を図ることができ、実用上好ましい構成を実現できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
なお、下記の特徴A群に記載された発明は、「遊技機の一種であるスロットマシンには、筐体内部にリール装置,メダル払出装置,各種制御装置,電源装置等が搭載され、筐体の前面側に開閉可能に取り付けられる前面扉にはメダル投入装置,スタートレバー,ストップボタン等が設けられている。遊技に際しては、遊技回毎に、遊技者によりメダル投入(又はベット操作)や始動操作が行われることでリール装置のリールが回転を開始し、当該リールの外周面に付された図柄が表示窓を通じて可変表示される。リールの回転開始後には、遊技者によりストップボタンが押し操作されるか、或いは所定時間が経過することでリールが回転を停止する。そして、リール停止時において表示窓を通じて視認される停止図柄に応じてメダルの払出等の処理が行われる。このような従来のスロットマシンにおいては、遊技機の機種変更の際にリール装置や遊技に関する各種制御を行う制御基板等の構成を筐体ごと交換されるのが一般的である。このように機種間で流用可能な構成(例えば筐体やメダル払出装置等)を併せて交換することにより、交換に要する費用が嵩むといった経済的な問題だけでなく、資源の無駄使いになるといった環境面での問題も生じていた。そこで近年、このような問題に対応すべく、リール装置や主基板等の機種毎に固有となる構成を枠状の支持体に搭載して表示ユニット(交換用のユニット)を形成し、同表示ユニットを筐体内部に着脱自在に設けるようにした分離型スロットマシンが提案されている。スロットマシンの機種固有となる部分をユニット毎に着脱交換可能とすることで、機種変更の際の設計変更箇所を減らし、また交換部品の点数も減らすことができ、経済性の向上と資源の有効活用が図られている。機種間での流用が可能な構成としては、上述したメダル払出装置以外にも、遊技場のホールコンピュータと電気的に接続され、遊技情報を送信する外部集中端子板が挙げられる。つまり、筐体(詳しくはその内壁面)に対して外部集中端子板を取り付けることにより、機種間での外部集中端子板の流用が可能となっている。この外部集中端子板は、ホールコンピュータとの接続に用いられるホール側コネクタや上述した制御装置との接続に用いられる遊技機側コネクタを有しており配線等の接続作業の容易化が図られている(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「一般的に、筐体内部には上述したように表示ユニット等の各種構成が設けられており、外部集中端子板の設置スペース及び作業スペースを余裕をもって確保することが難しくなってきている。そこで、表示ユニットと筐体とによって挟まれた領域に外部集中端子板を配置するとともに、表示ユニットに外部集中端子へのアクセスを可能とする開口等を形成することにより、設置スペース及び作業スペースを確保するといった対策がなされている。しかしながら、筐体の内壁面に沿って外部集中端子板を配置すること等により同内壁面からの突出を抑え表示ユニットとの共存を図ったとしても、表示ユニットが着脱可能であるが故に外部集中端子板との干渉を回避するための空間が必要となりやすいと想定される。このような空間が設定されることは、表示ユニットの容量削減の要因となり得るため好ましくない。また、表示ユニットの容量削減は、同表示ユニットと筐体との間に形成されるデッドスペースの拡大を招来し得るため、筐体の内部空間の有効利用及び不正防止の観点からも好ましくないと考えられる。外部集中端子板は、同内壁面からの突出量の低減や接続作業及び配線の取り回しの容易化等を目的として、それらコネクタの接続方向が相違するように構成されているものがある。具体的には、一方のコネクタはその接続方向が基板の板面に沿うように形成され、他方のコネクタはその接続方向が基板の板面と直交するように形成され、各コネクタの接続部分が各配線の出先に向けられているものがある。上述の如くコネクタの向きを相違させる構成を採用したとしても、依然としてコネクタの接続作業の容易化や、表示ユニットの容量の確保には改善の余地があると想定される。なお、以上詳述した問題等は、外部集中端子板のみならずコネクタを有する基板(例えば制御基板や中継基板等)においては同様に発生し得る問題である。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴A1.遊技機前方に開放された筐体(筐体11)と、
遊技に関する各種制御を実施する制御装置(例えば主制御装置610)、及び遊技に際し絵柄を変動表示する絵柄変動表示装置(リール装置550)を有しそれら制御装置及び絵柄変動表示装置をユニット本体(内側筐体310)に搭載した表示ユニット(面替えユ
ニット300)と、
前記表示ユニットを着脱可能に支持する支持部材(仕切り板251)と、
前記筐体の所定の内壁面において前記表示ユニットに対峙する位置に設けられた基板(外部集中端子板900)と
を備え、
前記基板において前記表示ユニットに向き合う板面には、接続方向がその板面に対して略平行となるように形成された第1コネクタ(第1コネクタ901)と、接続方向が前記板面に対して略垂直となるように形成された第2コネクタ(第2コネクタ902)とが離間して設けられており、
前記基板は、当該基板の一端が他端よりも前記筐体の内側に位置するように傾けて配置されており、
前記第1コネクタは、前記第2コネクタよりも前記一端側となる位置に配置されていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、第1コネクタ及び第2コネクタを、第1コネクタが第2コネクタよりも一端側となるようにそれぞれ配置した。基板を傾けることに基づく筐体内壁面からの第1コネクタの突出量の増加度合いは、同内壁面からの第2コネクタの突出量の増加度合いよりも大きくなる。これにより、第2コネクタの突出を抑えつつ、第1コネクタを筐体内側に寄せることができる。故に、内壁面からの基板の出っ張りを抑えつつ、第1コネクタの接続作業を容易化することができ、表示ユニットの容量の確保とコネクタの接続作業の容易化に貢献することができる。
特徴A2.前記第1コネクタの接続部分(被挿入口903)は、前記第2コネクタの設けられている側と反対を向いていることを特徴とするA1に記載の遊技機。
基板を傾けて配置する構成においては、本特徴に示すように第1コネクタの接続部分を第2コネクタの設けられている側と反対を向けることにより、特徴A1に示した効果を一層顕著なものとすることができる。
特徴A3.前記筐体には、当該筐体の外部から同筐体の内部に配線が挿通される挿通孔部(ハーネス用貫通孔938等)が設けられており、
前記基板は、前記挿通孔部よりも下側に配置されていることを特徴とするA1又はA2に記載の遊技機。
挿通孔部を介して筐体内に挿入された配線は自重で垂れ下がりやすくなると想定される。基板を、挿通孔部よりも下側に配置することにより、配線を基板に対して近づけやすくできる。これにより、基板と配線との接続作業を行いやすくすることができる。
特徴A4.前記基板の傾きは、前記内壁面からの前記第1コネクタの突出量(突出量d1)と、同内壁面からの前記第2コネクタの突出量(突出量d2)とが同等となるように設定されていることを特徴とするA1乃至A3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A4に示すように基板の傾きを両コネクタの突出量が同等となるように設定することによって、内壁面からの基板の出っ張りを抑制しつつ、第1コネクタの接続作業を一層容易なものとすることができる。これにより、表示ユニットの容量の確保と作業性の向上とを好適に両立することができる。
特徴A5.前記第2コネクタは前記他端寄りに配置されていることを特徴とするA1乃至A4のいずれか1つに記載の遊技機。
基板の他端寄りに第2コネクタを配置することにより、基板の傾きに基づく第2コネクタの突出量の増加を好適に抑えることができる。特徴A1に示した効果を一層顕著なものとすることができる。例えば、第2コネクタを他端に沿って配置するとよい。
特徴A6.前記第2コネクタは複数の接続端子を有し、それら接続端子は前記他端に沿って配列されていることを特徴とするA5に記載の遊技機。
特徴A6に示すように、第2コネクタの接続端子が基板の他端に沿って配列されている。このように、複数の接続端子を有する構成においては、それら接続端子の配列を工夫することにより、基板において第2コネクタが占める領域が第1コネクタ側に大きくなることを抑制することが可能となる。これにより、第2コネクタが複数の接続端子を有する構成を採用しても、基板の傾きに基づく第2コネクタの突出量の増加を好適に抑制でき、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴A7.前記基板は略矩形状をなしており、
前記基板の長辺のうち一方は前記一端であり、他方は前記他端であることを特徴とするA1乃至A6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A7によれば、基板が長板状をなしている。基板の長辺によって「一端」及び「他端」を構成することにより、基板の短辺によって「一端」及び「他端」を構成する場合と比較して、基板の出っ張りが同一となるように同基板を傾けた場合の同基板の傾きを大きくすることが容易となる。
特徴A8.前記ユニット本体は、前記表示ユニット内から見て前記第1コネクタ及び前記第2コネクタが露出するように形成された開口部(右側板部310eの上側開口347)を備えていることを特徴とするA1乃至A7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A8に示すように、ユニット本体が開口部を有する構成においては、その開口部を介してコネクタにアクセスすることが可能である。開口部を介してコネクタの接続作業や接続解除作業を行えば、表示ユニットを装着したままの状態にてそれら各作業を完結することができる。このようにコネクタの接続作業や接続解除作業に伴う表示ユニットの着脱作業を不要とすることにより、作業の煩雑化を抑制することができる。
また、表示ユニットを装着した状態にてコネクタの接続作業を実施することが可能とすれば、各コネクタに接続される端子等に対して動作隙を設定する必要が無くなる。これにより、表示ユニットの容量を確保しやすくできる。
特徴A9.前記基板の傾きは、前記第1コネクタから同第1コネクタの接続方向に延びる仮想線と、前記第2コネクタから同第2コネクタの接続方向に延びる仮想線とが前記開口部を通過するように設定されていることを特徴とするA8に記載の遊技機。
特徴A9によれば、基板の傾きは、各コネクタから延びる仮想線が開口部を通過するように設定されている。これにより、開口部を介してのコネクタの接続作業を一層行いやすくすることができ、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴A10.前記第2コネクタに接続される配線を保持する保持部(クランプ部945)を有し、
前記開口部は、前記表示ユニット内から見て前記保持部が露出するように形成されていることを特徴とするA8又はA9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、配線が保持部によって保持されることにより、表示ユニットを移動させる際の同表示ユニットと配線との引っ掛かりを回避しやすくすることができる。これにより断線等の不都合の発生を抑えることが可能となる。
表示ユニット内から見て保持部が露出するように開口部を形成することにより実用上好ましい構成を実現できる。詳しくは、第2コネクタに接続される配線を、開口部を介してアクセス可能な位置に予め待機させておくことができる。これにより、表示ユニットを装着した後でコネクタの接続作業を行う場合に、その接続作業を行いやすくできる。
特徴A11.前記基板を傾けた状態で保持する保持部材(ホルダ部材920)を備え、前記基板は前記保持部材を介して前記内壁面に取り付けられていることを特徴とするA1乃至A10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A1乃至特徴A10に示したように、筐体に対して基板を傾いた状態で取り付けるには、本特徴に示す保持部材を有する構成とすればよい。これにより、基板の傾斜配置を容易に実現することができる。
特徴A12.前記表示ユニットが着脱される場合に同表示ユニットと前記基板との干渉を回避するように前記表示ユニットの移動方向を規定する規定部(仕切り板250ユニットのレール部材270)を備えていること特徴とするA1乃至A11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A12によれば、表示ユニットの着脱方向が規定されている。すなわち、表示ユニットの着脱軌道のばらつきが抑えられ、表示ユニットとの干渉が回避されている。このように、ばらつきを抑える構成とすることにより、基板(詳しくは第1コネクタ及び第2コネクタ)と表示ユニットとの動作隙を小さくすることができる。つまり、表示ユニットの容量を確保しやすくなる。故に、表示ユニットと筐体との間に生じるデッドスペースを減縮することができ、防犯性の向上に貢献できる。
特徴B1.遊技機前方に開放された筐体(筐体11)と、
周方向に複数種の絵柄が配設された周回体(例えばリール555)を複数有しこれら周回体を回転させることで絵柄を変動表示させる絵柄表示装置(リール装置550)、及び遊技に関する制御を行う制御装置(例えば主制御装置610)を、ユニット本体(内側筐体310)に搭載してなる表示ユニット(面替えユニット300)と
を備え、
前記筐体内に前記表示ユニットを着脱可能に収容する遊技機において、
結合処理に基づき前記筐体からの前記表示ユニットの取り外しを不可とするとともに、結合解除処理に基づき痕跡を残存させた状態にて前記筐体からの前記表示ユニットの取り外しを可能とする結合手段(例えば固定手段450)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、筐体から表示ユニットを取り外す場合には、結合解除処理が必要となっており、この結合解除処理に基づいて痕跡が残存することとなる。このように、結合解除の痕跡を残存させることにより、表示ユニットの取り外しが行われた事実を把握しやすくすることができる。表示ユニットは絵柄表示装置や制御装置といった各機種固有となる構成を有しており、この表示ユニットを交換することによって遊技機の機種変更を行うことが可能となっている。このように、表示ユニットの取り外しが想定されている遊技機においては、表示ユニットの不正な入れ替えが行われることが懸念される。この点、本特徴においては、上述の如く表示ユニットの取り外し事実の把握を可能とすることにより、表示ユニットの不正な入れ替え等を行いにくくすることができる。更には、仮に表示ユニットの不正な入れ替えが行われた場合であってもその事実を発見しやすくすることができる。
特徴B2.所定の取り外し方向に前記表示ユニットを移動させることにより当該表示ユニットの取り外しが行われる遊技機であって、
前記結合手段は、
前記筐体及び前記ユニット本体に設けられ、前記取り外し方向と交差する方向に延びるとともに、前記表示ユニットを所定の装着位置に配置した状態にて相互に連通する連通孔部(例えば筐体11の凹部138や内側筐体310のユニット側挿通孔343)と、
前記連通孔部に挿通され所定の挿通位置に配置されることにより、前記取り外し方向への前記表示ユニットの移動を規制する挿通部材(挿通部材460)と、
前記所定の挿通位置からの前記挿通部材の移動を規制する規制部(係止部503,504)、及び規制解除処理に基づき前記痕跡を残存させた状態にて前記所定の挿通位置からの前記挿通部材の移動を可能とする解除操作部(例えば連結部526,527)を有してなる規制部材(規制部材500)と
を備えていることを特徴とするB1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、挿通部材が所定の挿通位置に配置されていることにより、筐体からの表示ユニットの取り外しが規制される。詳しくは、挿通部材が挿通される連通孔部と表示ユニットの取り外し方向とが交差しており、連通孔部に挿通された挿通部材がつかえることによって表示ユニットの取り外し方向への移動が規制される。また、規制部材によって連通孔部からの挿通部材の抜け落ちが回避されている。これにより、表示ユニットの移動規制が好適に維持されることとなる。このように別個独立した機能が付与された複数の部材によって結合手段を構成することにより、それら各機能を担保しやすくすることができる。例えば表示ユニットに位置ずれ等が生じ挿通部材をせん断する方向に負荷が発生した場合であっても、その負荷が規制部材に及ぶことを抑制しやすくできる。つまり、挿通部材を介して規制部材に負荷が加わることにより、挿通部材の移動規制が解除されやすくなるといった不都合を生じにくくすることができる。これにより、結合手段によって表示ユニットの移動を好適に抑制できる。
また、挿通部材に自身の抜け落ちを抑制する機能を付与する必要が無いため、挿通部材の剛性を確保しやすくできる。表示ユニットは絵柄表示装置等の各種構成を有してなるため、重量物となりやすい。このため、表示ユニットの引き出し操作が行われる場合や、表示ユニットに傾き等が生じた場合には、挿通部材に大きな負荷が加わりやすくなると想定される。この点、挿通部材の剛性を確保しやすくすることにより、上述したような負荷により挿通部材の変形や破損が生じるといった不都合を回避しやすくできる。
例えば、表示ユニットの取り外し方向と連通孔部の延びる方向とを直交させるとよい。これにより、挿通部材を介して規制部材に加わる負荷が加わることを、好適に抑制できる。
なお、本特徴に示す「規制解除処理」は、特徴B1に示した「結合解除処理」の一部を構成している。つまり、「結合解除処理」は、規制解除処理に加え所定の挿通位置からの挿通部材の移動処理等を含んでいる。
特徴B3.前記解除操作部は、前記規制部を破壊して前記挿通部材の移動規制を解除する場合よりも当該挿通部材の移動規制を解除しやすいように破壊しやすく形成された脆弱部(例えば長板部535,536)を有してなることを特徴とするB2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、解除操作部の脆弱部を破壊(例えば切断)することにより、その破壊痕跡が残存することとなる。つまり、その破壊痕跡によって表示ユニットの取り外しが行われた事実を把握することが可能となる。また、一度破壊された規制部材を用いて挿通部材の取り外しを規制することは困難であると想定される。故に、挿通部材や規制部材が取り付けられていないことを表示ユニットの取り外しが行われた痕跡として把握することも可能となる。これにより、表示ユニット(例えば制御基板)に対する不正がなされた場合であっても、その事実を把握しやすくすることできる。
特徴B4.前記規制部は、弾性変形にすることによって前記表示ユニット又は前記筐体に引っ掛かる位置及び引っ掛かりが解除される位置とに変位するものであり、
前記結合手段は前記規制部を複数有し、
前記脆弱部はそれら各規制部を繋ぐようにして形成されていることを特徴とするB3に記載の遊技機。
解除操作部(詳しくは脆弱部)が破壊されることによって規制部材の再使用を不可とする構成においては、破壊された部分が接着剤等の固定手段によって再結合され、規制部材が不正に再利用されることが懸念される。この点、本特徴においては、脆弱部が各規制部を繋ぐようにして形成されている。このため、解除操作部の破壊部分を再結合して不正利用しようとしても、その破壊部分に規制部の弾性変形に基づいて応力が発生しやすくなる。つまり、規制部の両位置間の変位に伴って破壊部分を引き離すように応力が発生しやすくなる。つまり、一度破壊された部分が分離しやすくなっている。これにより、使用済みの規制部材の再利用を困難なものとし、破壊痕跡の隠蔽がなされるといった不都合を生じにくくすることができる。
特徴B5.前記規制部材は、前記解除操作部が前記ユニット本体から前記表示ユニットの内側に突出するように配置されていることを特徴とするB2乃至B4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B5によれば、解除操作部がユニット本体から内側に突出していることにより、解除操作(すなわち結合解除処理)を行いやすくすることができる。
特に、特徴B3や特徴B4との組み合せ(脆弱部を有する構成)においては、脆弱部をユニット本体よりも内側に突出させることにより痕跡の確認を行いやすくすることができる。仮に破壊部分を接着剤等で再結合することにより使用済みの規制部材が不正に利用された場合であっても、解除操作部をユニット本体の内側に突出させることで目立ちやすくし、その発見を容易なものとすることができる。
特徴B6.前記表示ユニットの取り外し方向手前側及び奥側において、前記筐体及び前記表示ユニットと前記規制部材との間に、前記表示ユニットの取り外し方向と同じ方向への前記筐体及び前記表示ユニットと前記規制部材との相対移動を許容する隙間が形成されていることを特徴とするB2乃至B5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B6によれば、結合手段を装着したまま表示ユニットが取り外し方向に引っ張られた場合であっても、筐体及び表示ユニットと規制部材とがつかえることを回避できる。つまり、表示ユニットが引っ張られることに起因して発生する応力が規制部材に伝わることを回避できる。これにより、規制部材の変形や破損を生じにくくし、すなわち規制部材の保護を図り、結合手段による表示ユニットの取り外し規制を好適なものとすることができる。
特徴B7.前記連通孔部は、少なくとも前記表示ユニットの内側に開放されていることを特徴とするB2乃至B6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B7によれば、表示ユニット内側から挿通部材を装着することが可能となり、結合処理の容易化に貢献できる。仮に、連通孔部が筐体の外側に開放されている場合には、筐体の外側から挿通部材を装着する必要が生じる。一般的に筐体は島設備に対して固定されており、島設備及び周囲の遊技機等によって前面開放部位以外の部分の露出が抑えられている。このため、挿通部材の装着作業を筐体の外側から行うには、表示ユニットを筐体内に押し込んだ後、島設備側に回り込む等して作業を行う必要が生じ得る。これは、作業の煩雑化を招来する要因となるため好ましくない。この点、上述の如く表示ユニットの内側から挿通部材の装着が可能であれば、表示ユニットを筐体内に押し込んだ後、そのまま挿通部材の装着作業を続行できる。故に、結合手段(詳しくは挿通部材)を有する構成を採用したとしても、それに起因して表示ユニットの取り付け作業が煩雑化するといった不都合を生じにくくすることができる。すなわち、表示ユニットの取り付けに関する作業性の担保と防犯性の向上とを好適に両立することができる。
また、本特徴によれば、筐体を島設備に設置した状態で、上述した装着作業を行うことができる。つまり、島設備側に回り込んで挿通部材の装着作業を行ったり、島設備から一度筐体を取り外し、挿通部材の取付後に筐体を再度島設備に取り付けたりする必要がなく、作業の簡略化に貢献することができる。
特徴B8.前記挿通部材は、前記連通孔部における前記筐体及び前記表示ユニットの境界と前記規制部材との間に位置する壁部(第1対向壁部481)を有していることを特徴とするB2乃至B7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B8によれば、挿通部材によって規制部材に対する不正なアクセス(物理的な接触)を抑制することができる。詳しくは、仮に筐体及び表示ユニットの境界を介して不正具等が挿入された場合であっても、挿通部材によって規制部材へのアクセスを妨げることができる。これにより、境界から挿入された不正具によって規制部材が不正に操作されるといった不都合を生じにくくし、防犯性の向上に貢献できる。
特徴B9.前記規制部は、
前記表示ユニット又は前記筐体に引っ掛かることにより前記所定の挿通位置からの前記挿通部材の移動を規制する係止部(係止爪部511,512)と、
弾性変形することにより前記係止部を係止状態が解除される側に変位させる変形部(アーム部506,507)と
を有し、
前記変形部は、当該変形部における前記係止状態が解除される側への変位方向と、前記表示ユニットの取り外し方向とが交差するように形成されていることを特徴とするB2乃至B8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B9によれば、表示ユニットの取り外し方向と、アーム部の解除側への変位方向とが交差している。このため、仮に取り外し方向への位置ばらつきが発生した場合であっても、そのような位置ばらつきに起因してアーム部が弾性変形し係止部の係りが小さくなるといった不都合が生じにくくなっている。また、例えば結合手段が取り除かれることなく表示ユニットが取り外し方向に引っ張られた場合であっても、それによって係止部の係りが小さくなるといった不都合が生じにくい。故に、所定の解除処理(解除操作部の破壊)を行うことなく、すなわち痕跡を残存させることなく、表示ユニットが取り外されるといった不都合の発生を抑えることができる。
特徴B10.前記係止部及び前記変形部と前記挿通部材との間には、前記表示ユニットの取り外し方向と同じ方向への前記係止部及び前記変形部と前記挿通部材との相対移動を許容する隙間が形成されていることを特徴とするB9に記載の遊技機。
特徴B10によれば、特徴B6と同様の効果を奏する。具体的には、表示ユニットが取り外し方向に引っ張られ、挿通部材に負荷が加わった場合であっても、規制部材の係止部及び変形部にそのような負荷が伝わりにくくすることができる。これにより、規制部材の不正な取り外しを抑制することができ、更には規制部材の保護を図ることができる。
特徴B11.前記変形部及び前記係止部は、前記連通孔部によって囲われていることを特徴とするB9又はB10に記載の遊技機。
変形部や係止部を備える構成とすることにより、規制部材の取り付け作業を容易化できる反面、変形部や係止部に対する不正操作によって解除操作部を破壊することなく規制部材が取り除かれやすくなることが懸念される。これは防犯性向上の観点から好ましくない。この点、本特徴に示すように、変形部及び係止部を連通孔部によって囲う構成、すなわち連通孔部内に収容する構成とすれば、それら変形部及び係止部に対する不正なアクセスを抑制できる。これにより、作業性の向上と防犯性の向上とを両立することができる。
例えば挿通部材に、規制部材の変形部及び係止部が挿通される挿通孔部(案内通路部494,495)を形成するとよい。言い換えれば、挿通部材に、規制部材の変形部及び係止部を収容する収容部(案内通路部494,495)を形成していもよい。これにより、変形部及び係止部を連通孔部及び挿通部材によって二重に囲うことが可能となり、更なる防犯性の向上を期待できる。
特徴B12.前記筐体及び前記表示ユニットの一方に設けられ、前記規制部材の前記係止部に引っ掛かる係止部材(上側プレート140)を備え、
前記係止部材の取り外し軌道上に、前記筐体及び前記表示ユニットの他方が配置されていることを特徴とするB9乃至B11のいずれか1つに記載の遊技機。
引っ掛かり部分に負荷が加わることにより、規制部材の破壊を伴うことなく、同規制部材の取り外しがなされるといった不都合が生じることは防犯性の観点から好ましくない。更には、引っ掛かりの対象となる部分の強度を確保することに起因して、筐体やユニット本体の成形性が悪化することは製造性の観点から好ましくない。この点、本特徴に示すように、係止部材を別体で形成すれば、引っ掛かり部分の形成を容易なものとしつつ、その強度を好適に確保することが可能となる。つまり、筐体や表示ユニットの製造が困難なものとなることを回避しつつ防犯性の向上に貢献することができ、防犯性及び製造性の両観点から好ましい構成を実現できる。例えば、係止部材を筐体よりも高強度の材量(例えば金属材料)によって形成するとよい。
因みに、係止部材を配設対象に固定する固定具を有する構成とすることも可能である。この場合、固定具の露出部分(例えば操作部)を、表示ユニット及び筐体によって覆う構成とすればよい。係止部材を有する構成とした場合、同係止部材や固定具が不正の対象となりやすくなると想定される。この点、上述の如く固定具の露出部分を覆うことにより、係止部材の不正な取り外しや移動を好適に抑制でき実用上好ましい構成を実現できる。
特徴B13.前記規制部材は、前記規制部としての前記係止部及び前記変形部を複数組備えるとともに、前記解除操作部が前記ユニット本体から前記表示ユニットの内側に突出するように配置されており、
前記解除操作部は、それら各組の変形部に跨って設けられているとともに、前記規制部を破壊して前記挿通部材の移動規制を解除する場合よりも当該挿通部材の移動規制を解除しやすいように破壊しやすく形成された脆弱部であり、
更に前記解除操作部は、複数設けられているとともに、それら複数の解除操作部のうち1つが他の解除操作部よりも前記ユニット本体の内側に位置するように形成されていることを特徴とするB9乃至B12のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B13によれば、解除操作部を破壊することにより、痕跡を残存させた状態にて挿通部材(すなわち結合手段)の取り外しが可能となる。また、解除操作部は各変形部に跨って形成されていることで、変形部の過度の変形を抑えることが可能となっている。
解除操作部は、破壊の対象となることに着目すれば、できる限り弱く形成することが望ましい。また、解除操作部によって規制部同士を繋ぎ変形部の過度の変形や規制部同士の意図せぬ分離を規制する点に着目すれば、できる限り強くなるように形成することが好ましい。本特徴においては、解除操作部を複数設け、これら解除操作部を内外にオフセットして配置することにより、それら相反する機能を好適に両立することが可能となっている。すなわち、解除操作部を内外にオフセットして配置することにより支持強度の向上を図ることができる。これにより、解除操作部全体によって変形部の支持強度を確保しつつ、個々の解除操作部の強度(例えば太さ)を下げることが可能となる。故に、解除操作部の破壊作業を容易化しつつ、変形部を不正に変形させることで痕跡を残存させること無く(すなわち破壊を伴うことなく)結合手段が取り外されるといった不都合の発生を抑えることが可能となっている。
特徴B14.前記結合手段は、前記筐体の開放部位側に偏倚して配されていることを特徴とするB1乃至B13のいずれか1つに記載の遊技機。
表示ユニットは絵柄表示装置や制御装置等の各種構成を有している。このため、筐体奥側に結合手段を配した場合には、それら各種構成によって結合手段の視認や結合処理及び結合解除処理が妨げられることが懸念される。この点、本特徴に示すように、結合手段(特に規制部材)を筐体の開放部位側、すなわち手前側に偏倚して配置することにより、結合手段の視認性を確保しつつ、結合処理や結合解除処理を行いやすくすることができる。特に、痕跡の確認を容易なものとすることにより、確認作業の煩雑化を抑制することができ、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴B15.前記挿通部材は、前記規制部材よりも高強度に形成されていることを特徴とするB1乃至B14のいずれか1つに記載の遊技機。
結合手段が挿通部材と規制部材とを有する構成とすることにより、それら各部材を異なる材料を用いて形成することが可能となっている。挿通部材は表示ユニットの位置ずれ等に基づいて負荷が加わりやすいため、規制部材に比べて高強度にすることが好ましい。挿通部材を高強度にすることにより、自身の変形を抑えことができる。これにより、表示ユニットの位置ずれや移動を好適に抑制でき、更には挿通部材を変形させて結合手段を取り外すといった不正行為を困難なものとすることができる。
また、特徴B9乃至特徴B12との組み合せにおいては特に、規制部材の強度を抑えることで、変形部の弾性変形を生じやすくすることができる。これにより、規制部材の取り付け作業を容易なものとすることができる。更に、特徴B3や特徴B4等との組み合せにおいては、規制解除処理(規制部材の破壊)を容易なものとすることができる。
以上詳述したように、挿通部材及び規制部材をそれぞれの役割に応じて強度を異なるらせることにより、表示ユニットと筐体との結合機能の担保と、結合手段に関する作業の容易化とを好適に両立することができる。
特徴B16.前記筐体に設けられ、前記表示ユニットを着脱可能に支持する支持部材(仕切り板251)を備え、
前記支持部材は、当該支持部材に沿って前記表示ユニットがスライド移動されることに基づき当該表示ユニットの前記筐体からの取り外しが可能となるように形成されていることを特徴とするB1乃至B15のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B16によれば、表示ユニットが支持部材によって支持されている。すなわち、表示ユニットの自重負荷を支持部材によって受けることにより、結合手段に対して表示ユニットの自重負荷が加わりにくくなっている。このように結合手段に加わる負荷を低減することにより、結合手段をむやみに高強度化等する必要が無くなる。故に、結合強度の担保と解除操作の容易化とを好適に両立しやすくすることができる。
なお例えば、表示ユニットの取り外し方向を規定する規定部(例えばレール部材270や案内溝360)を設けることで、結合手段における表示ユニットの移動規制を行う機能を、取り外し方向への移動規制機能に特化することができ、結合手段の剛性(強度)の確保を一層容易なものとすることができる。
特徴B17.前記支持部材は、前記表示ユニットを同表示ユニットの下側から支持するものであり、
前記結合手段は、前記表示ユニットの上部に配置されていることを特徴とするB16に記載の遊技機。
特徴B17によれば、支持部材に対して表示ユニットを載せて筐体奥側に押し込むことにより、表示ユニットの取り付け作業を容易に行うことができる。但し、表示ユニットを下側から支持する構成とした場合には、その支持部材側を基端として、表示ユニットが回動(傾倒)すると想定される。この点、本特徴においては結合手段を表示ユニットの上部、すなわち回動先端側に配置する構成とした。これにより、上述したような表示ユニットの回動を好適に抑えることができる。
特徴B18.前記表示ユニットにおいて前記支持部材によって支持されている部分の近傍に、前記表示ユニットの取り外し方向への移動を阻止する阻止状態と、前記表示ユニットの取り外し方向への移動を許容する阻止解除状態とに切替可能に形成された阻止部材(ロック部材260)を複数設け、
それら阻止部材を左右に並設するとともに、それら阻止部材のうち最も右側に配置された阻止部材よりも左側、且つ最も左側に配置された阻止部材よりも右側となるように前記結合手段を配置したことを特徴とするB17に記載の遊技機。
支持部材と表示ユニットとの上下方向における相対位置は、表示ユニットの自重によってずれにくくなっている。特に支持部分に近い位置では、表示ユニットと支持部材との相対位置のずれは小さくなりやすい。本特徴に示すように、阻止部材が支持部分の近傍に配置することにより、表示ユニットと支持部材との位置ずれに起因して、阻止部材の切替操作が行いづらくなることを抑制することができる。
更に、阻止部材を並設することによって、一方の阻止部材を基端とする左右への回動を生じにくくすることができる。また、阻止部材の並設方向を左右とすることによって、一方の阻止部材の操作が他方に比べて困難になることを抑制できる。これにより実用上好ましい構成を実現している。
本特徴においては特に、結合手段を阻止部材のうち最も右側に配置された阻止部材よりも左側、且つ最も左側に配置された阻止部材よりも右側となるように配置した。これにより、各阻止部材を結んだ仮想直線を中心とする表示ユニットの回動をバランスよく抑えることが可能となっている。仮に阻止部材が阻止状態且つ結合手段が装着された状態にて、表示ユニットが引っ張られる等した場合であっても、そのような操作に起因して発生する負荷が、一の阻止部材や結合手段に集中しにくくすることができる。
特徴C1.遊技機前方に開放された筐体(筐体11)と、
遊技に関する各種制御を実施する制御装置(例えば主制御装置610)、及び遊技に際し絵柄を変動表示する絵柄表示装置(リール装置550)を有しそれら制御装置及び絵柄表示装置をユニット本体(内側筐体310)に搭載した表示ユニット(面替えユニット3
00)と、
前記筐体側に設けられた筐体側コネクタ(筐体コネクタ851,852)と、
前記表示ユニット側に設けられ、前記表示ユニットの前記筐体奥側への移動に伴い前記筐体側コネクタに結合されるユニット側コネクタ(面替えコネクタ881,882)と、
前記表示ユニットの前記筐体への装着に際し、当該表示ユニットの装着方向と交差する方向への同表示ユニットの移動を規制する規制手段(仕切り板ユニット250のレール部材270及び面替えユニット300の案内溝360)と
を備え、
前記規制手段によって、前記表示ユニットの前記筐体への装着に際し表示ユニットが装着完了位置まで移動する区間に、第1規制区間と、前記第1規制区間よりも規制レベルの高い第2規制区間とが、前記第1規制区間が手前側、前記第2規制区間が奥側となるように設定されており、
前記第2規制区間は、前記筐体側コネクタ及び前記ユニット側コネクタを結合するコネクタ結合区間を有していることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、支持部材にユニット本体を接触させた状態にて筐体奥側に押し込むことにより、表示ユニットを筐体に装着できる。表示ユニットの押し込み操作に基づいて、表示ユニット側に設けられたユニット側コネクタと筐体側に設けられた筐体側コネクタとが結合される。これにより、表示ユニットと筐体とが電気的に接続された状態となる。このように、表示ユニットの押し込み操作とコネクタの結合操作とを統合することにより、作業の煩雑化が抑制されている。
また、本特徴においては特に、規制手段によって表示ユニットが装着完了位置まで移動する区間に第1規制区間と第2規制区間とを設定し、装着方向以外の方向への移動が異なるレベル(度合)で規制される構成とした。これにより、表示ユニット装着時には、第1規制区間で大まかな位置ばらつきを抑え、第2規制区間で細やかな位置ばらつきを抑えることができる。つまり、装着初期段階では、規制レベルを下げておくことで作業性を担保しつつ、装着終了段階では、規制レベルを上げておくことで位置決め精度を向上することが可能となっている。
第2規制区間にて表示ユニットの位置ばらつきが抑えられた状態において、コネクタの結合がなされることで、ユニット側コネクタと筐体側コネクタとの合わせを好適なものとすることができる。これにより、各コネクタが衝突してコネクタピン等の変形や破損が生じるといった不都合を好適に回避することができる。
なお、例えば第2規制区間がコネクタ結合区間と非コネクタ結合区間とを有する構成とし、非コネクタ結合区間が手前側、コネクタ結合区間が奥側となるように設定するとよい。これにより、筐体側コネクタとユニット側コネクタとの結合がなされる前に、表示ユニットの位置ばらつきを好適に抑えることができ、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴C2.前記規制手段は、前記表示ユニットに設けられたユニット側規制部(案内溝360)と前記筐体側に設けられた筐体側規制部(レール部材270)とを有してなり、
前記ユニット側規制部及び前記筐体側規制部の一方には、前記装着方向に延びるとともに所定の間隔を隔てて対向する一対の壁部(例えば縦壁部276〜281)が設けられ、
前記ユニット側規制部及び前記筐体側規制部の他方には、前記両壁部によって挟まれた領域に収容されるとともに前記各壁部に内側から対向する対向部(例えば対向壁部366〜371)が設けられ、
前記壁部及び前記対向部の隙間寸法を大小相違するようにして前記第1規制区間及び前記第2規制区間を設定していることを特徴とするC1に記載の遊技機。
第1規制区間及び第2規制区間を設定するには、本特徴に示すように、壁部と対向部との隙間寸法を大小相違するようにユニット側規制部及び筐体側規制部を構成するとよい。詳しくは、第2規制区間における壁部及び対向部の隙間寸法が、第1規制区間における壁部及び対向部の隙間寸法よりも小さくなるように設定するとよい。これにより、特徴C1に示した技術的思想を簡易な構成によって実現できる。
特徴C3.前記第2規制区間は、前記両壁部の間隔が一定となるようにして構成されていることを特徴とするC2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、両壁部の間隔を一定とすることにより、第2規制区間に至った表示ユニットの装着軌道のばらつきを抑えやすくできる。これにより、ユニット側コネクタと筐体側コネクタとのつかえ等を好適に抑制できる。
特徴C4.前記第1規制区間のうち少なくとも前記第2規制区間との境界側は、前記両壁部の間隔が前記表示ユニットの取り外し方向に向けて徐々に広がるようにして構成されていることを特徴とするC2又はC3に記載の遊技機。
特徴C4によれば、前記両壁部の間隔が前記表示ユニットの取り外し方向(例えば装着方向における手前側)に向けて徐々に広がる構成とした。第1規制区間において表示ユニットの位置ばらつきを徐々に小さくすることができる。換言すれば、装着初期段階での表示ユニットの位置ばらつきを許容しやすくできる。これにより、作業性の担保を図ることができる。
なお、特徴C3との組み合せにおいては特に、第2規制区間における壁部の間隔寸法が第1規制区間において第2規制区間との境界における壁部の間隔寸法以下となるように構成するとよい。これにより、第1規制区間から第2規制区間への移行を好適なものとすることができる。
特徴C5.前記壁部は、所定の間隔を隔てて対向する1組の第1壁部(前側対向壁部370,371)と、前記第1壁部に連なりそれら第1壁部の間隔に対して徐々に大きくなるように設定された1組の連結部(連続対向壁部368,369)と、それら連結部に連なり、前記第1壁部よりも大きな間隔を隔てて対向する1組の第2壁部(後側対向壁部366,367)とを有し、
前記対向部は、前記第1壁部に当接する第1当接部(例えば突起280a,281a)と、前記第2壁部に当接する第2当接部(例えば突起276a,277a)とを備え、
前記第1区間では、前記連結部によって挟まれた領域及び前記第2壁部によって挟まれた領域に前記第1当接部が位置し、
前記第2区間では、前記第1壁部及び前記第1当接部が当接するとともに、前記第2壁部と前記第2当接部とが当接することを特徴とするC2乃至C4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C5によれば、表示ユニットを装着する際には、第2壁部によって挟まれた領域に第1当接部が到達する。第2壁部と第1当接部との間には所定の隙間が形成されることにより、表示ユニットの位置ばらつきが許容されやすくなっている。表示ユニットが押し込まれると、第1当接部は連結部によって挟まれた領域に至り、その位置ばらつきが徐々に規制されることとなる。表示ユニットが更に押し込まれると、第1当接部が第1壁部に当接し、第2当接部が第2壁部に当接することとなる。これにより、表示ユニットの位置ばらつきが好適に抑えられることとなる。
なお、例えば両第1壁部を互いに平行となるように形成するとよい。これにより、表示ユニットの位置ばらつきを抑え、装着方向を一の方向に定めることが容易となる。同様に両第2壁部を互いに平行となるように形成するとよい。但し、第2壁部は第1壁部に対しても平行とすることが好ましい。
例えば、第1壁部及び第2壁部が鉛直方向に起立する平面状をなす構成とするとよい。こうすることで、実用上好ましい構成を実現できる。例えば、支持部材によって表示ユニットを支持する構成においては、同表示ユニットの鉛直方向の位置ばらつきは当該表示ユニットの自重によって抑えられることとなる。故に、表示ユニットを装着する際に留意すべきは、主として水平方向への位置ばらつきであると想定される。上述の如く第1壁部及び第2壁部が鉛直方向に起立する平面状をなす構成とすることにより、水平方向への位置ばらつきを好適に抑えることができる。
また、特徴C4との組み合せにおいては特に、第1壁部及び第1当接部が当接する区間と、それら第1壁部及び第1当接部に加え第2壁部及び第2当接部が当接する区間とを、前者が手前側、後者が奥側となるように設定することにより、規制レベルを段階的に変化させるとよい。
特徴C6.前記筐体側コネクタ及び前記ユニット側コネクタが複数組設けられており、
前記筐体側コネクタは、前記筐体側規制部の周りに分散して配置されていることを特徴とするC2乃至C5のいずれか1つに記載の遊技機。
表示ユニットの位置ばらつきに起因する筐体側コネクタ及びユニット側コネクタの相対位置のずれは、各コネクタと規制手段との距離に比例して大きくなりやすいと想定される。つまり、筐体側コネクタ及びユニット側コネクタの相対位置のずれを抑えるには、各コネクタを規制手段に近づけて配置することが好ましいと考えられる。この点、本特徴に示すように、筐体側規制部の周りに筐体側コネクタを分散して配置する構成とすれば、複数のコネクタを有する構成においても、コネクタと規制部との距離が大きくなることを抑制しやすくできる。
例えば、筐体側規制部から一の筐体側コネクタまでの距離寸法と筐体側規制部から他の筐体側コネクタまでの距離寸法とが同等となるように、筐体側規制部及び各筐体側コネクタを配置するとよい。
特徴C7.前記表示ユニットを着脱可能に支持する支持部材(仕切り板251)を備え、
前記筐体側コネクタ及び前記筐体側規制部は、前記支持部材に設けられていることを特徴とするC2乃至C6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C7によれば、筐体側コネクタ及び筐体側規制部を支持部材に集約することにより、筐体側コネクタとユニット側コネクタとの相対位置のずれを生じにくくすることができる。詳しくは、それら筐体側コネクタ及び筐体側規制部を筐体に対して個別に装着する場合や、それら筐体側コネクタ及び規制部の一方のみを支持部材に装着する構成とした場合と比較して、筐体側コネクタ,筐体側規制部及び支持部材の各相対位置のずれを低減することができる。より具体的には、位置ばらつきの累積によって、筐体側コネクタとユニット側コネクタとの結合が困難になるといった不都合を生じにくくすることができる。
特徴C8.前記支持部材は、前記表示ユニットの底部に対して下側から当接することにより同表示ユニットを支える支持プレートであり、
前記筐体側コネクタを複数有するとともに、それら各筐体側コネクタは左右に並設されており、
前記筐体側規制部は、前記筐体側コネクタの間に配置されていることを特徴とするC7に記載の遊技機。
特徴C8に示すように、筐体側コネクタを筐体側規制部の左右両側に配置し、筐体側規制部からの離れを抑えることにより特徴C7に示した効果と同様の効果に加え以下の特別な効果を奏する。すなわち、筐体側コネクタとユニット側コネクタとの上下方向の位置ずれを抑え、各コネクタの合わせを好適なものとすることができる。具体的には、支持プレートによって表示ユニットを下側から支持する構成においては、同表示ユニットの鉛直方向の位置ばらつきが当該表示ユニットの自重によって抑えられる。特に表示ユニットの傾き等に起因するユニット側コネクタと筐体側コネクタとの上下方向のずれは、それらユニット側コネクタと筐体側コネクタを支持プレートに対して近づけることによって好適に抑えることができる。つまり、本特徴に示すように、筐体側コネクタを筐体側規制部の左右両側に配置することにより、各筐体側コネクタの筐体側規制部からの距離を小さくするだけでなく、各筐体側コネクタの支持プレートからの距離も小さくすることが可能となっている。これにより、表示ユニットに傾きが生じた場合であっても、各コネクタの結合が阻害されにくくすることができる。
なお、本特徴を「前記筐体側規制部は、筐体側コネクタ群の配置領域における右側の端部と、左側の端部とに挟まれた位置に配置されているとともに、前記ユニット側規制部は、前記ユニット側コネクタ群の配置領域における右側の端部と、左側の端部とに挟まれた位置に配置されていることを特徴とするC7に記載の遊技機」と置き換えてもよい。
特徴C9.前記支持部材は、前記表示ユニットの底部に対して下側から当接することにより同表示ユニットを支える支持プレートであり、
前記ユニット側規制部は、前記表示ユニットにおいて前記支持プレートと対峙している部分(内側筐体310の底板部310b)に配されているとともに、溝状をなすように形成されており、
前記筐体側規制部は、その溝状部分に嵌まる突条をなすことを特徴とするC7又はC8に記載の遊技機。
表示ユニットが単独で持ち運びされる場合には、同表示ユニットの外殻部分に対する干渉(接触)が生じやすいと想定される。例えば表示ユニットを床置きした場合には、同表示ユニットの外殻部分と床面とが干渉することとなる。仮に表示ユニットのユニット側規制部が突条をなす構成とした場合、この突条部分に負荷が加わりやすくなると想定される。ユニット側規制部(突条部分)は、表示ユニットの装着方向を定める部分であり、上述したような負荷の発生は、同ユニット側規制部の変形や破損等を招来し得るため好ましくない。この点、本特徴に示すように、ユニット側規制部を溝状とすれば、ユニット側規制部に対する干渉を抑制できる。つまり、ユニット側規制部の保護を図ることができる。
支持プレートによって表示ユニットを下側から支持する構成においては、表示ユニットの底部は、被支持部としての機能を有することとなる。表示ユニットを運送等する場合には、この被支持部が支えられるものと考えられる。ユニット側規制部を溝状とすることにより、ユニット側規制部に対して表示ユニットの自重負荷が集中することを回避でき。実用上好ましい構成を実現できる。
特徴C10.前記表示ユニットの把持部(貫通長孔355)を備え、
前記把持部は、前記ユニット側規制部の手前側且つ同ユニット側規制部の延長上に配置されていることを特徴とするC2乃至C9のいずれか1つに記載の遊技機。
表示ユニットの装着方向以外への移動を規制する規制手段を有する場合、表示ユニットを装着する際には、ユニット側規制部と筐体側規制部との相対位置を確認しながら表示ユニットの押し込み操作を行うとよい。しかしながら、仮に表示ユニットや筐体等によってそれら各規制部の目視による確認が妨げられると、表示ユニットの装着作業が困難となり得る。かかる場合、事前に筐体側規制部及びユニット側規制部の位置を事前に記憶しておき、筐体側規制部にユニット側規制部を合わせる必要がある。本特徴によれば、把持部をユニット側規制部のユニット側規制部の延長上に配置している。これにより、作業者はユニット側規制部の位置を目視にて確認しなくても把握することが可能となる。つまり、表示ユニットを装着する際の目安をつけやすくできる。故に、表示ユニット装着時の作業の煩雑化を抑えることができる。
特徴C11.前記壁部によって挟まれた空間は、前記筐体及び前記表示ユニットのうち前記壁部の配設対象となっていない一方側に開放されていることを特徴とするC2乃至C10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C11によれば、筐体側規制部とユニット側規制部との合わせ方向が、表示ユニットの装着方向に限定されることがなく、筐体側規制部とユニット側規制部との合わせ作業の容易化に貢献できる。
特徴C12.前記壁部は、同壁部における前記装着方向の長さ寸法がそれら両壁部の間隔寸法よりも大きく設定されていることを特徴とするC2乃至C11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C12に示すように、壁部が表示ユニットの装着方向に長く、装着方向と交差する方向に短くすることにより、表示ユニットの装着軌道のばらつきを抑えやすくできる。詳しくは、表示ユニットの回動を抑えやすくでき、表示ユニットの装着方向への移動を安定化しやすい構成を実現できる。
特徴C13.前記対向部は、一の部材の外壁によって形成されていることを特徴とするC2乃至C12のいずれか1つに記載の遊技機。
各壁部に対向する各対向部を一の部材によって形成することにより、両対向部の相対位置のばらつきを抑制できる。仮に各対向部を別部材によってそれぞれ形成した場合、それら別部材の寸法精度及び取付精度の影響を受けることとなる。特に取付精度のばらつきが両対向部の相対位置に影響を与えやすくなるため、好ましくない。この点、本特徴に示すように、一の部材の壁面によって対向部を形成すれば、このような取付精度のばらつきによる影響を回避でき、両対向部の相対位置のばらつきを抑制できる。これにより、筐体側コネクタとユニット側コネクタとの嵌め合わせを好適なものとすることができる。
特徴C14.前記表示ユニットの底部に対して下側から当接することにより同表示ユニットを着脱可能に支持する支持プレート(仕切り板251)を備え、
前記支持プレートは前記表示ユニットが設置される設置部を有し、
前記設置部における左右方向の略中央に、前記筐体側規制部が配されていることを特徴とするC2乃至C13のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C14によれば、筐体側規制部を設置部における左右方向の略中央に設けたことにより、構成の簡素化を図りつつ表示ユニットの左右両側での位置ばらつきを好適に抑制することが可能となっている。具体的には、支持プレート上で表示ユニットが左右に回転することを好適に抑制することができる。これにより、表示ユニットの位置ばらつきに起因してユニット側コネクタと筐体側コネクタとの結合が阻害されるといった不都合を生じにくくすることができる。
特徴C15.前記第2規制区間は、少なくとも前記コネクタ結合区間における規制レベルが同第2規制区間を構成する他の区間に対して急激に高くなるように設定されていることを特徴とするC1乃至C14のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C15によれば、コネクタ結合区間における規制レベルが第2規制区間における他の区間に対して急激に高くなっている。これにより表示ユニットの位置決め精度の更なる向上を図ることができ、筐体側コネクタとユニット側コネクタとのつかえ等を回避しやすくできる。
また、段階的に規制レベルを高めることにより、徐々に規制レベルを高める場合と比較して、その差を明確なものとすることができる。これにより、コネクタ結合区間に至ったことを示唆しやすくでき、表示ユニットが勢いよく押し込まれることを回避しやすくできる。表示ユニットの押し込み操作に基づいて筐体側コネクタとユニット側コネクタとの結合がなされる構成においては、コネクタ同士の結合部分に表示ユニットの重みが集中しやすくなると想定される。これは、コネクタピンの破損等を招来する要因となり得るため好ましくない。この点、上述の如くコネクタ結合区間にいたっている可能性があることを示唆できれば、作業者による無理な押し込み操作等を回避しやすくでき、実用上好ましい構成を実現できる。
なお、例えば第2規制区間に、装着方向と交差する方向への表示ユニットのスライドを規制する区間と、装着方向と交差する方向への表示ユニットのスライド及び回動を規制する区間とを設定し、それら両区間のうち後者にコネクタ結合区間を設定するとよい。
特徴C16.前記筐体側に設けられ、遊技機を移動させる場合に把持される把持部材(キャップ266)を備え、
前記把持部材は、前記表示ユニットに対して上側から当接することにより同表示ユニットの浮き上がりを規制するように形成されていることを特徴とするC1乃至C14のいずれか1つに記載の遊技機。
把持部材はスロットマシンを移動させる際に把持される部材であるため、同筐体の重量が加わったとしても変形等が生じないように所定の強度が付与されるのが一般的である。このように所定の強度を有する把持部材によって表示部材の浮き上がりを規制する構成とすれば、むやみに強度の高い部材を必要とせず、部品点数の増加を抑えつつ、浮き上がりを抑制することができる。
なお、特徴C7等(支持部材を有する構成)との組み合せにおいては特に、把持部材を前記支持部材に装着する構成とするとよい。これにより、表示ユニットの位置決めを行う構成を支持部材に対して集約でき、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴C17.遊技機前方に開放された筐体(筐体11)と、
遊技に関する各種制御を実施する制御装置(例えば主制御装置610)、及び遊技に際し絵柄を変動表示する絵柄表示装置(リール装置550)を有しそれら制御装置及び絵柄表示装置をユニット本体(内側筐体310)内に搭載した表示ユニット(面替えユニット
300)と、
前記表示ユニットに対して下側から当接することにより、当該表示ユニットを着脱可能に支持する支持プレート(仕切り板251)と、
前記筐体側に設けられた筐体側コネクタ(筐体コネクタ851,812)と、
前記表示ユニット側に設けられ、前記表示ユニットの前記筐体奥側への移動に伴い前記筐体側コネクタに結合されるユニット側コネクタ(面替えコネクタ881,882)と、
前記表示ユニットの前記筐体への装着に際し、当該表示ユニットの装着方向と交差する方向への同表示ユニットの移動を規制する規制手段(仕切り板ユニット250のレール部材270及び面替えユニット300の案内溝360)と
を備え、
前記規制手段は、
前記表示ユニットにおいて前記支持プレートと対峙する部分(内側筐体310の底板部310b)に設けられ、前後方向に延びる溝部(案内溝360)と、
前記支持プレートにおいて前記表示ユニットと対峙する部分(仕切り板251の平板部252)に設けられ、前記溝部に嵌まる突条部(レール部材270)と
によって構成されており、
前記溝部は、前記表示ユニットにおける左右方向の略中央に配置されていることを特徴とする遊技機。
特徴C17によれば、溝部を表示ユニットにおける左右方向の略中央に設けたことにより、表示ユニットの左右両側での位置ばらつきを好適に抑制することが可能となっている。具体的には、支持プレート上で表示ユニットが左右に回転することを好適に抑制することができる。これにより、表示ユニットの位置ばらつきに起因してユニット側コネクタと筐体側コネクタとの結合が阻害されるといった不都合を生じにくくすることができる。
特徴C18.前記溝部は、
所定の間隔を隔てて対向する1組の第1壁部(前側対向壁部370,371)と、
前記第1壁部よりも前記筐体の奥側に位置し同第1壁部よりも大きな間隔を隔てて対向する1組の第2壁部(後側対向壁部366,367)と
を有し、
前記突条部は、
前記各第1壁部に対して内側から対向する1組の第1対向部(前側縦壁部280,281)と、
それら各第1対向部から突出し、前記第1壁部に当接するように形成された第1突起(例えば突起280a,281a)と、
前記第1対向部よりも前記筐体の奥側に位置し、前記各第2壁部に対して内側から対向する1組の第2対向部(後側縦壁部276,277)と、
それら各第2対向部から突出し、前記第2壁部に当接するように形成された第2突起(例えば突起276a,277a)と
を有し、
前記溝部及び前記突条部は、
前記表示ユニットが第1位置に配置されている場合には、前記第1突起が前記第1壁部に当接するとともに、前記第2突起が前記第2壁部よりも手前側に位置し、
前記第1壁部と前記第1突起とが当接している状態にて前記第1位置よりも奥側の第2位置に前記表示ユニットが移動されることに基づき、前記第2突起と前記第2壁部とが当接し、
前記第2位置よりも奥側においては、それら第1突起及び第1壁部と第2突起及び第2壁部との当接が維持されるように構成されており、
前記第2位置よりも奥側に前記表示ユニットが移動されることに基づき、前記筐体側コネクタと前記ユニット側コネクタとが結合されることを特徴とするC17に記載の遊技機。
特徴C18によれば、表示ユニットを筐体奥側に押し込むことによって、突条部に形成された第1対向壁部及び第1突起が、溝部の両第2壁部の間を通過する。第1対向壁部及び第1突起と第2壁部との間には隙間が生じ、表示ユニットの位置ばらつきが許容されやすくなる。これにより、表示ユニットを押し込む際に突条部と溝部とがつかえるといった不都合が生じにくくなっている。つまり、表示ユニットの装着初期段階では位置ずれの規制レベルを積極的に下げておくことにより、突条部の第1対向壁部と溝部の第2壁部による表示ユニットの位置ずれを大まかに抑えることとし、表示ユニットの装着作業が困難になることを抑制している。
表示ユニットが更に押し込まれ第1位置に至ると、第1突起が第1壁部に対して当接し、表示ユニットの位置ばらつきがより厳しく規制されることとなる。第1位置から第2位置へ表示ユニットを押し込む際には、第2突起が第2壁部よりも手前側に位置することにより、それら第2突起及び第2壁部の当接が回避されている。すなわち、表示ユニットの位置ばらつきはある程度許容された状態のまま維持されることとなる。表示ユニットが第2位置に至ることにより、第2壁部と第2突起とが当接する。これにより、前後に離れた位置にて溝部と突条部とが当接し、表示ユニットの装着方向が1の方向、すなわち筐体側コネクタとユニット側コネクタとの結合方向と同じ方向に定められることとなる。
このように表示ユニットの装着方向が1の方向に定められた状態にて、筐体側コネクタとユニット側コネクタとの結合がなされることにより、それら両コネクタがつかえるといった不都合を生じにくくすることができる。
以上詳述したように、表示ユニットが押し込まれることに伴って位置ばらつきの規制レベルを高める構成とすることにより、表示ユニットの装着作業が難しくなるといった不都合を生じにくくしている。これにより、表示ユニットの装着作業の煩雑化を回避しつつ、コネクタの結合を好適に行うことが可能となっている。
特に本特徴においては、突条部の各対向壁部が突起を有する構成とし、溝部の各壁部に対する当接部分を限定している。これにより、第1突起が第1壁部に当接している状態から第1突起及び第1壁部と第2突起及び第2壁部とが当接する状態までの間に、規制レベルが上がることを抑制でき、第2突起と第2壁部とが当接した状態での規制レベルとの差違を明確化することが可能となっている。コネクタの結合が行われる前に、段階的な規制レベルの変化を生じさせることにより、作業者に対してコネクタの結合が行われ得る位置に表示ユニットが達していることを示唆でき、過度の押し込み操作がなされることを回避しやすくできる。
特徴D1.遊技機前面部を構成する遊技機前面体(前面扉12)と、
前記遊技機前面体の背面側に配置され、前記遊技機前面体の払出部(メダル排出口34)を介して遊技機外部に遊技媒体を排出する遊技媒体排出手段(ホッパ装置180等)と、
前記遊技媒体排出手段が設置される設置部(下側プレート150)と、
前記設置部の所定位置からの前記遊技媒体排出手段の移動を検知する検知手段(ホッパ監視スイッチ230等)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、遊技媒体排出手段が所定位置から移動すると、その移動が検知手段によって検知される。検知手段を用いて遊技媒体排出手段の移動を監視することにより、同遊技媒体排出手段に対する不正を抑制することができる。また、仮に遊技媒体排出手段の不正な移動等がなされた場合であっても、そのような事実を把握しやすくでき、被害の発生を抑えることが可能となっている。
なお、「前記遊技機前面体の背面側に配置され〜遊技媒体排出手段」は、例えば遊技媒体排出手段が遊技機前面体の背面に配置されている構成、遊技媒体排出手段が遊技機前面体の背面に設けられた別部材等に配置されている構成、遊技媒体排出手段が遊技機前面体よりも後方に配置されている構成等を含んでいる。
特徴D2.前記遊技媒体排出手段は、遊技媒体の排出を監視する機能及び前記遊技媒体排出手段による遊技媒体の排出が実行されるように制御する機能の少なくともいずれかを有して遊技媒体の排出の管理を行う排出管理部(払出制御基板196やメダル検出センサ197)を備え、
前記遊技媒体排出手段が前記所定位置から移動することに基づき当該遊技媒体排出手段からの前記排出管理部の取り外しを許容するとともに、前記遊技媒体排出手段が前記所定位置に配置されていることに基づき当該遊技媒体排出手段からの前記排出管理部の取り外しを規制する規制手段(カバー部材210や固定具211等)を備えていることを特徴とするD1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、不正の対象になりやすいと想定される排出管理部の取り外しが行われる場合には、検知手段による遊技媒体排出手段の移動が検知されることとなる。すなわち、検知手段を用いて排出管理部の取り外しを監視することが可能となる。これにより、遊技媒体排出手段に対する不正行為を困難なものとすることができ、遊技媒体の不正取得を抑制することができる。
なお、本手段を「前記遊技媒体排出手段は、遊技媒体の排出を監視する監視手段(メダル検出センサ197)と前記遊技媒体排出手段による遊技媒体の排出が実行されるように制御する制御手段(払出制御基板196)との少なくともいずれかを備え、
前記遊技媒体排出手段が前記所定位置から移動することに基づき前記監視手段及び前記制御手段のうち前記遊技媒体排出手段に設けられたものの取り外しを許容するとともに、前記遊技媒体排出手段が前記所定位置に配置されていることに基づき前記監視手段及び前記制御手段のうち前記遊技媒体排出手段に設けられたものの取り外しを規制する取外規制手段(カバー部材210や固定具211等)を備えていることを特徴とするD1に記載の遊技機。」と置き換えることも可能である。
特徴D3.遊技機前方に開放された筐体(筐体11)を有し、
前記遊技機前面体は、前記筐体の開放部分を開閉可能に塞ぐものであり、
前記遊技媒体排出手段は、遊技媒体を貯留する貯留タンク(貯留タンク181)及び当該貯留タンクに貯留された遊技媒体を前記遊技機前面部に設けられた払出部(例えばメダル排出口34)より遊技機外部へと払い出すための払出装置(払出装置191)を有してなり、
前記遊技媒体排出手段は、前記筐体内に配置されているとともに、前記筐体の開放部位を介して着脱され、
前記筐体には、前記遊技媒体排出手段の着脱方向を規定し、当該遊技媒体排出手段の筐体奥側への移動に基づき同遊技媒体排出手段を前記所定位置に導く規定部(ガイドレール153)が設けられていることを特徴とするD1又はD2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、遊技媒体排出手段を装着する際には当該遊技媒体排出手段が規定部によって所定位置に導かれることとなる。このように遊技媒体排出手段の移動方向を規定することにより、同遊技媒体排出手段の位置ずれや位置ばらつきを抑制し、検知手段による検知を一層確実なものとすることができる。
特徴D4.前記規定部により規定された装着方向に沿って前記遊技媒体排出手段を装着する場合、前記遊技媒体排出手段が前記所定位置に配置されている状態においては、前記検知手段に対して重なり、前記検知手段を遮蔽する遮蔽部(例えばホッパ装置180の収容部214)を備えていることを特徴とするD3に記載の遊技機。
特徴D4によれば、検知手段によって遊技媒体排出手段の移動が検知される際には、検知手段がに遮蔽部によって遮蔽されることとなる。このため、筐体の開放部位を介しての検知手段へのアクセスが遮蔽部によって妨げられ、同検知手段に対して不正な操作がなされることを抑制できる。例えば、遮蔽部を遊技媒体排出手段に設けるとよい。これにより、構成の複雑化を抑えつつ、検知手段の遮蔽を好適に行うことができる。
なお、本特徴を「前記遊技媒体排出手段が前記所定位置に配置されている状態にて、前記規定部により規定された装着方向の手前側から前記検知手段に対して重なっているとともに、前記検知手段を遮蔽する遮蔽部を備えていることを特徴とするA3に記載の遊技機」と置き換えることも可能である。
特徴D5.前記遮蔽部は、前記遊技媒体排出手段が前記所定位置に配置されている状態にて、前記検知手段を収容する収容空間(例えば収容空間HSや閉空間CS)を形成していることを特徴とするD4に記載の遊技機。
特徴D5によれば、遮蔽部によって形成された収容空間内に検知手段が収容されている状態にて、同検知手段による遊技媒体排出手段の移動検知を実施できる。収容空間内に検知手段を収めることにより、当該検知手段の露出を抑えることが可能となる。これにより検知手段の動作を妨害するといった行為を好適に抑制でき、更なる防犯性の向上に貢献できる。例えば、収容空間を、同収容空間外への検知手段の露出を抑える遮蔽空間又は閉空間によって構成するとよい。
特徴D6.前記遮蔽部は、前記遊技媒体排出手段側に設けられた排出手段側遮蔽部(例えばカバー収容部1068)と、前記設置部側に設けられた設置部側遮蔽部(例えばスイッチカバー1050)とを有してなり、
それら排出手段側遮蔽部及び設置部側遮蔽部が組み合わされることに基づいて、前記収容空間が形成されることを特徴とするD5に記載の遊技機。
遊技媒体排出手段を移動可能に保持する構成とした場合には、遊技媒体排出手段の移動に併せて検知手段を隠す構成とすることが望ましい。しかしながら遮蔽部を、設置部側及び遊技媒体排出手段側のいずれか一方にのみ設ける構成とした場合、メンテナンス等の際に検知手段にアクセスすることも困難となり得る。これは作業性の面から見て好ましくない。この点、本特徴においては、遊技媒体排出手段を装着した状態においては検知手段へのアクセスを困難なものとし、遊技媒体排出手段を取り外した状態においては検知手段へのアクセスを容易なものとすることができる。これにより、作業性の向上と防犯性の向上とを好適に両立することができる。
なお、「前記遊技媒体排出手段側に設けられた排出手段側遮蔽部」と「前記設置部側に設けられた設置部側遮蔽部」とは、遊技媒体排出手段の移動に基づいて位置関係が変わるように配置された一組の遮蔽部を示している。つまり、「前記設置部側」とは、設置部側遮蔽部の配設対象は必ずしも設置部に限定されるものではなく、設置部に付随する構成であってもよいことを示している。
特徴D7.前記遮蔽部は、
前記遊技媒体排出手段側及び前記設置部側のいずれか一方に設けられ、前記検知手段の周囲を囲むとともに、前記規定部によって規定された前記遊技媒体排出手段の装着方向において他方側を向くように開放されている第1周壁部(例えばカバー収容部1068)と、
前記遊技媒体排出手段側及び前記設置部側の他方に設けられ、少なくとも前記第1周壁部における開放部位を含んだ領域を覆う第2周壁部(例えばスイッチカバー1050)とを備えていることを特徴とするD4乃至D6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D7によれば、特徴D6と同様の効果を奏する。すなわち、第1周壁部及び第2周壁部が組み合わされることによって、検知手段へのアクセスを妨げる周壁部が形成される。これにより、検知手段が不正に操作されるといった不都合を生じにくくすることができる。
特徴D8.前記検知手段は、前記遊技媒体排出手段の移動を検知する第1位置と、前記遊技媒体排出手段の移動を検知しない第2位置との両位置に切り替え可能に設けられているとともに、前記規定部によって規定された着脱方向への前記遊技媒体排出手段の移動に基づいてそれら第1位置と第2位置との切り替えがなされるように構成され、
前記第1周壁部及び前記第2周壁部は、前記遊技媒体排出手段が前記所定位置から移動される場合に前記検知手段によって前記遊技媒体排出手段の移動が検知されるまでは同第1周壁部の開放部位が同第2周壁部によって覆われ状態が継続されるように構成されていることを特徴とするD7に記載の遊技機。
本特徴に示すように、第1周壁部の開放部位が第2周壁部によって覆われた状態にて検知手段の位置の切り替えが行われる構成とすることにより、特徴D4乃至特徴D7に記載の構成を好適に実現でき、検知手段への不正なアクセスを抑制するとともに、同検知手段による位置検知が阻害されるといった不都合を生じにくくすることが可能となる。
なお、例えば第1周壁部と第2周壁部とが前記規定部によって規定された方向にて相互に重なる構成とし、第2位置から第1位置への前記検知手段の位置の切り替えに要する前記遊技媒体排出手段の移動量(スライド量S1)よりも、第1周壁部及び第2周壁部の重なり量(例えば重なり量R1)が大きくなるように設定するとよい。
特徴D9.前記検知手段は、前記遊技媒体排出手段の移動を検知する第1位置と、前記遊技媒体排出手段の移動を検知しない第2位置との両位置に切り替え可能に設けられているとともに、前記規定部によって規定された着脱方向への前記遊技媒体排出手段の移動に基づいてそれら第1位置と第2位置との切り替えがなされるように構成されていることを特徴とするD1乃至D7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D9によれば、遊技媒体排出手段の移動(すなわち遊技媒体排出手段の位置の変化)に基づいて検知手段の位置切り替えが行われる。このように、移動式の検知手段を用いることで実用上好ましい構成を実現できる。
詳しくは、遊技媒体排出手段に対する不正は、遊技機に電力が供給されている電力供給時のみならず、電力の供給が遮断された電力供給遮断時(例えば夜間時)においても同様に発生し得る。このため、遊技媒体排出手段の移動検知は、電力供給遮断時においても実施されることが好ましい。かかる場合、仮に光学式の非接触センサ等を用いる構成を採用すると、電力供給遮断時にセンサ等に供給する電力を貯える蓄電部を設け、更にはこの蓄電部の蓄電容量を大きく設定する必要が生じる。これは節電の観点から好ましくない。この点、本特徴に示すように、可動式の検知手段を有する構成とすれば、検知手段を動作させるための電力を減縮でき節電に貢献できる。
特に特徴D4乃至D7との組み合わせ(すなわち遮蔽部を有する構成との組み合わせ)においては、遮蔽部において第2位置から第1位置への切り替えがなされている間は、遮蔽部によって検知手段へのアクセスが抑制されることで、検知手段の位置切り替えが阻害されるといった不都合を生じにくくすることができる。
特徴D10.前記設置部は、前記遊技媒体排出手段に対して下側から当接することにより同遊技媒体排出手段を支持する支持プレートであり、
前記検知手段は、前記支持プレートにおいて前記遊技媒体排出手段と対向している部分に配置されており、
前記検知手段の前記第1位置は前記遊技媒体排出手段側に突出した位置であり、前記第2位置は前記第1位置よりも突出が抑えられた位置であることを特徴とするD8又はD9に記載の遊技機。
特徴D10によれば、遊技媒体排出手段は支持プレートによって下側から支持されており、この支持プレートにおいて遊技媒体排出手段と対向している部分に検知手段が配置されている。これにより、検知手段の第1位置への移動を遊技媒体排出手段の自重によって抑えることが可能となっている。このように遊技媒体排出手段の自重をもって第2位置へ留めることにより、遊技媒体排出手段の位置ばらつき等の影響を受けにくくすることができる。
特徴D11.前記検知手段は、前記第1位置及び前記第2位置の切り替えに基づく移動成分として、前記規定部によって規定された前記遊技媒体排出手段の着脱方向に対して直交する方向への移動成分を有するように設けられていることを特徴とするD8乃至D9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D11によれば、規定部によって規定された方向のみならず他の方向への移動を検知することが可能となる。これにより、検知手段を第2位置に留めたまま遊技媒体排出手段をずらすといった行為を検知しやすくでき、更なる防犯性の向上に貢献できる。
例えば、第2位置から第1位置に向けて付勢する付勢手段と、遊技媒体排出手段の移動に基づいて第1位置から第2位置に導くガイド部(例えばレバー部材231の平面部233)を設けるとよい。
特徴D12.前記検知手段は、前記設置部に対して装着されていることを特徴とするD1乃至D11のいずれか1つに記載の遊技機。
検知手段による検知結果を報知等するには、検知手段を他の機器に対して接続する必要が生じる。仮に検知手段を遊技媒体排出手段に装着した場合には、遊技媒体排出手段の着脱に対してそれらの接続を解除する解除作業が別途必要となると想定され、作業が煩雑化すると懸念される。この点、本特徴に示すように、検知手段を設置部に装着すれば、上述したような不都合を解消でき、作業の煩雑化を抑制できる。
特徴D13.遊技機前方に開放された筐体(筐体11)を有し、
前記遊技機前面体は、前記筐体の開放部分を開閉可能に塞ぐものであり、
前記遊技媒体排出手段は、遊技媒体を貯留する貯留タンク(貯留タンク181)及び当該貯留タンクに貯留された遊技媒体を前記遊技機前面部に設けられた払出部(例えばメダル排出口34)より遊技機外部へと払い出すための払出装置(払出装置191)を有してなり、
前記遊技媒体排出手段は、前記筐体内に配置されているとともに、前記筐体の開放部位を介して着脱され、
前記設置部は、前記筐体に固定され、前記遊技媒体排出手段に対して下側から当接することにより同遊技媒体排出手段を支持する支持プレートであり、
前記検知手段は、前記支持プレートが前記筐体から取り外されることに基づき同支持プレートからの取り外しが可能となるように構成されていることを特徴とするD12に記載の遊技機。
特徴D13によれば、検知手段の取り外しが支持プレートの取り外しに基づき可能となるように構成されている。支持プレートは遊技媒体排出手段を支持する機能を有しており、同支持プレートを取り外しには、遊技媒体排出手段の移動が伴いやすくなる。これにより、検知手段の取り外しを困難なものとすることができる。
特徴D14.前記遊技媒体排出手段の着脱方向を規定し、当該遊技媒体排出手段の筐体奥側への移動に基づき同遊技媒体排出手段を前記所定位置に導く規定部(ガイドレール153)と、
前記支持プレートを前記筐体に対して固定する固定具(固定具152)と
を備え、
前記固定具は、前記遊技媒体排出手段よりも前記規定部によって規定された前記遊技媒体排出手段の装着方向における奥側となる位置に配置されていることを特徴とするD13に記載の遊技機。
特徴D14によれば、遊技媒体排出手段自身によって固定具へのアクセスを妨げることができ、遊技媒体排出手段,支持プレート及び検知手段がまとめて取り外されるといった不都合を生じにくくすることができる。また、遊技媒体排出手段に対する不正行為を検知手段によって抑制し、検知手段に対する不正行為を遊技媒体排出手段によって抑制することで、効果的な防犯対策を実現できる。
特徴D15.前記遊技媒体排出手段の着脱方向を規定し、当該遊技媒体排出手段の筐体奥側への移動に基づき同遊技媒体排出手段を前記所定位置に導く規定部(ガイドレール153)と、
前記支持プレートを前記筐体に対して固定する固定具(固定具1090)と
を備え、
前記遊技媒体排出手段が前記所定位置に配置されている場合には、前記固定具の取り外し軌道上に当該遊技媒体排出手段が位置していることを特徴とするD13又はD14に記載の遊技機。
特徴D15に示すように、固定具の取り外し軌道上に遊技媒体排出手段が配置されていることにより、同固定具の取り外しを遊技媒体排出手段によって妨げることができる。これにより、遊技媒体排出手段に対する不正行為を検知手段によって抑制し、検知手段に対する不正行為を遊技媒体排出手段によって抑制することが可能となり、効果的な防犯対策を実現できる。
特徴D16.遊技機前方に開放された筐体(筐体11)と、
前記筐体の開放部位を覆う遊技機前面体(前面扉12)と、
遊技媒体を貯留する貯留タンク(貯留タンク181)及び当該貯留タンクに貯留された遊技媒体を前記遊技機前面部に設けられた払出部(例えばメダル排出口34)より遊技機外部へと払い出すための払出装置(払出装置191)を有してなり、前記筐体内部に配置されているホッパ装置(ホッパ装置180等)と、
前記筐体に設けられ、前記ホッパ装置に対して下側から当接することにより、同ホッパ装置を着脱可能に支持する支持プレート(下側プレート150)と、
前記支持プレートの所定位置からの前記ホッパ装置の移動を検知する検知手段(ホッパ監視スイッチ230等)と
を備え、
前記ホッパ装置は、
遊技媒体の排出を監視する機能及び前記遊技媒体排出手段による遊技媒体の排出が実行されるように制御する機能の少なくともいずれかを有して遊技媒体の排出の管理を行う排出管理部(払出制御基板196やメダル検出センサ197)と、
前記排出管理部を収容する収容部(ハウジング192)と、
前記収容部からの前記排出管理部の取り外しを許容する開口部(開口199)と、
を備え、
前記開口部は前記支持プレートによって覆われていることを特徴とする遊技機。
特徴D16によれば、所定位置からホッパ装置が移動することにより、同ホッパ装置の移動が検知手段によって検知される。ホッパ装置には、遊技媒体の排出の管理を行う排出管理部が設けられており、この排出管理部を取り外すには、ホッパ装置を筐体外に持ち出すか、筐体内で持ち上げる必要がある。これらの動きを検知手段によって検知することにより、排出管理部に対する不正なアクセスを好適に抑制できる。
なお、上記各特徴に示した技術的思想を本特徴に対して適用することも可能である。
特徴D17.遊技媒体を払い出す遊技媒体払出手段(ホッパ装置180等)と、
前記遊技媒体排出手段が設置される設置部(下側プレート150)と、
前記設置部の所定位置からの前記遊技媒体排出手段の移動を検知する検知手段(ホッパ監視スイッチ230等)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D17によれば、特徴D1に示した効果と同様の効果を奏する。すなわち、遊技媒体の払い出しに係る構成が所定位置から移動された場合には、その移動を検知手段によって検知することができる。これにより、遊技媒体の払い出しに係る構成への不正を発見しやすくすることができる。なお、上述したD2乃至D15に示した技術的思想を本特徴に適応してもよい。
特徴D18.前記遊技媒体排出手段の移動が検知されているか否かの監視制御を実行する制御手段(監視側MPU811)と、
当該制御手段により前記遊技媒体排出手段の移動が発生していることが特定されたことに基づいて、報知を実行するように前記制御手段により制御される報知手段(例えば液晶表示装置410)と
を備えていることを特徴とするD1乃至D17のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D18によれば、遊技媒体排出手段の移動がなされた場合には、その事実が報知手段によって報知される。このため、仮に遊技媒体排出手段に対する不正がなされた場合であっても、その事実の確認をホール管理者等に促すことができ、不正の早期発見に貢献できる。
特徴D19.前記遊技媒体排出手段の移動が検知されているか否かの監視制御を実行する制御手段(監視側MPU811)と、
当該制御手段により前記遊技媒体排出手段の移動が発生していることが特定されたことに基づいて、遊技機外に検知情報を送信する送信手段(例えば液晶表示装置410)と
を備えていることを特徴とするD1乃至D18のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D19によれば、遊技媒体排出手段の移動がなされた場合には、その検知情報が送信手段によって遊技機外(例えばホール管理用のコンピュータ等)に送信される。このため、仮に遊技媒体排出手段に対する不正がなされた場合であっても、その事実の確認をホール管理者等に促すことができ、不正の早期発見に貢献できる。
特徴E1.遊技に関する制御を行う制御基板(主制御基板620)と、
内部空間が形成されており、その内部空間に前記制御基板が収容されている基板ケース(基板ボックス630)と、
前記基板ケースを着脱可能に保持する保持手段(台座ユニット710)と、
前記基板ケースが前記保持手段から取り外される場合に、所定位置からの当該基板ケースの移動を検知する検知手段(主制御装置監視スイッチ790)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、基板ケースが取り外される場合に同基板ケースが所定位置から移動すると、その移動が検知手段によって検知される。検知手段を用いて基板ケースの取り外しを監視することにより、制御基板に対する不正を抑制することができる。また、仮に制御基板の不正な交換等がなされた場合であっても、そのような事実を把握しやすくでき、被害の発生を抑えることが可能となっている。
特徴E2.前記基板ケースは、相互に組み合わされることにより当該基板ケースの内部空間の少なくとも一部を形成する第1ケース構成体(例えば表側構成体631)及び第2ケース構成体(例えば裏側構成体632)を備え、
前記保持手段は、少なくとも前記所定位置に前記基板ケースが配置されている状態にて、それら第1ケース構成体及び第2ケース構成体の分離を規制するように構成されていることを特徴とするE1に記載の遊技機。
特徴E2によれば、基板ケースが所定位置に配置されている状態においては、両ケース構成体の分離、すなわち基板ケースの内部空間の開放が規制されている。つまり、基板ケースを所定位置に配置したまま、第1ケース構成体及び第2ケース構成体を分離することが規制されている。制御基板の取り外しには先ず基板ケースを所定位置から移動させる必要が生じ、例えば保持手段から基板ケースを取り外す必要が生じ、検知手段による移動検知を回避して制御基板にアクセスすることが困難なものとなっている。
特徴E3.前記基板ケースは、前記第1ケース構成体及び前記第2ケース構成体の分離作業時におけるそれら両ケース構成体の相対移動方向を規定する構成体側規定部(例えば表側構成体631の表側周壁部645及び裏側構成体632の裏側周壁部685)を備え、
前記保持手段は、前記基板ケースを支えることにより又は挟むことにより同基板ケースを保持するホルダ部材であるとともに、前記基板ケースの取り外し作業時における当該基板ケース及び前記保持手段の相対移動方向を規定する保持手段側規定部(ガイド溝761等)を備え、
それら前記構成体側規定部及び前記保持手段側規定部は、少なくとも前記基板ケースが前記所定位置に配置された状態において、前記構成体側規定部によって規定される前記第1ケース構成体及び前記第2ケース構成体の相対移動方向と、前記保持手段側規定部によって規定される前記基板ケース及び前記保持手段の相対移動方向とが異なるように構成されていることを特徴とするE1又はE2に記載の遊技機。
特徴E3によれば、第1ケース構成体及び第2ケース構成体の分離方向と、保持手段(ホルダ部材)からの基板ケースの取り外し方向とが異なっていることにより、少なくとも基板ケースが所定位置に配置されている状態においては基板ケースの分離を保持手段側規定部により抑制することができる。本特徴に示す構成を採用することにより、特徴E2に示す構成を好適に実現することができる。
特徴E4.前記基板ケースは、相互に組み合わされることにより当該基板ケースの内部空間の少なくとも一部を形成する第1ケース構成体(表側構成体631)及び第2ケース構成体(裏側構成体632)を備え、
前記制御基板は、前記第1ケース構成体に固定されており、
前記検出手段は、少なくとも前記第1ケース構成体の前記所定位置からの移動を検知するものであることを特徴とするE1乃至E3のいずれか1つに記載の遊技機。
基板ケースは一般的に複数のケース構成体によって形成されることが多い。この場合、基板ケースを所定位置に配置した状態にて基板ケースを分離することにより、検知手段による移動検知が回避されるといった不都合が生じ得る。この点、本特徴に示すように、少なくとも制御基板の固定対象たる第1ケース構成体を検知手段による検知対象とすることで、検知手段による検知を回避しつつ、制御基板を取り外すといった行為を好適に抑制できる。
なお、制御基板が遊技制御プログラムを記憶した素子を搭載している場合、前記第1ケース構成体によって制御基板における素子搭載面側が覆われる構成とするとよい。また、このような構成を適用する場合には、第1ケース構成体と保持手段との間に第2ケース構成体を配置し、且つ制御基板の素子搭載面を保持手段側と反対側を向けるとよい。これにより、第2ケース構成体へのアクセスをしづらくし、仮に第2ケース構成体が取り外された場合であっても、素子を取り外しにくくできる。故に、更なる防犯性の向上を期待できる。
特徴E5.前記保持手段は、前記基板ケースの外周部に対して当接することにより、同基板ケースを支えるもの又は挟むものであり、
前記検知手段は、前記基板ケース及び前記保持手段によって挟まれた領域に配置されていることを特徴とするE1乃至E4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴E5によれば、検知手段の露出を抑えることができ、検知手段に対して不正なアクセスがなされることを抑制することができる。
特徴E6.前記検知手段は、前記基板ケースの移動を検知するセンサ部(出没ピン791)を備え、
前記基板ケースが前記所定位置に配置されている状態においては、少なくとも前記センサ部を収容する収容空間(閉空間CS)が形成されていることを特徴とするE1乃至E5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴E6によれば、基板ケースが所定位置に配置されている状態では、センサ部を収容する収容空間が形成される。このようにセンサ部を収容空間内に収めることにより、当該センサ部の露出を抑えることが可能となる。これによりセンサ部の動作を妨害するといった行為を好適に抑制でき、更なる防犯性の向上に貢献できる。例えば、収容空間を、同収容空間外へのセンサ部の露出を抑える遮蔽空間又は閉空間によって構成するとよい。
特徴E7.前記収容空間は、前記基板ケース側に設けられたケース側空間形成部(例えば表側構成体631の表側周壁部645や裏側構成体632の裏側周壁部685)と、前記保持手段側に設けられた保持手段側空間形成部(例えばガイド溝761)とが組み合わされることによって形成されていることを特徴とするE6に記載の遊技機。
基板ケースを着脱可能に保持する構成においては、基板ケースの装着に基づいて検知手段(詳しくはセンサ部)を隠す構成とすることが望ましい。しかしながら、例えば収容空間を基板ケース及び保持手段のいずれか一方によって形成とした場合、メンテナンス等の際に検知手段にアクセスすることも困難となり得る。これは作業性の面から見て好ましくない。この点、本特徴においては、基板ケースを装着した状態においては検知手段へのアクセスを困難なものとし、基板ケースを取り外した状態においては検知手段へのアクセスを容易なものとすることができる。これにより、作業性の向上と防犯性の向上とを好適に両立することができる。
なお、「前記基板ケース側に設けられたケース側空間形成部」と「前記保持手段側に設けられた保持手段側空間形成部」とは、基板ケースと保持手段との相対移動に基づいて位置関係が変わるように配置されているものである。この点に着目し、「前記保持手段側」は、保持手段側空間形成部の配設対象は必ずしも保持手段に限定されるものではなく、保持手段に付随する構成であってもよいことを示している。同様に「前記基板ケース側」は、ケース側空間形成部の配設対象は必ずしも基板ケースに限定されるものではなく、基板ケースに付随する構成であってもよいことを示している。
特徴E8.前記保持手段は、ホルダ部材であるとともに、前記基板ケースの取り外し作業時における当該基板ケース及び前記保持手段の相対移動方向を規定する通路状の保持手段側規定部(ガイド溝761等)を備え、
前記基板ケースは、前記保持手段側規定部の通路部分に嵌まるとともに、当該基板ケースが前記所定位置に配置されている状態にて前記保持手段側規定部の通路部分を閉塞する閉塞部(例えば表側構成体631の表側周壁部645や裏側構成体632の裏側周壁部685)を有しており、
前記検知手段は、前記基板ケースの前記所定位置からの移動を検知する第1位置及び検知しない第2位置の両位置に、前記基板ケース及び前記保持手段の相対移動に基づいて切り替え可能に設けられた可動部(出没ピン791)を有し、
前記可動部は、前記保持手段側規定部及び前記閉塞部によって閉塞された空間を移動することにより前記第1位置及び前記第2位置の切り替えがなされるように構成されていることを特徴とするE1乃至E7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴E8によれば、基板ケースを所定位置に配置することにより、その基板ケースと保持手段とによって検知手段における可動部の露出を抑えることができる。可動部は、基板ケース及び保持手段の外部から閉塞された空間を移動するため、可動部にアクセスされ当該可動部の位置切り替えが妨げられるといった不都合を生じにくくすることができる。故に、更なる防犯性の向上が期待できる。
なお、特徴E7及び特徴E8との組み合せにおいては「可動部」を「センサ部」と置き換えてもよい。
特徴E9.前記保持手段は、ホルダ部材であるとともに、前記基板ケースの取り外し作業時における当該基板ケース及び前記保持手段の相対移動方向を規定する保持手段側規定部(ガイド溝761等)を備え、
前記保持手段側規定部によって規定された方向への前記基板ケースの移動に基づき前記基板ケース又は前記保持手段において前記検知手段による検知対象となる部分が移動する移動経路上に、前記保持手段と前記基板ケースとを固定する固定手段が配置されていることを特徴とするE1乃至E8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴E9によれば、保持手段と基板ケースとを固定する固定手段が設けられており、その固定手段は検知手段による検知対象となっている部分が移動する移動経路上に配置されている。これにより、検知手段とその検知対象部分との離れを抑制し、基板ケースのがたつき等に起因して同基板ケースの移動が過敏に検知されるといった不都合を生じにくくすることができる。
特徴E10.前記保持手段が装着される装着部(筐体11の背板11c)を備え、
前記保持手段が前記装着部に装着されている状態においては前記検知手段の取り外しを不可とし、前記保持手段が前記装着部から取り外されている状態においては前記検知手段の取り外しを許容する検知手段取外規制部(例えば台座部材720の左側折曲部726や副制御装置800の膨出部823)を備えていることを特徴とするE1乃至E9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴E10によれば、検知手段を取り外すには先ず保持手段を装着部から取り外す必要が生じる。このように検知手段の取り外しに所定の作業手順を設定することにより、保持手段を装着部に対して装着した状態でも検知手段の取り外し作業を行うことができる構成と比較して取り外し作業の手間が増える。これにより、検知手段に対する不正行為を抑制することができる。
特徴E11.少なくとも前記基板ケースが前記所定位置に配置されている状態において前記保持手段の取り外しを規制する保持手段取外規制部を有していることを特徴とするE1乃至E10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴E11によれば、制御基板(基板ケース)が保持手段ごと取り外されるといった不都合の発生を回避することができる。これにより、検知手段による移動検知が回避されやすくなることを回避し、防犯性の向上に貢献できる。
特徴E12.前記保持手段を前記装着部に固定する固定具(例えば固定具1180)を備え、
少なくとも前記基板ケースが前記所定位置に配置されている状態では、当該基板ケース及び前記保持手段の少なくともいずれかが前記固定具の取り外し軌道上に位置していることを特徴とするE1乃至E11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴E12によれば、少なくとも基板ケースが所定位置に配置されている状態では、基板ケース又は保持手段によって固定具の取り外し軌道上に基板ケース及び保持手段の少なくともいずれかが位置している。これにより、装着部から固定手段が不正に取り外されることを抑制でき、基板ケースが保持手段ごと入れ替えられるといった不都合を生じにくくすることが可能となる。
特徴E13.前記検知手段は、前記保持手段に対して装着されていることを特徴とするE1乃至E12のいずれか1つに記載の遊技機。
検知手段による検知結果を報知等するには、検知手段を他の機器に対して接続する必要が生じ得る。仮に検知手段を遊技媒体排出手段に装着した場合には、遊技媒体排出手段の着脱に対してそれらの接続を解除する解除作業が別途必要となると想定され、作業が煩雑化すると懸念される。この点、本特徴に示すように、検知手段を保持手段に装着すれば、上述したような不都合を解消でき、作業の煩雑化を抑制できる。
特徴E14.前記検知手段は、前記基板ケースの前記所定位置からの移動を検知する第1位置及び検知しない第2位置の両位置間で切り替え可能に設けられており、
前記基板ケースと前記保持手段との相対移動に基づいて、前記第1位置と前記第2位置との切り替えが行われることを特徴とするE1乃至E13のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴E14によれば、基板ケースと保持手段との相対移動(すなわち相対位置の変化)に基づいて検知手段の位置切り替えが行われる。このように、移動式の検知手段を用いることで実用上好ましい構成を実現できる。
詳しくは、基板ケースに対する不正は、遊技に電力が供給されている電力供給時のみならず、電力の供給が遮断された電力供給遮断時(例えば夜間時)においても同様に発生し得る。このため、基板ケースの移動検知は、電力供給遮断時においても実施されることが好ましい。かかる場合、仮に光学式の非接触センサ等を用いた場合、電力供給遮断時にセンサ等に供給する電力を貯える蓄電部を設け、更にはこの蓄電部の蓄電容量を大きく設定する必要が生じる。これは、節電の観点から好ましくない。この点、本特徴に示すように、可動式の検知手段を有する構成とすれば、検知手段を動作させるための電力を減縮でき節電に貢献できる。
特徴E15.前記検知手段によって前記基板ケースの移動が検知された回数を残存させる残存手段(例えば副制御装置800)を備えるとともに、
前記基板ケース及び前記保持手段の外側から破壊又は除去可能に設けられ、破壊又は除去された場合に前記保持手段からの前記基板ケースの取り外しを可能とするとともに、同基板ケースが取り外されたことの痕跡を残存させる痕跡手段(例えばボックス側結合部667の支持部668)を複数備えていることを特徴とするE1乃至E14のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴E15によれば、残存手段によって検知回数を残存させることにより、不正の確認作業をホール管理者等が任意のタイミングで実施することが可能となる。例えば、検知結果を1つだけ記憶する構成とした場合を想定すれば、最新の検知結果を取得するために古い検知結果を消去等する必要が生じる。これでは、過去の開封履歴(例えば不正事実)の確認が困難なものとなり得るため好ましくない。この点、本特徴に示すように、回数を残存させる構成とすれば、不正が行われた可能性があることを後に把握することが可能となり、実用上好ましい構成を実現できる。なお、好ましくは、検知回数を履歴(例えば検知が行われた日時等の情報を含むデータ)として残存させる構成とすると一層好ましい。因みに、「残存手段」は、例えば検知回数を記憶する「記憶手段」と置き換えることも可能である。
また、基板ケースの取り外しに伴ってその取り外し事実が痕跡として残ることとなる。痕跡手段による痕跡数と、残存手段による検知回数とを照合することにより、不正な取り外しが行われているか否かをより正確に把握することが可能となっている。
特徴E16.前記基板ケースの移動が検知されているか否かの監視制御を実行する制御手段(監視側MPU811)と、
当該制御手段により前記基板ケースの移動が発生していることが特定されたことに基づいて、報知を実行するように前記制御手段により制御される報知手段(例えば液晶表示装置410)と
を備えていることを特徴とするE1乃至E15のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴E16によれば、基板ケースの移動がなされた場合には、その事実が報知手段によって報知される。このため、仮に基板ケースに対する不正がなされた場合であっても、その事実の確認をホール管理者等に促がすことができ、不正の早期発見に貢献できる。
特徴E17.前記基板ケースの移動が検知されているか否かの監視制御を実行する制御手段(監視側MPU811)と、
当該制御手段により前記基板ケースの移動が発生していることが特定されたことに基づいて、遊技機外に検知情報を出力するように前記制御手段により制御される出力手段(例えば液晶表示装置410)と
を備えていることを特徴とするE1乃至E13のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴E17によれば、基板ケースの移動がなされた場合には、その検知情報が出力手段によって遊技機外(例えばホール管理用のコンピュータ等)に出力される。このため、仮に基板ケースに対する不正がなされた場合であっても、その事実の確認をホール管理者等に促すことができ、不正の早期発見に貢献できる。
なお「出力手段」としては、例えば信号等を送信する「送信手段」を含む。
特徴E18.支持対象によって回動可能に支持されているとともに、前記検知手段よりも前側に配置されている開閉体(前面扉12や内側扉400)を備え、
前記検知手段は、前記開閉体の回動基端側に偏倚して配置されていることを特徴とするE1乃至E17のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴E18によれば、開閉体を検知手段の前側に配置したことにより、すなわち検知手段を開閉体の後側に配置したことにより、検知手段が開閉体によって前側から覆われた状態となっている。開閉体よりも後側に配置された検知手段(基板ケース)に対してアクセスするには、先ず開閉体を開放する必要がある。本特徴においては特に、検知手段は、開閉体の回動基端側に偏倚して配置されている。このため、検知手段に対するアクセスを容易化するには、開閉体の開放量を大きくする必要がある。このように、開閉体を大きく開放する行為は周囲の注意を引きやすくなる。故に、検知手段に対する不正行為を行いにくくすることができ、更なる防犯性の向上に貢献できる。
特徴E19.前記基板ケースの移動が検知されているか否かの監視制御を実行する制御手段(監視側MPU811)を備え、
前記検出手段は、前記基板ケースにおける一側に偏倚して配置されており、
前記制御手段は、前記基板ケースにおいて前記検知手段が配置されている側と同一側に配置されていることを特徴とするE1乃至E18のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴E19によれば、検知手段と制御手段とが同一側に配置されている。このように、両者を近づけて配置することにより、制御手段と検知手段とを電気的に接続するハーネスが長くなることを抑制できる。検知手段と同様にハーネスも不正の対象となりやすいと想定される。この点、不正の対象となりやすい部位の広がりを抑えることにより、不正確認を必要とする箇所を限定できる。このため、仮に不正が行われた場合であっても、その発見を容易なものとすることができる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
分離型スロットマシン:遊技機前方に開放された筐体と、前記筐体の開放部分を開閉自在に塞ぐ前面扉と、前記筐体の内部空間を上下に区画する仕切り板と、遊技に関する各種制御を実施する制御装置、及び遊技に際し複数の絵柄からなる絵柄列を変動表示する絵柄表示装置を有しそれら制御装置及び絵柄表示装置をユニット本体内に搭載した表示ユニットと、遊技媒体(メダル)を前記前面扉に設けられた払出部より遊技機外部へと払い出すホッパ装置とを備え、前記仕切り板よりも上側に前記表示ユニットが配置されているとともに、前記仕切り板よりも下側に前記ホッパ装置が配置されており、始動用操作手段の操作に起因して絵柄の変動が開始され、停止用操作手段が操作された場合に絵柄の変動を停止し、その停止時の最終停止絵柄が特定絵柄である場合に遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。