JP5802351B1 - マグネシウム合金用消火薬剤、マグネシウム合金の消火方法およびマグネシウム合金用消火器 - Google Patents

マグネシウム合金用消火薬剤、マグネシウム合金の消火方法およびマグネシウム合金用消火器 Download PDF

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Abstract

【課題】使い勝手が良く、保管が容易であり、さらに、マグネシウム合金の火災を安全かつ効果的に消火可能なマグネシウム合金用消火薬剤ならびに当該マグネシウム合金用消火薬剤を用いたマグネシウム合金の消火方法およびマグネシウム合金用消火器を得る。【解決手段】このマグネシウム合金用消火薬剤は、不燃性の粉末体34と、発泡剤33と、からなるものであって、粉末体34と発泡剤33とが混合されながら大気中に噴出され、発泡剤33が泡状の発泡体となるとともに、粉末体34が発泡体中に分散することを特徴とするものである。また、このマグネシウム合金用消火器10は、粉末体と発泡剤とを混合しながら大気中に噴出する消火薬剤噴出手段を備え、消火薬剤噴出手段によって大気中に噴出された発泡剤が泡状の発泡体となるとともに粉末体が発泡体中に分散することでマグネシウム合金の消火を実行するものである。【選択図】図1

Description

本発明は、マグネシウム合金用消火薬剤、マグネシウム合金の消火方法およびマグネシウム合金用消火器に関する。
マグネシウム合金は、加工しやすく、軽量で強度が大きいので、様々な分野で利用されることが期待されている。例えば、下記の特許文献1には、自動車、船舶又は航空機用部品に使用することができるマグネシウム合金が開示されている。
特開2010−065318号公報
ところで、マグネシウム合金は、ひとたび燃焼すると空気中の酸素や水分子の酸素を奪い続けて急速に酸化し、大きな火災につながる場合がある。したがって、消防法では、所定の要件のマグネシウムを取り扱う場合には予め許可を受けることが必要とされ、マグネシウム合金の火災には、酸素を有する水などによる消火を行わないこととしている。
そして、マグネシウム合金の火災に対しては、乾燥した砂や金属用消火器などによる消火が行われている。しかしながら、金属用消火器は、燃焼している金属の真上から消火薬剤を掛けなければならず、使い勝手が悪いという課題があった。また、乾燥した砂を用いる場合、砂が水分を含んでいると、水蒸気爆発などにつながることになるため、砂を確実に乾燥させた状態で維持することが必要であり、管理上の負荷が多大であった。
そこで、本発明は、上記の課題を鑑みて成されたものであり、その目的は、使い勝手が良く、保管が容易であり、さらに、マグネシウム合金の火災を効果的に消火可能なマグネシウム合金用消火薬剤、当該マグネシウム合金用消火薬剤を用いたマグネシウム合金の消火方法および当該マグネシウム合金用消火薬剤を用いたマグネシウム合金用消火器を提供することにある。
本発明に係るマグネシウム合金用消火薬剤は、不燃性の粉末体と、発泡剤と、からなるマグネシウム合金用消火薬剤であって、泡状の発泡体である状態の前記発泡剤の中に、前記粉末体が分散して存在することを特徴とするものである。
また、本発明に係るマグネシウム合金用消火薬剤において、前記粉末体は、水に溶けない不水溶性又は水に溶けにくい難水溶性であることとすることができる。
さらに、本発明に係るマグネシウム合金用消火薬剤において、前記粉末体は、酸化マグネシウム粉末を含むこととすることができる。
またさらに、本発明に係るマグネシウム合金用消火薬剤において、前記粉末体は、無水炭酸マグネシウム粉末を含むこととすることができる。
さらにまた、本発明に係るマグネシウム合金用消火薬剤において、前記発泡剤は、主成分が界面活性剤であることとすることができる。
本発明に係るマグネシウム合金の消火方法は、不燃性の粉末体と、発泡剤と、からなるマグネシウム合金用消火薬剤を用いるものであって、前記粉末体と前記発泡剤とを混合しながら大気中に噴出し、前記発泡剤が泡状の発泡体となるとともに、前記粉末体が当該発泡体中に分散し、マグネシウム合金の消火が実行されることを特徴とするものである。
本発明に係るマグネシウム合金用消火器は、上述したマグネシウム合金用消火薬剤を用いるものであって、前記粉末体と前記発泡剤とを混合しながら大気中に噴出する消火薬剤噴出手段を備え、前記消火薬剤噴出手段によって大気中に噴出された前記発泡剤が泡状の発泡体となるとともに、前記粉末体が当該発泡体中に分散することで、マグネシウム合金の消火を実行することを特徴とするものである。
本発明に係るマグネシウム合金用消火器は、上述したマグネシウム合金用消火薬剤を噴出可能なものであって、前記粉末体と前記発泡剤とを分離状態で収納する容器と、前記容器に収納された前記粉末体と前記発泡剤とを大気中に噴出する消火薬剤噴出手段と、を備えることを特徴とするものである。
本実施例に係るマグネシウム合金用消火薬剤が充填されたマグネシウム合金用消火器の構成例を示す概略断面図である。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
発明者らは、上述した課題の解決のために鋭意研究を行った結果、不燃性の粉末体と、発泡剤と、から構成されるマグネシウム合金用消火薬剤を用いることで、燃焼しているマグネシウム合金を安全かつ効果的に消火することができるとの知見を得た。そこで、以下に記す実施形態では、発明者らが見出したマグネシウム合金用消火薬剤および当該マグネシウム合金用消火薬剤を用いたマグネシウム合金用消火器について、説明することとする。
本実施形態に係るマグネシウム合金用消火薬剤は、不燃性の粉末体と、発泡剤と、から構成される。
不燃性の粉末体は、燃えない又は燃えにくい性質を持つ粉末体である。粉末体としては、水に溶けない不水溶性又は水に溶けにくい難水溶性の性質を持つものを用いることができ、例えば、不水溶性である酸化マグネシウム、難水溶性である無水炭酸マグネシウムや塩基性炭酸マグネシウム、又は砂などを用いることができる。
発泡剤は、大気中に噴出される前は液体であり、大気中に噴出された後は泡状となる性質を有するものである。発泡剤としては、例えば、主成分として界面活性剤を含むものを用いることができる。界面活性剤は、強い表面活性を持つ性質を持っており、分子内に親水性の部分と疎水性の部分とを合わせ持つものである。本実施形態に係る発泡剤としての界面活性剤は、燃焼性が低いものを用いることが好ましい。
粉末体と発泡剤とは、燃えない又は燃えにくい性質を持つ不燃性ガスによって混合されながら大気中に噴出される。不燃性ガスとしては、特に限定されないが、アルゴンなどの希ガスや窒素、二酸化炭素などを用いることができる。
不燃ガスによって噴出された発泡剤は、不燃性ガスを気泡として含み、泡状の発泡体となる。一方、不燃性ガスによって噴出された粉末体は、この発泡体中に分散して存在することとなる。
気泡を含んだ発泡体は、気泡間の泡膜の薄膜化や外部刺激によって、泡沫状態が解消される。泡沫状態が解消されると、発泡体中に分散して存在していた粉末体が残ることになる。
このような構成のマグネシウム合金用消火薬剤を、燃焼しているマグネシウム合金に対して噴射すると、粉末体が分散して存在するとともに泡状となった発泡体が、マグネシウム合金を覆うこととなる。また、発泡体がマグネシウム合金を覆う状態は、一定時間維持されることとなる。したがって、本実施形態に係るマグネシウム合金用消火薬剤によれば、マグネシウム合金と空気中の酸素とが接触することを防ぐことができ、窒息作用によって、燃焼しているマグネシウム合金を消火へと導くことができるようになる。そして、一定時間が経過して発泡体の泡沫状態が解消されると、発泡体中に分散して存在していた粉末体が、マグネシウム合金を覆うこととなる。
発明者らは、粉末体が、例えば、酸化マグネシウム粉末を含んでいる場合、燃焼しているマグネシウム合金を消火することができることを確認した。粉末体が、酸化マグネシウム粉末を含んでいる場合には、マグネシウム合金近傍に水が存在しているとき、酸化マグネシウムと水とが反応して水酸化マグネシウムを生じ、また、二酸化炭素および水を吸収して炭酸マグネシウムを生じることにより、マグネシウム合金の燃焼を維持・促進させる原因の1つである水を除去することができるようになる。また、粉末体が、例えば、酸化マグネシウム粉末を含んでいる場合には、泡状の発泡体の泡膜を強化することができ、発泡体の泡沫状態を長く維持することができるようになる。そして、酸化マグネシウム粉末を含む粉末体が分散して存在するとともに泡状となった発泡体が、マグネシウム合金を覆うことにより、マグネシウム合金と空気中の酸素とが接触することを防ぐことができ、窒息作用によって、燃焼しているマグネシウム合金を消火へと導くことができるようになる。そして、発泡体の泡沫状態が解消された後も、酸化マグネシウム粉末を含む粉末体が、マグネシウム合金を覆うことによって、マグネシウム合金と空気中の酸素とが接触することを防ぐことができ、窒息作用によって、燃焼しているマグネシウム合金を消火へと導くことができるようになる。このような効果・作用により、粉末体が、例えば酸化マグネシウム粉末を含んでいる場合、燃焼しているマグネシウム合金を効果的に消火することができたと考えられる。
また、発明者らは、粉末体が、例えば、無水炭酸マグネシウム粉末を含んでいる場合、燃焼しているマグネシウム合金を消火することができることを確認した。粉末体が、無水炭酸マグネシウム粉末を含んでいる場合には、無水炭酸マグネシウムは、高温状況下で二酸化炭素を放出して酸化マグネシウムとなるため、上述したように、マグネシウム合金近傍に水が存在しているとき、生成された酸化マグネシウムと水とが反応して水酸化マグネシウムを生じ、また、二酸化炭素および水を吸収して炭酸マグネシウムを生じることにより、マグネシウム合金の燃焼を維持・促進させる原因の1つである水を除去することができるようになる。また、無水炭酸マグネシウムを含む粉末体が分散して存在するとともに泡状となった発泡体が、マグネシウム合金を覆うことにより、マグネシウム合金と空気中の酸素とが接触することを防ぐことができ、窒息作用によって、燃焼しているマグネシウム合金を消火へと導くことができるようになる。そして、発泡体の泡沫状態が解消された後も、粉末体がマグネシウム合金を覆うことによって、マグネシウム合金と空気中の酸素とが接触することを防ぐことができ、窒息作用によって、燃焼しているマグネシウム合金を消火へと導くことができるようになる。このような効果・作用により、粉末体が、例えば無水炭酸マグネシウム粉末を含んでいる場合、燃焼しているマグネシウム合金を効果的に消火することができたと考えられる。
さらに、粉末体が、例えば、塩基性炭酸マグネシウム粉末を含んでいる場合には、粉末体が無水炭酸マグネシウム粉末を含んでいる場合と同様に、塩基性炭酸マグネシウムは、高温状況下で二酸化炭素を放出して酸化マグネシウムとなるため、マグネシウム合金近傍に水が存在しているとき、生成された酸化マグネシウムと水とが反応して水酸化マグネシウムを生じ、また、二酸化炭素および水を吸収して炭酸マグネシウムを生じることにより、マグネシウム合金の燃焼を維持・促進させる原因の1つである水を除去することができるようになる。また、塩基性炭酸マグネシウムを含む粉末体が分散して存在するとともに泡状となった発泡体が、マグネシウム合金を覆うことにより、マグネシウム合金と空気中の酸素とが接触することを防ぐことができ、窒息作用によって、燃焼しているマグネシウム合金を消火へと導くことができるようになる。そして、発泡体の泡沫状態が解消された後も、粉末体がマグネシウム合金を覆うことによって、マグネシウム合金と空気中の酸素とが接触することを防ぐことができ、窒息作用によって、燃焼しているマグネシウム合金を消火へと導くことができるようになる。このような効果・作用により、粉末体が、例えば塩基性炭酸マグネシウム粉末を含んでいる場合、燃焼しているマグネシウム合金を効果的に消火することができたと考えられる。
またさらに、発明者らは、粉末体が、例えば、砂を含んでいる場合も、燃焼しているマグネシウム合金を消火することができることを確認した。粉末体が、例えば砂を含んでいる場合には、砂を含む粉末体が分散して存在するとともに泡状となった発泡体が、マグネシウム合金を覆うことにより、マグネシウム合金と空気中の酸素とが接触することを防ぐことができ、窒息作用によって、燃焼しているマグネシウム合金を消火へと導くことができるようになる。そして、発泡体の泡沫状態が解消された後も、砂を含む粉末体がマグネシウム合金を覆うことによってマグネシウム合金と空気中の酸素とが接触することを防ぐことができ、窒息作用によって、燃焼しているマグネシウム合金を消火へと導くことができるようになる。このような効果・作用により、粉末体が、例えば砂を含んでいる場合、燃焼しているマグネシウム合金を効果的に消火することができたと考えられる。
このような構成により、本実施形態に係るマグネシウム合金用消火薬剤によれば、使い勝手が良く、保管が容易であり、さらに、マグネシウム合金の火災を安全かつ効果的に消火可能なマグネシウム合金用消火薬剤を実現することができることとなる。
以上、本実施形態に係るマグネシウム合金用消火薬剤について、説明した。次に、本実施形態に係るマグネシウム合金用消火薬剤の具体的な実施例について、図1を用いて説明する。ここで、図1は、本実施例に係るマグネシウム合金用消火薬剤が充填されたマグネシウム合金用消火器の構成例を示す概略断面図である。
[実施例]
本実施例に係るマグネシウム合金用消火薬剤は、不燃性の粉末体としての酸化マグネシウム粉末34と、発泡剤としての界面活性剤33と、を含んで構成される。
本実施例に係る酸化マグネシウム粉末34は、特に限定されないが、マグネシウム粉末を容器の中に入れて水の存在下で放置し、乾燥させたものを粉末状にすることにより生成した。より詳しくは、マグネシウムを水と反応させることにより、水酸化マグネシウムと水素ガスを生成し、水素ガスの生成が終了するまで放置し、生成された水酸化マグネシウムを乾燥させて酸化マグネシウムを生成し、生成された酸化マグネシウムを粉末状にして酸化マグネシウム粉末34を得た。このように、酸化マグネシウム粉末34を生成することにより、本実施例に係る酸化マグネシウム粉末34は、粒径が大きくなっている。酸化マグネシウム粉末34の粒径を大きくすることにより、本実施例に係るマグネシウム合金用消火薬剤は、燃焼しているマグネシウム合金上に、より長い時間停留することができるようになっている。
界面活性剤33としては、特に限定されないが、従来から知られているフッ素系界面活性剤や炭化水素系界面活性剤、イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性イオン界面活性剤などであって、引火性や燃焼性を有さない種々の界面活性剤を用いることができる。なお、本実施例に係る発泡剤としての界面活性剤33には、特に限定されないが、界面活性剤を基材として、引火性や燃焼性などを有さないとともにマグネシウム合金の消火を妨げることがない種々の物質を添加することができる。
本実施例に係るマグネシウム合金用消火薬剤は、不燃性であり、医薬品や日用品などに用いられる成分を含むものであるので、人体に無害なものとなっている。
そして、本実施例に係るマグネシウム合金用消火薬剤は、図1に例示するように、マグネシウム合金用消火器10に充填されることとすることができる。
本実施例に係るマグネシウム合金用消火器10は、上述したマグネシウム合金用消火薬剤を用いるものであって、図1に示すように、操作のためのレバー11と、不燃性ガスが充填されるガス容器13と、ガス容器の封を切るためのポンチ15と、不燃性ガスが導入されるガス導入管21,22と、消火薬剤を充填する消火薬剤容器30と、粉末体と発泡剤とを混合しながら大気中に噴出する消火薬剤噴出手段と、を有して構成される。
消火薬剤を充填するための消火薬剤容器30は、発泡剤としての界面活性剤33を充填するための第一容器31と、粉末体としての酸化マグネシウム粉末34を充填するための第二容器32との二層構造によって構成される。そして、この消火薬剤容器30の内部には、不燃性ガスが充填されるガス容器13と、不燃性ガスが導入されるガス導入管21,22と、消火薬剤を噴出するための噴出管41,42とが、収納設置されている。
ガス導入管21,22は、ガス容器13から不燃性ガスを導入するとともに、消火薬剤容器30に不燃性ガスを送るための管状部材である。本実施例に係るガス導入管21,22は、界面活性剤33に対して用いられる不燃性ガスを導通させるための第一ガス導入管21と、酸化マグネシウム粉末34に対して用いられる不燃性ガスを導通させるための第二ガス導入管22と、から構成される。すなわち、第一ガス導入管21は、発泡剤としての界面活性剤33を充填するための第一容器31に不燃性ガスを送り、また、第二ガス導入管22は、粉末体としての酸化マグネシウム粉末34を充填するための第二容器32に不燃性ガスを送ることとなる。
本実施例に係るマグネシウム合金用消火器10では、消火薬剤噴出手段は、消火薬剤を噴出するための噴出管41,42と、粉末体と発泡剤とを噴出する噴出口50と、を備える。消火薬剤を噴出するための噴出管41,42は、消火薬剤容器30内に設置され、消火薬剤を、消火薬剤容器30から噴出口50へと誘導するように配置される。噴出管41,42は、発泡剤としての界面活性剤33を噴出するための第一噴出管41と、粉末体としての酸化マグネシウム粉末34を噴出するための第二噴出管42と、から構成される。
以上、本実施例に係るマグネシウム合金用消火薬剤が充填されたマグネシウム合金用消火器の概略構成を説明した。次に、当該マグネシウム合金用消火器の使用方法について、説明を行う。
操作者がレバー11を握ると、ポンチ15がガス容器13の封板を貫通し、不燃性ガスがガス導入管21,22に導入される。そして、不燃性ガスは、消火薬剤が充填されている消火薬剤容器30内に充填される。この際、不燃性ガスは、第一容器31内に充填された発泡剤としての界面活性剤33と、第二容器32内に充填された粉末体としての酸化マグネシウム粉末34とを撹拌し、圧力源となってこれら消火薬剤(発泡剤としての界面活性剤33と粉末体としての酸化マグネシウム粉末34)を噴出管41,42に向けて押し出すとともに、消火薬剤とともに噴出管41,42を導通することになる。
そして、消火薬剤を構成する発泡剤としての界面活性剤33と粉末体としての酸化マグネシウム粉末34とが、不燃性ガスによって混合されながら、噴出口50から噴出されることになる。噴出口50から噴出される消火薬剤は、その流線が曲線形状を有するようになっている。したがって、本実施例に係るマグネシウム合金用消火器10によれば、マグネシウム合金用消火器10の使用者は、燃焼しているマグネシウム合金の真上から消火薬剤を掛ける必要がなく、燃焼しているマグネシウム合金から離れて安全にマグネシウム合金の消火を行うことができるようになっている。
不燃性ガスによって混合されながら大気中に噴出された消火薬剤のうち、発泡剤としての界面活性剤33は、不燃性ガスを気泡として含んで泡状の発泡体となる。一方、不燃性ガスによって噴出された粉末体としての酸化マグネシウム粉末34は、前述した発泡体中に分散して存在することとなる。気泡を含んだ発泡体は、気泡間の泡膜の薄膜化や外部刺激によって、一定時間経過後に泡沫状態が解消されることとなる。泡沫状態が解消されると、発泡体中に分散して存在していた粉末体としての酸化マグネシウム粉末34が、分散した状態で残留することになる。
上述した本実施例に係るマグネシウム合金用消火薬剤を、燃焼しているマグネシウム合金に対して噴射すると、粉末体(酸化マグネシウム粉末34)が分散して存在するとともに泡状となった発泡体が、マグネシウム合金を覆うこととなる。したがって、本実施例に係るマグネシウム用消火薬剤によれば、マグネシウム合金と空気中の酸素とが接触することを防ぐことができ、窒息作用によって、燃焼しているマグネシウム合金を消火へと導くことができるようになる。
そして、一定時間が経過することで発泡体の泡沫状態が解消されると、発泡体中に分散して存在していた粉末体(酸化マグネシウム粉末34)が、マグネシウム合金の全体を覆うこととなる。
本実施例のように、粉末体が酸化マグネシウム粉末34を含んでいる場合には、マグネシウム合金近傍に水が存在しているとき、酸化マグネシウムと水とが反応して水酸化マグネシウムを生じ、また、二酸化炭素および水を吸収して炭酸マグネシウムを生じることにより、マグネシウム合金の燃焼を維持・促進させる原因の1つである水を除去することができるようになる。また、本実施例のように、粉末体が酸化マグネシウム粉末34を含んでいる場合には、泡状の発泡体の泡膜を強化することができ、発泡体の泡沫状態を長く維持することができるようになる。そして、酸化マグネシウム粉末34を含む粉末体が分散して存在するとともに泡状となった発泡体が、マグネシウム合金を覆うことにより、マグネシウム合金と空気中の酸素とが接触することを防ぐことができ、窒息作用によって、燃焼しているマグネシウム合金を消火へと導くことができるようになる。そして、発泡体の泡沫状態が解消された後も、酸化マグネシウム粉末34を含む粉末体が、マグネシウム合金を覆うことによって、マグネシウム合金と空気中の酸素とが接触することを防ぐことができ、窒息作用によって、燃焼しているマグネシウム合金を消火へと導くことができるようになる。
このような構成により、本実施例に係るマグネシウム合金用消火器10によれば、使用者は、燃焼しているマグネシウム合金の真上から消火薬剤を掛ける必要がなく、燃焼しているマグネシウム合金から離れて安全にマグネシウム合金の消火を行うことができるので、使い勝手が良いマグネシウム合金用消火器10を提供することができるようになっている。また、本実施例に係るマグネシウム合金用消火器10は、消火薬剤を消火薬剤容器30に収納するので、乾燥した状態で消火薬剤を保管することが容易である。さらに、本実施例に係るマグネシウム合金用消火器10は、燃焼しているマグネシウム合金近傍に水が存在しているとき、酸化マグネシウムと水とが反応して水酸化マグネシウムを生じ、また、二酸化炭素および水を吸収して炭酸マグネシウムを生じることにより、マグネシウム合金の燃焼を維持・促進させる原因の1つである水を除去することができるとともに、発泡体および粉末体でマグネシウム合金を覆うことにより、マグネシウム合金と空気中の酸素との接触を防ぐことができ、マグネシウム合金の火災を効果的に消火できるといった作用効果を得ることができる。
以上、本発明の好適な実施形態および実施例について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態および実施例に記載の範囲には限定されない。上記実施形態および実施例には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。
例えば、上述した実施例では、マグネシウム合金用消火薬剤を加圧式の消火器10に充填して用いる例について説明したが、消火装置の形式についてはこれに限定されない。本発明に係るマグネシウム合金用消火薬剤は、例えば、一般的に用いられるスプレー缶等の噴射装置によって噴出されるように構成しても良い。
また、上述した実施形態および実施例では、不燃性の粉末体について、酸化マグネシウムや無水炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、砂などを用いる場合を例示した。しかしながら、本発明に適用可能な粉末体については、例示の酸化マグネシウムや、無水炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、砂に限定されるものではなく、同様の作用効果を得られる粉末体を用いることが可能である。例えば、筆頭発明者は、市販のABC消火器に用いられる消火器粉末が、本発明の粉末体として有効に用いることができることを実験により確認している。したがって、本発明に適用可能な粉末体としては、例えば、燐酸二水素アンモニウムや重曹、重曹におがくず等を混ぜた消火砂、炭酸水素ナトリウム、リン酸アンモニウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素カリウムと尿素の反応生成物などを用いることが可能である。
また、上述した実施形態および実施例では、発泡剤として界面活性剤を用いる場合を例示したが、本発明に適用可能な発泡剤は、これに限定されるものではない。発泡剤は、泡状の発泡体となるものであればよく、例えば、主成分として蛋白質を含むものを用いることができる。また、発泡剤は、例えば、蛋白質と界面活性剤とを含むこととしても良い。
また、上述した実施例の図1で示した消火器10の形式について、本発明が適用できる消火器は、図1で示したものには限られない。本発明が適用可能な消火器は、不燃性の粉末体と、発泡剤とからなるマグネシウム合金用消火薬剤を混合しながら大気中に噴出できるものであれば、どの様な形式のものであっても良い。
その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
10 消火器、11 レバー、13 ガス容器、15 ポンチ、21,22 ガス導入管、30 消火薬剤容器、31 第一容器、32 第二容器、33 界面活性剤、34 酸化マグネシウム粉末、41 第一噴出管、42 第二噴出管、50 噴出口。

Claims (7)

  1. 不燃性の粉末体と、
    発泡剤と、
    からなるマグネシウム合金用消火薬剤であって、
    泡状の発泡体である状態の前記発泡剤の中に、前記粉末体が分散して存在することを特徴とするマグネシウム合金用消火薬剤。
  2. 請求項1に記載のマグネシウム合金用消火薬剤において、
    前記粉末体は、水に溶けない不水溶性又は水に溶けにくい難水溶性であることを特徴とするマグネシウム合金用消火薬剤。
  3. 請求項2に記載のマグネシウム合金用消火薬剤において、
    前記粉末体は、酸化マグネシウム粉末を含むことを特徴とするマグネシウム合金用消火薬剤。
  4. 請求項2に記載のマグネシウム合金用消火薬剤において、
    前記粉末体は、無水炭酸マグネシウム粉末を含むことを特徴とするマグネシウム合金用消火薬剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のマグネシウム合金用消火薬剤において、
    前記発泡剤は、主成分が界面活性剤であることを特徴とするマグネシウム合金用消火薬剤。
  6. 不燃性の粉末体と、
    発泡剤と、
    からなるマグネシウム合金用消火薬剤を用いたマグネシウム合金の消火方法であって、
    前記粉末体と前記発泡剤とを混合しながら大気中に噴出し、
    前記発泡剤が泡状の発泡体となるとともに、前記粉末体が当該発泡体中に分散し、
    マグネシウム合金の消火が実行されることを特徴とするマグネシウム合金の消火方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のマグネシウム合金用消火薬剤を噴出可能なマグネシウム合金用消火器であって、
    前記粉末体と前記発泡剤とを分離状態で収納する容器と、
    前記容器に収納された前記粉末体と前記発泡剤とを大気中に噴出する消火薬剤噴出手段と、
    を備えることを特徴とするマグネシウム合金用消火器。
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