JP5801230B2 - セラミックス構造体の製造方法、膜エレメントの製造方法、及び接合材 - Google Patents

セラミックス構造体の製造方法、膜エレメントの製造方法、及び接合材 Download PDF

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本発明は、複数のセラミックス成形体を接合することにより得られるセラミックス構造体の製造方法、膜エレメントの製造方法、及び接合材に関する。
耐熱性、耐食性、耐摩耗性等が要求される装置や機器の構成部材としてセラミックスの応用が種々試みられている。その部材には複雑形状を有するものも多いが、部材に要求される形状・寸法精度等の点から、これを一体品として製造することは多くの場合困難である。
そこで、セラミック材料を用いてユニット化された複数の小さなセラミックス成形体を接合することにより、大きなセラミックス構造体を得ることが提案されている。
特許文献1には、セラミックス成形体同士の接合面を、バインダの水溶液等と接触させて湿潤化し、湿潤状態の接合面に、接合材として上記セラミックス成形体の構成粉末と同じ組成の粉末を含有するスラリーを塗布して接合面同士を密着させて、乾燥した後、冷間静水加圧プレス処理をし、ついで焼結処理することで、セラミックス成形体同士を接合する方法が開示されている。
特許文献2には、所定の開孔セルを備え、所定厚みのハニカム状セラミックモジュールを複数、開孔セルの軸方向が連通するように、開孔セルの軸方向に積層して所定厚みの前記ハニカム状セラミックモジュールを複数配設し、各モジュールのセル枠のセル開孔部の面に、焼結助剤のペーストを塗布して、各モジュールが接合されて成るハニカム状セラミック構造体が提案されている。
また、特許文献3には、上述したスラリー状の接合材やペースト状の焼結助剤を用いる代わりに、セラミックス部材同士を、多孔質体セラミックスとセラミックスグリーンシートとの積層体で構成された接合体を介して当接し、加熱、加圧することにより接合する方法が開示されている。
特許文献4には、第1の加圧成形体の接合面と第2の加圧成形体の接合面の間に、接合中間層として加圧成形体と同種又は異種のセラミックス原料粉末を含む成形体を挟む工程、及び接合中間層の成形体を介して第1の加圧成形体と第2の加圧成形体とを加圧して接合する工程を含み、接合中間層とする成形体は、第1の加圧成形体及び第2の加圧成形体の弾性率よりも小さい弾性率を有することを特徴とするセラミックス原料粉末の加圧成形体の接合方法が提案されている。
特開平05‐254947号公報 特開平8‐12460号公報 特許第2809000号公報 特開2010‐70397号公報
特許文献1に開示された接合方法では、セラミックス成形体同士の接合面に、接合材としてのスラリーを塗布する際に、塗布量が過剰であると接合面からスラリーがはみ出して液垂れする虞があり、逆に塗布量が不足すると未接合箇所が発生して接合強度が低下する虞もある。また、接合面でのスラリーの塗布量が不均一であると、焼結時に割れや裂けが生じて接合不良を招く虞もあり、スラリーの塗布量の管理が難しいという問題があった。
特許文献2に開示された接合方法のように、一対の対向面間に複数の流体通流孔が貫通形成されたセラミックス成形体同士を、各流体通流孔が連通するように多段に接合することによって、セラミックス構造体の一例としてのフィルタ用の膜エレメントを製造する場合に、接合面に塗布したペーストが流体通流孔側にはみ出すと、流体通流孔内で流体の通流抵抗となり、所期の機能が発揮されなくなるという問題もあった。
このように、焼成前のセラミックス成形体に接合材を塗布する工程では、接合部に接合材を均一に過不足なく塗布する必要があり、そのために厳格な工程管理が要求されて作業効率が低下するという問題もあった。
一方、特許文献3に開示されたセラミックス部材の接合方法では、このような問題が解消されるが、セラミックスグリーンシートは強度が低いため、セラミックス成型体同士の接合作業時にセラミックスグリーンシートが変形したり破損したりしないように慎重に作業する必要があり、作業効率の改善という観点、機械による自動化という観点でも更なる改良の必要性に迫られている。
特許文献4に開示された接合中間層も薄膜の場合には、特許文献3と同様の課題があった。
本発明の目的は、接合時の作業性がよく、製品の歩留まりを向上することのできるセラミックス構造体の製造方法、膜エレメントの製造方法、及び接合材を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明によるセラミックス構造体の製造方法の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、複数のセラミックス成形体を接合することにより得られるセラミックス構造体の製造方法であって、所定の接合部を有するセラミックス成形体を得る成形工程と、前記成形工程で得られたセラミックス成形体同士を、シート状の基材に形成された接合用セラミックス薄層体を介して対向配置し、その状態で焼成する接合工程と、を含む点にある。
成形工程で成形された複数のセラミックス成形体は、接合工程で互いの接合部が対向配置され、接合部の間に接合用セラミックス薄層体が、シート状の基材に形成された状態で位置決め配置され、その状態で焼成される。従って、接合部に接合材となるスラリー状のペーストを塗布する工程が不要になり、製造工程を簡素化することができる。
このような接合用セラミックス薄層体は接合面での結合材として機能し、予めシート状の基材に形成することができるので、複雑な端面形状であっても接合部の必要な部位に適切な量の接合材を過不足なく供給することができる。例えば、端面の境界が複雑な形状であっても、また端面に凹凸形状があっても、それに対応して予めシート状の基材に接合用セラミックス薄層体を形成しておけばよい。また、端面が平坦であれば、均一な厚みの接合用セラミックス薄層体を形成しておけばよい。例えば、このような接合用セラミックス薄層体は、基材上にスクリーン印刷、キャスティング、スプレー塗布等の様々な方法で積層形成することができる。従って、接合部に結合材となるスラリー状のペーストを塗布する場合に問題となる過剰塗布、過少塗布、不均一塗布の問題が解消される。
尚、シート状の基材を適切に選択すれば、製造工程がより簡素化できる。例えば、焼成の初期段階でシート状の基材がガス化して無機成分等の残存が少ない材料を用いれば、焼成後にそのような残存成分を除去する工程が不要になり、例えば、シート状の基材に保形性を持たせれば、接合時の位置決め操作等が容易になり、基材をマニピュレータで保持しながら位置決めする等の産業用ロボットを用いた自動化が容易になる。
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一特徴構成に加えて、接合用セラミックス薄層体は、前記接合部に対応した形状に形成されている点にある。
接合部の形状に対応しているため、適切な量の材料で無駄なく接合用セラミックス薄層体を形成することができ、不要な部位にはみ出すような不都合な事態や、必要な部位に十分に供給できない不都合な事態の発生を効果的に回避できる。ここで、接合部に対応した形状とは、接合部の形状と同一の形状のみならず、接合部を適切に接合するために必要な形状を意味する。
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第一または第二の特徴構成に加えて、前記シート状の基材に複数の接合用セラミックス薄層体が二次元的に配列形成され、前記接合工程は、複数のセラミックス成形体を配列し、少なくとも一枚の前記シート状の基材に配列形成された各接合用セラミックス薄層体を介して対向配置したセラミックス成形体同士の複数組を二次元的に配列し、その状態で同時に焼成する工程である点にある。
一枚のシート状の基材に接合用セラミックス薄層体が複数配列形成されていれば、接合用セラミックス薄層体の配列に対応させて一対のセラミックス成形体を二次元に配列し、各セラミックス成形体の接合部間に各接合用セラミックス薄層体が位置決めされるようにシート状基材を配置して焼成することにより、複数対のセラミックス成形体を同時に接合することができる。これにより量産性を向上させることができる。尚、接合されるセラミックス成形体の全てが同一形状である必要は無い。
同第四の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述の第一から第三の何れかの特徴構成に加えて、前記接合工程は、少なくとも一枚の前記シート状の基材に配列形成された各接合用セラミックス薄層体を介して対向配置したセラミックス成形体同士の複数組を二次元的に配列するとともに、他の前記シート状の基材に配列形成された各接合用セラミックス薄層体を介して二次元的に配列された面に交差する方向に前記セラミックス成形体を多段に配列し、その状態で同時に焼成される点にある。
このようなセラミックス構造体の製造方法によれば、一度の焼成工程で複数のセラミックス成形体を三次元的に接合できるようになり、量産性を飛躍的に向上させることができる。
同第五の特徴構成は、同請求項5に記載した通り、上述の第一から第四の何れかの特徴構成に加えて、前記成形工程は、焼成後に多孔質セラミックスとなるセラミックス成形体を得る工程である点にある。
焼成後に多孔質セラミックスとなるセラミックス成形体で構成されるセラミックス構造体であれば、分離用フィルタや触媒の担体等様々な用途に用いることができる。
同第六の特徴構成は、同請求項6に記載した通り、上述の第一から第五の何れかの特徴構成に加えて、前記成形工程は、前記セラミックス成形体として一対の対向面間を貫通する複数本の流体通流孔を備え、焼成後に多孔質セラミックスとなるセラミックス成形体を得る工程であり、前記接合工程は、前記成形工程で得られたセラミックス成形体同士を前記流体通流孔同士が重畳するように、シート状の基材に形成された接合用セラミックス薄層体を介して対向配置し、その状態で焼成する工程である点にある。
接合工程で、一対の対向面間を貫通する複数本の流体通流孔を備えた多孔質体を、各流体通流孔同士が重畳するように接合する場合、互いの流体通流孔が一致するように多孔質体を対向配置して、その間にシート状の基材に積層形成された接合用セラミックス薄層体を位置決め配置して焼成すればよい。接合用セラミックス薄層体は、流体通流孔以外の接合面に対応した形状でシート状の部材に所定厚さに積層形成されているので、流体通流孔内部に結合材がはみ出して通流抵抗となるようなことが起こらない。
本発明による膜エレメントの製造方法の第一の特徴構成は、同請求項7に記載した通り、被処理流体から固体を分離する膜エレメントの製造方法であって、一対の対向面間を貫通する複数本の流体通流孔を備え、焼成後に多孔質セラミックスとなるセラミックス成形体を得る成形工程と、前記成形工程で得られたセラミックス成形体同士を前記流体通流孔が重畳するように接合する接合工程と、を含み、前記接合工程は、前記対向面の形状に対応した形状の接合用セラミックス薄層体がシート状の基材に形成された接合材を用い、各対向面を前記接合用セラミックス薄層体を介して対向配置し、その状態で焼成する工程である点にある。
本発明による接合材の特徴構成は、同請求項8に記載した通り、複数のセラミックス成形体の接合に用いられる接合材であって、前記セラミックス成形体を構成するセラミック材料を含むセラミック材料と結合剤との混錬物が、前記セラミックス成形体の接合部の形状に対応するように合成樹脂製のシート状の基材に形成され、焼成によりシート状の基材がガス化される点にある。
合成樹脂製のシート状の基材に、例えばスクリーン印刷、キャスティング、スプレー塗布等の様々な方法を用いて、接合部の形状と重畳する接合用セラミックス薄層体が形成されるので、如何に複雑な形状であってもそれに対応して必要な厚さで接合用セラミックス薄層体を形成することができるようになる。例えば、多層印刷の回数を増加させれば層厚を厚くすることができ、部分的に多層印刷すれば部分的に層厚を調整することができる。また、基材の両面に積層形成されるので、対向配置されたセラミックス成形体の接合面のそれぞれに結合材が供給でき、確実に接合できるようになる。さらに、基材に合成樹脂を用いるため、焼成時にガス化して無機成分が残存しないか、わずかに残る程度である。そのような基材として、例えば、ポリエチレンテレフタレートを好適に用いることができる。ポリエチレンテレフタレートは、安価で、入手が容易で、セラミック材料より融点が低く、適度な強度を有するため、印刷された接合用セラミックス薄層体の保形性もよい。
同第二の特徴構成は、同請求項9に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて前記シート状の基材に二次元的に複数の接合用セラミックス薄層体を配置した点にある。
以上説明した通り、本発明によれば、製造時の作業性がよく、製品の歩留まりを向上することのできるセラミックス構造体の製造方法、膜エレメントの製造方法、及び接合材を提供することができるようになった。
本発明によるセラミックス構造体を用いた膜モジュールの説明図 本発明によるセラミックス構造体を用いた膜エレメントの説明図 膜エレメントの構成要素である多孔質体の説明図で、(a)は正面、平面及び右側面を表す図、(b)は背面、底面及び左側面を表す図 接合工程を説明する概略図 (a)は濾過工程で動作する膜モジュールの説明図、(b)は逆洗浄工程で動作する膜モジュールの説明図 (a)は接合材の説明図、(b)は別実施形態による接合材の説明図 別実施形態による接合材を用いた接合工程の説明図 本発明によるセラミックス構造体を用いた膜モジュールの説明図 接合工程を説明する概略図
以下に、本発明によるセラミックス構造体の製造方法、膜エレメントの製造方法、及び接合材を説明する。尚、多孔質体で構成される膜エレメントをセラミックス構造体の一例として説明するが、本発明によるセラミックス構造体は多孔質体に限定されるものでは無く、また膜エレメントに限定されるものでもないことはいうまでもない。
図1には、上水用の水処理装置に用いられる膜モジュール1が示されている。水処理装置には、被処理水に含まれる微小な汚物等を除去するために、処理量に応じて当該膜モジュール1が一から数千個組み込まれる。尚、当該膜モジュール1は、上水用に限らず下水、産業廃水等の水処理や食品工業等の固液分離、有用物の回収等にも使用できる。
各膜モジュール1は、外形が略直方体の複数本のセラミックス構造体としての膜エレメント2と、膜エレメント2を収容する樹脂製あるいは金属製のケース7を備えている。尚、膜エレメント2は円柱や六角柱等の形状に形成されていてもよい。
ケース7には、膜エレメント2に被処理水を供給する流体供給部(以下、「給水部」と記す。)8と、流体排出部(以下、「排水部」と記す。)9と、膜エレメント2で濾過された濾過水を排出する濾過流体排出部(以下、「濾過水排出部」と記す。)10が設けられている。給水部8及び排水部9にはそれぞれ流路を開閉するバルブ8b,9bが設置されている。
ケース7内部に、縦横に3本ずつ合計9本の膜エレメント2が並設され、各膜エレメント2の一端部にヘッダ8aを介して給水部8が接続され、他端部にヘッダ9aを介して排水部9が接続されている。膜エレメント2の周面から滲みだし、ケース7に溜った濾過水が濾過水排出部10から外部に排出される。
尚、ケース7内部に収容する膜エレメント2の本数の9本は例示である。例えば、図8に示すように、ケース7内部に1本の膜エレメント2を収容する構成であってもよい。さらには、2本以上の複数本の膜エレメント2を収容する構成であってもよい。ケース7の形状は収容される膜エレメント2の本数や配置に応じた適当な大きさに設定される。ケース7内部に収容される膜エレメント2が複数本である場合の、各膜エレメント2のケース7内での配列方法は任意である。
図2には、セラミック成形体としての多孔質体6が複数段接合された膜エレメント2が示され、図3(a),(b)には、該多孔質体6が示されている。
各多孔質体6の一対の対向面6a,6b間には、被処理水を案内する複数本の流体通流孔3が高さ方向に貫通形成され、各流体通流孔3の内周面には濾過膜層4が形成されている。
多孔質体6には、複数本の流体通流孔3を均等に分散させるように区画形成する複数のスリット5が、流体通流孔3に沿って形成されている。各スリット5は少なくとも対向面6a,6bの一方の面6aで閉塞され、他方の面6bで開口するとともに側面6cでも開口するように形成されている。
多孔質体6は、スプレードライ法を用いて所定の粒径に造粒したムライト系のセラミック粒状体をプレス成形することで、縦が約50mm、横が約50mm、高さが約40mmに形成され、縦50mm×横50mmの平面に、約3.6mm径の81本の流体通流孔3が高さ方向に沿って形成されている。
平面視で中心部に位置する流体通流孔3を除いて、中心から横方向に延びるように形成された2本のスリット5と、当該2本のスリット5と直交するように縦方向に延びるように形成された3本のスリット5によって、流体通流孔3が10本ずつの8ブロックに区画されている。
流体通流孔3の内周面に形成される濾過膜層4は、アルミナを主材としたスラリーをコーティングすることで、約0.1μm程度の多数の細孔が形成され、その層厚が約20μm程度に形成されている。尚、濾過膜層4の孔径は例示であり、被処理流体の性状に応じて適当な値が設定される。濾過膜層4は、多孔質体6の細孔径よりも小さな濾過孔径に構成することで、被処理水に含まれる固体の分離精度を向上させることができる。また、多孔質体6と濾過膜層4との間に孔径や層厚の異なる中間層を設けてもよい。
各膜エレメント2は、各多孔質体6に形成された流体通流孔3同士が連通するように、複数の多孔質体6が接合されて構成される。本実施形態では、高さ方向に沿って9個の多孔質体6が接合されて膜エレメント2が構成されている。
図2では、スリット5が閉塞された面6aが被処理水の流入口側を向くように、全ての多孔質体6が同じ配列姿勢で配置されているが、少なくとも最後段の多孔質体6を反転させて接合すれば、スリット5が閉塞された面6aが膜エレメント2の両端に形成される。
このように構成された膜モジュール1による被処理水の濾過について説明する。図5(a)に示すように、給水部8のバルブ8bを開放し、バルブ9bを閉塞した状態で、給水部8から被処理水を加圧供給すると、被処理水が各膜エレメント2の流体通流孔3に案内され、その内周面の濾過膜層4で濾過される。濾過膜層4を透過した濾過水は、多孔質体6の内部の微小流路を辿って多孔質体6の側面6c及びスリット5の表面から滲みだしてケース7に溜り、濾過水排出部10から排出される。
複数本のスリット5は、濾過膜層4で濾過され、多孔質体6の内部の微小流路を流れる濾過水に、大きな流動抵抗がかかって濾過速度が低下することを回避するために設けられている。
複数本のスリット5によって、複数本の流体通流孔3が均等に分散するように区画形成されているため、多孔質体6の内部の微小流路を流れる濾過水にかかる流動抵抗が全域で偏ることなく低減させることができ、これにより濾過速度が確保される。
濾過処理をある程度の期間行うと、流体通流孔3の内周面に形成された濾過膜層4の表面は固体分が付着し、この固体分が濾過膜層4を閉塞して濾過性能が低下する。このような場合、固体分を取り除き濾過性能を回復させるため、洗浄液を濾過水の通流方向と逆方向に強制的に通流し、濾過膜層4に堆積した固体分を剥離する逆洗浄工程が実行される。
図5(b)に示すように、逆洗浄工程では、給水部8のバルブ8bが閉塞され、排水部9のバルブ9bは開放された状態で濾過水排出部10から洗浄水が圧入され、濾過工程とは逆の経路に沿って濾過膜層4に到達した洗浄水が、濾過膜層4の表面に付着した固形分を剥離しながら流体通流孔3から排水部9を介して排水される。尚、洗浄工程では、洗浄水に代えて空気を供給してもよい。
以下、セラミックス構造体としての膜エレメント2の製造方法を詳述する。
膜エレメント2は、造粒工程と、成形工程と、接合工程と、膜形成工程を経て製造される。
造粒工程では、数μmから数十μmのムライト(3Al2O3・2SiO2)系セラミックスに水と有機バインダ等を添加してスラリー状のセラミックスを生成し、当該スラリー状のセラミックスをスプレーで噴霧しながら乾燥させるスプレードライ法を用いて、100μm前後の粒径のセラミック粒状体に造粒する。
多孔質体6の原材料としてムライト(3Al2O3・2SiO2)系セラミックスを採用した例を示したが、これに限るものではなく、アルミナ(Al2O3)やコージュライト等、多孔質体が形成可能なセラミックスであれば適宜用いることができる。
成形工程は、セラミックス成形体として一対の対向面間を貫通する複数本の流体通流孔3を備えたセラミックス成形体を得る工程である。当該セラミックス成形体が焼成されることによって多孔質体6となる。以下の説明では、焼成前の多孔質体6をセラミックス成形体6と記し、焼成後のセラミックス成形体6を多孔質体6と記すが、説明の便宜上、混用する場合もある。
成形工程では、スリット5に対応した複数本の突起が形成された下パンチに、流体通流孔3を形成するためのコアピンを立設し、セラミック造粒体をダイスに投入した後に上パンチを下パンチに向けて押圧して、図3(a),(b)に示したセラミックス成形体6のベースを形成するプレス成形が実行される。
セラミックス成形体6をプレス成形法で成形すると、シンプルな製造工程で、しかも成形精度がよいために高い歩留まりで所望の多孔質体を製造することができるようになる。そして、スプレードライ法を用いて所定の粒径に造粒したセラミック粒状体をプレス成形すると、それより粒径が小さなセラミックスそのものをプレス成形する場合よりも多孔質体の微小開口径が大きくなり、プレス成形法で成形された多孔質体を焼成して膜エレメントとして用いる場合に、それだけ濾過水の流動抵抗の上昇を抑制することができる。また、プレス成形時のセラミック粒状体の含水率も安定的に維持できるようになる。
プレス成形法で成形されたセラミックス成形体は、含水率を低く抑えることができるため、流体通流孔同士が連通するようにセラミックス成形体を複数段接合するために必要となる接合工程を実行する前の乾燥工程を省略することができる。
接合工程は、成形工程で得られたセラミックス成形体6同士を流体通流孔3が重畳するように、つまり流体通流孔3が連通する状態で接合する工程である。
図4に示すように、接合工程では、セラミックス成形体6の対向面6a,6bの形状に対応した形状の接合用セラミックス薄層体11aをシート状の基材11bに形成した接合材11が用いられ、各対向面6a,6bが接合用セラミックス薄層体11aを介して対向配置され、その状態で焼成される。
さらに、膜成形工程では、粒径0.1μm〜1μmのアルミナに水とバインダを添加したスラリーを、接合工程で接合された各多孔質体6の流体通流孔3に一端側から圧入する等して流体通流孔3の内周面に塗布し、その後、約1000〜1300℃程度の温度で焼成処理する。これにより流体通流孔3の内周面に濾過膜層4が形成される。このようにして、膜エレメント2が製造される。
濾過膜層4の孔径や層厚は、被処理水に含まれる固体の大きさに応じて適宜設定されるものである。また、流体通流孔3の内周面に濾過膜層4を形成せずに多孔質体6を構成してもよい。
濾過膜層4と多孔質体6との間に、濾過膜層4の孔径より大きく多孔質体6の孔径より小さな孔径となる多孔質の中間層を設けてもよい。
このような工程を経て製造された膜エレメント2をケース7に収容することにより膜モジュール1が完成する。
以下に、接合工程についてさらに詳しく説明する。
図6(a)に示すように、接合材11は、一枚の合成樹脂製のシート状の基材11bの両面に、同一形状の接合用セラミックス薄層体11aが互いに重畳するように形成されて構成されている。
当該接合用セラミックス薄層体11aは、多孔質体6を構成するセラミック材料を含むセラミック材料と結合剤との混練物を、基材11bの表裏両面にスクリーン印刷等の方法を用いて積層形成したものである。尚、接合用セラミックス薄層体11aを形成する方法は、スクリーン印刷以外にキャスティング、スプレー塗布等の様々な方法を採用することができる。
接合工程では、成形工程で得られたセラミックス成形体6の対向面6a,6b間に、流体通流孔3同士が重畳して連通するように、接合用セラミックス薄層体11aを位置決めした後に、約1時間、約1000〜1300℃程度の温度で焼成処理する。当該焼成処理によって各セラミックス成形体6が多孔質体6となり、その対向面6a,6b同士が接合用セラミックス薄層体11aを介して接合される。
接合工程では、基材11b及び接合用セラミックス薄層体11aの結合剤がその初期にガス化して消失し、その後に溶融したガラス成分がセラミックス成形体6の接合面に浸潤して互いが接合される。尚、アルミナ、ムライト等をセラミック材料として酸化性雰囲気で焼成する場合には基材11b等が焼失し、炭化ケイ素等をセラミック材料として還元性雰囲気で焼成する場合には基材11b等が熱分解される。
接合工程は、セラミックス成形体6の焼成後に行なわれてもよいし、焼成前に行なわれてもよい。接合工程が焼成前に行なわれる場合には、接合工程が焼成工程となる。尚、接合工程が焼成後に行なわれる場合には、焼成工程での焼成温度(例えば1300℃)より若干低い温度(例えば1200℃)で接合工程が実行されることが好ましい。セラミックス成形体6の焼成温度よりも低い温度で十分に接合でき、必要以上に熱ストレスを与える必要が無いからである。
当該接合用セラミックス薄層体11aを形成する混練物は、例えば、40μm以下の粒子径のインド長石、ソーダライムガラス、ムライト等のセラミック材料を所定の混合比で配合し、結合剤を加えて混練することにより得られる。
セラミック材料は上述の例示に限るものではなく、ケイ酸塩鉱物(シリカ)を含むものであればよい。また、アルミナを含むものであってもよい。尚、浄水処理用の膜エレメントとして使用する場合、有害な重金属成分が溶出しないように、鉛等の重金属を含まないものが望ましい。無アルカリ、アルカリ、アルカリ土類金属及びアルミナ等を含む材料で、単独、あるいは、混合物であってもよい。天然材料であれば、カオリン、ベントナイト、ケイ砂等の粘土鉱物や、ソーダ長石、カリ長石、リチア長石等の長石類が例示できる。人工材料(フリット)であれば、焼成ムライト、アルミナ等の粉砕物や、ソーダ灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、スポジュメン、溶融シリカ等の粉砕物が例示できる。その混合比も接合対象のセラミックス成形体に応じて適宜設定すればよく、特に制限されるものではない。セラミックス成形体6を構成する材料の収縮率に近い収縮率の材料であればより好ましい。本実施形態では、インド長石、ソーダライムガラス、ムライトの混合比(重量%)を、45:45:10に設定したものが例示できる。
結合剤として、PVB(ポリビニルブチラール)やPVA(ポリビニルアルコール)等のポリビニル系のバインダ樹脂やアクリル系のバインダ樹脂等を用いることができる。比較的低温で容易にガス化するバインダ樹脂を用いることが好ましい。
シート状の基材11bは、薄層でありながら表面に形成される接合用セラミックス薄層体11aの形状保持を行うため、弾性が高く、可撓性があり、接合工程で多孔質体の焼成温度以下でガス化される合成樹脂が採用される。特に、合成樹脂としてポリエチレンテレフタレートが好ましく例示できる。
ポリエチレンテレフタレートは、安価で、入手が容易で、セラミック材料より融点が低く、適度な強度を持ち表面に印刷されるセラミックス成形体を構成するセラミック材料を含むセラミック材料と結合剤との混練物の保形性がよい点でこのましく、さらに、セラミックス構造体の製造時の焼成工程で熱分解され、焼成後のセラミックス成形体の接合面間からほぼ消失するので、得られるセラミックス構造体の品質に影響を及ぼさない点で好ましい。
上述の混練物を、厚みが50〜125μmのポリエチレンテレフタレート製のシート状の基材11bの両面に、片面あたり3〜4回スクリーン印刷して積層し、片面あたり150〜200μmの接合用セラミックス薄層体11aを形成する。
接合用セラミックス薄層体11aは、スクリーン印刷時の混練物の濃度や、転写回数等の転写条件を制御することで、接合用セラミックス薄層体11aの厚みを調整することができ、孔版を変化させることにより、部分的に厚みを調整することもできる。孔版を接合部の形状に対応させれば、多孔質体6の端面形状に合わせた複雑な形状とすることも可能である。
接合用セラミックス薄層体11aは、必ずしもセラミックス成形体6の接合部の形状と合致する形状である必要は無く、セラミックス成形体6の接合部の形状に対応した形状に形成されていればよい。つまり、流体通流孔3の形成位置に対応して開孔が形成され、接合面に接合用セラミックス薄層体11aが位置するように形成されていればよく、例えば流体通流孔3の径と開孔の径を厳密に一致させる必要は無い。
また、セラミックス成形体6の端面形状に連通する必要がある通路等が形成されていないような場合には、接合面の全領域に接合用セラミックス薄層体11aが形成されている必要は無く、接合面に接合用セラミックス薄層体11aが分散形成されていてもよい。
図4に示すように、多孔質体6の対向面6a,6bの形状が異なり、上側の多孔質体6の対向面6bにはスリット5が形成され、下側の対向面6aには、スリットが形成されていないような場合には、多孔質体6の一方の対向面6aの形状と合致するように基材11bの両面に同一形状の接合用セラミックス薄層体11aを形成すればよい。つまり、基材11bの表裏両面に形成された接合用セラミックス薄層体11aは、対向面6aの輪郭と同一形状の輪郭を備え、流体通流孔3に対応する部位に同一形状の開孔が形成されていればよい。
シート状の基材11bの表裏両面の夫々に形成される接合用セラミックス薄層体11aの形状や厚みを異ならせてもよい。上述の例で説明すると、基材11bの上面に形成される接合用セラミックス薄層体11aを多孔質体6の対向面6bと同形状に形成し、基材11bの下面に形成される接合用セラミックス薄層体11aを多孔質体6の対向面6aと同形状に形成してもよい。
さらに、接合用セラミックス薄層体11aが基材11bの中央部に形成されている(図4参照)必要は無く、基材11bの何れかの端部側に形成されていてもよく、基材11bの全域に形成、つまり接合用セラミックス薄層体11aと基材11bが同一の外形サイズで構成されていてもよい。
接合用セラミックス薄層体11aが基材11bの一方の面にのみ形成されていてもよい。接合工程で行なわれる焼成の初期に基材11bがガス化すれば、一方の面にのみ形成された接合用セラミックス薄層体11aによって、接合部の両面が接合されるようになる。
接合材11は、同一形状の接合用セラミックス薄層体11aの複数が一枚の合成樹脂製のシート状の基材11bの両面に互いに重畳するように配列形成されたものであってもよい。
このような接合材11を用いれば、複数のセラミックス成形体6を配列し、少なくとも一枚の基材11bに配列形成された各接合用セラミックス薄層体11aを介して対向配置したセラミックス成形体6同士の複数組を二次元的に配列し、その状態で同時に焼成することにより、一回の接合工程で同時に複数組のセラミックス成形体6を接合することができ、量産性の向上を図ることができるようになる。
また、少なくとも一枚のシート状の基材11bに配列形成された各接合用セラミックス薄層体11aを介して対向配置したセラミックス成形体6同士の複数組を二次元的に配列するとともに、他のシート状の基材11bに配列形成された各接合用セラミックス薄層体11aを介して二次元的に配列された面に交差する方向、例えば垂直方向にセラミックス成形体6を多段に配列し、その状態で同時に焼成することにより、一回の接合工程で同時にさらに大きなセラミックス構造体を得ることができるようになる。
例えば、図6(b)に示すように、基材11bに縦3個、横4個の合計12個の接合用セラミックス薄層体11aを二次元的に配列形成した接合材11を用いれば、各接合用セラミックス薄層体11aを介して対向配置したセラミックス成形体6同士の複数組を二次元的に配列した状態で同時に接合することができる。
さらに、図7に示すように、各接合用セラミックス薄層体11aを介して対向配置したセラミックス成形体6同士の複数組を二次元的に配列し、さらに上方に各接合用セラミックス薄層体11aを介してセラミックス成形体6を多段に配列して接合工程を実行すれば、図2で説明したような膜エレメント2を一度の接合工程で多数製造することができる。
多数のセラミックス成形体6を二次元的に配列し、さらに三次元的に配列する作業を、手作業で行なってもよいし、機械を用いて自動配列してもよい。手作業で行なう場合には、例えば治具を用いて12個のセラミックス成形体6を所定間隔に位置決め保持し、焼成装置の所定位置に載置した後に、各セラミックス成形体6の上に接合用セラミックス薄層体11aが位置するように接合材11を配置し、さらにその上に治具を用いて位置決め保持した複数のセラミックス成形体6を載置する作業を繰り返せばよい。
基材11bの所定位置に位置決め用のマーカを付加しておけば、そのマーカをセンサで検知することにより複数のセラミックス成形体6と接合材11との位置決めを容易に行なえるようになり、自動化設備の採用も容易になる。
以下、本発明の別実施形態を説明する。
基材11bとして、接合用セラミックス薄層体11aの形状を安定的に保持でき、接合工程で多孔質体6の焼成温度以下でガス化する材料であれば、樹脂以外の他の材料、例えば紙や布を用いることができ、また可撓性、非可撓性の何れの特性を備えたものでもよい。
膜エレメントを製造する際に用いるセラミックス成形体6の形状は、上述した実施形態で説明した形状、寸法、組成等に限定されるものではなく、セラミックス成形体6の寸法や、形状、流体通流孔、及びスリットの本数や配置位置等は、プレス成形する機械の性能に応じて適宜設計可能である。
例えば、図9に示すように、セラミック成形体6は、縦横に3本ずつの合計9本の流体通流孔3が備えられた形状に構成したものであってもよい。そして、このようなセラミック成形体6同士を、接合用セラミックス薄層体11aが両面に形成されたシート状の基材11bを介して、流体通流孔3の形成されていない側面方向に接合することも可能である。
上述の実施形態では詳述しなかったが、セラミックス成形体6の一対の対向面間に貫通形成された各流体通流孔3の端部に面取りを施してもよい。流体通流孔3同士が連通するように多孔質体6を接合する際に、流体通流孔3に多少の位置ズレがあっても、面取り部によってズレが吸収されるので、高精度な位置決め工程が不要となり製造工程がより簡略化できる。
また、上述の実施形態では、セラミックス成形体6をスプレードライ法を用いて所定の粒径に造粒したセラミック粒状体をプレス成形して得る構成について説明したが、セラミックス成形体6は、射出成形や、押出成形により形成することも可能である。例えば、押出成形の場合は、押出成形後に、乾燥工程を実行して多孔質体の含水率を低下させた後に、仮焼成工程を実行して保形成を確保した後に、接合工程を実行し、焼結工程を経てセラミックス構造体が得られる。
膜エレメント2のうち少なくともヘッダ8aに接続される側の多孔質体6の端面は、スリット5が形成されていない平坦な対向面6aとなり、当該対向面6aにも濾過膜層が形成されていることが好ましいが、対向面6aを流体が通過しないように表面処理してもよい。例えば、焼成工程前に釉薬を塗布したり、焼成工程後に樹脂を塗布する等の処理が可能である。対向面6aの微小開口から濾過膜層4を介さずに流れ込んだ被処理水が濾過膜層4を通過した濾過水に混入することを回避するためである。
上述した実施形態では、膜エレメントを水処理に用いる例を説明したが、水以外の液体の処理に用いるものであってもよく、液体以外の流体の処理、例えばガスの浄化処理に用いるものであってもよい。
また、本発明によるセラミックス構造体の製造方法は、焼成後に多孔質セラミックスとなるセラミックス成形体の製造方法に限るものではなく、セラミックス成形体一般に適用できることはいうまでもない。
また、本発明によるセラミックス構造体の製造方法及び膜エレメントの製造方法の具体的プロセス、及びその条件は、実施形態で説明したものに限るものではなく、本発明による作用効果を奏する範囲において適宜変更することができる。同様に、本発明による接合材の具体的な形状、組成、構造等も、本発明による作用効果を奏する範囲において適宜変更設計可能であることはいうまでもない。
1:膜モジュール
2:セラミックス構造体(膜エレメント)
3:流体通流孔
4:濾過膜層(流体通流孔3の内周面)
5:スリット
6:セラミックス成形体(多孔質体)
6a,6b:一対の対向面
7:ケース
8:流体供給部(給水部)
9:流体排出部(排水部)
10:濾過流体排出部(濾過水排出部)
11:接合材
11a:接合用セラミックス薄層体
11bシート状の基材

Claims (9)

  1. 複数のセラミックス成形体を接合することにより得られるセラミックス構造体の製造方法であって、
    所定の接合部を有するセラミックス成形体を得る成形工程と、
    前記成形工程で得られたセラミックス成形体同士を、シート状の基材に形成された接合用セラミックス薄層体を介して対向配置し、その状態で焼成する接合工程と、
    を含むセラミックス構造体の製造方法。
  2. 接合用セラミックス薄層体は、前記接合部に対応した形状に形成されている請求項1記載のセラミックス構造体の製造方法。
  3. 前記シート状の基材に複数の接合用セラミックス薄層体が二次元的に配列形成され、
    前記接合工程は、複数のセラミックス成形体を配列し、少なくとも一枚の前記シート状の基材に配列形成された各接合用セラミックス薄層体を介して対向配置したセラミックス成形体同士の複数組を二次元的に配列し、その状態で同時に焼成する工程である、
    請求項1または2記載のセラミックス構造体の製造方法。
  4. 前記接合工程は、少なくとも一枚の前記シート状の基材に配列形成された各接合用セラミックス薄層体を介して対向配置したセラミックス成形体同士の複数組を二次元的に配列するとともに、他の前記シート状の基材に配列形成された各接合用セラミックス薄層体を介して二次元的に配列された面に交差する方向に前記セラミックス成形体を多段に配列し、その状態で同時に焼成される請求項1から3の何れかに記載のセラミックス構造体の製造方法。
  5. 前記成形工程は、焼成後に多孔質セラミックスとなるセラミックス成形体を得る工程である請求項1から4の何れかに記載のセラミックス構造体の製造方法。
  6. 前記成形工程は、前記セラミックス成形体として一対の対向面間を貫通する複数本の流体通流孔を備え、焼成後に多孔質セラミックスとなるセラミックス成形体を得る工程であり、
    前記接合工程は、前記成形工程で得られたセラミックス成形体同士を前記流体通流孔同士が重畳するように、シート状の基材に形成された接合用セラミックス薄層体を介して対向配置し、その状態で焼成する工程である、
    請求項1から5の何れかに記載のセラミックス構造体の製造方法。
  7. 被処理流体から固体を分離する膜エレメントの製造方法であって、
    一対の対向面間を貫通する複数本の流体通流孔を備え、焼成後に多孔質セラミックスとなるセラミックス成形体を得る成形工程と、
    前記成形工程で得られたセラミックス成形体同士を前記流体通流孔が重畳するように接合する接合工程と、を含み、
    前記接合工程は、前記対向面の形状に対応した形状の接合用セラミックス薄層体がシート状の基材に形成された接合材を用い、各対向面を前記接合用セラミックス薄層体を介して対向配置し、その状態で焼成する工程である膜エレメントの製造方法。
  8. 複数のセラミックス成形体の接合に用いられる接合材であって、セラミックス成形体を構成するセラミック材料を含むセラミック材料と結合剤との混錬物が、前記セラミックス成形体の接合部に対応するように合成樹脂製のシート状の基材に形成され、焼成によりシート状の基材がガス化される接合材。
  9. 前記シート状の基材に二次元的に複数の接合用セラミックス薄層体を配置した請求項8記載の接合材。
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