JP2015163382A - セラミックフィルター集合体の製造方法および濾過装置および濾過システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数本の多孔質セラミックス製で中空管状のセラミックフィルター2と、隣り合う任意の2本の前記セラミックフィルター2の外側面の一部を接続して一体に固定する固定材3とからなるセラミックフィルター集合体の製造方法であって、焼成することでセラミックフィルター2となる複数本のセラミックフィルター成形体の所望箇所に、焼成することで固定材3となる溶材をスポット状に塗布しながら前記セラミックフィルター成形体を集合させた後、セラミック成形体と溶材とを同時焼成して一体化させることを特徴とするセラミックフィルター集合体の製造方法29による。
【選択図】図1
Description
このような多孔タイプの濾過用フィルターは強度が高く取扱いが容易であるというメリットを有する反面、円柱体の中芯部に配置される孔内を流動する被濾過物からの分離物が円柱体の外部に導出され難いので、全体として濾過効率を向上し難いという課題を有していた。
また、上述のような多孔タイプの濾過用フィルターの場合は、逆洗浄する際に、中心部に配置される孔内への洗浄液の浸透性が悪いので、中心部に配置される孔の内側面を好適に洗浄できず、濾過用フィルターの寿命が短くなるという課題も有していた。
しかしながら、上述のように多孔質セラミックスからなる細管状のセラミックフィルターを多数本並設する場合は、セラミックフィルターのセッティングが極めて煩雑であり作業性が低下するという別の課題を有していた。
また、セラミックフィルターの中空部内を流動する被濾過物(液体又は気体)と、セラミックフィルターを透過して排出される分離物とを確実に分離するために、個々のセラミックフィルターを平板状の支持体にその端部を挿通し、支持体とセラミックフィルターの外側面との隙間をシール材で封止して使用する必要性があった。
この場合、支持体により個々のセラミックフィルターを支持する必要性から、セラミックフィルター同士が接触する程度にまで近接させた状態で配設することができなかった。
すなわち、細管状のセラミックフィルターを用いて被濾過物の濾過又は分離を行う場合は、並設されるセラミックフィルター同士の間に必ず隙間を設ける必要があるため、セラミックフィルターの集合密度を一定以上大きくできないという課題があった。
さらに、本発明の目的は、複数本のセラミックフィルター同士を一体化させる際に、セラミックフィルターの長手方向両端部の端面において、セラミックフィルター同士により形成される中空状の隙間を固定材により封止することで被濾過物と分離物の混ざり合いを防止したセラミックフィルター集合体の製造方法を提供することである。
加えて、本発明の目的は、上述のような製法により製造されたセラミックフィルター集合体を用いた濾過装置や、この濾過装置を用いた濾過システムを提供することである。
上記構成の請求項1記載の発明において、セラミックフィルターは、例えばその中空部内を流動する被濾過物(液体又は気体)から目的とする物質(液体又は気体)を分離するという作用を有する。この目的とする物質は、セラミックフィルターを透過して外部に導出されるものであり、セラミックフィルターを構成する多孔質体の内部を透過できるものである。また、固定材は、セラミックフィルター集合体における隣り合う任意の2本のセラミックフィルターの外側面の一部を接続してこれらを一体に固定するという作用を有する。
そして、焼成することでセラミックフィルターとなるセラミックフィルター成形体と、焼成することで固定材となる溶材とを同時焼成する場合は、中空管状のセラミックフィルターを作製した後、それを複数本束ねて接着剤等により固定して一体化させてセラミックフィルター集合体を作製する場合に比べて、均質で寸法精度の高いセラミックフィルター集合体の製造を可能にするという作用を有する。また、セラミックフィルターを作製するための焼成工程と、溶材から固定材を作製するための焼成工程を兼ねることで、セラミックフィルター集合体の製造工程がシンプルになる。これにより、セラミックフィルター集合体の製造コストを廉価にするという作用を有する。
また、請求項1記載の製法により製造されるセラミックフィルター集合体は、セラミックフィルター同士の隣接部分にセラミック製の固定材がスポット状に配設されているので、固定材3の量が少量でも隣り合う任意の2本のセラミックフィルター同士が強固に接続される。その一方で、セラミックフィルター同士の隙間(この隙間は、複数本のセラミックフィルターを集合させた際に、隣り合うセラミックフィルター同士が完全に接触できないために生じる空間である)の大部分は充填物が何ら存在しない中空状である。すなわち、請求項1に記載製法により製造されたセラミックフィルター集合体において、固定材が配されない領域では、セラミックフィルター同士が接触することなく単に隣接し合った状態となるので、このようなセラミックフィルター同士の隙間は、分離物(液体又は気体)をセラミックフィルター集合体の外部に排出する際の流路となる。
また、請求項1記載の発明では、焼成後の隣接するセラミックフィルター同士の距離が、セラミックフィルターの軸方向断面径の20%以下となるようにセラミックフィルター成形体と溶材とを予めセッティングしておくことで、焼成時にセラミックフィルターにダレが生じて大きな変形が起きるのを抑制するという作用を有する。この場合、セラミックフィルター集合体の伸長方向における歪みや変形を少なくするという作用を有する。
加えて、上述のような請求項1に係る製法により製造されたセラミックフィルター集合体は、複数本のセラミックフィルターが高密度に一体化されたものであり、濾過装置にセッティングする際に細管状のセラミックフィルターを1本ずつ取り上げて設置する必要がなくなり、その分作業効率を高めるという作用を有する。
なお、請求項1記載の製法により製造されるセラミックフィルター集合体を濾過用フィルターとして用いる場合、被濾過物と分離物の位置関係は置換可能である。すなわち、請求項1記載の製法により製造されるセラミックフィルター集合体では、セラミックフィルターの中空部内に被濾過物を流動させ、セラミックフィルターの外側面側に分離物を導出させてもよいし、セラミックフィルターの外側面側に被濾過物を供給して、セラミックフィルターの中空部内に分離物を透過させて(染み出させて)取り出してもよい。
上記構成の請求項2記載の発明において、セラミックフィルター集合体は被濾過物を濾過するためのフィルターとして作用する。なお、セラミックフィルター集合体を構成するセラミックフィルター及び固定材の作用については、請求項1記載の発明の作用において述べたセラミックフィルター及び固定材の作用と同じである。また、筒状容器は、その中空部内に被濾過物とその分離物とを、フィルターであるセラミックフィルター集合体で分離しながら収容するという作用を有する。また、筒状容器における被濾過物流入部は筒状容器内に被濾過物を流入させるという作用を、また、筒状容器における被濾過物流出部はセラミックフィルター集合体を通過した被濾過物を筒状容器の外に排出させるという作用を、筒状容器内における分離物導出部は濾過後の分離物を外部に導出させるという作用をそれぞれ有する。
また、支持材は筒状容器内においてセラミックフィルター集合体を保持するという作用を有する。
さらに、筒状容器内においてセラミックフィルターの中空部内を流動する被濾過物の流路である1次系流路と、セラミックフィルターを構成する多孔質セラミックスを透過して流出する分離物の流路である2次系流路とが、セラミックフィルターよりも高い水密性又は気密性又はこれらの両方を有しながら分離されていることで、筒状容器内において被濾過物と分離物とが混ざり合うのが妨げられる。
このような請求項2に記載の濾過装置によれば、複数本の中空管状のセラミックフィルターを一まとめにして取り扱うことができるので、セラミックフィルター集合体のセッティング作業がスムースになる。また、セラミックフィルター集合体におけるセラミックフィルターの集合密度が高いので、濾過装置における濾過効率を大幅に向上させるという作用も有する。
なお、請求項2記載の発明では、1次系流路と2次系流路を入れ替えても支障なく機能させることができる。この場合、流路置換前の分離物導出部は、流路置換後の被濾過物流入部,被濾過物流出部となる。また、流路置換前の被濾過物流入部及び被濾過物流出部は、流路置換後の分離物導出部となる。但し、本願では1次系流路とは濾過前の流路を意味し、2次系とは濾過後の流路を意味するので、この流路の置換は、元々濾過前の流路としていた流路を濾過後の流路とすること及び元々濾過後の流路としていた流路を濾過前の流路とすることが可能という意味である。
上記構成の請求項3記載の発明において、濾過装置は、請求項2記載の発明と同じ作用を有する。さらに、濾過装置における分離物導入部は、少なくとも1つの他の濾過装置の筒状容器の2次系流路から排出される分離物を濾過装置に流入させるという作用を有する。
さらに、請求項3記載の発明では、他の濾過装置から導入された分離物をセラミックフィルターの外側面側から中空側に透過させて、すなわち、筒状容器の1次系流路に導いて逆洗浄を行うことで、被濾過物以外の洗浄用流体を一切使用することなく、濾過装置による被濾過物の分離を行いながら、目詰まりを起こしたセラミックフィルターの逆洗浄を行うことを可能にするという作用を有する。
この場合、細管状のセラミックフィルターを用いて被濾過物の濾過を行う際の、セラミックフィルターのセッティング作業の手間を大幅に軽減することができる。
また、請求項1に係る製法により製造されたセラミックフィルター集合体は、隣り合うセラミックフィルターが固定材を介して一体となったセラミックフィルター集合体であるため、複数本の細管状のセラミックフィルターを一定間隔毎に支持具に設置する場合に比べて、支持具に取設可能なセラミックフィルターの本数を多くすることができ、これにより被濾過物の処理能力を高めることができる。
また、請求項1に係る製法により製造されたセラミックフィルター集合体によれば、細管状のセラミックフィルターを一体化させる接着剤として機能する固定材がセラミックスあるため、少量の固定材でセラミックフィルター同士を強固に接続できる。この場合、固定材を備えない領域のセラミックフィルター同士の隣接部分には隙間が形成されることになり、この隙間が分離物の流路として機能する。この結果、請求項1に係る製法により製造されたセラミックフィルター集合体を構成する個々のセラミックフィルターから均等にかつスムースに分離物を導出させることができる。このことは、請求項1に係る製法により製造されたセラミックフィルター集合体を構成する個々のセラミックフィルターを効率的かつ確実に逆洗浄できることを意味している。
よって、請求項1に係る製法により製造されたセラミックフィルター集合体では、その胴部におけるセラミックフィルターからの分離液の導出容易性、並びに、逆洗浄の容易性を、練炭状の多孔タイプ濾過用フィルターにおける最外縁に配置される孔における分離液の導出容易性と同程度にすることができる。
この結果、請求項1記載の発明によれば、従来公知の練炭状の多孔タイプ濾過用フィルターと同程度の取り扱い容易性を備えながら、個々のセラミックフィルターの中空部からの分離液の導出容易性が均等(略均等の概念も含む)で、セラミックフィルター集合体を構成する個々のセラミックフィルターを均等(略均等の概念も含む)に逆洗浄できるセラミックフィルター集合体を製造して提供することができる。
特に請求項1記載の発明では、焼成後の隣接するセラミックフィルター同士の距離が、セラミックフィルターの軸方向に対する断面径の20%以下となるように焼成前にセラミックフィルター成形体と溶材とをセッティングすることで、焼成時にセラミックフィルターにダレが起きた際のセラミックフィルターの軸方向の歪みや変形を小さくできる。これにより、軸方向における変形がより少ない高品質なセラミックフィルター集合体を生産することができる。
この結果、長尺状のセラミックフィルター集合体を製造する場合や、複数本のセラミックフィルター集合体を束ねて使用する場合のセラミックフィルター集合体の取り扱いが容易になる。
よって、請求項1記載の発明によれば、シンプルでかつ高性能であり、しかも、寸法精度の高いセラミックフィルター集合体を効率良く生産して提供することができる。
図1は本発明の第1の実施の形態に係るセラミックフィルター集合体の製造方法のフローチャートである。
図1に示すように、本実施の形態に係るセラミックフィルター集合体の製造方法29における最初の工程は、例えば、アルミナ等からなる従来公知のセラミック粉体材料に従来公知のバインダーを添加して十分混合した後、例えば、押し出し成形法等の方法により細管状のセラミックフィルター成形体を作製する工程(プロセスP01)である。このセラミックフィルター成形体は焼成することで、多孔質セラミックスからなるセラミックフィルター2(後段の図2を参照)となる。
また、このプロセスP01とは別に、セラミックフィルター成形体のもととなるセラミック粉体材料と同質の又は異質のセラミック粉体材料に、従来公知のバインダーを添加して十分混合して、焼成後に上述のセラミックフィルター2同士を一体に固定する固定材3(後段における図2を参照)となる溶材を作製する(プロセスP02)。
この後、先のプロセスP01において作製された複数のセラミックフィルター成形体の隣接部分の所望個所に、先のプロセスP02において作製された溶材をスポット状に塗布しながら、複数のセラミックフィルター成形体を集合させてセラミックフィルター成形体集合体を作製する(プロセスP03:セッティング工程)。
そして、先のプロセスP03において所望の形態にセッティングされたセラミックフィルター成形体集合体を焼成(プロセスP04)することで、セラミックフィルター2がセラミック製の固定材3により一体化されてなるセラミックフィルター集合体1を製造することができる(後段における図2を参照)。
この場合、細長管状のセラミックフィルター2を製造した後に、従来公知の接着剤を用いて複数のセラミックフィルター2を集合させて一体化する場合に比べて、セラミックフィルター2同士の接続が強固なセラミックフィルター集合体1を製造できる。
また、細長管状のセラミックフィルター2を作製した後、このセラミックフィルター2を溶材を介して一体に集合させてから、再度焼成して溶材を固定材3にしてセラミックフィルター集合体を作製する場合に比べて、その製造工程をシンプルにできる。さらに、この場合、出来上がったセラミックフィルター集合体の寸法精度が高まり、製品の外形のバラつきが小さくなる。
通常、細長管状のセラミックフィルター2を単独で焼成する場合は、その伸長方向における変形や歪みが生じやすいので、長尺状のセラミックフィルター2を集合させてその外形のバラつきの少ないセラミックフィルター集合体を製造することが困難である。つまり、焼成済の個々のセラミックフィルター2は歪みや変形が生じていて直進状ではないので、このような焼成済のセラミックフィルター2を集合させて稠密なセラミックフィルター集合体を作製することは極めて難しい。
これに対して、本実施の形態に係るセラミックフィルター集合体の製造方法29によれば、セラミックフィルター2となる複数のセラミックフィルター成形体を集合させてから焼成するので、個々のセラミックフィルター2に歪みや変形が生じたとしても、セラミックフィルター2同士を集合させて束ねる際に、その端部が揃わないというような事態は起こり得ない。つまり、焼成前のセラミックフィルター成形体ならば、外力で容易に変形させることができるので、稠密に集合させることが容易である。
よって、第1の実施の形態に係るセラミックフィルター集合体の製造方法29によれば、高品質なセラミックフィルター集合体1を廉価にかつ効率良く生産することができる。
従って、第1の実施の形態に係るセラミックフィルター集合体の製造方法29では個々のセラミックフィルター2に生じる歪みや変形をある程度許容しつつも、セラミックフィルター集合体1全体としては歪みや変形を小さくする必要がある。
このような事情に鑑み、第1の実施の形態に係るセラミックフィルター集合体の製造方法29では、図1に示すプロセスP03(セッティング工程)において焼成後のセラミックフィルター2同士の距離が、セラミックフィルター2の軸方向断面径の20%以下となるようセラミックフィルター成形体と溶材とセッティングしている。
この場合、プロセスP04の焼成時に、セラミックフィルター2がダレを起こして変形しようとしても、隣接する他のセラミックフィルター2により支えられるので、あるいは、隣接するセラミックフィルター2同士が同じ方向に同じ量だけ変形することで、セラミックフィルター集合体1全体としての歪みや変形を少なくできる。
なお、焼成後のセラミックフィルター2同士の距離は、より好ましくはセラミックフィルター2の軸方向断面径の10%以下であることが望ましい。この場合、セラミックフィルター2外観をほぼ直進状にすることができる。よって、第1の実施の形態に係るセラミックフィルター集合体の製造方法29により製造されるセラミックフィルター集合体1をその外形寸法のバラつきの少ない寸法精度の高いセラミックフィルター集合体1にすることができる。
なお、第1の実施の形態に係るセラミックフィルター集合体の製造方法29では、焼成後のセラミックフィルター2同士の距離を上述した状態になるようにセッティングする(プロセスP03)ことで、セラミックフィルター2同士が可能な限り近接した状態が実現される。つまり、セラミックフィルター集合体1の端面におけるセラミックフィルター2の密度を大きくできる。
この結果、セラミックフィルター集合体1を、濾過用フィルターとして用いる場合の被濾過物との接触面積を大きくできる。よって、セラミックフィルター集合体1を用いる場合の濾過効率を大幅に向上できる。
図2は本発明の第1の実施の形態に係るセラミックフィルター集合体の製造方法により製造されたセラミックフィルター集合体の概念図である。
図2に示すように、上述のようなセラミックフィルター集合体の製造方法29により製造されたセラミックフィルター集合体1は、複数本の多孔質セラミックス製で中空管状のセラミックフィルター2が、互いに平行に、かつ、隣り合う任意の2本のセラミックフィルター2の外側面の一部を固定材3により接続されて一体に固定されたものである。このようなセラミックフィルター集合体1では、セラミックフィルター2の中空部2aが互いに平行に配設(略平行の概念も含む)されている。
なお、図2では、セラミックフィルター集合体1の軸方向両端部に固定材3を配置する場合を例に挙げているが、セラミックフィルター集合体1における固定材3の配設位置は、図2に示されるものに特定する必要はなく、セラミックフィルター集合体1の所望個所に配設されてよい。
このようなセラミックフィルター集合体1では、その胴部の固定材3が配設されない領域では、セラミックフィルター2同士が互いに部分的に接触しているか隣接した状態になっている。
なお、特に図示しないがセラミックフィルター集合体1の胴部にスポット状に固定材3を配設する場合は、セラミックフィルター集合体1の胴部の断面において、セラミックフィルター2の外側面からなる中空状の隙間に固定材3が疎らに配置されることになる。
また、特に図示しないがセラミックフィルター集合体1の胴部の所望の位置にまとめ固定材3を配設する場合は、セラミックフィルター集合体1の胴部の断面において、セラミックフィルター2の外側面から成る隙間の全てが固定材3により封止されていように見える箇所が生じるが、固定材3はセラミックフィルター集合体1の胴部の局所に配設されているにすぎない。
図2ではセラミックフィルター2の外形は直線で表現されているが、厳密にはセラミックフィルター2は製造時に生じる品質に影響のない不可避な歪みや変形を有しているため、セラミックフィルター2同士の隣接部分の全域が完全な接触状態になることはなく、部分的に接触している部位と、僅かな隙間が形成されている部位とがランダムに混在している。
このため、図2に示すセラミックフィルター集合体1のセラミックフィルター2の中空部2aに被濾過物を流動させた場合に、セラミックフィルター2の肉厚部分を透過して分離される分離物は、セラミックフィルター2同士の隙間に導出され、さらに、セラミックフィルター2同士の隣接部分に形成される僅かな隙間を通ってセラミックフィルター集合体1の外に排出される。
別の表現をすると、図2に示すセラミックフィルター集合体1は、セラミックフィルター2が一体化されたものであるが、それを構成する個々のセラミックフィルター2の濾過作用は、互に平行に独立して配設されるセラミックフィルター2の濾過作用と同じである。
その一方で、図2に示すセラミックフィルター集合体1では、複数本のセラミックフィルター2が一体となっているので、セラミックフィルター2を単体で取り扱う場合に比べて、濾過装置へのセッティング時の取り扱いが極めて容易である。
さらに、図2に示すセラミックフィルター集合体1を構成するセラミックフィルター2の軸方向に対する断面形状を1種類に統一する必要は特になく、目的に応じて複数種類の異なる断面形状を有する細管状のセラミックフィルター2を集合させてセラミックフィルター集合体1を形成してもよい。
加えて、図2に示すセラミックフィルター集合体1を構成するセラミックフィルター2の数や配置は、必ずしも図2に示される数や配置に特定される必要はなく、セラミックフィルター集合体1の使用目的に応じて自由に設定されてよい。
なお、図2に示すセラミックフィルター集合体1の固定材3の材質はセラミックスである。
そして、固定材3を構成するセラミックスは、セラミックフィルター2と同質な多孔質体でもよいし、異質なもの、例えば、水密性や気密性やこれら両方を有するものでもよい。
なお、セラミックフィルター集合体1の固定材3が目的とする機能を確実に発揮するためには、つまり、固定材3によりセラミックフィルター2同士を強固に接着するためには、焼成することで固定材3となる溶材が、焼成前のセラミックフィルター成形体との親和性が良好で、かつ、焼成時の収縮率が焼成前のセラミックフィルター成形体と同じか近似している必要がある。
なお、焼成時の溶材の収縮率が焼成前のセラミックフィルター成形体と同じか近似している状態を別の言葉で言い換えると、焼成前のセラミックフィルター成形体と溶材とを同時焼成した際に、その接合部に破損やひび割れ等が生じない状態が十分な確実性を持って実現できることである。
第1の実施の形態に係るセラミックフィルター集合体の製造方法29では、上述のような条件を満たす溶材であればどのようなものでも使用できる。
より具体的には、固定材3としてセラミックフィルター2よりも高い水密性又は気密性又はこれらの両方を備えるセラミックスを用い、かつ、図2に示すようにセラミックフィルター集合体1の少なくとも両端部に固定材3を配設し、さらに、セラミックフィルター集合体1のそれぞれの端面においてセラミックフィルター2の外縁同士により形成される中空状の隙間を固定材3により封止することで、濾過装置の機能の一部をセラミックフィルター集合体1で担うことができる。
図2に示すような、固定材3の性質及び配置を特定したセラミックフィルター集合体1では、隣り合うセラミックフィルター2同士を接続するための固定材3が、セラミックフィルター集合体1のそれぞれの端面においてセラミックフィルター2同士の周縁からなる隙間を封止する封止材としても機能する。
その一方で、セラミックフィルター集合体1の胴部の固定材3が配置されない領域では、セラミックフィルター2同士は中空状の隙間を形成しながら隣接した状態になっている。
そして、このようなセラミックフィルター集合体1において、固定材3がセラミックフィルター2よりも高い水密性又は気密性又はこれらの両方を備え、かつ、このような固定材3によりセラミックフィルター集合体1の長手方向両端の端面においてセラミックフィルター2同士の外縁からなる隙間が封止されていることで、セラミックフィルター2内を流動する被濾過物の流路(1次系流路)とセラミックフィルター2の外側面側に導出される分離物の流路(2次系流路)とが混ざり合うことがないように分離しておくことができる。
すなわち、セラミックフィルター集合体1の長手方向両端の端面においてセラミックフィルター2同士の外縁からなる隙間を封止する固定材3を、被濾過物と分離物とを分離する分離壁として機能させることができる。
その一方で、濾過用フィルターの最小単位として単管状のセラミックフィルター2を用いる場合は、セラミックフィルター2同士の端面における隙間の開放部分から、セラミックフィルター2の胴部側に被濾過物が浸入することがないように、セラミックフィルター2の端面における隙間の開放部分をしっかりと目止めしておく必要がある。このため、セラミックフィルター2を濾過装置(例えば、後段において説明する図3を参照)に設置する際には、細管状のセラミックフィルター2を1本ずつ支持具にシールドしながらセッティングする必要があり、その作業は極めて煩雑であった。
これに対して、図2に示すようなセラミックフィルター集合体1を用いることによれば、複数のセラミックフィルター2を支持具にシールドしながらセッティングした状態がセラミックフィルター集合体1において既に実現されていることになる。
よって、固定材3の性質及びその配置を特定したセラミックフィルター集合体1を製造することで、濾過フィルターであるセラミックフィルター2と、それを支持するための支持具と、これらのシール材とを一体化したものとして提供することができる。つまり、取り扱いが極めて容易な濾過用フィルターを提供できる。
しかも、支持具に1本ずつセラミックフィルター2を配設する場合に比べて、その集合密度を高くできるので、より濾過性能が高くコンパクトなセラミックフィルター集合体1を製造することができる。
このように、被濾過物の流路(1次系流路)と、分離物の流路(2次系流路)とを分離しておくという機能を確実に発揮させるために、固定材3がセラミックフィルター2を構成するセラミックスよりも高い水密性又は気密性又はこれらの両方を備えている必要があるのである。
先の図1に示す第1の実施の形態に係るセラミックフィルター集合体の製造方法29におけるプロセスP04(焼成工程)において、セラミックフィルター集合体1のそれぞれの端面においてセラミックフィルター2の外側面により形成される隙間を確実に封止するためには、固定材3に気孔が全く又はほとんど存在しない状態か、あるいは、セラミックフィルター2を構成するセラミックスに形成される気孔の径よりも固定材3に形成される気孔の径が小さい状態である必要がある。
本実施の形態に係るセラミックフィルター集合体の製造方法29では、上述のような条件を満たす溶材であればどのようなものでも使用できる。
この場合、セラミックフィルター2の伸長方向における垂直断面径を一定にし、さらに、セラミックフィルター2の長さを一定にした際に、セラミックフィルター集合体1における濾過面積が最大になる。この結果、濾過効率も最大になる。
よって、図2に示すようなセラミックフィルター集合体1によれば、取り扱いが容易で、かつ、濾過効率が極めて高い濾過用フィルターを提供できる。
よって、図2に示すセラミックフィルター集合体1では、製造時に生じる不可避な歪みや変形も重要な構成要素であるとも言える。
従って、図1に示すセラミックフィルター集合体の製造方法29により製造されたセラミックフィルター集合体1によればこの点からも濾過効率の高いセラミックフィルター集合体1を提供することができる。
図2に示すセラミックフィルター集合体1では、その端面においてセラミックフィルター2同士の周縁により形成される隙間を固定材3で封止する場合は、固定材3はセラミックフィルター集合体1の伸長方向両端部にのみ配設されていればよい。
これに対して、長尺状のセラミックフィルター集合体1を製造する場合は、セラミックフィルター集合体1の端面に形成される隙間を封止するための固定材3とは別に、セラミックフィルター集合体1の胴部の所々に、あるいは、所望の位置にまとめて、スポット状の固定材3を配置しておくとよい。
この場合、セラミックフィルター2と固定材3とを同時焼成する際に、スポット状に配設された固定材3となる溶材が焼成される時に、固定材3によりセラミックフィルター2同士が引き寄せられて、すなわち、焼成時のセラミックフィルター2のダレの発生が抑制されて、焼成中のセラミックフィルター2に大きな歪みや変形が生じ難くなる。
さらに、セラミックフィルター2と固定材3とを同時焼成することで、焼成時に固定材3(融材)により接続されるセラミックフィルター2(セラミックフィルター成形体)同士が、隣り合うそれぞれを互いに支え合うことによっても、より歪みや変形の少ないセラミックフィルター集合体1を製造できる。
この場合、複数のセラミックフィルター集合体1を束ねてより大型で容量の大きな濾過用フィルターとして使用することが可能になる。すなわち、長尺状のセラミックフィルター集合体1を製造する場合でもより寸法精度が高くて高品質なセラミックフィルター集合体1とすることができる。
図2に示すセラミックフィルター集合体1は、複数の単管状のセラミックフィルター2を集合させて固定材3を用いて一体に束ねたものであるが、このセラミックフィルター2は必ずしも単管状である必要はなく、この単管状のセラミックフィルター2に代えて複数の貫通孔が並設された複孔セラミックフィルターを用いることもできる。
より具体的に説明すると、図2に示すセラミックフィルター集合体1は、そのセラミックフィルター2の少なくとも一部を、2本のセラミックフィルター2を平行に配した形態として一体に成形してなる複孔セラミックフィルターや(図示せず)、3本のセラミックフィルター2を平行に配した形態として一体に成形してなる複孔セラミックフィルター(図示せず)に置き換えることができる。
本発明に係る複孔セラミックフィルターの形態を上述のように規定する意図は、本発明に係る複孔セラミックフィルターの概念から、従来公知の練炭状の多孔タイプの濾過モジュールの概念を除外することにある。
このように、セラミックフィルター集合体1におけるセラミックフィルター2の少なくとも一部を、上述のような複孔セラミックフィルターに置き換えてなるセラミックフィルター集合体は、その製造時に、中空管状のセラミックフィルターのセッティングの手間を大幅に軽減できる。
つまり、先の図1に示すセラミックフィルター集合体の製造方法29のセッティング工程(プロセスP03)において、セラミックフィルター2に代えて複孔セラミックフィルターを用いる場合は、1本の複孔セラミックフィルターをセッティングするだけで、複数本のセラミックフィルター2のセッティング作業を完了したことになる。
よって、所望の数の中空部2aを有するセラミックフィルター集合体1を製造する場合に、単管状のセラミックフィルター2(セラミックフィルター成形体)を使用する場合に比べて、より早くセラミックフィルター集合体1を組み上げることができる。
この結果、セラミックフィルター集合体1と同等の作用、効果を有する複孔セラミックフィルターを用いてなるセラミックフィルター集合体(図示せず)を効率よく生産することができる。
従って、図2に示すセラミックフィルター集合体1の少なくとも一部を本発明に係る複孔セラミックフィルターに置き換えてなるセラミックフィルター集合体(図示せず)のフィルターとしての寿命も長くすることができる。よって、この点からも高品質なセラミックフィルター集合体を提供することができる。
図3は本発明の第2の実施の形態に係る濾過装置の断面図である。なお、図1、2に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。また、図3は、例えば、図2に示すセラミックフィルター集合体1における軸方向断面から視た図である。
図2に示すような第1の実施の形態に係るセラミックフィルター集合体の製造方法29により製造されるセラミックフィルター集合体1は、例えば、図3に示すような濾過装置5において濾過用フィルターとして使用することができる。
より具体的には本発明に係る濾過装置5は、図2に示すセラミックフィルター集合体1を挿通させることができる程度の孔を有する平板状の一対の支持具7のそれぞれに、単数又は複数のセラミックフィルター集合体1の長手方向両端部をそれぞれ挿入して(図3ではセラミックフィルター集合体1を単数使用する場合を示している。)、支持具7とセラミックフィルター集合体1の隙間をシール材8で目止めしたものを筒状容器6内に挿入する。
このとき、シール材8はもちろん、支持具7の外縁部と筒状容器6の内壁との接触部分は、被濾過物(又は分離物)の様態(液体又は気体)に応じてセラミックフィルター2よりも高い水密性又は気密性又はこれらの両方を備える部材を用いたり、そのような状態となるようしっかりとシールしておく必要がある。
なお、図3には特に示していないが、濾過装置5の筒状容器6内に収容されるセラミックフィルター集合体1の逆洗浄を容易に行えるよう、分離物導出部6cとは別に、逆洗浄用の流体(液体又は気体)を筒状容器6内に供給するための分離物導入部6dを別途設けておいてもよい。
あるいは、セラミックフィルター集合体1から排出される分離物と、逆洗浄に用いられる流体が同じである場合は、分離物導出部6cと分離物導入部6dとを兼用とし、その上流側において分離物を排出するための流路と、逆洗浄用の流体を供給する流路を切り替え可能に構成してもよい。
そして、被濾過物がセラミックフィルター2の中空部2aを通過する際に、セラミックフィルター2を構成する多孔質体を透過可能な物質(液体又は気体)が分離物として隙間4に導出され、さらに、隙間4に導出された分離物はセラミックフィルター2同士の接触部分に形成される隙間(図示せず)を通って、セラミックフィルター集合体1の外に排出され、最終的に筒状容器6の分離物導出部6cから排出される。
そして、図3に示すような濾過装置5では、セラミックフィルター集合体1の長手方向両端部において、セラミックフィルター2同士の外側面により形成される隙間4が固定材3により封止されているので、筒状容器6内に流入した被濾過物が、セラミックフィルター集合体1の胴部側に形成される中空状の隙間4へと流入するのが妨げられている。このように、図2に示すようなセラミックフィルター集合体1を用いる場合は、固定材3が濾過装置5における被濾過物と分離物とを隔てる分離壁として機能している。
このように本発明に係る濾過装置5では、固定材3、シール材8及び支持具7の外縁部と筒状容器6の内壁との接触部分のシール性によって、濾過物流入部6aに始まり、セラミックフィルター集合体1を構成するセラミックフィルター2の中空部2a内を通じて、被濾過物流出部6bに至る被濾過物の流路(1次系流路)と、セラミックフィルター集合体1を構成するセラミックフィルター2の外側面から筒状容器6の分離物導出部6cに至る分離物の流路(2次系流路)とは、セラミックフィルターよりも高い水密性又は気密性又はこれらの両方を有しながら分離されていることになる。
これに対して、固定材3がセラミックフィルター集合体1の伸長方向の両端部に少なくとも配置され、かつ、セラミックフィルター集合体1の伸長方向端面においてセラミックフィルター2同士の周縁により形成される空隙が固定材3により封止されたものを用いる場合は、上述のように固定材3が被濾過物の流路(1次系流路)と分離物の流路(2次系流路)の分離壁として機能するので、支持具7に対して多数本のセラミックフィルター2を個別にセッティングする必要がなく、そのセッティングを簡単な作業のみで完了することができる。この結果、細管状のセラミックフィルター2を使用して濾過処理を行う際の濾過装置のセッティングにかかる手間とコストを大幅に軽減できる。
このような封止用のシールド材としては、例えば、ゴム系接着剤、シリコン系接着剤、フッ素樹脂系接着剤等がある。
このため、上述のようなセラミックフィルター集合体1を用いてなる濾過装置5において、セラミックフィルター集合体1の逆洗浄を行う場合、セラミックフィルター集合体1を構成する個々のセラミックフィルター2に対して均等(略均等の概念を含む)に逆洗浄を行うことができる。
すなわち、本発明に係る濾過装置5では、濾過用フィルターとして従来公知の練炭状の多孔タイプの濾過用フィルターを用いる場合に比べて、被濾過物との接触面の逆洗浄を容易かつ確実に行うことができる。
よって、本発明に係る濾過装置5では、セラミックフィルター集合体1を構成する個々のセラミックフィルター2を均等にかつ効率よく逆洗浄できるので、濾過用フィルターとしての寿命も長くなる。
なお、本発明に係る濾過装置5では、被濾過物が流動する1次系流路と、分離物が流動する2次系流路を入れ替えた場合でも、濾過装置5を支障なく機能させることができる。
図4は本発明の第3の実施の形態に係る濾過システムのシステム工程図である。なお、図1乃至図3に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
本発明の第3の実施の形態に係る濾過システム9は、複数並列に配設される第1,第2の濾過装置5a,5bと、この第1,第2の濾過装置5a,5bに送給する被濾過物27を貯留する被濾過物収容器10と、被濾過物27を第1,第2の濾過装置5a,5bで濾過した後に得られる分離物28を収容する分離物収容器11と、これらを接続する配管とにより構成されるものである。
そして、本発明に係る濾過システム9では、第1の濾過装置5aに収容されるセラミックフィルター集合体1(図2を参照)に目詰まりが生じた場合は、並設される第2の濾過装置5bから排出される分離物28により第1の濾過装置5aのセラミックフィルター集合体1の逆洗浄を行えるように、また、第2の濾過装置5bに収容されるセラミックフィルター集合体1(図2を参照)に目詰まりが生じた場合は、並設される第1の濾過装置5aから排出される分離物28により第2の濾過装置5bのセラミックフィルター集合体1の逆洗浄を行えるように、構成されている。
なお、本発明に係る濾過システム9では、濾過装置5として第1,第2の濾過装置5a,5bの2台を用いる場合を例に挙げて説明しているが、第1,第2の濾過装置5a,5bに代えて3台以上の複数台を備えるようにしてもよい。
本発明に係る濾過システム9においては、被濾過物収容器10内に収容される被濾過物27を第1,第2の濾過装置5a,5bのそれぞれに送給すべく第1の配管12を備えている。また、この第1の配管12は、第1の濾過装置5aに被濾過物27を送給するラインである第1の配管12aと、第2の濾過装置5bに被濾過物27を送給するラインである第1の配管12bとに分岐している。なお、第1の配管12aと第1の配管12bは、それぞれ独立して配設されていてもよい。
また、本発明に係る濾過システム9は、第1,第2の濾過装置5a,5bのそれぞれを通過して濾過されずに排出された被濾過物27を被濾過物収容器10に返送するためのラインとして第3の配管14a,14bを備えている。なお、図4では、第3の配管14a,14bが合流して第3の配管14となる場合を例に挙げて説明しているが、第3の配管14a,14bは独立して設けられてもよい。
さらに、本発明に係る濾過システム9は、第1,第2の濾過装置5a,5bのそれぞれにおいて分離された分離物28を分離物収容器11に送給するための第2の配管13P,13Qを備えている。
また、第2の濾過装置5bから導出される分離物28を分離物収容器11に送給するための第2の配管13bは、第2の配管13b1,13b2に分岐しており、第2の配管13b2,第2の配管13Qは、第2の配管13bを流動する分離物28を第1の濾過装置5aの逆洗浄に用いるべく送給する際に、余剰な分離物28を分離物収容器11に送給するための配管である。
なお、第2の配管13a1,13b1はそれぞれ独立して配設されてもよいが、図4に示すように、途中で合流させて第2の配管13Pとしてもよい。また、第2の配管13a2,13b2もそれぞれ独立して配設してもよいが、図4に示すように途中で合流させて第2の配管13Qとしてもよい。
さらに、特に図示しないが、第2の配管13Pと第2の配管13Qを合流させてもよい。
加えて、本発明に係る濾過システム9において、第1の濾過装置5aに接続される第2の配管13aには、逆洗浄を行うために分離物28を第2の濾過装置5bに送給するための第4の配管15aが、また、第2の濾過装置5bに接続される第2の配管13bには、逆洗浄を行うために分離物28を第1の濾過装置5aに送給するための第4の配管15bが、それぞれ接続されている。
さらに、本発明に係る濾過システム9は、分離物収容器11に収容された分離物28を外部に排出するための分離物排出配管24を備えていてもよい。加えて、外部から被濾過物収容器10に新たな被濾過物27を供給するための被濾過物送給配管25を備えていてもよい。
図5は本発明の第3の実施の形態に係る濾過システムのフローチャートである。なお、図1乃至図4に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図4に示すような本発明に係る濾過システム9では、図5に示すように、まず、第1の濾過装置5aにおいて被濾過物27の濾過が行われ(ステップS01)、第1の濾過装置5aから排出される分離物28は第2の配管13a1,第2の配管13Pを通じて分離物収容器11に送給される。この時、第1の配管12b上の自動エアーバルブ18は閉止されており、第2の濾過装置5bのセラミックフィルター集合体1は未使用であり、目詰まりは起きていない。従って、第4の配管15a上の自動エアーバルブ18も閉止されており、第1の濾過装置5aから排出される分離物28は第2の濾過装置5bには送給されない。つまり、ステップS01では、第2の濾過装置5bは休止状態である。
なお、第1の濾過装置5aの逆洗浄に用いられない分離物28は、第2の配管13b2,第2の配管13Qを通じて分離物収容器11に送給されてもよいし、第2の配管13b1,第2の配管13Pを通じて分離物収容器11に送給されてもよい。あるいは、これら両方を通じて分離物収容器11に送給されてもよい。また、第1の濾過装置5aに送給されたもののセラミックフィルター集合体1の逆洗浄に用いられなかった分離物28も分離物収容器11に送給される。この時、分離物28は第2の配管13a,第2の配管13a2,第2の配管13Qを通じて分離物収容器11に送給されてもよいし、又は、第2の配管13a1,第2の配管13Pを通じて分離物収容器11に送給されてもよい。あるいは、これら両方を通じて分離物収容器11に送給されてもよい。
さらに、第1の濾過装置5aの逆洗浄を終えた分離物は第1の濾過装置5aの被濾過物流出部6bから第3の配管14aを介して被濾過物収容容器10へ返送される。この場合、第1の濾過装置5aのセラミックフィルター集合体1の目詰まりの原因となっていた濾過吸着物が再び被濾過物収容容器10へ返戻されるので、別途配管を設けて系外へ放出するようにしてもよいことは言うまでもない。
第1の濾過装置5aの逆洗浄完了後(ステップS05)、第4の配管上15b上の自動エアーバルブ18を閉止することで第1の濾過装置5aへの分離物28の供給を停止して、第2の濾過装置5bから排出される分離物28は分離物収容器11に送給される。この分離物28は第2の配管13b1,第2の配管13Pを通じて分離物収容器11に送給されてもよいし、前述のとおり第2の濾過装置5bから第2の配管13b2を介して第2の配管13Qを通じて分離物収容器11に送給されてもよい。
この時、第1の濾過装置5aから排出される分離物28の少なくとも一部が第2の配管13a,第4の配管15a上で開かれた自動エアーバルブ18を介して第2の濾過装置5bの分離物導入部6dに送給されて、第2の濾過装置5b内に収容されるセラミックフィルター集合体1の逆洗浄が行われる(ステップS08)。
なお、第2の濾過装置5bの逆洗浄に用いられない分離物28は、第2の配管13a2,第2の配管13Qを通じて分離物収容器11に送給されてもよいし、第2の配管13a1,第2の配管13Pを通じて分離物収容器11に送給されてもよい。あるいは、これら両方を通じて分離物収容器11に送給されてもよい。また、第2の濾過装置5bに送給されたもののセラミックフィルター集合体1の逆洗浄に用いられなかった分離物28も分離物収容器11に送給される。この時、分離物28は第2の配管13b,第2の配管13b2,第2の配管13Qを通じて分離物収容器11に送給されてもよいし、又は、第2の配管13b1,第2の配管13Pを通じて分離物収容器11に送給されてもよい。あるいは、これら両方を通じて分離物収容器11に送給されてもよい。
さらに、第2の濾過装置5bの逆洗浄を終えた分離物は第2の濾過装置5bの被濾過物流出部6bから第3の配管14bを介して被濾過物収容容器10へ返送される。この場合、第2の濾過装置5bのセラミックフィルター集合体1の目詰まりの原因となっていた濾過吸着物が再び被濾過物収容容器10へ返戻されるので、別途配管を設けて系外へ放出するようにしてもよいことは言うまでもない。
第2の濾過装置5bの逆洗浄完了後(ステップS09)、第4の配管上15a上の自動エアーバルブ18を閉止することで第2の濾過装置5bへの分離物28の供給を停止して、第1の濾過装置5aから排出される分離物28は分離物収容器11に送給される。この分離物28は第2の配管13a1,第2の配管13Pを通じて分離物収容器11に送給されてもよいし、前述のとおり第1の濾過装置5aから第2の配管13a2を介して第2の配管13Qを通じて分離物収容器11に送給されてもよい。
すなわち、本発明に係る濾過システム9によれば、被濾過物27の構成成分以外の成分の浸入を防止しながら、連続して被濾過物27の濾過処理を行うことができる。
本実施の形態においては、並設されている2つの濾過装置の一方が目詰まりするまで他方の使用は止めていたが、両方を同時に使用しながら、一方が目詰まりした際に、他方が逆洗浄を行うようにしてもよい。その場合には両方が同時に目詰まりするような場合には効率が悪くなるが、逆洗浄している最中以外はすべて両方の濾過装置を作動させるので全体的には効率がよいと考えられる。
さらに、本実施の形態に係る濾過システム9では第1の実施の形態に係る製法により製造されたセラミックフィルター集合体1を用いているので、逆洗浄時に全てのセラミックフィルター2を均等に洗浄することができる。このため、逆洗浄後に特定の中空部2aの目詰まりが解消されないことが原因でセラミックフィルター集合体1を交換せざるを得ない事態が生じ難い。つまり、セラミックフィルター集合体1及び濾過装置5の耐用期間を長くできるというメリットがある。また、理論上は、セラミックフィルター集合体1が破損しない限り、半永久的に濾過装置5を使用できることになる。
この結果、本実施の形態に係る濾過システム9を用いて被濾過物27の濾過処理を行う際のランニングコストを大幅に軽減できるというメリットを有する。
また、本発明に係る濾過システム9では、濾過装置5の1次系流路と2次系流路とを置き換えて使用することもできる。
Claims (3)
- 複数本の多孔質セラミックス製で中空管状のセラミックフィルターと、隣り合う任意の2本の前記セラミックフィルターの外側面の一部を接続して一体に固定する固定材とからなるセラミックフィルター集合体の製造方法であって、
焼成することで前記セラミックフィルターとなる複数本のセラミックフィルター成形体の所望箇所に、焼成することで前記固定材となる溶材をスポット状に塗布しながら前記セラミックフィルター成形体を集合させた後、前記セラミック成形体と前記溶材とを同時焼成して一体化させることを特徴とするセラミックフィルター集合体の製造方法。 - 請求項1記載の発明により製造されてなるセラミックフィルター集合体と、少なくとも1つの前記セラミックフィルター集合体を収容する筒状容器と、この筒状容器内において前記セラミックフィルター集合体を支持する支持材とを有し、
前記筒状容器は、被濾過物が流入する被濾過物流入部と被濾過物が流出する被濾過物流出部を有する1次系流路と、濾過後の分離物を導出する分離物導出部を有する2次系流路とをそれぞれ備え、
前記セラミックフィルター集合体は、複数本の多孔質セラミックス製で中空管状のセラミックフィルターと、隣り合う任意の2本の前記セラミックフィルターの外側面の一部を接続して一体に固定する固定材とを備え、
前記セラミックフィルターを構成する前記多孔質セラミックスを透過する前の被濾過物の流路と透過した後の分離物の流路とは、前記セラミックフィルターよりも高い水密性又は気密性又はこれらの両方を有しながら分離されていることを特徴とする濾過装置。 - 複数並列に配置される請求項2記載の濾過装置と、
前記濾過装置に送給される被濾過物を貯留する被濾過物収容器と、
前記被濾過物を前記濾過装置で濾過した後に得られる分離物を収容する分離物収容器と、を有し、
前記複数並列に配置される前記濾過装置のそれぞれは、少なくとも1つの他の濾過装置の前記筒状容器の2次系流路から分離物を導入する分離物導入部を備え、他の濾過装置から導入された分離物を前記セラミックフィルターに透過させて前記筒状容器の1次系流路に導いて逆洗浄を行うことを特徴とする濾過システム。
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