JP5799385B2 - 遊技機 - Google Patents

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本発明は、少なくとも一部が透明若しくは半透明な部材で構成された装飾部材を遊技盤の前面に備えるとともに、発光可能な可動部材と、前記可動部材の発光及び動作を制御する制御手段と、を備える遊技機に関する。
従来、遊技機の代表例としてパチンコ機がある。このパチンコ機では、通常時、図柄(識別情報)の変動は停止しているが、遊技者の操作により発射装置を駆動させ、当該発射装置によって発射された遊技球が遊技領域に設けられた始動口に入賞すれば、当該始動口に設けられた特図作動スイッチの検出に基づき表示装置(例えば、液晶表示器等)において所定時間図柄の変動(変動表示ゲーム)を行い、その後、所定時間図柄を停止させることで、遊技者に変動表示ゲームの当否判定結果を認識させるとともに、特別の表示結果態様となった場合に遊技者にとって有利な特別遊技状態(大当り)を発生させるようにしているものがある。
上記のパチンコ機においては、遊技球が転動可能なステージ及び上記表示装置を備えたセンターケースを遊技領域に設け、当該表示装置にて変動表示ゲームを行う際に当該ゲームの興趣向上を目的としてステージ下方から当該表示装置の前面に可動役物を移動させる動作演出を行う遊技機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、上記した始動口の後方から光を照射することで当該始動口を装飾発光させる遊技機が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2008−113909号公報 特開2008−43452号公報
特許文献1に開示されている遊技機においては演出効果が小さい。そこで、可動役物と装飾部材を装飾発光させることを考えた。
しかしながら、上記特許文献1に開示されたパチンコ機において、可動役物を装飾発光させるとともに、装飾部材を装飾発光させようとした場合には、可動役物と装飾部材とにそれぞれ照明装置を配設しなければならず、コストアップを招いてしまう。
本発明の課題は、装飾部材及び可動役物の装飾発光をコストをかけずに行うことができる遊技機を提供することにある。
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
少なくとも一部が透明若しくは半透明な部材で構成された装飾部材を遊技盤の前面に備えるとともに、
発光可能な可動部材と、
前記可動部材の発光及び動作を制御する制御手段と、
を備える遊技機において、
常時は前記遊技盤の前方から見たときに前記可動部材が前記装飾部材の少なくとも前記透明若しくは半透明な部材の裏側に重なる下方位置に配設され、
前記制御手段は、
前記可動部材が前記装飾部材の裏側にあるときに当該可動部材を発光させることが可能であり、且つ、前記遊技盤の前方から見たときに前記可動部材の少なくとも一部前記装飾部材の裏側に重ならない上方位置に当該可動部材を移動させることが可能であり、
前記可動部材は、前記下方位置において発光することによって、前記装飾部材を照明可能であり、
前記可動部材が前記下方位置から前記上方位置へと移動することによって、当該可動部材により前記装飾部材を照明する照明領域が減少するとともに、当該可動部材により前記装飾部材よりも上方の部分を照明する照明領域が増加することを特徴とする。
ここで、「前記装飾部材の裏側に重ならない位置」とは、例えば、表示装置の前側や、ガイドレール外側に設けられた外側部材の裏側(かかる場合、遊技盤及び当該外側部材がクリア部材で構成される。)等を意味する。また、「前記装飾部材の裏側」は、当該装飾部材の裏側で、且つ、遊技盤の裏側でも良い。かかる場合、遊技盤はクリア部材で構成される。
請求項1に記載の発明によれば、可動部材が装飾部材の裏側にあるときに当該可動部材を発光させることが可能であるので、装飾部材のうち透明若しくは半透明な部材で構成された部分を介して当該装飾部材の前面側に光を照射することができ、当該装飾部材も好適に装飾発光させることができるようになる。
従って、可動部材及び装飾部材のそれぞれに照明装置を設けなくても、可動部材及び装飾部材を装飾発光させることができるようになるので、可動部材及び装飾部材の装飾発光をコストをかけずに行うことができる。
本発明によれば、可動部材及び装飾部材のそれぞれに照明装置を設けなくても、可動部材及び装飾部材を装飾発光させることができるようになるので、可動部材及び装飾部材の装飾発光をコストをかけずに行うことができる。
本発明に係る遊技機の一実施形態を示す斜視図である。 本発明の実施形態の遊技機における遊技盤の構成例を示す正面図である。 本発明の実施形態の遊技機における遊技盤の下可動役物を駆動させたときの状態を示す図である。 本発明の実施形態の遊技機における遊技盤の上駆動ユニット及び右駆動ユニットを駆動させたときの状態を示す図である。 本発明の実施形態の遊技機の裏面に設けられる制御システムおよび遊技制御装置の構成例を示すブロック図である。 図5の制御システムにおける演出制御装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の実施形態の遊技機のスペックを説明する図である。 本発明の実施形態の遊技制御装置の遊技用マイコンによって実行される遊技制御のうちメイン処理の具体的な手順の前半部分を示すフローチャートである。 本発明の実施形態の遊技制御装置の遊技用マイコンによって実行される遊技制御のうちメイン処理の具体的な手順の後半部分を示すフローチャートである。 本発明の実施形態の遊技制御装置の遊技用マイコンによって実行される遊技制御のうちタイマ割込み処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。 図10のタイマ割込み処理中に実行される特図ゲーム処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。 図11の特図ゲーム処理中に実行される始動口スイッチ監視処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。 図12の始動口スイッチ監視処理中に実行される特図始動口スイッチ共通処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。 図13の特図始動口スイッチ共通処理中に実行される特図保留情報判定処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。 図11の特図ゲーム処理中に実行される特図普段処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。 (a)は図15の特図普段処理中に実行される特図1変動開始処理の具体的な手順の一例を示すフローチャート、(b)は当該特図普段処理中に実行される特図2変動開始処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。 (a)は図16(a)の特図1変動開始処理中に実行される小当りフラグ1設定処理の具体的な手順の一例を示すフローチャート、(b)は図16(b)の特図2変動開始処理中に実行される小当りフラグ2設定処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。 図11の特図ゲーム処理中に実行される図柄変動制御処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。 遊技盤の分解斜視図である。 上裏演出装置の正面図である。 上裏演出装置の分解斜視図である。 上駆動ユニット及び右駆動ユニットの構成について説明する図である。 右駆動ユニットを構成する人型駆動ユニットの分解斜視図である。 人型駆動ユニットを構成する上半身部材、左上腿部材、及び左下腿部材の動作態様について説明する図である。 人型駆動ユニット駆動装置の前面カバー部材を取り外した状態の正面図である。 下ボード駆動ユニットの正面図である。 下ボード駆動ユニットの裏面図である。 下ボード駆動ユニットの分解斜視図である。 下ボード駆動ユニットの駆動態様について説明する図である。 下ボード駆動ユニットの駆動態様について説明する図である。 ロゴ駆動ユニットの分解斜視図である。 ロゴ駆動ユニットの裏面図である ロゴ駆動ユニットのロゴ部材及び上ボード駆動ユニットの上ボード部材を駆動させる前の状態を示す斜視図である。 (a)は、ロゴ揺動ギヤ部材を初期位置から反時計回りに10.87度回動させたときの正面図、(b)は、ロゴ揺動ギヤ部材を初期位置から反時計回りに51.85度回動させたときの正面図である。 (a)は、上ボードギヤ軸から上ボードカム当接部の当接位置までの距離が変化する直前の状態を示す図、(b)は、上ボードギヤ軸から上ボードカム当接部の当接位置までの距離が変化し、上ボードカム当接部が上ボードカム部材から離れた状態を示す図である。 (a)は、上ボード部材を初期位置に戻すときの動作を示す図、(b)は、ロゴ部材を初期位置に戻すときの動作を示す図である。 上ボード駆動ユニットの正面図である。 上ボード前ベース部材及び上ボード後ベース部材を取り外した状態の上ボード駆動ユニットの正面図である。 図38に示す上ボード駆動ユニットの裏面図である。 上ボード駆動ユニットの分解斜視図である。 大入賞口装置の正面図である。 大入賞口装置の斜視図である。 棚部及び他穴部材の断面図である。 普通変動入賞装置と棚部の配設位置を説明する図である。 図41のXX矢視断面図である。 大入賞口装置の背面側に配設される下裏演出装置の大入賞口球流下路部材、大入賞口裏LED基板、及び大入賞口裏LED基板ホルダについて説明する図である。 大入賞口装置の分解斜視図である。 大入賞口装置のその他の実施例について説明する図である。 始動口装置の正面図である 始動口装置を右斜め前方から見たときの斜視図である。 始動口装置を右斜め後方から見たときの斜視図である。 下裏演出装置の正面図である。 下裏演出装置の分解斜視図である。 図2に示す始動口装置及び下可動役物の部分拡大図である。 図54のYY矢視断面図である。 下可動演出装置の正面図である。 下可動演出装置の裏面図である。 下可動役物カバー部材を取り外した状態における下可動演出装置の裏面図である。 下可動役物の駆動態様について説明する図である。 下可動演出装置を構成する下可動役物や下可動役物駆動源収納部等の分解斜視図である。 下可動役物レンズ部材について説明する図である。 下可動役物レンズ部材について説明する図である。 大入賞口装置の棚部にルーター加工を施したときの説明図である。 下可動役物の演出動作の一例について説明する図である。 下可動役物の演出動作の一例について説明する図である。 ステージ部について説明する図である。 ステージ部について説明する図である。 ステージ部について説明する図である。 本発明の実施形態の擬似連続予告演出の実行条件である擬似連図柄が停止する過程の一例を示す図である。 本発明の実施形態の擬似連続予告演出の前に実行される可動役物演出の一例を示す図である。 本発明の実施形態の先読み演出における画面遷移の一例について説明する図である。 本発明の実施形態の特図変動表示ゲームの開始から擬似連続予告演出の実行、大当りが発生するまでの第1の例を説明する図である。 本発明の実施形態の特図変動表示ゲームの開始から擬似連続予告演出の実行、大当りが発生するまでの第2の例を説明する図である。 本発明の実施形態の先読みモードにおいてオーバーゲージの値を制御する手順を示すフローチャートである。 本発明の実施形態の先読みモードにおいて擬似連の実行中か否かに基づいてオーバーゲージの値を制御する手順を示すフローチャートである。 本発明の実施形態におけるストーリー系変動及び当該変動のダイジェスト変動の一例を説明する図である。 本発明の実施形態の特図変動表示ゲームにおける信頼度に応じた演出の一例を示す図である。 本発明の実施形態において電サポ中の場合に所定の変動パターンを決定する手順を示すフローチャートである。 (a)は、本発明の実施形態において通常状態で使用される変動パターンテーブル1の一例を示す図、(b)は、本発明実施の形態の変動パターンテーブル2の一例を示す図である。 本発明の実施形態において潜伏確変の場合に所定の変動パターンを決定する手順を示すフローチャートである。 本発明の実施形態において複数の特図変動表示ゲームにわたって連続して演出を実行する場合に大当りが発生する特図変動表示ゲームでダイジェスト変動を実行する例を説明する図である。 本発明の実施形態におけるストーリー系変動及び当該変動のダイジェスト変動及び超ダイジェスト変動の一例を説明する図である。 本発明の実施形態において大当りが発生する場合及び潜伏確変の場合に所定の変動パターンを決定する手順を示すフローチャートである。 本発明の実施形態の変動パターンテーブル3の一例を示す図である。 本発明の実施形態において特図変動表示ゲームが通常時短変動の場合に変動パターンを決定する手順を示すフローチャートである。 本発明の実施形態の特別遊技状態における遊技状態報知ゲームで時短状態への遷移及び時短回数を報知する一例を示す図である。 本発明の実施形態の特別遊技状態における遊技状態報知ゲームで確変状態への遷移を報知する一例を示す図である。 (a)は、本発明の実施形態において特定遊技状態が確変状態に遷移し、遊技状態報知ゲームに参加しなかった場合の一例を示す図、(b)は、本発明の実施形態において遊技状態報知ゲームに参加しなかった場合の一例を示す図である。 本発明の実施形態の遊技状態報知ゲームの別の例を示す図である。 本発明の実施形態の遊技状態報知ゲームのさらに別の例を示す図である。 本発明の実施形態の遊技状態報知ゲームにおいて各ラウンドにおけるポイントの例を説明する図である。 本発明の実施形態の演出制御装置における大当り中演出処理の手順を示すフローチャートである。 本発明の実施形態の遊技状態報知ゲームを完了させずに特定遊技状態に移行した場合を説明する図である。 本発明の実施形態の特別遊技状態で先読み演出が実行される場合の一例を説明する図である。 本発明のその他の実施形態の遊技機における遊技盤の構成例を示す概略図である。
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2〜図4参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、ランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右にはランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。ガイドレール31の最上部よりも右側のレール部分には遊技球の勢いをやわらげる弾性部材29が配置されている。遊技領域32には、ほぼ中央に環状枠体のセンターケース40が配置されている。そして、センターケース40に設けられた凹部に、当該センターケース40の前面より奥まった位置に表示装置41が取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
また、センターケース40は、左側下部に当該センターケース40の外側から内側に遊技球を移すためのワープ装置46(後述)を備えるとともに、センターケース40の下部には当該センターケース40の内側に移動させた遊技球を転動させるステージ部48を備えている。
また、センターケース40のステージ部48の後方には、下可動役物610aを有する下裏演出装置600(後述)が配設されており、当該下可動役物610aによって、表示装置41において実行される飾り特図変動表示ゲームの遊技進行に関連した所定の演出動作が行われるようになっている。具体的には、図2に示すように、初期状態(通常状態)では、下可動役物610aは、その大部分がステージ部48の転動面よりも下方に埋没した状態に配設されているが、例えば、飾り特図変動表示ゲームにて大当りが発生する可能性が高まったとき、図3に示すように、下可動役物610aをステージ部48の転動面よりも上方に突出させて、表示装置41の表示部41aの前面を遮る位置に移動させる演出動作が行われるようになっている。ここで、遊技機10は、遊技盤30の前方から見たときに下可動役物610aの少なくとも一部を始動口装置90の裏側に重ならない位置、具体的には表示装置41の前側に重なる位置に移動させたこととなる。
また、センターケース40の裏面側且つ表示装置41の前面側には、上駆動ユニット720及び右駆動ユニット740を有する矩形枠体の上裏演出装置700(後述)が配設されており、上駆動ユニット720及び右駆動ユニット740は、下可動役物610aと同様、飾り特図変動表示ゲームの遊技進行に関連した所定の演出動作が行われるようになっている。具体的には、図2に示すように、初期状態(通常状態)では、上駆動ユニット720を構成するロゴ部材724a及び上ボード部材722a、並びに、右駆動ユニット740を構成する上半身部材742a、左上腿部材742b、左下腿部材742c、及び下ボード部材744aは、その大部分が表示部41aの前面を遮らない位置に配設されているが、例えば、飾り特図変動表示ゲームにて大当りが発生する可能性が高まったとき、図4に示すように、ロゴ部材724a及び上ボード部材722aを下方に移動させ、上半身部材742a、左上腿部材742b、左下腿部材742c、及び下ボード部材744aを左方に移動させて、表示部41aの前面を遮る位置に移動させる演出動作が行われるようになっている。
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当たり表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
遊技領域32のセンターケース40の左下方には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35を構成する他穴ユニット20が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。
これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a及び35b(図5参照)が配設されている。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞領域としての始動入賞口36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口(始動入賞領域)を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
普通変動入賞装置37の一対の開閉部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図5参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
また、普図始動ゲート34の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図5参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図5参照)が配設されている。
特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(第1特図表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(第2特図表示器)52と、を備える。また、一括表示装置50には、図示は省略するが、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)、LEDランプ4つで構成された特図1変動表示ゲームの始動記憶数報知用の特図1保留表示器および特図2変動表示ゲームの始動記憶数報知用の特図2保留表示器、LEDランプ2つで構成された普図変動表示ゲームの始動記憶数報知用の普図保留表示器、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示器、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示器、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する高確率報知器、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド数表示器が設けられている。
第1特図表示器51と第2特図表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「大当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字等)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
本実施形態の遊技機10では、打球発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図5参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の普図保留表示器(図示省略)に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)(図示省略)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図5参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図5参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図1、特図2保留表示器(図示省略)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図1表示器51又は特図2表示器52で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a及び35b、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図5は、本実施形態の遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、遊技を統括的に制御する制御手段を構成している。具体的には、遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを記憶している。
変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が15R確変当りや2R確変当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ等が設定されている。
なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定すると(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数(大当り判定用乱数)や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動態様決定用乱数)、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数、停電復旧直後等の所定のタイミングなどに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a及び35b、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a及び35b、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行なえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行なわれるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
次に、図6を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行なわれ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行なわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、始動口入賞演出コマンド、始動口入賞演出図柄コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、変動停止コマンド、大当り終了コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)44を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。ここで、演出制御装置300は、下可動役物610aの発光及び動作を制御する制御手段として機能する。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器(図示省略)に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
例えば、この特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51もしくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様(たとえば「7」)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。
特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合は、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は0.5秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回(第1特別遊技状態)又は2回(第2特別遊技状態))継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。
この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。
この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。
なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御してもよい。
これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
なお、確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
図7は、本発明の実施形態の遊技機10のスペックを説明する図である。
本発明の実施形態の遊技機10では、大当り確率が低確率時には1/298.6、高確率時には1/33.178となっている。すなわち、高確率時の大当り確率は、低確率時の9倍となっている。
また、本発明の実施形態では、2種類の始動口(始動入賞口36及び普通変動入賞装置37)が設けられており、小当り確率は、始動口毎に相違する。具体的には、始動入賞口(第1始動入賞口)36に遊技球が入賞した場合には1/373.25、普通変動入賞装置(第2始動入賞口)37に遊技球が入賞した場合には1/746.5で小当りが発生する。
さらに、大当り発生時の確変(高確率)移行確率は70.0%である。この場合、15R確変だけでなく2R確変も含む。図柄毎の選択確率については後述する。また、始動入賞口36に遊技球が入賞した場合(特図1)の保留よりも、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞した場合(特図2)の保留が優先して消化される。
特図内訳は、図柄毎の特別遊技状態及び特別遊技状態終了後の特定遊技状態の態様と、始動口毎の選択確率を示している。この選択確率は、大当りが発生した場合に各図柄が選択される確率を示している。
図柄1〜3は、15R確変1〜3が割り当てられている。15R確変とは、前述した大当り時のラウンド数が16となっており、さらに、大当り(特別遊技状態)終了後に、高確率(いわゆる確変)状態に移行する。なお、15R確変1と16確変2との相違は、図柄の相違のみである。また、15R確変3については、図柄の相違の他に、出玉が12Rとなる点で相違する。すなわち、図柄1又は2が選択されたほうが、図柄3が選択された場合よりも出玉が多くなることになり、より遊技者に有利に設定されている。
さらに、図7の点線で囲われた部分に示すように、特図2の場合には、15R確変1及び2が選択される確率が特図1の場合よりも高くなるように設定されており、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞したほうが遊技者には有利になるように構成されている。
図柄4は、2R確変が割り当てられている。2R確変では、大当り時のラウンド数が2となっており、さらに、特別変動入賞装置38(大入賞口)の開閉扉38cの開閉パターンが小当りの場合と同じになっている。
また、2R確変では、大当り(特別遊技状態)終了後には大当り確率が高確率状態となる。このとき、普通変動入賞装置37の可動部材37b、37bが開放しやすくなる普電サポート状態になるか否かは、大当り発生前の遊技状態に依存する。この点については、詳細を後述する。
図柄5〜13は、15R通常1〜9が割り当てられている。15R通常1〜9の相違点は停止図柄が相違する点と選択される確率である。15R通常では、大当り時のラウンド数が16となっており、本実施形態では、出玉は12R分となっている。また、特別遊技状態終了後には、低確率状態、且つ、普電サポート状態となる。普電サポート状態の継続回数(時短回数)については、大当り発生時の遊技状態に依存する。この点については詳細を後述する。
なお、2R確変、15R通常に対応する図柄が選択される場合には、特図1又は特図2のいずれの場合であっても選択確率は同じとなるように設定されている。
遊技状態には、大当り確率が低確率であるか高確率であるか、また、普電サポートの有無に応じて4種類の状態が定義されている。
図柄1〜3で大当りとなる15R確変(1〜3)の場合には、遊技状態に依存せずに、次回の大当りまで高確率状態が継続し、且つ、普電サポート情報も継続する。その他の図柄で大当りとなった場合には、遊技状態に応じて特定遊技状態の内容が変化する。以下、詳細について説明する。
遊技状態が、大当り確率が低確率状態、且つ、普電サポートが無い状態、いわゆる通常状態で、2R確変となる図柄4が選択された場合には、大当り確率が高確率状態、且つ、普電サポートが無い状態、いわゆる潜伏確変状態に移行する。また、図柄5〜13(15R通常)が選択された場合には、大当り確率が低確率状態のままで、図柄に対応する回数分の特図変動表示ゲームが実行されるまで、普電サポート状態が継続する。
遊技状態が、大当り確率が高確率状態、且つ、普電サポートが無い状態、いわゆる潜伏確変状態で、2R確変となる図柄4が選択された場合には、大当り確率が高確率状態、且つ、普電サポート状態に移行する。また、図柄5〜13(15R通常)が選択された場合には、通常状態の場合と同じである。すなわち、潜伏確変状態と通常状態とは、2R確変
(図柄4)が選択された場合における普電サポートの有無で相違する。
遊技状態が、大当り確率が低確率状態、且つ、普電サポート状態、いわゆる時短状態で、2R確変となる図柄4が選択された場合には、潜伏確変状態の場合と同様に、大当り確率が高確率状態、且つ、普電サポート状態に移行する。また、図柄5〜13(15R通常)が選択された場合には、通常状態の場合と同様に、大当り確率が低確率状態のままで、各図柄に対応する回数分の特図変動表示ゲームが実行されるまで、普電サポート状態が継続する。
なお、時短状態で大当りが発生した場合は、通常状態で大当りが発生した場合と比較して、普電サポート状態が継続する回数がやや多くなるように設定されている。例えば、図柄6が選択された場合には、通常状態では普電サポート状態が50回継続するが、時短状態では普電サポート状態が60回継続するように設定されている。
遊技状態が、大当り確率が高確率状態、且つ、普電サポート状態、いわゆる確変状態の場合は、各図柄選択後の状態は、時短状態の場合と同じである。
次に、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。
遊技用マイコン111による制御処理は、ループ処理として繰り返されるメインルーチンであるメイン処理(主に図8及び図9参照)と、メイン処理に対する割り込みルーチンとして、所定時間周期(例えば4ms)で行われるタイマ割込み処理(図10参照)とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。
メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図8に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン111に予め搭載されているポート)この実施例では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、ステップS10で、RWM内の停電検査領域のデータをチェックした後、停電復旧か否かの判定を行う(ステップS11)。このステップS11で停電復旧である(ステップS11;Yes)と判定すると、ステップS12へ進みチェックサムと呼ばれるデータを算出する処理及び算出されたチェックサムが正常か異常かを判定する(ステップS13)。また、ステップS9で初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合、ステップS11で停電復旧でない(ステップS11;No)と判定された場合及びステップS13でチェックサムが正常でない(ステップS13;No)と判定された場合は、図9のステップS20へジャンプする。
また、ステップS13でチェックサムが正常(ステップS13;Yes)と判定した場合は、図9のステップS14へ移行して、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブ(格納)してから、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS15)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS16)。ここで、高確率でないと(ステップS16;No)と判定した場合は、ステップS17,S18をスキップしてステップS19へ移行する。
また、ステップS16で高確率であると(ステップS16;Yes)と判定した場合は、ステップS17で高確率の報知フラグ領域にON情報をセーブしてから、一括表示装置50に設けられる高確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定(ステップS18)してステップS19へ移行する。ステップS19では、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する電源復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理を行ってステップS23へ進む。
一方、ステップS9,S11,S13からステップS20へジャンプした場合には、まずCPUが使用するRAM内の作業領域をリセットしてから、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS21)。それから、ステップS22で電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理を行ってステップS23へ進む。ステップS23では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起
動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS23のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS24)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS25)、割込みを許可する(ステップS26)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS27)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
上記ステップS27の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電検出信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックして停電が発生したか否かの判定(ステップS28)を行い、停電が発生していない場合(ステップS28;No)には、ステップS27に戻り、上記初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS27)の前に割り込みを許可する(ステップS26)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS27での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
上記ステップS28において、停電が発生していると判定した場合(ステップS28;Yes)は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS29)、全出力ポートをオフにする処理(ステップS30)を行う。その後さらに、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする処理(ステップS31)、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS32)を行った後、チェックサムをセーブし(ステップS33)、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS34)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。
図10に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、図10のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。
その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a及び35b、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS61)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS62)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS63)を行い、ステップS51で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS65)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について説明する。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図11に示すように、特図ゲーム処理においては、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細については後述する。
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマが、既にタイムアップしたか、又は当該特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した後にタイムアップしたかをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かを判定する(ステップA4)。
ステップS4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたと判定した場合(ステップA4;Yes)には、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。
そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、特図ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。なお、特図普段処理(ステップA9)の詳細については後述する。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類(2R大当りor15R大当り)に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り(2R大当りor15R大当り)の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行う。
その後、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA18)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA19)を行い、当該特図ゲーム処理を終了する。
一方、ステップA4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていないと判定した場合(ステップA4;No)には、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。
図12に示すように、始動口スイッチ監視処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、先ず、始動入賞口36(始動口1)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備して、始動口1による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行う。
なお、ステップA112における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA117における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックして(ステップA113)、普通電動役物が作動中である(ステップA113;Yes)と判定すると、処理をステップA116に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA113にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA113;No)と判定すると、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA114)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA115)を行う。
普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上でない(ステップA115;No)と判定すると、普通変動入賞装置37(始動口2)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備して、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA116)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA117)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。
また、ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定された場合も(ステップA115;Yes)、始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112、A117)の詳細について説明する。
当該特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図13に示すように、特図始動口スイッチ共通処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップA202;No)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップA202;Yes)と判定すると、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA204)。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードして、当該ロードした値を更新(+1)し、出力回数がオーバーフローするか否かをチェックして(ステップA205)、出力回数がオーバーフローしない(ステップA206;No)と判定すると、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA207)、処理をステップA208に移行する。一方、ステップA206にて、出力回数がオーバーフローしたと判定された場合は(ステップA206;Yes)、処理をステップA208に移行する。
そして、ステップA208にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックして(ステップA208)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA209)を行う。
ステップA209にて、特図保留数が上限値未満である(ステップA209;Yes)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA210)を行う。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA211)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA212)、コマンド設定処理(ステップA213)を行う。
続けて、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA214)を行った後、大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(ステップA215)。そして、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して、当該大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(ステップA216)。次に、対応する変動パターン乱数1を抽出し、RWMの変動パターン乱数1セーブ領域にセーブし(ステップA217)、次に、対応する変動パターン乱数2を抽出し、RWMの変動パターン乱数2セーブ領域にセーブし(ステップA218)、さらに、対応する変動パターン乱数3を抽出し、RWMの変動パターン乱数3セーブ領域にセーブした(ステップA219)後、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数をロードし、準備して(ステップA220)、特図保留情報判定処理(ステップA221)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。なお、特図保留情報判定処理の詳細については後述する。
一方、ステップA209にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップA209;No)と判定すると、ステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックして(ステップA222)、始動口1スイッチ36aの入力である(ステップA223;Yes)と判定すると、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA224)、コマンド設定処理(ステップA225)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、ステップA223にて、始動口1スイッチ36aの入力でないと判定された場合にも(ステップA223;No)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA221)の詳細について説明する。
特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図14に示すように、先ず、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの入力であるか否かをチェックして(ステップA231)、始動口2スイッチ37aの入力でない(ステップA232;No)と判定すると、普通変動入賞装置37の開放延長機能が作動中、即ち、普通変動入賞装置37がサポート中(時短動作状態中)であるか否かを判定する処理(ステップA233)を行う。
ここで、普通変動入賞装置37がサポート中でない(ステップA233;No)と判定すると、遊技機10が大当り(特別遊技状態)中であるか否かを判定する処理(ステップA234)を行う。
ステップA234にて、大当り中でない(ステップA234;No)と判定すると、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA235)を行う。
一方、ステップA233にて、普通変動入賞装置37がサポート中であると判定されるか(ステップA233;Yes)、或いは、ステップA234にて、大当り中であると判定された場合(ステップA234;Yes)は、特図保留情報判定処理を終了する。
つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの場合は、普通変動入賞装置37がサポート中、又は大当り中であるときは、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行わないこととなる。
また、ステップA232にて、始動口2スイッチ37aの入力であると判定された場合(ステップA232;Yes)は、ステップA233、ステップA234の処理を行わずに、ステップA235に処理を移行して、それ以降の処理を行う。
つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの場合は、普通変動入賞装置37がサポート中、又は大当り中であるかにかかわらず、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行うこととなる。
そして、ステップA235における大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合(ステップA236;No)には、はずれ情報テーブルを設定し(ステップA237)、ステップA245へ移行する。
一方、ステップA235における大当り判定処理の判定結果が大当りである場合(ステップA236;Yes)には、始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックする(ステップA238)。
そして、ステップA238におけるチェックの結果、始動口1スイッチ36aの入力である(ステップA239;Yes)と判定すると、大当り図柄乱数チェックテーブル1を準備して(ステップA240)、ステップA242へ移行する。また、始動口1スイッチ36aの入力でない(ステップA239;No)と判定すると、大当り図柄乱数チェックテーブル2を準備して(ステップA241)、ステップA242へ移行する。
次いで、ステップA242では、大当り図柄乱数をチェックし、対応する入賞情報ポインタを取得する(ステップA242)。そして、大当り情報テーブルアドレステーブルを設定した(ステップA243)後、入賞情報ポインタに対応する大当り情報テーブルを取得し、設定して(ステップA244)、ステップA245へ移行する。
続けて、ステップA245では、設定した情報テーブル(大当り情報テーブル、又は、はずれ情報テーブル)から図柄情報を取得し、取得した図柄情報を図柄情報(作業用)領域にセーブする(ステップA246)。次に、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し(ステップA247)、取得した始動口入賞演出図柄コマンドを入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA248)。
続けて、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグを準備し(ステップA249)、始動口入賞演出コマンドを設定する対象のテーブルを準備し(ステップA250)、特図情報設定処理(ステップA251)、後半変動パターン設定処理(ステップA252)、変動パターン設定処理(ステップA253)を行う。
そして、前半変動番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE)を算出し、準備し(ステップA254)、後半変動番号の値を始動口入賞演出コマンド(ACTION)として、準備して(ステップA255)、コマンド設定処理(ステップA256)を行う。
続けて、始動口入賞演出図柄コマンドをロードし、準備して(ステップA257)、コマンド設定処理(ステップA258)を行い、特図保留情報判定処理を終了する。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。
図15に示すように、特図普段処理では、先ず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA271)。
そして、特図2保留数が0である(ステップA272;Yes)と判定すると、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA273)。
そして、特図1保留数が0である(ステップA274;Yes)と判定すると、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックして(ステップA275)、客待ちデモを開始していない、即ち、開始済みでない(ステップA276;No)と判定すると、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセーブする処理(ステップA277)を行う。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA278)、コマンド設定処理(ステップA279)を行う。
一方、ステップA275にて、既に客待ちデモが開始されている(ステップA276;Yes)と判定すると、既に客待ちデモフラグは客待ちデモ中に設定(ステップA277)され、客待ちデモコマンドも準備(ステップA278)され、コマンド設定処理(ステップA279)も実行されているため、これらの処理を行わずにステップA280に移行する。そして、特図普段処理移行設定処理1(ステップA280)を行って、特図普段処理を終了する。
一方、ステップA272にて、特図2保留数が0でない(ステップA272;No)と判定すると、特図2変動開始処理(ステップA281)を行う。なお、ステップA281における特図2変動開始処理の詳細については後述する。
その後、特図2の特図変動中処理移行設定処理(ステップA282)を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA274にて、特図1保留数が0でない(ステップA274;No)と判定すると、特図1変動開始処理(ステップA283)を行う。なお、ステップA283における特図1変動開始処理の詳細については後述する。
その後、特図1の特図変動中処理移行設定処理(ステップA284)を行って、特図普段処理を終了する。
このように、ステップA271とステップA272における特図2保留数のチェックを、ステップA273とステップA274における特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が0でない場合には、特図2変動開始処理(ステップA281)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA283)の詳細について説明する。
特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図16(a)に示すように、先ず、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA301)を行う。続けて、第1特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定するための小当りフラグ1にはずれ情報や小当り情報を設定する小当りフラグ1設定処理(ステップA302)を行う。
次に、第1特図停止図柄(特図1停止図柄)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA303)を行った後、第1特図停止図柄番号(特図1停止図柄番号)に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA304)。
続いて、図柄情報領域から図柄情報をロードし(ステップA305)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA306)。
次に、特図1変動フラグを設定し、準備して(ステップA307)、特図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA308)。
その後、変動パターンに関する情報を設定するテーブル(特図1用)を準備して(ステップA309)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA310)を行う。続けて、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA311)を行った後、第1特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA312)を行う。その後、第1特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA313)を行って、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA281)の詳細について説明する。
特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図16(b)に示すように、先ず、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA321)を行う。続けて、第2特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定するための小当りフラグ2にはずれ情報や小当り情報を設定する小当りフラグ2設定処理(ステップA322)を行う。
次に、第2特図停止図柄(特図2停止図柄)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA323)を行った後、第2特図停止図柄番号(特図2停止図柄番号)に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA324)。
続いて、図柄情報領域から図柄情報をロードし(ステップA325)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA326)。
次に、特図2変動フラグを設定し、準備して(ステップA327)、特図2変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA328)。
その後、変動パターンに関する情報を設定するテーブル(特図2用)を準備して(ステップA329)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA330)を行う。続けて、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA331)を行った後、第2特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA332)を行う。その後、第2特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA333)を行って、特図2変動開始処理を終了する。
〔小当りフラグ1設定処理〕
図17(a)には、図16(a)に示す特図1変動開始処理における小当りフラグ1設定処理を示した。この小当りフラグ1設定処理では、まず、小当りフラグ領域1にはずれ情報をセーブし(ステップA341)、大当りフラグ1が大当りかチェックする処理(ステップA342)で、大当りフラグ1に第1特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされているかをチェックする。
そして、大当りである場合(ステップA343;Yes)、すなわち、大当りフラグ1に第1特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされている場合は、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA349)、小当りフラグ1設定処理を終了する。また、大当りでない場合(ステップA343;No)、すなわち、大当りフラグ1に第1特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされていない場合は、大当り乱数セーブ領域から大当り乱数をロードし、準備して(ステップA344)、特図1判定データを準備する(ステップA345)。
次に、小当り判定処理(ステップA346)を行い、小当りでない場合(ステップA347)は、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA349)、小当りフラグ1設定処理を終了する。また、小当りである場合(ステップA347;Yes)は、小当りフラグ領域1に小当り情報をセーブし(ステップA348)、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA349)、小当りフラグ1設定処理を終了する。
〔小当りフラグ2設定処理〕
図17(b)には、図16(b)に示す特図2変動開始処理における小当りフラグ2設定処理を示した。この小当りフラグ2設定処理では、まず、小当りフラグ領域2にはずれ情報をセーブし(ステップA351)、大当りフラグ2が大当りかチェックする処理(ステップA352)で、大当りフラグ2に第2特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされているかをチェックする。
そして、大当りである場合(ステップA353;Yes)、すなわち、大当りフラグ2に第2特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされている場合は、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA359)、小当りフラグ2設定処理を終了する。また、大当りでない場合(ステップA353;No)、すなわち、大当りフラグ2に第2特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされていない場合は、大当り乱数セーブ領域から大当り乱数をロードし、準備して(ステップA354)、特図2判定データを準備する(ステップA355)。
次に、小当り判定処理(ステップA356)を行い、小当りでない場合(ステップA357)は、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA359)、小当りフラグ2設定処理を終了する。また、小当りである場合(ステップA357;Yes)は、小当りフラグ領域2に小当り情報をセーブし(ステップA358)、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA359)、小当りフラグ2設定処理を終了する。
〔図柄変動制御処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における図柄変動制御処理(ステップA19)の詳細について説明する。
図18に示すように、図柄変動制御処理では、先ず、対象の変動制御フラグがセットされ当該図柄が変動中であるか否かチェックする(ステップA361)。
ここで、当該図柄が変動中であると判定された場合(ステップA362;Yes)は、対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(表示用)を取得し(ステップA363)、対象の図柄の変動時間を計時する変動タイマを−1更新し、タイムアップしたか否かチェックする(ステップA364)。
そして、タイムアップしたと判定された場合(ステップA365;Yes)は、図柄変動制御タイマ初期値を対象の変動タイマ領域にセーブし(ステップA366)、対象の図柄の変動図柄番号を更新して(ステップA367)、ステップA368へ移行する。
一方、タイムアップしていないと判定された場合(ステップA365;No)は、ステップA366及びステップA367をスキップして、ステップA368へ移行し表示図柄ポインタとして対象の変動図柄番号領域の値をロードして(ステップA368)、ステップA371へ移行する。
また、ステップA362にて、当該図柄が変動中でないと判定された場合(ステップA362;No)は、対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(停止用)を取得し(ステップA369)、表示図柄ポインタとして対象の停止図柄番号領域の値をロードして(ステップA370)、ステップA371へ移行する。
次いで、ステップA371では、表示図柄ポインタに対応する表示データを取得し(ステップA371)、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(ステップA372)、図柄変動制御処理を終了する。
次に、本実施形態の遊技機10における遊技盤30の詳細について説明する。
遊技盤30は、図19に示すように、遊技領域32等が形成される平板状の遊技盤ユニット60と、当該遊技盤ユニット60の前面側から所定の位置に嵌め込まれるセンターケース40、大入賞口装置80、始動口装置90及び他穴ユニット20と、当該遊技盤ユニット60の裏面側下部に配設される下裏演出装置600と、当該遊技盤ユニット60の裏面側上部に配設される上裏演出装置700と、当該上裏演出装置700の裏面側に配設される表示装置41と、を備えている。
図20は、上記した上裏演出装置700の正面図である。
図20に示すように、上裏演出装置700は、ロゴ部材724a及び上ボード部材722aを駆動させる上駆動ユニット720と、上半身部材742a、左上腿部材742b、左下腿部材742c、及び下ボード部材744aを駆動させる右駆動ユニット740と、センターケース40の左側部を装飾する左装飾部材760と、裏面収納部材780と、を備えて構成されている。
図21は、上裏演出装置700の分解斜視図である。
図21に示すように、裏面収納部材780は、前面が開口した箱形形状をなしており、当該裏面収納部材780の左側部に左装飾部材760、当該裏面収納部材780の上部に上駆動ユニット720、そして、右側部に右駆動ユニット740が収納されるようになっている。
また、裏面収納部材780の裏面中央には、表示装置41の表示部41aに対応するように矩形状の開口780aが形成されている。
図22は、上駆動ユニット720及び右駆動ユニット740の構成について説明する図である。
図22に示すように、上駆動ユニット720は、サーフボードの上半分を模した部材を駆動させる上ボード駆動ユニット722と、ロゴタイプを形成した装飾部材(ロゴ部材724a;図31参照)を駆動させるロゴ駆動ユニット724と、を備えて構成されている。
右駆動ユニット740は、ヒトを模した部材を駆動させる人型駆動ユニット742と、上記サーフボードの下半分を模した部材を駆動させる下ボード駆動ユニット744と、を備えて構成されている。
そして、上記各ユニットは、駆動ユニットベース部材710に取り付けられた状態で裏面収納部材780に収納されるようになっている。
図23は、人型駆動ユニット742の分解斜視図である。
図23に示すように、人型駆動ユニット742は、ヒトを模した部材のうち上半身を模した上半身部材742aと、左上の腿を模した左上腿部材742bと、左下の腿を模した左下腿部材742cと、左足を模した左足部材742dと、上記各部材を配設するベースとなる人型駆動ユニットベース部材742eと、上半身部材742a、左上腿部材742b、及び左下腿部材742cを駆動させる人型駆動ユニット駆動装置742fと、人型駆動ユニット742を装飾する人型駆動ユニット装飾部材742gと、人型駆動ユニット742を発光させる人型駆動ユニットLED基板742hと、人型駆動ユニットLED基板742hを固定するための基板カバー742iと、を備えている。
上半身部材742aは、その裏面側に上半身駆動軸742a1と、上半身ガイド軸(図示略)と、を備えている。上半身駆動軸742a1は、人型駆動ユニットベース部材742eに穿設された長孔状の人型駆動ユニット駆動軸孔742e1を介して人型駆動ユニット駆動装置742fの人型駆動ユニット上駆動溝742f6a1、742f6b1に挿通されるようになっている。また、上半身ガイド軸は、人型駆動ユニットベース部材742eに穿設された長孔状の上半身ガイド孔742e2、742e2に挿通されるようになっている。
左上腿部材742bは、その裏面側に左上腿軸742b1を備えている。左上腿軸742b1は、人型駆動ユニットベース部材742eに穿設された長孔状の左上腿部材駆動軸孔742e3を介して人型駆動ユニット駆動装置742fの人型駆動ユニット下駆動溝742f6a2、742f6b2に挿通されるようになっている。
左下腿部材742cは、その裏面側に左下腿軸742c1と、左下腿回動軸742c2と、を備えている。左下腿軸742c1は、人型駆動ユニットベース部材742eに穿設された長孔状の左下腿ガイド孔742e4に挿通されるようになっている。また、左下腿回動軸742c2は、人型駆動ユニットベース部材742eに穿設された左下腿回動軸孔742e5に挿通されるようになっている。
次に、人型駆動ユニット駆動装置742fについて説明する。
図25は、人型駆動ユニット駆動装置742fの前面カバー部材742f6aを取り外した状態の正面図である。
図25に示すように、人型駆動ユニット駆動装置742fは、人型駆動ユニットモータ742f1と、当該モータ742f1の制御の下で回動する人型駆動ユニットギヤ部材742f2、人型駆動ユニット上操作ギヤ部材742f3、及び人型駆動ユニット下操作ギヤ部材742f4と、人型駆動ユニット上操作ギヤ部材742f3の位置を検出する人型駆動ユニット位置検出センサ742f5と、上記各部材を配設するためのカバー部材742f6と、を備えている。
人型駆動ユニットギヤ部材742f2は、人型駆動ユニットモータ742f1の回動軸742f1aに軸着される駆動ギヤ742f2aと、駆動ギヤ742f2aの回動に従動する第1〜第4従動ギヤ742f2b〜742f2eと、を備えている。
人型駆動ユニット上操作ギヤ部材742f3は、駆動ギヤ742f2aと歯合するギヤであり、その外周には突片742f3aを有している。
突片742f3aは、長孔状の挿通孔742f3bを有しており、当該挿通孔742f3bに上半身部材742aの上半身駆動軸742a1を挿通することができるようになっている。
また、突片742f3aは、その先端に光を遮ることが可能な遮光部742f3cを備えている。そして、人型駆動ユニット上操作ギヤ部材742f3が初期位置にあるとき、人型駆動ユニット位置検出センサ742f5によって遮光部742f3cを検出することで、上半身部材742aの位置(初期位置)を検出することができるようになっている。
なお、人型駆動ユニット位置検出センサ742f5には、対向する発光部と受光部を有し、発光部からの光を遮光部742f3cが遮るのを受光部で検出することによって、遮光部742f3cの位置を検出する。
人型駆動ユニット下操作ギヤ部材742f4は、第4従動ギヤ742f2eと歯合するギヤであり、その外周には突片742f4aを有している。
突片742f4aは、長孔状の挿通孔742f4bを有しており、当該挿通孔742f4bに左上腿部材742bの左上腿軸742b1を挿通することができるようになっている。
カバー部材742f6は、前面カバー部材742f6aと、後面カバー部材742f6bと、を備えている。前面カバー部材742f6a及び後面カバー部材742f6bは、互いに対向する位置に上半身部材742aの上半身駆動軸742a1を挿通する長孔状の人型駆動ユニット上駆動溝742f6a1、742f6b1と、左上腿部材742bの左上腿軸742b1を挿通する長孔状の人型駆動ユニット下駆動溝742f6a2、742f6b2と、を備えている。
なお、人型駆動ユニット駆動軸孔742e1は、その孔の長手方向が人型駆動ユニット上駆動溝742f6a1、742f6b1の長手方向と平行となるように設けられている。
また、左上腿部材駆動軸孔742e3は、その孔の長手方向が人型駆動ユニット下駆動溝742f6a2、742f6b2の長手方向と平行となるように設けられている。
次に、人型駆動ユニット742を構成する上半身部材742a、左上腿部材742b、及び左下腿部材742cの動作態様について、図24及び図25を用いて説明する。
図24において、実線で示した上半身部材742a、左上腿部材742b、及び左下腿部材742cは駆動前(初期位置)のものであり、破線で示した上半身部材742a、左上腿部材742b、及び左下腿部材742cは駆動後(最大動作位置)のものである。
先ず、人型駆動ユニットモータ742f1の制御の下、駆動ギヤ742f2aが(遊技機の正面から見て)時計周りに回動すると、人型駆動ユニット上操作ギヤ部材742f3は、反時計周りに回動する。このとき、挿通孔742f3bに挿通された上半身部材742aの上半身駆動軸742a1は、突片742f3aによって押下げられ人型駆動ユニット上駆動溝742f6a1、742f6b1の長手方向に沿って移動することとなる。これにより、上半身駆動軸742a1によって軸支された上半身部材742aは、図24に示すように、左下方向に移動することとなる。
また、人型駆動ユニットモータ742f1の制御の下、駆動ギヤ742f2aが(遊技機の正面から見て)時計周りに回動すると、第4従動ギヤ742f2eもまた時計周りに回動し、人型駆動ユニット下操作ギヤ部材742f4は、反時計周りに回動する。このとき、挿通孔742f4bに挿通された左上腿部材742bの左上腿軸742b1は、突片742f4aによって押下げられ人型駆動ユニット下駆動溝742f6a2、742f6b2の長手方向に沿って移動することとなる。これにより、左上腿軸742b1によって軸支された左上腿部材742bは、図24に示すように、左下方向に移動し、左上腿部材742bに当接する左下腿部材742cは、左下腿回動軸742c2を中心として、反時計周りに回動することとなる。
次に、下ボード駆動ユニット744について説明する。
図26は、下ボード駆動ユニット744の正面図、図27は、当該ユニット744の裏面図、そして、図28は、当該ユニット744の分解斜視図である。
図26に示すように、下ボード駆動ユニット744は、サーフボードの下半分を模した部材である下ボード部材744aと、下ボード部材744aを駆動させる下ボードモータ744bと、下ボード部材744a及びその他部材を取り付けるための下ボードベース部材744cと、下ボード部材744aを駆動させる際の初期位置を検出するための下ボード位置検出センサ744dと、下ボード部材744aに載置される右足を模した右足部材744eと、下ボードモータ744bの前面側を装飾する右装飾部材744fと、を備えている。
また、下ボード駆動ユニット744は、図27に示すように、下ボードモータ744bの回転軸744b1に取り付けられる駆動ギヤ744gと、駆動ギヤ744gと歯合する中間ギヤ744h、744iと、中間ギヤ744iと歯合する従動ギヤの下ボード末端ギヤ744jと、を備えている。図28に示すように、下ボード末端ギヤ744jは、一定の角度内で往復運動を行うセクタギヤであり、当該ギヤ744jの平面上には、2つのボス744j1、744j1が備えられている。下ボード部材744aの裏面側には当該2つのボス744j1、744j1の外径に等しい内径の軸穴(図示略)が設けられており、当該2つのボス744j1、744j1は、下ボードベース部材744cに設けられた長孔744c1、744c1を介して当該軸穴に嵌合するようになっている。また、下ボード部材744aの下端部には、当該下ボード部材744aを回動させる回動軸孔744a1が設けられており、下ボードベース部材744cの下端部に設けられた回動軸744c2が嵌合するようになっている。また、当該回動軸744c2にはトーションバネTが備えられ、当該トーションバネTの一端が下ボードベース部材744cに固定され、他端が下ボード部材744aに固定されるようになっている。これにより、下ボード部材744aを初期位置から回動させたとき、トーションバネTによって、下ボード部材744aを初期位置に復帰させる復元力が発生するようになる。
また、下ボード部材744aの下端には遮光板744a2が備えられている。下ボード部材744aが初期位置にあるとき、当該遮光板744a2によって、下ボード位置検出センサ744dの発光部から照射された光が遮られるように当該下ボード位置検出センサ744dが下ボードベース部材744cの前面側に配設されている。
なお、下ボード位置検出センサ744dは、発光部と受光部とを備えており、当該発光部から照射された光が遮られることによって物体(ここでは、下ボード部材744a)の位置を検出することができるようになっている。
また、下ボード駆動ユニット744は、図27及び図28に示すように、下ボード部材744aと右足部材744eを連結させる下ボード連結部材744kを備えている。下ボード連結部材744kは、その両端部に軸孔744k1、744k1を備えている。そして、下ボード連結部材744kの一端部に備えられた軸孔744k1には、下ボード部材744aの裏面側に設けられたボスが嵌合されるようになっている。また、他端部に備えられた軸孔744k1には、右足部材744eの裏面側に設けられた上取付軸744e1及び下取付軸744e2のうちの下取付軸744e2が嵌合されるようになっている。
また、下ボード駆動ユニット744は、図27及び図28に示すように、上記右足の膝部分を模した右足膝部材744lを備えている。右足膝部材744lは、その前面側に取付穴744l1を備えており、右足部材744eの裏面側に設けられた上取付軸744e1が嵌合されるようになっている。
次に、下ボード駆動ユニット744の駆動態様について、図29及び図30を用いて説明する。
図29は、下ボード部材744aを振動させる下ボード振動態様についての説明図である。
下ボード部材744aを振動させるときは、図29に示すように、下ボード末端ギヤ部材744jを初期位置から第1の角度(例えば、6.88度)だけ(遊技盤の裏面側から見て)時計周りに回動させた後、初期位置に戻す動作を複数回数繰り返す制御を行う。
図30は、下ボード部材744aを傾倒させる下ボード傾倒態様についての説明図である。
下ボード部材744aを傾倒させるときは、図30に示すように、下ボード末端ギヤ部材744jを初期位置から第1の角度よりも大きい第2の角度(例えば、52度)だけ(遊技盤の裏面側から見て)時計周りに回動させる制御を行う。
次に、上駆動ユニット720を構成するロゴ駆動ユニット724について説明する。
図31は、ロゴ駆動ユニット724の分解斜視図、図32はロゴ駆動ユニット724の裏面図である。
図31及び図32に示すように、ロゴ駆動ユニット724は、ロゴタイプを形成したロゴ部材724aと、ロゴ部材724aを回動可能に配設するロゴユニットベース部材724bと、ロゴ部材724aを駆動させた後、初期位置に戻すためのロゴ復帰バネ724cと、を備えている。
ロゴ部材724aは、その裏面側にロゴ部材724aを回動させるときの中心軸となるロゴ軸724a1と、ロゴ部材724aを回動させるときの駆動力を伝達するロゴ係合軸724a2と、を備えている。
ロゴユニットベース部材724bは、ロゴ軸724a1を挿通させるロゴ軸孔724b1と、ロゴ係合軸724a2を挿通させるロゴ係合軸孔724b2と、ロゴユニットベース部材724bを上ボード駆動ユニット722(上ボード前ベース部材722c)の前面に固定するための止着部724b3を備えている。
ロゴ係合軸孔724b2は、ロゴ部材724aを回動させることができるように円弧状に穿設されている。
次に、上駆動ユニット720を構成する上ボード駆動ユニット722について説明する。
図37は、上ボード駆動ユニット722の正面図、図38は、上ボード前ベース部材722c及び上ボード後ベース部材722dを取り外した状態の上ボード駆動ユニット722の正面図、図39は、図38の裏面図、図40は、上ボード駆動ユニット722の分解斜視図である。
図37〜図40に示すように、上ボード駆動ユニット722は、サーフボードの上半分を模した部材である上ボード部材722aと、上ボード部材722a及びロゴ部材724aを駆動させる上ボード駆動機構部722bと、上ボード部材722a及びその他部材を取り付けるための上ボード前ベース部材722c及び上ボード後ベース部材722dと、上ボード部材722aを駆動させる際に当該上ボード部材722aの初期位置を検出するための上ボード位置検出センサ722eと、を備えている。
上ボード部材722aは、上ボード後ベース部材722dに設けられた上ボード軸722d1を挿通させる上ボード軸孔722a1と、後述する上ボードカム部材(上ボード作用部)722b3aと当接可能な上ボードカム当接部(上ボード作用受け部)722a2と、を備えている。
上ボード駆動機構部722bは、上ボードモータ722b1と、上ボードモータ722b1の回転軸722b1aに取り付けられる上ボード共通ギヤ部材722b2と、上ボード共通ギヤ部材722b2と歯合する上ボード後ギヤ部材722b3と、上ボード後ギヤ部材722b3と同一の回動軸(上ボードギヤ軸722d2)周りに回動する上ボード前ギヤ部材722b4と、上ボード前ギヤ部材722b4と歯合するロゴ揺動ギヤ部材722b5と、を備えている。
上ボード後ギヤ部材722b3は、その平面上に上ボードカム部材(上ボード作用部)722b3aを備えている。
上ボードカム部材722b3aは、偏心カムが用いられ、回転中心(上ボードギヤ軸722d2)から上ボードカム当接部(上ボード作用受け部)722a2の当接位置までの距離が上ボードカム部材722b3aの回転角度に応じて周期的に変動するものである。
ロゴ揺動ギヤ部材722b5は、上ボードカム部材722b3aと同様にその平面上にロゴ揺動カム部材(ロゴ揺動作用部)722b5aを備えている。
ロゴ揺動カム部材722b5aは、偏心カムが用いられ、回転中心(ロゴギヤ軸722d3)からロゴ係合軸724a2の当接位置までの距離がロゴ揺動カム部材722b5aの回転角度に応じて周期的に変動するものである。
上ボード前ベース部材722cは、上ボード後ベース部材722dに配設された上ボードギヤ軸722d2を挿通させる上ボードギヤ軸孔722c1と、ロゴギヤ軸722d3を挿通させるロゴギヤ軸孔722c2と、ロゴ部材724aに配設されたロゴ軸724a1を挿通させる上ボードロゴ軸孔722c3と、ロゴ係合軸724a2を挿通させる上ボードロゴ係合軸孔722c4と、を備えている。
上ボードロゴ係合軸孔722c4は、ロゴ部材724aを回動させることができるように円弧状に穿設されている。
上ボード後ベース部材722dは、上ボード部材722aの回動軸である上ボード軸722d1と、上ボード後ギヤ部材722b3及び上ボード前ギヤ部材722b4の回動軸である上ボードギヤ軸722d2と、ロゴ揺動ギヤ部材722b5の回動軸であるロゴギヤ軸722d3と、を備えている。
次に、ロゴ駆動ユニット724及び上ボード駆動ユニット722の駆動態様について、図33〜図36を用いて説明する。
図33は、ロゴ駆動ユニット724のロゴ部材724a及び上ボード駆動ユニット722の上ボード部材722aを駆動させる前の状態を示す斜視図である。
ロゴ部材724aは、駆動する前の状態では、ロゴ復帰バネ724cによってロゴ部材724aの自重により回動しないようにして静止状態を維持している。
上ボード部材722aは、駆動する前の状態では、上ボードカム部材722b3aの下部に上ボードカム当接部722a2を当接させることによって上ボード部材722aの自重によって回動しないようにして静止状態を維持している(図39参照)。
図34(a)は、ロゴ揺動ギヤ部材722b5を初期位置から遊技機の前面側から見て反時計回りに10.87度回動させたときの正面図である。
図34(a)に示すように、ロゴ揺動カム部材722b5aは、初期位置から反時計回りに10.87度回動させる間、回転中心であるロゴギヤ軸722d3からロゴ係合軸724a2の当接位置までの距離が変化しないため、ロゴ部材724aは、駆動する前の状態を維持している。
このとき、上ボードカム部材722b3aも、回転中心である上ボードギヤ軸722d2から上ボードカム当接部722a2の当接位置までの距離が変化しないため、上ボード部材722aは、駆動する前の状態を維持している。
図34(b)は、ロゴ揺動ギヤ部材722b5を初期位置から遊技機の前面側から見て反時計回りに51.85度回動させたときの正面図である。
図34(b)に示すように、ロゴ揺動カム部材722b5aは、初期位置から反時計回りに51.85度回動させると、ロゴギヤ軸722d3からロゴ係合軸724a2の当接位置までの距離が大きくなるため、ロゴ係合軸724a2は右下方に押下げられ、ロゴ部材724aは、遊技機の前面側から見て時計周りに所定角度(例えば、18.57度)回動することとなる。
このとき、上ボードカム部材722b3aは、依然として上ボードギヤ軸722d2から上ボードカム当接部722a2の当接位置までの距離が変化しないため、上ボード部材722aは、駆動する前の状態を維持している。
図35(a)は、上ボードギヤ軸722d2から上ボードカム当接部722a2の当接位置までの距離が変化する直前の状態を示す図である。
このとき、ロゴギヤ軸722d3からロゴ係合軸724a2の当接位置までの距離が初期位置の状態から大きくなっているため、ロゴ係合軸724a2は右下方に押下げられた状態となり、ロゴ部材724aは、遊技機の前面側から見て時計周りに所定角度回動した状態で静止することとなる。
図35(b)は、上ボードギヤ軸722d2から上ボードカム当接部722a2の当接位置までの距離が変化し、上ボードカム当接部722a2が上ボードカム部材722b3aから離れた状態を示す図である。
このとき、上ボード部材722aは、上ボード部材722aの自重によって所定角度だけ回動することとなる。
図36(a)は、上ボード部材722aを初期位置に戻すときの動作を示す図である。
図36(a)に示すように、上ボード部材722aを初期位置に戻す場合、上ボードカム当接部722a2が上ボードカム部材722b3aから離れた状態において上ボード後ギヤ部材722b3を遊技機の裏面側から見て反時計周りに回動させることによって、再び、上ボードカム当接部722a2に上ボードカム部材722b3aを当接させ、上ボード部材722aを初期位置に戻す。
図36(b)は、ロゴ部材724aを初期位置に戻すときの動作を示す図である。
図36(b)に示すように、ロゴ部材724aが遊技機の前面側から見て時計周りに所定角度回動した状態において、ロゴ揺動ギヤ部材722b5を遊技機の前面側から見て時計回りに回動させると、ロゴギヤ軸722d3からロゴ係合軸724a2の当接位置までの距離が小さくなるため、ロゴ部材724aは、ロゴ復帰バネ724cにそれまで付勢されていた力によって、遊技機の前面側から見て反時計周りに所定角度回動し、初期位置に戻ることとなる。
次に、大入賞口装置80について説明する。
図41は、大入賞口装置80の正面図であり、図42は、大入賞口装置80の斜視図である。
大入賞口装置80は、特別変動入賞装置(大入賞口)38と、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34と、遊技球を普通変動入賞装置37の方へ誘導する棚部82と、一般入賞口35を構成する他穴部材84と、これらの装置、部材を配設するクリア部材で構成された大入賞口ベース部材86と、を備えている。
特別変動入賞装置38は、上述したようにアタッカ形式の開閉扉38cを備えている。また、特別変動入賞装置38は、大入賞口ベース部材86の裏面側に大入賞口ソレノイド38bを備えており、大入賞口ソレノイド38bによって開閉扉38cを駆動させることで、特別変動入賞装置38を開閉することができるようになっている。
普通図柄始動ゲート34は、遊技球が通過可能なゲート状の部材で構成されている。普通図柄始動ゲート34は、大入賞口ベース部材86の前面側に突出するように配設され、また、開閉扉38cの上方に配設される。
棚部82は、特別変動入賞装置38の下方を流下する遊技球を棚部82の左下方に配設された普通変動入賞装置37の方へ誘導する傾斜部材である。
具体的には、図43に示す棚部82の長手断面図のように、棚部82は、何れも左下方に傾斜する通常傾斜部82aと、通常傾斜部82aよりも傾斜角度が小さい緩傾斜部82bと、通常傾斜部82aよりも傾斜角度が大きい急傾斜部82cと、を備えている。より具体的には、棚部82は、右端より急傾斜部82c、緩傾斜部82b、そして通常傾斜部82aの順番で配設される。
ここで、棚部82は、緩傾斜部82bを備えることによって、急傾斜部82cより誘導された遊技球の勢いを減衰させた状態で通常傾斜部82aの方へ誘導することができる。
従って、遊技球が急傾斜部82cに流下して転動した後、通常傾斜部82aに当該遊技球が差し掛かったときの勢いと、遊技球が緩傾斜部82bに流下して転動した後、通常傾斜部82aに当該遊技球が差し掛かったときの勢いとの差を軽減することができるようになり、遊技球の棚部82への流下位置に関わらず、当該棚部82を転動した遊技球が普通変動入賞装置37に寄る割合を安定させることができるようになる。
なお、図44に示すように、通常傾斜部82aの斜面延長上には、普通変動入賞装置37が配設されるようになっており、通常傾斜部82aを転動した遊技球は、普通変動入賞装置37に入賞する可能性を有する普電入賞可能領域Wへ向けて流下することとなる。
他穴部材84は、一般入賞口35を構成する部材であり、当該一般入賞口35に入賞した遊技球を遊技盤30の前面側から裏面側へ誘導するように構成されている。
また、図43の他穴部材84の断面図に示すように、他穴部材84の下部には、一般入賞口35に入賞することなく他穴部材84の右方を流下する遊技球を棚部82の急傾斜部82cに誘導する他穴下球誘導部84aを備えている。
図45は、図41のXX矢視断面図である。
図45に示すように、大入賞口装置80は、大入賞口ベース部材86の裏面側であって、開閉扉38cの近傍にカウントスイッチ38aを備えている。これにより、特別変動入賞装置38へ入賞した遊技球を直ちに検出することができるようになっている。
また、大入賞口装置80は、大入賞口下レンズ部材87の後方に大入賞口裏LED基板620を配設することによって、大入賞口装置80の下部を後方から装飾発光させることができるようになっている。
図46は、大入賞口装置80の背面側に配設される下裏演出装置600の大入賞口球流下路部材615、大入賞口裏LED基板620、及び大入賞口裏LED基板ホルダ640について説明する図である。
図46に示すように、大入賞口球流下路部材615は、前面が開口した箱形形状のクリア部材で構成されている。大入賞口球流下路部材615の上面には大入賞口球落下切欠部615aが設けられており、当該大入賞口球落下切欠部615aを介して大入賞口に入賞した遊技球を大入賞口球流下路部材615内に流下させることができるようになっている。また、大入賞口球流下路部材615の下面には、左下方に向かって下る大入賞口傾斜部615bが設けられており、大入賞口球流下路部材615の下面左端部に設けられた大入賞口球出口615cへ遊技球が誘導されるようになっている。また、大入賞口球流下路部材615の右上部には、入賞口スイッチ取付部615dが設けられており、特別変動入賞装置38の右方に配設された一般入賞口35に入賞した遊技球を検出するための入賞口スイッチ35aを取り付けることができるようになっている。
大入賞口球流下路部材615は、大入賞口装置80の裏面側であって、大入賞口第2部材89の下方に配設される(図45参照)。また、大入賞口裏LED基板620は、大入賞口裏LED基板ホルダ640の大入賞口裏LED基板取付部640a、…により取り付けられ、大入賞口球流下路部材615の後方に配設される。
これにより、大入賞口装置80の後方に配設された大入賞口裏LED基板620の発光によって当該大入賞口装置80が間接的に装飾発光されるので、当該装置の装飾効果を高めることができる。また、特別変動入賞装置38に遊技球が入賞した場合には、当該遊技球が大入賞口球流下部材615内を流下する様子を視認することができるようになり、遊技の興趣を高めることができる。
図47は、大入賞口装置80の分解斜視図である。
図47に示すように、大入賞口装置80は、大入賞口ベース部材86の裏面側に大入賞口下レンズ部材87と、大入賞口第1部材88と、大入賞口第2部材89と、大入賞口ソレノイド38bと、を備えている。
大入賞口下レンズ部材87は、大入賞口装置80を装飾発光させるため、大入賞口ベース部材86の下部に光を拡散させて照射するレンズ部材である。
また、大入賞口下レンズ部材87は、その上部に、大入賞口内へ流入した遊技球を大入賞口下レンズ部材87の裏面側へ誘導するための屈曲部87aを備えている。
大入賞口第1部材88は、大入賞口に入った遊技球を検出するカウントスイッチ38aを備えている。カウントスイッチ38aは、上記した屈曲部87a近傍に配設されるようになっている。
大入賞口第2部材89は、大入賞口装置80の裏面を覆うカバー部材であり、大入賞口第1部材88の裏面側に配設されるようになっている。
なお、図48に示すように、大入賞口装置80は、普図始動ゲート34の代用として、遊技盤30の前後方向にスライド可能なスライド部材83を棚部82に備え、当該スライド部材83の下方に特別変動入賞装置38を備えるようにしても良い。スライド部材83は、その上面が緩傾斜部82bの一部をなしており、常時は当該上面を遊技球が転動可能な状態となっている。一方、普図当りとなった場合には、普電SOL37c(図5参照)によってスライド部材83が所定時間前進し、遊技球を受け入れ可能な状態となる。
また、棚部82に例えば文字「A」をルーター加工し、大入賞口装置80の後方から光を照射することで、当該文字部分を装飾発光させるようにしても良い。
次に、始動口装置90について説明する。
図49は始動口装置90の正面図であり、図50は始動口装置90を右斜め前方から見たときの斜視図であり、図51は始動口装置90を右斜め後方から見たときの斜視図である。
図49及び図50に示すように、始動口装置90は、始動入賞口(第1始動口)36と、第2始動口を形成する普通変動入賞装置37と、球流下勢減衰部92と、これらの装置、部材を配設する始動口装置ベース部材94と、を備えている。
球流下勢減衰部92は、始動入賞口36の両側部に配設される。球流下勢減衰部92は、始動入賞口36の側部近傍を真下に向かって流下する遊技球を当該球流下勢減衰部92に衝突させて、当該遊技球の流下方向を始動入賞口36から遠ざかる方向に変換する機能を有する。これにより、球流下勢減衰部92は、始動入賞口36の側部近傍を真下に向かって流下する遊技球を普電入賞可能領域W(図44参照)に導くことができるようになり、当該遊技球を普通変動入賞装置37に入賞させ易くすることができるようになる。
始動口装置ベース部材94は、概略矩形状の透明部材(例えば、クリア樹脂)で構成され、始動口装置ベース部材94の後方から下可動役物610aにより照射された光を透過させることができるようになっている。
なお、始動入賞口36を形成する部材や普通変動入賞装置37、球流下勢減衰部92についても透明部材で構成するようにしても良い。
ここで、遊技機10は、少なくとも一部が透明な部材で構成された装飾部材としての始動口装置90を備えたこととなる。また、始動口装置90は、上記した透明部材に対応した位置に遊技球が入賞可能な入賞口としての始動入賞口36、及び、遊技球の入賞し易い状態と遊技球の入賞し難い若しくは入賞しない状態とに変化可能な変動入賞装置としての普通変動入賞装置37を備えたこととなる。
これにより、下可動役物610a及び始動入賞口36のそれぞれに照明装置を設けなくても、下可動役物610a及び始動入賞口36を装飾発光させることができるようになるので、下可動役物610a及び始動入賞口36の装飾発光をコストをかけずに行うことができる。
また、下可動役物610aを装飾発光させることによって、間接的に始動入賞口36を明るくすることができ、それによって始動入賞口36の位置が分かりやすくなり、遊技者は当該始動入賞口36を狙って遊技球を発射させやすくなる。
また、下可動役物610a及び普通変動入賞装置37のそれぞれに照明装置を設けなくても、下可動役物610a及び普通変動入賞装置37を装飾発光させることができるようになるので、下可動役物610a及び普通変動入賞装置37の装飾発光をコストをかけずに行うことができる。
また、下可動役物610aを装飾発光させることによって、間接的に普通変動入賞装置37を明るくすることができ、それによって普通変動入賞装置37の位置が分かりやすくなり、遊技者は当該普通変動入賞装置を狙って遊技球を発射させやすくなる。
また、始動口装置90は、始動口装置ベース部材94の裏面側に、始動入賞口36に入賞した遊技球を排出させる第1始動口球出口96a等を形成する始動口装置裏面部材96を備えている。
始動口装置裏面部材96も始動口装置ベース部材94と同様に透明部材(例えば、クリア樹脂)で構成されている。
なお、始動口装置90の裏面側には後述する下可動演出装置610が配設されるため、第1始動口球出口96aは始動口装置裏面部材96の(遊技機10の裏面側から見て)右側部に逃がすように配設されている。
次に、下裏演出装置600について説明する。
図52は下裏演出装置600の正面図である。
図52に示すように、下裏演出装置600は、主として、発光可能な可動部材としての下可動役物610aを備えた下可動演出装置610と、特別変動入賞装置38に入賞した遊技球及び当該特別変動入賞装置38の右方に配設された一般入賞口35に入賞した遊技球を流下させる大入賞口球流下路部材615と、当該一般入賞口35に入賞した遊技球を検出する入賞口スイッチ(第1他穴検出センサ)35aと、大入賞口ベース部材86の後方から光を照射するための大入賞口裏LED基板620と、第1始動口球出口96aから排出された遊技球を流下させる始動口流下路625と、アウト口39にて回収された遊技球を当接し流下させるアウト球当接路630と、他穴ユニット20に形成された各一般入賞口35に入賞した遊技球を検出する入賞口スイッチ(第2他穴検出センサ)35bと、を備えている。
また、下裏演出装置600は、下可動演出装置610の下方に普電ソレノイド37c(図51参照)を収納することが可能な普電駆動源収納空間635を有する。
図53は、下裏演出装置600の分解斜視図である。
図53に示すように、下裏演出装置600は、大入賞口裏LED基板620を大入賞口裏LED基板ホルダ640に固定した状態で大入賞口球流下路部材615の裏面側に配設するようになっている。また、下裏演出装置600は、当該装置600左部に他穴ユニット20に形成された各一般入賞口35に入賞した遊技球を流下させる他穴流路構成部材645と、他穴ユニット20の後方から光を照射する他穴裏LED基板650と、他穴裏LED基板650を固定する他穴裏LED基板ホルダ655と、を備えている。他穴流路構成部材645の平面上には複数の孔645a、…が穿設されており、当該複数の孔645a、…に他孔裏LED基板650に配設された各LEDを当該他穴流路構成部材645の裏面側から挿入することができるようになっている。
また、下裏演出装置600は、他穴流路構成部材645の近傍に第1振動検出センサ660を備え、また、始動口流下路625の近傍に第2振動検出センサ662を備え、さらに、大入賞口球流下路部材615の近傍に第3振動検出センサ664を備えている。
また、下裏演出装置600は、上記した各部材や装置を配設するための下裏演出装置ベース部材670を備えている。下裏演出装置ベース部材670の裏面側には、中継基板70が中継基板ホルダ675に固定された状態で配設されるようになっている。また、下裏演出装置ベース部材670の裏面側には、基板ボックスを取り付けるときの土台となる裏取付部材680が配設されている。
次に、始動口装置90の後方に配設される下裏演出装置600の下可動役物610aを発光させた際の照射領域について説明する。
図54は、図2に示す始動口装置90及び下可動役物610aの部分拡大図であり、図55は、図54のYY矢視断面図である。
図54及び図55に示すように、下可動役物610aが初期位置にあるとき(常時)は、遊技盤30の前方から見たときに下可動役物610aが始動口装置90の裏側に重なるように下可動役物610a及び始動口装置90が配設され、このときの下可動役物610aによる照射領域は、ステージ部48の中央周辺の領域、及び、始動口装置90の上部(始動入賞口36の周辺の領域)となっている。ここで、遊技機10は、下可動役物610aが始動口装置90の裏側にあるときに当該下可動役物610aを発光可能としたこととなる。これにより、下可動役物610a及び始動口装置90のそれぞれに照明装置を設けなくても、下可動役物610a及び始動口装置90を装飾発光させることができるようになるので、下可動役物610a及び始動口装置90の装飾発光をコストをかけずに行うことができる。
また、図55に示すように、ステージ部48は、遊技盤30(遊技盤ユニット60)の前面よりも後方に設けられている。これにより、通常時はステージ部48の下方に位置する下可動役物610aを見え難くすることができる。従って、下可動役物610aをステージ部48の下方から上方へ突出させたときのインパクトを増大させて演出効果を高めることができるようになる。
なお、普通変動入賞装置37の周辺の領域についても下可動役物610aによる照射領域としても良い。
上記のように、下可動役物610aが始動口装置90の裏側にあるときに下可動役物610aを発光させることが可能であるので、始動口装置90のうち透明若しくは半透明な部材で構成された部分を介して始動口装置90の前面側に光を照射することができ、始動口装置90も好適に装飾発光させることができるようになる。
従って、下可動役物610a及び始動口装置90のそれぞれに照明装置を設けなくても、下可動役物610a及び始動口装置90を装飾発光させることができるようになるので、下可動役物610a及び始動口装置90の装飾発光をコストをかけずに行うことができる。
また、下可動役物610aを装飾発光させることによって、間接的に始動入賞口36を明るくすることができ、それによって始動入賞口36の位置が分かりやすくなり、遊技者は当該始動入賞口36を狙って遊技球を発射させやすくなる。
次に、下可動演出装置610について説明する。
図56は、下可動演出装置610の正面図である。
図56に示すように、下可動演出装置610は、下可動役物ベース部材610iの前面側に、主として、上下動させるとともに発光させることが可能な下可動役物610aと、下可動役物610aの上下動をガイドする下可動役物ガイド棒610b並びに当該ガイド棒610bを支持する下可動役物上ガイド棒押さえ部材610c及び下可動役物下ガイド棒押さえ部材610dと、下可動役物610aを駆動させるための下可動役物駆動モータ610e1を収納した下可動役物駆動源収納部610eと、を備えている。
図57は、下可動演出装置610の裏面図であり、図58は、下可動役物カバー部材610gを取り外した状態における下可動演出装置610の裏面図である。
図57及び図58に示すように、下可動演出装置610は、下可動役物ベース部材610iの裏面側に、下可動役物610aを駆動させるための下可動役物駆動機構部610fと、下可動役物駆動機構部610fを覆う下可動役物カバー部材610gと、を備えている。
次に、下可動役物駆動機構部610fについて説明する。
図58に示すように、下可動役物駆動機構部610fは、下可動役物駆動モータ610e1に軸着された回動軸610e2の回動に従って回動する下可動役物駆動部材610f1と、下可動役物駆動部材610f1の回動方向の力を上下方向の力に変換する下可動役物連結部材610f2と、下可動役物連結部材610f2と下可動役物610aとを繋ぐ下可動役物連結軸610f3と、下可動役物610aの駆動を補助して初期位置に戻すための下可動役物バネ(トーションバネ)610f4と、を備えている。
下可動役物駆動部材610f1は、円板状の部材であり、当該部材の回動中心位置に下可動役物駆動モータ610e1に軸着された回動軸610e2の他端側を軸着することができるようになっている。
また、下可動役物駆動部材610f1は、その裏面側の平面上に下可動役物連結部材610f2と連結させるための第1連結軸610f1aを備えている。
下可動役物連結部材610f2は、へら状の部材であり、その両端には長孔610f2a、610f2bが形成されている。長孔610f2aは、当該長孔610f2aの内壁面を摺動可能に第1連結軸610f1aを取り付けることができるようになっている。また、長孔610f2bは、当該長孔610f2bの内壁面を摺動可能に下可動役物連結軸610f3を取り付けることができるようになっている。
下可動役物連結部材610f2は、その一端から他端に向かう途中に当該部材610f2を回動させることが可能な下可動役物軸610f2cを備えている。下可動役物軸610f2cは、下可動役物ベース部材610iの裏面側に配設される。
下可動役物連結軸610f3は、下可動役物ベース部材610iに形成された下可動役物ガイド溝610i1に挿通された状態で、その一端が長孔610f2bに軸挿されるとともに、他端が下可動役物610aの下端部に取り付けられるようになっている。
なお、下可動役物ガイド溝610i1は、上下方向を長手とする溝であり、下可動役物610aを上下方向に駆動させる際のガイドとしての機能を果たすものである。
次に、下可動役物610aの駆動態様について説明する。
下可動役物610aは、上下方向(垂直方向)に駆動する役物で、図59に示すように、初期位置にあるときは、下可動役物610a(下可動役物ホーム部材610a1)の下端が同図(a)の高さに位置するようになっている。このとき、下可動役物610aを遊技盤30の前面側から見ると、図2に示すように、当該役物610aの上端部に配設される下可動役物載置部材610a5(後述)だけがステージ部48上に出現している状態となっている。
また、下可動演出装置610は、下可動役物610aの位置を検出する下可動役物位置検出センサ610hを備えている。具体的には、図59に示すように、下可動役物位置検出センサ610hによって、下可動役物610aが初期位置にあることを検出することができるようになっている。
そして、下可動役物610aを上方向に駆動させる場合は、下可動役物駆動モータ610e1を制御して、当該モータ610e1の回動軸610e2に固定された下可動役物駆動部材610f1を(遊技機の裏面側から見て)反時計周りに所定の角度だけ回動させる。このとき、下可動役物駆動部材610f1の平面上に配設された第1連結軸610f1aによって、下可動役物連結部材610f2の長孔610f2aを有する端部が下方に押下げられ、下可動役物軸610f2cを支点として、他端側(長孔610f2bを有する端部)が上方に押し上げられることとなる。
そして、長孔610f2bを有する端部が上方に押し上げられることで、当該長孔610f2bに挿通された下可動役物連結軸610f3も上方に押し上げられ、当該下可動役物連結軸610f3を備える下可動役物610aが初期位置から上方に移動し、図59(b)に示す高さに位置するようになる。このとき、下可動役物610aを遊技盤30の前面側から見ると、図3に示すように、当該役物610aの下可動役物レンズ部材610a3(後述)がステージ部48上に出現した状態となる。
なお、下可動役物610aを下方向に駆動させる場合は、下可動役物駆動モータ610e1を制御して、当該モータ610e1の回動軸610e2に固定された下可動役物駆動部材610f1を(遊技機の裏面側から見て)時計周りに所定の角度だけ回動させるようにする。
図60は、下可動演出装置610の下可動役物ベース部材610i前面側に配設された下可動役物610aや下可動役物駆動源収納部610e等の分解斜視図である。
図60に示すように、下可動役物610aは、当該役物610aの底面部を構成する下可動役物ホーム部材610a1と、光を照射するための下可動役物LED基板610a2と、当該役物610aを装飾発光させるための下可動役物レンズ部材610a3と、下可動役物レンズ部材610a3の上面を構成する下可動役物レンズ上部材610a4と、下可動役物レンズ上部材610a4の上に配設される下可動役物載置部材610a5と、を備えている。
下可動役物ホーム部材610a1は、その左右両側部に上下方向(垂直方向)に貫通した貫通孔610a1aを有しおり、当該貫通孔610a1aに下可動役物ガイド棒610bが挿通されるようになっている。これにより、下可動役物ガイド棒610bは、下可動役物610aを上下方向に駆動させる際のガイドとしての機能を果たす。
下可動役物LED基板610a2は、複数のLED610a2a、…を備えている。具体的には、図61(b)、(c)に示すように、下可動役物LED基板610a2は、後述する下可動役物レンズ部材610a3の少なくとも下端面に対向する位置にLED610a2a、…が配設されるようになっている。
下可動役物レンズ部材610a3は、3枚の平板状のレンズ部材610a3a、610a3b、610a3cを備えている。具体的には、下可動役物レンズ部材610a3は、当該各レンズ部材610a3a、610a3b、610a3cの両側端面をそれぞれ接合させることで、底面が三角形の角柱を構成している。
下可動役物駆動源収納部610eは、下可動役物駆動モータ610e1と、下可動役物駆動モータ610e1による発熱を外部に放熱するための放熱部材610e3と、当該発熱を放熱部材610e3に伝達するための伝熱部材610e4と、下可動役物駆動源カバー部材610e5と、を備えている。
下可動役物駆動源カバー部材610e5は、放熱部材610e3の前面側に配設される。また、下可動役物駆動源カバー部材610e5は、縦方向に間をすかした格子状をなし、下可動役物駆動モータ610e1による発熱を外部に逃がしやすくしている。
次に、下可動役物レンズ部材610a3の詳細について、図61及び図62を用いて説明する。
図61(a)は、下可動役物レンズ部材610a3を構成するレンズ部材610a3aを一例とした側面図である。また、図61(b)は、下可動役物レンズ部材610a3の正面図であり、図61(c)は、下可動役物レンズ部材610a3の平面図である。
図61(a)及び図62(a)に示すように、レンズ部材610a3aは(遊技機の前面側から見て)その裏面側にAの文字がルーター加工され、当該ルーター加工されたレンズ部材610a3aの溝部に着色が施されている。また、図61(a)及び図62(b)に示すように、レンズ部材610a3aは(遊技機の前面側から見て)その表面側に上記裏面側に加工されたAの文字の縁取り加工がなされている。
図62(c)は、Aの文字加工及びAの文字の縁取り加工がなされたレンズ部材610a3aの一部分を正面側から見た図である。そして、当該レンズ部材610a3aに光を照射すると、図62(d)のように、Aの文字を強調して発光させることができるようになっている。
また、レンズ部材610a3b及び610a3cについてもレンズ部材610a3aと同様に、レンズ部材610a3bはBの文字加工及びBの文字の縁取り加工がなされ、レンズ部材610a3cはCの文字加工及びCの文字の縁取り加工がなされている。
図61(b)は、レンズ部材610a3a〜610a3cを組み合わせた下可動役物レンズ部材610a3の正面図であり、当該下可動役物レンズ部材610a3の下端から下可動役物LED基板610a2によって光を照射して、A、B、及びCの文字を発光させた状態を示している。図61(c)に示すように、レンズ部材610a3a及び610a3cは、遊技機の正面から見て斜めに配設されるため、縁取り加工は、奥側(Aの文字の左側及びCの文字の右側)に行くに連れて縁取り線幅が太くなるように加工がなされている。これにより、下可動役物レンズ部材610a3を正面から見たときに、A及びCの文字の縁取り線幅が左右等しく見えるようになる。
なお、上記のようなルーター加工は、レンズ部材610a3a〜610a3cに限らず、その他のクリアな透明部材に加工が施されるようにしても良い。
具体的には、図63に示すように、大入賞口装置80に配設される棚部82の平面上に文字(例えば、Aの文字)をルーター加工するようにしても良い。
次に、下可動役物610aの演出動作の一例について図64及び図65を用いて説明する。
図64(a)は、擬似連続予告演出の前に実行される下可動役物610aの演出動作の一例を示す図である。
ここで、擬似連続予告演出とは、1回の特図変動表示ゲームにおいて複数の識別情報を所定時間変動表示した後に停止する単位変動表示を一回以上行う演出をいう。
図64(a1)に示すように、特図変動表示ゲームが開始され、当該ゲームにおいて擬似連続予告演出の実行条件を満たしている場合には、図64(a2)に示すように、識別図柄が仮停止すると、下可動役物610aを上昇させる。
そして、図64(a3)に示すように、下可動役物610aが表示装置41の前面まで上昇しきった後、装飾発光がなされると、図64(a4)に示すように、擬似連続予告演出が開始されることとなる。
図64(b)は、再抽選変動演出の前に実行される下可動役物610aの演出動作の一例を示す図である。
ここで、再抽選変動演出とは、左、中、右の3つの識別図柄が揃った後、再び識別図柄を変動させる演出をいう。なお、ここでいう再抽選は実際に再抽選処理が行われているわけではなく、特図変動表示ゲームが開始されるときに再抽選後の変動表示結果となることが決定されており、当該変動表示結果を導出する前に別の識別図柄で仮停止させる演出を行うものである。
図64(b1)に示すように、特図変動表示ゲームが開始され、当該ゲームにおいて再抽選変動演出の実行条件を満たしている場合には、図64(b2)に示すように、識別図柄が仮停止すると、下可動役物610aを上昇させる。
そして、図64(b3)に示すように、下可動役物610aが表示装置41の前面まで上昇しきった後、装飾発光がなされると、図64(b4)に示すように、再抽選変動演出が開始されることとなる。そして、図64(b5)に示すように、識別図柄が停止して、当該特図変動表示ゲームが終了する。
図64(c)は、識別図柄の滑り演出の前に実行される下可動役物610aの演出動作の一例を示す図である。
ここで、滑り演出とは、少なくとも一の識別図柄が仮停止した後、当該一の識別図柄が再変動(再始動)する演出をいう。
図65(c1)に示すように、特図変動表示ゲームが開始され、当該ゲームにおいて滑り演出の実行条件を満たしている場合には、図65(c2)に示すように、左図柄が仮停止すると、下可動役物610aを上昇させる。
そして、図65(c3)に示すように、右図柄が仮停止し、下可動役物610aが表示装置41の前面まで上昇しきった後、装飾発光がなされると、図65(c4)に示すように、滑り演出が開始され、右図柄が再変動することとなる。
ここで、遊技機10は、複数の識別図柄が変動表示を開始し、識別図柄を導出した後に当該識別図柄の再変動表示を行う場合に、下可動役物610aを表示装置41の前側に移動させたこととなる。
従って、表示装置41にて再変動表示を行う場合に、表示装置41の前側に下可動役物610aを移動させることができるので、当該再変動表示の演出効果を高めることができるようになり、大当りへの期待感を高めることができるようになる。
次に、ステージ部48の詳細について説明する。
図66は、ステージ部48を前面側上方から見たときの図である。
図66に示すように、ステージ部48は、ワープ装置46のワープ出口から排出された遊技球を転動させる前側ステージ部48aと、前側ステージ部48aよりも高い位置に配設された後側ステージ部48bと、後側ステージ部48bの後方に遊技球が進入することを規制するガイド部48cと、ステージ部48を転動する遊技球を当該ステージ部48の中央へ誘導する戻り部48dと、を備えている。
前側ステージ部48aは、左右方向に転動する遊技球を前方に誘導する誘導溝48a1、…を備えている。
後側ステージ部48bは、平面視中央部に平面視三角形状の切欠部48b1を有している(図67(b)参照)。そして、切欠部48b1に下可動役物610aが配設されるようになっている。
ここで、遊技機10は、遊技球が転動可能なステージ部48と、後側ステージ部48b(ステージ部48)の下方から上方へ突出することが可能な下可動役物610aを備えた下裏演出装置600と、を備えたこととなる。また、ステージ部48は、当該ステージ部48(後側ステージ部48b)の転動面に切欠部48b1を備えるとともに、当該切欠部48b1の縁部にガイド部48c(起立壁)を備えたこととなる。これにより、下可動役物610aは、ステージ部48の切欠部48b1を介して突出させることができるので、配設のための奥行きを確保せずに下可動役物610aを配設することができる。
そして、ガイド部48cは、ステージ部48を転動する遊技球を当該ステージ部48の下方に設けられた始動入賞口36へ向けて誘導可能な方向に沿うように形成したこととなる。これにより、ガイド部48cに遊技球を接触させることによって、ステージ部48を転動する遊技球を始動入賞口36へ向けて誘導するようにすることができるので、遊技の興趣を高めることができる。
また、後側ステージ部48bは、前側ステージ部48aとの間の段差部48e中央に奥側に窪んだ凹部48e1を備えており、凹部48e1に衝突した遊技球を前方に誘導させるようにしている。
ガイド部48cは、後側ステージ部48bの後方端部に配設され、当該ガイド部48cの高さは遊技球の半径よりも大きくなるように設けられている(図67(a)参照)。
ここで、ガイド部48cは、当該ガイド部48cの壁の高さが遊技球の半径よりも大きくなるように設けたこととなる。これにより、切欠部48b1の縁部には、遊技球の半径よりも大きな高さを有するガイド部48cを備えているので、ステージ部48を転動する遊技球が下可動役物610aに接触することを防止することができる。
なお、ガイド部48cの高さは、一定の高さに配設する場合の他、図67(c)に示すように、切欠部48b1の前方先端部48b1aから奥側に行くに連れてガイド部48cが高くなるようにしても良い。また、切欠部48b1後方のガイド部48cは、左側方及び右側方に行くに連れて低くなるようにしても良い。
また、切欠部48b1は、平面視三角形状に限らず、図68(a)に示すように、平面視半円状としても良い。この場合、下可動役物610aと切欠部48b1との間に生じる隙間に遊技球が進入することを防止するため、図68(b)に示すように、ガイド部48cの高さを遊技球の直径よりも大きくすることが望ましい。また、図68(c)、(d)に示すように、ガイド部48cは、弓なりに反るようにしても良い。
〔擬似連契機〕
本発明の実施形態では、特図変動表示ゲームの開始後、擬似連続予告演出(擬似連)が実行される前に可動役物(例えば、ロゴ部材724a及び上ボード部材722a、並びに、上半身部材742a、左上腿部材742b、左下腿部材742c、及び下ボード部材744a等)による演出が実行されるように制御される。また、可動役物演出が実行される前に疑似連の開始を示す識別情報(疑似連図柄)で変動表示が停止又は仮停止する。なお、仮停止とは、例えば、識別情報が完全に停止せずに揺れている状態などである。
図69は、本発明の実施形態の擬似連続予告演出の実行条件である擬似連図柄が停止する過程の一例を示す図である。図69には(a)〜(c)の3種類のパターンが例示されている。
また、本発明の実施形態では、擬似連図柄として、「天使」の図柄が設定されている。なお、「天使」の図柄は、擬似連を実行する場合にのみ表示されるようにしてもよいし、通常の識別図柄の一つとしてもよい。
図69(a)は、同図(a1)のように特図変動表示ゲームが開始され、同図(a2)のように「天使」の図柄が中央の位置でそのまま停止した場合を示している。この場合には、「天使」の図柄が停止した後、図70にて後述する可動役物演出が実行され、その後、各識別図柄が再変動して擬似連が実行される。なお、擬似連図柄の停止位置は、中央の位置でなくてもよく、左右いずれかの位置であってもよい。
図69(b)は、同図(b1)のように特図変動表示ゲームが開始され、同図(b2)のようにリーチ等が発生せずに一旦仮停止し、その後、同図(b3)のように中央の識別図柄が回転し、同図(b4)のように「天使」の図柄に変化して停止した場合を示している。その後、可動役物演出が実行され、各識別図柄が再変動して擬似連が実行される。また、擬似連図柄の位置は中央でなくてもよく、図69(a)の場合と同様に、左右いずれか識別図柄が回転するようにしてもよい。
図69(c)は、同図(c1)のように特図変動表示ゲームが開始され、同図(c2)のようにリーチが発生し、同図(c3)のように中央の識別図柄が「天使」の図柄で停止した場合を示している。その後、可動役物演出が実行され、各識別図柄が再変動して疑似連が実行される。なお、図69(c)においても擬似連図柄の位置は中央でなくてもよいが、最後に停止する識別図柄が疑似連図柄となるようにする。
なお、擬似連図柄が2以上停止した場合に擬似連を実行するようにしてもよいし、擬似連図柄が停止した場合に所定の割合で擬似連を実行するようにしてもよい。さらに、停止した擬似連図柄の数や擬似連図柄が停止する位置によって期待度が異なるように設定してもよい。
前述のように、特図変動表示ゲームにおいて、擬似連図柄を含む識別図柄で停止すると、擬似連が実行される。本発明の実施形態では、擬似連が開始される前に、可動役物による演出が実行されるように構成されている。
図70は、本発明の実施形態の擬似連続予告演出の前に実行される可動役物演出の一例を示す図である。
本発明の実施形態では、表示装置41の上方に上ボード部材722a(サーフボードの上半分を模した役物)が配設されるとともに、右方に上半身部材742a、左上腿部材742b、左下腿部材742c、及び下ボード部材744a(サーフボードの下半分を模した役物及びヒトを模した役物)が配設されている。特図変動表示ゲームにおいて擬似連続予告演出の実行条件を満たすと、すなわち、図70(a1)に示すように、擬似連図柄である「天使」の識別図柄で停止すると、同図(a2)に示すように、これらの可動役物の動作が開始され、上ボード部材722aが表示装置41の前面下方に向かって落下移動するとともに、下ボード部材744aが表示装置41の前面右方方から中央に向かって傾くようになっている。
その後、図70(a3)に示すように、各可動役物は、表示装置41の前面まで移動し、一つのサーフボードを形成し、ヒトを模した役物(上半身部材742a、左上腿部材742b、及び左下腿部材742c)が当該サーフボードに乗ると、表示装置41において可動役物に合わせて演出を実行し、その後、擬似連続予告演出が開始される。なお、表示装置41における演出にあわせて可動役物を動作させたり、可動役物の形態を変化させたりしてもよい。
このように構成することによって、擬似連実行時に可動役物が連動して動作するため、興趣を向上させることができる。
なお、図70(b1)に示すように、「天使」の識別図柄で仮停止した後、同図(b2)のように識別図柄が逆回転で変動し、同図(b3)のように「連」の識別図柄で停止した場合には、可動役物を動作させずに、擬似連続予告演出が開始されるようにしても良い。
〔先読みモード〕
また、本発明の実施形態では、通常の特図変動表示ゲームよりも変動時間の長い擬似連続予告演出が実行されるため、変動中に始動記憶が溜まりやすくなっている。そのため遊技者が遊技球の消費を抑えるために、発射を停止してしまう(いわゆる止め打ち)おそれがある。
そこで、始動記憶数の上限(例えば、4)を超えて遊技球が始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37に入賞した場合、いわゆるオーバーフローが発生した場合には、先読み演出を実行することによって未実行の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの内容などを遊技者に報知する。
先読み演出は、オーバーフロー発生後、オーバーゲージの値が所定数(例えば、10)に到達した場合に実行される。オーバーゲージの値は、始動記憶数の上限を超えて遊技球が入賞した場合に加算される。オーバーゲージの値は、オーバーフロー数に対応させてもよい。本発明の実施形態では、遊技状態などに応じて加算される値が設定されている。詳細については、図74及び図75にて後述する。また、オーバーフロー状態が解消してから所定の時間が経過した場合には、オーバーゲージの値を減少させる又はリセットするようにしてもよい。以下、先読み演出における画面遷移について、図71を参照しながら説明する。
図71は、本発明の実施形態の先読み演出における画面遷移の一例について説明する図である。
図71(a)は、始動記憶数が上限に達した状態を示している。このとき、画面左側には、オーバーゲージの値が表示される。この時点ではオーバーフローが発生したばかりであるため、オーバーゲージの値は0である。同図(b)は、オーバーフロー数が0から1に増えた状態を示している。
図71(c)は、同図(b)の状態から遊技を継続することによって、オーバーゲージの値が上限値(10)に到達した状態を示している。同図(d)は、オーバーゲージが上限値に到達した状態で、特図変動表示ゲームが終了した状態を示している。本発明の実施形態では、同図(d)に示すように、オーバーゲージが上限値に達すると、先読みモード(運命予測モード)に遷移し、先読み演出が実行される。
運命予測モードに遷移すると、図71(e)に示すように、始動記憶の表示がカード(四角)の形状に変化する。そして、スペシャルリーチが発生する場合など、期待度の高い何らかのイベントが発生する場合には、始動記憶に対応するカードの色や形状が変化させることによって報知する。例えば、図71(e)では、左から1番目と3番目のカードが他のカードと異なっており、何らかのイベントが発生することが示唆されている。
その後、図71(f)に示すように、イベント発生が示唆されたカードに対応する始動記憶が消化されて、特図変動表示ゲームが実行されると、カードが反転し、同図(g)に示すように、カードの裏面に具体的な変動の内容が表示される。このとき、表示される演出の内容は、同図(g)に示すように、スペシャル(SP)リーチが発生することを報知してもよいし、その他、大当りが発生する場合に報知するようにしてもよいし、単にリーチが発生することを報知するだけでもよい。
また、先読み演出は、運命予測モードが開始されたタイミングで保留されている始動記憶に対してのみ実行するようにしてもよい。さらに、オーバーフロー状態が継続している間は、先読みモードを継続するようにしてもよい。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームにおいて図柄が停止中のとき、図柄が停止中であることを示す図柄停止中情報を外部の管理装置等へ送信するようにしても良い。
〔疑似連続予告演出の第1実行例〕
ここで、特図変動表示ゲームが開始されてから擬似連続予告演出を実行し、大当りが発生するまでの流れについて説明する。図72に示す例では、擬似連図柄が停止するたびに役物が登場し、登場した役物の数だけ擬似連が実行されていることがわかるように構成されている。
図72は、本発明の実施形態の特図変動表示ゲームの開始から擬似連続予告演出の実行、大当りが発生するまでの第1の例を説明する図である。
図72に示す例では、左、右、中央のいずれかの位置で擬似連図柄である「天使」が停止すると、位置に対応する可動役物が画面下方から登場するように構成される。この可動役物は、例えば、キャラクタに対応し、出現したキャラクタの数及び種類などに応じて信頼度を遊技者が把握できるように構成してもよい。
図72(a)は、特図変動表示ゲームが開始された時点を示している。その後、同図(b)において擬似連図柄である「天使」が左の位置で停止し、図70(a)に示した可動役物による演出が実行される。その後、図72(c)に示すように、識別情報が再変動し、すなわち、連続予告が実行され、「天使」の図柄が停止した位置(左側)にキャラクタなどに対応した可動役物が下方から登場して配置される。このように連続予告が実行された分だけ役物が配置されることによって、擬似連における再変動回数を把握することができる。
図72(d)は、再変動開始後、「天使」の図柄が中央の位置で停止した状態を示している。このとき、同図(b)の場合と同様に、図70(a)に示した可動役物による演出が実行され、図72(e)に示すように、識別情報が再変動し、中央の位置に可動役物が下方から登場して配置される。したがって、この時点で2回再変動したことを把握することができる。
図72(f)は、再変動開始後、「天使」の図柄が右の位置で停止した状態を示している。このとき、同図(b)及び(d)の場合と同様に、図70(a)に示した可動役物による演出が実行され、図72(g)に示すように、識別情報が再変動し、右の位置に可動役物が下方から登場して配置される。したがって、この時点で3回再変動したことを把握することができる。その後、図72(h)に示すように、識別情報が本停止し、大当りが発生する。
図72に示した擬似連続予告演出では、擬似連図柄が停止する限り、連続予告が継続するように構成されており、例えば、図72(d)の場合に、「天使」の図柄で停止しなかった場合には、擬似連続予告演出はその時点で終了する。
また、図72に示した演出では、擬似連図柄が停止した場合に対応する位置に可動役物が登場するように構成されているが、3回以上再変動するように構成してもよい。この場合には、表示装置41上にキャラクタを登場させるなどの演出を実行するようにしてもよいし、表示装置41の左右など、他の位置に可動役物を登場させることによって演出を実行するようにしてもよい。
また、擬似連図柄の停止位置にかかわらず、キャラクタに対応する可動役物が特定の順序で登場するようにしてもよい。このとき、各キャラクタは疑似連続予告演出における再変動回数に対応する。このように構成することによって、擬似連の実行中に登場したキャラクタを確認することで何回目の変動かを把握することが可能となる。そして、最終変動のリーチ中にそれまで何回連続して変動表示が実行されたかを把握することが可能となり、遊技者が大当りの期待度を把握することが可能となる。
さらに、複数種類の擬似連図柄を表示可能に構成し、擬似連図柄と登場する役物とを同じキャラクタに対応させるようにしてもよい。例えば、1回目の再変動では「◎」のキャラクタ、2回目の再変動では「△」のキャラクタ、3回目の変動では「■」のキャラクタが登場するようにしてもよい。こうすることによって、遊技者は実行中の擬似連の再変動回数をさらに把握しやすくすることが可能となる。また、再変動回数そのものを表示装置41などに表示するようにしてもよい。
〔擬似連続予告演出の第2実行例〕
続いて、特図変動表示ゲームが開始されてから擬似連続予告演出を実行し、大当りが発生するまでの流れの別の例について説明する。図73に示す例では、表示装置41の上方に可動役物(例えば、天使の形態を模した役物)が配設されているものとする。この例では、キャラクタに対応した擬似連図柄が停止するたびに、可動役物の動作と連動してキャラクタが助け出される演出が実行され、最後の変動で助け出されたキャラクタが主人公とともに戦闘を行う演出が実行される。
図73は、本発明の実施形態の特図変動表示ゲームの開始から擬似連続予告演出の実行、大当りが発生するまでの第2の例を説明する図である。
図73に示す例では、前述のように、複数種類の擬似連図柄が含まれている。具体的には、「◎」「△」「■」の3種類の擬似連図柄が含まれる。これらの擬似連図柄は、前述のように、主人公とともに活躍するキャラクタに対応する。
図73(a)は、特図変動表示ゲームが実行され、中央の位置で擬似連図柄が停止した状態を示している。同図(a)では、最初に擬似連図柄(例えば、「◎」)が停止した状態を示している。そして、同図(b)に示すように、表示装置41の上方に配置された可動役物が表示装置41の前面に移動し、擬似連図柄に対応するキャラクタを助け出すように上方に移動する演出が実行される。このとき、同図(c)に示すように、引き上げられたキャラクタに対応する役物が表示装置41の上方に配置される。なお、表示装置41の上方に配置される役物の代わりにキャラクタを表示装置41に表示してもよいし、表示装置41の上方にLEDを配置し、対応するLEDを点灯させるようにしてもよい。
その後、図73(d)に示すように、他の擬似連図柄(「△」「■」)についても同様に停止し、すべてのキャラクタに対応する可動役物が表示装置41の上方に配置される。その後、同図(e)に示すように、擬似連に含まれる最後の変動表示においてリーチが発生し、特別な演出が実行される。
図73(f)に示すように、本発明の実施形態では、最後の変動表示が開始されると、まず、主人公に対応するキャラクタが敵キャラクタと戦闘する演出が開始される。そして、表示装置41の上方に配置された役物に対応するキャラクタが順次表示装置41に表示され、味方キャラクタとともに敵キャラクタと戦闘を行う。同図(f)では、「◎」に対応するキャラクタが主人公とともに敵キャラクタと戦闘する演出が実行されている。
その後、図73(g)では「■」に対応するキャラクタ、同図(h)では「△」に対応するキャラクタが主人公とともに敵キャラクタと戦闘する演出が実行される。その結果、同図(i)において敵キャラクタとの戦闘に勝利する演出が実行され、同図(j)において大当り結果となる識別情報が表示される。その後、大当りが発生し、特別遊技状態が開始される。なお、戦闘に勝利できなかった場合には特図変動表示ゲームの結果がはずれとなる。
図73に示す擬似連続予告演出では、最後の変動における戦闘演出で登場するキャラクタの数だけ、連続予告が実行される。また、戦闘演出で登場するキャラクタの数が多ければ多いほど、敵キャラクタに勝利する可能性が高くなるようにすれば、戦闘演出に至るまでの過程で大きな期待感を持たせることができる。また、各キャラクタの戦闘力を定義することによって、キャラクタの登場数だけでなく、登場するキャラクタの種類に応じた期待度を設定することによって、興趣を高めることができる。また、擬似連図柄に対応するキャラクタは、武器や防具などの戦闘力を向上させる道具などであってもよい。さらに特定のキャラクタの組合せや識別図柄の組合せなどによって、主人公を助ける特別なキャラクタを登場させるようにしてもよい。
〔先読み演出制御〕
以上が本発明の実施形態における擬似連続予告演出の例である。続いて、図71に示した先読みモードに遷移させるオーバーゲージの加算制御について説明する。
図74は、本発明の実施形態の演出制御装置300における先読みモードにおいてオーバーゲージの値を制御する手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、遊技球が始動入賞口36(又は普通変動入賞装置37)に入賞したか否か、具体的には、遊技制御装置100から遊技球が始動入賞口36(又は普通変動入賞装置37)に入賞したことを示すコマンドを受信したか否かを判定する(ステップB101)。遊技球が始動入賞口36(又は普通変動入賞装置37)に入賞しなかった場合には(ステップB101;No)、本処理を終了する。
演出制御装置300は、遊技球が始動入賞口36(又は普通変動入賞装置37)に入賞した場合には(ステップB101;Yes)、オーバーフローが発生しているか否かを判定する(B102)。オーバーフローが発生していない場合には(ステップB102;No)、乱数を抽出して変動パターンを決定する(ステップB103)。さらに、実行される変動パターンが特定のハズレ変動か否かを判定する(ステップB104)。
演出制御装置300は、実行される変動パターンが特定のハズレ変動の場合には(ステップB104;Yes)、先読み可能フラグを“ON”に設定する(ステップB105)。ステップB105の処理が終了した後、又は、実行される変動パターンが特定のハズレ変動でない場合には(ステップB104;No)、本処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、オーバーフローが発生中の場合には(ステップB102;Yes)、先読み可能フラグが“ON”に設定されているか否かを判定する(ステップB106)。先読み可能フラグが“ON”に設定されている場合には(ステップB106;Yes)、オーバーゲージに10加算する(ステップB107)。
本発明の実施形態では、オーバーゲージが10になると先読みモードに遷移し、先読み演出が実行される。したがって、特定のハズレ変動が実行された後、オーバーフローが発生すると、ただちに先読み演出を実行するように制御される。
その後、先読み可能フラグは“OFF”に設定される(ステップB108)。なお、先読み可能フラグは、大当りが発生した場合や“ON”に設定されてから所定の時間が経過した場合など、所定の条件を満たすと、先読み演出が実行されなくても“OFF”に設定される。
演出制御装置300は、先読み可能フラグが“ON”に設定されていない、すなわち、“OFF”に設定されている場合には(ステップB106;No)、オーバーゲージの値に1又は2又は3加算する(ステップB109)。なお、実際に加算する値は乱数で決定してもよいし、オーバーフロー数などに基づいて決定するようにしてもよい。
図75は、本発明の実施形態の演出制御装置300における先読みモードにおいて擬似連の実行中か否かに基づいてオーバーゲージの値を制御する手順を示すフローチャートである。本処理は、図74に示した手順と組み合わせて実行するようにしてもよい。例えば、ステップB109の処理の代わりに図75に示す手順を実行してもよい。また、図74に示した手順の代わりに実行するようにしてもよい。
演出制御装置300は、オーバーフローが発生中であるか否かを判定する(ステップB201)。オーバーフローが発生していない場合には(ステップB201;No)、本処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、オーバーフローが発生中の場合には(ステップB201;Yes)、擬似連を実行中であるか否かを判定する(ステップB202)。そして、擬似連を実行中の場合には(ステップB202;Yes)、オーバーゲージに2加算する(ステップB203)。また、擬似連を実行中でない場合には(ステップB202;No)、オーバーゲージに1加算する(ステップB204)。
以上より、擬似連の実行中にはオーバーゲージの値が増加しやすくなるように制御される。擬似連続予告は通常の変動表示と比較して変動時間が長くなるため、始動記憶数が最大値に到達すると、遊技球の発射を停止(止め打ち)されやすくなるが、オーバーフローを発生させてオーバーゲージの値を増やすことによって先読み演出が実行されやすくなるように制御することによって、遊技者が遊技球の発射を停止しないように促すことができるため、遊技機の稼働率を向上させることができる。
〔ダイジェスト変動の概要〕
図76は、本発明の実施形態におけるストーリー系変動及び当該変動のダイジェスト変動の一例を説明する図である。
本発明の実施形態におけるA変動は、物語性を有する演出が実行されるストーリー系変動であり、中盤でリーチが発生し、60秒間継続する。また、A変動は、大当りが発生する変動パターン、若しくは、大当りの信頼度が高い変動パターンである。
しかし、A変動が実行されている60秒の間、始動記憶は消化されないため、遊技者は遊技球の発射を中止してしまうおそれがある。また、大当りが発生する可能性が高いため、遊技者は早く変動表示ゲームの結果を知りたいと思うが、変動が停止するまで待っていなければならず、興趣が減退してしまうおそれがある。
また、A変動には、大当りの信頼度を示す演出が複数含まれている。具体的には、a〜dの4つの演出が含まれている。そこで、本発明の実施形態では、所定の条件を満たす場合には、これらのa〜dの4つの演出によって構成されたダイジェスト演出(A変動ダイジェスト)を実行する。なお、A変動ダイジェストにおける演出a〜dの各内容については、図77にて後述する。演出a〜dの各内容は、信頼度に応じてそれぞれ設定される。また、演出a〜dの各内容は独立したものであってもよいし、直接関連するようなものであってもよい。
A変動ダイジェストは、大当りの信頼度を示す演出a〜dを連続して実行するように構成される。図76に示す例では、A変動ダイジェストの実行時間は11秒に短縮される。そして、所定の条件を満たした場合に、A変動の代わりにA変動ダイジェストを実行することによって、遊技者に冗長感を与えないようにすることができる。
また、A変動ダイジェストは、最初に通常変動が実行され、リーチが発生した後に実行されるようにしてもよい。さらに、演出a〜dの流れがスムースになるように、各演出の間に短い演出を挟むようにしてもよい。
なお、A変動を実行するか、A変動ダイジェストを実行するかは、遊技制御装置100から送信されたコマンドによって指定される。すなわち、A変動ダイジェストを実行するか否かは、遊技制御装置100が決定する。
また、A変動ダイジェストを実行する所定の条件としては、例えば、遊技状態が時短状態や確変状態の場合である。時短状態でA変動ダイジェストを実行すれば、変動表示回数をより多く実行でき、止め打ちを防止することができる。また、確変状態、特に、潜伏確変状態の場合にA変動ダイジェストを実行するようにすれば、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率であることを遊技者に示唆することができる。
さらに、遊技者が演出を冗長に感じた場合に演出ボタン25を操作することによって、A変動の途中からA変動ダイジェストに切り替えるようにしてもよい。
また、A変動ダイジェストの演出内容は、演出制御装置300が信頼度に応じた複数のデータを保持するようにしてもよいが、演出制御装置300が実行時に編集(生成)するようにしてもよい。
さらに、A変動の実行中に役物が作動する場合には、演出内容と整合しなくなるおそれがあるため、A変動ダイジェストでは役物が作動しないように制御する。このとき、A変動ダイジェスト用の動作を実行させるようにしてもよい。
〔信頼度報知演出〕
図77は、本発明の実施形態の特図変動表示ゲームにおける信頼度に応じた演出の一例を示す図である。図77(a)は図76の演出aに対応し、同様に、同図(b)は演出b、同図(c)は演出c、同図(d)は演出dに対応する。
図77(a)の演出では、ストーリーの序盤にキャラクタが登場するシーンであり、信頼度に応じてキャラクタの色や登場するキャラクタそのものが変更される。また、キャラクタの動作を変更したり、複数のキャラクタを登場させるようにしてもよい。
図77(b)の演出では、リーチの発生を予告するなど、文字による予告を行う。このとき、発生するリーチの種類を報知するようにしてもよいし、信頼度に応じて文字の色や柄を変更してもよい。また、文章を変更してもよい。
図77(c)の演出では、カットイン表示によってキャラクタなどを表示させる。A変動ダイジェストの場合には、フレームの配色を変更したり、表示されるキャラクタを変更したりしてもよい。
図77(d)の演出では、特図変動表示ゲームの結果を表示するシーンであり、音声を出力する。A変動ダイジェストの場合には、A変動の場合とは異なる音声を出力してもよいし、音声の出力時間を短縮してもよい。
〔ダイジェスト演出の実行(電サポ中)〕
図78は、本発明の実施形態において電サポ中の場合に所定の変動パターンを決定する手順を示すフローチャートである。本処理は、遊技制御装置100で実行され、本処理終了後、決定した変動パターンの実行を指示するコマンドが演出制御装置300に送信される。
遊技制御装置100は、まず、電サポ中であるか否か、すなわち、時短状態(普電サポート状態)であるか否かを判定する(ステップA401)。本実施形態では、普通変動入賞装置37の開閉部材37b、37bが頻繁に開放される時短状態で変動時間の長い変動が実行されることで、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、次の特図変動表示ゲームをできるだけ早く開始できるように、ダイジェスト版の変動を実行するように制御する。なお、特図変動表示ゲームの当選確率については、高確率の場合であってもよいし、低確率の場合であってもよい。
遊技制御装置100は、電サポ中でない場合には(ステップA401;No)、変動パターンテーブル(TBL)1に基づいて変動パターンを選択する(ステップA402)。変動パターンテーブル1には、通常の変動パターンが定義されており、ダイジェスト変動を実行しないように構成されている。変動パターンテーブル1の詳細については図79(a)を参照しながら説明する。
図79(a)は、本発明の実施形態において通常状態で使用される変動パターンテーブル1の一例を示す図である。
遊技制御装置100は、変動パターンを選択するための乱数(1〜100)を発生させる。変動パターンテーブル1には、乱数の値に対応する変動パターンが定義されている。
変動パターンテーブル1を参照すると、上段に乱数の値、下段に変動パターンが示されている。乱数の値が1の場合にはA変動を実行するように、遊技制御装置100から演出制御装置300にコマンドが送信される。同様に、乱数の値が3〜11の場合にはC変動を実行するようにコマンドが送信される。なお、その他の乱数の値(12〜100)については記載を省略する。
また、前述のように、変動パターンテーブル1に定義された変動パターンには、変動時間が短縮されたダイジェスト変動は含まれておらず、通常の変動のみとなっている。
一方、遊技制御装置100は、電サポ中の場合には(ステップA401;Yes)、変動パターンテーブル(TBL)2に基づいて変動パターンを選択する(ステップA403)。変動パターンテーブル2には、変動時間が短縮されたダイジェスト変動が含まれる。変動パターンテーブル2の詳細については図79(b)を参照しながら説明する。
図79(b)は、本発明の実施形態の変動パターンテーブル2の一例を示す図である。
変動パターンテーブル2には、変動パターンテーブル1と同様に、乱数の値に対応する変動パターンが定義され、同じ構成となっている。
また、乱数の値が1の場合には、A変動を実行する代わりに、短縮されたA変動ダイジェストが実行されるように定義されている。B変動の場合も同様にB変動ダイジェストが実行される。対応するダイジェスト変動が定義されていないC変動の場合には変動パターンテーブル1の場合と同様に通常のC変動が実行される。
以上のように、電サポ中の場合に実行時間が短縮されたダイジェスト変動を実行することによって、次の特図変動表示ゲームをすぐに実行することが可能となるため、遊技球の発射が停止される止め打ちを防ぐことができる。
なお、電サポ中でなくても変動時間が短縮されたダイジェスト変動を実行してもよい。例えば、特図変動表示ゲームで大当りとなる確率が高確率の場合にダイジェスト変動を実行するようにしてもよい。潜伏確変の場合にダイジェスト変動を実行すれば、潜伏確変の報知に利用することも可能である。以下、潜伏確変の場合にダイジェスト変動を実行する例を説明する。
〔ダイジェスト演出の実行(潜伏確変)〕
図80は、本発明の実施形態において潜伏確変の場合に所定の変動パターンを決定する手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、潜伏確変状態であるか否かを判定する(ステップA501)。潜伏確変状態の場合にのみダイジェスト変動を実行することによって、遊技者は潜伏確変であることを把握することができる。また、潜伏確変状態の場合に所定の確率でダイジェスト変動が発生するようにしてもよいし、さらに、通常状態の場合であっても低確率でダイジェスト変動を実行するように構成し、ダイジェスト変動が発生した場合には潜伏確変の可能性が高いことを曖昧に報知するようにしてもよい。
遊技制御装置100は、潜伏確変状態でない場合には(ステップA501;No)、図79(a)に示した変動パターンテーブル(TBL)1に基づいて変動パターンを選択する(ステップA502)。
一方、遊技制御装置100は、潜伏確変状態の場合には(ステップA501;Yes)、図79(b)に示した変動パターンテーブル(TBL)2に基づいて変動パターンを選択する(ステップA503)。
また、本発明の実施形態では、前述のように、保留された始動記憶に大当りが含まれていることを示唆する先読み演出を実行可能に構成されている。そこで、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる始動記憶が存在する場合には、先読み演出として、大当りとなるまでの始動記憶に基づく複数の特図変動表示ゲームにわたり、すなわち、大当りとなる始動記憶よりも前からA変動を開始し、大当りとなる始動記憶で終了するように構成する。
〔先読み演出〕
図81は、本発明の実施形態において複数の特図変動表示ゲームにわたって連続して演出を実行する場合に大当りが発生する特図変動表示ゲームでダイジェスト変動を実行する例を説明する図である。
図81は、特図変動表示ゲーム1を実行する時点で、特図変動表示ゲーム3で大当りが発生することが先読みされた場合を示している。A変動は、特図変動表示ゲーム1の開始時から実行されるが、特図変動表示ゲーム3の終了タイミングで終了するとは限らない。そこで、特図変動表示ゲーム3では、ストーリーの進行状況に合わせてA変動ダイジェストを実行する。このように構成することによって、複数の特図変動表示ゲームにわたってストーリーを楽しむことができ、さらに、演出が途中で終了することなく、演出を最後まで実行することが可能となるため、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、始動記憶を減らすことなく連続して特図変動表示ゲームを実行する擬似連続予告演出を行う場合にも、通常のA変動を実行しながら、特図変動表示ゲームの結果を表示するタイミングにあわせて途中からA変動ダイジェストを実行するように構成してもよい。
また、前述のように、始動記憶数が最大値(例えば、4)になると、遊技者は遊技球の消費を抑えるために止め打ちをする場合がある。そこで、止め打ちを防止するために、始動記憶数が最大値となった場合には、変動時間を短縮するように制御する遊技機が知られている。
しかし、始動記憶数が最大値の状態でA変動のようなストーリー性を有する長時間にわたる演出が実行されると、変動時間の短縮は意味をなさず、その間、止め打ちされることによって、遊技機の稼働率が低下してしまう可能性がある。
そこで、始動記憶数が所定数以上となり、変動時間の長い演出が実行される場合には、ダイジェスト変動が実行されるように制御する例について説明する。特に、始動記憶数が最大値に到達した場合には、通常時の短変動(例えば、リーチ無し変動)と同程度の変動時間に設定された超ダイジェスト変動を実行するようにする。
〔超ダイジェスト演出〕
図82は、本発明の実施形態におけるストーリー系変動及び当該変動のダイジェスト変動及び超ダイジェスト変動の一例を説明する図である。本発明実施の形態では、最大4個の始動記憶を保持することが可能となっており、始動記憶数が3以上の場合に変動時間が短縮された変動を実行する。
図82(a)は、通常のA変動であり、変動時間60秒となっている。始動記憶数が2以下の場合には、従来通り、変動時間が短縮されていない通常のA変動が実行される。
図82(b)は、信頼度を報知するa〜dの演出によって構成されたA変動ダイジェストである。始動記憶数が3の場合に実行される。なお、始動記憶数が3の場合に必ずA変動ダイジェストが実行されるようにしてもよいし、所定の確率で実行されるようにしてもよい。
図82(c)は、信頼度を報知するa及びdの演出によって構成されたA変動超ダイジェストである。演出aはA変動であることを示し、演出dは変動表示ゲームの結果を示している。A変動超ダイジェストは、始動記憶数が最大値である4の場合に実行される。また、A変動超ダイジェストの変動時間は、同図(d)に示した通常時の短変動、すなわち、始動記憶数が最大値の場合の変動と同じ変動時間となっている。なお、始動記憶数が4の場合に必ずA変動超ダイジェストが実行されるようにしてもよいし、所定の確率で実行されるようにしてもよい。
また、始動記憶数にかかわらず、大当りが発生する場合にのみA変動超ダイジェストを実行するようにしてもよい。このように構成することによって、A変動超ダイジェストが発生すると、大当りであることを遊技者に報知することができる。以下、大当り発生時にA変動超ダイジェストを実行する例について説明する。
図83は、本発明の実施形態において大当りが発生する場合及び潜伏確変の場合に所定の変動パターンを決定する手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、変動パターンを決定する対象の特図変動表示ゲームの結果が大当りが発生するか否かを判定する(ステップA601)。特図変動表示ゲームの結果は、大当り乱数の値などに基づいて判定することができる。
遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合には(ステップA601;Yes)、図84に示す変動パターンテーブル(TBL)3に基づいて変動パターンを選択する(ステップA602)。
図84は、本発明の実施形態の変動パターンテーブル3の一例を示す図である。変動パターンテーブル3の構成は、前述した変動パターンテーブル1の構成と同じである。
変動パターンテーブル3では、乱数の値が1〜5の場合にはA変動超ダイジェストを実行するように定義されている。また、乱数の値が21の場合には通常のA変動、乱数の値が23の場合にはA変動ダイジェストが実行されるように定義されている。したがって、大当りが発生する場合であっても必ずしも超ダイジェスト変動が実行されるのではなく、所定の確率で各変動が発生するように構成されている。
また、後述するように、大当りが発生しない場合には、超ダイジェスト変動が発生しないように構成されているため、超ダイジェスト変動が発生した場合には遊技者は大当りが発生したことを認識することができる。
一方、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果が大当りでない場合には(ステップA601;No)、潜伏確変状態であるか否かを判定する(ステップA501)。なお、以降の処理は、図80に示した処理と同じであるため、同じ符号を割り当てる。
遊技制御装置100は、潜伏確変状態でない場合には(ステップA501;No)、図79(a)に示した変動パターンテーブル(TBL)1に基づいて変動パターンを選択する(ステップA502)。一方、潜伏確変状態の場合には(ステップA501;Yes)、図79(b)に示した変動パターンテーブル(TBL)2に基づいて変動パターンが選択される(ステップA503)。
また、変動超ダイジェストは、通常時の短変動(例えば、始動記憶の保留数が4)の場合と変動時間が同じになるように設定されているため、大当りが発生しない場合にも演出制御装置300によって確率的に発生させてもよい。以下、通常時の短変動の代わりに所定の割合でA変動超ダイジェストを実行させる手順について説明する。
図85は、本発明の実施形態において特図変動表示ゲームが通常時短変動の場合に変動パターンを決定する手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、変動パターンを選択する対象の特図変動表示ゲームにおいて、通常時短変動であるか否かを判定する(ステップA701)。通常時短変動の場合には(ステップA701;Yes)、特図変動表示ゲームの結果にかかわらず、所定の割合でA変動超ダイジェストを実行する(ステップA702)。このとき、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合よりも大当りの場合の方がA変動超ダイジェストを実行する確率が高くなるようにしてもよい。
以上より、ストーリー性を有する長時間の演出が実行される場合に、当該ストーリーのダイジェストを表示することで、遊技者の冗長感を軽減しながらも、特図変動表示ゲームの信頼度に関連する演出を提示することができる。
〔遊技状態報知ゲーム〕
図86は、本発明の実施形態の特別遊技状態における遊技状態報知ゲームで時短状態への遷移及び時短回数を報知する一例を示す図である。
図86(a)は、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなり、特別遊技状態に遷移して遊技状態報知ゲーム(時短回数報知ゲーム)が開始される直前の状態を示している。
図86(b)は、遊技状態報知ゲームの開始直後の状態を示す図である。遊技状態報知ゲームが開始されると、画面上にカードの裏面が表示され、カードをめくるように促す指示が表示される。具体的には、演出ボタン25を操作するように、画面上に「push」と表示される。
図86(c)は、同図(b)の状態で演出ボタン25を操作した結果、カードがめくられている状態を示している。同図(d)は、カードがめくられ、カードの表面にポイントが表示された状態を示している。表示されるポイントは、特定遊技状態の内容に基づいて設定される。
その後、図86(e)に示すように、画面左下に積算された累計ポイントが表示される。なお、遊技者が各ラウンドで演出ボタン25を操作せず、カードがめくられない場合には、後のラウンドのポイントを調整するようにしてもよいし、各ラウンドの最後で強制的にめくるようにしてもよい。
そして、図86(b)〜(e)までの手順をラウンドごとに最終ラウンド(図86では15R)まで繰り返す。そして、最終ラウンド(15R)終了後、同図(f)に示すように、合計ポイントが60ポイントであることが表示され、その後、同図(g)に示すように、時短回数が60回であることが報知される。
図86では時短回数を報知する場合について説明したが、ポイント数が所定値(例えば100ポイント)を超えた場合には、時短状態ではなく、遊技状態が確変状態に遷移することを報知する。以下、確変状態に遷移する場合について説明する。
図87は、本発明の実施形態の特別遊技状態における遊技状態報知ゲームで確変状態への遷移を報知する一例を示す図である。
図87(a)は、図86と同様に、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなり、特別遊技状態に遷移して遊技状態報知ゲームが開始される直前の状態を示している。
図87(b)は、最終ラウンドにおいて、画面上にカードの裏面が表示され、演出ボタン25を操作することによってカードをめくるように促す指示が表示されている状態である。同図(c)は、同図(b)の状態で演出ボタン25が操作されたことで、カードがめくられている状態を示している。
図87(d)は、カードがめくられて、ポイントが表示された状態を示している。ここで、累計ポイントが80ポイントで、加算されるポイントが30ポイントであるため、図87(e)に示すように、合計ポイントが110ポイントになる。このとき、ポイントの合計が所定の値(100ポイント)よりも大きくなったため、同図(f)に示すように、特別遊技状態終了後に確変状態に遷移することが報知される。
本発明の実施形態では、始動入賞口36(又は普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞した時点で特定遊技状態を決定するための大当り乱数等が既に取得されており、遊技状態報知ゲームの結果にかかわらず、特定遊技状態の態様は決定されている。
図86及び図87では、特別遊技状態において遊技者が遊技状態報知ゲームに参加した場合について説明したが、以下、遊技状態報知ゲームに参加しなかった場合の画面遷移について図88(a)及び図88(b)を参照しながら説明する。
図88(a)は、本発明の実施形態において特定遊技状態が確変状態に遷移し、遊技状態報知ゲームに参加しなかった場合の一例を示す図である。本発明の実施形態では、特定遊技状態が確変状態に遷移する場合には、最終ラウンド終了後に爆発を起こす演出を実行し、確変状態に遷移することを報知している。
このように、演出ボタン25の操作をしなくても、特別遊技状態終了後に特定遊技状態の内容を報知するため、遊技者は安心して遊技を行うことができる。
図88(b)は、本発明の実施形態において遊技状態報知ゲームに参加しなかった場合の一例を示す図である。本発明の実施形態では、特定遊技状態が時短状態に遷移する場合には、最終ラウンド終了後に時短回数や遊技状態を報知しない曖昧モードに遷移している。そして、あらかじめ決定された時短回数を消化すると、通常遊技状態に遷移する。
したがって、特別遊技状態において、演出ボタン25を操作しなければ、確変状態か否か、時短回数などが分からないため遊技者は期待感を持って遊技に臨むことができる。また、特定遊技状態の内容を知りたい場合には演出ボタン25を操作することによって、報知させることができるため、遊技者は、特定遊技状態の内容を知るか否かを選択することが可能となり、遊技の幅を広げることができる。
なお、特定遊技状態が確変状態の場合にも曖昧モードに遷移するようにしてもよいし、曖昧モードで所定回数の変動表示ゲームが実行された場合には特定遊技状態の内容を報知するようにしてもよい。また、所定の割合で曖昧モードに遷移するか否かを決定するようにしてもよい。
〔遊技状態報知ゲームの別の例(1)〕
続いて、遊技状態報知ゲームの別の例について説明する。図89に示す遊技状態報知ゲームでは、画面に表示された指示に従って、演出ボタン25を連続して操作(連打)する。
図89は、本発明の実施形態の遊技状態報知ゲームの別の例を示す図である。
図89(a)は、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなり、特別遊技状態に遷移して遊技状態報知ゲームが開始された状態を示している。
図89に示す遊技状態報知ゲームでは、各ラウンドで演出ボタン25を連続して操作(連打)する。同図(b)は、遊技状態報知ゲームの開始時の状態を示しており、まず、演出ボタン25を連打するように指示している。このとき、遊技者が演出ボタン25を連打すると、同図(c)に示すように画面下部に配置されたゲージが伸びてくる。そして、延長されたゲージが「確変」のエリアに到達すると、確変状態に遷移することになる。また、連打を中止すると、伸びたゲージが縮むようになっており、遊技者はラウンドごとに演出ボタンを連打するように促される。
そして、特別遊技状態終了後の特定遊技状態が確変状態にならなかった場合には、図89(d)に示すように、ゲージが確変のエリアに到達することなく遊技状態報知ゲームが終了する。一方、確変状態となる場合には同図(e)に示すように、ゲージが確変のエリアに到達する。なお、前述のように、特別遊技状態に遷移する前に特定遊技状態の内容は決定されているため、最終ラウンドにおいてゲージの伸縮を調整するようにしてもよいし、演出ボタン25の連打が足りずに確変のエリアにゲージが到達しない場合には、図88(a)に示したように特定遊技状態を報知してもよいし、図88(b)に示したように曖昧モードに遷移するようにしてもよい。
〔遊技状態報知ゲームの別の例(2)〕
続いて、遊技状態報知ゲームのさらに別の例について説明する。図90に示す遊技状態報知ゲームでは、3種類のカードゲームがランダムに実行されるように構成されている。
図90は、本発明の実施形態の遊技状態報知ゲームのさらに別の例を示す図である。
図90(a)は、複数枚(6枚)のカードが回転するルーレットゲームであり、演出ボタン25を操作すると、所定位置のカードがめくられてポイントが表示される。このとき、カードが回転するのではなく、カードを選択する選択部が移動するようにしてもよい。
図90(b)は、2枚又は複数枚のカードが表示され、遊技者が選択するゲームである。このとき、演出ボタン25を操作するたびに選択するカードが変更する。そして、ラウンド終了時に選択されていたカードが選択されたものとして、選択されたカードがめくられてポイントが表示される。
なお、カードの選択は、遊技機が演出ボタンを複数備えるように構成され、対応する演出ボタンを操作して選択するようにしてもよい。また、ジョイスティックや十字キーのようなインタフェースを備えて自由にカードを選択できるようにしてもよい。
図90(c)は、複数枚のカードが表示され、ランダムにカードを選択するゲームである。このゲームでは遊技者の操作は介在しないが、カード選択時に演出ボタン25を操作することによって遊技者の操作を介在させるようにしてもよい。
また、表示されるカードの内容は、ポイントを表示するだけでなく、当りのカードを選択すると、途中のラウンドでも特定遊技状態の内容が報知されるようにしてもよい。また、確変状態にならない場合には、最終ラウンドでハズレのカードやマイナスポイントのカードが必ず選択されるようにしてゲームの結果と遷移する特定遊技状態とを整合させるようにしてもよい。
図91は、本発明の実施形態の遊技状態報知ゲームにおいて各ラウンドにおけるポイントの例を説明する図である。
図91(a)は、各ラウンドで同じ点数が設定されている場合である。すべてのラウンドで同じ点数が設定されている場合には、途中で操作せずに想定された点数に到達しない場合には、最後のラウンドで整合するようにポイントを設定してもよいし、図88(A)及び図88(B)に示した演出を実行するようにしてもよい。
図91(b)は、各ラウンドでそれぞれ異なる点数が設定されている場合である。この場合には、遊技者が最終ラウンドで遊技状態報知ゲームに参加すれば違和感を覚えることなく遊技状態報知ゲームの結果と特定遊技状態の内容とを整合させることができる。
図91(c)は、各ラウンドで点数が加点される場合(又は演出ボタン25を押すタイミングが所定の時間内であった場合でも良い。)にのみカードをめくることができる場合である。この例では、ラウンドによっては遊技者が操作してもカードがめくれないようになっており、最終的に遊技状態報知ゲームの結果と特定遊技状態の内容とを整合させるようになっている。途中で遊技者が演出ボタン25を操作せずに合計ポイントが想定された値よりも小さい場合には、図88(A)及び図88(B)に示した演出を実行するなどして整合するように演出を実行すればよい。
なお、いずれの場合であっても最終ラウンドで遊技者の操作を介在させないゲームを実行することによって、遊技状態報知ゲームの結果と特定遊技状態の内容とを整合させることが可能である。
〔遊技状態報知ゲームの別の例(3)〕
続いて、遊技者が遊技状態報知ゲーム実行中に、所定のタイミングで演出ボタン25を操作する遊技状態報知ゲームについて説明する。
図92は、本発明の実施形態の演出制御装置300における大当り中演出処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、遊技制御装置100からカウントスイッチONコマンドを受信したか否かを判定する(ステップB301)。カウントスイッチONコマンドは、特別遊技状態において大入賞口38に遊技球が入賞したことを通知するコマンドである。演出制御装置300は、カウントスイッチONコマンドを受信していない場合には(ステップB301;No)、本処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、カウントスイッチONコマンドを受信した場合には(ステップB301;Yes)、所定時間内に演出ボタン25が操作されたか否か、すなわち、演出ボタンSW25aがONに設定されているか否かを判定する(ステップB302)。演出ボタンSW25aがONに設定されていない場合には(ステップB302;No)、本処理を終了する。
このとき、表示装置41には、遊技状態報知ゲームで用いられるカードが表示されている。演出制御装置300は、カウントスイッチONコマンドを受信してから所定時間内に演出ボタンSW25aがONに設定された場合には(ステップB302;Yes)、表示装置41に表示されているカードをめくるように制御する(ステップB303)。すなわち、大入賞口に遊技球が入賞してから所定時間経過するまでに演出ボタン25を操作することによって、特定遊技状態の内容を報知させることが可能となる。
また、カウントスイッチONコマンドの受信は、ラウンドごとに検出するようにしてもよい。このように構成すると、図91(c)に示したように、ラウンドごとに所定のタイミングで演出ボタン25を操作することによってポイントが加算されるようになる。そして、ラウンドごとのポイントの合計によって特定遊技状態の内容が報知される。
以上のように構成することによって、特定遊技状態の報知に遊技者の技量が反映され、遊技の興趣を高めることができる。また、遊技状態報知ゲームに失敗した場合であっても、特定遊技状態が報知されないだけで実質的に遊技者に不利になることはなく、遊技の公平性を担保することができる。
〔特定遊技状態の報知例〕
続いて、遊技状態報知ゲームを完了させずに、特定遊技状態に遷移した場合の例について説明する。ここまで説明した内容では、特定遊技状態に遷移した段階で内容を報知するか、図88(b)に示したように曖昧モードに遷移していた。図93に示す例では、一旦、時短回数を報知し、報知された回数分の特図変動表示ゲームが実行された後に延長されたかのように演出を実行制御する。
図93は、本発明の実施形態の遊技状態報知ゲームを完了させずに特定遊技状態に移行した場合を説明する図である。
遊技状態報知ゲームの途中で操作をやめたり、一部のラウンドで演出ボタン25を操作しなかったりした場合、決定された時短回数よりも少ない回数が報知された状態で遊技状態報知ゲームが終了する。図93に示す例では、実際には確変状態となるが、ポイント(時短回数)が50の状態で遊技状態報知ゲームが終了している。
このとき、まず、時短状態として50回変動表示ゲームを実行した後、図93(a)〜(c)に示すように1回(ラウンド)分の遊技状態報知ゲームを実行する。具体的には、まず、図93(a)に示すように、1枚のカードを裏面に表示し、演出ボタン25の操作を促す。演出ボタン25が操作されると、同図(b)に示すように、カードが回転し、同図(c)に示すように、「上乗せ10回」のカードが表示される。このようにして時短回数が10回追加されたことを報知する。さらに、10回の変動表示ゲームが終了すると、同様に、同図(a)〜(c)に示すように遊技状態報知ゲームを1回分実行する。この時点で時短回数が70回となる。
さらに、上乗せ分の時短回数を消化すると、1回分の遊技状態報知ゲームを実行する。ここで実行された遊技状態報知ゲームの結果は、「確変」となり、以降、次回の大当りまで確変状態が継続することが報知される。
以上のように制御することによって、特別遊技状態における遊技状態報知ゲームが完了しなかった場合であっても、最終的に遊技者に特定遊技状態の内容を報知することができる。また、報知の過程で遊技者を遊技状態報知ゲームに参加させることによって、興趣を向上させることができる。
〔先読み演出〕
最後に、大当り発生後の特別遊技状態において、特定遊技状態の内容を報知するとともに未実行の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を報知する先読み演出を実行する例について説明する。
図94は、本発明の実施形態の特別遊技状態で先読み演出が実行される場合の一例を説明する図である。
図94(a)は、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなり、特別遊技状態に遷移して遊技状態報知ゲームが開始される直前状態を示している。なお、画面下方に配置された「○」は、始動記憶を示しており、図94では始動記憶数が8となっている。
図94(b)は、画面上にカードの裏面が表示され、演出ボタン25を操作することによってカードをめくるように促す指示が表示されている状態である。このとき、カード裏面の色によって、特定遊技状態の内容報知又は始動記憶の先読み演出が実行される。例えば、カード裏面の色が青の場合には特定遊技状態の内容が報知され、カード裏面の色が赤の場合には先読み演出が実行される。特定遊技状態の内容が報知される場合については既に説明通りであり、ここでは、カード裏面の色が赤で、先読み演出が実行される場合について説明する。
図94(c)は、同図(b)の状態で演出ボタン25を操作してカードがめくられている状態を示している。その後、同図(d)では、先読み演出が実行され、矢印で大当りとなる始動記憶を指し示すことによって先読み演出が実行されている。報知する内容は、大当りであるか否かではなく発生するリーチの種類であってもよいし、必ずしも報知した内容が実際に発生しなくてもよい。
なお、遊技状態を報知するゲーム以外にも、先読み演出を実行するようにしてもよい。また、いずれかのラウンドで先読み演出ゲームを実行し、その他のラウンドに遊技状態報知ゲームを実行するようにしてもよい。また、特定遊技状態が時短状態になる場合にのみ先読み演出を実行するようにしてもよい。
このように、特別遊技状態に遊技状態報知ゲームを実行することによって、時短回数の増加を期待させることができるため、遊技の興趣を高めることができる。また、特別遊技状態において徐々に特定(有利)遊技状態の内容を報知するので、特別遊技状態の間(大当り中)も興趣を高めることができる。
以上のように、本発明の実施形態の遊技機10は、少なくとも一部が透明若しくは半透明な部材で構成された始動口装置90を遊技盤30の前面に備えるとともに、発光可能な下可動役物610aと、下可動役物610aの発光及び動作を制御する演出制御装置300と、を備え、常時は遊技盤30の前方から見たときに下可動役物610aが始動口装置90の裏側に重なるように当該下可動役物610a及び始動口装置90が配設され、演出制御装置300は、下可動役物610aが始動口装置90の裏側にあるときに当該下可動役物610aを発光させることが可能であり、且つ、遊技盤30の前方から見たときに下可動役物610aの少なくとも一部を始動口装置90の裏側に重ならない位置に移動させることが可能とした。
これにより、下可動役物610aが始動口装置90の裏側にあるときに当該下可動役物610aを発光させることが可能であるので、始動口装置90のうち透明若しくは半透明な部材で構成された部分を介して当該始動口装置90の前面側に光を照射することができ、当該始動口装置90も好適に装飾発光させることができるようになる。
従って、下可動役物610a及び始動口装置90のそれぞれに照明装置を設けなくても、下可動役物610a及び始動口装置90を装飾発光させることができるようになるので、下可動役物610a及び始動口装置90の装飾発光をコストをかけずに行うことができる。
また、本発明の実施形態の遊技機10において、始動口装置90は、透明若しくは半透明な部材に対応した位置に遊技球が入賞可能な始動入賞口36を備えた。
これにより、下可動役物610a及び始動入賞口36のそれぞれに照明装置を設けなくても、下可動役物610a及び始動入賞口36を装飾発光させることができるようになるので、下可動役物610a及び始動入賞口36の装飾発光をコストをかけずに行うことができる。
また、下可動役物610aを装飾発光させることによって、間接的に始動入賞口36を明るくすることができ、それによって始動入賞口36の位置が分かりやすくなり、遊技者は当該始動入賞口36を狙って遊技球を発射させやすくなる。
また、本発明の実施形態の遊技機10において、始動口装置90は、透明若しくは半透明な部材に対応した位置に遊技球の入賞し易い状態と遊技球の入賞し難い若しくは入賞しない状態とに変化可能な普通変動入賞装置37を備えた。
これにより、下可動役物610a及び普通変動入賞装置37のそれぞれに照明装置を設けなくても、下可動役物610a及び普通変動入賞装置37を装飾発光させることができるようになるので、下可動役物610a及び普通変動入賞装置37の装飾発光をコストをかけずに行うことができる。
また、下可動役物610aを装飾発光させることによって、間接的に普通変動入賞装置37を明るくすることができ、それによって普通変動入賞装置37の位置が分かりやすくなり、遊技者は当該普通変動入賞装置37を狙って遊技球を発射させやすくなる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、上記実施形態においては、下可動役物610aが初期位置にあるとき(常時)は、遊技盤30の前方から見たときに下可動役物610aが始動口装置90の裏側に重なるように下可動役物610a及び始動口装置90が配設され、このときに下可動役物610aの照射によって始動口装置90を間接的に装飾発光するようにしたが、これ以外にも、例えば、図95に示すように、遊技機10は、表示装置の左方から当該表示装置の前側に重なる位置に移動するとともに発光可能な可動役物を備え、常時は、表示装置の左方に配設されたサイドランプの裏側に重なるように当該可動役物が配設されるようにしても良い。そして、上記可動役物がサイドランプの裏側にあるときに当該可動役物を発光させることによって、サイドランプを間接的に装飾発光させるようにしても良い。
また、本発明の遊技機は、上記実施形態に示されるようなパチンコ遊技機に限定されるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技機を使用する全ての遊技機に適用可能である。
10 遊技機
30 遊技盤
36 始動入賞口(入賞口)
37 普通変動入賞装置(変動入賞装置)
90 始動口装置(装飾部材)
300 演出制御装置(制御手段)
610a 下可動役物(可動部材)

Claims (1)

  1. 少なくとも一部が透明若しくは半透明な部材で構成された装飾部材を遊技盤の前面に備えるとともに、
    発光可能な可動部材と、
    前記可動部材の発光及び動作を制御する制御手段と、
    を備える遊技機において、
    常時は前記遊技盤の前方から見たときに前記可動部材が前記装飾部材の少なくとも前記透明若しくは半透明な部材の裏側に重なる下方位置に配設され、
    前記制御手段は、
    前記可動部材が前記装飾部材の裏側にあるときに当該可動部材を発光させることが可能であり、且つ、前記遊技盤の前方から見たときに前記可動部材の少なくとも一部前記装飾部材の裏側に重ならない上方位置に当該可動部材を移動させることが可能であり、
    前記可動部材は、前記下方位置において発光することによって、前記装飾部材を照明可能であり、
    前記可動部材が前記下方位置から前記上方位置へと移動することによって、当該可動部材により前記装飾部材を照明する照明領域が減少するとともに、当該可動部材により前記装飾部材よりも上方の部分を照明する照明領域が増加することを特徴とする遊技機。
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