以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同じ物を指し示す符号は異なる図面間において共通とする。
なお、各実施の形態の図面等において示す各構成の、大きさ、層の厚さ、信号波形、又は領域は、明瞭化のために誇張されて表記している場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。
なお本明細書にて用いる第1、第2、第3、乃至第n(nは自然数)という用語は、構成要素の混同を避けるために付したものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
(実施の形態1)
まず、液晶表示装置の内部の構成を一部示した斜視図について図1(A)に示す。図1(A)の液晶表示装置はバックライト部101と、表示パネル102と、を有する。
なお図1(A)は、バックライト部101から放射される光が表示パネル102の液晶素子を通過して観察者側で視認される様子を表している。従って、本実施の形態では、バックライト部101を「バックライト」と称して説明するが、放射する光を導光する方式に応じて「フロントライト」、「サイドライト」と、称することもできる。
なお液晶表示装置は用いる液晶のモードに応じて、表示パネル102の一方の面、または両方の面に偏光板を設ける構成とすることもある。また、表示パネル102とバックライト部101の間には、バックライト部101からの光の放射を一様にするため、拡散板を設ける構成とすることもある。
バックライト部101には、カラー表示を行うための色の組み合わせによるバックライトユニット103がマトリクス状に配置される。例えば、バックライトユニット103は、赤(R)の光源104、緑(G)の光源105、及び青(B)の光源106で構成される。なお光源104乃至光源106には、発光ダイオード(LED)を用いることで低消費電力化を図ることができる。また表示パネル102は、複数の画素が設けられた画素部107を有する。なおフィールドシーケンシャル方式により表示を行う本実施の形態の構成では、バックライトユニット103の赤(R)の光源104、緑(G)の光源105、及び青(B)の光源106が順番に発光して表示が行われることとなる。
バックライト部101のバックライトユニット103は、映像信号に応じて、各色の光源の輝度を切り替えることができる。各色の光源の輝度は、バックライト部101内の同じ色の光源間で、高低をつける構成としてもよい。当該構成により、表示する映像のコントラスト比を大きくすることができる。
なお本実施の形態ではバックライトユニットの光源をRGBの3色として説明するが、他の種類の光源を組み合わせてもよい。例えばRGBの3色の光源に加え、白色の光源、黄色の光源、マゼンタ色の光源、またはシアン色の光源等を用いてもよい。
なお白色の光源には、白色の発光をする発光ダイオードを用いればよい。白色の発光をする発光ダイオードとしては、原色の発光ダイオードと蛍光体を組み合わせた、3波長白色発光ダイオードを用いてもよいし、青色の発光ダイオードと青色と補色の関係にある黄色の光を呈する蛍光体との発光により得られる白色の光源であってもよい。なお、RGBの3色の光源を同時に点灯することで白色の光源とする構成としてもよい。
表示パネル102は、画素部107の他に、走査線駆動回路(ゲート線駆動回路ともいう)、データ線駆動回路(信号線駆動回路ともいう)を有する構成でも良い。画素部107における画素はスイッチング素子であるトランジスタ及び液晶素子を有する。トランジスタはゲート端子が走査線、第1端子がデータ線、第2端子が液晶素子に接続される。液晶素子の第1の電極には、トランジスタを介したデータ線の電位が供給される。液晶素子の第2の電極には、共通電位(コモン電位)が供給される。第1の電極及び第2の電極に挟持される液晶材料は、第1の電極及び第2の電極間の電界に応じてバックライト部101からの光の透過を制御する。
バックライト部101及び表示パネル102は、表示制御回路等が設けられた外部回路108と、外部入力端子となるFPC109(フレキシブルプリントサーキット)により、電気的に接続されている。
なお、画素とは、バックライト部101の光源の光による明るさを制御できる表示単位に相当するものとする。フィールドシーケンシャル方式により表示を行う本実施の形態の構成において、各画素によるカラー画像の表示は、バックライトユニット103の赤(R)の光源104、緑(G)の光源105、及び青(B)の光源106の光による明るさを時間的に制御して、バックライトユニット103が有する光源の各色を加法混色により視認者に視認されることとなる。
なお、トランジスタは、ゲートと、ドレインと、ソースとを含む少なくとも三つの端子を有する素子であり、ドレイン領域とソース領域の間にチャネル領域を有しており、ドレイン領域とチャネル領域とソース領域とを介して電流を流すことができる。ここで、ソースとドレインとは、トランジスタの構造や動作条件等によって変わるため、いずれがソースまたはドレインであるかを限定することが困難である。そこで、本明細書においては、ソース及びドレインとして機能する領域を、ソースもしくはドレインと呼ばない場合がある。その場合、一例としては、それぞれを第1端子、第2端子と表記する場合がある。あるいは、それぞれを第1の電極(端子)、第2の電極(端子)と表記する場合がある。あるいは、ソース領域、ドレイン領域と表記する場合がある。あるいは、ソース端子、ドレイン端子と表記する場合がある。
なお画素に設けるトランジスタの構造については逆スタガ型の構造でもよいし、順スタガ型の構造でもよい。または、チャネル領域が複数の領域に分かれて直列に接続された、ダブルゲート型の構造でもよい。または、ゲート電極がチャネル領域の上下に設けられたデュアルゲート型の構造でもよい。また、トランジスタを構成する半導体層を複数の島状の半導体層にわけて形成し、スイッチング動作を実現しうるトランジスタ素子としてもよい。
次いで図1(B)には、図1(A)で示した斜視図におけるバックライト部101及び画素部107についての模式図を示す。
図1(B)に示す模式図で、バックライト部101の光源、すなわちバックライトユニット103が配設された領域(光源領域という)は、第1の領域111、第2の領域112、第3の領域113、及び第4の領域114を有する。第1の領域111乃至第4の領域114は、バックライトユニット103である赤(R)の光源104、緑(G)の光源105、及び青(B)の光源106を複数有する。
第1の領域111乃至第4の領域114は、本実施の形態の駆動方法が複雑な駆動方法とならぬよう、バックライト部101の光源領域を走査線と平行な方向に分割された領域とすることが好ましい。
また図1(B)に示す模式図で、画素部107は、前述の第1の領域111乃至第4の領域114に対応して、第1の画素領域121、第2の画素領域122、第3の画素領域123、及び第4の画素領域124を有する。第1の画素領域121乃至第4の画素領域124は、第1の領域111乃至第4の領域114に対応して、走査線と平行な方向に分割された領域とする。従って、第1の画素領域121乃至第4の画素領域124は、第1の領域111乃至第4の領域114の同数設けられるものとなる。
なお第1の領域111乃至第4の領域114におけるバックライトユニット103の個数は、第1の画素領域121乃至第4の画素領域124の画素の個数と同数であることが好ましい。しかし、通常画素の個数の方がバックライトユニット103の個数よりが多い。従ってバックライトユニット103は、第1の画素領域121乃至第4の画素領域124における複数の画素に対応してバックライトユニット103が有する各色の光源における輝度の調整を行う構成となる。
次いで、第1の画素領域121乃至第4の画素領域124における映像信号の書き込み期間、第1の領域111乃至第4の領域114におけるバックライトユニット103の点灯または消灯について説明する。図1(C)では、本実施の形態のタイミングチャートを説明するための模式図を示している。
図1(C)は、書き込み期間130と、点灯期間140とを示している。図1(C)では第1の画素領域121乃至第4の画素領域124の各行各列への書き込み動作131、第1の領域111における点灯または消灯を示す動作141、第2の領域112における点灯または消灯を示す動作142、第3の領域113における点灯または消灯を示す動作143、第4の領域114における点灯または消灯を示す動作144を示している。なお図1(C)では、第1の画素領域121乃至第4の画素領域124への書き込み動作131の完了した後に、動作141乃至動作144は並行して行われる様子を示している。
図1(C)に示す書き込み動作131は、動作141乃至動作144に応じた映像信号の書き込み、を行う動作であればよい。例えば画素部107の各行各列に順次映像信号を書き込む構成でもよいし、バックライト部101の光源を点灯する動作となる領域に対応した第1の画素領域121乃至第4の画素領域124のいずれかに選択的に映像信号を書き込む構成としてもよい。
図1(C)に示す動作141は赤(R)の光源による点灯を表している。すなわち動作141は、第1の領域111におけるバックライトユニット103の赤(R)の光源104が点灯する動作である。動作143は緑(G)の光源による点灯を表している。すなわち動作143は、第3の領域113におけるバックライトユニット103の緑(G)の光源105が点灯する動作である。
以下の説明では、図1(C)と同様に、図面中の点灯期間140に対応する期間においてR、G、Bを示すことで、バックライトユニット103の赤(R)の光源104が点灯する動作、バックライトユニット103の緑(G)の光源105が点灯する動作、バックライトユニット103の青(B)の光源106が点灯する動作、とする。なお前述の図面の説明は、その他の色、例えば白(W)でも同様である。
また図1(C)に示す動作142及び動作144はRGBの光源の消灯を表しており、黒表示(BK)がなされることとなる。すなわち動作142及び動作144は、第2の領域112及び第4の領域114におけるバックライトユニット103のRGBの光源を一斉に消灯する動作である。
以下の説明では、図1(C)と同様に、図面中の点灯期間140に対応する期間においてBKを示すことで、黒表示、すなわちバックライトユニットのRGBの光源を消灯する動作、とする。
以下に説明する本実施の形態の構成では、動作141乃至動作144での点灯または消灯をする期間を、サブフレーム期間として説明する。一例として、本実施の形態では、第1のサブフレーム期間は、第1の領域111及び第3の領域113の光源が点灯し、第2の領域112及び第4の領域114の光源が消灯する期間のことをいう。また。第2のサブフレーム期間は、第1の領域111及び第3の領域113の光源が消灯し、第2の領域112及び第4の領域114の光源が点灯する期間のことをいう。なお実際には、第1の領域111乃至第4の領域114の光源が点灯する期間は、第1のサブフレーム期間及び第2のサブフレーム期間の範囲と同等、またはそれ以下の範囲となる。
なお本実施の形態で説明する液晶表示装置の駆動方法では、書き込み期間130と点灯期間140とが重複して行われる構成とすることができる。すなわち、本実施の形態で説明する液晶表示装置の駆動方法では、映像信号の書き込みのみに要する期間を点灯期間140における光源を消灯する期間と重複することで隠すことができる。例えば、第1のサブフレーム期間での第2の領域112及び第4の領域114の光源が消灯する期間(BK)、並びに第2のサブフレーム期間での第1の領域111及び第3の領域113の光源が消灯する期間(BK)では、次の期間で光源を点灯する領域の映像信号の書き込みを行うことができ、映像信号の書き込みのみに要する期間を見えなくすることができる。そこで本実施の形態の構成では、書き込み期間130の書き込み動作を図示せずに説明することができる。この場合、直前の期間の第1の領域111乃至第4の領域114の光源が消灯する期間を利用して映像信号の書き込みが行われているものである。
なお書き込み期間130と点灯期間140とが重複して行われる構成では、点灯期間140の長さを映像信号の書き込みのみに要する期間より長く設定しておくことが好ましい。
次いで、図1(D)では1フレーム期間が有する複数のサブフレーム期間についてのタイミングチャートを示す。図1(D)に示すタイミングチャートにおいて1フレーム期間150は、第1のサブフレーム期間151A乃至第1のサブフレーム期間151C、第2のサブフレーム期間152A乃至第2のサブフレーム期間152Cに大別することができる。なお第1のサブフレーム期間151Aの映像信号は、直前のフレーム期間でのバックライトユニットのRGBの光源を消灯する期間で書き込まれているものである。
なお第1のサブフレーム期間が第1のサブフレーム期間151A乃至第1のサブフレーム期間151Cの3つのサブフレーム期間に分かれ、及び第2のサブフレーム期間が第2のサブフレーム期間152A乃至第2のサブフレーム期間152Cの3つのサブフレーム期間に分かれるのは、カラー表示を行うためのバックライトユニット103が有する光源の色数に基づくものである。従って、第1のサブフレーム期間及び第2のサブフレームの数は、特に限定されるものではない。
図1(D)に示す第1のサブフレーム期間151A乃至第1のサブフレーム期間151Cでは、動作141によって第1の領域111の光源、動作143によって第3の領域113の光源を同時に点灯している。加えて図1(D)に示す第1のサブフレーム期間151A乃至第1のサブフレーム期間151Cでは、第1の領域111の光源の色及び第3の領域113の光源の色を互いに異なる色の点灯としている。
図1(D)に示す具体例では、第1のサブフレーム期間151Aは、第1の領域111において、バックライトユニット103の赤(R)の光源104が点灯する。また第1のサブフレーム期間151Aは、第3の領域113において、バックライトユニット103の緑(G)の光源105が点灯する。また第1のサブフレーム期間151Bは、第1の領域111において、バックライトユニット103の緑(G)の光源105が点灯する。また第1のサブフレーム期間151Bは、第3の領域113において、バックライトユニット103の青(B)の光源106が点灯する。また第1のサブフレーム期間151Cは、第1の領域111において、バックライトユニット103の青(B)の光源106が点灯する。また第1のサブフレーム期間151Cは、第3の領域113において、バックライトユニット103の赤(R)の光源104が点灯する。
また、図1(D)に示す第1のサブフレーム期間151A乃至第1のサブフレーム期間151Cでは、動作142によって第2の領域112の光源、及び動作144によって第4の領域114の光源を同時に消灯している。
図1(D)に示す第1のサブフレーム期間の後の第2のサブフレーム期間152A乃至第2のサブフレーム期間152Cでは、動作142によって第2の領域112の光源、動作144によって第4の領域114の光源を同時に点灯している。加えて図1(D)に示す第2のサブフレーム期間152A乃至第2のサブフレーム期間152Cでは、第2の領域112の光源の色及び第4の領域114の光源の色を互いに異なる色の点灯としている。
図1(D)に示す具体例では、第2のサブフレーム期間152Aは、第2の領域112において、バックライトユニット103の赤(R)の光源104が点灯する。また第2のサブフレーム期間152Aは、第4の領域114において、バックライトユニット103の緑(G)の光源105が点灯する。また第2のサブフレーム期間152Bは、第2の領域112において、バックライトユニット103の緑(G)の光源105が点灯する。また第2のサブフレーム期間152Bは、第4の領域114において、バックライトユニット103の青(B)の光源106が点灯する。また第2のサブフレーム期間152Cは、第2の領域112において、バックライトユニット103の青(B)の光源106が点灯する。また第2のサブフレーム期間152Cは、第4の領域114において、バックライトユニット103の赤(R)の光源104が点灯する。
また、図1(D)に示す第1のサブフレーム期間の後の第2のサブフレーム期間152A乃至第2のサブフレーム期間152Cでは、動作141によって第1の領域111の光源、及び動作143によって第3の領域113の光源を同時に消灯している。
上記図1(D)についての説明で述べたように、本実施の形態の駆動方法では、第1のサブフレーム期間及び第2のサブフレーム期間において同時に光源を点灯させる領域を異なる色の点灯とし、当該同時に光源を点灯させる領域を同時に光源を消灯する領域でもって離間して設ける構成としている。そのため、フィールドシーケンシャル方式により表示を行う液晶表示装置において、バックライト部101の光源を複数の領域に分割して複数色の点灯とする際、光源境界部の色の混色を低減することができ、表示品位の向上を図ることができる。
また本実施の形態の駆動方法では、サブフレーム期間におけるバックライト部101の光源が単色の光源によるものでなく、複数の領域での複数色の光源による駆動方法としている。そのため、視認者のまばたきなどによりカラー表示をするための複数色の光源のうち、いずれかの色の情報のみが欠落することを低減することができ、フレーム周波数を高くすることなく、色割れを低減できる。
なお図1(D)では第1のサブフレーム期間151A乃至第1のサブフレーム期間151Cに続いて、第2のサブフレーム期間152A乃至第2のサブフレーム期間152Cが交互に設けられる構成としたが、他の構成でもよい。
なお図1(D)での、第1のサブフレーム期間151A乃至第1のサブフレーム期間151C、第2のサブフレーム期間152A乃至第2のサブフレーム期間152Cにおける、RGBの映像信号の書き込み順序及びRGB光源の点灯順序についても、特に限定されない。1フレーム期間150内に所定のRGBの映像信号が書き込まれる構成であれば、乱数等を用いて映像信号の書き込み順序及び光源の点灯順序をランダムにする構成としてもよい。当該構成により、規則的にRGBの映像信号及びRGB光源の点灯を行う構成に比べ、色割れを低減できる。
次いで、図1(D)で示したタイミングチャートについての詳細な波形を表した一例を図2に示す。なお図2に示すタイミングチャートでは、映像信号が書き込まれた画素領域から順に光源の点灯を行うこと、及び第1の画素領域121及び第3の画素領域123並びに第2の画素領域122及び第4の画素領域124の映像信号を同時に書き込むことで書き込み期間を半分にしている。
図2に示すタイミングチャートでは、第1の画素領域121に対する映像信号の書き込みを「1_U」と表している。図2に示すタイミングチャートでは、第2の画素領域122に対する映像信号の書き込みを「1_D」と表している。図2に示すタイミングチャートでは、第3の画素領域123に対する映像信号の書き込みを「2_U」と表している。図2に示すタイミングチャートでは、第4の画素領域124に対する映像信号の書き込みを「2_D」と表している。
図2に示すタイミングチャートで、「1_U」、「1_D」、「2_U」、及び「2_D」でのR、G、Bとの表記は、R、G、Bの色要素に関する映像信号の書き込みを表している。
図2に示すタイミングチャートでは、第1の領域111のバックライトユニットの赤(R)の光源104が、Hレベルの電位で点灯、Lレベルの電位で消灯として表している(R1_U)。図2に示すタイミングチャートでは、第1の領域111のバックライトユニットの緑(G)の光源105が、Hレベルの電位で点灯、Lレベルの電位で消灯として表している(G1_U)。図2に示すタイミングチャートでは、第1の領域111のバックライトユニットの青(B)の光源106が、Hレベルの電位で点灯、Lレベルの電位で消灯として表している(B1_U)。
図2に示すタイミングチャートでは、第2の領域112のバックライトユニットの赤(R)の光源104が、Hレベルの電位で点灯、Lレベルの電位で消灯として表している(R1_D)。図2に示すタイミングチャートでは、第2の領域112のバックライトユニットの緑(G)の光源105が、Hレベルの電位で点灯、Lレベルの電位で消灯として表している(G1_D)。図2に示すタイミングチャートでは、第2の領域112のバックライトユニットの青(B)の光源106が、Hレベルの電位で点灯、Lレベルの電位で消灯として表している(B1_D)。
図2に示すタイミングチャートでは、第3の領域113のバックライトユニットの赤(R)の光源104が、Hレベルの電位で点灯、Lレベルの電位で消灯として表している(R2_U)。図2に示すタイミングチャートでは、第3の領域113のバックライトユニットの緑(G)の光源105が、Hレベルの電位で点灯、Lレベルの電位で消灯として表している(G2_U)。図2に示すタイミングチャートでは、第3の領域113のバックライトユニットの青(B)の光源106が、Hレベルの電位で点灯、Lレベルの電位で消灯として表している(B2_U)。
図2に示すタイミングチャートでは、第4の領域114のバックライトユニットの赤(R)の光源104が、Hレベルの電位で点灯、Lレベルの電位で消灯として表している(R2_D)。図2に示すタイミングチャートでは、第4の領域114のバックライトユニットの緑(G)の光源105が、Hレベルの電位で点灯、Lレベルの電位で消灯として表している(G2_D)。図2に示すタイミングチャートでは、第4の領域114のバックライトユニットの青(B)の光源106が、Hレベルの電位で点灯、Lレベルの電位で消灯として表している(B2_D)。
次いで、上記説明した図2でのタイミングチャートの第1のサブフレーム期間151Aの動作を具体的に説明する。なお第1のサブフレーム期間151Aの前の期間で1_UでのRの映像信号の書き込み、2_UでのGの映像信号の書き込みが行われている。
第1のサブフレーム期間151Aでは、R1_U及びG2_UがLレベルからHレベルとなり、第1の領域111でのバックライトユニットの赤(R)の光源104が点灯及び第3の領域113でのバックライトユニットの緑(G)の光源105が点灯する。このとき、次のサブフレーム期間である第2のサブフレーム期間152Aで点灯する第2の領域112及び第4の領域114に対応する第2の画素領域122及び第4の画素領域124への映像信号の書き込み、すなわち1_DでのRの映像信号の書き込み、2_DでのGの映像信号の書き込みが行われている。他のサブフレーム期間についても、図示したように動作させればよい。
次いで、上記液晶表示装置の駆動を行うためのブロック図について説明する。図3に示すブロック図は、図1(A)と同様に、バックライト部101、表示パネル102、外部回路108を示している。
図3に示すブロック図の外部回路108は、映像制御信号及び映像信号(図3中、data)が外部より入力される映像信号処理回路501と、表示パネル制御回路502と、バックライト制御回路503と、を有する。図3に示すブロック図の表示パネル102は、走査線駆動回路504と、データ線駆動回路505と、画素部107と、を有する。
なお上述したように、表示パネル102は、必ずしも画素部107と同じ基板上に、走査線駆動回路504、及びデータ線駆動回路505を有する構成でなくてもよい。
映像信号処理回路501は、映像信号記憶回路511と、映像信号処理回路512と、フィールドシーケンシャル駆動制御回路513と、を有する。
走査線駆動回路504は、画素部107の複数の画素領域において、それぞれ各行の画素を同時に選択して駆動する方式においては、複数に分割された走査線駆動回路(以下、分割走査線駆動回路506という)を具備する構成となる。
表示パネル制御回路502は、データ線駆動制御回路521、ゲート線駆動制御回路522と、を有する。
ゲート線駆動制御回路522は、走査線駆動回路504が分割走査線駆動回路506を具備する構成において、分割走査線駆動回路506に応じた走査線分割駆動制御回路523を有する構成とすればよい。
映像信号記憶回路511は、外部より入力される映像信号dataを記憶し、当該記憶された映像信号dataの入出力を制御するための回路である。具体的には、揮発性メモリまたは不揮発性メモリを用いた、数フレーム分の映像信号dataを記憶するためのフレームメモリを有する構成となる。
映像信号処理回路512は、入力される映像信号dataの色要素毎の強度について、調整及び/または変換するための回路である。具体的には、入力される映像信号dataがRGB色信号の映像信号であれば、一旦映像信号記憶回路511に記憶された映像信号を読み出して所定の色の映像信号に変換した上で、色毎にガンマ補正、輝度変換等の画像処理を行うための回路である。なお所定の色の映像信号は、RGBの他に、白色、黄色、マゼンタ色、またはシアン色のいずれか一または複数を加えた色でもよいし、他の組み合わせであってもよい。ただし所定の色の映像信号は、バックライトユニットが有する光源の色に対応させた映像信号とするものである。
なお映像信号処理回路512は、映像信号dataの色要素毎の強度に関する調整及び/または変換を行うためのルックアップテーブル等を記憶するための記憶回路を具備する構成でもよい。
フィールドシーケンシャル駆動制御回路513は、映像信号処理回路512で得られる調整及び/または変換された映像信号をフィールドシーケンシャル方式によって表示を行うために所定のタイミングで表示パネル制御回路502に出力するための回路である。また、フィールドシーケンシャル駆動制御回路513は、映像信号処理回路512で得られる調整及び/または変換された映像信号の表示パネル制御回路502への出力に併せて、バックライト制御回路503を制御するための回路である。フィールドシーケンシャル駆動制御回路513により、画素部107での映像信号の書き込みと、バックライト部101の光源の点灯の同期を取ることができる。
バックライト制御回路503はバックライト部101のバックライトユニットを構成する光源を前述の映像信号に併せて点灯するための信号を生成し、バックライト部101に出力するための回路である。
データ線駆動制御回路521は、バックライト部101の光源の点灯に同期した画素部の表示を行うために、データ線駆動回路505にクロック信号、スタートパルス等を出力するための回路である。ゲート線駆動制御回路522は、バックライト部101の光源の点灯に同期した画素部の表示を行うために、走査線駆動回路504にクロック信号、スタートパルス等を出力するための回路である。
次いで図4では、図2で説明したタイミングチャートとは異なる構成について示す。なお図4に示すタイミングチャートでは、図2に示すタイミングチャートとは異なり、画素部の各行各列に映像信号を書き込む書き込み期間130の後に点灯期間140となる第1のサブフレーム期間及び第2のサブフレーム期間を設ける構成を示している。すなわち、第1のサブフレーム期間及び第2のサブフレーム期間と書き込み期間を分けて設けることで、異なる画素領域の映像信号を同時に書き込む等の複雑の駆動回路の構成とすることなく、映像信号の書き込みに要する駆動回路の構成を単純化できる。
図4に示すタイミングチャートは、図2に示すタイミングチャートと同様に、映像信号の書き込みを「1_U」、「1_D」、「2_U」、及び「2_D」で表し、光源の点灯を「R1_U」、「G1_U」、「B1_U」、「R1_D」、「G1_D」、「B1_D」、「R2_U」、「G2_U」、「B2_U」、「R2_D」、「G2_D」、「B2_D」で表している。
図4に示すタイミングチャートの動作を具体的にみると、まず書き込み期間130で、1_UでのRの映像信号の書き込み、次いで1_DでのRの映像信号の書き込み、次いで2_UでのGの映像信号の書き込み、次いで2_DでのGの映像信号の書き込みが行われる。次いで第1のサブフレーム期間151Aでは、R1_U及びG2_UがLレベルからHレベルとなり、第1の領域111でのバックライトユニットの赤(R)の光源104が点灯及び第3の領域113でのバックライトユニットの緑(G)の光源105が点灯する。第2のサブフレーム期間152Aでは、R1_D及びG2_DがLレベルからHレベルとなり、第2の領域112でのバックライトユニットの赤(R)の光源104が点灯及び第4の領域114でのバックライトユニットの緑(G)の光源105が点灯する。他のサブフレーム期間についても、図示したように動作させればよい。
次いで図5では、図2及び図4で説明したタイミングチャートとは異なる構成について示す。なお図5に示すタイミングチャートでは、分割された画素領域の映像信号を同時に書き込むことで、書き込み期間をさらに短く、その分点灯期間を長くしている。すなわち、第1のサブフレーム期間及び第2のサブフレーム期間を短くすることができるため1フレーム期間を短くでき、その結果フレーム周波数を高くすることによる色割れの低減を見込むことができる。加えて点灯期間を長くすることによる輝度の向上を見込むことができる。
図5に示すタイミングチャートは、図2及び図4に示すタイミングチャートと同様に、映像信号の書き込みを「1_U」、「1_D」、「2_U」、及び「2_D」で表し、光源の点灯を「R1_U」、「G1_U」、「B1_U」、「R1_D」、「G1_D」、「B1_D」、「R2_U」、「G2_U」、「B2_U」、「R2_D」、「G2_D」、「B2_D」で表している。
図5に示すタイミングチャートの動作を具体的にみると、まず書き込み期間130で、1_UでのRの映像信号の書き込み、1_DでのRの映像信号の書き込み、2_UでのGの映像信号の書き込み、及び2_DでのGの映像信号の書き込みが同時に行われる。次いで第1のサブフレーム期間151Aでは、R1_U及びG2_UがLレベルからHレベルとなり、第1の領域111でのバックライトユニットの赤(R)の光源104が点灯及び第3の領域113でのバックライトユニットの緑(G)の光源105が点灯する。第2のサブフレーム期間152Aでは、R1_D及びG2_DがLレベルからHレベルとなり、第2の領域112でのバックライトユニットの赤(R)の光源104が点灯及び第4の領域114でのバックライトユニットの緑(G)の光源105が点灯する。他のサブフレーム期間についても、図示したように動作させればよい。
以上説明したように、本実施の形態の駆動方法では、第1のサブフレーム期間及び第2のサブフレーム期間において光源を同時に点灯させる領域を異なる色の点灯とし、当該光源を同時に点灯させる領域を光源を同時に消灯する領域でもって離間して設ける構成としている。そのため、フィールドシーケンシャル方式により表示を行う液晶表示装置において、バックライト部の光源を複数の領域に分割して複数色の点灯とする際、光源境界部の色の混色を低減することができ、表示品位の向上を図ることができる。
また本実施の形態の駆動方法では、サブフレーム期間におけるバックライト部の光源が単色の光源によるものでなく、複数の領域での複数色の光源による駆動方法としている。そのため、視認者のまばたきなどによりカラー表示をするための複数色の光源のうち、いずれかの色の情報のみが欠落することを低減することができ、フレーム周波数を高くすることなく、色割れを低減できる。また、書き込み期間を短くする駆動方法を組み合わせることで更に色割れを低減することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態1で説明した光源領域、及び画素領域の分割数を異ならせた構成について説明する。説明のため、図6(A)には図1(B)と同様に、バックライト部101及び表示パネル102の模式図を示す。なお本実施の形態において、実施の形態1の構成と対応する構成においては、上記実施の形態1の記載を援用し、詳細な説明を省略することもある。
具体的には、図6(A)に示すように、光源領域は第1の領域111乃至第6の領域116に分割される。第1の領域111乃至第6の領域116は、バックライトユニット103である赤(R)の光源104、緑(G)の光源105、及び青(B)の光源106を複数有する。
また図6(A)に示す模式図で、画素部107は、前述の第1の領域111乃至第6の領域116に対応して、第1の画素領域121乃至第6の画素領域126を有する。
次いで、第1の画素領域121乃至第6の画素領域126における映像信号の書き込み期間、第1の領域111乃至第6の領域116におけるバックライトユニット103の点灯または消灯について説明する。図6(B)では、本実施の形態のタイミングチャートを説明するための、1つのサブフレーム期間を表した模式図を示している。
図6(B)は、書き込み期間130と、点灯期間140を示している。図6(B)では第1の画素領域121乃至第6の画素領域126の各行各列への書き込み動作131、第1の領域111における点灯または消灯を示す動作141、第2の領域112における点灯または消灯を示す動作142、第3の領域113における点灯または消灯を示す動作143、第4の領域114における点灯または消灯を示す動作144、第5の領域115における点灯または消灯を示す動作145、第6の領域116における点灯または消灯を示す動作146を示している。なお図6(B)では、第1の画素領域121乃至第6の画素領域126への書き込み動作131の完了した後に、動作141乃至動作146は並行して行われる様子を示している。
図6(B)に示す書き込み動作131は、動作141乃至動作146に応じた映像信号の書き込み、を行う動作であればよい。例えば画素部107の各行各列に順次映像信号を書き込む構成でもよいし、バックライト部101の光源を点灯する動作となる領域に対応した第1の画素領域121乃至第6の画素領域126のいずれかに選択的に映像信号を書き込む構成としてもよい。
図6(B)に示す動作141は赤(R)の光源による点灯を表している。すなわち動作141は、第1の領域111におけるバックライトユニット103の赤(R)の光源104が点灯する動作である。動作143は緑(G)の光源による点灯を表している。すなわち動作143は、第3の領域113におけるバックライトユニット103の緑(G)の光源105が点灯する動作である。動作145は青(B)の光源による点灯を表している。すなわち動作145は、第5の領域115におけるバックライトユニット103の青(B)の光源106が点灯する動作である。
また図6(B)に示す動作142、動作144、及び動作146はRGBの光源の消灯を表しており、黒表示(BK)がなされることとなる。すなわち動作142、動作144、及び動作146は、第2の領域112、第4の領域114、及び第6の領域116におけるバックライトユニット103のRGBの光源を一斉に消灯する動作である。
以下説明する本実施の形態の構成では、動作141乃至動作146での点灯または消灯をする期間を、サブフレーム期間として説明する。一例として、本実施の形態では、第1のサブフレーム期間は、第1の領域111、第3の領域113、及び第5の領域115の光源が点灯し、第2の領域112、第4の領域114、及び第6の領域116の光源が消灯する期間のことをいう。また、第2のサブフレーム期間は、第1の領域111、第3の領域113、及び第5の領域115の光源が消灯し、第2の領域112、第4の領域114、及び第6の領域116の光源が点灯する期間のことをいう。なお実際には、第1の領域111乃至第6の領域116の光源が点灯する期間は、第1のサブフレーム期間及び第2のサブフレーム期間の範囲と同等、またはそれ以下の範囲となる。
なお本実施の形態で説明する液晶表示装置の駆動方法では、書き込み期間130と点灯期間140とが重複して行われる構成とすることができる。すなわち、本実施の形態で説明する液晶表示装置の駆動方法では、映像信号の書き込みのみに要する期間を点灯期間140における光源を消灯する期間と重複することで隠すことができる。例えば、第1のサブフレーム期間での第2の領域112、第4の領域114、及び第6の領域116の光源が消灯する期間(BK)、並びに第2のサブフレーム期間での第1の領域111、第3の領域113、及び第5の領域115の光源が消灯する期間(BK)では、次の期間で光源を点灯する領域の映像信号の書き込みを行うことができ、映像信号の書き込みのみに要する期間を見えなくすることができる。そこで本実施の形態の構成では、書き込み期間130の書き込み動作を図示せずに説明することができる。この場合、直前の期間の第1の領域111乃至第6の領域116の光源が消灯する期間を利用して映像信号の書き込みが行われているものである。
なお書き込み期間130と点灯期間140とが重複して行われる構成では、点灯期間140の長さを映像信号の書き込みのみに要する期間より長く設定しておくことが好ましい。
次いで、図6(C)では1フレーム期間が有する複数のサブフレーム期間についてのタイミングチャートを示す。図6(C)に示すタイミングチャートにおいて1フレーム期間150は、映像信号の書き込み期間、第1のサブフレーム期間151A乃至第1のサブフレーム期間151C、第2のサブフレーム期間152A乃至第2のサブフレーム期間152Cに大別することができる。なお第1のサブフレーム期間151Aの映像信号は、直前のフレーム期間でのバックライトユニットのRGBの光源を消灯する期間で書き込まれているものである。
図6(C)に示す第1のサブフレーム期間151A乃至第1のサブフレーム期間151Cでは、動作141によって第1の領域111の光源、動作143によって第3の領域113の光源、動作145によって第5の領域115の光源を同時に点灯している。加えて図6(C)に示す第1のサブフレーム期間151A乃至第1のサブフレーム期間151Cでは、第1の領域111の光源の色、第3の領域113の光源の色、及び第5の領域115の光源の色を互いに異なる色の点灯としている。
また、図6(C)に示す第1のサブフレーム期間151A乃至第1のサブフレーム期間151Cでは、動作142によって第2の領域112の光源、動作144によって第4の領域114の光源、及び動作146によって第6の領域116の光源を同時に消灯している。
図6(C)に示す第1のサブフレーム期間の後の第2のサブフレーム期間152A乃至第2のサブフレーム期間152Cでは、動作142によって第2の領域112の光源、動作144によって第4の領域114の光源、動作146によって第6の領域116の光源を同時に点灯している。加えて図6(C)に示す第2のサブフレーム期間152A乃至第2のサブフレーム期間152Cでは、第2の領域112の光源の色、第4の領域114の光源の色、及び第6の領域116の光源の色を互いに異なる色の点灯としている。
また、図6(C)に示す第1のサブフレーム期間の後の第2のサブフレーム期間152A乃至第2のサブフレーム期間152Cでは、動作141によって第1の領域111の光源、動作143によって第3の領域113の光源、及び動作145によって第5の領域115の光源を同時に消灯している。
本実施の形態の駆動方法では、図1(D)と同様に、第1のサブフレーム期間及び第2のサブフレーム期間において光源を同時に点灯させる領域を異なる色の点灯とし、当該光源を同時に点灯させる領域を光源を同時に消灯する領域でもって離間して設ける構成としている。そのため、フィールドシーケンシャル方式により表示を行う液晶表示装置において、バックライト部の光源を複数の領域に分割して複数色の点灯とする際、光源境界部の色の混色を低減することができ、表示品位の向上を図ることができる。
また本実施の形態の駆動方法では、サブフレーム期間におけるバックライト部の光源が単色の光源によるものでなく、複数の領域での複数色の光源による駆動方法としている。特に本実施の形態の構成では、当該複数の領域での複数色の光源として、カラー表示を行うためのRGBの3色を複数の領域にわたって表示する構成としている。そのため、視認者のまばたきなどによりカラー表示をするための複数色の光源のうち、いずれかの色の情報のみが欠落することを低減することができ、フレーム周波数を高くすることなく、色割れを低減できる。
なお、本実施の形態で説明する液晶表示装置の駆動を行うためのブロック図は、上記実施の形態で説明した図3に示すブロック図と同様である。
次いで図6(C)で示したタイミングチャートについての詳細な波形を表した一例を図7に示す。なお図7にしめすタイミングチャートでは、映像信号が書き込まれた画素領域から順に光源の点灯を行うこと、及び第1の画素領域、第3の画素領域、及び第5の画素領域並びに第2の画素領域、第4の画素領域、及び第6の画素領域の映像信号を同時に書き込みこと、で書き込み期間を半分にしている。
図7に示すタイミングチャートは、図2に示すタイミングチャートでの説明における、「1_U」、「1_D」、「2_U」、及び「2_D」、並びに「R1_U」、「G1_U」、「B1_U」、「R1_D」、「G1_D」、「B1_D」、「R2_U」、「G2_U」、「B2_U」、「R2_D」、「G2_D」、及び「B2_D」に、第5の画素領域125、第6の画素領域126、第5の領域115、第6の領域116、動作145、動作146を加えたものとなる。
図7に示すタイミングチャートでは、第5の画素領域125に対する映像信号の書き込みを「3_U」と表している。図7に示すタイミングチャートでは、第6の画素領域126に対する映像信号の書き込みを「3_D」と表している。
図7に示すタイミングチャートでは、第5の領域115のバックライトユニットの赤(R)の光源104が、Hレベルの電位で点灯、Lレベルの電位で消灯として表している(R3_U)。図7に示すタイミングチャートでは、第5の領域115のバックライトユニットの緑(G)の光源105が、Hレベルの電位で点灯、Lレベルの電位で消灯として表している(G3_U)。図7に示すタイミングチャートでは、第5の領域115のバックライトユニットの青(B)の光源106が、Hレベルの電位で点灯、Lレベルの電位で消灯として表している(B3_U)。
図7に示すタイミングチャートでは、第6の領域116のバックライトユニットの赤(R)の光源104が、Hレベルの電位で点灯、Lレベルの電位で消灯として表している(R3_D)。図7に示すタイミングチャートでは、第6の領域116のバックライトユニットの緑(G)の光源105が、Hレベルの電位で点灯、Lレベルの電位で消灯として表している(G3_D)。図7に示すタイミングチャートでは、第6の領域116のバックライトユニットの青(B)の光源106が、Hレベルの電位で点灯、Lレベルの電位で消灯として表している(B3_D)。
次いで、上記説明した図7でのタイミングチャートの第1のサブフレーム期間151Aの動作を具体的に説明する。なお第1のサブフレーム期間151Aの前の期間で1_UでのRの映像信号の書き込み、2_UでのGの映像信号の書き込み、3_UでのBの映像信号の書き込みが行われている。
第1のサブフレーム期間151Aでは、R1_U、G2_U、及びB3_UがLレベルからHレベルとなり、第1の領域111でのバックライトユニットの赤(R)の光源104が点灯、第3の領域113でのバックライトユニットの緑(G)の光源105、及び第5の領域115でのバックライトユニットの青(B)の光源106が点灯する。このとき、次のサブフレーム期間である第2のサブフレーム期間152Aで点灯する第2の領域112、第4の領域114、及び第6の領域116に対応する第2の画素領域122、第4の画素領域124、及び第6の画素領域126への映像信号の書き込み、すなわち1_DでのRの映像信号の書き込み、2_DでのGの映像信号の書き込み、3_DでのBの映像信号の書き込みが行われている。以下、他のサブフレーム期間についても、図示したように動作させればよい。
次いで図8では、図7で説明したタイミングチャートとは異なる構成について示す。なお図8にしめすタイミングチャートでは、図7に示すタイミングチャートとは異なり、画素部の各行各列に映像信号を書き込む書き込み期間130の後に点灯期間140となる第1のサブフレーム期間及び第2のサブフレーム期間を設ける構成を示している。すなわち、第1のサブフレーム期間及び第2のサブフレーム期間と書き込み期間を分けて設けることで、異なる画素領域の映像信号を同時に書き込む等の複雑の駆動回路の構成とすることなく、映像信号の書き込みに要する駆動回路の構成を単純化できる。
図8に示すタイミングチャートは、図7に示すタイミングチャートと同様に、映像信号の書き込みを「1_U」、「1_D」、「2_U」、「2_D」、「3_U」、及び「3_D」で表し、光源の点灯を「R1_U」、「G1_U」、「B1_U」、「R1_D」、「G1_D」、「B1_D」、「R2_U」、「G2_U」、「B2_U」、「R2_D」、「G2_D」、「B2_D」「R3_U」、「G3_U」、「B3_U」、「R3_D」、「G3_D」、「B3_D」で表している。
図8に示すタイミングチャートの動作を具体的にみると、まず書き込み期間130で、1_UでのRの映像信号の書き込み、次いで1_DでのRの映像信号の書き込み、次いで2_UでのGの映像信号の書き込み、次いで2_DでのGの映像信号、次いで3_UでのBの映像信号の書き込み、次いで3_DでのBの映像信号の書き込みの書き込みが行われる。次いで第1のサブフレーム期間151Aでは、R1_U、G2_U、及びB3_UがLレベルからHレベルとなり、第1の領域111でのバックライトユニットの赤(R)の光源104が点灯、第3の領域113でのバックライトユニットの緑(G)の光源105、及び第5の領域115でのバックライトユニットの青(B)の光源106が点灯する。第2のサブフレーム期間152Aでは、R1_D、G2_D、及びB3_DがLレベルからHレベルとなり、第2の領域112でのバックライトユニットの赤(R)の光源104が点灯、第4の領域114でのバックライトユニットの緑(G)の光源105が点灯、及び第6の領域116でのバックライトユニットの青(B)の光源106が点灯する。他のサブフレーム期間についても、図示したように動作させればよい。
次いで図9では、図7及び図8で説明したタイミングチャートとは異なる構成について示す。なお図9にしめすタイミングチャートでは、分割された画素領域の映像信号を同時に書き込みこと、で、書き込み期間をさらに短く、その分点灯期間を長くしている。すなわち、第1のサブフレーム期間及び第2のサブフレーム期間を短くすることができるため1フレーム期間を短くでき、その結果フレーム周波数を高くすることによる色割れの低減を見込むことができる。加えて点灯期間を長くすることによる輝度の向上を見込むことができる。
図9に示すタイミングチャートは、図7及び図8に示すタイミングチャートと同様に、映像信号の書き込みを「1_U」、「1_D」、「2_U」、「2_D」、「3_U」、及び「3_D」で表し、光源の点灯を「R1_U」、「G1_U」、「B1_U」、「R1_D」、「G1_D」、「B1_D」、「R2_U」、「G2_U」、「B2_U」、「R2_D」、「G2_D」、「B2_D」「R3_U」、「G3_U」、「B3_U」、「R3_D」、「G3_D」、「B3_D」で表している。
図9に示すタイミングチャートの動作を具体的にみると、まず書き込み期間130で、1_UでのRの映像信号の書き込み、1_DでのRの映像信号の書き込み、2_UでのGの映像信号の書き込み、2_DでのGの映像信号の書き込み、3_UでのBの映像信号の書き込み、3_DでのBの映像信号の書き込みが同時に行われる。次いで第1のサブフレーム期間151Aでは、R1_U、G2_U、及びB3_UがLレベルからHレベルとなり、第1の領域111でのバックライトユニットの赤(R)の光源104が点灯、第3の領域113でのバックライトユニットの緑(G)の光源105が点灯、及び第5の領域115でのバックライトユニットの青(B)の光源106が点灯する。第2のサブフレーム期間152Aでは、R1_D、G2_D、B3_DがLレベルからHレベルとなり、第2の領域112でのバックライトユニットの赤(R)の光源104が点灯、第4の領域114でのバックライトユニットの緑(G)の光源105が点灯、及び第6の領域116でのバックライトユニットの青(B)の光源106が点灯する。他のサブフレーム期間についても、図示したように動作させればよい。
以上説明したように、本実施の形態の駆動方法では、第1のサブフレーム期間及び第2のサブフレーム期間において光源を同時に点灯させる領域を異なる色の点灯とし、当該光源を同時に点灯させる領域を光源を同時に消灯する領域でもって離間して設ける構成としている。そのため、フィールドシーケンシャル方式により表示を行う液晶表示装置において、バックライト部の光源を複数の領域に分割して複数色の点灯とする際、光源境界部の色の混色を低減することができ、表示品位の向上を図ることができる。
また本実施の形態の駆動方法では、サブフレーム期間におけるバックライト部の光源が単色の光源によるものでなく、複数の領域での複数色の光源による駆動方法としている。特に本実施の形態の構成では、当該複数の領域での複数色の光源として、カラー表示を行うためのRGBの3色を複数の領域にわたって表示する構成としている。そのため、視認者のまばたきなどによりカラー表示をするための複数色の光源のうち、いずれかの色の情報のみが欠落することを低減することができ、フレーム周波数を高くすることなく、色割れを低減できる。また、書き込み期間を短くする駆動方法を組み合わせることで更に色割れを低減することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態3)
本実施の形態は、上記実施の形態で説明した液晶表示装置の駆動方法において、RGBの光源を点灯するサブフレーム期間とは異なるサブフレーム期間を有する構成について説明する。なお本実施の形態において、実施の形態1及び2の構成と対応する構成においては、上記実施の形態1及び2の記載を援用し、詳細な説明を省略することもある。
まず、図10(A)では、上記実施の形態1での、1フレーム期間が有する第1のサブフレーム期間及び第2のサブフレーム期間の他に、第3のサブフレーム期間及び第4のサブフレーム期間を有する構成について示す。
図10(A)に示す第3のサブフレーム期間153及び第4のサブフレーム期間154は、実施の形態1での、第1のサブフレーム期間151A乃至第1のサブフレーム期間151C、及び第2のサブフレーム期間152A乃至第2のサブフレーム期間152Cに続いて、設けられる。
図10(A)に示す第3のサブフレーム期間153では、動作141によって第1の領域111の光源、動作143によって第3の領域113の光源を同時に点灯している。加えて図10(A)に示す第3のサブフレーム期間153では、第1の領域111の光源の色及び第3の領域113の光源の色を白(W)色の光源の点灯としている。
なお白(W)色の光源は、白色の発光をする発光ダイオード等の白色の光源を設け点灯する構成の他に、補色となる色の組み合わせの光源を同時に点灯することで得られる色、またはRGBの光源を同時に点灯することで得られる色、とする構成でもよい。
また、図10(A)に示す第3のサブフレーム期間153では、動作142によって第2の領域112の光源、動作144によって第4の領域114の光源を同時に消灯している。
図10(A)に示す第4のサブフレーム期間154では、動作142によって第2の領域112の光源、動作144によって第4の領域114の光源を同時に点灯している。加えて図10(A)に示す第4のサブフレーム期間154では、第2の領域112の光源の色及び第4の領域114の光源の色を白(W)色の光源の点灯としている。
また、図10(A)に示す第4のサブフレーム期間154では、動作141によって第1の領域111の光源、動作143によって第3の領域113の光源を同時に消灯している。
なお図10(A)では第3のサブフレーム期間153及び第4のサブフレーム期間154は、第1のサブフレーム期間151A乃至第1のサブフレーム期間151C、第2のサブフレーム期間152A乃至第2のサブフレーム期間152Cの後に設ける構成としたが他の構成でもよい。例えば、図10(B)に示すように、第3のサブフレーム期間153及び第4のサブフレーム期間154は、第1のサブフレーム期間151A乃至第1のサブフレーム期間151C、第2のサブフレーム期間152A乃至第2のサブフレーム期間152Cの前に設ける構成としてもよい。
次いで、図11(A)では、上記実施の形態2での、1フレーム期間が有する第1のサブフレーム期間及び第2のサブフレーム期間の他に、第3のサブフレーム期間及び第4のサブフレーム期間を有する構成について示す。
図11(A)に示す第3のサブフレーム期間153及び第4のサブフレーム期間154は、実施の形態2での、第1のサブフレーム期間151A乃至第1のサブフレーム期間151C、及び第2のサブフレーム期間152A乃至第2のサブフレーム期間152Cに続いて、設けられる。
図11(A)に示す第3のサブフレーム期間153では、動作141によって第1の領域111の光源、動作143によって第3の領域113の光源、及び動作145によって第5の領域115の光源を同時に点灯している。加えて図11(A)に示す第3のサブフレーム期間153では、第1の領域111の光源の色、第3の領域113の光源の色、及び第5の領域115の光源の色を白(W)色の光源の点灯としている。
また、図11(A)に示す第3のサブフレーム期間153では、動作142によって第2の領域112の光源、動作144によって第4の領域114の光源、及び動作146によって第6の領域116の光源を同時に消灯している。
図11(A)に示す第4のサブフレーム期間154では、動作142によって第2の領域112の光源、動作144によって第4の領域114の光源、動作146によって第6の領域116の光源を同時に点灯している。加えて図12(A)に示す第4のサブフレーム期間154では、第2の領域112の光源の色、第4の領域114の光源の色、第6の領域116の光源の色を白(W)色の光源の点灯としている。
また、図11(A)に示す第4のサブフレーム期間154では、動作141によって第1の領域111の光源、動作143によって第3の領域113の光源、及び動作145によって第5の領域115の光源を同時に消灯している。
なお図11(A)では第3のサブフレーム期間153及び第4のサブフレーム期間154は、第1のサブフレーム期間151A乃至第1のサブフレーム期間151C、第2のサブフレーム期間152A乃至第2のサブフレーム期間152Cの後に設ける構成としたが他の構成でもよい。例えば、図11(B)に示すように、第3のサブフレーム期間153及び第4のサブフレーム期間154は、第1のサブフレーム期間151A乃至第1のサブフレーム期間151C、第2のサブフレーム期間152A乃至第2のサブフレーム期間152Cの前に設ける構成としてもよい。
上記図10(A)、(B)及び図11(A)、(B)の構成による本実施の形態の駆動方法では、第1のサブフレーム期間及び第2のサブフレーム期間において光源を同時に点灯させる領域を異なる色の点灯とし、当該光源を同時に点灯させる領域を光源を同時に消灯する領域でもって離間して設ける構成としている。そのため、フィールドシーケンシャル方式により表示を行う液晶表示装置において、バックライト部の光源を複数の領域に分割して複数色の点灯とする際、光源境界部の色の混色を低減することができ、表示品位の向上を図ることができる。
また本実施の形態の駆動方法では、サブフレーム期間におけるバックライト部の光源が単色の光源によるものでなく、複数の領域での複数色の光源による駆動方法としている。そのため、視認者のまばたきなどによりカラー表示をするための複数色の光源のうち、いずれかの色の情報のみが欠落することを低減することができ、フレーム周波数を高くすることなく、色割れを低減できる。
また本実施の形態の駆動方法では、白色の光源を点灯する期間を各フレーム期間毎に設ける構成とすることで、非点灯期間を設けた際の表示画像の輝度の低下を抑制することができ、低消費電力化を図ることができる。
なお、白色の光源を点灯するための第3のサブフレーム期間及び第4のサブフレーム期間は、全ての画素が白表示の画像、または全ての画素がモノクロ表示の画像の際に設ける構成とすることが好ましい。また白色の光源を点灯するための第3のサブフレーム期間及び第4のサブフレーム期間は、白表示またはモノクロ表示の画像を表示する場合に限らず、画素部において書き込まれる映像信号の白を表示する頻度が大きい場合に設ける構成としてもよい。
なお、白色の光源を点灯するための第3のサブフレーム期間及び第4のサブフレーム期間は、一部の画素、例えば図1(A)の構成でいえば第1の画素領域121乃至第4の画素領域124のいずれか一が白表示の画像またはモノクロ表示の画像の際に設ける構成とすることが好ましい。また白色の光源を点灯するための第3のサブフレーム期間及び第4のサブフレーム期間は、画素部において書き込まれる映像信号の白を表示する頻度が大きい場合に設ける構成としてもよい。
また別の構成として、白色の光源を点灯するための第3のサブフレーム期間及び第4のサブフレーム期間は、表示する画像が白の成分を含む際に設ける構成としてもよい。例えば、白の成分を含むカラー表示の画像を表示する映像信号であれば、まず元となる映像信号を、白の成分の映像信号と、RGBの成分の映像信号に分離する。そして、RGBの成分の映像信号は第1のサブフレーム期間及び第2のサブフレーム期間によるフィールドシーケンシャル方式の駆動を行う。次いで、白の成分の映像信号は第3のサブフレーム期間及び第4のサブフレーム期間による表示を行う。
なお白の成分の映像信号とRGBの成分の映像信号とに分離して表示を行う構成で、白の画像を表示する場合、同じ強度の輝度に映像信号を分離するのでなく、白の成分の映像信号による輝度を、RGBの成分の映像信号の輝度より大きくすることが好ましい。当該構成により色割れを視認しにくくすることができる。
上述した白色の光源を点灯するための第3のサブフレーム期間及び第4のサブフレーム期間を設けるための映像信号は、上記実施の形態1の図3にて説明した映像信号処理回路512により生成すればよい。具体的には、映像信号の色要素毎のヒストグラムを算出し、白色の成分を有する映像信号であるか否かを判定する構成とすればよい。
なお図10(A)、(B)及び図11(A)、(B)では、RGBの光源を点灯するサブフレーム期間とは異なるサブフレーム期間として、白色の光源を点灯するサブフレーム期間を有する構成について説明したが他のサブフレーム期間を有する構成でもよい。例えば図12(A)に示すように、実施の形態1の構成に組み合わせるサブフレーム期間として、光源を全て消灯するサブフレーム期間155(第5のサブフレーム期間ともいう)を有する構成でもよい。また図12(B)に示すように、実施の形態2の構成に組み合わせるサブフレーム期間として、光源を全て消灯するサブフレーム期間155を有する構成でもよい。
なお他にも、図12(C)に示すように、図10(A)の構成に組み合わせるサブフレーム期間として、光源を全て消灯するサブフレーム期間155を有する構成でもよい。また図12(D)に示すように、図11(A)の構成に組み合わせるサブフレーム期間として、光源を全て消灯するサブフレーム期間155を有する構成でもよい。
以上の構成とすることにより、フィールドシーケンシャル方式により表示を行う液晶表示装置において、フレーム周波数を高くすることなく、色割れを低減できる。
または本発明の一態様は、フィールドシーケンシャル方式により表示を行う液晶表示装置において、光源を複数の領域に分割して複数色の点灯とする際、光源境界部の色の混色を低減することができ、表示品位の向上を図ることができる。
または本発明の一態様によれば、フィールドシーケンシャル方式により表示を行う液晶表示装置において、非点灯期間を設けた際の表示画像の輝度の低下を抑制することができ、低消費電力化を図ることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態4)
次いで本実施の形態では、上記実施の形態で説明したフィールドシーケンシャル方式の駆動方法における各行の画素を同時に選択して駆動する方式を実現するための液晶表示装置の構成例について説明する。
図14(A)は、液晶表示装置の構成例を示す図である。図14(A)に示す液晶表示装置は、画素部30と、走査線駆動回路31と、データ線駆動回路32(信号線駆動回路ともいう)と、各々が平行又は略平行に配設され、且つ走査線駆動回路31によって電位が制御される3n本(nは、2以上の自然数)の走査線33と、各々が平行又は略平行に配設され、且つデータ線駆動回路32によって電位が制御される、m本(mは、2以上の自然数)の第1のデータ線341、m本の第2のデータ線342、及びm本の第3のデータ線343と、を有する。
さらに、画素部30は、3つの領域(領域301乃至領域303)に分割され、領域毎にマトリクス状(n行m列)に配設された複数の画素を有する。なお、各走査線33は、画素部30においてマトリクス状(3n行m列)に配設された複数の画素のうち、いずれかの行に配設されたm個の画素に接続される。また、各第1のデータ線341は、領域301においてマトリクス状(n行m列)に配設された複数の画素351のうち、いずれかの列に配設されたn個の画素に接続される。また、各第2のデータ線342は、領域302においてマトリクス状(n行m列)に配設された複数の画素352のうち、いずれかの列に配設されたn個の画素に接続される。また、各第3のデータ線343は、領域303においてマトリクス状(n行m列)に配設された複数の画素353のうち、いずれかの列に配設されたn個の画素に接続される。
なお、走査線駆動回路31には、外部から走査線駆動回路用スタートパルス信号(GSP)、走査線駆動回路用クロック信号(GCK)、及び高電源電位、低電源電位などの駆動用電源電位が入力される。また、データ線駆動回路32には、外部からデータ線駆動回路用スタート信号(SSP)、データ線駆動回路用クロック信号(SCK)、映像信号(data1〜data3)などの信号、及び高電源電位、低電源電位などの駆動用電源電位が入力される。
図14(B)乃至図14(D)は、画素の回路構成例を示す図である。具体的には、図14(B)は、領域301に配設された画素351の回路構成例を示す図であり、図14(C)は、領域302に配設された画素352の回路構成例を示す図であり、図14(D)は、領域303に配設された画素353の回路構成例を示す図である。図14(B)に示す画素351は、ゲート端子が走査線33に接続され、ソース及びドレインの一方の端子が第1のデータ線341に接続されたトランジスタ3511と、一方の電極がトランジスタ3511のソース及びドレインの他方の端子に接続され、他方の電極が容量線に接続された容量素子3512と、一方の電極(画素電極)がトランジスタ3511のソース及びドレインの他方の端子並びに容量素子3512の一方の電極に接続され、他方の電極(対向電極)が対向電位を供給する配線に接続された液晶素子3514と、を有する。
図14(C)に示す画素352及び図14(D)に示す画素353も回路構成自体は、図14(B)に示す画素351と同一である。ただし、図14(C)に示す画素352では、トランジスタ3521のソース及びドレインの一方が第1のデータ線341ではなく第2のデータ線342に接続される点が図14(B)に示す画素351と異なり、図14(D)に示す画素353では、トランジスタ3531のソース及びドレインの一方が第1のデータ線341ではなく第3のデータ線343に接続される点が図14(B)に示す画素351と異なる。
また図15(A)では、図14(A)に示す液晶表示装置が有する走査線駆動回路31の構成例を示している。図15(A)に示す走査線駆動回路31は、n個の出力端子を有するシフトレジスタ311乃至シフトレジスタ313を有する。なお、シフトレジスタ311が有する出力端子のそれぞれは、領域301に配設されたn本の走査線33のいずれかに接続され、シフトレジスタ312が有する出力端子のそれぞれは、領域302に配設されたn本の走査線33のいずれかに接続され、シフトレジスタ313が有する出力端子のそれぞれは、領域303に配設されたn本の走査線33のいずれかに接続される。すなわち、シフトレジスタ311は、領域301において走査信号を走査するシフトレジスタであり、シフトレジスタ312は、領域302において走査信号を走査するシフトレジスタであり、シフトレジスタ313は、領域303において走査信号を走査するシフトレジスタである。具体的には、シフトレジスタ311は、外部から入力される走査線駆動回路用スタートパルス信号(GSP)をきっかけとして、1行目に配設された走査線33を起点として順次走査信号をシフト(走査線33を走査線駆動回路用クロック信号(GCK)1/2周期毎に順次選択)する機能を有し、シフトレジスタ312は、外部から入力される走査線駆動回路用スタートパルス信号(GSP)をきっかけとして、n+1行目に配設された走査線33を起点として順次走査信号をシフトする機能を有し、シフトレジスタ313は、外部から入力される走査線駆動回路用スタートパルス信号(GSP)をきっかけとして、2n+1行目に配設された走査線33を起点として順次走査信号をシフトする機能を有する。
図15(A)に示した走査線駆動回路31の動作例について図15(B)を参照して説明する。なお、図15(B)には、走査線駆動回路用クロック信号(GCK)、シフトレジスタ311が有するn個の出力端子から出力される信号(SR311out)、シフトレジスタ312が有するn個の出力端子から出力される信号(SR312out)、及びシフトレジスタ313が有するn個の出力端子から出力される信号(SR313out)を示している。
サブフレーム期間(T1)において、シフトレジスタ311では、1行目に配設された走査線33を起点としてn行目に配設された走査線33までハイレベルの電位が1/2クロック周期(水平走査期間)毎に順次シフトし、シフトレジスタ312では、n+1行目に配設された走査線33を起点として2n行目に配設された走査線33までハイレベルの電位が1/2クロック周期(水平走査期間)毎に順次シフトし、シフトレジスタ313では、2n+1行目に配設された走査線33を起点として3n行目に配設された走査線33までハイレベルの電位が1/2クロック周期(水平走査期間)毎に順次シフトする。そのため、走査線駆動回路31は、走査線33を介して、1行目に配設されたm個の画素351からn行目に配設されたm個の画素351を順次選択するとともに、n+1行目に配設されたm個の画素352から2n行目に配設されたm個の画素352を順次選択し、2n+1行目に配設されたm個の画素353から3n行目に配設されたm個の画素353を順次選択することになる。すなわち、走査線駆動回路31は、水平走査期間毎に異なる3行に配設された3m個の画素に対して走査信号を供給することが可能である。
サブフレーム期間(T2)及びサブフレーム期間(T3)において、シフトレジスタ311乃至シフトレジスタ313の動作は、サブフレーム期間(T1)と同じである。すなわち、走査線駆動回路31は、サブフレーム期間(T1)と同様に、水平走査期間毎に特定の3行に配設された3m個の画素に対して走査信号を供給することが可能である。
以上図14(A)、(B)、及び図15(A)、(B)で説明した表示パネルは、マトリクス状に配設された画素のうち、複数行に配設された画素に対して同時に映像信号を供給することが可能である。これにより、各画素に対する映像信号の入力頻度を向上させることが可能になる。具体的に述べると、上述した液晶表示装置の構成では、走査線駆動回路のクロック周波数などを変化させることなく、各画素に対する映像信号の入力頻度を3倍にすることが可能であり、フィールドシーケンシャル方式による表示での色割れの低減を図ることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本明細書に開示する液晶表示装置に適用できるトランジスタの例を示す。本明細書に開示する液晶表示装置に適用できるトランジスタの構造は特に限定されず、例えばゲート電極が、ゲート絶縁層を介して、半導体層の上側に配置されるトップゲート構造、又はゲート電極が、ゲート絶縁層を介して、半導体層の下側に配置されるボトムゲート構造のスタガ型及びプレーナ型などを用いることができる。また、トランジスタはチャネル形成領域が一つ形成されるシングルゲート構造でも、二つ形成されるダブルゲート構造もしくは三つ形成されるトリプルゲート構造であっても良い。また、チャネル領域の上下にゲート絶縁層を介して配置された2つのゲート電極層を有する、デュアルゲート型でもよい。なお、図16(A)乃至(D)にトランジスタの断面構造の一例を以下に示す。
図16(A)に示すトランジスタ410は、ボトムゲート構造のトランジスタの一つであり、逆スタガ型トランジスタともいう。
トランジスタ410は、絶縁表面を有する基板400上に、ゲート電極層401、ゲート絶縁層402、半導体層403、ソース電極層405a、及びドレイン電極層405bを含む。また、トランジスタ410を覆い、半導体層403に積層する絶縁膜407が設けられている。絶縁膜407上にはさらに保護絶縁層409が形成されている。
図16(B)に示すトランジスタ420は、チャネル保護型(チャネルストップ型ともいう)と呼ばれるボトムゲート構造の一つであり逆スタガ型トランジスタともいう。
トランジスタ420は、絶縁表面を有する基板400上に、ゲート電極層401、ゲート絶縁層402、半導体層403、半導体層403のチャネル形成領域を覆うチャネル保護層として機能する絶縁層427、ソース電極層405a、及びドレイン電極層405bを含む。また、トランジスタ420を覆い、保護絶縁層409が形成されている。
図16(C)に示すトランジスタ430はボトムゲート型のトランジスタであり、絶縁表面を有する基板400上に、ゲート電極層401、ゲート絶縁層402、ソース電極層405a、ドレイン電極層405b、及び半導体層403を含む。また、トランジスタ430を覆い、半導体層403に接する絶縁膜407が設けられている。絶縁膜407上にはさらに保護絶縁層409が形成されている。
トランジスタ430においては、ゲート絶縁層402は基板400及びゲート電極層401上に接して設けられ、ゲート絶縁層402上にソース電極層405a、ドレイン電極層405bが接して設けられている。そして、ゲート絶縁層402、及びソース電極層405a、ドレイン電極層405b上に半導体層403が設けられている。
図16(D)に示すトランジスタ440は、トップゲート構造のトランジスタの一つである。トランジスタ440は、絶縁表面を有する基板400上に、絶縁層437、半導体層403、ソース電極層405a、ドレイン電極層405b、ゲート絶縁層402、及びゲート電極層401を含み、ソース電極層405a、ドレイン電極層405bにそれぞれ配線層436a、配線層436bが接して設けられ接続している。
半導体層403に用いる半導体材料としては、アモルファスシリコン、微結晶シリコン、ポリシリコン、酸化物半導体、有機半導体等を用いることができる。
絶縁表面を有する基板400に使用することができる基板に大きな制限はないが、バリウムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板を用いる。
ボトムゲート構造のトランジスタ410、420、430において、下地膜となる絶縁膜を基板とゲート電極層の間に設けてもよい。下地膜は、基板からの不純物元素の拡散を防止する機能があり、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、又は酸化窒化シリコン膜から選ばれた一又は複数の膜による積層構造により形成することができる。
ゲート電極層401の材料は、モリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料またはこれらを主成分とする合金材料を用いて、単層でまたは積層して形成することができる。
ゲート絶縁層402は、プラズマCVD法又はスパッタリング法等を用いて、酸化シリコン層、窒化シリコン層、酸化窒化シリコン層、窒化酸化シリコン層、酸化アルミニウム層、窒化アルミニウム層、酸化窒化アルミニウム層、窒化酸化アルミニウム層、又は酸化ハフニウム層を単層で又は積層して形成することができる。例えば、第1のゲート絶縁層としてプラズマCVD法により膜厚50nm以上200nm以下の窒化シリコン層(SiNy(y>0))を形成し、第1のゲート絶縁層上に第2のゲート絶縁層として膜厚5nm以上300nm以下の酸化シリコン層(SiOx(x>0))を積層して、合計膜厚200nmのゲート絶縁層とする。
ソース電極層405a、ドレイン電極層405bに用いる導電膜としては、例えば、Al、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、Wからから選ばれた元素を含む金属膜、または上述した元素を成分とする金属窒化物膜(窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜など)等を用いることができる。また、Al、Cuなどの金属膜の下側又は上側の一方または双方にTi、Mo、Wなどの高融点金属膜またはそれらの金属窒化物膜(窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)を積層させた構成としても良い。
ソース電極層405a、ドレイン電極層405bに接続する配線層436a、配線層436bのような導電膜も、ソース電極層405a、ドレイン電極層405bと同様な材料を用いることができる。
また、ソース電極層405a、ドレイン電極層405b(これと同じ層で形成される配線層を含む)となる導電膜としては導電性の金属酸化物で形成しても良い。導電性の金属酸化物としては酸化インジウム(In2O3等)、酸化スズ(SnO2等)、酸化亜鉛(ZnO等)、酸化インジウム酸化スズ合金(In2O3―SnO2等、ITOと略記する)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In2O3―ZnO等)またはこれらの金属酸化物材料に酸化シリコンを含ませたものを用いることができる。
半導体層の上方に設けられる絶縁膜407、絶縁層427、下方に設けられる絶縁層437は、代表的には酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、または酸化窒化アルミニウム膜などの無機絶縁膜を用いることができる。
また、半導体層の上方に設けられる保護絶縁層409は、窒化シリコン膜、窒化アルミニウム膜、窒化酸化シリコン膜、窒化酸化アルミニウム膜などの無機絶縁膜を用いることができる。
また、保護絶縁層409上にトランジスタ起因の表面凹凸を低減するために平坦化絶縁膜を形成してもよい。平坦化絶縁膜としては、ポリイミド、アクリル、ベンゾシクロブテン、等の有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)等を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで、平坦化絶縁膜を形成してもよい。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態6)
上記実施の形態5で説明したトランジスタの例において、半導体層403に用いる半導体材料として酸化物半導体を用いる場合には、トランジスタへの光の遮光が重要となる。そこで本実施の形態では、液晶表示装置が有する画素の平面図及び断面図の一例について示し、トランジスタへの光の遮光ができる構造の一例について説明する。なお酸化物半導体は、化学式InMO3(ZnO)m(m>0)で表記される材料とする。ここで、Mは、Ga、Al、MnおよびCoから選ばれた一または複数の金属元素を示す。例えばMとして、Ga、Ga及びAl、Ga及びMn、またはGa及びCoなどがある。
図17(A)は画素の平面図の一例を示している。図17(B)は図17(A)の一点鎖線A−Bにおける断面図である。
図17(A)において、ドレイン電極層1901bと同じ配線層よりなり、ソース電極層1901aを含む信号線は、図中上下方向(列方向)に延伸するように配置されている。走査線となる配線層(ゲート電極層1903を含む)は、ソース電極層1901aに概略直交する方向(図中左右方向(行方向))に延伸するように配置されている。容量配線層1904は、ゲート電極層1903に概略平行な方向であって、且つ、ソース電極層1901aに概略直交する方向(図中左右方向(行方向))に延伸するように配置されている。
図17(A)、(B)に示す画素には、ゲート電極層1903を有するトランジスタ1905が設けられている。また、容量配線層1904、ゲート絶縁層1912、及びドレイン電極層1901bが積層して、容量素子1915を形成している。トランジスタ1905上には、絶縁膜1907及び層間膜1909が設けられている。トランジスタ1905上の絶縁膜1907及び層間膜1909には、開口(コンタクトホール)が形成されている。
図17(A)、(B)に示す画素は、第1の基板1918側のトランジスタ1905に接続される電極層として透明電極層1910、共通電位線(コモン線)に接続される電極層として透明電極層1920を有する。透明電極層1910は、開口(コンタクトホール)において、トランジスタ1905と接続される。透明電極層1910及び透明電極層1920は、互いの櫛歯状の電極が液晶層1917を間に介して離間して設けられている。透明電極層1910及び透明電極層1920が設けられる以外の領域では、第2の基板1919側に遮光層1911(ブラックマトリクス)が設けられている。
図17(A)、(B)に示すトランジスタ1905は、ゲート絶縁層1912を介してゲート電極層1903上に配置された半導体層1913を有し、半導体層1913に接してソース電極層1901a及びドレイン電極層1901bを有する。
酸化物半導体を用いた半導体層1913(酸化物半導体層ともいう)に接する絶縁層(本実施の形態においては、ゲート絶縁層1912、絶縁膜1907)は、第13族元素および酸素を含む絶縁材料を用いることが好ましい。酸化物半導体材料には第13族元素を含むものが多く、第13族元素を含む絶縁材料は酸化物半導体との相性が良く、これを酸化物半導体層に接する絶縁層に用いることで、酸化物半導体層との界面の状態を良好に保つことができる。
第13族元素を含む絶縁材料とは、絶縁材料に一または複数の第13族元素を含むことを意味する。第13族元素を含む絶縁材料としては、例えば、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、酸化アルミニウムガリウム、酸化ガリウムアルミニウムなどがある。ここで、酸化アルミニウムガリウムとは、ガリウムの含有量(原子%)よりアルミニウムの含有量(原子%)が多いものを示し、酸化ガリウムアルミニウムとは、ガリウムの含有量(原子%)がアルミニウムの含有量(原子%)以上のものを示す。
例えば、ガリウムを含有する酸化物半導体層に接して絶縁層を形成する場合に、絶縁層に酸化ガリウムを含む材料を用いることで酸化物半導体層と絶縁層の界面特性を良好に保つことができる。例えば、酸化物半導体層と酸化ガリウムを含む絶縁層とを接して設けることにより、酸化物半導体層と絶縁層の界面における水素のパイルアップを低減することができる。なお、絶縁層に酸化物半導体の成分元素と同じ族の元素を用いる場合には、同様の効果を得ることが可能である。例えば、酸化アルミニウムを含む材料を用いて絶縁層を形成することも有効である。なお、酸化アルミニウムは、水を透過させにくいという特性を有しているため、当該材料を用いることは、酸化物半導体層への水の侵入防止という点においても好ましい。
また、酸化物半導体を用いた半導体層1913に接する絶縁層は、酸素雰囲気下による熱処理や、酸素ドープなどにより、絶縁材料を化学量論的組成比より酸素が多い状態とすることが好ましい。酸素ドープとは、酸素をバルクに添加することをいう。なお、当該バルクの用語は、酸素を薄膜表面のみでなく薄膜内部に添加することを明確にする趣旨で用いている。また、酸素ドープには、プラズマ化した酸素をバルクに添加する酸素プラズマドープが含まれる。また、酸素ドープは、イオン注入法またはイオンドーピング法を用いて行ってもよい。
例えば、酸化物半導体を用いた半導体層1913に接する絶縁層として酸化ガリウムを用いた場合、酸素雰囲気下による熱処理や、酸素ドープを行うことにより、酸化ガリウムの組成をGa2OX(X=3+α、0<α<1)とすることができる。
また、酸化物半導体を用いた半導体層1913に接する絶縁層として酸化アルミニウムを用いた場合、酸素雰囲気下による熱処理や、酸素ドープを行うことにより、酸化アルミニウムの組成をAl2OX(X=3+α、0<α<1)とすることができる。
また、酸化物半導体を用いた半導体層1913に接する絶縁層として酸化ガリウムアルミニウム(酸化アルミニウムガリウム)を用いた場合、酸素雰囲気下による熱処理や、酸素ドープを行うことにより、酸化ガリウムアルミニウム(酸化アルミニウムガリウム)の組成をGaXAl2−XO3+α(0<X<2、0<α<1)とすることができる。
酸素ドープ処理を行うことにより、化学量論的組成比より酸素が多い領域を有する絶縁層を形成することができる。このような領域を備える絶縁層と酸化物半導体層が接することにより、絶縁層中の過剰な酸素が酸化物半導体層に供給され、酸化物半導体層中、または酸化物半導体層と絶縁層の界面における酸素不足欠陥を低減し、酸化物半導体層をI型化またはI型に限りなく近い酸化物半導体とすることができる。
なお、化学量論的組成比より酸素が多い領域を有する絶縁層は、酸化物半導体を用いた半導体層1913に接する絶縁層のうち、上層に位置する絶縁層または下層に位置する絶縁層のうち、どちらか一方のみに用いても良いが、両方の絶縁層に用いる方が好ましい。化学量論的組成比より酸素が多い領域を有する絶縁層を、酸化物半導体を用いた半導体層1913に接する絶縁層の、上層及び下層に位置する絶縁層に用い、酸化物半導体を用いた半導体層1913を挟む構成とすることで、上記効果をより高めることができる。
また、酸化物半導体を用いた半導体層1913の上層または下層に用いる絶縁層は、上層と下層で同じ構成元素を有する絶縁層としても良いし、異なる構成元素を有する絶縁層としても良い。例えば、上層と下層とも、組成がGa2OX(X=3+α、0<α<1)の酸化ガリウムとしても良いし、上層と下層の一方を組成がGa2OX(X=3+α、0<α<1)の酸化ガリウムとし、他方を組成がAl2OX(X=3+α、0<α<1)の酸化アルミニウムとしても良い。
また、酸化物半導体を用いた半導体層1913に接する絶縁層は、化学量論的組成比より酸素が多い領域を有する絶縁層の積層としても良い。例えば、酸化物半導体を用いた半導体層1913の上層に組成がGa2OX(X=3+α、0<α<1)の酸化ガリウムを形成し、その上に組成がGaXAl2−XO3+α(0<X<2、0<α<1)の酸化ガリウムアルミニウム(酸化アルミニウムガリウム)を形成してもよい。なお、酸化物半導体を用いた半導体層1913の下層を、化学量論的組成比より酸素が多い領域を有する絶縁層の積層としても良いし、酸化物半導体を用いた半導体層1913の上層及び下層の両方を、化学量論的組成比より酸素が多い領域を有する絶縁層の積層としても良い。
加えて、図17(A)に示す平面図においては、ゲート電極層1903が半導体層1913の下側を覆う形で配置されており、遮光層1911が半導体層1913の上側を覆う形で配置される。従って、トランジスタ1905は上側及び下側で光の遮光ができる構造とすることができる。当該遮光により、トランジスタ特性の劣化を低減することができる。
次いで図18(A)には、図17(A)とは異なる画素の平面図の一例を示している。図18(B)は図18(A)の一点鎖線A−Bにおける断面図である。なお図18(A)、(B)に付した各構成の符号については、図17(A)、(B)と同様であり、説明を省略するものとする。
図18(A)、(B)に示す平面図及び断面図の構成では、図17(A)、(B)に示す平面図及び断面図の構成と異なり、ソース電極層1901a及びドレイン電極層1901bは、半導体層1913のチャネル形成領域となる以外の領域を覆うように配置する。従って、トランジスタ1905は半導体層1913の端部においても光の遮光ができる構造とすることができる。当該遮光により、トランジスタ特性の劣化を低減することができる。
次いで図19(A)には、図17(A)、図18(A)とは異なる画素の平面図の一例を示している。図19(B)は図19(A)の一点鎖線A−Bにおける断面図である。なお図19(A)、(B)に付した各構成の符号については、図17(A)、(B)と同様であり、説明を省略するものとする。
図19(A)、(B)に示す平面図及び断面図の構成では、図17(A)、(B)に示す平面図及び断面図の構成と同様に、ゲート電極層1903が半導体層1913の下側を覆う形で配置されており、遮光層1911が半導体層1913の上側を覆う形で配置される。加えて図19(A)、(B)に示す平面図及び断面図の構成では、図18(A)、(B)に示す平面図及び断面図の構成と同様に、ソース電極層1901a及びドレイン電極層1901bは、半導体層1913のチャネル形成領域となる以外の領域を覆うように配置する。従って、トランジスタ1905は上側及び下側で光の遮光ができる構造であり、且つ半導体層1913の端部においても光の遮光ができる構造とすることができる。当該遮光により、トランジスタ特性の劣化を低減することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る液晶表示装置において用いられる、基板の一形態について説明する。
まず、作製基板6200上に、剥離層6201を介して、トランジスタや層間絶縁膜、配線、画素電極及び場合に応じて共通電極やカラーフィルター、ブラックマトリクス、配向膜など、素子基板として必要な要素を含む被剥離層6116を形成する。
作製基板6200としては、石英基板、サファイア基板、セラミック基板や、ガラス基板、金属基板などを用いることができる。なお、これら基板は、可撓性を明確に表さない程度に厚みのあるものを使用することで、精度良くトランジスタなどの素子を形成することができる。可撓性を明確に表さない程度とは、通常液晶ディスプレイを作製する際に使用されているガラス基板の弾性率程度、もしくはより弾性率が大きいことを言う。
剥離層6201は、スパッタリング法やプラズマCVD法、塗布法、印刷法等により、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、珪素(Si)から選択された元素、又は元素を主成分とする合金材料、又は元素を主成分とする化合物材料からなる層を、単層又は積層して形成する。
剥離層6201が単層構造の場合、好ましくは、タングステン層、モリブデン層、又はタングステンとモリブデンの混合物を含む層を形成する。又は、タングステンの酸化物若しくは酸化窒化物を含む層、モリブデンの酸化物若しくは酸化窒化物を含む層、又はタングステンとモリブデンの混合物の酸化物若しくは酸化窒化物を含む層を形成する。なお、タングステンとモリブデンの混合物とは、例えば、タングステンとモリブデンの合金に相当する。
剥離層6201が積層構造の場合、好ましくは、1層目として金属層を形成し、2層目として金属酸化物層を形成する。代表的には1層目としてタングステン層、モリブデン層、又はタングステンとモリブデンの混合物を含む層を形成し、2層目として、タングステン、モリブデン又はタングステンとモリブデンの混合物の酸化物、窒化物、酸化窒化物又は窒化酸化物を形成すると良い。2層目の金属酸化物層の形成は、1層目の金属層上に、酸化物層(例えば酸化シリコンなどの絶縁層として利用できるもの)を形成することで1層目の金属層表面に当該金属の酸化物が形成されることを応用しても良い。
続いて、剥離層6201上に、被剥離層6116を形成する(図20(A)参照)。被剥離層6116としては、トランジスタや層間絶縁膜、配線、画素電極及び場合に応じて共通電極やカラーフィルター、ブラックマトリクス、配向膜など、素子基板として必要な要素が含まれる。これらは、剥離層6201上に、通常通り作製することができる。このように、トランジスタや電極は公知の材料や方法を用いて精度良く作製することができる。
次いで、剥離用接着剤6203を用いて被剥離層6116を仮支持基板6202に接着した後、被剥離層6116を作製基板6200の剥離層6201から剥離して転置する(図20(B)参照)。これにより被剥離層6116は、仮支持基板側に設けられる。なお、本明細書において、作製用基板から仮支持基板に被剥離層を転置する工程を転置工程という。
仮支持基板6202は、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、セラミック基板、金属基板などを用いることができる。また、以降の処理温度に耐えうる耐熱性を有するプラスチック基板を用いても良い。
また、ここで用いる剥離用接着剤6203は、水や溶媒に可溶なものや、紫外線などの照射により可塑化させることが可能であるような、必要時に仮支持基板6202と被剥離層6116とを分離することが可能な接着剤を用いる。
なお、仮支持基板6202への転置工程は、様々な方法を適宜用いることができる。例えば、剥離層6201として、被剥離層と接する側に金属酸化膜を含む膜を形成した場合は、当該金属酸化膜を結晶化させることにより脆弱化して、被剥離層6116を作製基板から剥離することができる。また、作製基板6200と被剥離層6116の間に、剥離層6201として水素を含む非晶質珪素膜を形成した場合は、レーザ光の照射またはエッチングにより当該水素を含む非晶質珪素膜を除去して、被剥離層6116を作製基板6200から剥離することができる。また、剥離層6201として窒素、酸素や水素等を含む膜(例えば、水素を含む非晶質珪素膜、水素含有合金膜、酸素含有合金膜など)を用いた場合には、剥離層6201にレーザ光を照射して剥離層6201内に含有する窒素、酸素や水素をガスとして放出させ、被剥離層6116と作製基板6200との分離を促進することができる。他の方法として、剥離層6201と被剥離層6116との界面に液体を浸透させて作製基板6200から被剥離層6116を剥離してもよい。剥離層6201をタングステンで形成し、アンモニア水と過酸化水素水の混合溶液により剥離層6201をエッチングしながら剥離を行う方法もある。
また、上記剥離方法を複数組み合わせることでより容易に剥離工程を行うことができる。レーザ光の照射、ガスや溶液などによる剥離層へのエッチング、鋭いナイフやメスなどによる機械的な除去を部分的に行い、剥離層と被剥離層とを剥離しやすい状態にしてから、物理的な力(機械等による)によって剥離を行う工程などがこれに当たる。剥離層6201を金属と金属酸化物との積層構造により形成した場合、レーザ光の照射によって形成される溝や鋭いナイフやメスなどによる傷などをきっかけとして、剥離層から物理的に引き剥がすことも容易となる。
また、これら剥離を行う際に水などの液体をかけながら剥離してもよい。
被剥離層6116を作製基板6200から分離する方法としては、他に、被剥離層6116が形成された作製基板6200を、機械的に研磨などを行って除去する方法や、溶液やNF3、BrF3、ClF3等のフッ化ハロゲンガスによるエッチングで除去する方法等も用いることができる。この場合は、剥離層6201を設けなくとも良い。
続いて、作製基板6200から剥離され、露出した剥離層6201、若しくは被剥離層6116表面に剥離用接着剤6203とは異なる接着剤による第1の接着剤層6111を用いて転置基板6110を接着する(図20(C)参照)。
第1の接着剤層6111の材料としては、紫外線硬化型接着剤など光硬化型の接着剤、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、または嫌気型接着剤など各種硬化型接着剤を用いることができる。
転置基板6110としては、じん性が大きい各種基板を用い、例えば、有機樹脂のフィルムや金属基板などを好適に使用することができる。じん性の大きい基板は耐衝撃性に優れ、破損し難い基板である。有機樹脂のフィルムは軽量であり、また、金属基板も薄いものは軽量であることから、通常のガラス基板を使用する場合と比較して、大幅な軽量化が可能となる。このような基板を用いることによって、軽く、破損しにくい表示装置を作製することができるようになる。
透過型もしくは半透過型の表示装置の場合には、転置基板6110としては、じん性が大きく且つ可視光に対する透光性を有する基板を用いれば良い。このような基板を構成する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルニトリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリエーテルスルフォン樹脂(PES)、ポリアミド樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等などが挙げられる。これら有機樹脂からなる基板は、じん性が大きいことから、耐衝撃性にも優れ、破損しにくい基板である。また、これら有機樹脂のフィルムは軽量であることから、通常のガラス基板と比較して、非常に軽量化された表示装置を作製することが可能となる。また、この場合、転置基板6110は、少なくとも各画素の光が透過する領域と重なる部分に開口が設けられた金属板6206をさらに備えることが好ましい構成である。この構成とすることによって、寸法変化を抑制しながらじん性が大きく、耐衝撃性が高く破損しにくい転置基板6110を構成できる。さらに、金属板6206の厚さを薄くすることで、従来のガラス基板よりも軽い転置基板6110を構成できる。このような基板を用いることによって、軽く、破損しにくい表示装置を作製することができるようになる。(図20(D)参照)。
図21(A)は液晶表示装置における上面図の一例である。図21(A)には、第1の配線層6210と第2の配線層6211とが交差し、第1の配線層6210と第2の配線層6211に囲まれた領域が光の透過する領域6212を有する上面図を示している。この場合、図21(B)のように、第1の配線層6210及び第2の配線層6211と重なる部分が残り、碁盤の目状に開口が設けられた金属板6206を用いれば良い。図21(B)のような金属板6206を図21(A)に示す上面図に貼り合わせることで、図21(C)に示す状態が得られる。その結果、有機樹脂からなる基板を用いたことによる合わせ精度の悪化や基板の伸びによる寸法変化を抑制することができる。なお、偏光板(図示せず)が必要な場合には、転置基板6110と金属板6206の間に設けても、金属板6206のさらに外側に設けても良い。偏光板はあらかじめ金属板6206に貼り付けられていても良い。なお、軽量化の観点からは、金属板6206として上記寸法安定化の効果を奏する範囲内において薄い基板を採用することが好ましい。
その後、被剥離層6116から仮支持基板6202を分離する。剥離用接着剤6203は必要時に仮支持基板6202と被剥離層6116とを分離することが可能な材料で形成されているので、当該材料に合った方法により仮支持基板6202を分離すれば良い。なお、バックライト部からの光は図面矢印のように照射される(図20(E)参照)。
以上により、トランジスタから画素電極までが形成された被剥離層6116(必要に応じて共通電極、カラーフィルター、ブラックマトリクス、配向膜などが設けられていても良い)を転置基板6110上に作製することができ、軽量かつ耐衝撃性の高い素子基板を作製することができる。
<変形例>
上述した構成を有する表示装置は、本発明の一態様であり、当表示装置と異なる構成を備える以下の表示装置も、本発明に含まれる。上述の転置工程(図20(B))の後、転置基板6110を貼り付ける前に、露出した剥離層6201、若しくは被剥離層6116表面に、金属板6206を貼り付けても良い(図20(C’)参照)。この場合、金属板6206からの汚染物質が、被剥離層6116におけるトランジスタの特性に悪影響を及ぼすことを防ぐため、バリア層6207を間に設けると良い。バリア層6207を設ける場合は、露出した剥離層6201、若しくは被剥離層6116表面にバリア層6207を設けてから、金属板6206を貼り付ければ良い。バリア層6207は無機材料や有機材料などにより形成すれば良く、代表的には窒化シリコンなどが挙げられるが、トランジスタの汚染を防止することができれば、これらに限られることはない。バリア層6207は透光性を有する材料で形成するか、もしくは透光性を有する程度に薄い膜とするなど、少なくとも可視光に対する透光性を有するように作製する。なお、金属板6206は、剥離用接着剤6203とは異なる接着剤を用いて第2の接着剤層(図示せず)を形成し、接着すればよい。
この後、第1の接着剤層6111を金属板6206表面に形成し、転置基板6110を貼り付け(図20(D’))、被剥離層6116から仮支持基板6202を分離する(図20(E’))ことにより、同様に軽量且つ耐衝撃性の高い素子基板を作製することができる。なお、バックライト部からの光は図面矢印のように照射される。
このように作製した軽量かつ耐衝撃性の高い素子基板と、対向基板とを液晶層を間に挟持させてシール材で固着することによって、軽量かつ耐衝撃性の高い液晶表示装置を作製することができる。対向基板としては、じん性が大きく、可視光に対する透光性を有する基板(転置基板6110に用いることが可能なプラスチック基板と同様のもの)を用いることができる。必要に応じてこれに偏光板、カラーフィルター、ブラックマトリクスや共通電極及び配向膜が設けられていても良い。液晶層を形成する方法としては、従来同様ディスペンサ法や注入法などを適用することができる。
以上のように作製された軽量かつ耐衝撃性の高い液晶表示装置は、トランジスタなどの微細な素子の作製を、寸法安定性が比較的良好なガラス基板上などで行うことができ、また、従来どおりの作製方法の適用が可能であることから、微細な素子であっても精度良く形成することができる。このため、耐衝撃性を有しながらも、高精細で高品質な画像を提供でき、且つ軽量な液晶表示装置を提供することが可能となる。
さらに、上記のように作製した液晶表示装置は、可撓性を有せしめることも可能である。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態8)
本実施の形態では酸化物半導体を用いて作製したトランジスタにおいて、光の遮光による効果について具体例を示して説明し、その効果について詳述する。本実施の形態では、図22(A)、(B)に示すように、遮光しないトランジスタとしてトランジスタ951、及び遮光をするトランジスタとしてバックゲート電極を有するトランジスタ952の2種類のトランジスタを作製する。そして図23、図24には、当該トランジスタ間での、光負バイアス試験前後におけるしきい値電圧(Vth)変化量を評価した結果を示す。
まず、図22(A)、(B)を用いてトランジスタ951の積層構成及び作製方法について説明する。基板900上に、下地層936として、CVD法により窒化シリコン(厚さ200nm)と酸化窒化シリコン(厚さ400nm)を積層して成膜した。次に、下地層936上に、スパッタ法により窒化タンタル(厚さ30nm)と、タングステン(厚さ100nm)を積層して成膜し、選択的にエッチングしてゲート電極901を形成した。
次に、ゲート電極901上に、ゲート絶縁層902として、高密度プラズマCVD法により酸化窒化シリコン(厚さ30nm)を成膜した。
次に、ゲート絶縁層902上に、スパッタ法によりIn−Ga−Zn−O系酸化物半導体ターゲットを用いて、酸化物半導体(厚さ30nm)を成膜した。続いて、酸化物半導体を選択的にエッチングし、島状の酸化物半導体層903を形成した。
次に、窒素雰囲気下、450℃で60分間の第1の加熱処理を行った。
次に、酸化物半導体層903上にチタン(厚さ100nm)、アルミニウム(厚さ200nm)、及びチタン(厚さ100nm)をスパッタ法により積層して成膜し、選択的にエッチングしてソース電極905a及びドレイン電極905bを形成した。
次に、窒素雰囲気下、300℃で60分間の第2の加熱処理を行った。
次に、酸化物半導体層903の一部に接し、ソース電極905a及びドレイン電極905b上に、絶縁層907としてスパッタ法により酸化シリコンを成膜した。そして、絶縁層907上に、絶縁層908として、ポリイミド樹脂(厚さ1.5μm)を成膜した。
次に、窒素雰囲気下、250℃で60分間の第3の加熱処理を行った。
次に、絶縁層908上に絶縁層909として、ポリイミド樹脂(厚さ2.0μm)を成膜した。
次に、窒素雰囲気下、250℃で60分間の第4の加熱処理を行った。
図22(B)に示すトランジスタ952は、トランジスタ951と同様に作製することができる。なお、トランジスタ951とは、絶縁層908と絶縁層909の間にバックゲート電極912が形成されている点が異なる。バックゲート電極912は、絶縁層908上に、チタン(厚さ100nm)、アルミニウム(厚さ200nm)、及びチタン(厚さ100nm)をスパッタ法により積層して成膜し、選択的にエッチングすることで形成した。バックゲート電極912は、ソース電極905aと電気的に接続した。
また、トランジスタ951及びトランジスタ952とも、チャネル長は3μm、チャネル幅は20μmとした。
続いて、本実施の形態で作製したトランジスタ951及びトランジスタ952に対して行った光負バイアス試験について説明する。
光負バイアス試験は加速試験の一種であり、光が照射されている環境下におけるトランジスタの特性変化を、短時間で評価することができる。特に、光負バイアス試験におけるトランジスタのVthの変化量は、信頼性を調べるための重要な指標となる。光負バイアス試験において、Vthの変化量が少ないほど、信頼性が高いトランジスタであるといえる。光負バイアス試験の前後におけるVthの変化量は、1V以下が好ましく、0.5V以下がさらに好ましい。
具体的には、光負バイアス試験は、トランジスタが形成されている基板の温度(基板温度)を一定に維持し、トランジスタのソース電極及びドレイン電極を同電位とし、光を照射しながら、ゲート電極にソース電極及びドレイン電極よりも低い電位を一定時間印加することで行う。
光負バイアス試験の強度は、光照射条件、基板温度、ゲート絶縁層に加えられる電界強度、電界印加時間により決定することができる。ゲート絶縁層に加えられる電界強度は、ゲート電極と、ソース電極及びドレイン電極の電位差をゲート絶縁層の厚さで除して決定される。例えば、厚さが100nmのゲート絶縁層に印加する電界強度を2MV/cmとしたい場合は、電位差を20Vとすればよい。
なお、光が照射されている環境下において、ソース電極及びドレイン電極の電位よりも高い電位をゲート電極に印加して行う試験を光正バイアス試験というが、光正バイアス試験よりも、光負バイアス試験の方が、トランジスタの特性変動が起きやすいため、本実施の形態では光負バイアス試験にて評価している。
本実施の形態における光負バイアス試験は、基板温度を室温(25℃)とし、ゲート絶縁層902に印加する電界強度を2MV/cmとし、光照射及び電界印加時間を1時間として行った。また、光照射の条件は、朝日分光社キセノン光源「MAX−302」を用いて、ピーク波長400nm(半値幅10nm)、放射照度326μW/cm2とした。
光負バイアス試験に先立ち、まず、試験対象となるトランジスタの初期特性を測定した。本実施の形態では、基板温度を室温(25℃)とし、ソース電極とドレイン電極間の電圧(以下、ドレイン電圧またはVdという)を3Vとし、ソース電極とゲート電極間の電圧(以下、ゲート電圧またはVgという)を−5V〜+5Vまで変化させた時の、ソース電極とドレイン電極間に流れる電流(以下、ドレイン電流またはIdという)の変化特性、すなわちVg−Id特性を測定した。
次に、絶縁層909側から光照射を開始し、トランジスタのソース電極及びドレイン電極の電位を0Vとし、トランジスタのゲート絶縁層902へ印加される電界強度が2MV/cmとなるようにゲート電極901に負の電圧を印加した。ここでは、トランジスタのゲート絶縁層902の厚さが30nmであるため、ゲート電極901に−6Vを印加し、そのまま1時間保持した。ここでは印加時間を1時間としたが、目的に応じて適宜時間を変更してもよい。
次に、電圧の印加を終了し、光を照射したまま、初期特性の測定と同じ条件でVg−Id特性を測定し、光負バイアス試験後のVg−Id特性を得た。
ここで、本実施の形態におけるVthの定義について図23を例示して説明しておく。図23の横軸はゲート電圧をリニアスケールで示しており、縦軸はドレイン電流の平方根(以下、√Idともいう)をリニアスケールで示している。曲線921は、Vg−Id特性におけるIdの値を平方根で表した曲線(以下、√Id曲線ともいう)である。
まず、測定したVg−Id曲線から√Id曲線(曲線921)を求める。次に、√Id曲線上の、√Id曲線の微分値が最大になる点の接線924を求める。次に、接線924を延伸し、接線924上でIdが0Aとなる時のVg、すなわち接線924のゲート電圧軸切片925の値をVthとして定義する。
図24(A)乃至(C)に、光負バイアス試験前後におけるトランジスタ951及びトランジスタ952のVg−Id特性を示す。図24(A)及び図24(B)とも、横軸はゲート電圧(Vg)で、縦軸はゲート電圧に対するドレイン電流(Id)を対数目盛で示している。
図24(A)は、光負バイアス試験前後におけるトランジスタ951のVg−Id特性を示している。初期特性931は、光負バイアス試験前のトランジスタ951のVg−Id特性であり、試験後特性932は、光負バイアス試験後のトランジスタ951のVg−Id特性である。初期特性931のVthは、1.01Vであり、試験後特性932のVthは、0.44Vであった。
図24(B)は、光負バイアス試験前後におけるトランジスタ952のVg−Id特性を示している。また、図24(C)は、図24(B)中の部位945を拡大した図である。初期特性941は、光負バイアス試験前のトランジスタ952のVg−Id特性であり、試験後特性942は、光負バイアス試験後のトランジスタ952のVg−Id特性である。初期特性941のVthは、1.16Vであり、試験後特性942のVthは、1.10Vであった。なお、トランジスタ952のバックゲート電極912はソース電極905aと電気的に接続されているため、バックゲート電極912とソース電極905aの電位は同電位となる。
図24(A)において、試験後特性932は、初期特性931に比べてVthがマイナス方向に0.57V変化しており、図24(B)において、試験後特性942は、初期特性941に比べてVthがマイナス方向に0.06V変化している。トランジスタ951及びトランジスタ952とも、Vthの変化量は1V以下であり、信頼性が高いトランジスタであることが確認できる。また、バックゲート電極912を設けたトランジスタ952は、Vthの変化量が0.1V以下であり、トランジスタ951よりもさらに信頼性の高いトランジスタであることが確認できる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態9)
本明細書に開示する表示装置は、さまざまな電子機器(遊技機も含む)に適用することができる。電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、またはテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等のカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。上記実施の形態で説明した表示装置を具備する電子機器の例について説明する。
図13(A)は、電子書籍の一例を示している。図13(A)に示す電子書籍は、筐体1700及び筐体1701の2つの筐体で構成されている。筐体1700及び筐体1701は、蝶番1704により一体になっており、開閉動作を行うことができる。このような構成により、書籍のような動作を行うことが可能となる。
筐体1700には表示部1702が組み込まれ、筐体1701には表示部1703が組み込まれている。表示部1702及び表示部1703は、続き画面を表示する構成としてもよいし、異なる画面を表示する構成としてもよい。異なる画面を表示する構成とすることで、例えば右側の表示部(図13(A)では表示部1702)に文章を表示し、左側の表示部(図13(A)では表示部1703)に画像を表示することができる。
また、図13(A)では、筐体1700に操作部等を備えた例を示している。例えば、筐体1700は、電源入力端子1705、操作キー1706、スピーカ1707等を備えている。操作キー1706により、頁を送ることができる。なお、筐体の表示部と同一面にキーボードやポインティングディバイス等を備える構成としてもよい。また、筐体の裏面や側面に、外部接続用端子(イヤホン端子、USB端子、及びUSBケーブル等の各種ケーブルと接続可能な端子等)、記録媒体挿入部等を備える構成としてもよい。さらに、図13(A)に示す電子書籍は、電子辞書としての機能を持たせた構成としてもよい。
図13(B)は、表示装置を用いたデジタルフォトフレームの一例を示している。例えば、図13(B)に示すデジタルフォトフレームは、筐体1711に表示部1712が組み込まれている。表示部1712は、各種画像を表示することが可能であり、例えば、デジタルカメラ等で撮影した画像データを表示させることで、通常の写真立てと同様に機能させることができる。
なお、図13(B)に示すデジタルフォトフレームは、操作部、外部接続用端子(USB端子、USBケーブル等の各種ケーブルと接続可能な端子等)、記録媒体挿入部等を備える構成とする。これらの構成は、表示部と同一面に組み込まれていてもよいが、側面や裏面に備えるとデザイン性が向上するため好ましい。例えば、デジタルフォトフレームの記録媒体挿入部に、デジタルカメラで撮影した画像データを記憶したメモリを挿入して画像データを取り込み、取り込んだ画像データを表示部1712に表示させることができる。
図13(C)は、表示装置を用いたテレビジョン装置の一例を示している。図13(C)に示すテレビジョン装置は、筐体1721に表示部1722が組み込まれている。表示部1722により、映像を表示することが可能である。また、ここでは、スタンド1723により筐体1721を支持した構成を示している。表示部1722は、上記実施の形態に示した表示装置を適用することができる。
図13(C)に示すテレビジョン装置の操作は、筐体1721が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機により行うことができる。リモコン操作機が備える操作キーにより、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部1722に表示される映像を操作することができる。また、リモコン操作機に、当該リモコン操作機から出力する情報を表示する表示部を設ける構成としてもよい。
図13(D)は、表示装置を用いた携帯電話機の一例を示している。図13(D)に示す携帯電話機は、筐体1731に組み込まれた表示部1732の他、操作ボタン1733、操作ボタン1737、外部接続ポート1734、スピーカ1735、及びマイク1736等を備えている。
図13(D)に示す携帯電話機は、表示部1732がタッチパネルになっており、指等の接触により、表示部1732の表示内容を操作することができる。また、電話の発信、或いはメールの作成等は、表示部1732を指等で接触することにより行うことができる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。