JP5797646B2 - Ｋワイヤー及び外科手術の方法 - Google Patents

Description

本発明は整形外科手術等の外科手術、特に経皮的椎弓根スクリュー工法等の脊椎手術において用いる改良されたガイドワイヤー又はＫワイヤーに関する。

ある種の外科手術において、Ｋワイヤー（Kirschnerワイヤー）又はガイドワイヤーがジャムシディ針等の外科用ツールと共に用いられる。ジャムシディ針は椎弓根にねじを取り付けることなどのある種の医療処置において第１のステップとして骨に穴を開けるのに使用される。Ｋワイヤー又はガイドワイヤーは針を通して骨の内部に挿入されるけれども、特に椎体の前部皮質等の敏感な部分にかかっているとき、もし正確に行われなければ、患者を傷つける可能性が有る。Ｋワイヤーは手術部位にタップ、ねじ、ねじ回し等を案内することなどのある種の外科的ステップの入り口として使用される。処置はしばしば力を用いることを必要とし、それによって正しく位置しているＫワイヤー又はガイドワイヤーが手術部位に向けて前進移動することがあり、もし過度の移動であると接触を避けるべきところに接触してしまう可能性がある。

Ｋワイヤー又はガイドワイヤーは一般的に円柱状であり、およそ３ミリメートルの半径を有しており、使用中に動き易くなっている。事実、Ｋワイヤーはその設置の際に移動するようにデザインされており、一度設置されるとその移動は妨げられないため、その使用には注意が必要である。しかしＫワイヤーの断面の大きさは一緒に使用するツール及び装置によって制限される。各ツール又は装置にはＫワイヤー又はガイドワイヤーを受け入れる貫通穴が設けられており、使用できるワイヤーのサイズ及びタイプが制限される。更に、Ｋワイヤーは通常装置又はツールの貫通穴を通過して取り外される。従って、今日まで半径が小さく、一般的に円柱状の丸い断面のＫワイヤーのみが使用されてきており、それらの使用に問題があり、ここに示されたＫワイヤー又はガイドワイヤーは中空でない中心コアを含んでいるけれども、Ｋワイヤー又はガイドワイヤーは中空のチューブ状の部材でもよく、それらも本発明の範囲から逸脱することはないことに注目すべきである。

米国特許第５、４３１、６５１号は移植靭帯を取りつけるためのクロスピン及びセットねじ大腿及び脛固定装置を開示している。その装置は横穴をドリル穿孔するためのドリルガイドを含んでいる。ドリルガイドは、ドリルを正しい位置に置くために第１のツイストドリルから分離可能である。第１のツイストドリルは更なるドリル穿孔及び留め具装置の通路を案内するために用いられる。Ｋワイヤー又は第１のツイストドリルは横穴を拡大するための第２のツイストドリルを案内し、移植靭帯の大腿骨端にカニューレ処置された留め具装置を案内し、回転させるために用いられる。Ｋワイヤーには骨を通過した後のその挿入の範囲を制限する特徴は存在しない。

米国特許第７、５７５、５７８号はハンドル及び骨に接触する端部を有するアームを含む手術用ドリルガイドを開示している。ハンドルはスリーブを受け入れる複数のスロット又はチャネルを含んでいる。スリーブはＫワイヤーを骨に案内するのに用いられる。Ｋワイヤーは骨にトンネルを穿孔するためのガイドとして機能する。Ｋワイヤーには骨を通過した後のその挿入の範囲を制限する特徴は存在しない。

米国特許出願公開公報第２００７／０２３９１５９号は骨安定化部品をひとの体内に設置するための装置及びシステムを開示している。特に骨安定化部品は脊椎上に設置される。人の体内に装置を正確に位置決めし、設置し、安定させるためにＫワイヤーを含む種々のツールが用いられる。

米国特許出願公開公報第２００７／０２７０８９６号は椎骨の椎弓根に接近するためのジャムシディ針を含む装置を開示している。

米国特許第５、４３１、６５１号 米国特許第７、５７５、５７８号 米国特許出願公開公報第２００７／０２３９１５９号 米国特許出願公開公報第２００７／０２７０８９６号

本発明は挿入されたときに軸方向の前方への移動に対する抵抗が大きくなる一方、依然として伝統的な外科用ツール及び装置と共に使用することができる改良されたＫワイヤーを提供することによってこの問題に対する解決手段を提供するものである。

本発明は伝統的な外科用ツール及び装置と共に用いることができるＫワイヤーを提供することに関する。本発明によるガイドワイヤー又はＫワイヤーは外科用ツール又は装置の貫通穴から出るときに調整された方法で変化可能な端部を有し、貫通穴内にあるときのＫワイヤーの端面に比較して大きな突出エリアを有する前方の面を提供する変形自在な端部が提供される。その変形は熱的又は他の方法で内部応力から機械的に誘起されるものである。

本発明はまたガイドワイヤー又はＫワイヤーを使用して外科手術を行う方法を提供することにも関している。その方法はガイドワイヤー又はＫワイヤーが第１の大きさの前方エリアを持つようにしてガイドワイヤー又はＫワイヤーをツール又は装置を通して外科的間隙内に通すことを含んでいる。次にガイドワイヤー又はＫワイヤーは端部がツール又は装置の外部に移動し、そこでその前方端部は第１の大きさより大なる第２の大きさの前方に向いたエリアをもつように拡張可能である。使用後はガイドワイヤー又はＫワイヤー外科用ツール又は装置を通して手術部位から引き出すことができる。

図１は椎弓根を通して伸びたジャムシディ針を示す椎骨の図式的な平面図である。 図２Ａ、２ＢはＫワイヤー又はガイドワイヤーの一端部の二つの形状を示すＫワイヤー又はガイドワイヤー側面図である。 図３は拡張した前方面を提供するように構成された端部を示すＫワイヤー又はガイドワイヤーの拡大した断片的な図である。 図４は貫通穴内にＫワイヤー又はガイドワイヤーが有るジャムシディ針の断片的な側断面図である。 図５Ａ及び図５Ｂは再形成自在な端部の一実施例を有するＫワイヤー又はガイドワイヤーの端部の拡大した断片的な側面図である。 図６Ａ及び図６Ｂは本発明のＫワイヤー又はガイドワイヤーの他の実施例の拡張状態、非拡張状態の端部の拡大した側面図である。 図７は本発明のＫワイヤー又はガイドワイヤーの更に他の実施例の端部の拡大側面図である。 図８は本発明のＫワイヤー又はガイドワイヤーの更に他の実施例の端部の拡大側面図である。 図９は図２Ｂに示されたものと同様の本発明の実施例の端部の拡大側面図である。 図１０は本発明の更に他の実施例の端部の拡大側面図である。 図１１は図１０に図示された実施例の広がった端部を示す拡大断面図である。 図１２は本発明の更に他の実施例を示す拡大側面図である。 図１３は本発明の更に他の実施例の拡大側面図である。 図１４は外科的処置において使用される本発明の図である。

以上の図において同様又は類似の部分及び／又は構成は、同様の番号を使用して示されている。

＜実施例＞
本発明は種々の形で実施例に影響されるものであるけれども、この開示は発明の例示として見なされるべきものであり、本発明がここに示された特定の実施例に限定されることを意図したものでは無いという条件で現在の好ましい実施例が図面に示され、以下に説明されている。

図面を全体的に参照すると、参照番号１０はジャムシディ針１２、ドリル又はタップ（図示せず）等の外科用ツール、又はねじ、プレート、又はインプラント等の外科的装置と共に外科手術で用いることが可能なＫワイヤー又はガイドワイヤーを示している。Ｋワイヤー（Kirschnerワイヤーとも呼ばれる）又はガイドワイヤーは本技術分野において周知である。ジャムシディ針もまた本技術分野において周知であり、貫通穴１６（ドリル、タップ又はねじ等の）を有する軸部１４と尖った遠位端１７を有する。また、人などの患者の椎弓根部２３の有る椎骨２２等の手術部位２１に軸部が容易に挿入されるようにするために軸部１４の近位端２０にはハンドル１８が設けられていても良い。外科医はハンドル１８を使ってジャムシディ針１２を操作してもよく、手又はハンマーなどのインパクトツールでハンドル１８を叩くことで軸部１４に衝撃力を与えてもよい。ジャムシディ針は骨にねじ２４を取り付けるような外科手術を行うときに骨を貫通するために使用される。穴形成の間に軸部１４の剛性を高める為に貫通穴１６にロッド（図示せず）が設置されるようにしても良い。ロッドを除去することで貫通穴１６がＫワイヤー１０の挿入のために提供される。ジャムシディ針１２によって穴２５を形成した後に、Ｋワイヤー又はガイドワイヤー１０が骨の内側に挿入され、Ｋワイヤー又はガイドワイヤーを正しい位置に残してジャムシディ針は除去される。脊椎手術などの或る種の外科手術では、Ｋワイヤー又はガイドワイヤーは例えば椎弓根２３等の骨の一つの壁を通して挿入され、反対側の骨壁に対して配置される。手術の際に注意が払われないと、Ｋワイヤー又はガイドワイヤーが反対側の骨壁を押し通し、傷つける恐れがある。本発明はこのような潜在的な問題に対する解決手段である。

Ｋワイヤー又はガイドワイヤー１０は通常はドリル、タップ、インプラント、ねじ等の他の外科用ツール又は装置のためのパイロット又はガイドとして用いられる。ねじ２４を取り付ける場合（図５Ｂ）、ドリルで開けられてタッピングされた穴２５にねじを案内するために、ねじはＫワイヤー又はガイドワイヤーを受け取る貫通穴４４を有するようにすることができる。ねじ２４を取り付けた後にＫワイヤー又はガイドワイヤーを単に引くことでＫワイヤー又はガイドワイヤーの前端の部分が実質的にその元のサイズより小さくなりＫワイヤー又はガイドワイヤー１０はねじ２４の貫通穴２７を通して引き抜かれる。

Ｋワイヤー又はガイドワイヤー１０は、両端部２６、２８及び両端分の間に位置するほぼ円柱状の中間部３０を有する。Ｋワイヤー又はガイドワイヤー１０の長さは好ましくは、例えばジャムシディ針１２等の使用されている外科用ツールの両端を超えて伸びるように充分長くする。Ｋワイヤー又はガイドワイヤー１０は貫通穴１６に沿って自由に動くことが可能な大きさと形を有している。便宜上、端部２８を操作端部と称し、端部２６を作用端部と称する。好ましくは、操作端部２８及び中間部３０の長さ全体は設置されたＫワイヤー又はガイドワイヤー１０からツール又は装置を容易に取り外すことができるようにほぼ円柱状である。

作用端部２６には調整自在に変形し得る部分３２が設けられている。部分３２はＫワイヤー又はガイドワイヤー１０と一体の部分でも良く、取り付けられた部分でも良い。幾つかの異なる部分３２について以下に記述する。一般的に、部分３２は貫通穴１６内に適合し、その中で自由に動くことができるように形成することができる。この部分は手術部位２１に挿入して使用するため、そしてツール又は装置の貫通穴から取り外すために、貫通穴１６に挿入可能である。Ｋワイヤー又はガイドワイヤーはまた、もし必要が無くなれば後の外科的ステップの前に取り外すことが可能である。例えば、もしＫワイヤー又はガイドワイヤーがねじ２４を案内して挿入するために必要が無ければ、ねじ２４を取り付ける前に取り外される。貫通穴１６の外部にあるときには、作用端部２６は自動的に拡大するか又は手動で拡大させることができ、Ｋワイヤー又はガイドワイヤー１０が貫通穴１６内に有るときの横断面より大きな突出エリアを有する拡大面を呈する。一例として、図３に示された作用端部２６は（Ｋワイヤー又はガイドワイヤー１０の中間部３０での湾曲部の端部３３は丸くなっており、ややエリアが減っているものとして）およそＷ×Ｌ倍である突出エリアを有しているのに対して、Ｋワイヤー又はガイドワイヤーはエリアがＡ＝πｒ²であり、この式においてｒはＷ／２に等しい。形状を取り戻した突出エリアの断面積は少なくとも大体１．５倍であることが好ましく、以下に記述されたように、好ましくはＫワイヤー又はガイドワイヤーの第１の断面積の大きさの少なくとも凡そ２倍である。

Ｋワイヤー又はガイドワイヤー１０又はＫワイヤー又はガイドワイヤーの変形自在な部分３２は変形自在な材料で作ることができ、それによって少なくとも作用端部２６を、上述の如く一つの形状（図２Ｂ）が第１の形状（図２Ａ）に比較して大きな突出エリアを有する第１及び第２の形状（図２Ａ及び図２Ｂ参照）の間で形成することが可能になる。適当な再形成可能な材料はニチノール等の形状記憶合金と呼ばれる。マルテンスティック転移として知られる可逆的な、固体相の転移が形状記憶合金の背景となる力である。かかる合金は良く知られており、結晶構造の一つの形から他の形に変化することが可能な結晶構造を形成する。温度変化及び／又は負荷ローディングによって形状の変換が開始され得る。一例として、ニチノールはそれの変態温度以上で超塑性を呈し、負荷が加えられたときに変形に耐え、負荷が除かれたときにそれの元の形状に戻ることができる。それの変態温度以下では形状記憶効果を示す。それの変態温度以下で変形されたときにはそれの変態温度以上に加熱されるまでその形状に留まり、変態温度以上になった時点でそれの元の形状に戻る。そして、元の形状が曲った形であるとすると、冷たい状態でまっすぐな形に変形させることができる。加熱すると、曲がった形に戻る。熱（温度上昇）は患者に接することで提供されることができる。また、弾性的に変形自在な材料も使用でき、例えば圧力がかかって形状が変化した降伏強度の高いばね鋼は弾性的に解放されると、変形した部分の形が再びその圧力を受けていない形状に戻るように変化する。本発明の、弾性的な材料を用いて作成することが可能な実施例が図５Ａ及び図５Ｂに示されており、以下に記述する。可塑的に変形自在な材料もまた幾つかの作用端部２６の形状のために用いることができる。弾性的に変形自在、可塑的に変形自在及びばね等の用語は、ここで記述されているようにＫワイヤー又はガイドワイヤーの通常の使用において材料が変形したときの材料の一般的に特性を示すために用いられている。溝またはその他の同種のもの等のような調節された弱い点を選択された戦略的な位置で用いることで調節された曲げを起こすことができる。図５Ａ及び図５Ｂの実施例は可塑的に変形自在材料でも使用することができる。Ｋワイヤー又はガイドワイヤー１０と共に最後に使用されると考えられるねじ２４又は他のツール又は装置には端部２６を通路１６、４４のような通路に挿入し、又は取り外すためにその通路内に適合するようにするための拡張されない形状に再形成するのを補助するための押圧円錐部３５を設けることができる。このかたちの実施例が図５Ａ及び図５Ｂに示されており、以下に記述されている。

図１−３に示された実施例において、作用端部２６は貫通穴１６の外に有るときに横方向に伸びる部分３６を有している。横方向に拡張するための変形は上述のように熱を加えて記憶による曲げを起こすことで得ることができる。部分３６はＫワイヤー又はガイドワイヤー１０内の永久的な曲部として設け、次に貫通穴１６に閉じ込められることによってまっすぐに変形し、貫通穴から出たときに再度その曲がった形状に戻るようにすることができる。端部２６の材料の特性は通路または穴を通して取り外す際に例えば押圧円錐部３５の使用によって容易になる曲がり部分の直線化をもたらすように選択することができる。横方向の拡張により突出エリアが増大し手術部位への軸方向の前方への移動が更に制限される。

図４はＫワイヤー又はガイドワイヤー１０を貫通穴１６の外に方向づけることを容易にする為に用いることが可能な外科用ツールの形状を示している。それは外に出るＫワイヤー又はガイドワイヤー１０を方向づける屈曲端３７を用いている。

図５Ａ及び図５Ｂに示された実施例において、作用端部２６は広がった位置をとることができる複数のロッド４２を有する拡張可能な籠４０の形であり、図５Ａは軸部１４の貫通穴１６内に有って収縮した形状の籠４０を図示している。図５Ｂは拡張した形状の籠４０とＫワイヤー又はガイドワイヤー１０上に配置されたネジを図示している。図５Ａ及び図５Ｂの実施例は弾性的に変形自在なロッド４２又は可塑的に変形自在なロッド４２の少なくとも２つの方法で構成することができる。形状記憶合金を使用することができる。少なくともロッド４２にはピーク（PEEK）樹脂等の高分子繊維材料も用いることができる。もしロッド４２が弾性的に変形自在であれば、それらは外側または拡張した形状に偏倚するように形成することができ、一旦貫通穴１６の外に出ればそれらは外側に動いて誘起された応力を解放し、図５Ｂのように拡張した形状になる。ロッド４２はまた可塑的に変形自在であっても良く、軸方向の力が印加されると図５Ｂのような拡張した位置に移動する。Ｋワイヤー又はガイドワイヤーが貫通穴１６内に有るときにはロッド４２はつぶれた形状になり、ロッド４２が穴の外にあるときには上述の如くそれらは拡張した位置をとるか又は拡張した位置へ押し出されて手術部位内の材料と結合するための突出エリアを増加させる。上述の如く、ロッドは形状記憶合金で作っても良いことに注目すべきである。貫通穴４４を通してＫワイヤー又はガイドワイヤー１０を取り除くことを容易にするために押圧円錐部３５を用いても良い。ロッド４２の遠位端を終端キャップ４３を使用して位置に保持するようにしても良い。図５Ｂに示されたように拡張されたときの端部２６の突出エリアは部分４６におけるように、ロッド４２の拡張された部分の最も外側で画定あるいは仕切られたエリアとなる。

図６Ａ及び図６Ｂは本発明の他の実施例を図示している。図６Ａは形状記憶合金を用いて作ることができ、加熱されて図６Ｂに図示された拡張した形状となる拡張可能な終端球状部分５０を有する端部２６示している。この実施例は特にツール又は装置の通路以外の部分を通してＫワイヤー又はガイドワイヤーが引き抜かれる場合に使用するものである。
図７は本発明の別の実施例を図示している。この実施例は一対の対向する脚部６１、６２を使用する。脚部６１、６２は弾性的な動作又は上述のように記憶合金を使用したときのように形成された形状を温度変化により取り戻すことによって外側方向に移動するように構成されている。図示された実施例において、脚部６１、６２は重なった部分６３を有している。

図８は本発明の追加の実施例を図示しており、二つの脚部７１、７２を有している点で図７に示された形状と同様であるけれども、脚部は互いに重なっていない。その代わりに図示されたように拡張した位置にあるときには共通な領域７３から脚部が広がっており、その間の間隙７４を有している。

本発明の図６−８に示された実施例は全て一つの材料の軸部１４とバネ材料又は記憶合金のような別の材料の終端部分を用いている。

図９は本発明の更に他の実施例を図示している。この実施例は図２に示されたＫワイヤー又はガイドワイヤー１０と同様であり、その拡張された形状が示されている単一の拡張脚部８０を有する端部２６が取り付けられた軸部１４を有している。部分８０はＫワイヤー又はガイドワイヤー１０における永久的な曲部として提供され、貫通穴１６に閉じ込められてまっすぐに変形可能であり、通路から出たときにその曲がった形状を取り戻すようにすることができる。終端部分８０の材料の特性は、例えば押圧円錐部分の使用によって容易化することが可能な通路を通した取り外しのために曲部が直線化することが可能なように選択することができる。横方向の拡張によってより大きな突出エリアが提供され、手術部位への軸方向の前方の動きが更に制限される。

図１０及び図１１は本発明の更に他の実施例を図示している。Ｋワイヤー又はガイドワイヤーの端部２６は複数の変形自在な端部８２及び８４を含んでいる。図１０及び図１１のＫワイヤー又はガイドワイヤーはニチノール等の形状記憶合金で作成することができる。他の形状記憶合金や他の材料もまた使用可能である。端部８２及び８４は通常図１１に示された如くＫワイヤー又はガイドワイヤーの長軸から地点８７で外側に向けて変形している。端部８２及び８４の偏向した変形によってＫワイヤー又はガイドワイヤーが骨を貫通するときに拡大した終端エリアがえられる。このように終端エリアが大きくなっていることで抵抗が大きくなり、その結果としてＫワイヤー又はガイドワイヤーが骨を過度に深く貫通して隣接する骨の内部に入ったり目的の骨の外部に出てしまうことが防止される。端部８２及び８４の長さは形状記憶合金の異なる形状とともに端部８２及び８４が骨に入った後にどの程度迅速に外側に変形するかを決定する。それらがより迅速に変形するほど骨の内部に貫入するのが少なくなる。図１０に示された如くＫワイヤー又はガイドワイヤーがジャムシディ針内を通して引き戻されるときには端部８２及び８４は一緒につぶれた状態になる。端部８２上に溝８６があって、つぶれた位置にあるときに凸部８８がその中に収まる。

図１２及び図１３は本発明他の実施例を図示している。これらの実施例は図１０及び図１１に図示された実施例の変形である。図１２においてＫワイヤー又はガイドワイヤーの端部８２は９０のところで外側に曲がる。また、端部８４は９２のところで外側に曲がる。この実施例は図１０及び図１１の実施例に比べて端部８２及び８４が長軸からより迅速に外側に曲がることが可能である。図１３において端部８２が９４のところで外側に曲がり、端部８４が９６のところで外側に曲がる。曲がり部９４及び９６は端部８２及び８４の端により近くなっている。従って、それらは図１２の曲がり部９０及び９２に比較して端部８２及び８４が長軸から外側により迅速に曲がることを可能にしている。端部が長軸から離れて迅速に移動するほどＫワイヤー又はガイドワイヤーが骨の内部に貫入することが少なくなる。従って図１３の実施例は図１２の実施例に比較して骨の内部に貫入することが少ない。

また図１２の実施例は図１０及び図１１の実施例に比較して骨の内部に貫入することが少ない。

本発明はまた図１４に図示された如くＫワイヤー又はガイドワイヤーを使用して医療処置を行う方法も含んでいる。外科医又は他の医療関係者は外科用ツールの端部を手術部位に位置させる。最初に使用される外科用ツールは好ましくはジャムシディ針１２について上述したもののようにガイド用貫通穴の開口をツールの遠位端に有している。Ｋワイヤー又はガイドワイヤーをその作用端部２６が貫通穴１６の開口端を超えて伸びるまで貫通穴１６を通過させることによってＫワイヤー又はガイドワイヤー１０が手術部位に案内される。じょうご９８の使用で外科医がＫワイヤー又はガイドワイヤーをジャムシディ針内に設置することが補助される。Ｊワイヤーの作用端部２６は少なくともそれ自身が貫通穴１６から出た後に変形する部分を有しており、上述のように変形した部分はＫワイヤー又はガイドワイヤーの貫通穴１６内に有るときの断面積より大なる突出エリアを有している。作用端部２６が記憶合金を含んでいるとき、作用端部２６の温度を上昇させることによって変形が自動的に起きるようにすることができる。また、変形自在な部分がバネ材料で構成されるときには作用端部内に誘起される応力を解放することによって変形が誘起されようにすることができる。変形はまた、Ｋワイヤー又はガイドワイヤー１０に沿って軸方向に向いた力を与えることによって機械的に誘起させることもできる。手術の少なくとも一部分の後に、上述のようにＫワイヤー又はガイドワイヤーは取り外すことができる。Ｋワイヤー又はガイドワイヤーは外科手術の間に外科用ツール及び／又は装置を手術部位に案内するために用いられる。一旦Ｋワイヤー又はガイドワイヤーが骨に挿入されると、ジャムシディ針は引き出すことができ、カニューレ状タップ又は他の装置はＫワイヤー又はガイドワイヤーを滑って降下して骨に挿入される。タップがＫワイヤーの拡張した端部８２、８４に届いたときに、その前方への進行が停止される。従って、本発明は骨の内部でのタップ又は他の装置の位置を確認するための透視法を用いる必要を避けることができる。

本発明の幾つかのかたちについて説明してきたけれども、ここで記述されて、示された特定のかたちや構成に限定されるものではないことが理解されるべきである。

当業者には発明の範囲を逸脱することなしに種々に変化させることができ、発明はここ含まれる明細書及び図面に示され、説明された内容に限定されるものと理解されるべきではないことは明らかである。

当業者には本発明は、目的を遂行し、記述されたもののみでなく本来含まれる結果と利点を得るために適応可能であることが容易に理解される。

ここに記述された実施例、方法、手順及び技術は現在の好ましい実施例を表すものであり、模範的なものであることを意図したものであり、範囲を限定することを意図したものではない。当業者はその中の変更や他の使用方法を思いつく筈であり、それらは発明の趣旨に包含されるものであり、添付の請求項の範囲によって定義される。本発明は特定の好ましい実施例に関して記述されてきたけれども、請求項に記載された発明はそのような特定の実施例に必要以上に限定されるべきでないことが理解されるべきである。実際、当業者には本発明を実施するための記述された態様を種々に変更することは明白であり、以下に記述された請求項の範囲に含まれることが意図されている。

Claims (17)

1. 外科手術において用いるガイドワイヤーであって、前記ガイドワイヤーは、
   遠位端部及び近位端部を有する軸部を含み、前記遠位端部は外科用ツール又は外科的装置の貫通穴内に有って拘束されているときには第１の形状を有し、前記貫通穴の外部では第２の形状を有し、前記第２の形状は前記第１の形状に比較してより大なる横方向の突出エリアを有しており、前記遠位端部は前記貫通穴を通して前記ガイドワイヤーが軸方向に移動するときに前記第２の形状から再び前記第１の形状に戻る実質的に回復可能な変形を提供するように構成され、前記遠位端部は第１の端部及び第２の端部を含み、前記第１の端部及び前記第２の端部の各々は前記第２の形状にあるときには屈曲点において前記ガイドワイヤーの長軸から外側方向に曲がっており、当該外側方向への曲がりにより突出エリアが増大して手術部位への軸方向の前方への移動が制限され、前記第１の端部は前記第２の端部より長く、前記第１の端部はその長さ方向に前記第１の端部の自由端近傍まで延びる溝を含み、前記第１の形状にあるときには前記第２の端部が前記溝内に収まることを特徴とするガイドワイヤー。
2. 前記遠位端部は形状記憶合金で作られた変形自在部分を有することを特徴とする請求項１に記載のガイドワイヤー。
3. 前記形状記憶合金はニチノールを含むことを特徴とする請求項２に記載のガイドワイヤー。
4. 前記遠位端部は弾性的に変形自在なバネ材料で作られた変形自在な部分を有することを特徴とする請求項１に記載のガイドワイヤー。
5. 前記遠位端部は可塑的に変形自在な材料で作られた変形自在な部分を有することを特徴とする請求項１に記載のガイドワイヤー。
6. 前記第２の形状は前記第１の形状のエリアのおよそ１．５倍の横方向の突出エリアを有することを特徴とする請求項１に記載のガイドワイヤー。
7. 外科手術において用いるガイドワイヤーであって、前記ガイドワイヤーは、
   遠位端部及び近位端部を有する軸部を含み、前記遠位端部は外科用ツール又は外科的装置の貫通穴内に有って拘束されているときには第１の形状を有し、前記貫通穴の外部では第２の形状を有し、前記第２の形状は前記ガイドワイヤーの長軸から外側に曲がった二つの端部を有し、前記第２の形状は前記第１の形状に比較してより大なる横方向の突出エリアを有しており、前記遠位端部は前記貫通穴を通して前記ガイドワイヤーが軸方向に移動するときに前記第２の形状から再び前記第１の形状に戻る実質的に回復可能な変形を提供するように構成され、前記遠位端部は第１の端部及び第２の端部を含み、前記第１の端部及び前記第２の端部の各々は前記第２の形状にあるときには屈曲点において前記ガイドワイヤーの長軸から外側方向に曲がっており、当該外側方向への曲がりにより突出エリアが増大して手術部位への軸方向の前方への移動が制限され、前記第１の端部は前記第２の端部より長く、前記第１の端部はその長さ方向に前記第１の端部の自由端近傍まで延びる溝を含み、前記第１の形状にあるときには前記第２の端部が前記溝内に収まることを特徴とするガイドワイヤー。
8. 前記二つの端部は前記二つの端部の異なる位置で外側方向に曲がっていることを特徴とする請求項７に記載のガイドワイヤー。
9. 外科手術おいて用いるガイドワイヤーであって、前記ガイドワイヤーは、
   第１の端部と第２の端部を有する軸部を有し、前記第１の端部は第１の形状から手術部位における第２の形状への変化が可能なように構成されており、前記第２の形状は前記ガイドワイヤーの長軸から外側に曲がった二つの端部を有し、前記第２の形状は横方向の突出エリアが前記第１の形状より大で、前記ガイドワイヤーが手術部位に向けて更に軸方向前方へ動くことに対する抵抗を増加させ、前記第１の端部及び前記第２の端部の各々は前記第２の形状にあるときには屈曲点において前記ガイドワイヤーの長軸から外側方向に曲がっており、当該外側方向への曲がりにより突出エリアが増大して手術部位への軸方向の前方への移動が制限され、前記第１の端部は前記第２の端部より長く、前記第１の端部はその長さ方向に前記第１の端部の自由端近傍まで延びる溝を含み、前記第１の形状にあるときには前記第２の端部が前記溝内に収まることを特徴とするガイドワイヤー。
10. 前記第１の端部は形状記憶合金で作られた変形自在な部分を有することを特徴とする請求項９に記載のガイドワイヤー。
11. 前記形状記憶合金はニチノールを含むことを特徴とする請求項１０に記載のガイドワイヤー。
12. 前記第１の端部は弾性的に変形自在なバネ材料で作られた変形自在な部分を有することを特徴とする請求項９に記載のガイドワイヤー。
13. 前記第１の端部は可塑的に変形自在な材料でつくられた変形自在な部分を有することを特徴とする請求項９に記載のガイドワイヤー。
14. 前記第２の形状は前記第１の形状のエリアのおよそ１．５倍の横方向の突出エリアを有することを特徴とする請求項９に記載のガイドワイヤー。
15. 前記二つの端部は前記二つの端部の異なる位置で外側方向に曲がっていることを特徴とする請求項９に記載のガイドワイヤー。
16. 外科手術において用いるＫワイヤーであって、前記Ｋワイヤーは、
    遠位端部及び近位端部を有する軸部を含み、前記遠位端部は外科用ツール又は外科的装置の貫通穴内に有って拘束されているときには第１の形状を有し、前記貫通穴の外部では第２の形状を有し、前記第２の形状は前記Ｋワイヤーの長軸から外側に曲がった二つの端部を有し、前記第２の形状は第１の形状に比較してより大なる横方向の突出エリアを有しており、前記遠位端部は前記貫通穴を通して前記Ｋワイヤーが軸方向に移動するときに第２の形状から再び第１の形状に戻る実質的に回復可能な変形を提供するように構成され、前記遠位端部は第１の端部及び第２の端部を含み、前記第１の端部及び前記第２の端部の各々は前記第２の形状にあるときには屈曲点において前記Ｋワイヤーの長軸から外側方向に曲がっており、当該外側方向への曲がりにより突出エリアが増大して手術部位への軸方向の前方への移動が制限され、前記第１の端部は前記第２の端部より長く、前記第１の端部はその長さ方向に前記第１の端部の自由端近傍まで延びる溝を含み、前記第１の形状にあるときには前記第２の端部が前記溝内に収まることを特徴とするＫワイヤー。
17. 外科手術において用いるＫワイヤーであって、前記Ｋワイヤーは、
    第１の端部と第２の端部を有する軸部を有し、前記第１の端部は第１の形状から手術部位における第２の形状への変化が可能なように構成されており、前記第２の形状は前記Ｋワイヤーの長軸から外側に曲がった二つの端部を有し、前記第２の形状は横方向の突出エリアが前記第１の形状より大で、前記Ｋワイヤーが手術部位に向けて更に軸方向前方へ動くことに対する抵抗を増加させ、前記第１の端部及び前記第２の端部の各々は前記第２の形状にあるときには屈曲点において前記Ｋワイヤーの長軸から外側方向に曲がっており、当該外側方向への曲がりにより突出エリアが増大して手術部位への軸方向の前方への移動が制限され、前記第１の端部は前記第２の端部より長く、前記第１の端部はその長さ方向に前記第１の端部の自由端近傍まで延びる溝を含み、前記第１の形状にあるときには前記第２の端部が前記溝内に収まることを特徴とするＫワイヤー。

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