JP5797017B2 - 超音波内視鏡用穿刺針装置 - Google Patents
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Description
この穿刺針装置は、本体部である筒状接続部と、筒状接続部の内部空間を通って外部に突出するシースと、シース内に進退可能に挿入した穿刺針と、を具備しており、筒状接続部の開口端部の内周面には雌ねじ溝が形成してある。
穿刺針装置を使用する際には、穿刺針装置の上記雌ねじ溝を口金の外周面に形成した雄ねじ溝に螺合して、筒状接続部の開口端部を口金に固定する。すると、シース(及び穿刺針)が口金の内部を通って超音波内視鏡の内部管路に挿入し、シース(及び穿刺針)の先端部が超音波内視鏡の挿入部の先端付近から外部に突出する。
そこで口金の上記雄ねじと穿刺針装置の上記雌ねじをそれぞれ所謂二条ねじとすれば、ねじのリードがピッチの2倍となるので、より少ない回転量(小さい回転角)で穿刺針装置を口金に接続できるようになる。
このように口金と穿刺針装置に二条ねじを形成すると、口金と穿刺針装置を螺合させるときの周方向の初期位置は2箇所に限定され、いずれの周方向位置で螺合し始めるかによって、終端位置まで螺合したときの口金と穿刺針装置の相対的な周方向位置が変わる。
しかし、一般的に穿刺針装置の周面には穿刺針装置を操作するための摘み部材が突設してあるため、終端位置まで螺合したときの口金に対する穿刺針装置の周方向位置が所望の位置と異なる場合には該摘み部材の操作性に悪影響が出ることがある。
このように構成した場合は、第1の突片を第2のねじ溝の入口側端部から螺合させると共に第2の突片を第1のねじ溝の入口側端部から螺合させると、口金に対する穿刺針装置の接続が完了したときに、超音波内視鏡本体と穿刺針装置の間に形成された狭い空間に調整つまみ部材が位置するので、該調整つまみ部材を操作し難くなってしまう。
しかし、内視鏡側指標と指標を利用することにより、第1の突片を第1のねじ溝の入口側端部に螺合させると共に第2の突片を第2のねじ溝の入口側端部に螺合させた上で口金に穿刺針装置を接続すれば、調整つまみ部材は超音波内視鏡本体とは反対側に位置するので、該調整つまみ部材を容易に操作できるようになる。
また、このように二条ねじとした場合は、第1及び第2の突片を第1及び第2のねじ溝の入口側端部に螺合するときの口金と穿刺針装置の相対的な周方向位置は互いに略180 °離れた2箇所に限定されるが、いずれの位置を選択するかによって接続完了時の両者の相対的な周方向位置は略180°異なることになる。そして、一般的に穿刺針装置の周面には穿刺針装置を操作するためのつまみ部材が突設してあるため、終端位置まで螺合したときの口金に対する穿刺針装置の周方向位置によって、該つまみ部材の操作性に影響が出てしまう。しかし、本発明のように口金または超音波内視鏡本体に内視鏡側指標を形成し、本体部に指標を形成してあるので、術者は確実に第1の突片を第1のねじ溝の入口側端部に螺合させかつ第2の突片を第2のねじ溝の入口側端部に螺合させることができる。そのため、終端位置まで螺合したときにつまみ部材の操作性に悪影響が出ないようにすることが可能である。
超音波内視鏡10は、操作部11(超音波内視鏡本体)と、操作部11から前方に延びかつ先端に超音波プローブ12を備える挿入部13と、共に操作部11から挿入部13と反対側に延びるライトガイド用チューブ及び超音波画像伝送用チューブ(いずれも図示略)と、を備え、ライトガイド用チューブと超音波画像伝送用チューブの端部には光源用コネクタと超音波画像用コネクタがそれぞれ設けてある。挿入部13の先端部近傍をなす湾曲部14は、操作部11に設けた湾曲操作レバー15の回転操作に応じて上下方向に湾曲する。操作部11には処置具挿通用突部16が突設してあり、処置具挿通用突部16の後端面には略円筒形状をなしかつ両端が開口する口金17が固定状態で突設してある。図3に示すように、口金17の外周面の先端部近傍には、口金17の軸線AL1方向に見たときに周方向に180°ずれた位置に位置し、かつ対称形状をなす第1の突片18Aと第2の突片18Bが一体的に突設してある。第1の突片18Aと第2の突片18Bの全体形状は、円の両側部を該円の中心点に関して対称をなす一対の円弧に沿って切り落とした形状である。また、口金17の外周面には第1の突片18A及び第2の突片18Bと軸線AL1方向の位置をずらして正面視円形の環状フランジ19が突設してある。さらに、操作部11及び挿入部13の内部には、一端が口金17に接続し他端が挿入部13に超音波プローブ12の直後に位置させて形成した処置具用開口21に接続する内部管路20(図1参照)が設けてある。
また処置具挿通用突部16の一方の側面には矢印形状の内視鏡側指標22がプリントにより形成してある(図1参照)。
超音波画像用コネクタを超音波診断装置(図示略)に接続すると共に超音波診断装置をCRTモニタに接続し、さらに超音波プローブ12にゴム製のバルーン(図示略)を被せた上で、該超音波診断装置の超音波画像描出スイッチを押すと、超音波プローブ12の表面から被検部に向けて超音波が発信され、被検部によって反射された超音波を超音波プローブ12が受信する。挿入部13、操作部11及び超音波信号伝送用チューブの内部には超音波プローブ12と超音波画像用コネクタを接続する超音波信号伝送用ケーブル(図示略)が設けてあるので、超音波プローブ12が受信した超音波画像は超音波診断装置により電気的に処理された上でCRTモニタに表示される。
穿刺針装置30は硬質樹脂(PC(ポリカーボネイト)や、ノリル等のEOG滅菌可能な樹脂材料)によって成形した略円筒形状の筒状接続部31(本体部)を有している。筒状接続部31の前部(開口端部)には筒状接続部31の内部空間と連通する貫通孔が形成しており、該貫通孔の前端の周縁部には環状凹部33が凹設してある。さらに該貫通孔の内周面には環状凹部33から後方に向かって延びる、筒状接続部31の軸線AL2を中心とする螺旋形状の第1のねじ溝32Aと第2のねじ溝32Bが形成してある。互いに二条ねじを構成する第1のねじ溝32Aと第2のねじ溝32Bの位相(筒状接続部31の軸線AL2を中心とした周方向位置)は180°ずれており、第1のねじ溝32Aの入口側端部32A1と第2のねじ溝32Bの入口側端部32B1の位相は180°ずれている。
また筒状接続部31の一方の側面には矢印形状の指標38がプリントにより形成してある(図1、図2参照)。
筒状接続部31の後端部には、筒状接続部31より大径の筒状部材であり硬質樹脂(PC等)からなる第1ロック支持部材34が同心状態で固定してある。第1ロック支持部材34には、第1ロック支持部材34を径方向に貫通する雌ねじ孔35が形成してあり、雌ねじ孔35には第1ロック部材36のねじ部37が螺合している。
また、図4に示すように、第2ロック部材47によって第2ロック支持部材45をスライド部材50に対する前端位置に保持しかつ第2ロック支持部材45を第1ストッパ部材44に当接させれば、スライド部材50に前向きに外力を掛けてもスライド部材50が収納位置から前方にスライドすることはない。
穿刺針支持部材53に対しては硬質樹脂製(例えばPOM等)のスタイレット支持キャップ58を着脱可能である。スタイレット支持キャップ58の前部には、穿刺針支持部材53の後部空間56に挿脱可能な嵌合部59と、嵌合部59の外周側に位置する外側筒状部60とが同心状態で設けてあり、外側筒状部60の内周面には雌ねじ61が形成してある。さらに、スタイレット支持キャップ58には可撓性部材であるスタイレット63の後端が固定してある。従って、嵌合部59を後部空間56に嵌合し、雌ねじ61を雄ねじ57に螺合すると、スタイレット63の先端が穿刺針55の後端開口から穿刺針55の内部空間に挿入され、スタイレット63の前端部が穿刺針55の開口55aを塞ぐ。
超音波内視鏡10から分離されている穿刺針装置30を超音波内視鏡10の口金17に接続するには、まず図4に示すようにスライド部材50を収納位置に位置させ、第1ロック部材36のねじ部37の端面をシース支持部材39の外周面から離間した状態にした上で、第2ロック部材47のねじ部48の端面をスライド部材50の外周面に圧接させておく。そして軸線AL1と軸線AL2を一致させ、かつ内視鏡側指標22と指標38を同じ周方向位置に位置させた状態で筒状接続部31の前端部と口金17を対向させ、シース42を口金17の内部及び内部管路20に挿入する。
口金17と筒状接続部31の接続が完了したら、第1ストッパ部材44を筒状接続部31に対してスライドさせることによりシース42の先端を処置具用開口21から数mm程度突出させた状態(図1参照)に調整した後に、第1ロック部材36を締め付けて第1ストッパ部材44の位置を固定する。
なお、仮に第1のねじ溝32Aの入口側端部32A1を第2の突片18Bに螺合し第2のねじ溝32Bの入口側端部32B1を第1の突片18Aに螺合した場合は、筒状接続部31と口金17の接続が完了したときに第1ロック部材36と第2ロック部材47が操作部11側に位置するため(軸線AL2と操作部11のAL3軸線がなす角度が90°より小さく、第1ロック部材36及び第2ロック部材47と操作部11との間隔が狭くなるため)、第1ロック部材36と第2ロック部材47の回転操作が難しくなる。しかし入口側端部32A1が第2の突片18Bに螺合し入口側端部32B1が第1の突片18Aに螺合したときに、術者は内視鏡側指標22と指標38が同じ側に位置していないことを視認することにより、口金17と筒状接続部31の回転方向位置が正しくない位置にあることを確実に認識できるので、このような不具合が生じるおそれは小さい。
例えば、口金17に形成した第1の突片18Aと第2の突片18Bの形状は上記の形状でなくてもよい。
また口金17の周面に内視鏡側指標22を形成したり、内視鏡側指標22と指標38の形状(図柄)を別のものに変更してもよい。
また、環状フランジ19を環状とせずに、口金17の外周に突出する非環状の突部材としてもよい。
11 操作部(超音波内視鏡本体)
12 超音波プローブ
13 挿入部
14 湾曲部
15 湾曲操作レバー
16 処置具挿通用突部
17 口金
18A 第1の突片
18B 第2の突片
19 環状フランジ
20 内部管路
21 処置具用開口
22 内視鏡側指標
30 穿刺針装置
31 筒状接続部(本体部)
32A 第1のねじ溝
32B 第2のねじ溝
32A1 32B1 入口側端部
32A2 32B2 終端位置
33 環状凹部
34 第1ロック支持部材
35 雌ねじ孔
36 第1ロック部材(調整つまみ部材)
37 ねじ部
38 指標
39 シース支持部材(本体部)
40 ホルダ
41 貫通支持孔
42 シース
44 第1ストッパ部材
45 第2ロック支持部材
46 雌ねじ孔
47 第2ロック部材(調整つまみ部材)
48 ねじ部
50 スライド部材(本体部)
51 ストッパ
53 穿刺針支持部材
54 支持孔
55 穿刺針
56 後部空間
57 雄ねじ
58 スタイレット支持キャップ
59 嵌合部
60 外側筒状部
61 雌ねじ
63 スタイレット
AL1 AL2 AL3 軸線
Claims (2)
- 周方向に略180°間隔で離間する第1の突片及び第2の突片を周面に設けた口金を有する超音波内視鏡本体と、
上記口金を開口端部から内部空間に挿入可能で、かつ該内部空間の内面に上記第1及び第2の突片がそれぞれ螺合可能で互いの位相が周方向に略180°ずれた第1のねじ溝及び第2のねじ溝からなる二条ねじを形成した本体部と、
上記本体部の表面の周方向の特定位置に設けた調整つまみ部材と、
上記口金または超音波内視鏡本体に形成した内視鏡側指標と、
上記第1の突片が上記第1のねじ溝の入口側端部に螺合すると共に上記第2の突片が上記第2のねじ溝の入口側端部に螺合したときに、上記内視鏡側指標と同じ周方向位置に位置し、かつ、上記第1の突片が上記第2のねじ溝の入口側端部に螺合すると共に上記第2の突片が上記第1のねじ溝の入口側端部に螺合したときは上記内視鏡側指標と異なる周方向位置に位置する、上記本体部に形成した指標と、
上記第1の突片及び第2の突片をそれぞれ上記第1のねじ溝及び第2のねじ溝の終端位置まで締め込んだときに、上記調整つまみ部材が上記超音波内視鏡本体とは反対側に位置することと、
上記口金を上記内部空間に挿入したときに、該口金の内部を通って上記超音波内視鏡の内部管路に挿入する可撓性を有するシースと、
該シース内に進退可能に挿入した穿刺針と、
を備えることを特徴とする超音波内視鏡用穿刺針装置。 - 請求項1記載の超音波内視鏡用穿刺針装置において、
上記第1及び第2の突片を上記第1及び第2のねじ溝に螺合したときに、上記本体部の軸線と超音波内視鏡本体の軸線とがなす角度が90°より小さい超音波内視鏡用穿刺針装置。
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