JP5796865B2 - 難燃剤ハロゲン化フェニルエーテル - Google Patents

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Description

本発明は、難燃剤ハロゲン化フェニルエーテルに関する。
デカブロモジフェニルオキシド(deca)およびデカブロモジフェニルエタン(deca−DPE)は、種々のポリマー樹脂系を難燃化するために広く用いられている市販の物質である。これらの物質の構造は、次のとおりである。
Figure 0005796865
難燃化することが困難なポリマー樹脂、例えば、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)およびポリオレフィン中にdecaおよびdeca−DPEを用いることの利点の1つは、これらの物質が非常に高い(82〜83%)臭素含有量を有することである。これは、配合物全体へのより低い添加量レベルを可能にし、これは延いては、ポリマーの機械的性質に対する難燃剤のあらゆる悪影響を最小限にするのに役立つ。
decaの商業的成功にも関わらず、等しくまたはより効率のよい代替ハロゲン化難燃剤物質を開発することへの大きな関心が依然としてある。これは、経済的圧力からだけでなく、そうした物質はより少ない難燃剤添加量を可能にし得、これが延いては改善された性能特性を付与し得るからでもある。改善された特性(例えば、非ブルーム性配合)またはより優れた機械的性質は、ポリマーまたはオリゴマー難燃剤化合物を作製することによって満たされ得る可能性がある。こうした種類の物質は、樹脂と難燃剤との間の相溶性によって、ベース樹脂ポリマーマトリックス中に絡み込んだ状態になる傾向があり、したがって、より少ないブルーム傾向を示すはずである。
ハロゲン化モノマーのオリゴマーまたはポリマーと考えられ得る多くの市販の難燃剤物質がある。そのようなハロゲン化モノマーの例としては、テトラブロモビスフェノールA(TBBPA)およびジブロモスチレン(DBS)が挙げられ、これらは以下の構造を有する。
Figure 0005796865
商業的には、TBBPAおよびDBSは、典型的に、それらのモノマー形態で使用されるのではなく、オリゴマーまたはポリマー種に変換される。オリゴマーのクラスの1つは、TBBPAに基づく臭素化カーボネートオリゴマーである。これらは、Chemtura Corporation(例としては、Great Lakes BC−52(商標)、Great Lakes BC−52HP(商標)、およびGreat Lakes BC−58(商標)が挙げられる)から、およびTeijin Chemical(FireGuard 7500およびFireGuard 8500)により市販されている。これらの製品は、主にポリカーボネートおよびポリエステルのための難燃剤として使用されている。
TBBPAとエピクロロヒドリンとの縮合に基づく臭素化エポキシオリゴマーが市販されており、大日本インキ化学工業によりEpiclon(登録商標)シリーズとして、また、ICL Industrial Products(例にはF−2016およびF−2100がある)および他の供給業者によっても販売されている。臭素化エポキシオリゴマーは、単独でもまた他の難燃剤とのブレンドとしても、種々の熱可塑性樹脂のための難燃剤としての用途を見出す。
TBBPAに基づく臭素化ポリマー難燃剤の別のクラスは、TBBPAと1,2−ジブロモエタンとのコポリマーであるTeijin FG−3000によって例示される。このアラルキルエーテルは、ABSおよび他のスチレンポリマーにおける用途を見出す。米国特許第4,258,175号明細書および米国特許第5,530,044号明細書に記載される物質によって例示されるように、このポリマー上の代替末端基(例えば、アリールまたはメトキシ)もまた知られている。非反応性末端基が、難燃剤の熱安定性を改善すると主張されている。
TBBPAはまた、他の二官能性エポキシ樹脂化合物との鎖延長反応によって、例えば、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルとの反応によって、多くの他の異なる種類のエポキシ樹脂コポリマーオリゴマーに変換される。こうした種類のエポキシ樹脂製品の典型例は、Dow Chemical CompanyによるD.E.R.(商標)539、またはHexion CorporationによるEpon(商標)828である。これらの製品は、主として印刷回路板の製造において使用されている。
DBSは、Chemtura Corporationにより自家消費用に製造されており、また、ポリ(ブロモスチレン)系難燃剤を製造するためのいくつかの異なるポリマー種(Great Lakes PDBS−80(商標)、Great Lakes PBS−64HW(商標)、およびFiremaster CP44−HF(商標))として販売されている。これらの物質は、ホモポリマーまたはコポリマーである。さらに、同様の臭素化ポリスチレン系難燃剤が、Albemarle Chemical Corporationから市販されている(Saytex(登録商標)HP−3010、Saytex(登録商標)HP−7010、およびPyroChek 68PB)。これらのポリマー製品は全て、熱可塑性樹脂(例えば、ポリアミドおよびポリエステル)を難燃化するために使用されている。
残念ながら、既存のハロゲン化重合物質の重要な欠点の1つは、それらの比較的低いハロゲン含有量であり、これが、それらを難燃剤としてはそれほど効率のよくないものにしており、その結果として、典型的に、それらを含有する難燃性配合物の望ましい物理的性質(例えば、衝撃強さ)に対して悪影響をもたらす。例えば、decaおよびdeca−DPEは82〜83%の臭素を含有するのに対して、上述の臭素化モノマーに基づくオリゴマーまたはポリマーは、概して、物質にもよるが52%〜68%の範囲内の臭素含有量を有している。したがってこれは、典型的に、decaについて必要とされるレベルよりも著しく高い、ポリマー配合物への難燃剤添加レベルを必要とし、多くの場合、劣った機械的性質を配合物に対して結果としてもたらす。
本発明者らの米国特許出願公開第2008/0269416号明細書において、本発明者らは、対象樹脂の機械的性質を損なわない、以下の反復モノマー単位:
Figure 0005796865

(式中、Rは、ハロゲンまたはアルキル、特にC〜Cアルキルであり、Halは、ハロゲン、通常は臭素であり、mは、少なくとも1であり、nは、0〜3であり、xは、少なくとも2(例えば、3〜100,000)である)を含むハロゲン化アリールエーテルオリゴマーに基づくものである、新しいクラスの難燃剤物質を提案した。これらの物質は、他の現在利用可能なオリゴマー難燃剤よりも高いレベルまでハロゲン化され得、樹脂(例えば、HIPSおよびポリオレフィン)およびエンジニアリングサーモプラスチック(例えば、ポリアミドおよびポリエステル)と組み合わされる場合により優れた機械的性質をもたらし得る。また、これらのアリールエーテルオリゴマーは、より低いハロゲン化レベルでも、許容可能な機械的性質を有する配合物をもたらすことが分かっている。
特開平2−129,137号公報は、難燃性ポリマー組成物であって、ポリマーを、一般式[I]:
Figure 0005796865

(式中、Xは、ハロゲン原子であり、aおよびdは、1〜5の範囲内の数であり、かつbおよびcは、1〜4の範囲内の数である)で表されるハロゲン化ビス(4−フェノキシフェニル)エーテルと配合した、難燃性ポリマー組成物を開示している。64〜81wt%のBrを含有する物質が、当該出願において例示されている。
さらに、米国特許第3,760,003号明細書は、一般式:
Figure 0005796865

(式中、各Xは、独立してClまたはBrであり、各mは、独立して0〜5の整数であり、各pは、独立して0〜4の整数であり、nは、2〜4の整数であり、そして化合物の50重量%以上がハロゲンである)を有するハロゲン化ポリフェニルエーテルを開示している。少なくとも60wt%のBrを含有する過臭素化物質が好ましいと述べられている。
さらに、完全に臭素化されたポリフェニルエーテル(81.8wt%Br)であるテトラデカブロモジフェノキシベンゼン:
Figure 0005796865

が、高性能ポリアミドおよび線状ポリエステルのエンジニアリング樹脂およびアロイにおける、ならびにポリオレフィン樹脂およびスチレン樹脂における、難燃剤としての使用のために、Albemarle Chemical CorporationによりSAYTEX 120という商品名で販売されている。
米国特許出願公開第2011 0184107号明細書は、特定のフェニルエーテルが、完全ハロゲン化よりも僅かに低い制御されたレベルまでハロゲン化されている場合に、様々な樹脂組成物と組み合わされた時に難燃剤効率と機械的性質との類のない組み合わせを示すことを開示している。
しかしながら、こうした格別な特性は、ハロゲン化フェニルエーテル難燃剤のハロゲン含有量に起因するだけでなく、不均一にハロゲン化された化合物の混合物中の部分的ハロゲン化フェニルエーテルの量に対する完全ハロゲン化フェニルエーテルの量にも起因するということが見出された。格別な特性は、完全ハロゲン化エーテルと部分的ハロゲン化エーテルとの適切な比が存在するという条件の下で、単一のフェニルエーテル種の制御されたハロゲン化の結果としてもたらされる混合物についても、異なる鎖長を有する、すなわち異なる数の連結されたフェノキシ環を有する、ハロゲン化アリールエーテルオリゴマー化合物の混合物についても認められる。
一態様において、本発明は、一般式(I):
Figure 0005796865

を有するハロゲン化フェニルエーテル難燃剤であって、式中、各Xは、独立してClまたはBrであり、nは、0〜12の整数であり、各mは、独立して1〜5の整数であり、かつ各pは、独立して1〜4の整数であるが、但し、各XがClである場合は、エーテル中の総量ハロゲンは、約50〜約65wt%であり、そして各XがBrである場合は、エーテル中の総量ハロゲンは、約70wt%〜約79wt%であることを条件とし、ここで、ハロゲン化フェニルエーテルは、約30%〜約80%(例えば、約35%〜約75%)の式Iの完全ハロゲン化フェニルエーテル(すなわち、各mが5であり、かつ各pが4である)と、約70%〜約20%(例えば、約65%〜約25%)の式Iの部分的ハロゲン化フェニルエーテル(すなわち、少なくとも1つのmが1〜4の整数でありかつ/または少なくとも1つのpが1〜3の整数である)との混合物である、ハロゲン化フェニルエーテル難燃剤にある。
最も多くの場合、本発明のハロゲン化フェニルエーテル難燃剤は、異なる値のnを有する式Iの化合物の混合物、例えば、nが1である式Iの化合物とnが2である式Iの化合物との混合物を含み、最も多くの場合、この混合物は、nが1、2、3、4および5の各々である式Iの化合物を少なくとも含み、例えば、nが0、1、2、3、4、5および6の各々である式Iの化合物を含む。しかしながら、難燃剤が、nが単一の値である化合物(例えば、nが1である、またはnが2である化合物)しか含まない場合であっても、それは単一の式Iの化合物ではなく、一部が完全にハロゲン化されておりかつ一部が部分的にハロゲン化されているフェニルエーテル化合物の混合物である。完全ハロゲン化エーテルおよび部分的ハロゲン化エーテルの量は、クロマトグラフィー、例えばHPLCアッセイにより、容易に測定され得る。
多くの実施形態において、式Iの位置異性体の混合物が存在する。
本発明はまた、難燃性ポリマー組成物であって、(a)易燃性高分子材料(例えば、熱可塑性または熱硬化性ポリマー)と、(b)難燃性量(例えば、ポリマー組成物の総重量に基づき5〜50重量%)の一般式(I):
Figure 0005796865

の上記のハロゲン化フェニルエーテル難燃剤とを含む難燃性ポリマー組成物にあり、式中、各Xは、独立してClまたはBrであり、nは、0〜12の整数であり、各mは、独立して1〜5の整数であり、かつ各pは、独立して1〜4の整数であるが、但し、XがClである場合は、エーテル中の総量ハロゲンは、約50〜約65wt%であり、そしてXがBrである場合は、エーテル中の総量ハロゲンは、約70wt%〜約79wt%であることを条件とし、ここで、ハロゲン化フェニルエーテルは、約30%〜約80%(例えば、約35%〜約75%)の式Iの完全ハロゲン化フェニルエーテルと、約70%〜約20%(例えば、約45%〜約25%)の式Iの部分的ハロゲン化フェニルエーテルとの混合物である。
特定量の完全ハロゲン化エーテルおよび部分的ハロゲン化エーテルを含む本発明の一般式Iのハロゲン化エーテルを含有するポリマー組成物は、同じハロゲン含有量の一般式Iのハロゲン化エーテルを含有するがしかしより高い割合の完全ハロゲン化エーテルを含有する同様の組成物よりも、優れた物理的性質を有することが見出された。これらの物理的性質は、優れた難燃性を維持しながら得られる。
本明細書に記載されているのは、ハロゲン化フェニルエーテル難燃剤および易燃性高分子ポリマーなどにおけるその使用である。好適な高分子ポリマーとしては、熱可塑性ポリマー(例えば、ポリスチレン、ポリ(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリエステルおよびポリアミド)および熱硬化性ポリマー(例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、ポリウレタンおよびゴム)が挙げられる。
本発明のブレンドまたは混合物において使用されるハロゲン化フェニルエーテルは、一般式(I):
Figure 0005796865

を有し、式中、各Xは、独立してClまたはBrであり、nは、0〜12の整数であり、各mは、独立して1〜5の整数であり、かつ各pは、独立して1〜4の整数であるが、但し、XがClである場合は、エーテル中の総量ハロゲンは、約50〜約65wt%、特に約60wt%〜約64wt%であり、そしてXがBrである場合は、エーテル中の総量ハロゲンは、約70wt%〜約79wt%、特に約71wt%〜約78wt%(例えば、約71wt%〜約76wt%)であることを条件とし、ここで、式Iのハロゲン化フェニルエーテルの約30%〜約80%(例えば、約35%〜約75%)は完全にハロゲン化されており、かつ式Iのハロゲン化フェニルエーテルの約70%〜約20%(例えば、約65%〜約25%)は部分的にハロゲン化されている。多くの実施形態において、nが1および/または2である式Iのハロゲン化フェニルエーテルと、nが0および/または3以上である式Iのフェニルエーテルとが混合またはブレンドされる。
個々のエーテル化合物の混合物が、本発明の難燃剤中に存在する。例えば、nが1である式Iの化合物からなる難燃剤において、難燃剤は、式(II):
Figure 0005796865

の完全ハロゲン化フェニルエーテルと部分的ハロゲン化フェニルエーテルとの混合物である。また、nが2であり、難燃剤は、式(III):
Figure 0005796865

の完全ハロゲン化フェニルエーテルと部分的ハロゲン化フェニルエーテルとの混合物である。
さらに、上記の実施形態の各々において、非末端フェニル基に結合したフェノキシ基は、全部または一部が、1,4(パラ)位、1,3(メタ)位または1,2(オルト)位にあり得る。例えば、式(II)の3環フェニルエーテルについては、3つの配置、すなわち、パラ(3p)、メタ(3m)およびオルト(3o)が、単一の非末端フェニル基に結合されるフェノキシ基について可能である。
Figure 0005796865
式(III)の4環フェニルエーテルの場合においては、6つの配置、すなわち、4pp、4pm、4mm、4po、4moおよび4ooが可能である。簡潔にするためにパラ配置およびメタ配置のみを考えると、これらは次のとおりである。
Figure 0005796865
式(II)および式(III)の3環または4環アリールエーテルの一部について理論的に得られる臭素化の(すなわち、XがBrである)レベルは、次のように要約される。
Figure 0005796865
上記の表から分かるように、79.0%の臭素含有量を有する式Iの臭素化4環フェニルエーテル難燃剤は、可能な18個の環のうちの16個が臭素化されている単一の化合物であり得るか、またはそれは、完全臭素化種と非完全臭素化種との数多くの組み合わせのうちのいずれか1つからなり得るであろう。例えば、79%の臭素含有量を有する式Iの臭素化4環フェニルエーテル難燃剤は、完全臭素化エーテルと部分的臭素化エーテルとのある特定の組み合わせ、具体的に言えば、臭素化エーテルの30〜80%が完全に臭素化されており(エーテル上に18個の臭素が存在する)、臭素化エーテルの残りのパーセントが18個よりも少ない臭素を含有している組み合わせが用いられれば、より優れた物理的性質をもたらすことが見出された。
例えば、実験の項で詳述されるように、本発明の難燃剤、すなわち、式Iのエーテルの41%が完全に臭素化されている79%臭素含有量の難燃剤を用いて調製された難燃性耐衝撃性ポリスチレン組成物を、79%臭素含有量を有するが式Iのエーテルの95%が完全に臭素化されている同様の式Iの臭素化エーテルを難燃剤として含有する、他の点では同一の他の組成物と比較した。それぞれの組成物は、同様の量の2環、3環、4環、5環、6環、7環および8環のフェニルエーテルを含む、12.5重量%の臭素化エーテル難燃剤を含んでいた。それぞれの組成物は、優れた難燃性を示した。しかしながら、本発明の組成物(すなわち41%完全臭素化エーテル)は、比較組成物(すなわち95%完全臭素化エーテル)のガードナー衝撃強さ7in−lb、ノッチ付アイゾッド強さ1.91in−lbよりも著しく高いガードナー衝撃強さ64in−lbおよびノッチ付アイゾッド衝撃強さ2.89ft−lbを有していた。
本発明のハロゲン化フェニルエーテルは、その関連するフェニルエーテル前駆体のハロゲン化(通常は臭素化)により生成され、そしてまたそのフェニルエーテル前駆体は、Ullmannアリールエーテル合成によって適切なハロゲン化アリール化合物およびアリールヒドロキシル化合物から作製され得る。Ullmannアリールエーテル合成の詳細は、文献中に見出され得る。この主題に関するいくつかのレビュー論文としては、Ley,S.V.and Thomas,A.W.Angew.Chem.Int.Ed.2003,42,5400−5449;Sawyer,J.S.Tetrahedron,2000,56,5045−5065;Lindley,James Tetrahedron,1984,40(9),1433−1456;およびFrlan,R.and Kikelj,D.Synthesis,2006,14,2271−2285が挙げられる。
結果として生じるフェニルエーテル前駆体の臭素化は、ルイス酸触媒(例えば、塩化アルミニウム)の存在下におけるフェニルエーテルと臭素との反応によって容易に達成される。フェニルエーテルに導入されることが望まれる臭素の量にもよるが、臭素化反応において使用される臭素とオリゴマーとの重量比は、典型的に、約3.5:1〜約9.0:1(例えば、約4.5:1〜約7.0:1)である。臭素化度は、典型的には、その反応の臭素化学量論によって制御される。あるいは、過剰の臭素が用いられる場合においては、臭素化度は、反応時間によっておよび/または生成される副生物HBrの量をモニタリングすることによってのいずれかで制御される。その場合、反応は、目標臭素化レベルに達した時に、少量の水を添加して触媒を無効にする(kill)ことによって停止され得るであろう。
あるいは、塩化臭素が、同様に所望の生成物を生じる臭素化剤として使用され得る。この場合、少量の有機的に結合した塩素もまた存在するであろうが、最終難燃剤の特性を損なうことはないであろう。
異なる鎖長のハロゲン化フェニルエーテルの混合物を用いることが、多くの場合、好都合または有利である。本発明のハロゲン化フェニルエーテルのブレンドは、様々な鎖長(すなわち様々な数のフェノキシ基)の非ハロゲン化フェニルエーテルの対応する混合物をハロゲン化することによって、または単一の鎖長のハロゲン化フェニルエーテルを調製し、異なる鎖長のハロゲン化フェニルエーテルとブレンドすることによって、調製され得る。
概して、難燃剤は、異なる値のnを有する式Iのハロゲン化エーテルの混合物またはブレンドである。例えば、nが1である式Iのハロゲン化エーテルは、典型的に、nが2である式Iのハロゲン化エーテルと一緒に存在し、かつ多くの実施形態において、nが3以上(例えば、3〜12、3〜8、または3〜6)である一般式Iのエーテルもまた存在するが、但し、全ハロゲン化フェニルエーテルの約30%〜約80%(例えば、約35%〜約75%)は完全にハロゲン化されており、かつ全ハロゲン化フェニルエーテルの約70%〜約20%(例えば、約65%〜約25%)は部分的にハロゲン化されていることを条件とする。少量(通常、エーテル混合物の2%未満)のハロゲン化ジフェニルエーテル(すなわち、nが0である)もまた存在し得る。しかしながら、本発明において、ハロゲン化フェニルエーテル成分の大部分は、nが1である式Iの化合物であるか、nが2である式Iの化合物であるか、nが1である式Iの化合物とnが2である式Iの化合物の化合物との混合物である。
一実施形態において、ハロゲン化フェニルエーテル難燃剤は、50%以上の3環および4環のハロゲン化フェニルエーテル(すなわち、n=1および2の式Iの化合物)の組み合わせと、50%以下の2環、5環、6環、7環、および/または8環のハロゲン化フェニルエーテル(すなわち、n=0、3、4、5および/または6の式Iの化合物)とを含む。多くの場合、8個より多くのフェニル環を有するエーテルもまた存在する。このエーテルブレンドの周知の技術によるポリマー樹脂への添加により、優れた難燃性および機械的性質を有する組成物がもたらされる。
別の実施形態において、ハロゲン化フェニルエーテルの混合物は、約30〜約50%の3環ハロゲン化フェニルエーテルと、30〜60%の4環ハロゲン化フェニルエーテルと、1〜15%の5環ハロゲン化フェニルエーテルと、2個、6個、7個、8個またはそれを上回る数のフェニル環を含有する合計15%未満のハロゲン化フェニルエーテルとを含む。典型的に、ハロゲン化ジフェニルエーテルの量は、最小限(例えば、ハロゲン化フェニルエーテルの総量の0〜2%、多くの場合、0〜1%またはそれ未満)に抑えられる。
例えば、優れた結果は、
各XがClである場合はエーテル中の総量ハロゲンは約50〜約65wt%であり、そして各XがBrである場合はエーテル中の総量ハロゲンは約70wt%〜約79wt%であるという条件の下で、
全ハロゲン化フェニルエーテルの約30%〜約80%(例えば、約35%〜約75%)は完全にハロゲン化され、かつ全ハロゲン化フェニルエーテルの約70%〜約20%(例えば、約65%〜約25%)は部分的にハロゲン化されている、
約30〜約45%(例えば、約35〜約45%)の3環ハロゲン化フェニルエーテルと、
約35〜約60%(例えば、約35〜約55%)の4環ハロゲン化フェニルエーテルと、
約1〜約10%(例えば、約3〜約10%)の5環ハロゲン化フェニルエーテルと、
約1〜約10%(例えば、約3〜約10%)の6環ハロゲン化フェニルエーテルと、
約0.1〜約4%(例えば、約0.1〜約3%)の7環ハロゲン化フェニルエーテルと、
約0〜約2%(例えば、約0〜約1.5%)の8環ハロゲン化フェニルエーテルと、
0〜約1%の2環ハロゲン化ジフェニルエーテルと
を含む本発明のハロゲン化フェニルエーテル難燃剤を、ポリマー樹脂中にブレンドした場合に得られる。
本発明のほとんどの実施形態におけるハロゲン(すなわち式I中のX)は、臭素である。
その高い熱安定性およびその比較的高いハロゲン含有量のため、本明細書に記載されるハロゲン化フェニルエーテルは、多くの異なるポリマー樹脂系のための難燃剤として使用され得る。結果として生じる難燃化ポリマー系は、80%より多くの完全ハロゲン化エーテルを含む対応物を用いて難燃化された同じ系と比較して、しばしば優れた機械的性質(例えば、衝撃強さ)を示す。
概して、ハロゲン化フェニルエーテルは、難燃剤として、熱可塑性ポリマー(例えば、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ポリ(アクリロニトリルブタジエンスチレン)(ABS)、ポリカーボネート(PC)、PC−ABSブレンド、ポリオレフィン、ポリエステルおよび/またはポリアミド)と一緒に使用される。そうしたポリマーの場合、Underwriters Laboratoriesの燃焼性試験プロトコルに供される場合にV−0等級を与えるために必要とされるポリマー配合物中のハロゲン化フェニルエーテルのレベルは、概して、以下の範囲内にある。
Figure 0005796865
本発明のハロゲン化フェニルエーテルはまた、熱硬化性ポリマー(例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、ポリウレタンおよび/またはゴム)とも一緒に使用され得る。ベースポリマーが熱硬化性ポリマーである場合、好適な易燃性低減量のハロゲン化フェニルエーテルは、約5wt%〜約35wt%(例えば、約10wt%〜約25wt%)である。
本発明の特定の実施形態は、一般式(I):
Figure 0005796865

を有するハロゲン化フェニルエーテル難燃剤を含み、式中、各Xは、独立してClまたはBrであり、nは、0〜12の整数であり、各mは、独立して1〜5の整数であり、かつ各pは、独立して1〜4の整数であるが、但し、各XがClである場合は、難燃剤中の総量ハロゲンは約50wt%〜約65wt%であり、そして各XがBrである場合は、難燃剤中のハロゲンの総量は約70wt%〜約79wt%であることを条件とし、ここで、組成物中に存在する式Iのハロゲン化フェニルエーテルの約30%〜約80%は完全にハロゲン化されており、かつ全ハロゲン化フェニルエーテルの約70%〜約20%は部分的にハロゲン化されている。例えば、各XがBrである難燃剤。
例えば、全ハロゲン化フェニルエーテルの約35%〜約75%が完全にハロゲン化されており、かつ全ハロゲン化フェニルエーテルの約65%〜約25%が部分的にハロゲン化されている上記の難燃剤。
例えば、一般式(I)の化合物の50〜95重量%が、nが1および/または2である化合物であり、かつ一般式(I)の化合物の5〜50重量%が、nが0、3、4、5および/または6である化合物である、式Iの化合物の混合物を含む上記のような難燃剤。
例えば、
30〜50%の3環ハロゲン化フェニルエーテルと、
30〜60%の4環ハロゲン化フェニルエーテルと、
1〜約15%の5環ハロゲン化フェニルエーテルと、
2個、6個、7個、8個またはそれを上回る数のフェニル環を含有する、合計15%未満のハロゲン化フェニルエーテルと
を含む上記の難燃剤のうちの任意のもの。
例えば、
30〜45%の3環ハロゲン化フェニルエーテルと、
35〜60%の4環ハロゲン化フェニルエーテルと、
1〜10%の5環ハロゲン化フェニルエーテルと、
1〜10%の6環ハロゲン化フェニルエーテルと、
0.1〜4%の7環ハロゲン化フェニルエーテルと、
0〜2%の8環ハロゲン化フェニルエーテルと、
0〜1%の2環ハロゲン化ジフェニルエーテルと
を含む上記の難燃剤のうちの1つ。
多くの実施形態において、式Iの化合物中の少なくとも1個の非末端フェニル基は、2個のフェノキシ基に1,4配置で連結し、式Iの化合物中の少なくとも1個の非末端フェニル基は、2個のフェノキシ基に1,3配置で連結し、かつ/または式Iの化合物中の少なくとも1個の非末端フェニル基は、2個のフェノキシ基に1,2配置で連結している。
本発明はまた、
(a)熱可塑性または熱硬化性ポリマーと、
(b)ポリマー組成物の総重量に基づき5〜50重量%の上に記載されたハロゲン化フェニルエーテル難燃剤と
を含む難燃剤ポリマー組成物を提供する。
本発明のハロゲン化フェニルエーテルを難燃剤として含有するポリマー配合物の典型的な用途としては、自動車成形品、接着剤およびシーラント、布帛裏面被覆、電線およびケーブル外被、ならびに電気および電子用のハウジング、部品およびコネクターが挙げられる。建築および建設の分野においては、本発明の難燃剤の典型的な用途としては、自己消化性ポリフィルム(polyfilm)、ワイヤおよびケーブル用のワイヤ外被、カーペットおよび布帛における裏面塗布(壁処理を含む)、木材繊維および他の天然繊維充填構造部材、屋根材(屋根膜を含む)、屋根用複合材料、ならびに複合材料の構築において使用される接着剤が挙げられる。一般消費者製品においては、本発明の難燃剤は、燃焼性要件が求める有人および無人の装置の両方のための装置部品、ハウジングおよび部材の配合物において使用され得る。
次に、以下の非限定的な実施例を参照して、本発明をより詳細に説明する。
実施例1:臭素化3pフェニルエーテルの合成
1,4−ジフェノキシベンゼンを、次のようにUllmannエーテル合成により調製する。4−フェノキシフェノール(186.2g、1.0mol)を、窒素下において、300mLのトルエンを含む1600gのDMFに溶解させる。50%KOH溶液(112.0g、1.0mol)を添加し、続いて水を共沸除去し、トルエンをストリッピングする。次いで、ブロモベンゼン(157.0g、1.0mol)および酸化銅(II)(3.2g、0.04mol)を添加し、反応溶液を24時間還流(153℃)で維持する。次いで、DMFをストリッピングにより除去し、残留物を後処理して1,4−ジフェノキシベンゼンを得る。
臭素(640.6g)を、9.6gのAlCl触媒を含有する500mLのジクロロメタン中の107.8gの1,4−ジフェノキシベンンゼンの溶液に添加する。反応温度を30℃に維持し、HBr排ガスを水トラップ中に捕捉する。HBrの発生がおさまった後に、物質を後処理して、オフホワイトの固体として生成物を得る。この物質を分析すると、72.6%の臭素を含有している。
実施例2:臭素化3pフェニルエーテルの合成
実施例1の工程を繰り返したが、臭素化は、333mLのクロロホルム中に5gのAlClと共に50gの1,4−ジフェノキシベンゼンを含有する溶液に334.8gの臭素を添加することにより行った。この物質を分析すると、74.2%の臭素を含有している。
実施例3:臭素化3mフェニルエーテルの合成
実施例1の工程を繰り返すが、4−フェノキシフェノールの代わりに3−フェノキシフェノールを用いる。
実施例4〜13:種々の臭素化フェニルエーテル化合物の合成
実施例1で説明した手順と同様の手順を、表1に示すような所望の臭素化アリールエーテル化合物を生成するための適切な出発物質基質を用いて使用する。用いる臭素の量を、必要に応じて調整した。
実施例14:HIPS樹脂への臭素化フェニルエーテルの配合
二軸スクリュー押出機を200〜220℃のバレル温度で用いて、実施例1〜13において調製された臭素化フェニルエーテルを別々に、酸化アンチモン(ATO)相乗剤を含有するHIPS(耐衝撃性ポリスチレン)樹脂配合物と配合した。比較のために、同様の配合物を、デカブロモジフェニルオキシド(「deca」)を難燃剤として用いて調製した。結果として生じた配合物を、射出成形して63.5mm×12.7mm×3mmの試験片とし、表1に示すように評価した。アイゾッドノッチ付衝撃強さ(表1中のN−衝撃)値を、ASTM D−256に準じて測定した。
Figure 0005796865
表1に示されるように、3環および4環アリールエーテルについての両方の場合において、衝撃強さ特性は、より高い臭素レベルの純粋な物質についての方が劣っていた。しかしながら、臭素化が僅かにより少ない場合に、衝撃強さは改善した。溶融流れ特性においても、増加が観察される。このデータに基づけば、3環アリールエーテル上に置換された臭素の平均数は、満足のいく衝撃強さ特性を達成するためには、1分子当たりおよそ12個未満(約79.3%)であるべきである。同様に、4環アリールエーテル上に置換された臭素の平均数は、満足のいく衝撃強さを達成するためには、1分子当たりおよそ16個未満(約79.0%)であるべきである。
実施例15:臭素化フェニルエーテルを含むHIPS樹脂組成物の改善された物理的性質
一般式Iのフェニルエーテルの混合物であって、エーテルの少なくとも50%はnが1または2である化合物である、nが0〜6であるエーテルを含む混合物を、上記の手順と類似の手順を用いて臭素化することによって、臭素化フェニルエーテルを調製した。nが明確に1、2、3、4、5、および6である式Iの臭素化エーテルもまた、上記の手順に従って調製した。反応生成物から臭素化エーテル組成物の混合物を得た、すなわち反応生成物を臭素化エーテル組成物の混合物が得られるように調整した。約79%の臭素含有量を有する、完全臭素化種の量が異なる2つの組成物を調製した。これらは、以下のオリゴマー混合物、すなわち、
約40%の3環臭素化フェニルエーテルと、
約47%の4環臭素化フェニルエーテルと、
約5%の5環臭素化フェニルエーテルと、
約5%の6環臭素化フェニルエーテルと、
約2%の7環臭素化フェニルエーテルと、
約1%%の8環臭素化フェニルエーテルと、
0.2%未満の2環臭素化ジフェニルエーテルと
を含んだ。
臭素化エーテル難燃剤組成物15Aにおいては、臭素化エーテルの41%が完全に臭素化されていた。臭素化エーテル難燃剤組成物15Bにおいては、臭素化エーテルの95%が完全に臭素化されていた。
二軸スクリュー押出機を200〜220℃のバレル温度で用いて、組成物15Aおよび組成物15Bを別々に、酸化アンチモン(ATO)相乗剤を含有するHIPS(耐衝撃性ポリスチレン)樹脂配合物と配合した。比較のために、同様の配合物を、デカブロモジフェニルオキシド(「deca」)を難燃剤として用いて調製した。結果として生じた配合物を用いた試験試料を、ASTM D−256(アイゾッドノッチ付衝撃強さ)およびASTM D 5420−04(ガードナー衝撃強さ、落槍衝撃試験機)に準じて評価した。そのデータを表2に示す。
Figure 0005796865
表2に見られるように、どのHIPS試料も優れた難燃性を示したが、本発明の組成物である組成物15Aが、より優れた物理的性質を示した。
本発明に関連して、以下の内容を更に開示する。
(1)
一般式(I):
Figure 0005796865

を有するハロゲン化フェニルエーテル難燃剤であって、式中、各Xは、独立してClまたはBrであり、nは、0〜12の整数であり、各mは、独立して1〜5の整数であり、かつ各pは、独立して1〜4の整数であるが、但し、各XがClである場合は、前記難燃剤中の総量ハロゲンは、約50wt%〜約65wt%であり、そして各XがBrである場合は、前記難燃剤中のハロゲンの総量は、約70wt%〜約79wt%であることを条件とし、ここで、組成物中に存在する式Iの前記ハロゲン化フェニルエーテルの約30%〜約80%は完全にハロゲン化されており、かつ全ハロゲン化フェニルエーテルの約70%〜約20%は部分的にハロゲン化されている、ハロゲン化フェニルエーテル難燃剤。
(2)
全ハロゲン化フェニルエーテルの約35%〜約75%が完全にハロゲン化されており、かつ全ハロゲン化フェニルエーテルの約65%〜約25%が部分的にハロゲン化されている、(1)に記載の難燃剤。
(3)
前記一般式(I)の化合物の50〜95重量%が、nが1および/または2である化合物であり、かつ
前記一般式(I)の化合物の5〜50重量%が、nが0、3、4、5および/または6である化合物である、
式Iの化合物の混合物を含む、(1)に記載の難燃剤。
(4)
30〜50%の3環ハロゲン化フェニルエーテルと、
30〜60%の4環ハロゲン化フェニルエーテルと、
1〜約15%の5環ハロゲン化フェニルエーテルと、
2個、6個、7個、8個またはそれを上回る数のフェニル環を含有する、合計15%未満のハロゲン化フェニルエーテルと
を含む、(1)に記載の難燃剤。
(5)
30〜45%の3環ハロゲン化フェニルエーテルと、
35〜60%の4環ハロゲン化フェニルエーテルと、
1〜10%の5環ハロゲン化フェニルエーテルと、
1〜10%の6環ハロゲン化フェニルエーテルと、
0.1〜4%の7環ハロゲン化フェニルエーテルと、
0〜2%の8環ハロゲン化フェニルエーテルと、
0〜1%の2環ハロゲン化ジフェニルエーテルと
を含む、(1)に記載の難燃剤。
(6)
前記一般式(I)の化合物の50〜95重量%が、nが1および/または2である化合物であり、かつ
前記一般式(I)の化合物の5〜50重量%が、nが0、3、4、5および/または6である化合物である、
式Iの化合物の混合物を含む、(3)に記載の難燃剤。
(7)
30〜50%の3環ハロゲン化フェニルエーテルと、
30〜60%の4環ハロゲン化フェニルエーテルと、
1〜約15%の5環ハロゲン化フェニルエーテルと、
2個、6個、7個、8個またはそれを上回る数のフェニル環を含有する、合計15%未満のハロゲン化フェニルエーテルと
を含む、(3)に記載の難燃剤。
(8)
30〜45%の3環ハロゲン化フェニルエーテルと、
35〜60%の4環ハロゲン化フェニルエーテルと、
1〜10%の5環ハロゲン化フェニルエーテルと、
1〜10%の6環ハロゲン化フェニルエーテルと、
0.1〜4%の7環ハロゲン化フェニルエーテルと、
0〜2%の8環ハロゲン化フェニルエーテルと、
0〜1%の2環ハロゲン化ジフェニルエーテルと
を含む、(3)に記載の難燃剤。
(9)
式Iの化合物中の少なくとも1個の非末端フェニル基が2個のフェノキシ基に1,4配置で連結し、式Iの化合物中の少なくとも1個の非末端フェニル基が2個のフェノキシ基に1,3配置で連結し、かつ/または式Iの化合物中の少なくとも1個の非末端フェニル基が2個のフェノキシ基に1,2配置で連結している、(1)に記載の難燃剤。
(10)
各Xが臭素である、(1)〜(9)のいずれかに記載の難燃剤。
(11)
難燃性ポリマー組成物であって、
(a)熱可塑性または熱硬化性ポリマーと、
(b)前記ポリマー組成物の総重量に基づき5〜50重量%の(1)〜(9)のいずれかに記載のハロゲン化フェニルエーテル難燃剤と
を含む、難燃性ポリマー組成物。
(12)
難燃性ポリマー組成物であって、
(a)熱可塑性または熱硬化性ポリマーと、
(b)前記式Iの化合物中の各XがBrである、前記ポリマー組成物の総重量に基づき5〜50重量%の(1)〜(9)のいずれかに記載のハロゲン化フェニルエーテル難燃剤と
を含む、難燃性ポリマー組成物。

Claims (7)

  1. 一般式(I):
    Figure 0005796865

    を有するハロゲン化フェニルエーテル難燃剤であって、式中、各Xは、独立してClまたはBrであり、nは、0〜12の整数であり、各mは、独立して1〜5の整数であり、かつ各pは、独立して1〜4の整数であるが、但し、各XがClである場合は、前記難燃剤中の総量ハロゲンは、50wt%〜65wt%であり、そして各XがBrである場合は、前記難燃剤中のハロゲンの総量は、70wt%〜79wt%であることを条件とし、ここで、組成物中に存在する式Iの前記ハロゲン化フェニルエーテルの30%〜80%は完全にハロゲン化されており、かつ全ハロゲン化フェニルエーテルの70%〜20%は部分的にハロゲン化されており、
    前記一般式(I)の化合物の50〜95重量%が、nが1である化合物および2である化合物であり、かつ
    前記一般式(I)の化合物の5〜50重量%が、nが0である化合物、3である化合物、4である化合物、5である化合物および6である化合物である、
    式Iの化合物の混合物を含み、
    3環ハロゲン化フェニルエーテル30〜50%と、
    4環ハロゲン化フェニルエーテル30〜60%と、
    5環ハロゲン化フェニルエーテル1〜15%と、
    2個、6個、7個、8個またはそれを上回る数のフェニル環を含有するハロゲン化フェニルエーテル合計15%未満と
    を含む、ハロゲン化フェニルエーテル難燃剤。
  2. 全ハロゲン化フェニルエーテルの35%〜75%が完全にハロゲン化されており、かつ全ハロゲン化フェニルエーテルの65%〜25%が部分的にハロゲン化されている、請求項1に記載の難燃剤。
  3. 30〜45%の3環ハロゲン化フェニルエーテルと、
    35〜60%の4環ハロゲン化フェニルエーテルと、
    1〜10%の5環ハロゲン化フェニルエーテルと、
    1〜10%の6環ハロゲン化フェニルエーテルと、
    0.1〜4%の7環ハロゲン化フェニルエーテルと、
    0〜2%の8環ハロゲン化フェニルエーテルと、
    0〜1%の2環ハロゲン化ジフェニルエーテルと
    を含む、請求項1又は2に記載の難燃剤。
  4. 式Iの化合物中の少なくとも1個の非末端フェニル基が2個のフェノキシ基に1,4配置で連結し、式Iの化合物中の少なくとも1個の非末端フェニル基が2個のフェノキシ基に1,3配置で連結し、かつ/または式Iの化合物中の少なくとも1個の非末端フェニル基が2個のフェノキシ基に1,2配置で連結している、請求項1乃至のいずれか一項に記載の難燃剤。
  5. 各Xが臭素である、請求項1乃至のいずれか一項のいずれか一項に記載の難燃剤。
  6. 難燃性ポリマー組成物であって、
    (a)熱可塑性または熱硬化性ポリマーと、
    (b)前記ポリマー組成物の総重量に基づき5〜50重量%の請求項1乃至のいずれか一項のいずれか一項に記載のハロゲン化フェニルエーテル難燃剤と
    を含む、難燃性ポリマー組成物。
  7. 難燃性ポリマー組成物であって、
    (a)熱可塑性または熱硬化性ポリマーと、
    (b)前記式Iの化合物中の各XがBrである、前記ポリマー組成物の総重量に基づき5〜50重量%の請求項1乃至のいずれか一項のいずれか一項に記載のハロゲン化フェニルエーテル難燃剤と
    を含む、難燃性ポリマー組成物。
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