以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の一実施形態としての遊技機1について説明する。
[遊技機1の構成]
図1を参照しつつ、遊技機1の概略構成について説明する。図1は、遊技機1の概略正面図である。遊技機1は、1種タイプと呼ばれるパチンコ遊技機である。
図1に示されるように、遊技機1は、入賞や判定に関する役物等が設けられた遊技盤100と、遊技盤100を囲む枠部材101とを備えている。
枠部材101は、遊技盤100と所定の間隔を隔てて平行配置された透明なガラス板を支持するいわゆるガラス枠であり、このガラス板と遊技盤100とによって遊技球が流下可能な遊技領域102が形成されている。
枠部材101は、その上部中央に、演出などで発光する枠ランプ103を有している。枠ランプ103の左右両側に、スピーカ104を有している。また、枠部材101は、その下部が遊技者側へ突出させて構成されており、その突出部分の上面に、円形の演出ボタン105を有している。演出ボタン105の左側手前に、4つの押しボタンからなる演出キー106を有している。さらに、演出ボタン105の奥側には、遊技球を発射装置(不図示)へ案内する皿107が設けられている。枠部材101は、その右側下部に、ハンドル108を有している。ハンドル108には、レバー109が回転可能に取り付けられている。また、レバー109の回転にかかわらず、一時的に遊技球の発射を停止するための停止ボタン110が設けられている。なお、枠部材101の遊技盤100に近い位置には、表示器111が設けられている。
一方、ガラス板と共に遊技領域102を形成する遊技盤100は、その中央に、液晶表示装置121を有している。また、液晶表示装置121の上方に、演出などで発光する盤ランプ122を有している。また、遊技盤100は、入賞や判定に関する役物として、第1始動装置123、第2始動装置124、電動チューリップ125、ゲート126、大入賞装置127、及び、4つの一般入賞装置128を有している。
第1始動装置123は、液晶表示装置121の下方で遊技盤100の左右中央に設けられており、第1始動装置123の下方に、第2始動装置124が設けられている。また、第2始動装置124に近接して、普通電動役物としての電動チューリップ125が設けられている。ゲート126は、遊技盤100の右側上部に設けられており、液晶表示装置121の下方右寄りに、大入賞装置127が設けられている。4つの一般入賞装置128のうちの2つは遊技盤100の左側下部に設けられ、残りの2つは遊技盤100の右側下部に設けられている。なお、遊技盤100の最下部には、入賞しなかった遊技球を排出する排出装置129が設けられている。
このような構成により、遊技者がハンドル108を握ってレバー109を時計方向に回転させると、皿107に溜められた遊技球が発射装置(不図示)へと案内され、レバー109の回転角度に応じた打球力で遊技領域102へと発射される。
遊技盤100には、不図示の遊技クギや風車等が設けられており、発射された遊技球は、遊技領域102における上部位置へと案内され、遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら遊技盤100に沿って落下する。なお、上述したように遊技球の発射は、遊技者が停止ボタン110を操作することによって一時的に停止される。
遊技者がハンドル108のレバー109を小さい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「左打ち」を行うと、遊技球が相対的に弱い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、矢印130に例示されるように遊技領域102における左側領域を流下する。一方、遊技者がレバー109を大きい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「右打ち」を行うと、遊技球が相対的に強い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、矢印131に例示されるように遊技領域102における右側領域を流下する。したがって、ゲート126や大入賞装置127へ入賞させる際は「右打ち」が必要となってくる。
第1始動装置123は、常時開放されている始動装置であり、第2始動装置124は、電動チューリップ125が作動しているときだけ開放される始動装置である。遊技機1では、遊技球が第1始動装置123を通過して入賞した場合、又は遊技球が第2始動装置124を通過して入賞した場合、遊技者にとって有利な大当たり遊技を実行するか否かが判定され、その判定結果が表示器111に表示される。
なお、以下の説明では、第1始動装置123を通過した遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第1特別図柄判定」ということとし、第2始動装置124への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第2特別図柄判定」ということとし、これらの判定を総称して「特別図柄判定」ということとする。
大入賞装置127は、特別図柄判定の結果に応じて開放される。この大入賞装置127の開口部には、大入賞装置127を開閉するプレートが設けられている。大入賞装置127は、通常はこのプレートによって閉塞されている。これに対して、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す所定の大当たり図柄が表示器111に停止表示された場合、すなわち大当たりが発生した場合、上記プレートを作動させて大入賞装置127を開放する大当たり遊技が実行される。このため、遊技者は、大当たり遊技中に右打ちを行うことで、大当たり遊技が行われていないときに比べてより多くの賞球を得ることができる。
電動チューリップ125は、第2始動装置124に近接配置されており、一対の羽根部材を有している。この電動チューリップ125は、一対の羽根部材が第2始動装置124を閉塞する閉姿勢(図1参照)と、第2始動装置124を開放する開姿勢(不図示)とに姿勢変化可能に構成されている。
第2始動装置124は、図1に示されるように、通常は電動チューリップ125によって閉塞されている。これに対して、遊技球がゲート126を通過すると、賞球の払い出しは行われないものの、第2始動装置124を開放するか否かが判定される。ここで、第2始動装置124を開放すると判定された場合、電動チューリップ125の一対の羽根部材が規定時間開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作が規定回数だけ繰り返される。このように、第2始動装置124は、電動チューリップ125が作動していないときには遊技球が通過し難い状態であるのに対して、電動チューリップ125が作動することによって遊技球が通過し易い状態となる。なお、以下の説明では、ゲート126への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「普通図柄判定」と呼ぶものとする。
一般入賞装置128は、第1始動装置123と同様に常時開放されており、遊技球の入賞によって所定個数の賞球がある入賞装置である。なお、第1始動装置123等とは異なり、一般入賞装置128に遊技球が入賞しても判定が行われることはない。
[表示器111の構成]
図2は、図1における表示器111の拡大図である。表示器111は、主に特別図柄判定や普通図柄判定に関する情報を表示するものであり、図2に示されるように、第1特別図柄表示器201、第2特別図柄表示器202、第1特別図柄保留表示器203、第2特別図柄保留表示器204、普通図柄表示器205、及び、普通図柄保留表示器206を有している。
第1特別図柄表示器201は、第1特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第1特別図柄判定の判定結果を示す停止図柄を停止表示することによって第1特別図柄判定の判定結果を報知する。この第1特別図柄表示器201には、第1特別図柄判定の結果が「大当たり」であることを示す大当たり図柄、又は第1特別図柄判定の結果がハズレであることを示すハズレ図柄が停止表示される。
第2特別図柄表示器202は、第2特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第2特別図柄判定の判定結果を示す停止図柄を停止表示することによって第2特別図柄判定の判定結果を報知する。この第2特別図柄表示器202には、第2特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す大当たり図柄、又は第2特別図柄判定の結果がハズレであることを示すハズレ図柄が停止表示される。
ところで、特別図柄判定に係る図柄の変動表示中や大当たり遊技中など、第1始動装置123に新たに遊技球が入賞した場合、この入賞を契機とする第1特別図柄判定及び図柄の変動表示を即座に実行することができない。そこで、本実施形態における遊技機1は、第1始動装置123に遊技球が入賞しても即座に第1特別図柄判定を実行できない場合に、第1特別図柄判定の権利が保留されるように構成されている。第1特別図柄保留表示器203は、このようにして保留された第1特別図柄判定の保留数を表示する。
同様に、特別図柄判定に係る図柄の変動表示中や大当たり遊技中など、第2始動装置124に新たに遊技球が入賞した場合、この入賞を契機とする第2特別図柄判定及び図柄の変動表示を即座に実行することができない。そこで、本実施形態における遊技機1は、第2始動装置124に遊技球が入賞しても即座に第2特別図柄判定を実行できない場合に、第2特別図柄判定の権利が保留されるように構成されている。第2特別図柄保留表示器204は、このようにして保留された第2特別図柄判定の保留数を表示する。
普通図柄表示器205は、普通図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから普通図柄判定の判定結果を示す停止図柄を停止表示することによって普通図柄判定の判定結果を報知する。なお、例えば普通図柄表示器205における図柄の変動表示中など、遊技球がゲート126を通過しても普通図柄判定及び普通図柄判定に係る図柄の変動表示を即座に実行できない場合には、普通図柄判定の権利が保留される。普通図柄保留表示器206は、このようして保留された普通図柄判定の保留数を表示する。
なお、以下の説明では、第1特別図柄表示器201又は第2特別図柄表示器202に表示される図柄を「特別図柄」と呼び、普通図柄表示器205に表示される図柄を「普通図柄」と呼ぶものとする。
[遊技機1の内部構成]
図3は、遊技機1のブロック図である。遊技機1は、主制御基板300、払出制御基板310、演出制御基板320、画像制御基板330、ランプ制御基板340、発射制御基板350、及び電源基板360を備えている。
主制御基板300は、遊技機の基本動作を制御する。主制御基板300は、ワンチップマイコン301を備えており、ワンチップマイコン301は、メインCPU301a、メインROM301bおよびメインRAM301cを含んでいる。また、主制御基板300は、主制御用の入力ポート及び出力ポート(いずれも不図示)を備えている。
この主制御用の入力ポートには、一般入賞装置128に遊技球が入球したことを検知する一般入賞装置検出スイッチ302、普通図柄ゲート126に遊技球が入球したことを検知するゲート検出スイッチ303、第1始動装置123に遊技球が入球したことを検知する第1始動装置検出スイッチ304、第2始動装置124に遊技球が入球したことを検知する第2始動装置検出スイッチ305、大入賞装置127に遊技球が入球したことを検知する大入賞装置検出スイッチ306、及び、払出制御基板310が接続されている。この主制御用の入力ポートによって、各種信号が主制御基板300に入力される。
また、主制御用の出力ポートには、第2始動装置124に近接配置された電動チューリップ125の一対の羽根部材を開閉動作させる始動装置開閉ソレノイド307、大入賞装置127を開閉するプレートを動作させる大入賞装置開閉ソレノイド308、特別図柄を表示する特別図柄表示器201,202、普通図柄を表示する普通図柄表示器205、特別図柄判定の保留数を表示する特別図柄保留表示器203,204、普通図柄判定の保留数を表示する普通図柄保留表示器206、及び、外部情報信号を出力する遊技情報出力端子板309、払出制御基板310、及び、演出制御基板320が接続されている。この主制御用の出力ポートによって、各種信号が出力される。
なお、遊技情報出力端子板309は、主制御基板300において生成された外部情報信号を遊技店のホールコンピュータ等に出力するための基板である。遊技情報出力端子板309は主制御基板300と配線接続され、遊技情報出力端子板309には、遊技店のホールコンピュータ等と接続をするためのコネクタが設けられている。
主制御基板300のワンチップマイコン301において、メインCPU301aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づき、メインROM301bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。
また、メインROM301bには、遊技制御用のプログラムや各種遊技に必要なテーブルが記憶されている。例えば、大当たり抽選に参照される大当り判定テーブル、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブル、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブル等が記憶されている。なお、ここに挙げたテーブルは一部に過ぎず、図示しないテーブルが多数設けられている。
さらにまた、メインRAM301cは、メインCPU301aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。例えば、メインRAM301cには、普通図柄判定の保留数T、普通図柄乱数、特別図柄の保留数U1,U2、ラウンド数R、大入賞装置への入球数C、確変遊技フラグ、時短遊技フラグなどが記憶される。なお、ここに挙げたものの他にも、多数の情報が記憶される。
払出制御基板310は、遊技球の発射制御と賞球の払い出し制御を行う。この払出制御基板310は、図示しない払出CPU、払出ROM、払出RAMから構成されるワンチップマイコンを備えており、主制御基板300に対して、双方向に通信可能に接続されている。払出CPUは、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計測スイッチ311、扉開放スイッチ312、及び、タイマからの入力信号に基づいて、払出ROMに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板300に送信する。また、払出制御基板310の出力側には、遊技球の貯留部から所定数の賞球を遊技者に払い出すための賞球払出装置の払出モータ313が接続されている。払出CPUは、主制御基板300から送信された払出個数指定コマンドに基づいて、払出ROMから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、賞球払出装置の払出モータ313を制御して所定の賞球を遊技者に払い出す。このとき、払出RAMは、払出CPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
演出制御基板320は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この演出制御基板320は、サブCPU320a、サブROM320b、サブRAM320cを備えており、主制御基板300に対して、当該主制御基板300から演出制御基板320への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU320aは、主制御基板300から送信されたコマンド、演出ボタン検出スイッチ321、演出キー検出スイッチ322、及び、タイマからの入力信号に基づいて、サブROM320bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを画像制御基板330やランプ制御基板340へ送信する。サブRAM320cは、サブCPU320aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
例えば、演出制御基板320におけるサブCPU320aは、主制御基板300から特別図柄の変動態様を示す変動パターン指定コマンドを受信すると、受信した変動パターン指定コマンドの内容を解析して、液晶表示装置121、音声出力装置331、演出用駆動装置341、演出用照明装置342に所定の演出を実行させるためのデータを生成し、かかるデータを画像制御基板330やランプ制御基板340へ送信する。
演出制御基板320のサブROM320bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、主制御基板300から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて演出パターンを決定するための演出パターン決定テーブル、停止表示する装飾図柄の組み合わせを決定するための装飾図柄決定テーブル等がサブROM320bに記憶されている。なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
演出制御基板320のサブRAM320cは、複数の記憶領域を有している。これらの記憶領域には、遊技状態、演出モード、演出パターン、装飾図柄、計数カウンタ、発射操作情報等が記憶される。なお、この他にも多数の情報が記憶される。
画像制御基板330は、液晶表示装置121の画像表示制御を行うための図示しない画像CPU、制御ROM、制御RAM、CGROM、VRAM、VDPと、音声CPU、音声ROM、及び、音声RAMを備えている。この画像制御基板330は、演出制御基板320に双方向通信可能に接続されており、その出力側に液晶表示装置121および音声出力装置331が接続されている。
画像CPUは、演出制御基板320から受信したコマンドに基づいて、VDPに所定の画像を表示させる制御を行う。制御RAMは、画像CPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、制御ROMから読み出されたデータを一時的に記憶するものである。また、制御ROMには、画像CPUの制御処理のプログラムや、演出パターンのアニメーションを表示するためのアニメパターン、アニメシーン情報などが記憶されている。
CGROMには、液晶表示装置121に表示される装飾図柄や背景等の画像データが多数格納されており、画像CPUが演出制御基板320から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、CGROMに格納された所定の画像データをVRAMに展開させ、VRAMに展開された画像データを液晶表示装置121に表示させる制御を行う。
また、音声ROMには、音声出力装置331から出力するための音声のデータが多数格納されており、音声CPUは、演出制御基板320から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、音声出力装置331における音声出力制御を行う。
ランプ制御基板340は、遊技盤100に設けられた盤ランプ122を点灯制御したり、枠部材101に設けられた枠ランプ103を制御したりする。また、演出用駆動装置341を動作させるソレノイドやモータ等の駆動源を通電制御する。このランプ制御基板340は、演出制御基板320に接続されており、演出制御基板320から送信されたデータに基づいて、上記の各制御を行うこととなる。
発射制御基板350は、タッチセンサ351からのタッチ信号を入力するとともに、発射ボリューム352から供給された電圧に基づいて、発射用ソレノイド353や玉送りソレノイド354に対する通電制御を行う。
タッチセンサ351は、遊技者がハンドル108に触れたことによる静電容量の変化を利用した静電容量型の近接スイッチから構成され、遊技者がハンドル108に触れたことを検知すると、発射制御基板350に発射用ソレノイド353の通電を許可するタッチ信号を出力する。
発射ボリューム352は、可変抵抗器から構成され、その発射ボリューム352に印加された定電圧(例えば5V)を可変抵抗器により分圧して、分圧した電圧を発射制御基板350へ供給する。
ここで、発射用ソレノイド353の回転速度は、発射制御基板350に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。これにより、1分間に発射される遊技球の個数は、発射ソレノイドが1回転する毎に1個発射されるため、約99.9(個/分)となる。すなわち、1個の遊技球は約0.6秒毎に発射されることになる。
なお、タッチセンサ351からのタッチ信号及び発射ボリューム352からの電圧信号は、演出制御基板320へ入力されるようになっている。これにより、演出制御基板320において遊技球の発射を検出可能となる。
電源基板360は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機1に電源電圧を供給する。具体的には、主制御基板300、払出制御基板310、演出制御基板320、発射制御基板350へ電源電圧を供給する。また、遊技機1に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板300に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU301aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU301aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
[各種テーブル]
図4〜図6を用い、メインROM301bに記憶されている各種テーブルの詳細について説明する。
図4(A)及び(B)は、「大当たりの判定」に用いられる大当り判定テーブルを示している。図4(A)は、第1特別図柄の大当り判定テーブルであり、図4(B)は、第2特別図柄の大当り判定テーブルである。
大当り判定テーブルは、遊技状態及び取得された大当たり乱数に基づいて、「大当たり」又は「ハズレ」を判定するものである。大当たり乱数は、「0」〜「598」のいずれかの数値として、第1始動装置123又は第2始動装置124への入球時に取得される。
ここで図4(A)及び(B)に示す遊技状態について説明を加える。
本実施形態においては、大当たりの判定に関する状態として「通常遊技状態」と「確変遊技状態」とを有する。
「通常遊技状態」というのは、第1始動装置123または第2始動装置124に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの判定において、大当たりとなる確率が1/299.5に設定された遊技状態をいう。これに対して「確変遊技状態」というのは、上記大当たりとなる確率が1/29.95に設定された遊技状態をいう。したがって、「確変遊技状態」では、「通常遊技状態」よりも、大当たりに当選し易いこととなる。なお、この確変遊技状態のときには、後述する確変遊技フラグが「ON」にセットされており、通常遊技状態のときには、確変遊技フラグが「OFF」になっている。また、通常遊技状態から確変遊技状態に移行するのは、確変大当たり遊技を終了した後である。
なお、「大当たり」とは、大入賞装置127を開放させる特別遊技である。具体的には、第1始動装置123または第2始動装置124に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの判定において、大当りに当選したときに実行される遊技をいう。
「大当たり」においては、大入賞装置127が開放されるラウンド遊技を合計15回又は合計8回行う。各ラウンド遊技における大入賞装置127の最大開放時間は最大29.5秒に設定されており、この間に大入賞装置127に規定個数(9個)の遊技球が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。「大当たり」は、大入賞装置127に遊技球が入球するとともに、当該入球に応じた賞球を遊技者が獲得できることから、多量の賞球を獲得可能である。また、大入賞装置127は、遊技盤100の右側の下部に設けられていることから、「大当たり」のときには、ハンドル108のレバー109を大きく回転させる、いわゆる「右打ち」で遊技を行うこととなる。
図4(A)に示す第1特別図柄の大当り判定テーブルによれば、通常遊技状態であるときには、取得された大当たり乱数が「7」又は「8」のときに大当たりと判定される。一方、確変遊技状態であるときには、「7」〜「26」の20個の大当たり乱数が大当たりと判定される。なお、上記以外の値であった場合には「ハズレ」と判定される。
大当たり乱数の乱数範囲が「0」〜「598」であるから、通常遊技状態のときに大当たりと判定される確率は1/299.5であり、確変遊技状態のときに大当たりと判定される確率は10倍アップして1/29.9である。
図4(C)は、「普通図柄の当たり判定」に用いられる当り判定テーブルを例示する説明図である。
当たり判定テーブルは、遊技状態及び取得された普通図柄乱数に基づいて、「当たり」又は「ハズレ」を判定するものである。普通図柄乱数は、「0」〜「65535」のいずれかの数値として、ゲート126の通過時に取得される。
ここで図4(C)に示す遊技状態について説明を加える。
本実施形態では、第2始動装置124に近接して配置された電動チューリップ125に関する状態として「非時短遊技状態」と「時短遊技状態」とを有する。上述した大当たりの判定に関する状態(通常遊技状態、確変遊技状態)と電動チューリップ125に関する状態(非時短遊技状態、時短遊技状態)とは、それぞれの状態を関連させることもでき、独立させることもできる。
なお、遊技を開始したときの遊技状態、すなわち遊技機1の初期の遊技状態は、「通常遊技状態」であって「非時短遊技状態」に設定されている。
本実施形態において「非時短遊技状態」というのは、ゲート126を遊技球が通過したことを条件として行われる普通図柄の当たり判定において、その判定結果に対応する普通図柄の変動時間が12秒と長く設定され、かつ、当たりに当選した際の第2始動装置124の開放制御時間が0.2秒と短く設定された遊技状態をいう。つまり、ゲート126を遊技球が通過すると、普通図柄の抽選が行われて、普通図柄表示器205において普通図柄の変動表示が行われるが、普通図柄は変動表示が開始されてから12秒後に停止表示する。そして、抽選結果が当たりであった場合には、普通図柄の停止表示後に、電動チューリップ125の可動により第2始動装置124が約0.2秒間開放される。
これに対して「時短遊技状態」というのは、ゲート126を遊技球が通過したことを条件として行われる普通図柄の当たり判定において、その判定結果に対応する普通図柄の変動時間が3秒と、「非時短遊技状態」よりも短く設定され、かつ、当たりに当選した際の第2始動装置124の開放制御時間が3.5秒と、「非時短遊技状態」よりも長く設定された遊技状態をいう。さらに、「非時短遊技状態」においては普通図柄の当たり判定において当たりに当選する確率が1/65536に設定され、「時短遊技状態」においては普通図柄の当たり判定において当たりに当選する確率が65535/65536に設定される。なお、この時短遊技状態のときには、後述する時短遊技フラグが「ON」にセットされており、非時短遊技状態のときには、時短遊技フラグが「OFF」になっている。
したがって、「時短遊技状態」においては、「非時短遊技状態」よりも、ゲート126を遊技球が通過する限りにおいて、第2始動装置124が開放状態に制御されやすくなる。これにより、「時短遊技状態」では、遊技の進行において遊技球の消費が抑えられる。
また、ゲート126が遊技盤100の右側に設けられていることから、「時短遊技状態」のときには、ハンドル108のレバー109を大きく回転させた、いわゆる「右打ち」で遊技を行うこととなる。
なお、普通図柄の当たり判定において当たりに当選する確率を「非時短遊技状態」および「時短遊技状態」のいずれの遊技状態であっても変わらないように設定してもよい。
図4(C)に示す当り判定テーブルによれば、非時短遊技状態であるときには、普通図柄乱数が「0」のときに当たりと判定される。一方、時短遊技状態であるときには、普通図柄乱数が「0」〜「65534」のいずれかであるときに当たりと判定される。なお、上記以外の乱数値であった場合には、「ハズレ」と判定される。
普通図柄乱数の範囲が「0」〜「65535」であるから、非時短遊技状態のときに当たりと判定される確率は1/65536であり、時短遊技状態のときに当たりと判定される確率は65535/65536=1/1.00002である。
図5は、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブルを例示する説明図である。
図5(A)は、大当たりのときに停止図柄を決定するための図柄決定テーブルであり、図5(B)は、15R大当たりとなる確率を示す説明図であり、図5(C)は、ハズレのときに停止図柄を決定するための図柄決定テーブルである。
図5(A)では、「特別図柄」の種別(遊技球が第1始動装置123及び第2始動装置124のいずれに入球したか)と、第1始動装置123または第2始動装置124に遊技球が入球したときに取得される「大当たり図柄用乱数値」に基づいて、大当たりの「種別」及び停止図柄データが決定される。なお、大当たり図柄用乱数は、その範囲が「0」〜「99」に設定されている。また、確変大当たりとなるか通常大当たりとなるかの確率は、それぞれ1/2(50%)となっている。
図5(A)に示すように、第1特別図柄において大当たりのときには大当たり図柄用乱数を参照し、大当たり図柄用乱数が「0」〜「49」のいずれかであれば、1/2の確率で「確変15R大当たり」となり、1/2の確率で「通常15R大当たり」となる。このときは、停止図柄データがそれぞれ「01」、「02」となる。
同様に、大当たり図柄用乱数が「50」〜「99」のいずれかであれば、1/2の確率で「確変8R大当たり」となり、1/2の確率で「通常8R大当たり」となる。このときは、停止図柄データがそれぞれ「03」、「04」となる。
第2特別図柄において大当たりのときにも大当たり用図柄乱数を参照し、大当たり図柄用乱数が「0」〜「74」のいずれかであれば、1/2の確率で「確変15R大当たり」となり、1/2の確率で「通常15R大当たり」となる。このときは、停止図柄データがそれぞれ「05」、「06」となる。
同様に、大当たり図柄用乱数が「75」〜「99」のいずれかであれば、1/2の確率で「確変8R大当たり」となり、1/2の確率で「通常8R大当たり」となる。このときは、停止図柄データがそれぞれ「07」、「08」となる。
図5(B)に示すように15R大当たりとなる割合は、第1特別図柄で大当たりとなった場合が50%であるのに対し、第2特別図柄で大当たりとなった場合は、75%となっている。
図5(C)に示すように、第1特別図柄においても第2特別図柄においても判定結果がハズレのときには、停止図柄データは「00」となる。
なお、特別図柄の種類(停止図柄データ)によって、大当たり終了後の遊技状態、大当たり態様が決定される。
[変動パターン決定テーブル]
図6は、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブルを例示する説明図である。
図6に示すように、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動パターン決定テーブルは共通となっている。変動パターンは、判定結果、遊技状態、保留球数、リーチ乱数、及び、変動パターン乱数に基づいて決定される。なお、リーチ乱数及び変動パターン乱数は「0」〜「99」の値をとる。
図6に例示されるように、判定結果が確変大当たりである場合、変動パターン乱数に基づいて変動パターンが決定される。具体的には、変動パターン乱数が「0」〜「29」のときは、変動パターン1が選択される。このとき、変動時間は20秒であり、リーチAによって大当たりとなる。そして、大当たり終了後、確変遊技状態で遊技が制御される。また、変動パターン乱数が「30」〜「99」のときは、変動パターン2が選択される。このとき、変動時間は30秒であり、リーチBによって大当たりとなる。そして、大当たり終了後、確変遊技状態で遊技が制御される。
判定結果が通常大当たりである場合、変動パターン乱数に基づいて変動パターンが決定される。具体的には、変動パターン乱数が「0」〜「29」のときは、変動パターン1が選択される。このとき、変動時間は20秒であり、リーチAによって大当たりとなる。そして、大当たり終了後、通常遊技状態で遊技が制御される。また、変動パターン乱数が「30」〜「99」のときは、変動パターン2が選択される。このとき、変動時間は30秒であり、リーチBによって大当たりとなる。そして、大当たり終了後、通常遊技状態で遊技が制御される。
判定結果がハズレである場合、遊技状態、保留球数、リーチ判定用乱数、及び、変動パターン乱数に基づいて変動パターンが決定される。
具体的には、遊技状態が「非時短遊技状態」で保留球数が「0〜2」である場合、リーチ乱数及び変動パターン乱数により、変動パターン3,4,5のいずれかが選択される。変動パターン3は変動時間が10秒の通常変動であり、変動パターン4は変動時間が20秒でありリーチAでハズレとなり、変動パターン5は変動時間が30秒でありリーチBでハズレとなる。
遊技状態が「非時短遊技状態」で保留球数が「3〜4」である場合、リーチ乱数及び変動パターン乱数により、変動パターン4,5,6のいずれかが選択される。変動パターン6は変動時間が5秒の短縮変動であり、変動パターン4は変動時間が20秒でありリーチAでハズレとなり、変動パターン5は変動時間が30秒でありリーチBでハズレとなる。
遊技状態が「時短遊技状態」で保留球数が「0〜1」である場合、リーチ乱数及び変動パターン乱数により、変動パターン3,4,5のいずれかが選択される。変動パターン3は変動時間が10秒の通常変動であり、変動パターン4は変動時間が20秒でありリーチAでハズレとなり、変動パターン5は変動時間が30秒でありリーチBでハズレとなる。
遊技状態が「時短遊技状態」で保留球数が「2〜4」である場合、リーチ乱数及び変動パターン乱数により、変動パターン4,6,7のいずれかが選択される。変動パターン4は変動時間が5秒の短縮変動であり、変動パターン4は変動時間が20秒でありリーチAでハズレとなり、変動パターン7は変動時間が5秒でありリーチCでハズレとなる。変動パターン7は、リーチであるにもかかわらず、変動時間の短い変動パターンである。
なお、図6に例示する特別図柄の変動パターン決定テーブルの特徴として、判定結果がハズレの場合に時短遊技状態であるときには、特別図柄の変動時間が短くなるように設定されている。例えば、大当たりの判定結果がハズレの場合に保留球数が「2」のときには、時短遊技状態であればリーチ乱数に基づいて95%の確率で変動時間が5秒の変動パターン6(短縮変動)が決定されるが、非時短遊技状態であれば変動時間が10秒を超える変動パターンが決定される。このように、時短遊技状態になると変動時間が短くなるように設定されている。
[主制御基板のメイン処理]
図7を用いて、主制御基板300において実行されるメイン処理について説明する。ここで、図7は、主制御基板300において実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートである。主制御基板300は、電源投入時に、このメイン処理を実行する。主制御基板300のメイン処理は、メインROM301bに記憶されているプログラムに基づいてメインCPU301aが実行するものである。
最初のS701では、メインRAM301cへのアクセスを許可する。この処理は、例えば電源投入後、1000msを待機した後に行われる。
S702では、RAMクリアスイッチが「ON」であるか否かを判断する。ここでRAMクリアスイッチが「ON」であると判断された場合(S702:YES)、S711へ移行する。一方、RAMクリアスイッチが「ON」でないと判断された場合(S702:NO)、すなわちRAMクリアスイッチが「OFF」である場合には、S703へ移行する。
S703では、バックアップフラグが「ON」であるか否かを判断する。バックアップフラグは、メインRAM301cに記憶されるものであり、遊技機1への電源が遮断された状態になるとセットされて「ON」となる。ここでバックアップフラグが「ON」であると判断された場合(S703:YES)、S704へ移行する。一方、バックアップフラグが「ON」でないと判断された場合(S703:NO)、すなわちバックアップフラグが「OFF」である場合には、S711へ移行する。
S704では、チェックサムが正常であるか否かを判断する。チェックサムとは、バックアップ情報に対して作成されるものであり、データの加算値が一致することでバックアップ情報の正当性を判断しようというものである。ここでチェックサムが正常であると判断された場合(S704:YES)、S705へ移行する。一方、チェックサムが正常でないと判断された場合(S704:NO)、S711へ移行する。
S705では、復旧処理を実行する。復旧処理の詳細については後述する。
S706では、CTC周期の設定を行う。この処理は、内蔵されているタイマカウンタであるCTCの周期を設定するものである。例えば4msに設定するという具合である。これにより、メインCPU301aは、CTCの周期で、後述するタイマ割込処理を実行する。
S707では、電断監視処理を実行する。電断監視処理の詳細については後述する。
S708では、割込禁止設定を行う。この処理は、メインCPU301aによるタイマ割込処理を禁止するものである。
S709では、乱数更新処理を行う。この処理は、大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数の各種乱数値を更新するものである。これらの乱数値は、この処理が行われる毎に「1」加算される。なお、各乱数値は、予め設定された最大値に達した後は「0」に戻される。
S710では、割込許可設定を行う。この処理は、メインCPU301aによるタイマ割込処理を許可するものである。そして、S710の処理終了後、S707からの処理を繰り返す。
S711には、S702で肯定判断された場合、S703で否定判断された場合、及び、S704で否定判断された場合に移行する。S711では、RAMクリアを行う。RAMクリアとは、主制御基板300が設定する各種フラグやカウント値を初期化するものである。例えば各種フラグには、確変フラグや時短フラグが挙げられる。カウント値には、時短変動回数Wなどが挙げられる。
S712では、周辺部初期設定を行う。この処理は、主制御基板300から払出制御基板310及び演出制御基板320へ初期設定コマンドを送信するものである。これにより、払出制御基板310及び演出制御基板320にて、初期設定が行われる。S712の処理終了後、上述したS706へ移行する。
[復旧処理]
図8を用い、主制御基板300において実行される復旧処理について説明する。この復旧処理は、図7のS705にて実行されるものである。
最初のS801では、作業領域を設定する。この処理は、作業領域は、復旧処理に用いられる領域であり、メインRAM301cに設定される。
S802では、復旧コマンドを作成する。この復旧コマンドには、遊技状態に関するコマンドが含まれる。すなわち、確変遊技フラグ及び時短遊技フラグなどである。また、これらフラグに関するカウンタのカウント値が含まれる。さらに、保留表示に関連する保留情報が含まれる。
S803では、復旧コマンドを送信する。この処理は、S802にて作成した復旧コマンドを演出制御基板320へ送信するものである。
S804ではバックアップフラグを「OFF」とし、その後、復旧処理を終了する。
[電断監視処理]
図9を用い、主制御基板300において実行される電断監視処理について説明する。この電断監視処理は、図7のS707にて実行されるものである。
最初のS901では、割込禁止設定を行う。この処理は、この処理は、メインCPU301aによるタイマ割込処理を禁止するものである。
S902では、電源が遮断されたか否かを判断する。この処理は、遊技機1への電源供給が遮断されたか否かを判断するものである。ここで電源が遮断されたと判断された場合(S902:YES)、S903へ移行する。一方、電源が遮断されていないと判断された場合(S902:NO)、S906へ移行する。
S903では、バックアップ情報を作成して格納する。バックアップ情報はメインRAM301cに格納される。このとき、チェックサムを作成しバックアップ情報とともに格納する。バックアップ情報は上述したように、復旧コマンドの作成に用いられる。
S904では、バックアップフラグを「ON」にする。バックアップフラグは、メインRAM301cに格納される。
S905ではRAMアクセスを禁止し、その後、メイン処理(図7参照)を終了する。
S906には、S902で電源が遮断されていないと判断された場合に移行する。S906では、割込許可設定を行う。この処理は、メインCPU301aのタイマ割込処理を許可するものである。S906の処理終了後、図7のS708へ移行する。
[タイマ割込処理]
図10を用いて、主制御基板300において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図10は、主制御基板300において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。主制御基板300は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図10に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図10以降のフローチャートに基づいて説明する主制御基板300の処理は、メインROM301bに記憶されているプログラムに基づいてメインCPU301aが実行するものである。
まず、S1001では、乱数更新処理を実行する。この処理は、大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数の各種乱数値を更新するものである。これらの乱数値は、この処理が行われる毎に「1」加算される。なお、各乱数値は、予め設定された最大値に達した後は「0」に戻される。
S1002では、スイッチ処理を行う。この処理は、各スイッチからの検知信号が入力された場合に実行されるものである。なお、スイッチ処理の詳細については後述する。
S1003では、特別図柄処理を行う。この処理は、第1特別図柄表示器201又は第2特別図柄表示器202に特別図柄を変動表示させてから特別図柄判定の結果を示す停止図柄を停止表示させる処理等を含む。なお、特別図柄処理の詳細については後述する。
S1004では、普通図柄処理を行う。この処理は、普通図柄判定を実行し、普通図柄表示器205に普通図柄を変動表示させてから普通図柄判定の結果を示す普通図柄を停止表示させる処理等を含む。この普通図柄処理の詳細については後述する。
S1005では、電動チューリップ処理を行う。この処理は、普通図柄判定を行った結果、第2始動装置124を開放すると判定した場合に、電動チューリップ125を作動させるものである。電動チューリップ処理の詳細については後述する。
S1006では、大入賞装置開放制御処理を行う。この処理は、S1003において大当たりであると判定した場合、大入賞装置開閉ソレノイド308を制御して大入賞装置127を開放するものである。大入賞装置開放制御処理の詳細については後述する。
S1007では、賞球処理を実行する。この処理は、遊技球の入賞に応じた賞球の払い出しを制御するものである。
S1008では、送信処理を実行する。この処理は、S1007以前の処理ステップにおいてメインRAM301cにセット(格納)された各種コマンドや演出内容を決定するために必要な情報を演出制御基板320に送信するものである。
[スイッチ処理]
図11は、図10のS1002におけるスイッチ処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS1101では、第1始動装置スイッチ処理を実行する。この処理は、第1始動装置検出スイッチ304からの検知信号の入力の有無を監視して、S1001の処理によって適宜更新される各種乱数(大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)について、第1始動装置検出スイッチ304からの検知信号が入力された時点の値を取得するものである。第1始動装置スイッチ処理については、さらに後述する。
続くS1102では、第2始動装置スイッチ処理を実行する。この処理は、第2始動装置検出スイッチ305からの検知信号の入力の有無を監視して、S1001の処理によって適宜更新される各種乱数(大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)について、第2始動装置検出スイッチ305からの検知信号が入力された時点の値を取得するものである。第2始動装置スイッチ処理についてはさらに後述する。
次のS1103では、ゲートスイッチ処理を実行する。この処理は、ゲート検出スイッチ303からの検知信号の入力の有無を監視して、S1001の処理によって適宜更新される普通図柄乱数について、ゲート検出スイッチ303からの検知信号が入力された時点の値を取得するものである。ゲートスイッチ処理についてはさらに後述する。
[第1始動装置スイッチ処理]
図12は、図11のS1101における第1始動装置スイッチ処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS1201では、第1始動装置検出スイッチ304が「ON」になったか否かを判定する。この処理は、第1始動装置検出スイッチ304からの検知信号(第1始動装置検出スイッチ304が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第1始動装置検出スイッチ304が「ON」になったか否かを判定するものである。ここで第1始動装置検出スイッチ304が「ON」になったと判定した場合(S1201:YES)、S1202へ移行する。一方、第1始動装置検出スイッチ304が「ON」になっていないと判定した場合(S1201:NO)、以降の処理を実行せず、第1始動装置スイッチ処理を終了する。
S1202では、保留数U1が最大保留数Umax1未満であるか否かを判断する。この処理は、メインRAM301cに記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が、予めメインROM301bに記憶されている最大保留数Umax1(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判断するものである。ここで、U1<Umax1であると判断された場合(S1202:YES)、S1203へ移行する。一方、U1≧Umax1であると判断された場合(S1202:NO)、以降の処理を実行せず、第1始動装置スイッチ処理を終了する。
S1203では、保留数U1の値を「1」加算した値に更新する。
S1204〜S1207では、各種乱数を取得する。この処理は、第1特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得し、これらの乱数を対応付けてメインRAM301cに格納するものである。
S1208では、事前判定を行う。ここでは、大当たり判定、大当たり図柄の決定、及び、変動パターンの選択を事前に行う。これらの処理は、後述する特別図柄処理で行われるものと同様のものである。したがって、詳細な処理については、後述する。
ここでは最初に、S1204にて取得した大当たり用乱数に基づいて大当たりであるか否かを判定する。
大当たり判定の結果が大当たりであるときには、S1205にて取得した大当たり図柄乱数に基づいて大当たり図柄(停止図柄データ)を決定する。図5(A)に示したように、大当たり図柄乱数が「0〜49」のときは15R大当たりとなり、大当たり図柄乱数が「50〜99」のときは8R大当たりとなる。また、15R大当たりのうち1/2の割合で確変15R大当たりとなり、1/2の割合で通常15R大当たりとなる。このときはそれぞれ、停止図柄データが「01」、「02」となる。また、8R大当たりのうち1/2の割合で確変8R大当たりとなり、1/2の割合で通常8R大当たりとなる。このときはそれぞれ、停止図柄データが「03」、「04」となる。
一方、大当たり判定の結果がハズレであるときには、ハズレ図柄(停止図柄データ)が選択される。ハズレのときの停止図柄データは「00」である。
また、大当たり判定の結果が大当たりであるときには、S1207にて取得した変動パターン乱数に基づいて変動パターンを選択する。具体的には、図6に示すように、大当たりの場合には、変動パターン1又は変動パターン2が選択される。
一方、大当たり判定の結果がハズレであるときには、S1206にて取得したリーチ乱数、S1207にて取得した変動パターン乱数、遊技状態、及び、保留数に基づいて、変動パターンを選択する。この場合は、変動パターン3〜変動パターン6のいずれかが選択される。
上述したように、大当たり判定、大当たり図柄の決定、及び、変動パターンの選択は、後述する特別図柄処理で行われる。したがって、変動パターンは、特別図柄処理を実行する時点での保留数に応じて、変更されることがあり得る。
S1209では、保留コマンドをセットする。保留コマンドには、第1特別図柄に係る保留であるか第2特別図柄に係る保留であるかを区別する「始動装置データ」、何番目の保留であるかを示す「保留数データ」(すなわち保留数U1)、大当たり種類及びハズレを示す「停止図柄データ」、変動パターンを示す「変動パターンデータ」が含まれる。
なお、S1209でセットされた保留コマンドは、図10のS1008にて演出制御基板320へ送信される。
[第2始動装置スイッチ処理]
図13は、図11のS1102における第2始動装置スイッチ処理の詳細を示すフローチャートである。第2始動装置スイッチ処理は、上述した第1始動装置スイッチ処理と同様のものである。
最初のS1301では、第2始動装置検出スイッチ305が「ON」になったか否かを判定する。この処理は、第2始動装置検出スイッチ305からの検知信号(第2始動装置検出スイッチ305が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第2始動装置検出スイッチ305が「ON」になったか否かを判定するものである。ここで第2始動装置検出スイッチ305が「ON」になったと判定した場合(S1301:YES)、S1302へ移行する。一方、第2始動装置検出スイッチ305が「ON」になっていないと判定した場合(S1301:NO)、以降の処理を実行せず、第2始動装置スイッチ処理を終了する。
S1302では、保留数U2が最大保留数Umax2未満であるか否かを判断する。この処理は、メインRAM301cに記憶されている第2特別図柄保留数U2が、予めメインROM301bに記憶されている最大保留数Umax2(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判断するものである。ここで、U2<Umax2であると判断された場合(S1302:YES)、S1303へ移行する。一方、U2≧Umax2であると判断された場合(S1302:NO)、以降の処理を実行せず、第2始動装置スイッチ処理を終了する。
S1303では、保留数U2の値を「1」加算した値に更新する。
S1304〜S1307では、各種乱数を取得する。この処理は、第2特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得し、これらの乱数を対応付けてメインRAM301cに格納するものである。
S1308では、事前判定を行う。ここでは、大当たり判定、大当たり図柄の決定、及び、変動パターンの選択を事前に行う。これらの処理は、後述する特別図柄処理で行われるものと同様のものである。したがって、詳細な処理については、後述する。
ここでは最初に、S1304にて取得した大当たり用乱数に基づいて大当たりであるか否かを判定する。
大当たり判定の結果が大当たりであるときには、S1305にて取得した大当たり用図柄乱数に基づいて大当たり図柄(停止図柄データ)を決定する。図5(A)に示したように、大当たり用図柄乱数が「0〜74」のときは15R大当たりとなり、大当たり図柄乱数が「75〜99」のときは8R大当たりとなる。また、15R大当たりのうち1/2の割合で確変15R大当たりとなり、1/2の割合で通常15R大当たりとなる。このときはそれぞれ、停止図柄データが「05」、「06」となる。また、8R大当たりのうち1/2の割合で確変8R大当たりとなり、1/2の割合で通常8R大当たりとなる。このときはそれぞれ、停止図柄データが「07」、「08」となる。
一方、大当たり判定の結果がハズレであるときには、ハズレ図柄(停止図柄データ)が選択される。ハズレのときの停止図柄データは「00」である。
また、大当たり判定の結果が大当たりであるときには、S1307にて取得した変動パターン乱数に基づいて変動パターンを選択する。具体的には、図6に示すように、大当たりの場合には、変動パターン1又は変動パターン2が選択される。
一方、大当たり判定の結果がハズレであるときには、S1306にて取得したリーチ乱数、S1307にて取得した変動パターン乱数、遊技状態、及び、保留数に基づいて、変動パターンを選択する。このときは、変動パターン3〜変動パターン6のいずれかが選択される。
上述したように、大当たり判定、大当たり図柄の決定、及び、変動パターンの選択は、後述する特別図柄処理で行われる。したがって、変動パターンは、特別図柄処理を実行する時点での保留数に応じて、変更されることがあり得る。
S1309では、保留コマンドをセットする。保留コマンドには、第1特別図柄に係る保留であるか第2特別図柄に係る保留であるかを区別する「始動装置データ」、何番目の保留であるかを示す「保留数データ」(すなわち保留数U2)、大当たり種類及びハズレを示す「停止図柄データ」、変動パターンを示す「変動パターンデータ」が含まれる。
なお、S1309でセットされた保留コマンド及び先読みコマンドは、図10のS1008にて演出制御基板320へ送信される。
[ゲートスイッチ処理]
図14は、図11のS1103におけるゲートスイッチ処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS1401では、ゲート検出スイッチ303が「ON」となったか否かを判断する。この処理は、ゲート検出スイッチ303からの検知信号(ゲート検出スイッチ303が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、ゲート検出スイッチ303が「ON」になったか否かを判断するものである。ここでゲート検出スイッチ303が「ON」になったと判断された場合(S1401:YES)、S1402へ移行する。一方、ゲート検出スイッチ303が「ON」になっていないと判断された場合(S1401:NO)、以降の処理を実行せず、ゲートスイッチ処理を終了する。
S1402では、保留数Tが最大保留数Tmax未満であるか否かを判断する。この処理は、メインRAM301cに記憶されている普通図柄判定の保留数Tが、メインROM301bに予め記憶されている普通図柄判定の最大保留数Tmax(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判断するものである。ここでT<Tmaxであると判断された場合(S1402:YES)、S1403へ移行する。一方、T≧Tmaxであると判断された場合(S1402:NO)、以降の処理を実行せずに、ゲートスイッチ処理を終了する。
S1403では、保留数Tを「1」加算した値に更新する。続くS1404では、普通図柄判定に使用される普通図柄乱数を取得して、メインRAM301cに格納する。
[特別図柄処理]
図15を用いて、主制御基板300によって実行される特別図柄処理の詳細について説明する。図15は、図10のS1003の特別図柄処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS1501では、大当たり遊技中であるか否かを判断する。大当たり遊技中である場合には、メインRAM301cに記憶される大当たり遊技フラグが「ON」にされる。この処理は、メインRAM301cに記憶されている大当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判断するものである。ここで大当たり遊技中であると判断された場合(S1501:YES)、以降の処理を実行せず、特別図柄処理を終了する。一方、大当たり遊技中でないと判断された場合(S1501:NO)、S1502へ移行する。
S1502では、特別図柄の変動表示中であるか否かを判断する。ここで特別図柄の変動表示中でないと判断された場合(S1502:NO)、S1503へ移行する。一方、特別図柄の変動表示中であると判断された場合(S1502:YES)、S1511へ移行する。
S1503では、第1特別図柄判定の保留数U1又は第2特別図柄判定の保留数U2のうちいずれか一方が「0」よりも大きいか否かを判断する。ここでU1>0又はU2>0であると判断された場合(S1503:YES)、S1504へ移行する。一方、U1=U2=0であると判断された場合(S1503:NO)、以降の処理を実行せず、特別図柄処理を終了する。
S1504では、U2>0ならば、保留数U2を「1」減算した値に更新する。また、U2=0ならば、保留数U1を「1」減算した値に更新する。すなわち、第2特別図柄の保留が優先的に消化される。
S1505では、記憶領域のシフト処理を行う。この処理は、メインRAM301cの記憶領域に対するシフト処理を実行するものである。具体的には、S1504で減算した第1又は第2特別図柄判定の大当たり乱数、大当たり用図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数について、保留記憶領域に最初に格納されたもの(最も古いもの)を判定用記憶領域にシフトさせ、残りのものを判定用記憶領域側にシフトさせる。
S1506では、大当たり判定処理を実行する。この処理は、判定用記憶領域に記憶されている乱数に基づいて、大当たり判定処理を実行するものである。この大当たり判定処理が実行されることによって、大当たり及びハズレのいずれであるかが判定され、その判定結果がメインRAM301cにセットされる。そして、大当たりであると判定された場合には大当たりの種類を示す大当たり図柄(停止図柄データ)が決定される。大当たり判定処理の詳細については後述する。
S1507では、変動パターン選択処理を実行する。具体的には、メインROM301bに予め記憶されている変動パターンテーブルを参照して、S1506における大当たり判定の判定結果、メインRAM301cにセットされた停止図柄データ、現在の遊技状態、特別図柄判定の保留数U1又はU2、判定用記憶領域に記憶されているリーチ乱数及び変動パターン乱数に基づいて、特別図柄の変動パターンを選択する。このS1507の処理が行われることによって、リーチ有り演出を行うか、或いはリーチ無し演出を行うかも併せて決定される。変動パターン選択処理の詳細については後述する。
S1508では、変動開始コマンドをセットする。この処理は、S1506の処理で設定した停止図柄データ、S1507の処理で設定した変動パターンを示す変動パターンデータ、遊技機1の遊技状態を示す遊技状態データ等を含む変動開始コマンドをメインRAM301cにセットするものである。この変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の開始を指示するコマンドであって、S1008の送信処理によって演出制御基板320に送信される。
これに対して、演出制御基板320は、主制御基板300から受信した変動開始コマンドを解析することによって、特別図柄判定の結果を特定し、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらを行う必要があるのかを判定し、特別図柄が変動表示される変動時間を取得し、遊技機1の遊技状態を特定する。そして、第1特別図柄表示器201又は第2特別図柄表示器202における特別図柄の変動表示に伴って、液晶表示装置121にどのようなパターンで装飾図柄を変動表示させるか、音声出力装置331からどのような音を出力するか、枠ランプ103をどのような発光パターンで発光させるか等を決定し、決定した内容の演出を画像制御基板330及びランプ制御基板340に実行させる。
S1509では、変動表示を開始する。この処理は、S1508の処理でセットした変動開始コマンドに含まれているデータに基づいて、特別図柄の変動表示を開始するものである。なお、この特別図柄の変動表示は、第1特別図柄表示器201又は第2特別図柄表示器202を用いて行われる。
S1510では、変動時間の計測を開始する。この処理は、変動表示を開始してからの経過時間である変動時間の計測を開始するものである。
次のS1511では、変動時間が経過したか否かを判断する。この処理は、S1510における変動時間の計測開始から、S1507の処理によって選択された変動パターンに対応する変動時間が経過したか否かを判断するものである。ここで、変動時間が経過していないと判断された場合(S1511:NO)、以降の処理を実行せず、特別図柄処理を終了する。一方、変動時間が経過したと判断された場合(S1511:YES)、S1512へ移行する。
S1512では、図柄確定コマンドをセットする。この処理は、第1特別図柄表示器201又は第2特別図柄表示器202に特別図柄判定の判定結果を示す停止図柄が停止表示されることを通知する図柄確定コマンドをメインRAM301cにセットするものである。図柄確定コマンドは、S1008における送信処理によって演出制御基板320に送信される。これにより、液晶表示装置121に変動表示されていた装飾図柄を特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示させる処理等が行われることになる。
S1513では、変動表示を終了する。この処理は、S1509の処理で開始した特別図柄の変動表示を終了するものである。その際、S1506の処理で設定した停止図柄データ(大当たり図柄又はハズレ図柄)を、特別図柄を変動表示していた特別図柄表示器201,202に停止表示させる。具体的には、第1特別図柄表示器201において特別図柄が変動表示されていた場合には第1特別図柄表示器201に大当たり図柄又はハズレ図柄を停止表示させ、第2特別図柄表示器202において特別図柄が変動表示されていた場合には第2特別図柄表示器202に大当たり図柄又はハズレ図柄を停止表示させる。
S1514では、計測した変動時間をリセットする。この処理は、S1510の処理で計測を開始した変動時間をリセットするものである。
続くS1515では、停止中処理を実行する。この処理は、大当たりである場合に大当たり遊技を開始させる処理等を含む。停止中処理の詳細については後述する。
[大当たり判定処理]
図16は、図15のS1506における大当たり判定処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS1601では、大当たり判定を行う。ここで、第1始動装置123への入賞に係る大当たり判定を実行する場合、メインROM301bに予め記憶されている第1特別図柄の大当たり判定テーブル(図4(A)参照)を用いる。一方、第2始動装置124への入賞に係る大当たり判定を実行する場合、メインROM301bに予め記憶されている第2特別図柄の大当たり判定テーブル(図4(B)参照)を用いる。
第1特別図柄及び第2特別図柄の大当たり判定テーブルには、大当たり乱数が記述されている。そこで、判定用記憶領域に記憶されている大当たり乱数が、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり判定テーブルに記述されている値と一致するか否かで大当たりを判定する。一致しない場合はハズレと判定する。このとき、遊技状態が通常遊技状態である場合、大当たり乱数は「7」又は「8」のいずれかであり、遊技状態が確変遊技状態である場合、大当たり乱数は「7」〜「26」のいずれかである。
続くS1602では、大当たりであるか否かを判断する。この処理は、S1601の判定結果に基づき、大当たりであるか否かを判断するものである。ここで大当たりであると判断された場合(S1602:YES)、S1603へ移行する。一方、大当たりでないと判断された場合(S1602:NO)、すなわちハズレである場合には、S1605にてハズレ図柄(停止図柄データ「00」)をセットし、大当たり判定処理を終了する。
S1603では、大当たりの種類を決定する。この処理は、メインRAM301cに記憶されている大当たりにおける図柄判定テーブル(図5(A)参照)を用い、大当たりの種類を決定するものである。ここでは、判定用記憶領域に記憶されている大当たり用図柄乱数に基づき、15R大当たりか8R大当たりかを決定する。第1特別図柄の場合には、図5(A)の上段に示した値を用い、第2特別図柄の場合には、図5(A)の下段に示した値を用いる。これにより、図5(B)に示した大当たりの内訳を実現することが可能となる。
S1604では、大当たり図柄をセットする。この処理は、S1603の処理で決定した大当たりの種類に応じた大当たり図柄(停止図柄データ)をメインRAM301cにセットするものである。これにより、上述したS1513の処理の際、ここでセットされた大当たり図柄が第1特別図柄表示器201又は第2特別図柄表示器202に停止図柄として停止表示されて、大当たり遊技が実行されることになる。S1604の処理終了後、大当たり判定処理を終了する。
[変動パターン選択処理]
図17は、図15のS1507における変動パターン選択処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS1701では、大当たりか否かを判断する。この処理は、図16のS1601における大当たり判定に基づくものである。ここで大当たりであると判断された場合(S1701:YES)、S1702へ移行する。一方、大当たりでないと判断された場合(S1701:NO)、すなわちハズレである場合には、S1705へ移行する。
S1702では、確変大当たりであるか否かを判断する。この処理は、図16のS1603にて決定される大当たりの種類(停止図柄データ)に基づくものである。ここで確変大当たりであると判断された場合(S1702:YES)、S1703にて確変大当たり用の変動パターンテーブルをセットし、その後、S1709へ移行する。一方、確変大当たりでないと判断された場合(S1702:NO)、すなわち通常大当たりである場合には、S1704にて通常大当たり用の変動パターンテーブルをセットし、その後、S1709へ移行する。
大当たりでないと判定された場合に移行するS1705では、遊技状態及び保留数を判定する。この処理は、メインRAM301cに記憶されている時短遊技フラグに基づいて、現在の遊技状態が時短遊技状態であるか非時短遊技状態であるかを判定するものである。また、現在の特別図柄判定の保留数を判定するものである。これにより対応する変動パターンテーブルが絞り込まれる。
S1706では、リーチであるか否かを判断する。この処理は、ハズレである場合、遊技者に対して大当たりを期待させるためのリーチ演出を行うか否かを判断するものである。具体的には、判定用記憶領域に記憶されているリーチ乱数が、変動パターンテーブルに記述されている値と一致するか否かを判定する。ここでリーチであると判断された場合(S1706:YES)、S1707へ移行する。一方、リーチでないと判断された場合(S1706:NO)、S1708へ移行する。
S1707では、リーチ用の変動パターンテーブルをセットする。この処理は、S1705で判定された遊技状態及び保留球数に基づいて、リーチ用の変動パターンテーブルをメインROM301bから読み出し、メインRAM301cにセットするものである。その後、S1709へ移行する。
S1708では、リーチなしの変動パターンテーブルをセットする。この処理は、S1705で判定された遊技状態及び保留球数に基づいて、リーチなしの変動パターンテーブルをメインROM301bから読み出し、メインRAM301cにセットするものである。その後、S1709へ移行する。
S1709では、変動パターン乱数判定処理を行う。この処理は、S1703、S1704、S1707、又は、S1708の処理でセットされた変動パターンテーブルを用いて変動パターン乱数の判定を行うものである。具体的には、メインRAM301cにセットされた変動パターンテーブルを参照して、判定用記憶領域に記憶されている変動パターン乱数に対応する変動パターンを選択する。このS1709の処理が行われることにより、特別図柄の変動パターン(変動時間)が決定されることとなる。
S1710では、変動パターンをセットする。この処理は、S1709にて選択した変動パターンを示す変動パターンデータをメインRAM301cにセットするものである。変動パターンデータは、大当たり判定処理によって設定された図柄(停止図柄データ)と共に、図15中のS1508の処理でセットされる変動開始コマンドに含まれ、S1008の送信処理によって演出制御基板320に送信される。
[停止中処理]
図18は、図15中のS1515における停止中処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS1801では、大当たりか否かを判断する。この処理は、図16のS1601の判定結果に基づいて、大当たりであるか否かを判断するものである。ここで大当たりであると判断された場合(S1801:YES)、S1802にて大当たり遊技フラグを「ON」に設定し、その後、S1803へ移行する。一方、大当たりでないと判断された場合(S1801:NO)、S1806へ移行する。
S1803では、時短遊技フラグが「ON」であるか否かを判断する。この処理は、メインRAM301cに記憶されている時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判断するものである。時短遊技フラグは、遊技機1の遊技状態が時短遊技状態であるか否かを示すフラグであり、通常遊技状態から時短遊技状態に移行する際に「ON」に設定され、時短遊技状態から通常遊技状態に戻される際に「OFF」に設定される。ここで時短遊技フラグが「ON」に設定されていると判断された場合(S1803:YES)、S1804にて時短遊技フラグを「OFF」に設定し、その後、S1805へ移行する。一方、時短遊技フラグが「ON」に設定されていないと判断された場合(S1803:NO)、すなわち時短遊技フラグが「OFF」に設定されている場合には、S1804の処理を実行せず、S1805へ移行する。
S1805では、メインRAM301cに、オープニングコマンドをセットする。オープニングとは、大当たり遊技が開始されてから最初に大入賞装置127が開放され始めるまでの期間をいう。オープニングコマンドは、これらのオープニングが開始されることを通知するためのコマンドであり、S1008の送信処理によって演出制御基板320に送信される。
S1805から移行する、又は、S1801にて大当たりでないと判定された場合に移行するS1806では、確変遊技フラグが「ON」であるか否かを判断する。確変遊技フラグは、メインRAM301cに記憶されるものであり、確変遊技状態となっている場合に「ON」とされ、通常遊技状態となっている場合に「OFF」とされる。ここで確変遊技フラグが「ON」となっていると判断された場合(S1806:YES)、以降の処理を実行せず、停止中処理を終了する。一方、確変遊技フラグが「OFF」となっていると判定された場合(S1806:NO)、S1807へ移行する。
S1807では、時短遊技フラグが「ON」であるか否かを判断する。時短遊技フラグは、メインRAM301cに記憶されるものであり、時短遊技状態となっている場合に「ON」とされ、非時短遊技状態となっている場合に「OFF」とされる。ここで時短遊技フラグが「ON」となっていると判断された場合(S1807:YES)、S1808へ移行する。一方、時短遊技フラグが「OFF」となっていると判定された場合(S1807:NO)、以降の処理を実行せず、停止中処理を終了する。
S1808では、時短変動回数Wから「1」を減じ、時短変動回数Wを更新する。時短変動回数Wは、メインRAM301cに記憶される。
S1809では、時短変動回数Wが「0」であるか否かを判定する。ここでW=0であると判定された場合(S1809:YES)、S1810にて時短遊技フラグを「OFF」とし、その後、停止中処理を終了する。一方、W≠0である場合(S1809:NO)、S1810の処理を実行せず、停止中処理を終了する。
[普通図柄処理]
図19は、図10のS1004における普通図柄処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS1901では、補助遊技フラグが「ON」であるか否かを判断する。この処理は、メインRAM301cに記憶されている補助遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定するものである。補助遊技フラグは、電動チューリップ125が規定時間だけ開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作を規定回数行う補助遊技中であるか否かを示すフラグであり、補助遊技中は「ON」に設定され、補助遊技中でないときは「OFF」に設定される。ここで補助遊技フラグが「ON」に設定されていると判断された場合(S1901:YES)、以降の処理を実行せず、普通図柄処理を終了する。この場合、S1005の電動チューリップ処理へ移ることになる。一方、補助遊技フラグが「ON」でないと判断された場合(S1901:NO)、すなわち補助遊技フラグが「OFF」に設定されている場合には、S1902へ移行する。
S1902では、普通図柄が変動中であるか否かを判断する。この処理は、普通図柄表示器205における変動表示が行われているか否かを判断するものである。ここで普通図柄が変動中でないと判断された場合(S1902:NO)、S1903へ移行する。一方、普通図柄が変動中であると判断された場合(S1902:YES)、S1914へ移行する。
普通図柄が変動中でない場合に移行するS1903では、普通図柄判定の保留数Tが「1」以上であるか否かを判定する。ここで保留数Tが「1」以上であると判定された場合(S1903:YES)、S1904へ移行する。一方、保留数Tが「1」以上でないと判定された場合(S1903:NO)、すなわち保留数Tが「0」である場合には、以降の処理を実行せず、普通図柄処理を終了する。
S1904では、保留数Tを「1」減算した値に更新する。そして、S1905にて、当たり乱数判定処理を行う。この処理は、図14のS1404にてメインRAM301cに記憶された普通図柄乱数の中で最も古い普通図柄乱数が、予めメインROM301bに記憶されている普通図柄判定に係る当選値のいずれかと一致するか否かを判定するものである。
S1906では、当たりであるか否かを判断する。この処理は、S1905の判定結果に基づいて、普通図柄判定の判定結果が当たりであるか否かを判断するものである。ここで当たりであると判断された場合(S1906:YES)、S1907にて当たり図柄をメインRAM301cにセットし、その後、S1909へ移行する。一方、当たりでないと判定された場合(S1906:NO)、すなわちハズレである場合には、S1908にてハズレ図柄をメインRAM301cにセットし、その後、S1909へ移行する。
S1909では、非時短遊技状態であるか否かを判断する。この処理は、時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、遊技機1の現在の遊技状態が非時短遊技状態であるか否かを判定するものである。ここで非時短遊技状態であると判定された場合(S1909:YES)、S1910にて普通図柄変動時間を12秒にセットし、その後、S1912へ移行する。一方、非時短遊技状態でないと判定された場合(S1909:NO)、すなわち時短遊技状態である場合には、普通図柄変動時間を3秒にセットし、その後、S1912へ移行する。普通図柄変動時間は、普通図柄表示器205に普通図柄を変動表示させる時間である。ここでセットされた普通図柄変動時間は、メインRAM301cに一時的に記憶される。
S1912では、普通図柄表示器205による普通図柄の変動を開始する。そして、S1913では、その変動表示開始からの経過時間の計測を開始する。
一方、普通図柄が変動中である場合に移行するS1914では、普通図柄の変動を終了させるか否かを判断する。具体的には、S1913の処理によって計測を開始した経過時間が、S1910又はS1911でセットした普通図柄変動時間に達したか否かに基づいて、普通図柄の変動表示を終了させるか否かを判断する。ここで普通図柄の変動を終了させると判断された場合(S1914:YES)、S1915にて普通図柄表示器205における普通図柄の変動表示を終了させ当たり図柄又はハズレ図柄を停止表示させて、その後、S1916へ移行する。一方、普通図柄の変動を終了させないと判断された場合(S1914:NO)、以降の処理を実行せず、普通図柄処理を終了する。
S1916では、経過時間をリセットする。この処理は、S1913の処理で計測を開始した経過時間をリセットするものである。
S1917では、S1906と同様、普通図柄判定の判定結果が当たりであるか否かを判断する。ここで当たりであると判断された場合(S1917:YES)、S1918に補助遊技フラグを「ON」に設定し、その後、普通図柄処理を終了する。一方、当たりでないと判断された場合(S1917:NO)、S1918の処理を実行せず、普通図柄処理を終了する。
[電動チューリップ処理]
図20は、図10のS1005における電動チューリップ処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS2001では、補助遊技フラグが「ON」になっているか否かを判断する。ここで補助遊技フラグが「ON」になっていると判断された場合(S2001:YES)、S2002へ移行する。一方、補助遊技フラグが「ON」になっていないと判断された場合(S2001:NO)、すなわち補助遊技フラグが「OFF」になっている場合には、以降の処理を実行せず、電動チューリップ処理を終了する。
S2002では、電動チューリップが動作中であるか否かを判断する。ここで電動チューリップが動作中であると判断された場合(S2002:YES)、S2007へ移行する。一方、電動チューリップが動作中でないと判断された場合(S2002:NO)、S2003へ移行する。
S2003では、非時短遊技状態であるか否かを判断する。この処理は、図19のS1909と同様のものである。ここで非時短遊技状態であると判断された場合(S2003:YES)、S2004にて動作パターンをセットし、その後、S2006へ移行する。S2004では、電動チューリップ125の動作パターンとして、第2始動装置124を0.1秒間開放する動作を2回行う動作パターンをメインRAM301cにセットする。これにより、合計0.2秒間の開放が実現される。一方、非時短遊技状態でないと判定された場合(S2003:NO)、すなわち時短遊技状態である場合には、S2005にて動作パターンをセットし、その後、S2006へ移行する。S2005では、電動チューリップ125の動作パターンとして、第2始動装置124を0.5秒間開放する動作を7回行う動作パターンをメインRAM301cにセットする。これにより、合計3.5秒間の開放が実現される。
S2006では、電動チューリップ125の動作を開始する。この処理は、S2004又はS2005でセットした動作パターンで、電動チューリップ125の動作を開始させるものである。
S2007では、動作が完了したか否かを判断する。ここで電動チューリップ125の動作が完了したと判断された場合(S2007:YES)、S2008にて補助遊技フラグを「OFF」に設定し、その後、電動チューリップ処理を終了する。これにより、補助遊技が終了する。一方、電動チューリップ125の動作が完了していないと判断された場合(S2007:NO)、S2008の処理を実行せず、電動チューリップ処理を終了する。
[大入賞装置開放制御処理]
図21は、図10のステップS1006における大入賞装置開放制御処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS2101では、大当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判断する。ここで大当たり遊技フラグが「ON」に設定されていると判断された場合(S2101:YES)、S2102へ移行する。一方、大当たり遊技フラグが「ON」に設定されていないと判断された場合(S2101:NO)、すなわち大当たり遊技フラグが「OFF」に設定されている場合には、以降の処理を実行せず、大入賞装置開放制御処理を終了する。
S2102では、オープニング中であるか否かを判断する。例えばS1805の処理によって大当たり遊技に係るオープニングコマンドをセットしてからの経過時間が所定のオープニング時間に達したか否かに基づいて、大当たり遊技のオープニング中であるか否かを判断するという具合である。ここでオープニング中であると判断された場合(S2102:YES)、S2103へ移行する。一方、オープニング中でないと判断された場合(S2102:NO)、S2111へ移行する。
S2103では、オープニング時間が経過したか否かを判断する。ここでオープニング時間が経過したと判断された場合(S2103:YES)、S2104へ移行する。一方、オープニング時間が経過していないと判断された場合(S2103:NO)、以降の処理を実行せず、大入賞装置開放制御処理を終了する。
S2104では、動作パターンを設定する。この処理は、ラウンド上限数Rmax(「15」又は「8」)や動作パターンを決定してメインRAM301cに格納するものである。S2104の処理によって、ラウンドと次のラウンドとの間のインターバル時間、最終ラウンド終了後のエンディング時間等の大当たり遊技に関する各種時間も併せて設定される。
S2105では、大入賞装置127への遊技球の入賞数Yを「0」としてリセットする。続くS2106では、メインRAM301cに記憶される大当たり中のラウンド数Rを「1」加算した値に更新する。ラウンド数Rは、大当たり開始前は「0」に設定されており、S2106の処理が実行される毎に「1」加算される。
S2107では、大入賞装置の開放制御を開始する。続くS2108では、S2107の開放制御が開始されてからの経過時間である開放時間の計測を開始する。次のS2109では、ラウンド開始コマンドをセットする。この処理は、ラウンド遊技が開始されたことを通知するラウンド開始コマンドをメインRAM301cにセットするものである。S2109の処理終了後、S2116へ移行する。
オープニング中でないと判定された場合に移行するS2111では、エンディング中であるか否かを判断する。この処理は、例えばメインRAM301cに記憶されている現在の状態が大当たり遊技におけるどの時点であるかを示す情報に基づいて、最終ラウンド終了直後のエンディング中であるか否かを判断するものである。ここでエンディング中であると判断された場合(S2111:YES)、S2124へ移行する。一方、エンディング中でないと判断された場合(S2111:NO)、S2112へ移行する。
S2112では、インターバル中であるか否かを判断する。この処理は、例えばメインRAM301cに記憶されている現在の状態が大当たり遊技におけるどの時点であるかを示す情報に基づいて、インターバル中(ラウンドと次のラウンドとの間)であるか否かを判断するものである。ここでインターバル中であると判断された場合(S2112:YES)、S2113へ移行する。一方、インターバル中でないと判断した場合(S2112:NO)、S2114へ移行する。
S2113では、インターバル時間が経過したか否かを判断する。この処理は、前回のラウンド終了時に大入賞装置127が閉塞してから、S2104の処理によって設定されたインターバル時間が経過したか否かを判断するものである。ここでインターバル時間が経過したと判断された場合(S2113:YES)、次のラウンドを開始するタイミングになっているため、S2104へ移行する。一方、インターバル時間が経過していないと判断された場合(S2113:NO)、以降の処理を実行せず、大入賞装置開放制御処理を終了する。
S2114では、大入賞装置検出スイッチ306が「ON」になったか否かを判断する。大入賞装置検出スイッチ306は、大入賞装置への遊技球の入賞を検出するスイッチである。この処理は、ラウンド中に大入賞装置検出スイッチ306からの検知信号の入力の有無に基づいて、大入賞装置検出スイッチ306が「ON」になったか否かを判断するものである。ここで大入賞装置検出スイッチ306が「ON」になったと判断された場合(S2114:YES)、大入賞装置127に1個の遊技球が入賞したと判断して、S2115にて遊技球の入賞数Yを「1」加算した値に更新し、その後、S2116へ移行する。一方、大入賞装置検出スイッチ306が「ON」になっていないと判断された場合(S2114:NO)、S2115の処理を実行せず、S2116へ移行する。
S2116では、規定開放時間が経過したか否かを判断する。この処理は、大入賞装置127の開放開始から規定開放時間が経過したか否かを判断するものである。具体的には、S2108の処理によって計測が開始された開放時間が、予めメインROM301bに記憶されている規定開放時間(本実施形態では29秒)に達したか否かを判断する。ここで規定開放時間が経過したと判断された場合(S2116:YES)、S2117の処理を実行せず、S2118へ移行する。一方、規定開放時間が経過していないと判断された場合(S2116:NO)、S2117へ移行する。
S2117では、入賞数Yが入賞上限数Ymaxとなったか否かを判断する。この処理は、メインRAM301cに記憶されている今回のラウンドにおける遊技球の入賞数Yが、予めメインROM301bに記憶されている大入賞装置127の閉塞タイミングを規定する入賞上限数Ymax(例えば「9」)と一致するか否かを判断するものである。ここでY=Ymaxであると判断された場合(S2117:YES)、S2118へ移行する。一方、Y≠Ymaxであると判断された場合(S2117:NO)、以降の処理を実行せず、大入賞装置開放制御処理を終了する。
S2118では、大入賞装置127の開放制御を終了する。これにより、大入賞装置127が閉塞される。
S2119では、ラウンド数Rがラウンド上限数Rmaxとなったか否かを判断する。ここでR=Rmaxであると判断された場合(S2119:YES)、S2121へ移行する。一方、R≠Rmaxであると判断された場合(S2119:NO)、S2120にてインターバル時間の計測を開始し、その後、大入賞装置開放制御処理を終了する。S2120の処理は、次のラウンドの開始タイミングを制御するために、大入賞装置127が閉塞されてからの経過時間であるインターバル時間の計測を開始するものである。このインターバル時間は、S2113の処理に使用される。
S2121では、エンディング時間の計測を開始する。そして、S2122では、ラウンド数Rを「0」としてリセットする。さらに、S2123では、エンディングコマンドをメインRAM301cにセットする。このエンディングコマンドは、大入賞装置127の最後の開放が終了したことを通知するコマンドであり、ステップS1008の送信処理によって演出制御基板320に送信される。
S2124では、エンディング時間が経過したか否かを判断する。この処理は、S2121の処理によって計測を開始したエンディング時間が、S2104の処理によって設定された設定エンディング時間に達したか否かを判断するものである。ここでエンディング時間が経過したと判断された場合(S2124:YES)、S2125へ移行する。一方、エンディング時間が経過していないと判断された場合(S2124:NO)、以降の処理を実行せず、大入賞装置開放制御処理を終了する。
S2125では、遊技状態設定処理を実行する。遊技状態設定処理は、大当たり遊技終了後の遊技機1の遊技状態を設定するものである。遊技状態設定処理の詳細については後述する。
S2126では大当たり遊技フラグを「OFF」し、その後、大入賞装置開放制御処理を終了する。大当たり遊技フラグを「OFF」にすることで、大当たり遊技が終了することになる。
[遊技状態設定処理]
図22は、図21のS2125における遊技状態設定処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS2201では、大当たり図柄(停止図柄データ)に基づいて確変の有無を判定する。この処理は、図16のS1604にてセットされる大当たり図柄に基づくものである。
S2202では、S2201の判定結果に基づき、確変大当たりであるか否かを判断する。ここで確変大当たりであると判断された場合(S2202:YES)、S2203へ移行する。一方、確変大当たりでないと判断された場合(S2202:NO)、すなわち通常大当たりである場合には、S2205へ移行する。
S2203では、確変遊技フラグを「ON」にする。確変遊技フラグは、メインRAM301cに記憶されるものであり、確変遊技状態となっている場合に「ON」とされ、通常遊技状態となっている場合に「OFF」とされる。
S2204では、時短遊技フラグを「ON」にする。時短遊技フラグは、メインRAM301cに記憶されるものであり、時短遊技状態となっている場合に「ON」とされ、非時短遊技状態となっている場合に「OFF」とされる。S2204の処理終了後、遊技状態設定処理を終了する。
確変大当たりでないと判定された場合に移行するS2205では、確変遊技フラグを「OFF」にする。
S2206では、時短遊技フラグを「ON」とし、S2207で、時短変動回数Wに「100」をセットする。これにより、低確率状態における遊技球の減少を抑えた遊技(いわゆる時短遊技)が100回付与される。S2207の処理終了後、遊技状態設定処理を終了する。
[演出制御基板320のタイマ割込処理]
図23を用いて、演出制御基板320のタイマ割込み処理の内容について説明する。図23は、演出制御基板320のサブCPU320aによって行われるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。なお、本処理は、演出制御基板320に設けられた図示しないリセット用クロックパルス発生回路によって、演出制御基板320の電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、所定の周期(例えば2ms)毎に繰り返し実行される。また、図23のフローチャートに基づいて説明する演出制御基板320で行われる処理は、サブROM320bに記憶されているプログラムに基づいて実行される。さらにまた、本発明に関係しない処理について適宜省略して示す。
電源投入を契機にして、サブCPU320aは起動プログラムを実行し、これによって、メモリ(例えば、サブRAM320c)等の各ユニットの初期化等を行う。初期化が行われた後、サブROM320bに記憶されたプログラムがサブRAM320cに読み込まれ、サブCPU320aによって当該プログラムが実行される。
最初のS2301では、演出用乱数を更新する。この処理は、演出に用いる各種乱数を更新するものである。具体的には、各種乱数に「1」を加算して更新し、所定の値まで到達すると「0」にリセットする。本実施形態では、この演出用乱数に、「予告乱数」、「群態様乱数」、「変更態様乱数」、及び、「保留乱数」が含まれる。
「予告乱数」は、群予告を行うか否か、お出かけ予告を行うか否か、変更予告を行うか否かを決定するための乱数である。「群態様乱数」は、群予告を行うときの群の態様を決定する乱数である。「変更態様乱数」は、変更予告を行うときの変更の態様を決定する乱数である。「保留乱数」は、保留オブジェクトを決定する乱数である。いずれも、「0〜99」の整数値をとるものとすることが例示される。
S2302では、コマンド処理を実行する。この処理は、各種コマンドに基づく演出を行うためのものである。ここで処理されるコマンドは、主制御基板300から送信される変動開始コマンド、図柄確定コマンド、オープニングコマンド、ラウンド開始コマンド、及び、エンディングコマンドである。コマンド処理に詳細については、後述する。
S2303では、保留関連処理を実行する。この処理は、保留コマンド等に基づく演出表示を行うためのものである。ここで処理されるコマンドは、主制御基板300から送信される保留コマンド、及び、復旧コマンドである。保留関連処理の詳細については後述する。
S2304では、演出ボタン処理を行う。この処理は、演出ボタン105による演出を実現するためのものである。具体的には、群予告に伴う演出ボタン105の操作を検出し、それに応じた処理を行う。演出ボタン処理の詳細については後述する。
S2305では、送信処理を行う。この処理は、S2304までの処理でセットされたコマンドを画像制御基板330及びランプ制御基板340へ送信するものである。
[コマンド処理]
図24は、図23のS2302で実行されるコマンド処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS2401では、コマンドを受信したか否かを判断する。主制御基板300から送信されたコマンドは、演出制御基板320のバッファ領域に記憶される。この処理は、当該バッファ領域にコマンドが記憶されているか否かを判断するものである。ここでコマンドを受信したと判断された場合(S2401:YES)、S2402へ移行する。一方、コマンドを受信していないと判断された場合(S2401:NO)、以降の処理を実行せず、コマンド処理を終了する。
S2402では、変動開始コマンドであるか否かを判断する。この処理は、S2401で受信したと判断されたコマンドが変動開始コマンドであるか否かを判断するものである。変動開始コマンドは、図15のS1508でセットされる。ここで変動開始コマンドであると判断された場合(S2402:YES)、S2403にて変動処理を実行し、その後、コマンド処理を終了する。S2403の変動処理については後述する。一方、変動開始コマンドでないと判断された場合(S2402:NO)、S2404へ移行する。
S2404では、図柄確定コマンドであるか否かを判断する。この処理は、S2401で受信したと判断されたコマンドが図柄確定コマンドであるか否かを判断するものである。図柄確定コマンドは、図15のS1512でセットされる。ここで図柄確定コマンドであると判断された場合(S2404:YES)、S2405へ移行する。一方、図柄確定コマンドでないと判断された場合(S2404:NO)、S2406へ移行する。
S2405では、図柄確定処理を実行する。図柄確定コマンドは、第1特別図柄表示器201又は第2特別図柄表示器202に特別図柄判定の判定結果を示す停止図柄が停止表示されることを通知するコマンドである。したがって、図柄確定処理では、液晶表示装置121に変動表示されていた装飾図柄を特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示させる処理等を行う。S2405の処理終了後、コマンド処理を終了する。
S2406では、オープニングコマンドであるか否かを判断する。この処理は、S2401で受信したと判断されたコマンドがオープニングコマンドであるか否かを判断するものである。ここでオープニングコマンドであると判断された場合(S2406:YES)、S2407へ移行する。一方、オープニングコマンドでないと判断された場合(S2406:NO)、S2408へ移行する。
S2407では、オープニング処理を実行する。オープニングとは、大当たり遊技が開始されてから最初に大入賞装置127が開放され始めるまでの期間をいう。オープニングコマンドは、このオープニングが開始されることを通知するためのコマンドであり、図18のS1805でセットされる。オープニング処理は、サブROM320bに予め記憶されている実写映像(例えばアイドルグループの映像)を読み出し、画像制御基板330へコマンドとともに送信することで、液晶表示装置121に、当該実写映像を表示するような処理であることが例示される。また、サブROM320bに予め記憶されている音声データ(例えば「おめでとう」)を読み出し、画像制御基板330へコマンドとともに送信することで、音声出力装置331を介したスピーカ104からの音声出力を行う処理であることが例示される。さらにまた、ランプ制御基板340へコマンドとともに制御データを送信することで、演出用駆動装置341を介した役物の駆動を行ったり、演出用照明装置342を介した枠ランプ103や盤ランプ122の点灯を行ったりする処理であることが例示される。S2407の処理終了後、コマンド処理を終了する。
S2408では、ラウンド開始コマンドであるか否かを判断する。この処理は、S2401で受信したと判断されたコマンドがラウンド開始コマンドであるか否かを判断するものである。ここでラウンド開始コマンドであると判断された場合(S2408:YES)、S2409へ移行する。一方、ラウンド開始コマンドでないと判断された場合(S2408:NO)、S2410へ移行する。
S2409では、ラウンド処理を実行する。ラウンド開始コマンドは、ラウンド遊技が開始されたことを通知するコマンドであり、図21のS2109でセットされる。したがって、ラウンド処理は、サブROM320bに予め記憶されている実写ライブ映像(例えばアイドルグループのライブ映像)を読み出し、画像制御基板330へコマンドとともに送信することで、液晶表示装置121に、当該実写ライブ映像を表示するような処理であることが例示される。また、サブROM320bに予め記憶されている音楽データ(例えば、ライブ映像に対応する楽曲データ)を読み出し、画像制御基板330へコマンドとともに送信することで、音声出力装置331を介したスピーカ104からの楽曲の出力を行う処理であることが例示される。さらにまた、ランプ制御基板340へコマンドとともに制御データを送信することで、演出用駆動装置341を介した役物の駆動を行ったり、演出用照明装置342を介した枠ランプ103や盤ランプ122の点灯を行ったりする処理であることが例示される。S2409の処理終了後、コマンド処理を終了する。
S2410では、エンディングコマンドであるか否かを判断する。この処理は、S2401で受信したと判断されたコマンドがエンディングコマンドであるか否かを判断するものである。ここでエンディングコマンドであると判断された場合(S2410:YES)、S2411へ移行する。一方、エンディングコマンドでないと判断された場合(S2410:NO)、S2411の処理を実行せず、コマンド処理を終了する。
S2411では、エンディング処理を行う。エンディングコマンドは、大入賞装置127の最後の開放が終了したことを通知するコマンドであり、図21のS2123でセットされる。したがって、エンディング処理は、サブROM320bに予め記憶されているメッセージ画像(例えばRUSHタイム突入やチャンスタイム突入)を読み出し、画像制御基板330へコマンドとともに送信することで、液晶表示装置121に、当該メッセージ画像を表示するような処理であることが例示される。また、サブROM320bに予め記憶されている音声データ(例えば「RUSHタイム突入」や「チャンスタイム突入」)を読み出し、画像制御基板330へコマンドとともに送信することで、音声出力装置331を介したスピーカ104からの音声出力を行う処理であることが例示される。さらにまた、ランプ制御基板340へコマンドとともに制御データを送信することで、演出用駆動装置341を介した役物の駆動を行ったり、演出用照明装置342を介した枠ランプ103や盤ランプ122の点灯を行ったりする処理であることが例示される。S2411の処理終了後、コマンド処理を終了する。
[変動処理]
図25は、図24のS2403で実行される変動処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS2501では、保留領域をシフトする。保留領域は、保留表示のための情報を記憶する領域であり、サブRAM320cの記憶領域の一部に用意されている。保留領域は、第1特別図柄に係る保留領域として最大保留数Umax1(本実施形態では「4」)、第2特別図柄に係る保留領域として最大保留数Umax2(本実施形態では「4」)の合計8つの領域からなる。S2501では、これらの保留領域に記憶された保留情報を保留消化に伴ってシフトする。
図26に示すように、本実施形態では、第1特別図柄第1保留領域、第1特別図柄第2保留領域、第1特別図柄第3保留領域、・・・という具合に、合計8つの保留領域がサブRAM320cに用意されている。また、本実施形態では、現在の変動も保留オブジェクトで示されるようになっており、現在の変動表示のための情報を記憶する領域として、現変動領域がサブRAM320cに用意されている。
S2501の処理では、第1特別図柄に係る保留を消化する際には、第1特別図柄第1保留領域の情報を現変動領域へシフトし、第1特別図柄第2保留領域の情報を第1特別図柄第1保留領域へシフトするという具合に、保留数に応じて、第1特別図柄に係る保留情報を現変動領域側へシフトする。一方、第2特別図柄に係る保留を消化する際には、第2特別図柄第1保留領域の情報を現変動領域へシフトし、第2特別図柄第2保留領域の情報を第2特別図柄第1保留領域へシフトするという具合に、保留数に応じて、第2特別図柄に係る保留情報を現変動領域側へシフトする。なお、第2特別図柄に係る保留がある場合には、第2特別図柄に係る保留から消化されることは上述した通りである。これら保留領域への保留情報の記憶は、後述するように保留コマンドの受信時に行われる。記憶される保留情報は、保留コマンドに含まれるデータ及び保留表示に用いる保留オブジェクトを特定するためのオブジェクトデータである。
S2502では、第1演出決定処理を実行する。図24のS2401で受信される変動開始コマンドには、上述したように「停止図柄データ」、「変動パターンデータ」、及び、「遊技状態データ」が含まれる。これにより、特別図柄判定の結果を特定し、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらを行う必要があるのかを判定し、特別図柄が変動表示される変動時間を取得し、遊技機1の遊技状態を特定する。そして、第1特別図柄表示器201又は第2特別図柄表示器202における特別図柄の変動表示に伴って、液晶表示装置121にどのようなパターンで装飾図柄を変動表示させるか、音声出力装置331からどのような音を出力するか、枠ランプ103をどのような発光パターンで発光させるか等を決定することになる。
S2503では、第2演出決定処理を実行する。この処理は、S2502と同様のものである。
S2502及びS2503では、通常の演出に加え、保留オブジェクトを用いた予告演出を行うか否かを決定し、予告コマンドをセットすることに特徴を有する。第1演出決定処理及び第2演出決定処理については、この点について後述する。
S2504では、保留表示処理を実行する。保留表示処理は、S2502で決定される予告演出に伴って、液晶表示装置121の保留表示を変更するものである。また、保留領域のシフトに伴って、液晶表示装置121の保留表示を再度行うものである。保留表示処理の詳細については後述する。
S2505では、変動コマンドをサブRAM320cにセットする。この変動コマンドは、図23のS2305にて、S2502で決定した内容とともに、画像制御基板330及びランプ制御基板340に送信される。これによって、決定した内容の演出が実現される。
[第1演出決定処理]
図27は、図25のS2502で実行される第1演出決定処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS2701では、記憶領域のデータを取得する。ここでいう記憶領域は、図26に示した第1特別図柄に係る第1〜第4保留領域、及び第2特別図柄に係る第1〜第4保留領域である。また、直後に実行される次変動に係るデータも取得する。次変動に係るデータは、変動開始コマンドに含まれる。
S2702では、大当たりか否かを判断する。大当たりであるか否かは、停止図柄データに基づいて判断する。ここでは、次変動を含め第1特別図柄及び第2特別図柄に係る保留の中に大当たりが含まれるか否かを判断する。ここで大当たりであると判断された場合(S2702:YES)、S2704へ移行する。一方、大当たりでないと判断された場合(S2702:NO)、S2703へ移行する。
S2703では、リーチハズレであるか否かを判断する。リーチハズレであるか否かは、停止図柄データ及び変動パターンデータに基づいて判断する。ここでは、次変動を含め第1特別図柄及び第2特別図柄に係る保留の中にリーチハズレが含まれるか否かを判断する。ここでリーチハズレであると判断された場合(S2703:YES)、S2704へ移行する。一方、リーチハズレでないと判断された場合(S2703:NO)、以降の処理を実行せず、第1演出決定処理を終了する。
なお、S2702及びS2703で肯定判断された場合、どの保留がそれに該当するのかを記憶しておく。2以上の保留に大当たりやリーチハズレがある場合、いずれか一つの保留について記憶してもよいし、全ての保留について記憶してもよい。いずれにしても、ここで肯定判断された保留を示す保留オブジェクトが後述するように変更の対象となる。
S2704へは、大当たりが含まれる場合、又は、リーチハズレが含まれる場合に移行する。このS2704では、各種乱数を取得する。各種乱数は、予告乱数、保留乱数、群態様乱数である。予告乱数は、上述したように、群予告を行うか否か、また、お出かけ予告を行うか否か、変更予告を行うか否かを決定するための乱数である。また、保留乱数は、保留オブジェクトを決定するための乱数である。さらにまた、群態様乱数は、群予告のときの群の態様を決定する乱数である。
S2705では、群予告実行判定処理を実行する。群予告実行判定処理は、群予告を実行するか否かを判定するための処理である。ここで群予告実行判定処理について、説明する。
図28は、群予告実行判定処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS2801では、群予告を行うか否かを判断する。この判断は、図27のS2704で取得した予告乱数に基づいて行われる。例えば、予告乱数が「0〜99」の整数値をとるものとして、「0〜4」のいずれかであった場合、すなわち5%の確率で群予告を行うと判断するという具合である。ここで群予告を行うと判断された場合(S2801:YES)、S2802へ移行する。一方、群予告を行わないと判断された場合(S2801:NO)、以降の処理を実行せず、群予告実行判定処理を終了する。
S2802では、変動時間を取得する。この処理は、変動開始コマンドに含まれる変動パターンデータに基づき、変動時間を取得するものである。
S2803では、群予告が可能であるか否かを判断する。この処理は、S2802で取得した変動時間に基づき、群予告が可能な程度に長い変動時間であるか否かを判断するものである。本実施形態では、時短遊技状態にあるとき変動パターン7が選択されると5秒の変動時間となるため、この場合は、否定判断される。ここで群予告が可能であると判断された場合(S2803:YES)、S2804にて群予告の実行を決定し、その後、群予告実行判定処理を終了する。一方、群予告が不可能であると判断された場合(S2803:NO)、S2804の処理を実行せず、群予告実行判定処理を終了する。
図27に戻り、S2706では、群予告を実行するか否かを判断する。この判断は、S2705における判定結果に基づくものである。ここで群予告を実行すると判断された場合(S2706:YES)、S2707へ移行する。一方、群予告を実行しないと判断された場合、S2710へ移行する。
群予告を実行する場合に移行するS2707では、保留オブジェクトを決定する。
ここで保留オブジェクト及び疑似保留オブジェクトについて説明を加える。
図29に示すように、本実施形態では、特別図柄に係る保留を液晶表示装置121に表示するのであるが、このとき、通常表示態様の保留オブジェクトと特殊表示態様の保留オブジェクトとが用意されている。これらの画像データは、予めサブROM320bに記憶されている。
通常表示態様の保留オブジェクトは、円形のシンボルマークとなっている。例えばアイドルグループをテーマとする場合であれば、楽曲をイメージさせるCDを象った画像とすることが例示される。
特殊表示態様の保留オブジェクトは、特殊表示態様A、特殊表示態様B、特殊表示態様C、及び、特殊表示態様Dの4種類となっている。
特殊表示態様Aは、応援する人間を象ったオブジェクトであり、黒と白との縞模様となっている。特殊表示態様Aの保留オブジェクトは、大当たりとなる信頼度がかなり高い状態、いわゆる激アツを示す保留オブジェクトである。
特殊表示態様B、特殊表示態様C、特殊表示態様Dの保留オブジェクトは、それぞれ赤色、緑色、青色の人間を象ったものであり、大当たりとなる信頼度が高い順に、特殊表示態様B、特殊表示態様C、特殊表示態様Dとなっている。
上述した群予告は、このような保留オブジェクトと同一あるいは類似した疑似保留オブジェクトによる群予告を行おうとするものである。ここでいう「類似」は、例えば遊技者に保留オブジェクトであることを連想させる程度の類似とすることが例示される。
このとき、本実施形態では、大当たりとなる信頼度を示唆するために、特殊表示態様A〜Dの保留オブジェクトの一つを決定し、これに同一あるいは類似した疑似保留オブジェクトが群に含まれるようにする。つまり、S2707の処理は、特殊表示態様A〜Dの保留オブジェクトの一つを選択する処理である。
なお、本実施形態では、疑似保留オブジェクトに、保留オブジェクトと同一のものを用いる。以下、特殊表示態様の保留オブジェクトと同一の疑似保留オブジェクトを「特殊オブジェクト」という。また、通常表示態様の保留オブジェクトと同一の疑似保留オブジェクトを「通常オブジェクト」という。
具体的な決定処理は、S2704で取得した保留乱数に基づいて行われる。
図30(A)は、大当たり用保留オブジェクト決定テーブルを例示するものである。また、図30(B)は、リーチハズレ用保留オブジェクト決定テーブルである。
30(A)に示すように、大当たりである場合には、信頼度が相対的に高い特殊表示態様A〜Cが選択されやすくなっている。ただし、特殊表示態様Aは、プレミア感を出すため、特殊表示態様Bよりも選択される割合が小さくなっている。一方、図30(B)では、あくまでリーチを伴うハズレであるため、特殊表示態様A及び特殊表示態様Bが選択される割合が小さくなっており、特殊表示態様Dが選択される割合が、最も大きくなっている。
詳細には、図30(A)に示す大当たり用保留オブジェクト決定テーブルでは、保留乱数が「0〜19」のときに特殊表示態様Aが選択される。割合は、20/100である。また、保留乱数が「20〜69」のときに特殊表示態様Bが選択される。割合は、50/100である。さらにまた、保留乱数が「70〜89」のときに特殊表示態様Cが選択される。割合は、20/100である。また、保留乱数が「90〜99」のときに特殊表示態様Dが選択される。割合は、10/100である。
図30(B)に示すリーチハズレ用保留オブジェクト決定テーブルでは、保留乱数が「0〜4」のときに特殊表示態様Aが選択される。割合は、5/100である。また、保留乱数が「5〜9」のときに特殊表示態様Bが選択される。割合は、5/100である。さらにまた、保留乱数が「10〜39」のときに特殊表示態様Cが選択される。割合は、30/100である。また、保留乱数が「40〜99」のときに特殊表示態様Dが選択される。割合は、60/100である。
図27に戻り、S2708では、群態様を決定する。この処理は、S2704で取得した群態様乱数を用いて、群予告における群の態様を決定するものである。ここで、群態様B又はCに決定された場合、特殊オブジェクトの数である特殊態様数TTを決定する。さらに、群態様Dに決定された場合、オブジェクト変更の有無を決定する。オブジェクト変更の有無は、「オブジェクト変更有り」又は「オブジェクト変更無し」のいずれかに決定される。
図31は、群態様決定テーブルを示す。図31に示すように、群態様乱数が「0〜24」のいずれかであるときには群態様Aが選択される。また、群態様乱数が「25〜49」のいずれかであるときには群態様Bが選択される。同様に、群多用乱数が「50〜74」のいずれかであるときは群態様Cが選択され、「75〜99」のいずれかであるときは群態様Dが選択される。さらに、群態様B又はCに決定された場合、特殊態様数TTを決定する。群態様Dに決定された場合、オブジェクトの変更の有無を決定する。群態様の具体例については後述する。
S2709では、群予告コマンドをセットする。この群予告コマンドは、図23のS2305の送信処理によって、画像制御基板330及びランプ制御基板340へ送信される。これによって、群予告が実現される。
S2710へは、S2706にて否定判断された場合に移行する。S2710では、お出かけ予告を実行するか否かを判断する。例えば、予告乱数が「0〜99」の整数値をとるものとして、「5〜9」のいずれかであった場合、すなわち5%の確率でお出かけ予告を行うと判断するという具合である。ここでお出かけ予告を実行すると判断された場合(S2710:YES)、S2711へ移行する。一方、お出かけ予告を実行しないと判断された場合(S2710:NO)、S2711〜S2713の処理を実行せず、第1演出決定処理を終了する。
S2711では、特殊表示態様の保留オブジェクトを決定する。この処理は、上述したS2707と同様のものである。
S2712では、オブジェクト変更の有無を決定する。この処理は、お出かけ予告に伴って、通常表示態様の保留オブジェクトを特殊表示態様の保留オブジェクトに変更するか否かを決定するものである。「オブジェクト変更有り」又は「オブジェクト変更無し」のいずれかに決定される。
S2713では、お出かけ予告コマンドをセットする。このお出かけ予告コマンドは、図23のS2305の送信処理によって、画像制御基板330及びランプ制御基板340へ送信される。これによって、お出かけ予告が実現される。
[第2演出決定処理]
図32は、図25のS2503で実行される第2演出決定処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS3201では、記憶領域のデータを取得する。この処理は、S2701と同様のものである。記憶領域は、上述した通り、図26に示した第1特別図柄に係る第1〜第4保留領域、及び第2特別図柄に係る第1〜第4保留領域である。また、直後に実行される次変動に係るデータも取得する。次変動に係るデータは変動開始コマンドに含まれる。
S3202では、大当たりか否かを判断する。大当たりであるか否かは、停止図柄データに基づいて判断する。ここでは、次変動を含め第1特別図柄及び第2特別図柄に係る保留の中に大当たりが含まれるか否かを判断する。ここで大当たりであると判断された場合(S3202:YES)、S3204へ移行する。一方、大当たりでないと判断された場合(S3202:NO)、S3203へ移行する。
S3203では、リーチハズレであるか否かを判断する。リーチハズレであるか否かは、停止図柄データ及び変動パターンデータに基づいて判断する。ここでは、次変動を含め第1特別図柄及び第2特別図柄に係る保留の中にリーチハズレが含まれるか否かを判断する。ここでリーチハズレであると判断された場合(S3203:YES)、S3204へ移行する。一方、リーチハズレでないと判断された場合(S3203:NO)、以降の処理を実行せず、第2演出決定処理を終了する。
なお、S3202及びS3203で肯定判断された場合、どの保留がそれに該当するのかを記憶しておく。2以上の保留に大当たりやリーチハズレがある場合、いずれか一つの保留について記憶してもよいし、全ての保留について記憶してもよい。いずれにしても、ここで肯定判断された保留を示す保留オブジェクトが後述するように変更の対象となる。
S3204へは、大当たりが含まれる場合、又は、リーチハズレが含まれる場合に移行する。このS3204では、群予告の実行が確定しているか否かを判断する。ここで群予告が確定していると判断された場合(S3204:YES)、以降の処理を実行せず、第2演出処理を終了する。一方、群予告が確定していないと判断された場合(S3204:NO)、S3205へ移行する。
S3205では、各種乱数を取得する。各種乱数は、予告乱数、保留乱数、変更態様乱数である。予告乱数は、上述したように、群予告を行うか否か、また、お出かけ予告を行うか否か、変更予告を行うか否かを決定するための乱数である。また、保留乱数は、保留オブジェクトを決定するための乱数である。さらにまた、変更態様乱数は、変更予告のときの変更の態様を決定する乱数である。
S3206では、変更予告を実行するか否かを判断する。例えば、予告乱数が「0〜99」の整数値をとるものとして、「10〜14」のいずれかであった場合、すなわち5%の確率で変更予告を行うと判断するという具合である。ここで変更予告を実行すると判断された場合(S3206:YES)、S3207へ移行する。一方、お出かけ予告を実行しないと判断された場合(S3206:NO)、S3207〜S3210の処理を実行せず、第2演出決定処理を終了する。
S3207では、保留オブジェクトを決定する。この処理は、S2707及びS2711と同様のものである。
S3208では、変更態様を決定する。この処理は、S3204で取得した変更態様乱数を用いて、変更予告における変更の態様を決定するものである。
図33は、変更態様決定テーブルを示す。図33に示すように、変更態様乱数が「0〜49」のいずれかであるときは、変更態様として「シューティング」が選択される。また、変更態様乱数が「50〜99」のいずれかであるときは、変更態様として「スロット」が選択される。さらにまた、お出かけ予告の実行が確定しているときには(S2710:YES)、変更態様乱数によらず、変更態様として「バトル」が選択される。
図32に戻り、S3209では、変更レベルを決定する。この処理は、変更予告を行う上で段階的に変更がなされる場合、どの段階までの変更を許容するかを示すレベルである変更レベルを決定するものである。大当たりの場合は、変更レベルを相対的に大きくし、リーチハズレの場合は、変更レベルを相対的に小さくすることが例示される。
S3210では、変更予告コマンドをセットする。この変更予告コマンドは、図23のS2305の送信処理によって、画像制御基板330及びランプ制御基板340へ送信される。これによって、変更予告が実現される。
[保留表示処理]
図34は、図25のS2504で実行される保留表示処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS3401では、所定タイミングであるか否かを判断する。本実施形態では、群予告、お出かけ予告及び変更予告の最終段階で保留表示を特殊表示態様の保留オブジェクトに変更可能となっている。したがって、ここでは、その変更タイミングであるか否かを判断する。ここで所定タイミングであると判断された場合(S3401:YES)、S3402に移行する。一方、所定タイミングでないと判断された場合(S3401:NO)、S3402の処理を実行せず、S3403へ移行する。
S3402では、保留オブジェクトを決定する。この処理は、群予告、お出かけ予告及び変更予告の最終段階で変更される保留オブジェクトの態様を決定するものである。群予告を実行するときで群態様Aが選択された場合は、特殊表示態様の保留オブジェクトに決定される。群態様B又はCが選択された場合は、特殊態様数TTに基づいて、保留オブジェクトが決定される。例えば、特殊態様数TTが「0〜9」の整数値をとるのであれば、確率(TT/10)で、特殊表示態様の保留オブジェクトが選択されるという具合である。群態様Dが選択された場合は、「オブジェクト変更有り」のときは特殊表示態様の保留オブジェクトに決定され、「オブジェクト変更無し」のときは通常表示態様の保留オブジェクトに決定される。お出かけ予告を実行するときは、オブジェクト変更の有無に基づいて行われる。「オブジェクト変更有り」のときは、特殊表示態様の保留オブジェクトに決定される。一方、「オブジェクト変更無し」のときは、通常表示態様の保留オブジェクトが選択されることになる。変更予告を実行するときは、S3209で決定された変更レベルに基づいて特殊表示態様の保留オブジェクトか通常表示態様の保留オブジェクトかが決定される。
なお、ここで決定された保留オブジェクトを特定するためのデータは、該当する保留領域に記憶される。
S3403では、保留表示コマンドをセットする。この保留表示コマンドは、図25のS2305の送信処理によって、画像制御基板330へ送信される。これによって、各保留領域に対応し、保留オブジェクトによる保留表示が実現される。
[保留関連処理]
図35は、図23のS2303で実行される保留関連処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS3501では、コマンドを受信したか否かを判断する。この処理は、図24のS2401と同様のものである。主制御基板300から送信されたコマンドは、演出制御基板320のバッファ領域に記憶される。この処理は、当該バッファ領域にコマンドが記憶されているか否かを判断するものである。ここでコマンドを受信したと判断された場合(S3501:YES)、S3502へ移行する。一方、コマンドを受信していないと判断された場合(S3501:NO)、以降の処理を実行せず、保留関連処理を終了する。
S3502では、保留コマンドであるか否かを判断する。この処理は、S3501で受信したと判断されたコマンドが保留コマンドであるか否かを判断するものである。保留コマンドは、図12のS1209又は図13のS1309でセットされる。ここで保留コマンドであると判断された場合(S3502:YES)、S3503にて保留処理を実行し、その後、保留関連処理を終了する。保留処理の詳細については後述する。一方、保留コマンドでないと判断された場合(S3502:NO)、S3504へ移行する。
S3504では、復旧コマンドであるか否かを判断する。この処理は、S3501で受信したと判断されたコマンドが復旧コマンドであるか否かを判断するものである。復旧コマンドは、図8のS803で送信される。ここで復旧コマンドであると判断された場合(S3504:YES)、S3505へ移行する。一方、復旧コマンドでないと判断された場合(S3504:NO)、S3505の処理を実行せず、保留関連処理を終了する。
S3505では、保留復旧処理を実行する。復旧コマンドは、上述したように、電源の遮断が起きたときに送信される。この復旧コマンドには保留情報が含まれているため、ここでは、保留情報に基づいて、保留表示などを電源遮断前の状態に戻す。S3505の処理実行後、保留関連処理を終了する。
[保留処理]
図36は、図35のS3503で実行される保留処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS3601では、保留コマンドを解析する。保留コマンドには、第1特別図柄に係る保留であるか第2特別図柄に係る保留であるかを区別する「始動装置データ」、何番目の保留であるかを示す「保留数データ」(すなわち保留数U1、U2)、大当たり種類及びハズレを示す「停止図柄データ」、変動パターンを示す「変動パターンデータ」が含まれる。
S3602では、保留オブジェクトを選択する。ここでは、通常表示態様の保留オブジェクトが選択される。本実施形態では、第1特別図柄に係る保留も第2特別図柄に係る保留も通常表示態様の保留オブジェクトを共通にしているが、異なるものとしてもよい。このときは、「始動装置データ」に基づいて通常表示態様の保留オブジェクトを選択するようにすればよい。
S3603では、保留領域にデータを格納する。この処理は、「始動装置データ」に基づいて第1特別図柄に係る保留であるか第2特別図柄に係る保留であるかを特定し、また、「保留数データ」に基づいて何番目の保留であるかを特定し、第1特別図柄に係る第1〜第4保留領域及び第2特別図柄に係る第1〜第4保留領域のいずれかにデータを格納するものである。格納されるデータは、保留オブジェクトを特定するための「オブジェクトデータ」、大当たり種類及びハズレを示す「停止図柄データ」及び変動パターンを示す「変動パターンデータ」である。
S3604では、保留表示コマンドをセットする。この保留表示コマンドは、図25のS2305の送信処理によって、画像制御基板330へ送信される。これによって、新たな保留に関し、通常表示態様の保留オブジェクトによる保留表示が実現される。S3604の処理実行後、保留処理を終了する。
[演出ボタン処理]
図37は、図23のS2304で実行される演出ボタン処理の詳細を示すフローチャートである。
S3701では、演出ボタン105が押されたか否かを判断する。この判断は、図3に示した演出ボタン検出スイッチ321からの信号に基づいて行われる。ここで演出ボタン105が押されたと判断された場合(S3701:YES)、S3702へ移行する。一方、演出ボタン105が押されていないと判断された場合(S3701:NO)、以降の処理を実行せず、演出ボタン処理を終了する。
S3702では、演出ボタンが有効か否かを判断する。具体的には、群予告及び変更予告の所定期間か否かを判断する。本実施形態では、群予告及び変更予告に並行して遊技者が演出ボタン105を押すことで、オブジェクトを別態様に変更する演出を行う。群予告を行っている場合、群予告の所定期間であって、群態様Cが選択されている場合で、かつ、群を構成する特殊オブジェクトの数が特殊態様数TTよりも小さい場合に肯定判断される。また、群態様Dが選択されている場合で、かつ、オブジェクト変更の有無が「オブジェクト変更有り」となっている場合に肯定判断される。変更予告を行っている場合、変更予告の所定期間であって、変更レベルに基づいてオブジェクトの変更を許容する場合に肯定判断される。ここで有効であると判断された場合(S3702:YES)、S3703へ移行する。一方、有効でないと判断された場合(S3702:NO)、S3703の処理を実行せず、演出ボタン処理を終了する。
S3703では、オブジェクト変更コマンドをセットする。このオブジェクト変更コマンドは、図23のS2305にて、画像制御基板330へ送信される。これによって、液晶表示装置121に表示されているオブジェクトが別態様に変更される。S3704の処理終了後、演出ボタン処理を終了する。
[保留表示と保留消化の具体例]
ここまで種々の処理について説明してきたが、上述した処理に対する理解を容易にするため、具体例を挙げて説明を加える。
図38は、液晶表示装置121における保留オブジェクトの表示を例示する説明図である。
演出制御基板320では、保留コマンドを受信すると(図35のS3502:YES)、保留処理を実行する(S3503)。この保留処理では、保留オブジェクトが選択され保留領域にデータが格納されて保留表示コマンドがセットされる(図36のS3602,S3603,S3604)。これによって、液晶表示装置121における保留表示が実現される。
図38(A)に例示されるように、液晶表示装置121の最下部に、通常表示態様の保留オブジェクトでの保留表示が行われる。例えば、記号Aの二点鎖線で示す領域に第2特別図柄に係る保留表示が行われ、記号Bの二点鎖線で示す領域に第1特別図柄に係る保留表示が行われ、記号Cの二点鎖線で示す領域に、現在の変動にかかる表示がなされるという具合である。また、記号Aの二点鎖線で示す保留オブジェクトは、中央に近い側から、第2特別図柄第1保留領域、第2特別図柄第2保留領域、第2特別図柄第3保留領域、第2特別図柄第4保留領域に対応するものとなっている。同様に、記号Bの二点鎖線で示す保留オブジェクトは、中央に近い側から、第1特別図柄第1保留領域、第1特別図柄第2保留領域、第1特別図柄第3保留領域、第1特別図柄第4保留領域に対応するものとなっている。
図38(B)に矢印で示すように、次変動では、第2特別図柄第1保留領域に対応する保留オブジェクトが記号Cの二点鎖線で示す領域へ移動し、これに伴って、残り3つの保留オブジェクトが一つずつ向かって左側へ移動する。
つまり、演出制御基板320では、変動開始コマンドを受信すると変動処理を実行するのであるが(図24のS2402:YES,S2403)、この変動処理において、保留領域をシフトし保留表示処理を行う(図25のS2501,S2504)。保留表示処理では保留表示コマンドがセットされるため(図34のS3403)、図38(B)に示すような保留オブジェクトの移動が実現される。
[群予告の態様の具体例]
上述したように、演出制御基板320では、群予告を実行すると判断した場合(図27のS2706:YES)、保留オブジェクトを決定し(S2707)、群態様を決定する(S2708)。そして、群予告コマンドをセットすることで(S2709)、群予告が実現される。ここでは、特殊表示態様Bの保留オブジェクトに決定されたものとして説明を続ける。
群態様は群態様決定テーブルに基づいて決定されるのであるが(図31参照)、本実施形態では、図39〜図42に示すような4つの態様が選択されるものとする。図39が群態様Aに対応しており、図40が群態様Bに対応しており、図41が群態様Cに対応しており、図42が群態様Dに対応している。
図39(A)に示すように、群態様Aでは、疑似保留オブジェクト群が、特殊オブジェクトのみから構成されている。
図40(A)に示すように、群態様Bでは、疑似保留オブジェクト群が、通常オブジェクトと特殊オブジェクトで構成される。このとき、特殊オブジェクトの数が特殊態様数TTとなる。図40(A)では、特殊態様数TT=1となっており、特殊オブジェクトが1つだけ混じっている。つまり、特殊態様数TTが大きくなると、特殊オブジェクトの数が増えることになる。
図41(A)に示すように、群態様Cでは、疑似保留オブジェクト群が、通常オブジェクトで構成されている。このときは、液晶表示装置121の右上角に、演出ボタン105を象った演出ボタンオブジェクトが「連打」の文字とともに表示される。
図42(A)に示すように、群態様Dでは、疑似保留オブジェクト群が、演出ボタンオブジェクトで構成されている。
演出制御基板320では、演出ボタン処理において、演出ボタン105が押されたか否かを判断し(図37のS3701)、演出ボタン105が押されたときは(S3701:YES)、演出ボタン105の押下が有効か否かを判断する(S3702)。演出ボタン105の押下が有効であるときは(S3702:YES)、オブジェクト変更コマンドをセットする(S3503)。これにより、群を構成するオブジェクトが変更される。
具体的には、図41(B)に示すように、群態様Cでは、演出ボタン105が群予告の所定期間で押されると、演出ボタン105が押されるごとに、1つの通常オブジェクトが、特殊保留オブジェクトに変更される。このように、群態様Cでは、S2707で決定された保留オブジェクトに対応する特殊オブジェクトが、演出ボタン105の押下に合わせて出現する。ただし、特殊態様数TTを上限として、特殊オブジェクトが出現する。
また、図42(B)に示すように、群態様Dでは、演出ボタンオブジェクトの群が現れ、演出ボタン105が押されると、オブジェクト変更有りとなっている場合に、演出ボタンオブジェクトが、特殊オブジェクトに変更される。このように、群態様Dでは、S2707で決定された保留オブジェクトに対応する特殊オブジェクトが、演出ボタン105の押下に合わせて出現する。なお、ここでは、演出ボタンオブジェクトの数に達するまで、演出ボタン105の押下に合わせて、特殊オブジェクトが出現する。ただし、群態様Dの場合も特殊態様数TTを決定し、特殊態様数TTを上限として特殊オブジェクトを出現させるようにしてもよい。
図39(B)、図40(B)、図41(B)及び図42(B)に示すように、群態様A〜Dのいずれにおいても、群予告の演出の中で、特殊オブジェクトが液晶表示装置121の下部に表示されている保留オブジェクトに向かって落下する。
演出制御基板320では、保留表示処理において、所定タイミングを判断する(図34のS3401)。この所定タイミングは、群予告では、落下した特殊オブジェクトが保留オブジェクトと重なるタイミングである。つまり、特殊オブジェクトが保留オブジェクトに重なるタイミングであると判断すると(S3401:YES)、保留オブジェクトを決定して保留表示コマンドをセットする(S3402,S3403)。このとき、保留オブジェクトとして特殊表示態様の保留オブジェクトが選択されていれば、図39(C)、図40(C)、図41(C)及び図42(C)に示すように、通常表示態様の保留オブジェクトが特殊表示態様の保留オブジェクトに変更される。もちろん、保留オブジェクトとして通常表示態様の保留オブジェクトが選択された場合、特殊表示態様の保留オブジェクトに変更されることなく、通常表示態様の保留オブジェクトのままとなる。
[お出かけ予告の具体例]
上述したように、演出制御基板320では、お出かけ予告を実行すると判断した場合(図27のS2710:YES)、保留オブジェクトを決定する(S2711)。そして、お出かけ予告コマンドをセットすることで(S2713)、お出かけ予告が実現される。ここでは、保留オブジェクトとして特殊表示態様Aの保留オブジェクトが決定されたものとして説明を続ける。
図43(A)に示すように、お出かけ予告では、液晶表示装置121の下部に表示されている通常表示態様の保留オブジェクトが通常の表示領域とは別の領域へお出かけする。そして、例えば「よっしゃぁいくぞぉ」などのメッセージが現れる。
メッセージが現れた後、図43(B)に示すように、別の領域に表示されている通常表示態様の保留オブジェクトが特殊表示態様Aの保留オブジェクトに変更される。この場合、オブジェクト変更の有無が、「オブジェクト変更有り」に決定されている(図27のS2712)。そして、この特殊表示態様Aの保留オブジェクトが最初の表示領域へ戻っていく。
演出制御基板320では、保留表示処理において、所定タイミングを判断する(S3401)。この所定タイミングは、お出かけ予告では、特殊表示態様の保留オブジェクトが最初の表示領域へ到着するタイミングである。つまり、表示領域への到着タイミングであると判断すると(S3401:YES)、保留オブジェクトを決定して保留表示コマンドをセットする(S3402,S3403)。これにより、図43(C)に示すように、保留オブジェクトが特殊表示態様Aの保留オブジェクトに変更される。
また、図44(A)でも、図43(A)と同様、液晶表示装置121の下部に表示されている通常表示態様の保留オブジェクトが通常の表示領域とは別の領域へお出かけする。そして、例えば「よっしゃぁいくぞぉ!!」などのメッセージが現れる。
メッセージが現れた後、図44(B)では、通常表示態様の保留オブジェクトが特殊表示態様Aの保留オブジェクトに変更されず、通常表示態様のままとなる。この場合、オブジェクト変更の有無が、「オブジェクト変更無し」に決定されている(図27のS2712)。ここでも、通常表示態様の保留オブジェクトが最初の表示領域に戻ってくるようになっている。また、記号Xの矢印で示すように、最初の表示領域に戻らず、液晶表示装置121から消えてしまうような演出としてもよい。
このときは、上述した保留オブジェクトの決定において、通常表示態様の保留オブジェクトが選択される(S3402)。これにより、図44(C)に示すように、保留表示の保留オブジェクトが通常表示態様の保留オブジェクトのままとなる。
[変更予告の具体例(バトル)]
上述したように、演出制御基板320では、変更予告を実行すると判断した場合(図32のS3206:YES)、保留オブジェクトを決定し(S3207)、変更態様を決定する(S3208)。そして、変更レベルを決定し(S3209)、変更予告コマンドをセットすることで(S3210)、変更予告が実現される。ここでは、特殊表示態様Aの保留オブジェクトに決定されたものとして説明を続ける。
変更態様は変更態様決定テーブルに基づいて決定されるのであるが(図33参照)、本実施形態では、3つの態様が選択されるものとする。
図45は、お出かけ予告の実行が確定しているときに選択される「バトル」の態様である。
ここでは、図45(A)に示すように、通常表示態様の保留オブジェクトが液晶表示装置121の中央部分へお出かけし、自分キャラクタとなって、敵キャラクタとバトル演出を行う。
演出制御基板320では、演出ボタン処理において、演出ボタン105が押されたか否かを判断し(図37のS3701)、演出ボタン105が押されたときは(S3701:YES)、演出ボタン105の押下が有効か否かを判断する(S3702)。演出ボタン105の押下が有効であるときは(S3702:YES)、オブジェクト変更コマンドをセットする(S3503)。これにより、オブジェクトが変更される。
具体的には、図45(B)及び図45(C)に示すように、演出ボタンの押下によって敵キャラクタの体格が小さくなっていく演出を行う。敵キャラクタが小さくなる度合いは、変更レベルに基づいて判断される。
つまり、この場合は、敵キャラクタが変更オブジェクトとなっており、演出ボタン105の押下によって、特定の表示態様に変更されるのである。
このバトルでは、自分キャラクタが敵キャラクタに勝利すると、保留オブジェクトが特殊表示態様Aの保留オブジェクトに変更される。この変更については、お出かけ予告と同様である。自分キャラクタが敵キャラクタに敗北したときは、保留オブジェクトが特殊表示態様Aの保留オブジェクトに変更されることなく、通常表示態様のままとなる。
図46は、お出かけ予告の実行が確定しているときに選択される「バトル」の別態様である。
ここでは、図46(A)に示すように、通常表示態様の保留オブジェクトが液晶表示装置121の中央部分へお出かけし、自分キャラクタとなって、敵キャラクタとバトル演出を行う。
演出制御基板320では、演出ボタン処理において、演出ボタン105が押されたか否かを判断し(図37のS3701)、演出ボタン105が押されたときは(S3701:YES)、演出ボタン105の押下が有効か否かを判断する(S3702)。演出ボタン105の押下が有効であるときは(S3702:YES)、オブジェクト変更コマンドをセットする(S3503)。これにより、オブジェクトが変更される。
具体的には、図46(A)及び図46(B)に示すように、演出ボタンの押下によって敵キャラクタが敗北してノックアウトされた状態になるか、あるいは、敵キャラクタが勝利して両手を挙げて喜んでいる状態になるか、という演出を行う。敵キャラクタが敗北するか勝利するかは、変更レベルに基づいて判断される。
つまり、この場合も、敵キャラクタが変更オブジェクトとなっており、演出ボタン105の押下によって、特定の表示態様に変更されるのである。
このバトルでは、図46(C)に示すように、自分キャラクタが敵キャラクタに勝利すると、保留オブジェクトが特殊表示態様Aの保留オブジェクトに変更される。この変更については、お出かけ予告と同様である。自分キャラクタが敵キャラクタに敗北したときは、保留オブジェクトが特殊表示態様Aの保留オブジェクトに変更されることなく、通常表示態様のままとなる。
図47は、変更態様乱数に基づいて選択される「シューティング」の態様である。
ここでは、図47(A)に示すように、所定のキャラクタが液晶表示装置121の中央部分に出現し、保留オブジェクトへ向かって小石を投げる。
演出制御基板320では、演出ボタン処理において、演出ボタン105が押されたか否かを判断し(図37のS3701)、演出ボタン105が押されたときは(S3701:YES)、演出ボタン105の押下が有効か否かを判断する(S3702)。演出ボタン105の押下が有効であるときは(S3702:YES)、オブジェクト変更コマンドをセットする(S3503)。これにより、オブジェクトが変更される。
具体的には、図47(B)に示すように、演出ボタンの押下によって所定のキャラクタが投げた小石が徐々に大きくなって大岩になる演出を行う。どれほどの大岩になるかは、変更レベルに基づいて判断される。
つまり、この場合は、所定のキャラクタの投げる小石が変更オブジェクトとなっており、演出ボタン105の押下によって、特定の表示態様に変更されるのである。
演出制御基板320では、保留表示処理において、所定タイミングを判断する(S3401)。この所定タイミングは、変更予告のシューティングでは、変更オブジェクトが保留オブジェクトと重なるタイミングである。ここで保留オブジェクトが特殊表示態様の保留オブジェクトに決定されたときは(S3402)、図47(C)に示すように、保留オブジェクトが特殊表示態様Aの保留オブジェクトに変更される。一方、保留オブジェクトが通常表示態様の保留オブジェクトに決定されたときは(S3402)、保留オブジェクトが通常表示態様のままとなる。保留オブジェクトの決定は、変更レベルに基づいて行われる。
図48は、変更態様乱数に基づいて選択される「シューティング」の別態様である。
ここでは、図48(A)に示すように、所定のキャラクタが液晶表示装置121の中央部分に出現し、保留オブジェクトへ向かって小石を投げる。
演出制御基板320では、演出ボタン処理において、演出ボタン105が押されたか否かを判断し(図37のS3701)、演出ボタン105が押されたときは(S3701:YES)、演出ボタン105の押下が有効か否かを判断する(S3702)。演出ボタン105の押下が有効であるときは(S3702:YES)、オブジェクト変更コマンドをセットする(S3503)。これにより、オブジェクトが変更される。
具体的には、図48(B)及び図48(C)に示すように、演出ボタンの押下によって所定のキャラクタの帽子の色柄が変わっていく演出を行う。例えば、青→緑→赤→黒と白との縞模様という具合に変化する。どこまで変化するかは、変更レベルに基づいて判断される。
つまり、この場合は、所定のキャラクタ自体が変更オブジェクトとなっており、演出ボタン105の押下によって、特定の表示態様に変更されるのである。あるいは、所定キャラクタの帽子を変更オブジェクトとしてもよい。
演出制御基板320では、保留表示処理において、所定タイミングを判断する(S3401)。この所定タイミングは、変更予告のシューティングでは、小石が保留オブジェクトと重なるタイミングである。ここで保留オブジェクトが特殊表示態様の保留オブジェクトに決定されたときは(S3402)、保留オブジェクトが特殊表示態様Aの保留オブジェクトに変更される。一方、保留オブジェクトが通常表示態様の保留オブジェクトに決定されたときは(S3402)、保留オブジェクトが通常表示態様のままとなる。保留オブジェクトの決定は、変更レベルに基づいて行われる。
なお、この場合、S3209の変更レベルでなく、S3207で決定された保留オブジェクトに対応させて、所定のキャラクタの帽子の色柄を変更してもよい。
図49は、変更態様乱数に基づいて選択される「スロット」の態様である。
ここでは、図49(A)に示すように、スロットマシンが液晶表示装置121の中央部分に出現する。
演出制御基板320では、演出ボタン処理において、演出ボタン105が押されたか否かを判断し(図37のS3701)、演出ボタン105が押されたときは(S3701:YES)、演出ボタン105の押下が有効か否かを判断する(S3702)。演出ボタン105の押下が有効であるときは(S3702:YES)、オブジェクト変更コマンドをセットする(S3503)。これにより、オブジェクトが変更される。
具体的には、図49(A)〜(C)に示すように、演出ボタンの押下によってスロットマシンのリールが順に停止していく演出を行う。スロットマシンの絵柄が揃うか否かは、変更レベルに基づいて判断される。
つまり、この場合は、スロットマシンが変更オブジェクトとなっており、演出ボタン105の押下によって、特定の表示態様に変更されるのである。
演出制御基板320では、保留表示処理において、所定タイミングを判断する(S3401)。この所定タイミングは、変更予告のスロットでは、全てのリールが停止するタイミングである。ここで保留オブジェクトが特殊表示態様の保留オブジェクトに決定されたときは(S3402)、図49(C)に示すように、保留オブジェクトが特殊表示態様Aの保留オブジェクトに変更される。一方、保留オブジェクトが通常表示態様の保留オブジェクトに決定されたときは(S3402)、保留オブジェクトが通常表示態様のままとなる。保留オブジェクトの決定は、変更レベルに基づいて行われる。
図50は、変更態様乱数に基づいて選択される「スロット」の別態様である。
ここでは、図50(A)に示すように、スロットマシンが液晶表示装置121の中央部分に出現する。
演出制御基板320では、演出ボタン処理において、演出ボタン105が押されたか否かを判断し(図37のS3701)、演出ボタン105が押されたときは(S3701:YES)、演出ボタン105の押下が有効か否かを判断する(S3702)。演出ボタン105の押下が有効であるときは(S3702:YES)、オブジェクト変更コマンドをセットする(S3503)。これにより、オブジェクトが変更される。
具体的には、図50(A)〜(C)に示すように、演出ボタンの押下によってスロットマシンの操作部の色柄が変わっていく演出を行う。例えば、青→緑→赤→黒と白との縞模様という具合に変化する。どこまで変化するかは、変更レベルに基づいて判断される。
つまり、この場合は、スロットマシンが変更オブジェクトとなっており、演出ボタン105の押下によって、特定の表示態様に変更されるのである。なお、この場合は、リールの停止は、自動で行われる。
演出制御基板320では、保留表示処理において、所定タイミングを判断する(S3401)。この所定タイミングは、変更予告のスロットでは、全てのリールが停止するタイミングである。ここで保留オブジェクトが特殊表示態様の保留オブジェクトに決定されたときは(S3402)、図50(C)に示すように、保留オブジェクトが特殊表示態様Aの保留オブジェクトに変更される。一方、保留オブジェクトが通常表示態様の保留オブジェクトに決定されたときは(S3402)、保留オブジェクトが通常表示態様のままとなる。保留オブジェクトの決定は、変更レベルに基づいて行われる。
なお、この場合、S3209の変更レベルでなく、S3207で決定された保留オブジェクトに対応させて、スロットマシンの操作部の色柄を変更してもよい。
[本実施形態の遊技機1が発揮する効果]
(1)本実施形態では、第1演出決定処理において、群予告を実行するか否かを判断し(図27のS2706)、群予告を実行すると判断されると(S2706:YES)、特殊表示態様の保留オブジェクトを決定する(S2707)。そして、群態様A又はBが選択されたときは(S2708)、群予告コマンドがセットされることで(S2709)、特殊オブジェクトを含む疑似保留オブジェクト群が出現する(図39(A),図40(A))。そして、群予告における特殊オブジェクトの落下に合わせたタイミングで(図34中のS3401)、保留オブジェクトが決定されて保留表示コマンドがセットされる(S3402,S3403)。これにより、通常表示態様の保留オブジェクトが所定確率で特殊表示態様の保留オブジェクトに変更される(図39(B),図39(C),図40(B),図40(C))。
すなわち、始動条件の成立により判定情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された判定情報に基づいて、遊技者に有利な特別遊技をおこなうか否かを判定する判定手段と、前記取得手段により取得された判定情報を所定数まで記憶可能な記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている判定情報に基づいて、前記特別遊技をおこなうか否かを事前に判定する事前判定手段と、所定の保留表示手段に前記記憶手段に記憶されている判定情報に対応する保留オブジェクトを表示させる保留表示制御手段と、前記保留表示制御手段により前記保留オブジェクトが表示されているときに、所定の演出表示手段に演出オブジェクトを表示させる演出表示制御手段と、を備え、前記保留表示制御手段は、前記事前判定手段による判定結果に基づいて、通常表示態様または該通常表示態様とは異なる表示態様であって前記特別遊技がおこなわれる可能性が高いことを示唆する特殊表示態様で前記保留オブジェクトを表示させる事前保留表示制御手段を有し、前記演出表示制御手段は、前記事前保留表示制御手段により前記保留オブジェクトが前記通常表示態様で表示されているときに、前記特殊表示態様の保留オブジェクトと同一または類似する第1擬似保留オブジェクトを含む複数の擬似保留オブジェクトを有する擬似保留オブジェクト群を表示させる保留群表示制御手段を有し、前記事前保留表示制御手段は、前記保留群表示制御手段により前記擬似保留オブジェクト群が表示された後に、所定の確率で前記通常表示態様の保留オブジェクトを前記特殊表示態様の保留オブジェクトに変更して表示させることを特徴とする。
これにより、保留オブジェクトの変化を群予告で演出することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(2)また、本実施形態では、群予告を実行すると判断した場合(図27のS2706:YES)、群態様を決定する。このとき、群態様B及びCでは、特殊オブジェクトの数である特殊態様数TTを決定する(S2708)。そして、群態様Bでは、特殊態様数TTの数の特殊オブジェクトが混じった疑似保留オブジェクト群が表示され(図40(A))、群態様Cでは、演出ボタン105の押下によって特殊態様数TTの数の特殊オブジェクトが出現する(図41(B),図42(B))。さらに保留表示処理では、特殊態様数TTが大きくなるほど高い確率で、特殊表示態様の保留オブジェクトが決定される(図34のS3402)。つまり、特殊態様数TTが大きくなって、群を構成する特殊オブジェクトが多くなるほど、通常表示態様の保留オブジェクトが特殊表示態様の保留オブジェクトに変更されやすくなる。
すなわち、前記事前保留表示制御手段は、前記擬似保留オブジェクト群の前記第1擬似保留オブジェクトの数が多いほど、当該擬似保留オブジェクト群が表示された後に、高確率で前記通常表示態様の保留オブジェクトを前記特殊表示態様の保留オブジェクトに変更して表示させる。
これにより、保留オブジェクト変化の期待度を群予告において示唆することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(3)さらにまた、本実施形態では、第1演出決定処理において、群態様Cが選択されたときは(S2708)、群予告コマンドがセットされることで(S2709)、通常オブジェクトを含む疑似保留オブジェクト群が出現する(図41(A))。このときは、演出ボタン処理において、群予告の所定期間に演出ボタン105が押下されると(図37のS3701:YES,S3702:YES)、オブジェクト変更コマンドがセットされることで(S3503)、通常オブジェクトが特殊オブジェクトに変更される(図41(B))。
すなわち、遊技者からの所定操作を受け付ける受付手段を備え、前記保留群表示制御手段は、前記擬似保留オブジェクト群を表示させる際に、前記通常表示態様の保留オブジェクトと同一または類似する第2擬似保留オブジェクトを含む複数の擬似保留オブジェクトを有する擬似保留オブジェクト群を表示させるとともに、前記受付手段により所定操作が受け付けられる毎に、当該擬似保留オブジェクト群の一の前記第2擬似保留オブジェクトを前記第1擬似保留オブジェクトに変更して表示させる。
これにより、演出ボタン105の操作に伴って保留オブジェクト変化の期待度を群予告において示唆することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(4)また、本実施形態では、演出決定処理において、お出かけ予告を実行するか否かを判断し(図27のS2710)、お出かけ予告を実行すると判断されると(S2710:YES)、保留オブジェクトを決定し(S2711)、オブジェクト変更の有無を決定して(S2712)、お出かけ予告コマンドをセットする(S2713)。
これにより、通常表示態様の保留オブジェクトが保留表示の領域から別の領域へお出かけし(図43(A),図44(A))、S2712で決定されるオブジェクト変更の有無にしたがって、オブジェクト変更有りのときには特殊表示態様の保留オブジェクトに変化し(図43(B))、オブジェクト変更無しのときには通常表示態様の保留オブジェクトのまま変化しない(図44(B))。
演出制御基板320では、保留表示処理において、特殊表示態様の保留オブジェクトの保留表示の領域への到着タイミングであると判断すると(図34のS3401:YES)、特殊表示態様の保留オブジェクトを選択して保留表示コマンドをセットする(S3402,S3403)。これにより、通常表示態様の保留オブジェクトが特殊表示態様の保留オブジェクトに変更される。
すなわち、始動条件の成立により判定情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された判定情報に基づいて、遊技者に有利な特別遊技をおこなうか否かを判定する判定手段と、前記取得手段により取得された判定情報を所定数まで記憶可能な記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている判定情報に基づいて、前記特別遊技をおこなうか否かを事前に判定する事前判定手段と、所定の保留表示手段に前記記憶手段に記憶されている判定情報に対応する保留オブジェクトを表示させる保留表示制御手段と、を備え、前記保留表示制御手段は、前記事前判定手段による判定結果に基づいて、前記所定の保留表示手段の第1の表示領域に通常表示態様または該通常表示態様とは異なる表示態様であって前記特別遊技がおこなわれる可能性が高いことを示唆する特殊表示態様で前記保留オブジェクトを表示させる事前保留表示制御手段を有し、前記通常表示態様の保留オブジェクトを表示しているときに、当該通常表示態様の保留オブジェクトを前記第1の表示領域とは異なる第2の表示領域に移動させる移動表示制御手段と、前記移動表示制御手段により前記第2の表示領域に移動された前記通常表示態様の保留オブジェクトを前記特殊表示態様の保留オブジェクトに変更可能な変更制御手段と、前記変更制御手段により変更された前記特殊表示態様の保留オブジェクトを前記第1の表示領域に復帰移動させる復帰移動制御手段とを有する。
これにより、保留オブジェクトのお出かけというお出かけ予告によって保留オブジェクトの変化を演出することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(5)さらにまた、本実施形態では、通常表示態様の保留オブジェクトが保留表示の領域から別の領域へお出かけし(図44(A))、S2712で決定されるオブジェクト変更の有無にしたがって「オブジェクト変更無し」のときには通常表示態様の保留オブジェクトのまま変化しない(図44(B))。このときも、通常表示態様の保留オブジェクトは、保留表示の領域へ戻っていく。
演出制御基板320では、保留表示処理において、通常表示態様の保留オブジェクトの保留表示の領域への到着タイミングであると判断すると(図34のS3401:YES)、通常表示態様の保留オブジェクトを選択して保留表示コマンドをセットする(S3402,S3403)。これにより、通常表示態様の保留オブジェクトが表示されることになる。
すなわち、前記復帰移動制御手段は、前記変更制御手段により前記特殊表示態様の保留オブジェクトに変更されなかった場合、変更されなかった前記通常表示態様の保留オブジェクトを、前記第1の表示領域に復帰移動させる。
これにより、変化しなかった保留オブジェクトも保留領域に戻ってくるため、コミカルな演出となり、遊技の興趣を向上させることができる。
(6)また、本実施形態では、第2演出決定処理において、変更予告を実行するか否かを判断し(図32のS3206)、変更予告を実行すると判断されると(S3206:YES)、特殊表示態様の保留オブジェクトを決定する(S3207)。そして、変更予告コマンドがセットされることで(S3210)、種々のオブジェクトが出現する(図45〜図50)。このとき、演出ボタン105が押下されると、(図37のS3701:YES)、演出ボタンが有効である場合、(S3702:YES)、オブジェクト変更コマンドがセットされる(S3503)。これにより、種々のオブジェクト(変更オブジェクト)が特定の表示態様のオブジェクトに変化する(図45〜図50)。そして、所定タイミングで(図34中のS3401)、保留オブジェクトが選択されて保留表示コマンドがセットされる(S3402,S3403)。これにより、通常表示態様の保留オブジェクトが特殊表示態様の保留オブジェクトに変更され得る。
すなわち、始動条件の成立により判定情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された判定情報に基づいて、遊技者に有利な特別遊技をおこなうか否かを判定する判定手段と、前記取得手段により取得された判定情報を所定数まで記憶可能な記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている判定情報に基づいて、前記特別遊技をおこなうか否かを事前に判定する事前判定手段と、所定の保留表示手段に前記記憶手段に記憶されている判定情報に対応する保留オブジェクトを表示させる保留表示制御手段と、前記保留表示制御手段により前記保留オブジェクトが表示されているときに、所定の演出表示手段に演出オブジェクトを表示させる演出表示制御手段と、遊技者からの所定操作を受け付ける受付手段と、を備え、前記保留表示制御手段は、前記事前判定手段による判定結果に基づいて、通常表示態様または該通常表示態様とは異なる表示態様であって前記特別遊技がおこなわれる可能性が高いことを示唆する特殊表示態様で前記保留オブジェクトを表示させる事前保留表示制御手段を有し、前記演出表示制御手段は、前記事前保留表示制御手段により前記保留オブジェクトが前記通常表示態様で表示されているときに、前記保留オブジェクトの表示態様を変更させるための変更オブジェクトを所定の表示態様で表示させる変更オブジェクト表示制御手段と、前記変更オブジェクト表示制御手段により前記変更オブジェクトが表示されているときに前記受付手段により所定操作が受け付けられると、当該変更オブジェクトの表示態様を特定の表示態様に変更することが可能な特定表示制御手段と、を有し、前記事前保留表示制御手段は、前記特定表示制御手段により前記変更オブジェクトが前記特定の表示態様に変更された後に、前記通常表示態様の保留オブジェクトを前記特殊表示態様の保留オブジェクトに変更して表示させる。
これにより、保留オブジェクトの変化を変更オブジェクトの変化で演出することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
以上、本発明は、上述した実施形態になんら限定されるものではなく、その技術範囲を逸脱しない限り、種々なる形態で実施可能である。
(イ)上記実施形態では、保留オブジェクトに同一のオブジェクトを疑似保留オブジェクトとしているが、保留オブジェクトに類似するオブジェクトを疑似保留オブジェクトとしてもよい。ここで「類似する」とは、上述したように、疑似保留オブジェクトから保留オブジェクトを連想可能な程度の類似であることが例示される。
(ロ)上記実施形態では、群を構成する特殊オブジェクトが一種類となっている。例えば、図39(A)及び図40(A)では、特殊表示態様Bに対応する特殊オブジェクトとなっている。
これに対して、図51(A)に示すように、特殊表示態様A〜Dに対応する複数種類の特殊オブジェクトを含む群としてもよい。このようにすれば、特殊表示態様A〜Dのいずれの保留オブジェクトに変化するのか、という点で、遊技者の期待感を高めることができる。結果として、遊技の興趣を向上させることができる。
このときは、例えば図51(B)に示すように、特殊オブジェクトの中で数が多い種類の特殊オブジェクト(図51(B)でいえば特殊表示態様B)に高確率で変更されるようにしてもよい(図51(C))。もちろん、数が少ない特殊オブジェクトに変更される場合があってもよい。
(ハ)上記実施形態では、群態様Cが選択されると、特殊オブジェクトの数である特殊態様数TTを決定し、演出ボタン105が押下されると、特殊態様数TTに到達するまで、通常オブジェクトを特殊オブジェクトに1つずつ変更するようにしている。これに対して、群態様Dの場合と同様に、オブジェクト変更の有無を決定し、「オブジェクト変更有り」の場合に、通常オブジェクトを特殊オブジェクトに変更するようにしてもよい。この場合、特殊態様数TTに達するまで変更するようにしてもよいし、群を構成する通常オブジェクトの数に達するまで変更するようにしてもよい。
(ニ)上記実施形態では、群態様Dが選択されると、オブジェクト変更の有無を決定し「オブジェクト変更有り」の場合に、通常オブジェクトを特殊オブジェクトに変更している。これに対し、群態様Cの場合と同様に、オブジェクト変更の有無を決定することなく、演出ボタン105が押下された場合には、特殊態様数TTに達するまでは無条件に、通常オブジェクトを特殊オブジェクトに変更するようにしてもよい。
(ホ)上記実施形態では、群態様Dが選択されると、演出ボタン群を表示していたが、図52(A)に示すように、一つの演出ボタンオブジェクトを登場させ、演出ボタンの押下や連打によって、図52(B)に示すように、演出ボタンオブジェクトを特殊オブジェクトに変更するようにしてもよい。すなわち、必ずしも群を出現させる必要はない。この場合も、特殊オブジェクトが落下して、通常表示態様の保留オブジェクトが特殊表示態様の保留オブジェクトに変更される(図52(C))。
(ヘ)上記実施形態は、群を構成する特殊オブジェクトが落下し、液晶表示装置121の最下部の通常表示態様の保留オブジェクトが特殊表示態様の保留オブジェクトに変更されるものであった。
これに対して、群を構成する特殊オブジェクトが落下する演出を行うことなく、通常表示態様の保留オブジェクトを特殊表示態様の保留オブジェクトに変更してもよい。あるいは、保留オブジェクトを隠すように群が液晶表示装置121の最下部を通るようにし、群が通り過ぎた後に、通常表示態様の保留オブジェクトを特殊表示態様の保留オブジェクトに変更してもよい。
(ト)上記実施形態は、お出かけ予告において、保留オブジェクトが液晶表示装置121の別の領域へお出かけするものであった。
これに対し、サブ液晶表示装置を備える構成であれば、保留オブジェクトが液晶表示装置121の保留領域からサブ液晶表示装置の領域へお出かけするようにしてもよい。