JP5793312B2 - メタン生成システム - Google Patents

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Description

本発明は、メタン生成システムに関する。
近年、クリーンエネルギーとしてのバイオマスを利用活用する技術が注目されている。例えば、この種の技術として、食品廃棄物を、メタンを主としたバイオガスに変換するメタン発酵技術が知られており、バイオマス利用技術の中でも有用な技術として今後の展開が期待されている。
有機性廃棄物からメタンガスを生成するメタン生成システムとして、有機性廃棄物を好気性微生物により分解させて有機物が溶解した溶解水を生成するための溶解槽と、溶解槽からの溶解水に溶解している有機物を酸生成細菌によって分解させて有機酸を生成する酸生成槽と、酸生成槽からの溶解水に溶解している有機酸をメタン生成細菌群により発酵させてメタンガスを生成するメタン発酵槽と、を備えたシステムが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2003−33781号公報 特開2009−72719号公報 特許第4272774号公報 特開2001−25754号公報 特開2008−302343号公報
メタンガスが生成されるメタン発酵槽内の圧力が何らかの原因によって過度に上昇した場合、槽内圧力を低下させるために安全弁をメタン発酵槽に付設する対策が考えられる。しかし、安全弁の作動によってメタン発酵槽の内部が大気開放されると、有機酸を含む溶解水や、硫化水素を含むメタンガスが大気中に放出されてしまい、不快臭の原因となったり、その他の不具合を招く虞がある。
本発明は上記した問題に鑑みなされたものであって、その目的は、メタン生成システムにおいて、メタン発酵槽内の圧力上昇に伴いメタン発酵槽に付設された安全弁が作動する場合においても、硫化水素を含むメタンガスが大気中に放出される事を抑制できる技術を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために本発明は以下の手段を採用する。すなわち、本発明は、有機性廃棄物を好気性微生物により分解させて有機物が溶解した溶解液を生成するための溶解槽と、前記溶解槽からの溶解液に溶解している有機物を酸生成細菌によって分解させて有機酸を生成する酸生成槽と、前記酸生成槽からの溶解液に溶解している有機酸をメタン生成細菌により発酵させてメタンガスを生成するメタン発酵槽と、前記メタン発酵槽の内部と連通するように設けられ、該メタン発酵槽の内部圧力が基準圧力まで上昇した場合に作動して該内部圧力を低下させる安全弁と、前記安全弁の作動時に前記メタン発酵槽内部から噴き出したメタンガスに含まれる硫化水素を除去する非常用脱硫装置と接続配管を介して連通し、前記安全弁の外側空間を密閉して覆う飛散防止用カバー容器と、を
備えるメタン生成システムである。なお、本明細書中において用いる「メタンガス」との用語は、メタンを主成分とするガスの意味で用いており、例えば硫化水素、炭酸ガス等のメタン以外の成分も含んで組成されても良い。
上記構成におけるメタン生成システムでは、安全弁が作動した際に、メタン発酵槽の内容物であるメタンガスや有機酸を含んだ溶解液がメタン発酵槽から噴き出しても、飛散防止用カバー容器によって安全弁の外側空間が密閉して覆われているので、メタン発酵槽から噴き出した内容物が大気中に放散することがない。そして、この飛散防止用カバー容器は、接続配管を介して非常用脱硫装置に連通しており、安全弁の大気開放によってメタン発酵槽から噴出したメタンガスをそのまま大気中に放出せずに非常用脱硫装置に導くようにしたので、不快臭など周囲の環境に悪影響を及ぼすことを抑制できる。
上記構成のように安全弁の外部を飛散防止用カバー容器が覆っている態様では、安全弁の作動状況の有無を外部から目視によって確認することが困難となる。そこで、本発明においては、メタン発酵槽の内部圧力を検出する圧力検出器と、警告ランプを有する報知手段と、圧力検出器によって検出される圧力値を監視してその圧力値が安全弁の作動圧力以上に到達した時点で報知手段に所定の報知情報を出力させる制御手段と、を更に備えると良い。この所定の報知情報とは、例えば警告ランプを点灯させるなどの視覚的な出力情報であっても良いし、安全弁が作動した旨を報知するための聴覚的な音声出力情報であっても良い。これによって、安全弁の作動状況が外部から目視できない状態においても、その作動状況を周囲に知らせることができる。
また、メタン生成システムにおいて、前記溶解槽には、該溶解槽に供給される前記有機性廃棄物を撹拌する撹拌手段が設けられ、前記撹拌手段は、前記溶解槽の内部に挿通されて回転駆動される撹拌シャフトと、該撹拌シャフトの外表面から立設する支柱部及び該支柱部の先端側に形成される先端羽根部を有する撹拌羽根とを有し、前記撹拌羽根の前記支柱部及び前記撹拌シャフトの少なくとも一方には磁石が取り付けられ、又は、前記支柱部及び前記撹拌シャフトのうちの少なくとも一部が磁石によって形成されていても良い。
通常、溶解槽の底部には、所定の大きさ以下に破砕された廃棄物のみを通過させるためのパンチングメタル等のフィルタ部材が配置されている。そして、溶解槽に供給される廃棄物には、フォークやナイフ等の金属類が混入されていることも想定される。これに対して、上記構成のように、撹拌羽根の支柱部及び撹拌シャフトの少なくとも一方に磁石を取り付け、又は、支柱部及び撹拌シャフトのうちの少なくとも一部を磁石によって形成することにより、金属製の異物が混入した有機性廃棄物が溶解槽に供給された場合であっても、当該金属製異物は上記磁石の磁力によって引き寄せられるので、撹拌羽根の支柱部や撹拌シャフトに保持される。これにより、有機性廃棄物の撹拌時において、撹拌手段の先端羽根部とフィルタ部材との間にフォーク等の金属製異物が挟まれたり、絡まった状態で撹拌シャフトが強制的に回転駆動されることがないので、フィルタ部材が破損することを回避することができる。
また、メタン生成システムにおいて、前記メタン発酵槽において生成されたメタンガスに含まれる硫化水素を除去するメイン脱硫装置を備え、前記メタン発酵槽と前記メイン脱硫装置とは、前記メタン発酵槽で生成されたメタンガスを前記メイン脱硫装置に送給するガス送給管を介して接続されており、メタンガスに含まれる汚泥やスカム等の固形成分を除去するスクラバー装置が前記ガス送給管の途中に設けられていても良い。これにより、メタン発酵槽からスカム等の固形成分を除去した後のメタンガスをメイン脱硫装置に送給することができる。従って、ガス送給管が閉塞することを抑制することができる。
また、メタン生成システムにおいて、前記酸生成槽と前記メタン発酵槽との間に介在し
て、該メタン発酵槽へと供給するための前記有機酸を含んだ溶解液を一時的に貯留する供給槽と、前記メタン発酵槽に供給するための前記溶解液を前記供給槽から前記メタン発酵槽に向けて送液する送液ポンプと、前記供給槽の液位が第1の所定液位まで上昇すると前記送液ポンプを始動させる信号を出力する第1フロートスイッチと、前記供給槽の液位が前記第1の所定液位より低い第2の所定液位まで下がると前記送液ポンプを停止させる信号を出力する第2フロートスイッチと、を更に備え、前記送液ポンプが間欠的に停止される間欠停止期間が設定値以下となるように、前記第1フロートスイッチ及び前記第2フロートスイッチの間隔が調節されても良い。これによれば、送液ポンプが間欠的に停止される間欠停止期が過度に長くなることがないので、一定時間当たりにメタン発酵槽で生成されるメタンガスの生成量が大きく変動することを抑制できる。その結果、メタンガスを利用した電気エネルギーや熱エネルギーなどのエネルギーの回収を安定して行うことができる。
また、メタン生成システムにおいて、前記酸生成槽と前記メタン発酵槽との間に介在して、該メタン発酵槽へと供給するための前記有機酸を含んだ溶解液を一時的に貯留する供給槽と、前記メタン発酵槽に供給するための前記溶解液を前記供給槽から前記メタン発酵槽に向けて送液する送液ポンプと、前記酸生成槽側から前記供給槽に流入する溶解液の流入量を測定する流量計を有し、前記流量計によって測定された前記溶解液の流入量から決定されるインバータ周波数に基づいて前記送液ポンプを運転させるインバータ制御手段と、を更に備えても良い。これによれば、流量計の測定した溶解液の流入量が少ないときには送液ポンプを運転(作動)させるインバータ周波数を小さくし、逆に溶解液の流入量が多いときにはそれに応じてインバータ周波数を増大させることによって、供給槽からメタン発酵槽に向けて溶解液を途切れることなく継続的に送液することができる。それ故に、一定時間当たりにメタン発酵槽で生成されるメタンガスの生成量が大きく変動することを抑制することができ、メタンガスからのエネルギー回収を安定して行うことができる。
また、メタン生成システムにおいて、有機性廃棄物が投入される投入口、及び包材に収納された有機性廃棄物から分別された包材を外部に排出するための排出口を有するドラムと、前記ドラムの内部に挿通されて回転駆動される回転軸と、該回転軸の外表面に立設される複数の撹拌板を有する撹拌部材と、前記ドラム内に水を供給する給水ノズルと、前記給水ノズルから前記ドラム内への給水のオン、オフ状態を切り替える切り替え手段と、を有する遠心分別装置を、更に備え、前記遠心分別装置によって包材と分別された有機性廃棄物が前記溶解槽へと供給されても良い。
この種の遠心分別装置では、ビニール等の包材に収納された状態の有機性廃棄物がドラム内に投入された場合、ドラム内における撹拌部材による撹拌によって包材が破られる。そして、廃棄物に比べて比重の小さな包材はドラムの排出口から排出され、包材に比べて比重が大きい廃棄物は例えばドラムの底部に形成される別の排出口から排出される。しかしながら、遠心分別装置に例えばパン等の含水率の低い廃棄物が投入された場合、包材との比重差が小さいことに起因して包材と廃棄物との分別が難しい。これに対して、上記構成によれば、パン等の含水率の低い廃棄物が投入された際、例えば使用者は切り替え手段を用いて給水ノズルからドラム内に給水する。これにより、ドラムへの投入時において含水率が低かった廃棄物の比重を大きくすることができる。その結果、廃棄物と包材との比重差が大きくなるため、廃棄物と包材との分別を良好に行うことができる。
また、メタン生成システムにおいて、前記溶解槽には、有機性廃棄物を含む溶解液の生成に用いるための地下水が供給される地下水供給管が接続され、前記地下水供給管の途中には、所定区間に亘り複数の分岐管に分岐した分岐枝管部が形成され、前記分岐枝管部における各分岐管には、地下水に含まれる異物を除去するストレーナが着脱自在に設けられても良い。上記構成においては、地下水供給管の途中に分岐管を複数設け、各分岐管にス
トレーナを着脱自在に設けるようにしたので、堆積した不純物や異物によってストレーナが閉塞する前にストレーナの清掃作業や新品への交換作業を行う際にも、当該作業の対象とならないストレーナが設けられる分岐管を通じて不純物を除去した後の地下水を継続的に溶解槽に供給することができる。
なお、本発明における課題を解決するための手段は、可能な限り組み合わせることができる。
本発明によれば、メタン生成システムにおいて、メタン発酵槽内の圧力上昇に伴いメタン発酵槽に付設された安全弁が作動する場合においても、硫化水素を含むメタンガスが大気中に放出される事を抑制することが可能となる。
実施形態に係るメタン生成システムのシステム構成図である。 実施形態のメタン生成システムにおける処理の流れを示す図である。 実施形態における溶解槽3の詳細構成を示す図である。 実施形態におけるメタン発酵槽の詳細構成を示す図である。 実施形態におけるスクラバーの概略構成を示す図である。 実施形態におけるメタン発酵槽に併設される安全弁及びカバー部材の概略構成を示す図である。 実施形態における制御コンピュータ及び制御盤を示す図である。 実施形態の変形例1に係るメタン発酵槽の構成を示す図である。 実施形態における供給槽の詳細構成を示す図である。 実施形態のメタン生成システムにおけるメタン単位生成量の推移を示した図である。 実施形態の変形例2に係る供給槽の構成を示す図である。 実施形態における溶解液流量V及びインバータ周波数Ivの関係を示す図である。 実施形態における廃棄物分別装置の斜視図である。 実施形態における廃棄物分別装置の断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施をするための形態(以下、実施形態という)について説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対位置などは特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる例示に過ぎない。
図1は、実施形態に係るメタン生成システム1のシステム構成図である。メタン生成システム1は、店舗から発生する食品系廃棄物などの有機性廃棄物から主としてメタンガスを含むバイオガスを生成するためのバイオガス化プラントである。図2は、メタン生成システム1における処理の流れを示す図である。
2は、廃棄物分別装置であり、生ごみ(例えば店舗から発生する残飯等の食品系廃棄物)等の有機性廃棄物に含まれる異物(ガラス、金属、プラスチック、木片、紙等)を除去した上で、有機性廃棄物(以下、単に「廃棄物」と略称する場合がある)を適当な大きさに粉砕・破砕する。
3は溶解槽であり、分別された生ごみ等の廃棄物が供給される。溶解槽3には、好気性微生物の菌床が充填されている。溶解槽3の構成は後から詳しく説明するが、投入された
廃棄物に対して散水・撹拌混合しながら好気性微生物を利用して溶解することで、有機性廃棄物が溶解した溶解液(以下、「生ごみ溶解液」ともいう)を生成する。
4は酸生成槽であり、溶解槽3で得られた生ごみ溶解液が配管を通じて移送されるようになっており、生ごみ溶解液に溶解している有機物を酸生成細菌の働きによって、メタン生成細菌の基質となる酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸等の有機酸に転換する。
5は沈殿槽であり、酸生成槽4から移送されてきた生ごみ溶解液の未分解有機物(可溶化されていない有機物)を汚泥として沈殿させる槽である。また、6は供給槽であり、沈殿槽5によって未分解有機物を取り除いた上澄み液を受け入れ、この上澄み液を一時的に貯留する。
7はアルカリ反応タンクであり、アルカリタンク8に貯留されているアルカリ薬剤が供給される。アルカリ反応タンク7は沈殿槽5と配管を通じて接続されており、沈殿槽5において沈殿している汚泥が沈殿槽5の底部から引き抜かれ、アルカリ反応タンク7へと移送される。沈殿槽5からアルカリ反応タンク7に移送されてきた汚泥は、未分解の汚泥を分解し易くするためにアルカリ薬剤を用いてアルカリ処理が行われた後、再び酸生成槽4に戻される。アルカリ薬剤は例えば苛性ソーダであり、アルカリ反応タンク7内のpHに応じてアルカリタンク8から移送されるようになっている。
9はメタン発酵槽であり、生ごみ溶解液からメタンを主成分としたバイオガスを生成する。このメタン発酵槽9には、メタン生成菌が高密度に集塊したグラニュールを充填しており、高速処理と分解率の向上に寄与している。供給槽6からメタン発酵槽9に供給された生ごみ溶解液に溶解している有機酸は、メタン生成細菌群の働きによって発酵させられ、メタンガスが生成される。
このようにして得られたメタンガスを主成分とするバイオガスは、10に示すメイン脱硫塔(メイン脱硫装置)に送給される。メイン脱硫塔10は、メタン発酵槽9で生成されたバイオガスから硫化水素を除去する硫化水素除去塔である。本実施形態では、例えば乾式脱硫吸着方式を作用しており、脱硫剤は酸化鉄を使用しており、脱硫後の硫化水素濃度は10ppm以下としているが、これらは適宜の変更を加えることができる。
11はガスホルダーであり、メイン脱硫塔10にて脱硫後のバイオガスを一時的に貯留する。ガスホルダー11は、例えば水封式ガスホルダーに水が充填され、ガスが溜まるとホルダーが上昇し、付随したレベル計に応じて、ガスエンジン12が起動・停止を繰り返す仕様になっている。ガスエンジン12は、バイオガス(メタンガス)から発電するコジェネガスエンジンである。また、ガスエンジン12においては、熱交換器を介して温水が回収されるようになっており、この温水はプラントの各部へと供給される。また、ガスエンジン12において発電された電気や回収された温水は、プラント外部へも適宜供給されるようになっている。このようにして、ガスエンジン12に送給されたバイオガス(メタンガス)から電気エネルギー及び熱エネルギーが生成される。
13は水処理タンクであり、メタン発酵槽9と接続されている。水処理タンク13では、メタン発酵槽9において嫌気性処理後の処理水を好気性処理するようになっており、その方式は例えばDHS(Down flow Hanging Sponge)法を採用し、スポンジ担体上を自然流下させて処理するものであるが、これに限定されるものではない。メタンガス生成後にメタン発酵槽9の上部から流出した水は、水処理タンク13において処理された後、例えば下水放流される。
以下、本実施形態におけるメタン生成システム1の特徴点を中心に説明する。
<溶解槽の特徴>
図3は、溶解槽3の詳細構成を示す図である。溶解槽3には散水装置31が設けられている。散水装置31から散水される水は、好気性微生物下において有機性廃棄物を溶解して有機物溶解液を生成するのに利用される。ここで、図中の第一給水管P1からは水道水W1が溶解槽3に供給され、第二給水管P2(地下水供給管)からは地下水(井戸水)W2が溶解槽3に供給されるようになっている。
本実施形態のように、溶解槽3に供給する補給水として水道水W1の他、地下水W2を利用するとコスト的に有利である反面、地下水W2は水質が安定せずに鉄やマンガン等の不純物が多く含まれる場合もある。そこで、図示のように、メタン生成システム1では、第二給水管P2の途中に、所定区間に亘り複数の分岐枝管200に分岐した分岐枝管部P20が形成されており、各分岐枝管200には、地下水W2に含まれる不純物、懸濁物を除去(濾過)するストレーナ32が着脱自在に設けられている。このストレーナ32は、使用期間の増加と共に地下水W2に含まれる異物(不純物、懸濁物を含む)を除去するものである。従って、ストレーナ32には、次第に上記不純物等が堆積していくため、そのまま放置しておいては閉塞を起こしてしまう。
そこで、分岐枝管部P20の各分岐枝管200におけるストレーナ32の上流側に、分岐枝管200の流路を遮断するための遮断弁33を設けるようにした。これによれば、ストレーナ32への不純物、異物の堆積状態の確認作業、ストレーナ32を清掃したり新品のものに交換する作業の際に、その作業対象となるストレーナ32のある分岐枝管200に設けた遮断弁33を遮断させることを容易になすことができる。すなわち、各分岐枝管200におけるストレーナ32が地下水W2に含まれる異物によって閉塞する前に、取り外して清掃したり、新品と交換したりすることができる。そして、分岐枝管200を複数設けたので、上記作業時においても地下水W2を他の分岐枝管200に流すことにより、溶解槽3への地下水W2の供給を継続することができる。
また、溶解槽3の底部には、所定の大きさの孔を有するパンチングメタルからなるフィルタ部材34が配置されている。フィルタ部材34における孔の径の大きさは廃棄物の種類にもよるが、適宜の大きさ(例えば、1mm程度)に設定しておくと良い。なお、フィルタ部材34は、パンチングメタルのほか、所定の大きさ以下に破砕された廃棄物のみを通過させるフィルタ機能を有する部材であれば他の代替部材(例えば網状部材等)を採用しても良い。
また、溶解槽3には、供給される廃棄物を撹拌するための撹拌装置35が設けられている。撹拌装置35は、駆動用モータ(駆動装置)36と、この駆動用モータ36によって回転駆動される撹拌部材(撹拌手段)37とを含んで構成されている。撹拌部材37は、溶解槽3の内部に挿通されて設けられ、駆動用モータ36によって直接回転駆動される軸部材である撹拌シャフト371と、この撹拌シャフト371の外表面から突設される複数の撹拌羽根372を有する。撹拌羽根372は、支柱部372a及び先端羽根部372bからなる。支柱部372aは撹拌シャフト371の外表面から放射状に立設する支柱部材であり、先端羽根部372bは支柱部372aの先端側に形成される羽根状部材である。
上記のように構成される撹拌装置35によって、溶解槽3に供給される廃棄物が撹拌されるようになっている。溶解槽3に供給される廃棄物には、場合によっては異物が除去されきれずにナイフやフォーク等の金属類が混ざっていることもある。溶解槽3内にて廃棄物をより均一に混合するために、溶解槽3の内壁面と先端羽根部372bとのクリアランスは小さく設計されており、上記のように廃棄物にフォーク等の金属製異物が混入していると、溶解槽3の底部に配置されているフィルタ部材(パンチングメタル)34と撹拌羽根372の間に金属製異物が引っ掛かってしまうことが想定される。そのような状態で撹
拌部材37が駆動用モータ36により強引に回転駆動されると、溶解槽3の底部に配置されているフィルタ部材34が撹拌羽根372の先端羽根部372bによってせん断・破損する虞がある。
そこで、本実施形態においては、撹拌羽根372の支柱部372a及び撹拌シャフト371(具体的には、図中のハッチング部分)に磁石を取り付けるようにした。これにより、溶解槽3に供給される廃棄物にたとえフォーク等の金属製異物が混入していたとしても、撹拌羽根372の支柱部372a及び撹拌シャフト371にその異物を吸い寄せることができる。その結果、撹拌羽根372の先端部に形成されている先端羽根部372bと金属製異物とが接触する機会が減少するため、パンチングメタルによるフィルタ部材34が破損することを防止できる。
なお、ここでの構成例では、撹拌羽根372の支柱部372a及び撹拌シャフト371に磁石を取り付けるようにしたが、これらの少なくとも一方に磁石を取り付けるようにしてもフィルタ部材34の破損防止効果を上記構成と同様に奏する。また、撹拌羽根372の支柱部372a及び撹拌シャフト371のうちの少なくとも一部を磁石によって形成するようにしても良く、同様の効果を奏する。
<メタン発酵槽の特徴>
次に、メタン発酵槽9に関連する特徴点について説明する。図4は、実施形態におけるメタン発酵槽9の詳細構成を示す図である。メタン発酵槽9には、溶解液供給管P3が底部に接続されており、この溶解液供給管P3を介して供給槽6から有機酸を含む溶解液が供給されるようになっている。上述のように、メタン発酵槽9においては溶解液に溶解している有機酸からメタンガスを主とするバイオガスが生成される。メタン発酵槽9の頂部にはガス送給管P4が接続されており、メタン発酵槽9において生成されたバイオガス(メタンガス)はガス送給管P4を介してメタン発酵槽9の頂部からメイン脱硫塔10に向けて送られるようになっている。
ここで、メタン発酵槽9内の溶解液は循環用配管P5から流出し、再び溶解液供給管P3からメタン発酵槽9の内部に戻される。このように、循環用配管P5を通じて有機酸を含む溶解液を循環させることで、メタン発酵槽9におけるメタン生成細菌群が有機酸と接触する機会を増やすことができ、メタンガスの生成が促進される。また、循環用配管P5の途中には分岐部90が設けられており、分岐部90から排出管P6が分岐している。この排出管P6は水処理タンク13へと続いており、メタン発酵槽9から流出した一部は水処理タンク13へと送られ、処理される。なお、循環用配管P5の途中には流量調節バルブ91が設けられており、流量調節バルブ91の開度を調節することにより、循環用配管P5を循環する液量を調整することができる。
図4に示すように、メタン発酵槽9において生成されたメタンガスをメイン脱硫塔10に送給するガス送給管P4の途中には、スクラバー92が設けられている。図5は、実施形態におけるスクラバー92の概略構成を示す図である。スクラバー92は、導入されたメタンガスに含まれる汚泥やスカム等の固形成分を除去する装置である。スクラバー92の内部には洗浄水が貯留されている貯留部921が形成されている。また、ガス入口922とガス出口923は、それぞれガス送給管P4に接続されている。なお、スクラバー92の内部に供給される洗浄水は、適宜、メタン発酵槽9へとリターンされる(戻される)ようになっている。
ガス入口922からスクラバー92の内部に導入されたメタンガスは、ガス案内板924と液面で狭められたスロート部925を通過する際に洗浄水を同伴・分散し、スクラビング部926において渦流となる。その結果、気液の混合が促進されることで、メタンガ
スに含まれるスカム等の固形成分が分離してガス成分のみがガス出口923に導かれ、ガス送給管P4を介してメイン脱硫塔10に送給される。これにより、メタン発酵槽9で生成されたメタンガスに含まれる汚泥やスカム等の固形成分がガス送給管P4に溜まって閉塞させることを抑制することができる。
なお、スクラバー92は、メタンガスに含まれるスカム等の固形成分を除去できれば図示の構成例に限定されず、他の構成を適宜採用することができる。例えば、スクラバー92の装置天井部に散水ノズルを設け、この散水ノズルから洗浄水を噴射するようにして、メタンガスからスカム等の固形成分を分離させるようにしても良い。
次に、メタン発酵槽9の内圧が何らかの要因によって過剰に上昇したときに、内圧を下げる安全弁とその関連設備について説明する。図6は、実施形態におけるメタン発酵槽9に併設される安全弁及びカバー部材の概略構成を示す図である。図示のように、メタン発酵槽9の天板上部には、連通管93を介してメタン発酵槽9の内部と連通するように安全弁94が設けられている。安全弁94は、メタン発酵槽9の内部圧力が基準圧力まで上昇した場合に作動して開弁し、メタン発酵槽9の内部圧力を低下させるように構成されている。この種の安全弁94の構造自体は周知であるため、その詳しい説明は省略する。安全弁94の作動圧力である基準圧力は経験則などに基づいて適切な値を予め求めておき、設定することができる。
上記のように、メタン発酵槽9に安全弁94を付設することで、メタン発酵槽9の内部圧力が過度に上昇する前に内部の圧力を大気に解放(開放)することができるが、そのまま安全弁94を開弁させたのでは有機酸を含む溶解液や硫化水素を含むメタンガスが大気中に放出されてしまい、不快臭の原因となったり、その他の不具合を招く要因となる。そこで、本実施形態におけるメタン生成システム1では、図6に示すように安全弁94の外部に、安全弁94の外側空間を密閉して覆う飛散防止用カバー容器95を設けている。
メタン生成システム1は、安全弁94が作動(開弁)した際に、メタン発酵槽9から噴出したメタンガスに含まれる硫化水素を除去するための非常用脱硫塔97(非常用脱硫装置)を備えている。非常用脱硫塔97は、ガス送給管P4を介してメタン発酵槽9からのメタンガスが送給されるメイン脱硫塔10とは別に設けられている脱硫塔であり、接続配管96を介して飛散防止用カバー容器95が接続されている。本実施の形態では、安全弁94の周囲を飛散防止用カバー容器95によって覆うようにしたので、安全弁94が作動した際に、安全弁94を介してメタン発酵槽9の内容物であるメタンガスや溶解液がメタン発酵槽9から噴き出しても、これらが大気中に放散することを防止できる。そして、飛散防止用カバー容器95に噴き出したメタンガスは、接続配管96を介して非常用脱硫塔97に導かれ、硫化水素が非常用脱硫塔97にて除去されてから大気中に放散されるので、周囲に悪影響が及ぶことが無い。
ところで、本実施形態では、安全弁94を飛散防止用カバー容器95にて完全に覆っているため、安全弁94の作動状況の有無を外部から目視によって確認することができない。そこで、本実施形態におけるメタン生成システム1では、メタン発酵槽9の内部圧力を検出する圧力検出器98を設置する(図4を参照)。圧力検出器98は図7に示す制御コンピュータCOMに電気配線を介して接続されており、圧力検出器98の出力信号が制御コンピュータCOMに入力されることによって、メタン発酵槽9の内部圧力は制御コンピュータCOMによって監視される。なお、この制御コンピュータCOMは、例えばメタン生成システム1全体を制御するためのコンピュータである。
更に、制御コンピュータCOMは、所定の場所に設置される制御盤99と電気配線を介して接続されている。また、制御盤99には警告ランプ991が設けられている。制御コ
ンピュータCOMは、圧力検出器98の出力信号に基づいて取得したメタン発酵槽9の内部圧力が、安全弁94の作動圧力である基準圧力以上に到達した時点で、制御盤99に制御信号を送信し、警告ランプ991を点灯させる。このように、警告ランプ991のような報知手段を備え、メタン発酵槽9の内部圧力が基準圧力に到達した際に報知手段を作動させることによって、安全弁94の作動状況が外部から目視できない状態においても、その作動状況を周囲に知らせることができる。なお、本実施形態では警告ランプ991の表示態様によって安全弁94の作動状況を報知しているが、その代わりに例えば警報やアナウンスなどの音声情報をスピーカなどから出力することで安全弁94の作動状況を報知するようにしても良い。
〔変形例1〕
なお、図4に示したメタン発酵槽9の構成例では、循環用配管P5を通じて有機酸を含む溶解液を循環させる態様を例に説明したが、これに限定されるものではない。図8は、変形例1に係るメタン発酵槽9の構成を示す図である。図示の例では、メタン発酵槽が第1メタン発酵槽9A、第2メタン発酵槽9Bを含んで構成されている。このように、本実施形態のメタン生成システム1では、メタン発酵槽を複数備えることができる。
図8の例では、溶解液供給管P3は、第1メタン発酵槽9Aの底部に接続されており、溶解液供給管P3を介して供給槽6から有機酸を含む溶解液が第1メタン発酵槽9Aに供給される。また、第1メタン発酵槽9A及び第2メタン発酵槽9Bは、接続管P7を介して接続されており、この接続管P7を介して第1メタン発酵槽9Aから有機酸を含む溶解液が第2メタン発酵槽9Bに供給される。そして、本変形例では、排出管P6が第2メタン発酵槽9Bに直接接続されており、当該第2メタン発酵槽9Bから流出する排水が排出管P6を通じて水処理タンク13へと送られ、処理される。
また、第1メタン発酵槽9A及び第2メタン発酵槽9Bには、それぞれ前述のメイン脱硫塔10へと通ずるガス送給管P4が接続されおり、各メタン発酵槽9A,9Bにおいて生成されたメタンガスは、メイン脱硫塔10において脱硫処理が実施された後、ガスエンジン12において電気エネルギーや熱エネルギーの回収に利用される。
更には、図示のように、第1メタン発酵槽9A及び第2メタン発酵槽9Bの各々には、前述した安全弁94が付設されている。そして、この安全弁94は、飛散防止用カバー容器95によって覆われており、接続配管96を介して非常用脱硫塔97と飛散防止用カバー容器95が接続されている。これにより、第1メタン発酵槽9A及び第2メタン発酵槽9Bの何れかの内圧が何らかの原因によって過剰に上昇することで安全弁94が作動した際においても、飛散防止用カバー容器95に噴き出した内容物に含まれるメタンガスが接続配管96を通じて非常用脱硫塔97へと導入されるので、硫化水素が除去されていない状態のメタンガスが大気中に放散されることを防止できる。
また、第1メタン発酵槽9A及び第2メタン発酵槽9Bの各々には、前述の圧力検出器98(例えば、圧力センサ)が設けられており、その出力値が制御コンピュータCOMによって監視されている。そして、各メタン発酵槽9A,9Bの内圧が、安全弁94の作動圧力である基準圧力以上に到達した時点で制御盤99における警告ランプ991を点灯させるようにしたので、各メタン発酵槽9A,9Bに付設された安全弁94の作動状況を容易に把握することができる。なお、当然のことながら、警告ランプ991の点灯は、第1メタン発酵槽9A及び第2メタン発酵槽9Bの何れのメタン発酵槽に設けられた安全弁94かを識別、特定できるような態様を採用することができる。例えば、制御盤99に二つの警告ランプを設け、一方を第1メタン発酵槽9Aに付設した安全弁の作動状況、他方を第2メタン発酵槽9Bに付設した安全弁の作動状況を表すようにしても良い。
<供給槽の特徴>
次に、供給槽6に関連する特徴点について説明する。図9は、実施形態における供給槽6の詳細構成を示す図である。供給槽6には、沈殿槽5に接続される流入管P8と、メタン発酵槽9に接続される排出管P9が接続されている。供給槽6は、流入管P8を介して有機酸を含む溶解液が流入する。そして、この溶解液を一時的に貯留した後、排出管P9を通じてメタン発酵槽9へと供給する。
図示のように、供給槽6の底部には排出管P9を通じて溶解液をメタン発酵槽9に送り出す送液ポンプ61が設けられている。また、供給槽6には、溶解液の液位(水位)Wを上段、下段の二段階で検知可能な第1フロートスイッチ62,第2フロートスイッチ63が設けられていて、各スイッチのオン・オフ状態によって送液ポンプ61の起動、停止を切り替えるための信号を出力する。
第1フロートスイッチ62は供給槽6における第1液位(第1の所定液位)W1に対応する高さ(位置)に設けられており、供給槽6における溶解液の液位Wが第1液位W1より上方にある状態でオンとなる。また、第2フロートスイッチ63は、第1液位よりも低い第2液位(第2の所定液位)W2に対応する高さ(位置)に設けられており、供給槽6における溶解液の液位Wが第2液位W2以下の状態でオンとなる。
第2フロートスイッチ63は、液位Wが第2液位W2まで下がったときにオンとなり、送液ポンプ61を停止させる信号を出力し、第1フロートスイッチ62は、液位Wが第1液位W1まで上昇したときに、送液ポンプ61を始動させる信号を出力する。以上のように、送液ポンプ61は、液位Wに応じて間欠的に作動、停止が繰り返されることになる。
ここで、送液ポンプが間欠的に停止される間欠停止期間が長くなると、一定時間当たりにメタン発酵槽9で生成されるメタンガスの生成量(以下、「メタン単位生成量」という)が大きく変動する。そうすると、メタン単位生成量が低い時期にはガスエンジン12の稼動も間欠的となってしまい、電気エネルギー及び熱エネルギーの生成が不安定となる虞がある。逆にメタン単位生成量が過剰に高くても、ガスホルダー11に貯留できるメタンガスは有限であるため、一定以上の過剰なメタンガスは有効利用されずに廃棄される場合がある。
そこで、本実施形態のメタン生成システム1では、送液ポンプ61が間欠的に停止される間欠停止期間Tsが許容期間(設定値)以下となるように、第1フロートスイッチ62及び第2フロートスイッチ63の間隔を調節するようにした。ここでの許容期間とは、メタン発酵槽9で生成されるメタンガスのメタン単位生成量の変動が過大となることで上記不具合が生じることのないような期間として設定され、例えば実験等の経験則に基づいて適正値を求めておくと良い。
図10は、実施形態のメタン生成システムにおけるメタン単位生成量の推移を示した図である。(A)には、間欠停止期間Tsを少なくする観点から第1フロートスイッチ62及び第2フロートスイッチ63の間隔を調節しなかった場合におけるメタンガス生成量の推移を示し、(B)には、間欠停止期間Tsが許容期間以下となるように第1フロートスイッチ62及び第2フロートスイッチ63の間隔を調節した場合におけるメタン単位生成量の推移(変動)を示す。(A)及び(B)を対比すると明らかなように、本実施形態におけるシステム1((B)が該当)によれば、間欠停止期間Tsが許容期間以下となるように第1フロートスイッチ62及び第2フロートスイッチ63の間隔(すなわち、第1液位及び第2液位の液位差)が調節されているため、両スイッチの間隔調整を行わない場合に(A)に比べて、メタン単位生成量の変動を小さく抑えることができる。従って、ガスエンジン12の稼動が不安定となったり、過剰なメタンガスが有効利用されずに廃棄され
る状況が起こることがない。
〔変形例2〕
次に、図11を参照して変形例2について説明する。図11は、変形例2における供給槽6の構成を示す図である。図11において、図9に示したものと同じ構成には、同じ符号を付すことで詳しい説明を省略する。図11に示すように、供給槽6に接続される流入管P8には、流れる溶解液の流量を測定する流量計64が設置されている。この流量計64は上述した制御コンピュータCOMと電気的に接続されており、制御コンピュータCOMは逐次、流量計64が測定した溶解液の流量を取得する。また、送液ポンプ61は制御コンピュータCOMと電気的に接続されており、制御コンピュータCOMによって送液ポンプ61のインバータ周波数が制御されるようになっている。
図12は、実施形態における流量計64が測定した溶解液流量V及びインバータ周波数Ivの関係を示す図である。制御コンピュータCOM(インバータ制御手段)は、流量計64によって測定された溶解液流量Vから、目標となるインバータ周波数Ivを図12に示すようなマップに基づいて決定し、求めたインバータ周波数Ivによって送液ポンプ61を運転させるインバータ制御を行う。なお、図12に示すような溶解液流量V及びインバータ周波数Ivの関係は、マップとして制御コンピュータCOMのメモリに記憶されている。
インバータ制御において、制御コンピュータCOMは、溶解液流量Vが多いほどインバータ周波数Ivを高い周波数として制御する。これによれば、溶解液流量Vが少ないときには、送液ポンプ61のインバータ周波数Ivが低く抑えられるので、メタン発酵槽9への溶解液の供給を途切れることなく継続して行うことができる。
<廃棄物分別装置の特徴>
図13は、実施形態における廃棄物分別装置2の斜視図、図14は実施形態における廃棄物分別装置2の断面図である。廃棄物分別装置2は、包材に収納された廃棄食品や生ごみ等の廃棄物を包材と廃棄物に分別し、また廃棄物を適当な大きさに破砕・切断する遠心分別装置である。
廃棄物分別装置2は円筒形状を有するドラム21を有する。ドラム21は円筒形状を有し、横設された状態で配置されている。ドラム21の一端面側には、包材に収納された廃棄物をドラム21内に投入するための投入口21aが設けられている。一方、ドラム21の他端面側の上部にはドラム21内で分離(分別)された包材や生ゴミ内に含まれていたビニール、アルミ箔等の混入物、異物を外部へ排出する排出口21bが設けられている。また、ドラム21の外周面の下側半分は所定の大きさの孔を有するパンチングメタル21cにより網目状に形成されている。
ドラム21の内部には、ドラム21に挿通されている回転軸22と、回転軸22の外周面に放射状に立設された複数の攪拌板23を有する撹拌部材24が設けられている。攪拌板23は回転軸22を中心として回転することにより廃棄物をドラム21の内壁に押圧し或いは打潰すると共に、回転により発生する風圧で袋やビニール、アルミ箔等の混入物を分別する。なお、攪拌板23の枚数は適宜変更して構わない。また、ドラム21の天井部には袋やビニール等の混入物を排出口21bへ向かって案内する複数の整流板21dが設けられている。整流板21dは、攪拌板23の回転によって発生する風を排出口21b方向に向かって案内するように構成されている。
更に、廃棄物分別装置2は、ドラム21の内部に散水する散水装置を備える。この散水装置は、ドラム21の外壁面に配設された給水管24、給水管24に所定間隔をおいて設
けられる複数の散水ノズル25、切り替えボタン(切り替え手段)26を含んでいる。散水ノズル25は、ドラム21を貫通してドラム21の内部に臨むように設置されている。また、切り替えボタン26は、生ごみ分別装置2の外面に設けられた操作パネル27に設けられた各種操作ボタンの一つとして用意されている。切り替えボタン26の操作、例えば押下状態及びその解除を使用者が切り替えることによって散水ノズル25の開弁及び閉弁が切り替えられる。そして、散水ノズル25が開弁されると、給水管24を通じて供給される水がドラム21内に散水されるようになっている。その他、操作パネル27には、生ごみ分別装置2のステータスを表示する表示パネル、主電源をオン、オフする電源ボタン等が設けられている。
上記のように構成される廃棄物分別装置2では、投入口21aから投入された袋詰め又は包装された廃棄食品等の廃棄物は、回転する攪拌板23によりドラム21内で回転し、攪拌板23によって破砕される。整流板21dには、図示のように突起が設けられており、この突起によって袋等の包材が破断することで廃棄物から分離、離脱する。包材と分別された廃棄物は攪拌板23や整流板21dと衝突を繰り返すことにより破砕され、ドラム21の下部に形成されたパンチングメタル21cの孔を通って下方に落下し、排出される。一方、包材は攪拌板23の回転により発生する風が整流板21dにより排出口21b方向へ流れるため、その風に案内されて排出口21bから排出される。
ここで、廃棄物分別装置2にパン等、含水率の低い廃棄物(以下、「低含水率廃棄物」ともいう)が投入された場合、包材とパン類等の低含水率廃棄物との比重差が小さいことに起因して、双方の分別が上手くいかないことが想定される。これに対して、本実施形態における廃棄物分別装置2では、低含水率廃棄物が投入口21aから投入された際には、使用者によって切り替えボタン26が操作され、散水ノズル25が開弁される。その結果、給水管24を通じて供給される水が散水ノズル25の噴射孔からドラム21内に撒かれる。そうすると、低含水率廃棄物が水を含むことによって包材との比重差が堅著となる。これにより、攪拌板23の回転により発生する風によって包材のみが排出口21bに導かれるようになるため、低含水率廃棄物が廃棄物分別装置2に投入された際にも包材との分別を良好に行うことができる。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明に係るメタン生成システムはこれらに限らず、可能な限りこれらの組み合わせを含むことができる。また、上述した実施の形態は本発明を説明するための一例であって、本発明の本旨を逸脱しない範囲内において上記の実施形態には種々の変更を加え得る。例えば、上記実施形態では、プラントの通常のフローとして、メタン発酵槽9において生成されたメタンガスが送給されるメイン脱硫塔10とは別に、安全弁94が開弁作動した際にメタン発酵槽9から噴出したメタンガスに含まれる硫化水素を除去する非常用脱硫塔97を設けているが、これらを統合しても構わない。
1・・・メタン生成システム
2・・・廃棄物分別装置
3・・・溶解槽
4・・・酸生成槽
5・・・沈殿槽
6・・・供給槽
7・・・アルカリ反応タンク
8・・・アルカリタンク
9・・・メタン発酵槽
10・・・メイン脱硫塔
94・・・安全弁
95・・・飛散防止用カバー容器
96・・・接続配管
97・・・非常用脱硫塔

Claims (7)

  1. 有機性廃棄物を好気性微生物により分解させて有機物が溶解した溶解液を生成するための溶解槽と、
    前記溶解槽からの溶解液に溶解している有機物を酸生成細菌によって分解させて有機酸を生成する酸生成槽と、
    前記酸生成槽からの溶解液に溶解している有機酸をメタン生成細菌により発酵させてメタンガスを生成するメタン発酵槽と、
    前記メタン発酵槽の内部と連通するように設けられ、該メタン発酵槽の内部圧力が基準圧力まで上昇した場合に作動して該内部圧力を低下させる安全弁と、
    前記安全弁の作動時に前記メタン発酵槽内部から噴き出したメタンガスに含まれる硫化水素を除去する非常用脱硫装置と接続配管を介して連通し、前記安全弁の外側空間を密閉して覆う飛散防止用カバー容器と、
    を備えるメタン生成システム。
  2. 前記溶解槽には、該溶解槽に供給される前記有機性廃棄物を撹拌する撹拌手段が設けられ、
    前記撹拌手段は、前記溶解槽の内部に挿通されて回転駆動される撹拌シャフトと、該撹拌シャフトの外表面から立設する支柱部及び該支柱部の先端側に形成される先端羽根部を有する撹拌羽根とを有し、
    前記撹拌羽根の前記支柱部及び前記撹拌シャフトの少なくとも一方には磁石が取り付けられ、又は、前記支柱部及び前記撹拌シャフトのうちの少なくとも一部が磁石によって形成されている、
    請求項1に記載のメタン生成システム。
  3. 前記メタン発酵槽において生成されたメタンガスに含まれる硫化水素を除去するメイン脱硫装置を備え、
    前記メタン発酵槽と前記メイン脱硫装置とは、前記メタン発酵槽で生成されたメタンガスを前記メイン脱硫装置に送給するガス送給管を介して接続されており、
    メタンガスに含まれる汚スカムの固形成分を除去するスクラバー装置が前記ガス送給管の途中に設けられている、
    請求項1又は2に記載のメタン生成システム。
  4. 前記酸生成槽と前記メタン発酵槽との間に介在して、該メタン発酵槽へと供給するための前記有機酸を含んだ溶解液を一時的に貯留する供給槽と、
    前記メタン発酵槽に供給するための前記溶解液を前記供給槽から前記メタン発酵槽に向けて送液する送液ポンプと、
    前記供給槽の液位が第1の所定液位まで上昇すると前記送液ポンプを始動させる信号を出力する第1フロートスイッチと、
    前記供給槽の液位が前記第1の所定液位より低い第2の所定液位まで下がると前記送液ポンプを停止させる信号を出力する第2フロートスイッチと、
    を更に備え、
    前記送液ポンプが間欠的に停止される間欠停止期間が設定値以下となるように、前記第1フロートスイッチ及び前記第2フロートスイッチの間隔が調節される、
    請求項1から3の何れか一項に記載のメタン生成システム。
  5. 前記酸生成槽と前記メタン発酵槽との間に介在して、該メタン発酵槽へと供給するための前記有機酸を含んだ溶解液を一時的に貯留する供給槽と、
    前記メタン発酵槽に供給するための前記溶解液を前記供給槽から前記メタン発酵槽に向けて送液する送液ポンプと、
    前記酸生成槽側から前記供給槽に流入する溶解液の流入量を測定する流量計を有し、前記流量計によって測定された前記溶解液の流入量から決定されるインバータ周波数に基づいて前記送液ポンプを運転させるインバータ制御手段と、
    を更に備える、請求項1から3の何れか一項に記載のメタン生成システム。
  6. 包材に収納された有機性廃棄物が投入される投入口、及び分別された包材を外部に排出するための排出口を有するドラムと、
    前記ドラムの内部に挿通されて回転駆動される回転軸と、該回転軸の外表面に立設される複数の撹拌板を有する撹拌部材と、
    前記ドラム内に水を供給する給水ノズルと、
    前記給水ノズルから前記ドラム内への給水のオン、オフ状態を切り替える切り替え手段と、
    を有する遠心分別装置を、更に備え、
    前記遠心分別装置によって包材と分別された有機性廃棄物が前記溶解槽へと供給される、
    請求項1から5の何れか一項に記載のメタン生成システム。
  7. 前記溶解槽には、有機性廃棄物を含む溶解液の生成に用いるための地下水が供給される地下水供給管が接続され、
    前記地下水供給管の途中には、所定区間に亘り複数の分岐管に分岐した分岐枝管部が形成され、
    前記分岐枝管部における各分岐管には、地下水に含まれる異物を除去するストレーナが着脱自在に設けられている、
    請求項1から6の何れか一項に記載のメタン生成システム。
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