JP5792754B2 - ぬれ時間推定装置および方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ぬれ時間推定技術に関し、特に気温および相対湿度の年平均値からぬれ時間を推定する技術に関する。
鋼材が腐食する条件の一つとして、鋼材表面における水分の存在が挙げられる。鋼材の信頼性分析やリスク評価を行う際には、この水分が腐食や劣化に及ぼす影響を考慮することが求められる。ぬれ時間TOW(Time of Wetness)は、金属表面に水膜が存在する時間(期間)を表す指標として国際標準化機構(ISO:International Organization for Standardization)のISO9223において定義されている。
このTOWは、1年のうちで気温が0℃を超え、かつ相対湿度が80%を超えるという条件を満たす時間の合計値で表される。年総時間をTtot(≒8766時間)とし、任意の時間において気温が0℃を越えるか否かを示す変数をδTとし、任意の時間において相対湿度(相対湿度)が80%を越えるか否かを示す変数をδRhとした場合、TOW(真値)は次の式(1)で定義される。本発明では、この式(1)で求めたぬれ時間を基準ぬれ時間TOWという。
Figure 0005792754
ここで、式(1)によれば、気温および相対湿度について、時別に観測した時別値が必要となる。また、長期間または多地点でのTOWを求める際に計算量が大きくなる。
このため、気温および相対湿度の年平均値から確率値を導いて、これを用いて簡易にTOWの近似値を算出する方法が提案されており(例えば、非特許文献1など参照)、多くの既往研究・文献ではこの方法が使用されている。本発明では、この方法により算出されたぬれ時間を規定ぬれ時間TOWaという。
具体的には、式(1)において、変数δTおよびδRhが上記条件を満たす確率をP(T>℃,Rh>80%)と表現した場合、式(1)は、次の式(2)で近似することができる。
Figure 0005792754
ここで、P(T>℃,Rh>80%)について、PT(T>0℃)とPRh(Rh>80%)が独立して生起すると見なした場合、式(2)は、次の式(3)で近似できる。
Figure 0005792754
したがって、これらPT(T>0℃)とPRh(Rh>80%)を表す確率分布をそれぞれ想定し、これら確率分布を規定する確率分布パラメータ、および気象観測データから求めた気温・相対湿度の年平均値を独立変数(説明変数)とし、ぬれ時間TOWaを従属変数(目的変数)として、式(3)を解くことにより、次の式(4)が得られる。
Figure 0005792754
式(4)において、N(Ta;0;9.96)は、年平均気温Taに関する、平均μ=0、標準偏差σ=9.96の累積正規確率分布である。
また、式(4)において、β(Rha/100;4.67;1.78)は、年平均相対湿度Rhaに関する、係数a=4.67、係数b=1.78、Rhaの下限値=0、Rhaの上限値=100のベータ分布における累積ベータ確率分布である。
J. Tidblad, A. A. Mikhailov, and V. Kucera, "Model for the Prediction of the Timeof Wetness from Average Annual Data on Relative Air Humidity and Air Temperature", Protection of Metals, Vol. 36, No. 6, pp.533-540, (2000) 財団法人日本ウェザリングセンター, "大気暴露試験ハンドブック[II]金属編", PP.金10〜金11, (2007)
しかしながら、このような従来技術によれば、規定TOWaの算出に用いられる確率値は、UN ECE,ISOCORRAG,MICAT,ロシアなどの気象観測データから導出・検証がなされたものが用いられている。このため、世界中に点在する地域(観測地点)に対して全体的によく適合するものとなっているが、日本などの特定の地域に注目した場合、TOWとTOWaの値が乖離することがあるという問題点があった。
図11は、札幌におけるTOWとTOWaとの比較例である。図12は、東京におけるTOWとTOWaとの比較例である。図13は、那覇におけるTOWとTOWaとの比較例である。ここでは、1990年あるいは1991年から2011年までの期間の気象観測データにおける気温・相対湿度の時別値から前述の式(1)に基づき算出したTOWと、これら気象観測データにおける気温・相対湿度の年平均値から前述の式(4)に基づき算出したTOWaとが示されている。
この算出例によれば、札幌、東京、那覇において、相関値Ra2は、0.86,0.79,0.91であるものの、平均誤差は870.8,512.5,1200.3となり、比較的大きな誤差が生じていることがわかる。
これは、規定TOWaの算出に用いた気象観測データの気温・相対湿度分布と、日本における気象観測データの気温・相対湿度分布とが、乖離していることが原因であると見られる。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、ISO9223に規定されているものとは異なる気温・相対湿度の確率分布を持つ地域であっても、時別値を用いて算出した基準ぬれ時間に対して誤差の小さい推定ぬれ時間を、気温および相対湿度の年平均値から算出できるぬれ時間推定技術を提供することを目的としている。
このような目的を達成するために、本発明にかかるぬれ時間推定装置は、気温>0℃および相対湿度>80%の確率分布に基づいて、入力年次における気温および相対湿度の年平均値から、当該入力年次における推定ぬれ時間を算出するぬれ時間推定装置であって、各観測年次に推定対象地域で観測された気温および相対湿度の時別値を含む気象観測データから、これら観測年次ごとに当該時別値を用いた基準ぬれ時間を算出する基準ぬれ時間算出部と、気温>0℃の確率分布を示す複数の異なる気温確率分布と相対湿度>80%の確率分布を示す複数の異なる相対湿度確率分布の組合せごとに、前記基準ぬれ時間を従属変数とし、前記各観測年次における気温および相対湿度の年平均値と当該組合せの気温確率分布および相対湿度確率分布を規定する確率分布パラメータとを独立変数として回帰分析を行うことにより、前記観測年次ごとの前記基準ぬれ時間と、当該組合せの気温確率分布および相対湿度確率分布で求めた前記観測年次ごとの仮定ぬれ時間との誤差が、最小となる確率分布パラメータからなる最適確率分布パラメータを、これら組合せごとに推定する確率分布パラメータ推定部と、これら組合せのうち、前記誤差が最小となった最適組合せの最適確率分布パラメータで規定される気温および相対湿度の確率分布を、最適確率分布として選択する最適確率分布選択部と、前記最適確率分布に基づいて、前記入力年次における気温および相対湿度の年平均値から、当該入力年次における推定ぬれ時間を算出する推定ぬれ時間算出部とを備えるている。
また、本発明にかかる上記ぬれ時間推定装置の一構成例は、予め定めた規定確率分布に基づいて、前記各観測年次における気温および相対湿度の年平均値から、前記観測年次ごとに規定ぬれ時間を算出する規定ぬれ時間算出部をさらに備え、前記推定ぬれ時間算出部は、前記入力年次における推定ぬれ時間を算出する際、前記最適組合せにかかる前記各観測年次の仮定ぬれ時間と前記各観測年次の基準ぬれ時間との平均誤差が、前記各観測年次の規定ぬれ時間と前記各観測年次の基準ぬれ時間との平均誤差より大きい場合、前記最適確率分布に代えて前記規定確率分布を用いることにより、前記入力年次における気温および相対湿度の年平均値から、当該入力年次における推定ぬれ時間を算出するようにしたものである。
また、本発明にかかるぬれ時間推定方法は、気温>0℃および相対湿度>80%の確率分布に基づいて、入力年次における気温および相対湿度の年平均値から、当該入力年次における推定ぬれ時間を算出するぬれ時間推定装置で用いられるぬれ時間推定方法であって、基準ぬれ時間算出部が、各観測年次に推定対象地域で観測された気温および相対湿度の時別値を含む気象観測データから、これら観測年次ごとに当該時別値を用いた基準ぬれ時間を算出する基準ぬれ時間算出ステップと、確率分布パラメータ推定部が、気温>0℃の確率分布を示す複数の異なる気温確率分布と相対湿度>80%の確率分布を示す複数の異なる相対湿度確率分布の組合せごとに、前記基準ぬれ時間を従属変数とし、前記各観測年次における気温および相対湿度の年平均値と当該組合せの気温確率分布および相対湿度確率分布を規定する確率分布パラメータとを独立変数として回帰分析を行うことにより、前記観測年次ごとの前記基準ぬれ時間と、当該組合せの気温確率分布および相対湿度確率分布で求めた前記観測年次ごとの仮定ぬれ時間との誤差が、最小となる確率分布パラメータからなる最適確率分布パラメータを、これら組合せごとに推定する確率分布パラメータ推定ステップと、最適確率分布選択部が、これら組合せのうち、前記誤差が最小となった最適組合せの最適確率分布パラメータで規定される気温および相対湿度の確率分布を、最適確率分布として選択する最適確率分布選択ステップと、推定ぬれ時間算出部が、前記最適確率分布に基づいて、前記入力年次における気温および相対湿度の年平均値から、当該入力年次における推定ぬれ時間を算出する推定ぬれ時間算出ステップとを備えている。
また、本発明にかかる上記ぬれ時間推定方法の一構成例は、規定ぬれ時間算出部が、予め定めた規定確率分布に基づいて、前記各観測年次における気温および相対湿度の年平均値から、前記観測年次ごとに規定ぬれ時間を算出する規定ぬれ時間算出ステップをさらに備え、前記推定ぬれ時間算出ステップは、前記入力年次における推定ぬれ時間を算出する際、前記最適組合せにかかる前記各観測年次の仮定ぬれ時間と前記各観測年次の基準ぬれ時間との平均誤差が、前記各観測年次の規定ぬれ時間と前記各観測年次の基準ぬれ時間との平均誤差より大きい場合、前記最適確率分布に代えて前記規定確率分布を用いることにより、前記入力年次における気温および相対湿度の年平均値から、当該入力年次における推定ぬれ時間を算出するようにしたものである。
本発明によれば、予め用意された、気温および相対湿度ごとの複数の異なる確率分布の組合せごとに、当該確率分布を規定する最適確率分布パラメータが推定され、これら組合せのうち、基準ぬれ時間との誤差が最も小さい仮想ぬれ時間が得られた組合せの確率分布が、入力年次における推定ぬれ時間を算出するための最適確率分布として選択される。
このため、ぬれ時間を推定する対象となる推定対象地域で得た気象観測データが用いられるだけでなく、気温・相対湿度の確率分布として、複数の異なる確率分布が候補として用いられるため、より多くの推定対象地域に対応した確率分布を選択することができる。
したがって、ISO9223に規定されているものとは異なる気温・相対湿度の確率分布を持つ地域であっても、時別値を用いて算出した基準ぬれ時間に対して誤差の小さい推定ぬれ時間を、気温および相対湿度の年平均値から算出することが可能となる。
ぬれ時間推定装置の構成を示すブロック図である。 気象観測データの構成例である。 ぬれ時間推定処理を示すフローチャートである。 ぬれ時間推定処理を示すフロー図である。 札幌におけるTOW,TOWa,TOWeの比較例である。 東京におけるTOW,TOWa,TOWeの比較例である。 那覇におけるTOW,TOWa,TOWeの比較例である。 TOWaとTOWeの推定精度を示す説明図である。 TOWとTOWaの関係を示す説明図である。 TOWとTOWeの関係を示す説明図である。 札幌におけるTOWとTOWaとの比較例である。 東京におけるTOWとTOWaとの比較例である。 那覇におけるTOWとTOWaとの比較例である。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[ぬれ時間推定装置]
まず、図1を参照して、本発明の一実施の形態にかかるぬれ時間推定装置10について説明する。図1は、ぬれ時間推定装置の構成を示すブロック図である。
このぬれ時間推定装置10は、全体として、サーバ装置やパーソナルコンピュータなどの情報処理装置からなり、気温および相対湿度の確率分布に基づいて、入力年次における気温および相対湿度の年平均値から、当該入力年次における推定ぬれ時間を算出する機能を有している。
本発明において、推定ぬれ時間TOWeは、前述の式(1)〜式(3)で説明した従来の分析結果にならい、任意の年次における気温Tの時別値のうちT>0℃となる確率PT(T>0℃)を、気温Tの確率分布DTをT≦0℃の範囲で積分した値で近似し、任意の年次における相対湿度Rhの時別値のうちRh>80%となる確率PRh(Rh>80%)を、相対湿度Rhの確率分布DRhをRh≦80%の範囲で積分した値で近似する。
この際、気温Tや相対湿度Rhの確率分布DT,DRhは、正規分布、ベータ関数、ロジスティック関数、ゴンペルツ関数などの各種関数を用いて表することができる。
例えば、気温Tの確率分布DTを正規分布DNで定義し、相対湿度Rhの確率分布DRhをベータ分布Dβで定義した場合、推定ぬれ時間TOWeは、次の式(5)で表される。
Figure 0005792754
式(5)において、N(Ta;μ;σ)は、平均μ,標準偏差σの累積正規確率分布を示す。β(Rha/100;a;b)は、係数a(a>0),係数b(b>0),下限値Kmin=0、上限値Kmax=100のベータ分布Dβのうち、年平均相対湿度Rhaの累積ベータ確率分布を示す。
また、B(a,b)は、係数a(a>0),係数b(b>0),下限値Kmin=0、上限値Kmax=100のベータ分布のうち、下限値Kminから上限値Kmaxまでの累積確率を示しており、次の式(6)で表される。
Figure 0005792754
本発明は、推定対象となる日本などの特定地域で得た気象観測データを用いて算出した基準ぬれ時間TOWと、規定ぬれ時間TOWaとの乖離が、それぞれの気温・相対湿度の確率分布の違いに原因であることに着目し、推定対象地域で得た気象観測データにフィッティングした最適な確率分布を特定して、推定ぬれ時間を算出するようにしたものである。
この際、気温および相対湿度ごとに1つずつ確率分布式を用意して、推定対象地域で得た気象観測データを用いて回帰分析することにより、確率分布式で用いる最適確率分布パラメータを推定することも考えられる。
本発明では、より多くの推定対象地域に対応するため、気温および相対湿度ごとに複数の異なる確率分布を用意して、これら気温および相対湿度の確率分布の組合せごとに最適確率分布パラメータを推定する。
そして、これら組合せで特定される気温および相対湿度の確率分布に基づき得られた仮定ぬれ時間と基準ぬれ時間との誤差が最も小さい組合せの確率分布を最適確率分布として選択し、この最適確率分布に基づき、入力年次における気温および相対湿度の年平均値から、当該入力年次における推定ぬれ時間を算出するようにしたものである。
ぬれ時間推定装置10には、主な機能部として、通信I/F部11、操作入力部12、画面表示部13、記憶部14、および演算処理部15が設けられている。
通信I/F部11は、データ通信回路からなり、通信回線を介して外部装置とデータ通信を行うことにより、各種データを送受信する機能を有している。
操作入力部12は、キーボードやマウスなどの操作入力装置からなり、オペレータ操作を検出して演算処理部15へ出力する機能を有している。
画面表示部13は、LCDなどの画面表示装置からなり、演算処理部15から出力された操作メニューや演算結果などの各種データを画面表示する機能を有している。
記憶部14は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、演算処理部15で用いる処理データやプログラム14Pを記憶する機能を有している。
プログラム14Pは、演算処理部15のCPUで実行されることにより、ぬれ時間の推定処理を行う各種処理部を実現するプログラムであり、通信I/F部11を介して接続された外部装置や記録媒体から、予め記憶部14に格納されている。
記憶部14で記憶する主な処理データとして、気象観測データ14Aと算出定義データ14Bがある。
気象観測データ14Aは、ぬれ時間の推定対象となる推定対象地域で観測された気象データであり、地域別および観測年月日ごとに、気温および相対湿度の時別値が登録されている。図2は、気象観測データの構成例である。ここでは、東京の2011年4月1日における気温および相対湿度の時別値が示されている。
本発明では、日本の各地域をぬれ時間の推定対象地域とする場合を例とし、観測年次は1990年または1991年から2011年までとする。本発明では、気象庁のウェブサイトで公開されている、札幌、旭川、釧路、網走、稚内、仙台、青森、秋田、東京、熊谷、長野、新潟、富山、名古屋、大阪、京都、広島、鳥取、高知、福岡、鹿児島、宮崎、那覇の23地点の気象台で観測した気象観測データを気象観測データ14Aを利用した。なお、推定対象地域については、日本に限定されるものではなく、このような気象観測データが得られる地域であれば、いずれの地域に対しても、本発明を同様にして適用できる。
算出定義データ14Bは、演算処理部15での推定ぬれ時間の算出に用いる定義データである。算出定義データ14Bには、規定された規定ぬれ時間TOWaの算出式、すなわち前述した式(4)の式および確率分布パラメータが含まれるほか、気温Tや相対湿度Rhの確率分布を示す確率分布式として、例えば正規分布、ベータ関数、ロジスティック関数、ゴンペルツ関数などの各種関数を用いた確率分布式も含まれている。
演算処理部15は、CPUとその周辺回路からなり、記憶部14のプログラム14Pを読み出して実行することにより、ぬれ時間の推定処理を行う各種処理部を実現する機能を有している。
演算処理部15で実現される主な処理部として、データ取得部15A、基準ぬれ時間算出部15B、規定ぬれ時間算出部15C、確率分布パラメータ推定部15D、最適確率分部選択部15E、および推定ぬれ時間算出部15Fがある。
データ取得部15Aは、通信I/F部11を介して外部装置から、各観測年次に観測された気温および相対湿度の時別値を含む気象観測データ14Aを取得して記憶部14へ保存する機能を有している。
基準ぬれ時間算出部15Bは、記憶部14の気象観測データ14Aに含まれる、観測年次ごとに気温Tおよび相対湿度Rhの時別値から、前述した式(1)に基づいて、基準ぬれ時間TOWを算出する機能を有している。
規定ぬれ時間算出部15Cは、記憶部14の気象観測データ14Aに含まれる、観測年次ごとに気温Tおよび相対湿度Rhの時別値から計算した、気温Tおよび相対湿度Rhの年平均値Ta,Rhaから、記憶部14の算出定義データ14Bに登録されている前述した式(4)、すなわち規定確率分布Daに基づいて、観測年次ごとに規定ぬれ時間TOWaを算出する機能を有している。
確率分布パラメータ推定部15Dは、記憶部14の算出定義データ14Bに登録されている確率分布式に基づいて、気温Tの確率分布を示すm個(mは2以上の整数)の異なる気温確率分布DTi(iは2〜mの整数)と相対湿度Rhの確率分布を示すn個(nは2以上の整数)の異なる相対湿度確率分布DRhj(jは2〜nの整数)との組合せGk(k=1〜m×nの整数)を生成する機能と、これら組合せGkごとに、基準ぬれ時間TOWを従属変数とし、各観測年次における気温および相対湿度の年平均値Ta,Rhaと当該組合せの気温確率分布DTiおよび相対湿度確率分布DRhjを規定する確率分布パラメータとを独立変数として回帰分析を行う機能と、この回帰分析により、観測年次ごとの基準ぬれ時間TOWと、当該組合せGkの気温確率分布DTiおよび相対湿度確率分布DRhjで求めた観測年次ごとの仮定ぬれ時間TOWakとの誤差が、最小となる確率分布パラメータからなる最適確率分布パラメータを、これら組合せGkごとに推定する機能とを有している。
最適確率分布選択部15Eは、確率分布パラメータ推定部15Dで生成した組合せGkのうち、確率分布パラメータ推定部15Dで算出した誤差が最小となった組合せGkを最適組合せGsとして選択する機能と、選択した最適組合せGsの最適確率分布パラメータで規定される気温確率分布DTsおよび相対湿度確率分布DRhsを、最適確率分布Dsとして選択する機能とを有している。
推定ぬれ時間算出部15Fは、最適確率分布に基づいて、入力年次における気温および相対湿度の年平均値Te,Rheから、当該入力年次における推定ぬれ時間TOWeを算出する機能と、最適組合せGsにかかる各観測年次の仮定ぬれ時間TOWakと各観測年次の基準ぬれ時間TOWとの平均誤差ΔTOWsを算出する機能と、各観測年次の規定ぬれ時間TOWaと各観測年次の基準ぬれ時間TOWとの平均誤差ΔTOWaを算出する機能と、平均誤差ΔTOWsが平均誤差ΔTOWaより大きい場合、最適確率分布Dsに代えて規定確率分布Daを用いることにより、入力年次における気温および相対湿度の年平均値Te,Rheから、当該入力年次における推定ぬれ時間TOWeを算出する機能とを有している。
[本実施の形態の動作]
次に、図3および図4を参照して、本実施の形態にかかるぬれ時間推定装置の動作について説明する。図3は、ぬれ時間推定処理を示すフローチャートである。図4は、ぬれ時間推定処理を示すフロー図である。
演算処理部15は、操作入力部12で検出されたユーザによる推定開始指示操作に応じて、図3のぬれ時間推定処理を開始する。なお、ぬれ時間推定処理の開始に先立って、記憶部14には、気象観測データ14Aおよび算出定義データ14Bが、予め記憶部14に格納されているものとする。
まず。基準ぬれ時間算出部15Bは、記憶部14から読み出した気象観測データ14Aに含まれる、観測年次ごとに気温Tおよび相対湿度Rhの時別値から、前述した式(1)に基づいて、基準ぬれ時間TOWを算出する(ステップ100)。
また、規定ぬれ時間算出部15Cは、記憶部14から読み出した気象観測データ14Aに含まれる、観測年次ごとに気温Tおよび相対湿度Rhの時別値から計算した、気温Tおよび相対湿度Rhの年平均値Ta,Rhaから、記憶部14の算出定義データ14Bに登録されている前述した式(4)、すなわちISO9223で定められた規定確率分布Daに基づいて、観測年次ごとに規定ぬれ時間TOWaを算出する(ステップ101)。
次に、確率分布パラメータ推定部15Dは、記憶部14から読み出した算出定義データ14Bに登録されている確率分布式に基づいて、気温Tの確率分布を示すm個(mは2以上の整数)の異なる気温確率分布DTi(iは2〜mの整数)と相対湿度Rhの確率分布を示すn個(nは2以上の整数)の異なる相対湿度確率分布DRhj(jは2〜nの整数)との組合せGk(k=1〜m×nの整数)を生成する(ステップ102)。これら気温Tや相対湿度Rhの確率分布としては、正規分布、ベータ関数、ロジスティック関数、ゴンペルツ関数などの各種関数からなる確率分布が用いられる。
続いて、確率分布パラメータ推定部15Dは、これら組合せGkごとに、基準ぬれ時間TOWを従属変数とし、各観測年次における気温および相対湿度の年平均値Ta,Rhaと当該組合せの気温確率分布DTiおよび相対湿度確率分布DRhjを規定する確率分布パラメータとを独立変数として回帰分析を行い、この回帰分析により、観測年次ごとの基準ぬれ時間TOWと、当該組合せGkの気温確率分布DTiおよび相対湿度確率分布DRhjで求めた観測年次ごとの仮定ぬれ時間TOWakとの誤差が、最小となる確率分布パラメータからなる最適確率分布パラメータを、組合せGkごとに推定する(ステップ103)。
基準ぬれ時間TOWと気温および相対湿度の年平均値Ta,Rhaは、気象観測データ14Aから観測年次ごとに個別の値が得られる。このため、例えば、気温確率分布DTiとして正規分布DNを選択し、相対湿度確率分布DRhjとしてベータ分布Dβを選択した式(5)の場合、推定ぬれ時間TOWeとして各観測年次の基準ぬれ時間TOWを適用し、さらにN(Ta;μ;σ)およびβ(Rha/100,a,b)のパラメータとして気温および相対湿度の年平均値Ta,Rhaを適用した場合、観測年次の数だけ、式(5)が成立することになる。
したがって、これら式(5)がそれぞれ成立するような確率分布パラメータ、すなわちμ,σ,a,bを導出すれば、いずれの観測年次でも共通に使用できる最適確率分布パラメータを得ることができる。
本発明では、確率分布パラメータ推定部15Dにおいて、観測年次ごとに成立する各推定ぬれ時間算出式について、前述した回帰分析を行うことにより、観測年次ごとの基準ぬれ時間TOWと、各組合せGkの気温確率分布DTiおよび相対湿度確率分布DRhjで求めた観測年次ごとの仮定ぬれ時間TOWakとの誤差が、最小となる確率分布パラメータを最適確率分布パラメータとして得ている。回帰分析の具体的手法としては、例えば非線形最小二乗法などの公知の手法を用いればよい。
このようにして、各組合せGkの最適確率分布パラメータをそれぞれ推定した後、最適確率分布選択部15Eは、各組合せGkのうち、確率分布パラメータ推定部15Dでの回帰分析で算出した基準ぬれ時間TOWと仮定ぬれ時間TOWakとの誤差が、最小となった組合せGkを、最適組合せGsとして選択し(ステップ104)、選択した最適組合せGsの最適確率分布パラメータで規定される気温確率分布DTsおよび相対湿度確率分布DRhsを、最適確率分布Dsとして選択する(ステップ105)。
確率分布パラメータ推定部15Dの回帰分析では、基準ぬれ時間TOWと仮定ぬれ時間TOWakに関する相関値、平均誤差、誤差の標準偏差などの指標値が用いられる。したがって、例えば相関値が同等以上で、かつ、平均誤差または誤差の標準偏差が最も小さい組合せGkを選択するなどの評価方法が考えられる。なお、回帰分析で用いる誤差とは異なる指標値で評価する場合には、最適確率分布選択部15Eでその指標値を算出すればよい。なお、平均誤差とは、観測年次ごとに計算した、基準ぬれ時間TOWと仮定ぬれ時間TOWakとの差分の平均値である。
この後、推定ぬれ時間算出部15Fは、最適確率分布選択部15Eで選択された最適確率分布Dsに基づいて、入力年次における気温および相対湿度の年平均値Te,Rheから、当該入力年次における推定ぬれ時間TOWeを算出する(ステップ106)。
また、推定ぬれ時間算出部15Fは、最適組合せGsにかかる各観測年次の仮定ぬれ時間TOWskと各観測年次の基準ぬれ時間TOWとの平均誤差ΔTOWsを算出する機能と、各観測年次の規定ぬれ時間TOWaと各観測年次の基準ぬれ時間TOWとの平均誤差ΔTOWaを算出する(ステップ107)。
続いて、推定ぬれ時間算出部15Fは、これら平均誤差ΔTOWsと平均誤差ΔTOWaとを比較する(ステップ108)。ここで、平均誤差ΔTOWsが平均誤差ΔTOWa以下である場合(ステップ108:YES)、推定用確率分布Deとして最適確率分布Dsを選択し(ステップ109)、平均誤差ΔTOWsが平均誤差ΔTOWaより大きい場合(ステップ108:NO)、推定用確率分布Deとして規定確率分布Daを選択する(ステップ110)。
この後、推定ぬれ時間算出部15Fは、推定用確率分布Deに基づいて、入力年次における気温および相対湿度の年平均値Te,Rheから、当該入力年次における推定ぬれ時間TOWeを算出し、一連のぬれ時間推定処理を終了する(ステップ111)。
この際、推定ぬれ時間算出部15Fは、得られた推定ぬれ時間TOWeを、画面表示部13で画面表示し、記憶部14に保存し、あるいは通信I/F部11を介して外部装置へ通知する。
また、推定ぬれ時間算出部15Fは、推定用確率分布Deを規定する、最適組合せGsの気温確率分布DTiおよび相対湿度確率分布DRhjと最適確率分布パラメータを記憶部14に保存する。これにより、次回以降、任意の入力年次における気温および相対湿度の年平均値Te,Rheから、当該入力年次における推定ぬれ時間TOWeを算出する場合に利用する。
実際に、観測年次は1990年または1991年から2011年において、前述した日本の23地点の気象台で観測した気象観測データを用いて、図4のぬれ時間推定処理を実行した場合、温度確率分布として正規分布を用い、相対湿度分布としてベータ分布を用いた組合せが、最適組合せGsとして選択された。この最適組合せGsにかかる最適確率分布パラメータは、μ=1.02,σ=8.22,a=7.26,b=2.34である。これら最適確率分布パラメータで規定される最適確率分布Dsを推定用確率分布Deとして用いた場合、推定ぬれ時間WOTeの算出式は、次の式(7)で表される。
Figure 0005792754
図5は、札幌におけるTOW,TOWa,TOWeの比較例である。図6は、東京におけるTOW,TOWa,TOWeの比較例である。図7は、那覇におけるTOW,TOWa,TOWeの比較例である。ここでは、1990年あるいは1991年から2011年までの期間の気象観測データにおける気温・相対湿度の時別値から前述の式(1)に基づき算出したTOWと、これら気象観測データ14Aにおける気温・相対湿度の年平均値から前述の式(4)に基づき算出したTOWaとが示されている。
また、TOWeは、本実施の形態を適用して、それぞれの地域で観測した気象観測データに基づいて、気温・相対湿度の確率分布を規定する最適確率分布パラメータを推定し、その気温・相対湿度の年平均値から前述の式(7)に基づき算出したTOWeとが示されている。
図5〜図7においては、いずれの場合にも、TOWaに比べてTOWとの誤差が小さいTOWeが得られていることがわかる。
図8は、TOWaとTOWeの推定精度を示す説明図である。図9は、TOWとTOWaの関係を示す説明図である。図10は、TOWとTOWeの関係を示す説明図である。ここでは、上記23地点全体について、TOWとTWaとを比較して求めた相関値Ra2および平均誤差ΔTOWaと、TOWとTWeとを比較して求めた相関値Re2および平均誤差ΔTOWeとが示されている。
相関値については、Ra2とRe2についてそれほど大差がないものの、平均誤差については、ΔTOWaの30%〜50%程度までΔTOWeが削減されており、精度の高いぬれ時間が推定されていることがわかる。
[本実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、確率分布パラメータ推定部15Dで、気温の確率分布を示す複数の異なる気温確率分布DTiと相対湿度の確率分布を示す複数の異なる相対湿度確率分布DRhjの組合せGkごとに、基準ぬれ時間TOWを従属変数とし、各観測年次における気温および相対湿度の年平均値Ta,Rhaと当該組合せGkの気温確率分布DTiおよび相対湿度確率分布DRhjを規定する確率分布パラメータとを独立変数として回帰分析を行うことにより、観測年次ごとの基準ぬれ時間TOWと、当該組合せの気温確率分布DTiおよび相対湿度確率分布DRhjで求めた観測年次ごとの仮定ぬれ時間TOWakとの誤差が、最小となる確率分布パラメータからなる最適確率分布パラメータを、これら組合せGkごとに推定するようにしたものである。
そして、最適確率分布選択部15Eで、これら組合せGkのうち、誤差が最小となった最適組合せGsの最適確率分布パラメータで規定される気温および相対湿度の確率分布DTs,DRhsを、最適確率分布Dsとして選択し、推定ぬれ時間算出部15Fで、この最適確率分布Dsに基づいて、入力年次における気温および相対湿度の年平均値Te,Rheから、当該入力年次における推定ぬれ時間TOWeを算出するようにしたものである。
これにより、予め用意された、気温および相対湿度ごとの複数の異なる確率分布DTi,DRhjの組合せGkごとに、当該確率分布を規定する最適確率分布パラメータが推定され、これら組合せGkのうち、基準ぬれ時間TOWとの誤差が最も小さい仮想ぬれ時間TOWakが得られた組合せの確率分布が、入力年次における推定ぬれ時間TOWeを算出するための推定用確率分布Deとして選択される。
このため、ぬれ時間を推定する対象となる推定対象地域で得た気象観測データが用いられるだけでなく、気温・相対湿度の確率分布として、複数の異なる確率分布が候補として用いられるため、より多くの推定対象地域に対応した確率分布を選択することができる。
したがって、広く用いられている、例えば非特許文献1,2に示されたものとは異なる気温・相対湿度の確率分布を持つ地域であっても、時別値を用いて算出した基準ぬれ時間に対して誤差の小さい推定ぬれ時間を、気温および相対湿度の年平均値から算出することが可能となる。
また、本実施の形態では、規定ぬれ時間算出部15Cで、規定確率分布Daに基づいて、各観測年次における気温および相対湿度の年平均値から、観測年次ごとに規定ぬれ時間TOWaを算出し、推定ぬれ時間算出部15Fで、入力年次における推定ぬれ時間TOWeを算出する際、最適組合せGsにかかる各観測年次の仮定ぬれ時間TOWakと各観測年次の基準ぬれ時間TOWとの平均誤差ΔTOWsが、各観測年次の規定ぬれ時間TOWaと各観測年次の基準ぬれ時間TOWとの平均誤差ΔTOWaより大きい場合、推定用確率分布Deとして最適確率分布Dsに代えて規定確率分布Daを用いることにより、入力年次における気温および相対湿度の年平均値から、当該入力年次における推定ぬれ時間TOWeを算出するようにしてもよい。
これにより、例えば推定対象地域で観測された気象観測データに、無視できない程度の誤差が含まれており、精度の高い最適確率分布Dsを得ることができなかった場合でも、推定用確率分布Deとして規定確率分布Daを用いて、推定ぬれ時間TOWeを算出することができる。
なお、本実施の形態では、図4では、このような平均誤差ΔTOWsと平均誤差ΔTOWaとの比較に応じた推定用確率分布Deを変更する場合を例として説明したが、これに限定されるものではなく、このような推定用確率分布Deの変更処理を省略して、例えば、ステップ105の後、ステップ109へ移行するようにしてもよい。
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
10…ぬれ時間推定装置、11…通信I/F部、12…操作入力部、13…画面表示部、14…記憶部、14A…気象観測データ、14B…算出定義データ、14P…プログラム、15…演算処理部、15A…データ取得部、15B…基準ぬれ時間算出部、15C…規定ぬれ時間算出部、15D…確率分布パラメータ推定部、15E…最適確率分布選択部、15F…推定ぬれ時間算出部、TOW…基準ぬれ時間、TOWa…規定ぬれ時間、TOWak…仮定ぬれ時間、TOWe…推定ぬれ時間、Da…規定確率分布、DTi,DTs…気温確率分布、DRhj,DRhs…相対湿度確率分布、Ds…最適確率分布、De…推定用確率分布、Gk…組合せ、Gs…最適組合せ、ΔTOWa,ΔTOWe…平均誤差、Ta…年平均気温、Rha…年平均相対湿度、μ…平均、σ…標準偏差、a,b…係数。

Claims (4)

  1. 気温>0℃および相対湿度>80%の確率分布に基づいて、入力年次における気温および相対湿度の年平均値から、当該入力年次における推定ぬれ時間を算出するぬれ時間推定装置であって、
    各観測年次に推定対象地域で観測された気温および相対湿度の時別値を含む気象観測データから、これら観測年次ごとに当該時別値を用いた基準ぬれ時間を算出する基準ぬれ時間算出部と、
    気温>0℃の確率分布を示す複数の異なる気温確率分布と相対湿度>80%の確率分布を示す複数の異なる相対湿度確率分布の組合せごとに、前記基準ぬれ時間を従属変数とし、前記各観測年次における気温および相対湿度の年平均値と当該組合せの気温確率分布および相対湿度確率分布を規定する確率分布パラメータとを独立変数として回帰分析を行うことにより、前記観測年次ごとの前記基準ぬれ時間と、当該組合せの気温確率分布および相対湿度確率分布で求めた前記観測年次ごとの仮定ぬれ時間との誤差が、最小となる確率分布パラメータからなる最適確率分布パラメータを、これら組合せごとに推定する確率分布パラメータ推定部と、
    これら組合せのうち、前記誤差が最小となった最適組合せの最適確率分布パラメータで規定される気温および相対湿度の確率分布を、最適確率分布として選択する最適確率分布選択部と、
    前記最適確率分布に基づいて、前記入力年次における気温および相対湿度の年平均値から、当該入力年次における推定ぬれ時間を算出する推定ぬれ時間算出部と
    を備えることを特徴とするぬれ時間推定装置。
  2. 請求項1に記載のぬれ時間推定装置において、
    予め定めた規定確率分布に基づいて、前記各観測年次における気温および相対湿度の年平均値から、前記観測年次ごとに規定ぬれ時間を算出する規定ぬれ時間算出部をさらに備え、
    前記推定ぬれ時間算出部は、前記入力年次における推定ぬれ時間を算出する際、前記最適組合せにかかる前記各観測年次の仮定ぬれ時間と前記各観測年次の基準ぬれ時間との平均誤差が、前記各観測年次の規定ぬれ時間と前記各観測年次の基準ぬれ時間との平均誤差より大きい場合、前記最適確率分布に代えて前記規定確率分布を用いることにより、前記入力年次における気温および相対湿度の年平均値から、当該入力年次における推定ぬれ時間を算出する
    ことを特徴とするぬれ時間推定装置。
  3. 気温>0℃および相対湿度>80%の確率分布に基づいて、入力年次における気温および相対湿度の年平均値から、当該入力年次における推定ぬれ時間を算出するぬれ時間推定装置で用いられるぬれ時間推定方法であって、
    基準ぬれ時間算出部が、各観測年次に推定対象地域で観測された気温および相対湿度の時別値を含む気象観測データから、これら観測年次ごとに当該時別値を用いた基準ぬれ時間を算出する基準ぬれ時間算出ステップと、
    確率分布パラメータ推定部が、気温>0℃の確率分布を示す複数の異なる気温確率分布と相対湿度>80%の確率分布を示す複数の異なる相対湿度確率分布の組合せごとに、前記基準ぬれ時間を従属変数とし、前記各観測年次における気温および相対湿度の年平均値と当該組合せの気温確率分布および相対湿度確率分布を規定する確率分布パラメータとを独立変数として回帰分析を行うことにより、前記観測年次ごとの前記基準ぬれ時間と、当該組合せの気温確率分布および相対湿度確率分布で求めた前記観測年次ごとの仮定ぬれ時間との誤差が、最小となる確率分布パラメータからなる最適確率分布パラメータを、これら組合せごとに推定する確率分布パラメータ推定ステップと、
    最適確率分布選択部が、これら組合せのうち、前記誤差が最小となった最適組合せの最適確率分布パラメータで規定される気温および相対湿度の確率分布を、最適確率分布として選択する最適確率分布選択ステップと、
    推定ぬれ時間算出部が、前記最適確率分布に基づいて、前記入力年次における気温および相対湿度の年平均値から、当該入力年次における推定ぬれ時間を算出する推定ぬれ時間算出ステップと
    を備えることを特徴とするぬれ時間推定方法。
  4. 請求項3に記載のぬれ時間推定方法において、
    規定ぬれ時間算出部が、予め定めた規定確率分布に基づいて、前記各観測年次における気温および相対湿度の年平均値から、前記観測年次ごとに規定ぬれ時間を算出する規定ぬれ時間算出ステップをさらに備え、
    前記推定ぬれ時間算出ステップは、前記入力年次における推定ぬれ時間を算出する際、前記最適組合せにかかる前記各観測年次の仮定ぬれ時間と前記各観測年次の基準ぬれ時間との平均誤差が、前記各観測年次の規定ぬれ時間と前記各観測年次の基準ぬれ時間との平均誤差より大きい場合、前記最適確率分布に代えて前記規定確率分布を用いることにより、前記入力年次における気温および相対湿度の年平均値から、当該入力年次における推定ぬれ時間を算出する
    ことを特徴とするぬれ時間推定方法。
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