JP5791362B2 - 工程進捗管理装置、工程進捗管理方法および工程進捗管理プログラム - Google Patents

工程進捗管理装置、工程進捗管理方法および工程進捗管理プログラム Download PDF

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Description

本発明は、工程進捗管理装置、工程進捗管理方法および工程進捗管理プログラムに関する。
従来の工程管理に関する技術として、例えば、下記特許文献1には、各作業単位を階層化し、進捗に合せて資材の集計・調達及び施工を行うプロジェクト管理を実施し、作業単位毎に必要資材の集計・調達を行うようにすることで、資材の納期遅れを防止する資材調達/施工計画統合型プロジェクト管理システムが開示されている。
また、下記特許文献2には、製品レベルの生産計画に対する欠品状況とその生産計画の実現可能性を、計画段階で容易に評価判断することを可能とした生産計画支援システム、生産計画評価方法および記録媒体が開示されている。この生産計画支援システムでは、製品→部品へと、上位オーダーから下位オーダーへと関連付けして紐付き情報を生成することにより、上位オーダーから下位オーダーへの実現可能性の判断、及び下位オーダーから上位オーダーへの計算によるオーダー遅れの製品への影響の判断を可能にする。
特開2004−234338号公報 特開2001−14019号公報
しかしながら、上記従来の技術は何れもが、必要な時期に必要な数量を手配するという、計画主導型の管理手法である。しかし、実際の生産運営においては、様々な不確定要素から進捗遅れが頻発することが容易に予想され、オーダー遅れを極力少なくする運営が重要となる。特に、個別受注生産では、その部品を期限通りに製造しなければ、全体の進捗遅れに直結し易いという構造的な問題も抱えており、製造指示後に期限通りに着手・完了させるための進捗管理運営にも重点をおいた生産運営が望まれている。
上記従来の技術では、進捗管理運営にも重点進捗遅れに対する管理が十分でなく、進捗遅れの根本要因となる部品や工程の把握が困難である、という問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、進捗遅れの要因となる部品や工程の把握を容易に実施することができる工程進捗管理装置、工程進捗管理方法および工程進捗管理プログラムを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、製品の生産の工程進捗に関する情報を管理する工程進捗管理装置であって、前記製品を構成する部品を識別するための部品識別情報ごとの製造手配に関する情報である製造手配情報と、部品識別情報ごとの工程の進捗状況を示す情報である工程進捗情報と、を記憶するための記憶部と、前記製品ごとに、部品識別情報と当該部品識別情報が示す部品の階層とを対応付けた情報である階層型製品構成情報を生成する階層型構成生成部と、指定された部品を検索対象部品とし、前記工程進捗情報および前記階層型製品構成情報に基づいて、前記検索対象部品と前記検索対象部品より下位の階層の部品とに対応する部品のうち未完了の工程を含む未完了部品に対応する部品識別情報および階層を抽出するとともに、抽出した前記部品識別情報に対応する情報を前記製造手配情報および前記工程進捗情報から工程管理情報として抽出する情報抽出部と、前記情報抽出部による抽出結果に基づいて、抽出した前記部品識別情報ごとに階層と前記工程管理情報とを含む部品進捗リストを生成するリスト生成部と、を備え、前記記憶部は、部品識別情報ごとの部品の入着状況を示す資材入着情報をさらに記憶し、前記情報抽出部は、前記工程管理情報として、さらに前記資材入着情報から前記未完了部品に対応する情報を抽出することを特徴とする。
本発明によれば、進捗遅れの要因となる部品や工程の把握を容易に実施することができるという効果を奏する。
図1は、工程進捗管理装置の機能構成例を示す図である。 図2は、工程進捗管理装置として用いられる計算機の構成例を示す図である。 図3は、製品構成情報の構成例を示す図である。 図4は、製造手配情報の構成例を示す図である。 図5は、工程進捗情報の構成例を示す図である。 図6は、資材入着情報の構成例を示す図である。 図7は、工程進捗管理手順の一例を示すフローチャートである。 図8は、部品の親子関係の一例を示す図である。 図9は、部品進捗リストの構成例を示す図である。 図10は、従来の進捗フォローの業務フローと本発明の工程進捗管理方法を用いた業務フローとの一例を示す図である。
以下に、本発明にかかる工程進捗管理装置、工程進捗管理方法および工程進捗管理プログラムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態.
図1は、本発明にかかる工程進捗管理装置の機能構成例を示す図である。図1に示すように、本実施の形態の工程進捗管理装置は、階層型構成生成部1と、情報抽出部2と、リスト生成部3と、生産進捗関連情報算出部4と、生産進捗関連情報付加部5と、を備える。また、本実施の形態の工程進捗管理装置は、製品構成情報6、階層型製品構成情報7、製造手配情報8、工程進捗情報9、資材入着情報10、生産進捗関連情報11および部品進捗リスト12を保持する。なお、階層型製品構成情報7、生産進捗関連情報11および工程進捗リスト12については、本実施の形態の工程進捗管理装置が実施する工程進捗管理処理により生成される生成物であり、工程進捗管理処理の開始前に存在する必要はない。
本実施の形態の工程進捗管理装置は、例えば一般的な計算機等である。図2は、本実施の形態の工程進捗管理装置として用いられる計算機の構成例を示す図である。この計算機は、図2に示すようにCPU等の演算手段である制御部21と、キーボーボやマウス等である入力部22と、RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)などの各種メモリおよびハードディスクなどのストレージデバイスである記憶部23と、モニタ等である表示部24と、ネットワーク等と接続して他の装置との通信を行う通信部25と、を備え、これらの構成要素はシステムバス26により接続されている。なお、図2の構成は一例であり、工程進捗管理装置として用いられる計算機等の構成は、図2に限定されない。
制御部21は、本発明にかかる工程進捗管理プログラムを含む各種プログラムを実行する。入力部22は、ユーザが、必要に応じて各種情報の入力を行うために使用する。記憶部23は、制御部21が実行すべきプログラムや処理の過程で得られた必要なデータなどを記憶する。また、記憶部23は、プログラムの一時的な記憶領域としても使用される。表示部24は、ユーザに対して表示すべき情報等を表示する。
ここで、工程進捗管理プログラムが実行可能な状態になるまでの動作例について説明する。上述した構成をとる計算機等には、たとえば、CD/DVDドライブ(図示せず)にセットされた記録媒体から、工程進捗管理プログラムが記憶部23にインストールされる。そして、工程進捗管理プログラムの実行時に、記憶部23から読み出された工程進捗管理プログラムが記憶部23の所定の場所に格納される。この状態で、制御部21は、記憶部23に格納されたプログラムに従って、工程進捗管理処理を実行する。
なお、本実施例においては、記録媒体により進捗管理処理を記述したプログラムを提供しているが、これに限らず、電子メール,インターネットなどの伝送媒体により提供されたプログラムを用いるように構成してもよい。
図1の機能構成例は、工程進捗管理プログラムが実行可能な状態になった場合の構成例を示しており、階層型構成生成部1、情報抽出部2、リスト生成部3、生産進捗関連情報算出部4および生産進捗関連情報付加部5は制御部21上に存在し、必要に応じて記憶部23を一時記憶手段として用いて動作する。また、製品構成情報6、階層型製品構成情報7、製造手配情報8、工程進捗情報9、資材入着情報10、生産進捗関連情報11および部品進捗リスト12は、記憶部23内に例えばデータベースの形式等により記憶される。
製品開発および製品製造の工程管理では、一般に以下のような情報を用いて計画および実績等を管理する。
a)製品構成情報
b)製品手配情報
c)工程進捗情報
d)資材入着情報
本実施の形態の工程進捗管理装置では、上述のa)からd)を、製品構成情報6、製造手配情報8、工程進捗情報9および資材入着情報10として保持している。これらの情報は、管理者や実務者に入力される。
図3は、製品構成情報6の構成例と示し、図4は、製造手配情報8の構成例を示し、図5は、工程進捗情報9の構成例と示し、図6は、資材入着情報10の構成例を示している。図3〜6に示すように、各情報は、製造番号、ロット番号(図中ではロットと略)、モジュール番号および部品番号を含んでおり、この4つの項目により、部品を一意に識別可能である。製造番号は、例えばオーダー番号等とも呼ばれる完成した製品を識別するための番号である。ロット番号は、製造や仕入れ等を行う単位(ロット)を識別する番号である。モジュール番号は、完成した製品を構成するモジュールを識別する番号である。モジュールは階層構造となっている場合もある。部品番号は、モジュールを構成する部品を識別する番号である。異なるモジュールで同一の部品番号が用いられる場合もあり、また異なる製品で同一のモジュール番号が用いられる場合もあるため、製品番号、モジュール番号および部品番号の3つにより、完成した製品に対する同一部分の部品を識別することができる。工程管理では、一般にこれらの3つにさらにロット番号を加えて、製造番号、ロット番号、モジュール番号および部品番号により、部品を識別する。
なお、ここでは、製造番号、ロット番号、モジュール番号および部品番号により、工程進捗管理対象の部品を識別するようにしているが、ロット管理を行わない場合(1回しか製造しない製品等)にはロット番号による識別は行わなくてもよい。また、モジュール番号および部品番号を区別せずに部品番号としている等でもよく、部品を識別するための番号は、上述の例に限定されない。以下では、一例として、製造番号、ロット番号、モジュール番号および部品番号により、部品を識別するとし、これらをまとめて部品識別情報を呼ぶこととする。
図3に示したように、製品構成情報6は、製造番号、ロット番号、モジュール番号、部品番号、図番号、等により構成される。また、図4に示したように、製造手配情報8は、製造番号、ロット番号、モジュール番号、部品番号、次モジュール(次モジュール番号)、次部品(次部品番号)工場、内外(内作/外作)、開始日、完成期限、手配番号等で構成される。次モジュールと次部品は、同一行の製造番号、ロット番号、モジュール番号、部品番号で識別される部品が次に用いられる(次の工程の)モジュールおよび部品の識別番号を示している。内外作は、内作(自社内での製造)であるか外作(他社での製造)であるかを示す情報である。
図5に示したように、工程進捗情報9は、製造番号、ロット番号、モジュール番号、部品番号、各工程の完了状況、等により構成される。図5の例では、1工程目、2工程目、…と各工程に工程を識別する名称等が記載され、工程ごとに完了状況(完了済みか未完了かの情報と完了日)が記載される。図6に示したように、資材入着情報10は、製造番号、ロット番号、モジュール番号、部品番号、入着(入着状況)等により構成される。入着は、各部品が入着済みであるか未入着であるかを示す情報である。
以上、図3〜図6で示した各情報の構成は一例であり、項目の順番は上述の例に限定されず、また上述した以外の項目が含まれていてもよい。
次に、本実施の形態の動作について説明する。図7は、本実施の形態の工程進捗管理手順の一例を示すフローチャートである。図7に示すように、まず、階層型構成生成部1は、製品構成情報6および製造手配情報8に基づいて階層型製品構成情報7を生成して記憶部23に格納する(ステップS1)。階層型製品構成情報7では、最上位の部品を親として、親子関係(親を構成する部品が子であるが、直接親を構成する子だけでなく、当該子を親とした場合の子等、ツリー状の関係)の成り立つ部品を再帰検索等により検索し、親を基準として階層構造で表現された情報(親を基準とした階層と対応付けて示された情報)である。階層構造の表現方法は、どのような方法でもよいが、例えば、階層構造を有するデータベース等を用いることにより実現できる。また、親の階層を1とし、この直下の階層を2とし、さらにこの直下の階層を3とし、…というように、階層を数値で示し、部品ごとに階層を示す数値を格納することにより階層構造を表現してもよい。
なお、ここでは、製造手配情報8の次モジュールおよび次部品を用いて親子関係を把握することとしているが、製品構成情報6に親となる部品の情報または子となる部品の情報が含まれる場合には、製造手配情報8を用いずに製品構成情報6のみに基づいて階層型製品構成情報7を生成してもよい。
図8は、部品の親子関係の一例を示す図である。モジュール番号“1680”、部品番号“000”を最上位の部品とした場合の親子関係を示している。図8の例では、各四角のなかに、「モジュール番号,部品番号」が記載されている。この例では、モジュール番号“1680”、部品番号“000”の部品は、モジュール番号“1681”、部品番号“004”の部品等により構成され、さらにモジュール番号“1681”、部品番号“004”の部品は、モジュール番号“1681”、部品番号“005”等により構成される。
図7に戻り、階層型製品構成情報7の格納後、情報抽出部2は、指定された(例えば操作者等により入力部22経由で入力された)部品を検索対象として、階層型製品構成情報7、製造手配情報8、工程進捗情報9および資材入着情報10から、検索対象の部品を親としたツリーの下位の階層の全ての未完了部品に関する情報を抽出する(ステップS2)。具体的には、検索対象とする部品の情報を階層型製品構成情報7から検索し、その部品と親子関係があり下位の階層にある部品の部品識別情報を階層ごとに抽出する。そして、抽出した部品識別情報(検索対象の部品も含む)に対応する部品の情報を製造手配情報8、工程進捗情報9および資材入着情報10から抽出し、さらにこれらの抽出した情報(抽出情報)のうち未完了部品に関する情報を抽出する。なお、未完了部品であるか否かについては、工程進捗情報9に基づいて、当該部品について完了していない工程が存在する場合に未完了部品であると判断し、当該部品についての全ての工程が完了している場合に未完了部品でない(完了部品)と判断する。
なお、検索対象として指定される部品は、どのように選択されてもよいが、例えば、完了予定に対して遅れが生じていることが判明している部品を指定する。このような部品を検索対象として指定することにより、後述の処理により検索対象の部品の遅れの要因となる部品を特定することができる。部品の指定は、例えば、部品識別情報を用いて実施される。
次に、リスト生成部3が、ステップS2で抽出した情報のうち、部品進捗リスト12に記載する項目の情報を抽出して、抽出した情報に基づいて部品進捗リストを生成する(ステップS3)。図9は、部品進捗リストの構成例を示す図である。図9に示すように、部品進捗リストは、検索対象とした部品(図9の例では、検索条件1件目〜3件目と記載されている3つの部品を検索対象としている)ごとに、その部品の下位階層の部品のうち未完了部品に関する情報を含んでいる(図9では、モジュール階層、部品階層として、検索対象を1階層目とした相対的な階層を示している)。これらの情報は、それぞれ製品構成情報6(直接には階層型製品構成情報7)、製品手配情報8、工程進捗情報9および資材入着情報10から抽出されて情報である。図9に示した、「工場」の項目は内作の場合にその部品を製造する工場を識別する情報を示し、「内外」の項目は、内作/外作の別を示す情報を示す(図9では、Nが内作、Gが外作を示している)。なお、部品進捗リストに記載する項目は、部品ごとの進捗管理に必要な項目であればよく、図9の例に限定されない。
次に、生産進捗関連情報算出部4は、部品進捗リスト12に基づいて部品ごとの改善率を算出する(ステップS4)。改善率は、部品リスト12に記載された未完了部品すなわち遅れの要因となる部品ごとに、当該部品の遅れを解消するとその上位部品の遅れがどこまで解消できるかを示す指標である。改善率の算出方法は、例えば、部品進捗リスト12と、工程進捗情報9と、に基づいて、以下の式(1)により算出する。
改善率=上位部品の遅れが解消した件数/全ての階層で遅れている全部品件数…(1)
なお、全ての階層で遅れている全部品件数とは、検索対象の部品ごとに、部品進捗リスト12に記載された全部品の件数(検索対象の部品ごとの未完了部品の件数)である。また、上位部品の遅れが解消した件数とは、部品進捗リスト12に記載された部品の遅れが解消した(その部品の全ての工程が完了した)場合に、遅れが解消する(完了となる)上位の部品(当該部品を含む)の件数である。
なお、改善率は、検索対象部品ごとに部品進捗リスト12に記載された最下位層の部品が複数ある場合にのみ実施するようにしてもよい(最下位層の部品が1つの場合には、その部品の進捗の影響が最も大きいことが明らかなため)。
また、生産進捗関連情報算出部4は、階層型製品構成情報7、製造手配情報8、工程進捗情報9および資材入着情報10のうちの必要な情報に基づいて、生産進捗関連情報11を算出して生成する(ステップS5)。生産進捗関連情報11としては、例えば、以下に示す情報を算出する。
a)品揃え率=要求納期に対する入着済み件数/全部品件数
b)納期余裕率=全工期に対する余裕日数/全工期
c)生産能力に対する負荷占有率
a)品揃え率は、上記のように、全部品件数(検索対象の部品ごとの完了した部品も含む全部品件数)に対する要求納期に対する入着済み件数(要求納期が過ぎたものに対して入着済みの部品件数)の割合として求めることができる。また、全部品件数は、例えば、階層型製品構成情報7を用いて求めることができ、要求納期に対する入着済み件数は、資材入着情報10に基づいて求めることができる。
b)納期余裕率は、上記のように、全工期に対する余裕日数を全工期で割ることによって求めることができる。全工期については、製造手配情報8の開始日、完了期限の情報に基づいて求めることができる。また、全工期に対する余裕日数は、例えば計画時点では、ある程度の余裕日数が見込まれている。これが実際の作業の進捗により、遅れが生じると余裕日数が減っていく。この遅れは、製造手配情報8および工程進捗情報9により求めることができる。
c)生産能力に対する負荷占有率は、例えば、設備の使用についての当該製品の(または部品ごとの)負荷占有率や、人的資源に対する当該製品(または部品ごとの)の負荷占有率等を用いることができる。
なお、以上述べた生産進捗情報の算出方法は例であり、上述の例に限らず、生産能力に影響度を数値化したものであればどのような情報を用いてもよい。また生産進捗情報として、1つの情報を用いてもよいし、複数の情報を用いてもよい(例えば、品揃え率と納期余裕率の両方を求める等)。
そして、生産進捗関連情報付加部5は、改善率および生産進捗情報を部品進捗リスト12へ付加する(ステップS6)。このように、改善率や生産進捗情報を付加することで、未完了部品についての、遅れに対する影響度等を比較することができ、どの部品に関するフォローを優先するかを判断することができる。
なお、本実施の形態では、改善率と生産進捗情報の両方を算出する例について説明したが、いずれか一方を算出するようにしてもよい。
以上の処理により、生成された部品進捗リスト11には、検索対象ごとに未完了部品が階層化され、また関連する他の情報も含めて記載されることになる。従って、各検索対象の最下層の部品を識別することができる。最下層の部品の遅れは、上位部品への遅れに影響するため、階層が低い順に優先してフォローしていくことで、全体の遅れを効率よく解消することができる。また、再下層の未完了部品が複数ある場合には、上述のように改善率や生産進捗情報を用いることにより、再下層の未完了部品のなかでフォローを優先すべき部品(遅れの主要因となる部品、全体の進捗への影響の大きい部品)を選択することができる。
なお、本実施の形態では、図9に示すように、検索対象の部品を1階層目とした相対的な階層(1#が1階層目、2#が2階層目、等)示しているが、このような検索対象の部品を1階層目とした階層の代わりに、完成した製品を1階層目とした階層を用いてもよい。この場合でも、検索対象の部品の階層についても部品進捗リスト12に記載しておけば下位の部品の検索対象の部品からの相対的階層を把握することができる。
次に、本実施の形態の部品進捗リスト11を用いた進捗管理について図を用いて説明する。図10は、従来の進捗フォローの業務フローと本発明の工程進捗管理方法を用いた業務フローとの一例を示す図である。図10の左側に示すように、従来の業務フローでは、工程進捗情報から工程会議用リストを作成し、他の情報を用いて進捗管理に関連する情報を抽出する作業を個別に実施していた。そのため、データベースの突き合わせが煩雑となり、工程会議用の資料の作成に手間がかかり、工程会議を頻繁に行うと工程会議用の資料作成にかかる作業量が膨大なる。このため、工程会議は例えば月に1回程度の実施等頻度が限られていた。また、工程会議用リストだけをみても、遅れの根本要因となる部品がどれであるかがわかりにくい場合が多かった。
これに対し、本実施の形態では、上述のように部品進捗リスト12を、検索対象の部品を指定するだけで自動に生成するため、工程会議用の資料作成に手間がかからず、工程会議を従来に比べて高頻度に実施することができる。部品進捗リスト12により未完了部品を階層的に表示し、連動する部品が一目でわかるようにしたため、優先してフォローすべき部品を把握しやすくなり、進捗管理を効率的に行うことができる。
例えば、従来は月1回であった工程会議を月2回とし、以下のような進捗管理を行う業務フローとすることにより、進捗管理の効率化を図ることができる。
[1週、3週目のアクション]
製造計画課からライン部門に対し、進捗フォローリストの事前配布(図10−[E])。
これを基に、工程会議までに、現場の作業進捗状況を事前に確認(図10−[F])。
[2週、4週目のアクション]
工程会議にて、遅れの主要因となっている部品を相互確認し、原因の追求・対策検討(図10−[G])。
フォロー対象に2週間先完了予定品も含め、長期遅れ部品の予防にも着手。
このように、本実施の形態では、検索対象ごとに未完了部品が階層化され、また関連する他の情報も含めて記載された部品進捗リスト11を生成するため、未完了部品が階層化進捗遅れの要因となる部品や工程の把握を容易に実施することができる。また、改善率や生産管理情報を算出することにより、遅れに対する影響度等を比較することができ、どの部品に関するフォローを優先するかを判断することができる。
1 階層型構成生成部
2 情報抽出部
3 リスト生成部
4 生産進捗関連情報算出部
5 生産進捗関連情報付加部
6 製品構成情報
7 階層型製品構成情報
8 製造手配情報
9 工程進捗情報
10 資材入着情報
11 生産進捗関連情報
12 部品進捗リスト

Claims (9)

  1. 製品の生産の工程進捗に関する情報を管理する工程進捗管理装置であって、
    前記製品を構成する部品を識別するための部品識別情報ごとの製造手配に関する情報である製造手配情報と、部品識別情報ごとの工程の進捗状況を示す情報である工程進捗情報と、を記憶するための記憶部と、
    前記製品ごとに、部品識別情報と当該部品識別情報が示す部品の階層とを対応付けた情報である階層型製品構成情報を生成する階層型構成生成部と、
    指定された部品を検索対象部品とし、前記工程進捗情報および前記階層型製品構成情報に基づいて、前記検索対象部品と前記検索対象部品より下位の階層の部品とに対応する部品のうち未完了の工程を含む未完了部品に対応する部品識別情報および階層を抽出するとともに、抽出した前記部品識別情報に対応する情報を前記製造手配情報および前記工程進捗情報から工程管理情報として抽出する情報抽出部と、
    前記情報抽出部による抽出結果に基づいて、抽出した前記部品識別情報ごとに階層と前記工程管理情報とを含む部品進捗リストを生成するリスト生成部と、
    を備え、
    前記記憶部は、部品識別情報ごとの部品の入着状況を示す資材入着情報をさらに記憶し、
    前記情報抽出部は、前記工程管理情報として、さらに前記資材入着情報から前記未完了部品に対応する情報を抽出することを特徴とする工程進捗管理装置。
  2. 前記部品進捗リストに基づいて、前記未完了部品ごとに、当該未完了部品に関する全工程が完了した場合の前記検索対象部品の生産の進捗の改善の度合いを示す改善率を算出する生産関連情報算出部と、
    前記改善率を前記部品進捗リストに付加する生産関連情報付加部と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の工程進捗管理装置。
  3. 前記改善率を、未完了部品ごとに、当該未完了部品に関する全工程が完了することにより完了となる未完部品の件数を前記検索対象部品以下の階層の全ての未完了部品の件数で除した値とする、ことを特徴とする請求項に記載の工程進捗管理装置。
  4. 前記製造手配情報、前記工程進捗情報のうち少なくとも1つに基づいて、前記部品進捗リストに記載された未完了部品ごとに生産の進捗に与える影響度を示す生産関連情報を算出する生産関連情報算出部と、
    前記生産関連情報を前記部品進捗リストに付加する生産関連情報付加部と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1、2または3に記載の工程進捗管理装置。
  5. 前記生産関連情報を、品揃え率とする、ことを特徴とする請求項に記載の工程進捗管理装置。
  6. 前記生産関連情報を、納期余裕率とする、ことを特徴とする請求項に記載の工程進捗管理装置。
  7. 前記生産関連情報を、生産能力に対する負荷占有率とする、ことを特徴とする請求項に記載の工程進捗管理装置。
  8. 製品の生産の工程進捗に関する情報を管理する工程進捗管理方法であって、
    前記製品を構成する部品を識別するための部品識別情報ごとの製造手配に関する情報である製造手配情報と、部品識別情報ごとの工程の進捗状況を示す情報である工程進捗情報と、を記憶する記憶ステップと、
    前記製品ごとに、部品識別情報と当該部品識別情報が示す部品の階層とを対応付けた情報である階層型製品構成情報を生成する階層型構成生成ステップと、
    指定された部品を検索対象部品とし、前記工程進捗情報および前記階層型製品構成情報に基づいて、前記検索対象部品と前記検索対象部品より下位の階層の部品とに対応する部品のうち未完了の工程を含む未完了部品に対応する部品識別情報および階層を抽出するとともに、抽出した前記部品識別情報に対応する情報を前記製造手配情報および前記工程進捗情報から工程管理情報として抽出する情報抽出ステップと、
    前記情報抽出ステップの抽出結果に基づいて、抽出した前記部品識別情報ごとに階層と前記工程管理情報とを含む部品進捗リストを生成するリスト生成ステップと、
    を含み、
    前記記憶ステップでは、部品識別情報ごとの部品の入着状況を示す資材入着情報をさらに記憶し、
    前記情報抽出ステップでは、前記工程管理情報として、さらに前記資材入着情報から前記未完了部品に対応する情報を抽出することを特徴とする工程進捗管理方法。
  9. 請求項に記載の工程進捗管理方法をコンピュータに実行させる、ことを特徴とする工程進捗管理プログラム。
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