以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。
[外観構造の説明]
本発明の実施形態に係るスロットマシン10の外観を図1(a)に示す。図1(a)は、スロットマシン10の正面図であり、同図において、スロットマシン10の筐体の前面部には、フロントパネル20が設けられている。このフロントパネル20の略中央には、表示窓22が形成されており、スロットマシン10の内部に回転自在に設けられている3個のリール40L,40C及び40Rの外周面に印刷された図柄が表示される。リール40L,40C及び40Rは、各回転軸が、水平方向の同一直線上に並ぶように設けられ、各々リング状の形状を有し、その外周面には21個の図柄が等間隔で印刷された帯状のリールテープが貼り付けられている。そして、表示窓22からは、リール40L,40C及び40Rが停止しているときに、各リールに印刷された21個の図柄のうち、各リールの回転方向に沿って連続する3つの図柄が視認可能となっている。すなわち、表示窓22には、3[図柄]×3[リール]=合計9つの図柄が停止表示される。ここで、リール40L,40C及び40Rが停止しているときに表示される連続する3つの図柄のうち、最も上側の停止表示位置を上段U、中央の停止表示位置を中段M、最も下側の停止表示位置を下段Lとする。
また、表示窓22には、リール40L,40C及び40Rの各中段Mを横切る1本の入賞ラインLが定められている。この入賞ラインLは、予め定められた複数種類の役(後述する)に対応する図柄組合せが停止表示されたか否かを判定する際の基準となるラインである。すなわち、リール40L,40C及び40Rが停止したときに、入賞ラインLが通過する停止表示位置(各リールの中段M)に停止表示された3つの図柄からなる組合せがいずれかの役に対応していたときに、その役が入賞したことになる。なお、以下では、単に「図柄組合せが停止表示された」と記載されている場合は、その図柄組合せが入賞ラインLに沿って停止表示されたことを意味する。
フロントパネル20には、表示窓22の他に、単位遊技に関する各種情報を遊技者へ知らせるための各種ランプおよび表示器が設けられている。表示窓22の下側には、図1(a)中、左から順に、ベット数(賭け枚数)表示ランプ26a,26b,26c、クレジット数表示器27、および、獲得枚数表示器28が設けられている。ベット数表示ランプ26a,26b,26cは、1回の単位遊技に投入されるメダルの枚数を表示するものである。すなわち、1枚のメダルが投入されるとベット数表示ランプ26aのみが点灯し、2枚のメダルが投入されるとベット数表示ランプ26aおよび26bが点灯し、3枚のメダルが投入されるとベット数表示ランプ26a,26b,26cが全て点灯する。
ここで、スロットマシン10で単位遊技を行うために投入するメダルは遊技媒体の一種であり、遊技媒体は、メダルに限らず、遊技球(いわゆるパチンコ球)でもよく、磁気カード、非接触式ICカードまたはICチップを内蔵したコインなどの記録媒体に記録された、単位遊技を行うことができる価値情報であってもよい。スロットマシン10では、3枚のメダルが投入されると1回の単位遊技が可能となり、入賞ラインLが有効ラインとされる。クレジット数表示器27は、2桁の7セグメント表示器からなり、スロットマシン10にクレジット(貯留)された(より具体的には、後述する主制御回路100内のRAMに記憶されている)メダルの枚数を表示する。獲得枚数表示器28は、2桁の7セグメント表示器からなり、スロットマシン10において単位遊技の結果に応じて遊技者へ払い出されるメダルの枚数を表示する。
上述したフロントパネル20の下側には、略水平の操作パネル部30が設けられている。操作パネル部30の上面右側には、スロットマシン10へメダルを投入するためのメダル投入口32が設けられている。このメダル投入口32の内部には、メダル投入口32から投入されたメダルを検出すると、後述する主制御回路100へメダル検出信号を出力するメダルセンサが設けられている。これにより主制御回路100は、メダル検出信号が入力された回数を計数することで投入されたメダルの枚数を認識することができる。
また、操作パネル部30の上面左側には、クレジットされているメダルをスロットマシン10へ投入することができる1−ベットスイッチ34および最大ベットスイッチ35が設けられている。1−ベットスイッチ34は、1回操作されるごとにクレジットされているメダルのうち1枚だけを遊技の賭けの対象としてスロットマシン10へ投入するためのスイッチである。最大ベットスイッチ35は、クレジットされているメダルのうち、現在の単位遊技において投入が許容される最大枚数(規定枚数)のメダルを、遊技の賭けの対象としてスロットマシン10へ投入するためのスイッチである。なお、スロットマシン10においては、後述するMB遊技における規定枚数は2枚であり、MB遊技ではない遊技(通常遊技)における規定枚数は3枚である。
さらに、メダル投入口32と、最大ベットスイッチ35との間には、遊技者がスロットマシン10へ情報を入力するための方向ボタンスイッチ38および決定ボタンスイッチ39が設けられている。方向ボタンスイッチ38は、図1(b)の平面図によって示すように、上方向を指示する上方向スイッチ38U、右方向を指示する右方向スイッチ38R、下方向を指示する下方向スイッチ38D、および左方向を指示する左方向スイッチ38Lの、4つのボタンスイッチによって構成されている。決定ボタンスイッチ39は、光が透過する部材で形成され、その内部にはLEDなどの光源が設けられている。また、決定ボタンスイッチ39の上面(操作面)には“PUSH”の文字が印刷されている。これら各種ボタンスイッチ38,39を用いて入力する情報の内容については後述する。
メダル投入口32から、または、各種ベットスイッチ34,35を操作することにより、スロットマシン10に規定枚数のメダルを投入すると、メダルが投入されるごとにベット数表示ランプ26a,26b,26cが順次点灯していく。そして、前述した主制御回路100のRAM(貯留手段に相当)に記憶されているクレジット数から、投入されたメダルの枚数が減算されるとともに、その枚数分だけクレジット数表示器27に表示されている値が減算される。また、規定枚数のメダルが既に投入されている状態で、さらにメダル投入口32へメダルが投入されると、当該投入されたメダルの枚数が、主制御回路100のRAMに記憶されているクレジット数に加算されるとともに、それに応じてクレジット数表示器27に表示されている値が増加する。
操作パネル部30の正面左側には、スタートスイッチ36が傾動可能に設けられている。スタートスイッチ36は、遊技者がスロットマシン10に規定枚数のメダルを投入すると操作が有効となる。なお、単位遊技で後述する再遊技役が入賞したときは、メダルが投入されなくても、ベット数表示ランプ26a,26b,26cが規定枚数分だけ点灯し、次の単位遊技のための、スタートスイッチ36の操作が有効となる。この状態で遊技者がスタートスイッチ36を傾動操作すると、前述した3つのリール40L,40C及び40Rが一斉に回転を開始する。これにより、リール40L,40C及び40Rの各外周面に印刷された図柄は、表示窓22において上から下へと移動(スクロール)表示される。
操作パネル部30の正面中央部には、3つのストップスイッチ37L,37C及び37Rが設けられている。ここで、ストップスイッチ37L,37C及び37Rは、いわゆる自照式の押しボタンスイッチであり、押しボタンの部分が複数色に発光し得る構造になっている。また、左ストップスイッチ37Lは左リール40Lに対応し、中ストップスイッチ37Cは中リール40Cに対応し、右ストップスイッチ37Rは右リール40Rに対応している。ストップスイッチ37L,37C及び37Rは、3つのリール40L,40C及び40Rの回転速度が所定の定常回転速度(例えば、80回転/分。以下、単に「定速」ともいう。)に達したときに、遊技者による操作が有効となる。ここで、各ストップスイッチの操作が無効になっているときは、各ストップスイッチの押しボタン部分における発光色が赤くなっており、定速に達して操作が有効になると、押しボタン部分の発光色が青に変化する。
そして、遊技者が左ストップスイッチ37Lを押動操作したときには、左リール40Lが停止し、中ストップスイッチ37Cを押動操作したときには、中リール40Cが停止し、右ストップスイッチ37Rを押動操作したときには、右リール40Rが停止する。このとき、3つのリール40L、40C及び40Rの各々は、各リールの外周面に描かれている図柄のうち、連続するいずれか3つの図柄の各中心位置と、表示窓22内の上段U、中段M、および、下段Lの各中央位置とが、一致するように停止制御される。ここで、図柄の中心と、停止表示位置の中央とが一致する位置を定位置といい、スロットマシン10がリールを停止させるときは、リールの各図柄が必ず定位置で停止するようなリール停止制御が行われる。
操作パネル部30の左側には、精算スイッチ33が設けられており、メダル投入の受付期間内に操作されると、クレジットされていたメダルがすべて払い戻され、クレジット数表示器27に表示されている値が「0」になる。ここで、メダル投入の受付期間は、例えば、全てのリールが停止してから(メダルが払い出される場合は、メダルの払い出しが終了してから)、規定枚数のメダルが投入されてスタートスイッチ36の操作が有効となるまでの間とする。
操作パネル部30の下側には、スロットマシン10の機種名やモチーフとして採用されたキャラクタなどが描かれた下部パネル50が配設されている。下部パネル50の下方略中央には、遊技者に対してメダルを払い出すためのメダル払出口60が設けられている。例えば、リール40L、40C及び40Rが停止したときに、入賞ラインLに沿って停止表示された3つの図柄の組合せが小役に対応していた場合、スロットマシン10の内部に設置されたメダル払出装置(いわゆるホッパー)が作動して、その小役に対応した枚数のメダルが払い出される。また、メダルがクレジットされている状態で精算スイッチ33が操作されると、クレジットされていたメダルが払い出される。そして、払い出されたメダルは、メダル払出口60から排出されて受け皿61に貯留される。メダル払出口60の右側および左側には、各々、スロットマシン10内部に収納されたスピーカ64R,64L(後述する)から発せられた音を外部へ通すための透音孔62R,62Lが設けられている。
フロントパネル20の上方には、液晶ディスプレイパネルから構成される表示装置70が設けられている。なお、表示装置70は、上述した液晶ディスプレイパネルに限らず、画像情報や文字情報を遊技者が遊技中に視認し得る装置であれば、その他あらゆる画像表示装置を用いることができる。この表示装置70は、従来から周知の遊技履歴、単位遊技中に表示される演出画像、役抽選の結果を報知するための演出画像、および単位遊技の進行(メダル投入→スタートスイッチ36の操作→リールの回転→ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作→全リール回転停止(小役入賞時はメダルの払い出しまで))に応じた演出画像等を表示することができる。表示装置70の上方には、リール40L,40C,40Rが停止し、何らかの役が入賞した場合、入賞した役に応じたパターンで点滅する上部演出ランプ72が設けられている。
[リール図柄の説明]
次に、図2を参照して、リール40L、40C及び40Rの各外周面に貼り付けられるリールテープに印刷された図柄の配列について説明する。図2(a)に示すように、リール40L、40C及び40Rの各外周面には21個の図柄が印刷されているが、各図柄は、リールテープの長手方向において、21等分に区画された各図柄領域に1つの図柄が印刷されている。また、各図柄領域に表示される図柄の種類は、図2(b)に示すように、7種類あり、各種類に応じて種別コード(図示略)が予め定められている。スロットマシン10における図柄の種類には、数字の7を赤色で表した「赤セブン」(赤7)図柄、数字の7を青色で表した「青セブン」(青7)図柄、水色のプラムをモチーフとした「リプレイ」図柄、黄色のベルをモチーフとした「ベル」図柄、赤いサクランボをモチーフとした「チェリー」図柄、緑色のスイカをモチーフとした「スイカ」図柄、薄いグレーの目立たない色で表された大木をモチーフとした「樹木」図柄がある。
また、リール40L、40C及び40Rの各々に貼り付けられるリールテープの各図柄領域には、図2(a)に示すように「0」〜「20」の図柄番号が予め定められており、各図柄番号に対応する図柄の種別コードが、主制御回路100のROMに記憶されている。各リールの図柄番号および対応する種別コードは、スロットマシン10が、表示窓22の各停止表示位置(上段U、中段M、下段L)に表示された図柄を認識し、後述するリール停止制御を行う際に参照される。以下では、図柄番号および種別コードをまとめて図柄識別情報という。図2(a)に示す各リールテープは、図柄番号「0」と「1」の間を切り離して展開した状態を示し、実際にリール40L、40C及び40Rの外周面に貼り付けたときは、図柄番号「0」と「1」の図柄が連続することになる。
また、リール40L、40C及び40Rが回転すると、表示窓22内に表示される各リールの3つの図柄は、連続する3つの図柄番号の値が増加する方向(図2(a)中、矢印の方向)にスクロール表示されることになる。たとえば、表示窓22の下段Lから上段Uに向かって、図柄番号「1」,「2」,「3」の図柄が表示されていた場合、それ以降、表示される図柄は、図柄番号「2」,「3」,「4」→図柄番号「3」,「4」,「5」→図柄番号「4」,「5」,「6」→……と変化する。そして、図柄番号「19」,「20」,「0」が表示されると、引き続き、図柄番号図柄番号「20」,「0」,「1」→図柄番号「0」,「1」,「2」→図柄番号「1」,「2」,「3」→……と変化していき、以下、リールが停止するまで図柄番号「0」から「20」のうち連続する3つの図柄が循環的にスクロール表示される。
[制御回路の説明]
次に、図3に示す機能ブロック図を参照して、スロットマシン10の制御を行う制御回路について説明する。スロットマシン10の制御回路は、主制御回路100と副制御回路200とによって構成されており、主制御回路100(遊技制御手段)は、スロットマシン10における単位遊技の制御を行い、副制御回路200は(演出制御手段)、主制御回路100から送信された情報に基づいてスロットマシン10で行われる演出の制御を行っている。なお、主制御回路100と副制御回路200との間の情報伝達は、主制御回路100から副制御回路200への一方向に限られており、副制御回路200から主制御回路100に対して何らかの情報が直接送信されることはない。
≪主制御回路の説明≫
<主制御回路およびその周辺のハードウェア構成>
主制御回路100は、CPU、ROM、RAM、および、外部と信号のやり取りを行うためのI/Oポートに加え、疑似乱数を発生するための乱数発生器や、CPUなどが作動するためのクロック信号や割込信号を発生するクロック発生回路などによって構成されている。ここで、乱数発生器は0〜65535の数値範囲で疑似乱数を発生している。主制御回路100には、操作手段300と、単位遊技情報表示手段400と、モータ駆動回路44と、インデックスセンサ46L,46C,46Rと、ホッパー駆動回路80およびメダル払出装置82と、外部集中端子基板84とが電気的に接続されている。
操作手段300は、スタートスイッチ36からなる回転指示手段310と、3つのストップスイッチ37L、37C及び37Rからなる停止指示手段320と、1−ベットスイッチ34および最大ベットスイッチ35からなる投入指示手段330と、精算スイッチ33とによって構成されている。また、単位遊技情報表示手段400は、図1(a)に示したベット数表示ランプ26a〜26cと、クレジット数表示器27と、獲得枚数表示器28とによって構成されている。
モータ駆動回路44は、主制御回路100から出力される励磁信号に従って、各リール用のステッピングモータ42L,42C,42Rを個々に駆動し、対応するリールを回転または停止させる。インデックスセンサ46L,46C,46Rは、リール40L,40C,40Rに各々対応して設けられており、対応するリールの基準位置に設けられているインデックスを検出すると、主制御回路100に対して基準位置信号を出力する。これにより主制御回路100は、当該基準位置から計数を開始したステッピングモータのステップ数に基づいて、リールの回転位置(換言すると、表示窓22に表示されている図柄)を認識する。ホッパー駆動回路80は、メダルを払い出す際に主制御回路100から出力される払出制御信号に従って、メダル払出装置82を駆動する。また、メダル払出装置82は、ホッパー駆動回路80の駆動信号に従ってメダルを払い出すとともに、メダルを1枚払い出すごとに払出信号を主制御回路100に対して出力する。これにより、主制御回路100は、払出信号をカウントすることで、メダル払出装置82から払い出されたメダルの枚数を認識しつつ、ホッパー駆動回路80介してメダル払出装置82を制御する。
外部集中端子基板84は、スロットマシン10が現在行われている遊技に関する情報を外部へ出力する際に、それらの情報を中継する基板である。これにより、スロットマシン10が、例えばスロットマシン10に対応して別途設置されている遊技情報表示装置や、遊技場に設置されている各遊技機の遊技状態や出玉などを管理しているいわゆるホールコンピュータへ情報を送信する場合は、この外部集中端子基板84を介して行われる。ここで、スロットマシン10から外部へ送信される情報としては、単位遊技が行われる際にスロットマシン10へメダルが投入されたことを示す信号(IN信号)、単位遊技の結果、遊技者にメダルが払い出されたことを示す信号(OUT信号)、遊技状態が「MB遊技」になったことを示す信号(MB信号)、再遊技役が入賞したことを示す信号(RP信号)、スロットマシン10に異常が発生したことを示す信号(異常発生信号)、および、スタートスイッチ36が操作されたことを示す信号(スタート信号)を出力する。
さらに、スロットマシン10は、遊技者に対する特典として、後述する複数種類のART遊技が行われていることを示す各種ART信号も出力する。スロットマシン10で行われるART遊技には、サブビッグボーナスゲーム(以下、「サブBB」という)、サブレギュラーボーナスゲーム(以下、「サブRB」という)、および上乗せART遊技の3種類あり、各ART遊技が行われると、その遊技に対応する信号(サブBB信号、サブRB信号または上乗せART信号)が、外部集中端子基板84を介して外部へ出力される。なお、上述した外部へ出力される各種出力信号をまとめて遊技状態信号という。
また、外部集中端子基板84には、外部(例えばホールコンピュータ)から遊技制御を停止させる遊技停止信号が入力される。主制御回路100は、遊技停止信号が入力されると、遊技に関する制御を停止する。具体的には、メダルの投入操作(メダル投入口32へのメダル投入、各ベットスイッチ34,35の操作)、スタートスイッチ36、ストップスイッチ37L,37C,37Rおよび精算スイッチ33に対する操作を受け付けないようにする。なお、リール40L,40C,40Rが回転中に遊技停止信号が入力された場合は、その時点ですべてのリールを停止させてもよいし、回転を維持させてもよい。また、メダルの払い出し中に遊技停止信号が入力された場合は、直ちに払い出しを停止させてもよいし、予定していた枚数のメダルを払い出した後に停止させてもよい。さらに、遊技停止信号が入力された時に、そのことを副制御回路200へ送信し、実行中の演出を停止させたり、遊技制御が停止していることを遊技者へ報知したりしてもよい。
<主制御回路の機能ブロック>
次に、主制御回路100の機能ブロックについて説明する。主制御回路100は、役抽選手段110と、設定変更手段120と、リール制御手段130と、フリーズ演出手段140と、疑似遊技演出手段150と、入賞判定手段160と、入賞処理手段170と、外部信号出力手段180と、遊技状態記憶手段190と、を含んでいる。なお、以下に説明する各手段の機能は、主制御回路100を構成するROMに記憶された制御プログラムを、CPUによって実行することで実現されるものとする。
<役抽選手段の説明>
役抽選手段110は、遊技者によるスタートスイッチ36の操作に応じて、主制御回路100が有する乱数発生器によって発生された疑似乱数をサンプリングし、当該サンプリングした疑似乱数に基づいて、予め定められた役のうちいずれか1つまたは複数の役を当選した役(当選役)とするか否かを決定する。スロットマシン10では、予め定められている役として、図4に示す様に、MB役、再遊技役a〜d、小役1、小役2、小役3a〜3fの13種類があり、各々の役には、図4に示すように各図柄組合せが対応付けられている。そして、図1(a)に示した入賞ラインLに沿って停止表示された図柄組合せが、役抽選によって当選役に定められた役の図柄合せと一致すると、その役が入賞したことになる。なお、小役2の図柄組合せにおいて、中リールおよび右リールの図柄が「ANY」と示されているのは、任意の図柄でよいことを意味している。すなわち小役2は、左リール40Lの「スイカ」図柄が中段Mに停止すれば、中リール40Cおよび右リール40Rが回転中であっても入賞が確定することになる。
図4に示した各役について、まず、MB役は、入賞すると次の単位遊技からMB遊技が開始されることとなる役である。MB遊技中は、役抽選が行われるか否かに関係なく、全ての小役が強制的に当選役とされ、当選役とされた小役のうち、小役1または小役2が必ず入賞するようになっている。なお、MB遊技中でない単位遊技(以下、通常遊技という)において、小役1が入賞すると5枚のメダルが払い出され、小役2が入賞すると3枚のメダルが払い出されるが、MB遊技中に小役1または小役2が入賞したときは、いずれの場合も2枚のメダルしか払い出されない。そして、MB遊技中に合計で18枚のメダルが払い出されると、当該MB遊技が終了する。
次に、再遊技役は、入賞すると次の単位遊技に限ってメダルを投入することなく再び単位遊技(この単位遊技を「再遊技」または「リプレイ」ともいう)を行うことができる役である。なお、上述したMB役も、この再遊技役も、それぞれの役が入賞したことによるメダルの払い出しは無い。これに対して、小役は、入賞すると予め定められていた枚数のメダルが払い出されることになる。入賞時に払い出されるメダルの枚数は、小役1は5枚(MB遊技中は2枚)、小役2は3枚(MB遊技中は2枚)、小役3a〜3fは、通常遊技中またはMB遊技中の区別無く、いずれの場合も1枚になっている。
また、図4に示すように、役抽選手段110が通常遊技中に行う役抽選では、MB役および小役2については、各役が個々に当選役と定められるが(単独当選役)、再遊技役a〜dと、小役1および小役3a〜3fとは、それぞれ複数の役が同時に当選役に定められる(同時当選役)。すなわち、再遊技役a〜dについては、再遊技役a〜cで構成された複合Aと、再遊技役a〜dで構成された複合Bが抽選対象となっている。また、小役1および小役3a〜3fについては、図4に示すように各々複数の役で構成された複合C〜Eおよび特殊複合が抽選対象となっている。そして、図4中、「○」印で示すように、複合Aが当選したときは再遊技役a〜cがすべて当選役となり、複合Bが当選したときは再遊技役a〜dがすべて当選役となる。
また、複合Cが当選したときは、小役1および小役3a〜3dが当選役となり、複合Dが当選したときは、小役1および小役3a〜3eが当選役となり、複合Eが当選したときは、小役1および小役3a〜3d,3fが当選役となり、特殊複合が当選したときは、小役3eおよび3fが当選役となる。
一般に、役抽選で何らかの役が当選した場合は、その単位遊技が終了すると必ず当選した状態がクリアされる。しかしながら、MB役が当選したときは、その単位遊技でMB役を入賞させることができなくても、入賞するまで引き続き当選した状態が維持される。すなわち、MB役が入賞するまで、MB役を入賞させることができる状態が継続する。以下、MB役の当選状態が維持されている期間を、ボーナス持越中または内部中という。なお、後述するように、内部中はMB役が抽選対象とはされないため、MB役が当選役になっているときに重ねて当選役に定められることはない。また、以下では、通常遊技中において、MB役の当選が維持されている状態を「内部中」といい、そうでない状態を「非内部中」という。また、単に「通常遊技中」といった場合は、特に定義されていなければ、「非内部中」および「内部中」の双方状態を意味する。
次に、図5に示す役抽選テーブルを参照して、役抽選における各抽選対象の当選確率について説明する。図5に示す役抽選テーブルは、非内部中および内部中における各抽選対象について、主制御回路100の乱数発生器が発生する乱数値(0〜65535のいずれかの整数)のうち、当選と見なされる数値の数(以下、置数という。)を示している。なお、乱数値「0」も数値の一つとして扱われるため、乱数発生器が発生し得る乱数値の数は65536となる。よって、各抽選対象の当選確率は、対応する置数を65536で割った値となる。また、図5に示す役抽選テーブルにおいて、MB役、複合Aおよび複合Bの行は、破線によって上下段に分割されているが、上段は非内部中における置数、下段は内部中における置数を示している。さらに、「設定1」〜「設定6」は、次に説明する設定変更手段120によっていずれかに設定されるものであり、各「設定」に対して異なる当選確率が定められている。
この図に示す役抽選テーブルでは、複合C〜Eおよび特殊複合の当選確率は、「設定1」〜「設定6」のいずれにおいても一定の値となっている。これに対して、小役2の当選確率は、「設定1」のときに最も低く、「設定」の値が大きくなるに連れて高くなっている。MB役については、非内部中は、小役2と同様に、当選確率が「設定1」のときに最も低く、設定の値が大きくなるに連れて高くなっているが、内部中は、前述したようにMB役が抽選対象から除外されるため、「設定1」〜「設定6」のいずれにおいても当選確率が「0」となる。これに対して、複合A,B(再遊技役)は、いずれの「設定」においても互いに等しい置数になっており、非内部中は、「設定1」〜「設定6」で当選確率は変化しないが、内部中になると、「設定1」〜「設定6」のいずれにおいても非内部中に比べて置数が増大しており、再遊技役の当選確率が大幅に上昇する。また、内部中は、「設定1」〜「設定6」のいずれにおいても、すべての役の置数を合計すると65536となる。すなわち、内部中はいずれかの役が必ず当選し、ハズレが無い状態となる。
ここで、内部中となって再遊技役の当選確率が上昇した状態を「RT」中といい、内部中になる前(非内部中)の再遊技役の当選確率が低い状態を「非RT」中という。図6を参照して、役抽選の観点から見た遊技状態(換言すると、主制御回路100が直接的に認識し得る遊技状態)の遷移について説明すると、まず、スロットマシン10の電源投入直後、または、遊技状態をリセットした直後は、「非RT」中になっており、再遊技役の当選確率(換言すると、複合A,Bの合成当選確率)は、約1/7.30になっている。そして、この遊技状態でMB役が当選すると、「RT」へ移行して、「設定」による差はあるものの再遊技役の当選確率が1/2.69〜1/2.74と大幅に上昇する。「RT」中の状態はMB役が入賞するまで継続し、入賞ラインL上に「赤7−青7−青7」の図柄組合せが揃ってMB役が入賞すると、次の単位遊技からMB遊技が開始される。そして、「MB遊技」中に払い出されたメダルの枚数が、合計18枚を超えると、遊技状態は再び「非RT」中となる。このように、スロットマシン10では、「非RT」中、「RT」中、「MB遊技」中という3つの遊技状態を循環的に遷移している。
<設定変更手段の説明>
図3に戻り、設定変更手段120は、上述した「設定1」〜「設定6」のいずれかを選択するための手段であり、例えば、スロットマシン10の内部に設けられたスイッチ等を備えている。このスイッチを遊技場の関係者が操作することで、「設定1」〜「設定6」のいずれか1つを選択すると、役抽選手段110は、選択された「設定」に対応する当選確率(図5参照)に従って役抽選を行う。この設定変更手段120は、従来から使われている周知のものを用いることができる。
<リール制御手段の説明>
図3に戻り、リール制御手段130は、リール40L,40C,40Rの回転駆動に関する制御を行う。すなわち、遊技者によってスタートスイッチ36が操作されると、モータ駆動回路44によってステッピングモータ42L,42C,42Rの回転を開始させる。そして、リール40L,40C,40Rの回転速度を加速していき、定速(毎分80回転)に達すると、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作を有効な状態にする。
リール停止制御手段132は、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作が有効になった後、遊技者によっていずれかのストップスイッチが操作されると、操作されたストップスイッチに対応するリールの停止制御を行う。停止制御は、通常遊技中と、MB遊技中とで異なる。通常遊技中は、操作されたストップスイッチに対応するリールの回転を190ミリ秒以内に停止させる制御を行う。したがって、定速回転速度が80回転/分で、1つのリールに配置された図柄数が21個であるため、リール停止制御手段122は、ストップスイッチが操作された時のリール位置から、最大で約5.32図柄分だけ移動するまでの間に、リールを停止させることになる。ここで、前述したように、リール停止制御手段132は図柄の停止位置のばらつきを無くすため、リール上の図柄が定位置で停止表示されるようにリールを停止させている。よって、直ちにリールを停止させたい場合でも、ストップスイッチの操作タイミングによっては、定位置に達するまでほぼ1図柄分、リールを回動させなくてはならない場合が生じ得る。この分のマージンを考慮すると、ストップスイッチが操作されてから、最大で4図柄分リールが回動するまでの間が、停止制御可能範囲(すなわち、滑りコマ数が4)となる。
したがって、リール停止制御手段132が通常遊技中に、引込制御を行う場合は、ストップスイッチが操作された時に、入賞ラインLから上流側にある4つの図柄のうち、当選役に対応する図柄組合せを構成する図柄があるときは、その図柄が入賞ラインL上に停止表示されるように、リールの回転を停止させる。これに対して、リール停止制御手段122が蹴飛ばし制御を行う場合は、全てのリールが停止するまでに、入賞ラインL上に何らかの役に対応した図柄組合せが停止表示されないように、リールの回転を停止させる。
一方、MB遊技中は、中ストップスイッチ37Cおよび右ストップスイッチ37Rが操作された場合は、通常遊技中と同様のリール停止制御を行うが(操作されてから190ミリ秒以内に対応するリールを停止)、左ストップスイッチ37Lについては、操作されてから75ミリ秒以内に左リール40Lの回転を停止させる制御を行う。すなわち、MB遊技中においては、左ストップスイッチ37Lが操作されてから左リール40Lが最大で約2.1図柄分、回動するまでの間に停止させなくてはならない。よって、図柄を定位置で停止させるためのマージンを1図柄分取るとすると、停止制御可能範囲は最大で1図柄分となる。
また、リール停止制御手段132は、図3に示すインデックスセンサ46L,46C,46Rから出力される各基準位置信号と、モータ駆動回路44からステッピングモータ42L,42C,42Rへ各々出力される励磁信号のパターンを更新した回数(すなわち、各ステッピングモータが1ステップ分、回動した回数)とに基づいて、表示窓22に表示されている図柄を認識している。リール上の図柄の具体的な認識方法については、従来の方法が採用可能であるため、詳細な説明は省略する。
上述したリール停止制御を前提として、図2(a)に示した各リールの図柄配列と、図4に示した各役に対応した図柄組合せをみると、リール40L,40C,40Rに各々配置されている「ベル」図柄と、左リール40Lにおける「スイカ」図柄とは、各々のリールにおいてそれぞれ最大でも4つの図柄を挟んで配置されているため、通常遊技中に役抽選で小役1または小役2が当選した時は、必ず入賞させることができる。さらに、左リール40Lにおいて、「ベル」図柄と「スイカ」図柄とは、1つの図柄を挟んで交互に配置されているため、MB遊技中であっても、遊技者による左ストップスイッチ37Lの操作タイミングに応じて小役1または小役2のいずれか一方を、必ず入賞させることができる。ここで、MB遊技中は、全ての小役が当選役とされるが、リール停止制御手段132は、左ストップスイッチ37Lの操作タイミングに応じて小役1または小役2のいずれか一方を入賞させるリール停止制御を行い、その他の小役を入賞させることはないものとする。
また、図4において、再遊技役a〜dに対応する図柄組合せを見ると、再遊技役aの図柄組合せを構成している「リプレイ」図柄は、リール40L,40C,40Rのいずれにおいても4つ以内の図柄を挟んで配置されているため、通常遊技中は、役抽選で再遊技役aに当選すれば、必ず入賞させることができる。これに対して、再遊技役b〜dの図柄組合せを構成している「赤7」図柄、「青7」図柄、「樹木」図柄および「チェリー」図柄は、リール40L,40C,40Rにおいて、4つを超える図柄を挟んで配置されている箇所があるため、ストップスイッチの操作タイミングによっては、引込制御を行っても入賞ラインL上に停止させることができない(すなわち、取りこぼす)場合がある。
このような前提の下、図4の「同時当選役」欄を見ると、役抽選で複合Aが決定されたときは、再遊技役a〜cが当選役となり、複合Bが決定されたときは、再遊技役a〜dが当選役となる。このとき、リール停止制御手段132は、これら当選役のうちいずれの役について引込制御を行うかについては、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に応じて決めている。すなわち、複合Aが決定されたときは、ストップスイッチの操作順序が左→中→右または左→右→中だった場合は、再遊技役aが入賞するように各リールの「リプレイ」図柄に対して引込制御を行う。また、ストップスイッチの操作順序が中→左→右または中→右→左だった場合は、再遊技役bが入賞するように各リールの「赤7」図柄に対して引込制御を行う。さらに、ストップスイッチの操作順序が右→中→左または右→左→中だった場合は、再遊技役cが入賞するように各リールの「青7」図柄に対して引込制御を行う(図5の「備考」欄参照)。このため、役抽選で複合Aが決定されたときに、左→中→右または左→右→中の操作順序でストップスイッチが操作されたときは、必ず再遊技役aが入賞するが、それ以外の操作順序でストップスイッチが操作されたときは、再遊技役bまたはcを取りこぼす可能性が生じる。
同様に、複合Bが決定されたときは、ストップスイッチの操作順序が左→中→右または左→右→中だった場合は、再遊技役aが入賞するように各リールの「リプレイ」図柄に対して引込制御を行う。また、ストップスイッチの操作順序が右→中→左または右→左→中だった場合は、再遊技役bが入賞するように各リールの「赤7」図柄に対して引込制御を行う。さらに、ストップスイッチの操作順序が中→左→右または中→右→左だった場合は、再遊技役cが入賞するように各リールの「青7」図柄に対して引込制御を行う。これにより、役抽選で複合Bが決定されたときに、左→中→右または左→右→中の操作順序でストップスイッチが操作されたときは、複合Aと同様に必ず再遊技役aが入賞するが、それ以外の操作順序でストップスイッチが操作されたときは、再遊技役bまたはcを取りこぼす可能性が生じる。
ここで、遊技者が再遊技役bまたはcを取りこぼした場合に、別の再遊技役が必ず入賞するように構成してもよい。これを実現する方法としては、例えば遊技者が、再遊技役bの図柄組合せを構成する「赤7」図柄、および再遊技役cの図柄組合せを構成する「青7」図柄を、入賞ラインL上に停止させることができるタイミングでストップスイッチを操作しなかったとき(すなわち、いわゆる目押しに失敗したとき)に、表示させることができる図柄組合せに新たな再遊技役を対応付けて、その再遊技役を、役抽選で複合Aおよび複合Bが決定されたときの当選役にする。
具体的には、まず、再遊技役b(図柄組合せ「赤7−赤7−赤7」)を取りこぼしたときに表示させることができる図柄組合せを考える。前述したように、「ベル」図柄と「リプレイ」図柄は、いかなるタイミングでストップスイッチが操作されたとしても、引込制御によってリール40L,40C,40Rのいずれにおいても入賞ラインL上に停止させることができる。よって、3つのリールのすべてにおいて「赤7」図柄の目押しに失敗したときに表示させる図柄組合せを、例えば「ベル−リプレイ−ベル」として、これに新たに再遊技役eを対応付ける。
次に、いずれか1つのリールだけ「赤7」図柄の目押しに成功したが、他の2つのリールにおいて「赤7」図柄の目押しに失敗した場合に、表示させる図柄組合せおよびそれに対応する再遊技役を、「赤7−リプレイ−ベル」(再遊技役f)、「ベル−赤7−ベル」(再遊技役g)、「ベル−リプレイ−赤7」(再遊技役h)とする。さらに、2つのリールで「赤7」図柄の目押しに成功したが、残り1つのリールで「赤7」図柄の目押しに失敗した場合に、表示させる図柄組合せおよびそれに対応する再遊技役を、「赤7−赤7−ベル」(再遊技役i)、「ベル−赤7−赤7」(再遊技役j)、「赤7−リプレイ−赤7」(再遊技役k)とする。
これと同様に、再遊技役cの図柄組合せを構成する「青7」図柄についても、「青7−リプレイ−ベル」(再遊技役l)、「ベル−青7−ベル」(再遊技役m)、「ベル−リプレイ−青7」(再遊技役n)「青7−青7−ベル」(再遊技役o)、「ベル−青7−青7」(再遊技役p)、「青7−リプレイ−青7」(再遊技役q)という、図柄組合せおよび再遊技役を設ける。そして、役抽選で複合Aが決定された場合は再遊技役a〜dおよびe〜qを当選役とし、複合Bが決定された場合は再遊技役a〜qを当選役とする。
これにより、例えば役抽選で複合Aが決定された場合において、遊技者が中→左→右または中→右→左の順序でストップスイッチを操作したことにより再遊技役bが入賞するような引込制御が行われるときに、すべてのリールで「赤7」図柄の目押しに失敗したときは、再遊技役eを入賞させるリール停止制御を行う。また、いずれか1つのみリールで「赤7」図柄の目押しに成功したときは、目押しに成功したリールに応じて再遊技役f〜hのいずれかを入賞させるリール停止制御を行う。さらに、2つのリールで「赤7」図柄の目押しに成功したときは、目押しに成功したリールに応じて再遊技役i〜kのいずれかを入賞させるリール停止制御を行う。
また、遊技者が右→左→中または右→中→左の順序でストップスイッチを操作したことにより再遊技役cが入賞するような引込制御が行われるときに、すべてのリールで「青7」図柄の目押しに失敗したときは、再遊技役eを入賞させるリール停止制御を行う。また、いずれか1つのみリールで「青7」図柄の目押しに成功したときは、目押しに成功したリールに応じて再遊技役f〜hのいずれかを入賞させるリール停止制御を行う。さらに、2つのリールで「青7」図柄の目押しに成功したときは、目押しに成功したリールに応じて再遊技役i〜kのいずれかを入賞させるリール停止制御を行う。
役抽選で複合Bが決定された場合も上述したリール停止制御と同様に、ストップスイッチの操作順序に応じて、再遊技役bまたは再遊技役cを取りこぼした場合でも、何らかの再遊技役が必ず入賞するようなリール停止制御を行うとよい。
次に、図4に示された小役3a〜3dの図柄組合せを見ると、通常遊技中に、左リール40Lについては「リプレイ」図柄が、中リール40Cおよび右リール40Rについては、各々、「チェリー」図柄または「スイカ」図柄のいずれか一方が、入賞ラインL上に停止表示されれば、小役3a〜3dのいずれか1つが入賞することになる。これを踏まえて図2(a)の図柄配列を見ると、通常遊技中に小役3a〜3dが当選した場合は、如何なるタイミングでストップスイッチ37L,37C,37Rを操作しても、小役3a〜3dのうちいずれか1つを入賞させることができる。
ここで、図4の「同時当選役」欄に示す様に、役抽選で複合C〜複合Eが決定されたときは、当選役の中に小役1および小役3a〜3dが含まれている。すなわち、複合Cが決定された時は、リール停止制御手段132は、ストップスイッチ37L,37C,37Rが左→中→右または左→右→中の順序で操作されたときに小役1を入賞させ、それ以外の順序でストップスイッチが操作された時は、そのタイミングに応じて小役3a〜3dのいずれか1つを入賞させるリール停止制御を行う。また、複合Dが決定された時は、ストップスイッチ37L,37C,37Rが中→左→右または中→右→左の順序で操作されたときに小役1を入賞させ、それ以外の順序でストップスイッチが操作された時は、そのタイミングに応じて小役3a〜3dのいずれか1つを入賞させるリール停止制御を行う。さらに、複合Eが決定された時は、ストップスイッチ37L,37C,37Rが右→左→中または右→中→左の順序で操作されたときに小役1を入賞させ、それ以外の順序でストップスイッチが操作された時は、そのタイミングに応じて小役3a〜3dのいずれか1つを入賞させるリール停止制御を行う。
このように、リール停止制御手段132は、複合A〜複合Eのいずれかが当選したときは、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に応じて入賞させる役を変更している。なお、複合C〜複合Eが決定されたときのリール停止制御では、最初に操作されたストップスイッチの種類に応じて入賞させる小役を変更していたが(いわゆる3択のAT)、さらに複合抽選対象を増やして、最初から最後までのストップスイッチの操作順序(すなわち、6通りの操作順序)について、小役1が入賞することとなる操作順序を個々に異ならせても良い(いわゆる6択のAT)。
また、役抽選で複合AまたはBが決定されたときは、遊技者に対して指示を行った場合を除き、左→中→右または左→右→中の順序以外の操作順序でストップスイッチが操作された場合、遊技者に対して何等かのペナルティを課すようにしてもよい。このペナルティの内容は、従来のペナルティを採用することができるが、例えば、後述するサブボーナスゲームに関する抽選を行わないことや、サブボーナスゲームの開始を予定していたときに、その予定を取り消すことなどが考えられる。
また、図4に示す様に、特殊複合が当選した時は、小役3eおよび3fが同時に当選することになるが、この場合、リール停止制御手段132は、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作タイミングに応じて、各役に対応する図柄組合せを構成している図柄の引込制御を行う。ここで、図2(a)に示されている図柄配列によれば、各リールに「赤7」図柄と「青7」図柄は1つずつしか配置されておらず、双方の図柄の間には、少なくとも7つの図柄が配置されている。このため、特殊複合が当選した場合は、各図柄を目押しできなければ、小役3eおよび3fのいずれも入賞させることができない(すなわち、取りこぼす)可能性が高くなる。
さらに、内部中(RT中)はMB役が当選した状態が維持されることから、MB役と、小役または再遊技役とが、同時に当選した状態となる。この場合、リール停止制御手段132は、再遊技役または小役を優先的に入賞させるリール停止制御を行う。これにより、図5を参照して説明したように、内部中における役抽選ではハズレとなる場合がないため、MB役を入賞させることができるのは、特殊複合に当選し、かつ、小役3eまたは3fを入賞させることができないタイミングでストップスイッチ37L,37C,37Rを操作した時に限られる。
<フリーズ演出手段の説明>
図3に戻り、フリーズ演出手段140は、通常遊技中または上乗せART中において、単位遊技が行われる毎にフリーズ演出抽選を行い、この抽選に当選するとフリーズ演出を行う。ここで、フリーズ演出抽選は、0〜8191(整数)の数値範囲内で発生させた乱数値と、図7(a)に示す抽選テーブルとに基づいて行われる。この抽選テーブルにおいては、「設定1」〜「設定6」で対応する置数が異なっており、「設定」の値が大きくなる程、置数の値が大きく(すなわち、当選確率が高く)なっている。
また、フリーズ演出は、規定枚数を投入してスタートスイッチ36が操作された後に開始される演出であり、フリーズ演出中はスロットマシン10に対する遊技者の操作が無効化される。例えば、フリーズ演出中にリール40L,40C,40Rが回転しても、遊技者はストップスイッチ37L,37C,37Rの操作によってリールの回転を停止させることはできない。また、フリーズ演出中に、画像や音声を用いた演出や、リール40L,40C,40Rの回転動作や特定の図柄組合せを停止表示させることによる演出を適宜行い、フリーズ演出を開始してから所定時間が経過すると、フリーズ演出を終了して、リール40L,40C,40Rを定速まで加速して単位遊技を再開する。
<疑似遊技演出手段の説明>
図3に戻り、疑似遊技演出手段150は、非内部中または内部中の単位遊技において、スタートスイッチ36の操作によって、リール40L,40C,40Rを回転させ、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作に応じて対応するリールの回転を停止させる、疑似遊技演出を行う。なお、疑似遊技演出中に、いずれかの役に対応する図柄組合せが停止表示されたとしても、演出の一環として表示された図柄組合せであって、単位遊技中における入賞とはみなされない。
疑似遊技演出手段150は、通常遊技中もしくは上乗せART中に、(ア)役抽選で「特殊複合」が決定されたとき、(イ)上述したフリーズ演出抽選で当選したとき、(ウ)前述したサブBBが終了したとき、または、(エ)通常遊技中において所定の単位遊技回数が行われたときに開始される。また、上述した(ア)および(イ)のときに実行する疑似遊技演出では、リール40L,40C,40Rの回転および停止(疑似単位遊技)を何回繰り返すのかを、図7(b)に示す確率に従って決定する。すなわち、疑似単位遊技の回数は、1/5の確率で0回となり、3/5の確率で3回となり、1/5の確率で7回となる。なお、疑似単位遊技の回数が0回に決定された場合は疑似遊技演出が実行されない。一方、上述した(ウ)のときに開始される疑似遊技演出では、疑似単位遊技を7回行い、(エ)のときには3回行うものとする。
また、疑似遊技演出手段150は、1回の疑似単位遊技において、通常遊技中と同様に、遊技者がストップスイッチを操作した時点から190ミリ秒以内に、対応するリールの回転を停止させる。さらに、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序(6通り)のうち、特定の図柄について引込制御を行う操作順序(以下、「正解押し順」ともいい、正解押し順以外の操作順序を「不正解押し順」ともいう。)を抽選によって決定する。ここで、抽選によって複数通りの操作順序を正解押し順としても良いが、本実施形態では、1つの操作順序を正解押し順として抽選する。
また、ストップスイッチが正解押し順で操作されたときに、引込制御の対象とする図柄は、前述した(ア)〜(ウ)のときに開始される疑似遊技演出では「赤7」図柄、(エ)のときに開始される疑似遊技演出では、「リプレイ」図柄とする。さらに、「赤7」図柄が引込制御の対象となる場合は、正解押し順でストップスイッチを操作してもそのタイミングによっては入賞ラインL上に「赤7」図柄を停止表示させることができない場合があるが、この場合は、「リプレイ」図柄または「ベル」図柄を入賞ラインL上に停止させる。このとき、たとえば「リプレイ」図柄が既に停止していたときは「ベル」図柄を入賞ラインL上に停止させて、できるだけ異なる種類の図柄が入賞ラインL上に停止表示されるように、リールを停止させる。なお、(ア)〜(エ)のいずれの場合でも、ストップスイッチ37L,37C,37Rが不正解押し順で操作された場合は、「赤7」図柄、「青7」図柄、「リプレイ」図柄または「ベル」図柄以外の図柄を入賞ラインL上に停止させる。
<入賞判定手段の説明>
入賞判定手段160は、遊技状態制御手段162を有し、リール40L,40C,40Rがすべて停止すると、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが、何らかの役に対応するか否か(すなわち、何らかの役が入賞したか否か)を判定する。また、その判定結果に基づいて、遊技状態制御手段162に遊技状態の移行制御を行わせる。ここで、入賞判定手段160は、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せを直接認識しなくともよく、各リールにおいて、予め定められた位置(例えば、各リールの下段Uや、各リールの表示窓22の枠上など)の図柄を認識することで、間接的に入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せを判断しても良い。また、入賞判定後に、小役または再遊技役の当選状態(MB役の当選状態を除く)を非当選状態にし、当選していたMB役が入賞したときに、MB役の当選状態を非当選状態にする。
遊技状態制御手段162は、図6の遷移図に示すように、遊技状態が「非内部中」(「非RT」中)のときにMB役が当選すると、遊技状態を「内部中」(「RT」中)に移行させる。また、「内部中」にMB役が入賞すると、遊技状態を「MB遊技」中に移行させる。さらに、MB遊技の終了条件が成立したか否か(メダル払出枚数が18枚を超えたか否か)を判断し、成立したと判断したときは、遊技状態を「非内部中」に移行させる。
<入賞処理手段の説明>
図3に戻り、入賞処理手段170は、入賞判定手段160によっていずれかの小役が入賞したと判定されるとホッパー駆動回路80によってメダル払出装置82を駆動し、入賞した小役に対応する枚数のメダルを払い出すための制御を行う。具体的には、メダル払出装置82が、1枚ずつメダルを払い出すたびに出力する払出信号を計数し、入賞した小役に対応する枚数が排出されたと判断すると、メダル払出装置82の駆動を停止させる。
<外部信号出力手段の説明>
外部信号出力手段180は、全リールの回転が停止して単位遊技が終了すると、現在の遊技状態を判断し、当該判断結果に応じた遊技状態信号を、外部集中端子基板84へ出力する。また、この遊技状態信号の種類としては、前述したIN信号、OUT信号、MB信号、RP信号、異常発生信号、スタート信号、サブBB信号、サブRB信号、および、上乗せART信号を、外部集中端子基板84へ出力する。これらの各信号は、外部集中端子基板84で1つのコネクタにまとめられ、当該コネクタを介して、前述した遊技情報表示装置やホールコンピュータなどへ出力される。
<遊技状態記憶手段の説明>
遊技状態記憶手段190は、例えば不揮発性のメモリで構成され、スロットマシン10の電源が遮断されたと判断された時に、その時点の遊技状態を記憶する。記憶される遊技状態の内容としては従来と同様であり、例えば、遊技状態(再遊技、内部中/非内部中/MB遊技中の種別、サブRB/サブBB/上乗せARTの種別など)、メダル払出枚数の残り枚数、MB遊技中の累積払出枚数、貯留枚数などがある。そして、再び電源が投入されると、主制御回路100は、遊技状態記憶手段190に記憶された遊技状態を参照して、電源が遮断されたときの状態に復帰する。
≪副制御回路の説明≫
<副制御回路およびその周辺のハードウェア構成>
副制御回路200は、CPU、ROM、RAM、音声や画像を生成するための各種専用ICや、主制御回路100、情報入力手段500および演出報知手段600と情報の授受を行うためのインターフェイス回路などによって構成されている。また、副制御回路200は、主制御回路100の他にも、情報入力手段500および演出報知手段600と電気的に接続している。ここで、情報入力手段500は、図1(b)に示した方向ボタンスイッチ38および決定ボタンスイッチ39を含んで構成されている。また、演出報知手段600は、図1(a)に示した表示装置70および上部演出ランプ72と、スロットマシン10の下方内部に設けられたスピーカ64L,64Rと、を含んで構成されている。
<副制御回路の機能ブロック>
次に、副制御回路200の機能ブロックについて説明する。副制御回路200は、主に演出制御手段210と、報知遊技移行手段220と、疑似遊技演出報知手段230と、遊技情報記憶手段240と、記憶制御手段250とを含んでいる。
<演出制御手段の説明>
演出制御手段210は、演出データ記憶手段212と、演出抽選手段214とを有し、単位遊技中に演出報知手段600が実行する演出を制御する。演出データ記憶手段212は、演出データとして、各種演出を実行するための画像(動画または静止画)データ、音声、楽音及び効果音データ、上部演出ランプ72の点滅パターンデータ等を記憶している。演出抽選手段214は、主制御回路100から送信される役抽選の結果および遊技状態に応じて、実行する演出の内容を抽選によって決定する。これにより、演出制御手段210は、演出抽選手段214によって決定された演出内容に対応する画像(動画または静止画)データ、効果音または楽音データ、点滅パターンデータに基づく各種制御信号を生成し、演出報知手段600へ出力する。
<報知遊技移行手段の説明>
報知遊技移行手段220は、報知期間制御手段222および操作態様報知手段224を有し、通常遊技中において、より多くのメダルが獲得可能な遊技者にとって有利な遊技状態となる報知遊技を実行する。以下、この報知遊技をART遊技と称する。ART遊技では、前述した役抽選手段110で複合C〜Eのいずれかが決定されたときに、小役1が入賞する操作順序が報知される。ここで、報知される操作順序は決定された抽選対象に応じて異なる(図5中、複合C〜Eの備考欄参照)。これにより、遊技者が報知された操作順序に従ってストップスイッチ37L,37C,37Rを操作すると、小役1が入賞してメダルが5枚払い出されることになる。これに対して操作順序が報知されなかった場合は、小役3が入賞する操作順序でストップスイッチ37L,37C,37Rを操作してしまい、1枚の払い出ししか受けられない場合がある。
また、前述したように本実施形態におけるART遊技が行われる遊技状態(以下、「ART状態」ともいう)には、サブRB、サブBBおよび上乗せART遊技の3つの状態がある。サブRBは、連続して20回の単位遊技(以下、単位遊技が行われる回数を示す単位を「ゲーム」と称する)が行われる間、ART遊技が行われる遊技状態である。サブBBは、連続して50ゲームの間、ART遊技が行われる遊技状態である。上乗せART遊技は、サブBBの終了時に、ストック(ART遊技を行う権利)を有している場合に移行する遊技状態であり、ストックが無くなると終了する遊技状態である。
報知期間制御手段222は、ART遊技の開始および終了を制御する。まず、通常遊技中において、主制御回路100の役抽選手段110で特殊複合が決定されたとき、または、フリーズ演出手段140においてフリーズ演出抽選に当選したときに、図8に示すサブボーナス抽選テーブルに基づいてサブボーナス抽選を行う。このサブボーナス抽選における抽選対象は、上述したサブBBおよびサブRBに加え、昇格サブBBが含まれ、各サブボーナスの当選確率は、図8に示すように「設定1」〜「設定6」で各々異なっている。ここで、昇格サブBBは、サブBBと同様に、連続して50ゲームの間、ART遊技が行われる遊技状態であるが、開始条件がサブRBと同じであるため、開始当初は、サブRBが開始したのか、昇格サブBBが開始したのか遊技者には判断できない。しかしながら、昇格サブBBにおいては、サブRBの終了条件が成立しても(開始から20ゲーム経過後も)サブボーナスの状態が継続するため、遊技者は現在のART状態が昇格サブBBであることがわかる。昇格サブBBはサブBBの一種であるため、以下において特にことわりなく単に「サブBB」といった場合は、昇格サブBBを含むものとする。また、サブBB昇格サブBBおよびサブRBをまとめて、「サブボーナス」という。
そして、図9に示すように、サブボーナス抽選でサブRBに当選し、かつ、入賞ラインL上に「青7−青7−青7」の図柄組合せが停止表示されると、次の単位遊技からサブRBが開始し、20ゲーム行われるとサブRBが終了して、通常の遊技状態(非ART状態)に戻る。また、サブボーナス抽選で昇格サブBBに当選したときは、入賞ラインL上に「青7−青7−青7」の図柄組合せが停止表示されると、次の単位遊技から昇格サブBBが開始し、50ゲーム行われると昇格サブBBが終了する。これに対して、サブボーナス抽選で昇格サブBBに当選したときは、入賞ラインL上に「赤7−赤7−赤7」の図柄組合せが停止表示されると、次の単位遊技からサブBBが開始し、50ゲーム行われるとサブBBが終了する。
また、サブBBまたは昇格サブBBへ移行した時は、開始から25ゲーム目(前半の25ゲーム)までは、現在のサブBBまたは昇格サブBBが終了したときに、引き続き新たなサブBBへ移行するか(いわゆる連チャンするか)否かを決定する連チャン抽選を行う。また、サブBBまたは昇格サブBBが開始してから26ゲーム目から50ゲーム目(後半の25ゲーム)までは、前述したストックを発生させるか否かを決定するストック抽選を行う。なお、連チャン抽選およびストック抽選を行う条件、当選確率、「設定」ごとに当選確率を異ならせるか否かについては適宜定めればよい。なお、本実施形態においては、連チャン抽選およびストック抽選を、前後半の各25ゲームの間、毎ゲーム行うものとする。
そして、サブBBまたは昇格サブBBが終了すると、疑似遊技演出が開始され、連チャン抽選に当選していれば、入賞ラインL上に「赤7−赤7−赤7」の図柄組合せが停止表示されると、次の単位遊技から再びサブBBが開始される。これに対して、連チャン抽選に当選していなかったときは、疑似遊技演出において「赤7−赤7−赤7」の図柄組合せが停止表示されず、10ゲームの間、上乗せART状態へ移行する。上乗せART状態においては、サブボーナス中と同様に、役抽選で複合C〜Eが決定されると、小役1が入賞する操作順序が報知される。そして、10ゲームが行われると非ART状態へ移行するが、この間、役抽選で特殊複合が決定されるか、フリーズ演出抽選に当選すると、上乗せ抽選を行い、当選すると上乗せART状態の残りゲーム数に10ゲームが加算される。そして残りゲーム数が「0」になると、上乗せART状態を終了して非ART状態へ移行する。
前述したように、副制御回路200から主制御回路100への情報の伝達は行われないため、主制御回路100は直接的にはART状態を認識できない。しかしながら、図10に示す判断を行うことで、主制御回路100も間接的にART状態を把握することができる。すなわち、非ART状態において、「青7−青7−青7」の図柄組合せが停止表示され、かつ、20ゲーム経過後に、役抽選で複合C〜Eが決定された時に、小役1が入賞しなかった場合(1回のみでも所定回数でもよい)、サブRBへ移行していたとみなすことができる。また、非ART状態において、「青7−青7−青7」の図柄組合せが停止表示され、かつ、20ゲームが経過した後も、役抽選で複合C〜Eが決定された時に、小役1が入賞した場合、昇格サブBBへ移行したとみなすことができる。
また、非ART状態において、「赤7−赤7−赤7」の図柄組合せが停止表示されたときは、サブBBに移行したとみなすことができ、それから50ゲームが経過した時に、サブBBが終了したとみなすことができる。さらに、サブBBの終了後に行われる疑似遊技演出で、「赤7−赤7−赤7」の図柄組合せが停止表示されたときは、サブBBが連チャンしたとみなすことができ、「赤7−赤7−赤7」の図柄組合せが停止表示されなかったときは、上乗せART状態へ移行したとみなすことができる。そして、上乗せART状態へ移行した後に、役抽選で複合C〜Eが決定されても小役1が入賞しなかったときは、上乗せART状態が終了したとみなすことができる。
図3に戻り、操作態様報知手段224は、報知期間制御手段222によってART遊技(サブRB、昇格サブBB、サブBBまたは上乗せART状態)が開始されると、主制御回路100の役抽選手段110による役抽選で、複合C〜Eが当選した時に、小役1が入賞する操作順序を遊技者に報知する。この操作順序の報知は、表示装置70に表示される画像や、スピーカ64L,64Rから出力される音声によって行われるが、その他にも、従来と同様の報知手段および報知方法による操作態様の報知が可能である。
<疑似遊技演出報知手段の説明>
疑似遊技演出報知手段230は、疑似遊技演出中に、主制御回路100の疑似遊技演出手段150で決定された正解押し順を、遊技者に対して報知する。正解押し順の報知態様は、上述した操作態様報知手段224と同様の報知態様を採用することができる。
<遊技情報記憶手段の説明>
遊技情報記憶手段240は、単位遊技が行われていくことによって更新されていく遊技に関する情報を記憶し、電源の供給が停止しても記憶した内容を保持する不揮発性メモリによって構成されている。また、異常履歴、遊技履歴記憶領域、判断情報記憶領域および異常発生記憶領域といった複数の記憶領域が設けられており、各記憶領域ごとに、記憶している情報を消去する条件が定められている。これら各記憶領域に記憶される情報の種類と、その消去条件については、後に詳しく説明する。
<記憶制御手段の説明>
記憶制御手段250は、単位遊技が行われたことによって遊技に関する情報が更新されると、遊技情報記憶手段240において、更新された情報が記憶されている記憶領域にアクセスし、記憶されている情報を更新後の内容に書き換える。また、上述した消去条件が成立した場合、遊技情報記憶手段240において、当該成立した消去条件に対応する記憶領域の情報を消去する。
≪情報入力手段から入力された情報に基づく処理の概略説明≫
副制御回路200は、図3に示した情報入力手段500から入力された要求に応じて遊技情報記憶手段240に記憶されている遊技履歴情報を出力するとともに、情報入力手段500から入力された遊技履歴情報に基づいて遊技の状態を再現し、再現した遊技の状態から遊技を再開する。
例えば、リール40L,40C,40Rが全て停止している状態で、遊技者が決定ボタンスイッチ39を押すと、副制御回路200は、表示装置70にメニュー画面を表示させる。そして、遊技者が、方向ボタンスイッチ38および決定ボタンスイッチ39を操作することによって、表示されたメニュー画面の中から遊技履歴情報を出力するコマンドを指定すると、副制御回路200は、遊技情報記憶手段240の遊技履歴記憶領域から、その時点における遊技履歴情報を読み出して表示装置70に表示させる。ここで、遊技履歴情報の表示態様としては、遊技者が理解可能な文字や数字である必要はなく、例えば、一般的なカメラ付き携帯電話によって読み取ることができる2次元バーコードで表示してもよい。
また、表示する2次元バーコードに、遊技履歴情報の他にも所定のサーバの所在地を示すURL(Uniform Resource Locator)情報を含めておき、携帯電話から、読み取った2次元バーコードに含まれていたURL情報に基づいてサーバにアクセスし、遊技履歴情報をそのサーバへ送信するようにしてもよい。このような構成にした場合、サーバにおいて、各遊技者がスロットマシン10で行った遊技履歴を管理することが可能となる。
また、遊技者が情報入力手段500から遊技履歴情報を入力した場合は、副制御回路200は、入力された遊技履歴情報を遊技情報記憶手段240の遊技履歴記憶領域に書き込み、その後に行われた遊技の進行に応じて、遊技履歴記憶領域内の遊技履歴情報を更新する。なお、情報入力手段500から遊技者が入力する遊技履歴情報は、例えば、遊技者を特定可能なID情報とともに、一定のルールに従って英数字に変換されたパスワードであっても良い。パスワードの入力方法としては、例えば、前述したメニュー画面から遊技者が、方向ボタンスイッチ38および決定ボタンスイッチ39を操作することによって、パスワード入力画面を表示するコマンドを指定すると、副制御回路200は、複数種類の英数字が表示されているパスワード入力画面を表示装置70に表示させる。これにより遊技者は、方向ボタンスイッチ38および決定ボタンスイッチ39を操作して、表示された英数字の中から入力しようとするパスワードを構成する英数字を、一文字ずつ指定していくことで、パスワードの入力が可能となる。なお、上述したパスワードは、表示装置70から2次元バーコードを読み取った携帯電話生成しても良いし、携帯電話から遊技履歴情報を受信したサーバで生成しても良い。
≪主制御回路から副制御回路へ送信される情報の説明≫
次に図11を参照して、単位遊技中に主制御回路100から副制御回路200へ送信される主な情報について説明する。主制御回路100から副制御回路200へ送信される情報は、コマンドという形態で送信される。1つのコマンドは、コマンドの種類を識別するための識別情報と、そのコマンドによって送信する情報の内容を示す送信情報とによって構成されている。副制御回路200は、主制御回路100から受信したコマンドの種類およびコマンドと共に送られて来た情報に基づいて、単位遊技の進行について認識し得るとともに、各種演出に関する処理を行う。
なお、図11に示すコマンドの一覧は、1回の単位遊技が行われるごとに主制御回路100から副制御回路200へ送信される主立った情報を示しているが、疑似遊技演出中においても、例えば各種スイッチの操作が行われたときや、リールの回転開始時または停止時などに、通常遊技中と同様のコマンドが送信されるようにしてもよい。また、図11に示すコマンド以外にも、疑似遊技演出中に、副制御回路200において演出や報知に関する制御を行わせる場合は、必要な情報を適宜送信するようにしても良い。
(主なコマンドの内容)
以下に、図11に示す各種コマンドの内容について説明する。
(1)設定値指定コマンド
新たな単位遊技の処理を開始する時に、スロットマシン10にセットされている現在の「設定」の値(「1」〜「6」のいずれか)を送信するためのコマンドである。ここで、「新たな単位遊技の処理を開始する時」とは、後述する単位遊技終了コマンドの送信直後の状態をいう。
(2)遊技状態コマンド
上述した設定値指定コマンドに続いて送信されるコマンドであり、次に行われる単位遊技が、MB遊技、再遊技、または、それらのいずれでもない遊技の、いずれであるかを示す情報を送信する。
(3)RT状態コマンド
上述した遊技状態コマンドに続いて送信されるコマンドであり、現在のRT状態が「非RT」中であるか、「RT」中であるかを示す情報を送信する。
(4)MB獲得可能枚数コマンド
MB遊技中に、上述したRT状態コマンドに続いて送信されるコマンドであり、MB遊技の終了条件が成立するまでに獲得することができる残りのメダル枚数を示す情報を送信する。
(5)メダル投入コマンド
ベットスイッチ34,35が操作されたとき、または、メダル投入口32にメダルが投入されたときに、投入されたメダルの枚数を送信するためのコマンドである。ここで、1−ベットスイッチ34が操作されたときは、自動メダル投入(1)コマンドが送信される。また、最大ベットスイッチ35が操作されたときは、MB遊技中は自動メダル投入(2)コマンドが、MB遊技中でなければ自動メダル投入(3)コマンドが送信される。さらに、メダル投入口32にメダルが投入されるごとに、手動メダル投入コマンドが送信される。
(6)スタートスイッチ受付コマンド
スタートスイッチ36の操作が有効なときに、スタートスイッチ36が操作されると送信されるコマンドであり、スタートスイッチ36が操作されたときに投入されていたメダル枚数(2枚または3枚)の値を送信する。
(7)役抽選結果1コマンド
スタートスイッチ36が操作されたことによって役抽選が行われると送信されるコマンドであり、役抽選の結果を示す情報を送信する。ここでは、役抽選によって当選とされた抽選対象(但しMB役を除く)が送信される。すなわち、「小役2」、「複合A」、「複合B」、「複合C」、「複合D」、「複合E」または「特殊複合」のいずれかが送信される。また、役抽選の結果いずれの抽選対象も決定されなかった場合(「非RT」中に起こり得る)は、「ハズレ」を示す情報が送信される。さらに、MB遊技中は、役抽選とは無関係に全ての小役が当選とされるため、「全小役当選」を示す情報が送信される。
(8)役抽選結果2コマンド
役抽選結果1コマンドに続いて送信されるコマンドであり、MB役が当選している状態になっているか否かを送信する。ここで、内部中は単位遊技が行われる毎に、MB役が当選していることが送信される。
(9)疑似遊技演出開始コマンド
役抽選結果2コマンドが送信された後に行われる疑似遊技演出処理(後述する)において、所定の条件を満たしたことにより、疑似遊技演出を開始することが決定されたときに送信されるコマンドである。本実施形態では、1回の疑似遊技演出中に3回または7回の疑似単位遊技があるため、実行する疑似単位遊技の回数を示す情報も併せて送信される。また、詳しくは後述するが、主制御回路100が、副制御回路200で異常が生じているか否かを把握するために疑似遊技演出を行うことがあり、その場合、副制御回路200に対する異常チェックを指示する旨の情報も併せて送信される。
(10)操作順序抽選結果コマンド
疑似遊技演出中のリール停止制御では、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に応じて、予め定められた図柄組合せが停止表示されるように引込制御を行うか否かを切り替えている。この引込制御を行う操作順序は、疑似単位遊技を行うごとに乱数抽選によって決定しており、操作順序抽選結果コマンドによって決定した操作順序を送信する。
(11)疑似遊技演出終了コマンド
上述した疑似遊技演出処理において、疑似遊技演出が終了したときに送信されるコマンドである。なお、疑似遊技演出が行われないときは、副制御回路200に対して上述した疑似遊技演出開始コマンド、操作順序抽選結果コマンドおよび疑似遊技演出終了コマンドは送信されない。
(12)フリーズ演出開始コマンド
後述する疑似遊技・フリーズ演出処理において、フリーズ演出を実行することが決定されたときに、そのことを副制御回路200へ送信する。
(13)停止表示図柄組合せコマンド
上述したフリーズ演出において、主制御回路100が、リール40L,40C,40Rを回転させた後に、入賞ラインL上に停止表示させた図柄組合せの内容を示す情報を送信する。
(14)回転待機終了コマンド
役抽選結果2コマンドの送信後、または、疑似遊技演出もしくはフリーズ演出が行われた場合はその後、前回の単位遊技でスタートスイッチ36が操作されてから4.1秒が経過すると、送信されるコマンドである。なお、回転待機終了コマンドを送信しようとしたときに、既に4.1秒が経過していたときは、待機することなく直ちに回転待機終了コマンドが送信される。
(15)回転開始コマンド
回転待機終了コマンドに続いて送信されるコマンドであり、左リール40Lが回転を開始したときに左リール回転開始コマンドが送信され、中リール40Cが回転を開始したときに中リール回転開始コマンドが送信され,右リール40Rが回転を開始したときに右リール回転開始コマンドが送信される。
(16)リール停止受付コマンド
回転中のリールに対応するストップスイッチが操作されると、操作されたストップスイッチに応じて、左リール停止受付コマンド、中リール停止受付コマンド、または、右リール停止受付コマンドが送信される。また、各リール停止受付コマンドが送信される際に、併せて、対応するリールに対する停止制御によって、入賞ラインL上に停止させる予定の図柄番号(以下、停止図柄番号という。)を示す情報と、滑りコマ数を示す情報とが送信される。
(17)リール停止コマンド
送信されたリール停止受付コマンドに対応するリールが、回転を停止したときに送信されるコマンドである。
(18)作動図柄コマンド
全リールの回転が停止し、入賞判定が行われると送信されるコマンドであり、入賞判定の結果、入賞した役(小役1、小役2、小役3a〜3f、再遊技役a〜dまたはMB役)を示す情報を送信する。また、入賞した役がなかった場合でも、「赤7−赤7−赤7」および「青7−青7−青7」の図柄組合せが停止表示されたときは、それらの図柄組合せが停止表示されたことを送信する。
(19)メダル払出開始コマンド
作動図柄コマンドに続いて送信されるコマンドであり、小役が入賞した場合は、そのときの遊技状態(MB遊技中か否か)に応じた払出枚数を示す情報を送信する。また、MB役もしくは再遊技役が入賞したとき、または、いずれの役も入賞しなかったときは、払出枚数が0枚であることを示す情報を送信する。
(20)メダル払出終了コマンド
単位遊技の結果、小役が入賞したことによってメダルが払い出され、当該メダルの払い出しが終了したときに送信されるコマンドである。
(21)MB遊技終了コマンド
MB遊技中にメダル払出終了コマンドが送信された後に送信されるコマンドであり、小役が入賞したことによりメダルが払い出された結果、MB遊技の終了条件が満たされたときに送信されるコマンドである。
(22)単位遊技終了コマンド
1回の単位遊技で行うべき処理が全て終了したときに送信されるコマンドである。
(23)遊技制御停止コマンド
外部集中端子基板84に対して、遊技制御の停止を指示する遊技停止信号が、外部から入力されたときに送信されるコマンドである。
(24)遊技制御再開コマンド
外部集中端子基板84に対して、停止中の遊技制御を再開させることを指示する遊技再開信号が、外部から入力されたときに送信されるコマンドである。
[制御回路で行われる各種処理の説明]
次に、上述した制御回路によって行われる各種の制御について、フローチャートを参照して説明する。
≪主制御回路における制御処理の説明≫
まず、図12〜図17に示すフローチャートを参照して、主制御回路100が行う処理について説明する。
<メインルーチンの説明>
図12に示すフローチャートを参照して、単位遊技の制御を行うためのメインルーチンの内容について説明する。
まず、スロットマシン10の電源が投入されると、主制御回路100は、スロットマシン10の内部に設けられている各種スイッチにおいて、「設定」の値を変更するための操作がなされているか否かを判断し、「設定」の値を変更するための操作がなされている場合は、その後の操作に応じて現在の「設定」を変更する電源投入処理を行う(ステップS10)。次に、主制御回路100は、スロットマシン10に設定されている「設定」値(1〜6のいずれか)の情報を含んだ設定値指定コマンドを、副制御回路200へ送信する(ステップS12)。そして、これから行う単位遊技がMB遊技または再遊技であれば、そのいずれであるのかを示す情報を含んだ遊技状態コマンドを、副制御回路200へ送信する(ステップS14)。さらに、現在のRT状態が、非RT中であるのか、RT中であるのかを示す情報を含んだRT状態コマンドを副制御回路200へ送信する(ステップS16)。
次に、主制御回路100は、現在の遊技状態がMB遊技中であるか否かを判断し(ステップS18)、MB遊技中である(YES)と判断したときは、MB遊技の終了条件が成立するまでの残りメダル枚数を含むMB獲得可能枚数コマンドを副制御回路200に対して送信する(ステップS20)。主制御回路100が、ステップS20の処理を行うと、または、ステップS18の判断処理でMB遊技中ではない(NO)と判断したときは直ちに、次に行う単位遊技が再遊技であるか否かを判断する(ステップS22)。主制御回路100が次に行う単位遊技が再遊技である(YES)と判断したときは、規定枚数が2枚となるMB遊技中には再遊技役が入賞しないことから(MB遊技中は、全小役が当選した状態にされる)、副制御回路200に対して自動メダル投入(3)コマンドを送信する(ステップS24)。
主制御回路100がステップS24の処理を行うと、または、ステップS22の判断処理で次に行う単位遊技が再遊技でない(NO)と判断したときは直ちに、遊技者によってメダルの投入操作(ベットスイッチの操作またはメダル投入口へのメダルの投入)が行われた否かを判断する(ステップS26)。メダルの投入操作が行われた(YES)と判断したときは、主制御回路100は、再度、次に行う単位遊技が再遊技であるか否かを判断する(ステップS28)。そして、次に行う単位遊技が再遊技では無い(NO)と判断したときは、1−ベットスイッチ34または最大ベットスイッチ35が操作されたか否かを判断する(ステップS30)。主制御回路100が、いずれかのベットスイッチが操作された(YES)と判断したときは、操作されたベットスイッチの種類と、現在の遊技状態に応じて自動メダル投入(1)〜(3)コマンドのいずれかを副制御回路200へ送信する(ステップS32)。
一方、ステップS30の判断処理で、主制御回路100がいずれのベットスイッチも操作されなかった(NO)と判断したときは、メダル投入口32にメダルが投入されたか否かを判断する(ステップS34)。そして、メダルが投入された(YES)と判断したときは、副制御回路200に対して手動メダル投入コマンドを送信する(ステップS36)。なお、このときスロットマシン10に投入されているメダルの枚数が、規定枚数に到達していたときは、投入されたメダルの枚数を、記憶しているクレジット数(貯留枚数)に加算する。次に、主制御回路100は、ステップS32またはS36の処理が終了すると、投入されたメダルの枚数が規定枚数に達したか否かを判断する(ステップS38)。なお、ステップS26の判断処理で、メダルの投入操作が行われなかった(NO)と判断したときは、直ちにステップS38の判断処理へ移行する。
ステップS38の判断処理で、主制御回路100が、投入されたメダルの枚数が規定枚数に達していない(NO)と判断したときは、前述したステップS26の判断処理へ戻る。これに対して、投入されたメダルの枚数が規定枚数に達した(YES)と判断したときは、次にスタートスイッチ36が操作されたか否かを判断する(ステップS40)。ここで、ステップS22およびS28で、次に行う単位遊技が再遊技である(YES)と判断された時は、ステップS38の判断結果はYESとなる。そして、ステップS40の判断処理で、主制御回路100が、スタートスイッチ36が操作されていない(NO)と判断したときは、ステップS26の判断処理に戻る。このように、投入されたメダルの枚数が規定枚数に達し、かつ、スタートスイッチ36が操作されるまで、ステップS26〜S36のメダル投入処理が繰り返し行われる。
ステップS40の判断処理で、主制御回路100が、スタートスイッチ36が操作されたと判断したときは、判断結果がYESとなって、副制御回路200へスタートスイッチ受付コマンドを送信する(ステップS42)。次に、主制御回路100は、役抽選処理を行う(ステップS44)。すなわち、現在の遊技状態が非内部中または内部中であれば、図5に示した役抽選テーブルに基づいて役抽選を行う。また、MB遊技中であれば、全ての小役を当選した状態とする。さらに、遊技状態が「非内部中」(非RT中)であるときに、MB役が当選したときは、遊技状態を「内部中」(RT中)に更新する。この役抽選処理を終えると、主制御回路100は、役抽選結果1コマンドおよび役抽選結果2コマンドを、副制御回路200へ送信する(ステップS46)。
次に主制御回路100は、所定の条件を満たしているか否かに応じて疑似遊技演出またはフリーズ演出を実行する(ステップS48)。これら疑似遊技演出およびフリーズ演出に関する処理の内容については、図13〜図15を参照して後に詳しく説明する。前回の単位遊技でスタートスイッチ36が操作されてから、4.1秒が経過したか否かを判断する(ステップS50)。そして、4.1秒が経過していない(NO)と判断したときは、4.1秒が経過するまで待機状態となり、4.1秒が経過した(YES)と判断すると、回転待機終了コマンドを副制御回路200へ送信する(ステップS52)。次に、主制御回路100は、リール40L,40C,40Rを一斉に回転させるためのリール回転制御を開始し(ステップS54)、次いで副制御回路200へリール回転開始コマンドを送信する(ステップS56)。
なお、主制御回路100は、ステップS48の疑似遊技・フリーズ演出処理を行ったときは、ステップS54のリール回転制御処理において、リール40L,40C,40Rの回転を開始するタイミングを、各々ランダムに遅延させる。これにより、リール40L,40C,40Rを用いる疑似遊技演出およびフリーズ演出を行ったことによって、これらの演出を行わなかった場合に比べて、例えば遊技者の目押しが有利になるといったことを避けることができる。なお、疑似遊技演出を行った後は、再びリール40L,40C,40Rの回転を開始する際に、一旦、前回の単位遊技で表示窓22に停止表示された図柄に戻してから、各リールを一斉に回転させるようにしてもよい。また、各リールの回転を、各々ランダムに遅延させる場合と、前回の単位遊技の停止表示図柄に一旦戻してから一斉に回転させる場合とを、適宜切り替えて回転させてもよい。
次に主制御回路100は、リール回転速度が定速に達したことにより、ストップスイッチの操作を受け付けることができる状態になると、遊技者によってストップスイッチ37L,37C,37Rのいずれかが操作されたか否かを判断する(ステップS58)。そして、いずれかのストップスイッチが操作された(YES)と判断したときは、操作されたストップスイッチに対応するリール停止受付コマンドを副制御回路200へ送信する(ステップS60)。これにより、副制御回路200では、各リール停止受付コマンドの受信を契機として、実行中の演出内容を切り替えていくなど、演出や各種報知に関する制御が行われる。
ステップS60の処理を行うと、主制御回路100は、操作されたストップスイッチに対応するリールについて、役抽選の結果と、ストップスイッチが操作されたタイミングとに基づいてリール停止制御を行う(ステップS62)。なお、このリール停止制御の内容は、図3に示したリール制御手段132によるリール停止制御について説明した通りである。そして、リール停止制御を行ったことによりリールが停止すると、主制御回路100は、副制御回路200に対してリール停止コマンドを送信する(ステップS64)。次に主制御回路100は、全てのリールが停止したか否かを判断し(ステップS66)、未だ回転しているリールがある(NO)と判断したときは、ステップS58の処理へ戻る。これに対して、全てのリールが停止した(YES)と判断したときは、何らかの役が入賞したか否かを判定する入賞判定処理を行う(ステップS68)。このとき、MB役が入賞したと判定した場合は、遊技状態を「内部中」から「MB遊技」に更新する。
次に主制御回路100は、今回の単位遊技が行われた結果に応じて遊技状態の更新や、それに伴って、外部集中端子基板84を介して外部へ出力する各種遊技状態信号のオン/オフ制御を行う外部信号出力制御処理を実行する(ステップS70)。この外部信号出力制御処理の内容については、図16を参照して後に詳しく説明する。次いで主制御回路100は、ステップS68の入賞判定処理により、何らかの役が入賞したと判定したときは、その入賞役の種類を、また、いずれの役も入賞しなかったと判定したときは、その旨を示す情報を、作動図柄コマンドによって副制御回路200へ送信する(ステップS72)。また、主制御回路100は、入賞判定の結果に応じて払い出すメダルの枚数(0〜5枚)の情報を含むメダル払出開始コマンドを副制御回路200へ送信する(ステップS74)。ここで、入賞判定によっていずれの役も入賞しなかったと判定されたときは、メダル払出開始コマンドによって送信される払い出しメダルの枚数は0枚となる。
次に主制御回路100は、入賞判定の結果、いずれかの小役が入賞したか否かを判断する(ステップS76)。そして、いずれかの小役が入賞した(YES)と判断したときは、図3に示したホッパー駆動回路80を制御してメダル払出装置82を駆動し、入賞した小役に対応する払出枚数(図4参照)のメダルを払い出す(ステップS78)。そして、メダルの払い出し終えると、主制御回路100は、メダル払出終了コマンドを副制御回路200へ送信し(ステップS80)、MB遊技の終了条件が成立したか否かを判断する(ステップS84)。現在の遊技状態が「MB遊技」中であり、当該MB遊技中におけるメダルの払出枚数が18枚を超えた(YES)と判断すると、主制御回路100は、MB遊技終了コマンドを副制御回路200へ送信し(ステップS84)、ついで単位遊技終了コマンドを副制御回路200へ送信する(ステップS86)。
これに対して、ステップS82の判断処理で、現在の遊技状態が「MB遊技」中ではないとき、または、「MB遊技」中であっても払出枚数が18枚を超えていないときは、判断結果がNOとなって、直ちにステップS86の処理へ移行し、単位遊技終了コマンドのみを副制御回路200へ送信する。そして、単位遊技終了コマンドを副制御回路200へ送信すると、再びステップS12の処理へ戻り、次の単位遊技を行うための処理を開始する。以下、ステップS12〜S86の処理を繰り返し行うことにより、遊技者は単位遊技を継続して繰り返し行うことができる。
<疑似遊技・フリーズ演出処理の説明>
次に、図12のステップS48に示した疑似遊技・フリーズ演出処理の詳細な内容について、図13〜図15のフローチャートを参照しつつ説明する。なお、以下の説明で言及される各種変数の値およびフラグのオン/オフ状態については、主制御回路100内のRAMに記憶されているものとする。
まず、主制御回路100は、図12のステップS48の処理に進むと、図7(a)に示すフリーズ演出抽選テーブルに基づいてフリーズ演出抽選を行う(ステップS100)。そして、主制御回路100は、図14および図15を参照して後に説明する疑似遊技演出処理を行う(ステップS120)。
次に主制御回路100は、ステップS102で行ったフリーズ演出抽選に当選したか否かを判断する(ステップS104)。フリーズ演出抽選に当選しなかった(NO)と主制御回路100が判断したときは、次に強制フリーズ演出フラグがオンになっているか否かを判断する(ステップS106)。この強制フリーズ演出フラグは、図14に示す疑似遊技演出処理によってオンにされるものであり、詳しくは後に説明する。そして、フリーズ演出抽選に当選せず、かつ、強制フリーズ演出フラグがオフ(S106,NO)だった場合は、疑似遊技・フリーズ演出処理を終了して、図12のステップS50へ移行する。
これに対して、フリーズ演出抽選に当選した(S104,YES)または強制フリーズ演出フラグがオン(S106,YES)だった場合、主制御回路100は、副制御回路200に対してフリーズ演出開始コマンドを送信し(ステップS108)、リールの回転制御を開始する(ステップS110)。このリール回転制御では、リール40L,40C,40Rの始動順序、回転方向、加速度、回転維持時間などを制御する。また、これらの制御内容について予め複数のパターンを定めておき、乱数抽選によってどのような回転制御を行うかを決定してもよい。
そして、主制御回路100は、上述した回転維持時間になると、各リールの停止制御を行う(ステップS112)。ここで、減速する際の回転速度の制御や、回転停止直前に行われる各種リールアクションについては、従来のパチスロ機における演出用のリールや、従来のパチンコ機で行われているような演出を採用することができる。また、最終的に入賞ラインL上に、どのような図柄組合せを停止表示させるかについては、適宜定めればよいが、前述した強制フリーズ演出フラグがオンになっていたときは(S106,YES)、「赤7−赤7−赤7」の図柄組合せが表示されるようにする。
ステップS114の処理によって全てのリールが停止すると、次に主制御回路100は入賞ラインL上に「赤7−赤7−赤7」の図柄組合せが停止表示されたか否かを判断する(ステップS116)。入賞ラインL上に「赤7−赤7−赤7」の図柄組合せが停止表示された(YES)と、主制御回路100が判断したときは、外部集中端子基板84を介して出力されるサブBB信号をオンにして(ステップS118)、図13に示した疑似遊技・フリーズ演出処理を終了する。これに対して入賞ラインL上に「赤7−赤7−赤7」の図柄組合せが停止表示されなかった(NO)と主制御回路100が判断したときは、そのまま疑似遊技・フリーズ演出処理を終了して、図12のステップS50の処理へ移行する。
<疑似遊技演出処理の説明>
次に、図13のステップS102に示した疑似遊技演出処理の詳細な内容について、図14のフローチャートを参照しつつ説明する。
まず、主制御回路100は、サブボーナス中に行われたゲーム数SBGの値が50以上であるか否かを判断する(ステップS200)。なお、SBGの値の更新は、図12のステップS72に示した外部信号出力制御処理(図16参照)で行われる。SBGの値が50以上である(YES)と主制御回路100が判断したときは、次に外部集中端子基板84を介して出力されるサブBB信号がオンになっているか否かを判断する(ステップS202)。
ステップS202の判断処理で、サブBB信号がオフになっている(YES)と主制御回路100が判断したときは、次に上乗せARTフラグがオンになっているか否かを判断する(ステップS204)。この上乗せARTフラグは、後述するように、主制御回路100がART遊技中であると認識しているときはオン、そうではないと認識しているときはオフとなるフラグであり、初期値はオフになっている。上乗せARTフラグがオンになっている(YES)と判断したときは、次に主制御回路100は、図12のステップS44で行われた役抽選処理で特殊複合が決定されたか、または、図13のステップS102のフリーズ演出抽選に当選したか否かを判断する(ステップS206)。
そして、特殊複合が決定された場合、または、フリーズ演出抽選に当選した場合は、図7(b)に示した当選確率に従って、疑似単位遊技の実行回数(疑似単位遊技回数)PGを決定するための乱数抽選を行う(ステップS208)。すなわち、これから実施する疑似遊技の内容を抽選によって決定する。そして、疑似単位遊技回数PGの値が3回または7回に決定された(ステップS210,YES)と主制御回路100が判断したときは、RAMに記憶されている疑似単位遊技回数PGの値を、乱数抽選で決定された値に更新する(ステップS212)。なお、サブボーナス中に行われたゲーム数の値が50以上であり(S200,YES)、かつ、サブBB信号がオフになっていない場合は(S202,NO)、サブBBの終了後、最初の単位遊技であるとみなして、ステップS214へ移行し、ステップS214でPGの値を「7」にセットする。
また、主制御回路100が、ステップS204の判断処理で上乗せARTフラグをオフ(NO)と判断したとき、ステップS206の判断処理で特殊複合が決定されず、かつ、フリーズ演出抽選に当選しなかった(NO)と判断したとき、または、ステップS210の判断処理でPGの値が0に決定された(NO)と判断したときは、異常判断処理を行う(ステップS214)。この異常判断処理の詳しい内容については、図15を参照して後に説明する
ステップS214の処理によって、RAMに記憶されている疑似単位遊技回数PGの値を更新すると、次に主制御回路100は、副制御回路200へ疑似遊技演出開始コマンドを送信する(ステップS216)。そして、主制御回路100は、これから行う疑似単位遊技において、引込制御の対象が「赤7」図柄となるストップスイッチ37L(左),37C(中),37R(右)の操作順序を乱数抽選によって決定する。すなわち、(1)左→中→右、(2)左→右→中、(3)中→左→右、(4)中→右→左、(5)右→左→中、(6)右→中→左の6通りの操作順序の中から、「赤7」図柄の引込制御を行う操作順序を1つ選択する。そして、選択された操作順序に関する情報を含む操作順序抽選結果コマンドを副制御回路200へ送信する(ステップS220)。なお、本実施形態では1つの操作順序を選択しているが、これに限らず、複数の操作順序を選択するようにしても良い。
次に主制御回路100は、リール40L,40C,40Rの回転を開始し(ステップS222)、図12のステップS56の処理と同様に、副制御回路200へリール回転開始コマンドを送信する(ステップS224)。この回転制御は、通常の単位遊技と同一の回転制御を行っても良いし、加速度、回転方向または加速中におけるリールの挙動を、通常の単位遊技と異ならせてもよい。そして、主制御回路100は、リール回転速度が定速に達したことにより、ストップスイッチの操作を受け付けることができる状態になると、遊技者によってストップスイッチ37L,37C,37Rのいずれかが操作されたか否かを判断する(ステップS226)。なお、ステップS226へ移行することとる各リールの回転速度は、通常の単位遊技中と同じ定速(1分間当たり80回転)でもよいし、定速以外の速度であってもよい。
そして、いずれかのストップスイッチが操作された(YES)と判断したときは、図12のステップS60の処理と同様に、操作されたストップスイッチに対応するリール停止受付コマンドを副制御回路200へ送信する(ステップS228)。次に主制御回路100は、操作されたストップスイッチが、ステップS218の操作順序抽選によって選択された操作順序(正解押し順)に従うものであるか否かを判断し、選択された操作順序に従っていた場合は、操作されたストップスイッチに対応するリールにおける「赤7」図柄を、入賞ラインL上に停止表示させるように引込制御を行う(ステップS230)。
ここで、疑似遊技演出中のリール停止制御は、通常の単位遊技と同様に、ストップスイッチが操作されてから190ミリ秒以内に、対応するリールを停止させるものとする。したがって、遊技者の操作タイミングによっては、各ストップスイッチを正解押し順に従って操作しても、「赤7」図柄を入賞ラインL上に停止表示させられない(すなわち、目押しに失敗する)場合が生じる。よってこの場合、主制御回路100は「ベル」図柄または「リプレイ」図柄を入賞ラインL上に停止表示させる。これに対して、ストップスイッチが不正解押し順で操作されたときは、「赤7」図柄、「ベル」図柄または「リプレイ」図柄以外の図柄を入賞ラインL上に停止表示させる。
これにより、遊技者が各ストップスイッチを正解押し順で操作し、かつ、目押しに成功したときは、入賞ラインL上に「赤7−赤7−赤7」の図柄組合せが表示され、目押しに失敗したときは、入賞ラインL上に「赤7」図柄、「ベル」図柄または「リプレイ」図柄で構成された図柄組合せが表示される。さらに、遊技者が各ストップスイッチを不正解押し順で操作したときは、「赤7」図柄、「ベル」図柄または「リプレイ」図柄以外の図柄で構成された図柄組合せが、入賞ラインL上に表示される。なお、以下では、遊技者が各ストップスイッチを正解押し順で操作し、かつ、目押しに失敗したときに、入賞ラインL上に停止表示される図柄組合せを「こぼし目」という。
ステップS230のリール停止制御処理によってリールが停止すると、次に主制御回路100は、副制御回路200に対してリール停止コマンドを送信し(ステップS232)、全てのリールが停止したか否かを判断する(ステップS234)。そして、主制御回路100が、未だ回転しているリールがある(NO)と判断したときは、ステップS226の処理へ戻り、全てのリールが停止した(YES)と判断したときは、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せを認識する停止図柄判断処理を行う(ステップS236)。そして、図13のステップS114の処理と同様に、認識した図柄組合せを示す停止表示図柄組合せコマンドを副制御回路200へ送信する(ステップS238)。
次に主制御回路100は、疑似単位遊技回数PGの値から「1」を減算し(ステップS240)、疑似単位遊技回数PGの値が「0」になったか否かを判断する(ステップS242)。疑似単位遊技回数PGの値が「1」以上(NO)と判断したときは、次に主制御回路100は、入賞ラインL上に「赤7−赤7−赤7」の図柄組合せが停止表示されたか否かを判断する(ステップS244)。主制御回路100が、「赤7−赤7−赤7」の図柄組合せは停止表示されていない(NO)と判断したときは、次にこぼし目が停止表示されているか否かを判断する(ステップS246)。そして、こぼし目が停止表示されている(YES)と主制御回路100が判断したときは、RAMに記憶されている目押し失敗回数LSの値に「1」を加算して(ステップS248)、スタートスイッチ36の操作受付状態となる(ステップS250)。
ここで、ステップS250の判断処理に移行する際に、例えば、遊技者が各種ベットスイッチ34,35の操作を行うように促すメッセージまたは音声を発生し、またはベット数表示ランプ26a,26b,26cを規定枚数分だけ点灯させるなどして、再遊技役が入賞したときと同様の演出/報知を行ってもよい。そして、スタートスイッチ36が操作されるまで、ステップS250の判断結果がNOとなり、遊技者によってスタートスイッチ36が操作されると、ステップS250の判断結果がYESとなる。これにより、主制御回路100はスタートスイッチ受付コマンドを副制御回路200へ送信し(ステップS252)、その後ステップS218の処理へ戻り、次の疑似単位遊技のための制御を行う。
また、ステップS244の判断処理で、主制御回路100が、入賞ラインL上に「赤7−赤7−赤7」の図柄組合せが停止表示された(YES)と判断したときは、RAMに記憶されている上乗せARTフラグの状態がオフになっているか否かを判断する(ステップS254)。そして、上乗せARTフラグの状態がオンになっている(NO)と判断したときは、ステップS250の処理へ移行し、次の疑似単位遊技を開始すべく待機状態となる。これに対して、上乗せARTフラグの状態がオフになっている(YES)と判断したときは、外部集中端子基板84を介して外部へ出力するサブBB信号を一旦オフにしてから再びオンにし、RAMに記憶されているSGBの値を「0」にクリアする(ステップS256)。すなわち、上乗せART遊技中でないときの疑似遊技演出において、「赤7−赤7−赤7」の図柄組合せが停止表示されると、新たなサブBBを開始するための準備が行われる。
そして、主制御回路100は、RAMに記憶されている目押し失敗回数LSおよび単位疑似遊技回数PGの値を「0」にクリアし(ステップS258)、副制御回路200に対して疑似遊技演出終了コマンドを送信して(ステップS260)、図14の疑似遊技演出処理を終了する。これにより、主制御回路100は、図13のステップS104の処理へ移行する。
前述したステップS242の判断処理で、主制御回路100が、疑似遊技回数PGの値を「0」と判断すると(YES)、次いでRAMに記憶されている上乗せARTフラグの状態がオフになっているか否かを判断する(ステップS262)。そして、上乗せARTフラグの状態がオフになっている(YES)と判断したときは、外部集中端子基板84を介して外部へ出力するサブBB信号をオフにして(ステップS264)、RAMに記憶されている目押し失敗回数LSの値が「1」以上であるか否かを判断する(ステップS266)。
目押し失敗回数LSの値が「0」であると判断したときは、上乗せARTフラグをオンにして(ステップS268)、所定時間だけ、上乗せART信号をオンにする(ステップS270)。すなわち、サブBBが終了して、上乗せART遊技が開始されたものとして扱う。なお、図10を参照して説明したように、ステップS270で上乗せART信号をオンにした後、役抽選で複合C〜Eが決定されたときに、小役1が入賞しなかった回数をカウントし、所定回数以上になったときに、上乗せART信号をオフにしてもよい。また、上乗せART信号をオフにする際に、併せて上乗せARTフラグをオフにしてもよい。
また、ステップS266の判断処理で、目押し失敗回数LSの値が「1」以上である(YES)と、主制御回路100が判断したときは、図13のステップS106の判断対象とされていた強制フリーズ演出フラグをオンにする(ステップS270)。すなわち、ステップS262の判断処理で主制御回路100がYES(上乗せARTフラグオフ)と判断したときは、サブBBが終了した直後に行われた疑似遊技演出であるとして扱い、かつ、その疑似遊技演出で、正解押し順とおりにストップスイッチを操作したものの目押しに失敗したと見なされるときは、強制フリーズ演出フラグをオンにして、引き続き行われるフリーズ演出において、「赤7−赤7−赤7」の図柄組合せを停止表示させる。
以上のように、ステップS270の処理によって上乗せART信号をオンにするか、ステップS272の処理によって強制フリーズ演出フラグをオンにすると、ステップS258以降の処理を行って、図14の疑似遊技演出処理を終了する。また、前述したステップS262の判断処理で、上乗せARTフラグがオン(NO)であると主制御回路100が判断したときは、そのままステップS258以降の処理を行い、上乗せART遊技が継続するものとして扱う。
なお、図14に示した疑似遊技演出処理では、ステップS208の処理によって疑似単位遊技の回数を決定し、その後、各疑似単位遊技を開始する前に、逐一、ステップS218の処理を行って正解押し順を決定していたが、例えば、疑似単位遊技回数PGの値と、各疑似単位遊技における正解押し順とが予め定められた複数種類の疑似遊技演出を用意しておき、これらの中から選択された疑似遊技演出を実行するようにしてもよい。この場合、各疑似遊技演出の内容を副制御回路200にも記憶させておき、主制御回路100から送信された疑似遊技演出の種類を示す情報に基づいて、各疑似単位遊技における予め定められた正解押し順を、順次報知するようにする。
また、いずれも疑似単位遊技回数PGの値が1であるが、正解押し順が異なる複数種類の疑似遊技演出を用意しておき、図14のステップS218における操作順序抽選の代わりに、各単位遊技を行うごとにいずれか1つの疑似遊技演出を選択して実行するようにしてもよい。さらに、疑似単位遊技回数PGの値を予め定めずに、疑似遊技演出の内容として、疑似遊技演出を継続するか終了するかを示す情報を含めておいてもよい。この場合、各単位疑似遊技を開始する前に、これから実行する疑似単位遊技の種類を抽選によって決定するようにして、疑似遊技演出の終了を示す情報を含んだ疑似単位遊技が選択されるまで、疑似遊技演出を継続するようにしてもよい。
さらに、図14のステップS208の抽選処理は、今回の単位遊技において、疑似遊技演出を実行するか否かを決定していたが、今回の単位遊技ではなく、次回の単位遊技において疑似遊技演出を実行するか否かおよびその内容を抽選によって決定するようにしてもよい。これにより、例えば、複数回の単位遊技にまたがって実施される連続演出を行っている途中で、疑似遊技演出を開始することが決定された場合でも、遊技者に違和感を与えることなく、自然な流れで連続演出から疑似遊技演出へ移行させることができる。たとえば、副制御回路200において5ゲームに渡って継続する連続演出が行われており、その連続演出の開始後3ゲーム目に、主制御回路100が次の単位遊技で疑似遊技演出を行うことを決定したとする。この場合、副制御回路200は、当該3ゲーム目の単位遊技において、連続演出開始後3ゲーム目の演出を行う代わりに、遊技者に違和感を与えないように実行中の連続演出を自然な流れで終了させるための演出(連続演出短縮終了演出)を行う。そして副制御回路200は、次の単位遊技(上述した連続演出の開始後4ゲーム目)で主制御回路100が制御する疑似遊技演出に合わせた演出を行うようにするとよい。
<異常判断処理の説明>
次に、図14のステップS214で行われる異常判断処理の詳細な内容について、図15のフローチャートを参照しつつ説明する。
まず、主制御回路100は、RAMに記憶されているサブRBフラグ、サブBBフラグおよび上乗せARTフラグのいずれかの状態がオンになっているか否かを判断する(ステップS300)。ここで、主制御回路100が、これらフラグのいずれかがオンになっている(YES)と判断したときは、この異常判断処理を終了して、図13のステップS104の処理へ移行する。
これに対して、上述したいずれのフラグもオンになっていない(NO)と主制御回路100が判断したときは、非ART状態として扱い、RAMに記憶されている判断後遊技回数CHKの値に「1」を加算して(ステップS302)、その値が定数aの値(後述する)に一致するか否かを判断する(ステップS304)。そして、CHKの値が定数aの値と一致しない(NO)と主制御回路100が判断したときは、図15の異常判断処理を終了する。ここで、判断後遊技回数CHKの値は、前回実施された異常判断処理後に、行われた単位遊技の回数を示し、定数aの値は、次に異常判断処理を実施するまでの単位遊技の回数を示している。
ステップS304の判断処理で、主制御回路100がCHKの値と定数aの値とが一致した(YES)と判断したときは、乱数抽選によって定数aの値を決定し、RAMに記憶する(ステップS306)。次に主制御回路100は、RAMに記憶されているPGの値を「3」に更新し(ステップS308)、副制御回路200に対して疑似遊技演出開始コマンドを送信する(ステップS310)。このとき、副制御回路200へ送信する疑似遊技演出開始コマンドには、副制御回路200において、何らかの異常が発生しているか否かを判断することを指示する異常チェック指示情報を含めておく。
次に主制御回路100は、これから行う疑似単位遊技において、引込制御の対象が「リプレイ」図柄となるストップスイッチ37L(左),37C(中),37R(右)の操作順序を乱数抽選によって決定する(ステップS312)。ここでは、図14のステップS218における操作順序抽選と同様に、6通りの操作順序の中から1つを選択する抽選を行う。そして、主制御回路100は、図14のステップS222の処理と同様にリール40L,40C,40Rの回転を開始し(ステップS316)、副制御回路200へリール回転開始コマンドを送信する(ステップS318)。
そして、リール回転速度が所定の速度に達し、ストップスイッチの操作を受け付けることができる状態になると、主制御回路100は、遊技者によってストップスイッチ37L,37C,37Rのいずれかが操作されたか否かを判断する(ステップS320)。この処理において、いずれかのストップスイッチが操作された(YES)と判断したときは、主制御回路100は、操作されたストップスイッチに対応するリール停止受付コマンドを副制御回路200へ送信する(ステップS322)。そして主制御回路100は、操作されたストップスイッチが、ステップS312の操作順序抽選によって選択された操作順序(正解押し順)に従っているか否かを判断し、正解押し順に従っていれば、操作されたストップスイッチに対応するリールにおける「リプレイ」図柄を、入賞ラインL上に停止表示させるように引込制御を行う(ステップS324)。
ここで、異常判断処理中のリール停止制御においても、ストップスイッチが操作されてから190ミリ秒以内にリールを停止させるが、各リールにおける「リプレイ」図柄は取りこぼしが生じないように配置されているため、正解押し順とおりにストップスイッチを操作すれば、必ず「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄組合せが入賞ライン上に停止表示される。これに対して、正解押し順とおりにストップスイッチが操作されなかった場合は、いずれの役にも対応しない図柄組合せが入賞ライン上に停止表示されるように、各リールを停止させる。
ステップS324のリール停止制御処理によってリールが停止すると、次に主制御回路100は、副制御回路200に対してリール停止コマンドを送信し(ステップS326)、全てのリールが停止したか否かを判断する(ステップS328)。そして、主制御回路100が、未だ回転しているリールがある(NO)と判断したときは、ステップS320の処理へ戻り、全てのリールが停止した(YES)と判断したときは、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せを認識する停止図柄判断処理を行う(ステップS330)。そして、図14のステップS238の処理と同様に、認識した図柄組合せを示す停止表示図柄組合せコマンドを副制御回路200へ送信する(ステップS332)。
次に主制御回路100は、次に主制御回路100は、入賞ラインL上に「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄組合せが停止表示されたか否かを判断する(ステップS334)。主制御回路100が、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄組合せが停止表示されている(YES)と判断したときは、RAMに記憶されている目押し成功回数SSの値に「1」を加算する(ステップS336)。そして、SSの値が「3」になったか否かを判断し(ステップS338)、「3」になった(YES)と判断したときは、RAMに記憶されている異常フラグの状態をオンにする(ステップS340)。この異常フラグは、図16を参照して後に説明する外部信号出力制御処理において、外部集中端子基板84を介して外部に異常が発生したことを報知するための異常発生信号を出力するか否かを決定する際に参照される。
そして、主制御回路100は、疑似単位遊技回数PGの値から「1」を減算し(ステップS342)、疑似単位遊技回数PGの値が「0」になったか否かを判断する(ステップS344)。疑似単位遊技回数PGの値が「1」以上(NO)と、主制御回路100が判断したときは、ステップS346の判断処理へ移行して、図14に示した疑似遊技演出処理と同様に、スタートスイッチ36が操作されるまで判断結果がNOとなって待機状態となる。そして、スタートスイッチ36が操作されると、ステップS346の判断結果がYESとなり、主制御回路100はスタートスイッチ受付コマンドを副制御回路200へ送信し(ステップS348)、ステップS332の処理へ戻り、次の疑似単位遊技のための制御を行う。
一方、ステップS344の判断処理で、主制御回路100が、疑似単位遊技回数PGの値が「0」(YES)と判断したときは、目押し成功回数SSの値を「0」にクリアし(ステップS350)、副制御回路200に対して疑似遊技演出終了コマンドを送信する(ステップS352)。そして、主制御回路100は、図15の異常判断処理を終了して、図13のステップS104の処理へ移行する。
なお、図15のステップS324および前述した図14のステップS230で示した疑似遊技演出中におけるリール停止制御処理では、リールを完全に停止させてしまうと、単位遊技が終了したとの認識を遊技者に与えてしまう可能性がある。このため、疑似遊技演出中は、リールを停止させる際にも、所定時間(例えば500ミリ秒)以上、継続して停止することがないように、小刻みに(例えばステッピングモータの1ステップ分)絶えずリールを上下動させるとよい。なお、以下ではリールが小刻みに上下動している状態を「仮停止」という。また、疑似単位遊技において、すでに1つのリールが仮停止しているときに、次のリールを仮停止させるときは、当該リールの上下動を、すでに仮停止しているリールの上下動に同期させるとよい。このように各リールの上下動をシンクロさせることで、遊技者に雑然とした印象を与えてしまうのを避けることができる。
また、通常の単位遊技では、主制御回路100は、左ストップスイッチ37Lが操作されたときは左リール40Lの停止制御を行い、中ストップスイッチ37Cが操作されたときは中リール40C、右ストップスイッチ37Rが操作されたときは右リール40Rの停止制御を行っていた。これに対して、疑似遊技演出中は、操作されたストップスイッチと、停止制御を行うリールとの対応を、本来の単位遊技と異ならせてもよい。また、疑似遊技演出中におけるリール40L,40C,40Rの回転方向や回転速度は、通常の単位遊技と異ならせてもよく、回転中における各リールの挙動については、従来の遊技機における演出用リールで採用されたものを実施させてもよい。
また、前述したように、図12に示したメインルーチンのステップS54におけるリール回転制御処理で、疑似遊技演出を行ったときは、リール40L,40C,40Rの回転を開始するタイミングを、各々ランダムに遅延させているが、図14のステップS222および図15のステップS316におけるリール回転制御において、リール40L,40C,40Rの回転開始タイミングを各々ランダムに遅延させてもよい。ここで、どの疑似単位遊技の開始時に、各リールの回転開始をランダムに遅延させるかについては、適宜定めることができるが、本実施形態の場合、例えば、図14のステップS208の処理で疑似単位遊技回数PGの値が「7」に決定された場合、4回目の疑似単位遊技を開始する際に、各リールの回転開始時期をランダムにずらす(遅延させる)とよい。
これにより、例えば疑似遊技演出が行われるときは、PGの値が「3」または「7」のいずれかであることが遊技者にも判明している場合、4回目の疑似単位遊技を開始する際に各リールの回転開始時期をランダムにずらすことで、その動きを見た遊技者に、疑似単位遊技が終了するかもしれないという緊張感と、この動きは演出であって、実際はまだ疑似遊技演出は終了していないという期待感を与えることができる。さらに、疑似遊技演出中に、各リールの回転開始をランダムに遅延させる場合、その旨を示すコマンドを副制御回路200へ送信するようにしてもよい。これにより、副制御回路200が、当該コマンドを受信したときに、疑似遊技演出が終了してしまう可能性があることを示唆する演出を行うことで、遊技者により緊張感を与え、疑似遊技演出の興趣をさらに向上させることができる。
さらに、疑似遊技演出中であることが遊技者にも判別できるように、たとえば、疑似遊技中であることを示すランプを設けて点灯させたり、自照式の押しボタンスイッチであるストップスイッチ37L,37C,37Rを、通常の単位遊技中とは異なる色で発光させたりする、といった制御を行ってもよい。また、疑似遊技演出中であっても、すべてのリールが仮停止しているときであれば、メダル投入口32から投入されたメダルをクレジット(貯留)するようにしてもよい。これにより、疑似遊技演出の期間が長くなる場合(疑似単位遊技の回数が多いなど)でも、その途中でスロットマシン10にメダルをクレジットさせることができる。
<疑似遊技・フリーズ演出処理の説明>
次に、図12のステップS70に示した外部信号主力制御処理の詳細な内容について、図16のフローチャートを参照しつつ説明する。
まず、主制御回路100は、図12のステップS70の処理へ進むと、まず、外部集中端子基板84へ主力するMB信号がオンになっているか否かを判断し(ステップS400)、MB信号がオンになっている(YES)と判断したときは、MB遊技の終了条件(MB遊技中のメダル払出枚数が18枚を越えた)が成立したか否かを判断する(ステップS402)。そして、MB遊技の終了条件が成立した(YES)と判断したときは、MB信号をオフにする(ステップS404)。このMB信号は、後述するようにMB役が入賞するとオンにされる。
また、ステップS400の判断処理で、主制御回路100が、MB信号がオフになっている(NO)と判断したときは、次に、外部集中端子基板84へ出力するRP信号がオンになっているか否かを判断し(ステップS406)、RP信号がオンになっている(YES)と判断したときは、RP信号をオフにする(ステップS408)。このRP信号は、後述するように再遊技役が入賞するとオンにされる。
そして、ステップS404もしくはS408の処理を行うか、または、ステップS402もしくはS406の判断結果がNOになった場合は、次に主制御回路100は、再遊技役が入賞したか否かを判断する(ステップS410)。再遊技役が入賞した(YES)と主制御回路100が判断したときは、上述したRP信号をオンにし(ステップS412)、主制御回路100は、図15のステップS340の処理によって異常フラグがオンにされたか否かを判断する(ステップS414)。異常フラグがオンになっている(YES)と、主制御回路100が判断した場合は、外部集中端子基板84を介して外部に出力する異常発生信号をオンにする(ステップS416)。そして、主制御回路100は、図16の外部信号出力制御処理を終了し、図12のステップS72へ移行する。また、ステップS414の判断処理で、異常フラグがオフになっている(NO)と判断したときは、そのまま図16の外部信号出力制御処理を終了し、図12のステップS72へ移行する。
これに対して、ステップS410の判断処理で、主制御回路100が、再遊技役は入賞しなかった(NO)と判断したときは、次にMB役が入賞したか否かを判断する(ステップS418)。そして、MB役が入賞した(YES)と主制御回路100が判断したときは、上述したMB信号をオンにして(ステップS420)、上述したステップS414以降の処理を行う。さらに、ステップS418の判断処理で、主制御回路100が、MB技役は入賞しなかった(NO)と判断したときは、次に、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが、「赤7−赤7−赤7」であるか否かを判断する(ステップS422)。そして、「赤7−赤7−赤7」の図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示されている(YES)と、主制御回路100が判断したときは、外部集中端子基板84を介して外部に出力するサブBB信号をオンにして(ステップS424)、さらにRAMに記憶されているサブBBフラグの状態をオンにする(ステップS426)。そして、主制御回路100は、サブボーナス中に行ったゲーム数SBGの値を「0」にクリアした後(ステップS428)、上述したステップS414以降の処理を行う。
また、ステップS422の判断処理で、主制御回路100が、「赤7−赤7−赤7」の図柄組合せは入賞ラインL上に停止表示されていない(NO)と、判断したときは、次に、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが、「青7−青7−青7」であるか否かを判断する(ステップS430)。そして、「青7−青7−青7」の図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示されている(YES)と、主制御回路100が判断したときは、RAMに記憶されているサブRBフラグの状態をオンにして(ステップS432)、ステップS428でSBGの値を「0」にクリアした後、上述したステップS414以降の処理を行う。
さらに、ステップS430の判断処理で、主制御回路100が、「青7−青7−青7」の図柄組合せは入賞ラインL上に停止表示されていない(NO)と、判断したときは、次に、RAMに記憶されているサブRBフラグの状態がオンになっているか否かを判断する(ステップS434)。そして、サブRBフラグの状態がオンになっている(YES)と主制御回路100が判断したときは、RAMに記憶されているサブボーナス中に行ったゲーム数SBGの値に「1」を加算して(ステップS436)、SBGの値が21以上になったか否かを判断する(ステップS438)。
そして、主制御回路100が、SBGの値が21以上になった(YES)と判断したときは、次に、図12のステップS44における役抽選処理で、複合C〜Eのいずれかに決定されていたか否かを判断する(ステップS440)。複合C〜Eのいずれかに決定されていた(YES)と、主制御回路100が判断したときは、次に、単位遊技が行われた結果、小役1が入賞したか否かを判断する(ステップS442)。そして、小役1が入賞した(YES)と、主制御回路100が判断したときは、RAMに記憶されている小役1入賞回数WINの値に「1」を加算し(ステップS444)、WINの値が3以上になったか否かを判断する(ステップS446)。
WINの値が3以上になった(YES)と、主制御回路100が判断したときは、RAMに記憶されているサブRBフラグの状態をオフにするとともに、サブBBフラグの状態をオンにする(ステップS448)。そして、主制御回路100は、外部集中端子基板84を介して外部に出力するサブBB信号をオンにし(ステップS450)、小役1入賞回数WINの値を「0」にクリアした後(ステップS452)、前述したステップS414以降の処理を行う。このように、「青7−青7−青7」の図柄組合せが停止表示されてから20ゲームが経過した後も、3回以上連続して小役1が入賞したことから、主制御回路100は、昇格サブBBが開始されたものと扱う。なお、ステップS446の判断処理で、小役1入賞回数WINの値が2以下である(NO)と、主制御回路100が判断したときは、直ちにステップS414以降の処理を行う。
これに対して、ステップS442の判断処理で、小役1が入賞した(YES)と、主制御回路100が判断したときは、RAMに記憶されているサブRBフラグの状態をオフにして(ステップS454)、外部集中端子基板84を介して外部に出力するサブRB信号を所定時間オンする(ステップS454)。そして、主制御回路100は、ステップS452の処理へ移行して、小役1入賞回数WINの値を「0」にクリアした後、前述したステップS414以降の処理を行う。このように、「青7−青7−青7」の図柄組合せが停止表示されてから20ゲームが経過した後、役抽選で複合C〜Eのいずれかが当選しても、小役1が入賞しなかったことから、主制御回路100は、サブRBが終了したものと扱う。
前述したステップS434の判断処理において、主制御回路100が、サブRBフラグの状態がオフになっている(NO)と判断したときは、次にサブBBフラグの状態がオンになっているか否かを判断する(ステップS458)。そして、サブBBフラグの状態がオンになっている(YES)と、主制御回路100が判断したときは、RAMに記憶されているサブボーナス中に行ったゲーム数SBGの値に「1」を加算した後(ステップS460)、前述したステップS414以降の処理を行う。これに対して、サブBBフラグの状態がオフになっている(NO)と、主制御回路100が判断したときは、直ちにステップS414以降の処理を行う。なお、サブBBが終了したか否か判断や、サブBBが終了したと判断したときのサブBB信号に関するオン/オフ制御は、前述した図14の疑似遊技演出制御処理で行っている。
<遊技制御停止処理の説明>
次に、図3に示した外部集中端子基板84に対して、外部から遊技停止信号が入力された場合に、主制御回路100において実行される遊技制御停止処理の内容について、図17に示すフローチャートを参照して説明する。図17に示す遊技制御停止処理は、主制御回路100が備える各種タイミング信号の発生回路によって、割込信号が定期的に発生するたびに実行される。
まず、主制御回路100は、上述したタイミング信号発生回路によって割込信号が発生すると、RAMに記憶されている遊技停止信号受付フラグの状態がオフになっているか否かを判断する(ステップS500)。この遊技停止信号受付フラグは、外部から入力された遊技停止信号に応じて、遊技制御を停止させるか否かを判断する際に参照するフラグである。遊技停止信号受付フラグがオフになっている(NO)と、主制御回路100が判断したときは、スロットマシン10において、何らかの異常が検出されているか否かを判断する(ステップS502)。
ここで、異常として検出される項目は、従来のスロットマシンにおいて検出される項目であっても良く、例えば、RAMエラー、投入されたメダルの詰まりや、通常では起こり得ないメダルの挙動、メダル払出装置のメダルの有無などが挙げられる。また、図15に示した異常判定処理のステップS340において、異常フラグがオンになった場合も、異常が検出されたものとする。さらに、ステップS502の判断対象となる異常の種類は、スロットマシン10において検出し得る異常の種類のすべてであってもよいし、特定の一部の異常であってもよい。
ステップS502の判断処理において、何ら異常が検出されていない(NO)と主制御回路100が判断したときは、直ちに図17に示す遊技制御停止処理を終了して、他の処理を行う。これに対して、何らかの異常が検出されている(YES)と主制御回路100が判断したときは、図16のステップS416で出力した異常発生信号と同様の異常発生信号を、外部集中端子基板84を介して外部に出力する(ステップS504)。次いで主制御回路100は、上述した遊技停止信号受付フラグをオンにして(ステップS506)、計時を開始する(ステップS508)。そして、主制御回路100は、外部集中端子基板84に対して、外部から遊技停止信号が入力された(オンになっている)か否かを判断する(ステップS510)。なお、ステップS500で、遊技停止信号受付フラグがオンになっている(NO)と、主制御回路100が判断したときは、直ちにステップS510へ移行して、外部から遊技停止信号が入力されたか否かを判断する。
ステップS510の判断処理で、外部からの遊技停止信号がオンになっている(YES)と、主制御回路100が判断したときは、副制御回路200に対して遊技制御停止コマンドを送信する(ステップS512)。これにより、副制御回路200は遊技者に対して、単位遊技に関する制御を停止する旨を報知することができる。次に主制御回路100は、現在行っている単位遊技に関する制御を停止し(ステップS514)、ステップS506の処理によって計時を開始してから所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS516)。そして、所定時間が経過した(YES)と主制御回路100が判断したときは、ステップS504の処理でオンにした遊技停止信号受付フラグをオフにするとともに計時を終了し(ステップS518)し、図17に示す遊技制御停止処理を終了する。これに対して、所定時間が経過していない(NO)と主制御回路100が判断したときは、遊技停止信号受付フラグの状態および計時を維持したまま、図17に示す遊技制御停止処理を終了する。
次に、ステップS508の判断処理で、外部からの遊技停止信号がオフになっている(NO)と、主制御回路100が判断したときは、ステップS514の遊技制御停止処理によって遊技制御を停止中であるか否かを判断する(ステップS520)。遊技制御を停止中でない(NO)と主制御回路100が判断したときは、そのままステップS514の処理へ移行して、所定時間が経過したか否かを判断し、その判断結果に応じた処理を行う。
これに対して、遊技制御を停止中である(YES)と主制御回路100が、判断したときは、外部からの遊技制御停止指示が解除されたものとして扱い、副制御回路200に対して遊技制御再開コマンドを送信して(ステップS522)、単位遊技に関する制御を再開する(ステップS524)。そして、ステップS516の処理へ移行して、所定時間が経過したか否かを判断し、その判断結果に応じた処理を行う。
このように、図17に示す遊技制御停止処理では、ステップS502の判断処理によって異常の発生が認識されたときは、所定時間内に外部から遊技停止信号が入力されると、単位遊技に関する制御を停止させる。言い換えれば、所定時間の間に外部から遊技停止信号が入力されなければ、単位遊技に関する制御が停止することはない。これにより、例えばステップS504で出力された異常発生信号に気づいた遊技場の係員などが、実際にスロットマシン10の状態を確認し、稼働の停止が必要であると判断した場合は、外部から遊技停止信号を入力することで、スロットマシン10の稼働を停止させることができる。また、係員が、稼働の停止は不要と判断した場合は、そのままにしておけば、所定時間が経過して、外部からの遊技停止信号を受け付けない状態となるため、スロットマシン10に対して、誤って遊技停止信号を出力し、スロットマシン10の稼働を停止させてしまうことがないようにすることができる。
なお、図17に示した遊技制御停止処理では、スロットマシン10の内部で異常が検出されたときに、所定時間内に限って外部からの遊技停止信号を受け付けていたが、このような制限を設けることなく、外部から遊技停止信号が入力された時は、その遊技停止信号によって必ず遊技制御を停止させるようにしてもよい。また、遊技停止信号のオンとオフにそれぞれ遊技制御の停止指示と、再開指示との意味を持たせていたが、遊技停止信号とは別に遊技再開信号を設け、この信号の入力によって遊技制御を再開するようにしてもよい。さらに、図17に示した遊技制御停止処理のように、遊技停止信号がオフになっている状態を再開指示として扱う場合において、遊技停止信号がオンになって遊技制御を停止しているときに、所定時間が経過して遊技停止信号受付フラグがオフになってしまった場合でも、遊技停止信号がオフなったとき(遊技再開信号を個別に設けた場合は、当該遊技再開信号が入力されたとき)に遊技制御を再開するようにしてもよい。
≪副制御回路における制御処理の説明≫
次に、図18〜図26に示すフローチャートを参照して、副制御回路200が行う処理について説明する。
<サブ・メインルーチンの説明>
図18に示すフローチャートを参照して、副制御回路200が行う最も根幹的な処理となるサブ・メインルーチンの内容について説明する。まず、スロットマシン10の電源が投入されると、副制御回路200は、周辺機器との情報をやり取りするためのI/Oポートの設定や、各ポートに接続されている各種周辺機器の認識など、ハードウェアの初期化を行う(ステップSs100)。次に副制御回路200は、電源投入時における状態に応じて、図3に示した遊技情報記憶手段240の各記憶領域に記憶された情報を消去するRAM初期化を行う(ステップSs102)。このRAM初期化の内容については、図19に示すフローチャートを参照して後に説明する。
上述した各初期化を行うと、次に副制御回路200は、スロットマシン10の筐体に設けられた装飾用の各LEDの駆動制御や、BGMや演出用の効果音などの出力制御を行う(ステップSs104)。そして副制御回路200は、表示装置70の異常検出や、異常を検出した場合はその旨の報知を行う表示装置監視処理を行った後(ステップSs106)、受信コマンド処理フラグをオンにする(ステップSs108)。受信コマンド処理フラグは、後述する受信コマンド処理を行っているか否かを示すフラグである。次に副制御回路200は、受信コマンド処理を実行する期間(フレーム)の終了を判断するために計時を開始してから(ステップSs110)、主制御回路100から送信された各種コマンドに応じて主に単位遊技に関する演出や報知を行う受信コマンド処理を行う(ステップSs112)。
そして副制御回路200は、上述した受信コマンド処理によって決定された演出または報知の内容に応じた画像表示や、音声または効果音などを出力するための遊技演出制御を行った後、ステップSs110の処理によって計時を開始してから、予め定められた1フレームの期間が終了したか否かを判断する(ステップSs116)。副制御回路200が、未だ1フレームが終了していない(NO)と判断したときは、ステップSs110の処理に戻り、引き続き受信コマンド処理を行う。これに対して、1フレームが終了した(YES)と副制御回路200が判断したときは、受信コマンド処理フラグをオフにして(ステップSs118)、ステップSs104の処理に戻る。
このように、副制御回路200は、スロットマシン100の電源が投入されると、まずは各種初期化処理を行い、その後は、主制御回路100から送信されたコマンドに基づいて、予め定められた期間(フレーム)内に行われる処理と、当該予め定められた期間外に、上述したコマンドに基づかずに行う処理とを、交互に行う。
<RAM初期化の説明>
次に、図18のステップSs102に示したRAM初期化の内容について、図19のフローチャートを参照しつつ説明する。
図19のRAM初期化を開始すると、副制御回路200は、まずコールドスタートを行うか否かを判断する(ステップSs130)。ここで副制御回路200は、例えば、図18のステップSs100で行ったハードウェア初期化において、例えば、副制御回路200が備えるRAMのチェックサムの結果が不適当と判断された場合(例えばスロットマシン10の工場出荷時に起こりやすい)などに、コールドスタートを行うべきと判断する。
そして、副制御回路200がコールドスターを行うべき(YES)と判断したときは、図3に示した遊技情報記憶手段240の異常履歴記憶領域、遊技履歴記憶領域、判断情報記憶領域および異常発生記憶領域に記憶されている各種情報を消去した後(ステップSs132)、図19のRAM初期化を終了し、図18のステップSs104の処理へ移行する。ここで、上述した各記憶領域に記憶される情報の種類は、適宜定めることができるが、例えば本実施形態では、以下のようになっている。なお、以下に記す情報の種類は一例を示すものであり、これらの情報の種類に限定されるものではない。
(a)異常履歴情報記憶領域
予め指定されていた事象が生じた回数を表す情報を記憶させる。この事象としては、例えば特定のエラーの発生や特定の処理の実行などがある。
(b)遊技履歴記憶領域
図3に示した情報入力手段500を用いて、遊技者が遊技履歴に関する情報の出力を要求したときに、表示装置70に表示する遊技履歴情報を記憶させる。具体的は、後述するサブBB発生回数SBBおよびサブRB発生回数SRBの値や、疑似遊技演出開始回数PDの値などが該当する。なお、表示する遊技履歴情報は、文字などの遊技者が表示された内容を理解することができる表示態様で表示してもよいし、例えば二次元バーコードのように、そのままでは遊技者が理解できない表示態様で表示してもよい。
(c)判断情報記憶領域
サブボーナス(ART遊技)に関する情報を記憶させる。これらの情報としては、例えば、サブボーナスを開始するか否かの抽選や、ART上乗せ遊技中にART遊技のゲーム数を加算するか否かを決定する抽選(上乗せART抽選)を行う際に参照される情報がある。具体的には、後述するART状態を示す情報(非ART遊技/サブRB/サブBB/上乗せART遊技)、各種サブボーナス当選フラグの状態(サブRB当選フラグ/昇格サブBB当選フラグ/サブBB当選フラグ)、後述する達成回数Rの値、サブボーナス中に行われたゲーム数SBGの値などが該当する。
(d)異常発生記憶領域
副制御回路200が内部に何等かの異常が生じたと判断した時に、その異常の内容を示す情報を記憶させる。
ステップSs130の判断処理で、コールドスタートすべきでない(NO)と副制御回路200が判断した時は、現在、遊技履歴消去モードに設定されているか否かを判断する(ステップSs134)。この遊技履歴消去モードは、ユーザ(例えば遊技場の係員など)が遊技情報記憶手段240の遊技履歴記憶領域に記憶されている情報を消去したいときに、当該ユーザが設定するモードである。遊技履歴消去モードの設定をどのようにして行うかは適宜定めればよいが、例えば、スロットマシン10の筐体内に、遊技履歴消去モードを選択することができるスイッチ(ロータリースイッチ、キースイッチまたはディップスイッチなど)を設けておき、当該スイッチによって、遊技履歴消去モードを選択できるように構成することが考えられる。
上述したステップSs134の判断処理で、遊技履歴消去モードに設定されている(YES)と副制御回路200が判断したときは、次に消去指示が行われたか否かを判断する(ステップSs136)。この消去指示は、上述したモード設定用のスイッチと同様に、スロットマシン10の筐体内部に設けた専用のスイッチであってもよいし、図1に示した各種ベットスイッチ34,35、スタートスイッチ36またはストップスイッチ37L,37C,37Rを代用してもよい。ステップSs136の判断処理で、消去指示がなされていない(NO)と副制御回路200が判断したときは、ステップSs134の判断処理に戻り、以下、消去指示がなされるか、遊技履歴消去モードが解除されるまで、ステップSs134およびSs136の処理を繰り返し行う。
そして、ステップSs136の判断処理で、消去指示がなされた(YES)と副制御回路200が判断したときは、図3に示した遊技情報記憶手段240の遊技履歴記憶領域、判断情報記憶領域および異常発生記憶領域に記憶されている各種情報を消去した後(ステップSs138)、図19のRAM初期化を終了して、図18のステップSs104の処理へ移行する。一方、ステップSs134の判断処理で、遊技履歴消去モードが設定されていないまたは遊技履歴消去モードの設定が解除された(NO)と、副制御回路200が判断したときは、次に設定変更モードに設定されているか否かを判断する(ステップSs140)。
この設定変更モードは、ユーザが前述した「設定」の値(1〜6)を変更するときに、当該ユーザが設定するモードである。この設定変更モードについても、前述した遊技履歴消去モードと同様の手段を用いて設定することができる。上述したステップSs140の判断処理で、設定変更モードに設定されている(YES)と副制御回路200が判断したときは、次に「設定」の値が変更(以下、「設定変更」という。)されたか否かを判断する(ステップSs142)。設定値の変更方法については、スロットマシン10の筐体内部に設けた専用のスイッチや、スロットマシン10の筐体外部に設けられた単位遊技を行うための各種スイッチを利用して、従来のスロットマシンにおける設定値の変更方法を採用することができる。
そして、ステップSs142の判断処理で、設定変更されていない(NO)と副制御回路200が判断したときは、ステップSs140の判断処理に戻り、以下、設定変更がなされるか、設定変更モードが解除されるまで、ステップSs140およびSs142の処理を繰り返し行う。ステップSs142の判断処理で、設定変更された(YES)と副制御回路200が判断したときは、図3に示した遊技情報記憶手段240の判断情報記憶領域および異常発生記憶領域に記憶されている各種情報を消去した後(ステップSs144)、図19のRAM初期化を終了して、図18のステップSs104の処理へ移行する。
これに対して、ステップSs140の判断処理で、設定変更モードが設定されていないまたは設定変更モードの設定が解除された(NO)と、副制御回路200が判断したときは、図3に示した遊技情報記憶手段240の異常発生記憶領域に記憶されている各種情報を消去する(ステップSs146)。次に副制御回路200は、遊技情報記憶手段240の判断情報記憶領域にアクセスし、スロットマシン10の電源が遮断されたときに疑似遊技演出中であり、かつ、そのときの疑似遊技演出に関する履歴情報が記憶されていた場合は、その情報を参照する(ステップSs148)。そして、副制御回路200は、疑似単位遊技回数PGの値と、実行された疑似単位遊技において、「赤7−赤7−赤7」の図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示された回数(以下「達成回数」という)Rの値とを比較する(ステップSs150)。
そして、疑似単位遊技回数PGの値よりも達成回数Rの値の方が大きかった(YES)と判断した場合は、達成回数Rの値を「0」にクリアする(ステップSs152)。これにより、実際に行われた単位疑似遊技演出の結果と異なる(記憶されていた疑似単位遊技回数PGまたは達成回数Rの値のいずれかに異常が生じた)可能性がある場合は、判断情報記憶領域に記憶されていた単位疑似遊技演出の結果(達成回数Rの値)をクリアして、誤った履歴を残さないようにしている。ステップSs152の処理を行った後、または、ステップSs150の判断処理でNOと判断したときは、次に副制御回路200は、疑似単位遊技回数PGの値が「7」(最大疑似単位遊技回数)を超えているか否かを判断する(ステップSs154)。
そして、疑似単位遊技回数PGの値が「7」を超えている(YES)と副制御回路200が判断したときは、遊技情報記憶手段240の判断情報記憶領域に記憶されていた疑似遊技演出開始回数PDの値から「1」を減算する(ステップSs156)。ここで、疑似遊技演出開始回数PDの値は、疑似遊技演出が開始された回数を示す変数である。より詳しくは、前述したように、遊技者が図3の情報入力手段500から遊技履歴情報を入力し、副制御回路200が、入力された遊技履歴情報を、その後に行われた単位遊技に従った更新する場合において、遊技履歴情報の入力後に行われた疑似遊技演出の回数を示す変数である。このように、ステップSs156の処理によって、スロットマシン10の電源が遮断されていたときに行われていた疑似遊技演出に関する履歴情報が、あり得ない値を含んでいたときは、その疑似遊技演出が行われたことを示す履歴も削除するために、疑似遊技演出開始回数PDの値から「1」を減算している。
そして、副制御回路200は、前回の電源遮断時に、図12におけるステップSs112の受信コマンド処理を行っていたか否かに応じて「完全復帰」または「通常復帰」のいずれかの方法によって処理の復帰を行う(ステップSs158)。ここで、上述した「完全復帰」および「通常復帰」については、後に図26(b)に示す電源遮断処理について説明する際に、併せて説明する。ステップSs158の処理を終えると、副制御回路200は、図19に示すRAM初期化に関する処理を終了し、図18のステップSs104の処理へ移行する。また、ステップSs154の判断処理で、疑似単位遊技回数PGの値が「7」を超えていない(NO)と、副制御回路200が判断したときは、直ちにステップSs158の処理を行った後、図19に示すRAM初期化に関する処理を終了して、図18のステップSs104の処理へ移行する。
なお、ステップSs138の処理による遊技履歴記憶領域、判断情報記憶領域および異常発生記憶領域に記憶されている情報の消去は、スロットマシン10の電源投入時において、遊技履歴消去モードが設定されて、消去指示がされていたとき(ステップSs134およびSs136,YES)行われていたが、例えば、前述した情報入力手段500(図3参照)からの遊技履歴情報の出力要求に応じて、遊技履歴情報を出力した後にも、ステップSs138の処理を行ってもよい。このように構成すれば、ある遊技者が行った遊技に基づく遊技履歴情報が、その後、別の遊技者が行った遊技に基づく遊技履歴情報に影響することがない。
<受信コマンド処理の説明>
次に、図20〜図22に示すフローチャートを参照して、図18のステップSs112で行われる受信コマンド処理の内容について説明する。
副制御回路200は、まず、設定値コマンドを受信したか否かを判断する(図20,ステップSs160)。ここで副制御回路200は、前述したように、受信したコマンドに含まれている識別情報に基づいてコマンドの種類を判断している。そして、設定指定コマンドを受信した(YES)と、副制御回路200が判断したときは、受信した設定値指定コマンドの送信情報(「設定」の値を示す情報)に応じた処理(例えば図8に示したサブボーナス抽選における当選確率の切り替えなど)を行う(ステップSs162)。そして、副制御回路200は、図20に示した受信コマンド処理を終了して他の処理を行う。
ステップSs160の判断処理で、副制御回路200が設定値指定コマンドを受信しなかった(NO)と判断したときは、次に遊技状態コマンドを受信したか否かを判断する(ステップSs164)。遊技状態コマンドを受信した(YES)と、副制御回路200が判断したときは、受信した遊技状態コマンドの送信情報(MB遊技または再遊技の種別を示す情報)に応じた処理を行う(ステップSs166)。例えば、MB遊技や再遊技を開始するときに実行すべき演出への切り替えを行う。
そして副制御回路200は、RAMに記憶されている通信エラーチェックカウンタの値に「1」を加算する(ステップSs168)。この通信エラーチェックカウンタの値は、主制御回路100から送信された各種コマンドのうち、特定のコマンドについて、正常に受信できたか否かをチェックするための値である。通信エラーチェックカウンタの値は、単位遊技が終了するごとにクリアされるため、次の単位遊技が開始されてから、最初にステップSs168の処理が行われたときは、通信エラーチェックカウンタの値が「1」になっている。
次に副制御回路200は、通信エラーチェックカウンタの値が、遊技状態コマンドに予め対応付けられているチェック番号「1」と一致するか否かを判断する(ステップSs170)。そして、副制御回路200は、通信エラーチェックカウンタの値が「1」である(YES)と判断したときは、図20に示した受信コマンド処理を終了して他の処理を行う。これに対して、通信エラーチェックカウンタの値が「1」ではない(NO)と判断したときは、図22に示す通信エラー発生処理を行う(ステップSs172)。この通信エラー発生処理については後に詳しく説明する。そして、図22に示す通信エラー発生処理を終えると、副制御回路200は、図20に示した受信コマンド処理を終了して他の処理を行う。
ステップSs164の判断処理で、副制御回路200が遊技状態コマンドを受信しなかった(NO)と判断したときは、次にRT状態コマンドを受信したか否かを判断する(ステップSs174)。RT状態コマンドを受信した(YES)と、副制御回路200が判断したときは、受信したRT状態コマンドの送信情報(非RT中か、RT中かを示す情報)に応じた処理を行う(ステップSs176)。例えば、RAMに記憶されているRTの状態を示す情報を受信した情報に更新し、役抽選テーブルにおいて、受信したRT状態に応じ演出を行う。
そして副制御回路200は、RAMに記憶されている通信エラーチェックカウンタの値に「1」を加算し(ステップSs178)、通信エラーチェックカウンタの値が、RT状態コマンドに予め対応付けられているチェック番号「2」と一致するか否かを判断する(ステップSs180)。そして、副制御回路200は、通信エラーチェックカウンタの値が「2」である(YES)と判断したときは、図20に示した受信コマンド処理を終了して他の処理を行う。これに対して、通信エラーチェックカウンタの値が「2」ではない(NO)と判断したときは、図22に示す通信エラー発生処理を行う(ステップSs182)。そして、図22に示す通信エラー発生処理を終えると、副制御回路200は、図20に示した受信コマンド処理を終了して他の処理を行う。
次に、ステップSs174の判断処理で、副制御回路200がRT状態コマンドを受信しなかった(NO)と判断したときは、MB獲得可能枚数コマンドを受信したか否かを判断する(ステップSs184)。そして、MB獲得可能枚数コマンドを受信した(YES)と副制御回路200が判断したときは、受信したMB獲得可能枚数コマンドの送信情報(MB遊技の終了条件が成立するまでの残り払出枚数を示す情報)に応じた処理を行う(ステップSs186)。例えば、MB遊技中に獲得したメダル枚数を表示している場合は、表示しているメダル枚数を更新したり、MB遊技中に行っている演出の内容を変化させたりする。その後、副制御回路200は、図20に示した受信コマンド処理を終了して他の処理を行う。
ステップSs184の判断処理で、副制御回路200がMB獲得可能枚数コマンドを受信しなかった(NO)と判断したときは、次にメダル投入コマンドを受信したか否かを判断する(ステップSs188)。そして、メダル投入コマンドを受信した(YES)と副制御回路200が判断したときは、受信したメダル投入コマンドの送信情報(投入されたメダル払出枚数を示す情報)に応じた処理を行う(ステップSs190)。例えば、メダル投入音の発生制御を行う。その後、副制御回路200は、図20に示した受信コマンド処理を終了して他の処理を行う。
ステップSs188の判断処理で、副制御回路200がメダル投入コマンドを受信しなかった(NO)と判断したときは、次にスタートスイッチ受付コマンドを受信したか否かを判断する(ステップSs192)。そして、スタートスイッチ受付コマンドを受信した(YES)と副制御回路200が判断したときは、受信したスタートスイッチ受付コマンドの送信情報(単位遊技開始時のメダル投入枚数を示す情報)に応じた処理を行う(ステップSs194)。例えば、単位遊技の進行に応じた演出の変化を生じさせたり、MB遊技中に純増枚数を表示する場合は、表示している純増枚数からメダル投入枚数を引いた値に更新したりする。ステップSs194の処理を行うと、副制御回路200は、図20に示した受信コマンド処理を終了して他の処理へ移行する。
ステップSs192の判断処理で、副制御回路200がスタートスイッチ受付コマンドを受信しなかった(NO)と判断したときは、次に役抽選結果1コマンドを受信したか否かを判断する(ステップSs196)。そして、役抽選結果1コマンドを受信した(YES)と副制御回路200が判断したときは、受信した役抽選結果1コマンドの送信情報(決定された抽選対象(図5参照)を示す情報)に応じた処理を行う(ステップSs198)。例えば、後述するサブボーナス制御処理(図23参照)などを行う。
次に副制御回路200は、RAMに記憶されている通信エラーチェックカウンタの値に「1」を加算し(ステップSs200)、通信エラーチェックカウンタの値が、役抽選結果1コマンドに予め対応付けられているチェック番号「3」と一致するか否かを判断する(ステップSs202)。そして、副制御回路200は、通信エラーチェックカウンタの値が「3」である(YES)と判断したときは、図20に示した受信コマンド処理を終了して他の処理を行う。これに対して、通信エラーチェックカウンタの値が「3」ではない(NO)と判断したときは、図22に示す通信エラー発生処理を行う(ステップSs204)。そして、図22に示す通信エラー発生処理を終えると、副制御回路200は、図20に示した受信コマンド処理を終了して他の処理を行う。
ステップSs196の判断処理で、副制御回路200が役抽選結果1コマンドを受信しなかった(NO)と判断したときは、次に役抽選結果2コマンドを受信したか否かを判断する(ステップSs206)。そして、役抽選結果2コマンドを受信した(YES)と副制御回路200が判断したときは、受信した役抽選結果2コマンドの送信情報(MB役が当選しているか否かを示す情報)に応じた処理を行う(ステップSs208)。ステップSs208の処理を行うと、副制御回路200は、図20に示した受信コマンド処理を終了して他の処理へ移行する。
ステップSs206の判断処理で、副制御回路200が役抽選結果2コマンドを受信しなかった(NO)と判断したときは、図21に示すフローチャートへ進み、疑似遊技演出開始コマンドを受信したか否かを判断する(ステップSs210)。そして、疑似遊技演出開始コマンドを受信した(YES)と副制御回路200が判断したときは、受信した疑似遊技演出開始コマンドの送信情報(疑似単位遊技回数を示す情報および異常チェック指示の有無を示す情報)に応じた処理を行う(ステップSs212)。ここでは、後述する疑似遊技演出処理(図24参照)を行う。そしてステップSs212の処理を行うと、副制御回路200は、図21に示した受信コマンド処理を終了して他の処理へ移行する。
ステップSs210の判断処理で、副制御回路200が疑似遊技演出開始コマンドを受信しなかった(NO)と判断したときは、次に操作順序抽選結果コマンドを受信したか否かを判断する(ステップSs214)。そして、操作順序抽選結果コマンドを受信した(YES)と副制御回路200が判断したときは、受信した操作順序抽選結果コマンドの送信情報(特定の図柄組合せについて引込制御が行われる操作順序を示す情報)に応じた処理を行う(ステップSs216)。ここでは、ステップSs212と同様に、後述する疑似遊技演出処理(図24参照)を行う。そしてステップSs216の処理を行うと、副制御回路200は、図21に示した受信コマンド処理を終了して他の処理へ移行する。
ステップSs214の判断処理で、副制御回路200が操作順序抽選結果コマンドを受信しなかった(NO)と判断したときは、次に疑似遊技演出終了コマンドを受信したか否かを判断する(ステップSs218)。そして、疑似遊技演出終了コマンドを受信した(YES)と副制御回路200が判断したときは、疑似遊技演出終了コマンドを受信したことに基づく処理を行う(ステップSs220)。ここでは、ステップSs212およびSs216と同様に、後述する疑似遊技演出処理(図24参照)を行う。そしてステップSs220の処理を行うと、副制御回路200は、図21に示した受信コマンド処理を終了して他の処理へ移行する。
ステップSs218の判断処理で、副制御回路200が疑似遊技演出終了コマンドを受信しなかった(NO)と判断したときは、詳しい説明は省略するが、副制御回路200は、以下、フリーズ演出開始コマンド、停止表示図柄組合せコマンド、回転待機終了コマンド、各リール回転開始コマンド、各リール停止受付コマンド、リール停止コマンド、作動図柄コマンド、メダル払出開始コマンド、メダル払出終了コマンド、および、MB遊技終了コマンドを受信したか否かを順次判断し、受信したと判断した場合は、各々受信したコマンドの送信情報に応じた処理を行う。
そして、副制御回路200が、MB遊技終了コマンドを受信しなかったと判断したときは、次に単位遊技終了コマンドを受信したか否かを判断する(ステップSs222)。そして、単位遊技終了コマンドを受信した(YES)と副制御回路200が判断したときは、受信した単位遊技終了コマンドを受信したことに基づいて演出内容を変化させる処理などを行う(ステップSs224)。次に副制御回路200は、RAMに記憶されている通信エラーチェックカウンタの値に「1」を加算し(ステップSs226)、通信エラーチェックカウンタの値が、単位遊技終了コマンドに予め対応付けられているチェック番号「4」と一致するか否かを判断する(ステップSs228)。そして、副制御回路200は、通信エラーチェックカウンタの値が「4」である(YES)と判断したときは、通信エラーチェックカウンタの値を「0」にクリアして(ステップSs232)、図21に示した受信コマンド処理を終了する。これに対して、通信エラーチェックカウンタの値が「4」ではない(NO)と判断したときは、図22に示す通信エラー発生処理を行ってから(ステップSs230)、ステップSs232の処理へ移行して通信エラーチェックカウンタの値をクリアして、図21に示した受信コマンド処理を終了する。
<通信エラー発生処理の説明>
次に、副制御回路200が、図20および図21のステップSs170、S180、S202およびS228の判断処理において、通信エラーチェックカウンタの値と、受信したコマンドに付与されたチェック番号との値が一致しなかった(NO)と判断したときに行う通信エラー発生処理の内容について、図22に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
まず、副制御回路200は、RAMに記憶されている通信エラー発生カウンタの値に「1」を加算する(ステップSs250)。ここで、通信エラー発生カウンタは、通信エラーのチェック対象になっているコマンド(すなわちチェック番号が対応付けられているコマンド)に各々対応して設けられている。そして、対応するコマンドについて通信エラーが発生すると、そのコマンドに対応する通信エラー発生カウンタの値に「1」が加算される。これにより、通信エラーチェックカウンタの値と、受信したコマンドに付与されたチェック番号との値が一致しなかった場合は、主制御回路100から送信されたコマンドを受信できなかった、という通信エラーが発生したものとして扱っている。
例えば、役抽選結果1コマンド(チェック番号:3)を受信した際に(図20、ステップSs196,YES)、通信エラーチェックカウンタの値が「3」にならなかった(同図19、ステップSs202,NO)ということは、役抽選結果1コマンドの1つ前のチェック対象になっているコマンド(RT状態コマンド(チェック番号:2))が正常に受信できなかったために、通信エラーチェックカウンタの値に「1」が加算されていなかった(通信エラーチェックカウンタの値が「2」にされなかった)ことを意味する。
そして、副制御回路200は、通信エラーチェックカウンタの値を本来の値に修正する(ステップSs252)。すなわち、受信したコマンドの識別情報に基づいて、そのコマンドに割り当てられたチェック番号の値を認識し、その認識した値を、通信エラーチェックカウンタの値とする。次に副制御回路200は、受信したコマンドに対応する通信エラー発生カウンタの値が所定値以上になったか否かを判断する(ステップSs254)。そして、通信エラー発生カウンタの値が所定値未満である(NO)と、副制御回路200が判断したときは、図22の通信エラー発生処理を終了する。
これに対して、通信エラー発生カウンタの値が所定値以上である(YES)と、副制御回路200が判断したときは、RAMに記憶されている通信エラーフラグの状態がオンになっているか否かを判断する(ステップSs256)。この通信エラーフラグは、後述する疑似遊技演出処理(図24参照)によって、通信エラーが発生したことを主制御回路100に判断させるか否かを判断するためのフラグである(詳しくは後述する)。
ステップSs256の判断処理で、通信エラーフラグがオフになっている(NO)と、副制御回路200が判断したときは、通信エラーフラグをオンにして(ステップSs258)、通信エラーの発生を報知する時間を指定する表示タイマの値をセットする(ステップSs260)。これに対して、ステップSs256の判断処理で、通信エラーフラグが既にオンになっている(YES)と、副制御回路200が判断したときは、直ちにステップSs260の処理へ移行して、改めて表示タイマの値をセットし直す。そして、ステップSs260の処理を行うと、図22の通信エラー発生処理を終了する。
上述した図20および図21に示す受信コマンド処理および図22の通信エラー発生処理によれば、主制御回路100から、チェック番号が割り当てられたコマンドが送信されたときに、当該コマンドが副制御回路200で正常に受信できたか否かを判断し、その判断結果に基づいて、主制御回路100と副制御回路200との間で行われる通信に異常(コマンドの欠落)が発生したことを報知することができる。これにより、主制御回路100から副制御回路200へ送信されるコマンドを意図的に欠落させることで、現在の遊技状態を、遊技者にとって有利な状態に改変してしまうという不正行為を発見できる可能性がある。
なお、図22に示した通信エラー発生処理において、ステップSs254の判断処理における、通信エラー発生カウンタの値と比較される所定値は、比較するコマンドの種類に応じて異ならせるようにしても良い。例えば、欠落させる目標とされやすいコマンドに対応する所定値は、他のコマンドに対応する所定値よりも大きな値に設定するようにしてもよい。このように所定値を設定することで、不正行為ではない偶発的なコマンドの欠落によって、通信エラーが報知されにくくすることができる。また、通信エラーフラグを各コマンドに対応して個別に設けておき、ステップSs258の処理において、ステップSs254で判断対象となったコマンドに対応する通信エラーフラグをオンにするようにしてもよい。また、ステップSs260の処理によってセットされる表示タイマの値を予め各コマンドに対応して定めておき、ステップSs260において、オンになっている通信エラーフラグに応じた値をセットするようにしてもよい。さらに、ステップSs260の処理において、表示タイマの時間をセットするのに加えて、または、代わりに、通信エラーフラグがオンになったコマンドに対応するエラーメッセージやエラーコードを報知するようにしてもよい。
また、例えば、図3の機能ブロック図において、操作手段300から出力される各信号を副制御回路200にも供給するようにして、操作手段300が操作されたときに、対応するコマンドを主制御回路100から受信したか否かによって、コマンドが欠落しているか否かを判断するようにしても良い。例えば、スタートスイッチ36から信号が出力されたときに、主制御回路100からスタートスイッチ受付コマンドを受信したか否か、ストップスイッチ37L,37C,37Rから各々信号が出力されたときに、左/中/右リール停止受付コマンドを受信したか否か、および、ベットスイッチ34,35(メダルセレクタに設けられたメダルセンサも含む)から各々信号が出力されたときに、メダル投入コマンドを受信したか否か、によってコマンドが欠落しているか否かを判断するようにしても良い。さらに、通信エラー発生カウンタの値は、例えば副制御回路200が、図19のステップSs142の判断処理で、設定値が変更された(YES)と判断したときに「0」にクリアしてもよい。
<サブボーナス制御処理の説明>
次に、図23のフローチャートを参照して、主に、前述したサブボーナスまたは上乗せART遊技中において、役抽選で複合C〜複合Eのいずれかが決定されたときに小役1が入賞する操作順序を報知するサブボーナス制御処理の内容について説明する。
まず、副制御回路200は、主制御回路100から役抽選結果1コマンドを受信したか否かを判断し(ステップSs270)、受信した(YES)と判断したときは、次に今回の単位遊技において、役抽選によって複合C〜複合Eのいずれかが決定されたか否かを判断する(ステップSs272)。
そして、複合C〜複合Eのいずれかが決定された(YES)と副制御回路200が判断したときは、現在のART状態がサブRB、昇格サブBB、サブBB(以上、まとめてサブボーナス中という)または上乗せART遊技中であるか否かを判断する(ステップSs274)。副制御回路200が、サブボーナス中および上乗せART遊技中のいずれでもない(NO)と判断したときは、図23に示すサブボーナス制御処理を終了して他の処理を行う。これ対して副制御回路200が、サブボーナス中または上乗せART遊技中である(YES)と判断したときは、小役1が入賞する操作順序を報知する(ステップSs274)。そして、図23に示すサブボーナス制御処理を終了して他の処理を行う。
前述したステップSs272の判断処理において、副制御回路200が、複合C〜複合Eのいずれも決定されなかった(NO)と判断したときは、役抽選で複合Aまたは複合Bが決定されたか否かを判断する(ステップSs278)。そして、複合Aまたは複合Bのいずれかが決定された(YES)と副制御回路200が判断したときは、現在のART状態が非ART遊技中であるか否かを判断する(ステップSs280)。副制御回路200が、非ART遊技中ではない、すなわちサブボーナス中または上乗せART遊技中である(NO)と判断したときは、図23に示すサブボーナス制御処理を終了して他の処理を行う。
これに対して、非ART遊技中である(YES)と副制御回路200が判断したときは、次にRAMに記憶されているサブBB当選フラグの状態がオンであるか否かを判断する(ステップSs282)。ここで、サブBB当選フラグは、後述するサブボーナス抽選でサブBBが当選していなければオフとなり、サブBBに当選したときにオンとなるフラグである。そして、サブBB当選フラグがオンになっている(YES)と、副制御回路200が判断したときは、再遊技役b(図柄組合せ「赤7−赤7−赤7」)が入賞し得る操作順序を報知する(ステップSs284)。
一方、ステップSs282の判断処理で、サブBB当選フラグがオフになっている(NO)と副制御回路20が判断したときは、次にサブRB当選フラグまたは昇格サブBB当選フラグの状態がオンであるか否かを判断する(ステップSs286)。ここで、サブRB当選フラグは、後述するサブボーナス抽選でサブRBが当選していなければオフとなり、サブRBに当選したときにオンとなるフラグである。また、昇格サブBB当選フラグは、後述するサブボーナス抽選で昇格サブBBが当選していなければオフとなり、昇格サブBBに当選したときにオンとなるフラグである。そして、サブRBまたは昇格サブBB当選フラグがオンになっている(YES)と、副制御回路200が判断したときは、再遊技役c(図柄組合せ「青7−青7−青7」)が入賞し得る操作順序を報知する(ステップSs288)。
また、ステップSs278の判断処理で、役抽選によって複合Aおよび複合Bのいずれも決定されなかった(NO)と、副制御回路200が判断したときは、次に、役抽選で特殊複合が決定されたか否かを判断する(ステップSs290)。そして、役抽選で特殊複合が決定された(YES)と副制御回路200が判断したときは、次に現在のART状態が非ART遊技中であるか否かを判断する(ステップSs292)。ここで、現在のART状態が非ART遊技中ではない(NO)と副制御回路200が判断したときは、現在のART状態がサブBB中であるか否かを判断する(ステップSs294)。そして、副制御回路200が、現在、サブBB中ではない(NO)と判断したときは、図23のサブボーナス制御処理を終了して、他の処理を行う。
副制御回路200が、現在、サブBB中である(YES)と判断したときは、次にRAMに記憶されているサブBB中に行われたゲーム数SBGの値が25を超えたか否かを判断する(ステップSs296)。そして、ゲーム数SBGの値が25を超えていない(NO)と副制御回路200が判断したときは(すなわち、サブBBの前半25ゲーム)、副制御回路200は、サブBB連チャン抽選を行う(ステップSs298)。このサブBB連チャン抽選は、現在行っているサブBBが終了したときに、さらにもう一度サブBBを行うか否かを決定するための抽選であり、各「設定」において、少なくとも図8に示すサブBBの当選確率よりも高い当選確率に設定されている。また、サブBB連チャン抽選におけるサブBBの当選確率は、「設定1」〜「設定6」の間で異なっていてもよいし、一定であってもよい。
また、サブBBの前半25ゲーム間に行ったサブBB連チャン抽選で、複数回、当選したとしても、サブBBの連チャンは1回のみである。ただし、連チャンしたサブBBの前半25ゲーム中にもサブBB連チャン抽選が行われるため、そこで当選したときは、そのサブBB後、さらにもう一度サブBBを行うことかできる。
ステップSs298でサブBB連チャン抽選を行うと、副制御回路200は、当該抽選で当選したか否かを判断する(ステップSs300)。そして、副制御回路200が当選した(YES)と判断したときは、RAMに記憶されているサブBB当選フラグの状態をオンにした後(ステップSs302)、図23のサブボーナス制御処理を終了する。また、ステップSs300で、サブBB連チャン抽選に当選しなかった(NO)と副制御回路200が判断したときは、そのまま図23のサブボーナス制御処理を終了する。
一方、ステップSs296の判断処理で、副制御回路200が、現在、サブBBの後半25ゲーム中である(YES)と判断したときは、上乗せART抽選を行う(ステップSs304)。この上乗せART抽選は、サブBBの連チャンが決定されることなく現在のサブBBが終了した場合、引き続きART遊技を行う回数(ART遊技回数)AGの値を決定する乱数抽選である。この抽選においては、例えばAGの値が0〜5のいずれかの値に決定される。なお、サブBBの連チャンが決定されることなく現在のサブBBが終了したしたときに、AGの値が「1」以上であれば、ART状態はサブBBから上乗せART遊技へ移行するが、AGの値が「0」だった場合は、サブBBから非ART遊技へ移行する。そして、副制御回路200は、ステップSs304の上乗せART抽選によって決定されたAGの値を、RAMに記憶されているAGの値に加算し(ステップSs306)、図23のサブボーナス制御処理を終了する。
また、役抽選で特殊複合が決定されたときに(ステップSs290,YES)、非ART遊技中だった場合は(ステップSs292,YES)、図8に示す各種サブボーナスの当選確率に応じたサブボーナス抽選を行う(ステップSs308)。いずれかのサブボーナスに当選したときは、RAMに記憶されている各種サブボーナス当選フラグのうち、当選したサブボーナスに対応する当選フラグの状態をオンにした後(ステップSs310)、図23のサブボーナス制御処理を終了する。
さて、ステップSs270の判断処理で、副制御回路200が、役抽選結果1コマンドを受信しなかった(NO)と判断したときは、次に主制御回路100からフリーズ演出開始コマンドを受信したか否かを判断する(ステップSs312)。そして、フリーズ演出開始コマンドを受信しなかった(NO)と副制御回路200が判断したときは、そのまま図23のサブボーナス制御処理を終了する。
これに対して、ステップSs312の判断処理で、副制御回路200がフリーズ演出開始コマンドを受信した(YES)と判断したときは、フリーズ演出中に実行する演出(例えば、予め定められた動画の再生など)を制御する(ステップSs314)。次に副制御回路200は、主制御回路100からフリー演出が行われた結果、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せの内容を示す停止表示図柄組合せコマンドを受信したか否を判断する(ステップSs316)。そして、副制御回路200は、停止表示図柄組合せコマンドを受信するまで繰り返しステップSs316の判断処理を行って待機状態となる。副制御回路200が停止表示図柄組合せコマンドを受信すると、ステップSs316の判断結果がYESとなり、受信した停止表示図柄組合せコマンドの送信情報に基づいて、フリーズ演出が行われた結果、入賞ラインL上に「赤7−赤7−赤7」の図柄組合せが停止表示されたか否かの判断を行う(ステップSs318)。
ステップSs318の判断処理で、入賞ラインL上に「赤7−赤7−赤7」の図柄組合せが停止表示されなかった(NO)と、副制御回路200が判断したときは、前述したステップSs308の処理へ移行して、サブボーナス抽選を行う。これに対して、賞ラインL上に「赤7−赤7−赤7」の図柄組合せが停止表示された(YES)と判断したときは、RAMに記憶されている現在のART状態をサブBBに更新して(ステップSs320)、サブボーナス中に行われたゲーム数SBGの値を「0」にクリアする(ステップSs322)。そして、サブBB中の報知制御を行うために、ステップSs272の処理へ移行し、役抽選の結果に応じた操作順序を報知する。
なお、上述したステップSs304の処理における上乗せART抽選では、AGの値を直接的に決定していたが、代わりにストック抽選を行って、当選するごとにストックの数を蓄積していくようにしてもよい。この場合、後述する図25のART状態移行制御処理において、サブBBが連チャンすることなく終了する際に、1つ以上のストックが蓄積されていた場合は、ストックを1つ消費して、所定ゲーム数の上乗せART遊技へ移行するようにしてもよい。このとき、1つのストックで10ゲームの上乗せART遊技を行うとする場合は、AGの値に「10」をセットする。そして、上乗せART遊技中に、上乗せ抽選の結果に応じてAGの値を増加させ、やがてAGの値が「0」になったときに、1つ以上のストックが蓄積されていた場合は、再度、ストックを1つ消費して、AGの値に「10」をセットして、引き続き上乗せART遊技を行う。そして、AGの値とストックの数が共に「0」になったときに、非ART状態へ移行する。
<疑似遊技演出処理の説明>
次に、図24のフローチャートを参照して、疑似遊技演出の実行中に副制御回路200で行われる各種制御処理を行う疑似遊技演出処理の内容について説明する。
まず、副制御回路200は、主制御回路100から疑似遊技演出開始コマンドを受信したか否かを判断する(ステップSs330)。疑似遊技演出開始コマンドを受信した(YES)と副制御回路200が判断したときは、RAM(遊技情報記憶手段240)に記憶されている疑似遊技演出開始回数PDの値に「1」を加算する(ステップSs332)。そして、RAMに記憶されている疑似単位遊技回数PGの値を、受信した疑似遊技演出開始コマンドの送信情報に含まれている疑似単位遊技回数PGの値に更新する(ステップSs334)。なお、このとき副制御回路200は、疑似遊技演出開始コマンドの送信情報に含まれていた他の送信情報についてもRAMに記憶する。
次に副制御回路200は、これから行われる疑似遊技演出において、何番目に行われた疑似単位遊技であるかを示すための変数nの値(RAMに記憶されている)を「0」にクリアする(ステップSs336)。そして副制御回路200は、RAMに記憶されている疑似遊技演出フラグの状態をオンにした後(ステップSs338)、図24の疑似遊技演出処理を終了し、他の処理を行う。次に、ステップSs330の判断処理において、副制御回路200が疑似遊技演出開始コマンドを受信していない(NO)と判断したときは、RAMに記憶された疑似遊技演出フラグがオンになっているか否かを判断する(ステップSs340)。疑似遊技演出フラグがオフになっている(NO)と、副制御回路200が判断したときは、そのまま図24の疑似遊技演出処理を終了して、他の処理を行う。
一方、ステップSs340の判断処理において、疑似遊技演出フラグがオンになっている(YES)と、副制御回路200が判断したときは、次に主制御回路100から操作順序抽選結果コマンドを受信したか否かを判断する(ステップSs342)。そして、操作順序抽選結果コマンドを受信した(YES)と、副制御回路200が判断したときは、ステップSs330の判断処理で受信したと判断された疑似遊技演出開始コマンドの送信情報に、異常チェック指示を示す情報が含まれていたか否かを判断する(ステップSs344)。
そして、異常チェック指示を示す情報が含まれていた(YES)と副制御回路200が判断したときは、次に、図22の通信エラー発生処理におけるステップSs258の処理によって、通信エラーフラグがオンにされているか否かを判断する(ステップSs346)。通信エラーフラグがオフになっている(NO)と副制御回路200が判断したときは、そのまま図24の疑似遊技演出処理を終了して、他の処理を行う。これに対して通信エラーフラグがオンになっている(YES)と副制御回路200が判断したときは、受信した操作順序抽選結果コマンドの送信情報に含まれていた操作順序を遊技者に報知した後(ステップSs348)、図24の疑似遊技演出処理を終了する。
このように、主制御回路100から異常チェック指示があったときは、通信エラーフラグがオンになっていたときだけ、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示される操作順序が報知される。なお、ステップSs344の判断処理で、副制御回路200が、受信した疑似遊技演出開始コマンドの送信情報に、異常チェック指示を示す情報が含まれていない(NO)と判断したときは、直ちにステップSs348の処理へ移行して、受信した操作順序抽選結果コマンドの送信情報に含まれていた操作順序を遊技者に報知し、図24の疑似遊技演出処理を終了する。
前述したステップSs342の判断処理において、副制御回路200が、操作順序抽選結果コマンドを受信していない(NO)と判断したときは、次に停止表示図柄組合せコマンドを受信した否か判断する(ステップSs350)。停止表示図柄組合せコマンドを受信した(YES)と、副制御回路200が判断したときは、受信した停止表示図柄組合せコマンドの送信情報に基づいて、入賞ラインL上に「赤7−赤7−赤7」の図柄組合せが停止表示されたか否かを判断する(ステップSs352)。
そして、入賞ラインL上に「赤7−赤7−赤7」の図柄組合せが停止表示された(YES)と、副制御回路200が判断したときは、RAMに記憶されているサブBB当選フラグがオンになっているか否かを判断する(ステップSs354)。サブBB当選フラグがオンになっている(YES)と、副制御回路200が判断したときは、現在行われている疑似遊技演出は、サブBBが終了した直後に開始される疑似遊技演出であり、かつ、当該サブBBの前半25ゲームで、サブBB連チャン抽選に当選したものとして扱う。これにより副制御回路200は、連チャンするサブBBへ移行すべく、RAMに記憶されているART状態を示す情報をサブBBに更新し(ステップSs356)、サブボーナス中に行ったゲーム数SBGの値を「0」にクリアする(ステップSs358)。そして、ステップSs354の判断処理で参照したサブBB当選フラグの状態をオフにして(ステップSs360)、図24の疑似遊技演出処理を終了する。
これに対して、副制御回路200が、受信した停止表示図柄組合せコマンドの送信情報に基づいて、入賞ラインL上に「赤7−赤7−赤7」の図柄組合せが停止表示されなかったと判断したとき、および、サブBB当選フラグがオフになっていると判断したときは、ステップSs352またはSs354の判断処理の結果がNOとなる。この場合、副制御回路200は、現在行われている疑似遊技演出が、上乗せART遊技中に行われているものとして扱い、ステップSs336の処理によりクリアしたnの値に「1」を加算する(ステップSs362)。そして副制御回路200は、n回目の疑似単位遊技で停止表示された図柄組合せを示す情報を、nの値と関連付けてRAMに記憶する(ステップSs364)。さらに、RAMに記憶されている疑似単位遊技回数PGの値から「1」を減算し(ステップSs366)、図24の疑似遊技演出処理を終了する。
前述したステップSs350の判断処理において、副制御回路200が、停止表示図柄組合せコマンドを受信していない(NO)と判断したときは、次に、疑似遊技演出終了コマンドを受信したか否かを判断する(ステップSs368)。疑似遊技演出終了コマンドを受信していない(NO)と、副制御回路200が判断したときは、直ちに図24の疑似遊技演出処理を終了する。これに対して、疑似遊技演出終了コマンドを受信した(YES)と、副制御回路200が判断したときは、現在のART状態がサブBBであるか否かを判断する(ステップSs370)。
ステップSs370の判断処理で、副制御回路200がサブBBではない(NO)と判断したときは、上乗せART遊技中に行われた疑似遊技演出が終了したものとして扱い、まず、各疑似単位遊技において停止表示された図柄組合せのうち、「赤7−赤7−赤7」の図柄組合せが停止表示された回数(達成回数)Rを算出する(ステップSs372)。そして、副制御回路200は、達成回数Rの値が3以上になっているか否かを判断する(ステップSs372)。達成回数Rの値が3以上になっている(YES)と副制御回路200が判断足したときは、図23のステップSs304で行ったART上乗せ抽選と同様の抽選を行う(ステップSs374)。そして、この抽選によって定められたART遊技回数AGの値を、RAMに記憶されているAGの値に加算した後(ステップSs378)、ステップSs338の処理によってオンにした疑似遊技演出フラグをオフにして(ステップSs380)、図24の疑似遊技演出処理を終了する。
また、ステップSs370の判断処理で、現在のART状態がサブBBである(YES)と副制御回路200が判断したときは、ステップSs356の処理によって、連チャンするサブBBを開始するものとして扱い、そのままステップSs380の処理へ移行して疑似遊技演出フラグをオフにした後、図24の疑似遊技演出処理を終了する。
なお、上述したステップSs372では、「赤7−赤7−赤7」の図柄組合せが停止表示された回数を算出していたが、例えば、疑似遊技演出においてストップスイッチが正解押し順で操作されたときは、「ベル」図柄(または「リプレイ」図柄や)のように、必ず入賞ラインL上に停止させることができる図柄を引込制御の対象にして、これらの図柄が揃った回数を算出するようにしてもよい。このように構成した場合は、遊技者の目押しに関する技量に影響されず、純粋にストップスイッチの操作順序が正解押し順であったか否かに基づいて、ART上乗せ抽選が行われることとなる。
また、各疑似遊技演出において、実行された疑似単位遊技の回数(3回または7回)。達成回数R、各疑似単位遊技で停止表示された図柄組合せの内容を、遊技履歴情報として記憶してもよいが、その他にも例えば、正解押し順で操作された割合(押し順正解率)、過去に行われた疑似遊技演出の回数、疑似単位遊技の合計回数、達成回数の合計値、および総合的な押し順正解率なども、遊技履歴として記憶するようにしてもよい。さらに、前述した情報入力手段500(図3参照)から、例えば遊技者個人を特定できるID情報が入力された場合は、当該遊技者が行った疑似遊技演出に限定した疑似遊技に関する履歴情報を記憶するようにしてもよい。
<ART状態移行制御処理の説明>
次に、図25のフローチャートを参照して、単位遊技が行われ、全リールが停止したときに主制御回路100から送信される作動図柄コマンドを受信したときに行うART状態移行制御処理の内容について説明する。
まず、副制御回路200は、主制御回路100から作動図柄コマンドを受信したか否かを判断する(ステップSs390)。副制御回路200が、作動図柄コマンドを受信していない(NO)と判断したときは、直ちに図25のART状態移行制御処理を終了し、他の処理を行う。
これに対して、ステップSs390の判断処理で、副制御回路200が作動図柄コマンドを受信した(YES)と判断としたときは、次に、受信した作動図柄コマンドの送信情報に基づいて、入賞ラインL上に「赤7−赤7−赤7」の図柄組合せが停止表示されたか否かを判断する(ステップSs392)。そして、入賞ラインL上に「赤7−赤7−赤7」の図柄組合せが停止表示された(YES)と、副制御回路200が判断したときは、RAMに記憶されているサブBB当選フラグの状態がオンになっているか否かを判断する(ステップSs394)。
サブBB当選フラグの状態がオフになっている(NO)と、副制御回路200が判断したときは、「赤7−赤7−赤7」の図柄組合せが停止表示される操作順序が報知されなかったにも拘わらず(図23のステップSs278〜Ss284参照)、左ストップスイッチ37L以外のストップスイッチを最初に操作した(図5の複合A,複合Bに対する備考欄参照)ものとして扱い、ペナルティ処理を行う(ステップSs396)。このペナルティ処理としては、例えば、所定ゲーム数の間、サブボーナスに関する抽選を行わないことが考えられる。また、これ以外にも、従来のスロットマシンで採用されているペナルティを適用することができる。そして、ステップSs396の処理を行うと、副制御回路200は図25のART状態移行制御処理を終了し、他の処理を行う。
また、ステップSs394の判断処理において、サブBB当選フラグがオンになっている(YES)と副制御回路200が判断したときは、次に遊技者の要求に応じて遊技履歴を表示することができるように、RAMに記憶されているサブBB発生回数SBBの値に「1」を加算する(ステップSs398)。次に副制御回路200は、RAMに記憶されているART状態をサブBBに更新する(ステップSs400)とともに、サブBB当選フラグの状態をオフにする(ステップSs402)。そして、副制御回路200は、サブボーナス中に行ったゲーム数SBGの値を「0」にクリアし(ステップSs404)、図25のART状態移行制御処理を終了する。
前述したステップSs392の判断処理において、副制御回路200が、入賞ラインL上に「赤7−赤7−赤7」の図柄組合せが停止表示されなかった(NO)と判断したときは、次に、受信した作動図柄コマンドの送信情報に基づいて、入賞ラインL上に「青7−青7−青7」の図柄組合せが停止表示されたか否かを判断する(ステップSs406)。そして、入賞ラインL上に「青7−青7−青7」の図柄組合せが停止表示された(YES)と、副制御回路200が判断したときは、RAMに記憶されているサブRB当選フラグまたは昇格サブBB当選フラグの状態がオンになっているか否かを判断する(ステップSs408)。
ステップSs408の判断処理で、副制御回路200が、サブRB当選フラグおよび昇格サブBB当選フラグの状態が共にオフになっている(NO)と判断したときは、「青7−青7−青7」の図柄組合せが停止表示される操作順序が報知されなかったにも拘わらず(図23のステップSs286〜Ss288参照)、左ストップスイッチ37L以外のストップスイッチを最初に操作した(図5の複合A,複合Bに対する備考欄参照)ものとして扱い、ステップSs396へ移行してペナルティ処理を行う。そして、ペナルティ処理を行った後に図25のART状態移行制御処理を終了し、他の処理を行う。
また、ステップSs408の判断処理において、サブRB当選フラグまたは昇格サブBB当選フラグがオンになっている(YES)と副制御回路200が判断したときは、次にRAMに記憶されているサブRB発生回数SRBの値に「1」を加算する(ステップSs410)。そして副制御回路200は、RAMに記憶されているART状態をサブRBに更新し(ステップSs412)、ステップSs404へ移行してSBGの値をクリアした後、図25のART状態移行制御処理を終了する。
次に、ステップSs406の判断処理で、副制御回路200が、入賞ラインL上に「青7−青7−青7」の図柄組合せが停止表示されなかった(NO)と判断したときは、RAMに記憶されている現在のART状態が、サブRBまたはサブBBであるか否かを判断する(ステップSs414)。そして、サブRBまたはサブBBである(YES)と副制御回路200が判断したときは、RAMに記憶されている、サブボーナス中に行ったゲーム数SBGの値に「1」を加算する(ステップSs416)。次に副制御回路200は、SBGの値が「20」になったか否かを判断する(ステップSs418)。そして、SBGの値が「20」になった(YES)と副制御回路200が判断したときは、現在のART状態がサブRBであるか否かを判断する(ステップSs420)。
現在のART状態がサブRBである(YES)と副制御回路200が判断したときは、RAMに記憶されている昇格サブBB当選フラグの状態がオンになっているか否かを判断する(ステップSs422)。昇格サブBB当選フラグの状態がオンになっている(YES)と、副制御回路200が判断したときは、RAMに記憶されているART状態をサブBBに更新し(ステップSs424)、ステップSs410で「1」加算したサブRB発生回数SRBの値から「1」を減算するとともに、サブBB発生回数SBBの値に「1」を加算する(ステップSs426)。そして、昇格サブBB当選フラグの状態をオフにした後(ステップSs428)、図25のART状態移行制御処理を終了する。
ここで、前述したように、遊技者が図3の情報入力手段500を用いてその時点の遊技履歴情報の出力を要求した場合にも、昇格サブBBの存在に起因するサブRB発生回数SRBの値の調整処理を行う。具体的には、サブRBまたは昇格サブBBを行っており、かつ、サブボーナス中のゲーム数SBGの値が20未満のときに、遊技者が遊技履歴情報の出力を要求した場合は、ステップSs410で「1」を加算したサブRB発生回数SRBの値から「1」を減算した上で、遊技履歴情報を出力する。この処理は、実際に行っているサブボーナスゲームがサブRBであっても、昇格サブBBであっても双方の場合で行う。
これにより、例えば「青7−青7−青7」の図柄組合せが停止表示されて昇格サブBBが開始したときに(ただし、遊技者にはサブRBおよび昇格サブBBのどちらが開始したのか判別できない)、遊技者が遊技履歴情報の出力を要求したとする。このようなときに上述した処理を行えば、ステップSs410の処理によってサブRB発生回数SRBの値が加算されたまま、遊技履歴情報がサーバに送信されてしまうのを避けることができる。
前述したステップSs422の判断処理で、昇格サブBB当選フラグがオフになっている(NO)と、副制御回路200が判断したときは、サブRBの終了条件が成立したものとして、RAMに記憶されているサブRB当選フラグの状態をオフにする(ステップSs430)。そして、SBGの値を「0」にクリアするともとに(ステップSs432)、ART状態を「非ART遊技」に更新してから(ステップSs434)、図25のART状態移行制御処理を終了する。
また、副制御回路200が、前述したステップSs418の判断処理でSBGの値が「20」になっていない(NO)、または、ステップSs420の判断処理で現在のART状態がサブRBではない(NO)と判断したときは、次にSBGの値が「50」になったか否かを判断する(ステップSs436)。そして、SBGの値が「50」になっていない(NO)と副制御回路200が判断したときは、直ちに図25のART状態移行制御処理を終了する。これに対してSBGの値が「50」になった(YES)と副制御回路200が判断したときは、次にART遊技回数AGの値が「1」以上であるか否かを判断する(ステップSs438)。
ART遊技回数AGの値が「1」以上である(YES)と、副制御回路200が判断したときは、サブBBの後半25ゲームの間に行われる上乗せART抽選(図23のステップSs304参照)によってAGの値が加算されたことにより、上乗せART遊技を行うべく、SBGの値を「0」にクリアするともとに(ステップSs440)、ART状態を「上乗せART遊技」に更新してから(ステップSs442)、図25のART状態移行制御処理を終了する。これに対して、ステップSs438の判断処理で、ART遊技回数AGの値が「0」である(NO)と、副制御回路200が判断したときは、上述したステップSs432の処理へ移行して、SBGの値を「0」にクリアするともとに、ステップSs434の処理でART状態を「非ART遊技」に更新してから、図25のART状態移行制御処理を終了する。
さらに、前述したステップSs414の判断処理において、現在のART状態がサブRBおよびサブBBのいずれでもない(NO)と副制御回路200が判断したときは、現在のART状態が、上乗せART遊技であるか否かを判断する(ステップSs444)。そして、上乗せART遊技中である(YES)と副制御回路200が判断したときは、ART遊技回数AGの値から「1」を減算した後(ステップSs416)、ART遊技回数AGの値が「0」になったか否かを判断する(ステップSs448)。ART遊技回数AGの値が「0」である(YES)と副制御回路200が判断したときは、上乗せART遊技の終了条件が成立したものとして扱い、現在のART状態を「非ART遊技」に更新してから(ステップSs450)、図25のART状態移行制御処理を終了する。
また、副制御回路200が、上述したステップSs444の判断処理で、現在のART状態が上乗せART遊技ではない(NO)と判断したとき、または、ステップSs448の判断処理で、ART遊技回数AGの値が「0」ではない(NO)と、判断したときは、そのまま図25のART状態移行制御処理を終了する。
<電断検出処理および電源遮断処理の説明>
次に、図26のフローチャートを参照して、スロットマシン10の電源が遮断されたときに副制御回路200が実行する電断検出処理および電源遮断処理の内容について説明する。
(電断検出処理の説明)
まず、図26の(a)を参照して、電断検出処理の内容について説明する。この電断検出処理は、副制御回路200において、所定の周期で発生する割込信号に応じて実行される。まず、副制御回路200は、電源電圧の値をチェックして(ステップSs460)、当該電源電圧値が予め定められている電源遮断値であるか否かを判断する(ステップSs462)。この電源遮断値は、電源の供給が遮断されたとみなすことができる電圧値である。そして、ステップSs460の処理でチェックした電圧値が、電源遮断値まで低下していない(NO)と、副制御回路200が判断したときは、他の割込処理を行い、図26(a)の電断検出処理を終了する。
ここで、他の割込処理としては、従来のスロットマシンにおいても行われていた処理も含まれる。例えば、スロットマシン10の筐体に設けられた装飾用のLEDを駆動するためのデータの更新、表示装置70の画面に表示する画像を制御するためのコマンドの出力、および、疑似乱数を生成するための処理などが該当する。
一方、ステップSs462の判断処理で、チェックした電源電圧の値が電源遮断値まで低下した(YES)と、副制御回路200が判断したときは、図26(b)に示す電源遮断処理を開始する。
(電源遮断処理の説明)
まず、副制御回路200は、電断処理済みフラグの状態をオンにする(ステップSs470)。この電断処理済みフラグは、図26(b)の電源遮断処理を実行しているか否かを示すフラグであり、オンになっているときは電源遮断処理を実行していることを示している。次に副制御回路200は、図18のステップSs100およびSs102の各初期化を終えて、ステップSs104〜Ss118のループ処理に移行していたか否かを判断する(ステップSs472)。ステップSs472の判断処理において、図18のステップSs104〜Ss118のループ処理に移行していた(YES)と、副制御回路200が判断したときは、次に図18のステップSs108の処理によって、受信コマンド処理フラグがオンになっているか否かを判断する(ステップSs474)。
そして、受信コマンド処理フラグがオンになっている(YES)と、副制御回路200が判断したときは、その時点において、副制御回路200内のCPUが処理を行っていた状況におけるスタックに関するすべての情報をバックアップ用メモリに記憶する(ステップSs476)。このバックアップ用メモリとしては、例えば図3に示した遊技情報記憶手段240を用いることができる。次に、副制御回路200は、CPU内部に設けられているすべてのレジスタ内のデータをRAMに記憶させる(ステップSs478)。そして、副制御回路200は、再び電源が投入されたときに、図18のステップSs102のRAM初期化の後に再開するプログラム上の位置(処理再開位置)を、現在処理している位置として、バックアップ用メモリに記憶する(ステップSs480)。
これに対して、ステップSs474の判断処理で、受信コマンド処理フラグの状態がオフになっている(NO)と、副制御回路200が判断したときは、CPUが処理を行っていた状況におけるスタックに関する一部の情報をバックアップ用メモリに記憶する(ステップSs482)。ここで、スタックに関する一部の情報とは、例えば、CPU内のレジスタの値を記憶しておかなくとも、次に電源が投入されたときに、プログラム処理を開始するにあたって支障が生じない程度の情報であればよい。そして、副制御回路200は、前述した処理再開位置を、図18に示すサブ・メインルーチン処理の所定の位置として、バックアップ用メモリに記憶する(ステップSs484)。ここで、本実施形態における「所定の位置」は、図18のステップSs104の処理とする。
上述したステップSs480またはSs484の処理を行うと、副制御回路200は、バックアップ用メモリに記憶したスタックに関する情報のチェックサムを算出してバックアップ用メモリに記憶し(ステップSs486)、所定時間待機する(ステップSs488)。なお、前述したステップSs472の判断処理で、図18のステップSs104〜Ss118のループ処理に移行する前であった(NO)と副制御回路200が判断したときは、直ちにステップSs488の処理へ移行する。所定時間待機すると、次に副制御回路200は、ステップSs470でオンに電断処理済みフラグをオフにして(ステップSs490)、例えば、図3の遊技情報記憶手段240の異常履歴記憶領域に記憶している電源瞬断の発生回数に「1」を加算して(ステップSs492)、電源遮断処理を終了する。
以上の処理を行うことで、例えばスロットマシン10の電源スイッチをオフにしたときに、図18のステップSs112またはSs114の処理を行っていた場合は、電源スイッチが再びオンにされると、図19のステップSs158の処理を経た後、電源がオフにされたときに行っていた処理(例えば図20〜図25に示した各種処理におけるいずれかのステップ)から、再開させることができる。ここで、電源の遮断後に、このような再開を行うことを「完全復帰」という。また、電源スイッチをオフにしたときに、図18のステップSs104またはSs106の処理を行っていた場合は、図19のステップSs158の処理を経た後、電源スイッチが再びオンにされると、図18のステップSs104から処理が再開されることになる。ここで、電源の再投入時に、このような再開を行うことを「通常復帰」という。
図26(b)の電源遮断処理を行うことによって、副制御回路200における処理において、遊技者の利益に影響する処理(例えばサブボーナスに関する処理)を行っているときに電源がオフになったときは、再び電源が供給されたときに、そのときに行っていた処理から再開させることができる。このため、遊技の途中で電源がオフになったことが、オフにならなかった場合に比べて、遊技者にとって不利に、または、有利に働くことはない。また、遊技者の利益に影響しない処理(例えば遊技に関係しない演出に関する処理)を行っているときに電源がオフになったときは、必要最小限の情報のみを保存するため、電源がオフになったとき処理に関する負荷を軽減することができる。