[0016]本発明の例示的実施形態は、運営の平易さをもたらすと同時に使用の柔軟性を提供しようとするものである。例示的実施形態では、1つ又は複数の機器、装置、及びシステムが、ユーザ、例えば旅行者を一意に識別すると共にユーザとの通信を可能にする移動通信機器を使用して、購入及び還付の処理を連携する。1つ又は複数の機器、装置、及びシステムは、商店及び/又は税金還付事業者(TRO)及び/又は税関当局によって操作することができる。例示的実施形態では、ユーザ及びそのユーザによって行われた購入に関連する情報を中央で安全に保持し、移動通信機器及び1つ又は複数の他の機器を使用してアクセスすることができる。
[0017]還付業務の管理運営を提供するのに加えて、TROは、プロセス全体を通じてユーザ及び商店に教育を提供することができる。情報技術システムを使用することにより、TROはシステムの完全性を保証することができる。
[0018]図1に、還付プロセスを管理するための例示的方法、装置、及びシステムを示す。この例示的プロセスでは、買い物及び領収書の受け取り(発行30)が、それ以降の処理(取得32、認可34、及び支払い36)から切り離される。
[0019]クレジットカードやデビットカードと同様に、発行サービスの提供者と、トランザクション及び処理の受け取り手はそれぞれ複数いる可能性がある。例えば複数のTROがある可能性がある。様々な販売時点情報管理(POS)装置と、店内でのユーザの買い物の支援を提供することができる。
[0020]例示的実施形態では、商店システムが、TROから提供されるPOS装置及び/又はソフトウェアを使用してトランザクションの発行30を提供することができる。TROにより運営されるホストシステムが税金還付トランザクションの取得32を実施することができる。妥当性検査システム(例えば税関承認システム)が税金還付の認可34を実施することができる。ホストシステムが還付の支払い業務36を行うことができる。自動化されたキオスク(検査ステーション又は検査端末とも呼ぶ)を地域からの退出点に設けて、移動通信機器の自動的な認識などの各種動作に使用することができる。還付の支払いは、還付窓口(TROにより運営される)、又は直ちに現金で還付する場合はキオスクで処理することができ、又は、還付は、銀行及び/又はクレジットカードの口座への自動支払いを使用して、及び/又はTROによる事務処理プロセスを使用して提供することができる。
[0021]ユーザの資格の判定は、下記で説明するように購入トランザクション時に店舗で行うことができる。ただし、所与の地域における法的要件に応じて、資格及び識別の判定は、販売時から、地域からの退出点に移すことができる。
[0022]例示的実施形態は、システムのユーザに感じられる使用の容易さと柔軟性を提供し、同時に動作の安全性と完全性も提供する。
[0023]本発明の例示的実施形態は1つ又は複数の技術を使用して、移動通信機器と他のシステムとの間の通信を提供してトランザクションを支援することができる。
[0024]そのような技術の1つは、いわゆる近距離通信(NFC)技術である。NFC技術は、短距離、例えば約0.1メートルの距離を介して機器間でデータ交換をすることができる短距離のワイヤレス通信技術である。NFC技術は、近接型カード規格(非接触カード、RFID)の拡張であり、スマートカードのインタフェースと読み取り装置を組み合わせて1つの装置にすることができる。すでに公的な交通機関や支払いで使用されている既存の非接触インフラストラクチャと互換性がある。NFCは主として携帯電話での使用を目的としている。NFC技術を使用した携帯電話の例はすでに市場に見られる。NFCインタフェースを内蔵したNFCの読み取り/書き込み装置も様々な製造者から販売されている。Bluetooth(登録商標)など、無線周波ID(RFID)を利用する他の短距離ワイヤレス技術も各種実施形態で使用することができる。
[0025]一例では、購入トランザクションを行う時に、ユーザの移動通信機器(例えば携帯電話)にインストールされた移動通信機器アプリケーション(MCDアプリケーション)が、商店の販売時点情報管理(POS)端末及び/又は商店のウェブサイトと対話することができる。デジタルの免税ショッピング(TFS)トランザクション情報を税金還付事業者(TRO)に送信することができ、送信された情報にユーザ情報を関連付けることができる。ユーザは、任意で、移動通信機器を使用して、又は移動通信機器を介して商品の支払いをすることもできる。そして、ユーザはMCDアプリケーションを使用してさらに購入を行い、さらなるデジタルのTFSトランザクション情報が同様にして送信される。妥当性検査段階と還付段階は、移動通信機器を使用してユーザを認識することにより統合することができる。例えば、妥当性検査及び還付は、ユーザの移動通信機器がNFC対応の税関キオスクに近づきつつある、又は地域からの退出点の近くにある時に、自動的に行うことができる。
[0026]MCDアプリケーションは、例えば登録プロセスの一部としてダウンロードすることにより、初回の購入の前又は初回の購入時にインストールすることができる。そのMCDアプリケーションは、税金還付プロセス全体を通じてユーザを支援すると共に、他のTROサービスも提供することができる。そのようなサービスの例には、発行、妥当性検査、還付、及び追跡動作、商店及び他の旅行者情報の地図、販売促進、オンラインの予防的な指導、取引市場、直接の通貨両替の支援、オンラインサービス、ロイヤルティプログラム等が含まれうる。
[0027]ワイヤレス通信基地局(例えばWiFi基地局)を使用してユーザの移動通信機器とのインタフェースをとることができる。例えば、基地局は、ユーザがサービスを使用することが予想される場所に設置し、ユーザの移動通信機器にインストールされたアプリケーションが基地局と対話することができる。基地局は、TRO、又は商店、又は第3者によって設けることができ、例えばインターネットを介してTROホストシステムに接続することができる。一例では、TROサービスにより設けられる、又はTROサービスのために設けられるすべての基地局に1つ又は複数の標準的なサービスセット識別子(SSID)を与え、それにより、例えば上述のアプリケーションを使用して移動通信機器を設定して、SSIDを検出するとそのサービスのための基地局が提供されていることを自動的に認識し、その基地局の範囲内にある時に例えば所定のパスワードを使用して自動的に基地局に接続するようにすることができる。一例では、移動通信機器は、移動通信機器又は移動通信機器のMCDアプリケーションに基地局及びパスワードが既知であっても、自動的に基地局に接続するように構成しない場合もある。例えば、アプリケーションは、ユーザに、有利には位置固有の情報を使用してSSID及びパスワードを入力することでSSIDとパスワードを入力するように要求することができ、位置固有の情報は、例えば、NFC技術を使用して移動通信機器によって取り込まれる近接性に関するデータや、移動通信機器のカメラで取り込まれた1次元若しくは2次元のバーコード(又はQRコード(登録商標))の画像から導出される近接性データである。
[0028]例えば商店の敷地に基地局を設けることができ、基地局にユーザの移動通信機器が接続するのに応答して、商店にあるTROシステム又は移動通信機器のアプリケーションがTROホストシステムにメッセージを送信して、サービスの提供との関連で使用する情報を取得するように動作することができる。そのような情報には、例えば、商店システムに提供すべきユーザに関する情報が含まれる。それに代えて、又はそれに加えて、ユーザの移動通信機器にメッセージを送信してユーザに出力することもできる。メッセージは、例えば、TROホストシステム及び/又は商店システムと移動通信機器のアプリケーションとの間のメッセージ交換により、又はTROホストシステム及び/又は商店システムから移動通信機器に送信されるSMS、MMS、又は電子メールメッセージ等を用いて提供することができる。ユーザに送信されるメッセージは、提供可能なサービスについての情報、例えばサービスを利用するために必要な手順、特別な売り出しなど、又はサービスを有効利用するための直接的な支援(例えば税金還付サービスの場合は還付チェックの生成等)を含むことができる。メッセージを使用して、動的な通貨両替サービスなどの他のサービスが利用できることをユーザに知らせることもできる。
[0029]本発明の例示的実施形態は移動通信機器を使用する。移動通信機器は例えば、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、携帯型メディアプレーヤ、タブレットコンピュータ、ウェブブック、ノート型又は他の携帯型コンピューティング機器等である。例示的実施形態では、移動通信機器を税金還付プロセス中の様々な段階でユーザを識別するためのインテリジェントトークンとして使用する。移動通信機器は、例えばワイヤレス技術及びMCDアプリケーションを使用して、商店のPOS端末、妥当性検査キオスク及び/又は税関キオスク、TRO及び/又は税関システム及び/又はウェブベースのシステムなどの他の機器及び装置と通信するように構成することができる。そのような例では、購入を行う際に移動通信機器を提示することにより、ワイヤレス技術を使用して移動通信機器の識別子を商店のシステム、例えば商店のPOS端末や商店のウェブサイトに提供することができ、及び/又はトランザクションに関する情報をワイヤレス技術を使用して移動通信機器に通信することができる。それぞれ移動通信機器と商店のシステムで動作する、例えばTROから提供される個々のアプリケーションが、移動通信機器と、商店のシステム、例えば商店のPOS端末やウェブサイトとの間の情報交換を制御することができる。
[0030]ユーザがサービス、例えば税金還付サービスを受ける資格があるかどうかの判定は、販売時に作業者、例えば商店が行うことができる。これは、例えば、通信機器識別子を使用して、ユーザがそのサービスを使用するためにすでに登録されているかどうかを判定することにより、及び/又は商店に情報を提供して商店がユーザを識別できるようにすることにより行うことができる。
[0031]例えば、POS端末は、中間システムを介してTROホストシステムに問い合わせ、移動通信機器識別子がユーザ識別情報に関連付けられているかどうかを判定するように動作することができる。
[0032]移動通信機器識別子がユーザ識別に関連付けられている場合、TROホストシステムは、作業者がユーザの識別を確認できるように、ユーザを識別する情報を返す(例えばパスポート情報、写真又は他の生体情報等を送信することにより)ように動作することができる。
[0033]移動通信機器識別子がユーザ識別に関連付けられていない場合は、TROホストシステムはその旨を知らせる適切な通知を返し、商店システムは、ユーザを識別する所定の情報の入力を作業者に促すように動作することができる。所定の情報は、例えば、ユーザのパスポートのパスポート番号及びパスポートの発行国、ユーザの識別カードの識別カード番号及び識別カードの発行国、ユーザの免許証の免許証番号及びその発行国等である。POS端末で入力された情報は、その後TROホストシステムに送信されて移動通信機器識別子に関連付けられ、ユーザを識別する手段として使用できるようになる。TROホストシステムでユーザレコードを保持することができ、これはユーザを識別するために使用できる他の情報(例えば1つ又は複数の他のトークン)と共に移動通信機器識別子を含む。
[0034]或いは、移動通信機器からセキュアな方式で、及び/又は暗号化して情報を提供して、ユーザを識別してもよい。例えば、移動通信機器及び商店の端末のアプリケーションを使用して、例えば暗号化アルゴリズムを使用して検証可能な情報を交換し、移動通信機器に表示可能な生体情報(例えば移動通信機器に表示可能なユーザの写真)が本物であり、本人であることが確認済みであることを検証することができる。
[0035]次いで、商店システムは、直接又はユーザの移動通信機器を介して、トランザクションのコンピュータ記録を作成するために、移動通信機器識別子及び/又はユーザに関連する他のトークンに関連付けられた購入情報を通信するように動作することができる。そのようなトランザクション記録は、移動通信機器識別子及び/又は他のトークンと、1つ又は複数の購入に関する購入トランザクションについてのトランザクション識別子との関連付けを含むことができる。その後は、例えば1回又は複数回のその後の旅行など、後に行う購入時には、地域からの退出時に移動通信機器識別子を使用して直接又はユーザレコードを介して(1つ又は複数の)トランザクションの記録にアクセスして、還付の妥当性を検査することができる。
[0036]次に、任意の地域の場合の税金還付システムの例示的実施形態のシステム及び方法について図1及び図2を参照して説明する。この実施形態では、1つ又は複数のTROが商店と提携してユーザに税金還付を提供する。図1は、例示的システムの動作を説明する概略図であり、図2は、各種機能要素がネットワーク15(例えばインターネット)を介して相互接続された例示的なシステム構成の概略ブロック図である。
[0037]段階102で、ユーザを識別するトークンとして移動通信機器40を設定することができる。これは、地域に入る前若しくは入る時、又は販売時に行うことができる。一人のユーザに対して1つ又は複数の他のトークンも定義できることに留意されたい。例えば、使用するトークンをユーザが選択することができる。例えば、ユーザは、例えばウェブサイトを介して、又はPOS端末若しくは他の端末上で、又は商店からの要請に応じて、使用する移動通信機器及び1つ又は複数の他のトークンを指定することができる。例えば、ユーザは、TROが提供するウェブサイトで登録することにより自身についての詳細事項を登録し、移動通信機器識別子と1つ又は複数の追加的トークンを関連付けることができる。移動通信機器識別子は、移動通信機器40の携帯電話番号、移動通信機器40のSIM番号、移動通信機器のNFC識別子、移動通信機器のMCDアプリケーションに関連付けられた一意の識別子等、の1つ又は複数から形成することができる。
[0038]登録プロセスの一部として、ユーザに詳細な個人情報、例えば氏名、連絡先情報(例えば住所)、国籍、パスポート番号、性別、誕生日、自宅の電話番号、銀行口座及び/又はクレジットカードの詳細等の提供を求めることもできる。海外で使用する好みの通貨の指定をユーザに求めることもできる。
[0039]ユーザがまだダウンロードしていない場合は、登録の完了時に上記の移動通信機器アプリケーションをダウンロードすることができ、旅行者の識別と嗜好の設定がアプリケーションに埋め込まれる。或いは、アプリケーションがすでにダウンロードされている場合は、アプリケーション内で旅行者の識別とユーザの嗜好設定を更新することができる。
[0040]そのようにダウンロードしたアプリケーションは幅広い機能を提供することができ、それらには例えば、ローミング料なしで情報をダウンロードすることが可能なWiFiゾーンを検索できる機能、WiFiゾーンで提供されるネットワークへの自動的な接続を可能にする情報及びプロセス、税金還付が可能な購入を行うことができる店舗の位置情報、税金還付チェックの妥当性を検査できる検査ステーションの位置情報、記憶された又はダウンロード可能な通貨両替レートで現地の通貨からユーザが選択した通貨への通貨両替を提供できる通貨両替計算機能、ユーザが税金が還付される購入を行った時に利用可能な税金還付を計算できる税金還付計算機能等が含まれる。
[0041]そして、TROは、還付の機会とプロセスについての情報をユーザに提供することができる。また、ユーザに特定のトークンを発行することもできる(例えば滞在者カードやTRO発行のカード)。
[0042]登録プロセスは、例えば地域に到着する前、地域に入る時、又は地域に入った後、例えば販売時点に行うことができる。適切な入力ステーションは、例えば、コンピュータプロセッサ及びメモリ、キーパッド、キーボード、タッチ画面、カードリーダ、機械可読識別子リーダ、文書スキャナ、音声起動入力、ディスプレイ、プリンタ、カードライタ、スピーカ、NFCインタフェース、の1つ又は複数の形態をとる1つ又は複数の入出力インタフェース等を備えることができる。入力ステーションは、機械可読のユーザ識別子(例えばパスポートなどの身元確認書類)に保持された生体情報を検証するための指紋読み取り及び/又はカメラ技術を備えることもできる。例示的実施形態では、ブラウザ又は他のアプリケーション、例えば移動通信機器にダウンロードされたMCDアプリケーションを介した接続時に、移動通信機器自体を入力端末として使用することができる。
[0043]移動通信機器識別子は、TROがホストサーバシステム(ホストシステム)20にユーザの詳細を取得することにより、メモリ(MEM)に保持(記憶)することができる。ホストシステム20はTROによって運営することができ、一箇所又は分散システムとして配置された1つ又は複数のサーバコンピュータを備えることができ、各サーバコンピュータは1つ又は複数のプロセッサ(CPU)及びメモリ(MEM)を備える。移動通信機器識別子及びユーザの詳細がホストシステム20に転送され、実時間で記録される場合は、システムの効率が上がる。
[0044]一例では、ユーザ12は、104で例えば商店にて購入を行うことができ、その際移動通信機器がトークンとして使用される。
[0045]通常の店の領収書を出す際に、ユーザ12に税金還付が必要かどうかを尋ねることができる(又はユーザが税金還付を要求することができる)。還付を希望する場合は、領収書識別子(例えば領収書番号)、購入商品の価値、及び移動通信機器識別子を入力することにより、第2の単純なトランザクションを作成することができる。この例では、次いで2つ又は3つの項目(領収書識別子、購入の価値、及び移動通信機器識別子)を含む情報を商店システム14からホストシステム20に電子的に送信することができる。商店システム14は、一箇所に、又は分散システムとして配置された1つ又は複数のコンピュータを備え、各コンピュータは1つ又は複数のプロセッサ(CPU)及びメモリ(MEM)を備える。上記機能は販売時点情報管理(POS)端末に内蔵することができ、その場合は購入の詳細が電子キャッシュレジスタ(ECR)44から直接取得され、したがってその情報を再度入力する必要がない。或いは、独立型の端末、例えばウェブベースの発行アプリケーション、ECRに接続されていないカード支払い端末、ECRに接続されていない他のアプリケーション又はソフトウェアにこの情報を入力してもよい。これらの代替手法では、行われた購入を税関職員の承認システムで検証できるように、関連する購入の詳細を再入力することが必要となる可能性がある。1つ又は複数のPOS装置44は、例えば、キーパッド、キーボード、タッチ画面、カードリーダ、スキャナ、音声起動入力、ディスプレイ、プリンタ、カードライタ、スピーカ、及びNFC又は他のRFIDインタフェース42、の1つ又は複数の形態をとる1つ又は複数の入出力インタフェースを含むことができる。
[0046]図2に示すように商店の敷地内にWiFi基地局54を設けることができ、例えばインターネットに接続し、そこから例えばTROホストシステム20に接続することができる。それに代えて、又はそれに加えて、基地局54は、直接又は間接的に(例えばインターネットを介して)商店システム14に接続してもよい。基地局にはTROのために所定のSSIDを割り当てることができ、基地局の範囲内に位置する時に自動的に基地局を認識し、接続するように移動通信機器40のアプリケーションをプログラムすることができる。ただし、所与の場所では、異なる商店に対応するいくつかの異なるWiFi基地局が移動通信機器に検出される可能性がある(例えばショッピングモール内の個々の店舗のための個々の基地局)。そのため、各種例示的実施形態では、特定の基地局及び/又は商店への接続は、移動通信機器の位置をより正確に特定できる近接情報を使用して特定の場所を検出し、適切な基地局への自動的な接続を可能にするMCDアプリケーションの制御下で実現することができる。
[0047]一例では、商店の敷地への入口がRFID検出ゾーン(例えばRFIDループ)を含むことができ、ユーザが敷地に入るとそのゾーンが移動通信機器に検出され、移動通信機器のMCDアプリケーションを起動させることができる。MCDアプリケーションは、移動通信機器を1つ又は複数の基地局で形成されるワイヤレスネットワークに接続するために、RFIDループからSSID、パスワード、及び商店識別子を読み出すように動作することができる。MCDアプリケーションは、SSID及びパスワードを使用して自動的にワイヤレスネットワークに接続するように、及び/又は商店識別子を使用して商店システムに接続するように設定することもできる。或いは、例えば初めて使用する際に、任意で、接続の前に視覚及び/又は音声による指示をユーザに提供するようにMCDアプリケーションを設定して、例えば移動通信機器の表示ボタン又はハードウェアボタンに触れることで接続の承認を確認するようにユーザを促すこともできる。
[0048]一例では、SSID及びパスワードを記憶している内蔵NFCインタフェースによるサインで、移動通信機器をNFCインタフェースの上に置くようにユーザを促し、それにより、移動通信機器のMCDアプリケーションがSSID及びパスワード及び商店識別子を読み取り、それらを使用して、1つ又は複数の基地局で形成されるワイヤレスネットワーク及び/又は商店システムに接続するように動作することができる。上記の例の場合は、自動的にワイヤレスネットワークに接続する、又は接続の承認をユーザに確認させるようにMCDアプリケーションを設定することができる。
[0049]NFC又はRFID技術を備えない移動通信機器に適する例では、例えば、1次元又は2次元の可読バーコード、例えばSSID及びパスワード及び商店識別子を符号化したいわゆる高速読み取り可能(QR)コード(登録商標)によるサインでユーザを促し、移動通信機器のカメラを使用してバーコード又はQRコード(登録商標)を撮影させ、MCDアプリケーションがバーコード又はQRコード(登録商標)を復号し、SSID及びパスワードを使用して、複数の基地局で形成されるワイヤレスネットワーク及び/又は商店システムに接続することができる。上記の例の場合は、自動的にワイヤレスネットワークに接続するか、又は接続の承認をユーザに確認させるようにMCDアプリケーションを設定することができる。
[0050]上記例の各種組み合わせを提供することができ、それにより、移動通信機器を使用して、商店の敷地に対してローカルに情報を捕捉して、商店の敷地内のワイヤレス通信ネットワークに安全に接続できるようにする。上記機構の1つを使用して取得した、例えばSSID及び/若しくはパスワード、並びに/又は商店の識別子及び/若しくは他の情報を使用して、移動通信機器のMCDアプリケーションを自動的に起動して、ワイヤレスネットワーク及び/又は商店システムに接続するための情報を取得することもできる。ワイヤレスネットワークに接続した後、MCDアプリケーションは、ワイヤレス接続を介してローミング料のかからない更新をダウンロードして、例えば商店の現地の通貨から、登録時にユーザが提供した好みの通貨に両替する際の現在の交換レートを更新するように動作することができる。旅行者は、自分の居場所について直ちにツイートしたり「フェイスブック」で知らせることもできる。
[0051]買い物中に、旅行者は携帯電話を使用して商品のRFIDタグを読み取って価格を確認し、MCDアプリケーションにダウンロードされた好みの通貨と現在の通貨両替レートを使用して、TROの基準レートを使用して好みの通貨の金額に換算することができる。MCDアプリケーションは、ユーザが税金還付を希望する場合は、適用可能な還付額を計算することもできる。
[0052]例えば移動通信機器のMCDアプリケーションの制御下にある移動通信機器、又はシステム、例えば基地局54に接続された商店システム14は、移動通信機器が基地局に接続するのに応答してTROホストシステム20にメッセージを送信して、サービスの提供に関連して使用する情報を取得するように動作することができる。そのような情報には、例えば、商店システムに提供すべきユーザに関する情報が含まれる。それに代えて、又はそれに加えて、ユーザの移動通信機器にメッセージを送信してユーザに出力することもできる。メッセージは、例えば、TROホストシステムと移動通信機器のMCDアプリケーションとの間のメッセージ交換により、又はTROホストシステム及び/又は商店システムから移動通信機器に送信されるSMS、MMS、若しくは電子メールメッセージ、又はTRO及び/又は商店により提供されるウェブサイトを介したウェブベースの交換により提供することができる。ユーザに送信されるメッセージは、提供可能なサービスについての情報、例えばサービスを利用するために必要な手順、特別な売り出しなど、又はサービスを有効利用するための直接的な支援(例えば税金還付サービスの場合は還付チェックの生成等)を含むことができる。
[0053]TROは市場に1つしかない場合がある。しかし、市場に複数のTROがある場合は、複数の取得システムホスト20があることができる。商店とTROの関係は、商店と取得者の関係である(クレジットカード/デビットカードの例を使用する)。各TROは各自の商店と提携し、販売時情報管理(POS)装置及び税金還付トランザクションを作成する内蔵ソフトウェアに責任を負う。
[0054]例えばトランザクションメッセージをTROホストシステム20に送信する105ことができ、ホストシステムでさらに処理を行うことができる。POSとホストシステム20間のトランザクションメッセージフォーマットは独自仕様の場合があるため、任意の適切な形態をとることができる。一例では、商店システム14とホストシステム20の間で送信されるトランザクションメッセージは、移動通信機器識別子、領収書識別子(例えば領収書番号)、購入商品の参照、商店識別子、TRO識別子、時刻及び日付のスタンプ、並びにセキュリティハッシュ(改ざんを防ぐために使用される)を含む。これらに加えて、ツアーガイドについての情報、販売促進コード、又はTROが収集したい他のデータを含んでもよい。
[0055]TROごとに独立したホストシステム20を設けることができ、各TROはその提携商店で生成されたトランザクションだけを見られるという点で、商業上機密性のある情報を分離して保持することができる。提携商店によって生成されたすべての税金還付トランザクションは、ホストシステム20のデータベースに記憶することができる。ホストシステム20のメモリに記憶されるトランザクション記録には、例えば、トランザクションの一意のトランザクション識別子、トークン識別子(例えば移動通信機器識別子やそれから導出されるトークン識別子)、領収書識別子(例えば領収書番号)、購入商品の参照、商店識別子、及び時刻と日付のスタンプが含まれる。ホストシステム20は、処理中にトランザクションを追跡するためにシステム内で一意の番号を利用できるように、トランザクションに一意のトランザクション識別子(例えば一意のトランザクション番号)を割り当てることができる。トランザクション識別子は商店システムに返すことができ、平文及び/又はバーコード等の可視の符号化を使用して、ユーザに与えられる購入領収書に印刷することができる。
[0056]メッセージインタフェース又はスイッチ24、例えば業界規格(SOAP、WCF、XML over IP等)を使用するウェブサービスに基づくインタフェースが、メッセージをフォーマット及び/又は配信するためのインタフェースを提供することができる。例えば、トランザクションメッセージは、トランザクション識別子(例えばトランザクション番号)、トークン識別子(例えば移動通信機器識別子又はそれから導出されるトークン識別子)、領収書識別子(例えば領収書番号)、購入商品の参照、商店識別子、TRO識別子、時刻と日付のスタンプ、及びセキュリティハッシュ(改ざんを防ぐために使用される)、の1つ又は複数を含むことができる。メッセージインタフェース24は、特定の実装に応じて、独立したシステムとしても、又は妥当性検査システム(例えば税関承認システム)26と組み合わせてもよい。
[0057]一例示的実施形態では、メッセージインタフェース24は、サーバシステムとして実施することができ、サーバシステムは、処理及び記憶能力を有し、ホストシステム20(1つ又は複数)及び妥当性検査システム(例えば税関承認システム)26からアクセスされるデータの中央リポジトリとして機能すると共に、メッセージのフォーマットと転送を提供するように動作することができる。ただし、別の実施形態では、データはTROのホストシステムに保持することができ、妥当性検査システム26からメッセージインタフェースを介してアクセスすることができる。
[0058]妥当性検査システム26は、還付を許可する認可システムを提供し、税関当局により、又はその代理の第3者により運営することができる。妥当性検査システム26は、税関によりシステムに設定された規則に基づいて自動的に税金還付トランザクションを承認又は拒否することができる。妥当性検査システム26には、税関サービスステーション28から税関職員が手動でアクセスすることもできる。
[0059]地域からの退出点(例えば空港の制限区域)に、例えば規格化されたウェブサービス又はメッセージインタフェース24を通じて(1つ又は複数の)ホストシステム20に接続されたセルフサービスの検査ステーション(検査端末又はキオスクとも呼ばれる)22を提供することが提案されている。そのような検査ステーション22は、読み取る個人識別子(例えばパスポートなどの身元確認書類)を提示することをユーザに求めるように構成することができる。そのような検査ステーション22は、例えばキーパッド、キーボード、タッチ画面、カードリーダ、スキャナ、音声起動入力、の1つ又は複数の形態をとる1つ又は複数の入力インタフェースと、ディスプレイ、プリンタ、カードライタ、スピーカ、の1つ又は複数の形態をとる1つ又は複数の出力インタフェースを備えることができる。NFCインタフェース42を提供することができる。検査ステーション22は、機械可読のユーザ識別子(例えばパスポートなどの身元確認書類)に保持された生体情報を検証するための指紋読み取り及び/又はカメラ技術を備えることもできる。
[0060]ただし、従来提案されるような妥当性検査キオスクを使用するには、ユーザはキオスクを見つけ、使用しなければならない。
[0061]移動通信機器が税金還付サービスを受けるためにホストサーバに登録されている場合は、移動通信機器が地域からの退出点の近傍にあることの自動的な検出を使用して、税金還付サービスを使用するよう促す案内を、移動通信機器を使用してユーザに提示することができる。種々の例で、これは様々な方式で実現することができる。
[0062]一例では、移動通信機器40のMCDアプリケーションが、退出点又はその近傍に位置するモバイルネットワークセル(移動通信アンテナ52で表す)に移動通信機器が接続されたことの検出に反応することができる。MCDアプリケーションは、移動通信機器のフォアグラウンドタスクとして実行しても、又はバックグラウンドタスクとして実行されるように構成してもよい。そのような例では、アプリケーションは、地域からの退出点に対応するモバイルネットワークセルのファイル又は他の記録を保持することができ、移動通信機器が現在接続されているモバイルネットワークセルがファイルにあるセルであると認識するのに応じて、税金還付サービスを利用するための指示をユーザに表示させることができる。これは、例えば、妥当性検査キオスクの場所に関する指示を表示するものとするか、又は移動通信機器がキオスクとして機能して、例えばSMSメッセージング、電子メール、又はウェブベースのサービスを使用して直接妥当性検査システムと通信するものとすることができる。
[0063]別の例では、移動通信機器40のMCDアプリケーションは、移動通信機器が現在接続されているモバイルネットワークセル52がファイルにあるセルであると認識することに応答して、妥当性検査サービス26にメッセージを送信して、妥当性検査サービス26から、妥当性検査サービスの使用に関してユーザに提示するメッセージを返させることができる。
[0064]別の例では、退出点又はその近傍に位置するモバイルネットワークセル52に現在接続されている移動通信機器40が、税金還付サービスに登録されている移動通信機器であることを認識するように移動通信ネットワーク50が動作することができ、ホストシステム20又は妥当性検査サービス26に通知し、ホストシステム20又は妥当性検査サービスから移動通信機器にメッセージを送信させて、税金還付サービスの使用を促す案内をユーザに提示するように構成することができる。
[0065]モバイルネットワークセル52を使用する代わりに、又は追加的な手段として、移動通信機器は、移動通信機器40が妥当性検査地点の近傍にいることを示す、移動通信機器40の衛星位置検出器(例えばGPS装置)によって検出される衛星から得られる測位情報(例えばGPS情報)に応答することができる。
[0066]モバイルネットワークセル及び/又は衛星から得られる測位情報を使用する代わりに、移動通信機器40が、妥当性検査地点の近傍にいることを示す、移動通信機器40に検出される、位置を利用するワイヤレス接続サービス(例えばWiFi、Bluetooth(登録商標)、又は代替技術を使用する)に応答することができる。例えば、移動通信機器40は、特定のネットワーク名及び/又は署名を持つWiFi基地局54が退出点の近くにあることを検出するのに応答することができる。特定の一例では、TRO又は税関サービスにより運営されるWiFiホットスポットを使用することができる。例えば図2では、WiFi基地局54がTROサービス窓口にあるTRO還付システム56に関連付けられる。そのような場合は、移動通信機器とのWiFi接続を使用して妥当性検査プロセスを行うことができる。
[0067]上記で商店の敷地にある基地局54に関して説明したように、TROサービス窓口に関連付けられるか、そうでない場合は退出点の近くにある基地局54は、例えばインターネットに接続し、そこから例えばTROホストシステム20に接続することができる。この基地局54には、TROのための所定のSSID及びパスワードを割り当てることもでき、それにより、移動通信機器40のアプリケーションは、基地局の範囲内にある時に自動的に基地局を認識して接続し、ワイヤレス接続を介してTROホストに接続するように容易にプログラムすることができる。
[0068]実際、上記で商店の敷地との関連で移動通信機器を使用することに関して説明したのと同様にして、空港内の様々なエリアに、種々の場所にWiFiネットワークの基地局を設けて、特定の基地局に移動通信機器が接続されると、ユーザが空港内の特定の箇所にいることを示すことができ、それを使用して、ユーザが空港の税関及び入国/出国管理の一般区域又は制限区域にいることを確認することができる。商店の敷地との関連で説明したように、各種の例示的実施形態で、特定の基地局への接続は、移動通信機器の位置をより正確に特定できる近接情報を使用して特定の場所を検出し、適切な基地局への自動的な接続を可能にするMCDアプリケーションの制御下で実現することができる。
[0069]一例では、空港内の一般区域から制限区域への移動箇所がRFID検出ゾーン(例えばRFIDループ)を含むことができ、ユーザが制限区域を通過する時にそのゾーンが移動通信機器に検出され、移動通信機器のMCDアプリケーションを起動させることができる。MCDアプリケーションは、移動通信機器を1つ又は複数の基地局で形成される制限区域のワイヤレスネットワークに接続するために、RFIDループからSSIDとパスワードを読み出すように動作することができる。MCDアプリケーションは、自動的にワイヤレスネットワークに接続するように構成することができる。或いは、例えば初めて使用する際に、任意で、接続の前に視覚及び/又は音声による指示をユーザに提供するようにMCDアプリケーションを設定して、例えば移動通信機器の表示ボタン又はハードウェアボタンに触れることで接続の承認を確認するようにユーザを促すこともできる。
[0070]一例では、SSID及びパスワードを記憶している内蔵NFCインタフェースによるサインで、移動通信機器をNFCインタフェースの上に置くようにユーザを促し、それにより、移動通信機器のMCDアプリケーションがSSID及びパスワードを読み取り、それらを使用して、1つ又は複数の基地局で形成されるワイヤレスネットワークに接続するように動作することができる。上記の例の場合は、自動的にワイヤレスネットワークに接続する、又は接続の承認をユーザに確認させるようにMCDアプリケーションを設定することができる。
[0071]NFC又はRFID技術を備えない移動通信機器に適する例では、例えば、SSID及びパスワードを符号化した可読バーコードや例えばいわゆるQRコード(登録商標)などの視覚的なコードによるサインでユーザを促し、移動通信機器のカメラを使用してバーコード又はQRコード(登録商標)を撮影させ、MCDアプリケーションがバーコード又はQRコード(登録商標)を復号し、SSID及びパスワードを使用して、複数の基地局で形成されるワイヤレスネットワークに接続することができる。上記の例の場合は、自動的にワイヤレスネットワークに接続する、又は接続の承認をユーザに確認させるようにMCDアプリケーションを設定することができる。
[0072]上記例の各種組み合わせを提供することができ、それにより、移動通信機器を使用して、ワイヤレスネットワークに対してローカルに情報を捕捉して、該当する妥当性検査地点又はその近傍でのみ入手できる情報を使用して、空港内のワイヤレス通信ネットワークに安全に接続して、ユーザが妥当性検査地点又はその近傍にいることを確かめる。MCDアプリケーションをジオタギング(geotagging)情報と共にプログラムして、所与の場所における所与の基地局に移動通信機器が接続されたことを、移動通信機器が承認された妥当性検査箇所又はその近傍にいることの確認として自動的に認識することができる。それに代えて、又はそれに加えて、上記で挙げた各種例で、MCDは、移動通信機器の位置が認可された妥当性検査箇所又はその近傍であるという識別情報を読み取るように動作することもできる。
[0073]移動通信機器40のMCDアプリケーションは、機器が妥当性検査地点の近くにあるという判定、及び/又はそのような判定に応答したメッセージの受信に応答して、税金還付のためにトランザクションの妥当性を検査する妥当性検査サービスに接続することができる。MCDアプリケーションは、自動的に接続を行うように構成するか、又はサービスを使用する、及び/若しくはサービスの受け入れを確認するためのユーザへの案内を提供することができる。提示には、例えば視覚及び/又は音声によるメッセージを用いることができる。
[0074]案内は、前述のように検査ステーション22の使用を促す単純な案内でよく、ユーザからの能動的な応答は必ずしも必要としない。
[0075]一例では、移動通信機器40を使用して検査ステーション22の機能の少なくとも一部を置き換えることができる。
[0076]例えば、移動通信機器のMCDアプリケーションが妥当性検査サービス26と対話して、サービスで処理するトランザクションをユーザに選択させるために1つ又は複数のトランザクションを提示し、ユーザ入力に応答して、サービスで処理するためにユーザが選択したトランザクションを識別するメッセージを妥当性検査サービス26及び/又はホストシステム20に送信するように動作することができる。
[0077]その国における要件に応じて、さらなる識別を提供するようにユーザに求めることができる。これは、存在する場合には移動通信機器40の生体センサ、例えば指紋リーダを使用して読み取った指紋、移動通信機器のカメラを使用して撮影された画像を使用して行うことができ、次いで移動通信機器で処理するか、及び/又は記憶された記録と比較するために妥当性検査サービスに送信することができる。
[0078]移動通信機器がそのような生体センサを備えない場合、又は現地の規制が別個のプロセスを必要とする場合、一例では、検査ステーション22を、ユーザの個人識別子(例えば、パスポート、識別カード、免許証等)を機械で読み取ることにより、ユーザが税金還付を受ける資格があるかどうかを判定するように構成することができる。検査ステーション22は、個人識別子から情報を読み取り、その情報を、自国のユーザ/資格のないユーザに関する情報を保持した内部又は外部データベースに照らして調べることによりユーザの資格を判定するように動作することができる。その場合、ユーザの国籍又はステータスがリストになければ、ユーザに資格があると見なすことができる(否定の承認)。それに代えて、又はそれに加えて、検査ステーション22は、非自国ユーザ/資格のあるユーザに関する情報を保持する内部又は外部データベースに照らして情報を調べることにより資格の有無を判定するように動作することもできる。その場合は、ユーザの国籍又はステータスがリストにあれば、ユーザに資格があると見なすことができる(肯定の承認)。
[0079]上記のように、検査ステーション22は指紋スキャナ及び/又はカメラを備えることもでき、ステーション22を使用して、機械可読の識別子(例えばパスポートなどの身元確認書類)に保持された生体情報を使用してユーザの識別を検証することができる。そのような生体情報についての解説は、例えば次のインターネットリンク、http://www.highprogrammer.com/alan/numbers/mrp.htmlで得ることができる。
[0080]ユーザに資格があることが判定された場合は、移動通信機器40及び/又は検査ステーションは、例えばメッセージインタフェース24を介して、1つ又は複数の妥当性検査要求メッセージを妥当性検査システム26に送信するように動作することができる。トークンを受信するのに応答して、妥当性検査システム26は、持ち出しの妥当性検査に該当するすべてのトランザクションを返す。
[0081]一例では、移動通信機器40は、妥当性検査を開始するようにユーザを促し、次いで例えばメッセージインタフェース24を介して妥当性検査要求メッセージを妥当性検査システム26(例えば税関承認システム)に渡して、移動通信機器識別子が登録されたユーザの資格と、ユーザ及び/又は移動通信機器識別子と関連付けて記録されたトランザクションの両方に基づいて承認を要求するように構成することができる。
[0082]妥当性検査承認システム26は、下記で説明するように、妥当性検査要求メッセージに応答して、自身のデータベースから、及び/又はメッセージインタフェース24を介してホストシステム20から、そのユーザについてのすべてのトランザクション(例えばすでにトークンに関連付けられているすべてのトランザクション)を取り出し、設定された規則を適用して、承認するか拒否するかを決定するように動作することができる。
[0083]一例では、妥当性検査システム26は、設定された規則に基づいてトランザクションの1つ又は複数を自動的に承認するか(「グリーンチャンネル」)、又はやはり妥当性検査システム26内部に設定された規則に基づいてトランザクションを自動的に拒否する(「レッドチャンネル」)ように設定することができる。
[0084]妥当性検査システム26がトランザクションに関して決定(承認/拒否)を行うと、認可メッセージ(妥当性検査要求応答メッセージ)が自動的にメッセージインタフェース24を通じて該当ホストシステム20に返される。そのような応答は、ウェブサービス応答の形をとることができ、電子的に承認されたトランザクション(電子税関スタンプを含む)を保持することができる。ホストシステム20は、認可メッセージ(承認、拒否、変更)で、そのトランザクションの既存の税金還付トランザクション記録を更新する。
[0085]例示的実施形態では、妥当性検査システム26は支払い認可ホストとして機能せず、ホストシステム20が記録のシステムとなる。
[0086]各ホストシステム20は、還付メッセージをフォーマットし、要求元(例えば検査ステーション22又は移動通信機器40)に送信して、「グリーンチャンネル」の自動支払いが承認されたトランザクションを知らせる。トークンを発行したTROには、検査ステーションで第1位の順位を与えることができ、そのTROのトランザクションが表示される。
[0087]取得されたトランザクションの1つ又は複数が承認済みコードを有する場合は、承認されたトランザクションについてユーザに「グリーンチャンネル」サービスを与えることができ、還付の支払い方法を尋ねることができる。「グリーンチャンネル」サービスとは、さらなる行動を必要とせずに還付が承認されることを意味する。トランザクションが1つも承認されない場合、ユーザには少なくともそれらのトランザクション(すべてのトランザクションの可能性もある)について「レッドチャンネル」サービスを与えることができ、さらなる処理のために税関職員に面会するように求める。「レッドチャンネル」サービスとは、少なくともそれらのトランザクション(すべてのトランザクションの可能性もある)について、承認を得るためのさらなる処理のためにユーザが税関職員に面会しなければならないことを意味する。
[0088]還付の選択が支払いカード(例えばクレジットカード)である場合、還付は登録された支払いカードに自動的に行うことができる。登録された支払いカードがない場合は、還付先を指定するように検査ステーション22又は移動通信機器を構成することができる。
[0089]ユーザが現金相当物による還付を希望し、ユーザが、移動通信機器40又は金額を記憶することができる他形態のトークンを使用した場合、還付額はそのトークンに入金することができる。
[0090]レッドチャンネル処理が指示された場合、検査ステーション22又は移動通信機器40は、税関職員の所に行くようにユーザを促すように動作することができ、職員は移動通信機器識別子を使用して処理を開始することができる。税関職員は、妥当性検査システム26に接続された、又はその一部を形成する承認ステーション28を備えることができる。ただし、他の例では、承認ステーションは妥当性検査システム26から分離する、及び/又は遠隔にすることができ、例えばメッセージインタフェース24を介して妥当性検査システム26と通信することができる。
[0091]ユーザが妥当性検査処理する1つ又は複数のトランザクションを選択するのに応答して、移動通信機器は、妥当性検査システム26に妥当性検査要求メッセージを送信するように動作することができ、妥当性検査システムは、承認及び拒否されたトランザクションを特定するメッセージを受信することができる。
[0092]次いで、税関職員は各トランザクションを承認若しくは拒否し、又は価値の額を変更する(減らす)ことができる。税関職員は、決定の結果を承認ステーション28の入力装置(1つ又は複数)を使用して入力することができる。税関職員の決定の結果は、妥当性検査システム26からメッセージインタフェース24を通じて該当するホストシステム20に通信される。その結果、ホストシステム20は、承認コード(承認、拒否、変更された価値)を持つ税金還付トランザクションを保持する。
[0093]妥当性検査システム26は、2つの動作モードの1つ又は両方で動作するように構成することができる。一方の動作モードでは、トランザクションの情報が個々のホストシステム20に記憶される。第1の動作モードでは、妥当性検査システム26は、還付の妥当性を検査するために個々のホストシステム20からトランザクション情報を取得するように動作することができる。認可の結果は、メッセージインタフェース24を通じて該当するホストシステム20に返される。それにより、ホストシステム20は、承認コード(承認、拒否、価値の変更)を有する税金還付トランザクションを保持することになる。第2の動作モードでは、妥当性検査システム26が、各トランザクションのコピーを、関連するトークン(移動通信機器識別子)だけでなくホストシステム識別子と関連付けて自身のデータベースに保持する。この場合、妥当性検査システム26は、トランザクション及び承認コードを該当するホストシステム20に送り返す。2つのモードの違いは、第2のモードでは税関承認システムがすべてのホストシステム20からの全データのコピーを保持する点である。
[0094]移動通信機器40は、SMSメッセージング、電子メール、又はウェブベースのサービスなどの適切な技術を使用するメッセージングを用いるように動作することができる。電子支払いに関して知られるように、セキュアな金融トランザクションを処理するための既存のソフトウェア、機器、及びプロセスを使用して情報を通信するために、適切なセキュリティプロトコルを使用することができる。したがって、還付トランザクションを送信する際には規格に基づくメッセージフォーマットを使用することができる。標準的なメッセージフォーマットを使用すると複数のTRO提供者に対応することが可能になり、一方で、税関及び税務当局は承認のために1つのシステムのみを扱えばよいことが保証される。
[0095]少なくともトランザクション識別子及び購入の価値を使用してホストシステム20及び/又は妥当性検査システム26にトランザクションを記録し、次いでホストシステム20でユーザに関する詳細の記録を移動通信機器識別子に関連付けることにより、妥当性検査システム26は、移動通信機器識別子に基づいてTROのホストシステム20から還付トランザクションを取得して、還付の許可を求める要求に対して可否の応答を通知し、その結果をホストシステム20に送信するように動作することができる。
[0096]図の例では、ホストシステム20(複数可)と妥当性検査システム26間の通信は、メッセージインタフェース24を介して行うことができる。メッセージインタフェース24は、妥当性検査システム26と1つ又は複数のTROのホストシステム20との間に専用ネットワークを提供することができる。メッセージインタフェースは、ウェブサービス、又は他のオンライン若しくはオフラインの接続機構を使用して実装することができる。
[0097]例示的実施形態では、自動化された検査ステーション22が設けられ、還付トランザクションを自動的に事前に選別して、人間の介在なしに「レッドチャンネル/グリーンチャンネル」の応答を生成することができる。自動的な事前選別プロセスは、例えば地域からの退出点にある検査ステーション22を使用して行うことができる。
[0098]検査ステーション22又は検査ステーション22と通信状態にある承認システム(例えば妥当性検査システム26)は、例えば高い価値の購入及び/又は特定種類の購入についての「レッドチャンネル」の要件を定義した規則を備えることができる。「レッドチャンネル」の場合の振る舞いは、トークン、買い物の領収書、パスポート、及び購入した商品を承認のために税関ステーション16の税関職員に提示することをユーザに要求するものとすることができる。
[0099]検査ステーション22又は検査ステーションと通信状態にある承認システム26は、特定の基準に従って自動的な承認を提供する「グリーンチャンネル」の条件を定義した規則を備えることができ、特定の基準は、旅行者の出身国、商品の価値、トランザクションの価値、すべてのトランザクションの価値、商品の数量、商店等、並びにそれら基準の論理的組み合わせ等である。また、出身国、小売業者、旅行者等についてのホワイトリスト及びブラックリストも使用することができる。
[00100]例示的実施形態では、移動通信機器のMCDアプリケーションは、ユーザが人間の介在なしに「レッドチャンネル/グリーンチャンネル」の応答を生成するための還付トランザクションの自動事前選別を取得するためのインタフェースを提供することにより、検査ステーション(キオスク)22の機能を提供するように動作することができる。自動事前選別プロセスは、移動通信機器が地域からの退出点の近くにあると判定される時に有効である可能性がある。
[00101]移動通信機器アプリケーション又は、移動通信機器40と通信状態にある妥当性検査システム(例えば税関承認システム)26は、例えば高い価値の購入及び/又は特定種類の購入についての「レッドチャンネル」の要件を定義した規則を備えることができる。「レッドチャンネル」の場合の振る舞いは、トークン、買い物の領収書、パスポート、及び購入した商品を承認のために税関ステーション16の税関職員に提示することをユーザに要求するものとすることができる。
[00102]移動通信機器アプリケーション、又は移動通信機器と通信状態にある妥当性検査システム(例えば税関承認システム)26は、特定の基準に従って自動的な承認を提供する「グリーンチャンネル」の条件を定義した規則を備えることができ、特定の基準は、旅行者の出身国、商品の価値、トランザクションの価値、すべてのトランザクションの価値、商品の数量、商店等、並びにそれら基準の論理的組み合わせ等である。また、出身国、小売業者、旅行者等についてのホワイトリスト及びブラックリストも使用することができる。
[00103]図2には、予約システム58及び入出国管理システム60も示す。予約システム58は、旅行の予約システム、例えば航空便の予約システムである。そのような航空便の予約システムは、通例、複数個のプロセッサ(CPU)及びメモリ/記憶システム(MEM)を備えた大規模なネットワーク化コンピュータシステムからなる。旅行予約システム58は、旅行者の旅のステータスを監視し、旅の様々な段階で旅行者のステータスを更新することができる。例えば、最初の段階では、予約システムは、ユーザが旅行の予約を行ったことを認識し、ユーザを識別する情報を保持する。したがって、予約システム内には、ユーザが予定する特定の旅行(例えば航空便)を識別する旅行レコード及びユーザを識別する情報がある。ユーザを識別する情報は、旅行レコードに直接保持するか、又はユーザレコードへのリンクを呼び出すことができる。例示的なシステムでは、予約システム58は、サービス、例えば税金還付サービスの使用に関するユーザのステータスも記憶するように構成される。税金還付サービスの登録に関する情報は、例えば実際の旅行予約記録のフィールドに含めるか、又は旅行予約記録にリンクされた個々のユーザレコードのフィールドに保持することができる。例えば、税金還付サービスの登録は、航空会社のロイヤルティプログラムレコードの一部として保持することができる。ホストシステム20内の旅行者レコードが旅行予約システム58内の旅行予約へのリンクを含むことができることも構想される。
[00104]旅行予約システム58とホストシステム20のレコードを相互にリンクすることにより(すなわち、旅行予約システム58及びホストシステム20の個々のレコード内のフィールドに適切なリンクを含めることにより)、ユーザの旅行ステータスを使用してユーザに送信するメッセージを自動的に生成する、及び/又はユーザが実際に出国したことを自動的に判定して税金還付を行うための最終的な認可を提供することができる。
[00105]例えば、1つ又は複数のプロセッサと適切なメモリを備え、入出国する個々の旅行者に関する記録を含む入出国管理システム60を使用して同じ機能を提供することができる。この入出国管理システム60は、旅行予約システム58及び/又は税金還付ホストシステム20と統合して、ユーザに送信するメッセージを自動的に生成する、及び/又はユーザが対象地域から出る時に税金還付を自動的に認可することもできる。
[00106]上記の図2の説明で、予約システム58はネットワーク15を介してホストシステム20に結合される。ただし、予約システム58は、上記と同様にして機能的に妥当性検査システム26に結合することも可能であることに留意されたい。この点に関して、図2で予約システム58とメッセージインタフェース24の間に点線の接続が示されていることに気づかれよう。
[00107]図3は、移動通信機器、例えばスマートフォンなどの携帯電話の機能構成要素を示す概略ブロック図である。
[00108]図3に示すように、移動通信機器40は、1つ又は複数のプロセッサ70、並びにプログラム及びデータを記憶するメモリ72を備える。各種の入力及び出力を提供することができ、それらには、音声入力及び出力76(例えばスピーカやマイクロフォン)、撮像装置(例えばカメラ)77、振動による警告を与える振動機構78、ユーザ入力用のタッチセンサ機構80、ディスプレイ74に重ねて構成されたタッチセンサ、並びに1つ又は複数のキー82が含まれる。各種の通信インタフェースを提供することができ、それらには、セルラネットワークと無線通信するための無線モジュール84、近距離通信技術で対話するためのNFCモジュール86、WiFi基地局と通信するためのWiFiモジュール88、Bluetooth(登録商標)技術を使用して通信するBluetooth(登録商標)モジュール90、及び移動通信機器の位置を特定するためのGPSモジュール92が含まれる。図3に示す各種の機能構成要素間の対話は単に概略的に示しており、個々の構成要素の適切な従来の構成が移動通信機器内で可能であることは理解されよう。例示的実施形態では、メモリ72は、本明細書に記載の動作を実行するプロセスの動作を制御するように動作可能な、ダウンロード可能なMCDアプリケーション75を保持することができる。
[00109]図4〜図7に、図1〜図3に示すシステムの例示的動作の概要を説明する流れ図を提供する。
[00110]それらの流れ図では、上記で説明したようにユーザがすでにサービスに登録し、移動通信機器識別子をトークンとして記録し、MCDアプリケーションを移動通信機器にダウンロードしているものとする。
[00111]図4は、ユーザが購入を行う販売時に行うことができるプロセスの例を示す。商店の作業者は、ユーザとのトランザクションを行うために、商店ウェブサイトとのインタフェースをとるPOS端末、又はスマートフォンやタブレットコンピュータ等の移動通信機器を商店端末として使用することができる。この例では、ユーザは自分の移動通信機器を使用してウェブサイトを含む商店システムとインタフェースをとって目的とするトランザクションを行うことができ、該当する場合は、さらに商店システム又はユーザの移動通信機器に免税チェックを発行させることもできる。
[00112]図2を参照して説明したように、例えば1つ又は複数のWiFi基地局54(図2)を介して商店の敷地にワイヤレスネットワークを提供し、図2に示すように、例えばインターネットに接続し、そこから例えばTROホストシステム20に、及び/又は直接若しくは間接的に(例えばインターネットを介して)商店システム14に接続することができる。
[00113]ステップ412で、移動通信機器のMCDアプリケーションは、例えばWiFi基地局の1つを通じて商店の敷地のワイヤレスネットワークとの間にリンクを確立するように動作することができる。例えば、図2を参照して説明した技術の1つを使用して、セキュアな接続を確立することができる。一例では、商店の敷地への入口がRFID検出ゾーン(例えばRFIDループ)を含むことができ、ユーザが敷地に入るとそのゾーンが移動通信機器に検出され、移動通信機器のMCDアプリケーションを起動させることができる。MCDアプリケーションは、移動通信機器を1つ又は複数の基地局で形成されるワイヤレスネットワークに接続するために、RFIDループからSSIDとパスワードを読み出すように動作することができる。別の例では、SSID及びパスワードを記憶している内蔵NFCインタフェースによるサインで、移動通信機器をNFCインタフェースの上に置くようにユーザを促し、それにより、移動通信機器のMCDアプリケーションがSSID及びパスワードを読み取り、それらを使用して、1つ又は複数の基地局で形成されるワイヤレスネットワークに接続するように動作することができる。NFC又はRFID技術を備えない移動通信機器に適するさらに別の例では、例えば、SSID及びパスワードを符号化した可読バーコードや例えばいわゆるQRコード(登録商標)などの視覚的なコードによるサインでユーザを促し、移動通信機器のカメラを使用してバーコード又はQRコード(登録商標)を撮影させ、MCDアプリケーションがバーコード又はQRコード(登録商標)を復号し、SSID及びパスワードを使用して、複数の基地局で形成されるワイヤレスネットワークに接続することができる。自動的にワイヤレスネットワークに接続する、或いは接続の承認をユーザに確認させるようにMCDアプリケーションを設定することができる。上記例の各種組み合わせを提供することができ、それにより、移動通信機器を使用して、商店の敷地に対してローカルに情報を捕捉して、商店の敷地内のワイヤレス通信ネットワークに安全に接続できるようにする。
[00114]414で、TROから供給することができるMCDアプリケーションが、例えばワイヤレスネットワークを介して商店端末の商店システムの商店アプリケーションとの間にセキュアな接続を確立するように動作することができる。商店アプリケーションは、TROから供給することができ、又はTROのホストに接続するためのソフトウェアインタフェースを含むことができる。MCDアプリケーションはTROホストに接続するように動作することもできる。
[00115]416で、買い物中に、旅行者が例えば商品に付いているRFIDタグを読み取って価格を確認し、MCDアプリケーションにダウンロードした好みの通貨及び現在の通貨両替レートを使用して、TROの基準レートを使用して価格を好みの通貨の額に換算することにより、自分の携帯電話を使用して商品を選択する助けとすることができる。MCDアプリケーションは、ユーザが税金還付を要求することを希望する場合は、適用可能な還付額を計算することもできる。
[00116]418で、商店は商店端末を使用してユーザの購入トランザクションを行うことができる。従来技術を使用して購入の詳細を商店システムで取り込むことができ、例えば、商店がバーコードを読み取り、商店システムで、そのバーコードに関連付けられた商店システムのストレージから購入の詳細を検索するか、又は例えばウェブを利用した商品選択ページを使用して商品を入力することにより、購入の詳細を取り込むことができる。実際、例示的な実施では、商品の詳細の選択はウェブサイトを使用して行うことができる。商店は商店端末を使用して商品の支払いを開始又は確認することができる。支払いが現金又は小切手で行われる場合、商店はその支払いを支払い端末に記録することができる。クレジットカードによる支払いは、商店端末に関連付けられた従来の支払い端末を使用して行うことができる。或いは、商店端末の商店アプリケーションが移動通信機器のMCDアプリケーションとインタフェースをとって、行うべき支払いの詳細を渡すように動作することができる。一例では、次いでMCDアプリケーションが、例えば移動通信機器を使用して商店のウェブサイトを介したウェブベースの支払いトランザクションとして支払いを実行するようにユーザを促すように動作することができる。ユーザは、例えば記憶されたクレジットカード情報を使用して、登録プロセス時又はいずれかの後の時点に記録した好みの通貨で支払いをすることができる。支払い端末は、支払い認可のために最新の交換レートと、好みの通貨に換算した金額を取得する。商店端末の商店アプリケーションは、支払いトランザクションが正常に完了するかどうか商店ウェブサイトを監視して、支払いトランザクションの完了を記録するように動作することができる。支払いトランザクション中、MCDアプリケーションと商店アプリケーションは、ワイヤレス接続(例えばWiFi接続)を介して通信することができる。
[00117]420で、商店端末のアプリケーション又はMCDアプリケーションが、税金還付トランザクションも要求するかどうかを知らせるようにユーザを促すことができる。
[00118]ユーザが移動通信機器を使用する税金還付トランザクションを選択した場合は、422で、MCDアプリケーションが、税金還付サービスを受けるためのユーザの資格を確認するために商店に情報を提供するように動作することができる。MCDアプリケーションはユーザを識別する情報を保持することができ、TROホストに記録されたユーザ識別子を含むことができる。MCDアプリケーションは、例えば、ユーザを識別するための安全に記憶された情報、例えばユーザを識別するパスポート番号及び/又は生体情報(例えば写真)を含むことができる。一例では、この情報を、検証情報、例えば真正性を確認するために商店アプリケーションとMCDアプリケーションに処理されるセキュリティコードと共に、移動通信機器及び/又は商店端末に表示することもできる。最初に使用される際に、パスポート番号と写真がパスポート又は身元確認書類のパスポート番号と写真と一致することも確認するように商店に要求してもよい。それらを初回に確認すると、移動通信機器のパスポート番号と写真は検証済みと識別することができ、それにより以後の使用の機会には、パスポートの代わりにその情報を使用して移動通信機器の保持者の識別を確認することができる。
[00119]ユーザを識別する情報を移動通信機器に記憶する代わりに、情報はTROホストシステム20のユーザレコードのみに保持し、ホストシステム20から商店端末に供給してもよい。ユーザにサービスを受ける資格がある場合、商店端末の商店アプリケーション及び/又は移動通信機器のMCDアプリケーションは、ホストシステム20にトランザクションメッセージを送信するように動作することができる。トランザクションメッセージは、領収書識別子(例えば領収書番号)、購入商品の価値、及び移動通信機器識別子を含むことができる。メッセージには、購入商品の詳細などさらなる情報も含めることができる。
[00120]ホストシステム20は、トランザクションにトランザクション識別子(例えばトランザクション番号又は文字列)を割り当て、トランザクション識別子、領収書識別子、購入の価値、及び移動通信機器識別子)を含むトランザクション記録を作成するように動作することができる。トランザクション記録には、購入商品の詳細などさらなる情報も含めることができる。
[00121]すなわち、ホストシステムで保持される例示的なトランザクション記録のエントリは、以下のフィールドを含むことができ、それらの一部又はすべては上記ステップに応答して埋めることができる。
トランザクション識別子
領収書識別子
購入の価値
トークン識別子
登録フラグ
商品の詳細
旅行者の詳細
支払い先。
[00122]426で、トランザクション識別子を含むトランザクション応答メッセージを返すようにホストシステム20をさらに構成することができ、トランザクション識別子は、商店システム14で印字される購入領収書に印字するか、又はワイヤレス接続を介して電子形態で移動通信機器に提供することができる。その後428で処理が終了する。
[00123]図5は、ユーザが地域からの退出点に近づいた時の図1〜図3を参照して説明したシステムの動作例を説明する流れ図である。
[00124]例示的実施形態では、システムは、移動通信機器が出入国管理地点又は税関の妥当性検査地点の近傍にあることを自動的に判定512するように動作することができる。移動通信機器の位置の自動的な判定は、上記で述べたように各種方式で実現することができる。
[00125]一例では、移動通信機器40と、移動通信機器が接続されたセルラー電話網との対話を使用して移動通信機器40の位置を判定することができる。したがって、例えば、モバイルネットワーク50又は移動通信機器40のどちらかが、移動通信機器40が出入国管理地点又は税関の妥当性検査地点に関連付けられた移動通信セル内にあることを判定するように動作することができる。これを図2ではモバイルネットワークアンテナ52で表す。この判定は、モバイルネットワークが、移動通信機器の識別を、移動通信機器40が税金還付サービスに登録されていることを示す移動通信ネットワークシステム50内のメモリ(MEM)に保持された記録と比較することによって行うことができる。そして移動通信ネットワークシステム50は、妥当性検査システム26(又はホストシステム20)にメッセージを送信するように動作することができ、受信側は、移動通信機器40に案内メッセージを送信514して、税金還付サービスを利用するようユーザを促すように構成することができる。モバイルネットワークシステム50が移動通信機器の存在を認識して妥当性検査システム26又はホストシステム20と通信する代わりに、移動通信機器40のMCDアプリケーション自体が、移動通信ネットワークセルの識別を、入出国管理地点又は税関の妥当性検査地点に関連付けられた出入国管理地点又は税関の妥当性検査地点の近傍にあるセルとして認識することができる(例えばセルの識別を移動通信機器40のアプリケーションのデータとして保持されているセル識別の一覧と比較する)。そして、移動通信機器40は、妥当性検査システム26又はホストシステム20と通信するか、又は単にユーザに直接メッセージを提供して、税金還付サービスの利用をユーザに勧めるように動作することができる。
[00126]案内は、単にユーザに応答を求める問い合わせの形態をとっても、又は税金還付を得るための手順に関するより詳細な指示の形態をとることもできる。これは、例えば、出入国管理地点又は税関の妥当性検査地点にある検査ステーションの位置、税金還付事業者のサービス窓口の位置、税関窓口の位置等に関する情報を含むことができる。
[00127]案内メッセージは、特にメッセージがすぐ上記で述べた種類の指示を提供する場合には、必ずしもユーザからの応答を必要としない。ただし、案内メッセージが応答を要求し、516で応答が送信元(すなわち妥当性検査システム26又はホストシステム20)に受信された場合に、518でその応答がユーザがサービスを断ることである場合は、処理は520で終了する。
[00128]或いは、518でユーザが税金還付サービスに進むことを要求する場合は、ステップ522で、図6を参照して説明するように妥当性検査プロセスを進めることができる。
[00129]図6は、移動通信機器がワイヤレス通信ネットワークを介して妥当性検査サービスに接続する場合に購入の妥当性検査を提供する動作例を示す。
[00130]ステップ612で、移動通信機器は、例えばWiFi基地局を介してワイヤレス通信ネットワークに接続するように動作することができる。先に説明したように、移動通信機器が空港の特定箇所にあるWiFiネットワーク基地局に接続することで、ユーザが妥当性検査箇所にいることを検証する1つの方法が得られる。例示的実施形態では、特定基地局への接続は、移動通信機器の位置を特定することができ基地局への自動的な接続を可能にする近接情報を使用して特定の場所を検出することにより、MCDアプリケーションの制御下で実現することができる。先に説明したように、これは移動通信機器が、移動通信機器のMCDアプリケーションを起動させるRFID検出ゾーンを検出することにより実現することができる。MCDアプリケーションは、移動通信機器を1つ又は複数の基地局で形成される制限区域のワイヤレスネットワークに接続するために、RFIDループからSSIDとパスワードを読み出すように動作することができる。SSID及びパスワードを記憶している内蔵NFCインタフェースによるサインで、移動通信機器をNFCインタフェースの上に置くようにユーザを促し、それにより、移動通信機器のMCDアプリケーションがSSID及びパスワードを読み取り、それらを使用して、1つの基地局で形成されるワイヤレスネットワークに接続するように動作することができる。SSID及びパスワードを符号化した可読バーコードや例えばいわゆるQRコード(登録商標)などの視覚的なコードによるサインでユーザを促し、移動通信機器のカメラを使用してバーコード又はQRコード(登録商標)を撮影させ、MCDアプリケーションがバーコード又はQRコード(登録商標)を復号し、SSID及びパスワードを使用して、複数の基地局で形成されるワイヤレスネットワークに接続することができる。自動的にワイヤレスネットワークに接続する、又は接続の承認をユーザに確認させるようにMCDアプリケーションを設定することができる。上記例の各種組み合わせを提供することができ、それにより、移動通信機器を使用して、ワイヤレスネットワークに対してローカルに情報を捕捉して、該当する妥当性検査地点又はその近傍でのみ入手できる情報を使用して、空港内のワイヤレス通信ネットワークに安全に接続して、ユーザが妥当性検査地点又はその近傍にいることを確かめる。移動通信機器が所与の場所における所与の基地局に接続されたこと自体が、移動通信機器の位置が認可された妥当性検査箇所又はその近傍であることを確認することができる。
[00131]614で、MCDアプリケーションは、MCDアプリケーションに保持された情報、及び/又は基地局のSSID及びパスワードと共に読み取られた情報を使用して、妥当性検査サービスに接続するように動作することができる。
[00132]616で、妥当性検査システム26は、移動通信機器の識別子を使用して、トランザクション記録が記憶された場所(例えばホストシステム20又はメッセージインタフェース24)から購入トランザクションを取り出し、上記のように、設定された規則を適用して承認又は拒否を決定することができる。すなわち、妥当性検査システム26は、上記のように、設定された規則に基づいてトランザクションの1つ又は複数を自動的に承認するか(「グリーンチャンネル」)、又はやはり妥当性検査システム26内部に設定された規則に基づいてトランザクションを自動的に拒否する(「レッドチャンネル」)ように設定することができる。図6に示す例では、取り出された購入情報が移動通信機器に送信され、還付のステータスと共にユーザに表示することができる。
[00133]618で、ユーザは任意で、移動通信機器40のアプリケーションを使用して妥当性を検査する購入を選択し、選択結果が移動通信機器40から妥当性検査システム26に送信されることができる。
[00134]620で、妥当性検査システム26は、上記のように、設定された規則に基づいてトランザクションの1つ又は複数を自動的に承認するか(「グリーンチャンネル」)、又はやはり妥当性検査システム26内部に設定された規則に基づいてトランザクションを自動的に拒否する(「レッドチャンネル」)ように設定することができる。
[00135]622で、購入のステータスを移動通信機器に返して、還付のステータスと共にユーザに表示することができる。
[00136]ステップ618〜622は、624でユーザが還付の処理に進むことを希望することが確認されるまでユーザの求めに応じて繰り返すことができる。
[00137]624で、ユーザが還付の処理に進むことを希望することを確認した場合に、すべての購入がグリーンチャンネルステータスである場合は、626でユーザによるそれ以上の動作を必要とすることなく還付を処理することができる。或いは、購入の少なくとも一部がレッドチャンネルステータスである場合は、とるべき手順を知らせるメッセージをMCDでユーザに提供することができる。
[00138]図7に、図6を参照して説明したプロセスの一部として移動通信機器に形成することができる動作を示す。
[00139]例えば、712で、移動通信機器が前述の案内メッセージを受信する。図7に示すこの例では、案内メッセージでユーザに応答を求めて、ユーザが税金還付システムの使用を希望するか否かを指示するものとする。714で、移動通信機器が、移動通信機器で行われるユーザ入力に応答する。716で、ユーザが税金還付サービスの使用を断る場合は、718で処理が終了する。
[00140]或いは、714におけるユーザの応答が税金還付サービスを使用することを確認する716ことであると仮定する場合は、720で移動通信機器が、上記で図6に関連して参照したステータスメッセージを受信する。722で、税金還付のために処理する1つ又は複数の購入の選択を入力するようにユーザを促すことができる。すなわち、すべての購入について税金還付処理を提供するのではなく、ユーザが購入の1つ又は複数を選択することができる。これに関して、移動通信機器は、ステータスメッセージに応答して、中央で記録され、中央のストレージから取り出されたすべての購入トランザクションをユーザに示して、ユーザがそれらのトランザクションから1つ又は複数を選択できるようにする。724で、移動通信機器からの応答が妥当性検査システム26に送られる。
[00141]自動的な承認を与える、又は与えない条件は、様々な法的要件及び規制要件に応じて異なりうる所定の規則に依存することができる。
[00142]例えば、典型的な要件の1つは、商品の購入者がその商品の持ち出しも行う有資格者であることである。したがって、例えばユーザが購入時点までに登録していない結果として購入時に資格が検証されない状況では、本発明の一実施形態では、システムで保持されたトランザクション記録からそのことを特定することができる。そのような場合、システムは、レッドチャンネル処理(すなわちそのユーザには非自動的な処理を行う)を指示するように動作することができる。この例では、トランザクション時の資格及び/又は登録の検証は、トランザクション記録の「登録フラグ」のステータスから識別することができる。これも上記で説明したように、任意で現地の要件に応じて、トランザクションについての「登録」フラグは、例えば登録が未完了であることが購入時より後に判定された場合にはリセットすることができる。
[00143]この例では資格の検証を追跡する手段として「登録」フラグを使用するが、他の例では、検証の追跡は、記録に日付のスタンプを付加し、資格が記録されたタイミングと購入トランザクションの時間とを比較することで実現できることが認識されよう。
[00144]自動的な承認の利用可能性には他の要因も影響することができ、それらには、購入商品の価値、トランザクションの種類、トランザクションのパターン、ユーザの国籍等がある。また、非自動的な処理は、サンプリングプロセスの一部として統計に基づいて要求することができる。
[00145]したがって、非自動的な処理(レッドチャンネル処理)は、現地で定められた自動的な処理の要件が満たされていないと判定される場合、及び/又は統計的なサンプル処理が必要とされる場合に決定することができる。したがって、例示的システムは、安全且つ検証可能な動作を提供しながら、動作の柔軟性の向上をもたらす。
[00146]上述のように、承認又は拒否(グリーンチャンネル又はレッドチャンネルのステータス)を決定するための規則を提供することができる。そのような規則は、例えば、種々のパラメータについてのスコア付けを提供することによって実施することができ、妥当性検査システム26又は移動通信機器40はそのスコア付けを使用して、最終的なスコアが、グリーンチャンネルの応答の範囲にあるか、レッドチャンネルの応答の範囲にあるかを判定することができる。例えば、旅行者の本国に基づいて旅行者に異なるスコアを割り当てることができ、異なる商品クラス及び/又は異なる購入額に異なるスコアを割り当てることができる。そのようなスコアは妥当性検査システム26、及び/又は移動通信機器40で実行されるアプリケーションのストレージに記憶することができる。スコアは、例えば1つ又は複数の参照表又は他の適切な方式で記憶することができ、参照表は各種のパラメータに関連付けられたコードからアクセスされる。参照表は、パラメータごとに1つずつ、複数の項目を含むことができ、第1のフィールドがパラメータ(例えばパラメータを表すコード又は文字列)を識別し、第2のフィールドがそのパラメータに関連付けられたスコアを保持する。
[00147]妥当性検査システム26又は移動通信機器40の1つ又は複数のプロセッサで動作するプログラムコードは、該当する(1つ又は複数の)参照表にアクセスして個々のパラメータに関連付けられたスコアを取り出すように動作することができる。プログラムコードは、還付要求に関連するパラメータに対して取り出された個々のスコアを数学的に組み合わせることにより、1つ又は複数の最終的なスコアを判定するように動作することができる。例えば、国籍に基づくスコアに、還付が要求される品目ごとに、品目の種別に基づくスコア及び品目の額についてのスコアを足して、合計の最終スコアを導出することができる。この単純な例では、関連パラメータについてのスコアを互いに足して最終的なスコアを形成するが、他の数学演算子(例えば乗数)を使用して1つ又は複数の最終スコアを決定することもできる。各品目又は品目群の合計最終スコア及び/又は1つ又は複数の最終スコアを、グリーンチャンネル及びレッドチャンネルの応答を表す記憶された値範囲と比較して、(1つ又は複数の)最終スコアがそれぞれの範囲内に入るかどうかを判定することができる。その結果、必要に応じてすべての品目、個々の品目、又は品目の群に関して、グリーン又はレッドチャンネル応答の判定を行うことができる。
[00148]上記の例示的システムでは、トランザクション記録はホストシステム20(複数可)に保持され、それらの記録は妥当性検査システム26及び/又はトランザクションステーション22(複数可)若しくは税関ステーション28(複数可)からアクセスされる。ただし、別の例では、トランザクション記録は、それに代えて、又はそれに加えて、メッセージインタフェースに保持することができ、その場合はメッセージインタフェースが中央サーバシステムとして構成される。
[00149]また、ここで説明する例では税関ステーション16に加えて自動化された検査ステーション22を示すが、税関ステーション16が検査ステーション22の機能を備えるか、及び/又は別個の検査ステーション22の代わりとしてもよい。税関ステーション16が検査ステーション22の一例を形成する場合は、ユーザ情報の入力は、適宜ユーザ又は税関職員によって行うことができる。
[00150]一実施形態は、1つ又は複数のプロセッサを操作するためのコンピュータプログラム製品の形態で移動通信機器アプリケーションとして実施することができる。コンピュータプログラム製品は、搬送媒体内のコンピュータプログラムの形態をとることができる。搬送媒体は、固体、磁気、光学、光磁気、又は他種の記憶媒体等の記憶媒体とすることができる。搬送媒体は、一斉送信、電話、コンピュータネットワーク、有線、無線、電気、電磁光学、又は他種の伝送媒体等の伝送媒体であってもよい。
[00151]サービス、例えば税金還付サービスを提供するシステム及び方法について説明した。このシステム及び方法は、装置が、ユーザの移動通信機器の移動通信機器識別子に応答して、移動通信機器識別子がサービスの登録に関連付けられているかどうかを検証し、移動通信機器識別子がサービスに登録されている場合には、サービスを提供するために移動通信機器識別子に関連付けられた所定のユーザ情報を判定することを含む。
[00152]装置は、移動通信機器識別子から導出される情報と所定のユーザ情報との関連付けを提供するストレージを備えたリモートサーバに動作的に接続することができる。装置は、移動通信機器の移動通信機器識別子から導出された情報を使用してリモートサーバを照会するように構成することができる。装置は、移動通信機器から読み取られた移動通信機器識別子から導出された情報に関連付けられた所定のユーザ情報から導出される情報をリモートサーバから受け取るように構成することができる。移動通信機器識別子がサービスに登録されていない場合は、装置は、作業者がユーザについての所定のユーザ情報を入力できるようにし、サービスを提供する前に、入力されたユーザ情報から導出される情報を移動通信機器識別子から導出される情報に関連付けさせるように構成することができる。
[00153]装置は、入力されたユーザ情報から導出される情報と移動通信機器の移動通信機器識別子を、記憶のためにリモートサーバに送信するように構成することができる。装置は、移動通信機器から移動通信機器識別子を読み取るように動作可能な移動通信機器リーダを備えることができる。移動通信機器リーダはNFCインタフェースを備えることができる。移動通信機器は例えば携帯電話である。ユーザ情報は、ユーザの国籍を識別する情報、例えばパスポートの国及び番号又は他の識別手段を含むことができる。装置、又は別の機器、例えば移動通信機器が、移動通信機器識別子に関連付けられたトランザクションの詳細を、遠隔のシステム、例えばホストシステム又は妥当性検査システムに送信するように動作することができる。トランザクションの詳細は、例えば携帯電話システムを介して送信することができる。移動通信機器は、案内メッセージを受信して、サービスを受けるために移動通信機器を使用して案内メッセージに応答するようにユーザを促すように動作することができる。ユーザが移動通信機器を使用してそのような案内メッセージに応答すると、移動通信機器はステータスメッセージを受信して、そのサービスが自動的に承認されるかどうか、又は承認のためにさらに手順が必要であるかどうかをユーザに対して確認するように動作することができる。
[00154]システムは、移動通信機器が出入国管理地点又は税関の妥当性検査地点の近傍にあることを判定するように動作することができ、この判定には、例えば、移動通信機器で捕捉されたGPS座標情報の判定、移動通信機器が接続されたセルの判定、出入国管理地点又は税関の妥当性検査地点における情報がユーザにより移動通信機器に入力されたことの判定、の1つ又は複数を使用する。移動通信機器は、例えば、移動通信機器が出入国管理地点又は税関の妥当性検査地点の近傍にあると判定されるのに応答して案内メッセージ及び/又はステータスメッセージを受信することができる。移動通信機器は、複数のトランザクションを提示して、サービスで処理するトランザクションをユーザに選択させるように動作することができる。例えばSMS及び/又は電子メールを使用してメッセージングを提供することができる。サービス提供の一部として、例えば移動通信機器を使用した税金還付チェックの発行を含めることができる。
[00155]上記では、コンピュータによって実施される、サービスを提供するシステム及び方法についても記載し、このシステム及び方法は、サービスのためにホストサーバに登録された移動通信機器がそのサービスのための妥当性検査箇所の近くにあると判定されるのに応答して、そのサービスの少なくとも1つのサービス動作を自動的に開始することを含む。
[00156]移動通信機器が妥当性検査箇所の近くにあることの判定は、移動通信機器が接続されたセルが妥当性検査箇所近傍のセルであると判定することを含むことができる。例えば、移動通信機器が、自身が接続されているセルが妥当性検査箇所に近いセルであると判定することができる。或いは、これは移動通信ネットワークシステムが行ってもよく、移動通信ネットワークシステムは、移動通信機器がサービスのために登録されていることを認識するように構成される。移動通信機器が妥当性検査箇所の近くにあることの判定では、移動通信機器が妥当性検査箇所の近くにあることを示す、移動通信機器によって検出された衛星から得られる測位情報を使用することができる。移動通信機器が妥当性検査箇所の近くにあることの判定は、移動通信機器が妥当性検査箇所の近くにあることを示す、移動通信機器で検出される、位置に基づくワイヤレス接続サービス(例えばWiFi基地局により提供される)を使用することを含むことができる。移動通信機器が妥当性検査箇所の近くにあることの判定は、移動通信機器又はホストサーバの少なくとも一方により、ユーザが移動通信機器に入力した情報が、妥当性検査箇所で移動通信機器のユーザに提示される情報と一致することを確認することを含むことができる。
[00157]サービス動作は、移動通信機器が受信したメッセージに応答してサービスの使用を促す案内を自動的にユーザに提示する、移動通信機器がサービスの使用方法についての情報を自動的にユーザに提供する、サービスのためのトランザクションの自動的な妥当性検査を提供する、1つ又は複数のトランザクションの妥当性検査ステータスをユーザに提示すること、の1つ又は複数を含むことができる。移動通信機器がそのサービスの妥当性検査箇所の近くにあることが判定される前に、移動通信機器はサービスの使用を促す案内をユーザに提示し、サービスを受け入れるユーザ入力が移動通信機器に行われるのに応答して、サービスの受け入れを確定するための確認メッセージをホストサーバに送信するように動作することができる。移動通信機器がそのサービスの妥当性検査箇所の近くにあることが判定される前に、移動通信機器は、サービスで処理するトランザクションをユーザに選択させるために1つ又は複数のトランザクションを提示し、移動通信機器は、移動通信機器へのユーザ入力に応答して、サービスで処理するためにユーザに選択されたトランザクションを識別するメッセージを送信するように動作することができる。サービス動作は、サービスの受け入れを確定するための案内をユーザに提示する、移動通信機器が、サービスを受け入れる移動通信機器へのユーザ入力に応答してサービスの受け入れを確定するための確認メッセージをホストサーバに送信する、移動通信機器がサービスで処理するトランザクションをユーザに選択させるために1つ又は複数のトランザクションを提示する、移動通信機器が移動通信機器へのユーザ入力に応答して、サービスで処理するためにユーザが選択したトランザクションを識別するメッセージを送信すること、の1つ又は複数を含むことができる。メッセージはSMS又は電子メールを使用して実施することができる。移動通信機器は例えば携帯電話である。サービスは例えば税金還付サービスである。
[00158]購入トランザクションに対応する1つ又は複数の記録を使用してユーザに1つ又は複数のトランザクションを提示することができる。1つ又は複数の記録は移動通信機器で保持することができる。1つ又は複数の記録はサーバで保持し、移動通信機器が妥当性検査地点の近くにあると判定されるのに応答して、サーバからメッセージで移動通信機器に提供することができる。移動通信機器は、ステータスメッセージを受信して、税金還付サービスで処理するためにユーザが選択したトランザクションが自動的に承認されるかどうか、又は承認のためにさらに手順が必要であるかどうかをユーザに対して確認するように動作することができる。妥当性検査地点は、出入国管理地点又は税関の妥当性検査地点である。システムは、税金還付サービスに登録されたトランザクションが還付の資格があるかどうかを自動的に検査し、移動通信機器にメッセージを送信して、トランザクションの1つ又は複数に対して税金還付サービスが自動的に承認されるかどうか、及び/又はトランザクションの1つ又は複数に対して承認を得るためにさらに手順が必要かどうかをユーザに通知させるように動作することができる。税金還付サービスに登録された購入トランザクションに対応する記録を使用して還付の資格を自動的に判定することができる。
[00159]上記には移動通信機器も記載され、移動通信機器は、ユーザに情報を出力する手段、ユーザ入力を受け取る手段、通信ネットワークシステムと通信するためのワイヤレス通信手段、記憶手段、及び処理手段を備え、移動通信機器は、サービスの提供のために移動通信機器が登録されたリモートサーバと通信するように構成され、移動通信機器は、移動通信機器がサービスのための妥当性検査箇所の近くにあると判定されるのに応答して、サービスを使用するための案内をユーザに自動的に提示するように構成される。1つ又は複数のサービスに関して税金還付の要求の自動的な妥当性検査を提供するためのコンピュータシステムは、税金還付サービスに登録されたトランザクションが自動的に還付の資格があるかどうかを自動的に検査し、税金還付サービスのためにホストサーバに登録された移動通信機器に妥当性検査ステータスメッセージを送信して、トランザクションの1つ又は複数に対して税金還付サービスが自動的に承認されるかどうか、及び/又はトランザクションの1つ又は複数に対して承認を得るためにさらに手順が必要かどうかをユーザに通知させるように動作することができる。
[00160]上記には税金還付の自動化された処理のシステム及び方法も記載され、このシステムは、税金還付サービスに登録された旅行者の旅行者記録が記憶される第1のデータベースと、旅行者の旅行ステータスが記憶される第2のデータベースと、旅行者が地域を出る準備をしていることを示す旅行者の旅行ステータスを検出するのに応答して、税金還付サービスに登録された旅行者に対する税金還付サービスに関するサービス動作を開始するように動作可能なコンピュータサーバとを備える。
[00161]第2のデータベースは、例えば旅行予約システムの旅行予約データベースであり、旅行者の旅行ステータスが旅行予約データベースの旅行予約レコードに保持され、旅行予約レコードは第1のデータベースの旅行者レコードにリンクされる。第2のデータベースは例えば入出国管理システムの入出国管理データベースであり、旅行者の旅行ステータスが入出国管理データベースの旅行予約レコードに保持され、旅行予約レコードは第1のデータベースの旅行者レコードにリンクされる。サービス動作の開始は、旅行者の移動通信機器に警告メッセージを自動的に送信することを含むことができ、移動通信機器は旅行者の旅行者レコードで識別される。警告メッセージは、第2のデータベースに保持された旅行者ステータスが変化してユーザが地域を出る準備をしていることを示すのに応答して、自動的に旅行者の移動通信機器に送信することができる。警告メッセージは、例えば、税金還付サービスのために購入トランザクションの妥当性検査を実施するためにユーザがとるべき手順に関する情報を提供することができる。
[00162]第2のデータベースのレコードは、第1のデータベースのレコードへの参照を含むことができる。第1のデータベースのレコードは、第2のデータベースのレコードへの参照を含むことができる。旅行者による1つ又は複数の購入トランザクションに関して税金還付の妥当性検査を求める要求を受信すると、第2のデータベースから旅行者の旅行ステータスを判定することにより自動的な応答を提供し、判定された旅行者の旅行ステータスに応じて、税金還付サービスに関するサービス動作を開始することができる。旅行者が地域を出る準備をしていることを示す旅行者の旅行ステータスは、例えば、チェックイン、駅、港、又は空港でのチェックイン、荷物のチェックイン、搭乗、出発、の1つ又は複数とすることができる。
[00163]税金還付システム(例えばホストシステム又は妥当性検査システム)は、旅行システムを照会して旅行者のステータスを判定するように動作することができる。税金還付システム(例えばホストシステム又は妥当性検査システム)は、旅行者の旅行ステータスが変化するのに応答して、旅行システムから自動化された更新を受信するように動作することができる。税金還付システム(例えばホストシステム又は妥当性検査システム)は、登録された旅行者の識別が、旅行を予約するための旅行者の識別と一致することを確認するように動作することができる。少なくとも1つのトランザクション記録で、旅行者の税金還付に登録された1つ又は複数の購入を識別することができる。サービス動作は、旅行者の1つ又は複数の購入に対する妥当性検査プロセスを自動的に開始することを含むことができる。サービス動作は、旅行者の1つ又は複数の購入が出国時に自動的な還付を受ける資格があるかどうか、又は還付を得るためにさらに手順が必要かどうかを自動的に旅行者に知らせることを含むことができる。還付のためのさらなる手順は、持ち出したい購入品を税関窓口に提示することを含むことができる。サービス動作は、旅行者の旅行予約ステータスに所定の変化が生じるのに応答して、還付について妥当性が認められた購入品に関して旅行者に還付を行うことを含むことができる。旅行予約ステータスの所定の変化は、旅行予約ステータスが、チェックイン、駅、港、又は空港でのチェックイン、荷物のチェックイン、搭乗、出発、の1つ又は複数に変化することを含むことができる。
[00164]上記の説明では、移動通信機器に提供されるアプリケーションを参照した。そのようなアプリケーションは、移動通信機器の機能に応じて、移動通信機器でフォアグラウンドタスク及び/又はバックグラウンドタスクとして実行されるように構成することができる。そのようなアプリケーションは、上記の各プロセスを様々に異なる程度担うように構成することができる。一例では、移動通信機器アプリケーションは上記の位置特定プロセスを提供し、ユーザに情報を提供するように動作することができ、税金還付サービス自体は、上記で図1及び図2を参照して説明したインフラストラクチャによって提供され、例えば、すべてのユーザレコード及びトランザクション記録、記憶された電子税金還付チェック等は、そのインフラストラクチャの一部であるストレージに保持され、例えばTROホストシステム20及び/又はメッセージインタフェース24に保持され、妥当性検査プロセスは、検査ステーション22を介して妥当性検査システム26によって行われる。別の例では、移動通信機器を使用して税金還付サービスのより多くの部分を支援することができ、税金還付サービス自体は、上記で図1及び図2を参照して説明したインフラストラクチャによって提供され、例えば、トランザクション記録及び/又は電子税金還付チェック等は、移動通信機器のストレージに保持され、移動通信機器のアプリケーションによって管理され、妥当性検査プロセスは、移動通信機器40のアプリケーションと通信状態にある妥当性検査システム26によって行われる。移動通信機器のアプリケーションを使用して、GPS、モバイルネットワークセルの位置、及びワイヤレス基地局の位置情報の1つ若しくは複数又は組み合わせを使用して、移動通信機器の位置を判定することができる。これらの例、及び還付プロセスの一部である作業の分担が異なる他の例では、移動通信機器識別子又はそれに関連付けられた別の識別子を使用して、ユーザレコード、トランザクションレコード、及び記憶された電子税金還付チェックをリンクすることができ、それにより、還付プロセスの様々な段階全体をシステムにより追跡することができる。
[00165]上記の実施形態を詳細に説明したが、上記の開示を完全に理解すれば、当業者には多数の変形及び改変が明らかになろう。以下の特許請求の範囲はすべてのそのような変形及び改変並びにその均等物を含むと解釈すべきものとする。