JP5790562B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5790562B2
JP5790562B2 JP2012067755A JP2012067755A JP5790562B2 JP 5790562 B2 JP5790562 B2 JP 5790562B2 JP 2012067755 A JP2012067755 A JP 2012067755A JP 2012067755 A JP2012067755 A JP 2012067755A JP 5790562 B2 JP5790562 B2 JP 5790562B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crank
signal
crank angle
cam
position sensor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012067755A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013199857A (ja
Inventor
晶人 内田
晶人 内田
弘 榎本
弘 榎本
良文 中村
良文 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2012067755A priority Critical patent/JP5790562B2/ja
Publication of JP2013199857A publication Critical patent/JP2013199857A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5790562B2 publication Critical patent/JP5790562B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
特許文献1に示されるように、自動車等の車両に搭載される内燃機関の制御装置は、同機関のクランク角を検出するためのクランクポジションセンサを備えている。このクランクポジションセンサは、内燃機関のクランクシャフトに固定されたクランクロータの近傍に位置している。また、クランクロータには複数の突起と欠歯が形成されている。そして、クランクロータがクランクシャフトと一体回転するときには、同クランクロータに形成された複数の突起がクランクポジションセンサの近傍を通過する際に同センサからクランク信号が出力されるとともに、同クランクロータに形成された欠歯がクランクポジションセンサの近傍を通過する際には同センサから欠歯信号が出力される。内燃機関の制御装置は、クランクポジションセンサからのクランク信号に基づき内燃機関のクランク角を検出するとともに、同センサから欠歯信号が出力されたときには上記検出されたクランク角の適正値からのずれを修正する。
なお、クランクポジションセンサから欠歯信号が出力されるときの適正なクランク角は予め定まっていることから、上記欠歯信号の出力時には上記検出されたクランク角が適正値からずれているか否かを判断することができ、ずれているならば適正値に修正することができる。ちなみに、上記検出されたクランク角が適正値からずれる原因としては、クランクポジションセンサから出力される信号にノイズが生じ、そのノイズをクランク信号と誤認する場合などがあげられる。また、クランクポジションセンサから出力される信号にノイズが生じ、そのノイズによってクランク信号を適正に認識できない場合などにも、上記検出されたクランク角に適正値からのずれが生じる。
ところで、自動車等の車両に搭載される内燃機関としては、燃費改善を意図してアイドル運転中に自動停止及び自動再始動を行うものが知られている。こうした内燃機関での自動停止は、同機関のアイドル運転中であって自動車の走行要求がない場合などに、同機関における燃料噴射弁からの燃料噴射を停止することによって実現される。また、自動停止状態にある内燃機関の自動再始動は、自動車の走行可能性があるなど自動再始動条件が成立したときに行われる。具体的には、内燃機関のクランキングを行いつつ燃料噴射弁からの燃料噴射が開始される。燃料噴射弁から噴射された燃料は、吸気通路内の空気とともに筒内(燃焼室)に吸入されるとともに、筒内にて空気と混合された状態で点火プラグにより点火される。そして、このように点火の行われた燃料が燃焼することで、内燃機関の自立運転が開始されて同機関の自動再始動が完了する。
ここで、自動停止状態にある内燃機関の自動再始動は、そのためのクランキング開始後に速やかに完了させることが好ましい。これを実現するためには、自動停止状態にある内燃機関の各気筒のうち、吸気行程でピストンが停止している気筒において、自動再始動開始後に適切に燃料を供給するとともに最初の圧縮行程で同燃料に対し的確に点火を行い、それによって上記燃料の燃焼を良好なものとすることが重要になる。ちなみに、自動停止及び自動再始動が行われる内燃機関の制御装置では、上記検出されたクランク角が自動停止中にも保持されるため、そのクランク角に基づいて自動再始動開始後の燃料噴射や点火を行うことが可能である。
ただし、内燃機関の自動停止中においても、クランクポジションセンサから出力される信号にノイズが生じることに起因して、上記検出されるクランク角に適正値からのずれが生じるおそれがある。このように上記クランク角に適正値からのずれが生じると、内燃機関における自動再始動開始後の点火を適切なタイミングで行えなくなり、ひいては自動再始動開始後における初回の燃料の燃焼を良好なものとするうえで支障を来すという問題が生じるおそれがある。
このため、特許文献1に示されるように、自動再始動のためのクランキング開始後であって、カムポジションセンサからのカム信号の出力時に同カム信号に対応するクランク角の適正値と上記検出されたクランク角とが整合している旨判断されてから、自動再始動開始後における初回の点火を行うことが考えられる。この場合、仮に上記検出されたクランク角に適正値からのずれが生じていたとすると、そのずれが解消するまでは自動再始動開始後の点火が禁止される。そして、クランクポジションセンサから欠歯信号が出力されることに基づき上記検出されたクランク角の適正値からのずれが修正されると、その後のカムポジションセンサからのカム信号の出力時に同カム信号に対応するクランク角の適正値と上記検出されたクランク角とが整合している旨判断される。こうした判断がなされることに基づき、自動再始動開始後における初回の点火の実行が許可される。
以上のように自動再始動後における初回の点火を行うようにすれば、上記検出されるクランク角が適正値からずれた状態で、そのクランク角に基づき上記初回の点火が行われることはないため、上述した問題の発生を回避できるようになる。
特開2011−99357公報
自動停止状態にある内燃機関を自動再始動する際、上述したように初回の点火を行うようにすれば、その初回の点火に基づく燃料の燃焼を良好なものとすることができるようにはなる。ただし、自動停止状態にある内燃機関の自動再始動開始後、上記検出されたクランク角に適正値からのずれが生じている場合、自動再始動の開始後に初回の点火に基づき燃料の燃焼が行われるまでに時間がかかり、その分だけ内燃機関の自動再始動の完了が遅くなる。これは、クランクポジションセンサからの欠歯信号の出力に基づく上記クランク角の修正が行われたとしても、その後にカムポジションセンサからのカム信号の出力時に同カム信号に対応するクランク角の適正値と上記検出されたクランク角とが整合している旨判断されるまでは、上記初回の点火が実行許可されないためである。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、自動再始動開始後の初回の燃料の燃焼を良好なものとしつつ、可能な限り自動再始動開始後の早期に燃料の燃焼を行って早期の自動再始動完了を実現することができる内燃機関の制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明によれば、自動停止及び自動再始動が行われる内燃機関のクランクシャフトに固定されたクランクロータが同クランクシャフトと一体回転するときには、クランクポジションセンサがクランクロータに形成された複数の突起の通過に対応してクランク信号を出力する。クランクポジションセンサからのクランク信号に基づき、内燃機関のクランク角がクランク角検出手段によって検出される。このクランク角検出手段は、クランクロータに形成された欠歯に対応した欠歯信号がクランクポジションセンサから出力されたときに上記検出されたクランク角の適正値からのずれを修正する。そして、上記クランク角に基づき、内燃機関における各気筒での燃料噴射及び点火が行われる。なお、内燃機関のクランクシャフトの回転はカムシャフトに伝達される。このカムシャフトに固定されたカムロータが同カムシャフトと一体回転するときには、カムポジションセンサがカムロータに形成された複数の突起の通過に対応したカム信号を上記欠歯信号の出力間隔よりも短い間隔で出力する。
ここで、自動停止状態にある内燃機関の自動再始動が行われる際には、その自動再始動のためのクランキング開始後に燃料噴射が行われる。その後、カムポジションセンサからのカム信号の出力時に同カム信号に対応するクランク角の適正値と上記検出されたクランク角とが整合している旨判断されたとき、自動再始動開始後の点火が開始される。また、上記燃料噴射が行われた後、クランクポジションセンサから欠歯信号が出力されたとき、言い換えれば上記検出されたクランク角の適正値からのずれが修正されたときにも、自動再始動開始後の点火が開始される。
このため、上記検出されたクランク角に適正値からのずれが生じている場合、自動再始動の開始後にクランクポジションセンサからの欠歯信号の出力に基づく上記クランク角の修正が行われると、直ちに自動再始動後における初回の点火の実行が許可される。従って、上記検出されたクランク角に適正値からのずれが生じている場合に、自動再始動の開始後に初回の点火に基づき燃料の燃焼が行われるまでに時間がかかり、その分だけ内燃機関の自動再始動の完了が遅くなることはない。なお、自動再始動開始後に点火を開始する際には、上記検出されたクランク角に適正値からのずれが生じていない状態となることから、そのクランク角度に基づく点火を通じて行われる自動再始動開始後の初回の燃料の燃焼が良好なものとなる。
以上により、自動再始動開始後の初回の燃料の燃焼を良好なものとしつつ、可能な限り自動再始動開始後の早期に燃料の燃焼を行って早期の自動再始動完了を実現することができるようになる。
また、カムポジションセンサからのカム信号の出力時に同カム信号に対応するクランク角の適正値と上記検出されたクランク角とが整合している旨の判断が次のように行われる。すなわち、カムポジションセンサからのカム信号の出力時に同カム信号に対応するクランク角の適正値を含む適正範囲内に上記検出されたクランク角が入っていることに基づき、上記適正値と上記検出されたクランク角とが整合している旨判断される。ここで、クランクシャフトからカムシャフトへの回転伝達は、ベルトやチェーン等を介して行われる。このため、それらベルトやチェーンの回転伝達時の伸縮によってカムシャフトに回転変動が生じると、カム信号に基づき定められる同クランク角の適正値と上記検出されたクランク角との関係に変動が生じることは避けられない。こうしたことを考慮せずに、カムポジションセンサからのカム信号の出力時に同カム信号に対応するクランク角の適正値と上記検出されたクランク角とが整合しているか否かを判断しようとすると、判断基準が厳しすぎて整合していない旨の誤判断がなされるおそれがある。しかし、上記検出されたクランク角が適正範囲に入っていることに基づき、上記適正値と上記検出されたクランク角とが整合している旨判断されるようにすれば、判断基準が厳しくなりすぎることを抑制できるため、その判断基準が厳しすぎて整合していない旨の誤判断がなされることを抑制できる。
また、上記適正範囲は、カム信号のエッジと欠歯信号とが重なるときには、それらカム信号のエッジと欠歯信号とが重ならないときよりも上記適正範囲が広くされるよう適正範囲を可変設定する。ここで、クランクポジションセンサから出力される欠歯信号とクランク信号とでは信号幅が異なるため、欠歯信号の出力前後では上記検出されるクランク角がカム信号の出力時の適正値からずれた値になりやすい。このため、カム信号のエッジと欠歯信号とが重なるとき、それらが重ならないときと同じように上記適正範囲を設定すると、上記検出されるクランク角が適正であっても上記適正範囲から外れてしまうという状況が生じるおそれがある。そして、この状況が生じることに基づき、カムポジションセンサからのカム信号の出力時に同カム信号に対応するクランク角の適正値と上記検出されたクランク角とが整合していないとの誤判断がなされるおそれがある。しかし、上述したように、カム信号のエッジと欠歯信号とが重なるときには、それらカム信号のエッジと欠歯信号とが重ならないときよりも上記適正範囲が広くされ、それによって上記誤判断がなされることを抑制できる。
請求項2に記載の発明によれば、上記適正範囲がカム信号のエッジに対応したクランク角の適正値を中心とした進角限界値と遅角限界値との間の範囲に設定される。
これら進角限界値及び遅角限界値は、カム信号のエッジと欠歯信号とが重ならないときには、カムシャフトの回転変動の発生時にも上記カム信号のエッジの出力時に同エッジに対応するクランク角の適正値と上記検出されたクランク角とが整合している旨の判断を適正に行うことができるよう、次のように設定される。すなわち、上記進角限界値は、カム信号のエッジと欠歯信号とが重ならないときには、そのエッジに対応したクランク角の適正値から進角限界値までの幅がカムシャフトの進角側への回転変動の最大値に対応するクランク角の変化量と等しくなるように設定される。また、上記遅角限界値は、カム信号のエッジと欠歯信号とが重ならないときには、そのエッジに対応したクランク角の適正値から遅角限界値までの幅がカムシャフトの遅角側への回転変動の最大値に対応するクランク角の変化量と等しくなるよう設定される。
カム信号のエッジと欠歯信号の出力開始タイミングとが重なるときには、そのエッジに対応したクランク角の適正値から遅角限界値までの幅が欠歯信号の幅に対応するクランク角の変化量と等しくなるよう同遅角限界値が設定される。また、上記エッジに対応したクランク角の適正値から進角限界値までの幅は、カムシャフトの進角側への回転変動の最大値に対応するクランク角の変化量と等しくなるように設定される。一方、カム信号のエッジと欠歯信号の出力終了タイミングとが重なるときには、上記エッジに対応したクランク角の適正値から進角限界値までの幅が欠歯信号の幅に対応するクランク角の変化量と等しくなるよう同進角限界値が設定される。また、上記エッジに対応したクランク角の適正値から遅角限界値までの幅は、カムシャフトの遅角側への回転変動の最大値に対応するクランク角の変化量と等しくなるように設定される。
以上のように遅角限界値及び進角限界値を設定することで、カム信号のエッジと欠歯信号の出力開始タイミングもしくは出力終了タイミングとが重なるとき、上記適正範囲が広くされる。これにより、カム信号のエッジと欠歯信号の出力開始タイミングもしくは出力終了タイミングとが重なるとき、カムポジションセンサからのカム信号の出力時に同カム信号に対応するクランク角の適正値と上記検出されたクランク角とが整合していないとの誤判断がなされることを回避できる。
請求項3に記載の発明によれば、内燃機関の制御装置は、自動停止及び自動再始動が行われる内燃機関のクランクシャフトに固定されたクランクロータが同クランクシャフトと一体回転するとき、前記クランクロータに形成された複数の突起の通過に対応してクランク信号を出力するクランクポジションセンサと、そのクランクポジションセンサからのクランク信号に基づき内燃機関のクランク角を検出するとともに、前記クランクロータに形成された欠歯に対応した欠歯信号がクランクポジションセンサから出力されたときに前記検出されたクランク角の適正値からのずれを修正するクランク角検出手段とを備え、前記クランク角に基づき内燃機関における各気筒での燃料噴射及び点火を行う内燃機関の制御装置において、内燃機関のカムシャフトに固定されたカムロータが同カムシャフトと一体回転するとき、前記カムロータに形成された複数の突起の通過に対応したカム信号を前記欠歯信号の出力間隔よりも短い間隔で出力するカムポジションセンサと、自動停止状態にある内燃機関の自動再始動のためのクランキング開始後に燃料噴射を行った後、前記クランクポジションセンサから欠歯信号が出力されたとき、もしくは前記カムポジションセンサからのカム信号の出力時に同カム信号に対応するクランク角の適正値と前記検出されたクランク角とが整合している旨判断されたときに点火を開始する制御手段を備える。このため、自動再始動開始後の初回の燃料の燃焼を良好なものとしつつ、可能な限り自動再始動開始後の早期に燃料の燃焼を行って早期の自動再始動完了を実現することができるようになる。また、自動再始動のためのクランキング開始後に初回の燃料噴射を実行した気筒で、そのクランキング開始後の初回の点火が実行される。ただし、上記初回の燃料噴射の実行後であってクランクポジションセンサから欠歯信号が出力される前にカムポジションセンサからカム信号が出力されたとき、同カム信号に対応するクランク角の適正値と上記検出されたクランク角とが整合していない旨判断された際には、その判断がなされた直後に圧縮行程を迎える気筒に上記初回の点火がスライドされる。なお、同スライド後の初回の点火が行われるまでには、クランクポジションセンサから欠歯信号が出力され、それに基づき上記検出されたクランク角の適正値からのずれが修正される。これにより、同修正後のクランク角度に基づき上記スライド後の初回の点火を適切なタイミングで行うことができる。ここで、仮に上記初回の点火のスライドが行われないとすると、その初回の点火が上記初回の燃料噴射が行われた気筒における内燃機関の1サイクル後の圧縮行程でしか行われなくなる。このため、その圧縮行程を迎えるまでの他の気筒での燃料噴射が無駄になる。しかし、上述した初回の点火のスライドが行われることにより、上記他の気筒で無駄な燃料噴射が行われることを回避できる。
本発明の制御装置が適用される内燃機関全体を示す略図。 クランクロータ及びクランクポジションセンサを拡大して示した略図。 カムロータ及びカムポジションセンサを拡大して示した略図。 クランク角の変化に対する内燃機関の各気筒での吸気行程、圧縮行程、膨張行程、及び排気行程の変化態様を示す説明図。 クランク角の変化に対する内燃機関の各気筒での吸気行程、圧縮行程、膨張行程、及び排気行程の変化態様を示す説明図。 (a)〜(f)は、自動再始動開始後における機関回転速度の変化、クランク角の変化、欠歯信号出力の認識の有無、カム信号の出力の有無、燃料噴射の禁止許可態様、及び点火の禁止許可態様を示すタイムチャート。 (a)及び(b)は、カムポジションセンサからのカム信号の出力態様、及び検出されるクランク角の変化態様を示すタイムチャート。 (a)及び(b)は、カムポジションセンサからのカム信号の出力態様、及び検出されるクランク角の変化態様を示すタイムチャート。 内燃機関の自動再始動に伴うクランキング、燃料噴射、及び点火の実行手順を示すフローチャート。 内燃機関の自動再始動に伴うクランキング、燃料噴射、及び点火の実行手順を示すフローチャート。
以下、本発明を自動車用の四気筒の内燃機関に適用した一実施形態について、図1〜図10を参照して説明する。
図1に示される内燃機関1においては、一番〜四番の各気筒の燃焼室2に繋がる吸気通路3にスロットルバルブ13が開閉可能に設けられており、同吸気通路3を通じて燃焼室2に空気が吸入されるとともに、燃料噴射弁4から同機関1の吸気ポート3aに向けて噴射された燃料が同燃焼室2に供給される。この空気と燃料とからなる混合気に対し点火プラグ5による点火が行われると、同混合気が燃焼してピストン6が往復移動し、内燃機関1の出力軸であるクランクシャフト7が回転する。一方、燃焼室2で燃焼した後の混合気は、排気として排気通路8に送り出される。なお、上記クランクシャフト7には、内燃機関1を始動させる際に同クランクシャフト7を強制的に回転(クランキング)させるスタータ10が接続されている。
内燃機関1における燃焼室2と吸気通路3との間は、吸気バルブ11の開閉動作を通じて連通・遮断される。この吸気バルブ11は、クランクシャフト7からの回転伝達を受ける吸気カムシャフト12の回転に伴って開閉動作する。また、内燃機関1における燃焼室2と排気通路8との間は、排気バルブ14の開閉動作を通じて連通・遮断される。この排気バルブ14は、クランクシャフト7からの回転伝達を受ける排気カムシャフト15の回転に伴って開閉動作する。
図2に示すように、クランクシャフト7にはクランクロータ16が固定されている。クランクロータ16の外周部には、クランクシャフト7の軸線を中心とする所定角度(この実施形態では10°)毎に合計34個の突起16aが形成されるとともに、一つの欠歯16bが形成されている。このクランクロータ16の近傍にはクランクポジションセンサ34が設けられている。そして、クランクシャフト7が回転すると、クランクロータ16の各突起16a及び欠歯16bが順次クランクポジションセンサ34の側方を通過する。その結果、クランク角が10°進む毎にクランクポジションセンサ34から突起16aに対応したパルス状のクランク信号が出力されるとともに、クランク角が例えば120°CA、480°CAとなるときには欠歯16bに対応した欠歯信号が出力される。この欠歯信号は、突起16aに対応したクランク信号の三つ分の幅(30°分の幅)を有する。なお、クランクポジションセンサ34は、クランクシャフト7の回転方向に対応した信号、すなわち正回転に対応した信号もしくは逆回転に対応した信号を出力する機能も有している。そして、クランクポジションセンサ34から出力される各種の信号は、内燃機関1のクランク角を把握する際やエンジン回転速度を求める際などに用いられる。
図3に示すように、吸気カムシャフト12にはカムロータ17が取り付けられている。カムロータ17の外周部には合計三つの突起17a〜17cが設けられている。このカムロータ17の近傍にはカムポジションセンサ33が設けられている。そして、吸気カムシャフト12が回転すると、カムロータ17の各突起17a〜17cが順次カムポジションセンサ33の側方を通過する。このようにカムポジションセンサ33の側方を各突起17a〜17c通過することにより、カムポジションセンサ33から突起17a〜突起17cに対応したパルス状のカム信号が、上記クランクポジションセンサ34からの欠歯信号の出力間隔よりも短い間隔で出力される。すなわち、カムロータ17の各突起17a〜17cは、カムポジションセンサ33からのカム信号の出力間隔がクランクポジションセンサ34からの欠歯信号の出力間隔よりも短くなるように形成されている。なお、カムポジションセンサ33から出力されるカム信号は、内燃機関1の気筒判別などに用いられる。
次に、内燃機関1の制御装置の電気的構成について、図1を参照して説明する。
内燃機関1を搭載した自動車には、同機関1の運転に関する各種制御を実行する電子制御装置21が設けられている。この電子制御装置21は、上記制御に係る各種演算処理を実行するCPU、その制御に必要なプログラムやデータの記憶されたROM、CPUの演算結果等が一時記憶されるRAM、外部との間で信号を入・出力するための入・出力ポート等を備えている。
電子制御装置21の入力ポートには、上記カムポジションセンサ33及び上記クランクポジションセンサ34の他、以下に示す各種センサ等が接続されている。
・自動車の走行速度(車速)を検出する車速センサ26。
・自動車の運転者によって踏み込み操作されるアクセルペダル27の踏み込み量(アクセル踏込量)を検出するアクセルポジションセンサ28。
・運転者によって踏み込み操作されるブレーキペダル29のオン操作及びオフ操作を検出するブレーキスイッチ29a。
・吸気通路3に設けられたスロットルバルブ13の開度(スロットル開度)を検出するスロットルポジションセンサ30。
・吸気通路3を通過する空気の量(吸入空気量)を検出するエアフローメータ32。
電子制御装置21の出力ポートには、燃料噴射弁4の駆動回路、点火プラグ5の駆動回路、スタータ10の駆動回路、及びスロットルバルブ13の駆動回路などの各種機器の駆動回路等が接続されている。
そして、電子制御装置21は、上記各種センサから入力した検出信号に基づき、機関回転速度や機関負荷(内燃機関1の1サイクル当たりに燃焼室2に吸入される空気の量)といった機関運転状態を把握する。なお、機関負荷は、アクセルポジションセンサ28、及びスロットルポジションセンサ30、及び、エアフローメータ32等の検出信号に基づき求められる内燃機関1の吸入空気量と機関回転速度とから算出される。電子制御装置21は、機関負荷や機関回転速度といった機関運転状態に応じて、上記出力ポートに接続された各種駆動回路に指令信号を出力する。こうして内燃機関1における燃料噴射制御、点火時期制御、及び吸入空気量制御、並びにスタータ10の駆動制御等が電子制御装置21を通じて実施される。
また、電子制御装置21は、カムポジションセンサ33からのカム信号、及び、クランクポジションセンサ34からのクランク信号に基づき、内燃機関1のクランク角を検出する。そして、電子制御装置21による上記燃料噴射制御及び上記点火時期制御を通じて、上記検出したクランク角に基づき内燃機関1の各気筒における適切なタイミングで燃料噴射弁4からの燃料噴射、及び点火プラグ5による点火が行われる。更に、電子制御装置21は、クランクポジションセンサ34から欠歯信号が出力されたとき、上記検出したクランク角の適正値からのずれを修正する。なお、上記検出されたクランク角が適正値からずれる原因としては、クランクポジションセンサ34から出力される信号にノイズが生じ、そのノイズをクランク信号と誤認する場合などがあげられる。
次に、内燃機関1の燃費を改善するため、アイドル運転中の内燃機関1を自動的に停止したり再始動したりする制御について説明する。
内燃機関1は、アイドル運転中に所定の自動停止条件が成立したときに自動的に停止される。上記自動停止条件としては、アクセル操作量が「0」であって内燃機関1の出力要求がないこと、車速が「0」であること、及びブレーキペダル29が踏み込まれている(オン操作されている)こと、等々の条件があげられる。そして、これらの条件すべての成立をもって自動停止条件が成立した旨判断される。このように自動停止条件が成立した旨判断されると、同機関1のアイドル運転中であってスロットルバルブ13が全閉となっている状況のもと、燃料噴射弁4からの燃料噴射が停止される。同燃料噴射弁4からの燃料噴射の停止によって内燃機関1の自立運転が行われなくなることから、機関回転速度が徐々に低下してゆく。そして、最終的に機関回転が停止する直前には、圧縮行程となった気筒での圧縮空気による反発力で内燃機関1が逆回転する。この内燃機関1の逆回転に伴いピストン6が吸気下死点(BDC)から吸気上死点(TDC)に向けて移動し、その後に吸気行程の途中で停止する。上述したように機関回転を停止させることにより、内燃機関1の燃費改善が図られる。
また、内燃機関1の自動停止によって機関回転が停止した状態にあって、内燃機関1の自動再始動条件が成立すると、内燃機関1の再始動が行われるようになる。上記自動再始動条件としては、アクセル操作量が「0」よりも大きくなること、及びブレーキペダル29の踏み込みが解除されたこと(オフ操作されたこと)、等々の条件があげられる。そして、これらの条件のうちの少なくとも一つの成立をもって自動再始動条件が成立した旨判断される。このように自動再始動条件が成立した旨判断されると、スタータ10の駆動を通じて内燃機関1のクランキングが行われるとともに、そのクランキング中に燃料噴射弁4からの燃料噴射が開始される。これにより、燃料噴射弁4から吸気ポート3aに向けて噴射された燃料が、吸気行程でのピストン6の吸気下死点に向けた移動を通じて筒内(燃焼室2)に吸入される。更に、上記燃料と共に吸気ポート3aから燃焼室2内に空気も吸入される。そして、燃焼室2内で燃料が空気と混合された状態で点火プラグ5により着火され、その着火を通じて燃料が燃焼することにより、内燃機関1の自立運転が開始されて同機関1の再始動が完了する。
ここで、自動停止状態にある内燃機関1の自動再始動は、そのためのクランキング開始後に速やかに完了させることが好ましい。これを実現するためには、自動停止状態にある内燃機関1の各気筒のうち、吸気行程でピストン6が停止している気筒において、自動再始動開始後に適切に燃料を供給するとともに最初の圧縮行程で同燃料に対し的確に点火を行い、それによって上記燃料の燃焼を良好なものとすることが重要になる。ちなみに、自動停止及び自動再始動が行われる内燃機関1の制御装置では、クランクポジションセンサ34からのクランク信号に基づいて検出されたクランク角が自動停止中にも電子制御装置21のRAMに保持されるため、そのクランク角に基づいて自動再始動開始後の燃料噴射や点火を行うことが可能である。
ただし、内燃機関1の自動停止中にも、クランクポジションセンサ34から出力される信号にノイズが生じることに起因して、上記検出されるクランク角に適正値からのずれが生じるおそれがある。このように上記クランク角に適正値からのずれが生じると、内燃機関1における自動再始動開始後の点火を適切なタイミングで行えなくなり、ひいては自動再始動開始後における初回の燃料の燃焼を良好なものとするうえで支障を来すおそれがある。
このため、自動再始動のためのクランキング開始後であって、カムポジションセンサ33からのカム信号の出力時に同カム信号に対応するクランク角の適正値と上記検出されたクランク角とが整合している旨判断されてから、自動再始動開始後における初回の点火を行うことが考えられる。この場合、内燃機関1の自動停止中に上記検出されたクランク角に適正値からのずれが生じると、内燃機関1の自動再始動開始後において上記ずれが解消するまでは同自動再始動開始後の点火が禁止される。そして、自動再始動開始後にクランクポジションセンサ34から欠歯信号が出力されることに基づき上記検出されたクランク角の適正値からのずれが修正されると、その後のカムポジションセンサ33からのカム信号の出力時に同カム信号に対応するクランク角の適正値と上記検出されたクランク角とが整合している旨判断される。こうした判断がなされることに基づき、自動再始動開始後における初回の点火の実行が許可される。
自動停止状態にある内燃機関1を自動再始動する際、上述したように初回の点火を行えば、上記検出されたクランク角の適正値からのずれにより、自動再始動開始後の初回の点火に基づく燃料の燃焼を良好なものとすることができなくなるという問題を回避できる。ただし、自動停止状態にある内燃機関1の自動再始動開始後、上記検出されたクランク角に適正値からのずれが生じている場合、自動再始動の開始後に初回の点火に基づき燃料の燃焼が行われるまでに時間がかかり、その分だけ内燃機関1の自動再始動の完了が遅くなる。これは、クランクポジションセンサ34からの欠歯信号の出力に基づく上記クランク角の修正が行われたとしても、その後にカムポジションセンサ33からのカム信号の出力時に同カム信号に対応するクランク角の適正値と上記検出されたクランク角とが整合している旨判断されるまでは、上記初回の点火が実行許可されないためである。
このため、本実施形態では、自動停止状態にある内燃機関1の自動再始動のためのクランキング開始後に燃料噴射を行った後、次の[1]もしくは[2]の状況であることを条件に点火が開始される。[1]クランクポジションセンサ34から欠歯信号が出力されたとき、言い換えれば上記検出されたクランク角の適正値からのずれが修正されたとき。[2]カムポジションセンサ33からのカム信号の出力時に同カム信号に対応するクランク角の適正値と上記検出されたクランク角とが整合している旨判断されたとき。
次に、本実施形態の内燃機関1の制御装置の動作について説明する。
自動停止状態にある内燃機関1における自動再始動のためのクランキングが開始されると、燃料噴射が行われた後に上記[1]もしくは上記[2]の状況となることを条件に、自動再始動開始後の点火が開始される。このため、上記検出されたクランク角に適正値からのずれが生じていない場合には、上記[1]もしくは上記[2]の状況になったときに、自動再始動後における初回の点火の実行が許可される。一方、上記検出されたクランク角に適正値からのずれが生じている場合には、自動再始動の開始後に上記[2]の状況になると、直ちに自動再始動後における初回の点火の実行が許可される。従って、上記検出されたクランク角に適正値からのずれが生じている場合に、上記[2]の状況になった後に上記[1]の状況になることを待たずとも、自動再始動開始後の点火を開始することができる。このため、上記検出されたクランク角に適正値からのずれが生じている場合に、自動再始動の開始後に初回の点火に基づき燃料の燃焼が行われるまでに時間がかかり、その分だけ内燃機関1の自動再始動の完了が遅くなることはない。なお、自動再始動開始後に点火を開始する際には、上記検出されたクランク角に適正値からのずれが生じていない状態となることから、そのクランク角度に基づく点火を通じて行われる自動再始動開始後の初回の燃料の燃焼が良好なものとなる。以上により、自動再始動開始後の初回の燃料の燃焼を良好なものとしつつ、可能な限り自動再始動開始後の早期に燃料の燃焼を行って早期の自動再始動完了を実現することができる。
次に、自動再始動開始後の内燃機関1での燃料噴射態様及び点火態様について、図4及び図5を参照して詳しく説明する。なお、図4は上記[1]の状況になる場合の例であって、図5は上記[2]の状況になる場合の例である。
自動停止状態にある内燃機関1の各気筒のうち、例えば図5の一番気筒♯1が吸気行程となっている場合であって、同吸気行程中にクランクポジションセンサ34から欠歯信号が出力される期間(この例ではクランク角が480〜510°CA)に対し、所定の間隔をもって進角側となるタイミングT1で自動再始動が開始されたとする。なお、上記所定の間隔は、自動再始動のためのクランキング開始後、クランクポジションセンサ34から出力される初回の上記欠歯市信号を認識することの可能な間隔である。ちなみに、上記クランキングの開始時点と欠歯信号の出力とが近すぎると、上記欠歯信号が出力されたか否かを判断することが困難になる。これは、欠歯信号が出力された旨の判断は、その欠歯信号の出力期間がクランク信号の出力期間よりも長くなることを考慮して、クランクポジションセンサ34からのパルス状の信号の出力期間の急変に基づいてなされることが関係している。すなわち、クランキング開始直後は機関回転速度が遅いことからクランク信号の出力期間が長くなる傾向があり、それによってクランク信号と欠歯信号とが順に出力されたときに各信号の出力期間に急変が生じなくなって欠歯信号が出力されたことを認識できなくなる。
タイミングT1で自動再始動のためのクランキングが開始されると、その直後に内燃機関1の燃料噴射が開始される。このため、一番気筒♯1の上記吸気行程で燃料噴射弁4からの燃料噴射が行われた後、各気筒で順に燃料噴射弁4からの燃料噴射が行われる。また、一番気筒♯1の吸気行程で初回の燃料噴射が行われた後、同吸気行程中にクランクポジションセンサ34からの欠歯信号の出力が認識される。クランクポジションセンサ34からの欠歯信号の出力が認識されると、上記検出されたクランク角の適正値からのずれの修正が行われ、それに基づき自動再始動開始後における点火の実行が許可される。その結果、一番気筒♯1における上記吸気行程の直後の圧縮行程で、上記検出されたクランク角に基づき自動再始動開始後の初回の点火が行われる。この点火により、自動再始動開始後の初回の燃料の燃焼が行われる。更に、一番気筒♯1の上記圧縮行程で点火が行われた後、各気筒のうち圧縮行程を迎える気筒で順に点火が行われる。これらの点火によって各気筒で燃料の燃焼が行われると、内燃機関1が自立運転を始めて同機関1の自動再始動が完了する。
一方、自動停止状態にある内燃機関1の各気筒のうち、一番気筒♯1が吸気行程となっている場合であって、上記タイミングT1よりも遅角側のタイミング、例えば図5のタイミングT2で自動再始動が開始されることもある。タイミングT2で自動再始動のためのクランキングが開始されると、その直後に内燃機関1の燃料噴射が開始される。この場合にも、一番気筒♯1の上記吸気行程で燃料噴射弁4からの燃料噴射が行われた後、各気筒で順に燃料噴射弁4からの燃料噴射が行われる。また、一番気筒♯1の吸気行程で初回の燃料噴射が行われた後、同吸気行程中にクランクポジションセンサ34からの欠歯信号の出力を認識することはできない。これは、クランキング開始するタイミングが上記欠歯信号の出力期間に近すぎるためである。
上記吸気行程中にクランクポジションセンサ34からの欠歯信号の出力を認識することができないとしても、次回の欠歯信号の出力期間(この例では120〜150°CA)を迎えるまでには、カムポジションセンサ33からカム信号が出力されることとなる(タイミングT3)。より詳しくは、次回の欠歯信号の出力期間(この例では120〜150°CA)を迎える前であって、上記吸気行程の直後の一番気筒♯1の圧縮行程中には、カムポジションセンサ33からカム信号が出力される。このようにカムポジションセンサ33からカム信号が出力されると、そのカム信号に対応するクランク角の適正値と上記検出されたクランク角とが整合しているか否かが判断される。
ここで、上記適正値と上記クランク角とが整合している旨判断されると、それに基づき自動再始動開始後における点火の実行が許可される。その結果、一番気筒♯1における上記圧縮行程で、上記検出されたクランク角に基づき自動再始動開始後の初回の点火が行われる。この点火により、自動再始動開始後の初回の燃料の燃焼が行われる。更に、一番気筒♯1の上記圧縮行程で点火が行われた後、各気筒のうち圧縮行程を迎える気筒で順に点火が行われる。これらの点火によって各気筒で燃料の燃焼が行われると、内燃機関1が自立運転を始めて同機関1の自動再始動が完了する。
なお、上記カムポジションセンサ33からのカム信号の出力に基づき、そのカム信号に対応するクランク角の適正値と上記検出されたクランク角とが整合しているか否かが判断されるときに否定判断がなされた場合には、以後のカムポジションセンサ33からのカム信号の出力毎に同様の判断が続けられる。そして、この判断において肯定であれば、上記と同様に直後に圧縮行程となる気筒から自動再始動開始後の点火が開始される。また、上記次回の欠歯信号の出力期間を迎えるまで、上記判断において肯定判定がなされなかった場合には、その欠歯信号の出力に基づく上記検出されたクランク角の修正が行われた後に自動再始動開始後の点火が開始される。そして、これらのように開始された点火によって内燃機関1での燃料の燃焼が開始されることで、同機関1の自動再始動が完了する。
次に、カムポジションセンサ33からのカム信号の出力時に同カム信号に対応するクランク角の適正値と上記検出されたクランク角とが整合しているか否かの判断、すなわち上記[2]の状況であるか否かの判断の仕方について、図6のタイムチャートを参照して説明する。
同図から分かるように、自動再始動のための内燃機関1のクランキング開始後(T2以後)には、図6(a)に示すように機関回転速度が上昇するとともに、図6(b)に示すように内燃機関1のクランク角が変化する。また、上記クランキングの開始時(T2)には、図6(e)に示すように内燃機関1での燃料噴射が許可されることにより、そのときに吸気行程となっている気筒で自動再始動後の初回の燃料噴射が行われる。そして、図6(c)に示されるクランクポジションセンサ34からの欠歯信号の出力が認識される時点よりも前のタイミングT3で、図6(d)に示すようにカムポジションセンサ33からのカム信号のエッジが出力されたとき、そのカム信号のエッジに対応するクランク角の適正値と上記検出されたクランク角とが整合しているか否かが判断される。なお、カム信号の上記エッジとしては、立ち上がりエッジと立ち下がりエッジとの両方を用いたり、いずれか一方を用いたりすることが考えられる。
詳しくは、上記検出されたクランク角が上記カム信号のエッジに対応するクランク角の適正値を含む適正範囲(図6(b)のL1〜L2)内に入っているか否かが判断される。なお、この適正範囲は、上記カム信号のエッジに対応するクランク角の適正値を中心とした進角限界値L1と遅角限界値L2との間の範囲に設定されるものである。そして、上記検出されたクランク角が上記適正範囲内に入っていることに基づき、上記適正値と上記クランク角とが整合している旨判断される。ここで、上記適正値と上記クランク角とが整合している旨判断されると、図6(f)に示すように内燃機関1での点火が許可されることにより、そのときに圧縮肯定となっている気筒で自動再始動開始後の初回の点火が行われる。
ちなみに、クランクシャフト7から吸気カムシャフト12への回転伝達は、ベルトやチェーン等を介して行われるため、それらベルトやチェーンの回転伝達時の伸縮により吸気カムシャフト12に回転変動が生じると、カム信号のエッジに基づき定められる同クランク角の適正値と上記検出されたクランク角との関係に変動が生じる。こうしたことを考慮せずに、カムポジションセンサ33からのカム信号の出力時に同カム信号に対応するクランク角の適正値と上記検出されたクランク角とが整合しているか否かを判断しようとすると、判断基準が厳しすぎて整合していない旨の誤判断がなされるおそれがある。しかし、上記検出されたクランク角が適正範囲に入っていることに基づき、上記適正値と上記検出されたクランク角とが整合している旨判断されるようにすれば、判断基準が厳しくなりすぎることを抑制できるため、その判断基準が厳しすぎて整合していない旨の誤判断がなされることを抑制できる。
また、上記適正範囲は、カムポジションセンサ33からのカム信号のエッジとクランクポジションセンサ34からの欠歯信号とが重なるときには、それらカム信号のエッジと欠歯信号とが重ならないときよりも広くなるように可変設定される。ここで、クランクポジションセンサ34から出力される欠歯信号とクランク信号とでは信号幅が異なるため、欠歯信号の出力前後では上記検出されるクランク角がカム信号のエッジ出力時の適正値からずれた値になりやすい。このため、カム信号のエッジと欠歯信号とが重なるとき、それらが重ならないときと同じように上記適正範囲を設定すると、上記検出されるクランク角が適正であっても上記適正範囲から外れてしまうという状況が生じるおそれがある。そして、この状況が生じることに基づき、カムポジションセンサ33からのカム信号のエッジ出力時に同カム信号のエッジに対応するクランク角の適正値と上記検出されたクランク角とが整合していないとの誤判断がなされるおそれがある。しかし、上述したように、カム信号のエッジと欠歯信号とが重なるときには、それらカム信号のエッジと欠歯信号とが重ならないときよりも上記適正範囲が広くなるよう同適正範囲を可変設定することで、上記誤判断がなされることを抑制できる。
次に、上記適正範囲の可変設定の仕方について、図7及び図8を参照して詳しく説明する。
吸気カムシャフト12に上記回転変動が生じて同回転変動が最大値になったときには、図7(a)及び図8(a)に実線で示すカム信号のエッジ(この例では立ち上がりエッジ)がそれぞれ、例えば二点鎖線で示すように進角側や遅角側に変化する。なお、図7(b)は、図7(a)に示すカム信号のエッジに対応するクランク角の適正値が例えば480°CAである場合における同適正値の時間経過に対する変化態様を示している。また、図8(b)は、図8(a)に示すカム信号のエッジに対応するクランク角の適正値が例えば510°CAである場合における同適正値の時間経過に対する変化態様を示している。これら図7及び図8の横軸において、t1、t2、t4、t5は、クランクポジションセンサ34からのカム信号の出力タイミングを表している。また、t3はクランクポジションセンサ34からの欠歯信号の出力開始タイミングを表しており、t4は同欠歯信号の出力終了タイミングも表している。
仮に、図7(a)及び図8(a)に示すカム信号のエッジが欠歯信号と重ならないとすると、上記適正範囲を定めるための進角限界値L1及び遅角限界値L2がそれぞれ次のように設定される。すなわち、上記進角限界値L1は、カム信号のエッジに対応したクランク角の適正値から進角限界値L1までの幅が吸気カムシャフト12の進角側への回転変動の最大値に対応するクランク角の変化量(例えば20°)と等しくなるように設定される。また、上記遅角限界値L2は、カム信号のエッジに対応したクランク角の適正値から遅角限界値までの幅が吸気カムシャフト12の遅角側への回転変動の最大値に対応するクランク角の変化量(例えば20°)と等しくなるよう設定される。カム信号の上記エッジが欠歯信号と重ならない場合に上述したように適正範囲を設定することにより、吸気カムシャフト12の回転変動の発生時にも、カム信号のエッジの出力時に同エッジに対応するクランク角の適正値と上記検出されたクランク角とが整合している旨の判断を適正に行うことができる。
図7(a)に示すカム信号のエッジが欠歯信号の出力開始タイミングと重なる場合、上記適正範囲を定めるための進角限界値L1及び遅角限界値L2がそれぞれ次のように設定される。すなわち、上記遅角限界値L2は、カム信号のエッジに対応したクランク角の適正値(この例では480°CA)から図7(b)に示す遅角限界値L2までの幅が欠歯信号の幅に対応するクランク角の変化量(例えば30°)と等しくなるよう同遅角限界値L2が設定される。なお、このときの遅角限界値L2を図7(b)では「L2w」と表記する。また、上記進角限界値L1は、カム信号のエッジに対応したクランク角の適正値(480°CA)から進角限界値L1までの幅が吸気カムシャフト12の進角側への回転変動の最大値に対応するクランク角の変化量(例えば20°)と等しくなるように設定される。
一方、図8(a)に示すカム信号のエッジが欠歯信号の出力終了タイミングと重なる場合、上記適正範囲を定めるための進角限界値L1及び遅角限界値L2はそれぞれ次のように設定される。上記進角限界値L1は、カム信号の上記エッジに対応したクランク角の適正値(この例では510°CA)から図8(b)に示す進角限界値L1までの幅が欠歯信号の幅に対応するクランク角の変化量(30°)と等しくなるよう同進角限界値L1が設定される。なお、このときの進角限界値L1を図8(b)では「L1w」と表記する。また、上記遅角限界値L2は、カム信号の上記エッジに対応したクランク角の適正値(510°CA)から遅角限界値L2までの幅が吸気カムシャフト12の遅角側への回転変動の最大値に対応するクランク角の変化量(20°)と等しくなるように設定される。
以上のように遅角限界値L2及び進角限界値L1を設定することで、カム信号のエッジと欠歯信号のエッジとが重なるときに上記適正範囲が広くされる。これにより、カム信号のエッジと欠歯信号のエッジとが重なるとき、カムポジションセンサ33からのカム信号の出力時に同カム信号に対応するクランク角の適正値と上記検出されたクランク角とが整合していないとの誤判断がなされることを回避できる。
次に、内燃機関1の自動再始動に伴うクランキング、燃料噴射、及び点火の実行手順について、自動再始動ルーチンを示す図9及び図10のフローチャートを参照して説明する。この自動再始動ルーチンは、電子制御装置21を通じて、例えば所定時間毎の時間割り込みにて周期的に実行される。
同ルーチンにおいては、まず自動再始動の実行中であるか否かを判断するためのフラグFが「0(実行中でない)」であるか否かの判断が行われる(図9のS101)。ここで肯定判定であれば、内燃機関1の自動停止状態であるか否かが判断される(S102)。そして、内燃機関1の自動停止中である場合には、自動再始動条件の成立時になされる自動再始動指令があるか否かが判断される(S103)。自動再始動指令があったときに内燃機関1の自動再始動のためのクランキングが開始されるとともに、内燃機関1での燃料噴射の実行が許可されて同燃料噴射が行われる(S104)。ちなみに、上記クランキングは、内燃機関1の自動再始動が完了して同機関1の自立運転が完了したときに停止される。
S104の処理で内燃機関1でのクランキング及び燃料噴射が開始されると、フラグFが「1(実行中)」に設定され(S105)、その後にS106に進む。なお、フラグFが「1」に設定されると、S101の処理で否定判定がなされるようになり、この場合もS106に進む。S106の処理ではクランクポジションセンサ34からの欠歯信号の出力を認識したか否かが判断され、ここで肯定判定であれば内燃機関1での点火が許可されて自動再始動開始後の初回の点火が実行される。この点火によって内燃機関1での燃料の燃焼が開始されることから、同機関1での自動再始動が完了して同機関1の自立運転が開始される。また、S107の処理が実行された後にはフラグFが「0」に設定される(S108)。なお、S106及びS107の処理が実行されることで、上記[1]の状況が生じるようになる。
一方、S106の処理でクランクポジションセンサ34からの欠歯信号の出力を認識していない旨判断されると、カムポジションセンサ33からのカム信号のエッジが出力されたか否かが判断される(図10のS109)。そして、カム信号のエッジが出力されていない旨判断されると、内燃機関1での点火が禁止される(S114)。また、カム信号のエッジが出力された旨判断されると、上記適正範囲を可変設定するための処理(S110〜S112)、及び、その適正範囲内に上記検出されたクランク角が入っているか否かを判断するための処理(S113)が実行される。詳しくは、上記カム信号のエッジが欠歯信号と重なるか否かが判断される(S110)。ここで否定判定であれば、上記適正範囲が通常時の範囲、すなわち図7や図8に示される進角限界値L1から遅角限界値L2までの範囲に設定される(S111)。また、S110で肯定判定であれば、上記適正範囲が上記通時の範囲(L1〜L2)よりも広い範囲、すなわち図7に示される進角限界値L1から遅角限界値L2wや、図8に示される進角限界値L1wから遅角限界値L2までの範囲に設定される(S112)。そして、このように可変設定される適正範囲内に上記検出されたクランク角内に入っているか否かが判断される(S113)。ここで否定判定であれば内燃機関1での点火が禁止され(S114)、肯定判定であれば図9のS107及びS108の処理が実行される。なお、このようにS113の処理で肯定判定がなされることに基づき、上記[2]の状況が生じるようになる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)自動停止状態にある内燃機関1における自動再始動のためのクランキングが開始されると、燃料噴射が行われた後に上記[1]もしくは上記[2]の状況となることを条件に、自動再始動開始後の点火が開始される。これにより、自動再始動開始後の初回の燃料の燃焼を良好なものとしつつ、可能な限り自動再始動開始後の早期に燃料の燃焼を行って早期の自動再始動完了を実現することができる。
(2)クランクシャフト7から吸気カムシャフト12への回転伝達は、ベルトやチェーン等を介して行われるため、それらベルトやチェーンの回転伝達時の伸縮により吸気カムシャフト12に回転変動が生じると、カム信号のエッジに基づき定められる同クランク角の適正値と上記検出されたクランク角との関係に変動が生じる。こうしたことを考慮せずに、カムポジションセンサ33からのカム信号の出力時に同カム信号に対応するクランク角の適正値と上記検出されたクランク角とが整合しているか否かを判断しようとすると、判断基準が厳しすぎて整合していない旨の誤判断がなされるおそれがある。しかし、上記検出されたクランク角が適正範囲に入っていることに基づき、上記適正値と上記検出されたクランク角とが整合している旨判断されるようにすることで、判断基準が厳しくなりすぎることを抑制できる。このため、その判断基準が厳しすぎて整合していない旨の誤判断がなされることを抑制できる。
(3)上記適正範囲は、カムポジションセンサ33からのカム信号のエッジとクランクポジションセンサ34からの欠歯信号とが重なるときには、それらカム信号のエッジと欠歯信号とが重ならないときよりも広くなるように可変設定される。ここで、クランクポジションセンサ34から出力される欠歯信号とクランク信号とでは信号幅が異なるため、欠歯信号の出力前後では上記検出されるクランク角がカム信号のエッジ出力時の適正値からずれた値になりやすい。このため、カム信号のエッジと欠歯信号とが重なるとき、それらが重ならないときと同じように上記適正範囲を設定すると、上記検出されるクランク角が適正であっても上記適正範囲から外れてしまうという状況が生じるおそれがある。そして、この状況が生じることに基づき、カムポジションセンサ33からのカム信号のエッジ出力時に同カム信号のエッジに対応するクランク角の適正値と上記検出されたクランク角とが整合していないとの誤判断がなされるおそれがある。しかし、上述したように、カム信号のエッジと欠歯信号とが重なるときには、それらカム信号のエッジと欠歯信号とが重ならないときよりも上記適正範囲が広くなるよう同適正範囲を可変設定することで、上記誤判断がなされることを抑制できる。
(4)上記適正範囲は、カム信号のエッジに対応したクランク角の適正値を中心とした進角限界値L1と遅角限界値L2との間の範囲に設定される。
そして、カム信号のエッジが欠歯信号と重ならないときには、進角限界値L1及び遅角限界値L2がそれぞれ次のように設定される。すなわち、上記進角限界値L1は、カム信号のエッジに対応したクランク角の適正値から進角限界値L1までの幅が吸気カムシャフト12の進角側への回転変動の最大値に対応するクランク角の変化量と等しくなるように設定される。また、上記遅角限界値L2は、カム信号のエッジに対応したクランク角の適正値から遅角限界値までの幅が吸気カムシャフト12の遅角側への回転変動の最大値に対応するクランク角の変化量と等しくなるよう設定される。
また、カム信号のエッジが欠歯信号の出力開始タイミングと重なる場合、進角限界値L1及び遅角限界値L2がそれぞれ次のように設定される。すなわち、上記遅角限界値L2は、カム信号のエッジに対応したクランク角の適正値から遅角限界値L2までの幅が欠歯信号の幅に対応するクランク角の変化量と等しくなるよう同遅角限界値L2が設定される。上記進角限界値L1は、カム信号のエッジに対応したクランク角の適正値から進角限界値L1までの幅が吸気カムシャフト12の進角側への回転変動の最大値に対応するクランク角の変化量と等しくなるように設定される。また、カム信号のエッジが欠歯信号の出力終了タイミングと重なる場合、上記適正範囲を定めるための進角限界値L1及び遅角限界値L2はそれぞれ次のように設定される。上記進角限界値L1は、カム信号の上記エッジに対応したクランク角の適正値から進角限界値L1までの幅が欠歯信号の幅に対応するクランク角の変化量と等しくなるよう同進角限界値L1が設定される。上記遅角限界値L2は、カム信号の上記エッジに対応したクランク角の適正値から遅角限界値L2までの幅が吸気カムシャフト12の遅角側への回転変動の最大値に対応するクランク角の変化量と等しくなるように設定される。
以上のように遅角限界値L2及び進角限界値L1を設定することで、カム信号のエッジと欠歯信号のエッジとが重なるときに上記適正範囲が広くされる。これにより、カム信号のエッジと欠歯信号のエッジとが重なるとき、カムポジションセンサ33からのカム信号の出力時に同カム信号に対応するクランク角の適正値と上記検出されたクランク角とが整合していないとの誤判断がなされることを回避できる。
なお、上記各実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・自動再始動のためのクランキング開始後に初回の燃料噴射を実行した気筒で、そのクランキング開始後の初回の点火を実行する内燃機関に本発明を適用してもよい。この場合、上記初回の燃料噴射の実行後であってクランクポジションセンサ34から欠歯信号が出力される前に、カムポジションセンサ33からカム信号が出力されたとき、同カム信号に対応するクランク角の適正値と上記検出されたクランク角とが整合していない旨判断された際には、上記初回の点火を次のように行うことが好ましい。すなわち、上記適正値と上記クランク角とが整合していない旨の判断がなされた直後に圧縮行程を迎える気筒に、上記初回の点火をスライドさせることが好ましい。なお、同スライド後の初回の点火が行われるまでには、クランクポジションセンサ34から欠歯信号が出力され、それに基づき上記検出されたクランク角の適正値からのずれが修正される。これにより、同修正後のクランク角度に基づき上記スライド後の初回の点火を適切なタイミングで行うことができる。ここで、仮に上記初回の点火のスライドが行われないとすると、その初回の点火が上記初回の燃料噴射が行われた気筒における内燃機関の1サイクル後の圧縮行程でしか行われなくなる。このため、その圧縮行程を迎えるまでの他の気筒での燃料噴射が無駄になる。しかし、上述した初回の点火のスライドが行われることにより、上記他の気筒で無駄な燃料噴射が行われることを回避できる。
・内燃機関1の自動停止過程において、自動停止完了時点でのピストン6の停止位置を所望の位置に調整するためのスロットルバルブ13の開度制御を実行し、それによって自動停止完了時点で吸気行程となる気筒でのピストン6の停止位置を例えば図4のタイミングT1に対応する位置に調整するようにしてもよい。
・上記適正範囲の拡大の仕方を適宜変更してもよい。例えば、上記適正範囲を拡大する際、進角限界値L1を「L1w」にしつつ遅角限界値L2を「L2w」とするようにしてもよい。
1…内燃機関、2…燃焼室、3…吸気通路、3a…吸気ポート、4…燃料噴射弁、5…点火プラグ、6…ピストン、7…クランクシャフト、8…排気通路、10…スタータ、11…吸気バルブ、12…吸気カムシャフト、13…スロットルバルブ、14…排気バルブ、15…排気カムシャフト、16…クランクロータ、16a…突起、16b…欠歯、17…カムロータ、17a…突起、17b…突起、17c…突起、21…電子制御装置(クランク角検出手段、制御手段)、26…車速センサ、27…アクセルペダル、28…アクセルポジションセンサ、29…ブレーキペダル、29a…ブレーキスイッチ、30…スロットルポジションセンサ、32…エアフローメータ、33…カムポジションセンサ、34…クランクポジションセンサ。

Claims (3)

  1. 自動停止及び自動再始動が行われる内燃機関のクランクシャフトに固定されたクランクロータが同クランクシャフトと一体回転するとき、前記クランクロータに形成された複数の突起の通過に対応してクランク信号を出力するクランクポジションセンサと、そのクランクポジションセンサからのクランク信号に基づき内燃機関のクランク角を検出するとともに、前記クランクロータに形成された欠歯に対応した欠歯信号がクランクポジションセンサから出力されたときに前記検出されたクランク角の適正値からのずれを修正するクランク角検出手段とを備え、前記クランク角に基づき内燃機関における各気筒での燃料噴射及び点火を行う内燃機関の制御装置において、
    内燃機関のカムシャフトに固定されたカムロータが同カムシャフトと一体回転するとき、前記カムロータに形成された複数の突起の通過に対応したカム信号を前記欠歯信号の出力間隔よりも短い間隔で出力するカムポジションセンサと、
    自動停止状態にある内燃機関の自動再始動のためのクランキング開始後に燃料噴射を行った後、前記クランクポジションセンサから欠歯信号が出力されたとき、もしくは前記カムポジションセンサからのカム信号の出力時に同カム信号に対応するクランク角の適正値と前記検出されたクランク角とが整合している旨判断されたときに点火を開始する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記カムポジションセンサからのカム信号の出力時に同カム信号に対応するクランク角の適正値を含む適正範囲内に前記検出されたクランク角が入っていることに基づき、前記適正値と前記検出されたクランク角とが整合している旨判断し、
    前記カム信号のエッジと前記欠歯信号とが重なるとき、それらカム信号のエッジと欠歯信号とが重ならないときよりも前記適正範囲を広くするよう前記適正範囲を可変設定する
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記適正範囲は、前記カム信号のエッジに対応したクランク角の適正値を中心とした進角限界値と遅角限界値との間の範囲に設定されるものであり、
    前記カム信号のエッジと前記欠歯信号とが重ならないときには、そのエッジに対応したクランク角の適正値から前記進角限界値までの幅が前記カムシャフトの進角側への回転変動の最大値に対応するクランク角の変化量と等しくなるよう同進角限界値が設定されるとともに、前記エッジに対応したクランク角の適正値から前記遅角限界値までの幅が前記カムシャフトの遅角側へ回転変動の最大値に対応するクランク角の変化量と等しくなるよう同遅角限界値が設定され、
    前記カム信号のエッジと前記欠歯信号の出力開始タイミングとが重なるときには、前記エッジに対応したクランク角の適正値から前記遅角限界値までの幅が前記欠歯信号の幅に対応するクランク角の変化量と等しくなるよう同遅角限界値が設定されるとともに、前記エッジに対応したクランク角の適正値から前記進角限界値までの幅が前記カムシャフトの遅角側へ回転変動の最大値に対応するクランク角の変化量と等しくなるよう同遅角限界値が設定され、
    前記カム信号のエッジと前記欠歯信号の出力終了タイミングとが重なるときには、前記エッジに対応したクランク角の適正値から前記遅角限界値までの幅が前記欠歯信号の幅に対応するクランク角の変化量と等しくなるよう同遅角限界値が設定されるとともに、前記エッジに対応したクランク角の適正値から前記進角限界値までの幅が前記カムシャフトの進角側への回転変動の最大値に対応するクランク角の変化量と等しくなるよう同進角限界値が設定される
    請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 自動停止及び自動再始動が行われる内燃機関のクランクシャフトに固定されたクランクロータが同クランクシャフトと一体回転するとき、前記クランクロータに形成された複数の突起の通過に対応してクランク信号を出力するクランクポジションセンサと、そのクランクポジションセンサからのクランク信号に基づき内燃機関のクランク角を検出するとともに、前記クランクロータに形成された欠歯に対応した欠歯信号がクランクポジションセンサから出力されたときに前記検出されたクランク角の適正値からのずれを修正するクランク角検出手段とを備え、前記クランク角に基づき内燃機関における各気筒での燃料噴射及び点火を行う内燃機関の制御装置において、
    内燃機関のカムシャフトに固定されたカムロータが同カムシャフトと一体回転するとき、前記カムロータに形成された複数の突起の通過に対応したカム信号を前記欠歯信号の出力間隔よりも短い間隔で出力するカムポジションセンサと、
    自動停止状態にある内燃機関の自動再始動のためのクランキング開始後に燃料噴射を行った後、前記クランクポジションセンサから欠歯信号が出力されたとき、もしくは前記カムポジションセンサからのカム信号の出力時に同カム信号に対応するクランク角の適正値と前記検出されたクランク角とが整合している旨判断されたときに点火を開始する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、自動再始動のためのクランキング開始後に初回の燃料噴射を実行した気筒で前記クランキング開始後の初回の点火を実行するものであり、前記初回の燃料噴射の実行後であって前記クランクポジションセンサから欠歯信号が出力される前に前記カムポジションセンサからカム信号が出力されたとき、同カム信号に対応するクランク角の適正値と前記検出されたクランク角とが整合していない旨判断された際には、その判断がなされた直後に圧縮行程を迎える気筒に前記初回の点火をスライドさせる
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
JP2012067755A 2012-03-23 2012-03-23 内燃機関の制御装置 Expired - Fee Related JP5790562B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012067755A JP5790562B2 (ja) 2012-03-23 2012-03-23 内燃機関の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012067755A JP5790562B2 (ja) 2012-03-23 2012-03-23 内燃機関の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013199857A JP2013199857A (ja) 2013-10-03
JP5790562B2 true JP5790562B2 (ja) 2015-10-07

Family

ID=49520287

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012067755A Expired - Fee Related JP5790562B2 (ja) 2012-03-23 2012-03-23 内燃機関の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5790562B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11218013A (ja) * 1997-11-18 1999-08-10 Denso Corp 可変弁制御装置
JP2001164980A (ja) * 1999-12-07 2001-06-19 Suzuki Motor Corp エンジン制御装置
JP3508676B2 (ja) * 2000-02-01 2004-03-22 株式会社デンソー エンジン制御装置
JP2002276454A (ja) * 2001-03-21 2002-09-25 Fuji Heavy Ind Ltd エンジンの気筒判別装置
JP5263124B2 (ja) * 2009-11-04 2013-08-14 株式会社デンソー 火花点火式内燃機関の制御装置
JP5246154B2 (ja) * 2009-12-25 2013-07-24 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013199857A (ja) 2013-10-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5849810B2 (ja) 内燃機関の制御装置
US7287500B2 (en) Start controller for internal combustion engine
JP4428308B2 (ja) エンジン制御装置
US8838368B2 (en) Device and method for controlling timing at which ignition is stopped when internal combustion engine becomes stopped
JP2006144567A (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP6213483B2 (ja) クランク角センサの故障診断装置
US10683821B2 (en) Engine control device
JP4371047B2 (ja) 内燃機関装置および内燃機関の制御方法
JP5927024B2 (ja) エンジンの始動制御装置
JP4385940B2 (ja) 内燃機関装置およびこれを搭載する自動車並びに内燃機関の運転停止方法
US10465624B2 (en) Start-up control device for engine
US10465646B2 (en) Start control system for engine and start control method for engine
JP2008095655A (ja) エンジンの制御装置
JP5790562B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP5403268B2 (ja) 内燃機関の始動制御装置
JP6024603B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2014145331A (ja) 直噴ガソリンエンジンの制御装置
JP6841119B2 (ja) エンジンの制御装置
JP5729264B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP6176145B2 (ja) 車両用アイドリングストップ制御装置
US10337481B2 (en) Start controller for engine
JP6575579B2 (ja) エンジンの始動制御装置
JP2017219020A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2013204520A (ja) 内燃機関の始動制御装置
JP4365230B2 (ja) 内燃機関運転制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140213

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141016

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141202

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150121

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150707

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150720

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5790562

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees